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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

479 :名無しさん@狐板:2022/10/12(水) 00:19:28 ID:vvAIQjNl
女権国家スポーツの日SS 聖王の女権国家式のスポーツに相手という名の生贄にされた男

このSSは女権国家の本スレで連載中の女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@このSSでは前に作者さんが連載した短編『邪な騎士と横島と騎士』の影響でヒロインが決まってます。連載中である女権国家では別人かつ横島のヒロインになるとは限りません
A短編と比べるとヒロイン達の畜生度が大分下がってます。畜生なヒロインが好きだった人は注意
BこのSSの前世設定や人間関係はすべて独自のものであり、本編での搭乗時は全く異なる立場や能力なっている可能の方が高いです

 女権国家に対抗する王国の諜報部組織のアジトの一つで今となっては諜報部の、支柱と化した三人が顔を突き合わせていた。仮面で顔を隠し棘の付いた肩パッドをしながら、その下にははち切れんばかりの筋肉に包まれた武道家として理想的な肉体を持った男、一見すると、
残虐非道な盗賊団の首領などにも見えるがその瞳の色は澄んでおりその身に纏う気は正道を行く武道家のものだ。彼ジャギは一見すると女子にすら見える少年に声をかけた。

「大鳳今回の件どう思う? 一応俺の部下たち全員で調べたところ、怪しい裏は一切取れなかった。 裏のある可能性は限りなく低いとは思うが、横島の勘は本気でバカにできねぇ。 その勘が未だに安全とは告げてはいないみたいだ」

大鳳は少し悩んだのちに頷くと赤いバンダナを額にまいた青で統一された安っぽい服装の少年に声をかけた。

「さんざん悩んだけど、今回のヴィヴィオ殿下の招待は受けてもいいと思う。忠夫の勘は本当に危ない時は凄いけど、今回はどう見ても危ない要素はないから」

 大鳳の問いに横島は少し悩みながら頷いた。

「おう、ワイも霊能者としての勘が働いた時本当にやばい時の気配だとは思ったが、今回はさすがに大丈夫やろ」

 彼ら諜報部の支柱が難しい顔をして会議をしていたのは一週間前に起きたことが原因だった。横島の所によく遊びに来ていた、少女、ヴィヴィオがストレリチアの騎士たちを統べた聖王の系譜であり、
王位継承権を有する上に聖王を再降臨させるための処置を受けていたその彼女からスポーツの日だからと横島に招待状が届いたのだ。 その際に彼は理屈ではない霊感が告げてくる恐怖を覚えたと大鳳とジャギに告白した。それを聞いた時二人は、ヴィヴィオを良く思わないストレリチアの派閥か、王国とストレリチアの同盟を阻止ししようとする女権国家の作かと、警戒の念を覚えた。

ヴィヴィオに対しては一応は調査対象とはしたが、彼女のことは殆ど疑わなかった。それというのも彼女の横島に対する感情を思えば、害することなどありえないというのが二人の見識だった。
ヴィヴィオは彼女の特殊な出生が明かされた当時は本当に大きな騒動があったものだった。彼女は前からストレリチアの大使館に在住しつつ横島の元へよく来ていたらしい。
 そして聖王を恨む怨霊や悪霊の群れから横島は彼女を護っていた。 横島が彼女を護った表向きの理由はストレリチアは前の大戦で先に協定違反をしたのが女権国家である証拠を見つけて提出した以上は、
どの程度かはわからないが王国寄りに動いてくれる可能性が高いからだ だがそれはあくまでも口実であることは大鳳にもジャギにも分っていた。当人の責でないことで苦しむ彼女を見捨てることがしのびなかったのだろう。

 激しい激闘の日々は意外な形であっさりと終わりを告げた。守られる対象であるヴィヴィオに施されていた封印が解けたらしく、唐突に聖王の力に覚醒した彼女が全てを片付けたらしい。
らしいというのはストレリチアの騎士たちの証言しか情報がないためだ。横島がヴィヴィオを逃がしてストレリチアの騎士たちに彼女を預けた後、逃がしたはずの彼女が聖王の力に目覚め、
横島より先に悪霊の本拠地に乗り込んで壊滅させたという。戦死すら覚悟して悪霊の本拠地の戸を開けたら、出てきたのは敵じゃなくてヴィヴィオだった上にタックルの様に抱き着かれた彼の困惑の表情は今でも忘れられない。

 それからの日々はいつもと変わらなかった。ヴィヴィオが前より彼の所に遊びに来るようになり、一つだけ変わったのはヴィヴィオに何人か護衛騎士がついてくるようになったことだけが変化と言える。 

しかし、その女騎士たちの顔ぶれも奇妙と言えば奇妙と言えた。 ヴィヴィオが連れてくる女騎士たちは一人二人を除いて顔ぶれが毎回変わっていたのだ。そのくせ一度入れ替わらなかった女騎士は毎度連れてきている
。前回来たときは一人も変わっていなかったから、ついに一人も変わらなくなったかとなんとなく思ったものだ。

 横島の所に来る時に連れてこられなくなった女騎士たちもヴィヴィオと不仲というわけでもないことも不思議と言えば不思議に思えた。ヴィヴィオ達を疑ってはいなかったが、横島が猛烈に嫌な予感を覚えた後に彼女たちが気に入っている大鳳自身が出向き調査をしてみた。
その結果は完全な白。彼女たちは、主君であるヴィヴィオを救ってくれた横島に深く感謝しており、
もしも女権国家が協定違反の方法で彼を害したら国が開戦しなくても、個人的にそれをやらかしたものを切り捨てに行くし、大使館に逃げ込んできたら絶対に保護すると、一切の迷いなく言い切った。
 それを聞いて大鳳はここはある意味横島にとっては一番安全な場所かもしれないと思ったものだ。

 以上のことからヴィヴィオの配下達の派閥が占めているストレリチア大使館は横島にとっては大変安全な場所のはずなのになぜかそこからの招待状を受けた時に、横島の背筋が凄まじく寒くなった。これは何度か大鳳たちの危機を救った霊感がもたらす悪寒だ。
大鳳たちもこの勘は軽んじるべきではないと感じている。だがどれほど調査を進めても危険な要素は見つからない。しかし、彼の嫌な予感も一向に収まっていない奇妙な状態が続いている。

 長く続いた葛藤はこの場における最高責任者出る大鳳が受けても良いと思うと答えたことでそちらに転がった。

横島もヴィヴィオを信じていたし、彼女がせっかく招待してくれたのにそれをむげにして悲しませるのも嫌だと思った。

 悩む時間は長いが、結論を下せば早い横島は速攻で用意を始めた。私的な遊びの場に近いと招待状に書いてあったので最低限の礼節を保った動きやすいスーツに身を固めると彼は大使館に向かう準備を始めた。彼が準備を終えた時に丁度、迎えが訪れた。
 その顔ぶれを見て大鳳は少し奇妙なものを覚える。今回の迎はヴィヴィオが訪問する際に連れてこなくなった女騎士たちで構成されていた。むろん彼女たちは明らかに裏がないし、何より異性としては横島に興味を持っていないからとてつもなく安全と言える。
今回は大鳳が同行しないと聞いて残念そうだが、主君の恩人の護送にやりがいを感じてもいるようだ。

「それでは横島殿、ヴィヴィオ聖王陛下の無聊を慰めるための恩人との遊戯のお相手よろしくお願いします」

「おお、よろしく頼む。 今回は大鳳は他の任務で同行できん。すまんな」

「いえ、今回は仕事ですから。それでは参りましょう」


 大使館に向かう馬車の中で横島は安全であることを確認すると、騎士に向かって質問を投げかけた。多少だが話した中なのであっさりと本題に入ることができる。

「実を言うと、ここ数日悪寒が止まらないんですけど、何かストレリチア周りで不穏な動きとかありませんか?」

 それを聞くと女騎士は虚を突かれたような顔をした後、直ぐに真剣な思案する顔になった。

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