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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

1 :名無しさん@狐板:2020/01/19(日) 00:15:29 ID:bMTYbG3g



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当スレは某R-18スレの長文レス、SS、スレ主以外のAA・支援AAを投稿する場所です
それ以外での使用はお控えください

489 :名無しさん@狐板:2022/10/17(月) 23:18:31 ID:qQ1v8Z7b

「ほら、陛下の嫌う才能を捨てない不忠者にはお仕置きだー!」

 女権国家の影響を受けた彼女は横島が自分の与える快楽に屈服することを心底楽しむようになっていた。また一時的とはいえ魔女であるアリスとの契約が、彼女に横島から自己犠牲の暗黒剣の素質を奪うという点での容赦を取り払っている。

 ユウキとアリスに閨の中で嫐られながら時間がたち彼は気が付くと馬車に乗せられていた。

 こと事とした馬車の揺れとアリスとユウキの体温が余計に眠気を強くさせてくる。ヴィヴィオの前に連れ出された時、快楽と眠気で朦朧とした彼を見ると彼を犯した時と同じく成人の姿を取っているヴィヴィオは満足そうに頷いた。

「完全に仕上がってますね。見事な仕事です。アリス、ユウキ」

「そりゃ頑張るよ。忠夫の寿命を削る術の素質を完全に消し去るためだもの」

 臣下というわけではないので、自由な物言いが許されているユウキとは対照的に、それほど強くはないとはいえ。宮廷魔術師となったアリスは礼を取りながら言葉を返した。

「聖王陛下、お褒めの言葉ありがとうございます。それと今回の仕上げにはオリヴィエ様とヴィーラ様が来られるとか」

「ええ。あの二人なら絶対に大丈夫でしょう。 才能を潰した後のケアには愛歌さんとリグルさんに手伝ってもらいます」

 謁見の魔に赤と黒を身に纏った豊満な姿の美女=ヴィーラとしなやかな体をしたどこかヴィヴィオと似た雰囲気の少女=オリヴィエが訪れた。それを見てヴィヴィオは満足そうに笑う。

「それじゃあ。ことに移りましょう」

「はい。全ては聖王陛下の御心のままに」

 ヴィヴィオの役に立てることを心底悦んでいるヴィーラの声に、ヴィヴィオの意を叶えることをまるで『自分の事の様に』喜んだ様子のオリヴィエが応じた。

「陛下早くまいりましょう。一刻も早く彼から邪法の素質を消し去りましょう」

「そうですねオリヴィエ」

 ヴィヴィオが頷くとオリヴィエは不可解な行動をとった。もはや抵抗することができない横島の首筋に手刀を当てて、気絶させた。
苦痛を一切与えずに落とすそのやり方は彼に対する害意がないのは明らかだが、そうする必要は明らかにない。怒るというより疑問めいた目をむけるユウキにアリスが声をかけた。

「忠夫が目覚めるまでに説明するわ」


 次に横島が目を開けた時に待っていたのはヴィーラが後ろから彼を抑えながらオリヴィエが前から彼に覆いかぶさり一気に彼の分身を加えこみ貪ってい要る状態だった。

「忠夫様、目を覚まされたのですね。ここからは意識を取り戻しながら敗北を脳に焼き付けて聖王陛下の夫に相応しいお体になってください」

 丁寧な言葉とは裏腹にあざけるようなヴィーラの声が恥辱心とヴィヴィオやアリス達に嫐られ覚えた被虐の悦びを刺激する。彼の分身がより固くなったのを感じ取りオリヴィエは嘲笑めいた目を向けてきた。

「忠夫さん、以前に貴方に何度か助けられたことがあるオリヴィエです。一応はヴィヴィオのいとこで聖王の系譜の一人ということになります。今夜貴方から暗黒剣の才能を完全に絶つ厄を担ったものです」

喋れないほどに彼を絶頂させ続けながら、敢えて彼女は落ち着いた丁寧な声で自己紹介をした。今もアリスに操られ奉仕系の性魔術を使わされているが、それでも彼女にしてみれば余裕がたっぷりとあると、
告げるためにそうしているようだ。彼の大人に戻された体は脳も元に戻り、そして快楽を流し込まれる用も一気に大きくなっている。ヴィヴィオと似て非なる彼女の与えてくる快楽に屈服しつくし始めた頃オリヴィエが手を彼の腹に当てた。
その瞬間、彼の分身から出る敗北の証の噴出が一気に上がった。さっきまでの快感もすさまじかったが、今の彼女はヴィヴィオや他の女性達を大きく上回る快感を彼に与えてきている。
最も他の女性達の与えてくる快楽にも彼が勝てることは絶対にないだろうが。 強すぎる快楽で発狂しそうな彼は声にならない声をあげた。

「〜〜!」

「実は私は義手なんです。 そしてこの腕はアリスさんが幾つもの人形劇で使った聖王の人形で作った義手ですから。聖王陛下のしたことを再現できるんですよ」

「い、今もそれやっとんのか?」

「ええ。貴方の前世である高島忠助に惚れた聖王は、彼に暗黒剣を使わせないために手刀で彼を気絶させそのまま寝室に連れ去った。そして騎乗位で搾り取りながら、彼に自分の許可なく暗黒剣を使わないと宣誓させたとあります。
そしてその際には腹に手を当てて気を一気に彼の生命力を操作し沢山の精を搾り取ったと」

 オリヴィエが笑いながら腰を動かすと彼は悲鳴めいた声になりながらも質問をした。

「ど、どうしてそんなことを。もうワイは才能潰れていて」

「一応私たちの協力なければ不可能とは言えまだその才は再生する可能性が残っています。だから完全に絶つ儀式なんです。 宣誓なさい、許可なく暗黒剣を二度と使わないと」

「許、許可なく暗黒剣を二度とつかいません」

 オリヴィエの圧倒的な全ての臣下の反抗心を押しつぶす王を思わせる目、日ごろですらも抗いがたいそれを閨の中で完敗している状態でぶつけられて、彼はすぐに屈した。
オリヴィエは満足そうに頷きつつ、から一気に搾り取ると。指一本動かすことすら困難な彼を満足そうに眺めながらヴィーラと入れ替わった。そこにヴィヴィオとユウキとアリスの三人が入ってくる。

「忠夫〜、さすがに今のは、王国男子として情けなさすぎるよ。 早いのは仕方ないけどせめて意思力で我慢したら〜?」

 笑みを浮かべながらあざけるユウキの言葉に、ここ数日の閨の記憶が鮮明によみがえり、彼女に対しても抗いがたい感情が芽生えてくる。その瞬間に、ヴィーラが彼を押し倒し唇を奪った。

「忠夫様、私は両刀です。陛下を護る戦いで貴方に助けられ好意を抱いた、惚れたと言いました。その言葉は嘘ではありません。ですが一番の相手は聖王陛下です」

「な、なんでそんなことを」

 わからないという様子の横島に彼女は言う。

「今回の処置で貴方様の意思があまりに強固なら惨すぎる快楽での尊厳破壊と一時的な精神破壊もしなければならないと言いました。他の面子と違って私は聖王陛下の命令である場合に限っては貴方にも惨いことができます。 ――ですからあまり強固に耐えすぎないでくださいね」

 ヴィーラの声音から一切の嘘がないことが分かり怯えつつある彼をヴィヴィオが彼を後ろから押さえつけて整体師の様に体のあちこちを刺激すると、その度に分身が元気づき始める。
ヴィーラが笑いながら彼を抱き込み正常位で抱え込むと両手両足で拘束されて動けない彼をヴィヴィオが背後から迫り彼の背中を押し始める。ヴィーラの中に飲み込まれた分身がヴィヴィオに背中のツボを押されるたびに、射精し、つぼを押される快感で動いてしまうたびに、分身がヴィーラの中で嫐られる。

「陛下、どうですか臣下の騎士よりも下にならせるだけではなく、彼の精神を一時的な崩壊も必要ですか」

 横島を閨で嫐りながら、敢えて彼の心への敗北感を与えるための発言にヴィヴィオは笑って答えた。

「大丈夫ですよ、ヴィーラ。彼の才を潰すにはそこまでする必要もなさそうです。それにあなただって、私の頼みや命令ならやってくれるとは言っても、彼にひどいことするのが嫌でないわけではないでしょう?」

「ヴィヴィオ様……!」

 ヴィヴィオの言葉で喜びから絶頂したヴィーラの膣が彼の分身を一気に締め上げ、彼は強すぎる快感から意識を失った。

490 :名無しさん@狐板:2022/10/17(月) 23:19:36 ID:qQ1v8Z7b

彼が意識を取り戻した時、彼を嫐る閨ごとにアリスとユウキも加わり、彼の手や足のツボを押したりマッサージめいたことをし始める。霊力や魔力を込められた指圧は明らかに自分の中の才を破壊しているのだと感じつつ、
その度に起こる射精がどんどんと抗う意思と思考力を奪っていく。

 全員にまんべんなく犯され彼の精神が快楽で限界を迎えかけた時、それを見計らったようにヴィヴィオが彼に騎乗して強すぎる快感を与えてくる。そして彼女は言う。

「横島忠夫、私の命に従い暗黒剣の素質を放棄した者よ、その才なくとも仲間や私達の災いを防ぐために努力を惜しまないことを誓いなさい」

 これは前世でも立てさせられたのと似たような誓いなのだろう。

「ち、誓います」

 そう答えた瞬間、オリヴィエが後ろから彼の背中に手を当てたその瞬間、横島の頭に嫌な予感が走った。ヴィヴィオの聖王としての素質はオリヴィエ以上そして自分は今ヴィヴィオに犯されている。ここで彼女の義手で前世の聖王が与えた快楽の再現をされたら。

「正解でーす♪ いい声で鳴いてこの宣誓を脳に焼き付けてくださいね」

楽しそうなオリヴィエの声を聞いた直後ヴィヴィオが腰を動かし彼の意識は一気に落ちた。

次に目覚めた時彼は、搾り取られ切った体力と霊力が回復しきっていることに気づいた。意識の断片を繋ぎ合わせると、リグルがくれた蜂蜜酒と愛歌が持ってきてくれた料理のおかげだったことが思い出せた。

「忠夫、調子はどう?」

 声をかけてきた愛歌に、横島は答えた。

「ああ大丈夫だ。なんかもっと深いトラウマになりそうな気もしたが、割と大丈夫だったな」

「ええ、体調が戻ってから、私達がこういうことをしていたからね」

 そういうと愛歌は彼を金縛りにすると押し倒し彼と交わり始める。強い快楽を与えてきており、決して男性優位になれないのはヴィヴィオ達と一緒でも恐れなどは浮かばずただ彼女の与える快楽を得るためなら何でもしたいという感情が浮かんでくる。
それだけではない、ヴィヴィオ達にされた行為への恐怖や忌避感さえも相手が自分を好いていてくれると思うと、薄れていく。これこそが男性を盛り立てるべきと考えている王家特有の性魔術なのかもしれない。感嘆する彼に愛歌は友達の手柄を教える様な口調で声をかけた。


「リグルも貴方に似たようなことをしていたわ。フェロモンを使って働きアリみたいに貴方を操り精神を回復させていたから」

 それを聞くと半分くらい意識がない状態で、リグルにされていた行為の記憶が蘇ってくる。

 寝室で蜂蜜酒を飲み意識が戻った彼は、そのまま何度もリグルの体から出た甘い香りに動かされ彼女を襲う。男性優位の性交位でありながら余裕をもって楽しい遊戯をする様な顔をしている彼女と、
唸り声しか上げられずにそれでも与えてくる快感につられ彼は腰を振り続ける。彼女は不出来だが真面目な教え子を慈しむ女教師の様な笑みを浮かべ言う。

「そう、そう。忠夫性行為は強すぎる快感を流し込まれることもあるけど怖いことじゃないんだよ。さあ、もっともっとその衝動のままに暴れて」

「〜〜!」

 声にすらならない声をあげながら何度も腰を打ち付け快楽で気を失った彼を抱きながらリグルは言う。

「さて、忠夫の寿命が縮むリスクをなくしてくれたお礼にヴィヴィオ殿の注文の品を届けないとね」


 子供相手にリードされて先に意識を失ったことに気恥ずかしさを覚えながら、彼は愛歌に促されながらヴィヴィオの元に出向いた。

 聖王の形態で待っていた彼女に、横島は言った。

「ヴィヴィオ、俺も多少前世の記憶が戻って、俺が死んだときのお前の前世の嘆きを思い出したから、お前を責める気にはなれん。
が、今回みたいなことは今回だけにしてくれよ。 多分大鳳たちに迷惑は掛からないように動いていたんだろうが、それでもこういうのはやばい」

「ええ。これで最後にします。でも今回の件での最後のわがままを聞いてくれますか?」

「なんだ?」

 ヴィヴィオが合図をすると刀を持ったリグルとオリヴィエが入室してきた。リグルは刀を横島に渡した。

「東洋には蛍丸っていう蛍が集まってできた剣があるんだって。それで僕も鍛冶の修行してどうにか一本刀を打てたの。それで蛍は英雄の魂が宿るって伝承があるから多少は英雄の技も再現できるんだ。
 忠夫が振るった場合に限り忠夫の前世の技はかなり再現度が高いよ。霊力的な疲労も凄いけど寿命を削らずに暗黒剣も使えるよ」

 言われて前世の暗黒剣を一回だけ振るってみて、ダメだなと横島は思った。寿命が削られなくなった代わりに疲労度がひどすぎる。後のことを考えなくてもいい戦い以外では使いようがない。そして諜報部でそんな戦いは滅多にない。

 ヴィヴィオの意図を計れない彼にヴィヴィオは言った。

「10分だけならあなたは前世と同じ強さになれるそうです。それでオリヴィエと共に私と戦ってくれませんか? 義手で聖王の動きを再現できる彼女は、前世の今頃、つまり貴方を婿として直ぐのやむを得ず暗黒剣の使用許可を出した頃の前世の私の再現ができますから」

「過去との決別か。分かった。ヴィヴィオお前にとっては大切なことなんだろう」

「ええ」



 ヴィヴィオに言われて、闘技場に来たオリヴィエと共にヴィヴィオと相対した彼はリグルからもらった刀を構えた。

 オリヴィエが前世の今頃のヴィヴィオの再現をし始めると、その動きは十分に強者と言うに足りるがそれでも昨夜の恐らくは聖王の後期の再現には遠く及ばない動きだ。
ヴィヴィオはいらだった様に突っ込んだ。決して遅くも弱くもないオリヴィエが正面から力負けして弾かれたのを見て、横島は前世の聖王を護った技を再現し、ヴィヴィオに打ちかかった。 
その一撃をヴィヴィオは背中に目が見えているかのようにかわし、聖なる気で鉄のようになった拳を放ってくる。

『こりゃとんでもないわ。ヴィヴィオの奴もう前世の同時期より強いなこれ』

 横島はそう思いながら即座に前世の再現である陰陽術を発動させた。彼の呼び出した鬼がヴィヴィオに襲いかかり光の玉となって弾け、ヴィヴィオの動きを僅かに止めた

『よし。暗黒剣でなければそこまで消耗しないか』

 僅かに動きが鈍くなったヴィヴィオにオリヴィエが突っ込んだ。

「もらいました。前世の自分へのいら立ちが視野を曇らせていますね」

 オリヴィエの拳をヴィヴィオが受け止めた後彼の放った光の弾が当たるが彼女の霊気は一切衰えず彼女の内からはじけた様な霊力の爆発が一気にオリヴィエと横島を吹き飛ばした。

491 :名無しさん@狐板:2022/10/17(月) 23:20:02 ID:qQ1v8Z7b

 それを見て横島はヴィヴィオに向かっていった。

「すまんがこっからは、今生の俺の力でいかせてもらうわ。前世と同じようにはならんってその方がお前も安心できるだろう」

 そういうと横島は、リグルからもらった刀に霊力を込めて文珠で速度を一気に上げて切り込んだ。 オリヴィエも頷き聖王の再現を捨ててそのまま全力でヴィヴィオに打ちかかりはじめる。

 暗黒剣以外の前世が学んだ技を主に使いながら横島が戦いはじめ、オリヴィエもそれに合わせ始めるとヴィヴィオの様子も変わり苛立ちが消え去った過去との決別が済んだよう後の戦いがしばらく続いた。
爽やかな空気でありながら、それでもオリヴィエと横島は何度か死ぬのでは?と錯覚するような事態が何度か起きたが
、その度に横島が暗黒剣以外の前世の技を前世以上に使いこなすことで切り抜けた。不意に満足したような様子になったヴィヴィオが言葉を放つ。

「忠夫さん、オリヴィエ過去との決別の手伝いありがとうございました。今日はこれで終わりで」

「本当に大変やったわ。大鳳たちと色々打ち合わせしたりすんの大変そうだ。 ヴィヴィオお前とまた会えるのは当分先やぞこれ」

「忠夫さん主君の過去との決別の付き合いありがとうございました」

 満面の笑みで宣言するヴィヴィオと礼を言うオリヴィエを背に去っていく、横島を見送った後、ヴィヴィオ子供の姿に戻り心底嬉しそうに笑った。

「お兄ちゃんの、暗黒剣の素質潰し完了」

「ええ。人は体の一部を失うと。他の体が代わりに力をつけて補う。暗黒剣の素質が潰れた後、陛下との死を錯覚させる程の模擬戦で私を助けたり、庇うために失われた才を補う形で他の才が急速に発達しました。これでもう暗黒剣の素質は戻らないでしょう」

「私も現金だね。お兄ちゃんの寿命を削る恐れがなくなった途端に、暗黒剣も絶対悪じゃなくて、善良な男性たちが弱者を護るために使った使用者の寿命を削る剣術に過ぎないって認められるようになったんだから」

「ええ。ヴィヴィオ様、その暗黒剣を振るう魔剣士たちの恩恵を一番受けたのは前世の貴方とその民たちだったとお忘れなきよう。悪い側面もある『化石』と化したような技術でも当時の人間たちは本当に必要だと思ってやっていたのですから」

「うん。邪教認定が通ってなくて良かったと今は思うよ」

 素直に心から非を認めつつ笑う彼女を見てオリヴィエは思った。横島が傍らにいる限りは彼女は道を違えたりはしないだろう。そして既に化石とした集落である魔剣士達の里も聖王ゆかりの聖地であるともうすぐ認められるのではないだろうか。

492 :名無しさん@狐板:2022/10/17(月) 23:58:18 ID:ymjUNTb7

横島が自己犠牲で女子供を助けられる力を持っていたらいつどこでどれだけ使うかわかったもんじゃないから
気が気じゃなかっただろうし気持ちはわかる
なお加減

493 :名無しさん@狐板:2022/10/18(火) 16:40:21 ID:iHcKy1oG
乙でしたー
英雄は力を使い過ぎないように捕まえておかないといけないって大ダイも言ってた

494 :487:2022/10/18(火) 18:12:12 ID:4fjEjF0P
>>492
乙感謝です。
その心配が爆発した結果、加減ゼロでした
>>493
乙感謝です
女権国家世界では男性の英雄は直ぐにつかまりそうですけどね

495 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:40:44 ID:pspxBtSB
女権国家2022年ハロウィンSS、悪戯の程度を主とした種族の価値観の違いを見誤った代償

このSSは本スレの作者様が掲載している女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。

@このSSの人間関係は主にこのSSないだけのものであり、あくまでも本編とは別のパラレルワールドです。
A陸八魔アルは完全に力を取り戻したのをイメージして書いています。
B本編に出ていないFGOキャラが出張っています
Cアドル神殿のオリジナル設定あり。
D愛歌様が穢れなき純潔の束縛に少し似た魔法を使う場面があります。一応女権国家内の王族だったからそういうことにしました。


 町の喧騒が鳴り響き、良識的で子供に優しい男性たちにとっては地獄となる危険日のハロウィンの当日憂鬱な表情で船に揺られる男がいた。赤いバンダナを頭に巻き、全身を青いジーンズに身を包んだ人物、横島忠夫だ。
彼はとてつもなく情けない様子で戻ってきてほしくないテストの答案が返ってくる授業が始まる前の時計を見ている小学生の様な様子で海の光景を見ている。

 物思いに沈む彼の背後から黒いひげを伸ばした巨漢が忍び寄ってきた。いかつい顔を全身を包む筋肉とその筋肉に着いた幾つもの傷が引き立てている。彼は横島の様子を観察ししばらくすると表情を崩壊させてだらしない笑みを浮かべ、オタクが上げる様な声を出した。

「横島殿、どんなに見ていても船は進むし女権国家本土への帰還の距離は変わりませんぞ。デュフフ」

「ティーチ船長、俺に見たくない現実を突きつけるのやめてくれませんか。それより船長の仕事は」

「本日の業務終了。横島殿の様子を見ることが最終業務でしたぞ。占いの結果と共に見てみて、霊感に触れる所がないということは女権国家首都への帰還までトラブルが起きる可能性極めて低し、
よって残りの五日間は存分にエロ同人やエロゲーの数々を見ることができるでござるよ、デュフフフフフフフー!」

 横島は男性の目から見てもキモイ笑い声を上げる船長を殴り飛ばしたい衝動を抑え込みながらここ数日の成果に着いて思いをはせた。 横島は陸八魔アルの会社を手伝う形で諜報員の仕事をこなす様になり、
有能な所はあってもダメな部分で損をしやすい彼女を補い会社を軌道に乗せてきた。彼が引き受けた難易度の高い悪霊払いからの報酬で事業を再開し、横島がアルを補うことでかなりの利益を上げることができる状態になっている。

 彼女は大金を得るようになってからは自分の配下を増やすと評して会社を傾けない範囲で慈善活動をすることが多い。
今回の黒髭ことティーチによる一月近い航海もその一環だ。ハロウィンを満足に祝えない地域の人々にお菓子や食料を大量に買い付け支給するという国内航海の日々は本当に、横島にとっては大仕事だった。

ハロウィンが近いゆえに色々な怪異が出てくるので、船旅の安心を求める船員たちの為に霊能者である彼の乗船が求められた。 去年は彼女一人で大丈夫かと思い気が気でなかったが、
頭脳明晰なアリスや愛歌、そして古くから彼女を知る沙穂が監視して愚かなことはさせないと約束してもらって、出てそれを見事に果たしてもらった。そして今年のアル社長は去年とは比べ物にならない程有能になっている。
そういう意味では彼は微塵も心配していない。だが、彼女達との情事を思い出すと気持ちよいとは思うが憂鬱な気分にはなる。王国男子としての男性優位の性行為を望む心と誇りが悲鳴をあげているのだ。そこまで考えると彼はティーチに向けて声をかけた。

「船長、確か布教用に幾つも男性優位の純愛エロゲーや同人誌持ってましたよね。俺にくれませんか? 残りの数日仕事がないに等しいみたいだから満喫したいので」 

 その言葉に関するティーチの返答は辛うじて身内のじゃれあいで済むレベルの殴打だった。

「バカ!バカ!横島殿の贅沢もの! 純愛してくれる女性がいるくせにまだ男性優位同人欲しいとか、実績と財産と有能な遺伝子だけを狙う女としか関係持ててない拙者に謝るでござる!」

 横島もティーチに殴られると直ぐに殴り返した。

「女権国家出身で女性に攻められるのも好きなあんたと違って、ワイは王国男子なんや。いくら純愛でも男の誇りが砕ける様な性交ばっかされたら多少は嫌になるわ!」

 辛うじてじゃれあいと思える二人の殴り合いを見て船員たちの緊張が一気に下がったのを横島は感じた。 そしてこの殴り合いも多少計算しているのでは?という考えが浮かぶ。 この後、ティーチは女権国家の本土の港で数日休んだ後長期航海に移るらしい。
そのために緊張を解いてよい局面に来たからこそ、こういう真似をしたのではないだろうか。 他の船員たちも船長と横島は危険が去っていないときはお互いの体力を温存させることに気を使うから二人がくだらない喧嘩をすると本当に山を越えた気になると言っていた。

 恐らくはティーチの狙い通りに船員たちが必要最低限の警戒を残しつつリラックス状態に入るのを見て横島は、船長としては本当に有能だと思う。

 彼と半分くらいはじゃれあいめいた殴り合いをしながらこの男は本当に特殊な出自をしていると感じる。

 女権国家では珍しい男の船乗りであり、法に反した悪党限定の海賊を狩る海賊の様な好意をする船に彼は一時期乗っていたそうだ。男性がそんなことできるわけないと考える女性が多いためか、
冗談だと思われているようだが多分本当だと横島は思う。彼の戦闘力なら悪ではあってもある程度道義わきまえたアウトローの上役を持てばそれも不可能ではないだろう。

 巨漢の黒ひげの拳を受けるとどうにか懐に潜り込み殴りつける様な訓練とじゃれあいの中間の様な殴り合いはしばらくするとティーチの方から切った。

「横島殿、すまんかったでござる。 確かに女権国家の女生との性行為は王国男子にはきついでしょうな」

「わかればいいんや」

「お詫びと言っては何ですが、要望通り男性優位のエロゲーをお貸しましょう。やはり二次元が最高ですな。自分のペースでしたいだけできるし、嫌がってやめてというと余計に昂ったりもしないし」

「それは女権国家の女性だろう。王国の夫婦関係は大体が男性優位だぞ。亡命したらどうだ。お前くらい有能なら海軍で出世できると思うぞ」

「それも悪くないとは思いますが、拙者女権国家の男性たちに義理がある相手もおりますので」

ティーチの言葉を聞きながらこういう義理堅さも持っているからこそ、二つ名を得るほどの船長となったのだろうと感じる。ティーチに誘われ、彼の自室に行くと山ほどのオタクグッズのある部屋が待っていた。
綺麗ではないが不思議とリラックスできる散らかりようをする部屋に入りソファーに腰掛けるとティーチが色々なゲームを渡してきた。

「最近は色々なエロゲーにも色々あるんやなアクションやら、シミューレションからRPGとかなんでもござれやな」

「デュフフもちろんであります。自分としては異世界が部隊の男性優位エロが好きですな。女権国家が部隊の話で男性優位だとリアリティがなさすぎますぞ」

「それはワイもわかるわ」

 答えながら横島はすっかりプライベートモードに戻されてしまったと思った。公私をきちんと分けているが勤務時間が終わったり船から降りると彼とティーチは悪友に近いような感覚になる。
普段は勤務時間が終わるまではそうならないが、今回はティーチの殴打がきっかけでそうなってしまった。

496 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:42:38 ID:pspxBtSB
ティーチと横島は二人ともゲームの腕は高い。ティーチが横島に渡してきたゲームは『紅いの月下の城』という男性優位世界を舞台にしたゴシックホラーアクションゲームだ。
内容は人格者な善良な女性の冒険者たちが外道な魔王が率いる魔の土地に乗り込み、敗れると凌辱されたりあるいはサキュバスなどに転じさせられて男を貪り嫐り尽くすというものらしい。
エロだけではなくアクションゲームとしてのクオリティと難易度も高い。そしてサキュバス化した時の男を貪り尽くすシーンは男性責めのSシチュゲームなのに女権国家らしいマゾ男性向けのものなのとティーチが言った。

「ティーチなんでこのゲーム俺がクリアしなきゃいけないんだ? 俺は純愛男性ゲームがしたいんだが」

「それが拙者このゲームの詳細な資料とかを制作サイトで見たらヒロイン達が良い子過ぎて、ゲームオーバーとかのシーン見るのがきつくなってしまったでござる。 
説明書にある設定読んだだけの時はそんなでもなかったのですがな。 クリア後に読破推奨と書いてあったのを読んだ結果がこれです。 だから説明書しか読んでない貴方にお願いしたいのです」

「ああ。分かった一応他のゲームも貸してもらうわけだからな。ゲームオーバーシーンの残酷シーンは見なくていいから、俺のプレイ見てコツを掴んだら自分でやれよ」

 悪霊や妖怪などの退治を請け負う男性の船乗りのみで構成された特殊船団の団長をアル社長に任され、黒髭などという二つ名を持っていながら、こういう所では妙に小心な所もある。最も横島がいなければ嫌がりつつも一人でクリアするまで頑張ったのだろうが。

 こんな風には見えるが彼の船乗りとしての実力は本当に凄い。船は女性でありその船に宿る神により強い加護をもらうために男性だけの船乗りで構成されたこの船団で彼の式力と決断力に助けられた回数は数えきれない。 
基本的に女権国家の男同士は結束が強く、同性への殺害などは他国よりも忌避感が強い。 それはティーチも例外ではない。だが、横島がいなければ周りに災いを振りまく呪いを運悪くもらった部下を、即断で射殺しようとした時の彼の、
速度はすさまじいものがあった。冷酷なわけではなく、本当にそれが最善だと思ったからこそそれをやろうとしたのは本気で命の扱いに慣れている軍の高官を連想させた。 その時横島が到着するのが後数秒遅かったらその男性は死んでいただろう。
横島が彼を助けた時に、本当によかったと言って喜んだティーチの姿を見るとあれほど大切に思う部下も場合によっては殺さなければならないのが戦闘を生業とする職業なのだと実感させられた。

 それくらいでなければ船の神の加護が強くなる代わりに男性しかいない船というリスクも大きくなる船の船長などはできないだろうから当然とも思える。今度、暇があったら大鳳もこの船に連れてきてやろうかとも横島は思った。大鳳の能力なら安全だろうし、女性のいない空間でリラックスできるかもしれない。

 そこまで考えつつ、横島はティーチに頼まれたゲームを始めた。最初は攻略のコツをティーチが掴んだらすぐやめて、他のゲームを貸してもらうつもりだったが、思いのほかストーリなどのクオリティも高くのめりこみ始めてしまい、あっという間に女権国家本土への入港の日が訪れた。

 入港の日当日横島とティーチは戦友の様に手をたたき合いながら最高のハイテンションで叫んでいた。

「ティーチ、俺にこのゲーム紹介してくれてありがとな! 〇〇(ゲームのヒロイン)ちゃん最高!」

「拙者も感謝しておりますぞ。設定資料読んでヒロインをひどい目に合わせることにチキンになった拙者の代わりにクリアしてくれてこれこそ××ちゃんと▲▲ちゃんのエンディングを見せてくれてありがとうでござる!これこそ男の友情ですなデュフフ」

「□□ちゃんも凄かったわ」

 そういいながら横島は、クリア後に閲覧推奨という制作サイトの設定資料を見てテンションを上げていた。そんな彼を見ながらティーチは言う。

「実を言うとゲームや小説の物語は、異世界で本当に起こったことだという説もありますな。それを捕らえて書いているのが小説家などのクリエイターだと」

「それがどうかしたんか」

「そこで横島殿、我らも異世界転生狙ってみませぬか?」

 それを聞くと横島の顔が怪訝なものに変わった。

「ティーチお前はそういうことに関しては冗談言うタイプじゃないのはわかるがどういうことだ?」

「簡単なことですぞ! アドル神殿の熱心な信徒や悪行より善行の方が勝っている者たちが死後に行ける『終わりなき自由冒険都市』そこはアドル殿が男性優位の土地に転生させたりさせてくれる場所ですぞ」

「まあそうだな」

「そこには善行を積んだ一流の霊能力者や魔術師も多いのですぞ! 彼らはスペシャリストですから、異世界息の呪文などの研究も一流のはず。彼らと共に異世界行き用の呪文を探すのですぞ。 こういうのに興味ない方々も横島殿の文珠を対価に差し出せば手を貸してくれるはず」

「それいいな! 今俺の周りにいてくれる女の子たちだって大好きだし不義理する気はない。だから今生は彼女たちに尽くしきって、来世はこのゲームの世界にゴーてか」

「ダメでも男性優位の土地には転生できるでしょう。善行を積みまくればこのゲームみたいなプレイもできる土地を選ばせてくれるはず」

「よしやろう! ただし異世界への転生方法見つけても○○ちゃんと□□ちゃんはお前にやらんぞ」

「拙者の好みは××ちゃんと▲▲ちゃんですから心配はいりませんぞ。今の想いと素質を持って転生しないといけませんな」

 そんなテンションを上げる二人を天井の柱に腰掛けた人形と、赤い目をしたコウモリと多くの虫が見下ろしていた。

 横島の済むアパートそこに見目麗しい女性達が一堂に会していた。彼女たちはそれを映像を見終わった後、人形めいた美を誇る女性アリスが口を開いた。

「忠夫がああいう所に転生行したいっていうのもしょうがないわね。男性にもマリッジブルーはあるものだし」

 女権国家の男性なら彼女たちの反応を意外に思うかもしれないが、彼女たちは人間の死生観などを横島と付き合うために勉強をした。そして横島だけではなく大半の人間が、
輪廻転生を経れば次は別人だからこそ、今生では全力で生きると考えていることを知っている。そして自分たちの恋愛観を伝えずに付き合ったという自覚していた。だからこそ来世もそのまた来世も永遠に自分たちのモノでいてほしいという考えはあっても、
横島が戯れ半分で自分たち以外の相手との結婚計画を立てたくらいで、怒るほど狭量ではない。半ば来世でも付き合い続ける約束をしたのも同然の愛歌も怒っている様子はない。彼女が来世までついてくることも彼は了承しているのだ。
横島が愛歌の事を口に出さなかったのは言うまでもないことだからなのは明らかだ。

 そういいながらもアリスは強い情欲の宿った目で口を開いた。

497 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:43:40 ID:pspxBtSB

「私たちの魅力にやられて人間を捨てて私たちに可愛がられ続けたいって、思想になったり、来世もそのまた来世も私たちのモノでいたいって思想にするように頑張らなきゃいけないわね」

アリスの言葉に陸八魔アルが頷いた。彼女は善良さにあふれた笑顔で言う。

「そうね。自分の恋愛観を隠して付き合った以上は、ちゃんと向こうに私たちの魅力で参ってもらわなくちゃ」

 アルの声にはかつてとは違いその言葉にはどこから魅惑的で恐ろしい響きがある。

「男性優位の性行為がしたいというのは王国男子の本能だからな。まあ、できなくなっても別に良い、とあいつが思うくらいに幸せにしてやらなければな」

 エヴァの言葉には、横島が心からぞっこんになっていた架空のヒロイン達への嫉妬が混じっている。彼女は不機嫌さとばつの悪さが混じった様な声音で言葉を続ける。

「どうも、私は自分が思ったより狭量な様だ。ゲームの中の女に嫉妬するとわな……。それもこんな盗聴めいた真似をしておいてか」

「しょうがないよお兄ちゃんが魅力的すぎるんだもの」

エヴァを慰めつつヴィヴィオは負の感情のない笑みを浮かべながら、どうやって彼の来世も含めて永劫に自分のものにするか考えているようだ。 しばらくするとアルが携帯電話を取り出し大鳳に電話をかけた。

「もしもし、大鳳くん。少しお願いがあるの。前の借りを完済したことにするから、あの施設の使用権を一回譲ってくれない? ええ。忠夫にひどいこととかするわけないでしょう。 不義理とかされたりもしていないわ。 そう、ありがとう」

 彼女は電話を切ると好きな男を落とす策謀が成功しそうな女権国家の女性が浮かべる笑みを浮かべ、横島が帰ってくる日に印がつけられたカレンダーを楽しそうに眺め始めた

 女権国家の本土に船が停泊をすると、横島はようやく陸に戻ってきたと感じた辺り一面が、ハロウィン一色になっているのを見て、彼は今回の航海も悪くなかったと思えた。多くの食事などに困っている人々を助けることができたし、
邪心のない子供たちも喜んでくれた。ティーチも子供たちに対しては純粋に甘い。そういうところがあるから彼と妙に気が合うのかもしれないと彼は思った。

 船から降りる準備をしていると、ティーチが彼に声をかけてきた。

「横島殿、大鳳きゅんは元気かよく見ていて拙者に報告してほしいでござる。彼なら男でも拙者別に構わないレベルですからデュフフ」

「冗談でもやめとけ、翼さんあたりに聞かれたら殺されるぞ」

 ティーチは無力な子供には無条件に甘いが大鳳に対しては特に甘かった。彼の父である提督を深く尊敬しているようだ。もしかしたら提督の部下だった海軍の士官と女権国家の女性の子供なのか、
あるいは敵として提督に敬意を持っていたストレリチア気質の女性軍人の子供だったのかなどと彼の素性を想像させられたものだ。戦争のルールを守っていた提督に対して篭絡部隊が取った手段を知った時は本気で彼は恐ろしい気を発した。
そしてその部隊に命令を出した女権国家の幹部を捕らえた時の彼は本当に恐ろしかったものだ。銃でその女の頭ぎりぎりを威嚇射撃で射抜き低くよく通る声で脅迫の言葉を紡いだ。

「今ここには神はいない。いるのは悪魔(俺)だけだ。 どういう理由でああいうことをやったのか、白状しやがれ。 言っておくが嘘だと感じたら、殺すなんて言わねぇ、
死んだ方がましな痛みを与えて夜明けまでいかしてやる。白状の報酬が助命から介錯に代わる前に吐け、俺は女権国家人だから彼らに迷惑はかからねぇぞ」

 なおも渋る彼女にさらに彼は言葉を続ける。

「情報を吐き出させられそうな候補は後二人いる。 お前の死体を見せりゃ他の二人も物分かりが良くなるだろう」

 彼の声音とやり取りを聞いた時、横島は普段はふざけていても女権国家という男が上り詰め辛い場所で海賊の船長まで上り詰めた男なのだと感じた。

その女の自白を聞き無理やりやらされていたことが分かると、協定違反の方法で篭絡したことをちゃんと話して戦争犯罪人として裁きを受けることを約束させて彼女を解放した。口約束だったのに彼女が守ったのは、
上層部に対する手掛かりは自分からは出てこない状態だというのもあったのだろうが、一番は黒髭の二つ名を持つ彼の眼と声音がトラウマになったからだろうと、横島は思っている。


 過去の記憶を思い返した後、黒髭は笑いながら、横島に言う。

「大鳳きゅんの好感度を稼ぐために拙者頑張りましたが、提督殿はあんな見目麗しい男の娘を産んでくれるわ、拙者の両親も助けてくれるわ、いくら感謝してもたりませんな。拙者キャル殿と大鳳キュンの間に挟まりたいでござる」

 彼の発言はふざけている時は、どの発言も冗談か本気かわからない。少し呆れつつ横島も言葉を返す。

「ふざけるのはそれくらいにしておけ。それじゃあ俺も帰るとするわ」

「むろんでござるな。大鳳キュンにとって大災害みたいな日が占いで出たら教えてくだされ、拙者いつでも駆けつけるでござるよ。それか逃がした方が良い時は拙者が船に乗せて一時的に高跳びさせて差し上げても良いですぞ」

 ふざけつつも大鳳がやばい時は本気で助けてくれるであろう彼に礼を言いつつ、横島はハロウィンの街に繰り出した。彼が街を歩くとトリック・オア・トリートの声が山ほど来て、
自宅に戻る前には全てのお菓子を使い切ってしまった。最も今回は各地の名産品のお菓子が自宅についているからユウキたちにはそれを渡すつもりだ。

 不意に後ろから聞きなれた声をかけられた。

「忠夫、トリック・オア・トリート」

 振り返ると魔女であるアリスと契約してインプモードになっているユウキの姿があった。彼女の様子に微笑ましいものを感じながらも、横島は答える。

「すまん。子供たちに群がられすぎて完全に空っぽだ。 後で家に帰ってお菓子渡すは」

 彼の言葉にユウキも笑顔で答える。

「だろうね。 でもお菓子ないんだから僕の悪戯に付き合ってくれない?」

 そういうとユウキが指をさした先にカフェD4Cが現れている。若干嫌な予感を覚えつつ彼はいくことにした。 過去に大鳳にイフの世界線を見せられたことがあるこの店は基本的に有益なことが起こりやすい。
自分が犯した失敗のイフを見たり、あるいは記憶に残る官能的な体験をさせられたりした。この施設に通った後は基本的に運気が上向きになったり、あるいは冴えた選択が頭の中に浮かんだりすることが多い。
大鳳に支払いを済ませてもらってまた自分に、何かをさせようというのだろう。

 彼が部屋に入ると、エヴァ、アリス、愛歌、ヴィヴィオ、アル、リグルと彼と親しい女性が集合していた。彼女たちはいっせいにトリック・オア・トリートと言ってきたが、彼はユウキに伝えたのと同じ返事を返した。

 その言葉にアリスが満面の笑みで答えた。

「それじゃあ私たちの悪戯に付き合ってね。これから行くのは忠夫が転生したいと言っていた、世界に転生して私達もついてった場合のイフの世界よ」

 アリスの言葉を聞き、眠気が襲ってくると何度か体験したイフの世界への扉が開いた音思って彼は意識を手放した。

498 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:44:56 ID:pspxBtSB
紅の月の下に映える夜に合わせて作られたような城の眼前に青で統一された衣服に身を包み、翡翠色の蛍の光を思わせる日本刀を構えた男がいた。そしてその横には黒い衣装に身を包んみ長い髪をたなびかせた少女がいる。
彼らの眼前には多くの死霊の軍隊が槍や斧、剣を構えひしめき合っている。彼は一足飛びに駆け込むと翡翠色の光を放つ日本刀で隊長格らしき死霊の剣士に切り込む。澄んだ金属音が夜空に響き、
隊長格の死霊は一太刀の切りあいで自分の方が剣士として劣っていると察すると、他の死霊たちに指示を出そうとした。

その刹那に、彼のもう片方の腕から青く光る霊波刀が出現し、目の前の死霊の計算を崩した。一刀流から不意に二刀流に切り替えられ一気に劣勢になった死霊の隊長を援護するか否か悩んだ死霊たちの群れはその刹那の逡巡に付け込まれ黒い髪の女剣士に切り込まれた。
僅かに遅れたとはいえ、鈍いというには酷な遅れが招いた陣形の乱れの隙をつくように、黒女剣士が飛び込み剣を振るうと次の瞬間には死霊の群れは冥府へと帰っていた。
部下の死を見た隊長は躊躇わず相打ち狙いの剣を放ったが、青い服の男はそれを正面から受け止め、恐怖を爆発力に変えたような力で押し返し、鍔迫り合いで距離を取ると、霊波刀を手甲の様に変えると死霊を殴り冥府へと返した。

殴り倒された死霊が青い光を放ち冥府に戻ったのを確認すると、彼はほっとした様子で息を整えた。何かを思案する様子の彼を見てユウキが声をかけてきた。

「忠夫、どうしたの何か気になる?」

「なんというか違和感が凄いんだ。 何に違和感を覚えているのか俺にも分らんな。ユウキ、今回の依頼は悪魔や邪神を崇拝する集団が引き起こした事態でそれを解決するために来たが、召喚されたのは魔王ベリアル。そして闇の福音エヴァンジェリンだったよな?」

「うん、そうだね。それがどうかした」

「自分でもなぜかはわからんが、なんかそんな奴らじゃなかった気が。もっとこう女性を監禁して輪姦させた挙句魔物と化した信徒の孕ませ袋にしようとしたり(そんなことやろうとしたら俺がもっと早く乗り込んでいたが)罪のない弱者を虐殺しようとしたり」

「罪のない弱者は虐殺されてるでしょ?」

 怪訝な顔で首を傾げるユウキに横島も自分の発言に違和感を持ちながら答える

「あ、ああそうだな。なぜかされているって前情報で知っていたのに、されていない気がした。良くわからんな。 しかし、ここの魔王本当にどういう連中なんだろう。
あっちこっちから女性を捕らえてサキュバスとか男を嫐る女性に変えているようだし。それにサキュバスとかの男女魔物に変えられたものは他のサキュバスとかより強いみたいだしな」

「忠夫、多分だけど僕と忠夫の前世の世界から来た奴らだよこれ」

 それを聞くと、横島の顔に不安が走った。

「確か一般の女性すら他国では閨の中であらゆる男を圧倒するとか言う女権国家のか」

「うん。他国ではどんな女性にも勝てる性魔術の達人な男でも一般市民の女性にすらベッドの中で勝てないやばい国だよ」

「あ、ああそうか」

 横島は前世で幼馴染だったらしい、子供の頃から訓練をつけてくれたこのインプとの日々を思い出した。 稽古で負けたら襲っても良いと言われ、負けるたびに犯された日々。


 その中で最も印象深かったのは、精通を迎えた13歳の日だった。その日の稽古の内容はこうだった。横島が彼女と同じく前世からの付き合いらしい鍛冶師でもあるリグルからもらった、
刀を振るい、ユウキと共に修行をつけてくれている、愛歌の前で稽古をしていた時、初めてユウキの本気を引き出すくらいの健闘をした後、次の瞬間彼の手にあった刀は弾き飛ばされた。そして彼を弾き飛ばした後、ユウキは笑いながら服を脱ぎ始める。

「忠夫、剣の稽古で負けたら襲っていいって言ったよね。それは、女性の方にも適応されるんだよ」

「は」

 この世界は一部の例外を除いて性行為は男性優位のもの。横島にしてみれば、嬉しいことでしかない。その甘すぎる考えが断ち切られたのは性行為が始まってすぐだった。

 ユウキが隠れ巨乳な姿を見せた直後にそそり立った分身を挟むと彼の分身はあっさりと果ててしまった。白い精液はインプでもあるユウキの体の中に吸収されていく。彼女は笑いながら言う。

「前世より夜の耐久力低いね。神様も惨いことするね。英雄になれるくらい実力はあるのん夜がこれじゃ女の子たち幻滅だよ。 本当にかわいそう」

 可哀そう発言で自分の男の中の何かが折れる音が聞こえつつ、精液が完全に彼女の体に吸収されると一気に自分の霊気が下がり逆にユウキが膨れ上がった感じがした。

「ほらサキュバスとかの誘惑に負けるとこうなっちゃうぞ。もうこうなったら詰みたからね」

「あ、ああ」

「愛歌、忠夫にあれお願い」

 振り返ると愛歌はいつの間にか服を脱いでいた彼女は幼さが残っていながら官能的な美術の彫像を思わせる肢体をさらしながら彼に近づいてくる。
 立ち上がろうとしてもユウキの胸で抜かれた脱力感で彼は動けない。愛歌は笑いながら、魔女を思わせる笑みを浮かべて彼の上に腰を下ろし分身を飲み込んだ。

「〜〜!」

 明確な言葉にならない悲鳴と泣き声の間の様な奇声を発する彼に愛歌は口づけすると愛おしそうに両目を閉じて舌を絡めてくる。彼女の舌が口内や彼の舌を押すたびに分身からは精液が発射され、
目からは涙が吹き出る。愛歌は彼女との長い口づけを終わると自分の体に何かが刻まれた感覚がした。愛歌は笑いながら言う。

「私は貴方の前世がいた異世界の国の王女で魔術に通じていたの。今のは『雄々しき獅子の祝福』。 これを受けた男性はどんなに凄い快楽漬けにされても、勇気や正義の心を失なわないの」

「そ、そうなんですか」

「ええ。男性を堕とすべきって思想の敵国と戦った時、男性の勇士を達が向こうの女性達に堕とされない様にするうえで一定の効果があったわ。 
でも男性優位の性行為とかを求める心とかもそのままにすると分かったら、嫐ることに使えるとみなされてそういう風な楽しみ方をし始めるものが出てきて、戦況が不利になった時は全ての技術を消失させたわ」

「そ、それを俺に」

「ええ。貴方は将来サキュバスとかに襲われそうだからね。正義の心が失わなければ私やリグルやユウキたちが救出してあげるから」

 それを愛歌は満足した様子で彼から離れた。 かなり強い魔法を使ったはずなのに彼女の霊力は前より上がっている。それも彼から霊力を吸い取ったからだろう。

 倒れそうになる彼をユウキが胸の中に抱き留める様に支えた。

「それじゃあこっから先は僕の番だね♪ 忠夫、サキュバスとかに負けるとどうなるか体で覚えちゃおうか♪」

 ユウキに女性優位の性行為をされながら横島は自分の精神が危ないと思った。『雄々しき獅子の祝福』を受けてからは彼は男性優位の性行為を求める心が僅かたりとも衰えない為に、
逆に女性優位の性行為をされた時の精神のダメージに慣れがこないのだ。それでいてその女性に負けている屈辱がもたらす性的快感や背徳感は記憶に刻まれていく。

499 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:46:06 ID:pspxBtSB

 それ彼の稽古では負けたら逆レと言われる度に分身が硬化してしまい、まともに戦えない事すら多かった。

 愛歌とユウキ時にはリグルも混じって嫐られた時のことを思い返しながら、彼はリグルに打ってもらった刀である蛍守(ほたるもり)を構え前に進む準備を進めた。

「と、とにかく行くぞ、ユウキ。リグルちゃんも今回は義理立て上、向こうに着くといっとたしな。向こうがこれ以上虐殺とかするようなら敵対すると言っていてくれたがそれも望めそうにない」

「そうだね。忠夫一緒に頑張ろう」

 頷き迷わず城に入った二人を最初に迎え入れたのは美術的な品が山ほどある、美術館と劇場を足して二で割ったようなホールだった。そこにから多くの人形が武器などを持って襲い掛かってきた。
横島の背中に嫌な寒気を走らせたのは自分をかつて貪った愛歌やユウキに似た人形が出てきたときもあったことだ。そして明らかに色欲に溺れ彼女たちの犬となったような自分の人形が出てきたとき、
彼はその人形と戦うと断片的にその人形が味わった快楽が思い出され動くことができなくなりそうになる。 痛いほどに強張ってきた分身に参りながらユウキを見る。彼女は横島の視線による懇願に気づくと笑顔で答えた。

「もう少しで結界にある場所があるからそこで鎮めてあげるよ」

「あ、ああ」

 その言葉が終わるより先に今までの敵とは一線を隔す横島にそっくりな人形が再び彼に襲い掛かってきた。 その人形との戦いは防戦一方と言っても良い形だった。目の前の人形が彼を殺すつもりだったら直ぐに勝負はついていただろう。
だが彼が武器を受けるたびに前世の記憶などが流れ込んできて、
次々と霊気の使い方などがひらめく代償とでも言うように、前世での閨の記憶も蘇ってきた。立つことすら困難になった時、その人形が動きを止め、女王に使える衛兵の様に恭しく横に控えると、金色の髪をした魔女が現れた。

「久しぶり、いえ初めましてかしら忠夫」

「あ、貴女は前世の記憶が正しければアリスさん?」

「正解。 私は今回は魔王とかとの契約とは本当に関係ないから。ただ貴方に前世の力を取り戻させるついでに、少し貴方を味合わせてもらいに来ただけよ」

「そ、そんなことを言われても。 ああ!」

 アリスの言葉を遮ろうとした直後に小さな彼の人形を複数の彼女が操る人形たちが愛撫し淫らな人形劇を演じていた。その人形が受けている愛撫を自分が受けているような感覚が走り動けない彼の両の頬を優しく手で挟みゆっくりといつの間にか現れていたベッドに引き倒す。

 ユウキは止めるどころかアリスに近づいて何かをしようとしている。

「彼女本当に敵じゃないから。一時的に使い魔契約して、忠夫の前世の力を引き出すのに協力するね」

 そういわれた後、彼は前世で自分が二人にされたらしい、女性優位の性行為の数々を何度もされた。本来なら動けない彼の体をアリスが霊力でできた糸で動かし、胸と尻のふくらみなどをこねさせ愛撫させる。
分身が二人の秘所や手や足で愛撫されている時点でもはや限界なのに、無理やりされるそれは限界を超えた快感という拷問に近かった。アリスは快楽が苦痛に変わる限界を見極め、その一歩手前と半歩過ぎを何度も行ったり来たりをさせてくる。

「忠夫、ほらこういう時は女性に愛撫して気持ちよくさせるのが殿方の勤めよ。痙攣してばかりだから手伝ってあげるわ。えい!」

「まって、アリスちゃんもうああー!」

 射精して敏感になった分身を秘所で嫐りながらアリスは自分の胸とユウキのむねを同時に揉ませる。余計に大量の精液が出たのを見て笑うとそれを吸収し彼女はユウキと交代する。

「忠夫、前世より夜は弱いね。 前世の夜を再現する前に壊れないでね」

 ユウキに飲み込まれ叫びながら彼は思う、ユウキはアリスの使い魔となったことで愛歌の時とは違う感じの能力を手に入れている。前世で自分が味わった快楽の再現力の高さだろう。本来なら限界を超えているのに、
前世の自分が耐えきった為に自分は耐えきれてしまう。それは必ずしもいいことではない。体が限界を迎えた時のギブアップができないということだ。

 ユウキとアリスに絞り尽くされつつ、アリスがくれた薬湯を飲んだ彼はふらふらとふらつきながらも前に進んだ。次に待っていたのは、金髪でサイドポニーの髪形をしたオッドアイの女性が待っていた。彼女は横島を見ると、笑いながら声をかけてきた。

「久しぶりです忠夫。私は聖王ヴィヴィオ。貴方の前世の妻です」

「そうか。聖王ってことは今回の戦いに協力してくれるのか?」

「いえ。『貴方が負けてしまい。その後に二人が虐殺を等に走るようなら止めて見せます』ですがそれまでは基本的に傍観者です。もしも途中で悪魔達にその身を犯されたら戻ってきなさい。アリス達とは違う形で私が浄化してあげます」

「分かった協力感謝します聖王陛下」

 返事を言い出ようとする彼にユウキが不意に声をかけてきた。

「忠夫、実は僕も少し調べなきゃいけないことがあるからいったん二手に分かれて良いかな?」

「ああ。なんか重要な事なんだろう。俺のことは心配すんな。存分に調べてこい」

 そういい彼が進むと大きな階段がありそこから先は月の下に映える空中庭園があったその先を死霊たちを倒し進んでいくと、月の光を思わせる金色の髪をした吸血鬼がいた。少女でありながらその姿は他を圧倒する力が感じられる。
彼女は男を欲情させる吸血鬼特有の視線で彼を見ると反応してしまい恥じる彼を見て嗤った。

「愛歌とリグルの調教は大分行き届いているようだな。この姿の私にさえも欲情するとわな」

「しょ、しょうがないだろうが。そもそも吸血鬼は、魅了にも特化しとるらしいし抗えんわ。外道の所業の数々ここで裁いてやろう」

そういって彼が刀を抜き放ちかけた時、エヴァは一瞬で彼を倒していた。そして彼女は大人の姿へと転じ笑う。


「今生で随分と思い上がったようだな。前世に続き今も私のものだと思い知らせてやろうか」

 そういってエヴァに血を吸われ押し倒された彼は散々に絞られた後でヴィヴィオの元へ返された。

 ヴィヴィオは呆れモードの様な様子で笑いながら押し倒してくる。

「吸血鬼に汚された体は私と交わることで浄化されるのです。それでは聖王たる私の浄化を受けなさい」

 ヴィヴィオに分身を加えこまれた瞬間に果てると彼女はあきれ果てたような声を上げた。

「ユウキが言っていたように本当に前世より夜が弱いですね。私も達しないと浄化できないから頑張りなさい」

「そ、そんな。ヴィヴィオ様、許してください」

「許すも何もこれは浄化ですから。ただし命令が一つ。閨の中では私に様づけしなさい。無様でかわいらしい声で多少は私の達するのも早まります」

 そういいながらヴィヴィオは彼を両手両足で拘束する様に抱えこみ対面座位に持ち込むと顔に胸を押し付けながら前後してくる。無理やり胸に顔を埋めさせられ激しく動くたびに分身が何度も果てては蘇り繰り返され、彼が完全に倒れた時、ヴィヴィオもようやく達した。

500 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:47:09 ID:pspxBtSB

「それでは回復が済んだから早く行きなさい。またあまりにも早く倒されてここに戻ってこないように」


 その後も横島はリグルに一度徹底的に絞られただけで、魔王ベリアルことアルの元へ到着した。

 赤い月の下の城主の間でやや桜色めいた赤い髪をした少女は高級なスーツに身を包み、彼を見下ろしている。彼は蛍守を構えると言った。

「お前が魔王ベリアル、またの名を陸八魔アルだったな」

「ええ」

 彼女の妖艶さと多大な魔力の籠った声に、横島はひるむことなく言葉を返した。

「なぜこんなことをした? やはり召喚者の意向か?」

 その問いにアルは意外な答えを返してきた。

「いえ、そもそも虐殺とかしたっていうのは嘘だから。神の名に懸けて誓いましょう私は嘘は言っていません。そして今から嘘をつかない約束の期間が終わりというまで嘘は一切言わないわ」

その言葉を聞き横島は完全に訳が分からなくなった。ベリアルは神の名においてした約束した以上嘘は言わないとある。彼女が言っていることは多分真実だ。

「それじゃあなぜこんなことを」

「実は前世の貴方と私夫婦だったのよ。その時のハロウィンが原因。トリック・オア・トリートでお菓子がなかったから、トリートを取ったの。だからそのトリートよこれは。悪戯を仕込んだのはその年のハロウィンだったから。そういえば今日もハロウィンだったわね。ほらこうなっているわ」

 それを言い終えるとアルが手を振ると空中に映像が映し出されるそこには虐殺されたはずのこの地方の住民たちと、その住民たちを護るために戦って大半が戦死したはずの悪事を働いていない異教には寛大な騎士団の面々が酒盛りをしている。
子供たちは楽しそうにお菓子を頬張っているものが大半だ。

 横島は完全に脱力しながら刀を鞘に納めた。

「よくわかった。終末思想の邪教団体がとんでもなくやばい実験をして何かを呼び出したってのも嘘か」

「いえ。それは本当よ。そいつら『紅いの月下の城本来の敵たち』は私達が倒して何とかしたわ。中々手ごわかったわ。シャレにならないくらい痛い思いも何回かしたし、本当に疲れたわ」

 アルの実力を見て横島は思う。彼女が言っていることはすべて事実なら、恐らく自分とユウキの二人だけなら勝てないとまではいかなくても被害ゼロなど絶対不可能だったし、彼女たち程勝てる可能性は高くなかっただろう。
横島は悪霊祓いとして民衆の守護者の矜持は持っていたから頭を下げた。

「陸八魔アルさん。今回の悪戯本当に肝が冷えたけど、一応は俺の守るべき対象である領土の民を護ってくれてありがとうございます」

 アルは子供の様な笑みを浮かべて答えた。

「ふふーんそうでしょう偉大でしょう。もっと褒めなさい」

 横島は感謝の言葉を述べて彼女を褒めると彼女が不意に言葉をかけてきた。

「ユウキたちはもう了承済みなんだけど、今夜一晩相手してくれない」

「い、いいんですか?」

「それは了承ということね」

 そういってアルにベッドに引き倒された彼は再びゆっくりと体を重ねられて一気に達した。アルの体がもたらしてくる快感はアリスのそれに近いが似て非なるところがある。アリスの快感はどこまでも怠惰な事ただそこにいるだけでいいと怠惰に溺れさせてくる糸の様な快楽がある。
アルの体はすさまじい快楽と共に色欲の中にある全ての欲望と隷属の快感がどんどんと注ぎ込まれてくるかのようだ。アルは笑いながらいつの間にか彼の上で腰を振りながら言う。

「忠夫、私が見せた虐殺映像、あの大半は特殊加工のものとか偽物だったけど、演技は本当に真に迫っていたでしょう」

「え、ええ。死骸なども凄かったけど、俺が騙された一番の理由は彼らの演技力です。特に民を護るために戦う兵士たちと、逃げる民たちの恐怖を感じている姿は本気で真に迫ってました」

「あんなに凄い演技だったのは戦いに関しては本気でやらせていたからよ。死にさえしなければ完治させられる状態にして、そして民たちにはこういったの。今から言うことは嘘だから」

「?」

 怪訝な顔をする横島にアルは言った。

「これより虐殺を開始する。その悲鳴と生き延びようとあがく姿で私を楽しませなさい」

 その言葉を聞いた瞬間、横島の背筋が凍った。絶対に嘘だと分かっているのに目の前のアルを倒すべき邪悪だと悪霊祓いしとしての義侠心が倒すべき相手だと告げている。ベリアルは呼び出されると、神の名によって本当のことを言うことを強要されないと嘘しか言わないとある。
そう記述されているのに騙されるものが後を絶たない理由が彼には分かった気がした。

 そんな風に怯える彼をよそに彼女は言葉を続ける。

「実はあなたが私の中に放った精は虐殺するための魔法の魔力の元になるし、子が生まれたら多くのものを不幸にする闇の英雄となるのよ」

 嘘だと分かっているのに本当にそうだと思えてきてしまい。彼の中で快楽に屈してはだめだという意識が本気で湧き上がってくるだが。仰向けの彼に彼女が体を押し付けると一その柔らかさに押しつぶされるような射精が起こり彼は一気に屈した。

 そんな彼から彼女は離れ、足で分身を踏みつけながら笑う

「完全に屈服したわね。ほらほら射精まで間があったのに逃げなかったわね。貴方は大勢の民より、色欲の方が大事なんでしょう」

「主にここと」

 乳房を彼に揉ませそののちに胸板で押しつぶしながら、屈服した情けなさに参る彼を笑いながら言う。

「そしてここと」

 乳房についていた手を放させ自分の尻を無理やり握らせる。魔王の体がもたらす電撃の様な快楽が両腕に走り彼の分身が天を突くように立った。

「そしてこれにはさからえないんでしょう」

 最後に再び横島の分身を秘所で飲み込み一気に彼を射精させた。

 しばらくして意識を失った彼はリグルと愛歌とユウキに慰める様な性行為をされていた。

 リグルがカマキリの雄の祝福をかけると食われる際には痛みを感じないカマキリの様な状態になり、屈辱などを感じなくなった彼の上で快楽の身を与えながらリグルは言う。

「忠夫大丈夫だよ。本当にそうだったら君は抗えていたから前世の時から共にいた僕は知っているよ。アルが本当はそんなことしないってわかっているから」

 リグルはそういいながら彼に大量の射精をさせて雌の虫の様に大量の精を貪った。ユウキと愛歌とリグルの三人は彼を回復させることを楽しみ尽くしている。彼女たちの優しい女性優位の行為を受けているとアルにされた。自分が射精したら大量殺戮とか、
あるいはその子供たちで恐ろしい行為をするという本当としか思えない嘘を聞きながらも誘惑に負けて放った記憶の数々が蘇ってきた。 そしてそれが癖になっていることにも気づく。

 彼を幼少期から支え鍛えてきた彼女たちはそれを見てささやく。

501 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:49:12 ID:pspxBtSB

「別に恥ずかしいことじゃないわよ。魂レベルで恋人だったことを覚えているから、あれはただの恋人同士のプレイでしょう」

 愛歌の言葉を聞いた瞬間自分は完全に女性優位の性行為のとりことなったことを思い出し、彼は完全に女性優位の性行為の虜となったことを自覚した。



 来世のイフの世界から現在に帰還した横島は、自分が『カフェD4C』から自室に戻っていたことに気づいた。
そして衣服が脱がされており現実世界でも情事の後だったことを悟るそして。快楽のトラウマが強く根付く彼に滅多に見せない魔王としての威厳に満ちた様子のアルが言葉をかけてきた。

「忠夫、どうまだ来世であの世界に行って男性優位ハーレムしたい?」

「む、無理です皆さんが与えてくれる快楽が癖になって不可能です。アル様」

「そう。 軽い悪戯のつもりだったけど魔王の悪戯は人間には重すぎたわね」

 明らかに確信犯でありながらすっとぼける彼女に横島は何も言わずに彼女が事後に好む抱きしめ方をした。上機嫌になる彼女をよそにこれは悪くないと思える。



 明らかに裏の人間御用達の酒場で酒を飲むティーチの元に一人の女性が近づいてきた。
陸八魔アル。完全に力を取り戻した、彼女は笑いながらティーチに言う。

「ティーチ、約束通り貴方が来世に『紅いの月下の城』の世界を選ぶのならなるべく貴方の意がかなう様に協力することここに約束するわ」

「いやはや、横島殿も情が深い女達につかまっていてわ来世でサヨナラとか通るわけがありませんな。拙者、横島殿を生贄に『紅の月下の城』に転生してハーレム件をゲットでござる」

「貴方の言う通り、漫画とかの世界が異世界で本当に起こったことという学説が本当である可能性がある以上、あの世界に忠夫が言ったら帰ってこないかもしれないしね。
私達と同じくらい気持ちよくさせる体を持っている上に、演技じゃない男性優位の性行為までできるとか、本当に危ないわ」

「ゲームやってみて人間的にも魅力的なヒロインだとも思えたでござろう?」

「転生させたらあれくらいやらないと忠夫を取られる可能性がゼロではない、と思うくらいにはね」

 そう答えながらアルはあれは限りなく似た世界だったのか、それとも本当にゲームの世界なのかと思ったが直ぐにやめた。そう考えるアルにティーチが不意に真面目な様子になり声をかけてくる。

「まあ、横島の奴も不義理とかしたわけじゃないが、それでも純愛をはぐくんだ以上は最後まで相手の女を幸せにしてやってほしいからな。 あんたらの様子見てりゃめったに見られない純粋な愛ってやつを見せてもらえている礼でもある。これで来世で彼を奪われる可能性も一つ減っただろう」

 ティーチが横島を奪われる可能性のある先という話をして、自分たちに忠告をしてきたのは、横島の能力が便利すぎて来世が異世界に呼ばれる可能性もあるということだった。彼がこういうことをしたのは利益もあるが、
少なくとも彼は自分達と横島が純愛をはぐくんでいると評価しているためもあるのではないかと、アルは思う。彼は純愛など文学やネットの世界にしかないと、嘆いていた時期もあったらしい。だからこそ本当の純愛と言えるようなものを見た時は、
それを抱いている相手には敬意の念をもつ。そこまで考えてアルは詮索をやめた。言動は気持ち悪いオタクでも有能で義理堅い恋人の友人であることに変わりはない。
 そう決めた彼女はティーチに礼を言い店を出た。彼が味方でいてくれるうちは自分たちは決して横島を不幸にはしていないのだろうという安心感が彼女の胸中にはあった。

502 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:58:39 ID:fJx1vERw


503 :名無しさん@狐板:2022/11/01(火) 00:08:03 ID:s+Hu995L
乙です

504 :495:2022/11/01(火) 00:23:12 ID:mi4QziEx
>>502
乙感謝です
>>503
乙感謝です

505 :名無しさん@狐板:2022/11/02(水) 12:56:44 ID:7VWq+k4m
乙ですー

506 :495:2022/11/02(水) 22:51:21 ID:TYzPKh+3
>>505
乙感謝です

507 :名無しさん@狐板:2022/11/22(火) 23:54:31 ID:H7mUDbkG

 1.M男くんが数合わせで合コン呼ばれて、
 2.ハチャメチャにレベル高い女性陣の1人となんか打ち解けて、
 3.合コン終わりに其々カップルでアフターする流れになったんだけど、
 4.なんかその打ち解けた娘に半ば強引にラブホに連れ込まれて、
 5.最初はおっかなびっくり緊張しながら寄り添いつつ世間話してたんだけど、
 6.蠱惑的な貌と開けた服の隙間から漂うむせるようなフェロモンにクラクラしてきて、
 7.彼女の身体にむしゃぶりつき、言われるままに彼女の全身を舌でくまなく解していって、
 8.夢見心地のまま対面座位で挿れさせてもらうんだけど、
 9.挿れた瞬間に膣内がマグマのように熱く蕩けた淫肉にねっとりと締め付けられて、
10.ほぼ暴発同然に射精してトロ顔オホ声晒しながら見悶えて、
11.暫くしてちょっと落ち着いてから彼女の火照ってエロい姿をよく見てみたら、

12.角と尻尾生やしててどう見てもサキュバスですありがとうございました チクショーー!!!!!!

               /::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::V:::::ヘ::V/
            ,:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::l::::::::ヘ::V
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            l:/:::/:::::/:::::::/::::::::::::::::::::l:::::::::V::::::::',::::::::::ム
              l/::/::::::,'::::::‖:::::::::::::::::::::N:::::::::V_,::: ',:::::::::::ム
           ,.イ:/:::::: f::__:/f::::::::::::::::::::::::l.,>'"´ヽ:::::!::::::::::::ハ
         /.イ:::::::::::「:::::l``〜、、:::::::::::::!  `ヾ_LL!:::::::::::::::
         "´ f::::::::::::从:リ ヾ:l \:::::::::::::} ,.ィ爪沁  !:::::::::::::::!
           {::::::::::::ヘ''"弌示坏 ヽ:::::::リ  乂少  ,1::::::::::::::!,    もう逃げらんないよ♥
             W::::::::::::ヘ  之ソ  }::メ  /:/:/:/: /.|::::::::::::::!::V
ミ           个 、ヾヾム /:/:/:/: " 、    u ,イ. .!:::::::::::::l..V:V ニチャァ
 `ヽ, -=== - ≦. ̄ ̄V:::::::::::::Lヽ     ` _ v7 ,イ ヽl:::::::::::::L,__v:V
    ``〜  ~"'〜..  V::::::::::::!  > 。.,_ ゞ - //   l!::::::::::::l  `Y\
            ::... }::::::::::::| ,  {   `≧=彡'"   j乂:::::::::V  .ハ. .\
              . : l::::::::::::l./  ∧_,.斗zォ=r= - ミ_/  `ヽ:::::ヽ./ .V. . .ヽ
            . : : :|:::::::::::l'  ./く- ''" 彡}_」ミ  ̄ ア    .\:::\ .V. . . .ヽ
        ...::: . : : : : :}::::::::::l .>/.:.:.:V  ,.イ.:.:.N  ./  v   lミッ,、`''<. . . . Y
       / ./. _,Lユユム:::::::::l ./.:.:./ゝ≦ l.:.:.:.l!.ヽ / ヽ  .V  N  ミh、::::::`ヽ、.}
      /.,z彡ア/. . ..ム:::::::メ., '.:.:.:.ケ= - ィl.:.:.:.:N ~_,..斗、 .ヽ:.. i    Y:::::::::::).!
  . . : /-.く .//. . . ../::::/ , '.:.:.:.:.:.L __  .」.:.i.:.:l  ̄  .| \ ヽ.v ,.LLユ、:::::/.ム
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      ゝ、:::V. ./:::::/. . ../.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.!          \;;;;ヒ"__,,   } } }
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         川:::l. . . .{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{.:.:!          f;;;;;;;;;;;',ミ彡イ .l
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508 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:06:19 ID:+zV8TJ62
 女権国家SS失った力の代わりに得た物と前世の因縁との決着

このSSは本スレのスレ主様が連載している女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@>>479から>>484>>487>>から>>491に投降したスポーツの日と化石の日SSの続編です。ファイナルファンタジーのU、V、とファイナルファンタジータクティクスの設定が使われています。
A呪いや祟りなどの設定が本編で語られる前に書いたので大分、本編とは違うかもしれません
B今回は横島以外のキャラクターで女権国家に出ていないキャラのエロシーンもあります。
C原作では巨乳でないキャラが巨乳AAがあるから巨乳になってます。
D本編で主人公である大鳳くんが受けた呪い穢れなき純潔の束縛を(女権国家の女性なりの)善意で使用するシーンがあります。
E女権国家に出ていないヒロインが横島ヒロインとして追加されています
Fラヴィアンというキャラが女権国家本編に出てこないキャラとくっついているうえに彼女の妹みたいな存在の半オリキャラがでてきます。その名前はオリジナルです

女権国家に出てきていない男性キャラクターと女性キャラクター出てきます。
ラビアンというシスターキャラは大鳳くん、横島、ジャギ様の誰かのヒロインになる可能性が高いけど、このSSでは敵を務めるキャラとくっついています。

巨乳AAはあるけど、原作では巨乳でないキャラが巨乳になってます。

 女権国家の皇都、音一つ立つことすら稀な町はずれ、そこで明かり一つすら立たない、石畳のある街の夜道を懸命に駆ける、4人の美女たちがいた。 彼女たちの走り方は訓練された兵士のそれに近い。明らかに逃走の為に走ってはいるが、
それでも彼女たちの目には恐怖はあっても、混乱はなく、目には強い意志力が宿っている。多少でも霊能に対する知識があれば彼女達も一流のオカルト系の戦士だと一目で気づくだろう。金色の髪に豊満な体をしたシスターは不意に立ち止まると、
その細腕に似合わぬ鈍器めいた全てが鉄ごしらえの長い戦斧を取り出し、小枝でも扱うように扱い構えると言った。

「ラビアン、小蒔、フェイ、逃げなさい。ここは私が引き受けます」

 そのシスターの言葉に双子としか思えない二人の黒髪のシスターの片方の女性が進み出て反論した。彼女の瞳にはこの四人の中でも特に折れない強い意志の光がその目に宿っている。ラビアンと呼ばれた彼女は決して引かない意思を持って声をあげた。

「待ってください。カーミラさんでも今の彼の相手はさすがに無理です」

 ラビアンの絶対にここから逃げないと言う意思に金色の髪をしてその善良そうな人柄に似合わない妖艶さを持ったシスターは答えた。

「ええ、でも不可能ではありません。今この場所で最も生存率が高いのは私です。私達が全員逝ってしまったら、彼を止められるものはもう誰もいなくってしまうでしょう。 それに彼の使う武器で殺されたら、私ならもしかしたら蘇れるかもしれませんから。今夜は満月ですし」


 カーミラの言葉に小蒔と呼ばれた東洋の衣装に身を包んだやや赤に近い茶色の髪をした少女が答えた。

「カーミラさん、早く逃げよう。貴女が殿を務めなくても逃げられる可能性は十分あるよ」

 その言葉に彼女は首を横に振った。そして彼女は口を開けて、夜の一族の証である牙と、僅かに残った血液を見せると言う。

「一度バラバラに逃げて合流する際に、運良く外道の群れと私はあったのです。その者たちから殺さない程度に血を奪ったおかげで、夜の一族の超感覚が戻ってきました。だからこそわかります。彼は私達の居場所を既に捕えています」

「そ、そんな、あれだけ高価な逃亡用の霊具を幾つも使ったのにもう?」

 小蒔の声には深い絶望が籠っていた。使った霊具の性能の高さを自分で確認したからこそ、既に自分たちを補足した相手の凄まじさが理解できてしまう。僅かに怯えの混じった彼女の声を断ち切るように、
先ほどまで無言で思案をしていたフェイと呼ばれた少女が、不意に弓矢を放った。機械すら思わせる正確無比で力強い矢が弾かれた音が鳴り、その音が鳴り響くと同時に、不吉を思わせる大きな霊気が辺りを包む。
演劇の舞台の幕が切り替わった様な感覚と共に、美しく不吉な赤い月に映える黒い外套と軍服に身を包んだ少年が現れる。彼女たちの想い人であると同時に、最悪の敵である魔人黒鉄アルト。
彼がその手に持っているものは赤い月と同じ霊気の光に包まれた東洋の魔剣村正。その剣でフェイの放った矢を叩き落した動作が彼女たちが決して死なないと確信していたからこそ放てた攻撃も彼を弱らせていないことを示している。

「アルトくん、考え直してくれないかな?」

 自分の命を絶たれることもそうだが、それ以上にこれから彼がすることを止めたい一心の問いかけに、問われた少年は思う所はあるようだがそれでも躊躇いのない様子の澄んだ声で答えた。

「女権国家が過去に我が故郷に行った非道があった以上は、もはや和解の余地などない。戦いに敗れた対価として、我が呪いの成就の贄となれ」

 カーミラが斧を構え三人を庇うように前にでるとラビアンは剣と弓どちらを使うか僅かに悩んだ末に弓を構えた。小蒔も恐らくは今夜もしくは生涯最後となるであろう一矢を放つ覚悟を決めると弓に最後の霊力を込め始める。

 フェイが剣を抜いて入ろうとしたのをカーミラの声が止めた。

「やめておきなさい。ラビアンちゃんと比べて膂力と速さは上でも、貴女は経験が足りません。二人が援護の矢を乱射できた先ほどとは状況が違います」

 言葉を終えると共に、ばねに弾かれたように飛び出したカーミラの戦斧を村正で受けたアルトはカーミラの連続攻撃を良く防ぎ下がっていく。

切りあいは激しいが勝敗は見えている。膂力はカーミラが僅かに勝るが、アルトの方が魔術と剣技の技巧は上だ。三人の弓矢の援護への警戒がなければカーミラは既に両断されているだろう。
刀と戦斧必ずしも優劣は武器にはない。だが小枝の様に戦斧を振り回せるという普通はありえない条件がある以上は、カーミラの重さも伴う連撃が勝つのが当たり前だ。
だが、アルトの持つ村正は妖刀として膨大な信仰を受け彼の術で強化されている。さらには霊力を通わせれば普通の刀ですらも大抵の鈍器系武器に勝らせるアルトの術までかかった状態だ。
真紅の月を思わせるアルトの刀が彼女に競り勝った。カーミラはそれを見据えながら辛うじてかわすと、広場の方に飛び去った。アルトは一瞬にも満たない逡巡の後、
三人を討たずカーミラの方を追いかけた。おそらくは三人が同時に最後の一矢を放ってきたら、それをかわしながら二人を討つことはできても、
カーミラが戦斧を投げてくると思ったのだろう。以前一度だけ見せた見事な戦斧の投擲が三人の命を救った。

 アルトは三人の矢は無傷ではかわせないからこそ乱戦めいた状態を演じ二人に撃たせないようにしていた節もあった。カーミラは厄介な敵であると同時に三人の矢を防ぐ障害物でもあったのだ。 
あそこで距離を取られては最後の力全てを振り絞った二人の一矢だけでなく、カーミラの最後の魔力を込めた戦斧の投擲まで飛んでくる。だからこそ、カーミラの方に距離を詰めることを選んだ。
乱戦に持ち込み彼女を盾にしながら切り捨てたらそれで勝ちは決まる。カーミラがいなくなれば三人が最後の霊力を込めた最後の一矢もさほど脅威ではない。

 アルトとの戦いでカーミラに幾つかの幸運がこの時舞い込んでいた。カーミラは長命種であり、一つの技能をある程度まで高めると生に飽きをこさせないために色々な技の鍛錬をしてきていた。
中には使う可能性は低いが一応学ぶことは無意味とは言えない、と言う様な技も含まれている。 そして彼女はそういう技も余った時間で気が済むまで鍛え上げていた。
 カーミラは戦争の斧の部分を外すボタンを押すと一気に戦斧を振りぬき斧の部分がアルトめがけて飛ぶようにした。

509 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:08:45 ID:+zV8TJ62

 この時カーミラに舞い込んでいたもう一つの幸運は一時的に彼と共に戦い続けた時期があり、何度もピンチになったがこの技能を使った方が良いような場面は訪れていなかったことだ。
特別隠していたわけではなかったので、アルトはこの技を全く予想していなかった。完全に虚を突かれた彼は刀ではなく、右腕に凄まじい量の霊力を込めて無理やり受けた。
刀で防ぐよりは隙が少なかったが、傷こそできずとも左腕が僅かにしびれ、そして多めに霊力が削られた。

 それを見越すとカーミラは鉄の棒と化したハルバードの鉄製の柄を棒術の棒として使い一気に打ちかかった。アルトの前で棒術を使ったことは何度かあったが、
それでもアルトにとっては戦斧を迎え撃つ準備をしていたため脳内の対処の遅れができ僅かに隙を作ってしまった。

 本来ならアルトが有利な戦いだが、最初の僅かな隙がカーミラと彼の差を一時的に埋めている。アルトは棒術の乱舞を時には村正で受け、時には霊力で強化した手足で受け止めながら彼女の乱撃を捌く。
 やや劣勢でありながらも、三人の最後の一矢をそれぞれ警戒しながらカーミラを盾に戦うあたりその駆け引きの上手さが分かる。

 カーミラが最後の賭けに出たとしか思えない猛攻を仕掛けると、アルトは僅かに押されながら下がった。故意に作ったとは思えない大きな隙。
これすらも演技の可能性はある。だが、故意に作ったのだとしても、この隙は大きすぎる。カーミラは覚悟を決めて一気に大降りに降りかかった瞬間、アルトは笑った。

「我の勝ちだ。 やっと小振りではない一撃が来たな」

 そういうとアルトは鉄ごしらえの鞘を引き抜くと大量の霊力を込めてカーミラの棒を狙ってたたきつけた。これだけの無茶な動きをすれば後の反動で彼もただでは済まない。今見せた一連の動きはそういうものだ。
彼女たちを殺せればしばらくは戦う必要はない。だからこそできた動きなのだろう。むちゃな一撃でそのカーミラの棒術的な動きが僅かに止まった瞬間、稲妻を思わせる赤い光を帯びた村正の斬撃が彼女に降りかかる。
どうにか棒で受けた物の、カーミラは弾き飛ばされてしまった。壁に激突した彼女にはほとんど霊力が残っていない。アルトの斬撃を防ぐために棒に霊気を込めすぎてしまった。 
三人は彼女を死なせぬために即座に躊躇わず破邪の矢を放ったが、それも気休めとしかならないだろう。屋に霊力を込めすぎた小蒔は、自分が赤い月の出る空を見上げている状態になったことに気づく。霊力を込めすぎて倒れたのだろう。

カーミラの断末魔と血しぶきが舞う光景を目の当たりにすることを覚悟しながら彼女は起き上がる。しかしその予想に反し彼女の耳に届いたのはとてつもなく大きな澄んだ金属音だった。そしてその音と共に再びこの場の空気が切り替わった。

 いかなる奇跡が起きたのか、そう思って何とか顔を上げると、アルトの赤い月を思わせる光に包まれた村正を、青いジーンズに身を固めた青年が受け止めていた。
その青年の腕に握られているのは優しく幻想的な癒しを連想させる少しだけ翡翠に似た光に包まれた刀が握られている。

 黒鉄アルトはすさまじく不機嫌な顔をしている。そして彼は自分たちと共闘していた時に数回だけ見せた年相応の少年めいた言葉でしゃべった。

「忠助(ただすけ)殿。貴方もファルガバードの剣士でしょうなぜ邪魔をする。 僕は王国の出身じゃない。貴方方に迷惑は掛からない」

 その問いに、忠助と呼ばれた男も不機嫌そうな声で応じた。

「ワイは高島忠助じゃない。前世はそうだったがな。今の俺は横島忠夫だ」

「それではなおのこと退きなさい。ファルガバードの者ではない貴方には関係ないでしょう」

 その言葉に横島はすらすらと答えた。

「悪いがそうもいかん。暗黒剣ではないがファルガバードの技を使ってしまった。だからこそ前世の役職上やらねばならないことはやるようにしているんだ。前世と同じく、アルトで良いのか?
お前はファルガバードの住民や頼ってきた人たちが害された時に報復するのが役目だった。だが俺の役目は何だった?」

 それを聞くとアルトは舌打ちしつつも、少しだけ面白そうに答えた。

「迫害などで居場所がなくなりファルガバードを頼ってきた者を護る剣となることでしたね。そして罪を悔いた者たちが不当なレベルの制裁を受けるようならそれを止める刃となること」

「ああ。彼女たちは報復対象ではあっても多分当人は何もしとらんのやろ?」

「ええ。その通りです彼女たちを殺すことで女権国家という国にかける呪いが完成します。だからこそ共闘の約束が終わった今夜、彼女たちを切ることでこの村正を完成させます」

 言い終わった瞬間、横島が拳を繰り出した。翡翠色の霊気の込められたそれをアルトの赤い光を帯びた腕が止める。

「責めているんですか」

「いや、ファルガバードの剣士だった前世の記憶もある以上。お前は道義的に悪いことはしてないのはわかる」

 ここまで言うと彼は距離を取り振りかぶって言う。

「ただ怒っているだけだ。自分に惚れてくれている女たちを報復の剣を作る材料みたいな目で見ていることにな。しかもそれやっているのは一時期弟子だった弟分やぞ」

 横島の翡翠色の光を放つ斬撃を受けた時、アルトは僅かに驚いた表情になった。

「前世でも剣の腕はかなりのものでしたが、今生の方が上ですね」

 そういうと彼は横島を蹴り飛ばした。彼が吹き飛んだにも関わらず、アルトはなぜかもう戦えない女性達にも危害を加えようとはしない。明らかに情によるものではない。
一部の隙も無い様子で、横島の方を警戒しながら彼は言葉を続ける。

「今宵はこれでお開きにしませんか? あなたにとっても予定外だったのでしょう? 彼女たちを護りながら戦うのは無理では?」

 それに対して横島は英雄めいた行動をとっているとは思えない調子に乗った子悪党な様な表情で答えた。

「相変わらず駆け引きは下手な奴だ。 もう戦いたくありませんって、表明してしまったな」

「むろんただとは言いません。貴方との決着の為に後日決闘します。場所と時間は貴方が決めて構いませんよ。 前もっていかなる準備をしても文句はいいません」

「それだけじゃ、足りん。負けたら復讐やめて彼女たちともう一度話し合ってやれ」

「分かりました。今の僕が負けることなどありえません。それでもそういいますか。どんな罠を仕掛けても良いですが必ず一騎打ちをすると約束できますか?」

「分かったそれでいい」

 返答を聞き去ろとするアルトに横島が声をかけた。

「すっぽかしたりはしないから、俺と戦うまでは彼女たちを監視したり呪いで縛ったりはするなよ。俺にだったらかけてもいいからな」

「ええ。そうさせてもらいます。というより既にかかっていますよ。決闘をすっぽかしたら貴方は死にます」

 それを聞くと横島はやっぱりかという顔になった。

「契約を破らない限り無害な呪いとはいえ、まったく気づけないとか前世より腕が上がったな」

 横島の誉め言葉が聞こえたか否か判断がつかない程の速さで彼は術を使いどこかへと転移した。 彼が去ったのを確認すると、
横島は文珠を取り出し『調』の文字で辺りを調べる。そして完全に監視がないことを確認すると。腰が抜けたように一気に脱力した。

「怖! 前世ではあいつと本気でやりあったことなかったけど、ガチで殺す気になったあいつのプレッシャーやばかったー!」

「あ、あのう。大丈夫ですか?」

 さっきとはあまりにも凄い落差の彼に対して気遣うように声をかけるカーミラに横島は輸血パックを渡した。

「これはワイの恋人の一人に吸血鬼がいるから持ってたもんや。 ワイの血やけど文珠で保存して霊気も込めているから質は良いはずや。文珠知っとるか?知らんかったらすまん」

510 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:10:14 ID:+zV8TJ62

「あ、ありがとうございます。一応聞いたことはあります。 アルトさんの兄貴分さんだったんですか」

「前世がな。しかし、今回本当に死ぬかと思ったわ。 十中八九退いてくれるとは思っとたが、万一が起きたら、皆さんを転移させてその後あいつとタイマンとか考えたくもないわ」

 小蒔と、フェイ、ラビアンも横島の所に駆け付けると、大変な状態でありながら口々に礼を言い始めた。

「横島さん、助けてくれてありがとうございます。僕は桜井小蒔、アルトくんと今日まで共闘していた女権国家の東洋系の弓使い系の悪霊祓いです」

 彼女の言葉に横島は少しだけ面白そうな顔をすると文珠を取り出し、『回』『復』の文字を入れて彼女達全員が癒える様にした。そして小蒔に言う。

「小巻ちゃんはワイの大事な奴と似た特徴しとるな」

「そうなんですか?」

「ああ。ラビアンちゃんとフェイちゃんも怪我は大丈夫か?」

「はい。アルトさんにつけられた切り傷あまりにも切れ味が鋭いゆえに、逆に早く治りました」

 ラビアンの問いに、フェイも続ける。

「私よりも姉さんに多めに当ててあげてください。私は生まれの事情で傷の治りが早いのです」

「ああ。分かっとる。ワイの女性達も大半が人じゃないからな。治療用の札いるなら作るがどうする?」

 横島の発言に少しだけフェイは驚いた表情を見せて、警戒した色を見せたが、彼の人柄を見る限りは大丈夫だろうという結論になり、文珠だけでよいと答えた

 程なくして彼は彼女たちを連れて、自分の家に帰ると、上機嫌な品格のある金髪のショートカットの髪をした少女が彼を迎えた。

「おかえりなさい。私の英雄さん♪ 今日は凄く格好よかったわよ」

 その言葉に横島は落ち込みの涙を流しながら叫んだ。

「占いで英雄になるための試練あり、しかも襲われているのは愛歌ちゃんに気質が近いムチムチ美女たちって聞いて行ってみたら、全員もう惚れた男がおる状態やったー! しかも相手は前世の弟分やぞ」

「英雄色好むっていうから、私は別に増えても良かったんだけど、占いでも見通せない部分はあるしね。 それよりヴィヴィオちゃんとエヴァさんとアルさんが怒っている、
というよりヤキモチで不機嫌状態だから早くご機嫌取りに行った方が良いんじゃない? それとアリスはヤキモチはやいてないけど――」

 それを聞き横島に助けられた四人は驚愕した。女権国家で何人かの女性とそういう関係になっていながら、善良な女性限定とは言えまだ相手の女性を増やそうと考える辺り、彼の煩悩はすさまじいものがある。 
ひきつった顔になって三人の所に向かおうとする彼を、カーミラが引き留めた。

「あの、すいません」

「なんですかカーミラさん」

「アルトくんと戦った時、横島さんは退いてくれることを確信していたって言ってましたけど、どうしてそう思ったんですか?」

「ああ、簡単な話や。アルトは皆さんとの戦いで相当消耗していた。最初に放った一撃で俺が前世より強いと思い込ませたことで、その警戒を余計に強くさせたんや」

 そういうと横島は文珠を取り出し、そこに文字を込めるそこには『嘘』の文字が入っている。

「本当はビビりまくっているのに余裕たっぷりに見える様にこれでごまかした。前世のワイは強いことは強いがビビリチキンだった。だからこそ、勇敢で少し余裕のあるワイを見て相当な切り札を持っていると勘違いしたんやろう。
前世の俺は手品師みたいに相手をはめるから 三合で仕留める自信がない時はできれば避けろ、十合で無理な時は絶対やめとけって言われとったからな」

「そうですか」

 頷きつつ四人は理にかなっていると思いつつ、少し弱い気もしていた。アルトにとってはあの戦いは絶対に退けないというわけではないができればあの場で決着をつけた方が良い戦いではあった。 
重要度の深さ次第では退かない可能性もゼロではなかったと思う。 深い事情は知らなくても、横島くらいに戦場の機微を知っていればそれくらいはわかるだろう。 その四人の考えを察したのか、彼は説明を続ける。

「多分だけど、アルトの奴は自分が負けると勢力崩壊とか後がない状態だろ。これは前世の知識じゃない、今の上司初音ミクさんがそうだから気づいたんだ。アルトの方がミクさんよりは弱いが、ミクさんと戦い方が似ていたから確信できたんや」

 その言葉を聞き四人の中で納得という形で心がストンと落ちた。それを確認すると、横島は三人の待つ部屋に向かって歩み始めた。


彼が部屋に到着すると四人の女性達が待っていた。怒ってはいないが妬いていることが一目でわかる。ヴィヴィオは既に聖王の大人の形態となっており、エヴァも彼が好む大人の姿になっている。これは、カーミラへの対抗意識だろう。
アリスは、魔女らしく人形めいていながら彼を堕とす策を練れることを楽しんでいるのが分かる。そしてアルは滅多に見せない上級悪魔らしい顔になっている。他の二人はともかく彼女に対して自分のどの行動が嫉妬させる地雷になったのかと訝りつつ、
横島は前に出た。彼は怯えつつも、分身が元気づき始めるのを見て、自分は王国男子としては終わっているかもという達観がある。

 頭の中で彼女たちに対する対処をまとめる。自分が悪くないと分かっているなら謝るのは逆効果だ。とりあえず最初にエヴァに対して口を開いた。

「エヴァ、先ほどお前以外の吸血鬼に血を与えてしまった。お前が認めたわけでもない相手だ」

 その言葉にエヴァは不機嫌ではあるが、横島が責められるべきところはないと理解しているという意図を込めた声で答えた。

「明らかに善良な私の同胞を助けるためにやった事だろう。さすがにそのことで責めるほど、大人げなくはない。 だが――」

 言い終わるより先にエヴァが彼のそばに来ていた。彼女は甘い吐息を匂わせながら、言う。

「感情は別だ。今宵はじっくりと私達に尽くせ」

 エヴァの牙が彼の喉に穴をあけ僅かに血を啜られた。 激しい快感を与えられても一気に吸ってもらえないことがかえって彼を辛くさせる。 快楽をねだる彼から彼女は離れると笑う。

「普段はこんな趣味の悪い焦らしはしない。 今夜は私の嫉妬を鎮めるために無様な懇願を続けろ」

「エ、エヴァ様。お願いですから一気に快楽を与えて楽にしてください」

「今夜は完全屈服の敬語が早いな。 今まで激しい快感を与えるだけで焦らしはしてこなかったからか。敵の吸血鬼にとらわれた時の訓練を今夜から始めるか?」

 横島の顔が引きつった。半分は恋人としての意地悪でもう半分は師匠として真剣に考慮している声だ。

「そ、それは」

「安心しろ、吸血鬼は少なくはないがそこまで多くもない。それに私の顔が通じないものは少ない。 ――だからこれはただの遊びだ」

 そこまで言うとエヴァは笑いながら彼の首筋に再びかみつきながら、血を啜り始めた。いつの間にか服を脱がされていた彼は快楽で朦朧とした頭の中でエヴァの裸体が目に入ると夢心地になった脳にその美しさが再び焼き付き始めていく。
朦朧とした意識は彼女が腰を下ろし彼の分身を飲み込んだ時点で、朦朧とした意識が完全に目覚めた。立つことすらできないはずの彼をエヴァの指から出た魔力でできた糸が彼の内部へと入り操り始める。
体の中すら愛撫されるような感触が余計に彼を昂らせていくが、エヴァトアリスの糸は双方とも与えてくる快感が異なる。
人間が望む脱力をもたらす快楽を無限に与えてくるようなアリスの糸、これは彼女の自分で動くことすら放棄してひたすら自分の与える快楽に沈んでも良い言う意思が伝わってくるようで、
気持ちよいと感じると共に恐ろしい感じもする。対してエヴァの糸は快楽で自分を屈服させて来る彼女の意思が籠っているようだ。自分の与える快楽には勝てないのだから従え、そう言われているのが嫌ではないと思える辺り恐ろしいと感じる。

511 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:11:46 ID:+zV8TJ62

 エヴァの糸に内部まで愛撫されるような錯覚を覚えながらも彼女が望む様に体は動き彼女と抱き合う形で上にしながら、彼女の体のさまざまな部分を愛撫させられる。
強すぎる快感で射精ができない状況に追い込みながら一番強い快感が来る時期に合わせたように彼女は抱き着き乳房が形を変えるほどに押し付けながら、
横島の腕で尻を揉ませると僅かに位置を変えた。その瞬間決壊した様に射精が起こり、それと同時に彼女の牙が首筋に刺さる。

 10秒近くも続いたと思える射精は彼女の牙がもたらす快感で5秒近くも伸びそのまま彼の意識が壊れかける。吸われた血と精は多量ではあっても医学上は問題な量なのに与えられた快感と、
吸われた霊力の量が多すぎてエヴァが離れると同時に彼の体が糸が切れた人形同様に崩れ落ちた。

 それでもエヴァから離れるのが名残惜しそうな彼を見てエヴァは嬉しそうに笑いながら言った。

「咎めるほどではない、と分かっていても、他の吸血鬼にお前の方から欲情した目を向けるとこれほど嫉妬するのだ。 お前の方から手を出したらどうなるか想像はついたか?」 

 彼女の問いかけに対して、彼の分身が固くなったのを見て、エヴァは嘲笑と自尊心が満たされた女性特有の笑みを浮かべて彼の分身を足でいじりながら言う。

「む、王国男子として情けなさすぎることをされたのに逆に想像して硬くなったか? これでは教育失敗かもしれんな」

 足で射精させた後、彼女は自分の足がどれだけ精液まみれになったかを彼に見せてからその精液を霊力に分解して吸収して見せた。

「私の気持ちはこれで収まったがそうでないメンバーのご機嫌取りを頑張れ」
 他人事の様にエヴァは笑いながら強すぎる快楽で動けなくなった彼を三人に引き渡した。

 横島は完全に快楽で壊された脳を総動員してどうにか質問を口にした。

「エ、エヴァが怒るというか、妬いたのはわかる。アルさんとヴィヴィオはなにが地雷だったんだ?」

 問われた二人も、嫉妬はしても横島が悪くないと分かっているらしく問いかけに対して、どうこたえるか考えている。今の理解力が落ちている横島にも、分かる言葉を少し考えると二人は考え付いた表情になり、アルが先に答えを返した。

「私は悪魔だから、『シスター』に欲情して口説いたのが嫉妬のポイントだったの。 多神教ならまだしも彼女たちは一神教に近いからね」

 そういって彼の唇を奪い思考力を落とす彼女の横でヴィヴィオも言う。

「私もアルと一緒です。 多神教の神の血を引いている聖王としては一神教に近い考えのシスターに靡きそうになるのはアウトなんです」

 そう言ってヴィヴィオはアルに目配せをした。アルはそれにこたえる様に、横島の仰向けの体に自分の体を押し付ける様に覆いかぶさり彼の分身を内部に飲み込む。

 エヴァとは対照的に彼女は優しい刺激で彼を何度も射精させてそれを受け止めて楽しんでいる。仰向けの体に押し付けられる彼女の豊満な体の感触に溺れながら彼の意識はどんどんと朦朧としていく。
上等な酒を飲んだ際の眠気の中にいる様な感覚が彼を蝕み、
しばらくすると起きていながら眠る直前の様な状態になった。残った僅かな意識で彼女の魔力で体を動かされている感触を味わいながら彼女の体の様々なふくらみを揉みしだかせられる。
 彼女の与えてくる体をしびれさせる蜜の様な感触が彼を蝕み切った時、アルは笑いながら彼の傍から離れた。

 心地よいまどろみが極に達した様になっていた彼はアルが自分の上から離れたのを知り名残惜しく思った次の瞬間、一気に意識が覚醒させられる。ヴィヴィオが自分の上に乗り彼を絞り始める。 彼女は笑みを浮かべながら彼に言う。

「吸血鬼に悪魔相手に随分と汚されましたね。今から聖王である私が浄化して差し上げます」
 エヴァとアルの闇の気に慣れ切ったところで、逆の属性の力を持つヴィヴィオに跨られ絞られることで彼の分身は凍土の中から不意に日の中に投げ込まれた様に跳ねてヴィヴィオの中に大量の精を放った。

「ヴィヴィオ、お前普段からアルやエヴァと仲良く遊んどるやろう」

 激しい快感で意識が戻ってきたことと、あまりにも突っ込みどころの多い彼女の言葉に彼はつい突っ込んだ。それに対して笑いながら彼女も堪える。

「個人的な友誼と王としての、職責は別です。貴方は私と違って、男性で快楽に弱いから王である私が悪魔のもたらす快楽を上回る快楽で縛らないとどうなるかわからないでしょう」

 ヴィヴィオが笑いながら彼の上で腰を上下させるとその度に彼の口から悲鳴が上がった。それを見ながら彼女は心底楽しそうに笑う。

「ほら、精力はいただきますが代わりに霊力は上げますから早く回復なさい」

「ヴィ、ヴィヴィオ、休ませて」

 それを言うと彼女は笑いながら横島から一時離れると、アリスに目配せをした。アリスは頷き、横島に栄養価の高い魔法酒を差し出してきた。彼はアリスに礼を言いながら飲むと精力が回復してくる感じと共に体がだるくなり動き辛くなっていく。
 アリスは笑みを浮かべながら脱力する彼を抱き留めると彼に口づけし舌を絡めてきた。 自分を抱き留めるとアリスの指から体の中に霊力でできた糸が入ってくるのが分かる。ゆったりと床に倒れながら彼女が自分の体をそうなるように操作しているのだと、察しながら彼は倒れた。

「ヴィヴィオ様、それじゃあ今夜のメインイベントに移りましょうか。忠夫、アルトくんとの戦いの為に祝福とまじないをかける儀式の時間よ」

 綺麗な笑みを浮かべるアリスに怯えつつ、どこかで期待するようになっている自分に呆れながら彼は彼女たちの動きを見つめる。アリスは何かの魔術の呪文を唱え終えると服をゆっくりと脱ぎ始めた。

 横島はアリスの完成された人形を思わせる肢体を見て分身が元気づくのを感じながら自分はアリスの体に見慣れることは永遠にないのだろうという達観を覚える。アリスは彼が朦朧とした意識の中でも自分の体を見て反応する彼を見ながらアリスは嬉しそうに笑い彼を抱擁し、
分身を飲み込みながら口づけて舌を絡めてくる。背中に回されたアリスの手の指から自分の体の中に魔力でできた彼女の糸が入ってくる感触がある。エヴァの支配する強い刺激に慣らされた後の彼の体はアリスの優しい刺激が新鮮になっており余計に体が反応してしまう。

 愛おしそうに眼を閉じながら彼との口づけを楽しむアリスの舌は叫び声という快感の逃げ場をふさぎ、自分の秘所に注ぎ込まれるそれを少しでも増やそうとしているようにも思える。
横島はアリスの糸に動かされている時は自分が人形劇の中で最高に楽しい時を過ごしている人形になっているようだと思う。
動かなければ得られない快楽が動かずとも押し寄せてきてただひた彼女に全てを委ねることへの誘惑が強くなっていく。舌で口内を撫でられる度に彼女の中に精が放たれていく。
ここを超えると自分は完全に人形になることへの抵抗がなくなるその寸前でアリスは彼から離れた。

「名残惜しいけど、そろそろ次に移らなきゃダメだから。アルトに勝つなら前世の再現率を思いっきり上げなきゃね」

 笑いながらアリスが離れると、横島の体は自動的に動きながらヴィヴィオに近づき始める。ヴィヴィオは笑いながら彼の前で肢体を見せつけながら、彼が自分の所に到着するのを待った。彼女の体を見て分身が余計に硬くなっているのをヴィヴィオは見下しながら笑う。

「忠夫さん、前回暗黒剣の才能の潰されたのに全く警戒していませんね。あるいは警戒心があってもこの子に逆らえないのか」

 この子の下りでヴィヴィオは彼の分身を最初に強く踏みつけ、次いで足で優しく愛撫し始めた。達することができないぎりぎりの刺激を送りながら笑うヴィヴィオに抗えず、情けない声を上げる彼を周りの女性達も欲情と蔑みの籠った目で見ている。

512 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:12:57 ID:+zV8TJ62

 ヴィヴィオが再び足で彼の分身の亀頭を踏みつけそれに反応して、体がのけぞった所でヴィヴィオが覆いかぶさるように彼女が上になる対面座位に持ち込んできた。
覆い被さるような形で彼を嫐るヴィヴィオ相手に、悲鳴をあげる彼に対してヴィヴィオは不敵な笑みを浮かべている。 横島は彼女の言動に大きな不安と疑問を抱いた。
ヴィヴィオは基本的に共有を許容した女性が相手でも彼が激しく嫐られると、王らしい貪欲さでそれを上回る支配の欲を見せながら上書きしてくることが多い。
アリスの真似をして唇をふさいでこないのは絶対に何か意味がある。 そこまで考えたところでアリスが笑みを浮かべながら背後から近づいてきて、彼の背中の腰の辺りに何かをくっつけてきた。それをくっつけられたのは丁度彼の分身と同じ位置だ。

疑問に思う間もなく、アリスが離れると不意に背中からも誰かに挟み込むように抱き込まれ、そしてアリスにくっつけられた何かから激しい快感が走る。それはまるで背中にもう一つ分身をつけられてそれを後ろから抱き着いてきた女性が飲み込んだかの様だ。

「あー! あー!」

 横島の悲鳴が上がり最大の音量になりかけた瞬間を狙うように、ヴィヴィオが彼の唇を口づけでふさいだ。そしてアリスとは異なる支配するような形で舌を絡めてくる。

 苦悶の表情を浮かべる横島を楽しそうに眺めながら腰をグラインドさせるヴィヴィオをよそに後ろから声が響いた。

「忠夫さんどうですか。私の与える感触は」

 声でオリヴィエだと理解した瞬間、彼の心に絶望が走る。彼女はヴィヴィオと共に彼を嫐ると責めがえげつないことになることが多い。

オリヴィエが後ろから彼に強く体を押し付けると背につけられた分身をより激しく嫐る。彼は絶頂を迎えると、背中の分身からは精液こそ出ていないが霊力が彼女の膣に注ぎこまれていると感覚で理解できる。

 オリヴィエは敢えて彼に与える快感を少し抑えた瞬間後ろに彼が腰を退くとその瞬間に再び元の強さの快感に戻し、それを見たヴィヴィオが同じことをすると彼は腰を前に出してヴィヴィオの方に逃げる。
その瞬間ヴィヴィオもオリヴィエと同じことをして、彼に追い打ちをかける。何度同じこと二人に繰り返されても彼は同じことを繰り返した。与えてくる快楽が限界に達し、もはや一時しのぎでも逃げることしか考えられなくなっている。

 横島に目を閉じて口づけを楽しんでいるヴィヴィオに不意にオリヴィエが声をかけた。

「聖王陛下、そろそろ口を解放してあげてください。陛下は表情で楽しめるでしょうけど、私は悲鳴も聞きたいんです」

 ヴィヴィオが口を放すと横島の悲鳴が響き渡った。その中でヴィヴィオは横島を責めながらオリヴィエに言葉を返す。

「彼の筋肉の震えで十分わからない」

「それも愉しいですけど、やっぱり声も聞きたいんです」

「じゃあ、前と後ろ代わりましょうか。一回体験すると口をふさいでいたい私の気持ちもわかるでしょうから」

 そういってオリヴィエと彼女はゆっくりと彼から離れる。彼がアリスの糸がなくてももう動けないことを理解しつくしているが故の行動だ。

 ヴィヴィオが背後から彼の背中に豊かな乳房を押し付け、オリヴィエが横島の両手を取り胸を揉みしだかせながら口づけし、ゆっくりと手を尻に誘導した後、ヴィヴィオと同じ体位で彼の分身を飲み込むと、一気に動き始めた。 
ヴィヴィオも同時に背後から彼に襲い掛かり先ほどのオリヴィエと同じことをする。彼は即座に絶頂すると前の分身からは精を放ち後ろの分身からは霊力を放った。

「あー!」

 悲鳴に近い嬌声は、直ぐにオリヴィエの口づけでふさがれて、二つの分身以外から抜け出すことができなくなった快感が一気に二つの分身から注ぎだされる。 二人は笑いながら横島を嫐りぬくと二人も絶頂を迎えた。
その瞬間、横島の大事な糸が切れた様な感覚が走り、かれは操るものがいなくなった人形の様に崩れた。オリヴィエは愛おしそうにそれを抱き留めながらヴィヴィオに謝罪した。

「ごめんなさい。確かに口を塞いだり、開放したりの遊びは楽しいですね。陛下がやりたくなるのも当然です」

「分かってくれればいいですよ」

 倒れる横島をよそに、アリスが再び薬湯をもって彼の口に運ぶと彼はそれを飲みながら訪れた小休止に感謝しながら泥の様に布団に沈みそうになる。だがアリスとヴィヴィオとオリヴィエが三人がかりで体の様々なツボを押してきて痛みと快感の二つが彼を眠りの世界に旅立たせない。

 アリスに背中のツボを押され快感で目が覚めた彼を見下ろしながらアリスが言う。

「忠夫、そろそろ種明かしの時間ね。貴方の背中につけた物はこれよ」

 そう言ってアリスは横島の分身とよく似た、プラスチックらしきものでできた男性器を模した棒を見せてきた。色の塗り方などは凄くリアルであり、もう一つ自分の分身があるのではないかと思えてくる。
彼女がそれを愛撫すると自分の分身にもそれと同じ感触が走り再び分身がそそり立ち始めた。呪いの人形と同じようなものかと思って少し不安がる彼にアリスが笑いながら言う。

「大丈夫よ。これは元から性的な快感以外は通さないようになっているから。これは貴方の前世の再現劇でつかわれた、人形たちの分身に使ったものを集めて作ったの。だから前世の再現が色々と可能なの。例えばこんな風にね」


 そういうとアリスは笑みを浮かべながら、オリヴィエに手元の分身を渡した。受け取ったオリヴィエとヴィヴィオは笑いながら彼の分身の模造品をお湯で洗い始める。そしてその愛撫が自分の分身に至り始めるとヴィヴィオが洗うのをオリヴィエに任せて彼を押し倒した。
 最初から本気の、ヴィヴィオの攻めを受けていながら彼は達することができず、必死に原因を探すと、オリヴィエが彼の分身の模造品の射精口を塞ぎ強く握りしめている。それを理解した後、懇願めいた声を上げるのをヴィヴィオが腰を動かして快感で遮った。
それを三回ほど繰り返したのち、オリヴィエがようやく寸止めをやめて射精させてくれた時、止められた分の精も一気に放った彼はそのまま意識を失った。そしてふと思う、これは前世で聖王にされたことの再現だと。

 倒れる彼に口づけしながらヴィヴィオは言う。

「気休めかもしれませんが、前世でアルトと戦う前の再現な性行為を何度もしましょう。そうすれば英雄である前世をなぞる彼に対する勝率も上がるでしょう。貴方は前世に置いて『真剣勝負では』彼に負けたことはないのだから」

 そこまで言われた後、彼の意識は疲労が極に達した形で落ちていった。


 次の日に目覚めた彼はアリスが作ってくれたシチューを食べると、少しだけ体に力が戻ってくる。食べ終えた後、蜂蜜を入れたコーヒーを飲んで今日の鍛錬の段取りをつけようとすると来客を告げるインターホンが鳴った。

「いらっしゃい」

 誰だろうと思いつつ彼は家主として来客を迎えるべくゆっくりと玄関に向かい始める。まだ辛うじて早朝だから遅くてもそこまで無礼にはならないだろうと考える彼を迎えたのはあまりにも予想外過ぎる来客の姿だった。
彼の眼前では、昨日殺し合った前世の弟分=黒鉄アルトが玄関にたたずんでいる。 愛歌が一切警戒していないことと、前世の記憶らしきものが今の彼は安全だと告げているためか、驚きはしても警戒の念はわいてこない。横島は少し考えた後、彼に声をかけた。

「アルト、何の用事で来た」

「忠助殿、いや横島さん。戦うにあたってどうしても伝えておかないと不誠実かもしれないことがあったので、貴方が望むなら伝えておこうと思いました。 むろんあなたが望むならこのまま帰りますが」

「愛歌ちゃんが警戒してないってことは、裏はないんやろ。俺は彼女達を守る戦いから手を引いたりはしない。だが話してくれんか。上がっていけ」

「承知しました。王女殿下、ありがとうございます。貴方が先に出てくれたおかげで彼の警戒心が薄れて信じてもらう手間が大きく省けました」

513 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:14:35 ID:+zV8TJ62
愛歌に対して礼を持って接する彼を見て、そういえばファルガバードは愛歌の王朝が滅んだ際にその王朝の流民も多く受け入れていた。
その際に流民や元貴族から様々な技術や美術品を売り払った際の収益などの恩恵も受けていたなと前世の記憶が戻ってくる。その王朝の王女が相手なら敬意を払うのも納得できた。

 アルトの礼を受けながら愛歌は笑みを浮かべて答えを返す。

「黒鉄さん、ファルガバードの剣士として私の王朝の流民や忠義を尽くしてくれた人々を保護してくれたことに感謝します。それと一月後に忠夫と真剣勝負をするということでよろしいのかしら」

「ええ。殺すために戦う気はありませんが、結果として命を断つことにはなるかもしれません」

 そこまで言った後、アルトは重い口調で言葉を続ける。

「最もその逆、僕が殺されることもあり得ますけどね」

 アルトの声の緊張具合は、自分の方が勝率は高いと認識していながら、横島に負ける可能性もあると本気で思っていることがうかがえた。それに対して愛歌は笑って返す。

「そう。これは単なる女の勘だけど、私の英雄さんはどちらでもない結末を招いてくれると思っているわ」

 愛歌の言葉にアルトは少し悩んでから返した。

「その可能性もゼロではないでしょうね。前世で彼と共闘した回数が一番多かったファルガバードの剣士としてそう思います」


 二人のやり取りを見つつ横島は、アルトに早く家に上がるように促した。


アルトが進もうとする中で愛歌が不意に声を上げた。

「忠夫、お客様のおもてなしのお茶とかは今日私がするから」

 愛歌の発言を一瞬疑問に思ったが、何か考えがあるのだろうと思い了承し奥に行くと、愛歌の危惧の内容が直ぐに分かった。

 ヴィヴィオの姿を見た瞬間、アルトの目の色が変わり一気に部屋の空気が変わり始める。彼の体から魔人めいた鬼気が走りその怒気が産んだ幻影の刃がヴィヴィオの首を切り落とそうとした錯覚を横島は見た。

 迷いなく駆けだし霊波刀を抜き間に入ると、アルトは怒気を収めながら横島と愛歌に謝罪の言葉を投げかけた。

「横島殿、愛歌様申し訳ありません。 仇敵となった女を前に怒気と殺気を抑えられませんでした。 一応はお二方の大切な人間であり、辛うじて粛清対象外の相手ではあるのに未熟極まりました」

 そこまで言われて横島は、アルトの殺意の理由に思い至る。ヴィヴィオは前世に置いて、彼の前世である高島忠助の死後ファルガバードの魔剣士達と敵対した。恨みや憎しみではなく、彼の寿命を縮めた技を失伝させることと、
魔剣士を殺す者という概念を自分に宿らせることで彼の来世の運命を変えようとしたらしい。 聖王に対してはアルトは恨みがあるがギリギリ報復対象からは外すことができるようだ。恩を仇で返されたとはいえ、
戦のルールは守っていたし、宣戦布告も共闘後にファルガバードが力を取り戻してからにしていた故に、負けた自分たちが悪い、というのがアルトの考えなのだろう。

 対して女権国家は受けた恩を仇で返し決して破ってはいけない同盟の約束を破る形で聖王に負けそうなファルガバードを襲い目当ての男たちを拉致して回った。それが原因でファルガバードの剣士達にも多くの死者が出たため、聖王よりも女権国家の方が許せないとアルトは思っているのだと思う。

 いくら報復対象外とは言え、故郷の滅亡に最も大きな原因だった聖王の生まれ変わりに、彼が悪感情を抱かないのは難しい。そう考える横島の心を読んだようにアルトの声が響いた。

「それだけではありません。 前世の聖王殿は、ファルガバードの剣士達を何人も望まぬ運命に落としたし、数は少ないが戦闘中に殺害した例もありました。 その際も少なくとも卑怯な手は使っていなかったし、
殺された相手も負けた無念はあっても死ぬことも覚悟しなければいけない道を選んだものとして恨み言は言いませんでした」

 そこまで言われて横島も気づく。ヴィヴィオが自分を堕とし、魔剣を使えなくしたやり口は明らかに前世の聖王とは違い卑怯すぎた行為だ。横島はファルガバードの剣士ではないからそれが原因で粛清対象とはしないまでも、
絶対に良い気はしないだろう。横島の考えを読んだのか、アルトは言葉を続ける。

「ええ、彼女はストレリチアではなく女権国家の王めいた行動をとったことに僕は殺意を覚えています」

「分かった。だが被害者当人である俺は許している。 アルトお前は前世の俺から受けた恩はかなりあっただろう。その恩を全てなかったことにして構わないから、仮にお前が勝って俺を殺しても俺の魔剣の才を潰した者たちは報復対象から外してくれんか」

 前世の力を多少でも使った以上はこういう筋は通すべきと思い口にするとアルトは頷いた。愛歌がお茶などを持ってくると言った理由もわかる。アリスやヴィヴィオ達が持ってきた飲食物には彼は絶対に手を付けないだろう。


 アルトは横島の言葉に了承の胸を返してきた後、一言だけヴィヴィオに向けて言葉を放った。

「兄弟子殿、了承します。個人的な感情としては彼女相手には特殊な加護が働かない手間を差し引いてでも彼女を殺したかったのですが、やめます。貴方を結果的に殺害することになっても、
彼女から何かしてこない限りは彼女を害しはしません。 しかし、聖王殿、前世の貴方は少なくとも兄弟子が逝くまでは、彼が護る価値のある御方でしたが、女権国家の女性に近い気質に成り下がりましたね」

 その問いにヴィヴィオは笑顔で答えた。剣呑な気配はなく、一切気にしていない様だ。

「貴方の目からしたらそう見えるでしょうね。 ですが聖王たる私のなすことは全て聖なる行ですから。私の伴侶となるに不要なものを取り除かせていただきました」

 アルトから剣呑な気配が発せられ、ヴィヴィオも彼に悪感情はないが念のために迎え撃つ構えを取りかけた瞬間、愛歌がお茶を持って部屋に入ってきた。

「黒鉄殿、ヴィヴィオが悪意なしとは言え失礼しました。それでは約束の事実の説明をお願いします」

 王女らしい礼節を保った物言いを聞いた後、アルトは彼に向って自分の意識を伝える術を使ってきた。

 それを受けて横島の顔色が変わった。 黒鉄アルトは一度壊滅したファルガバードの村の残党の様な隠れ里で生まれ育った少年であり、彼の村は大昔と同じく女権国家に協定違反の方法で滅ぼされていた。 
女権国家のオカルトの部署に、助けを求められた際に大昔の遺恨はあったが、女権国家を滅ぼそうとした大多数が悪と断じる組織に襲われるのを見逃すのは人道にもとりすぎる。そう考えこの戦いが終わったら宣戦布告するという約束の後女権国家のオカルト部署の人々を助けた。
 オカルト部署の者たちもそこまで悪辣な者たちではなく、当初は戦争の約束事を護るつもりだったようだ。だが、非人道的霊能組織を潰した時のファルガバードの残党たちの強さに怯え、その組織との戦いが終わった傷がまだ言えていないファルガバードを休戦協定の期限が切れる前に夜襲して滅ぼした。

アルトは仲のよかった面子が死に果てた時に前世の記憶が蘇り、その場で女権国家の郡代を返り討ちにして逃げ延びてこの国に潜伏した。

 過去を見終えた彼にアルトは言う。

「横島殿、今回の報復行為見逃してはくれませんか。自分が大切に思っている相手すら殺すことで発動する呪いで、女権国家の霊的滅亡を僕は狙っています。貴方にとっても悪い話じゃないでしょう」

「論外じゃボケ。王国との戦争で女権国家の方が先に破るべきではない協定を破ったことを発覚させて良識派やストレリチアが王国寄りになってきたし、新王国派で王国に経済支援している国境地帯まで呪いの対象やないか」

「そうですね。王国に帰属したら女権国家所属でなくなるから呪いの効果はなくなると確かな成果と共に通知しますよ」

514 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:15:39 ID:+zV8TJ62

 
「それやっても最初の呪いの余波で死ぬ親王国派の人間は相当出てくる。爆弾みたいに使うことは許容できんわ。女権国家に1000のダメージが入るとしても、その巻き添えで今の王国に600ダメージが入ったら王国が死にかねん」

「でしょうね」

「それにアルト、お前は恐ろしさに負けて新制ファルガバードを夜襲した女軍人たちを殺すだけじゃなくて、死んだ方がましな状態にするつもりだろう」

「ええ。そうですが」

「彼女たちのやったことを思えば、殺害までなら仕方ないとは思う。だが彼女たちを敢えて生かして、守ろうとした民たちの死骸の山を見せたり、死後悪霊として使役して、女権国家の一般市民を殺して回らせるとか悪趣味が過ぎるわ」

 横島にとってはアルトの報復行為も悪趣味すぎるし、それをやろうと思えばいつでもできたのに敢えて恐怖で苦しめるために実行に移さずにいたこともは不快すぎた。だが、故郷を焼かれた恨みを共有できない自分が、
言ってよいことでもない、と思ったからこそ黙っているが、戦争のルールは守っているとはいえ、当てつけの為に殺される民の身にもなれと言いたかった。

 アルトは自分に憤りを感じているらしい横島に対して不快感は持っていない様だ。彼の前世の役職と信条が今でも受け継がれていると感じているためか少し好意的な様子に見える。彼は少し考えると口を開いた。

「無理だとは思っていましたが、やはり手を引いてはもらえないようですね」

「ああ。色々と理由はあるが、一番は自分を好いてくれている女たちを殺して妖刀と呪いの威力上げようとしとるだろ、それが一番許容できんわ。半ば育ての親に近かった兄弟子として殴りつけねばと思っとるわ」

 アルトの持つ村正は凄まじい呪いの力が感じられる。二度の不義理で滅ぼされた里の呪いを込めた妖刀の力が放たれれば女権国家に相当な打撃が入るだろう。
だがさすがに無辜の民草まで巻き添えにする様な行為は許容できない。 他人ならまだしも前世の記憶が戻って彼を身内認定している今はなおさらだ。

 少し考えた後アルトは、口を開いた。

「僕が戦の礼に反した方法で殺されれば、祟り神と化して女権国家に未曽有の霊的災害を引き起こすことになります。戦の礼に反さぬ方法で討たれればそうでもありませんが、止めたければ正面からくることです。それとこれは個人的な忠告なのですが」

 最後のアルトの言葉は明らかに裏がないと彼には分かった。これも前世で半ば育ての親に近い兄弟子をしていた経験だろう。

「近々貴方は敵国の貴人の訪問を受けることになると、占いに出てますよ。心情的にかなり難しい立場に立たされるかもしれない」

「そうか、決闘の日まで元気でな。それとワイが勝っても卑怯だとか言ってリベンジマッチはやめてな?」

 情けない発言をする横島を見ながらアルトは少しだけ面白そうに笑った後、出て行った。


 アルトは帰り道で様々なことを考えていた。

『彼の恋人の中にベリアルがいたな。詐術に長けた悪魔かなり力を取り戻していたようだった。一応は僕を騙せるほどではないが、相当に嘘の制度を上げることはできるはず。やはり昨夜のあの態度はブラフだったか』

 アルトはできる範囲で横島の戦績を調べたが、前世と同じく搦め手や器用貧乏めいたスタイルで、敵の専門分野外から引きずりおろして勝つということが多いようだ。だが一つだけ気になることがあった。

『前世の記憶を取り戻してからは刀を用いた剣技や術を使うことが多くなったようだ。これは想定内だけど、一度だけ敵対している防諜組織相手圧勝したことがある。その際の戦闘方法が謎のままだ。
多分前世関連の技ではないだろう。そういう技を彼が覚えていた記憶はない。だがその戦闘の後に彼は相当長く寝込んだとある。おいそれと使える類のものではないことが幸いか。
それにそれを使った後寝込んだという情報は間違いなく事実の様だからそれを、使うのなら本当に最後の決戦の時だけだろう。それなら僕が負けることはない』


 横島はアルトが帰ってから数日後に驚くべき人物の訪問を受けていた。目の前には敵対国の長である皇帝ネロの姿がある。 ネロは高級な菓子を口に運びつつ彼に声をかけてくる。

「余が任命した部下たちの不始末を図らずも王国の人間にしてもらうことになりそうで誠に遺憾である。そして貴公が王国の人間ではなく、前世の因縁故に剣を取ると言うなら、ファルガバードの村にどれほどの負い目を持つことになるのやら」

「ファルガバードの村の剣士としても剣を取るし、王国のスパイとしても剣を取ろうと思ってます。 (比較的良識的な)ネロ陛下が皇帝でいてくれた方が今の王国にはありがたいので」

 ネロは性格上、宮廷以外では意図せぬ無礼にはかなり寛容だ。そして無理に取り繕った言葉よりもある程度飾らない言葉で本心を話した方が上手くいくこともあると、彼女と親しい大鳳から聞かされていた。だからこそ今の横島はそれに習って行動していた。

「そういってもらえて嬉しいぞ。敵国からも皇帝でいてほしいと思われるとはさすが余だ!」

 ネロの言葉に答えつつ、カーミラやラビアンが所属する修道院が、皇帝の側仕えを輩出しておりその縁でこちらに来たそうだ。ラビアンたちの負傷を聞いて、血相を変えて高価な回復アイテムを持ってくるあたり、善人ではあると思う。

 少し考えた後に横島は本題を切りだした。

「ネロ陛下、今回俺の所に来た理由は何でしょうか? アルトを討つ際の協力の申し入れですか?」

「いや、ファルガバードの兄弟分同士の戦いであろう。それは余が口を出していいものではないと思っている。ただ皇帝としての責務を果たしに来ただけだ」

「一体それは?」

「決闘場を余が用意したい。決して破れぬ呪術的な誓約書に署名しよう。そなたたちの戦いには横槍は一切入れぬし、入れさせぬ」


 それを聞き横島は即答した。

「ミクさんが了承したらその申し出受けます」

 そういうと横島はミクに連絡を取った。

「ミクさん今から文珠をそっちに一個送ります。そこに『伝』の文珠を渡すので情報を受け取ってください」

「あんたが大鳳越しじゃなくて直接私に、連絡寄越してくるって相当の緊急事態みたいね」

 横島はオカルトに関する事柄を任されるようになってからはミクに直接連絡をとることもそれなりにあったが、それは常に緊急の場合だった。基本的には直属の上司である大鳳を通じて彼女に伺いを立てている。
横島が文珠まで使って早く情報を伝えようとするということは、緊急事態の中でも特に急ぐ用件なのだと断じたミクは、彼からの文珠を受け取ると情報を頭に刻み始める。そしてしばらくの時が経つと断じた。

「その話受けなさい。今の国家の状態を思えばアルトの企みが成功しない方が王国の為だわ」

「承知しました」

 横島はそれを聞くと頷き、ネロの元に戻った。

「陛下今回の話お受けします。どうかアルトとの戦いに横やりが入らない様に手回しをお願いします」

「うむ。感謝するぞ。それとそなたはかつて我らの先祖に滅ぼされた王国の幽霊と懇意だそうだな」

「はい」

 内心の衝撃を隠しつつ、平静を装い彼は答えた。愛歌の存在は女権国家の皇族にとって脅威ではない。にもかかわらず知られていたとは。そこまで調べられていたのか、それとも、知られても無害だからこそ悪意なしで誰かが漏らしたのだろうか?
多分後者の可能性が高いと考える横島にネロは言葉を続ける。

515 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:17:15 ID:+zV8TJ62

「会わせてくれぬか? これは個人的な頼みであり、もしも断ってもそなたに不都合は一切生じさせぬ」

「分かりました。『俺は』構いません。ただ彼女が嫌だと言ったらお断りさせてもらいます」

「対面が叶わぬとしても取り次いでくれることに感謝するぞ」

 横島は奥に入り愛歌に事情を話そうとすると、その前に彼女が言葉を返してきた。

「大体の事情は聴いていたわ。直ぐに会いに行くから安心して」

「良いのか?」

「私を害そうとしているわけではないのはわかるから。 それにあなたに英雄となってもらうためにはその方が良いって勘が告げているの」

 愛歌の答えに頷くと彼は、愛歌を伴いネロの元に戻った。 ネロは愛歌を見るとお互いに王族同士の礼をかわした。

「かつて滅んだ王朝の王女殿、滅ぼした王国の子孫でありながら対面を申し入れるのは失礼かと思ったが、それをしてでも貴女と会い見極めたいことがあったのだ。対面を申し入れたことを許し応じてくれた貴女の寛大さに感謝を」

「女権国家皇帝殿、礼にはおよびません。貴女の礼に則った申し出に応じなければ、自身と、我が王朝に忠を尽くした全ての配下達の品性を損なってしまうと思い応じたまでですから。皇帝殿良ければ一つおこたえください。貴女の望む答えは得られましたか?」


 愛歌の問いにネロは笑って頷いた。

「うむ! 貴女のおかげで大きな決断を下すことができた。重ねて感謝する」

 そこまでは快活な笑みで良い、途端にまた真面目な顔になって彼女は言った。

「王女殿名前を、教えてくれぬか。それと余と愛人関係にならぬかあくまでも私のネロとしての頼みだが」

「皇帝の目にかなう程の女性であったと分かって悪い気はしませんが、私の時代では愛のある百合は忌避されないまでも、王族のたしなみというわけではなかったので。今は私の英雄を育て寄り添うことで手一杯ですので」

 ネロは本気で落ち込んだ様子を見せたがその後、直ぐに立ち直った。

「そうか、気が変わったら来るが良い。何なら死後の余が祭られた墓や神殿でも構わぬぞ」

 ネロが帰っていったあと、横島は愛歌に質問をした。

「他はともかく、百合の誘い受けた時やばいことになるかと思ったがよく怒らんかったな」

「ええ、あくまでも私人として真剣に私を好きになってたみたいだし、さすがに礼を守った本気の求愛に怒るほど狭量じゃないわ」

 本気の求愛と聞き横島の中ではネロの評価が定まらなくなった。愛歌は王女として最高に良い女の一人だと彼は思っている。つまり愛歌の内面までネロはあの僅かな対面で見抜いたのか、
それとも美少女、美少年好きで見境がないだけかどちらなのだろう? 少なくともネロと愛人関係になったものは大活躍した者と、活躍はしていなくても、問題を起こしていないもが大半だ。 前者の可能性が高いのでは、と彼は思った。


 昼は鍛錬をし、夜はヴィヴィオ達に嫐られる日々を過ごす彼は決闘は後2週間後に迫った日、鍛錬を繰り返す彼にいつもとは違うことが起こった。
鍛錬中は手伝うことがない時は訪れないアリスが彼の所に訪れたのだ。横島は疑問を抱きつつ彼女の言葉を待った。彼女は少し考えると言った。

「忠夫、貴方にお客様よ。1年に2週間以上は使うと副作用が怖い類の鍛錬の成果を上げる霊薬を作ってくれるそうだから」

 そういって彼女が連れてきた相手は、野曽木蓮、ライザ、あかりという、かつて助けたカブ村で過ごしている面々だ。

「アルさんは力を取り戻したから大丈夫だろうけど、皆さんは大丈夫なんですか自衛手段とかないでしょう?」

 横島の問いに蓮が笑って答えた。

「今回に限っては私達の安全は完全に保証されているわ。貴方にとっては面白くない相手だろうけど、アンリエッタ皇女が手を回したのよ」

 横島はそれを聞き驚いた表情になった。彼女たちが使者でなければ罠と断じていたかもしれない。だが彼女達ならば信用できると踏んだものの理解ができない彼に蓮が説明を続ける。

「なんか、今回のアルトくんっていう凄腕の呪術者いえ、魔人?が生まれら経緯を知ってネロ陛下が彼がああなった原因を作った人たちを任命したのは自分だからと、彼の呪いが発動した際に自分がその呪いを防ぐ大業をやろうとしているんだって。
それでネロ陛下は『余が死んだら、アンリエッタ其方が皇帝だぞ心せよ』って言ったんだって。
それを聞いてアンリエッタ皇女が『皇帝に即位? 冗談じゃありません! そんな事したらプライベート(主に大鳳くん関連の)時間が減ること著しいじゃないですか』って考えて、もうあらゆる手段でネロ陛下の死ぬ可能性を下げにかかっているみたい」

 その言葉を聞き、少しばかりあの性悪皇女をわざと負けてブラック企業状態に投げ込んでやりたい衝動にかられたが、敵対しているとはいえネロは義にもとる方法で死なせるには、さすがに寝覚めが悪い相手だ。 
それにアルトの呪術が成就すれば王国への巻き添えも半端ではない。そう思って彼は意識を切り替えなおした。


「それで今回は、貴方達が俺の鍛錬成果を上げる霊薬を作ってくれるんですか?」

「それが今回は私達は助手みたいなものなのよ。 アンリエッタ皇女が四惑番外の薬の技術に長けた人物を送ってきたのよ。 彼女は私達より薬に関しては凄いと思うわ。 八意永琳先生お願いします」

 呼び出されると共にアリスが初めて現れた時の様な様子でそこには銀色の髪に赤と青の医師の服に身を包んだ麗人が現れた。

「今生では初めまして八意永琳と申します。 今の自己紹介で気づいたと思いますけど私も貴方の前世の関係者です」

「もしかして、ワイの嫁さんの一人だったりした人ですかー! 早速夫婦の再開の営みをー!」

 襲い掛かる横島を彼女は軽く投げ飛ばして笑った。

「生まれ変わっても貴方は変わらないわね。貴方に入れあげていたのは私じゃなくて弟子と姫様よ。月を救ったこともあったからね」

 そういって彼女が腕を振ると、和風の衣装に身を包んだ二人の女性が現れた。片方は東洋の薬売りの衣装に身を包みピンクに近い紫色の長髪の髪をした女性だ。
彼女の頭には霊能力者には作り物ではないと分かるバニーガールが着ける様なうさ耳がついている。それが彼女は人間ではないという事実を示していた。
もう片方の東国の美姫というイメージが具現化したような長く艶やかな黒髪に高価な東国の姫らしい着物を着こなした女性だ。傾国の美女とは彼女の様なタイプを言うのだろう。


 薬売りの衣装に身を包んだ女性は懐かしい恋人と再会したような満面の笑みで彼に向って頭を下げた。

「私は鈴仙・優曇華院・因幡です。今生では初めまして。かつて自業自得で居場所を失った際に貴方に居場所となってもらい、心底帰りたかった居場所に戻してもらった月の兎です。今回は貴方の決闘に全力で協力させてもらいます」

 頭を下げる彼女を和服の美女が言葉を続ける。

「私は蓬莱山輝夜。竹取物語にでてくるかぐや姫って言った方が通りがいいかしら。貴方の前世に助けてもらった恩を返させてもらうわ」

「は、はい」

 横島は頷きながら、背筋がゾクゾクとしてくる感覚を覚えた。分身が元気づき始める感覚が起こると、鈴仙が笑いながら彼を捕らえた。

「どうも私達に嫐られた記憶を魂が覚えているみたいですねぇ。 姫様、今日の訓練は終わっているみたいですし、変態な旦那様の来世な彼の被虐心を満足させてあげますかぁ?」

516 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:18:22 ID:+zV8TJ62

 輝夜はその言葉を聞きながら、横島を嗤いながら答える。

「ええ。そうね。優曇華、前世の力を取り戻させる儀式も兼ねた夜遊びに移りましょう。 アリス協力をお願いね」

 その言葉にアリスも笑みを浮かべて答えた。

「ええ、任せておいて」

 輝夜が九尾の狐などの伝説級の悪女を思わせる笑みを浮かべながら、彼の唇を塞ぎそのまま意識舌を絡められると数回で彼の分身が射精しかけたが、なぜかそれは起こらなかった。
寸止めされている様な不思議な感覚と共に悶える彼を輝夜が手に掴むと次の瞬間、彼は高価な和室の寝室に移動させられていた。いつの間にか服も脱がされている。
優曇華が笑いながら、彼の分身を踏みつけてくると射精できないのがつらいほどの快感が訪れているのに射精ができない。疑問に思う彼に彼女は笑いながら言う。

「私の波長を操る能力は男性の体の気の動きすら操れるんですよ。快感を司る波長を強めて、射精部分の波長を達せない様にしています。ちなみに先ほど貴方の早漏すぎる分身を持たせたのは姫様の永遠と須臾を操る力です」

 心底馬鹿にした笑みを浮かべる彼女に目で理由を問うと面白そうに彼女は答えた。

「私は人の気質も操れるんですけど、罵られたり足で踏まれた時に喜んでいる度合いが凄いなと。貴方の精神の波を見ていると本当にあなたは閨の中ではごみマゾだな、と」

 罵られた途端に彼女の足で嫐られる分身が余計に元気づき、それを嘲笑する優曇華は同じく嘲笑の目を浮かべる輝夜に目配せすると輝夜も足で彼の分身を踏みつけ始めた。優曇華の足は幹と先端を嫐り。
輝夜の足は玉袋を左右の玉袋を撫でる。 限界に彼が達しかけた時、輝夜が服を脱いだ。傾国の美所の名にふさわしい東洋の女性の最高峰とも思える体がそこには現れる。輝夜は豊かで形の良い胸や尻だけではなく、
バランスの良さをふんだんに見せつける様に彼の前で脱ぎ終えると。そのまま近づき彼の分身を加えこんだ。

 女権国家の蜘蛛の巣にとらわれ毒が周り脱力していく虫が味わう様な脱力感を与えてくる彼女の秘所に分身が嫐られ、彼は声にならない奇声を上げる。
その彼を見ながら彼女は獲物を食らう女郎蜘蛛を思わせるような笑みで彼を嫐りながらしばし楽しんでいたが、不意に王族を思わせる気配に変わり、命令口調で彼に言った。

「私のもたらす快感に溺れなさい」

 その言葉が彼の脳に焼き付いた瞬間、それを狙ったかのように射精を起こさせた。激しく量の多い射精をしながら彼は怯えた。女権国家の女生たちと交わった経験上この射精は十秒近くなる。
この溺れさせるような快感が十秒も続くのかと。だがそれは間違いだと輝夜の獲物を快楽で嫐る女権国家の女性らしい声が告げた。

「私のもたらす快楽はまさに永遠に近いのよ。溺れきるまでそれがおわることはないわ」

輝夜が何かの力を発動させたことで十秒が永遠に近くなり、体感時間では2分近い射精となった。
 どこまでも脱力させ歯向かう心などを搾り取り尽くす快楽に彼が屈し倒れたところで彼女は笑いながら仰向けに倒れた彼に覆いかぶさるように体を押し付けてくる。快楽とその持続時間だけで意識をもうろうとさせられた彼の上で彼女は永い時間愉しみ続けた。

 完全に快楽で蕩かされた彼の腑抜けた顔を見ながら優曇華が笑う。

「姫様相変わらずお見事です。女権国家の女性でも1,2時間はかかる快楽漬けを3分も経たずに」

「私と彼の間の時間は1時間近くたってたわよ。老化もさせないように時間を須臾を永遠に近づけるのはやっぱり疲れるわ。優曇華、前世の再現の続き行きましょうか」


 倒れた彼に優曇華は紅く光る眼で彼を見ると、女性に閨で良いようにされていることに対する恥辱心が一気に上がった。波長を操る能力で男性としての恥辱心を強くされたようだ。 優曇華は笑いながら彼に対して、豊満な肢体を見せつけた後、彼に騎乗してきた。

 輝夜の溺れさせるような性交で霞がかかった様になっていた脳が、彼女に分身を飲み込まれた瞬間雷が落ちたように正常に戻り、そのまま一気に現実に引き戻される。

「朦朧とした意識では理解できなかったでしょうけど、今あなたは王国男子なのに、女性優位の性行為で良いようにされてますよ。頑張って反撃しなさい」

 大したことはない煽りの言葉なのにすさまじく恥ずかしく感じられるのは、たぶん彼女の眼で王国男子としての意識も強くされているからだろう。
 彼女が横島の波長を操り彼の分身の射精後に敏感になる度合いをより強めた。そして彼女の膣に屈し射精すると、自分が前世の力を取り戻すと同時に、彼女たちに首輪をつけられたような感覚を覚えた。

 彼が喘ぎ倒れ意識を失うと次の瞬間、神殿の荘厳さと高級遊郭の様な品のある淫猥さが融合した儀式場の様に部屋が模様替えされていた。意識を失ったのは長くても十秒もなかったはずなのになぜ。そう思った彼に輝夜が笑みを浮かべて答えを返してくる。

「私の永遠と須臾を操る能力を使えば容易いことよ。 優曇華、続きを」

「はい」

「アリス、ユウキちゃん、愛歌さんお願いね。特にユウキちゃんは一番重要なしめだから」

 輝夜の言葉に驚き、周囲を見るとアリスとユウキと愛歌がいつの間にか部屋にきていた。

「ええ。任せて」

 余裕たっぷりの笑顔で答えるアリスとは対照的に、ユウキは僅かだが緊張している色が見える。女権国家の影響を受けてからの彼女は基本的に儀式的な性交ですら彼を嫐れるとして楽しんでいた節もある。
今の彼女は楽しみにしているのは嘘ではないが失敗できないと思っている節もあるようだ。 愛歌は笑みを浮かべながらユウキを安心させるように何かの言葉をかけているようだ。

 三人に注意が向いた瞬間、優曇華が目を光らせた感覚がした後、彼女の瞳が自分だけではなく、アリスが持っている幾つもの人形にも注がれているのが分かった。

 魂を抜かれ人形の中に移された感覚がした後、分身に強い快感が走り、これは肉体の方が触られたのだと理解する。そこに楽しそうなアリスの声が響いた。

「私一人の力でもこういうことはできるけど、ここまで手早くはできないわ。優曇華の能力は本当に便利ね」

「ええ。今回はこの力を十全に使わせてももらうとしますね」


 二人の会話がどこか遠くで聞こえた時眠りに落ちる時と似たような感覚が彼に走り意識が落ちていく。次に目覚めた時何か大きな変化が自分に起きているという確信が彼の脳裏にはあった。

 横島は自分の意識が完全に眠りに落ちた後、自分が前世の時代を追体験していることを確信した。 その瞬間前世高島忠助の記憶が彼に流れ込んでくる。

 自分は今ファルガバードの村で罪なき弱者たちと戦い女権国家の先祖たちと小競り合いや、それ以上の邪悪な存在と戦いを繰り返していた。
ヴィヴィオの元で剣を振るった直後に優曇華と輝夜に治療と言われてここに連れてこられていたと思い出す。彼女たちが最初に出してきた薬湯を飲んで意識が落ち次に意識が戻った時には、この状態だった。

 輝夜は笑いながら彼の上で彼を嫐っている。一切腰を動かさず膣内部の動きだけで彼の分身を何度も射精させその度に電撃が走った様に痙攣する彼を優曇華と少しだけ似た、ウサギ耳の女性に押さえつけさせて笑う。

「レイセン、もっと彼を嫐ってあげなさい。戯れに男としてプライドが高い相手を閨で圧倒する遊びを初めて見たけど悪くないわね」

 そこまで言いながら彼女は残酷さのある笑みを浮かべながら彼の顎を掴み押し上げると言った。

「それともあなたが相手だからかしら? 女権国家の力を取り込んでから好感が持てる男程いじめた時の、楽しみも大きいわ」

 輝夜はそういうと彼の唇を塞ぎ舌を絡めてくる。したが絡めば絡むほど彼女の与えてくる蜘蛛の毒の様な快楽が分身と口内両方から体内に広がっていく。 女にいいようにされる彼を優曇華と似た短髪の髪の女性はバカにしたような笑みを浮かべながら答える。


「おそらくは彼だからというのもあるのでしょう。 だってここまで無様に閨で喘ぐ殿方は滅多にいませんよ。 他の男より夜が強いから好きって女性に上書きするのをロマンにしている殿方もいるらしいけど、弱すぎて無様で逆に好みと上書きしちゃうって本当にひどいですね」

517 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:20:02 ID:+zV8TJ62

 彼女も優曇華ほどではないが波長を操ることができるようだ。彼の分身や恥辱心に対する耐久力を下げている。優曇華ほど上手じゃないのに初めて受けている様な感覚で免疫がない感じなのはこれが前世の再現だからだろう。

 何度目からの射精の時に、輝夜がそれに合わせて腰を振ると彼の下半身はだらしないほどに射精を繰り返した。達したばかりで敏感になったそれを彼女の腰の動きがなぶる。輝夜は笑いながら、わざとらしく怒ったふりをしながら言う。

「私の与えた難題を超えて一応旦那としてあげたのに不甲斐なさすぎるわ。そういうわけで妻として長く持たせるように協力してあげる」

 輝夜がそういうと自分の分身への快感が不意に途切れた。これは永遠と須臾を操る能力によるものだと確信すると彼の顔から血の気が引いた。つまりこれが解除された時に一気に蓄積された快感が訪れてくる。達する直前に来た輝夜は笑いながら自分が達すると同時にそれを解除した。

 特大の雷に打たれた人間はこうなるのかもしれないと思う程の快感の奔流が彼を襲いそのまま彼は痙攣を繰り返した。笑いながら輝夜が愛おしそうに彼を抱きしめて拘束し、自分の体全てで余計に射精量を増やし、唇も塞ぐ。一分近くも痙攣を繰り返したのちに彼は糸が切れた人形の様に布団の上に倒れた。

 崩れ落ちた彼を楽しそうに眺めながら、輝夜はレイセンに目配せをして声をかける。

「今夜の一番の出し物に移りましょうか」

「はい。 優曇華さん来てください」

 レイセンが来てからは優曇華院・鈴仙・因幡の事は、優曇華と呼ぶようになっていた。

 高島は優曇華の姿を見て、顔色が変わった。彼女が身に包んでいるのはファルガバードに移住してからいつも着こんでいた薬売りの衣装ではなく、
女権国家の月の力を得たり司る女神や淫魔をあがめる部隊の軍服だったためだ。ブレザーにピンクのスカートを身に着けた彼女は笑う。

「畜生行為を行ったかの国の部隊に私も復帰しました。 今はファルガバードと和睦済みとはいえ、この部隊の衣装を着た相手にやられるのは凄く恥ずかしいでしょう?」

「あ、ああ」

 優曇華の嗜虐的な笑みに恐怖を覚えつつ彼女との日々を忠助は思い出していた。

 優曇華は強いにも関わらずメンタルが弱く、敗れるかもしれない戦いで死亡を偽装し戦線を抜けてこの村に逃げてきた。

 暗黒剣の開祖レオンハルトはかつて大罪を犯し、この村に居を移し、そして暗黒剣を生み出した。レオンハルトが大罪を犯したのは弱さゆえに居場所を奪われたトラウマが深く関わっていた。
だからこそ、この村は居場所のないものの寄る辺であるべきという意識が強い。そういう彼が生み出した暗黒剣継承しているからこそ、ファルガバードは居場所亡き者の寄る辺となるべきという思想が強い。
そして居場所がなくなった理由が自業自得であっても、慚愧の念を持つ者はレオンハルト以上の大罪を犯していないのならできる範囲で味方になるべきと考えている一派もあり、彼はその一派の長だ。
 だからこそ彼は優曇華の為に戦い、女権国家と和睦と一時的な同盟が結ばれた時には自分が女権国家にした貢献と引き換えに彼女の帰国を許してほしいと頼んだ。

 ファルガバードの理念からすれば多くのものから圧倒的な力で居場所を奪い支配下に置こうとする当時の女権国家は、許すことが出来ない相手でもある。

 彼女はそれを知った上で女権国家の軍服に身を包みながら言う。

「忠助さん、以前私の薬で多くの人が救われた時に、どんな頼みも一つ聞いてくれるって言いましたよね」

「あ、ああ」

「じゃあ、一度だけこのプレイを許して一切恨まないでください」

「わ、分かった」

 横島と違い高島忠助はこのファルガバードの一派の長の一人だ。相手が妻や恋人であろうと、受けた恩に対する約束事に二言などありえない。

 彼女は笑いながら、服を一切脱がずに腰を下ろした。下着はつけていなかったらしく、そのまま彼の分身を彼女が飲み込んだ。 彼女の眼が光り彼の被虐心が強くされそして感度も上げられる。激しい射精をした、
彼女と何度もした女性上位ではあっても純愛めいていた性交以上の激しい射精に著しい自己嫌悪と共に自尊心が割れる音が聞こえた気がした。

「忠助さん大丈夫ですけ? 私と女性上位でも普通なエッチしている時の倍以上に出してますね。私との性行為が長すぎて、ドマゾになっちゃたの?」

「そ、そんなことはな、あー!」

 優曇華が腰を振りながら音を立てブレザーを半分だけ脱ぎ乳首をぎりぎり見える様に揺らしていた場所に彼の手を導き笑う。

「そういっても仇敵な敵国の軍服来た方がこんなに精子が出るなんて、私にとってはヒーロだったのに幻滅しちゃった。嫌いになった訳じゃないけど」

 無理やり胸を揉まされ何度も射精した後、彼かれ優曇華は笑いながら離れた。そして彼女より階級が下の者が着る女権国家の月に関わるものオカルト部隊が着る軍服に身を包んだレイセンに彼を譲る。

「忠助さん、それではいただきますね」

 言葉と共に彼女が優曇華と同じ様に彼を犯し、優曇華には及ばずそれでも男性の限界を遥かに超えた夜の技が彼を何度も達しさせる。彼女も波長を操り優曇華と同じことをして彼が自分に屈服するのを見て笑う。

「私は月の部隊では夜の戦闘力は下から数えた方が早いんですよ。そんな私にここまであっさり負けるとか、本当に閨の中の食物連鎖の最下層ですね」

 こういう風に女に笑われたら、逆襲したい、やり返さないと情けない。そういう感情を生み出す笑みを意図的に浮かべながら彼女は彼の上で腰を振り続ける。敢えて快感で理性が飛ばず嘲笑の笑みを認識できるくらいに押しとどめながらそれを繰り返している。

 何度も射精させながら彼女は波長を操る能力で敢えて横島の感覚を鋭くさせて、自分の体が作り替えられていることを理解させた。射精の度に起こる変化が分かった直後に彼は不安を覚えた。彼女たちに嫐られぬきそれでも分身を包む快楽を求める念は、体力の限界が来るまで止まらないだろう。

 彼の精神が完全に堕ちたのを確認すると、レイセンは優曇華と目を合わせて頷きあい、二人で彼を魔眼で見つめ波長を操り始める。彼の性交時の体位に対する認識が変わり、男性優位の体位が女性優位の恥ずかしい体位であると認識し始める。彼女達は笑いながら尻を突き出し後背位の体制になった。

「今の貴方はこれも相当恥ずかしい体位であると認識しているはずですよね。女性に負けると分かっていてこの体位でもしたいという欲望に勝てますか?」

 問いかけながらも、一切彼が欲望に勝てると思っていない嘲笑めいた声に余計に分身が固くなり、彼は欲望に負けたと認識しながら優曇華を後ろから貫いた。そして彼女の内部に彼の分身が飲み込まれた瞬間、彼の口から戦闘で激痛を味わった時と同じような悲鳴が上がった。

「ああー!」

 悲鳴をあげる彼を優曇華は嘲笑するような顔で笑いながら言う。

「女性が感じるほど締め付けとそれが与える快感は強くなる。そして兎が好む体位ですればこうなるでしょう」

 絞め殺される獣の様な声しか出せないままに彼が、僅かに腰を引くとレイセンが笑いながら、彼の腰を掴み押し戻した。律動をさせられて再び強すぎる快感にあえぐ彼を馬鹿にした笑みを浮かべ彼女のさげすむような視線で見る。
彼女の瞳で見られると、優曇華に隷属させられている様な感覚と、射精の際に霊力を奪われる量が増えていく感じがした。怯えつつ期待してしまう彼にレイセンは笑いながら言う。

518 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:20:56 ID:+zV8TJ62

「最低の敵国の軍服来た女性の魅力に負けて、最悪に恥ずかしい体位で性交することを決めておきながら、今更逃げるんじゃありません」

「レ、レイセン、は、離して」

「私より優曇華を先にした貴方にかける慈悲はありません。早く優曇華を満足させて、私の番を回しなさい」

 強すぎる快感で気が練れない彼はひたすら人外の力に良いようにされ、そしてレイセンの波長を操る能力の追い打ちで余計に快感を強められて射精の量を増やされる。レイセンは笑いながら彼の玉袋を揉みしだいた。

「もっと固くしてたくさん出さないと鈴仙が満足しないでしょう。早漏。閨の中ではクズザコ男!」

 罵る言葉で余計に硬くなったのを優曇華が面白そうに報告を始めた。

「姫様、レイセン。忠助さんたら、男性に行ってはいけない暴言を吐かれて硬さを増してますよ」

 それを聞き嘲笑の籠った笑い声を上げる二人に反応するように射精した彼を優曇華が後輩位のまま力を込めて余計に射精の量が増える様に仕向ける。そして輝夜が焼き付くような苦痛も伴うレベルの快感ろもたらしている射精の時間を永遠と須臾を操る能力で伸ばした。

「あ、あ、あああ」

 優曇華相手に射精を終えた後、彼は屈辱と脳が焼き付く快感を味わう時間を延ばされたせいで膝から崩れ落ちた。だが、最初に与えられた薬湯の効果か再び欲望が分身に宿り体に力が戻ってくる。
優曇華が彼から離れレイセンが再び彼を迎え入れる様に背中を向けて彼を誘う。彼女の内部に再び分身を突き入れた時の感覚以外は頭から消え去り、二人の魔眼でこれが情けないことであるということだけは強く意識に残るが、彼女が女権国家の軍服を着ていることすら肉欲をより強く燃え上がらせる。

 彼がレイセンに分身を挿入するとその瞬間に優曇華の眼が光り、先ほどとは比べ物にならない程の体の全ての気が一気に支配下に置かれたような感覚が走る。その姿を見て輝夜が彼を興奮させる様に罵る。

「敵国の最底辺の軍人に支配されると分かった上で挿入した屑! 否定できないわね。我が支配下に落ちそしてその霊気、生命全てを我が支配下に堕としなさい」

 輝夜の言葉を否定できないと思った瞬間に射精時に起こるに衝撃が彼に走り、その衝撃が彼女たちに支配されていく感覚を強めていく。優曇華の視線によって操られた波長が一気に射精ともに霊力を奪いつくす。
彼女に霊力を奪われる感覚が強くなりそして再び輝夜によってその時間を永くされ脳が壊れ尽くすような感覚の後、彼はレイセン射精した時以上に早く崩れ落ちた。

 倒れた彼を優曇華とレイセンが両方から押さえつけ仰向けにすると、輝夜が最後に彼の上になり、ゆっくりと見せつける様に女権国家を支援している月の姫である証を見せながら彼の分身を飲み込んだ。レイセンと優曇華の眼が光り、
彼の霊力が一気に奪われていき、輝夜が口づけと同時に流し込んでくる霊力が彼の体内に満ちていく。彼が完全に動けなくなると、輝夜が姫に似つかわしくない怪力で彼を持ち上げ椅子にかけさせた。

 薬湯らしきものを彼に飲ませると少しづつ、体に霊力がしみわたっていく感じがする。全ての薬湯を飲み終えしばらくの時間が経つと優曇華とレイセンが情事の時とは正反対に優しく彼を運び温かい布団の中に横たえた。 意識が眠りの世界に落ちる直前に輝夜とヴィヴィオの前世が話している姿が見えた。

「聖王陛下、お望みの通り院の気を遣う暗黒剣で縮んだ彼の寿命、少しだけ伸ばしておきました。暗黒剣の陰の気を抜き、私達の陰の気を送り込んだことで彼の寿命も少しはましになったでしょう」


 輝夜の言葉に前世のヴィヴィオは満足そうに頷いた。月の姫であり不死を富士山の由来としたこともある彼女の陰の気を全身にいきわたらせれば、暗黒剣による浸食よりはだいぶましになるだろう。
自分の聖なる陽の気で無理やり中和する方法では、本来体の中にある陰の気が暗黒剣の使用で伸びたものだから、陰の気は散らせても副作用の方が余計にひどい結果を招くという事態に落ちかねない。 
月の姫である彼女が与える有益な陰の気が忠助の体を満たしているのを確認するとヴィヴィオはこれで少しは彼の寿命を延びただろうと安心した。その彼女に輝夜姫が不意に声をかける。

「それと次回からは代金要らないから。優曇華の恩人であり情夫だから助けたのもあるけど、うちの因幡達も助けてくれたし、処置の為に一緒に暮らして大分情が移ったみたい」

「分かりました。また彼の寿命を延ばす処置が必要なら連れてきます。でも不死にしたりはしないでくださいね」

「もちろん。 限られた命の中で死に物狂いで走り回るからこそ見ていて楽しい。彼はそういう人種なのだから。貴方も今生で彼の羽をもがなかったことを後悔しているみたいだけど、来世で再開してもやりすぎないようにね」

 威圧しているというより、純粋に年長者からの忠告めいた言葉に聖王は少し悩むと頷いた。 多分彼女の経験上そうした方が良いと純粋に思っているのだろう

 夢の中で指一本動かせなくない彼は徐々に夢が覚めていく感覚を味わった。そろそろこの夢が終わるのだろう。


 彼が目覚めると、夢の中の自分の技が前よりも使いやすくなっていることに気づいた。今の彼は前世より弱いわけではないが、剣術にかけては前世より僅かに劣る。
それが大分補われた感じがする。輝夜と優曇華とレイセンが満足そうに彼を見下ろしていた。おそらくは夢と同じ性交が現実の体でも行われていたのだろう。輝夜は笑みを浮かべながら言う。

「これでアルトとの戦いでも前世で負けたことなしという事実の補正が少しは入るはずよ。せいぜい頑張りなさいな」


 そういい終えた後輝夜は彼の、唇を唇でふさぎそれを終えるという。

「お役目が終わったら偶には永遠亭に来なさい。優曇華とレイセンにとって貴方は前世の情夫と同一人物だから、かなり好意的に動いてくれるはずよ。そして、先刻の様に可愛がってくれるはず。もちろん気が向いたら私も参加するけど」

 輝夜の口づけを受けて彼は自分の足元が崩れる様な感覚を覚えた。忠助と忠夫が混じり合い、全の自分に主導権を取られたような感覚を覚えた瞬間に、不意にユウキが彼を支えた。隣に上機嫌そうな愛歌がおり彼の腕をつかむ。

「輝夜さん、忠夫を生かすための協力ありがとうございました。あとは僕達がことを終わらせます」

「ええ。貴方たちなら何とかなるでしょう」

 輝夜は一瞬で姿を消した後、ユウキと愛歌が今度は彼を押し倒した。 愛歌はインプと化したユウキに後ろから彼を押さえつけさせながら自分も彼を押し、彼の分身を包み込むように受け止めながら言う。

「忠夫、貴方は忠助じゃなくて、前世の力も得た私の英雄さんな、横島忠夫なのよ。さあ今生で得た縁を思い出しなさい」

 快楽で精神がボロボロになり、気品のある優しい言葉がそれを癒すような性行為を彼女はしながら時々祝福めいた口づけを彼に何度もしてくる。その度に忠助が横島の一部となり最適化していくような感覚がする。後ろからユウキが胸を押し付けて、耳をかみ息を吹きかけながら言う。

「『忠夫』僕と君は今生で結ばれた縁だから、僕が君を好きになったのは前世の因果は一切関係ないんだ。だから、僕と愛歌との縁を強めて前世に打ち克ってね」

 愛歌が彼から離れた後、ユウキが彼を正常位の形で加えこみ快楽で喘ぐ彼を愛歌が時々口づけをしてくる。横島がユウキ相手に射精する時に合わせたような口づけは何度も彼の絶頂時の射精の量を増やした。そして彼女がもたらす祝福が、彼の中の横島忠夫を強めていく。

「忠夫、ほら僕達の『忠実なる夫』なんだからアルトくんとの決戦の時はその通りに動いてね」

 ユウキが彼の分身を胸で挟みびくびくと震えるそれを胸で泳がせながら言う。

「わ、わかっとる」

 射精した彼を満足そうに見ると不機嫌な顔になった愛歌が再び彼の分身を飲み込む。

「胸だけがすべてではないことも覚えておきなさい。ほら、『忠夫』私の祝福と魔術の支援を受けなさい」

 愛歌の下で喘がせられ射精すればするほど忠夫の名前通り彼らの『忠実な夫』に近づいてく感じがしている。

519 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:22:59 ID:+zV8TJ62
 二人に何度も射精させられた後その日の夜完全に、忠助が前世だと無意識でも認識できるようになった時、その日の情事は終わりになった。 決戦の前日の夜に彼はリグルに押し倒されていた。リグルは何度も彼の霊気を貪り尽くした。
そして優曇華とレイセンが彼の気を調整し、リグルにたくさんの精を注ぐように体の感度などを上げていく。

「忠夫、ほらもっと僕に霊気を注いで。そうすることで僕が鍛えた剣、蛍守(ほたるもり)との同調を高めなきゃ」

「あ、ああ」

 ここ2週間はリグルに何度も絞りぬかれた後、彼は優曇華たちの作った薬膳料理などで回復させられることを繰り返した。彼女との性交が終わった後、彼は様々なことを考えた。

 アルトに惚れた四人の女性達、吸血鬼でありながら聖なる力を使えるシスターカーミラ、そしてアルトの言い分が正しいと認めつつ、修羅道から彼を引き戻したいと思う小蒔。そしてカーミラの弟子であり、アルトに救われたラビアン。
恐るべき邪教の集団がラビアンの強さを見て生み出した、邪悪なる生き物の力を注入されたラビアンのクローン体であり、そしてそのような境遇でも正しい心に目攻めた彼女は、預言で悲惨な未来しかない、ラビアンを救う為に戦った。
新たなる運命という意味と、邪教団体を欺くという二つの意味で、彼女はアルトから『フェイ』という名を与えられたらしい。その名は自分にとって宝だと彼女は言っていた。

 彼女たちのアルトへの愛を知れば知るほど、あいつを殴らねばという思いが彼の中で強くなっていく。そして彼は気を落ち着けると眠りに落ちた。



 アルトは猜疑や恐怖はないが僅かな困惑を覚えつつ、横島が指定した決闘場に向かっていた。そしてその場所に着いた時、彼はやはりという思いを抱えながら状況を見た。
目の前には女権国家の闘技場だ。彼がたどり着くと案内係、多分ネロのメイドと思われるものたちが彼を迎えた。 一番前の紫色の髪をした女性は一礼すると口上を述べ始める。

「貴方がアルト様ですね。お待ちしておりました。私はネロ様に使えるメイド、ヴィルヘルミナ・カルメルであります。本日ご案内をさせていただきます」

「貴方達、僕に対して思う所がないのか?」

 メイド達は意にも介さない様子で答えた。

「ネロ陛下のあの様子なら多分どうにかできる様に手を打っていたのだと思います。ネロ陛下は自分が死ぬかもしれないと本気で言ってましたけど、多分大丈夫でしょう。
確かに死ぬかもしれないと、本心からおっしゃってもいました。ならばなおのことネロ様が少しでも映える様にいつも以上に凛とした態度でなければいけませんから」

「そ、そうか」

「それにあなたの報復の念は正当なものですから。恐怖に負けた故で邪念はなかったとはいえ、貴方の故郷を滅ぼした女性達の行為は戦争中とは言え、超えてはいけない線を越えていました。
 ですが、もしもですけど、横島様が勝利してなお貴方が生きていたのなら、小蒔様やラビアンちゃんと一緒に貴方を好きにさせてもらっても良いですか?」

 ネロの配下のメイド達の慈愛と情欲の混じった瞳に彼は僅かもたじろがずに応じた。

「別に構わない。負けるということは望みが潰えるということ、敗れて木偶となった抜け殻などどうとでもしてくれても良い」

 それを聞くとネロ配下のメイド達は喜びの声を上げた。

「言質取りましたよ。ファルガバードの魔剣士の方々は二言などない方たちですから、約束を違えることはないでしょう楽しみであります」

 そのメイドの声を聞き、アルトの中の警戒心はより強くなった。少なくとも彼女たちは正々堂々した戦いが行われると信じている。その上で横島が自分に勝つ、さらには殺さずに終えるとまで考えているようだ。 前世の長所をさらに伸ばした彼なら、味方すら騙しぬきかねない。 
そこまで考えてやめようと思った。彼との戦いは考えすぎると深みにはまる。

 状況への推理は捨て、客観的な過去の情報だけを拾い上げ分析し始める。横島が防諜組織を返り討ちにした時のことを改めて調べてみたが詳細は分からなかった。ただ防諜組織にとってはトラウマになるレベルの敗北だったとしかわからなかった。

『そして、二週間ほど前から初音ミクと共に、誰にも見られない場所で鍛錬を続けていたらしい。彼女は相当な達人であるし、横島殿も前世の力を取り戻していている以上は、剣の技の一つくらいはものにしたかもしれない』

 アルトの思考はそこで断ち切られた。恐るべきものはそう多くはない。今の自分は祟り神に近いファルガバードの剣士たちの念で霊力が膨大であり、そして武術に関しては彼より上だ。 最強の居合の太刀を放てば確実に勝てるだろう。
できればそれを使わずに勝ちたいとも思う。前世から自分より格上すら確実に葬ってきたこの技は一度見せてしまったら、盗まれる恐れもわずかだがあるし、この技を警戒されてしまいださせないことに全てを費やす敵だらけになってしまう。だが今夜呪いが成就すればその心配もない。


 一方横島もここ一月の鍛錬を思い出していた。ユウキの剣やミクの剣技の嵐を受けながら、ひたすら蛍守を振るった日々。彼女たちの相手を続けなければ、今のアルトの剣はとても受け止められない。霊力をコントロールする彼にユウキが心配そうに声をかけた。

「忠夫勝てそう?」

「正直難しいが、確実な勝ち筋は見えとる。アルトの奴は絶対に俺に勝てると思っている。事実そうだろう。だがあいつは貪欲なんだ。前世で半ば育ての親みたいな兄弟子だったワイはそれが良くわかる。戦場でも学べる技術のある敵とかがいると、
わざと術を使わせたり敵の技を放たせて学ぼうとするときもあった。格下や勝率の高い戦いで見せるその悪癖を見せてきたらそこに付け入れると思う」

「それでその悪癖を見せて来たらどうするの?」

「見せるじゃなくて刺激して目覚めさせるわ。最初の数秒それでこの戦いの楽さが決まる。最も一番楽なルートでも死ぬ可能性が4割から7割の繰り返しやけどな。それが出来たら、どうにかワイの望む最終局面の展開に持っていく」

 横島はそういうと歩み始めた。

「もう行くの?」

「ああ。アルトの奴は俺に勝つ際に一番調子の良い俺を倒したがっていた。だからこそ闘技場に色々な術式とかも仕組んでいいと言ってきていた。先に待ち構えることで、罠が一つ二つ増えたかもと思わせる」

「ところでミクさんとはどんな修行してたの」

「あれか修行には無論意味があったが主な理由は戦闘力の向上じゃない。切り札を得るためだ」

 そういうと横島は蛍守とは別の刀を持った。二刀流に使うとは思えないそれは、確かに名刀であると分かった。だが明らかに横島が使う刀ではない。直接振るうだけではなく、刀に宿る魂を引き出す術に近い技もあるようだがそっちの為の刀なのだろうか?



 横島が先に闘技場に出て待ち構えているとオカルトの実在を知っている女権国家の女性達が闘技場に集まり、彼が負ければネロが死ぬと聞き必死の声援を送ってきている。ネロは皇帝の観戦席から明るい様子で声を上げた。

「本日十数年前の任命失敗の責により余は死ぬかもしれない形で責任を取ることにした。横島が死亡し黒鉄アルトが彼と深い仲になった女性達を殺し、呪いが成就したなら、
その不当な殺戮が産んだ呪いは余が受けることになっておる。呪いは宮殿の方に先に行くようにしてあるが早く避難するようにな」

 ネロの声を聞いていると、本来なら大惨事になる可能性のある事態すらも笑い話で終わるかもしれないという、気がしてくる。彼女はそういう運命を引き寄せる王の徳の様なものも持っている気がする。
今は彼女を守る形で剣を振るう立場なことがありがたかった。彼女の天運が自分の背を押してくれるだろう。 彼女が身に纏う服などは呪いを受けるために来た特別なものなのが分かる女権国家では皇帝は霊的な象徴でもあるのだろう。

520 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:24:15 ID:+zV8TJ62

 僅かに緩んだ緊張は次の瞬間張り詰めた。あの日の夜四人を殺そうとしていた魔人となっているアルトが向こうのコーナーから歩みだしてきた。
その手に持つ不吉の象徴な様な刀と、身に纏う鬼気は以前とは比べ物にならない。 その歩みだけで彼が祟り神に近い存在と化していることが分かる。

 闘技場に到着した彼は禍々しくも美しい赤い月を連想させる光に刀身を包んだ村正を抜き口上を述べた。

「兄弟子、約一月ぶりですね。前世の僕は真剣勝負の場では一度たりとも貴方に勝てなかった。 今日それを返上させてもらいます」

「別のものがかかっている戦いならともかく、今の事態でそうはならん。いやさせん」

 そういいながら横島も蛍守を構え抜き放つったアルトの剣とは対照的な夜の闇への恐怖を和らげる翡翠色の光がその刀身を包んでいる。

 アルトは全身から霊力を飛ばし、闘技場全体を確認した。先に準備を許した以上、彼の事だ、恐らくは無数の札や霊的な罠があちらこちらに仕掛けてあるだろう。

アルトは剣を構えると問うた。

「準備は良いですか」

「おう、いつでもこい」

 言葉が終わった瞬間に、武芸の熟練者たちにすら理解不能の光景が繰り広げられた。アルトが瞬間移動としか、思えない動きで、横島がいた場所に迫り村正を振るった。だがその瞬間彼の姿が一瞬で掻き消えたのだ。

 一瞬の動揺の後にアルトは即座に冷静に戻る。

『信じられないが転移の術を我が剣で薙ぎ払うより先に、使ったのだろう。準備も何もしていない状態でそれができるとは。だが呪いが発動していないということは少なくともこの闘技場から逃げてはいないな』

 動揺が収まりかけた瞬間、横島の霊力の籠った札が地面から出てきてある札は彼に迫り、ある札は火炎や光を乱射してくる。

「こざかしい!」

 叫び声と同時に起きた、波動で大半の札は消滅した。それを見て霊能に明るい観客たちは戦慄を覚えた。 横島が作っていた札はどれも上級の悪魔などでも、まともに食らえばただでは済まないものだ。
それを迸る鬼気だけで破壊するとはどれだけ今の彼が強力な存在かわかる。 十数個の特注品が残り彼に迫ったがその大半を彼は村正と自分の放った式神で破壊した。
 防ぎそこなった一つが彼に迫りそれを左腕で直接叩き落すと彼の腕に大きな火傷の跡ができる。だがそれも体を包む邪気が直ぐに癒した。


 闘技場のリング全体を破壊しつくしかねない術を発動させようとした瞬間、横島が再び現れて、彼に不意打ちの一撃を放った。 速さは僅かに横島の方が勝っているとアルトは感じながら彼の連続の剣撃を受け止めている。

 済んだ金属音の奏でる曲が響き渡る中で、闘技場は珍しく静寂に包まれた。二人の立ち合いが間違いなく命のやり取りであり、そしてその緊張感に溢れる技の応酬がオカルトが実在すると『理解』はしていたが、『実感』はしていなかった面々にオカルトの実在と、
この戦いで横島が負ければ祟りが女権国家中にばらまかれ、そしてほぼ確実に現皇帝の死につながると理解したのだ。


「珍しく激しく攻めてきてますね。兄弟子」

「ああ、お前の所業を知ってむかつくことが多すぎたからな」

 横島の剣撃の嵐は速いだけではなく、直前に軌道を変えたり意図したフェイントが多く、普通に速いだけの剣士以上に厄介だ。剣だけではなく様々な技の警戒をしなければならない。それでも敢えてアルトは横島が最高の状態で攻めの初手を取れるように持っていたところがある。
今の自分は不当に殺されて強い祟りをなすファルガバードの剣士たちの呪いに後押しされている魔人だ。彼の祟りの力が大抵の傷ならばすぐに癒す。そして本気で自分を倒しに来ている横島の技は学べるところも多い。稽古ではない真剣勝負だからこそ、使ってきている技というのもある。

 術を時には放ち、剣撃や武術のフェイントを大量に放ってくる彼にアルトはしばらく受け付けていたが、不意に言葉を放った。

「そろそろこちらが攻勢に転じますよ。この状態を維持したいのなら、引き出しを全て空けなさい」

「時間稼ぎが目的だけど、実は守りの方がワイとしては嬉しかったのかもしれんぞ」

 急に攻めるのをやめていつでも打って来いと言わんばかりの構えを見せた横島に対して、アルトの頭の中に様々な可能性が浮かんだ。さっきの転移がまたできるのかもしれない。そして、
いつの間にか手元から消えていたもう一本の剣はどこに行ったか。あの剣は間近で見た限り良い霊刀ではあるが、戦局を変えるほどのものには見えない。少なくとも横島の手になじんではいない。刀に宿る魂の引き出す秘術をもってすればそれなりに強力な力を放ちそうだが、便利ではあってもこの戦力差は覆せまい。

 そこまで言うとアルトの気配が一気に変わった。少年の雰囲気から自ら魂を魔人に堕とした存在へと転じる。

「それでは行かせてもらうぞ」

 敢えて宣言して彼は切り込む。横島相手にこんな馬鹿正直な戦い方は普通なら自殺行為だが、今は彼の守りの型も学んでおきたかった。

 アルトの全霊を込めた一撃を横島は辛うじてだが受け止めた。

「見事。余程この国に来てから死に物狂いで鍛えたのだな。我の剣を受けるとはな」

 鍔迫り合いで圧倒的な有利を取りながらも、アルトの声には賞賛の念が籠っていた。今の自分はスポーツで例えれば飲んだら速攻で失格になる薬でドーピングされている状態だ。それとまともに打ち合える時点で、賞賛の言葉しかない。そして彼の首筋に鍔迫り合いをしたまま剣が迫った瞬間、アルトは言った。

「我の勝ちだ。 女権国家の者どもよ、見ろ。いま我が大願と呪いが成就せり、貴様らの過去の所業が原因で、徳高き皇帝は呪いで死ぬ。ファルガバードの英霊でもある横島忠夫が、守り切れぬことが貴様らの国の罪状が許されぬ証左である」

 アルトの剣が彼の首に迫ると横島は慌てて早口でしゃべりだした。僅かに彼の口調が喜劇の様で僅かに空気が弛緩する。

「ア、アルト。まだ勝ちが決まってないんだからそういう宣言はやめた方が良いぞ。万が一しくじったら格好悪いじゃないか。それより復讐やめないか? もう知っているかもしれんが故郷焼いた連中もそこまで外道ではなかったみたいだし
、怖さのあまりやっただけだったし、処刑されるなら受け入れるつもりやったぞ。 冷静に戻るとお前の性格上彼女達を苦しめるために罪のない女権国家の女性虐殺とかしたら、絶対後悔するぞ。 彼女達自分たちの不始末なのに、
その落とし前でネロ殿が死ぬかもって聞いて一晩で白髪になってたし、女権国家の女性なのにお前が嫌なことがあるたびに、いじめに行くからやつれ気味やったぞ。こんな不毛なことやめようぜ」

 殺されかけているのに場を喜劇の様な空気に変えかけた。彼に対してアルトは冷酷な声で応じた。

「どうやら手加減を間違えたようだ。もう少し学びたかったが最後だ」

「ああ。もっと本気で殺す気で来るべきやったな」

521 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:25:26 ID:+zV8TJ62

 その言葉を聞いた瞬間アルトは即座に村正を引いた。前世の記憶があるからこそ、分かる。こういう場面では目の前の兄弟子は絶対に、
一矢報いてくる。ベリアルの力も性行為で得ていることを考えれば、嘘かもしれないが勝ちは揺るがない以上、焦ることはない。彼の予想は正しく無数の光の矢や札が彼めがけて飛んできた。
結界の展開がもう少し遅ければ受けたダメージは倍以上になっていたそう思いながら彼は飛び切りの念力で横島を吹き飛ばした。

 彼は自分の傷を癒しながら少し考えてから口を開いた。

「なるほど文珠か。 あのふざけた口上をしながら術を唱えたり、念を送るのは無理。もしかしたら貴様は凄く器用だからやってのけるかもと思ったが、あれは術だけはないと思わせるためか」

『あからさますぎたか。絶対にないと、思わせたら逆にあると思われるとは、術の発動狙っているなら。ありえない行動だったんだが』

「貴様を過小評価していたようだ。ここからはどれほど遠回り仕様が最後に勝利という結末にたどり着く道を行く」


 それからしばらくは紅く輝く妖刀村正を翡翠色に輝く横島の剣が受けるとことを繰り返し、時々横島が仕掛けた罠が発動することが何度か繰り返された。観客席から二人の戦いを見ているジャギと大鳳はアルトの戦い方がこの場にいないミクに似ていると思った。
アルトの方が実力は上だが横島の生存に特化した守りがうますぎるのと、さっきの失敗で脳に刻まれた手厚い失敗のせいで慎重になり過ぎてしまい攻めきれない場面が多い。


 剣撃の嵐を浴びせ時には反撃の刃や拳を受けながらアルトは思う。一度脳裏に刻まれた戦闘での失敗の記憶というのは思った以上に、重いようだ。その時は気づけなかったが、慎重な戦法ではなく全力で速攻をかければ勝てた場面も何度かあった。

『いや、我が下手というより目の前の彼が上手かったと思うべきだな』

 使うべき罠が尽きかけたらしい、横島が刀を構え提案を持ち掛けてきた。

「アルト。お互いが次に繰り出す技で決着をつけんか」

 ファルガバードの剣士同士の決闘の技で最高の技をぶつけ合い、負けた方が折れるというのがあった。兄弟子からの提案にアルトは少しだけ魔人から少年に戻ると即座に頷いた。

「彼女たちに僕を連れて帰るという約束を果たせる最後の機会だと思っているようですね」

「ああ。これ以上消耗したらワイが勝つのは不可能に近い。それにお前も俺の今生で得た技に興味があるんだろう。この戦いの後も女権国家の相手に戦うなら技は多い方が良いだろう」

「応じましょう。兄弟子貴方との戦いは本当に学ばされることが多かったです。自分は剣の速さや力強さは上がっても思考パターンは前世とあまり変わってなかったようで。 勝負自体は勝っても読みあいでは負けまくっていたのが何よりもそれを物語っています」

「そうでもないがな。俺の前世と今生両方で得た、培った最高の技で応じよう来い」

 アルトは笑いながら怨霊たちの力を取り込み魔人に戻ると村正に全霊力を込めてそして彼に向けて切りかかる準備をした。
 村正の断ち切るという概念と妖刀としての側面を一気に強化しそして自らをそれを振るう部品へと変える、最高の妖刀に込めた最高の妖力の一撃。前世から格上すら倒しぬいた最高の技一度も敗れたことがない。必殺の剣を彼が放とうとしたとき、横島も二つの文珠を取り出した。

『やはり文珠で『強』『化』するか。我の技の威力を知っていながらなお応じるのだから相当な技ではあるのだろう。今の彼は二文字までしか使えない。『超』『強』『化』でもこの技は破れまい。これで終わりだな』

 それを見て大鳳とジャギは観客席から慌てて離れていた。そして彼らはほっとした様子で言う。万が一にもアルトが自分たちの様子を見て、不信感を抱かせないためだ。

「ジャギ。もう忠夫の勝ち確定だね」

「ああ。黒鉄の奴は横島の文珠の便利さが他の文珠と一線を隔すと予想できてなかったんだな。 それに俺たちの事も反女権国家勢力だからと、戦力に対しては調べてなかったのも拙い。まあ、敵対する可能性なんて一割もいかなかったし、
この一騎打ちで横島に勝ったら大切な兄弟子を殺した村正で、恋人だった女性達も殺して女権国家を呪う呪術発動だったらしいし、その後の女権国家相手の殺戮計画は『できればやりたい』って程度の気持ちでしかない。
最悪今回の呪いが発動すれば別に殺されて良いと思っていた。それが次に横島の敵討ちに来た俺たちに殺されても別に良かったんだろう」

「彼、忠夫のことは調べていたみたいだけど、本当にこの後のことはどうでもよかったんだね。でも迂闊すぎるよね」

 いつになく毒のある口調でアルトを評する大鳳を見てジャギは大鳳がリンネに言ったに信念なき勝利を認めないという言葉を吐いていたというのを思い出した。アルトは慚愧の念をもった相手を殺すのではなく、嬲っていた。
彼女たちが受けた仕打ちに対して大鳳は本気で怒っている。多分実感はなくても父を奪われた自分と似通った部分に反発しているところもあるのだろう。

「桃子から連絡が来たよ。楯無さんたちも、帰った人たちとアルトから見えない場所に移った人に分かれたってさ。もう忠夫の勝ち確定だって言っているみたいだよ」

「だろうな。あの日のトラウマ持ちならそう思うだろ」


 アルトは村正に全ての気を込めて一撃を放った瞬間、横島が文珠で『隠』していたさっきの刀を拾ったのを見た。そして彼の両腕の文珠に現れた文字は、予想していた『強』『化』ではなかった。その文字は『再』『現』そして横島の服が男性でも女性でも着られる道義に変わる。
そして彼はその状態の彼に馴染む持ち換えた刀でアルトの村正を受けきると鍔迫り合いで勝利し、一気にラッシュを叩き込んだ。拳一撃一撃が鉛の様に重い。その攻撃を圧倒的な劣勢になりながらアルトは反撃を繰り返す。横島の拳などの攻撃が三度当たる際にアルトの攻撃は一度くらいしか当たらず、
どんどんと彼の霊力が削られていく。圧倒的な劣勢の戦いを繰り広げるアルトを楯無たちは賞賛の眼で見ていた。

「祟神の力を取り込んだ人間ってすごいですね」

「ええ。今大鳳くんの悪友な彼が使っているのって、私達にトラウマ刻んだ夜に使ったミクを『模』した文珠の『再』『現』でしょ。殆ど一方的とはいえ、ミクとあそこまで殴りあえるとか凄いわ」

 横島は昨夜ミクと訓練所で『模』の文珠を使わせてもらっていた。そしてその際に今日使ったもう一本の刀がミクの手に馴染むまで共に鍛錬を続けていたのだ。今夜の『模』させてもらった彼女をより強くイメージするために二人で修業していたという部分もある。
 そして彼女の忠告を彼は思い出していた。

『横島、多分これやらないと勝てないでしょうけど、なるべく早く片付けなさい。あんま長引かせると貴方相当凄い筋肉痛とかになるわよ』

『前使った時で知ってます。服装までミクさんになって恥ずかしかったうえに、あの後両手両足がポキっと折れてそこに肋骨にひびが入り、うずくまった所に相撲取りがドスンと来たような感じでした』

『まあ、おかげで楯無たちも準備なしで私の襲撃受けたみたいな状態になって、ボッコボコにされてしばらくトラウマで睡眠薬が必要になってめでたかったわ』


 『模』の文珠は本当に使い道が多かった。最初にアルトが彼を見失った際に彼は『転』『移』の文珠を使った直後に、『隠』の文珠を使って隠れながら、アルトに『模』の文珠を使ったのだ。驚くほど相手の思考を読めていたのはそのせいもある。

522 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:27:04 ID:+zV8TJ62

 アルトを殴りながら彼は本当に後が怖いと思っている。

『これ絶対に後でえらいことになるわ。ドスンとくる相撲取りが二人くらいかも。だが殺さずに弱らせるには殴り続ける持久戦しかないしな』

 60発目の拳を受けてアルトが倒れると彼は勝利したと確信した。そして彼は宣言する。

「ファルガバードの剣士の怨霊たちよ、前世が貴方たちと共に戦いし剣士である横島忠夫が宣言する。ここに正々堂々の戦いによる報復戦は終わった。女権国家の二度目の無道に対するけじめはこれをもって最後としてもらいたい。 
二度目のファルガバード壊滅を汚点としてこの国の歴史に残し、そして彼女達をファルガバードの村のある場所の辺境伯としてあるいは修道女として、かの地の縁者血縁者たちに使える巫女や奉公人となさせる」

 彼の宣言が終わった後アルトの中から禍々しい存在が出ていく感じがした。

「まだ怨霊は残っているが悔い改めて上位者として祀れば女権国家にも祟りはくださない。執行猶予が付いた状態だと心してくれ」

 息を切らして倒れた横島に変わり、いつの間にか訪れていた霊夢がマイクを取り言った。

「今回に限り除霊などを請け負う組合の代表として選ばれたので言わせてもらうわ。あの怨霊たちは凄く強力だから、古来より善行をなしたものが不当にひどい目にあわされて生じた祟り神はそういうものよ。
今回悪かったのは女権国家の方だから。もしもこれ以上ファルガバードの英霊達や生き残りの縁者たちに不義理したら、どんな祟りが起きても私たち民間の除霊組織は知らない。助けない。
道徳的に助けたくないとかじゃなくて、無駄死になるからよ。それを踏まえてファルガバードの生き残りたちは遇しなさい」

 この席に出席しているものたちの中にはオカルトの実在を今夜初めて実感した者も少なくなかった。だが、そういうものたちですら霊夢が悪霊払いなどに関してはすさまじい実力者なのだということは分かった。
そして彼女の言葉が、ただただ事実を述べているのだということも。今夜の戦いを見に来た良識派はもちろんそうでなかった者たちも恐怖から神妙に頷いた。


 アルトは戦いが終わった、後宮廷の寝所らしき場所に自分が寝かされていることに気づいた。

 祟り神の力はぬけてしまい。今の自分は策謀なしの横島との剣技の勝負でも10回戦って6か7勝てるくらいだろう。

 彼が立とうとすると不意に声が響いた。

「目を覚ましたようですよ。では約束を果たしてもらいましょう」

 横島との試合の前に話したメイドの声に気づき顔を上げると、目の前にいたのは声の主のメイドではなく、シスターカーミラだった。彼女は笑いながらアルトの唇を奪うと、彼の体は普通の男性よりははるかに遅れて、反応し始めた。

「やはりファルガバードの剣士達は普通の男性より女性の与えてくる快感に対して鈍く耐性が強いみたいですね。暗黒剣は邪悪ではないけど陰の気ですから」

 陰陽論では女性は陰であり、男性は陽である。女性に触られた時の男性の陽の気が反応する部分もあるために、快感が大きくなる。ファルガバードの魔剣士達は、男性でもある陰の気を暗黒剣の技法で練り上げている為に女性の陰の気に反応しづらいのだ。
それが強さ以外でも、ファルガバードの剣士達が女権国家の女性他の難敵とされた理由の一つだった。それを見ながらカーミラいう。

「でもそれならそれでやりようはあるんですよ。ヴィヴィオ陛下直伝の方法です」

 カーミラが祈りをささげると聖なる気が陽の気が部屋中に満ちアルトの陰の気を消し飛ばし強制的に彼の体を陽の気で満たし始めた。アルトの分身が余計に硬くなったのを見て彼女は笑いながら彼の分身を飲み込む。

「あ、ああー!」


 生まれてはじめの祟り神のなどの陰の気に守られていない状態での射精は一気に彼の精神を砕いた。横島との一騎打ちで敗れ約束した以上は復讐を止めなければという、喪失感の中での強すぎる女権国家の女性が与えてくる快楽は彼の心を滅茶苦茶にするには十分すぎた。

 カーミラ自分の胸の所丁度来ているアルトの顔を抑えると完全な脱力状態の彼に乳首を口に含ませると撫で始めた。母親があやすような技の中に脱力させる快楽の技も多数入っている。

「アルトくん。復讐者と戦っていないときはファルガバードの剣士として、他者を救うために悪を切る戦いを続けて疲れたでしょう。ほら早く昔の子供らしい顔を取り戻して」

 三回ほどカーミラがアルトを絞り終えると、小蒔とラヴィアンとフェイ、そしてネロ付きと思われるメイド達も入ってきた。

 カーミラは彼女たちが来ると一時的にアルトから離れた。小蒔が笑いながら彼を抱きしめて言う。

「アルトくん。もう負けちゃったんだから兄弟子さんとの約束通り復讐を捨てよう。そして僕達の旦那様、あるいはペット、抱き枕どれかになってね」

 小蒔が射精したばかりの彼の分身を巨乳で挟みラヴィアンとフェイの二人もそれに加わった。 彼女達もカーミラと同様に聖なる力を使い始める
。カーミラとフェイは邪悪な存在の生まれでありながら、善なる心が悪心に勝り、そして積んだ善行の為に聖なる属性の力も使えるのだ。


 小蒔に絞られて倒れそうな彼をラヴィアンとフェイが左右から挟み顔を四つの乳房で圧迫しながら分身を手で嫐る。

「アルト様。ここのメイド達は私やカーミラ様と同じ修道院で修業してネロ陛下付になったもたちです。
カーミラさんが血を飲ませて人生を追体験させたら、貴方に惚れて貴方を、復讐者から解き放つというネロ陛下の命令をうけたのです」

「あ、ああ。や、約束した以上は好きにしていいって言ったし復讐はやめるけど、これ以上はやめておかしくなっちゃう」


 二人に離され仰向けに倒れたアルトに小蒔がのしかかり胸で顔を窒息させそして分身を飲み込みながら言う。

「大丈夫!大丈夫! 今までが大人すぎただけで、これからなるアルトくんの姿の方が年相応だよ」

「〜〜!」

 胸で口を防がれ声すら出せない状態で射精する彼を、小蒔は楽しそうに抱きながら撫でた。カーミラが後ろから血を吸うとさらにその快楽で、射精の量が増えていく。

 小蒔に解放されるとラヴィアンとフェイが二人係で彼を弄び始める。

『それじゃあ、私達がどっちでどっちか当てられたら今夜はお開きにしてあげます』

 そういってラヴィアンが彼の分身を飲み込んだ。彼女のどこまでもアルトに強い快感を与えるという善意しかない攻めで彼は気概や信念が一気に溶かされていく感じを味わいながら脳が壊れ、彼女の使った魔法のせいで彼はフェイと誤認した。 普段の彼ならありえないことだ。

「ハズレです今度はちゃんと当ててくださいね」

 そういってカーミラが再び胸で目隠ししながら対面座位に持ち込み。彼を一度射精させると。今度はフェイが自分をラヴィアンと思わせる魔術を使いながら彼の分身を飲み込み嫐る。

「ラヴィー!」

 宣言し終わる前に、彼女はわざと快感を強めて射精させその声を途絶えさせた。そしてわざとらしく見下ろしながら言う。

「声が途切れたのはフェイと言い直すため? 確かに慎重に考えないとチャンス逃したら今夜はずっと嫐りものですからね」

「ラヴィ、ああー!」

 彼がはずれの答えを口にできたのは、五回射精させられた後だった。

 再び彼の分身を加えこみ巨乳で頭をとらえている小蒔が言う。

「アルトくん、少し弱すぎない。それとも僕達に嫐られて女性優位の性行為されるのが癖になっちゃった?」

「――!(そんなことはない)

「そうかなあ。それじゃあそろそろ今夜の締めに移ろうか」

 小蒔が離れると、控えていたネロ付きのメイド達がベッドの前に並び始める。先頭はヴィルヘルミナだ。

「アルト様、私もカーミラ様に血与えた際に、カーミラ様の人生を共有し彼女の眼を通して貴方が魔人ではないときにどういう風に戦ってきたか見せてもらいました」

 そういいながら彼女は快楽の与えられすぎて動けないアルトの分身を飲み込みながら言う。

523 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:27:57 ID:+zV8TJ62

「私が訓練をつけた者たちが本当に申し訳ありませんでした。それなのに貴方は虐殺に走りはしても戦争の条約は破らずに女権国家の悪辣な存在だけを切っていましたね。
本当に素敵です。私の全てを味わいつくして怨恨の全てを吐き出してください」

 ヴィルヘルミナは一度離れると魔力で作ったリボンでアルトの分身を愛撫させ彼女は意味深な笑みを浮かべた。

「実は私も、継承権はないけど一応は女権国家の皇族なんです。本来ならこんなことはできないんですけど、
ネロ陛下が貴方に最高の快楽を与え続けたいと頼んだらネロ様が協力してくださり本来使えないまじないをさせてくれることになったのであります」

 リボンで彼を縛るのは万が一にも逃亡されるのを防ぐためだろう。今の快楽でおかしくなっている彼にはそんなものは明らかに必要なさそうだが、それでもかなり慎重にやろうとしているのがうかがえる。
 そしてヴィルヘルミナが口づけると、彼の中に何かが刻まれた。それは大鳳が受けた穢れなき純潔の束縛だ。

「これであなたは常に最高に気持ちよい状態で私たちの与える快楽を受け続けられるで、あります」

 なにか危ないと思い逃れようとする彼だが分身に手足のリボンは一切苦痛や圧迫感はないのに彼を決して逃がさず、そして何よりも分身と玉袋に絡みついたそれが快楽を流し込んできて一切行動させてくれない。

 彼女が焦らしぬいて再び押し倒してくると、小蒔が横島からもらっていた『伝』文珠をヴィルヘルミナを含むメイド達に使った。不意に彼を嫐るヴィルヘルミナの動きが止まり、しばらくすると彼女が言った。

「申し訳ありません。恐怖ゆえとは言え私の教え子たちがあそこまで道義に外れた協定違反をしていたとは。これから全力で償わせてもらいます」

 彼女の動きがさっきまでよりもすさまじくなり、そして言葉すら発せないアルトの痙攣がますます激しくなってその射精が終わって倒れた彼に他のメイド達も集まってきた。

「アルトさん。早く癒されてくださいね」

「あ、ああー」

 メイド達の贖罪と情欲の混ざった瞳にさらされながら一人に分身を飲み込まれ、射精しながら彼は、復讐者としての自分は完全に死ぬと確信した。


 試合を終えて一週間後横島は、ネロとかわした約束がちゃんと履行されているかを確認すべくメアリー孤児院に向かっていた。ネロがアルトを復讐の修羅堂から解き放つ女性達を募ると言った際に、
本妻は最初にあった四人の誰かにすることと自分の文珠で人柄を確認した女性達で信用できるものたちだけを選ぶことを条件とした。アルトを女権国家の女性のものにすることには思う所があったが、
それでもあの修羅道を歩ませるのは良くないと思ったためだ。

 激痛を早く収める薬をもらう条件として輝夜たちに薬を飲ませてもらった後貪られ、ユウキたちにもいいようにされ続けてようやく、動けたのは一週間後だった。彼が今向かっているのはメアリー孤児院。
アルトを解放する際の見受け場所として彼が指定した場所だ。横島がアルトと決闘する際の条件にミクは様々な条件を女権国家に飲ませたようだ。あの日の夜闘技場にいなかったのはアルトに警戒の念を抱かせない為と
、自分とアルトどちらが勝っても、臨機応変に対応するために本部に戻っていたためだったらしい。自分が勝った時にはどういう風に動いたのだろうかと思った。彼女の表情からすると相当王国が有利になるような条件を飲ませたのだろう。

 しかし、ネロが自分に全てをかけた理由には驚いたものだ。愛歌を見て彼女の王族としての格を計り、彼女が選んだ男である自分なら何とかする可能性が高いと思ったからだとは、本当に恐ろしい天運と直感を持つ皇帝だと思う。

 考え事が終わり前を見ると孤児院に到着していたことに気づく。彼が孤児院の戸を叩くとメアリーが彼を迎えてくれた。彼女を引き取り手に指定したのも横島だ。横島は彼女が更迭された原因を考えれば、アルトを丁重に扱うだろうと予想した。

「横島さんいらっしゃい。アルトくんの安否の確認ですね」

「ああ。一応前世の弟分やし、あの闘技場で『模』の文珠使ってある程度人生を共有したから、気になってな」

「ええ。一応は修羅道からは解き放たれましたけど、まだまだ監視が必要です」

「そうですか。約束は破らないだろうけど、それでも今生と前世の混じった恨みそう簡単には離れそうにありませんか」

「いえ。そうではなくて」

 少し言いづらそうなメアリーの様子の謎は直ぐに解けることになった。横島が彼女に案内されて彼の部屋に行くと、メアリー孤児院の新しい職員らしい元ネロ付きのメイド達が
アルトを甘やかす感じで嫐っていた。完全に腑抜けに担ったアルトの顔を見せながら彼女たちは笑顔で横島に礼を言う。

「彼を外道から止めてくれてありがとうございました。これからは私達が幸せにします。こんなに年相応の顔をするようになってくれたんですよ」

「お、おおそうか」

 返答して部屋を出た後横島は、メアリーに聞いた。

「普段からあんな何ですか?」

「今回は小蒔さんたちが留守ですから。普段はあそこまでいきません」


「そ、そうですか。それじゃあワイも時々様子見に来ますね」

 横島は頭を抱えた。善良ではあっても女権国家の女性達は恐ろしい時は本当に恐ろしい。自分にとっても他人事ではないが、アルトの様子を時々は見に来てやったほういいだろう。
そう思いながらも彼が殺戮をなすかもしれないと持っていた時よりは気分が軽いのを自覚し、彼はこれも悪くないと思えていた。アルトと彼を第一と考えている女性達も味方に引き入れられれば、
女権国家の悪辣派との戦いはかなり楽になるだろう。そして彼の中にはアルトに勝利で来たことで失った前世の技の素質以上のものを得たという確かな自信が芽生えていた。

524 :名無しさん@狐板:2022/12/06(火) 11:48:00 ID:BzSSOS+V
おつ

525 :名無しさん@狐板:2022/12/06(火) 13:52:43 ID:pZRBZVKj
乙でした

526 :508:2022/12/06(火) 23:48:32 ID:YjBWibo8
>>524
乙感謝です
>>525
乙感謝です

527 :名無しさん@狐板:2022/12/08(木) 23:57:31 ID:5iFR2cYd
乙でした

528 :508:2022/12/09(金) 00:59:25 ID:kwTCQjAC
>>527
乙感謝です

529 :名無しさん@狐板:2022/12/09(金) 20:25:28 ID:kwTCQjAC
これは前回>>508から>>523に投下したSSで使われていた。知らなくても問題のない設定資料です。以下の注意事項があります。

@ファイナルファンタージシリーズのファイナルファンタジーUとファイナルファンタジーV、そしてファイナルファンタジータクティクスプレイステーション版無印の設定が混じってます。
Aこれから書く設定は上記で挙げた設定の中に、インターネットでファンが考えた俗説などもかなり入って混ぜて使っており、このSSだけの独自設定です。
BこのSSはあくまでもパラレルワールドでありスレ主さんが掲載している本編とは関係ありません。
C現実世界のオカルトの理論が持ち込まれている部分もあります。
DCのオカルト理論に関しては著者の知識では怪しい部分があるので間違っている可能性もあります。

 設定@このSSでのファルガバードの村滅亡の経緯
主にタクティクスとファイナルファンタジー3の設定の混合物 ファイナルファンタジー3の設定では魔剣は分裂などを起こす魔物相手に対して分裂をさせずに倒すことができる唯一の武器である。負の力を源とし、暗闇の恐怖を克服した者だけが使えるという設定だった。
またタクティクスでは魔剣は絶大な威力と引き換えに使用者の命を削る為に次第に魔剣士の数は減少していき、ファルガバードが廃墟になっている。 今回のSSの設定では横島の前世である高島忠助はヴィヴィオの前世の聖王を暗黒剣の力で聖なる属性の効きが悪い相手から守っていて、それで早死にしたという設定。 
SS本編でも書いた通りヴィヴィオの前世の聖王は特にこの村に対して恨みなどはなかったが、女権国家と共同して一度壊滅状態にした。
その理由は英雄の来世は前世の力などを得た場合前世と同じ運命をたどりやすいという独自設定があり、
だからこそ魔剣の才能を潰す王となることで、『魔剣を潰えさせる英雄』という特性を獲得し横島の来世が暗黒剣を使えなくすることが目的だった。

ヴィヴィオの前世の聖王は恩を仇で返すような形で魔剣を潰えさせるために宣戦布告し挑んだが、戦争のルールは守っており最低限の義理は果たした後での宣戦布告だったので、
アルト個人としては憎しみはあったが嫌悪はしておらず報復対象からは外していた。一度目の滅亡の時にファルガバードを脅威と見た女権国家が恩を受けた他国に対する最低限の義理を果たさぬ形で聖王と組んで滅ぼしにかかった為、
前世の記憶も持った彼が女権国家の方を強く恨んでいた。

 
設定A暗黒剣のこのSSでの設定
ファイナルファンタジーVでは分裂してくるモンスターを分裂させずに倒せる技であり、ファイナルファンタジータクティクスでは絶大な威力と引き換えに、命を削っていくため失伝しファルガバード滅亡の原因となった。
陰陽論では男性は陽女性は陰とされている。このSSの設定では陰陽論の理論から暗黒の力は陰の気でもあるため、それを使える魔剣士達は陰の気で自分の体を包み込むことで女性の陰の気が産む性的快感をシャットダウンできる。
完璧というわけではないが、女権国家の女性達の愛撫さえ効果が激減する。
二度目のファルガバードの隠れ里の滅亡は外道極まる人外の群れに劣勢だった女権国家の軍の大部隊が撤退中に里にたどり着き助けを求めてきたことがきっかけだった。
報復対象ではあっても、彼女らを追う人外の群れの外道さをみて、ここで見捨てると非人道的すぎると思い外道な人外の群れに暗黒剣を振るった。
助けられた女性達どちらかといえば善人寄りだったが、助けられた際にあまりにも強すぎた上に、誘惑の効き辛さに恐怖してしまい。いつか報復に来た際のリスクに怯え、
これだけの恩を受けた相手を討つのは最低だと分かった上で、破ってはいけない休戦協定が終わる前に彼らの疲労と傷がいえるより先に夜襲して殆どの魔剣士達を殺しつくした。 彼らが最後まで戦う意思を捨てなかったことと、前述の魔剣士たちの特性が殺しつくさざる得ない事態を招き、
虐殺が行われた。その際にアルトは切り抜けるために生存本能が極に達し前世の記憶を取り戻す。自分は逃れることに成功したもの故郷を救うことはできず、今生と前世、二度の故郷の滅亡の記憶を得て、ファルガバードの剣士たちの怨念をその身に宿す魔人と化した。


設定BこのSSでのファルガバードの暗黒剣とその成り立ち。

ファイナルファンタジーVでファルガバードの暗黒剣の開祖とされるレオンハルトは、インターネット上の俗説だとファイナファンタジーUのレオンハルトと同一人物であるとされている説もある。
このSSではその説を採用している。ファンの推察だと彼は一度居場所を失った恐怖と無駄な死者を減らすために帝国側に寝返り皇帝が殺された際に即位し戦を討を早く終わらせるために虐殺をしたことがある。
その後先代皇帝が黄泉がえり世界を滅ぼそうとしたときに再び仲間たちと共に戦ったが、裏切りをして虐殺などの悪の道に走った為同じ道を歩めず別れた。今回のSSでは、その後力を求めてファルガバードに移住し暗黒剣開眼したという設定。
十字架を連想させる西洋剣ではなく、日本刀を用いて極めぬいた。また自分自身の居場所を失った際のトラウマと、重ねた非道の自覚があったので、
レオンハルトの理念としては居場所のない者たちの寄る辺となる村であることと、過去の罪を慚愧しているものは自分以上の大罪人でもない限りは、できる範囲で味方となることを理念としていた。
ファルガバードが2度目の滅亡の時に女権国家の部隊を助けたのは、破ることが通常ではありえない盟約をかわしたこともあるがこの理念の為もあった。 ファルガバードの剣士達は様々な役割に分かれていたが、
横島の前世は居場所のないものや罪を慚愧するものの味方であるべきという考えの防衛隊であり、アルトは無駄に不幸なものや死者を出す者を殺すことで被害を減らすべきという攻めの思想の部隊だった。
その為に横島は今回のSSの様な行動をとり、アルトは殺害に走る行動にでていた。
またこの村では考えが偏りすぎない様に反対の思想の人格者の家に一時的に修行に出すなどの風習がありその時にアルトの前世の面倒を見たのが横島の前世だったことが今回の戦いの原因となっている。

530 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 00:51:26 ID:VaL+dlww
 女権国家2022年クリスマスss好いてくれた女性達の特技のせいでプレゼントの二側面の快楽地獄を味わうことになった男

このSSは現在本スレのスレ主様が連載中の女権国家の二次創作SSです。以下の注意点があります。

@自分が最初に横島ヒロインとして自分のSSに登場させたヒロインが横島ヒロインとして出ていますが、本編では彼女が誰のヒロインとなるかは確定していません。
AこのSSで使用されたヒロイン達の特技はヒロイン達が持っている、あるいはそういう使い方は本編でもできるとは限りません。
Bヒロイン達の家族構成はこのSS独自のものです。
C他の方が投降した1レスネタや設定も使っています。
D東方の神綺という二次創作ではアリスの母親として扱われるキャラクターは作者によってはロリ形態になることもあれば大人の美女になることもあるらしいので、その現象に対する独自解釈があります
E作中に出てくる女権国家的クランプスは読者の方が想像するサキュバスキャラを当てはめてもらえると嬉しいです。あくまでも例を挙げると(ヴァンパイアシリーズのモリガンやこの素晴らしい世界に祝福をのサキュバスなど)
Fこの世界線でのさとりは横島に対して好感度滅茶苦茶高い上に、多少は良心があります。またこいしは一応悪人ではない設定で書いています。

 女権国家のクリスマス近日、めでたい雰囲気で喧騒に包まれている中、大半の男性たちが恐怖する日が近づいてきた。女権国家では女性のサンタに男性がさらわれ王国でいう所の逆レイプを受けたり、
本当に稀だけど優しいおじいさんなサンタに女性へのプレゼントとしてさらわれることもある。 そんな中で横島はカブ村から返り咲き彼が参謀をすることでそれなりの企業に上り詰めた陸八魔アルが企画の手伝いに精を出していた。

「アル社長お人よしのくせに、アウトローに憧れているせいか、マフィアも女子供には甘いし炊き出しとか無償でやる場合もある。とか理屈着けて、子供たちの炊き出しの手伝いか」

 そしてそこまで考えて横島は、もう一つの企画に頭悩ませた。

「クランプスとブラックサンタかいな」

 悪い子の所にやってくるブラックサンタと、クランプスの手伝い。アル社長が力を取り戻してからはクランプスという悪魔達が仕事をできる様に取り計らうことも仕事であるとアル社長が考え始めたらしい。
他国ではインキュバスみたいな姿をしているが女権国家のクランプスたちは色っぽい夢魔が多い。そして、彼女たちは悪い子を(性的に)お仕置きし、教え諭し導く。ブラックサンタも悪い子をさらい性的にお仕置きしつつ、
いい子になるように食べ物を配ったりするらしい。ブラックサンタがあまり知れ渡っていないのは、
ショタ大好きなサンタクロースなどのせいもある。

 横島はアル社長が率いる悪霊の軍団のブラックサンタやクランプスの前準備の手伝いを終わらせつつ、それが済んだので余暇をどう過ごすか考えていた。クリスマスらしい依頼などを見てみることにした。

 ギルドに到着すると赤いメイド服に身を包んだブロンドの女性が少し困ったような様子で、窓口と話していた。窓口の女性も脅迫等をされているわけではないようだが、依頼の内容に困っているようだ。その傍らには銀髪のサイドテールの女性の姿がある。

 二人の姿を見て横島は固まった。この二人は今までくぐった修羅場の中でも上位の強さを誇るであろう人外だ。霊波の質から悪質な存在でないことは感じ取れるが、
間違っている可能性も否定できない。周りを欺く必要がないほどの強さからその可能性は低いと思いながらも彼は声をかけた。
声をかけた時の反応次第で彼女達への対応を考えなければならない。上司である初音ミクを呼ばなきゃダメな様な事態にはなってほしくないものだが。

「すいません。自分も依頼を探しに来たので開けてもらえますか」

 彼の声にサイドテールの女性が鈴を転がすような声で応じた。

「ああ。ごめんなさい。クリスマス前の繁忙期は護衛闇周りの依頼を受け付けるまでで、それが終われば割と暇だって聞いていたからつい色々聞いてしまっていたの」

 強力な超越者ではあってもそれゆえの傲慢さはあまりないタイプの様だ。礼をもって接すれば、それほどひどいことにはならない可能性が高い。何かの気まぐれでクリスマスらしい善行をやろうとしている神族か、
あるいはたまたま気に入る類の善行を行った人間に報いようとした上位神だろうか? 少なくとも完全に力を取り戻したアル社長でもなければ相手にもならないだろう。 横島の危惧をよそに彼女は唐突にひらめいた様に彼に声をかけた。

「そうだ夢子ちゃん彼に依頼を受けてもらえばいいんじゃない?」

 神綺の言葉に夢子と呼ばれたブロンドの赤いメイド服の美女は勇み足すぎる主人をいさめる様に答えた。

「内容を話さなければ受けようもないかと、とりあえず彼に依頼を出しても良いでしょうか」

 受付嬢の許可を得て説明を始めようとする。彼女たちに横島は同意した。自分でできるなら、早く彼女たちの用事を終わらせて帰ってもらった方が良い。善良な存在ではあっても強力な人外はそれだけで与える影響が大きすぎる。

 彼女たちが受付嬢に、彼が引き受けられない様ならまたあとで来ると伝えた後、彼女たちは横島を自分たちの領域と思われる豪華な部屋に転移させた。悪意がある拉致というより、横島が自分たちの様な存在にも理解がある霊能者とみなしての処置の様だ。

 自分の居城に連れ帰った後、神綺は早速自己紹介を始めた。

「はじめまして、私は神綺。魔界を作り統べる魔界神よ」

 続いて夢子も頭を下げて言葉を続ける。

「私は夢子と申します。神綺様が最初に創造した魔界人であり、お仕えするメイドです。以来の内容は私から話しても良いでしょうか」

 一見すると人形めいているが、確かに身内に対する温かみなどもある様子に横島は好感を持ちつつ違和感も覚えた。普段は主人を立てているメイドに見えるのに主人の領分を犯しているようにも見える。
大鳳やジャギに悪意や害意のない行動にはかなり鈍いと評される自分では察することは難しそうだ。
だが逆に言えばこの二人には悪意や害意はないようだ。それに少し話して分かったがこの二人は人間に近い感性をしていて神綺は明らかに善性だし、夢子は辛うじて善性よりの様だ。そこまで恐れることはないだろう。

「夢子ちゃん、私がしょっちゅう、うっかりするからこういう交渉事任せられないと思っちゃった? 彼明らかに善性だから大丈夫だと思うけど」

「神綺様の能力に不安があるわけでも、彼の人間性に疑問があるわけでもありません。今回は私が話した方が効率が良く理想的な形になると思ったのです」

「そうなの?」
 ここで横島の警戒が下がっていた理由は神綺と呼ばれる女性にもあった。彼女は善性の母親気質だから、娘たちの行動が非道だと許さない可能性が高い。タイプは違うが女権国家の皇帝であるネロに近いところがあると感じられた。

 夢子は横島に対して典雅な礼をすると一枚の写真を見せてきた。

「実を言うと依頼というのは私に妹であり神綺様の娘でもある。この娘へのクリスマスプレゼントを入手するのを手伝っていただきたいのです」

 アリスに似た幼い少女の姿を見て横島はかわいらしいと思いつつ、目の前の女性が妹を慈しむ様子に感じ入った。彼は迷わずに答えた。

531 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 00:57:13 ID:VaL+dlww

「そういうことなら分かりました。人道に悖るようなことをしたり、他人に迷惑をかける様なこと以外ならなんでも協力しましょう」

 彼の即答を見てその意図まで読み取ったのか二人は横島に対して好意的な感情を持ったような笑みを浮かべた。

「報酬は何がよろしいですか」

「俺の友達の大鳳ってやつが穢れなき純潔の束縛って呪いを受けているからそれを解除するのにできる範囲で協力してほしい」

 それを聞くと神綺は頷いた。

「貴方のお友達ならきっと善良ないい子でしょう。なのにそんな呪いを受けるなんてあんまりだわ。この依頼が終わったらできる範囲で力を貸しましょう」

夢子はそれを聞くと頷いた。

「では、私達は依頼が終わったら可能な範囲で大鳳という少年を助けるために力を貸す。貴方様は、彼女へのクリスマスプレゼントを用意するために他人に迷惑をかけたり、人道に悖るような行為でない限り全面的に協力してくれる。その内容で契約成立ということでよろしいですか?」

「ああ」

 そう答えた瞬間、横島の体が不意に激しい束縛を受けたような状態になった。魔術的な契約による拘束、そう思った直後に彼は僅かに警戒し、神綺を見た。そして次の瞬間警戒の念は砕け散った。
 神綺が明らかに動揺し愛嬌のある様子で、『もしかして私何かやっちゃった?』そんな感じの表情をしていたためだ。契約で縛った以上、もはや彼をだます意味などなかったし、
仮に意味がある状態でも明らかに演技ではないと分かる。なぜこんなことになったのか困惑しきっている顔であることは疑いようがなかった。

「夢子ちゃん! なんか横島くんが凄く縛られているんだけど。もしかして契約の方式間違えちゃった?」

「いえ、あっています。神綺様」

「彼は、裏切ったりするような子じゃないわ。なのにこれどうしちゃったの?」

 次の夢子の言葉に横島は驚き納得することになった。

「彼、自身がアリスお嬢様へのプレゼントだからです。神綺様」

「え、じゃあ、アリスちゃんの想い人ってこの子だったの?」

 再び驚いた表情になる神綺、彼女の表情は明らかに素だ。しばらく驚いていた表情をしていたが、少し時間がたつと不意に神綺の雰囲気が変わった。動けない状態の彼の全身が警報を鳴らし始める。
目の前の女性は悪意がないにも関わらず危険だと。アリスと似たそれでいてアリスより強い魔性めいた気配に身を包み彼女は彼の頭をなでてきた。

「うん、さすがアリスちゃんが好きになった男の子。彼なら安心だわ。これから貴方の義母になる神綺よ。よろしくね」

 抱きしめられ豊かな胸に顔を埋めさせられながら彼の体に凄まじい安心感と多幸感が襲ってくる。アリスが自分を支配下に置く性行為をしてくる際もたまに生じる傀儡となることへの悦びに似たそれは目の前の彼女の母性がもたらしてくるものだ。
心底心を許せる母に抱かれている赤子は多分こんな心持で笑っているのではないだろうか。

 神綺は彼を抱きしめながら不意に彼の分身が固くなっていることに気づいた。それを見て笑う。

「女神でもある私と接触していたらそうなっちゃうのも無理ないわね。夢子ちゃん嫌じゃなければ彼の処置をお願い」

「お任せください」

 そういうと彼女は横島を掴むと一瞬でベッドに移動させて押し倒してきた。服もいつの間にか脱がされており、彼女が服を脱ぐとアリスよりやや豊満な肢体が姿を見せる。彼女は彼の唇を奪いながら言う。

「アリスお嬢様と共に過ごす姿を私達姉妹も見ていました。お嬢様が執着されるのもわかります」

 そこまで言うと彼女が彼の分身を一気に飲み込んだ。それを受けた瞬間彼の分身が一気に爆発した。そして自分の霊力が一気に彼女の食われていくのが分かる。あとで回復できるとは分かっているがそれでも指一本動かすことすら困難になると今までの経験が警告して来ていた。

 豊満な胸を彼の胸板で押しつぶしながらアリスとは対極の切り刻むような快感を与えてきながら夢子は言う。

「アリスお嬢様も女権国家の女性で魔女ですから、色々と我慢しているのです。貴方が悪いとか、至らない故というわけでもないのですが……。ですからお嬢様の欲求をどうかクリスマスでは満たさせてあげてください」

 やや溜めさせてから二度目の射精をさせると彼の意識を一気に快感で断ち切りながら夢子は言った。 神綺が彼の頭をなでる感触がすると彼はそのまま長く眠る術をかけられたなと思った。多分寝ている間に自分の体を調整するつもりなのだろう。


 次に彼が目を開けた時に待っていたもの大きなベッドのある寝室だった。そこにはアリスだけではなく、エヴァ、ユウキ、リグル、愛歌、アル、さとり、ヴィヴィオがいた。

 自分がプレゼントの袋に入れられていることに気づくと、アリスが不意に彼の唇を奪い手を動かしてきた。袋の布糸となりが動き出し彼を一切に愛撫し始める。射精したくても糸がそれを縛りそれを許してくれない。アリスは笑いながら言う。

「母さんありがとう最高のクリスマスプレゼントだわ」

 横島は自分の体に何らかの魔術がかけられていることに気づいた。 アリスは彼を脱力させて自分の人形の様に変えた後、安心させるように言う。

「大丈夫、害のある魔術じゃないから。女権国家の女性で良識はあっても好きな男の子をいじめたい欲求の強い女性達の為に作られた魔術よ。強すぎる快楽や恥辱で脳が壊れたりトラウマになったりしても、一切後遺症が残らず元に戻る類のものだから。今夜は全力で忠夫を嫐っていいという母さんからのプレゼントよ」

「ア、アリスちゃん、ちょ、ちょっと待ってくれへん」
 
言い終わる寄り先に彼の唇がアリスによって塞がれ、袋が取り外されるとアリスは笑いながら彼の分身を飲み込んだ。夢子にされた行為が彼の体感では一瞬前の為だったせいか、アリスが与えてくる布で包むような快楽がより強く感じられる。
アリスは良くエヴァやヴィヴィオと組んで自分を閨で嫐るがそれは自分の与える快楽がより印象強くなるためというのもあるのだろう。

「〜〜!」

 声にならない声を出して射精する彼を抱き寄せるとアリスは少しだけ悲鳴を堪能した後、彼の唇を塞ぎ舌を絡めてきた。快楽の逃げ場を失い痙攣する彼を楽しむ様に抱き留め愛しそうに眼を閉じながら彼の体を霊力でできた糸で操り、
自分が望む様に体をいじくらせて、時には自分から嫐りに入る。 何度か交わった後彼女が上になる対面座位で彼から精を搾り取るとアリスは離れた。

「名残り惜しいでしょうけどまたあとで、みんなも待っているから」

「あ、ああ」

 横島は恐れた。自分の誇りや心すら壊すような快楽だったのに、アリスの名残惜しいでしょうけど、という言葉を否定できない。自分の心境の変化に怯える彼をよそに黒いイブニングドレスに身を包んだエヴァが彼の唇を奪う。

「大分絞られたが安心しろ。眠っている間に神綺殿が今夜は私達が手加減なしでどんなプレイをしてもお前の身も心も再起可能なレベルまでしか壊れない処置をとってくれた。 正直お前に本気にさせられてからは、
女権国家の女性の業がうずいて仕方なかったぞ。不義理していない男にやってはいけないこともたくさんしたくなっていたからな」

 普段の彼女は横島が好むこともあってか大人の姿になって彼を嫐ることが多い。だが今の彼女は敢えて子供の姿でいる。

「何しろクリスマスプレゼントをもらう側だからな。子供の姿でいるのも一興だろう」

532 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 00:58:30 ID:VaL+dlww

 エヴァが彼の小指をかむと一滴血を吸われただけで脱力してくる快楽が彼を襲った。いつまでの彼女の所有者でいたい気概がどんどんとなくなっていく。普段のエヴァはこんな快楽は与えてこない。
ただ力強い快感で彼を打ちのめして、そのまま次の日の朝までつながって眠ることが多い。その彼の疑問を飲んだ血から察したのか彼女は言う。

「私も吸血鬼で女権国家の女だからな。強くなって共にいてほしいという欲もあるが、堕落させつくしたいという欲望もある。今宵はいくらそれをしてもお前は元通りになるゆえに楽しませろ」

 エヴァは彼の上で腰を上下させるたびに彼の分身が悲鳴をあげる様に脈打った。彼女が出してほしいと願った瞬間に彼は射精させられることを繰り返した。
アリスと同じような技術を使いそれでいて対極の快楽が彼を何度も苦しめていく。エヴァに絞られ尽くした彼を見てアリスが不意に何かを思いついた様に手をはたいた。

「確かに今日はクリスマスなんだからプレゼントを受け取るのは子供であるべきね」

 そういってアリスが魔術で子供の姿へと変わった。彼女は茶目っ気のある笑顔で言った。

「神綺様に習った魔術なの。神綺様もたまに気分転換で子供の姿になるから。でも今回は色々と実用性が高そうね」

そういってアリスが彼にまたがると一気に彼の精液を搾り取り始めた。大人の時とは違った背徳感や少女特有の肢体が彼を嫐り、普段のアリスとは異なり彼の全てを独占しようとするような吸い付きが分身を締め付け支配していく。

「忠夫、愛歌はまだしもこの姿の私に絞られて普段より固くしているようじゃ人として危ないわよ」

 嘲笑めいた幼女の口調が彼の分身をより固くし、幼い姿のアリスが手を振ると横島人形の視点と自分の視点が共有され、幼女に一番屈辱的な体位でされていることを突き付けられる。
そしてそれが彼の分身をさらに固くした。アリスはそれを見越した様にタイミングを合わせて、彼の分身を締め上げた。もう一度の射精は一気に抜かれ切り、アリスの秘所を完全に白く染めた。

「忠夫、ロリコンで幼女に嫐られて悦ぶMになっちゃって王国男子としては完全に終わっちゃったわね」

 そう言うと倒れた彼の分身をアリスは抜き放ち。歩いて彼の頭の近くによると、彼の頭を持ち上げ、分身を凝視させた。そこにさとりが笑いながら近づいてくる。

「忠夫さん、最後のアリスさんの言葉で本当に硬くなっていましたね。私に心を読まれて一番答える悪口を言われている時にも勃起が凄いし、
少女に侮辱されて悦ぶ変態なんですか。 『否定したいのに今の私の言葉で勃ってしまって情けないですか』表向きはそうですけど感じてますよこれ。
本心は『幼女ではらわたの腐った外道女の足で喘がされているシチュ最高ですね』良くないとは思っても止められないとか最高に面白いです」

 さとりの足が彼の分身を踏みつけると彼の分身の硬さが余計に増していった。

「恐怖と期待が混じっている王国男子として最低な貴方に朗報です。実は今までの私のイジメ方は手加減していたんですよ。 何驚いているんですか? 一応は貴方に惚れていますし、
私は自分でも自覚がある畜生ですけど、さすがに幾つも恩がある相手にやると拙いと思うことだってあります。
 とにかく、今回は神綺様のおかげで壊しても後遺症が残らず完治するから手加減なしでいけますね。 とりは私なので、ヴィヴィオ殿下どうぞ」

 さとりの足で嫐りぬかれて完全に射精寸前の彼の分身を珍しく幼女姿のヴィヴィオが近づいてきて笑う。

「お兄ちゃん、大人の姿の私にしか欲情してくれないから、今夜で完全にこっちの私にも反応する様に目覚めてもらおうと思ったの。それじゃあいくよ!」

 ヴィヴィオが彼の分身を飲み込もうとした瞬間、大人の姿に戻ったアリスが古い二つの人形を取り出して呪文を唱え始めた。そして次の瞬間、気が付くと彼は神綺の城から女権国家の闘技場にいた。
 飲み込もうとしているヴィヴィオを抑えながらアリスが言う。

「この人形は王国の全ての人間の先祖で男性優位の性行為を始祖と女性の方の始祖の像よ。この人形の力で貴方は男性優位の性行為が当たり前だと、思う念が強くなったわ。そして見物している闘技場中の女性達も。
 ああ、心配しないで。神綺様の計らいで私たち以外は明日になれば忘れているから」

 そこまで言い終えた後、ヴィヴィオが笑顔で彼の分身を飲み込み。大人の時と変わらぬ支配してくる性交の技が彼をあっさりと屈服させる。ヴィヴィオが腰を振るたびに情けななく痙攣する彼を闘技場中からの嘲笑が襲う。

「きゃははー! 男なのに先に達するだけでなくて、何度もいかされ続けるとか」

 その彼の無様をいつの間にか司会者になっていたさとりが来て解説を始める。

「彼、幼女に負ける最低の無様と皆さんの嘲笑で余計に大きくしてますね。今回の人道に悖ると人によっていうプレイすら彼にとってはご褒美みたいです。最低のゴミですね。 おや、ゴミ呼ばわりが余計に彼の下半身を強化してしまったみたいです」

「終わりすぎー!」

 自分の中の何かが完全に支配されたと思った瞬間、ヴィヴィオが彼から離れた。そしていつの間にか来ていたリグルが入れ替わる。

「忠夫、それじゃあ後始末の時間だね。虫は雌が雄を食らいつくす交尾が多いから。君の中で過多になっている、男性優位の性行為が当たり前という魂の部分を食べぬかせてもらうね」

 リグルが彼の分身を飲み込むと快楽しかないにもかかわらず牙が体に食い込んだ様な錯覚が起こり、そのまま精が一気に貪られ始める。いつもならリグルは配下の蜂蜜などを彼に与えて回復させながら交わる。だが今日はそれがない。
にもかかわらず体が一切不調を起こさないのは神綺が取った処置によるものだろう。

 心底おかしがる女性達の声をよそに彼はリグルに絞られるごとにどんどんと食われていく感触がした。まるで虫や女性達に全ての精を捧げ続ける雄虫の様に変わっていくような感覚を味わいながらそのまま自分が堕ちていく感覚がする。
リグルの膣が男としての抵抗力を食らい虫の粘液の様に魂を溶かす快楽を与え続けた。何度も達したのちに彼が逆にリグルを押し倒すと、彼女は満面の笑みでそれを受け入れた。
男性優位の体位であっても彼はそのまま先に達し続けそれを嘲笑する闘技場の女性達の声が彼の恥辱心を余計に煽ってくる。リグルが達すると同時に彼が快楽の限界を迎えて倒れると、リグルは彼から離れた。そして場所は元の神綺の居城の寝室に戻った。

 嘲笑と侮蔑の笑みを浮かべたさとりが笑いながら彼に近づき言う。

「大分興奮していましたねぇ。それではとりである私がいただきますね」

 動けない彼の分身を加えこみもがく彼を強すぎる快楽で逆に射精させないようにしながら、さとりはしばらく時間がたつといつもの宣誓が響く。

「『想起今宵受けた先ほどまでの恥辱責め』」

 今夜幼女の姿をした彼女たちにされた数々の仕打ちがよみがえりそしてその際の恥辱とそれがもたらす性的快感、その二つがかつてないほどの射精を彼に起こさせた。

「こいし、やりなさい」

「はーい。お姉ちゃん」

 いつの間にか後ろに来ていたこいしが彼に手を当てると、女性上位の性行為は恥ずかしいものだという王国男子としての意識が彼に蘇ってくる。こいしの無意識を操る力だろう。

 さとりに絞られ彼が倒れるとこいしがさとりと位置を入れ替えてきた。そして彼女笑いながら言う。

533 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 00:59:14 ID:VaL+dlww

「こいし、前やりたいと言っていたプレイをやりましょうか」

「いいのお姉ちゃん。お兄ちゃん壊れちゃうかもよ?」

「もちろん。いつもはダメです。 惚れた相手云々以前に、恩のある相手にそういうことをするのはさすがの私でも最低すぎると思いますから。今夜は彼が壊れても完治する保証があるからこその特別ですよ」

「さて、横島さん、変態被虐趣味な貴方の為に敢えて聞かせてあげましたけどどんな気分ですか。これから恩人にやっちゃいけない畜生プレイに移るんですよ。こいし彼の男として女性に閨で負けると恥ずかしいという恥辱心を最大に高めなさい」

 さとりが離れてこいしが彼の分身を飲み込むと無意識が圧倒的強者に包まれたような感覚と共に彼の分身が脈打ち、何度もこいしの中に射精し続ける。

「恥辱心を高められただけでこの反応とか本当に人として終わりすぎですねぇ。ここからが本番です。『想起・恋人たちを怒らせて閨の中で恥辱責めなお仕置きを受けた日々』」

「ああー!」

 普通でも辛い閨の中での恥辱責めが蘇ってきたうえにこいしに無意識を操られ、男性としての閨で女性に負けるのが恥ずかしいという観念を強められた状態でそれを想起されたことが一気に彼を嫐り追い詰める。
精神は恥辱で蝕まれ、分身はその時受けた愛撫や彼女達と繋がった時の感覚がそのまま襲ってくる。快楽と恥辱で脳が壊れそうな彼の耳元でさとりが楽しそうにささやく。

「あらあら、恥ずかしいし苦しいのも本当ですが『癖になりそう』ですか早く堕ちなさいこの屑が!」

 屑が!の一言が止めとなり彼は射精と同時一気に落ちた。

 彼が目を覚ますと目の前には陸八魔アルの姿があった。彼女の周りには妖艶極まるサキュバスとにた姿の女悪魔達と、黒いサンタ衣装を来た女性達がいる。ヴィヴィオ配下の騎士たちと、大人の姿になったエヴァが黒いサンタの衣装に身を包んでいる。

「忠夫、あの後貴方を再生させるためにいったん子供に戻したの。それはそれとして貴方は良いこともしたし、悪いこと(主に鈍感さや自分たち以外にも女性に色目使ったり)もしていたから、ブラックサンタとクランプスとサンタ。
いい子担当と悪い子担当両方が貴方相手に仕事をすることになったわ」

 ここはアルが座している地獄あるいは魔界の様だ。そこではクランプスやブラックサンタが悪いことをした男の子にきつすぎる快楽を与えたり、あるいは畜生すぎることを善良な男の子にした女の子に対しては、
目の前で彼女たちが執心している善良な男の子を甘やかす類の性交で嫐りながら、快楽の沼に沈め、王国でいう所の逆寝取りをしている。女権国家の女ブラックサンタやクランプスは彼女達が反省したら、性的な技を伝授して、『来年からはちゃんと善良な男の子には優しくしなさい』と諭して返すらしい。

 ブラックサンタとクランプスの艶やかな体に目を奪われるとエヴァが彼の首筋に軽く牙を突き立て、アルが彼に抱き着き背の縮んだ彼の顔に乳房を押し付けてきた。

「ほら、また目移りしたわね。そういうのが良くないと言っているでしょう。矯正のじかんよー」

 本気で怒っているわけではなく楽しんでいる様子のアルが彼を押し倒し。大人形態のエヴァもそれに習う。 アルの配下らしいクランプスたちも彼を嫐るのに参加してくる。

 エヴァとアルが左右から彼の分身をその大きな乳房で挟み逃げようとする彼をクランプスたちが押さえつけ時々体を愛撫しあるいは後ろから胸などを押し付けてくると、彼は何度も絶頂した。

「ほらほら、今夜は神綺様の処置のおかげで底なしの精力を得ているけど精神が限界でしょう。そんな状態でこれ以上ハーレム要員増やすとか無謀すぎるわ」

 クランプスが彼の腕をつかんで持ち上げながら彼の手のひらを自分の豊かな胸に揉みしだかせて追い打ちをかけながら言う。

「アル様に愛されていながらまだまだ他の女が欲しいなどと言う悪い子には身の程を教えるお仕置きが必要ですね。私達は百合ではアル様に瞬殺されますよ。その私達に先ほどベッドの中で瞬殺された身で嫁を増やすとか無謀すぎますね」

 左右から嘲笑するアル配下のクランプスたちにいつの間にか来ていた黒いサンタ衣装に身を包むさとりが言う。

「彼、学習能力がないのかさっきまでの屈辱を思い出して逆に硬くしてますよ。思い出させて学習させないと。『想起・先ほどまでの閨』」

 クランプスとエヴァとアルに襲われ瞬殺され尽くされたことが思い出されてくる。彼女たちにされたことを思うと直ぐに射精が起こった。それがエヴァとアルの体を白く染めると二人は笑った。

「思い出させられて逆にここまで射精するとはお前は本当にどこまでも学習能力がないな。もう一度さっきの再現と行くか」

 エヴァがそういうといつの間にか現れていた寝室に彼は引き倒され。エヴァが最初に彼に騎乗し、喘がせ始める。その横ではアルがクランプスたちを嫐り笑う。普段のお人好しな安らぎを与えてくれるそれではなく地獄の公爵らしい妖艶な恐ろしさを持った笑みだ。そしてクランプスたちがあるにやられながら言う。

「アル様、彼の弱さを考えると前と同じ条件だと可哀そうすぎますから。前よりハンデはつけてあげましょう」

「そうねぇ。どんなハンデが良いかしら?」

 嘲笑を受けて情けないと思う彼をエヴァが多い被さり乳房で顔を覆いながら頭をなでて楽しむ。三度目の射精で倒れた彼にアルが近づいてくると、彼女が彼に騎乗してきた。アルはただ横島を対面坐位の姿勢で抱え込むとエヴァと同じく乳房で彼の頭を抱えながら笑う。

「忠夫気持ち良い? 答えは聞くまでもないか」

今日の彼女はゆっくりと楽しみたいらしく、一切動かずに彼に自分との密着で得られる快感を与え続け、一度に彼の大半の射精をさせた。射精の時に底なしの量が出てきたのを感じると彼女は敢えて自分の乳房から一度彼の頭を離し、
自分の表情を見せつけた。先ほどまでの魔王めいた妖艶な表情から、お人好しで近くにいるだけで安心できる優しい大型犬を連想させる愛嬌のある美女の顔になっている。攻め方も魔性めいたどこまでも堕とす様な快感から、安心感を与え包む感じに変えて再びゆっくりと彼を射精させた。

二度目の射精をさせるとアルは彼から離れて、再び魔王めいた表情になり配下であるサキュバスめいた二人のクランプスに彼を襲わせた。

 ステレオタイプの色っぽいサキュバスめいたクランプスの片方が笑いながら彼の分身を飲み込むとアルが不意に彼女の乳房や尻を揉みしだき愛撫し始めた。

「アル様が助っとしてくれているんだからさすがに私より先にイクとかありえませんよね。さっきと違ってアル様の援護だけでなく私達が達するより先に三回達さなかったら貴方の勝ちで良いですよ」

 アルの愛撫で余計に締め付けがきつくなる彼女の秘所になぶられ彼はあっという間に三回だけでなく、何度も射精してしまった。

「弱すぎます。罰ゲームとして私が一度達するまで絞られなさい」

534 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 01:00:17 ID:VaL+dlww
 その後アルが首筋に彼女に口づけし、それで彼女が達した瞬間に横島も同時に絶頂する状態となったが最後はより強く締め付けられて、
彼の意識は完全に落ちかけた。もう一人のクランプスにも同じことをされて彼は快楽でズタボロになった。
その状態の彼は元の世界に戻る前に愛歌を見かけた。 今は自分が子供の姿のせいか彼女の方が背が高いのも奇妙なものだと感じつつ声をかけた。

「愛歌ちゃん、どうしてここに」

「忠夫、お勤め(恋人たちへの奉仕)終わったのね。実を言うとブラックサンタさんとクランプスさんたちの中には生前は私の王朝の人間だった人たちも混じっているのよ。アルさんが久しぶりに話してくるといいって気を使ってくれたの」

 愛歌の言葉を聞き横島は納得した。彼女の王朝の思想を思えばブラックサンタやクランプスになるものたちがいてもおかしくはない。

「それじゃあ、ここからは良いことした分のクリスマスに移りましょうか」

 愛歌がそういって手を取ると彼の視界が光に包まれ、彼は再び神綺の魔界に戻ってきた。
温かい風呂から出た後は夢子やアリスが腕によりをかけて作った料理と消化促進効果のある飲み物を食べて寝室に戻った。黒くないサンタ衣装に身を包んだユウキとアリスとヴィヴィオと愛歌がいた

「今の忠夫は子供だからサンタのプレゼントを受け取る側になる権利があるから来たわ」

 アリスの言葉にヴィヴィオが言葉を続ける。

「貴方の望むものと言ったら一つしかありませんものね」

「ピンクで最高に気持ち良い夜だよね」

 最後にユウキが言葉をかけて彼女も再び彼を襲ってきた。ヴィヴィオとアリスが先ほどとは打って変わった年上の女性らしい癒す性行為で彼を何度も篭絡してくる。ヴィヴィオの性交のやり方は先刻は屈しない敵国を徹底的に蹂躙するような感じだったが、
今は降伏した国を甘やかし徹底的に忠誠を誓わせるような優しい性交になっている。何度もアリスとヴィヴィオに挟まれ口の中に乳首を入れられ母親がするように撫でまわされながら彼はアリスの糸で動かされて彼女たちに甘えさせられる。

「忠夫、子供の体になっていても情けない甘え方をさせられていると思っているわね。大丈夫貴方じゃなくて私があなたを操っているのだから貴方は情けなくないわ」

 頭をなでながら言うアリスにすっかりと参りながら彼の眼の焦点が合わなくなってくると、アリス相手に射精した彼をヴィヴィオが引き取りながら言う。

「ほら早く堕ち切ってくれると私も嬉しいんですけどね。貴方が落ちたらよくしてくれたお友達の皆さんへの義理立ては私が全てしてあげますよ。貴方はただ王である私の寵愛を受けていればいいんです」

 完全に理性がとろけかけた彼を、ユウキが上になって正気に戻した。彼女の与えてくるやや強い快感が頭の靄を逆に払った。

「忠夫、ちょっと甘えすぎほら。正気に戻って。忠夫が自分の意思でそうなるならともかく、今はダメだって。ほら堕ちない様に性欲を解消しなきゃ。王国男子らしく僕に勝つ気概を見せてね無理だろうけど♪」

 最後の馬鹿にした言葉に反骨心を煽られ乳房を握った直後に本気を出したユウキに瞬殺されると、ユウキが彼を抱き留め笑う。

「滅多にできない忠夫の顔を胸でサンドだ♪楽しいな♪ ほらほら王国女子なのに君をバカにする僕を股間の剣でやっつけちゃえ♪」

 横島が達し余計に敏感になった彼の分身を嫐り胸で彼の顔を塞ぎながらユウキが言う。彼女はやや小さめの体躯で彼の分身を強く締め付ける。今この時は自分だけのものだと主張するかの様に。

 三人に嫐られて倒れた彼を愛歌が立ち上がらせた。彼女の横にはアルの横にいたのとは別のクランプスたちが控えている。

「お疲れ様。忠夫。自分に尽くしていくれている女性達への奉仕本当に大変だったでしょう。ここからは男性を盛り立てる思想の王家の閨でのおもてなしを楽しんでね」

 そういうと彼女は優しく彼に口づけした。脱力した彼を左右に控えたクランプスが抱える。おそらくは生前は愛歌の王朝に使えている女性だったのだろう。

 寝室に連れられた後の彼は、極楽の様な心地だった。
 愛歌は女性優位ながらも癒すような性交を楽しみながら彼を何度も達しさせる。寝室に入る前に王女らしく優雅に服を脱ぎ目が釘付けになった彼を押し倒すと祝福を行うように口づけし、それにより達した彼の分身を受け止めながら、
それを強すぎる快楽に打ち震える彼の様子を両手足で拘束しながら楽しむ。あまりにも早く達しさせられる情けななさと度が過ぎた快感が与えてくるわけもない不安に震える彼をしっかりと抱き留めながら彼女はささやく。

「大丈夫よ、私の英雄さん。閨で女性に勝てないのは当たり前のこと。貴方は私が見込んだ英雄だからこそ、彼女達も貴方をあそこまで好きになったのよ。そう自信をもって王女である私がこうしたくなるほどの立派な男性なんだから」

 愛歌が敢えて足の拘束を緩め彼が僅かに腰を動かせるようにすると彼は彼女を喜ばせるために腰を振り始めたが、直ぐに達してしまい、
何度も中断し震えた。それすら愛おしく思っていると伝える様に愛歌は彼の背に手をまわし撫でる。そして時に魔力を込めて背中のツボを押しより射精の量を増やさせながら言う。

「私今回、神綺様から男性の精神を回復させる魔法を幾つも伝授してもらったの。だからあなたが過激な被虐趣味に目覚めても余程でない限りは回復させられるわ。だから安心して彼女たちに嫐られて」

 そういうと二人のクランプスが彼を優しく愛撫し始める。彼女は明らかに冗談と分かる口調で彼に誘惑の言葉を吐く。

「彼女たち少し貴方をいじめすぎですから、危機感を与えた方が良いかもしれませんね」

 どこまでも優しすぎる性行為をしながらの言葉だ。愛歌には及ばないが激しい快感が彼を包み込んでくる。

「ええ。あまり畜生すぎるとブラックサンタやクランプスに寝取られて来年のクリスマスには戻ってこないぞって言うのも手でしょう」
 
後ろから声がしたと思ったらもう一人のクランプスが彼を後ろから抱き留め豊満な体を押し付けてきていた。彼女はより快感を強くさせながら彼が気持ちよがっているのを楽しんでいる。
二人に交互に嫐られ時には愛歌が入ってくることで彼の意識は快楽の中で溶かされる母や姉を思わせる励ましほめる言葉が快楽で壊れた脳に何度も強く響き渡った。十回以上の性行為の後最後に愛歌が彼を搾り取った後言った。

「どう私の英雄さん。少しは自身を回復できた? もちろん閨の中で言った誉め言葉は本心だからね」

 回復しきった横島の顔を見ていながら敢えて答えを聞こうとする愛歌に彼も即答で答えた。

535 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 01:00:45 ID:VaL+dlww

「あ、ああ。愛歌ちゃんありがとな」

 そういうと愛歌が少しだけ強すぎる快感を与えてきた。悲鳴を上げかける彼の唇を塞ぎ息を吹き込んだ後、彼女は言う。

「今は私の方が年上なんだから、お姉ちゃん気分を味合わせなさい」

「は、はい愛歌おねえちゃん」

「よろしい」

 そういうと愛歌は二人のクランプスに王女らしい気品を持ったねぎらいの言葉をかけた。

「久しぶりに私が見つけた英雄の心を癒すことを手伝ってくれてありがとう」

「いえ、私達こそ愛歌様が壮健であられることが分かって嬉しかったです」

「良かったら、彼が英霊として祀られることになったら私達に侍女として再びお声をかけてください」

 そういって二人のクランプスは魔界へと帰っていった。

 愛歌との性行為が終わって回復してしばらくすると、黒ではないサンタ衣装に身を包んださとりが彼の所に来た。

「私も貴方にプレゼントを持ってきましたよ。この袋は特別仕様で貴方が本当に欲しいものが出てくる仕組みになっています」

「そ、そうなんか」

「そんなに怯えないでください。愛歌さんに大分嫉妬はしましたけど、さすがにクリスマスプレゼント袋に細工なんかしませんよ」

 そういってさとりが袋を開けると彼は再び自分の体に神綺にかけられた処置が起こった感覚が起こり、再び今日クリスマスを過ごした全ての女性達がいる場所に彼はいた。怯える彼にさとりは笑いながら言う。

「あら、あら、あなたが生粋の変態マゾだったせいで、今日受けたお仕置きプレイをまた受けたいという願望を持ってしまっていたみたいですねぇ。でも心配はいりませんよ。神綺様の処置があるから再起不能とかにはなりませんから」

 意地悪い笑みを浮かべるさとりの言葉に彼は絶望した状況がひどいことではなく、彼が本気で嫌がればここの女性達はやめてくれるだろうがそれをしようという気が今一つ起きないことにだ。
多分さとりの言った言葉は全部本当で自分が無意識にこれを望むほどの変態マゾになっているのだろう。

彼の心を読んだらしいさとりが以前彼から送られた文珠に『誠』の文を込めて飲み込み言う。

「大丈夫ですよ。私達は貴方や貴方のお友達にどんな状況になっても迷惑はかけないし不義理はしませんから。だからこれは王国の為に頑張る私達への報酬だと思ってください」

 さとりの言葉を聞いた瞬間安心感が生まれその安心感が心の中の最後の砦を崩した様な気がした。彼は彼女たちがくれるクリスマスプレゼントを受け取れることを嬉しいと思っている自分を認めて。
優しく寝所に連れて行こうとする彼女たちの腕に身を委ねた。

536 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 13:07:40 ID:5PBLlZTc


537 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 14:57:47 ID:LdChScqc
乙!
横島が人外だけでなくロリにとってもおいしい獲物に調教されたw
(場面転換の時は行間をもうちょっと空けていただけると読みやすいかも)

538 :522:2022/12/25(日) 16:06:37 ID:VaL+dlww
>>536
乙感謝です。
>>537
乙と助言ありがとうございます。
やろうと思っているのに忘れることが多いから、張り付けてからじゃなくて、
書いた時点で空けておいた方が良いかもしれませんね。次回試してみます。

539 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 18:02:35 ID:XF8VoNZs
乙でした
最後ループするの好き…

540 :522:2022/12/25(日) 22:12:36 ID:VaL+dlww
>>539
乙感謝です
調教されすぎてもう一度あれをされたいと考えるようになってしまったエンドでした

541 :名無しさん@狐板:2022/12/30(金) 16:01:36 ID:QstYIm8P
13.その姿に吃驚してたんだけど、また腰動かそうとしてる彼女をいったん止めて色々聞いたら、
14.実は合コンに集まった女性メンバー、全員彼女と同じサキュバスだったらしく、
15.時折アホな男引っかけて遊ぶついでで根こそぎ精力補給してるらしく、
16.他の奴らは今頃干物になってると思うよって言われて、
17.ゾッとしてる内に再び身体を躍らせ始めて激しい淫楽に秘めてたM心を刺激されながらも、
18.このままじゃまずい……!と思って反撃で腰使ったり弱々しく口づけはしてみるものの、
19.逆に目の前の彼女のツボを刺激してしまったらしく、
21.お返しとばかりに甘いキス責めとピストンでねちっこく責め立てられて何度も膣内に漏らしてしまい、
22.反撃から暫くする頃には完全に蕩けきって捕食されるのを受け入れた”獲物”にされてしまい、
23.彼女が舌なめずりするのを見ながら後は一晩中甘く吸われ続けるのを身体を歓喜で震わせながら受け入れてしまう

542 :名無しさん@狐板:2023/01/02(月) 23:01:46 ID:ZzHpUDfF
※燻憧さんの投下に対する感想です。

まさか、ホントに投下して頂けるとは……ありがとうございます!お陰様で完治いたしました!
まず、この教団自体が良いですねぇ、堕落させるわるい存在と自負しつつ施しを与える……こういうのめちゃ好きです!
そして、ヒロインのユウキちゃん、快活系ボクっ娘だけど、エッチなことになると妖艶さと優しさが色濃くなって、らぶらぶしよー♪って甘えてくるのがたまらない……!
しかも馬車馬さん、とか、マゾ豚くん、とか、そういう蔑称をあたかも褒め言葉みたいに使うのも非常に刺さるし、甘ったるい誘い文句がホントに好きです!恋しちゃう!
夜桜さんはユウキと違って厳しめ……に見えるけど、そのお??りが優しさたっぷりなの非常に良い……!期待してるからこそ厳しく戒め、心高く在るよう言いつける。
けれども、アキくんの誠実さ、純真さ、可愛さに心打たれて、『慈悲の欠片も無いと思え……!』って言うの、ホントに大好きです!倒錯溢れる宣告、たまらない……
そして始まる生贄の祭壇での儀。ユウキちゃんの囁き一つ一つが刺さりますねぇ、褒めて、頑張りを宥め、敗北を許して、簒奪と破滅を伝えて、らぶらぶのまま精奴隷へと……
この流れが素敵すぎて、ホントに全部奪われて溺れたくなるよね……!『だぁい好きって気持ちに支配されながらぁ……♪』っていうセリフ、めちゃ好きです!こういう恋奴隷にされたいよね……!
そして、それを見てアキくんに戒めさせる夜桜さんのセリフ……あの行為に、愛だの真心だの抱いてしまったらもう終わり。永遠に飼われる精奴隷になってしまう。と忠告し
『愛』を足蹴にするようなセリフで、長寿で上位な彼女らの持つ『欲』がどんなものかを分からせ、エッチなことを仕掛け始め、その先にあるのは永遠に奪う者と奪われる者の関係……と説明し切ったところで
思い切り射精させて堕とす……ホントに最高です!こういう甘すぎて破滅的な結末を囁いて、思い切り堕とすシチュ大好き……!しかも厳しく戒めから流れるように堕落に誘うの巧すぎてたまらない……!
その後、アキくんが沢山出して、驚き呆れつつ『勝手に好きになったバカは話が別じゃ!!』って昂って飴玉宣言しちゃうとこ、ホントにらぶっらぶで大好きです!永遠に奪われ舐めしゃぶられていってね……!
そして皇帝側も長年付き添った側近のプーリンさんに裏切られ小さくされて、復讐の根幹すらも奪われ、迫られて……抱き込まれて精奴隷ハッピーエンドにされてしまう。あぁもう、こういうシチュも好きすぎますね!
しきりに『なぜ脱ぐ!?』『脱ぐな!』って言うのも、初恋の想いを忘れてないから、それを使われたら絶対に勝てないから……って心の底で理解しているから。と思うと、ホントにゾクゾクしますね……!
『あなたに似合うような英雄に……』という最後の抵抗も『最初から欲しかったのは、キミという、永遠に愛し合える「精奴隷」だよ』って真っ向から手折られるの、ホントに大好きです!とっても素敵なゲームオーバー……!

いやもう、ホントに全部のヒロイン……というかカップルが刺さりました!
ユウキちゃんは甘い言葉は全部破滅へと誘う罠で気が付いたら身柄全部奪われてる恐ろしさ
夜桜さんは相手を想って戒めてあげるけど、堕とすと決めたら厳しさからシームレスに堕落へと誘う恐ろしさ
プーリンさんは相手のことを理解してるから、逃げ道や抵抗心を全部潰してから抱き込む恐ろしさ
全部良いですね、ホントに好き……!こんな恐ろしさに加えておっきな胸をむぎゅぅっとしながら迫ってくるのですから……逃げようがありませんね!おっぱい奴隷な恋奴隷で精奴隷にされてしまうのは当たり前だよね……!!

いやもう、一から十まで、エッチなとこも、キャラも、シチュも、設定も、ストーリーも刺さりまくって逆に怖いですね。もしかして思考傍受してますか?(自意識過剰)
実は今、ボクっ娘巨乳な作品を書いてまして、一部言語化しきれず困ってた所があったのですが、この作品でそこを氷解することが出来ました!素晴らしい特効薬をありがとうございます!
ボクっ娘巨乳で純愛系だけど、結末は堕落……最高に大好きです!使命を放棄するよう手折られて、誠実でいい子ゆえに堕とされて、一緒に培ったモノを全て奪われ抱き込まれ……あぁ好きすぎます!
長くなってしまいましたが、以上になります。悪魔系ボクっ娘巨乳いいよね……よね……

543 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:44:57 ID:8jk3BFRK
 女権国家SS これはひどい真・女神転生if外伝 イキリ善良有能サマナー大鳳くんと空至王

このSSは現在本スレのスレ主さんが連載している女権国家と女神転生シリーズの二次創作クロスSSです以下の注意があります。

@自分が連載しているこれはひどい女神転生ifの外伝的立ち位置です。
A>>389から>>411の怠惰界の設定が多く使われています
B大鳳くんと横島の転生体両方のエロシーンがあります。
C横島ヒロイン候補として応募はされたけど、本編に出てこないかもしれないヒロインと既に大鳳くんヒロインとして出ている女性が関係のあることになっています。
DFGOネタがありますが、出てきたFGOのキャラは成り立ちなどが大分原作と違います。
EこのSSだと横島は原作で月を救っていたので東方の永遠亭とかかわりがある設定になっています。
Fこの話に出てきているキャラの大半は女権国家本編後の生まれ変わりたちという設定です。
G自分のこれはひどい女神転生を読んでいない方の為に説明を入れるとこの世界線だと女神転生世界と女権国家が繋がり、その化学反応で世界を滅ぼしかねない女殺しの魔物と言われる存在と王国と女権国家が同盟して共闘していたので、昔ほど確執は強くない設定になっています。

横島が多くの観測者に女神転生ifと呼ばれる世界に転生しマイ達に嫐られながらも試練を乗り越えている時と同時刻、女権国家でも女神転生の世界程ではないが当人たちにとっては深刻な戦いが繰り広げられていた。

 男性解放戦線親王国派ここはかつて王国にとって救国の英雄となった者たちに恩のある女権国家の男性たちの流れを組む集団である。
王国が復権した際に英雄と呼ばれるものはかなり多かったがその中で最強クラスの戦神と呼ばれる初音ミクを除けば、特に著名なのは大鳳、横島、ジャギの三名だ。彼らは今でも王国の神殿で祀られている。
今男性解放戦線親王国派の支部の支部長の椅子にかけている一見すると女性と間違えられる程の美少年が、かの前世と同じ名前を持つ英雄大鳳の転生者だ。かの少年は椅子に掛けていながら、上機嫌そうに報告を待っている。

程なくして日本の修験者めいたやや高価な服に身を包んだ彼と同じくらいの年の少年がが、入室してきた。彼は一礼すると大鳳は友人にするように気さくに手を振ってこたえた。

「別にそんなにかしこまらなくても良いよ。忠雄、僕はこの年でかなりの手柄を立ててきたけど、さすがに、かの空至王(くうしおう)を上回るほどじゃないと思うし」

 大鳳の言葉に空至王と称された少年は苦い顔をした。前世の姿と瓜二つの大鳳と違い横島と似てはいるが、
欲望の薄さと彼の転生先には珍しい潔癖な部分がどこかほかの横島の転生先の活躍とその伝承や物語が生み出した悪魔達とは違う雰囲気を見せている。初代も含めて横島の転生先の伝承が生み出した神々に分類される悪魔達は、
男性サマナーに多く好まれている。彼らの座す冥界等が彼らの妻たちに現在の彼らの来世を鍛える世界を作る為の材料とする為に滅ぼされ、力衰えた今でも彼らは大半のサマナーが前線で使える便利な力を持っている。
何よりも格の低い女悪魔達は彼らの妻達を恐れ性的な意味では襲おうとしない。格の高い女悪魔達ですらも、余程自身がない限りは彼らを性的に襲おうとする者は稀である。
そして彼らは自分やサマナーを生き残らせるのに特化している。 この業界では任務達成も大事だが生き残ることも大事だ。 だが空至王は横島の転生した神々の悪魔達の中ではかなり異端と言えた。 

他の横島達と違い少年でありながら強く、精通までは性欲をほとんど持たない体質のために女権国家の四惑狂三以外では、誘惑能力で勝てないのではと言われた、
九尾の狐の誘惑すら弾きさらには戦闘能力でもトップクラスのその狐や配下達も多く倒した。その為に強者が多い横島の転生後の神々の中でも彼はトップクラスに強い。だがリスクももちろんある。
精通した後に受けたみっともなさすぎる敗北の逸話も組み込まれており、彼を召喚して一定の時が経つと、猿王(えんおう)高島忠夫になってしまい、誘惑に極度に弱くなってしまう。
そして彼を色欲に沈め、嫐り堕とし尽くし、奴隷にできる状態に追いやった玉藻や木綿季や藍子が敵のサマナーにいるともう詰みだ。

 そういった欠点もあるが、かの空至王は絶大な力を持ち、善良なサマナーが召喚すればサマナーがレベル不足でも味方ではいてくれる。最もレベル不足のサマナーでは制御できないが。

 目の前の絶望的な戦況を数えきれないほど潜り抜けた戦友の経歴に思いをはせていると、その戦友である空至王は大鳳を心配する目で見つめてきている。彼は少し、考えると届かないと分かっている何度も繰り返した忠告を再び口にした。

「大鳳、お前はそろそろ前線を引け。あと半年は大丈夫な状態でも女権国家の女性は怖い。彼女たちの執念を思えば、一見すると三か月前に引退すべき状態なら半年前に退くのが一番だ」

「忠夫は相変わらず心配性だね〜。 今の僕達に勝てる女権国家の女性なんていないよ〜」

 大鳳の緩み切った口調に苛立ちも覚えず彼は淡々と理を解き始める。自分の転落を記録としてしか知らない今の自分では実感のある言葉は紡げない。それを歯がゆいと思いながらも彼は言う。

「大鳳、女権国家の女性達を侮るな。俺もかつて自分が持っていなかった色欲以外は全てが満たされた絶頂にいた時に失敗し転落した。その『記憶』ではなく『記録』しかない状態ですらわかる。
彼女たちの意中の男への執着とそれが生み出す力はすさまじい。そして最も彼女たちが恐ろしいのは惚れた男から誇りを傷つけられた時の怒りだ」

 高島忠雄の忠告に大鳳は笑顔で応じた。

「分かっているよ。多分僕は君と同じタイミングで精通するだろうから、女権国家の女性の力が通じるようになる三か月前、つまり今から三か月後に王国に逃亡、亡命するよ」

「大鳳。遅すぎる。せめて一月後にしろ」


「せめてって忠雄の理想はいつなの?」

「さっき言った様に、今すぐ亡命の手続きをして、明日には王国へ逃亡だな」

 空至王の言葉を聞き大鳳の顔色が変わる。最近の連勝続きが彼のわきの甘さと慢心に拍車をかけている。だがそういう状態になってなお彼は優秀だ。だからこそ彼の忠告を聞く耳もある。

「前回の煽り文句がまずかったかな」

 真摯に助言を聞く体制になった大鳳の様子を見て忠雄も胸をなでおろしながら言葉を返す。

「お前の安全っていう意味では最悪だった。だが、戦局全体を見れば、そこまで悪手じゃない。女権国家の女性達はあの煽り文句に冷静でいられるものは稀だ。もともと気づかれる可能性の低かったことが余計に低くなった。
その甲斐があって王国の防衛線を余計に強化する時間ができただろう。あの一夜は普通の戦場の一年分くらいの価値があったと思うぞ」


 空至王の言葉は嘘ではない彼らが稼いだ数日間の防衛線で、王国の情報防衛の壁が出来上がり、これで当分は女権国家の攻めを防げるだろう。彼の言葉に大鳳は笑みを浮かべて答える。

「王様もやったし国を救った経験のある忠雄の言葉なら間違っている可能性は低そうだね」

「ああ、記録としてしか知らない俺ですらわかるほど今のお前の現状はやばい」

「逃げた方が良いかな。でも義理を果たさず戦場を放置するのはどうかと思うな」

「お前が逃げると通知すればかなりの数の女権国家の女性の軍人どもが追ってくる。そうすればお前に友好的な組織も相当有利になるだろう。
そこで俺も暴れまわって辺りを攪乱してやるから逃げろ。お前というサマナーがいることは王国にとってもプラスだろう」

544 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:47:19 ID:8jk3BFRK
 女殺しの魔物達が暴れまわり女権国家とすら共闘することになった大戦で大分改善されたものの、王国は未だにオカルトという一点では女権国家相手の場合は後進国だ。未だに女殺しの魔物が猛威を振るった時に、
悪魔召喚プログラムなどをあっさり受け入れて活用し浸透させた女権国家程、柔軟ではない。優秀なサマナーである大鳳やその配下が多く逃げ切れば、それだけ有利になる。だが大鳳はそれに難色を示した。


「忠雄、ごめん。あらためて言うまでもないことだけど僕のガーディアンは誰だかわかるよね」

「ああ。俺だろう」

 大鳳は己に多大な影響を与える守護霊である、ガーディアンを定着させる神降ろしの儀で自分と同じ空至王を選択していた。それにはそれなりに理由がある。女殺しの魔物達が暴れまわって以来、
王国と女権国家の同盟関係は今の所は表向きには破綻していない。そして今は手柄争いによる発言権などの確保と諜報部同士の争いで領土や信仰を広め合う冷戦状態が続いている。女神転生と呼ばれた世界とつながってからは、
王国出身の英雄や王国の神々を使って手柄を立てることで女権国家からの霊的国防も担わなければならなかった。 大きく王国が劣勢になっていた時期だったからこそ大鳳は自分とどう種族の悪魔、空至王を降ろすことを選んだ。
ガーディアンと強く結びつけば、そのガーディアンと似た運命をたどりやすい。忠雄の様に最後は怒った女権国家の女性達を切れさせて快楽で精神を壊されて奴隷となる道に落ちる可能性も高いが、
それでもその前に大戦果を上げて国を救うこともできる、というのが大鳳の判断だったのだろう。 自分の最初の前世である大鳳が女の色仕掛けに弱いことさえ除けば完璧超人だったというのも判断基準の一つだったのかもしれない。
思案にふける彼を大鳳の言葉が現実に戻した。

「そう空至王の忠雄と同じ状態になれば僕も精通までは色香に惑わされないだろうし、空至王と同じく無双できると思っていたからね。事実あっていたでしょう?」

「ああ」

「精通までは無敵に近かった君のガーディアンを持つ者として僕はギリギリまで王国に尽くしたい。でもここが潮時だと思う?」

「確実に安全に引けるときはもう過ぎ去った。だが今の所はまだ大丈夫だ。八割くらいは無事に帰れると思うぞ」


「分かった。 王国に帰還するよ」

「多くのものを得られる状態でかつ勝率が高くても引くことができるのも勇気だ。全力でお前の撤退を手伝おう」

「あと半年で僕は13歳と五カ月。忠雄が精通の時と同時に犯されて転落した時と同じになる。多分空至王をガーディアンにしている以上僕もそうなるだろうね。 精通までは大丈夫だと思うけど、僕よりたくさんの修羅場をくぐった忠雄の意見だ。聞いておくよ」


 そこまで言った直後に男性解放戦線親王国派支部に緊急警報が鳴り響いた。けたたましくモヒカンたちから連絡が入る。

「支部長、空至王陛下、敵の襲撃です。男性解放戦線元祖組本部が急進派や防諜組織両方からの襲撃を受けたようです。あくまでも名分としてはマフィアの依頼という名目でした」

「そ、そんな、なんで」

 あそこは防諜組織には手が出しづらい様に手は打ってあった。だが、味方からの裏切りなどもあればその限りではないだろう。少し考えると空至王が口を開いた。

「大鳳、あそこはマフィアと手打ちが済みかけていたが、まだだった。そしてマフィアが不可侵条約を結んでいたのは俺達だ。あそこは俺たちとの対等な同盟者で傘下じゃない。ぎりぎりだが黒に近い灰色で仁義に反しているとは言えないだろう」

「どうして春さんたちはアウトローだけど任侠の徒の側面の方が強いと思っていたのに」

 今まで大鳳は善行と言える行為をした比率が圧倒的に多かった。そしてマフィアと警邏隊両方に不義理せずに多くのそれを成し遂げていた。だからこそだと忠雄は思う。完全に意識を空至王に切り替えるという。

「女権国家を去ろうとするというのは、こういうことだ。警邏隊ぐらいの良識派以外は、お前に惚れた女全てが敵になってしまう。良いか、襲っても協定に反さずお前と一番仲がいい連中が多かったのはあの支部だ。どんな悲報があろうがお前は振り返るな」

「彼らを見捨てろって?」

「優先順位を考えろ。猿王(えんおう)に転落した後も俺はそれなりに活躍して国に貢献できた。お前だってそうなる可能性が高いだろう。王国よりあいつらが大事なら、そうしろ」

「でも彼らを見捨てたら信義がないって思われてなせることも大きく減る気が」

「だから俺が行く。お前との最後の契約だ。絶対にあいつらを助けるからお前は振り返らずに逃げろ」

 少し悩んだ後で大鳳は頷いた。


駆けだそうとする空至王が慌てて、彼を呼び止めた。
「忠雄さんすいません。報告しておいた方が良いかもと思ったことが」

「なんだ?」

「本当かどうかはわからないけど、今回は永遠亭も敵かもしれないそうです。永遠亭はあくまでも噂ですが、その噂が立った理由があります。こちらは確実な情報です。気配を隠してはいるけど、かなり強いウサギの霊気が完治されました」

「分かった。報告に感謝する」

 輝夜は暇つぶしで向こうに着く可能性もあるが別の妖怪の可能性もある。少し悩んだが彼は直ぐに文珠で転移した。







 男性解放戦線初代からの直系である元祖組彼らは初代である大鳳たちのおかげで勝利しそれなりに女性達から男性を守り続けて来たこの支部は今かつてない未曽有の危機にさらされていた。

 男性の体力を削り取り動きを封じる類の悪魔達が一斉にここを襲撃して生きている。女権国家の伝承にあるサキュバスや悪魔は男性を殺さずに無力化する剣や槍、魔術などを持つ者が多い。
だからこそ悪魔達が一般に受け入れられてからは男性たちも危ない状態が続いている。 荒々しく上級悪魔を数体切り倒したランスが、けたたましく叫び声を上げる。

「状況を報告しろ! 結界はどことどこが破られた?」

「ほとんど全体です」

「なんだと!」

 ここ男性解放戦線も良識派の女性達の台頭と、女殺しの魔物達との戦いでの貢献でそれなりの支援を受けている。だからこそ一流の霊具や一流まではいかなくても決して悪くはない霊具で霊的防御を固めていた。それが破られるということは答えは一つしかない。

『超一流の霊具を湯水の様に投入されたか』

「もうここは無理だ。全員重ね掛けできる霊具をありったけ使って各々防戦し隙が万一でもあったらそこから逃げ延びろ。俺達は司令室で最後まで抵抗する。あそこが落とされなければ霊的防備も完全には死なねぇ」

「了解です」

 ランスは支持を出すと剣を振るいながら、本部の司令室へと引き始めた。

『大鳳は援軍を出してくれるだろうが、今回はそれをやっても無駄だな。今回の襲撃採算を無視している類の攻めだ』

 男性解放戦線は立ち上がりは追いつめられたゆえの蛮勇という側面もあったが、王国との連携や数々の要員を経て現実的な組織となってからは、潰すよりも牽制していた方が損失が少ないという立ち回りで存続させてきた側面もある。
だからこそ採算を度外視した攻めをされればそれで終わりだとランスは理解していた。前線に立って男性を守る戦いに出て戦場の気配を読む統べに長ける彼の頭脳は今回の戦いには勝ち目がないと分かっている。ならばせめてましな敗北にするためにできる限り底力を振り絞るのみ。

545 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:49:05 ID:8jk3BFRK





 ランスが本部の最重要室に到着するとスバルとオルガ団長が神妙な顔で構えていた。

「状況はどうだ」

 間髪入れないランスの問いにオルガが答えた。

「戦略的には最悪の状態だがとりあえず悪くはない動きはできた。重ね掛けが効く男性を
守る類の護符は全部発動させられたし、篭絡されてない戦闘要員も十全に動けている。それに防衛拠点の仕掛けは全部ちゃんと動いている。スバルの動きのおかげだ」

「あ、ああ。とりあえず空気の流れが不穏だから詰めて置いてよかった」
ランスに報告しながらスバルは内心で昨夜の行動について考えた。

『前回の前世、【初代大鳳たちと共闘した時】に大襲撃受ける前の夜と気配が似ていたから内緒で重要物資拠点とかを移しておいたけど正解だった。でも今回の場合最善手打てても多分詰みだな』」





男性解放戦線元祖組の支部が激しく攻め立てられ陥落しそうになっているのを見ている防諜組織と今回の最高責任者である狂三とその副官となった楯無=彼女もまた初代大鳳時代に戦った楯無の生まれ変わりである。
彼女は圧倒的に味方が優勢な戦局を見ながらも、戦況に似つかわしくない疑問めいた表情をしていた。

「狂三様おかしいですね。今回優勢ではあるけど、予定程圧倒できていません。確かに篭絡などの工作は成功していたんですけど」

 今回の計画は僅かに相手を粘らせた後、情誼に厚い大鳳に今助けに行けば男性解放戦線元祖組を助けられるという状態にして彼を悩ませること、そして上手くいけば慢心している彼がこちらに援護に来るということもあり得ると踏んでいた。 
だが今の戦局はこちらが勝ってはいるが向こうの防衛機能なども十全に機能している。これでは隙も多いが決して無能ではないオルガ団長をはじめとした幹部たちの奮戦で一時的に向こうが形成有利になる可能性もゼロではない。

それを防ぐためにも防諜組織の幹部たちが一斉に行くべきかもと思ったが、なぜか男性解放戦線が予想外の善戦を見せる戦局の不可解さがそれを躊躇わせた。いつもなら自分で分析して、決断を下すのだが今回は狂三がその役割を担っていた。
彼女は『早ければ三十分。遅くても一時間後に決断を下しますわぁ』と言っていた。そして今は四十分が過ぎた。そろそろ狂三が命令を下してくる。楯無が彼女の言葉を待つと命令ではなく質問が帰ってきた。

「楯無、貴方はこの状況どう見ています? そしてあなたならどう言う指示をだします?おっしゃってくれません?」

 試すような狂三の言葉に彼女は少し考えてから、答えた。

「とりあえず、このまま大きな戦果は上げられないけど確実に弱らせられる攻めで彼らを削っていきます。急がせるとしても、大鳳くんの所属支部以外の援軍が間に合わなくなる程度にとどめておきます。
敵の幹部たちも有能だけど、この戦局を覆せるほどではないですから。そして大鳳くんの性格上あの拠点の陥落が確定すれば、助けに来る可能性が高いし、逃げる方を選んでもあそこを助けるための工作はほぼ確実にするでしょうから、
女権国家からの脱出速度は落ちると思います。そこでとらえられる可能性は高いでしょう。 余程の事がない限りは一気に決着をつける様な攻め方は避けようと思います。 こちらに裏切り者はいないのはほぼ確実だけど、あまりにも不可解な要素が多すぎますから」

 多少不安を覚えながらも全ての言葉を言い終えて、狂三の表情を見ると彼女は満足そうに頷いた。

「80点ですわぁ。 事実各部署への篭絡は成功していたのに防衛拠点の物資などが滞らず、敵方の防衛拠点に予想された不具合が生じず。それでいて始まれば勝ち目がない戦いなのに敵の施設からも逃亡者なく奮戦中。
これは本当に大いに疑問が残る戦局でしょう。一度でも体験しないと正解にたどり着くのは難しいでしょうね」

「狂三様は、正解にたどり着いているんですか?」

「えぇ。多分ですけど敵にこれと同じもしくはとても似た負け戦を経験した方がいたのでしょう。彼の経験では前回落とされた際にされた工作は防げても、その工作なしでも負ける戦いだと知ることがなかったから、
工作を防ぐだけに終わった。あるいは空気などで察して予想できただけで確信がなかったから中途半端な対処になった、といったところですわね」

 楯無は狂三の言葉を聞き、驚いた。確かに状況的にはそれがあっているとは思う。だがこの規模の負け戦では死ぬか篭絡されているかの二択となり、普通は再び女権国家に敵対することなどありえないだろう。彼女の悩みを吹き飛ばす様に狂三は言う。

「まあ、年の功というやつですわぁ。これが正解だったら、貴女も次回からはもう少し高得点を狙えるでしょう。最も戦に百点なんてありませんけど。それでは疲れさせたら一気に突入しますわよ。相手を追い詰めきったら、
彼の位置を全力で把握できるように索敵部隊を出しなさい。自分が来れば助けられるという状況を作り出してこちらへ誘い出しますわぁ。
そうすれば彼がこちらに来るか助ける為の工作をするでしょうから。そこに短時間だけど効果の高い網を張っておいたので、確実に居場所はわかりますわぁ」


 その答えを聞きながら楯無は一週間前の屈辱を思い出していた。




 防諜組織の全メンバー狂三も含めてとてつもなく手厚い敗北を喫した日。楯無とティナ、ファサリナ、ゆかりの主要メンバー全員は撤退の岐路のついていた。大鳳が選んだガーディアンが空至王だと理解した時、負けを理解すると共に今夜は退くしかないという結論を彼女たちは下した。

 戦いはギャンブルと似た部分もある。そして今回はポーカーで言えば、ロイヤルストレートフラッシュであることを上手く隠した相手に乗せられてフォーカードやストレートフラッシュにたくさんのチップを賭けてしまった状態だ。


 苦い顔をしたゆかりが言葉を放った。

「空至王がガーディアンとは思いませんでした。もっとリスクの低いガーディアンもいたでしょうに」

 ゆかりの言葉に楯無は危機の時ほど、安心させるひょうひょうとした口調で答えた。

「多分、ガーディアンを選ぶ前に空至王を仲魔として召喚して、彼の人柄などを見て選んだんだね。今夜を切り抜ければやりようはいくらでもあるよ」

 戦争はポーカーとは違う。短期決戦ではロイヤルストレートフラッシュくらいに強い手でも、持久戦ではツーペア程度の力しかない場合もある。空至王をガーディアンにするとはそういうことだ。大鳳は自分のガーディアンが空至王であることを敢えて隠していたが、
今夜はそれを一瞬で明かして見せた。 これはそれだけの大暴れをして見せるという意思表示でもあるのだろう。もう少し待てばもっと多くの収穫がある時期だったのが逆に上手いと言えた。今なら一切警戒されずにこちらを殴りつけられるのだろう。




 その日の夜は彼女たちにとって最も長い激闘だった。空至王の精通するまでは女性の色香が効き辛い代わりに、精通すると女性の色香に弱くなるという、伝承が広まり生前より強化されたリスク付きの力のおかげで、
狂三の色香すら通じづらく苦戦を強いられた。それでもぎりぎり負けではない引き分けに持ち込むことができた。

 戦闘が終わると疲労困憊の彼女たちの前にさわやかな笑みを浮かべた大鳳が来て、心底楽しくてたまらないという表情で彼女達を煽ってきた。

546 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:50:48 ID:8jk3BFRK

「皆さん今夜は慢心して負けたけど、すっごく格好よかったですよ。 ○○○○シリーズって男性優位同人誌で、有能なのに油断して負けて、犯されて最後は敵の男に『貴方だけの雌犬です』とか言ってたスパイ組織の女幹部みたいでしたよ(笑)」

半分はなにか目的があり、もう半分は純粋な調子に乗りすぎたうえでの挑発と思い切れかけた面々を止めたのは二つの声だった。最初の声は高島忠雄。彼は珍しく厳しい声を大鳳にかけた。

「大鳳、スパイの組織では挑発とかも戦略の内なのはわかる。だが正々堂々と戦った相手には、払うべき敬意はあるんだぞ」

 彼は王を務めたこともあってか、生粋の皇族や王族には及ばないがそれでも、見栄えのする誠意の感じられる礼を彼女たちにすると、謝罪の言葉を口にした。

「我が主君が誠に申し訳ない。戦争のルールを守っている敵に対して超えてはいけない非礼の線を明らかに超えていた。俺の国は、男性優位だから知識としてしか知らないが、女権国家ではこの発言はかなりひどい侮辱なんだろう」


 次に彼女たちの怒りを鎮めたのは。溶岩の様な情熱を感じさせる狂三の返答だった。

「いえいえ、今夜の私達は自分でも目に余ると思う程の無様でしたからお気になさらず。意中の殿方である大鳳くんをさぞ幻滅させてしまったと思いますわぁ。次に会う時には今宵の無様さが、再会の時の魅力を引き立てる材料となるような再開をして見せますわぁ。キヒヒ」

 狂三の言葉のうちに秘めた熱に恐怖を覚えた防諜組織の面々は、大鳳の事が心配になった。怒ってはいても、彼を嫌ってはいない彼女たちは大鳳が廃人になるような末路は看過できない。





 その事件が終わって二日後ゆかりはとてつもなく憂鬱な気分で防諜組織に出勤していた。あの時は空至王の誠意を感じさせつつも迫力のある謝罪と、狂三の言葉の迫力で忘れていたが、意中の殿方である大鳳からあんな風に煽られては冷静でいられるものも少ないだろう。
 前世の自分たちは大鳳をしょっちゅう王国でいう所の逆レイプをしていたらしいが、今はまだ成功していない。そして大鳳があと少しで王国に戻ってしまうとなれば職場の空気は荒れていそうだ。


 職場の戸を叩きくぐったゆかりはほっと胸をなでおろすと共に、怪訝な思いを抱いた。職場の各面々は、不機嫌ではない。いや確かに不機嫌ではあるが、自分が予想していたよりもその段階が二段以上も低い気がする。


「あの、局長なぜそこまでご機嫌が回復しているんですか?」

 疑問めいた声を上げる彼女に楯無は、作り笑いではない笑みを浮かべて答えた。

「昨日大鳳くんに煽られてから彼にどう意趣返ししようか考えて、その意趣返しに使えるかもと思って大鳳くんが言ってた同人誌シリーズ通販で買ってみたんだ。そしたらその同人誌の内容思った以上に良かったからさ。男性優位の性行為だけはいただけないけどね」

 楯無の言葉を聞き彼女は休憩時間にそれを読んでみて、楯無や他のメンバーの不機嫌のレベルが一気に下がった理由が分かった。 スパイの闘争などを実際に経験した者しか、
描くことができないような内容の漫画であり、プロの自分たちの眼から見てもクオリティの高い。さらには大成するスパイなどには性格的な特徴もあり、防諜組織のメンバーに似た性格の登場人物たちが登場してきており、
確かに自分たちに似ていると思えた。読み進めて行くと自分たちが犯しそうな失敗などでやられるパターンも多く、男性優位の性行為だけはありえないが、この同人誌の登場人物の様な失敗を自分たちも犯すかもしれないと思えるような内容だ。

 女殺しの魔物達との戦いを経て若干男性優位のエロ同人などに寛大になった女権国家ではネタでこういう作品を読む女子も一定数いる。そして、この同人誌は本当に嫌なことがあった後でも、初めて読めば僅かに機嫌が上向きになるくらい面白かった。
それに加えて下手な教本より学べる内容だったために学習のスイッチが入り彼女たちの不機嫌は相当に和らいだのだろう。

 読み終わり自分自身の負の感情も一時的に和らいだ感じがした時、不意に楯無が肩を叩いてきた。

「この本を読んで学べたし感情も収まったことだし、私たちの想い人に見直してもらうための逆襲の用意をしようか。 今回は私達や狂三様という高給取りな面々の私財もはたいて大鳳くん捕獲作戦だから、経費を気にせず湯水のごとく武器や仲魔も使いたい放題だよ」

「そうですね」




それが一週間前の出来事であり今は大鳳を釣る餌である男性解放戦線を追い詰めているところだ。ゆかりの歌が悪魔達に多大なバフをかけて、雪泉の氷が彼らを襲い、
ティナの狙撃が奮戦している男性解放メンバーでも特に戦果を挙げた物を倒していく。倒された男性の大半はFFF団に報酬として送られて行っている。


 男性解放戦線の兵をなぎ倒しながら雪泉が感嘆したような声を上げた。

「思ったより強いですね。予定よりずっと時間がかかっているし、撃破されて強制送還されたこちらの仲魔も多いです。 死亡者はないでしょうが疲労や負傷による戦線離脱者は予定より相当多いのでは?」

 雪泉の問いに手を止めずに男性を気絶させている楯無が答えた。

「うん。予定より二割くらいは多く倒されているかも。あとで数えてみないとわからないけど」




 楯無たちの会話をよそに司令室ではランスが再び駆け戻ってきていた。

「団長どうにか、幾つか血路を開くふりをして、逃がせるだけは逃がした。スバルお前は多分逃がせねぇ。幹部としてそこまで重要じゃなかったが大鳳と仲が良いからな」

「分かっている。ランス俺達どうなるかな」

「表向きは王国に利する行為を取りすぎたとして女権国家の自我が消されるほどの快楽を与えてくる施設に拘留されるとなっている。だが俺たちはそれほどの仕打ちを受けるほどのことはしていない。狂三の性格上十中八九それはない」

「ゼロではないんだね」

「ああ。大鳳を呼べるかもとなったらやりかねない可能性もある。もしかしたらだが、リアリティを出すために数日はそこに拘留されるかもな」

 ランスはしゃべりながらも体力を回復しつつ、戦局を見ていた。自分の奮闘で息を吹き返した場所やそうでない場所次にどこに援軍に行くべきかそれらを冷静に考えているようだ。わきが甘く何度も失態を犯したがこういう時に見せる底力は凄まじく、修羅場においては本当に頼れる男だ。


 スバルとオルガはランスが一定時間休み終わる前に立ち上がったのを見てもう負けが確定したと確信した。彼が無理をして立ったということはそうしなければ戦線が崩壊するということ、そして今の彼が行ってもその戦局は変えられないだろう。だが次の瞬間、絶望が砕け散ったのを見たかのような声の連絡が入った。

「団長、副団長、幹部の方々。戦局一気に好転しました。女権国家のサマナー部隊大本のサマナーが次々と倒され悪魔達一時送還状態多数。 女兵士たちも次々と気絶させられています。援軍は一人、空至王です! 空至王陛下が来てくれしましたー!」


 それを聞きランス達は即座にモニターを見た。




 そこには小柄な成人男性くらいの背丈の少年姿の翡翠色の光に包まれた日本刀を持った見慣れた少年の姿があった。彼は刀を構えると王を思わせる威風堂々とした歩み方で最初に自分に銃を撃ってきた相手の弾を剣ではじいた。そしてその弾は彼の霊力を注入されて跳ね返り、
何人かの敵の仲魔を倒すか、重傷を負わせた。手に持つ文珠には『確』『定』と文字が刻まれていた。その文珠が光と共に消えた時、敵は銃を撃つのを僅かに躊躇った。

547 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:52:53 ID:8jk3BFRK
銃弾を彼の刀で弾かれれば確実に味方に当たる効果があると見せつけられたためだ。何人もの戦闘力が高い悪魔達の大きな武器を彼は受け流し、時に最小の動きで彼は剣を振るう。

彼の戦いを見ながらランスは思う機械と人間の良いところだけを合わせたような動きをすると。あれこそが彼が妻達に堕とされる前に至っていた武芸の理想的、空位と言われるものなのだろう。 早く力強い斧を持った一つ目の悪魔達の攻撃を軽々と受け片腕で札を投擲し、
一つ目の怪物たちを斃すと。彼は悠々とこちらに歩いてくる。優勢ではあっても圧勝ではない女権国家の女性兵士たちの間に動揺が広まり始めた。

 空至王は良く通る声で叫んだ。

「ランス、スバル、オルガ全力で逃げろ。ここは俺が何とかする」



 叫ぶことで僅かに息を吸うことなどができなくなり、生じた隙。それすらも敵を呼び寄せる意図した誘導であり、切り込んできた剣を構えた、修羅と呼ばれる悪魔が一度に二柱切り捨てられた。修羅は個体差の激しい悪魔だが、
あの二人は決して弱卒ではない。ランスは空至王の戦いを見ながら、やはり他の横島の生まれ変わりが産んだ神々とは異端だな、と思う。妻達を守るために色仕掛けに特化した存在に勝つために今までの善行の見返りに冥府の神に次の転生体として指定してもらった、
精通が遅く、それまでは殆ど性欲のない体、それにより彼は悟りに近い極致に達している。他の横島の転生体は色欲にまみれ欲望にまみれたが故の良い部分なども含めて武の高みにいる感じが多い。正反対の彼は多大な威圧感で敵を圧倒し敵が反応してきたところで、
鏡あるいは影の様に敵の動きに合わせて敵を制する。そういう意味では女性に尽くすことを考えその女性に合わせる故に女尽鏡流(めしんきょうりゅう)と名乗った彼の最初の生まれ変わりと似ているのかもしれない。




 殆どの敵を一撃で制しながら彼は機械の様に早くランス達を助けに来た。 司令室に到着していた特に強い精鋭のFFF団のサマナー達ですら彼の威圧感に飲まれ先に仕掛けると、
ことごとくあっさりと討ち果たされ気絶させられた。 ランス達は直ぐに戸を開けずに少し待つと空至王は文珠で辺りを『索』『敵』してから声をかけてきた。

「もう大丈夫ですよ、皆さん。 敵はいません」

 その声を聞くとようやく彼らは扉を開けた。

「忠雄、相変わらず早いな。空至王が訪れた時は希望が訪れる時なんて、ジパングでは言われていたらしいが本当にそうだったな」

「ランスさん、とりあえず今は早く逃げてください。今回の目的は男性解放戦線の逃亡、を助けること。それが全てですから」

 そういうと忠雄は横島の生まれ変わりたちの中でも高位分霊しか使えない文珠を多数取り出すと、『癒』の文字を込めて、まだ倒れていない男性解放戦線の味方部隊の場所に、文珠で『転』『移』させた。


「傷と疲労両方を癒すイメージを込めておいた。両方とも中途半端になるけど、撤退には十分なはず。全員一斉逃亡させるか、再編成して防衛拠点に配置するか選んでください」

 高島の言葉の裏にはどちらを選んでも全力で支援するという、意思が籠っている。オルガ達は感謝の思いを持ちつつ考えた。 オルガはランスの方を見ると意見を求める様な視線をランスに向けている。
自分の中でも決断が決まりかねているから、前線の空気を吸ってきたランスの意見を聞きたいのだろう。それにランスは答えた。

「再編成して防衛に当たらせる。 今ならお前もいるし、どうにか援軍が来るまで防ぎきれるかもしれねぇからな」

 高島が主に討ち取った敵のサマナーや悪魔達は急進派とFFF団に防諜組織の支援員が混ざったものだ。まだマフィアのサマナーや武闘派達は姿を見せていない。だが高島の一騎当千の戦力が加わり、
さらには敵軍にとっても忠雄のさっきの文珠のばらまきが牽制になっている。あれだけ派手に文珠をばらまくということは、まだたくさんあるのではと思わせることができたかもしれないし、何より文珠の転移でいつ忠雄が来るかわからない状態は、
敵に焦燥感を生み普通の戦争以上に疲れさせることができるだろう。そうなれば警邏隊などの援軍が来れば直ぐに相手は崩れる。

 ランスの出した案に納得し、オルガとスバルが頷きかけた時、その作戦は直ぐに取りやめになった。


 不意に複数の強力な悪魔達が現れ男性解放戦線に味方をし始めためだ。喜ばしい事態であるにも関わらず幹部たちはオルガをはじめ幹部たちは苦い顔になり、忠雄は『やはりこうなってしまったか』という諦めの表情になった。

 僅かに落ち込みつつ、次にすべきことを考え始める彼に後ろからランスの声が響いた。

「団長撤退に切り替える。全員散り散りに引かせる異論はないな?」

「ああ。大鳳の好意を無駄にするわけにはいかないからな」

 男性解放戦線を助け始めた悪魔達は高島忠雄にとって見慣れた、彼のサマナーである大鳳のものだ。おそらくは僅かとはいえ男性解放戦線の面々が非人道的収容所に入れられる可能性を看過できなかったのだろう。 だが彼の根底にあったのは空至王である忠雄がガーディアンでもある、
自分が精通前に女権国家の女性に負けるわけがない、という慢心だ。だがこの約束違反を見てもなお忠雄に彼に対する怒りはなかった。 その様子に疑問を抱いたランスが声をかけてきた。

「意外だな、大鳳が馬鹿なことをしたのに怒ってないみたいだが」

「多分、ガーディアンをやっている俺の影響もあると思うからです。 玉藻と木綿季と藍子を怒らせる前の夜まで俺は、名誉欲が満たされすぎて粋がっていた。
 大鳳も天才ともてはやされて粋がっているところはあったけど、多分俺とどう種族の分霊をガーディアンにしなければあそこまでじゃなかっただろうと思いますから」

 自分の過去の未熟が大鳳に迷惑をかけているという認識しかないのは、最初の前世が彼と仲が良かったためか、それとも自分の醜態を恥じる気持ちが強すぎるためだろうか。
そう思いながらも彼は大鳳の援護に向かうべく気配を消した。駆け抜けた彼の背にオルガ団長の声が響く。おそらく支部中に届くスピーカーで叫んでいるのだろう。

「これから、作戦を撤退に切り替える。とにかくできるだけ散り散りに逃げろ。聞こえない状態の仲間もいるかもしれないが他の支部に身を寄せて必ず取引して助けるから、後のことは考えるな! 今はひたすら逃亡に全てを費やせ。この放送が終わり次第俺達も逃げる」


 これである程度時間を稼げば大鳳も撤退を決断してくれるだろう。そう思って彼は刀を構え駆けだした。


 大鳳は全ての仲魔たちを援軍に回し、彼自身は短期で大勢の敵をなぎ倒していた。今の状況では愚かとは言い切れない行為だが、それでも無謀であることに変わりはない。空至王のガーディアンにより強くなった彼はもともとの万能な才能が余計に拍車がかかっていた。 敵として出向いてきた楯無たちを見ても余裕たっぷりに彼は挨拶をした。

「楯無さん、一週間ぶりですね」

「自分自身で助けに来るなんて、格好いいけどちょっと悲しいかな、お姉さんたちをそんなに信じられなかった? 男性解放戦線の面々だって戦いの条約や約束ごとは破ってないんだから、そんな目にあわせるわけないでしょ」

「十中八九僕を誘い出すためのデマだとは思ってましたよ。 一割程度でも彼らを見捨てるには忍びなかったし、今の僕が負けるわけありませんからね」

 大鳳がそういって構えると、楯無や他の面々も戦う体制になった。それを見て彼は怪訝な表情をする。

548 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:54:04 ID:8jk3BFRK

「貴方達の勝てる可能性は良くて3割くらいだと思いますけど、なぜそんなに恐れていないんですか?」

「前世の記憶もちょっとだけ私達は持っているんだけど、こういう時によぎる魔法の言葉があってね『ミクよりはマシ』そういう声が頭の中で響くと、勝率が三割『も』あるって思えるんだ」

 それを聞き終えた瞬間大鳳が駆けだし、拳を放ちそれを楯無が受ける。ゆかりの歌が全全員の能力を向上させてどうにか大鳳と対等に打ち合える状態が出来上がった。

 大鳳はゆかりの反撃を辛うじてかわすと下がり確信した。これは明らかに持久戦の構えだ。時間がたつと発動する何かがある。永遠亭が今回は味方しているらしいし、
輝夜の到着を待っているのではないだろうか。それに今回彼らの協力を任されたマフィアは空至王を落とした玉藻の前と関係不快マフィアのオカルト部門の大御所である塩見周子だ。
おそらくは玉藻を呼び寄せて忠雄とそのガーディアンを持つ自分をどうにかしようとしているのではないだろうか。


「玉藻の前が使った呪符なども山ほどあるらしいので、なるべく早く決めさせてもらいます」

「狂三さん曰く大鳳くんを見つけたら30分時間を稼いでほしいらしいから全力で頑張るよ」

 それを聞くと大鳳の頭の中に、二つの選択肢が浮かんだ。全力で倒しにかかるか、それともチャンスを見つけて撤退するか。後者の方が良いと彼は決断を下すと引こうとした瞬間、突然に自分の分身が固くなるのを感じた。
今までなんとも思わなかった、楯無や他の女性達のつけている香水の香りが彼に脱力感を与え、そして匂いが欲望を駆り立ててくる。これが性欲だ。そう理解した瞬間、楯無の手が彼の股間を撫でた。

「はぁ!」

 分身から激しい電撃が走り射精しかけた彼の分身を楯無が射精を許さないように掴んだ。射精が許されない感覚と、彼女に握られている快感のせいで彼は何も考えられずうめき声を上げ続けた。

 楯無は一瞬で脱衣すると笑った。

「なぜかは知らないけど、精通の時が早まったみたいだね。それじゃあいただきます」

「ど、どうして?」

 楯無の口調には一切嘘が感じられない。多分大鳳が突然精通を迎えたことに関しては無関係なのだろう。他の面子が大鳳に群がらず周囲を警戒しているのは、あまりにも都合の良いことが起こりすぎて、
一応原因がはっきりするまでは待とう、という考えからなのだろう。楯無だけが彼を女権国家の女性として犯そうとしているのも、不確定要素が消えていない状態だからこそ、いまだ脅威である彼を早く無力化するためという側面もある。

 しかし、その疑問は直ぐに氷解することになった。

「キヒヒ、心配はいりませんわよ。 敵を欺くには味方から、30分待ってほしいというのは嘘で私が能力を発動させましたの」

 狂三に気を取られた瞬間、楯無が彼の分身を一気に飲み込んだ。生涯初の射精は噴水の様であり、分身が雷の落ちた避雷針になったような錯覚を覚え彼は完全に堕ちた。
「あー!」

 しゃべることすらできない彼を見下ろしながら狂三が言う。

「わたくしも実は時間を操ることができますの。そしてあなたの精通の時を早めた。どうです生まれて初めての射精が女権国家の防諜組織の長の性技を味わいながらなのは」

 楯無の内部が彼の分身を強く締め付けながらそれでも余裕をもって彼女が腰を動かすたびに彼は何度も射精した。

「狂三様。なんか彼凄く心折れるのが早いんですけど」

「男性優位の性交が当たり前の王国民の上に、王国より男性優位な時代のジパングの空至王をガーディアンにしていればそうなりますわ。これで足コキとかされたら、彼の心は凄いことになりますわねぇ」

「じゃ、やりましょうか。完全に折っておかないと」

 楯無の発言に狂三は本心からではないが反対するような言葉を言った。

「さすがにそれはかわいそうな気が」

 不意に楯無が狂三に言葉を返す。

「ダメですって狂三様。前彼が紹介してくれた勉強になる同人誌のスパイ組織の幹部たちは、ここで容赦した結果逆襲されて、男性優位に犯された挙句に『貴方様に使える雌犬ですとか言わされる羽目になっていたんですから』

 わざとらしい楯無の言葉に前回の自分の発言を相当根に持っていると大鳳が悟ったが既に遅く楯無が立ち上がると、快楽のせいで動けない大鳳をファサリナと雪泉とユカリとティマまで参加して足で彼の分身を嫐りだした。
 痛いにもかかわらず快楽の方が遥かに強いそれに彼はひたすら喘ぎ、小さな水たまりを思わせるほどの量を射精した。

「大鳳くんどう心折れた?」

 見下ろす楯無に対する大鳳の返事は。涙を流しながらの言葉にならない「あ! ああ…」
というつぶやきだった。

「とってもいいお返事だね♪」

 そういって楯無が彼を抱きしめると、ファサリナが彼に口づけした。

「前回の非礼へのお仕置きはこれで終わりです。ここからはこちらに来てもらうための、甘い蜜の時間です」

 ファサリナがそういって彼を対面坐位で彼の分身を迎え入れ乳房で顔を挟むと嗤いながら電撃が走るような、性行為を始める。抱きしめ方と乳房は優しいにも関わらず分身を飲み込んだ秘書は容赦なく分身をなめしゃぶり雷が落ちたような快感を与えてくる。
 ゆかりが閨で屈服する男性の無様さと哀れさをあざ笑う女権国家の歌が流れると彼の自尊心が傷つきながらも、ファサリナの体に溺れる率が高くなっていく。ファサリナは彼が達して感電死した様に倒れると優しく抱きしめながら言った。

「私たちの所に来れば毎日がこれを味わう日々ですよ。あと、これは意趣返しが済んだからこそ言える言葉ですけど、あの同人誌本当に面白かったですよ」


 最後の言葉は本心だと感じられた。怒ってはいても面白かった本を紹介されたことに関しては礼を言うあたり彼女は、かなり律義なのかもしれない。快楽で白目をむきかけている。大鳳を恍惚とした表情で見つめるファサリナをのけて、ティナが彼にまたがると笑いながら彼女は言う。

「お兄さん、あの時は本当に私達を挑発するためだったけど、完全にこれが癖になっちゃたんじゃない?」

「そ、そんなことは」

「そう。それならあの同人誌みたいに逆襲されない様に癖にしなくちゃね」

 幼女に騎乗位で犯されているそれだけで屈辱感と背徳感が募り彼は凄まじい量の射精を起こしてしまった。周りの女性達は内心を察した様な笑みを浮かべて黙ってみている。下手な言葉攻めより、無言の視線のほうが恥辱責めとして有効なのを理解している様子だ。

 三度目の射精で完全に虜になった彼にティナが問いかける。

「どう癖になった」

「そんなことは」

「じゃあ、癖になるまで続けなくちゃ。お兄さんは有能だから完全に虜にしないとあの、エロ同人みたいに逆襲されちゃうからね」

「癖になりましたもう許してください」

「残念♪ 次捕まったらまたこれだからね」

 最後に歌う様な喘ぎ声を聞かせてくるゆかりに何度も絶頂させられた際にこの喘ぎ声は歌の様に魔力が籠っていると思ったが、もうどうしようもなかった。
射精の度にその喘ぎ声が脳をかき乱しゆかりの体が生む快感が彼の脳裏に激しく焼き付いた。ゆかりは何度か射精させると狂三に彼を渡した。

549 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:56:39 ID:8jk3BFRK

「キヒヒ、それでは最後は私がいただきますわぁ」

「あ、ああ」

 恐怖もあるが期待が既に勝る彼の声を楽しみながら狂三が彼の分身を飲み込んだ瞬間彼は完全に意識がどこかに飛び去った。

 狂三は笑いながら胸元に彼を抱き寄せ乳房を彼の頭で潰し何度も何度も絶頂させた。そして彼女は笑いながら言う。

「私は貴方の精液で強くなっていってますわよ。貴方を助けに来ている空至王殿下の負担がどんどん上がっていきますから、貴方が望むなら解放してあげますわぁ」

 狂三の提案に周りの防諜組織のメンバーは大鳳の前回の発言を少しは根に持っていたんだなと、思った。あそこまで彼女の膣で射精寸前にされて拒めるはずもない。

大鳳は拒もうと思っても拒めずに離れないことを選んだ。それに狂三は笑いながら言った。

「しょうがありませんわぁ。イカせて上げますけど、イク時に忠雄ごめんと言いなさい」

「忠雄、ごめん」

 謝罪の言葉と合わせる様に彼女が射精を促し噴水を思わせるほどの射精と同時に、彼は倒れ脳の中に忠雄を裏切ったという感覚と敗北感が彼を締めた。意識を失った彼を抱き留める狂三は即座に魔術で服を着こむと銃を構えた。

「空至王陛下、一週間ぶりですわね。これから友達の敵討ちに移られますか。お望みなら本来荒事は専門外ですけど、及ばずながらお相手しますわぁ」

「いや、前回の大鳳の行き過ぎた侮辱の言葉を思えば、これは仕方ないと思う面もある。それに貴殿らは今回も戦の礼に反することはしていない。 これで報復は済んだだろう。大鳳を解放してくれ。そうしたら俺はこのまま王国に彼を連れて行こう」

 狂三は珍しいものを見る様に彼を見ながら言葉を返した。

「全員ではありませんけど、貴方以外の生まれ変わりたちとは何度も共闘いたしました。その経験から言うと、あなたは他の横島さんの生まれ変わりと比べて異端ですわね。右脳より左脳を使う術の方が得意で、理性で感情を殺して最善手を打つ能力が高い。どちらが劣っているというわけでもありませんけど」

「そうだろうな。今の王国はオカルトの技術もかなり高い。この状態に堕ちた大鳳も治すことはさほど難しくない。それにお前たちの勝ち目は薄いぞ。
時崎殿が時間を操れるということは、俺にも大鳳と同じことができるのだろうが、伝承の女性に犯さない限り、伝承ほどのダメージは俺にはない。玉藻と木綿季と藍子がいないことは調べ尽くしておいた」

 大鳳が犯されている時に助けに来なかったのはその為だったようだ。声に深い無念がにじんでいる辺り、大鳳を救えなかったことに対する罪悪感が深いことがうかがえた。

 狂三は少し面白そうに笑うと言った。

「貴方の相手は他の方々が務める予定ですから心配は無用です。それでは参ります」

 狂三の術を防いだ直後に忠雄は自分が精通状態になったことに気づいた。多分どこかに輝夜か韋駄天ウサギ、シャーロット・E・イェーガが潜んでいたのか、それとも目の前の狂三が気づかれないように時間を操ったのか。
どれが正解かはわからない。だがあの三人がいない限りは大丈夫だ。塩見周子がかんでいると聞いた時は玉藻がいるのではと肝を冷やしたが、狐の気配が全く感じられない。これは大丈夫だと彼は確信した。

「やはり女性の色香が効くようになってしまったか、だが伝承で俺の最初の妻達がいない以上どうにかなる」

 生前と悪魔として召喚された際の最大の弱点は生前の破滅や敗戦を再現されることだ。彼にとって一番恐ろしいのは玉藻、木綿季、藍子この三人の誰かがいること。今はそれがいない。

 狂三の体から出てくる香りそれだけで剣がぶれそうになるがそれを殺すと彼は一瞬で彼女たちに切り込んだ。狂三が銃を使いそれを防ぎながら感嘆の声を上げる。

「割と本気で殿方の力を下げる術を使ったのですけど、この程度で済むなんてやはり空至王は凄いですわぁ。かつて女権国家を敗戦させた、五将の男性たちより貴方は上かもしれませんわねぇ」

「一概にそうとは言えない。俺は伝承で、特定の女性達に弱いことになっている。それと引き換えにそれ以外の女性の色香は聞き辛いんだ。これ以上の弱体化は起こし辛いだろう。それに俺がこれ以上の弱体化をする様失態を犯すと思うか」


「もしかしたら、精通したらあり得るかもと思ってましたけど、さすがにそれは虫が良すぎでしたわぁ。 貴方を倒すのは私じゃなくて、因縁のある女性に限るでしょう」

 狂三はそういうと指を鳴らした。その瞬間、マフィアのサマナー部門の統括者である、塩見周子が姿を見せた。瞬間移動魔法トラポートを使ったのだろうか、それとも世界がつながる前からあった術だろうか。一瞬の逡巡の後、彼は剣を構えた。

 和服に身を包んだ銀髪の髪をしたどこか狐を主セル彼女の姿を見ると、忠雄は玉藻に対するトラウマを思い出しながらも、刀を構えた。臨戦態勢を取りつつ礼を失しない様に彼女に声をかける。

「引いてくれないか。貴女はマフィアの中でも任侠の徒としての側面の方が強い良識派だし、俺の妻である玉藻を敬ってくれている。後に妻になったらしい、女性達韋駄天ウサギや永遠亭の優曇華たちの、
意にも沿うように無償での炊き出しや医薬品の支給などもしてくれているし、自分の妻が加護与えている相手に暴力は振るいたくない」


 その言葉に彼女はひょうひょうとした陽気な声で答えた。

「あら♪あら♪ やっぱり空至王様は他の玉藻様の旦那様の転生体とは性格が大分違いますね。 女権国家の基準だと貴方様はまだ一応は玉藻様の夫とは言えませんよ♪ 初夜がまだですから。 今回の私はサマナーというより運び屋ですからご心配なく。
貴方様と決着を着けたいという方々を連れてきただけですから。 その方々に貴方様が勝ったら、大鳳くんも貴方様も解放して無事に王国に帰還させます。 それで良いですね。防諜組織の皆様」

 あらかじめ決めていた盟約だったのだろう。周子の最後の言葉はもしも忠雄が勝ったなら絶対に約束を果たせ、という意味の威圧が込められていた。やはり周子は玉藻の夫である彼に対してはある程度敬意や感謝の念はあるようだ。
それ以外にも彼女が任侠の徒として、義のある行動をした時に玉藻を崇めているという理由で何度か助けた恩義もあるのかもしれない。

 忠雄は少し悩んだ後、周子に念話で話しかけた。

『周子殿、俺が負けたとしても機会があったらで良いから大鳳は助けてやってくれないか。以前何度か貴女を助けた時に、機会があれば恩を返すと言ってくれた。その全ての恩と引き換えに頼む』

『恩返しとかそっち方面では私を全く疑ってないんですね。玉藻様の信徒として、玉藻様の養子であり婚約者である方に信じてもらえるのは嬉しいです♪ お引き受けしましょう。大鳳くんを手に入れる機会は常に狙うし、
マフィア勢力が手にしたら手柄と引き換えにしてでも王国に一時帰還させます。ちょっと味見しちゃうかもしれませんけど♪』

 やたらとテンションの高い彼女の声を聞き忠雄は約束は守ってくれるだろうという安心と、彼女程有能なものが勝利を確信しきるくらいの難題が待っているのだという憂鬱さが募った。

 彼女が女権国家で浸透し一般人でも使う悪魔召喚プログラムではなく、魔術による神降ろしめいた呪文を唱えると二人の悪魔が現れた。それを見て高島忠雄は顔色が輝く。

550 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:57:54 ID:8jk3BFRK

「感謝するぞ。俺が一番戦ってみたかった相手とこんな形で戦えるとはな」

 高島忠雄の目の前にいる存在は未来の彼が神として祭り上げられた別側面、猿王高島忠夫、彼が精通後に妻達に快楽漬けにされて転落したのちに這い上がった青年期の姿だ。

 忠夫が少しだけ彼の物より太い刀を構えると彼もまた愛刀を構える。忠夫は刀を構えながら独り言のようにつぶやいた。

「ガキの頃の俺ってこんなだったんか。まあ、あの当時はイキっていたしな。記録とは言え慢心しすぎを自覚してなおこれか。当時の俺って今のこいつよりひどかったんだろうな」

「やはりそういう感想を持つか。色香に負けた後の自分よりは今の俺の方が強いと証明したい。お前を悪いとは思っていないが全力で行かせてもらうぞ」

「多分、精通して多少弱くなったお前にさえ俺は勝てんかもな。愛歌ちゃん頼むわ」

 そういうと彼の側に現れた金色のショートヘアの青いドレスの気品のある少女が優雅にほほ笑んだ。

「忠夫、それじゃあ私からの祝福を」

 愛歌が狂三と少し似たような色香のある仕草で忠夫に触れて呪文を唱えると彼の色欲が一気に膨れ上がった。女殺しの魔物達が、世界中を蹂躙し王国と女権国家が同盟する異常事態になった時に、
女権国家で生み出されたあるいは復活した技術、色香で男性を魅了しデバフではなくバフをかける類の術だ。 女権国家では男性を堕落させる術の方が主だが、
愛歌の王朝は男性を盛り立てるべきという思想だったから、こういう魔術も豊富にあったようだ。愛歌は同盟状態にあった時女権国家の女性達の良識派にこの魔術を伝授していたらしい。

 猿王がバフを受けて弾丸の様に駆けぬけてくると忠雄はそれを剣で受けて下がった。

「猿は自慰を覚えさせるとそのまま死ぬまでやってしまうというから、性欲に溺れた王という蔑称でお前の妻達が着けたらしいが、それは侮蔑だけの意味ではなかった。
戦いと忠実さそして愛する者のためになら何でもできるとされるハヌマンに近づけという願いも籠っていたらしいな。 確かにお前は負の面だけでなく正の面でも猿王だ」


 言いながら忠雄は猿王の猛撃を剣で次々と捌いていく。札などで途中から反撃されても止まらず切り込み続ける彼の拳を受け止めて下がり、投げ飛ばすと断頭台の刃を思わせる一撃を放った。それを受け止められて、彼は感嘆の声を上げる。

「これを防がれるか。無理もない。何しろお前は未来の俺だ。過去の自分の戦い方など知り尽くしているか」

「まあ、空位というか悟りから引きずり降ろされた今は、お前みたいに悟りの極致の術とか、戦い方はできん。だが、どう戦ったかは覚えているしな」

 筋力で圧倒的に勝る猿王の両腕での肉薄を、忠雄は圧倒的な霊力のコントロールが生む力で防いだ。 猿王の剣撃を受けながら彼は少しだが、
未来の自分に対する悪感情が和らいでいくのを自覚した。 悟り等を得た物だけが得られる極致それを失った状態でそれを持つ自分とここまで打ち合えるのだ。
彼は彼なりに妻達を愛し真剣に自らを高めていたのだろう。 達人の中でも上位のものですら、防ぎきるのは難しい攻撃を僅かだが余裕のある状態でかわし、時々拳を打ち込みながら彼は戦局を分析する。
一騎打ちと約束をしたわけでもないから、愛歌が彼に回復魔法などをかけることは卑怯と言うに値しない。彼女を切れば戦局はあっさりこちらに傾くのにそれができないのは、妻に手を出された時の底力が侮れないと思う気持ちが半分。
もう半分は初対面である愛歌に対して輪廻の中で何回も夫婦として過ごした情のせいだろう。

『俺も目の前の猿王をあまり馬鹿にできないな』


 そう思った直後に猿王が火事場の馬鹿力めいた力を使い、彼に向けて一気に切り込んできた。とっさにそれを受け止めて鍔迫り合いに移り、彼は驚きながら現状の把握に移りだした。

『なぜこの状態で、他に最善手はいくらでもあっただろうに。時間稼ぎか? 俺の防御の霊術を抜ける魔法なんてそうないと思うが』

 そこまで考えた直後に塩見周子が幾つもの魔法アイテムを取り出してきた。それを見て忠雄の表情が一瞬動揺し直ぐに安直に変わる。

『玉藻が俺を完全に堕とす際に使っていたらしい、性的な礼術の護符。俺には効果は抜群だろうが、玉藻以外が使った所で大した意味はない』

 そう思った直後に愛歌が笑いながら声をかけてきた。

「空至王陛下、自分を倒された伝承を再現されると悪魔は弱い、玉藻本人じゃなくても、玉藻と瓜二つレベルの女性が貴方にこれを使ったら効果は上がると思いません?」

「そんな女性が都合よくいるわけが」

「それがいたんですよ。貴方が空至王から堕ちて数年後だけど、玉藻の前は二人、もしくは三人いたなんて噂がジパングで流れていたって知ってました」

「その話は召喚されてから読んだ。彼女なら分身を作れたり神様や妖怪だから節操なく増えることもあるだろうと思っていた」

 答えながら空至王は辺り一面に妖狐捜索の術を発動させていた。いないことを確認しつつ、僅かでも狐の気配がしたら退くことを決意し逃亡しようとした次の瞬間、彼に対して塩見周子が持ってきていた無数の護符が発動した。

その護符の光を受けて彼は驚愕した。玉藻が使ったほどではないが十分に自分の性欲を高め空位から引きずりおろしてくる。最後の力を振り絞り目の前の猿王を辛うじて切り捨てると、事態が一気に悪化した。目の前の猿王を吸収してしまい。彼が受けた閨での快楽が一気に流れ込んできてしまった。

『しまった。猿王の奴は自分が殺された際にも妻達がやられないように、自分が倒されたら俺に吸収される術を仕込んでいたか』

 妻達の生存第一になった猿王の考えを彼は想像できない。その為に彼はこの術に対して無警戒で受けてしまう状態になった。倒した以上は彼の方が主導であるが、猿王の記憶を持ってしまった今、目の前の女性にひどいことをするということ自体が不可能になったことを自覚する。

 動きが鈍った彼に愛歌は笑みを浮かべて近づいてきた。

「空至王の状態の貴方も決して嫌いじゃないけど、やっぱり性欲に溺れつつ女性の為に戦う貴方が一番だわ」

「愛歌殿」

 途端に彼女に唇を奪われ、一気に体が脱力の極みに落ちた。さっき猿王が受けたのと逆の術を彼女が使ったのだと分かった。

「もう! 彼と一つになった以上、私と夫婦として過ごした記憶もあるんでしょう。殿は余計よ」

 動けない彼の服を愛歌が魔法で脱がせると、彼の硬くなった分身を足で嫐り始める。

「他人行儀に呼んだお仕置き。私が与える快楽をたっぷりと思い出しなさい」

 男の弱点を知り尽くした彼女の足が彼の分身を嫐り、そのまま彼の下半身が一気に冷たくすべすべの感触に支配され、そのまま大砲の様に白い液体が一気にぶちまけられた。
愛歌の全身を白く汚したそれを愛歌は敢えてゆっくりと、吸収する。自分が足でどれだけ多くの射精をしたか彼に見せつけるためだ。

「どうだった?」

「気持ちよかったけど滅茶苦茶恥ずかしかったです。愛歌ど、いえ愛歌、他人行儀に呼んだりはしませんから、もうしないでください」

「まだ、分かってないみたいね。 これをすることじゃなくて、『してあげないことが』お仕置きになるんだからまだ教育が足りないわね」

 そういって愛歌が彼の上になり腰を振り始めると。彼は一気に自分の意地や矜持が溶けていき。目の前の女性の犬になることが幸福だと思えてくる。愛おしそうに口づけしてくる彼女に舌を絡められた時体の全てが奪われていく様な感覚を覚えた。
女性優位だと認識した体位で分身をきつく締めあげられながらなめしゃぶられると彼は何度も射精させられる。愛歌が不意に腰を振るのをやめて、一度に一気に大量に射精させられた時彼は完全に自分が堕ちたと思った。

551 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:58:36 ID:8jk3BFRK

「愛歌、その、なんだ、俺を堕とす魔術使ったの誰だったんだ? タマモは絶対に傍にいなかったと思うけど」

「ああ。彼女はこちらよ」

 そういって呼び出された直後に忠雄の思考は一気に固まった。別人だと認識はできるがあまりにも玉藻に似すぎた美女がいたためだ。彼女は白い敏腕秘書の着る様な衣服を着ている。

「私は、闇のコヤンスカヤともうします。九尾のごとくになろうとして、玉藻様に近い姿になった妖獣です。ちなみに妖狐捜索に引っ掛からなかった理由は、私の正体が優曇華様たちと同じウサギだからです」

「もしかしたら永遠亭の?」

「正解です♪ でもここまで玉藻様と似た姿と霊気なら礼術の効果が倍増するのも納得でしょう」

 愛歌が与えてくる快楽だけで壊れる直前の彼に白い服を着ていたコヤンスカヤが服を脱ぎ抱き着いてきた。乳房を押し付けられた感触により限界を超えていた快楽が一気に強まり。愛歌に対して余計に大量の精を放ってしまう。二人は搾り取る愛歌を見ながら言う。

「愛歌様、かつて盛り立てた有能な男性たちが堕とされたことも亡国の一員だったのに、男性を盛り立てる思想を捨てず、男性の英雄の誕生を信じ続ける。本当に私の好きなものばかりで構成されていますわ。それに選んだ英雄もまた素敵です」

 完全に屈服した様に倒れる忠雄に彼女は笑いながら言う。

「快楽で自分は最低のクズだと思い込まされて落ちても愛する者の為に這い上がる調教しがいがありすぎますわ」

彼女が彼に多い被さり分身を飲み込みながら彼女は嗤う。

「玉藻さんとそっくりだけど、玉藻さんじゃない私の手で空至王忠雄から、猿王忠夫に堕とされちゃいますよ。いいんですかぁ?」

 彼の霊体に刻まれた玉藻と木綿季と藍子を怒らせた夜の快楽地獄の攻めを思わせる性技とそして体。彼女は笑いながら彼を押し倒し、多い被さり乳房で彼の顔を潰して笑う。

「玉藻さんとほとんど同じ乳房で、包まれると彼女を裏切っている感じが凄いでしょう。彼女たち以外でも堕ちるほど自分は浅ましいと思い知りなさい」

「あ、ああー!」

 言葉と共に彼は射精した直後に、自分は空至王から猿王忠夫に堕ちたと確信した。
射精したばかりで敏感になったそれを何度も自分の内部で嫐りながら彼女は言う。

「私最悪の霊的害獣ですよ。玉藻さまと違って人間視点から見たら、外道なんですよ。そんな私に堕とされるのはいかがですか?」

 コヤンスカヤが魔術を使うと彼女がしてきた外道の所業が脳内に映し出されその度に背徳感が彼の分身の硬さを強めていく。膣で締め上げられすぎて、快楽のあまりおかしくなった彼の手を取り彼女は自分の尻を揉ませながら言う。

「ほら女性を満足させるためにもっと奉仕しなさい。限界が近いようで。こんなだから直ぐに空至王から転落するんですよ。自慰のし過ぎで死ぬ、さ・る・お・う・さ・ま♪」

 最後の射精で完全に倒れた彼を、愛歌が優しく抱き上げた。

「コヤンスカヤ契約だから、今回は許したけど。忠夫の転生体たちに必要なとき以外はこういうことしないでね」

「分かっておりますわ。愛歌様。そんなことしなくても彼を堕とすことも、再び立ち上がらせることも容易ですから。 でも今回は愛歌様が立ち直らせてください」

 それを言われると愛歌は、横島に愛しそうに眼を閉じて口づけして彼の分身を飲み込んだ。今度はバフをかける類の性魔術の様だ。

「忠夫、大丈夫。貴方は英雄を望む私の忠実なる夫。その性欲は善行をなした力にもつながっているから、貴方はどの転生先でも常に女性の与えてくる快楽と愛の為に戦って大勢を救った事実があるから心配しないで」

 ふわふわと雲の上にいる様な感触を味わいながら愛歌の蜜の様な甘い言葉が耳に響き余計に射精の量を増やしていく。

「気持ち良いでしょう。私を上回る快楽を与えるものがいない限りは貴方が堕ちることはないから」

 女神官の様な厳粛な言葉が彼の心を支配し目の前の女性に尽くさねばという念が強くなっていく。

 呪文を唱え終えた愛歌の口づけが何かの祝福を齎し彼はそのまま心地よい眠りについた。




 目を覚ました大鳳は塩見周子に絞られていた。玉藻が使ったという性魔術を使いながら彼女は大鳳を甘く溶かす。

「ほらほら大鳳くん、あんなこと言ったら怒るのは当然なんだから反省しなきゃダメだぞ。東洋の猿王を立ち直らせた術を使ってあげるから頑張れ♪」

 周子の膣が温かく彼の分身を包み優しく射精したいときにさせる感覚が彼を支配する。彼女の手、指、乳房、尻、唇、舌、全てが彼に甘い快楽を与え彼の強すぎる快楽で受けた精神の傷を癒していく。
だがその傷が癒えると狂三と防諜組織にされた厳しい快楽を再び受けたくなってきてしまう。彼女が大鳳に騎乗しながら彼の腹に指を乗せると呪文を唱えた。射精を押しとどめられたまま、しばらく嫐られ。
限界を迎えかけたところで、彼女がそれを解放すると。甘い感覚を伴う射精が10秒近くも続いた。

 その射精で完全に癒されたのを確認すると周子が言った。


「男性解放戦線の面子は全員無事だから心配しなくても良いからね。それと王国への君の帰還も邪魔しないから。どうせまた女権国家に来たくなるのは今夜で確定しただろうからね♪」

「周子さん、やはり僕が帰るのを止めるために防諜組織達と手を結んだんですか?」

「それもあるけど、君のあの煽り。私達は防諜組織にお世話になっている面もあるし、ああいう暴言吐かれたから落とし前取りたいって言ったら協力するしかないでしょう」

 本当ではあるが大分私情も混じった動きであることは黙っていた。それを聞くと大鳳は申し訳そうな顔になった。

「本当にすいませんでした。僕の暴言のせいでマフィアの方々にまで迷惑を」

「いいのよ。家の組を馬鹿にしたわけじゃないし、今回の件はただのビジネスだから。貴方を助けたのは玉藻の前様の旦那様の頼みでもあったしね。王国にいったん戻っても猿王みたいにまた高みに上って帰ってきてね。お姉さん待っているわ」

「はい」





 
女神転生と言われる世界の横島は不意に目を覚ますと、自分の霊格が上がっていることと、空至王と呼ばれる自分と猿王と呼ばれる自分が使っていた術と技が多少使えるようになっていることに気が付いた。
それでいて体力が大幅に落ちている。彼の目の前には夢の中で交わった愛歌とコヤンスカヤの姿がある。

「愛歌ちゃんと、コヤンスカヤだったか。あの夢はどこまで本当だったんだ」

「夢の内容を覚えていたのね」

 あの夢の中で空至王から猿王に堕ちた自分と交わっていたのは、この二人の分霊だったのかそれとも、この二人が交わった後にここに来たのかはわからない。多分だが自分は眠りながらもこの二人と夢と同じことをされていたのだろう。

 少し考えた後、彼は口を開いた。

「二人ともすまない。俺の夢に出てきた大鳳という子供だけどあの後大丈夫かな」

「ええ。大丈夫でしょう。女殺しの魔物達と長く共闘したおかげか、王国と女権国家は昔ほど険悪じゃないし、マフィアたちも昔よりはかなり任侠の徒な側面が強くなっているから。 大鳳くんはあの後女権国家に戻るでしょうけど、今の状態の彼女たちのものになる方が、まどか王女の婿よりは大分幸せでしょうしね」


 愛歌の最後の言葉を聞きながら、横島はなぜかはわからないが安心を覚えたこれも多分前世の記憶のせいかもしれない。目の前の愛歌という少女が夢の中で付き合った少年大鳳がそれほどひどい運命にならないと保証してくれたのが無性に嬉しいと彼は思った。

552 :名無しさん@狐板:2023/01/10(火) 14:33:43 ID:kiRfnGeG
乙でしたー
本スレもときどき見に行かなきゃ

553 :529:2023/01/10(火) 18:37:57 ID:vTv07wF4
>>552
乙感謝です。
読んでくれてありがとうございます。基本的に向こうのスレに集まっている人たちが、
向こうに書き込むのはちょっとだめかも、とか思った場合に使われることが多いし、
自分の場合はSSなのでこちらに書いている感じなので、投下通知とかは本スレでしています。

554 :名無しさん@狐板:2023/01/24(火) 14:22:55 ID:pO2wze14

【小ネタ】畜生度を薄めるネタ・ヴィーラ編


『登場人物』
ヴィーラ:若き女領主
色々あって領主になった女性。立場もある為結婚したいが少し男性が苦手なため
中性的なデオンを見合い相手に選んだ。拗らせていたが早めに解決したので原作より落ち着いている。
拗らせ期間中にレズっていたためそっちの経験は豊富。男性相手はしたことはないが、
タチもネコも経験してるため攻められても快感に翻弄はされないし、胸やアナルなどの責めは上手い。

デオン(FGO):中性的な騎士(男性)
中性的な男性騎士で、真面目で評判も良いためヴィーラに見合い相手として選ばれた。
本人は気づいてないが受け気質。女性との行為は何度か経験済みだが普通な物で、
普通に女性を喜ばせる程度の技術もあるが責められると弱かったりする。
ヴィーラとの行為で逆レされる快感やレズプレイに目覚めてしまう。


『ストーリーらしきもの』
1:屋敷で談笑する男女。ヴィーラとデオンは若干のぎこちなさを残しつつも穏やかに会話する。
  二人が会っているのは見合いのためであり、ぎこちなさもそのせいだが段々打ち解けてくる。

2:幾らか談笑した後、そろそろ帰る時間かという所でデオンがふと、何故自分を見合い相手に選んだのか
  ヴィーラに問いかけると、ヴィーラは少し悩んでから話すからと夕食の席に誘う。

3:夕食の席でヴィーラが語ったのは、過去に慕う女性がいたのだがある日その人が出奔、
  追いかけたかったが役割のためそれも出来ず拗らせていた事。そしてその人がいないのを埋めるように
  女性同士の交わりに手を出していた事。その後その女性とのわだかまりは解けたが、
  地位を狙った男性等もいたことで男性が少し苦手なこと(信頼できる人もいるので重症ではない)だった。

4:自分を見合い相手に選んだのは顔かと問うデオンに、それもあるが性格や評判、その他も理由であること、
  見合いが成立せずとも少しでも男性に慣れるためでもあることを告げるヴィーラ。それに一応納得するデオンに、
  可能ならと性的な触れ合いでも男性に慣れさせてほしいと頼むヴィーラ。それに悩みながらもデオンは了承する。

5:ヴィーラの寝室で互いに愛撫し合う二人。男性相手は初めてだから女性相手のやり方しか出来ないというヴィーラ。
  実際ペニスへの愛撫は拙いが、乳首を責めるのは上手く味わったことのない快感に戸惑いながらも
  デオンも丁寧にヴィーラを愛撫し互いに高め合う。

6:なんとかシックスナインに持ち込んで先にヴィーラをイカせたデオン、昂ったヴィーラが最後までして欲しいと頼み、
  本番に移行する。不慣れだろうからと優しくしようとするデオンだが、女同士でもペニバンなどで慣れているヴィーラは
  余裕を持って受け止め、逆にそのまま乳首を責めたりして優位に立ち始める。

7:快感に喘ぐデオンに興奮していくヴィーラはレズで得た技術を使ってデオンの性感帯を開発していく。
  デオンは今まで味わったことのない快感に溺れていきヴィーラに魅了されていく。

8:その数週間後、ヴィーラと婚約したデオンがヴィーラの元を訪れる。以前とは違い親しげに会話する二人。
  今日は泊まれるというデオンにヴィーラは妖艶に微笑み、「どちらで気持ちよくなりたいか」と問いかける。
  それにデオンは蕩けて堕ちた表情で、女の子として気持ちよくして欲しいと答える。

9:ベッドで女装してヴィーラに弄ばれるデオン。ペニスではなく胸やペニバンでアナルを掘られながら
  幸せそうに溺れていく。レズプレイを教え込まれたデオンは、ヴィーラに男性としては逆レされ
  女装した時は女性のようにヴィーラに可愛がられる日々を送っている。

10:その後結婚したヴィーラは子供を産む。その傍には男としても女としても愛されるデオンの姿あるのだった。

555 :名無しさん@狐板:2023/01/24(火) 14:29:14 ID:D2sa5Y2v
デオンくんちゃんはmシチュに合うね

556 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:01:02 ID:KWGsNfn2
 2023年女権国家バレンタインSS 魂の骨を溶かす甘みの沼
これは現在本スレのスレ主さんが連載している女権国家の二次創作SSです。以下の注意書きがあります
@このSSは前に投降した>>311から>>319に投降したSSの続編です
Aここに出てくるさとりは原作と大分違う立場です。>>311から>>319の続編だけどジェラートとさとりの人間関係は、>>329から>>337のSSと同一です。
B基本的にはさとり関連以外は原作の女権国家と同じ流れで進んだ感じになってます。
C魔女と百騎兵というゲームのジェラートとメタリカが重要ヒロインになってます
DこのSSはパラレルワールドであり、本編でまだ誰のヒロインになるか明言されてないヒロインが横島のヒロインになってます。


 女権国家の良識派の女性達の派閥の長の一人、ヴァレンティーヌ・ジェラートの寝室で横たわる男がいた。細身だが鍛えられた肉体も、
一回り小さくなりその無様すぎる倒れ方は戦争で惨敗した兵士の死体や闘技場などの競技で討たれすぎて倒れて選手を彷彿とさせる。
倒れている男性=王国の諜報部霊能部門責任者である横島忠夫は、昨夜も花の大公爵の主催する魔女たちの饗宴で嫐り尽くされた後だ。
彼は目を空けると、昨夜の屈辱と強すぎる快楽を思い出し、自分でもわかる嘘を内心でつぶやき始めた。昨夜のあれは意識が何度か落ちていたから全部現実だったとは限らない、そういいながら空想に逃げ込もうとした瞬間、無慈悲な低く美しい声がそれを封じた。

「いいえ、あれは全部現実ですよ。王国男子なら死にたくなるような罵倒をしていた魔女たちに騎乗されていつもより多く射精したのも。その魔女たちの足で何度も達したのも、『想起・昨夜の夜の饗宴』」

 ピンク色の髪をした小学生くらいに見える少女の宣告と共に彼の脳裏に昨夜の饗宴が思い出された。そしてそれをなしたジェラートの腹心=さとりは笑みを浮かべながら、彼の分身を掴み射精を封じながら笑う。

「一番繋がりが薄いジェラート様配下の魔女達の足コキが特に感じていた様ですね。本当に変態すぎます。その恥辱責めで感じる姿で、我が主君であるジェラート様を惑わして誘う淫乱婿殿、
貴方があまりにも変態なせいでジェラート様が燃え上がってしまい、今日執務に間に合ったのがギリギリでしたよ。女権国家の支柱の一つをこんなに弱めるなんて有能な工作員ですね」

 足コキをされた記憶を掘り返され始めた時にさとりが彼の分身を記憶にある女性達と一緒に足で嫐りはじめ、その快楽に負けて彼は悲鳴をあげながら射精した。

「あ、ああ……!」

 情けなさで落ち込み切った声を上げる彼をさとりは何も言わず心底楽しそうな笑みになる。そしてその表情のまま彼を嘲笑の眼で見た。心を読んで一番これが効くと読み取ったからこその行為だ。

「ほら淫乱男、女陰の方が与える快楽は上なのに足で大量に出す変態、今から治療してあげるからさっさとイキなさい」

 さとりは足で抜くのをやめて、動けない彼の上に乗ると分身を飲み込みながら嗤い再び宣言した。

「『想起・去年のバレンタイン』」

 宣言と共に去年ユウキたちにされたバレンタインが蘇ってくる。女権国家産のチョコを食べた後に体がしびれベッドの中で彼女たちに散々に嫐られぬいた記憶。特殊なチョコで耐久力を上げられエヴァに血と同時に精を吸われ。
ユウキに王国女子としての視点で閨の中での惨敗ぶりを罵られながら騎乗され、愛歌が王女らしく献身的に慰めながらも彼を快楽だけで圧倒し、
ヴィヴィオが王らしく彼を見下ろしながら支配するように嫐ってきた。そしてアルが悪魔としての力を取り戻し彼を蜜の様な快楽で溶かしリグルがカマキリの雄が交尾の時に痛みを感じぬような状態に近い様に変えて彼に快楽だけを与え、
リグル自身が一歩間違えば命に関わるほどに精を奪いそれでも彼女の能力のおかげで快楽だけが襲い掛かってきた。その快楽だけでも彼の心が壊れかけたところで彼女たちは行為を終了させた。

「ああー!」

 悲鳴をあげながら彼の上で余裕の笑みを浮かべるさとりの中に精を大量に奪われると彼は、指一本動かすことすら困難になった。さとりは笑いながら言う。

「忠夫さん、去年は本当に素晴らしいバレンタインを過ごしたんですねぇ。おかげさまで私も貴方を嫐るのにとても多くの資料が手に入りました。 ジェラート様と打ち合わせがあるから私に絞られて消耗した体力を回復させておいてください」

「あ、ああ」

 横島はジェラートの配下の魔女たちが入室してきて彼の身なりを整え、動けない彼を運ぶように朝食の席に運んだ。

 席に着き彼女たちの作った料理を食べながら彼はここに来た経緯を整理した。大鳳たちの配下として、女権国家の古参の一人である彼女とのパイプ役となった彼はジェラートとの交渉などを一手に任されていた。 彼が頼みごとをすればジェラートは大半を二つ返事で了承してくれたが、
必ずと言っていいほど彼女に閨で嫐られることとなっている。昨夜も女権国家が先に王国との戦争で協定違反をしていたことが分かったから、ストレリチア気質の良識派たちをたきつけ、王国に領地の一部の返還すべきと考える良識派の女権国家の女性達を焚きつけてもらう約束をしにきた。
結果は成功し、彼女は自分がそういう派閥の支援をすることも約束してくれた。だが、彼の中には極めて忸怩たる思いがある。

『ジェラート様は前世が旦那だったせいかワイに対して好感度高すぎる。彼女の所に派遣されている時の俺って外交官というより』

「思っている通り娼婦ならぬ男婦ですね」

 唐突にジェラートの腹心であるさとりの心を声が彼の耳に響いた。彼女は自らの発言で横島が落ち込んだのを見て面白そうに笑いながら言う。

「男のプライドを抉る言葉が耳に響くたびに悦ぶようになってきている辺り、王国男子としては死に、順調にジェラート様の旦那様になっているようで。別に良いのでは? 親王国派筆頭の良識派閥の公爵相手ならミク女史もそこまで怒らないでしょう?」

「俺は大鳳たちの仲間だ。ジェラートが戦争が起きても王国に着く、と破れない宣言をしない限りはそうなることはできん」

 女権国家の方が遥かに優位であるから自分がジェラートに婿入りして亡命しても、ミクは自分を粛正したりはしないだろうが、それでも大鳳たちを裏切る事態は看過できない。その発言にさとりは少し考えた様に言葉をした。

「なるほどつまり、ジェラート様が女権国家の王国への外圧を抑えるだけではなく、女権国家が王国に対して理不尽な政策をとって、戦争が再発した場合に王国側に着く、という約束をしたら、貴方はジェラート様のものになってくれる、と」

 さとりの言葉を聞き横島の背筋に嫌な汗が走る。汗の冷たさが余計に彼を震えさせるが、彼はそれを押し殺し懸命に声を出した。
ジェラートの甘くどこまでも蕩かし人間としての大事なものまで溶かしかねない性行為、それをこれから先受け続けるということが決まるのは彼には取っては言葉にできない恐怖の様なものがある。 彼は少し震えながら、言葉を発した。

「ただ着くと言っても、軽く義理程度ではだめや。ジェラートの部下の戦争の条約を守っていた王国に対して行われた女権国家の協定違反に怒っている良識派の権力者たちと同盟者全部に全力で王国に着く工作をした上で、ヴァレンティーヌの領土は徹底抗戦してもらう」

 それを言った瞬間、不意に部屋に鮮やかな紅い花弁が舞い、そこに紅の美を体現したかの様な華美な衣装に身を包んだ公爵が現れた。 彼女の長身と豊満な体をより引き立てる衣装見た時、横島の背筋がゾクゾクとし始める。分身が固くなり始めたのを見て、さとりが嗤いながら、ジェラートに報告をする。

557 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:02:39 ID:KWGsNfn2

「公爵様。どうも彼は王国男子なら死にたくなるのが当たり前なくらい恥ずかしい公爵様との性行為の数々を思い出して股間の弱すぎる剣が固くなってしまっているようです。立って礼をしなくても許してあげてください」

 その言葉にジェラートは喜色に満ちた声を上げた。

「忠夫殿、わらわとの性行為を思い出して興奮しておるのかぇ。それは女冥利につきる。それで、先ほど口になされていた言葉はほんとかえ?」

 横島は背筋に震えがくるのを自覚しながらもどうにか言葉を頭の中で考え始める。ジェラートが横島よりもやや高い背を縮めて目線を合わせてくると、眼帯のない赤い瞳が彼の内部に入り込んでくるような感覚が走った。横島はどうにか思考をまとめると答えた。

「さすがに女権国家に永住とかは無理だ。だが、さっき言った条件を全部飲んでくれるなら今生に知り合った女性達に不義理しない形でなら結婚しても大丈夫だ。
ただ王国と女権国家が戦争して、公爵として王国に着けなくなったら俺は多分離婚すると思う。それで良いか?」

 ジェラートに条件を飲ませるだけではなく、できないことは最初からできないと答えなければならない。ジェラートが不義理をしない限りはこちらもそういうことをするわけにはいかないだろう。それを聞くとジェラートは笑って答えた。

「もしも、そうなったら公爵の地位は他の者に譲りそなたに着いてゆこう。前世で旦那様と育んだ絆はそこまで軽くはない」
 
ジェラートは前世と同じ様に夜の相手をしてほしいと頼んだ時以来、たまに言い間違えるとき以外は、彼を忠夫殿と呼び旦那様とは言わない。だが、閨の中で彼女に嫐られている時に、
旦那様と呼ばれ始めると本気で自分の中の何かが危うくなるほどの快楽が始まる。今生で彼と縁を結んだ女性達はジェラートと彼を二人っきりにしないのは彼女の謀略というより、
呼び方が旦那様に変わった時の彼女の閨での様子を見て、横島が快楽で壊れることを心配しているためだと思う。
 
少し過去を思い返しつつ、横島は内心えらいことになったと思ったが、諜報部としては朗報だと無理やり思い直した。彼女の人望は相当なものだ。
公爵を返上して王国に寝返ってもついてきてくれるものもそれなりにいる。 自分がこの約束をしてくれていなければ、戦争で捕虜にして自分をモノにするために本気を出しかねない感じもするし、間違いなく朗報だ。
そこまで考えた直後にジェラートが彼を抱き留めてきた。丁度豊かな乳房が顔に当たり彼に夜の日々が思い出させられてしまい、分身が元気づく。ジェラートはそれを察して笑った。

「忠夫殿も随分とわらわの体を味わって染まってくれた様じゃな。 そなたを再び嫐り癒すのも良いが、今日はミク殿の所に帰って、わらわが言ったことを報告してわらわの婿になっても良いか、聞いてきてたもれ」

 ジェラートの上品な高級チョコレートを思わせるような香りでくらくらとする中、耳に響く低い声が彼の脳をさらに蕩かす。
閨の中で彼女以外に罵られそれすら媚薬と化した中で長身の彼女の胸の中で柔らかく抱かれながら耳元で蕩かされた日々が思い出される。足がよろめく中ジェラートが笑い彼から離れた。

「済まぬな。良いところが前世と代わっておらぬそなたの姿を見せてもらったせいか、どうも歯止めが利かぬようじゃ。 わらわの声は閨で旦那様を愛でるときは良いが、そうでないときはなかなか加減が難しい」

「あ、ああ。とりあえずミクさんの所に帰ってこの話を持っていくわ」

「うむ。さすがに結婚などを強制されるようなことはあるまいが、今この契約をしなくてもそなたが望むならいつでもこの条件でわらわは王国に力を貸そう」

 ジェラートに離された後、彼は部屋をでて、そのまま王国諜報部のアジトに歩み始めた。




王国諜報部、ミクの執務室その部屋には普段よりは軽いが、それでも重い緊張感に包まれている。ヴァレンティーヌ領から帰還した横島の報告書を読んだミクは比較的上機嫌な様子だ。
同じ報告書を読んだ大鳳とジャギも良い反応を見せている。大鳳はやや難しい表情をしながらも、喜色を見せており、ジャギは朗報だと認めつつも深く悩み思案している様子だ。二人をよそにミクは笑みを浮かべて言葉を返す。

「ヴァレンティーヌ公爵との対面を命じた時はどうなることかと思ったけど、どうやら上手く運んでいるようね。 横島、あんたさえ嫌じゃなければ、
彼女と結婚してくれると助かるわ。彼女の配下じゃなくても、女権国家の良識派の中でも王国よりの中立派な面々の大半が彼女が王国に着けば靡くでしょうから」

 ミクとしてもジェラートを味方にできるのはかなり嬉しいが、完全な王国の同盟者になるとはいえ、王国に帰れなくなるかもしれない相手への婿入りは流石に強制できない。
それに彼女の方が王国に来た場合も横島が平穏な人生を送る難易度は跳ね上がる。彼が引退した後の自分が面倒を見切れない部分にまで影響を与える様な命令は余程切羽詰まらなければ、命じたくないのだろう。

「分かりました。結婚するかどうかはともかく、それを前提としたお付き合いをしたいと彼女に返してきます」

 横島の答えにミクは心配事が片付いた笑みを浮かべた。政治情勢ではなく、純粋にジェラートを好ましいと思っているからこそ、こういう決断を下したと分かっているのだろう。
その返しに大鳳が忠告をする。

「忠夫、でも大丈夫なの? ヴィヴィオ殿下だけでも大変なのに、ジェラート様とまでそういう関係になったら、不義理せずに双方と付き合うことは可能だけど、かなり正妻を決める権で圧力がかかってこない?」

「まあ、ジェラートの方は割と大丈夫やと思う。ワンマンって程じゃないけど、彼女の権力相当なものなんや。大半が彼女に救われたものの子孫とか当人で構成されているから、
イエスマンまでいかないけど、それでもできるだけ彼女の意思を尊重しようって考えのものが彼女の配下には多いからな」

「問題はヴィヴィオ殿下だね。ストレリチアとしても彼女以外を正妻にすることは許容範囲だけど、好ましくないからそれなりに圧をかけられちゃいそうだよ」

 難しい顔をする二人にジャギが間に入るように声をかけた。

「まあ、横島の奴が二人に対して誠実な対応をしている限りは二人が良いように計らうだろう。ランスの奴がしてくれた忠告を覚えているか?」

「ああ『ジェラートの奴は悪人ではないが、まだ猫かぶっているぞ』だったな。『夫婦になって逃げられなくなったら、女権国家の男を蕩かし自由意思を奪われたことすら喜びに変える本来の姿を見せる。それは覚悟しておけ』 多分あいつの言うことはあっているだろうな」

 ランスは男性優位ハーレムなどと言う、女権国家では無謀すぎる理想を掲げているから、バカだと評価されているが、男性解放戦線の副長として本当に有能だ。危険な女と良識的な女を見分ける目も鋭い。
彼を馬鹿にしている女たちでさえも彼の活動の記録などを調べた者は現実が見えていないとは言っても、『無能』であると評価するものはほとんどいない。

 身内を助けてくれた礼だと言ってしてくれたランスの忠告を思い出して、彼は多少の躊躇を覚えたが、それでもミクに命じられて初めてジェラートと会ってから彼女と過ごした数か月の時を思い返し、彼は決断を下した。

558 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:04:27 ID:KWGsNfn2
「彼女の意向の通りに付き合おうと思います。彼女が女権国家の王国を支配する勢力を限界まで牽制してくれて、それで開戦となったら公爵の位を捨てて、ただの魔女として王国についてくれるという言葉は嘘じゃないと思いますから」

「ええ。公爵の座を捨てたとしても、彼女に恩がある女権国家の貴族は多いし、その中には王国への戦争時の協定違反を女権国家が先に犯した件を嫌ったものたちも多い。一番悪い結果、政争に敗れて公爵の位を捨てて亡命でも、王国にはかなりプラスよ。何より魔女としても彼女は強いから、相当な戦力になるはず」

 ミクの言葉を聞いて頷くと、大鳳とジャギが言葉をかけてきた。

「忠夫、他国の公爵と付き合うって大変だと思うけど僕もできる範囲で力になるから」

「横島、あの公爵はお前が不義理しない限り『お前には』迷惑をかけないだろうが、それは王国や俺たちにじゃない。俺たちも気を付けるからお前も気を付けてくれや」

「ジャギは彼女を信じられないか」

「信用はしているさ、だが『まだ』信頼は無理だ」

「分かった。俺も気を付ける。 それと早く答えた方が誠実だと思うから明日にでも返事をしてくるな」





 次の日、ちょうどバレンタイン朝に、横島はジェラートの元を訪れていた。ジェラートは喜色満面な様子で彼を迎えた。

「忠夫殿、わらわの交際の申し出の答えてくれるのかえ?」

「ああ。王国の為ってのもあるけど、やはりジェラートさんは信用できると思うからな」

 それを聞くと彼女は嬉しそうに笑った。

「それでは早速付き合うことが決まったので色々と用意してくるゆえ、待っていてたもれ」

「ああ。しかし、バレンタインに、ヴァレンティーヌ公爵と付き合うのが決まるとか、狙ったわけじゃないだけに奇妙な偶然だな」

「そうであるな。わらわの苗字と同じであるがゆえに、バレンタインはわらわにとっては一大行事でな、忠夫殿が来るまでに準備もしておいた。根性で縁を結んだ皆様にも声をかけておく故それまでわらわの城でくつろいでいてたもれ」

 ジェラートの言葉に頷くと彼は、そのまま彼女の私室に向かった。かつて道を踏み外した時は情欲をそそる毒々しい赤でこの城は彩られていたらしいが、
今は紅が主であり娼館の様な気配ではあっても禍々しさはない城になっている。 彼は大きすぎるとも評されるジェラートの寝台を見ながら様々なことを思い返した。
自分の前世=高島がジェラートを救い、彼女をかつての慈悲と有能さを兼ね備えた公爵に戻したあとに、高島は彼女の罪の赦しを与えるために幾つかの善行を成し遂げた。
そして彼女は罪を許された後、彼と結婚し毎晩彼を嫐りぬいたそうだ。 80代でジェラートに嫐られぬいて過労死しした彼は快楽のあまり虚ろな目になりながら、来世でもこの快楽を与えてほしいと言っていたらしい。
そのためかこの寝室にいると、恐怖と快楽への期待とジェラートに対する隷属願望が彼を襲ってくる。

 恐怖と快楽への期待に飲まれそうになりながらも、彼は部屋の中を歩き回り始めた。



 しばらくの時間がたち、運ばれてきた食事を食べ終え、軽く体を動かして、ちょうど世間でいう所のおやつの時間になったころに、ジェラートが配下の魔女達を伴って部屋に帰ってきた。横島が今生で縁を結んだ女性達も一緒だ。


自分に対する好意前回でありながら背筋が寒くなる笑みを浮かべたジェラートが部屋に入室してくると、彼の分身が既にそそり立ち始めた。他の女性達も愉しそうな笑みを浮かべている。ジェラートは優雅に一礼すると、普段よりも口上を述べた。

「旦那様、さとりに記憶を想起させてみてみたが、ハロウィンとやバレンタインで随分と素晴らしい色事を味わった様じゃな。 怯えるでない。 今生でわらわと会う前にしたことに妬いたり怒ったりはせん」

 柔らかくも期待と恐怖を煽る声を聞きなんとなくこれは本心だろうと思った。そして次の瞬間に怒りなどではなく気迫に満ちた声に変わった。

「しかし、ヴァレンティーヌの名を持つ者として、バレンタインというイベントでは他の女性に負けるわけにはいかぬのでな。恋人に慣れた記念日と合わせて最高の日にしてさしあげようぞ。ユウキ殿手伝ってくれぬか」

「はーい。任せて、ジェラート様」

 病の完全治癒と引き換えにメタリカにインプとされたユウキは単独でも恐ろしく強いが、魔術に関わる存在と組むとその相手を支援することに特化した能力を得る。 最初にユウキが彼に抱き着き唇を奪うと、苦みのある甘さと体を切り裂くような快感が走った。

 ジェラートが優雅に手を振るとユウキの服が消え去り、小柄ながらも豊満な体があらわになる。 自分もいつの間にか服を脱がされており彼女に押さえつけられたまま、
乳房が右肩に当たる感触と共にユウキの腕が彼の分身を愛撫する。 数度の愛撫で完全に蹂躙された様に彼が射精すると、ジェラートの配下の魔女達が嘲笑を込めて笑い、ユウキが面白がりながら言う。

「女としてみていなかった、僕にこんなにあっさりイカされて恥ずかしくないの。相変わらず可哀そうなくらい弱い雑魚一物だね♪」

 ユウキの満面な笑みでの侮蔑の言葉に心底へこんだところでジェラートが彼の唇を奪った。それを受けた瞬間、彼の思考は一気に甘い感触に塗りつぶされた。極上のショコラを思わせるような甘みは相変わらずだが、
今日は特にそれが強い。またユウキの切り裂く様な快感とは逆の甘く柔らかく包み込むような快感が、彼女の甘すぎる舌と絡む自分の舌から脳に広がっていく。 ジェラートは唇を離すと快楽のもたらした脱力感で立てなくなった彼を見下ろしながら言った。

「旦那様どうじゃ? わらわの与える快楽は強かったが逆の快楽を味わった後ではそれもひとしおであろう。 幼き頃から旦那様を支えてきたのじゃ、最初は其方が奪うが良い」

 今は使い魔となっているせいか、普段と違って目下の者に話しかける口調のジェラートに嬉しそうに頷くと、ユウキが彼の分身をその巨乳で包みぬき始めた。

「僕の巨乳に反応してくれなかった分の取り立てだよ♪ ほら今後はちょっとは自分に惚れた女性の体に対する反応をするように」

「あ! ユ、ユウキ 頼むから勘弁、あー!」

 逃げようとしたところをジェラートの足を口の中に突っ込まれ、彼女の足の甘い味が口の中に広がると、そのまま彼は完全に動けなくなった。それを見てさとりがアリスに頼みごとをした。

「アリスさん、横島人形と資格を共有させて今のご自分の姿を見せてあげてください」

 視点が入れ替わり自分がジェラートの足を懸命になめながらユウキが胸を手で動かすたびに電気ショックを受けて痙攣するように下半身を動かしている姿が映った。 いくら好意的とはいえ、敵国の公爵相手に無様すぎる。そう思った瞬間さとりがわざわざ周りに聞こえる様に言った。

「横島さんの分身の硬さが増していますねぇ。前よりも彼は興奮しているようです。実に女権国家に染まるのが早い男性です」


 周りの嘲笑が極に達した時、彼の分身から出た白濁がユウキの胸を大いに汚した。彼女は女権国家のインプらしくそれをなめとる。そして横島の霊力が一気に下がり、ユウキの魔力が一気に上がっていくのが分かった。

「忠夫―、ちょっと弱すぎるよ。もうちょっと胸で遊びたかったのに。というわけで罰ゲーム!」

「ば、罰ゲームって、 ああー!」

559 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:06:02 ID:KWGsNfn2

 射精したばかりで敏感な状態な彼の分身をユウキが一息に自分の内部へと招き入れた。普段ならユウキは彼が射精した後は少し待ってくれるだが今回は完全に間を空けていなかった。 彼はいつもよりすごい快感に負けてユウキが軽く腰を振るたびに悶え三度射精した。

 立つことすらできず快楽でズタボロになった彼にジェラートがチョコを渡してきた。そのチョコは霊力が籠っており、食べれば回復できると本能が告げている。疲労を回復させることしか考えられなくなった彼がそれを食べると霊力が回復し体力が戻ってきた。

「旦那様が、今生で縁を結んだ方々はお優しい方ばかりでな。二種類のチョコを旦那様に送ることにして、一つはわらわも含めた全員で作りもう一つはわらわ一人で作ってよいと言ってくれたのじゃ。もう一つチョコを出すがそれがどちらがわらわ一人で作ったチョコか想像してもらっても面白いかもしれぬな」


 チョコを食らった横島は背筋が凍り始めた。あれほど絞られたのに霊力も体力も完全回復している。ヴァレンティーヌは名前の通りチョコに入れる霊薬は最高のものを作れるのかもしれない。

 回復した彼をユウキがジェラートの前に引き立てると、ジェラートが彼を片腕で持ち上げて抱え込む様に抱きしめると対面坐位の形で加えこんだ。胸と胸の間に顔を挟まれつつ、
ユウキと反対の甘く柔らかく分身を溶かしてくる彼女の秘部が射精の度に彼の立ち上がる力を奪っていく。ジェラートはしばらく胸で彼の顔を挟むのを楽しんでいたが、しばらくすると完全に脱力しきった彼の口の中に自分の乳首を押し込んだ。
甘い味と匂いが彼の脳までもおかしどんどんと脱力の速度が速くなっていく。 直接口に入れなくても甘みが伝わるチョコの沼に沈んでいくような感覚が彼を襲う。だんだんと沈みながら射精していく彼に遠いところからと思えるような声が響いた。

「完全に堕ちられては困る。忠夫そろそろ目を覚まさせ」

 少しだけ嫉妬の混じった声と共に首筋に電撃が走り、今までで一番の射精をさせられる。ジェラートは電撃の様な快感で痙攣する彼をなでながら大量の射精を笑いながら受け止めると、大人の姿になったエヴァに彼を渡した。

「さて、甘く溶かされた後の気付けだ受け取れバカ弟子」

 敢えて嗜虐的な笑みを彼に見せつけてから、エヴァは彼を捕らえ彼を両手両足でとらえながら、彼の分身を速攻で迎え入れた。
それだけで狂い掛けるほどの快感に彼が感電した様に震え、それによって彼の分身が彼女の内部で余計に嫐られるのを楽しそうに眺めた後、彼女はわざとゆっくりと彼の首筋に再びかみついた。

「あー!」

 彼の胸板でエヴァの豊満な乳房が潰れそして首筋からも吸われて意味のある声を発せなくなった彼を見ながらエヴァは少しだけ血を吸うのをやめた。
動きを封じられた彼に再び特殊な霊薬入りのチョコを持ってきたジェラートの配下の魔女が彼の口の中にゆっくりとチョコを入れた。それを食べると彼は再び回復し、
再び射精が起こった。吸われた血すらも回復し、再びエヴァに首筋から血を吸われると、さっき以上の快感が彼に襲い掛かる。多分食べたチョコの効果なのだろう。

 彼が二度目の限界を迎えると、エヴァは再び彼から離れた。

「一回全回復させたら交代の約束だったな。ここまで回復させるとはさすがはヴァレンティーヌ公爵と言ったところか」

 横島の血と精を奪った彼女は強者らしい笑みを浮かべながら横島を見下ろしている。普段でも勝ち目がほとんどないのに、今の彼は霊力を吸い取られ尽くして余計に勝てないと感じられる。


 倒れる横島の前にアリスが慈愛に満ちた笑みを浮かべながら進み出てきた。

「古典的だけど、柔らかい快感と激しい快感が交互の方が印象に残りやすいから、次は私とリグルね」

「忠夫、僕とアリスの共同技で沢山気持ちよくなってね」

 そういうとリグルが彼に口づけし、虫の力の何かを彼に流し込んできた。それと同時にアリスが彼の体に霊力出てきた糸を入れて動かしてくる。 アリスに対して絶対的な信頼を抱いた今でも、
人形の様に操られることに対する恐怖はある。それが彼を自衛させていたが、今は完全に恐怖がない。これは多分カマキリの霊力をリグルに渡されたのだろう。カマキリは食われている時に恐怖などを感じない。
その信仰が生んだ力だ。 リグルが最初に貪り食らうように彼に騎乗し、アリスが後ろから彼を抱えて豊かな乳房を彼に押し付ける。 射精したいにもかかわらず分身の内部に入ったアリスの糸がそれを止めている。
しばらく時間がたつとリグルがアリスに目配せし、アリスも頷くと彼は一気に射精させられた。一度の射精で食らいつくされたような感覚が走るのはリグルが虫の女王だからだろう。

 動けなくなった彼にリグルがチョコを渡すとアリスが彼の体を動かしそれを食べさせた。

「忠夫、どう? そのチョコには僕の配下の蜂の蜂蜜が大量に使われているんだよ。直ぐに回復できるでしょう?」

「あ、ああ」

 食らいつくされるような快楽のせいで頭が朦朧としたところでアリスが今度は前に回り彼の唇を奪う。口づけを通して自分自身の糸が切れていくような快楽が彼を襲い、だんだんと彼の体を新しい糸が動かし始める。
アリスが彼に騎乗するとどこまでも優しい無数の糸に包まれたような感覚で分身が何度も彼女の内部へと射精した。そしてその度に脳の中の糸が切れていくような感覚がする。 何度も射精させながらアリスは笑う。

「忠夫、普段なら人形に変わっていくような感覚に気悲観や恐怖があるけど、今日は快楽しかないでしょう? どう貴方が望むなら永遠に私のお人形さんになってもいいけれど?」

 辛うじて首を横に振ると彼女がどこまでも優しく唇を奪ってきて、それと同時に起きた射精が一気に彼の最後の糸を切り落とした様な感覚がした。


 完全に糸が切れたように倒れた彼を、メタリカと陸八魔アルが面白そうに見下ろした。

 沼の魔女メタリカが魔術を唱えるとアルの体から激しい魔力が迸りそのまま彼女は愉快そうに笑う。

「忠夫のおかげで大分力を取り戻したけど、今回はメタリカちゃんに一時的に全盛期に戻してもらったわ」

「キヒヒ、私達は同じ属性の二人で一気にお前を堕としてみるのも面白いと思ったのさ。今回は、いつもと違って手加減不要だから覚悟しておけ」

 アルとメタリカがアリスに目配せするとアリスが彼を子供に戻した。そしてアリスに操られながら再びチョコを食べると彼は再び完全に体力が戻り、二人に一気に嫐られ始める。
メタリカは子供になった彼にジェラートがやったような対面坐位をはじめ、アルはそれを見ながら自分も後ろから彼を挟む。

「悪魔と王国と敵対していた沼の魔女にやられて本当に貴様は楽しそうだな。どこまで浅ましい一物をしているんだ。キヒヒ。ユウキ罵られてこの男余計に硬くしているぞ」

「ええー! さすがに嘘でしょうさとりさん」

「いえ間違いなく事実ですよ」

 メタリカの言葉とは裏腹に彼をどこまでも甘やかすような膣に射精すると交代するようにアルが彼を抱き込み同じ行為に移る。

「忠夫、大丈夫魔女と悪魔の体に勝てる男なんていなから気にしなくていいわよ。まあ、王国男子でもちょっと早すぎるけど。 やっぱり早漏だって指摘された方が息子さんは元気になるのね ふふ」

 過度にバカにしないアルの優しめの嘲笑も彼を余計に昂らせた。メタリカとアルは彼が射精するたびに交代し、その度に彼をどんどんと追い込んでいった。二人のチョコを食べて回復した後、横島は愛歌に寄り掛かった。

560 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:07:03 ID:KWGsNfn2

「愛歌ちゃん、ヴィヴィオ」

「やっと、私たちの番ね。浄化の時間だわ。別に彼女たちの性根が邪悪というわけではないけど、闇の気をもらいすぎだからね」

 愛歌が自分の体をホーリーゴーストと呼ばれる形態に変え始めると横島は、怯えながら言った。

「愛歌ちゃん、体力は回復したけど、精神はしてないんやこれ以上は限界なんや」

 そういうと、愛歌は横島の眼をのぞき込み王女らしい真剣な口調で言った。

「大丈夫今日は本当に大丈夫だから。私を信じて」

 そういわれた時横島は怯えつつも彼女は嘘を言っていない確信する。そこで後ろから大人の姿になったヴィヴィオに捕らえられた。

「それじゃあ行きましょうか忠夫さん」

 ヴィヴィオが彼の唇を奪い彼を抱くように内部に招き入れると、彼は格闘技の強力な技を食らったかのような痙攣をして一気に射精をした。何度か射精すると愛歌が交代する。彼女は優雅に服を脱ぐと、
ヴィヴィオとは対極的ゆっくりと彼の分身を飲み込み、ゆっくりと動き始める。 優しくもどこまでも逃げ場を奪う動きに彼が何度も射精すると、ヴィヴィオが愛歌に言葉をかける。

「愛歌さん、こうしていると忠夫さんは、幼い姿の私にも欲情してくれるようになりますか?」

「近々そうなるんじゃないかしら。 もうそうなっているかも、試してみる?」

「はい」

 愛歌が引くとヴィヴィオは子供の姿に戻った。彼の分身を足で嫐りながら言う。

「お兄ちゃん聖王である私の夫になるんだから、私がしたいときに勃足せられなきゃダメだからね。ほら王国男子にあるまじきロリコンマゾへの第一歩頑張って♪」

「さ、さすがにそれだけは。許してくださいヴィヴィオ様」

「閨の中でも様付は、いじめてほしいと同義だよ。お兄ちゃん♪」

 ヴィヴィオの激しい足によって射精させれた後、敏感になったそれを彼女が再び子供の姿で飲み込み彼は一気に射精した。

 アルやメタリカの魔力と対極の聖属性の力で蹂躙されると、いつも以上の快感が彼を襲ってくる。
彼女たちはそのせいか、ヴィヴィオ達に嫐られた後にアル達が彼を嫐るということも多くされてきていた。だが魔力が浄化されバランスはとれても、もはや彼の精神は限界だ。それを見越した様にジェラートが彼の近くに近づいてきた。

「旦那様、これがわらわのチョコじゃ食してたもれ」

 そういわれてそれを食べた時、彼の精神に驚愕が走った。激しい甘みがもたらす、多幸感が全身にいきわたり、体力だけでなく彼女たちに嫐られ激しい快楽で再起不能一歩手前まで壊れかけていた精神すらも全快したためだ。

「これがわらわの手製のチョコぞ。最強の魔女の候補であり、『ヴァレンティーヌ』の名を関する公爵は伊達ではなかろう」

「ああ。このチョコがあるからこそ、彼女たちは無茶できたわけだな」

「ええ、というわけで次は私の番ですね」

 笑みを浮かべたさとりが彼の額に手を当てて叫んだ。

「『想起・今日一日の性行為』」

「ああー!」

 悲鳴をあげる彼に騎乗し大量の精液を受け止めたさとりは上機嫌に言う。

「ジェラート様策のチョコはあと三個ありますけどどうします? さすがに王国男子としては死にたくなるような性交をしたいと知った上で食べたりしませんよね」

 そういわれながらも、横島は壊れない程度に想起され性欲が残った彼はそのチョコを食らった。彼の回復を見てジェラートが彼に多い被さり最初の性行為の体制で彼を再び貪り始める。


あれから何度もジェラートやユウキ達だけではなく、ジェラートの配下までも参加し、彼を甘い沼に沈める様に嫐りぬいてきた。そして彼の脳は極上のチョコでできた沼の中に沈みつつあるようだ。
今彼を抱き込んでいるジェラートの極上のショコラの様な味のする女体に抱き込まれながら彼は、自分がヴァレンティーヌ公爵の虜となる日もそう遠くないだろうと思った。その認識を最後に彼の意識は甘いチョコの沼に沈み切った。

561 :名無しさん@狐板:2023/02/15(水) 13:17:52 ID:bthfMWTC
乙でした

562 :556:2023/02/15(水) 23:17:07 ID:vJSoeWfL
>>561
乙感謝です

563 :名無しさん@狐板:2023/02/16(木) 17:55:10 ID:A8oIuQSQ
乙ー

564 :名無しさん@狐板:2023/02/16(木) 20:18:42 ID:V0TFIXrb


565 :556:2023/02/16(木) 22:09:11 ID:0NFUL6yS
>>563
乙感謝です
>>564
乙感謝です

566 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:06:33 ID:WCFTTbQn
子供の頃の話だ。
自分の祖父母の実家が山奥にあり、夏休みはそちらで過ごしていた。
地元の子供達と外で遊んでいたが、その時は山に釣りに行っていた。
山の渓流では川魚やサワガニが獲れ、家族にお土産ができたと思いながら帰路についていた。
その時、ふと雑木林に見知らぬ獣道の様なものがあったのに気付いた。
好奇心から雑木林の中を通っていくと、抜けた先には訪れた事のない渓流があった。
辺りを見回してみると、ぱしゃぱしゃという水音と共に動く何かが見えた。
不思議に思って近づいてみると、それは人の姿である事に気付いた。
すると、向こうもこちらに気付いたのか、水音を立てながらこちらに小走りで近づいてきた。


567 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:07:07 ID:WCFTTbQn
裸の、一糸まとわぬ女の子だった。
見た限りでは自分よりちょっとだけ下くらいの年の様に見えた。
自分とそう変わりのない体の女の子ながらも、わずかにふくらみかけた胸と
股の所に何もない事が目の前の子供が女の子である事を即座に理解させた。
肩の所まで伸びた黒い髪。年相応のあどけない顔。
手を後ろで組みながら背伸びする様に首をかしげながら、ぱっちりとした瞳でこちらの顔を覗き込む。
裸で川遊びするのは、自分が子供の頃には珍しい事じゃない。
でも、このくらいの女の子が全裸で男の前で全く恥ずかしがらずに、隠そうともしないとは珍しかった。
ちょっと視線を下にやると、股の毛ひとつない一本のすじが目に飛び込み、思わず目をそらす。
山の中で遊んでいる子供にしては、日焼けひとつない透き通る様な真っ白な肌がやけに印象的だった。


568 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:07:27 ID:WCFTTbQn
自分に興味津々なその子に色々話しかけてみた。
自分の名前、どこから来たのか、どこの学校でどの学年なのか、色々話し尋ねてみる。
「…?ん、う、ん?ん…?」
何やら首を傾げながら聞き取れない声を出す。緊張してうまく喋れないのだろうか。
「…ろ、く、ねん、せい…?」
かろうじて聞き取れる言葉を発した。自分と同学年なのだろうか。
しかし、自分の言葉を真似しておうむ返しした様な、ただたどしい返答だった。
その直後に、自分の腕にひやっとした感触が伝わる。
女の子は自分の腕をぺたぺたと触っており、視線は手に持っていたカゴに注がれていた。
どうやら自分の取ったサワガニに興味があるらしく、欲しければあげるよ、と言いながら一匹手渡した。
女の子は嬉しそうな声を上げると両手でそれを弄びながらじっと観察を続ける。
その場にしゃがみこんで股を大きく開いた、いわゆるうんこ座りの無防備な姿勢を取る。
正面に立っていた自分にはその大きく開いた股の部分が丸見えになり、
股のすじの部分からちょこんと桃色のものが目に飛び込み思わずドキリと心臓が高鳴った。
母親以外の女のそれを見た事のない自分には刺激的すぎた。それも同年代の女の子のそれを。
そして、んにゃんにゃと珍妙な笑い声を上げながらはしゃぐ女の子に、テレビで見た野生児が頭をよぎり恐怖心を感じた。

569 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:07:46 ID:WCFTTbQn
直後、女の子はサワガニの脚をもぎ取った。驚く自分を尻目に、彼女は楽しそうにもがく姿を眺めている。
そして、次の瞬間、バクっとサワガニの頭にかぶりついた。彼女の口からもがき苦しむサワガニの脚がバタバタと動く。
ばくん、とさらに一口。口の中に完全に飲み込まれ、ひとかみ、ふたかみと咀嚼し、ごくりと音を立てて飲み込んだ。
うぅううぅうぅと、エサに夢中になっている猫の様な奇妙な声を上げながら美味しそうに食べて見せた。
その瞬間、背筋に冷たいものが伝う感覚を感じ、この時初めて目の前の裸の女の子が人間じゃない何かだと感じ取った。
怖くなり後ずさる自分。その足を即座に目の前の女の子は掴んだ。
女の子とは思えないその異様な力の強さに、自分は思わず尻餅をついてしまった。
逃げなくては、恐怖に震える足に力を込め、起き上がろうとしたその瞬間に、自分の体の上に女の子が覆いかぶさった。
んみゃおう、と猫の様な奇怪な声を上げる。自分の手を押さえつける力はまるで女の子どころか人間のそれとも思えなかった。
懸命に手足を動かし抵抗するも、女の子の押さえつける力にまるでかなわない。
そのもがく光景に、先程目にした無惨なサワガニの姿が重なり自分は震え上がった。

570 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:08:06 ID:WCFTTbQn
自分より少し小さな、裸の女の子に押し倒され押さえつけられている。
目の前には女の子の顔がすぐそばに近く、怯える自分の姿を見て口の端を釣り上げた。
直後、女の子は口を開いて、自分の口に重ねてきた。そして固く閉じられた歯を歯でこじあけるように開かせ、
そこから熱い何かが口の中に侵入してくる。彼女の舌は自分の舌と絡み合い、口の中を蹂躙する様に暴れ回る。
口の中の唾液をこそぎ集め、女の子は自分の口の中の唾液をごくん、と喉を鳴らして飲み込んだ。
幼さの残るあどけない顔は赤く紅潮し、荒くなった息が自分の顔にかかる。
唾液が糸を引いて伝う唇を、呆気にとられる自分に再びむさぼる様に重ね、口の中を舌で蹂躙する。
ん…と一息おくと、女の子の口から唾液が送り込まれ、思わず飲み込んでしまった。
密着しそうなほどに迫った彼女の顔は興奮で蕩け、今まで見たどのエロ雑誌の写真よりも官能的で蠱惑的に感じた。

思わず硬直し、硬くなってしまった股間が、ズボン越しに彼女の肌へと当たる。
それを感じた彼女は、口の端を緩めると自分のズボンに手をかけ、一気にずり下ろす。
はちきれんばかりに怒張したそれは勢いよく飛び出し、それを目にした女の子は目を丸くした。
そして今まで最高の大きな笑みを浮かべると、それをどうするのかわかっている様な手つきで、
右手で自分の腕を押さえつけながら、左手で自分の股の割れ目へと導いていった。
柔らかい感触が自分の先端に伝わる。
何をしようとしているのか訳の分からなかった自分の顔を覗き込みながら、蠱惑的な顔を浮かべながら、
―一気に腰を落とした。

571 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:08:37 ID:WCFTTbQn
今まで感じた事もない快感が股間から全身を駆け巡った。
自分の、硬くなったそれが女の子の股に入ってしまっている。自分に覆いかぶさった女の子は
大きな声を上げて顔を蕩けさせた。はあ、はあと息を何度か吐き、落ち着いた所で、
腰を上下させた。自分のそれが女の子の股の中を出たり入ったりを繰り返している。
その度に肌がぶつかり合うぱんぱんという音が山の渓流に響き渡り、
彼女の股から溢れ出てくるぬるぬるとした白濁した液体が滑り、抜き差しを滑らかにしている。
引き抜く瞬間に股間の先端に何かが引っかかる感覚が気持ちいい。
差し込んでくる瞬間に、股間を根元まで締め付け刺激する感覚が気持ちいい。
交互に与えられる未知の快感の波に、自分の腰は浮き上がり、心臓がドクンと高鳴り続ける。
目の前の女の子も気持ちよさそうだった。甘い声を口から漏らしながら、目は快感に泳ぎ、
口からは唾液が漏れている。腰を打ち付け、股から抜き差しを繰り返すたびに得られる快感を
貪欲にむさぼる様にそのスピードを上げていく。
自分も限界だった。どうしようもなく快感が高まり、股間の玉袋の部分がすぼみ上がる感覚を感じる。
先端から我慢できない何かが飛び出そうとしているのを抑えられなかった。

572 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:09:05 ID:WCFTTbQn
「ん、にゃああんっっ!!!」
女の子の叫びとともに、自分のものをきつく締めあげていたそれが更に絞まった。
それがとどめになり、自分のものから何かが出口を求めて盛大に放たれた。
ビクンビクンと波打つごとに放たれるそれが、彼女の股の奥へと放たれていった。
一回飛び出るごとに頭が吹き飛びそうな感覚が下半身を走り、
その感覚と目の前の女の子の中に放つ快感を味わいたいかの様に、
二度、三度と脈動しながら放たれる。
どくん、どくんと注ぎ込まれるような感触を味わうかの様に体を震わせながら快感に浸る女の子。
繋がりながら脈動するその自分と女の子の結合部を、快感に染まる頭でぼんやりと眺め続けた。
お互いにその余韻に浸りながら、どれだけ繋がっていただろうか。
はあ…と大きな息を吐きながら、くたりと自分の上に覆いかぶさる女の子。
顔を紅潮させ、荒い息を吐きながらこちらを見る。視線が重なった一瞬、
彼女はニコ、と静かにほほ笑むと優しく自分にキスをした。
とても気持ち良かったよ、と伝えるかのように。
ん…と小さな声を上げながらゆっくりと体を起こし、結合が解かれ女の子の股から自分のものが引き抜かれる。
直後にどろり、と白濁した自分の放ったものが彼女の股の間から溢れ出た。
女の子は脱力したように股を開いて息を吐きながら、お腹に手を当てて自分へとほほ笑んだ。

573 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:20:20 ID:WCFTTbQn
その瞬間だった。
みゃおん、みゃあ、と彼女と似た声が辺りに響き渡り、草木がガサガサと音を立て、小枝を踏み折る音が響く。
何かが、この場に駆けつけようとしている。
その直後に自分は我に返り、情けない悲鳴を上げてその場から一目散に逃げだした。
女の子の呼び止めるような声が響き続けた。それが自分にはたまらなく恐ろしく、
どこにこんな力があったのかと思うほどの速さで山を駆け巡り、一刻も早く麓に降りなくてはと思った。
後ろを振り返る事はなかった。もし振り向いてあの子やその仲間を見たら心臓が止まってしまいそうだったからだ。
どこをどう走ったのかは覚えていない。
気が付くと、山の知らない所から下りており、近くの民家で畑仕事をしているおばあさんが自分を見て目を丸くしていた。
その時になって、ようやく後ろを振り向く事が出来た。
飛び出してきた雑木林には何もいない。そしてその直後にその場に倒れるようにへたり込んだ。
やっと、逃げてこれたんだ。

574 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:20:36 ID:WCFTTbQn
―それは、カワワラシという存在だ。
おじいさんはそう告げた。
人間の子供とほとんど変わらない姿で、男や女の区別がある。山の中の川に棲む存在で、
時折人間の子供の前に姿を現す事がある。河童とは違う土着の妖怪で、
山の中の動物が人間を模して人間の姿になったというものだそうだ。
性質は動物のそれと同じで、人間の常識や倫理を持たない獣そのもので、
殆どは野蛮で残酷だというのだ。お前が会った女のカワワラシは、運が良かったな、と言った。
もし、あの時逃げられなかったらどうなっていただろうか。
姿は人間そっくりだが、人間の倫理を持たない獣そのものの存在。
思い出すと、冷汗が止まらなかった。
―そして、カワワラシのあの子にされたあの事は、言えなかった。
心身ともに疲れ切った自分は、睡魔に屈して朝まで眠りこけた。
怖い目に遭ったけど、もう大丈夫だ…。そう胸をなでおろして…。

575 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:21:06 ID:WCFTTbQn
「大変だ!こっちに来てみろ!」
日も登った早朝に、おじいさんからの声で自分は目を覚ました。
玄関の前にあったのは、あの時置いていったクーラーボックスに、釣り竿、カゴだった。
そしてそのクーラーボックスの中には、自分が釣ったものではない無数の川魚が詰まっていた。
「信じられん…お前、そのカワワラシに相当気に入られたようだぞ」
カワワラシが人間に贈り物をするなどという事はありえないそうだ。彼らにそんな概念はないと。
自分は、あの時のカワワラシの女の子の優しいキスと、こちらに向けるあの微笑みが頭に蘇った。
そして同時に、家がバレていた。自分がここに住んでいるという事が知られており、
その気になれば気に入られてしまった自分を無理矢理連れていく事も可能だという事実に震えた。
「もうお前は、あの山に絶対に入るな。奴らに捕まったら、何をされるかわからん」
贈られた魚はクーラーボックスごと川に流した。こっちにはお前に興味はないぞ、という意志を伝える為だという。
その行為にあの子に対する罪悪感を少し感じたものの、恐怖心が勝った。
そして、それから自分はもう二度と山に入る事はなかった。
そしてここの外で遊ぶ事も、ここで過ごす事もなくなっていった。
あれは何かの夢だったのだろうと思い、夏休みは終わりを迎え元の生活に戻っていった。

576 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:22:00 ID:WCFTTbQn
「いいか、今教えた事がセックスっていうものだ。お前達はこうやって生まれてきたんだ」
強面の体育教師が黒板にある男女の裸、そして生殖器の図を指して説明する。
この保健体育の授業で、自分はハッとした。
女の人の裸やエッチなシーンを見て興奮する事、自分の陰部が硬く大きくなる事、
その後の意味を知らなかった自分にとって顔から火が出るほど恥ずかしい思いをした。
「男の勃起したペニスを、女のヴァギナに挿入して、精子を出す事で子供ができるんだ」
先生の言葉で、あの時自分があの女子とした事の意味が、ハッキリと分かってしまった。
あれは、気持ち良くなるためだけの行為だったんじゃない。子供を作ろうとする行為だったのだ。
子供。母親。父親。自分が、あの子と?フウフ?ニンシン?ケッコン?
頭の中を自分では抱えきれない出来事が駆け巡り、頭がクラクラした。
「おっなんだー?お前スケベな事考えて頭が固まったのかー?お子ちゃまだなー」
アハハと冷やかす隣のクラスメイトの言葉だった。
「こら!真面目にやれ!重大な事なんだぞ!お前たち男子はなあ、個人差があるし
スケベな事に夢中になってセックスしたくなるだろうけど、子供ができるって事なんだからな!
エロ本やビデオに影響されてレイプなんてもってのほかだぞ!」
クラスメイトが叱られたその言葉は自分に強く突き刺さった。
最も、レイプという無理矢理性行為に及ぶ行為をされたのは自分ではあるが、
あの女の子に子供ができてしまったかと思うと気が気ではなかった。
―その日、夜に見た夢だった。
あの時出会ってセックスしてしまったあの子のお腹が大きくなってこちらに微笑んでいた。

577 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:22:19 ID:WCFTTbQn
―あれから10年以上が経っただろうか。
あれから何もなく、普通の生活と生き方を送ってきたと思う。
オナニーをする度に、あの時の女の子の顔と、セックスの光景、あの時の快感が何度も思い出された。
カワワラシ、そんなものが仮に存在していたとしよう。
見ず知らずの会ったばかりの人間の男と性行為を行うなど、ありえない事だろう。
時が過ぎるにつれ、あれは強烈に印象に残った夢精の類なのだろうと思う事になった。
あるきっかけで再び訪れた実家の山奥を、思い出に耽るように歩いている。
あの出来事は夢の類だったんだ、そう思いながらかつての山の中の渓流の水の音に耳を澄ませる。
―あの時と同じ、水がパシャパシャと跳ねる音。
そこで見たのは、あの時出会った裸の女の子…が成長した姿だった。あの時と同じ、一糸纏わぬ全裸。
髪は腰まで長く伸び、あの時と同じ透き通る様な真っ白の肌。
ふくらみかけだった胸は大きくなり、つるつるでくっきりすじだった股には毛が生えていた。
―そして。彼女と手をつなぐ、あの頃に出会った女の子の姿に瓜二つの、小さな裸の女の子だった。
あの時の子は驚いて目を丸くすると、自分の子供であろう小さな子の頭を撫で、肩を押した。
その小さな裸の女の子はあの時と同じように無邪気に自分へと駆け寄り、飛びついてきた。
まるで父親にスキンシップを求める様な、その勢いで思わず尻餅をついて倒れてしまう自分。
そして、自分を押し倒し顔を覗き込む女の子の顔は、プロレスごっこではしゃぐのとは違う、
別の熱がこもっていた―

578 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:22:44 ID:WCFTTbQn
以上です
SS投下失礼いたしました

579 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 01:12:05 ID:2jYfh6Eg
乙でした

580 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 13:25:53 ID:xMxROJdP
乙でした
えろい

581 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 01:15:29 ID:lgxOU+gr
乙ありがとうございました
えろいとはエロ小説を書く者にとって最大の賛美ですね

582 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:30:22 ID:A4iGS+R7
女権国家2023年雛祭りSS 流し雛の船上のお内裏達の見た死後の世界群

これは現在本スレで連載されている女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
今回は特に重要な忠告があるので最後まで注意書きを呼んでください
@ 一月以上も遅れた雛祭りSSです申し訳ありません。
A FGOのキャラ黒髭エドワード・ティーチがかなり活躍しています。
B 読まなくても大丈夫な様に書いていますが以前>>495から>>501に投降したハロウィンSSと繋がっています。
C スレ主さんが過去に投下した『邪な騎士と横島と騎士』の影響でヒロインが増えています
D このSSの世界線だとアンリエッタ皇女の大鳳くんへの好感度が200越えしており、ネロの好感度は60くらいです
E 名前ネタがあっちこっちにちりばめられており、ちょっとしたネタではなくストーリーに重要な変化をもたらします。
F 装甲悪鬼村正のキャラ少しでてますが中身が完璧に別人です。
G 女権国家に登場していない女性キャラが本編と絡んでいますがそのキャラと本編のキャラの過去や関係性はこのSSのオリジナル設定です。
H 両方女権国家に出演している狂三と陸八魔アルの関係はこのSSオリジナルであり原作でどうなるかはわかりません。
I 各キャラクターの大人形態の描写があり、その姿について明確な姿を次に書ますが曖昧なまま自分で想像したい方は下のアンカーで飛ばしてください
>>583


































リグルの大人形態はEXリグルと画像で検索すると出てくる長髪の姿をイメージしています。作中で出てくる沙条愛歌の大人形態は、FGO量産型ワルキューレで検索すると出てくるショートカットの金髪の娘の姿をイメージしています。

583 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:32:20 ID:A4iGS+R7
 穏やかな風の中で無数の流し雛が、川を流れていく。海に通じる女権国家の川、この川では毎年流し雛が行われる。 この儀式は女権国家の良識派の女性達が自分たちのあまりにも男性の気持ちを考えないと思える欲望を捨て去るための願掛けの行事だ。 
この人形は雛祭りの日だけは申し合わせたように、穏やかになっている海に出たところを回収され。清められた後に各家庭の雛壇に飾られる。この行事に参加する女性は良識派か、良識派よりの女性多い。
自分たちの束縛欲などが良くないと思い、オカルトの実在を信じる者が多い女権国家で自らの精神の浄化と、想い人を得た際に男を支配しすぎた家庭にしない為の願いを込めてこの人形流しに参加しているのだ。

 川を流れる人形たちを多くの女性達が見送り自らの欲望の浄化を望む女性と、自らの欲望が生み出す伴侶となる男性への不幸を流してほしいと願う彼女たちの祈りを受けて雛人形を乗せた多くの小舟はゆっくりと流れていく。
海に近づけば近づくほど、速くなるそれを見ながら彼女たちは、幸せな家庭を司る人形へと変わり雛壇に戻ってきてほしいと考えているのだろう。






 多くの流し雛が流れ着いた海、その無数の流し雛を回収する小舟を多く射出している母船=クイーンアンズリベンジ号。その船の上で多くの流し雛を見つめる横島は、憂鬱そうな顔をしていた。

「今年は本当に流し雛が多いな。多分だけど大鳳に入れあげている良識派よりの女性達の雛が多そうだ。ここで大鳳に向けられた欲望を祓えば俺にも大鳳に欲望を向ける女性の呪詛への特効力や耐性がつくから頑張らにゃな」

 憂鬱ではあるがそれなりに使命感をたぎらせる彼の横を全身が引き締まった筋肉でできたようないかつい顔をした黒いひげの巨漢が叩いた。彼はエドワード・ティーチ、女権国家で数少ない男性だけの除霊と貿易を兼用する船団の団長である。

「そうですぞ、横島殿。 大鳳キュンを汚そうとするような悪い欲望は海の塩でペッしなければなりませんぞ。拙者及ばずながらお手伝いいたしますぞ」

 いかつい顔に合わないオタク口調の声に僅かに安心を覚えながら彼は言葉を返した。

「ティーチさん、何度かこの雛流しの清め役買って出ているんですよね。今年はどんな感じですか」

「大変ではありそうですが、予定外の苦戦はあっても、予想外の苦戦はないでしょうな。それより珍しくこの船に来てくれた大鳳キュンを愛でる作業に戻りたいのですぞ」


 ティーチはキモイオタク口調で話している時ですら、声に彼の指示を聞くべきと思わせる指導者らしい響きがある。 本当に船員たちに底力を引き出す時には彼は昔の悪党らしい威圧感に満ちた口調になるのだ。
そのためかオタク口調で話しているのを聞くと船員たちは緊張しつつ安心できる。何度か、彼の航海に付き合っただけの自分もそう思うあたり船長としての彼の力は本当に凄いと感じる。




 二人の雑談が終わるか否かのさなかに船室から大鳳が駆けだしてきた。

「忠夫、ティーチさんここにいたんだね! もうすぐ開戦なんだね。頑張るぞ!」

 目をキラキラさせる大鳳を見て、横島はやはり海軍総大将の息子だから船が好きなのかもしれないと思った。 ティーチは大鳳を見るとオタクらしいだらしない笑みを浮かべていった。

「やはり大鳳キュンの様な男の娘は眼福の極みですな! でもできれば拙者の方を先に呼んでほしかったですぞ。 それと呼び方も呼び捨てか、もしくはティーチお兄ちゃんでお願いします! もしくはさげすむような眼で見ながら気持ち悪いホモ屑で!」

 もしくはからの下りの言葉は横島が大鳳に向かって、『消』『音』の文珠を投げたので大鳳に届かなかった。 そして彼は即座に黒髭に拳を繰り出した。

「アホ船長、何大鳳にへんな知識植え付けようとしてんじゃ!」

「友愛でも良いから純愛が拙者はほしいのでござる。横島殿は純愛人外ガールズだけじゃなくて、男の娘な大鳳キュンにまで好かれるとか贅沢すぎですぞ」

 最初は心配していた大鳳も、二人の殴り合いをいつものことだと思うようになっており、呆れたような様子で他の場所に歩いて行った。それを認識しつつ横島は思う。
多分だがティーチは横島が毎回の様に船員として船に乗っていたら大鳳にああいう冗談は飛ばさなかったのではないか。今回はあくまでも船員ではなく、
悪霊払いの外部協力者として乗り周囲にもそういっていたから、こういう行動に出られると見越していた気がする。





 ウォームアップに近い感覚になるような殴り合いを終えた後、彼は少し息をついた。

「ティーチ、そろそろ仕事の時間なのか?」

「霊感はない拙者ですが、海の気の読み方は横島殿より上ですぞ。まもなくですな。今回は船に同行してもらったアリス殿とエヴァ殿にも頑張ってもらわないと」

「ああそうだな」

 横島は凄く憂鬱な気分になった。エヴァとアリスの二人は女権国家だと良識派の女性に分類されるが、自分が二人にとって格好良い感じられるところを見せると昂ってくる。だからあまり呼びたくないと思っていたところもある。
だが、黒髭ことティーチのこの船は多くの悪霊退治などを成し遂げたために強力な悪霊などを討った刀が威力を増す様に強力な破邪の船になった。
その船の船長からの今後の約束の確約や追加報酬が美味しすぎて二人の動向要請を断ることができなかった。

 思考に沈む彼に不意にティーチが声をかけてきた。いつも通りのオタクの口調だが、重要な事だということは彼の声の質が告げている。

「横島殿、貴方からもらった幾つかの文珠、あれ今回は拙者使えません」

「どうしてだ!」

「それなり以上に大事な用事がありましてな」

 既に使ったのか、それとも使う予定なのかわからない様子で彼は言ってきた。誰にも悟らせてはならない事なのだろう。敵に文珠を持っているかもと思わせるためか、それとも持っていないかもしれないと油断させるためかそれは判断がつかない。
 横島にこれを伝えてきたこと自体、相当に苦渋の決断なのが見て取れる。本来なら誰にも漏らしたくなかったのだと思った。 だからこそ横島も言葉少なに短く答える。

「分かった。船長としてのお前は信じている。重要な事なんだろう」

 その言葉にティーチは苦渋の賭けに出た時の様子で郷愁に似た哀愁をにじませながら言葉を返してきた。

「ああ。どんなものよりも大切なものだ。できれば絶対賭けたくないものまでも賭けなきゃいけない、くらいのな」

 横島はティーチのあまりにも真剣な様子に僅かに驚いたが、直ぐに禍々しい気を感じて意識が切り替わる。無数の雛人形から黒い瘴気が立ち上り始めた。黒髭はそれを見るとさっきの郷愁を感じさせない軽い口調で船員たちに指示を出し始める。

「はい、皆さん討滅の時間です! 悪霊祓いの銃と梓弓構え! 最初は怪異も様子見ですから、魔除けの音だけで迎え撃つように。実弾や矢を撃つのは中盤ですぞ」

 黒い瘴気が固まってできた女性の戦士の群れティーチが駆け入り大きな体格に物を言わせて刃付きの篭手を影の一体に突き立てた。一撃で霧散したその瘴気を以外の妖怪が彼に迫るとティーチは篭手の刃の部分ではなく拳で殴り倒す。決して遅くはない、
女性達の影の攻撃をティーチは掻い潜り体格に任せた怪力でなぎ倒し、その迫力に敵も味方も飲まれた瞬間に威圧感のある声に切り替えて彼は言葉を発した。

584 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:34:05 ID:A4iGS+R7

「新人ども、みりゃわかると思うがこいつらは個々の戦闘力は高いが軍団としては弱い。なぜなら女権国家の女性達の負の欲望と支配欲が固まっているからな。
こっちがちゃんとまとまって対処すりゃ的とかわらん。乱戦慣れしている連中は俺に続け」

 ティーチは部下に緊張感を与えるべき時と、発言を印象付けたいときは、威圧感のある悪党の口調に戻る。今回もその効果があったらしく、新人の船員たちは今の指示をあっさりと覚えた。
切りあいが始まるとティーチが一斉掃射の指示を飛ばした。それを聞き梓弓の弦を鳴らす音と魔除けの処置を施された空砲の音が鳴り響く。

「良いか悪霊との戦いでは銀の弾や魔除けの弾丸や弓矢は威力は高い。だが人間にもあたる恐れがある。対して音だけの武器は味方に当たることはない。そういうメリットも覚えておけ」

 新人たちが懸命に連射し、ベテランの男たちが切りあいを演じる中で、横島は霊波刀を構え文珠を片方の腕に握りしめて戦況を見た。予定通りにいけば、破邪の武器で武装を固めた例の力者ではないティーチの船団で事足りるだろう。
 横島や大鳳の役目は予定外の事態が起きた時に被害を出さないことだ。 全力で警戒をしながら『調』の文珠で敵の伏兵などがないことを確認した。新人が主だがベテランが十数人指揮官として混じる援護射撃を繰り返す後衛と、
ベテランと接近戦が得意な新人で構成された前衛どちらも良く動いていると思いながらもどちらに非常事態が起きても直ぐに動けるように立っていた。



しばらくの切りあいが続いたあと、横島は文珠を構えると『浄』の字を掲げて投げた。
そしてそれに瘴気でできた軍団がひるむと即座に『広』の文珠を投げて効果をより強くいきわたらせ始める。 敵全体がひるんだのを見てティーチが笑いながら叫んだ。

「ここまでくればあとはもう詰みですな。全員一斉掃射。今回は切り札だけじゃなくて、普通の破邪の祝福済みな弾丸や矢すら出番なしで終わりですかな」

 ティーチのその発言が終わった直後に何人かの船員が弾き飛ばされて壁に刺さった。
 その船員たちが平船員とは言え、精鋭と言える面子だったのを見てティーチの雰囲気が僅かに変わる。

「拙者ったらフラグ立てちゃった?」

 ティーチふざけた口調でありながら隙の無い様子で船員を吹き飛ばした黒い人影を見た。 その人影は他の倒された人影の瘴気を吸収し、どんどん強くなっていく。さらには自らも率先して他の瘴気でできた人影を倒し吸収している。

「こりゃあかんですな。 大鳳キュンは拙者の合図があるまで船の奥に隠れていてくだされ。 平の船員共は全員下がれ。これには祝福済みの矢や銃もあまり効かない。むしろ同士討ちの恐れが強い。
強化される前に倒すとか考えるな。むしろ瘴気を吸収しようとしている内に避難しろ。横島殿や大鳳キュンクラスでないと無駄死にだ。アリスちゃんと、エヴァ様は切り札の用意をお願いしますぞ」

 ティーチの言葉が終わると同時に横島が霊波刀を出現させて横に並んだ。

「ティーチ、霊能関係には除霊船もやる船長としての最低限くらいの知識しかないって言っていたけど、なんか思いつくか?」

「ムーリ。拙者こんな規格外の瘴気人間相手したことありません。今年は本当についてませんな。この仕事は毎年苦戦はあってもピンチはなかったのですがな」

 隙のない佇まいをしながら日本刀めいた武器を構える黒い人影相手に、横島が緊張感を削ぐ言葉を紡いだ。

「というか、この瘴気人間どう見ても翼さんやないか!」

「本当にシャレにならない欲望パゥワーですな」


 そういって軽口をたたきつつもティーチと横島に一切の油断はない。目の前の存在は本当に恐るべき存在だと判断している。

あまりにも恐ろしい瘴気を恐れながらティーチが毒づく。

「翼どのはなんで今年に限って雛流しに参加したりしたんでしょうな? それとも毎年出ていたけど、今年は大鳳キュンがいたせいでこんな欲望が生まれてしまったとか言うオチですかな」

その黒髭の愚痴を聞いて横島の頭に心覚えが思い出された。

「そういえば、翼さんは大鳳以外を狙っている警邏隊員に凄い説教したらしい。その隊員たちは普段は凄く良い隊員なのに、狙っている男が絡むと凄くダメになるとか。 その説教を見てティアナさんが珍しく怒るんじゃなくて言い辛そうに言ったそうだ。
『翼、その娘達も確かにひどいけど、大鳳くんを前にした貴方よりは少し、いいえ大分ましなのよ』って、それを聞いた翼さんは、その警邏隊員達の醜態を思い出しながら震える声で『わ、私は、か、彼女たちよりひどいのか』って返したそうだ」

「なぞは全て解けましたな」


ティーチが銃を構えた瞬間、翼の姿をした瘴気でできた人影が一気に彼に切り込んできた。
 鋭く速い一撃を黒髭が鉄の篭手で覆われた拳を繰り出して受けた。受けるというより、斬撃を殴ったと思えるような鈍器めいた一撃を放った後、ティーチが驚きの籠った声を上げた。

「こりゃシャレにならねぇな。横島わりい、十秒は援護すんの無理だ。腕がしびれちまった」

 翼の影の一撃はティーチが早く拳を繰り出したために振りぬけたとは言えなかった。にもかかわらず力負けしていないだけではなく、逆にティーチの腕をしびれさせるとは。 横島は直ぐに霊波刀を構えると全身を文珠で『強』『化』して切りかかった。 ティーチがやられたら時間稼ぎはもう不可能だ。



 霊波刀を構えエヴァやヴィヴィオの配下達にもまれた剣士との戦い方を思い返しながらティーチを襲おうとする翼の人影に彼が剣を突き立てた。牽制ではなく全力の一撃でなければ時間稼ぎにすらならない。
翼の影に霊波刀を受け止められると彼は即座に離れた。接近戦の時間を長引かせれば直ぐにやられる。
まだ片腕を使えるティーチへの警戒を影が捨てられないうちにティーチが止めを刺されそうになったら直ぐに邪魔をできる程度の位置に下がり様子をうかがう。
 翼の影は即座に横島を倒しにかかってきた。ティーチよりも横島の方が何をしてくるかわからないと踏んだのだろう。
刀の威力を殺せる距離だったにも関わらず軽く手がしびれるような一撃を受けて彼は下がった。 下がりすぎれば、ティーチと挟んでいる有利が消えてしまうが、それでもその優位が消えるギリギリの位置まで下がらなければやられていただろう。

 僅かに空気が変わった後、翼の影が奥義らしき一撃を放ってきた。文珠の強化と危機回避能力の全てを集中してその一撃を受けきったが、詰んだと彼は思った。

 そう思った直後にピストルの音が響き、翼の影が僅かに揺らいだ。ティーチは笑いながら銃を構えていった。

「敵を欺くには味方から、本当は五秒程度で銃を撃てそうだったのですぞ。 超高級品の悪霊浄化弾のお味はいかがですかな」

 軽い口調で言いつつ、ティーチの表情は硬い。この弾で倒せないということはこの影は相当に強いのだろう。 横島は即座に決断を下すと一瞬で翼の影に襲い掛かった。
銃のダメージが消えたらいよいよ勝ち目はなくなる。それならばダメージの回復を遅らせる攻めの形で時間を稼ぐしかない。ティーチも同意見だったのか即座に横島と息の合った連携を見せ始めた。

585 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:36:53 ID:A4iGS+R7
 速さが勝る横島が僅かに動きを鈍らせた後、ティーチが剣や拳で攻撃を仕掛ける。翼の影も攻撃が有効だとはならなくても、かわせず剣で受けることが殆どなっている。
だが僅かに間違えれば、剣以外の拳や蹴りが彼らを襲った。きちんと上手く受けてなお、体の芯に響き彼らを削るそれはまともに受けたらどうなるか考えたくもない。
だが防ぐより攻めた方が今は時間が稼げる。守りに入りたいという本能を理性で怒鳴りつけると彼は霊波刀を構え、ティーチと鍔迫り合いを演じる翼の影をうかがった。

 激闘の中で横島は息を切らせ早くティーチが大鳳を読んでほしいと思った。この翼の影は多くの大鳳狙いの女子の欲望を吸収しているから、大鳳が来れば一度だけなら隙だらけになるだろう。
であるにも関わらずティーチが大鳳を呼ばないのは先ほど彼女を弱らせた以上の破邪の弾丸は持っていないのだろう。 横島の眼から見てもあの弾は凄く高価な霊具であることがうかがえた。
 あれを受けてこの程度しか弱らないということはこの瘴気の塊は本当に規格外だ。

 瘴気の塊の傷が癒え再び速度が速くなり始めた時、ティーチが叫んだ。

「大鳳きゅん、来てくだされ」

「はい。ティーチさん」

 黒髭の声にこたえて大鳳が来た瞬間、大鳳を見た翼の形をした影は一瞬膠着し、次の瞬間凄まじい速度で大鳳に迫った。その間にエヴァとアリスが立ち塞がり、翼の人形らしきものを出した。

「忠夫、『繋』がるの文珠を投げて」

「おう」

 横島がそれを投げると人形と瘴気が呪術的な意味でつながった。途端にその影の動きが一気に弱まった。それを見て黒髭が言う。

「今だ。俺の銃を文珠で『強』『化』しろ」

「ああ」

 破邪の銃弾が文珠で強化されるとティーチは構えていった。

「赤字ギリギリの銃弾連射だ。たっぷりと味わえ」

 ティーチの高級品の悪霊祓いの銃弾が五発くらい当たるとその影は不意に弱まり、やがてアリスとエヴァの用意した人形の中に吸い込まれていった。





戦いが終わった後、流し雛が行われた山で宴会が行われる中、横島はティーチに質問をした。

「なあ、ティーチ結局どうやってあの翼さんの影が主となっていた存在を弱らせたんだ」

「アリス殿やエヴァ殿の方が分かりやすく教えられると思いますが、アリス殿が最初に横島殿と会った時のテレポート見たいので翼殿の所に行って髪の毛もらってきていたのですよ」

「そうなのか」

「警邏隊副隊長なめちゃいけませんよ。彼女普段大鳳キュンを襲う時にあっさりティアナさんにつかまっているのは良くないことしていると思っているせいで、己の良識と良心からかなり強力なデバフがかかっております」

「それで翼さんの人形と繋げたのか」

 ティーチへの問いだったが答えたのはいつの間にか近くに来ていたアリスだった。

「正確には人形を通じて翼さん本人の意識と繋げた感じね。あの瘴気の塊があそこまで強かったのは、ストッパーなしの欲望のみの状態だったからなの。だから普段から制御できている意識と繋げたら直ぐに抑えられたわ」

 そこまで聞いて横島は風鳴翼という人は女権国家でもかなりの良識派であり、もしかすると大鳳と結婚出来たら理想的な嫁さんになるかも、と思った。 そこまで考えるとアリスが彼の耳元に唇をつけていった。

「今回の除霊の依頼で材料も手に入ったからあとで、雛祭りのイベントに移りましょう」

 そういい終えた後、いつの間にか来ていた愛歌がアリスと彼を挟む様に侍り酒を注ぎ始めた。

 宴を終えて様々な料理を食らいつくした彼は愛歌に注いでもらったお酒が心地よい脱力感を与えてくれていることに気づいた。薬酒であり霊酒でもあるのだろう。
ふらつきながら彼はアリスと愛歌に支えられながら天然の温泉の出る山小屋に誘われそこで二人に体中のツボを押されながら、温泉につけられた。
薬酒の効果が温泉の脱力感で強まり動くことすらできない。 二人の自分を洗う腕が余計に脱力を招きもはや立つことすらできなくなってきた。

「忠夫、そろそろメインイベントに移りましょう」

 アリスの綺麗な笑みに怖いものを感じながらも、彼は従った。もはや逃げることはできないし、彼女たちの与えてくる快楽に慣れてしまった今逃げる気力もいまいち湧いてこない。


 横島が運び込まれた部屋は、船に乗った雛人形とお内裏の群れが多数にある部屋だった。そしてそれらは全て自分と彼女達を模したものだなとなんとなくわかった。

 不意に彼は自分を襲う女性達の中でも珍しい面子の女性がいることに気づいた。

「ルイズさん、ヴィーラさん」

 紅のイメージが似合うヴィヴィオの近衛騎士の一人である彼女は、ヴィヴィオ護る為に共闘してからは偶にだがヴィヴィオと共に自分を嫐ってきていた。だがヴィヴィオの信任が厚いからこそ顔を合わせる頻度はそれほど多くない。

 もう一人は白と青紫の衣装に身を包んだ包容力のありそうな笑みを浮かべたアリスの姉だ。綺麗な金色の髪を靡かせながら彼女は言った。

「忠夫くん、久し振り」

 彼女は横島を気に入り妹であるアリスと共に嫐ってきたが旅行などに出かけていることが多く、偶にしか顔を合わせる機会がない。

「ひょっとして、アリスの補助ですか」

「いえ、違うわ。今回はティーチの手伝いと皇族の依頼両方を果たすという蝙蝠をして懐を膨らませに来たのよ」

前聞いた話では、ルイズはある皇族と仲が良く彼女が旅行先で仕入れた魔術的な価値も高い骨董品などを扱っている店にその皇族が来ることも多いらしい。だからこそ多少は皇族や貴族にも顔が効くそうだ。彼女の言葉を疑問に思う彼に彼女は言葉を続ける。

「ティーチは今日、親王国派として、謀略に長けた皇族を罠にかけようとしているの。それでその皇族はあまりにも自信満々な手紙につられて私にティーチの盗聴を頼んできたの。
そしてティーチはわざと盗聴されることでその皇族を罠にはめるつもりみたい。詳しくない様は知らないけど、ティーチはかなり自信満々だったわ。『今回しか謀略であの女に一泡吹かせる機会はねぇ。
自分自身ですら自覚できてない弱点をいきなり殴られたら、さすがに上手く対応できないだろう』って言ってたわ」


 ルイズの言葉が終わると、アリスが純粋に楽しそうな笑みを浮かべて言う。

「実を言うと私達もティーチにお願いされていたの。忠夫を最低でも三日くらいは動けない状態にしてほしいって。そして特定の時間に深刻ではないレベルの霊的災害を多発させてって。 今回は遠隔操作で霊災害起こす以外、私達の出番はないだろうから、たっぷり楽しみましょう」

 少しだけ怯えつつティーチの意図を彼は読み始めた。自分を三日くらい使い物にならなくしてほしいということは、どれくらい効果があるかわからない三日程動けなくなる自分の能力を上げる儀式の時間を作ってくれると言う事かもしれない。
もしくは自分が動けなくなることで戦力を下げて敵をおびき寄せるつもりなのかも。あるいはその両方か。少しだけアリスの楽しそうな様子に怯えながら彼は答えた。

「きょ、今日は何する気なんや」

「忠夫、前にティーチさんの紹介してくれたゲーム世界に転生したいって夢を抱いたことがあったでしょう」

 アリスのこれから閨を楽しもうとする声に彼の背筋がゾクゾクとしてきた。これは恐怖と期待両方があるのだろう。

「人間の感性では今生尽くしきったら来世では無関係、それが基本的な考え方でしょう。そしてあなたは今生にかけては私達に尽くしてくれることに決めてくれた」

 ここまで嬉しそうに言いながら彼女は柔らかい体を密着させながら言う。

「あ、ああ。だがアリスちゃんたちからしたら来世でも他の女性の所に行くのがいやだったから、俺の魂までアリスちゃんたちの魅力に参る様にしようとしたんやろ。もう来世でもそうするつもりや」

586 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:38:50 ID:A4iGS+R7

 そういい終わると、アリスが彼の唇を塞ぎ、舌を絡めてきた。アリスとの口づけは快楽で達すれば達するほど、自分の中の糸が切れていき、アリスの糸が彼の体を構成するようになっていく様な感覚がある。

 脳内で射精が起こらないのがおかしいほどに電撃が走り、そして射精した時と同じような爆発が何度も起こったがそれでも、彼の分身は射精をしていなかった。
アリスの指から出ている霊力でできた光の糸が彼の分身に入りそれを抑えているためだ。苦しすぎる寸止めに涙が流れてくるのを見越したようにアリスが、
彼の服を脱がせる。彼女は心底嬉しそうに笑いながら立てなくなった彼に跨り一瞬で彼の分身を飲み込んだ。

「〜〜!」

 言葉にすらできない悲鳴を聞き背筋をゾクゾクとさせている様子のアリスは少しだけ名残惜しそうに彼の分身の中の糸を外した。

 射精と同時に全ての思考が抜けきった彼を嬉しそうに抱きしめながら彼女は言う。

 耳元に唇を近づけその吐息だけでつながった分身が彼女の内部で悲鳴を上げる。

「ええ、その通りよ。前話した通り、忠夫は能力が便利すぎるから女権国家以外の世界にも呼ばれる可能性があるの。 そして忠夫は積んだ善行の結果、
異世界に私達を連れて行けるだけじゃなくて、ある程度は転生先の世界も選べるようになるかもしれないって、神綺様が言ってたわ」

「あ、ああ」

 動けずにいる彼を見下ろしどこまでも優しい感じがする膣で彼の分身を嫐りながらアリスが言葉をつづけた。彼がもう一度射精したら交代するような約束をしているのだろう。

「それで私達としては貴方をベッド中だけではいじめたいの。私たちが転生してほしいと思う世界を疑似体験してもらって、もしも転生先を選べるようになったらどっちを選ぶか決めてほしいの」

 そういうと上海人形たちが雛人形たちを小さな船に乗せて、山の中に通じる川に流そうとしていた。その雛人形たちが流れ着きそうな先には異界に通じる穴のような光が見える。

「今回は誰の好みの世界に転生するか決めてもらうための体験だからたっぷりと楽しんでね」

 そういうと二回目の射精をした彼からアリスは笑みを浮かべて離れた。

 いつの間にか来ていた今生で縁を結んだ女性達が部屋に入ってくると、彼は期待と恐怖を覚えた。既に大人の姿になっているヴィヴィオが笑いながら言った。

「まずは私と愛歌の希望の世界からですね」

 ヴィヴィオが彼に覆いかぶさり分身を飲み込むと、彼は瞬殺されてしまい零れなければおかしいほどの射精をした。そんな彼を見て笑いながら彼女は何度も彼を嫐りぬく。
暴君が完全に支配しようとする儀式に似た性行為は彼の魂すら完全に締め上げている感覚がしてくる。

 落ちかける彼を強く抱きしめ、彼の胸板で豊満な胸を潰しながらヴィヴィオが言う。

「私の希望の来世の世界を選ばれたらかわいがる楽しみが生まれますし、別の所を選んだら、貴方の一番を奪うために分からせる楽しみが生まれます。ですから気軽に選んでください」


「ちょっと待って、ヴィヴィオが選んだ世界ってまえみたいに男性優位が当たり前のエロゲーの世界なのか?」

「それは始まってのお楽しみです♪」

 その言葉と共に彼の意識は一気に暗転を始める。彼が意識がある状態で見た最後のモノはヴィヴィオと似た雰囲気の雛人形と愛歌と似た雛人形に挟まれた自分を連想させる内裏様を乗せた船が流れ光の中に入っていく光景だった。 
王としての征服欲に満ちた笑みを浮かべるヴィヴィオと、大好きな遊びを始める直前の子供の様な笑みを浮かべる愛歌を見ていると恐怖と期待が膨らんでいくのが分かった。





 唐突に意識が覚醒した彼は自分がティーチに紹介されてプレイして自分が来世の転生先に候補に選んだ男性優位のエロゲー(黄昏の丘の向こう側からくる闇に軍勢)の世界にいることに気づく。
 永遠の夜と言われる世界から無数の闇と混沌の軍勢が攻めてくる世界で、常に夕方の様な地域を防衛して戦うゲームだ。闇の軍勢の中にも道義を重んじたり、義侠心を持っていたり、最初は持っていなくても、
義侠心に目覚めたりして人間側に着くものも稀にいたりもする。実は男性陣が女性を奴隷にできたり性魔術を使える理由は、義侠心から人間側に着いた元闇の軍勢の血を引いているからという設定がある。
このゲームの一番の特徴は女権国家の男たちの満たされることのない女性を屈服させる性描写などが多いことだ。
噂によればライターは他国の男性優位エロゲーでも評判の多いものを鬼畜から純愛までやり込んで書いたらしい。性魔術だけを極めて、戦わぬ雄ライオンとなって世界を取るルートまであるという。


過去のことを忘れ意識を現在に戻す。今の自分は来世の自分と意識は共有しているが、主導権は完全に来世の自分にありただ自分は感覚を共有しているだけだと理解する。 大きな天上の宮殿を思わせる城で彼はヴィヴィオに跪いていた。

「ヴィヴィオ聖王陛下、これまでの助力誠に感謝致します。貴方様のおかげで多くの悲劇を防ぐことができました。そしてあなた様が最初に送り込んでくれた援軍である、ヴィーラとユウキの援護は本当にありがたかったです」

 横島の質問にヴィヴィオは笑って答えた。


「いえ、前世で私に尽くしてくれたことを思えばこれくらいは恩返しができたとは思えません。 それに愛歌殿も貴方に幼き頃から修行を着けてくれたりして尽くしていたじゃないですか」

「はい。聖王様のおっしゃる通りです」

「ですから私だけに恩を感じることはありませんよ」

 恭しくヴィヴィオに頭を下げながら、ヴィヴィオに対する対応に神経が磨り減っている感覚がある。

 ヴィーラはヴィヴィオの近衛騎士であり、この世界が完全男性優位社会だと知った上で来てくれてこの世界ではベッドの中でも負けることもあり得ると分かった上で付き合った。
ユウキも女権国家に染まったとはいっても、最初は男性優位の王国の出身だったらしく、男性優位の性行為に忌避感はなかったらしい。
さすがに女王それも女性優位の性行為が当たり前の女神でもある女性にこの世界で一般的な性行為をするのは不敬だし、悪いと思う。
 彼女は明らかに自分に好意を持ってくれているがそれに応じて良いのかわからない苦手な相手なのはそのためだ。


 来世の自分がそう考えている中で前世の意識である横島は来世の自分の楽観的すぎる考えに呆れながら早く逃げろと叫んでいた。
届かないと分かった上でも言わずにはいられないほどに今の自分はストレリチアや女権国家の女性達には最高の餌だ。ヴィヴィオは来世の横島の顔を両手でつかみながら言った。

「今生でも私や前世の妻達全員を娶ってはいただけませんか?」


 ヴィヴィオの王族らしい気品あふれる色香とその豊満な肢体にくらくらとしながら彼は、どうにか首を振った。

「だ、ダメです。俺たちの世界の性魔術などは前世の世界より強いから、貴方達の世界だととんでもなく恥辱溢れる性行為をさせることになってしまいます。ユウキやヴィーラはともかく、
愛歌様ですらまだ男性優位の性行為をされる覚悟ができていないって拒んでいるのに、現在も続いている王朝の神の様な側面もある女性にそんなことはできません」

 その言葉にヴィヴィオは深い笑みを浮かべて答えた。

「心配はいりませんよ。私達は色欲も強いですから。殿方をイジメたい感情も同じくらいありますけど、満たしてくれるならそれもありです」

 そういいながらヴィヴィオは横島を抱き込み豊満な体を押し付けながら言う。

587 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:40:38 ID:A4iGS+R7

「貴方の内心には、自分が閨で負けてこの世界の男子にあるまじき醜態を晒すかも、って恐怖もあるんでしょう?」

 ヴィヴィオの言葉の中には僅かにある横島の内心の恐怖を言い当てていた。
その恐れがあってなお抱きしめたくなる、柔らかさが彼の心を蝕む。耳元に口をつけて彼女はさらに言う。

「大丈夫ですよ。ヴィーラとユウキを貴方は奴隷のごとく仕立てたじゃないですか。きっと私にも勝てますよ」

 そこまで聞いた瞬間彼の理性は切れた。 一瞬でヴィヴィオをお姫様抱っこして彼は言う。

「婚姻の件この場で了承いたします。寝室に参りましょう。陛下」


 前世の横島は来世の自分に馬鹿野郎と言いつつ、僅かに期待してしまう自分が末期だと思っていた。

 ヴィヴィオを寝台に横たえると今生の彼はこの世界の男に相応しい閨の中での獰猛な笑みを浮かべて彼女の服を脱がせた。そして乳房を揉みしだきながら笑う。

「陛下寝室では、身分などは関係なく、一人の男と女ということでよろしいのですね」

「ええ。この世界ではそうらしいですね。貴方が私に閨で勝てたら今後の夫婦生活もそうでよろしいかと」

 意味深なヴィヴィオの言葉を聞きながら、も来世の自分は迷わずに彼女を押し倒し、自らも服を脱ぎ始める。 ヴィヴィオは少しだけ横島に抵抗しながら悩んでいる様な様子で独り言を口にした。

「どうしましょうか……どっちでも良いんですけど。どちらがより楽しいかな?」

 言い終わるより先にこの世界で過ごした記憶しか持たない来世の横島は女権国家で過ごした記憶があれば絶対に口にしない言葉を口にした。

「愛歌様、いや、愛歌ちゃんも今夜俺のモノになってくれると言ってくれていたし。もはやあなた、じゃない、お前達は今夜から俺に飼われるただの雌犬じゃ。おらー!」

 そういって一気に襲い掛かろうとするとヴィヴィオは楽しそうに笑い言った。

「少しもったいない気もしますけど、こっちにしましょうか」

 正常位で上から、覆い被さろうとする横島を彼女は拒まず足をゆっくりと広げ迎え入れる準備をしたあと、彼の分身が彼女の秘部に僅かに入った瞬間、不意に彼女が彼の腰を叩いた。
片腕で叩かれただけなのに一気に腰が内部まで入ったことに彼女の力の凄まじさが分かり次の瞬間、分身の先端から電撃が一気に走り、
そのまま無理やり奥に達した時には腰全体が爆発した。その余波で脳髄が砕けた。一晩で使い切る予定の精液が今の一回で全て搾り尽くされたと彼には分かる。ヴィヴィオは笑いながら言う。

「忠夫さん。どうしました、雌犬の調教もう終わりですか?」

「あ、ああ」

 今の一回の射精で完全に彼の闘争欲が一気に砕け散り。もう眼のまえの女性には閨の中でもベッドの中でも勝てないと悟ってしまった。
腰を叩かれた時の手の動きが目の前で楽しそうな笑みを浮かべる女性が膂力だけではなく、どれだけ武芸や魔術に精通しているかを示している。

「ヴィ、ヴィヴィオ様。ワイの負けです」

「早漏なだけじゃなくて体力が尽きるのも早いんですね。 閨の中で完敗したってことは私に負けた、征服されたってことですね」

 ヴィヴィオが笑みを浮かべて彼の体を触ると萎えていたはずの分身が再び活力を取り戻した。

「は、はい」

 この世界で領主まで上り詰めた男ではありえない寝室での女性に対する土下座をしながら彼は負けを認めた。

「それじゃあ、ストレリチアの法で裁いて構いませんね」

 ヴィヴィオは土下座する彼を心底楽しそうな見下ろしながら笑みを浮かべて指を鳴らした。その音と共にユウキとヴィーラと愛歌が寝室に入ってくる。

「ヴィーラ。忠夫さんのあの発言は明らかに不敬罪ですよね」

「はい。聖王陛下を雌犬呼ばわりなど、この世界で彼と共に過ごしていた身としては無理からぬことだと思いますが、さすがに擁護できないかと」

「それじゃあ、貴方達も忠夫さんを懲らしめるのに協力してくださいね」

 ヴィヴィオの声に女権国家に染まり切ったユウキの喜色満面な声が答えた。

「はーい♪ 忠夫を聖王様のお婿さんに相応しくなるようにたっぷりと矯正します。この世界では剣の師匠だった僕に任せて」

 そういって笑いながら近づいてくるユウキとヴィーラを見ながら、彼の中に反骨精神が出てきた。この世界に来て二人に勝ってから彼は毎晩の様に男性優位の性行為でこの二人を喘がせてきた。 
ヴィヴィオには負けてもこの二人に負ける気はない。

 そう思い彼が立とうとしたところにヴィヴィオが薬酒を差し出してきた。

「さすがに動けない体では二人の相手は難しいでしょう。 大丈夫、ただ精力を回復させて溢れる様にするだけの薬種です。感度が上がったりしませんよ」

 ヴィヴィオに与えられた薬種を飲み体力が回復した瞬間に彼は、ヴィーラとユウキにこの世界の住人らしい獣めいた性欲をもって襲い掛かった。そしてヴィーラを押し倒しかけた時、彼女は言った。

「忠夫様、実は謝らなきゃいけないことがあります」

「なんだ。それなら今からお仕置きしてやるからまとめて吐き出せ」

 そういいながらヴィーラの内部に自分の分身を突き立てると、突然に今までとは比べ物にならない快感が襲い掛かり彼は直ぐに果ててしまった。

「ごめんなさい。 実は今まで閨で負けていたのは全部演技だったんです。 私が愛する聖王陛下が、どうしても調子に乗った忠夫様をへし折る遊びしてみたいと仰るので」

 誠意のない謝罪をしながら彼女は心底楽しそうな笑顔で射精後の快感で立てなくなった彼に騎乗して腰を振り始めた。

「あー!」

 声にならない悲鳴を上げる彼を見下ろしながら彼女は言う。

「閨で私にすら勝てないものが聖王陛下に勝てるわけがないでしょう。でも大変でした。貴方が、好意に値する行動をとったり、
ベッドの中で調子に乗るたびに虐めたい欲望が沸き立ってきて、聖王様への愛がなければ我慢するのはとても無理でした」

 今までの閨の中で服従させてきた記憶がすべて嘘だったと知って彼の心は散々に砕け散った。 そしてヴィーラは演技だと分かる怒った様子で理不尽なことを口にした。

「一度達したら交代する予定なのに貴方があまりに夜が弱くて行けないじゃないですが。聖王陛下が待ちくたびれてますよ。 謝りなさい!」

 理不尽な言葉を口にしながら腰を振る彼女に心折られた彼は謝罪の言葉を口にした。

「よ、夜が弱すぎてごめんなさい」


謝罪の言葉に合わせたようにヴィーラがより強く締め付けて体を豊満な体を密着させてきた。
ヴィヴィオとユウキが彼の手を取り自分たちの乳房を無理やり揉ませとどめの様な快感が訪れてきたときに、謝罪の言葉と敗北感が一気に脳に焼き付いた感じがした。

 射精して体力は余っているのに分身に与えられた快楽だけで動けない彼を見下ろすヴィーラを不意にヴィヴィオが全く怒っていない口調で咎める。

「ヴィーラ、夜が弱いのはダメなことではあっても悪いことではないし、こちらが騙し討ちにしたんですから理不尽すぎるし可哀そうですよ。それに私の命令とは言え、彼をここまで調子に乗らせたのは貴方でしょう。少し矯正が必要ですね」

 そういってヴィヴィオがヴィーラの乳房を揉みしだくと彼の分身を捕らえていた秘所が一気に強く締まりはじめ、そのまま彼の意識を削り取っていく。ヴィヴィオがヴィーラに口づけするとそのまま一気に締め付けがきつくなりヴィーラの絶頂と同時に彼は果てた。

 達したのは同時でも指一本動かせない彼と、余裕の様子を見せるヴィーラではどちらが勝者であるかは一目瞭然だ。

588 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:41:41 ID:A4iGS+R7

 横島が完全に動けなくなったのをヴィーラは見下ろしながら、ヴィヴィオと交代をした。

「あ……、やめ、待って」

 ヴィーラもヴィヴィオも横島が足元にも及ばないと思う程閨の術はすさまじい。だが、横島がネズミならヴィーラは猫で、ヴィヴィオは虎や熊だ。
射精したばかりで敏感になった分身を彼女に飲み込まれると一気に体中が潰されるような錯覚を覚えた。つながって最初の射精で悲鳴を上げるとヴィヴィオは嬉しそうに笑った。

「悲鳴が可愛すぎて私も一度達しちゃいそうです。少し待ってくださいね。同時にイキましょう」

 ヴィヴィオが体の位置を変えて、快感が強すぎて逆にイク事が出来ない状態を作り出し。 対面坐位の形で彼を抱えながら笑う。
腰を振られる度に射精を求める感情が強まり狂いそうになる。 彼女は横島が完全に屈服したのを見計らった瞬間に自らも絶頂し、彼から搾り取った。

 射精後にきつく締められた彼は二度目の射精を迎えたのと、この世界での恥辱の強さに流れた涙をヴィーラ―がなめとった。

「ヴィーラ、忠夫の傲慢さもこれで少しは戒められましたね」

 動くことすらできない横島の分身を踏むヴィヴィオに、ヴィーラが近づき猫の様にすり寄った。ヴィヴィオがヴィーラに対して愛撫を始めると彼女はあっさりと生きながら笑う。

「ごめんなさい忠夫さん。私の被虐的な性欲はヴィヴィオ様に全て取られてしまいました。もう、貴方に対しては嗜虐的な性欲しか向けられそうにありません」

 最後の言葉はヴィヴィオに可愛がられながらも彼の分身に足を延ばしながら口にされた。

「ふざけん、あー!」

 反論の言葉を言いかけた彼の分身の一番敏感な部分を足の一突きで完全に手玉に取りながら、彼女は笑う。
そしてユウキが後ろから彼をその豊かな乳房を押しつぶす様に押し付けながら、後ろから押さえつける。 満面の笑みを浮かべていることが分かる声音で彼女は言う。

「忠夫、僕も負けている演技していたけど、以前『今日からお前は師匠じゃなくて寝所では俺に飼われる雌犬だ』とか言ったよね」

「あれはあくまでも寝所だけだって」

「うん、前世で同じような事言われたら怒ってたと思うけど、僕全然怒ってないんだよ。どうしてだと思う?」

 問いかけながらかの自は横島の分身の根本を握りしめた。射精を封じられただけでなく、握りしめられる快感で余計に射精できない状態が辛くなった。そこに本格的にヴィヴィオが上になり百合を始める。
ヴィーラとヴィヴィオはお互いを愛撫し合いながら四つの足で横島の分身を激しく嫐る。快楽のあまりしゃべるのが辛い。だがそれでも喋れないわけではない。ヴィーラとヴィヴィオは横島のその限界を見極めながら足で嫐っているのが分かる。

 二人に怯えつつも、ちゃんとユウキの問いに答えないと、答えなかった場合より、もっとひどいことになる。そう思いながら彼は答えた。

「そ、それはこの世界の一般価値観がそうであることが分かっていたことと、意図的にワイを調子に乗らせたのが自分だという、自覚があったからでは?」

「それもあるけど、主な理由はそうじゃないんだ〜。 正解は」

 そこまで言うとユウキが彼を引き倒し、言う。

「分からせる楽しみの方が勝ってたから。 うん、もう僕完全に女権国家に染まっちゃってるね♪」

 最後の楽しそうな言葉と共に横島の分身を飲み込んだ彼女は、敢えて大量の射精をさせながら、横島を見下ろす。子供の頃から師匠として英雄を見る目で見てくれた彼女が、演技を見抜けなかった愚かさと、
ベッドの中での不甲斐なさを見下す目で見てくるそれが何より彼の自尊心を砕いた。その砕けた自尊心が流れ込んだように自分の分身が固くなり、彼女に注がれる精液の量が増えていく。 ユウキは体を密着させると胸を彼の胸板で押しつぶし楽しそうに笑う。


「ホラホラ、実はいつでもこうできたけど負けてた振りをずっと続けていた僕に好きなようにされる気分はどう?」

 それに対する彼の答えは強すぎる快感が生んだ言葉にならない拷問を受けている様な声だった。

「うん♪ 実に良いお返事だね♪ 次は今までの寝室での名誉棄損の暴言へのお仕置きだよ」

 引き抜き立てなくなった彼の分身をユウキは豊満な乳房で挟んだ。数回はその乳房で挟み込み分身をしごき射精させたが、それが済んだ後は直前で、寸止めすることを繰り返し始める。

「あー! ユウキ意地悪しないで早くイカせて」

 それを聞いた瞬間、ユウキがいきなり乳房で強く彼の分身を圧迫し、射精させた。そしてその直後に舌で先端を搦め手追い打ちをかけてくる。精液を飲み下した直後に彼女の霊力が一気に上がり、逆に彼の霊力は一気に下がった。 強すぎる快感で脳が壊れかけた彼に彼女は言う。

「忠夫、もう閨の中で負けたんだから、イカせてじゃなくて、イカせてくださいって。敬語で言わなきゃダメでしょ。 分かった」

「は、はい。わ、わかりましたユウキ様」

 肯定の返事を返した瞬間、自分とユウキの関係が決定的に変化した感覚が彼に走った。その感覚が終わる前にユウキは優しく彼の分身を乳房で抜き射精させた。その射精がその変化を決定的に彼の脳裏に焼き付けた感じがする。

「よく言えたね。えらかったよ」

 そういうとユウキは笑いながら彼から離れた。交代するかの様に愛歌が前に立ち、彼女は笑いながら、横島の分身を踏みつける。踏まれているのに優しい快感が走ることが逆に彼の背筋を寒くした。
愛歌は魔術を使い服を消し去ると幼さが残っていながら、吸い込まれるような色香を放つ肢体を彼に見せつけながら、手のひらで彼の分身を撫でつける。 

 快楽で脱力気味な彼の耳元に彼女は唇をつけると楽しそうに言った。

「忠夫、ヴィヴィオへの不敬罪はこれで凄惨完了らしいけど――さっきお前たち、つまり私の事も今夜から雌犬って言ったわよね。つまり、私の方への不敬罪はまだ清算できてないわ♪」

「愛歌様、許してくださ、あー!」

 言い終わるより先に彼の分身を愛歌が飲み込んだ。彼は悲鳴を上げながら叫ぶ。ヴィヴィオやユウキやヴィーラと違い彼女の膣は幽霊であるせいか、彼の魂により深く絡むような感じがする。

 横島の霊力はゼロに等しいのに生命力を吸い取り彼女の霊気が強くなると。振りほどけないという恐怖がより増していく。

「勝手に調子に乗ったならともかく、調子に乗るように仕向けた相手を嫐るのはあんまりよくないと思ってはいても、楽しいって感情の方が強いあたり私も女権国家人なのね」

 花の咲いたような笑みで彼の彼に跨り絞り尽くしながら愛歌は笑みを浮かべた。
魂に絡みつくような膣が彼の分身を子供らしくきつく締めながらもどこか優しく、絞るがどこまでも溺れてしまいそうになる恐ろしさが背筋に走る。愛歌は射精と同時に崩れ落ちた彼を抱えながら笑い口づけをした。

589 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:42:59 ID:A4iGS+R7

「そろそろ、次に移りましょうか。前世で貴方が頑張ってくれたおかげで、私の王朝の時代に主流だった宗教の女神の一柱に格上げしてもらえたの。
王朝が滅んでも、その宗教は滅びず女権国家内では細々と続き、ストレリチアではそれなりにメジャーな宗教になっていたわ」

 そういって愛歌が立ち上がると、彼女の体が光に包まれた。光がやむと白い衣装に身を包んだ金髪の若干くせ毛のショートヘアの美女が現れた。 彼女の身を包む宮殿の巫女を思わせる白くそれでいて女権国家らしい、
露出のやや多い感じがする衣装だ。鮮やかな色の肌がその純白の布とお互いを引き立て合っている。愛歌は年齢と共に大きく育った乳房を彼に見せつけながら挟み込んだ。

「英雄を育て導くものって意味で私は女権国家とストレリチアのワルキューレの大将の一人みたいな立場に成り上がったの。おかげで私の墓が神殿と併用になってしまったわ」

 幼き頃から聞かされた前世の話をしつつ愛歌は彼の分身をゆっくりと乳房で嫐る。屈服させつつどこまでも甘く柔らかく、脱力させる類の嫐り方に彼は脱力してしまい動けない。
いつまでも溺れていたいような胸での愛撫に疲れ切った時に入った温泉の様な脱力を覚えていると、ゆっくりと射精の時が近づいてくる。 完全に四肢の力が抜けきったころにユウキが後ろから彼を抱き上げて愛歌の姿を見せる。
自分の分身を意のままに操る愛歌の姿が余計に彼の欲情を煽る。

最後の崩壊は予想と同じ形で訪れた。どこまでも優しい胸での愛撫で限界を迎えた分身が、射精を起こす。だが予想と同じだったのはここまでだった。
射精がもたらす快感は完全に予想外のものだ。どこまでも優しい乳房による愛撫で引き起こされたにも関わらず強すぎるがゆえに痛みにも似た射精が起こる。
その快楽から逃げようとするとそれを、ユウキに背後から止められた。彼女は片腕とインプの尻尾で彼を拘束しながら、残った最後の手で横島の玉袋を優しく揉みしだく。

「あー! あー!」

 愛歌のインプとなっているためか、彼女の胸と同じような優しい快楽が射精の厳しい快楽をより引き立てる。 揉まれる度に射精の量が増えそれが噴水の様に愛歌を汚す。
目の前が白く染まり股間から雷と火花が散った様になり僅かに痙攣するように悶える彼をユウキと愛歌が楽しそうに見ていた。

 快楽で意味もなく上を向きそうになった所をユウキが頭を押さえ無理やり愛歌の方を見せる。
笑う愛歌に視線を戻されると、白い液体が彼女の体全てを汚し、そして少しずつその精機が彼女の霊体に吸収されていく。自分の霊力が削り取られた感触と共に精液が消えていくほど愛歌の霊力が増す感じが力の差を自覚させていく。


 射精を終えて立てなくなった彼を愛歌は手をかざしてできた霊力だけで、拘束した。愛歌は敢えて少女の姿に戻り動けない彼の分身を足で愛撫し始める。
その足先のもたらしてくる快感は先ほど胸で彼の分身を翻弄しつくした時のそれと同じ類の快感だ。だが胸と違い、強く踏まれなければ自分の分身は達することが困難であると横島の理性は理解している。 
あまりにも巧みすぎる足での愛撫で彼が情けない嬌声を上げると。愛歌は笑いながら彼を見下ろした。


「不敬罪の清算はあと一回私とヴィヴィオを閨で満足させたらおしまいにしてあげるわ」

 その言葉にほっとした。今夜は地獄化もしれないが、これを耐えればすべてが終わる。そう思った彼の目の前でヴィヴィオが不意に愛歌より幼い姿に変身した。
 彼女は天使の様な無邪気な笑みを浮かべながら愛歌に足で嫐られる彼の分身を踏みつける。 愛歌のどこまでも脱力させ出られなくしてくるそれとは対極な圧倒的な快感で屈服させて来る類の快感が分身に向けて走り始める。
 笑みを浮かべながらヴィヴィオは言う。

「不敬罪の清算なんだからそんな楽に終わるわけないでしょ♪ しばらく恥辱的な意味で死にたくなるかもしれないけど頑張れお兄ちゃん」

「ヴィ、ヴィヴィオ。まってただでさえもこの世界では男性優位の性行為が当たり前なのに、よりによってそんな幼い姿で、あー!」

 口調は優しく慕う兄にじゃれる様な言葉でありながら、どこまでも徹底的に支配し蹂躙する感じの彼女の足が容赦なく彼の分身を追い詰め、対照的に嘲笑しながらも優しい愛歌の足が彼の快感を余計に引き立てる。

「ほら、頑張ってください。世界中に英雄として名が知れている男爵閣下? あと20秒耐えたら、幼女二人の足で達した屑の称号だけは免れる様に計らってあげますわ?」

 愛歌が発するどこまでも侮辱を込めた礼儀正しい王族の口調が余計に恥辱心を煽り、我慢させる気のない二人の責めで彼は一瞬で達してしまった。
愛歌に胸で抜かれた時の優しい快楽と相反する電撃の様な射精で脳が壊れかけた瞬間にヴィヴィオの足がさらに追い打ちをかけてくる。

「ほら、私達との上下関係をちゃんと覚えてお兄ちゃん」

 無邪気な声と同時に射精して一番、敏感な所に来た一押しが再び大きな射精を巻き起こす。体を反り返らせて倒れた彼の視界にうっとりとした表情のヴィーラが視界に入った。

「ああ! 成人の姿の陛下もお美しいですが、幼き姿で忠夫殿を嫐って楽しんでおられる姿も尊すぎます! 何年も閨で負けた振りをして、貴方をわからせたいと思う気持ちを抑え続けた努力が報われました」

 そこまで言った後、ヴィーラは特別なご馳走に仕込みをするタイミングを忘れかけていたのを思い出したかのような様子でヴィヴィオに言葉をかけた。

「陛下、私が仕込んでおいたネタ晴らし今やるのが一番かと」

「ずっとお兄ちゃんに張り付いていた貴方が言うならヴィーラが言うならそうなんでしょうね。 それじゃあネタ晴らしゴー」

 ヴィヴィオの無邪気な子供らしい言葉と共に、不意に無数の画面が空中に現れた。そこには彼が今までの生涯で救ってハーレムに加えてきたこの世界の女性達が映っている。ヴィヴィオは笑顔で言った。

「テレビ電話状態で最初から最後まで全部見てたよ彼女達♪ 大丈夫お兄ちゃんを捨てたりしないように、私たちの世界の女性的になるようにしておいたから」

 嘲笑めいた目を浮かべた彼女たちが画面から消えてしばらく経つと、彼女たちが寝室に入ってきた。彼女たちはストレリチアの騎士あるいは、愛歌と同じ衣装に身を包んでいる。白い衣装に身を包んでいる。

「男爵様、これからは私達は聖王ヴィヴィオ様にお仕えするものと、愛歌様にお仕えするものに分かれることになりました。それでは主従逆転の儀式を始めるとしましょう」

 一目見ただけで分かる。彼女たちは、既に自分が絶対勝てないレベルの夜の戦闘力を得ている。 ヴィーラが彼を後ろから押さえつけて笑いながら言った。

「ヴィヴィオ様と、愛歌様がしばらく見学されるみたいだから。お二人の興が乗るように彼を可愛がってあげなさい」


 それからの彼はしばらく快楽と恥辱の地獄が続いた。この世界で男性優位の性行為をし続けた相手から、この世界の住人だからこそわかる類の恥辱責めを受け続けさらには時々ヴィーラにヴィヴィオと愛歌の蔑む視線を時々無理やり見せられる。

全員に犯され終わり、最後に彼を搾りながらヴィーラが言う。

「ヴィヴィオ様が喜んでくれています。お二人の興も乗ったし今宵は私の番はこれで最後です」

 しばらく焦らしてから大量に搾り取るとヴィーラはヴィヴィオと愛歌に彼を渡した。

 愛歌とヴィヴィオが心底楽しそうに笑いながら、言った。

「それじゃあ、この世界では特に恥ずかしいらしい、女性優位の性行為を私と愛歌お姉ちゃんで交代でしようか。幼女の姿と大人形態両方でして上げるから。しっかり思い出の初夜として記憶に刻んでね」

590 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:45:08 ID:A4iGS+R7

 二人に交互に犯され続けヴィヴィオの与えてくる激しい征服してくる様な夜の攻めに完全な屈服をした。その直後にヴィヴィオに大量の精を放った直後に少女の姿の愛歌に入れ替わられる。
彼の分身は射精直後で一層敏感になっているのとヴィヴィオと対極の快楽が余計に愛歌の与えてくる快楽による反応を強めた。 
彼は愛歌の優しい快楽がもたらす射精の恐ろしさを思い出し、震えたが既に何もできないまま。最大の雷が分身に落ちて爆発した感覚が起こりそのまま意識が砕け散った。








 横島が目を空けると、夢と同じ体制で自分と繋がる愛歌がいた。後ろにはヴィヴィオとユウキとヴィーラがいる。自分の霊力が激しく消耗して状態になっており、代わりに彼女たちの霊力は大幅に上がっていた。

 愛歌は優しい笑みを浮かべて横島に言った。

「こういうのはダメだと思っているけどたまには悪くないわね。忠夫あなたはもう二度としてほしくないならやらないけど。どう?」

 言われた直後に、二度とやらないでくれと即答できない自分がいることに気づく。それを見て愛歌は彼の顔を立てる様に抱き着き言った。

「うん、私達が凄くやりたいってわかって譲ってくれているのね。ありがとう私の英雄さん」

「あ、ああ」

 自分の顔を立ててくれているなと思いつつ、愛歌が差し出し来た果実酒を彼は飲んだ。今夜は普段から自分や大鳳を助けてくれている彼女達への礼でもある。
最後まで相手をちゃんと仕切らなければ。果実酒を飲み下すと心地よい眠気と共に、失われた霊力と精力が戻ってくるのが感じられた。
宴会料理に含まれていた良質な栄養と混じり合い、彼の体力を回復させていのが分かる。


 横島が座った状態から立ち上がろうとすると、アリスが笑みを浮かべながらもう一つの雛人形を川に流し始めた。

 今度はアリスとアルとエヴァ、リグル、ルイズそしてユウキを思わせる人形が自分を想起させるお内裏様を囲んでいる。ほかにもいくつか誰なのか分からない雛人形が幾つかあったが、
それ以上に気になることがあった。ユウキの人形がどちらの時にもいるのはなぜだろう。その疑問を察したユウキが声をかけてきた。

「僕はどっちの世界でも別に良い中立派だから。それに両方でみんなの為に協力できるしね」

ユウキの楽しそうな声に嫌な予感を覚えながらも彼の意識は再び落ちていった。








 横島が来世の自分の中にいる意識体として目を覚ました彼は、ここがどこか直ぐに理解した。
ティーチと共にプレイした『悪魔の作り出した大奥破壊。女の奴隷からの下克上、女王様たちを奴隷に落とせ、悪夢の大奥迷宮制覇録』という女性の心が生み出す夢のダンジョンに挑み続けてクリアした女性達を奴隷にできるエロゲーの世界だ。

 このゲームのでは主人公は悪霊払いなどをしていた良識的な家の人間であり、邪悪な悪魔や邪神と契約して、幻想を現実に浸食させて、幻想や神秘の干渉率を上昇させて現実を支配しようとする悪魔に挑んでいくというものだ。
 男性優位の性行為が当たり前の世界で、夢の迷宮を踏破する前に負けると、夢魔の女王の力を手にした女性達に嫐られ王国でいう所の逆レイプを受ける。快楽に負けると自分も夢魔の女王に使える側に落とされるバッドエンドだ。
迷宮を踏破するとヒロイン達を男性優位の性行為で支配下に置ける。または寝室の中以外では自分の方が主人になることができる。 現実世界で善行などをして好感度を上げると、様々なメリットがあるが、
好感度が上がったヒロインが主人公を得るために夢魔の女王の僕になるなどのデメリットが出ることもある。




 そこまで思い出した後、横島は来世の自分の状況を必死に読み取り始めた。 この来世の自分はどのルートに進んでいる? 周りのヒロイン達との関係は。前世で関係を持った女性達はどんな形で関わってきている?

 読み取り終わった直後に彼の頭は恐慌状態になった。今の自分は最悪なルートをたどっている。味方になってくれたヒロイン達が好感度マックス状態でドSに目覚め心情的には完全に女魔王の味方となっている。
一部のヒロインは契約で一応こちらについていてくれているが、早く彼が堕ちてほしいと思っており、大奥の迷宮で負けた時の逆レイプには普通に魔王側として参戦して来ている。そして今の自分は、
学校で雪姫という名前の教員をしているエヴァに呼び出されている。 間違いなくエヴァだと思い安心すると共に、恐怖が背筋を走る。安心の念はエヴァが本当の意味で自分には許容できない悪事に走ることはないだろうという思いだ。
恐怖の念はだが快楽や苦悩を共有する来世の自分は知らない。その苦悩や強すぎる背徳感を来世の自分と感覚を共有して味わうことになる。

 二つの感情が混じり合う彼に構わず体の主導権を持つ来世の自分はやや虚勢を張りながらエヴァに近づいた。

「雪姫先生なんの御用でしょうか」

「今日は私が主である、大奥の迷宮に来るのだろう」

「はい」

 来世の横島は政争で家が完敗しているから、相手の言うことに何一つ逆らえない状態に近い。だが大奥迷宮を踏破すれば相手はメス奴隷になるから逆転できると考えている。その彼に雪姫と名乗る、エヴァは抱き着き言った。

「私に負けずっと性奴隷でいたいと思わせた方が、夢の世界ではデバフがかかるからな。 この世界は前世の女権国家と違って男性優位の性行為が当たり前だから、男にセクハラしてもバレることはない。実にやりやすい世界だ」

 そういうといつの間にかエヴァの私室から、豪華な西洋の城に来ていた。彼女は笑いながら、彼の唇を奪いながら言う。

「卑怯だなどとは言うなよ。何しろお前は諦めさえしなければ、いつか勝てるという反則能力を得ているのだからな」

 口づけを受けて全身を脱力感に支配されながらも、来世の横島はエヴァを敵視していた。だが彼女の紡いだ言葉には心底同意している。大奥は一度でも攻略してしまえば、相手をメス奴隷に落とすことができる。そうである以上相手の心を完全に折るか堕落させるしかない。

 エヴァは口づけし舌を絡める感覚だけで、横島が完全に脱力したことを見破り、そのまま服を脱ぎ始める。

 不意に何かの気配を感じて振り向くと、いつの間にか横島にもなじみがあるエヴァの配下のメイド人形たちが周りにいた。メイド服を剥ぎ取らなければ普通の人間とほとんど見わけのつかない彼女たちは笑いながら彼の服をゆっくりと脱がせ始める。
彼女たちは体は成人女子に近く見えるが、言動などがやや幼いところがありそれが彼女たちを美少女という認識にさせていた。黒髪のポニーテールと、ショートカットのもの。茶色のツインテールのと青色のショートカットなどのメイド達、彼女たちは笑みを浮かべるとエヴァに言った。


「まかせてください。ご主人様。今夜の私達へのご褒美よろしくお願いしますね」

「勿論だ。だが、褒美が主目的とはいえ、任務という面もあるから手は抜かないようにな」

 エヴァと話しながらも、動けない彼の服をあっさりと脱がせるその手腕は本当に一流のメイドだと感じられる。


 僅かな時間で、服を脱がされた彼をエヴァが軽々と片腕で持ち上げて立たせるとそのまま彼を引き倒し、両腕両足で拘束すると見かけだけは正常位の体制で彼の分身を加えこみ、一気に射精させた。その射精に合わせて彼女は彼の首筋に牙を立てる。

 上と下からの強すぎる快楽に涙が出たのを見計らって彼女はより強く彼を抱きしめて乳房を彼の胸板で潰した。

「どうだ? ずっとこれを味合わせてやるから私達の配下にならないか?」

 契約などそういう強制力などない問いかけだが、ハイと答えたら自分は多分永遠に精神世界の迷宮で勝つのは不可能になる。そう思った彼は首を横に振った。

591 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:46:07 ID:A4iGS+R7

「そうか。まあ、私達としてはお前の奴隷にされても奴隷にするのもどっちでも良いのだがな(最終的には結果は変わらないから) それではもう少し奴隷になった場合の快楽のデモンストレーションを堪能しろ」

 上からは血をしたからは精を搾られながら彼はしばらく経った後で助け起こされて、メイド達から魔法薬のドリンクを渡されて飲み下した。少なくとも自分を殺す気は全くないという点では信じている。

 飲み下した直後に彼の体中の霊的な疲れと精を吸われた体力が回復を通り越して、前以上に昂ってきたのを見てエヴァが笑う。

「素晴らしい霊薬だろう? 毒などは盛っていないぞ。なぜなら普通の効果だけで十分だからな」

「それはどういう」

 倒れる彼にエヴァが再び抱き着き。分身を飲み込むとさっきとは比べ物にならない量の射精が起こった。

 脳が完全に砕け散った感覚を味わう彼に彼女笑う。

「射精の量が多ければ多いほど、精神を破壊する快楽の威力は増すだろう。それでは頑張って耐えることだ」

 その言葉と共に不意に彼の意識は一気に暗闇に落ちた。






 一度落ちた意識が戻ると、彼はエヴァの別荘の中に再びいた。エヴァの姿は既になく服も既に着せられている。 横島は疲労しながらも前に進む決意を固めた。

『さてどうなるか。とりあえず家に戻ったら迷宮に入る準備だな』

 そこまで考え進もうとすると不意に後ろから声がかかった。

「あ〜横島さん、もうお帰りになられるんですか。ご主人様が寂しがりますよ」

 声に警戒の念を刺激されて、見るとそこには先ほど自分の服をはぎ取ったエヴァのメイド人形たちの姿がある。しゃがみながら彼を見下ろしていた、
黒いショートカットの女性が離れると、茶髪の女性は慇懃無礼と思えるような態度をわざと見せながら礼を取った。

「ご主人様はちゃんと盟約通り貴方の帰宅時間を『遅らせたりはしていない』のでご安心を」

 それを聞き、来世の横島に様々な考えが浮かぶ。前世で妻だったらしい頂上存在達は絶対に約束を破らない。そこまで考えて彼は結論を出した。

「エヴァの別荘は外と中で時間の流れが違うのか?」

「正解で〜す。 つまりぃー、貴方を何回搾り取っても約束の時間に返したってことにはなるでしょうね」

 そういわれて彼は逆に冷静になった。エヴァは勝負する際に自分を鍛えようとしている様な側面もあるためか、そういうゲームでいう所の嵌め技の様な戦い方は好まない。
おそらくそういうこともできるのだから、うかつだったぞと言う警告だろう。実際に冷静になる数瞬までは本気で肝が冷えた。

 横島が冷静になったのを見ると黒髪のショートカットのメイドが笑いながら言葉をかけてきた。

「それでは、お帰りになられる前にご主人様に挨拶していってくれますか。 なんだかんだで、貴方に雑な対応されると、ヘコんじゃうんですよ。今生は敵対組織に所属を選んだくせに、夜が強い以外は割と普通の女の子ですから」


「ああ。分かった」

 横島は頷いた。悪夢世界の大奥は、相手の女性の好感度が高いほど難易度は上がるが、危険度はそれに反比例して低くなる。だからこそ、ここは彼女の機嫌を取るべきだ。
ゆっくりとメイド達の案内に従ってエヴァの待つ、城主の間にたどり着くと彼女は玉座らしき椅子に大人の姿でもたれかかっていた。

「雪姫先生、それでは家に戻らせてもらいます。 今夜貴方の精神世界であり、領域でもある夢の迷宮で会いましょう」

「忠夫、お前はもう、今夜は負けているぞ。 私は一応教師としての務めは果たすと言っていたな、今回は約束を全て守った上でお前を完敗させている」

 そこまで言われて横島の頭の中に様々な可能性が浮かぶ。エヴァは今生でも約束を破ったり嘘はついたことがない。つまり彼女が間違えていない以上は自分の負けが決まっているのだろう。 悩み考える彼に向けてエヴァが手をかざすと、そのまま彼の体が急に重くなった。

「お前はもう家に帰っている。ここは私の夢の迷宮だ」

 そこまで言われて横島は真っ青になった。夢の迷宮は最初に入ってしばらく経てば現実と変わらない様な世界だ。そしてエヴァは自分の夢の迷宮の形が現実世界の城に似ているから、夢だと気づかせない方向で準備ができる前にボス部屋に誘い込んだのだろう。

 動けない彼に近づいてくるとしゃがみ目線を合わせるとエヴァは言った。

「とてつもなく強い武器なら相手も死に物狂いで研究してくるし、対策も考えてくる。完全に武器を取り上げたりするのは無理でも、こういうやり方は可能だからな。 ちなみに、
今の術は吸血鬼の魅了の応用だ。お前の私との性行為を思い出してああいう風にされたいという、願望を引き出して縛っている。夢の世界ならではの技だな」

 そういうとエヴァは軽く横島の首筋をかんだ。 数的血を吸われただけでも脱力を伴う快楽が襲い掛かり、彼は倒れかけた。うつ伏せではなく、仰向けに倒れる様にして彼女は笑う。

「お前たち、褒美の時間だ。好きにするが良い」

 エヴァが彼の服を一瞬で剥ぎ取ると、メイド達が笑いながら服を脱ぎ始めた。彼女たちが服を脱ぎ終えた瞬間、ここは夢の迷宮だと完全な確信が訪れる。エヴァの言葉を疑っていたわけではないが、僅かな疑念も完全に消え去った。

「それじゃあ。頂きます♪」

 黒髪のショートカットの娘に一気に分身を飲み込まれると彼はそのまま一気に意識を持っていかれた。エヴァが見下ろし笑いながら霊力で来た糸を彼の体の内部に潜らせながら、言う。

「色々と女性を悦ばせるのが男のたしなみだろう。悲鳴を上げて射精するだけとは情けない。私が前世の妻だった身として、手伝ってやろう」

「待って、もう限界だ」

 分身が内部に飲み込まれているだけで完全に快楽で気がやられかけている彼はこれ以上、僅かな快感でも送り込まれるのも耐えきれない。その彼の懇願を無視してエヴァが手を動かすと彼の手が繋がっている彼女の乳房を揉みしだき始める。

「あー! あー!」

「胸を揉んでいるだけで、完全に限界かもう少し根性を見せろ」

 次いで目の前の女性の尻を揉みしだかせられた時、彼は二回目の射精を迎えた。
それを見てショートカットの娘が笑いながら、彼から離れて、黒髪のポニーテールと入れ替わる。

「ほらほら♪前世で私達は貴方をかなり助けたんですからその分の報酬は払いなさい。霊力をよこしてそれと性的奉仕も頑張って」

 射精直後に入れ替わり敢えて別の刺激を与えながら嗤う彼女に屈しつエヴァが手を動かすと、まだ体を重ねていない茶色の髪をした二人に彼の手が伸び乳房や尻を揉みしだき始める。 
嘲笑めいた視線を感じながら目の前の髪を降ろしロングになった女性に口づけされながら彼は射精し倒れた。

「まだまだ足りませんけど、夜が弱すぎるあなたには可哀そうだから、一旦は許しましょう。 おや、この程度の罵倒でダメージが入るだけじゃなくて、屈辱による勃起が起きていますね。
やはりこの世界は女権国家のある世界の王国より、男性優位の性行為が当たり前の度合いが強いようですね。ある意味王国と違ってベッドの中で男を圧倒できる女性がほとんどいない世界だから当然ですか」


 入れ替わった後、茶色の髪をした二人が前と後ろから彼を挟み、射精する都度に入れ替わることを2回繰り返した。 倒れた彼を見ながらエヴァが試してみようとするかの様に呪文を唱えると、ユウキが現れた。
それを見て彼は真っ青になる。ユウキはダンジョンを攻略中は協力してくれるが、自分が攻略に失敗して敵の女に犯される段になると向こう側に参加する立場になっている。エヴァは笑いながら言う。

592 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:47:47 ID:A4iGS+R7

「まだ戦えるのに私の術にかかるということは、お前はそれを望んでいるということだな。このド変態が」

 罵るエヴァを他所にユウキは丁寧に彼女に礼をして言う。

「エヴァ様呼んでくれてありがとうございます。最近は忠夫がダンジョンの攻略に失敗しないから、女性優位だけどノーマルな範囲の性行為しかできてなかったんだ。
最も僕の方が彼女達よりは性的な技術は上なのに、射精量は今より少ないんですけどね」

「筋金入りだな」

 エヴァの侮蔑の言葉に分身が硬くなったのを見て、四人のメイドが足で抜き始めた。そこにユウキが近づいてきて、一気に分身を飲み込むと、彼の脳天に雷が落ちた。
今回の彼女は一度で一気に奪い去る類の搾り方をしたかったようだ。痙攣する彼を満足そうに眺めながら何度か腰を動かし、彼が倒れると彼女は笑いながらエヴァに礼を言った。


「久しぶりの被虐心が満たされる性交で一気に落ちたみたいです。それじゃあ、僕は今夜はエヴァ様の使い魔ですから、夢の世界から現実に行ってエヴァ様の為に忠夫の体を頑丈にさせたり、回復させる霊薬集めてきますね」

「相変わらずお前は便利だが不利な点もあるな。インプであるがゆえに、誰を主としたかで得意分野も変わってしまうとは」

 その言葉のやりとりを聞いた直後に彼の意識は完全に落ちた。





次に彼が目を覚ました時彼は自宅の自室にいることに気づいた。恐らくエヴァは現実世界の性行為の後に彼をそのままここに運んできたのだろう。 一切夢精の跡がないことに気づき、彼の気は余計に重くなった。
それだけ大量の量の精をエヴァに吸われたということなのだから。夢の世界で射精させられて、現実にも出る精が残っている内はまだ精を奪われたり、服従を刻む繋がりが浅いということだ。だが一切射精の跡がないということは負けすぎると危ないと言えるだろう。


 彼が落ち込んだ様子で、外に出るとユウキが笑いながら迎えてくれた。

「忠夫、そろそろ完全に屈服しちゃったら。忠夫が負けまくっても、この学園の大奥迷宮を攻略に来る人山ほどいるし、その人たちがクリアしたら解決だし」

 基本的に大奥迷宮は挑戦者がサキュバス達と、このダンジョンの淫欲を司る存在を倒せば終わる。ただ女性達と仲良くなるとその人物専用のダンジョンができてしまう場合もある。ちょうど今の彼の様に。


「そういうわけにはいかん。ダンジョンの奥に潜む存在の邪悪さが大きく激減したっていうのは俺も聞いている。激減したのは確かでも今の時点でどれほど邪悪かわかって、いないからな。
 それに男でありながら妻達にベッドで負けっぱなし手のは格好悪すぎるからな。 かつて予知で見た、一人で多くの女性を喘がせてものしている光景は諦めなけりゃいつか実現するらしいからな」

「そっかー。それは残念。今日もまたエヴァさんの迷宮に挑む気」

「いや、アリスさんの所にしとく。エヴァさんと結構似た迷宮だから訓練になるし、今のところはトラウマもそこまで深いものはないからな」


「うん。良くわかったよ。それじゃあ頑張ろう。隠すまでもなく、僕は心情的には向こう側だけど、攻略に対してはちゃんと手を抜かずに協力するからね」

「それはわかっとるが。本当にお前はドSに染まるのが早かったな。今も俺の味方をしてくれている、茶々丸を見習え」

茶々丸という名前を聞き、前世の横島は来世の自分の意識を探り始めた。エヴァの使い魔人形ではなく、この世界における足利茶々丸だ。自分がプレイしたこのゲームと同じく、
金髪で赤目のトランジスタグラマーな美女の姿をしている。だがゲームと違ってこの世界では容姿はまったく同じ双子となっている。 湊斗景明を村正と呼ばれる女性と取り合っているのは、
まったく同じ容姿の亀若丸と言う妹だ。彼女の方が原作の茶々丸に近い気質だ。何より一人称が違いすぎる。この世界の茶々丸は一人称が私になっており、
気質もエヴァの人形に近い。そして姉妹どちらにも原作の茶々丸を苦しめていた体質が現れていない。

 それを聞くとユウキは楽しそうに笑った。

「彼女は僕に言わせると従順すぎると思うんだよね。もう完全に独立できたんだから、エヴァの魔力で動いていた姉たちみたいに素直になったらいいのに」


 その言葉に来世の横島は首を振ると次のダンジョンへの攻略の準備を進め始めることにした。茶々丸が自分の鎧となってくれるリビングアーマーとして、動いてくれるのはありがたい。だが一つ気になっているところがある。
 大鳳が彼女には気を付けた方が良いかもしれないと忠告して来ていた。自分でもなぜかはわからないが横島がかつての自分と同じ目に遭うかもしれない気がすると言っていた。大鳳もなぜ自分がそんな風に思うのか、まったく理解不能だと言っていた。


 未来の自分の言葉を聞き、前世の横島は驚愕の極みにあった。大鳳がなぜかこの世界に来ている。今の大鳳の生まれ変わりか、それともただの同一存在か。そこまで考えて彼はこの考えを捨てた。
あとでこの来世の夢から戻ったらエヴァ達に聞けばいい。最もその疑問が解けるのはかなり先のことになったのだが。



 来世の横島は必死に昨夜の情事を忘れる努力をしていた。ユウキはまだいいが、エヴァのメイド達との情事が最悪極まった。彼女たちがもたらす快楽はユウキより下だったが、恐らくは狙って、
エヴァと似ていながらエヴァに届かない快楽で彼を嫐っていた。劣る彼女たちにすら閨で勝てないと刻み込むと同時にエヴァに再び犯されたいと思うように仕向けているのだろう。 
メイド達の誹謗中傷とエヴァと同じ性魔術それを思い出しながら彼は、必死に夜が来るのを待った。アリスの迷宮に挑む算段を着けることにした。


 僅かに思考が迷宮への攻略法に埋没しかけた時、不意にユウキの言葉が彼を現実に引き戻す。

「忠夫〜、そういえばエヴァさんが、昨日メイド達が忠夫を激しくイジメすぎたから、前にした忠夫の家にメイドを送り込ませてって取り引き他の条件に変えていいって言ったけど、どうする。もし取引の内容変えたいなら、今日の五時までに申し入れてほしいそうだけど」

「そういえばそういう約束していたな。いや、別に良いわ。エヴァさんの性格はよくわかっている。メイド達が来たとしても、あまりにも卑怯すぎるレベルの妨害はさせないだろ。それに前に恩と引き換えに飲んだ条件だから、あまり変えたくない」

 言った言葉も本心だが、一番は彼女たちが人形だと認識することで、快楽により刷り込まれたトラウマや彼女たちのもたらす快楽に惹かれている、自分の認識を変えたかった。
 現実世界で無機物に過ぎないと強く理解すれば、欲情も多少は収まる。そう考えての答えを聞きユウキも頷いた。

「それで良いんだね。分かったよ」

 ユウキのこの件に関わっていないことがうかがえる。そのことに彼は僅かな落胆を覚えた。エヴァは自分に学習させるような形で痛い目に合わせに来ることが多い。
今回はメイド達を拒否する方が正解だったのか、それとも受け入れた方が正解だったのはっきりとしていない。僅かでもユウキが共犯者だったりすれば彼女の声で分かっただろう。
今回の転生先でも一番付き合いが長いのは彼女だ。僅かに沈んだ気分を立ち直らせると彼は迷宮に向かう準備を整えに移った。







 その日の夜彼がアリスの迷宮に入った時、彼の心に大きな動揺が走った。アリスの迷宮が大きく変化している。正確に言えば、リグルの心の迷宮と合体していると言えばいいのだろうか。
 リグルの迷宮は女権国家と言われた土地に類似したところが多く、彼の活躍した場面などを通ったり、クリアすると彼女がくれた刀が強くなり、前世の技などが使えるようになることが多かった。
 これは恐らく蛍が集まってできた刀の逸話から、刀が自分の魂に働きかけているのだろう。
その代わり負けると前世のトラウマ物の逆レイプなどが想起された。何事も代償が付きまとうと彼は思う。 召喚呪文を用いてユウキを呼ぶとか彼女が楽しそうに現れた。

593 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:49:11 ID:A4iGS+R7

「忠夫、今日はアリスさんの迷宮だけのつもりだったんでしょう。それがリグルちゃんの迷宮と合体していたなんて災難だね」


「ああ。 確かにな」

 答える横島の顔をユウキが手で挟み言う。

「リグルちゃんの迷宮で前世の情事思い出すたびに、忠夫は可愛くなっていったよね。僕としてはもっと、前世の情事思い出してほしいんだけど」

 王国女子のユウキが女権国家に染まり前世の彼を嫐った記憶は彼にとってトラウマが多い。だが、それをやられたことを思い出して強く興奮してしまっている自分が情けないと思い余計にそれが昂ってしまう。 
ユウキは何度も彼の分身を抜いた乳房を服をずらして少しだけ見える様にして見せつけながら、情事の最中に彼を余計に昂らせた閨の中での弱さを侮蔑する視線を向けてきている。 分身が固まりそうになるのを彼は無理やり鎮めると、迷宮に向けて歩み始めた。

 ユウキはそれを見て楽しそうに笑い、まるで誰かに報告するような様子で独り言をつぶやいた。

「まだ、自分から嫐られたいとかってところまでは言ってないみたいだけど、冷静に思考する突入前のタイムを手放させたから今回は割と簡単にゲームオーバーになりそうだね♪」





 アリスの迷宮とリグルの迷宮は彼の過去の性的トラウマを抉り被虐心を煽るという所は似ている。だが、リグルの迷宮は前世の有名なエピソードが多く、その時の感情まで再現される、いわば自分が主役の性的な劇だ。
対してアリスの迷宮は過去の自分が受けた性的な快楽で嫐られる劇の感覚を共有している観客になっている感じがする。 どちらも体験させられるという点では同じだが、攻められる個所は違った。この迷宮では過去の迷宮で受けた攻めを同時に受けることになるだろう。


 
 道中の途中の中庭にインプであるユウキが行った方が楽に動かせる仕掛けがあり、そこにユウキを送った直後に不意に、幾つもの蛍の光が集まり始めた。警戒と共に身構え軽く攻撃してみるが、手ごたえはない。恐らくは発動した後しか対処できない仕掛けなのだろう。
蛍の光が集まると、そこには本物のユウキと寸分たがわぬ姿をしたユウキの姿があった。これは前世のユウキだ。そう判断すると彼はリグルからもらった刀を抜き放ち構えた。リグルも敵対はしているが、決して約束は違えず彼女がくれた武器は彼にとって最良のものだ。


 ユウキの偽物が剣を構えた。彼女からの威圧感を感じると彼の色香でかかったモヤがなくなり、最戦時のそれへと切り替わった。全身の神経を目の前のユウキの前世の影法師に集中させると、彼女の癖を読み取り始める。
ユウキの剣は速度に上乗せされた剣の圧が凄まじい。無理をしてでも一太刀目を受けきり鍔迫り合いに持ち込めば勝てる。

『大丈夫だ。このユウキは俺が前世で共に戦ったユウキの再現。だからこそ今のユウキ程駆け引き等には長けていない。そして癖なども俺に稽古をつけているユウキと似ているし、長所も今ほど伸びていないし、欠点の減少具合も今より少ない』

 次の瞬間、極限まで引き絞られた矢の様な速度で切り込んできた、彼女の一撃を彼は辛うじて受けきった。僅かに見える癖がなければ不可能だっただろう。ユウキの一撃は速さが生み出す、剣圧も脅威だが、次に怖いのは変幻自在さだ。
一撃必殺の構えから突然連撃に切り替えるということを、他の剣士ではできない様な速度でやってのけてくる。剣をぶつけ合い、凄まじく強いだが、今生のユウキ程ではないと理解した彼は、敗北への恐怖を克服すると、こちらから体重をかけて鍔迫り合いに持ち込んだ。


最も恐るべき瞬間を乗り越えて、彼女の動きが鈍った瞬間に彼は霊波刀を片腕を離した。そして篭手状の霊波刀を出現させ、予備動作なしで篭手から剣に変えると仕込み刃の様な剣をかわすべく後ろに飛びのいた彼女に『抑』の字の入った文珠を投げつける。

『背に羽がなければ、いくら早くても一度飛んだら降りる場所は変えられない。ユウキ自身速くて敵に滅多につかまらないせいか、飛んだあとを狙い打たれたことが何回かあったといってたしな』

 文珠が命中し動きが止まったユウキに向かって彼は、『眠』の文珠を使った。『眠』の文珠を受けるとユウキの影法師はそれを受けると体が再び蛍となって散っていく。それを見ながら負けると消え去る勤めなのだなと彼は思いながら、ユウキの帰還を待つことにした。





ユウキの帰還が遅いことと彼女が文珠を一つ使ったことが伝わってきたことで彼に僅かな不安が募った。基本的にユウキはインプであり自分の使い魔だが、
距離が離れていると契約を一時的に乗っ取られることなどもあり得る。それができるものはほとんどいないが、今の彼が攻略している迷宮の主である彼女達はそれにあたるかもしれない。

『一応文珠で契約を一時強化しとくべきだったか? いや、だが、やられる可能性も低いし、現実世界程じゃなくても文珠は貴重だしな』

 横島は色々な迷宮をクリアしてきた際に、そういう事態も起こりうるということは知ってはいたが、実際にそういうことが起きたことはなかった。 だが一応は警戒しておくべきかもしれない。  離れていたために確実とは言えないが、
多分ユウキの文珠の用途は契約の一時的な乗っ取りを防ぐための類の使い方だったようだ。 戻ってきたら何があったか聞いた方が良い。そう断じて質問の内容を頭の中でまとめ始めると丁度ユウキが戻ってきた。

「忠夫、ただいま!」

「ユウキ、何があった。やっぱり契約の一時的な乗っ取りか?」

「うん! 忠夫のくれた文珠で『阻』んだけどね。割とぎりぎりだったよ。でも正式な契約は一時的に乗っ取るだけでも相当力を使うし、それをやってきた以上ボスの力も相当弱体化したはずだよ」

「そうか」

 短く答えると、横島は中庭に『印』の文珠を使うと、結界を張った。 これで『転』の文珠を使えばいつでも戻ってこられる。 彼は不自然ではない程度の速足で、古い西洋の古城を思わせる廊下に入った。 歩く彼の横に寄り添うように歩くユウキが口を開いた。

「忠夫、さっき昔の僕の影法師と切りあってたけど、どうだった?」

「俺よりは少し強かったけど、お前と手合わせしてたおかげでメタはれたから勝てたな。今のお前より癖を隠したりするのが下手で攻撃が分かりやすかった。それに今のお前も力では俺に負けているけど、そのお前より力でも劣っていたぞ。まあ、過去なんだから当然だが」


 そこまで言うとユウキが雑談を振るように言葉を返してきた。

「だろうね。さっきの僕はリグルちゃんの英雄譚再現、でできた僕の影法師だけど、あの状態の僕ってどういう状態で戦っていたか、分かってた?」

「いや」

 そこまで言うとユウキは面白そうに昔の話を始めた。

「女権国家の霊的な恋愛相談員の人に、『闘技場で今モノにしないと遠くに行ってしまうかも』って言われた時の僕だよ」

「そうなのか」

「うん、あの時は僕が初めて本当に大事な勝負で忠夫との騙し合いに勝った時だったよ。勝負や試合自体では勝てることが多いけど、本気で忠夫が騙しに来ると引っ掛かることが僕は多かったから。
忠夫が僕を傷つけずに勝つために動きを封じる術を使ってきたときに、その術を破れたのにかかったふりして不意打ちしたんだ。 こんな風にね」

 言い終わった瞬間に、放たれた抜き打ちの一撃を彼は辛うじてかわした。

「あれ? どこでバレちゃったの?」

「自分でもよくわからんわ。ただ何となく雰囲気でな」

594 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:51:00 ID:A4iGS+R7
 答えながら、横島は状況を頭の中で整理した。ユウキの裏切り=正確には契約を一時的に乗っ取られたに関しては、少し時間を稼げば解けるだろう。
ユウキは持久戦も強いが、一番強いのは短期決戦とその軌道速度だ。 だからこそ襲撃の可能性を考慮して狭い廊下を歩いていた。
長時間乗っ取れない仕様であるなら、この長い廊下で仕掛けてくるしかないだろうと踏んでいた。 全神経を集中させて彼は霊波刀も消して全ての霊気をリグルからもらった刀に集中させる。
ユウキとやりあう場合はこの間合いに来たら速さでは勝てない。だからこそ、僅かに力で勝るのを活かして刃を受けて力比べに持ち込むしかない。


 ユウキの一撃を警戒しながら彼は、油断なく観察した。そして幾つかの推測が浮かぶ、今のユウキは普段のユウキより弱い。恐らくはさっき横島が倒したユウキの影法師が影響しているのだろう。
 自分が影法師を倒した時、蛍の群れはユウキが去っていった方に向かっていた。 そして今の構えは丁度あの影法師と同じくらいに退化している。普段の訓練では読み取るのが困難なユウキの癖も今なら容易に読み取れる。
彼女の僅かな、それでもいつもの鍛錬よりは大きな予備動作に気づいた彼は即座に受ける形でユウキの剣に刀をぶつけにかかった。その瞬間彼の体中の汗が一瞬で冷たくなる。
本当の窮地、或いはそれが訪れる直前の感覚が彼の火事場の馬鹿力めいたものを引き出し、剣にかつてない力がこもった。その次の瞬間、ユウキがかつてない速度で彼に剣を放ってきた。
剣を狙い通り合わせることができたのは、ユウキの剣を知り尽くしていたこともあるが、一番は運だった。剣がぶつかり合った瞬間、
速度だけではなく力も普段とは比べ物にならなくなっていると感じた直後に腕がしびれ彼は大きく耐性を崩した。そして次の瞬間ユウキの拳であごを揺らされそのまま倒れた。


「前世の僕は女権国家の好感度ドーピング状態になってたんだ。その時にそのドーピング状態でない状態くらいで戦って、それでいきなりドーピング状態にしたんだ。今生でも騙し合いの初勝利だね」

 そういうとユウキは嬉しそうな笑みを浮かべながら、横島に多い被さり唇を奪う。舌を絡められた瞬間揺らされた脳と快楽が合わさり、一気に彼は脱力の極みに落ちた。

「戦っている時もなるべく僕に痛い思いさせない戦法を取ってたでしょ。そういう所はかわらないね。 さすがに前世の方が今生より強いとか予想できなかったかな」

 ユウキが放った剣は、横島をモノにしないとどこかに行ってしまうかもと言われた夜にだけ出た、馬鹿力だ。あの日の斬撃だけは今よりも速く重い。
それ以外では今の自分と過去の自分では今の自分の方が強いとユウキも思っている。さすがに横島にこれを予想しろと言うのは酷だとも思う。


 ユウキは心底楽しそうな笑みを浮かべながら倒れた彼の服を脱がせ始めた。程なくして全ての服が剥ぎ取られると、この迷宮の主であるアリスとリグルがいつの間にか来ていた。
アリスは倒れた彼をのぞき込むと教師の様な口調で言った。

「今回は流石に、忠夫が下手を打ったというより私達が一度しか使えない切り札を山ほど投入したから勝てたと言った所ね。 忠夫、どうしても一つだけ腑に落ちないところがあるんでしょう?」

 肯定の視線を返すと、アリスは文珠を差し出してきた。横島はそれを見て、驚いた。自分が作った文珠かと一瞬思ったが違う。今の自分の文珠より僅かに効果が上だ。それに対してアリスは答える。

「前世の今の貴方より文珠を作るのが上手になった時期の文珠よ。私達の身を守るために貴方がくれていたの。 これを使ってユウキの契約を一時的に乗っ取ったのを『偽』ったの」

「今生での努力で補えていたせいか前世のエピソードに無関心すぎたか。多少とは言え前世の力を使っていたんだからもっと、前世の力を引き出したり記憶を取り戻す霊的な修行もやっとくべきだったか」


 そこまで話した直後に彼の分身が不意に覚悟していなかった快感に包まれた。全身の力が抜ける脱力感を味わいながら見ると、ユウキが自分の分身を飲み込んでいることに気づく。
今彼女が送り込んでくる快感は昨夜エヴァの使い魔をしていた時とは対極にある。エヴァの配下をしていた時は激しく攻めてくるような肉食獣に食いちぎられるような快楽だったのにたいして、
今の彼女は脱力させる毒を思わせる甘い快楽を与えてきている。脳震盪が治ってきてなお動き辛い彼の腕をアリスが霊力でできた光の糸で動かしユウキの乳房を揉ませながら言う。

「ホラ頑張って、ユウキを満足させてあげなさい。私も協力してあげるから」

「ちょ、ちょっと待って、もう繋がっているだけで限界、ああー!」

 敢えて射精に合わせて乳房を揉まされて完全に脳が焼き切れて倒れた彼をリグルが見下ろす。 彼が前世であった時の彼女は、ショートカットで小学生くらいの姿だったらしいが、今は美しい緑色のロングヘアーの大人の女性だ。彼女は笑いながら言う。

「忠夫、全ての虫を統べる女王として君にカマキリの雄の加護を上げようか? 気持ちいいだけになるよ?」

 横島は首を横に振った。カマキリの雄は交尾の時に食われていても痛みを感じていない。それなら最後に至る道はどうなるか言うまでもない。リグルは甘いフェロモンを漂わせながら彼の眼を見て言う。

「大丈夫、死なせたりしないから。僕達は妖怪であって、もともとの虫と同じ存在じゃないよ」

 甘い香りで脳が犯され始めるとリグルが服を脱ぎ、彼の体を触り始める。送り込まれた霊気が雲に捕食される虫の様に体中の力を抜いていくのが分かる。 ユウキは名残惜しそうに仰向けになった彼に口づけすると思いっきり彼に抱き着き乳房を胸板で潰した。
仰向けになった彼の体が快楽で痙攣するとアリスが、前世の彼からもらった文珠を取り出し、『刻』の字を浮かべ彼に投げた。射精と同時に乳房が押し付けられアリスの糸でユウキの尻を形が変わるほど揉みしだかされた。
彼の脳は強すぎる射精の快楽で甘い霧の眠りから一気に覚めた。そしてユウキが状態を起こし再び乳房をアリスに動かされる手で揉まされるとユウキが見せたいと望む様に彼の手が、乳房を揉みしだき変化させていく。
ユウキの感触と乳房の変化と形が文珠の力で脳に刻まれていく。 しばらくするとユウキが一度離れ今度は彼に背を向ける形で騎乗してきた。
 再びアリスは文珠を取り出し、先ほどと同じ、『刻』の文珠を投げてきた。 ユウキが腰を振るたびに何度も彼は射精し彼女が望む様に動かされていく。
そして彼女の背とアリスに操られた自分の手がユウキの尻を揉みしだく様子が脳に記憶されていく。 完全に屈服して塊の様な射精を終えた後に、ユウキがようやく離れた。

「忠夫、早く降参しなよ。毎日が僕達とのこの日々だよ。この世界では男性が女性にベッドの中で負けるとかありえないけど、だからこそ気持ち良いでしょう?」

 ユウキの侮辱しながらも自分への恋慕の感じられる言葉が媚薬の様に耳に染み込んだ直後にリグルが唇を奪い、彼の分身を飲み込んできた。強すぎる快感が命を削り取る様な危機感を与え、そしてそれすらも快楽となるような精を取られすぎる痛みにあえぐ彼を見ながらリグルが耳元で言う。

「今から一時的にカマキリの加護をあげるね」

 その言葉と共に口づけされて、舌を入れられると一気に彼の体の内部から苦痛が消えただ中毒になるような快楽だけがある状態になった。理性では話さなければならないと思っているのに、黙って雌に食われるカマキリの雄の様に自分はリグルに食われる快楽を味わっている。
彼が快楽だけで、限界まで拷問を受けたものと同じような悲鳴を上げて倒れると、リグルは笑いながらどいた。

595 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:52:25 ID:A4iGS+R7

「痛みがある方の性交も気持ちいいでしょう。 忠夫が望むならどっちでもしてあげるから。だから、早くプライドを捨てて女権国家に戻ろう」


 リグルが離れるとアリスが笑いながら彼に騎乗してくる。どこまでもアリスの体は今のユウキと似た感覚であり、どこまでも彼に対して甘く脱力させて来る。

「ほら、プライドを捨ててしまえば、ただ気持ちよく何も考えずに快楽を味わい続けるだけの人形になっても良いのよ。 女権国家の私たちの住居にこの世界のお土産を持ってきて」

「土産って」

 ぐずぐずに脳が溶けながらも浮かんだ疑問にアリスは彼を抱きしめながら体を密着させて言う。

「男性優位が当たり前の世界の価値観よ。貴方の恥辱心に満ちた顔本当にゾクゾクしちゃうわ。 蕩けきって堕ちてしまった後に正気に戻った時のことを想像してみて。 惨めでしょう、いやでしょう。でも」

 そこまで言うとアリスは僅かに飲み込まれていない、彼の分身を指で撫でる。それだけで背筋が震え、射精の量が一気に増える。それを見ながらアリスは彼の分身を指で撫でながら言葉を続けた。

「その背徳感がこの子をより元気にしていくでしょう。 想像してみて、今の快楽と恥辱を昔の男性優位の性行為しかありえないと思った状態で味わったらどうなるか」

 想像しただけで恐ろしさとその背徳感が生み出す射精量とそれを受け止めるアリスの体が頭に巡ってくる。もしかしたらどこかでその人形劇をアリスが行っているのかもしれない。 
アリスが彼の体に入れた霊力でできた糸で射精をいったん止めると、敢えて彼に嬉しさ満点の表情を見せながら口づけし、口の中の快楽のつぼ全てを舌で押し始める。
彼女は射精を許されないもどかしさが限界を超えかけた瞬間、一番強く口の中のツボを押しそれと同時に糸での拘束をやめた。決壊するように起こった射精はただひたすら甘く、
彼女に対して人間としての部分を出し尽くし、代わりに彼女の糸が体を埋めていくような感覚がある。それもただただ気持ちよさと、期待しか湧かない。それもそうだろう霊力は精神の力でもある。
自分に対する好意しかないない彼女の糸ならそう感じるのは当たり前だ。 射精直後で敏感になった所でアリスは腰を動かしながら、気持ちよすぎて射精できない状況を作り出し、
それを不意にやめるなどをして彼から大量に搾り取った。そして彼の生身体が一時的な消滅を迎えかけた時彼女は一時的に搾り取るのをやめて、リグルが渡した何個目になるかわからない『刻』の文珠を彼に使いながら耳打ちした。

「ボス部屋で待っているからいつか来てね。これよりすごいことをしてあげるから」

 そういって彼女が体を完全にくっつけると。人形に近づいていくことへの快楽と期待を膨らませる射精が起こり、彼はダンジョン内での生身を維持できなくなり幽霊のようになって夢から消えていった。 彼の幽体が近くにいることを確信しながらアリスは見せつける様に人形めいた肢体を晒し言った。

「完全に脱力しちゃった忠夫をこの体で存分に甘やかすのが良いのに。この世界は便利な部分もあるけど本当に無粋だわ」

 彼女の美しい肢体と、それでいかに自分を嫐ったかが思い出されると同時に、その肢体で動けなくなった自分を嫐り甘やかす彼女の姿が思い浮かび、彼の中に期待が一気に膨らんでいく。それと同時に彼の意識が現実に戻る合図が起こり、彼の意識は現実へと浮上していった。






 夢から現実に戻ってきた彼は夢見心地のままふわふわとした快楽の中で意識がおぼつかない状態になっている。 迷宮で負けて逆レイプを受けた時の状態だ。だが今は股間の分身が甘く、緩やかな快楽に支配されている。
不意に激しい快感へとそれが変わり、彼の意識が一気に覚醒した。あまりにも強い快楽に悲鳴を上げながら目を開くと、自分の眼前には夢の中のアリスと同じ体制で自分を犯すユウキの姿があった。
強すぎる快感で拷問を受けたような悲鳴を上げる彼に、ユウキは普段通りのご機嫌な様子で声をかけた。

「忠夫、おはよう♪ 昨日の負けっぷりは凄かったね♪」

「ユ、ユウキ、もうやめてくれやばい」

「しょうがないなぁ」

 ユウキは横島から離れると魔術で一瞬で服を着こみながら彼を見下ろしながら言う。

「今回の迷宮の主そこまで、非道じゃないから降参したら?」

「男として引けない戦いもあるんや。諦めなければあの時見た未来も必ず実現すると占い師も言ってたしな」


 横島はそういってかつて予知で見た、全ての女性達を組み伏せて喘がせて意のままに跪かせる光景を思い浮かべて、それを頼りに頑張ろうと思ったが、その望みが叶うことはなかった。
勝ちの眼は最初からゼロに等しかったが、昨夜の負けが完全にそれを決定づけたと彼は後に思うことになる。





 その日からの彼は迷宮で負け続ける日々が続いた。『刻』の文珠で意識に彼女達との性交を印象付けられたのが決定的な原因だったと思う。

 ある時の攻略では、敵が意図的にユウキのスカートを破壊したのが原因で彼の視線がユウキの大股と尻に釘付けになってしまい、
あの日の夜の事しか思い出せなくなりユウキに誘惑されて押し倒して結果そのままあの日の夜の再現となった彼女は笑いながら言う。その時の彼女は笑いながら言った。


「今の僕は君の使い魔だよ。それなのになぜこうなっているかわかる? 君がこうされたい。女に負けまくる恥ずかしいセックスしたいって思っているからだよ。ほら早く出しちゃえ、女性に負けるのが大好き無様クズ男!」

 射精しながら脳が焼き切れているタイミングに合わせた罵倒が余計に射精の量を増やし、それが彼をそのまま敗北させて現実に戻すことになった。


 さらに似たような理由での敗北を繰り返す日々を過ごしていた彼に大きな追い打ちとなる出来事が起こる。 エヴァの配下のメイド人形達が彼の家に入居してきた。表向きは一応は政争はしていても同盟者である彼の家への行儀見習いだったが、彼を堕とす手伝いなのは明らかだ。



 彼女たちは来た日に笑いながら言った。

「忠夫さん、いつになったらエヴァ様の心の迷宮に行くんですか? エヴァ様が最近寂しがっていましたよ。最後に来たのはもう一月前じゃないですか」

 黒髪ショートヘアーの女性の言葉に彼はひるんだ。あの日夢の中で性的に完全敗北を喫してから彼女たちに逆らい難いものが芽生えている。
何かの魔術で彼女たちは敢えて彼に名前を覚えさせない。そして夢の迷宮の中で彼を犯す時は敵対勢力の端女であるメイドのカチューシャーを着けている。情事の際にはそれを常に見せつけてきている。 横島は目をそらしながら答えた。

「俺には俺の攻略の仕方がある。敵対勢力の女たちに言うことに従えるか」

 それを聞くと彼女はエヴァからもらったらしい、前世の自分が作った文珠に『真』の文字を込めて自分に使った。そして彼を見据えて言う。

「最近のエヴァ様はかなり欲求不満ですから、そろそろ行ってあげないと、貴方を強すぎる快感で再起不能にしちゃうかもしれませんよ。ちなみに私達も欲求不満です。
今夜エヴァ様の所に行くなら、貴方が一月に一回以上来ている以上は、再起不能にする性行為禁止の契約を交わしてもいいですよ」

 それを聞くと横島は即座に了承することにした。迷宮では相手がその気がなくても精神が壊されることもある。だからこそ攻略の際には相手の無意識の欲望などを募らせない予定組なども大切だ。
だがこの契約をかわせば、不可抗力の破壊にすら歯止めがかかるようになり、時間調整が相当楽になるだろう。

「分かった今夜は必ず行く」

「ええ。ありがとうございます」

 綺麗な笑顔を浮かべる彼女に若干の不安は覚えたが、これで自分迷宮のクリアは容易になる。そう考えて彼の足取りは一気に軽くなる。そう考えて向かう準備を重ねる彼にさらなる朗報が届いた。

596 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:53:50 ID:A4iGS+R7

 エヴァに使える黒髪のポニーテールのメイドが嬉しそうな声で言った。


「忠夫さん、茶々丸様と、アリスさんの姉のルイズさんが帰還しました」

 その言葉を聞き彼の精神はさらに高揚した。ルイズは骨董品屋を営むアリスの姉であり、旅行が趣味で掘り出し物の骨董品やオカルトアイテムなどを見つけるのが上手い。
横島もいわくつきの呪いの美術品などを何度か祓って給料をもらったこともある。そういう特技も旅行を繰り返すうちに自然と身に着いたらしい。それだけではなく、
何度も効果の高い魔道具などを格安でもらったこともある。
茶々丸はルイズの護衛という理由で長期旅行について行っていたが、彼女を同行させるのと引き換えに格安で役に立ちそうなアイテムを譲ってもらえる約束をしていた。 横島は大喜びで彼女達を迎え入れると、茶々丸に声をかけた。



「戻ってきてくれて嬉しいですルイズさん。 それと茶々丸お前も帰ってきてくれて嬉しいぞ。 妹の家にもよってきたか?」

 横島の問いに茶々丸は原作のゲームとはかけはなれた丁寧な口調で答えた。

「ええ。でも信頼し合っているのもあってかあの子の対応は大分適当でした。亀若丸にも困ったものです。あの娘ったら私じゃなくて、
最初にルイズさんに声をかけて『あてがあの鉄蜘蛛女から兄さんをぶんどるのに役に立ちそうなアイテム何かなかったか?』ですって。少しは姉を敬ってほしいものです」


 身内だからこそのぞんざいさだなと思いながら彼はルイズの方を見た。

「忠夫くん、相変わらずアリス達相手に頑張っているみたいだけど最近は敗色濃厚気味みたいね。 挑戦できる回数そろそろ1000回切ったんじゃない?」

「あと600回です。ルイズさん何かいいアイテムありませんか?」

「私も多分向こうに着いちゃうけど、ちゃんと約束は守るしアイテムに関しても嘘は言わないから安心して。魔界では契約は絶対だからね。だからこそ契約の穴をついてくるから気を付けないといけないのだけど」

 最初にもらった忠告と同じものを繰り返すルイズに頷くと彼はそのまま今回の度で得た商品を見せてもらうことにした。


 見せてもらった商品はどれも攻略を大きく手助けしてくれそうな良質なものではあったが、既にあるアイテムの上位互換と言った感じで唯一とまではいかないものばかりだ。
彼は少し悩んだ末に、もう少し攻略が大変になったら買おうと結論を下した。 ルイズの骨董品店を後にした彼は茶々丸を部屋に呼び今夜エヴァの迷宮に行く旨を伝えていた。

「了解しました。旧主との戦いなら任せておいてください。彼女の手の内は私も知り尽くしています」

「頼りにしているぞ」







そして彼はエヴァの迷宮に挑み、エヴァに勝利していた。西洋の豪華なゴシックホラーの美を追求したような夜の城で倒れるエヴァを前に、東洋風でありながら西洋でも見栄えがする鎧姿で彼は倒れたエヴァを見下ろしてた。
エヴァの配下のメイド達もそれぞれが主を守り戦かった後の姿で地面に突っ伏している。彼は少し悩むと一人ずつお姫様抱っこをしてベッドに寝かせ始める。『縛』の文珠を使いつつ『癒』の文珠も使うと辺りを見回した。

『一応は主を全て倒してしまえば、迷宮は崩壊するはずだがまだ主が残っているか』

考える彼の頭の中に不意に茶々丸の声が響いた。
『忠夫さん、早く次のボスを見つけましょう。しかし、色仕掛け込みでふざけた攻撃されていた時の方がガチバトル時より手間取るとか本当に助平ですね』

『い、言い訳できんな』

 メイド達の色仕掛けのせいで完全に動きが鈍って負けそうになった所を、師匠としても彼の成長を見たかったエヴァが本気の一撃を放ってきたおかげで、
危機感スイッチが入り彼はそれ以降は色仕掛けに負けずに全力で戦えた。茶々丸との合体などがなければ恐らくエヴァには一騎打ちでも勝てなかっただろう。


 エヴァが負けを認めた直後に彼女が確かに敗北を認めた証が立ったがまだ迷宮が消滅しないのを見て、彼は他の迷宮の主がいることを確信した。
次の攻略からはエヴァは倒さなくても良いが、この迷宮の主を全て倒すまではこの迷宮で負けるたびに自分を嫐ってくるだろう。 そこまで考えたところで不意に彼の体が身に纏う鎧に拘束された。そしてそれと同時に今生の大鳳の忠告が脳裏によみがえってくる。


『茶々丸さんは忠夫の事好きみたいだけど、エヴァさんへの忠義も捨てていないから絶対に油断しない方が良いよ。最終決戦の前になったら、彼女にはあまり重要なポジションを任せない方が良い』


 その言葉を思い出し終わった直後に幽体離脱した茶々丸の手が彼の分身を撫でまわした。同時に鎧の中で服が脱がされると彼の分身が拘束され激しい快楽が襲ってくる。 幽体離脱した状態の茶々丸は猫の様な笑みを浮かべて彼に言った。

「契約通り『エヴァ様を迷宮で下すまでは』あなたの味方になるという約束が終わったので、ここからは迷宮の主の一人として行動させていただきます」

 そういうと彼女は鎧と化した肉体で固められて魔術的な快楽を流し込まれる彼の分身に手を伸ばした。幽体が鎧をすり抜けて彼の分身をなでるとそのまますさまじい快楽が彼を襲い彼はそのまま一気に凄まじい量を射精した。
その一度で完全に霊力の大半が出てしまい、もう勝負はついた彼は感じた。なぜか大鳳が『言わんことじゃない。経験者である僕の言葉を信じていれば』と言っている気がする。

 彼女は霊体であるがゆえに無常力状態なのを利用してそのまま彼の分身を浮き上がって秘所で飲み込むと一気に大量の精液を搾り取って笑った。

「もう拘束の必要はありませんね。今夜はもうエヴァ様や私だけでなくて、迷宮の雑魚サキュバスにすら勝てないでしょうから。 エヴァ様お疲れでしょうから、回復しませんか」

「うむ」

 茶々丸が人間形態に戻り、一度だけその体制のまま騎乗して絞り上げると。一気に彼女の霊力が上がった。エヴァが笑いながら彼女の血を飲むとそのまま彼女の力も回復していく。そしてエヴァは笑みを浮かべて言う。

「お前がこういう風に育ってくれたのは本当に運が良かった。今宵しか出来ぬ楽しみを味合わせてももらおう」

 エヴァが彼に再び騎乗して上になりながら彼を糸で操り上半身を立たせると彼の首筋にかみついた。 その瞬間彼はエヴァと意識を共有する状態になった。そしてその瞬間、エヴァに先ほどかまれた茶々丸の意識も共有することになり、
それと同時に恥辱心が一気にもたげてくる。今まで彼は身分の違いなどに頓着しない育ち方をしてきたがゆえに、足利家と自分の家が政敵同士でもあるということに意識はなかった。
お互い完全に潰そうという意思は何代か前の共闘を機になくなり、どちらが従属させるかという主従争い程度まで落ちていたのも大きい。だが茶々丸は長女であったがためか従属させる計画を幾つも練っていた。
そして本来政敵の女性に、しかもこの世界ではベッドの中で負けるのはとても恥ずかしいのに、エヴァと茶々丸から見た自分の痴態がエヴァの牙から流れ込んでくる。


 茶々丸が後ろから言った。

「家の歴史を勉強していても実感してない貴方では、どれほど恥ずかしいかわかりませんでしたよね。政的に負けるのは恥ずかしくて背徳的ですけど、忠夫様はそれが好きな変態ですね」

 罵られた言葉と共に茶々丸が背後から抱き着き胸を当ててきた直後に彼の背中の腰の辺りからも分身を飲み込まれたような快楽が不意に襲ってくる。なぜと思った直後にエヴァに首筋をかまれ再び理解する。 
夢の世界で背中に肉棒をもう一本生やされていてそれを文珠で『隠』されていた。茶々丸とエヴァ二人に挟まれたまま完全な発狂直前の快楽を味わっている中で、エヴァが呪文を唱えると彼の背丈が縮み丁度二人の胸元まで下がった。
四つの乳房で彼の頭が嫐られる中、嘲笑めいたエヴァの声が響く。

597 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:54:57 ID:A4iGS+R7

「お前があまりにも閨の中で弱いから満足できん。茶々丸と百合をして達することにした。お前がイクときに合わせてやるから感謝しろ」

 そういって二人が上で唇を合わせ愛撫し合うと、前後の彼の分身を包む蜜壺が一気に締まっていく。エヴァが霊力で来た糸を彼の分身の内部に入れて射精を防ぎ達するのを防ぎ、
彼が達するのを防ぐと彼はそのまま涙が流れ始めた。限界直前となった時、
二人の嬌声が響きかつてないほど二つの分身が締め付けられ彼の脳が二つの分身から広がる白い爆発に包まれるような感覚が起こり、二人の腹が膨らむほどの射精が起こったと理解した後、彼の夢は崩壊した。







「あー!」

 現実に戻ったと感覚で理解した後、彼は完全に意識が驚愕に支配された。現実世界でも夢と同じ状態でエヴァと茶々丸に挟まれていたためだ。彼が完全に達するとエヴと茶々丸は楽しそうに笑って離れた。

「『今夜私の所に来るその契約を安易にかわした結果がそれだ』いくら自分に惚れてくれている相手でも闇の眷属やその僕と話すときはもう少し注意することだ。
それと大丈夫か?あと何百回かは大丈夫だが、もう絞られることだけを望む猿になってしまったのではないか?」

 嘲笑めいたエヴァの声と目に何かを言い返そうとしたが彼は何も言えなかった。分身が痛いほど勃起していたためだ。こんな時になぜ自分の言うことを聞かないんだと思った。

 茶々丸が背中から離れると彼の体の一部と化していた背中の男性器を取り外して笑う。

「前世でまだ私が人形だったころに、貴方を嫐る際に使ったものです。アリス様も配下の女人形達への褒美として貴方の魂を閉じ込めた、男人形達を嫐る劇を上演する際に使っていましたよ」


 ベッドの中で完敗した敗北感で立てない彼に向って、エヴァが彼を回復させる神酒を差し出しながら言う。

「次はアリスの所を攻略に行くのか、できれば早くクリアしてほしいものだ。そうすれば私の、いや、正確に言えば茶々丸と合体した我が迷宮に来てくれる日も増えるだろうからな」

 彼女にもらった酒を飲むと体力を回復させるための脱力が起こりそのまま彼は眠りに落ちていった。エヴァはメイド人形達に目配せをして言う。

「お前たち明日の朝で完璧に仕上げろ。私にとって最高の獲物にな」

「はい。ご主人様」

 メイド達は心底楽しそうにエヴァに跪き頷いた。そして彼女たちは倒れた横島を掴むと、転移の魔法陣に移っていった。





 次の日の朝、横島は分身が完全に屈服する激しい射精の快感によって目覚めた。目の前にはエヴァの配下であるメイド達がいた。現在彼に騎乗している青色の髪の女性が笑いながら言う。

「私達実は付喪神になって魂を得てからは、アリス様の母親である神綺様に肉体を作ってもらっていたんですよ。 今までは一応昔の体である人形に憑依していたんですけどね」

「そ、それで。どうしてこんなことを」

「エヴァ様のお願いですよ。私達はエヴァ様の魔力で動く人形からできた付喪神だったもの。それと交わって気が混じれば、エヴァ様に精や血を吸われた時の快感はもっとすごくなりますよ?」

「は、離れ」

「本当にそう望んでますか? もしかしたら私達が人形じゃないって気づいていながら、夢の中でされたことが気持ちよすぎて、気づかないふりをしていたのでは?」

 彼女たちはかわるがわるに横島を犯しながら、そういう言葉をかけてくる。そして彼女達の与えてくる快感が心地よすぎてもしかしたら自分はそう思っていたのでは?という思いが彼に浮かんでくる。
 実際には横島は本当に気づいていなかったし彼女たちに気づくのは不可能だった。それを敢えて強すぎる快感で精神の防御力と判断力を緩めて、そう思い込ませていく。
さらにはエヴァが彼を嫐ったのと同じ技を使って彼女の性技を味わいたいと思わせる行為も同時に彼女たちは行っている。 快楽に対する屈服の曲がりやすい折り目が射精の度にできていく感じが彼には分かった。
 精を搾るたびに交代する彼女たちの嘲笑が余計に分身を固くて行く。黒い髪のメイド達が左右から耳に息を吹きかけながら言う。

「この世界本当にイージモードすぎます。 基本的に男性がベッドの中で圧倒できるのが当たり前の上に、政争で負け気味な忠夫さんの家から見ると、この部屋で行われているのはエヴァ様への逆転への一歩とか思われているんですよ。
 私達が貴方にベッドの中で負けて、快感に屈しそうだけど、どうにか主人への忠誠を貫いているって振りしてたら、上の方々は邪魔するどころか、『早く忠夫に調教され切ってしまえ』という目で私たちを見てますからね」


 茶髪のメイドが彼を犯しながら嗤いながら言う。

「女権国家だったらこんな調教無理です。忠夫さんは恥ずかしすぎて周りに言えないんでしょう。女に閨で負けるのがここまで恥ずかしいとされる国は女権国家のある大陸にはありませんからね」

 彼女たちが離れると、そこに彼女達と同じメイド服を来たユウキと茶々丸が入ってきた。
彼女たちは敢えて、横島にメイド衣装を見せつけた後、エヴァの配下の証であるしるしの付いたカチューシャー以外の衣類を脱ぐと彼に歩み寄ってくる。動けない彼を見下ろしながらユウキが心底楽しそうな笑みを浮かべて言う。

「忠夫、君昨日の夜でエヴァ様に支配されたよ。あと一時間くらいで解けるけどね。というわけで、僕も今回はエヴァ様の配下として参加させてもらうね。 茶々丸さんなんか楽しそうだけど何かあった」

「やはり、私としてもこちらのメイド服の方が肌に合います。私も前世の付喪神としての体が破壊される前はエヴァ様のメイドでしたから」


 ユウキと茶々丸が二人係で彼を犯し酩酊状態になった彼の耳元で言った。

「私達全員と交わって気が混じった今エヴァ様に血と精を同時に吸われたらどれほど気持ち良いでしょうか?」

「忠夫、インプである僕は今エヴァ様の配下その気も混じるだろうね」

 言われるとあれほど絞られた後だというのに彼の分身がどんどん力強くなってくる。

 それを見越してユウキは言う。

「今夜の攻略エヴァ様に一度絞ってもらわないともう無理じゃない? 集中できないでしょう」

 ユウキと茶々丸のささやきと、メイド達にされたエヴァと同じ技を使った嫐りが彼の脳をどんどんと犯し浸していく。彼は悪夢にうなされる寝言の様なか細い声で答えた。

「お願いします。エヴァさんを呼んでください」

 その言葉を聞いた直後、不意にユウキが足で彼の分身を踏み強すぎる快感と、痛みを同時に与え、茶々丸が射精を手で封じる。快感と寸止めのもどかしさと痛みで涙目になるかを見下ろしながらユウキが言った。


「さん、じゃなくて、様って言いなさい。寝室では負けていて奴隷同然の立場なんだから、わきまえなきゃダメだよ。忠夫」

「エ、エヴァ様を呼んでください」

 そこまで言い終わると不意に彼の首筋に快感を伴う痛みが走り、それと同時に大きな脱力が走った。

 仰向けに倒れて天井を見ると、そこにはエヴァンジェリンの姿がある。なぜ、どうして、同盟者であり政敵でもある、彼女がなぜこんなに直ぐにここに来られたのか。彼の疑問を彼の視線から感じ取ったらしいエヴァは自分でもまだ信じられていないと言った様子で、答えた。

598 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:57:09 ID:A4iGS+R7

「昨日お前に迷宮を攻略されて性行為をしたあと、体がうずくから来たと言ったらあっさり通してもらえた。 多分罠ではないのだろうな。あの政争上手ごわかったものたちが何の疑いも持っていなかったぞ」

 エヴァの言葉には彼女を通した横島側の政敵を無能とあざける色はない。むしろ信じられない事態に困惑している様だ。そのエヴァの言葉に茶々丸が答える。

「だから何度も言ったじゃないですか。この世界では一部の例外以外では男がベッドで勝つ方が一般的で。 まして忠夫さんの様に、強い霊力や性魔術を学んだものが負けるとかありえないというのが世界の人達の認識なんですよ」

「うむ。知ってはいたが、事実だと実感できたのは今日が初めてだ。でなければあれほど有能な者たちが疑いの色を一切見せないのも説明がつかん」

 エヴァの言葉には深い実感がこもっていた。あまりにも非人道的な妖怪を討つという点で同盟しつつも、妖怪の方を上に置こうとする政治派閥と上下関係が緩いとはいえ、
妖怪を人間が支配する形にする彼らの家は婚姻の頃から同盟しつつ政争もしてきていたらしい。
だからこそ横島の庇護者たちの有能さも見てきていたのだろう。 そこまで考え終えると、エヴァは彼を再び見下ろすと言った。 

「もう少し間が空くと思っていたかもう来ていた。それでは我が僕たち全員とまぐわいたてのお前を味わせてもらうとするか」

 逃げようとする彼を四人のメイドが拘束し突き出すと、彼女は笑って近づいてくる。たとえメイド達の拘束がなくても絶対に自分は逃げられないくらい弱り果てていたが、
上下着ける為に敢えてこうしたのだろう。エヴァは彼に跨り一度射精させると、一気にその霊力を吸い取った。そしてメイド達とが面白そうに手を差し出すとエヴァは一口ずつ彼女たちの血を吸った。そしてユウキと茶々丸もそれに習い彼女に血を捧げる。

 その直後に彼女の牙が彼の首筋に来た瞬間、自分がこの世界の基準でどれだけみっともなく女達に負けて来たのか、彼女達全員の視点が伝わって流れ込んでくる。二度目の射精をする彼にエヴァは笑いながら言う。

「お前と血を吸い感覚を共有したから分かる。この無様な現状が余計にお前を興奮させているな。さっさと達しろ。クズが!」

「あ、そんなことわざわざ口に出さな、あー!」

 言い終わる前に達した彼はエヴァの秘所に貪り尽くされる大量の射精が脳に焼き付いたまま倒れた。エヴァにやられなければとれないであろうこわばりが取れるのと引き換えに、
全員との情事でできた隷属させる傷跡に快楽の炎であぶられたような跡がついた感じがした。倒れる彼をしり目にメイド達が恭しくエヴァに服を着せ始める。

「一応、帰り道で忠夫の仲間に見つかったら、ベッドの中で負けた振りくらいはした方が良いか?」

 エヴァの問いに茶々丸が首を横に振ってこたえた。

「いいえ、いつも通りの態度でもこの世界では必死に強がっているくらいにしか思われませんよ。忠夫さんが、恥ずかしくて言い出せないのもそういう世界だからです。どんなに無様をさらしても最終的に全ての迷宮を攻略すれば、全て帳消しになるっていうのもあるんでしょうけど」

 そこまで言われた彼はエヴァが出て行った直後に倒れた。彼の様子を満足そうに見て嘲るように笑うメイド達の声が耳に響き、その声が媚薬の様な効果を自分にもたらす様になっていることを実感が彼の焦燥感を余計に煽った。






 弱り果てた彼は少し悩んだ末に、ルイズの骨董品屋に行った。久しぶりに店番の女性ではなく、ルイズ自身が迎え入れてくれた。彼女は柔和な笑みを浮かべて横島に注文を促してくる。

「忠夫くん、大変そうね。 回復薬必要。かなり良いものがそろっているけど」

「ありがとうございます。でも要らないかもしれません。以上に搾り取られたのにもう治りつつある気が、エヴァに飲まされた神酒の効果かも」

「ああ、あれ。私が旅先で見つけた薬酒よ。ゲームで言えばHPとMP全回復。かつ2,3日リジェネ状態になる希少品。エヴァ達が最初の一本だけは自分たちに売ってほしいって言ったから、棚に並べてなかったけど、今なら貴方に売っても問題ないわね」

 横島はルイズの旅行先で掘り出し物を見つけるのが異常に上手い才能に舌を巻きながら購入する旨を告げた。彼女は柔和な笑みを浮かべながら商品を渡してきて言う。

「忠夫ちゃん、今夜はアリスちゃんたちの迷宮に来るのよね。私の迷宮も多分東吾されているから気を付けてね。 いえ、負けたらとってもいいことになるから楽しみにしていてね」

 ルイズの言葉と手を見ると彼の分身が元気づき始める。それを見て彼女は笑う。

「やっぱり魂は覚えているのね。私この手で何度も貴方の息子を可愛がったから。今生ではできないかもしれないけど」

 全然本心じゃない言葉が彼の背筋を続々とさせてくる。ルイズはどこか恐ろしい笑みを浮かべながら言葉を続ける。

「降参しない? 今なら恥ずかしい以外のデメリットをなくすこともできるけど。迷宮を支配しているボスより強い神様が私の知り合いにいるからその神様、神綺様っていう人に頼んであげるけど?」

「代償は?」

「貴方の閨の中での男の誇りの全てかな」

「お断りします」

 即断にルイズは嬉しそうな声で返した。

「も〜う、この世界神過ぎるわ! どれだけ女性にベッドの中で負けるのが恥ずかしいの! 女権国家じゃ考えられないわ。 前世から活きが良かったけど、こんなに活きの良い餌になるなんて! 早く迷宮に来てね」

「行きますけど餌になるつもりはありません」

 その横島の言葉に、少し考えるとルイズが薬らしきものを一本取りだしてきた。

「これも私が旅先で見つけた掘り出し物なのだけど、これを使ってみない?」

「なんですかこれは?」

「色仕掛けとかに対する耐久度が凄く高くなって。犯されたくてたまらないとか、そういう感情も抑えることができるようになる薬よ」

 そこまで言った後ルイズは次の言葉は忠告の為か強い口調で言った。

「ただし、これを飲んだ場合正々堂々戦って負けて逆レされると、いつもより屈服の度合いや快感によるトラウマの刻まれ具合が上がってしまうわ。下手するとたった一回の敗北で完全に心折れちゃうかも」

 横島はその言葉に深く悩んだ。今の自分は相当に彼女たちの色香に犯されている。しかし大奥迷宮は、普通に戦っても恐ろしい場所だ。色香が通じないとなれば彼女達も本気を出してくるだろう。
そして負ければこの薬の副作用でいつも以上に記憶に刻まれやすくなった自分は完全に屈服する可能性も高い。だが現実世界と夢の世界両方で戦い続けて実力派相当上がっている。
だからこそ、色香に迷わない状態で挑めば負けずに済むと信じる気持ちも強い。少し悩んだ末に彼には薬を購入することにした。

 ルイズから薬を受け取ると彼は、そのまま自宅に戻り毎週の週末の通りに挑む心の迷宮に挑む準備をした。




 アリスとルイズとリグルの心の迷宮に入った彼は霊波刀を構え一気に駆ける。ユウキと茶々丸の力は今回は借りないことを決断した。彼女たちは最低限の約束は絶対に違えないが、
それでも内心では横島を屈服させて支配したいと思っている。そうである以上どの様な不確定様子が生じるか分かったものではない。横島は今生で学んだ全てを思い出しながら、敵をなぎ倒しながらかけた。アリス配下の人形達に対しては、
エヴァから学んだ合気道の気の使い方を応用した気のぶつけ方をして魔力の気の巡りを悪くして倒していく。そしてリグルの配下に対しては閃光手榴弾などで混乱させ撃破していく。
ルイズの使い魔らしき存在はあまり出てこないが、時々彼女が見つけたらしい掘り出し物で強化されたアリスの人形などが出てくることがあった。

599 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:58:23 ID:A4iGS+R7

 一つの大きな門を打ち破ると、立派な大広間があり、奥のキングサイズのベッドにかけるアリスとルイズとリグル。そしてその前に親衛隊の様に洗練された、動きで侍るメイド姿の人形達がいた。
彼女たちは剣を持ち一切気配を感じさせないものが二体と、ハルバードを持った強い気配を感じさせる二体の人形だ。構える横島に向かってアリスが言う。

「その四人がこの迷宮の最後の中ボスよ。頑張って倒してね。色香に溺れずに最適な戦い方をする忠夫格好よかったわよ」

 アリスの言葉を聞き本心だからこそ調子が狂うと思いながらも、ルイズからもらった薬がなければ恐らく自分は分身が負けたいと言い始めて、実力が半分も出せなくなっていただろうなと思った。


 人形たちが一斉に切り込んできた瞬間に彼は即座に動いた。羽根に弾かれた様な勢いでい飛んできた二対のハルバードをかわし、気配が希薄な人形の剣を気配ではなく、
空気の流れを感じ取ることでかわした。気配の強い人形に関しては元からそういう風に作られている以上は、一定以下まで気配を弱めることができない。
アリスの心の世界でもある以上は、アリスの現実世界での認識もまた強くなる。 攻撃をかわしながら戦斧の連撃を避けて、剣の人形達に一瞬だけ全神経を集中させると、
力押しだけで破壊できる瞬間を見極め一気に切り込んだ。 アリスが魔力を送り強化したのを確信すると彼もまた少しの時間か出せない力を振り絞り鍔迫り合いを制しかけた瞬間、
鈍器で殴られた様な感覚が全身に走る。殴り倒され上を見ると5体目の人形がいた。それを見て彼の頭に湧いたのは、騙されたという憤りではない。なぜよくある駆け引き程度の嘘に自分が騙されたのか、
と言う疑問だ。そういう疑問を彼は抱き同様の中にあっても、彼の行動は迅速だった。即座に『転』『移』の文珠を使うと部屋を後にした。




 移動した彼は自分の精神領域の部屋のベッドに腰を下ろすと、回復の文珠を使うまもなく、息を切らした。なぜなぜ、こんなことになったのか。
あれはまるで見え見えの嘘をなぜか本当だと取ってしまっていた。その理由がわからないと今後も騙され続けかねない。そう悩んだ瞬間、不意に鈴を転がすような声が響いた。

「忠夫、前世のとはいえ、妻の寝室に訪れて何もせずに帰るのは無体過ぎない?」

 驚愕と共に振り替えるとアリスの姿が目の前にある。驚きながら辺りを見回すと、その後ろにはルイズとリグルの二人のもいた。彼女たちの背後の決して自分以外の手では開かないはずの自分の精神領域の扉が開いている光景が彼の精神にさらに追い打ちをかける。

 アリスは回復しきっていない彼の唇を奪うと舌を絡め始めた。彼女の甘く優しく、それでいて、彼の体の糸を断ち切り尽くしていくような舌が脳の中の糸を切り落としいく様な感覚がする。彼女は口づけを終えて、人形の様に崩れ落ちる彼を見下ろしながら嬉しそうな笑みを浮かべながら言った。

「実を言うともう邪神と言うかそれと入れ替わった、迷宮の主は復活してこの迷宮完全掌握済みなのよ。 貴方や他の迷宮攻略している男の子たちの精はずっと前から、復活分は溜まっていたの」

「そ、そんな。ならなぜ」

 言い終わる前に四人目の姿がこの場に現れる。ダークピンクの艶やかなロングヘアーをたなびかせた一流の女社長を思わせる高級スーツに身を包んだ豊満な体をした美女だ。彼女はアリスに口づけされて糸が切れた人形の様になっている横島を見下ろすと笑みを浮かべていった。

「陸八魔アル。前世で貴方と深い仲だった悪魔よ。この世界ではベリアルの力を持つ存在と言えばわかるかしら?」

 そこまで言われて横島は全てを理解した。

「そう、ベリアルは神の名の元に誓わなければ嘘しか言わない。それでも、騙されてしまう召喚者が多いのは本当の事としか思えない響きが嘘の中にもあるからよ」

「つまりあと、五百回と言ってたけど、本当は二百回とかだったと」

「正解」

 アルが手を振った瞬間、横島の肉体に変化が起きた。今までは現実の体とほとんど変わらぬ精神体だったのが、完全に本当の生身となったことが分かった。アル社長は笑みを浮かべて言う。

「夢と現実の境界も完全に私の支配下に落ちたわ」


 アルが笑みを浮かべて手を振ると、一瞬で現実世界の自分の部屋へと変わった。次いで女権国家で悪魔が男を完全に支配下に置く儀式場を思わせる寝室へと変化する。回らない頭を精一杯働かせると彼は問いを投げかけた。


「俺をどうする気だ?」

 アルは少し考えた後、答えた。

「今日は前世で貴方が完全に私達に屈服して忠誠を誓ってくれた記念日なの」

 そういうと彼女は笑いながら、服を脱ぎ始める。 彼女のその仕草と肌に目を奪われ瞬きすらできなくなっている彼を見下ろしながら彼女は言う。

「この迷宮は完全によみがえったから、この迷宮の管理者の一人として、貴方もこの迷宮を守るものとなってもらいたいわ。この一言については真実だと神に誓うけど、かつて邪神の様な悪趣味には使わないから安心して。 これから前世の再現をしましょうか」

 そういいながらアルが彼に跨り分身を飲み込むと。今までとは根本的に違うレベルで何かが変質していく感覚が全身に走った。
残った抗う力全てが快感にすりつぶされた様な錯覚がした。そしてそのまますりつぶされたもの全てがアルの秘所の中で嫐られる分身から出ていくような錯覚がと共に射精が起こる。
震えた一物をアルは嬉しそうに迎え入れると彼の唇を塞ぎゆっくりと舌を搦めて与えてくる快感で、彼の中で磨り潰されているものを全部出そうとしているかの様だ。 舌を絡められるごとに精液が何度も出て倒れた彼を見下ろすとアルが離れてアリスとルイズが彼を挟みだした。
アリスが彼の分身の模造品を彼の背にくっつけるとそれは完全に生の肉棒へと転じた。アリスは笑い言う。

「普段のアルはここまでできないけど、夢と現実の境界を薄くできる迷宮に嘘すら真実に近づけるベリアルの力が合わさったからね」

 そういうとアリスとルイズは茶々丸とエヴァがした様に彼を挟んだ。アリスが前方となり、ルイズが背後に着くと、申し合わせたように同じ瞬間に二つの女陰が彼の二つの分身を飲み込む。

 どこまでも甘く、脱力させる快感が彼の二つの分身から伝わりそれでいながらアリスに操られる人形に自分が変わっていくような感覚がすると、アリスの指から出る魔力でできた糸が彼の内部に入ってくる。 彼の体はアリスの意のままに動き、時にルイズとアリスの乳房や尻を揉みしだく。
その度に射精が起こり雷に打たれたように震える彼を愛おしそうにアリスとルイズは抱きしめる。 二人に抱き寄せられ二つの分身が二人の奥底まで飲み込まれてしまいアルに磨り潰された反骨心とは別に、自立心すら溶かされていくような感覚が襲ってくる。
甘く脳髄に霧がかかるような甘い快楽が蜘蛛の毒の様に彼を蝕み、アリスの射精するたびに霧が深くなり、アリスの糸が脳の神経にまで入ってくる感覚がする。

 完全に脳が屈服した感覚の後アリスが彼にディープキスをしてきた。それと同時に彼の二つの分身から、一際大きな射精が起こった。その射精と同時に彼の体が子供へと戻り、アリスが嬉しそうに丁度胸の位置に来た彼の頭を抱き込む。
しばらくの時間がたつと、彼女は乳首を彼の口にねじ込み、ルイズと二人で撫で始める。時々つぼを押されたような感じになる撫で方が彼に射精を強く促してきた。何度目かの射精の後アリスとルイズが位置を入れ替えた。ルイズは笑いながら言う。

600 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:59:42 ID:A4iGS+R7

「ほらほら、アリスの旦那様なんだから私にとっては義弟。お姉ちゃんに思いっきり甘え尽くしなさい」

 ルイズの撫で方はアリスよりも快感の引き出し方が正確性がない代わりに、脱力させるおおらかな感じの愛撫だ。それを見ながらアリスが言う。

「姉さんの方が甘えさせたり脱力させるのは上手なのね。中々上手くいかないわ」

「大丈夫よ、私の愛撫に慣れた後にアリスちゃんにされると効果が倍増するから。アリスちゃんにはアリスちゃんの長所があるでしょう。 それに、甘えて堕落脱力させるのも下手というわけじゃないし。魔女の名に恥じないくらいにはできていると思うけど」

「それでも、自分より上手い人がいるとそれくらいになりたいと思ってしまうものよ」

 二人が離れると彼は大人の体に戻り、この世界であるまじき女性優位の幼児プレイをしていた事実が彼の恥辱心を煽りぬいてくる。
そして最後とばかりにアリスが手を振ると彼の体が再び立ち上がる。玉座らしき椅子に座り、あたり全体を見て気づく、ここはかつて予知夢で見た全ての女性を屈服させていた閨だ。


『俺がどこかで折れたせいで、彼女達を支配する閨で逆に支配されることになってしまったか』

 彼の心の中を見通したようにアルが不意に否定の言葉を口にした。

「いえ、貴方は折れてないしあの予知夢はこれから実現するわよ」

「は?」

 間の抜けた言葉を出してしまう彼を見ながらアルがアリスに目配せすると、アリスが人形を動かす様に手を動かし始める。彼の体は完全にアリスに掌握されて、人形の様に動き出した。
 そしてそのままエヴァやリグル茶々丸までがいつの間にかこの部屋に現れると、表向きだけは男性優位の性行為が始まりだした。






「ああ、忠夫様、敵対してた時に生意気言って申し訳ありませんでした。許してください」

 茶々丸が口だけでは負けている様な声を出しつつ、迷宮の力でテレパシーを使い馬鹿にした言葉を送ってくる。

『早いですね。これで私やエヴァ様たちを閨の中で倒せると本当に思っていたんですか。早漏さん♪』

『やめて。テレパシーで罵らんといて。普通に口で言われるより辛い』

 アリスが抜群の演技力で彼の耳に息を吹きかけながら言う。

「忠夫様♪ さっき許してって言ったばかりだけど、また欲しくなっちゃいました。茶々丸が終わったら可愛がってください」

『忠夫、とっても可愛いわよ。早漏呼ばわりされたり些細な罵倒で直ぐ内心なく辺り、声が可愛すぎるわ。その弱い一物もたくさん精子出しているから一応生物学的には意味があると思うわ♪』

『あ、ああ……』

 アリスの優しい言葉にもはやまともな言葉すら発することができない彼をアリスは表向き閨で負けた雌奴隷の様に接しつつ、彼にだけ分かる嘲笑と慈愛の眼で見ている。
その目が表向きの態度こそが本来の男女の営みの姿だとより強く突きつけ、ある意味では普通に閨で負けている時以上に恥ずかしさが煽られる。



 何度も心が死ぬほどの恥辱心を味わいその度にありえない程の量の射精をし続けた彼の眼のまえでアリスが指を動かした。そしてそれを合図にかつて彼が予知で見た未来が展開される。
アルとエヴァとアリスの三人に上から多い被さり迷宮の主である悪魔アルと繋がりながらそれだけでは足りぬと、アリスとエヴァの乳房や尻を揉みしだき喘がせる自分。だがそれは表向きの話だ。
本当はアルと繋がっているだけで限界が来て何度も射精しているうえに二人に糸で操られ二人の乳房や尻を揉まされる度に射精の量が増えて快楽の地獄を味わっているのは彼だ。 乳房を彼の胸板で潰しながらアルが笑いながら念話を送ってくる。

『実はこれが過去の貴方が見た未来の真相よ。過去の貴方はこれを見て、私たち相手に男性優位の性行為ができると思って頑張っていたの。 ベリアルの力で本当だと嘘を本当だと思わせる力もマシマシで使っていたからね』

『イキってすいませんでしたアル様。だからもうこれはやめてくれませんか』

『過去の貴方に見せる映像収録完了だから別に良いわ。次はリグルちゃんと交代ね』


 リグルがかつて横島の家に敗れた悪辣な虫妖怪たちすら従えた物の証であるマントだけを羽織り彼の前に訪れた。動けない彼は馬乗りになられて騎乗されてただひたすら喘いだ。アリスが横島の人形を使い、
別の視点からそれを見せると、自分はかつて先祖が倒した外道たちの頭目に屈服させられているという背徳感と恥辱感が強まる。射精し倒れた彼を見下ろしながらあるが言った。

「今回一番の功労者に来てもらおうかしら」


 アルがそういって指を鳴らすとユウキが姿を見せた。彼女は笑いながら言う。

「見事に騙されて惨敗雄奴隷落ちしちゃった。忠夫、残念だったね」

「ど、どこからワイをだまし取ったんや?」

「逆だって僕はインプとして君に協力してたんだよ。アル社長と契約して君の使い魔でもある状態なることで、嘘を信じ込ませていたんだって。 アル社長もう良いですよ、契約一時的に切ってもらえますか」

「ええ」

 アルが契約を切った瞬間、ユウキは間違いなく自分だけの使い魔になったと彼には分かった。そして完全に自分の使い魔になったからこそわかる。 彼女は、嘘を言っていない。そしてユウキが腕を振ると一瞬で彼は瞬間移動を果たした。





 戻ってきた場所は自分の心の部屋だ。だがそこは既に、立ち向かうための攻略部屋ではない。今まで大奥迷宮で嫐られた絵画などが山ほどあるクリア後の記念部屋の様になっている。

 それを見て全てを察した彼が最後の答え合わせを求めるように彼女の方を見ると、ユウキは笑いながら言う。

「うん。本当は数回で忠夫折れちゃってたんだ。正確に言うと、折れてはいないけど負けて逆レされるのが癖になっちゃってた。だからアルさんからもらった力で、この世界の男子らしく、いつかは僕達を屈服させて見せるって気持ちでいるという、忠夫が自分についている嘘を信じさせたんだよ」

「お前がそうしてくれていないと俺は直ぐにゲーム―オーバーだったわけか」

「まあ、覚えてなくても前世の関りとかから、僕達を信じてくれているせいか、そこまで抵抗する意義を見出せなかったというのもあったんだろうね。だからアルさんに頼んで折れてないという自分に着いた嘘が本当と思えるように使い魔をやっている僕が調整して、さらに、実は非道な魔王かもしれないって嘘も信じさせたんだ」

「そうか」

「うん、でも嘘を取り除くとこの通り、忠夫の望みはこの世界の男性にあるまじき閨で女性に負けてイジメられるの大好き、ゴミ屑男だったのさ。 君の使い魔としての僕の力はこれさ」

 そういってユウキが彼を掴むと、今まで彼が印象的な敗北をして女性達に逆レイプをされた迷宮にテレポートをしていた。

601 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:01:01 ID:jdfizMiN

「今までの敗北で特に気持ちよかったのを再現しまくってあげるから楽しもうね。忠夫♪」

 ユウキが彼を押し倒すといつの間にか来ていた他の女性達が笑っている。ユウキと繋がった瞬間、一気に彼の意識が飛びそのまま彼の長すぎる夜が幕を開けた。







「あー!」

 何度も激しい快楽を味わい精神が限界を超えて完全に彼女たちの奴隷となった後、彼は今生に戻ってきた。周りには彼から精と霊力を奪いつくした彼の大切な女性達がいる。最後につながっていたユウキは満足そうに彼から離れると服を身に着け始めた。

 しゃべることすら億劫になった彼の眼をのぞき込むとアリスが、説明を始めた。

「これであなたは二、三日は動けないけど、今見た来世の実戦経験とかも体がある程度覚えたはずよ。そして私たちに調教され尽くされたから、もう敵の女の色仕掛けは聞き辛くなったでしょう」

 その言葉に彼は納得を覚えた。女権国家の女性に負けない手段の一つとしては、完全に味方である女権国家の女性に堕とし尽くされれば、敵の女性に堕とされる余地は消えるかもしれない。
そこまで考えてから、意識が落ちかけるといつの間にか来ていた。茶々丸とエヴァの配下のメイド人形達が近づいてきた黒髪のショートヘアのメイドが笑いながら言った。

「忠夫様、私達はエヴァ様の魔力で動く人形です。下手に肉体を持つと逆に罠にはまりやすくなる恐れもありますから。ですから、早く女権国家の仕事を終えてしまいましょう。そうしたら、付喪神となった私達の魂を神綺様に頼んだりして転生しますから」

 ルイズも彼に近づき夢の中の行為を思い出してくらくらとする彼の肩を持ちながら言う。

「忠夫くん、早くことを終えてアリスと共に何の憂いもなくいちゃつけるようになってね。私は女権国家の皇族に旅先で見つけた珍しい商品を売る仕事をしていたから、味方よりの中立くらいにしかなれないから早く、アリスと一緒に貴方を可愛がりたいから」

 他の女性達と同じく彼を現実でも嫐りぬいた彼女の声が意識が落ちる前の彼の意識に深く染み込んだ。意識を失う彼を他所にアリス達は黒髭の船のある方角を見た。恐らくは、彼に頼まれたことを全うできたとは思うが、彼の策は上手くいったのだろうか?

 アリスがそう考えた直後に大きな爆発音が遠くから響いた。間違いなくあれはティーチの船の方からだ。ルイズと意識を失った横島以外が驚愕したのを見て、一同の眼はルイズに集中する。最も現状を理解しているのは彼女だろう。ルイズは少し考えるとティーチと皇族たちどちらにも不義理でないラインを考えそれから答えた。

「多分だけど、ティーチの謀略が効きすぎたのね。彼の事だから自分が死ぬことになってもターゲットには確実に大きな傷を与えるでしょう。けど、獣の縄張りを犯す程度のつもりが、一番深く生存に関わる巣を突いてしまった。そんなところでしょう」


 ルイズの言葉を聞き全員がティーチを助けに行くべきか一瞬悩んだが、今回はいかなる事態が起きても援軍不要と言った彼の言葉と、横島を二日くらいは戦闘不能にしておいてほしいという言葉を考慮して撤退を選んだ。戦えない横島を最優先にした方が自然だろうし、そうしてほしいと多分彼は考えているだろう。





 爆発音が響いた元である黒髭の船は炎上し多くの兵士たちが逃亡の用意をしている。その中で全身傷だらけになった黒髭が、剣を構え敵と対峙していた。いくつか深手を負いつつ、それでも動きを致命的に鈍らせる様な傷は避けている辺り、多くの修羅場を潜り抜けてきた戦士であること彼は意識を集中しながら叫んだ。

「まもなく合図を出す、そうしたら一目散に撤退だ。わき目も振るな。とにかく逃げろ」

 黒髭が剣を構える中で彼の横にいる大鳳が前に出ようとするとティーチはそれを止めた。

「今の大鳳キュンではどうにもなりませんぞ。ここは逃げの一手です。 やれやれ少し策が効きすぎたかな。 最悪俺が死んでもあの女に深手は与えられそうだがな」

「ティーチさん生存できる見込みは」

 心配そうな大鳳の声にティーチはふざけた口調を改め、それでいて息子や弟を気遣う年長者の様な声で応じた。

「船乗りとしては忸怩たる思いですが我が身一つならどうとでも。とにかく今はお逃げください。提督の御子息殿」


 『提督のご子息殿』その言葉を聞いた瞬間目の前の敵=ベルファストの体から弾けるような殺気が迸り、メイド服をたなびかせ一気に黒髭の首を取りに切り込んできた。あまりにも完璧な型であるがゆえに機械すら思わせる連続攻撃をティーチは時に傷を負うことすら織り込み済みで受けながら下がる。
 大鳳はその戦いを眺めながらなぜこうなったのかを必死に考えて回想し始めた。今自分が取るべき、最善手を打ちティーチを助けるためだ。





 


 雛祭りの浄化の儀式を終えた後、大鳳はティーチに船に残ってほしいと言われていた。彼は敢えて陸上に船を停泊させて、大鳳に向かい話始めた。 普段は大鳳に対しても子供に対する甘い対応をする彼だが、
今の彼は提督の息子である大鳳に対して礼儀正しい態度になっている。この態度から察するに彼がかつて話した幾つもある出自のどれかは本当なんだろう。 提督に命を助けられた船乗りの子孫、
あるいは提督に駆け落ちを意図的に黙認された、高級士官と良心に目覚めて抜けた篭絡部隊の間の子供だったとか、他にも上げればきりがないが、どれが本当の出自でも提督の子供であると言うだけで彼が好意的になるには十分すぎる出自だ。 
ティーチは辺りを伺うと、大鳳の眼をのぞき込み真面目な口調で言った。

「大鳳殿、貴方にかけられた性質の悪い呪いの効果はいかがですかな?」


 ティーチの問いに大鳳は驚いた。確かに今は軽くなっている感じがする。アンリエッタ皇女を害する策はなかなか実行に移せないが、今の状況が拙いことはわかり、絶対に逃げなきゃという思いが強く湧いてくる。 大鳳の顔色の変化をティーチは皇帝と取ったらしく彼は言葉を続けた。


「もともと名剣でも鬼を殺した刀は鬼殺しの神通力を帯び始める様に、この船は自由を守る海の神の加護の元多くの悪霊を祓ってきました。故にこの船の船上なら大鳳殿のその呪いも多少は抑えることができるのでしょう。 しかし、解くことは今の所不可能に近い。大鳳殿、貴方はどうしたいですか」


 大鳳はそれを聞き考えた。自分はシノンやキャル姉の為にも生きなければならない。だが、仮に自分の失態で受けた呪いの為に仲間たちまで裏切るようなことになりさらに国を裏切るような事態になったなら、どれだけ多くの仲間に迷惑をかけることになるだろう。
その中にある大鳳の葛藤を見たかの様にティーチは言葉をかけてきた。彼のポケットの中で横島から譲り受けた文珠が『嘘』となっていた。彼はその文珠の力で、真実としか思えない嘘を口にした。

「大鳳殿、定期的にこの船に来られなさい。提督殿は半ば望む様にミク女史に殺された。もしも呪いが進行してしまったのなら、ジャギ殿や、横島殿にはできないこと介錯を拙者にお任せあれ。元篭絡部隊の女生と深く関わった俺だからこそ、やってはいけないことも分かっている」

 黒髭の手元には『導』に文珠が輝いていて彼の思想を多少誘導していたのも手伝い大鳳は深く悩んだ末に答えた。

「定期的にこの船に来るようにします。そしてもしも、僕が手遅れになっているようなら介錯をお願いします」

 黒髭は礼儀正しく従者や騎士の様な様子で彼に誓いを立てた。

602 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:03:48 ID:jdfizMiN

「お任せください。ミク女史が殺すより私がやった方が王国の内紛の可能性は低いでしょう。そしてこの船は自由への門出を司る神々の儀式を受けた船。この船で殺されれば貴方の魂は必ず良き場所に行くでしょう。 
猶予はあまりありませんぞ。早く解呪を急いだ方が良いかと介錯の準備を申していますがな。やはり提督殿の御子息だからこそ、最後も篭絡されて裏切る前に死を選びますか。提督殿に恩ある一門としてその意図叶えましょう」


 そう答えた瞬間突然陸から人間離れした動きで人影が船に飛び移ってきた。純白のメイド服に身を包み銀色の髪を棚引かせた美貌の主、ベルファスト。彼女の眼は大鳳に向ける慈愛の眼でなく、殺人機械を思わせる目に転じていた。
そしてその視線はティーチに注がれている。 さらにアンリエッタ皇女御用達と思われる傭兵部隊や戦闘に長けたメイド達の姿もある。ティーチはその光景を見て内心でほくそ笑んだ。ことがなったと。




 ベルファストはアンリエッタ皇女が大鳳に仕掛けた盗聴器、ルイズが頼まれてつい先ほど仕掛けたらしい高級品からのやりとりを効き、目の前が真っ赤になった。
各地で霊的トラブルが多く起こり狂三が一時間だけ、かかりっきりになると聞いた直後の事態だった。彼女の中ではティーチ殺害、あるいは大鳳が自裁する為に必要なものの完全破壊がミッションとして浮かぶが、
辛うじて最後の理性がそれを阻んでいた。だが、彼女のそれを外してしまう声が響いた。無線先のアンリエッタ皇女の声だ。

「ベルファスト責任は私が、取ります。あの子の自裁に必要な呪いを弱め自殺できるメンタル状態を取り戻させるものを破壊。場合によってはティーチを」

 アンリエッタの声は冷静さを失い手負いの獣を思わせる様子だったが、それでもティーチを殺せと言わないのはそれがどれだけ拙いことか彼女が理解しているからだろう。 
大鳳と言う戦争の最低限の暗黙のルールを破られ親を殺された被害者が性質の悪い呪いを受けて、売国行為をさせられかけている。その意を組んで介錯しようとした女権国家人、犯罪者でもない自国民を殺害しろと皇女が命令したらそれこそ終わりだ。
そもそもこの通信事態冷静な状態のアンリエッタならありえないものだ。ここは敵の罠の中、皇室の回線を通じた通信をティーチは絶対に盗聴している。そして確かな証拠とするだろう。それが分かっていてなお大鳳が殺されるかも、
その事態がアンリエッタ皇女の冷静さを著しく奪っている。 アンリエッタは最後の理性で殺害を命じる言葉を飲み込むとベルファストに命令を下した。

「あの少年は私が好きな殿方です。呪いがかかっていても、それは変わりません。『いかなることをしたとしても』責任は私が取りますから彼が自裁できない状態に持って行ってください」

 アンリエッタのこの言葉はティーチ殺害すら許すというものだ。だが、この発言なら意図した殺害ではなく、過失致死となるだろう。ベルファストは飛んだ。皇族の命令でやったとなれば今回の件では自分は責任を問われない。
『どんなことをしてでも』大鳳が自裁できる環境を破壊する。アンリエッタ配下の戦闘に長けたメイド達と傭兵を率いて彼女は一気にティーチの船に突撃した。





 アンリエッタ皇女から信じられない速さで届けられた女権国家でもめったに作れないオカルトの力も込められた超高級焼夷弾を曲芸師の様に飛びまわりながらばらまき、傭兵たちにもばらまかせ彼女はティーチと大鳳の間に立った。 ティーチは薄ら笑いを浮かべながら前に出た。

「王国への忠義とまどか王女への愛に準じようとする提督の御子息の妨害をしようとは感心しませんな」

 ベルファストにはティーチの軽口がもはや耳に入ってはいなかった。大鳳とティーチが密談している位置こそがオカルト的な船の守りの硬い場所だ。そこに大量の焼夷弾を打てば一気にこの船が沈み切る。
 ティーチの配下の海賊団も決して弱卒ではない。むしろ精兵の端くれを名乗れる程度には強い。だが今この船を襲撃しているのは大鳳への好感度ドーピング済みの近衛兵めいたメイドと皇室からも声がかかる傭兵団だ。さすがに相手が悪い。 そして連続攻撃を仕掛けると戦い慣れたティーチは押され始めた。






大鳳は全ての状況を思い出した後自分が、取るべき行動を見いだせずにいた。しかし、戦場に直ぐに変化が訪れた。ベルファストの猛攻を辛うじてしのぐティーチそこに、何人かの特に強かった彼の部下が脱出してこちらに来るのを見越した時に彼は叫んだ。
部下たちがベルファストにピストルを撃ち、彼女に隙ができた瞬間ティーチが外套を脱ぎ叫んだ

「大鳳お前は、逃げろ。部下共聞こえるか。俺が死んでこの船が燃え落ちたら、俺の今脱いだ外套だけは持って逃げろ。それがあれば大鳳殿の望みは叶えられる」

 これは嘘だが『嘘』の文珠の効果でとても上手な嘘となった。それを聞いた瞬間、ベルファストがティーチに切り込んだ。 ティーチの殺害はベルファストにとっては目的ではなく手段に過ぎない。彼女が最も優先すべきはこの船の破壊だ。
だが今もう一つ目標ができてしまった。このティーチの外套あるいは中にあるものを破壊しなければならない。 ティーチに弾丸すら思わせる速さで彼女が迫るとティーチは不敵な笑みを浮かべて構えた。


 ベルファストの連続攻撃がティーチを何度も捕らえたなか、機械の様に正確で最善手を打つからこそ、癖を呼んだティーチは幾つか深手をもらうのと引き換えに鉄の篭手に包まれた拳を彼女の肺のある場所に打ち込んだ。 
そしてその重すぎるカウンターをもらったベルファストの反応は不敵な勝利を確信した笑みだった。 ティーチは僅かに動揺した。手ごたえからして間違いなくクリーンヒットをしたにも関わらずなぜ。刹那にすら満たない同様の時間はベルファストの次に繰り出した蹴りで彼が吹き飛ばされることで終わった。

 大鳳が逃げたのを確認するとベルファストは大鳳とティーチがいた場所にありったけの焼夷弾をばらまいた。そこかが燃やされると霊的加護が破られたためか一気に他の個所の炎上も激しくなった。 辛うじて立ち上がったティーチが『癒』の文珠を使いこちらを見ているのを見て向かいうとうとする彼女に無線機から狂三の声が響いた。

「ベルファスト今夜はこれで終わりになさい」

「狂三様。アンリエッタ様は」

「一時的に私が拘束と言うか眠らせましたわ。今回は貴方が負けたというより、皇女様がティーチに謀略戦で完敗しましたわね。 最も自覚できていなかった弱点を不意打ちで殴られたらこの醜態も仕方ありませんけど。 本当に幸運極まることに誰も死者が出ていませんからまだらぎりぎり取り返しはつきまわすわぁ」

 ティーチが付いた弱点、アンリエッタ皇女が無自覚で、大鳳に対して本気で恋をした状態になっているそれを彼は見抜き、敢えて彼の意を組んで殺害することすらほのめかしたのだ。
そしてこの船を破壊すれば彼の自裁を止められるという餌も用意して、謀略家としては百戦錬磨でも男に本気で入れあげたのは初めてな彼女は見事にその策に嵌った。狂三は苦々しそうだが、ティーチを見る目はできる息子を見る母の様でもあった。

「女権国家の男性は弱くて情けないと固定観念にとらわれすぎでしたわね。アドルの様な例外がでたこともあったのに。 とにかく早く戻ってきなさい。 それと今すぐエリクサーをお飲みなさい」

603 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:06:00 ID:jdfizMiN

 ベルファストはそれを聞き、渋った。もはや船は完全に焼け落ち今の所は大鳳が自裁する可能性は殆どない。そのためか彼女の心に余裕ができた。
その考えが告げる今回の件は明らかに失態だ。その失態で傷を負った自分が女権国家でも十年に数本しか作れない高級品を使って良いのだろうか? 悩むベルファストに狂三の言葉が続く。

「今貴女がティーチに殺害されたら、正当防衛扱いになってしまいますわぁ。今の貴女は好感度ドーピングの中でも愛しの殿方が死ぬかもと思って俗にいう火事場の馬鹿力になった状態。 意中の殿方の安全が確保されて、それが切れてしまえば直ぐに反動が来ます」

 その言葉が終わったのが合図の様に肺を殴られた時特有の呼吸困難によるしびれの予兆が彼女の全身に出始めた。ベルファストは膝をついた直後、
体が完全に動かなくなる前に躊躇いなくエリクサーを飲み下した。肺の痛みが引き体のしびれの予兆が一気になくなった。




 ティーチは攻撃が一気に緩んだのを確認すると、ベルファストが崩れ落ち、エリクサーを飲んでから撤退する姿を部下たちが見たのを確認すると撤退の合図を出した。
この光景を見せることで絶対に勝てない怪物だという恐怖が部下に浸透するのを防いだのだ。


 大火が起きた後モヒカン軍団や北斗姉妹、横島と縁深くなった女性の人外などが集まり、援軍として訪れ、事の仔細は警邏隊に報告された。 女権国家という国柄の為か、
アンリエッタに与えられた政治的な打撃は他の国でこれが起きた場合と比べれば凄まじく小さかった。 ティーチが介錯しようとした相手が大鳳だったことと、
男に入れあげすぎてやってしまったことに関しては女権国家の国柄的に寛大極まるというのもある。 一番決定的だったのは死者が一人も出ていなかったことだろう。




 



 警邏隊に報告を済ませたティーチが横島の所に出向いてきた。彼は新しい船の購入の準備をしつつ、横島に報告に来た。わざわざ来ると言うことは、それなりに重要な事なのだろう。


「もう知っていると思うが、ルイズさんは俺とアンリエッタ両方と取引をしていた。あの日俺の依頼で、俺からの挑発めいた情報をアンリエッタ皇女に届けたのは彼女だ。そしてその手段としてアンリエッタ皇女からの盗聴器を大鳳に仕掛けたのも彼女だ」

「そうか。それでまだ何か言うことが」

「基本的にルイズさんはお前に好意があるし、アンリエッタよりはアリスや横島お前を取る。だが不思議なことにアンリエッタ皇女にも友情みたいなのを感じているみたいだから、
あの皇女を完全に葬る機会とかが万一来たら、彼女の支援は当てにするな。むろんアンリエッタが悪辣な罠を仕掛けてきた場合は、無条件で味方になってくれると思うがな」

 ティーチはこれを彼に伝えたかったのだろう。 横島は不思議に思ったルイズというアリスの姉は善人とまではいかないが、どちらかと言えば善によった性格をしている。その彼女がなぜあの性悪皇女と仲が良いのだろうか? 思考に沈む彼をティーチの言葉が現実に戻した。

「それとなぜかは知らないが、アンリエッタの奴は多分冷静に戻った。これ以上の政治的な傷を与えるのは難しい。 良識的な宮廷勢力と溝は大きくなったし、彼女の頼みを聞くのを渋る勢力は増えただろうが、
これ以上傷は深くならないだろう。完全にあの女の政治的な手足を切断できなかった以上、少しずつ傷が浅くなっていくだろう」

「どうしてわかるんだ?」

「理屈じゃねえ。 だが今から俺の言うことを聞けばわかってもらえると思う。俺はあの日船乗りにとって命の船を再生不能になるかもしれないレベルで壊れる可能性もある賭けに出て、船が完全に壊れたって点では負けた」

「ああ」

「そして俺は先に逃げた俺と大鳳くんのやり取りを見ていた部下に『伝』の文珠を持たせて、先に状況を伝え、自分でも嘘にはならない範囲で事実を話した。大鳳が性質の悪い自国を裏切るかもしれない呪いを受けているとな。
警邏隊もティアナさんとリンネさんがオカルトがらみの事件に首を突っ込んだことがあるせいか、オカルトの実在くらいは知っている隊員の方が大多数になっている。そこで大鳳くんの介錯に必要な船を再び得るために俺は沢山の悪霊祓いとかを特定の船に乗ってやる必要があると伝えて。
そしてネロ陛下から賠償金を受け取り、ストレリチアと関わりの深い造船上などに行ったが、あらゆるところから妨害を受けている。多分、アンリエッタが手を回したんだろう。そして大鳳くんに惚れている女たちの自主的な邪魔も相当ある」

「ああ。それで何か分かったのか」

「俺は大鳳くんに惚れている女性がいない良識派の海と関わる様々な商会や宗教施設ともパイプを持っている。皇帝の配下って程じゃないが宮廷御用達の所もある。
そいつらも宮廷からの圧力の結果、俺の新しい船、大鳳くんの介錯場所の誕生を阻止しようとしてきてはいる。だが、あれは妨害を仕掛けてきている相手、つまりアンリエッタ皇女が明らかに本気じゃねぇ。
陸の事は専門外だが海に関わることは俺のフィールドだ。だからわかる本気で妨害しようとしている振りだ。 確かな証拠があるわけじゃねぇ。 信じるかどうかは任せる」

 ティーチの船長口調を聞きながら横島も少し悩んでから答えた。

「商会であれなんであれ海に関わることは前が本業だ。だから、本気じゃないってのは多分当たっているだろう。だがお前が大鳳を殺せないっていう事実がばれて、大鳳を介錯するってのが、はったりだってばれた可能性はないのか?」

 極めて低いとは思いつつ、一応その可能性もあるか否かを聞くと黒髭は首を横に振って答えた。

「ゼロとは言えないがその可能性は極めて低い。 取り返しのつく悪行だったから裁判中のアンリエッタのあの様子、あれは明らかに俺に勝ったという感じじゃねぇ。一番恐れている事態が結果的に起きなくなったと思っている。棚ぼたで命拾った時の顔だった」

 横島はそこまで聞くと、黒髭に今回の協力の礼を言い今後の予定を頭の中でまとめると口にした。

「アンリエッタ皇女はとりあえず、大鳳の自裁を止めるために必死の演技をしているから、しばらくは無駄な人員を割くことになるだろう。とりあえず演技であると知れたことはでかい。ティーチが船で悪霊払いなどをできる件数が減るだろうから、俺の能力を上げたいなら陸で動いた方が良いか」

「それか拙者たちを戦死させるようなぎりぎり勝てない怪異とぶつけるかもしれませんな。そうなったらヘルプよろしくお願いしますぞ」

 いつもの砕けたオタク口調に戻ったのを見て、聞かれては拙い内容はもう終わったのだろうと彼には分かった。横島もアンリエッタがなぜ冷静になったのかと疑問に思いつつ、少なくとも政争的に軽くはない傷を受けたのだと前向きに考えることにした。







時は昨夜の夜にさかのぼるアンリエッタは自分の部屋に甘い香りが漂った直後に意識が遠のいたことに気づいた。不意に部屋の時計を見るとメイドに今日の日付を聞き、まだ時がそれほど立っていないことに気づく。

「あの後。どうなりました。彼の自裁場となりかねないあの船は焼け落ちましたか」

アンリエッタの滅多に見せない剣幕に怯えるメイド達を避けて不意に穏やかな声が響いた。

「心配しなくても船は焼け落ちたわよ。 ちなみに貴方を眠らせたのは戻ってきた狂三様。 今回初めて男に本気になった皇女の醜態の後始末に奔走中。ネロ陛下は事情を聞いて死者ゼロだと知ってほっとしているわ。あとで色々とお話があるって」

 声のした方を見るとそこには彼女の趣味が真逆の友人、敵対者である横島の情婦の一人アリスの姉ルイズの姿があった。船が完全に焼け落ちたと聞き、僅かに余裕を取り戻したアンリエッタを諭すように彼女は言う。

604 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:08:40 ID:jdfizMiN

「自分でも大鳳くんにあそこまで入れあげていたって無自覚だったんでしょう。今回は謀略の素人に惨敗ね。 最も自分で自覚できてない弱点を警戒していない角度から殴られたらそれもしょうがないけど」

 言われてアンリエッタは首を縦に振った。 そして冷静に戻った頭でルイズの様子を観察し始める。多分だが今回の件に関しては彼女は自分を陥れる様な事は一切していない。
せいぜい敢えて助けはしなかったというぐらいだろう。 ルイズの次の言葉を待ちながらアンリエッタは彼女と自分の関係は実に奇妙だと思った。ルイズはどちらかと言えば善人寄りであり、
善良な男性に惨いことをする様な女権国家の女性は嫌い、気が向けば善良な男性を助けてそういう女性を警邏隊につかまるように仕向けることも多々ある。 そして基本的に畜生な行為をする自分とは合わないはずだが、
出会ったときから彼女は自分の行いに意味深な笑みを浮かべることはあっても、自分を嫌うことはなかった。皇族としての観察眼がそれを告げている。 

自分も自分でなぜか彼女の営む骨董品店に出向き一目見た時から、彼女に好意を感じ『ルイズ』という名前を聞いてからはそれが特に顕著になった。 人は名前に縛られ因果に影響を受けると言うがそのせいだろうか?
ルイズとの付き合いを思い返すと証拠はないが、善良な男性に惨いことをした時に自分のそういう行為を嫌う派閥に幸運が訪れ、それが自分の災難となっている事が何度かあった。
多分幾つかは彼女の仕業だったのだろう。 そんな相手を排除するどころか、私的な場だけとは言え対等に振舞う許可まで与えているのは自分としてはかなり珍しい行動だと思う。

 ルイズもルイズでアンリエッタが善良な男性に惨いことをした時に見せる意味深は笑みを浮かべた時はに、なぜかこの女を嫌いになれないと不思議に思っていたのだろう。
その証拠にルイズは悪行の報い以外でアンリエッタの命が危ない時等は格安で掘り出し物のマジックアイテムなどを届けてきたりすることも多くあったのだ。

 過去を思い返し彼女の行動を予想しようとしているとその思考はルイズの言葉に断ち切られる。

「アン、狂三様がげんなりした様子で、『大減点ですわぁ』とか言っていたわよ。予測通りティーチさんが確かな盗聴記録を持って警邏隊に駆け込んだから。とりあえず死者が一人も出ていない。これが貴女の政治生命消失を決定づけたわ」

ルイズの言葉を聞きながらアンリエッタは次の言葉を待った、彼女は基本的に意味のないことは言わない。もしかしたら奇妙な友情から自分がこれ以上自爆しない様に止めに来ることもあるだろうが、
今回は商談を持ちかけようとしている時の顔だ。アンリエッタが完全に冷静になったのを見るとルイズが言った。


「察しが良いようで助かります。アンリエッタ皇女。『大鳳くん自裁確立激減セット』の販売に参りました。旅行先で私が得た物も含めてこのお値段です」

 ルイズが出してきた請求書は、アンリエッタが現在支払っても問題がないギリギリの額だ。高すぎると思い彼女を見ると、ぼろ儲けだという商人の笑みと、
過去に善良な男性をひどい目に合わせたことが彼女にバレた時の意味深な笑みの中間のような顔をしている。アンリエッタは迷わず購入を決めた。だがその前に確認しなければならないことがある。

「購入しようと思います。ですがその前に聞かねばならないことがあります。ルイズなぜこれを私に売ろうというのですか。売らない方が貴女と貴女の妹が執着している彼にとってもいい方向に事が進むのでは?」

 商売が絡んだ時ルイズは絶対に嘘は言わない。その点を信じていたからこその質問にルイズは真顔になって答えた。

「大鳳くんに自裁されると私も困るのよ。忠夫くん多分だけど、精神的再起不能一歩手前くらいまで行っちゃうかも。最悪一歩手前どころかそうなる可能性もあるから」

 これはティーチの失敗だったと言えるだろう。彼は謀略にもそれなりに優れていたがその道のプロではない。彼が大鳳を殺せないことをキャルやシノン、
ミク等と同じくルイズにも打ち明けておけば彼女はこの様な取引をアンリエッタに持ち掛けなかった。その返答を聞きアンリエッタは安心した様にペンを走らせ始めた。

「あら? 値切らないの?」

「一度了承した取引で値切るなんて皇族としてありえません。今回のルイズの友情とてもありがたく覚えておきます」

 アンリエッタの言葉の裏を読み取りルイズもにっこりと笑った。多分本来より何倍も高くしていることをアンリエッタも気づいているのだろう。 後で『友達からの恩返し』を警戒する必要があるなと思いながら彼女は商品をアンリエッタに差し出した。


 その商品の購入が済むとルイズが魔法でどこかに連絡を飛ばした。しばらく経つと現れたのはベルファストと狂三の二人だ。ルイズは二人に一礼すると横島からもらった文珠に『伝』の字を込めて三人に情報を伝えてきた。


「これで。彼の自裁はほぼ絶対に起きないでしょう。その『大鳳くん自裁率激減セット』は王国諜報部に迷惑にならない様に幾つもの契約が仕込まれているから。分析とかしたら用途を終える前に壊れるからね」

 ルイズが姿をくらました後、狂三とベルファストがアンリエッタの部屋に入室してきた。アンリエッタは僅かだが戸惑った彼女たちは、とてつもなく上機嫌になっている。
ベルファストはまだわかる。大鳳が自裁する可能性がほぼゼロになった夜なのだから。だが狂三の方は理解の埒外だ。彼女は一応女権国家人であるなら、
男性も自分の子の様に思っている。悪いことをしたわけでもない女権国家人を大量に殺害しかける命令を出した上に、謀略戦に負けて法に背いた暴力に訴えるという醜態を皇女が見せた。
さらにはその後始末に奔走した直後というおまけつきだ。このことを考えれば上機嫌になる理由などない。その逆はあるだろうが。 困惑する彼女を他所に狂三は本心からの上機嫌な様子でアンリエッタに話しかけてきた。

「皇女様。此度の失態の埋め合わせと参りましょう。その為に女権国家の財産となっている、大鳳くんが失われる事態の回避が最優先ですわぁ」

 そういうと狂三は笑いながら大鳳の人形の様なものを取り出した。今ルイズに渡された商品に入っていたものだ。そしてその横には同じく商品の中に入っていたらしい、横島の文珠、『易』の字が込められているがある。狂三がそれを手に取ると面白そうに笑いながら説明を始めた。

「これは私と大鳳くんの間に子が生まれた際にその子(妖精騎士トリスタン)用の人形ですわぁ。本来なら娘様だけど、一時的にあのバンダナの殿方の文珠で使い『易』くして、私でも十全に効果が発揮できるようですわぁ」

 狂三はルイズが持ってきた包みに入っていた、大鳳の髪を取り出し、その人形に入れた。それが終わると、ルイズが部屋に戻ってきた。彼女は笑いながらアンリエッタに言う。

「商品を使うべき場所へは私がテレポートさせてあげる」

 ルイズが手を振ると眩い光が辺りを包み気が付くと彼女たちは、横島が来世の選択を迫られた川辺にいた。狂三が自分が手に入れた人形と彼女達を模した雛人形が黒い渦に飲まれていく。




 

 黒髭とのやり取りの後焼けた船から逃れて、安全地帯にたどり着いた大鳳は、不意に意識電池が切れたかのように、眠りに落ちた。そして彼は気が付くと、『悪魔の作り出した大奥破壊。女の奴隷からの下克上、女王様たちを奴隷に落とせ、悪夢の大奥迷宮制覇録』の世界にいた。

605 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:09:31 ID:jdfizMiN

 不意に大鳳の分身が激しい快楽と共に精を吐き出し。それと共にこの世界の記憶が彼に流れ込んでくる。自分は横島と共に大奥迷宮踏破をしていたが、途中で折れてしまい離反した。そして他世界から来た淫魔と前世からの敵である女達に嫐られている。 
目の前の豊満すぎる乳房が眼前と後頭部に押し付けられ、潰されながら女陰に飲まれた分身から大量の精が吐き出される。何度も抜くことが許されないまま、敏感になった分身の先端をなぶるように腰を動かしていた眼前の相手は笑いながら彼から離れた。

 裸でも高貴な身分だと分かる気品あふれる美女、アンリエッタは笑いながら言う。

「大鳳くん、知ってますか? ここで貴女が射精すればするほど大奥迷宮の主は強化されていくんですよ。失態を犯してここに変われる雄奴隷になった、貴方を救うために頑張っている横島さんが夢の中とは言え、大怪我して痛みを味わっているのは何割かはあなたのせいですね」

 勝ち誇った笑みと共に彼女が座ると、後ろから彼を抱きしめていた、ベルファストは赤子を持つように大鳳をアンリエッタの足元に置いた。迷宮に屈服した彼は抵抗できず、そのまま椅子にかけるアンリエッタの足で分身を嫐られ始める。

「あ、ああこ、こんな」
 本気で泣きそうな彼の涙を狂三とベルファストが左右からなめとり面白そうな笑みを浮かべた。 アンリエッタは本当に楽しそうな笑みで言葉を続ける。

「本当にこの世界は素晴らしいですね。『穢れなき純潔の束縛』をかけたら、王国以上に閨で女性に負けるのが恥ずかしいという観念まで固定化されるのですから」

 アンリエッタの敢えて直ぐに達しさせることができるのにそれをさせない足さばきで大鳳の反応を愉しんだ。

「頑張って耐えてますね。貴方を救うことを考えて頑張っているお友達の為ですか立派です」

 足蹴にしている分身の反応から友を裏切っているシチューエションが余計に彼を興奮させていると分かった上で、アンリエッタは笑う。そして彼女が踏みつけると一気に彼の分身が爆発した。 アンリエッタの足を通じて彼女と迷宮にそれが吸収されてしまい、一気に迷宮が強化されていくのが分かる。

「泣いている顔可愛すぎます。はしたなくも我慢ができません」

 その言葉と共にベルファストが彼の唇を奪いかつてと同じように口づけをしてきた。今回は容赦なく彼の分身を飲み込んでくる。彼女に飲み込まれた分身が口の中で舌がはい回るたびに彼女の中で跳ねて精をまき散らす。それを見ながらアンリエッタが笑顔で残酷な事実を口にする。

「迷宮がドンドン強くなっていますよ」

 彼女の笑みにベルファストを僅かに引きがそうとすると彼女が容赦なく抱き留めて、来た。唇を話すと体制を入れ替え、騎乗位に変えて言う。

「今は私の事だけを見ていてください」

 彼女が本格的に腰を振り始めると分身に雷が落ちたような感覚が起こりそれから彼は実験動物の様に、痙攣し続けた。

 大鳳が動けなくなると狂三が代わりに上に乗ると激しい快楽とは反対の甘く緩い毒の様な快感が彼を襲い始める。彼女は溺れさせるように仰向けの彼に体を押し付けながら言う。

「とても気持ちよく天上に上ったようでしょう。永遠にこの快楽を味わっていたいでしょう? でも今回はやめた方がよろしいかと」

「え?」
 
狂三に乗られた途中から完全に脳が壊れ切った様子の大鳳を見て狂三はベルファストに指示を出した。

「ベルファスト。ルイズさんが持ってきてくれたあれの容易をそれまでは彼を溺れさせておきます」

「はい」


 楽しそうなベルファストの声に何か危ないと思ったが狂三のもたらす感触がすべての思考を奪っていく。時々この世界の男性が女性を閨で圧倒するのが当たり前だという、常識が蘇るがそれすらも余計に彼女の中に放つ精の量を増やす媚薬の効果しかない。


 戻ってきたベルファストは大鳳の背中にアリスが横島に使っていたのと同じ類の大鳳の分身を模したそれを持っている。彼女が笑いながらそれを彼の背に着けると迷宮と陸八魔アルの力で本物の彼の分身と変わらなくなる。
アルもまたティーチの嘘があまりにも上手すぎたために、彼が死んだ歳の横島の精神状態の危惧と大鳳くらいの子供をどんな理由であれ死なせたくないと思い、しぶしぶ協力した。
狂三ができた妹とアルの事を思いつつ、ベルファストと共に彼を挟んだ。二人に挟まれた瞬間、大鳳は言葉にすらならない悲鳴をひたすらに上げた。脳が焼き切れそうになる二人の抱擁を受けながら二人が百合的な口づけをかわすと、そのまま彼を嫐る二つの膣の締め付けが増してくる。

「いやー!」

 二人が百合的にお互いを愛撫し始めた時に涙を流し始めたのを見て、狂三が彼の顔に乳房をより強く押し付けてくる。四つの乳房に頭を挟まれながら何度か二人に射精を終えると、ベルファストが笑いながら背中の分身を取り外す。
 途端に目の前の分身だけが快感を受ける様になって、前の分身の射精量がまし余計に彼を苦しめる。増やされても地獄、外されても地獄の快楽が彼を嫐りぬいた。 アンリエッタが時にベルファストや狂三と交代し、混じると余計に彼の精神がかき回された。


 数えきれないほどの射精の後、前後不覚となった彼が倒れ、意識を失いかけた時に狂三が『信』の文珠を彼に使った。 
びくびくと痙攣していた彼をベルファストとアンリエッタ、狂三が三人がかりで胸で分身を嫐る中で狂三が言う。

「大鳳くん、この世界の人達にはあまり迷惑にはなっておりませんけど、貴方は前世の王国に凄く迷惑をかけていますよ」

「な、なぜ」


 三人の胸に抜かれて射精した彼に向って狂三が玉袋を揉みしだきながら言葉を続ける。ベルファストとアンリエッタは口で分身をなめまわし時には口に含み冷静な思考を一切取り戻させない。

606 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:11:14 ID:jdfizMiN

「貴方様の前世は王国の救済神として祀られていますから、貴女が射精するたびに王国の救済神の力が女権国家に流れて行ってます。
アンリエッタ様にした分は王国に敵対する女権国家の神々に、わたくしとベルにした分は悪魔達に。貴方が存続させた王国はもう、おしまいですわねぇ」

「そんなー」

 絶望に染まる大鳳に狂三は悪魔のささやきともいえる甘い言葉を耳元でささやき始める。

「ですが心配することはありませんわ。これは貴方が何度か使ったらしいイフの世界を見ることができる施設と今の所は変わりません。この未来が実在する可能性は一つだけです」

「そ、それはどうすれば」

「自裁や自殺をしない事です。自らの意思で命を断った場合に限り、この世界に転生するように術式を組んでおきました。 今の時点で貴方は王国を救った英霊確定ですから、自裁してここにきたら神様までいかなくても多大な迷惑が王国にかかりますわね」

 安心させた後狂三は言葉を続ける。

「だから今は、一夜の夢と思ってひたすら快楽に溺れてくださいませ」

 狂三が手で弄ぶのをやめて舌を這わせ始めると彼の完全に全てを理解する機能が壊れた。かわるがわる口に含まれる度に、ビュルビュルという音が脳の中に響き、そして彼女達が精液を飲み下すたびにこの迷宮と女権国家の霊力が強化されていく感じがした。
最後にアンリエッタが彼の分身を口に含み吸い乱した時に起こった射精と同時に彼の意識は完全に砕け散った。






 現実世界に帰還した大鳳は、間違いなくあれはただの夢じゃないと察した。夢精したような跡は一切ないが、自分の霊力が吸い取られ切っていることがわかる。
凄まじい快楽を味わったのになぜか一切後遺症が残らないのを僅かに不思議に思いつつ、彼は自裁だけは絶対に不可能だと胸に刻んだ。







 大鳳たちを嫐りぬいた後のアンリエッタ達は大量の霊気や気を吸い取り体調が著しくよくなった感覚を味わっていた。狂三は少しだけ不満な様子だが、疑問めいた目を向けたアンリエッタに彼女は答えた。

「横島くんを相手にしていた女性達がうらやましいですわぁ。精気だけでもこれほどなら、彼女達がしたみたいに現実でも同時に味わっていたらどれほどだったのでしょう」


 そういう彼女にベルファストが笑顔で言う。

「狂三様必ず、私が彼を魅力で堕として捕えてまいります。その時にはそうしましょう」

「よろしいですわぁ」

 そこまで言った後、狂三がアンリエッタに向けて声をかけてきた。

「皇女殿下、恐らくは大鳳くんが自裁を選ぶ可能性はゼロに等しくなったとは思いますが、今回の件でティーチを殺そうとするような真似はおよしください」

 アンリエッタがティーチを殺そうとする可能性はゼロに等しいとは思いつつ、狂三がこういってきたのは、彼女から見てもティーチは女権国家人だから子供の一人だし、
何より『今の所は』ティーチがしている謀反や敵対行為は戦端が開かれた時に殺すならまだしも、和睦が済んだり降伏して来たなら処刑するほどではない。謀略戦などで死刑は視野に入れるべきではない程度の敵対しかしていない相手をルールを破って殺すのは狂三が嫌う行為だ。

 ここまで言われてアンリエッタはルイズの意図を知った。他にもオカルトに明るいものは四惑にいるだろうに敢えて狂三をよこしたのは、狂三がこういう風にアンリエッタに釘を刺し、私怨によるティーチ殺害を『現状では』認めないことも読めていたからだろう。

アンリエッタは答えた。

「ええ。狂三様、今回は謀略戦の自分の隙を教えてもらったと思って、私怨をもって彼を害したりはしません。 むしろ今は、窮地に落ちた時に温かい友情を示してくれた友達にどうお礼するかで頭がいっぱいですわ」

 アンリエッタの友達と言った時の言葉の圧に狂三は僅かに引きながら答えた

「そ、そうですの」

「ええ、本当に良い友達だと今回の件で痛感しました」

 答えながら、アンリエッタはルイズへのお礼を考え始めた。証拠はないが大鳳と出会う前に彼女が善良な男性をイジメた時にしてきた嫌がらせの報復をした場合やりすぎたかもとアンリエッタが思った時も、その件で報復してきたことはなかった。
多分だが、自分はそういう報復も受ける覚悟済みでやっているからあまり怒らないのだろう。今回は多少過激なお礼をしても良いだろう。大鳳を得る計画を実行に移すまでは暇つぶしができそうだ。





 横島はユウキとアリスと共にルイズが申し込んだ高級旅行に同行していた。なんでも凄い臨時収入があったらしい。

「忠夫くん、体の調子はどう」

「来世の可能性を仮想体験した結果の経験値がまだ体に馴染み切っていない感じがします。
ただ馴染み切ればかなり力が上がるかと。しかし、臨時収入ってどうしたんですか」

「アンリエッタ皇女が窮地に陥った時に窮地を脱するのに必要なアイテムを相場の二十倍近くで売り付けてやったのよ。私を友達認定したのに、善良な男の子をイジメてるペナルティみたいなものね。彼女当分懐が苦しいから悪いことできないんじゃない」

 それを聞くと横島はルイズの手を握った。

「ありがとうございます。ルイズさん。これであの畜生皇女も当分おとなしいでしょう」

 横島は賑やかな時間を過ごしつつ、大鳳の事を思い出した。ルイズが旅行先から仕入れてきたアイテムのおかげで多少呪いが軽くなっていた、彼はどうなっても自裁をしないだろうという様子に変わっている。
だからこそ今は気楽に旅行に来ることができた。ルイズがその謎の直感で高価な魔法アイテムを見つけてくれるかもしれない。願わくばそれが、大鳳を救えるようなモノであってほしい。そう思いつつルイズの骨董品の捜索を手伝い始めた。

607 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 18:14:53 ID:aPeJzB3g


608 :582:2023/04/20(木) 20:12:54 ID:jdfizMiN
>>607
乙感謝です

609 :582:2023/04/20(木) 23:08:07 ID:jdfizMiN
今回投下したSSで一応補足なしでも話が通るけど、補足した方がよさそうなことがあったので追加を。
大鳳くんを蝕んでいる呪いは、本編でももらっている『穢れなき純潔の束縛』ですそれの効果でアンリエッタに対する、
好意と従属心が増しているのでティーチに介錯を頼みかける心が芽生えていたという設定です。
ティーチはそれを利用して、アンリエッタに敢えて聞かせて、大鳳くんを殺すふりをしてのけていました。アンリエッタは、
盗聴されているのを分かっていたから、自分は何の呪いか知らないふりをして言葉を選んでいました。
入れたつもりが読み返していたら、なぜか入っていなかったのでここに捕捉します。失礼しました。

610 :名無しさん@狐板:2023/04/22(土) 23:33:35 ID:5/utDQIU
乙です

611 :582:2023/04/23(日) 00:37:00 ID:pXv8Xnus
>>610
乙感謝です

612 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:52:51 ID:065y7kj2
山奥の自然にはミスマッチなクーラーボックスが河原に打ち上げられていた。
無数に詰められた獲れたての川魚が空を仰ぎ見ている。
それを冷ややかな目で見下ろす存在がいた。
一糸まとわぬ裸体、人間とは思えないほどの透き通るような白い肌。
膨らみかけの小さな胸、ほとんど閉じたすじの様な秘部。
顔と同じ様にまだまだ大人になり切れていない幼女と少女の狭間にある様なその女の子は、
無言でそれを見つめていた。

―あの子のまわりの大人が入れ知恵した。
彼女はそう思っていた。またあの男の子に会えるかと昨日と同じ場所で隠れて待っていたが、
老人の男と一緒にやって来て、これ見よがしにこれを捨てていった。
「山の外の奴らの大人には決して近づくな。姿を見せるな」そう言い伝えられている。
故にあの時は黙って眺めているしかなかった。
でも、わかっている。あの子の本心はそうじゃない。
踵を返し、そのまま雑木林の奥へと姿を消していった。

613 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:53:13 ID:065y7kj2
「ふぁっ!んっ!みゃあ!」
女の子が自分達の領域へと戻ると、林の中で「行為」に及んでいる同族がいる。
彼女らの認識では、生殖機能が成熟していく段階で、性衝動に身を任せるのは何もおかしな事ではない。
手頃な相手があり、行為に及びたくなったら場所を選ばずに及ぶ。それが自然だった。
彼女よりも幼い外見の仲間ですら複数の相手と性交し、既に子を成している者すらもいる。
ふと見やるとその光景を頬を赤らめながら直視する数人の幼い個体が存在していた。
そんな視線など知ってか知らずか、その同族はさらに嬌声を上げながらよがって見せる。
その光景を一瞥すると、今度は一人では物足りないのか、
一人で複数の男を相手にしている同族を道すがら見かけた。
女の子はそれを無言でじっと見つめると、裸足で林の奥へと姿を消した。

木にもたれながら考えるのはあの外の子供の事である。
同族の性事情にあまり関心が薄かった自分が、あそこまで心を揺さぶられたのはなぜだろう。
禁じられた接触という背徳感か、それとも種族特有の嗜虐心が性的興奮と重なったのか。
初めての性行為、それを女の側から男を強姦するという形で処女を喪失するという
あまりにも倒錯した男女の契りの形が、彼を特別な存在へとしていたのだろうか。
あの時の事を思うと、胸が熱くなる。
思わず股の間に指が伸び、この奥にあの子の精液がたっぷり注がれていたのだと甘い息を吐いた。

614 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:53:39 ID:065y7kj2
その直後にがさり、と草を踏む音が耳に届く。
彼女の同族の、男だった。一般の人間達の感覚で見ても整った目鼻立ちの美男の部類だった。
彼は彼女の一糸まとわぬ裸体をつま先から顔まで舐める様に見ると、にかっ、と歯を見せて笑ってみせた。
女の子は途端に不機嫌になり、男を睨みつける。
男はそれを一瞥すると、女の子に無遠慮に近づいていく。彼女は距離を取ろうとしたが、背に木が当たった。
直後に男は彼女の左腕を掴むと、顔を近づけ、残った腕を彼女のふくらみかけの乳房に伸ばそうとする。
「ンギャギャギャン!」
その手は女の子の手で止められていた。そのまま男の腕を捩じり上げ、情けない悲鳴が響いた。
そんな男を、彼女は張り付いた表情で無言で見下ろしていた。
腕を振りほどくと、男はそのまま逃げる様に林の奥へと消えていった。
女の子はわざとらしい程に大きなため息をついた。
どこの世界のどの存在でも、メスの立場を考慮しない性欲丸出しのオスは嫌われるのだろう。
あんなのと相手じゃ満たされない、彼女の視線は自然に山の麓へと向いていた。

615 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:54:08 ID:065y7kj2
山の麓の民家。山の中とは違って、こちらは完全に人間の領域である。
田舎に外灯といった照明は少ない。町の外れとなれば尚更で、
夜ともなれば完全な闇夜に閉ざされる。そして夜も更け、家の中の灯も消される時だった。
男の子は家族におやすみの挨拶をすると、布団に潜り込んだ。
田舎の就寝は早い。家族揃って眠りにつき、闇夜と静寂に包まれた。

男の子が夢の中にまどろんでいたその時、謎の刺激で閉じていた目が開いていく。
静寂の室内にぐぷっ、ぐぷっ、という異音が響いていた。
もぞもぞと布団の下の方が動いてる妙な感覚で、寝ぼけ眼で布団をめくりあげた。
「ンッ…ンンッ?」
男の子の目の前には、裸の女の子が自分の陰茎を頬張っている光景が広がっていた。
「えっ!??!?あっ…ああっ?」
困惑して声を上げそうになった瞬間、女の子のキスで口を塞がれた。
さっきまで、排泄器官を舐めていた口で、などと一瞬頭をよぎったものの、
恍惚とした顔で行われる熱烈な口づけに思わず蕩けてしまい、声が出せなくなってしまった。
ゆっくりと唇を離すと、ゆっくりと無言で口の先に人差し指を立てた。
男の子は完全に動転しつつも、思わず声が出せなくなってしまった。

616 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:54:52 ID:065y7kj2
女の子はその様子を見て、ニコ、と静かに微笑み、優しいキスをした。
その直後にゆっくりと愛おしむ様なフェラチオを再開し、彼の顔は未知の快感に震えた。
彼女の同族がしていたのを見て覚えた口淫で、目の前の男の子が悦んでいる。
彼と口の中で次第に大きくなっていくそれが愛おしく思えてきて、股が熱くなるのを感じていた。
その陰茎はまだ成長段階の小さなそれながら、精一杯に屹立し、唾液でぬるぬるになっていた。
「な、なんで…ここに…なんで、こんな事…」
困惑しながら恐れの入り混じった顔で女の子を見上げる。その表情を見て、
彼女はその幼い顔に似合わぬ妖艶な笑みを浮かべ、小さく舌を覗かせた。
この目の前の困惑する男の子の顔を、快楽でめちゃくちゃに蕩けさせたい。
どうしょうもない程にわきあがるその劣情をぶつける様に、
その苦しそうなほどに膨れ上がった陰茎を手で握り、自らの秘部へと導いていく。
殆ど閉じていたそこから覗いた花弁が、陰茎を包み込んでいくように飲み込んでいく。

617 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:55:09 ID:065y7kj2
「んっ!ああっ!!」
男の子は殺そうとした声を抑えきれず、声を漏らしてしまう。
「ンッ…ンニャッ!」
女の子も我慢できずに挿入し奥まで届いたそれに声を漏らしてしまう。
はあはあと息を吐きながら、目の前の男の子に向き合うと、そのまま少しずつ、腰を上下させていく。
以前と同じ騎乗位の体勢で、またがって腰を上下させる。
腰を落とす度に音が鳴り響き、漏れた吐息が荒く、甘くなっていく。
その刺激に変化をつける様に、腰を打ち付ける上下運動から前後にゆする腰つきへと変わった。
挿入したままずりずりと音を立てる様に、未発達の体に似つかぬ淫靡な腰つきで咥え込んだ陰茎をしごき上げる。
密着した子宮口の気持ちいい場所を探って当てる様に、いやらしく尻を動かす。
2人とも必死に口から洩れる声を殺しながら、行為を続け目もくらむような快感に身を委ねる。

―やっぱり、性行為というのはしたい相手とするから気持ちいいんだ。
好きな相手とじゃなきゃこんなに気持ち良くなれないんだ。
彼女はそう思っていた。目の前の男の子も、口や態度では嫌がっているように見えるけど、そうじゃない。
自分との性行為でこんなに気持ちよさそうにしている。自分としたいんだ。自分と同じなんだ。
そう思えば思うほど、性交の快楽とは異なる別の熱が頭の中を染めていくのを実感していた。


618 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:55:33 ID:065y7kj2
「〜〜〜〜〜〜〜っっッッ」
声を押し殺したまま、二人同時に絶頂を迎えた。
子宮口に密着した陰茎からはほとばしる様な精液が放たれ、膣の一番奥で射精が始まる。
脈動するペニスから精子が放たれる度に、男の子に腰が抜けるような快感が走る。
女の子もまた、射精される快楽に目を泳がせていた。自分の膣の中でビクンビクンと陰茎が跳ね、
子宮内部へと新鮮な精液が注がれていく感覚に身を震わせていた。
そのままお互いに絶頂の余韻を味わう様に、繋がったまま抱き合っていた。
ようやく射精の快楽の余韻から我に返った男の子は、ゆっくりと女の子の性器から陰茎を引き抜こうとする。
しかし、その直後にぐっ、と足を絡めその動きを制された。
ちゅっ、と優しいキスをすると、顔を見つめながら静かに微笑んだ。
このまま、繋がったままでいよう。そう訴えるかのように。そして男の子は、射精の余韻と疲れから、瞼が下りていくのを感じていた。

―そして、朝を迎えると。女の子は姿を消していた。
あれは夢だったのだろうか、と思う男の子は、布団と自分の下着に広がる異臭漂う粘液を見て大慌てした。
家族にバレない様に大急ぎでこっそりと洗い出す男の子。
そんな彼に気付いた家族は、「うちの子も知らない内に大人の階段を一歩歩んだな」
と、当たってこそいるが目算違いをしていたのだった。

(おわり)

619 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 09:21:43 ID:eu2RQeWg
乙でしたーイチャラブ風味もいいね

620 :名無しさん@狐板:2023/04/26(水) 16:49:40 ID:+fglxO0w
乙でした

621 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 02:27:05 ID:nEVIoO3y
乙ありがとうございました
ちょっと妄想して書いた話し貼ろうと思います

622 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 02:27:14 ID:nEVIoO3y
「男」と「女」の暖簾、そして下駄箱の先の番台さん、脱衣所を抜けた先にはシンプルなただの湯舟と富士山の絵。
ここまでレトロな銭湯がまだ残ってた事にノスタルジィな嬉しさすら感じる。
自分と入れ替わるように男性客が浴場から去っていく。自分一人の独占状態だ。

近場の山歩きでの汗を流し、体を洗い頭を洗って湯船に入る。熱い湯が体に染みる様だ。
まったりと湯船につかっていると、突然ガラス戸が開いた。
「ふっふふんふ〜ん♪」
軽い足取りで浴場に入ってきたのは、長い黒髪の…女の子だった。
男湯という場にそぐわない訪問者に目を疑ったが、確かにその股には男にあるはずのものがない。
背や体つきから小学校高学年くらいだろうか…
わずかにふくらんだ胸と、毛ひとつないすじがまぎれもない女の子である事を証明している。
ここは男湯のはずなのに…父親の同伴…には見当たらない。
鼻歌を歌いながら洗い場で体と髪を洗うと、胸や股を隠しもせずに湯舟へと歩み出した。
「えいっ♪」
勢いよく湯船に入り込む女の子。まさかこんな小さな女の子と二人っきりでお風呂に入る事になるなんてと感じた。

623 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 02:27:43 ID:nEVIoO3y
なるべく女の子の方を見ないように目をそらすようにしていたが、女の子は自分の視界に回り込み、目が合った。
「いいお湯ですねー♪」
恥じらいなどまるで感じさせず屈託のない笑顔で自分に挨拶した。
困惑しながらも挨拶を返し、なぜか妙にこちらに興味津々であれこれと話しかけてきたのだった。
風呂の厚さとは別の熱が頭にこもっていく…女の子はおもむろに浴槽のへりにうんしょ、と上がる。
小さなお尻が丸見えだ。そして即座にくるん、とこちらを向くと、目の前で足を大きく広げた。
すじま〇こが視線の先に飛び込み、完全に面食らってしまった。
大きく開いた股。くっきりとした一本すじのそこからはサーモンピンクの中身が顔を出していた。
生まれて初めて間近で見た女性器に、胸が高まりごまかす様に口を湯に沈め視線を横に流していた。
不覚にも自分の股間が反応してしまい、硬直しだしてしまっていた。
そんな自分をよそに、女の子はそんな自分を湯船で足をバタバタさせながら眺めている。
まるで自分の狼狽を見透かされているようで不安になり、慌てて湯船から飛び出した。


624 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 02:28:01 ID:nEVIoO3y
その瞬間だった。
後ろから抱きつかれる形で動きを止められた。
「どうしたんですか〜?」
自分の背中に伝わるスベスベの肌の感触と体温。ふくらみかけた僅かな胸の感触があった。
その腹部に回された腕はゆっくりと撫でまわす様に自分の胸へと伸び、乳首を指でくりくりと弄んでいる。
「私の裸を見て、興奮しちゃったんですか〜?」
小さな女の子とは思えない、妖艶な語りかけ。吐息まで自分に伝わるようだ。
ち、違う…とかろうじて答えるのが精いっぱいだった。
「だったら、これは何ですか?」
もう片方の手が自分の股間に伸びる。背中に抱きつかれた事で半勃ちになったそれを、
後ろの女の子は顔と声からは予想もできない淫靡な手つきで弄る。
「おちん〇ん、硬くなってきてますよ?お風呂で勃起させるとか変態ですかあ?」
クスクスと笑いながら、勃起していく陰茎を上下に指で刺激していく。
「えいっ!」
予想外の行動に完全に硬直してしまっていた自分は、小さな女の子の力で浴場のタイルの上に押し倒されてしまった。
仰向けになった体勢で見上げると、そこには倒れた自分にまたがる裸の少女が、困惑する自分を見下ろしていた。
それはまるで、獲物を捕らえた捕食者の様に口の端を釣り上げていた。

625 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 16:37:51 ID:r3oWzwOT


626 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 17:47:46 ID:rfY6R4HO
乙です

627 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:28:17 ID:OYLCVJjA
「お兄さん、おちん〇ん完全に勃起してるじゃないですか。ロリコン?」
自分に馬乗りになって、屹立した陰茎に自分の股をこすりつけながらクスクスと笑いながら見下ろす。
密着した肉の感触と重さ、柔らかさにますます硬さを増していく。
それを見てニヤリと口の端を釣り上げ、屹立した陰茎を淫靡に擦る。
「やっぱりロリコンじゃないですか。こんな体に欲情しちゃって変態…いえ犯罪者ですね~?」
狼狽する自分を嘲笑うと、直後にその屹立した陰茎を口に含んだ。
「んっ、んっ、んむっ、んっ…」
手を使わずに、頭を上下させて陰茎を小さな口で頬張っている。
唇で亀頭をしごき上げつつ、唾液に塗れた舌が絡みつく様に自分の陰茎全体をしごき上げる。
頬がすぼむほどの吸いつきを見せ、その幼さの残る顔にアンバランスな淫靡な表情が更に欲情を掻き立てた。
湯けむりの中で、全裸で男の股間に顔をうずめて卑猥な水音共に口淫を続ける光景が続く。
「んっ、ふぉふぉも…ふぁんふぁんいなってう♪」
口淫を続けながら、その手を陰嚢へと伸ばし、睾丸の感触を確かめる様に弄んでいる。
しゃぶりながらキンタマ刺激なんてこの子はどこでそんなテクを…と思いながら強烈な快感と射精欲に耐えていた。
風呂場に備え付けられた鏡から彼女のお尻が丸見えである。
しゃぶりながら股に手を伸ばし、その割れ目に指を突っ込んでいる。
目の前の女の子は見た目通りの無垢な存在ではなく、男を惑わす淫魔の様な匂いを感じていた。


628 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:28:41 ID:OYLCVJjA
「ん…♪」
ちゅぽん、と音を立てて陰茎から口を離す。唾液が口を伝い、
唾液でベショベショになった自分の陰茎は唾液が照明の光で反射しテラテラと光っている。
そそり変えるほどに屹立したそれは、あと少しフェラチオを続けられていたら射精していた。
その射精寸前の陰茎を前にクス、と笑うと立ち上がった。
「よく我慢出来ましたね~♪ごほうびに、今度はこっちに挿れさせてあげますよ♪」
射精寸前のそれを手で握ると、ゆっくりと腰を下ろして自分の股にあてがった。
ちょ、ちょっと待って、とこれ以上はあまりにもまずすぎる事を訴える。
「嫌ならそのまま振りほどいて逃げてもいいんですよ?でも…このままじっとしてたら…セックスできますよ?」
自分を見つめて言ったその言葉に、体の動きが止まってしまった。そして、
「ん…♪」
小さな割れ目に、膨れ上がった自分の亀頭が飲み込まれていく。
「あー♪」
甘い喘ぎ声とともに、奥まで挿入された。
「入っちゃった…♪」
挿入されたままこちらを見ながら微笑む。

629 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:29:03 ID:OYLCVJjA
あまりに信じられない光景だった。こんな小さい子とセックスしている。
あんなに小さな割れ目に、大の大人である自分のそれが完全に飲み込まれている。
女の子の中はまるで生き物のようにうねって自分の陰茎全体を刺激している。
先端に柔らかい何かが当たっているようで、危うく挿入しただけで射精してしまう所だった。
「それじゃ、動きますね…♪すぐ射精しちゃダメですよ?」
誰もいない浴場に卑猥な肉と肉がぶつかり、こすれ合う音が響く。
その度にリズミカルに女の子の喘ぐ声が響き渡る。
「あっ、あっ♪」
目の前にはすぐ近くに幼い顔でセックスの快感に溺れ甘い声を漏らす女の子の顔が。
そして視線を下に移すと小さな女の子と結合している自分と女の子の性器。
引き抜く度にこみ上げてくる射精感、淫靡に腰をくねらせて前後にしごき上げるテクニック。
あまりにも現実離れした光景にもう限界を迎えていた。
「っ!?」
腰を落とした直後、堰を切った様に射精が始まった。
腰が抜けるような快感。何度も何度も陰嚢の奥から精子が発射されていく。
その度に情けない声が漏れ、彼女の子宮内を満たしていく。


630 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:29:27 ID:OYLCVJjA
「あー…もう出ちゃったんですか?」
不満そうに陰茎を抜き、こちらを睨む女の子。
立ち上がるとその割れ目からは白濁した精子がどろりと落ちる。
こんな小さい女の子の秘部から自分の精子が溢れている。
その刺激的で背徳的な光景から、射精して力を失ったはずの陰茎に、
再び血液が集まりそそり変えるほどに屹立していく。
「わわっ!ま…まだ楽しめそうですね!」
その光景に驚きつつも、体の上に落ちた白濁液を指で掬い取り、再び勃起した陰茎に塗りたくる。
「それじゃ…再挿入♪」
今度は自分にお尻を向けた体勢で陰茎を握り、再び自分の割れ目に導いていく。
射精した精液と女の子の愛液が潤滑剤の様にスムーズに中に飲み込んでいく。
「あっ!あっ!あん♪」
激しく腰を上下させて陰茎の感触を楽しむ女の子。
目の前では小さなお尻が上下され、結合部もお尻の穴も丸見えだ。
一度中に出した自分の精子が滑りを良くし、敏感になっているそれは興奮と性感をさらに高めていく。
水音と肉のぶつかり合う卑猥な音が響き渡り、快楽を求める様にさらにペースを上げていった。
鏡越しに見た彼女の表情も気持ちよさそうで、早くもお互いの限界を迎えていた。
「い…イクっ♪」
ビクンと彼女の体が跳ねると、自分の陰茎を一際強く刺激した。
その快感に耐えきれず、二回目の射精を彼女の中に放った。


631 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:30:13 ID:OYLCVJjA
くたりと倒れ込む女の子と自分。同時に絶頂を迎えた自分達は、
荒い息を吐きながら快感の余韻に浸っていた。
そして女の子はゆっくりと体を起こし、ぶるん、と射精を終えた陰茎が力なく抜ける。
「ん…あ、すご…」
小さな割れ目から二回分の精子が漏れていく。
二回目とは思えない量の精液が、浴場のタイルの上に広がっていくのを見て恍惚した表情を浮かべた。
脱力して動けない自分を尻目に、溢れた精液を手で拭うと彼女は立ち上がり踵を返した。
未だに快感の余韻とあまりの事態に頭が働かない自分を尻目に、背を向けて去っていった。
数歩歩くとこちらに向き直り、あどけない顔でウィンクをしながら投げキッスをしてみせた。
あまりにも現実離れした光景に、これは夢なのか現実なのか、朦朧とする感覚が頭を染めた。

「―また、遊びましょうね♪」
そんな声が耳に届いたようだった。


632 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 23:05:25 ID:2RoSO2BU
乙です

633 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:38:08 ID:suoH5apw
女権国家横島誕生日SS 女権国家の人外な女性に愛された男が受け取った重すぎる快楽と重すぎるプレゼント

 このSSは本スレで連載中の女権国家の二次創作であり二週間も遅れた横島の誕生日SSです以下の注意事項があります。

@本編には登場していないユウキの姉であるランが出演しており、横島ヒロインになってます。
A>>311から>>319に投降した話の続編である>>556から>>560と繋がっています。
B魔女と百騎兵に出てくる、ジェラートとメタリカというキャラが横島のヒロインに使いされています。 女権国家の親王国派の公爵に婿入りした横島という設定です。
C沼の魔女とされるメタリカの沼が原作とは違いすぎるものになっています。
Dユウキとランの種族がインプに転生したことになっており、インプの設定はこのSSのみの独自設定です。
E>>347で書いた月間少年カンカンの設定がこのSSでは使われています。
Fさとりとこいしは誰のヒロインになるかまだ決まっていないけど、このSSではジェラートの配下かつ、横島のヒロインとなっています。





 花の大公爵ヴァレンティーヌに婿入りした。横島忠夫彼は、沼の魔女メタリカやアリス、聖王の転生体であるヴィヴィオ達に嫐られながらも、ジェラートやヴィヴィオの機嫌を取りながら、王国に有利な外交政策をとってもらう日々の努力を続けていた。
基本的に先の戦争で王国が戦争の条約やルールを守っていたのに、女権国家が先に破って勝利したことが分かってからは、親王国派の派閥が二つに割れてしまっていた。
正確に言うと、王国が前々回に勝った際に、無体過ぎない要求をしていたのに、こちらが勝った際の要求が無体すぎると断じているのと、女権国家が先に協定を破った『かも』と疑っていたがゆえに、親王国派ではないが騎士道などを重んじるために、
消極的にジェラートについていた女権国家派閥が、はっきりと女権国家が黒となった為に、賠償と一部の領地の返却を積極的に考えるネロの方に流れ始めている。 

これは横島にとっては大変都合が悪いことだった。 ネロは賠償などのケジメはきっちりつけてはくれるだろうが、それが終われば王国を正当な手段で飲み込みにかかってくるだろう。
 幸い戦争自体も大儀がなかったと考えている停戦をして、王国と商業で繋がり利益を上げたがるものや、広大な領地をもつジェラートへの恩義で味方してくれている勢力がどの程度王国についてくれるかが大切だろう。
今は彼女の政治工作で、女権国家の良識派や親王国派をどこまで味方につけられるかだ。


 そういったことを考えながら、彼は必至の努力を続けていた。霊能の力を使い、女権国家の民衆が好感を持つようなことをできるだけ多く実行している。
貧しいものからは安く悪霊払いの依頼を受けるのを始めに、賞金のかかった強大な悪霊を祓ったり、闘技場に出場したり、
そうして得た私財はなるべく路地裏の子供たちや病人に還元し、一人でも親王国派の女性を増やすべく奮闘を続けた。 そして誕生日の日に目覚めると彼は、呆れと驚きが半分の声を上げた。

「なんでまた子供に戻っているんや。エヴァ、ヴィヴィオ、アリス、誰の仕業や。それともジェラートかメタリカか」

 そういって彼が歩こうとすると、目の前には幼馴染であるユウキがいた。彼女は女権国家に来てから見せる様になった嗜虐的な笑みで彼を見ている。

「忠夫、おはよう。昨日のこと覚えている。今日は忠夫の誕生日だけど」

 それを言われて横島は、少し考えた。昨夜一晩の記憶が一切ない。合意の上で記憶を消されたことだけは思い出せたが、なぜ合意したのか。そしてそれが何だったのか。悩む横島に不意にユウキが笑いかけてきた。見惚れる様な綺麗な笑顔で彼女は言う。

「うん、ちゃんと記憶が消えているみたいだね。それじゃあ、今日は忠夫の誕生日だから、みんなで選んだプレゼントを渡すね。行こっか!」






 ユウキに抱きかかえられながら、彼はジェラート達の待つ部屋へと運ばれた。眼帯をした赤黒い美しい髪をしたモデルの様な長身の美女が笑みを浮かべ待っていた。
私的な時間の時は子供の様に自分に甘えてくることもあれば、閨の中では公爵らしく嫐って来る方を好む。自分への愛が確かだと思うからこそ、今でも個人としても、大鳳たちの戦友である元諜報部としても、彼女への婿入りを決断で来た。
ジェラートは彼を抱きかかえるユウキを見て、少し羨ましそうな瞳になった後で口を開いた。

「旦那様。ネロ陛下の方に流れた返還派の者たちとの交渉は順調じゃ。 返還が終わってから、五年は絶対に王国側に女権国家の方からは、何もしかけない旨の約定をかわせそうじゃ。
それと女権国家の前回の協定違反に腹を立てている、地方の神々や、女権国家の騎士道を等をつかさどる神にも根回しをしておいたぞ」

 横島はそれを聞き、安心した。王国の危機はまだまだ続いているが、それでも確実に滅亡をしない年が10年はできただろう。 横島が安心しきった顔になったのを確認すると、それを合図としたようにジェラートが公の話をやめて、私の話に移った。

「旦那様。なぜその様な姿になっているか覚えておるか? ユウキからの連絡がない以上は、覚えてはいないと思うが。妾の忘却の術はちゃんと効果があったかえ?」

「覚えていないのはそのせいか。 大丈夫だ。それでなんで俺の記憶消したんだ? 術のかかり具合から無理やりじゃなくて合意だったことはわかるが、俺はなんで了承したんだ?」

 あまり不安は覚えていないが、気になってはいたことを話すと彼女は笑いながら答えた。

「なに、旦那様に誕生日プレゼントを贈る際のサプライズと、それと旦那様の誕生日の余興となる遊戯の為よ」

「それでか。どんなプレゼントと余興なんだ」

 ジェラートは少しだけ意地の悪い女性達から嫐られることが楽しみとなってきている彼の背筋をゾクゾクさせる目で見下ろしながら言った。

「誕生日プレゼントはともかく、遊戯に関しては女権国家らしいものじゃ。堕ち切ってしまわぬように注意するのじゃな」

 そういってジェラートが手招きすると、ユウキは笑いながら彼をジェラートに渡した。

「旦那様は未だに王国の月間少年カンカンの復刻を望んでおったな」

「ああ。あの本は未だに俺のバイブルだな」

「実を言うとじゃな、そのカンカンが王国に友好的な女権国家の女性達が、外交官となっていて、滅亡が遠のいたから、その本を好きでクリエイターになった有能な者たちと当時の先生たちが監修して、幾つかのTRPGとかが発売された様じゃ。
確か旦那様は、悪霊とかとの賭けでやらざるを得なくなるかもと思って、TRPGをやってから嵌っておったな。それを手に入れておいたぞ」

 そういってジェラートにそれを渡された時、横島は本気で喜んだ。

「本当にカンカンの名作を舞台にしたTRPGついに出たのか!」

 彼の精神はカンカンに一番熱を上げていて頃にもどっていた。毎回多少は精神が幼いころに戻るが、今回は特にそれが顕著だ。恐らくこのプレゼントを渡すために彼女はこうしたのだろう。
多分本来の年齢の姿でもらってもこのプレゼントは普通に嬉しかったと思う。だが子供の頃の一番嵌っていた頃の精神でもらえればその喜びは大きい。

 いつの間にか集まってきていた、アリス、愛歌、リグル、エヴァ、アル、メタリカ、ランが微笑ましいものを見る目で彼を見ている。

634 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:39:59 ID:suoH5apw

 ランはユウキの姉であり、ユウキ以上の実力を誇る戦巫女に近いシャーマンだ。
病気の身でありながら女権国家にきて全快したユウキよりも実力が僅かに上だった彼女は、ユウキと横島の身が危なくなったと聞いて、妹と横島を守るために命を使い切るつもりでこの国に来たところ、ユウキと同様に完治した。 
病が治った後の彼女は何度も彼らの敵を心胆寒からしめさせたものだ。横島は本気で、自分の幼馴染の姉妹は性能がおかしいと思った。インプとなり魔術もできるけど剣が本職のユウキと、
魔術の方に重きを置いた戦巫女的なシャーマンでありながら、つい最近までは杖としても使う槍でもユウキを上回っていたラン。 この二人のお互いの長所を活かす戦い方に何度も救われたものだ。

 彼女はユウキと正反対の柔らかい態度で何度も閨の中で横島を蕩かした。
ユウキが蕩かすときは嗜虐的な攻めをしてきたし、ユウキが嗜虐的な攻めをしてくるときは彼女の快感を引き立てる様に蕩かすような攻めをして彼を弱らせてきた。 彼女はどこか引き込まれるような眼で彼を見下ろしながら言った。

「ユウ、そろそろ今日のレクリエーションはどういうものが、忠夫に教えてあげたら?」

「そうだね。今日は時間をちょっと操れる系統の、部屋でこのTRPGをやるんだ。ただし負けたら女権国家らしいことが起っちゃうからね。 負けたらカンカンのエロ同人みたいな逆レイプされるTRPGの世界に魂がゴーって感じかな?」

「それだけか?」

「ううん、僕とお姉ちゃんはインプで妖精だけど、使い魔として契約するとその主人に合わせた技能が手に入るじゃない。僕達のご主人様は誰でしょうゲームしようと」

「お前たちの特性を見て、誰と契約しているか当てろと」

「うん!」

 ユウキの勝ちを確信した笑顔を見て、横島は面白いと思った。こういう顔をした時のユウキには負けたことの方が多い。勝った時も自信満々だっただけのことはあると、何度も思わされたものだ。 こういう負けてもひどいことにならない、本気の頭脳戦なら楽しめると彼は感じた。


「それではそろそろ始めましょうか」

 不意に意識していなかった場所から、蜜を思わせる彼への侮蔑と嘲りを込めた声が彼の耳に響いた。
聞きなれたその声を聞いただけで、分身が反応してしまう事に、情けなさを覚えながら取り繕う様に少しだけ避難めいた目を向けるとそこには、ジェラートの配下であり、政争の御意見番、古明地さとりがいた。
彼女は彼を興奮させる方法を知り尽くした侮蔑の視線を投げかけながらいう。

「御期待通り負けた際の罰ゲーム担当は私ですよ。今回は闘技場ほどじゃないけど、それなりにお客様の入るイベントなので、闘技場の実況者の仕事を休んで貴方に使ってあげますよ。
そんなに楽しみそうにしないでください。あれだけ辱められて期待するとか、男性の尊厳が吹き飛んでいる時程貴方の射精量は凄かったですね。そういえば」

「そ、そうなったのはあんた達のせいやろ」

「否定はできませんけど、普通はもう少し時間がかかるんですけどねぇ。前世の後遺症でしょうか? それとも元からそういう素質があったのかどっちでしょうねぇ?」

 後者の可能性が高いと思い、バツが悪そうな彼をさとりは、全てを察した上で敢えて言及せず蔑みのめで見るだけにとどめた。無言の蔑みの視線の方が、男の心を抉ることができると察しているからだ。彼女は笑みを浮かべていった。

「もう罰ゲーム受けたくてわざと負けたりしないでくださいね。必死にゲームのシナリオ作ったアリスさんたちが気の毒ですから。 貴方の様な王国男子にあるまじき変態には無理な注文かもしれませんけど」

「ゲーム自体に手を抜いたりせんわ」

 答えながら、横島は精通したばかりの自分の分身が反応していることに気が付いた。さとりに心を嫐られたことで完全に彼女たちのもたらす快楽を求めるスイッチが入ってしまったようだ。

 さとりは意地悪く笑うと、ユウキとランに言った。

「すいません。お二人ともゲームの準備ができるまで、彼を発散させてあげてくれませんか?彼の変態な被虐趣味差を侮っていたみたいです。まさかあれくらいで、こんな風になるなんて」

 その言葉にユウキとランが嬉しそうに頷いた。

「うん! そうするね。今回は僕達がゲームのかなめだから。万一にも失敗するわけにはいかないからね」

「ユウ。あまり彼を堕としきらない様にしなきゃダメよ。やりすぎると罰ゲームを受けたくなってわざと負けちゃうから」

 二人の笑みを見ながら、彼はこのユウキとランは完全に女権国家に染まってしまったのだと言う達観と、僅かな悦びがあった。

 寝室に連れ込まれた彼をユウキが前から抱きしめ、ランが後ろから抱きしめる。少年に戻った今は普通に抱き合えば顔の高さに来る乳房を敢えて胸板に当ててくるユウキと、背中に乳房を当てるランに挟まれながら彼は悲鳴を上げた。
精通してから一度も射精していない時期に戻された彼はまだ射精に慣れていない頃と変わらぬ状態に体が戻っている。その悲鳴を聞きユウキは嬉しそうに笑うと、彼を普通に抱きしめた。

「忠夫の今回の精通の射精もらうね♪」

「ちょっとま、〜〜!」

 言い終わるより先に彼女の二つの乳房に顔を挟まれそのまま抱き留められて、彼は一気に射精した。ユウキは彼の悲鳴を楽しむ様に目を閉じながら射精が収まった瞬間に彼の分身が敏感になった時に腰をゆっくりと回し始める。

「ユウキ、頼む! 〜〜!」

 もう少し緩やかにしてほしいという彼の懇願が出る直前にユウキは敢えてより強い快楽を膣で送り込み喋れなくさせながら言う。

「忠夫 なに?言ってくれないと分からないよ」

 ユウキは声にならない叫び声をあげる彼の声を少し堪能した後、彼女は不意に口の中に乳首を無理やり入れると腰とは正反対の優しさで彼の頭を撫で時に頭のツボを押し始める

 ランがそれを見て後ろから同じように撫でると彼は脱力をし始めた。ランはしばらくユウキと共に彼の頭を撫でていた手を引き彼の玉袋に移した。彼女の優しすぎる手で玉袋を揉まれると一気に分身の硬さが増していき、ランの優しい手つきがもたらす快感がユウキの屈服させて来る快感を余計に強めてくる。

「ユウ、そろそろ交代しましょう。優しい快楽を与えた方が彼の堕ちる時間が早まるわ」

「分かったよ。お姉ちゃん」

 ユウキもランに合わせたような優しい動きに変わり、彼の意識を溶かしていき。優しい快楽で、分身が絶頂に達しかけた時、不意にランが強い快楽を与えてくる手つきに変えてくる。そしてユウキも今までで一番激しい快楽を不意に送り込んできた。

 脳が完全に壊れたような衝撃で彼が参るとランが乳房を彼の背中に押し当て、ユウキが口を解放して乳房で顔を強く挟んでくる。

「〜〜!!! 〜〜!!!」
 
泣き声に似た彼の悲鳴を恍惚の表情で聞きながらユウキも若干遅れて絶頂を迎えた。
その瞬間、凄まじい快感が走り、何かの魔術が成立したような感覚がした。僅かに恐れが沸いたが、それすらも考える余裕がなく糸が切れた人形の様に彼は倒れた。
彼が倒れると、ユウキと入れ替わる様にランが彼の上に跨り彼の分身を迎え入れる。彼女は優しい手つきで、彼の両腕を取ると、手を絡ませる愛撫をしながらゆっくりと自分の乳房を揉ませつつ、ユウキ同様に豊かな乳房の間に彼の頭を挟み込んだ。
そして彼の手をそのまま自分の尻に導き押し当てると、そのまま優しい快楽を送り込んでくる。

635 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:42:31 ID:suoH5apw

「お姉ちゃんどう?」

「この調子でいけば忠夫さんの陥落と儀式の完遂も早いと思うわ」

 ランはユウキの征服してくる快楽をより引き立てる優しい脱力させる快楽を送ってくる。
この二人はどちらを相手にしても、後の相手がより彼の精神を削ってくる。正反対の快楽を億厘で来ることで、お互いがお互いの快楽を引き立ててくる日もあれば、
姉妹そろって同じ類の快楽で彼を堕としに来るときもある。 ユウキが先ほどのランの位置に来て彼の玉袋を揉みしだき始めてくる。強い快感が完全に脱力しそうな彼を辛うじてつなぎとめてくる。
ランとユウキが彼を挟みながら百合的な行為を始めると、より強く彼の分身が締め付けられ、逃げ場がなくなっていく。そして彼が達する本の数秒前に、ユウキがしてくる愛撫が強い快楽から、ランと同種の蕩けさせるそれに変わった。
射精の瞬間彼は、冬に二度寝させる布団のような快感の中で意識を失った。堕ちる意識の中で何かの儀式が成立したような快感に全身が包まれていく。その快楽の中で彼はランの声を聞いた。

「今日のゲームは円滑に進められそうね。ユウ楽しみましょう」







 次に目覚めた時、驚くほどすっきりとした意識に戸惑いながらも彼が目を空けると。彼があまり訪れる機会の少なかったTRPGをするジェラートの遊戯室の椅子にかけていた。この部屋にはエヴァの別荘と似た気配がある。
恐らくはあの別荘と同じ時間の流れを変える、処置がとられているのだろう。 大鳳と共に女権国家で戦っていた時に、絆を紡いだ女性陣全員が彼の部屋に入ってきている。アリスが作ったTRPG用の人形の群れが置いてあった。
ミニチュアの町に、彼女達とどこか似た妖艶な気配を持つ人形達を見ていると、自分の分身がうずいてくる気がした。ユウキとランに愛撫されている様な感覚をどうにか切ると、ゲームマスターをしているらしいアリスが口を開いた。

「一応確認するけど、忠夫が今回遊ぶゲームはこれで良い?」

 その答えに横島は驚いた。 アリスが渡してきたのはカンカンの人気作品。『霊防大戦(れいぼうたいせん)』のTRPGブックだ。
この作品は同じくカンカンで人気作品だった『ジパングの夜の守護者』の続編であり、霊的な防衛を請け負ったものたちが様々な悪事をなす悪霊や妖怪や邪悪なる術を使うものたちを倒していくというものだ。
『ジパングの夜の守護者』のあと多くの悪霊払いなどをした主人公たちの子孫たちが女権国家と時に、敵対し時に味方する大都市に身を置き、女権国家からくる霊的脅威と戦っていくものだ。
女権国家が相手でも良識的な存在とは手を結び悪辣な存在と戦い倒していく、安全な女性の見分け方の勉強になる駆け引きパートや、戦闘の駆け引き描写は本当に手に汗を握った作品だ。
毎回、男性優位な所はあっても、良識派な宗教の設定を取り入れることで、色香で男性を支配する術などを使うサキュバスや妖怪の敵などが多く、女権国家の女性はこういう手段を使ってくると分かりやすく教えてくれて来たものだ。
相手の女の色香とそれに負けた際に巨悪に加担させられる描写や、耐え抜く主人公勢の格好良さに彼は何度もやられた。
この漫画を自慰に使ったことは数回しかない。罪悪感と、この漫画の悪役女に屈した感覚が彼をさいなむためだ。
女権国家で祀られる他の国では邪神とされるものや、女権国家の悪魔などが敵として出来ることが多く、王国が負け始めた後半は、
女権国家でも非難されている部分のある女神などの逸話を強調した敵を出したり、女権国家ですらも悪とされる妖怪などが多く出てきていた。そして女権国家の女性は大なり小なりそういう所があると伝えられ警戒心を育んだ。

「これはかなり好きだったなぁ。今でも連休の日に偶に読み返しとるわ。それじゃあ、キャラシート作るかな」

「それなら大丈夫よ。これをみて」

 アリスが渡してきた、紙を見て横島は一瞬だけ驚き、直ぐに納得した。これは間違いなく、自分が作ったものだと思えるキャラシートだ。横島が一応の確認の意味で視線にアリスに問いかけると彼女は頷き答えた。

「ええ。貴方が同意の上で記憶を消される前に貴方が作った物よ。セッションはまだしていないけど、驚いてほしいので先にキャラだけ作ってそれに合わせた部隊や人形も作っておいたわ」

「ありがとうな。ということは」

 アリスが渡してきたルールブックを読むと、一度目とは思えない程に直ぐに理解できた。記憶にはなくても自分の脳に記録できている感じがする。

「これなら全部読み終えて理解するまでそんなにかからんな」


 一時間もかからず多数のページを読み返しながら、彼は今でも好きな子供の頃に燃えた作品の世界をプレイできると思いワクワクしてくる感覚を抑えられない。 一度もしくじらずにクリアして見せようという思いすら湧いてくる。



 彼が読み終えて完全にルールを把握したのを見るとアリスが笑みを浮かべながら言葉をかけてきた。

「それじゃあ今回のゲームの内容を説明するわね。今回のシナリオは『必滅の破邪の一言』の改変シナリオよ」

 アリスの言葉を聞きながら横島は頷いた。これはかなり異色のシナリオと言える。ある意味ではプレイヤーにとって有利なシナリオでもある。
ダイスを振りながら、幾つものイベントをクリアしていき、普通に誘惑や快楽での浸食率が高まり切る前にクリアしてもシナリオクリア。
逆にどんなに不利になっていてもゲームオーバー直前に事件を起こしている魔物の名前を言い当てられたら事件解決だ。
その理由は知恵比べを好む魔物もしくは邪神や、邪神ではないが職責の内なら魔物からの陳情にも答える知恵比べなどをつかさどる神などと契約した魔物が、自分の名前を言い当てられるかなどの勝負を悪霊祓いし達に申し込んでいる仕様だ。
正解すれば、事件を起こしていた怪異たちが出した被害を上回る収益が都市に入り、主人公たちも強くなれるというものだ。 魔物の正体をサキュバス系にもできるし、普通に恐ろしい怪異にもできる。成人にも少年にも優しい内容だ。
元々が少年誌だったためか、そういう配慮がかなりなされている。

 ここまで頭の中で考えがよぎると横島はクリアの為に予想を立て始める。このシナリオでは正解すれば一発でクリアとなる、『破邪の一言』すなわち正解の答えを出せば、終わる。
だが、もしも間違えればペナルティを受けることになる。成人版ではキャラクターの誘惑浸食率が大幅に上がる。
しかし、答えを言う時に根拠を述べる時があり、その根拠がちゃんとした理屈の通ったものだった場合、ペナルティとは別にボーナスが付く場合もある。どうクリアするか悩む彼にアリスが言う。

「今回のゲームは現実世界と同じ遊びをするのよ。『破邪の一言』の改変シナリオ、『僕達のご主人様はだーれだ?』」

「つまり、事件を起こしている怪異ではなく、その僕達のご主人様とやらを当てれば俺の勝ち。ということで、そこ以外は大体一緒と考えていいか?」

「ええ。このシナリオとしては貴方のキャラクター高島・忠助(ただすけ)職業、遺骨供養人、通称は清め烏(きよめがらす)が、主人公ね。ゲームの中に登場するキャラクターは大体私達が動かす際は同じ名前にするわ。だから私達に話しかけるときはメタ発言って言ってね」

 アリスの説明に頷きながら、彼はゲームの為に思考を巡らせた。

636 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:46:28 ID:suoH5apw

 横島が今回主人公に選んだのは別名死体漁り、品行方正なものは清め烏と呼ばれる職種である。
通常悪霊や妖怪などの戦で死んだ人間の遺体などの供養を行い、そして高級品の装備などを持ち帰り遺族の元に返した際の報酬と遺族が要らないと言ったものを売り払って生計を立てている。
多くの悪霊や妖怪を打倒した武器などはその武器事態にも霊力が宿るから、戦死したとはいえたくさんの敵を倒した悪霊払い氏などの装備は量産品でも高値が付くこともある。
一体でも悪霊や妖怪を倒したり手傷を与えた武具などはそれを打ち直せば僅かだけど、妖怪などに対して効果が上がる。
死体漁りたちはそうして得た金銭を遺族たちが預けられる孤児院などに還元している者たちも多く、それなりの寄付などをしているものは、蔑まれることは稀である。

死体漁りたちは供養の呪文などを学びつつ、一定の寄付をすることで、武芸や術の道場での指導を格安で受けることができる。
横島はダイスを振った結果、忍者などの探索業寄りの器用貧乏型になった。若干近接戦闘と、術が強い感じのステータスになっており短時間ならパーティの本職が戦闘不能になった際に補欠を務められる。

 それを見ながらアリスは言う。

「今回のシナリオは、基本的に死体漁りとは蔑まれず、清め烏と呼ばれるくらいには善良な貴方が、多数の戦死者が出た悪霊の元巣窟に将来有望の魔法戦士の双子姉妹、木綿季と藍子と共に捜索した結果、
安全なはずの遺跡で強力な力を持つ者によって二人がインプとかして大人に近い姿になってしまった。
そしてその時に聞こえた『二人の主人となった者を見つけよ』という声から、貴方は巷で流行っている、『破邪の一言』の亜種の怪異であると気づき、インプと化して異常に強くなっていく幼馴染二人の主人を探し求めていくというものよ」

「分かった。現実世界のユウキとランの主人もこのTRPGの中と一緒なんやな」

「ええ。その通りでも、現実世界の言動から当てるのは無理だと思うし――」

 アリスはここでいったん言葉を切り、次に言う言葉は重要であるとアピールしてから言った。

「今回の問題はかなり意地の悪いひっかけ問題になっているわ」

 アリスの言葉を聞き彼は悩んだ。こういうゲームでは彼女たちはフェアだからこそ、本当に意地の悪いひっかけ問題なのだろう。横島は少し悩んだのちに、ゲームを開始することにした。 アリスの説明ではユウキとランは基本的に戦闘パートなどでは完全に味方。
ただし謎解きパートや誘惑の浸食率を上げる快楽責めなどが行われる罰ゲームパートなどでは、敵だと思ってほしいらしい。そこまで説明した後アリスは言った。

「このシナリオの終了条件は、貴方が正解を言うか、もしくはゲームの中で快楽への屈服度がマックスになってしまったときね」

その説明を聞き彼は頷いた。そしてアリスに確認の言葉をかける。

「このTRPGのインプは女権国家仕様のインプと考えていいか?」

「ええ」

 女権国家のインプは悪魔寄りのモノもいれば妖精よりの者もいる。そして使い魔と言っても契約した相手の支援に特化した存在になるだけで、隷属させられているという程でもないらしい。
主人が魔力不足の時に逆に魔力に溢れていたインプが魔力を主人に送った例もある辺り、他国とはかなり違うようだ。 女権国家のインプじゃなくて他国のインプでしたというひっかけ問題もないと確認した彼は、ゲームに挑むことにした。

ゲームが開始される直前に、ジェラートが不意に声を上げた。彼女は横島に気づかれないように、こいしに指示を出すと横島に言った。

「今回のTRPGの商品として、旦那様が勝たずとも良い結果を出したら、王国への支援等を商品として出そう」

 手渡された紙にはたくさんの王国にとってありがたい支援の内容が書いあった。普段の横島なら、こんなゲームしなくてもジェラートは自分の為に王国に対してできることはしてくれるだろうと見破るが、
こいしに無意識を操作され、快楽で屈服すると今回の支援は見送りになるかもと思った。負けたとしても、義理を欠くほど支援に手を抜かないのはわかるが、快楽で抗う自分を堕とす遊びをやりたがっているのだろう。
という考えが彼によぎる。 ジェラートは親愛は失わずそれでも快楽に絶対負けれないという、考えになっている彼を見ながら、こいしをほめたたえた。これで自分たちの与える快楽に抗う彼を弄ぶ遊びができる。
それだけではなく、仲間を裏切る背徳感に負けながらの鬱射精とかも堪能できるだろう。 横島は僅かに負けたくなってくる自分の分身の感覚をしかりつけると、ゲームの準備を始めた。

 準備をしながらも彼の心は高揚していた。子供の頃から好きだった漫画が世界観のTRPGしかも、クオリティは保証済みとなればそれも仕方がない。 
少年カンカンに対しては大鳳達とスパイをしていた時に一つだけ嫌な思い出ができたが、それでも嫌いになれない程面白かった。
大鳳が三週間後くらいに分析を終えて、夢の中で精を奪うサキュバスに襲われていた時に、まるで狙い合わせたかのようにまどか王女からカンカンの人気漫画の単行本セットが届いた。
色仕掛けなどに対する対策を大鳳が教えられていないことを知った彼女が教本として届けたらしい。そしてその結果サキュバスの作る精神世界の城は余計に強固になり、大鳳は精神世界でカンカンを舞台にした激しい逆レを受ける羽目になった。
あの時の救出戦のあと、大鳳は大好きな漫画の世界の英雄たちを快楽に負けて裏切った罪悪感に大分苦しんでいた。 まどか王女のあのタイミングの悪い贈り物は本当に嫌なものだった。 

 そんな記憶も一年たった今では悪くないと思える辺り、時間というものは便利なこともあると彼は思う。気を取り直すと彼は決意を固めて準備ができたと言い、最初の判定のダイスを振った。






 ゲームを進めて彼はシナリオの中の小イベントを幾つか終えて彼は本当に疲れた。楽しくても疲れる類のゲームとはこういうものを指すのだろう。アルが小イベントの悪党との戦いでは味方、シナリオの本筋では彼を得ようとするベリアルとして出てきて、アル社長の言動から推理して、大いに悩んだ末にアル社長が二人の主人だと答えを言った。 

「木綿季と藍子は二人ともかなり強い力を持っていながら嘘だと思わせる言動がない。つまり、ベリアルの神名に懸けて誓わなければ本当のことを言わないにもかかわらず、騙される人多数の能力を得ているからだと思われる辺りか」

 それを言うとGMであるアリスは首を横に振っていった。

「不正解よ。各場面で情報収集を成功させた上で、それをもとにきちんと筋の立った考察をしていたらから、今回は最低限のペナルティで行くわ。 それと情報収集の結果間違った情報ではなくても時に混乱を招く情報である場合もあるから。それじゃあ、不正解罰ゲームに行きましょうか」

 アリスがそういって手をかざすと彼は自分の意識が抜かれどこかに移される感覚を覚えた。




 横島は自分が作ったキャラクター高島忠助の意識の中にいることに気づく。目の前には情愛と侮蔑の念の籠った瞳を向けている木綿季と藍子。そして魔王としての力を持ったゲームの中の陸八魔アルがいる。
現実世界では魔王としての力を取り戻した今でも、横島に対しては魔王としての顔を見せることはほとんどない。彼女がそれを見せたのは、
横島が彼女の魔王としての側面を見ることになったのは一線を越えた外道の行いをした者を前にした時だけだった。だが、今初めて彼女は魔王としての表情を彼に向けている。

637 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:48:46 ID:suoH5apw





 高島忠助は大本の悪霊が倒されて、3段くらい危険度の下がった悪霊のたまり場である遺跡に出向き木綿季と藍子を助けながら悪霊や妖怪を蹴散らし、死体漁りをして一人一人の遺体に祈祷を行い、そのさなかに不意に遺跡の力が発動して、
ユウキと藍子がインプと化した。それと引き換えに二人の病が癒えた。そして二人が女権国家に染まり切り、男を隷属させる淫魔の眷属と化すのを止めたければ、このゲームに勝ち二人の主人を当てろと、遺跡に潜んでいた存在に言われた。 
そして彼女達と共に協力して様々な事件を回りアルの依頼を受けて悪霊の家を除霊した時、彼はアルが二人の主人ではと言った。その瞬間アルは笑いながら少女の様な笑みを浮かべ喜んだ。そして彼女が手を叩くと彼はここにいた。





彼は今魔王の城の儀式場の様な場所で、祭壇めいたベッドに寝かされていた。木綿季と藍子が二人がかりで彼の分身と玉袋をその手で愛撫している。快楽に喘ぐが彼の体は一切動かない。アルが瞳にこもる魔力だけで彼の動きを完全に止めている。
彼女がゆっくりと服を脱ぎ始めると、ユウキと藍子の愛撫に耐える彼の分身が射精を求め始める。泣きかける彼に心底馬鹿にした様なユウキの声が上がる。

「アル様早く着てあげて―! 早漏すぎる忠助に寸止めするの本当に大変なんだよー」

「ユウ、事実でも男の子には厳しい事実だから言ってはダメよ」

 ユウキの激しい愛撫と藍子の優しい愛撫が彼の分身に休憩はおろか慣れることすらさせてくれない。それを見ながらアルは満足そうに行った。

「忠助、今回は不正解。と、言うわけで罰ゲーム行ってみましょうか?」

 軽いノリでアルも彼の分身をいじり始めると、彼は声にならない声を上げながら泣き叫んだ。 片腕は堕落させる様な優しさで、もう片腕は魔王が蹂躙するような感じの快楽を彼女は送り込んできている。
それを木綿季と藍子の手が支援するような感じで余計に彼の分身を愛撫するアルの力を際だたせる。 

「忠助、早漏なのは仕方ないけど降参速すぎるよ〜!もっと頑張れ!」

「ユウ、もうちょっと手心を加えなさい」

 口では諫め、優しい笑みを浮かべているが木綿季以上に容赦のない快楽を送り込み藍子が笑う。 
快楽が本当に限界を迎えかけた時、不意にアルが彼に跨り分身を一気に飲み込んだ。 繋がった瞬間に完全に頭の中の全てが壊され、それが流れ出ていくような射精が終わると、アルは打って変わった優しい腰遣いで彼を虜にし始める。
顔で乳房を変形させながら、胸を揉みしだくと電撃が手のひらに走り、直ぐに脳が限界を迎えた。射精と共に手を引くと木綿季がそれを咎めた。

「一度始めたなら、最後まで女性を満足させる努力は続けなきゃダメだよ。 というわけで手伝うね♪」

「え」

 困惑した声を上げる彼の言葉が終わるより先に木綿季が彼の手を掴みアル社長の乳房を揉みしだかせ始める。

「ひぎゃー!」

「頑張れ! 弱すぎる忠助の為にも、一回アルさんがいったら免除してあげるから」

 藍子は何をしているのかと思った瞬間、アルが彼の頭を解放して首を回させた。その先にはどんな罵る言葉よりも、雄弁にバカにしている目で彼を見ながら、彼の痴態を肴にワインを飲む彼女の姿があった。

「藍子にバカにされていると知ったと途端に硬さが増したわ」

 アルの申告を聞き二人が嘲笑した瞬間彼は再び射精し倒れた仰向けに倒れた。アルが笑いながら覆いかぶさり柔らかく包んでくる。それを見て二人も参加すべく服を脱ぎ始める。

 木綿季と藍子が加わった後は彼にとっては心を溶かすマグマの様な快楽が延々と続いた。時には木綿季がアルの魔王めいた快楽を後押しするような形で彼を嫐り、また藍子と共に優しい快楽で彼を癒しながらも、
アルの魔王めいた押しつぶす快楽との落差を与えてきたりする。 
木綿季と藍子が彼の乳首をしゃぶり真逆の快楽を与えてくるよそで、アルが彼に騎乗して腰を動かすと彼は蛇口が壊れた水道の様に精液を垂れ流しながら、叫び続けた。 
彼の限界が近づいてくるのを確信すると、アルが不意に木綿季と藍子を離れさせて、対面坐位の形で彼の頭を乳房の間に迎え入れて、ゆっくりと腰をグラインドさせ始める。 射精を許されない、快楽がしばらく続きながら彼の意識は不意にいったん途切れた。






花の大公爵ヴァレンティーヌの閨房、彼女のこの部屋の主である、ジェラート・ヴァレンティーヌの魔女らしい妖艶さを引き立てる紅と淫猥さに彩られた寝室で、陸八魔アルとユウキとランがゲームの中のキャラクターである高島忠助と同じくらいの年齢に戻された、横島を嫐っていた。

彼らの情事が繰り広げられる寝台の前に祭壇にも見えるゲーム板があり彼女達を模した木綿季や藍子とアルの人形が、寝室の中の彼女達と同じ、動きをしながら高島忠助を嫐っている。

一度射精するたびに交代し、交合する役が変わり残る二人が、今彼と繋がっている女性が彼から逃げられないようにしながらより多くの精を搾り取れるように、愛撫し協力している。 

寝室で彼を嫐り心底楽しそうに笑う彼女達と、快楽で虚ろな顔になりながらも、強い快楽を与えられた時と射精の瞬間時だけ雷に打たれたように痙攣し、正気に引き戻されている横島とその度に満足そうに笑う彼女達。

だが奇妙なことに彼女たちは、稀に喘ぎ声をあげる以外はほとんどしゃべらなかった。まるで現実ではなく、ゲーム板の中でしゃべっているかの様だ。

楽しそうに笑う彼女達とただ快楽への屈服を拒むことに精いっぱいの横島。恐らくはゲーム版の人形達も今情事を繰り広げている彼女達と同じ表情をしているのだろう。

 アリスは横島の表情を見ながら魔女らしい妖艶さと恐ろしさの混じった笑みを浮かべながら、自分の番が来るのが待ち遠しいという様子でそれを見ている。彼女はそろそろ良いかという表情になると、言った。

「それじゃあ快楽への屈服度とトラウマと中毒の判定をしましょう」

「うん。どうなるかな」

 横島の上になりながら笑うユウキを他所にアリスが賽子を振ると凄く高い値が出た。その瞬間、高島忠助の人形が美しいピンク色の光に包まれる。そして横島の肉体も同じ様になった。
ユウキが彼の特に凄い量の射精を受け止めると、次はランが代わり受け止め、最後にアルが受ける。 痙攣する彼の体を三人が柔らかい肉体を押し付けて押さえつけると、
最後のアルに特に大量の射精が起こる。アルに終えた射精が終わると、高島人形から彼の魂が彼の体に戻った。





 横島は不意に目を覚ますと目の前にアルの乳房があった。そして気が付く。こちらは現実世界だと。今あの世界と全く同じセックスをしている。
ユウキとランも木綿季と藍子と同じ状況で彼を見ている。同じくらい彼から精を搾りとったのが分かる。 
ただゲームの仲と違うのは目の前のアルはどこまでも甘く優しく彼を堕落させる愛撫をしているのに対して、ゲームの中の魔王は魔王らしく隷属させる快楽を与えてきている。アルは笑いながら言う。

「忠夫、快楽を与える罰ゲームは本気でやらないと面白くないでしょう。アリスお願い」

「ええ。任せて」

 アリスが手を振ると、彼の意識がゲームの中で同じ体制で搾り取られている高島忠助と繋がった。 魔王の隷属させる厳しすぎる快楽と、甘く蕩けさせる快楽が同時に襲ってくる。
ゲームの中の自分は快楽に屈服することに恐怖を覚えている。同じ体制で同じ契りを結びながら真逆の快楽が彼を一気に堕としに来ている。

「それじゃイキましょうか忠夫。私もイクわ」

638 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:50:10 ID:suoH5apw

 脳が完全に壊れる感触を味わいながら彼が射精すると、大量の精が彼女の中に放たれたと感じた。その後、彼より早く立ち直った彼女は笑いながら彼を抱きしめて乳房に顔を埋めさせる。
その感触に脱力感が襲ってきたのを感じ取りながらアルが言う。

「ゲーム板では、罰ゲームの仕上げのあと、次の知恵比べの相手が来るから頑張ってね♪」

 どこまでも甘く心地よい感触に包まれながら彼の意識は少しずつ眠りに落ちていった。




 完全にゲームの世界に戻った彼はアルのもたらす屈服させる快楽に屈服し仰向けに倒れた後、鋭利で低い澄んだ声が彼の耳をくすぐった。


「罰ゲームもそろそろ仕上げに移っていい? 次は私が彼と知恵比べする番なんだけど」

「アリス、ええ。それじゃあ移りましょうか」

 そういってアルが彼から離れて、手を振ると様々な衣装を来た女性陣達が現れる。これは悪霊に近いと彼は一目で理解した。 ゲームの中のベリアルであるアルは笑いながら言う。

「これが私の率いる悪霊たちよ。彼女たちの悪事の数々を見てみなさい。アリスお願い」

「ええ」

 アリスが手を振ると人形劇が始まり。その人形劇の部隊の中に彼の意識は移った。高島忠助の中にいる横島は他人事の様に思った。

『ゲームの中にいるのにさらにそのゲームの中の人形劇に入るのか。不思議な気がするな』





 人形劇の舞台の人形に入った彼は、アルの配下の悪霊軍団たちの生前の悪行の被害者たちの人生を追体験させられた。
時には冒険者として色香で仲魔を裏切り、破滅させ。あるものは魔女として善良な権力者を骨抜きにして国を傾けて女権国家を利したり、色香で男を破滅させること自体を楽しみとした者たち。
悪行の種類はすさまじいが、それでも彼の道義心からしたら女性とはいえ、倒す対象とみなすに十分な者たちだ。だが、そんな女達に犯され快楽と色香で堕とされていく男たちの人生を追体験すると快楽と背徳感で脳が焼き切れていく感覚がしていく。 

一際外道だと思って容姿が優れた魔女でもあるメイドに犯された直後に彼の脳が砕け。頭が真っ白になると同時に再び、彼の意識は高島忠助の肉体に戻った。



 意識の戻った彼の全身を激しい快楽が貫く。そして目の前には夢の中で散々彼が追体験した、男たちを破滅させた悪女たちが嘲笑を浮かべながら彼を嫐りぬいている。


 アルに金縛りにされていたが仮に、解かれたとしても自分はもう快楽で抗えない。それを確信し黒髪ロングの女性が、どんな侮蔑の言葉よりも雄弁に彼を嘲る目で見上げながら彼の分身をしゃぶる。
 声にならない悲鳴を上げかけるが同じ目をした金髪の女性が口づけしてそれすらも許されない。 彼女は見下しきった瞳で彼の眼をのぞき込みながら舌を絡めてくる。他の悪霊である女性達の嘲笑を受け止めながら彼の分身は何度も射精を繰り返していく。
アルが手を振ると、彼女たちはアルに対しては恭しい態度を取りながら横島から離れていく。 アルは崩れ落ちかける彼の顔を手で挟み見下ろしながら言う。

「自分に対して全く好意のない外道な顔と体だけの女たちに嫐られるのも、それなりに良いものでしょう。どう、リタイアして我が配下となればさっきの感覚とこれの繰り返しを何度でも味わえるわよ」

 辛うじて彼は首を横に振った。そこに不意に心の中を抉るような眼を持った少女が現れる。紫色の瞳をしたショートカットの微小だが。横島は、彼女がさとりだと気づいたが、気づいていない、高島忠助の意識も同じように共有していることに気づいた。
 そして横島忠夫しか知らないことはこのゲーム版の世界では使えないのだろう。プレイヤーがメタ知識をどうやってゲームのキャラに活かさせるか苦慮する現象はこうなのだろうかと彼は思った。

 さとりは彼を見下ろしながら言う。

「初めまして。私は今回のゲームを貴方に持ち掛けた人外さとりです。貴方が不正解を言うたびにペナルティを与える役をもらっています。さてアル様、彼は生ごみや世界で一番ひどい汚水並みに腐った心を持った美女達に嫐られて彼は凄く興奮してますよ」

 大勢の女性達に彼女は実況するように笑いながら言う。彼女の言葉で侮蔑の笑みが深くなった周りと共に嘲笑する彼女に見下ろされると、余計に分身が固くなってくる。さとりがアルに目配せすると、アルが再び外道な女性の悪霊たちに許可を与えた。彼女達に再び嫐られ始める高島を見ながら彼女は言う。

「彼もう、嘲笑されて男性優位の国ではありえない閨での負け方も含めて興奮してますねぇ。 たった一回でここまでになるとか、生きていて恥ずかしくないんですか?」


 女権国家でも救えない外道な赤毛の美女に騎乗された彼の分身はさとりの罵る声が止めとなり射精をした。それが終わった直後にさとりが足で強めに彼の玉袋を踏んだ。痛みと快楽が走り、そのまま彼は再び笑う赤毛の美女の中に放った。性根の腐った女達が嘲笑めいた目を向けながら彼から離れていく。

「自分でも気づいているでしょう。貴方は罵られた言葉も射精の元となるクズだと。ベッドの中で女性に勝てないのは仕方ないけど、その性根は救いようがありませんね」

 霊力と精を吸い取られ、指一本動かせなくなった彼の分身をさとりは服を脱ぐと飲み込んだ。 彼女は笑いながら宣言する。

「『想起・腐れ外道の女性達に嫐られて、破滅した男たちの人生追体験』」

 さとりの宣言と共にさっきの女性達に外道な手段で堕とされそれでも色香と快楽に、抗えなくなり己を軽蔑し汚物の様に思いながら、破滅していった男たちの快楽と屈辱の追体験が起り、さとりの中に何度も彼は射精をした。

「今回の罰ゲームはこれで終わりです。少し心配になってきました。次からは罰ゲームを受けたくてわざと、不正解言いませんか?」

「い、いやそんなことはせん」

「まあさすがにそれはありませんか。次の知恵比べの相手はリグルさんとアリスさんです。どうか頑張ってくださいね」

 その言葉と共に彼の意識はゲームの世界から現実に戻った。




 横島が目を空けると、布団の中にいた。魂や精神に刻まれた快楽が彼の中にあり。そして彼の目の前には大量の精液を受け止めたさとりの姿がある。彼女はわざとらしくそれを彼に見せつけていった。

「最悪の外道な私のキャラに犯された人生を追体験しながらだと、本当に凄い量を出されるようで。こいしが無意識にしてほしがっているプレイを教えてくれましたけど、ここまで変態とは」

 ゲームのキャラの意識もまだ残っているのか、あれだけの量を射精したという事実だけでも、より恥辱心が強くなっていくのを彼は感じた。

「それじゃあ、体を清めたら遊戯室に戻りましょうか。今回は私は罰ゲーム専門で騙し合いのゲームには参加してませんよ」

「ユウキのご主人様ではないと考えてもええのか?」

「ええ。そこは約束します。次回からはこいしも罰ゲームに参加するからお気をつけて。
今回はリグルちゃんとアリスさんが騙し合いの相手ですから、お気をつけて。答えはアリスがご主人様か、リグルがご主人様か、あるいは両方ともご主人様ではないかです」

「そうかわかった」

 横島が寝室から遊戯室に戻ると、アリスとリグルがゲームの駒を動かしていた。彼女たちは横島に向けて言葉をかけてきた。

「忠夫おめでとう! 不正解の答えを言っちゃたけど、それ以外の知恵比べには完勝していたし、小シナリオをクリアしたから、ジェラート様が王国に相当な支援を約束してくれたよ」

639 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:51:56 ID:suoH5apw

 ジェラートが最初に決めた、横島がこのゲームに勝ってクリアすればするほど王国に送る支援が大きくなっていく。その約束を彼女は絶対に違えないという信頼がある。彼は意気込むと次のゲームに移った。





……………、今回のゲームでも横島はダイス運とスパイとして積んだ徹底的な経験を活かして、魔女アリスとリグルの試練を乗り越え、困っている人たちも助けた。小シナリオの最後になって、横島は悩んだ。
このシナリオでは、木綿季たちの御主人様が途中出てくる可能性もあり、そこで当てられなければ、後は皆不正解ということになる。
『どちらも御主人さまではない』を選びそれが不正解だった場合は、それが分かるのは最後だ。彼は少しだけ考えた後に言った。

「リグルが木綿季と藍子の御主人さまだ。木綿季と藍子が誰を主人様にするか選んだ様な描写が幾つかあった。
だから、この物語の中のリグルの能力を見ていると、明らかに木綿季たちが選ぶのはリグルだと思う。英雄の御霊の能力を一部付与できるから俺に使わせる為に彼女を選んだんだ」

 その答えにアリスが笑いながら答えた。

「不正解よ」

 それを聞き横島は半分くらいはやはりかと思った。ミスリードを狙ったと思えるようなしぐさもいくつかあったし、ひっかけられたのだなと思った。

 そう考える彼に向ってアリスが言葉を口にした。

「罰ゲームに行く前に、今回も上手にプレイしていたからボーナスがつくわ。冷静でいられるうちに選んで」

横島はそのポイントを見ながら少し考えた後に言った。

「これにするわ」

「これで良いのね? デメリットも大きいけど?」

 念を押すようなアリスの言葉に彼は頷いた。

「ああ。途中まで答えを言わずに全員を見てから言えるってやつやな。このオプションを選んだ場合、今回ご主人様だと指摘しなかったアリスの事も指摘できる。ただし、これを選んだら最後の一回以外は答えを言えないってわけだ。 
何回不正解を言っても、ダイスの結果浸食率が低ければ、全員をご主人様だと指摘して勝てる可能性も凄く低いが、ゼロではないこのゲームではかなりでかいデメリットだな」
 
そこまで言った後横島は、少し考えてから言った

「だが、快楽でどんどん冷静さが減っていくし、冷静に全員を観察して、最後の一回にかけた方が良いと思う」

 ファンブルが出てしまえば一回の不正解でもゲームオーバーの可能性もあるしな、と彼は付け加えた。

 その言葉にアリスは納得した様に頷いた。

「分かったわ。それじゃあ今回の罰ゲームに行きましょうか」

 そういうと彼の意識は再びゲーム版の人形に吸い込まれた。意識が完全に人形に移る前に自分の体も寝室に運ばれているなという感覚が彼の中に朧気に感じられる。揺れる感覚が眠気を誘いしばらく経つと彼の意識は完全に眠りに落ちた。






 横島は再び高島忠助の意識の中に入った。今、彼は小太刀めいた短刀を握りしめ身構えている。彼の短刀は霊波刀を途中で付け足すことで普通の刀と同じ長さにできるのだ。それにより敵の計算を狂わせるのは彼の得意技でもある。
彼はアリスとリグルの依頼で人形劇に出てくる英雄たちを冒涜する類の悪霊等と今回は戦った。全ての事件を解決した後、彼はリグルが主人だという答えを言うと、外れだと言われた。
それを聞いて覚悟をする彼にアリスが、一時的に自分と使い魔契約をした木綿季と模擬戦をして勝てば今回の罰は免除だと言ってきた。

 横島は最初から霊波刀を付け足した小太刀を構えて、木綿季の動きを注意深く観察した。木綿季くらいに速い相手だと霊波刀を消して小太刀に戻すのはともかく、長くするときの時間の落差で直ぐに負けてしまう。 木綿季が剣を構え切り込んでくると彼はそれを即座に受け止めた。

 木綿季は心底楽しそうに彼の返しの剣撃を受けて笑った。

「忠助凄いね。こんなに短期間で戦い方が上手になるなんて。やっぱり実戦で化けるタイプだったのかな?」

 霊波刀をいきなり消失させられると、剣をぶつけるはずだったところに空振りが生じ大きな隙となる。そしてその隙に刀の間合いから短刀の間合いに入られれば大きく彼女は不利になる。それが分かっているからこそ、
彼女は忠助の攻撃を上手く防ぎながら深く切り込んではこない。だが、高島は近接戦闘だけじゃなくて術にもたけている。だからこそ、距離をとって呪文を唱えられる際の事も考え付かず離れずに動かなくてはいけない。


 木綿季は彼との戦いを心底楽しみながら、剣撃の乱舞を速めていく。不意に剣を消されても大丈夫な位置を取りながら、速さで彼の神経を疲れさせる意味もあるのだろう。彼は、それを見ながら彼女が大きく振りかぶった一撃を辛うじて受けて、
鍔迫り合いに持ち込まれた瞬間に剣を消した。 リスクがそれなり以上に大きかったが空振りよりも隙が遥かに少ない時に消すことで逆に意表を突き、その僅かな隙に乗じて彼は一気に踏み込んだ。踏み込んだ瞬間、
木綿季が剣を手放し、隼の様な速さで彼との距離を半歩詰めた。小太刀の間合いから、拳の間合いに変わり距離を取りかけた瞬間に、彼女の拳が彼の顎を捕らえた。

 倒れる彼に木綿季が少し嬉しそうに、言った。

「忠助は、刀に込めた術で僕の動きを封じに来ると思ってたよ。距離を詰めて、霊力を込めた拳とか、僕に大怪我される戦法は多分無理だと信じてたからね」

「そこまで読まれてたか」

 その回答を最後に彼は気絶し。次の瞬間柔らかい膝枕の感触と共に目覚めた彼は頭を柔らかい乳房で抱きかかえられながら、回復魔法をかけられていた。

「藍子か?」

「はずれ〜。 優しい担当は毎回お姉ちゃんだと思っているね。僕だったこういうこともできるんだよ〜」

 揶揄う様な声と共に、顔を包む木綿季の乳房で硬くなった分身に彼女の空いた手が伸びて、掴む。

 そのまま手で彼を射精させて虚脱状態に追い込むと木綿季は言う。

「それじゃあ、アリスさんリグルちゃん本格的に今回の罰ゲーム行こうか」

「ええ。それじゃあ移りましょうか。前回と少し似ているかもしれないけど、大分違うわよ」


 アリスが笑いながら彼の目の前で人形劇を展開させ始める。 それは、幾つもの英雄譚だ。彼、高島忠助が、憧れた何人もの英雄たちの物語が多かった。それを見ながら高島の中にいて感覚を共有している横島は、確かこの人形劇の知識判定は失敗していたなと思った。


 罰ゲームの最中であることすら忘れて見入るほどの見事な劇を幾つか終えるとアリスは笑いながら彼の唇を奪った。

「今私が上演した劇は女権国家でも賞賛された男性の英雄たちの物語よ。彼らは比較的良識的な、女性達を伴侶とするだけの幸運を持っていたけど、一つだけ他国では劇にされていないものがあるの」

「それは言ったい……」

 口づけの快感で完全に頭が朦朧としている彼を木綿季と藍子に支えさせながらアリスは言う。

「女権国家の女性を伴侶とした際に彼らが閨でどういうことをされたかよ」

 そういってアリスが手を振ると彼に魔法の光が吸い込まれてくる。リグルも一部の地域では英雄たちの御霊ともされる蛍の力を使いアリスの術を支援し始めた。

 アリスに分身を飲み込まれた瞬間彼は、完全に自分が堕ちていくような感覚を覚える。どこまでも優しく屈しても良いと思わせる彼に快楽を与えながらアリスは柔らかな体で彼を愛撫していく。
アリスに何度か射精させられて、脱力しきったところでリグルが代わると、魂の奥に根を張るような快楽が流れ、虫の交尾の様に命全てを抜かれる前の様な恐怖が一瞬走る。 その状態の彼にアリスが口づけして言う。

640 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:53:51 ID:suoH5apw

「大丈夫よ。このゲームで負けた時は私も貴方の所有者の一人。だからあまりひどいことはさせないから。さあ全てを委ねて。藍子。木綿季」

「「はい」」

 アリスの声に答えた二人が耳の中に舌を入れて愛撫してくると、さらに逃げ場がなくなり、脳の中に直接快楽と魔力を送り込まれてくるような感覚がする。リグルが離れると、木綿季と藍子がジャンケンを始めた。恐らくは次に自分から搾り取る順番をかけているのだろう。 

四人がかりで行われる彼女たちのやり方は、どこまでも脱力させて来る快楽と彼女達になら全てを委ねて大丈夫と思わせる安心感を無限に与えてくる。 魂が蜜で腐り切りかける様な錯覚を覚え始めた彼に四人とは別の声が響いた。

「こいし、このままだと彼がゲーム―オーバになってしまうようだから、特別サービスをしてあげましょう。立ち直る手伝いをしてあげなさい」

「はーい」

 こいしと呼ばれた少女が手をかざすと、彼の中に不意に恥辱心が大きく沸き上がり始めた。女性優位の性行為が恥ずかしいという、
彼の故郷での意識が強化されたようだ。無意識を操られたような感覚だと、彼は思った。そしてその屈辱が彼の分身をより強化すると丁度彼の上に跨っていた木綿季がより嬉しそうに腰を振り始める。

「忠助頑張れー! ここで射精したら、故郷の国ではありえない変態ドマゾ確定だよー!」

 応援しながら今までの優しい蕩かす快感と正反対の、強すぎる快感を与えながら木綿季が笑う。 

 アリスが彼の唇に乳首を入れて玉袋を優しく揉みしだき言う。

「激しい快楽の再現はまだしていなかったわね。ここから一気に行くわ」

 藍子も背後から彼を捕らえ、乳首をつねりはじめ。リグルが笑いながら蛍たちを輝かせると、英雄たちが堕とされた夜の再現度が上がっていく。

 木綿季の中に精を放たされた瞬間、彼の意識は完全に壊れ落ちた。強力な妖怪の攻撃で魂が壊れた時と同じ感覚が快楽によって引き起こされた。
優しい刺激に慣らされ切った彼はこの射精で完全に意識が落ちかけた。離れる木綿季を他所にさとりが笑いながら言う。

「こいし今回は貴方の番ですよ」

「はーい。お姉ちゃん」

 こいしが彼の分身を飲み込むと、さとりは笑いながら言った。

「ちゃんと彼の無意識を、男としてのプライドが高まるようにしたようですね。それでは『想起・アリスとリグル主体の優しい堕落の快楽』」

「あー!」

 横島は獣めいた悲鳴を上げながらのたうち回ろうとした。それを押さえつけてくるアリス達の体の柔らかさが彼の分身を余計に硬くしていく。
彼女達にされた男性優位の性行為が当たり前の国の民としての屈辱すら忘れさせる甘く優しい快楽がさとりの想起で引き起こされ、そして、こいしのもたらす電撃の様な強い快楽が彼の意識を堕とさせない。
そして女性に負けるのが恥ずかしいという、意識を強められたことで彼は恥辱と背徳感が彼をさらに嫐りぬいている。さとりは笑いながら言う。

「あら、助けてあげるために男性優位の性行為が当たり前という無意識を強くして強い快楽を与えたのに、逆に興奮してますねぇ。ここまで度し難い変態だったとは。 罵られるのが癖になっているのはもうわかってますよ。早く堕ち切ってしまっては」

 射精を終えて、倒れた彼からさらに精を搾るこいしをよそにさとりは彼の耳元で、侮蔑を込めた誘惑の言葉をささやく。これ以上言われたら堕ちる。そう考えた矢先に彼の意識は現実へと帰った。




 再び寝室で目覚めた彼が最初に見た者は上機嫌なアリス達の笑顔だ。その輝くような笑みに、見惚れながらも彼は、ふらふらと立ち上がった。

「それ、じゃあゲームを続けようか」

「今日はエヴァが時間を調整してくれているから大丈夫よ。頭がはっきりするまで休んで。何だったら、現実世界の貴方の体を私達がどうしていたか教えるくらいの時間があるわよ」

 アリスの言葉を聞いた、相当絞られた後なのに分身が固くなるのを自覚した。自分の霊力の減少具合と、彼女たちの霊力の増加を思えば、あの夢と同じことをされていたことは一目瞭然だ。 アリスに栄養ドリンクを頼んだ後、幾つかの甘い菓子を摘まみ紅茶で流し込んだ。

 甘いチョコレート菓子を紅茶で流し込んだ後、アリスが持ってきてくれた栄養ドリンクを飲み下した。
欲情しない程度に回復して頭がすっきりとしてくる。あくまでも知恵比べのゲームだから色香で血迷わせるような真似は避けているのだろう。彼は大鳳たちへの支援を多く勝ち取るために、シナリオに挑むことにした。



 卓に戻った後の彼は、リグルではなくアリスが木綿季の主人なのではないだろうかと、予測していた。どちらかが主人だと思いはしたが、最終的にリグルの方が可能性が高いと感じたために、リグルを選んだ。
だが、それが外れた以上はアリスが木綿季の主人である可能性が高い。 だからこそ他のデメリットを選んでもアリスと指定できるオプションを取った何よりこれ以上快楽を味あわされたら、正気を失いゲームにならなくなるかもしれない。






 全てのシナリオを機知とリアル知識と幸運乗り切った彼は、ゲームの勝利の商品として、王国への各種の支援を約束させる証書をジェラートに幾つも書かせた。 この時点でも王国の負担は相当減っただろうが、最後に正解を言えたか否かで、王国にさらなる大きな支援をもたらせるかが決まる。

 横島は大分考えている。答えを言わなきゃダメな時間まで三分を切った。周りにいる全ての女性達も、彼を嫐れることも楽しみだがゲーム自体も面白かったとは思っている様だ。勝てるかどうかが気になっている様子のヴィヴィオ達の様子を見ながら彼は言った。



「今回の木綿季のご主人様は、アリスだな。エヴァかなとも思ったが、劇中の木綿季と藍子の動きは英雄の技や魔術の再現は、エヴァだと辛うじてできるくらいだ。人形劇で再現に長けた、アリスでも簡単ではないだろうけど、エヴァよりは少しだけ余裕がある。
それで俺を手助けしている時の動きはジェラートやメタリカの使い魔になった際の動きを再現していたんだろう」


 それに対してジェラートとメタリカは顔を突き合わせて笑った。女権国家の女性が見せると好いた男を捕食できる時に見せる笑みだ。それを見て自分は不正解を言ったんだなと彼は悟った。

 彼に対してジェラートが笑いながら言う。

「旦那様、そこまで的外れな推理でもなかった故、落ち込むでない。 しかし、妾たちの夫を手玉に取る手腕も捨てたものではない様じゃな」

 そういってジェラートが赤い髪をたなびかせながら彼を掴むと杖を振った。赤い花弁が舞散った後に彼の視界が暗転する。


 次の瞬間彼がいた場所は、今日で三度目に訪れることとなったジェラートの閨房にいた。ジェラートが笑いながら杖を振ると多くのサキュバス族の一種サキュアたちと、彼女の弟子であり手下でもある魔女達が現れる。エヴァ達も、早く始めたい様子だ。

「それでは最後まで不正解を出した旦那様に最後の罰ゲームといくかえ」

 ジェラートの最後の宣言と共に彼の意識は再びTRPGの部隊に入っていった。






 高島忠助は今まで共闘したり敵対したりした、木綿季と藍子のご主人様候補たち全員に囲まれていた。
負世界の答えを言った瞬間にアリスの指から延びてきた霊力でできた糸が彼の体の中に入ってきておりもう逆らえないことを示している。 最初に愛歌が笑いながら彼に恋人の様に甘い口づけをしてきた。 彼女は笑みを浮かべて言う。

「とりあえず彼の精神が完全に参りそうになったら私やアリスが間に入るわね。少しすれば回復するでしょうし」

641 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:55:12 ID:suoH5apw

 その言葉にジェラートが頷いた。

「妾たちもできないことはないが、殿方を嫐りながら回復させるのは愛歌殿の方が上手じゃろう。 それに今宵は嫐ることに集中したいのでな」

「愛歌様ちょっとまって」

 言い終わる前に彼女に口づけされた後、彼は糸に操られ愛歌の体のいたるところを愛撫させられ始める。乳房や尻を揉みしだくたびに、激しい電流が走り分身が元気づくが、破裂直前になると彼女が優しくそれを手でつかみ封じてくる。

 少しそれを繰り返し彼が限界を迎えかけると、彼女が彼を押し倒して、その分身を飲み込んだ。

 ただただ気持ちよく、他の事を考えられなくなる彼が逆に愛歌を逆に押し倒すと彼女は下になりながらも主導権を握り、彼が射精したいときに合わせて何度も絶頂へと導いた。
出せば出すほど自分の体が中毒の様になっていく感覚を味わう彼女の愛歌が彼を抱き返しつつ、一度内部で彼の分身を締め上げた。あまりの快楽で激しい射精を起こし、動けなくなった彼を王族らしい目で射抜きながら彼女は言う。

「性的に負けていることは誰よりもあなたが分かっているわね」

「は、はい」

 上になって腰を振りながらも射精の度に彼女の視線がどんどんと、魂に刻み込まれていくのが分かる。

「今回の私の番が終わるまでは、射精するたびに私の名を様付で呼びなさい」

「は、はい」


 今回は次が最後になる。そう思い彼はその通りにした。

「愛歌様!」

 強すぎる快楽のあまり叫ぶようになった彼の無様な姿を愛歌は上機嫌に見ながら、彼を拘束していた両手両足を離した。

 強すぎる快楽で頭がくらくらしている彼を他所に愛歌は仰向けになった彼の分身を足で踏み始めた。

「私も女権国家の女性だしこういう趣味もあるのよ。木綿季、藍子」

「「はい」」

 木綿季と藍子が二人係で彼の分身を四つの乳房で嫐り始める。二人の乳房の間から出ている先の部分を愛歌が楽しそうに踏みつけて笑う。それを見ながら彼女は言う。

「それじゃあイク時の約束覚えているわね」

 違えたら恐ろしいことになる。その予感に背筋が凍り付きそうになりながらも、同じくらい今の状況は怖かった。
この王族の視線で見下され足で分身を踏まれながら、射精の瞬間に彼女を様付で呼んだら絶対に、自分の精神に深く刻まれてしまう。
だが約束を違えた時の恐怖が勝り彼は、叫ぶように射精の瞬間に声を出すことを決めた。彼が決意して止まれなくなったのを見計らったかのようにさとりの声が響いた。

「本当にそうなんですかぁ? 貴方は実は愛歌様に踏まれながら射精して様漬けした際に快楽を覚えているのでは? それを恐怖でごまかしているんじゃないですか? 否定派できないですか? 本心かもしれませんが相当悦んでますねぇ。 ……見下げ果てた変態ですね。このド屑が!」

 愛歌に対する隷属感情だけでもかなりひどいのに、さとりの射精直前の罵倒がさらに精神に追い打ちをかけて、一つで済んだはずの折り目が二つも付いた感覚がする。だがそれでも、愛歌との情事は彼の精神を回復させていた。彼女は愛おしそうに彼に口づけして言う。

「名残惜しいでしょうけど交代だわ。 貴方の精神が持たなくなったらまた代わるから」

 笑みを浮かべて帰る愛歌をしり目に見た後、ヴィヴィオとエヴァが笑いながら近づいてきた。

「謎解きで敗北したので罰ゲームの時間ですよ。高島、聖王として不甲斐ない臣下にお仕置きの時間ですね♪」


 大人の姿になった彼女は愛歌と同じ、王族らしい瞳で彼を見下ろした後アリスの方に目配せをした。 アリスが頷くと彼の体は勝手に動き、ヴィヴィオが望む様に動き始め彼女と交わり始める。
 最初は王族らしい、視線で彼を見下ろす騎乗位で彼女は彼を何度も射精させたが、彼が完全に王族の威に対して屈服してそれが癖になったのを読み取ると、彼女が上の対面坐位に切り替えた。
これ以上性的快感を与えられたらおかしくなる。そこまで思った直後に彼の腕が動き片腕はヴィヴィオの右の乳房を掴み、もう片方は左の尻に伸びて形を変えさせる。
そして口が開くと、ヴィヴィオの左の乳首に吸い付き始める。快楽が許容値の限界を超えた彼が射精すると、ヴィヴィオは彼の不安を和らげるように頭をなでながら、快楽で意のままに動く彼を堪能した。

「ほら、女性優位の性交の屈辱が癖になって余計にたくさん出すような性根をしているから、知恵比べに負けるのです。 勝つのは無理でももっと頑張って私を圧倒して見せるくらいの気概は見せなさい!♪」

 彼女が厳しい快楽を与えてくるとその度に射精し、それが済むと優しい快楽に切り替え。意のままに動く彼を見下ろしながらヴィヴィオは笑う。

「エヴァさん、彼の体を覆う気を聖属性に傾けて置いたから、貴方の属性が相当効くと思いますよ」

「ふむ。そうだなバカ弟子に負けるとどうなるかの指導と行くか」

 ヴィヴィオが彼を解放すると、エヴァ即座に彼を抱きしめてきた。アリスの糸で動かされた彼の肉体は、エヴァに奉仕を始める。丁度ヴィヴィオとしたのと同じ様な性行為を始めた。

 最初にエヴァに騎乗された瞬間、彼は瞬殺される形で射精し、一気に背筋が寒くなった。ヴィヴィオの聖なる気に慣れ切った今、エヴァの与えてくる真逆な闇属性の快楽がより強く感じられる。

「怖いか? 快楽が強すぎて辛いか? だが、女権国家の妖怪に負けるとはこういう事だと教える必要があるからな。私も辛いぞ♪」

 口とは裏腹に心底楽しんだ口調で、先ほどのヴィヴィオと同じ対面坐位に入るエヴァに恐怖しながら彼は何度も射精を繰り返した。

 数えきれない程の数の射精のあとにエヴァが笑いながら言う。

「あと二回でヴィヴィオと同じ回数だな」

 その言葉に彼は心底ほっとした。回復アイテムなどのおかげで生命の危機は感じないが、強すぎる快楽で射精の度に精神に折り目や傷がどんどんついてきている感覚が激しかった。あと二回。そう思っちゃ直後に彼の気が緩み脳が壊れるほどの快楽を伴う射精が起こった。

 そして彼がもう一度で終わるそう思った直後にエヴァが言う。

「最後までヴィヴィオと同じにするなどとは言ってないぞ。最後はこれで締めだな」

 そういうとエヴァは彼と同じ姿の少女の姿になる。余計に強く締め付けられ、快楽で悲鳴を上げる彼の分身を10秒くらい弄んだあと、彼女は射精の瞬間に合わせて首筋にかみつき、僅かに血を啜った。

「〜〜!」

 吸血の快感で予定より多数の射精をしながら声にならない声を上げる彼を上機嫌に見ながらエヴァが笑う。

「満足で来たぞ。バカ弟子が。これに懲りたら勝てないかもしれない賭け事は避けることだ。最も今回は避けられない類のものだったから、負けることに懲りさせるだけだがな。
――、もっとも罰を与えたくなるような愚行をしてくれることを女権国家の女としては願っている部分もある」

 エヴァの情欲めいた目が彼を恐れさせた。そして愚行を犯した時の罰を期待している自分もいることに彼は気づいた。


 エヴァがことを終えると、ジェラートとメタリカの二人が進み出てくる。メタリカが笑いながら彼を見下ろして言う。

「キヒヒ。忠助、大分疲れている様だな。私達は今回の契約上お前を体力的には、壊せない」

 そういうと彼女は回復させるドリンクを取り出してくる。彼女の発言を引き取るようにジェラートが続ける。

642 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:56:36 ID:suoH5apw

「このドリンクを飲んだら体力が回復するから余計に搾り取られることになろう。だが飲まねば直ぐに終わるがどうするのじゃ?」


彼女達が渡してくるドリンクを飲めば体力が回復して、再び快楽地獄が始まるという確信がある。
だがそれでも消耗しつくした体がそれを欲し彼の体は魔女達が合成した栄養ドリンクに手を伸ばしていた。 ドリンクを飲みすと直ぐにそれが自分の体に吸収された感覚があり、それが済んだのを確認すると彼女たちは笑った。

「本当に体が辛いそれだけか? どうなんださとり」

 メタリカが彼に魔術を賭けながら跨り問う。 その問いにさとりが笑いながら答える。

「一応体が限界だからという気持ちの方が強いようです。でも無意識では沢山嫐られたいという気持ちも相当働いていますよ。 この変態さんは」

 こいしの告げ口を聞きメタリカが笑いながらと繋がると快楽の沼に堕ちていくような感覚があり、彼はそのまま堕ちていく。 激しい射精をするとジェラートがメタリカと交代し言う。

「忠助殿、堕ちてしまえば楽であろう。 魔女達に特性ありき、複数の魔女に愛された者の特権を味わうが良い」

 そういうと、彼女はメタリカと同じ傾向でありながら、種類の違う堕落させる感覚の強い性的快感を彼に与えながら、ゆっくりと離れていく。メタリカは笑いながらジェラートに言った。

「あれをやるのか? うむ、今夜のフィナーレには確かに相応しいな」

 そういってメタリカは自分の定住先の女権国家の媚毒の沼の液体を取り出し彼の股間に塗りたくり始める。激しい快楽で彼が悲鳴を上げると藍子が彼の唇を口づけして塞ぎ木綿季が後ろから抱きしめ始める。

 メタリカが再び彼の分身を飲み込むと沼の魔力も加わったことで、前以上の快楽が彼に襲い掛かり、彼の意識は一瞬で射精と同時に堕ちた。そしてその瞬間メタリカの笑い声が聞こえ、ジェラートが配下のサキュアたちを呼び出す音が聞こえた。



 忠助は明晰夢に似た夢の中で目を覚ますと、自分の分身が激しい快楽でさいなまれてることに気づいた。 それだけではない。後ろからは木綿季に抱き着かれている様な感覚と、
彼女の強い快楽を与えてくる愛撫を受けている様な感覚がある。目の前のジェラートはそrを見ると愉快そうに笑った。

「妾はサキュア族を従えている故、夢の中に入ることは容易いのでな。端的に言うと夢の中では妾と藍子。現実ではメタリカと木綿季がそなたを嫐る」

 藍子が楽しそうに笑いながら言う。

「忠夫さん、木綿季と私の攻めを全く同じ個所に同時に受けさせたらどうなるかやってみたかったので行きますね」

 逃げようとしたが夢は彼女達に完全に支配されている。その上現実世界で受けている愛撫の快感のせいで分身が悲鳴を上げ続けており彼は動くことすらできなかった。
ジェラートが現実のメタリカと同じように彼を前から抱え込んで分身を飲み込むと、藍子は現実の木綿季と同じように、彼を背後から愛撫し始める。

 木綿季の激しい快感と藍子の乱舞が彼を襲いジェラートとメタリカ二人の中に衰え切らない量の射精を放つと、ジェラートが笑いながら言った。

「藍子そろそろ、木綿季と二人で嫐ってはどうじゃ」

「ジェラート様ありがとうございます」

 現実世界ではメタリカと木綿季が交代の準備をし、夢の世界では藍子とジェラートが交代の構えを取った。

 ジェラートに離された彼を受け止め藍子は電話するように木綿季に言った。

「ユウ。それじゃあ、二人で同時に忠助さんの魂の一番深くまで加えこんでしまいましょう。 これを味わったらもう立てないでしょう」

 現実世界からの木綿季の声も返ってきた。とても楽しい遊びをしている時の声だ。

「うん。じゃあ行こうかお姉ちゃん。せーので♪」

 同時に飲み込まれた瞬間、彼は何度目になるか分からない、声にすらならない悲鳴を上げた。

 それを見計らったようにメタリカとジェラートがさっきまで木綿季と藍子のいた位置に身を移し彼を愛撫し始める。 逃げ場を完全に潰された彼の悲鳴は木綿季と藍子に口づけされて舌を絡められた時にようやく終わった。深く舌を差し込まれた瞬間に彼は射精し完全に沈んだ。





 意識が戻った彼は、ひたすらに嫐られた。ジェラートやアル、ヴィヴィオ等は配下のサキュアや魔女たち、或いは悪霊や配下の悪魔、ヴィヴィオは彼を気に入っていた騎士などをけしかけていた。
時には彼を嫐る順番が回ってくるまでは百合的な行為をして準備を整えている者達も、さとりから教えられた罵る言葉で彼の被虐的な性欲を煽る。夢と現実両方で嫐られた彼はうつろな目で快楽を味わい続けた。
 罰ゲームが終わる音が聞こえてきた時、丁度木綿季が彼を嫐る番になっていた。彼はうつろな目で最後に気になった事を聞いた。

「木綿季、結局今回のゲームでお前達のご主人様って誰だったんだ?」


 彼の疑問は最もと言えるだろう。彼女たちは彼を嫐る女性達にとって最高の助手であるかの様に彼を嫐ってきた。
アリスとリグルの時は英雄を堕とした性魔術の再現を手伝い、時にそれが効果的になるように彼に刺激を与え、ジェラートやメタリカの時は魔女の堕落させる力をより引き出し。
エヴァの時は吸血鬼の使い魔に相応しいあり方で彼の魔力を高めて、吸血の快感をより強めてきた。
合間、合間で彼の精神が限界になりかけると、癒す様に彼に優しい性行為をしてくる愛歌の手伝いをして共に癒してくることもあり、ヴィヴィオの部下として嫐って来るときは、生粋のストレリチアの魔術騎士としか思えなかった。

「かなり、意地が悪いひっかけ問題だったでしょ? 正解はね〜」




 ジェラートの閨房で今日最大の一人の男性を嫐る乱交が行われている。何度も振られたらしいダイスが降られる度に、美しく淫らな赤黒い光が彼と彼の魂の入っている人形を包みその度に彼の分身が痙攣し大量の白い液体を吐き出し続ける。
女性達の反応は多種多様だ。 男を嫐る悦びだけを求めている配下達もいれば、彼への愛おしさを感じながら彼を蹂躙するのを楽しんでいるもの。 何人もの女性達や配下達が彼を嫐り終え。
最後のダイスが離れた後、彼の人形と彼を一際大きな淫らさを感じさせる光が包み、ちょうど最後に彼の上になっていたユウキに一番多い射精をすると彼は動かなくなった。

643 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:57:10 ID:suoH5apw





 木綿季から答えを聞く直前に彼の意識は横島忠夫の肉体に戻っていた。目の前にはゲーム版の世界と同じ体制で彼と繋がるユウキの姿がある。
目線が夢の中より高くなっていたことで、彼は自分の体が元の青年期に戻っていると気づいた。
彼女は卓の中にいた時と、同じ笑みで答えを教えてくれた。


「こっちに戻ってきたからさっきの答えを教えるね。忠夫、インプとなった僕達のご主人様は君だよ」

「な!」

 驚く彼にランが補足をする。

「ええ。ここからはさとりの方が上手く説明できるでしょう」

 ランの言葉にさとりが進み出てくると彼に言葉を告げ始めた。

「横島さん、消されていた記憶の中にはユウキさんとランさんの契約した記憶もあったんですよ。彼女達が、他の女性達の使い魔をした時も凄く上手に動いていたのは、貴方の名前の呪ですよ。忠夫、すなわち忠実なる夫ですから」

「だ、だけど」

 言い終わる前にさとりは横島の心を読み取り答えた。

「ええ。ユウキさんたちは凄く恥ずかしいセックスなどを貴方にして嫐るのを手伝いましたね。簡単なことですよ。貴方がどんな風に嫐られたいか読み取り、そしてそれを叶えようとする彼女達に協力していたんですよ。このド変態♪」

 さとりの楽しそうな罵倒が終わるとユウキが進み出てきて彼に口づけして抱き着いてきた。

 ユウキを受け止め彼にランも同じく口づけをしてきて言う。

「貴方が女権国家に永住して、王国の為に戦い続ける道を選んだなら、私達は貴方がどうなっても、最後まで共にいることを決めましたから。だからこそ霊能力者となった貴方の使い魔となりました」

「うん。前からインプになっていたけど、使い魔となってもデメリットはあまりないみたいだし、さとりさんとこいしちゃんが言うには使い魔契約しても、忠夫が望むのは、僕達との対等な夫婦関係だから、別に良いかなって。 これが僕達からの誕生日プレゼントだよ♪」

 笑みを浮かべるユウキの言葉を聞き使い魔となった彼女達から流れ込んでくる魔力が女権国家の敵対女性から受ける性的な術も含めた全ての霊的反抗力を授けてくれていると彼には分かった。

 さらにユウキの言葉をジェラートが補足する。

「妾たちはユウキとランを一度使い魔として使って戦闘をしておるから、かなり手の内がばれている。つまり、旦那様の敵とならぬという証でもあるな。これが妾たち全員からのプレゼントじゃ」

嬉しさとそれに課される重責に少しだけお気後れする気持ちを持つ彼にユウキが言う。

「それじゃあ、皆さんの要望に応えようか。皆して、ショタ形態の忠夫しか可愛がれていなかったから、ここからは元の姿の忠夫も可愛がりたいんだって。僕とお姉ちゃんも協力するから始めようか」

 ユウキとランが手を押し当てると、アリスの糸がより速く彼の体を侵食し、そして強い快楽を与えてくる。暗く妖艶な雰囲気のジェラートの閨房の中で太陽の様な笑みを浮かべるユウキと、
月を思わせる笑みを浮かべたランを見て彼女達と共に居られるなら、自分はこの国では幸せな部類だろうなと彼は思った。

644 :名無しさん@狐板:2023/07/12(水) 09:21:04 ID:D2YZh4/m


645 :名無しさん@狐板:2023/07/12(水) 17:55:39 ID:1cWC4lu/
乙でした

646 :633:2023/07/12(水) 22:37:04 ID:U1mh3a/7
>>644
乙感謝です
>>645
乙感謝です

647 :名無しさん@狐板:2023/07/20(木) 17:25:40 ID:1Zh7hmEe


648 :633:2023/07/20(木) 17:58:05 ID:6vVBGzAX
>>647
乙感謝です

649 :名無しさん@狐板:2023/07/25(火) 12:53:58 ID:GtVW5s49
おつでした

650 :名無しさん@狐板:2023/07/25(火) 21:22:21 ID:5K9Jg2ND
乙でした

651 :633:2023/07/25(火) 23:30:34 ID:Hxs3tRU/
>>649
乙感謝です
>>650
乙感謝です

652 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 20:42:51 ID:bkWgW5Ue
 女権国家SS 英霊としてソシャゲ主人公召喚者大鳳くんと契約した横島に訪れた長い自由時間の代償な惨劇。

 このSSは本スレで投降されている女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@横島のヒロインとして応募はされたけど、採用されていない可能性の高いキャラクター(Fateの玉藻の前)と応募されていないキャラ(Fateのクロエとライダーの方のダヴィンチ)がヒロインの一人となっています。
A公式で多分だけど大人の姿がないヒロインが大人化する描写があり、その姿は自分の予想です。
B横島ヒロインの一人ユウキにソシャゲネタが使われています。使われているネタは炎禍の烏天狗ユウキと奈落の鋭鋒(えいほう)ユウキです
Cスレ主さんが過去に投下した『邪な騎士と横島と騎士』の影響で、女権国家にまだ登場しておらず、誰のヒロインか確定してないヒロインが、横島ヒロインになってます。ただし、その話と比べると畜生度が大分下がってます。
D大鳳くんの来世が活躍するふわっとしたソシャゲ世界だけど、女権国家世界のFGOをイメージして書いていますがいくつかの他のソシャゲネタも混じっているかもしれません。
Eオリジナルの王国5将番外が出てきますが原作での女権国家では5将には番外とかいません。
F女権国家で扱いが難しいかもしれない、TSして男性から女性に変わったキャラが出てきて、それなりに独自解釈が入ってます
G女権国家の男性の吸血鬼に対してかなり独自解釈が入ってます。






 白く清潔な広い建物の廊下を軽い足取りで歩く者がいる。赤いバンダナと青で統一された衣服に身を包んだ男性。ありふれた見た目とはいいがたいが、それでも偉人というにはほど遠い印象を与える人物だ。
彼はその足取りに似合った上機嫌な様子で誰かの部屋を目指している。
 彼こそ、この世界における、非人道的魔術行使阻止機関、名称、ヒューマニティガーディアンに召喚された英霊の一人横島忠夫だ。
彼は大鳳への友誼からシノンやジャギと共に最初のチュートリアルガチャできた。彼が英霊となった経緯は女権国家との戦いを経て多くの人外の女性との交流を持ちつつ大鳳を助け、王国に戻ってからも、悪霊祓いや祈祷などで王国を支え続けた。
そしてそれを経た彼は英雄として王国に祭られて女権国家と和議が鳴った後は女権国家の女性達も助けていたためか、女権国家にある男性英雄総合の神殿にも祭られてもいる。 英霊となっても彼の本質はあまり変わらない。
思ったよりも簡単だった仕事が片付いた喜びを隠そうともしない笑顔を浮かべて今後の予定を考えている。

『大鳳のやつ普通の男の子に転生して、普通の生を本当に満喫しとるな〜。ワイとともに駆けた時代も最終的には不幸ってわけじゃなかったけど、今は普通の優秀な男の子として年相応に楽しそうで良いことや。
今日は周回の妖怪退治も終わったし、一緒にゲーム実況でもやるか』


 彼から見た今の大鳳はとびぬけて優秀ではあるが、受けた訓練が前世より緩かったため、前世ほどではない。
ほとんど気質なども変わらないし前世の記憶も蘇ったが、それでもあくまでも今の彼の主体は今生の彼だ。 そのため今の大鳳は庇護し甲斐のある子どもだと感じている。 

 そこまで考えて横島は自分は相当特殊な英霊かもしれないと思った。自分は死後も転生を繰り返し色々な場所に行っていたらしい。もしかしたらこの時代にも自分の転生体がいるのかもしれない。
そして自分の転生体が受けた弱点などはそれなりに自分にも影響があることが多かった。この戦いが終わり、自分が呼ばれることになった原因である、世界全てを破壊する呪術をキャンセルした場合は自分もその体に戻るのだろうか。
そこまで考えた後、彼はすぐにその考えを頭から追い出した。遊べる時に全力で遊ぶことも戦士の素質の一つだ。そう結論付けると彼は大鳳の部屋に歩む足を少しだけ早めた。





大鳳の部屋の前に来ると女権国家時代の時から見知っていた顔が見えた。 鍛え抜かれた盛り上がった筋肉にぎらついた闘気、戦友であるジャギだ。
しかし、彼にとって見慣れていないと思えるところが一つだけあった。かぶっているヘルメットと革ジャンが赤い色をしていることだ。
女権国家で良き出会いを繰り返し修練の果てに奇跡ともいえる勝利をいくつも手にした彼は後半でヘルメットを失い、新しく買い求めたら、ネロの気まぐれで赤いファッション推奨となっておりこれしかなかったそうだ。
このヘルメットになってからジャギはかなり強くなった印象がある。

 ジャギ曰く『レベル上げアイテムを使って段階を上げていったら、最後がこれだった。
確かに一番勝率が上がったのはこのヘルメットに代えてからだったが、これが最終形態とはな』と言っていた。 女権国家の終盤の方の彼はまさに奇跡を起こす拳法の魔法戦士と言えただろう。
だが、横島にとっては女権国家を去る半年くらいの恰好であり、その姿になってからは共闘したりしたことは数回しかなかった。不仲などがあったわけではない。
単にお互いの能力が高くなって独自で戦えるようになっていたのと任務の都合だ。それから王国に帰って何度か共に戦った時には既に元の姿になっていた。
それからもジャギは拳法家としてはこの衣装を着ていた時よりも強くなっていったが、ジャギが成し遂げた最も王国に貢献した大金星を得た戦いはこの衣装の時に集中している。
そのためにこの衣装が最終形態となっているのだろうと彼は思う。 横島はジャギの様子を見て少し憂鬱な気分になった。 一流の武芸者でも怯みかねないいかつい彼の表情だが、
付き合いの長い彼には分る。怒っているわけではない。この表情は言いづらいことがあり、それも相手に同情しているときの表情だ。

「ジャギどうしたんや? 女権国家の終盤で酒の席で流子ちゃんを切れさせる芸をやってそれがばれた時に、ワイと大鳳に匿ってくれって言いに来たとき並みの表情やな。
もしかして、酒の上で失言でもして、大鳳が美鈴さん入りにピックアップガチャ回すとか言い出したとかか? そんならワイを格好いいとか言ってくれているらしいここの職員の女の子の情報くれたらとりなしてやるぞ」

 敢えて言いやすくなるように軽口をたたくと、ジャギはそれに少しだけ気分が軽くなった様子を見せつつ、それでも重い口調で言った。

「横島、今回も怪奇現象による異常地帯が出現した」

「なんや、イベントか。それでワイの嫁さんたち引かんとクリアが難しいとかか。まさか引換券で誰を呼ぶか決まってしまったとかか。エヴァ以外ならオッケーだと大鳳に伝えていいぞ」

 横島は決して妻となった女性達を嫌っているわけではない。むしろ彼女たちが危なくなれば全力で助けに行く。しかし、愛してはいても尻に敷かれすぎていて単身赴任も気楽で楽しいと思ってしまっている。
妻が嫌いなわけではないが尻に敷かれまくりのサラリーマンがまだ妻が恋しくなってないのに、いきなり家に来られては気が休まらなくなる様な心境だ。 ジャギも横島のこの行動を咎めない。なぜなら彼も同じ心境で動いてる共犯者でもあるからだ。

「それがな」

 ジャギがここにきて言い辛さが極限になった様子を見て彼の顔色が変わった。

「もしかしてエヴァ確定か? ジャギ頼む本当にそれしないとやばい場合以外は、できればやめてやってと、大鳳に頼んでくれ。 ワイも美鈴さんが呼ばれるかどうかの会議になったら、無理してでも呼ばれない方向になるように全力で訴えるから」

 尻に敷かれているトラウマ度はジャギにとっての美鈴が横島にとってのエヴァなのだろう。ジャギは少し考えると答えた。

「それが、ガチャじゃねぇんだよ」

 ジャギの返答に彼はほっと肩をなでおろした。

「そっか。まったく心臓に悪いこと言わんといてな」

 そう答えた直後に彼は不安な表情になった。

「だとしたらなんなんや? なんでそこまでワイに同情しとったんや?」

「今回の怪奇現象による異常地帯の首謀者は、お前の嫁さんたち多数みたいだ」

「はー!」

 横島が一気に腰が砕けたように落ち込むとジャギは深い同情の目線を向けたまま言葉をつづけた。

「俺たちが毎回、異常地帯を叩き潰して、回収している人々の淀んだ感情などが集まってできたエネルギー結晶だが、今回はかなり性質の悪い方法で運用した悪党がいてな。
それを叩き潰して、運用しているのが彼女たちだったわけだ」

 願いをかなえる願望器もどきのそれは、手に入れることで様々な特典として利用できる。いわば偽聖杯ともいえるだろう。その願望気を浄化して、今まで彼らは有効活用してきた。
いかに無害であろうと、霊的異常地帯ができた以上は放置できない。横島は最後の希望にすがりながら声を上げた。

「ワイが多分イベント特攻英霊なんやな」

「ああ」

「けどあいつらなら、絶対にそんな悪辣なことはせんだろ。霊的異常地帯を放置はできんけど行かんといかんか?」

「それがな、ちょっと来てくれ」

 ジャギに促されるままに彼がついていくと、モニタールームにたどり着いた。そしてそこには、金髪で小太りのメッシュで髪を分けた貴族服に身を包んだ男性がいた。彼はゴルフドルフ・ムジーク、この機関を買い取った人物だ
。横島からしたらご愁傷様としか言いようがない境遇をしている。 一度霊的大災害を防いだことで、一応残して置いた方がよい程度の、評価を受けたヒューマニティガーディアンだったが、
彼の知り合いの占い師によれば、多くの事件が起こり価値が一気に上がると聞いて買い取ったところ、その占いは当たった。
ただし、毎回自分たちの命をチップにしてぎりぎりの綱渡りの賭けをしなければ、世界、少なくとも女権国家と王国のある大陸は滅亡するかもというレベルの災いが多発しているという。
彼が聞いた占いの結果では、もっと余裕をもって勝ち続け株価が上がりきったところでこの機関を売却し、多額の金銭と名声を得て勇退するつもりだったらしい。

 ゴルドルフのこわばった表情を見て、横島は一気にテンションが下がった。彼は悪人にも非情にもなり切れない根っからの善人だ。その彼がこういう表情をしているときは決まって部下に酷な任務を言い渡す時だ。
ジャギの様子から察した不吉な予感は一気に大きくなった。

 ゴルドルフは少し考えたのち、口を開いた。

「よく来てくれた横島、周回終了後にご苦労。今回の件色々と考えたが、どう転ぶにしろ
お前に話して決めさせるのが一番いいと思った」

653 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 20:49:30 ID:bkWgW5Ue
 ゴルドルフは今回の件に関してどう対応するのが良いかではなく、誠実か考えていたのだろう。こういうところを見るとペンウッドの系譜なのだなと思う。ペンウッド校長の甥の家系だとも、
ペンウッド校長に入れあげた王国女子もしくはそれに偽装した女権国家人が子供を作ったともいわれている。仮に最後の説が本当なら、その女性は良識派だったのだろう。
ペンウッドは最後まで王国に尽くした善良な将校だった。 ゴルドルフは言い辛そうな様子のまま、手を振ってモニタールームの特に大きいモニターを指した。 横島が大画面を見ると、画像が映し出される。少なくとも一日以上は前の映像な様だ。

 そこには大鳳の部屋が映っている。大鳳が勉強をしながらキャルの来世と話しているのが見える。

「大鳳今年も、夏イベントが来るのに何楽しそうにしているのよ!」

 厳しい口調ではあるが、怒っているというよりイベントも命がけなのだから気を抜き過ぎでは? と心配している口調のキャルの声に大鳳は反省の色を見せつつそれでもわくわくが、止まらないという感じで答えた。

「姉さんごめん。でも今は霊的大災害で世界中がめちゃくちゃだから、外にもろくに出れないしさ、夏らしい季節のイベントとなるとどうしてもワクワクしちゃうんだ。今回はタイムスリップかな?それとも新たに作られた異界かな。
危険だけど夏らしい楽しみもできると思うとどうしてもね。 それに夏は大半がホラーの怪奇現象系が多いから、忠夫がいればどうにかなるしね」

 キャル姉は少し呆れつつも、大鳳の言葉を否定せずに遠足に行く子供を心配する様な様子で注意し始める。

「いい、横島にあまり負担かけすぎるんじゃないわよ。それと悪霊とかに効く刀や護符も持っていきなさい。
それにあんたはホラー系のアトラクションとかだとはしゃぎすぎるから、ジャギと横島が二人でゴーサイン出したとき以外は駆けださないこと。 まったくどうしてホラー大好きになっちゃたのかしら」

 言いながらもキャルには答えが見えていた。大鳳が横島を召喚できたときに、彼を頼りないと感じつつ、データ票を見て彼の強さを『理解』だけならまだしも『実感』してしまうと、
二度とホラーは楽しめなくなると職員たちが評したのを見て、大鳳は世界の名作ホラー映画を見たり、ホラーゲームをしたりをしまくったのだ。 その結果、
大鳳は本人も気づかないが、もともとホラーに耐性があったのが余計に強くなり、怖がることは少ないがホラー系のレビューとかでも食っていけるレベルのホラーマニアになった。
大鳳自身も横島程ではないが悪霊や妖怪と戦えるようになってからはその傾向がますます強まっている。
 ワクワクする大鳳とキャルの暖かな雰囲気の談笑は不意に終わりを告げた。気配の切り替わる音、そして突如現れる美しい女性。
横島にとっては最も強く印象に残った女権国家での記憶がよみがえる。 ――あれは間違いなく、かつてアリスと初めて会ったときの再現だ。

 人形めいた美を持つ彼女は突如として大鳳の部屋に現れ言った。

「……、その夏の思い出作り私たちが担当しても言いかしら」

 大鳳はその女性を前にして、少しだけ戸惑うような様子を見せた後、不意に頭を下げた。

「アリスさんですね。忠夫と会いたいだろうにガチャ引かなくてごめんなさい。歴史の修正とか、オカルト異常地帯で共闘した時に散々助けてくれたのに。 でも忠夫がガチャ引かないでって、僕に言うのもも、
皆さんのこと嫌いなわけでも愛してない訳でもないんです。 ただ単身赴任生活を満喫したいだけで、現に皆さんの身に危険が迫る可能性が少しでもある異変の時は――」

 大鳳の言葉をアリスは柔らかい笑みと言葉で遮った。

「ええ。わかっているわ。でも女権国家の女性としては、自分たちの為にあんなに格好よく頑張る旦那様の姿を見せられておあずけなのはとても苦しいの。
だから今回のイベントでは敵役でもいいから忠夫と直接会いたいのよ。今回のイベントはレジャー施設だから楽しみにしてね」

 そういってアリスが渡してきたパンフレットを大鳳は失礼にならないように気を付けながら手に取ると、開いた。
このイベントまでにそれなりに修羅場をくぐってきた大鳳だが、それでも一切警戒しない辺り、横島の妻たちに対する信頼は凄まじく高い。 そのパンフレットを読み始めると大鳳の顔が一気にうきうきした顔になった。
それを見て横島が疑問を抱き始めると、申し合わせたように一時停止が入りゴルドルフが大鳳から渡されたらしいそのパンフレットを渡してきた。





 パンフレットを開き一ページ目を開いた時点で横島の顔に諦めの表情が浮かんだ。
 今生の大鳳は色々とあって数ある年相応の趣味の中にホラーマニアが追加されていたが、その大鳳の遊びたい子供心をくすぐるアトラクションが山ほどあり、海水浴は無理でも、湖水浴ができる綺麗な湖がある山。
そして玉藻が担当する和風のホラーから、エヴァやアルやアリスが担当するホラーなアトラクションの遊園地。願望器があったとはいえどうして彼女たちはここまで本格的なレジャー施設を作れたのだろうか。


「恐らくは君の奥さんの一人アリスさんの人脈が大きいんだろうね。忠夫」

 不意に響いた張りと勢いのある、理知的な声に振り向くと。そこには栗毛色の髪に神秘的な魔法使いを思わせる衣装に身を包んだ少女がいた。天才だけが持つ特定の光を目に宿した彼女は興味深そうにパンフレットを見つめている。

「ダヴィンチちゃん」

 横島の言葉に彼女は笑みを浮かべるとパンフレットを興味深そうに読み進めた。 信じられない程の速度ですべてを読み終えると彼女は言った。

「読み終わって確信に変わったよ。これはゲーム化やアニメ化さえされたアリスの人形劇を取り扱った者たちの知り合いのレジャー施設などを作った幽霊などに頼んで、彼らが失敗したと思っていたり、
面白そうだけどやれなかった企画などをやらせてあげるというのと引き換えにこの施設を設計したんだろう。様々な思念体の幽霊などが客になって遊びに来ているみたいだ」

「そ、そうか。それでこの施設ダヴィンチちゃんの予想からするとどれくらい楽しそうや」

「ホラーに寄り過ぎているけど、『そっち方面のマニアじゃなくても楽しめるレベル――、 いや。ホラー苦手な人でも、途中で帰る人はほとんどおらず、二度と行く気はしないけど楽しかったっていう人が大半』なレベルかな」

「わかった。今回の霊的異常地帯解決のために出動するで」

「やっぱり。君ならそういうと思ったよ」

 ダヴィンチはそう言ってほほえましいものを見る目で横島を見た、そしてそのあとでこの施設の最高クラスの責任者の顔になり言った。

「念のためにウソ偽りない本心で答えてほしいけど、今回出動することにした動機は」

 横島はダヴィンチの言葉に嘘は言えないという表情で少し照れ臭そうに答えた。

「いろいろとあるけど、一番は今生の大鳳の為やな。あいつは今生では、ただの子供だ。普通に遊びたい盛りのな。それが数々の事故が起こり、今ではしくじったら国が亡んだり、大勢の人間が死ぬかもしれない重責を背負わされとる」

 横島の言葉にゴルドルフはうつむいた。彼には責任も落ち度もなかったが、それでもまだ士官学校を卒業もしていない少年に、こんな重いものを背負わせている状態に忸怩たる思いを抱えているようだ。
大鳳が非常な決断などを下さなきゃならないときは、必ず自分が命令し大鳳には責任を生じさせないと決めているのもそのためだ。ペンウッドが勇気で臆病さを克服して周りを引っ張る将になった人物なら、
彼は卑怯者になるのが死ぬより怖い故にまっすぐにしか走れず、その善性で部下たちが支えに集まってくる将だ。

 ゴルドルフの気にしている部分を触ってしまったと思いながらも横島は言葉を続ける。

「俺はもう大人どころか英霊だ。本来背負わんでいい荷物を背負って頑張っているガキに、思う存分遊べる機会を我慢しろなんて言う大人には絶対にならん。まして相手は大鳳の生まれ変わりやぞ」

「君はそういうやつだよね」

 ダヴィンチの軽い言葉には横島に対する信頼が込められていた。彼女は笑みを浮かべたまま言葉を続ける。

「今回の異常地帯の解決私も同行するよ」

 驚く横島をよそに彼女は言葉を続ける。

「呼び出された英霊の管理やケアは私の仕事なんだ。夫が単身赴任で寂しいからってやり過ぎてしまうような女権国家の女性達なら、今後召喚されないように処置をとったりするのも役目だろう。
今回の件で行き過ぎになるようなら私が彼女たちから君を没収して灸をすえることにするさ」

 彼女の言葉には天才ゆえの大きな自信がこもっている。その言葉に横島は頼もしそうに彼女を見た。

「ダヴィンチちゃん。本当頼むで。」

 おびえる横島を撫でながら彼女は笑う。 彼女はもともと大天才ダヴィンチのクローンともいえるホムンクルスであり、英霊としての力をふるう予備の肉体に過ぎなかった。
そして世界を救った後は寿命で尽きる肉体を持っていたが、死ぬときまで輝こうとする彼女を助けたのが横島だ。彼は文珠でダヴィンチがしなければならない施設の調整などを早く済むようにして、彼女の負担を減らすことに全力を傾けた。
そしてホムンクルスの肉体にも効果がある、試練を超えないと得られない霊的な食物などを入手して彼女に捧げ続けた。そして霊脈などを巡りながら良質の霊気を彼女に供給する儀式なども多く行った。
そのかいあってか彼女の寿命の兆候が見える様子はなく、作られて活動を始めたばかりの様な状態に今は戻っている。 彼女が今回動向を申し出た動機の何割かは、恩人である横島に対して、妻たちがやりすぎるようなら諫めるつもりなのだろう。

 ダヴィンチの励ましもあって決意を固めた横島は、『嘘』の文珠を飲み込んだ。『行きたいけど忠夫に悪い』と顔に書いてある大鳳を呼んでくれるようにダヴィンチに頼んだ。





到着した大鳳が、レジャー施設に行くのを諦めようとしている様な声音で声をかけてきた。

「忠夫、実は――」

 大鳳の少し残念そうな様子の言葉が終るより先に、横島が悲痛な声を出した。

「大鳳、嫁さんたちが放置しすぎてついに切れた! ワイが来ないと解決不可能な霊的異常地帯まで作り出してきたんや!今ならまだ怒りレベルも低いし、今回の異常地帯いけば許してもらえそうだから頼む」

「忠夫、悲観的に考えすぎだよ。彼女たち怒っているとは限らないと思うけど」

「それもそうやが、放置しすぎて欲求不満が溜まっとるのは間違いないわ。とにかくここらで発散させとかんと後が怖い。 いくで」

 大鳳に重荷を背負わせまいとする姿を見てゴルドルフは席を外した。自分の演技の下手さを自覚しているようだ。ジャギが重々しくうなずいた。


654 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 20:55:17 ID:bkWgW5Ue
「恐らく今回は俺と関わり深い女たちはいねぇ。それなら俺が何とかしてやる」


 大鳳はその様子を見てますます安心の念を強めた。横島の妻たちを心から彼は信じている。だが、彼女たちが欲求不満過ぎてタガが外れる恐れもあると思っていたが、彼女がいれば大丈夫だ。
それだけ今までの度で見せた技術顧問としての彼女の能力は凄かった。







 大鳳とジャギとシノンキャル、横島とダヴィンチが転送用の魔法円に乗ると魔法円が光を帯び始め、彼らの視界を光が覆い、そして光でできたトンネルや海を思わせる空間に投げ出される。
そして次の瞬間には、澄んだ湖のある山に彼らは投げ出されていた。



レジャー施設の鏡の様な光景を見て目を輝かせる大鳳をよそに横島は凄く憂鬱な気分になった。この泳げる湖と普通のキャンプ場としても高レベルなコテージはホラーマニアが見ても、楽しめるように配慮がしてある。
そして、夜に合わせて作られているにも関わらず朝である今の時分ですら美しい湖の向こうの城はエヴァの城だろう。遊園地とワープ機能かエレベータで繋がっているあの城に行くとかなりひどいことになりそうだ。

 落ち込む横島をよそに大鳳の心からの子供らしい喜びに満ちた絶叫が響いた。

「忠夫―! ここ凄く僕好みに考えてくれてキャンプ場だよ。奥さんたちにお礼言っておいてお願い。 空気もすごくおいしいし、魚釣れたら焼いちゃおうか」

 ウキウキする大鳳を見て、彼は招待に応じた甲斐はあったなと思えた。年相応の子供らしく好きなだけ遊べる夏休みを彼に味あわせてやることができそうだ。

 ダヴィンチもわくわくした様子で、辺りを回りたがっている。それを見て横島はこの少女にこの言葉を言ってやれることがうれしくてたまらない、と感じられる言葉を言った。

「ダヴィンチちゃん、この事件が終わったら何度も夏休みを楽しめるで。時間はいくらでもあるからな」

 その言葉にダヴィンチは激励する様な叩き方で彼の背をたたきながら返した。

「一応は私に凄く嬉しいプレゼントをくれた、ナイト様や王子様、……は言い過ぎか、戦士や魔法使いなんだから、『一緒に何度でも夏休みを楽しもう』くらいは言いたまえ」

「それだと俺が英霊として何度も夏休みを経験させるって事じゃないか。事件が解決してないって事だからあかんやろ」

「それもそうか。でも私が望むなら事件が解決した後も残ってくれるだろう君は」

 確信し切った声に、横島は少しも悩まず頷いた。それを見てダヴィンチも嬉しそうに笑った。その顔を見ながら横島も言葉を続ける。

「ダヴィンチちゃんは寿命が短い事を悲観してたわけじゃないが、それでももっと長く生きたいと言う思いもなかった訳じゃない、お前を長生きできる様に変えたのはワイや。
寿命を変えた以上は最後まで責任取るわ。受肉も考えた方がええかもな。最もワイがおらんでも万能の天才である君なら大半はどうにでも出来ると思うがな」

「まあ、ね。ただ転ばぬ先の杖になる君が居てくれると安心できるからね」

 二人の親子や兄妹の様でもあり恋人と友人の中間の様でもある会話を見ながら大鳳は夏休みの日々を想像して頬がほころんだ。 横島とダヴィンチの二人だけの空間を見ながら彼は思う、
あの時アリスにダヴィンチと横島の関係を話しておくべきだったかもと。ダヴィンチは横島にかなり気を許しているが、それは恋愛かどうかははっきりとは当人にすらわかっていないと思われる。仮にダヴィンチは自分が横島に異性として惹かれていることが分かれば、横島の妻たちにきちんと断りを入れて義理を通すだろう。そこまで考えて彼はその考えを放り投げた。 以前オカルト様子の強い霊的異常事態解決の際に彼女たちの能力は把握済みだ。観察眼の鋭いアリスや愛歌なら大体察するだろうし、他の面々にもちゃんと通達するだろう。 そう考えると彼は二人に声をかけて遊びまわる提案をした。






 遊び倒した後の夜に焼き肉を中心とした料理をつつきながら、大鳳一行は今日の話で盛り上がった。湖で泳ぎ回り日が暮れた後はそれがすんだあと、湖の風が当たるキャンプ場でそれぞれが料理をした形だ。
少し気が重そうだった横島ですらも後半は純粋に楽しんでいた。ダヴィンチの作ったぬるめのカボチャスープを飲みながら満足そうにする彼に大鳳が聞く。

「忠夫、今回はいつ頃相手が仕掛けてくると思う。今回の特異点は夏を思いっきり楽しみつつアトラクションを攻略することだから、いつもとはだいぶ勝手が違うと思うんだ」

「そうだな悪意のない敵との戦いじゃなくてこれはエンターテイメントだ。だから今夜あたり、なんか仕掛けてくると思う。的だったら疲れたときとかを狙うけど、
今回は夜中に襲われても気力と体力が余っていて楽しめるときである初日や休ませた後になんか起きると思うな。アリスたちは奇をてらうこともあるけど、クオリティを上げた王道ならある程度は外れなしってわかっとるからな」

「そうなんだ」

「ああ。それも女権国家的なホラーイベントが多そうだ。あくまでもお前を楽しませることが今回の目的だからな」

「それじゃ今夜あたり何かあるかな!」

「いや遊び倒して疲れを癒すために2、3日休んで体力が回復した後かもしれんぞ」


 ウキウキする大鳳をよそに彼は自分のコテージに戻った。

 コテージに帰った彼は軽く一風呂浴びると夜風に当たれるコテージのテラスに出た。風呂に入ったせいか夕食のあとであるにも関わらず少し摘まみたくなっている。 一度内部に戻ると、軽く摘まめる生ハムに薬草をまぶしたものがいくつか入っていた。
ビールでなく、赤ワインしか入っていないことを少し残念に思いながら、彼はテラスに戻った。生前愛歌に仕込まれたワインの開け方をして、注いだ後湖とエヴァの城を見ながら彼は生ハムが野菜を包むおつまみを食べた。

 生ハムの塩辛さとそのあとにくる、ハーブの苦さが口の中に僅かに残り、ワインで流し込むとちょうどいいなと彼は思い、多分このハーブは女権国家産のものだったかもと生前の記憶を掘り返してみたが答えは出ない。
考えつつも、思った以上に美味いと感じ、ワインとお摘みを交互に口に運びすべて食べ終わるまで時間はあまりかからなかった。
食べ終わった後、彼の体に脱力感が迫り股間の分身に力が集まってくるのがわかる。脱力状態を味わいベッドに倒れこむと、不意に上から柔らかく押さえつけられた。

 最初に押された体の部分のツボが脱力と快楽をもたらし完全に動けなくなった彼が顔を上げると月明かりの差し込むコテージの天井を背に彼の上に覆いかぶさっているのは人形の魔女アリス・マーガトロイド。
エヴァ程ではないが彼女の美もまた夜に映えると彼は感じた。

「アリス」

 特に恐れた様子もない声が彼の喉から出た。目の前の彼女からは放置された怒りなどは感じられない。召喚を大鳳に頼んでという催促すらなかったのだ。
そこまで怒ってはないだろうと彼は予想していた。アリスは妖艶さを持った慈母の様な笑みを浮かべながら、彼の唇を奪い、舌を絡めてきた。
彼女の口付で完全に体を動かす全ての機能が失われたと思った直後に彼の頭の中で射精した時と同じような感覚が起こる。それを一度起こすと、アリスは何度も何度も彼にどこまでも優しい快感を与える、口づけを繰り返した。
彼自身が体を動かす糸をすべて甘い蜜で溶かし切ろうとするかの様な行為だ。彼女の指から出る光の糸が彼の射精を封じている。それに気づいた直後にアリスがようやく彼から唇を離した。完全に彼が立てなくなっているのを見てから彼女は言った。

「忠夫、久しぶりね」

「ああ。単身赴任を堪能しとった」

彼は不意にいつの間にかすべての衣服がはぎとられていることに気づく。アリスは彼から離れて立ち上がると、開いた窓から見える月明かりを背に服を脱いで彼の眼に自分の体の全てを見せつけてくる。
そしてより強くこわばった彼の分身を飲み込むといった。

「忠夫、誰か一人だけ呼ぶと不公平になるからって、一人も召喚させなかったのね」

 強すぎる快楽で返事もままならないまま彼はひたすら壊れた水道のように射精を繰り返す分身に、頭を壊されながら首を縦に振ってアリスの言葉を肯定する意思を示す。

 アリスは魔女らしい妖艶な笑みを深めて彼の唇をふさぎ、舌を再び絡めてきた。
それはまるで彼の声にならない言葉を封じることで、彼の快楽の逃げ場を奪い自分の中に注がれる精を増やそうとするかのようだ。 アリスが腰をグラインドさせどこまでも優しい快楽を味あわせながら射精の量を増やしてくる。
彼の頭が警報をわずかにならした。女権国家の女性ときちんとした純愛をしたのに、廃人に近い状態になった男性を彼は何度か見たことがある。純粋な愛と好意が生んだ快楽が強すぎて結果的に男を壊した類の女性と今のアリスは似た目をしている。

 彼女は光でできた糸で彼を動かしながら自分の体の乳房や尻の丸みを撫でさせながら言う。

「忠夫、単身赴任を満喫していたい気持ちもわかるから私からは何も言わないけど、ただ私たちの危機の戦いであれだけ格好いい姿を見せたんだから、私のほてりを沈めて。それが済んだらあなたが大鳳くんにお願いしてくれるのをまつから」

「〜〜!」

 言葉にすらできない悲鳴を上げながら彼は、何度も自分の魂ともいえる精神が彼女にぐずぐずに溶かされていく感覚を味わっていた。この情事が終わった後、自分は恐らくアリスがピックアップされたときに引いてくれと大鳳に頼んでいるだろう。

 射精を重ねるごとに彼女の人形に近づいていく感覚を覚えながら、彼はアリスの胸に顔をうずめ時には赤子のように乳首を口に含まされ彼女の望むままに体の至るところを揉みしだくことを繰り返した。
謀略も怒りもない、ただ格好よく夫に救われた、その思いが産んだ好意と愛情だけの性交行い彼に一切拒否感も警戒心も抱かせず、ひたすらに彼を溺れさせる。
アリスとの情事を20回までは数えていたが、それ以降は完全に彼の意識が堕ちきってしまいしゃべることすらままならなかった。 快楽の時間が長すぎて、魂が抜けきった彼を見下ろしながらアリスは笑う。
そして彼女が離れると彼は糸が切れた操り人形となった感覚を味わいベッドに倒れこんだ。
情欲が収まりはしたが、それでもまだ何度か体を重ねられそうなぐらいに回復しているのはさっきのお摘みのせいだろう。 快楽で完全に自分に屈服した彼を見下ろしながらアリスはチャシュ猫の様な笑みを浮かべた。

「忠夫、今度のピックアップが来たら私を回すように大鳳くんに頼んでね」

 お願いを断る問発想すら出なくなった彼は腑抜けになり切った声で応じる、

「あ、ああ」

 情事を思い出すだけで彼女をそばに置きたくなる。快楽がなくても彼女たちがそばにいなくて、寂しいと思う時がしばしばあったが、ここに呼び出されてから忘れかけていた快楽を思い出しその感覚が一気に強くなった。
その様子を見てアリスは少し怪訝な表情をした。そして、少し考えると彼を小さくしたような人形を取り出し、何らかの呪文を唱える。
これは確か人形のモデルとなった人物の心を読む読心術の類のものだ。 そしてその術を終えるとアリスは嬉しそうに笑い再び彼に抱き着き口づけしてきた。

「周りから『王国男子である貴方に対して少し、お尻に敷きすぎじゃない?』って言われていたけど、快楽を忘れかけていても。私たちを呼びたいと思っていてくれたのね」

 アリスの弾む声に僅かに警戒が沸くがそれよりもまたあの情事が始まるかもしれない。その期待の方が今は強くなっている。拙いと思えても、防ごうとする意思はすでにほとんどなくなっている。彼女は弾む声でさらに続ける。


655 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:00:23 ID:bkWgW5Ue
「完全に蕩けてくれているから、もう準備は不要。というより、ひと手間増えちゃうけど続けちゃいましょうか」


 そういってアリスが手をかざすと彼の体は少年期のそれに代わる。子供の姿になり彼は驚愕した。生前は確かに何度もこういうことをされたが、今の彼は道化と切り札の側面の強い『ジョーカー』の英霊だ。
その彼にこんなことができるなんて。長い年月を経てアリスは魔女として相当な高みに至っている。
子供になった彼を抱きしめてくる優しく淫らなアリスの体は自分が大人だった時より、より刺激が強く感じられる。
彼の子供に戻り小さくなった分身をアリスは迎え入れると、乳房の所にくる頭を愛おしそうに両腕で包み込んだ後何度も、仰向けになった彼に押し付けた。
まったく双方が動かないまま、分身を飲み込んだ秘所の動きだけで彼を何度も絶頂させると、アリスは耳元でいう。

「忠夫、今回大鳳くんに楽しい夏休みを提供したいのよね」

「あ……ああ〜」

 極上の美酒を飲み過ぎて酩酊状態になった様になりながらも、一応肯定の言葉を返す彼の声を嬉しそうに聞きながら彼女は対面座位の姿勢に移行した。彼女が腰を振りながら言葉を続ける。

「みんなそこまで怒ってないけど、貴方の見せた姿のおかげで大分ほてっているから、沈めるのを手伝って上げて。『大鳳くんには』最高の夏休みを提供するから」

「あ、ああ」

 そう答えた瞬間、何かが外れた感じがした。伝承でいうところの吸血鬼を家に招いた時の様な、あるいは悪魔と契約してしまった時の様な。
アリスの純粋な好意による性行為で腑抜けになった、時点で彼の判断力は完全に落ち切っていた。最もこれは妻たちを信じている為でもある。

 アリスはもう一度彼の唇をふさぎ多めの射精を促すと満足そうに笑った。

「それじゃあ、明日の大鳳くん歓迎のイベントはあなたがメインで盛り上げるとしましょうか」

 魔術によるものか一瞬で服を着こみ彼女は横島を抱き上げた。そして不意に誰もいないように見える場所を見て言葉をかけた。

「あなたもそれでいい? ダヴィンチちゃん」

 横島はその言葉に朦朧とした頭でありながらも、驚愕が走った。そしてアリスが声をかけた場所を見ると、そこにダヴィンチの姿があった。彼女は少しバツが悪そうな顔をしている。 アリスが補足するように言葉をつづけた。

「あなたが簡易だけど、害意あるものは入れない結界を張っていたけど、機械で侵入者の気配があったから、一応は見ておこうと思ったみたい。
それであくまでも夫婦の純愛だったけど、女権国家の女性は魔術的な意味でも閨が一番危険だから目を離すわけにも行かなかった。そんなところでしょう」

 ダヴィンチはそれなりに長く付き合った横島には分る本心からの頷きを見せた。そして言葉を続ける。

「忠夫、ごめん。一応娘や妹みたいな私に女性にあそこまで一方的にやられているのを見られていたと知るのは恥ずかしかっただろう。
明日からのイベント多分君を救出系だと思うけど、私も頑張るから待っていてくれたまえ」

「ああ、大丈夫や」

 横島がダヴィンチと会話している間、アリスは全ての集中力を込めて観察眼を張り巡らせてアリスの様子を見ていた。そして、ダヴィンチに礼をとると、横島を連れて瞬間移動をした。






 アリスが性行為の疲労で眠りについた横島を連れて本拠地に戻ると、ヴィヴィオが楽しそうに彼女を迎え入れた。聖王の姿とかしたヴィヴィオは嬉しそうに彼女を迎えた。

「アリスさん。お疲れ様です。忠夫を連れて帰ってきてくれてありがとう。それで、さっそくですけど、ダヴィンチちゃんはどうでした」

 その言葉にアリスは笑って答えた。

「彼女はまさに万能の天才のクローンというにふさわしいわ。私たちにはない視点も持っているし、無自覚だけど、作られた素体が女権国家の影響を強く受けている。
さらには忠夫に恋慕の念がかなりある。 私たちの中に加わってくれたら、色々とできることが増えそうね」

「そうですか」

 エヴァとヴィヴィオは相当に面白そうな顔で笑っている。そしてアリスは言葉を続ける。

「彼女、良識派だったから善良な男性に対してやりすぎな性行為は『今のところは』大嫌いだと思うわ。
だから、他国の女性でも純愛だと思う性行為をして、彼女に見せてみたら、かなり反応していたわ。一応忠夫の安全が関わっているから見ない訳にもいかないみたいで、最後まで見終わった頃には彼に対してみる目がかなり変化していたわ。
最もすごく上手に隠していたけど」

「そうですか。それは期待できそうですね」

 楽しそうな顔で、返しながらヴィヴィオは笑っていたが、不意に真面目で威圧感のある聖王の顔に転じて、横島を見下ろした。

「それはそれとして、王として妻の権利の侵害罪を犯し過ぎた夫への処罰も考えないといけませんね。クロエ」

 ヴィヴィオの声に応じるかのように、赤と黒の外套に身を包んだ少女が現れる。彼女は白いが時々桜色に見えている雪を思わせるような美しい髪と健康的で魅力的な黒い肌が特徴的だ。
整い切ったやや大人びて見えかねない顔を、愛嬌のある笑顔が打ち消し年相応に見せている。

「はーい。ヴィヴィオ様お仕えする、護衛役にして看守長なども務める多才騎士クロエ参りました〜」

 ヴィヴィオは死に体になっている横島を抱えると、言った。

「今回のあなたにはすごく働いてもらうことになりそうだからよろしく。ダヴィンチさんの覚醒と、勧誘、そして忠夫のお仕置き施設の看守長としての管理、教育お願いします」

「は〜い」






 横島がアリスに連れ去られた翌日、ダヴィンチが昨夜起きたことの顛末を大鳳とジャギたちに報告していた。

「それで忠夫は大丈夫なの?」

「ええ。彼女たちは君を楽しませるために作ったから、そこまで無体はしないだろう。しかし、忠夫がああいうことをされるのを見て、少し気の毒だったよ」

 女権国家の英霊などが起こした事件なども担当する大鳳は既に女権国家の映像やホラーなどに対する知識も豊富である。それを聞いた時点で色々と察したようだ。ジャギはアリスと横島の情事について触れた時のダヴィンチの様子を見て、
少しだけ警戒めいた目を向けた。敵に回ったというより、彼女が女権国家の女性的な覚醒をすると英霊の強化などをしてくれている役職上、横島も逃れようがなくメンタルが持たないかもしれない、と危惧しためだ。
その彼の危惧をよそに不意に手紙の様なものが窓から投げ込まれた。

 大鳳あてだったそれを大鳳に渡すと大鳳の目が輝いた。

「今回のイベントは忠夫救助戦だって。聖王家の罪人を投獄する監獄としての役目も含む古城を模した場所で、そこまで悪いことしてないのに、夫である忠夫にヴァンパイアや魔王ベリアルと共に行き過ぎたお仕置きしようとする聖王から、
忠夫を救助するんだって」

「そうかそれじゃあ行くか」

 大鳳の輝く年相応の笑みを見ながらあいつもこの為に覚悟済みでここに来たんだなと思いながら、慣れ始めたトンキチイベントに飛び込む覚悟をジャギは決めた。





 監獄でありながら優美な月の下で映える城でジャギは拳をふるいながら多くの西洋系のモンスターやストレリチアの騎士たちをなぎ倒して回った。
大鳳はゴシックホラーアクションゲームの様な場所で戦えることにテンションを上げながらキャルやジャギに指示を飛ばし自分も、刀を振るっている。 キャルの棒術の棒が多くの騎士たちや悪霊を薙ぎ払い、
大鳳の刀が悪霊たちをかき消し、ジャギが敵陣に飛び込むたびに砲弾を打たれたように敵陣が崩れていく。同行しているダヴィンチも、スケートの様な特殊な魔術の靴で敵陣に飛び込み砲弾などを乱射し、
大きなマジックハンド付きの装備で敵をなぎ倒している。子供税だけでなく、ジャギ自身もこの戦いのアトラクションを少なからず楽しみながら、感嘆していた。
嘘だとわかっていてなお、劇中のストーリの勇者だと思い込んでしまうほどリアリティはアリスの力もあるのだろうがベリアルこと陸八魔アルの力が大きいのだろう。
大鳳の顔からは笑みが途中で消えていた。楽しんでいないわけではない。
ただ戦闘などの技能が役立ち磨かれもするアトラクションが楽しいのと難易度が高く集中が極に達してきているためだ。 ジャギが特に強いストレリチアの騎士を薙ぎ払うと、不意に日本の双剣を持った赤い外套の少女が不意打ちを仕掛けてきた。
 大鳳は彼女の剣を見事に剣でいなしながら言った。

「クロエさんあなたがここのラスボスですか?」

「ええ。聖王家の罪人をとらえたり冤罪の疑いのある反乱分子の男性を腑抜けにしたり、するための施設の看守長、ヴィヴィオ様直属騎士、クロエ・ファン・アインツベルンよ」

「よーし。がんばるぞー!」

 大鳳は楽しんでいるだけではなく、本気でクリアにかかっている。自分でもクリアできるかぎりぎりの難易度になっていると分かったためか、クリアできないと悔しいと本気で思っているようだ。

 クロエは意地悪い笑みを浮かべながら答えた。

「ごめんなさい。今回の私はボスオプションなの〜。というわけで、かも〜ん。雄犬堕ちした情けない裏切りもの。エヴァ様の眷属吸血鬼、横島〜」


 クロエの嘲る言葉と共に登場した横島は、吸血鬼化しているのがわかる。文珠などは使えないが、普段より身体能力が強化されている。それを見てジャギが無言で言った。

「大鳳、あいつの相手は俺に任せろ。横やりを誰にも入れさせるな。お前たちもこの旅で相当成長したが、こいつが相手だと連携も取れない独力で行った方がいい」

「わかったよ」

 大鳳の戦いを外から見た際の念話による助言なども欲しいが今の横島相手にその余裕はない、とジャギは断じている。
今の横島は一時的な吸血鬼化で身体能力が底上げされており、文珠が使えない代わりに霊能の出力が上がっている。 横島が一気に飛び込んでくると、ジャギは霊波刀の一撃を闘気を込めた手刀で受けた。
そして横島が剣を籠手型に変えて殴りかかって来ると、相打ちとなる形でお互いの拳が当たり、ジャギの体にトラックで引かれたような衝撃が走りお互いが弾き飛ばされた。

「やるじゃねぇか」

 吸血鬼の苦手属性である太陽に近い気を打ち込んだのに、横島は腹に気を込めてそれを防いだのだろう。大量に気を消費することに変わりはないがそれでも黙って受けるよりはましだ。
不意にキャルの使っていた棒術の棒の内の一つががジャギの横に刺さった。彼女が意図した投擲の様だ。ジャギは棒術にかけても美鈴から仕込まれ一流になっている。
棒を拾って打ちかかってくる『かも』そう思わせるだけで、横島が想定しなければならない戦闘のパターンが増えて相手の負担となる。 棒を手に取れる位置でいかようにも動ける無形の構えを取り、横島と向かい合う。
ジャギの神速の棒の一撃がわずかな一動作を含むとはいえ、飛んでくる位置にいるだけで相手はある程度は疲れるだろう。

 横島が意識を切り替え霊波刀で切り込んでくるとジャギは初手を棒で受け止めた。吸血鬼と化した横島相手にさえもわずかに膂力で勝る。彼がわずかに有利な形になった瞬間、彼は棒を離した。
僅かに隙ができた彼に、向い一気に殴り掛かると、そのまま横島も殴り合いに応じ始めた。


656 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:03:59 ID:bkWgW5Ue

「最初の一手を間違えた時点でもう俺の勝ちだ。 横島、お前の一番の怖さは発想力と判断力。いくら殴り合いに強くなっても、万能感とかで高揚していちゃ俺にはかてねぇ」

「かもしれんな。この戦いが終わったら、嫁さん相手とはいえ完全に屈服して命令に逆らえないわいの治療頼むわ」

「気にすんな。ただのアトラクションだ」

 何気ない会話をしながらもジャギが優勢とはいえ、当たれば死ぬような拳の嵐の応酬が続いている。



 ジャギと横島が激闘を繰り広げている中、キャルと大鳳とダヴィンチはクロエに苦戦していた。彼女はすばしっこい少女の姿で時には戦い。
時にはグラマラスな黒い魅力的な肌をした大人の姿になって切り込んでくる。
大人の姿になった時と子供の姿の時は戦い方自体は変わらないが覚えかけた間合いが急に変わりなかなか覚えることができない。 また剣を具現化させて時には投げてくるが、大人の姿と子供の姿では軌道が大き変わってしまい、
それが読みづらさを増している。
今回の戦いはキャルが主に前線に出て、野生の勘を主軸に棒術の手数で押し切りかけていたが、どちらかといえば理性と分析で動く大鳳やダヴィンチが狙われ、彼女の変則的で読みづらい動きを苦手としている、二人のフォローに苦慮している。

「やっぱり人には得手不得手があるよね〜。大鳳くんとダヴィンチちゃんが苦戦した場所だとキャル姉ちゃんが活躍してたし、二人が活躍した場所だとキャル姉ちゃんはいまいちだったし」

 クロエの馬鹿にしているのか素直な感想なのかわからない言葉に反発を覚える間もなく。それはそうだとキャルは思った。大鳳とダヴィンチは第六感もそれなりに優れているが、分析や理性の力で良い結果を出すことが多い。
対して、自分は野生の獣の様に直観力が強い。そのためか、不意に大人形態に変化する彼女に対しても勘で対応できた。対して二人は戦いながら分析しなれかけたところで変化されてしまうためか、いまひとつ反応できていないのだ。

「でもそろそろキャル姉ちゃんもお疲れじゃない?」

 クロエの言葉に内心頷きつつキャルは構えた。今回のイベントは負けても別にペナルティはないが、上手くやればクリアできるものをクリアできないのはやはり嫌だ。
こう考えるあたり自分と大鳳は姉弟だなと思った。 地を蹴り双剣を構えて飛び込んできた、彼女の一撃を受けようとした直後に不意に、彼女が大人の姿になる予感を感じキャルは負けを確信した。
疲労によって自分の直観力が落ちていたようだ。だがその予想は外れた。

 ダヴィンチの操作する巨大マジックハンドが彼女をしたたかに打ち据えた。そして彼女の一撃はクロエが大人にならなければ確実に外す位置だった。

「やっぱり、大人化してないと肌の危機察知力の感も働かないみたいだね」

 難しい問題をようやく解けたようなはつらつとしたダヴィンチの声に、クロエは驚いた声で返した。

「ど、どうして私がいま大人化するってわかったの?」

「左脳人間をなめちゃだめだよ。戦いながら君の癖とか分析してたのさ。君もキャルくんに何度かピンチにされてたから、少し私たちより警戒の頻度下がっていただろう」

「大鳳くんも気づいていたの?」

「いや彼はキャルくんが疲れて勘が鈍る頃の観察をしていたよ。キャルくんが疲れて君が勝負を決めに来る時にカウンターするって決めていたからね。
戦って分かったけど、君は今まで強敵相手に勝利確定の一撃を放つときは、結果的にかそれとも狙ってかはわからないけど、大人姿の方が多かっただろう? 子供の姿でも勝てても多分そっちで来ると思ってたよ」

「どうしてわかったの?」

「私たちとの戦いで、重要な局面かつ、どっちの姿でも行けるときは大人の姿に必ずなっていたからね。いや、君の主観だと大人姿の方が良かったのかな?」

「そっかー。見事に負けちゃったわ。それじゃあ、負けたからいったん失礼。――、と忘れるところだった。負けたボスのオプションとして、お約束の攻略情報をプレゼント。
今の忠夫は『女権国家の吸血鬼だから』 じゃ、お約束の情報も与えたしバイバイ。最もすぐ再開だろうけど」


 クロエはそういって笑いながら地を蹴るとそのまま飛び去った。

 クロエの気配が完全に消えた直後に、ジャギと横島の戦いを見ようと振り返った直後、横島がジャギの蹴りで吹き飛ばされてきた。 二人の様子を見ると横島の方が被弾した回数は多いようだが、
吸血鬼の回復力で余裕があるようだ。精密機械をも超える正確さと力強さを備えた動きを見せるジャギの構えには一切の衰えは感じられないが、
このままでは限界が来そうだ。 そして、横島が起き上がる直前にダヴィンチがジャギに、何らかの合図を送ると、ジャギがポーションを飲み追い打ちではなく、回復をとった。
普段のジャギならここで追い打ちを選んでいたはず。ダヴィンチはわずかに隙を見せながら彼を人間に戻す祝福を唱え始めた。

 その瞬間横島の手がダヴィンチを捉え吸血を始める。そしてその瞬間、一気に彼が腰砕けになった。 その様子を見て若干疑問がるキャルにダヴィンチが説明を始める。

「女権国家だと、男吸血鬼は女性には勝てないからね。吸血もある意味性行為。そのせいか血を吸うと媚薬飲まされたみたいになって腰砕けになっちゃうんだ。
男吸血鬼が女性を吸血鬼にできる例ってあまりないんだ。だから女権国家の女性を吸血鬼に堕とせるのは女性の吸血鬼だけなのさ。それじゃ浄化の儀式に移ろうか」

 ダヴィンチは努めて冷静を装っていたが、実際は下腹のあたりが熱くなってしまい仕方なかった。

 横島にかみつかれた瞬間に、彼女は横島と記憶を共有してしまい囚われてからの彼の日々を追体験した。そしてそれが彼女の中にある嗜虐心を刺激している。横島の記憶を彼女は振り返った。






 昨夜、アリスとの性行為を経て完全に腑抜けになった彼は目を覚ますと、柔らかい豪奢なベッドに寝ていることに気づいた。状況把握に彼は頭を回し始める。

『アリスがふるまってくれたお摘みと酒は女権国家の良識派の女性陣が狂三の考案した料理を男性が壊れないように、
さらに改良し続けた精力と耐久力をかなり上昇させてくれる奴だったから、リラックス効果と精力の増強がまだ抜けていないか』

 そう考えつつ、衣服を探すべく周囲を見回すと、窓越しのテラスと美しい夜景が映った。
その景色に見惚れた彼はテラスになんとなしにでた。周囲に建物もなく、向こうからは見えないと、思い空と水面両方に映る月を眺め、満足して中に戻ろうとした瞬間、
不意に心地よい水面の夜風が固まってできたような冷たさを持った何かに抱きかかえられ、ベッドに戻された。月を背にする形で見上げることになった金髪と長髪の美女、吸血鬼エヴァンジェリンを見上げた彼は、
久しぶりに見る月を背にした彼女の美に魅せられ言葉を失った。彼女は夜の魔を思わせる大人の美女の姿で吸血鬼のマントの下は理想的な体をさらしている。黒いマントが彼女の色白な裸体をより引き立ている。
彼女は自分に彼の眼が釘付けなのを確信すると肉食獣を思わせる笑みを浮かべ笑いながら言う。

「久しいな宿六。妻の欲求不満を無視してずいぶんと単身赴任を満喫していたようだな?」

「は、はい。どうしても自由時間を満喫したくて」

「それは咎めまい。ただ機会を得た以上は、欲求不満の解消に付き合ってもらうぞ」

 エヴァは一瞬で彼を抱き込むと分身を飲みんだ。

「〜〜!」

 射精すら許さぬ快感を与えながら、即座に彼の首筋にかみつくと血をすすり始める。そこでようやく、気持ち良すぎて射精できない状態を解くと一気に吸血の快感で余計に増えた彼の精液を受け止めた。

「おい、どうしたまだ私たちの欲求不満を慰めるのは始まったばかりだぞ。大丈夫か」

 意地悪く笑う、エヴァに彼の瞳から快楽と恐怖の涙がこぼれ落ちた。アリスの優しい性行為で完全に精神の防御力がゼロになっていたところに、厳しい快楽で防御力をゼロにされた。
それを吸血で意識を共有して知り尽くしたうえで彼女は意地悪く笑っている。 射精したばかりで敏感な分身を彼女の膣がなめるしゃぶり、すぐに二度目の射精が起こる。
その時に合わせて再び彼女が首筋にかみつき血を吸い始めた。強く抱きしめられ、乳房が彼の胸板でつぶれエヴァは腰を回しながら、自分の乳房を彼の胸板で変化させる遊びを始めた。

「ひぎゃー!」

 快楽で奇声しか出せない彼を見てエヴァは吸血で彼の状態性的快楽が許容量を超えているという内心を知り尽くしているのにわざとらしく首を傾げた。

「ふむ、昔は何でも分かったが、単身赴任中に呼んでもらえなかったせいか、意思疎通に弊害が出てきたか。 それでは推理をしてみるか。 うーむ、うーむ」

 わざとらしく首をかしげつつ胸板で自分の胸の形を変え続ける遊びも、腰を振り彼を快楽で嫐るのもやめない彼女を見て、横島は早く気が済むことをひたすら願った。
強すぎる快感のもたらす負荷を少しでも逃がすために、ベッドを量の手で強く握りしめ、エヴァの放置された怒りとそれが産んだ嗜虐心と欲求不満が収まるのを祈る。
実際には一分くらいしかたってないが、彼にとっては一時間にも感じられた時間はエヴァのわざとらしい気づいたふりをした顔でやっと終わった。

「そうか、わかったぞ」

 涙を浮かべる彼に、エヴァは閨の中だけではとことん意地悪い満面の笑みで言った。

「お前は根っからの助平だから、まだ女体の快感が足りないのだな♪ そういえば手がお留守か」

 そういうとエヴァが両手から光でできた糸を出し彼の手に潜り込ませた。そして彼女は布団をつかむ彼の手を自分の尻に導き、布団をつかんでいたのと同じ強さで握りしめさせた。

「グヒャー!」

 奇声と共に最大限の射精が起こり、それと同時に彼女が指で彼を操ったまま起用に彼を抱きしめて血をすすり。後半は優しい性行為移った。何度か本当の意味での天国の様な射精をした彼にやさしいキスをすると彼女は言った。

「血を吸った時の意識共有で分かっていると思うが、今回はそこまで怒ってはいなかったぞ。ただ情欲をあおるようなことをしておいて呼ばないと、こういうことになるから気を付けることだ」


657 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:10:37 ID:bkWgW5Ue
 そういうとエヴァは満足した様子でシャワー室に向かっていった。指一本動かすことすら厳しい彼を楽しそうに見下ろしていたことが何となくわかる。
あれだけ搾り取られても、もう少ししたら回復しそうな当たり、アリスがふるまってきたお摘みとワインは相当な魔女の料理だったのだなと、快楽で落ちかける意識の中で彼は思った。





次の日横島が目覚めると、大人の姿の聖王ヴィヴィオに見下ろされていた。金髪のサイドテールの髪を束ねた男性にとって一つの理想の形の体と美貌を持った彼女の右に、跪いて侍るクロエの姿がある。
そしてその周りにはストレリチアに吸収され合併しそれでも王朝が形式上は続いたユグドラ・ユニオン。彼女は金色の髪に少女にしか見えない、容貌に似合わない大検をその手に抱えて、横島をねめつけている。
そして金色の美しい長髪をした騎士、アリス・シンセシス・サーティは裁判官や刑務官の様な瞳をしている。ヴィヴィオに重すぎる愛と忠義を持つヴィーラ・リーリエ。
彼女はヴィヴィオの様子を見てこれからのことを楽しみそうに夢想しているのが一目でわかる。 オリヴィエはヴィヴィオと同じく久しぶりに楽しそうな遊びができそうな目で笑っている。
その笑顔は横島がヴィヴィオの情欲を掻き立てトラウマが刻まれた時に見せていた笑みだ。英霊となったが故に歴史に記された逸話レベルの閨などのトラウマは彼の身に余計に大きな弱点となる。
ヴィヴィオはシンセシスに目配せすると彼女が裁判官の様な様子で、横島を糾弾した。

「王配殿、此度の呼び出しの理由となった罪状はわかっていますね」

「い、一応教えてもらえると助かる」

「聖王陛下の夫としての職務怠慢罪。陛下からの要請の意図的な黙殺。この二つの罪状によって陛下の情欲を収める奉仕労働と再教育の刑となします」

 異端審問と裁判官の様な仕事もしていたシンセシスがその言葉を口にすると。ストレリチアの神聖な意味を持つ光でできた魔法文字が空中に出現し彼に刻まれた。
強い快楽が彼に走り始めると、ヴィヴィオが近づいてきて彼を抱きしめる。 刻まれた魔法文字が余計に恐ろしいまでの快感を引き上げてくる。ヴィヴィオの口付で完全に腰骨が解けた。
ユグドラが横島には理解できないストレリチアの神聖文字の書いている祭壇めいたベッドに彼を寝かせた。敢えて祭壇の文字を見せて意地悪く笑う。

「陛下のお付きである私たちを満足させる仕事をさぼった罰も兼ねていますよ、これは。どうですか凄い魔法文字だとわかるのに。どんな意味の魔法文字化わからないと怖いでしょう?」

「あ、ああ。教えてくれなんなんやこれ」

 横島の問いにユグドラは楽しそうな顔で長い神聖文字の行を指さした。

「この文字はストレリチアで悪いことをしていなかったのに王族を惚れさせ過ぎて完全に腑抜けにされた珍しい類の目にあった男性を犯すのに使った魔法文字です。生前ならできなかったけど、今は英霊ですからすぐ治せますからね」

 そういって笑いながらユグドラは横島の分身を踏みつけた。痛く屈辱的な踏み方なのに、それ以上の快楽が彼を襲う。そこにヴィヴィオが来て笑いながら唇をふさぐ。 彼女は唇を離すと健康的で魅力的な肢体を見せつけながら言う。

「生前から貴方を王配としてから、少し尻に敷き過ぎていると王国女子から言われていました。それが今回の事態を招いたのですね」

 横島に体を密着させながらヴィヴィオは笑いながら言う。

「支配を緩めたりはしませんよ。 ただ反省していることがあります」

「な、なんでしょうか」

 王族としての気品と威圧感に満ちた声に、小市民な彼がおびえながら言うと、ヴィヴィオは答えた。

「生前から十分に快楽は与えていましたけど、支配される快楽の与え方が足りなかったみたいですね。今夜その過ちを清算するとしましょう」

 そういってヴィヴィオが彼の分身を一気に飲み込んだ。 生前からヴィヴィオやオリヴィエその配下に閨で征服する度に感じていた女神や神聖な存在に魂が屈服させられていく感覚が一気に彼を包み込む。
そして今の自分が英霊となっているせいでそれが余計に顕著なのだと彼は理解した。それはヴィヴィオも同じだったようで、少し驚いた後心からの笑みを浮かべたそれを見て横島の背に、恐怖が走った。

「どうやら英霊になったことで肉体という防護服がないから、私たちの支配がより深く届くようですよ。それじゃあ一気にこの祭壇の機能をオンにしてしまいましょう。
私の体をうずかせておいて、いつまでも呼び出してくれない困った旦那様への躾の時間です」

 ヴィーラが楽しそうに笑いながら言った。

「はい。ヴィヴィオ様」

「あー!」

 恐怖と快楽で叫ぶことしかできない彼の唇がヴィヴィオの接吻で再びふさがれた後、彼女が戦闘で本気を出す直前の様な気配になり。
その次の瞬間分身を包む膣だけでなく、密着しているからだ全てから与えられる快感が倍増した。 ヴィヴィオは彼が絶頂する直前に敢えて唇を離した。そして彼が自分でも無様だと思う奇声をこの場にいる全員に聞かせる。

「ぎゃぴー!」

「「ははは!」」

 一斉に浴びせられる嘲笑と共に起こった射精で彼が倒れると、ヴィヴィオはまた笑みを浮かべる。それに嫌な予感を彼は覚えた。
支配される感覚も与えてくる快楽もすさまじかったがまだ上があるのだろうか? そう疑問に思った瞬間、射精して分身が敏感になった直後に祭壇めいたベッドの魔法文字がいくつも輝きだした。
その瞬間、ある意味ストレリチアの守り神でもあるヴィヴィオの体が再び強い力を帯び、敏感になった彼の分身がさらなる快楽に襲われ一気に果てた。


「どうです? 私を放置するとこうなるってわかって懲りたし、何度でも味わいたい快楽だったでしょう」

「は、はい」

 普段はため口で話すが、王様としての顔で接してくるヴィヴィオには彼は昔から逆らえない。そして今はそれが極限に達している。 その状態の横島を見るとヴィヴィオは楽しそうにうなずいた。

「私の番は一度終わりです。他の配下達も満足させなさい」

 そういってヴィヴィオが離れた後、シンセシスの方のアリスが仰向けに倒れ立つことすらできなくなった彼に覆いかぶさった。 騎士とは思えぬ柔らかい体を押し付け分身を飲み込みながら彼女は笑う。

「ヴィヴィオ陛下の制裁を見て溜飲が下がったので、私は欲求不満を解消するだけにしておきます。 いけませんよ。ヴィヴィオ様が危険な時にあれだけ活躍しておいて大鳳くんにお願いしないなんて」

 優しい子供に言い聞かせるような声で言いながら彼女は彼を抱きしめ性行為で自分の方が上だと刻み付けてくる。女性優位の性交で射精する度に幾つもの神聖文字が光り、
その度にヴィヴィオに対する屈服度が上がっていく気がする。アリスもそれを理解しているのか楽しそうに笑いながら彼を絞り続けた。 騎乗して離れた後、彼女は言う。

「優しい性行為でも女性優位な形でやるとこうなるんですよ。他の面々だとどうなるんでしょうね」

 そういって離れた後彼女は、ユグドラと交代した。ユグドラは笑いながら彼を押し倒し言う。

「この祭壇は性行為も儀式とみなす類の神通力の宿る文字が無数に刻まれた祭壇でもあります。
王本人が悪いかどうかは別として王族の婿でありながら王族を欲求不満にした者をわからせるとともに、もうそういうことがないように夫婦の絆を深めるためのものでもあります。
配下の騎士である我々も躾の権利はあるので。私の神聖文字使いを堪能してください」

 そういって彼女は強い膂力で彼を抑え込むとそのまま一気に押し倒し分身を飲み込んだ。いくつもの神聖文字が輝き、その度に彼にとって恐ろしい効果を増してくる。
射精したいときに封じられ、これ以上の射精をすると頭が壊れると感じた時により大量の射精を促され、幼女の様な姿をした女性に負けるのが恥ずかしいという思いが強くなっていく。
そしていくつかの神聖文字が光り、彼の霊感が危機を告げると彼女は意地悪く笑う。

「この文字が光っている時に射精すると恐ろしいレベルで奴隷化が進みますよ」

 そう教えた後、彼女の腰を振る速度が一気に早くなっていく。

「ユグドラ。許して」

 それを聞いた瞬間、ユグドラが無表情になり、動きが止まり一気に彼の分身を締め上げた。強すぎる快感で射精が止まらなくなる彼の目の前で彼女が呪文を唱えると、
いくつもの文字が輝き、魂の奥底までヴィヴィオとそれに使える騎士たちへの屈服感が刻まれた。

 射精が収まり強い快楽で虚ろな顔になる彼にユグドラが厳粛な表情をしつつ、楽しいという思いを隠せない様子で言った。

「今の貴方は贖罪中なんだから、様付けと敬語を忘れないように」

「は、はい」

 幼女の様な相手に閨で負けるのが恥ずかしいという思いが強くなったのも恐らくは、神聖文字の効果なのだろう。 その彼の様子を見てクロエが不意に入ってきた。

「ねえねえ、ユグドラー」

「何でしょうか?」

「多分だけど、子供みたいな体系の女性に負けるのが恥ずかしいって念を増幅させただけで、背徳感が産む快楽については増幅させてないよねー?」

 知っているくせにわからないふりをして聞くクロエは明らかに横島に意地悪を従っている様だ。

「ええ」

 ユグドラの肯定の答えにクロエは無様すぎる者を見た時の子供特有の残酷な笑みを浮かべながら言った。

「忠夫お兄ちゃん変態すぎー! 閨が弱いのは仕方ないけどどこまで変態なのー! それでアリスさんとか陛下は少女形態になれる術を持っているのね」

「ち、違うんや。ワイの方からやってと言ったことは一度もないで。二人が昂りすぎてやってくるだけで」

 答え終わる前にクロエの足が彼の分身を踏みつける。屈辱と弱点を知り尽くした快楽を噴出させる効果的な足の一踏みだった。

「変態お兄ちゃん。精液出し過ぎて馬鹿になったの? ユグドラがした注意忘れた? 様付けと敬語」

「は、はい。申し訳ありません」

 その答えを聞くとクロエは満足そうに笑いながらユグドラに催促の言葉を紡ぐ。

「お兄ちゃんの幼女に負けるのが恥ずかしいって感情をもっと上げて♪ ド変態なマゾお兄ちゃんにはそれぐらいがちょうどいいだろうから」

 ユグドラは笑いながら手を振った。その途端にいくつかの祭壇の文字の光が強くなる。それによって子供に性的に負けることへの恥ずかしさが一気に増した。
その瞬間にクロエが彼の分身をユグドラと同じように飲み込んだ。 射精する度に嘲笑めいた笑いを浮かべるクロエに射精を煽られながら彼は何度も射精した。

「ほらほら、マゾ犬。男性優位の性行為が当たり前の国に生まれていながら、女権国家の底辺男性以下性癖持ちのクズ犬♪」


 射精する時を狙った様な暴言が彼の耳に媚薬の様に入り、優しい性行為が彼の意識に余裕を与えかえって屈辱感と敗北感を大きくする。

激しい射精の後、倒れるようになった彼の前でクロエが大人の姿へと転じた。

「変態が度が進行しすぎたから治療のしてあげる。がんばって耐えてね♪」

 そういうと彼女は彼の分身を豊かになった胸で挟み、先端を口にした。


658 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:12:49 ID:bkWgW5Ue
「ああー!」

 激しい快楽で叫び声をあげて、射精した彼は再び起き上がり直ぐに倒れた。

「ヴィーラとオリヴィエの分が終わったら次の企画へゴーだから待っててね♪」

 射精と同時に霊力が奪われ立つことすら叶わない彼を笑いながら放置すると出ていった。舌なめずりする様子のヴィーラが彼に迫る。

「ヴィヴィオ陛下の夫でありながら随分とじらしておられましたね。 とてもロックですね」

「い、いえ。単身赴任が気楽過ぎて、皆様の寛大さを信じてこれくらいなら大丈夫だろう、と希望的観測にすがってただけです。英霊だから身の回りの世話とかも必要なかったし」

 それを聞くとヴィーラは笑みを深めた。

「確かに陛下は寛大ですし、貴方も悪いことはしていませんでしたね。ただ、陛下の女をうずかせるようなことをしておいて大鳳くんに頼んで召喚しない辺り、陛下の寛大さと女としての欲望を見誤ってましたね。
これはそういう見積もりを間違えるとどうなるか、王配殿に教育が必要ですね」


 ヴィーラがそういうと再び彼女はユグドラに目配せをした。神聖ストレリチア文字が輝き、王国男子が女性に閨で負けることへの恥ずかしさが増していく。
そしてそれを見越したようにヴィーラが彼の上に乗りつながると、彼を快楽と剛力で組み伏せ搾り取り始める。
分身を包む快感のせいで彼女が人並みの女性でも跳ね除けられないとわかっているのがまた、彼の敗北感と情けなさを余計に煽る。 そしてそれを見ていたヴィヴィオが不意に立ち上がると、ヴィーラの乳房を後ろから揉みしだき始めた。

「ヴィーラ少しやりすぎですよ。というわけで過剰制裁のお仕置きです」

「ああー?ヴィヴィオ様の御手が最高過ぎます♪でもでも、こんなにあっさり行かされるなんて恥ずかしいです?」

 ヴィーラが達した際に生じた膣の締め付けの動きで彼は一層激しく射精した。それを見下ろしたヴィーラは侮蔑の目を投げかける。

「こんなあっさり陛下の良いようにされる私にすら惨敗する癖に陛下をじらすなんて、国家反逆規模の身の程知らずしてますね」

「ヴィーラ、忠夫さんは不義理や裏切りはしていないんですから、そんなに傷つける様な発言は、めっですよ。お仕置きです」

 ヴィヴィオがあっさりとヴィーラを百合的な技で逝かせるたびにそのヴィーラにすら負ける己の敗北感が大きくなっていく。彼女たちが心理を操るのが上手なのもあるが、祭壇の力も大きいのだろう。

 横島が快楽と敗北感でぐったりするとヴィーラが耳元に口を寄せていった。

「とてもかわいかったですよ。 それから大鳳くんに召喚されてから、貴方がしたヴィヴィオ様を護る為の戦い、私も見ていて女がうずきました。ヴィヴィオ様の次くらいにはあなたも大事です。ですから今回の様な事をするなとは言いません」

 最後の言葉に不可解な顔をする彼にヴィーラはつづけた。

「今回の様な事をしてくれれば、またあなたにこういうことをする機会が増えますからぜひやってください。貴方の活躍に燃え上がったヴィヴィオ様の情欲を天界で受け止めるのも良いものですから。最も加減のできなさが増えてしまいそうですが」

 笑って離れるヴィーラにおびえながら彼はヴィヴィオの顔を見た。ヴィヴィオは王族らしく彼を観察する目で見た。

「多分昨夜アリスがふるまったものだけで、十分滋養があるから大丈夫だと思いますけど、回復させておきましょうか。 忠夫さんも喉乾きましたよね?」

 その問いに横島は少し悩んで頷いた。 どのみちアリスにふるまわれた料理で耐えられる程度には精力が残っている状態だ。それなら体力だけでも回復したほうが良いだろう
ヴィヴィオが渡してきた甘い蜂蜜味を思わせる飲料を飲み下すと、体力だけは回復したが逆に搾り取られ過ぎて朦朧とした頭が回復し、自分の痴態を思い出して恥辱心が募り始める。それを見越したようにオリヴィエが笑いながら言う。

「体力も戻ったところで今夜の仕上げと行きましょうか」

 そういって彼女は横島を押し倒し、ヴィヴィオと同じ動きと方法で彼を嫐り始める。

 何度も彼女の内部に敗北の証である白い液体を吐き出しながら、彼は王族が持つ支配する霊力に自分の魂の屈服度が上がっていくのを感じていた。
ヴィヴィオと同じ種類の霊力でありながら、ヴィヴィオと異なる彼女の力が彼をどんどんと追い詰めていく。そしてヴィヴィオに劣らぬ快楽でありながらヴィヴィオと異なる、
どこまで彼を絞り上げ追い詰める性的行為が彼の分身を何度も泣かせた。 しばらくの間彼女は彼を搾り取り続けたが、優しく彼の体のツボを押し始めると、ヴィヴィオに目配せをする。
ヴィヴィオは笑いながら彼の背に指をあてる、ツーと指を下に這わせるとちょうどオリヴィエと繋がる分身と同じ位置に指をあて言う。

「ストレリチアではまれにだけど、犯罪じゃなくても、高貴な身分なものを欲求不満にさせた伴侶に分身を二本に増やす罰を与えるときもあったんですよ。
男も強くあるべき考えの時に、分身が二つに増えて体のバランスが悪くなり、戦えなくなる上に、いろんな意味での急所が増えるという意味の罰です。『償いが終わるまで戦士じゃなくてお前はただの愛玩動物だ』見たいな」

「な、なぜそれをいま言うのでしょうか?」

「それをするからに決まっているでしょう。 快楽が強すぎて壊れる恐れがあるって言われて、廃止されましたけど、今なら技術が進んだので大丈夫です。それでは参ります」

 ヴィヴィオが呪文を唱えると、祭壇の神聖文字がいくつも輝き、彼の背に分身が現れる。オリヴィエと繋がっているのと同じ位置に現れたそれをヴィヴィオは楽しそうに笑い飲み込んだ。

「!〜〜!」

 王族二人に挟まれ異なる王の霊力に支配される快感が彼を襲い一度の射精で魂全てがかき回されたような状態になる彼の叫びをヴィヴィオとオリヴィエはうっとりとした様子で聞いていた。

「前回の異変で私たちの身に危機が迫るかもって時とても格好良かった貴方がこうなっているのは本当に来るものがありますね」

 そういうとオリヴィエが彼の口を唇で塞いだ。

「あの後すぐに呼んでくれなかったことについては怒ってませんよ。ピックアップがありませんでしたし。ただ私たちの女に火が付いたのが前回の件で見せた格好良い姿が原因だったことは覚えておいてくださいね」

 言い終わるとオリヴィエが泣きわめく彼を見ながら少し考えて口を開いた。

「やはり二本にして責めるのはやりすぎだったかも、ヴィヴィオ様一本に戻してあげませんか」

 笑いながら言うオリヴィエの言葉に彼は本気で嫌な予感を覚えた。この口調は明らかに嗜虐心に火がついている時の声だ。 それに白々しく同意するヴィヴィオ。

「ええ。ちょっとやり過ぎましたごめんなさい」

 そう答えたヴィヴィオが手を振ると彼の分身が一つに戻り。その瞬間脳快楽で複雑骨折を起こした。前から抱き着く

「二本の分身に快楽を与えられるのに慣れてしまった後でいきなり一本に集中するとこうなりますよね。うっかりしてました」

 そういってヴィヴィオがまた呪文を唱えると、オリヴィエの方にくわえこまれた分身が消え去り背中のヴィヴィオの方に出現し彼女の中に入る。

「あーあ!」

 泣きわめく彼の声を心地よさげに聞きながら二人は言う。

「あなたを閨で泣かせたい欲が溜まり過ぎていたようでやめられそうにありません」


 ヴィヴィオとオリヴィエガ交互に出現させることを繰り返しながら、二人も達する直前になると、再び彼の分身は二本に増やされた。そして二人は彼を挟みつつお互いを愛撫しあう。 快楽のあまり頭がマヒしかけている彼にヴィヴィオが言う。

「お互いが達することで性行は完遂します。そしてこの祭壇で行われている以上夫婦の儀式でもあります。 さて罪人や奴隷並みの状態でそれが成立するとどれくらい貴方は縛られるのでしょうね」

 言い終えた二人達した瞬間、前と後ろの分身が果てしない快感と同じくらいの力を持っていながら異なる屈服感と快楽を与えてくる膣に包まれ祭壇の神聖文字がいくつも輝き彼の中で何かが切れた。
ヴィヴィオとは糸が切れた人形のようになった彼を抱きしめて言う。

「あまり私たちにため込ませるとこういうことになるから次からはすぐに呼ぶことですね」

「は、はい」

 返事を最後に倒れた彼から離れるとヴィヴィオはヴィーラに指示を出した。

「怒ってないけど呼んで欲しくて仕方ない愛歌とユウキの所に運んでおきなさい。あの二人に任せておけば癒すでしょう」




 ……――……ダヴィンチは彼を吸血鬼から人に戻す魔術に鳥区民柄、流れ込んできた彼の記憶に対して感想を口にした。

「ヴィヴィオ聖王陛下随分とわがままな性質をしておられるみたいだ。最も大事を成し遂げる王族は大半がそんなものだが」

 不機嫌なダヴィンチの声に、いつの間にか戻ってきていたクロエが笑いながら言う。

「あら〜、ダヴィンチちゃん随分と不機嫌じゃない。もしかしてやきもち?」

 その問いにダヴィンチは心外そうな様子で答えた。

「そんなわけないだろう。 昨日のアリスさんと彼の情事を見た時は特に苛立ったりはしなかった」

 ダヴィンチの答えにクロエは笑いながら答えた。

「そうよね。 でもあなたはどっちかというと、純愛甘やかしたい派みたいだし。でもこっちに来れば私たちの気持ちもわかってくれると思うけど」

「虚言はそれくらいにしてくれるかい。わざわざ戻ってきたのは何か用事があるんだろう」

「ええ。今回の館攻略が済んだから、同行者として仲間になることになったの。よろしくね♪ 敵側に戻ることはあっても不意打ちの裏切りフラグとかはないから安心して。離反の時は高価アイテムたくさん置いてくからね?」

「わかった。それなら構わない。けれど君は、私個人としてはあまり好感が持てる相手ではないね。君もヴィヴィオ陛下に彼を好きにしていいと言われているうちの一人ではあるんだろうけど。
私にとっては恩人であり、ある意味では保護者みたいな立場でいてくれた彼に対する仕打ちは目に余ったと個人的には思っているからね」

「仕方がないことだけど、そういう発言やめといた方がいいと思うよ。そういう趣味に目覚めた時に過去の自分の発言が引っかかって素直に楽しめなくなっちゃうよ♪」

「そうなる可能性がゼロだとは言わないが、少なくとも今の私はこれが正しいことだと思っているよ」

 そういって彼女は横島を背にかばいながら、いつでも戦闘できる体制を保ちながら言う。

「夫婦の間とはいえ嫌がっている彼に、壊れる様な事をされては困る。悪意ゼロ、遊びの様な場所とはいえ、ここは霊的異常地帯だ。一応完全にこちら側の英霊である彼の状態は把握しておかないといけないからね」

「そうね。それじゃあ少し、昨夜の続きを見てみましょうか。これが忠夫兄ちゃんの昨夜の様子の続きだから、とことん見定めてね♪」

 楽しそうに笑いながら、魔法のかかった剣を彼女がダヴィンチに突き立てようとした。一切害意や殺気はなく、またいくつもの修羅場をくぐってきたここの面々には、一目でこの剣は殺傷力はないことがわかる。
ただ特殊な魔術がかかっていることだけは確かだ。


659 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:16:04 ID:bkWgW5Ue
彼女の剣を突き刺されたダヴィンチの意識が再び闇に沈んだ。そして彼女はさとる、これはヴィヴィオに犯された後の横島の記憶の体験だ。





 眠りから覚めた横島は、自分の体力が完全に回復していることと、柔らかいベッドにいることに気づいた。そして何日も時間が経過したくらいに寝ていたはずなのに外の日付は変わっていないことに気づく。
これは多分エヴァの別荘の時間の流れが変わる魔術を応用しているのだろう。そこまで考え顔を上げると、目の前に金色のショートカットの髪をした青いドレスに身を包んだ王女、愛歌と最も長い付き合いのユウキが目の前にいた。
彼女たちはヴィヴィオたちとは違い怒りなどはなくただ、純粋に横島と久しぶりに会えたことを喜んでいるのがわかる。 ユウキが満面の笑みで彼に抱き着いてきた。今の彼女はインプ形態の様だ。

「忠夫、久しぶりだね。僕たちも呼んで欲しくて待っていたけど、やっぱり単身赴任が楽しすぎた?」

 小悪魔の様な笑みを浮かべる彼女に彼は首を縦に振った。

「わかっとるとは思うけどお前たちが嫌いになったわけじゃなくて、英霊になってから性欲が落ちて、それで単身赴任が気楽過ぎて、もうちょっと伸ばしていたいなと」

「忠夫の性欲が落ちた!?本当?」

 ユウキが一瞬だけ驚いた顔になり問いを投げかけ、すぐに失言だと気づいた風になる。ユウキが大切なことで横島に隠し事がうまくいくことが少なかったように、彼が嘘を言っていないことが彼女にはわかったのだろう。
そしていたずらっぽい笑みを浮かべて、彼の服を脱がせ始める。

「確かに英霊って色々なケースがあるから、一概にどれがどうとか言えないよね。スカササさんは生きたまま神になったケースかもしれないし、忠夫の場合はぎりぎり人間のまま天寿全う型だしね。
そして性欲とはある意味子孫を残すためのもの。子孫が残って幽霊になればそれもあり得るかも」

 そういいながら服を脱がせ終わった彼女は自分も服を脱ぎあらわになった胸元で彼の分身を挟んだ。 まだ愛撫も始めていないのに、彼の分身が射精手前のようになった。それを見てユウキは笑う。

「あは♪ やっぱり。僕の胸で良い様にされた逸話が多く後世に伝わったせいで、生前より弱くなっているね。英霊は残したいという欲求は薄くなっているけど、行為ができない訳じゃないしね。それじゃあ始めるね」

 ユウキが胸を動かし始めると彼の分身が噴水の様に射精を始めた。それを見て胸を動かしながら、嫐る彼女は彼の分身の先端を加えた。 ユウキ自身も英霊の為か噴出した精液はすぐに彼女に吸収されて消滅していく。
そして彼女の霊力が上がり彼の霊力が下がっていく。恐ろしいのはそこではない。他の女性達にされた時もそうだったが英霊である自分の体に新しい弱点が刻まれていくほか、
どんどんと古傷が開くように彼女たちの与えてくる快楽への耐性が下がっていく感じがする。

 ユウキの胸になぶられ叫ぶ彼を楽しそうに見ていた愛歌が彼の耳元に唇を突きつけ、ていう。

「まあ、一人になれる時間もないと男の子はつらいらしいからしょうがないけど、そろそろ英雄らしい行動をしているあなたの傍にいられないもつらいから、呼んでもらえるように動くとするわ」

 耳元に息を吹きかけられて、ユウキの胸の中でもだえる分身が何度目かわからない爆発を迎えかけると、彼女は笑いながら彼の耳たぶをかんだ。 それにより射精を迎えた彼が叫びかけたところで容赦なくキスで口を塞いでくる。
爆発した彼の下半身を見てユウキが笑う。

「愛歌、そろそろ本番始めようよ」

「ええ。それじゃあ行くわね」

 豊満なユウキの胸に嫐られぬいて震える彼の分身を愛歌が服を脱ぎ飲み込むと、彼は一気に悲鳴を上げた。癒す際にももたらされる快感というものがある。
今の愛歌はヴィヴィオたちにされた支配の術から癒す類の術を使いながら彼を嫐っている。だがヴィヴィオたちと敵対しているかというとそうでもない。回復術を受けるときの快楽の効果を高め、
彼女たちの間で往復することの中毒に落とし込もうとしている様だ。
叫び声を上げかけたところでユウキが彼の唇に乳首を突っ込むと、魔術で彼の頭を鈍らせる。
ユウキの乳房と甘い香りに脳を侵され、愛歌の愛情と好意に満ちた中毒を生むアリスと同系統の性行為が分身を何度も泣かせてくる。 愛歌の少女らしい膣と容赦ない快楽で彼の頭が堕ち始めると、ユウキが言った。

「愛歌そろそろ交代しよう」

「ええ。そうね」

 ユウキが今度は彼の分身を飲み込み、愛歌は笑いながら後ろから抱き着き、彼の顔に腰掛け尻を押し付けてくる。 射精と同時に強く押し付けれるとそれと同時に彼の脳が焼き切れた様な感覚がしてくる。
ユウキが今度は彼を後ろから抱きかかえ、乳房を背にあてながら、正面から抱き合う形で彼と結合した愛歌の望むように彼を動かす。
アリスやエヴァの糸で操られるのとは違う快楽が彼を包んだ。 射精と同時にユウキが余計に激しく彼を動かすと何度も愛歌はどこまでも優しく甘い中毒になるような動きで答えてくる。
完全に快楽で阿呆になった彼の唇を奪うと愛歌は彼を見下ろし王族らしい口調で言った。

「忠夫、ちゃんとこれが終わったら私たちを呼ぶように大鳳くんに頼みなさい」

「は、はい」

「よろしい」

 了承の言葉を言った瞬間愛歌が激しく体をねじり彼に一際大きな射精を促した。
彼の脳に王族としての威厳と約束したことを焼き付けるためだろう。愛歌は笑いながら言った。

「ユウキ今度のピックアップガチャで多分呼んでもらえるわよ」

「そうだね。あとは大鳳に思いっきり夏休みを楽しんでもらわないとね。そういう恩義ができた方が忠夫の性格上約束は破れないだろうし」

 この記憶を読んだダヴィンチは二人に対しては怒りなどが沸かないことに安直した。やはり自分は男をいじめるのが趣味の類の女ではないようだ。彼女が安直した直後にさらに映像が切り替わる。





 和風の屋敷の居間で横島が必死にお札などを書いている場所にクロエがやってきた。彼女はハワイなどの暖かい地域にバカンスに行くときの様な青い大人びた服装に身を包んでいる。彼女はそのまま横島の状態を確認する。

「進歩いかがですかぁ? あら全然だめ、……は言い過ぎだけど、かろうじて及第点の御札ばっかり。お兄ちゃんぎりぎり不合格、よって罰ゲーム決定♪」

 そういうと彼女の周りに光で作られた東洋の文字が浮き上がり、彼女の持つ白黒の双剣に宿り、彼女の力を強化していく、そして彼女に剣を向けられると彼の服があっさりと剥かれた。
これは服も英霊と化した彼の一部であるためだろう。 光でできた文字が彼を拘束すると、彼女は笑いながら言う。

「ユウキ先生お願いします」

 そこに姿を見せたのは横島が東国に転生した時に彼を導き師となっていた炎禍の烏天狗と化していたユウキだ。彼女は笑いながら何かの術を彼にかける。

「天狗の誇りや傲慢を司るからこういうこともできるんだよ。えい♪」

 女性にベッドの中で勝つのが当たり前という概念を強くしたうえで、クロエが少女の姿で、彼の分身を刺激し始める。 女権国家の女性らしい最高の技巧で彼を達しさせた後、クロエは敢えて、
すぐに吸収せずにどれだけ自分の足が白く染まったか彼に見せつけてから言う。

「あれ〜? すごい量の射精だね。 昨夜の初射精より多くない?」

「しょうがないよ、忠夫は屈辱が大きいほどたくさん出しちゃう変態さんだから」

「ええ〜。お兄ちゃんベッドの外ではちゃんと格好よかったのに、そんな趣味もあったの。
後半、玉藻様が命じてそういうユウキお姉ちゃんにこの術使わせてたけど、射精の量が衰えてないんじゃなくて、屈辱がすごいほどたくさん出てただけだったの〜。お兄ちゃん最低すぎ」

 わざわざ純粋にヒーロー見る様な目で見てくれたときと同じ見上げ方で蔑みの目を向けてくるクロエの意地悪さに彼は怒りかけたが、怒りの声は出せなかった、その視線を受けて、彼の分身がすでに屹立していたためだ。
クロエは何かの術を自分にかけながら大人の姿になり、彼の分身を飲み込み言う。

「これは管理職として失敗でした。貴方に対してかけるべき言葉は、『仕事の出来が悪かったら今夜と同じことしちゃうぞ♪』じゃなくて、『上手くできたらこれと同じことしてあげるね?』でした。『王国出身先天的女権国男性』な忠夫お兄ちゃん?」

 最悪の蔑称で呼びながら、一気に射精させてきたクロエは笑いながら彼を見下ろした。
クロエに射精と同時に霊力を奪われて、上下関係がより強固になった感覚で震える彼にユウキが代わって搾り取りながら言う。

「クロエ、だめだよ。忠夫はこれでも王国男子なんだから、ああいう性交でたくさん射精するヘタレマゾだって突きつけたらかわいそうだよ」

 かばうふりをしながらバカにしてくるユウキは屈辱と背徳感で横島の分身が固くなっているのを純粋に楽しみながら彼を絞っている。
怒りよりも彼女が与えてくる快楽と、心底楽しんでいる様子の彼女の姿を嬉しいと感じてしまうあたり、自分は完全に彼女に堕とされ切っているなと横島は思った。



 性交が終わって倒れている彼を見下ろしながらクロエが大人状態で彼を見下ろしながら言う。

「それじゃあ変態さん、次の和風アトラクションで使う悪霊払いの御札ですけど、ちゃんとうまく作れたら昨夜の再現してあげるから頑張ってくださいね。
もしもダメだったらあなたの様な変態でもトラウマになる類の女権国家的わからせがまってますよ」

「は、はい」






そしてその脅しを受けて城の中で三日たった後、横島は本気で泣きたくなった。

「なんで、こんな高レベルの札が山ほどできとんのや! そこまで変態だったんかワイ」

 術は基本的の精神的な影響が大きい。ここまですごい札ができるということはそういうことなのだろう。





 そこまで横島の過去を見た後、ダヴィンチは煩悩を振り払うように首を振った。

「とりあえずこれで吸血鬼化は解除できた。 アトラクション完全クリアだ。次に移ろうか」

 その声にクロエが元気よく答えた。
「は〜い。それでダヴィンチちゃんもこっちに目覚めたんじゃない?」

「それは否定できないところがあるよ」

 歯切れ悪く彼女は答える彼女を見て、クロエは予想通りだと思った。
彼女をこちらに目覚めさせるには、とにかく怒りなどでもいいから、冷静さを奪いもしくは減退させ、そしてそのあとに彼女の様な善玉が好む純愛な女権国家的性交を見せればよい。
彼女は大分横島がやられる姿を見て、こちらよりになってきている。 ダヴィンチは横島に言った。


660 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:18:23 ID:bkWgW5Ue

「忠夫、すまない。私はどうやら女権国家の女性としての因子が相当強く目覚めてしまったみたいだ。ひょっとしたら君を性的にいじめる方に参加するかも」

 少し申し訳なさそうなダヴィンチにクロエが言った。

「大丈夫よ。忠夫兄ちゃんはド変態だから、いやだ。怖い。より、天才ダヴィンチちゃんはどんないじめ方してくれるのかって期待の方が勝っているわ。ね♪」

「そ、そないなことは」

 クロエに逆らえなくっている感覚と、そして当たっているかもしれないという思いのせいで彼の否定の言葉はひどく力がない。

「それじゃ皆さんかえって明日に備えよっか♪ 特にダヴィンチちゃんとは色々話したいし。ここに召喚されてからのお兄ちゃんの格好いい姿とか」





そういってその日からダヴィンチとクロエは何らかの打ち合わせをしていることが多くなった。その際にダヴィンチが自分の様子を観察してくることも増え、その度に自分が彼女になにをされるか期待してしまっていることに気づいた。
多分これが、ダヴィンチが向こうに行ってしまった最大に原因だったと横島は思う。そして大鳳が夏休みを満喫している裏で彼にとっての快楽地獄、ある意味では極楽が展開されていた。



 和風ファンタジーホラーのアトラクションでは悪霊や妖怪の群れと戦いながらクリアしていく流れであり、大変爽快な戦いを楽しんだ。
横島さえも後のことを忘れて、一時期そのアトラクションの戦いとストーリにのめりこみ切ったほどだった。


 そしてそのアトラクションをクリアした夜封印された記憶がよみがえり、彼はその和風アトラクションのボスの部屋の奥で玉藻の前と天狗姿のユウキに挟まれていた。
玉藻が陽気かつ女権国家の女性らしい恐ろしさを感じさせる声で彼に言った。

「旦那様少しは、凝りましたか? いえ、私たちを呼びたくなりましたか?」

「も、もちろんです玉藻様」

 とにかくひたすら仕立てに出る横島を見て彼女が手を振ると視覚ではなく脳に直接訴えかける幻術で彼が再開時に受けた記憶がよみがえった。



 ジパングに転生した時に女権国家から流れ着いた九尾の狐である玉藻と戦い勝利した後、彼女から受けた閨での仕打ちの数々。玉藻はアリスから習った術で彼を精通した直後に戻し、
四本の尻尾で両手両足を縛り彼を抱き込み対面座位の姿勢で嫐り始めた。つながった直後に彼女のおねだりがすべてとなるような快楽が彼の分身を包み、そのまま即座に訪れた射精で一気に彼は堕ちた。その彼を見下ろしながら玉藻は言う。

「他国のエロゲーや官能小説で、一突きで女性を天国に連れて行く男性器を受けた女性みたいな無様さがありますね。 忠夫さん、今の私は九尾のモードですよ。
貴方が一生を全うしたこともあるジパングで最悪の行いをした九尾ですよ〜わかってますか?」

 激しい快楽でまともな思考もできない彼に玉藻は残酷に事実を突きつける。そして彼女の術で王国男子とジパング男子を足して二で割った性質となった彼は情けなさで涙があふれてくる。
それを見て玉藻は楽しそうに彼の頭をなでて時には頭のツボを押す。その度に彼の分身から多くの射精が起こった。

「ユウキさんダメです、これ。 屈服して男の自尊心が崩壊するのが早すぎて、恥辱責め成立しません。天狗の自尊心を操る力をプリーズ!」

「任せて」

 天狗衣装のユウキが術を使うと彼の恥辱心が一気に燃え上がり、そのまま彼は最悪の恥辱を感じ、ジパング最悪の悪妖怪に一番恥ずかしい体位で逝かされていると悟りながら一っ気に射精した。

 ぼんやりとした目をした彼はクロエが持ってきた魔術的な油を見て、嫌な予感を覚えた、玉藻は六本目と七本目の尾をそのツボの液体の中に突っ込むと彼と繋がるのをいったんやめて、
片方を彼の分身に塗りこめて、もう片方を彼の前立腺に向けて入れた。

「〜〜!」

 声すら出せない彼を見ながら分身を締め上げつつ射精できなくしつつ、尻尾の先端で分身の先端を刺激し、玉藻はその声を心地よさそうに聞いていた。僅かに快楽を弱めた後横島の悲鳴を聞き始めた。

「玉藻―! 頼む出させて出させて」

「それは虫がよろしすぎる話ではありませんか旦那様。 見事な男ぶりを見せて私たちをうずかせておきながら、ピックアップガチャを回してと、大鳳くんに頼んでくれなかったじゃないですか。
でもわたくしも鬼ではありません。 ピックアップした回数の数だけど、懇願したらいかせて上げましょう」


 尻尾の愛撫で何度も寸止めされ快楽で声すら出せなしたうえで玉藻は笑う。

「出させてと今言い切れなかったので、ノーカウントです♪」

 わざと快楽で言葉を切らせたりしながら彼女は笑う。


それでも彼は時間をかけて言い切った。それが終わると玉藻は笑いながら近づいてくる。

「約束通り、回数分叫んだのでいかせて差し上げます。 でもぉ、男子でありながらお預けをつづけた男性に対しては、さすがの良妻狐も優しくありませんよ。ユウキちゃん、とどめお願いします」

「任せて。僕は怒ってないけど、玉藻さんたちの気持ちもわかるからね」

 そういってユウキが手を振ると彼の中で一気に、女性に閨で負けていることに対する恥辱心が一気に膨れ上がった。そして気づく、前に恥辱心を煽られた時ユウキは手加減していた。これが本気の方だと。

 一番恥ずかしく屈辱の高い騎乗位で搾り取られながら玉藻に覆い被さられ彼は白い敗北の証が玉藻の秘所から漏れ出すほど射精すると倒れた。

「どうですいろんな意味で懲りたでしょう。クロエちゃんとユウキちゃんとの夜もまだまだこれからですから楽しみに待っていてくださいね」

 その後、ユウキとクロエまで加わってきて彼の意識は何度も飛び堕ちた。




 次のアトラクションはやばい生物兵器を開発している会社が悪魔と契約してシャーマニックと科学の融合兵器をつぶすというホラーゾンビパニックアトラクションだったがその後ろでは、
横島が陸八魔アルと、リグルそしてその配下のアレクシア・アシュフォードという蟻と融合した女科学者に犯されていた。

 アルの魔術で芝居を本当だと思わされて彼は何度もアルの悪魔的な快楽を与えてくる豊満な体に何度も何度も射精を繰り返した。アルが悪魔らしい顔で彼を見下ろしながら言う。

「射精する度に、大鳳君たちが不利になっていくのに、本当にあなたは恥知らずね。ほらもっと出して私の配下の悪霊軍団を強化しなさい」

「あ、あー!あー!」

 対面座位から抱き込まれたまま形だけは正常位だが、これは彼にある程度腰を振れるようにすることで、虚構とはいえ現実だと思わされているシチュエーションで快楽に勝てないと彼に思わせる調教だ。
だめだ、悪魔軍団を有利にしてどうする。と思いつつ、体が言うことを聞かず情けなく早すぎる射精を繰り返しながら彼はアルの嘲笑めいた笑いを受けながら倒れた。
リグルがカマキリの雄の祝福を彼に授け、彼の危機感やあらゆる苦痛切り、快楽にあらがえなくなった所で、それを切り罪悪感などで追い打ちをかけてくる。だが彼女たちが一番与えたいのは背徳感とそれがもたらす快楽だ。


 アルの番が終わりアレクシアと二人で彼を責めているリグルが笑う。

「忠夫〜、いいの? 射精すればするほど、強力なクリーチャーが生まれて大鳳くんたちが不利になっちゃうよ」

 嘘だとわかっているのに、アルの力で自分がとんでもない罪人だという意識とそれが生み出す背徳感が激しい快楽を与え彼を堕としてくる。
リグルに上になられ、交尾の際に命全てを取られる虫になったと錯覚するような体の内部の大切な臓器すら削り取られた様な快感と共に彼は倒れた。そこにフェロモンを漂わせた、アレクシアが人間形態で彼の首筋に注射をうつ。

「ほら、早く達してご自分の親友たちを殺すための兵器を生む私たちに子種をささげなさい」

 アレクシアが金髪の長髪をたなびかせながら、リグルや横島と知り合う前の冷酷な外道科学者を演じながら彼の分身を飲み込む。

 悪逆非道の女科学者に兵器の種を与えている。その背徳感と敗北感が彼の分身をいつも以上に元気づけ射精と同時に彼は倒れた。


 彼が意識を失うとアルが慌てて、魔術を解き始めた。

「さすがに理性では嘘だとわかっていても、自分の子供だと思ったままの生物兵器と戦わせるのは気の毒だから。でもこれでいいのちょっと制裁というにはぬるいし何が目的なの?」

 アルの声にアレクシアは笑って答えた。

「忠夫をはじめ男性は一度味わった快楽からは逃れづらいものです。今回の快楽を味わったことで、単身赴任の自由よりも私たちが与える快楽を好むようになるでしょう。必ず機会があれば呼んでもらえるようになりますよ」

「そういうものなのね」

 自分では理解できない分野だと理解して、専門家に投げられる辺りアルも人を使う仕事に向いているといえるだろう。
少なくともこの世界線では結果として、最終的には女権国家で会社をそれなり以上に大きくしたのだから上に立つ者としては有能だったといえるだろう。




 今生の大鳳が好むホラーアクションアトラクションをいくつもクリアした彼は夏休み終盤となりながら、横島はかなり危険な状態になっていた。
妻たちにされた数々の行き過ぎた快楽の記憶が彼をむしばみ、今でもやられているかの様な感覚が彼を襲い。どんどんと中毒に近いような感覚になっている。

「忠夫大丈夫?」

 心配げな目で見てくる大鳳に彼は答えた。

「ああ、女権国家のアトラクションとは本当にきつい。かみさんたちが少し久しぶり過ぎて手加減間違えとってな」


 最後のアトラクションはダヴィンチが監修したものらしい。働きアリの妖怪、金槌坊などが全力で作ったものらしいからこそ、彼は恐怖しつつ先に進んだ。


 今度のアトラクションは今まで突破してきたすべてのアトラクションを合体させたようなステージだった。エヴァの夜の城や、玉藻の和風の妖城、そしてアルとアレクシア達の悪の企業の様なステージ。それらを合わせたステージ、
彼ら様に作られた一流の戦士でも難しい訓練並みの難易度を楽しみながら彼らは踏破した。前回のピックアップガチャで召喚された万能型の銃使い英霊ティアナの姿もあった。彼女は何体もの敵を薙ぎ払いながら感嘆の声を上げた。

「このアトラクションすごいわ。私は英霊としての性質上悪人相手にバフがかかるらしいけど、本当の悪人じゃないのに、そのバフが発動しているわ。このアトラクションの技術が悪用されたら冤罪も生まれちゃわないかしら?」

 仮想だとわかっている敵との戦いだとわかっていながら緊張しつつ、心底楽しめてもいる。そういう状態でも、こういう考えが浮かぶ当たり彼女は根っからの警邏隊員だなと、横島は思った。その答えにダヴィンチが否と答えた。


661 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:23:43 ID:bkWgW5Ue


「大丈夫だよ。これは舞台の劇の力を極度に高めた術式だから、これはお芝居とティアナくんと、了承済みで演じている敵がいるからこそ成立しているんだ。罪のないものを犯人に仕立て上げたりとかはこの術式では無理さ」

 ダヴィンチの組んだ術式だったと知って驚きつつティアナは笑って答えた。

「少し私もワーカーホリック気味みたいね。こういうアトラクションでも捜査の様な施行になってしまうあたり、でもこういうホラーを探索していると大鳳くんの前世と初めて会った幽霊洋館を思い出すわ」

 そういった直後に悪霊や妖怪の群れ相手にティアナは銃を乱射、いな乱射に見えるほどの連打をしたが、すべてが悪属性を持った敵にあたり、一撃で沈められていく。うち漏らした相手はジャギと横島が討ち果たして回った。
いくつかのイベントを経て味方となったクロエの双剣が宙を舞うたびに大半の敵が倒され大鳳とキャルも大勢の敵を薙ぎ払った。





 いくつもの緊張感あふれる戦いを終えた彼らは、横島の転生体の人形やその宿敵を操るアリスや、吸血鬼としてのエヴァや、生物兵器を使ってくるアレクシアとリグル。
和風の妖城エリアの玉藻などを再び倒し、最後はベリアルであるアルを激闘の末に倒した。


そして激しい戦いで疲れ切った彼らにクラッカーが鳴った。 ユウキが満面の笑みで彼らを祝福した。

「みんなアトラクション完全クリアおめでとう! これでこの霊的異常地帯は自然消滅するしそれまでは、好きに夏休みを満喫できるよ」


 その姿を見てメンバー全員がほっとした様子になり胸をなでおろした。全面クリアできたとなるとやはりほっとするあたり、このゲームにかなりのめりこんでいたのだろうと彼らは思う。 全員がクリアしたことを喜んだのを見て、ユウキが言った。

「それじゃあクリア記念に今までの名場面とかのアルバムと、パーティを始めようか」

 そういってユウキに案内されるまま来た道を引き返し、この城のラスボス前の最大の敵との激闘のあったパーティーホールに戻ると死闘の後は綺麗に片付けられており、綺麗なパーティ会場が出来上がっている。
ホラーゲームのボス部屋から、ここまでイメージチェンジできるとは見事としか言いようがない。




 大鳳たちはパーティ会場で高価な酒と料理を大いに楽しみパーティ会場の、ビッグスクリーンに自分たちのこのアトラクションでの奮闘などがビデオに出ているのを見て、大いに楽しんだ。そしてふと大鳳が何かに気づいた様に言った。

「あれ、そういえば忠夫は? いなくなっちゃったけど」

 その言葉にこの城のメイドらしきものが笑って答えた。

「単身赴任を満喫しすぎていたのを反省して久しぶりに奥様たちへのサービスをするそうです」

「そうなんだ」

 それを聞いた大鳳は疑問を持たずに再びパーティに興じ始めた。





 満月の光に照らされて、夜の風景画を思わせる月の下のしの寝室で二人の女性に嫐られる男性の姿があった。彼、横島忠夫はクロエとダヴィンチに犯されていた。
ダヴィンチとクロエの二人は時には大人の姿となり豊満な肉体で彼を快楽で嫐り、ある時は少女の姿で彼を嫐りつくしに来る。 クロエが笑いながら言う。

「ダヴィンチさすがに万能の天才ね。 すべてのアトラクションをあんな風に作り上げるなんて」

「いや、君のずば抜けた編集能力のおかげでもあるよ。 ほら、娘からお嫁さんに私が生まれ変わる儀式の日だ。がんばって、奉仕したまえ」


「無理―気持ち良すぎるー!」

 横島と繋がったダヴィンチが横島が射精した直後に少女の姿となり、彼の分身に異なる刺激を与えて、さらに多くを搾り取る。そして次は大人の姿となり豊満な体を押し付けながら嫐り笑う。
上質な性魔術が多く入り彼は何度も射精していく。嘲笑するクロエは彼の耳に媚薬となるような言葉を言う。

「ほら。早漏雑魚♪ あまり可愛くしていると、終わったばかりの私も火がついて参戦しちゃうぞ♪」

 クロエが笑いながら彼背に手を這わせると、いくつもの女性に嫐られている様な快感がより一層強くなる。

「クロエ様―! 手を放してください。触られているだけど異常な快楽がー!」

「何言ってるの♪ それを送り込むためにつないでいるんじゃない?。そろそろヴィヴィオ陛下みたいに背中に一本増やしてダヴィンチと二人で挟みましょうか♪」

「そんなー!」

 本気でいっぱい、いっぱいの横島をよそに、クロエが不意に声を上げた。

「ダヴィンチ、そろそろ種明かしをしない」

「そうだね。 忠夫、私とクロエしかここにいないけど、他の奥方たちは何をしていると思う?」

 その問いに彼が疑問を抱いた瞬間、クロエがヴィヴィオの使った魔術で彼の背に分身を生やし、彼の分身は背後から飲み込んだ。少女の姿で一度絞ると大人の姿となり、彼の背を指でなぞりながら笑う。
それと同時にダヴィンチがやったのだろう、幾つもの魔法の鏡が浮かび上がり、何かが映し出される。その映像を見た瞬間彼は絶望と共に理解した。
エヴァがアリスが、ヴィヴィオと愛歌と玉藻、陸八魔アル、そしてユウキが『自分自身』=『横島忠夫』を犯している。それを見て、クロエは笑いながら言う。

「日本でいうところの分霊、神様は何人にも増えられるからね。ここで英霊たちは槍使いとか、魔術師別々の逸話のクラスで具現化する例が多々あったからできるんじゃないかと思ったのよ。案の定可能だったでしょう。
最もこの霊的異常地帯とかよほど条件けが整わないと無理だろうけど」

 クロエに抱き着かれた瞬間から他の自分自身が感じている感覚の流れ込む具合が一機増していく。クロエは笑いながら言う。

「ご明察、私は痛覚を共有したりしていた時期が昔あったけど、女権国家の技術に触れて、男性同士で快楽共有させて同時に堕とすとかの案もあったのよ。
最も意中の男以外に快楽を味あわせるとか意味ないだろう見たいになって、
没になったけど。でも、神様みたいな立場になって旦那様が増えるなら使い道あったわね」

「ギャー!」

 クロエが耳に息を吹きかけながら、彼を嫐るとダヴィンチも同じく空いた方の耳に唇を近づけ言う。

「ちなみに異常な罪悪感や背徳感も感じるだろう。あの分霊たちは、私が書いたこのアトラクションの次回作の設定の台本を読んだうえで、アルの力で嘘を本当だと思い込まされている。
だから人として最低の状況で快楽に負けている背徳感もあるのさ。
それじゃあ一気に行こうか」

 最低の外道であるベリアルに良い様にされている背徳感と九尾の狐にされている背徳感そして、世界中に非人道的生物兵器をばらまいている女たちに子種を与えている感覚。さらには敵国の聖王とその配下の騎士たちに屈服し、
彼女たちを強化する射精を行う快楽、ダヴィンチの天才的な脚本の設定を本当だと思っている分霊たちの感覚が彼を襲い。目の前のダヴィンチが笑いながら魔術を使うと彼はそのまま一気に射精した。
分霊たちは霊力を使いすぎて消滅し残滓が一気に彼に流れ込んでくる。それによりより深く、記憶が流れ込み、背徳感がまし彼の分身は再び屹立した。

「私の台本と、その設定の世界での背徳感はどうだった?」

「す、すごかったです」

 保護者の口調から、屈服した口調になった横島の声を聴いてダヴィンチは楽しそうに笑った。

「良かった。調教しすぎたかもと、不安だったけどその声の様子だと閨の中以外では今まで通りでいられそうだね」

「あ、ああ」

 自分にはよくわからないがダヴィンチがそういうのならそうなのだろう。そこに分霊たちを相手にしていた妻たちが瞬間移動の様に現れた。最初に口を開いたのはエヴァだった。

「ダヴィンチ、本当に見事だった。だがよくあそこまで男に背徳感や情けなさを与える物語がかけたな。 やはり万能の天才だからか?」

「それもあるけど、一番は私のオリジナルが元々は男性だったせいかな。私は生まれつき女だけど、オリジナルの記憶も持っているから」

「そうなのか?」

「うん。王国の5将番外とか呼ばれてもいたかな。最もそういわれたのは、後世の話でよほどの歴史マニアじゃないと知らないから、あの時代の面子は知らないだろうけど。
私のオリジナルは天才的なオカルトさえも使いこなす万能の天才だったんだ。王国が敗れた後、女性に性転換すれば女権国家の女性の能力アップ現象の恩恵を受けられると思ったのと、
男性でいる限り女権国家の女性に閨で勝てないから、百合調教して味方に引き入れたりも最悪やろうとも思っていたみたい。
実際TSした後女権国家の女性達を奴隷化とかできたのか、それとも負けていたのかの記憶は私に伝達されなかったけどね」

「それでどうなったのだ」

「すべての記憶が伝達されたわけじゃないから覚えてない部分も多いけど、最後まで王国側だったみたいだよ。 自作の美術品を売り払い経済的に王国を助けたり、
証拠を残さず女権国家のオカルト的な失態に付け込んで被害を大きくしたりしてたみたい。 その活躍が地味に大きかったせいか、5将番外とか言われているみたいだね。
戦争時の活躍も大きかったけど、5将には及ばなかったし、戦後の外交や謀略工作の活躍も入れれば一応5将と並ぶか議論の余地ありってくらいだから番外扱いなのさ」

「そうなのか」

「まあ、王国が亡ぶか否かの状態になったら目覚めるように作られたクローンホムンクルスである私も、目覚めてみたら女権国家と手を結ぶほどの世界危機とか夢にも思わなかっけどね。
しかし、作られてコールドスリープから目覚めるのが何百年とか予想外にも程があったよ。しかも王国と女権国家が手を結ぶ異常事態だし」

 そこまで言うとダヴィンチは笑いながら横島の方に目を向けた。

「忠夫、それじゃあここからは本体で奥様みんなに奉仕の時間だよ。それじゃあスタート♪」

 そういってダヴィンチが何かの魔術を唱えると、ダヴィンチが持つ絵画らしきものが光り、その絵画の中に彼とユウキと玉藻が吸い込まれた。

 和風の部屋で玉藻とユウキに挟まれた彼は天狗であるユウキにかけられた男の自尊心が最高になる術を受けた状態で、玉藻とユウキに交互に絞られていた。
そしてユウキが意地の悪そうな眼になり天狗から、鬼の姿へと変わる。その姿を見ておびえる彼をよそにユウキはいたずらっぽい笑顔で言う。

「奥さんに寂しい思いをさせた男性を懲らしめる奈落の鋭鋒ユウキちゃんです。
一応鬼として忠夫と一緒に戦ったこともあったけど、地獄の獄卒の仕事は免許取っただけ何だけどね。
ダヴィンチちゃんがこの夏やすみ中に絵画を描いて、さらには僕が忠夫を地獄でいじめる小説書いてくれた結果、いろいろできるようになったんだ。それじゃあ、女権国家的地獄の鬼の所業スタート」

 そういうとユウキは彼の男のプライドを固定した状態で玉藻と二人で足で分身を嫐り始めた。ユウキの苦痛な強い快楽と、玉藻の優しい足さばきが交じり合いなれることのできない感覚が彼を襲う。

「あ、あー!」


662 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:25:19 ID:bkWgW5Ue

 二人の足に射精した直後に二人が腰かけて左右から二人の乳房に分身を挟まれた。

「いつもなら間を空けるけど、これは奥さんたちにお預けしたお仕置きだからここから一気に行くよ」

 二人のパイズリを受けて射精の度に霊力がなくなり、もう消滅するかと思われた直後に彼の体の内部に魔力が流れ込み補充される。そして射精量が多くなってしまった彼を見下ろしながら玉藻が言う。

「ダヴィンチさんおの描いた絵とストーリのおかげで、大勢の人の信仰が形作る英霊の座が変質したんですよ。だから忠夫様はここでは半永久的に枯らすも大量の精液をあふれさせるも、私とユウキちゃんの思うがままです。
殿方の尊厳と単身赴任を持続させたい欲望が死ぬまで快楽を堪能してくださいまし?」

 玉藻とユウキに本当に地獄の快楽を与えられた彼はそのまま意識を失った。そして現実世界に戻ってくると、彼から精液を奪いつくして、霊力が倍増しているユウキと玉藻と他の女性達がいる城に戻っていた。
次にエヴァが進み出てくると、再び世界が変わる。ダヴィンチが描いた絵画が光り彼エヴァと、ダヴィンチとクロエが吸い込まれた。



 横島が気づくとクロエとダヴィンチとエヴァに彼は押し倒され搾り取られている。そして周りには彼を嘲笑する女権国家の影響を受けた王国女子たちの姿がある。ここは学校だと彼は気づいた。
もう少し意識がはっきりとしていれば、女学生たちはエヴァの配下のメイド人形たちが扮していると彼は気づいただろう。

 エヴァは大人の姿になりながら、ヴィヴィオにされた様に背中に分身を生やされクロエとダヴィンチ二人に挟まれている彼を見下ろしながらいう。

「諸君、女権国家の女性と結婚したならおあずけさせるのはくれぐれも厳禁だ。意図的なものだと、自分たちを嫌いになったわけではないとわかっていても、わからせ欲と中毒を引き起こさせようとする感情が働きここまで無様なことになる」

 横島は不意に思い出した。エヴァが教師をやっていた時に、彼を尻に敷きまくり、男性優位の社会に生まれた彼を女権国家の女性を怒らせた男の無様さを教えるための教材にして、
女権国家の影響を受けた女生徒と共に閨であえがせて辱めたという架空の逸話を基にした話だ。 ダヴィンチの絵と文章が人々からの信仰なども影響を与える英霊である彼に大きな影響を与えている。

 二人に嫐られた後、エヴァが受け持っている女生徒たちにも犯され彼は完全に沈んだ。最後に大人姿のエヴァに抱き込まれて血を吸われながら彼はようやく現実に戻った。


 現実に帰ると、ダヴィンチが笑いながら彼を迎えた。

「ここからは飴の時間だから安心した前。アリス、アル、リグル、愛歌、アレクシア女子、そしてユウキたちが、ヴィヴィオ陛下たちが優しい性行為をして癖にするだけの様だから。
次回イベントでは私がもっと色々なアトラクションを大鳳くんの為にも用意するよ」

「やっぱり今回の続編なんか」

 言い終わるより先に愛歌の言葉が響いた。

「今は来年のことより私たちのことだけを考えなさい」

 愛歌の口付で頭が真っ白になった彼にリグルとヴィヴィオとアリス何らかの術をかけてきた。彼は自分が幼少の姿になっていることに気づいた。
そしてリグルが授けてきたカマキリの加護で性行為による精神的苦痛もゼロになったことに気づく。
愛歌が彼を最初に押し倒し、何度か姉や母の様に優しく抱いて達しさせると、腑抜けきった彼の顔を愛おしそうに撫でて彼女は離れた。 愛歌が下がるとアリスとユウキが前に進み出てくる。

「忠夫お疲れ様。ここからは僕たちの番だよ」

「ここまで私たちの為に頑張ったんだし、私たちを呼んだあとは人形になっていてもいいのよ」

口上が終わるとアリスとユウキが次に彼を挟み二人で彼を何度も射精させながら、アリスが人形との様に彼を動かして、自分たちの体を自分たちが望む用意触らせそしてユウキと二人で彼を完全に甘い蜜でバカにしていった。



二人が離れるとリグルとアレクシアが笑いながら彼を受け取った。

「忠夫今夜の最後の快楽だから、たっぷり味わって。僕たちを呼びたくなってね」

「早くリグル様を呼んでくれるように最後の躾の時間です」

彼を二人で挟みアレクシアのフェロモンを受けて彼の思考は兵隊蟻の様になった。
ただひたすらに二人のフェロモン入りの甘い香りを受けながら何度も二人にもてあそばれ二人の内部に精を放ちづける。 もう言葉を口に出せないどころか考えることすらできなくなった所で、
陸八魔アルが女権国家の魔王としての男を甘やかし堕とし切る悪魔の顔で彼を迎え入れた。


「忠夫、それじゃあここまで来たら後のケアはヴィヴィオたちに任せて私も本気を出させてもらうわ」

 アルが服を脱ぎその豊満で見事な肢体をさらし彼にのしかかると、彼は声にならない声を上げた。
苦痛を一切与えぬ蜜の中で殺されていく様な感覚が起こり、もう怖いという感情すらなく、完全に思考が密に染まり、アルの乳房を口に含みながら射精以外のことができなくなるとアルが笑いながら離れた。

「じゃ、ヴィヴィオ仕上げと回復お願い」

「はい」

 ヴィヴィオが笑いながら彼にのしかかり、絞り始めると今までの靄をかけていくのとは逆の電撃が落ちたような快楽が彼の脳に起こり一気に、彼の思考が現実に戻される。
そしてヴィヴィオの苦痛もないのに快楽がもたらす恐怖に震えながら、ヴィヴィオの体にしがみついた。射精の度に思考が少しづつ戻ってきて、十回目でようやくボーとしているだけの普通の状態に戻れた。彼女は横島を見るという。

「もう、催促の必要はないと思いますが、次の召喚の機会には今夜のことを思い出しなさい。 我が王家はよくないことをして夫への躾もストレリチア(スパルタ)なんですよ。
生前はあなたが良い夫だったからストレリチアする必要もなかったんですけど」

「は、はい。ヴィヴィオ様」

「今、生前にこれを味会えなくて残念とか思いましたね。いいですよ。次に私を必ず呼びなさい」

 その言葉と共に彼は眠りに落ちた。






 ヒューマニティガーディアンの廊下ですごく嬉しそうな大鳳の姿があった。その姿を見てゴッフ所長は頬をほころばせた。

「夏休みは楽しかったのかね?」

「はい。すごくホラーマニアとしても子供としても最高のアトラクションでした」

「そうか報告レポートを忘れないように。後で土産話とかも聞かせたまえ」

 世界が危なくても子供である相手を気遣える。こういうところがペンウッドの系譜だと以前一時的に召喚された英霊ミクは言っていた。大鳳はペンウッドを召喚したらゴルドルフとどういう仲になるかと少し気になった。


 大鳳が退室した後、疲れ果てた様子の横島と彼に同情と今回の行動への敬意の混じった目を向けるジャギの英霊コンビが入ってきた。 ゴルドルフは少し気まずそうに聞いた。

「あー、久しぶりの奥方たちとの邂逅はどうだったね。それとダヴィンチが女権国家に染まったそうだが、大丈夫そうか?」

「ええ。嫁さんたちは怒ってないのもいたし、怒ってた勢もそこまで怒ってませんでしたから。それとダヴィンチは大丈夫です。俺が本気で嫌がれば我慢してくれるだけの良識派残っているので」

 それを聞き、ゴルドルフはあからさまにほっとした様子になった。ダヴィンチが悪辣系の女権国家女性になっていたら彼女を処分することも視野に入れねばならないと思っていたのだろう。
ゴルドルフは彼女に対してかなり情が移っているのは一目瞭然だ。

「そうか、彼女より優れた技術顧問はそう多くないからな。人員交代の考慮をせずに済んだのは幸いだ」

 この部屋にいるメンバー全員が微塵も信じない建前を言いつつ、彼は言葉を続ける。

「横島、それで今回の件で君と所縁の深い女性英雄たちを呼び出しやすい時期の召喚は解禁ということで良いかね?」

「はい。これ以上お預けするとどうなるかわかりませんから。
それに、今回の件で割と彼女たち中毒にされてしまいました。 今回の俺が体験したことは普通に教科書に乗せられるかも、女権国家の女性に好かれまくって放置するとどうなるのかって。 同情の目で見ないでください冗談で言ったんです」

「そ、そうか。すまんな」

 答えつつゴルドルフは思った。相思相愛でも女権国家の女性と結婚するとここまできついのだから、自分は絶対に王国女子にしておこうと誓った。
そして横島に縁のある女性達を呼べるようになったのは、この組織にとって良いことだと所長としての喜びも感じている。彼らとともに行けばこの異常事態も解決できるだろう。

このときは感動して頑張ろうと思っていたが、後日横島の部屋の近くを通るときは、時々だが男の尊厳が死んだような苦痛と、
極限の快楽を混ぜ合わせたような声が聞こえるようになり彼女たちを召喚したことを少しだけ後悔をするのだがそれは後の話となる。


663 :名無しさん@狐板:2023/08/25(金) 00:14:16 ID:+i/mItDZ


664 :652:2023/08/25(金) 01:36:41 ID:MxTo26Ax
>>663
乙感謝です

665 :名無しさん@狐板:2023/08/25(金) 02:07:14 ID:HNq1goBs
乙でした

666 :名無しさん@狐板:2023/08/25(金) 02:09:43 ID:jeNrpD6D
乙でした

667 :名無しさん@狐板:2023/08/25(金) 02:34:37 ID:EXin871e


668 :名無しさん@狐板:2023/08/25(金) 08:51:24 ID:T++44f1P
乙です

669 :名無しさん@狐板:2023/08/25(金) 20:45:42 ID:MxTo26Ax
乙をくれた皆さんありがとうございます

670 :名無しさん@狐板:2023/08/27(日) 17:28:35 ID:ESSj4UmP


671 :名無しさん@狐板:2023/08/27(日) 17:28:44 ID:ESSj4UmP


672 :652:2023/08/27(日) 23:38:43 ID:EHVBwT7o
>>670
乙感謝です

673 :名無しさん@狐板:2023/09/01(金) 22:54:50 ID:VCvOXWZS
 女権国家SS杭の日に無意識に杭で夜の女王を倒そうと思ってしまった男の『くい』の日な結末

 このSSは本スレで連載されている女権国家の二次創作SSであり、前回>>652から>>662に投稿した話のある意味続編です。以下の注意書きがあります。

@ネギまの原作に登場していたけど、原作で名前のないキャラたちが横島ヒロインしています。
Aこの世界線だと前のSSの設定を引き継いでおり、基本的に全ヒロイン横島に対する好感度200超えています。
B横島の方も基本的にはヒロイン達と付き合いが長いのでヒロイン達への信頼度や好感度がめちゃくちゃ高いです
Cオリジナル設定の塊の様な王国5将番外が出てきます。
Dかなりオリジナル設定が入っており、返り討ちシチュの為の材料とはいえの女権国家とストレリチの女性以外の女性なら快楽で奴隷にできるみたいな性魔術が出てきます。





 世界の大異変を解決すべく日夜戦い続けるヒューマニティーガーディアンの本部、その本部から異空間につながる特殊ゲートを乗り越えた先にある吸血鬼エヴァンジェリンの城の閨房。
ゴシックホラー映画を思わせる、優美だが冷たい感じがする城の奥底で一人の男が快楽のあまりではあるが極限の拷問を受けた時と似通った様な声を出している。
この部屋の主エヴァンジェリン今は大人の姿で彼を抱きとめると両手両足で彼を拘束し首筋からは血を下半身からは精を絞っていた。 快楽のあまり酩酊状態の様になっている横島を見下ろしながら彼女は言う。

「忠夫どうだ?少しは、私の過去の失敗が産んだお前の中に芽生えた侮りを消せたか?」

「あ、侮ってなんかいません。エヴァ様」

 未だに敬語なのはベッドの中で心折られたというのもあるが、彼女のピックアップガチャを大鳳が引かないように誘導していたのを、生意気すぎると多少、怒ったのとエヴァの為に戦った彼の姿のせいで彼女の情欲が煽られた為だ。
そして彼女に嫐られながら横島は自分の失言を後悔した。別に彼女を侮ったわけではないが、出会ったばかりの力を失っていた時の彼女のほほえましい一幕を彼が口にしてしまい、それが彼女の照れを刺激したらしくこうなってしまった。

 横島が絞られている姿を見て、彼女に仕えているメイドの一人、銀髪のショートカットの彼女は横島を嘲笑しつつ主君であるエヴァをからかうような言葉を口にした。

「ご主人様、過去の失態を口にされて恥ずかしかったのはわかりますけど、本当にそれだけですか?
今殿方として一番恥ずかしい性交をメイド達に見られて興奮している旦那様に、力がないときから好かれていた発言が嬉しかったのと照れ臭かったのもあるのでは」

 横島を嫐りぬき情欲が満たされたエヴァは冷静になっている。その為か特に彼女の言葉に腹は立てず少しバツが悪そうに言葉を返した。

「お前たちは人形だった頃と比べて性格が悪くなったな」

 彼女たちは付喪神として魂が宿った後に、ホムンクルスの様な使い魔に転生させられた、あるいはエヴァの住居に住む精霊に近い存在と化している様だ。
彼女たちはたまにエヴァと共に横島を閨で嫐ることもある。そしてその際に名前を教えないのは彼女たちなりのこだわりだそうだ。『名前もわからないエヴァ様に仕える端女。
その方が刺激的でしょう貴方の様な変態には、ね』横島にそういった時と同じ笑顔で彼女はエヴァの問いに答えた

「人形時代からずっとご主人様の魔力で動いていましたから、子は親に似る者です」

 その返答にエヴァは少し苦笑めいた表情を浮かべた後、また横島を嫐りに戻ろうとして、少し驚いた表情になった。横島が快楽のあまりに限界を迎えかけていた為だ。

「ああ、すまんな。私たちの調教を受け過ぎてここまで被虐趣味に目覚めていたか。嫐られることが快感になり過ぎていて、お前の変態に堕ちる速度を侮っていた」

 吸血を通じて読んだ彼の内心を笑いながら吐露すると彼女は笑みを浮かべて一気に彼の分身を自分の内部で嫐りそのまま彼を射精させると、彼から離れた。

 笑うメイドにエヴァは声をかける。

「宿六の処置をしておけ、私は大鳳に呼ばれたので、周回に行ってくる」

 それを聞き、横島の顔色がひきつったものになる。

「あ、あの次の怪奇現象発生地でのワイの出番は?」

「よほどでなければあるまい。今のお前の仕事は私たちの情欲を受け止めることだ。『単身赴任』でたくさん仕事をしてたのだから、今は退廃的な生活を楽しめ」

 やはり今でも、大鳳にガチャで引かないように誘導したことを多少は根に持っている様だと、思いながら彼は意識を失った。




 ヒューマニティガーデアンの英霊の体調を整えたり強化するダヴィンチ強化ラボ、そこで彼は今では妻の一人といえる王国5将番外の大天才ダヴィンチのクローンである少女と話し合っていた。

「というわけなんや、何とかできんかダヴィンチちゃん」

「そうは言われても、私も彼女たちと君を共有して嫐っている一人となっていた以上、あまり強く出れないんだよ。
下手に干渉すると男を独占するための職権乱用ととられかねないからね。 一応できなくもないけど、軽めの処罰にせざるを得ないとところもあるからね」

 ダヴィンチの返答は思わしくないものだが、それも彼は覚悟済みだ。もともと愚痴を漏らしたい程度だったのでそこまで落胆はしない。次に彼女に漏らした言葉も、冗談に過ぎなかった。

「そうか、もういっそダヴィンチちゃんが百合的な性魔術とか使ってエヴァを性的に征伐してこれ以上ワイにひどいことすんなって、言ってくれんかな」

 冗談で口にした言葉だったが、ダヴィンチは凄くまじめな表情になった。これは怒ったとか、問題解決の糸口を得たとかではなく、学者としての考察のスイッチが入った表情だ。

「それはできるかどうかわからないよ。私のオリジナルである、ダヴィンチは女権国家の力を取り込むためと、女権国家の女性達を誑し込んで王国に利する様にするために魔術を使って完璧な性転換をした。
ただ魂が男性であり、先天的に男だったものが肉体が女性になったとはいえ、女権国家の女性に勝てたのかどうかはわからない。
私が性的な記憶を持っていないのは、多分だけど女権国家の女性に性的に返り討ちにされた時に、その記憶まで引き継がせないためだったんだろう。私の場合は生まれつき女性と言えるから、オリジナルとは違うかもしれないけどね」

「そうか、やはり無理かな」

 諦め具合の彼の落ち込んだ様子を見て、ダヴィンチは少し考えた後、空気を変えようとするかのように一冊の本を差し出してきた。

「勝てないにしても彼女たちの性的な満足度を上げるために少しこの書物を試してみるかい? 私のオリジナルが生前研究した性魔術の融合技で、女権国家の女性以外の、サキュバスなどなら性的に討ち果たして下部に変えたらしいよ」

 それを聞きその本を手に取り、数ページ読んだ時点で横島の表情が変化する。女権国家の女性達は原初の淫魔である狂三の子孫ともいえる存在であり、ある意味では最高のサキュバス軍団と言える。
だが、それ以外にも男を屈服させる恐るべき美と快楽を与えてくる女性の魔物は多い。だが、この魔術を使った結果、ストレリチアと女権国家の女性以外のサキュバス系の魔物以外は大半が閨で屈服していることが分かった。
横島はそれを読むと笑った。

「ダヴィンチちゃん、これ使わせてもらうわ」

「そうか。君の役に立ちそうで幸いだよ」

 ダヴィンチに礼を言うと彼は自室に戻り、文珠を使いその本の知識を彼は必死に覚え、写真などからいかなる性魔術が使われているかなどを必死に読み取った。
写真から実際にその術を使っている男性の性術などの体の仕組みもわかり彼は自分でも気づかぬうちに、もしかしたら、億が一くらいはエヴァやヴィヴィオたちに勝てるのでは?という思いが芽生えた。





 エヴァに再び呼び出された彼は大人形態の彼女に言った。

「エヴァ、なかなかガチャで引くように大鳳に頼まんで悪かったな。今夜はお前を満足させるために頑張るとしよう」

「ほう、殊勝な態度だな。それではしてみるがいい」

 そういって腕を広げるエヴァの理想的な体系を見ながら彼は屹立した分身を彼女の内部に入れて本の写真から得た感覚と同じに性魔術を使った。 敢えて好きにさせている様子のエヴァが少し驚いた表情になった後、声を出した。

「随分と上達したな性魔術の本の写真に文殊で『読』『取』を使ったか。 私を満足させるために随分頑張ったようだな。 少し本気を出しても大丈夫そうだな」

 そういってエヴァが少し腰を動かすと、一気に彼の背筋と分身に電撃が走り、同じくほんの写真から読み取った性的快感への防御も意味をなさず彼はあっさりと射精をした。
そしてその瞬間、射精の際に込めた霊力が強制的に引き出され、体の内部まで引っこ抜かれたような快楽により彼は崩れ落ちる。
その彼を抱きしめたままともに倒れ両手両足で拘束するエヴァ。彼女は笑いながら彼の首筋に歯を突き立てた。 首筋に刺さった牙から電撃が走り、もう一度射精が起きた時にエヴァは少しだけだが不機嫌な顔になった。

「あ、あのう。エヴァ様なにを怒っているのでしょうか」

 恐る恐るという様子の彼の声にエヴァは、少しだけ不機嫌な声で応じる。エヴァの返してきた声が、感情的にはともかく、理性ではそこまで怒ることでもないと思っている様子の声であったのが彼を少しだけほっとさせた。

「私に女を性的に屈服させる類の性術を使ったな」

「いや、女権国家の女性に効くわけないって、わかってるから。仮に少しでも女を奴隷にとかいう術が効く可能性があるなら使わんって」

 その答えにエヴァは頷いた。


674 :名無しさん@狐板:2023/09/01(金) 22:56:48 ID:VCvOXWZS

「お前の性格上そうだろうな。だが血を吸ってみてお前すら気づいていない気持ちまで読んだが、9割くらいは私を満足させるためだったが、1割くらいは男性優位のエロゲーみたいな展開を望んでいたな」

 ここまで言うとエヴァは満面の笑顔になった。そして楽しそうに言葉を続ける。

「これは再教育の時間だな♪」

「え、え、あー!」

 言い終わるより先にエヴァが彼の分身を飲み込んだ内部の締め付けをより強くする。一切体を動かしていないのに内部の動きだけで彼の分身は震え、白い敗北の証を一気にぶちまけた。

 彼女は笑いながら言う。

「お前すら気づいていない心の中だが『今日は9月1日『杭』の日だから俺の股間の杭で夜の女王を討ち果たし、雌犬に変えてやるでー!』とか思っていたな」

「う、嘘じゃ、ないんやな」

「こういうことでは嘘は言わん」

 横島を下に引き倒した後、騎乗位の体制になって彼女は言う。そしていたずらっぽい笑みを浮かべて言う。

「いや待て、お前はまだ負けたわけではないな。良心がとがめて使うまいとしていた、性的な快楽で負けた相手を奴隷に変える霊術、あれも快楽を強くするから、一緒に使えばどうなるかわからんな」

 それを聞いて横島の背筋が凍る。もう勝てないのが確定なのに、あの術を使っても負け確定だ。そして性的に負ければ自分にその術は跳ね返ってくる。

「気の優しいお前は私に使えない様だな、よし手伝ってやろう♪」

 そういってエヴァの指から魔力でできた糸が現れ彼の体の内部に入っていく。エヴァが吸血で共有した記憶をもとに彼にすべての性的魔術を強制的に使わせていく。
それに合わせてエヴァは彼の上で腰を振り揺れる胸を見せつけながら時に彼の腕を糸で導き自分の乳房や尻を揉みしだかせる。

「こらこら、性術が成立する前に射精するな」

 そういうと新しい魔力できた糸が現れ彼の分身を締め上げる。そして彼女は死刑宣告の様に笑いながら言う。

「それではようやく性術が成立するな逝け」

「あーーーー!」

 悲鳴と共にドピュゥ!という長い音がすると彼は一気に魂が抜ける様な射精をした。
それと同時にエヴァを性的に屈服させていればエヴァに降りかかったであろう性的快感と従属させる敗北感が一気に襲い掛かる。それを見てエヴァは笑う。

「この性魔術なかなか捨てたものではないぞ。女権国家やストレリチアの女以外なら大抵は閨で屈服させられるかもしれんな」

 そういった、後エヴァは、笑いながら彼の上で腰を振りそしていつの間にか彼女が呼び出した四人のメイド達が彼への嘲笑を浮かべながらその情事を見ていた。

「どうだ、メイドに見られながら無様すぎる姿をさらすと余計に興奮するだろう。私たちの調教の成果が出ているな」

 黒いポニーテールのメイドが笑いながら嘲笑を込めた声で形だけの応援をする。

「旦那様頑張ってー! そこであっさり生かされたら無様すぎますよー! エヴァ様のご命令でビデオにとっている私も心苦しいですから、せめてあと一分は持たないと、みじめすぎま、あもう行っちゃいましたねー! ははは」

 黒髪のショートカットのメイドがさらに言葉をつづけた。

「嘲笑と解説をされて余計に固くしてますね。変態すぎます旦那様」

 茶髪のツインテールの女性は何も言わずただ彼が特に無様だと思った痴態を披露した時に思いっきり笑った。彼女が相手の時はそれが特に答えた。

 彼女たちの嘲笑を受けながら恥ずかしさが極限に達した時、エヴァが目配せすると彼女たちがエヴァに手首を差しだし始める。
エヴァはその手首の群れから一口ずつ血を吸うとそのまま横島にかみついた。その瞬間吸血による意識共有が起こり、どれだけ自分が無様にエヴァに閨で敗北している様に彼女たちから見えていたのが伝わってくる。そしてエヴァが言う。

「お前たちの嘲笑が余計にわが夫の分身を元気づけたぞ」

 それを聞いた直後に横島は彼女たちの嘲笑を再び受けながら最大の射精をしてそのまま彼の意識は落ちていった。






 目覚めた彼はエヴァに嫐られ抜いたのとは別のベッドに寝かされていることに気づく。そして黒髪のショートカットのエヴァのメイドが笑いながら美味しそうな西洋の料理が盛り付けられたトレーを持ってきた。

「旦那様、エヴァ様にやられ過ぎてひどいことになっていましたね」

「ワイはどれくらい寝取ったんや」

「多分5時間くらいかと。エヴァ様の時間の流れの違う別荘に押し込めて目覚めるまで放置としたので少し不明ですが」

 そういって彼女たちが持ってきた料理を見ながら彼は異常に食べたいことに気づく。女権国家の男性が絞られ過ぎた時の回復させるための料理だ。彼がそれを食べ始めるとメイドが笑いながら姿を消した。

 すべての食事をとり薬種を飲み心地よいまどろみに身をゆだねかけると、四人のメイド達が瞬間移動の様に彼の横たわる寝台に現れた。

 黒髪のポニーテールの女性が彼の唇を口付でふさぎ言う。

「エヴァ様からのメッセージです。『単身赴任を満喫しすぎて、調子に乗った宿六に少し分をわからせろ。具体的には私はおろか下部のメイドにすら勝てないと教えてやれ』だそうでーす!」

 嬉しそうにそういうとメイド達は横島の服をはぎ取り、始める。薬酒の効果で動けなくなった彼はあっさりとはぎとられた。そして彼女たちも服を脱ぐと彼を犯し始める。
黒のショートカットの女性に騎乗位をされると彼は悲鳴を大いに上げかけたが、茶髪のツインテールの女性が口づけして彼をしゃべれなくする。
一度彼が一気に出すと、彼女たちはそのあまりにも早い射精を敢えて口に出して侮辱せず嘲笑の目で見てくるにとどめた。 三回ほど射精させ終わると黒のショートカットのメイドが離れ黒のポニーテールのメイドが押し倒してくる。
彼女とは真逆の優しい腰を動かす行為に彼はどこまでも腑抜けにされそうになってくる。茶髪のツインテールと銀髪のショートカットのメイドが彼の腕をとり自分の乳房を揉みしだかせる。

「あー!」

 射精に合わせ強く握りしめさせられた彼はそのまま叫びながら一気に射精して倒れるようにベッドにのけぞると、彼女たちが笑う。

「もう動けませんか、しょうがないですね。メイドの務めです綺麗にして差し上げます」

 黒の二人が彼の分身を二人がかりで嘗め回し、他の二人が茶髪のツインテールと銀髪のショートカットが笑いながら彼に体を押し付けてくる。逃げ道を防がれ切った彼は何度も二人の口内に精を放ったそして、恐怖を覚える。
彼女たちに搾り取られる度に、自分の霊力が減り彼女たちの霊力が大きくなっていく。危害を加えられる恐れはないとはいえ、この状態には恐怖を覚える。
二人が口を離した後、茶髪のメイドが笑いながら、騎乗を始めると銀髪の方が彼の顔に腰掛けて尻を顔に押し付けてくる。黒髪の二人は笑いながら彼の乳首をなめたり軽くかじりついてくる。

 抜くことも許されないまま、十回射精した後、銀髪のメイドが茶髪のメイドと代わり彼にどこまでも機械的に射精させるような動きで彼を嫐ってくる。 銀髪のメイドは散々に彼をじらした後、限界直前に射精させた。

 その快楽の余韻が消えかける前に、もう一度敏感になった分身に膣を動かし快感を与え二度目の射精を誘う。
脳髄に雷が落ちたような快楽と共に彼は完全に動けなくなった。だが分身だけはいまだに力強く屹立している。 そこにエヴァが入ってくる。

「お前たち身の程をしっかりと教えておいたか」

「はい。エヴァ様 準備はすっかり整えておきましたよ」

「わかったそれでは行くか」

 エヴァが再び服を脱ぎ彼を押し倒し分身を飲み込むと彼は悲鳴を上げられないが、激しい快感を味わい、疑問が頭に浮かんだなぜ? さっきエヴァに吸い尽くされた時よりも快楽が上乗せされている。その疑問にエヴァは笑いながら答える。

「交わることで気が交じり合うのだ。お前は私の従者と性交をしたからその気が交じり合い、より強く射精の時に私に奪われるようになっているんだ。なかなか固さを増しているな一気に行くぞ」

「エ、エヴァ様少し待って」

「だめだ」

 即答共に一気に分身を追い詰め切られた彼はそのまま射精すると同時に糸が切れたように倒れた。精力は料理と薬酒のおかげでまだ余裕がある。だが強すぎる快感のせいで頭が限界に近い。それを見てエヴァは何かを閃いた様にいう。

「そういえばあの支配する性魔術を使ってメイド達に負けた後に私とすれば、もっとたくさんの霊力を奪えるし快楽を与えられるかもしれんな。 やってみるか」

「そ、そんな」

 言葉が終わるより先にエヴァの指から魔力でできた糸が伸びてきて彼の体に入ってくる。

 そして彼はエヴァにやったのと同じ術をメイド達全員にさせられた。 その結果全てのメイド達に負けて呪い返しを受けた状態になった。
銀髪のショートカットのメイドにからかわれながら射精した時彼女はゆっくりと敗北を刻み付けながら、たまにエヴァに頼んで横島の体だけじゃなくて、
精神まで子供に戻して大人の姿では絶対に言わない恥ずかしい言葉でのおねだりをさせたりしてきた。

 黒髪のショートカットのメイドはポニーテールのメイドと二人がかりで彼を交互に嫐り、猫が鼠をいたぶり遊ぶような快楽と、ひたすら機械的に効率よく追い詰めてくる快楽を交互に送り込み楽しそうに彼を嫐ると離れた。


675 :名無しさん@狐板:2023/09/01(金) 23:00:13 ID:VCvOXWZS

 茶髪のメイドは最後の下ごしらえをするかの様にひたすら陽気な様子で遊ぶように彼の体を堪能しひたすら優しい性行為を繰り返した。
エヴァの厳しい快楽を強める前振りだとわかっておびえる彼を励ますように抱きしめながら笑って言う。
その言葉の衝撃だけで、彼女に飲み込まれている彼の分身は射精思想になる。

「大丈夫ですよ。エヴァ様がやり過ぎても私や愛歌様がいますから再起不能になっても私たちの快楽で必ず復活させてあげます」

「再起不能にならんっていってな」

 言葉をつづける前に彼女が優しく動き彼を射精させるとエヴァに道を譲った。エヴァは笑いながら彼を抱くとそのまま一気に彼の分身を飲み込んだ。

「なかなかに味わい深い霊気になっているな。それでは上からも血をもらうか」

「〜〜!」

 エヴァにかみつかれた彼は本気で快感が限界を超え、そのまま意識を失いかけたその彼の叫び声を聞きながらエヴァは耳元に口をつけて言う。

「忠夫、股間の『杭』で私を倒せるという慢心が完全に幻想でありとんだ『悔い』の日になったな」

 その言葉を最後に彼の意識は闇に堕ちた。





 次に目覚めたとき、彼は再び回復させてくれる料理を持ってきたエヴァのメイド達に囲まれていた。もう襲ってくるような気配は皆無だ。銀髪のメイドが料理を運びながら彼に言った。

「エヴァ様は多分気づかせないように気を付けていたと思いますけど、旦那様が一割くらい無意識に股間の杭でエヴァ様を倒して雌犬にしてやるみたいに考えていたことは一切怒っていませんでしたよ」

「多分嗜虐親に火がついちまっただけかな」

「それもあるけど、旦那様が心配だったのでしょう。女権国家由来の魔物たちや英霊ともこの施設では戦わなければだめでしょう」

「ああ」

 横島の答えに黒髪のショートカットのメイドが言葉を続ける。

「そこに来てあのダヴィンチの本を読んでしまって性魔術も会得してしまったじゃありませんか。 あの性魔術は本当にすごいです。
女権国家とストレリチアの女性以外なら、普通は男性が閨で勝てないサキュバスとかも圧倒して雌犬にしてしまえるほどですから、
9割、いえ99パーセント無理だと思っていても女権国家やストレリチアの女性にもそれができるかもと1パーセントくらいは思ってしまったでしょう」

「エヴァが言ったことは嘘じゃなかったから実際俺はそう思ったんだろう」

「そうです無意識にそう思ってしまわれると、怒りを煽りこの女を犯してやるみたいな、精神操作をして男を逆に奴隷にする魔物の術が効きやすくなってしまいますから。
だから完全に女権国家の女性には勝てないと無意識に刻み込む必要があったのです」

 多分エヴァはこれぐらいで横島が自分を嫌いにならないとわかっていることで言う必要はないと、思っているのだろう。
だがメイド達は一応エヴァの為に言っておくべきだと思ったのだろう。エヴァは後にならないと気づけない類の思いやりを何度ももらったことがあるが、英霊になった今もそれは変わらない様だ。
エヴァへの感謝と、メイド達の主人を思う気持ちに感動する彼の所に、少し言い辛そうなことを言いに来た時の表情をしているダヴィンチが部屋に入ってきた。

「あー、忠夫、いい知らせと悪い知らせがあるんだけどどっちから聞きたい」

 こういっているがこの天才は横島がどっちと答えるかもう予想済みなのだろう。

「いい知らせの方から頼むわ」

「今回のエヴァのやりすぎ指導に対して、君をいたわりたい君の女性陣は怒らなかったよ。エヴァの本心にも気づいたみたい」

「それで悪い方は」

「ヴィヴィオ陛下がね『あの指導は必要なものだったから文句は言わないけど、エヴァばっかりずるい』と言って、他の女性陣も内心今回のこれやりたいと気持ちが揺れているみたいで。多分、いや絶対やりたがり始めるね」

「女権国家の女性の怖さ知っていながら、一割でも閨で勝てるとか思ったワイがバカやった」

 横島の悲痛な声を聴きダヴィンチは同情しつつできるだけ彼に対する被害が少なくなるように天才的な頭脳を巡らせ始めた。そして心の中で思った。

『文字通り9月1日エヴァさんと股間の杭で倒す『杭の日』じゃなくて『悔い』の日になっちゃったね』


676 :名無しさん@狐板:2023/09/03(日) 18:16:03 ID:5SdJdNLo
おつ

677 :名無しさん@狐板:2023/09/03(日) 18:16:09 ID:5SdJdNLo
おつ

678 :名無しさん@狐板:2023/09/03(日) 21:44:49 ID:ypLCl5eN
乙でした

679 :673:2023/09/03(日) 23:13:47 ID:83Kercn7
>>676
乙感謝です
>>678
乙感謝です

680 :名無しさん@狐板:2023/09/20(水) 00:26:30 ID:ddeWyU6F
翼 : 今、マリア(のおっぱい)と比べた?

あなた : え?……………………あっ(やべ、無意識に比べてた)

翼 : (ま、おっぱいに関しては別にええわ)

翼 : (それより夜伽の最中に他の女の事考えやがってるのが腹立つな〜)


翼 : (これはもう塗りつぶし必要やな)ニッコリ

あなた : あ、いや、そういう事(マリアのおっぱいの方が良い)を考えてはいなくて……

翼 : ニコニコ

あなた : ……(おっぱいの事で)怒ってる?

翼 : そんな事ないけど?(おっぱいの事ではね)

あなた : (いや口調が変わってる〜……!)

681 :名無しさん@狐板:2023/10/31(火) 22:20:44 ID:mYV6DFw+
これからSS投下いたします。その前に次に投下するSSに出てくるこのSSオリジナルの女権国家の設定を出します。

682 :名無しさん@狐板:2023/10/31(火) 22:27:12 ID:mYV6DFw+
設定『雄々しき獅子の祝福』
 雄々しき獅子の祝福とは愛歌が王女を勤めていた王朝が編み出した穢れなき純潔の束縛と多少の類似点がある類の魔術であり、
これを受けたものはいかなる快楽を受けてもまっとうな倫理観などを失わずまさにライオンが象徴するような心を持ったままでいられる。
この雄々しき獅子の祝福は愛歌の王朝が滅びる前はある程度の成果を上げた。
敵軍の女性に犯されたりした男性の寝返り防止や旧王朝の女性と純愛を育んだ男性たちは女権国家の今の王朝を作った女性達相手にある戦果を挙げ最後まで寝返らず奮闘をした。
だが男性が女性に閨で負けるのが恥ずかしいという思いが強い他国の義勇兵や傭兵たちも愛歌の王朝に義がありとして加勢し始めてこの祝福を受け始めてから、戦況の悪化の一因ともなった。
男性が女性に閨で負けるのが恥ずかしいという考えも固定されると聞き女権国家の現王朝の女性達の嗜虐心を煽り、多くの志願兵を生みだしてしまった。
囚われた男性たちの精神は快楽に抗えず、それでいて倫理観を失えない生き地獄と化したのを見て、愛歌の王家は敗戦色が強くなった時にこれを禁止し、術が失伝するように全力を尽くした。

683 :名無しさん@狐板:2023/10/31(火) 22:32:28 ID:mYV6DFw+
2023年ハロウィンSS 上司の善意と悪意なき悪戯で堕ちて生まれた英雄の誕生譚

 このSSは現在本スレで連載中の女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。

@まだ本編で誰のヒロインになるか確定していない、ヒロインが横島ヒロインになってます。あくまでもIFとして読んでください
A女権国家の風習に独自解釈が含まれています。
BカフェD4Cとさとりの利用に独自解釈が含まれています。
Cハロウィンまでに横島がヒロインたちの好感度を200越えさせまくったという設定です。
Dユウキがインプに転生しています。そしてインプの能力に都合のよい独自解釈が含まれています。
E愛歌様の王朝の名前を勝手に沙条王朝にしています。そして過去のいくつかのSSとこのSSに登場させた特定の祝福に対する設定をSS前につけています。







 女権国家の特殊私設カフェD4Cそこで赤いバンダナをまき首から下は青い服で統一された衣装のそれなりに整った顔立ちをした男が、快楽に浮かされたような悲鳴を上げぬいた後、辺りを見回した。
彼の顔には安どの色が浮かんでいる。まるで最悪の事態を夢に見て、それが夢だったとわかったかのようだ。少し不安がり恐怖の色がある彼を少女とすら見えかねたい美少年が手を握り声をかけた。


「忠夫、分かった? 今の自分がどれだけ危ない状況にいるのか。怒らせたり不義理しなくても、好いた男からの失言が地雷になるときは、女性からの好意が大きいほど危険なんだからね」

「あ、ああ。よくわかった。大鳳本当に助かったわ。女性として魅力がないみたいなことを言って切れさせたら、快楽地獄からの雄犬街道まっしぐらやな」

「本当はもっと早く、忠夫にこの体験させるつもりだったんだけど、僕も忙しくてぎりぎり手遅れじゃない今しかなかったんだ」

「ああ。わかっとる。ワイもこの時間まで女権国家で修羅場をくぐってきたんや。そんな簡単には堕ちん。しかし、さとりにもう少し頼ったほうが良いかな。大爆発までいかなくても、それなり以上の地雷結構踏んどったかもしれんし」

 横島とさとりはある契約をしているらしく。さとりは横島をある意味破滅させるように誘導しようとする代わり、正解な質問をされたら、そのときはあきらめて始終手と知恵を貸すというものらしい。
横島はさとりの恐ろしさを知ったからこそ滅多に使わないが、それでも頼ることにした様だ。

 心配したような表情の大鳳に彼は告げた。

「大丈夫や。さとりは『正解です』って言った時はワイが気づいたとみなして全面的な協力者になるが、不正解の時も敵に回りはするが一つ二つえげつない罠を仕掛けてくる程度やし、
相談したことに対するヒント自体はくれるからどうにかなるやろ」

「忠夫、でも今日はハロウィン、忠夫にとって一番危険な日だけど大丈夫?」


「お菓子は山ほど持っとるし、一応魔女や悪霊が山ほど来ても自衛くらいはできるし、エヴァやアルちゃんやアリスそしてインプになってめちゃくちゃ強くなったユウキもおるしどうにかなるやろ」

「彼女たちも危ない気がするけど」

 気遣う大鳳に礼を言うと横島は日付が変わるギリギリの夜の街を駆けた。さとりのもとに向かうためだ。正解すれば協力極まる味方ができるし、
間違えてもいささかえげつない嫌がらせをされるが最低でも一番知りたいことは嘘をつかず答えてくれる。




 さとりの住居に訪れた横島は開口一番にさとりとこいしに言葉をかけられた。

「「トリック・オア・トリート」」

「おう、用意しとったぞ受け取れ」

 二人にそれなりに味は確かなチョコを渡すと、彼は対面に座った。受け取ったチョコが安価だがそれなり以上に美味しい名品なのを見て、素直に喜ぶこいしと、
バカにしづらいし怒りづらいし、喜ぶのも安っぽいという微妙な表情をするさとり、相反する対応だと彼は思った。そのさとりの反応を見ながら彼が口を動か前に考えを読んださとりが答えを返してきた。

「まったく日付が変わる前から準備万端ね。これでは襲えなくて嫌になってしまうわ。 もしもお菓子を持っていなければ『想起・D4Cで体験したイフ世界の快楽地獄』をしていたのに」

「せやけどさとりちゃん、もっているってわかとったやろ。心読めるんだから」

「ええ。少しでもあなたがハロウィンでひどい目にあう可能性を増やすためにお菓子を減らしたくて。
あなたは子供と人外に好かれるから、ハロウィンでお菓子を切らしていたら性癖が壊れるくらい女の子たちに襲ってもらえそうですよ。
嬉しい?元旦でバカにしたチンチクリンな女の子の裸で股間がいきり立つ変態へのクラスチェンジのチャンスよ」

「嬉しくない。ワイはただでさえもやばい人外に逆レされそうになった時に、やむを得ず愛歌ちゃんに『雄々しき獅子の祝福』もらって価値観が固まっとるんや。
幼女にや少女に欲情するだけでも罪悪感と情けなさでやばいのにベッドの中で女性優位の性交されるとか死にたくなるわ」

「なんでそんな祝福を。ああ、快楽で価値観を壊して下部に変える術に長けたものに逆レイプされる可能性があったから、ね。確かにある意味安全度は上がるわね。 それどころかその術がかかっていることに気づかれなければ、快楽で敵方に寝返ったふりして後ろから撃つこともできるしね。 一度かけると、かけた当人でも材料とか揃えないと解けないとか大変ねぇ」

「ああ」

 相槌を打つ横島をさとりは面白そうに眺めながら言った。

「少女に化けたアリスさんと愛歌さんが女権国家の女らしい色仕掛けであなたを誘惑。女権国家の女性達の色香の振りまき方をみて、
上級者が相手だと少女でも欲情するか試してみたと。 少しだけその時欲情してしまい、罪悪感が半端ないと。残念ねぇその場で誘惑に耐え切れなければ、その次に私と合った時が王国男子としての最後の日になったのに」

 さとりの男を誘う声音に僅かな反応を覚える自分の欲望を彼は抑えると、こういう少女に嫐られ喜ぶ男たちの気持ちが僅かにわかるようになった辺り女権国家は本当に怖いと感じた。 彼は少し悩むと答えた。

「さとり、そろそろ前座の話は終わりにして、本題に移ろういつものゲームを頼む」

「ええ。任せなさい。数回目になるけどいささか久しぶりだから、もう一度ルールをおさらいするわね」

「ああ」

「私たちはあなたたちの為になる情報をいくつも集めている。そしてその情報を差し出すゲームのルールは
@ 貴方の求めている情報を私たちが知っていた場合に限りこのゲームは成立する。貴方が求める情報にはすべて真実で答える。
A ただし、協力を仰いだ時点で私たちが罠を仕掛けようとするから、どこに仕掛けているかあてること。 正解を言ったら私たちはその件に関しては完全に味方になる。
B 不正解を出した場合は私たちは『貴方個人』を女権国家らしい破滅に導く妨害を始める。

以上だったわね」

 横島は頷きながらこれまでのことを振り返った。なんだかんだ言ってこの二人は約束は絶対に守ってきた。 三つ目の条件のおかげで彼個人の力で覆せる程度の妨害しかしてこなかったことが多い。
それも三つ目の横島個人だけを狙うという約束を律儀に守っているためだ。だからこそ彼は少し考えると質問を口にした。

「さとり。俺の周りの女性達の心理も調べているんだろうけど、ここ数か月で俺の味方の女性で俺が地雷を踏んだ女性はいたか?」

「いないわ。それとこれはサービスで教えてあげるけど、裏切ったり不義理はあなたはするタイプじゃないわね。でもあなたが犯しそうな失態。
好きな男に言われたからこそ向きになる類の失言が爆発するとやばい女性は山ほどいるわよ。ユウキなら自分の魅力を教え込みつくして完全にあなたを女権国家的な夫にしてしまうし、
愛歌はベッドの中というか王室風に言うと大奥の中の尊厳と自立心を殺しに来るわ。リグルとアリスは優しい快楽で自分から離れられなくしそう。
エヴァとアルとヴィヴィオは特にやばいわね。普通にわからせに来る感じだけど、魔王と闇の福音と聖王だからスペックと加減をしらないわ」


「そ、そうか。それで、さとり今回はおれが正解を言えなかった場合は俺を狙っている女権国家の妖怪と組むのか?」

「はずれ。解答券はあと二回よ」

「俺が最近助けて回っていた、少女たちとか獣人の子供たちは」

「またまたはずれ」

 どんどん楽しそうな表情になっているさとりに彼は恐怖を覚えた。これは相当な嫌がらせを思いついた顔だ。テンションも相当高くなっている気がする。横島は恐れを消しながら、一番手を結ばれていたら困る勢力の名前を口にした。

「前世の因縁の敵とかハロウィンの新勢力と組むか?」

「三回ともはずれですー♪ 快楽地獄に堕とそうとする女性との連携楽しみにしていてくださいね。想起連発で忘れられないハロウィンにしてあげるわ」

 最近のさとりは司会者の仕事を闘技場でやって稼いでいるせいか、時々テンションが上がると敬語になる。彼はこのハロウィンは楽にはならないなと思いながら帰ろうとするとさとりが不意に言葉をかけてきた。

「今回のハロウィンもしかしたら私たちは不参戦かもしれませんよ。条件を満たさなければでれないので。 でも出られたときは楽しみにしてなさい♪ 元旦のお礼をたっぷりとしますから♪」

 おそらくこの言葉は本当だと横島は思った。質問のやり取り以外は約束していないが、
さとりは心理の貴方を突き『自分はバカな見落としをした』と落ち込む彼に追い打ちをかけるのが大好きなサディストなのだ。 負けたら洒落にならないことになると思いながら彼は覚悟を決めると、さとりの住居を出た。


684 :名無しさん@狐板:2023/10/31(火) 22:37:04 ID:mYV6DFw+





 さとりとの会談の次の夜の横島はブラックな戦場という地獄を味わった。色香的な意味で襲ってくる女権国家的な魔物だけではなく、純粋な暴力で人々を脅かす魔物たちもいた。
横島はそういう魔物たちにお菓子を渡したりしながら戦闘をした。理由としては魔物は信仰に影響を受けるので、ハロウィンの魔物として出現した以上は『お菓子を受け取ったら悪さしない』というルールにある程度は縛られてしまうのだ。
追い返せなくても、多少は弱体化するのを見越してお菓子を使いながら彼は多くの敵を霊波刀で切り裂いた。女権国家の自分に懐いてくれた少女たちを助けながら彼は戦いぬいた。
横ではテンションの高い陸八魔アルが悪霊の軍勢を率いて子供たちを護らせて奮戦している。

「貧民や孤児には炊き出ししたり面倒見るのがアウトローのたしなみ、私のシマに手を出すのはベリアルへの宣戦布告と知りなさい」

 羽振りが良くなると失敗で金を溶かしたり、あるいは同情の余地のある人々を助けるために見えと善意が入り混じった感情で大損したりを繰り返し、魔王の力を取り戻した今でも、
その力よりは富が小さい彼女を好ましく思いながら彼は霊波刀を振るった。アルが魔王の力を込めた銃弾を打つたびに、悪霊や悪魔の群れを率いる特に強い敵が四散し統率が乱れる。
そこにさっきまで、近接戦闘もできるが本業は術という感じの戦いをしていた横島が、霊波刀を出現させながら一気に切り込む。
虚を突かれた悪魔の群れが体制を立て直す前に彼は切り込むと特に強い対象に『誘』『導』の文珠を投げた。そしてそれが敵のボスに効果を及ぼしたと確信した瞬間にアルの銃の引き金が引かれる。
その瞬間その魔物の運命は決し一撃で魔物は消え去っていく。それを契機に参加していた悪霊祓い士たちが勢いづくとそのまま敵の手勢は一気に殲滅された。


 疲れ果てたように倒れた横島にアルが上機嫌に近づいてきた。

「忠夫見事に片付けたわね、これで今年のハロウィンは勝利確定よ」

「アルちゃんの頑張りがなければマジで危なかったで、本当助かったわ」

「まあ、悪魔たるもの契約は守るしアウトローとしても自分の縄張りの無力なモノは飢えさせたりいじめさせたりはしないものだから」


 天真爛漫な笑みを浮かべながら、寄付している孤児院に近づきかけたかなり強力な魔物を一撃で冥府に返すアルを見ながらどんなに力を取り戻しても彼女は変わらないなと、横島は思った。
大局が決したのを見て、彼は帰路につくことにした。これならもう今夜は大丈夫だ。帰ろうとする彼をとがめる女性の悪霊払い士たちはいない。
女権国家ではこういう行事の日に男性の悪霊払い士に限界まで戦えと言うのは、助けたり格好良いところを見せた女たちの夜の相手までしろというのと変わらないからだ。 





彼は疲労と満足の入り混じった表情で付き合っている女性達の本拠地の洋館の玄関に賭けた。愛歌の王朝の別荘の一つを買い取り、改装したものらしいが詳しくは知らない。
本当に危ない時に限ってはこの洋館に身をひそめることにしている。ここにたどり着くまでに。比較的善良そうな魔物や、ハロウィン限定で呼び出せたらしい、アルの地獄の配下達にお菓子を大量にとられ、
自宅に戻ったときにはほとんどお菓子がなくなっていた。




 横島が簡素だがそれなりに豪華な門を開き家の中に帰ると、ユウキがさっそく出迎えてきた。

「忠夫、トリック・オア・トリート♪」

「ああ、まだ残っとるで」

 そういうと彼は、王国時代からよく彼女の見舞いの際に買っていった、味が良い県呼応食品でもあるお菓子を渡した。

「これ覚えていてくれたんだ。ありがとう」


「ああ、一応お菓子欲しがりそうなメンバー分は残しておけたと思うが予定外にお菓子を使う羽目になって疲れたわ」

 そういって彼が戻るとリグルとヴィヴィオにも要求された。そして彼にとって予想外だったのは、アリスが子供の姿になっていて、丁度彼女でお菓子を使い切ってしまったことだ。
愛歌の分にする予定だったお菓子がなくなったが彼女は欲しがらない可能性の方が高いから素直に悪戯で許してもらおうと思った。


 愛歌の部屋に入ると笑いながら彼女が口を開いた。

「忠夫、トリック・オア・トリート」

「いたずらで頼む。もうお菓子は使い切って品切れや」

「あらそう。それじゃあ、『王女らしい』悪戯をさせてもらうわ」

 そういって愛歌はすっと彼に子供がするような親愛のキスを思わせる口づけを彼の口にするように見せて不意に、後ろの頭を掴み下まで絡めるキスをしてきた。
口を通して脳を直接快楽の槍で抉られるような感覚が走り彼が腰を落とすと、どこからともなく現れてきた、アリスとエヴァが霊力でできた糸で彼の分身と玉袋を縛り射精を禁じた。
そして三人がかりで服を脱がせ始めると、不意に彼が今日はもう見たくなかった顔であり、もう今日は見ずに済むと思っていた顔が現れた。古明地さとりとその妹こいしである。さとりは笑いながら言った。

「本日付で愛歌様に仕える侍女となりました古明地さとりです。こいしは愛歌様の家臣じゃないけど、ボランティアで円満な夫婦生活を送るための、手伝いをさせていただきます。こいし、彼の無意識の操作よろしくね」

「はーい、お姉ちゃん。 忠夫兄ちゃんが罠にはまって嬉しいな! この国に来てから目覚めた能力でたっぷり楽しませてあげるね」

 こいしが言い終わるとさとりが楽しそうに腰砕けになった彼に向けて叫んだ。

「『想起・D4Cで体験した惚れた男を得るための全力スイッチを踏んでしまった夜の経験』」

 さとりの宣言と共に彼は、一気に意識が堕ちた。





 ある夜この洋館でエヴァとアリスに彼は嫐られていた。アリスの優しい手つきとエヴァの激しい快感を与える手が彼の分身を嫐り、二つの手の落差が彼に一切の慣れを覚えさせない。
エヴァの乳房とアリスの乳房が彼の顔を左右から挟みこみそして手が容赦なく彼の分身を撫で時には玉袋を揉みしだく。何度も寸止めされた直後にアリスが彼を抱きしめると分身をゆっくりと飲み込んだ。

「忠夫気持ちい良い?」

「あー!」

 叫び声と膣から漏れ出そうになるほどの精液がその問いへの答えとなっていた。アリスは霊力を吸収すると笑いながら、大人の姿となっているエヴァと交代をした。エヴァの乳房とアリスと対照的な激しい攻めが始まる。
彼女の体内に飲み込まれた分身が、アリスの優しい責めと反対の激しい快楽で彼の脳を破壊していく。彼女が笑いながら首筋に牙を突き立てると、彼の射精の量が余計に増えて悲鳴もより強くなっていく。不意にエヴァが思いついた様に言葉をかけた。

「私はアリスと違って多少はこの形態でいることに、疲労がある。そうだな。いつでもお前を貪れるように少しお前の性癖を改造するとしよう。アリスも協力してくれるか」

「ええ。もちろん。私は子供の姿で忠夫をいじめるのも好きだから」

 そういうとエヴァは不意に子供姿に戻った。大人の姿とは違うより強く絞りつくす快楽が彼の射精した直後で敏感になっている分身をより強く絞る。 エヴァは彼の顔を見て笑いながら、笑みを浮かべて彼の乳首にかみつき少量の血を吸い始めた。

「ひやー!」

 奇声を上げる彼をうっとりとした表情で少女となったアリスは見ていた。エヴァはその声を聴きながら硬骨の表情で逃げようとする彼を吸血鬼の力で押さえつけより深く分身を飲み込む。 
感電死する人間の様に痙攣する彼の痙攣がどんどん激しくなり。大量の射精と同時にこと切れた様に止まるとアリスがエヴァを引き離した。

「次は私の番ね」

 エヴァに絞りつくされ動けない彼を見下ろしながらアリスは大人の姿の時と変わらない動きで優しく彼の分身を飲み込んだ。
アリスの優しい責めはエヴァのどこまでも激しい快楽と対極的な感じでいつでも射精してよい問い形で彼の脳髄を溶かし堕落させる動きだ。
エヴァの時は強い快楽過ぎて思い浮かばなかった『雄々しき獅子の祝福』で強化された女性それも幼女姿の相手に閨で良い様にされている恥辱心がよみがえってくる。
だがそれすらも彼女に何度も射精させられるごとに思考力と共に溶けていく。アリスが笑いながら離れると、不意に愛歌が入室してきた。


685 :名無しさん@狐板:2023/10/31(火) 22:39:54 ID:mYV6DFw+


「忠夫、子供姿のアリスとエヴァさんに嫐られていてどうだった」

 横島は愛歌の問いに答える間もなく、救いの女神を見たような目で彼女を見ながら愛歌の足に縋りついた。

「愛歌ちゃん助けて。何も悪いことしてないのに今日の二人の責めがおかしすぎるんや。このままじゃおかしくなる」

 横島の問いに愛歌は笑って答えた。

「悪いことしてない、『道義的な意味なら』そのとおりね。でもあなたは女権国家で戦う男としては『無知と過信』という罪があるわ。
自分に本気で惚れている女権国家の女性相手にあんな格好良いことをたくさんしたらこうなるに決まっているじゃない」

「あ、ああ」

 愛歌の優しく諭す言葉を聞きながら彼は愛歌の足に抱き着く力をより強めた。愛歌はエヴァやアリスとここ数か月ですごく仲が良くなっている。
だからこそ物騒なことにはならないという信頼が強い。ここで愛歌に『勉強代打とおもって今夜は二人に奉仕しなさい』とか言われたらもう終わりだと彼は思っている。
だからこそどんなに無様でも愛歌に懇願して『今夜はここまでにしてあげなさい』と言ってもらいたいのだ。
ここ数週間は愛歌がすごく喜ぶことをいくつもしてのけたから絶対にそうしてくれるだろうと信じている。それに二人は愛歌に幾つか恩があると言っていたから絶対に聞いてくれるはずだ。
だがその期待は、もっとも無残な形で裏切られた。

 アリスとエヴァが大人の姿に戻ると、エヴァが言った。

「愛歌、私とアリスが受けたお前への借りはこれで良いか?」

 エヴァに続きアリスが口を開く。

「ええ、私も楽しかったから、これで借りを返したことにしてもらうのは少し後ろめたいのだけれど、いいの?」

 その言葉を少し理解できなかった彼は不意に愛歌の念力で動かされベッドに投げ落とされた。愛歌は心底楽しそうな笑みを浮かべて彼を見下ろしながら言う。

「私の英雄さん。今言ったでしょう? 自分に本気で惚れている女権国家の女性相手に格好良い姿を見せすぎるとえらいことになるって」

ここまで言うと愛歌は楽しそうに言葉を続ける。

「本当に英雄と呼んでいい程になったけど、そこが鈍すぎるわね。今回の黒幕は私。動機は前の私とアリスが付き合った色香に惑うかどうかの訓練で私くらいの少女には欲情しないのがわかったからよ。
だからアリスとエヴァに頼んで私にも欲情できるようにしてもらったのよ。 さあ、私を見て」


 そういって愛歌が王族らしい洗練された所作で服を脱ぎだすと彼の眼は昔色気がありすぎる幼女の誘惑を受けて不安になった時の訓練の時とは違い、まだ乳房も尻も出る前から愛歌の足と脱ぎかけの部位にくぎ付けになった。
これが少女形態のアリスとエヴァに犯された影響だろう。愛歌が脱ぎ切ってもいない状態であるにも関わらず彼の分身は天を突くほどにそそり立っている。脱ぎ終えた愛歌が裸体で男を閨で受け入れる女の動作をし、手を広げると痛いほどに分身が固まったが腰砕けになった彼の体は動かない。愛歌は近づいてくると楽しそうに彼の分身を足で踏みつけた。屈辱感と快感だけを与え、一切痛みのない圧迫に苦しむ彼を小気味よく見下ろすと愛歌いった。

「今夜で完全に私の虜にもなってもらえそうね。『雄々しき獅子の祝福』のおかげであなたは女性に閨で負けるのは恥ずかしいという思いも強いでしょう。
一国の王女とはいえ、こんな少女に閨で負けるのは恥ずかしい、でも恥ずかしくてみじめな程背徳の快楽も大きいでしょう」


 愛歌が彼の分身を飲み込もうとした瞬間不意に、さとりとこいしが現れた。彼女は笑いながら言う。

「かつてバカにしたチンチクリンの肢体にある意味大人の女性以上に欲情する変態への転生に立ち会いに来たわよ。
愛歌の依頼でこいしに今から貴方の無意識を操作させるわ。こいし女性に負けるのが恥ずかしいと、少女に欲情したら変態という無意識を最大にしてあげなさい」

「はーい。早く私とお姉ちゃんにも欲情するゴミ変態になってね、横島さん♪」

「さとりちゃん、いやさとり様お願いですから手心を」

「元旦の時に行った根に持つしすぐ復讐するという言葉を思い出しなさい」

 愛歌が笑いながら彼の分身を飲み込むとかつて女権国家の王族を勤めた魔膣が彼の分身を優しく飲み込んだ。この快楽を味わえるならどんな英雄にでもなる。
そういう思いが沸いてくるほどの快楽とは反比例して、即座に爆発した分身が彼女に大量の霊力を与え、逆に自分は体を動かすことすら困難な程霊力が吸い尽くされていくことに気づいた。
愛歌がアリスに目配せをすると、アリスが呪文を唱え彼の視点が自分を似せた人形に移った。男として女性に負けるのが恥ずかしいまして少女にという意識が最大に高められた状態で彼は、
もっとも恥ずかしい敗北をしている姿をあちらこちらに仕掛けられた自分を模した人形の視点で見せられた。アリスが彼の体の中に魔力でできた糸を入れて、時に愛歌と口づけをさせてあるときは乳房や尻を揉みしだかせると、
彼は愛歌の乱れながら自分を支配する姿に完全にくぎ付けになり、少女に負けている背徳感が余計に快楽を強めていく。 心地よさしかない麻薬の様な快楽の時間が終わった後、屈辱感がなければ自分は天国にいたと勘違いしていたのではないかと思った後で、彼の視点が自分の体に戻り目の前には笑みを浮かべる愛歌がいる。

「私の英雄さんこれからもよろしくね。ところで一つ聞きたいのだけれど」

「な、なんでしょうか」

 無意識に敬語が出た時彼は自分が完全に愛歌に屈服したと感じた。それに対して愛歌が笑みを浮かべて言う。

「雄々しき獅子の祝福、解いてほしい?」

「い、いえ」

「それは任務上。それとも私に辱められるのが癖になっちゃった?」

 いたずらっぽい嗜虐的な笑みを浮かべる愛歌の問いに答えたのはさとりだった。

「7割くらいが辱められたいで3割が任務の為よこのゴミは」

「さ、さとり」

「あら、もう幼女の色香すら効くようになった身で私に勝てるとでも?」

 さとりが服を脱いでみせると、彼の分身がそそり立ってしまい、それを見てさとりが嗤いながら言う。

「子供にすら立つ変態完成ですね。『想起・自分を好いてくれている少女と、子供形態の女性達の足淫』」

 その声と共にヴィヴィオ、エヴァ、アリス、リグル、愛歌たちから受けた足コキの快感が彼を襲ってきた。そしてそれに苦しむ彼の分身をさとりが踏みつけると限界を迎えた様に彼の分身は一気に射精した。
動けなくなった彼にさとりはまたがると楽しそうに分身を飲み込み笑う。

「射精して精神に隙ができたので、たくさん読み込むことができましたよ。『想起・女権国家で受けた快楽堕ちした逆レイプ』」


 今の愛歌やエヴァにやられたことをはじめとして女権国家で受けた強すぎる快楽の夜の日々が一気に蘇りさとりの膣内に異常な量を放ってしまった。
自分を蔑む少女に絞りつくされそれが癖になったのを見てさとりは笑う。その横から愛歌が声をかけた。

「さとり、約束通り今回の件で元旦での無礼は帳消しにしてあげなさい」

「ええ。十分に彼も懲りたでしょう。 これからは側室の一人として一生どころか来世まで尽くします。あ・な・た♪」

 さとりとの性行為が強いトラウマとなっている見越したうえで意中の男に嫁ぐ小娘の様な声での宣言は彼の心に大きな恐怖と絶望を与えた。
それを見ながらさとりは心底楽しそうに笑う。侮蔑を込めた笑みが余計に分身を強く固くすることが『雄々しき獅子の祝福』
で固定された価値観が産む己の中から出てくる罵倒をより強くしていく。それを見下ろしながらさとりは楽しそうに笑った。




 現実世界に戻ってきた横島は、辺りの景色が一気に変わっていることに気づいた。自分大きなベッドに寝かされており、目の前には裸になっている女権国家に来てから縁を結んだ女性達がいる。
情事の後の匂いがしてさとりに想起された後、自分は彼女たちに嫐られてもいたのだろう。 さっきまで彼と繋がっていたらしいさとりが嗤いながら言う。

「どうです。D4Cで体験した中でも今回の世界と特に近いトラウマを想起しましたけど。長時間になるようにして私たちもいただきました。しかし、長時間の夢である想起の中でまた想起されるというのも奇妙だったでしょう」

 言い終えて、さとりが引くと横島から莫大な霊力を吸い取った愛歌が笑みを浮かべていた。

「忠夫、どう。もう私にも欲情するようになったでしょう」

 現実でも同じことをされていた。そう理解すると性交を通じて魂が屈服させられた上に完全に愛歌に魅了されている感じがする。だがそれを嫌とは思わなかった。

 愛歌が引くと再びさとりが彼の眼を覗き込みながら言う。

「今回私が手を組んだ相手はあなたの敵対勢力ではなく、貴方への好感度が爆発した女性達だったのよ。地雷は踏んでなくてもここまで好感度を上げてしまえばこうなるのは確定、嘘は言ってなかったでしょう。
油断させるために私にしては随分と仕返しに時間をかけたわ。 それじゃあ続きの想起と行きましょうか。『想起・あの後他のメンバーも来た場合のif』」

さとりの宣言と共に彼の意識は再びイフの世界へと旅立った。






 愛歌たちに嫐られ抜いた後、アルとヴィヴィオとユウキとリグルが帰ってきた。彼女たちは横島を回復させると再び閨になげこんだ。
リグルが暮れた蜂蜜が主の栄養ドリンクと昆虫の唐揚げを食べると驚くほどに彼は回復した。アルと大人形態のヴィヴィオが左右から彼の分身を挟み何度も射精させながら笑う。


686 :名無しさん@狐板:2023/10/31(火) 22:41:43 ID:mYV6DFw+

「忠夫、聖王の力と魔王両方に嫐られるなんてめったにないでしょう。しかも真逆の霊気でやられているから慣れることもできない。どう気持ちいい?」

「あー!あー!」

 叫び声に嬉しそうに反応する二人とは対照的に拷問を受けている様な声を上げる彼の唇をリグルが口付でふさいだ。虫の唾液が入った瞬間、媚毒を受けたように体が熱くなっていく。

「忠夫、僕の体にも反応してくれるようになったんだ。それじゃあいただくね」

そういうとヴィヴィオとアルが彼から、離れ楽しそうに笑いながら彼にまたがろうとするリグルに道を譲る。リグルが笑みを浮かべて彼のそれを飲み込むと。
虫の交尾の様に一気に子種をえぐり取られたような快楽が彼を襲い一度の射精で一気に削れ取られたようになる。それでもリグルから与えられた食物と酒のせいか、彼の体調は一気に回復していく。


 リグルは彼から離れると笑いながら言った。

「忠夫少し股間が汚れ過ぎているから綺麗にしてあげるね」

 リグルのしたが彼の分身を嘗め回すと、指一本動かすことすらきつい快楽が産んだ脱力にむしばまれていた彼が始めて逃げるように動きかけた。それほどに無視の女王の唾液付きの口淫は凄まじかったのだ。

「リ、リグル。今まで受けた中で一番気持ちよ過ぎて」

 それを聞くとエヴァが笑みを浮かべて近づいてきた。

「ふむ。私も今まで本気を出していなかったが、全力を出さすに一番を取られるのもしゃくだから本気を出すとするか」

 エヴァも彼の分身をなめまわし始めながら、時々牙を立てて少量の血をすすり始めた。
エヴァが牙を抜けば即座にふさがる傷だが、その直前に彼女の舌が彼の傷口をなめ意識を飛ばし始める。何度か射精をさせられたのちに、二人が離れると、大人形態のヴィヴィオが彼を押し倒した。

「悪霊や妖怪たちに犯されてそれに慣れた後で聖王の体を味わうのはとても新鮮でしょう。私のいえ、私たちのモノになりなさい」

 王らしい宣誓と共に彼のそれを一息に飲み込むとエヴァとリグルの最後の寸止めで余計に大量の射精が起こり彼は悲鳴にすらならない声を上げ続けた。
ヴィヴィオは彼を抱き上げると、その胸板で自分の乳房を潰し、腰をグラインドさせながら悲鳴を上げようとする彼の唇を唇でふさぎながら舌で彼の口内を蹂躙した。 エヴァとヴィヴィオが最後にした寸止めのせいで、
最初にいつも以上の大量の射精が起こり、その一度の射精で彼の中にあった僅かな反抗心が砕けて出て行った。 ヴィヴィオはその後も追い打ちをかけるようにその豊満な体で、彼を嫐りぬいていった。
ヴィヴィオの激しい快楽で完全に打ちのめされたようにベッドに倒れた彼をアルが交代するかのように押し倒してくると、ヴィヴィオにされたのとは反対のどこまでも堕落に誘うような膣が彼の分身を嫐り始める。
ヴィヴィオとアルは同じ豊満な体をしているがその与えてくる快楽は正反対だなと彼は思った。
アルが手加減をしてくれなければどこまでも堕とされそうな快楽がどこまでも彼を蝕み彼がそのまま眠りに堕ちかけるとアルが珍しく強い快楽を与えて彼を現実に戻した。

「忠夫、今夜のメインともいえる相手がまだじゃない。さあユウキちゃん仕上げをお願い」

 アルの笑みにユウキも楽しそうに答えながら前に出てくると彼に口づけをした。それが済むとリグルとアリスが彼に魔術をかけてくる。そして自分の体が何歳か若返り、
ユウキより背が低くなるとユウキが対面座位の形で彼の顔を胸で包む形で抱き留めながら彼と繋がった、

 心まで少し子供に近づいた彼が強すぎる快楽で意味もない不安を覚え始めた時にリグルの詠唱が終わり、彼に雌に食われている時に苦痛を感じないカマキリの加護が宿った。
そしてユウキの体の柔らかさに負けて射精した彼にユウキが嬉しそうに笑う。

「忠夫僕の体そんなに気持ちいいんだ。それじゃあ続きは夢の世界でやろうか」

「は」

 質問をしようとした直後に乳首を無理やり口に突っ込まれ脱力感を生む手で頭を愛撫された彼は半分眠りながら彼女の人形の様になりながら完全な眠りへと少しづつ堕ちていった。


 夢の中で彼は闘技場で、ユウキに敗れていた。それをさとりが楽しそうに笑いながら実況する。

「おーと忠夫選手本来の実力が半分も出せていません。王国男子なら恥ずかしくて憤死ものの性交を負けたらするという、脅しが逆に彼のマゾ的性欲を煽ったようです。信じられません」

 会場中が笑いに包まれる中で、さとりは負けてユウキに服を脱がされた彼の分身を踏みつける。

「もう決着はついたし、私もプライベートで彼の女性なのでここでもう初めていいでしょう。彼は『雄々しき獅子の祝福』を受けた状態でありながらこのシチュエーションで逆に沢山射精するクズですから」

「王国カップル始まり過ぎだわ」

 嘲笑めいた女性の声をさとりは拾いながら言う。

「今特にひどい侮蔑の言葉を飛ばした貴方、私たちの彼の分身を強化してくれてありがとうございます。彼もとっても喜んでますよ」

 さとりはぐりぐりと彼の分身を踏みつけ、ユウキが顔に乳房を押し付けながら玉袋を揉みしだく。不意にさとりが彼からもらっていた文殊を取り出すと嗤いながら言う

「今から行う想起は、会場中の女性にもこの『伝』の文珠で伝わりますよ。想起・王国男子なら恥ずかしくて死にたくなる性交」

 横島が過去に恋人たちを怒らせてされた王国でいうところの逆わからせ行為の恥ずかしい思い出と快感がよみがえり彼が射精すると。闘技場全体が嘲笑に包まれた。

「「「「「きゃははははー!」」」」」

「忠夫、少しは反省した?」

 怒りが収まり優しい声音できいてくるユウキに安堵と僅かに、残念だという感情が沸き上がる。自分はなぜユウキを怒らせたのか思い出せないが、自分が悪かったことだけはわかる。
これはこいしが無意識を操作して作った夢だからなのだが、それも気づかず彼はユウキ現実と同じように嫐られ周りの嘲笑とは対極のどこまでも包み込んでくる快楽に完全に身をゆだねた。そして不意に場面が闘技場からホテルへと変わる。

 ユウキが彼から離れるとホテルのベッドが脱力を与える気持ちよさで彼の力を奪い、こいしが彼の上で騎乗を始める。さとりが嘲笑めいた目を向けながらユウキと話し始める。

「さすが幼馴染ですね。あっさりと彼の精神防壁をすべて掌握できました」

「忠夫ってここまで僕に気を許してくれているんだ」

 嬉し泣きめいた一筋の涙を流しながら笑みを浮かべるユウキにさとりは言葉を続ける。


687 :名無しさん@狐板:2023/10/31(火) 22:42:47 ID:mYV6DFw+

「ええ。これでサキュバスとかの夢魔や精神攻撃はオカルト系だけじゃなくて、超能力もあなたが彼と契約している限りは凄く効きづらくなるでしょう。 こいしと二人でここまで手引きしたのだから代わりに」

「わかっているよ。この夢の世界と現実では忠夫をどう嫐ってもイイよ。ただし、僕が本気でダメだと思うことはさせないからね」

「ええわかってます」

 さとりが近づいてくるとこいしがいったん離れて、布団のもたらす脱力感で動けない横島に小声で言った。

「元旦の仕返し今夜で終わりにしてあげるわ。夢と現実両方で完全に堕としてあげる。ユウキちゃんや他の女の子たちも表層意識は私が、無意識はこいしがドSになるように私が誘導しておいたのよ。
さすがに本人たちの倫理観が許さないレベルのプレイに走らせるのは無理だけど。
本人たちが発揮できる最大のS心を芽生えさせたから、私がいなければ純愛エッチできていたのにね。こいし彼の無意識を操り男としてのプライドを最大にしなさい」

 そういった後、さとりは彼に手をかざした。

「想起・一番屈辱的だった各々の女性達との性交」

「あー!」

「いい声ですね素敵。その事態を生んだ少女に貴方はこれからその思い出を想起されながら一番恥ずかしい性交をするんですよ」

 

その後彼はユウキとさとりとこいしに、夢の中で好きに動かされながら激しく射精を何度もさせられ屈辱と敗北感で余計に大量の精を放つことに絶望させられながら、
時には快楽しかない状態に追い込んで精神を回復させられたりしながら長い夢を終えた。




目を覚ました彼を迎えたのは、朝焼けを背に彼に騎乗するさとりと、彼を嫐りつくして満足するこの国に来てから結ばれた女性たち。さとりはもう一度彼に笑いながら言う。

「安心しなさい。闘技場は夢だから。私の職場ですから再現しやすくてもしもあれ現実でもされたくなったら言いなさい。夢と現実両方で全員に尊厳と精を絞られつくした感想はハロウィンのトリートはどうだった?」

「最悪や」

「嘘つきなさい。心はそう言ってませんよ。私がいなければ彼女たちはここまでSに染まらなかったのに、あらひどいことした女に良い様にされて興奮してるわね」

さとりの言葉に内心で頷きながら元旦の失言がハロウィンの凄まじいトリートとなって帰ってきたと彼は思った。 落ち込む彼にさとりは続ける。

「まあ長く付き合って情も多少移ったし、王国に味方してあげるからそこは安心しなさい。一応私を切れない口実はあげたわよ。マゾゴミさん♪」

 さとりの言葉に分身が固くなるのを感じながら彼は彼女だけじゃなくて、女権国家で知り合った女性全ての女性に彼は完全に堕とされていると感じた。
笑いながらこいしと共にさとりが出て行ったのを見ながら彼は来年はお菓子を一つも用意する気も起きないかもしれないという僅脅えと期待が背に走るのを感じた。
それでもさとりを信じる気持ち捨てきれない。その理由は彼女が自分の精神の掌握権をユウキに与えたことだ。ユウキを信じる彼はその一点だけでさとりを決定的に敵と断じられなかった。
少し悩んだあと、彼がさとりを信じて最後まで彼女も命がけで護る対象とすると決めた時、気まぐれで部屋の外から彼の心を読んでいたさとりが少しだけ照れた様な表情になったことに、
さとりと共に部屋の外にでていたこいしだけが気づいていた。その表情が彼の選択が正解になる可能性がゼロではないことを示している。それが実現するかあるいは破滅に繋がるかは時が流れなければわからないだろう。


688 :名無しさん@狐板:2023/11/01(水) 21:26:51 ID:xIrJDjpb
乙でした

689 :名無しさん@狐板:2023/11/03(金) 22:35:28 ID:QHtIe5QB


690 :683:2023/11/04(土) 10:26:21 ID:0xP/Em6p
>>688
乙感謝です
>>689
乙感謝です

時間ギリギリで書いたせいで、タイトル変更するの忘れてて不一致な内容になってしまった。投稿前に注意書きだけじゃなくて、
タイトルも読まないとだめだな

691 :名無しさん@狐板:2023/11/12(日) 21:35:34 ID:AwGLZbg1
乙でした

692 :683:2023/11/13(月) 22:34:37 ID:Rp38su4c
>>691
乙感謝です

693 :名無しさん@狐板:2023/12/25(月) 23:54:34 ID:E93wd1G7
 女権国家クリスマスSS 猫たちに好かれる善行をなした横島のクリスマスの災難

これは現在本スレで連載中の女権国家の二次創作SSです。以下の注意点があります。

@ブルーアーカイブのゲーム開発部のキャラたちが出張ってきており、原作にはない能力を発揮します。
A横島ヒロインに応募されてもいない猫系ヒロイン達が出張ってます。
B上記のヒロイン達の中には横島に好意的だけどエロシーンがないものもいます。
Cシグルイのあるキャラが原作の悪性が消えて善性マシマシでて来ています。それでも原作でやった人によってはかなり嫌だと思う悪いことをしています
Dギャグイベを想像して書いたため四惑の狂三さんがキャラ崩壊しています。
E四惑の一人のあるスキルを勝手に滅茶苦茶高い設定したおまけがあります。



 女権国家の王国諜報部のアジトでたまにしかない連休の二日目、王国きっての有能諜報員大鳳が珍しく時計が9時を指しているにも関わらずかわいらしい寝顔をさらしながら布団の中で可愛い寝顔を見せている。 
僅かに目が覚めた彼は、朦朧とした頭で時計を確認すると、『そろそろ起きるべきかな?』と思った。 だがもう少しだけ寝て居ようと考えずるずると睡魔の世界に堕ちかけた時、不意に携帯が鳴り響き、
横島の携帯それも緊急の時のものだと認識すると、即座に彼の意識は覚醒する。 電話を取るまでの僅かな時間に彼の頭の中に可能性の考察が駆け巡る。

『忠夫から電話? 最近の忠夫は凄く有能になっているし、クリスマスは聖なる夜だから霊的な意味でも比較的安全なはず。
もしも、忠夫ではどうしようもない事件でオカルト絡みなら霊刀を持ったミクさんに出撃してもらうしかないかも。 仮に霊的事件でなくても今の忠夫がどうしようもないなら、ジャギも呼んだほうが良いかな?』


 考えをまとめながら電話を取ると元気のよい少女の声が携帯から響き、それが彼の警戒心を一気に引き上げた。

「貴方が忠夫の上司の人? オカルト系の事件に知識ある? 私たちを助けてくれた、忠夫がひどいことになっているの? 助っ人呼べない?」

 元気が良い声だが、慌てている状態の声を聞いたことで彼の警戒心が一気に下がった。自分を女権国家の女性達と付き合ってきたことで彼の嘘を見抜く能力もそれなり以上に高くなっている。
この電話口の女性は声音から嘘を言っている可能性は極めて低い。それに自分狙いの女性なら、横島の携帯を奪ってかけてくるよりうまいやり方はいくらでもあるだろう。

「ええ、僕が上司の大鳳です」

 答えながら大鳳の頭の中で面倒くさいことになったという思いもある。この電話口の女性は、明らかに横島に友好的な人物だが、
横島がどの程度情報を明かしているのかわからない。 しかも救助を求めてきている様子で嘘を言っている可能性は低い。そこまで考えが至ると、すぐに思考をまとめて彼は言葉を返すことにした。

「どなたかわかりませんけど、忠夫に友好的な人なんですね? 少しパニックになっているみたいなので、いくつか質問します。答えてくれたら動きますので」

「うん! わかったわ!早く忠夫を助けて」

 その言葉に渡りに船という感じの声が返ってきたので、大鳳はさらに警戒の度合いを下げながら、気を引き締めなおす。電話の相手は敵ではない可能性が高いが、
それでもこっちの情報を明かさずこちらからだけ情報を引き出せる土壌を作り出せた。だが彼女が味方だった場合、横島の危機がかなり深刻である可能性が高いのだ。
そこまで考えをまとめると、警戒から救助に考えを傾けながら言葉を口にした。

「まず、敵はオカルト系ですか? 忠夫は既に敗北、あるいは敗北したならどの程度忠夫の力は通用した様子ですか?」

 その大鳳の答えに電話の向こうの女性は少し冷静に戻った様子で答えを返してきた。

「えっと、紛らわしいこと言ってごめんなさい。敵というより事故やトラブルって感じ」

「そうですか。それで緊急性は」

「命が失われたりとか、怪我的な意味での後遺症は多分できないけど、女権国家的な意味で心身にかなりダメージ受けちゃうかも」

「霊能トラブルなら僕よりも忠夫の知り合いの女性たちの方が良いかもしれません。連絡先知ってますか?」

「えっと、知っているというかもう来てもらっているし、最終的には解決しそうだけど、少し遅くなりすぎると可哀そうというか……」

 歯切れの悪い言葉に彼は少し悩みつつ、いろんな意味で脱力を覚えた。電話口の女性が敵である可能性は下降の一途をたどっているし、
横島も助けねばだめだが、火急ではない様だ。 だが焦っている彼女から情報を引き出すことに苦労するかもしれない。

 彼が少し悩みながら落ち着かせるか、それともパニックになっている相手からでも情報を引き出せる質問を考えるか天秤にかけ始めると同時に、僅かに間が空き、落ち着いた声と口調の少女の声が電話から響いた。

「お姉ちゃん、忠夫の上司の人もそんな状態じゃわけがわからないよ。私から話すわ。――もしもし電話変わりました。すいません、今からメールで住所を打つのでこっちに来てもらえますか?」

「わかりました」


 電話が切れた後に自分の携帯に送信されてきたメールを見て大鳳はそのメールに乗っていた住所をパソコンに入れて検索して彼は首を傾げた。
『キャット ブリングズ アバウト ホープ ネスト』 結構有名なゲーム会社だ。
ネタになるクソゲーをいくつも作り、それでいて最近はちゃんと遊べるものも出してきていて、パロディゲームなどをたくさん作っているそうだ。
そういえば、横島が泣きつかれた結果見かねて助けると言っていたなと思い出した。
確かその時の横島は『なんか猫っぽい連中が居場所奪われるって聞いたら、できるだけ助けてやらんとダメやってなぜか思ったんや。原作関係かもな』と言っていた。
疑いの余地がさらに下がると彼は即座に指定の場所に向かうことにした。
 向かう際に一応はジャギやアミバにも通達したのち、詳しい事実が分かったら追って知らせるので、できれば予定はあけておいてほしいと頼むと彼は即座に飛び出した。



 いかにも弱小企業という感じの小奇麗だが小さな建物に到着し、インターホンを鳴らすと、即座に扉が開き、栗毛色の金髪の髪をした猫耳の様なカチューシャを付けた二人の少女がドアを開けて出てきた。
まったく同じかわいらしい顔をしている上に似たような制服を着ているが、片方は肩掛けとリボンとカチューシャがピンクでありもう片方は緑で統一されている。ピンクの方の少女が焦った声で大鳳に言う。

「貴方が忠夫のお友達というか、忠夫よりすごい人ね。私たちのせいでえらいことになっちゃったから、忠夫を助けてあげて」

 どこまでも元気が良く良い意味と悪い意味両方でバカな部分が強そうな少女を緑の少女が落ち着いた声で諫めた。

「お姉ちゃん、彼状況が理解できてないわよ。それに自己紹介もしてないから早く済ませないと」

「あ、ごめん。 私は女権国家のミレニアムサイエンススクールのゲーム開発部に所属しているモモイ。学校の方針で技術開発のためになる分野なら商売も認められているから、
弱小ゲーム企業を立ち上げたの。その際に倒産の危機を忠夫に助けてもらったことがあるの。こっちの妹はミドリ大体境遇は一緒」

「お姉ちゃん端折り過ぎだよ。私たちは昔、居心地のいい場所からゲーム開発で成果出さないと追放になっちゃいそうになったことがあって、
その時に忠夫に取材とか知り合いの人外への取材とか、人外さんから音楽とかの協力取り付けるのを手伝ってもらったの。今でもオカルトゲー作るときはお祓いとかしてもらっているのよ」

「そうなんですか。僕は大鳳、忠夫の上司です。お二人は忠夫の環境をどれくらい知っているんですか?」

 大鳳の言葉にモモイは何かを察した様に答えた。

「『私たち姉妹と忠夫に助けられた勢は』王国とかの関係とかも知っているから気を使わなくても大丈夫よ。今留守にしているゲーム開発部の部長も知っている勢ね。
知らない勢も告げ口とかするタイプじゃないと思うし、忠夫に恩があるから多分告げ口なんてしないから別に気にしなくてもいいと思うけど、私たちが話すのを見れば知っている勢と知らない勢の見分けはすぐ着くと思うよ」


694 :名無しさん@狐板:2023/12/25(月) 23:56:23 ID:E93wd1G7

「わかりました。それで今回はオカルト系のお祓いに忠夫が失敗した感じですか?」

「ううん、今回発売したパロディゲーの出来がどれくらい良いか調べようと思って忠夫にテストプレイしてもらったら、出来がいい場合だけ起きる超常現象が起きちゃったの。
クリスマスの数日前に発売できたから打ち上げでやってみたらその結果があれ」

「そうなんですか。でも今回はお力になれないかもしれませんよ。正直オカルト方面に関しては、僕より忠夫の方が優秀ですし。 一応力になるための準備はしてきましたけど、だめだったらすいません」

 大鳳の答えにミドリが不安そうな様子になりながらも言葉を返してきた。

「そうなんですか。人には適正もありますしね。まあ、今回はオカルト技術が凄ければそれに越したことはないけど、それなしでもなんとかなるかもしれませんし」

 話を聞きながら大鳳は自分の心が大分安心に向いてきていることを自覚が走る。二人の様子を見ていると、横島は助けなければならないような状態ではあるようだが、緊急性は低い様だ。
前からそのことは知っていたが、現場に到着してみると、横島に懐いているらしい二人の様子からそれがわかる。

「とりあえずお二人とも、オカルト系の力を使うのは最後の手段かもしれないレベルなんですね。それ以外の方法とは」

「私たちが作った今回のゲームをクリアしてくれればいいのよ」

「なるほど今回のオカルト騒動の法則的にクリアすれば全てが終わると。わかりました。行きます!」




大鳳が決意を固めてゲーム会社の奥に進むと途中で彼はとてつもなく意外な人物を見た。一瞬それを見た時、大鳳は別人かもと思い、確信した今でも、もしかしたら違うのかもしれないと思う。
だが、それでも彼は突っ込みの様な言葉を口にせざるを得なかった。

「狂三さん? なんでこんなところにいるんですか」

 明らかに本物の女子高生にしか見えない姿をした四惑の一人、狂三がなぜかここにいたのだ。以前に出会ったことがなくこれが初対面だったら、異常なまでの妖艶さを身に包んだ女子高生としか見えなかっただろう。
彼女が来ている黒い制服は清純な女子の着こなし方をしているのにその色香を余計に引き立てている。
仮に男性優位社会の警察官などが彼女を見たら、すごく対応に困るだろう。明らかに真面目な女子高生なのに、存在自体が淫猥極まるという。 彼女は少しバツが悪そうに答えた。

「きひひ、何のことでしょう。私は時崎きょうぞうと申します。このゲーム開発部兼、ゲーム会社の歴史ゲーム作成の際のアドバイザーですわ。
今は愛しいモモイちゃんと、ミドリちゃんの恩人さんを助けるのに忙しいので後ろ髪を引かれる思いですが失礼します」

 その言葉を聞いた瞬間、大鳳の中で一気にこの事件の難しさが上がった。 彼女は明らかに嘘を言ってない。もしかしたら、横島が王国諜報部と知らずにモモイとミドリの恩人だから助けようとしているだけかもしれない。
王国諜報部だとわかっても多分、この会社のアルバイトである以上は助けようとはするだろうが、どうしたものだろうか。

 彼の悩みはすぐに狂三の言葉で解決した。

「大丈夫ですわぁ、今の私はきちんとお給料を受け取っているここの職員。そして彼は可愛いモモイとミドリを助けてくれた恩人であり、職場の同僚。
この件では絶対に陥れたり救出に手を抜いたりはしませんわぁ。敵国であろうと相手が約束事を守っている以上、踏み越えてはいけない線は心得ておりますわぁ」

『やっぱり忠夫の件ばれているか。でも、この言葉に嘘はなさそうだ。とりあえず今は忠夫を助けることを考えよう』

「わかりました。信じます。とりあえずお先に向かわせてもらいます。ミドリさんとモモイさんから詳しく状況を聞いてまずは事態を把握しないと」

 先に進む大鳳を見ながら狂三は笑みを浮かべた。そして既にいなくなった彼に聞こえぬところで彼に向けた言葉を口にする。

「それに彼ほどに誠実で霊能の才能にあふれた子、女権国家に取り入れる血としてはかなり上等ですし、彼に好意を持った娘たちを導けばそれで充分ことたりますしね」


 モモイとミドリの部屋に到着した彼は、軽く事態の説明を受けた。モモイとミドリはもう一人の同僚と共に、かつて横島に助けられたことがありその際に彼にゲーム会社を手伝ってもらっていたらしい。
横島自身はテストプレイや事務や営業を請け負い、陸八魔アルに頼んで違法でない範囲でファンタジー設定にリアリティを感じさせる魔法などをかけてもらったりしていたそうだ。
彼女たちが意図せず得た能力の一つに、起こる可能性が既にない、もしくはほとんど低い可能性の世界をゲームにできるというものがある。
それを聞いた時大統領のカフェD4Cを思い出したが、その能力の劣化版だと思った。だが、既に怒らない可能性のゲームをプレイした時に、その可能性の世界の技なども得られることもあると聞いた時、完全に劣化とはいえないかもと彼は思った。

「それで私たちのゲームはイフの世界のゲームを作れるんだけど、当人がプレイしちゃうとその世界つまりゲームの世界に飲み込まれちゃおう場合もあるのよ。夢の中に入るとか、意識だけ少しの間入るとかだったのに」

「それで忠夫が今意識が戻ってない状態なわけですね?」

「違うの。今回は体ごとゲーム画面の中にバビューンと入っちゃった」

 モモイの言葉を聞き大鳳の頭が真っ白になった。

「つまり昔の漫画みたいにテレビの中に吸い込まれたと?」

「うん。あんなのは初めて、でも私たちが死に物狂いで作ったゲーム程意識が一時的に吸い込まれたりの現象が起こってたから、今回のゲームは売上期待してもイイかも。12月ゲーム業界にとって激戦だから」

「それで今回の忠夫程極端じゃなくても、意識がゲームの世界に吸い込まれたようになったり、夢に見続けるようになり、ゲームの中で受けている逆レイプとかの後遺症がでる状態になった場合は、クリアすれば収まると」

「うん。規模は大きいけど多分大丈夫な気がするから」

「お姉ちゃんは少し楽観視しすぎだけど、忠夫も途中今までの私たちのゲームの影響受けた人と同じ状態だったから、クリアすればどうにかなる可能性が高いと思うの」

 モモイとミドリの言葉を聞きながら、大鳳は一番穏当に終わらせる可能性が高いのはそれだなと、思いつつ自分のゲームスキルでも大丈夫だろうかと悩んだ。
継続は力なりというように自分は人並みや息抜き程度にしか、ゲームをやっていなかった。もちろんそのハイスペックさと楽しいと思えたのが合わさって普通の人よりは上手いがそれでもせいぜい、上の下か、中の上くらいだ。
ジャギはかつてゲームセンターに良く行っていたが、発売されたばかりのゲームをクリアできるか疑問極まる。

そこまで考えた後、彼は不意に思いついた言葉を口にした。

「そういえば、モモイさんとミドリさんは忠夫と親しい女性達に協力を仰いだか聞いたら、歯切れ悪そうだったけど、今彼女たちはどうしているんですか?」

「それは見てみるとわかるわ」

 モモイのゲンナリとした様子に彼は僅かに疑問を抱きながら、部屋の扉を開けるとそこにはゲームをプレイしているアリスの姿があった。彼女がプレイしているのは和風だが、
西洋も混じっているカオスなギャグ寄りだがシリアスも4割くらいはある類のゲームの様だ。ゲームの中では、横島に似た陰陽師衣装の男が霊波刀を振るい。お札を投げまくりながら順調に敵を倒しながら前に進んでいる。
ゲームソフトのパッケージを見ると『頑張れ!高島』とある。これはゴエモンのパロディゲーだなと大鳳は思った。アリスのプレイは本当に上手だ。恐らく他の上手なプレイヤーの動きを見て分析し、指を使うことに慣れているからなのだろう。
だがゲーム初心者がやる様な失敗もする拙さもある。そういうダメな部分を差し引いても見事なプレイで彼女がそれなりに手ごわい中ボスを撃破するのを周りは応援している。
ユウキと愛歌がいないのが気になったが、丁度ゲームが一段落したので大鳳はとりあえず彼女に声をかけた。


695 :名無しさん@狐板:2023/12/25(月) 23:57:50 ID:E93wd1G7

「アリスさん、皆さんも忠夫を救出するためにゲームの最中なんですね」

 声をかけられるとアリスは、なぜかドキドキしている様子で、答えてきた。

「え、ええ、それで今何とか半分くらい終わったところよ」

「そうなんですか。これをクリアできれば、どうにかなるって言ってたけど、アリスさんや他の人たちもそろい踏みなら割と早く終わりそうですね」

「そ、そうね。」

 そう答えた直後に不意にゲーム画面から愛歌が出てくるという異常事態が起こった。

「愛歌さん無事だったんですか」

「大鳳くん、ええ私たち女性は入るのは難しくても出るのは簡単だから。ただ忠夫はどうしてもクリアしないと出られないみたいね。大鳳くん貴方がプレイしてクリアしてあげてくれない?」

「え、でも普通にアリスさんも上手でしたしすぐに終わるんじゃ?」

「技術だけはね」

 愛歌の言葉に意味深なものを感じた彼が、少し悩むと即座にアリスらしい敵のボス『人形の魔女』が現れる彼女が一撃必殺技を放ってきたと思ったら、そのままゲームの中の横島がそれをくらい一撃で倒れた。
それを見てアリスが嬉しそうに笑う。対して愛歌は『言いたいことはあるが気持ちがわかるのであまり強くも言えない』という表情になる。

 アリスはいい笑顔で言葉を続ける。

「ごめんなさい。ゲームオーバーになっちゃった♪ それじゃあ私も失礼するわね」

 そういうとアリスの体が光りとなってゲーム画面に吸い込まれていく。

 そして外の世界ではゲームオーバー画面が始まった。






 ゲーム中の横島は自分が人形の魔女=アリスの攻撃で負けたことに気づいた。最初に天狗なユウキ、この世界では木綿季に敗れてから、
女権国家らしいゲームオーバーを体験することになっている。 そして外の世界からアリスが入ってきた。

「忠夫ごめんなさい。でもこういうプレイも悪くないからそれじゃあいただくわ」

「ア、 アリスちゃん、ゲームのシナリオ通りの逆レしかできんのやろ。 つまりそれは」

「ええ。シナリオ通りの可愛がり方しかできないから物足りないと思っても、それ以上はできないけど、やり過ぎだと思っても止まれないわ。許してね♪」

 アリスの体中から光でできた糸が彼の体内に流れ込むと、そのまま彼はアリスの意のままに動かされながらアリスの乳房を揉みしだき始める。
それだけで射精思想になるが、それを彼の分身の中に入った彼女の糸が容赦なく止める。

「だめよ。貴方が出していいのは、今は私の中だけ♪」

 一息で服を脱いだ彼女は自分の秘所の中に彼を迎え入れる。そしてそれが済んだ瞬間、

 激しい快楽で彼の脳が爆発し。アリスが糸を抜いた瞬間、アリスの秘所から溢れ出ないのが不思議なほどの射精が起こった。

「ギャー!」

「悲鳴を上げるほど気持ちよく思ってくれているなんて嬉しいわ。それじゃあ次に行きましょうか」

 アリスがその豊満な胸を彼の胸板で押しつぶしながら笑うと彼は何ども泣きそうな声を上げる。 そこに不意に木綿季が現れる。

「忠夫今回も負けちゃったね。それじゃあ僕も罰ゲームに参加するよ」

 天狗に転生した彼女は笑うと、天狗の神通力で彼の分身の感度と男としての誇りをより強め始める。

 屈辱がより快楽を引き立て、さらに射精の量が増えるといつの間にか来ていたさとりが嗤いながら言う。

「彼屈辱で余計にたくさん出してますよ。ジパング男子として女性を男性が閨であえがせぬいて圧倒するのが当たり前なのに、その価値観でこうされるのが最高とか。
貴方の前世は王国男子だったけど、このジパングは王国より、ベッドの中で男が女を圧倒するのが当たりまえなのに。 前世よりすごい変態ですねぇ。 余計に固くなってます」

 わざとユウキとアリスに教えながら、恨めしい目で見てくる彼にさとりはいう。

「何ですか。最初の山ステージで私たちに負けた時のこと想起してほしいんですか? あれがきっかけで貴方は負け癖ついちゃいましたからね」

 そこまで言い終えると木綿季が言った。

「アリス僕も王国女子だったし、天狗としてジパングで過ごしたから一度くらいは男性優位の体位でしたいんだけど、忠夫が弱すぎて、すぐ果てちゃうから手伝って上げて」

「わかったわ」

 初めての時彼は、

 木綿季の男の誇りを強くする天狗の術だけでなく、こいしの無意識での強化も重ね掛けされて、ユウキの騎乗レイプを受けて、果てた後、さとりとこいしにも犯された。

 ベッドの中で惨敗しまじ泣き仕掛けている彼の分身をさとりが踏みつけながら吐き捨てる。

「早すぎて寸止めが楽しめないじゃないですか、この早漏。おや、今のジパング女子なら事実であっても、最低限の情けがあれば絶対に言わない言葉で余計に固くなってますねぇ」

「ええ、忠夫そこまで変態になっちゃったのぉ!」

 大げさに驚く木綿季が余計に彼の屈辱感を煽る。言い返したいがあまりにもたくさんの量を射精したために動くことすらできない。さらにさとりの心を読んだ状態での足コキが始まり彼は完全に意のままにされている。

「ほら女性器じゃ数秒も持たないから、足でしてあげているんですよ。少しは感謝しなさい」

 さとりとこいしの足がもたらす快楽で悶絶する彼に木綿季が胸を押し付けしばらくすると唇に乳首を含ませると手で彼の玉袋を揉みしだき始めた。彼は何度も苦しみながら、射精をするとさとりは真っ白に染まった足を敢えて彼に見せつける。

「ほらこれが貴方の変態性の証明ですよ。前世でヴィヴィオから多大な恩を受けたのと引き換えに貴方のプライドを壊す遊びがしたいから、次の転生先をジパングにすることを了承したけど、貴方は普通に了承してこうなっていたかもしれませんね」

 笑いながらさとりは彼の分身を再び飲み込むと嗤いながら言った。

「『想起・いま受けた足コキの屈辱と快楽』」



 過去にさとりとユウキにされたことを思い返した刹那彼は、いつの間にか後背位でアリスを貫いていた。もちろん彼の意志によるものではない。 アリスの糸で射精を封じられ全身を操られていなければ、入れた後すぐに果てていたし、
体も動かなくなっていただろう。与えられた食事で精は尽きずとも快楽には抗えない。

 アリスが糸を解くと彼の分身が振るえそのまま爆発した様に精液を放ち、敏感になった彼の分身をさらに絞りつくしてくる、アリスの秘所に追い打ちを受ける。アリスは体をひねりさらに彼の分身を嫐りながら、糸で彼の手を動かし尻を揉みしだかせる。

「あー! あー!あー!」

 声にならない奇声しか出せない彼の声をうっとりとした様子で聞きながら彼女は立ち上がり正面から彼と抱き合う形に戻り、もう一度彼の分身を内部に招き入れると彼を強く抱きしめて言う。

「すごく名残惜しいけど、約束通り木綿季と交代ね。早くこっち側にきて毎晩こうしましょう」

 最後の言葉に分身が反応するとさとりが意地悪い笑みを浮かべて言う。

「ジパング男子なら怒るか、それか怖がるところですよ。何期待しているんですか」

 射精のし過ぎで僅かに萎えた彼の分身を踏みつけながらさとりは笑いながらいう。 さとりの足で固くなった分身を木綿季が撫でながら言う。

「やっぱりアリスの優しい堕とし方は凄いな。僕もやり方もう少し教えてもらおうかな。久しぶりの忠夫の敗北ちょっとうれしいよ。それじゃあ行くよ♪」

 木綿季に犯された直後彼は悲鳴を上げながらそのまま即座に瞬殺された。木綿季は彼と一つになれることを喜びながらたまにアリスにお願いをすると、
アリスの糸の動かされた彼が木綿季が望む男性優位の体位で彼が動く形となった。それでも分身と脳は過ぎた快楽で常に悲鳴を上げ続けている。
 快楽が強すぎて限界を迎えた時、彼の脳が完全に何かに書き換えらえた。そして彼は犬の様にアリスとユウキの足にじゃれ付き始める。


696 :名無しさん@狐板:2023/12/25(月) 23:59:52 ID:E93wd1G7


 
その後西洋(女権国家)から進出してきた黒船の手下として、女性にあんな風に閨で負けた男に負けるという恥辱を与える妖怪色欲天狗となって彼はジパングの男性たちを逆レしたいストレリチアと女権国家の走狗として大戦果を挙げた。







ゲームオーバー画面を見た、大鳳は頭を抱えた。

「これ多分忠夫はこの体験をゲームの中で実際にしてますよね。かなりやばいのでは、というかこれ、サンドラの冒険ですよね? ゴエモンのパロディゲーなのになんでゲームオーバーだけサンドラなんですか?」

 大鳳の突っ込みにモモイが少しバツが悪そうに答えた。

「そ、その方が受けると思って。それに美男子でなくても、好感が持てる男キャラが主人公なら負けたら逆レゲームオーバーは女権国家のお約束だし」

「ゲームオーバー場面を健全にしたら割と王国でも売れそうなのに。とりあえず計画を立てるとしましょうか、横島に好意を持っている女性達はあてになりそうにありませんし」

 クリアというより自分がボスのステージでゲームオーバーになろうとしている。もしくはクリアしたいけど、誘惑に負けているような横島を好いている女性達を見ながら大鳳はため息をついた。


「うちの会社にも、忠夫に好意的な性格の悪いのが一人いるけど彼女も多分あてにならないでしょうね。というか、忠夫を堕とすチャンスとか言いそう。ある意味彼女は簡単に忠夫を助けられるからこそ、この状況に危機感をもたないんです」

 ミドリが落ち込んだ様子で言うのを確認すると彼らは会議室に向かった。横島に好意を持つ女性達が妨害してくる可能性は低いとは思ったが、
念のために裏切る可能性がない二人と共に彼は会議室に向かった。モモイとミドリも相当横島に好意的だが、恋愛感情ではない可能性もわずかだがあったし、
何より多分彼女たちはあのゲームに登場していなないのだろう。





会議室には狂三が待っており、その横には黒いゴシックドレスに紫色の髪をした美少女が座っている。紫色の淀んだ瞳と髪が彼女を夜に映える魔女を思わせる。どこか黒猫を想起させる彼女は大鳳達の姿を見ると軽く頭を下げた。

「初めまして、私はベルンカステル、魔女よ。猫に関わる種族だけど東洋の猫又か猫の獣人かは想像にお任せするは」

「そうなんですか。よろしくお願いします」

 挨拶を返す大鳳をよそにモモイが狂三に声をかけた。

「きょうぞうさん。忠夫救出作戦の何かいい手は思いついた? あ、大鳳くんこちらはきょうぞうさん。変わった名前だけど、一時的に男性優位な国に女権国家の土地が支配された時に、その男性優位の国の風習だと成人するまでは、
男が女性の恰好させられたりすることもあったから、その風習が一部ゆがんだ結果、成人までは男性名なんだって。考古学にすごく造詣が深くて、
普段は頼んだ歴史資料とかを送ってきてくれる半ば在宅ワークの人なの。 でもたまに来てくれると凄く歴史ゲームに役に立つ知識をたくさん教えてくれるんだよ」

 モモイの説明を聞きながら、多分狂三はこの会社に入る際にその土地出身の戸籍を使ったのだろうと思った。あまり知る者がいないマイナーな土地だからカバーストーリーも作りやすかったのだろう。
四惑がこんな小さな会社に就職はさすがに無理があったのかな、と思いつつベルンカステルの方に目を向けた。

「私はその気になれば必ず忠夫を助けられるし、治せるから心配は無用よ。できれば私も今忠夫を嫐っている彼女たちに参戦したいけど、さすがにそれは不義理だからやめておこうと思っているわ」

「そうですか。とりあえず、どうやって忠夫を助けようか」

 悩む大鳳に狂三が鷹揚に声をかけてきた。

「もう一人有能な人員がいますけど、彼なら器用だから割と早くクリアするかもしれませわぁ」

「ああ、あいつ」

 ベルンカステルの吐き捨てるような言葉を疑問に思うと不意に、扉が空きそこから一人の妖艶な美丈夫が駆け込んできた。
黒く艶やかな髪と整い切った目鼻立ちに、どこか怪談に出てくる魔性の美術品めいた妖艶さが感じられる。ゲーム会社の社員というよりは、
歴戦の武芸者めいた体をしていることが、スーツの上からでもわかる。彼は大鳳に礼儀正しく礼をすると、言った。

「貴方が大鳳殿ですな。某は伊良子清玄、ある女性の怒りに触れた折に横島殿に助けられ、それ以降友誼を結んだもの」

 男ですらくらくらしかねない艶めいた匂いが辺りを包み、品格のある礼がそれを余計に引き立てる様子に大鳳は、本当に綺麗な人だと感じ、その直後に彼の例をベルンカステルの蹴りが遮った。
弁慶の泣き所を蹴られてうずくまる彼をよそに魔女は言う。

「無駄に格好よく言おうとしてるけど、実際は女権国家のすごく強い女を怒らせて、その女性の手引きでこいつに入れあげている性悪女たちに輪姦されて情けなくマジ泣きしまくってたところを、さすがに可哀そうと思った忠夫が救助したのよ」

「ベルンカステル女子物には言い方というものが」

 その言葉に対して狂三が珍しく辛辣な声音で伊良子に言葉をかけた。

「ベルンカスルの対応はかなり優しいと思いますわぁ。
彼が怒らせたのは原初の淫魔ですから。 私と同じくらい猫好きな彼女の前で、自分の剣の腕がすごい早さで上達していって、
気分がハイだったから切るのが難しい猫がたまたまいたので、切り殺そうとしたのですから」

「さ、さすがに猫好きな女性がいたと知ったら控えていました故。ご容赦を」

「だからこそ、原初の淫魔も彼に想いを寄せている性悪な女性達に色々と肩入れするくらいで許したのでしょう」

 狂三の言葉を聞きながら大鳳は珍しいなと思った。彼女がここまで怒るということは、相当に猫好きなのだろう。ベルンカステルも多分猫と同族だから怒っているのかと思ったが今は、横島の救助が最優先だからとりなそうとして言葉を上げた。

「まあまあ、どうせ未遂だったんでしょう。猫を殺していたら、さすがに忠夫も割と不快に思って助けなかったと思いますし」

 その彼の言葉にベルンカステルは面白そうな笑みを浮かべて答えた。

「いいえ。成功していたわ。上半身を下半身がサヨナラしたところを、忠夫が文殊で『着』した後に、『癒』や『回』『復』を使ってくれて傷跡もないけど。そいつ腕は割と確かよ。何せ魔女が化けてた猫を気配を消した一撃で両断するくらいだから」

 そこまで聞いて大鳳は察した。伊良子が切った猫はベルンカステルだ。それを横島が助けたから、彼女は横島に好意的なのだろう。困惑する彼をよそに伊良子は空気を変えるように言葉を続ける。

「とにかく今は横島の救助が先であろう。
それがしは罰として原初の淫魔殿より、しばらくは猫族や猫みたいな娘に奉仕せよと言われて、この会社に勤めているが、彼に対する助けられた音はそれより優先したい。
女性だからというだけで生まれた時から優位で男を見下ろす者どもに好きにさせるのは我慢がならん」

 この伊良子という人物は女権国家人だがかなり気骨のある人物の様だ。仮に狂三に目をつけられていなければ、味方に勧誘したいレベルだ。
生まれた時から出自だけで見下される人物たち、男だというだけで見下された感情に対する憤りなどは正当なものだと狂三も思っているのが見て取れる。
猫殺しで腹を立ててはいても、そういう点では彼女は伊良子を自慢の子孫の一人と思っているのだろう。 先ほど感じた男としての色香も狂三の特性が表れているからだと思うと子孫だなと思えてくる。


697 :名無しさん@狐板:2023/12/26(火) 00:02:34 ID:mlhBljja


 伊良子の言葉に大鳳は少し考えた後、答えた。

「幸い忠夫を思っている女性達は純愛派だから、そこまでひどいことにはならないし、ベルンカステルさんは忠夫を治せるんだから、最悪の事態はないでしょう。
なるべくトラウマは少ない方がいいでしょうから頑張りましょう。作戦としては、僕がゲームをプレイしてみる感じで良いでしょうか? 忠夫を好いている女性達は今回は今一つあてにできないし」

「大鳳殿がプレイして、やり方を覚えたらそれがしがやるというのはどうでしょうか?それがしは、物事の飲み込みに関しては異常な速さを持つので」

 狂三に目で問うと彼女はそれが事実であると、頷いてきた。

「わかりましたそれで行きましょう」






 その後大鳳が何度かゲームオーバーになったが、それを見てプレイを覚えた伊良子の初心者とは思えない異常なゲームの上手さによって、横島は救助された。
ゲームがクリアされて出てきた彼は第一声で伊良子に礼を言った後、心底ほっとしたようにつぶやいた。

「王国男子として性癖が終わる前に戻ってこれてよかったわ」

 ユウキが妙につやつやした様子で言う。

「危ない、危ない。僕も女権国家に染まっちゃうところだったよ。 助けられるかもと思って入って、そしたらお助け師匠天狗キャラだけど、負けると忠夫をお仕置き逆レとか、聞いてないよ」

 心底逆レを楽しんではいたが彼女の言葉には一切嘘はない様だ。

 疲れ果てた様子で彼は言う。

「頼むからお前たち今後はこういうのやめてな。治るの確定とはいえやはりきついものはきついんや」

 やられたことを嫌がっていてもあまり怒ってないのは快楽がすさまじかったのと、治せるのが確定していなければやらないとわかっていた為だろう。 そして『一旦』横島の快楽地獄は終わりを迎える。






 その日の夜目覚めた横島は脅えた様に震えあがった。これは今日さんざん快楽地獄を味わった、『がんばれ!高島』の世界だ。脅える彼に、青紫の花魁衣装に身を包んだベルンカステルが告げる。

「忠夫、これは私がサンタとして配ったおまけ札の効果よ」

「な、なんなんでしょうかベルンカステル様」

 ベルンカステルは不機嫌な顔で指を振ると不意に幾つもの尻尾が現れ、彼を拘束し、そして彼女自身の尻尾が彼の分身を嫐り始める、喘ぐ彼に彼女は言う。

「フルネームの様付けで呼んで欲しい時と、ベルと呼び捨てにして欲しい時の見極めは慎重にしなさいって前も教えたでしょう」

「あ、あ」

 彼女が手を振ると彼の衣服が引きはがされ幼い体に不釣り合いではあるが、不自然ではない大きな乳房で彼の分身を抜き始める。 彼女は射精した分身につく白濁をなめとり始めると、その動作で再び射精した彼の分身をゆっくりと飲み込み言う。

「今回の私がゲームカセットにつけたプレゼントは、クリスマス発売記念で、クリスマスの夜に勝ってクリスマス・イブにかってくれてプレイしてくれた皆様。クリスマスが終わってから買ってくれた人も、
女の子でこのゲームの主人公が好きになってくれた人は枕元に置き理想の自分をイメージしたら、この世界で冒険できるかもってね。
信じた子供たちが理想の自分を抱いてこの世界に転生してきているわ。相手をよろしくね」

 ベルンカステルが魔術を唱えるとその度に彼の分身が悲鳴を上げる。同じ魔女でもアリスのそれは、優しく堕落させてくる感じの怖さがあるが、ベルンカステルは甘すぎて中毒にしてくる暴力的な甘さだ。
 彼女は横島が快楽で思考能力は下がり、されど自分の話は理解できるという状態に陥れた。まるで『可能性を操ったよう』にぴったりとそうすると彼女は彼から離れ魔法でサンタの衣装に身を包み話を続ける。

「それじゃあ、このゲームを遊んでくれた皆さん。主に女の子たちに主人公との素敵な夢を届けに行きましょうか。最も一部の女の子には現実だけど」

 そういい終わった後、彼が目覚めると目の前にはストレリチアの闘技場めいた所がありここは大鳳がプレイしてくれたおかげでゲームオーバーを免れた場所だ。わくわくした様子の大人形態のヴィヴィオが待っていた。

「ベルンカステルさんありがとう。忠夫とできなくて欲求不満でしたから」

「いいわよ、宮廷魔術師にしてもらったお礼だから」

 礼もそこそこにヴィヴィオが彼を押し倒してくると彼の意識はヴィヴィオの豊満な体を密着させられ分身を飲み込まれた時点で完全に果てた。
ヴィヴィオは手加減をして彼を少しずつ蕩かすこともあるが、本気で来るときは聖王らしく彼の全てを完全にへし折る快楽を打ってくる。
ベルンカステルの麻薬めいた快楽の余韻が余計に激しい反動を与えてくる。彼女は笑いながら彼を嫐るとジパング男子として恥ずかしい体位で、
嘲笑する女性騎士たちに見せつけるように彼を犯す。 秀逸な罵倒が出るたびに笑みを体位を変えてくるヴィヴィオ相手に折れると同時に心も完全に奪われると、次に首筋に激しい快楽が走った。

「私は前回少ししかできなかったからな。報酬をもらったら王国の為に尽くすから許せ」

 大人の姿になったエヴァが彼の血を吸い取りながら笑う。ヴィヴィオの聖なる属性で、染め切られた彼はかえってエヴァのもたらす快楽がやばい。エヴァは笑いながら血を吸われてきたいと恐怖と屈服感を見せる彼を見ていった。

「良い仕上がりだ。さすが聖王殿」

「いえいえ、同じ男性を愛する者同士仲良く楽しみましょう」

 子供姿に戻ったヴィヴィオが彼の分身を踏みつけて敢えて屈辱感を煽りながら言う。

「お兄ちゃん、私もストレリチノ王族として王国をできる範囲で支援するから報酬だと思って我慢してね。この埋め合わせは必ずするから」

 ヴィヴィオに踏まれて大きくなったそれをエヴァが上から不意打ちで騎乗すると彼は完全にのたうち回った。さっきヴィヴィオに豊満な部分を押し付けられるたびに感じたのと真逆の性的な快楽が彼を何度も狂わせる。

 いつの間にか来ていたリグルが口移しで彼に蜂蜜を飲ませると言った。

「忠夫、前回僕に虫の巣で配下のジョロウグモとかからも犯されて快楽で泣いている姿可愛かったよ。というわけで今回も僕は参加しに来たよ。 はい蟷螂の加護」

 全開されたのと同じく交尾中に食われても痛みを感じぬ蟷螂の様になる加護が来ると快楽は強いのに恐怖を感じなくなってくる。その分観客席に嘲笑が余計に彼に刺さってくる。

「恐怖よりこっちがきついみたいだね」

 蜂蜜でより強くなった分身をリグルが飲み込み大人なのに少女に犯される背徳感が彼を余計に情けなくさせ、そして大人とは違う快楽が彼を一気に飲み込んでいく。子供の姿に戻ったエヴァとヴィヴィオの二人も笑いながら近づいてくる。

 闘技場の観客たちこれを夢として見ている少女たちにも輪姦されて、快楽でズタボロになった彼を愛歌と陸八魔アルとユウキとアリスが待つ部屋にヴィヴィオが連れてくると、アルは汗をかきながら言った。

「忠夫を回復させるための優しい情事をする役に私を呼ぶとか。貴方聖王、私魔王なのになんかおかしくない。普通は逆でしょう」

「悪辣でないものを出自を理由に無差別に殺すのは騎士道ではありませんから。それに適材適所という言葉もあります」

「そんなこと言われても、アリスとりあえず子供に戻して。それから優しい情事始めた方が回復も速いでしょうから」

 アルの指示に頷きながらアリスがそれを手早く始め彼が子供に戻ると、アルが彼の顔を胸に挟み込みながら上になり彼を優しく律動し始める。
アリスの糸が彼の中に入ると彼の手足も情事に適した動きでアルの全身のふくらみを揉みしだき愛撫し始める。尻を強くつかまれながら頭を撫でるように抱き込んでいたアルは、
彼の精神が蕩け切りかけたところで愛歌と代わった。愛歌は横島を抱きしめると、姉が弟を慰めるような様子で言葉をかけながら彼に無償の快楽を与えていく。

 情事が長時間となり愛歌のある言葉のささやきを聞いた時彼は不意に反応した。


698 :名無しさん@狐板:2023/12/26(火) 00:03:54 ID:mlhBljja

「忠夫、大丈夫。女権国家の女性に閨で勝てないのは当たり前だから。恥ずかしくないのよ。貴方は前回ジパングを救った立派な英雄、さあ自信をもって」

「ちょっと待った今『前回って』言ったか。そういえば、今回はわい、ゲームオーバーになってないのに、逆レされとる気が」

 横島がそこまで考えられるくらいに回復したことにほっとした様子の愛歌が言う。

「これ実はダウンロードコンテンツの世界で、『がんばれ高島! 番外編、伊良子の高島救出劇』の世界なのよ。お年玉が出た時に、売るつもりなんですって」

 そこまで言って、彼は本気でわけがわからなくなった。そこに再び花魁姿のベルンカステルが現れる。

「モモイたちの作るゲームは起きる可能性がもうないか、ほとんどない世界を作るでしょう。 そしてそのイフの世界はその世界と関わりの近いものに良きにせよ悪しきにせよ影響を与える。
ちなみに今回飲み込まれるほどの影響が起きるようにしたのは私の奇跡の力よ」

 ベルンカステルの説明と告白に彼はどこか納得を覚えた。その彼にベルンカステルは笑いながら続ける

「それをやったのも、今回の続編の存在を知っていたからよ。私は今作のラスボスで、ストレリチアの魔女で伊良子に殺されかけた大化け猫、
一応宮廷魔術師だから、ジパングが責められる原因にもなり、伊良子がゲームオーバーになるたびに友人であるあなたをジパング男子にとってはあり得ない恥ずかしい逆レする役ってわけ」

 そういうとベルンカステは笑いながら彼を押し倒し言った。

「奇跡の力でアルたちの処置が早く済むようにしておいたから伊良子に見せるわね、 伊良子見ている、貴方が負けたせいで忠夫がこうなっているわよ」


 テレビ電話の様な水晶が出たと思うと、伊良子が金髪の豊満な体をしたお嬢様の様な女性に犯されていた。
周りには上品だがあまり有能そうでない女権国家の貴族の女性達もいる。 伊良子を犯している長髪の金髪の女性が笑いながら言う。

「どうも、高島様。いえ、ゲームのキャラじゃないから横島様というべきでしょうか? 私はセシリア・オルコットと申します。
想い人である伊良子様を助けてくれてありがとうございました。 ほら伊良子様、良くごらんなさい忠夫さんが貴方のせいでこうなってますよ」

「横島すまん。それがしの巻き添えで」

 伊良子の言葉終わるより先にセシリアが腰を速くくねらせた。

「ひぎゃー!」

 悲鳴を上げる伊良子に何度も彼女は腰をくねらせながら言う。

「御覧なさいとは言いましたけど、ご友人と話す許可までは与えてませんわ。男らしくわきまえなさい。 忠夫様、ついでに言うと私たちはベルンカステ様からもらった奇跡の力で何の努力もせず一族の秘宝とかだけで彼をこうしたのですわよ」

 伊良子は性的な術も覚えていたらしいが、それで反撃してこようとした彼をあっさりと返り討ちにしながら、敢えて物のつい出て彼を圧倒している様子を見せるために彼女はこうしている様だ。
 やり取りを見ていた横島に不意に激しい快楽が走った。ベルンカステルがセシリアと同じことをした様だ。

「情事の最中に他の女の裸に集中しているんじゃないわよ。 セシリア貴方も服を着なさい。十分伊良子をいじめたから、次回のゲームオーバーまでは取り巻きに払い下げる時間でしょう?」

「そうですわね」

 セシリアが離れるといかにも性悪な悪辣貴族な女性達が、この世界のジパング男子の価値観も持っている伊良子にとっては屈辱的すぎる逆レイプを笑いながら始めた。

「今回こうなったのは、伊良子様の来世の可能性の一つがまた罪のない猫を殺す可能性の未来があって。猫殺しが難しいと聞いた途端に、それがしならできると言って、やったそうです。
それで狂三様が怒って『来世でもあんなことするとか矯正が足りませんでしたわぁ』と言って、今回のゲームに入れることを決めたみたいです。
とりあえずジパング男子の価値観を持った状態でこれだけ屈辱的な思いをすれば来世がジパング男子でも、罪のない生き物を殺さないだろうといってました」

「ワイももしかしたら、誰かがクリアするまで帰れんのか?」

「それについてはあまり心配ないかと、少し冷静になった狂三様が、伊良子はともかく『横島くんには』申し訳ないから出す方法考えた方が良いかも、みたいな趣旨の発言をしていましたから。それでは失礼します。
 清玄様も無様な姿を見ていたらまたいじめたくなってきたので」



 電話が切られた後、セシリアが再び彼を対面座位の形で犯し。取り巻きの女性達は彼の背中のツボを押しながら無理やり彼の体を律動させる。

「ほらほら、前世でも狂三様怒らせて。よりによって貴方を狙う女たちの中でも一番嫌いな身分をかさに着ただけの私たちに犯されていたじゃない。ほら猫殺しで頭に来ていた横島でさえも哀れに思って助けるほど無様だったわね」

 セシリアの膣に嫐られつくして、動けなくなった彼の分身を貴族女子たちの足が容赦なく愛撫する。

「あー!」

 狂三直伝の性技の籠ったそれは彼を何度も絶頂させ、敗北感を植え付けていく。罵倒されて倒れる彼を見下す眼で見下ろしながらセシリアが言う。

「清玄様。とっても無様でかわいらしいですわ。先祖の遺品である、努力なしでも強くなる鎧で私に負けた後、されたことの再現ですがどうですか」

「あー!」

 狂三直伝の足コキがあまりにも達者過ぎてしぇべれない彼を見下ろしながら、彼女はわざとらしく起こった演技をする。

「あー! で私に何かを察しろと。貧民街の出身者なのに調子に乗り過ぎですね。貴族の愛で少しは高貴にしてあげましょう」

 射精したばかりで敏感になった伊良子のそれを彼女が膣で飲み込むと泣きわめくような声を上げながら伊良子は意識を失った。他の貴族子女たちも彼を嫐り尽くし満足したのか笑う。

「それじゃあ、次回のゲームオーバーまで待ちましょうか」

「はい。セシリア様」








そのころ横島もアリスや愛歌に回復させられた後、アルと話していた。

「伊良子の奴大丈夫かな」

 間髪入れず答えたのはアルだ。

「大丈夫よ。狂三は良識があるから、怒りが解けたら直ぐに伊良子を助けると思うし。一応性悪女性達も完全には無理でも、多少はましになるように矯正すると思うわ。 それもそう遠くない先にね」

 姉妹だからか心から言うアルの言葉を聞いていると信じられた。事実その予感は正しく、彼らは体感時間的に数週間後には救出された。 現実では経過した時間ははるかに少なかったことが余計に彼を驚かせた。







 おまけ、横島たちがどの様に救出されたのか。

 四惑の執務室狂三の部屋、伊良子に対する怒りが覚め始めた彼女はいかに彼をもとの世界に戻すか思案していた。そこにスカサハが現れた。

「抱かせろ、と言いたいところだが狂三何があった随分と落ち込んでいるな」

「半ば家族みたいになったが故に、冷静に見られない自分の子孫に過剰すぎるかもしれない制裁を下してしまったんですの。 しかも敵とはいえ、
大切な人間を助けてくれたという意味で多少は恩のある相手まで巻き添えにしてしまいましたわぁ。伊良子は割とどうでもいいけど、恩のある敵は助けたほうが良いと思いますわぁ、
伊良子はいささか過剰精細なだけだから、割とどうでもいいですけど」

 半分くらいは許し切れていない照れ隠しな発言をスルーしてスカサハは聞いた。

「どうすればその者たちを救える?」

「テレビゲームをクリアするのが一番簡単な方法ですけれど」

「任せろ」

スカサハの言葉に虚を突かれた狂三は彼女にしては珍しく素っ頓狂な声を上げた。

「は」

「その者たちを助けるにはそれが一番いいだろう任せろ。そのゲームのある場所に案内しろ」

 スカサハを連れて行ってみると彼女は凄まじい反射神経とやりなれている様子で、『頑張れ!高島、番外編』をクリアした。横島たちが解放される予兆が始まりかけた瞬間既に、狂三は姿を消していた。

「さあ彼らは助けたぞ。お礼に抱かせ…、逃げたか。まだ追いつけるな」

 スカサハも瞬間移動めいた速度で動き狂三の後を追った。この後誰がクリアしたかもわからないまま、ゲームから出てきて困惑する横島たちの姿があった。
なおセシリアと彼女の取り巻きの貴族娘たちは陸八魔アルと愛歌に説教され多少は性根が改善されたそうである。


699 :名無しさん@狐板:2023/12/26(火) 23:36:45 ID:lwlTJGco
乙です

700 :名無しさん@狐板:2023/12/27(水) 00:14:12 ID:hkDPxPgj


701 :名無しさん@狐板:2023/12/27(水) 21:47:05 ID:Gor7QX2l
乙です!

702 :名無しさん@狐板:2023/12/27(水) 22:13:32 ID:jWcbL+0k
乙です
面白かった

703 :693:2023/12/27(水) 23:19:03 ID:6LNSNq+9
みなさん乙ありがとうございます

704 :名無しさん@狐板:2024/01/31(水) 23:48:01 ID:gTW79/kJ
 女権国家2024年お正月SS ゲーム会社の激動後の横島の回想と新年の一コマ

このSSは本スレで連載中の女権国家の二次創作SSです以下の注意書きがあります
@前に>>693から>>698に投降したSSの続編であり、読んでいないとわからないところが多々あります。
Aブルアーカイブのモモイとミドリというキャラが出てきており横島ヒロインになっています。
Bうみねこのなく頃にのベルンカステルがヒロインの一人をやっています。
CこのSS内だけの独自の人間関係があります。


 モモイとミドリが社長を叱咤激励し、立ち上げたゲーム会社『キャット ブリングズ アバウト ホープ ネスト』そこのこたつの中で、死体の様になっている男がいた。青いジーンズに身を包んだ赤いバンダナの彼は、
本当の意味で死体の様にぐったりとしていた。それを心配そうに見つめる女子高生の制服のつなぎ目やアクセサリーを緑で彩った、ネコミミの少女が、彼に声をかけた。

「あのう、忠夫さん、大丈夫ですか?」

「そうみえるか」

 大丈夫なわけもないと、ミドリは思った。自分たちの開発したゲームはもう起こらなくなった、あるいは起こる可能性が極端に低くなった可能性の世界をゲームにしてしまうことがある。
大鳳は自分たちの能力をD4Cというカフェに似ていると評価した。そしてそのイフの世界で激しい逆レイプの数々を受けてしまったのだ。今は精神の治療が急務だろう。落ち込む彼に、『良い意味でも』バカな姉モモイが底なしに明るい声をかける。

「忠夫〜! 彼女たちはあんなことするほど貴方が好きだったんだよ。落ち込むなって方が無理だろうけど、純愛だった分工作員としてはかなりましな方だったと思うよ。 みかん食べる?」

「もらうわ」

 最低限の気遣いを持ちつつ明るく普段と変わらない態度な能天気な姉の対応が彼にはありがたい様だ。モモイが渡したミカンを食べながら横島は二人のしているゲームを見てみた。

「二人とも何のゲームやっとるんや?」

「前配布した、がんばれ!高島のステージクリエイトを使ってお客さんがネットに上げたステージよ。結構面白いのが多くて、割とはまっちゃっているわ」

「そ、そうか。クリスマスとか元旦の時みたいに吸い込まれたりせえへんよな」


 答えながら横島はクリスマスの時に体験した、ゲーム世界での数々の行動を思い出した。

 頑張れ!高島という自分の来世の訪れる可能性が低い世界もしくは皆無の世界線をモモイとミドリ達が読み取り作ったゲームその世界で彼がした体験が思い出される。
本来なら夢や意識だけが一時的にゲームの世界に入り、そこで快楽を味わってトラウマを負ったり、あるいは技などのコツをつかむだけだが彼はそのまま昔の漫画の様にゲームの世界に吸い込まれてしまった。
そしてゲームオーバーになるたびに彼は逆レイプされて、王国より遥かに男性優位なジパング男子の価値観のまま逆レイプを受けた。その時の記憶はあるが、途中まではゲームの主人公の意識の方が強かったり、
あるいは前世の記憶や意識戻っていたりと状況は一貫していなかったが、快楽と屈辱が癖になったことだけは覚えている。




 最初に受けた逆レイプはユウキだった。木綿季(ゆうき)名を変えてと天狗に転生した幼いころから稽古をつけてくれていた彼女は、卒業試験だと言って、
戦いを挑んできた後、彼女に敗れた時彼女は楽しそうに笑いながら彼の服を脱がせると温泉に放り込んだ。このときの彼はまだ、ゲームのキャラとしての意識の方が強かった。
戦って経験を蓄積していくうちに、横島の意識の方が勝り始めることになる。

 温泉に入った時彼は、この温泉は大量の薬草なども入っていることに気づいた。薬湯の快楽で極度の脱力状態になった彼に木綿季は言う。

「忠夫、試験の結果良かったよ」

「あれ、不合格やないんか?」

「僕はこの山最強の天狗だよ。あくまでも総合では、だけどね。
それに勝てなきゃだめなら、この山の山伏も天狗も全部試験不合格になっちゃうよ。 その理論でいけば、僕だって個別の分野で最強に勝てなきゃ不合格だしね。 
そういう訳で合格。けれど、これからジパングが大変なことになるから合格に胡坐かいて、慢心せず頑張らなきゃだめだよ」

 そういうと彼女は横島を風呂から出すと、栄養ドリンクの役割も果たす薬酒を渡してきた。最後の木綿季との手合わせ、その前の多くの山伏や天狗との戦いで消耗した彼は、その薬酒を飲みほした。
それを飲んだ瞬間彼は分身以外が一気に脱力し、温泉の中で抜けた力がさらに抜け落ちていく感覚を味わった。

 脱力状態で仰向けに倒れた彼に木綿季が術をかけながら言う。

「忠夫、実力は一応十分だけど君には足りないものがあるよ。危機感と絶対に負けない鋼の意思だ」

「な、なんで」

「女権国家の女性達はジパングで稀に生まれる凄い女性達とか、あるいは傾国の妖婦とかみたいなのばかりだから、どれだけ危ないか覚えておかないと。
それに負けて犯されたら閨の中で逆転なんか不可能だよ。ジパングで育った今生では心からそう自覚するのは難しいだろうけど」

「そ、そうなんか」

「理解はできているけど実感はできてないみたいだね。これは半端なことじゃ危機感を植え付けられないな。愛歌協力お願い」

 その言葉と共に青い服に身を包み、幼き頃から木綿季と共に彼に修行をつけてきてくれた少女が姿を現す。
彼女は青い衣装に身を包んだ金色の髪を短く切りそろえた少女は笑みを浮かべて彼に口づけをした。 唇を重ねた瞬間電流が走り、
何らかの祝福が自らにかかった直後に愛歌に舌を絡められると一気に分身に血液が集まり始める。それを見て木綿季が笑いながら解説をする。

「それは雄々しき獅子の祝福って言って男性の誇りや教示を固定する術だよ。
僕もさっきの術で天狗としての力で忠夫の男としてのプライドを強化しておいたからね。 
良い、これから女権国家やストレリチアの侵略者に負けると、こんな風にされちゃうからね♪」

 木綿季が足で彼の分身を踏み愛撫し始めると彼はあっさりと達しかけた。愛歌が笑いながら手でつかみ射精を止める。

「木綿季、よしなさい。男の子は割と傷つきやすい部分もあるから、初手から足で射精させられると可哀そうよ」

 微妙に屈辱を煽る声だが、射精を止めつつ快楽も与えてくる愛歌の指がそれを口に出させない。木綿季はわざとらしく驚いた様な声を上げた。

「え、愛歌が止めないと射精しそうだったの? 前世より早すぎるね。それじゃあ漏らしちゃう前に忠夫の初物をいただくね」

 反論するより先に木綿季が彼の分身を秘所に飲み込むと、彼は悲鳴を上げぬいた。彼女の内部から漏れるそれを愛歌が手ですくい上げなめとる。
それを見ただけで射精して萎えかけた彼の分身が再び力を取り戻し始める。それを見て不機嫌になる木綿季。

「忠夫、僕と繋がりながら他の女性で固くするって何考えてるのさ」

 そういうと動かすことすらできなくなった彼の腕を自分の乳房に導き掴ませると。指を絡め揉みしだかせ始める。一度揉まされる度に彼の分身からどんどんと白濁があふれ出す。愛歌はそれを見て笑う。

「忠夫、木綿季はまだぎりぎり大人だし巨乳だけど、少女な私に閨で良い様にされたらジパング男子としておしまいよね」

「は、はい」

 木綿季に焼き付けられた負け犬根性は愛歌にも適応され始めている。それを見て愛歌は楽しそうに笑う。

「木綿季、交代よ。女権国家女子に負けると、私より幼いメスガキにさえ滅茶苦茶にされるって教えなくちゃ」

「わかったよ愛歌。そろそろ達するからそれが済んだらね」

 木綿季が逝くとそれと同時に彼の分身をなめしゃぶり嫐り尽くす秘所が一気に彼の分身を締め付け、限界を超えた様な快楽が脳を砕いた。
彼の分身があまりにも大量の射精をしたために死体の痙攣の様になっている。それを愛歌は一瞬で服を脱ぐと飲み込んだ。愛歌は笑いながら彼を絞り始める。

 成人しているとは言えない少女に閨で負けている感覚が走るがもっと恐ろしいのは、『雄々しき獅子の祝福』がなければ愛歌にずっと嫐られていたいと考えてしまうレベルの快楽が来ていることだ。
愛歌はスレンダーな体で旧王家の性術も遠慮なく使い彼を嫐る。
 愛歌が腰を振り始めるたびに、彼は10秒も持たずに精をまき散らかした。屈辱的な体位でされることは背徳感があり気持ちいいと脳に焼き付き切ったのが自分でもわかる。
愛歌は性行為が終わると、彼の眼を覗き込み言う。


705 :名無しさん@狐板:2024/01/31(水) 23:50:56 ID:gTW79/kJ

「いい。女権国家とストレリチアの女性はみんなこうだから。閨で勝てるという幻想は捨てなさい。 負けたら私たちに今されたような行為が待っているわよ」

 最後の愛歌の言葉が彼の耳に響き、媚薬の様に脳に刻み付けられた。それを見とがめて愛歌が言う。

「名に悦んでいるの。犯されるのが好きなマゾならこの山でもう飼って上げましょうか?」

「い、いえ行ってきます」

「よろしい。でもそのだらしない下半身の精力を今夜は使い切ってから行くことにしなさい。みっともなくて外に出せないわそれじゃあ」

 そういうと言葉とは反対の優しい口づけを彼女はしてきた。その後彼は木綿季と愛歌に交互に犯されつくされた。




 山から下りた後の彼は、何度もゲームオーバーになった。後でわかったのだが、アリスたちが自分をボスキャラとして登場させたステージでわざとゲーム―オーバーになって敗北エロに混ざろうとしたこともあったそうだが、
それだけでは説明がつかないことも多かった。多分だが実際に自分が負けた場合の世界がアリスたちの負けた世界とつながったのではないだろうか。




 高島忠夫は、自分がどうしてこういう任務に就いているかを思い返した。男性が女性を閨で圧倒するのが当たり前のジパングは警戒心が薄い故に女権国家の良い標的だ。
一部の危機感を持った者たちにより、数回江戸の危機を救った高島忠夫がその対策を請け負うこととなった。
 そして幼いころから稽古をつけてくれていた天狗である木綿季と異国の王女の幽霊愛歌に追い込みの修行をつけてもらい今に至る。

『俺も今まで何回かジパングの危機を救った、は言い過ぎだが一応無辜の民衆の被害を大幅に抑える程度の活躍は何度かしたんや。
それでも女権国家からの黒船と戦うなら最終修行と試験を受けていけって言われるってことは相当やばい奴らなんやろうな。 伊良子と組んで全力で行くしかなさそうやな』

 そこまで思考した刹那、彼の意識が現実に引き戻され、即座に戦闘時のそれへと変わる。空間の気配と空気が変わっている。これは人ならざる者や大いなる力を持った存在が降臨あるいは影響を及ぼしている時のそれだ。

 彼は霊波刀を抜き放つと即座に距離をとっていくつかの御札を取り出す。彼の作る札はそれなりに高性能だが、彼以外の者が使うとランクが一段か二段は落ちてしまう。
しかし、自分が使う際には一切問題がない。彼は即座にいくつかの高価な札に僅かな霊力を込めて投擲した。 威力よりも速度を重んじたことと、高価な札だから僅かな霊力でもそれなりに効くだろうと見越してだ。

 突進してきた黒い影は、あまり霊力を込めなかった札を防ぎもせずに突っ切る形で突っ込んできた。
そして、本気で霊力を込めた札だけを叩き落しながら彼と距離を詰める。高島は霊波刀を出現させると、思考をまとめた。

『並大抵の札では防ぐまでもないか。だがある程度力を込めた札なら一応は防ぐ程度には脅威か。なら倒せない程じゃない』

 高島は霊波刀を構えると一番高価な札。僅かな霊力でも今投げたどの札よりも大きな効果が出るものを選び、忍ばせるとそのまま黒いマントに身を包んだ金色の髪をなびかせた美女に攻撃を繰り出した。
黒い外套の麗人はそれを紙一重で見事かわすと、即座に彼に反撃を繰り出してくる。少しでも読み間違えれば、即座に敗北が決定する舞踏めいた打ち合いが展開され始めた。

 打ち合いが始まった直後に、彼の意識は澄み切った状態になり、高い高揚感が体を突き動かしている。その中で彼は僅かな後悔を覚えた。彼女の霊気に包まれた爪の猛攻をしのぎながら、自分は判断を誤ったかもしれないという考えがよぎる。
 強力極まる札を片手に戦うより、腰の刀を抜いて戦う選択を取っていた方がこの吸血鬼は攪乱できた可能性が高い。
全力の霊波刀なら辛うじて大きな傷を与えられるなら、刀に霊力を大量に込めたり、あるいは霊力をほとんど込めなくてもぎりぎり打ち合えるから、彼女相手にどちらを警戒すればよいかわからない駆け引きに持ち込めていただろう。
木綿季と同じく勘が鋭すぎる類の存在はフェイントに引っ掛かりやすい部分もある。引っかからなくても、ある程度は体が反応してしまうのだ。
二刀流で戦うことなど目の前の黒衣の麗人相手には無理だが、それでも突然刀を手放したり幾つもの攻撃を予測しなければならない状態の方が少しは疲労を誘えたかもしれない。

 黒衣の麗人の激しすぎる猛攻を防ぎながら、彼は握りしめた三枚しかないない最高級の札の一枚の放ち時を模索した。少なくとも札を警戒はしている様だが一向に隙が見つけられない。
彼は彼女の連撃をかわしながら即座に決断を下した。確実に当てられるが、それでもこの威力の札を投擲するには割に合わない程度の隙ができた瞬間に札を放った。

「なに」

 驚愕の響きを含んだ低い声と共に目の前の黒衣の麗人が僅かに吹き飛ばされかける。
それを見た瞬間彼は僅かに距離を開き、霊波刀を少し短くしたうえでより威力を増した状態で切りかかる。 
それが彼の敗北を決定づけた。 人外ですら対応に苦慮するその一撃を目の前の黒衣の麗人は高島と同じ形の霊波刀で受け止めていた。
その瞬間彼の頭は負けたという答えを導き出す。 彼はこの技を学び何度も凶悪な妖怪から無辜の民を護ってきた。
だからこそ、一撃受けられただけで、どれくらい相手が上位にいるかがわかってしまう。次の瞬間彼女が霊波刀に力を籠めると腕がしびれ即座に弾き飛ばされた。
吹き飛ばされながら札を取り出そうとした瞬間、かみつかれた。
様々な対処が頭に浮かぶがそれは即座にかき消された牙が刺さっただけで果てしない快感が彼を襲いそれだけで分身が固くなり射精寸前になってしまった。それを見下ろした彼女は笑みを浮かべて笑う。

「今生では初めましてだな。私はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。前世でお前の妻だったうちの一人だ。ちなみに種族は吸血鬼このジパングにはいない種族だっただろう?
その為か知識がなくかまれることがどれほど致命的かわからなかっただろう?」

 エヴァの問いに彼は頭を整理品がら少しでも会話を続けて回復を待つために言葉を選び返した。

「女権国家の侵略部隊の指揮官でもあるんか?」

 質問を一応は言えたが、強すぎる快楽のせいで頭が上手く回らない。彼女は少し不満そうに見下ろすといきなり子供の姿になった。そしていつの間にか脱がされていた彼の下半身の分身を踏みつけながら言う。

「記憶がないから仕方ないが、ご主人様に向かってその口の利き方はなってないぞ。ジパングでは女性優位の性交は特に恥ずかしいらしいが、子供に足でやられるのは特にきつかろう」

 足が彼の分身に触れた瞬間、電撃の様な快感が走りそのまま彼は激しく射精をした。それを見てエヴァは楽しそうに笑う。

「前世で王国ではありえない女性優位の性交をした時以上の表情だな。実にかわいらしいぞ」

 一度の射精だけで指一本動かす力すらなくなる程射精した彼はそのままエヴァに手を持たれるとそのまま転移させられた。





 瞬間移動させられた後、彼が目覚めると見慣れない西洋風の豪奢な寝室にいた。そして目の前には大人の姿に戻ったエヴァンジェリンの姿がある。
彼女は黒いマントの下を敢えて裸にした姿で彼を見下ろしている。そして男を手玉に取り切れている時の女性らしい妖艶で高慢な笑みを浮かべている。

 マントの下の裸体しか目に入らない彼の瞳を見た彼女はゆっくりと口づけしてきた。吸血鬼の魔性の口づけで脳が蕩け分身がより強く硬化し、そして彼の視線がエヴァの肢体にくぎ付けになっている彼の視線を満面の笑みで受け止める。

「なかなかに立派なものを持っているな。前世よりわずかだが大きいかもしれん、こわばり過ぎて苦しいか楽にしてやろう。だがこらえ性がないだらしないモノに処置をしてからだ」

 そういうとエヴァは霊力でできた糸で彼の分身を縛り射精を禁じると首筋にかみつき血を飲んだ。 エヴァが最初に糸を入れた理由を彼は一瞬で理解した。
首筋に走る熱を帯びた電撃の様な快楽を感じた時点で、彼女の糸で縛られていなければ射精してしまっていただろう。彼女は一口だけ彼の血を飲むと不意に離れた。強すぎる快楽のせいで立つことすらできない彼を心底面白そうなものを見る目で見ている。


706 :名無しさん@狐板:2024/01/31(水) 23:53:21 ID:gTW79/kJ

「忠夫、ジパングに転生して王国ですら珍しいタイプの価値観を持ったようだな。血を飲むと相手の考えを共有できる能力を持っているから言うが、私の体を見て思うことが押し倒して喘がせて性奴隷にしたいとか」

 女権国家の女性たちの価値観と現状を知識として知る彼は、恐れた。目の前の女性を怒らせたのではないかと、しかしその予想は外れることになる。エヴァは敢えて演技を完全に捨てた様子で言った。

「別に怒ってはいない。ジパングがそういう男性優位の国だということは良く知っていた。それにジパングには一部を除いて女権国家の様な国もなかったしな。それではお前が満足できる体制でさせてやろう」

 そういうとエヴァは動けない彼を抱くと敢えてゆっくりと自分が押し倒されるような体制で倒れこみ始めた。

「僅かとはいえ血を吸われた快楽がもたらす脱力感で動けない? すぐに消し飛ぶ安心しろ」

 そういうとエヴァは敢えて最初はゆっくりと彼の分身を飲み込んだ。そして彼はエヴァの言葉の意味を理解する。

 先端が入っただけで悲鳴を上げる分身、エヴァの糸がなければ再び射精が起こっていただろう。その快楽が一瞬で脱力感を消し飛ばし、彼に逃げねばと思わせる。
それが終わるより先にエヴァの両手両足が彼を捕らえ、一瞬で最奥まで彼を飲み込みつくした。

「〜〜!」

 言葉にすらならない悲鳴を上げる彼を両手両足でとらえ彼女は糸を外す。それと同時に爆発するような射精が起こり、彼の胸板でつぶれる彼女の乳房が余計にその量を増やしていく。彼女は笑いながら言う。

「女権国家の女に勝つのは無理だとこれでわかっただろう。では続きと行くか」

 そういうとエヴァは容赦なく彼の首筋に吸い付き、上と下から屈服の快楽を送り込み血を精を同時に絞り切る楽しみを味わい始めた。
快楽で脳が壊れていく感覚もすごいがエヴァト意識が溶け合い彼女の精神が一部わかることで、自分がどれほど無様に女性に負けているかがわかりそれも彼の精神を引き裂く。
だがその背徳感と惨めさが余計に彼の分身を力づけていく。それを読み取ったエヴァがより強く彼を抱きしめると、彼は深くまで突き入れさせられ、魂すら出るような射精が起きる。






一度性行為が終わって解放された彼はジパング男子としての価値観がより深い追い打ちとなり、エヴァに対して負け犬根性が完全に刻まれたことに気づくそして、彼女の肢体がトラウマと同時に快楽を脳に焼き付けたことも自覚していた。

「おい、まだまだ私は満足してないぞ。それなのにそんなになって、少しは奉公に力を入れろ」

 そういうとエヴァは再び糸で彼を操り始めた。そして彼女は彼の上になり騎乗すると、乳房を揉みしだかせながら腰を振り始める。

「忠夫、私を満足させられなければ罰ゲームだからな」

「ど、どんな」

「後でわかる」

 そういって彼女は乳房を揉ませながら一度行かせた後、背面騎乗位で形が良い尻を見せつつ途中で彼の手でそれを揉みしだかせながら彼を射精させた。

 三回の射精が終わった後彼は完全にベッドの上で倒れていた。もはや指一本動かせる気がしない。倒れる彼を見下ろしながらエヴァは意地の悪い笑みを浮かべて言った。

「私を満足させる前に果てたな。それでは罰ゲームと行くか」

「ど、どんな」

 エヴァがそれには答えず指を鳴らすと、何人かの女性が部屋に入ってくる。彼は彼女たちを見て、驚愕した。かつての冒険で助けた女性達が以前よりもはるかに美しくなって女権国家のメイド服に身を包みエヴァの配下となっている。
驚愕する彼にエヴァが告げた。

「この者たちはお前に助けられた恩義から、女権国家との諜報戦を買って出ていた。だが、女権国家に行った。その結果影響を強く受け過ぎてな、今では立派な女権国家女子になっているぞ。
一応その者たちの名誉の為に言っておくが、情報は一切漏らさなかったし、女権国家に染まる前はそれなりにジパングに貢献していたぞ」

 最も女権国家の目的が篭絡とジパング男子と遊びたいだけで残虐行為は一切しないと知ったから寝返ったというのも大きいのだが、エヴァは敢えて横島に対してその事は黙っている。

「それでは少しばかり彼女たちを味会わせてもらうか」

 そういうとエヴァは彼女たちを支配する百合的な成功をしながら血をすすり始める。
嬌声以外は無言な彼女たちの行動に違和感を持ちつつ、もしかしたら操られているのでは?という希望が芽生えた。 だがそれは彼女たちと一通り戯れ終わったエヴァに再び襲われて砕け散ることになる。

 ジパングの女子全員を満足させたエヴァが彼に襲い掛かり、再び血を吸いながら搾り取ってきた時。彼女たちが先ほどの横島とエヴァの性交も見ていたことが分かった。
そしてジパング女子の視点から自分がどれほど無様であったかも理化してしまう。このインパクトの為に彼女たちは敢えてしゃべらなかったのだろう。

 エヴァに騎乗されながらジパング男子として無様をさらし続ける彼にようやく彼女たちは語りかけ始めた。

「高島様、私たちを助けてくれた英雄とは思えない無様さですね。女権国家の女に勝つのは無理だってわかってますけど、私たちがどんな感情で見ているか、そしてどれほど無様か理化した後の方が射精の量が多いのはどういうことでしょうか?」

 その問いにエヴァが笑って答える。

「この男が変態だからだろう。さっき私に吸血された時に僅かだが忠夫の意識も味わったからわかっているだろう」

「ええ、ジパング男子にあるまじき変態である恩人様をより気持ちよくさせるという気遣いです」

 全員の嘲笑の中今までで一番、の大量の射精をした直後にエヴァに血を吸われ、さらに絞り出された後、彼女は立ち上がった。 指一本動かせない彼をおいて、言う。

「仕事の時間だ。お前たち私が帰ってくるまで好きにしていいぞ」

「ありがとうございます」

 エヴァが出て行ったあと、彼女たちは笑いながら言う。

「忠夫様、私たちはあなたを恩人と認識していてそのうえで、ジパング女子の価値観を持ちながらこれからのことをする最低の忘恩の徒ですよ」

 そういいながら彼女たちの足が彼の分身を嫐り始めその直後に女権国家に行く前より強い力で、彼の体を動かすと彼女たちは手を自分の乳房などに導きながら女性優位の性交を始めた。

「あー!」

 叫び声と共に射精した彼を数人が愛撫しもう数人は無様な姿を目に焼き付け嘲笑しながら激しい快楽の夜が始まった。




 彼女たちに嫐られ抜いて長時間が過ぎたころに大人姿のエヴァが戻ってきた。彼女は屈辱とそれをはるかに上回る快楽で頭が壊れかけた彼を見下ろすと、他の女性達の血を僅かに飲んだ後、彼に言葉をかけた。

「それではもう一度お前を味わせてもらうとしよう。こいつらにどれくらい骨抜きにされたか、どれ程無様だったのか確認させてもらうか」

 そういってエヴァは全員の血を軽く吸うと服を脱ぎ横島を抱え込み、彼の分身を下腹部で加えこむと血を飲んだ。

 彼女たちからされた情事とどれほど自分がこの一日ジパング男子として無様だったかが伝わってくると同時にエヴァの秘所が強く彼を締め上げていく。
エヴァが吸血する際の快感をコントロールして、射精すらできない快楽から射精をさせ過ぎる快楽に切り替えた直後に彼女の乳房がより強く胸板の押し付けられ信じられない程の量が射精され。
エヴァの視点も共有させられることで周囲の女子たちからの嘲笑の笑い声が余計に分身を硬くしていことを自覚させられる。
最後に激しい射精の後自分の中の切れてはいけない線が切れた音を聞くと、激しい快楽と共に彼はエヴァの牙から血と引き換えに流し込まれてくる快楽をもたらす何かに対する体制がなくなったことを自覚した。



 その後彼はサンドラの大冒険の様に女権国家の男子吸血鬼エヴァのスレイプ仮面と化して対ジパング戦で大戦果を挙げた。

 その活躍を見ながらエヴァはヴィヴィオに言った。


707 :名無しさん@狐板:2024/01/31(水) 23:55:39 ID:gTW79/kJ

「こういうのは今回だけだぞ。忠夫もお前に恩があるから了承したとはいえ、こんなわざわざ男性優位の国に生まれ変わらせた上に、調子に乗らせてへし折る悪趣味な遊びはこれっきりだからな」

「ええ、わかってます。ジパングに対しても、ストレリチアと女権国家尾良識派派閥が一時的に支配したり外圧かけないとひどいことが起こると予言されている地域以外には危害加えないし、
時期が過ぎたら返却させます。忠夫さんも命がけで戦って守ってきた上に触れ合った人たちに善人が多くて、この国に対して愛国心が大分あるみたいですし」

「そっちに関しては疑ってはいない。だが、ヴィヴィオ今回の件が癖になって、来世でもやらかさないか?」

「いえいえ、忠夫さんが望むならこれで最後にします。でも気持ち良すぎて癖になったらそれはしょうがないですね」

「ま、まあそれは確かにそうだな」

 しぶしぶ了承していたエヴァだが一度協力してかなり癖になっていた様だ。誠実な対応しかされていないから良くないという意識もかなり強くあるようだが、
それでも横島の魂が完全に堕ちたら、ノリノリで来世も来世もとやり始めそうではある。今回は横島に入れあげている女性の大半がこのエヴァと同じスタンスだ。

 他のゲームオーバーでも、今生で関りの深い女性達にやられて女権国家の奴隷堕ちしたが、一番ひどいトラウマエンドはラスボスであるベストエンドの条件を満たした状態で、
ヴィヴィオに負けたエンドだった。全ヒロインに格好いい姿を見せて男を見せまくった結果全ヒロインの好感度が上がり切った状態で、好感度ドーピング状態で真・聖王状態と化したヴィヴィオに負けた結果だ。





 激しい激闘の末に彼は紙一重でヴィヴィオに敗れた。彼女は喜色満面という感じで彼に回復魔法と金縛りの魔法をかけると笑顔で話しかけてきた。

「忠夫さんさすがです。アルさんの協力を得て、横暴な侵略者という嘘を本当らしく見せただけあってここまで抗えるなんてさすがです」

「う、嘘?」

「ええ。ほらこれをどうぞ」

 そういうとヴィヴィオは前世の彼から受け取った文殊に『伝』の文字を込めて彼に投げる。

 それと同時に前世の自分がヴィヴィオに対して恩ができた結果、嗜虐心に強く目覚めた彼女が彼の来世を男性優位の国に転生させて遊びたいという頼みを了承したことが分かった。

 事情を理解した彼は目の前の半ば神と化しているヴィヴィオより、前世の自分に怒りがわいてくる。いくら善人とはいえ、彼女は恐らくいくつもある世界線の中の嗜虐親が凄く強くなってしまったヴィヴィオだ。
そんな相手に来世を(自分)をあっさり渡すんじゃない。 そう思った直後にヴィヴィオに接吻すされて唇を塞がれた。その時点で脳が壊れかけるほどの快感が襲ってきたがその直後に舌を絡められた時、彼の意識は完全にくだけた。

 ここに来るまでに前世で縁のあった女性達に何度か女性優位の性行為をされたが、彼女たちは約束は破らず手加減してくれていたのだと納得の念が浮かぶ。

 ヴィヴィオは完全に力を失った状態の彼を運ぶと大浴場らしき場所に導いた。ヴィヴィオが彼の服を剥ぎ取り、女騎士たちに指示を出すと彼女たちが彼に湯をかけてきた。
特殊な薬草が大量に入っているらしいそれは彼に快感と脱力をもたらし、ヴィヴィオの体は余計に力が増していっているように見える。
闘技場で彼女と戦った後の疲労が一気に出て、風呂から出るころには指一本動かすことすら億劫になっていた。


 ヴィヴィオは笑いながら彼を押し倒し、言う。

「ジパング男子に転生した貴方を味会わせてもらいます。いまジパングを侵略している敵国の首魁ですよ、私は。その私にこれからジパング男子にあるまじき性行為をされるんですから御覚悟を」

 笑みを浮かべヴィヴィオが上にまたがり彼の分身を飲み込むと。体中の脱力はそのままに、彼の頭の中の靄が吹き飛んだ。
ヴィヴィオの秘所は熱烈に彼を搾り取りそして彼女が腰を振るたびに魂すら完全にすりつぶし精液に変えて絞り出してくる感覚だ。
そして冴えた頭で余計に理解する。自分はジパング男子でありながら一応とはいえ、敵国の女王にジパング男子としてあり得ない性行為をされていると。ヴィヴィオはそれを見て笑う。

「恥辱を感じてはいるけど、前以上に固くなってますよ。だ・ん・な・さ・ま♪」

 ジパング女子が夫を敬って言う言葉を皮肉気に言いながら余計に彼を辱めその侮辱が余計に彼の分身を固くしたのを理解するとヴィヴィオの体が神聖な気に満ち始める。
その後彼の分身をなめしゃぶる彼女の秘所から特殊な熱が感じられ余計に彼はその熱に肉体だけでなく魂の分身もかすめ取られた感じがする。ヴィヴィオが腰を左に一回ひねった時点で、
一気に快楽で脳が壊れ。もう一度逆にひねられた際の射精で一気に癖になったことを彼は実感する。気をやってしまった彼をヴィヴィオは楽しそうに見下ろしながら言う。

「それじゃあ、仕上げをしに行きましょうか」


 ヴィヴィオは軽々と裸のままの彼を持ち上げると、そのまま彼と紙一重の激闘を繰り広げた闘技場まで彼を連れて行った。
いつの間にか闘技場にはたくさんの女性達が客として入ってきている。 そしてそこにはかつて彼を散々に嫐ったさとりが実況者としてマイクを持ち待ち構えていた。彼女は最高に楽しそうにマイクをとると解説を始めた。

「先ほどはストレリチアでも最強格のヴィヴィオ様と互角に戦いあと一歩まで追い詰めたジパングの英雄高島ですが、敗れヴィヴィオ様に手籠めにされたようです。
すっかりとそれが癖になってますジパング男子の癖に、おっとぉ!私の罵倒に起こりつつ息子が元気になってしまってますねぇ」

 観客からの嘲笑とさとりの蔑む目ですっかりと自分の分身が固くなったのを自覚してジパング男子として情けないと思ったところで、
ヴィヴィオが自分の前世から受け取った文殊に『戻』の字を込めていることに気づいた。それに怪訝な感情を持つ彼に向ってさとりが言う。

「貴方は前世で関係の深い女性達に散々嫐られたけど、彼女たちは一応貴方への配慮から、ジパング男子として恥ずかしすぎる行為は恥ずかしさからトラウマになるのと、
癖になるから記憶から消しておいてくれたんですよ。これからその記憶を戻すようです」

 さとりの言葉が終わった直後に『戻』の文珠がぶつけられて彼の記憶が一気に戻ってきた。そしてそれが彼の分身を一気に固くしたのを見て、さとりが面白そうに笑いながら言う。

「『想起・今戻った全ての性行為』」

 さとりの想起までされて恥辱と快楽のせいで焼けた鉄板の上で拷問されている様な動きで転がりまわる彼をヴィヴィオが押さえつけると、さとりがヴィヴィオに礼を言った。

「ヴィヴィオ様ありがとうございます。それでは一度彼をもらったら実況の仕事に戻ります」

 そういうとさとりが、彼の分身を飲み込みさらに想起を強めてきた。笑いながら彼女は言う。

「こいし、彼の無意識を操ってジパング男子が女に閨で負けるのが恥ずかしいという思いを最高にしなさい」

 その言葉とともに銀色の髪をした美少女が後ろから現れる。

「はい。おねえちゃん」

「それではいくわよ、忠夫」

 さとりの声は既に彼の頭の中には入っていなかった。既に過去の快楽と恥辱の極致の世界に彼は旅立っている。




 リグルに正々堂々と戦って勝った夜いかまきりの加護をもらい、女性に貪られる恐怖が消えた直後に少女である彼女に負ける恥辱心と、幼いからだが巻き起こす快楽が一気に蘇ってくる。


708 :名無しさん@狐板:2024/01/31(水) 23:57:41 ID:gTW79/kJ

「忠夫、気持ちいい? 聞くまでもないか。 エヴァに古傷をなめられた時気持ちよかったでしょう。でも僕の虫妖怪の舌も違った感覚があって気持ちいいでしょう?」

「は、はい」

「敬語でしゃべるようになったね。敗北感が強くて前世の感覚が戻ってきたかな」

 リグルの舌で古傷をなめられるたびに彼はがくがくと震え、そしてその度に射精が止まらなくなる。 そして舌を絡めたキスをした時に、雲にとらわれた虫のようになっていくことに気づいた。
リグルは繋がった状態から離れると他の虫妖怪の美女たちに彼を襲わせ彼の玉袋を揉みしだき始める。虫妖怪の体液使った薬と彼女の手の技が合わさり彼はよけに高ぶらされていく。

「ほら薬だけじゃなくて僕の揉み方も気持ちいでしょう。 今夜のことは忘れさせるけど、前世の他の女性のモノになったら共有の為に思い出させるからね」

「は、はい」

 意識を失いかけている横島の周りの虫妖怪を引かせると、彼女は再び彼の分身を飲み込み、口づけと同時に射精させた。
そして自分が大勢の前で恥ずかしすぎる射精をした上に相手は見かけが愛歌より年下の少女だという事実に気づき落ち込む彼に彼女は言う。

「忠夫を可愛がった女性で見かけ年齢最年少は僕だからね。覚えておいてね」

 次の日リグルに撮影したビデオを一緒に見せられて、そこでまた同じことをやられたことまで彼は思い出した。そして次の想起が始まる。





 彼はアリスと戦い勝利した後、彼女が悪人ではないことが分かったので、彼女の悩み事を解決するために剣をとった。そしてその戦いで重傷を負った後、治療を受けていた。
精の付く大量の料理をとって体の体調が一気に治りだしたころに彼女に押し倒された。本来なら体はろくに動かないはずだが、彼女が霊力でできた糸で彼を動かしてくれたために体を鈍らせずに済んでいる。
そして再び戦闘に戻る前に彼女が彼を押し倒してきたのだ。

「忠夫、どうしてもあなたが格好良すぎて前世を思い出しちゃったの。記憶をちゃんと消すから、後遺症も残さないから今夜だけは私のモノになって」

 アリスに口づけされてそれだけで甘い快楽で完全に脳が蕩け堕ちた。そして彼女は彼に覆いかぶさりながら何度も彼の分身を自分の中で甘く溶かしていく。
つながった部分から男としての気概が溶け出ていくような錯覚を覚えながら彼は何度も射精を繰り返した。

 アリスの糸が彼を操り、彼を自分の意のままに操りながら何度も射精させる時には男性優位の体位も入っていたが、その度に彼女が達する前に何度も何度も射精させられる。
女性優位の性行による屈辱もそうだが、それ以上に甘い霞がかかった様な感覚が強くなっていき、彼の頭は完全にバカになっていった。彼が完全に沈み切ったのを見計らうとアリスが呪文を唱えてきた。
それを受けた彼の姿は小学生くらいの姿に戻る。そして精神も分別が身についた大人ではなく、女性優位の性行為に対する恥辱審がマックスだった頃のそれになるその彼の顔を自分の胸で挟み込みながらアリスはささやく。

「忠夫、ジパング男子としてどれだけ閨で無様をさらしても私は嫌いにならないから。だからもしも今回の戦で負けたら、私に溺れに来て癒されて」

 その魔性めいた蜜の様な声が脳に響き切り終わると彼は射精が起こり、強すぎる快感が生む恐怖におびえる彼をアリスが抱きしめ母の様に抱きしめながら笑い、気絶するほど射精を楽しそうに受けとめた。性交が終わった後、自分の霊力が完全に底をつき、逆にアリスの霊力が前回になっていたが警戒心はわかない。それを察したアリスは嬉しそうに彼を抱えたまま彼に魔術をかけると眠りの中にいざなっていった。


 現実に戻った彼はさとりといつの間にか交代していたこいしにまたがられ絞り尽くされている。つやつやとして霊気に満ちたさとりが嘲笑と共に実況を続ける。

「現実に戻ってきた高島、ここで衝撃の報告がです。実は今受けた想起の内容は、この闘技場のモニターで移っていたので全観客の知るところとなってしまいました。おっとぉ!
屈辱もあるけど、それ以上に興奮して分身が固くなってます。こいしに無意識を操られてジパング男子としての意識が強くなっているのにこれです!」

 さとりの声の後に観客席から爆笑が起り彼はそのまま射精して倒れた。

 その後彼は闘技場で一度でも勝てばジパングの侵攻をやめるという条件でさとりの想起を受けた後にヴィヴィオと戦う日々に身をやつした。一度も勝つことはできなかったが。



「おっと、嘲笑を受けながら陛下や配下に犯されるのが癖になっているド変態が今日も来ました。以前は本気なら瞬殺できる騎士にすら負けて犯されていましたが今日はどこまで行ってしまうのでしょうか?」

 さとりの嘲笑を聞きながら彼は自分の分身が固くなるのを感じていた。そして負けるたびに搾り取られ、その際に奪われた霊力がジパング侵攻兵器である自分の人形を動かす動力に使われていることをしることになる。

 その人形はジパング進行で多大な戦果を挙げた。




 横島はクリスマスから正月の日々を思い出して、完全にグロッキー状態になった。いつの間にか来ていた少女姿のヴィヴィオが笑いながら言う。

「お兄ちゃんもある意味癖になってなかった?」

「ヴィ、ヴィヴィオ、頼むからああいうのやめてな」

「ストレリチアが闘技場の本場だからって悪いことしてもいない相手にあそこまでしないよ。 まあ、旦那様が好きすぎて嗜虐心が強すぎる王にはやっちゃった人もいたけど。
モモイとミドリが作るゲームでパラレルワールドの世界を描くことがあると言っても、その世界は可能性が消えたもしくは低い世界線のパラレルでしょ。私あそこまで嗜虐心持ってないし、
ああいうプレイ来世でしたいって言う要望聞かなきゃダメな程私に恩がないでしょう」

「あ、ああ。まあな。ゲーム世界に吸い込まれとったせいか、トラウマは随分と軽かったが多少はあるんや」

「例えばどんなふうに?」

「大人形態のお前に王族口調でしゃべられると逆らい難くなっとる」

「そうなんだ」

 それを聞くと、ヴィヴィオが大人形態になって不意に横島に声をかけた。

「忠夫さん、実はアリスが今回のゲームの公式番外編の人形劇をやると言ってました。ぜひともモモイとミドリといっしょに見てあげてくれませんか? もう準備できているみたいです」

 ヴィヴィオの声に逆らい難いものを感じた横島は頷いた。

「見かけはともかく、幼女に逆らえんとか情けないわ」

 その言葉にモモイが袖を引きながらフォローをした。

「忠夫、大丈夫だよ。私とミドリも逆らえないから。王族オーラおそるべし」






 人形劇を見に行った横島はヴィヴィオの指定した席に座ると、モモイとミドリも左右にかける。そして彼が『がんばれ!高島番外編』の劇を見始めると伊良子の来世主人公の続編のサイドストーリーだった。
前世と同じくイキって女権国家への宣戦布告に猫殺しをやった伊良子が横島の来世の高島と共に女権国家と戦おうと思ったら、その猫を助けた高島と喧嘩になり、
明日謝るかと思っていたら女権国家に彼が拉致されたので一人で戦うというものだ。 その際に高島がどの様にやられたのかの劇が始まる。





 ステージの人形劇では高島が猫を助けた直後にベルンカステルに不意打ちを受けて倒された状態になる。ベルンカステルは笑いながら言う。

「今生でもあのバカ(伊良子)は変わらないわね。完璧に猫に化けていた私を理由もなく殺して狂三を怒らせてあれだけの目にあったのに、そして貴方も変わらないわね。
猫が可哀そうだと思って、惜しげもなく高い治癒札を使うあたり」

 後半は親愛の情を感じさせる声で言いながら彼を押し倒し始めるベルンカステル。人形劇を見ながら彼は、自分が劇の中の人形と同調し始めていることに気づいた。
そして劇の中のベルンカステルは笑いながら、手を振り何かを呼び出す魔法を唱えたあと、その存在に向かって言う。


709 :名無しさん@狐板:2024/01/31(水) 23:59:00 ID:gTW79/kJ

「モモイ、ミドリ。今生の彼はジパング男子よ。だから王国男子以上に女性優位の性行が恥ずかしいから嫐りぬいてあげなさい。 猫の魔力が特にあなたたちとは相性が良かったから、
センリと猫又の力を用いて彼を完全に堕としなさい。私の奇跡の魔術で堕ちはしても、ジパング男子としての価値観はそのままになるようにしておくから」

 ベルンカステルが指示を終えると、モモイとミドリを大人にしたような豊満な人形が人形劇に登場し彼の体を愛撫し始める。劇の中で彼はベルンカステルの劇場で多くの猫娘たちの嘲笑を受けていたが、
今の自分はまるでその人形と同じ様な目にあっている様な錯覚を覚える。劇の中でモモイとミドリの人形が彼の人形の分身を弄りだすと本格的に、彼の意識がおかしくなり始める。
立ち上がり逃げようとした直後に、彼は両腕を掴まれ無理やり席に戻された。そして左右を見ると、劇の中の人形の様な美女に姿を変えたモモイとミドリがいた。ミドリが丁寧な口調で言う。

「忠夫さん、せっかくだから最後まで楽しみましょう」

「そうそう、アリスの劇だからそんなひどいことにはならないよ」

 そういいながら女権国家の女性特有の好きな男を嫐り貪る直前の様な彼女たち眼におびえた直後に彼の意識は人形の中に移った。





 ベルンカステルが用意した劇場でジパング男子としては最悪に屈辱的な性行為をされながらその背徳感が余計にそれを引き立てる性行為をされながら、ショートカットの髪を揺らすモモイが笑う。

「忠夫、前世でも私たちに負けた時恥ずかしそうだったけど、今生は余計に恥ずかしいみたいね。 まあ、入れて2秒も持たなきゃしょうがないか。
ベッドの中の貴方の名前は早漏でいい? 今固くなったよバカにされて余計に固くなったジパング男子なのに」

 モモイの遊ぶような腰遣いと嘲る言葉とは正反対の優しい攻めが余計に彼を高ぶらせていく。ミドリが楽しそうに笑いながらそれを形だけは諫める。

「やめてあげてお姉ちゃん。ジパング男子なのに、夜で勝てないばかりかこんなに直ぐ変態に染まったなんて大勢の前で暴露されたら可哀そうよ。本人がどれだけ救いようがない変態かわかっているんだから」

 表向きかばいつつ男を惨めにさせるつぼを心得た声で笑いながらミドリは彼の玉袋やモモイの名から出た彼の分身を愛撫して余計に追い詰めていく。
射精が済むとモモイと交代し、正反対の性の技と、性的な術で彼の内部をずたずたにしていく。癒すような性行為をしつつ、彼を敢えて上にしていう。

「いじめてごめんなさい忠夫さん。だから少しだけ譲りますから頑張って」

 その言葉に屈辱を煽られて上になった状態で腰を振るがすぐに達してしまい。それでもミドリの優しい行為がどんどん中毒になっていることに彼は気づく。
ミドリは途中ですぐに体を入れ替えると優しい動きで彼の分身を締め付け始める。優しい動きながらどこまでも鋭い快楽で彼を追い詰めてくる感触に負けて彼が射精するとモモイが、それをとがめた。

「忠夫早く行き過ぎ ミドリは全然満足してないよ!」

 そういってさっきミドリがしていたのと同じ場所を正反対の方法で愛撫すると、彼を回復させずに何度もイカせた。それを見て優しい笑顔で追い打ちをかけるミドリ。ベルンカステルが不意に笑いながらこえを上げる。

「彼の変態ぶりはすさまじいわよ。前世で初めて会った時の恰好で嫐ってみてあげなさい」

 そういってベルンカステルが手を振ると二人は少女の姿になり彼を二人がかりで襲いだす。

「嘘、こんな少女の姿の私たちにされている時の方が射精量が多いって、忠夫どこまで変態なの?」

「お姉ちゃん、忠夫だけのせいじゃなくて、私たちが覚えた性技の師匠(狂三)のせいもあるんじゃない」

 二人に嫐られ抜いた直後にベルンカステルも入ってきて彼女に一度分身を飲み込まれた時に彼の意識は完全にくだけた。


 気が付くと彼は元のコタツの部屋におり、モモイとミドリが普通にゲームをしている。だが二人は妙に上機嫌だ。

「忠夫、起きた。魔術的な関係で少し人形とシンクロしちゃったみたいね。気を付けたほうが良いよ」

 モモイの言葉をミドリが引き取って続ける。

「忠夫さんは本当に好かれすぎるから、ビデオとか本の時も護符がいるかもしれませんね」

「お、おおそうかそれじゃあワイは今日はもう帰るわ」







横島が帰って行ったあとミドリとモモイがにアリスが声をかけた。

「二人ともどうだった? あなたたちは自分たちをヒロインにした話を書くのは恥ずかしいと言っていたから、私が書いたシナリオの番外編をしたけど」

「うん。ありがとうアリス。すごくよかったよ。でも対価もいるんでしょう?」

「今回はもうもらっているわ前回のゲームで楽しませてもらったから。今後も忠夫の経験値を上げてくれるゲームを作って私たちを楽しませてくれたら、その度に私がこういう番外編の人形劇を作るから」

「わかった。頑張って作るね。でも忠夫が本気で壊れたりやばいシナリオができたら女権国家的にどんなに楽しくても破棄するからね」

 モモイの表情はどんな誘惑をされても横島を裏切ることや道義的にやってはいけない一線は超えない光りに満ちた目をしている。
狂三がわざわざ身分を偽りこの会社のアドバイザーをやったのも猫のコスプレが異常にはまっているだけではなくこの姉妹のこの内面に惹かれているところもあるのだろう。
アリスはそう思いこの二人を好ましく思うと共に内心喜んだ。この二人の作るゲームを利用すれば自分の愛する横島を強くすることもできるし、何より人形劇で彼を可愛がるバリエーションも増える。
この二人を計画に入れて、同横島を嫐るか考えるだけで楽しくてたまらなくなってくる。


710 :名無しさん@狐板:2024/03/01(金) 10:43:35 ID:RER5oYtP
乙でしたー面白い

711 :704:2024/03/02(土) 23:48:39 ID:10vrulnk
>>710
ありがとうございます

712 :名無しさん@狐板:2024/03/14(木) 23:09:31 ID:NDMeNv0O
2024年女権国ホワイトデーSS ストレリチアの聖王に愛された男の潔『白』の証明

このSSは本スレで連載されている女権国家の二次創作SSです。以下の注意点があります。

@ 今回のSSでは演技かつ女性に負ける前振りの上げオトシの為だけど、男性優位の性交委の描写が少しだけあります
A このSSだとヴィヴィオが聖王の生まれ変わりであり、ヴァルハラの支配者の一人みたいな設定になってます
B 横島とヴィヴィオの前世に捏造設定ありです。
C 即興で仕上げたのでストレリチアの価値観などが大分オリジナルが入ってます。
D ジパングの価値観の男性優位はこのSSのオリジナル設定です。
E 東洋の術が西洋だと高く評価される傾向にあるというのは、自分が過去に読んだ海外の作家の小説からそう思っただけなので間違えていたらすいません。






 女権国家にあるストレリチの大使館。その豪奢な客室で王国の諜報員である横島忠夫は真剣な表情でたたずんでいた。彼を慕う女性の一人であり、ストレリチアの王族であるヴィヴィに呼び出された為に彼はここにいる。
呼び出された当初はホワイトデーという悪い意味で男にとって特別な日となっている女権国家から逃げられると大喜びだった。
何しろ『今日はホワイトデーだからバレンタインのお返しに私たちを白濁で白く染めなさい』と意中の男子を襲う女性が山ほどいて脅えたものだった。
リグルやアリスやエヴァのことは信じているが、それでも彼女たちも女権国家の女性だ。負けさえしなければ逆レイプされたりしない、ストレリチアの女性達とは安全性が異なりすぎる。
女権国家出身の彼女たちともストレリチアの大使館で一緒に過ごせば多少は安全だろう。

 そこまで考えた後、彼はヴィヴィオの用向きが何なのか考えを巡らせることにした。ヴィヴィオの部下たちの話では最近はヴィヴィオが少し不機嫌だったらしい。
前世の記憶が戻ってきてそのせいだと言っていた。ヴィヴィオは部下に当たったりはしないが、それでも聖王の力を取り戻して絶大な力を持つようになってからは不機嫌なだけでも相当に恐ろしい様だ。 魔王であるアルがヴィヴィオと仲良くなり、
力の扱いに不慣れな彼女の為に部下たちを脅えさせない力の抑え方を教えていると聞いた。ヴィヴィオは善性であることを知るとアルに対して隔意を持たずに接していたと聞いていたが、今ではかなり仲が良いらしい。
それを聞いた時は魔王と聖王が仲良しというのも妙なものだなと思った。


 思案にふける彼のもとに不意に入室の許可を求める声が響き、応じるとヴィヴィオが配下の騎士たちを連れて入ってきた。彼女は笑顔を見せながら言う。

「お兄ちゃん久しぶり」

「ああ一月半くらいか」

「うん! 今日を過ごすために準備していたから。色々と手間が大変だったの。それとお兄ちゃんのホワイトデーのお返し受け取ったよ」

「そうか」

 横島はホワイトデーのお返しとして、それなりに高く並ばないと買えないお菓子を自分を思ってくれている女性達に贈っていた。喜んでいるヴィヴィオの表情を見て、顔が綻んでいる彼を他所にヴィヴィオは言葉を続ける。

「他のお兄ちゃんを思っている女の子たちもかなり喜んでいたよ! 値段はそれなりでも並ばないと買えないモノというのがポイント高かったんだと思う。実際私も嬉しかったし。ユウキさんも後で俺に大使館にくるって」

「そりゃよかった」

 答えつつ、横島はヴィヴィオ配下の騎士達の無言の陳情を読み取った。基本的にヴィヴィオが不機嫌になった時は彼が治せる場合が多い。別に人間なら不機嫌な時もあるだろうが、
聖王の力に目覚めたヴィヴィオは不機嫌でいるだけで、周囲に恐ろしい程の威圧感を与えてしまう。理不尽に当たられないとわかってはいても、彼女ほどの強者に気をぶつけられれば多少は消耗してしまう。
慣れてきている配下達はまだいいが、見習騎士などはたまったものじゃないだろう。 だからこそ、こうなった時は彼の出番となる。横島は少し悩んだ後に口を開いた。

「ヴィヴィオ、最近不機嫌だとうわさで聞いたけど、何か嫌なことでもあったのか? お前の気分が晴れるようなことで俺にできることがあれば協力するで」

 それを聞くとヴィヴィオが花が咲くような笑みを浮かべた。周囲の女騎士たちは横島に感謝の瞳を向けてくる。ヴィヴィオは笑みを浮かべて言葉を続ける。

「実を言うとお兄ちゃんって、前世でも私と一緒に戦っていたでしょう。別にそれがわかる前から好きだったけど」

「ああ、まあな」

 少し照れながら返す横島にヴィヴィオは少しだけ不機嫌な様子に戻り言う。

「それがお兄ちゃんの前世が凄く、悪い書かれ方した劇や小説が流行っているのよ」

 それに対して周りの騎士たちは少し疑問を抱いたような表情になった。騎士たちの中でも特に気心が知れているらしい女性が控えめに声を上げる。

「殿下、恐れながら横島殿の前世である高島様を悪く描写している劇とは何でしょうか?」

 心底疑問に思っている様子の女騎士の言葉を聞き、ヴィヴィオは少し考えると自分の説明不足に気づいた様に頷いた。

「ごめんなさい。少し言葉足らずでしたね。ストレリチアの基準で見ればあれは高島様を悪く描いているとは言わないでしょう。 むしろ私が我慢できない部分を除けば善良で頼れる私の前世である聖王を助けた功臣であり善良な王配とされています」

 横島は説明を聞きながら、かわいらしいと思った。ヴィヴィオとしては横島の前世が総合的に見れば善良とみなされていても、冤罪の部分で貶されているのが我慢ならないのだろう。 その彼女の言葉に彼は少し悩みながら答えた。

「それで、ヴィヴィオは俺の前世のどんな扱いが我慢できないんだ?」

「それそれ。お兄ちゃん、お兄ちゃんの前世である高島は陰陽師で東洋の術を用いて私を助けてくれていて、男性でありながらかなりすごい術使いだったの。
それで前世の私の体目当てで、配下となりそして東洋の性術で私を喘ぎぬかせて男性優位の性交をして雌犬にしていたって」

 それはヴィヴィオが切れるのも無理ないと彼は思った。女権国家とは違うがストレリチアでも、男性にベッドの中で惨敗しているなんて相当な不名誉だろう。そう思ったが、ヴィヴィオの言葉は予想の斜め上だった。

「お兄ちゃんの前世は私が好みの女になるとは限らない状態で、無償の善意で私の前世を助けてくれたんですよ。それに性魔術使ったのだって、
ストレリチアや女権国家の女性と恋人になったら、満足させるにはそれぐらいやらないと無理かもって思ったからだし、雌犬にして飼おうとしていたとかとんでもない風評被害です」

 その言葉を聞きヴィヴィオの配下である女騎士たちは納得いったようにうなずいた。

「それは陛下が怒るのも無理ないですね。しかし、その風評も無理からぬことかも。東洋の術は西洋だと凄く強く評価されますし、そのせいで東洋の性魔術なら陛下も一時期なら負けていたかもって思われたのですね。
確か最近はやっていた劇だと、色欲を除けば善良な彼が術に耐性ができて聖王に閨の中で逆転されるまでの間、陛下をベッドの中で喘がせまくって支配して、
そして陛下に十倍返し近い尊厳崩壊快楽責めを受けて雄犬に成り下がらせられる話でしたね」

女騎士の言葉にヴィヴィオは頷くと王族らしい口調に戻り答える。

「ええ、本当にお兄ちゃんの前世を何だと思っているんですか」

「陛下としてはやはり一時的とはいえ、男性優位の性行為をさせられていたという風評被害も気になりますか?」

「それはあまり、ベッドの中で負けたことはなかったけどある意味自業自得と言える部分もありますから」

 聖王は高島に命を救われた上に良い夫だったためか、女権国家よりは男性の地位が高いストレリチでも珍しいくらい高島に気を遣っていたらしい。多分そのことを言っているのだろう。


713 :名無しさん@狐板:2024/03/14(木) 23:11:58 ID:NDMeNv0O

 憤激するヴィヴィオに女騎士が質問の言葉を続ける。

「殿下としては自業自得の不名誉よりは前世の王配殿の風評被害の方が嫌だと」

「そう。その通りです。前世の記憶をもある私が正しいお兄ちゃんの前世の姿を伝えようと思います。 今度ストレリチア全土に放送する人形劇をアリスさんに頼んでやります。
その劇のプロトタイプを配下達と一緒に見る予定ですから夕食の後で付き合ってくださいね」

「ああ。わかった」

 横島が了承するとヴィヴィオは楽しそうにうなずいた。





 その日の夕食は大変豪勢なものであり、上機嫌なヴィヴィオが自ら狩ったらしい滋養に効く猛獣の肉や元気がでる色とりどりの料理が食卓を彩った。
大人の姿になり夜会服に身を包んだヴィヴィオと食事を楽しんだ後、彼は最後に出された飛び切り美味しいドリンクを飲んだ直後に電灯が落ちるように意識が途切れた。
そしてそれが終わると彼は人形劇の観客席に座っていた。

 ナレーションを口ずさみながら、典雅な所作で劇を続けるショートカットの金髪の美女であるアリスを見ながら彼は眠っていたかと少しアリスに罪悪感を覚えたが、
不思議と劇の内容がすべて頭の中にあることに驚いた。 これは自分の前世絡みの劇だからだろうか? 聖王を守り抜き最後の戦いを終えた彼は褒美という名目で冗談で交わしたような約束ごとに則り聖王と閨を共にした。
そして東洋の性的な術で聖王を喘がせ完全に雌犬として、そこまで考えて彼は猛烈な違和感を覚える。確かヴィヴィオは一度もベッドの負けたことはなかったと言っていた。あれは強がりや嘘の類ではない。
なのに、なぜ自分の中にそういう知識があるのか。これはもしかして間違っているとヴィヴィオが言っていた方の劇を先に上演しているのだろうか?


 そこまで考えた後に、彼の意識は不意にあの人形の中に入る様な錯覚を覚えた。彼の視点は等身大の現実世界に切り替わり。彼の下では東洋の性術であえぐヴィヴィオがいる。
彼は何度も喘ぎ声をあげさせつつ必死に耐えた。性的に相手を圧倒しているとはいえ、ヴィヴィオの体はすさまじい快楽を彼に刻み付けてくる。
必死にこらえながらなんとか先に彼女を達しさせたと思った直後にヴィヴィオの口づけが彼を襲い、彼はそれに耐えながら言った。

「今夜も可愛かったぞ。聖王様」

「もう恥ずかしいことを言わないでください。 それと高島様に質問があるんですけど」

「なんだ」

「死後も私が天界に言った後、共にストレリチアを護るエインヘリアルになってくれますか?」

「ああ。だが良いのか? ストレリチアでは男性優位の性行為は凄く恥ずべき事なんだろう? 一応隠してはいるけど、うわさが広まっているぞ。東洋のやばい性魔術で聖王様が雌犬になっているって」

「それは自業自得ですから。それより誓ってくれますか? 死後の世界においてもわが基に居続けてくれるって」

「ああ。もちろんだが、基本的には輪廻の輪に戻って人として活動する時間もくれや」

 少し残念そうだが、ヴィヴィオは頷いた。

「わかりました死後も我がエインヘリアルとして伴侶として共にいてください」

「ああ分かった。約束するで」

 その言質を終えた直後彼の魂に何かが刻まれた感触が走り、そのまま彼の動きが僅かに鈍くなった。そしてその直後に再びヴィヴィオが彼の唇を奪う。
その瞬間、彼は舌を絡められた直後にかつてない程の快楽が走った。 ヴィヴィオの手が彼の分身を握りしめる。
彼は悲鳴を上げかけた口づけと舌遣いだけで達するほどだったのに射精を許されず、さらに彼の射精を封じる為に分身を掴む手が余計に強い快楽を送り込んでくる。ヴィヴィオは笑いながら言う。

「今までベッドの中で負けるふりしていてすいません。王族としての演技力を全開で頑張らせてもらいました」

「あー!あー!」

「快楽が強すぎて声も出せませんか。これだと頭にも入らないかもしれませんね。それじゃあまずは一度抜きましょう」

 そういってヴィヴィオが彼の分身を秘所で飲み込むと。彼の脳みそが爆発した。今までも性行為でもヴィヴィオの内部と豊満な体は彼に異常な快楽を与え東洋の性魔術をもってしてもぎりぎりの勝利しか得られなかった。
正確に言えば勝利したと思わされてきただが、それでもどれだけ彼女が快楽を抑えてきていたのかわかる。彼女の彼の分身を捕らえる秘所が強く締め付け始めると、彼は一気に悲鳴を上げてヴィヴィオの中に全てを注ぎぬいた。

 射精を終えて、倒れかける彼を他所にヴィヴィオは言葉を続ける。

「ジパングはものすごく男性優位な国だと聞きました。貴方はそこの出身。ベッドの中で女性に負けるというのが凄く恥ずかしい国の出身の殿方を落とすために負けたふりは大変でした。かわいらしくて食べてしまいたくなりますから。 こんな風にね」

 ヴィヴィオが神気に似たものを解放しようとする気配を感じて彼の顔は真っ蒼になった。今までストレリチアの特殊な加護にない状態でこの快楽。もしも特殊な加護を用いられたら自分はどうなるのか。

「泣きそうな顔可愛い過ぎです♪ ではいきますドカーン♪」

 ヴィヴィオの言葉と共に気が解放され、その瞬間彼の脳が爆発し真っ白に染まった。そのまま思考はままならずただ考えることしかできない彼を見下ろしながらヴィヴィオは言う。

「私が貴方にベッドの中で負けているという噂が広まっていると聞いた時、冤罪着せているなと罪悪感もあったけど安心しました。
ストレリチアの者すら騙せるなら貴方にばれる恐れはないなって。 それにジパングの内情を知った時に、私と結婚するってことは私たちでいうところの、
男性にベッドの中で負けるようなものだということなんだなって思ったので、貴方の気持ちを想像するのにも役立ちましたしね。 ちゃんとベッドの外では貴方を立てますし、貴方を共有する騎士達にもそれは徹底させますから。
 これからよろしくお願いします。 旦那様♪」


 ヴィヴィオの言葉を最後に彼はそのまま意識落ちた。

 そして次の瞬間彼は、またも人形劇の観客席に戻っていた。アリスは劇をつづけながら言う。

「以上が一時的とはいえ聖王陛下を雌犬として飼っていたという高島事件の真相でした。魂に訴えかける能力を使って、彼の雄としての支配欲や色欲を聖王陛下は強めていました。
最初に聖王陛下を襲ったのもそのためだったので彼は完全に無罪。白だったのです。 ヴィヴィオ殿下がホワイトデーだからこそ彼の『潔白』を証明したいと思う劇でした」


 アリスのナレーションが終わった後、ヴィヴィオは笑いながら彼を見て言う。

「忠夫さん、どうでしたあの人形劇は」

「すまんなぜか途中で意識が途切れてな」

「そうですか。高島さんは輪廻の中で修行していくことと王配をやるのが疲れるから休暇として庶民の暮らしをしたいみたいな思いもあって、時々現世に来る道を選んだみたいです。
ストレリチアのヴァルハラで味わう快楽は永遠に天国にいても良いと思いませんか」

「ヴァルハラに居た時のことは覚えとらんから何とも言えんわ」

「それじゃあ少し味わってみますか」


 ヴィヴィオがそういった直後に彼は再びさっき高島がいた部屋に戻っていた。

 大人の姿のヴィヴィオが再び彼を犯し、そして彼に懸想していたヴィヴィオの配下の女騎士たちが数人がかりで彼を嫐り始める。
ヴィヴィオが彼に口づけして完全に意識が飛ぶほどの口づけをすると他の騎士たちが左右から乳房を押し付けながら分身と玉袋を愛撫し、やがては口に含むと射精させる。
飲み込んだらしい騎士の霊気が上がると当時に彼のそれが一気に下がるとヴィヴィオは笑いながらその女騎士を離し、彼の分身を飲み込んだ。

 射精をして上向きになった彼を女騎士たちは笑いながら見る。


714 :名無しさん@狐板:2024/03/14(木) 23:13:29 ID:NDMeNv0O

「どんなに強く勇ましくともやはり男性ですね。閨の中ではこれですか」

 他の騎士達も笑いながら彼の分身を足で愛撫し動けない彼を嘲笑する。

「ええ。私の演技が凄かったのもあるけれど、あんなふうに騙される彼が、聖王を雌犬として飼って、国を乗っ取るとか考えるはずがないでしょう。
すべては私の謀略による風評被害です。 潔白だと信じてくれましたか」

「ええ。とても信じられます。こんなに早漏じゃ聖王陛下はおろか一般騎士にすら閨で勝てませんよね」

 そういって他の騎士が彼の分身を飲み込むと彼は数秒も持たずに射精した。ヴィヴィオがマッサージをするように彼のツボを押すと性的な快楽が余計に強くなり、再び射精量が増えていく。
騎士たちは交代しながら彼を嫐り、マッサージをして落としていく。女騎士たちが離れるとアリスとエヴァとユウキとアルとリグルと愛歌が部屋に入ってきた。

「忠夫、大丈夫」

「あ、ああ」

 強すぎる快楽で声が出せない彼に代わってヴィヴィオが答える。

「大丈夫ですよ。ストレリチアの強壮料理を食べましたから、私たち全員に嫐られ抜いても余裕です」

「そうなんだ」

 女騎士たちが彼を嫐りぬいている中でちょうど対面座位となっている時に、ヴィヴィオは彼の顔を両手で挟み口づけをした。
ヴィヴィオの口付で一気に射精の量が増えたのを配下の女騎士は嬉しそうに笑った後離れた。 倒れかけた彼にヴィヴィオは言う。

「私の者となった後ヴァルハラで味わえる快楽はこれです。そして今生で出会った皆様達もそれに加わります。どうですか?」

 崩れ落ちかけた彼を糸で操りアリスが言う。

「忠夫、これ夢じゃなくて現実よ。さっきの人形劇だと思った聖王陛下との性行為も事実だったの。ヴィヴィオ様が、この部屋で聖王を演じてたの。
実を言うとドリンクを夕食で飲んだ時意識が遠くなったでしょう? その時に貴方の本体はここに運ばれていたの。 観客席にいたのが私の作った人形で、意識だけ一時的に移していたの」

「そ、そうなんか」

「ええ。それじゃあヴァルハラの仮体験始めましょうか。貴方だけじゃなくて私たちも、ヴァルハラだとどんな風に貴方を可愛がれるのか経験させてもらいましょう」

 そういうとアリスや他のメンバーも服を脱ぎ始め。エヴァが大人の姿になった時、自分は完全に死ぬかもと思った。





 彼は何時間も時間が過ぎた後、彼は何度も倒れかけていた。体力の限界が来たわけではない。ただ精神の方が射精の度に削られる快楽のせいで持たないのだ。
今は5巡目のアリスが相手だ。大人のから精神まで子供に戻されて、乳房を口に含まされたままま、何度も射精させられている。それが終わるとアルがバツが悪そうに言う。

「実は人形劇の時にヴィヴィオが貴方を騙すのに私も協力していたのよ。高島に対する風評被害を一掃するために全ては聖王の謀略だったって知らしめるために。
ベリアルの嘘でも本当に思える力を使わせてもらったわ。ごめんなさい。あんまりヴィヴィオが真剣に頼むから断れなかったの」

 この人の好さが邪神の欠片でもヴィヴィオに嫌われなかったところなんだろうなと思った直後にアルがアリスと同じ体制で彼を抱き込み分身を飲み込む。
アリスと似ていながら、異なる甘やかし堕落させる彼女の秘所が彼の小さくなった分身を優しく包み込み、射精する度にどんどんと恐れが深くなっていく。
このまま堕落の極みに堕ちてもいいのではないだろうか、そう思った直後にエヴァが笑いながら言う。

「アル、お前の魔王としての甘やかしが凄すぎて忠夫が帰ってこれなくなっているぞ。注射の時間だな」

 エヴァにかまれた瞬間、エヴァが自分に牙を突き立てる前に、血を少し飲んだらしい他の騎士たちから見た自分がどれほど情けない性交をしているのかが、
頭に流れ込んできた。そしてそれが余計に彼を高ぶらせて射精の量を増やし始める。

 エヴァに開けられた穴はすぐにふさがるがそれが終わる前にリグルが舌で虫の妖怪の唾液付きの舌でそこをなめると彼はより高められて射精を終えた。
アルが離れた直後にリグルとエヴァが彼の分身を交互に内部に迎え入れ始める。そして二人との性交の度に二人にかみつかれることとなめられることを繰り返して彼は何度も射精していった。



 彼が完全に倒れたところで愛歌が彼を覗き込むと言った。

「忠夫、それじゃあ、5回目の気付けいくわよ」

 愛歌が彼の分身を飲み込むと脳天に雷が落ちたような快楽が走り、そしてそれと同時に霞がかかったような靄が晴れる感覚がしてくる。彼女は少女らしい膣で分身を嫐りながら旧王朝の呪文を唱えて、何度も彼を搾り取った。

 そして意識が失われかけた彼をユウキが抱き留め彼女は嬉しそうに笑っていう。

「子供時代の忠夫がまた生で見れるなんて、ここは女権国家に来てよかったと思えるよ。愛歌、お願い」

「ええ、任せなさい」

 彼に騎乗して絞るユウキの首筋に愛歌が口づけすると、ユウキの秘所が余計に鋭い快楽を彼に与え。壊れかけた彼をもとに戻していく。これは多分幼馴であるユウキの力を借りた旧王朝の魔術なのだろう。




 全員との性行為が終わって息も絶え気味な彼にヴィヴィオが言った。

「忠夫さん、精神じゃなくて体はどうですか?」

「普段なら死ぬかもってくらい絞られたはずなのに割と大丈夫や。ストレリチアの滋養料理凄いな」

「そうですか。それではもう少し休んだら続きと行きましょうか」

「え」

「今日はホワイトデーですから『潔白』を証明した後は、私たちが満足するまで白く染める液体を注いでもらいます。大丈夫すぐに嫌ではなくなりますから」

 そういってヴィヴィオが彼の唇を奪うと一気に抵抗感や忌避感が薄らぎ彼は倒れた。それを見下ろしながら言う。

「聖王たる私の者となりヴァルハラに来たときは快楽に限りや終わりはありません。ホワイトデーに相応しい全てを城に染め上げてそれを味わってください」

 ヴィヴィオの宣言を聞き彼は自分の意識は多分白く塗りつぶされるのだろうなと思った後、本気でホワイトデーは王国に帰省が正解だったのだと思った。
女権国家は危険だが、ストレリチアは安全だなどと考えていた過去の自分を殴りたいと思ったが、この思いも長くは続かないのだろなと思った。


715 :名無しさん@狐板:2024/03/15(金) 11:57:59 ID:t0M0v0iN
おつ

716 :712:2024/03/15(金) 19:52:12 ID:FZsgblqc
>>715
乙感謝です

717 :名無しさん@狐板:2024/03/16(土) 14:03:15 ID:HJnkfAWx
おつでしたー
男性優位の演技良いよね

718 :712:2024/03/17(日) 00:08:20 ID:dwiwig4A
>>717
乙感謝です
演技とはいえ男性優位の性描写入れるの結構勇気が必要だったので、そういってもらえてうれしいです

719 :名無しさん@狐板:2024/03/17(日) 01:28:00 ID:ePsRAmCW


720 :712:2024/03/18(月) 01:27:44 ID:MOQShH/L
>>719
乙感謝です

721 :名無しさん@狐板:2024/03/21(木) 01:28:30 ID:bvPi3lBq
乙でした

722 :名無しさん@狐板:2024/03/23(土) 14:16:40 ID:2jL89/lI
オツー

723 :712:2024/03/23(土) 19:42:59 ID:MhNfuAvR
>>721
乙感謝です
>>722
乙感謝です

724 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:06:42 ID:AXpTmxZ/
 女権国家&女神転生if…クロスSS数多の不幸を焼き尽くした異世界からの炎風

このSSは現在本スレで連載されている女権国家と女神転生シリーズをクロスさせたSSです。 以下の注意点があります。

@このSSで用いられたユウキ救済案は全て二次創作作者の個人的な見解に基づいて作られたものであり、本編とは一切関係ありません。
A女神転生シリーズとクロスしていますが、著者は世界の神話にそこまで詳しくないので、ふわっとしています。
Bユウキの別人別側面なキャラが出てきます。ユウキと似ているだけで公式には一切関係ありません
Cかなりご都合主義です。
D自分が投稿しているこれはひどい女神転生ifと微妙にかかわっているけど、読まなくても問題ない様に最低限の説明は入れてはいますが、だめだったらすいません。
EこのSSの世界線ではネロとアンリエッタの関係は、ネロはアンリエッタと仲いいけど、畜生すぎる本性も知っており、『困ったものだ。少しは痛い目見た方が良いかもしれん』みたいに思っている感じです。
Fこの世界ではネロはこのSS内で知るまで大鳳くんの存在を知らなかった設定です
G警邏隊の面々はこの世界線だと大鳳くんへの好感度が振り切れる一歩手前くらいです。
H畜生系ヒロインが割とひどい結末を迎えたかもみたいな描写があります。
I穢れなき純潔の束縛に対してかなりの独自解釈が入ってます。
Jアンリエッタ皇女が度畜生になっているけど、好感度が高くなり過ぎて畜生度が高くなった感じです。あくまでも精神的にだけど割とひどい目に合う描写もあります
K>>347の月間少年カンカンと>>246から>>258のこれはひどい女神転生if傲慢界の設定が深くかかわっています。
L女神転生ifの半オリキャラが出ています。その主人公はプレイ次第で性格が大分変ると感じなので、善人よりかつ超人になってます。





女権国家のそれなりに豪華な館の一室でいつになく真剣な表情で、思案にふける男がいた。赤いバンダナをまいた彼は、普段は格好悪いと言われるくらいに崩れた顔ではなく、その表情が引き締まり、美形の側に分類されるよう変化している。
自分が結婚の約束をして、今自分にすら明かすことができない何かを抱えているユウキのことを案じている彼の顔は、何も知らぬ女権国家の女性なら美形を思い狙う女子が多いだろうが、
彼と付き合いの深い者たちからすれば、普段の様子に戻ってほしいと思うだろう。

彼は『速』『読』の文珠を使って読み終わった後、『理』『解』の文珠を使って様々な魔術書などを読みふけり、ユウキを救う術を探っている。
できることはなるべく多い方が良い、そう考えると彼はできる限りのことをしようとしている。   ……――……2時間ほどでいくつかの本を読み終えた彼は、自分ができそうな術を試しつつ、次の鍛錬に移ることを考え始めた。
 自信を苛め抜くように鍛える彼の様子をいつの間にか入試ついていた愛歌が慎重に見守っている。 ユウキの身に不穏なことが起こっていると知ることになった元旦から彼の鍛錬に熱が入り始めた。だが、
最近の彼はより鍛錬に熱が入っている。その原因は彼が先ほど読んでいたホラー小説が原因だ。その題名は『ドッペルゲンガー・彼に相応しくないと思うなら私が代わってあげましょうという女』 この本は、
ドッペルゲンガーという怪談を生み出した作者が十年ぶりに書いた、続編らしい。そしてその内容は過去に畜生な所業をしたりした女性達が多少良心が芽生えたりして、自分は今ものにした男に相応しくないのでは?
と思った直後に自分より内面が善良な偽物が現れて自分ととって変わるというものだ。その描写が凄まじくリアルであり、女権国家の女性で振り切れた外道までいかない良心が多少はある畜生な女性達を震え上がらせた。
好きになった男をよりによって自分より多少優れた同じ存在に奪われていく描写が凄くえげつない。 女権国家ではあまりにも大勢に恐怖されたりした怪談が実在していないのに本当になってしまう例もゼロではないと聞いたことがある。


もしかしたら女権国家以外の他の国でもそういうことは起きていた可能性もゼロとは言えない。だがこの小説はあまりにも出来が良すぎた上に、大衆に知られ過ぎている。 
この怪談が現実化すれば、ユウキが危ないかもしれない。ユウキが取引などをしたとは限らないが、仮に悪いことだと思いつつ契約を交わした場合は、ドッペルゲンガーがユウキの所に来る可能性が高い。
そして、この小説の中では被害者の女性達がドッペルゲンガーに襲われたのは悪事を働いたのが原因ではあるが、それが理由ではない。
この小説のドッペルゲンガーは『男にとって自分が相応しくないかもと思っている女子と取って代わろうとする魔物』だ。作中では被害者の女子がそう思うきっかけが好きな男に畜生すぎることをしたり、
悪事を働いたことがきっかけだっただけで、善人を襲うことも普通にあり得る。そうである以上ユウキが悪いことだと思わずに契約していてもドッペルゲンガーに襲われる可能性は高い。

 彼の悩みはそれだけではないこちらは比較的深刻ではない上にジャギに任せておけばどうにかなる可能性もあるが、大鳳のことだ。
一時的に女権国家と王国が共闘せねばならない程の霊的大災害が起きかけた時に大鳳が僅かな間だが行方不明になった。
それから彼は女性恐怖症と異常なまでの自己肯定感の欠如状態に陥ってしまい、またジャギと横島の二人特に横島に対してなぜか罪悪感を感じている状態になったのだ。
一応二人とまともに話せる時ジャギと話しているうちに少しづつ回復しているようでもある。ジャギも大鳳は自分にまかせてドッペルゲンガー事件に専念しろと言っていた。





 ドッペルゲンガーの小説と、それを基にした考察や怪異辞典などを読み終えると、彼は愛歌に向けて声をかけた。

「愛歌ちゃんワイの実力の上がり具合はどうや、ユウキと闘っても勝てそうか?」

 ドッペルゲンガーのホラー小説で助かったパターンは本人が元々善良であったり、あるいは反省して善良になっていた結果、付き合っている男性や友人たちが加勢してくれて撃退に成功したというものが大体の生存パターンだ。
そうでない場合は、能力が自分と全く同じでありながら、機械の様に最適解を打ち、そして精神の揺さぶりにたけたドッペルゲンガーに殺されるという展開が多い。
だがドッペルゲンガーを討ち果たしたものはなりたい自分に近づける幸運などが一気に舞い込んでくるというパターンが多い。 彼をここまで突き動かしているのは、
ドッペルゲンガーが来た時に倒してしまえば、ユウキが抱える問題の大半が解決する幸運が舞い込んでくる。
そうなればユウキを救える可能性が高い。それを実現させるためにも、ユウキとの戦いにより慣れておく必要がある。 その横島の様子を見ながら愛歌は少し眉をひそめた。
横島の行為や動機が良くないと、思っているのではない。彼の方針に不安がある為だ。

「忠夫、貴方はユウキのドッペルゲンガーが来たとして、彼女もユウキだと認識したら躊躇わず攻撃できる?」

 愛歌の言葉に僅かに横島は詰まった。できないかもという悩みではなく、そうなる事態を想定していなかったという様子だ。できないかもと彼の考えがよぎったところに、いつのまにか来ていたさとりの声が響いた。

「無理ですね。『やらねばだめだ』とか考えている時点で彼女を全力で殺しにかかるのは不可能ですよ、彼」

「さとりちゃん、わざわざ心を読んで不意打ちになるように声かける癖なおしてな」

「癖じゃなくて、わざとやっているのよ。貴方の恥ずかしいエロ本の内容とか知った方が報復できるでしょう」

 さとりの笑みに彼は元旦での失言を悔いつつ有益な情報を得たかもしれないと思った。あまりよくはないが、ドッペルゲンガーが来たら、『ユウキではない』と強く認識できるようにこいしに無意識を操ってもらうのも一つの手かもしれない。

「貴方がユウキのドッペルゲンガーに勝つのはかなり難しいわよ。同じ姿と声なだけでもユウキではないと認識しても相当傷つけることに不快感がありそうだし。
ドッペルゲンガーの設定だと貴方のことも相当知り尽くしているでしょうから。むしろ友人たちに倒してもらうパターンに持って行った方が現実的よ。
このヒットした小説だと、ドッペルゲンガーは本人の知る知識しかコピーできないみたいだし。アリスや愛歌やリグルやエヴァにお願いするのが一番だと思うけど」


725 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:08:35 ID:AXpTmxZ/

 横島にできないことを突きつけつつ助言もくれる辺り、いじめながらも自分の助言に依存させる彼女の性質の悪さがうかがえる。 ユウキのことで悩む彼に愛歌が少し考えると不意に口を開いた。

「忠夫、今回のドッペルゲンガー騒動、本当に貴方にとっては災難としか言えないことが起こるわ。今回は貴方全く悪くないのに」

 愛歌は様々な魔術に通じている占いなどの知識があっても不思議はないかもしれない。横島を気の毒に思っているのも本心だが、どこか何かを楽しみにしている彼女の様子に横島は嫌な予感を覚えた。

 愛歌は時には横島を成長させるためとあらば、情報を伏せることもある。その類化と思い確認しようとすると彼女は首を振った。

「ごめんなさい。約束だからいえないわ。でもあなたは既に災難にあっていて、その続きがこれから起こるような状態なの」

 その一言で横島は安心した。

「愛歌ちゃんが約束だからと義理立てするような相手なら心配はいらんな。これからドッペルゲンガーが来たときの対策が必要だ。さてどうするか」

 愛歌は横島の返答を聞き嬉しそうに笑った後、横島が背を見せた後捕食者の様な表情を見せる愛歌をよそに彼は再び思案に移り始めた。





 様々なケースや手段を考えては没にすることを繰り返し、思考の迷路から出るためにはちょうどいいと思い玄関に向かい扉を開けるとそこには、
警邏隊隊長ティアナ・ランスターの姿があった。彼女は横島を見ると真面目な表情で言葉をかけてきた。

「横島くん、会えてよかったわ。多分だけど今あなたが頭を悩ませている件で伝えたいことがあると、翼から言伝を預かってきたの」

 その情報を聞き横島は、朗報だと思った。大鳳の前では極めてダメな女らしいが、それ以外のときは義侠心に厚く理想的な警邏隊の副隊長であり、大鳳と出会う前は誰からも尊敬されていたらしい。
大鳳がらみでダメ人間として醜態をさらすことが多くなった今でさえ大鳳が絡んでない時は、他の警邏隊の人間が彼女の頼みを断ることはほとんどないくらいには信用はされているらしい。

「ありがとうございます」

 多分翼がティアナに伝言を持ってこさせたのは、面識があったのとティアナが伝言を持ってきたという時点で信用してくれると考えたからだろう。横島の礼を受けながらティアナは言葉をつづけた。

「翼はオカルト方面の犯罪にかなり詳しいみたいなのよ。今日貴方自宅にいる可能性が高いと占い師に占ってもらっていたみたいなのよ。いなかったら後日また伝言を頼むつもりだったみたい。
私もその書類の内容は一切知らないわ。ただ受け取ったらすぐに見てほしい。それだけしか伝えられていないわ」

「わかった。もう一度言うけどありがとうな」


 横島の礼にこたえるとティアナは帰っていき。彼は即座に封筒の中身を見た。そこには地図があり、喫茶店らしき場所が載っている。横島はそれを見ると、すぐに出かけることにした。






 喫茶店に到着した彼が、翼に呼ばれたことを告げると、すぐに奥の部屋に通される。店主たちの対応と店の様子を観察するとここは良識的な霊能職の人間の溜まり場の様だ。



 奥の部屋に到着すると、長髪の髪をした凛々しい女性がいた。ラフな格好が凛々しさを引き立てており、強い弓の様なまなざしをした彼女は横島に礼をとると言った。

「初めましてだな。私は風鳴翼、警邏隊副隊長であり、ティアナとリンネがオカルトの知識を得るまでオカルト的な事件を担当していたものだ」

 名乗られて横島は頭の中が真っ白になった。大鳳から聞いた彼女とはあまりにもイメージがかけ離れている。大鳳が絡みさえしなければ善意と義侠心に満ちた理想の警邏隊の副隊長だとは聞いていたが、
それでも大鳳から聞いたティアナに懲罰房に放り込まれまくっている彼女とはイメージが違い過ぎた。横島は動揺しつつ礼を返した。

「初めまして横島忠夫です。王国諜報部のオカルト分野の長やりつつ、一応手が空いた時はこの国の性格の良い美人さんを助けたりもしてます」

「ああ。本来私たちが救わなければならない相手を何人か救ってくれたことには感謝の言葉しかない。その礼として今回は有益と思える情報を持ってきた」

 本心からの誠意が七割、横島が善良な女性限定とはいえ女権国家の女性を理不尽な霊障から救おうとする気質を利用する打算が三割くらいに思える。
彼はそれを不快には思わなかったむしろ利用しようとする気持ちを隠さないことで誠意を見せている様だ。
それに善意の方が大半を占めていることが一目でわかる。 横島は少し考えると答えた。

「翼さんは今回どういう情報を持ってきてくれたんや?」

「ああ。今回君に会いたいと言っている人がいる。その人物は間違いなくある程度は君の力になれると確信しているんだ。
君は『離宮の文豪』もしくは『離宮の悪霊祓い』について聞いたことがあるか? 一昔前は『皇帝の謎の客人』という呼ばれ方が主流だったが」

 横島が首を横に振ると、翼は少し考えて言葉を説明を始めた。

「女権国家には、様々な異常現象や超常現象が起こりやすいところがある。彼は、異世界から来た、というより拉致された被害者だったようなんだ。
大昔に男性優位な性行為が当たり前の国から男性をなかなか得られなくなってそういう異世界から無理やり拉致して王国で言うところの逆レイプをしようと貴族と皇族がいたらしい。
良識派の現四惑メンバーにばれて結局ご破算になったようだが、その魔術的装置が作られて数世紀後後、王国との戦争中に発動してきてしまったみたいなんだ」

「その装置やばすぎる気がする」

 横島の顔色が一気に悪くなる。異世界からの兵器や文化まで持ち込まれたら王国は一気に不利になってしまう。翼は彼を安心させるように言葉をつづけた。

「心配はいらない。その人物は、この世界と多少の縁が偶然できたから呼ばれただけで、そういう縁のないものは呼べない程の不完全なオカルト技術だったようだ。
それに彼は女権国家に味方してくれる存在ではなくて、むしろ自分を拉致して無理やり逆レイプしようとした女権国家の軍人たち、
素行が悪かったと同時に実力が高すぎて処罰できなかった数小隊を一人で潰したそうだ。 ネロ陛下が事情を聞き、正式に謝罪してその小隊の者たちを助命してもらった。そして今は離れ宮で文豪をしているらしい」

「そうなんですか」

「その彼はオカルト畑の戦士だったらしく、時々ネロ陛下のお願いを聞いて、善良な女権国家の女性を助けたりしている。そして気にいった相手に武芸の稽古をつけてくれることもあるそうだ」

 皇帝がわざわざ頼むということはそれ相応に実力はあるのだろう。最も四惑の手が空いてない時の補欠の可能性もあるが。
それでも四惑の補欠が勤められる時点で侮れる相手ではない。その人物がなぜ自分に力を貸してくれるのだろうか? もしかしたら目の前の翼が手をまわしてくれたのだろうか。
まるで横島の疑問を読み取ったように彼女は言葉をつづける。

「その彼だが、この女権国家のドッペルゲンガーの恐怖小説を書いた当人なんだ。そしてなぜかは知らないが次の被害者が確実に君の幼馴染であるユウキになると理解したらしい。
それで迷惑をかけてしまうのが本意でないと考えたそうだ」

 それを聞き横島は納得した。ドッペルゲンガーというのはオリジナルの魔物とは思えないが、女権国家では生まれづらい類の魔物でもある。異世界の人物が書いたと聞いて一気に彼の中でつながった。

「わかったつまり彼のもとに行って力を貸してもらえばいいんやな」

「その通りだ。できれば良い結果になることを祈っている。そしてもしも手におえなければ私にも声をかけてほしい。警邏隊が救わねばならないのに、
君たちがいなければ救われなかった女権国家の民を助けてくれたことへの恩返しはしよう。最も君が手におえないことは私たちでもどうにかできない可能性もあるが、それでも一緒にあがくくらいはして見せよう」

「わかった。ワイも頑張らせてもらうわ」

「彼はできれば早く来てほしいらしいが、それでもいつでもいいそうだ。それと無理にではないが、ユウキくんも連れてきてほしいと言っていた」

「そうか」

 僅かに悩みのある横島の言葉に翼は助言を送ってきた。

「個人的には彼は信用できると思う。絶対に約束は守るし、個人としては決して悪人ではない。むしろ善人だ。だが、
過去に一人の女性の為にいかなることでもすると誓うほど惚れた女性がいたらしく、その女性の為とあればどんな非道でもすると言っていた。その女性が絡まない限り絶対に信頼できるだろう」

「それならユウキも連れて行って大丈夫そうやな。翼さんありがとうな」

「ああ。頑張ってくれ」


 翼に礼を言った後、横島は自宅に戻りユウキに声をかけた。

「ユウキ、お前の抱えている悩みが解決するかもしれん」

 横島の力強く確信した声に、ユウキは嬉しそうに顔を上げた。

「忠夫、本当に?」

「まだ確定じゃないがある程度役に立ってくれそうな人が見つかったことは確かや。今から女権国家の離宮に行くで」





 離宮にたどり着いた横島は既に想い人のいる良識派な女性達がこの離宮の警備をしているのを見て、ネロは相当この人物に気を遣っているのだろうと思った。
近づいて彼が礼をとって要件を告げると、警備隊のメンバーが気さくに声を返してきた。

「貴方が、青木さんが招いたというお客様ですね。横島忠夫という人が来たら、よほどの非常事態が他に起きてない限りは速攻で取り次げと言われております。どうぞ」

 案内してくれる警備兵の女性の後ろに進みながら彼は皇帝の直筆と思われる字が書いてあるのを見つけた。字は既に消えかけていたが読み取ることに難儀はない。その内容は
『アンリエッタ立ち入り禁止。もしも入ろうとしたら、暴力を持ってでも追い出せ。余が許す。byネロ』

 本気で疑問めいた様子になる彼に察した警備兵が説明をしてくれた。


726 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:10:43 ID:AXpTmxZ/

「実を言うとここにおられる青木様、もしくは葛葉(くずのは)伯爵様は一人の女性の為だけに全てをかけて戦って両想い、というよりは両片想いだった女性の為だけに生きているようなところがあったのです。
それで最初にそれを知った第一発見者の女性達が遊びで彼を犯そうとしたところ大惨事になってしまいまして。それが彼にとっては殺そうかとも思うくらいには凄い地雷だったのです。
しかし、いきなり異世界からの住人である自分が、どれだけ悪いことかわかっていない相手を蹂躙したら、それは自分にとって大切なものをいくつも奪った相手と同じことだと思ってやめたと、言っていたそうです」


 横島たちは知る由もなかったが、これはかつて彼がいた軽子坂高校が突然魔界にのみこまれ、彼が惚れた女性ほどではなくても、大切な人間が何人も悲惨な目にあったことに起因した思いが産んだことだ。
まだわからないことが多い彼に彼女は歩を進めつつ説明をつづけた。

「アンリエッタ皇女様は男を寝取るのが好きですから。しかもハードルが高い程燃えるタイプ。危険を察知して引く可能性もあるけど、逆だったら彼に速攻で切り捨てられかねませんでした。
彼は、スローライフを送っているような心境でいるため、『死にたいわけではないけど、自分を貫いて死んだらそれはそれで仕方なし』そんな考え方をしている方です。故に皇女を切ることにすら何の躊躇いもないでしょう」

 横島はそれを聞き、もう少し運命が変わっていれば大鳳はアンリエッタに傷つけられずに済んだのでは? と僅かに思ったが継承権第一位の皇女が死亡すればそれなりに大きな変化が歴史に起きていたはずだ。
王国に関係がないところで女権国家に痛手があれば必ずしも今よりいい歴史になったとは限らない。そこまで考えると部屋に到着したことが告げられた。

 案内してくれたメイドが戸を叩くと入室を促す低く威厳があるがどこか気さくな親しみやすい声が響き、メイドが戸を開けると一礼して彼を迎える体制をとる。

「客人の案内ありがとう。リャナンシー」

 その言葉と共に、横島が目を向けると不意に目の前の女権国家の女性の気配が変わり、淡い光と共に彼女が姿を変える赤色の服に身を包んだ洗練されたメイドが、横島とユウキに優雅に一礼しながら言う。

「初めまして、青木様の仲魔リャナンシーです。こちらで言うところの異世界からのお付き合いをしております。 女権国家のメイドの振りをしていたことを平にご容赦を。貴方たちの見方をするうえで万が一の情報の漏洩の可能性を減らすためでした」

 誠意ある言葉を送ってくるリャナンシーに少しだけ戸惑う二人をよそに、扉の向こうから声の主が姿を現した。

 その年齢は20代後半くらいにも若々しさに満ちた50代半ばくらいにも見える。染めているわけではない茶色の地毛に鮮やかな白髪が混じった髪を纏めている。
そしてその瞳は温厚な中にも強い情熱の様なものが感じられる。男はどう生きてきたかが顔に出るというが、彼は平凡な顔立ちながら良い生き方を貫き続けて、
美形に見える年の取り方をした男性だと思える。彼はその顔を引き立てる紳士的で隙の無いふるまいで礼をとると二人に声をかけてきた。

「君たちがこの世界の横島忠夫とユウキさんか。はじめまして。私は青木・仁(あおき・じん)ネロ陛下からは特別にかつて所属していた組織の公称の姓をいただき、
葛葉(くずのは)伯爵を名乗っている。ある異世界において、君が行き着いた果ての来世の師匠を勤めたこともあるものだ。今回は弟子だった存在と惚れた女性への義理で君たちを助けることにした」

「初めまして俺は横島忠夫と言います」

 相手の礼に則った態度に感かされ堅苦しい程の礼を持って応じると、青木はユウキと彼を観察するように見た。
その眼の中に郷愁に似た色と親愛の感情が混じっていることに彼は若干の戸惑いを二人は覚えたが、二人はすぐにその理由に思い至った。

「やはりあなたが師匠を勤めた俺に似ているんですか?」

「ああ。別人ではあっても同一人物だから当然と言えば当然か。正確に言えば、君が行き着いた可能性が転生をつづけた結末というべきか。それでも今の君とあまりにも似ていて驚いたがな」

「そうなんすか」

「その通りだ。だが順序が逆なのかもしれない。俺が師匠をした相手は、『既にこの世界線では起こりえない大事件が起きた際に全力で駆けた君の同一存在だった別人が行き着いた幾つもの転生を経た来世』だ。
むしろあいつが君に似ているというべきなんだろうな」

 それだけ言い終えると、彼はユウキを見て少しだけ驚いたような表情になった。

「君がユウキか、一応君の同一存在とも私は話したことがある。 安心させられる話と、残念な報告をしよう」

 青木の言葉に少しだけ不安そうにするユウキに彼は言った。

「君は私がいた未来では普通に横島の傍にいたよ。どうやったのかはついぞわからなかったがな。そしてあの世界の横島がどうやって君を助けたのかは私も知らない」

「そうなんですか。まあ忠夫が何度も転生した後だから、彼らからしたら相当昔のことだから仕方ないかな」

 答えつつ残念そうな声を出すユウキに彼は発破をかける様な声で言った。

「その方法は多分使う必要はなくなるだろう。何しろ私が君たちを助けるからな」

 そういうと、青木はついてくるように促すと奥の部屋に歩み始める。後に続く横島とユウキは不思議と頼もしいと感じながら、彼に続いた。


 奥に進むと彼らを迎えたのは簡素だが趣味の良い装飾品に包まれた一人暮らしの男性が済んでいると思われる部屋だ。 趣味が良いと言えばいいが、『謎の皇帝の客人』が住んでいる部屋にしては普通過ぎると彼らは思った。
それに対して青木は、少し残念に見えるのも当然だという感じで言う。

「私はもともと、生まれが小市民だからな。それに人間などというものは能力が超人になっても本質はあまり変わらん。
正直豪華な屋敷などには威光を示す必要がある状況なら住むのにためらいはない。だが、その場合苦痛とまではいかんが、こういう住居と比べると気が休まらない」

 彼の言葉は明らかに経験則の様だ。恐らく必要に迫られて豪華な屋敷に住んだことがあるのだろう。 部屋の中に入ってみると客人を迎える際の間取りなどもよく考えられていることが感じられた。
そして部屋には執筆用のパソコンや、女権国家やストレリチアの神話や民話、幻想の物語が多く、置かれている。彼は横島とユウキを向かいに座らせると、自分も座り言った。


「端的に言おう。横島、君がいま悩みを抱えている悩み、ユウキを縛っている契約と体のことだが解決することができる。ただしそれにはお前たちが強くならねばならない」

「そうなんですか」

「ああ。私はかつて君の同一存在の来世を鍛えたことがある。それゆえに弟子入りすれば、鍛えてやろう。試練を超えられなくても、
『周りに迷惑をかけずにユウキと添い遂げられる状況にはなるように』算段は立てたし邪魔する可能性のある者達とも話はつけておいた」

「ちなみに話をつけた相手は誰ですか?」

「四惑達だ。彼女たちにとって有益な未来の情報を私が渡した。むろん俺が渡した情報が王国に迷惑をかける様な内容ではなかったことは、俺が愛する女性、赤根沢玲子(あかねざわれいこ)に誓おう」

 横島の頭は本当に混乱の中に放り込まれている。いきなり目の前の問題が片付き、それでいて四惑が条件を飲むような情報を彼は渡したのだろうか。横島は少し考えた後、どうにか質問を返した。

「取引する前に呼びたい人がいるけどいいですか」

「構わない」

 横島は大鳳を呼ぶかミクを呼ぶか少し悩んだ末に、ミクを呼ぶことにした。大鳳の方が頭の良さは上かもしれないが、ミクの方が王国の長官として大局を見てきている時間が長い。
それに自分やユウキに親愛の情が強すぎる面子ではかえって冷静になれない恐れもある。 連絡を入れるとミクはあっさりとくることを承諾してくれた。四惑に取引を飲ませることができる存在に興味が一番大きかったのだろう。そして諜報部にとって興味深い存在であった『謎の皇帝の客人』を見られるという好奇心も多少はあったのかもしれない。



 一時間も経たないうちに彼の仲魔であるメイド妖精のシルキーに案内されてミクが来ると青木は他国の作法ではあるが洗練された礼をとって彼女を迎えた。 そして青木とミクが並んだ様子を見て、
横島は青木を見た時に感じた謎の既視感が何なのか理解する。 青木はミクと似ていた。正確に言えば、ミクが行き着く一つの結末というべきか。 彼は執念や様々な地獄を見ながら信念を貫きそれでもかけぬき、
悲願を果たして隠居などをしたミクは恐らく彼の様になるのだろう。ミクが青木に負けることは絶対にないと悟る。実力の差云々以上に、彼は全てを賭けて成し遂げるべきことをなした為に、
既に大往生を迎えた亡霊だ。現役時代の彼なら可能性もあったかもしれないが、今の彼では百回闘っても一度たりとも彼女に勝てないだろう。 話していて、
警戒心が沸かなかったのもスローライフを送る状態になって善性だけを発揮している状態だと理解できためだろう。


 武人としては天域に至っているミクは一目見て彼の本質に思い至ったのか、一瞬で警戒を解くと敵とは見なしていない様子で彼に挨拶をした。

「初めましてあなたが、『謎の皇帝の客人』と名高いお方ですね。 横島、彼は敵じゃないわ。どちらかと言えば味方だからそこまで警戒しなくていいわよ」

 ミクの言葉にほっとしながら横島は彼女に現在の状況を伝えた。それを聞くとミクは横島の成長を促そうとするように答えた。

「混乱していても思考力をはたらかせる訓練代わりに彼に思いついた質問をしてみなさい」

 その返しを聞いた彼は少し悩んだ末に言った。


727 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:13:11 ID:AXpTmxZ/

「四惑に教えた情報って、もしかしてストレリチアの情報ですか? それとも王国の敵だけど、女権国家の敵でもある相手とか」

「ストレリチアの情報ではない。後者に関してはその通りと言えるかもしれない。正確に言うと、すごく馬鹿なことをやらかして女権国家全体だけじゃなくて、
この大陸どころか世界中に迷惑をかける勢力の芽を摘むための情報と引き換えに幾つもの行動の許可を得た。
王国と女権国家が手を組むほどの大迷惑自体を引き起こし、十数世紀に渡って女権国家人も本来必要なかった犠牲として死にまくる事態を巻き起こす勢力の芽を摘む情報を寄こすから、
今回の取引を頼むと言ったら、応じてくれた。 むろん正式な契約を結んでおいた。
狂三殿は相手が約束を守っているのに破るのは大嫌いだが、絶対にやらないとは断言はできないからな。 ユウキが契約した相手が四惑かどうかはわからんが、
そいつが妨害に来るなら四惑総出で抑えるという約束も取り付けておいた」

 青木の言葉に対して横島はある程度聞こうと思ったことが絞れたが、彼が言おうとした質問を先にミクが口にした。

「女権国家と王国が手を組む? 貴方のかかわった未来では本当に世界滅亡にリーチをかけるレベルの馬鹿をやったやつがいたの? 十数世紀に渡ってということは無差別虐殺する生物兵器でも作って世界中にばらまきでもしたの?」

 驚きと呆れが入り混じったミクの声に横島は凄く珍しいものが見れたと他人事の様に感じる。そして王国と女権国家が同盟などとはそれくらいの事態にならないとあり得ないんだろうなと、
改めて再認識した。 少し前の共闘もそういう事態だったからこそ実感がより強い。ミクの言葉に彼は本筋から脱線しすぎないようになるべく簡潔にまとめるように答えた。

「ああ。今から100年以上先のきわめて可能性の低い世界線の話だが、男尊破遊魔術団(だんそんはゆうまじゅつだん)なる組織が生まれて、
女権国家とは遠く離れた国で外道の限りを尽くした。そしてそれを見て危機感を感じた男が、男性優位の神話や宗教しかない世界から多くの魔物を呼び寄せてしまったんだ。
その異世界と繋がってない世界線でも奴らは女権国家に大迷惑をかける様な事をいくつもやらかしているみたいでな。俺が見た世界程でなくても、女権国家人に大量の被害を出している。
今でも秘密裏になかなか侮れない勢力を持っていたが、狂三殿たちは把握していなかった。もしくはさすがにあそこまで大事にならないと思っていたのか放置していたかのどちらかだったみたいだ」

「確かに女権国家に損失を与えるのが百年以上先のことで、かつ女権国家人同士の争いとなる勢力の情報なら王国に対して迷惑とは言えないわね。 青木殿、私としては納得いきました。
横島、私からはもう言うことはないわ。 どうするかあんたが決めなさい」


 ミクからの許可を得た彼は少し悩むと言葉を口にした。


「青木さん、俺にユウキを護る為の試練と修行をお願いします」

 ユウキも進み出て続ける。

「僕もお願いします。幸せの為に困難を乗り越える力が欲しいから。そしてずっと忠夫の傍にいるために」

 ユウキの言葉を聞くと青木は彼女の眼を覗き込み少し考え後言った。


「本当に情念が強いな。よくもまあ、私が来た未来では、共有している女相手とはいえ、幼き頃から彼の傍にいる立場を譲ったものだ。それだけ長いこと共に戦いつづけて信頼関係などが出来上がっていたか」

 青木の言葉に僅かに好奇心がくすぐられた横島が声を上げた。

「あのすいません。俺のずっと先の来世の幼馴染って、誰だったんですか?」

「そうだな。女権国家の女性には珍しい公平で善良な女神の様な気質の女性だった。 ただし、横島、君以外にはという言葉が最後につくが。
君を愛してはいるが腹黒演技派で、君の同一存在である別人な来世をいじめまくれる日を心待ちにしていたよ」

「なにそれ、怖!」

「まあ、今生では出会うとは限らん」

「まだ出会ってないと断言できるのはなんでですか?」

「ああ。出会っていたら今の説明だけで誰かわかっただろうからな」

 そう返した後、青木がミクに向き直り言った。

「ミク殿今日の対談はこれで終わりということでよろしいでしょうか。これからこの二人に訓練をつけたいので。信用できなければ見ていきますか」

「その必要はないわ。私も忙しいし、貴方が信用できる人間であることは分かったから」

 ミクに一礼すると青木は、横島に向き直り言った。

「今から君は私の弟子ということで良いか?」

「それでユウキを助けられるんなら構わん」

 その返答を聞くと青木は懐かしそうな眼になった。僅かに称賛の念が含まれた瞳で彼を見ながら言う。

「お前はどの世界でも変わらないな」

口調が僅かに崩れると同時に青木の身に纏う気配が変わる。これは前線にいたころの自分を呼び戻しているのだと横島は一目で察した。 彼はこの瞬間、葛葉伯爵から、
青木仁になったのだろう。騎士を思わせる優雅さと力強さを合わせたような足運びの野性味を僅かに纏いはじめ、そしてその身から放たれる威圧感が大きくなっていく。

彼の凄まじい気に圧倒されている横島をよそに青木はメイドが持ってきた腕に装着する方のパソコンを腕につけると起動させた。それを見て横島はその用途をすぐ理解する。
理あれは教師でもあったアティの召喚と似たものだ。 彼女が召喚する時と気配が似ていることが、それに思い至らせた。青木が召喚を終えると猿の姿をした巨大な力を感じる神が姿を現した。

「ハヌマーンという俺の世界の神様の一人だ。お前に稽古をつけることも多いだろう。後で話すが彼は俺のガーディアンという特殊な守護霊を勤めていたこともあるんだが、
そのせいかなぜか彼が適任な気がしてな。 もっとも今回はただの案内人だが。ハヌマーン頼む」

「お任せあれ。わが主君。トラポート」

 ハヌマーンの呪文と同時に、横島とユウキの視界が光りに包まれた。そして数舜だけ意識が度切れた。





意識が戻ると彼らの前には広い訓練場の様な光景が広がっている。その場所で少し離れた位置にいる青木は業物と思われる刀を構えていた。
実践に適した刀であるだけではない。あれは青木が振るい多くの強大な悪魔たちを切り続け、昇華された刀だ。
剣の威圧感だけでたいていの邪悪なる存在は寄り付かなくなるだろう。それを自分の体の一部の様に動かして彼に向けると、青木は言った。

「来い。俺は器用じゃないからな。それに基礎から教えるより、お前が覚えられそうな技や経験を叩き込むのが一番だろう」

 言葉を終えるとともに全体の空気が一気に変わり、一流の兵士でも息苦しさを覚えるほどの威圧感を放っている。それを見て横島は迷わず一気に切り込んだ。
霊波刀を信じられない程の速さで出現させ、『速』の文珠を発動させると彼の刀とぶつかり合わせる。青木がその一撃を楽しそうに生徒が予想以上の答えを返してきた教師の様な笑みを浮かべ受け切りかけた瞬間、
霊波刀を消して籠手に変化させる。本当に僅かとしか言えない隙が生じた瞬間に、籠手のない左手に霊力を込めて殴りつけた。 その一撃を受けて青木に感嘆の念が走る。
今の彼が身にまとっている気は危機を察知する能力が高ければ高い程打ち込むことに恐怖を覚える威圧感だ。それを乗り越えてかかってくるのが数瞬早かっただけではなく、
霊力の籠手に守られていない左手で殴ってくるとは。これは反撃される恐れがないと確信していてもよほどの覚悟がなければできることではない。



連続攻撃を放とうとした瞬間、横島は急に視界が反転し天井を見ていることに気づいた。視界の変化から僅かに遅れて腹部に激痛が走る。倒れる彼を見下ろしながら青木が言う。


「すまんな。少しお前をなめてた。 かつて弟子だった相手のイメージが抜けてないか。あいつも覚悟はあったが、お前ほど追い込まれてなかったし、あの時点ではまだ戦士じゃなかったからなぁ」

 言い終わる前に、横島が霊波刀を彼の首筋めがけて突き出すと、青木はそれを刀で受けて上機嫌に笑う。

「普通の刀と違って霊波刀は突きだけならどこでも繰り出せるか。こんなに早く攻撃してくるあたりプロの軍人らしい。これなら遠慮なく行けるな」

 そういうと起き上がった横島に青木は一瞬で距離を詰めて、拳を叩き込んだ。 撃ち込まれた一撃はいかにして霊力を込めれば、相手の体に響くか嫌でも理解させられる一撃だ。
横島はそれを受けて少しでも覚えなければと思いながら下がり、青木の斬撃を辛うじてかわし、文珠を使おうとしたところに容赦なく彼の鞘の一撃が彼を吹き飛ばした。

「文珠は便利だが脅威を知っている奴は発動を是が非でも止めに来るぞ。俺がユウキを不幸にしようとしている敵だったら。彼女はどうなっていた。 残された時間はそこまで多くはない」

 敢えて横島が『癒』の文珠で回復するのを待った後、彼は再び切り込んだ。

 横島は剣撃を受けながら何度も下がる。青木の剣撃は速さが生む力で非力さを補う類の剣だ。だがそれでも彼は本来よりは力を抜いているのがわかる。
本来の青木の剣はあくまでも『英雄たちの中ではやや力が弱い』程度だ。だが今の彼の技は速さで力を補うことに特化した英雄の剣技を模している。
そしてその剣を受けながら横島は悟った。この剣の速さと重さは、ユウキの剣と同じにしている。


 それを悟ると彼はその技を受け流しながら切り返した。 切りあい何度もくらいつきながらも、彼は膝を何度もつきそうになる。ユウキと同じ力で攻撃をしてきているのに、
拳を受ければ、今の彼以上に力強い敵より受けたものより奥に響き、首から上にもらえば、脳が揺れる。これが圧倒的な強さの敵と戦ってきた経験の差なのだろう。青木は笑いながら言う。

「そろそろ、本腰を入れていくぞ」

 次の瞬間、青木の剣撃が速さを増し、その一撃を受けた際に手がしびれる重さも伴っている。 青木は続けて言う


728 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:16:52 ID:AXpTmxZ/


「どうだ、戦っている時に不意に強さを変えられると脳が混乱するだろう。敵がわざわざ手加減して後に本気だしてくるなんてことは滅多にいないが、たまに伝承から生じた悪魔はパターンの違う伝承に切り替えてくることもあるからな」

 敢えて手のしびれが退くのを待った後彼は、再び多くの斬撃を放ち始めた。適切な受けをすれば、大丈夫な攻めはしくじるたびに激痛が走る連撃となり彼を襲う。そして倒れると回復魔法がかかってきて、彼の傷を癒す。


 倒れることと回復魔法を何度も繰り返して数時間がたった後、青木は彼に言った。

「今日の訓練はこれまでだ。これ以上は意味がない。 リャナンシーとシルキーが回復させる料理と薬酒用意しているから食べておけ」

「あ、ありがとうございました」

 気絶しかけた横島に回復用の魔力のこもったラスタキャンディを横島の口に突っ込むと途切れかけた彼の意識が戻り、そのまま彼はふらつく足で食卓に向かった。





 青木にしごかれる日々が訪れ、昼は青木に模擬戦でしごかれたり、彼が作った異界や、女権国家で自然発生した異界に放り込まれる他、
夜は青木が儀式を終えたり術をかけた女権国家で縁を結んだ女性に嫐られる。どういうわけか他の女性よりリグルと愛歌が訪れる頻度がやや多い。これも青木の指示らしかった。彼のことだから何か意味があるのだろう。
訓練を課してくる青木の行動に一つだけ疑問に感じることがあり、それがドッペルゲンガーが来るかもしれない相手であるユウキまで鍛えていることだ。疑問がる横島に青木は真剣な様子で答えた。

「ちゃんと意味のあることだ。むしろ後々これは王国の為になる。すまんが今はこれ以上のことは言えん」

 その際に同席していた愛歌も同じように笑って頷いたのを見たことが彼が追及を辞めることを決断した最大の理由だ。そしてその時青木は横島に不意に頼みごとをしてきた。

「横島、お前が持つ文珠いくつかもらいたい。最低でも五個はほしい」

「理由を聞かせてもらっても?」

「ここ(青木の館)なら多少は言える。ただあまり知られない方が良いことでもある。お前の友である大鳳やジャギの為にもなることだ」

「どうぞ」

 僅かなやりとりで彼は、あっさりと渡した。青木の人柄はここ半月くらい過ごして大体わかっているので拒む理由はない。

「感謝するぞ、横島必ず大鳳の為になることを成し遂げて見せる」

 そういうと青木は早速何かの儀式をする様子で、駆け去っていく。横島はそれを見て絶対に何らかの形で事態が好転すると確信できた。

 その次の日に、青木の戦い方が大きな変化を見せる。僅かだが速度が落ち代わりに敵を騙すフェイントなどが上手くなった。
そしてそのだましの技術はなぜか異常に横島にとって覚え安いものばかりだ。 何度も地べたに這いつくばらせながら彼はそれでも自分が強くなっていると感じた。
その日彼は横島に不意にある提案をした。その提案をされた時のことは不思議と印象に残っている。彼は珍しく、覚悟を決めるような間をとってから言葉をかけてきた。

「本人たちが良いなら大鳳くんとジャギもここに連れてきてくれるか。あの二人に対しても有益な指導ができるようになった」

「わかりました二人にも聞いてみます」

 答えつつ彼の内心は驚きが満たしている。青木と稽古する際に様々なことを彼に教えられ、敵を知り己を知ることも大事だと言われて彼のことを調べてみたが、彼の経歴は異常だった。
ネロの客人として多の霊的災害を解決し男性でありながら女権国家で霊的に不安定な土地の辺境伯の位を得るという偉業を成し遂げ、今でも時にはネロに頼まれて四惑の手がふさがっている際の霊的案件を請け負っているらしい。
そして彼はいかなる時も余裕の表情と態度を崩さなかったそうだ。演技だった可能性もあるが、皇帝が直々に頼むほど危ない任務をいくつこなしても、
余裕を見せていたらしい。さらに彼の異常性を引き立たせるのはその女性関係だ。死んだ相手に一途なだけではなくしょっちゅう外に出て数えきれないほどの孤児などに炊き出しや職業訓練を施し、
大勢の理不尽な不幸に見舞われる女性を救って回っていたらしいのに、誰も彼を恋愛的な意味で好きになった女性はいないという。特殊な占いで、自分が琴線に触れない女性を選んでいると言ったが、
絶対にそれだけではないと自分の勘が告げている。女権国家の女性と友好的に過ごしまるで理想の騎士や王子の如く接しても、惚れられない様にできる何かが彼にはあるのだろう。
親愛だけを勝ち取る処世術を用いたにせよ、あるいは術であれ常人どころか英雄でも不可能な類のことだ。

そんな怪物めいた能力を持つ彼が何か覚悟を要する様な事をしようとしているのだろうか?
 横島の警戒とやや驚愕よりの内心を察したのか、青木はいつもの余裕を意識的に取り戻し答えた。

「ああ誓って言うがお前たちを巻き添えにしてしまう様な大事は起こっていない。 祖霊より、別に無理に修業は受けなくてもいいが、
大鳳くんには一度ここに顔を見せてほしいと伝えてくれ。彼を蝕んでいる呪いを私ならどうにかできるかもしれない」





 その言葉を聞いてすぐに彼が大鳳とジャギを呼ぶと二人を割と直ぐに訪れた二人を見て青木は礼儀正しく優雅ではないが見栄えのする貴族礼をとって迎えた。

 ジャギは彼を図る様に彼を見ていたが味方だとわかると少し、居心地が悪そうだ。武術家としての礼法も多少はあるが、
青木くらいの高位貴族として恥ずかしくない類の礼を受けると、少々座りが悪いと感じているのがみていてわかる。

「あんたが葛葉伯爵か見てみてわかったが、実戦からのたたき上げで強くなったタイプか」

「ああ、そんなところだ。君たち二人の師としては向かないかもしれないが、それでも気が向いたら手ほどきくらいならしよう」

「いや、そこまで手間はかけさせねぇさ」

 ジャギはそういいながら獰猛な笑みを浮かべた。顔は見えないが、声の調子で好ましい武人と会えたことを多少は喜んでいるのがわかる。そして彼は気を練り上げながら下がっていう。

「あんたは実戦の中で練り上げて技を盗んできた類の達人だろう。恐らくはそれで一流になった後に、本格的に型にはまった武術を学んだ。
指導するような気でこなくてもいい。思いっきり俺たちを身に着けた技でぶっ叩け。 勝手に盗ませてもらう」

 大鳳も彼を見ながら頷きいう、

「貴方は指導もできない訳ではないけど、あまり得手ではないでしょう。実戦形式で受けた技が一番為になると思います」

 大鳳とジャギの言葉を聞くと青木は頷いた。

「結局横島の奴にやっていることと変わらなそうだな。最低限の手加減はしよう。勝手に覚えてくれ。ミク殿の方が上手いかもしれんが時間は俺の方があるからな」

 その戦いの後は三人でかかり、ある程度善戦したものの青木が最終的には勝利した。大鳳は後で型も彼から教えてもらっていたが、
ジャギは回復してもらうたびに立ち上がり、青木にたたき伏せられる度に、北斗の型の練習をしている。青木が注意をしない辺り確実に無益なことではないのだろう。



 鍛錬が終わった夜青木は大鳳に言った。

「君の呪いについて調査したい。かなりプライベートなことまでわかってしまうが良いか。治療に必要がない限り、他人に打ち明けたりはしないから」

 少し悩んだ末に大鳳は頷いた。実際に少し話しただけで、彼が信用できる相手であることは分かったからだ。横島は少し解せない者を覚えた。
青木の大鳳を見る目が好意的に過ぎる。心から彼を案じ助ける最適解を何が何でも見出そうとしている眼だ。それを感じているからこそ、
大鳳も診せることを悩みはしても警戒はしていないのだろう。だが、なぜ彼はここまで大鳳を案じるのだろうか? その疑問が浮かんでもなぜか警戒の念はわかないまま彼はその様子を見守った。
 大鳳の体を診療のベッドと思える寝台に横たえた後、青木は呪文を唱えた後、瞑想ししばらくすると、空気を振るわせるほどの怒りを一瞬だが見せた。 大鳳が僅かに脅えたのを見て、怒りをしまうと彼は言った。

「大鳳くん大丈夫だ。君の呪いを私なら解ける。お別れの日に解くことになりそうだ。それまで準備をしなければならないがな」

「青木さんどこかに去るんですか?」

「近々な。それまでは君たちに稽古をつけよう。そして最後の日は唐突に呼び出すかもしれないし、君が少しの間女権国家から離れることになるかもしれない。だから身辺の整理をしておいてくれ」

「わかりました。自覚があるにも関わらず僕はどんどん、アンリエッタ皇女に好意を抱いています。このままだと利敵行為にも走ってしまいそうですから」

 大鳳の言葉に頷いた後彼はハヌマーンと天狗を召喚すると言った。

「一週間ほど、この二人が訓練を受け持つ。それまでに俺はやらねばならないことができた」

 そういって彼が引っ込んで一週間後に、『モンテ・クリスト伯』という異世界の小説が発行された。女権国家では、オカルトだけではなく、
SF的な超技術的な分野からも『異世界はある』という考えが主流であり、青木こと葛葉伯爵の書籍は本当に異世界の物語である可能性が高いと全ての部署が太鼓判を押している。
男性も女性も面白いと考える作品を書く彼の支持率は高い。女権国家の女性達としても、男性との共通の話題ができるのは堕とす際に便利だし、
自分たちも楽しめるからだ。意中の男を得る為なら自分が微塵も面白くないと感じる作品すら細部まで把握して、楽しんでいるふりをすることもできる。
それでも、どうせなら自分も面白いと思える作品を提供してもらった方が色々と負担が少ない。


729 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:18:20 ID:AXpTmxZ/

 モンテ・クリスト伯は他の作者の作品出ることを明言したうえで、出版され男女両方から高い支持を受けた。
ネロが青木の所に一度だけ文句を言いに来た以外はかね平和だった。文句の内容は『こんな面白い話を知ってたならもっと早く書かんか!そなたが書いていてくれたら、余が退屈した空き時間がどれだけつぶれたか』

 その時の文句の良い型を見ても、ネロは恋愛感情ではないが青木を信頼しかなり気を許しているのがうかがえた。

 それ以降は大鳳と共に訓練し、たまに交じりに来ては技を盗みに来るジャギと共にしごかれたり叩きのめされる日々が続いた。

 そしてある日、青木が夕食の後彼を珍しく部屋に呼び出した。常に鍛錬を課すときはまじめだったが、いつになく真剣な様子に彼も覚悟を決めて彼は覚悟がいるなという確信と共に部屋に足を向け歩み出す。

 重々しく部屋を空けるとそこには彼が待っていて、横島に言葉をかけてきた。

「横島、お前達の鍛錬はそろそろ卒業と言っていい。俺のこの多大な善行と引き換えに神々からもらった人生のボーナスタイムな肉体もそろそろ寿命が来る」

「そ、そうですか。師匠」

 声が振るえる辺り、自分はこの人物のことが思ったより好きだったんだなと横島は思う。その彼に対して青木は言葉を続ける。

「実は異世界の神話などが最近広まったのは俺の仕業だったんだ。最近発表したモンテ・クリスト伯やドッペルゲンガーだけじゃなくて、俺の出身世界のインド、北欧、ギリシャ、メソポタミア様々な神話を俺が広めた」

 雑談の様だがこれは大事な話だなと、いう確信が横島の脳裏によぎる。その彼の表情を見ながら彼は言う。

「俺の広めた神話などの浸透率は女権国家だとどれくらいになっている?むろん数字は知っているし、自分なりに調べても見た。だが、市民に紛れる時間が長かったお前の口からもききたい」

「異世界は確かに実現し、女権国家の歴史家たちも、確かに異世界から来た人間も本当に過去にいたと知っている面子は、大半が本物だと太鼓判を押しています。
青木師匠の書いた話を面白いと思った面子はほとんどが走り読み程度には読んでいると思います」

「そうか、それなら俺の計画も十分進みそうだな」

「そうなんですか」

「ああ。四惑と取引した際に、取引が終了後に一番俺のやることに口を出してきたのは狂三。彼女の相手が一番大変だった」

「なんでまた」

 青木の交渉面などの有能さなども見ていると彼が苦戦している姿はとても想像ができない。四惑が相手でも、有利な状況で始まった場合は必要最低限の成果はあげられるだろう。悩む横島に返ってきた返事は意外なものだった。

「利益問題じゃなくて、良識から口を出してきたからな。ちゃんと礼を持って良心から要求をしてくる相手の意見を無碍にしては俺に惚れてくれた玲子さんの品格まで落ちる。だからなるべく彼女の意見は尊重するようにした」

 それを聞き、横島は愛歌から聞いた、心情的には彼女が愛歌の王国側だったらしいという噂は本当の可能性が高いと思った。思案顔になった彼に青木は言葉を続ける。

「俺の世界の神話と女権国家世界の類似点とかをまとめた本とかも相当に売れたか」

「はい。考察している人たちもかなり多いです。特にストレリチアの聖王は北欧神話のオーディンと同一存在だったのでは?とか言われるケースが多いっす」

「そうか。俺はお前を鍛え上げるのも今日で最後だ。あとはこの世界の者たちの仕事だな。それじゃあ失礼する。これから最後の試練場というか、戦場にお前を送る。いかなる結末でもユウキは不幸にならないから安心しろ」

 そういって青木が魔法のこもった石を投げてくると、彼の意識が一瞬だけ途切れた。

 青木は意識を失った彼の前で、彼から受け取った文殊に『隠』の字を入れて発動させた後、もう一つの文珠に『移』の字を入れてかざした。その瞬間彼に何かが移っていく。それを見届けると彼は横島をどこかに瞬間移動させた。





 次に彼が目覚めたとき最初に彼の視界に入ったのは、宮殿の様な廊下に立つユウキの姿だ。彼女が一言もしゃべらず無言で剣に手をかけた時、彼は目の前の存在がドッペルゲンガーだと、確信した。最初に放ってきた抜き打ちをかわし、即座に霊波刀を出現させる。彼女の剣を受け止め、打ち合いながら彼の心は散々に乱れた。ユウキではないとわかっていても、彼女を傷つけるという行為をすることにブレーキがかっているのが自分でもわかる。


 横島は青木と比べれば速さも力も劣ると断じた。なまじ余裕があることも、彼が力を出せない原因の一つだ。
もっと追い込まれれば、余裕がなくなり多少は容赦のない反撃もできたかもしれないが、今の状態ではユウキと同じ姿の存在を傷つけることに対する忌避感が勝っている。

 ユウキの剣は横島が断じた通り、青木と比べれば遅く軽い。だが決して弱いわけではない。この剣を余裕をもっていなせるものは女権国家でもそう多くない。
横島の場合は幼いころからユウキを知っているからこそ、読み取ることに長けているために防ぐことができている。 無言で機械の様な表情で剣撃の荒らしを放ってくるユウキの剣を彼はあしらいながら、
内心驚いていた。 ドッペルゲンガーの強さではなくそれをあしらえている自分にだ。

『ユウキが強くなるとドッペルゲンガーも強くなるか。青木師匠の指導を受けてユウキも実力を上げたんやな。 ただ青木師匠が言うには俺の実力がここまで上がったのは、異常に師弟の相性が良かったためらしいから、ワイ程強くなってないか』

 ユウキの剣の鋭さと速さが、前より遥かに上がっているのにあしらえているだけではなく、わずかとはいえ余裕がある。
彼は特に激しくなった、ユウキの剣撃の乱舞が始まりかけた瞬間に初めてドッペルゲンガーに向かって言葉を放った。

「ユウキの偽物、ここでおれを仕留められないと本当に終わりだぞ。俺はユウキの癖を知り尽くしているから、それまでコピーしたのが、いや、コピーしないということができないんだな。
その性質上。物語から作られた怪異はその物語から強大な力を得られる代わりに、その物語に弱点も縛られる」

 言い終わった直後にさっきよりも一段上の速さになったドッペルゲンガーの剣の激しい乱舞が放たれてきた。

 横島は全ての攻撃を捌き切りながら特に振りの大きい攻撃を辛うじて受けた直後に霊波刀を籠手型に変えて相手のバランスを崩した。僅かな違和感を感じたがそれでも、
彼は躊躇わずにドッペルゲンガーに殴り掛かった。仮に今の失敗がわざとであっても、この隙は大きすぎる。拳が当たりかけた直前にドッペルゲンガーが言葉を発した。

「忠夫、強くなったね。でもさすがにそれされると痛いから止めてくれるかな?」

 その言葉を聞いた瞬間、横島の戦意が消えうせる。脅えたとかではなく、目の前の存在が本物のユウキだと確信したためだ。攻撃を止めた瞬間にユウキが再び攻撃を放ってきた。
その一撃は今までの中でも最高のものだ。それを受けて彼が倒れると、ユウキは嬉しそうに彼を見た後、彼ではない他の誰かを煽る様な笑みを浮かべた。

「見ているかい、ドッペルゲンガー、いやその伝承を使って出てきた僕の前世。 忠夫は君の時と違って攻撃を躊躇うじゃなくて、ドッペルゲンガーかもって思っていても僕を傷つけられなかったよ」

 ユウキの言葉を意味不明だと思いながらも、彼は意識が落ちかけるのを感じた。そしてユウキの足元『演』の字が入っている文珠が転がっていることに気づく。彼女はこれを使ってドッペルゲンガーを演じていたのだろう。

 そこまで考えた時不意にユウキが軽々と彼を抱き上げた。ユウキの信じられない力強さに好感度ドーピングという言葉が浮かんだが彼はそのまま運ばれていった。
彼が状況を打開できなかったのは、相手がユウキだと確信してしまったためだ。ユウキが相手だと確信した結果、危機に陥った時に起こる火事場の馬鹿力が発動しなかった。






 寝室らしき場所に運ばれた彼をユウキは女権国家の女性が見せる特有の発情の籠った笑みで見下ろしながら言った。

「アリス、お願い」

「ええ」

 ユウキの言葉にこたえて金色の髪の美女であるアリスが姿を現すと彼に呪文をかけた。その瞬間目線が低くなり、ユウキの姿が大きくなりはじめ、
しばらくして自分が子供の姿になっていることに気づく。だが今の自分は大人だったころの記憶もあるが、精神も少年時代のそれに戻っている。

 ユウキはその横島を見ると満足そうにうなずき彼の唇を貪り始めた。最初の口付で完全に彼が腰砕けになると、だぼだぼになった服から彼を引き出し、そのまま対面座位の体制で犯し始める。

 敢えてユウキは与えてくる快感を調節しながら、アリスに目配せをした。アリスは笑みを浮かべて左手で玉袋を揉みしだきながら、彼の分身の下の方を指で強弱の力を使い分けながら押し始める。

「忠夫〜、気持ちよさと不安さが同時に訪れてきてすごいでしょう。アリスだけじゃなくて僕もそうなるようにしているからね。 それじゃあ一気に行くよ〜」

 敢えて寸止めをやめて本気を出したユウキに射精させられると彼は、快楽と不安が同時に襲い掛かってくる。その状態を見計らったように、
ユウキが敢えて彼の口に乳首を突っ込むと片腕で彼の頭をなでもう片腕と足で彼の体を強く拘束した。最初の射精で一気に、脱力した彼はそのままユウキにあやされ始める。
気持ち良すぎるが射精したばかりで動くと敏感になった分身がどうなるかわからない。そう思い脅える彼の様子を察したユウキが敢えて腰を激しく動かし何度も射精させながらアリスに言う。

「アリスありがとね。当分は僕だけで大丈夫だから」

「ええ、後で私も混ぜてね」


730 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:20:20 ID:AXpTmxZ/

 そういって姿を消したアリスをよそにユウキは横島の分身を敢えて抜くと唇に乳首を含ませたまま彼の分身を手でなぶり始める。
分身を愛撫する手は気持ち良いが不安も煽るそういうことをしながら、抱き込み頭を撫でる手はどこまでも優しく彼を堕としてくる。
意識を失いそうな彼を見下ろしならユウキは何度も手で彼を射精させた。



 射精した精液はユウキ手にぶちまけられその度にインプと化した彼女に吸収されていき、どんどんと彼女を強くして言っている。
強すぎる快楽の中で何も考えられなくなりそうになりながらも彼はどうにか思考し、言葉を絞り出した。

「ユ、ユウキなんでや?」

 なぜこんな逆レイプをするのか。その問いにユウキは少しだけ忌々しそうな表所をすると答えた。

「敢えて言うなら絶対に負けたくない相手との勝負だからかな? もちろん忠夫のことじゃないよ。 それじゃあ次は僕の胸にいい意味でのトラウマをプレゼント♪」

 ユウキが手を離し彼の分身を胸で挟み込むと腰砕けになるほどの快楽が彼を襲ってくる。
ユウキは敢えて優しくゆっくりと何度も彼の分身を胸の中で泳がせて精液を溜めさせると一気に射精させ、それが済むと。彼女は言った。

「それじゃあ次は激しくいくよ♪」

「ちょ、ちょっと、ま」

 言い終わるより先にやさしい快楽に慣らされた後に、不意にきた激しいパイズリで彼はそのまま果ててしまい一気に倒れた。
意識を失いかけながら彼は思う。ユウキの胸怖い、でもほしい。そんな感情に支配され終えると同時に彼の意識は完全に堕ちた。





 意識を取り戻した彼は、豪奢な寝室にいることに気づく。ファンタジーの小説などで森の妖精などが住まいそうな美しい夜の森が見える屋敷にいるようだ。
目の前には嬉しそうな笑みを浮かべているユウキがいる。彼女は笑顔を浮かべながら横島に話しかけてきた。

「忠夫、僕の体を見て今どう思う?」

 明らかに本気の害意ではないのに威嚇的な笑みが恐ろしく感じる。そしてユウキの威圧的な言葉で分身が屹立してきていることに気づき、
自分が完全に彼女に屈服していることに気づく。さらには今まで発情を感じたことがなかったユウキの体に自分がトラウマの様な快感を刻まれて、完全に性の対象内にユウキが入ってきている。 満足そうにユウキは笑いながら言う。

「精神も子供に戻した状態で逆レイプしたのが良かったみたいだね。それじゃあ続きをしようか」

 そういった彼女が服を脱いで行きあらわになった裸体を見て自分の中の恐れと期待が絶頂に達するとユウキは彼を容赦なく押し倒した。
上になった彼女の中に何度も精を放ちながら、揺れる乳房から目が離せなくなると彼女は敢えて彼の分身を寸止めの状態に持ち込んで、
少し焦らしたのちに激しい射精をさせる。それと同時に彼の腕をとり自分の乳房を鷲掴みにさせて彼の射精の量を一気に増やす。
脱力の極みにより倒れる彼を見下ろしながら彼女は自分の内部で彼の分身を嫐りそれでもだえる彼を嬉しそうに見下ろしながら言う。

「ほら、見たかい僕の前世、同じ初体験なら僕の方がうまく刻み付けられるんだよ。生まれた時からの付き合いだからね」

 ユウキの様子を疑問気に見る彼にユウキはいま思い出したという感じで、横島から護身用に渡されていた文殊に『戻』の文字を込めて彼に投げつけた。
それを受けると同時に彼の記憶が『戻』り始めた。それを見越した様にユウキが不意に彼の後ろに言葉をかける。

「さとりお願い」

「任せなさい。『想起・ドッペルゲンガーの皮をかぶって現れたユウキの前世に敗れた時の思い出』」

 さとりの宣誓と共に彼の意識が一気に過去のトラウマの世界へと引き戻される。それと同時に過去の記憶が蘇ってくる。






 今から二か月以上前に彼はドッペルゲンガーのうわさが広まりだすと同時に、異世界の神話がこの女権国家で広まりだすと同時に鍛錬に賭ける熱の用が倍以上になっていた。
動機は記憶を失う前と同じ、ユウキの所にドッペルゲンガーが来るかもしれないという危惧からだ。そしてその危惧は的中し、彼はユウキのドッペルゲンガーが来たと確信したが大きな違和感も覚えた。

 目の前に現れた少女は見かけもユウキに似ているがとても似ている従妹や姉妹と言ったくらいだ。ユウキの髪は黒が強い紫色の髪だが、目の前の少女は青に近い紫の髪をしている。
ユウキの様に魔法剣士の様な風貌ではなく、オレンジ色で統一された傭兵らしい服装だ。しかし、その魂は間違いなくユウキに近い。横島は覚悟を決めると霊波刀を抜き放った。

「君がユウキのドッペルゲンガーか」

「うん。正確には彼女の理想の姿に近い前世かな。あたしはワユ、クレイル傭兵団に所属し、聖王陛下を貴方の前世高島と共に支えた剣士だよ」

 それを聞き、横島の顔色が変わった。聖王の伝承は神職しか知らないものも多い。彼女はちゃんとメジャーな方に分類される英雄ではあるが、神職しか知らない活躍も多い。
ユウキのドッペルゲンガーが相手ならば、知り尽くしているという意味ではこちらも一緒だ。だが、前世の姿が現れたとなれば、わからないことも多い。困惑する彼を他所に彼女は、はつらつとした明るい声で彼に向って告げた。

「忠夫、それじゃあさっそくだけどいっちょ私と勝負してくれない? 私の最終的な所属国はストレリチアだからこの意味は分かるよね」

 横島はそれを聞くと霊波刀を具現化させて構えた。

「俺が君に勝てばユウキはドッペルゲンガーに勝利した女性達の様な運気を得ることになるのか?」

「うん。ただし簡単にはいかないけどね」

 言い終わると同時にユウキと似たそれでいて確かに異なる連続の剣撃が彼に迫ってくるが、それに対して彼は数劇を受け止めると、即座に霊波刀の重い一撃を放った。
その一撃を近くした瞬間、彼女の顔色が変わりそして、それを受けた時刃同士の触れる大きな金属音が響き、戦場の空気が一気に変わる。 その一撃が放たれるまではワユが勝利する流れだったが、
今の一撃で流れが横島の方に傾いた。 横島はワユの地力の高さを見て賭けに出なければ勝てないと断じた。

 ユウキの剣技は速さによって増す重量が増した剣撃の連続で、勝機を作り出していく。そして3割くらいの力を込めて打つ予定だった一撃でさえ、
勝負所と見れば6割から7割くらいの力や全力に変えてしまう時もある。彼はワユが6割くらいの力ではなってきた一撃を見極めそこに切り込んだ。
ユウキの癖と似通ったところもあるからこそ、どの程度本気かもわかった。普段の横島ならもう少し見極めてから勝負に出るが、彼が彼女に対してある程度予想がつけられる以上その逆もあり得る。
だからこそ、絶対に勝負に出ないときに賭けに出たのだ。横島の予想は当たっており、そして予想外の一撃を受けた彼女は六割の力の所に全力の一撃をもらってバランスを崩した。
そこから一気に防戦気味に傾いたが、横島は攻めながら恐怖していた。ワユの失策というより、自分の策が上手く嵌ったにもかかわらず、彼女はその速度を活かして不利ながらも時々反撃を繰り出してきている。
その反撃を捌く度に、さらに連撃が飛んできて一気に巻き返されるのではないだろうか。ユウキと同じ様な戦い方だが、ストレリチア寄りの彼女の剣技を彼も知り尽くしているわけではない。



 横島が辛うじて優勢を保ったまま、5分近い時間が流れた時不意にワユの雰囲気が変わった。横島はそれに嫌な予感を覚え、攻めをより激しくしたが、
ワユは辛うじてそれをかわすと反撃の一撃を放てそうなときが訪れた。にもかかわらず彼女はそれを見送った。横島は生じた違和感をねじ伏せるとさらに攻撃を続ける。
彼女の神速の剣技は僅かでも油断ができない。長考すれば即座に流れを取り返される。一度大きな機会を逃した後に何度か打ち込んできた剣撃をかわし、霊波刀を手甲型に変えて距離を詰めかけた瞬間、
今までで一番早い一撃が飛んできた。 それを手甲とかした霊波刀で受けた瞬間彼の腕に凄まじい鈍痛が走る。

 それを受けて動きが鈍くなった瞬間、ワユが連続攻撃を仕掛けてきた。手甲型の霊波刀だけではなく、つけている防具の上からでも、
容赦なく彼の体に斬撃が響く。横島が距離を取ろうとした瞬間、彼女の鋭い一撃が決定的に彼の意識を刈り取った。

「相変わらず、騙しあいにかけては凄いね。でも今回はあたしの勝ち!」

「な、なぜあんなことができたんや」

「手品の種はこれだよ」

 そういうとワユが横島に一つの文珠を見せてきた。それには『隠』という字が刻まれている。

「ドッペルゲンガーは持ち物もコピーできるし、前世の貴方から護身用に文殊もらっていたから」

「技を隠せるほどだったんか?」

「それは違うよ。私が隠したのは文殊の所持。そして入れたのは『忘』の字。そして『戻』の文珠を使って、戦って5分後くらいにその効果が表れるように『決』めておいたの」

「自分で自分の技を忘れさせていたのか?」

「うん、防具の効果を激減させる月光。まだ未熟な貴方ならそれを使わなくても勝てたかもしれないし、それでだめなら思い出して不意に切り込めば行けると思って。敵を欺くには味方から。こうでもしないと騙しあいじゃ貴方には勝てないからね」

 これはワユの戦闘スタイルが、月光という技を忘れていても十分強くかつ、スタイルに変化が生じないからこそできた騙し技でもあっただろう。負けたと思って落ち込む彼に彼女は言う。


731 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:22:35 ID:AXpTmxZ/

「貴方、いつまでもこういうのは何だし、忠夫と呼ばせてもらうね。ストレリチアで貴方の前世の名は、禁忌って程じゃないけど、神職とか以外にはあまり聞かせない方がいい名前らしいから。
陛下も前世から独占欲強いね。私も人のことあまり言えないけど。 それから今日は別に貴方の命もユウキの命もとったりしないから安心して」

「それじゃあなんの用でここに」

「そりゃもちろん来世の自分や来世の自分の想い人と手合わせに決まっているでしょう。世界一の剣士を目指していたから未来の闘術にも興味あったし。それはそれとして、ストレリチアの法に習わせてもらうね」

 そういうと彼女は彼を気絶させるとそのまま、どこかに連れ去った。





次に目覚めたとき彼は顔が柔らかく暖かいものに包まれていることに気づいた直後に、分身がいきり立ち切った状態で果てしない快楽を与える蜜壺の中で捕食されていることに気づいた。
何が起きたか理解できない彼の頭上からワユの声が響く。

「目が覚めたみたいだねそれじゃあお目覚めの一発行こうか」

 その言葉で自分が胸に顔をうずめさせられながら、寸止めされていたらしいことに気づいた。その直後彼の分身を嫐るワユの蜜壺の拘束が解かれると同時に爆発した。
脳が破壊しつくされるような快楽と共に彼は震えながらすべての精液を一気にぶちまけた。
 ワユの手の拘束が解けると彼の顔を包んでいた乳房から離れ、そのまま彼は気をやったように倒れた。

「忠夫、どうだった。今生の私より気持ち良い」

 ワユの姿を見て自分の目線が低いことに気づき。これは何度かアリスに戯れでされた、子供時代に戻す術だと彼は理解する。 恐らくだがヴィヴィオか、もしくはヴィヴィオの前世である聖王からそういうアイテムをもらうか、
術を習ったのだろう。脳が子供に戻ったことで、快楽を処理しきれない彼にワユは笑いながら言う。

「ユウキともそれなりにしたみたいだけど、心身共に子供時代に戻されてやったのはこれが初めてでしょう? ドッペルゲンガーの本能か、本人がしてないプレイとかしたり上書きしたくなっちゃうんだ。それじゃあ続きやろう」

 その後彼は甘いお香の匂いのせいで脱力状態の彼を解きに授乳するように口に含ませ、手で抜き。ある時は胸の間に彼を分身を挟み何度も彼を達しさせた。
最後は最初と同じような体制になり、乳首を彼の唇に含ませたまま彼女は一気に彼から精を吸い尽くした。彼女の霊力が一気に上がり、
自分は指一本動かすことすらきつくなった直後に不意にドアがけ破られ、一気に気配が変わった。



 ドアがけ破られるとその向こうから全身から震えるほどの怒気と闘気を噴出させる彼の幼馴染ユウキの姿が見える。横島がワユ相手に抵抗できなかったのは、特殊な香のせいもあったが、
もう一つはワユもユウキの前世であるためか、ユウキと認識していたせいもある。しかし、今生のユウキを見たことでそれが大きく揺らいだ。 いつの間にか服を出現させたワユが一足飛びに切り込んできたユウキの剣を受けて笑う。

「はじめまして今生のあたし、いやあたしの来世っていうべきかな。旦那様の来世を閨で味わった後は、来世の自分と勝負なんて初体験とっても贅沢だね」


 ワユの向上を聞き終えると、ユウキは横島ですら見たことがない程の速さの剣撃を繰り返しながら恐ろしい笑みを浮かべた。

「君が噂のドッペルゲンガーだね。理想の自分で現れるパターンが拡大解釈されて、僕の前世が僕の理想に近かったから出てきた感じかな? それはともかく、ドッペルゲンガーを自分の手で倒せば完全にすべてを吸収できるらしいから、
今までやっていた忠夫との情事の記憶ももらうね。いくよ♪」

 楽しそうな声でありながら、今までで一番怖い幼馴染の声に脅えつつ、ワユに絞られ過ぎて動かない自分の体をどうにか動かそうとすると、いつの間にか来ていた。愛歌に止められた。

「大丈夫よ。今回はそんなひどい結果にはならないから」

 ユウキとワユの戦いは凄まじく、少しでも目を離したらその瞬間にどちらかが死んでいるのでは?と感じさせるような剣撃を双方が放っている。
ワユの放つ月光も防御力を半減させる斬撃なためか、同じ速度でかわすユウキにはそれを発動できない様だ。しかし僅かだが、ワユの方が優勢に見える。その理由はユウキはその圧倒的な速度故に、
自分より速いもしくは自分と同じ速さの相手と戦った経験が少ないからだ。 もちろんユウキに食らいつける強者や、ユウキより強い敵と戦った経験はそれなりにあるが、
そういう相手と戦った時ですら、ユウキの方が速度に関しては多少は上だったことがほとんどだった。

 だが今の闘っているユウキの前世の姿で現れたドッペルゲンガーはユウキよりも速度が上だ。本当に少しの差でしかないがその差は大きい。
しかし、彼女も自分と同じくらいの速さの相手との戦いには慣れていないらしく、僅かに手間取っている。そこに付け込むかの様にユウキの怒りの籠った剣の連続の攻撃が距離を一気に詰めている。
ユウキの剣撃は好感度ドーピングと怒りで天井知らずと化している。 横島は子供の体でできることは少ないができることはないか懸命に考え始めた。
文珠が一つでもあれば『戻』の文珠で元の姿に戻ればできることがあるかもしれないが、多分奪われているだろう。
では子供の姿でできることはないか。 思いついたのは二人の間に割って入ることだ。ドッペルゲンガーは意中の相手に対する、感情もコピーする。
それなら自分を傷つけることもできないはずだ。 そう考え指一本動かすことすらきつい体に無理やり鞭を入れて立とうとするが、なかなかにできない。
寝ているうちに媚薬と精力剤と脱力させる薬と同時に使われていたようだ。分身以外には入らない力を無理やり奮い立たせるためにベッドの角ある場所に頭を叩きつけようとすると、
不意に聞きなれた愉悦を楽しんでいる美しいにも関わらず性根の腐った感じがする、女子の声が響いた。

「約束通り、今回はあなたと彼女で遊ばせてもらうわ」

 目の前に不意に現れたさとりが、こいしと二人で笑みを浮かべ彼を捕らえると、ワユからもらったらしい文珠に『伝』の文字を込めた。
それと同時に少しだけユウキが押され気味な打ち合いのさなかの向こうは鍔迫り合いに持ち込まれる。ワユは笑いながら言った。

「今生の忠夫もとっても閨では可愛かったよ。さとり、教えてあげて」

「ええ、楽しい修羅場の時間だわ。『想起・ワユにやられた王国男子としてはあり得ない、閨での女性優位性交』」

 さとりの言葉と共に横島の意識に『忘』の文珠で消されたらしいワユにされたベッドの中での快楽による精神的殺害の数々が浮かび上がる。時には大人の姿で惨敗させられ。あり得ない懇願の言葉を寸止めされて言わされ、
精神まで子供に戻されて恥ずかしすぎる女性優位の逆レイプを受けた後、大人に戻され恥辱心を煽られさらにそのまま嘲る言葉で、余計に興奮されたことを性交しながら指摘される。

 さとりがこいしに目配せすると、王国男子として女性をベッドの中で圧倒するのが当たり前という意識が強まりそれを見越した様に、余計に分身が固くなるとさとりが言う。

「王国女子で内心では貴方をヒーローだと思っていた、ユウキちゃんにもこれ見えてますよ」

 そういってさとりは彼の分身を踏みつけつつ、いつの間にか服を脱ぎ同じく全裸になっていたこいしと二人で彼を押し倒し始める。

「『最悪の悪意を持ってユウキちゃんに一番見られたくない姿を見せた相手に犯される背徳感が溜まらない?』本当にひどい変態ですね。こいし変態な彼をもっともっと、喜ばせてあげるために、王国男子としての意識を強くしてあげなさい」

「はーい。恥辱と快楽で泣いている忠夫の顔可愛い!」

 さとりが彼の心を読みながらされると心が崩れる快楽を一番効率良く与えながら言う。

「王国男子としてのプライドを破壊してくるのが幼女にも見える少女というのが余計に燃え盛っているでしょう。元旦に馬鹿にした体でギンギンに勃起する変態に堕ちなさ……、もう堕ちているわね。射精も、堕ちる速度も早すぎるわ」


 最後の罵る言葉で、余計に激しい射精をした彼を嘲笑するさとりはこいしと代わり彼の耳元で彼に対する言葉攻めをしながら、ワユにやられたことも思い出させてくる。
さとりの膣が毒々しい蜘蛛の様にからめとる快楽なら、こいしのは一気に堕としてくる鋭い刃物の様な快楽だ。

「幼馴染が危ないかもしれない状態で逆レイプされて余計に興奮してるんですか。このクズが!(最もそうなるようにこいしに無意識を操作させているのは私だけど)」

 激しい快楽に脳を壊されながらもどうにか二人の方向に視線を送るとユウキとワユの戦いはよりすさまじいものになっている。

 ワユが心底楽しそうな笑みを浮かべて速度と重さをよりましたユウキの剣を受けながら言う。

「すごい。すごい。 あたしの来世は本当に悋気が強いんだ。ドッペルゲンガーの心を読んで具現化という、部分に親近感を持って色々教えてくれたさとりの言う通り、本当に楽しい勝負になってきたね」

「さとりとはもともとそういう契約だからしょうがないけど、自分の前世なら遠慮はいらないね。早く死んで僕に吸収されて、僕と忠夫の未来の糧になってね♪」

 ユウキのこれ見よがしに激怒しているよりもはるかに恐ろしい笑顔に横島は脅えつつ、僅かにユウキが冷静さを取り戻していることにも気づいた。
さとりとの約束だと横島を嫐り遊ぶが一応王国寄りで行動するという約束をかわしている。だからこそ、ユウキも今回は横島に対しては被害があまり行かないという、確信を得て冷静に目の前の存在をどうするか考えている様だ。

 ユウキがワユに迫り剣を振るいさっきよりも互角に近い形で鍔迫り合いになるとワユは笑いながらユウキにだけ聞こえる声で言った。


732 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:24:02 ID:AXpTmxZ/

「ユウキちゃん。本当に楽しい敵と闘えて面白いけど、貴女ももっと本気というか、さらに高いモチベーションで挑んできたら?」

「忠夫を怪異から救出する。それ以外に何かあるとでも」

 ユウキの剣をワユはいなしながら言う。

「文珠は貴重品でしょう。あたしに勝ったら、あたしが彼の前世からもらった文珠あげるよ。それで最後に『忘』の文字入れて彼の記憶を消すことにして、
王国女子として悪いことしてない彼氏にすると気が咎めると思うプレイ全部しちゃったら? 具体的には今さとりが『伝』の文珠で伝えてきたあたしが忠夫にしたプレイとか」

 それを聞いた瞬間、ユウキの体から嫉妬と怒り以外にも欲望めいた感情が剣にこもり始めた。ユウキは剣の速度と力が余計に上がり僅かだが技も洗練され始めた。ユウキは激しく打ち込みながらも僅かに同様の籠った声で叫ぶ。

「そ、そんなことするわけないでしょう。忠夫は今回何も悪くないから、助けて見せるよ!」

 言いながら彼女を倒せばそれができると思うとどんどんと剣の速度と力上がる自分を諫めながらユウキは必死にワユに切り込み続ける。ワユはそれを受け止めると、拳をユウキ叩き込んだ。
深手と言える、一撃を受けてもまだ勝負は決していない。しかし、少しだけ残念そうな眼をするとワユは距離をとった。

「もっと素直になって欲望すらも力に変えてからきなよ。今だって、『そういうプレイ忠夫としたいから、文殊もらうよ!』くらい言えれば勝てたかもよ。
来世の自分が宿敵になるなんてめったにない体験ができているんだから、つまらない結末にはしないで。こんどは全力でやろう。それとこの文殊もプレゼント今言ったことをやってみるといいよ」

 ワユはそういうとさとりの方を見た。

「さとり、次回までにユウキを私の宿敵に仕立ててくれるんでしょう。楽しみ、この時点でも苦戦するのに勝てるかどうかわからなくなっている自分の来世とか腕が鳴るねぇ」

 ワユにとっては人生を終えた後の泡沫の夢に過ぎない為か剣士として強者と技比べをすることや楽しむことに重点を置いている様だ。

 ワユが去ったあと、横島はユウキに近づいていき、さとりがワユからもらったらしい『癒』文殊を使ってユウキを治すと彼は少し不安そうに言った。

「ユ、ユウキ、ワイはワユ相手に王国男子としてあまりにも情けなさすぎる懇願とかワイはしていたけどワイのこと嫌いになったか」

 不安そうな彼の表情を見た瞬間、ユウキの背筋にゾクゾクとしたものが走る。そして彼女は信じられない程上手な演技で言った。

「忠夫を嫌いになるとかありえないけど、さすがにあそこまで無様だと幻滅したよ。あんなに意思が弱いなら少し王国寄りの女性達に調教された方がいいんじゃない。 拒否権はないから」

 そういった後にユウキが彼を押し倒してきた。





 さとりから受けた想起でワユにされたことと同じプレイをされたことまで思い出した彼は、丁度ユウキにされたプレイと同じ状態になっているところで正気に戻された。それと同時に彼はなぜ自分が記憶を失っていたのかも思い出す。
ユウキが横島に初めての体験をさせるためにワユにされたことをワユからもらった『忘』の文珠で消していた為だ。

 ユウキは記憶を取り戻しつつ虚脱状態の中で崩れ落ちる彼を楽しそうに見下ろしながら彼を抱える腕から解放すると。こぼれ落ちそうになる精液を自分の内部に戻し霊力ごと吸収し言った。

「これから、あのストレリチアの前世と決着をつけてくるね」

「あ、ああ。俺も行こうか」

「無理だって。あの女にしたい放題されて快楽付けになった忠夫じゃ、足手まといにしかならないよ。僕と僕以外の君に寄ってきている娘たちと一緒の方がまだ勝率は高いと思うよ。これから僕があの女と決着をつけてくるから」


 そういうとユウキはいつの間にか出現していた転移させるための魔法陣に彼が止める間もなく飛び込むと、姿を消した。横島は考える間もなく。彼女を追い魔法陣に飛び込んだ。


 魔法陣を潜り抜けた彼が目にしたのはストレリチアの宮殿を思わせる豪奢な部屋だ。確か青木が話してくれたヴァルハラとも少し似ているかもと彼は思う。
恐らくはユウキと別の場所に転送されたのだろう。そしてそこには愛歌とリグルの姿がある。リグルが第一声で横島に声をかけた。


「これが青木さんが作ってくれた忠夫用の刀だよ。蛍丸という刀を打った一門の刀なんだって。
僕の加護が宿るならこれが一番だそうだよ。蛍の輝きは雌を惹きつける為のものだから、いろんな意味で忠夫にとって最適だろうって。今回の戦いは厳しいからこれくらい持っておけ、って卒業祝いでもあるって言ってたよ」

「忠夫、旧王家の男性を盛り立てるための加護を与える儀式もしておいたから」

 そういうと愛歌は彼に近づいてきて、少女めいた容姿をそれすら感じさせず男を欲情に駆り立てる、妖艶な色香を纏いながら言葉を続ける。

「ここ数日の閨で私たち実は新手の祝福を貴方に授けていたから」


 愛歌の言葉と共にここ数日間リグルと愛歌が彼を嫐ってきた記憶が蘇ってくる。分身が反応し始めたのを見て愛歌が言う。

「あれ以上の快楽を約束するから、ユウキも混ざって貴方を可愛がれる状態を早く作ってね。この蛍守(ほたるもり)で勝利をつかみ取ってきて」

 その言葉を聞きながら刀を受け取ると、信じられないくらい手になじむ感覚がしてきて、師匠の粋な計らいが感じられた。

「わかった。この刀でワイは必ず勝利して二人とも助けてくるわ」


横島が駆け去ったあと、不意に二人の前に青木が現れた。彼は二人に挨拶をすると、唐突に召喚の魔法陣を出現させる。彼の生み出した魔法円から現れた人物を見たら、
大鳳は驚愕するだろう。そこには闘技場の選手である遠坂凛が神々しい気に身を包みながら現れたのだから。女権国家では珍しくない露出の激しい水着みたいな服装に、
弓を思わせる大きな浮遊物に乗りこなす彼女は、気さくな様子で青木に声をかけた。

「やっと呼んでくれたわね。ジン、私の自己満足に付き合ってくれてありがとね」

 その言葉に青木は完璧な礼節を持って応じた。

「かつて愛する人の悲願を成就するためにあれほど力を貸してくれた貴女様の頼みを断る言葉を私は持ち合わせておりません。
貴女の同一存在が自由恋愛の守護者という役割に反する行為で彼に不幸をもたらしたのだとか」

「ええ。厳密にはあれは私じゃないけど、同一存在がやったことを見ると罪悪感がね」

「わかっております。私も貴方の堕ちた姿アスタロトをガーディアンとしたことがある身です。その罪悪感理解できております。
それゆえに貴女が望む結末の為に微力を尽くします。最もそれほど出番はないかもしれませんが。私の弟子ならことをうまく終えるでしょう」

「そう、あいつが上手くやっても必ずしも良い結果になるとは限らないのがこの国の怖いところよ。まあこれが終わったら愛歌をはじめとした私の権能と相性の良さそうな娘たちに加護を与えておいたしどうにかなるでしょう」

イシュタル姿を認めると愛歌は前王族らしく恭しく礼をとり、リグルもやや拙いなりに敬う心が伝わるように頭を下げる。それを見てイシュタルは愛歌とリグルを可愛い子供を見るような目で見て言葉を告げた。

「二人とも私が悲恋に終わらせてしまった娘の想い人の同一存在、あるいは転生体に良くしてくれてありがとね。特にリグルちゃん、貴方は私の同一存在が最も報いるべきだったのに最低の対応をした娘に似ているから幸せになってほしいわ」

 イシュタルは自由恋愛の守護者としてどこか思うところがあると青木が言っていたが、同一存在ではあっても別人のやらかしたことに罪悪感を感じるあたり、
彼女は凛という善性の娘を依り代にした影響が相当大きいのだろう。彼女が気に病んでいる理由は、イシュタル神は性交を通じて男性に祝福と力を与える神殿娼婦の守護者でもある。
そして横島の同一存在でもある相手と恋に落ちた娘がとった行動は賞すべきことだった。それに真逆の結末を与えたことが彼女の心に負い目を与えている。なんとなく青木がリグルには他の女性以上に優しかった理由も少しわかった気がする。

 様々な想いを胸にイシュタルの言葉にリグルは笑って答える。

「大丈夫ですよ。忠夫は絶対にユウキを取りこぼしたりしませんから」

 その言葉にイシュタルが強くうなずくと。光の柱が立ち上りもう一柱の女神が現れる。
桜色めいたピンク色の髪をした温和そうな美を纏った姿をした彼女は自分の髪と同じ色をしたアクセントを加えたインドの民族衣装に身を包んでいる。彼女は慈愛に満ちた目で横島が進んでいった方を見ると言った。

「あの子なら無事に事をこなしてくれるでしょう。青木様、それでだめならよろしくお願いしますね」

 彼女を見ている時の青木は明らかに気を遣っている様子で下がりながら頷いた。

「あ、ああわかっている。パールヴァティ」

 リグルはその様子を見て少し驚いた。青木という存在はある意味技を極めた結果人外になったものに近い気質をしている。
そして唯一拘っていたものからも切り離された人物であり、技を極めぬいた結果何事にも縛られなくなった仙人などの類に近い思考をしている。
だが彼は明らかに目の前の存在に縛られているのがわかる。むろんイシュタルと呼ばれた存在に対してもかなり気を遣っていたが、目の前のパールヴァティに対してはその度合いが段違いだ。

 疑問がるリグルに青木は特に隠す気もない様子でさらっと答えた。


733 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:26:11 ID:AXpTmxZ/

「実を言うと、イシュタル神とパールヴァティ神は、愛する女性の望みをかなえる戦いを最初に戦い抜いた仲魔であるだけじゃなくて、愛する女性に多大な影響を与える守護霊、
ガーディアンだった時期もあったんだ。そして私のガーディアンを勤めた存在シヴァの妻でもある」

「へー」

「ああ、ガーディアンは通常実体化できないが強者に宿ることでより強くしてくれたりする霊だ。対して仲魔は実体化して共に戦ってくれている別の分霊だったが、
私が元の世界に戻る際に解き放った後、玲子さんについていたガーディアンと合体してな。そのためか、玲子さんの影響が強く残った彼女に対しては逆らい難いところもある。
それに俺自身もパールヴァティ神の夫であり愛妻家極まるシヴァ神がガーディアンをしていた時期もあったからな」

 最後に“私”が“俺”に変わっていたのは、過去の話をして少しだけ昔のテンションが戻って葛葉伯爵の仮面がはがれたためだろう。

「そうなんですか」

 そう答えるリグルに彼は言う。

「ああ、あいつには少し荷が重いかもしれんが、肩代わりをするかそれとも最後の仕上げをするかその差が出てくるだけだ。ユウキが救われることは俺が約束しよう」





 リグルから受け取った、蛍守を構えながら彼が部屋に飛び込むと、ユウキとワユの姿はなく、そこにはユウキだけの姿があった。だが彼にはすぐにそれが異質なものだと理解する。

「ワユでもユウキでもない。君は二人が融合した場合のイフの姿なドッペルゲンガーか」

 その言葉に目の前のユウキが笑って答えた。

「あたり、女権国家の空気から生まれた僕に勝てるかな♪ 僕に勝てば二人とも救えるよ。その代わり難易度はユウキだけを助けるよりずっと高いけど」

 ワユとユウキを合わせたような速く鋭い攻撃に対して彼は全力の打ち込みで応じ連続攻撃を繰り出した。 ユウキは僅かに驚いた表情を見せたがその横島以外には気づくものがいないその表情の変化がこの戦いの結果を決定づけた。

 ドッペルゲンガーに切り込んだ直後に彼はそのまま手を休めないどころか、火事場の馬鹿力めいた力を引き起こし連続攻撃を繰り返していく。
リグルと愛歌が祝福を施したこの剣は彼の意図をどこまでも組んでくれると本能が告げている。そして目の前の存在を殺さずに制する方法が彼の頭の中で出来上がっていた。
彼はそれを異常に感じたがそれでも迷わない。ユウキとワユの融合体の第三のドッペルゲンガー相手なのにまるで預言者の様に対処法が次々と浮かんでくる。
これはさっきのユウキとの戦いでもそうだったが今では受け取った刀の効果なのかさっきとは段違いだ。異常なまでの既視感を不信がるよりも頼もしく思いながら彼は駆けた。


横島はドッペルゲンガーに生まれた僅かな隙が生んだ有利な状況を徹底的に生かして切り込みぬく。
ユウキが彼以外には見抜けないであろう、完璧すぎる演技で作り上げたもうすぐ逆転できるという余裕の表情に僅かに不安を掻き立てられながらもそれを追い払い、
彼女の一見すると余裕をもって捌いているように見える動きにも惑わされず連続で切り込み続ける。

 ユウキ相手に横島が優位に立てている理由は、一番は異常なる既視感だが、最初の一合目で横島がいきなり勝負に出て意表を突けたのもある。
それ以上に今手にした青木の指導と蛍守の効果も大きい。横島は基本的に霊波刀もそうだが、西洋剣でしか行ったことがなかった。
今この時初めて日本刀で切り込まれたことが彼女の計算を大いに狂わせている。 死に物狂いの攻めが生み出した僅かな余裕を見出した彼は、
剣がぶつかりあう直前に自らの力を文殊で『強』めた。そして鍔迫り合いに持ち込んだ瞬間、勝てると確信し一気になだれ込んだ。
ドッペルゲンガーがそれを受け止めた直後に有利な形で鍔迫り合いに持ち込んだ。 もととなったユウキもドッペルゲンガーも貧弱というわけではない。
ただ敵に捕まえられる形での鍔迫り合いには慣れていないのだ。だからこそこの体制なら文珠を発動できる。彼の手の中にある文殊が発動する。
その文字は『略』青木に叩き込まれた、陰陽道などの術を呪文などと略して発動させた。金縛りの術で動けなくなったドッペルゲンガーを彼が倒しかけると、ここ数週間で聞きなれた足音が響いてきた。


振り向いた先には、師匠となった青木の姿がある。彼は教え子の成長を喜ぶ教師の様な目で横島を見ると言った。

「見事だった。だがお前には彼女を殺せないんだろう」

「はい。痛みを感じない、調伏させる術で浄化して、ユウキにドッペルゲンガーを討ち果たした際の幸運をもたらそうかと。できればワユも同様の処置をとりたいです」

 青木はそれを聞いた後、言った。

「だそうだぞ、ユウキ、ワユ、男を見る目は確かだったな」

 そういって背後を見るといつの間にか来ていたらしい、ユウキとワユの姿があった。横島が二人の姿を認めると、青木は笑みを浮かべて言葉を続ける。

「それじゃあ、弟子が見事なことを成し遂げたんだ。師匠であるが俺が仕上げと行こうか」

 そこまで言った後青木は不意に虚空に向けて言葉を放った。恐らくは相手がみているか、聞いていると確信しているか、もしくは敢えて聞かせる類の術か霊具を使ったのだろう。

「狂三殿、貴女との約束を果たさせてもらう。見届けたければこちらに来てくれて構わない」

 その言葉と共に辺りの空気が変わり、その姿だけで男を惑わす紅の服に身を包んだ淫魔が姿を現した。その姿を見ただけで、全ての男は多少は欲情を引き立てられる。横島も例外ではない。
だが今回はそれほどではなかった。恐らくは今回は約束を守る青木のもとに見届けに来ただけだから、邪魔しない様に淫魔としての力を抑えているのだろう。それでも、
多少は欲情させられ集中力を落とされるのに、青木だけは一切彼女に対して反応していない。それほど赤根沢玲子への愛が強いのだろうかと、横島が思うと、それを青木は打ち消した。

「違うぞ。俺の特性によるものだ。鬼でも竜でも殺せる名刀があった場合、最初に鬼を殺したか、竜を殺したかで存在が定義されるんだ。もともとどちらも殺せるほどの名刀なら鬼を殺したからと言って、
竜が殺せなくなるなんてことはない。 だが鬼殺しという概念がその剣には焼き付く。鬼を倒す上で有利な力が宿るようになる」

「はい」

 青木の教えを聞きながら頭の中を整理する横島に青木は説明を続ける。

「それは人にも起こるんだ。俺は異世界の原初の淫魔ともいえる存在を倒したことがある。劣化分霊と言ってもそこら辺の上級悪魔よりずっと強かったがな」

 そこまで話を聞くと狂三が納得いったという表情になった。

「どおりで初めて会った時から自分の危機感の様なものが働くと思いましたわぁ。まさか異世界の原初の淫魔殺しをなしていたなんて」

 青木は狂三の方に向き直ると敬意の念が感じられる礼を取りながら言った。

「狂三殿、まだ私は切り札を隠し持っております。そしてそれをこの世界から無くすことが貴女方との契約の完遂の証です。全ての女性特に貴女にとっては最悪の武器をこの世から消し去りましょう」

「ええ。貴方が約束を違えるような殿方でないことはよくわかっていますわぁ。でも見届けさせていただきますわぁ」

「ああ、構わないが。何か気になることでも?」

「ええ、私の天敵と言える切り札とは何なのか、なくなってしまうのだから知らなくても問題はないのでしょうが、それでもどんなものだったのか、多少は気になってしまいますわぁ」

「それも道理ですか。横島、彼女が立ち会いというか見学することを許してくれるか。その代わりもしも俺がしくじったら多少補助していただけますか」

「しくじる? 貴方が? ありえないとは思いますけど万が一そんな事態になるようならわたくしも骨を折ることになりそうですわね」

「ありがとうございます。しかし、私も昔はしょっちゅう失敗しましたよ。出会って少ししか経ってない頃に玲子さんがやきもち焼くぐらいには自分を好いていると気づきもせず、
交渉中の女悪魔に冗談で『気持ち良いことしよう』って言って殴られたり、女悪魔の『良いことしましょう』って言葉に頷いて服を脱ぎだしたので見とれていたら、
鼻の下を伸ばしていると言ってゴミクズの様に蹴散らされたり」

 ユウキが横島をやきもちからシバくのを見るたびに彼はほほえましいものを見る目で見ていたが、これが原因だったのだろう。
その度に笑いながら『こういうやり取りができるのは恵まれているぞ。私はそれがどれだけ得難いものか失うまでわからなかったがな』と言っていた。
両片想いでも二人は本当に愛し合っていたのだろう。だからこそ、自分以外の男、兄の為に全てを捨てて去った玲子の遺命や名誉を守ることが彼の全てとなったのだなと、横島は思った。

 狂三とどこか友人めいたやり取りをしていたが、不意に彼の雰囲気が変わる。横島に見せていた、地獄を見せつつもどこか親しみを感じさせていた師父の顔とも違う、
神官と執事を合わせた様な様子へと変わった。厳粛だが人を安心させる温かみもある声で言う。

「それでは俺の最後の舞台へと移動させてもらおう」

 青木が言葉と共に仲魔を召喚しトラポートを唱えると、目の前のヴァルハラの様な景色ら一転して、厳粛な裁判所を思わせる大きな部屋に彼らは移動していた。

 そして青木は横島が動きを封じたドッペルゲンガーを見下ろすと言った。

「お前もまた、ユウキとワユが融合したイフの形のドッペルゲンガーだ。だからこそ、これからやることに異論はないな」

「うん。僕もまた貴方の世界の悪魔でもある。だからこそ悪魔合体めいたこの処置に異論はないよ。むしろより強い存在に生まれ変われることは喜びでもある」


734 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:27:59 ID:AXpTmxZ/

 この発言は狂三に聞かせるために言っている様だ。彼女にとっては養子の様な存在でも子供だから殺されるのは看過できないのだろう。嘘を言っていないことを確信すると狂三は同意するようにうなずいた。

 青木は覚悟を決めると、虚空に向かって何かを手に取ろうとするように手を伸ばす。そして何らかの呪文を唱えた。
そしてそれと共に圧倒的な神聖で荘厳な気配に身を包み大量の火炎が現れ、その中に刀身が赤い炎でできている剣が現れる。
それを見て、狂三の表情が変わる。彼女は納得がいったように言葉を紡いだ。

「それが貴方の体の一部ともいえる剣なのですわね。理屈はわかりませんがそれこそが私の天敵ともいえる剣であり、
貴方が女権国家の女性達からどれほどの尊崇や親愛を得ても恋されることはなかった理由」

「その通りだ。ヒノカグツチ。天津神の化身の一つでもある剣です。日本という俺の故郷。この世界でいうところのジパングにあたる国の神様で。
日本神話の『あらゆる全の火の概念を司っている』 そしてこれこそが異世界の原初の淫魔を斃した剣でもあります。だからこそこれから儀式ができる。頼むぞパールヴァティ」

 青木の言葉にパールヴァティが現れるとヒノカグツチに向かって祝福の言葉をかけた。それと共に青木は高らかに宣言する。

「大自在天姫でもあるパールヴァティ神は、サティであった頃に、父がシヴァを愚弄するが故に、この様な人物の娘の体ではシヴァ神に妻としてふさわしからず。
故に自分はよりふさわしき体に生まれ変わると。 サティ神は韋駄天と神と縁が結ばれた彼の伴侶たりえるユウキに夫に相応しき体になる機会を与えんとしている。ヒノカグツチよ我が祝福の炎となれ」

 青木の厳かなる宣言と共に、彼の剣がユウキとワユが融合したイフの姿と言えるドッペルゲンガーを炎で包むとドッペルゲンガーの体を薪としてすさまじい火柱がたった。

 その炎がユウキとワユを包んだとき横島の心臓が跳ねたが、青木への信頼と、そして火の中にいる二人が全く苦しんでいない様子を見て、安心した。青木は横島に軽く説明をする。

「ここは女権国家のファンタジーな世界に力を与える多くの信仰などの人々の普遍無意識の集まる魔界だ。ここでユウキは、
もう何物にも縛られないという状態を示すことで彼女を縛る幻想を、彼女を祝福する幻想に打ち負かさせて、彼女を救う」

 あたりから凄まじいまがまがしい気配を身に纏った魔獣や鎖などがユウキに迫り中にはタコを思わせる禍々しい触手もあった。どれも上級霊に匹敵する邪気を纏っていたが、それを見て青木は笑う。

「俺が千以上も切ったニャルラトホテプ、劣化分霊に似ているが、それ以下だな」

 そして青木は詩人を葬送を勤める洗練された司祭の様な声で言う。

「幻想にすがり恩恵を得たものは、幻想に縛られる。されど幻想で縛る者もまた幻想の法則から逃れられない」

 そういうと青木の手で振るわれるヒノカグツチの刀身から出た炎が鎖を溶かし切り魔獣たちを一瞬で絶命させていく。
魔獣と鎖の群れは引き絞れ抜かれた矢を思わせていたが、青木の動きはそれすら上回る銃弾の様だ。彼の姿一瞬だけ目にも映らぬ速さになるたびに、火炎が巻き上がり、不浄な気を持つユウキをからめとろうとするものは消えていく。
そしてユウキ達を包む祝福めいた炎がますます大きくなっていく。 その様子を見ながら、狂三が疑問めいた表情を浮かべていたが、青木がすぐに説明をした。

「貴女のお友達は約束を破っていませんよ。ここは普遍無意識ファンタジーの法則を生み出している場所。ああいうものと契約し者にはハッピーエンドは訪れないという概念や、あるいは試練を越えねばだめだという概念が襲ってきたのです。
彼女だって何もかもを制御できているわけではなありません」

 得心が言った顔になった狂三を見ると青木は言葉をつづけた。

「狂三殿、おさらばです。契約通り女権国家の女性とあなたにとって天敵である、ヒノカグツチはこの世から消え去ります。  そしてもう一人の俺の弟子、絶対にユウキを守り抜け。
これはお前の為に言っている。かつて玲子さんを護ろうとしていた時の俺はお前と同じ目をしていたと言われた。そのお前と同じ目をしていた男からの経験則だ。大事に思える女性を不幸にしてしまうととんでもなく堪えるぞ。
落ち度がなくても俺は立ち直るのに相当かかった。まして少しでも落ち度があればどうなるか」

「わかりました師匠」

 その答えを聞くと青木は笑って冗談を言う様な口調で言った。

「俺はシヴァを宿していたせいか、色んな世界で韋駄天と縁があるお前と付き合っているユウキを見ていると、義理の娘みたいに思えてたんだ。義理の娘の為に最後の役目と行くか」

 そして彼は生涯最後の宣言を口にした。

「幻想はより強気幻想に書き換えられる。パールヴァティの夫であるシヴァをその身に宿人々を不幸にする幻想を狩り尽くした我が肉体を薪とした炎は果たしてユウキの災いとなる幻想を焼き尽くすに足らざるや?」

 一応疑問詞で問うてはいるが、否とは言うまいという有無を言わさぬ圧がその言葉には込められていた。 その言葉を最後に彼は言う。

「破壊と再生を司るシヴァを宿したことのある我が一撃よ、ユウキ達の体をシヴァの伴侶たるパールヴァティが生みだした転生の炎で焼き払いユウキが望む肉体へと再創造せよ」

 ユウキを襲おうとする黒く力強い触手めがけて青木が炎を飛ばし、そしてそこから生じた炎に彼が飛び込むとそのまま火炎が大きくなりその触手が完全に消え去り、
ユウキとワユを包む炎が一気に燃え上がった。そして彼女たちの転生が果たされたと横島は確信した。

「お見事でしたわぁ。 自分が愛した女性と一時来ても意識を共有していた女神たちの願いすらかなえる見事な愛でした」

 狂三は心からの称賛を述べると一瞬で姿を消し去った。この場ではこれ以上青木が助けた者たちにとって不利な情報を僅かたりとも求めないことが、彼への礼儀だというかのように。


 青木は炎の中からもう一度横島に向けて念話で言葉を送ってきた。

『狂三殿がいなくなった所でもう一つの、プレゼントだ。お前の親友大鳳をこれに』

 横島はそれを聞くと文殊で『大』『鳳』の文字を出すと青木のハヌマーンが転移魔法トラポートを唱えた。そこに何が起きたのかわからない様子の大鳳の姿が現れる。それを見て、青木は念話で大鳳に言う。

『我が弟子の友よ、今から君にかけられた呪いを解く。フェニックス。イシュタル神』

 青木の仲魔の一柱であり、横島が気絶や瀕死になった時の治療係の一人だった霊鳥がイシュタルの祝福を受けるとそのまま青木を燃やす炎と合体し、
大鳳を飲み込んだ。大鳳は圧倒的な熱さを感じながらも一切の苦痛を感じない不思議な感覚を味わった。共に自分の体が焼け落ち再生され終わると、
疲労に効く温泉に入り思う存分寝て起きた後の様な、あるいは腕の立つ整体師に体をいじり尽くされた後の様な感じの爽快感が彼を包む。そしてそれを見て横島は確信した。

「大鳳お前」

「うん、忠夫、多分だけど、アンリエッタ皇女にかけられた呪いは解けたよ!」

「師匠、ありがとうございます。でもなぜここまで俺たちの為に」

 その答えに青木は魂だけとなった状態で念話を返してきた。

『お前たちの為というのもあるが、一番はイシュタル様の為だ。あの方は、お前にとある並行世界で引け目を感じることがあり、幸せを願っていた。
そして彼女は自由恋愛の守護者だ。だからからこそ、大鳳にかけられていた呪いが気にいらなかった。 彼女やパールヴァティ様は玲子さんのガーディアンを勤め彼女と意識を共有していたこともある。
だからこそ彼女たちが喜ぶなら何でもしてやりたかった』

「そうですか」

『それに、デビルサマナーをやってからは仲魔や友達はいても、『家族』は永らくいなかったからな。お前やユウキがそれだった』

 その言葉は嘘ではないようだがそれだけではない様に横島には思えた。そして更なる違和感を感じる。大鳳は横島の横でただ感謝を浮かべるだけの目をしている。
なぜ自分が大鳳でも気づけないことにづけたのだろうか? だがその疑問は声を潤ませた大鳳の感謝の言葉が消し飛ばした。

「青木さん助けてくれてありがとうございます。もう死後の世界に旅立つんでしょうけど僕たちから貴方に返せるものはありますか? 例えば遺言の執行や気になることとか?」

『大丈夫不要だ。それに報酬ならもう、もらった』

「それはいったい」

『イシュタル様とパールヴァティの喜ぶ姿。そしてあのいけ好かないアンリエッタの悔しがる姿を想像しながら旅立てるということだ』

 最後の弾むような声を聞き、ここ数週間の暮らしで、青木はアンリエッタを凄く嫌っていたことを思い出す。大鳳をひどい目にあわされて嫌いな自分と話が合ったことが、
青木と自分がすごい早さで仲良くなった理由の一因でもあった。最もそれがなくてもすごく気は合っていたが、余計に仲良くなるのが早まったと思う。 


735 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:29:50 ID:AXpTmxZ/

酒の席で青木から聞いた話だと、確か大鳳と出会う前のアンリエッタが、赤根沢玲子から彼を寝取る遊びをしようと計画を立てたことがあり、それをネロが止めて、近づかせない様に厳命したらしい。
自分にまだ迷惑をかけてないから報復まではしなかったが、遊びでそういうことをしようとしたことが余程不快だったようだ。

 最後の言葉で湿っぽさが消えたと思うと炎がより一層強くなり青木の仲魔たちが青木に来世でまたみたいな別れの言葉を言うと、彼らは横島達にも健闘を祈る旨を伝えてきた。最後に激しい炎が辺りを包んだ後、彼の意識は落ちた。




どれだけ寝ていたかはわからないが次に彼が目覚めた時、青木の家ではなく見たことがない城に転移していた。そして目を開けると満面の笑みを浮かべたユウキとワユの姿がある。

「忠夫、ありがとう。これで僕たちは二人とも転生完了だよ」

ユウキの言葉は喜びに満ちていたドッペルゲンガーに勝った場合は、より意中の相手に相応しい様に変われる上に様々な幸運が訪れハッピーエンドに行き着けるという物語の法則それが完遂されたのだ。
イフの姿のドッペルゲンガーを討ち果たして、ハッピーエンド供給機と化したドッペルゲンガーも薪にしてサティを生まれ変わらせた火炎にイシュタル神が祝福を施した炎で転生した以上もう自由恋愛を妨げることはないだろう。

 横島には難しいことはわからないがユウキの顔を見て確信した。これで彼女の憂いは完全になくなったのだろう。

 安心した彼の唇をユウキが奪い笑う。

 口づけを受けて完全に腰砕けになりながら横島は思った。ユウキは女権国家の影響を大いに受けていた。
さらに女権国家の普遍無意識を集めた異界で転生したことで前より強くなっている。横島が立つことすらできなくなったのを見て、ユウキは彼の服を脱がせながら言う。

「それじゃあ、忠夫の調整も兼ねて僕とワユ、どっちが上か決めようか」

 ユウキの言葉に前ほど険悪な気配はしないが、それでも対抗心の強そうなワユがいう。

「そうだね、それじゃあ青木さんからもらった新しい体で、一戦目行ってみようー!」

 ユウキとワユが服を脱ぎ笑う。そしてワユがユウキと同じように口づけしてくると、彼は射精直前になりそれをユウキの手が握りしめ、とめる。

「ほら、ワユ今生の忠夫の射精前の癖まだ覚えてないでしょう」

 乳房を背に押し付け余計に泣きそうになる彼を楽しそうに見ながら言うユウキをどうにかワユから解放された後に、必死に抗議めいた目で見ると、二人は一瞬だけ怪訝な顔をした後、すぐにした表情に変わる。

「「青木さんが死んだ直後に喪も明けてないのに不謹慎だって?」」

 横島が辛うじて頷くと、ユウキもワユもこの瞬間だけは真面目な顔になっていった。ワユが少しだけ悔しそうな様子でユウキに視線で促すと、幼馴染だからこそわかる、嘘を言ってない口調で言った。

「青木さんは消える前に、自分が消えたら一秒でも早く夫婦としての結びつきが強くなる儀式を終えてしまえって言ってたよ。僕たちが悲恋に終わると辛いからって。だから自分の死に限っては喪中とか考えなくていいって」

 そこまで言った後、ユウキは彼の分身を飲み込むながら続きを言う。

「忠夫に取った処置の副作用の悪影響を抑えるための処置の一部でもあるってこれは♪」

 副作用の悪い部分を抑えるための処置の一部でもある。そのくだりまでは本当に真面目な声の響きだった。
それを聞き怒りというより疑問が浮かび上がる副作用とは何なのだろうか? その考えもユウキに分身が飲み込まれた瞬間に果てて白濁を彼女の中に放った直後に頭が白く染まり切るまでだった。

「ああー!」

 悲鳴を上げる彼の上で射精直後の敏感になった分身に追い打ちをかけるように腰を振るユウキの動きに耐え切れずに叫ぶ彼の唇をワユが接吻でふさぎ、さらにユウキの動きに合わせるように舌で彼の口内を蹂躙する。
ユウキが彼に引っ付き胸を押し付けながら絞る方向に変えるとワユも優しめに口づけして彼の理性を溶かし始める。射精しない程度の快楽で抑えながら、
彼の意識が眠りに堕ちかけた直後にユウキが再び立ち上がり一気に強く締めた。そしてワユの舌がそのまま喉の奥の快楽のツボを押して二人の手が彼の腕を自分の乳房に導き揉みしだかせる。
完全に意識が飛んだ彼を見下ろしながらユウキがいう。

「ちょっと、忠夫―! 君が早漏で弱すぎるせいでまだ処置終わってないのに意識が飛んでるよー! もうちょっと頑張ってよー!」

 王国女子に言われると恥ずかしい言葉を知り尽くしたユウキの言葉に興奮しつつ、彼は違和感を覚えた。いつもベッドの中で惨敗させられると逆らい難くなるが、
今回はいつも以上にその感覚と与えてくる快楽が強い。 恐らくは青木の手引きで転生したせいで霊的にも強くなったせいだろう。 倒れかける彼に、ワユがソーマと呼ばれる完全回復させてくれる酒を差し出してくる。

「これも処置の為だから、早く回復して」

「あ、ああ」

 なんのためなのかわからないがこれも処置なのだろう。そうしてそれを飲んだ直後に、ユウキが彼から離れ、ワユと位置を交代する。
ユウキと似て非なる彼女の内部が彼の分身を包み込みその快楽に喘ぐ今度はユウキが口づけしてさっきのワユと同じ様な舌遣いでワユの中に注がれる射精量を増やしていく。
そしてワユの与えてくる快楽が射精に至らせない優しく緩いものに変わった直後に彼はまたユウキと同じことをしてくると思い構えようとし瞬間、ユウキ唇を離していった。

「忠夫、実を言うと副作用に関してなんだけどね」

 さっきとは違い真面目な真剣な口調ではないことが気になったが、それでも何なのだろうと、思った直後にワユがさっきのユウキよりはるかに早いタイミングで射精に至る鋭い快楽を送り込んできた。

「ぎゃあぁ!」

 彼の悲鳴はユウキの再びの口づけによって遮られた。ワユは横島の全てを理解しているという目で、見ながらこれ以上の快楽は限界を超えると理解したうえで、
心底愉しんでいる満面の笑みに切り替えると彼の片腕をさっきのユウキと同じように自分の乳房に導き揉みしだかせ始める。ユウキも口づけをつづけながら、先ほどのワユと同じように彼の手を自分の乳房に走らせる。

 二人に無理やり乳房を強く揉まされてその電撃が脳の中で完全に雷を落としその直後の射精で気をやってしまった彼を見下ろしながら二人は笑う。

「前世の僕。忠夫は僕たち二人を助けるためにあれだけ頑張ってくれたんだし、忠夫を大事にしようねー」

「もちろん。それはそれとしてどっちが上かはちゃんと決めようか。」

 そういうと二人は、左右から横島の分身を乳房で挟み込みその快楽で彼が気を戻すと舌をも這わせ始める。

「ユ、ユウキ、ワユちゃん、ちょっと待って」 射精した直後に霊力が大いに吸い取られ二人の霊力がその精液を窮して一気に大きくなったのを見て、脅える彼を二人は満足そうに見て言う。

「この調子なら処置はすぐ終わりそうだね」

「うん、うん、どんどんもらうよ」

 そういって激しく乳房を動かしながら舌でなめられ始めると彼の意識は何度も飛びぬいた。そこに愛歌、アリス、リグル、エヴァ、陸八魔アル、さとり、こいしが入ってくる。
最後にヴィーラと、オリヴィエと、シンセシスの姓を持つ騎士であるアリスとユグドラをひきつれたヴィヴィオがやってくる。

 彼女たちはあまりの快楽のせいで苦痛の極にある状態に近づけられた様な悲鳴を上げる横島を欲情と自分も嫐りたいという欲望の籠った目で見つめてきた。
そしてヴィヴィオが満面の笑みを浮かべ娯楽となる処刑を決定づける貴婦人の様な口調で言う。

「ワユ、ストレリチアの前世の私を支えてくれた騎士よ、自分とユウキがどちらが上かすべてを持って競うって言いましたよね。私はそれを全力で見届けるって」

「はい。ヴィヴィオ様」

 ヴィヴィオの言うことはわかりきっているのに敢えて白々しく疑問に思っている様な声でワユが答えた。

「それなら人脈も考慮に入れるべきですね。ワユはストレリチアの守護女神の一柱でもあるので、私とストレリチアの騎士はワユに味方します。他の皆様はユウキちゃんですね」

「それが妥当かと」

 そういってワユが魔術めいた呪文を唱えると、横島の体が変化し始める。自分の霊気が、ヴィヴィオたちの持つ気がもたらす快楽に染まりやすいものに変わり始めたと彼は確信した。
そういえばワユはストレリチアの守護女神であり、旦那が現世に現れると他の騎士たちと共に転生して嫐ったり、あるいは天国に来た時により夫を快楽に沈める為の手助けもすると書いてあった。 そこまで考えた直後にヴィヴィオが彼の唇を奪い、
その後にオリヴィエも続く。そしてヴィヴィオが笑いながら言う。

「オリヴィエ確か、ストレリチアのヴァルハラに来るという証二人で刻んでしまいます?」

「良いですね。壊れても青木様が残してくれたソーマで回復するだろうし、今回だけは一度壊した方が忠夫さんの為です」

 横島の恐怖心をあおる楽しそうな声だが、『今回だけは一度壊した方が忠夫さんの為です』のくだりだけは心底真面目な声音だ。 何かがある。
そう思った直後にヴィヴィオとオリヴィエが術を唱え、ヴィヴィオが乳房を彼の胸で押しつぶしオリヴィエも後ろから強く抱き着いてきて快楽を与えヴィヴィオに飲み込まれたそれをより奥まで無理に挿入させながら玉袋を揉みしだき、
射精をより多くさせる。

 泣きわめく彼の耳元で彼女たちは二人で解説を始める。


736 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:31:28 ID:AXpTmxZ/

「忠夫さん、これはストレリチのヴァルハラの刻印で、死後の世界で男がこれを刻まれた時期の状態になると信じられています。
女権国家気質のストレリチアの騎士たちがこれを刻んだから愛しい男を快楽で壊しても問題なし、という方便にも使われますね」

 ヴィヴィオがそういって彼から離れると足で彼の分身に凄まじい快楽を与えながら笑って言う。

「われらストレリチの王族は死後の世界も支配していますから、それを刻まれたら冥府でも私たちのもの。そして魂がそれを理解するから、こういう屈辱的行為による背徳感と快感が増します」

 ヴィヴィオがストレリチの加護をフルパワーにして彼を絞っていたがそれを抑えて寸止めを続ける。オリヴィエが拘束を解き即座に彼を前から抱きしめて飲み込んだ直後に、快楽で泣きわめく彼を背後に回ってとがめた。

「忠夫さん、オリヴィエをもっと満足させてあげなさい」

 ワユから放たれる霊気が余計に二人に刻まれた刻印の効果を高め苦しむ彼にヴィヴィオが後ろから抱き着いた。
豊かな乳房の感触が彼の快楽で壊れていく速度を加速させるが、オリヴィエは抱き着きながらヴィヴィオと目配せしあって笑う。

「ヴィヴィオ、少しあなたは前世からストレリチアが過ぎますよ。こんなに気持ち良いと動けないのも仕方ないでしょう」

「あ、ああ?」

 オリヴィエのこの口調は苛め抜きたいが、緩急の緩めるときの形だけのとがめだと思い、僅かに安心した彼に対してヴィヴィオが笑いながら返す。

「じゃあ忠夫さんに加勢しますね。オリヴィエを少しは感じさせてあげてくださいね」

 そういって悲鳴を上げる彼の手を掴むとオリヴィエの尻に手を伸ばさせて強く握りしめさせた。 そこに来てオリヴィエガ示し合わせた様に射精を許すと完全に彼の脳が壊れたようになり倒れた。

「泣きわめく忠夫さんの声たまりませんでした」

 満足げなヴィヴィオは笑いながらオリヴィエと共にいったん彼から離れる。

 倒れ落ちた彼の傍に愛歌が笑いながら近づいてきた。彼女は立てない、横島の顔を楽しそうに見下ろしている。
そして横にはインプと化したユウキがいる。ユウキに向かって愛歌が呪文を唱えるとユウキと愛歌の間に契約が成立したような気配がする。

 愛歌は横島の顎をとると言った。楽しみながらそれでも頼み事自体は真面目な口調と声音で声をかけてきた。

「忠夫、少し文殊に文字を入れてくれる? 今回している処置は私たちが楽しんでいるのもあるけど、一応はあなたの為の処置でもあるの。 やらなくても大丈夫だとは思うけどした方がより安全だから」

 それを聞いた横島は、どうにか持ち直して、愛歌が入れてほしい言葉を聞く。愛歌は満足そうにうなずき言った。

「文珠に『誘』『導』と入れて」

 横島が愛歌の言うとおりにすると愛歌が彼の耳元に彼を魅了してやまなくなった唇を当てながら言う。その吐息ですらも彼の分身が反応し始める。

「この処置を成功させるために必要なことだから言うけど、私との約束を守ることを考え続けて」

 愛歌の為に英雄になる。その約束が頭の中に過りこれが折れない限り大丈夫だというセーフティが自分の中に出来上がった感じがした。これが快楽で塗りつぶされた時自分は危ないだろう。

『そうや。ワイがここまでこれたのや、仲間が誰も欠けなかったのは何割かは愛歌ちゃんのおかげや彼女との約束を破るなんて最低や』

 それを見てヴィヴィオがその手があったかという顔になった。そして彼女は言う。

「忠夫さん相手なら女権国家的な愛で方もありという私には無理な方法ですね。ユウキさんたちが有利かも」


 ヴィヴィオの言葉を他所にアリスが前に出てきた。彼女は愛歌と位置を変えるとユウキと使い魔と主人の契約を結ぶと笑う。

「忠夫、愛歌の約束が頭にあるなら簡単には精神的な再起不能にはならないわね。これなら、思う存分甘やかせそう。 万一が起きても仮に魔女の蜜で英雄の素質が腐っても、愛しているから安心して」

 そういうとアリスは彼の分身を飲み込み、どこまでも甘く気持ち良すぎる眠りに誘う風呂や、
冬の布団を思わせる快楽で彼を何度も射精させる。 彼女の指から出てくる意図が胸を揉みしだかせ尻を握らせるたびに彼は射精していく。
彼女は色々な体位を試したが横最後は口づけしながらの体をくっつけ切った女性が上になった正常位に落ち着いた。彼女は笑いながら言う。

「忠夫、ほらいくら堕ちても大丈夫よ。元に戻す方法はあるし、堕ちたままでも私は大丈夫だから」

 堕落しきった先に進める彼女の言葉を聞く度に彼は強すぎる快楽で脳が壊れるというより溶けていく感覚を味わう。
そして時々アリスと交代し、体を押し付けてくるユウキがさらに追い打ちをかけてくる。

「忠夫〜ちなみに僕も堕ちても大丈夫派だよ♪ 女権国家に大分染まっているからね♪」

 アリスが後ろから豊満な胸を押し付け、抱えユウキが彼の腹に乳房を押し付けながら腰をくねらせて分身を嫐りながら笑う。
アリスの何もしなくても良い、という脱力の極みの快楽をユウキが余計に刺激してくる。
ユウキが途中で彼の射精を寸止めし始めた後に、二人が強く彼を抱きしめ乳房を押し付けた後に二人の尻を思いっきり握りしめさせた瞬間に射精が許され、
絶叫を上げて彼が射精するとこの部屋の女性陣全員が恍惚とした表情を浮かべてそれを見ていた。

 意識が途絶えたと思った直後、長い夢を見たような感覚が起り、目覚めると目の前にはヴィーラがとシンセシスとユグドラがいる。彼女達は楽しそうに言う。

「ヴィヴィオ様は凄く興が乗ったらしく、今宵だけは後先を考えずに貴方を好きにして良いと、仰ってくれました。私達の技を存分に味わってください」

 ユグドラが神聖な気を纏って彼に触れてくるとそれだけで彼の分身は一気にそそり立ち、それを見てヴィーラが最初に彼の分身を飲み込む。
同じ暴力的快楽でもアリスの優しい、性技で脳をぐずぐずにされた後に、不意打ちで強い快楽を与えられ、免疫がゼロに等しくなっていた彼はそのまま、射精をする。
即座にヴィーラが笑いながら、何度も激しく腰を振り彼を押し倒し、敏感になった分身を快楽で痛めつける。その度に面白い様に彼は射精を繰り返した。

「ヴィーラ、交代の時間ですよ。貴方の与える快楽に彼は慣れ切ってます」

 シンセシスの方のアリスが目の前に来た時、彼は疑問を抱いた。確かに自分に対して好意的だったが、性行為に参加するほどだっただろうか? その疑問に対して彼女は説明するように答えた。

「実を言うと、私は青木殿、もしくは葛葉伯爵殿が持ってきていた、未来の自分の霊体を取り込んだのです。 霊的な損傷を受けて死産になりかけた私の体を補ってくれたのが、
マーガトロイド殿の付喪神と化した人形たち。より早く強くなれるならと受け入れたら、思った以上に影響が大きくて、貴方に抱いていた好意が余計大きくなりました」

 一応納得した彼の分身をアリスが手でいじり始めると、信じられない程の上手さで彼は感電するように悶え始める。

「どうですか『もう起こりえない未来の転生先の数々』で貴方を嫐ってきた技術は。同一存在だから感じる触り方も一緒の様ですね」

「あ、ああ」

 シンセシスの手が分身を弄るのをやめて玉袋を揉みしだく動きに代わると、ユグドラが足で分身を踏みつける。快感だけを与えたり、痛みより強い快楽を与えたりをしながら彼女は笑う。

「ほら、子供過ぎると依然言っていたけど、愛歌様のご寵愛で完全にロリコンもいける口になりましたね。さとりさん曰く、『少女に足で嫐られると背徳感で余計に気持ち良いですか』わが想い人ながら気持ち悪い性癖ですね」

 最後の侮蔑の言葉を聞いた直後にシンセシスが彼の分身を握り閉めた。

「経験上あの罵り言葉が暴発を引き起こすと知っていましたから。それでは参ります」

 シンセシスが彼を飲み込んだ後、彼を嫐り続けた技術を使ったらしい優しい動きを繰り返す。射精の度に動きを変えて敏感になった分身に新しい快感を与えてその度に彼は涙をす。
シンセシスはアリスの人形の付喪神の霊気で霊的な傷を補ったせいかアリスの堕とし方と似ているなと彼は感じた。 これ以上続けられると危ないと思いつつ慣れ始めると途端にシンセシスが彼から離れ、
ユグドラと変わった。アリスがしたのと同じように、後ろから豊満な胸を押し付けながらユグドラに前から犯させる。ユグドラは彼のそれを少女らしい秘所で強く締め付けながら、ストレリチア騎士の神通力で快楽に追い打ちをかける。
ユグドラの秘所から零れ落ちるほどの射精をした彼が倒れると、二人は楽しそうに笑い、彼をユウキ達の方に渡す。



 ハンマーの様な快楽で殴られぬき、甘い極上の酒の様な快楽に完全に溶かされたり、聖王の系譜二人や王女のユグドラの追い打ちで完全に彼はバカになっている。
拷問を受けた後みたいな表情の彼は『愛歌との約束を守るために一線を越えてはだめだ』以外は考えられない状態だ。その状態の横島が戻ってきたのを見ると愛歌が笑いながら言う。

「忠夫、すごい凄い、女権国家とストレリチアではめったに使われない、惚れた男を完全に壊して自分たちの愛玩動物に変える類の攻めを受けても屈服しないなんて、私との約束を守ってくれいて嬉しいわ!」


737 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:33:25 ID:AXpTmxZ/

 どこか芝居めいた嘘らしい声だが、脳が快楽でズタズタになった彼は気づけない。愛歌が差し出してきた回復薬でもある青木がくれたソーマを飲み干すが、
体力は戻っても脳は治らず多分今までの生涯で一番無様で弱弱しい、表情をさらしているのだろう。
愛歌は彼を魅了しつくしてきた唇で彼の唇を奪うとそのまま彼の分身を飲み込んだ。 
強すぎる快楽が彼の理性を崩し始めるが、きっともう少しで愛歌は自分を回復させる類の性魔術を使い始めてくれるだろう。そう信じていたが、
そこで愛歌は彼から渡されていた文殊を取り出した。ほとんど思考能力ない、彼はただ彼女の掌の文珠に『誠』の文字がこもるのを見ていた。彼女はそれを自分に使うという。

「あの約束だけど貴方のことが大分好きになったから、私も別に堕ちても良いと考えているわ。これだけ霊的素質が高ければ来世で鍛えるのも手だし。
約束破っても好きなままだし、許すわ。そして堕とすのも楽しいから今日はこのまま本気で行くわね」

 その宣言を聞いた直後、彼は愛歌が追い打ちをかけてくるという絶望と、唯一の堕ちてはいけない理由であり、よりどころだったものが、壊れブチーン!という己の中の快楽に抗う最後の線が切れた音が聞こえた。
そしてその音が切れた直後に愛歌は、全力で彼の分身を絞り一気に彼の霊力を吸い上げる。ソーマで回復した分の霊力まで一気に精液に溶かされ搾り取られると、
愛歌の霊力が天井知らずに上がり、彼は取られた霊力の大きさに比例する快楽で糸が切られた。その快楽による衝撃の追い打ちに激しい快楽から優しい快楽に変わった愛歌の膣の中で彼は長い射精を繰り返す。
 自分の与える快楽と美貌で男の全てが崩れたのを気品のある笑みで愛歌が見下ろし軽やかに彼らから離れる。 そこにエヴァとリグルが交代の様に訪れる。

「忠夫〜なんとなく怖いみたいだけど、特に落ち切ってもデメリットないでしょう? というわけで忠夫が思いっきり堕ちられるように『かまきりの加護』」


 恐怖心というものまでなくなった直後にリグルが彼の分身を加え虫の妖怪の唾液と口淫で彼の精液を絞る。そしてエヴァが大人の姿になって彼の前に立った。乳房に釘付けになる彼の視線を心地よさそうに受け止めると彼女は言った。

「今宵だけは本気でお前を壊しても、再生可能な上にむしろお前の為になる。手加減なしの女権国家の吸血鬼の本気を味わうがいい」

宣言の直後に首筋に歯を立てると、今までの自分の痴態が脳に入ってきて一気に彼は堕ちていく、それを見てユウキが二人にインプとして支援をしているのを感じ取っていると、ユウキが口を開いた。

「前世の僕、もうこういう競争もやめない? お互い協力しあった方が忠夫を気持ちよくできるし」

「うん、賛成。これじゃ忠夫が自分で選ぶどころじゃないしね」

 そういって二人が和解した直後に、リグルが彼の分身から口を離し、エヴァがそのまま彼を正常位の形でとらえて首筋と分身両方から霊気を吸い取り始めた。
エヴァが満足しそうになるとユウキがインプとしての力を使い彼にリグルが作った蜂蜜酒を飲ませてくる。その直後にリグルとエヴァが交代すると、
蜂蜜酒の為かリグルの与えてくる快楽への防御が一気に下がり彼は彼女への射精を最後に意識を失った。ブチーン!という音の後の苛烈な攻めが脳に焼き付く。
そしてそれがもう自分は取り返しのつかないところが切れたのだとどこか他人事の様に思った。 自分を嘲りながらも愛と情欲をたぎらせる彼女たちの顔をもっと見ていたい。そう考えて次の目覚めが楽しみだと思う。




 目覚めた彼は眠っていた時も果てしない快楽に包まれていたことと、自分が眠りに落ちる前より遥かに堕ちたという確信を味わっていた。目の前にはアルがいて、
満足げな天真爛漫な笑みを浮かべている。彼女は魔王の力を取り戻す前と変わらない元気のよい声で彼に目覚めの挨拶をした。

「忠夫、おはよう。眠姦なのが不満だったけどとっても楽しませてもらったわ。私たちの取った処置は成功かしら」

 アルが何らかの魔術で彼を探るために近づいてくると、彼女を覆っている毛布が取れ乳房が見えた。そしてそれを見た瞬間彼の分身が一気に反応し、
痛いほどにこわばったのを見て確信する。恐らく眠っている間に相当な快楽を与えられて、トラウマになっているのだろう。アルはそれを見て笑う。

「これじゃあ、まともに動けないわね。一度抜いちゃいましょうか」

 アルがそういって彼を見つめるとそれだけで彼は動けなくなった。完全に魔王の力を取り戻した彼女は本当にすごい力を持っていると思う。
アルに押し倒され乳房を胸板で潰されながら口を塞がれて、舌を絡められるたびに射精の量が増えぬき唇を解放された瞬間、彼女の背後の鏡が視界に入る。あるいは彼女がわざとそうしたのかもしれない。
そして鏡越しに彼女の背中と豊満で形の良い尻が見えると分身が再び硬さを取り戻し、それを察したかのように彼女の腕が彼の手を自分の底に充てて胸板で乳房を潰すのもより強める。その射精で彼が倒れると彼女は笑う。

「頭もすっきりしたしシャワー浴びたら朝食とって最後の確認に行きましょう」

「は、はい」

 アルは腰砕けになって立てない彼を軽々と持ち上げるとそのまま彼女はシャワー室で動けない彼を洗ってくれた。






 全てが終了し朝食に青木が作っておいたらしい、甘いケーキと霊力を回復させる飲み物を飲み干すと、愛歌が唐突に言う。

「忠夫、それじゃあ私たちがとった処置がちゃんと聞いたか見るから、ユウキと手合わせしてくれる?」

「あ、ああわかった」

 昨夜の情事は彼女たちが愉しんだのもあるが、横島に対して取らなきゃダメな霊的な処置でもあった様だ。彼は食べ終わってしばらくすると、
愛歌に案内された武道場らしい、場所にたどり着いた。ユウキとワユの二人がヴィヴィオの左右に控えている。ユウキは横島の姿を認めると凄く嬉しそうに駆け寄ってきて、
抱き着きながら言葉をかけてくる。

「忠夫―! それじゃあ処置が上手くいったかどうかの最後のチェックに移ろうか、それじゃあリグルと愛歌が加護を込めた剣を使って僕と立ち会って」

「ああ」

 勝敗を競うのではなく、何かを調べる為のものの様だ。それでもユウキがここまで真面目になる以上自分も真面目にやらなければならない。
そう決意をすると横島は刀を構えユウキに切り込んだ。以前より段違いに速く鋭くなった剣撃にフェイントを混ぜて切り込むとユウキも、青木の指導で身についた前以上に速い速度でそれに応じる。
剣をぶつけ合い、ながら、彼はユウキに押され始める。フェイントを織り交ぜて彼女の感覚の鋭さゆえに反応してしまう隙に付け入り、どうにか渡り合うが、今度はユウキの速すぎる剣技に力までが加わり、
徐々に逆転され始める。

 ユウキと打ち合いながら彼は大きな違和感に気づいた。今のユウキははっきり言って、自分が倒したワユとユウキが合体した場合のドッペルゲンガーより少しだけ弱いくらいだ。
にもかかわらず、今押されているのは自分の方だ。体が不調とかそういうものではない。今生で関係のある女性達に嫐られ抜いた時、
多分だが彼女たちは恐らく性魔術を使いながら加護などを自分に与えていた。だからこそ以上に頭のさえも、体の切れも上がっている。
にもかかわらず、劣勢なのは自分の方だ。 そこまで考えた直後にユウキが笑みを浮かべた。その瞬間彼は劣勢の原因を理解し、もはや九割近く負けは避けられないことに気づく。

 次の瞬間ユウキの剣撃の速度が一気に上がり彼は思う。あの笑みを浮かべた時のユウキは勝機を見出した瞬間であり、
そして自分が今味わった既視感を感じる箇所が勝利した時はもっと多かった。ユウキの動きを読むことが容易だったのだ。
だが今の横島が衰えたというわけではない。ユウキとワユが融合した場合のイフと思われるドッペルゲンガーと戦った時はそれが異常に高まっていたのだ。
違和感が消えた後に、彼は一割の正気を逃さないために、敢えてユウキの渾身の一撃に自分も全力で打ち返す。 手がしびれたが、
予想外の動きをしたことで僅かに彼女の計算が狂い、二撃めが僅かに遅れる。そして放たれた二撃目を――受けきれなかった。

 今までよりわずかに速い、自分が倒したドッペルゲンガーと同じ速度の一撃で彼は沈んだ。それを見ながらユウキは笑みを浮かべて言う。

「忠夫、騙しあいでは勝てないと思ったから、これ使わせてもらったよ」

 ユウキの手には『騙』の字が入った文殊がある。これで僅かに遅い速度の攻撃を全力だと思わせていたのだろう。彼女は言う。

「おとといの忠夫なら見破っていたから、これを見破れないってことは処置が上手くいったことだね」

「いったい何の処置やったんや」

「青木さんが僕のドッペルゲンガーと戦う前に文殊で何かしたでしょう。あれって実は、青木さんの宿していたガーディアンを文殊で忠夫に『移』していたんだよ。その事実をもう一つ文殊で『隠』していたけどね」

「そうなんか」

 横島の問いにユウキは彼に口づけしながら説明を続ける。

「それで、何のガーディアンを付けたかと言うと、パラレルワールドの忠夫の転生体の集合体みたいな神様。青木さんはかつて、
世界が法と秩序の戦争で滅んだパラレルワールドで英雄となった人たちの霊体が、時系列手的には前な上に別の方向に進むこともある自分の世界に来て守護霊であるガーディアンになったことがあるから、できると思ってやったみたい」


738 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:35:29 ID:AXpTmxZ/

 そこまで聞くと彼は何となく納得がいった。青木のフェイントや戦い方がやたらと自分には覚え易かったり、ユウキの技を読み取れたのもずっとユウキを護る為に一種に戦った、十数回以上の人生経験が流れ込んできていた為だったのか。

 そこまで考えた直後にアリスとヴィヴィオが近づいてきて、彼に手を当てると、彼は少年の姿に変えられた。 ユウキの口づけで舌を絡められた時点で完全に動けなくなっている彼を見下ろしながらヴィヴィオは言う。

「ガーディアンは恩恵も凄く大きいけどデメリットもあるんです。 例えばガーディアンになってくれた存在が総合的に見れば、憑いた人より優れていても、
一点だけそのガーディアンより勝っている部分があったりすると、その優れた一点だけ能力が下がっちゃったりするそうです。
忠夫さんの場合は英雄として称えられるレベルになった自分を一緒くたにして祀っている宗派の自分をガーディアンにしたから、悲惨な最後とか大怪我もその英雄たちと同じにする可能性が高いって。
一応、青木さんはあの戦いが終わったらガーディアンが送還されるようにしておいてくれたみたいだけど、念には念を入れろって」

 その説明を聞いて彼は青木があそこまで自分たち特に大鳳やジャギに好意的だったのか、恐らくはガーディアンになった自分の未来の可能性達を宿していた影響も相当強かったのだろう。
それを聞き感傷に浸りかけた瞬間ヴィヴィオが何かの呪文を唱えた音が聞こえた。恐らくはこの館限定で使える転移魔法のようなものだろうと彼の霊感が告げる。その直後に視界が暗転した。





 転移魔法で彼が連れてこられた寝室は、昨夜嫐られつくした場所とは用向きが違う気がする。霊感が告げるところは今思い出すと昨夜の寝室は、
ストレリチアや女権国家で、気に入った男性の他国人としての生命を終わらせる儀式に使われるような部屋だった気がする。
それに対してここは女権国家やストレリチアの民として生まれ変わらせる部屋だと霊感が告げている。 彼の目の前でヴィヴィオたちが服を脱ぎだすと、分身がそれだけで痛い程こわばり始める。 
子供の視点になったことで余計に彼女たちの体のボリュームが感じられる上に、その体でされた昨夜王国男子なら恥ずかしすぎる女性優位の行為の数々も思い出され興奮が止まらない。その横島の耳元に不意に嘲笑めいた声が響く。

「随分と変態になったようですね。あんな行為の数々を思い出してここまで固くするなんて」

 嘲笑めいた声に気づき見るとそこにはさとりとこいしの姿がある。彼女は笑いながら彼の分身を踏みつけ、屈辱と興奮を与える絶妙な加減で彼を悶えさせながら言う。

「想起はしていませんよ。ただ彼女たちが貴方から渡された文殊で『刻』していただけです」

 こいしが彼の腕をとり動きを封じると、さとりが踏むのをやめて分身を飲み込んで言う。

「微想起すらしてませんよ。私も青木さんのおかげであり得た未来の知識を得て、強くなりましたから。今の私の想起はこうです。『想起・昨夜の覚えていない情事と夢』

 さとりの秘所が彼の分身を甘い媚薬の様な感触で嫐っていた上に、彼に記憶から消えた情事までが蘇ってくる。

 アリスがさとりの目配せを受けて横島の人形をいくつも出すと、その人形たちと視点が混じり自分がどれだけ無様にさとりに圧倒されているかが見える。それと同時に昨夜の敗北の数々も蘇ってくる。
 眠りに堕ちた後、ユウキがこいしやさとりと組んで夢の世界に侵入してきた。さらに彼の枕元で人形劇を演じるアリスがいる。これは間違いなく、この人形劇が彼の見せられている夢なのだろう。


 ユウキに見せられていた夢は『月間少年カンカン』の登場人物になる夢だ。感情移入できる主人公というより、尊敬できるあるいは応援したくなる主人公たちが多かった物語『転生英雄集結伝』だ。
前世が英雄だった少年たちがさまざまな困難を乗り越えながらいろいろな戦いを潜り抜け成長していくとものだった。そして女権国家の女性陣と関わらなければ道を踏み外さずに済んだ者たちが大半であり、
まだ性欲が薄い少年期だったから辛うじて前世で破滅させてきた女性の色香に打ち克ち、ハッピーエンドになるという内容だ。彼はそれを見た時は感情移入できなかったが、
面白いと思ったし主人公たちに好感が持てたので読み返した回数は少ないが未だに全巻実家に置いてある。だがこの想起を受けた時は感情移入できる話になっていた。
これは恐らくガーディアンにあり得た転生体達の集合体がついて融合に近い形になっていた為だろう。



 そして彼の頭の中に様々な情報が入ってくる。今自分は原作にでてくる心から尊敬していた主人公たちとは関係のない隣の学校の生徒だ。だが主人公たちの頑張りを占いや遠見の術で一方的に知って尊敬して、彼らを間接的に助けられる場所で頑張っていた。

 だが精通を迎えた直後に魔王に逆レイプされて、一度の射精で完全に腑抜けにされて、射精すればするほど主人公の敵たちを強化する状態で射精を繰り返している。
アルが目の前で彼を抱え込み口づけすると彼女の口づけから嘘だとわかっていた情報が真実に思えてくる。これはさとりやこいしでもできることだが、
ベリアルとしての嘘だとわかっていてもなお信じる契約者が後を絶たないという彼女の力によるものだろう。

 限界を超えた様な快楽で倒れる彼から、アルが笑いながら離れる。

「尊敬する隣の学校の〇〇くんや××くんを応援するって志も所詮ここには勝てないのね」

 アルは嘲笑を込めて分身を足蹴にすると彼はそれだけで射精してしまった。それを見て彼女の左右に侍るユウキとワユが笑う。

「地獄の魔王におちんちんを足蹴にされた背徳感でいつもよりたくさん射精するとか終わり切っているよ。忠夫―!」

「剣士として正々堂々戦えるのはさっきの一戦が最後だったけど、あたしに勝ったのにこれとか無様すぎない」

 そういって従妹という設定の二人、魔女の衣装に着替えたワユとインプと化したユウキが彼の分身を二人がかりで嫐り始める。
二人は魔王と契約して数年後の姿になっているという設定だ。ユウキが手で先端を握りワユが幹をしごく。したと胸まで使われだした時点で彼の分身は白旗を上げて二人に射精を繰り返す。そして命令めいた口調でワユが言う。

「あたしたちもしかしたら、貴方の尊敬している〇〇一行と戦うかもしれないの。そうなった場合の未来を見なさい」

 ワユとユウキが彼の精液を絞るたびに強化され、彼らの苦戦が重くなっていく姿が見える。 二人は笑いながら離れるとワユが剣士の衣装から着替えていた魔女の衣装を脱ぎ。ユウキも敢えて彼に背を向けていう。

「自分の意志で堕落して、僕たちに腰を振る忠夫がみたくなっちゃった♪ 今なら無防備だよ」

 そこで隠れていたさとりの弱めの想起が入り、二人にも絞られた秘所の感触が蘇り、彼はユウキに剣で切りかかるのではなく、分身を背後からねじ込んだ。

「ああー!」

 罪悪感と強すぎる快楽で、叫びながら射精する彼を笑いながら見るユウキとは対照的に、不機嫌な顔で見るワユ。彼女は射精して倒れた横島に迫る。

「どうしてあたしじゃなくてユウキの方が先なのさ。魔女衣装より背徳感が勝っていたから? それならこうしてあげよう」

 ワユがかつて一緒に戦っていた時の剣士としての服に魔法で着替えるとそのまま胸元を空けて彼の顔を乳房で挟んだ後、分身を飲み込んだ。
かつて正義の味方として共に戦った彼女に悪の手先として動く際の力を与える。その背徳感が分身により大きな快楽を与え彼はそのままワユにもユウキを上回るかもしれない量を射精した。そこで彼の夢は終わった。





 現実世界ではさとりとこいしが交互に彼の分身を飲み込みながら笑いあっていた。途中で彼女たちは横島から離れ他の女性陣に場所を譲る。
エヴァは大人の姿のまま電気椅子にかけられた囚人の様になっている横島に近づくと横島の耳元で言った。

「ユウキ、ワユ、次は私が嫐るからあの悪の吸血鬼が出てくる漫画の内容の夢で頼む」

 横島の夢の中に入っていたらしいユウキとワユから了承の声をもらうとエヴァが彼の分身を飲み込み、小さくなった彼の顔を胸で挟み込み何度も搾り取りながら笑いだす。
 
それから彼を嫐る女性陣が変わるたびに夢の内容をユウキが変えていく。アリスが上になった時は魔女が悪役なカンカンの物語を、アルの時は悪魔が主人公の物語を、
そして彼女たちが一周して、愛歌とヴィヴィオが来ると儀式の雰囲気が変わるこれが彼を生まれ変わらせる最後の仕上げの様だ。




 夢の中で横島の精神は完全に限界を超えていた。屈辱と背徳感それが強める快楽で目が完全におぼつかなくなっている。
ユウキとワユは二人とも対抗意識を燃やしながら彼をどれだけ自分の与える快楽に溺れさせられるか競い合っている。
特にユウキは横島を幼少の姿に戻し丁度抱き合った時に顔が胸に来る体制でするのを好んで行う。恐らくは背丈の都合で他の女性陣がやったのを見ていたからだろう。
ユウキの乳首を口にねじ込まれた後、完全に思考が止まりただ自分が王国男子として恥ずかしすぎるレベルのプレイをしていることだけを理解しているその彼を母親がするように撫でながらユウキは腰を振り嫐って射精させる。
何度も繰り返したように、完全に堕ちた彼をワユに渡す動作をしなかったのを見て、ワユが文句を言いかけるとユウキが止めた。


739 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:37:32 ID:AXpTmxZ/

「忠夫を達しさせた回数はこれで一緒だよ。それに仕上げの時間みたい」

「え、もう? そっかぁ、楽しい時間が過ぎるのは速いって本当なんだね」

 ワユがそういうと愛歌が彼の夢の世界に入ってくる。そして現実世界ではヴィヴィオが祭壇の前でストレリチアの神々から加護をもらう儀式をして何か呪文を唱え準備をしている。
ストレリチアの加護だけじゃなくて、旧王朝のシャーマニズムも混ぜた特別製の様だ。現実世界のその光景が頭に流れ込んでくると、横島は『嫌』ではなく『怖』いという感情を覚えた。

 愛歌が彼の唇を塞ぐと笑って言う。

「私の英雄さん、あの異世界の集合体の皆さんみたいになっても不足というわけではないんだけど、できるなら自分で育てていきたいから最後の儀式に移るわね。 それじゃあ行きましょうヴィヴィオ」


 現実世界のヴィヴィオが祭壇の前で響いた愛歌の声に頷くと、愛歌が夢の世界の彼の分身を飲み込んだのと同時にヴィヴィオが現実でも飲み込む。

「フギャー! ああー!」

 鳴き声を恍惚とした表情で聞きながら愛歌が彼の分身を飲み込んで笑うと、現実世界のヴィヴィオも同じ様な表情で笑う。

 ヴィヴィオの大きいながらも完全に隷属させてくる感じの膣は彼に自分こそが使えるべき女王だと教えてくるような感じで射精の度にそれが脳に焼き付いていく。
今回はそれが特に顕著だ。対して愛歌は横島がダメ人間でも良いと言い切ってしまうようになってからは英雄になってほしいけどあなたらしくあればよいという柔らかく活力を与えてくれるが、
加減を誤れば堕とし切ってしまう感じの快楽を与えてくる。 ヴィヴィオの激しすぎる快楽まで同時に味わった彼は愛歌に泣きながら抱き着き優しい快楽に逃れようとした。両方の快楽が襲ってきていたが、
それでも夢の世界にいるせいか愛歌の与えてくる快楽の方が少し強かったためだ。その瞬間現実に戻された。

「忠夫さん♪ 逃げた先は逃げようとした相手でしたね♪」

「ああー!」

「私の与える快楽が一番やばいときはこちらです。逆に愛歌様の快楽がやばいときはあっち、今夜は転生ですから♪」

 ヴィヴィオの与えてくる快楽が強すぎたのち、いま愛歌の与えてくる快楽が主となったらその優しすぎる快楽で完全い落ち切ってしまう。そう思った瞬間彼の意識は夢に堕ちた。


 優しすぎる快楽で彼が倒れかけると愛歌が笑いながら言う。

「ほら早く堕ちて、いえ長く持ちこたえて。これはこれで楽しいから♪」

 横島が彼女が腰を振るたびにビクンと体中を動かすのを楽しそうに見ながら愛歌は笑う。その度に彼女の霊力が大きくなり彼は惰弱になっていく。そして愛歌は耳元で言う。

「夢の世界にいたから分かったけど、青木先生が自慢の弟子であれと言ったから、さすがにこれは情けなさすぎると思って耐えているのね」

 実際そういう気持ちはあったが、愛歌に言われるとそうだという思いが強くなった。そしてその思考が固まった頃を見計らって彼女は言う。

「この処置青木先生の指示よ。貴方がひどい死に方する未来を完全に潰したいんだって。それと意図はわからないけど、ユウキとワユが見せた夢は葛葉伯爵が必ずあの夢を見せろと、指示していたらしいの」

 よりどころができた直後に叩き潰されると愛歌が子供の姿の彼の唇を塞ぎ余計に精液をたくさん出させた。
最後になぜ青木がそんな指示を出したのかは気になったがそれもすぐに愛歌とヴィヴィオ二人の王女に飲み込まれた分身から流れ込んでくる快楽に飲まれていく。

 そしてその直後にヴィヴィオのいる現実に彼の意識は戻る。

 女神めいた美しさのヴィヴィオが大人に戻った彼の胸板で乳房を潰しながら愛歌と同じ口づけをしていたが、それを解き言う。

「愛歌殿が言ってたことは本当ですよ。これは聖王の系譜の血にかけて約束します。だから早く堕ちて私の者になりなさい」

 敢えて王族としてのカリスマなどを出していなかったのはここでとどめを刺すためだったのだろう。最後にヴィヴィオが思いっきり腰をひねった直後に彼の魂がつぶれ絞られたような感触共に最大の射精を起こして彼は夢に堕ちて、
愛歌にも同じくらいに放つと、夢すら消えるほどの眠りに落ちた。






 情事が終わった直後倒れた横島を満足そうに見下ろす、彼と縁のできた女性達の中で、陸八魔アルだけは若干浮かない顔をしていた。行為自体は楽しんだ様だが引っかかるものがあるようだ。それを見て、ユウキが声をかける。

「アルさんどうしたの?」

「いや忠夫の夢の中で三人でやったじゃない。あれ楽しかったけど終わった今は罪悪感が凄いのよ。特に題材に使われた作品読んだら、背徳感もすごいけど忠夫だって落ち込むわと思って」

「そうだね。でもあの作品は僕も好きだったけど、特に効果的かと思ってね」

「それだけ?」

 その問いにユウキは少し不機嫌な様子になり答えた。

「もちろん恩のある葛葉伯爵様の頼みだしなにか意味があるんだなって、思ったのもあるけど一番の理由はね、忠夫が精通したのってあの話の悪役女が原因で、
自慰する時も一時期あれ使ってたんだ。だから完全に上書きしないとだめだって思ったの」

「うん。その通り」

 二人の答えを聞きアルは思ったこの二人凄く嫉妬深いなと。フィクションの人物からすら横島の一番の欲情対象の座を奪おうとするとは。



 横島は目覚めると自分が完全に過剰な英雄としての非業の最後などの副作用が消えていると確信した。
そして思い出した数々の夢の中での行為や現実世界で夢に合わせて彼女たちに嫐られていたことも蘇ってくる。それを思い出した彼に愛歌が声をかける。

「忠夫、とりあえず今の状況について知りたい」

「ああ。とりあえずここの城はどこなんや?」

「ここは数週間前までぎりぎり女権国家だった王国と女権国家の国境の街――……に建てられた貴方の城ね」

「はあ?」

「クズノハ伯爵が元々王国寄りの中立だったこの土地の人たちに女権国家の方が先に協定違反をした証拠を提出して、
そして皇帝ネロにも今までも手柄といくつかの国宝クラスの霊具を献上して王国の領に戻したのよ。少なくとも女権国家としては名分がなければ攻め込み辛い拠点でもあるわ」

「それでなぜ俺がここの城主に?」

「それもあの伯爵の根回しよ。ここなら霊的防衛的な意味で守りやすいところだからと言っていたわ。そして大鳳くんも任を解かれて王国に戻って良い様にあの人が根回ししていたみたい。
昨夜の炎によるテレポートで王国に戻すための処置だったみたいだけど宮廷の良識派の貴族たちにさっきの大戦で女権国家が先にがやらかした協定違反をリークして、
攻め込むのではなく融和にすべきという派閥が有利になるように動いていったから、『どんなに短くても』二年はくらいは平和なんじゃない?」

 多分だがこの情報を知っていたのはミクくらいの一部の者で、葛葉伯爵こと青木師匠は最後にここまでテレポートさせることで完全に女権国家と自分たちの縁を切るつもりだったのだろう。
ジャギやモヒカンたちもこちらに戻ってきているらしいが、良識派の女性達なら会いに来られる絶妙な場所だと横島は思った。





 執務室に到着すると女権国家に居た時よりはるかに元気になった大鳳の姿が見えた。

「忠夫、おはよう。とりあえず僕は当分ここで秘書官やることになったよ。青木さんは僕の方が城主に向いているかもと思ったらしいけど、女権国家の悪辣派の女性が攻めてきたら、早く逃げられるように秘書官にしておくって。
僕が逃げなきゃダメになった時の為にも、ビシビシ仕事覚えてね」

「ああ。女権国家のやばいやつらから、霊的な意味でもこの国護らんとな」

 大鳳の笑みを見ながらいきなり転職になったが、そこまで苦労せず楽しく仕事をこなせそうだと彼は思った。城主の仕事から霊的防衛職などに仕事が変わる日もすぐ来るかもしれないが、それまではこの土地で良い思い出を作っていけそうだ。






 青木が大鳳達を助ける一週間前、アンリエッタ皇女は珍しくそして意外な訪問者を迎える準備をしていた。数日前に私的な宴会に近いとはいえ、
かろうじて公の場ともいえる場所でネロから勅令ともいえる命令を受けたのだ。その際に妙に上機嫌だったネロはアンリエッタに向けて怒ってはいないが、少しは反省しろという教師に似た意思をにじませながら言う。

「アンリエッタ、そなたなにをやったのだ?」

「具体性を欠きすぎている質問で理解できませんが」

「余の客将の葛葉伯爵殿が何やらそなたにお冠な様子だったぞ。一度面談の約束を取り付けてほしいと、言っておった。
そなたに頼みたいことがあるからそれを聞くように余に命じてほしいとな。それをしたら、余が払わねばならぬ報酬をいくつか清算したことにしてくれるそうだ」

 アンリエッタはネロの上機嫌の理由を理解した。葛葉伯爵に払わなければならない報酬がいくつか消える上に、アンリエッタに反省を促す機会も訪れる。
ネロにとっては得しかない出来事だ。ネロのその様子にアンリエッタは葛葉伯爵は暴力ではなく政争的な報復をしようとしているなと察すると、余裕の笑みを浮かべる。
ネロの呆れがより深くなったが、特にことはない。アンリエッタの悪行に怒ることもあるがそのうえで彼女と仲良くしている。だからこそアンリエッタも私的な席ではあまりとりつくろう必要もないのだ。


740 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:39:36 ID:AXpTmxZ/

「心覚えが多すぎてわかりませんわ。彼の様な義侠心に厚い殿方を本気で怒らせるようなことですか。過去に女権国家の女性の業を抑えきれずついやり過ぎてしまったことのどれかがばれたのでしょうね」

 悪事だと自覚しつつ全く悪びれないアンリエッタにネロは呆れながら答えた。

「覚えがあるなら勅令として命ずる。〇月×日に葛葉伯爵を迎え入れよ。そして目に余る無礼があったり、よほど無茶な内容でない限り彼の頼みを聞き入れよ。そなたもたまには悪行の報いを受けて反省するが良い」

 葛葉伯爵は過去に本気でアンリエッタに怒ったこともあるようだが、今はただ嫌悪しているに過ぎない。そして彼は嫌いなものが相手でも、戦闘になったとき以外は犯した罪に見合った程度の罰しか与えない。
別名の一つに『応報伯爵』というのがあるのもその為だ。ネロが異例の頼みを聞けという遥かに不利になる勅令を出したのもそれが原因だろう。





 葛葉伯爵を待つアンリエッタは軍靴と思敷き彼の足音が遠くから聞こえだしたとき、静粛にするように布令を出したことを少しだけ後悔した。ネロに命じられた以上彼は客人である。
その際に向こうに対して無礼があればそこを政治的攻撃の口実にされかねない。自分より政争に関して劣ると思うがそれでも確実に傷を負わせられる時しか動かない慎重さを持つ男だ。侮ってはいけないと感じていた。


 葛葉伯爵が履いている靴は決闘で勝利すれば放免という制度があった時などに処刑人がつけていたものが改良された靴らしい。
そのためか処刑人が来るような不吉な気配を醸し出している。 訪問した彼を見てアンリエッタは皇族であるからこそ、彼の異常性とネロが一切彼を恐れない理由を理解した。
この人物は悪に対する制裁と善人への報いを繰り返して応報の化身となりかけている。 人も偉業を成し遂げ過ぎれば、善行をなす聖剣や災いを振りまく魔剣などに近づいて行ってしまう。
ネロの様に善行を多く積んだ者にはさぞ好ましくそして頼もしく映るだろう。そしてもう一つは直感的な何かがこの男を恐れている。恐らく女権国家の女性にとって天敵と言える何かとこの男は繋がっているか、
中に何かが眠っているのだろう。それが意識的にやったものか結果的にそうなっただけなのかはわからないが。 思案するアンリエッタを他所に葛葉伯爵は非の打ち所がない程に洗練された礼をとると短く向上を述べた。

「アンリエッタ皇女殿下、ネロ陛下のご命令に従いお時間をいただいたことに感謝します」

 内心に沸いた嫌な予感と警戒心を微塵も出さず女神の様な笑みを浮かべて彼女は答えた。

「いえいえ、皇帝陛下を日々助けるだけではなく、本来皇室が救うべき女権国家の民たちを数えきれないほど助けてくれた伯爵様の御訪問、拒否するわけがありません」

 その答えに、彼は女権国家の女性達が群がってくるような完璧な笑みを浮かべて答えた。作り笑いだとわかったがその上でも心奪われる女は多いだろう。
ナイスミドルあるいは老人好きというタイプの女性なら彼を運命の相手と決めるものが大半だろうし、そういう趣味がない者ですら、十人中、二人か三人くらいは彼に走るのではと、アンリエッタは思った。
そう他人事の様に考えた直後に彼は、頭を下げていった。

「自ら訪問しておきながら、失礼とは思いますが、私も多忙故手短に用件を済ませねばなりません。 こちらの小包と便箋を受け取っていただきたい。
そして10日立ったら時間があるときに開けて中身を見ていただきたい。とてもめでたき知らせが届きます故」

 アンリエッタは彼が渡してきた二つを見て警戒心が刺激されるのを感じた。彼は普段は自力で魔術などを使うことはできないらしいが、準備を万全にしたり特殊な触媒を用いれば、とてつもなく強力な術を使うらしい。
一流の術者でも見抜けない何かが仕込まれている可能性もある。警戒心を持つ彼女に彼は朗らかな笑みを浮かべて言葉を続ける。

「ご安心ください、この封筒に呪いなどを仕込むなど決して私が許しません。ただ、十日経つ前に事故か何かで空いた場合に限り私が気づく類のまじないがかかっております。それでは失礼いたします。
ネロ陛下に頼まれた無辜の民草に災難をもたらす霊障の処置をしなければならないので」

 そういって去っていく彼の背を見送りながら、アンリエッタはほっとすると共に、大鳳少し前の様に嫐りたいと思った。彼の肌が恋しくなるのと一応は子孫を早く残さねばと思うくらいには威圧感を感じる相手だったのだなと思い、
男性にも警戒すべきものはいると強い実感が宿る。




 それからすぐにアンリエッタは超一流と名高い魔術師などを招きそれを調べさせた。最優先で呼び出した為に他への警戒なども少し割く羽目になったが、
それでも一応の確認として必要だったからだ。 だがその内容は十日経たずに封を切ると葛葉伯爵にわかる様になっている魔術以外は仕掛けられていないという答えだった。


 それ以降も不気味に思いつつ様々な調査をしたが、結局は葛葉伯爵のたくらみはわからずじまいだ。






 アンリエッタのもとを去り、自室の廊下に戻った葛葉伯爵、否、既に私の自分に戻っているので青木というべきだろう。
彼の背後の唐突に罪の浄化を司る様な青い炎が現れる。黒い外套に身を包み端正な顔をした白髪の整った顔をした男性が彼の後ろに現れた。彼は哄笑を上げながら青木に話しかける。

「クハハ! 我が共犯者と似た運命をたどり、されど自ら剣を執った我が弟子よ、よくぞやった!これで応報は果たされる」

 素の自分に戻った青木は少しだけ目の前の巌窟王=エドモンに引きながらかれを見据えると答えた。

「これで良かったのですか、エドモン先生」

「ははっ! ガーディアンという召喚体系は利益もあるが不利益も大きい。ままならぬものだな! 横島忠夫の来世の集合体である神をガーディアンとする前のお前ならばこのくらいはできたであろう!」

 その答えに彼は少しだけ悩みながら答えた。彼がエドモンをこの女権国家の世界で物語を広めてまで読んだのは、横島の転生体が集合して崇められた神を彼の鍛錬の効率を上げるためだ意図的にガーディアンとして付けたのだ。
その結果狙いは当たった。だが十数世紀も神となった大鳳やジャギと助け合いつづけた者をガーディアンとした結果、
大鳳やジャギに対する好意が溢れすぎて、客観視できなくなってしまった。だからこそある意味応報の化身ともいえる存在である彼を呼び出し助言を求めたのだ。

「貴方を疑っているわけではありません。確かに制裁とはなるのでしょう。ですが、本当にあの程度であの女を除けると?」

 青木は巌窟王エドモンの有能さを認めたうえで疑問を抱くほど軽い制裁だと思っている。だがそれに対してエドモンは哄笑をもって答える。

「クハハハ! ああ、あれで十分だ。あの女を断罪するために作ったされど使われぬ数々の砦をあの女が壊している間に、
あの女ですらも知らぬあの女の急所を抉る応報の剣は既に刺さっている!」

 エドモンの問いに青木は頷いた。応報を与える際に重すぎる報復は因果が重なりあまり良い結果をもたらさない。
いくつも彼女への制裁の為に用意した罠は彼が作ったと気づかれぬように細心の注意を払っている。まして、彼が手を引いた今では絶対に彼が関わっているという証拠は出ないだろう。

 青木は彼に感謝すると言った。

「エドモン先生、いえ敢えてこういいましょう。モンテ・クリスト伯爵殿。かつて別なる次元で世界の滅亡がかかった戦いをする少年の意識を護る浄化の炎をもたらし続けた貴方に、人の精神を護るやり方を教えていただきたい」

「任せるがいい! 炎の剣を使い我が恩讐の炎を持って幼き鳳凰の雛鳥を護り抜け!」

 彼は仲魔であるモンテ・クリスト伯を連れて悪魔を剣に宿す類の悪魔合体である剣合体をしに部屋に向かった。








 大鳳と共に王国と女権国家の国境の城主となった横島はその日の夜奇妙な夢を見た。見てわかるこれは大鳳がした経験を見た青木の記憶だ。





 大鳳が諜報員引退を考え出し以上に落ち込みだした日の事実を彼は知った。王国と女権国家双方に多大な損害を与えかねない大きな霊的災害が起きかけた時、
大鳳は女権国家の善良な女性達を救うために危険な場所に身を投じていた。彼の父親が戦争の約束事を護っていたにもかかわらず、
篭絡部隊が絶対にやっていけない戦争の禁じ手まで使って篭絡していたことが分かった直後のことである。それを知り大半の良識人の上層部たちは過去の所業を恥じていた。
王国上層部もこの共闘が終わるまでは絶対に女権国家は不義理をしてこないと疑わなかったほどだ。ビスマルク元帥も敢えて公の場で元帥号を見えるようにしてはっきりと宣言をした。

「もしも、今回の共闘中に彼を辱めるような行為をした者がいたら、私は狂三様の制止すら無視します。それをやったものを絶対に処断します」

 その一言には間違いなく本心だった。この件に対しては、悪辣寄りな女性達ですら、『仇を恩で返してきた相手にまた仇で返すという恥知らずはいないな』と無言の威圧をかけているものが大半だ。


741 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:41:13 ID:AXpTmxZ/

 しかしそれを破ったもの達がいた。大鳳に対して無自覚で惚れぬき過ぎて彼を嫐りたい欲を抑えらなくなったアンリエッタとその配下のメイド達だ。
この日の夜はアンリエッタの配下のメイドでも特に大鳳に惚れぬきそれでいて鬼畜寄りな女性達だけが選ばれた。悪人であってもこの状況では、良心の叱責から邪魔をするものや、
あるいは後になって慚愧して密告する者が出てくるかもしれなかったためだ。 特にアンリエッタが人を見る目を十全に使い、大鳳の様子を監視させ自分の悪行を知らない誠実な女近衛兵大鳳にあくまでも疑惑程度だが、
この戦いの最中に大鳳に質の悪い男性を奴隷にする呪いをかけたものがいるかもしれないから、チェックするために彼が力を使い果たしたら連れてきてほしいと頼んでおいた。
恩を仇で返す行為は女権国家でも最低中の最低な行いとされている。だからこそ問い詰めることさえ無礼と言える。その騎士は可能性が低いからこそ失礼で貴族相手には調査できないのだなと、
納得し大悪霊との戦いで疲労困憊の彼を内密に拉致して攫ってきた。 この計画が上手くいったのはまどか王女のおかげだ。嘘の事情を説明すると一切疑わずに裏で協力していなければここまで成功することはなかっただろう。



 悪霊との戦いで疲労困憊となった彼は、下心をもたない女騎士に拉致されてここに来た。
高価な霊具を持たせたのもあるが彼女自身が一切邪心を持っていなかったことも拉致に成功した理由の一つだろう。


 大鳳は目を空けた瞬間アンリエッタと彼女の直属の特に畜生なメイドに囲まれているとわかった瞬間、恐怖と同時に女権国家に来てから味わった初体験を思い出して、
一気に分身が反応したことに気づいた。そしてそれと同時に立ち上がったそれが、アンリエッタの手に収められた直後に彼は悲鳴を上げる。

「あ、ああ!」

 アンリエッタの手が上下する度に叫ぶ彼を蔑む様に見るメイド達を他所にアンリエッタは告げる。

「今、私は仇を恩で返して貴人の如く扱わなければいけないあなたを最低の卑怯な手段で自分のもとに連れてこさせたのですよ。そして連れてきた騎士も貴方が受けるのはただの検査だと疑っていない。
なぜかわかります? さすがに女権国家でもこれは僅かでも良心があればやらないことだからです。 あの女騎士も可哀そうに」

「あ、ああ、やめやめ」

 アンリエッタが手を離した直後に二人のメイドが左右から彼の分身をしごきだす。アンリエッタは言う。

「疲れやダメージは取らず精力だけは回復させるお薬の効果は絶大な様ですね。今体力も戻してあげます」

 最後に足で彼の分身を踏みつけて射精させた後、アンリエッタは笑いながら言う。

「普通なら殺意を抱いてもおかしくないレベルのことなんですけど、私を嫌えてますか?無理でしょう。『穢れなき純潔の束縛』の影響が相当大きいようですね」

 射精直後の敏感になったそれを彼女が飲み込むと大鳳は、この国の中で受けた数々の行為を思い出してしまい、彼はどんどんと追い込まれていく。
そして自分は人として最低の行為をしている敵国の皇女にこれをされていると思った直後にアンリエッタ配下のメイド達が鏡を持ってくると、アンリエッタが強い口調で言った。

「自分がいまどれだけ無様かよく見なさい」

 アンリエッタの命令に逆らい難いものを感じてみると、騎乗されて喘ぐ己の惨めさが余計に際立ち、それがとどめとなって彼は一気に射精した。
それを見ながらアンリエッタは満足そうに見下ろすと、大鳳の荷物から何かを取り出した。アル社長からもらったベリアルの力の籠った騙し玉だ。
これを使われると、嘘だとわかっていても本当だと感じてしまう。戦った時に、『シノン援護射撃お願い!』などというと、嘘だとわかっていても相手に隙ができることがしょっちゅうだった。アンリエッタもそれを知っていたのかとると発動させた。

「貴方は今回の役目は果たしたけど、横島やジャギというお友達たちは、まだ女権国家と王国両方害する霊的な悪魔と戦っていますよね。実は私とここにいるメイド達は、
貴方という極上の男性からもらった精を霊力変えて、その悪魔に贈る様にしているんですよ。つまり注げば注ぐほど、彼らが死ぬ可能性が高くなっていきます」

「う、嘘だ」

 大鳳の推察通り嘘である。だが本当だと思う念は消え去らない。特にジャギは既に対象を倒している。

「そう思っていてもここは反応していますね」

 アンリエッタにもう一度犯された直後彼はさっきより大量の射精をしてしまった。アンリエッタは精液を敢えて自分の秘所から漏れ落ちさせて見せながら言う。

「仲間を裏切る背徳感を得て興奮しているんですか。貴方は自分が快楽に屈して最悪の卑怯な行為をした男性である問レッテルからは永久に逃げられませんよ」

 アンリエッタは敢えて彼から離れると手を広げて待った。まだ大量の精液が残った彼は耐え切れず彼女に挿入してしまい。その瞬間、完全に自分がゴミクズに堕ちたと思った。
そう考えた瞬間を狙ったようにアンリエッタが膣を締めて彼の脳にその後悔が焼き付くような射精を巻き起こす。その後メイド達が輪姦を始めるのを貴族らしい口調で大鳳の無様さを罵りながら、眺める。

「そのメイドは受けた恩を返す最低の行為で貴方を辱めると聞いて特に乗り気でした。さらに今あなたとの友誼の為に死にかけている横島という方が多々かかっている悪魔の戦闘力を上げていますよ。
おやおや余計に固くしていますね。もう一度あふれ出るほど射精して。本当に彼らは良いお友達を持ちましたね」

 射精を終えた大鳳の体に胸を押し付けながら分身をしごく二人のメイド達の様子を見て笑いながら彼女の言葉攻めは終わらない。



 全員のメイドに犯された後、アンリエッタが再び彼に騎乗しながら言う。

「今回の件相手がどんなに見下げ果てた人間でも貴人の如く扱わなければならない恩をあだで返した行為、普通に私以外の女権国家の貴族に密告すれば私の政治的生命は大打撃です。
可能性は極めて低いけど、廃嫡や最悪の場合は打ち首もあるかもしれませんね。三日たったら証拠がすべて消えますけど」

 最悪打ち首もあるかも、その一言を聞いた直後に大鳳は言えないという思いが強くなった。穢れなき純潔の束縛の効果だろう。そして嘲笑と共に彼の分身を嫐りだした彼女に気絶させられた後、
最低の卑怯をした兵士だけが贈られるというゴミ箱で彼は次の日目を覚ました。





 アンリエッタが大鳳との関係を思い出していた直後に、横島も青木が返してきた『伝』の文珠が見せた夢で同様の情報を読み取っていた。
大鳳が自分を生きる価値もない屑だと思って落ち込んでいた時期があった理由を知り、怒り狂いかけたが、それを止めたのは愛歌だった。

「忠夫、葛葉伯爵様は既にアンリエッタへの応報の手続きは終えると言っていたわ。つまり今夜であの女は破滅に導かれると言っていたわ。そして忠夫にも協力してほしいって」

「そ、そうなのか」

 横島は本気で悩んだ。今は亡き師匠の能力高さを彼は誰よりも信じている。そして文殊で集めた情報によれば、葛葉伯爵死亡。後継者は彼が鍛え上げた良識的男性孤児らしい。
 作家としても大ヒットをいくつも出した彼が最後に発表したドッペルゲンガーシリーズの最後が今では女権国家で飛ぶように売れているそうだ。

「いったい何を考えているのやら」

 アンリエッタ皇女が突如行幸を停止して、政争に本腰を入れ始めて王国を従属させようとする派閥とのつながりを強め始めたという情報もある。恐らくは青木師匠が何かしたのだろうと彼は思った。





 その日の夜横島は不意に愛歌に起こされて、大鳳の精神世界に入る様に言われた。城にある仕掛けで客人の気配を感じ彼女たちを迎えなくていいのかと聞くと、愛歌は首を横に振った。

「彼らは大鳳くんを助けるために来ている治療者たちだから、その治療が終わった後で会ってお礼を言って」

「そうなんか。緊急事態なのか?」

「葛葉伯爵様の最後の遺言。一応大丈夫だけど、もしかしたら大鳳くんを完治させられないかもしれない事態が起きたら、知らせる仕掛けが動いたの。
この仕掛けが動いても大鳳くんの治療が処置が失敗した可能性は低いけど一応動けるときにすぐ動いてって」

「わかった。客人の方たちも了承済みのみたいだけどお詫びと礼を頼むで」

「多分彼女たちも了承済みだから大丈夫だと思うけどわかったわ」
 愛歌の返事を聞きながらも横島は眠っている大鳳の部屋に駆け込むと、愛歌とアルとエヴァの協力で彼の精神世界に文殊で『入』った。





 大鳳の精神世界にたどり着いた彼は、二度と会えないと思う人物がいる、青木仁だ。一目見て横島はこの青木は本人でないないと悟った。
彼はもはや生者でも幽霊でもない。多分青木の残滓やコピーに近い存在なのだろう。青木は横島を見ると落ち込んだ顔になった。

「あれほど格好よく分かれたのに、残滓に過ぎぬとはいえ再開とはな。本来なら大鳳の精神の負荷をすべて綺麗に燃却して、後始末だけお前に頼む予定だった」

青木の持つ剣からでる紫色の禍々しい黒紫の炎があまたの敵を切り払うとそこから黒紫の炎の化身の如きシルクハットの男が現れる。横島は彼を見て一目で何者か理解した。彼こそ青木が女権国家に広めた、モンテ・クリスト伯爵だ。

 彼は黒紫の炎に包まれた剣で禍々しい気配を纏う影の様な妖怪の群れを薙ぎ払いながら、笑う。


742 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:42:37 ID:AXpTmxZ/

「クハハハ! 良いではないか。自分の息子と等しき存在との再会だ!喜ぶがいい!」

 大鳳の精神世界であるせいかどこか大鳳を逆レイプした女性達に妖艶な気配を放つ影たちは恐ろしい程に強い。モンテ・クリスト伯が笑いながら幾つもの炎で作られた剣で敵を薙ぎ払い彼もそれに習おうとするが、
攻撃が今一通り辛い。それを見て青木が言葉を続ける。

「ここは穢れなき純潔の束縛の残滓と彼の快楽を望む帰還呪術などに反応する意識だ」

「それで俺はどうすればいいんですか」

 青木は横島の顔を見て安心した表情になった。

「彼女たちは俺が望んだ処置をとってくれた様だな。お前は一度魂までくだけるレベルの快楽を与えられて、再生された。これならもうあり得た来世の武器を使っても運命が引きずらないだろう」

 そういうと彼の手にある炎の剣から蛍火を思わせる火炎が生じ、その蛍火から出来上がったいくつもの剣が横島の周りをまわりながら敵をなぎ倒し始める。

「横島、その剣から生まれた剣でこの念を切り倒せ。お前のあり得た可能性の来世たちが大鳳と共闘したり、助けるときに使った剣だ」

「わかりました師匠」

 青木から受け取った剣で大勢の敵を薙ぎ払いながら、彼は初めて青木が女権国家で十年以上も過ごして女性に一切襲われなかった理由が分かった。
青木が生み出した横島が今振るっている剣に宿っている炎が原因だ。前にも説明は受けたが、この剣は原初の淫魔を殺しただけではない。
もう一つ大きな女性殺しの概念が宿っている。これは狂三とその子孫女権国家の女性達に対する天敵と言える力なのだろう。
だからこそ彼の人柄に惚れこんだり、大きな感謝の念を持った女性達も彼に異性として恋愛感情を持たなかった。
女権国家以外の国でも大勢の女性をほれ込みぬかせて大奥が出来上がりそうな行動をしても一切女権国家の女性に惚れられないというのは凄く便利だろうなと、
横島は思う。ある程度の恩を受ければマフィアでさえも、恩返しと引き換えの約束は絶対に違えない。絶対に裏切らない義理堅い味方を無限に作れたようなものなのだから。
それこそが彼が女権国家で伯爵をやっていられた理由だろう。 この炎は何なのだろう、その疑問を横島が抱いた時、丁度それにこたえようとしたかのように青木の言葉が響く。


「これを見ている大鳳の過去の快楽を思い出させて女権国家に呼び戻そうとしているものよ、無駄だ。大鳳が受けた快楽がどれほど強かろうとその記憶を私は消し去れる。
この剣はヒノカグツチの神の化身。そして俺が最初に振るった相手はリリスと言われる異世界における原初の淫魔の分霊だ。俺の書いた本が発売されたことでわかっているだろう。
ヒノカグツチはただ現象として、母である国の母である神の陰部を焼き死に至らしめたつまり、原初の淫魔の血を引き国の母としている女権国家の魔力の天敵なんだ。
そして何より大鳳の精神を蝕んでいるのは『女陰による快楽』ならば俺の力で焼き尽くせぬ道理なし」

 そういって彼がヒノカグツチから火炎を放射するごとにどんどんと大鳳の精神を蝕む魔物たちがなぎ倒され消えていく。モンテ・クリスト伯も軽口をたたきながら共に敵を倒していく。

「我が恩讐の炎にて邪悪なる魔性の女どもの記憶よ消え去れ。クハハ!」

 最後に青木がヒノカグツチを全開にして全ての敵を焼き払うと。モンテ・クリスト伯も黒紫の炎を全開にして大鳳の意識にあるすべてを焼き払った。そしてよどみが消えた後に青木は、笑って言う。

「モンテ・クリスト伯殿。精神浄化警備員の先輩として私の手腕はいかがでしたか?」

「クハハ! 幼き鳳凰の精神を再生させる技見事だった。これであの子供はもう快楽や呪術の影響で女権国家に戻りたいなどとは言うまい。
全ての火を司る神の化身たる剣を己が魂の一部となるほど昇華せしものよ、我が恩讐の炎も一部としよくぞ成し遂げた」

 そういうとモンテ・クリスト伯は黒紫の炎となるとそのまま姿を消した。二人だけになった後、横島は青木を自分の方に振り向かせた。そして気になったことを問い詰めた。

「師匠色々と感謝してますけど、なんで昨夜あんなことする指示をユウキに出したんですか。一応ガキのころ読んで入れ込んだ漫画汚されるって割と来るんですけど」

「さすがに私が相手でも簡単には許せんか。 何大鳳が受けた仕打ちを見ただろう。彼はあれが原因でお前に負い目を感じていたから、
お前が精神の世界に入れないかもしれないと思った。だからこそ、同じ状況で快楽に抗えなかった状態にすれば精神の同調もたやすいと思ったからこその処置だ。私が一時期ガーディアンをやってもらった、
ザ・ヒーローは愛する女の精神に入ったこともあるから、その記憶の経験上そうしたほうが良いと思ってな」

「そういう事情でしたかそりゃしょうがない」

「それではな、横島。アンリエッタへの応報が十分でないと感じるなら執務室にある文殊を見ておけ。愛歌殿にも伝えるように言ってはおいたが、機械が来たのでな。それではさらばだ」

 大鳳の精神が夜のいかがわしい店を思わせる桜と黒から綺麗な空へと変わったのを見て彼は安心して意識を外に戻した。





 横島が目を開けると彼は既に城主の間に戻っており、そこにはすっかり元気になっている様子の大鳳がいた。彼は笑みを浮かべて言う。

「忠夫おかげですごく元気になれたよ! ありがとうね」

「ああ、大鳳お前の精神はもう大丈夫か」

「うん、それとアンリエッタ皇女への報復とかやめてね。守り抜けるのが確定で王国もここまで盛り返したんだからこれからはみんなですごす方が大事だよ」

「そうか。だが悪女にもてあそばれるのは魅惑があるだろうし、またやられたいって気持ちが強いんじゃないか?」

 大鳳は力強く首を横に振る。

「もう、アンリエッタ皇女に対する未練はないよ。細胞全部焼き払って転生させてもらったのもあるけど一番の理由は」



大鳳の言葉を遮るように、ユウキの声が不意に響いた。

「忠夫〜、昨日大鳳を助けるための処置をとってくれた人たちがいまそっちに行くよ。時間がないから早く報告済ませたいんだって」

「わかった。大鳳後で詳しく話はきくわ」

 横島が答え終わった直後に扉がドンという音とともに開き彼らの視線がそちら移った。そしてティアナとリンネと翼を見た直後に懐かしい顔を見た。
彼らの担当教師だったアティだ。彼女は途轍もなく上機嫌な笑みを浮かべると横島に頭を下げた。

「久しぶりですね横島くん、いえ城主殿。城主となった以上は昔の様な態度で接するわけにはいきませんから。」

 それを聞き横島はよほど疑わしく見える人物なのだろうなと感じつつアティに返事を返す。

「いえいえ、昔あれだけ迷惑かけたし何よりここはプライベートな場所ですから昔どおりで構いませんよ。アティ先生。それとよくわからないけど昨夜大鳳の為に処置をとってくれたんですよね。ありがとうございます」

「そういってくれると思ったけど、一応は許可が出てからと思いまして、葛葉伯爵様の指示でこの城の防衛と学校での育成を任されたアティです。以後よろしくお願いします」

 それを聞いて横島の顔色が変わった過去に散々迷惑をかけた恩師が部下になるというのは何とも座りが悪い。
決して彼女に悪感情があるわけではないが、窮屈かつ距離感の取り方がわからない。それに対してアティが言う。

「横島くん、プライベートな空間では昔と同じで構わないと言われたからこそ言いますけど、貴方は自分の意志で領主となることを了承し私は既に部下となっています。
だからこそ、窮屈であっても乗り切って見せる、上手く使って見せるという気概を持って、俺が上司だ。従えって思いでいなければなりません」

 それを言われて横島も戦場で意識を切り替えるのと同じ要領で意識を切り替える。

「わかりました。アティ先生。いや、アティ殿。これから大鳳の護衛と精神的治癒と人材の育成をお願いします。
しばらくはあなたの役職に影響しない初期の取り決めのままことを進めるので、俺も訓練を受けさせてもらったり助言を求めることも多いと思いますがよろしくお願いします」

「お任せください領主殿」

 言い終わると横島は領主としての口調から、私人としての口調に戻っていった。

「しかし、青木師匠は召喚士でアティ先生と似たところもあったのに、全然アティ先生の下では俺の便かったな。それだけ怠惰だったということか」

「どちらかというと、貴方は天命みたいなものがないと覚醒しないタイプの生徒に見えましたから、最低限の指導しかしなかったのもあると思います。今の貴方を見ていると間違えてなかった様でほっとしました」

 ここまでは教え子の立派な姿を見ていた朗らかな恩師の顔だったが、不意に真面目な顔になり彼女は言う。

「領主殿、本日最後の役目として貴方に紹介しなければならない人がいます」

 アティの真剣な声に彼も身を正して彼女の様子をうかがうとアティは真面目な声で言葉を続ける。

「その、人物はとても信用できないでしょうけど、彼は葛葉伯爵殿が大鳳くんを護る為に連れてきた人です。今は私の召喚獣というより、伯爵風に言えば仲魔でしょうか」

 それを聞いた直後に彼は内心少しだけ驚いた。彼女がそんな風に前置きをするということはよほど疑われるような要素があるのだろう。だが青木が判を押したのなら問題ないと確信できる。


743 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:43:59 ID:AXpTmxZ/






 横島と大鳳が話を始める3時間ほど前、大鳳は横島の意識が彼の精神世界に入り治療が完治した後、驚愕の表情を浮かべることになっていた。
治療に訪れた面々が警邏隊の幹部たちとアティだっただけではなく、アティが見慣れた召喚術を使った直後に現れたのが、アンリエッタ皇女だったからだ。
だが彼女の顔には悪女らしい気配は鳴りを潜めている彼女は笑いながら言った。

「初めまして大鳳くん、私はアンリエッタ皇女の善玉ドッペルゲンガー、アンとお呼びください。葛葉伯爵様が最後に残した、仲魔です。今はアティさんの召喚獣でもあります。
あの人が書いた作品、ドッペルゲンガーの最終シリーズ、悪女を殺してなり替わるんじゃなくて寝取って相手の男性と共に去っていくタイプのドッペルゲンガーです」

 そこまで聞いて大鳳は納得した恐らく彼女が残されたのはアンリエッタ皇女の対策としてなのだろう。

 そこまで大鳳が考えるとアンリエッタのドッペルゲンガー=アンが言う。

「貴方の中にあるあの女への未練を今夜完全に消し去ります。私はあの女と同じくらい貴方に執着していますから」

 そういって口づけだけで、完全に腰砕けになった彼の服を脱がせるとそのまま分身を一気に飲み込んだ。
初めてアンリエッタ皇女に犯された時と同じされど性悪ではなく、善良な気質の女性が送り込んでくる快楽に狂う彼の唇を口付でふさいだ後、彼女は言う。

「警邏隊の皆さん、協力お願いします。マフィアの淫紋の上書きをする要領で彼に快楽を刻み込んでください」

 そういいながらアンリエッタがしたのと同じ方法で彼女は穢れなき純潔の束縛を大鳳に刻んだ。

「私がかけた以上、あの女は自分を対象とした穢れなき純潔の束縛はかけられません。私は彼の安全が確保されて望むならいつでも解くのに協力します」

 アンリエッタのドッペルゲンガーである彼女はそこまでコピーされていたのか。驚く大鳳を他所にティアナがその豊かな乳房を押し付けながら彼の唇を塞ぎ優しく分身を飲み込んでくる。

「良く頑張ったわね。今までたくさんの人を助けたからもう休んでいいのよ」

 底なしの善意からくる甘やかす快楽に彼は何度も射精していき表情が完全に幼児退行しか始める。
それを見てティアナの甘やかしたがるスイッチが入り、何度も射精をさせられる。大鳳が完全に腑抜けた表情になった時に翼が変わる。

「ティアナ少し甘やかしすぎだぞ。 これだとどんな男性でも腑抜けになってしまう。大丈夫か?」

「あ、ああ?」

 焦点が定まらない彼を覗き込むと翼は笑みを浮かべて言う。

「今から正気に戻すぞ。行くぞ」

 翼に抱き着かれかつてない程の密着をされながら、分身を飲み込まれ。激しい快楽で彼の頭が僅かに正気戻る。アンが背後から彼を抱き乳房を押し付けると、翼が対抗心を燃やしたように腰を振る速度が上げていく。

「も、もうだめぇ〜」

 翼の中に射精した後、崩れ落ちる彼をリンネが受け止めて言う。

「大鳳さん、証拠はもう見つけられないけど我が国の皇族がごめんなさい。だから償いも込めて、完全に貴方を解き放ちますあの女から」

 リンネがそういって彼の上に乗り力強く彼を抱き込むと彼の意識が一気に落ちた。彼女相手にさせられた射精で彼は完全に壊れたようにすべてが止まる。そしてアンが笑いながら彼の上に乗り言う。

「かつての私と同じ快楽をあたえることができる私がいればあの女はもういらないでしょう。これが生まれ変わった貴方の初体験ですよ」

 アンリエッタに何度もやられた激しい嫐られる行為を再現されて彼が果てるとアティがアンと交代しティアナに似た甘やかす性行為で彼を堕とす。

「大鳳くん、さあ存分に溺れて堕ちてください。どんなに壊れたも戻せるヒーラーな召喚獣を用意していますから」

「あ、せ、先生」

 そういわれた直後にアティは腰をひねり彼にやや強すぎる快楽を与えると言った。

「こういう時は名前で呼びなさい」

 射精した直後の彼の分身をアティとアンの二人が乳房で挟みしごき始める。彼は何度も悲鳴を上げて喘ぐと警邏隊の面々もアティ達も燃え上がった。

「回復薬も山ほどありますし、完全にあの女の影響を消し去る為に上書きしましょうか」

「そうですね。大鳳くんの治療です」

 その後はただ射精を繰り返した記憶しか彼には残っていない。
 ただ最後に、アンに犯されながら、細胞一粒まで完全に転生してまた同じ女性に嫐られるのは奇妙なものだなと大鳳は思って堕ちた。






 執務室で事情の全てを聞いた横島は、アンリエッタのドッペルゲンガーアンを見ながらとりあえず折り合いをつけていた。

「そういう理由だったんか。調べてみたが、あの畜生皇女とは違って善寄りな性格見たいやしな。それで君の役割は」

「一応国家機密に類しない程度のアンリエッタと同じ知識や技術はあります。そして王族の知識なら大半は持ってます。あとはあの女(アンリエッタ)の思考パターンをトレースできるのであの女から大鳳くんを護る上で大変有力だと自負しています」

「だろうな。しかし善良なドッペルゲンガー程悪辣な本体を嫌うと、師匠の書いた物語で定義づけられたみたいだけど、本当にアンリエッタが嫌いなんだな」

 アンは心外だという風に首を振った。

「そんな嫌いなんかじゃありませんわ。私は本体のことが大大大っ嫌いです」

 そこまで聞いた後、彼はアンリエッタをこの城の参謀の一人で霊的防衛係に任命した。彼女のオリジナル皇女の精神のやばさを何となく把握したためだ。

 そして矢継ぎ早に指示を出す。

「アティ殿、青木先生、いや葛葉伯爵殿の狙いは、召喚獣とすればアンリエッタ皇女にアンが暗殺される可能性が減るという判断からだろう。
できるだけアンを死なない様に守りってください。最悪アンが殺されそうになったら断りなく大鳳やシノンやキャルと出奔してかまいません」

「はい♪」

 嬉しそうに答えるアティを見ながら、国境の警備に目を光らせるとティアナたちが決意を固めて、これも先生の狙いなんだろうなと思った。

「ティアナさんと警邏隊の皆様方。俺は良識派な女性であれば、女権国家の女性にも隔意はありません。ただし、
畜生極まる外道にも大鳳は目を付けられています。だからあいつの身がある程度危なくなったら、本人が嫌がったとしても、
穢れなき純潔の束縛の力を使ってアンに遠くに連れて逃げてもらうことになると思います。だけど大鳳と関わった良識ある女性達を苦しめたいとは思っていないので、
国境に畜生な女性が来ない様に守ってください。それと青木師匠が貴方たちに渡したらしい、この城への転移アイテムは休暇中であればいつ使ってくれてもかまいませんから」

「ああ。絶対に悪党外道を近づかせるものか」

 翼が力強く答えた。

 横島は本当に青木師匠は怖いと思った十数年も女権国家で男でありながら伯爵をやれていたのは伊達ではないのだろうな。そう感じながら彼は大鳳を護る為の作戦を立て始める。
女権国家で一度くらいは大きな内乱が起きるかもしれない。まさに大鳳は傾国の美少年だと内心でつぶやいた。そう考える彼の頭に文殊による伝達が不意に起る。





 アンリエッタ皇女は葛葉伯爵から送られた小包を空けた直後に今の大鳳の状況すべてと、自分のドッペルゲンガーとの情交の情報を得た。
そして彼女は良識派の女性達が大鳳を自分たちがいつでも会いに行ける、国境の王国領土から出さないためにあらゆる手を尽くすことまで読み取ったのだ。絶対に解かれないはずの穢れなき純潔の束縛が解かれるという事態が彼女を嫉妬の地獄に叩き込んだ。彼女の眼には恐ろしい程の情念の炎が宿っている。彼女はあの日の夜大鳳を共に嫐った一人のメイドを呼んだ。

「ア、アンリエッタ様、何の御用でしょうか」

「これから、あらゆる手段を用いて彼を確保します。最後の手段に出ることも辞さないので、オブサーバーに連絡を場合によってはあなたと契約するかもとお伝えください」

 その情念の炎を見て脅えるメイドが矢の様に駆け出して行った。



 青木の残した文殊で見た横島は十分にアンリエッタへの応報は果たされたが、当分は気が抜けないと覚悟を決めた王国と女権国家の戦いではなく、
王国と女権国家の良識的な女性達の派閥とアンリエッタが使う悪辣派の派閥の戦いに自分はまきこまれたのかもしれない。とんでもない宿題を残してくれたと師匠に毒づきながら彼は城主の間の執務室の机に座った。
諜報部としての戦いは終わり、これからは国境の城主としての戦いが始まるのだ。


744 :724:2024/04/19(金) 00:09:09 ID:EAUuRN4+
これは>>724から>>743まで投下したSSの女神転生if主人公な半分以上オリキャラな登場人物が各場面でなにを考えていたかのまとめです。
キャラのイメージが壊れる恐れがあるので人はすぐ下のアンカーから次に移ってください
>>745














おまけ 葛葉伯爵こと青木の思考と行動の遍歴まとめ


これはひどいの女神転生ifの横島に稽古つけて成仏しようと思ったら、今までの善行から神々になんか異世界でスローライフ送ってよいと言われた。
よしパラレル世界行ってスローライフ送りつつ、善行を積んであの世の玲子さんへの土産話増やすか。
                               ↓
なぜか過去の女権国家来てしまった。しかも男尊破遊魔術団とかが生まれる前の世界だ。操立てている男サイコーとか言って逆レしてこようとする女たちぶちのめしたらネロと知り合った。
しばらく中立派のオカルト警察やって、弟子の同一存在と会えたら、助けてやるか。
                               ↓
 ヒノカグツチの力使ったら一切言い寄られなくなったけど、弟子の過去調べたらユウキが割とひどいことになっている。
(玲子さんを助けてくれて同化に近い状態でしかも一時期玲子さんと意識を共有していた女神や仲魔たちも心痛めているし)←彼にとっては最重要事項。なにがなんでも助けてやるぞ!           
                               ↓
横島に稽古つけるためにあり得た横島の可能性である大鳳くんと数世紀も一緒に戦ってきた横島の転生体の集合体な神様をガーディアンにしたら客観視できなくなった。
大鳳くんにひどいことしたアンリエッタへの怒りが抑えられん。よし応報の化身のモンテ・クリスト伯の話広めて召喚して過剰報復にならない様に助言もらおう。
                               ↓
モンテ・クリスト伯呼んでその通りにしたら上手くいきそうだ。モンテ・クリスト伯さん、助言だけじゃなくて大鳳くんの精神浄化の手伝いありがとうございます。
モンテ・クリスト伯が言うには自分の行動ヒノカグツチの力を使ってないと女権国家でなくてもヤンデレ製造機なレベルか、本当に私は運が良かった。早く仕事終えてこの世界から去ろう
                               ↓
 女権国家で人助けしまくって、手に入れた人脈使って、王国に協定反して奪った土地返却派かつ良識派の女性達を大鳳くんたちを住ませる予定の城の通り道に配置だ。
私に恩のある貴族や権力者が協力的すぎて何もかもが簡単に進む。女権国家の女性は惚れていない恩のある男には理想的な報恩者だというのは本当だな。
あとアンリエッタ全然私を警戒しない。穢れなき純潔の束縛が解かれるとかありえないから無理もないか。
                               ↓
 大鳳くんを転生の炎で細胞一粒残らず焼き尽くして浄化したけど、彼があちこちで受けた快楽が強すぎて女権国家のまじないで意識を操作されて呼び戻されそう。
モンテ・クリスト伯と二人でもちょっとやばい。あんなに格好よく分かれた後で格好悪いが弟子を大鳳くんの精神世界に呼んで浄化手伝ってもらおう。浄化完了こんどこそさようなら。












745 :陰茎を借りた天狗:2024/05/19(日) 20:28:10 ID:N0GMuoT3
ピンポーンと鳴るチャイムの音。どうせセールスか何かだろう、と思っていた自分だった。
ドアを開けた先にいたのは黒髪のセミロング、白いシャツと黒いミニスカートに身を包んだ少女だった。

「あ、突然すいません!いきなりで悪いんですけどおち〇ちん貸してくれませんか?」
耳を疑うような発言が少女から放たれた。思わず自分の体は固まって間抜けに口を開いてしまった。

「あ、私を頭のおかしい女とか思ってますね?」
ずいっ、と半開きのドアを押し開けて、玄関の中に押し入る少女。
その行動に呆気に取られる自分だった。
ふと、そのなびいた髪から覗いた耳はファンタジーもので見たエルフの様な人間とは思えない形をしていた。
「―これを見た方が、話が早いですかね?」
少女の背中から黒い羽根が伸び、頭には山伏が頭にのせている赤い頭襟があった。
「わかりました?私、天狗なんですよ」
ただただ口を開いたまま呆然とする自分。玄関のドアが静かに閉まる音が響き渡った。


746 :名無しさん@狐板:2024/05/19(日) 20:29:10 ID:N0GMuoT3
「単刀直入に言いますね。今度、私達天狗の組織で上司の大天狗を接待しなくちゃいけなくなったんですよ。
 その上司、ハッキリ言いますと男日照りの年増天狗でしてね…そんな女にピッタリのものなんて決まってますよね?」
ハァ…と面倒臭そうにつぶやく天狗。わかりやすい上司と部下の上下関係が発言から見て取れた。
「そこで、あなたのおち〇ちんを貸して欲しいんですよ」
ズイッ、と息がかかるほどに近く寄る天狗。
赤い瞳で妖艶に見上げながら、自分の股間へと手を這わせた。
「こんなにいいものを持っていらっしゃるのに、勿体ない…」
淫靡な手つきで服越しに股間をまさぐる様に愛撫する。その刺激にどんどんと自分の股間は屹立していった。
「貴方のここは、その気のようですよ?ただ一言『貸す』、と言って下さるだけでいいんです」
ただただ狼狽するばかりの自分の耳に息を吹きかけ、そのまま軽く甘噛みする。
「―最高の快楽を、約束しますよ?」
頭が真っ白になった自分は、唇が『貸す』と動くのを止める事が出来なかった。


747 :名無しさん@狐板:2024/05/19(日) 20:29:48 ID:N0GMuoT3
声を押し殺したようにクス、と笑みを漏らす天狗。
「―では、確かに貸して頂きました」
その手には、可憐な少女の手には似つかしくないグロテスクなものが乗っていた。
それはまがうことなく、見慣れた自分の陰茎だった。
慌ててズボンの中を覗くと、本来あるべきそれが闇に包まれたように消えてなくなっている。
動揺を隠せない自分に天狗は言い聞かせる。
「大丈夫ですよ、明日になったら必ず返します。あ、トイレは大丈夫ですけどなるべく水分取らないで下さいね〜」
小憎たらしいほどに爽やかに笑いながら去っていく天狗。
大慌てでドアを開け周囲を見渡すもその姿は既になく、風に舞う木の葉があるだけだった。


748 :名無しさん@狐板:2024/05/19(日) 20:30:46 ID:N0GMuoT3
なくなった股間のものの違和感を感じながら、いつも通りの日常を送る。
尿意を催した直後に排尿感を感じるなど、どうやら自分の体に存在しないだけで感覚などはそのままの様だ。
この気味の悪い感覚に不安を覚えつつも、明日になったら返すという約束を信じるしかないと思い、
明日になるのを待ち続けるのも嫌な気持ちになり早めに床についた。
目をつぶり無理矢理寝てしまおう。

―そう思った瞬間に電気が走るような感覚が自分を貫いた。
股間の先にないはずのものから強烈な刺激が伝わってくる。
自分の亀頭に熱くぬめった柔らかいものが執拗に這い回る様な感覚。
自慰では知る事がなかった強烈な快感が自分を責め立てるように襲いかかるのだった。
自分はただ一人、夜の布団の中で声を押し殺して悶えていた。


749 :名無しさん@狐板:2024/05/19(日) 20:32:54 ID:N0GMuoT3
「…なんだそれは…確かに無礼講とは言ったが…それは少々品がないというものだろう…」
長い黒髪の天狗は顔をほろ酔い以外で赤く染めながら、困惑した視線で目を逸らした。
「いえいえ!きっと大天狗様もお気に入りになりますよ〜?」
大天狗の目の前で挑発的に陰茎に舌を這わせる天狗。
「こうして茎の根元からゆっくり舌を這わせて…亀頭の部分になったら、ほじくる様に舌で刺激するんです」
舌の刺激を受ける度にビクンビクンと脈動する陰茎。次第に屹立していく陰茎に大天狗は視線を外せなかった。
「あっ、私もやりま〜す♪」
大天狗の傍に控えていた幼い容姿の狐の従者が突然陽気に声を上げる。
押し殺したような蠱惑な笑みを主人に送ると、天狗の舐めている陰茎の下の陰嚢へと舌を這わせる。
ペロペロと躊躇いもなく陰嚢を執拗に舐め上げると、ぱくりと口の中に含む。
天狗は亀頭を、狐の従者は陰嚢を同時に責めたてる。
「ぷはっ♪袋の中の玉が上がってきてますよ♪もう今にも射精しちゃいそうです♪」
唾液でベショベショになってしまった陰嚢から口を離し、挑発的な視線を主へと向けた。
目を丸くしながらもそれから視線を外せず、無言でごくりと唾を飲み込む大天狗。
「―大天狗様、どうですか?この一物、味わってみたくありませんか?」
その言葉の直後、静かに大天狗は立ち上がり、服をまくり上げた。
「…確かに私は無礼講と言ったな…。いいだろう、お前の下品な出し物に付き合うのも悪くない」
大天狗は真上を向くほどに屹立したその陰茎を手に取ると、自らの秘部へとあてがった。

750 :陰茎を借りた天狗 続:2024/06/03(月) 03:55:21 ID:2K7oJXZn
襲い来る快感の波に股間を抑えながら声を押し殺していた。
亀頭のカリの部分に舌を押し込んでほじる様に執拗に舐め上げられる感覚。
敏感な部分の刺激に悶えていたかと思うと、陰嚢、金玉が何度も何度も舐め上げられる感覚を味わった。
茎と玉を同時に責められる感覚に今ここにないはずのものから精液がせり上がり、今にも発射する瞬間を迎えていた。
そんな責め手が一瞬止んだかと思うと、しなやかな指のようなものが触れる感覚があった。
おっかなびっくりにぎこちなく感触を確かめると、ぐっと強く握りしめ、亀頭の先端に僅かに濡れた柔らかいものが触れた。

「ふっ…ん!」
大天狗は自分の陰唇にあてがったそれを、一瞬ためらった後に一気に腰を落とした。
「くっ!はっ、ああっ!ふ、深い…っ!」
大天狗は困惑の顔を浮かべながら男根を己の膣内に受け入れる感触によがり声を上げた。
「わぁ〜…すごい、あの凛々しい大天狗様がこんな淫らな声と姿を見せちゃうなんて…」
従者の狐は主の姿に釘付けになり、自分の股へと自然に指が伸びていくのを抑えられなかった。

751 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:56:08 ID:2K7oJXZn
「大天狗様、予想通りお気に入りいただけたようですね…」
天狗はその光景を眺めながら冷めた、?み殺すように口元を緩ませた。
「お、お前達なあ…で、でも久しぶりだったから…こ、腰が…」
大天狗は自分を見る二人の姿に苛立ちを口にするが、
それを?き消されるような体の奥底から湧き上がる快楽に抗えず腰を何度も叩き付け始めた。
ぱん、ぱんとリズミカルに激しく鳴り響く腰を叩き付ける音。
その度に大天狗の凛々しい顔が赤く蕩けてよがり声が漏れて響き渡る。
男の一物を生ディルドーの様に扱う激しい腰使い。
「ふっ…ふわああっっ!」
大天狗は勢いのままに続けた激しい腰使いで絶頂を迎えた。
それと同時に男の陰茎からも大量の精液が噴出し、ドクンドクンと脈打つ様に大天狗の膣内に精液を放っていく。
びくんと震えながらその感触に身を震わせる大天狗。
射精を終えた陰茎はぬるりと力なく大天狗の陰唇から抜ける。
「ふ…、はっ…ああ…」
放心して絶頂の余韻に息を吐く大天狗。股からは白濁した固体の様に濃厚な精液がどろりと溢れている。

752 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:56:42 ID:2K7oJXZn
「ああっ大天狗様からこんなに濃い精液が…私が綺麗にします!」
その淫靡すぎる痴態に我慢ができなくなったのか、狐の従者は主の股から溢れる愛液と精液が混じり合ったものを舐め取り始めた。
「あっ…!やめろ、まだ敏感だから…っ」
「ぷあっ…まだこっちも…」
狐の従者は一滴も残すまいと糸を引く亀頭の方へと吸い付く。
尿道の中まで吸いだすような入念なお掃除フェラに、力なく萎びた陰茎は再び屹立を始めた。
先程射精したばかりなのに再び天を突くようにそそり立ったその一物に目を丸くする大天狗。
「こ、今度は私がこれを使って奉仕させていただきます!」
「ま、待てっ!お前、何を…!」
情欲を抑えきれなくなった狐の従者は男のそれをまるでペニスバンドの様に腰に装着し、
余韻に息を吐く大天狗の膣内に挿入した。
大天狗の甘い声が再び場に響き渡った。

753 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:57:16 ID:2K7oJXZn
信じられないような未知の感触と快感が自分の股間を襲った。
自分の亀頭に柔らかいものが触れたと思った次の瞬間、陰茎全体が包み込まれるように飲み込まれていった。
ヌルヌルの液体に満たされ、全体がまるで絞めつけるように刺激する。
その直後、まるでヒダが亀頭のカリの部分を執拗に責め立てるように激しくしごかれる。
情けない甘い声が口から漏れるのを抑えられなかった。
普段の手淫やオナホールの自慰とは比べ物にならない貪る様な刺激。
亀頭の先端に柔らかいものが何度も当たり、上下を繰り返すたびにカリの部分が扱かれる。
限界を迎え始めたその直後、とどめを刺すかのようにひときわ激しい絞めつけるような刺激が襲いかかった。
その快楽に抗えず、自分の股間にないはずのそれは絶頂を迎え射精した。
搾り取られるように精液が吐き出される度に、頭の中が焼き切れるような快感が走った。
ただただ放心して床に突っ伏し、快楽の余韻に息を吐くのみだった。

―その直後。敏感なままなそれを執拗にペロペロと舌を這い回される感覚が襲いかかる。
満遍なく舐め取る様に舌を這わせ、直後に先端から吸い出されるような強烈な吸引が襲い来る。
尿道の中にまで舌が侵入し、陰茎内の精液が残らず睾丸の中まで吸い出されるような感覚だった。
あまりにも強すぎる刺激に、精液を吐き出したそれが再び屹立していく感覚を実感した。
そして、今度は横向きに先程の猛烈な刺激をもたらしたそれに挿入される感覚がやって来た。
既に愛液と精液でヌルヌルになったであろうそれに、激しい横運動で扱かれる感覚。
悲鳴に似た喘ぎ声が口から漏れるのを抑えられなかった。

待ってくれ、もう…懇願する様な情けない声が口から漏れた。

754 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:57:50 ID:2K7oJXZn
「あっ!ああ〜っ!!」
絶頂を迎えた大天狗の声が場に響き渡った。
狐の従者は自分のものではない故に、疲労などお構いなしに腰を振り続ける。
「はぁ…素敵です…」
脱力したように狐の従者は尻をつき、己の股間からそれを外す。
まるでディルドーのようなそれは、ビクンビクンと痙攣するように脈動し、
引き抜いた大天狗の秘部から引き抜かれたそれは繋がっていた事を示す様に糸を引いた。

「大天狗様、大層お気に入りの様でしたね。光栄ですよ」
ふふっ、と嘲笑するような声を漏らす天狗。
「あ、ああ…勿論だ。気の利く部下を持って私は誇らしいぞ」
絶頂の余韻に甘い気を吐く大天狗の負け惜しみめいた声を聞いて、天狗は口の端をつり上げた。
「―それで、もちろんお前も楽しむよな?」
「えっ!?」
「言っただろう、無礼講だとな。一緒に楽しんでこその宴だろう」
「いや…その…私は…」
「私がここまでやったんだからな。上司に注がれた酒を断るほど無粋ではないよな?」
「あ…は、はい…」

「くっ…うんっ!わ、私がこんなので…こんなに気持ち良くなっちゃうなんて…!」
甘い声が天狗達の宴の部屋に鳴り響く。
それと同時に、遠くの男の住宅で悲鳴にも似た喘ぎ声が響き渡った。

755 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:58:11 ID:2K7oJXZn
―生気を搾り取られたようだった。
目を覚ましたら自分の股間にそれは戻っていた。
何度も見慣れた、己の一部を。干からびるような脱力感で、それを確認すると再び瞼が下りて眠りに落ちた。

「えーと…この間はありがとうございました。…一応、私の上司は大喜びでしたよ」
複雑そうな顔をして天狗の少女は例を告げた。
「それでなんですが…気に入ってしまったようで、また次の機会も貸して欲しいそうなんですよ。
 今度は他の同僚も交えて催したいと…」
頭がくらくらする様だった。
「不本意ですが、私も気持ちよかったですし…いいですよね?」
冗談じゃない、お断りだ。そう言い切ってしまおうと思ったが、その言葉は口から出なかった。
あの頭が焼き切れるような絶頂の波を思い出すと、断れる自信がない事を認めざるを得なかった…。
(おわり)

756 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 09:29:17 ID:0SWVyt5E
おつー
えろいなぁ

757 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 18:23:18 ID:YZ6AqgQE


758 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:15:03 ID:cxwr1jV1
乙でした

自分も今から投下いたします

759 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:25:35 ID:cxwr1jV1
 女権国家SS架空の女権国家舞台のゲームを体験してわかる、女権国家に男性主人公ゲームが少ないわけ

 このSSは本スレで連載中である女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@このSSの設定としては原作と同じ流れを辿ってかつ紆余曲折会って、このSSの人間関係が構築された設定になってます。
A前に投降した>>693から>>698>>704>>から>>709に投降したゲーム会社SSの続編であり、設定も引き継いでます。『ブルーアーカイブ』のゲーム開発部のキャラクター達と『うみねこのなく頃に』のベルンカステルが横島ヒロインとして出張ってます。
B横島ヒロインと大鳳くんのヒロインの百合描写があります。
C女権国家のゲーム事情を書いていますが著者の想像です。本編とはだいぶ異なる可能性が高いです。
DこのSSだと四惑の時崎狂三が、男性の身代わりになる為に男性名を名乗ることがある地方出身者という架空の身分で『きょうぞうという偽名を使って趣味の為に正体を隠して活動している設定です。
E>>682で投下した『雄々しき獅子』の祝福という自分の作ったオリジナル魔術が出てきます




 クリスマスとその後のお正月で多大なトラウマを刻まれた横島忠夫、彼は今もモモイとミドリが立ち上げたゲーム会社で働いている。
やはりスパイとして身を隠すことにかけては、表向きの職業は必要だし、何よりゲームの取材として悪霊などと戦えたり、
お祓いなどを生業とする者達と繋がりを持てる上にたまに発生する怪異などの対処で霊的な戦闘の経験を得られるし、
そして大鳳が横島にここにいてほしいと希望したのも大きい。

 大鳳の思惑としては、横島はこの会社で歴史アドバイザーなどをしている、時崎きょうぞう本当は四惑の狂三だが、彼女の情報が欲しい。
そして横島がこの会社にいて不義理をしない限りは彼女もこの会社に損害を出すような方法での横島の排除は最後の手段とするだろう。
偽りの身分とはいえ給料をもらっている以上は最後の手段とすることさえ相当抵抗がある。
狂三は敵方とはいえ、そういう善性の人物だ。 大鳳は横島にちゃんと隠していることがあると言ったうえで、きょうぞうのことを監視というより印象に残ったことがあった場合に限り話してほしいと言ってある。
普段なら出席するような会社の会議を欠席した時とかだけは大鳳に話すようにしてはいるが、これで良いのだろうと思っている。




 職場に到着すると、全員がそろった状態でミーティングが始まった。社長の椅子に座っているのは愛らしい猫を思わせる少女姉妹であるモモイとミドリに引っ張られて、
ミレニアム学園でゲーム開発部を立ち上げた、赤毛の気弱そうな少女花岡ユズ。人見知りで背が低いため横島にとっては庇護対象と認定された相手でもある。
横島が理想的な保護者として接しているため彼女は横島に対してかなり入れあげている。そして彼女はクソゲーと呼ばれる類のゲームを作ってしまうことが多いが。
その原因の一端は彼女自身がゲームが上手すぎるために難易度調整をミスっているところがある為だ。きょうぞうのアドバイスを聞いてからは、徐々に難易度の高すぎるゲームを作ってしまう癖は鳴りを潜めてきている。
この会社を『キャット・ブリングズ・アバウト・ホープ』という名前にしたのも、モモイとミドリへの感謝からだと言っていた。

 赤い髪を長く伸ばした背の低い彼女は、横島に何度も助けられてからは、女権国家の女性に珍しい人見知りもなくなってきており、良い意味で社長らしい、ふるまいを見せることも増えてきている。
そんな彼女をきょうぞうが誇らしそうな目で見ているのが分かった。かつてのホラーゲームが具現化した怪異との戦いで、自分が辛くても他人を助けるために頑張る善性を見てからは、モモイやミドリ相手程ではないが、
彼女に対しても相当好意を抱いていることがわかる。このきょうぞうという、女性は良識の強い女性が好きな様だ。そして贔屓しすぎない様に気を付けているのが何となくわかる。彼女は少し考えたのちに、言葉を口に出した。

「……本日の議題ですけど、どのゲームを開発するかですね。それで忠夫さんが出した案、男性もプレイヤーになれる人生ゲーム系ですけど、これはかなり厳しいと思います」

「どうしてまた。女権国家には人生ゲーム系統のゲームはあるけど、男はみんな結婚相手というかトロフィーが多い。 でも最近は優秀な男も出てきて男性解放戦線のおかげで少し男性の地位も上がってきている。
だからこそ男性もプレイできる人生ゲームもできるんじゃないですか?」

 プライベートな時間では年下の女性に対する庇護者の様な態度で接してしまいがちだが、社長の時は意識して敬語で接するようにしている。その彼に対してユズは悩んだ様にいう。

「……最近の女権国家しか知らない王国民な、忠夫さんには少し難しいかもしれませんね」

 ユズの悩んだ様子を見て、横島は少し拙いと思った。これは多分コミュニケーション能力が高い人間でも説明するのが難しいことなのだろう。
ユズはそこまでコミュニケーション能力が高い方ではない。彼女は少し考えたのち精いっぱいわかりやすく話し始めた。

「実際に最近の女権国家は急進派はFFF団が壊滅して、男性の住みやすさが相当上がってます。でもこれは一時的なものである可能性も高いんです。
そして普段の女権国家の状態だと人生ゲームで男性プレイは、ゲームでできる難易度にするとムリゲーだし。普通にするとリアリティがなさすぎるんです。正直私も内心この国は滅んだ方が良いかもとか思うレベルでした」

 きょうぞうがダメージを受けているのを横島は不思議に思ったが、言葉の続きを視線で促す。スパイ言うよりこの会社の一員として情報がもっと欲しい。
だが、きょうぞうが多少心配でもある。自分だけは霊気の乱れで分かったが、彼女は少し堪えているようだ。今の彼女はこの会社の一員であり同僚だ。だが、
彼女たちの会議を邪魔しない為に隠しているのに自分が発言を遮っていい物だろうか? そう考えるときょうぞうが念話で彼に話しかけてきた。

『お気遣い感謝しますわぁ。でも今回は彼女たちが頑張って捻出したお給料を受け取っている私の矜持の為に黙っていてくださいまし』

『わかった。きょうぞうさん、あんま辛かったら、体調不良みたいだと言って帰るか?』

『念話でもそう呼ぶということは……、いえ、なんでもありませんわぁ』

 途中で念話を切った後、きょうぞう=狂三は四惑としての思考に僅かだが移る。テレパシーと言われる能力では嘘を突くことは難しい。
そしてその状態で彼が自分を偽名であるきょうぞうと呼んだ意味を彼女は頭に刻み思考を始める。

『彼は私が四惑だと知らない。大鳳くんとの関係性を考えると、隠し事をしていると断った上で私の正体は黙っているということ、私の憩いの場を壊さない気遣いか、
それとも彼がただの同僚として見てかつ不義理をしてこない限りこの会社では、私もよほど急を要さなければ、私もあまり思い切った手に出ないという判断でしょうか』

 ここまで考えて狂三は笑みが浮かんできた。前者なら単純に嬉しいし。後者でも自分が狙っている男性の優秀さが感じ取れて淫魔としての本能が刺激される感覚がする。
そしてそこまで考えた後、自分以外の面子が発情状態に堕ちかけていることに気づいた。しまった、と思った時には既に遅くなっている。仕事ができなくなるほどではないが効率が大分落ちてしまうかもしれない。
横島が不可抗力だと察して、文珠を取り出して何とかしようとするのを彼女は止めた。

『今回の件では絶対に迷惑をかけない様にしますから、よしてくださいまし』

『まあ、あんたなら何とかできるんやろうな。正体は知らんけど有能でかなり上の方にいる人みたいやし』

 さすがに敵方とはいえ、今は同僚として働いている時間だ。そんな時に自分がしでかした不始末の為に貴重なアイテムを消費させるのはどうかと思いストップをかけた。
彼女の有能さを信じた横島があっさりと聞き入れる。しかし、狂三の淫気に反応した面々は多少なりとも影響を受けた様だ。横島が声をかけようとした瞬間、モモイが口を開いた。

「ユズ、今日はもう仕事やめてゲームでもしない。なぜか真面目な仕事できる気分じゃなくなっちゃたし。ここはいっそ現在の女権国家というか、ティアナさんたちが台頭する前に平均的な女権国家をリアルに再現したゲームやってもらえば、
忠夫にもどれだけ男性を選択できる人生ゲームがムリゲーかわかってもらえると思うよ」

 一応様々な予定に余裕があったので息抜きも兼ねてゲームを始めることになったが、きょうぞうがまるで自分の黒歴史の博覧会を見る直前の覚悟を決めるような様子になっているのが気になった。





 横島が、プレイルームにたどり着くといつの間にかユウキだけでなく、彼が女権国家に来てから縁を結んだ女性陣まで集合していた。

「なんでこんなことになっとるんや?」

「せっかくだから忠夫がモデルの人物が主人公のゲームやるんなら見てみたいし。それに前みたいな体験できるならそれはそれでしてみたいしね」

 ユウキが笑顔で答えてきた言葉に彼は頭を痛めたがすぐに気を取り直す。そして彼はモモイとミドリがゲームのスイッチを入れるとさっそくゲームが起動し始めるのを見た。



 『月下の愛の巣への強制帰還拒否』といわれるゲームを見てゴシックホラーアクションなそのゲームの内容を見た時点で嫌な予感に襲われた。
一応は大鳳に連絡をして、自分がまたゲームに吸い込まれたらゲームが得意なモヒカンを送ってほしいと連絡を入れた。 ゲーム系統の怪異はクリアすれば収まることが大半である場合が多い。
だが今回はこのゲームは怪異なのかモモイ達の能力が生んだものなのかさえはっきりしない。


760 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:28:40 ID:cxwr1jV1

 そしてゲームを始めると高島・忠助(たかしま・ただすけ)という自分の来世っぽいキャラが出てくる。彼はそれなりの家の出の悪霊祓い師の様だ。そして霊波刀や札を使い数多の敵を倒していくタイプの様だ。
そしてゲームの内容は無駄に壮大な語り口で語られている。だが、モモイのシナリオの腕も大きく上がっているなと彼は感じた。主人公である高島の視点で言えば、このストーリーも嘘ではない。 そのあらすじは以下の通りだ。

『前世が王国に仕え、女権国家の良識的な親王国派の女性達と手を結び王国を救った一端を担った彼は来世においてその代償を支払うことを余儀なくされていた。
都会とも交流深い、産業地であり観光地でもある田舎町かつて王国男子に惚れた大半の女性達が移り住んだ国境の親王国派の都市の彼はこの時代では関係が良好な王国への亡命を夢見ている。
しかし、その彼の十六歳となった誕生日の夜に、手紙が届く。その内容はかつて前世で助けた報酬として、自分たちが課した試練を乗り越えること。そしてその試練に敗れるたびに女権国家的な契りを交わすというものだった』

 そこまで読んで横島はげんなりした。これは明らかに発自分の来世の一つ、正確に言えばそうなる可能性の一だ。モモイ達の能力でまたイフの世界のゲームができたのだろう。
そして明らかに自分が逆レイプされる話だ。そして横にいるきょうぞうも興味深そうな表情でそれを見ている。恐らくは彼女も訪れる可能性は低いとはいえ、女権国家の未来の一つに興味があるのだろう。そして彼女は言った。

「横島さんプレイしてみますの?」

「ああ。女権国家が治安が悪いというか、特に良いわけではないときどんなかわかるらしいからな。さて複数の女性に好かれている男にとってどれくらいハードモードか探ってみるか」

 きょうぞうは複雑な顔になったその内心は単純である。

『黒歴史上映ゲームを見る羽目になるのもいやですけど、モモイとミドリとベルンちゃんの喜んでいる姿見たいですわぁ。』

 心の天秤は直ぐに猫娘と猫らしい少女たちの喜ぶ姿を見ることの方に傾いた。

「それでは頑張ってプレイしてくださいな。もしも行き過ぎるようなら私が救助しまわすわぁ」

「できるんか」

「色々とあれから学びましたから。それにゲームクリアすれば解決する異変なら切り札となる知り合い(スカサハ)がおりますから」

 狂三は先ほど淫気を放出してそれを振り払うために熱中できるゲームを始めることになってしまったことに多少責任を感じている様だ。
仮に静まらずに女権国家の女性らしい行動に周りの面子が出始めたり、あるいはその衝動にこたえるようにゲームの中に吸い込まれる現象が起きても、
職場の同僚である時間の中で自分に非がある以上は助けてくれるだろう。後顧の憂いがなくなったと確信すると彼は、そのままゲームに移った。

「忠夫がんばれ〜! 今回はかなり難易度が高すぎてクソゲーだよ」

 モモイの無邪気な少女らしい笑みの声援を聞きながら彼は、女権国家の男性のハードさを想像しながら、どれほどなのだろうと考えながらコントローラーを操作し始める。






 最初は回想ステージから始まり、彼がこの村をはじめとする色々な場所で、悪霊払いなどで人助けをした戦いの過去編らしい。プレイしてみると札を投げて戦いながら、
霊波刀や蛍の光を思わせる光を帯びた日本刀を使ってどんどんと敵を倒していく。チャートリアルの時点で主人公はかなり強いことがわかる。
横島は今の時点でも上級霊くらいには勝てるようになっているが、このゲームの主人公は総合的に見れば自分よりわずかに上くらいだろうか? 





 チャートリアルステージをクリアした横島は本来のステージを見ると、ユウキに似た少女ワユという名前らしい少女と共に自分の屋敷で、試練に挑む準備をしている様だ。多分だが彼女はユウキの来世だろう。

「忠助、これから前世のあたしたちと戦いに行くみたいだけど、あたしの助太刀いらないの?」

「ああ、なんか森の妖精の長なユウキ様とか、ワユお前の前世で別れた部分らしいし、なんかなまじ近親嫌悪で洒落にならないことになってしまうと悪いしな」

「そう。気遣ってくれてありがとう」

 声にこもる念からしてワユと彼は半ば恋人の様な仲なのだろう。彼女の感謝の念の籠った言葉に彼はさらに言葉を返す。

「それに前世の御恩を返して自由の身になるって戦いぐらいは自力で越えたいしな。それじゃあ行ってくるわ」

 彼が越えなければならない試練は森の妖精たちの長であるユウキ、魔女であるアリスとベルンカステル。古明地姉妹に城主であるエヴァンジェリン。
そして聖王の力を持つヴィヴィオだ。さらに敵ではないが負けると彼を嫐るのに参加してきそうなのは刀をくれたリグルや魔王である陸八魔アル、そして旧王朝の王女愛歌。


 出かけようとする、彼に不意にゲームの中のモモイとミドリが声をかけてきた。メイド服に身を包んだ、彼女達はこのゲームの中で彼の来世に仕えているらしい。

 丁寧な声でミドリがいう。

「ご主人様、準備は本当によろしいですか。忘れ物などはありませんか?」

「ちょっとミドリ、心配しすぎよ。これで忠助はいざという時はやるし、それに負けても死ぬわけじゃないし」

 モモイとミドリのやり取りを見て頬をほころばせる彼を他所に、エヴァに仕えるメイドが入ってきた。黒い髪にショートカットの彼女は彼に礼をするといった。

「エヴァ様からの伝言です。森に入ってからは試練が始まり完全に、始まるので心してかかる様にと。過去に修行を付けていた時とは比べ物にならないので覚悟を決めてください」

「ああ。わかったそれじゃあ行ってくるわ」




 ステージが始まると月光の下で夜の美しさが映える、森で美しい妖精たちと戦いながら彼は、進んでいく。美麗なステージの中で妖精たちが繰り出してくる攻撃も華麗であり、
本当に綺麗なゲームだと彼は思う。そして主人公が強くなければ詰むアクションゲームだ。札をばらまきほぼ休む暇もなく駆けて、剣を振るわせながら彼はどうにか中ボスな槍使いの妖精を倒した。

 中ボスの女妖精は笑いながら言う。

「昔とは比べ物にならない強さになりましたね。これならユウキ様にも勝てるかもしれません」

 彼女は意図して騙したわけではないが、この発言は大いに的外れだった。そしてその理由を彼が知るのはずっと後のことになる。だがそのことを知らない彼は、
妖精にそういわれて意気揚々とボスの部屋に駆け込む。そして試練場に入るとそこには黒い衣装に身を包んだユウキが待っていた。
子供のころから面倒を見てもらった相手でもあり師匠の一人らしくゲームの中の彼も、緊張した面持ちをしている。

「忠助、それじゃあ僕からいくよー」

 そういってユウキが切り込んできた結果、ゲームをプレイしている横島は絶句した。

「速すぎやって、なんなんやこれ。しかも一撃でここまで防御ゲージ減るとか、ああ体力ももうなくなりそうだし」

 横島の叫び声に、モモイが同意の意が籠った声で答える。

「好感度ドーピング再現したらこうなっちゃうの。しかも、これで終わりじゃないのよ」


 横島が必死に捜査して、どうにか攻撃を防ぎながら攻撃パターンを読もうとするとゲームの中のユウキが笑って言う。

「やっぱり忠夫の生まれ変わりは強いね。というわけで攻撃を覚えられる前の詰めていくね。 別の側面な僕お願い」

 妖精のユウキとは微妙に異なる、同じ黒い衣装のユウキが現れて彼に切り込んでくると、画面中に安全地帯ゼロに近くなりあっさりと彼のライフがゼロになった。

 もう片方のユウキは誤差程度だが、剣術より魔術の方が強い様だ。そして倒れた忠助に近づいてくる。

「こっちの僕は王国と親王国派の良識的女権国家の女性達に崇められている剣と魔術の妖精であるインプなユウキとは違って、男を支配する魔術の達人な魔女の守護者にして剣の使い手、悪魔なインプのユウキだよ」

 そこまで言うと彼女たちは祭壇めいたベッドに彼を連れて行き、言う。

「それじゃあ元服の儀式も兼ねて名前を変えるとしようか。今日から君は忠助じゃなくて、前世と同じく忠夫だよ」


 それをゲームの中にユウキが言った瞬間、現実世界の彼とユウキとアリスがゲーム中に吸い込まれた。それを見て、他の横島と関係の深い女性達が隠し切れない喜悦こらえて言う。

「今回もゲームの世界に入り込む現象起きちゃったわね。まあ最悪きょうぞうさんが何とかしてくれるでしょう」

「ええ、何とかしますわぁ」

 狂三は職場の同僚として過ごす時間帯にかけた迷惑はどうにかせねばという、理念から答えつつ、内心最初のステージすら初見でクリアできるのはスカサハくらいしかいないのでは?などと思っていた。
それに対してモモイとミドリが説明するように答える。

「これ女権国家の男性の人生がどれほどハードモードかリアルに再現した難易度ゲーを作ってみようって大会様に作ったの。
結局この作品に限らず他社の作品も難しすぎて無理ってことになって結局企画倒れだったけど。ユズがクリアしないと、他の会社のゲームもステージとか全部見れないのがほとんどだったと思うよ。本当にこの国滅んだ方が良いかも」

「そ、そうかもしれませんわね」


761 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:31:34 ID:cxwr1jV1

 内心若干のダメージを受けつつ、狂三はスカサハに連絡を取るべきか悩んだ。だが、一応可能性は低い未来とはいえ、これも、モモイ達の特殊能力で描き出される女権国家が辿る未来の形の一つ。為になる情報もあるかもしれない。
一応借りの姿の自分の同僚である彼に対しても不義理にならない範囲なら情報も集めたい。とりあえず狂三はゲームの続きを見ることにした。


 横島はゲームに吸い込まれたあの現象だと思った直後に、二人のユウキに犯されていることに気づいた。インプなユウキが彼の上に載って跨りどこまでも彼の分身を支配しつくして快楽で絡めとり切るという意思で一気に飲み込んでいく。
そして妖精の方のユウキが乳房を見せつけると顔に押し付けてそのまま彼の顔面を乳房で犯し始める。

「だらしない表情を周りに見せたくないっていう思いはかなえてあげるけど、どれほど情けないかちょっと見てもらうね。ほらこの村の外で負けると、親しい女性以外にもこういう姿見られちゃうよ♪ アリスお願い」

「ええ。任せて」

 魔女の館から来たアリスが、横島の人形に魔力を飛ばすとその人形と視覚を共有する状態になり、王国に近い領土の彼にとって恥ずかしすぎる性行為が映し出される。
それを見てユウキ配下の妖精たちや、彼に何度も助けてもらって恭しい態度で接していた女権国家の村の女性達も嘲笑を浴びせ始めた。

 悪魔の方のユウキが笑いながら言う。

「7発目なのに、みんなの嘲笑を受けたら前よりたくさんの精液が出たよ。彼」

 その言葉と共に全員の爆笑が広がった。

「「「「「きゃははー」」」」」

 彼が倒れそうになると、妖精の方のユウキと悪魔なユウキが交代し、悪魔の方のユウキは彼の顔に乳房を押し付けるのではなく、尻尾で両腕を動かなくして、
胸を背中に押し付けながら、片手で乳首をいじり。残った片腕で、彼の分身と玉袋を弄び始める。ユウキ同士なせいか、その息の合い方は異常だ。妖精の方のユウキが彼を甘やかして堕としたいと知ると彼女はそれを読み取った様に、
玉袋を優しく揉みしだく。そして焦らしぬいた後にした射精は甘やかすような動きで彼の分身を飲み込みつくしたユウキの膣内に一気に入った。 男とした一番恥ずかしい性行為を他の視点からも見せられて倒れた彼を見ながらアリスが言う。

「それじゃあ、さらに堕ちましょうか」

 アリスがそう言うと、横島の背が振るえた。彼女は言う。

「忠夫は見られながらが好きみたいね、それじゃあこれはどうかしら」

 そういうとアリスは『伝』と書いた文殊を彼にぶつけてくる。そして周囲には先ほど彼と視覚を共有した彼の人形の群れがある。





 そして彼は、その人形たちが演じた劇の体験をした。前世において彼が受けた恥ずかしすぎる王国でいうところの逆レイプ。特にアリスにされた腑抜けに変える甘やかすレイプを受けて観客の女性達の嘲笑が彼の脳内に響いていく。
アリスが彼に救われて彼に好意を持ってヒーローを見るような目で彼を見ていた女性達の前で彼を腑抜けにしていくと、それに触発された女権国家の女性達も彼を嫐り始めていく。
彼を共有する一団に入ろうとする魔女などもいれば、一夜の遊びと思いながら入る者もおり様々だ。 アリスの乳房が彼の胸板で潰れ彼の両腕は彼女の尻を糸で操られながら揉みしだいている。
一度の射精で彼が倒れそうになると糸によって倒れることも許されず、他の女性達への奉仕も強要されていく。その様子を見て快楽しかない世界で堕ちていく彼をアリスは可愛いペットが幸せそうにしているのを見る飼い主の様な目で見ている。




 現実世界の彼も同じ状態にあった。離れたアリスが、楽しそうに彼を糸で操り複数の妖精たちが、彼を面白そうに嫐っている。
そして卑猥だがどこか美しい動きをする人形たちが、彼の前世の人形を嫐りぬいているのをみて、気が向くとその動きをまね始める。妖精たちや、この現実の彼に助けられた女性達の嘲笑それが既に見分けがつかなくなっている。

 彼は操られるように美酒と言われる酒を口に運び酩酊しながらも、妖精の蜂蜜酒で精力を整えられ糸がなくなった後も、彼女たちの命令通りに動きながら嫐られていく。
最後にアリスが再び服を脱ぎ彼の分身を飲み込むと、彼に接吻をした。彼が彼女の舌遣いで躍らされ快楽のあまり声すら上げられない地獄を味わうのを彼女は楽しんだ後、彼の射精が近いとみると唇を彼の口から離す。
一際大きな射精が起こる際に彼が悲鳴を上げると踏んだ彼女な予想通りになった際にうっとりとした様子で、彼の悲鳴を聞きながら彼が射精を終えた後に、敏感になった分身を腰をひねって嫐り、奇声と二度目の射精を楽しむと、
彼の体を人形たちに掃除させ始める。 今夜の饗宴はこれで終わりらしい。




 次の日目覚めた横島は不快感のない、頭がくらくらする感覚だけが残ったような状態で目が覚めた。そこには左右にメイド服姿のモモイとミドリを侍らせた不機嫌そうなワユがいる。彼女たちもゲームの中に来たのだろうと察して彼は言う。

「昨夜おれどんな風になっていた」

 それに対してワユは怒ったような様子で言う。

「こんな感じだったよ」

 ワユは答えると酒が残っているのと昨夜の後遺症で動けない横島の寝間着を剣で切り裂き、露出させた彼の分身を乳房で挟み込んだ。自分で情けなさすぎると思う彼に聞かせるように彼女は言う。

「凄く早漏でアタシも見ているのに、気持ちよさそうにやられながら喜んでいたよ」

 射精手前の彼のそれを止めると、ワユは服を脱ぎ、彼の分身を飲み込み言う。

「人形劇で意識をどこかに移されていたけど、顔見知りの娘たちに一番恥ずかしい体位でやられてまくって喘ぎながら凄い量出していたけど、何か弁明ある?」

「ご、ごめんなさい。負けたのはともかく逆レされて喜びまくってすいませんでした」

 恋人と言えるユウキの来世であるワユは容赦なく彼を犯すと上書きを始める。モモイとミドリも恥ずかしすぎる彼を見ながら爆笑しているモモイと、わざと控えめに笑っているミドリの嘲笑が余計に彼の分身を固めてくる。

「忠助、じゃなかった解明済みで忠夫―、下っ端の雇われメイドに嘲笑されて余計に固くしていいのー」

 笑みを浮かべるモモイは彼の恥辱心を煽る為にわざわざ、非番なのに彼の部下である証となるメイド服を着てきたようだ。ワユに射精させれて快楽のあまりビクビクと震えている彼を、モモイとミドリは服を脱いで犯す準備を始める。
彼女たちが全ての服を脱ぎ終えたところでワユが声をかけた。

「二人とも、今回は私からのわからせの儀式だからメイドの証であるカチューシャは外さなくていいよ」

 ワユの言葉に抗議しかけたが、途中でその言葉は筋違いかもと言う考えが浮かぶ。女権国家で女性からの結婚を承諾した以上、はワユの方がプライベートでは偉いのは当たり前だからだ。
考えが終わる前に、モモイが彼の分身を飲み込みながら笑う。彼女たちは、彼に助けられてメイドとして雇われた後は、プライベートな時間では彼を立てていた。女権国家の女性ら成句性行為をしたことも何度かあるが、
メイドのカチューシャを付けた状態で、されるのは初めてだ。 モモイは彼の上になるとゲームで一方的に相手を倒している時の様なテンションで笑いながら腰を上下させ始める。
彼の分身が狭い膣に締められ、強すぎる快楽で射精をするのを笑いながら彼女は言う。

「ほら、ほら♪がんばれド変態♪」

「ド、ド変態ってぇ! な、なにがぁ」

 射精させられながらなせいで、息も絶え絶えな彼にモモイは余裕たっぷりで言う。

「幼馴染の私たちに犯されるより、メイド姿の私にされている方が、元気じゃない♪ 忠夫は、他国への旅とかやめたら。 自分より格下な地位に犯される方が息子が元気づくのは女権国家以外では恥ずかしいことなんだよ」

 余裕たっぷりでバカにしてくる、彼女相手にミドリが諫めるように言う。

「おねえちゃん。言い過ぎ、忠夫さん、大丈夫ですよ。ストレリチアとかでもそこまで恥ずかしくないかと」

 そういいながらミドリが彼の玉袋を揉みしだいてくる。モモイの遊ぶような動きに反比例した優しい手が彼の顔をだらしなく変質させてくる。
十分に彼を堪能したモモイとミドリが位置を交代すると、ミドリは彼の分身を飲み込んだが、彼女はあまり腰を動かさず。
ゆっくりと優しく彼を導くように内部で味わっていく。ワユが背後から乳房を当てながら、モモイが遊ぶように玉袋を揉みしだき、長い時間彼女と繋がりなった後に射精をすると、
優しすぎる快楽に慣れ切った分身が強すぎる射精の快楽で焼けただれた。ミドリはその時初めてゆったりと少なく腰を振って彼の射精を長引かせ続ける。一度の射精で完全に腑抜けになった彼に口づけするとミドリは笑って言った。


762 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:33:07 ID:cxwr1jV1

「修行の旅に出るなら私とお姉ちゃんたちは、同行します。いつでもこの快楽は味わえますからご安心を」

 メイドらしい口調がより屈服させられている背徳感を煽り、彼は二度目の射精を終えた。そして、あと一度だけ射精の余力が残っているのを見て取ったうえでミドリは敢えて離れて言う。

「試練には何度でも挑めるそうですから、これ以上すると今日は何もできなくなります。汗を流し終えたらお食事に移りましょう」





 シャワーを浴びながら彼は、ミドリとモモイのメイド達に嫐られた感触を思い出していた。そしてミドリの最後の恭しい態度が自分が部下であるメイドに負けていたのだという印象を強め、余計に彼を興奮させている。
敢えて冷たいシャワーを浴びてもあの二匹の猫に嫐られた鼠の様になった快楽が彼の分身を解放してくれることはなかった。






 どうにかシャワーを終えて、出るとメイド服の恭しい態度のミドリと最低限の礼だけを守るモモイに迎えられ彼は、閨の中での行為を思い返しながら食事を始めた。
勢力のつく料理を食べ終えてどうにか落ち着くと、ミドリが心配そうな顔で質問をしてきた。

「ご主人様、私達も少しやり過ぎたかもしれませんが大丈夫ですか。何なら今日は休日ですし、閨ですっきりしますか」

「忠夫―、今夜も挑むなら出し尽くさないと、息子さんに足引っ張られて、戦うどころじゃないんじゃない。淫乱マゾ男だしー!」

 思いっきり馬鹿にしたモモイの言葉に股間の分身が反応してそれが自分を末期だと思わせて彼を追い詰めたが、
どうにかやり過ごした。二人の作ってくれた香辛料の多いカレーがどうにか二日酔いを覚ましてくれた。美味いが口の中が少しヒリヒリとしていると最後に飲むヨーグルトを差し出され、彼はそれを飲むと再び試練に挑む準備を始めた。







 その日の夜、再び試練に挑みに行くとユウキ達は彼を素通りさせた。

「だって、昨夜十分楽しんだし、負けたらあれするって条件だと、忠夫もう永遠に超えられないでしょう? 他の人たちからのクレームがひどすぎるし。
次は魔女たちの森だよ。頑張ってね♪ 負けたら僕たちも使い魔インプとして罰ゲームに参加するから」

 そこまで言った後、ユウキは上着を脱ぎ隠れ巨乳な胸を見せて言う。

「それともギブアップして、次のボスの罰ゲーム受ける僕たちも昨日と同じことしてあげるけど」

 昨夜の情事だけでなく、ワユにされたパイズリの記憶まで『異常な程鮮明に蘇り』彼が蹲ると、ユウキは自分の胸を揉みしだき時には彼の分身を挟み込んだときの動きまで再現し始める。

「つ、次の場所さっさと行くぞ」

「残念♪」



 我慢しながら魔女たちの領域の洋館に入ると、人形の軍団だけはいないが恐ろしい程の使い魔などが彼に襲い掛かってきた。アリスはどうやら昨夜彼を嫐ったから、自分も加わると不平等とみなした様だ。

 湖に映る月の光と森を窓やテラスから見ながら、様々な敵を切り倒し彼は何度も危機を迎えながら、最後の扉へと辛うじてたどり着いた





 扉を開くより先に戸が開かれ、入室すると愛歌とアリスそして奇跡の魔女であるベルンカステルの姿がある。彼女たちは、月の下で美しく映えているが到着した彼を迎え入れる姿は不適切に見えた。
敵とまでは言えないが少なくとも試練を超えるという意味では、戦闘行為を行う相手だ。それに対して、まるで夫が可愛がられに来た女権国家の女性らしい雰囲気にしか見えない。
ある意味あっているのかもしれないと思いつつ彼は刀を抜き放ち言った。

「それじゃあ試練をお願いします。それで今回は誰が相手になってくれるんですか」

 彼の問いにベルンカステルが立ち上がって、鎌を構えてくる。それを見て彼も本気で戦う覚悟決めた。彼女は笑みを浮かべて言う。

「今回みたいな戦い方は正直好みじゃないんだけど、傷つけずに勝つのはこれが一番みたいだから」

 彼が刀を持って切りかかると、ベルンカステルはそれを鎌で受けて無数の猫を呼び寄せて、その猫たちに魔法を放たせてくる。彼は、とっさにそれを避けながら無数の札を彼女に投擲して返す。
今回は前から作ってあった札をリソースをこの戦いに全てつぎ込むつもりだ。ベルンカステルは彼の師匠の一人でもある。だからこそ敵を見て返し技を放つ方が勝率の高い策士である彼に敵の攻撃を防ぐ術を叩き込んだ。
だからこそ彼女の予想を上回る攻撃を初手から叩き込んで反応を見ることにしたのだ。

 ベルンカステルは驚き生徒が思ったよりも良い成果を出した教師の様な表情に変わる。その、瞬間彼の危機感が爆発した。確かに裏をかくことができ、そして予想以上に良い手を打てたのだろう。
だがこの表情はまだ彼女の勝ちを揺るがすことができるほどではない。

 横島が火事場の馬鹿力めいた力を籠めて彼女に全力で切り込むと彼女はそれをわずかだが余裕のある様子で受けた。済んだ金属音がなった後に、彼との鍔迫り合いに入った瞬間、ベルンカステルが呪文を発動させた。
彼が即座に懐に潜ませていた魔術を跳ね返す札を使うが、なにも起きずその札の効果が消えた直後に彼の体が一気に快楽で脱力し始める。そして彼は理解するこれは、自分が過去に受けた激しすぎる快楽が蘇ってきた類の快楽だ。

「さとり、お疲れ様」

 その声と共にこいしをともなった彼女が現れ笑いながら言う。

「久しぶりですね忠夫」

「さ、さとりさん」

「私はこいしと違って隠形はあまり得意じゃないんですけど、貴方に心を読んで見つからない場所を選んで隠れていました。ベルンカステルは奇跡の魔女。可能性の低いことでも成功させてくれるんですよ」

 そこまで言うと、ベルンカステルが彼の瞳を覗き込み言う。

「今起きたのはあなたに対してさとりの想起による快楽で行動不能にさせる事態を成功させたのよ。私の術が当たったらそうするように言っていたの。一応は私の術が当たらない限りは、発動しないようにしていたけど」

 魔女としての全てで来ると言われていた以上はこれは自分の負けだろう。そして彼は負けを受け入れるというと、ベルンカステルは笑った。

「さとり、こいし、彼が壊れず深刻な後遺症も残らない、という奇跡を起こすからあの想起をしてしまいなさい」

「はい。『想起・精通の夜に受けた快楽地獄と堕落への誘い』」

 さとりの宣言と共に彼の意識が精通を迎えた十二の夜に戻り、その日の夜に受けた快楽がすべて蘇ってくる。乱暴な快楽ではなく、アリスの使い魔となっていた二人のユウキやエヴァや愛歌、
それぞれが優しくどこまでも蕩かす性行為をされてしまい。自慰すらまだな彼にその快楽を刻み込んだ。アリスに乳房を口に含まされ、体のツボを知り尽くしたように頭を撫でられるたびに、堕ちていき。
アリスは彼の射精を受けると二人のユウキが魔術で彼の分身を背にも生やし、挟み込んで射精させた後、夢の世界にまで入ってくる。夢の世界で想いでの中で快楽付けの彼をエヴァが血を吸って堕としてくるヴィヴィオや、
アルそしてリグル全員に嫐られ最後にベルンカステルが彼を押し倒した直後に彼の意識は現実の現代に戻った。

 そして目の前に想起の中で彼と最後に繋がったベルンカステルが想起と同じ状態でアリスの魔術で子供に戻された彼を嫐っている。

「忠夫どうだった」

「あ。ああ。」

 快楽で何も言えない彼を見てベルンカステルは口づけすると愛歌と変わった。周りの様子を見ると彼は想起と同じ状態で彼女たちに輪姦されていたようだ。愛歌は彼に口づけすると大人に戻して言う。

「忠夫、実を言うと、今生では貴方が十代でした以上の冒険はもうないみたいなの。時代によって状況も変わるからね。十代で英雄でも上な方のことを成したけど、今生ではあれ以上のことは起こらないみたいなの。
だから、これから自己鍛錬以外に私たちを楽しませてね。貴方の精通の日に『雄々しき獅子の祝福』をかけたけどこの魔法の言葉もプレゼンするわ」

 愛歌は笑いながら、彼の分身を飲み込み、快楽で脳がグズグズになった彼に言う。

「『雄々しき獅子は災いなき時はただ雌たちに養われ群がられ、寿命が削られていくのみ。その獅子の如き日々を送りつつ我が王朝の名のもとに壮健な日々が一日でも長く続くように』」

 愛歌の宣誓と共に彼の体の奥底まで根付いた祝福が大きな影響を与えたと思うと彼は、リグルとヴィヴィオと子供姿のエヴァンジェリンが寝室に入ってきた。そしてアリスも子供の姿になる。

「雄々しき獅子の祝福で女性にベッドの中で負けるのが恥ずかしいという意識も強まったし、その状態で少女に負ける背徳感を味わってもらいましょうか」


 その後は彼はひたすら悲鳴を上げながら快楽に飲まれ恥ずかしさが余計に射精量を増やしている自覚と共に意識が落ちた。多分最後の相手は愛歌だったかもしれないと思った直後に彼の意識が外に戻る感覚がした。





 ゲームの外に戻った彼は、自分が霊力と精力が大きく減り、周りのメンバーが大きくなっていることに気づく。きょうぞうかあるいはベルンカステルが魔術で出してくれたのだろう。
周りの女性の様子を見ると、きょうぞうだけはテンションが落ちているが、他の面子は多いに楽しんだ様子が見える。疲れる彼にモモイが子をかけてきた。

「ちなみにゲームの中で中ボスが忠夫ならユウキに勝てるかもって言ってたのは、好感度ドーピング抜きのユウキと戦った記憶しかなかったからだよ。あの中ボスも好感度ドーピングガかかるとあれくらいになっちゃうの」


763 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:34:33 ID:cxwr1jV1

「理不尽すぎやろ。実際に男性主人公でリアル難易度にするとこんなになるとか」

「忠夫さん、ゲームの中でも大変でしたね。どうぞ。しかもあの世界だと、あの田舎町に忠夫さんを留めたい女性陣が全員演技して連携しています。さらに妖精たちと村の女性達にされまくって、忠夫さんの来世が生まれてくる家系準備中だったりします」

 ミドリが渡してくれたエナジードリンクを飲みながら彼は言葉を続ける。

「本当ひどすぎるな。しかし、あれくらいひどいなら男もプレイキャラにした女権国家の人生ゲームって男でプレイするとどんな難易度になるんかな」

 今のゲームをプレイさせてもらった理由は、女権国家で男性も動かせる人生ゲームはリアルにやるとどれだけハードになるかわからせる意味もあったのだろう。

「試してみる? 一応作ってあるけど」

 少し試作品に興味が出た彼にモモイが質問をしてくると、彼は皇帝の返事を返した。

「ああ、やってみるか」

 ゲームのCDを差し替えスイッチをオンにすると今度はいきなり横島とその関係者たちがテレビの中に吸い込まれていった。


 そしてルーレットを回した彼は本当に女権国家はやばいと思った。エスカレーター式の小学校で既にエヴァが教師として赴任してきて高校までの担任決定になるし、野良猫をひろって可愛がると、化猫になって逆レしてくるし(ベルンカステルだった)




 高校の卒業式の進路が彼だけはルーレット式であり、抱き枕が当たると、大人形態のエヴァに職員室に呼び出された。

「忠夫、悪霊祓い師をやるそうだが、私が仕事を手伝ってやろうか。最初の仕事はもう受けているのだろう」

「はい。数か月かかるかもしれないけど、エヴァ先生が手伝ってくれるなら心強いです。俺の前世ともコンビだったみたいだし」

「うむ、任せておけ」

 そして卒業式の後、頼まれた呪いの品をエヴァはあっさりと浄化してしまった。それと同に衣服を脱ぎ、魔性の雰囲気を纏った美術品めいた裸体で彼の視線を動かせなくしてから言う。

「500万の仕事を一人でしたのだ。五回射精してもらおうか」

 この後胸が彼の胸板で潰しながら射精と同時に首筋をかまれ余計に射精した彼は、五回目の射精が終わってもエヴァから離れられなくなっていた。彼女は乳房で彼の顔を挟み射精させた後、言う。

「今宵からお前はもう私のものだ」


 結婚官僚となった後、エヴァの抱き枕となった彼は、職業マスでかつて非道をしていた製薬会社『アンブレラ』という会社の犠牲者たちの供養と、
死してなお怨霊となっている悪徳社員の除霊を受けることになった。依頼してきた役員はアレクシアという天才女子だった。
 
そして彼女はブロンドの美女だが蟻の力を取り込んだ生物兵器と化した結果、リグルの配下になっていた。犠牲者たちの魂を救い終わった打ち上げでたくさんの蜂蜜酒と精の付く料理を食べ終わった後、
彼は気が付くとリグルとアレクシア、そしていつの間にか来ていたエヴァの三人に嫐られている。

 かつて悪の居城だった島の寝室で。成長したリグルが彼の騎乗位で彼を絞り、アレクシアが彼の顔に豊満な胸を押し付けて彼の射精の量を余計に増やしている。
そしてエヴァが彼の無様な姿を脳に焼き付けた後、首筋にかみつき。血を吸った時の記憶の共有で彼にその姿を見せながら、より射精の量を増やす。
雌の虫に交尾の時に食らいつくされる雄の虫に変わったような射精で虚脱状態となった彼を見下ろしながらリグルは笑みを浮かべて言う。

「アレクシア交代しようか」

「はい、リグル様」

「ちょっと待ってこれ以上されたら(快楽で)壊れちまう」

 それを聞くとアレクシアが脳波系を見ながら言う。

「大丈夫です。自分で思っているより頑丈ですよ。あなたは。脳波に異常なしです」

 それだけ言うと、アレクシアは彼の分身を飲み込み射精したばかりのそれを嫐り。悲鳴を上げる彼の声を愉しむ。
前世でリグルの配下となって横島と付き合ってからは相当善良な気質に変わったそうだがそれでもサディスティックな面は一切治っていない。これでも横島以外の善良な人間に対しては、本当に良識的らしいが。

 そこまで考えたところで、アレクシアが彼の思考を呼んだのか口をとがらせて言う。

「失礼な改心した後は、私は良識的なシスターの教えを今も守ってますよ」

 彼の分身を飲み込みながら、射精したいのに快楽が強すぎてできない状態を作りながら言う彼女に、彼は目で問いかけたそのシスターは何と言っていたのかと。
それに対してアレクシアはようやく彼の射精を許しながら答えた。

「『善良な男の子に意地悪して良いのはベッドの中だけです』って言葉です♪」

「あー!」

 射精した直後の彼の分身さらに射精させる腰の動きをした後、アレクシアはリグルと代わり、彼に背後から乳房を押し付ける。リグルの秘所で彼の分身が味わう快楽の質が変わるのを見越してその状態の彼の悲鳴を堪能している。

 アレクシアのフェロモンにやられた後の彼はひたすらに女王蟻に従う雄蟻のようになりエヴァに血液という餌を与えそして三人が交代を繰り返している。
順番が来たエヴァが彼を他国でいうところの生常位で彼を加えこみ、両手両足で彼を拘束しながらゆっくりと血を吸っている。大人形態の彼女に乳房とサキュバスの如き膣で精を搾り取られていく。
そして吸血の快楽で精神が壊れかけているのを見越して、アレクシアとリグルが彼の手を取り自分たちの乳房を揉ませた。快楽で壊れかけていた彼の脳が完全に両腕に走る快楽の電撃でました射精で壊れ。
言葉にならない絶叫と共に、彼はそのまま意識を失った。そしてリグルは笑いながら言う。

「アレクシア君を配下にしていてよかったよ。これだけやっても忠夫に障害が残らない様にできるとかすごいね」

「いえ、私はまだまだルザミーネの足元にも及びません。それに皆さんの魔術でも可能では?」

「できるけど、科学の方が勝っている部分もあるよ。アレクシアの作った薬や機械より上な部分もあるけど、誰もができるわけじゃないしね」





 エヴァとアレクシアによって何度も果てぬいた後、再び彼の意識はルーレットに戻り今度は陸八魔アルの会社を手伝うイベントが起きた。今までで一番まともな会社だったが、
アル社長の好感度上げてまともな恋愛をしていたが初夜の夜に彼は完全に圧倒された。いい人で害意はなくても女権国家の女性はベッドの中では恐ろしいものだ。





 アル社長の会社を手伝う際にストレリチアとの取引で彼も同行することになった。ストレリチアの人々を助けたこともあったので、アル社長の身元を一応保証してほしいというものだった。
彼女の人柄は知っているが、邪神の欠片なので、恩人である彼に太鼓判を押してほしいとのことだ。


 アルの人柄を知っていたらしいストレリチアとの交渉はあっさり終わった。横島の保証も、形式上必要という程度のものだったのだ。だがその日の交渉の席でアルとヴィヴィオが意気投合しその結果彼は。
アルとヴィヴィオに挟まれていた。二人はいたわる様な性交をしてくるがそれでもその強すぎる霊力のせいで、強すぎる快楽が襲い掛かり、彼の魂が悲鳴を上げている。

「あー!」

「忠夫さんの声可愛いです」

 ヴィヴィオが笑いながら彼に体を押し付けながら、その豊満な体で彼の苦悶の表情と悲鳴を楽しむ。
仰向けになった彼の上で笑いながら彼の分身を飲み込み体の全てで彼に快楽を与える状態を味わっている。何度目かわからない射精を終えた彼を見ながらヴィヴィオにアルが声をかける。

「そろそろ交代しましょうか。忠夫、大丈夫?」

 アルが彼の顔を手で挟み、こちらに向けると彼は辛うじて頷いた。

 アルが彼に対してヴィヴィオと同じ体制になりつながると、彼はヴィヴィオとせい反対すぎる強すぎる快楽で自分が解けていくような感覚を味わった。
その快楽がある意味ヴィヴィオが与えてくる快楽で消耗した部分を直していくような感覚もある。一度だけ激しい射精をさせると、アルは彼を強く抱きしめ胸を押し付けてもう一度だけ射精させると離れた。

「今夜はここまでにしておきましょう。回復しづらいでしょうしね」


 その後も普通に嫁さんが増えて結局は、抱きまくらに職業が変わってしまった。しかもダイス判定で彼が快楽に対する耐性がつくまで、待っていた幼馴染のユウキも出てくるわ。本当に嫁が増えたり逆レによる一回休みが多すぎる。





 富豪になってメイドを雇うところまで行くと、モモイとミドリとユズの三人が来て。一番おとなしそうなユズですらも、二人が彼を犯しているとそれを見て乱入してきた。


 ヴィヴィオが彼の首に首輪をつけて上向きにして分身を足で踏みつけ、モモイとミドリが左右から分身を撫でる。それを見てヴィヴィオが言う。


764 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:38:22 ID:cxwr1jV1

「さっきからあれほど射精ばかりだというのに、今度は幼女みたいな女の子たちの裸ですら勃つなんて本当に、忠夫さんは節操がありませんね」

「あ、そ、そんなこと言われても」

 ヴィヴィオが足を離すと三人が舌で彼の分身を嫐り、彼は即座に果ててしまった。そして射精したばかりのそれをユズが加えるそして彼はそのユズの表情を見て恐怖した。
あの気弱で優しい彼女ですらも閨ではここまで妖艶で恐ろしい女に変わるのかと、そしてその彼の恐怖を楽しむ様な表情をユズが見せるとヴィヴィオが彼の足を払い倒して、ユズが彼の分身を飲み込んだ。
「……♪ 忠夫さん、あんなに頼もしく私を護ってくれたのに……、ベッドの中ではここまで無様だなんて……とてもかわいいです……♪」

 幼児体系の彼女に負けている情けなさはあるが、自分への熱烈な好意を伝えてくる体の動きに反応するように体の射精は止まらず彼はそのまま腰砕けになり、
他の三人も満足するまで閨から出してもらえなかった。このイベントはどんなにおとなしい子でも女権国家の女性は好感度ドーピングされたらこうなるというイベントだったらしい。
ユズがこのイベントが終わったらゲームの外に出て行って、クリアすると言った。それからほどなくして、逆レイプされるイベントが大きく減り、彼は順調にゴールへと向かった。





 どうにかユズがクリアしてくれて、ゲームの外に出てこられた彼は言った。

「女権国家が舞台の人生ゲームって、男性でやると難易度が高すぎてクソゲーになるな」

 その言葉に花岡ユズも頷き答えた。

「……そうですよね。私か、きょうぞうさんのお友達のスカサハさんじゃなきゃ……クリア無理だと思います。
……ルーレットを押すタイミングを覚えて(普通は無理)ミニゲーム(超難易度)をクリアしまくらないと抱き枕化して後は終わりまで操作不能は防げませんね」

「その通りですわぁ」

 落ち込み切った様子のきょうぞうが向こうに向かうとモモイとミドリとベルンカステルが彼女を慰めに行った。




 きょうぞうを部屋に招き入れた後、モモイとミドリとベルンカステルはきょうぞう=狂三に百合的な意味で可愛がられると同時に、
男性を堕とす際の気の遣い方などを伝授してもらっていた。勘のいいところのあるモモイが可愛がられながら言う。

「きょうぞうさんって多分だけど、それなりに偉い人なんでしょう? 仕事自体は真面目にしてくれいるけど、こちらに来ているのは趣味だったりするんでしょう」

「ええ。そうですわねぇ。そして今の女権国家をリアルに再現した男性主人公のゲームを作るとああなのに……多少は責任がある立場の者でもありますわぁ」

 モモイの善良でまっすぐな瞳に対して嘘を突くのが少し後ろめたいと思いながらも、彼女は多少という言葉を使った。それに対してモモイがいう。

「そうなんだ。でもきょうぞうさんだけが悪いんじゃないし、うちの会社で少しでもストレスが減るなら存分に利用してね。ゲーム開発の時にきょうぞうさんの歴史の知識は助かるし」

 モモイとミドリの肌を堪能しつつ癒されながら狂三は言葉を返す。

「そういってもらえると嬉しいですわぁ」

 狂三の落ち込んだ様子が上向いてきたのを見て、ミドリが彼女に言う。

「きょうぞうさん、教えられないことならいいけど、もしよければ結構偉い人として、今の目標を教えてくれませんか?」

 素性や本来の役職までは彼女たちは不明の自分を気遣ってくれているなと思いつつ、狂三は今日できた目標を口にした。

「三つありますわぁ。 一つは、リアルさを追求したタイプの女権国家が舞台のゲームでも男性キャラでもまともな難易度のゲームができあがる国にすることでしょうか」

 半ば冗談だが、半ばは本気の言葉だ。善良でまっとうに生きている女権国家男子も自分の子供である。まっとうに生きている以上はもう少し自由に生きられる環境を作る努力をする義務があると前から思っていた。

 それに対してモモイは称賛の言葉を返してきた。

「すごいよ、きょうぞうさん。大半の人がさじを投げているのに、真面目に頑張っているんだね!」

「ありがとうございます。もう一つは、貴女達の恋の成就の強力ですわぁ」

 そういった直後の彼女の表情は恐ろしい程に妖艶で原初の淫魔のそれになっていた。
 横島の良識人さと霊能の実力来世を舞台にしたゲームで見ても英雄クラスだ。最悪死後でも女権国家の女性の魅力で堕としてその魂を帰化させれば霊的に女権国家は強くなるだろう。
そのために良識人で彼を気にいる女性は多い方が良い。モモイとミドリが自分の性的な技を吸収させながら彼女は四惑だけでなく、彼女たちの友人としてもこの性技を横島に使って堕とす彼女たちを想像して、
頬をほころばせた。モモイとミドリが限界を迎えたのを見るとベルンカステルが狂三に身をゆだねてきた。彼女は狂三の気の遣い方を魔女として学びながら、技を覚えていく。

 三人は喘がされながらも、横島に使う技と聞き貪欲に吸収しながら聞いた。

「きょ、きょうぞうさんの三つ目の目標ってなんなの? あん!」

「私も堕としたい殿方がいるのですわぁ」

 大鳳の姿を想像した直後に二人が快楽のあまり意識を失うそして彼女も気分が戻ったのを確認すると眠りに落ちていった。二人を抱きしめて眠る姿は慈母と少女を合わせたような不思議な表情だった。
その寝顔を見たらさっきまでの妖艶な女性だとは誰も思わないだろう。彼女たちに慰められて気を持ち直した狂三が手を振ると彼女たちの視界が暗転し、気が付くと彼女たちは、横島たちがいる寝室に戻っていた。

 そしてそこでは満足したらしい女性たちをよそい悲鳴を上げる横島の上になったさとりがこいしと二人で彼を嫐っている。彼女は笑いながら言う。

「『想起・ゲーム世界で受けた全ての逆レイプ』」

「あー!」

 さとりの腹が妊婦の様に膨れ上がり、彼の体が一つしぼんだ様になった。そしてこいしがさとり交代すると、さとりがもう一度今と同じ想起をかける。

「忠夫、可愛い」
 
笑うこいしをよそにさとりが彼の頭を撫でながら子供に向けて話すように言う。
「忠夫、こいしに無意識を操られて女性優位の性行為の恥ずかしさは極限だけど、ゲームの中のどれを想起しましょう。選ばないなら私が決めちゃいますよ」

「あ、ああ」

 横島が嫌だと思ったらしいのを見つけてさとりが言う。

「気持ち悪いマゾ男だからこれがお望みですね。『想起・月下の愛の巣への強制帰還拒否世界の、屈服後の各ヒロインの従者たちからの大衆の前での逆レイプ』」

「ああー!」

 大量の射精をする彼を見ながらさとりは笑う。

「ごめんなさい。おまけも忘れてました。『想起・さらに子供に戻された後の恥辱的逆レイプ』」

 二度目の想起の射精で完全に彼が倒れるとこいしとさとりは腹いっぱい食べた子供の容易な様子で眠りに落ちていった。

 それが済むと、モモイとミドリとベルンカステルは彼に回復させるドリンクを渡すと、アリスと愛歌とユウキと共に癒す方向の性行為をする準備を始める。
そしてその瞳には狂三が大鳳のことを思い浮かべながら『堕としたい殿方がいる』といった時の瞳に宿ったのと同じ光が宿っている。





 横島は狂三と閨を共にした後の彼女たちが与えてくる快楽に翻弄されていた。ただ強い快楽を与えてくるのではなく、疲れている自分にしみわたってく。
夢心地の中で真冬の布団の中にいるような快楽を味わいながら、彼は何度も精を放っていく。そしてトラウマが消えていくと共に彼女たちから離れがたくなっていく感覚も感じていた。
女権国家の善性の女性と体を重ねた者は悪辣な女性に犯されたものとは違う形で女権国家に取り込まれていく。一つ桁が上がったような快楽を与えてくるモモイとミドリとベルンカステルの三人が与えてくる快楽を危険と感じつつ、
彼女たちは女権国家と敵対しても自分に味方してくれるだろう。だがそういう戦いに彼女たちは巻き込むべきではない。決意を固めながら、彼の意識は眠りの中に堕ちていった。


765 :名無しさん@狐板:2024/06/04(火) 02:07:00 ID:PCy6S1FM
おつー

766 :759:2024/06/04(火) 22:45:54 ID:MLkv/F5Y
>>765
乙感謝です

767 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:43:26 ID:EER4THiE
女権国家SSゲーム会社で体験したゲーム(ifの世界)で横島が絶対に実現させたくないと思った出来事多数と、ゲーム会社社長の意外な家族構成
このSSは現在本スレで連載されている女権国家の二次創作SSです。以下の注意点があります。

@このSSだと横島に惚れている同年代の純粋な人間女性が出てきますがもしかしたら女権国家に登場の予定があるかもしれません。多分ない様にしているけど、もしも他の人物のヒロインだったら申し訳ありません。
A原作だと悪人だった父親キャラが女権国家の影響で善人になってます
Bメタルギアソリッドのソリッド・スネークが特殊な能力を有している設定になってますがそれは作者の独自解釈で、多分公式設定ではありません。どういう特殊能力を持っているかの解釈についてはネタバレを避けるために後書きで説明します
C本編で大鳳くんがしていた発言、横島といるとオカルトらしい現象が起きることが多かったというのが、女権国家と関わる前からだったみたいなので、そのつもりで書いています。
Dブルーアーカイブのメイドユズが明らかにメタルギアのパロディをしていたのでそれがかなり影響しています
E作者はメタルギアの外伝である、ゴーストバベルをプレイしたことはないけど、そっちの世界だとソリッド・スネークがビッグボスのクローンではなく実子設定なのでそれを採用していますが、基本的にはクローンではなく実子なことを除けば外伝じゃない方のソリッドスネークのつもりで書いています。
F横島が韋駄天様と合体した原作ネタを活かすために食戟のソーマからヒロインがでてます。
Gヴィヴィオと似ていると思い使えると思ったためか超次元ゲイムネプテューヌからヒロインがでています





 ユズが社長を務めるゲーム会社に会社員として勤める王国のスパイ横島は、今焦燥の中にいる状態にあった。モモイやミドリ達の作るゲームはもはや起きない、
あるいは限りなく起きる可能性の低いイフの世界の可能性を描くものになることがまれにあり、その際に彼や彼と縁の深い女性がそこに呼びことがある。 女権国家の女性陣は彼を嫐れることを楽しんで入ってく。
だがメリットも皆無ではない。現実の世界程ではないないが、多少は鍛錬を積んだような効果があるし、コツを掴めば一気に上達する類の技などはこのゲームのおかげで上達したことも何回かあるのだ。
だからこそ彼もどうにか癒されながら、ゲームの世界に入る現象を受けながらもこの会社の会社員を続けている。そんな中で彼はある日社長室でユズに呼び出された。



 勤務時間外にお願いという形で呼んだということは、友人としての頼みなのだろう。

「……忠夫さん来てくれてありがとうございます。……、実を言うと今日の御願いは……父とあってほしいんです」

「ユズちゃんお父さんと同居しとったんか?」

 横島は過去に彼女を何度か助けたことがあるが、父親の存在は知らなかった。最も女権国家では良識人な妻たちに愛された男性と言えども、娘とのかかわりは希薄なケースも多い。

「はい。父は私が本当に困っている時以外は放置するタイプです。その癖どうしようもない事態になった時だけは来てくれます」

 それを聞いて、横島はユズの父親に対する疑問が浮かんだ。ユズの口調だけで、彼女は相当に父親を好いていることがわかる。そこから親子関係は本当に良好な様だ。
 だが、父親は本当に困った時だけ助けに来るという発言から察するとそういうことができるだけの実力や力があるのだろう。基本的にユズは内気だが、良い友達に恵まれているし、
そういう環境の彼女がどうしようもなくなった状態というのは女権国家においては早親が何とかする事態だ。彼は疑問に思いながらも、言葉を返した。


「それでユズちゃんのお父さんが俺に会いたいってどういう状態なんだ?」

「……父は、元王国の兵隊で最後まで戦い抜いて捕虜となった人でした。そして私の母は良識派かつ、戦争犯罪反対派で、親王国派なんです。
女権国家が先に戦争のルールを破ったと知ってからは、勢いづいています。……父は母たちが属する派閥が違ったら多分逃げていたと思います。……それくらいに軍人として優秀なんです」

 そこまで聞くと横島の中に色々な可能性が頭の中に過った。もしかしたら、こちらへの協力の申し入れだろうか。だがこのゲーム会社の人間たちは戦闘力や秘術などを持っていても、
裏の世界とは関わらぬ堅気が大半だ。そしてユズはそれに属する。そうである以上、裏の社会に巻き込むわけにはいかない。

 横島は少し考えたのちに答えた。

「あくまでも『ユズちゃんの父親として個人的に会うというなら』時間を作るって答えてくれんか。裏の話がしたいなら大鳳かミクさんを通じて話してほしい」

 その答えに横島の考えを呼んだらしいユズが嬉しそうな顔になる。そして彼女は言う。

「はい。あくまでも親として会いたいって言ってました。忠夫さんの話を聞いて、有能だが隙も多すぎるって評価してましたね」

 珍しく力強く言い切るユズの言葉に彼は頷くと、次の休日に案内してもらう約束をかわした。





 次の日の休日に、ユズに連れられて出かけた場所は、奥深い山の中だ。そしてそこには精悍な顔つきをした、横島とは正反対の青いバンダナをした軍服の男が待っていた。
横島は一瞬で、彼は強いと悟る。体つきからして、特殊能力はなくても『努力をすることで誰でも得られる戦う技能を』徹底的に鍛え上げた類の体をしていることが一目で分かった。そして彼は礼をする横島に言葉を返してきた。

「初めまして、になるな。俺はソリッド・スネーク。お前を王国でいうところの逆レイプをしたこの花岡ユズの父にあたるものだ。娘の被害者の顔を見ておきたいと思って呼ばせてもらった」

 横島はそれを聞いた瞬間どう対応したらいいか、悩んだ。王国の貞操観念でいえば、娘と肉体関係を持った男には責任を取れとか言ってもおかしくない。だが、娘の被害者といったということは、
彼を被害者と認識しているともとれる。本当にそう考えているなら縁を娘がやばい奴だから縁を切れと言っているのかもしれない。横島は少し考えた後言葉を返した。

「初めましてスネークさん、俺は横島忠夫です。王国の暗部の一員です。一応はオカルト部門に関しては第一人者とされています」

 その格上の将校めいた気配を放つスネークに気おされて敬語になってしまった言葉に頷くとスネークは言葉を返した。

「ああ。俺も今は複雑怪奇な立場になっている身だ。女権国家の親王国派の夫として今は動いている。だが今回はあくまでも女権国家で長く過ごした者として、そしてこの娘の父として話しにきた」

「それは何でしょうか、娘と体を重ねた責任を取れってことすか?」

 真面目な横島の言葉にスネークは笑って返した。

「さすがに女権国家で十年以上も過ごして、娘の方から無理やり気味にしたらしいことでそういうやつはよほどの親ばかでなければいないだろう。だが、
一応先輩として女権国家の女の恐ろしさの多様性を教えておいた方が良いかもしれないと思ってな」

 前半の冗談めいた口調から後半の声のトーンの変化である程度義理ができた相手に破滅の可能性を授けるための言葉を口にしようとしていることがわかる。横島も真面目な様子で意識を切り替えた。

「これから俺と少しだけ模擬戦をしてもらう。そうしなければ理解できない類のことがある」

 それを聞いた彼は頷くと即座に動いた。ソリッド・スネークは全てにおいて侮れないが、距離を取られて、隠れられると手におえない相手だと彼の経歴を軽く効いただけの彼にすらわかった。
コンバットナイフで霊波刀を受けられた直後に足を蹴られた。そして彼は足に意識が動いた瞬間ナイフを交わそうとした直後にナイフのない方の腕が自分に触れたと思った瞬間、彼は投げ飛ばされたのだとわかった。

「判断力は良かったが、潜入の際に培った近接格闘術、CQCに対応するのは無理だったな」


768 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:45:28 ID:EER4THiE

 初見殺しの技に近かったが、それでも彼に近接で勝つのは難しいと横島は思った。その後に何度もやりあったが、スネークが敢えて彼に学習させやすい類の戦い方をしてくれていたにも関わらず、
最後の一回の勝負に全ての隠した手札などを投入してようやく、あと一歩で引き分けというところまで行けた程度だ。疲れ果てた彼にスネークが言う。

「CQCに対してそれなり対応できるようになったな。最後の訓練だ。文殊で疲労を回復させろ」

 その言葉を聞き彼は頷いた。恐らくはこれは技術云々ではなく、実際に落ちなければ警戒心が身につかない落とし穴に彼を一度落として学習させるためのものなのだろう。絶対に無意味なものではない。
そして彼が指示に従うと、ユズが歩いてきた。彼女は頭を下げるという。

「……忠夫さん次は私と戦ってください」

 そこまで考えて彼はようやく理解するスネークは彼とユズを戦わせたかったのだろう。好感度ドーピング状態の女性がどれほど強くなる場合もあるか彼に教えるのが目的だったのだと彼は理解した。

「わかった。ユズちゃんじゃあ勝負するか」

 そういいながら彼はなるべく油断しない様に構えた。スネークの娘である以上は、多分父からCQCも仕込まれているだろう。以前ゲーム会社でゲームにとりつく悪霊騒ぎがあった時モモイやミドリと同じく、
銃の使い方が上手いだけでなく、指揮の取り方も上手だった。そのときは彼女たちが上手に銃を使って戦い、そして横島の奮闘もあって格闘戦の腕を見ることはなく事件が解決していた。戦いが始まる前にユズは言った。

「……忠夫さん、私が勝ったら次の連休に3本ほど一緒にプレイしてほしいゲームがあるんですけど……いいでしょうか?」

「ああ。いいぞ」

 勝ったら欲望を満たせるその条件でなければ好感度ドーピングの意味などない。そう考えて彼は構えた。

『ユウキ程ではないが相当強くなりそうだな。彼女みたいな娘でもこれとか、女権国家女性は恐ろしい。とりあえず全力で相手取るか』

 しかし、横島の見解は甘いと言わざるを得ないことが後になってわかった。

 ユズが彼にコンバットナイフで切りかかってきた瞬間、彼はどうにか霊波刀で受けたが、本気で驚愕した。好感度ドーピング状態のユウキよりわずかに遅いくらいだった。
刃物がぶつかった衝撃で本当に僅かとしか言えない隙が生じた時、ユズはコンバットナイフを滑らせながら、彼の間合いに一気に近づいた。ナイフの間合いになってしまったと感じた瞬間、
彼は即座に、霊波刀を手甲に変化させて格闘戦に切り替えた。だが彼女のナイフを交わした直後に動き、彼は反撃の機をうかがった。
そしてユズは横島が唯一反撃を当てられる可能性がある場所が顔になる様に動いた。彼女の策は成功し、顔以外は充てることができない状況ができあがる。
そして横島は女性それも庇護対象と見ている相手の顔を殴ることに僅かなためらいを覚えてしまい、それが彼の決定的敗因となった。ユズが信じられない速度でナイフを投擲してきて、
それを霊波刀でしのいだ直後に彼女の速度がもう一段上がる。好感度ドーピング状態のユウキと遜色のない速度だ。最初から横島に誤認させるために速度を下げていたのか、
あるいは男を手に入れることができる速度を得るために火事場の馬鹿力の様なものが出たのか、どちらかはわからない。
手甲で受けた後彼は左腕で反撃しようとした直後にユズが右腕を取りに来たことで意表を突かれた。霊波刀の方の手は下手に組み付けば反撃される恐れがある。だが彼女は横島の意識が霊波刀による反撃に移る前に手を取り投げに移った。

 投げ飛ばされた直後に容赦のない蹴りを受けた直後に銃を向けられて彼は、負けを認めた。

「俺の負けだ」

「やりました。私の勝ちです。どうですか父さん」

「我が娘ながら良いセンスだ。 先にゲーム会社に行っていてくれるか。どうしても彼に言っておきたいことがある」

「はい♪」




 嬉しそうに走るユズを見送った後にスネークが言った。


「実を言うと俺は君がユズに渡した文殊でゲーム中に入る現象を『伝』えてもらっていた」

「なぜそんなことを」

 横島の問いに彼は少しだけ考えると、理解してもらうために説明を始めた。

「うちの娘は内気な上に争いが嫌いで自罰的な所がある。そのせいか暴力を振るえるときは本当に悪いことをし過ぎた急進派とかくらいだけだった。モモイやミドリがいないといじめの対象になっていたかもしれない」

「それで」

「だが、彼女は俺の娘なせいか戦闘能力自体は低くなかった。VR訓練だけなら、女権国家の軍人たちの中でも上位に位置する。そしてVR訓練はゲーム感覚で人を殺せるようにする様な側面もある。
だからこそ、ユズが言うゲームの中に入る現象がそのVR訓練と似ていないか知る必要があった」

 そこまで聞くと横島は納得がいった。

「ユズちゃんがゲーム感覚で人を殺さない様に、確認しておきたかったんですか」

「それもある。だが、お前に自覚を促すためでもある。非はなくてもユズはもう好感度ドーピングができるくらいにお前に惚れている。恐らくはお前に危害を加えるものが現れたら、現実だと認識したうえで、
VR訓練の時と同じような動きで動いてしまう。そして――」

 ここから先の言葉はスネークは強い声で言った。

「お前を手に入れるときも同じだろう。殺人をVR訓練のゲームに近い感覚と混同しない様に、俺は教育した。現実の命の大切さをわかった上でユズは躊躇わないだろう。それが女権国家の女性と言うものだ。
いきなり自分にも向くかもしれない諸刃の剣を渡されたお前は気の毒だがそれでも王国の暗部なら、うまく使え」

 『うまく使え』という言葉のくだりで、スネークは王国への忠も失っていないし、彼の妻たちも女権国家が犯した戦争犯罪反対派であり、良識派であるということへの僅かな疑念すら消え去った。

 そうなった彼にスネークは言葉を続ける。

「ユズが道を踏み外してお前を襲うような状態になっても『まだしばらくは』俺なら抑えられる。その間にミクやブラッドレイを頼ることも考えておけ」

「わかりました。でも彼女は良い娘ですから道を踏み外させない様にやって見せます」

 複数の女子と関係している自分が逆にその女性の父親から心配される、という行為に彼は不思議な感覚を覚えた。スネークは十年以上も女権国家で過ごしたからの感覚なのかもしれない。
大鳳がもしもシノンと結婚してさらに女権国家の良識派の女性30人くらいと結婚とかなったらさすがにゴルゴ13は切れるのではないかと考えが彼の頭に浮かんだ。

 よそ事を考える彼に、スネークが再び声をかけてきた。

「これは言うべきかどうか悩んだんだが」

「はい」

「俺の父親ビッグボスがお前に興味を持ったそうだ。ユズに近々お前と合わせてほしいと頼んだらしい」


「ビッグボス?」

 横島はそこまで聞いて少し考えた。王国は五将すら記録から消されている様に、敗戦国だからこそ、消された英雄も多い。
スネークと戦ってみてわかったが彼は間違いなく、英雄と呼ばれるくらいの実力は有している。その彼が言うビッグボスとはどのような人物なのだろうか。


「反女権国家の傭兵団を率いている傭兵隊長だ。一応は良識派の女性人たちは憎んでないと明言しているがな。もともとは王国出身だったが、
女権国家とのかかわりで腐敗した王国のせいで兵士が死亡して、王国に尽くす気になれず傭兵会社を立ち上げた」

「そうなんですか」

「ああ。それもどこまで本当か怪しいがな。王国と無関係を明言したほうが王国に迷惑をかけずに女権国家と戦えるというのもあったのかもしれん。
女権国家の戦争犯罪の被害者にあたる傭兵たちを集め、アウターヘブンという組織を運用していた。『五将の役』と『四惑の禍』両方でそれなり以上に女権国家相手に戦果を挙げていた。
俺も『四惑の禍』ではそれなりに女権国家に敗戦を与えていたんだがな」

 スネークの言葉を聞き納得した感情を持った。事実女権国家の都合で消された英雄の記録は相当多いのだろう。そしてスネークは言葉を続ける。

「親父は傭兵になった今でも親王国派だ。だからこそお前に対して害意を持つ理由は低い。だが、それはあくまでも俺の見解だからな。間違っていないとは限らない。
アウターヘブンという組織名を決めたのも女権国家の過激派の女共の主張である『男を天国に連れて行くなら何をしてもよい』みたいな言葉に対する皮肉だ。『自分たちはお前達みたいな女に導かれる天国の中にはいかん』という意味らしい」

「なるほど。それでスネークさんは俺にどうすべきかと」

「親父は王国を捨てた今でも相当な親王国派だが、同盟者という目で見ている。だからこそ盲目的に信じるのは危険だと覚えておいた方が良い。だが心配ないかもしれないとも考えてもいる。その理由こそがお前に対する助言の本題でもある」

 助言の本題という辺りで、かなり深い意味の言葉だと彼は察した。

「それはなぜ?」

 決意と共に聞き返す彼にスネークは言う。

「ユズは対人恐怖症の兆候があったが、お前に対して好感度ドーピングがかかってからはそれがプラスになり、異常な観察眼を得た。お前に近づく相手に限定すればだが、潜入任務で何度も戦場に勝利をもたらした俺より観察眼が強いかもしれん」

 それを聞いて横島は驚いた。好感度ドーピングは大半が力や戦闘力だが知力が落ちることも多い。だが演技力などの知力に行く場合も皆無ではないという話を彼は強くここで認識した。驚く彼を他所にスネークは続ける。

「そのユズが一切お前と合わせることに難色を示していなかったからな」

 スネークはなるべく先入観を与えない様に気を付けつつ、彼にとって有用な助言を送ってくれているなと感じた彼は。頭を下げて礼を言うとその場を後にした。

769 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:47:43 ID:EER4THiE

 彼の心に僅かな疑問が残る。もしかしたら時崎きょうぞうはユズの家族構成を知らないのか、それとも『ユズ自身』は一切女権国家に敵対する意思がないから関係ないと断じているのかどっちだろう。少し悩んだがその考えを直ぐに引っ込める。
きょうぞうは『ユズ自身が』女権国家に敵対しない限り非人道的手段に出られるような性格はしていない。そこまで考えると彼の足取りは軽くなり目的地に進む足が速くなっていった。





 横島は家への帰路の最中にスネークとの会話を思い出していた。そして時崎きょうぞうという女性への評価が自分の中で上昇していることに気づく。
彼女は以前ユズが善良な男性に絶対やってはいけない行為をしようとした急進派思想な女性を倒したことがあり、その際にユズが発した言葉を聞き彼女を諫めていた。

「……昔やったVR訓練の敵兵を仕留める要領で気絶させました。意識を切り替えてゲームの敵キャラ、もしくはVR兵士だって思い込んだら何とかやれました」

「あら、あら、そういう悪いことをした者を放置せず善良な殿方を助けたのは立派ですわぁ。それにしても近くに警邏隊もいないとはユズも災難でしたわねぇ。 彼女たちは必要最低限の暴力で相手を制圧するプロですから。
相手に大怪我をさせる可能性とかもユズよりはずっと低いでしょう。 仮に大怪我させていたらユズあなたはずっと気に病んでいたのでは?VR訓練やゲーム敵キャラと違って悪人の中にも同情の余地のある理由で堕ちた人もいますし、
なるべく怪我をさせずに済んだのは本当にさいわいでしたわね」

 月並みなことしか言っていなかったが実感の籠った言葉の中には同情の余地のある悪事に手を染めた者の悲惨な末路を見た様な声音だった。
ユズはそれを見て何か感じたのか、この感覚は良くないと思ったのだろう。あくまでも相手を傷つける為ではなく、ゲームやVR訓練では絶対の強者な自分を鼓舞する意味でやった意識操作の様だったが、
それに頼るのをなるべく控えようと決めた様だ。善行を積んだことは心から褒めつつ、それでいて危険な意識の変化には釘を刺すあのやり方は相当長く人を育てていなければできないだろう。


もしかしたら、彼女が横島をゲームの中に入り込ませる現象をよく起こすのは、VR訓練とは違ってある意味イフの世界と言える別世界のゲームの中で行動させることで、
ユズが道を踏み外さない様にしている側面もあるかもしれない。彼女はユズの善性を知ってからはモモイやミドリやベルンカステル相手程ではないが、ユズのことも気にかけている。






 家に戻った直後に彼は少し休憩を取った後、次の連休にプレイするゲームのことを考えて気が重くなる。大鳳やジャギに事情を説明するメールを打って、連休終了後に自分が欠席したら救助を頼む旨を伝えた。






 連休の日に横島が出席するとモモイとミドリと女権国家に来てから縁を結んだ女性陣がゲーム会社に集合していた。彼は覚悟を決めると、ユズの所に進んだ。
なぜかアリスが凄く嬉しそうにしていることがとても気になったが敢えて考えない様にする。そして彼が部屋に入るとユズが言った。

「忠夫さん……、来てくれて嬉しいです。それではゲームに移りましょう」


 横島が最初にプレイすることになったゲームは人生ゲームの前にプレイした『月下の愛の巣への強制帰還拒否』の続編らしいゲームだ。それを見て彼は驚いた。

「これどうなってんや? あんなに難易度高いのに続編作れるくらい売れたんか?」

「はい。まあそれなりに好感の持てる男性キャラクターが犯されるストーリーは好きな人が多いですから。一応コンセプトがクリアさせるためのゲームじゃなかったので、
私がクリアした動画上げておきました。最もストーリー上何度かそういうことされるシーンはどうあがいても出てますけど」

「それはそうやろうな」

「一応、この高島忠夫さんは人気キャラになってましたよ。特に妖怪とか人外族や子供に好かれやすいみたいで」

「そ、そうか」

 横島は少し怯えながら答えた。そういう彼のもとに不意にノックの音が聞こえた。メンバーは全員そろっているだろうと思った直後に、ユズが思い出したように言った。

「……そうでした。今日は新メンバーを呼んでいたんです。王国のゲームにも詳しくて、いくつもの名作に知識のある彼女なら、女権国家にも受け入れやすい女権国家らしくないゲームを作れるかもと思って……」

 そこまでユズが言うと、扉が開いた。

 元気のよい音と共に入ってきた少女は、ユズとは正反対の活発なアイドルを思わせる娘で、紫色の瞳と長い髪をした黒い衣装に身を包んだ少女だ。彼女は闊達さを感じさせる明るい声で言った。

「お待たせ! 今日からこの会社にやとわれたゲーム作成のアドバイザーのネプテューヌだよ! 基本的には大抵のことができるけど
、一番は王国でヒットしたゲームと女権国家のゲームの文化のすり合わせが主なお仕事になると思うからよろしくね!」

 彼女の自己紹介を受けながら横島は意識のどこかで彼女に違和感を覚える。なぜか彼女から感じられる気配に既視感があった。敢えて意識を切り敢えて周りを見ると、
ゲーム会社の面々は彼以外は面識があったらしく、横島にだけ伝え忘れていたという空気だ。

「忠夫ごめんね〜。私が伝言頼まれていたのに伝え忘れちゃった〜」

 モモイの申し訳なさそうな声を聞き彼は気にしてない旨を伝えると、ネプテューヌという少女を観察する。ヴィヴィオが彼女に最初に声をかけた。

「初めまして、ストレリチアの王族のヴィヴィオです。多分知っているでしょうけど、このゲーム会社で起きる特殊現象目当てで来ているお兄ちゃんの恋人の一人です」

「うん、聞いているよ! あの現象が起きるってことはある程度ゲームのクオリティが高いって証拠だし、それをもとに新しいアイディアが出るみたいだしね。一応王族だから敬語で話した方が良い?」

「ううん。今はプライベートだから、初めての挨拶だけはちゃんとしたけど気楽に話してもらえると嬉しいな」

 一瞬で意気投合した二人を見ながら彼は、ネプテューヌに既視感を覚えた理由に気づいた。彼女はなぜかヴィヴィオと気配が似ているのだ。

「それじゃあ、早くゲームを始めようか!」


 ネプテューヌの元気な声に促され彼は、『月下の愛の巣への強制帰還の拒否』の続編ゲー『メイドギアソリッド堕落の船からの救出劇』というものだ。

 このゲームの内容は前作で大勢のヒロインに嫐られぬいた高島忠夫が、十代前半でもう『今生』では大きな戦いは終わったと愛歌に太鼓判を押されつつ鈍らない様に人助けを高校生活中も続けた結果、
とんでもなく好感度を上げ過ぎてしまった同級生の女性達に修学旅行で乗った豪華客船で人格が消されかけているのをメイドであるユズが救助に行くという内容だ。 
実力はそれなり以上にあるが、それでもその内気な性格から警戒されていない彼女は他の高島に惚れている良識派女性陣程警戒されていないという設定になっている。

 ゲームを起動してオープニングが終わると横島は体ごとゲームの中に吸い込まれた。




 ゲームの中に体ごと吸い込まれた横島はいつも通りに色々なコツなどが体に入ってくると同時にこの世界線の記憶が入ってくる。愛歌やエヴァなどの良識派たちは、
今生は平和な時代なため十代前半で、彼の英雄譚のメインとなる敵は片付いたと判断している。仮に堕とされ切っても自分たちなら戻せるし、堕ちたままでも問題ないと断じている様だ。
そして今回彼を堕としに来たのは、九尾の狐の力を宿したワカモと呼ばれる美女だ。普段はその黒髪に似た艶やかな黒の着物に似た着物めいた服を着ているが、
今の彼女は西洋風の客船に合う、白い洋風のビキニでその豊満な体をアピールしている。料理を食して夢見心地となっている彼に対して彼女は言う。

「忠夫様、お久しぶりと言うべきでしょうか」

 彼女の体から感じられる甘い香りが余計に彼の脳髄を溶かしていく。

「あ、ああどうなっているんだ」

「日々あの村で、色々な体験をなされていましたね。かつて悪辣な狐の祟りにやられた私も助けてくださった御恩忘れてはおりません」

「あ、ああ」

 返事が終わるより先に、彼女は彼の唇をいだ。甘い香が口では一切息ができない彼を余計に追い詰んでいく。彼女は舌がもたらす快感で彼の脳髄を削り切った後に言った。

「貴方様の奥様達からは了承を取っています。この修学旅行中に貴方様を堕とし切れたら、今生は好きにして良いと。自分たちも堕ちきった貴方様を愛で嫐ることを楽しむと言ってました」

 そういって彼女が水着を脱ぐと豊満な胸が姿を見せた。そして彼女が分身を飲み込むと彼は悲鳴を上げた。これは女権国家の女性達の中でも特別な九尾の狐の力だ。
かつて横島は彼女が望まぬ略奪や暴力に身をゆだねていた時に止めたことがあった。あれは十代の時に最大の激闘だったかもしれない。そして今の彼女は九尾に乗っ取られているのではなく、
彼を得るためにその力をモノにしたのだ。燃えるような膣がそれをわからせてくる。彼が電撃の拷問を受ける虜囚の様にわめき痙攣しているのを見て彼女はその悲鳴を楽しんでいた。
一切腰を動かさず膣の動きだけで彼の分身を嫐っていた。悲鳴を聞いている彼女は量の目を閉じて名曲を聴き心地よさのあまり眠りそうな客の様な表情をしている。しばらくすると何度か腰をひねり彼を射精させた。

 射精と同時に大量の霊力を抜かれ動けなくなる彼に対して体を密着させて耳元で言う。

「忠夫様、なぜ前世からの奥方たちが貴方様を堕とし切ることを許したと思いますか?正確に言えば、堕とす許可というより堕とす機会を与えたというべきでしょう」

「あ、ああ?」

 まともな言葉すら返せない彼に彼女は言葉を続ける。


770 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:50:47 ID:EER4THiE

「英雄となると下らぬ者たちによって命を落とすことも少なくないからです。彼女たちは良識が強すぎて、やり返せても当人たちが限度。ですが私という英雄にかしづく怪物がいれば、
凡人の群れは貴方様という英雄が死んだ後に止める者がいないから排除される可能性が低いというのが理由です。この修学旅行中に堕とし切れぬなら、番犬となってほしいとのことです。
そして堕とせたなら、英雄の存在が都合が悪くなった時に、堕落させて表舞台から去らせる役をしてほしい、と」

 耳元で息を吹きかけそれだけでも射精の量が増える彼に彼女は言葉を続ける。

「堕ちたとしても誰も貴方を捨てません。ですから九尾のもたらす酒池肉林に今生は身をゆだねてください」

 胸板で彼女の乳房がつぶれ、彼の意識が何度も飛びそうになるとワカモは笑って離れた。
そこに何人かの女性が入ってくる。確か自分が助けて回った女性だと思う。彼女たちはワカモから許可をもらうと、彼をワカモの目の前で嫐り始める。嘲笑の中で最も恥ずかしい体制で犯される彼にワカモは言う。

「これを貴方様の前世からの奥方様たちが見たらさぞや嗜虐心とこの娘たち以上に嫐りぬきたいという対抗心で貴方様を嫐るでしょう。考えてみてください。アリス様とエヴァに人形とされながら、動かせない手がこうなった時のことを」

 快楽のあまり布団を握りしめている彼の腕を彼女は離すと、犯している女性陣の乳房を握らせた。それがきっかけで今繋がっている女性の秘所から彼の精液が僅かに零れ落ちる。

「ユウキさんならどうするでしょうね」

 さとりの想起を受けた時みたいに彼が彼女の前で彼女の部下に犯された時、自分でも聞いたことがない声を出したと言って、徹底的に快楽で妖精と悪魔のユウキ二人に嫐られ、夢の中でも絞りぬかれた日が思い出される。

「それではこれで止めとしましょう」

 他の女たちが嘲笑めいた視線で彼を見ながら、離れてワカモの前に差し出すと彼女が騎乗して彼の両腕を乳房に導き、揉みしだかせながら射精をさせた。意識を失う彼を他所にワカモは何人か狐の力を分け与えた女性達が意識を失っていることに気づいた。
彼から搾り取って大きくなった霊気を持ちながら彼女は、そのまま当たりの見回りを強化する指示を出す。何人か横島を堕とすことに難色を示していた女性陣もいたが、強硬な手段に出るものはいなかったはずだ。
だが横島の前世からの妻たちの発言を思い返せば、
『今回堕ちきるか免れるかは天運に任せる』という趣旨のことを言っていた。つまり彼が逃れうる可能性もあるのだろう。警戒するにこしたことはない。





 全ての事情を愛歌から念話で聞いたユズとモモイとミドリは横島を救助する作戦を実行に移っていた。ユズが潜入しながら麻酔銃で相手を眠らせていながら、進んでいたが、
ついに彼が拉致されている部屋の直前で数人の見張りを力技で気絶させてしまった。これはもう少しでばれる。そう判断した彼女は一刻も早くワカモの部屋に向かった。



 彼の部屋に到着するとワカモが待ち構えており、数人の狐の力を与えた部下が倒れているのを見てそれをユズがやったと理解した時、怒るよりも驚きの表情を浮かべていた。

「確か、忠夫様の家に仕えているメイドさんでしたね。こんなに強かったのですか」

「は、はい。今回は絶対に負けるわけにはいきませんから」


 その言葉を皮切りにワカモは直ぐに本気を出した。全身から九尾の狐の気を放ち一刻も早く勝負を決めにかかる。ユズはそれを見ると即座に陸八魔アルが送ってくれたスティンガーミサイルを取り出してはなった。


 ワカモは戦いながらユズに対する評価をぐんぐんと上げていった。オカルトの能力があるのかないのか判断はつかないが、自分をとことん観察して動きを読み、
どこに何を打ち込もうとしているかを正確に当ててきている。恐らく一騎打ちに限定すれば彼女は相当な強者だろう。常人離れした動体視力と格闘ゲームで異常な勝率を与える読みの良さ、
そこまでくるとワカモは冷静な口調で言った。

「貴女たちもこちらに加わりませんか? 女権国家の女性である以上、こちら側で忠夫様を堕としたいという感情は間違いなくあるでしょう」

「……、その気持ちがあることは否定しませんけど、でも快楽だけを享受する人形なればあの人今際の際に絶対後悔します。自分は私たちに何も返せてないって」

 そういうとユズがスティンガーを捨てて、懐に隠し持った拳銃を取り出し発砲してきた。ワカモはその銃弾の気配を感じた瞬間己の死を確信した。拳銃ではこの距離では充てることはほぼ不可能だ。
だが極限の集中力を得た者だけに宿る光を宿したユズの眼光が必ず当てると告げている。あと半歩前に出ていれば警戒していたであろう。拳銃の弾丸。それが勝敗と決定づけた。
恐らく彼女は急所は外す様に打ったのだろう。それでも生きれるかは五分五分かもしれない。だが痛みは訪れなかった。

 眼を空けると、『転』『移』の文珠を両腕に持った横島が代わりに銃弾を受けていた。血相を変える二人に彼は言う。

「大丈夫だ。急所が外れていれば、狐族以外にはただの小さい弾だし腕で受けた」

 そういうと彼は文殊で弾を『抜』いた後、『治』の文珠で自身の傷を治した。




戦いが終わった後に、横島は先ほどワカモと彼女の部下となっていたもの達に嫐られていた、部屋でモモイとミドリとユズと共にワカモから事情を聞いていた。ベッドに腰掛けている、
横島は火事場の馬鹿力でワカモを助けるために動いたが、彼女たちから注がれた蜜の様な快楽の後遺症が残っている様だ。目の光が僅かにおかしくなっている。だが理性の光は消えていない。
正座しているワカモと彼の間に一応はモモイとミドリとユズが入っている。彼女は一度負けを認めた以上何もしてこないとは思ったが、念のためというものだ。横島はモモイの持ってきた霊力と体力を回復させるドリンクを飲んだ後、
最初に言うべきことを言った。はじめにこれは言っておかなければならないと強く思ったことらしいと感じたこの部屋の面子は真面目な様子で彼の声を聞こうとしている。

「まあ、今回はお互い殺しあう様なつもりはなかったんだろう。だが、頼むからいくら急所を外すとはいっても、親しい女どうしで死ぬ可能性のある様な攻撃はやめてな。本当に」

「……すいません忠夫さん。でもあれは妖狐封印の弾で、妖狐殺しの弾じゃないです」

「そうなんか。ワカモがあんまりビビってたから殺す弾かと思ったで。まあ特定の種族に対して天敵な力はその種族から見ると見分けつきにくいしな」

「……はい忠夫さんが前話聞いた時彼女のことを嫌ってなさそうでしたから。助けられてよかったと言ってましたし」

 その言葉を聞くとワカモは落ち込んだ。

「そうだったのですか、私が死ぬかもと恐れたあまり忠夫様を怪我をさせてしまってすいません。封印の弾なら私が受けた方が傷も残らなかったでしょうし。後で戻すことも容易だったでしょう」

「まあ、俺も十中八九、殺すような弾は使ってないだろうと思ってたけど、万一があるかもと思ってつい助けに入っちまったからな」

 その答えを聞いてワカモが頬を染めた後、少し何かを言い出すタイミングをうかがう様子になったユズを見て、横島が声をかけた。

「ユズ、どうした何か言いたいことがあるのか?」


「……はい。忠夫さんのワカモさんと妖狐の力を与えられた女性陣にされた行為の後遺症まだ残ってます。前世からのかかわりのある奥方さんたちは、
後遺症が残っても大丈夫なものや自分たちで治せるものだけを選んで快楽を与えていますけど、今の忠夫さん危ないです。堕ちかけてる様子見せたら、今回ワカモ様に賛同した人たちにまた襲われちゃうかも」

「そうか、じゃあどうすりゃいい?」

 文殊でも治すイメージが浮かばないとうまくできない。そう思った直後にユズが彼に接近するとCQCで投げ飛ばし、押し倒した。いつも通り彼女の顔は真っ赤になっている。
ユズは彼を犯すときは観察眼と高い技術で容赦がないのに、そういう行為が恥ずかしいらしく顔を赤らめることが多い。


「……警邏隊がマフィアの淫紋を消すときの要領で上書きします。塩見周子ってマフィアが活躍してから狐の関係の淫術の対処の技が進化してますから任せてください」

 ユズが彼を押さえつけている間にモモイとミドリが服を剥ぎ取ってくる。そして、見慣れた体が見えてくる。
彼女たちに刻まれた強すぎる快楽が生み出す幾つものトラウマが蘇り分身がそそり立った。
それを見て悪戯をする直前の笑みを浮かべたモモイとミドリが四つ手で彼の分身を嬲り始める。竿に色々な手が回ったと思えば玉袋がもまれ、いたずらをする手と、優しい刺激が同時に来て、
どっちの手がモモイなのかミドリなのかがわからなくなってくる。何度か寸止めされた後、ユズに分身を飲み込まれた彼は、双子の手で溜まった精液を一気に彼女に注いだ。ユズはワカモと正反対な自分の躰を上手く使い、
より強い印象を彼に刻み付けていく。 二度目の射精を終えると、モモイが彼女と代わった。

「ご主人様の治療の時間だよ〜。気持ち良すぎて辛いかもしれないけど頑張って耐えてね♪」

ユズは後ろから彼を押さえつけると、ミドリが体のツボを押してくる。優しい刺激が余計にモモイと繋がった彼の快楽を引き出し、彼は彼女の中に放っていく。不意にミドリが何かに気づいた様に言った。

「お姉ちゃん、忘れものよ。変態マゾヒストなご主人様の要望がかなってないよ。

「へ?なになに、なんか私忘れていた」


771 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:52:23 ID:EER4THiE

 疑問がるモモイを他所にミドリはモモイが脱いだメイド服の衣服から彼の使用人であるメイドの象徴であるカチューシャをモモイにつける。そしてその後彼の耳に口づけながら言う。

「ご主人様は自分の使用人に情けなく閨で屈服させられるのが好きな変態だってさとり様が言ってましたから」

 ここまで言った後、わざとらしくまじめな口調になって彼女は言う。

「もし違ったら後免なさい」

 そのミドリの言葉にモモイが答える。

「ミドリ大丈夫だよ。多分間違ってないよ。だってカチューシャ付けたら忠夫ったら固さが増したもん」

 余計に固くなってたくさん出した後、モモイの遊ぶような腰遣いで嫐られぬくとミドリがモモイと交代した。彼女はいたわる様な腰遣いで彼の分身を飲み込んで、
子供を甘やかし弄ぶ姉や母の様な目で見下ろし彼の分身を何度も果てさせる。下手をすると小学生にも見える二人に嫐られている事実と、
そして自分にやとわれているメイドのカチューシャが彼を余計に興奮させる。 射精を終えた彼の耳元でミドリが言う。

「妖狐の淫術の後遺症が消えるまでの辛抱です。いえ、むしろ消えたら残念ですか?ご主人様」

 彼が答えに窮しているとワカモが後ろから彼を捕らえて言う。

「わたくしも協力します。妖狐の淫術をかけた以上後遺症を消す上書きもできますから」

 ワカモの乳房が背で潰れると彼は一気に緑に大量の射精をした。ミドリはそれを面白そうに受けると、笑った。

「そういうと思ってました」

 横島から離れた後彼女は手で彼の分身の先端を弄びながら言う。

「女権国家の影響を受けた女性が惚れた男性の痴態にいつまでも我慢できてないでしょうからね」


 ワカモが彼に襲い掛かってきた後彼はひたすら悲鳴を上げぬいていた。その豊満な体で彼を嫐ってくる際に、彼女は確かに堕とすのではなく、
自分がしてしまった堕落の種を消し去る様な性行為だ。だが中毒が強まり彼女への依存が強まっていくのは変わらない。ワカモは仰向けになった彼に自分の柔らかい体を押し当てながら言う。

「この修学旅行の最中、どこまでも付き従い貴方に最高快楽を与えますから、私から離れないでくださいね。た・だ・お・様♪」





しばらくして彼が動けなくなった後、彼女が指示を出すと彼女の部下となっていた彼がかつて助けた女性陣も似たような方法でそれに混じり始める。

 旅行の船旅の中で彼は彼女達との性行為をしている記憶の方が大きかった。有名な建物や町並みなどは、性行為をしているうえでの夜景となっていた。
今度ここを旅行したら、自分は必ずこの夜を思い出すのだろう。そこまで思った時点で、彼の意識が戻る。ゲームが終わった時の現象だ。






 ゲームの外に出た彼はボーとしながら、空腹感を自分が覚えていることに気づいた。恐らくはゲームから出たタイミングで食事をとる前だったためだろう。それを見て、モモイが言う。

「忠夫。お昼時だし、一応どこかで食べてくる?」

「あ、ああ。そうすっか」

 そう答える彼にこのゲーム会社に勤めてから一番の衝撃が襲い掛かった。

「念願のあなた様との性行為だからとはりきりすぎましたわ」

 低く妖艶な声がしたと思ったら、そこにはゲームの中で性行為をしてた相手である狐坂ワカモの姿があった。

「ど、どうなっとるんや?」

 軽い混乱状態の彼の耳に状況をある程度把握しているらしいさとりの声が響く。彼女の声がある程度彼の疑問を解消してくれた。

「どうも、今回彼女も前から貴方を付けていた怪異だったみたいですね。それが今回ゲームの中に一緒に入ったと。相当強いうえに、貴方の味方ですから利用できると思いますよ」

 にやにやと笑うさとりを他所に愛歌が言う。

「それがすべてじゃないんでしょう。白面金毛九尾の狐の化身の一人とかとんでもないものを引き当てたわね。こちらが裏切らない限りは大丈夫だろうけど、気を付けなさい」

 愛歌は英雄に新たな仲間ができたことと御すことが危険な男を堕とす存在の扱いに頭を回している様だ。 ユウキは何か心当たりがある目で彼女を見ているが、
そこに負の干渉波感じられない。後で聞いてみる必要があるかもと思いつつ、彼は大鳳に報告しなければと思った。

 悩む彼を他所にユズが不意に声を上げる。

「……、忠夫さんお腹がすいているならご飯を食べに行きませんか? 社員食堂にとてもおいしい料理を作れる人たちを呼んでいるんです」

 そういえばこの会社は調理場だけは異常に立派だったし作られるご飯も美味しかったと思い出した。きょうぞうが彼女たちに料理を教えていたりもしたらしい。

 食堂に到着するとそこにはブラッドレイと少しだけ似た様子のオールバックの髪をした男性が待っていた。センスのいいコートに身を包み佇まいが歴戦の戦士を思わせる。
ソリッド・スネークと会っていたからこそわかる。彼がビッグボスなのだろう。ユズは見かけると嬉しそうに言った。

「御祖父ちゃん時間通りに来てくれたんですね」

 普段とは違い一切ものおじじしない。その様子にユズは相当に彼に気を許しているのがわかる。ビッグボスも柔らかい笑みを浮かべて答えた。

「久しぶりだな。ユズ今回は恩を売ったことがある相手のおかげでスムーズに女権国家に潜入できた」

 ビッグボスの発言を聞いてもしかしたら、時崎きょうぞうが、忙しくしばらくこの会社にアドバイザーとして手伝えない時期なのと何か関係あるのだろうかと思った。ビッグボスは横島の顔を見ると言った。

「今回は大した陰謀などはもくろんではいない。ただ孫の想い人に興味があっただけだ」

 それだけではないようだが、少なくともそこまで重要な用事ではないと彼の霊感が告げている。

 ビッグボスが入室を促すと、女権国家には珍しい、男性の料理人が入室してきた。

 黒いコートに整った顔立ちをした実業家を思わせる美男子だ。もう少し威圧感などがあれば、マフィアのボスなどにも見えただろうが、どこか善人らしい雰囲気があるせいでそこまで恐ろしくはない。
その人物は柔らかく一礼してきた。横島は彼を見た瞬間、奇妙な警戒心が浮かんだ。目の前の人物へのそれではない。彼の自分を見る視線が若干の申し訳なさと、同情心がある為だ。
これは自分に女性関連の災難で何か負い目があるのだろうか。そう思った直後に彼が口を開いた。

「初めまして薙切・薊(なきり・あざみ)と申します。昔は色々あって道をたがえかけたところを、こちらのビッグボス、ジョンと出会い、少し落ち着く期間を持てと言われて、この人の傭兵企業の糧食班でシェフをしておりました。
本日はジャックに頼まれて娘たちと共に料理をさせていただきました」

 ジャックというのは親しいからこその愛称な様だ。彼の言葉から察するに、相当ビッグボスに強い親愛を偉大いているのがわかる。薊の言葉を聞くとユズが喜色満面という顔に変化した。

「薊さんの料理ですか。おじいちゃんが昼食を楽しみにしてくれていいって言ったから期待してたけど、それなら納得です」

 薊のユズに対する笑みを見て、彼女は怖いところもあるが基本的には善性なんだなと感じた。女性に対する不信感が強い女権国家の男性からも庇護対象扱いされている。

「薊さんですか、ユズ社長と親しい年長者の方なんですね。ユズ社長にはお世話になってます。よろしくお願いします」

 横島のあいさつに対して彼は少し考えた後、答えた。

「ああ。よろしく。実を言うと君には注意しておいた方が良いかもしれないことがあるんだ。うちの娘が――」

 その言葉を低い美声が遮った。厨房から金髪の髪をした凛とした雰囲気の整った目鼻立ちをした美女が現れる。

「お父様、余計なことを言って人を不安にさせる暇があるなら、お母さまを構って上げては如何ですか? ジョンさんからの頼まれごとはもう終わったのでしょう? それならお父様の用事が終わってどこにいるかお母さまに教えましょうか」

 彼女の言葉に薊は少し怯えた様子を見せた。『ママの相手してあげたら?』は『パパを気に入っている娘が友達にいるんだけど』並みのポピュラーな脅し文句だ。だが少ししか怯えていない辺り、妻と仲が良くてかつ妻が良識人なのだろう。

 横島は僅かな警戒心を感じながらも彼女を薊が気の毒なので立ち入り過ぎない程度に諫めることにした。

「なんか知らんが君の父さんは俺に何か忠告をしてくれようとしていたみたいだった。それをそこまで強硬に遮るってことは何か理由があるんか?」

 一応は威圧的になったりしない様に、父親の忠告を遮る理由を質問を質問した。やましいところがないなら今の対応も仕方ないという、ニュアンスを声に込めておく。その言葉を聞くと彼女は若干バツがわるそうに返してきた。

「少し短気だったわ。ごめんなさい。私は薙切えりな。今、貴方に危険人物みたいに言われかけたこの人の娘よ。目の前で男性が迫害されたらいい気分はしないわよね」

「そうか。わかった。俺は横島忠夫」

「ええ。もう聞いているわ。実を言うとお父様が貴方に忠告しようとしたのは、私のことなのよ。横島くん」

 横島と苗字で呼ばれて彼の中でえりなに対する警戒心がガクっと下がった。基本的に自分を狙う女性陣は忠夫と呼ぶ。薊も似たような経験があるのか、娘を見る目の警戒心が落ちているのがわかる。

 その二人を尻目にえりなは言葉を続ける。

「実は私達もオカルトに対する知識は少しはあるのよ。それである神様と縁を結ぶことになったのだけど、私は前世で貴方とそういう関係だったとその神様が言ってたの」

 それを聞いて横島は安心感と僅かな、寂しさを覚えた。前世でそうだったからと言って、今生でもそうありたいなどと思わないが、それでもそういう気が全くないと示されると複雑なものだ。えりなは横島の僅かな落ち込みを他所に言葉を続ける。


772 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:54:05 ID:EER4THiE

「ごめんなさい。別に貴方の前世とそういう関係だったのが嫌なわけじゃないのよ。私の前世は、私の視点から見ても凄く閨の中の趣味が悪くて正直本気で引いているの。それでお父様も前世の私の悪趣味を知っているらしくて、あんなことを楽しむ女だと思われたらと思うと、いい気分がしないわ」

 えりなの言葉を聞くと薊が若干バツが悪そうに「すまん」といった。それを聞くと彼女は少し険しい目になって言葉を続ける。

「お父様、私がお父様に当たりが強い訳はそれだけではありませんよ。お母さまにとっても恩人でもあるジョンさんの頼みの為に家を空けるのは仕方ないけど、家に帰ってこられる時間がもっとあったでしょう。お母さまが寂しがってましたよ」

「単身赴任が気楽過ぎてな。別に真凪のことが嫌なわけではないが、もう少しこの生活をしていたいのだ」

 返答の声が若干の脅えだけでなく後ろめたさも見えるあたり、夫婦仲は健全な意味で良好なのだろう。その言葉にえりなは忠告めいた強い口調で返した。

「それならなおのこと今日は埋め合わせをしてきなさい。そうしておいた方が、次の機会でも渋らずに出ることを許してもらえますよ」

「ああ。そうだな」

 薊は少しだけ悩んだ後、ビッグボスに言った。

「ジャック女権国家を出てマザーベースに戻るまであと5日でしたね。それまでは妻の傍にいようと思います」

「わかった部下に送らせよう。私も後から行く。あの旅館の料理は美味いからな」

 答えるビッグボスは目の前のさらにすっかり興味が移っている彼は相当食欲が強い様だ。




 食事を終えた横島は、ゲームの中で消耗した分の栄養が補充されていく感覚を味わっていた。ビッグボスも満足した様子だ。彼の心底美味いものを食べて、満足げな様子を見ていると、こちらの食欲まで刺激されるようなリアクションが思い出されてくる。薊という人物が道を踏み外さなかったのと、彼とここまで仲良くなったのはあの料理人冥利に尽きる反応のせいもあるのだろう。ユウキの為に料理を毎日作っていた時期もあった彼にはよくわかる。食事を終えるとビッグボスは彼の顔を見ながら言った。

「今回私がここに来た理由だが、霊感なども私は多少はある。だからこそ女権国家と戦っている王国の霊感担当者を見たかったというのもあるが、一番の理由はもしも危なくなったら、
マザーベースまで逃げてこい。『縁』の文珠を一つくれれば、マザーベースに『転』の文珠で来れるようにしておこう。一時的な避難所としては悪くないだろう」

「それだけですか?」

「ああ。優秀な軍人は山ほどいるが、霊感持ちは希少だ。ただ一度避難したり、他のメンバーを送ってきたら、その回数だけ君に私の任務に同行してもらいたい」

 あまりにも破格すぎる避難所の提供である。目の前のビッグボスには明らかに裏が感じられない。だからこそ不信とまではいかないが、不思議だと思う。
一応了承の意を伝えるとビッグボスは少しだけ自嘲気味な様子で答えた。

「まあ確かに理解できないかもしれないが、そこまで深い裏があるわけではない。私の目的が少なくとも王国に被害を出すようなことではないことは約束しよう。それに理由を知ったら、意外としょうもないことだと思うだろうな」

 もしかしたら孫娘可愛さだろうか、と思った直後にビッグボスは時間が来たと言って歩き去った。角を曲がったと思ったら既にその姿はなく、デュークに僅かに劣るが見事な姿の消し方だ。





 ビッグボスが帰った後に彼は、多分あの取引こそが彼の目的だったのだろうと感じながらゲームのスイッチを入れようとすると、えりなの従妹らしい艶やかな銀髪をショートカットにした美女がいた。
彼女は薙切アリスというらしい。横島はマーガトロイドの方のアリスと並ぶとめんどうなので、薙切と呼ぶ許可をもらった。彼女たちもビッグボスとの付き合いでオカルトが実在することを知っており、
実害のないゲームの世界に吸い込まれる現象に多少興味があると言ったためにそれを見たいという要望をかなえることにした。あからさまにわくわくしている薙切アリスと、
興味はあるけどそこまでではない様子のえりなを見て、彼女の方が姉みたいなポジションなのだろうと辺りがつく。ゲームのスイッチを入れながら不意にユズが口を説明を始めた。

「……今からするゲームはお祖父ちゃんが横島さんとぜひやってほしいという、要望を出してきたゲームです。女神達の狂宴(きょうえん) これはいくつか前の輪廻でたくさんの人外と関係した主人公が学園の奥にある遺跡を探りながら、
何人もの男性を快楽の虜にする妖怪や魔物そして神々があふれる土地を攻略していくというものです。被害者な男性を救ったり、あるいは学校生活中に男女問わず色んな人を助けたりして、仲間を増やしたり、
あるいは女性を助けて難易度を上げたりしていきます。完全カスタマイズのキャラも作れるけど、最初は初心者用に横島さんをモデルにした霊感体質キャラや、一周後向きの難易度が高くなっている大鳳くんをモデルにしたキャラもいます」

「今回は俺で行くわけか」

「はい。一応良識派の女生徒をパートナーにして操作することもできます。男性だけだとムリゲーなので。
そのパートナーは私にしておきました。霊感が最低限だけど銃と、CQCをマックスにしてあります。忠夫さん、それじゃあゲームを楽しみましょう」

 そういってユズがゲームのスイッチをオンにすると彼らはそのままゲームに吸い込まれた。





 横島が目覚めると自分は大きな山のふもとにある学校の生徒として入学した生徒であるという情報が入ってくる。
毎度色んな情報が入ってきて実体験として多少とはいえ役に立つ技能なども蓄積されるのに浸食されて行かないのはここがゲームであり、もう起こらない。
あるいは起こる可能性が極度に低い可能性の世界でもあると理解していることと隔てている感覚があるからだろう。 横島が入学した後、いくつものイベントを経て、
学校の近くに山をくりぬいて作った遺跡らしきものがあり、それが女権国家の良識派の女性達から見ればよくない男性の隷属のさせ方をさせる霊的な力のある遺跡であると、彼は理解した。
そして霊能の力で大勢の人助けをして回ったある日自分が、その遺跡の力を受けていることに気づく。


 自分に仕えるメイドであるモモイとミドリとユズを連れて彼は山の中に作られた地下に続く墓場めいた遺跡に来ていた。


 ユズが真剣な瞳でその遺跡を見下ろしながら言う。

「ご主人様の躰に現れた淫紋それを取り除くにはこの遺跡を踏破するしかないんですね」

「ああ。俺が完全に堕ちきる前にここを踏破せなあかん」

 横島は答えつつ、途中で不意に遺跡の扉に触れると淫紋が浮かんだ夜の記憶が蘇ってくる。




 淫紋が浮かんだ日彼は自分が目覚めると遺跡と繋がっていることに気づいた。そして森の中で妖精たちに囲まれている状態と共に理解する。ここは以前プレイした『月下の愛の巣への強制帰還拒否』と同じ地域だ。
町の名前も変わり、多少産業などにも変化が生じていたし、観光名物も変わっていたのでこの時までは気づかなかったが、森の景色を見たことで気づいた。


 動けない彼の所に妖精としてのインプな側面のユウキと悪魔としてのインプの側面のユウキが近づいてくる。そして彼女たちの転生体でもあるワユも楽しそうに参加する気満々な様子だ。

「忠夫〜久しぶりだねー」

「ユ、ユウキ」

「今生は平和な時代で忠夫が十代前半でたくさん経験した英雄並みの戦い。それを上回る事態は起きないってさ。だから、堕としても問題なしって、愛歌も言ってたよ」

 そういうと妖精の方のユウキが笑いながら彼の分身を乳房で挟み寸止めしつつ。ワユと悪魔な方のユウキが彼の顔を乳房で左右から圧迫する。

「とりあえず王国との国境よりの国だから女性優位の性交委は恥ずかしいって常識はあるでしょう。愛歌お願い」

 悲鳴を上げる彼の分身をユウキが乳房から離し、秘所で飲み込む直前に不意に愛歌が現れ彼に接吻した。彼女の舌が口内に入ってきて優しくなめ上げられるだけで、射精が起こりかけている。
それを見越して愛歌は浮き上がりながら、両腕で彼の顔を挟み固定しながら余計に口づけを強め、ワユが離れると背中に豊満な乳房を押し付け、
妖精の方のユウキが彼の両腕を腕でつかみ強引に自分の乳房を揉みしだかせた。悪魔の方のユウキが彼の分身を飲み込んで乳房を胸板に当てると、
彼は涙を流しながらそのまま一気に声すら出せない快楽を彼女の中に吐き出した。屈服のあかしともいえる白濁をユウキは楽しそうに受けとめると、ワユと代わりながら言う。

「忠夫〜『雄々しき獅子の祝福を受けたから』女性にベッドの中で負けるのとっても恥ずかしいって観念が固定されちゃったね」

「あ、ああ」

「この遺跡を踏破しないと、その感性のまま快楽の虜になってずっと奴隷生活だよ♪」

 足で彼の分身を踏みつけながら彼女は笑う。インプの尻尾が首輪の様に彼の首に巻きつき、妖精の方のユウキの尻尾が彼の分身を愛撫しながら、射精を止める。

 それを見とがめる悪魔の方のユウキ。

「ちょっと妖精な僕、射精できなくて忠夫がかわいそうじゃない」

「いやいくら何でも男としての誇りがあるから、さすがに足で出させてなんて考えてないと思うよ。悪魔の方の僕、まさか足で出させてほしいとか思ってないよね?忠夫」


773 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:55:32 ID:EER4THiE


 本当は射精したい衝動に負けていることがわかっている上で聞いてくる妖精な彼女に彼は射精したいというと、

「うわ、僕の想い人ながら最低。しょうがないな」

 そういって笑いながら彼女が話した後、悪魔だけでなく妖精な彼女も足で彼の分身を踏み一気に射精させた。そしてそれが終った直後に射精したばかりで敏感に、彼の分身を秘所で飲み込む。

「ちょ、ちょっとまって」

「足の方が胸や尻や女陰より好きな変態にならないための治療だよ」

「あー!」

 その射精で意識を失いかけた彼を後ろで嘲笑めいた声でクスクスと笑うワユの声が余計に分身を固くしていく。倒れた彼にワユが騎乗して言う。

「前世の再現はユウキの転生体であるあたしに閨で完全屈服で終わるみたいだよ。じゃあいこっか」

「あー」

 ワユがユウキ同様の背が低いながらも巨乳の躰で十分に彼を嫐り、時には離れ動けない彼の分身を乳房で挟み焦らしてから、また飲み込み射精させるなどして遊びつくした。完全に動けなくなった彼に愛歌が上になりながら言う。

「彼女たちは遺跡を踏破したら、貴方の味方になってくれるわ。『雄々しき獅子の植福』があれば簡単には心がおれないでしょう。 私の担当している遺跡まで踏破できたらまた可愛がってあげるわ」

 愛歌と繋がった直後に彼は旧王朝の性魔術を味わった。愛歌に目を除きこまれた後、彼女の意のままに体が動き彼女の乳房や尻肉を揉みしだき彼女に奉仕していく。
射精後に彼女の躰をまた味わえるならどんなことでしようという意識がみなぎってくる。愛歌は笑いながら彼に最後に接吻した後言う。

「私とまたしたいのなら頑張りなさい」

 そういって彼女が消えると最後の口づけで大きくなった分身をユウキとワユが睨んでいた。

「忠夫のロリコン。愛歌も欲しいとか救いようがないじゃない」

「そ、そういうわけでは」



 この後彼は三人に犯されて完全に上下がついてしまった。





 淫紋の後が呼び覚ました記憶に負けかけながらも彼は、どうにか自分を奮い立たせた。この遺跡を踏破して試練を越えなければ自分はかなり拙い結末を迎えるだろう。そう思い入ろうとする彼に嗜虐親に満ちた嘲笑めいた声が響いた。

「あらあら、自分では気づいていない、というか目をそらしているけど、ロリ体系な女性にいじめてほしいという気持ちで、遺跡に挑む決意を固めている変態がいるわよ。こいし」

 声の方向に振り替えると、ピンク色の髪をした少女と青とピンクで彩った服を着た少女と、銀髪の黄色と黒の少女が彼を見ていた。

「だ、誰やあんたたちは?」

「ああ。大丈夫、この遺跡の守り手で貴方をいじめる役をやるメンバーよ。大丈夫よ、ここは私たちの担当じゃないから。ただ自分の本能に気づいておいてほしいだけで。
愛歌にいじめるというか可愛がってほしい。それが貴方の本能だから、頑張って嫐られて人として終わってほしいと思っているわ」

「忠夫―。気にすることないよ。お姉ちゃんなんだかんだで、忠夫のこと好きだから。とりあえず私たちの所までくるの期待しているね」

 こいしの発言に少しだけ照れたような様子を見せた後、さとりは彼女を連れて姿を消した。安心した彼が戸を開けようとしたところでさとりの声が不意に響いた。

「忘れていたわ、せっかくだからプレゼントを。『想起・淫紋が浮き出た夜の情事』」

 二人のユウキとワユと愛歌にされたことが一気に蘇り、駆けていった彼はそのまま進んだ。ワユとモモイとミドリ達が後ろから銃で援護してくれたおかげで大事にはならずに済んだが、精神的にはかなりきつかった。


 さとりの想起で心乱されたが、それでも、冷静さを取り戻すとこの遺跡は相当に綺麗な遺跡で明らかに誰かの墓であることがわかる。そして墓荒らしを殺すものというより、試練を与えて踏破して見せろというタイプの遺跡である様だ。


 横島が最初に相手をすることになった相手はユウキ達であり、彼女たちは割とあっさりと彼の力のありようを見ると合格と言ってこれからは力になることを約束してくれた。


 ただしそれ以降は学校の休みの時などにも来て、何度も彼を犯してきたが。





 ユウキ達と戦いを終えた次のフロアのボスはアリスだった。彼女は横島の人形などを遣って襲い掛からせてきたが、一度勝った時に前世の再現人形劇をしながら人形に意識を映し、
彼に前世と同じ光景見せながら自分は現実の彼の体を嫐った。一回だけだが彼女の優しすぎる堕落を誘う魔女らしい性行為は彼の体の中に蜘蛛の毒の様に根付いた。




 遺跡を進むほかに、学校での行事などでも彼は今まで助けた女性達に嫐られる回数が増えている。

 アリスが人形を使い彼が人形と同じように動くようにして、そして彼を犯す彼に助けられた学校の女生徒たち。女権国家の女らしく、笑いながら言う。

「アリス様の言う通り、もう今生は種付けするだけの家畜になったら? マゾだしこれで良いでしょう」

 アリスは笑みを浮かべながら彼が嫐られる姿を見ながら笑っている。善人でも性行為がえげつない女を彼女は横島に嫐らせるのを楽しむ癖がある。
そうした後に自分が甘やかす性行為をすると彼の意識がドンドン堕ちるのを自覚しているのだ。善良でありながら閨でだけは畜生な女性達に辱められぬいた後彼女たちは、アリスに言う。

「それじゃあ、忠夫の回復お願いします。回復させてくれる保証がないと、恩人相手にあれは気が咎めるので。おかげさまで気兼ねなく遊べます」

 閨の中以外では彼女たちは善良だ。遺跡の攻略に自分の身の危険も顧みず、協力し指揮官として横島を敬い礼儀正しい。だがそれは公私を分ける気持ちではなく、
落差を与える趣味な気もする。あるいはどちらも含まれているのか。


 性行為が終ったあと、アリスが彼に覆いかぶさり優しい性行為で彼と繋がると。彼は射精と同時にアリスの柔らかく淫らの殻に溶かされていく感触を味わった。
彼女たちのえげつない罵倒が蜜の様になり。アリスが耳元でささやく愛の言葉が脳を溶かしていく。

「忠夫、ギブアップして私たちのモノにならない。今生では劇的な成長はもうありえないわ。何しろ敵がいないのだから」

「あ、ああ」

 腑抜けになり果てている彼の顔と呻きだけで言いたいことを察した彼女は笑う。

「それでも少しでも強くなった方が、来世で私たちを護れる可能性が上がる? フフ♪」

 横島の返事を聞いたアリスは嬉しそうに笑い。彼とより一層体を強く重ねる。霊力でできた糸を彼の体に入り込ませて、乳房を時に揉ませ、尻を強く握り閉めさせて。
敢えて彼の耳元で喘ぎ声を聞かせる。射精を繰り返して気絶する彼を見下ろして笑いながら彼女はそのまま人形たちに彼を預け体を洗わせ始め、自分も風呂場へと向かった。




 その後もエリナと薙切の方のアリスの料理などで体力を回復しながら彼は全ての遺跡を進んでいった。途中でワカモだけでなく獣人の砂狼・シロコなる人物と彼は出会いその協力を得ることになる。
彼女を見て彼の霊感がひどく疼くのがわかる。銀髪でショートカットの豊満ではないが、均衡のとれた体をした彼女はヴィヴィオ程で目立ちはしないがオッドアイだ。彼女は横島に会うと不意に言った。

「ん、今日から忠夫の遺跡攻略に付き合うよろしく」

 端的にそういった後の彼女は時々横島と共に行動を共にすることが多かった。ワカモとは非常に仲が悪く、彼が間に入らないと危ないことが多く、狐と狼だからかもと彼は思ったものだ。
しかし、モモイやミドリ達とは険悪にならなかった。綿密な計画を立てて常に遺跡の踏破に彼女は適切な意見を出した。凄まじい戦闘力をを持つワカモとはそこが対照的だと彼は思う。



 シロコがここに加わってから、遺跡の攻略はすさまじく早く進むようになった。モモイやミドリやワカモも決して見劣りするわけではないが、彼女はこの墓場という遺跡と深い関係があるかの様に思える。





 一年半をかけて学校生活でも、遺跡の中でもいろいろな女性に嫐られながら様々な技術を磨き全ての遺跡を踏破して数々の快楽に耐えながら彼はついに最後の部屋にたどり着いた。



 最後の扉を開けるとそこには壁いっぱいに描かれた自分の前世たちと思える、人物とその妻たちの閨事の逸話を描いたらしい壁画がある壁のある部屋だ。
不思議と厳粛で神聖な気配も保っているのが、奇跡と言える。そして手が届かない高い位置に幾つものの彼と妻たちを思わせる人形が飾られていた。
その淫猥さと威厳が両立した部屋で、まっていたのはネプテューヌとヴィヴィオと初めて見る女性だ。はじめてみる女性はウサギの耳を付けた、金髪のグラマラスな体系をした女性だ。彼女横島を見ると、楽しそうな顔で言った。

「久しぶりだな。忠夫、私は韋駄天の分霊が女権国家に馴染んだ神様シャーロット・E・イェーガ。通称はシャーリー何回か前の前世でお前と深い仲だった女神さ」

 そして彼女の横には食事店で彼にバフのかかる料理を作り続けてくれていた薙切えりなと、薙切アリスの姿がある。

「韋駄天様はご馳走様の語源の元でもあり厨房の守護者でもあるから、私たちは仕えて歌と言えるの」

 悪戯めいた笑みを浮かべる二人を見て彼はいよいよ嫌な予感を覚えた。そして彼が剣を振るおうとした瞬間さとりが現れて、言った。

「『想起・今までの様々な生涯で味わった快楽』」

 さとりの言葉と共に彼は異常な快楽の記憶が襲い掛かってくるのを感じた。それと同時に、快楽で脳が壊されかけながらも、なぜさとりがこんなことができる?という疑問が浮かぶ。さとりは彼が今生で体験したことしか想起・できないのでは?

快楽で震え射精して精液をまき散らす彼を覗き込みながらさとりが言う。


774 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:57:03 ID:EER4THiE

「簡単なことですよ。ここのおかげです。ここはあなたのいくつかの前世のお墓そして冥府に近い場所。だからこそ、例外的に今生以外の性的トラウマも想起できる。
一瞬で全部思い出させたけど、脳が処理できなくて、忘れているでしょう? それでも戦意残ってる? マゾ男」

 横島にはもう一切戦う気力が残っていない状態になっていることが自分でもわかった。そしてネプテューヌがヴィヴィオに言う。

「それじゃあ、そろそろ前世の再現と饗宴に移りましょうか」

「ええ! 今回の忠夫さんも伝承に語り継がれるだけの活躍をした以上は、私たちの神話の地続きとしましょう」

 そういってネプテューヌとヴィヴィオが笑いながら、近寄ってきて言った。

「お兄ちゃん、あの言葉を覚えている?」

 ヴィヴィオの問いに直ぐにその言葉が思い出されたのはさっき受けたさとりの想起のせいだったのかもしれない。
彼はいくつも前の前世でネプテューヌに向かって、結婚してほしいと言われた時に大きくなっても思いが変わらなかったらと答えたら、
一瞬で大人の姿パープルハートになられて犯されたことがある。そして何度かの生まれ変わりの後、ヴィヴィオにもそれと同じことをされた。その時の記憶が今でも思い出される。そして二人は笑いながら言う。

「今生でも同じ約束しましたよね」

「ええ。子供相手だと侮っていたわね。私も女神なのに」

 礼儀正しい声に変ったヴィヴィオと、少女ネプテューヌから女神パープルハートになり、妖艶で気さくな声に変っている。シロコが彼を拘束しながら言う。

「ん、ここが私の領域ここでするために今まで協力していた」


 ヴィヴィオが最初に彼にくっつき分身を飲み込むと、ストレリチアの加護の力もあってか、彼は一気に射精して果てた。ネプテューヌが笑いながら言う。

「本当に忠夫は早漏ね。ヴィヴィオをもっと満足させてあげなさい」

 ネプテューヌが豊満な乳房を当てて、笑いながら早漏さを笑うとヴィヴィオが何度もかれを射精させる。ヴィヴィオが入れ替わると、ネプテューヌが彼の分身を飲み込んだ。

「ああー!」

「ほら、ただわめくだけじゃ嗜虐親が増すだけでしょう。もっと私を満足させなさい。ヴィヴィオ手伝って上げてくれない?」

「しょうがないですねぇ。忠夫さんは」

 ヴィヴィオが背後から彼に抱き着き腰を無理やり降らせると、彼は何度射精し始める。彼女にツボを押される度にどんどんと、射精の量が増して堕ちていく感じがする。倒れる彼から、離れるとえりな、
薙切アリスとワカモとシャーリーが近づいてきた。えりなと薙切アリスが彼の傍に来ると、えりなが動けなくなった彼の耳元に唇を近づけて言う。

「実を言うとワカモ様とシャーリー様は穀物を司る神と、食物を運んでくれる神様なのよ。そして私は神の舌というものを持っていて、
すごくおいしい料理が作れる代わりに、あまりにも舌が敏感過ぎて、食事を楽しめなくなって自殺することもある類の体質だったの。それを救ったのが貴方の前世、
韋駄天様との縁をもって私が絶望しない様に、様々な食物を運んできて食事への興味などが失せない様にしてくれたのよ」

「そ、そうなんか。えりなちゃん助けて」

「ようやくこう呼べるわね『忠夫』」

 忠夫という言葉に、女権国家の女性が意中の男に込める声が含まれていて彼は絶望した。今までえりなとアリスは横島と呼ぶことで自分たちが彼を狙っているとわからないようにしていたのだ。

 そしてえりなは彼の分身を飲み込むと笑いながら言う。

「本来あなたは韋駄天様の加護受けし戦士だから私達より偉いんですよ。ですが女権国家である以上は、婚礼の儀や夫婦に契りはこうよ」

 一応は善行や多大な功績で、韋駄天の神々の一因ともみなされている自分が、自分にかしづく信徒である料理人の下部となる婚姻の儀式、性行をしていると思った瞬間彼の分身は余計に固くなった。それを見て笑うさとり。

「この状況で固くなるとか人格おわってますね」

 さとりの嘲笑で彼が射精すると薙切アリスが交代してえりなが後ろから彼を押さえつけながら言う。

「忠夫、貴方はこの遺跡の攻略の上で、一年半私たちの料理を食べていたでしょう。その結果沢山の細胞がシャーリー様やワカモ様の加護を受けて、私たちに反応しやすくなっているわ。
想像してみて、もしも次の生まれ変わりで赤ちゃんの頃からずっと私たちの料理を食べ続けたらどうなるか」

 薙切アリスがそういいながら彼の分身を嫐りエリナと二人で彼を挟んだまま抱き留めて射精させると彼は完全に堕ちそうになっている。そして二人は笑いながら離れる。

「シャーリー様。貴方の下部である、私たちに閨で屈服しきった彼は貴女様の快楽への体制が落ちています。仕上げをお願いします」

「そうだな。じゃ、いくよ忠夫」

 シャーロット・イェーガが彼の上になり体を密着させると彼は、何度も射精起こした。彼女は乳房を彼の胸板に押し付けると乳首で彼の乳首を愛撫したり、
自分の胸を潰して遊んだりした。そして彼の腕を無理やりつかむと仰向けの彼の横になっているえりなと薙切アリスの胸を揉みしだかせた。
そして自分も残った腕で彼のえりなと薙切アリスの胸を揉みしだくと、二人はシャーリーの愛撫で絶頂した後、横島には惨敗したことを突きつけるような嘲笑の目を向けてくる。それを見てさとりがいう。

「おやおや、嘲笑の目で余計に固くなってますね」

 ワカモが彼と代わると、彼女の加護で育った穀物の効果か余計に敏感になった分身が一気に落ちていく感覚がする。ワカモも彼と交わる際に毒薬の様な快楽を与えつつ、
エリナと薙切アリスに視線で指示を出して、彼を犯させた。その度に自分より宗教上身分が下の相手に閨で屈服させる快楽が彼を蝕んだ。


 彼女たちが離れると、シロコが言った。

「ん、これで全ての細胞が私たちに屈服しやすくなった。それではもう一度行く」

 シロコが服を脱ぎ去り彼を襲うと。やや控えめだが、均衡のとれた体で彼は何ども絞られる。狼の与えてくる快楽は終わりがない。彼女が目配せをするといつの間にか来ていた人形遣いの方のアリスが笑って言う。

「本当に名前の力って侮れないわね。薙切さんの料理で慣れたせいか私の糸も通りやすくなっているわ。忠夫それじゃあ行くわね」

 アリスの糸が彼の体に入ってくると彼の体中の性的快楽が余計に強くなっていく。
そしてこの遺跡の攻略中に味わった快楽や、学校生活で味わった快楽を彼は再び味わうことになる。 いつの間にか祭壇の前のベッドに彼は移されており、エヴァが大人の姿でいて、
彼を抱き込むと乳房を押し付け笑いながらベッドの中で血と精を吸い取り始める。

「うむ血の味が上がっている上に細胞全てが私達全員の、与える快楽への反応が良くなっているな」

 彼女は横島が快楽で脳が壊れた直後に回復させるドリンクを置いていった。

「シャーリー殿とえりなと薙切の方のアリスも受け入れろ。その方が有用だろう」

「は、はい」

 快楽と屈服感で無条件に肯定する彼に満足そうに頷くとエヴァは姿を消した。





 全員に犯されぬいた後、ヴィヴィオとパープルハートとシャーリーがとシロコが入ってきた。

 彼女たちは再び彼を嫐りだしたが、その中で会話を交わしはじめる。

「ヴィヴィオ、今生でも私は貴女が彼とそういう関係になったことを嬉しく思うわ。何せ私と婚姻を結んだ時と同じなんだから」

「そうなんですか」

「ええ。『おっきくなったら結婚して』と言って言質を取ってモノにした。そういう私と同じ形で彼の転生体をモノにした女性が出てくると、神話での私とのつながりも強化されるもの」

「そうですか。私としても、聖王となってからは女神との競合は利点が多いですしね」

 片手間で彼を何度も射精させ、その度にお互いに投げ渡しながら彼女たちは続ける。

「ん、私としても冥府の守り手として、忠夫が来た時に使える手段が増えるのは喜ばしい」

 シロコは楽しんでいながらもまるで機械の様に同じ動きで何度も彼を射精させながら言う。

「まあ、女権国家やストレリチアの女神に愛されたものはある意味天国な快楽地獄が結末なのは相場だからな」

 シャーリーは時々彼の時間を加速させて、そしてそれを切ることで一気に快楽を訪れさせることなども繰り返した。

 完全に彼が快楽で倒れビクビクとしたところでシロコの姿が不意に変化し始める。長い髪になり乳房がやや控えめなものから大きくなる。そして女権国家の女性らしい豊満な体になると言った。

「ん。忠夫儀式の最後の時間。人として自由人としての最後の矜持を護りたければここからでる。それができないなら」

 そこまで言うと、彼の分身を手で撫でていう。

「これを。私に入れる。その時冥府の神々の眷属の者となり、来世もそのまた来世もこれと似た一生が繰り返される」


775 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:59:03 ID:EER4THiE

 シロコが与えてくる手の快楽が消えた後、ヴィヴィオやパープルハート、シャーリーの体を見て彼はシロコに近づいていく。たくさんの壁画などが動き始め、それが彼の閨での無様なエピーソードなのだとわかる。
リアルさを増した壁画時には純愛。あるいは女権国家でも鬼畜過ぎる辱める行為。そういう行為を壁画の中でされている自分の感覚と共有されていく。
彼を嫐っていた女性陣は彼に口づけしたと思うと、いきなり、壁画の中に入ったりすると、その女性が描かれた壁画がもたらす快楽がとトラウマが強まっていく。
彼女は嘲笑めいた目で勝利を確信したシロコの内部に分身を差し込んだ。その瞬間射精と同時に何かが断ち切られ、一気に彼は堕ちていく。自分が壁画の中に入ったのか、
それとも壁画から出てきた女性達に嫐られているのかそれすらわからぬまま、彼の意識が混濁していくといつか人形の群れが現れ壁画と同じような動きをし始めていく。
彼は人形がもたらす快楽までも入った後は、自分も同じくアリスの糸で動かされる人形となった。最後にさとりが彼と繋がって全てのトラウマを想起した後はただ、全ての女性に女性優位の性交をされたことしか覚えていない。
全ての女性が満足した後彼はようやく遺跡から帰ることを許された。不思議なことに相当な時間嫐られたのに対して時計を見ると時間は殆ど経過していない。

それに対していつの間にか近くに来ていたシロコがいう。

「ん、冥府と人間界では時間の流れが違う」




その日から敗北した彼の学校生活は青春というより性春な日々だった。えりなと薙切アリスに夜食をもらったと思ったら犯されぬき。
教師をしているエヴァに補修として呼ばれては遺跡に連れ去られ。アル社長は普通にアリスと愛歌やモモイと共に彼を癒し、助けた女性陣までこの遺跡とつながりが深くなり
、彼を貪る快楽が増えていった。そして最後に、次回の捜索者に期待しようと出て終わった。





 ゲームの中から出た後、彼はいくつかのスキルのコツがつかめた感覚と、自分の精神が大幅に堕ちていることに気が付いた。その彼に少しだけばつが悪そうなえりなとアリスが言う。

「ごめんなさいね。ゲームの中での初体験とはいえ、狙ってないふりをして不意打ちしたほうが印象に残るかと思って。名前でなくて苗字で呼ばれると油断するでしょう女権国家の女性は狙った男は名前で呼びたくなるけど、
稀に我慢して苗字で呼んでくる女性もいるから気を付けて」

「あ、ああ、いい勉強になったわ」

 ベッドの中で惨敗しすぎたのと、本気で惚れている好意を伝えられたせいで憎みづらい彼はえりなと薙切アリスの与えてくる快楽が頭の中で繰り返されている。

 そしてその彼にユズが声をかける。

「忠夫さん、今回のゲームに関してはちゃんと責任を取ることができますから任せてください」

 ユズの言葉に疑問を覚えたが彼は、ユズの言葉を信じて、ついていくと彼女はナイフを構えていった。

「……私と戦ってください。たった一つの特殊能力をお見せします」

 それを聞いて、横島は心底疑問に思った。明らかにユズは嘘を言ってない。だが、彼女に特殊能力などないはずだ。彼は僅かな疑問を抱きながらも、ユズと戦った。






 戦闘終了後に彼は信じられない思いをした。あれだけひどい快楽にむしばまれていたのに、今の彼は完全に正気に戻っている。快楽を忘れたわけではないが、信じられない程の健常な精神だ。それに対してユズは言う。

「……実を言うと、私のお父さんソリッド・スネークと私は戦って倒した相手を正気に戻すという、謎の力があるんです。これを使えば女権国家の女性達に快楽付けにされた人間でも戻せます。
……でもこれは自分たちでも原理とかよくわかってなくて、一度治した相手はもう二度と無理かもしれないんです」

「いや助かった。これがあるからこそ、俺にあのゲームやらせてくれたわけか。確かに凄くたくさんの技能のコツをつかめたし有用だったで。一生に一度の治療と引き換えにするくらいの価値はあった」

「……本当は忠夫さんが女権国家の女性にやられて壊れたらやるつもりだったんですけど、技能を身につけさせないと危ないかもしれませんし。
それにあのゲームをプレイする用意勧めたのは祖父でしたから何か意味があるかもしれなかったので」

「そうか。ビッグボスいったい何のためにやったのやら」

 そういいながらも、横島は考えた。多分一度だけなら快楽堕ちしても正気に戻れるというなら、自分は油断してろくでもないことになっていたかもしれない。
大鳳やジャギでもその可能性はある。恐らくは油断させないためかあのゲームで得られる技能が一番自分にとって必要だったからなのだろう。実際に相当な経験値が自分の中にたまったことを確信した後、ビッグボスとの同盟しての共闘などに頭をはせつつ、大鳳やジャギに話してもいいものかなどの悩みが彼の中に渦巻いていた。だがトラウマを克服し見方が増えたせいかネガティブな感情は一切浮かばなかった。




オマケ@
 ビッグボスが横島をあのゲームの中に吸い込ませたかったわけ。

 ビッグボスに一度頼ることになった彼は今はビッグボスの依頼で、女権国家に対抗する組織の協力活動を行っている。対悪霊用のマシンガンを装備したボスは大勢の敵をなぎ倒しながら、
テンションを上げている。そして戦闘が終わった後、凄く嬉しそうに横島に声をかけた。

「レーションも良いがジャングルでいろんなものをキャプチャーして食うのも森の戦場のだいご味だ。というわけで横島頼むぞ」

「俺をあのゲームに投げ込んだ訳って、韋駄天の加護を通して食料を取ってこさせるためですか」

「ああ。キャプチャーしそこねた食材があるから捕まえてきてくれ。あの川のでかいカエルが上手いらしい」

 見つけるのが困難なものでも、韋駄天の加護を受けてからは横島はすぐ見つけられるようになった。軍神だからこそ戦闘力も上がったし、
速度も上がったがそれはそれとして納得できない思いもある。ソリッドに言いつけようかとも思ったが、大人げないし何より親王国派の強力な傭兵団の隊長だ。
嫌われても良いことはないと思い、直感の導くままにビッグボスの所望の食材を取りにかけた。ビッグボスのことはきらいではないが、あまりイラっとさせられたら、
吸血鬼が怖いらしいからエヴァに来てもらうのも良いかもしれないと思いながら彼は駆けた




オマケA
 パープルハートやワカモやシャーリーやシロコがどこで横島とかかわりを持ったか。

 横島をゲーム中で嫐りぬいた面々は今王国諜報部のアジトで正座をさせられていた。そして彼をしかりつけているのは初音ミク。王国の守護神ともいえる女傑である。横には大鳳が控えて呆れている。

「一度忠夫を再起不能に仕掛けるほどの女神として快楽与えるとか何考えてるんですか!」

「そうね。貴方たち一応王国の守護神とまではいかなくても、王国で祀られている神様でしょう? シャーリー貴方も女権国家の影響で女体かしたとはいえ王国の軍神なのに自覚が薄いんじゃない」

 ミクの激怒というより釘を刺す程度の怒りに対して周りはバツが悪そうに答えた。

「いや、ハハハ事情知ってたから、多分ゲーム中で壊れても治す方法用意してあると思ってさ」

 シャーリーの言葉に大鳳は返した。

「皆さんもそういう手段もってない訳じゃなかったし、忠夫の周りの女性陣も一応用意してたみたいだけど、完全に治ると保証はなかったそうじゃないですか。今は彼が王国の霊的防衛隊長みたいなものだと理解してください」

「ん。壊れたら壊れたでその分私たちが頑張る」

「貴女達の戦力も大きいけど、それでも何の意味もないことで忠夫の戦力が消えたら無駄すぎる消費でしょう。女権国家に着た後の縁は警戒していたけど、まさか王国で忠夫と一緒にいた時に感じた変な気配の皆さんが原因だったとか。
ユウキを助けるために神頼みとかも結構してたしね」

 呆れつつ、大鳳は横島が無事であったことを喜び、信じられない程健康になっていたことに少々の疑問を抱いたがスルーすることにした。横島が話そうとしないということは考えがあるのだろうと信じたためだ。




 後書きとユズがソリッド・スネークから引き継いだという能力についての解説。

メタルギアの主人公の一人ソリッドスネークは人間離れした能力を有する超能力者や超人相手に、鍛え抜かれた兵士の能力で倒していき基本的には超能力めいた力はないものの、
明らかに自分と戦った相手の精神を浄化する類の力があるとしか思えないような描写があり、一作目では非人道的人体実験を受けて精神が崩壊していた、旧友と殴り合ったらその旧友が次に会った時に正気に戻っていました。
他にも、ソリッド4だと強烈なトラウマを植え付けられて精神がゆがんだのを利用されている女兵士たちの精神を不殺で倒すと浄化していたみたいなので。明らかにこれは特殊能力と解釈して書きました。
ただし公式では『多分』名言されていないので注意を。


776 :767:2024/06/14(金) 02:05:49 ID:EER4THiE
すいません今回投下した話>>759から>>764までに投下した話の続編って注意書きに書き忘れてました

777 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 15:48:50 ID:FgPXcQVP


778 :767:2024/06/14(金) 21:33:57 ID:EER4THiE
>>777
乙感謝です

779 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 21:46:41 ID:Q955qKlc
女権国家二次創作SSストレリチアの隠し神話・聖王御乱行事件の真相
このSSは本スレで掲載されている女権国家の二次創作小説です。以下の注意書きがあります。

@>>767から>>775まで投降した話の続編であり、さらにその話にアンカーをつけ忘れており、その話は>>759から>>764の続きです。
A色々なキャラクター、食戟のソーマ・ストライクウィッチーズ・ブルアーカイブ・ネプテューヌシリーズのキャラクターが横島ヒロインになってます。一応女権国家にまだ
B女権国家にまだ出ていない上に出演しない可能性の高いキャラクター達をヒロインにしているつもりだけど、見落としてたり、横島ヒロインではなく他の男性キャラのヒロインとして起用されていたら申し訳ありません。
Cストレリチアの風習や気風に独自解釈が加わっており、卑怯な行いに対する許容度や、卑怯な行いをした際の理由による対応は殆どこのSS独自のものです。本編では全く違うかもしれません。
Dヴィヴィオと横島が前世から繋がっていた設定だけど、執念を燃やして男性を得るシチュエーションの為に、SSにしか出ていないヒロインが先に横島と付き合ったことになってます。
Eスレ主さんの作品である『邪な騎士と横島と騎士』の影響で横島それに出てきたヒロイン達が横島ヒロインとなっています。
F異世界から神様が訪れやすい場所があるというのはこのSSの独自設定であり、異世界から来た神様が来た場合の体質などもこのSSの独自の設定であり、女権国家で同じ様な展開が起きた場合は、本編での設定と混同しない様にお願いします。
Gアリスという名前のヒロインが三人になってしまったので、見分けを付けるために名字だけで表記したり、していますが、基本的にアリスと書かれたのが本編出ている人形遣いのアリスです。




 深い闇が美しい夜の街で石畳を歩む音が響く。何も飾り建てしなくても美しい夜の町並みは、禍々しい気配により恐ろしくだが、それでも普段とは違う形で美しく整えられている。その音の元は青い衣装に身を包んだ青年だ。
赤いバンダナに身を包んだ彼は、それなりに整った顔をいつもは異なり崩すことなく歩んでいる。幾つもの札を構え、汚れた瘴気を放つ慰霊碑にたどり着くと彼は文殊で幾つもの札を『強』『化』してばらまいた。
その瞬間あたりを包む空気がまるで死ぬ直前の痙攣を思わせる様に揺れ始め、最後の抵抗をするかの様に彼に向けて紫色の火炎を纏った鬼の面となる兜を付けた東洋の甲冑を付けた鎧武者が現れる。


鬼面の武者の痛みが生んだ馬鹿力を思わせる壮絶な剣を辛うじてだが、彼は受けた。僅かに力で劣る形で彼はやや下がったものの大勢は崩れていない。鎧武者は僅かな有利が生んだ余裕を周囲の気配を探ることに使った。
あたりに意識を割くと彼のばらまいた札が瘴気を浄化して良き霊力を彼に注いでいるのがわかる。鬼面の武者は札の外に出るべきか否かの僅かな逡巡の後、剣を引き全力で彼に切り込んだ。

袈裟斬りの構えのそれを横島が受けきると彼は即座に鍔迫り合いに移った。そして距離が縮んだ直後に彼は拳を繰り出しに移る。
そして精密機械めいた速度と正確さで片方の手を離した瞬間刀を持つために残した片腕の負荷が焼失したことに気づく。
僅かな隙を生じさせたものの力強い拳を繰り出した直後に相手の刀の所在を確認すべく横島の霊波刀を見ると彼の霊波刀が手甲に変わっている。
そして拳を繰り出した手が彼の腕で殴られた。 腕の鈍痛を感じた鬼面の武者は、この痺れがどれほど続くか調べようとして無意味であることに気づいた。
距離を取った横島が無数の札を投げてきてその時点で、片腕がこれでは防ぎきれない。残る刀でどうにか切ろうとしたが、横島が手に持った文珠に『速』を入れて発動させた直後に札の速度が上がり、彼はそのまま幾つもの札を受けて焼失した。




 鬼面の武者を倒した後、横島は滅多に見せない整い切った顔で真剣に彼の生前の行いを称える呪文を唱えた。
そしてそれが終ると、禍々しき気配が消え去り、静謐さが美しい夜を彩り始める。さっきまでと景色は変わっていないが、美しさの種類は完全に変わった。



立ち去ろうとする彼の前に再び鬼面の武者が現れる。だが、彼は一切警戒していない。禍々しい気配は一切なく、むしろ神々しい気配がしている。鬼面の武者は彼に礼を取ると穏やかな翁の声で言った。

「感謝いたす。名も知らぬ霊能者殿」

「そういってもらえると助かります。鬼面(きめん)様。穢された貴方を浄化したほうが王国に有利だからさせていただきましたので、今後も前と同じ神様としたお役目をお願いします」

 横島がここに来た理由は名も残らぬ女権国家で大勢の人を助けて崇められた王国の武者を正常な神に戻すためだ。多くの女権国家人を救い、
この国境よりの集落で強制婿入りさせられた後、女権国家の女性でも倒せなかった怪異を倒して大勢の女性を救った彼は、大勢の女権国家女子を親王国派に転じさせた。
そして今では、女権国家が先に戦争のルールを破ったことで勢いづいている、親王国派の、戦争犯罪反対派の守り神でもある。女権国家の急進派それもかなり有能なもの達の工作で悪神化していて、
このままでは数百年は眠らなければもとに戻れなくなっていただろう。

 完全に元に戻り謝辞を述べる彼に横島は言う。

「鬼面様、一つ問いかけさせて抱きたいことが、最後の祝辞がなくても元に戻れていた可能性は高いと思いますか? 具体的には俺と戦って敗れた後とか」

 横島がここに来た理由は、かつてユズに敗れたことで正気戻った能力を、文珠で『再』『現』していたので効果があるか否かを見る為でもある。あれができれば快楽付けにされた大鳳達を助けることも容易だろう。

 それに対して鬼面様は少し悩んでから答えた。

「貴殿に敗れた後、大分楽になり申した。絶対とは言えぬが、恐らくは最後の祝詞がなくても、正気に戻ることはできたであろう」

「ありがとうございます」

 大鳳やジャギが快楽付けで壊れたり、敵の傀儡になっても『再』『現』の文珠でユズの戦って倒した相手の精神を回復させる能力を使えば助けられる可能性が高いと彼は理解した。



 鬼面の武者がこれからも国境の親王国派の女性人たちの活動を霊的に支援することを約束してくれた帰り道で、彼はユズたちの作るゲームに吸い込まれた後のメリットの一つを強く認識していた。


 ユズが社長を務めるゲーム会社で時々作られる彼がゲームの中に吸い込まれる類のゲームは、吸い込まれた世界の経験全てを現実に持って帰ってこられるわけではない。
だが、ある程度コツなどを掴めることもある。それだけでない。もはや起こらなくなった、または起こる可能性が極端に低い世界線の物語でもある為か、現実世界でも使える情報が手に入ることもあるのだ。
今回の鬼面の武者をまっとうな神に戻すことができたのも、ゲームの世界に吸い込まれなければ、手に入らなかった情報によるものだ。さらに、余程でなければ性行為などを通じて堕ちた部分はゲームの外に出た時に消え去っている。
間違いなく吸い込まれた先で同じく吸い込まれた女性達と現実世界と変わらない性行為はしているのに、精神的な後遺症だけはなくなる。もしくは大幅に軽減されている。
これは彼女たちの作るゲームが大鳳の知り合いである大統領のカフェD4Cと似ていることと何か関係があるのかもしれない。





 戦いを終えて、宿に戻った横島はシャワーを浴びて寝室に戻ると、大人の姿になったエヴァが自分のベッドに腰掛けていた。彼女のその様子を見て期待と恐怖が同時に湧き上がってくるのを感じる。
逃げようとはせずに前に出るとエヴァは上機嫌に彼の顎を掴んだ。

「忠夫、見事だったぞ。 あの鬼面の武者を救った姿実にいい男ぶりだった」

「ああ。 それで今日はいったいどうしたんだ」

「最近はあの奇妙な現象ゲームの中に吸い込まれた先でしか閨事をしていなかったからな」

 そういうとエヴァは一瞬で魔術を使い自分が纏う服を消し去った。女権国家の女性は全て妖艶で美しい体をしているが、夜のエヴァは特に美しい。
吸血鬼は棺桶にいるとき裸で寝る理由は、その肢体の美しさで魅了して攻撃を止めるためだと何かの本で読んだ気がするが彼女の裸体を見ているとその通りなのだと思えてくる。
黒いマントを敢えて脱がずにいた為か、肌の色が余計に引き立てられている。エヴァは笑うと彼を抱き寄せて、乳房を胸板で潰しながら、口づけする。吸血鬼とのキスで脳内を割られた彼を抱きかかえると彼女は言う。

「忠夫、この町は実を言うと、『月下の愛の巣への強制帰還拒否』では発展して街になった場統合されていた地だ」

 それを聞いた瞬間、横島の心にエヴァがベッドに腰掛けているのを見た時と同じ期待と恐怖が走る。だが今回は恐怖の方が大きい。あのゲームの中と同じことをされてしまったら、自分はどうなるのだろうか。エヴァは少しだけ面白そうに笑うと言った。

「安心しろ、暗部を引退するまでは、使い物にならなくなるような溺れさせ方はしない。あの城は吸血鬼の主人を待っていてな、お前のおかげで力を取り戻したおかげか、私はあの城の主と認められたぞ」

 そういうとエヴァは彼を抱えて、宿の鏡に体当たりした。割れる、弁償、そんな単語が浮かんだがその心配は杞憂に終わる。鏡が映画で見るようなスライムの様になり、彼とエヴァを受け止めると、そのまま食らう様に彼らを中に取り込んでいった。


780 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 21:48:57 ID:Q955qKlc




 次に彼が目を開けると森と庭園を見下ろせる城の寝室にいた。恐らくは寝室の姿見と繋がっていたのだろう。エヴァは景色を見せるように指から出た魔力でできた糸で彼を操っていたが、
彼女がそれをやめると彼は指一本動かすことすら辛くなっている。エヴァの口づけがそれほどの快楽と脱力感を生んだのだ。

 彼女は笑いながら言う。

「あの旅宿はこの城の城主の傘下でな、女権国家が不義なことをした際に敵対した派閥の家系らしい。今ではここの城主に恩はあっても配下というほどではないそうだ。
だが女権国家が不義なことをして侵攻した際は王国にとって味方寄りの中立くらいの行動をとる。 この城の城主となった私との婚姻といくか」


 そういってエヴァが彼に近づいてくると服を剥ぎ取られた。そして彼はエヴァの魔力の糸で動かされながら、王国でいうところの正常位の体制となった。
エヴァはこの体制を凄く好んでいる。両手両足で彼の動きを封じられる上に、牙を突き立てた時の快楽で彼が暴れかけるのを手足で押さえつけるのが溜まらないそうだ。
繋がった瞬間、秘所に嫐られぬいた分身があふれ出ないのが不思議なくらいに精液を出すと、それを見越してエヴァが彼の首筋に牙を突き立てる。牙がささった瞬間、氷や焼けた鉄を押し付けられた様な快楽が襲い掛かり、
血を飲まれだした瞬間には、首筋の快楽がより精液を放出量を増やしていく。

「あ〜!あ〜!」

 快楽のあまり拷問を受けている様な声を上げる彼の声をエヴァはうっとりとした表情で聞いている。そして彼を軽々と持ち上げると、今度は仰向けに倒して言う。

「名残惜しいだろうが、これ以上血を吸うと少し危ない。造血剤と薙切アリスとえりなの料理を食べ続けて回復が早まっているが、休みは必要だろう。少し待つか」

 そういってエヴァがベルを鳴らすと、嗜虐親に満ちた表情をした、前の騒動で一応形の上では彼の部下となったえりなと薙切アリスが入ってきた。
 金髪の髪をした少し険の強そうな女性がえりなと銀色の髪をした品があるが少し近寄りがたい美女アリスを見ると彼は驚きながら名前を呼んだ。

「アリスちゃん、えりなちゃん」

 同じ名前の女性がそろった時は最初にあったマーガトロイドのアリスを名前で呼び、他は苗字で呼んでいる。
アリスの名を持つ者達は不仲ではないが、横島と会う時は少しだけ同じ名前のものとは来ない様にしている様だ。 彼女たちは横島の声に笑いながら、返事をしてきた。

「忠夫、料理が終って、控えていたけど、とっても女権国家の女性をそそる声を出していたわね」

 えりなの嗜虐親を煽られた視線に脅えつつ、疲れ果てていても分身が反応しだすことに彼は王国男子として自分がいよいよやばいかもと思った。

「えりな、それくらいにしておきなさい。私たちは今日だけとはいえ、エヴァさんの使用人な料理人なんだから。旦那様には敬意を持ちましょう」

 横島の分身が立っているのを見たうえで、目だけでバカにするとアリスはえりなと共に彼にワインと増結効果と精力の付く直ぐに食べられる料理を並べ始める。

 マナーを気にせずに食べられる石焼のピザや、精力を増強するスープと消化促進の薬酒が彼の脳を溶かしていく。
かみちぎったピザの口の中に僅かに残ったチーズが酒で流し込まれると彼は、少しづつ堕ちていくような感覚を味わっている。
えりなとアリスは酒が入り動きづらい彼の、手を暖かいタオルで拭きながら、性感帯を刺激していく。そこにエヴァが戻ってきた。彼女はそれを見ながら意地悪く笑うという。

「二人とも今日は私の部下だから、許可を出す。忠夫を嫐りぬいて構わん。料理人として我が食料でもある夫の味を上げよ」

「「はい」」

 二人の声が綺麗に重なると二人は笑いながら言う。

「韋駄天様の加護を受けて多くの食糧難の人々を救った忠夫様」

 えりなは普段は呼び捨てにしているくせに、こういう時だけは自分が厨房の守護者の軍神の加護を受けた戦士の目下な態度をとる。
それはアリスも同じで目上の者として丁寧に立てることで、ベッドの中で負けている彼の無様さを引き立てるためだ。

 二人が服を脱ぎ去ると、豊かな乳房が見えた。釘付けになったそれを見て、彼女たちは前と後ろから彼を挟んだ。
薙切アリスが後ろに回り、えりなが前にきた瞬間、彼の背中と胸板で乳房が潰れ、彼の分身が一気に固くなる。えりなは繋がりながら腰を振り言う。

「忠夫様、私たちの料理を食べ続けて、細胞や血液どんどん彼女たちとの夜ごとのデバフがかかってますよ。まして、私たちと気が交わればどれくらい、私たちの料理が貴方の血肉となった。際の快楽はどれくらいでしょう?」

「あ、ああ……!」

 不安がる彼に後ろから抱きしめている薙切アリスが耳に息を吹きかけたりなめていた舌を止めて言う。

「今夜の締めは私とアリスに王国男子としては恥ずかしいプレイを全部した後で、最初のエヴァ様と同じ型の性行為だそうですよ」

「そ、そんな」

 懇願の言葉は、えりなが腰をひねったことで、起こった射精で言葉にならなかった。アリスが離れると倒れた彼の上にえりなが騎乗位の体制で何度も彼を射精させ始める。
彼女は仰向けになった彼にぴったりと体を押し付けると、最後の射精をさせると笑って言った。

「精力を付ける料理は成功ですね。ぜんぜん萎えていません。――最も精神はそうじゃないみたいだけど」

 強すぎる快楽で前後不覚になっている彼をバカにした目で見下ろして足で分身を踏み射精直前まで追い詰めるとえりなは薙切アリスと交代した。

「えりなったら性格悪いわ。直ぐに出させてあげなきゃかわいそうじゃない」

 薙切アリスは表向きは非難しつつ本心では楽しみながら彼の分身を飲み込んだ無理やり立たせられた彼と対面座位をしながら射精の時に口づけして、余計に出させた後は、動けなくなった彼の上で騎乗しながら表情の変化と悲鳴を彼女は楽しんでいる。
腰をくねらせられるたびに射精が起こり、体力ではなく精神が削れ屈服感が増していく。それに対して彼女たちは言う。

「エヴァ様。お願いします」

「任せろ。今夜はお前たちは私の配下だ」

 アリスの言葉にこたえるとエヴァは魔力できた糸を彼に差し込んだ。そして少しの感嘆の色を見せる。

「さっきより誤差程度だが魔力の糸が入りやすいな。これも儀式料理の効果か」

 そういった後、エヴァは横島の目を覗き込んで言う。

「忠夫、これから私達との性行為をするたびに王国男子として恥辱の極みな性行為で最後とする。本気で嫌がったらこの糸は切れるぞ。そうしたら今夜はもう終わりだ。無理だろうがな♪」


 その後横島は何度も彼女たちの嘲笑を受けながら快楽を求める為だけに何度も何度も彼女たちの中に射精を繰り返した。
快楽の沼に沈んだ様な意識になった後、エヴァが最初と同じ正常位で彼を抱き込んで首筋の血を飲んだことで、強すぎる快楽でようやく正気に戻った。エヴァは笑いながら言う。

「次のゲームでは私の出番はないかもしれないらしいから役得だ。この地方の霊的新領主として王国の味方をするから安心するがいい」

 返事ができないとわかった上で言ってくるエヴァの言葉に声すら出せない程絞られた彼は一応は王国の暗部としては良いことだと感じながら意識が落ちていった。





 次の日に彼が目覚めてシャワーを浴びて部屋に戻とるとマーガトロイドの方のアリスが料理を用意してくれていた。えりなや薙切の方のアリス程ではないが、彼女も料理は上手い。アリスは彼に料理を出しながら笑って言う。

「忠夫昨夜は随分と可愛い姿を見せていたみたいね」

 純粋な想いで言われる王国男子としては恥ずかしい言葉だが、それでもアリスに火が付いて自部が襲われるかもしれないことに期待を覚えている自分もいることに気づく。彼は少し悩んでから答えた。

「アリスちゃんも見てたんか?」

「ええ、一応王国民とこの城の領主の霊的婚姻に近い行為だから、魔女として過去の映像を見せてもらったわ」

 少しだけからかうように笑うアリスが出してくれた朝食を食べながら彼は、アリスの出してくれた料理をありがたく思った。
辛みの強いカレーを柔らかいパンにつけて食べると昨夜のやや飲みすぎた胃にしみていき頭を鈍くする頭痛が少しづつ引いていく。






 食事を終えて体調の戻った彼は、アリスに気になったことを質問した。

「アリスちゃん、それで少し聞きたいんやが、全員がここに来とるのか」

「ええ。ここは割と王国を守る為の霊的防衛地としては、重要だから調べておきなさいってミクさんに頼まれたの。そしてゲーム会社の面々も来ているわ。ミドリがイラストの参考になりそうなものが多いからって」

「そうかそれじゃあ会いに行くか。アリスちゃん料理ありがとうな。おかげで体調が戻ったわ」

「ええ、女権国家の料理は本当に精力がつくでしょう美味しそうに食べてもらえて嬉しかったわ」

 その後に小声で、「後で忠夫を食べたいわ」というアリスの言葉が聞こえなかった彼は、不安を覚えることなく城を見て回ることにした。





 城を見て回ると綺麗で大きいが、夜の方が映える城だと感じられる。ここら辺はやはり吸血鬼の城だからだろう。眠そうな表情をしているモモイとミドリを見つけると、二人も横島の姿を認めて、走ってきた。


781 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 21:51:42 ID:Q955qKlc

「忠夫ー、もう起きたんだね。調子戻った?」

 モモイの陽気な様子に彼は元気が湧いてくると思いながら答えた。

「ああ。アリスちゃんが作ってくれた料理のおかげで大分回復したで。ちなみに二人とも眠そうやったけどなんかあったんか」

 その答えに控えめな様子のミドリが答えた。

「実を言うとこの城ゲームのイラストに仕えそうだからメモしてたんです。昨日みたいに満月が美しい夜は滅多にないから、少しで記録しておきたくて」

「確かに素人なワイでもわかるくらい。この城は夜の方が映えるわな」

 横島の答えにモモイも言う。

「このお城舞台のシナリオ書くから、私も見ておこうかなって思ったの。本当に綺麗だったよ」

 答えながら横島は少し不安に思った。完全オリジナルならまだしも。もしかしたら自分が体験するイフの世界ができたらエヴァに嫐られる世界の話ができてしまうかも。

 恐怖と彼女たちに嫐られ続けた記憶が産み出す期待を押さえつけると彼はその場を去ろうとしたが、モモイとミドリが子供の様に引っ付いてきた。

「忠夫、疲れているから少しは甘えさせてよ。このまま次ぎの目的までいこう」

「はい」

 ミドリとモモイに抱き着かれながら彼は明らかに少女な二人の体にすら嫐られた記憶のせいで反応しかけていると感じながら、進んだ。




 彼が城の遊戯室にたどり着くと、そこには全員ではないが女権国家で知り合った女性陣の姿がある。城を王族らしく評価していたらしい少女の姿のヴィヴィオが彼を見つけると笑みを浮かべて近づいてきた。


「お兄ちゃん、もう目覚めたの。エヴァさんに好きにされた割には早く目攻めたね!」

「ああ。料理と薬酒が想像以上に聞いたおかげだ」

 ヴィヴィオを抱き上げながら彼は応じると、辺りを見回した。

「わざわざ、モモイやミドリ、ユズちゃんとくるってことは今回もやった方が良い、もっと言えばワイが入った方が良いゲームができたってことか」

 一応疑問系で問いかけてはいるが、確信している彼の言葉にヴィヴィオも頷く。それを見て彼は、またアブノーマルプレイの数々が始まると思い、憂鬱になり、暗部としての自分を取り戻すと、贅沢な悩みだと切って捨てた。
王国の不利な現状を見れば多少でも有利に働く現象を起こせるのなら、自分の名誉くらいは別に良いだろうと思う。
好きでもない皇女にトラウマ体験させられた大鳳から見れば、一応は両想いといえる女性達にしかされていない自分はまだだいぶましだ。

 彼が気を取り直したのを読み取るとヴィヴィオは笑みを浮かべて言葉を待っている。それを見て横島は言った。

「ヴィヴィオそれで今回はゲームの中に入ると起きるメリットってなんだ。スキルが僅かに上がったりコツを掴めたりか? それとも俺たちが生きている世界線でも役立ちそうな情報か?」

「後者の情報と私たちの前世の力を取り戻す類のことかな。それじゃあさっそくプレイしようか」

 ヴィヴィオの上機嫌な様子を見て、今回はかなり重そうだな、と思い憂鬱になりながら彼は遊戯室にあるゲーム機を起動させた。

『ストレリチア物語。聖王陛下生涯一度の御乱行と女神パープルハートとの和解共闘経緯』

 タイトル画面を見た瞬間、横島は今までゲームをやった中でも、すさまじく嫌な予感を覚えながら下がろうとしたが、後ろから大人形態になっているエヴァとヴィヴィオに押さえつけられた。
そしてパープルハート形態になっているネプテューヌと、アリスも混じっている。

「忠夫、大丈夫よ。プレイを終えたらきっと楽しくなるから」

 アリスの笑みに凄まじく嫌な予感を覚えているのに、分身が反応してきているのを自覚した彼は覚悟を決めた。この状態では逃げ切れない。
それならいっそとことん味方の女性達にとことん堕とされる類の堕ち方をした方がリスクは少ないだろう。




 ゲームを起動して彼はしばらくは彼のいくつか前の前世である高島・忠夫の簡略化された人生を見ていた。

 親王国で女権国家と敵対していた小国の霊的防衛を中心とした軍人である彼は悩んでいた。
霊能の才能から16歳で下士官となりそれなりに活躍したものの、女権国家との戦争に敗北を喫し、守り切って和睦はできたが、降伏に近い形になりそうな今、自分はどの様に身を振るべきだろう。
自分の腕は辛うじて一流だが、一流の中では底辺という位置にいる。王国に流れるか、それとも他のまだ最低でも10年以上は持ちそうな王国以外の同盟国に亡命して、女権国家に侵入する諜報員になるか。
給料が凄まじく良いし、女権国家では様々な霊能の技術を得られる可能性もある。生きて帰れれば、人生は好転するだろう。だが女権国家に行った場合のことを占うとろくでもない運命しか出ないので、諦めていた。
占いというのは自分のことを占うと客観性が落ちてしまうために効果が激減するが、それでもわかるくらいろくでもない運勢でかつ外れている気配がない。

 少し考えたのちに彼は、異界から様々な神が訪れ、善行をなしたという幾つもの来訪神祀る神社に来るとおみくじを引くことにした。この神社は様々な加護があるが、一番は出会いや別れや旅立ちの決断の後押しだ。
自分は一応流浪の身にもなることができる地位でもある。今いる一応は王国領である、国境の里にまだいるべきか、それとも女権国家ではなくてもどこかに行くべきか。ここでおみくじを引いてみよう。

 神社でおみくじを引きかけた瞬間、彼は運命と出会った。 大きな神の気配を感じ上を見ると、神社全体が大きく揺れ始める。これは間違いなく異界の神の来訪。そう考えたかれは、即座に身構えると、非礼がない様に身を正した。

『まさかこれからの、ことを占うおみくじもらうところで来方神様の相手とはな。この神社に祀られている、善事をなした神々よ、どうかあなた方のご加護によりて、貴方がたの後輩である神と良き関係を築けますように』

 柄にもない敬語を内心で使うと彼の目の前で空が割れる。そして明るい桜色よりの紫の髪をした少女が空から現れた。ほとんどが白であり、いくつかの部分は彼女の髪と同じ紫で彩られたパーカーワンピースに身を包んだ彼女は、
横島を見ると凄く良い笑顔で駆けよってきた。

「やったー、異界からの訪問オーケーな神域に来たら、いきなり大当たり!」

 いきなり抱き着かれて、困惑する彼に彼女は言う。

「私はネプテューヌ。さすらいの昆虫ハンターで今はある異世界のゲーム会社の社長やっている女神だよ」

「ゲーム会社?」

「まあ、小説とか戦略もののTRPG凄く親かせたものだと思って。和風ゲームの教材や題材になりそうな人物ゲット」

 高島はネプテューヌの言葉を聞き困惑と納得を同時に覚えた。ゲームというものはぼんやりとしか想像できないが、確かに自分は東洋の資料という意味では大変有用だろう。

陰陽道を学びたまたま適性があったので、妖怪の治癒なども学び、治癒した妖怪のつてで女権国家を敵視する、希少極まる強くて有能な男性の天狗から武芸と妖怪を救う医療の技を教え込まれた。

今思い返してみると、あの天狗は親しいものを救ってくれたことへの恩義が3割か4割くらいで、残りは女権国家に対する敵意だったのだろう。
自分が確実に女権国家と一戦交える国の所属だからだろう。その天狗の見立ては正しかった、一流の中では底辺とはいえ、予定外の霊能者の参戦で女権国家は予定よりはこの国に勝ちきれない結末を迎え、
攻め落とすのではなく最終的な和睦でこの国を落とすことになっていた。もう少し善戦の内容が伝われば自分はこの国から出ることが困難になるだろう。

 自分が女権国家に与えた損害を思い返すと、あの天狗の女権国家への憎悪は割と深かったのかもと思う。天狗は弱いとされていて、男性器の象徴でもあるとする鼻を持つが故かいわれなき、
冷遇というより無条件に自分たちに隷属せよ見たいな扱いも受けたのかもしれない。 


 そこまで考えた後、彼は不意にネプテューヌの手で頬を掴まれた。

「私も日本刀をよく使うし、そういうゲームが増えるとありがたいの。それじゃあ一緒に、女権国家行こうか」

「は?」

「あそこは凄い魔術もたくさんあるし東洋の術も凄いのがあるから頑張って収集しよう。非道なことをしている組織『だけ』を潰すなら警邏隊とかは味方になってくれるし、無事に帰れるよ。
そして和風ゲームをたくさん作って日本刀や和風系の術とか武器が強化されるようにしよう!」

 ネプテューヌの言葉を聞きながら、彼はその手を取った。敗戦国となった際に仲間たちの死やそれなりに尊敬していた上官からの裏切りなども彼の心にある程度影を落としていたようだ。
最も上官の裏切りに関しては女権国家が先に戦争の約束事を破った篭絡が原因だったので責めきれないが。この何も考えていない様にも見える底なしに明るい女神と共に駆ければ陰鬱な敗戦の陰りが消えていく気がした。







 女権国家に入国して良識派の女性達と共闘を繰り返すこと2年が過ぎた。女権国家に入国する展開になった瞬間ゲームの世界に吸い込まれて高島と合体した横島の目から見ても、
女権国家と対峙するうえで役に立つ知識が多い。現在の女権国家以上に襲われる率が高いところから、彼は今の女権国家は大鳳がいるほか、ティアナやマフィアのボスの手腕が凄かったのだなと理解した。 


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この2年間で様々なパターンで人助けをしてその際に色々な経験をしたが、特に大きなものだけを記すと、
彼がかつて韋駄天神、スカンダ神と一時的に合体したせいか、女権国家の信仰で変化した韋駄天族の一柱であるシャーロット・E・イェーガ、通称シャーリーに目を付けられた。
そして彼女に目を付けられるきっかけとなった事件こそが、今生まで追っかけてきた、薙切えりなと薙切アリスとの出会いだ。神の舌を持つ者は敏感過ぎる味覚のせいで味に絶望して自ら命を断つ例も多い。
それを防ぐために厨房の守護者で食べ物を調達する面もある韋駄天神の加護を借りて彼はえりなに食べさせる料理を集めるほか食料が運ばれる経路を整えたりもした。

そういった善行の大半はネプテューヌが彼を引きずり込んだことが大半だ。彼女は善行をなすとき彼を振り回しつつ、こき使って陰惨な敗北や過去の事件を思い出させない様に立ち回っていた。
恐らくは何割かは狙ってやっていたのだろう。遥か昔の時代だったが、女権国家だけには一部の地域だけだが現代の様なゲームソフトなどもあり、そこでネプテューヌがやっているらしいゲーム会社のゲームを売ったりすることもあった。





 女権国家を出ることになった彼は、ネプテューヌと共に世話になった面々にその旨を伝えるために向かい合っている。
彼に恋愛感情を持っていなかったが何度も助け合った当時の警邏隊長は漠然とした疑問を抱いていたようだが、上手く言い表すことができないと言った様子だ。
彼女は決して無能ではない。むしろ有能だと言えるが、ティアナには遠く及ばない。その彼女は少し悩んだ後、確信はなくても言うべきだと決めたらしく彼を呼び止めると言葉をかけてきた。

「私も確信があるわけではない上に、違和感を感じている程度なのだけど、この忠告を聞いてくれる?」

 彼は迷いなく頷いた。何回も共闘してわかったが、彼女の忠告はとりとめがなくても、無駄だと思えた内容は一つもなかった。
ネプテューヌも最後の別れとなる友達との歓談をやめていつの間に彼の膝の上に来ている。それを見ると警邏隊隊長は話し始めた。

「貴方が肉体関係は結ばなくても仲良くなった女性達、彼女たちはどう見ても貴方の惚れていてもおかしくないわ。 でも良識派な女性達だから貴方がネプテューヌ一筋だとわかってからは、距離を置いていたみたい。
ギリギリだけど我慢できる程度にしか惚れていなかったのかもしれない。でも少し違和感があるのよ。過去に巧妙に男性への好意を隠して私の目を潜り抜けた女性達と似た気配がしたの」

 忠告を聞きながらもネプテューヌ一筋の下りで横島の心臓は跳ね上がり、この警邏隊隊長を過小評価していたと反省の念が沸き上がっている。
他の警邏隊員たちも横島のリアクションを見て驚いている辺り、自分の隠し方も下手ではないのだろう。この時代の警邏隊は今ほどではないが優秀だ。

 警邏隊隊長は横島が驚いたのを見てネプテューヌに言う。

「一応聞くけどどうやって彼を落としたの? どう見てもロリ形態は好みじゃなさそうだし、それは今も変わらないみたいだけど」

「あははー。神様だけの特殊能力です。洗脳とかじゃないよ」

 少しバツが悪そうに笑う彼女に警邏隊隊長は許すという態度を見せながら言った。

「まあ、今は相思相愛みたいだから咎めませんけど、――少し話が脱線しましたね。彼女たちは横島くん、貴方を襲う気配もないし、引き留めようともしていない。
過去に私の経験とデータを見ても彼女達くらいの良識派かつ、基本的に独占したいネプテューヌちゃんに恩のある現状なら、ギリギリあり得なくはない反応ではあるわ。でも少しおかしい気もするの」

 彼女の忠告を聞きながら高島役としてゲームに取り込まれた横島は答えた。

「まあ、何かあるかもしれないけど、彼女たちが相手なら大してひどいことにはならないでしょう。それにこれから俺が行くのはストレリチだしあそこに行ったらもう安全でしょう」

 その言葉に彼女も警邏隊隊長も頷いた。高島は納得してしまっているが、横島の意識は少し警戒心が薄いと感じている。多分ティアナさんだったらもっと警戒しただろうなと、横島は思う。その後しばし騒いだ後、お開きとなった。

 後でわかったことだが、横島に対して好感度が高くなった女性たちは女権国家でも有数の占い師の所に行って情報を入手していた為の態度だったらしい。それがのちに彼に災難となって降りかかることになる。





 ストレリチアの入国した後の彼は、偶然にも聖王の転生体ともいわれるヴィヴィオを助けることになり、そして少女である彼女に現在でいうところのスパダリと言われるような、助け方をして、邪悪なる存在達から護り抜いた。
ネプテューヌはストレリチアの掟を調べたうえで、既婚者の証を彼につけさせた後、勝負に応じないことを命じて、彼と別れて行動することの方が多い状態だ。
ストレリチは邪悪な気質の女性はあまりいないから大丈夫と踏んでいる上に、ヴィヴィオを護る為には東洋の術に長けた彼がそばにいた方が良いと考えたのだろう。






 ストレリチアで過ごして一年が過ぎた時、明日戻ってくるネプテューヌを称える本格的な祭りの前夜祭の宴に出席しながら、彼はそろそろヴィヴィオの元から離れても大丈夫な時が来たと考えていた。
彼は気づいていないが、横島が最初に白馬に乗った騎士の様に救った時にヴィヴィオには女権国家の女性と同じく好感度ドーピングが起きている。その影響と聖王の血のせいか彼女はまだ幼い体で横島よりも強くなっている。
彼は女神ネプテューヌに振り回されて女権国家でも死線を潜ったから普通に英雄と言えるくらいには強くなった。だが、それでもストレリチアの英雄な女騎士や、聖王の系譜や女神達には及ばない。

 自分とネプテューヌの力の差を認識して少しだけ憂鬱な気分になったが、このストレリチアで出会った夫婦たちの様子を思い出すとすぐに持ち直した。
ストレリチの夫婦関係を見ていると決して弱くはない男たちが、それ以上に強い女性に保護されて共有されている様だ。ネプテューヌが彼をここに連れてきたのも、力の差で悩む彼にこういう夫婦関係もある、と見せる為だったのかもしれない。
思考を打ち切ると彼は壇上のヴィヴィオを見た。まだ子供だがそれでも、立派に王族らしい威厳に満ちた様子でネプテューヌを祀る神殿に対する演説をしている。
かの女神がどれだけ大きな貢献をストレリチアにしたか、そしてこの神殿がその証となり彼女が加護を与えてくる拠点であると同時に、彼女の神話の新たな一説になるであろうと言っている。





 宴を終えた彼はストレリチの料理と二十歳記念に飲んだストレリチア産の酒の味を思い起こしながら心地よい倦怠感に包まれながらベッドに入った。眠りに落ちかけた時、ドアをノックする音が聞こえてきて落ちかけた意識が戻ってきた。

「お兄ちゃん、もう寝ちゃった?」

 ヴィヴィオの声を聞いた彼は起きている旨を伝えると、王族の衣装に身を包んだヴィヴィオが彼の部屋に入り込んでくる。子供らしいがどこか高貴な気配を感じながら彼はいつもの様に彼女を迎え入れた。


「ヴィヴィオ、今日の演説みごとやったな。もうほんとうに見違えたぞ」

「もっと褒めてお兄ちゃん!」

 子供らしいテンションで近寄ってきたヴィヴィオを見て、ネプテューヌとはタイプが違うが明るい娘だと思う。
この国に来てからはネプテューヌより彼女と過ごした時間が長かったが、共にいることでネプテューヌと一緒にいる時と同じく、陰鬱な気持ちに沈むことはなかった。
子供らしい彼を照らす様な笑みを浮かべていたヴィヴィオが、不意に王族らしいカリスマを纏った気配に変わる。それを見て彼は戸惑い恐れを抱いた。
彼が過去にネプテューヌとの夜に経験した気配に少し似ている。僅かに萎縮した彼にヴィヴィオは言う。

「実を言うと聖王って死後は神様になるともいわれていて、戦士たちや正しく武力を用いた人たちが行き着くヴァルハラの統治者でもあります」

「そうなんか」

 そこまで聞き終えた後に横島はよくわからない不安を覚えた。そんな彼を他所にヴィヴィオは幼い少女とはとは思えない力で彼を掴んだ、それに横島は少し恐れたが構わずに彼女の言葉の続きを待つ。

「だからこそある程度どんな行いをしてきたかとかも見れるんですよ。ある程度はその魂を選定しなきゃダメですからね。だからこそ決めました」

 そこまで言った瞬間、ヴィヴィオの目から感じられる気配に彼は畏怖の様なものを覚え全身が金縛りになったような錯覚を覚えた。
今日食べた料理と酒のせいかけだるい状態で力が入らないだけではなく、途端に自分の股間の分身が力強く勃起し始める。それを見てヴィヴィオが笑う。

「時間ぴったりです♪ 薬種とストレリチア産の調味料やハーブの効果が出てきましたね」

 そういうと彼女は素手で横島が来ていた衣服を引き裂いた。

「ネプテューヌさんには多大な恩があるから、正々堂々忠夫さんを落としていたならもっと段階を踏んで側室になるつもりでしたけど、こんな手を使ったのなら話は別です。私も同じ手を使わせてもらいます」


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 そういうとヴィヴィオが服を脱ぎ、少女でありながらも天才に作りこまれた美術品を思わせる、肢体を見せてきた。その体に少女に欲情を覚えない彼ですらも分身が余計に固くなる。
そう思えたのは一瞬で、次の瞬間ヴィヴィオの体が大人へと代わると痛いくらいに分身が強張った。豊満な乳房と形の良い尻を彼女が見せるように座ると、完全に目が離せなくなる。それを見てヴィヴィオが言う。

「ネプテューヌさんの初夜と同じ反応ですね」

 その通りだった。女権国家でネプテューヌと共に駆けて多くの人を助けていた時、女神としての彼女の好意が一定を超えた時、彼は打ち上げと称して女権国家の高級料理店で食事を終えた後、
止まったビジネスホテルでネプテューヌが女神としての姿パープルハートに変わり彼をものにしたのだ。1年半以上も共に戦い彼女の女神としての在り方に魅せられた彼は拒み切る気になれず、そのままパープルハートに堕とされた。


 それを思い出した直後、ヴィヴィオがちょうどパープルハートと同じように彼を押し倒し、胸板でその豊かな乳房を潰してくる。そして両腕で彼の手を取り自分の尻を握り閉めさせる。

「あ、あー!」

 パープルハートの激しいながらも優しくどこまでも腑抜けにしてくるそれとは反対の支配してくる快楽が彼の分身を包み両腕から伝わる弾力と胸板で潰れる彼女の乳房の感触が一気に彼の分身から精を放たせた。

 たった一回の射精で、ヴィヴィオにされた卑劣な行為などに対する怒りなどが出尽くした感覚がして彼は自分が一気に腑抜けに堕ちた感覚を味わう。ヴィヴィオは彼の瞳を見ながら言う。

「パープルハートさんは女神、そして私も聖王だから同じ様な事が出来ます。こういう手段で関係を結ばれて、そこまで操を立てる必要がありますか」

「あ、ああ」

 呻くだけで答えられない彼の上でヴィヴィオは腰を振ると笑った。そしてパープルハートにされた行為が思い出され、彼の意識が快楽で飛びかける。そしてその中でネプテューヌと初めて性行為をした時の記憶が蘇る。





 ……――……女権国家に滞在して一年と二か月が過ぎたころ、彼は女権国家のビジネスホテルの一室で、ネプテューヌと二人で過ごしていた。
女権国家でビジネスホテルは比較的安全な場所だ。男性の就業率が低い以上、女性が単独で泊まることが多いから男性を嫐るための道具や罠を置いていない所も多い。
男性が単独で泊まりに来ることなどほとんどないし、男性を連れて入ってくる女性もごくまれにいる程度だ。そんな場所でも最低限の男性と性行為する道具はある辺りは流石女権国家といったところだろうか。

多くの悪霊との戦いで疲弊した彼を支えてネプテューヌがこのホテルに来た時、幸い外傷はなく、悪霊に殴られて霊力や生命力を削られただけだった彼を見たホテルの人は、ネプテューヌが彼を絞り尽くしたのだと勘違いした様だ。
ここはルームサービスありのビジネスホテルだったのでネプテューヌが選んだメニューを頼んでくれた。なんでも精力が凄くつくが男性が欲情しない限り、勃起しない類の料理らしい。
その注文を聞いたホテルの女性はネプテューヌが『こんな子供に勃起するなんて変態』みたいなプレイをしたい女性という勘違いもした様だった。




  シャワーを浴びた後、ルームサービスの料理を食べて彼は、霊気が回復していくのを感じると心地よい倦怠感が襲ってきて、ベッドに倒れこんだ。

 ネプテューヌは倒れている彼を見下ろしながら言う。

「忠夫は随分と私に気を許しているね」

「まあな。料理のチョイスの時も男が欲情した場合に股間が強く立つとかそういうのを選んどったしな。ワイはネプテューヌ相手には勃たんからな」

 その言葉を聞くとネプテューヌは笑った。

「霊力回復を助けるとはいえ、倦怠感を強くする酒とかあっさり飲むし、本当に信用しすぎ。神様って時には凄くわがままなんだからね。欲しいものを得るためにはえげつないことも平気でするし」

「いや、冗談だよな」

 言いながらも横島は、一応逃げる準備だけは始めた。特に股間の分身だけは触られない様にしようと思った直後に、ネプテューヌの体を彼女の髪と同じ紫色の光が包んだ。
その光が消え去った後には紫色の長髪をした、豊満な体を引き立てるボディスーツに身を包んだ美女がいた。女権国家の女性達と同じような美女だが、彼女は妖艶というより女神を思わせる美を纏っている。
色香さえ纏えば淫らに見える黒と紫のコントラストのあるボディスーツは彼を誘惑するための気配を見せた直後にそうなり始める。彼女は横島の分身がやや硬くなった所で彼の前にかがむと豊かな乳房が見えた。
あるいは故意だったのかもしれない。 彼女は微笑に茶目っ気を交えながら言う。

「やっぱり大人の女性にはとても弱いのね貴方。 ここもこんなになっちゃって。この姿では初めましてね、女神パープルハートよ。今夜から貴方を支配する御主人様、じゃなくて御主神(ごしゅじん)様よ」

 分身をバスローブ越しに一度撫でられただけで彼は達しかけた。女神としての気を遣っているだけではない、女権国家に来た上に女神として人助けをたくさんしたことで信仰を受けたことが影響している様にも見える。

 一回撫でられただけで痛いくらいに分身が屹立したのを見て揶揄う様に笑うと彼女は彼の服を剥ぎ取り言う。

「早漏過ぎて、これ以上焦らすと無駄撃ちになっちゃいそうね」

 そこまで言った直後に彼女がサイコキネスらしき力で彼の分身の射精を禁じると、ゆっくりと服を脱ぎ始めた。 彼女の足や乳房、尻を見ているだけでこの見えない圧迫がなければ射精していただろう。
射精を禁じられていながら、彼女がわざとらしく遅く脱ぎ乳房を揺らす動作に、射精欲が強まり。後ろを向いて尻を見せながらブーツや靴下を脱ぐ速度が遅すぎるさまはもはや拷問だ。
射精が許されずにのたうち回りつつ、彼女の女神としての美が目をそらすことを許さない。そして脱ぎ終えた彼女は笑いながら言う。

「御預けはここまでよ。よく我慢できたわね。偉い♪偉い♪」

 ペットに言う様な声を聞かせた後、彼に覆いかぶさるように対面座位の体制で分身を飲み込んだ。

「ひぎゃー!」

 悲鳴しか出ない彼は射精を彼女の内部にしながら、霊力が一気に削り尽くされた感覚を味わった。どこまでも優しく彼の脳を溶かしていく快楽に沈む彼をパープルハートは笑いながら言う。

「男性優位の性交が当たり前の国出身の男の子は可愛いわね。女神の夫としては上々。女権国家やストレリチアの男は普通にやっているだけでここまで恥辱の涙を流してくれないもの」

 彼は快楽で脳が壊れ切っており、そこまで考えている余裕はなかった。
だが、射精して少し冷静になった隙間にそれを埋め込まれるように言われたことで自分がどれだけ女性優位の性交をしているのか考えた直後に、パープルハートの手が動き、彼の顔を豊かな乳房の間から解放し、
対面座位から彼女が上のまま仰向けになった彼にぴったりと体を重ねる状態に変えた。そしてホテルの姿見で自分の姿を見た彼はベッドの中で女性に良い様にされている姿を見て、情けなさで胸がいっぱいになった。

 パープルハートはそれを見て言う。

「あら鏡で自分の姿を見た途端、この子がとても元気になったわね」 

 この子の下りで分身を余計に締めて射精させて、悲鳴を上げる彼を見下ろす。

 彼女と繋がり完全にベッドの中で敗北しつつ快楽の極限で脳と魂が完全に無防備になっている彼の手を取ると彼女は自身の乳房を握り閉めさせる。

「ああー!」

 性交をやめたいという気持ちではなく、これ以上の快楽が来れば脳が壊れる。そういう恐怖から手を離しかけた彼に彼女が言葉をかけた。

「手を離しちゃダメ。揉みしだきなさい」

 完全に魂が屈服して支配下に置かれた様な状態なったような彼は彼女の言葉に逆らえず、これ以上の性的快感は心が壊れるという警報を無視して無理やり手が動いた。
揉みしだく度に、射精が脳に激しい切れ目を入れていく。パープルハートは時々彼に命令をして尻なども揉ませた。

 2時間ほどが経過した後、彼が闘技場などで殴り倒されたファイターの様にうつぶせになっている横で、パープルハートが満足そうに笑っている。

「忠夫、とてもかわいかったし、満足したわ。初めてだから繋がる儀式としても必要だから激しくしたけど、今度からは優しくするから安心して」

 燃えカスの様な彼は言葉すら出せなかったが、『ほんまか?』と言っている様な雰囲気がした。それに彼女は笑いながら頷く。

「次の人助けの戦いで、頑張ったら優しくしてあげる」


784 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:00:53 ID:Q955qKlc





 次の戦いで彼が誰かを助けた後、彼は再びパープルハートの姿になったネプテューヌに閨で圧倒されていた。前回の性行為で魂に刻み付けられた何かが、快楽を余計に強めていく。
どこまでも優しく、睡魔にむしばまれる休日の布団を思わせる脱力感と快楽が、パープルハートの体から伝わってくる。
彼女の女神の名に相応しい豊満な体と、男性でありながらベッドの中で良い様にされている無様さを嘲笑う口や視線が彼を堕としていく。 パープルハートは笑いながら、彼の頬を手でつかんだ。
彼女が口づけと共に舌を絡めてくると、脳が快楽をもたらす下で直接削られていくような快楽が走りそしてその快楽が魂を溶かしていく様な錯覚を覚える。
パープルハートの舌で感電した様に動きかける彼を頬から背中に手を回すと、口づけしたまま彼女は彼の分身をどこまで優しく秘所で嫐る。
射精を終えて仰向けに倒れた彼は、前回とは違い快楽で壊されたのではなく溶かされたようになりながら天を仰いでいた。


 パープルハートは笑いながら言う。

「人助けの戦いで活躍する度にこれが待っているから頑張ってね」

「は、はいぃ」

 腑抜けになり切った声と共に答えた彼はそのまま意識が落ちていった。






 パープルハートにされたのと同じ性行為をヴィヴィオにされつくされた彼は、ただ快楽で圧倒されながら。ヴィヴィオの強い力を籠めた王族の威厳と神にすら近い聖なる気に操られたようにヴィヴィオが望んだままに答えていた。
ヴィヴィオは彼の顔をその乳房で挟みながら腰で精を絞りながら言う。

「パープルハート様とどちらが気持ちいいですか?」

 ヴィヴィオに騎乗位された時に魂の防壁の様なものが壊れた感覚が走り最初の射精で完全に脳が壊れた彼は思考を誘導されて、
ヴィヴィオの問いに答えねばだめだと思倦怠感と強すぎる快楽で脳が殴られ続けている様な状態で必死に考え始める。ヴィヴィオは彼の状態全てを霊気の乱れで知りながら、
思考を乱すように彼を愛撫し時には胸をパープルハートがしたのと同じように自らの腕で導き揉ませたり、彼の胸板で潰したりしながら聞く。


 正解の自信が微塵もない状態だが辛うじて考えを纏めたところでヴィヴィオが腰をひねり、ストレリチアの騎士の加護の力を放って射精させて完全にその快楽で脳を壊して思考を最初に戻した。

「あ、あ、ああ?」

 ヴィヴィオはかつてパープルハートがしたのと同じように、声にならないうめき声しか上げられない彼の両腕を乳房から自分の尻にもっていって握り閉めさせながら、彼の胸板に乳房を当てながら楽しそうに悪戯っぽい笑みを浮かべて言う。

「どっちが気持ち良いと思いますか?」

 横島の答えは、わからないだ。パープルハートとヴィヴィオの体はどちらも与えてくる快楽の種類が違う。その為に比べようがない。 ヴィヴィオとの性行為はかつてパープルハートにされたことと同じだが種類の違う快楽だ。
パープルハートは最初の夜の様な厳しい性行為より、一度押し倒されたら二度と出る気がなくなる脱力させてくる布団の様な快楽が得意だ。
対してヴィヴィオは強すぎる電撃の様な快楽を与えてくる。食らっている時はつらいのに、終わればまた求めてしまう。パープルハートと同じく優しい快楽を与えてこられた時もどこか屈服させられる快楽の様なものがあった。
ヴィヴィオはそれがわかり切っている上でそれを聞いていた。ヴィヴィオは笑いながら言う。彼の顎を捕らえ支配する女王の目で見下しながら言う。
元から王族の威厳に従えられるようなところがあったが、今の彼は完全に魂が彼女と繋がり支配されている。これはパープルハートにされたのと同じだなと、彼はぼんやりと思った。
彼女の目は勇士や英雄を扱う女神のそれに近い。そしてかつての横島の記憶を読んだ様にいう。

「パープルハートさんとしたときに思ったことは、『さすが女神様これ以上の女は多分おらんやろう』でしたね。でも確かにいることがわかったでしょう♪ 彼女に対抗できる快楽を与えられる女性はまだまだいますよ」

 パープルハート以外の女性を知らず、女神であり女権国家の力もある程度取り込んだ彼女がもたらしてくる快楽で初めての経験をした彼は、これ以上の快楽などない、と思っていた。
浮気心や他の女性に欲情を覚えないのは本人の気質も強かったが、一番はその認識の為だ。 浮気するメリットもなどないから、耐えなければに変わった彼の脳にストレリチアであった女性陣の体が脳裏をよぎり始める。
あるいはこれがヴィヴィオが魂に働きかけてきたのかもしれない。

 ヴィヴィオが体をひねり騎乗位に耐性を変えると、彼はただひたすらに射精した。そしてヴィヴィオによって促された一際激しい射精で完全に思考が停止したところでノックの音が響く。
ヴィヴィオが許可をすると何人かの4人の騎士たちが入室してきた。

 全員の顔に彼には見覚えがあった。ヴィヴィオと同じ瞳をした均衡のとれた美しい体をした聖王騎士団の一人オリヴィエと見かけは小柄で少女を思わせる聖王騎士団の一人ユグドラ。

「忠夫さん大分ヴィヴィオに仕上げられたみたいですね」

 オリヴィエがプライベートスペースなためか、ヴィヴィオを呼び捨てにすると、ユグドラが笑う。

「私たちがする大仕上げもやりがいがありそうですね」

そして女王親衛隊の筆頭のヴィーラ・リーリエの姿もある。彼女は騎士らしい衣装ではなくどこか妖艶な通夜のある赤いイブニングドレスに身を包みながら彼を見下ろしている。

 その瞳には危険な光がある。

「ああ、忠夫様を嫐るヴィヴィオ陛下本当にお美しく尊いですわ。私が貴方を堕とせば陛下はさぞ、喜んでくれるのでしょう。しかも気にいった男性も一緒とは。これはもはや陛下と私は永遠の恋人という運命に違いありませんわ」

 ヴィーラは百合をたしなんでいるというよりレズよりのバイという類の騎士でヴィヴィオに対して重い感情を抱いており、狙った男ができた後もその男よりヴィヴィオへの愛の方が重い稀有なストレリチア騎士だ。
彼女が横島に何かをしようと魔法を唱え始めると、それを横にいた金色の美しい髪をたなびかせた豊満な体を持つ女騎士アリス・シンセシス・サーティが止めた。

「ヴィーラ、ヴィヴィオ様は忠夫さんを廃人にするのはだめだけど、腑抜けは許容範囲だと言っておりました。ですがヴィヴィオ様を惚れさせた英雄としての武力や気質は『なるべく』なくさせないでほしいと言っていたでしょう」

 その言葉を聞くとヴィーラが彼への情欲はそのままに冷静な表情になった。それを見てシンセシスも離れる。ヴィーラが笑みを浮かべながら彼を掴み言う。

「申し訳ありません。どちらにしても私にはご褒美ですが。失敗のお仕置きを殿下にしていただいて、腑抜けになった彼を嫐りつつ公務で彼の分の仕事を陛下とするのも。
あるいは、勇ましき彼と共に戦場を駆けて、昂った殿下と共に嫐ったり、彼が限界を超えた際に代わりに嫐られる日々も」

 そういうとヴィーラが彼に口づけしてきた。そのキスはヴィヴィオやパープルハートよりは下だが、十分に激しい快楽と共に、この女性が本気になれば自分はなすすべなく廃人にされてしまうほどの快楽を与えてくる。
ヴィヴィオやパープルハートが与えてくる快楽の差は、彼が子犬や猫や鼠なら、パープルハートやヴィヴィオが熊や虎であり、ヴィーラは狼や豹だ。
ヴィーラの口づけで完全に意識が飛んだ刹那にオリヴィエが彼に抱き着き精を絞り始める。ヴィヴィオと似て非なる強い快楽に彼が悲鳴を上げると彼女は笑いながら腰を動かす。
ヴィヴィオは彼が悲鳴を上げるのをキスでふさいで、舌でさらに逃げ場を奪い追い打ちをかけてより多くの精を出させて楽しむが、彼女は悲鳴を聞きながら何度も射精させることを好んでいる。

「どうですか? 忠夫さん気持ち良いでしょう。 パープルハート様と並ぶ女などいない。同じくらい気持ち良い女性三人見つけちゃいましたね♪」

「あ、ああ」

 宴会でふるまわれた酒と滋養の強い料理の為に彼の分身は一切萎えず、彼女たちが与えてくる快楽の荒らしを終わらせる気配もない。

 虚ろになった彼をユグドラが飲み込むと、オリヴィエやヴィヴィオとは違い少女に犯されるような快楽が彼を襲い、彼は完全に意識が飛びかける。

「少女に犯されるのも、豊満な体とは別な快感があるでしょう」

「も、もうこれ以上は」

 ヴィヴィオやオリヴィエに犯された際にパープルハートとしたときと同じ上位の霊的存在に刻み込まれの中につながりができていく感覚があったが、ユグドラもそれを彼にふんだんに与えてくる。
 彼女が腰を上下させるたびに、射精した時は快楽のあまり脳が壊れ霊的な何かが焼き付き。射精できない快感を与えてくるときは焦らされぬいて涙が出てくる。
ユグドラは特に長い時間彼をじらした直後に、大量の射精をさせて、口づけをして口内を舌で犯しながら、舌で口の中をまさぐられることで上と下の両方から霊的な支配がされていく感覚がある。


785 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:02:44 ID:Q955qKlc

「名残惜しいでしょうけど次の段階に進む頃合いです」

彼が倒れた直後にヴィーラとシンセシスがヴィヴィオと共に近づいてきた。彼女たちは笑いながら言う。

「ここまで開発したのだから、堕ちるまであと一歩ですね。ヴィヴィオ様、そろそろやりましょう」

「そうですね」

 ヴィヴィオが彼の目を覗き込むとヴィヴィオとオリヴィエとユグドラとの性行為で体の中に入ってきたものが、より強く刺激されていく感覚がする。
ヴィーラが最初に彼に騎乗して、中毒にする甘い毒を思わせる絞り方をしてくるとシンセシスが彼を背後から抑えた。
ヴィヴィオと同じく胸を彼の背中で潰しながら彼の乳首をつねり、ヴィーラと共に彼の射精をコントロールしてくる。
ヴィーラが途中で彼との距離を詰めて挟み前と後ろから彼に豊満な体を押し付け胸を潰しながら口づけしてくると、彼女は射精の時に口づけをやめた。ヴィヴィオに聞かせるためだ。

「可愛い悲鳴♪ こうやって聞いていると、私もオリヴィエの趣味がよくわかります」

 そこまで言うとヴィヴィオが彼の腕を取り自分の乳房さに導いて揉みしだかせる。限界の状態からさらに追い打ちが来て、彼は叫び声をあげた。

「あぎゃー!」

「本当にいい声ですね忠夫さん、ヴィーラ射精量は増えていますか」

「ええ、とっても♪」

 ヴィーラとアリスはヴィヴィオに忠誠を誓った騎士であるせいか、彼女たちに犯されるとヴィヴィオに刻み込まれたものが彼の内部で反応して、余計に深く堕ちていく感じがする。

ヴィーラに仰向けにされて体を押し付けられてヴィヴィオと同じ体制で犯される度に、彼はヴィヴィオとの性行為を思い出していきどんどんとヴィヴィオとヴィーラの虜になっていくのがわかる。
シンセシスが下の方から彼を抱え動けなくさせながら、耳をなめてくると、彼の射精がよけに増していく。
シンセシスが彼から離れて、ヴィーラが騎乗位に切り替えて激しく絞り出すと、ヴィヴィオが彼に口づけして舌を絡めてくる。
彼の中に刻み込まれた霊的な何かが余計に強く反応して彼の分身を内部に捕らえるヴィーラへの射精が余計に大きくななった後彼は一際大きな射精をすると、そのまま意識が飛んだ。



 意識が飛んだ直後に彼は自分の両乳首と分身から激しい快感を感じて悲鳴と共に目覚めた。

「あー!」

 目の前ではシンセシスがヴィーラと交代する形で騎乗位をして彼を優しく絞り、ヴィヴィオとヴィーラが彼の乳首を口に含みなめている。
意識が戻ったのを確認すると三人は目配せしあって、シンセシスが射精を許すように動くと、二人が一気に吸い込んできた。

「〜〜〜!」

 もはや声にすらならない、声しか上げられない彼の表情をうっとりした表情で全員が見た後、射精を終えた彼をヴィーラが見下ろしながら言う。

「忠夫様、貴方はヴィヴィオ様を変態だと思ってませんか?」

「?」

 質問の意図が分からないという表情になった彼にヴィーラは説明が足りなかったという表情になる。

「貴方に何度も助けられたとはいえ、こんな手段に出て貴方を嫐り抜く辺り性欲が強すぎるとか、あるいは早熟すぎると思ってませんか?」

「さすがに変態だとは思ってない。ストレリチア女子の体質も他国とは違うかもしれないし、俺の配慮が足りなかったのもあるかもしれん」

 真面目な彼の返答にヴィーラは納得した様に頷くと言葉を返した。

「そうですか。まあ悪感情はもっていないようですが、それでも念のため、ヴィヴィオ様に貴方がしてしまったことを少し体験してもらいますか」

 そういうとヴィーラはヴィヴィオを見て言った。

「殿下お願いします」

「やらなくてもいい気がしますけど、貴女が言うのなら」

 そういうとヴィヴィオが寝室にある祭壇を光らせて彼に向けて何らかの神聖な呪文を唱えると、彼は心地よい脱力感に包まれ意識が眠りに落ちていくような感覚を味わった。

 眠りに落ちたような感覚で意識が途切れた後、彼は起き上がろうとしてしくじりベッドに倒れこんだ。柔らかいベッドの上でなければ彼は、怪我をしていたかもしれない。
薬物などによる筋力低下や、感覚が狂ったわけではない。天井が高くなっていている。そして彼は自分が子供になっていることに気づく。その彼を見下ろしながら大人姿のヴィヴィオが言う。

「忠夫さん、ストレリチアの王族のたしなみの技の一つですよ」

 そこまで言われた後に彼はヴィヴィオの体を大きく感じるとともに、自分の精神も大人の記憶だけを持った子供に戻っていることに気づく。そこまで考えた時点で不意に彼の体が宙に浮き、後ろからヴィーラの声がする。

「忠夫さん、あなたはヴィヴィオ様が危機の時に何度も助けていましたけど、その度に抱き上げて、胸板を押し付けたり抱え込んだり。男女逆転すると、こういうことだったのですよ」

 そういうと、ヴィーラがヴィヴィオの乳房の間に横島の顔を突っ込んだ。大人だったころより乳房のボリュームを感じられ彼は自分の脳にヴィヴィオの乳房の快楽とトラウマが刻み込まれていくのを感じる。

「んー! んー!」

 声すら出せない彼をヴィヴィオは一度解放すると、腕でつかみ、ヴィーラがしたのと同じ動作で、ヴィーラの胸の間に彼の顔を突っ込んだ。ヴィーラの乳房で震える彼にヴィヴィオが後ろの方から胸を押し付けて言う。

「ほら私が危なくなった時に貴方がやむを得ずしたことはこれですよ。格好よく助けられてこんなことされたら性癖壊れちゃうでしょう」

「んー! んー!」

 痛いくらいに強張ってきた分身をヴィヴィオが残った左手でいじると、すぐに彼をベッドに倒すと騎乗した。彼に騎乗し、ヴィーラが顔に乳房を押し付けたまま。彼を達しさせる。
その後彼女はヴィヴィオと位置を変えて同じことをする。射精を終えた後にシンセシスが寄ってきて、他の騎士達も百合行為をしながら彼の痴態を眺め、時には彼のベッドの中で敗北する姿をこき下ろしたりしながら、
楽しそうな表情で彼を嫐れる順番を心待ちにしている。そしてシンセシスが同じことをすると、オリヴィエもそれに加わっていく。

 子供の姿の彼の顔面にヴィヴィオが座り、シンセシスとヴィーラが両腕の先に尻を押し付けて座ると、オリヴィエガ後背位体制で尻を押し付けるように彼の分身を飲み込み一際すさまじい射精をさせると言った。

「これが子供のヴィヴィオに貴方がしたこと一覧です。こんなことされたら、その相手への執着心が凄くなるのもしかたありませんね」

「は、はい」

 その返事を聞いた後オリヴィエは満足そうに頷き言う。

「あとは楽しみついでに彼を嫐りましょうか。パープルハート様に許してもらうという大仕事の前に英気を養いましょう」





 数時間が経過した寝室で彼は、仰向けになって白目をむいて倒れていた。最後に彼と性交をしたらしいヴィヴィオが仰向けの彼から名残惜しそうに離れると言った。

「パープルハート様が戻ってくる明日までに闘技場の準備を」

 恭しく下がっていくメイド達彼女たちも、ヴィヴィオが彼に助けられた際に一緒に戦ったことがあるようだ。彼女たちは笑いながら言う。

「ヴィヴィオ様、パープルハート様と話がついたら、私達も参加させてください」

「ええ。かまいませんよ」







 ネプテューヌは時間だけはかかるが、それほど難事ではない仕事を終えて、戻ってきた。そして帰ってきた瞬間に高島忠夫を見て、大体のことを察した。

 彼に寄り添うヴィヴィオを見ると、友達相手でも場合によっては本気で殴りつけると決めた時の笑みが浮かぶ。それを見て脅える彼をヴィヴィオはヴィーラに押さえつけさせると前にでた。
 彼女に向ってネプテューヌが言う。

「ヴィヴィオちゃん、一応私と忠夫の関係については話していたし知らない訳じゃないよね? その上でこの行動に出たの?」

「はい。もちろんです」

「それでこの行動への弁解はある」

「いいえ。ストレリチアの騎士として、英雄の地位にまで上り詰めた男性を独占させる訳にはいかなかったし、私も諦める気はありませんでしたから。
そして貴女もストレリチアの一女神として祀られることを了承したのだから、機会を与えてもらうことは当然の権利とさせてもらいました」

 そこまで聞くとネプテューヌは少し考え答えた。

「わかったよ。とりあえず一度本気で喧嘩しようか。私が勝ったらどうするかはまだ決めてないけど、場合によっては忠夫を二度と貴女達と会わせないかもしれないから」

 ネプテューヌが自分で自分の感情をわかっていないとき、に見せる表情をしているとみて、横島は大体の彼女の心情を理解した。
恐らくはヴィヴィオに対して相当情が移っているがさすがに許せないと思いそれでいて、自分が彼女をどうしたいのかわかっていないのだろう。
だが一応はこういう形で、半ば伴侶ともいえる相手を犯されたから殴らないと気が済まないと考えている。ヴィヴィオはそれに対して笑みを浮かべて答えた。


786 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:07:34 ID:Q955qKlc

「わかりました。今回に限っては私もストレリチの騎士として好ましからざるあらゆる手段を用いています。今度の戦いルールに反しないあらゆる手を用いさせていただきます」




 
横島とネプテューヌは彼らにあてがわれていた、騎士教団の用意した部屋に戻ると最初に横島の容態の確認をするためだ。騎士教団の面子は、ヴィヴィオの配下達と総力戦を行い、自分たちが勝ったなら、横島を諦めてほしいと言って戦ったらしいが、
見事に敗北していた。彼女たちが弱い訳ではなく、ストレリチでもある好感度ドーピングが強すぎたのだ。
ネプテューヌは止めに入った国教騎士団に御礼回りをして礼品を配り終えると、彼女は横島の状態を見た。
その診断の結果、そこまで焦る様な事にはならず済んだ。ネプテューヌが彼との間に築いた、霊的つながりを一切犯すことなく、
ヴィヴィオたちは別の霊的つながりを作っている。多分自分をストレリチアの女神の一柱として祀ったのは、彼に負担を書けないためというのもあるのだろう。 ネプテューヌは高島に言った。

「そんなに心配そうな顔しないで。怒ってない、とは言えないけど、忠夫の知らないところで私もヴィヴィオちゃんと沢山一緒に戦ったから、惨すぎると思われる様な処置とる気が起きないくらいには今でも彼女のこと嫌いじゃないよ」

「ああ。俺もストレリチアで過ごして、油断しすぎとった。決闘を受けない、礼儀をもって接すれば何も起きないと考えていた」

「まあ、ストレリチアの王族に多大な恩を与えた貴方ではこうなっちゃうのも仕方ないわ」

 そこまで言うとネプテューヌは彼の体を触りながら確認し始めた。

「記憶が飛び飛びだけど、女権国家の女性達にもされたみたいね。ヴィヴィオ以外にも女権国家の女神の霊力も貴方から感じるわ」

「ああ。女権国家で助けたシャーリーさんと何人かが途中で後乱入してきた」

「まあ、ストレリチでも善良な女権国家の女性なら、入国や亡命を認めるケースもゼロではないからね」

「ああ」

「それとストレリチアの聖術も貴方にかかっているみたい。でも私が勝てば解除できるから問題ないわ。正々堂々の決闘で負けたら彼女たちも約束は守るでしょうから」

「わかった。それとネプテューヌお前とヴィヴィオどっちが大怪我しても治癒術や文珠ありったけ使うけど、ええか?」

 ネプテューヌにとってはヴィヴィオはやらかしたことを考えれば天罰対象もしくは神敵扱いされてもおかしくない。その問いに対してネプテューヌは答えた。

「見損なわないで。さすがに、ぎりぎりだけどまだ友達だと思っている相手を死なせたいとか、一生モノの傷を残したいなんて思ってなから」

 そういった後、ネプテューヌは女神パープルハートの姿へと変わった。

「それより、貴方の体に何が仕込まれたのか最後の点検に移らせてもらうわ」

「あ、ああ、もしかして」

「ええ、性的な交わりの後で、魂をつなげてたっぷりと調べてあげる♪」

 パープルハートが刀で彼の服を切り裂き押し倒すと、彼はそのまま分身を飲み込まれ。一気に果てた。
ヴィヴィオがしたのと同じ様な体制で犯されながら、彼の中で女神への信仰心などが深まっていく。女神としての彼女のもたらす快楽が信仰心を強めていく。

「ほらほら、忠夫、もっと頑張りなさい。三十秒我慢できなきゃお仕置きだからね」

「い〜ち、に〜、 もう逝くなんて早すぎるじゃない」

 そういうとパープルハートは彼の分身を胸で挟み射精したばかりで敏感になった分身を嫐り、再び射精させると、今度は先端を加えてもう一度出させた。
精液を霊的に吸収して、完全に消す前に、彼の出した白濁が全身を汚した姿を見せて、余計に彼の情欲を煽る。そして彼が敢えて押し倒してきた後、正常位で受け止めながら、
彼が快楽で腰を振れなくなる瞬間に、彼の分身を包む秘所の内部を動かして彼を射精させたり、あるいは拘束して射精できない状態を見て楽しんだ。

 それが終った直後に彼女の方から押し倒してきた後、彼は彼女の体のあらゆる部分の魅力を教え込まれるように射精した。

 最後に気絶した様に眠る彼を愛おしそうな笑みで抱きしめながら、パープルハートは安心した様子になり、ヴィヴィオに対する怒りのレベルが落ちていることを自覚する。
そしてこれは、彼女の策だったのかもと気づく。そのことをいったん頭の隅に置くと、彼女はヴィヴィオとの決闘に備え始めた。





 次の日ネプテューヌは剣を構えて闘技場でヴィヴィオと向かい合っていた。卑怯な手も使ってでも横島の前世である彼を得ると言われた後でも、ストレリチア騎士が相手が戦の礼を破らぬ限り、使
ってはならないとされている手段を使うという可能性に関しては全く、警戒していない。ネプテューヌは怒ってはいても、ヴィヴィオはそういうことはしないと彼女はここ一年の付き合いで疑う必要すらないと認識している。



 試合が始まりかけた時、ヴィヴィオとネプテューヌは最初は子供の姿で闘技場に上った。
そして、お互い無言のままに、構えた。ヴィヴィオは鉄の籠手を構え、ネプテューヌは彼と共に女権国家で何度も危難を払い続けてきた刀を手に取っている。
通常素手で刀に勝つことは三倍の実力が必要とされるが、人間離れした超人の域にいる二人では参考にならない。

 ヴィヴィオがはじかれた様にネプテューヌに殴り掛かると、極限まで引き絞られた弓矢か弾丸を思わせる体捌きで彼女に迫った。
ヴィヴィオの暴風を纏っているという錯覚すら起こさせる拳は突然、金属音が鳴り響き空中で制止された。否、消えたと誤認するほどの速度で動かされたネプテューヌの剣が受け止めていたのだ。
籠手と剣の鍔迫り合いを見て闘技場の客席にいるストレリチア騎士達から感嘆の声が上がる。


 ヴィヴィオとネプテューヌ双方が様々な技術を用いて隙を付き合い、切りあおうとしているがその駆け引きが本当に高度であったためだ。
聖王の系譜今回の行動で大幅なマイナスがついたとはいえ、それでもストレリチアへの貢献度の高さから、次の聖王になる可能性が最も高い女性が死ぬかもしれない。
それすら忘れて、彼女たちは瞬きすらせずに二人の技術や気の運び方を盗もうとしている。


 それを見ながら賞品の席みたいなところにいた横島は戦いを止めようとした瞬間に、ネプテューヌとヴィヴィオ双方から霊的な束縛を受けて動けなくなっていた。彼女たちは念話で言う。

『心配なのはわかるけど、これもけじめをつけるための戦いだから、今回は黙ってみていて』

『忠夫さん、絶対にそこまで陰惨な結末にはしませんから。それに今回は女神の怒りを受け止めきるなり、あるいは倒して認めさせる私の責です』


 動けない彼の心臓が跳ねかけていたが、それでも双方がお互いに惨いことをする気がないことを知りつつ戦闘不能クラスの怪我を負ったらすぐに駆けだす準備を始める。
場合によってはここ一年で余った文殊を全部使い切って二人を癒すことを決めた。


 ネプテューヌはヴィヴィオと鍔迫り合いを演じつつ、体中から汗が噴き出してくる感覚を味わっている。ヴィヴィオも同じ状態であることがうかがい知れる。不意にネプテューヌが口を開いた。

「ヴィヴィオちゃん、あんまり忠夫に心労をかけても悪いし早めに決着をつけない」

「やってみますか」

 その返答の直後にネプテューヌが凄まじい力を剣に込めてヴィヴィオを僅かに引かせると、蹴りを放った。ヴィヴィオと並ぶほどの体術を彼女は一つだけ会得していたのだ。
それこそがこの蹴りだ。それを知らなかったヴィヴィオが辛うじて受け抜いた直後に、彼女がパープルハートの姿に変身するとヴィヴィオも同じく大人の姿へと転じる。
静から動に戦場は動き、パープルハートの連続攻撃をヴィヴィオが籠手で防ぎ、時には僅かでも間合いを詰めさせると一撃で彼女に致命傷を与えかねない蹴りで牽制をしている。
パープルハートが何度か切り込む際に思いとどまったのはそのせいだろう。 普通は蹴りを確実に当てられる時以外は放たないものだが、ヴィヴィオの様な超人めいた速度で動けるもの達はその限りではない。



あの一蹴りが戦況を動かしパープルハートがやや有利になっていた。だが不意に彼女の一撃をヴィヴィオが右腕に受けたことでヴィヴィオが側が有利に反転した。
ヴィヴィオが籠手ではない部分で剣を受けた時、横島の心臓が跳ねあがりかけたが、彼女の腕は切り落とされなかった。ヴィヴィオもまた全身の気を上手く用いれば、
数回だけならネプテューヌの剣を受けられることを隠していたのだ。 そして切断する気がなかった彼女は当てた直後に力を抜きかけたために隙ができてしまい脇腹にヴィヴィオの一撃を受けた。
その一撃を受けた彼女の動きが僅かに鈍り、彼女の連撃が始まる。しかし、それでもどちらが勝つかはわからないままだ。お互いが剣と拳を応酬し間違えた方が、倒れるだろう。そう思った直後に一時的な硬直状態になったところでヴィヴィオが言う。


787 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:11:12 ID:Q955qKlc

「できれば正々堂々勝ちたかったですけど、今回だけは搦手を使わせてもらいます。何しろ私と貴女どちらが死んだり大怪我をしても忠夫さんの心痛が大きすぎますから」

「そう? まあその搦手を使ってなお負けた王族なんて称号をえない様に頑張りなさい」

 パープルハートの余裕を装った声を聞きながら、横島はヴィヴィオはなにをする気なんだろうかと思った。ヴィヴィオはストレリチアの闘技場での禁止行為はしないだろうし、一応恩のあるネプテューヌに戦の礼に反しすぎる戦法も取らないと彼も思う。

 ヴィヴィオがこれから使う搦手の説明を始めようとしたとき、パープルハートは僅かに悩んだ後、聞くことにした。脇腹に受けた一撃の痛みを軽くしたい。ヴィヴィオの右腕腕よりも早く自分の脇腹の後遺症は僅かだが早く消え去るだろう。

「貴女は自覚していないみたいですけど、パープルハート様にとっては、忠夫さんの影響は本当に大きいんですよ。何しろこの世界に来て原初の信仰者であり、最初に神話に記される善行を共にした者ですから。一番つながりが深い」

「確かにそうかもね」

「ええ。貴方はもしかしたら、もうこの世界に住む女神となって本体と別れている可能性もあります。どちらにせよ、この世界にいる限り忠夫さんからの影響は絶対ではないけど大きい。
そして女権国家でも彼を狙う女性達からも好意や信仰を得ている。そしてストレリチアでも女神として祀られることを了承してしまいました。ストレリチアは良い男を複数の女性で共有する国。
女権国家とストレリチ人多数の信仰を受けたらあなたの本質も変わるでしょう」

 パープルハートはその言葉に心覚えがある。神や悪魔は一夫多妻が多い。だが自分はもっと夫となる人物をああされたら今より激しく怒りをもったのではないだろうか。

 そこまで考えたところで、ヴィヴィオの合図を受けたヴィーラが横島に文殊を使うのが見えた。確かヴィヴィオを守る為に彼が幾つか渡していたものだ。そしてその文殊には『戻』の字が刻まれていた。


 横島はその文殊を受けた直後に、昨夜『忘』の文珠で消された記憶が戻ってきたのを思い出した。

 ヴィヴィオたちに嫐られぬいた後の彼はストレリチで一年食べ続けた料理と宴の特別な料理の為か分身が萎える気配もない。そしてそれを見ながらヴィヴィオが言う。

「実を言うと、今回の料理は特別中の特別だったんです。何しろ女権国家からきた料理の天才達と、厨房の守護者さんを呼びましたからね」

 ヴィヴィオが入室を許可すると、彼がかつて共に戦った韋駄天族のシャーロット・E・イェーガ=シャーリーと彼が救った薙切えりなと薙切アリスの姿があった。彼女たちは心底楽しそうな笑みを浮かべて言う。

「占い師に占ってもらって忠夫をものにする機会を得るにはこれが一番良いって言われていたけど会ってたみたいね」

 薙切アリスの声にえりなも応じる

「ええ。ネプテューヌ様とシャーリー様。どちらも大怪我させずに終わらせるにはストレリチアに行かせるべきってね」

 シャーリーが彼の目を覗き込んで言う。

「えりなとアリスは双方とも私を信仰し始めた初代で忠夫お前は神の戦友だから、本来はお前が上なんだぞ」

 神としての言の葉でそう宣言させた後に彼女が後ろから彼を羽交い絞めにして胸を押し付けるとえりなに騎乗させた。
子作りという男女の儀式で本来立場が下の相手に上になられる快楽が彼を襲いそれを見ながらシャーリーが言う。

「えりな。私もネプテューヌ程ではないけど、忠夫と神として繋がっているからわかるけど、彼は身分が下の相手にベッドの中で良い様にされて興奮しているぞ」

 それを聞くとえりなは意図して侮蔑に満ちた視線に変える。

「あら。そうなの、惚れた男ではあるけど、気持ち悪いマゾだとも思ってたわ。今蔑まれて余計に固くしたでしょう。ほら逝きなさい。この屑が!」

 蔑みの目と最後の侮蔑の言葉で一気に射精した彼からえりなは離れると、足で射精したばかりで敏感になった彼の分身を踏み嫐り始める。
そして射精寸前になったところで薙切アリスが代わりに彼の分身を飲み込んで、そのまま彼は一気に射精した。
シャーリーとの間に霊的なつながりができていくのを感じながらこれは儀式だと彼は思いながらそれでも、彼女たちのもたらす快楽に対して抵抗できなことに気づく。そして二人が離れた後、彼を無理やり立たせてシャーリーの胸に顔をうずめさせて、シャーリーが分身を嫐るのを見ながら、ヴィヴィオが言う。

「忠夫さん、貴方を嫐る私達、パープルハートさんと同じくらい気持ちいいし少し劣る程度の快楽だったでしょう」

 そこまで聞くと内心で頷く彼にヴィヴィオが言う。

「想像してみてください。ここにパープルハートさんが混じったらどうなるか」

 ヴィヴィオの王族や神らしい威厳のある言葉を聞き想像した瞬間、彼は堕ちていく。そして女権国家でパープルハートに嫐られぬいた日々がどんどんと彼に追い打ちをかける。
それを見ながらヴィヴィオはえりなと薙切アリスが彼を辱め快楽で沈める姿を見ながら彼からもらった文殊に『伝』の文字を刻むシャーリーに渡す。
そしてシャーリーからその文殊を使ってもらうと、計画が完璧になったという笑みを浮かべた。





 横島が記憶を取り戻させられた直後にパープルハートは自分の動きが鈍り始めたことに気づく。最初の信仰者である彼の願望が流れ込んできたことで、自分は大分ヴィヴィオの行動を許容し始めている。
女権国家以外でも人助けをかなりしてきて、信仰された。だが一番彼女の信仰が多いのは女権国家かストレリチアだ。その信仰心による影響をシャットダウンできていたのは、彼が自分に対して一途であったからモある。
体制を立て直そうとする彼女相手にヴィヴィオが不意に動き、文珠を投げてきた。その文殊には昨夜と同じく『伝』とあった。

 彼女はそれを受けた直後にシャーリーがヴィヴィオに昨夜『伝』えた記憶が流れ込んでくる。

 自分とは違う女神の視点で横島に惚れた経緯と、彼女を信仰する従者たちが、彼を嫐りそれを侮蔑の目で見下ろす感覚。そして屈服していく彼。それを見ながらヴィヴィオが言う。

「パープルハート様、想像してみてください。貴女の信仰者となった身分が最も低きものが忠夫さんを嫐る様を。そして貴女がそれを見下ろし彼を侮蔑していく状態を。
彼の恥ずかしいと思いつつ、快楽を与えてくる相手に逆らえない状態を考えてみてください」

 そこまで言われた直後に横島が昨夜受けたパープルハートからの快楽とヴィヴィオの言葉の記憶に挟まれ、その願望の影響を受けた横島の念が入ってきた。
そして彼女も自分が彼女たちと共に嫐りたいという気持ちが沸いてきて、弱体化してきたことを自覚すると、パープルハートは負けを宣言した。

「だめだわ。これじゃあ勝負にならない。私の負けだわ」

「ありがとうございます」

 一応神と戦ったケースはストレリチアではこれが初だった。そして、ヴィヴィオの行為は『神との決闘が初めてであった為』一応は『この時のストレリチアの既存のルールでは』反則とは見なされていない。
ただし相手の実力にあまりにもデバブをかけすぎるからこそ、これ以降は神との決闘の際のルールが設けられることになる。



 ネプテューヌとヴィヴィオの決着がついた後、彼は闘技場のリングに挙げられて少女形態となったヴィヴィオとネプテューヌに足で射精させられた。
闘技場に彼がかつて助けた、女権国家の女性達も混じっていたらしく言葉攻めが余計に彼を高ぶらせた。

「淫乱男。一途女神様を複数で責める趣味に変えるマゾごみ。パープルハート様の姿でされた時よりたくさん出ているわ」

 なぜそれを知っているのか、という疑問が一瞬過ったが、ネプテューヌに騎乗されると、ユグドラにされたことを思い出し余計に興奮し、ヴィヴィオが満足そうに玉袋を踏みつけて言う。

「ユグドラのやや少女形態で犯したことで、大人形態にならない私達にも反応するようになりましたね」

「ヴィヴィオ、淫乱な夫の欲望にこたえて昨夜の願望をかなえてあげましょうか」

 そういって、ネプテューヌとヴィヴィオが双方とも大人の姿に変身して、パープルハートとなったネプテューヌとヴィヴィオに挟まれた時、
彼は完全に悲鳴を上げてそのまま果てた。しばしの時が立つと彼は自分がヴィヴィオにやられたのかそれとも、パープルハートにやられたのかすらわからない。
あまりにも無様な姿を鏡で見せられて思わず目を閉じた瞬間、快楽が強すぎて正気を失ったようになり目を空けることすら困難になった。


788 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:14:17 ID:Q955qKlc

 快楽が極限に達して目を開けると、彼は昨夜と同じく自分が子供に戻されていることに気づく。そして昨夜と同じくヴィヴィオとシンセシスと、ヴィーラが彼の分身をその豊かな乳房で挟み弄び顔をパープルハートの乳房に覆われた。

「昨夜私にも混じってこうしてほしいと思ってたんでしょう? 淫売な私の信徒さん」

「もごもご(はい)」

「少しはその淫乱さを悔いなさい。今は納得したとはいえ、闘技場で私が負けた原因を作ったんだから」

 パープルハートが彼の顔から乳房を離すと、ヴィヴィオとシンセシスとヴィーラの三人の乳房に挟まれて自分の分身が見えなくなっていることに気づく。三人は笑いながら言う。

「忠夫さん、私達だからよかったけど『性質の悪い』女権国家の女性に負けると壊れるまでこれですからね。それじゃあ行きますよ」

「「「せぇの♪」」」

 三人がより激しくパイズリを始めた直後にパープルハートに再び乳房で顔を塞がれた彼は叫び声にもならない絶叫上げて射精した後、闘技場から寝室に連れていかれた。
そこには彼に好意を抱いていたストレリチアでパープルハートに大きな恩ができたらしい教団騎士たちが、彼女も信仰の対象とすることを誓った後、彼を嫐る団体に加わった。
そして最後にヴィヴィオとパープルハートに挟まれた時に彼は絶叫と共に射精して意識が途切れた。






 気が付くと彼は現実に戻ってきていた。だが霊力は大幅に削れており、多くの女生と性交をした感覚が体に残っている。
周りのヴィヴィオやネプテューヌの様子を見ると、明らかに彼を削り切ったような様子だ。そして二人の霊力が増えていることから二人もゲームの中に入っていたのだろうと察する。

 一応は前世の術や技のコツがいくつか蘇ってきた感覚がした後、彼に対してネプテューヌが説明を始めた。

「昔の私は独占欲の強い方の女神だったのよ。それが女権国家とストレリチアの信仰を大量に受けたのと、二つの国に長期滞在した結果か変化しちゃったの。 まあ後悔はしてないけどね」

「そうか、あの後の歴史について教えてくれないか?」

「ええ。実は私の世界から流れ着いた神様も邪神との戦いに参加してそれなりに貢献したことがあって、その神様と同じ世界出身だからと、私も騎士教団に崇められるようになって、
それが理由でヴィヴィオちゃんの前世の扱いが少し落ちちゃったの。ストレリチアにあるまじき手段で夫の恩のある相手に夫の共有を認めさせたことが、後に私がストレリチを助けて邪悪な存在相手に活躍したことで、
余計に私に対して好感度高いストレリチア民からこの手段はダメだったろうってなっちゃってね」

 ネプテューヌの言葉をヴィヴィオが補足する。

「うん。お兄ちゃんをああいう手段で手に入れた後も聖王になれるほどの活躍をしたけど、善良とはいえ女権国家の女性達が夫と性交するのを許したり、夫が天寿を全うする間限定とはいえ長期滞在を許したのもまずくて、
それがなければ死後に大聖王とかの称号も得られるかもってくらいにはたくさん凄いことしたんだけどね。最も最近じゃ、女神と人は子ができにくい。それにも関わらず、
英雄クラスの男性を独り占めしようとしたネプテューヌを諫めた善行だったって説も出てきているけどね」

「そうなんか。当時のストレリチアの価値観はそうだったんやな。まあ、今のストレリチアは当時より緩いかもしれんし、逆もあるかもしれんがな」

「おかげで、私の前世は評価割れちゃって優秀な男の独占禁止法を立案した偉大な王ともいわれるし、主張は間違ってないけど正しいことを正々堂々と押せなかったこの件に限っては擁護できないとも言われているの」

「まあ、後世の評価なんか影響のでかい凄いことをして教科書に載れば、大なり小なり賛否両論だからな」

 そういうと横島は疲れが不意に襲ってきたので、すぐに眠りに落ちた。

 その後目覚めた後は、彼の恋人たちが作ってくれた料理を食べるとすぐに睡眠に堕ちて言った。





 エヴァの古城の一室で眠る彼は夢を見ていた。そしてその横には彼の来世が辿る可能性の一つと思われるゲームが彼の恋人たちの手でプレイされており、アリス・マーガトロイドが動かしている人形が枕元で行われている。
そして、エヴァとマーガトロイドのアリスとヴィヴィオとネプテューヌが子供の姿で彼のベッドに入っていく。




 夢の中で彼は快楽の極にいた。助けた少女たちが不意に彼が好む大人の姿に変わり、そしてその魅力で彼の動きを封じて彼を嫐ってきた。時に彼の心まで子供に戻し、性癖を刻み。
大人に戻して全員で愛撫の限りを尽くしたり。そして少女の姿に戻ってその快楽を刻み込み、彼を少女にも反応するように調教していく。
彼が豊満な体と少女の体両方で勃起するようになるとリグルやモモイやミドリやユズという少女たちまでが彼を嫐り始める。





 現実世界で彼に対面座位をしながら彼を人形で操り自分の躰を触らせるアリス妖艶な魔女の笑みを浮かべながら、ネプテューヌに声をかける。

「ネプテューヌ貴方が複数の女性で彼を嫐る類の女性に変わった後、ヴィヴィオやエヴァや私をありがたがる理由がわかったわ。 いえ実感できたというべきかしら」

「はい一度英雄譚に残るほどの活躍をした彼が、自分と同じタイプの女性に同じ手段で堕とされればそれだけ、私の英雄としての側面が強くなり、私に弱くなるから」

 そういうと彼女はパープルハートの姿になり彼を背後から抱きしめて乳房を当てて、ただでさえも快楽が強すぎて喘ぐ彼を余計に激しく痙攣させる。

 それを見てアリスは笑う。

「私もシンセシスさんと薙切アリスさんがしたことのおかげで、『アリス』という名の女性に快楽で支配されつつ支援を受けるものという側面が強化されたみたいね。ここまで堕ちることはなかったでしょうし」

 アリスが離れると魔女の使い魔と化したユウキが彼の精神世界から出てきた。

「忠夫の精神は僕が壊れない様に守るから、快楽と引き換えのバフをどんどん上げちゃっていいよ」

 その言葉は嘘ではないが、夢の世界で彼を嫐ることを楽しんでいることは一目瞭然だ。『仕事以外で忠夫が本気で恥ずかしがることしたら、女権国家に染まっちゃったということだからね』と言っていたが、
もう染まっている様にしか見えないが、害はないので指摘はするものはいなかった。アリスは彼を嫐りながら思う。ヴィヴィオの前世がああいう手で彼を手に入れたのは、
神に近い存在として生まれたからこそネプテューヌを味方につけるだけではなく、今自分が達が味わっている様な楽しみを味わいたいという思いもあったのではないだろうか。
一瞬思考が脱線したが、横島が痙攣と共に射精をすると彼女はエヴァに彼を渡す前準備の魔法を唱え始める。騎乗しながら腰を振り、快楽で泡を吹く彼の腹の上に魔法円が出るのを楽しそうに見下ろす彼女の魔術はもう少しで完成するだろう。


 横島の夢はアリスやエヴァという子供の姿にもなれる女性達に嫐られていた状態から、ゲームの中で何度か体験した妖精としてのインプであるユウキと悪魔としてのインプであるユウキに嫐られる状態に変化していた。
子供のころから共に過ごした彼女は誰の使い魔をやっても、彼の精神背顔をあっさりと掌握してしまう。
気を許しているが故に、抵抗が無駄なのだ。 ユウキはえりなや薙切アリスやシンセシスがしたような左右からの二人がかりのパイズリで彼の分身を挟んだり、あるいはアリスやエヴァたちがした女性優位の大半を彼にした。

「忠夫、僕にやられるのも気持ち良いでしょう」

「も、もちろんですユウキ様」

 二人のユウキにパイズリされて果てぬいた彼にユウキは笑いながら言う。

「他の女性人たち相手にも多分だけどこれはされたことないでしょ」

 そういって彼女は横島を丁度自分の胸の所に来るくらいの子供に戻すと、何か呪文を唱えた。そして彼の後ろにも分身が生えるとそれを後ろの回ったユウキが飲み込み前の勇気が対面座位をして飲み込む。

「無防備な夢の世界で、子供に戻されて、ここで一番屈服率の高い体位で射精しちゃったら、どれくらい魂が屈服するのかな?」

 笑顔でえげつないことを言うユウキに自分は恐れよりも期待を抱いている自覚が彼を余計に恐れさせた。
ユウキを今動かしているのは彼に一番すごい屈服と快楽を与えるという対抗心だろう。それ以外にも女権国家に染まったが故の嗜虐心なども混じっている。

「現実世界でエヴァさんが忠夫に吸血鬼の加護上げるからそれと同時に射精させてあげるね♪」




 二人のユウキに嫐られぬいている頃アリスは彼の分身からもう一度精を放たせるとやや名残惜しそうにエヴァに彼を渡した。

「エヴァお願い。夜の加護とそして私と同じ特徴を多々持つ貴女が色々と刻み付けて」

「任せておけ」」

 大人の姿になったエヴァに両手両足でとらえられて血を吸われると彼は激しく痙攣したまま崩れ落ちる。
夢の世界でユウキに前と後ろを同時に飲み込まれ現実世界ではエヴァに飲み込まれる実質三本の分身の快楽と、吸血がおしよせて快楽が極に達したが故の反応だ。
彼は拷問を受けている様な嬌声を上げて拷問を受けた悶死を連想させる痙攣をしながら。エヴァに向けて倒れた。ある意味自由人な彼はこの時死んだのかもしれない。



 倒れた彼を愛おしそうに抱き寄り添う面々を月が照らす。そしてこの一枚の高級絵画の様な風景が出来上がった。
その絵画は見る者によっていかなる絵画か変わるだろう。
人によっては女神達から寵愛を受け眠る一人の男のようにも見えるだろうし、別の者が見れば人知を超えた美を持つ存在達によって翻弄されて生き人形のなり果てた哀れな男にも見えるだろう。
どこまでも澄み切った青い月が彼を祝福する様にあるいは憐れむように照らしていた。

789 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 23:58:11 ID:akLlsIti
乙です

790 :名無しさん@狐板:2024/07/10(水) 01:25:02 ID:n+IKXCpI


791 :779:2024/07/10(水) 01:47:17 ID:Efo1jhNe
>>789
乙感謝です
>>790
乙感謝です

792 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:32:12 ID:Sq7lEzZl
 女権国家二次創作SS前世絡みの女性達による横島祟り神化完全阻止計画

このSSは本スレでスレ主さんが連載している女権国家の二次創作SSです。以下の注意書きと説明があります。
@このSSは>>779から>>778の続編だけど、単品で読めるように説明を入れると、時々オカルト現象で人をゲームの世界に吸い込んだりする、
 ゲームを作ってしまうこともあるゲーム会社に勤めている、横島が様々なエロ体験などをしている設定です。そのゲームで描かれているのはもう起こる可能性がゼロになった世界線だったり、
 あるいは極端に低い可能性になったりした世界線です。

A本編で関りのないヒロインが多く登場しています。全員に出番があるわけじゃないけど、ブルーアーカイブのワカモやシロコ、モモイとミドリ・ユズ。
 超次元ゲイムネプテューヌシリーズからネプテューヌなど。食戟のソーマからは薙切えりなと薙切アリスが出ています。

BFGOの清姫や清少納言や玉藻が登場します。このSSでは清少納言の本名が諾子(なぎこ)さんです
C祟り神や怨霊信仰に独自解釈があります。
D唐突に閃いて書いたため、ストレリチアに対する設定が殆ど捏造です。
EFGOの清姫が乙姫と合体するイベントが起きてかつ、あまりにもGS美神の乙姫と共通点があったので書きました。
FFGOの清姫より嘘への対応がだいぶマイルドになっている上に、清姫は大分誕生の経緯が違います。何よりも女権国家的な清姫です






 自分がストレリチアの聖王に婿入りさせられた時の記憶を思い出して数日が立った横島は任務で山中の森に来ていた。ゲーム会社のイフの世界で、得た情報で女権国家の戦争犯罪に深い不信感を持ちつつ、
自分には決して惚れない女性達がいる女権国家の国境よりの領主や村を霊的災害から救いに来ていた。狩魔豪の活躍したエイルケイム裁判で多くの女権国家の戦争犯罪が明らかになった際に、
狩魔が敢えて黒に近い灰色などにしていたものなどもあったのを知った理由は政治が絡むから相手を追い詰め過ぎない方が良いなどの理由もあったのだろうが、
中立よりの味方を相手にとって悪いタイミングでこっちに引き込むためなどの理由もあったのだろう。 

政治的な問題に思いをはせていて彼は不意に戦闘時の表情に切り替わる。炎を思わせる音が鳴り響き、何体もの東洋の鎧に身を包んだ武者の亡霊が出現してきた。

 横島は霊波刀を出現させると、十分に俊敏な鎧武者の刀を受け止めると、鍔迫り合いに持ち込むと見せかけると霊波刀を消滅させていきなり、力を抜かれて耐性を崩した武者に札を投げて焼失させる。
生前の癖が抜けていない怨霊は札で攻撃されることに対する経験がないこともあるからこそ使える手だ。 最初に切り込んできた武者が消えた直後に無数の札で弱った武者たち相手に彼はネプテューヌからもらった刀を抜くと切り込んだ。
その後は大した苦戦もなく、怨霊たちを倒して、祀る儀式をすると良識派の街の住民に女権国家の戦争の約束違反で死んだ怨霊だったことを伝えると、彼女たちは今回の件で王国への戦争犯罪抗議派になると決めていたので、
その守り神として祀ると伝えてきた。

 彼は迷いのない様子で宿に戻るとやるべきことを決めている決意の籠った目で一切迷いなく動いていく。彼は地図を広げると『隠』の文字の入った文殊を付けて通信機を作動させる。

「大鳳、とりあえず四枠の狂三の良識上、許容できない戦争犯罪で王国に同情的な村をいくつかこっちに引き入れたで。戦争時に味方するほどじゃないが、国民の権利を最大限に使って合法的なラインで王国に味方してくれると思う。
女権国家人は恩義に厚いからな」

『忠夫助かるよ。引き続き火急の様ができるまではそっちの任務をお願い』

 大鳳と連絡を取りながら彼は最近の人間関係について悩んでいた。時崎きょうぞうという明らかにただものではない彼が務めるゲーム会社の同僚、その女性は多分だがかなりの大物だ。
多分だがモモイ達との付き合いで得られる利益については、やたらと大鳳が細かく指示を出してくるのはそのせいだろう。
基本的には女権国家が行った悪事の因果応報で不利益が出るような形で動くように大鳳が命じてくることが多い。 仕事を終えた彼は少し憂鬱になった。
自分をとても立派なホテルで待っている女性陣のことを考えると、気が滅入る。王国男子しての尊厳の死に具合がどれくらいになるのだろうか。


 考えながら戻ると、今回ついてきたのはユウキとネプテューヌとストレリチアの女性陣だ。とはいっても、人外な彼女たちは横島と霊的なつながりが強い故に、不意に現れて彼を嫐るのも日常茶飯事だが。
交わりによって得られる加護は大きいがそれでも、強すぎる快楽で自分がどんどん壊されかけている感覚もありそれが不安を煽る。

 少しネガティブになった感情を自覚した彼は敢えて意識を切り替えた。外に出よう。そう結論すると彼はこの町の歴史に思いをはせる。かつてここは女権国家に統合された、小国だった場所だ。
もともとは東国の文化が流民や同乗の余地のある貴人の流刑者やそのお供たちによって持ち込まれ様々な術や文化が根付いた。そして女権国家相手に奮闘したが、最後に篭絡されて滅んだらしい。

 港町で山も海もある地でもある。そんな場所にいながら宿で蹲っていてもしょうがない。外に出て遊ぼう。そう考えると大鳳やジャギがいないことを彼は残念に思った。
幸いモヒカンたちとも気は合うが上司と部下では、向こうも羽目を外せないかもしれない。モヒカンたちに連絡を取ると、昨日休暇だったもの達が数人来てくれることになった。

 横島の遠征任務のお供はモヒカンたちから比較的人気が高い。大鳳やジャギも好かれているが、横島の遠征任務は悪霊などを祓い終えれば直後に恩を感じた住民や地元の有力者が味方になってくれる場合が多いので、
(あくまでも女権国家内にいるにしてはだが)安全になるし、あとは観光地みたいな場所でゆっくりできるためだ。





 モヒカンたちと共に海に来た彼は釣り糸を垂らしながら、少し泳いでもいいかもなどと考えながら、海を見ていた。モヒカンたちは素潜りをしたり、泳いだりしている。


 釣り糸を垂らしながら休む彼に不意にモヒカンが声をかけてきた。

「横島隊長、なんか面白そうな石碑見つけたけど、高島って英雄がここら辺を守ってたんすね。 見に行きませんか?」

 それを聞いた瞬間、横島の中で一気に危機を告げる警報が鳴り響き、一気に景色が既視感に満ちる。彼は即座にモヒカンに向けて言った。

「お前たち、すまん詳しく話している時間はないが、今すぐ宿に戻ってユウキ達に俺がやばい予感がしているって伝えてきてほしい。それともしも俺が失踪したら、今回来てない俺と行動を共にしているメンバーにも連絡頼む」

 モヒカンはその言葉を聞くと彼からもらった対霊的装備を取って走った。他の面子もその様子だけで全てを察して駆け始める。 別々の方向に行くのは恐らくは彼にも教えていない、独自の連絡や決まりごとがあるからだろう。
彼が篭絡されたら、そこから情報が抜かれるかもしれないから、こういう小さな工夫も生存率を僅かだが上げてくれる。

 横島は既視感に包まれだしたころには全てが手遅れな可能性も高いと、思いながら自分が悪いわけではないと察したうえで、自分を罵った。これは明らかに自分の前世がネプテューヌと出会う前に所属していた国だった場所だ。

 横島は景色全てに既視感が宿っている状態に冷や汗を流しながら、モヒカンたちに自分が撤退命令を出した確かな証拠を渡したことを確認すると、構えた。
そして海から大きな霊力を持った存在が、彼に迫ってくる。横島は戦闘にも移れるが、一応は礼を失しない体制を整えると、頭を下げて海からの使者を迎え入れようとした。
だが、彼は自分の魂に刻まれた、何かが脱力させてくることに気づいた。女権国家の女性達がもたらしてくる快楽に近いその快楽により意識を失い倒れかけると、
目の前に大きな亀の姿があり、そこから複数の女性達の姿が見える。 自分を拉致しようとしているなと察して彼は意識を失いかけながらも『繋』の字を刻んだ文殊を使うのが最後にできたことだった。





 モヒカンたちから報告を受けたユウキは即座に動く準備を始めた。ヴィヴィオやストレリチアの騎士たちは焦っている様子がない。ヴィヴィオは落ち着いた様子でいった。

「ご心配なく。今回忠夫さんは浦島太郎みたいにはなりませんよ。そういう契約ですから」

「もしかして前世のヴィヴィオが何かした相手?」

 ユウキの疑問に彼女は余裕の笑みを見せて答えた。

「ええ、東洋の霊的高位存在です。ストレリチアに東洋の術を取り入れるきっかけはいくつもあったけど、ネプテューヌ様は東洋の刀を用いているからその加護から忠夫さんを独占する裏技を持っているかもしれないと思いました」

「でも、ネプテューヌちゃんはそんなことしないと思うけど」

「ええ。私もそう思ってます。ただ夫とした男性を独占されかねない状態そのままにしておくのは王族としてあまり見栄えが良くありませんし。忠夫さんの魂は東洋に寄っているから東洋の同盟者との契約をするのも良いかと」

「そうなんだ。亀にさらわれたってことは、今回の忠夫をさらった相手は乙姫かな? 一応は正式な契約に基づく行為みたいだから一概には悪とは断じきれないかもしれないけど」

「そうですね。彼女たちの目的はユウキさんならすぐに知ることになるでしょう。この地で彼と関わっていた方々との関りもありますから。それでは救助に向かうとしましょう」

 ヴィヴィオやストレリチア騎士たちの様子を見てユウキは胸をなでおろした。明らかに彼女たちは怒っていないし、横島をさらった相手をぎりぎり敵とみなしている、
という感じの雰囲気だからだ。ちゃんと戦の礼を守っている相手に対するストレリチア騎士の反応だ。だがそれでも横島を救助する戦いとなれば、全力で挑む。

 ユウキが挑む準備をしているとシンセシスとヴィーラが声をかけた。

「ユウキちゃん、今回は負けてもそこまで悪いことにはならないから、安心してくれていいですよ」


793 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:33:55 ID:Sq7lEzZl

「僕も忠夫と霊的にもつながっているからひどいことが起らないという、予感は何となくわかるけど、それでも万一はあるかもしれないし。ヴィヴィオ殿下、こういうことは今回限りにしてね」

「ええ。もちろんです。それではそろそろ向かいましょうか」

 そういうとヴィヴィオがあらかじめ用意しておいたらしい、聖王家に伝わる紋章の入ったものを取り出すと、言った。

「では行きましょうか。忠夫さんが連れ去られた浜辺でこれを使えばすぐにたどり着けますから」

「うん。急ごう」


 そういうとユウキはヴィヴィオの後に続き駆け始める。横島と深く霊的につながって得た直感が彼に深刻な危機は訪れないと告げている為か、火事場の馬鹿力の様なものは出せない感覚が付きまとっている。
それでも万が一何かが起きた時に横島を守る為にそばにいた方が良いだろう。

 ユウキは剣を取り出すとヴィヴィオに聞いた。

「今回の敵……、というには少し微妙だけどどんな相手なの?」

 ユウキの問いに少しだけ悩んだ後ヴィヴィオは答えた。

「先ほども言いましたけど、乙姫と言える存在ではあります。でも本物の乙姫というと少し語弊があります。でも完璧に偽物というとそれもまた違うのです」

「なるほど。大分複雑な存在なんだね」

「ええ。彼女は、本来は清姫という存在です。異常な程に嘘を嫌い情念の強さから最高の神秘種である龍へと変わったのです。正確に言えば竜の方の感じが正しいのかもしれませんが。何しろ炎を使いますから」

「確か清姫伝説って、深い情念から竜に転じて相手の男性を焼き殺したってのが原型で女権国家でそれが変化して受け入れられて別な展開の話もあるんだっけ」

「ええ。その通りです。でも今回はそんなに急ぐようなことはありませんよ。忠夫さんをさらったのも後から私たちが着くようにしているのも、すべては神話の再現をして儀式の効果を上げたいだけですから。なんの儀式から道すがら色々説明しますね」

 ヴィヴィオの言葉に頷きながらユウキは彼女たちと共に竜宮城に向かうことにした。そこまでひどいことにはならない。
その言葉は嘘ではなさそうだが、危機感や不安とも違う不思議な落ち着かない感覚が自分の中にあることにユウキは内心首をかしげつつ、横島のもとに向かうために一切迷いなく動いていく。




 竜宮城に囚われた横島は激しい快楽で目を覚ました。全身が焼けつくような快楽があり、射精の際の熱を思わせる感覚を感じながら目を開けると、
緑色の髪をした豊満な体を持つ美女が仰向けになった彼に体をぴったりとくっつけて押し倒していた。性的な快楽をもたらす、秘所はとにかく熱が凄い。それも不快な熱さではなく性行為の最中に快楽となる熱だけを凝縮したような熱さだ。

「忠夫様。思いっきり私の中に出してくださいまし♪」

「ああー!」

 射精の熱で彼は脳を焼かれながら頭の中にドピュー!という音が響く様な射精を終えると。理性がなくなっていく感じがする。乙姫と思える人物は笑いながら言う。

「忠夫様、覚えていますか私を」

「いいや」

 人外相手に迂闊な嘘は命取りになることもある。その思いと本気で自分を好いている様子の相手に嘘はなるべくつきたくないという、思いが混じった言葉が出させた言葉だったがそれを聞いた瞬間、その変化は劇的だった。
彼女は上半身だけ起き上がった、彼に再び抱き着くと、そのまま豊満な胸を胸板で押しつぶしながら腰を動かし彼の分身を内部で嫐る。彼女の腕から出てきた炎が彼を焼くと性的な欲求が燃え上がり、
快楽を与えてくる熱が精液が分身の内部を通過するときの快楽の熱も強めていく。

「危険な状態でも嘘を言わないのですね。こういう時の貴方様は大好きです」

 毒蛇にかまれたような快楽が彼の中に蓄積し、彼は毒を吐き出すように射精するがその度に脳にこの快楽が中毒になる様な快楽が押し寄せてくる。

「貴方様の清姫を堪能してくれましたか?」

「乙姫やないんか?」

 純粋な疑問めいた言葉に彼女は納得いったという表情になった後、彼女は言った。

「そうですね説明が足りませんでした。貴方様と再び会えた嬉しさでいきなりこんなことをしてしまってすいません」

 真摯に詫びてくる彼女を見ながら、横島は懸命に頭の中で対策を巡らせる。女権国家の清姫伝説はいくつもパターンがあり、嘘を言った男を龍に転じて懲らしめるものが多い。
だが、彼女がどの伝承の清姫か彼には理解できていない。その彼を他所の彼女は説明を始めた。

「それでは、まずこの竜宮城や私の性質について話さなければいけませんね」






 横島を捕らえた亀を追いかける船に乗っていたユウキはヴィヴィオから説明を受けていた。

「つまりその、清姫っていうのはどこにでもいる女権国家の低級貴族の娘で、忠夫の何個か前の前世で彼に惚れて、竜に転じて炎の中に捕らえたの」

「ええ。結果的に嘘になるかもしれない言葉に対する拒絶勘と焦り故だったので本来よりはマイルドですけどね。彼女は女権国家の怪異として現れたいくつかの竜宮城と、乙姫をその炎で飲み込み融合しました。
そして嘘偽りを許さぬ海神というか海竜の化身と今はなっています」

「そうなんだ。それで前世のヴィヴィオはどうしてその娘に忠夫をゆだねたの?」

「簡単なことです。彼女は女権国家に流れ着いて変化した伝承とはいえ、『清姫伝説』に従って、清姫という竜神になったもの。そうである以上絶対に嘘は言えないんです。
だからストレリチアでも決闘などの約束事と海の恵みを司る女神として取り込み、ネプテューヌさんが忠夫さんを独占しようとしたときのカウンター存在としたんです」

「なるほど。でも疑っていない相手に形だけの警戒装置役なんて軽い役目を了承してくれたね。かつては人でも今は凄く格が高い竜神なんでしょ?」

「ええ。彼女は彼女には嘘を言いませんと言ったうえで本当のことを言えば、凄く寛大で気立てが良いですから。
ほとんど疑ってないけど念のためと万が一そういうことが起きた時の対策としてお願いしますって言ったらすぐに応じてくれましたよ。今回忠夫さんを渡したのはその時の契約なんです」

「なるほどそうなんだ。でも、忠夫、大丈夫かな? 女権国家で変質した伝承の清姫なら、殺されたりはしないだろうけど」





 ユウキ達が語り合っていた後に、彼は清姫から大体のことの顛末を聞いていた。

「つまり貴女は俺に惚れていた下級貴族の娘で、情念が強すぎて竜に転生して俺を無理やりその力でものにしたと。 どうしてもわからないんだが、ヴィヴィオはネプテューヌちゃんへの牽制以外でどうして俺を君にゆだねたんだ?」

「その理由ですが、それは貴方様を祟り神にする可能性を完全に断つためです」

「は?」

 そこまで言った後に、清姫は彼に向って火を放ってきた。そして彼女が手招きするとシロコとワカモが入ってきた。

「シロコ。ワカモ」

 黒髪の金色の瞳の傾国の妖狐とそして冥府で彼の魂を嫐る神の一柱でもある二人は笑いながら言う。

「旦那様、英雄としての末路の一人祟り神化の可能性を断つ儀式の為にまいりましたよ」

「ん、忠夫が神として祀られるパターンも許容範囲だが祟り神だけはだめ」

 そういうと清姫に射精させられ過ぎて動けない彼を二人が運んでいく。

 竜宮城の寝室から出た部屋には大きな布団があったがそこでは、モモイとミドリとユズとネプテューヌが共にゲームをプレイしていた。

「ネプテューヌさん上手だね。やっぱりゲームの女神だけはあるね」

「モモイちゃんだって上手だよ。何よりゲームを楽しんでいるのが伝わってくるし」

 ミドリとユズはあまりしゃべっていなかった様子で今も無言だが、ネプテューヌに対するしぐさを見ているとかなり気を許しているのが分かった。

 彼女たちは横島を見ると想い人を見つけた女権国家の女性らしく目の色を変えて近づいてきた。

 モモイが明るい太陽の様な声と笑みで言う。

「忠夫、これくらいの時間で来れたってことは清姫さんの地雷は踏まなかったんだね。本当に運が良いね」

「ああ。どうにか助かったで。それで今何しとんのや」

「乙姫さんに招待されて忠夫が来るまでの間ネプテューヌちゃんの御加護もらって頑張ったらできたゲームやっていたの」

「そうなんか」

「うん。忠夫も回復するための薬酒や料理食べながら見ててね」

 横島は竜宮城の海の幸を食べながら、ゲームを見ていた。ネプテューヌが、関わった為か、妙にゲームの内容が自分たちに有益な情報が多かった気がする。
大鳳が完全に女権国家に洗脳された際にユズが正気に戻すが、彼女の戦って倒した相手を正気に戻すという能力は二度と大鳳に仕えないというシーンが印象的だ。
理由は大鳳がユズの近接戦闘術CQC(Close Quarters Combat)を覚えてしまったために二度と倒せないと評していた。

 その他のルートでもユズは楯無と戦うのを異常に避ける様な描写がある展開があり、その理由はCQCを盗ませないためだ。
CQCは女権国家にも伝わっているが、熟練者がCQCを会得している者に使うと、異常なまでに上達させてしまうことがある。そして楯無はそいう類の素質を持つ者の様だ。
楯無はユズに最初は負けたが、それ以降何度も彼女に挑む。そして敢えてCQCしか使わずに戦い破れていた。そして負ける度に信じられない速度で習得している。
このゲームの最後は王国側が辛うじて大規模な諜報戦で勝利したが、女権国家の方がまだまだ優勢なのは変わらない状態だ。そして最後の戦いが終った時にユズが楯無に言われた言葉が印象的だった。

「貴方はもう、そこの彼(ゲームの中の横島を指している)の生き死にが関わっている状態でもなきゃもう私には勝てないでしょ」

 その言葉に対してユズは隠そうとしたがそれが当たりであると見抜かれた様だ。ユズはソリッド・スネークの娘で戦闘術は上級兵士数人に勝てるほど強い。
だがそれでも諜報部で訓練を受けた人間ではない。あくまでもプロの戦場でも通用する異常に高い戦闘技術を有している一般人に過ぎないのだ。


794 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:35:55 ID:Sq7lEzZl


 様々な情報を見ながらも彼は食事をつづけた。竜宮城の刺身のほかに野菜もふんだんに盛り込んだ磯邉は彼の喉をくすぐるきちんと美味な薬酒を余計に進ませる。 食べ終わった彼は、
自分の体が異常に脱力し股間の分身だけが凄まじい状態になったことに気づく。それを見て清姫が笑いながら言う。

「あ・な・た様♪ 精力がつく野菜やお酒がたっぷりと入っていて、それが消化されて子種に変わったんですよ。それではシロコさん。ワカモさん毎度の処置に移りましょうか」

「ん。任せる」

「ええ。あなた様を変質させるがん細胞の切除に移りましょう」




 横島が意識を失いかけているところの不意に、モモイやネプテューヌと似たタイプの気配を纏った黒髪の女性が現れた。和風のパリピという印象な女性で青と黒の混じった髪が良く似合っている。
美人にもいろんなタイプがいるが彼女は笑顔が特に魅力的なタイプの女性だ。今もそれを全力証明するような笑みを浮かべている。彼女は横島を見ると言った。

「今生では初めまして、忠夫様。清少納言と申します。いくつか前の前世で貴方に助けられてから、人でありながら貴方様が祟り神と化すのを阻止し続けている清少納言と申します。
及ばずながら文の力が信仰が生む幻想と渡り合う貴方様の役に立つこともありましょう。裏目に出ても責任持ちませんが」

 ここまでは完璧な和風の淑女を思わせる声と作法だったがここまで言い終えると、彼女は不意に明るい声に変わり言った。

「えーと、挨拶はこんなもんで良いかな? これから今生でもよろしくね。忠夫ッち」

 不意に服に似合うくだけた声になると、彼女は笑いながら彼に抱き着いてきた。

「そろそろ木綿季ちゃん、じゃなかったかユウキちゃんも到着する頃かな? きよひー、早くユウキちゃんとも会いたいから早く来るようにできない?」

「そろそろ来る頃かと思います。お出迎え致しますね」





 横島たちが話し終えてしばら経った頃に、ヴィヴィオたちが竜宮城に到着した。

 彼女たちの目の前には、薙刀を持った清姫がいる。髪は横島の目の前にいた時とは違いプラチナブロンドに変わり、衣装も乙姫のそれではなく、衣をつけた水着めいた衣装だ。

「ヴィヴィオ様、お久しぶりと言うべきでしょうか?」

「私にとっては初めましてだけど、多分久しぶりで良いと思うな。前世の記憶も多少はあるせいか初対面の気はしないし」

「そうですね。そちらが木綿季さん……ではなくて、ユウキさんですね」

「そ、そうだよ」

 嘘を言わない様に気を付けつつユウキは清姫の様子をうかがった。

「貴方様も私と同じく修練と情念で人を超えた存在になった経緯のある者。それでは参りましょう。これから私と戦うことこそがあの方の魂の病の芽を摘む儀式となるのです」

 そういって清姫が薙刀を構えかけると、シンセシスとヴィーラが前に出た。

「御二人ともどうしたのですか?」

「前世の私たちは貴方と腕試しをした時に、ぎりぎり恥さらしではない程度の戦い鹿できなかったと聞きました」

 シンセシスの礼儀正しい言葉にヴィーラも礼をもって続ける。

「ですからユウキさんと闘う前に前世の雪辱戦に付き合っていただけませんか。貴女は竜宮城にいる限り回復速度が凄く早いそうですし」

 その言葉に少し悩むと清姫は答えた。

「前世の貴女たちは決して弱くはありませんでしたよ。ただ竜宮城の後押しがある私を侮っていたことと、なまじ竜宮城の外で私と本気の手合わせをした、
記憶があったせいで最初の一太刀で不利な体勢になっただけです。そしてその体制から、不名誉ではない程度の善戦をしました。でも今の貴方たちは前世よりはまだ弱い。そして私は昔より少し強くなっています。それでもよろしいのですか」

 清姫の純粋な忠告にシンセシスとヴィーラは一礼すると言った。

「ご忠告ありがとうございます。嘘を言えない、貴女からのその言葉で、負けても恥ではない上に善戦すれば大栄誉だというお墨付きをいただけました。まいります!」

 本心から礼儀正しく礼を言った直後に、一撃で首どころか胴を両断しかねない剣撃を放つ彼女達を見て、ユウキはストレリチアの気質はやはり怖いと思った。

 ヴィーラとアリスの最初から火事場の馬鹿力めいた力を見せた猛攻に対して、清姫は竜と化した並外れた膂力と速度で薙刀を振るい迎え撃った。

 ヴィーラとシンセシスの剣撃は基礎は抑えつつ、野性味に溢れた荒々しいヴィーラの剣を、理詰めで徹底的に分析し型を極めた故に強くなったシンセシスの剣が補うという形の連携だ。
双方の力強い所立ちを清姫は薙刀を竜の一撃を想定させる一振りで二つの剣を受けた。この一撃で前世の轍は免れたと観戦者と化したユウキは思った。 辛うじて有利と言える程度だが、
初撃のぶつかり合いは前世とは逆に彼女たちが競り勝っている。

 清姫が青白い炎を放ち辺りを燃やし始めるとヴィーラもそれに応じて、その炎をかいくぐりストレリチアの騎士が纏うオーラを全開にして切り込み始める。

 清姫は押されながらもやや防戦よりの状態で剣撃の音を響かせながら廊下を下がっていく。竜と化した並外れた膂力が産み出す。
柄までも鉄でできているのかもしれない薙刀を小枝の様に振るう彼女の炎をかわし果敢に切り込む二人が有利を保っているのは、
シンセシスが今までヴィーラと手合わせした経験から、ヴィーラの動きを読んで連携を合わせているためだ。ヴィーラの予測が困難な野性味あふれる攻撃に合わせる彼女の負担は相当だが、
それでも見事に連携をすることで、清姫を追い詰めている。 連続の切りあいを繰り返しながら、ヴィーラがストレリチア騎士の中でも特に鋭い勘で、竜宮城の地形を不利に働かせない様に動き、
シンセシスがそれを読み込みながら、動く戦いがしばらく続いたが、ユウキはそろそろヴィーラとアリスが決着を付けに行くと見て取った。理由は簡単だ。
二人の体力がそろそろ限界に近い。戦いの中で勘が研ぎ澄まされて、一番良い動きができる状態に入ったところで、二人は一気に勝負を付けに行く。


 清姫の長刀が二人を引き離した直後にヴィーラが裂帛の気合の声を上げた。そして次の瞬間、この戦いで初めて、ヴィーラではなくシンセシスが切り込んだ。
それを見てユウキは理解する。完璧な伏線だ。シンセシスが今までずっとヴィーラの援護攻撃をして清姫の動きを覚え、そして最強の一撃を放つヴィーラより早く気配を消して仕掛ける。
そのシンセシスの攻撃をヴィーラが後から援護する。それを見た直後に彼女は、決着がつくと思った直後に、清姫が二人の剣を敢えて急所だけ外して受けたのを見た。次の瞬間彼女は言う。

「お見事です。これを使わせてもらいます転身火生三昧(てんしんかしょうざんまい)」

 清姫の言葉と共に剣を刺した二人を巻き込むほどの大炎が起り辺りが焼け落ちた後、すぐに建物が再生し始める。 ユウキは二人が死んだのではと思ったが、二人は健在だ。
死ぬどころか怪我すらしていないように見える。だが二人の様子が明らかにおかしい。ヴィーラは浮かされたように言った。

「清姫殿私たちの負けです。今すぐヴィヴィオ殿下か忠夫様を、いえ、ヴィヴィオ様ではだめです、忠夫様の所に連れて行ってください」

 その言葉にユウキは驚愕した。ヴィーラはレズよりのバイであり、横島に惚れたと明言した後でさえ、優先順位はヴィヴィオが至上だ。
以前横島とユウキに大きな借りができた時に、不誠実にならない様に言ってきた言葉にでも『この恩は忘れません。
ですが、ヴィヴィオ殿下の御安全と引き換えの場合になった時だけは恩返しをしないどころか逆な行為すらしてしまうかもしれません。
ストレリチアの騎士としてあるまじきことだとは思いますが私は陛下に本気で惚れこみ過ぎていますので。唯一命より大事な騎士道以上に殿下が大事なのです』と言っていた。
その彼女がヴィヴィオより横島を優先する発言を口にした。この炎は清姫の情念を相手に移す類の炎なのではないか? そう思った直後にその疑念は即座に消え去った。 ヴィーラの続く言葉があまりにも彼女らしかった為だ。

「嗜虐的な性欲が燃え上がってしまって、忠夫殿でなければだめです。殿下相手は純粋に愛し合いたい。もしくは可愛がられたりいじめられたりしたいのに、いじめたい。可愛がりたい。という性欲だけが刺激されてます」

 シンセシスも綺麗な笑みを浮かべて言う。

「清姫さん私ももう戦いになりません。今なら忠夫さん相手に、女権国家ギネスに乗る様な凄いいじめ方ができます」

「御二人とも前世よりはまだ未熟だったのに本当に苦戦しました。やはり前世の快勝は運が良かっただけだったようです」

 清姫は本心からの称賛の後二人を、侍女たちに送らせた。ヴィヴィオもそれに続いてく。竜に一瞬転じたとはいえ、ここまで早く清姫の傷が治っているのは、ここが竜宮城だからなのだろう。 彼女はユウキを見ると言った。

「それではユウキさん、忠夫様が転生した際の恒例行事な忠夫様の祟り神化の種の摘出に移りましょうか」

「なんのことかわからないけど、貴女とは多分前世かどこかで会っていた気がする。そして忠夫の為になんかしようとしてるのはわかるよ」

 そういうとユウキは剣を置いた。それを清姫が連れてこさせていた、竜宮城の女官が受け取る。そして他の侍女が恭しく、なぜか見覚えのある東洋の刀を礼儀正しく渡してきた。
ユウキはその刀を受け取ると信じられない程手に馴染んだことに驚く。そしてそれを見た清姫が炎をはいてくると、彼女はインプから天狗へと転じていた。

「炎渦の鴉天狗殿、それでは参りましょう。共に炎を高めあい、あの方が山の気の影響を強く受ける英雄となるのなら貴女が、海や竜神の影響を強く受けるのなら私が祟り神と転ずる全てを情念で焼き落としましょう」

 ユウキは自分の中で熱い情念の炎が燃えてくるのを実感した後、これが横島を嫐り染め変えるための儀式の前段階の戦いと感じた直後にはじかれた様に切り込んだ。
清姫はそれを薙刀で受けると彼女に教導めいた攻撃を繰り出してきた。ユウキはそれを避けながら悟る。これは天狗めいた力が自分に馴染むまでも訓練なのだろう。


795 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:38:08 ID:Sq7lEzZl





 横島は清姫がヴィヴィオたちを迎えるべく出て言った直後に、料理により分身だけが異常に固くなり脱力したところを女権国家で出会った女性陣達に嫐られていた。
モモイとミドリが双子らしい息の合った方法で彼を襲ってきた後、今度はアリスが人形劇を始めると、彼の意識がヴィヴィオたちに共有されていた前世へと戻る。そこでちょうどヴィヴィオとシンセシスとヴィーラが入室してきた。



 前世の聖王の閨房で彼は今子供の姿に戻されて、彼に惚れたストレリチあ騎士たちの前でヴィヴィオに股間を弄られていた。
ヴィヴィオの手が彼を操る様に動かすと彼は嬌声を上げそれをパープルハートの姿になったネプテューヌが共に嫐る。 あまりにも早漏な彼を笑う女騎士たちの声を見たヴィヴィオの興が乗り彼は胸に抱きこまれて分身を飲み込まれた。
その瞬間決壊したような感覚と共に、彼の脳が射精によって崩れるようにヴィヴィオの中に射精をし尽くした。ヴィヴィオは笑いながら言う。

「あまりにも早漏で耐久力がないせいか、一度の射精で恥辱なども感じる余裕がなくなってしまったようです。我が淫乱婿殿は」

 そういいながらヴィヴィオは離れると再び彼の分身を手で嫐り始める。彼は快楽に耐えられず悲鳴を上げた。

「やめてー!」

 その言葉にヴィーラが危ない目をしながら言う。

「本心からやめてーと思ってませんね貴方は」

 大人の姿に戻すとヴィーラが豊かな乳房を彼の胸板に押し付けながら言う。

「この胸板と、そしてその悲鳴で陛下を誘惑しています」

「気持ち良すぎて辛いんや! これ以上されたら」

 ヴィーラが手を彼の分身に当てると五本の指で固くなったそれをいじくりながら言う。

「レズよりのバイである私ですら襲いたくなっています。これは、政務前の陛下を誘惑する行為決定です。責任をとりなさい。具体的には陛下の嗜虐心完全に満足させなさい」

 そういいながらヴィーラは彼の分身を飲み込み彼の快楽が限界に達した際の悲鳴を聞いて笑う。ヴィヴィオがその声を堪能しているのが余計に彼女の欲情を駆り立てている。

 ヴィーラがそこから離れると、シンセシスが彼に抱き着き、仰向けの彼と体をぴったりとつけて清姫と同じように優しいがどこか逃げ場を残さない性的な快楽で彼を蝕んでいく。
ヴィーラとシンセシスの二人は彼を襲う際に痴態の引き出し方が巧み極まった。二人の手が乳房がそして秘所が、彼に快楽を与え悲鳴と精液を吐き出させていく。
ヴィヴィオとパープルハートがここに加わったらどうなってしまうんだろう。そう思った直後に、ヴィヴィオとパープルハートが立ち上がり、彼に言う。

「それじゃあ忠夫逝きましょうか」

「え、ちょっとま」


 シンセシスに射精させられた直後にパープルハートが彼の分身を飲み込み。射精したばかりで敏感になった彼の分身を容赦なく抜いて再び射精させ、その直後にヴィヴィオに同じことをさせる。
彼は時には大人の体で大勢に愛撫され、時には心まで子供に戻された状態で免疫が消えたところで容赦なく犯され快楽を脳に刻まれていく。

 長い夜が終ったあと、ヴィヴィオはシャワーを浴びた後でメイドに言う。

「忠夫さんは今日は殆ど動けないでしょうから枕元で、自分がどんな痴態をさらしていたかのビデオを再生しておきなさい。夢に見るでしょうから。時々見て興奮する様だったらたまには相手をしてあげなさい」

「はい。ヴィヴィオ様」

 この時代にはいなかったはずのメイドであるモモイとミドリとユズが頷き、彼の体をマッサージし始めると、彼は心地よさのあまり何度か分身を大きくしてしまい。その度に猫の様な二人の姉妹と、内気なメイドに快楽の極に堕とされた。






 横島が嫐られ始めたのと同じ時間に清姫とユウキの戦いは激化していた。明らかに命がけの戦いとしか見えないにもかかわらず、命の危機を感じさせない二人の剣撫は佳境を迎えていた。

 ユウキの鋭く速い連続の技は、今生の技術まで融合し始めると手が付けられない程の速度と化しており、清姫はそれを薙刀で辛うじて受けている。
彼女の剣の連続は薙刀での反撃を受けてもその衝撃すら利用して距離を取り余計に速く突っ込んで切り込でいる。ユウキの剣撃が常に彼女の優位を取る様に動いており、
膂力で勝る彼女の長刀とぶつかってもやや不利以上にはならずにいる。清姫は防戦一方だが、それでも負けることを危惧していない。なぜならユウキも激しい情念を燃やしているが、
ここまで差が出ているのは彼女が短期決戦をするために後先を考えていないからだ。長期戦になれば確実に自分が勝てる。だが、そういう決着は望んでいない。
ユウキのかつてない程の速さの一撃を辛うじて受けた彼女はかつてない力で鍔迫り合いを制し距離を取った。彼女は頃合いだと断じると竜の様な気を纏い炎を具現化しながら言う。

「ユウキさんそろそろ決着を付けませんか」

「うん、そうだね。炎を司る類の天狗の力僕も慣れてきたよ。お互い高めあう霊的な戦いお互い最高潮なうちにやろうか」

 そういうとユウキも刀に炎を纏わせ、清姫と全力の一撃をぶつけ合った。その瞬間竜宮城の一室が吹き飛び、再生が始まる。お互いが無傷であることを確認するとユウキが笑い名が言った。

「引き分けかな?」

「多分」

 そういいながらも清姫はユウキの様子を見て、儀式が成功であると確信した様だ。その彼女にユウキが笑いながら言う。

「うん。全部じゃないけど前世の記憶が戻ったよ。僕は忠夫と二人で天狗に弟子入りして、忠夫が前世でも病弱な僕を助けるために霊薬作って、それを飲んで天狗になったと。
それで人でなくなったから、『忠夫の妻』という形と人としての半ちゅうの通力以上は使わない形で動いていたと。そして忠夫が祟り神化を完全に潰すために動いていたと」

「はい。一度、祟り神となって当然とみなされた魂は絶対ではないけど転生後にそうなるケースが多々あるので。まして前世と同じ条件となると」

 祟り神は元人でありながら絶大な力を持つ。いくつかの条件がある。善良な人間かつ、明らかに不当な扱いで死亡。あるいは惨い扱いを受けて、怨嗟を抱き死亡。それをした側が報いを受けていない。
この条件を満たした存在は一般人ですらも侮れない力を持つ恩讐の神となる。だが、祟り神と化したものは、人だった頃はしない様な非道をしてしまう人格の変化を遂げる可能性もある上に、祟り神と化すとその経緯が広がり、
大衆の信仰や道場の念が流れ込み他の神となった英雄神より、人格が変化して戻ってこないケースも多い。

 それを止めるために、彼女達はいくつか前の横島の前世をワカモと清少納言と協力して嵌めたのだ。彼女たちは今生でもそうしないために奥の寝室に向かうことにした。




 いくつか前の前世を経て彼は今複数の女官に犯されていた。彼は一度女権国家のあり得ない、条約破りで家族を失い冤罪をかけられて重傷を負って死にかけた時、九尾の狐に助けられた。
そしてワカモと名乗った黒髪の彼女に押し倒され一度の射精で脳が壊れ二度目の射精で完全に腑抜けになった。その後は国が冤罪を認めて、食料が豊かな離島に彼をおいた。
ワカモが選んだ複数の貴族の侍女女権国家と九尾の力を分け与えられた女たちに犯されながら一生を終えた。


 そして今彼は諾子に同じことをされている。シロコとアリスに人形劇の追体験をさせられたからこそわかる。前世の自分は英雄として最高に情けない最後を迎えていた。
前回彼に不当な扱いをした国が、彼を暗殺したという濡れ衣を晴らせなくなってまで、事実を何百年も公表しなかったのは、彼に対するせめてもの償いだったのだろう。
それほど晩年の彼は男性優位の性交が当たり前の国では情けない性交を夜ごと繰り返していた。

 諾子が笑いながら書物を読み言う。

「忠っちの前世マジあり得ない。九尾の狐に一番恥ずかしい体位で三連発された後、家族にまで償いの為と偽ってきた、性悪貴族女たちがそれ見ながら爆笑してたら余計固くなってたなんて」

「今でもそうですねぇこれ♪」

 足で彼の分身を踏みつけるワカモの化身の姿の一つ玉藻の前が笑って言う。ピンク色の髪を振り乱しながら、彼女はそれを飲み込むと既に快楽が限界を超えているのに、体が勝手に動いて、
彼女の乳房を揉みしだいてしまう彼を嘲笑する。余計に射精の量が増えて苦しむ彼を笑う、着物の女性達を他所に諾子は言う。

「ほらほら、忠っち今生でも女権国家にルール違反過ぎる手で仲間沢山殺されたけど、頭より、こっちに血を登らせなきゃ」

 そういって玉藻の裸を凝視ているがために固くなったそれを諾子が掴むと彼は余計に固くなったそれに完全に参る。そして侍女の一人となっていたシロコが笑いながら言う。

「ん。前世であんなに無様だったんだから祟り神の資格なし」

 この言葉は前世の自分の無様すぎる性行為の数々を追体験させられた後だからこそ余計に響く。彼に自分は祟り神になる資格なしと思わせることで、そうなる可能性を徹底的に減らそうとしているのだろう。
銀髪の美女狼が背後から長髪に変わり乳房で彼を嫐る。そして玉藻が、黒髪の美女ワカモに変わり言う。

「確か前世ではこうでしたね。あ・な・た様」

 この国では一番恥ずかしい騎乗をした後、自らの力を分け与えた、侍女たちにも同じ事させ、足でも何度か射精させる。それを見て笑う侍女たち相手に大きくなる分身を嘲笑と共に射精させる。
それを終えた後、不意にさっきまで彼を軽い口調で嘲っていた諾子の姿が消えていた。そして次の瞬間着物に身を包んだ、美女が現れる。その姿は間違いなく諾子、ではなく清少納言だ。彼女は普段とは違う声で言う。

「忠夫様。貴方と対立し恥知らずに裏切って故国を女権国家に統合させた家の娘であり、一応は対立派閥の清少納言です。この国が女権国家の一部となった証の契りを結ばせていただきます」


796 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:41:59 ID:Sq7lEzZl

 涼やかな気品あふれる声が彼を余計に絶望させた。今の彼女は公人清少納言だ。公私を超えた、友達である諾子に犯されるのとは違う。
ここで閨で果てたら、決定的に自分は敗北してしまう。それを他所にシロコが彼を抑え、ワカモも彼を抑えて言う。最も二人に抑えられずとも、彼は絞られ過ぎて動けなかっただろうが。

「前世のふがいなさすぎる夜の再現ですね♪」

 清少納言が着物を脱ぎ去ると、隠れ巨乳だった彼女の胸が見えた直後に見えてそのまま彼と一つになった。涼やかな貴婦人めいた目で彼を見下ろしながら彼女は彼を何度も果てさせた。彼が倒れた直後に、彼女は離れ言う。

「とてもかわいかったですよ(この時代の彼らの故国では男性優位セックスが当たり前で女性に閨で負けた後にこれ言われると滅茶苦茶はずかしいことだった。普通はそう思っていても言わない)」

 その言葉を聞いて余計に分身が固くなったことで絶望すると、そこにユウキと清姫が入ってきた。

 ユウキを見ると清少納言が顔色を変えていった。彼女は清少納言から、私人である諾子に戻ると言った

「ユウっちよく来たね。これでいよいよ最後に移れるわ」

 この前世では彼女たちは知り合いだった様だ。ユウキは彼女を見ると言った。

「諾子さんお願いします。忠夫いくよ♪」

 ユウキは笑みを浮かべて彼を犯し始めると諾子は何か儀式所を思わせる自分の本に手を伸ばした。

 諾子が彼の今生でも英雄譚をつづる物語を読み上げ始め、彼の悲嘆などを読んだ後、『されど幼き頃から共にありしきらきらしき者は今もともにあり』

 そして彼女が言う子供のころから変わらぬ風景などの話を読むと、ユウキとの日々が思い出されはじめる。
そして彼の上で彼を絞るユウキが何よりも愛おしく感じられ彼はそのまま完全に魅了されていく。ユウキは時に清姫や他の女性と共に彼を犯し、
何度も意識を飛ばしていく。ユウキは途中で気の利いた言葉攻めなどもしなくなり、ひたすら彼の名前を繰り返しながら、彼にとって最高の弱点を突き犯していく。

「忠夫! 忠夫!」

「ユウキー!」

 愛にこたえているようでもあり、ただの絶叫でもあるような声を上げながらユウキに精をささげ続ける彼を見ながら諾子は言う。

「うん。快楽だけじゃなくて強い愛も同時に注がれれば祟り神になってまで復讐果たさなくてもいいやになるからね。これで良し」

 祟り神になる最後の素養自分の意思を失ったの見て彼女は満足そうに頷いた。

 清少納言と化した彼女とユウキの二人に犯されている彼は完全に腑抜けつつ、彼女たちと共に過ごした日々の記憶が彼の復讐の念を削り取っていく。
清姫の放ってきた炎は今度は暖かいかがり火の様な心地よい情事の熱を思わせる。 ユウキが彼の分身を胸で挟み、清少納言と清姫もそれに習って散々焦らした後で彼女たちにかわるがわる犯された後、
政争目的で女権国家の力を得て彼を快楽付けにしに来た女官たちと代わる。

「見てください諾子さん、僕たちとしている時よりたくさん出しているよ」

「ユウっち仕方ないって、あいつは生粋の屑マゾだから。ほら前世のこれ見てよ」

「こ、興奮なんかしてません」

 心折られて閨で女性に敬語を使うようになった彼の言葉に清姫が反応する。

「嘘を言いましたね」

 清姫の放った炎が彼の欲情を余計に高め嘲笑を浮かべる女官たちもまた同じ状態になりながら、彼を襲い始めた。その宴の締めは清姫も頷く彼の屈服宣言だった。それを聞いた諾子は言う。

「これで祟り神かの可能性完全排除だぜ」

 そこで彼の夢は現実へと帰還した。目の前には政争の家の女官ではなく、竜宮城の乙姫=清姫の配下の女官おり彼を犯している。その快楽に負けて射精すると彼は意識を失った。




 竜宮城の寝室、横島が意識を失っている横でユウキは諾子と話していた。

「諾子さんは政略結婚な側面も強かった時代に忠夫とそういう関係になったのはやっぱり忠夫が好きだったからですか? 今回も英霊としてわざわざ忠夫を祟り神にしない処置を取りに降臨してくれたみたいだし」

 その言葉に諾子は嘘は言えないと断じたせいか少し悩んで答えた。

「実を言うとさー、自分でもよくわからないんだ。 あたしちゃんの家がとんでもなく彼に対して不義理かましたときも、あたしちゃんは関与してないって知ったら普通に接してくれたり、
友達の兄貴だからって兄貴が霊的にやばいことになったら助けてくれたりして、理想的な友達やってたんだよねー。
あたしちゃんがあんまりプライベートだとおしとやかさがなくて、女として見れなかった結果、忠っちは本当良い友達してくれててさー。
それで祟り神になると、子供とか本気で反省したり命乞いしてる奴らも笑いながら殺せるようになるって聞いたらさー、どうしても祟り神にさせるの嫌になっちゃてさー。 もう何でもしたるって、前世で思ったらあの行動だったわけ」

 本当に自分でもよく分かってなかったのだろう。あの時代のあの国は恋愛感情がなくても結婚して義務で子をなすために性行為をなしていた貴族も大量だった。
もしかしたら、彼女にとっては義理堅い友達を堕とさないための手段だったのかもしれない。恩讐を捨て去り表舞台を去った自分の夫とすることで、忠夫の名で縛り祟り神かの芽をつぶしたのだろう。

「恋愛であれ友愛であれ、忠夫を踏みとどまらせてくれた上に今も祟り神となる芽をつぶすためにあらゆることをしてくれてありがとうございます」

 礼を言うユウキに彼女は照れ臭そうに手を振った。

「良いってことよ。あたしちゃんなんて、きよひーと比べたら足元にも及ばないぜー」

 清少納言の言葉にユウキは内心頷いた。何しろ彼女は横島の前世の一つが血みどろの戦いに身を投じず、生きるために戦ってくると約束したが、あまりにもひどい敵国の裏切りが原因で、
『あの時は本心だったが嘘になってしまった。俺は恐らく祟り神となってでも敵国に報復すると思う』と横島の前世が言ったら、
『祟り神になった貴方様を清姫伝説の様に竜と化して燃やし共に転生して戻して見せます』と返して女権国家的な竜神と化したという。そして自分と共同戦線を張るわ、
女権国家の怪異的な竜宮城を飲み込んで『快楽で永遠にあの人を幽閉する場所としてちょうどいいです♪」といって乙姫ともなるわ滅茶苦茶極まる。

 そう思いつつ清姫とのやりとりを思い出し少しだけユウキも深刻になる。清姫が今回彼にこんな処置をとったのは女権国家の戦争犯罪が深刻であり、もし彼の大切な人間が多数死ぬと、
彼が始めての祟り神となる恐れがあるからこそこの様な強引な処置に踏み切った。
それがわかったからこそ彼女も迷わず彼女に協力する道を選んだ。




 ある海岸でツインテールの美女が刀を構え海を見ていた威嚇的でもないのに、恐ろしい程の気を持つ彼女のもとに、海から竜神が現れると、相手を格上と認める礼を取った。
そして清姫の姿になると頭を下げて言う。

「御初御目にかかります。初音ミク様。旦那様がいつもお世話になっています」

「まだ今生では夫婦じゃないと思うけど、……、それはともかく取引は成立ということで良いの?」

「はい。忠夫様の祟り神化の素養を潰すのと引き換えに私達竜宮城勢力は、女権国家が突いた戦争のルールを破った嘘で奪った領土の奪還の際には協力しますし、返還が終らない限りは消極的敵対行為を続けます」

「感謝するわ」

「それでは失礼します。今生の高島様は多忙極まるから竜宮城に滞在してくれる帰還もそう長くないでしょうから」

 竜に変身して信じられない速度で恐らくは彼の元へ向かう清姫を見てミクは思った。あの横島は本当に普通から外れた女に好かれ過ぎる。だがそれが今は王国の役に立っているなと。
ミクは彼に対する同情の念を抱きつつ、久しぶりにゆっくりと景色を楽しむことにした。王国にとって久々の大吉報だ。今は彼のおかげで味方になった海の景色を楽しむことにしよう。


797 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 01:09:07 ID:N9xa3Lxh
乙ー!

798 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 13:53:32 ID:i8RL3o+U


799 :792:2024/07/19(金) 18:28:41 ID:Sq7lEzZl
>>797
乙感謝です

>>798
乙感謝です

800 :名無しさん@狐板:2024/07/20(土) 22:42:07 ID:AkdUSeCg


801 :792:2024/07/20(土) 23:34:55 ID:nknK+tfU
>>800
乙感謝です

802 :名無しさん@狐板:2024/07/26(金) 08:31:13 ID:zkgHGD1R
乙ー

803 :792:2024/07/27(土) 23:02:18 ID:OVBkjGlA
>>802
乙感謝です

804 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 00:45:20 ID:LNj0Gnq0
 女権国家バニーの日SS 女権国家産のウサギの群れに囚われた男のありふれた末路

 このSSは本スレで掲載中の女権国家の二次創作SSであり三日遅れのバニーの日のSSです。以下の注意書きがあります

@今回のSSだとさとりとこいしも横島のヒロインとなっており、好感度200越えして嫉妬深い面を見せます。
A>>347で書いた月間カンカンの設定が使われています。
BユウキとAAが似ているのでファイヤーエムブレムのワユとWILD ARMSのアナスタシア・ルン・ヴァレリアが横島のヒロイントして出てきます
Cエヴァやアル社長の能力や人脈がかなり盛られているかもしれません。
Dバニーの日なのにバニーガールは出てきても、ウサギキャラは出てきません。




 女権国家の静謐な夜、人通りの少ない裏路地に疾風を思わせる速さで走る影がある。その速度に反して音すらろくに立てずに歩む人物は一見すると美少女を思わせる様な容姿をしている。
それに反して進む足取りは武道の熟練者を思わせる。人通りの少ない裏路地を歩む彼は僅かな焦燥感を醸し出しながらも、迷うことなく目的意識をもって進んでいる。

 彼がある裏路地に差し掛かると、ヘルメットをかぶった戦い抜くことに特化した筋肉に身を包んだ男が彼を迎えた。王国の諜報部の武芸担当者であるジャギだ。彼は大鳳を見ると、周囲の気配を探り安全だと確信した直後に口を開いた。

「大鳳、横島の奴の身に何か起きた可能性が高いってのは本当か?」

 ジャギの半信半疑めいた言葉に大鳳は即座に頷く。そして彼に言葉を返した。

「うん。まだ大事ではない可能性が高いけど、これは放置するとやばいと思う」

 ジャギはその言葉を聞き、気を引き締めたが、事態の予想がつかない様子だ。

「しかし一体何が起きたんだか。 最近のあいつは戦闘力でも相当だし精神的にもかなり強い。まして力を取り戻したエヴァの姉御をはじめとした周りの女たち、それであいつに何かできる奴の方が珍しいと思うがな」

 そう答えながら、ジャギは一応はミクに連絡を入れておいた。もしかしたら出陣してもらわなければだめかもしれないという旨を籠めたものだ。 横島は霊的防衛的な意味で最近は貢献度が高い。
そして彼の周りにいる女性陣も強い故に彼が危害を加えられたということは、それができる人物も限られている。半端な相手じゃない以上はミクを呼ぶことも考えておいた方が良いだろう。


 大鳳がここまで、焦っているのは横島からの報告書が原因だ。
 彼の報告書が過去に一度か二度くらいしか見せたことがないくらいに文体が乱れていた。一応概要は読み取れたし、最低限の報告はできるくらいにはきちんとした報告書ではあったが、長い付き合いのある大鳳だからこそわかる心底精神的なダメージが大きかった時しか見せない乱れがにじみ出ていたのだ。大鳳はそれを見て直ぐに横島の所に行くことに決めた。

 連絡を受けたジャギも全く止めずに同行を決断したのは、彼の安否が気になったからだ。
最近の横島の『業務中の』有能さやあらゆる面での打たれ強さを見ている限り彼がここまで精神的ダメージを受けるということ自体が、非常事態の可能性ありといえる。
滅多に見せない横島のダメージを受けた様子に、少しだけ心配になったジャギに向かって大鳳が言う。


「とりあえず操られたりして書いたわけじゃないし、報告書としてちゃんとしているから、意識を『業務モードにしていれば』ぎりぎり大丈夫なぐらいではありそうだけど、早くケアしないと、女権国家の敵に付け入られると悪いから早めに対処しよう」

「そうだな」

 短く堪えながら、ジャギは大鳳の言に頷いた。表の世界であれば大事になる可能性が低いことを放置しても運が悪かった、で済むが自分たちが所属している場所ではその大事が起きやすいところだ。
優先度は低くとも、部下が聞きならばなるべく早く対処するに限る。





 ほどなくして横島が済んでいる館に到着した。確かエヴァか愛歌のつてを経て購入した、霊的な守りの高い館らしい。
いくつかの霊的大事件を解決してその報酬で購入したそれは、ぎりぎり豪邸と言えるくらいの建物であり、不思議と印象に残り辛い。多分だが、霊的な襲撃などにも強いのだろう。 

 インターホンを鳴らすと愛歌が直ぐに迎え入れてくれた。愛歌の姿を見て、大鳳とジャギの心に安直の念が沸く。彼女の様子を見ている限り横島の精神はそこまで重症ではない、もしくは緊急性は低い可能性が高い。

「いらっしゃい。忠夫は今業務を終えて部屋にいるわよ。早く精神のケアお願い。私でもできるけど、貴方たちの方が早く終わらせられると思うから。」

 愛歌は明らかに上機嫌な笑みを浮かべている。横島に対してかなり入れあげるようになってから、彼女がこういう姿を見せている時は横島が相当に女権国家の女性を引き付けるような行動をとってしまった時だ。

「ありがとうございます。それじゃあ行ってきますね」


 愛歌に礼をすると大鳳とジャギは急ぎ横島の部屋に入った。そして驚愕が彼らの意識を包んだ。

 かつてない程打ちひしがれた様子の横島が彼らをどうにか迎え入れた。一応漫画でいうところ子のギャグパートの様な雰囲気があるからまだ大丈夫だとは思うが相当やばいことは何となくわかる。大鳳が心配した声で言う。

「忠夫、いったい何があったの?」

「大鳳、報告書にショック受け取る様子を出してしまっていたか。詳しくは愛歌ちゃんに聞いてな。今のワイではうまく話せん。ワイがバカだったんや」

 大鳳は彼を見据えて言葉を返した。

「とりあえず忠夫の口から話して。 話すだけでも考えを整理できるし多少は楽になると思う。それに考えを整理できるでしょう。不明な点があったら愛歌さんに聞くから」

「ああ、ありがとな」

 横島はダメージを受けつつ、ぽつりぽつりと事情を話し始めた。




 横島から聞いた説明によると、横島は良識的なホストクラブ、それも男性の悪霊祓いししか払えない霊障に困った女子を惹き付ける仕組みの施されたホストクラブで働いていたらしい。
実戦経験も積めるし、自分に他のホストに惚れた女性も恩を売れば人脈作りに使えるからだ。これは大鳳も報告書を読んでいた。
そこでかなり活躍をしていたようだ。実際に彼に惚れていない女性陣も王国に対して友好的になっている者が増えていた。 そのホストクラブは女権国家に在住しているストレリチアの女性も多く入店していたはずだ。
確かホスト達では手におえない霊障が出た時に、対処してくれていたらしい。ヴィヴィオも横島がそのクラブで頑張っていると上機嫌で良く訪れていた。横島がここまで落ち込んだのは、二日前の事件が原因らしい。

 なんでも一目見て横島を気に入ったらしい姉妹から、人助けの為に霊障解決の助太刀を頼まれたのだ。そこでワユと、アナスタシア・ルン・ヴァレリアという女性二人の依頼を受けて出撃した彼は見事すぎる活躍を見せた。
アナスタシアという単語を聞き大鳳の表情が少し強張ったが、ルンヴァレリアという名字を聞くと、人違いかという風に安心したように変わる。そして横島の話を聞くと僅かな違和感を覚えたが、
そんなことかと思う様な内容だった。 もしもこの時大鳳がもう少し違和感を深く追求していれば、今回の事件はもう少し穏当に終わっていたかもしれない。
だが、事態がラブコメディ映画のような事態だったために、『違和感』は大きくてもそれに対する『警戒心』が大きく下がってしまった。




二日前の夜にワユとアナスタシア・ルン・ヴァレリアが助けたいという女性の友達を助けた彼は、二人にお礼を籠めてシャンパンを注文してもらっていた。
どこかユウキに似た二人は彼に対してとても好意的だった。底なしに明るいワユと俗にいう大人のお姉さんめいた雰囲気をしたアナスタシアがソファーの真ん中の彼を挟みなが褒めたたえた。

「忠夫くんったら、格好良すぎ。ストレリチアでも多分それなりにもてると思うな」

 アナスタシアは包容力に満ちた大人のお姉さんめいた雰囲気を出しながら聖女の様な純白の衣装に似合わぬ酒に酔った色気を見せて彼にまとわりつき。ワユも底なしに明るい様子で言う。

「忠夫、凄く格好良かったよ。今度からあたしたちの専属して助っ人毎回やってくれない」

 この二人からはどこか神霊めいた気配があったが、なぜか警戒心が沸かなかった。その理由の一番は多分、ユウキとどこか気配が似ているからだろう。
「いやー、そういわれると嬉しいですね。 俺の周りにはかわいい子は割と多いけど、大人のお姉さんめいた包容力のある女性はあまりいませんでしたから」

「そう?そういってもらえると嬉しいわ」

 あくまでもホストとしての業務を逸脱しない範囲内ではあったが、それでも散々いちゃついていた。そしてそれを陰から見ながら切れている。女性の姿がいくつかあった。特にさとりが今回はひどく怒っていた。

「こいし、少し無意識を操りなさい。彼じゃなくて、今やきもち焼いている、ユウキのよ」

 横島が知ることがないこのやり取りが今回の事件の裏側だった。

 仕事を終えて帰った彼はユウキに声をかけられた。

「本当に心の籠った口説きをするくらい魅力的な女性に敢えてよかったね。 アナスタシアさんとお幸せに、タダスケ(横島の源氏名)さん」

 その言葉を聞き横島は精神的に崩れ落ちた。ユウキからの凄まじい拒絶。しかも、忠夫と呼んでもらえないなど出会ってから横島呼びから忠夫に変わってからの初めてのことだったらしい。





 話を聞き終えた大鳳とジャギは少しだけ奇妙な違和感を覚えた。ユウキの性格上ちゃんと事情を話してホストをやった以上そんな切れ方はしないと思う。それに限界が来たならもうやめるように詰め寄る程度だろう。少し考えてから大鳳は答えた。

「忠夫、ごめん解決策を考えてくるよ」

「おう。ワイの私事に煩わせてすまんな」

 かなりダメージを受けている様子の横島を見ながら大鳳は外に出た。そして一回に降りるとジャギに言う。

「おかしいよね。ユウキの態度」

 悪いではなく、違和感の強さを大鳳が口にするとジャギも頷いた。

「ああ。ユウキらしくねえ」

「忠夫呼びじゃない辺り相当キテた気もするけど。本気で怒っているならどうしたらいいかな」

「今の横島の様子をこいしかアリスの隠し人形で動画にとって見せたら一発で治るだろ。考えるだけ時間の無駄だ」

 ここまでは呆れた声でジャギは答え、そして次の言葉で声のトーンが切り替わる。

「……最もユウキのやつが正気ならだがな。ぎりぎりあり得る反応な気もするが、明らかにおかしい」

 そういいつつそこまで警戒してはいない様だ。恐らく横島に入れあげてきたさとりやこいしの悪戯程度だろうと彼も思っている様だ。そしてジャギの返答に大鳳も納得しつつ返事を返した。

「そうだね。むしろ警戒すべきは、神霊めいた気配がしたストレリチアの女子二人じゃないかな?」

 アナスタシアとワユこの二人以上にユウキに似ていたという点が妙に気にかかる。ストレチア女子だったという点が警戒心の段階を一つ下げるが、
横島様の篭絡部隊ではないかと疑いの念が沸く。ヴィヴィオはあの二人を一時的に下りてきたストリレリチアのヴァルキリーか何かかもと言っていたらしいが、太鼓判が押されていない常は女権国家に帰属したストレリチア人の可能性もある。


805 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 00:47:01 ID:LNj0Gnq0

 悩む二人にアリスと愛歌が声をかけてきた。二人ともうずうずしている様子だ。

「早く忠夫とユウキを仲直りさせて。幼馴染に冷たくされて傷心状態な忠夫が可愛すぎて襲いたくてたまらないの」

 笑顔で言うアリスはユウキへの仁義から待っている様だ。アリスだけでなく愛歌も同じような反応を見せている。そこに来て愛歌も大鳳に言う。

「一応あの後、かつてない程優しい様子のエヴァが『私からとりなしておいてやるから、安心しろ』って忠夫に言ったからエヴァに任せているけど、
あんまり英雄さんが可愛い姿見せていると我慢できなくなっちゃうかも♪ 今のユウキは正気だし、前みたいに忠夫を嫐れば参加しに来るかも」

 もう横島を襲っていたというのは意外だったが、それを聞き大鳳はこの面談が終ったら、エヴァと会うべきだという結論に達した。最もユウキと横島の喧嘩に対してはそこまで深刻にとらえていない。
愛歌が連絡を寄こしてこなかった時点で急務ではないなと思っている。横島のメンタルケアよりはむしろミクに頼んでアナスタシア・ルン・ヴァレリアとワユという女性に対して調査してもらった方が良いかもしれない。
そこまで考えると二人は横島の所に行くと一応報告を済ませることにした。

「忠夫、大丈夫だよ。ユウキとは絶対仲直りできるよ。それよりも僕たちは警戒したほうが良さそうな相手が出てきたから少し動くことにするね」

「横島、あまり気にすんな。ちゃんと筋通して任務としてホストやってたんだ。直ぐに収まる」

 横島が大鳳の能力に高い信頼を抱いているからこそ、大鳳は敢えて些事のよう言う。こうすることで彼に大丈夫だと確信させるためだ。
その試みは上手くいったようで、彼の顔色が平時の者に少しだけ近づく。それを見ると二人は部屋を出て愛歌に挨拶を済ませて、ユウキの部屋に向かった。ぎりぎり豪邸と言える程度の屋敷だがそれなりに広い。そのためか同居していながら、顔を合わせない日なども出てくるのだろう。

 ユウキの部屋に向かいつつ大鳳は僅かな危惧を覚えていた。今の横島が可愛すぎると評価していた他の女性陣に襲われたら、横島がユウキとの関係の悪化を恐れて割と本気で抵抗してしまい、
その結果彼女たちがどんなリアクションを取るか想像がつかない。もしかしたら燃え上がってしまい、無理やりして人間関係がこじれる恐れがある。

 早めにユウキと横島を仲直りさせなければと考えて、ユウキの部屋に入ると不機嫌とは正反対な上機嫌の極みで、にやにやを抑えられない様子のユウキがいた。
半分呆れながらも大鳳は一応理由を問いただすと彼女は笑いながら答えた。

「あの後、エヴァが今の忠夫の様子を隠しカメラで特別に見せてくれて、僕に呼ばれ方変えられただけで、あんなになる何て可愛いな〜」

 上機嫌の極みな、脱力した笑みを浮かべるユウキの様子を見て、大鳳は内心で『はい!もう解決!』と叫びながら言葉を返した。

「それなら早く忠夫に会いに行ってあげて、僕たちも暇じゃないから早く戻して、他の女性陣が我慢できなくなって襲っても知らないよ」

「それなら大丈夫。他の女性陣ともう話しついているから。それに忠夫は今回の件が堪えて、修行もできたからホスト引退してあそこのオーナーが助けを求めてきたら霊障に対してだけ動く立場になるって言ってたよ」

「そうなんだ。ユウキそれなら心配はいらないかもしれないけど、僕たちが危惧していることが他にあるんだ。アナスタシア・ルン・ヴァレリアとワユ」

 その言葉を聞くとユウキの顔色が少し変わった。そこまで剣呑ではないが、いつものやきもちとは違う様子だ。彼女は少し考えてから答えた。

「多分彼女たちは大丈夫だと思うよ」

 明らかに勘から口にした言葉だが、彼女の言葉はそれなり以上に信憑性がある。霊格のたかいインプと化しているのでその霊感は侮れない。彼女は少し考えてから言う。

「あの二人僕としては仲良くなるには大変だろうけど、今は女権国家意外と争っている場合じゃないしね」

 ユウキの何かを感じ取っている言葉にはあの二人が女権国家人じゃないという確信があるようだ。やはりストレリチアの女性なのだろうか?

 不機嫌な様子はそこまでで、ユウキは満面の笑みを浮かべると言った。

「エヴァが忠夫の引退パーティを兼ねた僕との仲直りの舞台を用意してくれるって言ってたからそこでしようと思うんだ。忠夫がホスト時代に助けた人たちまで今回は参加してくれるらしいから」

「そうか。それなら一応心配はないか」

 八割近く安心したジャギの声はこうなったら後は一端放置して、万一失敗したら後日対処する方が良いと判断した。大鳳も同意見であり、十中八九大丈夫だとは思っている。

 一応はミクに報告してワユとアナスタシアの情報を洗うことにすることにすると彼らは解散することにした。




 大鳳からの訪問で若干精神が持ち直した横島は、ユウキとどうやって仲直りするか懸命に思考を巡らせている。
こちらから仲直りの連絡を入れるか?それともユウキと顔を合わせる時まで待つか? どんなふうに謝るか? 悩みは尽きない。
覚悟を決めて外出の準備を固めると、彼の覚悟は空振りだったことが直ぐに明らかになった。不意にノックもなしにドアが開き、満面の笑みのユウキが彼に向って抱き着いてきた。

「忠夫、ごめん。僕に呼び方変えられただけで、あそこまで落ち込むなんてちょっと配慮が足りなさ過ぎたね」

 あそこまで落ち込むなんて、の下りで彼女は凄く声が弾んでいるあたり、横島の自分に対する重すぎる感情がわかって嬉しいのがあるのだろう。ユウキは彼に胸を押し付け体重を預けながら言葉を続ける。

「でも、忠夫も悪いんだよ。あんな風に好きな男が他の女性を口説いていたら理屈じゃなく腹が立ってしまうものなんだから」

 抱き着かれながら横島は自分のメンタルが急速に回復していることを自覚しながら答えた。

「機嫌が直った様で良かった。それはそれとして本当にワイの言動がだけが、原因だったんか? あの二人の女性がなんか特別に因縁があったとかやないんか」

 横島の問いにユウキは少し悩んでから答えた。

「もしかしたら何かあるのかもしれない。ううん、多分あると思う。あの二人見ていたら、他の女性と忠夫が仲良くしている時とは違う苛立ちが走ったから間違いないと思う」

 ユウキの霊感に従ったらしい声に彼は僅かに警戒心を刺激されかけたがその瞬間、ユウキが彼に抱き着き言う。

「忠夫それより今日は仲直りとお詫びを兼ねて、ホストの引退式することになったよ。ベリアルの力取り戻したアルさんと、力を取り戻したエヴァが合同で色々してくれているから行こう」

「ああ。わかった」

 そういってユウキが指を刺した先には、普段はない場所に霊的な力でできたドアが出現していた。

 そのドアを潜ると、彼の目の前に豪華カジノが広がっていた。確かかつての吸血鬼の力を取り戻したエヴァの居城をアルが悪魔の力で上乗せしたらしく特別な気配が満ちている。
客は彼だけではないようだが、それでも活気に満ちた遊び場だ。そこまで(女権国家基準では)性質が悪くない善良寄りなカジノなのが彼の眼にもわかる。

 豪華なカジノに気圧される彼を他所にユウキが抱き着きながら言う。

「忠夫、それじゃあ行こうか。『今夜は仲直りも兼ねてなるべく僕の意をかなえてくれる?』」

「もちろんや」


 そう答えた瞬間、何かがカチッと嵌ったような気がしたがそれでも横島にとっては大した問題ではなかった。嬉しそうな顔でユウキは笑いながら言う。

「それじゃあ僕も準備してくるから」



 横島が来た場所はアルが率いている悪霊の軍団の女性や見目麗しい女権国家の様々な妖怪達がおり、ホスト時代に彼が助けた女性陣の姿もちらほらと見えた。
そして彼が辺りを見るとそこにはバニーガールの姿になっているアリスの姿があった。いつも露出が少ない彼女がこういう格好をすると裸とは違った、刺激がある。彼女は笑いながら言う。

「忠夫、ここはポーカーテーブルだけど遊んでいく?」

「ああ。それでどんな賭けなんや」

「アルに恩のある悪魔が貴方が勝つごとに王国に大金や、あるいは防衛に役立つ霊的道具を送るそうよ。ただし、負けたらその度に精力と正気度とかを奪っていくそうよ」

「そんなにか」

「ええ。どんなに負けても王国に不利益は与えないし、スパイ活動の邪魔はしないって明言してたは。比較的悪魔にも嫌悪を持たないストレリチアの神様とか英雄神たちも、ヴィヴィオの伝手で手伝っているそうよ」

 横島はそれを聞き特に考えずに了承した。逆レイプされると明らかに明言していたが、アリスや知った女性が相手なら別に問題はないだろう。そして彼はポーカーを始めた。

 しばらくして何度か勝った彼はガッツポーズをしていた。王国に対して霊的防衛を有利にする道具いくつかと、経済的にそれなりに回復できそうな価値を得たためだ。勝ちに乗った彼にアリスが忠告をする。

「忠夫、倍掛けすると負けても今まで買った商品は王国に送られるけど、その分嫐られる量が凄いことになるのよ」

「おう。ここでもう一度勝てば王国の負債半分以下や」

 そういった彼の手にはフォーカドの手札が握られていたが、アリスはその挑戦を受けてオープンした手札がロイヤルストレートフラッシュだった。

「負けね。それじゃあ清算に移りましょうか」

 そういわれた直後に彼はカジノのヴィップルームを思わせる寝室に瞬間移動していた。いつの間にか服がはぎとられている。そしてそこにはアリスだけでなく、バニーガールの衣装に身を包んだユウキと大人姿のヴィヴィオの姿がある。

「忠夫調子に乗って、降り時を間違えたんだね。バカな忠夫にお仕置きの時間だよ」

 そういうとユウキはバニーの姿のままその大きな乳房で彼の分身を挟み込んだ。

「今の僕はカジノのディーラアリスさんの使い魔インプユウキというわけで容赦なくいくよ」

 分身を挟まれて呻く彼が射精するとバニー衣装のままヴィヴィオが彼に後ろから抱き着いて言う。

「ホラホラ忠夫さん、王族の婿として引き時を間違えるとどうなるか学んでくださいね♪」

 楽しむ二人の乳房に翻弄されて、射精をするとアリスが少し考えた様子で言う。

「私がとった勝ち分だと、忠夫の心に性癖を刻む権利ももらえるからそれ使っちゃうわ」

 そういってアリスが彼を子供に戻す術を使うと、彼は体だけでなく、精神も子供に戻った。その彼めがけてアリスの指から魔力ででた糸が走ると、彼の体を動けなくした。そして分身からの射精を封じながら言う。

「それじゃあ今夜に相応しい性癖を身に着けてもらいましょうか」

 そういった後、アリスもまた彼にバニー衣装で抱き着き。時には乳房を押し付け、あるいは尻を揉ませたり倒れた彼に圧するように接してきた。彼の分身が強張り抜くと一瞬で裸になり彼の分身を飲み込んだ。


806 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 00:48:19 ID:LNj0Gnq0

「ああー!」

 悲鳴を上げる彼の声を心地よさそうに聞きながらアリスは次の瞬間には魔法を使ったように、バニーの衣装に戻っていた。そしてずらして彼の分身を入れるとその乳房で彼の顔を包み込む。
それを見たユウキも乱入してくるとアリスと同じ行動を起こし始める。ユウキとアリスに交互に犯され、快楽に耐え切れない悲鳴を上げる彼を楽しそうにヴィヴィオは見ていたが、彼が脱力の極み落ちると
、ヴィヴィオが進んできた。そして彼に近づくとバニーガールの衣装のまま乳房で彼の顔を包んだ。彼は射精と同時に気絶しかけた。
そしてあと一回の射精で完全に頭がすっきりすると思った直後に彼女たちは彼に気づかれぬようにお互いに目配せてしていう。

「負け分の清算終ったわ。引き続きカジノを愉しんでね」

「あ、ああ」

「王国男子として恥ずかしい性行為だったけど、負けたんだからしょうがないよね。また負けたらここだから今度は駆けすぎないようにね」

 ユウキが意地悪に笑いながら言う。彼女の手には、『刻』の字が入った文殊が握り閉められている。これで彼はバニーの性癖が完全に植え付けられた。


 元のギャンブル場に戻った彼は、意識を切り替えながら王国の為にギャンブルを続けに移ることにした。不意に横から声をかけられて見るとそこにはバニー衣装のユウキの姿がある。


「忠夫、今夜は僕が君専属のカジノの案内バニーさんだよ」

 そういうと彼女はバニーの衣装で隠れ巨乳ではなくなった、胸を押し付けるように抱き付きながら言う。

「負けたら色々取られちゃうから今度からは気を付けなきゃダメだよ。倍掛けも程ほどにね。それとかいがいしくバニーさんらしくお世話するけど、
忠夫僕が仕事で忠夫以外にこういう態度取ったらどうか少し想像してみてね。そうしたら一昨日の僕の気持ちもわかるんじゃないかな♪」

「あ、ああ」

 そう答えながらも彼の頭の中にあるのは、ユウキとヴィヴィオとアリスの三人による快楽で意識を破壊しつくし輪姦された記憶だった。
それがどうしても蘇ってくる。彼の傍に、こいしと一緒のさとりが隠れ弱めの想起をしていることに彼は気づけなかった。


 アップダウンのテーブルに着いた彼は、最初にめくられたトランプより大きい数だと思うなら、アップ、小さいと思うならダウンという賭けでも勝ちまくった後に、今負けたらえらいことになる。そう思ったが、
負けてもその分自分が絞られるだけで商品は王国に届くのだ。そう思って7という微妙な数字で外してしまった。その直後に彼は先ほどの寝室に戻っていた。

 アリスの姿がなくなっている代わりに、ヴィヴィオとユウキだけではなく、ワユとアナスタシア・ルン・ヴァレリアの姿がそこにあった。

「忠夫くん、昨日ぶり。実は私ユウキちゃんのいくつか前の前世で、ストレリチア騎士なの」

 アナスタシアの言葉に驚愕する彼を他所にワユも言う。

「背丈では負けているけど、あたしもストレリチアでぎりぎり神様扱い受けるくらいには手柄立てた剣士でユウキの前世だよ。言うまでもないけど、忠夫の前世と夫婦でした」

 二人の言葉にユウキが言う。

「妙にイラついたと思ったら、僕の前世が元な神様だったから見たい。疑問も晴れたしそれじゃあ再び負け分の清算ね」

 そういってヴィヴィオが彼を捕まえると、ワユとアナスタシアとユウキが三人がかりで彼の分身をその乳房で挟み始めた。
真ん中になったアナスタシアは一人だけ純白のバニーガール衣装を着ているが、黒いバニー衣装を着た二人とは違い一人だけ白いバニーの為か印象に残りやすく。
きれいすぎるその衣装を汚すのは妙な背徳感がある。それを見越して彼女は敢えて彼の分身を舌でも嫐った後、敢えて離れて射精させた。ユウキとワユも射精後の彼の分身をその手で掴みピンポイントに快楽を与えて射精させると、
自分たちに方向を向けて射精した白濁を受ける。彼女たちはわざとらしく怒ったように言う。

「忠夫、もう少し我慢しなよ。おかげでせっかくのバニーガール衣装が汚れちゃったじゃない」

「は、はいすいません」

 三人の足が彼の分身を踏みつけ絶妙な快楽と屈服感を与えてくる。

「それじゃあ少し罰ゲームの時間スタート」

 バニーガールの衣装を脱いだワユとアナスタシアが彼の分身を飲み込むと、ヴィヴィオに口づけされて刻まれた何かが彼の内部で反応し余計に快楽を強めてくる。これは間違いなくストレリチアの霊的性魔術だ。
アナスタシアが彼の上になり恋人繋ぎの手で彼を捕らえながら。腰を振り何度も射精させると、ワユが途中で交代してくる。射精を幾度重ねてもカジノで味わった料理とドリンクの為か彼の精液が一向に尽きる気配がない。ただし射精の旅に快楽で壊される精神には限界があるが。

「忠夫、もしかしたらわざと多額の債務になるまで負けてたんじゃないの?こうして欲しくて」

 嘲りながらワユが契約で縛られた彼の上で射精をさせて。倒れた彼にヴィヴィオが上からくると完全に彼は征服されたように射精をした。ヴィヴィオは圧倒的な霊力で彼を屈服させながら魂さえ支配下に堕とすような騎乗位を愉しんでいる。
ユウキが背後から彼に抱き着き、乳房を押し当てて射精の量を増やした後に、ヴィヴィオと代わり彼に騎乗すると。彼は射精しながら倒れた。

「忠夫、可愛い。前世の二人より、上手く忠夫を支配できるのはやっぱり僕だね♪」

 その言葉に不機嫌な顔になった二人が迫ってきた後のことは彼は覚えていない。ただ激しい快楽が何度も襲ってきて意識が何度か飛んだあと、自分はカジノのフロアに戻っていた。

 その後の彼はバニー姿のユウキの胸や尻しか頭になく、ギャンブルでも負けたら何かが奪われるではなく、快楽を与えてもらえるということしか頭になくなっていた。



 自分自身が出る闘技場で何人もの強敵を打ち破った後、対戦者決定ルーレットで出てきたエヴァに敗れた後は、寝室で血を吸われながら捕らえられた。


 大人の姿のエヴァが彼を両手両足でとらえた後、血を吸いながら射精も下の口で味わった後に、指一本動かせなくなった彼の分身を踏みつけながら言う。

「負けた時に、随分と残念そうにしていたな。さては貴様。あの闘技場で犯してもらえなくて残念とか考えていたな」

「あ、ああ」

 血を飲んで記憶が流れ込み答えを知っていながらエヴァは大げさにそれをバカにする。

「まさか王国男子でありながらそこまで変態とはな」

 いつの間にか横に来ていた、さとりが相槌を打つ。

「エヴァさん彼は救えない変態ですから。私も少し楽しませてもらいましょう」

 さとりが仰向けの彼の分身を飲み込みそれだけでも余裕なく喘ぐ彼に無慈悲に言う。

「『想起・今夜の屈辱的だけど癖になった性体験』」


 ユウキやヴィヴィオたちにされたことだけではない。ホスト時代に助けた女性人たちからされたトラウマになりかねない気持ち良すぎる性行為なども蘇ってきくる。さとりの女陰だけで射精直前だったところにそれをされた彼は奇声に近い悲鳴を上げた。

「ああー!」

 さとりの女陰に溢れるほどの彼の射精が入るとさとりの腹が膨れ上がり、彼女はそれを愛おしそうにさすりながら、こしかけ彼の分身を足で愛撫しながら言う。

「昨夜のユウキのらしくない行為はこいしに命じて私がユウキの無意識を操作しました」

「な、なんで?」

 それを聞いた瞬間さとりの目が恐ろしい色を帯びる。彼女は恐ろしい声で言う。

「アナスタシアに対する貴方の評価が、『余裕のある大人のお姉さんで一緒にいると安らげる』ねぇ。 ユウキの前世の一つだった補正ありとはいえ、あって二日で私より好感度高いとかどれだけ尻軽なんですか貴方は」

 屈辱的な性行為の想起がまた起こり強い口調の足コキで彼が完全い屈服しかけた瞬間に、不意に女陰に包まれた感触がしたかと思うと、こいしが彼の分身をさとりと同じように飲み込んでいた。彼女は笑顔でいう。


807 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 00:49:45 ID:LNj0Gnq0

「忠夫、すごいね。少しだけとはいえ、お姉ちゃんにやきもちめいた感情抱かせるなんて。というわけでも私もお姉ちゃんのお仕置きに協力するね。
男として女性をベッドの中で圧倒して当たり前って考えを無意識を操作して強くしたよ」

「こいし、良くやったわね。『想起・王国男子として恥ずかしい性行為の数々』」

 完全に横島の意識が飛び射精量が多すぎて気絶したのを見るとさとりは楽しそうに笑った。

「さて今日の仕上げと行きましょうか。ホストクラブで働いた際に焼かせたやきもちの分の清算の始まりね」



 横島は夢の中で訥々に沢山の情報が入り込んでくる感覚を味わい目を開いた。もっと正確に言うと自分という存在が夢の中で作り上げられぬき、現実と変わらぬ人生を歩んできた感覚を味わう。
これは『月間少年カンカン』のオカルト物語の『英雄転生幻想譚』の場面だ。ファンタジーな物語の英雄たちが転生先で多くの魔物と戦い、女権国家の女性めいたサキュバスなどとも死闘を繰り広げる物語であり、
雄の本能に逆らえない男が苦戦する描写も多い。

 自分は東洋の陰陽師の転生体の小学生で、今は西洋の魔物たちに嫐られている途中だ。前世の契約上一晩だけ好きに荒れる契約を交わした結果魔女や吸血鬼やベリアルに良い様にされている。
今彼は魔王の寝室で配下達の相手をさせられていた。

 魔王姿の陸八魔アルが彼を見下ろしながら現実ではバニーガールをしていた配下の悪霊である美女たちに輪姦させながら見下ろし言う。

「忠夫、もう契約は終わったのよ。貴方が本気で抜ければ体を操る術からも逃れられるでしょう」

 アルに魔術で無理やり体を動かされながら、後背位で彼は腰を振り奇声を上げながら射精を繰り返した。それを見て嘲笑を浮かべる悪霊たち。アルの下部とは思えない程に性悪な性質をしている。ただ彼の誇りを快楽で手放させることを愉しんでいる。

 その彼女たちは罵らず見下す眼と嘲笑を浮かべるだけでいるそれが余計に彼を昂らせる。

 アルが魔王らしい笑みを浮かべながら下がるとエヴァがいまだに腰を振り続ける彼の首筋に牙を立てながら言う。

「高い地位にいた英雄だけに、堕ちてみれば豚以下だな。この変態が」

 変態がという心底侮蔑に満ちた声と共に自分の射精がなにをもたらすのかが頭の中から蘇ってくる。
ここで射精すればするほど悪の勢力が強化され、いまだに尊敬している少年誌の主人公たちを不利にしていく。夢だと思っていても罪悪感がやばいのに、アルの嘘を真実と思わせるベリアルの力で強化されて余計に危ない。





 現実世界で、アリスが夢の中と同じ模様の人形劇をしている横で、アルが退室するような行動をした後、少し引きながら言った。

「みんなちょっとやり過ぎじゃない。夢を操作するのはアリスの人形劇だけで十分なのに、私の力まで上乗せとか。楽しいけど罪悪感が」

「大丈夫よ。忠夫は回復させられるし、ホストクラブで良くも悪くも磨かれたから、私たちが一番になる様に髄まで刻み込まないと」

「え、ええ」

 楽しいがここまでしなくてもと言いたい様子のアルはエヴァが悪霊と交代し、彼と性行為をし始めると、自分も部屋に戻った。

 エヴァの厳しい性行為で完全に快楽で心折れた後に、アルのどこまでも甘く落として堕落に誘ってくる性行為を受けて彼は完全に堕ちた。
アルの乳房に吸い付きながらひたすらに無抵抗で嘲笑めいた笑みを浮かべる彼女相手に腰を振る。アルはそれを愉しみながら受けた後、彼が一際大きな射精をするのに合わせて、夢の終わりを告げさせると、彼が現実に戻ってきた。


 射精の量が凄すぎて虚脱状態の彼にいつの間にか来ていたリグルと愛歌が、左右からよっていう。

「忠夫、大分きつい状態になったみたいね」

 愛歌はふわりと少年の体の彼を抱きした。撫でる手つきが彼の脱力をさらに誘っている様だ。そして、リグルがカマキリの加護を授けたことで彼は性行為に対する食われる恐怖を失った。

「忠夫、ここからは精神回復の時間だよ。ひたすら気持ち良い思いだけしようか」

 リグルが笑いならキスすると虫の唾液が特殊な快楽を与えたらしく、彼の分身がいきり立ち、彼はそのまま愛歌を押し倒した。愛歌は笑いながら言う。

「英雄さん、格好いいのはいいけど、あんまり女権国家の女性を妬かせるのは控えた方が良いわよ。あまり妬かせられると私でもこうしちゃうから」

 こうしちゃうからと言いながら下になっていた、愛歌が膣を操ると彼は電気が流れた死刑囚の様に痙攣し大量の霊力を消費しながら、恐怖ではなく強すぎる快楽から逃げるように離れようとした。
その瞬間を見据えた様に愛歌が両手両足を絡めて余計に強く彼を抱き込み、奥深くまで彼の分身を抱え込む。二度目の射精で倒れかけた彼と位置を変えると彼女は優しく騎乗位で絞りながら彼の精神を快楽で回復させていく。

「リグル、恐怖が消えているしあなたも彼を愉しみなさい」

「うん」

 愛歌がリグルに場所を譲り彼を背後から抑えると彼は快楽で痙攣していく。そしてユウキやエヴァやアリスという女権国家で縁を結んだ全ての女性が入ってきた時、彼は喜びへの期待による歓声とも恐怖ともわからぬ奇声を上げた。
彼の夜はまだ始まったばかりだ。




 後日初音ミクは執務室で頭を抱えていた。突如として女権国家の不正がリークされ、返還された土地から多額の埋蔵金が見つかり王国の国庫に入ったのだ。
明らかに横島がユウキに対して愛する心は変わらないが、一つ骨が抜けたように小さくなってからだ。明らかに何か関わっているだろう。大鳳とジャギが気の毒そうに横島を見ているが、それでも彼はそこまで不幸ではない様だ。
ストレリチアも剣の聖女アナスタシア・ルン・ヴァレリアを信仰する派閥が妙に王国に対して好意的になってきている。 大鳳とミクは問い詰めるか少しだけ考えたが、やめた。
横島と彼女たちの様子を見ていれば圧倒的に彼が尻に敷かれていることさえ除けば、確かに愛し合っているし、彼の周りの女たちは(さとり以外はそこまで性質の悪い女ではない。
不幸になったりはしないだろう。そう思いながら、発見された財宝の額や霊的防衛への有益さを聞きながらミクは頬をほころばせた。

808 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 02:28:33 ID:jXlKjdTH


809 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 02:52:55 ID:z8ayluCO
乙ー

810 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 02:54:58 ID:2afpJrsU
投下乙

811 :804:2024/08/05(月) 14:04:57 ID:LNj0Gnq0
>>808
乙感謝です
>>809
乙感謝です
>>810
乙感謝です

812 :名無しさん@狐板:2024/08/06(火) 03:07:08 ID:ni24J7jX
おつ

813 :804:2024/08/06(火) 22:38:13 ID:VvAChzSF
>>812
乙感謝です

814 :名無しさん@狐板:2024/08/07(水) 16:01:06 ID:04Nkvktj


815 :804:2024/08/09(金) 00:41:54 ID:nhHr6Wet
>>814
乙感謝です

816 :名無しさん@狐板:2024/08/09(金) 08:56:59 ID:hm2yvdmj
おつー

817 :804:2024/08/09(金) 20:53:06 ID:nhHr6Wet
>>816
乙感謝です

818 :804:2024/08/19(月) 20:55:12 ID:rYCQu+iM
 これは前回>>804から>>807までに投下したバニーの日SSに登場した施設に関する設定です。次に投下する世界写真のSSがバニーの日SSの続編なので先に投下することにしました。
全ての施設に目を通しているわけではないので、もしも被っていたら申し訳ありません。

施設設定の後に、ユウキの前世たちの設定説明も入っていますが、あくまでもバニーの日SSと世界写真の日SSの独自設定であり本編とは関係ありません。

 女権国家施設、良識的人外が集う悪魔が作ったカジノ
 名前とは裏腹に(女権国家にしては)良識的な霊的存在御用達カジノ。本来のカジノと繋がる場所もあるらしいが、比較的良識的な人外の居城などで不意に出張、開催されることもある。
 ここでは男性が様々な商品を『尊厳コイン』と引き換えにもらうことができる。このカジノではどんなに負けても高額商品やお金をもらうことができる。
 ただし負けた時に魂を束縛する尊厳コインを抜かれ、それを抜かれると悪魔や妖怪の女性優位系統能力に抵抗できなくなるだけではなく、完全に体が思う様に動くことになってしまう。
 ゲームに勝った際に尊厳コインを返してもらうかそれとも商品か金をもらうかを選ぶことができ、尊厳コインを選べば負け分の返済が早まる。 
 ただし一度でも負けると快楽で判断が鈍り尊厳コインを選択する男性が減っていく場合が大半である。利用している人外は尊厳コインを奪った際には快楽を与え当人の尊厳を奪う以外は許されず、
 また金銭や特殊アイテム目当てで来た客が勝利した分は、相手の男性を完全な腑抜けや廃人抱き枕にした後でも、その相手の意に沿う様に使用する義務が生じている。
 比較的良識的な人外や、『最低限』の良心はある、人外が開催したり利用者となっている場合が多い。その理由は良識的な悪魔達が創始者だったために温情がある施設になったと言われている。


ユウキの前世たち設定

アナスタシア・ルン・ヴァレルア
出典はWILD ARMS

剣の聖女の異名を持つ大英雄ユウキの前世の前世かつてこの世界の危機に立ち上がった剣士であり、世界を救ったと言われるが本人の望みは生きたい死にたくない。
惚れた男性と添い遂げたいという思いであり、その強い心が聖剣に認められ選ばれた。
このSSにおいては騎士として功績が大きかったためにストレリチアでも祀られている。横島の前世と幸せに添い遂げたために、余裕のある大人の女性となっている。


 ワユ
 出典はファイアーエムブレム蒼炎の軌跡、暁の女神

 アナスタシアの次の転生先でありユウキの前世。アナスタシアが横島と添い遂げた後、自分や横島の前世の死を恐れてがむしゃらに戦った後に、落ち着いてからは冒険の旅も悪くなかったと思い、
 もう少し冒険しても良かったかもという僅かな後悔が反映されていた為か、横島の前世を連れまわして、色んな冒険をした。
 アナスタシアと比べると格が劣るがそれでも神様として祀られるくらいの善行といえる偉業は成し遂げていた。
 ひたすら平穏な日々の為に戦ったアナスタシアとは少し相性が悪い。最もお互い気持ちもわかるので不仲というほどではない。


819 :名無しさん@狐板:2024/08/19(月) 20:58:35 ID:rYCQu+iM
 女権国家世界写真の日SS人外の女性に好かれた男が写真を撮られることを警戒しなかった結果訪れた末路

 このSSは本スレでスレ主さんが連載している女権国家の二次創作SSです。
以下の注意書きがあります。

@このSSは>>804から>>807のバニーの日SSの続編です。注意書きについても重複している部分がありますので、バニーの日の注意書きも呼んでもらえると助かります。
A吸血鬼の写真やカメラに映らない設定をかなり独自解釈しています。エヴァが鏡や写真に対して映るか否かは本編では名言されておらず、あくまでもこのSSだけの設定です
Bこいしの能力がかなりチートで盛られています
Cさとりが好感度200越えした場合の行動をかなり想像して書いています。
D女権国家の悪魔の設定を滅茶苦茶独自解釈しています
Eハートマークを文章に使おうと思っているけど、もしかしたら?になっているかもしれませんので、明らかに?がおかしいところについていたらハートマークだと思ってください。
F>>818に書いた設定も使われております










 バニーの日にユウキの嫉妬で落ち込み。女権国家的な仲直りを終えた横島は今日も自分の尊厳や自由を取り戻すべく力を取り戻したアルが改造したエヴァの別荘を訪れていた。
 バニー姿のユウキとその前世であるワユとアナスタシアに囲まれながら、彼はまたしてもポーカーで過剰な賭けをしてしまっている。そして勝った時は自分の尊厳や束縛される度合いを強めるコインではなく、
王国に対して有益な景品を好感してしまった。それを見てユウキが嘲笑を浮かべながら口だけでは褒めたたえる。

「忠夫、凄く偉いね♪尊厳コイン取り戻さないと、王国男子なら恥ずかしくて恥死モノな性行為をいつさせられるかわからないのに、王国の利益を追求し続けるなんて。幼馴染として僕も凄く鼻が高いよ♪」

 ユウキの侮蔑の念の籠った楽しそうな声を聞くだけで、寝室での行為を思い出してしまう。彼女は眼を合わせるためと偽って、わざとらしく椅子に座る彼の前でかがんで見せて、
バニーの衣装で普段とは違い隠れていない乳房を彼に見せつけた。そして彼が分身を嫐られたのを思い出して分身が固くなったのを確信すると、白々しく言った。

「そういえば控室に忘れ物してきたかも、取ってくるね♪ 忠夫が尊厳コイン取り戻さずに負けちゃったら、僕がお仕置き役だしマジックアイテムどこだったかな?」


 そういいながら、歩いていくユウキを横島は意地悪な性格になったと感じたが、逆にそれで興奮している自分が情けなくなる。そもそもここは特別なカジノだから歩いて行かなくても、
瞬間移動できるしあるいは魔術で忘れ物をここに出現させられるはずだ。それなのに、自分が負けた時に逆レイプで魔術をかけたり魂から契約分の取り立てをする役だと言ったうえで、
彼の視線が自分に向いているのをわかった上で、バニー衣装の露出の多い尻を見せながら歩いていく。わざとらしく思い出したようにテレポートした彼女はすぐに戻ってくると、言った。

「ディーラさん、ごめん。忠夫は王国男子にあるまじき変態なせいで、僕にされたいと思っているせいかわざと負けちゃうかも。だから一度抜いてあげるからちょっと待って」

「ええ。かまいませんよ」

 アルの部下らしい悪霊の美女が嘲るように笑いながら答えた。

 ユウキが彼の魂から取り出されたコインをいくつか彼の体に戻すと、それと引き換えに彼はそのままカジノの寝室にテレポートさせられた。



 寝室に入った彼は激しい快楽で脳が壊れる射精と同時に意識が覚醒する。表向きは男性優位の後背位をしていたが、主導権はユウキにある。目の前に姿見があり、そこに意地の悪い蔑みの視線で彼を見るユウキが映っている。

 アリスかエヴァの糸で動かされた彼は、快楽のあまりうめき声にしかならないような声を上げながらひたすら腰を振っていく。最初の射精の時点で、霊力が一気にユウキに流れ込み、力の差が開きそれが余計に彼を惨めにさせる。

「おわー!」

 横島の屈服の声をうっとりとした声で聴くユウキは不意に意地の悪い笑みを深くすると言った。

「せっかく男性優位の体位でさせてあげているのに。確かさとり曰く、忠夫はこういう体位で女の子を屈服させるのが夢だったんだっけ? ホスト時代にやきもち焼かせてくれたんお礼をプレゼント♪」

 ユウキはそういうと、彼の分身を強く膣で絞めて射精させると、そのまま腰をひねった。その射精したばかりの分身が余計に強く締められ、彼はそのまま悲鳴を上げて、彼女が快楽を弱めた瞬間に懇願した。

「ユ、ユウキ。もう勘弁して」

 その瞬間、カシャ、カシャというカメラの様な音がした後、ユウキが逆に腰をひねる。それによっては彼は再び悲鳴を上げて射精が起こり彼は倒れた。

 倒れた彼の上になりながらユウキが言う。

「魂の尊厳コインを返すのと引き換えの性行為中は僕がご主人なんだから敬語使わなきゃダメでしょう。様付けで呼びなさい」

「は、はいユウキ様」

「良く出来ました」

 そういうとユウキは優しく彼の分身を受け入れ騎乗位で彼の分身を嫐り始める。さっきとは違った優しい快楽が彼を襲い脱力の中で意識が遠のいていく。




 ディーラの元に戻ってきた彼は完全に腑抜けきった表情を浮かべ、バニー衣装のユウキの乳房や尻しか見ていない状態になっていた。

 嘲笑と共にディーラがルーレットに玉を投げ入れると、彼はそれが済んだ後に黒と答える。そしてその玉が黒に入ると、ユウキとワユが言う。

「忠夫、尊厳コインでしょ。前回あれだけ王国の為になる霊具やお金景品で取ったんだから、さすがにこれ以上自分の尊厳や人権コインあたしたちに渡したままにはしないわよね。
このコイン取り戻さないと次の瞬間にはあたしたちが支払って、その分の恥ずかしいプレイが始まっちゃうかもしれないんだから」

 言葉の裏に下半身には逆らえず愛国心を言い訳にして、尊厳コイン以外の商品を取ろうとするでしょうと嗤う蔑みの眼をしたワユと、
年上らしい余裕の籠った目で幼子をバカにしている様なアナスタシアの瞳が彼の恥辱心と屈辱を煽る。惚れた女性達相手であっても憤りが沸いてくるが、
自分の分身が痛いくらいに強張っているのに彼は気づく。それを見てワユが笑うと、靴を脱ぎ彼の分身を服の上から踏みつけた。痛いのにそれすら快楽を際立てる絶妙な力加減だ。彼女は笑いながら言う。

「こんな風にしている変態だもんね。多分尊厳コイン永遠に取り戻さないでしょ」

 ワユが彼の下半身を嫐ると、尊厳コインが光りとなって彼の体に入っていく。本来なら二十枚か三十枚くらいのはずなのに、百枚近く減っている。恐らくはワユがルール違反しているからだろう。
アナスタシアが妹を諫めるような口調で言う。本気で止めていないことは丸わかりだが一応、カジノの一員としての義務を果たしたという体裁を保とうとしているのだろう。

「ワユ。それくらいにしておきなさい。普通は20枚くらいのコインが一気に減っちゃうわよ」

「大丈夫♪大丈夫♪ 忠夫は変態だから永遠にコインを取り戻す賭けできないって、そんな情けない彼にお情けの返還」

 そういってワユが尊厳コインを500枚ほどささげると。彼のズボンが消え去り、彼女の足に直接触れた状態になる。そのまま彼は意識が落ちかけるほどの快楽と共に射精してしまった。

 ワユは満足そうに白濁まみれになった足の裏を彼に見せつけた後、言った。

「それで今回の勝利の分はどうするの忠夫?」

「尊厳コインで」

「え、わ、わかったわ」

 ワユからあまりに大量の射精をさせられたことで頭が落ち着いて彼は僅かに冷静になれたのと、いくら相思相愛の女性相手でもこのままの関係はだめだという思いが入り混じり何とかその言葉を口に出した。
それを見て他のディーラや客たちも本気で驚いた眼で彼を見ている。まさかあれほど快楽を与えられてまだ脱出を選ぼうとする心が奮い立つとは思わなかったのだろう。

 アナスタシアは横島の様子を見て、称賛の眼差しを送った後、少し考えると男を襲うのを我慢できなくなったという様子で不意に自分の分の彼の尊厳コインを取り出した。

「この尊厳コイン全部使っちゃっていいかしら?」

 一応の確認の口調だが、このコインは支払った分だけそのコインを差し出した男性を好きにできる、コインなのだから横島に拒否権はない。それにギャンブルなしで取り戻せるのだからむしろ利益と言えるだろう。

「人前でする場合かなり余分にコイン使わなきゃダメだから部屋で待ってて」

 そうアナスタシアが言うと、彼はカジノの寝室にテレポートさせられていた。





 彼は覚悟を決めると精力を付けてくれる料理と薬酒を飲んで準備にかかった。彼が食事を終えて準備を終えると、計ったようにドアが開く音が鳴り響き、そちらを見るとアナスタシアだけではなく、
ユウキとワユ以外にも、女権国家で彼が仲良くなった女性人たちがいる。彼女たちは楽しそうな様子だ。部屋に入りながらエヴァがアナスタシアに感謝の言葉をかけた

「礼を言うぞ、アナスタシア。今回は忠夫の尊厳コインお前がすべて使って私達も参加刺してくれるとはな」

「忠夫が圧倒的に勝ちながら倍掛けして負けたコイン相当な量だけど、これでアナスタシアさん余裕なくなっちゃたんじゃない?」

 アリスの言葉にアナスタシアは笑いながら言う。

「別に気にしなくていいわ。このカジノで働いてまた稼げるし、いつ天界に帰還しなきゃダメかわからない以上やりたい時にやらなきゃ損でしょ。それに貴女達も恩を返すタイプだから、気が向いたら呼んでくれると思うしね」




 そういうとアナスタシアが彼の顔を乳房で挟みながら上になり彼の分身を飲み込んだ。つながった直後に痙攣して射精した彼を周りが嘲笑の眼で見ると、
アナスタシアが背を弓なりにした騎乗位で彼を絞り始める。奇声としか言えない悲鳴を上げて、わめく彼を見て、ユウキが鏡を彼に見せると、自分が情けなさすぎる表情をしていることがわかる。それを見てさとりが言う。


820 :名無しさん@狐板:2024/08/19(月) 20:59:56 ID:rYCQu+iM

「彼自分の、情けなさすぎる表情を鏡で見て、この顔を見られていると思ったら余計に興奮したみたいですよ。アナスタシアさん。貴方と繋がっている分身が余計に固くなってますね」

「ええ。今のさとりちゃんの指摘で余計に固くなったわ。ますます表情がひどいことになっているわね?」


興奮はしているが、恥ずかしさに震えはじめた彼にエヴァが大人の姿になって彼の顔を乳房で包み隠した。

「忠夫これで多少は恥ずかしくなくなっただろう。見えないから安心しろ」

 エヴァの乳房で表情を隠されたものの顔を隠す乳房の感触が余計に分身を固くし、彼は余計に多くの量を射精した。アナスタシアが彼の上から去ると即座に他の女性の膣が彼の分身を包む。 楽しそうなアナスタシの声が彼に響いた。

「今貴方を貪っているのはユウキとワユどっちでしょう?」

「フゴフゴ(ユウキ)」

 その言葉にアナスタシアは笑いながら答えた。

「ハズレー♪ 正解はユウキの嫐り方をまねしたワユでした♪ 罰ゲームスタート♪」

 そういうと、エヴァの胸が彼の顔から離れ。ワユが楽しそうに笑いながら彼の分身を本気で搾り取り始める。

「忠夫、間違えさせるつもりだったけど、間違えられると腹が立つから本気で行くよ♪」

 ワユが彼を射精させた後、射精直後で敏感になった彼の分身にストレリチアの加護を発動させてより強い快楽を与えてくると彼は奇声を上げた。
それを見てエヴァが彼の首筋にかみつき血をすすると余計に強い快楽が襲ってくるとともに、自分がどれほど王国男子として情けない顔をしているかがエヴァの視点から流れ込んでくる。
それをカメラで写真に収められて、彼は余計に強く勃起する自分が情けなくて死にたくなった。だがそれ以上に死ねばこの快楽が味わえないという思いでそれは塗りつぶされていく。

 エヴァが口を彼から話すと、ワユが彼に騎乗したまま彼の右腕を取り、自分の右乳房を揉ませ。アナスタシアは左腕を取り自分の左乳房を揉ませると右乳房の乳首を彼の口に押し込んだ。
それを見ていたアリスが彼の足の裏を按摩し始める。足の裏を突かれる度に、痛みと快楽で彼はワユの中に射精していく。彼女は人形遣いであるがゆえに人体のツボにも詳しいのかもしれない。

 射精の快楽が凄まじく、だらしない顔をしている彼を楽しそうに見下ろしながら、アナスタシアは年上の女性らしい余裕を持った表情で言う。

「男性が快楽に勝てないのは当たり前なんだから、もっと自分を許して。ホラホラお姉さんに対してもっと吸い付いて赤ちゃんみたいになっても良いのよ。ストレリチア女子だってこうじゃないときはエッチなこと考えてばかりなんだから。
男の子を責める資格なんてないわ」

 ワユが彼から離れると、ユウキが代わり彼の分身を飲み込んで優しい快楽を送り込んでくる。優しすぎる快楽で完全に自分の中の何かが終る。
そう思った直後にエヴァが意地悪な笑みを浮かべて、彼に写真を見せてきた。アナスタシアの胸に吸い付きながらワユの胸をもむ自分も、ユウキの乳房をもむ自分の表情がだらしなさすぎる。このままだと自分は完全に堕ちる。

 アナスタシアが笑いながら離れるという。

「男の子の矜持が残っていたのね。またしてほしくなったら呼んでね♪」


 エヴァが笑いながら意地悪くいう。

「忠夫、本当は堕としたがっているアナスタシアがお前をどう嫐ってくれるか楽しみで耐えているだけではないのか?」

 エヴァが言いながら彼の顔を乳房で覆うと再び顔を見られずに済むという安心感の後、ユウキとアリスの二人の愛撫で彼はどこまでも表情が崩れていくのを感じた。

 ユウキとアリスが交代すると、彼はユウキ以上に堕落に誘ってくる甘い快楽でひどく情けない顔になっていると確信した。

 アリスのどこまでも、甘く柔らかい快楽を与えてくる膣が底なし沼の様に彼を沈めていく。彼は量は多くないが止まらない射精を繰り返しながらどこまでも堕ちていった。

不意にアリスの乳房が胸板にあたる感触が長く続き完全に声にすら奈良にうめき声を上げる途中で、アリスがエヴァに言った。

「エヴァそろそろ忠夫の顔見せてくれない? どれくらい堕ちたか興味があるの」

「うむそうだな」

 エヴァの乳房が顔から離れると、アリスは彼の顔を見て喜色満面という様子になりより強く彼を加えこみ抱き着き言う。

「忠夫可愛すぎ。一気に堕ちて。ほらもっともっと固くして?」

 今までと違い強すぎる快楽で射精できない寸止め状態にして、しばらくたってからアリスが彼の分身を射精させると、彼は強すぎる快楽ではなく、甘すぎる快楽に負けて腑抜けきった奇声を上げながら射精して崩れ落ちた。

 アリスが離れると愛歌が言う。

「忠夫、私も可愛がり過ぎたから人のことは言えないけど、少し直した方が良さそうね」

 愛歌が彼に口づけして、『雄々しき獅子の祝福』をかけると彼は自分の情けなさで泣きそうになり、そこでエヴァが彼の前に立ち言う。

「少し甘くされ過ぎてどうにもならんか。気付けの時間だ」

 エヴァが彼の分身を飲み込みこむと強すぎるきつい快楽が走り、血を吸われる快楽も加わって彼は意識がはっきりとした後、そのまま正気に戻った。

「忠夫、どうだ気持ち良いか」

「は、はい。エヴァ様」

 それを聞くとエヴァの眼に女権国家の女性特有の危険な光が宿る。

「忠夫、お前が様呼びしたせいで完全に私のスイッチが入ってしまったぞ。覚悟しておけ、強すぎる快楽で、尊厳が残らないかもしれんぞ。 脅されて余計に固くなったな。この変態が!」

 エヴァの罵倒と共に送り込んでくる快楽で彼は完全に意識がおかしくなり、そのまま強い快楽で何度も射精をした。そして時々来る吸血で意識の一部が混じり、エヴァの嗜虐心と、自分の無様さが共有され余計に彼は興奮し堕ちていく。


 エヴァが引いた後、アルが変わり悪魔らしい堕落をもたらす快楽で彼を搾り取ると、彼はエヴァとアリスの糸で操られながらいろいろな体位で彼女の体の中毒になっていく。

「忠夫、大丈夫?」

 精神を回復させる性行為をしたアルが聞くと彼は何とか首を縦に振った。
「『雄々しき獅子の祝福』凄いわ相思相愛の味方が相手ならどんな凄い快楽与えても、男性が恥ずかしすぎる以外デメリットないとか」

 心底感心した様子のアルが愛歌と変わり、彼女が彼に乗るとすさまじい快楽で彼は呻く。だが旧王朝の王族なせいか、この快楽を味わうために自分は頑張るという気にさせられる快楽でもあった。
愛歌は主導権を握りながら騎乗位で彼を絞りながら言う。

「忠夫が好きなのはわかるけど、やりすぎもいい加減にね。私だけじゃ回復させきれない日もやってくるかも」

 愛歌の与えてくる快楽で彼の精神が持ち直しているのを見て、エヴァたちは自分たちも習得したほうが良いかもという目で見ている。

 愛歌が彼に対して快楽を与えながら、三度目の射精を受けると、ヴィヴィオに言う。

「とりあえずここまで回復させたから、聖王の血筋の力で彼の体を本調子にしておいて」

「ええ。まかせてください。その前にリグルちゃん」

 リグルがヴィヴィオに言われて彼に口づけした後騎乗して快楽を与えてくると、彼の頭の中から恐怖が消えていく。雌に食われても痛みを感じないかまきりの加護だ。

「忠夫、これで女性への恐怖は消えたでしょう。ヴィヴィオのお好みのシチュで可愛がられてきてね」

 リグルは横島をくらい尽くすように射精させて、彼の魂に虫の加護を刻み込むと彼から離れた。
大人の姿になっているヴィヴィオの体を見た彼は恐怖を失ったために完全に抑制が効かなくなり、勝てないという事実を理解しても理性が破れそのまま襲い掛かった。
ヴィヴィオの乳房を揉み、彼女に分身を挿入した瞬間、悲鳴を上げて彼は倒れる。仰向けに倒れた彼の上でヴィヴィオは彼の腕を自らの腕で乳房に導き揉ませながら言う。

「忠夫さん、勝てないとわかっていても恐怖が消えれば、こんなに私を求めちゃうんですね? 男性の可愛い愚かな部分を聖王である私に見せてください」

 腰を振るたびに射精が起こり、ストレリチアの加護が彼の精神を立て直すが、それでも快楽による脳の破壊は止まらない。
 ヴィヴィオが楽しそうに彼の腕を乳房から尻に移動させると、仰向けの彼の体に自分の体を密着させ胸板で自らの乳房を潰しながら彼女は笑う。

「さぁ頑張って。本日の最後のノルマですよ? 一度でも私をイカせたらおしまいです?」


 その後彼は何度も射精した後、ようやくヴィヴィオが達して解放された。その際に、彼は達した際のヴィヴィオの膣で完全に意識がくだけ、意識が落ちていく。

 眠る彼の周りで楽しそうに女性人たちが話している声が僅かに聞こえた。

「ここまでやれば大丈夫ですね。あとはさとりさんとこいしさんに仕上げを任せましょう」

 僅かに不安を覚える内容だったが、不安を口にすることもなく、意識はなくなり、次の日にはそれは記憶から抜け落ちていた。



 次の日彼はカジノでもてなされ回復に良い酒や料理を食べてから眠りに落ちた。

 強い快楽に反応して彼が目を開けると、さとりが彼の分身を飲み込みながらいやらしく面白そうに笑っている。そして彼の頭に手をのせるこいしの姿もある。

「忠夫、昨夜はとてもかわいかったわよ。雄々しき獅子の祝福の効果で男が女性に負けるのは恥ずかしいという王国男子の心も強くなっているみたいだし、こいしもっと強くしてあげなさい」

「はーい、お姉ちゃん」

 そこまで言った後で、さとりは面白そうに写真を取り出してきた。いつの間にか部屋に入ってきていたエヴァも意味深に笑う。

 昨夜、散々嫐られた記憶が蘇る写真を見せつけられた彼の顔が一気に恥辱に染まった。エヴァが乳房で隠していたと思われていたそれは写真に写るとエヴァの姿が消えており、
一切、顔が隠れていなかったのだ。恥ずかしさのあまり死にたくなる表情を浮かべた彼の幾つもの種類の顔を見せながらさとりは言う。

「エヴァは吸血鬼だから、写真に写らないのよね。もちろん映ろうと思えばできるけど。この写真早くカジノで勝って処分しないとろくなことにならないわよ。『想起・この写真が撮影された昨日の情事』」


821 :名無しさん@狐板:2024/08/19(月) 21:00:58 ID:rYCQu+iM

 アリスやアナスタシアやアルに甘やかされる類の性行為を受けた時の蕩け切った顔を浮かべた時の記憶やエヴァやヴィヴィオや愛歌の支配してくる逆らい難い快楽、
そしてリグルやユウキやワユの好意を伝えてくる抗いがたい快楽が蘇ってくる。そして男性が女性にベッドの中では負けると恥ずかしいという思いが極度に強くなった状態がこいしによって固められてしまい彼はそのまま、
さとりの膣の中に射精した。

 痙攣する死体の様な動きをする彼を小気味よくさとりは見下ろすと、大量の精液を受け止めて妊婦の様に膨れた自分の腹を楽しそうにさすりながら離れた。 こいしがさとりと変わり、
彼と繋がると男性として女性に負けるのが恥ずかしいという思いが強くなりその状態の彼にさとりが耳打ちしながら言う。

「情けなくて背徳的だけど、そういう行為こそ気持ち良いでしょう?」

 そう認識するように意識を動かされた。そう思った直後に、彼はさとりにさっきと同じ想起をされて、そのままこいしの中に同じだけの精を放つと意識を失った。





 次の瞬間彼が目覚めると、自分の夢の中にいることに気づいた。さとりとこいしをはじめとした女権国家で縁をつないだ女性陣が集合している。さとりは笑いながら言う。

「ここは貴方の夢の世界。そして私の取り分の貴方の尊厳コインを全部使って取る処置があるのよ」

 そういうとさとりがエヴァが映らない為に情けなさすぎる表情が丸見えになっている彼の写真を彼の精神世界に掲げると、彼の心の宮殿らしき場所に同じ絵画ができあがる。

「これで深く深く根付いたわ。 取り戻したければ早く悪魔のカジノで尊厳コインを大量に取り戻して、買い戻すのね。最も貴方の様なマゾじゃ無理でしょうけど。
今思っていることは、『この状態ならあの想起を何度も味わえる』とか本当に気持ち割るマゾ男ね♪」

「そ、そうかもしれんが絶対に全部買い戻すは現実世界の写真も、この絵画も消して見せるわ」

「そう、期待しないで、貴方がド変態マゾ男を卒業できる日を待っているわ。さもないと」

 さとりはエヴァが映っていない為に彼の情けなさすぎる顔が映っている写真を見せながら言う。

「貴方の英雄譚の記念地にこの写真が飾られちゃうわよ。そうしたら、来世でもこの運命を辿りやすくなっちゃう♪」

 さとりの言葉を聞き期待し始めている自分を叱咤しつつ、彼はもうだめかもしれないと思った。








 横島たちが大鳳と共に戦った日々から数世紀が経った後、女権国家とストレリチアが一部とはいえ、同盟して悪事をなしているという情報を得た高島忠夫という旅の悪霊祓い師がある小城で、
天から降りてきた聖王と魔王陸八魔アルと向かい合っていた。彼の心にあるのは悪への憤りではなく、困惑だ。評判ではかなりの非道をしていたはずの両国だが、
実際に討伐の旅で見た限りではそれほどひどいことをしていたとは思えない。だがまるで『嘘を本当に聞かせる力』でも働いている様に彼は非道の行いから救ってほしいという民の言葉を疑う気にはなれなかった。
霊波刀を構えた彼を迎え撃とうとするヴィヴィオをピンク色の髪をした少女さとりが止めた。

「ヴィヴィオ陛下、惚れた男を正面から倒してものにしたい、ストレリチアの本能はわかりますけど、もう私達も待てませんから、すぐ終わりにしましょう」

「はーい。忠夫さんと闘って押し倒したかったけど、しょうがないですね」

 さとりが指を振ると小城の部屋に彼のものとしか思えない写真がいくつも浮かび上がり、そしてそれを見ると分身が反応してしまう。さとりは笑いながら言う。

「本来なら前世の記憶とかは想起できないんですけど、貴方が欲望に負けて来世の分まで尊厳コインをカジノで借金した結果よ。『想起・この写真に写っている数々の前世の情事』」

 カジノでさとりに刻まれてからそれが癖になり、心の中に埋め込まれた、写真の想起を受けたいがために尊厳コインではなく、王国にとって有利を招く資金やアイテムばかりを景品に選んだ日々と、
そしてその度に増えていく写真の数々が思い出される。はじめてエヴァに顔を隠されていたが、写真で改めて見せつけられた時の想起を思い出し彼は、射精して倒れた。



 次に目覚めたとき彼は前世の女性達に写真を撮られた時と同じように輪姦されていた。そして、すべてが終わった後にさとりが言う。

「前世で尊厳コインを使いすぎて来世まで負け分がこんだけど、どうするの?今生も悪魔のカジノで返済目指す?」

 他の悪党はともかく彼女たち相手には良い様に動いてしまったのは前世の負け分のせいだろう。悪行が嘘だった今彼女たちに含むところがなくなった彼は迷わず答えた。

「やめとくわ。地道に返済する。それに、コインなしでもあんたたちは俺から離れんだろ。前世でもちゃんと恋人だったみたいだけど、今生ではコインなしの関係を目指したい」

 それを聞くと全員が嬉しそうな顔になり、エヴァが、全員の意思を代表するようにいった。

「そうか、お前の意をかなえるとしよう。早速尊厳コインを全部消費するために頑張るとしよう。 今夜でどれくらい減るかな」

 そういってベッドに押し倒された後彼は、コインがなくなる頃には彼女たちから今生はおろか世界が終る輪廻の果てまで離れられなくなっているだろうなと思った。
それも悪いことではないと思いながら、彼はアリスの魔力でできた糸で操られながら、立っているか座っているかもわからない感覚の中で快楽で悲鳴を上げ続けた。


822 :名無しさん@狐板:2024/08/20(火) 23:58:51 ID:IPhCkA3g

相変わらずさとりたちの攻めがえげつないw

823 :819:2024/08/21(水) 01:24:46 ID:9rPpoGyB
>>822
乙感謝です

824 :名無しさん@狐板:2024/08/28(水) 10:54:24 ID:uIl3lkgx
乙ー

825 :名無しさん@狐板:2024/08/29(木) 04:18:56 ID:bU0hVcV6
乙ー

826 :名無しさん@狐板:2024/08/30(金) 12:25:39 ID:tasO+6tj


827 :819:2024/08/30(金) 20:33:51 ID:efcHlnsC
>>824
乙感謝です
>>825
乙感謝です
>>826
乙感謝です

828 :名無しさん@狐板:2024/09/16(月) 21:18:07 ID:nTcSqCCk
 女権国家2024年敬老の日SS優しき女神が意中の男にまで寛容の権化だと疑わなかった危機感欠如の末路

 このSSは現在本スレで掲載されている女権国家の二次創作SSです以下の注意書きがあります。

@自分の書いたSSのパラレルワールド設定です。
A本編に出てきていない超次元ゲイム ネプテューヌのキャラが横島のヒロインになってます。
B割と理不尽系です。
C原作だと一番良い意味で女神マインドなネプテューヌの女神マインドが横島の失言で臨時休暇に入ります。
D>>779から>>788まで書いた話のパラレルワールド設定で前世が大体同じ流れを辿った横島主役ものです
Eスランプ中のリハビリも兼ねて書いたために、本編に一切出てないネプテューヌのキャラがメインヒロインになってます
F本編とは設定が異なる部分がたくさん出てくる可能性が高く特に、横島ヒロインズの年齢に関しては殆ど想像で書いています。
G横島ヒロインズの横島への好感度が原作よりかなり高くなってます。



 王国の諜報組織の一室で、横島が大鳳に呼び出されていた。大鳳に呼び出された横島は寝不足が生んだ疲れと困惑が入り混じった顔をしており、彼の胸中では珍しい事態が起きたという思いがよぎっている。

『大鳳がワイを緊急事態以外で絶対にこの時間までに急行しろ、みたいな、メールを送ってきたのは初めてやな。余程やばい自体でも起こったんか? それとも昨日のワイが独断で始めてしまった戦いについてか?』

 横島は昨日自分の前世の妻だったという見た目少女のネプテューヌという女神を助けるために闘争を始めた。その戦いには既に決着がつき、その敵対勢力は女権国家にとって有益だが、正規軍と認めることもできない、悪霊の騎士団だったために、
警邏隊副隊長である翼が王国にとって不利にならない様に話を付けてくれたのだ。ティアナと違いオカルト知識がある彼女が事情をティアナに説明して、そしてティアナが翼と二人で証拠提出と共に、
この件で王国に圧力はかけさせないと約束してくれた彼女は凄く頼もしかった。

 全てを終えて名乗られた後、風鳴翼だと名を聞いた時、大鳳から聞いたギャップのあまり『嘘だろ!』と叫びそうになったものだ。失礼だったから耐えたが、本当に噂通り、大鳳が絡まない限り理想的な警邏隊副隊長なのだなと思った。

 少しだけ過去を思い返しながら、彼は大鳳に呼ばれた理由の考察を続ける。もしも何か落ち度があるのなら、今後は繰り返さない様にしよう。そう考えていると、大鳳の足音が響いてきた。
一見すると女性と見紛う程の美少年である、大鳳の横に足音を立てなジャギの姿もあるのを見ると横島は普段の三枚目な顔から、女権国家の女性を惹きつける締まった表情になる。大鳳がジャギまで連れてきた、これはよほどの事態だろう。

「大鳳、そんな顔をしているってことは何かあったんやな。ワイが何かへまをしたか、それとも新手の事件か?」

 それを聞くとジャギと大鳳は頷きあうと、即座に言葉を返してきた。

「忠夫、その言葉で忠夫の危機感が足りてないってことが一瞬でわかったよ。唯一の光明は忠夫がちゃんと僕たちに忠告を聞いてくれそうなことだけかな」

 発言の内容の割には、大鳳の声音には横島への非難はあまり含まれていない。むしろ彼が女権国家で培った経験を見て、なぜこんなバカなことをしたのか理解に苦しんでいる困惑の様子が強い。ジャギは悩む様子の大鳳に声をかけた。

「大鳳、少なくとも横島の奴は術かなんかでバカにされている様な様子はねえ。そのうえでこれだ。 原因は分からねぇが今は、究明は後にするしかねぇ。 とにかく今は説明と意識の改革と備えるのが急務だ」

 そういわれると大鳳は頷いて彼に向って言った。

「忠夫、昨日の夜――正確に言えば、日付が変わっていたらしいから今日の朝一時にネプテューヌさんを助けたんだってね。 僕も魔術で調べたらしいアリスさんが見せてくれた凄くリアルな人形劇で事情を把握したんけど、
これから見せるから間違いがあったら言って」

 そういうと大鳳はかつて横島が渡した文殊を取り出すと『伝』という文字を浮かびあがらせる。それを見て横島の意識が切り替わった。文珠はそれなりに貴重だ。それを使ってまで確認しなければならないことらしい。
そう認識した彼は佇まいを直し、真面目な様子になると、『伝』の文珠を受け入れた。




 文殊を受けると、彼はアリスの人形劇を見ながら過去に二週間前にネプテューヌと出会った時のことを思い出していた。





 横島はユウキの身の周りの不審な気配を感じだしてからは、オカルト系のアイテムの為の人脈づくりや、自身の霊的能力を上げることに余念がない。
そのためか今日も罪のない人々を脅かす類の霊的存在相手に霊波刀を振るっていた。 特殊な能力こそないが純粋に強い類の死霊騎士の群れと彼は戦いながら大勢の悪霊を切り倒し、
僅かにしくじったかもしれないという考えが彼の頭に過る。

『ぎりぎり俺一人でもやれる依頼を選んだつもりだったが、この死霊騎士ども無表情で仮面をかぶり、逸話のせいで相手に状態を悟らせない能力が強化されている。
しかも、こいつら悪霊を取り込んだ騎士団のせいか、死後戦闘続行力もすごい。死ぬ手前になっていても、戦闘可能な重傷くらいまでしか鈍ってない』

 文殊を使わないと勝てないかもそう思い息を切らした彼を目ざとく、気づいた仮面の剣士が彼にかかってきて、それを受けた横島が霊波刀を手甲型に変えて、距離を詰めて殴打して一体を倒した。
その直後に修道士めいた姿の邪教との下部らしい騎士団員の悪霊を見て、横島は詰んだと悟る。
アサシンめいた動きをするその騎士の一撃を自分はかわせない。急所だけは避けて文殊で治療して、その後、『浄』の文珠を発動させるしかない。貴重な文殊を二つ使うことになるが、それでも死ぬよりはましだ。

 そう思った刹那、彼に迫る騎士に紫色の閃光が走り、その騎士はそこから焼け落ちたように浄化されて果てた。横島はその切り口を見ただけで、ストレリチアなどに多い聖騎士などに近い一撃だと理解する。
そして、彼が見上げた先には、紫色の髪をしたパーカワンピースを着た美少女がいた。彼女が持つ日本刀から迸る紫色の炎めいた光が、彼を救った一撃を放ったことを証明している。 彼女は笑みを浮かべると疾風の様にかけ入り、
次々と騎士達を倒していく。 彼女の刀を辛うじて籠手で受けた騎士が片腕をダランと垂らしながら、拳の間合いに入り剣を捨てた瞬間、彼女の拳がその騎士を逆にとらえ殴りつけた。
その瞬間騎士が吹き飛び消失していくのを見て、体術にかけてはヴィヴィオの方が上だという考えが彼の頭に過る。その考えを他所に彼女は頑丈な剣で敵をなぎ倒していく。横島は、なにも考えず夢中で彼女の援護に入った。

 何度か切られながらも、彼は彼女を支援する形で騎士達を一掃し一息を突くと、彼女がどこか咎めるような厳しい目を向けて近づいてくる。彼女は彼の顔を手で挟むとどこか歳不思議な目上と認めさせる気配を纏いながら彼を叱責した。

「こら! あまり無理しちゃだめだよ。今回の忠夫、じゃなかった君の様子見たけど、明らかに誰かの為に仕方なくって感じじゃなくて、レベリングの為にムチャした感じでしょう?」

 歳不相応な不思議な包容力と威厳を感じながら彼は疑問を口に出した。

「すいません。どうして俺の名前知っているんですか? それと一度呼んだ後に違ったって言ったのはなぜでしょうか?」

 その言葉を聞いて目の前の少女は驚いた表情になり、慌てて答えを返してくる。

「あ、そ、そうだったの。名前が今生でも忠夫なんだ。今生では初めまして。私の名前はネプテューヌ前世で、貴方の奥さんしていた女神で、
たまたま通りかかったら夫の来世が死ぬかもしれないからあわてて助けに入ったの。それはそれとしてもしかして前世と同姓同名だったりしない? 前世は高島って苗字だったけど」

「そうだったんか? 違うで。ワイの今生の苗字は横島や、助けに来てくれたと思ったら前世の嫁さんだったんか」

 親しみやすい気配の方が強くなったのを見て、少し態度が崩れた彼にネプテューヌは言う。

「そうなんだ。とにかく前世の縁でたまたま見かけた私が来なかったら、大怪我してたと思うし、最悪死んでいたんだから、もうムチャしちゃだめだよ。
でも強くなるために頑張ってても、人助けの依頼するあたり、前世と変わらないね。 私は今回はあまり長居できないからもう行くけど、前世が凄く良くしてくれた夫だったから、これあげるね」

 そういうとネプテューヌはビームサーベルを出すのに使いそうな霊的な刀の柄を渡すと、彼に向って何かの加護を授けてきた。
その加護を受けた後、彼女が振り返った瞬間、横島の顔が真剣なものに変わる。そして彼女の後ろを見ながら、『隠』の文珠を使い、それを『追』の文字が入った文珠に使った。

 彼は高級な霊的な効果の高い回復薬を、文珠で『強』『化』すると飲み干した。そして残りの文珠がほとんどないことを確認すると、躊躇わず二文字の文珠に『隠』の文字を入れた文殊を使い、そのまま一切迷わずネプテューヌを追って歩みだす。





 横島に加護と霊具を与えたネプテューヌは先ほどまで存在していなかったと思われる廃都市に訪れていた。 彼女は刀を構えると無数の邪教に仕えていると思われる神殿騎士たちが現れる。
それぞれが惨い殺し方をする伝承の怪物の仮面をつけている。女権国家には珍しく女性の怪異ではない様だ。ネプテューヌは刀を構えると覚悟を決めた様子で言った。


829 :名無しさん@狐板:2024/09/16(月) 21:24:10 ID:nTcSqCCk

「貴方たちも絶対悪ではない、少なくとも一国家の歴代の権力者たちが容認するくらいには国に貢献してきたんでしょうけど、罪人に悪趣味すぎる外道をなす騎士団の怪異。今夜で終わらせてもらうね。約束しちゃったから」

 後で横島が調べた話では、ネプテューヌはある少女から罪を悔いて服役済みの親を子の怪談が生んだ騎士達から護ってほしいと頼まれていたらしい。
この怪異たちは、時々不可抗力やあるいは同情の余地のあった罪人を嬲り殺すことを楽しみとする怪異で、快楽殺人者などの魂も混じっていたらしい。
だが反省してない悪人を殺して取り込むことも多く。戦争が起きると女権国家という寄生先の国を守る為に参群することもあるから、有益な騎士団として恥部としながらも歴代の皇帝は容認していたようだ。
最も今代のネロの様に教えられていない皇帝も少なくない。ネロが知っていたらとっくに調伏に動いていただろう。


 ネプテューヌは剣を構えると紫色の光が彼女を包み、そして大人の女性、女神パープルハートへと転じた。
この騎士団は、放置していても、慚愧しているが自首する勇気のない罪人などを必要以上に痛めつけて殺害して家族にそのビデオなどを送るだけで、国家としては貢献度と比べれば、損害は取るに足らない。
そして普段はそこまで脅威度が高い怪異でもないが、本気で潰そうとしたときは、戦争などでも活躍した英雄クラスの騎士団員達も出てくる。
一流の騎士でも一蹴するのは困難な騎士が見事な連携を見せながら、切り込んで来ると、パープルハートは騎士達を一振りで両断してのけた。それを見た瞬間、騎士団たちの空気が変わる。
パープルハートを侮っていたわけではないが、ただの強敵ではなく、下手をすれば今宵自分たちを根絶やしにしかねない女神だと認識を改めた様だ。

 彼女は三体の騎士が消え去った姿を見もせずに少女の時とは異なりすぎる、艶のある声で言った。

「あらあら随分と人材不足みたいね。そういえば前の戦争で5将さんたちに随分と討ち取られていたそうじゃない。彼らが再生するまで半世紀はかかるんですって? 何なら降伏して解散する?」

 軽い口調で言いながらも、ネプテューヌは内心的の騎士たちへの戦士としての評価を高くしながら今夜生きて帰れないかもしれないという考えがよぎり始めている。

 今切り捨てた騎士たちの連携のすさまじさ。彼らは、自分たちが駆け引きの果てに、参纏めて切り殺されると断じると、少しでも彼女の剣が自分たちを通り抜けるのを遅くする方を選んだ。
下手をすれば二度と復活不能なこともわかってである。他の邪教の騎士たちに着られるほどの隙ができなかったのは僅かな差でしかない。それに打ちかかってくるときの動きだけで人格はともかく生前から実力は確かだったことが分かった。
パープルハートが想定外の強さでなければ、この騎士たちに相当に情報を抜かれていた。
騎士たちの手堅い戦法で来るようになった陣形を見た後、強いだけではなく連携も取れていると感じると彼女は、この騎士たちに狙われる自首して服役を終えた親を助けると約束した少女の顔を思い出し、
負けたなら、自爆して破邪の力をばらまきこの騎士団を潰すと決めた。信仰が流れ込み蘇るまで何百年かかるかわからない。それも希望的観測であり、場合によっては永遠に加護を与えることしかできない神になってしまう可能性もある。
だがそれでもここで退くという選択肢は彼女の中に存在していない。 彼女の瞳を見て惹く気がないと理解した騎士団は苛烈な攻めを見せる形で一気に駆け出してきた。





 パープルハートが太刀を振るうたびに紫色の炎が光り、騎士達が消え去っていく。騎士たちの数が相当に減ったがそれでもまだ多くの騎士が残っている中で、彼女は自分に限界が近づいてきているのを自覚していた。
疲労の極に達した彼女を見て今までの中で特に上澄みと思われる騎士が六人がかりで切り込んできた。 三人がかりで完璧な連携を見せた上で、最初の三人が倒される、もしくは欠けたら後列が補い援護する。
何年も共に戦った騎士だからこそ、できる必殺の構えだ。彼女はここで死ぬことも覚悟して、六人すべてを切り殺す不動のイメージを練り上げると、それを現実にするべくかけた。

 特に手ごわい騎士が辛うじて彼女の剣を止めたが僅かな時間動けなくなった直後に彼女の創造の通りに一人が欠けたのを後列が補う。そして彼女のイメージの実現は、ここで頓挫した。 それも彼女にとっては吉兆と言える形でだ。

 駆け出してきた、後列の騎士が不意に青い光の剣で切り裂かれ、消え去り始める。そして残りの二体は乱入者=横島が投げた『浄』の文珠で一気に動きが鈍り、そのまま彼に切り捨てられた。
『浄』の文珠で動きが鈍っている近くの二体の騎士をあっさりと切り捨てた彼女は、驚いた表情で言う。

「どうして?」

 なぜ助けてくれたのかという意味の疑問ではない。彼は前世の妻云々関係なくても、善良な少女の命の危機を座視するような性格はしていない。この疑問はなぜ自分の状態が分かったのかというものだ。

 それに対して彼は少し照れ臭そうに答えた。

「前世の記憶のせいかもしれんが、何となく覚悟を決めてた様な気がしたし。ワイにくれたこの霊波刀強化のビームサーベルと加護やけど、『自分が死んでも残るモノ』だったからもしかしてと思ったんや」

「援軍は?」

「おらん。多分呼んでいたら間に合わなかったからな」

 そういいながら、横島はネプテューヌに『癒』の文珠をかざす。疲労と傷がある程度言えた彼女に彼は言う。

「こいつらを率いとる騎士団長の場所とかはもう突き止めておいた。絶対に生きて帰るぞ」

「ええ」


 その後彼らは無数の騎士達をなぎ倒しながら進んだ。横島がネプテューヌからもらった柄を使って具現化させた霊波刀を振るいながら、パープルハートを助ける援護の連携が完璧すぎて、
まるで二人で一人の様な戦いぶりが騎士達を一切寄せ付けず、騎士団長の元にたどり着いた後彼が札をばらまき、パープルハートが止めを刺す形で戦いは終わった。






 戦いが終わった後、ネプテューヌに助けを求めた少女の家族にもう大丈夫だと、伝えたと、ネプテューヌは朝日が見えてきそうな場所で彼に問いかけた。

「やっぱり私を助けてくれたのは、前世のお嫁さんだったからかな?」

 ここで横島は彼女相手に照れてしまい、女心台無しにするマイナス百点の返答をしてしまったのだ。本心は、多分前世が生んだ既視感がもたらす、普段はダメすぎる女神だが、
本当に大切な時に見せる善性の女神らしさとそれに惹き付けられた魂がさせたことだったのだが、それを口に出すのが恥ずかしすぎた。その為から彼はバカ過ぎる笑顔を多少意識して作ると、答えた。

「いや今日敬老の日やろ。前世でワイの妻してたってことは、年齢だけ見れば多分80越えのおばあちゃんオブおばあちゃんを見捨てるとか罰当たりすぎると思って助けることにしたんや。
それでくれた武器を上手く使うために、文珠で『読』み取ってわかったけど何千年も他の女神と戦ってたってことはもう超おばあちゃんだから、
見捨てたらキングオブ罰当たりやんか。女権国家はオカルトの力が強いから罰当たりなことするとなんか起きるかもしれんからな」

 それを聞いた瞬間、ネプテューヌは一切怒りを見せない、人懐っこい笑みを浮かべた。

「も〜、相変わらず照れ屋なんだから。今夜のお礼にしばらくは王国を助けてあげるけど、いつかは本心聞かせてね」

 彼女の笑みに照れながらも彼は頼もしい戦力ができたと喜んだ。そして王国未来はこの朝焼けの様に明るいなと感じ足取りが軽くなっていた。





 現実に帰還した彼は、心底疑問を抱いている。大鳳とジャギはなにをここまで慌てているのだろう。良いことしか起きていないだろう。


「忠夫、自分で自分の死刑執行所にサインしたというか、もうギロチンの刃が落ちてきているレベルでやばいよ。おばあちゃんとかババアとか意中の人に言われた女性の恐ろしさがわかってないでしょう」

 大鳳は過去に何か似たような経験をした様で後半はトラウマが刺激されたように震えている。

 ジャギも同じように過去のトラウマから少し震えた様子で大鳳を援護し始めた。

「ああ。基本悪意がなければ、ババアとか言われても怒らないタイプの女も、大半は『惚れた男から言われたのでなければ』ってのがつくもんだ。
多分だが横島、お前彼女が悪意のないそういう言葉を聞いても全く怒らないところとかを前世で見まくっていたんじゃないのか?」

 横島が頷くと、大鳳とジャギは彼の危機感の欠如の理由が納得いったというような表情になる。

「横島、今すぐ土下座レベルの謝罪を彼女にしろ。そして見え見えの御機嫌取りでも、惚れた男から言われたら、嬉しい類の言葉を連呼して彼女を誉めまくれ。そうしたら人としての尊厳くらいは残るぞ」

 ジャギの後半の発言は過去に地雷を踏んでそうしなかった経験が言わせたものの様だ。
誰にそういう発言をしたのかはわからないが、『大鳳と同じく初体験悲惨組になったぜ』と、自嘲気味に死んだ目で笑っていたのを思い出す。
ここまで言われて横島も八割くらいは大鳳達の忠告を信じたが心に僅かな疑念があることは否めない。

「でも本当にネプテューヌがそんなことするかな。彼女、ガチの女神様マインドやで。普段は駄女神って感じやけど、願望通りの夢を見る状態になっても、自分を崇める国民たちと仲良く過ごす日常を夢に見てたこともあるし、
今回の戦いも自分の神殿や信徒にひどいことした奴が本気で悔いてたから護る為に動いたんやし」

 それを聞いた瞬間、大鳳とジャギは本当の意味で事態を把握できたという表情になった。

「忠夫良くわかったよ。ネプテューヌさんの本当に女神様なところを前世で見続けていて、そのせいで『彼女だけは大丈夫』って想いが芽生えるほど、良い夫婦だったんだね」

「おお。多分そうやな、この霊具から読み取れた過去だけ見てもガチ女神様やったし、多分ワイの魂が安心しとるんやろうな」


 そこまで聞くと大鳳は自分の経験を呼び起こして、その時の恐怖を言葉に乗せて彼に言う。


830 :名無しさん@狐板:2024/09/16(月) 21:28:10 ID:nTcSqCCk

「忠夫、君が昨夜した発言は彼女の女神様マインドの『神』の部分を殺して女マインドに変える発言だったよ。
彼女はストレリチアだけじゃなくて、女権国家でも祀られている女神だから、絶対に女権国家的な部分も流れ込んでいるよ。だから早く誠心誠意謝って」

 それを聞くと横島の理性は大鳳とジャギの忠告を早く聞くべきだと結論下をした。それでも心はどこかでネプテューヌを信じている。彼は少し考えた後にどう謝罪するか考え始めると、大鳳が横島に質問をしてきた。

「ネプテューヌさんってどんな人なの。とりあえず思い出しただけでも良いから教えて」

 横島が思い出したというより、ネプテューヌからもらった霊具から文珠で読み取った、ネプテューヌの性格や行動を話し終えると大鳳は深刻な顔になる。そしてやや長い思考の後で言う。

「根っからの善性の女神で基本的にはダメ人間だけど、周りから愛されるカリスマを持ち、本当に大切な場面だと恐ろしく勝負強い。
これはやばいね。普段の間の抜けたところとかも、今回はなくなっているだろうし、下手すると忠夫の周りの女性陣とも仲良くなって下手すると今回の件では味方がいなくなるかも」

 そこまで話を聞くと横島は理性がやばいとどこまでも言うのに、まだどこか警戒心が沸かず自分でも自覚しているやばいときの底力が出てこないことをもどかしく思った。大鳳が横島の思考を読んで冷静な口調で横島に言う。

「今回は底力とかは必要ないよ。今はどうやってネプテューヌさんからの被害を小さくするか。それが一番大事だからね」



 会話が終った直後に大鳳の所にミクから電話がかかってきた。それを受け取った大鳳が真面目な顔で言う。

「忠夫、ネプテューヌさんは女権国家でもそれなりに信仰されているけど、ストレリチアで一番深い信仰を受けているらしいんだけど、
ネプテューヌさんを信仰している騎士団が王国に協力的な態度になった上に、王国の霊的防衛拠点の力を高める霊具を彼女がいくつか譲与してくれたみたいだよ」

 とてつもなく、いい知らせのはずだが伝えてくる大鳳の表情は暗い。ジャギもメアリが王国に多大な貢献をしてきた時の自分と重ねて、同情の視線を向けてくる。大鳳が固い表情で言った。

「ストレリチアのヴィヴィオ殿下から正式な要請で今夜久しぶりに降臨したネプテューヌ様の為の歓迎の宴に忠夫だけで来てほしいってさ」

「そ、そうか。大鳳ひたすら謝るのが一番良いと思うか?」

「聞いた性格の通りなら照れ隠しなのもわかっているから、本気で怒っていいても誠心誠意謝れば、ひどすぎるプレイはやめてくれると思うよ。彼女の良心がそれを許さないと思うから」

「ああ分かったで」

 大鳳に感謝の念を示した後、彼はストレリチアの大使館に向かう準備を始めた。




 ストレリチアの大使館に到着すると、楽しそうに笑うヴィヴィオが門の前で手を振っている。それを見て彼は藁にも縋る思いで言う。

「ヴィヴィオ、確かお前の前世な聖王と女神パープルハートは仲良かったんよな。とりなしてくれんか?」

「お兄ちゃんちょっと無理かも。私が間に入ったり他の女性の影に隠れると逆効果だよ。誠心誠意謝って、多少彼女の好きにさせた方が良いと思うな。それとパープルハートさんユウキさんにもいい意味で根回ししていたよ」

 ユウキに良い意味で根回しと聞いて彼の顔色が変わった。どういう意味か聞こうとする彼にヴィヴィオは言う。

「ユウキさんの様子を見て事態が好転するアイテムとか無償であげた見たいなの。なにをあげたのかはわからないけど、ユウキさん凄く喜んでたよ。
その時に言った言葉が、今回はちょっと流れ次第ではお仕置きし過ぎちゃったら止めても良いけど、そのことを悪く思わないで友達になってほしいって、言ってたよ」

 それを聞くと、横島は自分の中でネプテューヌの対する好感度上がり切ってしまい、女権国家的なわからせから逃げるという意欲が大きく落ちてしまった。
ユウキを助けてもらったという事実は彼にとってはすさまじく大きい。今回は逆レとかされても良いから、人格抜きとかは許してもらう方向で行こう。
そう決めた彼は、大使館の客室でパープルハートの姿になって待っていた彼女に速攻で頭を下げた。

「パープルハート本当にすまんかった。あんなデリカシーのない発言してしまって。ワイは」

 言い終わる前に彼女は優しくそれでいて、動きを読み切ったような動作で彼の口を手で押さえた。

「構わないから、あの時の本音を伝えてくれるならもう少しムードのある場所でお願い。それと一応私をお婆ちゃん呼ばわりしたんだから、敬老の日が終るまでは、前世の夫としてふるまってくれない?」

 口調もネプテューヌのそれとは違う艶のある妖艶な声音に変わっている。彼は速攻で頷いた。自分が悪かった上に、ユウキを救ってくれた恩もある以上断って言い通りがない、と感じたためだ。彼女は優しい声で続ける。

「ありがとう。今夜はせっかくだから罪なき少女の心を守れたことをたっぷりと祝いましょう」

 そういって、豪華なストレリチアの料理と果実酒を堪能した彼はふらついたまま、パープルハートに仕える神官たちに伴われ、特別な薬湯に満たされた湯船で身を清めた。
風呂から出た後にパープルハートに仕える女神官たちに体中をほぐされその快感で体中から脱力をし尽くした彼は、かつて大鳳がアンリエッタに犯された時と状況が似ていると思ったが、別に構わないと思っている。
今回は自分が悪いし、ユウキの状況を好転させてくれたのだからどういう形でも制裁を受けようという決断をしているのだ。


 指一本動かすことすら困難になり、マッサージの快感だけでも射精する寸前になると侍女や女神官たちが離れ。
パープルハートがパーティドレスから煽情的な紫色のヘビードールの透けているネグリジェに着替えて入室してきた。 女神としての力を解き放った彼女の姿を見ただけで射精しかけたが魔力でできた糸が彼の分身に入り込み射精を止める。その意図からさえも快感が起り辛いと思うと、いつの間にか入室してきていたらしいエヴァの仕業であることがわかる。

 エヴァは笑いながら言う。

「今回の発言私も他人事とは思えんのでな、パープルハートに協力することにした。大半のメンバーがそうだがな」

 エヴァがそういった直後にパープルハートが彼の衣服を剥ぎ取ると、彼女自身も衣服を脱いだ。子供の時とは正反対の女性の理想的な体が彼を釘付けにした後彼女は言う。

「お婆ちゃん呼ばわりしていたけど、明日にはそのおばあちゃんの女としての魅力と快楽で完全に屈服した負け犬男に成り下がっているのだから覚悟してね。いただきます」

 乳房が彼の胸板で潰れた時点で射精を許されないのが、極限の苦痛に変わり、彼女に分身を飲み込まれて繋がった時点で、完全に悲鳴と涙があふれだす。
対面座位の体制となった後に、エヴァの指から追加の糸が出てきて彼の腕も操られ始め、彼女の尻を力いっぱい揉みしだき始める。パープルハートの目線での合図の後、
エヴァが彼の分身を解放すると、ドピューという音が脳内に響き、彼は五秒近くも射精を繰り返した。
脳が焼け落ちている彼の様子を見ながらパープルハートは優しい膣の刺激を与えながら彼の痴態を堪能しながらより強く胸板で乳房を潰し始める。彼女が接吻して舌を絡めてくると、
悲鳴すら上げられなくなり、その分射精の量が増えていく様な錯覚すら覚える。彼女は笑いながら言う。

「高価なストレリチアの料理と薬酒で貴方はどんなに射精しても大丈夫よ」

 ここまでは安心させるような優しい声で言い、そして次に戦闘時の様な恐ろしい嗜虐的な声で言葉を続ける。

「体はだけどね。もしかしたら快楽が強すぎて廃人になっちゃうかも」

「そ、そんなことせえへんよな」

 脅える彼の言葉を他所にパープルハートは笑いながら彼から離れると、騎乗位の体制を取り、腰を動かし始める。優しいが脳が壊れる様な快楽を与えてくる膣が激しく動き彼を追い詰めてくる。
彼女は揺れる乳房を見せつけてきている。そしてエヴァの糸が彼の腕を動かし彼女の乳房や尻を揉みしだかせてくる。
特に射精の時に合わせて強く揉まさせると、無理やり絞り出されている様な快楽が強い。 不意にパープルハートが彼から離れると、ヴィヴィオが部屋に入ってきた。

「パープルハートさんそろそろ私も参加していい?」

「ええ。任せます」

「わーい!」

 そういった直後にヴィヴィオが大人の姿に転じた瞬間、横島の分身が余計に反応して、彼女とヴィヴィオに挟まれる形になった。
ヴィヴィオは先ほどのパープルハートと同じ対面座位の体位で彼を犯してくると、彼はパープルハートに放ったのと同じだけの精をヴィヴィオに放ちそうになった。
射精を見越したパープルハートが、背中から抱き着き、彼に乳房を押し付けると、彼はパープルハートにした以上の射精をヴィヴィオの中にした。そして倒れかける彼の耳元でパープルハートが言う。

「安心して忠夫。ちゃんと謝ったからそこまでひどいことする気はないわ。謝罪の言葉がなかったら、実はここで女神の力を使って貴方の背中にも男性の象徴を生やしてヴィヴィオと同時に貪る気だったのだけど、さすがに壊れるからやめたわ」

 パープルハートの艶のある声が、その状態を想像させ、それをされたいという感覚が自分の中に芽生えてくるのが止められなかった。

 そして次は大人の姿になったエヴァが彼を犯してくるとパープルハートが言う。

「本当は霊力を凄く回復させるお酒を飲んだあなたが射精するのに合わせてエヴァに血を吸わせて、私の神としての気を注いでいつも以上の快楽を上げる気だったのよ。
そしてどれだけ無様か、エヴァちゃんと吸血時の意識の共有でわからせる気だったの」

 その言葉を聞いた直後にエヴァが快楽を抑えた吸血をしながら言う。

「忠夫やられたいと思っているな」

「は、はい。吸血と射精同時にお願いします」

 それを二人は一瞬で連携して行うと、横島の意識が快楽で飛び意識がそのまま落ちた。


831 :名無しさん@狐板:2024/09/16(月) 21:30:08 ID:nTcSqCCk





 次に目覚めた時彼は、ストレリチアの大使館から見たことがない場所に来ていた。割と趣味が良い西洋の城でめいた場所だが、その彼を見て目の前にいたエヴァが言う。

「ここは私の別荘だ。ストレリチアの大使館でもよかったが、パープルハートの要望でここで続きはすることになった」

 自分の体の状態から見て時間はあまりたっていないことがわかる。彼が立とうとすると愛歌が彼の唇を奪ってきた。そして彼女は言う。

「パープルハートから聞いたんだけど、100歳以上はお婆ちゃんって言ったのよね。それなら私も敬老の日の対象内で良いわよね」

「あ、は、はい」

 愛歌の有無を言わさぬ笑みに脅えながら頷くと愛歌は笑いながら言う。

「それじゃあ、敬老の日だから、今日は私が普段から我慢している女権国家の女性らしい、プレイをたくさんしてもらいましょうか♪」

 愛歌はそういって笑うと彼に雄々しき獅子の祝福をかけてきた。それと同時に服を脱ぐと彼の分身を飲み込み、
そのまま彼を何度も射精させてくる。雄々しき獅子の祝福の効果で男が女性をベッドの中で支配するのが当然という意識が強まってくる。
そしてそこで不いい彼の視点が別の視点に変わる。第三者の視点から自分が情けなく犯されているのを見せられると同時に彼は理解する。
これは、アリスが横島の人形に視点を移したのだ。アリスが彼の視点を移された人形を抱え聴覚も共有させながら甘い声で囁く。

「忠夫、ネプテューヌみたいに優しい女神を怒らせると後が怖いってわかったでしょう。ちゃんと謝らなかったら『雄々しき獅子の祝福』を使った上で、貴方の今みたいな痴態を大勢のパープルハートの信者や、
貴方に惹かれているヴィヴィオの配下達に視姦させるつもりだったそうよ」

 アリスのそれを想像させてくるささやきが、彼の分身を余計に固くしてくる。愛歌に精液を絞られ切って、完全に意識が落ちかけている彼は自分の霊力がほとんどなくなり、
愛歌の霊力が一気に上がっていることに気づいた。別に愛歌を恐れてはいないが、それでも圧倒的な力の差を感じ震えてくる。


 愛歌が性行為を止めてアリスに声をかけるとアリスは一番良く見える位置に彼の視点が映した人形を置いて服を脱ぐと仰向けの彼に覆いかぶさりながら体を押し付け始める。
アリスと彼が一つになると、彼は恥ずかしい痴態を引き出され人形を操る糸で操られながら悲鳴を上げた。どこまで優しく堕落を誘ってくるアリスの体に溺れ切りそうになる自分を叱咤するが、
それを見越した様にアリスが体がくねらせるたびに分身が振るえ射精し。魂の力が奪われていくような錯覚を覚える。アリスは名残惜しそうに彼から離れると再びパープルハートと交代をした。

「忠夫、ちゃんと謝ったからこれくらいで終わりだけど、これに懲りたら自分を好きになった女性にお婆ちゃん呼ばわりはだめよ」

「は、はい」

 パープルハートは横島の分身を飲み込みながら優しい快楽を与えながら言う。

「背中にも生やされて、ヴィヴィオと挟まれたり」

 パープルハートの与えてくる快楽と同時にヴィヴィオの体も思い出されてくる。

「同じことをされながら、エヴァに射精と同時に血を吸われながら、私から霊力を送られて、快楽を強められたり」

 甘いささやき声にそれを想像してしまい。彼の分身がどんどん射精の量が増えていく。

「そしてアリスの人形に視点を移されて見たような恥ずかしい痴態をたくさんの私の神殿騎士やヴィヴィオの配下達に見られたり」

「あー!あー!」

 パープルハートのそれをされたいんでしょうと言う誘惑の声と共に分身を嫐る彼女の膣がどんどんと抵抗力を堕としていく。

 あれほど射精させられても、尽きない勢力に負けて彼は蚊の鳴くような声で言った。

「……です」

「何て言ったの?」

「されたいです」

 それを聞くとパープルハートは言った。

「私はお婆ちゃんだから耳が遠いみたい。もう一度言ってくれない。大きい声で」

「今言われたお仕置きプレイされたいです」

「まだ聞こえないわ。ここにいる、王国女子で男性が女性をリードするのが当たり前の性観念を持つユウキちゃんにも聞こえる大きな声で!」

 それを聞いた瞬間彼の背筋が凍り付きかけた。そしてパープルハートの視線を見るとそこには嗜虐心に満ちた目で彼を見下ろすユウキがいる。ユウキは彼の近くに来て言う。

「忠夫まさか、快楽に負けて言わないよね。王国男子として最低だよ」

パープルハートが離れると、ユウキも服を脱ぎ彼の分身を飲み込みながら言う。

「僕との本当にギリギリ、王国でも純愛な女性優位セックスでも恥ずかしいのに。さすがにこんなプレイやでしょう」

 さっきパープルハートにされたプレイを再現しながらユウキは笑う。わざとらしく心底疑問に満ちた声で彼は言う。

「忠夫、どうしていつもより硬いのまさかこのプレイの方が好きなの?変態♪ 最低♪」

 他の思想でありながら心底バカにしたユウキの声に余計に固くなりながら彼はユウキの乳房をアリスの糸で動かされた指で揉まされながら、恥辱と強すぎる快楽で射精を繰り返した。ユウキは笑いながら言う。

「パープルハートどうも忠夫はそういうプレイをされたい王国男子と最低の屑マゾだからやってあげて♪」

「ユ、ユウキそんなこと言われても、もう少し容赦を」

「聞こえないよ変態♪ 女心分からなさすぎだから、ちょっとは反省して」

 ユウキもアリスたちもパープルハートと僅かな時間でかなり仲良くなっていることが節々ににじみ出ている。彼女は割と昔から人たらしだったが、こういう面で自分が被害を受けるとは思ってなかった。

 ヴィヴィオの配下やパープルハートの配下が大勢入ってくると、さとりとこいしが姿を見せた。さとりは嫌味たっぷりで彼に言った。

「実はさっきまで私もパープルハートに頼まれて彼女がささやいている時に想起してたのよ。私も貴方の80歳以上はババア発言に頭に来てたから。こいし」

「何お姉ちゃん」

「彼の男性が女性にベッドで負けるのが恥ずかしいという意識を極限まで高めなさい」

「そ、そんなこれだけ大勢の女性に見られている状態で」

 言い終わるより先にさとりの足が彼の分身を踏みつけて言う。

「大勢の前で踏まれていつもより硬くなる変態には最高の処置でしょう」

 さとりは彼の心を読みながら特に気持ち良い状態を読み取りながら、足で快楽を引き出して、一瞬だが噴水を連想させるほどの射精を起こさせた。

「見なさい。彼は男が女にベッドで負けるのが恥ずかしいという意識を強くされた状態で足でされるとこんなに出すのよ」

 嘲笑の声から言い返したかったが、さとりに分身を飲み込まれて喋れなくなった彼にさとりが言う。

「『想起・今宵の今までの性行為』」

「あー!」

 今までの性行為の全てが蘇り、さとりの膣に大量の射精を果たすと、さとりの腹が妊婦の様に膨れた。それも霊力を吸収するとともに小さくなっていく。そして少し腹が小さくなるとさとりはこいしと交代し、いましたのと同じ想起を彼にした。射精する彼の精液を受けながらこいしがわらう。

「忠夫、たくさん射精できてうれしいみたいだね♪ この後パープルハート様が言ったプレイの後にもう一度想起するから楽しみにしててね♪」

「そ、そんな」

 離れるこいしを他所にさとりが彼の分身を踏みつけながら言う。

「楽しみでしょうマゾ変態」

「た、楽しみなわけがない」

「へえ。 じゃあ昨夜のあの発言は刺す言う毛じゃなく素だったの。私も一応貴方を好きだと言っていたのに、80以上はババアとか」

 さとりのどすの利いた声に彼は脅えた。ベッドの中で惨敗してからは彼女が妙に怖くなってきている。

「は、はい。敬老の日を口実にそういうプレイがしたいだけでした」

「よろしい。そういうことにしておいてあげるわ」





 その後彼は、ヴィヴィオとパープルハートに挟まれて、分身を一時的に背からも生やされて両方を加えこまれた時、声にならない絶叫を上げながら射精をしていた。周りに嘲笑の声が余計にそれを高めてくる。激しい射精が終り、より敏感になった分身から前から抱き着いていたヴィヴィオが離れ、エヴァがその位置に来ると彼の分身は大人と化した彼女に飲み込まれ豊満な胸がヴィヴィオと同じく彼の胸板で潰れ、そして射精直後で敏感な分身が飲み込まれて前と後ろ同時に射精している彼の首筋にエヴァの牙が刺さった。パープルハートが大量に霊力を彼に与え奪われる霊力が余計に増えた彼は三か所から霊気を吸われて一気に意識を失った。それを見ながらパープルハートが言う。

「十分私たちの魅力は分かったでしょう」

「ひゃ、ひゃい」

 呂律の回らない彼にパープルハートが言う。

「一応私とヴィヴィオの夫でもあるわけなんだから妻の要求にはいつでも答えるのが当然よね」

 そういうと彼女はネプテューヌの姿に戻った。ヴィヴィオも同じく子供の姿に戻っていう。

「それじゃあ、いつでも私たちを満足させられるようにロリコンも悪化させようか♪」

 そういった直後にヴィヴィオに分身を飲み込まれた彼は自分の無様さが周りに見られているという背徳感から大量に射精し、そして愛歌とネプテューヌも参加してきたことで、彼はそのまま快楽の坩堝に飲まれていった。



 性行為が終るとネプテューヌがパープルハートの姿に戻り言う。

「アル、リグル怒ってない貴方たちで忠夫の心のケアよろしくね」

「うん。わかったよ。僕も一応は忠夫の発言だとお婆ちゃんだけど、特に腹は立たなかったから。 最も気持ちもわかるから止めるところまではいかなかったけどね」

 リグルが横島にかまきりの加護を与えて性行為への恐怖を消すと陸八魔アルが彼を受け止める。


832 :名無しさん@狐板:2024/09/16(月) 21:31:02 ID:nTcSqCCk
「忠夫、私もお婆ちゃん呼ばわりの対象ないかもしれなかったけど、現世で生きた時間が長くないから頭には来なかったのよね」

 最も彼女の性格上、仮に魔王時代の記憶持ちでも悪意がなければそこまで怒らなかった可能性が高いと周りは思った。


 性行為への恐怖が消えた彼に優しい形でアルが繋がり、ゆっくりと癒すように動き出すと、彼は何度も精を放っていく。時々リグルが交代して、
幼い少女との性行為の楽しみを教えつつ、ヴィヴィオたちが教え込んだ快楽も蘇らせていく。二人の中に何度も放った後、アリスたちも癒す様な性行為に混ざり始めた。

 目覚めた後の彼はストレリチアの大使館に戻っており、あれだけ激しい性行為を長時間した上に凄く長時間寝たはずなのに、時間があまりたっていないことを不思議に思った。
これはエヴァの別荘が時間の流れが外界と違うためだ。だが彼はこの時は気づかなかった。





 次の日に王国の諜報部に出勤してきた彼を見て大鳳とジャギは痛ましいものを見るような目になった。ユウキや周りの女性達に対して体が一回り小さくなったようになっている。
相当強烈な女権国家的なわからせを食らったのだろう。精神は回復しているが、多分彼女たちに永遠に頭が上がらないなっている。対してミクは察しつつも機嫌が良かった。
パープルハートが送ってきてくれた利益やストレリチアとの国政の変化を見れば当然と言える。


 通り一遍の勤務が終わった後、さとりが珍しく純粋な忠告を言う様子で大鳳と横島とジャギに言った。

「パープルハートは裏とかが一切ない数少ない味方だから信用していいわよ。それと昨夜のお婆ちゃん発言だけど、パープルハートと私以外は『いささか怒った』程度だったわ」

「そうなんか」

「状況が状況だし、照れ隠しで言った言葉で、悪意はなかった上に自分に向けて言われたわけじゃないしね。どちらかと言えば、
貴方の周りの女性陣はパープルハートの為に戦う姿が格好良くて燃え上がった側面の方が強いから、それがなければ軽めのわからせで済む程度だったわ。
パープルハートも貴方の気持ちがわかっていたし、お婆ちゃん呼ばわりならいささか怒る程度だけど、せっかくの前世が夫だった男との理想的な再開の後で照れ隠しがあれだから切れただけよ」

「そうかワイもデリカシーがなさ過ぎたな」

「ええ。ちなみに私は本気で怒っていた勢だから。一応割と本気で好きになったと言っていたのに、80以上はババア発言とか本気で頭に来たから。 今夜の想いでは末永く貴方をいじめる想起の種にするわね♪」

 王国に多大な利益を持たしてきたさとりを見ながらこの女性には好かれても嫌われてもろくなことにならないかもと大鳳は思った。そして横島や自分の様な長命を持つ女性にも好かれている男は、
何歳以上はババアとかそういう発言はいくつもの地雷を連鎖爆発させる大禁句だ。絶対に口に出さないと誓う。
横島が残した教訓を無駄にしない為に。そう思いながらも彼は諜報部の一員としてネプテューヌが味方になってくれたことや数々の変化を好ましく思った。


833 :名無しさん@狐板:2024/09/17(火) 00:53:53 ID:T3PiDdaA
乙です

834 :828:2024/09/17(火) 01:17:21 ID:lMCcI+/r
>>833
乙感謝です

835 :名無しさん@狐板:2024/09/17(火) 05:39:15 ID:rAZzXMvm

悪意が無いからこの程度で済んだのか

836 :828:2024/09/17(火) 20:35:21 ID:lMCcI+/r
>>835
乙感謝です

悪意がなかったのもあるけど、ちゃんと謝罪の意が伝わっていたのも大きいです

837 :828:2024/10/31(木) 00:10:58 ID:jnGSVaDd
前回投下した話で誤字があったので報告を
>>831のさとりのセリフ

「へえ。 じゃあ昨夜のあの発言は刺す言う毛じゃなく素だったの。私も一応貴方を好きだと言っていたのに、80以上はババアとか」が間違いで

「へえ。 じゃあ昨夜のあの発言は誘い受けじゃなく素だったの。私も一応貴方を好きだと言っていたのに、80以上はババアとか」でした

838 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 00:20:08 ID:jnGSVaDd
 2024年女権国家ハロウィンSS生涯突き止められない方が良いハロウィンの悪戯の犯人がした最悪の悪戯

このSSは現在本スレのスレ主さんがやる夫板のシェルターで連載している女権国家諜報員日月抄の二次創作です。以下の注意書きがあります。

@横島と絡ませる口実になるAAがあるという理由のこじつけで、とんでもなく強化された藤丸立香が出てきます。彼女はマンガで分かる!Fate/Grand Orderシリーズの設定が主となってます。
Aこの世界は横島の転生先が主人公となっています。原作から500年後が舞台です
B魔女と百騎兵からジェラート・ヴァレンティーヌがヒロインとして出てきます
C魔女と百騎兵でパラレルワールドとそれに対する魔女の能力が拡大解釈されてSSに用いられています。
DこのSSだと現在登場している大鳳くんヒロインに相当批判的なことを言うキャラが出てきます。
Eパラレルワールドの設定としては過去に>>311から>>319や556から>>560に投降したジェラートやメタリカが出てくる話が舞台です。
Fこの話だとアリスの種族設定が魔女かつ魔界人で神綺の娘になってます。本作だと普通の人間の可能性が出てきたので食い違ってしまうかもしれません。
Gこの話では全ヒロインが横島への好感度が200越えしています
Hスレ主さんの作品である『邪な騎士と横島と騎士』の影響で四騎士が横島のヒロインになってますが、その作品ほど鬼畜ではありません。




 ハロウィンが近づき活気に満ちた学院の廊下。そこには多種多様な人々が走り和気あいあいと話している。
病弱な男性に女権国家に来ないかと誘いをかける美女。それに対して病気と付き合って生きていくか、女権国家に行くか悩んでいる様子の男性。普通に婿入りなしの手合わせを頼んでいる凛々しいストレリチア女子と、
快く応じている男子。王国、ストレリチア、女権国家の留学生が入り乱れる後者の中に、複雑な表情をして考え込んでいる人物がいた。
彼は横島忠夫、かつて大鳳と共に女権国家を退けた功労者の生まれ変わりらしい。らしいというのは、彼はそうだと言われても、一切実感がない為だ。複雑な表情をしながら彼は考え戦闘訓練所に入ろうとした。

 そこで不意に声をかけられた。

「忠夫どうしたの?そんなに悩んだ顔をして。もしかして無心で訓練したいの?」

 その言葉に振り向くと女性と見紛うばかりに美少年がいた。その少年こそが、彼と同じく王国の大英雄の生まれ変わりである、大鳳だ。
彼が一時留学で王国からこちらに来た時、妙に気が合い、お互いが前世で戦友同士だと知って境遇が似ているなと笑いあったものだった。

「おお、大鳳か。少しな気になることがあって一通り考えたが、答えがでんから一応頭の隅には留める程度にするために自分を苛め抜こうと思ってな」

「そうなんだ。でも今はやめた方が良いよ。ヴィヴィオさんと四騎士さんたちがいるから」

 それを聞いて彼の顔色が曇る。彼女達とは仲が良いが、それはそれとして会いたくない時もある。今はその時だ。彼女たちは自分の前世と関係のある面々の生まれ変わりか、
それとも修行のし過ぎで聖王やら武神の血が覚醒して今も生きているのか、あるいは天界から自分に合うために降臨したのか、どれかだろうとは思っている。

 少し怯えた様子の彼を見ながら大鳳は少しだけ揶揄う様に言う。

「彼女たちが今の忠夫の様子見たら、『考えることすらできないレベルの快楽でそれをかなえてあげましょう』とか言って、ストレリチアに負けた男子用のベッドルームに直行だよ」

「そ、そうやな。それにしても、大鳳お前大丈夫か? この共和国は王国とは違って危険が多いやろ。ここに住んで二月くらいが気が緩むから一番危険なんやぞ」

「まあ、王国の特務科としてここには一度は留学しないとだめだからさ。それに前世からの戦友もいるし大丈夫だよ」

「そうだな。ここは王国と違いすぎる本当に直ぐ適応したな。とりあえず喫茶店行こうか。訓練所の傍でヴィヴィオたちに見つかったらやばい」

 そう答えながら、彼は移動中にこの共和国の成り立ちに思いをはせた。

500年前に大英雄である大鳳が女権国家を退けることに成功しそれから王国が幾つもの周囲の小国を取り戻し、
その際に幾つもの小国を統合してそこに王国の血縁者に統治させた。それがこの共和国の成り立ちである。女権国家の戦争犯罪を嫌った女権国家の良識派が国土返還などに協力していた為に、
この国は王国側の同盟国だが女権国家やストレリチアの留学生も多い。さらには情勢次第で王国寄りの中立くらいになることも何度かあったあたり、
戦争犯罪の分のけじめはつけようと思う程度には良識的派閥からとはいえ、女権国家人たちの助力が大きかった影響も見て取れる。


 そんな過去を思い返す彼を、現実に引き戻したのは喫茶店に到着したことを告げる大鳳の声だった。

 店内に入ると大鳳は真面目な顔で彼を問いただす。

「忠夫それで何に悩んでいたの?」

 大鳳のまっすぐな問いに彼は言葉に詰まった。色仕掛けに負けやすいことさえ除けば、この少年は完璧超人だ。だからこそ騙すことはできない。そして少し悩みかけた彼に読み取ったらしい彼の声が響く。

「忠夫、もしかして僕の不始末が忠夫に迷惑かけているの?」

 彼の態度から推理したらしい大鳳の言葉に横島はびっくりした悲鳴めいた様子で答えを返した。

「ちゃ、ちゃうで。ひょっとしたらそうかもしれないってだけや」

 言ってしまった後、隠し通すという意味では最悪の返答だったと思いつつ、これはこれでありかもしれないと感じる。大鳳に迷惑をかけない為にはこの答えも悪くはないかもしれない。

「もしかして、前世関係?」

 大鳳の言葉に本当に話が早くて助かると思った後に彼は答えた。

「ああ。今日霊感の予知夢めいた夢を見てな。大鳳お前の、前世王国で祀られている、方の不死鳥神社にワイがいく夢を見たんや」

 話しながら大鳳の前世も名前が一緒だからややこしいと彼は思いつつ、神様として王国に祀られている大鳳もいるし、目の前の大鳳は分離した人間部分らしいが、普通に前世の力も使える。
本当に人間が神様として祀られて、転生までするとややこしいことだらけだ。
 そう考えつつ、彼が話し終えると、大鳳は本当に真面目な様子で困惑した顔になっていた。


「つまり僕の前世が祀られている王国の神社に行く夢を見て、なぜか前世の僕が忠夫に土下座していたと」

「ああ、多分霊感絡みだからあれは大鳳神本人やと思う」

「そうなんだ。でも僕の前世って色仕掛けに引っ掛かって結構ポカしてたから、割と忠夫に迷惑かけちゃったことも多そうだね。でも500年後にさらに迷惑になることってなんだろう?」

 思案する大鳳の表情を見ながら、横島は状況が悪くなっていると感じる。こうなると大鳳を巻き込まないのはもう不可能だ。パニックになっていた時は、お前の前世が悪いとわかるまでは、
手を貸す必要はない。もしくはへまをしたのは前世だからお前は償う必要ない、という気だったが、目の前の大鳳はこの件から手を引く意思が微塵もない。 どういって大鳳を引かせるか悩む彼に、不意に救いの声が響いた。

「最初の前世から共に戦っていた私が保証しよう。大鳳今回の土下座に関しては、お前は悪くない」

 低く聞き取りやすい声が不意に横から響き二人が振り返ると、そこには金色の髪を棚引かせた、ダークブルーの瞳をした美女が佇んでいる。
今は雪姫と名乗っているかつて横島の前世たちと共に戦った吸血鬼エヴァンジェリンだ。彼女はこの学校で教師を勤めている。
横島も霊波刀の使い方や合気道や人形遣いの対処など様々な指導を受けて世話になっている。最も何度か強すぎる快楽のトラウマを刻まれたこともあるが。
少女の形態になるときもあるが、基本的には大人の姿で彼を嫐ることが多い。 怪訝な顔をする二人にエヴァは言葉を続ける。

「大鳳お前の前世というか、王国に祀られている神としての本体は大分責任を感じている様だが、少なくとも私たちの主観ではお前に落ち度はないと思う。
そしてお前を安心させるために、第三者に事実だけを記録映像で全て見せて回ったことがあったが、お前に非がゼロとは言わないが、お前が悪いわけではないと考えるものしかいなかった。――しかもそれは事の発端に関してだ。
きっかけ関して責任は多少あれど、もはやこの事件に対してお前が悪いなどというのは筋違い極まる」

 具体的な説明を避けているのは大鳳が事情を聞けばそれでも横島を助けに来てしまうからかもしれない。エヴァの言葉の真摯な響きを聞いた彼は、少し悩んだ後に答えた。

「わかりました。今はこれ以上踏み入りません。でも僕に落ち度がなくても忠夫が危ないなら助太刀に呼んでください。前世で忠夫の奥さんだった人たちは凄い人ばかりなのは分かるけど、僕だって力になれますから」

 大鳳は前世の経験も手伝っているのか、その戦闘力はすさまじいものがある。そして、横島と同じく『人間』であることが大きな強みとなっている。人外が受ける制約がゼロだ。
そして強大な力を持った人外ともある程度闘える戦闘力。チェスや将棋で言えば強さは普通だが、便利な駒だと言えるだろう。

 エヴァは大鳳の言葉に頷くと真摯に言葉を返した。

「わかった。ただ難しいかもしれないが、そのときは自分にも責任があるからではなく、忠夫が前世のお前にしたように友達を助けるという理由で来てほしい」

「はい。忠夫どうしようもなくなったら呼んでね。絶対助けに行くからね!」

 去っていった大鳳を見ながら横島はエヴァに礼を言う。

「先生ありがとうございます。今回の件どういうわけか大鳳を巻き込みたくないって想いが強く霊感のせいかもしれませんけど」

「構わん。 そろそろハロウィンだから私の授業から欠席するなよ。かなり危ないことになるからな。それにしても前世から変わらずいい友人だな」

「はい。あいつやジャギとは知り合って数か月で異常に仲良くなったけど、これが前世の影響なら、前世の影響がでかい体質なのも悪いことばかりじゃない気がします」


 そう答えた横島にエヴァは少し考えてから言った。

「多分今回のハロウィンはお前にとって最悪の災難になるかもしれん。そして私も敵対者となる可能性が高い」


839 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 00:22:05 ID:jnGSVaDd

「そ、そうなんですか」

「ああ。実際に殺しあったりするわけではないがな。だが教師としての仕事には手は抜かん。ハロウィンの禍となる策は私より知恵に関しては上かもしれない相手が仕掛けるから、
多分私の言うとおりにしても、防げるという保証はない。そしてそれが発動したら私はお前の敵となり堕としにかかる」

「殺し合いならさすがに勝てんけど、まあゲームならやりようはありますから」

「そうか。今度のハロウィンで起きる事態の主犯である可能性の高い人物にも私は恩がある。だからゲームで出会ったら手加減はできん」

 そういうとエヴァは子供の姿に戻った。これは完全にプライベートになったという証でもある。彼女は子供らしい姿で横島の膝の上に乗ると完全にプライベートの口調に戻っていった。

「忠夫、今度のハロウィンはお菓子の渡し忘れが出るように意識の外を突いてくる。多分それをかわすのは無理だが、こいしやさとりによる意識の誘導はない。
それなしでもお菓子を渡しそこなう様に仕向けてくる。それを超えられたら何も起きることはないだろう」

 教師としてではなく私的な助言を受け取ると彼は頷き礼を言った。

「ありがとなエヴァ。とりあえず、義理のある相手との約束に反しない範囲で、最大の忠告してくれたんだろ?」

「まあ、な。今はこうだが、私も女権国家の女性だから、一度スイッチが入ってしまえば、そのゲームでは手加減できんぞ。それと今日は授業が終わったら、立香王女がお前に来てほしい、と言っていたぞ」

「そうか。わかった」






 横島はその日エヴァの授業を特に熱心に聞いてから立香王女の元に向かった。
エヴァの授業の内容は、ハロウィンは通常はただの遊びだが、女権国家の妖怪に好かれている男性は特に注意しなければならないと伝えてきた。
お菓子を渡せば絶対に何もできない、もしくはし辛くなるという儀式として成立しているために、逆に渡さないと悪戯して良いという事態が成立してしまう。
その外には伝承によって悪魔や妖怪や妖精は分裂したりすることもあり、同じような能力を持っていても妖精や幽霊に種族が変わる例もあるなどと言っていた。

 この授業はハロウィンを前にした他の生徒たちの為でもあるのだろうが、自分への忠告が主なのだろう。





 授業を終えた後彼は自分の師匠の一人を勤めてもいる王族である立香王女の元に向かうことにした。その道中で彼は様々な記憶が蘇ってくる。この感触はもしかしたら、霊感が今回の騒動の解決に必要な記憶を呼び返しているのかもしれない。

 彼が今から会う藤丸立香、この国の王女であり茶髪で豊満な体の親しみやすい美少女で支持率が高い王女だ。
彼女は大鳳の正妻である、まどか王女の子孫の一人であり、この共和国を支えた王族の子孫だ。一度王国側に加勢する形でこの国が痛手を負い、
王族が大半死んだ時に、かつてのまどか王女とほぼ同じ流れを経て彼女はこの国の王女となった。最もまどか王女とは異なり、彼女自身は霊的な戦闘や除霊もこなしていたらしい。
その際に斉天大聖孫悟空の衣装を着てそれに近づけるように、修行していた。そのためか市政にいた一市民だった頃に横島を見出して半ば師匠と言える姉弟子の立場だ。
彼女に連れられて妖精の森で前世の妻であるユウキや様々な人々と出会い所業をさせられた。


 過去に思いをはせながら、王宮の廊下を歩くと、そこにはかつて暁美ほむらが立っていた位置と同じ場所に佇む少女がいた。ピンク色の神に青色の髪をした豊かで締まった体をした、大きな盾を持つ王宮の近衛兵マシュ・キリエライトだ。

「横島さん、先輩――間違えました。王女様に呼び出されてこられたのですか?」

「はい。キリエライト近衛長」

 プライベートでは名前で呼べる程度には親しいが、勤務時間中だから勤めて敬称で呼ぶと彼女は少し悩んだ後に行った。

「申し訳ありません。恐らくは王女様が言い忘れたのでしょうけど、まだ取次の準備ができておりません」

 答えて頭を下げるとマシュは走って奥に引っ込んだ。恐らくは、立香に確認を取りに行ったのだろう。ここは女権国家の良識派が独立を支援した国であるせいか、王国よりもおおらかな部分が多い。
立香自信が自衛力が高いのもあるし、いかがわしいこともできない様に作ってあるのもあるが、かつての王国と違って王女の住居も女権国家程緩くはないが、完全に男子禁制というわけではない。


 ほどなくして、戻ってきたマシュは確認が取れたことを告げると彼を連れて奥の部屋に通す。

 奥には王女の衣装に身を包んだ立香がおり、彼は彼女を見ると開口一番に言った。

「久しぶりに王女様としての衣装見たけど、庶民の出なのにそこまで着こなせるの、凄いな」

「まあね、演劇やってたこともあるから役作りに入り込む感じで今は王女様って感じでやればなかなか行けるんだよ」

 口調は完全にくだけつつも、王女らしい気配は微塵も失われていない。彼女は横島の顔を見ると言った。

「今度ハロウィンに禍が来るんでしょう」

「ああ。しかも女権国家絡みや」

「そうなんだ……」

 そういった後彼女は不意に横島の手を両手で握り閉めて言う。

「横島、ううん、忠夫。実を言うと貴方は記憶を失っているけど、凄く大功を立てているの。この国に霊的侵略をしてきた様々な勢力から何度も救っているんだ。
王女になる前からの知り合いで、男性の禁止がそこまで強くない気風とはいえ、王女の部屋に頻繁に来られるのはそのためだよ」

「そ、そうなんか」

「うん。代償であったり、忠夫自身の精神を護る為だったりでいろんな理由で記憶がなくなっているけどね」

 立香の言葉が嘘だとは彼には思えなかった。むしろ合点がいった思いだ。実際に戦闘実技の試験や授業に関しては記憶が曖昧になった後急に凄くできるようになったこともある。
 立香の言葉は信じてもなぜその話をしたのかわからない彼に彼女は言葉を続ける。

「だからこの国で私を娶れるくらいには英雄なのよ。それに前世の貴方のお嫁さん達も取り込めば国防に有利だしね」

「そ、そうか」

 彼女は真剣な目で言う。

「正直女権国家人とは大きく価値観が違う私は他の女性と貴方が関係することに、凄く思うところがあるけど(嫌だとは言ってない)それでも昔から一緒だった私を一番愛してくれているって信じているから。私と結婚してくれる?」

 プライベートで他の部下がいないところでそういってきたのは、多分自分にも告白を断ることができるようにするための誠意だろう。彼は頷いて答えた。

「ああ任せてくれ。立香ちゃんだけじゃなくて全員幸せにしてやるわ! ハーレムじゃー!」


 そう答えてしばらく雑談をした後、マシュが面会時間が終ったことを告げに来た。マシュの言葉を聞き彼は礼を言うとこの部屋から出るべく歩みだす。
マシュは彼の背中に心底同情の念の籠った視線を向けていた。そして彼の姿が見えなくなると、心底げんなりとした表情になる。その顔には『先輩(立香)のことはこの国に住むものとして感謝も尊敬もしていますけど、
この趣味に関しては擁護できません』と書いてある様だ。

 マシュの表情を読み取った立香はバツが悪そうに言葉を返す。

「マシュ私も悪いとは思っているけど、大丈夫よ。忠夫を不幸になんかしないから」

「最終的にはそうかもしれませんが、誠実な男性の心は罪悪感で洒落で済まないダメージ受けることもあるんですよ」

「まあ、まあ、忠夫はタフだから。それよりも先のことより楽しい今が大事。今年のハロウィンで忠夫が出席することになる可能性の高い、反省会の練習頑張ろう」

「本当に気の毒に、これは王国の守護神な大鳳様も土下座するわけです。『僕の子孫がごめん忠夫』って感じなんでしょうね」

 普段から立香と仲が良くそして彼女に恩もあるマシュが年に一度くらいしか発さない辛辣な声音だったが、立香は平然としながら、録画などの準備をしている。マシュは諦めた様子でため息をつくと、警護の任に戻っていった。





 横島は不意に目を開けると自分が城にいることに気づいた。どこか囚われている様な感覚がしながら一切の不快感を感じさせず、それでいて、どこか本能的に官能を刺激する作りこれは女権国家の大奥あるいはハーレムだ。

 彼が辺りを見回すと、そこには金髪でショートカットの髪をした美少女がいる。彼女は横島を見ると喜色満面という笑みであいさつをしてきた。

「貴方からしたら初めましてね。私の英雄さん、今回のゲームでゲームマスターを勤める沙条愛歌よ。よろしくね」

「お、おお、もしかして今日はハロウィンか」

「その通りよ。貴方は全力でお菓子をたくさん用意していたけど、想像以上の数のお化けにねだられた上に、上手く心理の外を突いた相手にお菓子を渡さない状況作られて、お菓子を渡さなかったのを口実に悪戯されてここに来たのよ」

「そうか。やはり防げなかったか。結局誰に悪戯仕掛けられたんだ?」

「そのことに関しては記憶消されているでしょう? 堕ちきらずにクリアできればそのことも思い出せるわ。堕ちきってしまったら多分生涯わからないだろうけど」

 その答えを聞くと彼は、意識を切り替えると言った。

「そうか。それじゃあゲームのルール話してくれるか?」

 愛歌はその答えに頷くと若干不機嫌そうな表情をしながらも話し始めた。

「ここは邯鄲の夢の技術を用いて作られた。夢幻(むげん)大奥迷宮よ。大奥と言っても女権国家式のね。ハーレムや大奥と言えば、他国ではともかく女権国家では恐ろしいものよ。
そして貴方は過去に共和国の霊的危機を救うためにいくつかの前世の力を使った時に私たちのモノになったの。その際に快楽が強すぎて人格が壊れそうだったから、その記憶を封印しておいたの」

 そういった後、愛歌はいくつもかの通路が出ている扉に手を向ける。

「あそこにはそれぞれの大奥の主がいるからそこに言って、貴方の吸いだされた記憶と立香王女への想いの欠片を集めてきなさい」

 愛歌の言葉に彼は不意に閃き気になったことを問うた。


840 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 00:24:41 ID:jnGSVaDd

「ここはもしかしてワイの精神世界か何かか?」

 その問いに愛歌は、少し悩んだ後言葉を返してくる。

「部分的にはあっているわね。ここは貴方と関係の深くて格の高い女性陣が作り上げた、夢や幻と現実が交じり合っている幻想の女権国家式大奥。
貴方の本来の体は寝ているけど体に戻っても生身でここを歩き回れたりもするわ。貴方のトラウマになった性的な快楽や恥辱心。そういった全てを纏った女性陣がボスだから気を付けて。
良い、貴方は英雄としての偉業をなした、記憶がなくても辛うじて英雄と言えるくらいには強いけど、ボスとは戦わず逃げなさい。逃亡式ホラーゲームとかくれんぼ式ホラーゲームの組み合わせみたいなゲームと言えばわかりやすいかしら」

「なるほど。それで立香王女への想いを取り戻すにはどうすれば」

「ボス以外の敵は貴方なら一太刀から三太刀くらいで倒せるから、そういう雑魚を倒せば勝手に貴方の中に戻ってくるわ。
全部の欠片を手に入れて出口に到着すれば、クリアよ。そして一つのエリアをクリアすれば、そのボスの特殊技能が貴方も使えるようになっていくわ。
繰り返して言うけど、道中の雑魚相手には割と無双できるでしょうから勘違いしやすいだろうけど、これは逃げ系のホラーゲームよ。ボスに追いつかれてしまったら、
一撃で負けてベッドルームにテレポートして、王女様への想いがゴリゴリ削られる罰ゲームスタートだから気を付けなさい」

「わかった。それと一応聞くけど愛歌ちゃんも俺の前世の嫁さんだったんだよな」

「ええそうだけど」

 それを聞くと横島は、不意に愛歌を抱きしめた。少し不意を突かれたように驚きつつ顔が赤くなった彼女を見て彼は言う。

「これで少しは機嫌が直ったか。ワイのせいではないみたいだけど、可愛い女の子が顔をしかめているのはつらいしな。女権国家の女性でワイの嫁さんならこうすりゃ喜ぶと思ったで」

 彼が離れると愛歌は顔の赤みが引いた後、不意に誘惑する妖艶な表情になった。彼女は露出の少ない服でありながら男を惹きつける歩き方を見せつけた後、一つのドアに手を置いた。

「このドアの向こうは私が追跡者役のステージなんだけどここからにしない?」

 怒ってないむしろ好意的な笑顔だが彼は怖いと思った。

「ごめん今の愛歌ちゃんに勝てる気せぇへんからやめとくは」

「そう? 後に回すと熟成されていて怖いことになるけれどね」

 愛歌の答えに彼は少し怯えながらも幾つものドアを見ながらどこから行くか考えていると愛歌が不意に彼に声をかけた。

「忠夫、このゲームのルールとして忠夫は、いくつでも手に入れた能力を使ってもいいしペナルティはないけれど、向こうの追跡者たちも忠夫がクリアしたフロアの能力を使用してくるのよ。
ただしそれを使っている間は、著しく能力が落ちるし、そのフロアの主自身の能力を使えなくなるけど。だから順番は考えた方が良いかも」

「そうなんか。愛歌ちゃんの能力は何なんや?」

「フロアの主も含めて一定時間動けなくさせるスタンね」

「めっちゃ強いやん」

「そうでしょう? 昔ミヤコに宝珠渡したからそれみたいなものよ。そして忠夫が好きな面々は力づく系は無粋だから使いたがらないし、安牌でしょう?」

「そうやな。それじゃあ愛歌ちゃんの所から行くか」

「始まる前に言っておくけど、私たちはルール違反はしないけど、えげつない手とかも使うから覚悟した方が良いわよ。そして一度でも捕まったら残機が残っていても貴方は堕ちちゃうかも」

 愛歌の忠告にこのエリアを攻略したら気を付けたア方が良いなと考えた時点で、彼は愛歌を信じすぎていたと言える。それが彼がゲームで痛い目を見る原因だったと言えるだろう。

彼が覚悟を決めてドアを潜ると、一瞬で視界が切り替わった。荘厳な雰囲気のある館らしき迷路が彼の目の前に広がっていた。仮に彼が最初に大鳳達と共に駆け抜けた頃の記憶も持っていたら、ここはよく手入れされた幽霊洋館だと思っただろう。

 そして彼が霊波刀を構えると、善性の霊の気配がするメイド達が剣などを持って囲んでいた。彼女たちは弱くはないが、今の彼でも普通に倒せるくらいに弱体化されているのがわかる。メイドの中でリーダ核と思える美女が恭しく頭を下げてくると言った。

「忠夫様私たちは旧王朝に勤めていたメイドが死後なったシルキーです。貴方様の前世のおかげで祀られて今は愛歌様が祀られている場所で、愛歌様に仕えております。
この世界では私たちはどんなにひどく攻撃されてもちょっと痛い程度なのでご安心を。それでは参ります」

 明らかに、敵対心はなくレクリエーションの様な雰囲気で言ってくる彼女に彼は応じた後、少しためらいながら霊波刀で切りかかった。メイドは横島に切られながらのんきな声で叫んだ。

「愛歌様―!一分だけ出発を待ってあげてください。彼が私たちを攻撃しても大丈夫だとわかってないみたいですから」

「ええ。聞き入れたわー!」

 愛歌の叫び声を聞いた後に彼は、心底気が進まない気持ちを無理やり殺して本気でメイドに攻撃を加えた。明らかにこのメイドには裏はないのだろうが、
それでもゲームが始まった以上過度の油断はできない。メイドは切られると消えかけながら言った。

「それでは一時失礼します。別に痛くないし、私達には損失はありませんからご遠慮なく本気でどうぞ。他のメイド達ももう手加減はしませんから」

 その言葉を最後に黒髪のメイドが消え去りメイドがいた位置にヒスイ色の光が出現し彼の中に入ってくる。これが立香王女への彼の想いや記憶なのだろう。



 駆け出した彼は、様々な武器を持ったメイド達を殆ど一太刀で倒しながら、駆けた。彼女たちは相当弱体化されている様だ。最もそれでも並みの霊能者ならそれなりに苦戦しそうだが。


 途中でアナウンスが流れ後何個ですという言葉が何度も響き、彼は残り五個と聞き必死に霊感を働かせながら愛歌から逃げていた。

『やばい、やばい。多分愛歌ちゃんもこの洋館のことは知り尽くしているから、最後になればなるほど愛歌ちゃんは俺の居場所を掴みやすくなっている。そしてそこでスタンされたらやばい』

 横島は必死にかけた。幸い愛歌との距離はかなりある。あと五人メイドの幽霊を倒せば、
終わりだ。たどり着いた瞬間、彼女たちは槍や剣を構え彼に切り込んできた。こちらも傷を負うことはないとはいえ、これで切られれば動きが鈍る。
そう思い剣を合わせた瞬間彼はひきつった。 ここにいるメイド達は一撃では倒せない。二、三撃破必要だろう。今まで倒してきたメイドはみな一太刀で倒せる相手ばかりだったので気づかなかった。
いやこのフロアには一撃で倒せるメイドしか配置されていないとすら途中から思っていた節がある。

 それでも彼は覚悟決めてメイド達の連携を止めると霊波刀を荒々しく振るいながら、何とか彼女たちを倒した。その瞬間、自分の霊体が爆発に巻き込まれたような感触が走る。動きが止まった瞬間に、彼は一瞬で理解した。これは愛歌の能力スタンだ。

「はい。私の英雄さん捕まえた♪」

 愛歌の手が肩に触れられた瞬間、彼は圧倒的な力の差を理解した。最初に彼女が言っていたことは間違いじゃなかったのだろう。そして彼の視界が暗転した。




 全身を信じられない程の快感が貫き、彼は自分が大きなベッドの上にいることに気づいた。押さえつけながら豊かな体を押し付けてくるさっきまで蹴散らしていたメイド達。
そのメイドに抑えられて仰向けになった彼の分身を飲み込みながら笑う愛歌。

「忠夫、基本的には豊満な女性が好きなんでしょうけど、こういう体も良いものでしょう」

 愛歌が腰をくねらせるたびに彼は射精を起こした。そして彼女の霊力が増していき。彼の霊力はどんどん下がっていく。だが精力だけは止まらない。

 愛歌が目配せすると他のメイド達が彼を起き上がらせて、対面座位の形に持っていく。体を余計に押し付けられながら動けない彼から離れながら愛歌は言う。

「忠夫に好意的な我が配下達、好きにしても良いわよ」

「ありがとうございます愛歌様」

 その言葉の後、彼女たちが彼を犯しぬいていく。愛歌より与えてくる快楽は弱いが、それでも、彼は完全に勝てない屈服している感じがする。
そして本当にゲームだから手加減していたのだなと思う。彼女たちはこの閨に来てから少なくとも今の彼では勝てない程の力を有している。
そして閨の中で射精させられるたびに敗北感が快楽と共に脳に刻み込まれていく。敗北の証である白濁も彼女たちに吸収されて直ぐに消え去るがその直前に白い液体が彼女たちの体を一瞬だけ汚し、彼は自分がまけていることを強く実感する。それを見ながら愛歌は閨の中以外では彼に向けない妖艶な残酷さの籠った瞳で言う。

「忠夫、ここで私に屈服してしまえば永遠の快楽の中でいられるわよ。貴方は何度もそれなりの英雄になったけど、特殊な事情で、今生に限っては貴方が英雄にならずに堕ちても良いと私は思っているわ」

「な、なんで」

 横島は自分の同姓同名の前世について調べておりそれなりに知識がある。だからこそ、この愛歌の発言には大きな違和感がある。

「今は話せないけど、それなりに事情があるのよ」

 メイド達が彼の手を取り自分の体の様々部分を触らせ、分身を手や指で愛撫しそれでも達する一歩手前で、止め続ける中彼女が彼に近づくと彼の分身を口の中で嫐っていた悪戯好きそうなメイドが離れた。
そして自由になった分身を愛歌が受け入れた時、今までで一番の射精が起きた。他のメイド達が体を押し付けてきながら愛歌とも密着するようにしてくると、豊満な体と少女の様な体の快楽が長い射精と共に脳に焼き付いてくる。
愛歌は自分の秘所を時に緩くし時にきつく強めて彼の射精中の分身に追い打ちをかけ続ける。
射精が弱まったところで彼の唇を奪い舌を入れて一気に彼の射精を増やし始める。メイド達が意地悪そうに笑った後彼の乳首を口に含み吸うと彼は悲鳴すら上げられないまま意識が飛び。
性交という魂が交わる行為で、彼女に完璧に屈したことを悟りながら意識が落ちた。


841 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 00:27:10 ID:jnGSVaDd




 次に彼が目覚めた場所は、孫悟空の衣装に身を包んだ立香王女のいる場所だった。

「ここは王国の大英雄大鳳さんもお世話になった反省会部屋だよ。ここでは色々と忠夫に教えてあげるのが私の役目」

「ワイどうなったんや」

「死んだりしていないから安心して。今回は鬼ごっこ愛歌さんに完敗しちゃったか。
で反省の内容だけど、今回は最初から最後まで愛歌さんがガチ過ぎていて上回られたかな? この鬼ごっこはテレビゲームのジャンルで言えば、ホラーゲームなんだけど、
友好的な態度で接してホラーじゃなくて、子供向け鬼ごっこゲームだと思わせていた。さらにルールの穴も突きまくっていたよ。
『忠夫が二撃で倒せる相手や三体で倒せる相手は何体までしか配置できない』ってルールがあるんだけど穴を突いて、本来の数よりずっと少ない最後の五体だけにしていたの。
そうすることで、このフロアには一撃で倒せる敵しかいないかもと思わせた上に、最後にそのフロアに行くように鬼役やりながら誘導していたわ」

「完璧にやられたわ」

「さらに最初から最後までさわやかなスポーツみたいな気配をにじませて警戒心オフにしていたしね。奇策を多く用いる忠夫を支え続けて手に入れた技能でもあるみたい。
一応全部集めたからもう逃げきれるだろうけど、むしろ閨から解放される前の誘惑の言葉で心に楔を打ち込まれない様にね」

「わかった」

「頑張って忠夫。国を救うための代償で王国男子な価値観を持っていながらそんなことになっている忠夫の姿を布団を濡らしながら見ているから、早く帰ってきてね」





 反省会が終わった直後に彼は再び愛歌の閨に戻ってきた。彼女は一瞬不機嫌な表情になったが慈しむような性行為で彼を腰砕けにした後、手を振った。その直後に再び視界が暗転し、彼は愛歌が鬼を勤めているエリアの出口前に戻っていた。

「耐えきったから次の所に行きなさい。クリアよ」

「は、はい」

 閨で植え付けられた負け犬根性のせいで敬語になる彼に愛歌は顔を近づけて言う。

「忠夫、他のエリアで捕まって閨に行った場合は、他の女性陣からしか嫐られないけど、貴方が呼んだ場合は例外よ。私達も言って上げられるから。ただし一度読んだらかえっては通らないからね」

 それを聞いた後さっきの情事が蘇り、分身が僅かに固くなる。それを見ながら愛歌は愉快そうに笑うと彼が出口を潜るのを見ていた。


 外に出た横島は、逆レイプで受けた、精神をどうにか立て直すと、いくつもある扉を見始める。 横にいる愛歌は彼の結論あるいはしてくる質問を待ちながら微笑んでいる。彼は少し悩むと聞いた。

「愛歌さん」

「さんはやめて。呼び捨てか、ちゃんか、様付けでお願い」

 様付けすると一気に精神が悪化する。そんな感じがするので彼は努めて普通に愛歌に話しかけた。

「多分このゲームの内容だと、後に回せば回すほど難易度は上がるよな」

「ええ。色々な制約着くとはいえ、後に挑むフロアの主もクリアされたフロアの主の能力使えるわけだしね。 一応はクリアされたフロアの主の能力を使う場合は制約がついて忠夫の方に恩恵が大きくなるように調整しているけど」

「この人形の魔女にして王国に多大な貢献をしたアリスちゃんはどんな能力持っているんや」

 ちゃん付で呼んでしまう辺り、かなり前世の影響が強いなと思う彼を他所に愛歌は上機嫌に答える。

「一定時間相手の動きを止められる感じね。そして数秒だけど、自分の思う様に動かせる。
あと、一定まで近づくと忠夫と人形の感覚を共有とかもできるみたい。忠夫がこの能力を手に入れた場合は、追跡者に迫られている時に二回か三回攻撃しないと倒せない敵に道を塞がれたら、手元に現れる人形でどけさせたり、
あるいは追跡者もそうできるわ。それを受けた敵は数秒は動けないから。私のスタンより効果は小さい代わりに使用できる感覚が短くて、発動時間30秒の間は絶対に敵に捕まらない感じね」

「次はアリスさんの所行こうかと。スタンはボスの動きすら止められるけど、範囲狭いとはいえ、ボスの動きすら止められる系は強いし、愛歌ちゃんとの戦いで一撃で倒せない敵の厄介さが身に染みたからな」

「そう? 確かに妥当な選択かも。もう推理できているし当たっているから言うけど、アリスはたくさんの人形操っているから、アリスがスタンすると半分自動で動いている人形も動きが鈍るから、ある意味特攻かもね」

「わかった。行ってくるわ」

 横島が扉を潜ると、再び視界が暗転しそこには人形だらけの館が広がっていた。人形だらけで不気味だが不思議と趣味の良い、館を見ながら彼は恐る恐る進んだ。

『敵はどこやスタンはいつでもできる。ボス以外は恐れるに足りんが』

 彼が進みながら幾つもの人形が見え始める。横島は見つからない様に隠れながら、どの人形に先に攻撃を仕掛けるか悩み決断を下した。
最初の一行をどうにか隠れてやり過ごした後、次の集団に彼は仕掛けた。追跡者であるアリスが既に遠くに行っている可能性あるし、最初の一行を通り抜けたならもっと遠くにってからという裏をかくことができるかもしれない。


 一応反撃してこようとする人形の群れをなぎ倒しながら、彼はひたすらに駆けた。そして追跡者であるアリスの声が後ろから聞こえてくる。

「忠夫―! 今からそっちに行くわー! 楽しみに待っててね」

 アリスの声を聞き距離を測ると彼は即座に愛歌の能力であるスタンを発動した。それによって人形の動きが一斉に止まったのを確認すると彼は数体の人形を撃破すると彼は駆けた。

『スタンされている状態なら2発か3発攻撃しないと駄目な敵も一撃で倒せるかも。とにかくスタンが何秒くらい有効なのかそれも確かめんと。
愛歌ちゃんが言うには7秒から10秒くらいらしいが、正確に測らねば。今回はアリスちゃん本人に当たったみたいだから大半のスタンに巻き込まれていない人形も性能ダウンしているみたいだが、それも何秒続くか』

 スタンの範囲外に出た後も人形の動きが本来より悪いのを見て彼は7秒立っていることを確認すると後何秒効果が持つか確認しようとし、人形たちの動きを見ていたが、それは失敗に終わった。
人形たちが10秒立っても動きが鈍ったままでまだ持つのか? と思った直後になんとアリスが目の前に現れたのだ。一瞬混乱した後、戻りかけた瞬間、後ろにもアリスがおり、そのアリスが仕掛けてきた魔法をかわすと、横島は理解した。

「俺がスタンを駆けたのはアリスちゃんの人形か。全体の人形の動きが鈍くなったのは、演技か」

 後ろから糸が走り彼の体に入ってきた後、アリスが彼を掴みながら言う。

「そうよ。忠夫、貴方は覚えてないけど二回目ね行きましょう」


 その声を聞きながら彼は、恐怖を覚えた。グズグズの快楽にさらされて戻ってこれなくなってしまうのではないか。そう思いながら彼の意識は暗転した。


 目覚めた彼は仰向けになった自分に覆いかぶさりながら、愛おしそうに口づけをするアリスが目の前にいた。
本来は快楽で動くことすらできない状態なのに、自分の体は糸で動かされ、彼女の望むままに彼女の乳房や尻を揉みしだいている。
アリスは時々彼の悲鳴を楽しむために唇を離し、それが済むとどこまでも緩く柔らかく彼を堕としにかかってくる。 ベッドから見える祭壇には彼を模した人形とアリスを模した人形があり今の自分たちと同じ情事を繰り広げていた。
アリスが楽しそうに指を鳴らすと彼は見たことがない部屋に移った。そしてアリス以外にも複数の女性の姿が見える。
多分アリスが普段から操っている人形が人になったらこうだろうなと彼は思う。人形たちは笑いながら言う。

「アリス様の御傍に仕えていながら貴方様を見ていました。この大奥の夢だからこそ具現化で来た人形です」

 笑いながら彼女たちが彼に体を押し付けてくると、現実世界の彼の体も同じように反応している。
祭壇の人形が普段アリスたちが操っている人形に持ち上げられると彼の手歴ネスで持ち上げられたように体も持ち上がる。それを見ながらアリスは言う。

「普段から頑張ってい働いているから忠夫も報いてあげてね」

 複数の人形たちに彼の人形が愛撫されると夢の世界で同じことが起こり本来の彼の体も同じように変化していく。
アリスは夢の世界では彼を嫐るのに参加しつつ、現実世界の彼女は彼と性行為をしている人形と全く変わらぬ動きで彼と性行為をしていく。
彼が射精をするたびに、アリスが操る人形たちの霊力が上がり彼の霊力は下がっていく。アリスは耳元で彼に言う。

「忠夫、愛歌たちも呼ばない?」

 夢の世界でブロンド美女の胸を揉まされながら正面からはアリスに抱き着かれ、射精が止まらず目が回っている彼にアリスは誘惑するように言う。

「い、いやダメ」

「そう。だめなら仕方ないわね」

 アリスは彼から離れると、射精したばかりで敏感になっている分身を胸の間に挟み愛撫をし始めた。

「〜〜!」

 声にならない悲鳴を上げる彼を見ながらアリスは言う。

「可愛い顔と声。早く堕ちてね。別に私は愛歌が嫌っている彼女に含むところはないし多少恩があるけど、愛歌の方の恩が大きいから。今回は愛歌側だから」


 パイズリでの射精を最後に意識を失った彼は再び立香王女のまつ反省部屋に来ていた。

「今回も知恵比べでやられちゃったね。アリスちゃんたちは貴方が転生した際に何回も支えてきた身だから、凄く忠夫の強い部分も弱い部分も知り尽くしていし、裏の読みあいじゃ不利だよ。
なまじっか読み切って策で上を行こうとすると逆に利用されちゃうから、冷静に考えて思いついた策より、がむしゃらに行って勝負を分ける時のとっさの機転みたいな策以外は通じないかも。
とりあえず全力動いて相手の思考を常にフル稼働させ続けて、余裕をなるべく与えずに行こう。 アリスちゃんに負けて私の所に帰ってこなくならないでね」

「お、おう」


 人形館に戻ってきた後、彼は様々な場所にテレビがあることに気づいた。正確に言えば最初からあったが、さっきまでは電源が落ちていた。そのテレビ画面にアリスが映る。


842 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 00:28:54 ID:jnGSVaDd

「忠夫が一度耐え来ったので、ランダムでこの館のどこかに現れてまた捕まえなければいけなくなったけど、ゲームを始める前に教えないとフェアじゃないから通知するわね。私の近くに来ただけでも動きが鈍くなっちゃうから気を付けてね。これのせいで」

 そういってアリスが取り出したのは、明らかに横島の分身を模して作った男性器の部品だ。彼女がそれを胸元の挟むと、彼の股間がさっき受けたパイズリと同じ感覚がしてくる。画面からギリギリ範囲内だった察した彼が離れるとそれは収まった。

「近くに来るとさっきの情事の胸で挟まれた時の感触がして動けなくなるわ。 あ、痛みとか物理的な攻撃は共有されないから安心して。あくまでも性的快感に限定しているから♪」



 その後彼はアリスから隠れながら敵を倒して回り、アリスが近くに来ると隠れたがアリスが近くを通るたびに分身が何度もパイズリをされた感覚を味わった。
一度アリスを近くに隠れてやり過ごした時に彼は射精をしてしまい。その時アリスが叫んだ。

「匂いで分かったわ。そこね」

 慌てて駆けだす横島を見て彼女は意外なことに驚いた表情になった。

「もしも私の推理通りの回数近くを通っていたなら、そろそろ限界かもって思ってたからカマをかけてみたけど、辺りだったのね」

『ばれてなかったとか最悪や。アリスちゃんの演技力半端ないわ』

 必死に逃げる彼は後数体でことが終ると思いながらアリスから逃げるが、彼女が胸元から彼の分身を模したものを取り出して、愛撫し始めると転びそうになった。
彼の様子を楽しそうに見ながらアリスは、近づいてきた。全身に凄まじい意志力を宿した彼は必死に駆けだした。
意志力の全てを賭けてこれ以上アリスの与えてくる快楽を味わったら自分がどうなるかわからないそんな恐怖から逃れるべくかける彼にアリスはゆっくりと両手で彼の分身を模したものを愛撫しながらうっとりとした顔で追ってくる。

 アリスの的確過ぎる愛撫に彼は何度も悲鳴を上げつつひたすら距離が開くのを待った。

『あと30メートル離れれば圏外になる』

 残り20メートル。アリスの指が彼の分身の穴を優しく覆っている。

 残り10メートルひたすら両手の指で全体を的確に愛撫してくる。美しいスベスベの指の感触が彼の分身を嫐り切ってくる。

 残り5メートルそこでアリスが不意に楽しそうな声を出した。

 「忠夫凄いわね。これは大変だからもう一本追加しましょうか♪」

 そういうとアリスがもう一本彼の分身を模したものを取り出し、片方を口に含み先端をなめ上げ、もう片方を胸の間に挟んだ。

「〜〜」

 快楽のあまり射精し倒れた彼を彼女は捕らえ、再び笑いながら寝室に連行した。

 気が付いた彼は今度は夢か現実化わからない空間で再び犯されていた。そしてそこにはアリスの姉妹だと前世の記憶が告げている赤いメイド服を着た女性の、夢子の姿もある。アリスは彼を犯しながら笑って言う。

「大丈夫よ、夢子姐さんはこのゲームの参加者じゃないから。ゲームの契約書にもある様にゲームの参加者以外は『貴方の許可がなければ』あなたに触れてはいけないから」

 そういいながらアリスが彼をベッドの上で嫐り出すと夢子は、横島の方を見て声をかけてきた。

「忠夫様、なぜ私がここにきているのかわからないのでは?」

「は、はい」

 その答えに夢子はアリスの方に視線を送った。説明してあげては?と告げている様だ。

 アリスもその視線を受けて答える。

「あくまでも忠夫を好きにしていいのは忠夫の許可がなければゲームで勝った参加者だけ。だけど私の技がどれくらいか夢子姐さんに見てもらいたくてね。姉さんお願い」

 夢子が自分の毛を一本だけはさみで切ると、彼女はそれを自分を模した小さな人形に入れる。その人形が再び動き出して、祭壇の上の横島の人形を嫐り始めると彼は夢子の豊満な体に嫐られている様な感覚を覚えた。
これはルール違反とは言えないだろうなと思いながら彼は想像してしまう。もしも本物の夢子が混じってきたらどれくらいの快楽が来るのだろうか。

「私もまだまだ未熟ね。貴方の人形からとれるデータでは、夢子姉さんが与えられる快感の半分以下だわ」

 アリスが彼の分身から白濁を絞り体を押し付けながら言う。彼女の乳房が胸板で潰れ、彼の中で恐怖が大きくなっていく。
アリスの与えてくる快楽はどこまでも、甘い蕩けさせる快楽だ。そして彼がどれほど堕ちても見捨てることがないとわかる。
だからこそ溺れたらもう戻れなくなる。だが彼は思う夢子にも来てもらいたい。
不意にアリスが彼の分身を胸で抜きながら指から魔力で来た糸を動かすと、夢子の方に視線を送らせた。いつの間にか洗濯を始めていた彼女の手の中にさっきアリスがなめていた彼の分身を模したものがある。それを見た瞬間彼は言ってしまった。

「アリスちゃん」

「なぁに?」

「もう我慢できん。夢子さんも…」

 ここまで言ったが彼は言葉を飲み込んだ。耐え抜いたのを見て、夢子が少し楽しそうな顔をして言う。

「今回はゲームオーバーにはさせませんから私も参加させてはくれないでしょうか? 前世の貴方様と共に駆けた思い出もあり、久しぶりに会えたので我慢ができません」

 ゲームオーバーにさせないその言葉はなぜか絶対に嘘ではないという確信がある。彼が頷くと夢子も服を脱ぎその豊満な体を見せてアリスと共に彼を嫐り始めた。

 夢子が前に来て彼の分身を飲み込むと後ろのアリスも笑いながらそれを手伝い。彼を糸で操りながら無理やり、腰を降らせる。夢子の与えてくる快楽もアリスと同類の溶かしてくる甘やかす快楽だ。彼女は彼の唇を奪いながら言う。

「いつもは愛歌様の手前我慢していますけど今生に限っては貴方を女権国家以外の世間一般では腑抜けのゴミというところまで堕としても構わないと愛歌様も仰ってます。
今回はそうはしませんがいつでも呼んでください。私たちはいつでも答えますので。他のフロアのボスに敗れて、嫐られている時に私達にも加わってほしいと思ったらいつでも……♪」

 夢子の甘い声に彼は頷きながら膝から崩れ落ちかけると夢子がわざと胸元に抱き留めてアリスと二人で彼の顔を挟み笑う。
快楽に負けてねだったことを彼は後悔しながら、ここで屈したら自分はどこまで堕ちるのだろうと、考えた。

 アリスが再び無数の糸を出したがそれは彼の体ではなく夢子の体へと入っていった。彼女の体に霊的な糸が入れば入るほど、彼に与える快楽が強くなっていく。
夢子とアリスに交互に分身を貪られ続け、快楽で涙が出てきた彼を前にアリスと夢子は唐突にじゃんけんを始めた。

 なぜそんなことをするのかと疑問に思う彼を他所にアリスが負けると彼女は少し残念そうに言った。

「それじゃあ最後は夢子姉さんで」

「はい。それじゃあこれで止めといたしましょう♪」

 夢子の体に入っていったアリスの霊力でできた糸が彼女の秘所にまで至ると彼は完全に快楽で頭が壊れ始めそしてさらに追い打ちがかかる。
分身に走る電量にアリスの秘所の感覚まで走る。後ろから彼に抱き着いているアリスがさっきの彼の分身を模したものを内部に入れていると彼は気づきその直後に大量の射精をしてそのまま気絶した。

 意識を失う直前にアリスの残念そうな声が響いた。

「やっぱりフィニッシュは生の忠夫のモノが良かったわ。運のない私が悪いけど」

「大丈夫よアリス。彼は時期に私たちを呼ぶようになるから、その時に……ね♪」



 その後彼は、まだ解放の時間が過ぎていない状態で解放してもらえた。快楽で脳がグズグズになっていたのに、不思議と意思をしっかり持てば、試練に挑み続けられそうな精神状態になっている。アリスが彼に笑顔で言う。

「特別ルールでこのフロアの残り時間は耐久大会にしてもらったわ。さっきの約束破るわけにはいかないから」

 そういってアリスが手を振ると画面に少年となった彼としか思えない人形がありそれと情事を行う夢子の姿がある。
だがあの人形は自分と深くつながっていることがわかる。アリスが瞬間移動し、二人係で本当に人間としか思えない彼の少年人形を嫐り始めると。体中に指や舌を這わせられる感覚や、あるいはふくらみを押し付けられる感覚がしてくる。

「あー!」

 射精までするように作りこまれた人形が射精すると彼も蹲った。見ていると彼女たちが分身を飲み込むところや口の中に乳首を入れてきて赤子をあやすように撫でるところを見て、余計に呪いが強化されていく気がする。
まっすぐ進めばよくなるだけだそう思って目を閉じると、目の前にアリスと夢子がいた。多分少年人形と視点を共有してしまったのだろう。

「目を閉じてこうなっちゃたのね。ほら目でも快楽を堪能して♪」

 アリスが彼に乳房を見せつけながら顔を挟み込み、夢子が背後から抱きしめて挟んでくると彼は射精しながらも這い続けた。

「立香王女の為に頑張っているわね。素敵過ぎて一番の座を奪いたくなっちゃうわ」

 頬を染めながらアリスは言い。余計に分身を包む秘所が彼から多く搾り取る。

 彼は何度も悲鳴を上げながら這い続けた。寝てはいけない時に襲ってくる眠気にも似た快楽がこのまま二人のモノになってしまえと言ってくる。だがどうにかフロアの出口に到着した。

 出口に手を付けかけた時、アリスが再び瞬間移動してこちらに戻ってきて彼の手を取った。

「大丈夫貴方の勝ちだから、脱出は確定邪魔しないわ」

 ほっとしたところで彼の唇を奪い、強すぎる快楽をもたらす口づけをしてくる。そして夢子もまた、彼の人形にアリスと同じ様に口づけしていることがその快楽からわかる。

「忠夫、愛歌も言ったけど他のフロアのボスに捕まったらいつでも呼んでね♪ 私達も参加して天国に連れて行ってあげるから」



 愛歌の所に戻ってきた横島は完全に虚ろな目になりながら捕まった際にされたことを思い出して、自分でもわかるくらいに精神が危ない状態になっていた。それでも立香への想いを振り絞りどうにか進む決意を固める。


843 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 00:30:59 ID:jnGSVaDd

 元の部屋に戻り愛歌がいた位置を見ると、愛歌の姿はなく。そこには紅の髪をして片目に眼帯をした美女がいた。長身であり、どこか貴族らしさと高級な遊女を合わせた様な感じがする。彼女は横島を見ると言った。

「愛歌殿は少しせねばならぬことがあると言って、一度姿をくらました。妾はジェラート・ヴァレンティーヌ。そなたの前世の一人の妻だったものじゃ」

「そ、そうなんですか、花の大公爵まで嫁さんの一人だったとか俺の前世凄すぎ、と言いたいけど、あくまでもすごいのは嫁さんと前世であって俺じゃないか」

「まあ、夫の来世にすごい女と言われて悪い気はせぬな。だから教えよう。この夢幻大奥を作る際には妾の力も大きかったのだぞ。何しろサキュバス系の魔物をたくさん従えておる故な」

 この女性が相手だとその色香と甘い香りのせいで話しているだけで、胸が詰まりそうになる。彼は努めて冷静を保つと聞いた。

「貴女も愛歌ちゃんの味方なんでしょうか」

「うむ」

「そうですか。貴女も彼女も悪人ではなさそうだけど、こんなことに協力するって余程の訳があるんでしょうね」

 本心からの横島の言葉にジェラートは少し悩んで答えた。

「まあ、そなたを納得させられるくらいの訳ではあるが、そこまで複雑な事情ではない。負けたとしても誰も不幸になることは恐らくあるまい。花の大公爵たる妾が保証しよう」

 それを聞いて少しだけ気が楽になりつつも彼は、諦める気は全く起こらない。必ず立香の所に変えるという意思が彼の眼にはある。ジェラートはそれを見ながらいう。

「自分に惚れている女権国家の女の前でそういう目をしてはならぬぞ。一番の座をえげつない快楽で奪いたくなってしまうではないか。妾が番人を勤めるフロアに来た時がひどいことになってしまうぞ」


 横島はその忠告を聞きつつ、決意を固めて次のフロアに進んだ。




 それから彼は智謀の限りを尽くし努力をしたが最低一回は、フロアの主に良い様にされてしまい、その度に何度も快楽で堕ちかけながら、とうとう最後のフロアに到着した。

 ここを越せばようやく最後だ。そう思いながら彼は最後はどこが舞台なんだろう?とふと思った。基本的にこの夢幻の大奥はホラーゲームや映画の定番が多い。
エヴァに物語から生まれる悪霊とかもいるから対処を学べとホラーゲームをするように勧められ、
大鳳と出会ってからは、二人でやったことも多かったが、遊園地が舞台のフロアでトランプの兵隊を率いた子供形態のアリスに犯されたり、
夜の学校のフロアでエヴァに犯されたり、幻想的な森でインプであるユウキに襲われたり大半の、ホラーは網羅した。最後はどこになるのだろうそう考えて、扉を開けた後、彼は納得と共に恐怖した。

「なるほどなぁ確かに女権国家らしいわ」

 多分女権国家のホラー映画以外では舞台にならないであろう場所。勝手に出来上がった自分のハーレムが最後のステージだ。


 彼は霊波刀を構えながら誰が敵か必死に考えた。フロアのボスは一人。だが交代しないとは言っていない。
ラストフロアのボスは秘密だと言っていた。これはボスが交代して追ってくる可能性もある。一応高難易度のゲームではあるが、卑怯ではない。
この大奥というホラーの舞台がヒントになっている。彼は雑魚敵を倒して記憶の欠片を取り戻すのをどこから始めるか懸命に考えた。

『ボスがどこにいるかは分からんが。俺の動きを見て、とらえやすい奴が来るのかもしれん』

 横島は欲望に負けた過去の自分を呪う。一度許可を出した場合は参加してなかった相手までここではボスの資格を得たかもしれない。
今までのフロアをクリアしてこの夢幻の大奥でのみ使える様になった彼女たちの特殊能力。それが全部あるなら理不尽な難易度とは言えないだろう。

 二番目以降にしか入れない様になっていた。ユウキのフロアは使い魔インプという性質上、他の特殊能力の効果が上がるというものだった。
愛歌のスタンなら動けなくする時間が2,3秒伸びるという感じだ。その代わりユウキ自身も横島が使える能力と同じものを使って追いかけてきた。
使い魔だけに特殊能力と合わせるのが上手いうえに、彼女自身のスペックが高いから苦戦したものだ。


 彼は意識を集中しながらボスが近くに居ないことを確認すると、迷宮を回っているうちに思い出した文珠を取り出した。まだ作るには時間がかかるが、それでも重要な情報を探るには必要だ。

 最初に『探』の文珠を使い、ボスや敵が近くにいないことを確認すると『調』の文珠を使い迷宮を調べ始める。

『やはりワイの予感はあってたか。ここはボスが交代可能。ただし交代してから一分くらいは出現地帯から動けない。
そして今のところは交代回数はゼロ。ボスたちは他のボスたちの能力も使用可能だが、本人が使うよりは劣化する。今まで得た能力全部使えば、捕まらずにクリアも可能の様だな』

 そこまで調べた後に彼は、さっそく歩き敵を倒し始める。このフロアの敵はいかにもサキュバスといった豊満な体とそれを強調する衣装に身を包んだジェラートの配下であるサキュバス族の魔物サキュアたちだ。
ジェラートに負けた時に共に嫐られてトラウマと彼女たちがもたらす快楽中毒にかかりかけている。
 サキュアに切り込みかけると彼女たちは一太刀で倒される強さに設定されている為か、武器を構えずに胸元を開き誘惑の言葉を投げかけてきた。

「ねえ、ジェラート様に捕まった時に、後ろから抑えて耳をなめていたの私よ。その後、足で三回そして騎乗しながら五回絞ってあげたわよね。あの時の貴方可愛かったわ。ギブアップしない。あれの再現またしてあげるから♪」

 僅かに分身が固くなったが構わず彼が切り込むと彼女は笑いながら消えた。

「残念♪ 今度捕まった時にもっと私の魅力を教えなきゃだめね」

 最後の言葉を言いながら、消え去っていくサキュアの体から、光が立ち上り彼の中に入ってくる。


 敵を倒してしばらくして、進むとアリスとすれ違った。

 横島は彼女の胸元に挟まれた自分の分身を模した模型から感じられる快感がアリスがいたエリアより強い。その事実がやはりこの迷宮では本来のステージより強くなっていると感じた。

 横島がどうにか気づかれずに逃げ去った後、彼は何度も肝を冷やすような事態に遭遇することになる。

 ヴィヴィオとすれ違い脅える羽目になったり、彼女の霊力と身体能力強化は前の迷宮でも脅威だったのにここでそれを使って追いかけられたらどうなるか分かったものでない。

 大人モードのエヴァが来たときは彼女に血を吸われた時の感覚が蘇り、影から影へワープする彼女のテレポートの脅威を思い出す。
自分も今ではその能力も使っているが、エヴァがボスとしてきている時は使う度胸はない。今大奥に出現しているボスの能力を使えば気配でばれる恐れがある。さらにボスは自分の能力故に弱点も把握しているかもしれない。


 横島は何度も、何度も警戒しながらアリス、子供姿のアリス、ジェラート、大人姿のエヴァ、子供姿のエヴァ、愛歌、ユウキ、リグル、ヴィヴィオを見送りながら敵を倒し敵の体から出てくる光を吸収していった。


 最後の大奥迷宮も、もう少しで光の欠片が集まり切り倒すべき敵も残り少ない。だが最後になればなるほど、このゲームは危ない。
定時連絡が途絶えて自分が向かう場所がどこか追跡者に予測されやすくなるからだ。彼はエヴァの能力影から影へのワープを使い、最後の敵がいる場所に行くと、大奥のベッドルームらしき場所に数体のサキュア達が待っていた。
彼は霊波刀を構えると、愛歌の能力スタンを使い動きを封じ、本来なら二撃もしくは三撃でなければ倒せない敵を切り倒す。

 追跡者の気配を感じまぎれもなくエヴァだと確信した彼は、エヴァの様子を見ながらかけ続けた。
彼女は唯一、スタンを発動させた直後に彼を捕らえた追跡者だ。彼は覚悟を決めてスタンを使うと、エヴァは最初に彼を捕まえた時と同じく、影から影への瞬間移動をしてスタンをやり過ごした
。彼は速攻でエヴァと同じテレポートに能力を切り替えると、瞬間移動した。

『これで逃げられる。エヴァに最初に捕まった時は俺の動きを教師として師匠として見ていたからスタンを発動させる瞬間がわかって、それにテレポートを合わせたと言っていた。だが、今回はスタンを発動させた後、テレポートだ。
どっちに逃げるかまではスタンまで決めてなかったし、テレポートの後にテレポートすればどこに俺が行くかはわからないだろう』

 それにエヴァも普段なら何回でも連続でテレポートできるのかもしれないが、このゲームの最中はちゃんとチャージタイムを設けるはず。そういう部分では決してルール違反をしない。そこは彼も疑っていない。

 彼の予感は当たり、エヴァは距離を離された後吸血鬼の速度で彼を追いかけてきた。

 遠回りをしつつ、迷路の様な通路を駆け抜け彼は出口に全力で向かい、あと一歩で出口、そう思った直後に彼は悲鳴を上げた。

 ヴィヴィオ、アリス、愛歌、ジェラート、リグル、陸八魔アル、ユウキ。各フロアの追跡者が一斉に各方向から来ていた。
彼は顔色を変えて、逃げようとしたが、頭の中に浮かんだ感情は卑怯な手を使われた怒りではなく、どこかでルールを見落としたあるいは相手のルール内の行動を見逃していたのでは?という疑問だ。

『どこだ。どこで間違えた』

 そう思った直後にエヴァが後ろから来たのでギリギリチャージが終ったスタンを使おうとした直後不意に彼の近くから声が響く。

「何も間違えていないわよ。盲点を突かれただけよ。私がこのフロアの追跡者さとり。彼女たちは貴方のトラウマを再現した幻よ。さて確保完了。『想起・エヴァのフロアで味わった快楽』」

 さとりがそういいながら彼を捕まえると彼は寝室に連れ去られた。そう思った直後に様々な快楽が彼を襲ってくる。



 彼は夜の校舎でエヴァに捕まった後、保健室のベッドで大人の姿の彼女に対面座位の体制で子供に戻された後、乳房の間に顔を挟まれながら何度も射精をさせられていた。

「お前は何度生まれ変わっても変態になるのが早いな。子供に戻して犯すプレイが好きな私もたいがいだが、たった数回で相思相愛の恋人としている時より硬くするとはな。変態が!」


844 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 00:32:19 ID:jnGSVaDd

「そ、そんなことは」

 言い終わる前に彼が大人に戻されると、エヴァが彼の首筋から血を吸いながら体を押し付け彼を一気に追い詰める。

「血を吸えば精神もある程度読める。ほら失った記憶で立香王女とやっていた時より気持ち良いと言っているぞ」

「は、はい」

「私も側室になることが決まっているが、断るか、正妻より夜の戦闘力が高い女を娶るのはまずいのではないか?」

 いいえと言えないくらい快楽付けになっているのを見越した上でエヴァは言う。彼のその屈した様子を見下ろしながら彼女は動けない彼を放置して去っていく。

「ここはクリアで良い。しばらくそうしていろ。私の視点でどれほど無様に自分が閨で負けていたのか見ながらな」

 そういってエヴァが魔法をかけると彼はエヴァの視点の記憶が蘇ってきて、共和国出身でも男性優位の性行為が当然な彼の感性では屈辱がにじむ。だがそれでも分身が大きくなったのを見て、エヴァが笑う。

「そんなに屈辱的な性行為が好きかこのゴミが!」

 そういうと彼女は彼の分身を足で踏みつけ愛撫してきた。彼が数回愛撫されて射精すると、そのまま彼の分身を口に含み、その舌で嫐り始める。射精直前に牙を突き立てられ、吸血と射精の快楽が同時に来て動けなくなった彼に彼女は言う。

「やはりこれは毎回癖になるな。最も私以上にマゾなゴミであるお前はもっと癖になっている様だが」

 そこで意識が暗転した後彼の意識は現実に戻ってきた。



 大奥の大きすぎるベッドルームそこには今までの追跡者全員と、さとりがいる。彼女とエヴァは両方ともその秘所から精液を受けており、想起だけでなく現実でも二人にやられていたことがわかる。二人に相当霊力を奪われている。

 エヴァが彼の首筋に牙を突き立てるとそこから広がる快楽を伴う脱力感により彼の抵抗力が完全に消える。さとりが彼の耳元で言う。

「ここからが完全に堕ちる時間よ。全てのこのダンジョンでの思い出を振り返りましょか…… 貴方が覚えていない分までね」


 さとりが耳元でのぞくぞくとする色香のある声で彼にささやくと服を彼女と似た衣装の少女こいしも服を脱ぎ彼を押し倒し言う。

「お姉ちゃん無意識操作して、一番忠夫が気持ちよくなってくれる精神状態にするね」

「ええ、背徳の味をたっぷりと味わいなさい」

 動けない彼にさとりが最初に跨り分身を飲み込み。一度騎乗位で精を絞った快楽と共に悲鳴を上げ彼は悟る。これは心を読む妖怪二人の力を聞きやすくする儀式でもある。

 さとりが抜けた後こいしが騎乗位を初めて快楽と恐怖で悲鳴を上げる彼を年相応な少女の笑みで見るさとりをジェラートが悪趣味なという目で見ていると彼女が咎めるように言う。

「貴女、今私のことを向こう側の私と比べていたでしょう?」

「仕方あるまい。魔女にもいろいろ種類がある。妾は少しだがパラレルワールドの記憶も見ることができる故。妾の配下となったそなたと比べると本当に性格がねじ曲がっておるな」

 ジェラートの言葉にさとりはむしろ嬉しそうな笑みを浮かべた。

「パラレルワールドで配下だったからと言って見くびられていない様で安心しました」

「見くびっていたらパラレルワールドの妾もあそこまでそなたを重用せん」

「まあ、配下ではなく対等な仲間だからこそできることもありますからね」

「『想起・全てのフロアで味わった快楽』」

 さとりのその言葉と共に彼は意識を失い一気に暗転していく。



 ヴィヴィオに捕まった時に四騎士達共に彼女は彼を犯してきた。前世の記憶がある彼には僅かな違和感があるものだった。


 ヴィヴィオが彼を騎乗位で犯し、シンセシスの方のアリスが膝枕をしながら彼の顔を乳房で包む。

 ヴィヴィオの強すぎる快楽で射精のし過ぎでぐったりとした彼をオリヴィエが入れ替わりながら犯し始め、ヴィーラがアリスと位置を変えると耳元で彼に言う。

「今すぐストレリチアの王女であるヴィヴィオ様を正妻とすると誓いなさい。立香もそれでよいと言ってますよ」

「そ、そんな快楽に屈して裏切るとかありえな」

「そうですかそれはとても意思が強いですね」

 彼女が彼の玉袋を揉みしだき始めるとユグドラが彼の乳首を口に含み追い打ちをかける。かわるがわる犯されごとに、ヴァルキリーなどの側面もある彼女たちに魂に何かを刻み付けられていく感覚がする。


 全員に犯されぬいた後、彼は解放されたが、最後にヴィヴィオは慈しむように優しい性行為をしてきたが、それが一番恐ろしかった。
気を抜くとどこまでも堕ちていかされる快楽の沼の様な行為だったためだ。今までの激しすぎる性行為はこの為だったのではないだろうかと思いながら彼は眠ったのか射精の快楽で気絶したのかわからないままに気絶した。




 次に彼はユウキとジェラートに犯されていた。ジェラートに捕まった時に『ユウキのところはまだ行ってないのかえ? それならユウキに捕まった時に一緒にさせてもらう。
もしもユウキのフロアで捕まらなければ、ここの罰ゲームはなしで良いぞ』と罰ゲームを取り消されたが、後にユウキに捕まって逆レイプをされていた。


 妖精な側面と悪魔な側面両方を使いこなせるユウキは使い魔という側面が強い。だからこそジェラートは彼を嫐る際に彼女と組むことにしたのだろう。

 この世界でも子供のころから彼を支えていたユウキはサキュバス系統の主人であるジェラートと組むことで彼の精神を掌握する速度が凄まじく速くなっていた。

 現実世界では男性よりも長身のジェラートに抱かれ胸を顔に囚われ、夢の世界では子供の頃の姿でユウキに同じことをされている。

 そしてユウキはサキュア達と共に彼が忘れていた立香王女と共に戦った記憶などを思い出させながら言う。

「ほら立香王女とこんなに一緒に戦って純愛していた忠夫、今まで記憶消されていたけど、立香王女がしたのと同じ体位でされるのはどう?」

 罪悪感と背徳感を煽る言葉が止めとなり、彼は一気に射精をした。ジェラート配下のサキュア達とユウキの配下の女権国家の女妖精達が見下す嘲笑の笑みを浮かべ、
彼に体を押し付け誘惑しながら、ユウキが離れて解放された彼の分身を撫でまわす。ユウキの足が近づくと複数のサキュア達の手が離れ、ユウキの足に彼の分身が愛撫され始める。

「王国女子な価値観を持つ僕に来れされてこんなに固くなるって最低! 生きてて恥ずかしくないの!」

 すごく綺麗な笑顔で楽しそうに彼を罵倒するユウキは一瞬で首輪を出現させると彼の首に着いたそれを引っ張った。

「ここは夢。つまり忠夫が嫌がればこれ直ぐとれるよ。女権国家式首輪雄犬プレイが嫌だって証拠を見せて♪」

 首輪を引っ張りながら、彼の分身を足で嫐り彼女は笑う。

「消えないってことは王国女子な僕に来れされて嬉しいんだね」

 サキュアがユウキに首輪のひもを渡されて引っ張り動けなくすると、ユウキが彼に騎乗していく。妖精達やサキュア達も加わった輪姦が始まり、
いつしか、快楽のあまり目が覚めて現実に戻ると、ジェラートに騎乗されていた。
アリスや愛歌と同じ優しすぎる快楽により意識が落ちると、ユウキに再び嫐られ始める。夢の中ですら出られなくなる快楽が続きユウキは彼が完全に自分に溺れるとようやく解放した。




 次に彼を待っていたのは、リグルとの性行為だった。虫の女妖怪達に彼が噛まれ強すぎる快楽で何度も達するが彼は警戒心や恐怖がない。
リグルの与えるかまきりの加護でそれが消えているためだ。拙いと頭ではわかっているのに止まらない。リグルは愛歌がしたのと同じ行為をしながら言う。

「忠夫、愛歌を正妻にすれば毎日これだからね。だからそうしなよ」

「あ、ああ」

 虚ろな目をする彼にリグルは口移しで蜂蜜酒を飲ませると、より硬くなった分身を飲み込む。恐怖ではなく強すぎる快楽で離れようとする彼を強い力で押さえつけながら言う。

「僕は立香王女に含むところはないけど、彼女が正妻だとだめって言うヴィヴィオや愛歌やジェラートの言い分もわかるんだよね、まあ愛歌への義理は果たしたからこれでおしまい。愛歌との情事の快楽思い出したでしょ♪」


 単純に惚れた男を嫐れて上機嫌な彼女に彼は送り出されてその後自力で捕まらない様に動きリグルのフロアはクリアした。




 彼は陸八魔アルに捕まって無数の悪霊の軍勢に犯されながら、アルが彼を見下ろしている。

「忠夫、嘘だとわかっていても王女を裏切った性行為となると信じてしまうでしょう。さあ、私に精を注げば共和国を衰退させる悪魔の軍勢に力を与えることになるわ。嫌なら抜け出しなさい」

 その言葉と共にアルが理想的な体をさらけ出し、彼を押さえつけ始める。アルの言葉に彼は負けまいと思いながらも分身を飲み込まれた時点で完全に屈した。
激しく心を下りながら射精するとどこまでも優しく堕としてくるまさしく堕落させる悪魔の膣が彼を完全にへし折っていく。そしてベリアルの力で、信じ込まされた嘘立香王女への裏切り、
その行為が背徳感となり彼の射精の量を倍増させる。彼はそのまま一気に堕ちた。





 現実に戻った彼はどこからどこまで想起・だったのかあるいは本当に嫐られていたのかも分からない。ただ自分の霊力の減り具合と、周りの女性の霊力の増強そして匂いから現実でも輪姦されていたと悟る。

 愛歌が代表の様に歩み出ると快楽で心折れた彼の眼を覗き込みながら言う。


845 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 00:36:41 ID:jnGSVaDd

「立香王女は私達への恩義から了承していることだけど、ヴィヴィオか私を正妻としなさい。もちろん実質的な正妻ではなく功績などで神として祀られる場合の席次でも構わないから」

「は、はい」

 さとりが嗤いながら言う。

「下半身に負けた男に最後のプレゼント。『想起・立香王女との情事』

 さとりの言葉と共に彼の封印されていた記憶が蘇る。彼は立香王女と共に戦った記憶や情事の記憶も消されていた。
それは彼が育ち切る前だと、前世に人格を塗りつぶされかねないからだ。王女を娶れるくらいの大功を立てていたし、立香はその時に寝ていたのだ。


 子供のころから師匠だった立香に王女を娶れるくらいの手柄を立てて将来の結婚を約束した夜、彼は立香から『男前過ぎてムラムラしたからやらせなさい』と
女権国家の女性らしい言葉と共に挑まれた彼は破れ、彼女の棒術で完敗した後。彼女の下であえいでいた。女権国家の女性並みの夜の技術を彼女は有している。

「ほらほら♪ 女権国家の女でもない女にひいひい言わされるのは恥ずかしいでしょう♪早く逆転しなさい♪」

「む、無理」

 それを聞くと彼女は腰をグラインドさせつつ快楽で脳が限界に来ているのを見越した上で彼の両腕を取り乳房を揉ませながら言う。

「情けなさすぎるぞ忠夫。師匠として悲しい。 特別に『夜がゴミカスヘタレでごめんなさい』って謝ったら。許してつかわす」

 冗談で棒読み王女口調の彼女に悲鳴を上げつつ彼は誤った。

「よ夜がー!ゴミカスヘタレでー! ご、ごめん!……なさいー!」

 立香が腰をくねるたびに射精してしまい、言葉その度に途切れたが、どうにか言い切った。すると彼女は笑いながら言った。

「まさか本当に言うとは思わなかったわ」

 記憶が消えたにも関わらずどこか立香王女に逆らえなくなったのはこの夜が原因だったのだなと彼は思った。


 それ以外にも彼女にされた行為を思い出したが彼が最後に抱いてしまう感想は。凄く気持ちよくて自分は生涯勝てないだろうけど、この迷宮で嫐ってきた女性達ほどじゃないという罪悪感だった。



 現実に戻った彼は、落ち込み切った様子だったが、愛歌が彼を見ながら言う。

「大丈夫よ。彼女は正妻として認められないだけで絶対に彼女を取り除こうとはしないから」

 愛歌の言葉を聞き、彼女を信じられるのは前世の記憶のせいもあるのだろう。立香を正妻にできないのはなぜかと思ったが、
彼は聞かないことにした。愛歌がこんな態度をとるのは呪いなどの可能性もある。そして呪いなどの中には呪いの内容を知ることが発動条件だったりすることもある。
そういう呪いは知らなければ何も起こらない。さらにはそういう呪いにかかってかつ発動させないとデメリットがないだけでなく、他の呪いがかからないもしくはかかり辛くなったりするメリットしかなくなる場合もある。
今の愛歌は、そういう状態に自分がいくつか前の前世でなった時と似た様子だ。

「多分だけど予想がついたわ。今生では話せんかもしれんが来世でも良いからこんなことしたわけを教えてな」

 快楽に負けた敗北感と立香への申し訳なさはあれどここの女性陣を信じる心が揺らがないのは前世の影響だなと思いながら彼は出口に向かった。




 横島が去った後、魔法円が現れ興奮冷めやらぬ様子の立香王女が現れた。

「みんなありがとう。凄く良かったわ」

 その問いにここにいる決して本人は嫌いではないが趣味が理解できないような相手を見るような目に変わる。彼女たちは申し合わせたわけでもないのに声が重なるくらい同じタイミングで同じ質問を投げかけた。

「「「「「これ『横島が逆NTRされているのを見るの』楽しい?(の、か)」」」」」

 それに対して彼女は満面の笑みで答えた。

「うん♪とっても♪」


 その笑みを見ながらユウキは思う。ヴィヴィオや愛歌が今生だけは横島を廃人にしてでも彼女を正妻にさせられないというわけだと。
まどか王女のせいで大鳳がいくつかシャレにならないトラウマを負い、まどかと大鳳の死後それが発覚した時、彼女たちは激怒した。
横島のことを深く愛していたから、横島の親友にそんなことをしたのも許せなかったし、大鳳は夫に凄く良くしてくれた上司というだけではなく、妻である自分たちにも凄く便宜を図ってくれていたので、
恩義に厚い女権国家人である彼女たちの怒りはすさまじかった。

 最も同じ趣味を持つ立香王女に対しての嫌悪はそれほどない。まどかと違ってちゃんと横島にシャレにならないことはしない自分たちを寝取る相手に指名してきたし、話をちゃんと通してきたからだ。
そして少しだが彼女にも恩ができた面々もいたために、一応は彼女と横島の縁を廃絶しようという意見は出てこなかった。
最も愛歌もヴィヴィオもジェラートも公職についていたものとしてまどか王女と同じ趣味を持った彼女を正妻にするのだけは『絶対に】だめだと思ったようだが。

 ビデオにとっておいた、立香を思いつつ、快楽に屈服する横島の姿を楽しむ立香王女を見て、ユウキは本当に彼女やまどか王女の趣味は理解できないと思う。
自分たちと同じくらいの快楽を与えた時の記憶を消して、寝取らせるとは。そこまで考えてユウキは考えるのをやめた。
横島が早く今夜のことを忘れて、誰にお菓子を上げなかった結果こうなったか追及し始めないことを願う。
お菓子を使い切った後、孫悟空の姿になった立香王女にトリックオアトリートと言われて、お菓子を渡さなかった結果ここに来ていたのだ。そこまで考えてユウキは心配ないかと思い直す。
多分この王女はそういう方面の手を打っているだろう。

 それにこの立香王女は寝取られ趣味以外では善性だ。そこまで悪い主君とは言えない。だから横島の運もそこまで悪くはないだろう。そう自分を納得させると愛歌とどうやった横島を癒すかの話し合いを始めることにした。


846 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 02:10:36 ID:IsVqJItk


847 :名無しさん@狐板:2024/10/31(木) 22:58:32 ID:jnGSVaDd
>>846
乙感謝です

848 :名無しさん@狐板:2024/11/01(金) 12:25:54 ID:x1MxPlA6


849 :838:2024/11/01(金) 21:35:02 ID:AFtF2E+P
>>848
乙感謝です

850 :名無しさん@狐板:2024/11/06(水) 01:00:57 ID:H/l3Fjts
乙です
まどか王女の悪趣味さがまた際立つw

851 :838:2024/11/06(水) 01:37:43 ID:/XbeLizz
>>850
乙感謝です。
まどか王女は割と洒落にならないこと本編でもしてますしねw

852 :名無しさん@狐板:2024/11/06(水) 17:02:28 ID:m8ad9QFG
おつー面白かった
このゲームやりたいわ

853 :838:2024/11/06(水) 21:26:21 ID:/XbeLizz
>>852
乙感謝です
そういってもらえて嬉しいです

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