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【R-18】Mシチュスレの引用スレ
411 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:27:15 ID:oSDnTyKy
そういうと、瞬間移動すら思わせる足取りで去っていくジャギを見て横島は思う。自分の中でアリスを護りたいと思う気持ちも強かったが、
彼に無様な姿を見せたくないという思いもあったと。前世では多分相当深い戦友だったのだろう。
戦いを終えた後ジャギは、怠惰界の森で瞑想し過去を思い返していた。自分の弟子たちを常に守るために最善を尽くしくれた横島の転生先と彼の妻達。
アリスはその中でも人形劇をやっているだけに子供な自分の弟子の面倒をよく見てくれていた。
全てを思い返した後、彼は独り言を漏らした。
「悪いな、ジン。多分大丈夫だとは思ったが、弟子の面倒を一番見てくれた女が愚妻に堕ちるかもしれない状況をみてられなくてな」
怠惰界を超えた後、横島はアリスと向き合い話していた。
「忠夫、今回は試練の域を辛うじて出なかったとは言え、私は貴方に超えてはいけない線を越えたかもしれないわ」
沙汰を待つ罪人の様な声を出すアリスに横島は笑いながら答えた。
「恥ずかしいシチュエーションは勘弁やけど、アリスちゃんとのエロめっちゃ気持ちよかったで。アリスちゃん俺が隠居したら恥ずかしさ控えめであの酒池肉林をもう一回お願いします!」
裁判を思わせる空気を壊し、とびかかってくる横島にアリスは嬉しそうな笑みを浮かべた。彼女は彼を押さえつけ言う。
「毎回貴方は冗談めかして嬉しいことを言ってくれるわ。でも今日はやめておいて。今度は試練じゃない本気の誘いをかけてしまいそうになるわ」
本気の誘い。その言葉を聞くと彼の背筋が一気に寒くなりアリスにされた行為をすべて思い出されてくる。
何もしなくてもあれが与え続けられる状況が想像でき立つことすらままならなくなりかけると、いつの間にか来ていたマイが彼を支えてくれた。
「落ち込んだ女権国家の女性に優しくするのはかなり危ないのよ。 ほらあんたを完全回復させるのは私でも少し時間がかかるから、とりあえず戦線復帰させて、修行さながら癒すことにしたから、急場しのぎできる娘を連れてきたわ」
マイがそういい指示した先に狐面をつけた赤い羽織に身を包んだ少女がいた。その少女は不意に狐火を思わせる日を放つと玉藻の姿へと変わる。
「ご主人様、マイさんが貴方のケアに時間がかかるそうなのでそれまで戦うモチベーションを与えにやってきた良妻九尾ちゃん参上です。玉藻の前でもチェフェイでも羽衣狐でもお好きな様に呼んでください。
ご主人様が少しロリコンに目覚めたと聞いて少女姿も練習させてもらいましたぁ」
ここまでは冗談めいた口調で良い不意に、妖艶で恐ろしい目に変わると彼の眼をのぞき込み言葉をかけてきた。
「ご主人様ぁ、ちゃーんと全ての魔界を踏破してきてくださいね。 私の担当は最後の魔界貪欲界。そこで一番過激な快楽をご用意してありますから、――貪欲界で会いましょう」
貪欲界で会いましょうという言葉に妖艶極まる言葉が籠っておりそれを聞いた彼はトラウマをさらに刺激された。にも拘わらず体は他の魔界をすべて踏破するという意思に満ちていた。
快楽のトラウマと期待の超過で彼が倒れるとマイがそれを抱きとめる。彼女は横島を抱えるとトラポートを唱えどこかへと転移した。
静謐な蒼い月にどこまでも映える神殿で。そこにマイがいた。今の彼女は見かけ通りの冥府の厳格などこまでも純白が似合う天使に見える。彼女は両の眼を閉じながら水の中に着けた横島に回復の光を注ぎ続けている。不意に大きな魔力の奔流が起こった。
世界そのものが切り替わるような大きな違和感が生じた刹那に、神殿の中に来訪者があった。その来訪者は赤い衣装に身を包んだ銀色の髪をした麗人=神綺は感謝のこもった目で横島を見ながら、慈母の様な目でマイを見て問いかけた。
「マイちゃん。今回はどう」
「ええ、私の予想通りだったわ。ちゃんとアリスの溜まりすぎた業を発散させて、そしてその後のケアもちゃんと忠夫がやってくれたわ」
「なんだかんだ言ってマイちゃんもアリスちゃんがかわいいのね」
「妹ですから」
「次の魔界も彼にはきつそうね。作った私が行っていいことかとも思うけど」
心底申し訳なさそうに言う神綺をよそにマイは笑いながら答えた。
「きついことはきついけど、愚弟は折れることは多いでしょうけど最後には必ず立ち直りこの魔界を踏破し、強くなりますよ踏破します神綺様」
珍しく敬語で真面目な口調で話すマイに神綺は頬を綻ばせる。女権国家と異なる世界に来て、多くの災難が待っていそうだが、彼と共にいれば娘達はそこまでひどいことにはならないだろうそう信じ切った目をしている。
神殿を美しく彩る蒼い月がそれを保証しているかのように輝いていた。
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