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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

487 :名無しさん@狐板:2022/10/17(月) 23:15:41 ID:qQ1v8Z7b
 女権国家化石の日SS 聖王による今更ながらの化石と化していた邪教認定の撤回が決まった日

これはMシチュあんこスレのスレ主さんが連載している女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@>>479から>>484まで投降したスポーツの日SSの続編です
A化石の日SSだけど二日遅れです。
B前にスレ主さんが投降した邪な騎士と横島と騎士の影響を受けていて、本編では横島ヒロインにならないかもしれないヒロインが横島ヒロインをやってます。
Cあくまでも二次創作でありこのSSでの登場人物同士の人間関係や素性は本編とは関係ありません。
Dファイナルファンタジー3とファイナルファンタジータクティクスのファルガバードが合わさったネタが出てきます
E魔剣士の技暗黒剣が寿命を削るというのはファイナルファンタジー3ではなくタクティクスの設定です。
FこのSSでは暗黒剣は男性にしか使えないことになっています。



 スポーツの日にヴィヴィオに嫐られぬいてから横島はシンセシスの方のアリスとユグドラに護衛されながら、自宅へと帰った。疲労困憊の横島を二人の対照的な美少女が迎え入れる。艶やかな黒に身を包みながら明るく陽気な気配に身を包むユウキと、
気品のある青を思わせる金髪の髪をした少女愛歌は、横島を抱き留め背後に労わるように寝かせると対照的な反応を示した。その瞳に剣呑な色を宿し問い詰めるユウキ。
対して愛歌は知っていたうえで彼女たちの言動を計ろうとする様にも見える目で静かに二人の騎士を見ている。

「ヴィヴィオ殿下は忠夫への好意は本当だと思っているから警戒しなかったけど、これはどういうことなの? まるで女権国家の男性を破壊しつくそうとする類の女性達に嫐られぬいた後みたいだけど」

 ユウキの今にも剣を抜きかねない瞳に対してシンセシスは一歩も引かずに剣の柄に手をかけずに、鞘をもって近くに置くと前に出た。口上を述べる前の堂々とした態度が後ろめたいところがないのだろうと思い、
僅かにユウキの敵意を削いだ。怒ってはいるが、ヴィヴィオが横島に悪意を持ってなにかをするはずがない。そこに関しては彼女は一切疑っていない様だ。 アリスが口上を述べる前に愛歌が発言をした。

「私も一応忠夫のことは見ているから貴方たちの王様のしたことに関しては大体予想はつくわ。今回の件に関しては私も似たようなことをしたかもしれないから放置はしたけど、貴方達の聖王はこの処置を取った後の対策はきちんとしているの?」

 横島から奪った才能を補うものを用意できているのか否か、そこから彼女はヴィヴィオ達を値踏みするつもりの様だ。愛歌が黙認するような行為だったと聞いて、ユウキの敵意は大分薄らいだ。剣から完全に手を放す手続きを終える様な様子で彼女は二人を見ている。

「ヴィヴィオ様はこれから処置のダメ押しをするために忠夫様の関係者の各方面に声をかけて回るつもりの様です。そしてその際にご自分の口から話されると仰っておりました。 そして今はユウキ殿に事態の説明をさせていただきます」

 シンセシスがアリスに持ち掛けられたことを話始めてしばらく経つとユウキの手は直ぐに剣の柄から放れた。

「そうだったんだ。それなら僕にも言ってくれればよかったのに。なんで黙っていたの?」

「アリス様が言われるには、自分は人形劇をやるから演技には長けているけど、長時間やるのは厳しい。だからこそ忠夫殿の傍にいる時間も最長でも一日数時間にして隠したけど、ユウキ殿は良くも悪くも付き合いが長いから、忠夫殿の隠し事を見破れる半面その逆もあり得ると」

 シンセシスの答えにユウキはそうかもしれないと思ったようだ。それに今回の横島の寿命を削る術に対する才能を潰すたくらみはかなり周到に練られていた。敢えて彼に恋愛感情がなく、企みも知らない女騎士たちを迎えに寄越し、
そして彼を大使館に迎え入れた後、全ての彼に恋愛感情を持たない、諫言してきそうな女騎士たちを出撃させて逃げ場が完全になくならせて、さらにはシンセシス以外の企みに関与している騎士は彼と顔を合わせないようにするという徹底ぶりだ。ユウキは少し考えた後に質問をした。

「この状況じゃ忠夫は前世のこと知ったら、仲良くなったモヒカンさんたちが死にそうとかなったら絶対に、その前世の術を使っちゃうね。見かけによらず仲良くなった男友達には義理堅い面もあるから。僕としてはモヒカンさんたちが死んだり悲惨なことになったら、
ジャギやアミバ辺りは絶対にいい顔しないと思うよ。あの二人から心証が悪いと、忠夫との付き合いにはかなり支障をきたすと思うけど」

 横島達はただでさえも仲が良かったうえに、女権国家に来てから苦難を共に乗り越えた回数が多いので、その結束はすさまじいものがある。
ジャギやアミバが嫌った所で横島の性格上自分を慕う女子たちを切ったりはしないだろうが、無理やり逆レしてきた女性よりは彼らの方が優先度は高いだろう。それに対してはユグドラが言葉をかけてきた。

「そのようですね。だからこそユウキさんにお願いしたいことがあります。忠夫様の失った術というか技の才に対する補償の準備はもうできています。 だからこそ彼に新しい術を覚えさせることと、完全に寿命を削る術の才能を潰す処置のご協力をお願いします」

 そこまで聞くとユウキの顔色が変わった。

「その術の才能まだ完全に潰れてないの?」

「『今は』ヴィヴィオ様が全力で動けば彼の術の才を何とか戻せます。ですがヴィヴィオ様の助力がなければその術の才能は戻ってこない程壊れています」

「分かったよ。何でも言って。仮にその補償が十分でなくても忠夫の寿命を削る技の才能を潰すなら協力するよ」

 ユウキの言葉に愛歌はあっさりと答えた。

「そちらの補償が十分でなくても私の方にも補う用意はできているから、安心しなさい」

 その言葉を聞きシンセシスは敵意ではないが愛歌を警戒するような眼で見た。もしも保証が十分でなければ英雄を盛り立てる妻としてヴィヴィオへの評価は相当に落ちそうだ。

 二人が口上を伝え終えて帰還すると、不意にアリスが姿を現した。初めて横島達の前に姿を見せた時と同じく、まるで最初からそこにいたかの様だ。 彼女は優雅に一礼し二人に謝意を示した。

「ユウキ、愛歌ごめんなさいね。忠夫が前世で使っていた術、それを使えなくする為の処置を無断でしてしまって。ユウキ、貴方に黙っていたのはシンセシスさんが言っていた通りの理由よ。そして愛歌、貴女は私達が他の才能まで壊しそうだったら直ぐに邪魔に来ていたでしょう?」

 その問いに愛歌は頷いて肯定する。

「ええ、明らかに好意だけで害意はなかったし会話の内容も聞こえていたから」

 愛歌が言葉を返したあと、ユウキは明らかに協力的な様子で言葉を返した。

「アリス事情は分かったから気にしないで。忠夫の寿命を削る技の才能を潰すなら協力するよ」

「ありがとうユウキ」

 綺麗な笑顔で礼を言うアリスにユウキは少し気になっていることを聞いてみた。

「アリス、忠夫が前世で使っていた技って何なの?」

「ファルガバードの暗黒剣よ」

 それを聞きユウキが納得済みの顔になった。かつて聖王全盛の前に聖王が戦った多くの魔物たちを切り伏せたという魔剣士たち。彼らが戦ったのはそういう魔物だけではなく、行き過ぎた正義故に悪と同じ行いをした聖職者の軍などとも戦っていた。
その中で陰陽術をと魔剣を使い、聖王の聖なる力の効きが悪い相手を倒して回った陰陽師であり魔剣士でもあった高島忠助(ただすけ)彼は敢えて本気で聖王と戦い敗れた後、彼女と敵対する聖なる属性を持った者たちを倒して回り宣言した
。『自分を倒した聖王陛下こそが真の聖なるお方、誠に聖なる行いをしていれば、陛下の様に我が負の力など跳ね返せるだろう』

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