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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

1 :名無しさん@狐板:2020/01/19(日) 00:15:29 ID:bMTYbG3g



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当スレは某R-18スレの長文レス、SS、スレ主以外のAA・支援AAを投稿する場所です
それ以外での使用はお控えください

501 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:49:12 ID:pspxBtSB

「別に恥ずかしいことじゃないわよ。魂レベルで恋人だったことを覚えているから、あれはただの恋人同士のプレイでしょう」

 愛歌の言葉を聞いた瞬間自分は完全に女性優位の性行為のとりことなったことを思い出し、彼は完全に女性優位の性行為の虜となったことを自覚した。



 来世のイフの世界から現在に帰還した横島は、自分が『カフェD4C』から自室に戻っていたことに気づいた。
そして衣服が脱がされており現実世界でも情事の後だったことを悟るそして。快楽のトラウマが強く根付く彼に滅多に見せない魔王としての威厳に満ちた様子のアルが言葉をかけてきた。

「忠夫、どうまだ来世であの世界に行って男性優位ハーレムしたい?」

「む、無理です皆さんが与えてくれる快楽が癖になって不可能です。アル様」

「そう。 軽い悪戯のつもりだったけど魔王の悪戯は人間には重すぎたわね」

 明らかに確信犯でありながらすっとぼける彼女に横島は何も言わずに彼女が事後に好む抱きしめ方をした。上機嫌になる彼女をよそにこれは悪くないと思える。



 明らかに裏の人間御用達の酒場で酒を飲むティーチの元に一人の女性が近づいてきた。
陸八魔アル。完全に力を取り戻した、彼女は笑いながらティーチに言う。

「ティーチ、約束通り貴方が来世に『紅いの月下の城』の世界を選ぶのならなるべく貴方の意がかなう様に協力することここに約束するわ」

「いやはや、横島殿も情が深い女達につかまっていてわ来世でサヨナラとか通るわけがありませんな。拙者、横島殿を生贄に『紅の月下の城』に転生してハーレム件をゲットでござる」

「貴方の言う通り、漫画とかの世界が異世界で本当に起こったことという学説が本当である可能性がある以上、あの世界に忠夫が言ったら帰ってこないかもしれないしね。
私達と同じくらい気持ちよくさせる体を持っている上に、演技じゃない男性優位の性行為までできるとか、本当に危ないわ」

「ゲームやってみて人間的にも魅力的なヒロインだとも思えたでござろう?」

「転生させたらあれくらいやらないと忠夫を取られる可能性がゼロではない、と思うくらいにはね」

 そう答えながらアルはあれは限りなく似た世界だったのか、それとも本当にゲームの世界なのかと思ったが直ぐにやめた。そう考えるアルにティーチが不意に真面目な様子になり声をかけてくる。

「まあ、横島の奴も不義理とかしたわけじゃないが、それでも純愛をはぐくんだ以上は最後まで相手の女を幸せにしてやってほしいからな。 あんたらの様子見てりゃめったに見られない純粋な愛ってやつを見せてもらえている礼でもある。これで来世で彼を奪われる可能性も一つ減っただろう」

 ティーチが横島を奪われる可能性のある先という話をして、自分たちに忠告をしてきたのは、横島の能力が便利すぎて来世が異世界に呼ばれる可能性もあるということだった。彼がこういうことをしたのは利益もあるが、
少なくとも彼は自分達と横島が純愛をはぐくんでいると評価しているためもあるのではないかと、アルは思う。彼は純愛など文学やネットの世界にしかないと、嘆いていた時期もあったらしい。だからこそ本当の純愛と言えるようなものを見た時は、
それを抱いている相手には敬意の念をもつ。そこまで考えてアルは詮索をやめた。言動は気持ち悪いオタクでも有能で義理堅い恋人の友人であることに変わりはない。
 そう決めた彼女はティーチに礼を言い店を出た。彼が味方でいてくれるうちは自分たちは決して横島を不幸にはしていないのだろうという安心感が彼女の胸中にはあった。

502 :名無しさん@狐板:2022/10/31(月) 23:58:39 ID:fJx1vERw


503 :名無しさん@狐板:2022/11/01(火) 00:08:03 ID:s+Hu995L
乙です

504 :495:2022/11/01(火) 00:23:12 ID:mi4QziEx
>>502
乙感謝です
>>503
乙感謝です

505 :名無しさん@狐板:2022/11/02(水) 12:56:44 ID:7VWq+k4m
乙ですー

506 :495:2022/11/02(水) 22:51:21 ID:TYzPKh+3
>>505
乙感謝です

507 :名無しさん@狐板:2022/11/22(火) 23:54:31 ID:H7mUDbkG

 1.M男くんが数合わせで合コン呼ばれて、
 2.ハチャメチャにレベル高い女性陣の1人となんか打ち解けて、
 3.合コン終わりに其々カップルでアフターする流れになったんだけど、
 4.なんかその打ち解けた娘に半ば強引にラブホに連れ込まれて、
 5.最初はおっかなびっくり緊張しながら寄り添いつつ世間話してたんだけど、
 6.蠱惑的な貌と開けた服の隙間から漂うむせるようなフェロモンにクラクラしてきて、
 7.彼女の身体にむしゃぶりつき、言われるままに彼女の全身を舌でくまなく解していって、
 8.夢見心地のまま対面座位で挿れさせてもらうんだけど、
 9.挿れた瞬間に膣内がマグマのように熱く蕩けた淫肉にねっとりと締め付けられて、
10.ほぼ暴発同然に射精してトロ顔オホ声晒しながら見悶えて、
11.暫くしてちょっと落ち着いてから彼女の火照ってエロい姿をよく見てみたら、

12.角と尻尾生やしててどう見てもサキュバスですありがとうございました チクショーー!!!!!!

               /::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::V:::::ヘ::V/
            ,:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::l::::::::ヘ::V
               ,:::/::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::v::::::ヘ',:::::::::ヘ:!
            l:/:::/:::::/:::::::/::::::::::::::::::::l:::::::::V::::::::',::::::::::ム
              l/::/::::::,'::::::‖:::::::::::::::::::::N:::::::::V_,::: ',:::::::::::ム
           ,.イ:/:::::: f::__:/f::::::::::::::::::::::::l.,>'"´ヽ:::::!::::::::::::ハ
         /.イ:::::::::::「:::::l``〜、、:::::::::::::!  `ヾ_LL!:::::::::::::::
         "´ f::::::::::::从:リ ヾ:l \:::::::::::::} ,.ィ爪沁  !:::::::::::::::!
           {::::::::::::ヘ''"弌示坏 ヽ:::::::リ  乂少  ,1::::::::::::::!,    もう逃げらんないよ♥
             W::::::::::::ヘ  之ソ  }::メ  /:/:/:/: /.|::::::::::::::!::V
ミ           个 、ヾヾム /:/:/:/: " 、    u ,イ. .!:::::::::::::l..V:V ニチャァ
 `ヽ, -=== - ≦. ̄ ̄V:::::::::::::Lヽ     ` _ v7 ,イ ヽl:::::::::::::L,__v:V
    ``〜  ~"'〜..  V::::::::::::!  > 。.,_ ゞ - //   l!::::::::::::l  `Y\
            ::... }::::::::::::| ,  {   `≧=彡'"   j乂:::::::::V  .ハ. .\
              . : l::::::::::::l./  ∧_,.斗zォ=r= - ミ_/  `ヽ:::::ヽ./ .V. . .ヽ
            . : : :|:::::::::::l'  ./く- ''" 彡}_」ミ  ̄ ア    .\:::\ .V. . . .ヽ
        ...::: . : : : : :}::::::::::l .>/.:.:.:V  ,.イ.:.:.N  ./  v   lミッ,、`''<. . . . Y
       / ./. _,Lユユム:::::::::l ./.:.:./ゝ≦ l.:.:.:.l!.ヽ / ヽ  .V  N  ミh、::::::`ヽ、.}
      /.,z彡ア/. . ..ム:::::::メ., '.:.:.:.ケ= - ィl.:.:.:.:N ~_,..斗、 .ヽ:.. i    Y:::::::::::).!
  . . : /-.く .//. . . ../::::/ , '.:.:.:.:.:.L __  .」.:.i.:.:l  ̄  .| \ ヽ.v ,.LLユ、:::::/.ム
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      ゝ、:::V. ./:::::/. . ../.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.!          \;;;;ヒ"__,,   } } }
        `ヽ.f::::::f. . ...f.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:{       。  ./;;;; ハ_ .ノ ム l
         川:::l. . . .{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{.:.:!          f;;;;;;;;;;;',ミ彡イ .l
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508 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:06:19 ID:+zV8TJ62
 女権国家SS失った力の代わりに得た物と前世の因縁との決着

このSSは本スレのスレ主様が連載している女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@>>479から>>484>>487>>から>>491に投降したスポーツの日と化石の日SSの続編です。ファイナルファンタジーのU、V、とファイナルファンタジータクティクスの設定が使われています。
A呪いや祟りなどの設定が本編で語られる前に書いたので大分、本編とは違うかもしれません
B今回は横島以外のキャラクターで女権国家に出ていないキャラのエロシーンもあります。
C原作では巨乳でないキャラが巨乳AAがあるから巨乳になってます。
D本編で主人公である大鳳くんが受けた呪い穢れなき純潔の束縛を(女権国家の女性なりの)善意で使用するシーンがあります。
E女権国家に出ていないヒロインが横島ヒロインとして追加されています
Fラヴィアンというキャラが女権国家本編に出てこないキャラとくっついているうえに彼女の妹みたいな存在の半オリキャラがでてきます。その名前はオリジナルです

女権国家に出てきていない男性キャラクターと女性キャラクター出てきます。
ラビアンというシスターキャラは大鳳くん、横島、ジャギ様の誰かのヒロインになる可能性が高いけど、このSSでは敵を務めるキャラとくっついています。

巨乳AAはあるけど、原作では巨乳でないキャラが巨乳になってます。

 女権国家の皇都、音一つ立つことすら稀な町はずれ、そこで明かり一つすら立たない、石畳のある街の夜道を懸命に駆ける、4人の美女たちがいた。 彼女たちの走り方は訓練された兵士のそれに近い。明らかに逃走の為に走ってはいるが、
それでも彼女たちの目には恐怖はあっても、混乱はなく、目には強い意志力が宿っている。多少でも霊能に対する知識があれば彼女達も一流のオカルト系の戦士だと一目で気づくだろう。金色の髪に豊満な体をしたシスターは不意に立ち止まると、
その細腕に似合わぬ鈍器めいた全てが鉄ごしらえの長い戦斧を取り出し、小枝でも扱うように扱い構えると言った。

「ラビアン、小蒔、フェイ、逃げなさい。ここは私が引き受けます」

 そのシスターの言葉に双子としか思えない二人の黒髪のシスターの片方の女性が進み出て反論した。彼女の瞳にはこの四人の中でも特に折れない強い意志の光がその目に宿っている。ラビアンと呼ばれた彼女は決して引かない意思を持って声をあげた。

「待ってください。カーミラさんでも今の彼の相手はさすがに無理です」

 ラビアンの絶対にここから逃げないと言う意思に金色の髪をしてその善良そうな人柄に似合わない妖艶さを持ったシスターは答えた。

「ええ、でも不可能ではありません。今この場所で最も生存率が高いのは私です。私達が全員逝ってしまったら、彼を止められるものはもう誰もいなくってしまうでしょう。 それに彼の使う武器で殺されたら、私ならもしかしたら蘇れるかもしれませんから。今夜は満月ですし」


 カーミラの言葉に小蒔と呼ばれた東洋の衣装に身を包んだやや赤に近い茶色の髪をした少女が答えた。

「カーミラさん、早く逃げよう。貴女が殿を務めなくても逃げられる可能性は十分あるよ」

 その言葉に彼女は首を横に振った。そして彼女は口を開けて、夜の一族の証である牙と、僅かに残った血液を見せると言う。

「一度バラバラに逃げて合流する際に、運良く外道の群れと私はあったのです。その者たちから殺さない程度に血を奪ったおかげで、夜の一族の超感覚が戻ってきました。だからこそわかります。彼は私達の居場所を既に捕えています」

「そ、そんな、あれだけ高価な逃亡用の霊具を幾つも使ったのにもう?」

 小蒔の声には深い絶望が籠っていた。使った霊具の性能の高さを自分で確認したからこそ、既に自分たちを補足した相手の凄まじさが理解できてしまう。僅かに怯えの混じった彼女の声を断ち切るように、
先ほどまで無言で思案をしていたフェイと呼ばれた少女が、不意に弓矢を放った。機械すら思わせる正確無比で力強い矢が弾かれた音が鳴り、その音が鳴り響くと同時に、不吉を思わせる大きな霊気が辺りを包む。
演劇の舞台の幕が切り替わった様な感覚と共に、美しく不吉な赤い月に映える黒い外套と軍服に身を包んだ少年が現れる。彼女たちの想い人であると同時に、最悪の敵である魔人黒鉄アルト。
彼がその手に持っているものは赤い月と同じ霊気の光に包まれた東洋の魔剣村正。その剣でフェイの放った矢を叩き落した動作が彼女たちが決して死なないと確信していたからこそ放てた攻撃も彼を弱らせていないことを示している。

「アルトくん、考え直してくれないかな?」

 自分の命を絶たれることもそうだが、それ以上にこれから彼がすることを止めたい一心の問いかけに、問われた少年は思う所はあるようだがそれでも躊躇いのない様子の澄んだ声で答えた。

「女権国家が過去に我が故郷に行った非道があった以上は、もはや和解の余地などない。戦いに敗れた対価として、我が呪いの成就の贄となれ」

 カーミラが斧を構え三人を庇うように前にでるとラビアンは剣と弓どちらを使うか僅かに悩んだ末に弓を構えた。小蒔も恐らくは今夜もしくは生涯最後となるであろう一矢を放つ覚悟を決めると弓に最後の霊力を込め始める。

 フェイが剣を抜いて入ろうとしたのをカーミラの声が止めた。

「やめておきなさい。ラビアンちゃんと比べて膂力と速さは上でも、貴女は経験が足りません。二人が援護の矢を乱射できた先ほどとは状況が違います」

 言葉を終えると共に、ばねに弾かれたように飛び出したカーミラの戦斧を村正で受けたアルトはカーミラの連続攻撃を良く防ぎ下がっていく。

切りあいは激しいが勝敗は見えている。膂力はカーミラが僅かに勝るが、アルトの方が魔術と剣技の技巧は上だ。三人の弓矢の援護への警戒がなければカーミラは既に両断されているだろう。
刀と戦斧必ずしも優劣は武器にはない。だが小枝の様に戦斧を振り回せるという普通はありえない条件がある以上は、カーミラの重さも伴う連撃が勝つのが当たり前だ。
だが、アルトの持つ村正は妖刀として膨大な信仰を受け彼の術で強化されている。さらには霊力を通わせれば普通の刀ですらも大抵の鈍器系武器に勝らせるアルトの術までかかった状態だ。
真紅の月を思わせるアルトの刀が彼女に競り勝った。カーミラはそれを見据えながら辛うじてかわすと、広場の方に飛び去った。アルトは一瞬にも満たない逡巡の後、
三人を討たずカーミラの方を追いかけた。おそらくは三人が同時に最後の一矢を放ってきたら、それをかわしながら二人を討つことはできても、
カーミラが戦斧を投げてくると思ったのだろう。以前一度だけ見せた見事な戦斧の投擲が三人の命を救った。

 アルトは三人の矢は無傷ではかわせないからこそ乱戦めいた状態を演じ二人に撃たせないようにしていた節もあった。カーミラは厄介な敵であると同時に三人の矢を防ぐ障害物でもあったのだ。 
あそこで距離を取られては最後の力全てを振り絞った二人の一矢だけでなく、カーミラの最後の魔力を込めた戦斧の投擲まで飛んでくる。だからこそ、カーミラの方に距離を詰めることを選んだ。
乱戦に持ち込み彼女を盾にしながら切り捨てたらそれで勝ちは決まる。カーミラがいなくなれば三人が最後の霊力を込めた最後の一矢もさほど脅威ではない。

 アルトとの戦いでカーミラに幾つかの幸運がこの時舞い込んでいた。カーミラは長命種であり、一つの技能をある程度まで高めると生に飽きをこさせないために色々な技の鍛錬をしてきていた。
中には使う可能性は低いが一応学ぶことは無意味とは言えない、と言う様な技も含まれている。 そして彼女はそういう技も余った時間で気が済むまで鍛え上げていた。
 カーミラは戦争の斧の部分を外すボタンを押すと一気に戦斧を振りぬき斧の部分がアルトめがけて飛ぶようにした。

509 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:08:45 ID:+zV8TJ62

 この時カーミラに舞い込んでいたもう一つの幸運は一時的に彼と共に戦い続けた時期があり、何度もピンチになったがこの技能を使った方が良いような場面は訪れていなかったことだ。
特別隠していたわけではなかったので、アルトはこの技を全く予想していなかった。完全に虚を突かれた彼は刀ではなく、右腕に凄まじい量の霊力を込めて無理やり受けた。
刀で防ぐよりは隙が少なかったが、傷こそできずとも左腕が僅かにしびれ、そして多めに霊力が削られた。

 それを見越すとカーミラは鉄の棒と化したハルバードの鉄製の柄を棒術の棒として使い一気に打ちかかった。アルトの前で棒術を使ったことは何度かあったが、
それでもアルトにとっては戦斧を迎え撃つ準備をしていたため脳内の対処の遅れができ僅かに隙を作ってしまった。

 本来ならアルトが有利な戦いだが、最初の僅かな隙がカーミラと彼の差を一時的に埋めている。アルトは棒術の乱舞を時には村正で受け、時には霊力で強化した手足で受け止めながら彼女の乱撃を捌く。
 やや劣勢でありながらも、三人の最後の一矢をそれぞれ警戒しながらカーミラを盾に戦うあたりその駆け引きの上手さが分かる。

 カーミラが最後の賭けに出たとしか思えない猛攻を仕掛けると、アルトは僅かに押されながら下がった。故意に作ったとは思えない大きな隙。
これすらも演技の可能性はある。だが、故意に作ったのだとしても、この隙は大きすぎる。カーミラは覚悟を決めて一気に大降りに降りかかった瞬間、アルトは笑った。

「我の勝ちだ。 やっと小振りではない一撃が来たな」

 そういうとアルトは鉄ごしらえの鞘を引き抜くと大量の霊力を込めてカーミラの棒を狙ってたたきつけた。これだけの無茶な動きをすれば後の反動で彼もただでは済まない。今見せた一連の動きはそういうものだ。
彼女たちを殺せればしばらくは戦う必要はない。だからこそできた動きなのだろう。むちゃな一撃でそのカーミラの棒術的な動きが僅かに止まった瞬間、稲妻を思わせる赤い光を帯びた村正の斬撃が彼女に降りかかる。
どうにか棒で受けた物の、カーミラは弾き飛ばされてしまった。壁に激突した彼女にはほとんど霊力が残っていない。アルトの斬撃を防ぐために棒に霊気を込めすぎてしまった。 
三人は彼女を死なせぬために即座に躊躇わず破邪の矢を放ったが、それも気休めとしかならないだろう。屋に霊力を込めすぎた小蒔は、自分が赤い月の出る空を見上げている状態になったことに気づく。霊力を込めすぎて倒れたのだろう。

カーミラの断末魔と血しぶきが舞う光景を目の当たりにすることを覚悟しながら彼女は起き上がる。しかしその予想に反し彼女の耳に届いたのはとてつもなく大きな澄んだ金属音だった。そしてその音と共に再びこの場の空気が切り替わった。

 いかなる奇跡が起きたのか、そう思って何とか顔を上げると、アルトの赤い月を思わせる光に包まれた村正を、青いジーンズに身を固めた青年が受け止めていた。
その青年の腕に握られているのは優しく幻想的な癒しを連想させる少しだけ翡翠に似た光に包まれた刀が握られている。

 黒鉄アルトはすさまじく不機嫌な顔をしている。そして彼は自分たちと共闘していた時に数回だけ見せた年相応の少年めいた言葉でしゃべった。

「忠助(ただすけ)殿。貴方もファルガバードの剣士でしょうなぜ邪魔をする。 僕は王国の出身じゃない。貴方方に迷惑は掛からない」

 その問いに、忠助と呼ばれた男も不機嫌そうな声で応じた。

「ワイは高島忠助じゃない。前世はそうだったがな。今の俺は横島忠夫だ」

「それではなおのこと退きなさい。ファルガバードの者ではない貴方には関係ないでしょう」

 その言葉に横島はすらすらと答えた。

「悪いがそうもいかん。暗黒剣ではないがファルガバードの技を使ってしまった。だからこそ前世の役職上やらねばならないことはやるようにしているんだ。前世と同じく、アルトで良いのか?
お前はファルガバードの住民や頼ってきた人たちが害された時に報復するのが役目だった。だが俺の役目は何だった?」

 それを聞くとアルトは舌打ちしつつも、少しだけ面白そうに答えた。

「迫害などで居場所がなくなりファルガバードを頼ってきた者を護る剣となることでしたね。そして罪を悔いた者たちが不当なレベルの制裁を受けるようならそれを止める刃となること」

「ああ。彼女たちは報復対象ではあっても多分当人は何もしとらんのやろ?」

「ええ。その通りです彼女たちを殺すことで女権国家という国にかける呪いが完成します。だからこそ共闘の約束が終わった今夜、彼女たちを切ることでこの村正を完成させます」

 言い終わった瞬間、横島が拳を繰り出した。翡翠色の霊気の込められたそれをアルトの赤い光を帯びた腕が止める。

「責めているんですか」

「いや、ファルガバードの剣士だった前世の記憶もある以上。お前は道義的に悪いことはしてないのはわかる」

 ここまで言うと彼は距離を取り振りかぶって言う。

「ただ怒っているだけだ。自分に惚れてくれている女たちを報復の剣を作る材料みたいな目で見ていることにな。しかもそれやっているのは一時期弟子だった弟分やぞ」

 横島の翡翠色の光を放つ斬撃を受けた時、アルトは僅かに驚いた表情になった。

「前世でも剣の腕はかなりのものでしたが、今生の方が上ですね」

 そういうと彼は横島を蹴り飛ばした。彼が吹き飛んだにも関わらず、アルトはなぜかもう戦えない女性達にも危害を加えようとはしない。明らかに情によるものではない。
一部の隙も無い様子で、横島の方を警戒しながら彼は言葉を続ける。

「今宵はこれでお開きにしませんか? あなたにとっても予定外だったのでしょう? 彼女たちを護りながら戦うのは無理では?」

 それに対して横島は英雄めいた行動をとっているとは思えない調子に乗った子悪党な様な表情で答えた。

「相変わらず駆け引きは下手な奴だ。 もう戦いたくありませんって、表明してしまったな」

「むろんただとは言いません。貴方との決着の為に後日決闘します。場所と時間は貴方が決めて構いませんよ。 前もっていかなる準備をしても文句はいいません」

「それだけじゃ、足りん。負けたら復讐やめて彼女たちともう一度話し合ってやれ」

「分かりました。今の僕が負けることなどありえません。それでもそういいますか。どんな罠を仕掛けても良いですが必ず一騎打ちをすると約束できますか?」

「分かったそれでいい」

 返答を聞き去ろとするアルトに横島が声をかけた。

「すっぽかしたりはしないから、俺と戦うまでは彼女たちを監視したり呪いで縛ったりはするなよ。俺にだったらかけてもいいからな」

「ええ。そうさせてもらいます。というより既にかかっていますよ。決闘をすっぽかしたら貴方は死にます」

 それを聞くと横島はやっぱりかという顔になった。

「契約を破らない限り無害な呪いとはいえ、まったく気づけないとか前世より腕が上がったな」

 横島の誉め言葉が聞こえたか否か判断がつかない程の速さで彼は術を使いどこかへと転移した。 彼が去ったのを確認すると、
横島は文珠を取り出し『調』の文字で辺りを調べる。そして完全に監視がないことを確認すると。腰が抜けたように一気に脱力した。

「怖! 前世ではあいつと本気でやりあったことなかったけど、ガチで殺す気になったあいつのプレッシャーやばかったー!」

「あ、あのう。大丈夫ですか?」

 さっきとはあまりにも凄い落差の彼に対して気遣うように声をかけるカーミラに横島は輸血パックを渡した。

「これはワイの恋人の一人に吸血鬼がいるから持ってたもんや。 ワイの血やけど文珠で保存して霊気も込めているから質は良いはずや。文珠知っとるか?知らんかったらすまん」

510 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:10:14 ID:+zV8TJ62

「あ、ありがとうございます。一応聞いたことはあります。 アルトさんの兄貴分さんだったんですか」

「前世がな。しかし、今回本当に死ぬかと思ったわ。 十中八九退いてくれるとは思っとたが、万一が起きたら、皆さんを転移させてその後あいつとタイマンとか考えたくもないわ」

 小蒔と、フェイ、ラビアンも横島の所に駆け付けると、大変な状態でありながら口々に礼を言い始めた。

「横島さん、助けてくれてありがとうございます。僕は桜井小蒔、アルトくんと今日まで共闘していた女権国家の東洋系の弓使い系の悪霊祓いです」

 彼女の言葉に横島は少しだけ面白そうな顔をすると文珠を取り出し、『回』『復』の文字を入れて彼女達全員が癒える様にした。そして小蒔に言う。

「小巻ちゃんはワイの大事な奴と似た特徴しとるな」

「そうなんですか?」

「ああ。ラビアンちゃんとフェイちゃんも怪我は大丈夫か?」

「はい。アルトさんにつけられた切り傷あまりにも切れ味が鋭いゆえに、逆に早く治りました」

 ラビアンの問いに、フェイも続ける。

「私よりも姉さんに多めに当ててあげてください。私は生まれの事情で傷の治りが早いのです」

「ああ。分かっとる。ワイの女性達も大半が人じゃないからな。治療用の札いるなら作るがどうする?」

 横島の発言に少しだけフェイは驚いた表情を見せて、警戒した色を見せたが、彼の人柄を見る限りは大丈夫だろうという結論になり、文珠だけでよいと答えた

 程なくして彼は彼女たちを連れて、自分の家に帰ると、上機嫌な品格のある金髪のショートカットの髪をした少女が彼を迎えた。

「おかえりなさい。私の英雄さん♪ 今日は凄く格好よかったわよ」

 その言葉に横島は落ち込みの涙を流しながら叫んだ。

「占いで英雄になるための試練あり、しかも襲われているのは愛歌ちゃんに気質が近いムチムチ美女たちって聞いて行ってみたら、全員もう惚れた男がおる状態やったー! しかも相手は前世の弟分やぞ」

「英雄色好むっていうから、私は別に増えても良かったんだけど、占いでも見通せない部分はあるしね。 それよりヴィヴィオちゃんとエヴァさんとアルさんが怒っている、
というよりヤキモチで不機嫌状態だから早くご機嫌取りに行った方が良いんじゃない? それとアリスはヤキモチはやいてないけど――」

 それを聞き横島に助けられた四人は驚愕した。女権国家で何人かの女性とそういう関係になっていながら、善良な女性限定とは言えまだ相手の女性を増やそうと考える辺り、彼の煩悩はすさまじいものがある。 
ひきつった顔になって三人の所に向かおうとする彼を、カーミラが引き留めた。

「あの、すいません」

「なんですかカーミラさん」

「アルトくんと戦った時、横島さんは退いてくれることを確信していたって言ってましたけど、どうしてそう思ったんですか?」

「ああ、簡単な話や。アルトは皆さんとの戦いで相当消耗していた。最初に放った一撃で俺が前世より強いと思い込ませたことで、その警戒を余計に強くさせたんや」

 そういうと横島は文珠を取り出し、そこに文字を込めるそこには『嘘』の文字が入っている。

「本当はビビりまくっているのに余裕たっぷりに見える様にこれでごまかした。前世のワイは強いことは強いがビビリチキンだった。だからこそ、勇敢で少し余裕のあるワイを見て相当な切り札を持っていると勘違いしたんやろう。
前世の俺は手品師みたいに相手をはめるから 三合で仕留める自信がない時はできれば避けろ、十合で無理な時は絶対やめとけって言われとったからな」

「そうですか」

 頷きつつ四人は理にかなっていると思いつつ、少し弱い気もしていた。アルトにとってはあの戦いは絶対に退けないというわけではないができればあの場で決着をつけた方が良い戦いではあった。 
重要度の深さ次第では退かない可能性もゼロではなかったと思う。 深い事情は知らなくても、横島くらいに戦場の機微を知っていればそれくらいはわかるだろう。 その四人の考えを察したのか、彼は説明を続ける。

「多分だけど、アルトの奴は自分が負けると勢力崩壊とか後がない状態だろ。これは前世の知識じゃない、今の上司初音ミクさんがそうだから気づいたんだ。アルトの方がミクさんよりは弱いが、ミクさんと戦い方が似ていたから確信できたんや」

 その言葉を聞き四人の中で納得という形で心がストンと落ちた。それを確認すると、横島は三人の待つ部屋に向かって歩み始めた。


彼が部屋に到着すると四人の女性達が待っていた。怒ってはいないが妬いていることが一目でわかる。ヴィヴィオは既に聖王の大人の形態となっており、エヴァも彼が好む大人の姿になっている。これは、カーミラへの対抗意識だろう。
アリスは、魔女らしく人形めいていながら彼を堕とす策を練れることを楽しんでいるのが分かる。そしてアルは滅多に見せない上級悪魔らしい顔になっている。他の二人はともかく彼女に対して自分のどの行動が嫉妬させる地雷になったのかと訝りつつ、
横島は前に出た。彼は怯えつつも、分身が元気づき始めるのを見て、自分は王国男子としては終わっているかもという達観がある。

 頭の中で彼女たちに対する対処をまとめる。自分が悪くないと分かっているなら謝るのは逆効果だ。とりあえず最初にエヴァに対して口を開いた。

「エヴァ、先ほどお前以外の吸血鬼に血を与えてしまった。お前が認めたわけでもない相手だ」

 その言葉にエヴァは不機嫌ではあるが、横島が責められるべきところはないと理解しているという意図を込めた声で答えた。

「明らかに善良な私の同胞を助けるためにやった事だろう。さすがにそのことで責めるほど、大人げなくはない。 だが――」

 言い終わるより先にエヴァが彼のそばに来ていた。彼女は甘い吐息を匂わせながら、言う。

「感情は別だ。今宵はじっくりと私達に尽くせ」

 エヴァの牙が彼の喉に穴をあけ僅かに血を啜られた。 激しい快感を与えられても一気に吸ってもらえないことがかえって彼を辛くさせる。 快楽をねだる彼から彼女は離れると笑う。

「普段はこんな趣味の悪い焦らしはしない。 今夜は私の嫉妬を鎮めるために無様な懇願を続けろ」

「エ、エヴァ様。お願いですから一気に快楽を与えて楽にしてください」

「今夜は完全屈服の敬語が早いな。 今まで激しい快感を与えるだけで焦らしはしてこなかったからか。敵の吸血鬼にとらわれた時の訓練を今夜から始めるか?」

 横島の顔が引きつった。半分は恋人としての意地悪でもう半分は師匠として真剣に考慮している声だ。

「そ、それは」

「安心しろ、吸血鬼は少なくはないがそこまで多くもない。それに私の顔が通じないものは少ない。 ――だからこれはただの遊びだ」

 そこまで言うとエヴァは笑いながら彼の首筋に再びかみつきながら、血を啜り始めた。いつの間にか服を脱がされていた彼は快楽で朦朧とした頭の中でエヴァの裸体が目に入ると夢心地になった脳にその美しさが再び焼き付き始めていく。
朦朧とした意識は彼女が腰を下ろし彼の分身を飲み込んだ時点で、朦朧とした意識が完全に目覚めた。立つことすらできないはずの彼をエヴァの指から出た魔力でできた糸が彼の内部へと入り操り始める。
体の中すら愛撫されるような感触が余計に彼を昂らせていくが、エヴァトアリスの糸は双方とも与えてくる快感が異なる。
人間が望む脱力をもたらす快楽を無限に与えてくるようなアリスの糸、これは彼女の自分で動くことすら放棄してひたすら自分の与える快楽に沈んでも良い言う意思が伝わってくるようで、
気持ちよいと感じると共に恐ろしい感じもする。対してエヴァの糸は快楽で自分を屈服させて来る彼女の意思が籠っているようだ。自分の与える快楽には勝てないのだから従え、そう言われているのが嫌ではないと思える辺り恐ろしいと感じる。

511 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:11:46 ID:+zV8TJ62

 エヴァの糸に内部まで愛撫されるような錯覚を覚えながらも彼女が望む様に体は動き彼女と抱き合う形で上にしながら、彼女の体のさまざまな部分を愛撫させられる。
強すぎる快感で射精ができない状況に追い込みながら一番強い快感が来る時期に合わせたように彼女は抱き着き乳房が形を変えるほどに押し付けながら、
横島の腕で尻を揉ませると僅かに位置を変えた。その瞬間決壊した様に射精が起こり、それと同時に彼女の牙が首筋に刺さる。

 10秒近くも続いたと思える射精は彼女の牙がもたらす快感で5秒近くも伸びそのまま彼の意識が壊れかける。吸われた血と精は多量ではあっても医学上は問題な量なのに与えられた快感と、
吸われた霊力の量が多すぎてエヴァが離れると同時に彼の体が糸が切れた人形同様に崩れ落ちた。

 それでもエヴァから離れるのが名残惜しそうな彼を見てエヴァは嬉しそうに笑いながら言った。

「咎めるほどではない、と分かっていても、他の吸血鬼にお前の方から欲情した目を向けるとこれほど嫉妬するのだ。 お前の方から手を出したらどうなるか想像はついたか?」 

 彼女の問いかけに対して、彼の分身が固くなったのを見て、エヴァは嘲笑と自尊心が満たされた女性特有の笑みを浮かべて彼の分身を足でいじりながら言う。

「む、王国男子として情けなさすぎることをされたのに逆に想像して硬くなったか? これでは教育失敗かもしれんな」

 足で射精させた後、彼女は自分の足がどれだけ精液まみれになったかを彼に見せてからその精液を霊力に分解して吸収して見せた。

「私の気持ちはこれで収まったがそうでないメンバーのご機嫌取りを頑張れ」
 他人事の様にエヴァは笑いながら強すぎる快楽で動けなくなった彼を三人に引き渡した。

 横島は完全に快楽で壊された脳を総動員してどうにか質問を口にした。

「エ、エヴァが怒るというか、妬いたのはわかる。アルさんとヴィヴィオはなにが地雷だったんだ?」

 問われた二人も、嫉妬はしても横島が悪くないと分かっているらしく問いかけに対して、どうこたえるか考えている。今の理解力が落ちている横島にも、分かる言葉を少し考えると二人は考え付いた表情になり、アルが先に答えを返した。

「私は悪魔だから、『シスター』に欲情して口説いたのが嫉妬のポイントだったの。 多神教ならまだしも彼女たちは一神教に近いからね」

 そういって彼の唇を奪い思考力を落とす彼女の横でヴィヴィオも言う。

「私もアルと一緒です。 多神教の神の血を引いている聖王としては一神教に近い考えのシスターに靡きそうになるのはアウトなんです」

 そう言ってヴィヴィオはアルに目配せをした。アルはそれにこたえる様に、横島の仰向けの体に自分の体を押し付ける様に覆いかぶさり彼の分身を内部に飲み込む。

 エヴァとは対照的に彼女は優しい刺激で彼を何度も射精させてそれを受け止めて楽しんでいる。仰向けの体に押し付けられる彼女の豊満な体の感触に溺れながら彼の意識はどんどんと朦朧としていく。
上等な酒を飲んだ際の眠気の中にいる様な感覚が彼を蝕み、
しばらくすると起きていながら眠る直前の様な状態になった。残った僅かな意識で彼女の魔力で体を動かされている感触を味わいながら彼女の体の様々なふくらみを揉みしだかせられる。
 彼女の与えてくる体をしびれさせる蜜の様な感触が彼を蝕み切った時、アルは笑いながら彼の傍から離れた。

 心地よいまどろみが極に達した様になっていた彼はアルが自分の上から離れたのを知り名残惜しく思った次の瞬間、一気に意識が覚醒させられる。ヴィヴィオが自分の上に乗り彼を絞り始める。 彼女は笑みを浮かべながら彼に言う。

「吸血鬼に悪魔相手に随分と汚されましたね。今から聖王である私が浄化して差し上げます」
 エヴァとアルの闇の気に慣れ切ったところで、逆の属性の力を持つヴィヴィオに跨られ絞られることで彼の分身は凍土の中から不意に日の中に投げ込まれた様に跳ねてヴィヴィオの中に大量の精を放った。

「ヴィヴィオ、お前普段からアルやエヴァと仲良く遊んどるやろう」

 激しい快感で意識が戻ってきたことと、あまりにも突っ込みどころの多い彼女の言葉に彼はつい突っ込んだ。それに対して笑いながら彼女も堪える。

「個人的な友誼と王としての、職責は別です。貴方は私と違って、男性で快楽に弱いから王である私が悪魔のもたらす快楽を上回る快楽で縛らないとどうなるかわからないでしょう」

 ヴィヴィオが笑いながら彼の上で腰を上下させるとその度に彼の口から悲鳴が上がった。それを見ながら彼女は心底楽しそうに笑う。

「ほら、精力はいただきますが代わりに霊力は上げますから早く回復なさい」

「ヴィ、ヴィヴィオ、休ませて」

 それを言うと彼女は笑いながら横島から一時離れると、アリスに目配せをした。アリスは頷き、横島に栄養価の高い魔法酒を差し出してきた。彼はアリスに礼を言いながら飲むと精力が回復してくる感じと共に体がだるくなり動き辛くなっていく。
 アリスは笑みを浮かべながら脱力する彼を抱き留めると彼に口づけし舌を絡めてきた。 自分を抱き留めるとアリスの指から体の中に霊力でできた糸が入ってくるのが分かる。ゆったりと床に倒れながら彼女が自分の体をそうなるように操作しているのだと、察しながら彼は倒れた。

「ヴィヴィオ様、それじゃあ今夜のメインイベントに移りましょうか。忠夫、アルトくんとの戦いの為に祝福とまじないをかける儀式の時間よ」

 綺麗な笑みを浮かべるアリスに怯えつつ、どこかで期待するようになっている自分に呆れながら彼は彼女たちの動きを見つめる。アリスは何かの魔術の呪文を唱え終えると服をゆっくりと脱ぎ始めた。

 横島はアリスの完成された人形を思わせる肢体を見て分身が元気づくのを感じながら自分はアリスの体に見慣れることは永遠にないのだろうという達観を覚える。アリスは彼が朦朧とした意識の中でも自分の体を見て反応する彼を見ながらアリスは嬉しそうに笑い彼を抱擁し、
分身を飲み込みながら口づけて舌を絡めてくる。背中に回されたアリスの手の指から自分の体の中に魔力でできた彼女の糸が入ってくる感触がある。エヴァの支配する強い刺激に慣らされた後の彼の体はアリスの優しい刺激が新鮮になっており余計に体が反応してしまう。

 愛おしそうに眼を閉じながら彼との口づけを楽しむアリスの舌は叫び声という快感の逃げ場をふさぎ、自分の秘所に注ぎ込まれるそれを少しでも増やそうとしているようにも思える。
横島はアリスの糸に動かされている時は自分が人形劇の中で最高に楽しい時を過ごしている人形になっているようだと思う。
動かなければ得られない快楽が動かずとも押し寄せてきてただひた彼女に全てを委ねることへの誘惑が強くなっていく。舌で口内を撫でられる度に彼女の中に精が放たれていく。
ここを超えると自分は完全に人形になることへの抵抗がなくなるその寸前でアリスは彼から離れた。

「名残惜しいけど、そろそろ次に移らなきゃダメだから。アルトに勝つなら前世の再現率を思いっきり上げなきゃね」

 笑いながらアリスが離れると、横島の体は自動的に動きながらヴィヴィオに近づき始める。ヴィヴィオは笑いながら彼の前で肢体を見せつけながら、彼が自分の所に到着するのを待った。彼女の体を見て分身が余計に硬くなっているのをヴィヴィオは見下しながら笑う。

「忠夫さん、前回暗黒剣の才能の潰されたのに全く警戒していませんね。あるいは警戒心があってもこの子に逆らえないのか」

 この子の下りでヴィヴィオは彼の分身を最初に強く踏みつけ、次いで足で優しく愛撫し始めた。達することができないぎりぎりの刺激を送りながら笑うヴィヴィオに抗えず、情けない声を上げる彼を周りの女性達も欲情と蔑みの籠った目で見ている。

512 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:12:57 ID:+zV8TJ62

 ヴィヴィオが再び足で彼の分身の亀頭を踏みつけそれに反応して、体がのけぞった所でヴィヴィオが覆いかぶさるように彼女が上になる対面座位に持ち込んできた。
覆い被さるような形で彼を嫐るヴィヴィオ相手に、悲鳴をあげる彼に対してヴィヴィオは不敵な笑みを浮かべている。 横島は彼女の言動に大きな不安と疑問を抱いた。
ヴィヴィオは基本的に共有を許容した女性が相手でも彼が激しく嫐られると、王らしい貪欲さでそれを上回る支配の欲を見せながら上書きしてくることが多い。
アリスの真似をして唇をふさいでこないのは絶対に何か意味がある。 そこまで考えたところでアリスが笑みを浮かべながら背後から近づいてきて、彼の背中の腰の辺りに何かをくっつけてきた。それをくっつけられたのは丁度彼の分身と同じ位置だ。

疑問に思う間もなく、アリスが離れると不意に背中からも誰かに挟み込むように抱き込まれ、そしてアリスにくっつけられた何かから激しい快感が走る。それはまるで背中にもう一つ分身をつけられてそれを後ろから抱き着いてきた女性が飲み込んだかの様だ。

「あー! あー!」

 横島の悲鳴が上がり最大の音量になりかけた瞬間を狙うように、ヴィヴィオが彼の唇を口づけでふさいだ。そしてアリスとは異なる支配するような形で舌を絡めてくる。

 苦悶の表情を浮かべる横島を楽しそうに眺めながら腰をグラインドさせるヴィヴィオをよそに後ろから声が響いた。

「忠夫さんどうですか。私の与える感触は」

 声でオリヴィエだと理解した瞬間、彼の心に絶望が走る。彼女はヴィヴィオと共に彼を嫐ると責めがえげつないことになることが多い。

オリヴィエが後ろから彼に強く体を押し付けると背につけられた分身をより激しく嫐る。彼は絶頂を迎えると、背中の分身からは精液こそ出ていないが霊力が彼女の膣に注ぎこまれていると感覚で理解できる。

 オリヴィエは敢えて彼に与える快感を少し抑えた瞬間後ろに彼が腰を退くとその瞬間に再び元の強さの快感に戻し、それを見たヴィヴィオが同じことをすると彼は腰を前に出してヴィヴィオの方に逃げる。
その瞬間ヴィヴィオもオリヴィエと同じことをして、彼に追い打ちをかける。何度同じこと二人に繰り返されても彼は同じことを繰り返した。与えてくる快楽が限界に達し、もはや一時しのぎでも逃げることしか考えられなくなっている。

 横島に目を閉じて口づけを楽しんでいるヴィヴィオに不意にオリヴィエが声をかけた。

「聖王陛下、そろそろ口を解放してあげてください。陛下は表情で楽しめるでしょうけど、私は悲鳴も聞きたいんです」

 ヴィヴィオが口を放すと横島の悲鳴が響き渡った。その中でヴィヴィオは横島を責めながらオリヴィエに言葉を返す。

「彼の筋肉の震えで十分わからない」

「それも愉しいですけど、やっぱり声も聞きたいんです」

「じゃあ、前と後ろ代わりましょうか。一回体験すると口をふさいでいたい私の気持ちもわかるでしょうから」

 そういってオリヴィエと彼女はゆっくりと彼から離れる。彼がアリスの糸がなくてももう動けないことを理解しつくしているが故の行動だ。

 ヴィヴィオが背後から彼の背中に豊かな乳房を押し付け、オリヴィエが横島の両手を取り胸を揉みしだかせながら口づけし、ゆっくりと手を尻に誘導した後、ヴィヴィオと同じ体位で彼の分身を飲み込むと、一気に動き始めた。 
ヴィヴィオも同時に背後から彼に襲い掛かり先ほどのオリヴィエと同じことをする。彼は即座に絶頂すると前の分身からは精を放ち後ろの分身からは霊力を放った。

「あー!」

 悲鳴に近い嬌声は、直ぐにオリヴィエの口づけでふさがれて、二つの分身以外から抜け出すことができなくなった快感が一気に二つの分身から注ぎだされる。 二人は笑いながら横島を嫐りぬくと二人も絶頂を迎えた。
その瞬間、横島の大事な糸が切れた様な感覚が走り、かれは操るものがいなくなった人形の様に崩れた。オリヴィエは愛おしそうにそれを抱き留めながらヴィヴィオに謝罪した。

「ごめんなさい。確かに口を塞いだり、開放したりの遊びは楽しいですね。陛下がやりたくなるのも当然です」

「分かってくれればいいですよ」

 倒れる横島をよそに、アリスが再び薬湯をもって彼の口に運ぶと彼はそれを飲みながら訪れた小休止に感謝しながら泥の様に布団に沈みそうになる。だがアリスとヴィヴィオとオリヴィエが三人がかりで体の様々なツボを押してきて痛みと快感の二つが彼を眠りの世界に旅立たせない。

 アリスに背中のツボを押され快感で目が覚めた彼を見下ろしながらアリスが言う。

「忠夫、そろそろ種明かしの時間ね。貴方の背中につけた物はこれよ」

 そう言ってアリスは横島の分身とよく似た、プラスチックらしきものでできた男性器を模した棒を見せてきた。色の塗り方などは凄くリアルであり、もう一つ自分の分身があるのではないかと思えてくる。
彼女がそれを愛撫すると自分の分身にもそれと同じ感触が走り再び分身がそそり立ち始めた。呪いの人形と同じようなものかと思って少し不安がる彼にアリスが笑いながら言う。

「大丈夫よ。これは元から性的な快感以外は通さないようになっているから。これは貴方の前世の再現劇でつかわれた、人形たちの分身に使ったものを集めて作ったの。だから前世の再現が色々と可能なの。例えばこんな風にね」


 そういうとアリスは笑みを浮かべながら、オリヴィエに手元の分身を渡した。受け取ったオリヴィエとヴィヴィオは笑いながら彼の分身の模造品をお湯で洗い始める。そしてその愛撫が自分の分身に至り始めるとヴィヴィオが洗うのをオリヴィエに任せて彼を押し倒した。
 最初から本気の、ヴィヴィオの攻めを受けていながら彼は達することができず、必死に原因を探すと、オリヴィエが彼の分身の模造品の射精口を塞ぎ強く握りしめている。それを理解した後、懇願めいた声を上げるのをヴィヴィオが腰を動かして快感で遮った。
それを三回ほど繰り返したのち、オリヴィエがようやく寸止めをやめて射精させてくれた時、止められた分の精も一気に放った彼はそのまま意識を失った。そしてふと思う、これは前世で聖王にされたことの再現だと。

 倒れる彼に口づけしながらヴィヴィオは言う。

「気休めかもしれませんが、前世でアルトと戦う前の再現な性行為を何度もしましょう。そうすれば英雄である前世をなぞる彼に対する勝率も上がるでしょう。貴方は前世に置いて『真剣勝負では』彼に負けたことはないのだから」

 そこまで言われた後、彼の意識は疲労が極に達した形で落ちていった。


 次の日に目覚めた彼はアリスが作ってくれたシチューを食べると、少しだけ体に力が戻ってくる。食べ終えた後、蜂蜜を入れたコーヒーを飲んで今日の鍛錬の段取りをつけようとすると来客を告げるインターホンが鳴った。

「いらっしゃい」

 誰だろうと思いつつ彼は家主として来客を迎えるべくゆっくりと玄関に向かい始める。まだ辛うじて早朝だから遅くてもそこまで無礼にはならないだろうと考える彼を迎えたのはあまりにも予想外過ぎる来客の姿だった。
彼の眼前では、昨日殺し合った前世の弟分=黒鉄アルトが玄関にたたずんでいる。 愛歌が一切警戒していないことと、前世の記憶らしきものが今の彼は安全だと告げているためか、驚きはしても警戒の念はわいてこない。横島は少し考えた後、彼に声をかけた。

「アルト、何の用事で来た」

「忠助殿、いや横島さん。戦うにあたってどうしても伝えておかないと不誠実かもしれないことがあったので、貴方が望むなら伝えておこうと思いました。 むろんあなたが望むならこのまま帰りますが」

「愛歌ちゃんが警戒してないってことは、裏はないんやろ。俺は彼女達を守る戦いから手を引いたりはしない。だが話してくれんか。上がっていけ」

「承知しました。王女殿下、ありがとうございます。貴方が先に出てくれたおかげで彼の警戒心が薄れて信じてもらう手間が大きく省けました」

513 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:14:35 ID:+zV8TJ62
愛歌に対して礼を持って接する彼を見て、そういえばファルガバードは愛歌の王朝が滅んだ際にその王朝の流民も多く受け入れていた。
その際に流民や元貴族から様々な技術や美術品を売り払った際の収益などの恩恵も受けていたなと前世の記憶が戻ってくる。その王朝の王女が相手なら敬意を払うのも納得できた。

 アルトの礼を受けながら愛歌は笑みを浮かべて答えを返す。

「黒鉄さん、ファルガバードの剣士として私の王朝の流民や忠義を尽くしてくれた人々を保護してくれたことに感謝します。それと一月後に忠夫と真剣勝負をするということでよろしいのかしら」

「ええ。殺すために戦う気はありませんが、結果として命を断つことにはなるかもしれません」

 そこまで言った後、アルトは重い口調で言葉を続ける。

「最もその逆、僕が殺されることもあり得ますけどね」

 アルトの声の緊張具合は、自分の方が勝率は高いと認識していながら、横島に負ける可能性もあると本気で思っていることがうかがえた。それに対して愛歌は笑って返す。

「そう。これは単なる女の勘だけど、私の英雄さんはどちらでもない結末を招いてくれると思っているわ」

 愛歌の言葉にアルトは少し悩んでから返した。

「その可能性もゼロではないでしょうね。前世で彼と共闘した回数が一番多かったファルガバードの剣士としてそう思います」


 二人のやり取りを見つつ横島は、アルトに早く家に上がるように促した。


アルトが進もうとする中で愛歌が不意に声を上げた。

「忠夫、お客様のおもてなしのお茶とかは今日私がするから」

 愛歌の発言を一瞬疑問に思ったが、何か考えがあるのだろうと思い了承し奥に行くと、愛歌の危惧の内容が直ぐに分かった。

 ヴィヴィオの姿を見た瞬間、アルトの目の色が変わり一気に部屋の空気が変わり始める。彼の体から魔人めいた鬼気が走りその怒気が産んだ幻影の刃がヴィヴィオの首を切り落とそうとした錯覚を横島は見た。

 迷いなく駆けだし霊波刀を抜き間に入ると、アルトは怒気を収めながら横島と愛歌に謝罪の言葉を投げかけた。

「横島殿、愛歌様申し訳ありません。 仇敵となった女を前に怒気と殺気を抑えられませんでした。 一応はお二方の大切な人間であり、辛うじて粛清対象外の相手ではあるのに未熟極まりました」

 そこまで言われて横島は、アルトの殺意の理由に思い至る。ヴィヴィオは前世に置いて、彼の前世である高島忠助の死後ファルガバードの魔剣士達と敵対した。恨みや憎しみではなく、彼の寿命を縮めた技を失伝させることと、
魔剣士を殺す者という概念を自分に宿らせることで彼の来世の運命を変えようとしたらしい。 聖王に対してはアルトは恨みがあるがギリギリ報復対象からは外すことができるようだ。恩を仇で返されたとはいえ、
戦のルールは守っていたし、宣戦布告も共闘後にファルガバードが力を取り戻してからにしていた故に、負けた自分たちが悪い、というのがアルトの考えなのだろう。

 対して女権国家は受けた恩を仇で返し決して破ってはいけない同盟の約束を破る形で聖王に負けそうなファルガバードを襲い目当ての男たちを拉致して回った。それが原因でファルガバードの剣士達にも多くの死者が出たため、聖王よりも女権国家の方が許せないとアルトは思っているのだと思う。

 いくら報復対象外とは言え、故郷の滅亡に最も大きな原因だった聖王の生まれ変わりに、彼が悪感情を抱かないのは難しい。そう考える横島の心を読んだようにアルトの声が響いた。

「それだけではありません。 前世の聖王殿は、ファルガバードの剣士達を何人も望まぬ運命に落としたし、数は少ないが戦闘中に殺害した例もありました。 その際も少なくとも卑怯な手は使っていなかったし、
殺された相手も負けた無念はあっても死ぬことも覚悟しなければいけない道を選んだものとして恨み言は言いませんでした」

 そこまで言われて横島も気づく。ヴィヴィオが自分を堕とし、魔剣を使えなくしたやり口は明らかに前世の聖王とは違い卑怯すぎた行為だ。横島はファルガバードの剣士ではないからそれが原因で粛清対象とはしないまでも、
絶対に良い気はしないだろう。横島の考えを読んだのか、アルトは言葉を続ける。

「ええ、彼女はストレリチアではなく女権国家の王めいた行動をとったことに僕は殺意を覚えています」

「分かった。だが被害者当人である俺は許している。 アルトお前は前世の俺から受けた恩はかなりあっただろう。その恩を全てなかったことにして構わないから、仮にお前が勝って俺を殺しても俺の魔剣の才を潰した者たちは報復対象から外してくれんか」

 前世の力を多少でも使った以上はこういう筋は通すべきと思い口にするとアルトは頷いた。愛歌がお茶などを持ってくると言った理由もわかる。アリスやヴィヴィオ達が持ってきた飲食物には彼は絶対に手を付けないだろう。


 アルトは横島の言葉に了承の胸を返してきた後、一言だけヴィヴィオに向けて言葉を放った。

「兄弟子殿、了承します。個人的な感情としては彼女相手には特殊な加護が働かない手間を差し引いてでも彼女を殺したかったのですが、やめます。貴方を結果的に殺害することになっても、
彼女から何かしてこない限りは彼女を害しはしません。 しかし、聖王殿、前世の貴方は少なくとも兄弟子が逝くまでは、彼が護る価値のある御方でしたが、女権国家の女性に近い気質に成り下がりましたね」

 その問いにヴィヴィオは笑顔で答えた。剣呑な気配はなく、一切気にしていない様だ。

「貴方の目からしたらそう見えるでしょうね。 ですが聖王たる私のなすことは全て聖なる行ですから。私の伴侶となるに不要なものを取り除かせていただきました」

 アルトから剣呑な気配が発せられ、ヴィヴィオも彼に悪感情はないが念のために迎え撃つ構えを取りかけた瞬間、愛歌がお茶を持って部屋に入ってきた。

「黒鉄殿、ヴィヴィオが悪意なしとは言え失礼しました。それでは約束の事実の説明をお願いします」

 王女らしい礼節を保った物言いを聞いた後、アルトは彼に向って自分の意識を伝える術を使ってきた。

 それを受けて横島の顔色が変わった。 黒鉄アルトは一度壊滅したファルガバードの村の残党の様な隠れ里で生まれ育った少年であり、彼の村は大昔と同じく女権国家に協定違反の方法で滅ぼされていた。 
女権国家のオカルトの部署に、助けを求められた際に大昔の遺恨はあったが、女権国家を滅ぼそうとした大多数が悪と断じる組織に襲われるのを見逃すのは人道にもとりすぎる。そう考えこの戦いが終わったら宣戦布告するという約束の後女権国家のオカルト部署の人々を助けた。
 オカルト部署の者たちもそこまで悪辣な者たちではなく、当初は戦争の約束事を護るつもりだったようだ。だが、非人道的霊能組織を潰した時のファルガバードの残党たちの強さに怯え、その組織との戦いが終わった傷がまだ言えていないファルガバードを休戦協定の期限が切れる前に夜襲して滅ぼした。

アルトは仲のよかった面子が死に果てた時に前世の記憶が蘇り、その場で女権国家の郡代を返り討ちにして逃げ延びてこの国に潜伏した。

 過去を見終えた彼にアルトは言う。

「横島殿、今回の報復行為見逃してはくれませんか。自分が大切に思っている相手すら殺すことで発動する呪いで、女権国家の霊的滅亡を僕は狙っています。貴方にとっても悪い話じゃないでしょう」

「論外じゃボケ。王国との戦争で女権国家の方が先に破るべきではない協定を破ったことを発覚させて良識派やストレリチアが王国寄りになってきたし、新王国派で王国に経済支援している国境地帯まで呪いの対象やないか」

「そうですね。王国に帰属したら女権国家所属でなくなるから呪いの効果はなくなると確かな成果と共に通知しますよ」

514 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:15:39 ID:+zV8TJ62

 
「それやっても最初の呪いの余波で死ぬ親王国派の人間は相当出てくる。爆弾みたいに使うことは許容できんわ。女権国家に1000のダメージが入るとしても、その巻き添えで今の王国に600ダメージが入ったら王国が死にかねん」

「でしょうね」

「それにアルト、お前は恐ろしさに負けて新制ファルガバードを夜襲した女軍人たちを殺すだけじゃなくて、死んだ方がましな状態にするつもりだろう」

「ええ。そうですが」

「彼女たちのやったことを思えば、殺害までなら仕方ないとは思う。だが彼女たちを敢えて生かして、守ろうとした民たちの死骸の山を見せたり、死後悪霊として使役して、女権国家の一般市民を殺して回らせるとか悪趣味が過ぎるわ」

 横島にとってはアルトの報復行為も悪趣味すぎるし、それをやろうと思えばいつでもできたのに敢えて恐怖で苦しめるために実行に移さずにいたこともは不快すぎた。だが、故郷を焼かれた恨みを共有できない自分が、
言ってよいことでもない、と思ったからこそ黙っているが、戦争のルールは守っているとはいえ、当てつけの為に殺される民の身にもなれと言いたかった。

 アルトは自分に憤りを感じているらしい横島に対して不快感は持っていない様だ。彼の前世の役職と信条が今でも受け継がれていると感じているためか少し好意的な様子に見える。彼は少し考えると口を開いた。

「無理だとは思っていましたが、やはり手を引いてはもらえないようですね」

「ああ。色々と理由はあるが、一番は自分を好いてくれている女たちを殺して妖刀と呪いの威力上げようとしとるだろ、それが一番許容できんわ。半ば育ての親に近かった兄弟子として殴りつけねばと思っとるわ」

 アルトの持つ村正は凄まじい呪いの力が感じられる。二度の不義理で滅ぼされた里の呪いを込めた妖刀の力が放たれれば女権国家に相当な打撃が入るだろう。
だがさすがに無辜の民草まで巻き添えにする様な行為は許容できない。 他人ならまだしも前世の記憶が戻って彼を身内認定している今はなおさらだ。

 少し考えた後アルトは、口を開いた。

「僕が戦の礼に反した方法で殺されれば、祟り神と化して女権国家に未曽有の霊的災害を引き起こすことになります。戦の礼に反さぬ方法で討たれればそうでもありませんが、止めたければ正面からくることです。それとこれは個人的な忠告なのですが」

 最後のアルトの言葉は明らかに裏がないと彼には分かった。これも前世で半ば育ての親に近い兄弟子をしていた経験だろう。

「近々貴方は敵国の貴人の訪問を受けることになると、占いに出てますよ。心情的にかなり難しい立場に立たされるかもしれない」

「そうか、決闘の日まで元気でな。それとワイが勝っても卑怯だとか言ってリベンジマッチはやめてな?」

 情けない発言をする横島を見ながらアルトは少しだけ面白そうに笑った後、出て行った。


 アルトは帰り道で様々なことを考えていた。

『彼の恋人の中にベリアルがいたな。詐術に長けた悪魔かなり力を取り戻していたようだった。一応は僕を騙せるほどではないが、相当に嘘の制度を上げることはできるはず。やはり昨夜のあの態度はブラフだったか』

 アルトはできる範囲で横島の戦績を調べたが、前世と同じく搦め手や器用貧乏めいたスタイルで、敵の専門分野外から引きずりおろして勝つということが多いようだ。だが一つだけ気になることがあった。

『前世の記憶を取り戻してからは刀を用いた剣技や術を使うことが多くなったようだ。これは想定内だけど、一度だけ敵対している防諜組織相手圧勝したことがある。その際の戦闘方法が謎のままだ。
多分前世関連の技ではないだろう。そういう技を彼が覚えていた記憶はない。だがその戦闘の後に彼は相当長く寝込んだとある。おいそれと使える類のものではないことが幸いか。
それにそれを使った後寝込んだという情報は間違いなく事実の様だからそれを、使うのなら本当に最後の決戦の時だけだろう。それなら僕が負けることはない』


 横島はアルトが帰ってから数日後に驚くべき人物の訪問を受けていた。目の前には敵対国の長である皇帝ネロの姿がある。 ネロは高級な菓子を口に運びつつ彼に声をかけてくる。

「余が任命した部下たちの不始末を図らずも王国の人間にしてもらうことになりそうで誠に遺憾である。そして貴公が王国の人間ではなく、前世の因縁故に剣を取ると言うなら、ファルガバードの村にどれほどの負い目を持つことになるのやら」

「ファルガバードの村の剣士としても剣を取るし、王国のスパイとしても剣を取ろうと思ってます。 (比較的良識的な)ネロ陛下が皇帝でいてくれた方が今の王国にはありがたいので」

 ネロは性格上、宮廷以外では意図せぬ無礼にはかなり寛容だ。そして無理に取り繕った言葉よりもある程度飾らない言葉で本心を話した方が上手くいくこともあると、彼女と親しい大鳳から聞かされていた。だからこそ今の横島はそれに習って行動していた。

「そういってもらえて嬉しいぞ。敵国からも皇帝でいてほしいと思われるとはさすが余だ!」

 ネロの言葉に答えつつ、カーミラやラビアンが所属する修道院が、皇帝の側仕えを輩出しておりその縁でこちらに来たそうだ。ラビアンたちの負傷を聞いて、血相を変えて高価な回復アイテムを持ってくるあたり、善人ではあると思う。

 少し考えた後に横島は本題を切りだした。

「ネロ陛下、今回俺の所に来た理由は何でしょうか? アルトを討つ際の協力の申し入れですか?」

「いや、ファルガバードの兄弟分同士の戦いであろう。それは余が口を出していいものではないと思っている。ただ皇帝としての責務を果たしに来ただけだ」

「一体それは?」

「決闘場を余が用意したい。決して破れぬ呪術的な誓約書に署名しよう。そなたたちの戦いには横槍は一切入れぬし、入れさせぬ」


 それを聞き横島は即答した。

「ミクさんが了承したらその申し出受けます」

 そういうと横島はミクに連絡を取った。

「ミクさん今から文珠をそっちに一個送ります。そこに『伝』の文珠を渡すので情報を受け取ってください」

「あんたが大鳳越しじゃなくて直接私に、連絡寄越してくるって相当の緊急事態みたいね」

 横島はオカルトに関する事柄を任されるようになってからはミクに直接連絡をとることもそれなりにあったが、それは常に緊急の場合だった。基本的には直属の上司である大鳳を通じて彼女に伺いを立てている。
横島が文珠まで使って早く情報を伝えようとするということは、緊急事態の中でも特に急ぐ用件なのだと断じたミクは、彼からの文珠を受け取ると情報を頭に刻み始める。そしてしばらくの時が経つと断じた。

「その話受けなさい。今の国家の状態を思えばアルトの企みが成功しない方が王国の為だわ」

「承知しました」

 横島はそれを聞くと頷き、ネロの元に戻った。

「陛下今回の話お受けします。どうかアルトとの戦いに横やりが入らない様に手回しをお願いします」

「うむ。感謝するぞ。それとそなたはかつて我らの先祖に滅ぼされた王国の幽霊と懇意だそうだな」

「はい」

 内心の衝撃を隠しつつ、平静を装い彼は答えた。愛歌の存在は女権国家の皇族にとって脅威ではない。にもかかわらず知られていたとは。そこまで調べられていたのか、それとも、知られても無害だからこそ悪意なしで誰かが漏らしたのだろうか?
多分後者の可能性が高いと考える横島にネロは言葉を続ける。

515 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:17:15 ID:+zV8TJ62

「会わせてくれぬか? これは個人的な頼みであり、もしも断ってもそなたに不都合は一切生じさせぬ」

「分かりました。『俺は』構いません。ただ彼女が嫌だと言ったらお断りさせてもらいます」

「対面が叶わぬとしても取り次いでくれることに感謝するぞ」

 横島は奥に入り愛歌に事情を話そうとすると、その前に彼女が言葉を返してきた。

「大体の事情は聴いていたわ。直ぐに会いに行くから安心して」

「良いのか?」

「私を害そうとしているわけではないのはわかるから。 それにあなたに英雄となってもらうためにはその方が良いって勘が告げているの」

 愛歌の答えに頷くと彼は、愛歌を伴いネロの元に戻った。 ネロは愛歌を見るとお互いに王族同士の礼をかわした。

「かつて滅んだ王朝の王女殿、滅ぼした王国の子孫でありながら対面を申し入れるのは失礼かと思ったが、それをしてでも貴女と会い見極めたいことがあったのだ。対面を申し入れたことを許し応じてくれた貴女の寛大さに感謝を」

「女権国家皇帝殿、礼にはおよびません。貴女の礼に則った申し出に応じなければ、自身と、我が王朝に忠を尽くした全ての配下達の品性を損なってしまうと思い応じたまでですから。皇帝殿良ければ一つおこたえください。貴女の望む答えは得られましたか?」


 愛歌の問いにネロは笑って頷いた。

「うむ! 貴女のおかげで大きな決断を下すことができた。重ねて感謝する」

 そこまでは快活な笑みで良い、途端にまた真面目な顔になって彼女は言った。

「王女殿名前を、教えてくれぬか。それと余と愛人関係にならぬかあくまでも私のネロとしての頼みだが」

「皇帝の目にかなう程の女性であったと分かって悪い気はしませんが、私の時代では愛のある百合は忌避されないまでも、王族のたしなみというわけではなかったので。今は私の英雄を育て寄り添うことで手一杯ですので」

 ネロは本気で落ち込んだ様子を見せたがその後、直ぐに立ち直った。

「そうか、気が変わったら来るが良い。何なら死後の余が祭られた墓や神殿でも構わぬぞ」

 ネロが帰っていったあと、横島は愛歌に質問をした。

「他はともかく、百合の誘い受けた時やばいことになるかと思ったがよく怒らんかったな」

「ええ、あくまでも私人として真剣に私を好きになってたみたいだし、さすがに礼を守った本気の求愛に怒るほど狭量じゃないわ」

 本気の求愛と聞き横島の中ではネロの評価が定まらなくなった。愛歌は王女として最高に良い女の一人だと彼は思っている。つまり愛歌の内面までネロはあの僅かな対面で見抜いたのか、
それとも美少女、美少年好きで見境がないだけかどちらなのだろう? 少なくともネロと愛人関係になったものは大活躍した者と、活躍はしていなくても、問題を起こしていないもが大半だ。 前者の可能性が高いのでは、と彼は思った。


 昼は鍛錬をし、夜はヴィヴィオ達に嫐られる日々を過ごす彼は決闘は後2週間後に迫った日、鍛錬を繰り返す彼にいつもとは違うことが起こった。
鍛錬中は手伝うことがない時は訪れないアリスが彼の所に訪れたのだ。横島は疑問を抱きつつ彼女の言葉を待った。彼女は少し考えると言った。

「忠夫、貴方にお客様よ。1年に2週間以上は使うと副作用が怖い類の鍛錬の成果を上げる霊薬を作ってくれるそうだから」

 そういって彼女が連れてきた相手は、野曽木蓮、ライザ、あかりという、かつて助けたカブ村で過ごしている面々だ。

「アルさんは力を取り戻したから大丈夫だろうけど、皆さんは大丈夫なんですか自衛手段とかないでしょう?」

 横島の問いに蓮が笑って答えた。

「今回に限っては私達の安全は完全に保証されているわ。貴方にとっては面白くない相手だろうけど、アンリエッタ皇女が手を回したのよ」

 横島はそれを聞き驚いた表情になった。彼女たちが使者でなければ罠と断じていたかもしれない。だが彼女達ならば信用できると踏んだものの理解ができない彼に蓮が説明を続ける。

「なんか、今回のアルトくんっていう凄腕の呪術者いえ、魔人?が生まれら経緯を知ってネロ陛下が彼がああなった原因を作った人たちを任命したのは自分だからと、彼の呪いが発動した際に自分がその呪いを防ぐ大業をやろうとしているんだって。
それでネロ陛下は『余が死んだら、アンリエッタ其方が皇帝だぞ心せよ』って言ったんだって。
それを聞いてアンリエッタ皇女が『皇帝に即位? 冗談じゃありません! そんな事したらプライベート(主に大鳳くん関連の)時間が減ること著しいじゃないですか』って考えて、もうあらゆる手段でネロ陛下の死ぬ可能性を下げにかかっているみたい」

 その言葉を聞き、少しばかりあの性悪皇女をわざと負けてブラック企業状態に投げ込んでやりたい衝動にかられたが、敵対しているとはいえネロは義にもとる方法で死なせるには、さすがに寝覚めが悪い相手だ。 
それにアルトの呪術が成就すれば王国への巻き添えも半端ではない。そう思って彼は意識を切り替えなおした。


「それで今回は、貴方達が俺の鍛錬成果を上げる霊薬を作ってくれるんですか?」

「それが今回は私達は助手みたいなものなのよ。 アンリエッタ皇女が四惑番外の薬の技術に長けた人物を送ってきたのよ。 彼女は私達より薬に関しては凄いと思うわ。 八意永琳先生お願いします」

 呼び出されると共にアリスが初めて現れた時の様な様子でそこには銀色の髪に赤と青の医師の服に身を包んだ麗人が現れた。

「今生では初めまして八意永琳と申します。 今の自己紹介で気づいたと思いますけど私も貴方の前世の関係者です」

「もしかして、ワイの嫁さんの一人だったりした人ですかー! 早速夫婦の再開の営みをー!」

 襲い掛かる横島を彼女は軽く投げ飛ばして笑った。

「生まれ変わっても貴方は変わらないわね。貴方に入れあげていたのは私じゃなくて弟子と姫様よ。月を救ったこともあったからね」

 そういって彼女が腕を振ると、和風の衣装に身を包んだ二人の女性が現れた。片方は東洋の薬売りの衣装に身を包みピンクに近い紫色の長髪の髪をした女性だ。
彼女の頭には霊能力者には作り物ではないと分かるバニーガールが着ける様なうさ耳がついている。それが彼女は人間ではないという事実を示していた。
もう片方の東国の美姫というイメージが具現化したような長く艶やかな黒髪に高価な東国の姫らしい着物を着こなした女性だ。傾国の美女とは彼女の様なタイプを言うのだろう。


 薬売りの衣装に身を包んだ女性は懐かしい恋人と再会したような満面の笑みで彼に向って頭を下げた。

「私は鈴仙・優曇華院・因幡です。今生では初めまして。かつて自業自得で居場所を失った際に貴方に居場所となってもらい、心底帰りたかった居場所に戻してもらった月の兎です。今回は貴方の決闘に全力で協力させてもらいます」

 頭を下げる彼女を和服の美女が言葉を続ける。

「私は蓬莱山輝夜。竹取物語にでてくるかぐや姫って言った方が通りがいいかしら。貴方の前世に助けてもらった恩を返させてもらうわ」

「は、はい」

 横島は頷きながら、背筋がゾクゾクとしてくる感覚を覚えた。分身が元気づき始める感覚が起こると、鈴仙が笑いながら彼を捕らえた。

「どうも私達に嫐られた記憶を魂が覚えているみたいですねぇ。 姫様、今日の訓練は終わっているみたいですし、変態な旦那様の来世な彼の被虐心を満足させてあげますかぁ?」

516 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:18:22 ID:+zV8TJ62

 輝夜はその言葉を聞きながら、横島を嗤いながら答える。

「ええ。そうね。優曇華、前世の力を取り戻させる儀式も兼ねた夜遊びに移りましょう。 アリス協力をお願いね」

 その言葉にアリスも笑みを浮かべて答えた。

「ええ、任せておいて」

 輝夜が九尾の狐などの伝説級の悪女を思わせる笑みを浮かべながら、彼の唇を塞ぎそのまま意識舌を絡められると数回で彼の分身が射精しかけたが、なぜかそれは起こらなかった。
寸止めされている様な不思議な感覚と共に悶える彼を輝夜が手に掴むと次の瞬間、彼は高価な和室の寝室に移動させられていた。いつの間にか服も脱がされている。
優曇華が笑いながら、彼の分身を踏みつけてくると射精できないのがつらいほどの快感が訪れているのに射精ができない。疑問に思う彼に彼女は笑いながら言う。

「私の波長を操る能力は男性の体の気の動きすら操れるんですよ。快感を司る波長を強めて、射精部分の波長を達せない様にしています。ちなみに先ほど貴方の早漏すぎる分身を持たせたのは姫様の永遠と須臾を操る力です」

 心底馬鹿にした笑みを浮かべる彼女に目で理由を問うと面白そうに彼女は答えた。

「私は人の気質も操れるんですけど、罵られたり足で踏まれた時に喜んでいる度合いが凄いなと。貴方の精神の波を見ていると本当にあなたは閨の中ではごみマゾだな、と」

 罵られた途端に彼女の足で嫐られる分身が余計に元気づき、それを嘲笑する優曇華は同じく嘲笑の目を浮かべる輝夜に目配せすると輝夜も足で彼の分身を踏みつけ始めた。優曇華の足は幹と先端を嫐り。
輝夜の足は玉袋を左右の玉袋を撫でる。 限界に彼が達しかけた時、輝夜が服を脱いだ。傾国の美所の名にふさわしい東洋の女性の最高峰とも思える体がそこには現れる。輝夜は豊かで形の良い胸や尻だけではなく、
バランスの良さをふんだんに見せつける様に彼の前で脱ぎ終えると。そのまま近づき彼の分身を加えこんだ。

 女権国家の蜘蛛の巣にとらわれ毒が周り脱力していく虫が味わう様な脱力感を与えてくる彼女の秘所に分身が嫐られ、彼は声にならない奇声を上げる。
その彼を見ながら彼女は獲物を食らう女郎蜘蛛を思わせるような笑みで彼を嫐りながらしばし楽しんでいたが、不意に王族を思わせる気配に変わり、命令口調で彼に言った。

「私のもたらす快感に溺れなさい」

 その言葉が彼の脳に焼き付いた瞬間、それを狙ったかのように射精を起こさせた。激しく量の多い射精をしながら彼は怯えた。女権国家の女生たちと交わった経験上この射精は十秒近くなる。
この溺れさせるような快感が十秒も続くのかと。だがそれは間違いだと輝夜の獲物を快楽で嫐る女権国家の女性らしい声が告げた。

「私のもたらす快楽はまさに永遠に近いのよ。溺れきるまでそれがおわることはないわ」

輝夜が何かの力を発動させたことで十秒が永遠に近くなり、体感時間では2分近い射精となった。
 どこまでも脱力させ歯向かう心などを搾り取り尽くす快楽に彼が屈し倒れたところで彼女は笑いながら仰向けに倒れた彼に覆いかぶさるように体を押し付けてくる。快楽とその持続時間だけで意識をもうろうとさせられた彼の上で彼女は永い時間愉しみ続けた。

 完全に快楽で蕩かされた彼の腑抜けた顔を見ながら優曇華が笑う。

「姫様相変わらずお見事です。女権国家の女性でも1,2時間はかかる快楽漬けを3分も経たずに」

「私と彼の間の時間は1時間近くたってたわよ。老化もさせないように時間を須臾を永遠に近づけるのはやっぱり疲れるわ。優曇華、前世の再現の続き行きましょうか」


 倒れた彼に優曇華は紅く光る眼で彼を見ると、女性に閨で良いようにされていることに対する恥辱心が一気に上がった。波長を操る能力で男性としての恥辱心を強くされたようだ。 優曇華は笑いながら彼に対して、豊満な肢体を見せつけた後、彼に騎乗してきた。

 輝夜の溺れさせるような性交で霞がかかった様になっていた脳が、彼女に分身を飲み込まれた瞬間雷が落ちたように正常に戻り、そのまま一気に現実に引き戻される。

「朦朧とした意識では理解できなかったでしょうけど、今あなたは王国男子なのに、女性優位の性行為で良いようにされてますよ。頑張って反撃しなさい」

 大したことはない煽りの言葉なのにすさまじく恥ずかしく感じられるのは、たぶん彼女の眼で王国男子としての意識も強くされているからだろう。
 彼女が横島の波長を操り彼の分身の射精後に敏感になる度合いをより強めた。そして彼女の膣に屈し射精すると、自分が前世の力を取り戻すと同時に、彼女たちに首輪をつけられたような感覚を覚えた。

 彼が喘ぎ倒れ意識を失うと次の瞬間、神殿の荘厳さと高級遊郭の様な品のある淫猥さが融合した儀式場の様に部屋が模様替えされていた。意識を失ったのは長くても十秒もなかったはずなのになぜ。そう思った彼に輝夜が笑みを浮かべて答えを返してくる。

「私の永遠と須臾を操る能力を使えば容易いことよ。 優曇華、続きを」

「はい」

「アリス、ユウキちゃん、愛歌さんお願いね。特にユウキちゃんは一番重要なしめだから」

 輝夜の言葉に驚き、周囲を見るとアリスとユウキと愛歌がいつの間にか部屋にきていた。

「ええ。任せて」

 余裕たっぷりの笑顔で答えるアリスとは対照的に、ユウキは僅かだが緊張している色が見える。女権国家の影響を受けてからの彼女は基本的に儀式的な性交ですら彼を嫐れるとして楽しんでいた節もある。
今の彼女は楽しみにしているのは嘘ではないが失敗できないと思っている節もあるようだ。 愛歌は笑みを浮かべながらユウキを安心させるように何かの言葉をかけているようだ。

 三人に注意が向いた瞬間、優曇華が目を光らせた感覚がした後、彼女の瞳が自分だけではなく、アリスが持っている幾つもの人形にも注がれているのが分かった。

 魂を抜かれ人形の中に移された感覚がした後、分身に強い快感が走り、これは肉体の方が触られたのだと理解する。そこに楽しそうなアリスの声が響いた。

「私一人の力でもこういうことはできるけど、ここまで手早くはできないわ。優曇華の能力は本当に便利ね」

「ええ。今回はこの力を十全に使わせてももらうとしますね」


 二人の会話がどこか遠くで聞こえた時眠りに落ちる時と似たような感覚が彼に走り意識が落ちていく。次に目覚めた時何か大きな変化が自分に起きているという確信が彼の脳裏にはあった。

 横島は自分の意識が完全に眠りに落ちた後、自分が前世の時代を追体験していることを確信した。 その瞬間前世高島忠助の記憶が彼に流れ込んでくる。

 自分は今ファルガバードの村で罪なき弱者たちと戦い女権国家の先祖たちと小競り合いや、それ以上の邪悪な存在と戦いを繰り返していた。
ヴィヴィオの元で剣を振るった直後に優曇華と輝夜に治療と言われてここに連れてこられていたと思い出す。彼女たちが最初に出してきた薬湯を飲んで意識が落ち次に意識が戻った時には、この状態だった。

 輝夜は笑いながら彼の上で彼を嫐っている。一切腰を動かさず膣内部の動きだけで彼の分身を何度も射精させその度に電撃が走った様に痙攣する彼を優曇華と少しだけ似た、ウサギ耳の女性に押さえつけさせて笑う。

「レイセン、もっと彼を嫐ってあげなさい。戯れに男としてプライドが高い相手を閨で圧倒する遊びを初めて見たけど悪くないわね」

 そこまで言いながら彼女は残酷さのある笑みを浮かべながら彼の顎を掴み押し上げると言った。

「それともあなたが相手だからかしら? 女権国家の力を取り込んでから好感が持てる男程いじめた時の、楽しみも大きいわ」

 輝夜はそういうと彼の唇を塞ぎ舌を絡めてくる。したが絡めば絡むほど彼女の与えてくる蜘蛛の毒の様な快楽が分身と口内両方から体内に広がっていく。 女にいいようにされる彼を優曇華と似た短髪の髪の女性はバカにしたような笑みを浮かべながら答える。


「おそらくは彼だからというのもあるのでしょう。 だってここまで無様に閨で喘ぐ殿方は滅多にいませんよ。 他の男より夜が強いから好きって女性に上書きするのをロマンにしている殿方もいるらしいけど、弱すぎて無様で逆に好みと上書きしちゃうって本当にひどいですね」

517 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:20:02 ID:+zV8TJ62

 彼女も優曇華ほどではないが波長を操ることができるようだ。彼の分身や恥辱心に対する耐久力を下げている。優曇華ほど上手じゃないのに初めて受けている様な感覚で免疫がない感じなのはこれが前世の再現だからだろう。

 何度目からの射精の時に、輝夜がそれに合わせて腰を振ると彼の下半身はだらしないほどに射精を繰り返した。達したばかりで敏感になったそれを彼女の腰の動きがなぶる。輝夜は笑いながら、わざとらしく怒ったふりをしながら言う。

「私の与えた難題を超えて一応旦那としてあげたのに不甲斐なさすぎるわ。そういうわけで妻として長く持たせるように協力してあげる」

 輝夜がそういうと自分の分身への快感が不意に途切れた。これは永遠と須臾を操る能力によるものだと確信すると彼の顔から血の気が引いた。つまりこれが解除された時に一気に蓄積された快感が訪れてくる。達する直前に来た輝夜は笑いながら自分が達すると同時にそれを解除した。

 特大の雷に打たれた人間はこうなるのかもしれないと思う程の快感の奔流が彼を襲いそのまま彼は痙攣を繰り返した。笑いながら輝夜が愛おしそうに彼を抱きしめて拘束し、自分の体全てで余計に射精量を増やし、唇も塞ぐ。一分近くも痙攣を繰り返したのちに彼は糸が切れた人形の様に布団の上に倒れた。

 崩れ落ちた彼を楽しそうに眺めながら、輝夜はレイセンに目配せをして声をかける。

「今夜の一番の出し物に移りましょうか」

「はい。 優曇華さん来てください」

 レイセンが来てからは優曇華院・鈴仙・因幡の事は、優曇華と呼ぶようになっていた。

 高島は優曇華の姿を見て、顔色が変わった。彼女が身に包んでいるのはファルガバードに移住してからいつも着こんでいた薬売りの衣装ではなく、
女権国家の月の力を得たり司る女神や淫魔をあがめる部隊の軍服だったためだ。ブレザーにピンクのスカートを身に着けた彼女は笑う。

「畜生行為を行ったかの国の部隊に私も復帰しました。 今はファルガバードと和睦済みとはいえ、この部隊の衣装を着た相手にやられるのは凄く恥ずかしいでしょう?」

「あ、ああ」

 優曇華の嗜虐的な笑みに恐怖を覚えつつ彼女との日々を忠助は思い出していた。

 優曇華は強いにも関わらずメンタルが弱く、敗れるかもしれない戦いで死亡を偽装し戦線を抜けてこの村に逃げてきた。

 暗黒剣の開祖レオンハルトはかつて大罪を犯し、この村に居を移し、そして暗黒剣を生み出した。レオンハルトが大罪を犯したのは弱さゆえに居場所を奪われたトラウマが深く関わっていた。
だからこそ、この村は居場所のないものの寄る辺であるべきという意識が強い。そういう彼が生み出した暗黒剣継承しているからこそ、ファルガバードは居場所亡き者の寄る辺となるべきという思想が強い。
そして居場所がなくなった理由が自業自得であっても、慚愧の念を持つ者はレオンハルト以上の大罪を犯していないのならできる範囲で味方になるべきと考えている一派もあり、彼はその一派の長だ。
 だからこそ彼は優曇華の為に戦い、女権国家と和睦と一時的な同盟が結ばれた時には自分が女権国家にした貢献と引き換えに彼女の帰国を許してほしいと頼んだ。

 ファルガバードの理念からすれば多くのものから圧倒的な力で居場所を奪い支配下に置こうとする当時の女権国家は、許すことが出来ない相手でもある。

 彼女はそれを知った上で女権国家の軍服に身を包みながら言う。

「忠助さん、以前私の薬で多くの人が救われた時に、どんな頼みも一つ聞いてくれるって言いましたよね」

「あ、ああ」

「じゃあ、一度だけこのプレイを許して一切恨まないでください」

「わ、分かった」

 横島と違い高島忠助はこのファルガバードの一派の長の一人だ。相手が妻や恋人であろうと、受けた恩に対する約束事に二言などありえない。

 彼女は笑いながら、服を一切脱がずに腰を下ろした。下着はつけていなかったらしく、そのまま彼の分身を彼女が飲み込んだ。 彼女の眼が光り彼の被虐心が強くされそして感度も上げられる。激しい射精をした、
彼女と何度もした女性上位ではあっても純愛めいていた性交以上の激しい射精に著しい自己嫌悪と共に自尊心が割れる音が聞こえた気がした。

「忠助さん大丈夫ですけ? 私と女性上位でも普通なエッチしている時の倍以上に出してますね。私との性行為が長すぎて、ドマゾになっちゃたの?」

「そ、そんなことはな、あー!」

 優曇華が腰を振りながら音を立てブレザーを半分だけ脱ぎ乳首をぎりぎり見える様に揺らしていた場所に彼の手を導き笑う。

「そういっても仇敵な敵国の軍服来た方がこんなに精子が出るなんて、私にとってはヒーロだったのに幻滅しちゃった。嫌いになった訳じゃないけど」

 無理やり胸を揉まされ何度も射精した後、彼かれ優曇華は笑いながら離れた。そして彼女より階級が下の者が着る女権国家の月に関わるものオカルト部隊が着る軍服に身を包んだレイセンに彼を譲る。

「忠助さん、それではいただきますね」

 言葉と共に彼女が優曇華と同じ様に彼を犯し、優曇華には及ばずそれでも男性の限界を遥かに超えた夜の技が彼を何度も達しさせる。彼女も波長を操り優曇華と同じことをして彼が自分に屈服するのを見て笑う。

「私は月の部隊では夜の戦闘力は下から数えた方が早いんですよ。そんな私にここまであっさり負けるとか、本当に閨の中の食物連鎖の最下層ですね」

 こういう風に女に笑われたら、逆襲したい、やり返さないと情けない。そういう感情を生み出す笑みを意図的に浮かべながら彼女は彼の上で腰を振り続ける。敢えて快感で理性が飛ばず嘲笑の笑みを認識できるくらいに押しとどめながらそれを繰り返している。

 何度も射精させながら彼女は波長を操る能力で敢えて横島の感覚を鋭くさせて、自分の体が作り替えられていることを理解させた。射精の度に起こる変化が分かった直後に彼は不安を覚えた。彼女たちに嫐られぬきそれでも分身を包む快楽を求める念は、体力の限界が来るまで止まらないだろう。

 彼の精神が完全に堕ちたのを確認すると、レイセンは優曇華と目を合わせて頷きあい、二人で彼を魔眼で見つめ波長を操り始める。彼の性交時の体位に対する認識が変わり、男性優位の体位が女性優位の恥ずかしい体位であると認識し始める。彼女達は笑いながら尻を突き出し後背位の体制になった。

「今の貴方はこれも相当恥ずかしい体位であると認識しているはずですよね。女性に負けると分かっていてこの体位でもしたいという欲望に勝てますか?」

 問いかけながらも、一切彼が欲望に勝てると思っていない嘲笑めいた声に余計に分身が固くなり、彼は欲望に負けたと認識しながら優曇華を後ろから貫いた。そして彼女の内部に彼の分身が飲み込まれた瞬間、彼の口から戦闘で激痛を味わった時と同じような悲鳴が上がった。

「ああー!」

 悲鳴をあげる彼を優曇華は嘲笑するような顔で笑いながら言う。

「女性が感じるほど締め付けとそれが与える快感は強くなる。そして兎が好む体位ですればこうなるでしょう」

 絞め殺される獣の様な声しか出せないままに彼が、僅かに腰を引くとレイセンが笑いながら、彼の腰を掴み押し戻した。律動をさせられて再び強すぎる快感にあえぐ彼を馬鹿にした笑みを浮かべ彼女のさげすむような視線で見る。
彼女の瞳で見られると、優曇華に隷属させられている様な感覚と、射精の際に霊力を奪われる量が増えていく感じがした。怯えつつ期待してしまう彼にレイセンは笑いながら言う。

518 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:20:56 ID:+zV8TJ62

「最低の敵国の軍服来た女性の魅力に負けて、最悪に恥ずかしい体位で性交することを決めておきながら、今更逃げるんじゃありません」

「レ、レイセン、は、離して」

「私より優曇華を先にした貴方にかける慈悲はありません。早く優曇華を満足させて、私の番を回しなさい」

 強すぎる快感で気が練れない彼はひたすら人外の力に良いようにされ、そしてレイセンの波長を操る能力の追い打ちで余計に快感を強められて射精の量を増やされる。レイセンは笑いながら彼の玉袋を揉みしだいた。

「もっと固くしてたくさん出さないと鈴仙が満足しないでしょう。早漏。閨の中ではクズザコ男!」

 罵る言葉で余計に硬くなったのを優曇華が面白そうに報告を始めた。

「姫様、レイセン。忠助さんたら、男性に行ってはいけない暴言を吐かれて硬さを増してますよ」

 それを聞き嘲笑の籠った笑い声を上げる二人に反応するように射精した彼を優曇華が後輩位のまま力を込めて余計に射精の量が増える様に仕向ける。そして輝夜が焼き付くような苦痛も伴うレベルの快感ろもたらしている射精の時間を永遠と須臾を操る能力で伸ばした。

「あ、あ、あああ」

 優曇華相手に射精を終えた後、彼は屈辱と脳が焼き付く快感を味わう時間を延ばされたせいで膝から崩れ落ちた。だが、最初に与えられた薬湯の効果か再び欲望が分身に宿り体に力が戻ってくる。
優曇華が彼から離れレイセンが再び彼を迎え入れる様に背中を向けて彼を誘う。彼女の内部に再び分身を突き入れた時の感覚以外は頭から消え去り、二人の魔眼でこれが情けないことであるということだけは強く意識に残るが、彼女が女権国家の軍服を着ていることすら肉欲をより強く燃え上がらせる。

 彼がレイセンに分身を挿入するとその瞬間に優曇華の眼が光り、先ほどとは比べ物にならない程の体の全ての気が一気に支配下に置かれたような感覚が走る。その姿を見て輝夜が彼を興奮させる様に罵る。

「敵国の最底辺の軍人に支配されると分かった上で挿入した屑! 否定できないわね。我が支配下に落ちそしてその霊気、生命全てを我が支配下に堕としなさい」

 輝夜の言葉を否定できないと思った瞬間に射精時に起こるに衝撃が彼に走り、その衝撃が彼女たちに支配されていく感覚を強めていく。優曇華の視線によって操られた波長が一気に射精ともに霊力を奪いつくす。
彼女に霊力を奪われる感覚が強くなりそして再び輝夜によってその時間を永くされ脳が壊れ尽くすような感覚の後、彼はレイセン射精した時以上に早く崩れ落ちた。

 倒れた彼を優曇華とレイセンが両方から押さえつけ仰向けにすると、輝夜が最後に彼の上になり、ゆっくりと見せつける様に女権国家を支援している月の姫である証を見せながら彼の分身を飲み込んだ。レイセンと優曇華の眼が光り、
彼の霊力が一気に奪われていき、輝夜が口づけと同時に流し込んでくる霊力が彼の体内に満ちていく。彼が完全に動けなくなると、輝夜が姫に似つかわしくない怪力で彼を持ち上げ椅子にかけさせた。

 薬湯らしきものを彼に飲ませると少しづつ、体に霊力がしみわたっていく感じがする。全ての薬湯を飲み終えしばらくの時間が経つと優曇華とレイセンが情事の時とは正反対に優しく彼を運び温かい布団の中に横たえた。 意識が眠りの世界に落ちる直前に輝夜とヴィヴィオの前世が話している姿が見えた。

「聖王陛下、お望みの通り院の気を遣う暗黒剣で縮んだ彼の寿命、少しだけ伸ばしておきました。暗黒剣の陰の気を抜き、私達の陰の気を送り込んだことで彼の寿命も少しはましになったでしょう」


 輝夜の言葉に前世のヴィヴィオは満足そうに頷いた。月の姫であり不死を富士山の由来としたこともある彼女の陰の気を全身にいきわたらせれば、暗黒剣による浸食よりはだいぶましになるだろう。
自分の聖なる陽の気で無理やり中和する方法では、本来体の中にある陰の気が暗黒剣の使用で伸びたものだから、陰の気は散らせても副作用の方が余計にひどい結果を招くという事態に落ちかねない。 
月の姫である彼女が与える有益な陰の気が忠助の体を満たしているのを確認するとヴィヴィオはこれで少しは彼の寿命を延びただろうと安心した。その彼女に輝夜姫が不意に声をかける。

「それと次回からは代金要らないから。優曇華の恩人であり情夫だから助けたのもあるけど、うちの因幡達も助けてくれたし、処置の為に一緒に暮らして大分情が移ったみたい」

「分かりました。また彼の寿命を延ばす処置が必要なら連れてきます。でも不死にしたりはしないでくださいね」

「もちろん。 限られた命の中で死に物狂いで走り回るからこそ見ていて楽しい。彼はそういう人種なのだから。貴方も今生で彼の羽をもがなかったことを後悔しているみたいだけど、来世で再開してもやりすぎないようにね」

 威圧しているというより、純粋に年長者からの忠告めいた言葉に聖王は少し悩むと頷いた。 多分彼女の経験上そうした方が良いと純粋に思っているのだろう

 夢の中で指一本動かせなくない彼は徐々に夢が覚めていく感覚を味わった。そろそろこの夢が終わるのだろう。


 彼が目覚めると、夢の中の自分の技が前よりも使いやすくなっていることに気づいた。今の彼は前世より弱いわけではないが、剣術にかけては前世より僅かに劣る。
それが大分補われた感じがする。輝夜と優曇華とレイセンが満足そうに彼を見下ろしていた。おそらくは夢と同じ性交が現実の体でも行われていたのだろう。輝夜は笑みを浮かべながら言う。

「これでアルトとの戦いでも前世で負けたことなしという事実の補正が少しは入るはずよ。せいぜい頑張りなさいな」


 そういい終えた後輝夜は彼の、唇を唇でふさぎそれを終えるという。

「お役目が終わったら偶には永遠亭に来なさい。優曇華とレイセンにとって貴方は前世の情夫と同一人物だから、かなり好意的に動いてくれるはずよ。そして、先刻の様に可愛がってくれるはず。もちろん気が向いたら私も参加するけど」

 輝夜の口づけを受けて彼は自分の足元が崩れる様な感覚を覚えた。忠助と忠夫が混じり合い、全の自分に主導権を取られたような感覚を覚えた瞬間に、不意にユウキが彼を支えた。隣に上機嫌そうな愛歌がおり彼の腕をつかむ。

「輝夜さん、忠夫を生かすための協力ありがとうございました。あとは僕達がことを終わらせます」

「ええ。貴方たちなら何とかなるでしょう」

 輝夜は一瞬で姿を消した後、ユウキと愛歌が今度は彼を押し倒した。 愛歌はインプと化したユウキに後ろから彼を押さえつけさせながら自分も彼を押し、彼の分身を包み込むように受け止めながら言う。

「忠夫、貴方は忠助じゃなくて、前世の力も得た私の英雄さんな、横島忠夫なのよ。さあ今生で得た縁を思い出しなさい」

 快楽で精神がボロボロになり、気品のある優しい言葉がそれを癒すような性行為を彼女はしながら時々祝福めいた口づけを彼に何度もしてくる。その度に忠助が横島の一部となり最適化していくような感覚がする。後ろからユウキが胸を押し付けて、耳をかみ息を吹きかけながら言う。

「『忠夫』僕と君は今生で結ばれた縁だから、僕が君を好きになったのは前世の因果は一切関係ないんだ。だから、僕と愛歌との縁を強めて前世に打ち克ってね」

 愛歌が彼から離れた後、ユウキが彼を正常位の形で加えこみ快楽で喘ぐ彼を愛歌が時々口づけをしてくる。横島がユウキ相手に射精する時に合わせたような口づけは何度も彼の絶頂時の射精の量を増やした。そして彼女がもたらす祝福が、彼の中の横島忠夫を強めていく。

「忠夫、ほら僕達の『忠実なる夫』なんだからアルトくんとの決戦の時はその通りに動いてね」

 ユウキが彼の分身を胸で挟みびくびくと震えるそれを胸で泳がせながら言う。

「わ、わかっとる」

 射精した彼を満足そうに見ると不機嫌な顔になった愛歌が再び彼の分身を飲み込む。

「胸だけがすべてではないことも覚えておきなさい。ほら、『忠夫』私の祝福と魔術の支援を受けなさい」

 愛歌の下で喘がせられ射精すればするほど忠夫の名前通り彼らの『忠実な夫』に近づいてく感じがしている。

519 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:22:59 ID:+zV8TJ62
 二人に何度も射精させられた後その日の夜完全に、忠助が前世だと無意識でも認識できるようになった時、その日の情事は終わりになった。 決戦の前日の夜に彼はリグルに押し倒されていた。リグルは何度も彼の霊気を貪り尽くした。
そして優曇華とレイセンが彼の気を調整し、リグルにたくさんの精を注ぐように体の感度などを上げていく。

「忠夫、ほらもっと僕に霊気を注いで。そうすることで僕が鍛えた剣、蛍守(ほたるもり)との同調を高めなきゃ」

「あ、ああ」

 ここ2週間はリグルに何度も絞りぬかれた後、彼は優曇華たちの作った薬膳料理などで回復させられることを繰り返した。彼女との性交が終わった後、彼は様々なことを考えた。

 アルトに惚れた四人の女性達、吸血鬼でありながら聖なる力を使えるシスターカーミラ、そしてアルトの言い分が正しいと認めつつ、修羅道から彼を引き戻したいと思う小蒔。そしてカーミラの弟子であり、アルトに救われたラビアン。
恐るべき邪教の集団がラビアンの強さを見て生み出した、邪悪なる生き物の力を注入されたラビアンのクローン体であり、そしてそのような境遇でも正しい心に目攻めた彼女は、預言で悲惨な未来しかない、ラビアンを救う為に戦った。
新たなる運命という意味と、邪教団体を欺くという二つの意味で、彼女はアルトから『フェイ』という名を与えられたらしい。その名は自分にとって宝だと彼女は言っていた。

 彼女たちのアルトへの愛を知れば知るほど、あいつを殴らねばという思いが彼の中で強くなっていく。そして彼は気を落ち着けると眠りに落ちた。



 アルトは猜疑や恐怖はないが僅かな困惑を覚えつつ、横島が指定した決闘場に向かっていた。そしてその場所に着いた時、彼はやはりという思いを抱えながら状況を見た。
目の前には女権国家の闘技場だ。彼がたどり着くと案内係、多分ネロのメイドと思われるものたちが彼を迎えた。 一番前の紫色の髪をした女性は一礼すると口上を述べ始める。

「貴方がアルト様ですね。お待ちしておりました。私はネロ様に使えるメイド、ヴィルヘルミナ・カルメルであります。本日ご案内をさせていただきます」

「貴方達、僕に対して思う所がないのか?」

 メイド達は意にも介さない様子で答えた。

「ネロ陛下のあの様子なら多分どうにかできる様に手を打っていたのだと思います。ネロ陛下は自分が死ぬかもしれないと本気で言ってましたけど、多分大丈夫でしょう。
確かに死ぬかもしれないと、本心からおっしゃってもいました。ならばなおのことネロ様が少しでも映える様にいつも以上に凛とした態度でなければいけませんから」

「そ、そうか」

「それにあなたの報復の念は正当なものですから。恐怖に負けた故で邪念はなかったとはいえ、貴方の故郷を滅ぼした女性達の行為は戦争中とは言え、超えてはいけない線を越えていました。
 ですが、もしもですけど、横島様が勝利してなお貴方が生きていたのなら、小蒔様やラビアンちゃんと一緒に貴方を好きにさせてもらっても良いですか?」

 ネロの配下のメイド達の慈愛と情欲の混じった瞳に彼は僅かもたじろがずに応じた。

「別に構わない。負けるということは望みが潰えるということ、敗れて木偶となった抜け殻などどうとでもしてくれても良い」

 それを聞くとネロ配下のメイド達は喜びの声を上げた。

「言質取りましたよ。ファルガバードの魔剣士の方々は二言などない方たちですから、約束を違えることはないでしょう楽しみであります」

 そのメイドの声を聞き、アルトの中の警戒心はより強くなった。少なくとも彼女たちは正々堂々した戦いが行われると信じている。その上で横島が自分に勝つ、さらには殺さずに終えるとまで考えているようだ。 前世の長所をさらに伸ばした彼なら、味方すら騙しぬきかねない。 
そこまで考えてやめようと思った。彼との戦いは考えすぎると深みにはまる。

 状況への推理は捨て、客観的な過去の情報だけを拾い上げ分析し始める。横島が防諜組織を返り討ちにした時のことを改めて調べてみたが詳細は分からなかった。ただ防諜組織にとってはトラウマになるレベルの敗北だったとしかわからなかった。

『そして、二週間ほど前から初音ミクと共に、誰にも見られない場所で鍛錬を続けていたらしい。彼女は相当な達人であるし、横島殿も前世の力を取り戻していている以上は、剣の技の一つくらいはものにしたかもしれない』

 アルトの思考はそこで断ち切られた。恐るべきものはそう多くはない。今の自分は祟り神に近いファルガバードの剣士たちの念で霊力が膨大であり、そして武術に関しては彼より上だ。 最強の居合の太刀を放てば確実に勝てるだろう。
できればそれを使わずに勝ちたいとも思う。前世から自分より格上すら確実に葬ってきたこの技は一度見せてしまったら、盗まれる恐れもわずかだがあるし、この技を警戒されてしまいださせないことに全てを費やす敵だらけになってしまう。だが今夜呪いが成就すればその心配もない。


 一方横島もここ一月の鍛錬を思い出していた。ユウキの剣やミクの剣技の嵐を受けながら、ひたすら蛍守を振るった日々。彼女たちの相手を続けなければ、今のアルトの剣はとても受け止められない。霊力をコントロールする彼にユウキが心配そうに声をかけた。

「忠夫勝てそう?」

「正直難しいが、確実な勝ち筋は見えとる。アルトの奴は絶対に俺に勝てると思っている。事実そうだろう。だがあいつは貪欲なんだ。前世で半ば育ての親みたいな兄弟子だったワイはそれが良くわかる。戦場でも学べる技術のある敵とかがいると、
わざと術を使わせたり敵の技を放たせて学ぼうとするときもあった。格下や勝率の高い戦いで見せるその悪癖を見せてきたらそこに付け入れると思う」

「それでその悪癖を見せて来たらどうするの?」

「見せるじゃなくて刺激して目覚めさせるわ。最初の数秒それでこの戦いの楽さが決まる。最も一番楽なルートでも死ぬ可能性が4割から7割の繰り返しやけどな。それが出来たら、どうにかワイの望む最終局面の展開に持っていく」

 横島はそういうと歩み始めた。

「もう行くの?」

「ああ。アルトの奴は俺に勝つ際に一番調子の良い俺を倒したがっていた。だからこそ闘技場に色々な術式とかも仕組んでいいと言ってきていた。先に待ち構えることで、罠が一つ二つ増えたかもと思わせる」

「ところでミクさんとはどんな修行してたの」

「あれか修行には無論意味があったが主な理由は戦闘力の向上じゃない。切り札を得るためだ」

 そういうと横島は蛍守とは別の刀を持った。二刀流に使うとは思えないそれは、確かに名刀であると分かった。だが明らかに横島が使う刀ではない。直接振るうだけではなく、刀に宿る魂を引き出す術に近い技もあるようだがそっちの為の刀なのだろうか?



 横島が先に闘技場に出て待ち構えているとオカルトの実在を知っている女権国家の女性達が闘技場に集まり、彼が負ければネロが死ぬと聞き必死の声援を送ってきている。ネロは皇帝の観戦席から明るい様子で声を上げた。

「本日十数年前の任命失敗の責により余は死ぬかもしれない形で責任を取ることにした。横島が死亡し黒鉄アルトが彼と深い仲になった女性達を殺し、呪いが成就したなら、
その不当な殺戮が産んだ呪いは余が受けることになっておる。呪いは宮殿の方に先に行くようにしてあるが早く避難するようにな」

 ネロの声を聞いていると、本来なら大惨事になる可能性のある事態すらも笑い話で終わるかもしれないという、気がしてくる。彼女はそういう運命を引き寄せる王の徳の様なものも持っている気がする。
今は彼女を守る形で剣を振るう立場なことがありがたかった。彼女の天運が自分の背を押してくれるだろう。 彼女が身に纏う服などは呪いを受けるために来た特別なものなのが分かる女権国家では皇帝は霊的な象徴でもあるのだろう。

520 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:24:15 ID:+zV8TJ62

 僅かに緩んだ緊張は次の瞬間張り詰めた。あの日の夜四人を殺そうとしていた魔人となっているアルトが向こうのコーナーから歩みだしてきた。
その手に持つ不吉の象徴な様な刀と、身に纏う鬼気は以前とは比べ物にならない。 その歩みだけで彼が祟り神に近い存在と化していることが分かる。

 闘技場に到着した彼は禍々しくも美しい赤い月を連想させる光に刀身を包んだ村正を抜き口上を述べた。

「兄弟子、約一月ぶりですね。前世の僕は真剣勝負の場では一度たりとも貴方に勝てなかった。 今日それを返上させてもらいます」

「別のものがかかっている戦いならともかく、今の事態でそうはならん。いやさせん」

 そういいながら横島も蛍守を構え抜き放つったアルトの剣とは対照的な夜の闇への恐怖を和らげる翡翠色の光がその刀身を包んでいる。

 アルトは全身から霊力を飛ばし、闘技場全体を確認した。先に準備を許した以上、彼の事だ、恐らくは無数の札や霊的な罠があちらこちらに仕掛けてあるだろう。

アルトは剣を構えると問うた。

「準備は良いですか」

「おう、いつでもこい」

 言葉が終わった瞬間に、武芸の熟練者たちにすら理解不能の光景が繰り広げられた。アルトが瞬間移動としか、思えない動きで、横島がいた場所に迫り村正を振るった。だがその瞬間彼の姿が一瞬で掻き消えたのだ。

 一瞬の動揺の後にアルトは即座に冷静に戻る。

『信じられないが転移の術を我が剣で薙ぎ払うより先に、使ったのだろう。準備も何もしていない状態でそれができるとは。だが呪いが発動していないということは少なくともこの闘技場から逃げてはいないな』

 動揺が収まりかけた瞬間、横島の霊力の籠った札が地面から出てきてある札は彼に迫り、ある札は火炎や光を乱射してくる。

「こざかしい!」

 叫び声と同時に起きた、波動で大半の札は消滅した。それを見て霊能に明るい観客たちは戦慄を覚えた。 横島が作っていた札はどれも上級の悪魔などでも、まともに食らえばただでは済まないものだ。
それを迸る鬼気だけで破壊するとはどれだけ今の彼が強力な存在かわかる。 十数個の特注品が残り彼に迫ったがその大半を彼は村正と自分の放った式神で破壊した。
 防ぎそこなった一つが彼に迫りそれを左腕で直接叩き落すと彼の腕に大きな火傷の跡ができる。だがそれも体を包む邪気が直ぐに癒した。


 闘技場のリング全体を破壊しつくしかねない術を発動させようとした瞬間、横島が再び現れて、彼に不意打ちの一撃を放った。 速さは僅かに横島の方が勝っているとアルトは感じながら彼の連続の剣撃を受け止めている。

 済んだ金属音の奏でる曲が響き渡る中で、闘技場は珍しく静寂に包まれた。二人の立ち合いが間違いなく命のやり取りであり、そしてその緊張感に溢れる技の応酬がオカルトが実在すると『理解』はしていたが、『実感』はしていなかった面々にオカルトの実在と、
この戦いで横島が負ければ祟りが女権国家中にばらまかれ、そしてほぼ確実に現皇帝の死につながると理解したのだ。


「珍しく激しく攻めてきてますね。兄弟子」

「ああ、お前の所業を知ってむかつくことが多すぎたからな」

 横島の剣撃の嵐は速いだけではなく、直前に軌道を変えたり意図したフェイントが多く、普通に速いだけの剣士以上に厄介だ。剣だけではなく様々な技の警戒をしなければならない。それでも敢えてアルトは横島が最高の状態で攻めの初手を取れるように持っていたところがある。
今の自分は不当に殺されて強い祟りをなすファルガバードの剣士たちの呪いに後押しされている魔人だ。彼の祟りの力が大抵の傷ならばすぐに癒す。そして本気で自分を倒しに来ている横島の技は学べるところも多い。稽古ではない真剣勝負だからこそ、使ってきている技というのもある。

 術を時には放ち、剣撃や武術のフェイントを大量に放ってくる彼にアルトはしばらく受け付けていたが、不意に言葉を放った。

「そろそろこちらが攻勢に転じますよ。この状態を維持したいのなら、引き出しを全て空けなさい」

「時間稼ぎが目的だけど、実は守りの方がワイとしては嬉しかったのかもしれんぞ」

 急に攻めるのをやめていつでも打って来いと言わんばかりの構えを見せた横島に対して、アルトの頭の中に様々な可能性が浮かんだ。さっきの転移がまたできるのかもしれない。そして、
いつの間にか手元から消えていたもう一本の剣はどこに行ったか。あの剣は間近で見た限り良い霊刀ではあるが、戦局を変えるほどのものには見えない。少なくとも横島の手になじんではいない。刀に宿る魂の引き出す秘術をもってすればそれなりに強力な力を放ちそうだが、便利ではあってもこの戦力差は覆せまい。

 そこまで言うとアルトの気配が一気に変わった。少年の雰囲気から自ら魂を魔人に堕とした存在へと転じる。

「それでは行かせてもらうぞ」

 敢えて宣言して彼は切り込む。横島相手にこんな馬鹿正直な戦い方は普通なら自殺行為だが、今は彼の守りの型も学んでおきたかった。

 アルトの全霊を込めた一撃を横島は辛うじてだが受け止めた。

「見事。余程この国に来てから死に物狂いで鍛えたのだな。我の剣を受けるとはな」

 鍔迫り合いで圧倒的な有利を取りながらも、アルトの声には賞賛の念が籠っていた。今の自分はスポーツで例えれば飲んだら速攻で失格になる薬でドーピングされている状態だ。それとまともに打ち合える時点で、賞賛の言葉しかない。そして彼の首筋に鍔迫り合いをしたまま剣が迫った瞬間、アルトは言った。

「我の勝ちだ。 女権国家の者どもよ、見ろ。いま我が大願と呪いが成就せり、貴様らの過去の所業が原因で、徳高き皇帝は呪いで死ぬ。ファルガバードの英霊でもある横島忠夫が、守り切れぬことが貴様らの国の罪状が許されぬ証左である」

 アルトの剣が彼の首に迫ると横島は慌てて早口でしゃべりだした。僅かに彼の口調が喜劇の様で僅かに空気が弛緩する。

「ア、アルト。まだ勝ちが決まってないんだからそういう宣言はやめた方が良いぞ。万が一しくじったら格好悪いじゃないか。それより復讐やめないか? もう知っているかもしれんが故郷焼いた連中もそこまで外道ではなかったみたいだし
、怖さのあまりやっただけだったし、処刑されるなら受け入れるつもりやったぞ。 冷静に戻るとお前の性格上彼女達を苦しめるために罪のない女権国家の女性虐殺とかしたら、絶対後悔するぞ。 彼女達自分たちの不始末なのに、
その落とし前でネロ殿が死ぬかもって聞いて一晩で白髪になってたし、女権国家の女性なのにお前が嫌なことがあるたびに、いじめに行くからやつれ気味やったぞ。こんな不毛なことやめようぜ」

 殺されかけているのに場を喜劇の様な空気に変えかけた。彼に対してアルトは冷酷な声で応じた。

「どうやら手加減を間違えたようだ。もう少し学びたかったが最後だ」

「ああ。もっと本気で殺す気で来るべきやったな」

521 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:25:26 ID:+zV8TJ62

 その言葉を聞いた瞬間アルトは即座に村正を引いた。前世の記憶があるからこそ、分かる。こういう場面では目の前の兄弟子は絶対に、
一矢報いてくる。ベリアルの力も性行為で得ていることを考えれば、嘘かもしれないが勝ちは揺るがない以上、焦ることはない。彼の予想は正しく無数の光の矢や札が彼めがけて飛んできた。
結界の展開がもう少し遅ければ受けたダメージは倍以上になっていたそう思いながら彼は飛び切りの念力で横島を吹き飛ばした。

 彼は自分の傷を癒しながら少し考えてから口を開いた。

「なるほど文珠か。 あのふざけた口上をしながら術を唱えたり、念を送るのは無理。もしかしたら貴様は凄く器用だからやってのけるかもと思ったが、あれは術だけはないと思わせるためか」

『あからさますぎたか。絶対にないと、思わせたら逆にあると思われるとは、術の発動狙っているなら。ありえない行動だったんだが』

「貴様を過小評価していたようだ。ここからはどれほど遠回り仕様が最後に勝利という結末にたどり着く道を行く」


 それからしばらくは紅く輝く妖刀村正を翡翠色に輝く横島の剣が受けるとことを繰り返し、時々横島が仕掛けた罠が発動することが何度か繰り返された。観客席から二人の戦いを見ているジャギと大鳳はアルトの戦い方がこの場にいないミクに似ていると思った。
アルトの方が実力は上だが横島の生存に特化した守りがうますぎるのと、さっきの失敗で脳に刻まれた手厚い失敗のせいで慎重になり過ぎてしまい攻めきれない場面が多い。


 剣撃の嵐を浴びせ時には反撃の刃や拳を受けながらアルトは思う。一度脳裏に刻まれた戦闘での失敗の記憶というのは思った以上に、重いようだ。その時は気づけなかったが、慎重な戦法ではなく全力で速攻をかければ勝てた場面も何度かあった。

『いや、我が下手というより目の前の彼が上手かったと思うべきだな』

 使うべき罠が尽きかけたらしい、横島が刀を構え提案を持ち掛けてきた。

「アルト。お互いが次に繰り出す技で決着をつけんか」

 ファルガバードの剣士同士の決闘の技で最高の技をぶつけ合い、負けた方が折れるというのがあった。兄弟子からの提案にアルトは少しだけ魔人から少年に戻ると即座に頷いた。

「彼女たちに僕を連れて帰るという約束を果たせる最後の機会だと思っているようですね」

「ああ。これ以上消耗したらワイが勝つのは不可能に近い。それにお前も俺の今生で得た技に興味があるんだろう。この戦いの後も女権国家の相手に戦うなら技は多い方が良いだろう」

「応じましょう。兄弟子貴方との戦いは本当に学ばされることが多かったです。自分は剣の速さや力強さは上がっても思考パターンは前世とあまり変わってなかったようで。 勝負自体は勝っても読みあいでは負けまくっていたのが何よりもそれを物語っています」

「そうでもないがな。俺の前世と今生両方で得た、培った最高の技で応じよう来い」

 アルトは笑いながら怨霊たちの力を取り込み魔人に戻ると村正に全霊力を込めてそして彼に向けて切りかかる準備をした。
 村正の断ち切るという概念と妖刀としての側面を一気に強化しそして自らをそれを振るう部品へと変える、最高の妖刀に込めた最高の妖力の一撃。前世から格上すら倒しぬいた最高の技一度も敗れたことがない。必殺の剣を彼が放とうとしたとき、横島も二つの文珠を取り出した。

『やはり文珠で『強』『化』するか。我の技の威力を知っていながらなお応じるのだから相当な技ではあるのだろう。今の彼は二文字までしか使えない。『超』『強』『化』でもこの技は破れまい。これで終わりだな』

 それを見て大鳳とジャギは観客席から慌てて離れていた。そして彼らはほっとした様子で言う。万が一にもアルトが自分たちの様子を見て、不信感を抱かせないためだ。

「ジャギ。もう忠夫の勝ち確定だね」

「ああ。黒鉄の奴は横島の文珠の便利さが他の文珠と一線を隔すと予想できてなかったんだな。 それに俺たちの事も反女権国家勢力だからと、戦力に対しては調べてなかったのも拙い。まあ、敵対する可能性なんて一割もいかなかったし、
この一騎打ちで横島に勝ったら大切な兄弟子を殺した村正で、恋人だった女性達も殺して女権国家を呪う呪術発動だったらしいし、その後の女権国家相手の殺戮計画は『できればやりたい』って程度の気持ちでしかない。
最悪今回の呪いが発動すれば別に殺されて良いと思っていた。それが次に横島の敵討ちに来た俺たちに殺されても別に良かったんだろう」

「彼、忠夫のことは調べていたみたいだけど、本当にこの後のことはどうでもよかったんだね。でも迂闊すぎるよね」

 いつになく毒のある口調でアルトを評する大鳳を見てジャギは大鳳がリンネに言ったに信念なき勝利を認めないという言葉を吐いていたというのを思い出した。アルトは慚愧の念をもった相手を殺すのではなく、嬲っていた。
彼女たちが受けた仕打ちに対して大鳳は本気で怒っている。多分実感はなくても父を奪われた自分と似通った部分に反発しているところもあるのだろう。

「桃子から連絡が来たよ。楯無さんたちも、帰った人たちとアルトから見えない場所に移った人に分かれたってさ。もう忠夫の勝ち確定だって言っているみたいだよ」

「だろうな。あの日のトラウマ持ちならそう思うだろ」


 アルトは村正に全ての気を込めて一撃を放った瞬間、横島が文珠で『隠』していたさっきの刀を拾ったのを見た。そして彼の両腕の文珠に現れた文字は、予想していた『強』『化』ではなかった。その文字は『再』『現』そして横島の服が男性でも女性でも着られる道義に変わる。
そして彼はその状態の彼に馴染む持ち換えた刀でアルトの村正を受けきると鍔迫り合いで勝利し、一気にラッシュを叩き込んだ。拳一撃一撃が鉛の様に重い。その攻撃を圧倒的な劣勢になりながらアルトは反撃を繰り返す。横島の拳などの攻撃が三度当たる際にアルトの攻撃は一度くらいしか当たらず、
どんどんと彼の霊力が削られていく。圧倒的な劣勢の戦いを繰り広げるアルトを楯無たちは賞賛の眼で見ていた。

「祟神の力を取り込んだ人間ってすごいですね」

「ええ。今大鳳くんの悪友な彼が使っているのって、私達にトラウマ刻んだ夜に使ったミクを『模』した文珠の『再』『現』でしょ。殆ど一方的とはいえ、ミクとあそこまで殴りあえるとか凄いわ」

 横島は昨夜ミクと訓練所で『模』の文珠を使わせてもらっていた。そしてその際に今日使ったもう一本の刀がミクの手に馴染むまで共に鍛錬を続けていたのだ。今夜の『模』させてもらった彼女をより強くイメージするために二人で修業していたという部分もある。
 そして彼女の忠告を彼は思い出していた。

『横島、多分これやらないと勝てないでしょうけど、なるべく早く片付けなさい。あんま長引かせると貴方相当凄い筋肉痛とかになるわよ』

『前使った時で知ってます。服装までミクさんになって恥ずかしかったうえに、あの後両手両足がポキっと折れてそこに肋骨にひびが入り、うずくまった所に相撲取りがドスンと来たような感じでした』

『まあ、おかげで楯無たちも準備なしで私の襲撃受けたみたいな状態になって、ボッコボコにされてしばらくトラウマで睡眠薬が必要になってめでたかったわ』


 『模』の文珠は本当に使い道が多かった。最初にアルトが彼を見失った際に彼は『転』『移』の文珠を使った直後に、『隠』の文珠を使って隠れながら、アルトに『模』の文珠を使ったのだ。驚くほど相手の思考を読めていたのはそのせいもある。

522 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:27:04 ID:+zV8TJ62

 アルトを殴りながら彼は本当に後が怖いと思っている。

『これ絶対に後でえらいことになるわ。ドスンとくる相撲取りが二人くらいかも。だが殺さずに弱らせるには殴り続ける持久戦しかないしな』

 60発目の拳を受けてアルトが倒れると彼は勝利したと確信した。そして彼は宣言する。

「ファルガバードの剣士の怨霊たちよ、前世が貴方たちと共に戦いし剣士である横島忠夫が宣言する。ここに正々堂々の戦いによる報復戦は終わった。女権国家の二度目の無道に対するけじめはこれをもって最後としてもらいたい。 
二度目のファルガバード壊滅を汚点としてこの国の歴史に残し、そして彼女達をファルガバードの村のある場所の辺境伯としてあるいは修道女として、かの地の縁者血縁者たちに使える巫女や奉公人となさせる」

 彼の宣言が終わった後アルトの中から禍々しい存在が出ていく感じがした。

「まだ怨霊は残っているが悔い改めて上位者として祀れば女権国家にも祟りはくださない。執行猶予が付いた状態だと心してくれ」

 息を切らして倒れた横島に変わり、いつの間にか訪れていた霊夢がマイクを取り言った。

「今回に限り除霊などを請け負う組合の代表として選ばれたので言わせてもらうわ。あの怨霊たちは凄く強力だから、古来より善行をなしたものが不当にひどい目にあわされて生じた祟り神はそういうものよ。
今回悪かったのは女権国家の方だから。もしもこれ以上ファルガバードの英霊達や生き残りの縁者たちに不義理したら、どんな祟りが起きても私たち民間の除霊組織は知らない。助けない。
道徳的に助けたくないとかじゃなくて、無駄死になるからよ。それを踏まえてファルガバードの生き残りたちは遇しなさい」

 この席に出席しているものたちの中にはオカルトの実在を今夜初めて実感した者も少なくなかった。だが、そういうものたちですら霊夢が悪霊払いなどに関してはすさまじい実力者なのだということは分かった。
そして彼女の言葉が、ただただ事実を述べているのだということも。今夜の戦いを見に来た良識派はもちろんそうでなかった者たちも恐怖から神妙に頷いた。


 アルトは戦いが終わった、後宮廷の寝所らしき場所に自分が寝かされていることに気づいた。

 祟り神の力はぬけてしまい。今の自分は策謀なしの横島との剣技の勝負でも10回戦って6か7勝てるくらいだろう。

 彼が立とうとすると不意に声が響いた。

「目を覚ましたようですよ。では約束を果たしてもらいましょう」

 横島との試合の前に話したメイドの声に気づき顔を上げると、目の前にいたのは声の主のメイドではなく、シスターカーミラだった。彼女は笑いながらアルトの唇を奪うと、彼の体は普通の男性よりははるかに遅れて、反応し始めた。

「やはりファルガバードの剣士達は普通の男性より女性の与えてくる快感に対して鈍く耐性が強いみたいですね。暗黒剣は邪悪ではないけど陰の気ですから」

 陰陽論では女性は陰であり、男性は陽である。女性に触られた時の男性の陽の気が反応する部分もあるために、快感が大きくなる。ファルガバードの魔剣士達は、男性でもある陰の気を暗黒剣の技法で練り上げている為に女性の陰の気に反応しづらいのだ。
それが強さ以外でも、ファルガバードの剣士達が女権国家の女性他の難敵とされた理由の一つだった。それを見ながらカーミラいう。

「でもそれならそれでやりようはあるんですよ。ヴィヴィオ陛下直伝の方法です」

 カーミラが祈りをささげると聖なる気が陽の気が部屋中に満ちアルトの陰の気を消し飛ばし強制的に彼の体を陽の気で満たし始めた。アルトの分身が余計に硬くなったのを見て彼女は笑いながら彼の分身を飲み込む。

「あ、ああー!」


 生まれてはじめの祟り神のなどの陰の気に守られていない状態での射精は一気に彼の精神を砕いた。横島との一騎打ちで敗れ約束した以上は復讐を止めなければという、喪失感の中での強すぎる女権国家の女性が与えてくる快楽は彼の心を滅茶苦茶にするには十分すぎた。

 カーミラ自分の胸の所丁度来ているアルトの顔を抑えると完全な脱力状態の彼に乳首を口に含ませると撫で始めた。母親があやすような技の中に脱力させる快楽の技も多数入っている。

「アルトくん。復讐者と戦っていないときはファルガバードの剣士として、他者を救うために悪を切る戦いを続けて疲れたでしょう。ほら早く昔の子供らしい顔を取り戻して」

 三回ほどカーミラがアルトを絞り終えると、小蒔とラヴィアンとフェイ、そしてネロ付きと思われるメイド達も入ってきた。

 カーミラは彼女たちが来ると一時的にアルトから離れた。小蒔が笑いながら彼を抱きしめて言う。

「アルトくん。もう負けちゃったんだから兄弟子さんとの約束通り復讐を捨てよう。そして僕達の旦那様、あるいはペット、抱き枕どれかになってね」

 小蒔が射精したばかりの彼の分身を巨乳で挟みラヴィアンとフェイの二人もそれに加わった。 彼女達もカーミラと同様に聖なる力を使い始める
。カーミラとフェイは邪悪な存在の生まれでありながら、善なる心が悪心に勝り、そして積んだ善行の為に聖なる属性の力も使えるのだ。


 小蒔に絞られて倒れそうな彼をラヴィアンとフェイが左右から挟み顔を四つの乳房で圧迫しながら分身を手で嫐る。

「アルト様。ここのメイド達は私やカーミラ様と同じ修道院で修業してネロ陛下付になったもたちです。
カーミラさんが血を飲ませて人生を追体験させたら、貴方に惚れて貴方を、復讐者から解き放つというネロ陛下の命令をうけたのです」

「あ、ああ。や、約束した以上は好きにしていいって言ったし復讐はやめるけど、これ以上はやめておかしくなっちゃう」


 二人に離され仰向けに倒れたアルトに小蒔がのしかかり胸で顔を窒息させそして分身を飲み込みながら言う。

「大丈夫!大丈夫! 今までが大人すぎただけで、これからなるアルトくんの姿の方が年相応だよ」

「〜〜!」

 胸で口を防がれ声すら出せない状態で射精する彼を、小蒔は楽しそうに抱きながら撫でた。カーミラが後ろから血を吸うとさらにその快楽で、射精の量が増えていく。

 小蒔に解放されるとラヴィアンとフェイが二人係で彼を弄び始める。

『それじゃあ、私達がどっちでどっちか当てられたら今夜はお開きにしてあげます』

 そういってラヴィアンが彼の分身を飲み込んだ。彼女のどこまでもアルトに強い快感を与えるという善意しかない攻めで彼は気概や信念が一気に溶かされていく感じを味わいながら脳が壊れ、彼女の使った魔法のせいで彼はフェイと誤認した。 普段の彼ならありえないことだ。

「ハズレです今度はちゃんと当ててくださいね」

 そういってカーミラが再び胸で目隠ししながら対面座位に持ち込み。彼を一度射精させると。今度はフェイが自分をラヴィアンと思わせる魔術を使いながら彼の分身を飲み込み嫐る。

「ラヴィー!」

 宣言し終わる前に、彼女はわざと快感を強めて射精させその声を途絶えさせた。そしてわざとらしく見下ろしながら言う。

「声が途切れたのはフェイと言い直すため? 確かに慎重に考えないとチャンス逃したら今夜はずっと嫐りものですからね」

「ラヴィ、ああー!」

 彼がはずれの答えを口にできたのは、五回射精させられた後だった。

 再び彼の分身を加えこみ巨乳で頭をとらえている小蒔が言う。

「アルトくん、少し弱すぎない。それとも僕達に嫐られて女性優位の性行為されるのが癖になっちゃった?」

「――!(そんなことはない)

「そうかなあ。それじゃあそろそろ今夜の締めに移ろうか」

 小蒔が離れると、控えていたネロ付きのメイド達がベッドの前に並び始める。先頭はヴィルヘルミナだ。

「アルト様、私もカーミラ様に血与えた際に、カーミラ様の人生を共有し彼女の眼を通して貴方が魔人ではないときにどういう風に戦ってきたか見せてもらいました」

 そういいながら彼女は快楽の与えられすぎて動けないアルトの分身を飲み込みながら言う。

523 :名無しさん@狐板:2022/12/05(月) 23:27:57 ID:+zV8TJ62

「私が訓練をつけた者たちが本当に申し訳ありませんでした。それなのに貴方は虐殺に走りはしても戦争の条約は破らずに女権国家の悪辣な存在だけを切っていましたね。
本当に素敵です。私の全てを味わいつくして怨恨の全てを吐き出してください」

 ヴィルヘルミナは一度離れると魔力で作ったリボンでアルトの分身を愛撫させ彼女は意味深な笑みを浮かべた。

「実は私も、継承権はないけど一応は女権国家の皇族なんです。本来ならこんなことはできないんですけど、
ネロ陛下が貴方に最高の快楽を与え続けたいと頼んだらネロ様が協力してくださり本来使えないまじないをさせてくれることになったのであります」

 リボンで彼を縛るのは万が一にも逃亡されるのを防ぐためだろう。今の快楽でおかしくなっている彼にはそんなものは明らかに必要なさそうだが、それでもかなり慎重にやろうとしているのがうかがえる。
 そしてヴィルヘルミナが口づけると、彼の中に何かが刻まれた。それは大鳳が受けた穢れなき純潔の束縛だ。

「これであなたは常に最高に気持ちよい状態で私たちの与える快楽を受け続けられるで、あります」

 なにか危ないと思い逃れようとする彼だが分身に手足のリボンは一切苦痛や圧迫感はないのに彼を決して逃がさず、そして何よりも分身と玉袋に絡みついたそれが快楽を流し込んできて一切行動させてくれない。

 彼女が焦らしぬいて再び押し倒してくると、小蒔が横島からもらっていた『伝』文珠をヴィルヘルミナを含むメイド達に使った。不意に彼を嫐るヴィルヘルミナの動きが止まり、しばらくすると彼女が言った。

「申し訳ありません。恐怖ゆえとは言え私の教え子たちがあそこまで道義に外れた協定違反をしていたとは。これから全力で償わせてもらいます」

 彼女の動きがさっきまでよりもすさまじくなり、そして言葉すら発せないアルトの痙攣がますます激しくなってその射精が終わって倒れた彼に他のメイド達も集まってきた。

「アルトさん。早く癒されてくださいね」

「あ、ああー」

 メイド達の贖罪と情欲の混ざった瞳にさらされながら一人に分身を飲み込まれ、射精しながら彼は、復讐者としての自分は完全に死ぬと確信した。


 試合を終えて一週間後横島は、ネロとかわした約束がちゃんと履行されているかを確認すべくメアリー孤児院に向かっていた。ネロがアルトを復讐の修羅堂から解き放つ女性達を募ると言った際に、
本妻は最初にあった四人の誰かにすることと自分の文珠で人柄を確認した女性達で信用できるものたちだけを選ぶことを条件とした。アルトを女権国家の女性のものにすることには思う所があったが、
それでもあの修羅道を歩ませるのは良くないと思ったためだ。

 激痛を早く収める薬をもらう条件として輝夜たちに薬を飲ませてもらった後貪られ、ユウキたちにもいいようにされ続けてようやく、動けたのは一週間後だった。彼が今向かっているのはメアリー孤児院。
アルトを解放する際の見受け場所として彼が指定した場所だ。横島がアルトと決闘する際の条件にミクは様々な条件を女権国家に飲ませたようだ。あの日の夜闘技場にいなかったのはアルトに警戒の念を抱かせない為と
、自分とアルトどちらが勝っても、臨機応変に対応するために本部に戻っていたためだったらしい。自分が勝った時にはどういう風に動いたのだろうかと思った。彼女の表情からすると相当王国が有利になるような条件を飲ませたのだろう。

 しかし、ネロが自分に全てをかけた理由には驚いたものだ。愛歌を見て彼女の王族としての格を計り、彼女が選んだ男である自分なら何とかする可能性が高いと思ったからだとは、本当に恐ろしい天運と直感を持つ皇帝だと思う。

 考え事が終わり前を見ると孤児院に到着していたことに気づく。彼が孤児院の戸を叩くとメアリーが彼を迎えてくれた。彼女を引き取り手に指定したのも横島だ。横島は彼女が更迭された原因を考えれば、アルトを丁重に扱うだろうと予想した。

「横島さんいらっしゃい。アルトくんの安否の確認ですね」

「ああ。一応前世の弟分やし、あの闘技場で『模』の文珠使ってある程度人生を共有したから、気になってな」

「ええ。一応は修羅道からは解き放たれましたけど、まだまだ監視が必要です」

「そうですか。約束は破らないだろうけど、それでも今生と前世の混じった恨みそう簡単には離れそうにありませんか」

「いえ。そうではなくて」

 少し言いづらそうなメアリーの様子の謎は直ぐに解けることになった。横島が彼女に案内されて彼の部屋に行くと、メアリー孤児院の新しい職員らしい元ネロ付きのメイド達が
アルトを甘やかす感じで嫐っていた。完全に腑抜けに担ったアルトの顔を見せながら彼女たちは笑顔で横島に礼を言う。

「彼を外道から止めてくれてありがとうございました。これからは私達が幸せにします。こんなに年相応の顔をするようになってくれたんですよ」

「お、おおそうか」

 返答して部屋を出た後横島は、メアリーに聞いた。

「普段からあんな何ですか?」

「今回は小蒔さんたちが留守ですから。普段はあそこまでいきません」


「そ、そうですか。それじゃあワイも時々様子見に来ますね」

 横島は頭を抱えた。善良ではあっても女権国家の女性達は恐ろしい時は本当に恐ろしい。自分にとっても他人事ではないが、アルトの様子を時々は見に来てやったほういいだろう。
そう思いながらも彼が殺戮をなすかもしれないと持っていた時よりは気分が軽いのを自覚し、彼はこれも悪くないと思えていた。アルトと彼を第一と考えている女性達も味方に引き入れられれば、
女権国家の悪辣派との戦いはかなり楽になるだろう。そして彼の中にはアルトに勝利で来たことで失った前世の技の素質以上のものを得たという確かな自信が芽生えていた。

524 :名無しさん@狐板:2022/12/06(火) 11:48:00 ID:BzSSOS+V
おつ

525 :名無しさん@狐板:2022/12/06(火) 13:52:43 ID:pZRBZVKj
乙でした

526 :508:2022/12/06(火) 23:48:32 ID:YjBWibo8
>>524
乙感謝です
>>525
乙感謝です

527 :名無しさん@狐板:2022/12/08(木) 23:57:31 ID:5iFR2cYd
乙でした

528 :508:2022/12/09(金) 00:59:25 ID:kwTCQjAC
>>527
乙感謝です

529 :名無しさん@狐板:2022/12/09(金) 20:25:28 ID:kwTCQjAC
これは前回>>508から>>523に投下したSSで使われていた。知らなくても問題のない設定資料です。以下の注意事項があります。

@ファイナルファンタージシリーズのファイナルファンタジーUとファイナルファンタジーV、そしてファイナルファンタジータクティクスプレイステーション版無印の設定が混じってます。
Aこれから書く設定は上記で挙げた設定の中に、インターネットでファンが考えた俗説などもかなり入って混ぜて使っており、このSSだけの独自設定です。
BこのSSはあくまでもパラレルワールドでありスレ主さんが掲載している本編とは関係ありません。
C現実世界のオカルトの理論が持ち込まれている部分もあります。
DCのオカルト理論に関しては著者の知識では怪しい部分があるので間違っている可能性もあります。

 設定@このSSでのファルガバードの村滅亡の経緯
主にタクティクスとファイナルファンタジー3の設定の混合物 ファイナルファンタジー3の設定では魔剣は分裂などを起こす魔物相手に対して分裂をさせずに倒すことができる唯一の武器である。負の力を源とし、暗闇の恐怖を克服した者だけが使えるという設定だった。
またタクティクスでは魔剣は絶大な威力と引き換えに使用者の命を削る為に次第に魔剣士の数は減少していき、ファルガバードが廃墟になっている。 今回のSSの設定では横島の前世である高島忠助はヴィヴィオの前世の聖王を暗黒剣の力で聖なる属性の効きが悪い相手から守っていて、それで早死にしたという設定。 
SS本編でも書いた通りヴィヴィオの前世の聖王は特にこの村に対して恨みなどはなかったが、女権国家と共同して一度壊滅状態にした。
その理由は英雄の来世は前世の力などを得た場合前世と同じ運命をたどりやすいという独自設定があり、
だからこそ魔剣の才能を潰す王となることで、『魔剣を潰えさせる英雄』という特性を獲得し横島の来世が暗黒剣を使えなくすることが目的だった。

ヴィヴィオの前世の聖王は恩を仇で返すような形で魔剣を潰えさせるために宣戦布告し挑んだが、戦争のルールは守っており最低限の義理は果たした後での宣戦布告だったので、
アルト個人としては憎しみはあったが嫌悪はしておらず報復対象からは外していた。一度目の滅亡の時にファルガバードを脅威と見た女権国家が恩を受けた他国に対する最低限の義理を果たさぬ形で聖王と組んで滅ぼしにかかった為、
前世の記憶も持った彼が女権国家の方を強く恨んでいた。

 
設定A暗黒剣のこのSSでの設定
ファイナルファンタジーVでは分裂してくるモンスターを分裂させずに倒せる技であり、ファイナルファンタジータクティクスでは絶大な威力と引き換えに、命を削っていくため失伝しファルガバード滅亡の原因となった。
陰陽論では男性は陽女性は陰とされている。このSSの設定では陰陽論の理論から暗黒の力は陰の気でもあるため、それを使える魔剣士達は陰の気で自分の体を包み込むことで女性の陰の気が産む性的快感をシャットダウンできる。
完璧というわけではないが、女権国家の女性達の愛撫さえ効果が激減する。
二度目のファルガバードの隠れ里の滅亡は外道極まる人外の群れに劣勢だった女権国家の軍の大部隊が撤退中に里にたどり着き助けを求めてきたことがきっかけだった。
報復対象ではあっても、彼女らを追う人外の群れの外道さをみて、ここで見捨てると非人道的すぎると思い外道な人外の群れに暗黒剣を振るった。
助けられた女性達どちらかといえば善人寄りだったが、助けられた際にあまりにも強すぎた上に、誘惑の効き辛さに恐怖してしまい。いつか報復に来た際のリスクに怯え、
これだけの恩を受けた相手を討つのは最低だと分かった上で、破ってはいけない休戦協定が終わる前に彼らの疲労と傷がいえるより先に夜襲して殆どの魔剣士達を殺しつくした。 彼らが最後まで戦う意思を捨てなかったことと、前述の魔剣士たちの特性が殺しつくさざる得ない事態を招き、
虐殺が行われた。その際にアルトは切り抜けるために生存本能が極に達し前世の記憶を取り戻す。自分は逃れることに成功したもの故郷を救うことはできず、今生と前世、二度の故郷の滅亡の記憶を得て、ファルガバードの剣士たちの怨念をその身に宿す魔人と化した。


設定BこのSSでのファルガバードの暗黒剣とその成り立ち。

ファイナルファンタジーVでファルガバードの暗黒剣の開祖とされるレオンハルトは、インターネット上の俗説だとファイナファンタジーUのレオンハルトと同一人物であるとされている説もある。
このSSではその説を採用している。ファンの推察だと彼は一度居場所を失った恐怖と無駄な死者を減らすために帝国側に寝返り皇帝が殺された際に即位し戦を討を早く終わらせるために虐殺をしたことがある。
その後先代皇帝が黄泉がえり世界を滅ぼそうとしたときに再び仲間たちと共に戦ったが、裏切りをして虐殺などの悪の道に走った為同じ道を歩めず別れた。今回のSSでは、その後力を求めてファルガバードに移住し暗黒剣開眼したという設定。
十字架を連想させる西洋剣ではなく、日本刀を用いて極めぬいた。また自分自身の居場所を失った際のトラウマと、重ねた非道の自覚があったので、
レオンハルトの理念としては居場所のない者たちの寄る辺となる村であることと、過去の罪を慚愧しているものは自分以上の大罪人でもない限りは、できる範囲で味方となることを理念としていた。
ファルガバードが2度目の滅亡の時に女権国家の部隊を助けたのは、破ることが通常ではありえない盟約をかわしたこともあるがこの理念の為もあった。 ファルガバードの剣士達は様々な役割に分かれていたが、
横島の前世は居場所のないものや罪を慚愧するものの味方であるべきという考えの防衛隊であり、アルトは無駄に不幸なものや死者を出す者を殺すことで被害を減らすべきという攻めの思想の部隊だった。
その為に横島は今回のSSの様な行動をとり、アルトは殺害に走る行動にでていた。
またこの村では考えが偏りすぎない様に反対の思想の人格者の家に一時的に修行に出すなどの風習がありその時にアルトの前世の面倒を見たのが横島の前世だったことが今回の戦いの原因となっている。

530 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 00:51:26 ID:VaL+dlww
 女権国家2022年クリスマスss好いてくれた女性達の特技のせいでプレゼントの二側面の快楽地獄を味わうことになった男

このSSは現在本スレのスレ主様が連載中の女権国家の二次創作SSです。以下の注意点があります。

@自分が最初に横島ヒロインとして自分のSSに登場させたヒロインが横島ヒロインとして出ていますが、本編では彼女が誰のヒロインとなるかは確定していません。
AこのSSで使用されたヒロイン達の特技はヒロイン達が持っている、あるいはそういう使い方は本編でもできるとは限りません。
Bヒロイン達の家族構成はこのSS独自のものです。
C他の方が投降した1レスネタや設定も使っています。
D東方の神綺という二次創作ではアリスの母親として扱われるキャラクターは作者によってはロリ形態になることもあれば大人の美女になることもあるらしいので、その現象に対する独自解釈があります
E作中に出てくる女権国家的クランプスは読者の方が想像するサキュバスキャラを当てはめてもらえると嬉しいです。あくまでも例を挙げると(ヴァンパイアシリーズのモリガンやこの素晴らしい世界に祝福をのサキュバスなど)
Fこの世界線でのさとりは横島に対して好感度滅茶苦茶高い上に、多少は良心があります。またこいしは一応悪人ではない設定で書いています。

 女権国家のクリスマス近日、めでたい雰囲気で喧騒に包まれている中、大半の男性たちが恐怖する日が近づいてきた。女権国家では女性のサンタに男性がさらわれ王国でいう所の逆レイプを受けたり、
本当に稀だけど優しいおじいさんなサンタに女性へのプレゼントとしてさらわれることもある。 そんな中で横島はカブ村から返り咲き彼が参謀をすることでそれなりの企業に上り詰めた陸八魔アルが企画の手伝いに精を出していた。

「アル社長お人よしのくせに、アウトローに憧れているせいか、マフィアも女子供には甘いし炊き出しとか無償でやる場合もある。とか理屈着けて、子供たちの炊き出しの手伝いか」

 そしてそこまで考えて横島は、もう一つの企画に頭悩ませた。

「クランプスとブラックサンタかいな」

 悪い子の所にやってくるブラックサンタと、クランプスの手伝い。アル社長が力を取り戻してからはクランプスという悪魔達が仕事をできる様に取り計らうことも仕事であるとアル社長が考え始めたらしい。
他国ではインキュバスみたいな姿をしているが女権国家のクランプスたちは色っぽい夢魔が多い。そして、彼女たちは悪い子を(性的に)お仕置きし、教え諭し導く。ブラックサンタも悪い子をさらい性的にお仕置きしつつ、
いい子になるように食べ物を配ったりするらしい。ブラックサンタがあまり知れ渡っていないのは、
ショタ大好きなサンタクロースなどのせいもある。

 横島はアル社長が率いる悪霊の軍団のブラックサンタやクランプスの前準備の手伝いを終わらせつつ、それが済んだので余暇をどう過ごすか考えていた。クリスマスらしい依頼などを見てみることにした。

 ギルドに到着すると赤いメイド服に身を包んだブロンドの女性が少し困ったような様子で、窓口と話していた。窓口の女性も脅迫等をされているわけではないようだが、依頼の内容に困っているようだ。その傍らには銀髪のサイドテールの女性の姿がある。

 二人の姿を見て横島は固まった。この二人は今までくぐった修羅場の中でも上位の強さを誇るであろう人外だ。霊波の質から悪質な存在でないことは感じ取れるが、
間違っている可能性も否定できない。周りを欺く必要がないほどの強さからその可能性は低いと思いながらも彼は声をかけた。
声をかけた時の反応次第で彼女達への対応を考えなければならない。上司である初音ミクを呼ばなきゃダメな様な事態にはなってほしくないものだが。

「すいません。自分も依頼を探しに来たので開けてもらえますか」

 彼の声にサイドテールの女性が鈴を転がすような声で応じた。

「ああ。ごめんなさい。クリスマス前の繁忙期は護衛闇周りの依頼を受け付けるまでで、それが終われば割と暇だって聞いていたからつい色々聞いてしまっていたの」

 強力な超越者ではあってもそれゆえの傲慢さはあまりないタイプの様だ。礼をもって接すれば、それほどひどいことにはならない可能性が高い。何かの気まぐれでクリスマスらしい善行をやろうとしている神族か、
あるいはたまたま気に入る類の善行を行った人間に報いようとした上位神だろうか? 少なくとも完全に力を取り戻したアル社長でもなければ相手にもならないだろう。 横島の危惧をよそに彼女は唐突にひらめいた様に彼に声をかけた。

「そうだ夢子ちゃん彼に依頼を受けてもらえばいいんじゃない?」

 神綺の言葉に夢子と呼ばれたブロンドの赤いメイド服の美女は勇み足すぎる主人をいさめる様に答えた。

「内容を話さなければ受けようもないかと、とりあえず彼に依頼を出しても良いでしょうか」

 受付嬢の許可を得て説明を始めようとする。彼女たちに横島は同意した。自分でできるなら、早く彼女たちの用事を終わらせて帰ってもらった方が良い。善良な存在ではあっても強力な人外はそれだけで与える影響が大きすぎる。

 彼女たちが受付嬢に、彼が引き受けられない様ならまたあとで来ると伝えた後、彼女たちは横島を自分たちの領域と思われる豪華な部屋に転移させた。悪意がある拉致というより、横島が自分たちの様な存在にも理解がある霊能者とみなしての処置の様だ。

 自分の居城に連れ帰った後、神綺は早速自己紹介を始めた。

「はじめまして、私は神綺。魔界を作り統べる魔界神よ」

 続いて夢子も頭を下げて言葉を続ける。

「私は夢子と申します。神綺様が最初に創造した魔界人であり、お仕えするメイドです。以来の内容は私から話しても良いでしょうか」

 一見すると人形めいているが、確かに身内に対する温かみなどもある様子に横島は好感を持ちつつ違和感も覚えた。普段は主人を立てているメイドに見えるのに主人の領分を犯しているようにも見える。
大鳳やジャギに悪意や害意のない行動にはかなり鈍いと評される自分では察することは難しそうだ。
だが逆に言えばこの二人には悪意や害意はないようだ。それに少し話して分かったがこの二人は人間に近い感性をしていて神綺は明らかに善性だし、夢子は辛うじて善性よりの様だ。そこまで恐れることはないだろう。

「夢子ちゃん、私がしょっちゅう、うっかりするからこういう交渉事任せられないと思っちゃった? 彼明らかに善性だから大丈夫だと思うけど」

「神綺様の能力に不安があるわけでも、彼の人間性に疑問があるわけでもありません。今回は私が話した方が効率が良く理想的な形になると思ったのです」

「そうなの?」
 ここで横島の警戒が下がっていた理由は神綺と呼ばれる女性にもあった。彼女は善性の母親気質だから、娘たちの行動が非道だと許さない可能性が高い。タイプは違うが女権国家の皇帝であるネロに近いところがあると感じられた。

 夢子は横島に対して典雅な礼をすると一枚の写真を見せてきた。

「実を言うと依頼というのは私に妹であり神綺様の娘でもある。この娘へのクリスマスプレゼントを入手するのを手伝っていただきたいのです」

 アリスに似た幼い少女の姿を見て横島はかわいらしいと思いつつ、目の前の女性が妹を慈しむ様子に感じ入った。彼は迷わずに答えた。

531 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 00:57:13 ID:VaL+dlww

「そういうことなら分かりました。人道に悖るようなことをしたり、他人に迷惑をかける様なこと以外ならなんでも協力しましょう」

 彼の即答を見てその意図まで読み取ったのか二人は横島に対して好意的な感情を持ったような笑みを浮かべた。

「報酬は何がよろしいですか」

「俺の友達の大鳳ってやつが穢れなき純潔の束縛って呪いを受けているからそれを解除するのにできる範囲で協力してほしい」

 それを聞くと神綺は頷いた。

「貴方のお友達ならきっと善良ないい子でしょう。なのにそんな呪いを受けるなんてあんまりだわ。この依頼が終わったらできる範囲で力を貸しましょう」

夢子はそれを聞くと頷いた。

「では、私達は依頼が終わったら可能な範囲で大鳳という少年を助けるために力を貸す。貴方様は、彼女へのクリスマスプレゼントを用意するために他人に迷惑をかけたり、人道に悖るような行為でない限り全面的に協力してくれる。その内容で契約成立ということでよろしいですか?」

「ああ」

 そう答えた瞬間、横島の体が不意に激しい束縛を受けたような状態になった。魔術的な契約による拘束、そう思った直後に彼は僅かに警戒し、神綺を見た。そして次の瞬間警戒の念は砕け散った。
 神綺が明らかに動揺し愛嬌のある様子で、『もしかして私何かやっちゃった?』そんな感じの表情をしていたためだ。契約で縛った以上、もはや彼をだます意味などなかったし、
仮に意味がある状態でも明らかに演技ではないと分かる。なぜこんなことになったのか困惑しきっている顔であることは疑いようがなかった。

「夢子ちゃん! なんか横島くんが凄く縛られているんだけど。もしかして契約の方式間違えちゃった?」

「いえ、あっています。神綺様」

「彼は、裏切ったりするような子じゃないわ。なのにこれどうしちゃったの?」

 次の夢子の言葉に横島は驚き納得することになった。

「彼、自身がアリスお嬢様へのプレゼントだからです。神綺様」

「え、じゃあ、アリスちゃんの想い人ってこの子だったの?」

 再び驚いた表情になる神綺、彼女の表情は明らかに素だ。しばらく驚いていた表情をしていたが、少し時間がたつと不意に神綺の雰囲気が変わった。動けない状態の彼の全身が警報を鳴らし始める。
目の前の女性は悪意がないにも関わらず危険だと。アリスと似たそれでいてアリスより強い魔性めいた気配に身を包み彼女は彼の頭をなでてきた。

「うん、さすがアリスちゃんが好きになった男の子。彼なら安心だわ。これから貴方の義母になる神綺よ。よろしくね」

 抱きしめられ豊かな胸に顔を埋めさせられながら彼の体に凄まじい安心感と多幸感が襲ってくる。アリスが自分を支配下に置く性行為をしてくる際もたまに生じる傀儡となることへの悦びに似たそれは目の前の彼女の母性がもたらしてくるものだ。
心底心を許せる母に抱かれている赤子は多分こんな心持で笑っているのではないだろうか。

 神綺は彼を抱きしめながら不意に彼の分身が固くなっていることに気づいた。それを見て笑う。

「女神でもある私と接触していたらそうなっちゃうのも無理ないわね。夢子ちゃん嫌じゃなければ彼の処置をお願い」

「お任せください」

 そういうと彼女は横島を掴むと一瞬でベッドに移動させて押し倒してきた。服もいつの間にか脱がされており、彼女が服を脱ぐとアリスよりやや豊満な肢体が姿を見せる。彼女は彼の唇を奪いながら言う。

「アリスお嬢様と共に過ごす姿を私達姉妹も見ていました。お嬢様が執着されるのもわかります」

 そこまで言うと彼女が彼の分身を一気に飲み込んだ。それを受けた瞬間彼の分身が一気に爆発した。そして自分の霊力が一気に彼女の食われていくのが分かる。あとで回復できるとは分かっているがそれでも指一本動かすことすら困難になると今までの経験が警告して来ていた。

 豊満な胸を彼の胸板で押しつぶしながらアリスとは対極の切り刻むような快感を与えてきながら夢子は言う。

「アリスお嬢様も女権国家の女性で魔女ですから、色々と我慢しているのです。貴方が悪いとか、至らない故というわけでもないのですが……。ですからお嬢様の欲求をどうかクリスマスでは満たさせてあげてください」

 やや溜めさせてから二度目の射精をさせると彼の意識を一気に快感で断ち切りながら夢子は言った。 神綺が彼の頭をなでる感触がすると彼はそのまま長く眠る術をかけられたなと思った。多分寝ている間に自分の体を調整するつもりなのだろう。


 次に彼が目を開けた時に待っていたもの大きなベッドのある寝室だった。そこにはアリスだけではなく、エヴァ、ユウキ、リグル、愛歌、アル、さとり、ヴィヴィオがいた。

 自分がプレゼントの袋に入れられていることに気づくと、アリスが不意に彼の唇を奪い手を動かしてきた。袋の布糸となりが動き出し彼を一切に愛撫し始める。射精したくても糸がそれを縛りそれを許してくれない。アリスは笑いながら言う。

「母さんありがとう最高のクリスマスプレゼントだわ」

 横島は自分の体に何らかの魔術がかけられていることに気づいた。 アリスは彼を脱力させて自分の人形の様に変えた後、安心させるように言う。

「大丈夫、害のある魔術じゃないから。女権国家の女性で良識はあっても好きな男の子をいじめたい欲求の強い女性達の為に作られた魔術よ。強すぎる快楽や恥辱で脳が壊れたりトラウマになったりしても、一切後遺症が残らず元に戻る類のものだから。今夜は全力で忠夫を嫐っていいという母さんからのプレゼントよ」

「ア、アリスちゃん、ちょ、ちょっと待ってくれへん」
 
言い終わる寄り先に彼の唇がアリスによって塞がれ、袋が取り外されるとアリスは笑いながら彼の分身を飲み込んだ。夢子にされた行為が彼の体感では一瞬前の為だったせいか、アリスが与えてくる布で包むような快楽がより強く感じられる。
アリスは良くエヴァやヴィヴィオと組んで自分を閨で嫐るがそれは自分の与える快楽がより印象強くなるためというのもあるのだろう。

「〜〜!」

 声にならない声を出して射精する彼を抱き寄せるとアリスは少しだけ悲鳴を堪能した後、彼の唇を塞ぎ舌を絡めてきた。快楽の逃げ場を失い痙攣する彼を楽しむ様に抱き留め愛しそうに眼を閉じながら彼の体を霊力でできた糸で操り、
自分が望む様に体をいじくらせて、時には自分から嫐りに入る。 何度か交わった後彼女が上になる対面座位で彼から精を搾り取るとアリスは離れた。

「名残り惜しいでしょうけどまたあとで、みんなも待っているから」

「あ、ああ」

 横島は恐れた。自分の誇りや心すら壊すような快楽だったのに、アリスの名残惜しいでしょうけど、という言葉を否定できない。自分の心境の変化に怯える彼をよそに黒いイブニングドレスに身を包んだエヴァが彼の唇を奪う。

「大分絞られたが安心しろ。眠っている間に神綺殿が今夜は私達が手加減なしでどんなプレイをしてもお前の身も心も再起可能なレベルまでしか壊れない処置をとってくれた。 正直お前に本気にさせられてからは、
女権国家の女性の業がうずいて仕方なかったぞ。不義理していない男にやってはいけないこともたくさんしたくなっていたからな」

 普段の彼女は横島が好むこともあってか大人の姿になって彼を嫐ることが多い。だが今の彼女は敢えて子供の姿でいる。

「何しろクリスマスプレゼントをもらう側だからな。子供の姿でいるのも一興だろう」

532 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 00:58:30 ID:VaL+dlww

 エヴァが彼の小指をかむと一滴血を吸われただけで脱力してくる快楽が彼を襲った。いつまでの彼女の所有者でいたい気概がどんどんとなくなっていく。普段のエヴァはこんな快楽は与えてこない。
ただ力強い快感で彼を打ちのめして、そのまま次の日の朝までつながって眠ることが多い。その彼の疑問を飲んだ血から察したのか彼女は言う。

「私も吸血鬼で女権国家の女だからな。強くなって共にいてほしいという欲もあるが、堕落させつくしたいという欲望もある。今宵はいくらそれをしてもお前は元通りになるゆえに楽しませろ」

 エヴァは彼の上で腰を上下させるたびに彼の分身が悲鳴をあげる様に脈打った。彼女が出してほしいと願った瞬間に彼は射精させられることを繰り返した。
アリスと同じような技術を使いそれでいて対極の快楽が彼を何度も苦しめていく。エヴァに絞られ尽くした彼を見てアリスが不意に何かを思いついた様に手をはたいた。

「確かに今日はクリスマスなんだからプレゼントを受け取るのは子供であるべきね」

 そういってアリスが魔術で子供の姿へと変わった。彼女は茶目っ気のある笑顔で言った。

「神綺様に習った魔術なの。神綺様もたまに気分転換で子供の姿になるから。でも今回は色々と実用性が高そうね」

そういってアリスが彼にまたがると一気に彼の精液を搾り取り始めた。大人の時とは違った背徳感や少女特有の肢体が彼を嫐り、普段のアリスとは異なり彼の全てを独占しようとするような吸い付きが分身を締め付け支配していく。

「忠夫、愛歌はまだしもこの姿の私に絞られて普段より固くしているようじゃ人として危ないわよ」

 嘲笑めいた幼女の口調が彼の分身をより固くし、幼い姿のアリスが手を振ると横島人形の視点と自分の視点が共有され、幼女に一番屈辱的な体位でされていることを突き付けられる。
そしてそれが彼の分身をさらに固くした。アリスはそれを見越した様にタイミングを合わせて、彼の分身を締め上げた。もう一度の射精は一気に抜かれ切り、アリスの秘所を完全に白く染めた。

「忠夫、ロリコンで幼女に嫐られて悦ぶMになっちゃって王国男子としては完全に終わっちゃったわね」

 そう言うと倒れた彼の分身をアリスは抜き放ち。歩いて彼の頭の近くによると、彼の頭を持ち上げ、分身を凝視させた。そこにさとりが笑いながら近づいてくる。

「忠夫さん、最後のアリスさんの言葉で本当に硬くなっていましたね。私に心を読まれて一番答える悪口を言われている時にも勃起が凄いし、
少女に侮辱されて悦ぶ変態なんですか。 『否定したいのに今の私の言葉で勃ってしまって情けないですか』表向きはそうですけど感じてますよこれ。
本心は『幼女ではらわたの腐った外道女の足で喘がされているシチュ最高ですね』良くないとは思っても止められないとか最高に面白いです」

 さとりの足が彼の分身を踏みつけると彼の分身の硬さが余計に増していった。

「恐怖と期待が混じっている王国男子として最低な貴方に朗報です。実は今までの私のイジメ方は手加減していたんですよ。 何驚いているんですか? 一応は貴方に惚れていますし、
私は自分でも自覚がある畜生ですけど、さすがに幾つも恩がある相手にやると拙いと思うことだってあります。
 とにかく、今回は神綺様のおかげで壊しても後遺症が残らず完治するから手加減なしでいけますね。 とりは私なので、ヴィヴィオ殿下どうぞ」

 さとりの足で嫐りぬかれて完全に射精寸前の彼の分身を珍しく幼女姿のヴィヴィオが近づいてきて笑う。

「お兄ちゃん、大人の姿の私にしか欲情してくれないから、今夜で完全にこっちの私にも反応する様に目覚めてもらおうと思ったの。それじゃあいくよ!」

 ヴィヴィオが彼の分身を飲み込もうとした瞬間、大人の姿に戻ったアリスが古い二つの人形を取り出して呪文を唱え始めた。そして次の瞬間、気が付くと彼は神綺の城から女権国家の闘技場にいた。
 飲み込もうとしているヴィヴィオを抑えながらアリスが言う。

「この人形は王国の全ての人間の先祖で男性優位の性行為を始祖と女性の方の始祖の像よ。この人形の力で貴方は男性優位の性行為が当たり前だと、思う念が強くなったわ。そして見物している闘技場中の女性達も。
 ああ、心配しないで。神綺様の計らいで私たち以外は明日になれば忘れているから」

 そこまで言い終えた後、ヴィヴィオが笑顔で彼の分身を飲み込み。大人の時と変わらぬ支配してくる性交の技が彼をあっさりと屈服させる。ヴィヴィオが腰を振るたびに情けななく痙攣する彼を闘技場中からの嘲笑が襲う。

「きゃははー! 男なのに先に達するだけでなくて、何度もいかされ続けるとか」

 その彼の無様をいつの間にか司会者になっていたさとりが来て解説を始める。

「彼、幼女に負ける最低の無様と皆さんの嘲笑で余計に大きくしてますね。今回の人道に悖ると人によっていうプレイすら彼にとってはご褒美みたいです。最低のゴミですね。 おや、ゴミ呼ばわりが余計に彼の下半身を強化してしまったみたいです」

「終わりすぎー!」

 自分の中の何かが完全に支配されたと思った瞬間、ヴィヴィオが彼から離れた。そしていつの間にか来ていたリグルが入れ替わる。

「忠夫、それじゃあ後始末の時間だね。虫は雌が雄を食らいつくす交尾が多いから。君の中で過多になっている、男性優位の性行為が当たり前という魂の部分を食べぬかせてもらうね」

 リグルが彼の分身を飲み込むと快楽しかないにもかかわらず牙が体に食い込んだ様な錯覚が起こり、そのまま精が一気に貪られ始める。いつもならリグルは配下の蜂蜜などを彼に与えて回復させながら交わる。だが今日はそれがない。
にもかかわらず体が一切不調を起こさないのは神綺が取った処置によるものだろう。

 心底おかしがる女性達の声をよそに彼はリグルに絞られるごとにどんどんと食われていく感触がした。まるで虫や女性達に全ての精を捧げ続ける雄虫の様に変わっていくような感覚を味わいながらそのまま自分が堕ちていく感覚がする。
リグルの膣が男としての抵抗力を食らい虫の粘液の様に魂を溶かす快楽を与え続けた。何度も達したのちに彼が逆にリグルを押し倒すと、彼女は満面の笑みでそれを受け入れた。
男性優位の体位であっても彼はそのまま先に達し続けそれを嘲笑する闘技場の女性達の声が彼の恥辱心を余計に煽ってくる。リグルが達すると同時に彼が快楽の限界を迎えて倒れると、リグルは彼から離れた。そして場所は元の神綺の居城の寝室に戻った。

 嘲笑と侮蔑の笑みを浮かべたさとりが笑いながら彼に近づき言う。

「大分興奮していましたねぇ。それではとりである私がいただきますね」

 動けない彼の分身を加えこみもがく彼を強すぎる快楽で逆に射精させないようにしながら、さとりはしばらく時間がたつといつもの宣誓が響く。

「『想起今宵受けた先ほどまでの恥辱責め』」

 今夜幼女の姿をした彼女たちにされた数々の仕打ちがよみがえりそしてその際の恥辱とそれがもたらす性的快感、その二つがかつてないほどの射精を彼に起こさせた。

「こいし、やりなさい」

「はーい。お姉ちゃん」

 いつの間にか後ろに来ていたこいしが彼に手を当てると、女性上位の性行為は恥ずかしいものだという王国男子としての意識が彼に蘇ってくる。こいしの無意識を操る力だろう。

 さとりに絞られ彼が倒れるとこいしがさとりと位置を入れ替えてきた。そして彼女笑いながら言う。

533 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 00:59:14 ID:VaL+dlww

「こいし、前やりたいと言っていたプレイをやりましょうか」

「いいのお姉ちゃん。お兄ちゃん壊れちゃうかもよ?」

「もちろん。いつもはダメです。 惚れた相手云々以前に、恩のある相手にそういうことをするのはさすがの私でも最低すぎると思いますから。今夜は彼が壊れても完治する保証があるからこその特別ですよ」

「さて、横島さん、変態被虐趣味な貴方の為に敢えて聞かせてあげましたけどどんな気分ですか。これから恩人にやっちゃいけない畜生プレイに移るんですよ。こいし彼の男として女性に閨で負けると恥ずかしいという恥辱心を最大に高めなさい」

 さとりが離れてこいしが彼の分身を飲み込むと無意識が圧倒的強者に包まれたような感覚と共に彼の分身が脈打ち、何度もこいしの中に射精し続ける。

「恥辱心を高められただけでこの反応とか本当に人として終わりすぎですねぇ。ここからが本番です。『想起・恋人たちを怒らせて閨の中で恥辱責めなお仕置きを受けた日々』」

「ああー!」

 普通でも辛い閨の中での恥辱責めが蘇ってきたうえにこいしに無意識を操られ、男性としての閨で女性に負けるのが恥ずかしいという観念を強められた状態でそれを想起されたことが一気に彼を嫐り追い詰める。
精神は恥辱で蝕まれ、分身はその時受けた愛撫や彼女達と繋がった時の感覚がそのまま襲ってくる。快楽と恥辱で脳が壊れそうな彼の耳元でさとりが楽しそうにささやく。

「あらあら、恥ずかしいし苦しいのも本当ですが『癖になりそう』ですか早く堕ちなさいこの屑が!」

 屑が!の一言が止めとなり彼は射精と同時一気に落ちた。

 彼が目を覚ますと目の前には陸八魔アルの姿があった。彼女の周りには妖艶極まるサキュバスとにた姿の女悪魔達と、黒いサンタ衣装を来た女性達がいる。ヴィヴィオ配下の騎士たちと、大人の姿になったエヴァが黒いサンタの衣装に身を包んでいる。

「忠夫、あの後貴方を再生させるためにいったん子供に戻したの。それはそれとして貴方は良いこともしたし、悪いこと(主に鈍感さや自分たち以外にも女性に色目使ったり)もしていたから、ブラックサンタとクランプスとサンタ。
いい子担当と悪い子担当両方が貴方相手に仕事をすることになったわ」

 ここはアルが座している地獄あるいは魔界の様だ。そこではクランプスやブラックサンタが悪いことをした男の子にきつすぎる快楽を与えたり、あるいは畜生すぎることを善良な男の子にした女の子に対しては、
目の前で彼女たちが執心している善良な男の子を甘やかす類の性交で嫐りながら、快楽の沼に沈め、王国でいう所の逆寝取りをしている。女権国家の女ブラックサンタやクランプスは彼女達が反省したら、性的な技を伝授して、『来年からはちゃんと善良な男の子には優しくしなさい』と諭して返すらしい。

 ブラックサンタとクランプスの艶やかな体に目を奪われるとエヴァが彼の首筋に軽く牙を突き立て、アルが彼に抱き着き背の縮んだ彼の顔に乳房を押し付けてきた。

「ほら、また目移りしたわね。そういうのが良くないと言っているでしょう。矯正のじかんよー」

 本気で怒っているわけではなく楽しんでいる様子のアルが彼を押し倒し。大人形態のエヴァもそれに習う。 アルの配下らしいクランプスたちも彼を嫐るのに参加してくる。

 エヴァとアルが左右から彼の分身をその大きな乳房で挟み逃げようとする彼をクランプスたちが押さえつけ時々体を愛撫しあるいは後ろから胸などを押し付けてくると、彼は何度も絶頂した。

「ほらほら、今夜は神綺様の処置のおかげで底なしの精力を得ているけど精神が限界でしょう。そんな状態でこれ以上ハーレム要員増やすとか無謀すぎるわ」

 クランプスが彼の腕をつかんで持ち上げながら彼の手のひらを自分の豊かな胸に揉みしだかせて追い打ちをかけながら言う。

「アル様に愛されていながらまだまだ他の女が欲しいなどと言う悪い子には身の程を教えるお仕置きが必要ですね。私達は百合ではアル様に瞬殺されますよ。その私達に先ほどベッドの中で瞬殺された身で嫁を増やすとか無謀すぎますね」

 左右から嘲笑するアル配下のクランプスたちにいつの間にか来ていた黒いサンタ衣装に身を包むさとりが言う。

「彼、学習能力がないのかさっきまでの屈辱を思い出して逆に硬くしてますよ。思い出させて学習させないと。『想起・先ほどまでの閨』」

 クランプスとエヴァとアルに襲われ瞬殺され尽くされたことが思い出されてくる。彼女たちにされたことを思うと直ぐに射精が起こった。それがエヴァとアルの体を白く染めると二人は笑った。

「思い出させられて逆にここまで射精するとはお前は本当にどこまでも学習能力がないな。もう一度さっきの再現と行くか」

 エヴァがそういうといつの間にか現れていた寝室に彼は引き倒され。エヴァが最初に彼に騎乗し、喘がせ始める。その横ではアルがクランプスたちを嫐り笑う。普段のお人好しな安らぎを与えてくれるそれではなく地獄の公爵らしい妖艶な恐ろしさを持った笑みだ。そしてクランプスたちがあるにやられながら言う。

「アル様、彼の弱さを考えると前と同じ条件だと可哀そうすぎますから。前よりハンデはつけてあげましょう」

「そうねぇ。どんなハンデが良いかしら?」

 嘲笑を受けて情けないと思う彼をエヴァが多い被さり乳房で顔を覆いながら頭をなでて楽しむ。三度目の射精で倒れた彼にアルが近づいてくると、彼女が彼に騎乗してきた。アルはただ横島を対面坐位の姿勢で抱え込むとエヴァと同じく乳房で彼の頭を抱えながら笑う。

「忠夫気持ち良い? 答えは聞くまでもないか」

今日の彼女はゆっくりと楽しみたいらしく、一切動かずに彼に自分との密着で得られる快感を与え続け、一度に彼の大半の射精をさせた。射精の時に底なしの量が出てきたのを感じると彼女は敢えて自分の乳房から一度彼の頭を離し、
自分の表情を見せつけた。先ほどまでの魔王めいた妖艶な表情から、お人好しで近くにいるだけで安心できる優しい大型犬を連想させる愛嬌のある美女の顔になっている。攻め方も魔性めいたどこまでも堕とす様な快感から、安心感を与え包む感じに変えて再びゆっくりと彼を射精させた。

二度目の射精をさせるとアルは彼から離れて、再び魔王めいた表情になり配下であるサキュバスめいた二人のクランプスに彼を襲わせた。

 ステレオタイプの色っぽいサキュバスめいたクランプスの片方が笑いながら彼の分身を飲み込むとアルが不意に彼女の乳房や尻を揉みしだき愛撫し始めた。

「アル様が助っとしてくれているんだからさすがに私より先にイクとかありえませんよね。さっきと違ってアル様の援護だけでなく私達が達するより先に三回達さなかったら貴方の勝ちで良いですよ」

 アルの愛撫で余計に締め付けがきつくなる彼女の秘所になぶられ彼はあっという間に三回だけでなく、何度も射精してしまった。

「弱すぎます。罰ゲームとして私が一度達するまで絞られなさい」

534 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 01:00:17 ID:VaL+dlww
 その後アルが首筋に彼女に口づけし、それで彼女が達した瞬間に横島も同時に絶頂する状態となったが最後はより強く締め付けられて、
彼の意識は完全に落ちかけた。もう一人のクランプスにも同じことをされて彼は快楽でズタボロになった。
その状態の彼は元の世界に戻る前に愛歌を見かけた。 今は自分が子供の姿のせいか彼女の方が背が高いのも奇妙なものだと感じつつ声をかけた。

「愛歌ちゃん、どうしてここに」

「忠夫、お勤め(恋人たちへの奉仕)終わったのね。実を言うとブラックサンタさんとクランプスさんたちの中には生前は私の王朝の人間だった人たちも混じっているのよ。アルさんが久しぶりに話してくるといいって気を使ってくれたの」

 愛歌の言葉を聞き横島は納得した。彼女の王朝の思想を思えばブラックサンタやクランプスになるものたちがいてもおかしくはない。

「それじゃあ、ここからは良いことした分のクリスマスに移りましょうか」

 愛歌がそういって手を取ると彼の視界が光に包まれ、彼は再び神綺の魔界に戻ってきた。
温かい風呂から出た後は夢子やアリスが腕によりをかけて作った料理と消化促進効果のある飲み物を食べて寝室に戻った。黒くないサンタ衣装に身を包んだユウキとアリスとヴィヴィオと愛歌がいた

「今の忠夫は子供だからサンタのプレゼントを受け取る側になる権利があるから来たわ」

 アリスの言葉にヴィヴィオが言葉を続ける。

「貴方の望むものと言ったら一つしかありませんものね」

「ピンクで最高に気持ち良い夜だよね」

 最後にユウキが言葉をかけて彼女も再び彼を襲ってきた。ヴィヴィオとアリスが先ほどとは打って変わった年上の女性らしい癒す性行為で彼を何度も篭絡してくる。ヴィヴィオの性交のやり方は先刻は屈しない敵国を徹底的に蹂躙するような感じだったが、
今は降伏した国を甘やかし徹底的に忠誠を誓わせるような優しい性交になっている。何度もアリスとヴィヴィオに挟まれ口の中に乳首を入れられ母親がするように撫でまわされながら彼はアリスの糸で動かされて彼女たちに甘えさせられる。

「忠夫、子供の体になっていても情けない甘え方をさせられていると思っているわね。大丈夫貴方じゃなくて私があなたを操っているのだから貴方は情けなくないわ」

 頭をなでながら言うアリスにすっかりと参りながら彼の眼の焦点が合わなくなってくると、アリス相手に射精した彼をヴィヴィオが引き取りながら言う。

「ほら早く堕ち切ってくれると私も嬉しいんですけどね。貴方が落ちたらよくしてくれたお友達の皆さんへの義理立ては私が全てしてあげますよ。貴方はただ王である私の寵愛を受けていればいいんです」

 完全に理性がとろけかけた彼を、ユウキが上になって正気に戻した。彼女の与えてくるやや強い快感が頭の靄を逆に払った。

「忠夫、ちょっと甘えすぎほら。正気に戻って。忠夫が自分の意思でそうなるならともかく、今はダメだって。ほら堕ちない様に性欲を解消しなきゃ。王国男子らしく僕に勝つ気概を見せてね無理だろうけど♪」

 最後の馬鹿にした言葉に反骨心を煽られ乳房を握った直後に本気を出したユウキに瞬殺されると、ユウキが彼を抱き留め笑う。

「滅多にできない忠夫の顔を胸でサンドだ♪楽しいな♪ ほらほら王国女子なのに君をバカにする僕を股間の剣でやっつけちゃえ♪」

 横島が達し余計に敏感になった彼の分身を嫐り胸で彼の顔を塞ぎながらユウキが言う。彼女はやや小さめの体躯で彼の分身を強く締め付ける。今この時は自分だけのものだと主張するかの様に。

 三人に嫐られて倒れた彼を愛歌が立ち上がらせた。彼女の横にはアルの横にいたのとは別のクランプスたちが控えている。

「お疲れ様。忠夫。自分に尽くしていくれている女性達への奉仕本当に大変だったでしょう。ここからは男性を盛り立てる思想の王家の閨でのおもてなしを楽しんでね」

 そういうと彼女は優しく彼に口づけした。脱力した彼を左右に控えたクランプスが抱える。おそらくは生前は愛歌の王朝に使えている女性だったのだろう。

 寝室に連れられた後の彼は、極楽の様な心地だった。
 愛歌は女性優位ながらも癒すような性交を楽しみながら彼を何度も達しさせる。寝室に入る前に王女らしく優雅に服を脱ぎ目が釘付けになった彼を押し倒すと祝福を行うように口づけし、それにより達した彼の分身を受け止めながら、
それを強すぎる快楽に打ち震える彼の様子を両手足で拘束しながら楽しむ。あまりにも早く達しさせられる情けななさと度が過ぎた快感が与えてくるわけもない不安に震える彼をしっかりと抱き留めながら彼女はささやく。

「大丈夫よ、私の英雄さん。閨で女性に勝てないのは当たり前のこと。貴方は私が見込んだ英雄だからこそ、彼女達も貴方をあそこまで好きになったのよ。そう自信をもって王女である私がこうしたくなるほどの立派な男性なんだから」

 愛歌が敢えて足の拘束を緩め彼が僅かに腰を動かせるようにすると彼は彼女を喜ばせるために腰を振り始めたが、直ぐに達してしまい、
何度も中断し震えた。それすら愛おしく思っていると伝える様に愛歌は彼の背に手をまわし撫でる。そして時に魔力を込めて背中のツボを押しより射精の量を増やさせながら言う。

「私今回、神綺様から男性の精神を回復させる魔法を幾つも伝授してもらったの。だからあなたが過激な被虐趣味に目覚めても余程でない限りは回復させられるわ。だから安心して彼女たちに嫐られて」

 そういうと二人のクランプスが彼を優しく愛撫し始める。彼女は明らかに冗談と分かる口調で彼に誘惑の言葉を吐く。

「彼女たち少し貴方をいじめすぎですから、危機感を与えた方が良いかもしれませんね」

 どこまでも優しすぎる性行為をしながらの言葉だ。愛歌には及ばないが激しい快感が彼を包み込んでくる。

「ええ。あまり畜生すぎるとブラックサンタやクランプスに寝取られて来年のクリスマスには戻ってこないぞって言うのも手でしょう」
 
後ろから声がしたと思ったらもう一人のクランプスが彼を後ろから抱き留め豊満な体を押し付けてきていた。彼女はより快感を強くさせながら彼が気持ちよがっているのを楽しんでいる。
二人に交互に嫐られ時には愛歌が入ってくることで彼の意識は快楽の中で溶かされる母や姉を思わせる励ましほめる言葉が快楽で壊れた脳に何度も強く響き渡った。十回以上の性行為の後最後に愛歌が彼を搾り取った後言った。

「どう私の英雄さん。少しは自身を回復できた? もちろん閨の中で言った誉め言葉は本心だからね」

 回復しきった横島の顔を見ていながら敢えて答えを聞こうとする愛歌に彼も即答で答えた。

535 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 01:00:45 ID:VaL+dlww

「あ、ああ。愛歌ちゃんありがとな」

 そういうと愛歌が少しだけ強すぎる快感を与えてきた。悲鳴を上げかける彼の唇を塞ぎ息を吹き込んだ後、彼女は言う。

「今は私の方が年上なんだから、お姉ちゃん気分を味合わせなさい」

「は、はい愛歌おねえちゃん」

「よろしい」

 そういうと愛歌は二人のクランプスに王女らしい気品を持ったねぎらいの言葉をかけた。

「久しぶりに私が見つけた英雄の心を癒すことを手伝ってくれてありがとう」

「いえ、私達こそ愛歌様が壮健であられることが分かって嬉しかったです」

「良かったら、彼が英霊として祀られることになったら私達に侍女として再びお声をかけてください」

 そういって二人のクランプスは魔界へと帰っていった。

 愛歌との性行為が終わって回復してしばらくすると、黒ではないサンタ衣装に身を包んださとりが彼の所に来た。

「私も貴方にプレゼントを持ってきましたよ。この袋は特別仕様で貴方が本当に欲しいものが出てくる仕組みになっています」

「そ、そうなんか」

「そんなに怯えないでください。愛歌さんに大分嫉妬はしましたけど、さすがにクリスマスプレゼント袋に細工なんかしませんよ」

 そういってさとりが袋を開けると彼は再び自分の体に神綺にかけられた処置が起こった感覚が起こり、再び今日クリスマスを過ごした全ての女性達がいる場所に彼はいた。怯える彼にさとりは笑いながら言う。

「あら、あら、あなたが生粋の変態マゾだったせいで、今日受けたお仕置きプレイをまた受けたいという願望を持ってしまっていたみたいですねぇ。でも心配はいりませんよ。神綺様の処置があるから再起不能とかにはなりませんから」

 意地悪い笑みを浮かべるさとりの言葉に彼は絶望した状況がひどいことではなく、彼が本気で嫌がればここの女性達はやめてくれるだろうがそれをしようという気が今一つ起きないことにだ。
多分さとりの言った言葉は全部本当で自分が無意識にこれを望むほどの変態マゾになっているのだろう。

彼の心を読んだらしいさとりが以前彼から送られた文珠に『誠』の文を込めて飲み込み言う。

「大丈夫ですよ。私達は貴方や貴方のお友達にどんな状況になっても迷惑はかけないし不義理はしませんから。だからこれは王国の為に頑張る私達への報酬だと思ってください」

 さとりの言葉を聞いた瞬間安心感が生まれその安心感が心の中の最後の砦を崩した様な気がした。彼は彼女たちがくれるクリスマスプレゼントを受け取れることを嬉しいと思っている自分を認めて。
優しく寝所に連れて行こうとする彼女たちの腕に身を委ねた。

536 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 13:07:40 ID:5PBLlZTc


537 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 14:57:47 ID:LdChScqc
乙!
横島が人外だけでなくロリにとってもおいしい獲物に調教されたw
(場面転換の時は行間をもうちょっと空けていただけると読みやすいかも)

538 :522:2022/12/25(日) 16:06:37 ID:VaL+dlww
>>536
乙感謝です。
>>537
乙と助言ありがとうございます。
やろうと思っているのに忘れることが多いから、張り付けてからじゃなくて、
書いた時点で空けておいた方が良いかもしれませんね。次回試してみます。

539 :名無しさん@狐板:2022/12/25(日) 18:02:35 ID:XF8VoNZs
乙でした
最後ループするの好き…

540 :522:2022/12/25(日) 22:12:36 ID:VaL+dlww
>>539
乙感謝です
調教されすぎてもう一度あれをされたいと考えるようになってしまったエンドでした

541 :名無しさん@狐板:2022/12/30(金) 16:01:36 ID:QstYIm8P
13.その姿に吃驚してたんだけど、また腰動かそうとしてる彼女をいったん止めて色々聞いたら、
14.実は合コンに集まった女性メンバー、全員彼女と同じサキュバスだったらしく、
15.時折アホな男引っかけて遊ぶついでで根こそぎ精力補給してるらしく、
16.他の奴らは今頃干物になってると思うよって言われて、
17.ゾッとしてる内に再び身体を躍らせ始めて激しい淫楽に秘めてたM心を刺激されながらも、
18.このままじゃまずい……!と思って反撃で腰使ったり弱々しく口づけはしてみるものの、
19.逆に目の前の彼女のツボを刺激してしまったらしく、
21.お返しとばかりに甘いキス責めとピストンでねちっこく責め立てられて何度も膣内に漏らしてしまい、
22.反撃から暫くする頃には完全に蕩けきって捕食されるのを受け入れた”獲物”にされてしまい、
23.彼女が舌なめずりするのを見ながら後は一晩中甘く吸われ続けるのを身体を歓喜で震わせながら受け入れてしまう

542 :名無しさん@狐板:2023/01/02(月) 23:01:46 ID:ZzHpUDfF
※燻憧さんの投下に対する感想です。

まさか、ホントに投下して頂けるとは……ありがとうございます!お陰様で完治いたしました!
まず、この教団自体が良いですねぇ、堕落させるわるい存在と自負しつつ施しを与える……こういうのめちゃ好きです!
そして、ヒロインのユウキちゃん、快活系ボクっ娘だけど、エッチなことになると妖艶さと優しさが色濃くなって、らぶらぶしよー♪って甘えてくるのがたまらない……!
しかも馬車馬さん、とか、マゾ豚くん、とか、そういう蔑称をあたかも褒め言葉みたいに使うのも非常に刺さるし、甘ったるい誘い文句がホントに好きです!恋しちゃう!
夜桜さんはユウキと違って厳しめ……に見えるけど、そのお??りが優しさたっぷりなの非常に良い……!期待してるからこそ厳しく戒め、心高く在るよう言いつける。
けれども、アキくんの誠実さ、純真さ、可愛さに心打たれて、『慈悲の欠片も無いと思え……!』って言うの、ホントに大好きです!倒錯溢れる宣告、たまらない……
そして始まる生贄の祭壇での儀。ユウキちゃんの囁き一つ一つが刺さりますねぇ、褒めて、頑張りを宥め、敗北を許して、簒奪と破滅を伝えて、らぶらぶのまま精奴隷へと……
この流れが素敵すぎて、ホントに全部奪われて溺れたくなるよね……!『だぁい好きって気持ちに支配されながらぁ……♪』っていうセリフ、めちゃ好きです!こういう恋奴隷にされたいよね……!
そして、それを見てアキくんに戒めさせる夜桜さんのセリフ……あの行為に、愛だの真心だの抱いてしまったらもう終わり。永遠に飼われる精奴隷になってしまう。と忠告し
『愛』を足蹴にするようなセリフで、長寿で上位な彼女らの持つ『欲』がどんなものかを分からせ、エッチなことを仕掛け始め、その先にあるのは永遠に奪う者と奪われる者の関係……と説明し切ったところで
思い切り射精させて堕とす……ホントに最高です!こういう甘すぎて破滅的な結末を囁いて、思い切り堕とすシチュ大好き……!しかも厳しく戒めから流れるように堕落に誘うの巧すぎてたまらない……!
その後、アキくんが沢山出して、驚き呆れつつ『勝手に好きになったバカは話が別じゃ!!』って昂って飴玉宣言しちゃうとこ、ホントにらぶっらぶで大好きです!永遠に奪われ舐めしゃぶられていってね……!
そして皇帝側も長年付き添った側近のプーリンさんに裏切られ小さくされて、復讐の根幹すらも奪われ、迫られて……抱き込まれて精奴隷ハッピーエンドにされてしまう。あぁもう、こういうシチュも好きすぎますね!
しきりに『なぜ脱ぐ!?』『脱ぐな!』って言うのも、初恋の想いを忘れてないから、それを使われたら絶対に勝てないから……って心の底で理解しているから。と思うと、ホントにゾクゾクしますね……!
『あなたに似合うような英雄に……』という最後の抵抗も『最初から欲しかったのは、キミという、永遠に愛し合える「精奴隷」だよ』って真っ向から手折られるの、ホントに大好きです!とっても素敵なゲームオーバー……!

いやもう、ホントに全部のヒロイン……というかカップルが刺さりました!
ユウキちゃんは甘い言葉は全部破滅へと誘う罠で気が付いたら身柄全部奪われてる恐ろしさ
夜桜さんは相手を想って戒めてあげるけど、堕とすと決めたら厳しさからシームレスに堕落へと誘う恐ろしさ
プーリンさんは相手のことを理解してるから、逃げ道や抵抗心を全部潰してから抱き込む恐ろしさ
全部良いですね、ホントに好き……!こんな恐ろしさに加えておっきな胸をむぎゅぅっとしながら迫ってくるのですから……逃げようがありませんね!おっぱい奴隷な恋奴隷で精奴隷にされてしまうのは当たり前だよね……!!

いやもう、一から十まで、エッチなとこも、キャラも、シチュも、設定も、ストーリーも刺さりまくって逆に怖いですね。もしかして思考傍受してますか?(自意識過剰)
実は今、ボクっ娘巨乳な作品を書いてまして、一部言語化しきれず困ってた所があったのですが、この作品でそこを氷解することが出来ました!素晴らしい特効薬をありがとうございます!
ボクっ娘巨乳で純愛系だけど、結末は堕落……最高に大好きです!使命を放棄するよう手折られて、誠実でいい子ゆえに堕とされて、一緒に培ったモノを全て奪われ抱き込まれ……あぁ好きすぎます!
長くなってしまいましたが、以上になります。悪魔系ボクっ娘巨乳いいよね……よね……

543 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:44:57 ID:8jk3BFRK
 女権国家SS これはひどい真・女神転生if外伝 イキリ善良有能サマナー大鳳くんと空至王

このSSは現在本スレのスレ主さんが連載している女権国家と女神転生シリーズの二次創作クロスSSです以下の注意があります。

@自分が連載しているこれはひどい女神転生ifの外伝的立ち位置です。
A>>389から>>411の怠惰界の設定が多く使われています
B大鳳くんと横島の転生体両方のエロシーンがあります。
C横島ヒロイン候補として応募はされたけど、本編に出てこないかもしれないヒロインと既に大鳳くんヒロインとして出ている女性が関係のあることになっています。
DFGOネタがありますが、出てきたFGOのキャラは成り立ちなどが大分原作と違います。
EこのSSだと横島は原作で月を救っていたので東方の永遠亭とかかわりがある設定になっています。
Fこの話に出てきているキャラの大半は女権国家本編後の生まれ変わりたちという設定です。
G自分のこれはひどい女神転生を読んでいない方の為に説明を入れるとこの世界線だと女神転生世界と女権国家が繋がり、その化学反応で世界を滅ぼしかねない女殺しの魔物と言われる存在と王国と女権国家が同盟して共闘していたので、昔ほど確執は強くない設定になっています。

横島が多くの観測者に女神転生ifと呼ばれる世界に転生しマイ達に嫐られながらも試練を乗り越えている時と同時刻、女権国家でも女神転生の世界程ではないが当人たちにとっては深刻な戦いが繰り広げられていた。

 男性解放戦線親王国派ここはかつて王国にとって救国の英雄となった者たちに恩のある女権国家の男性たちの流れを組む集団である。
王国が復権した際に英雄と呼ばれるものはかなり多かったがその中で最強クラスの戦神と呼ばれる初音ミクを除けば、特に著名なのは大鳳、横島、ジャギの三名だ。彼らは今でも王国の神殿で祀られている。
今男性解放戦線親王国派の支部の支部長の椅子にかけている一見すると女性と間違えられる程の美少年が、かの前世と同じ名前を持つ英雄大鳳の転生者だ。かの少年は椅子に掛けていながら、上機嫌そうに報告を待っている。

程なくして日本の修験者めいたやや高価な服に身を包んだ彼と同じくらいの年の少年がが、入室してきた。彼は一礼すると大鳳は友人にするように気さくに手を振ってこたえた。

「別にそんなにかしこまらなくても良いよ。忠雄、僕はこの年でかなりの手柄を立ててきたけど、さすがに、かの空至王(くうしおう)を上回るほどじゃないと思うし」

 大鳳の言葉に空至王と称された少年は苦い顔をした。前世の姿と瓜二つの大鳳と違い横島と似てはいるが、
欲望の薄さと彼の転生先には珍しい潔癖な部分がどこかほかの横島の転生先の活躍とその伝承や物語が生み出した悪魔達とは違う雰囲気を見せている。初代も含めて横島の転生先の伝承が生み出した神々に分類される悪魔達は、
男性サマナーに多く好まれている。彼らの座す冥界等が彼らの妻たちに現在の彼らの来世を鍛える世界を作る為の材料とする為に滅ぼされ、力衰えた今でも彼らは大半のサマナーが前線で使える便利な力を持っている。
何よりも格の低い女悪魔達は彼らの妻達を恐れ性的な意味では襲おうとしない。格の高い女悪魔達ですらも、余程自身がない限りは彼らを性的に襲おうとする者は稀である。
そして彼らは自分やサマナーを生き残らせるのに特化している。 この業界では任務達成も大事だが生き残ることも大事だ。 だが空至王は横島の転生した神々の悪魔達の中ではかなり異端と言えた。 

他の横島達と違い少年でありながら強く、精通までは性欲をほとんど持たない体質のために女権国家の四惑狂三以外では、誘惑能力で勝てないのではと言われた、
九尾の狐の誘惑すら弾きさらには戦闘能力でもトップクラスのその狐や配下達も多く倒した。その為に強者が多い横島の転生後の神々の中でも彼はトップクラスに強い。だがリスクももちろんある。
精通した後に受けたみっともなさすぎる敗北の逸話も組み込まれており、彼を召喚して一定の時が経つと、猿王(えんおう)高島忠夫になってしまい、誘惑に極度に弱くなってしまう。
そして彼を色欲に沈め、嫐り堕とし尽くし、奴隷にできる状態に追いやった玉藻や木綿季や藍子が敵のサマナーにいるともう詰みだ。

 そういった欠点もあるが、かの空至王は絶大な力を持ち、善良なサマナーが召喚すればサマナーがレベル不足でも味方ではいてくれる。最もレベル不足のサマナーでは制御できないが。

 目の前の絶望的な戦況を数えきれないほど潜り抜けた戦友の経歴に思いをはせていると、その戦友である空至王は大鳳を心配する目で見つめてきている。彼は少し、考えると届かないと分かっている何度も繰り返した忠告を再び口にした。

「大鳳、お前はそろそろ前線を引け。あと半年は大丈夫な状態でも女権国家の女性は怖い。彼女たちの執念を思えば、一見すると三か月前に引退すべき状態なら半年前に退くのが一番だ」

「忠夫は相変わらず心配性だね〜。 今の僕達に勝てる女権国家の女性なんていないよ〜」

 大鳳の緩み切った口調に苛立ちも覚えず彼は淡々と理を解き始める。自分の転落を記録としてしか知らない今の自分では実感のある言葉は紡げない。それを歯がゆいと思いながらも彼は言う。

「大鳳、女権国家の女性達を侮るな。俺もかつて自分が持っていなかった色欲以外は全てが満たされた絶頂にいた時に失敗し転落した。その『記憶』ではなく『記録』しかない状態ですらわかる。
彼女たちの意中の男への執着とそれが生み出す力はすさまじい。そして最も彼女たちが恐ろしいのは惚れた男から誇りを傷つけられた時の怒りだ」

 高島忠雄の忠告に大鳳は笑顔で応じた。

「分かっているよ。多分僕は君と同じタイミングで精通するだろうから、女権国家の女性の力が通じるようになる三か月前、つまり今から三か月後に王国に逃亡、亡命するよ」

「大鳳。遅すぎる。せめて一月後にしろ」


「せめてって忠雄の理想はいつなの?」

「さっき言った様に、今すぐ亡命の手続きをして、明日には王国へ逃亡だな」

 空至王の言葉を聞き大鳳の顔色が変わる。最近の連勝続きが彼のわきの甘さと慢心に拍車をかけている。だがそういう状態になってなお彼は優秀だ。だからこそ彼の忠告を聞く耳もある。

「前回の煽り文句がまずかったかな」

 真摯に助言を聞く体制になった大鳳の様子を見て忠雄も胸をなでおろしながら言葉を返す。

「お前の安全っていう意味では最悪だった。だが、戦局全体を見れば、そこまで悪手じゃない。女権国家の女性達はあの煽り文句に冷静でいられるものは稀だ。もともと気づかれる可能性の低かったことが余計に低くなった。
その甲斐があって王国の防衛線を余計に強化する時間ができただろう。あの一夜は普通の戦場の一年分くらいの価値があったと思うぞ」


 空至王の言葉は嘘ではない彼らが稼いだ数日間の防衛線で、王国の情報防衛の壁が出来上がり、これで当分は女権国家の攻めを防げるだろう。彼の言葉に大鳳は笑みを浮かべて答える。

「王様もやったし国を救った経験のある忠雄の言葉なら間違っている可能性は低そうだね」

「ああ、記録としてしか知らない俺ですらわかるほど今のお前の現状はやばい」

「逃げた方が良いかな。でも義理を果たさず戦場を放置するのはどうかと思うな」

「お前が逃げると通知すればかなりの数の女権国家の女性の軍人どもが追ってくる。そうすればお前に友好的な組織も相当有利になるだろう。
そこで俺も暴れまわって辺りを攪乱してやるから逃げろ。お前というサマナーがいることは王国にとってもプラスだろう」

544 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:47:19 ID:8jk3BFRK
 女殺しの魔物達が暴れまわり女権国家とすら共闘することになった大戦で大分改善されたものの、王国は未だにオカルトという一点では女権国家相手の場合は後進国だ。未だに女殺しの魔物が猛威を振るった時に、
悪魔召喚プログラムなどをあっさり受け入れて活用し浸透させた女権国家程、柔軟ではない。優秀なサマナーである大鳳やその配下が多く逃げ切れば、それだけ有利になる。だが大鳳はそれに難色を示した。


「忠雄、ごめん。あらためて言うまでもないことだけど僕のガーディアンは誰だかわかるよね」

「ああ。俺だろう」

 大鳳は己に多大な影響を与える守護霊である、ガーディアンを定着させる神降ろしの儀で自分と同じ空至王を選択していた。それにはそれなりに理由がある。女殺しの魔物達が暴れまわって以来、
王国と女権国家の同盟関係は今の所は表向きには破綻していない。そして今は手柄争いによる発言権などの確保と諜報部同士の争いで領土や信仰を広め合う冷戦状態が続いている。女神転生と呼ばれた世界とつながってからは、
王国出身の英雄や王国の神々を使って手柄を立てることで女権国家からの霊的国防も担わなければならなかった。 大きく王国が劣勢になっていた時期だったからこそ大鳳は自分とどう種族の悪魔、空至王を降ろすことを選んだ。
ガーディアンと強く結びつけば、そのガーディアンと似た運命をたどりやすい。忠雄の様に最後は怒った女権国家の女性達を切れさせて快楽で精神を壊されて奴隷となる道に落ちる可能性も高いが、
それでもその前に大戦果を上げて国を救うこともできる、というのが大鳳の判断だったのだろう。 自分の最初の前世である大鳳が女の色仕掛けに弱いことさえ除けば完璧超人だったというのも判断基準の一つだったのかもしれない。
思案にふける彼を大鳳の言葉が現実に戻した。

「そう空至王の忠雄と同じ状態になれば僕も精通までは色香に惑わされないだろうし、空至王と同じく無双できると思っていたからね。事実あっていたでしょう?」

「ああ」

「精通までは無敵に近かった君のガーディアンを持つ者として僕はギリギリまで王国に尽くしたい。でもここが潮時だと思う?」

「確実に安全に引けるときはもう過ぎ去った。だが今の所はまだ大丈夫だ。八割くらいは無事に帰れると思うぞ」


「分かった。 王国に帰還するよ」

「多くのものを得られる状態でかつ勝率が高くても引くことができるのも勇気だ。全力でお前の撤退を手伝おう」

「あと半年で僕は13歳と五カ月。忠雄が精通の時と同時に犯されて転落した時と同じになる。多分空至王をガーディアンにしている以上僕もそうなるだろうね。 精通までは大丈夫だと思うけど、僕よりたくさんの修羅場をくぐった忠雄の意見だ。聞いておくよ」


 そこまで言った直後に男性解放戦線親王国派支部に緊急警報が鳴り響いた。けたたましくモヒカンたちから連絡が入る。

「支部長、空至王陛下、敵の襲撃です。男性解放戦線元祖組本部が急進派や防諜組織両方からの襲撃を受けたようです。あくまでも名分としてはマフィアの依頼という名目でした」

「そ、そんな、なんで」

 あそこは防諜組織には手が出しづらい様に手は打ってあった。だが、味方からの裏切りなどもあればその限りではないだろう。少し考えると空至王が口を開いた。

「大鳳、あそこはマフィアと手打ちが済みかけていたが、まだだった。そしてマフィアが不可侵条約を結んでいたのは俺達だ。あそこは俺たちとの対等な同盟者で傘下じゃない。ぎりぎりだが黒に近い灰色で仁義に反しているとは言えないだろう」

「どうして春さんたちはアウトローだけど任侠の徒の側面の方が強いと思っていたのに」

 今まで大鳳は善行と言える行為をした比率が圧倒的に多かった。そしてマフィアと警邏隊両方に不義理せずに多くのそれを成し遂げていた。だからこそだと忠雄は思う。完全に意識を空至王に切り替えるという。

「女権国家を去ろうとするというのは、こういうことだ。警邏隊ぐらいの良識派以外は、お前に惚れた女全てが敵になってしまう。良いか、襲っても協定に反さずお前と一番仲がいい連中が多かったのはあの支部だ。どんな悲報があろうがお前は振り返るな」

「彼らを見捨てろって?」

「優先順位を考えろ。猿王(えんおう)に転落した後も俺はそれなりに活躍して国に貢献できた。お前だってそうなる可能性が高いだろう。王国よりあいつらが大事なら、そうしろ」

「でも彼らを見捨てたら信義がないって思われてなせることも大きく減る気が」

「だから俺が行く。お前との最後の契約だ。絶対にあいつらを助けるからお前は振り返らずに逃げろ」

 少し悩んだ後で大鳳は頷いた。


駆けだそうとする空至王が慌てて、彼を呼び止めた。
「忠雄さんすいません。報告しておいた方が良いかもと思ったことが」

「なんだ?」

「本当かどうかはわからないけど、今回は永遠亭も敵かもしれないそうです。永遠亭はあくまでも噂ですが、その噂が立った理由があります。こちらは確実な情報です。気配を隠してはいるけど、かなり強いウサギの霊気が完治されました」

「分かった。報告に感謝する」

 輝夜は暇つぶしで向こうに着く可能性もあるが別の妖怪の可能性もある。少し悩んだが彼は直ぐに文珠で転移した。







 男性解放戦線初代からの直系である元祖組彼らは初代である大鳳たちのおかげで勝利しそれなりに女性達から男性を守り続けて来たこの支部は今かつてない未曽有の危機にさらされていた。

 男性の体力を削り取り動きを封じる類の悪魔達が一斉にここを襲撃して生きている。女権国家の伝承にあるサキュバスや悪魔は男性を殺さずに無力化する剣や槍、魔術などを持つ者が多い。
だからこそ悪魔達が一般に受け入れられてからは男性たちも危ない状態が続いている。 荒々しく上級悪魔を数体切り倒したランスが、けたたましく叫び声を上げる。

「状況を報告しろ! 結界はどことどこが破られた?」

「ほとんど全体です」

「なんだと!」

 ここ男性解放戦線も良識派の女性達の台頭と、女殺しの魔物達との戦いでの貢献でそれなりの支援を受けている。だからこそ一流の霊具や一流まではいかなくても決して悪くはない霊具で霊的防御を固めていた。それが破られるということは答えは一つしかない。

『超一流の霊具を湯水の様に投入されたか』

「もうここは無理だ。全員重ね掛けできる霊具をありったけ使って各々防戦し隙が万一でもあったらそこから逃げ延びろ。俺達は司令室で最後まで抵抗する。あそこが落とされなければ霊的防備も完全には死なねぇ」

「了解です」

 ランスは支持を出すと剣を振るいながら、本部の司令室へと引き始めた。

『大鳳は援軍を出してくれるだろうが、今回はそれをやっても無駄だな。今回の襲撃採算を無視している類の攻めだ』

 男性解放戦線は立ち上がりは追いつめられたゆえの蛮勇という側面もあったが、王国との連携や数々の要員を経て現実的な組織となってからは、潰すよりも牽制していた方が損失が少ないという立ち回りで存続させてきた側面もある。
だからこそ採算を度外視した攻めをされればそれで終わりだとランスは理解していた。前線に立って男性を守る戦いに出て戦場の気配を読む統べに長ける彼の頭脳は今回の戦いには勝ち目がないと分かっている。ならばせめてましな敗北にするためにできる限り底力を振り絞るのみ。

545 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:49:05 ID:8jk3BFRK





 ランスが本部の最重要室に到着するとスバルとオルガ団長が神妙な顔で構えていた。

「状況はどうだ」

 間髪入れないランスの問いにオルガが答えた。

「戦略的には最悪の状態だがとりあえず悪くはない動きはできた。重ね掛けが効く男性を
守る類の護符は全部発動させられたし、篭絡されてない戦闘要員も十全に動けている。それに防衛拠点の仕掛けは全部ちゃんと動いている。スバルの動きのおかげだ」

「あ、ああ。とりあえず空気の流れが不穏だから詰めて置いてよかった」
ランスに報告しながらスバルは内心で昨夜の行動について考えた。

『前回の前世、【初代大鳳たちと共闘した時】に大襲撃受ける前の夜と気配が似ていたから内緒で重要物資拠点とかを移しておいたけど正解だった。でも今回の場合最善手打てても多分詰みだな』」





男性解放戦線元祖組の支部が激しく攻め立てられ陥落しそうになっているのを見ている防諜組織と今回の最高責任者である狂三とその副官となった楯無=彼女もまた初代大鳳時代に戦った楯無の生まれ変わりである。
彼女は圧倒的に味方が優勢な戦局を見ながらも、戦況に似つかわしくない疑問めいた表情をしていた。

「狂三様おかしいですね。今回優勢ではあるけど、予定程圧倒できていません。確かに篭絡などの工作は成功していたんですけど」

 今回の計画は僅かに相手を粘らせた後、情誼に厚い大鳳に今助けに行けば男性解放戦線元祖組を助けられるという状態にして彼を悩ませること、そして上手くいけば慢心している彼がこちらに援護に来るということもあり得ると踏んでいた。 
だが今の戦局はこちらが勝ってはいるが向こうの防衛機能なども十全に機能している。これでは隙も多いが決して無能ではないオルガ団長をはじめとした幹部たちの奮戦で一時的に向こうが形成有利になる可能性もゼロではない。

それを防ぐためにも防諜組織の幹部たちが一斉に行くべきかもと思ったが、なぜか男性解放戦線が予想外の善戦を見せる戦局の不可解さがそれを躊躇わせた。いつもなら自分で分析して、決断を下すのだが今回は狂三がその役割を担っていた。
彼女は『早ければ三十分。遅くても一時間後に決断を下しますわぁ』と言っていた。そして今は四十分が過ぎた。そろそろ狂三が命令を下してくる。楯無が彼女の言葉を待つと命令ではなく質問が帰ってきた。

「楯無、貴方はこの状況どう見ています? そしてあなたならどう言う指示をだします?おっしゃってくれません?」

 試すような狂三の言葉に彼女は少し考えてから、答えた。

「とりあえず、このまま大きな戦果は上げられないけど確実に弱らせられる攻めで彼らを削っていきます。急がせるとしても、大鳳くんの所属支部以外の援軍が間に合わなくなる程度にとどめておきます。
敵の幹部たちも有能だけど、この戦局を覆せるほどではないですから。そして大鳳くんの性格上あの拠点の陥落が確定すれば、助けに来る可能性が高いし、逃げる方を選んでもあそこを助けるための工作はほぼ確実にするでしょうから、
女権国家からの脱出速度は落ちると思います。そこでとらえられる可能性は高いでしょう。 余程の事がない限りは一気に決着をつける様な攻め方は避けようと思います。 こちらに裏切り者はいないのはほぼ確実だけど、あまりにも不可解な要素が多すぎますから」

 多少不安を覚えながらも全ての言葉を言い終えて、狂三の表情を見ると彼女は満足そうに頷いた。

「80点ですわぁ。 事実各部署への篭絡は成功していたのに防衛拠点の物資などが滞らず、敵方の防衛拠点に予想された不具合が生じず。それでいて始まれば勝ち目がない戦いなのに敵の施設からも逃亡者なく奮戦中。
これは本当に大いに疑問が残る戦局でしょう。一度でも体験しないと正解にたどり着くのは難しいでしょうね」

「狂三様は、正解にたどり着いているんですか?」

「えぇ。多分ですけど敵にこれと同じもしくはとても似た負け戦を経験した方がいたのでしょう。彼の経験では前回落とされた際にされた工作は防げても、その工作なしでも負ける戦いだと知ることがなかったから、
工作を防ぐだけに終わった。あるいは空気などで察して予想できただけで確信がなかったから中途半端な対処になった、といったところですわね」

 楯無は狂三の言葉を聞き、驚いた。確かに状況的にはそれがあっているとは思う。だがこの規模の負け戦では死ぬか篭絡されているかの二択となり、普通は再び女権国家に敵対することなどありえないだろう。彼女の悩みを吹き飛ばす様に狂三は言う。

「まあ、年の功というやつですわぁ。これが正解だったら、貴女も次回からはもう少し高得点を狙えるでしょう。最も戦に百点なんてありませんけど。それでは疲れさせたら一気に突入しますわよ。相手を追い詰めきったら、
彼の位置を全力で把握できるように索敵部隊を出しなさい。自分が来れば助けられるという状況を作り出してこちらへ誘い出しますわぁ。
そうすれば彼がこちらに来るか助ける為の工作をするでしょうから。そこに短時間だけど効果の高い網を張っておいたので、確実に居場所はわかりますわぁ」


 その答えを聞きながら楯無は一週間前の屈辱を思い出していた。




 防諜組織の全メンバー狂三も含めてとてつもなく手厚い敗北を喫した日。楯無とティナ、ファサリナ、ゆかりの主要メンバー全員は撤退の岐路のついていた。大鳳が選んだガーディアンが空至王だと理解した時、負けを理解すると共に今夜は退くしかないという結論を彼女たちは下した。

 戦いはギャンブルと似た部分もある。そして今回はポーカーで言えば、ロイヤルストレートフラッシュであることを上手く隠した相手に乗せられてフォーカードやストレートフラッシュにたくさんのチップを賭けてしまった状態だ。


 苦い顔をしたゆかりが言葉を放った。

「空至王がガーディアンとは思いませんでした。もっとリスクの低いガーディアンもいたでしょうに」

 ゆかりの言葉に楯無は危機の時ほど、安心させるひょうひょうとした口調で答えた。

「多分、ガーディアンを選ぶ前に空至王を仲魔として召喚して、彼の人柄などを見て選んだんだね。今夜を切り抜ければやりようはいくらでもあるよ」

 戦争はポーカーとは違う。短期決戦ではロイヤルストレートフラッシュくらいに強い手でも、持久戦ではツーペア程度の力しかない場合もある。空至王をガーディアンにするとはそういうことだ。大鳳は自分のガーディアンが空至王であることを敢えて隠していたが、
今夜はそれを一瞬で明かして見せた。 これはそれだけの大暴れをして見せるという意思表示でもあるのだろう。もう少し待てばもっと多くの収穫がある時期だったのが逆に上手いと言えた。今なら一切警戒されずにこちらを殴りつけられるのだろう。




 その日の夜は彼女たちにとって最も長い激闘だった。空至王の精通するまでは女性の色香が効き辛い代わりに、精通すると女性の色香に弱くなるという、伝承が広まり生前より強化されたリスク付きの力のおかげで、
狂三の色香すら通じづらく苦戦を強いられた。それでもぎりぎり負けではない引き分けに持ち込むことができた。

 戦闘が終わると疲労困憊の彼女たちの前にさわやかな笑みを浮かべた大鳳が来て、心底楽しくてたまらないという表情で彼女達を煽ってきた。

546 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:50:48 ID:8jk3BFRK

「皆さん今夜は慢心して負けたけど、すっごく格好よかったですよ。 ○○○○シリーズって男性優位同人誌で、有能なのに油断して負けて、犯されて最後は敵の男に『貴方だけの雌犬です』とか言ってたスパイ組織の女幹部みたいでしたよ(笑)」

半分はなにか目的があり、もう半分は純粋な調子に乗りすぎたうえでの挑発と思い切れかけた面々を止めたのは二つの声だった。最初の声は高島忠雄。彼は珍しく厳しい声を大鳳にかけた。

「大鳳、スパイの組織では挑発とかも戦略の内なのはわかる。だが正々堂々と戦った相手には、払うべき敬意はあるんだぞ」

 彼は王を務めたこともあってか、生粋の皇族や王族には及ばないがそれでも、見栄えのする誠意の感じられる礼を彼女たちにすると、謝罪の言葉を口にした。

「我が主君が誠に申し訳ない。戦争のルールを守っている敵に対して超えてはいけない非礼の線を明らかに超えていた。俺の国は、男性優位だから知識としてしか知らないが、女権国家ではこの発言はかなりひどい侮辱なんだろう」


 次に彼女たちの怒りを鎮めたのは。溶岩の様な情熱を感じさせる狂三の返答だった。

「いえいえ、今夜の私達は自分でも目に余ると思う程の無様でしたからお気になさらず。意中の殿方である大鳳くんをさぞ幻滅させてしまったと思いますわぁ。次に会う時には今宵の無様さが、再会の時の魅力を引き立てる材料となるような再開をして見せますわぁ。キヒヒ」

 狂三の言葉のうちに秘めた熱に恐怖を覚えた防諜組織の面々は、大鳳の事が心配になった。怒ってはいても、彼を嫌ってはいない彼女たちは大鳳が廃人になるような末路は看過できない。





 その事件が終わって二日後ゆかりはとてつもなく憂鬱な気分で防諜組織に出勤していた。あの時は空至王の誠意を感じさせつつも迫力のある謝罪と、狂三の言葉の迫力で忘れていたが、意中の殿方である大鳳からあんな風に煽られては冷静でいられるものも少ないだろう。
 前世の自分たちは大鳳をしょっちゅう王国でいう所の逆レイプをしていたらしいが、今はまだ成功していない。そして大鳳があと少しで王国に戻ってしまうとなれば職場の空気は荒れていそうだ。


 職場の戸を叩きくぐったゆかりはほっと胸をなでおろすと共に、怪訝な思いを抱いた。職場の各面々は、不機嫌ではない。いや確かに不機嫌ではあるが、自分が予想していたよりもその段階が二段以上も低い気がする。


「あの、局長なぜそこまでご機嫌が回復しているんですか?」

 疑問めいた声を上げる彼女に楯無は、作り笑いではない笑みを浮かべて答えた。

「昨日大鳳くんに煽られてから彼にどう意趣返ししようか考えて、その意趣返しに使えるかもと思って大鳳くんが言ってた同人誌シリーズ通販で買ってみたんだ。そしたらその同人誌の内容思った以上に良かったからさ。男性優位の性行為だけはいただけないけどね」

 楯無の言葉を聞き彼女は休憩時間にそれを読んでみて、楯無や他のメンバーの不機嫌のレベルが一気に下がった理由が分かった。 スパイの闘争などを実際に経験した者しか、
描くことができないような内容の漫画であり、プロの自分たちの眼から見てもクオリティの高い。さらには大成するスパイなどには性格的な特徴もあり、防諜組織のメンバーに似た性格の登場人物たちが登場してきており、
確かに自分たちに似ていると思えた。読み進めて行くと自分たちが犯しそうな失敗などでやられるパターンも多く、男性優位の性行為だけはありえないが、この同人誌の登場人物の様な失敗を自分たちも犯すかもしれないと思えるような内容だ。

 女殺しの魔物達との戦いを経て若干男性優位のエロ同人などに寛大になった女権国家ではネタでこういう作品を読む女子も一定数いる。そして、この同人誌は本当に嫌なことがあった後でも、初めて読めば僅かに機嫌が上向きになるくらい面白かった。
それに加えて下手な教本より学べる内容だったために学習のスイッチが入り彼女たちの不機嫌は相当に和らいだのだろう。

 読み終わり自分自身の負の感情も一時的に和らいだ感じがした時、不意に楯無が肩を叩いてきた。

「この本を読んで学べたし感情も収まったことだし、私たちの想い人に見直してもらうための逆襲の用意をしようか。 今回は私達や狂三様という高給取りな面々の私財もはたいて大鳳くん捕獲作戦だから、経費を気にせず湯水のごとく武器や仲魔も使いたい放題だよ」

「そうですね」




それが一週間前の出来事であり今は大鳳を釣る餌である男性解放戦線を追い詰めているところだ。ゆかりの歌が悪魔達に多大なバフをかけて、雪泉の氷が彼らを襲い、
ティナの狙撃が奮戦している男性解放メンバーでも特に戦果を挙げた物を倒していく。倒された男性の大半はFFF団に報酬として送られて行っている。


 男性解放戦線の兵をなぎ倒しながら雪泉が感嘆したような声を上げた。

「思ったより強いですね。予定よりずっと時間がかかっているし、撃破されて強制送還されたこちらの仲魔も多いです。 死亡者はないでしょうが疲労や負傷による戦線離脱者は予定より相当多いのでは?」

 雪泉の問いに手を止めずに男性を気絶させている楯無が答えた。

「うん。予定より二割くらいは多く倒されているかも。あとで数えてみないとわからないけど」




 楯無たちの会話をよそに司令室ではランスが再び駆け戻ってきていた。

「団長どうにか、幾つか血路を開くふりをして、逃がせるだけは逃がした。スバルお前は多分逃がせねぇ。幹部としてそこまで重要じゃなかったが大鳳と仲が良いからな」

「分かっている。ランス俺達どうなるかな」

「表向きは王国に利する行為を取りすぎたとして女権国家の自我が消されるほどの快楽を与えてくる施設に拘留されるとなっている。だが俺たちはそれほどの仕打ちを受けるほどのことはしていない。狂三の性格上十中八九それはない」

「ゼロではないんだね」

「ああ。大鳳を呼べるかもとなったらやりかねない可能性もある。もしかしたらだが、リアリティを出すために数日はそこに拘留されるかもな」

 ランスはしゃべりながらも体力を回復しつつ、戦局を見ていた。自分の奮闘で息を吹き返した場所やそうでない場所次にどこに援軍に行くべきかそれらを冷静に考えているようだ。わきが甘く何度も失態を犯したがこういう時に見せる底力は凄まじく、修羅場においては本当に頼れる男だ。


 スバルとオルガはランスが一定時間休み終わる前に立ち上がったのを見てもう負けが確定したと確信した。彼が無理をして立ったということはそうしなければ戦線が崩壊するということ、そして今の彼が行ってもその戦局は変えられないだろう。だが次の瞬間、絶望が砕け散ったのを見たかのような声の連絡が入った。

「団長、副団長、幹部の方々。戦局一気に好転しました。女権国家のサマナー部隊大本のサマナーが次々と倒され悪魔達一時送還状態多数。 女兵士たちも次々と気絶させられています。援軍は一人、空至王です! 空至王陛下が来てくれしましたー!」


 それを聞きランス達は即座にモニターを見た。




 そこには小柄な成人男性くらいの背丈の少年姿の翡翠色の光に包まれた日本刀を持った見慣れた少年の姿があった。彼は刀を構えると王を思わせる威風堂々とした歩み方で最初に自分に銃を撃ってきた相手の弾を剣ではじいた。そしてその弾は彼の霊力を注入されて跳ね返り、
何人かの敵の仲魔を倒すか、重傷を負わせた。手に持つ文珠には『確』『定』と文字が刻まれていた。その文珠が光と共に消えた時、敵は銃を撃つのを僅かに躊躇った。

547 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:52:53 ID:8jk3BFRK
銃弾を彼の刀で弾かれれば確実に味方に当たる効果があると見せつけられたためだ。何人もの戦闘力が高い悪魔達の大きな武器を彼は受け流し、時に最小の動きで彼は剣を振るう。

彼の戦いを見ながらランスは思う機械と人間の良いところだけを合わせたような動きをすると。あれこそが彼が妻達に堕とされる前に至っていた武芸の理想的、空位と言われるものなのだろう。 早く力強い斧を持った一つ目の悪魔達の攻撃を軽々と受け片腕で札を投擲し、
一つ目の怪物たちを斃すと。彼は悠々とこちらに歩いてくる。優勢ではあっても圧勝ではない女権国家の女性兵士たちの間に動揺が広まり始めた。

 空至王は良く通る声で叫んだ。

「ランス、スバル、オルガ全力で逃げろ。ここは俺が何とかする」



 叫ぶことで僅かに息を吸うことなどができなくなり、生じた隙。それすらも敵を呼び寄せる意図した誘導であり、切り込んできた剣を構えた、修羅と呼ばれる悪魔が一度に二柱切り捨てられた。修羅は個体差の激しい悪魔だが、
あの二人は決して弱卒ではない。ランスは空至王の戦いを見ながら、やはり他の横島の生まれ変わりが産んだ神々とは異端だな、と思う。妻達を守るために色仕掛けに特化した存在に勝つために今までの善行の見返りに冥府の神に次の転生体として指定してもらった、
精通が遅く、それまでは殆ど性欲のない体、それにより彼は悟りに近い極致に達している。他の横島の転生体は色欲にまみれ欲望にまみれたが故の良い部分なども含めて武の高みにいる感じが多い。正反対の彼は多大な威圧感で敵を圧倒し敵が反応してきたところで、
鏡あるいは影の様に敵の動きに合わせて敵を制する。そういう意味では女性に尽くすことを考えその女性に合わせる故に女尽鏡流(めしんきょうりゅう)と名乗った彼の最初の生まれ変わりと似ているのかもしれない。




 殆どの敵を一撃で制しながら彼は機械の様に早くランス達を助けに来た。 司令室に到着していた特に強い精鋭のFFF団のサマナー達ですら彼の威圧感に飲まれ先に仕掛けると、
ことごとくあっさりと討ち果たされ気絶させられた。 ランス達は直ぐに戸を開けずに少し待つと空至王は文珠で辺りを『索』『敵』してから声をかけてきた。

「もう大丈夫ですよ、皆さん。 敵はいません」

 その声を聞くとようやく彼らは扉を開けた。

「忠雄、相変わらず早いな。空至王が訪れた時は希望が訪れる時なんて、ジパングでは言われていたらしいが本当にそうだったな」

「ランスさん、とりあえず今は早く逃げてください。今回の目的は男性解放戦線の逃亡、を助けること。それが全てですから」

 そういうと忠雄は横島の生まれ変わりたちの中でも高位分霊しか使えない文珠を多数取り出すと、『癒』の文字を込めて、まだ倒れていない男性解放戦線の味方部隊の場所に、文珠で『転』『移』させた。


「傷と疲労両方を癒すイメージを込めておいた。両方とも中途半端になるけど、撤退には十分なはず。全員一斉逃亡させるか、再編成して防衛拠点に配置するか選んでください」

 高島の言葉の裏にはどちらを選んでも全力で支援するという、意思が籠っている。オルガ達は感謝の思いを持ちつつ考えた。 オルガはランスの方を見ると意見を求める様な視線をランスに向けている。
自分の中でも決断が決まりかねているから、前線の空気を吸ってきたランスの意見を聞きたいのだろう。それにランスは答えた。

「再編成して防衛に当たらせる。 今ならお前もいるし、どうにか援軍が来るまで防ぎきれるかもしれねぇからな」

 高島が主に討ち取った敵のサマナーや悪魔達は急進派とFFF団に防諜組織の支援員が混ざったものだ。まだマフィアのサマナーや武闘派達は姿を見せていない。だが高島の一騎当千の戦力が加わり、
さらには敵軍にとっても忠雄のさっきの文珠のばらまきが牽制になっている。あれだけ派手に文珠をばらまくということは、まだたくさんあるのではと思わせることができたかもしれないし、何より文珠の転移でいつ忠雄が来るかわからない状態は、
敵に焦燥感を生み普通の戦争以上に疲れさせることができるだろう。そうなれば警邏隊などの援軍が来れば直ぐに相手は崩れる。

 ランスの出した案に納得し、オルガとスバルが頷きかけた時、その作戦は直ぐに取りやめになった。


 不意に複数の強力な悪魔達が現れ男性解放戦線に味方をし始めためだ。喜ばしい事態であるにも関わらず幹部たちはオルガをはじめ幹部たちは苦い顔になり、忠雄は『やはりこうなってしまったか』という諦めの表情になった。

 僅かに落ち込みつつ、次にすべきことを考え始める彼に後ろからランスの声が響いた。

「団長撤退に切り替える。全員散り散りに引かせる異論はないな?」

「ああ。大鳳の好意を無駄にするわけにはいかないからな」

 男性解放戦線を助け始めた悪魔達は高島忠雄にとって見慣れた、彼のサマナーである大鳳のものだ。おそらくは僅かとはいえ男性解放戦線の面々が非人道的収容所に入れられる可能性を看過できなかったのだろう。 だが彼の根底にあったのは空至王である忠雄がガーディアンでもある、
自分が精通前に女権国家の女性に負けるわけがない、という慢心だ。だがこの約束違反を見てもなお忠雄に彼に対する怒りはなかった。 その様子に疑問を抱いたランスが声をかけてきた。

「意外だな、大鳳が馬鹿なことをしたのに怒ってないみたいだが」

「多分、ガーディアンをやっている俺の影響もあると思うからです。 玉藻と木綿季と藍子を怒らせる前の夜まで俺は、名誉欲が満たされすぎて粋がっていた。
 大鳳も天才ともてはやされて粋がっているところはあったけど、多分俺とどう種族の分霊をガーディアンにしなければあそこまでじゃなかっただろうと思いますから」

 自分の過去の未熟が大鳳に迷惑をかけているという認識しかないのは、最初の前世が彼と仲が良かったためか、それとも自分の醜態を恥じる気持ちが強すぎるためだろうか。
そう思いながらも彼は大鳳の援護に向かうべく気配を消した。駆け抜けた彼の背にオルガ団長の声が響く。おそらく支部中に届くスピーカーで叫んでいるのだろう。

「これから、作戦を撤退に切り替える。とにかくできるだけ散り散りに逃げろ。聞こえない状態の仲間もいるかもしれないが他の支部に身を寄せて必ず取引して助けるから、後のことは考えるな! 今はひたすら逃亡に全てを費やせ。この放送が終わり次第俺達も逃げる」


 これである程度時間を稼げば大鳳も撤退を決断してくれるだろう。そう思って彼は刀を構え駆けだした。


 大鳳は全ての仲魔たちを援軍に回し、彼自身は短期で大勢の敵をなぎ倒していた。今の状況では愚かとは言い切れない行為だが、それでも無謀であることに変わりはない。空至王のガーディアンにより強くなった彼はもともとの万能な才能が余計に拍車がかかっていた。 敵として出向いてきた楯無たちを見ても余裕たっぷりに彼は挨拶をした。

「楯無さん、一週間ぶりですね」

「自分自身で助けに来るなんて、格好いいけどちょっと悲しいかな、お姉さんたちをそんなに信じられなかった? 男性解放戦線の面々だって戦いの条約や約束ごとは破ってないんだから、そんな目にあわせるわけないでしょ」

「十中八九僕を誘い出すためのデマだとは思ってましたよ。 一割程度でも彼らを見捨てるには忍びなかったし、今の僕が負けるわけありませんからね」

 大鳳がそういって構えると、楯無や他の面々も戦う体制になった。それを見て彼は怪訝な表情をする。

548 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:54:04 ID:8jk3BFRK

「貴方達の勝てる可能性は良くて3割くらいだと思いますけど、なぜそんなに恐れていないんですか?」

「前世の記憶もちょっとだけ私達は持っているんだけど、こういう時によぎる魔法の言葉があってね『ミクよりはマシ』そういう声が頭の中で響くと、勝率が三割『も』あるって思えるんだ」

 それを聞き終えた瞬間大鳳が駆けだし、拳を放ちそれを楯無が受ける。ゆかりの歌が全全員の能力を向上させてどうにか大鳳と対等に打ち合える状態が出来上がった。

 大鳳はゆかりの反撃を辛うじてかわすと下がり確信した。これは明らかに持久戦の構えだ。時間がたつと発動する何かがある。永遠亭が今回は味方しているらしいし、
輝夜の到着を待っているのではないだろうか。それに今回彼らの協力を任されたマフィアは空至王を落とした玉藻の前と関係不快マフィアのオカルト部門の大御所である塩見周子だ。
おそらくは玉藻を呼び寄せて忠雄とそのガーディアンを持つ自分をどうにかしようとしているのではないだろうか。


「玉藻の前が使った呪符なども山ほどあるらしいので、なるべく早く決めさせてもらいます」

「狂三さん曰く大鳳くんを見つけたら30分時間を稼いでほしいらしいから全力で頑張るよ」

 それを聞くと大鳳の頭の中に、二つの選択肢が浮かんだ。全力で倒しにかかるか、それともチャンスを見つけて撤退するか。後者の方が良いと彼は決断を下すと引こうとした瞬間、突然に自分の分身が固くなるのを感じた。
今までなんとも思わなかった、楯無や他の女性達のつけている香水の香りが彼に脱力感を与え、そして匂いが欲望を駆り立ててくる。これが性欲だ。そう理解した瞬間、楯無の手が彼の股間を撫でた。

「はぁ!」

 分身から激しい電撃が走り射精しかけた彼の分身を楯無が射精を許さないように掴んだ。射精が許されない感覚と、彼女に握られている快感のせいで彼は何も考えられずうめき声を上げ続けた。

 楯無は一瞬で脱衣すると笑った。

「なぜかは知らないけど、精通の時が早まったみたいだね。それじゃあいただきます」

「ど、どうして?」

 楯無の口調には一切嘘が感じられない。多分大鳳が突然精通を迎えたことに関しては無関係なのだろう。他の面子が大鳳に群がらず周囲を警戒しているのは、あまりにも都合の良いことが起こりすぎて、
一応原因がはっきりするまでは待とう、という考えからなのだろう。楯無だけが彼を女権国家の女性として犯そうとしているのも、不確定要素が消えていない状態だからこそ、いまだ脅威である彼を早く無力化するためという側面もある。

 しかし、その疑問は直ぐに氷解することになった。

「キヒヒ、心配はいりませんわよ。 敵を欺くには味方から、30分待ってほしいというのは嘘で私が能力を発動させましたの」

 狂三に気を取られた瞬間、楯無が彼の分身を一気に飲み込んだ。生涯初の射精は噴水の様であり、分身が雷の落ちた避雷針になったような錯覚を覚え彼は完全に堕ちた。
「あー!」

 しゃべることすらできない彼を見下ろしながら狂三が言う。

「わたくしも実は時間を操ることができますの。そしてあなたの精通の時を早めた。どうです生まれて初めての射精が女権国家の防諜組織の長の性技を味わいながらなのは」

 楯無の内部が彼の分身を強く締め付けながらそれでも余裕をもって彼女が腰を動かすたびに彼は何度も射精した。

「狂三様。なんか彼凄く心折れるのが早いんですけど」

「男性優位の性交が当たり前の王国民の上に、王国より男性優位な時代のジパングの空至王をガーディアンにしていればそうなりますわ。これで足コキとかされたら、彼の心は凄いことになりますわねぇ」

「じゃ、やりましょうか。完全に折っておかないと」

 楯無の発言に狂三は本心からではないが反対するような言葉を言った。

「さすがにそれはかわいそうな気が」

 不意に楯無が狂三に言葉を返す。

「ダメですって狂三様。前彼が紹介してくれた勉強になる同人誌のスパイ組織の幹部たちは、ここで容赦した結果逆襲されて、男性優位に犯された挙句に『貴方様に使える雌犬ですとか言わされる羽目になっていたんですから』

 わざとらしい楯無の言葉に前回の自分の発言を相当根に持っていると大鳳が悟ったが既に遅く楯無が立ち上がると、快楽のせいで動けない大鳳をファサリナと雪泉とユカリとティマまで参加して足で彼の分身を嫐りだした。
 痛いにもかかわらず快楽の方が遥かに強いそれに彼はひたすら喘ぎ、小さな水たまりを思わせるほどの量を射精した。

「大鳳くんどう心折れた?」

 見下ろす楯無に対する大鳳の返事は。涙を流しながらの言葉にならない「あ! ああ…」
というつぶやきだった。

「とってもいいお返事だね♪」

 そういって楯無が彼を抱きしめると、ファサリナが彼に口づけした。

「前回の非礼へのお仕置きはこれで終わりです。ここからはこちらに来てもらうための、甘い蜜の時間です」

 ファサリナがそういって彼を対面坐位で彼の分身を迎え入れ乳房で顔を挟むと嗤いながら電撃が走るような、性行為を始める。抱きしめ方と乳房は優しいにも関わらず分身を飲み込んだ秘書は容赦なく分身をなめしゃぶり雷が落ちたような快感を与えてくる。
 ゆかりが閨で屈服する男性の無様さと哀れさをあざ笑う女権国家の歌が流れると彼の自尊心が傷つきながらも、ファサリナの体に溺れる率が高くなっていく。ファサリナは彼が達して感電死した様に倒れると優しく抱きしめながら言った。

「私たちの所に来れば毎日がこれを味わう日々ですよ。あと、これは意趣返しが済んだからこそ言える言葉ですけど、あの同人誌本当に面白かったですよ」


 最後の言葉は本心だと感じられた。怒ってはいても面白かった本を紹介されたことに関しては礼を言うあたり彼女は、かなり律義なのかもしれない。快楽で白目をむきかけている。大鳳を恍惚とした表情で見つめるファサリナをのけて、ティナが彼にまたがると笑いながら彼女は言う。

「お兄さん、あの時は本当に私達を挑発するためだったけど、完全にこれが癖になっちゃたんじゃない?」

「そ、そんなことは」

「そう。それならあの同人誌みたいに逆襲されない様に癖にしなくちゃね」

 幼女に騎乗位で犯されているそれだけで屈辱感と背徳感が募り彼は凄まじい量の射精を起こしてしまった。周りの女性達は内心を察した様な笑みを浮かべて黙ってみている。下手な言葉攻めより、無言の視線のほうが恥辱責めとして有効なのを理解している様子だ。

 三度目の射精で完全に虜になった彼にティナが問いかける。

「どう癖になった」

「そんなことは」

「じゃあ、癖になるまで続けなくちゃ。お兄さんは有能だから完全に虜にしないとあの、エロ同人みたいに逆襲されちゃうからね」

「癖になりましたもう許してください」

「残念♪ 次捕まったらまたこれだからね」

 最後に歌う様な喘ぎ声を聞かせてくるゆかりに何度も絶頂させられた際にこの喘ぎ声は歌の様に魔力が籠っていると思ったが、もうどうしようもなかった。
射精の度にその喘ぎ声が脳をかき乱しゆかりの体が生む快感が彼の脳裏に激しく焼き付いた。ゆかりは何度か射精させると狂三に彼を渡した。

549 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:56:39 ID:8jk3BFRK

「キヒヒ、それでは最後は私がいただきますわぁ」

「あ、ああ」

 恐怖もあるが期待が既に勝る彼の声を楽しみながら狂三が彼の分身を飲み込んだ瞬間彼は完全に意識がどこかに飛び去った。

 狂三は笑いながら胸元に彼を抱き寄せ乳房を彼の頭で潰し何度も何度も絶頂させた。そして彼女は笑いながら言う。

「私は貴方の精液で強くなっていってますわよ。貴方を助けに来ている空至王殿下の負担がどんどん上がっていきますから、貴方が望むなら解放してあげますわぁ」

 狂三の提案に周りの防諜組織のメンバーは大鳳の前回の発言を少しは根に持っていたんだなと、思った。あそこまで彼女の膣で射精寸前にされて拒めるはずもない。

大鳳は拒もうと思っても拒めずに離れないことを選んだ。それに狂三は笑いながら言った。

「しょうがありませんわぁ。イカせて上げますけど、イク時に忠雄ごめんと言いなさい」

「忠雄、ごめん」

 謝罪の言葉と合わせる様に彼女が射精を促し噴水を思わせるほどの射精と同時に、彼は倒れ脳の中に忠雄を裏切ったという感覚と敗北感が彼を締めた。意識を失った彼を抱き留める狂三は即座に魔術で服を着こむと銃を構えた。

「空至王陛下、一週間ぶりですわね。これから友達の敵討ちに移られますか。お望みなら本来荒事は専門外ですけど、及ばずながらお相手しますわぁ」

「いや、前回の大鳳の行き過ぎた侮辱の言葉を思えば、これは仕方ないと思う面もある。それに貴殿らは今回も戦の礼に反することはしていない。 これで報復は済んだだろう。大鳳を解放してくれ。そうしたら俺はこのまま王国に彼を連れて行こう」

 狂三は珍しいものを見る様に彼を見ながら言葉を返した。

「全員ではありませんけど、貴方以外の生まれ変わりたちとは何度も共闘いたしました。その経験から言うと、あなたは他の横島さんの生まれ変わりと比べて異端ですわね。右脳より左脳を使う術の方が得意で、理性で感情を殺して最善手を打つ能力が高い。どちらが劣っているというわけでもありませんけど」

「そうだろうな。今の王国はオカルトの技術もかなり高い。この状態に堕ちた大鳳も治すことはさほど難しくない。それにお前たちの勝ち目は薄いぞ。
時崎殿が時間を操れるということは、俺にも大鳳と同じことができるのだろうが、伝承の女性に犯さない限り、伝承ほどのダメージは俺にはない。玉藻と木綿季と藍子がいないことは調べ尽くしておいた」

 大鳳が犯されている時に助けに来なかったのはその為だったようだ。声に深い無念がにじんでいる辺り、大鳳を救えなかったことに対する罪悪感が深いことがうかがえた。

 狂三は少し面白そうに笑うと言った。

「貴方の相手は他の方々が務める予定ですから心配は無用です。それでは参ります」

 狂三の術を防いだ直後に忠雄は自分が精通状態になったことに気づいた。多分どこかに輝夜か韋駄天ウサギ、シャーロット・E・イェーガが潜んでいたのか、それとも目の前の狂三が気づかれないように時間を操ったのか。
どれが正解かはわからない。だがあの三人がいない限りは大丈夫だ。塩見周子がかんでいると聞いた時は玉藻がいるのではと肝を冷やしたが、狐の気配が全く感じられない。これは大丈夫だと彼は確信した。

「やはり女性の色香が効くようになってしまったか、だが伝承で俺の最初の妻達がいない以上どうにかなる」

 生前と悪魔として召喚された際の最大の弱点は生前の破滅や敗戦を再現されることだ。彼にとって一番恐ろしいのは玉藻、木綿季、藍子この三人の誰かがいること。今はそれがいない。

 狂三の体から出てくる香りそれだけで剣がぶれそうになるがそれを殺すと彼は一瞬で彼女たちに切り込んだ。狂三が銃を使いそれを防ぎながら感嘆の声を上げる。

「割と本気で殿方の力を下げる術を使ったのですけど、この程度で済むなんてやはり空至王は凄いですわぁ。かつて女権国家を敗戦させた、五将の男性たちより貴方は上かもしれませんわねぇ」

「一概にそうとは言えない。俺は伝承で、特定の女性達に弱いことになっている。それと引き換えにそれ以外の女性の色香は聞き辛いんだ。これ以上の弱体化は起こし辛いだろう。それに俺がこれ以上の弱体化をする様失態を犯すと思うか」


「もしかしたら、精通したらあり得るかもと思ってましたけど、さすがにそれは虫が良すぎでしたわぁ。 貴方を倒すのは私じゃなくて、因縁のある女性に限るでしょう」

 狂三はそういうと指を鳴らした。その瞬間、マフィアのサマナー部門の統括者である、塩見周子が姿を見せた。瞬間移動魔法トラポートを使ったのだろうか、それとも世界がつながる前からあった術だろうか。一瞬の逡巡の後、彼は剣を構えた。

 和服に身を包んだ銀髪の髪をしたどこか狐を主セル彼女の姿を見ると、忠雄は玉藻に対するトラウマを思い出しながらも、刀を構えた。臨戦態勢を取りつつ礼を失しない様に彼女に声をかける。

「引いてくれないか。貴女はマフィアの中でも任侠の徒としての側面の方が強い良識派だし、俺の妻である玉藻を敬ってくれている。後に妻になったらしい、女性達韋駄天ウサギや永遠亭の優曇華たちの、
意にも沿うように無償での炊き出しや医薬品の支給などもしてくれているし、自分の妻が加護与えている相手に暴力は振るいたくない」


 その言葉に彼女はひょうひょうとした陽気な声で答えた。

「あら♪あら♪ やっぱり空至王様は他の玉藻様の旦那様の転生体とは性格が大分違いますね。 女権国家の基準だと貴方様はまだ一応は玉藻様の夫とは言えませんよ♪ 初夜がまだですから。 今回の私はサマナーというより運び屋ですからご心配なく。
貴方様と決着を着けたいという方々を連れてきただけですから。 その方々に貴方様が勝ったら、大鳳くんも貴方様も解放して無事に王国に帰還させます。 それで良いですね。防諜組織の皆様」

 あらかじめ決めていた盟約だったのだろう。周子の最後の言葉はもしも忠雄が勝ったなら絶対に約束を果たせ、という意味の威圧が込められていた。やはり周子は玉藻の夫である彼に対してはある程度敬意や感謝の念はあるようだ。
それ以外にも彼女が任侠の徒として、義のある行動をした時に玉藻を崇めているという理由で何度か助けた恩義もあるのかもしれない。

 忠雄は少し悩んだ後、周子に念話で話しかけた。

『周子殿、俺が負けたとしても機会があったらで良いから大鳳は助けてやってくれないか。以前何度か貴女を助けた時に、機会があれば恩を返すと言ってくれた。その全ての恩と引き換えに頼む』

『恩返しとかそっち方面では私を全く疑ってないんですね。玉藻様の信徒として、玉藻様の養子であり婚約者である方に信じてもらえるのは嬉しいです♪ お引き受けしましょう。大鳳くんを手に入れる機会は常に狙うし、
マフィア勢力が手にしたら手柄と引き換えにしてでも王国に一時帰還させます。ちょっと味見しちゃうかもしれませんけど♪』

 やたらとテンションの高い彼女の声を聞き忠雄は約束は守ってくれるだろうという安心と、彼女程有能なものが勝利を確信しきるくらいの難題が待っているのだという憂鬱さが募った。

 彼女が女権国家で浸透し一般人でも使う悪魔召喚プログラムではなく、魔術による神降ろしめいた呪文を唱えると二人の悪魔が現れた。それを見て高島忠雄は顔色が輝く。

550 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:57:54 ID:8jk3BFRK

「感謝するぞ。俺が一番戦ってみたかった相手とこんな形で戦えるとはな」

 高島忠雄の目の前にいる存在は未来の彼が神として祭り上げられた別側面、猿王高島忠夫、彼が精通後に妻達に快楽漬けにされて転落したのちに這い上がった青年期の姿だ。

 忠夫が少しだけ彼の物より太い刀を構えると彼もまた愛刀を構える。忠夫は刀を構えながら独り言のようにつぶやいた。

「ガキの頃の俺ってこんなだったんか。まあ、あの当時はイキっていたしな。記録とは言え慢心しすぎを自覚してなおこれか。当時の俺って今のこいつよりひどかったんだろうな」

「やはりそういう感想を持つか。色香に負けた後の自分よりは今の俺の方が強いと証明したい。お前を悪いとは思っていないが全力で行かせてもらうぞ」

「多分、精通して多少弱くなったお前にさえ俺は勝てんかもな。愛歌ちゃん頼むわ」

 そういうと彼の側に現れた金色のショートヘアの青いドレスの気品のある少女が優雅にほほ笑んだ。

「忠夫、それじゃあ私からの祝福を」

 愛歌が狂三と少し似たような色香のある仕草で忠夫に触れて呪文を唱えると彼の色欲が一気に膨れ上がった。女殺しの魔物達が、世界中を蹂躙し王国と女権国家が同盟する異常事態になった時に、
女権国家で生み出されたあるいは復活した技術、色香で男性を魅了しデバフではなくバフをかける類の術だ。 女権国家では男性を堕落させる術の方が主だが、
愛歌の王朝は男性を盛り立てるべきという思想だったから、こういう魔術も豊富にあったようだ。愛歌は同盟状態にあった時女権国家の女性達の良識派にこの魔術を伝授していたらしい。

 猿王がバフを受けて弾丸の様に駆けぬけてくると忠雄はそれを剣で受けて下がった。

「猿は自慰を覚えさせるとそのまま死ぬまでやってしまうというから、性欲に溺れた王という蔑称でお前の妻達が着けたらしいが、それは侮蔑だけの意味ではなかった。
戦いと忠実さそして愛する者のためになら何でもできるとされるハヌマンに近づけという願いも籠っていたらしいな。 確かにお前は負の面だけでなく正の面でも猿王だ」


 言いながら忠雄は猿王の猛撃を剣で次々と捌いていく。札などで途中から反撃されても止まらず切り込み続ける彼の拳を受け止めて下がり、投げ飛ばすと断頭台の刃を思わせる一撃を放った。それを受け止められて、彼は感嘆の声を上げる。

「これを防がれるか。無理もない。何しろお前は未来の俺だ。過去の自分の戦い方など知り尽くしているか」

「まあ、空位というか悟りから引きずり降ろされた今は、お前みたいに悟りの極致の術とか、戦い方はできん。だが、どう戦ったかは覚えているしな」

 筋力で圧倒的に勝る猿王の両腕での肉薄を、忠雄は圧倒的な霊力のコントロールが生む力で防いだ。 猿王の剣撃を受けながら彼は少しだが、
未来の自分に対する悪感情が和らいでいくのを自覚した。 悟り等を得た物だけが得られる極致それを失った状態でそれを持つ自分とここまで打ち合えるのだ。
彼は彼なりに妻達を愛し真剣に自らを高めていたのだろう。 達人の中でも上位のものですら、防ぎきるのは難しい攻撃を僅かだが余裕のある状態でかわし、時々拳を打ち込みながら彼は戦局を分析する。
一騎打ちと約束をしたわけでもないから、愛歌が彼に回復魔法などをかけることは卑怯と言うに値しない。彼女を切れば戦局はあっさりこちらに傾くのにそれができないのは、妻に手を出された時の底力が侮れないと思う気持ちが半分。
もう半分は初対面である愛歌に対して輪廻の中で何回も夫婦として過ごした情のせいだろう。

『俺も目の前の猿王をあまり馬鹿にできないな』


 そう思った直後に猿王が火事場の馬鹿力めいた力を使い、彼に向けて一気に切り込んできた。とっさにそれを受け止めて鍔迫り合いに移り、彼は驚きながら現状の把握に移りだした。

『なぜこの状態で、他に最善手はいくらでもあっただろうに。時間稼ぎか? 俺の防御の霊術を抜ける魔法なんてそうないと思うが』

 そこまで考えた直後に塩見周子が幾つもの魔法アイテムを取り出してきた。それを見て忠雄の表情が一瞬動揺し直ぐに安直に変わる。

『玉藻が俺を完全に堕とす際に使っていたらしい、性的な礼術の護符。俺には効果は抜群だろうが、玉藻以外が使った所で大した意味はない』

 そう思った直後に愛歌が笑いながら声をかけてきた。

「空至王陛下、自分を倒された伝承を再現されると悪魔は弱い、玉藻本人じゃなくても、玉藻と瓜二つレベルの女性が貴方にこれを使ったら効果は上がると思いません?」

「そんな女性が都合よくいるわけが」

「それがいたんですよ。貴方が空至王から堕ちて数年後だけど、玉藻の前は二人、もしくは三人いたなんて噂がジパングで流れていたって知ってました」

「その話は召喚されてから読んだ。彼女なら分身を作れたり神様や妖怪だから節操なく増えることもあるだろうと思っていた」

 答えながら空至王は辺り一面に妖狐捜索の術を発動させていた。いないことを確認しつつ、僅かでも狐の気配がしたら退くことを決意し逃亡しようとした次の瞬間、彼に対して塩見周子が持ってきていた無数の護符が発動した。

その護符の光を受けて彼は驚愕した。玉藻が使ったほどではないが十分に自分の性欲を高め空位から引きずりおろしてくる。最後の力を振り絞り目の前の猿王を辛うじて切り捨てると、事態が一気に悪化した。目の前の猿王を吸収してしまい。彼が受けた閨での快楽が一気に流れ込んできてしまった。

『しまった。猿王の奴は自分が殺された際にも妻達がやられないように、自分が倒されたら俺に吸収される術を仕込んでいたか』

 妻達の生存第一になった猿王の考えを彼は想像できない。その為に彼はこの術に対して無警戒で受けてしまう状態になった。倒した以上は彼の方が主導であるが、猿王の記憶を持ってしまった今、目の前の女性にひどいことをするということ自体が不可能になったことを自覚する。

 動きが鈍った彼に愛歌は笑みを浮かべて近づいてきた。

「空至王の状態の貴方も決して嫌いじゃないけど、やっぱり性欲に溺れつつ女性の為に戦う貴方が一番だわ」

「愛歌殿」

 途端に彼女に唇を奪われ、一気に体が脱力の極みに落ちた。さっき猿王が受けたのと逆の術を彼女が使ったのだと分かった。

「もう! 彼と一つになった以上、私と夫婦として過ごした記憶もあるんでしょう。殿は余計よ」

 動けない彼の服を愛歌が魔法で脱がせると、彼の硬くなった分身を足で嫐り始める。

「他人行儀に呼んだお仕置き。私が与える快楽をたっぷりと思い出しなさい」

 男の弱点を知り尽くした彼女の足が彼の分身を嫐り、そのまま彼の下半身が一気に冷たくすべすべの感触に支配され、そのまま大砲の様に白い液体が一気にぶちまけられた。
愛歌の全身を白く汚したそれを愛歌は敢えてゆっくりと、吸収する。自分が足でどれだけ多くの射精をしたか彼に見せつけるためだ。

「どうだった?」

「気持ちよかったけど滅茶苦茶恥ずかしかったです。愛歌ど、いえ愛歌、他人行儀に呼んだりはしませんから、もうしないでください」

「まだ、分かってないみたいね。 これをすることじゃなくて、『してあげないことが』お仕置きになるんだからまだ教育が足りないわね」

 そういって愛歌が彼の上になり腰を振り始めると。彼は一気に自分の意地や矜持が溶けていき。目の前の女性の犬になることが幸福だと思えてくる。愛おしそうに口づけしてくる彼女に舌を絡められた時体の全てが奪われていく様な感覚を覚えた。
女性優位だと認識した体位で分身をきつく締めあげられながらなめしゃぶられると彼は何度も射精させられる。愛歌が不意に腰を振るのをやめて、一度に一気に大量に射精させられた時彼は完全に自分が堕ちたと思った。

551 :名無しさん@狐板:2023/01/08(日) 22:58:36 ID:8jk3BFRK

「愛歌、その、なんだ、俺を堕とす魔術使ったの誰だったんだ? タマモは絶対に傍にいなかったと思うけど」

「ああ。彼女はこちらよ」

 そういって呼び出された直後に忠雄の思考は一気に固まった。別人だと認識はできるがあまりにも玉藻に似すぎた美女がいたためだ。彼女は白い敏腕秘書の着る様な衣服を着ている。

「私は、闇のコヤンスカヤともうします。九尾のごとくになろうとして、玉藻様に近い姿になった妖獣です。ちなみに妖狐捜索に引っ掛からなかった理由は、私の正体が優曇華様たちと同じウサギだからです」

「もしかしたら永遠亭の?」

「正解です♪ でもここまで玉藻様と似た姿と霊気なら礼術の効果が倍増するのも納得でしょう」

 愛歌が与えてくる快楽だけで壊れる直前の彼に白い服を着ていたコヤンスカヤが服を脱ぎ抱き着いてきた。乳房を押し付けられた感触により限界を超えていた快楽が一気に強まり。愛歌に対して余計に大量の精を放ってしまう。二人は搾り取る愛歌を見ながら言う。

「愛歌様、かつて盛り立てた有能な男性たちが堕とされたことも亡国の一員だったのに、男性を盛り立てる思想を捨てず、男性の英雄の誕生を信じ続ける。本当に私の好きなものばかりで構成されていますわ。それに選んだ英雄もまた素敵です」

 完全に屈服した様に倒れる忠雄に彼女は笑いながら言う。

「快楽で自分は最低のクズだと思い込まされて落ちても愛する者の為に這い上がる調教しがいがありすぎますわ」

彼女が彼に多い被さり分身を飲み込みながら彼女は嗤う。

「玉藻さんとそっくりだけど、玉藻さんじゃない私の手で空至王忠雄から、猿王忠夫に堕とされちゃいますよ。いいんですかぁ?」

 彼の霊体に刻まれた玉藻と木綿季と藍子を怒らせた夜の快楽地獄の攻めを思わせる性技とそして体。彼女は笑いながら彼を押し倒し、多い被さり乳房で彼の顔を潰して笑う。

「玉藻さんとほとんど同じ乳房で、包まれると彼女を裏切っている感じが凄いでしょう。彼女たち以外でも堕ちるほど自分は浅ましいと思い知りなさい」

「あ、ああー!」

 言葉と共に彼は射精した直後に、自分は空至王から猿王忠夫に堕ちたと確信した。
射精したばかりで敏感になったそれを何度も自分の内部で嫐りながら彼女は言う。

「私最悪の霊的害獣ですよ。玉藻さまと違って人間視点から見たら、外道なんですよ。そんな私に堕とされるのはいかがですか?」

 コヤンスカヤが魔術を使うと彼女がしてきた外道の所業が脳内に映し出されその度に背徳感が彼の分身の硬さを強めていく。膣で締め上げられすぎて、快楽のあまりおかしくなった彼の手を取り彼女は自分の尻を揉ませながら言う。

「ほら女性を満足させるためにもっと奉仕しなさい。限界が近いようで。こんなだから直ぐに空至王から転落するんですよ。自慰のし過ぎで死ぬ、さ・る・お・う・さ・ま♪」

 最後の射精で完全に倒れた彼を、愛歌が優しく抱き上げた。

「コヤンスカヤ契約だから、今回は許したけど。忠夫の転生体たちに必要なとき以外はこういうことしないでね」

「分かっておりますわ。愛歌様。そんなことしなくても彼を堕とすことも、再び立ち上がらせることも容易ですから。 でも今回は愛歌様が立ち直らせてください」

 それを言われると愛歌は、横島に愛しそうに眼を閉じて口づけして彼の分身を飲み込んだ。今度はバフをかける類の性魔術の様だ。

「忠夫、大丈夫。貴方は英雄を望む私の忠実なる夫。その性欲は善行をなした力にもつながっているから、貴方はどの転生先でも常に女性の与えてくる快楽と愛の為に戦って大勢を救った事実があるから心配しないで」

 ふわふわと雲の上にいる様な感触を味わいながら愛歌の蜜の様な甘い言葉が耳に響き余計に射精の量を増やしていく。

「気持ち良いでしょう。私を上回る快楽を与えるものがいない限りは貴方が堕ちることはないから」

 女神官の様な厳粛な言葉が彼の心を支配し目の前の女性に尽くさねばという念が強くなっていく。

 呪文を唱え終えた愛歌の口づけが何かの祝福を齎し彼はそのまま心地よい眠りについた。




 目を覚ました大鳳は塩見周子に絞られていた。玉藻が使ったという性魔術を使いながら彼女は大鳳を甘く溶かす。

「ほらほら大鳳くん、あんなこと言ったら怒るのは当然なんだから反省しなきゃダメだぞ。東洋の猿王を立ち直らせた術を使ってあげるから頑張れ♪」

 周子の膣が温かく彼の分身を包み優しく射精したいときにさせる感覚が彼を支配する。彼女の手、指、乳房、尻、唇、舌、全てが彼に甘い快楽を与え彼の強すぎる快楽で受けた精神の傷を癒していく。
だがその傷が癒えると狂三と防諜組織にされた厳しい快楽を再び受けたくなってきてしまう。彼女が大鳳に騎乗しながら彼の腹に指を乗せると呪文を唱えた。射精を押しとどめられたまま、しばらく嫐られ。
限界を迎えかけたところで、彼女がそれを解放すると。甘い感覚を伴う射精が10秒近くも続いた。

 その射精で完全に癒されたのを確認すると周子が言った。


「男性解放戦線の面子は全員無事だから心配しなくても良いからね。それと王国への君の帰還も邪魔しないから。どうせまた女権国家に来たくなるのは今夜で確定しただろうからね♪」

「周子さん、やはり僕が帰るのを止めるために防諜組織達と手を結んだんですか?」

「それもあるけど、君のあの煽り。私達は防諜組織にお世話になっている面もあるし、ああいう暴言吐かれたから落とし前取りたいって言ったら協力するしかないでしょう」

 本当ではあるが大分私情も混じった動きであることは黙っていた。それを聞くと大鳳は申し訳そうな顔になった。

「本当にすいませんでした。僕の暴言のせいでマフィアの方々にまで迷惑を」

「いいのよ。家の組を馬鹿にしたわけじゃないし、今回の件はただのビジネスだから。貴方を助けたのは玉藻の前様の旦那様の頼みでもあったしね。王国にいったん戻っても猿王みたいにまた高みに上って帰ってきてね。お姉さん待っているわ」

「はい」





 
女神転生と言われる世界の横島は不意に目を覚ますと、自分の霊格が上がっていることと、空至王と呼ばれる自分と猿王と呼ばれる自分が使っていた術と技が多少使えるようになっていることに気が付いた。
それでいて体力が大幅に落ちている。彼の目の前には夢の中で交わった愛歌とコヤンスカヤの姿がある。

「愛歌ちゃんと、コヤンスカヤだったか。あの夢はどこまで本当だったんだ」

「夢の内容を覚えていたのね」

 あの夢の中で空至王から猿王に堕ちた自分と交わっていたのは、この二人の分霊だったのかそれとも、この二人が交わった後にここに来たのかはわからない。多分だが自分は眠りながらもこの二人と夢と同じことをされていたのだろう。

 少し考えた後、彼は口を開いた。

「二人ともすまない。俺の夢に出てきた大鳳という子供だけどあの後大丈夫かな」

「ええ。大丈夫でしょう。女殺しの魔物達と長く共闘したおかげか、王国と女権国家は昔ほど険悪じゃないし、マフィアたちも昔よりはかなり任侠の徒な側面が強くなっているから。 大鳳くんはあの後女権国家に戻るでしょうけど、今の状態の彼女たちのものになる方が、まどか王女の婿よりは大分幸せでしょうしね」


 愛歌の最後の言葉を聞きながら、横島はなぜかはわからないが安心を覚えたこれも多分前世の記憶のせいかもしれない。目の前の愛歌という少女が夢の中で付き合った少年大鳳がそれほどひどい運命にならないと保証してくれたのが無性に嬉しいと彼は思った。

552 :名無しさん@狐板:2023/01/10(火) 14:33:43 ID:kiRfnGeG
乙でしたー
本スレもときどき見に行かなきゃ

553 :529:2023/01/10(火) 18:37:57 ID:vTv07wF4
>>552
乙感謝です。
読んでくれてありがとうございます。基本的に向こうのスレに集まっている人たちが、
向こうに書き込むのはちょっとだめかも、とか思った場合に使われることが多いし、
自分の場合はSSなのでこちらに書いている感じなので、投下通知とかは本スレでしています。

554 :名無しさん@狐板:2023/01/24(火) 14:22:55 ID:pO2wze14

【小ネタ】畜生度を薄めるネタ・ヴィーラ編


『登場人物』
ヴィーラ:若き女領主
色々あって領主になった女性。立場もある為結婚したいが少し男性が苦手なため
中性的なデオンを見合い相手に選んだ。拗らせていたが早めに解決したので原作より落ち着いている。
拗らせ期間中にレズっていたためそっちの経験は豊富。男性相手はしたことはないが、
タチもネコも経験してるため攻められても快感に翻弄はされないし、胸やアナルなどの責めは上手い。

デオン(FGO):中性的な騎士(男性)
中性的な男性騎士で、真面目で評判も良いためヴィーラに見合い相手として選ばれた。
本人は気づいてないが受け気質。女性との行為は何度か経験済みだが普通な物で、
普通に女性を喜ばせる程度の技術もあるが責められると弱かったりする。
ヴィーラとの行為で逆レされる快感やレズプレイに目覚めてしまう。


『ストーリーらしきもの』
1:屋敷で談笑する男女。ヴィーラとデオンは若干のぎこちなさを残しつつも穏やかに会話する。
  二人が会っているのは見合いのためであり、ぎこちなさもそのせいだが段々打ち解けてくる。

2:幾らか談笑した後、そろそろ帰る時間かという所でデオンがふと、何故自分を見合い相手に選んだのか
  ヴィーラに問いかけると、ヴィーラは少し悩んでから話すからと夕食の席に誘う。

3:夕食の席でヴィーラが語ったのは、過去に慕う女性がいたのだがある日その人が出奔、
  追いかけたかったが役割のためそれも出来ず拗らせていた事。そしてその人がいないのを埋めるように
  女性同士の交わりに手を出していた事。その後その女性とのわだかまりは解けたが、
  地位を狙った男性等もいたことで男性が少し苦手なこと(信頼できる人もいるので重症ではない)だった。

4:自分を見合い相手に選んだのは顔かと問うデオンに、それもあるが性格や評判、その他も理由であること、
  見合いが成立せずとも少しでも男性に慣れるためでもあることを告げるヴィーラ。それに一応納得するデオンに、
  可能ならと性的な触れ合いでも男性に慣れさせてほしいと頼むヴィーラ。それに悩みながらもデオンは了承する。

5:ヴィーラの寝室で互いに愛撫し合う二人。男性相手は初めてだから女性相手のやり方しか出来ないというヴィーラ。
  実際ペニスへの愛撫は拙いが、乳首を責めるのは上手く味わったことのない快感に戸惑いながらも
  デオンも丁寧にヴィーラを愛撫し互いに高め合う。

6:なんとかシックスナインに持ち込んで先にヴィーラをイカせたデオン、昂ったヴィーラが最後までして欲しいと頼み、
  本番に移行する。不慣れだろうからと優しくしようとするデオンだが、女同士でもペニバンなどで慣れているヴィーラは
  余裕を持って受け止め、逆にそのまま乳首を責めたりして優位に立ち始める。

7:快感に喘ぐデオンに興奮していくヴィーラはレズで得た技術を使ってデオンの性感帯を開発していく。
  デオンは今まで味わったことのない快感に溺れていきヴィーラに魅了されていく。

8:その数週間後、ヴィーラと婚約したデオンがヴィーラの元を訪れる。以前とは違い親しげに会話する二人。
  今日は泊まれるというデオンにヴィーラは妖艶に微笑み、「どちらで気持ちよくなりたいか」と問いかける。
  それにデオンは蕩けて堕ちた表情で、女の子として気持ちよくして欲しいと答える。

9:ベッドで女装してヴィーラに弄ばれるデオン。ペニスではなく胸やペニバンでアナルを掘られながら
  幸せそうに溺れていく。レズプレイを教え込まれたデオンは、ヴィーラに男性としては逆レされ
  女装した時は女性のようにヴィーラに可愛がられる日々を送っている。

10:その後結婚したヴィーラは子供を産む。その傍には男としても女としても愛されるデオンの姿あるのだった。

555 :名無しさん@狐板:2023/01/24(火) 14:29:14 ID:D2sa5Y2v
デオンくんちゃんはmシチュに合うね

556 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:01:02 ID:KWGsNfn2
 2023年女権国家バレンタインSS 魂の骨を溶かす甘みの沼
これは現在本スレのスレ主さんが連載している女権国家の二次創作SSです。以下の注意書きがあります
@このSSは前に投降した>>311から>>319に投降したSSの続編です
Aここに出てくるさとりは原作と大分違う立場です。>>311から>>319の続編だけどジェラートとさとりの人間関係は、>>329から>>337のSSと同一です。
B基本的にはさとり関連以外は原作の女権国家と同じ流れで進んだ感じになってます。
C魔女と百騎兵というゲームのジェラートとメタリカが重要ヒロインになってます
DこのSSはパラレルワールドであり、本編でまだ誰のヒロインになるか明言されてないヒロインが横島のヒロインになってます。


 女権国家の良識派の女性達の派閥の長の一人、ヴァレンティーヌ・ジェラートの寝室で横たわる男がいた。細身だが鍛えられた肉体も、
一回り小さくなりその無様すぎる倒れ方は戦争で惨敗した兵士の死体や闘技場などの競技で討たれすぎて倒れて選手を彷彿とさせる。
倒れている男性=王国の諜報部霊能部門責任者である横島忠夫は、昨夜も花の大公爵の主催する魔女たちの饗宴で嫐り尽くされた後だ。
彼は目を空けると、昨夜の屈辱と強すぎる快楽を思い出し、自分でもわかる嘘を内心でつぶやき始めた。昨夜のあれは意識が何度か落ちていたから全部現実だったとは限らない、そういいながら空想に逃げ込もうとした瞬間、無慈悲な低く美しい声がそれを封じた。

「いいえ、あれは全部現実ですよ。王国男子なら死にたくなるような罵倒をしていた魔女たちに騎乗されていつもより多く射精したのも。その魔女たちの足で何度も達したのも、『想起・昨夜の夜の饗宴』」

 ピンク色の髪をした小学生くらいに見える少女の宣告と共に彼の脳裏に昨夜の饗宴が思い出された。そしてそれをなしたジェラートの腹心=さとりは笑みを浮かべながら、彼の分身を掴み射精を封じながら笑う。

「一番繋がりが薄いジェラート様配下の魔女達の足コキが特に感じていた様ですね。本当に変態すぎます。その恥辱責めで感じる姿で、我が主君であるジェラート様を惑わして誘う淫乱婿殿、
貴方があまりにも変態なせいでジェラート様が燃え上がってしまい、今日執務に間に合ったのがギリギリでしたよ。女権国家の支柱の一つをこんなに弱めるなんて有能な工作員ですね」

 足コキをされた記憶を掘り返され始めた時にさとりが彼の分身を記憶にある女性達と一緒に足で嫐りはじめ、その快楽に負けて彼は悲鳴をあげながら射精した。

「あ、ああ……!」

 情けなさで落ち込み切った声を上げる彼をさとりは何も言わず心底楽しそうな笑みになる。そしてその表情のまま彼を嘲笑の眼で見た。心を読んで一番これが効くと読み取ったからこその行為だ。

「ほら淫乱男、女陰の方が与える快楽は上なのに足で大量に出す変態、今から治療してあげるからさっさとイキなさい」

 さとりは足で抜くのをやめて、動けない彼の上に乗ると分身を飲み込みながら嗤い再び宣言した。

「『想起・去年のバレンタイン』」

 宣言と共に去年ユウキたちにされたバレンタインが蘇ってくる。女権国家産のチョコを食べた後に体がしびれベッドの中で彼女たちに散々に嫐られぬいた記憶。特殊なチョコで耐久力を上げられエヴァに血と同時に精を吸われ。
ユウキに王国女子としての視点で閨の中での惨敗ぶりを罵られながら騎乗され、愛歌が王女らしく献身的に慰めながらも彼を快楽だけで圧倒し、
ヴィヴィオが王らしく彼を見下ろしながら支配するように嫐ってきた。そしてアルが悪魔としての力を取り戻し彼を蜜の様な快楽で溶かしリグルがカマキリの雄が交尾の時に痛みを感じぬような状態に近い様に変えて彼に快楽だけを与え、
リグル自身が一歩間違えば命に関わるほどに精を奪いそれでも彼女の能力のおかげで快楽だけが襲い掛かってきた。その快楽だけでも彼の心が壊れかけたところで彼女たちは行為を終了させた。

「ああー!」

 悲鳴をあげながら彼の上で余裕の笑みを浮かべるさとりの中に精を大量に奪われると彼は、指一本動かすことすら困難になった。さとりは笑いながら言う。

「忠夫さん、去年は本当に素晴らしいバレンタインを過ごしたんですねぇ。おかげさまで私も貴方を嫐るのにとても多くの資料が手に入りました。 ジェラート様と打ち合わせがあるから私に絞られて消耗した体力を回復させておいてください」

「あ、ああ」

 横島はジェラートの配下の魔女たちが入室してきて彼の身なりを整え、動けない彼を運ぶように朝食の席に運んだ。

 席に着き彼女たちの作った料理を食べながら彼はここに来た経緯を整理した。大鳳たちの配下として、女権国家の古参の一人である彼女とのパイプ役となった彼はジェラートとの交渉などを一手に任されていた。 彼が頼みごとをすればジェラートは大半を二つ返事で了承してくれたが、
必ずと言っていいほど彼女に閨で嫐られることとなっている。昨夜も女権国家が先に王国との戦争で協定違反をしていたことが分かったから、ストレリチア気質の良識派たちをたきつけ、王国に領地の一部の返還すべきと考える良識派の女権国家の女性達を焚きつけてもらう約束をしにきた。
結果は成功し、彼女は自分がそういう派閥の支援をすることも約束してくれた。だが、彼の中には極めて忸怩たる思いがある。

『ジェラート様は前世が旦那だったせいかワイに対して好感度高すぎる。彼女の所に派遣されている時の俺って外交官というより』

「思っている通り娼婦ならぬ男婦ですね」

 唐突にジェラートの腹心であるさとりの心を声が彼の耳に響いた。彼女は自らの発言で横島が落ち込んだのを見て面白そうに笑いながら言う。

「男のプライドを抉る言葉が耳に響くたびに悦ぶようになってきている辺り、王国男子としては死に、順調にジェラート様の旦那様になっているようで。別に良いのでは? 親王国派筆頭の良識派閥の公爵相手ならミク女史もそこまで怒らないでしょう?」

「俺は大鳳たちの仲間だ。ジェラートが戦争が起きても王国に着く、と破れない宣言をしない限りはそうなることはできん」

 女権国家の方が遥かに優位であるから自分がジェラートに婿入りして亡命しても、ミクは自分を粛正したりはしないだろうが、それでも大鳳たちを裏切る事態は看過できない。その発言にさとりは少し考えた様に言葉をした。

「なるほどつまり、ジェラート様が女権国家の王国への外圧を抑えるだけではなく、女権国家が王国に対して理不尽な政策をとって、戦争が再発した場合に王国側に着く、という約束をしたら、貴方はジェラート様のものになってくれる、と」

 さとりの言葉を聞き横島の背筋に嫌な汗が走る。汗の冷たさが余計に彼を震えさせるが、彼はそれを押し殺し懸命に声を出した。
ジェラートの甘くどこまでも蕩かし人間としての大事なものまで溶かしかねない性行為、それをこれから先受け続けるということが決まるのは彼には取っては言葉にできない恐怖の様なものがある。 彼は少し震えながら、言葉を発した。

「ただ着くと言っても、軽く義理程度ではだめや。ジェラートの部下の戦争の条約を守っていた王国に対して行われた女権国家の協定違反に怒っている良識派の権力者たちと同盟者全部に全力で王国に着く工作をした上で、ヴァレンティーヌの領土は徹底抗戦してもらう」

 それを言った瞬間、不意に部屋に鮮やかな紅い花弁が舞い、そこに紅の美を体現したかの様な華美な衣装に身を包んだ公爵が現れた。 彼女の長身と豊満な体をより引き立てる衣装見た時、横島の背筋がゾクゾクとし始める。分身が固くなり始めたのを見て、さとりが嗤いながら、ジェラートに報告をする。

557 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:02:39 ID:KWGsNfn2

「公爵様。どうも彼は王国男子なら死にたくなるのが当たり前なくらい恥ずかしい公爵様との性行為の数々を思い出して股間の弱すぎる剣が固くなってしまっているようです。立って礼をしなくても許してあげてください」

 その言葉にジェラートは喜色に満ちた声を上げた。

「忠夫殿、わらわとの性行為を思い出して興奮しておるのかぇ。それは女冥利につきる。それで、先ほど口になされていた言葉はほんとかえ?」

 横島は背筋に震えがくるのを自覚しながらもどうにか言葉を頭の中で考え始める。ジェラートが横島よりもやや高い背を縮めて目線を合わせてくると、眼帯のない赤い瞳が彼の内部に入り込んでくるような感覚が走った。横島はどうにか思考をまとめると答えた。

「さすがに女権国家に永住とかは無理だ。だが、さっき言った条件を全部飲んでくれるなら今生に知り合った女性達に不義理しない形でなら結婚しても大丈夫だ。
ただ王国と女権国家が戦争して、公爵として王国に着けなくなったら俺は多分離婚すると思う。それで良いか?」

 ジェラートに条件を飲ませるだけではなく、できないことは最初からできないと答えなければならない。ジェラートが不義理をしない限りはこちらもそういうことをするわけにはいかないだろう。それを聞くとジェラートは笑って答えた。

「もしも、そうなったら公爵の地位は他の者に譲りそなたに着いてゆこう。前世で旦那様と育んだ絆はそこまで軽くはない」
 
ジェラートは前世と同じ様に夜の相手をしてほしいと頼んだ時以来、たまに言い間違えるとき以外は、彼を忠夫殿と呼び旦那様とは言わない。だが、閨の中で彼女に嫐られている時に、
旦那様と呼ばれ始めると本気で自分の中の何かが危うくなるほどの快楽が始まる。今生で彼と縁を結んだ女性達はジェラートと彼を二人っきりにしないのは彼女の謀略というより、
呼び方が旦那様に変わった時の彼女の閨での様子を見て、横島が快楽で壊れることを心配しているためだと思う。
 
少し過去を思い返しつつ、横島は内心えらいことになったと思ったが、諜報部としては朗報だと無理やり思い直した。彼女の人望は相当なものだ。
公爵を返上して王国に寝返ってもついてきてくれるものもそれなりにいる。 自分がこの約束をしてくれていなければ、戦争で捕虜にして自分をモノにするために本気を出しかねない感じもするし、間違いなく朗報だ。
そこまで考えた直後にジェラートが彼を抱き留めてきた。丁度豊かな乳房が顔に当たり彼に夜の日々が思い出させられてしまい、分身が元気づく。ジェラートはそれを察して笑った。

「忠夫殿も随分とわらわの体を味わって染まってくれた様じゃな。 そなたを再び嫐り癒すのも良いが、今日はミク殿の所に帰って、わらわが言ったことを報告してわらわの婿になっても良いか、聞いてきてたもれ」

 ジェラートの上品な高級チョコレートを思わせるような香りでくらくらとする中、耳に響く低い声が彼の脳をさらに蕩かす。
閨の中で彼女以外に罵られそれすら媚薬と化した中で長身の彼女の胸の中で柔らかく抱かれながら耳元で蕩かされた日々が思い出される。足がよろめく中ジェラートが笑い彼から離れた。

「済まぬな。良いところが前世と代わっておらぬそなたの姿を見せてもらったせいか、どうも歯止めが利かぬようじゃ。 わらわの声は閨で旦那様を愛でるときは良いが、そうでないときはなかなか加減が難しい」

「あ、ああ。とりあえずミクさんの所に帰ってこの話を持っていくわ」

「うむ。さすがに結婚などを強制されるようなことはあるまいが、今この契約をしなくてもそなたが望むならいつでもこの条件でわらわは王国に力を貸そう」

 ジェラートに離された後、彼は部屋をでて、そのまま王国諜報部のアジトに歩み始めた。




王国諜報部、ミクの執務室その部屋には普段よりは軽いが、それでも重い緊張感に包まれている。ヴァレンティーヌ領から帰還した横島の報告書を読んだミクは比較的上機嫌な様子だ。
同じ報告書を読んだ大鳳とジャギも良い反応を見せている。大鳳はやや難しい表情をしながらも、喜色を見せており、ジャギは朗報だと認めつつも深く悩み思案している様子だ。二人をよそにミクは笑みを浮かべて言葉を返す。

「ヴァレンティーヌ公爵との対面を命じた時はどうなることかと思ったけど、どうやら上手く運んでいるようね。 横島、あんたさえ嫌じゃなければ、
彼女と結婚してくれると助かるわ。彼女の配下じゃなくても、女権国家の良識派の中でも王国よりの中立派な面々の大半が彼女が王国に着けば靡くでしょうから」

 ミクとしてもジェラートを味方にできるのはかなり嬉しいが、完全な王国の同盟者になるとはいえ、王国に帰れなくなるかもしれない相手への婿入りは流石に強制できない。
それに彼女の方が王国に来た場合も横島が平穏な人生を送る難易度は跳ね上がる。彼が引退した後の自分が面倒を見切れない部分にまで影響を与える様な命令は余程切羽詰まらなければ、命じたくないのだろう。

「分かりました。結婚するかどうかはともかく、それを前提としたお付き合いをしたいと彼女に返してきます」

 横島の答えにミクは心配事が片付いた笑みを浮かべた。政治情勢ではなく、純粋にジェラートを好ましいと思っているからこそ、こういう決断を下したと分かっているのだろう。
その返しに大鳳が忠告をする。

「忠夫、でも大丈夫なの? ヴィヴィオ殿下だけでも大変なのに、ジェラート様とまでそういう関係になったら、不義理せずに双方と付き合うことは可能だけど、かなり正妻を決める権で圧力がかかってこない?」

「まあ、ジェラートの方は割と大丈夫やと思う。ワンマンって程じゃないけど、彼女の権力相当なものなんや。大半が彼女に救われたものの子孫とか当人で構成されているから、
イエスマンまでいかないけど、それでもできるだけ彼女の意思を尊重しようって考えのものが彼女の配下には多いからな」

「問題はヴィヴィオ殿下だね。ストレリチアとしても彼女以外を正妻にすることは許容範囲だけど、好ましくないからそれなりに圧をかけられちゃいそうだよ」

 難しい顔をする二人にジャギが間に入るように声をかけた。

「まあ、横島の奴が二人に対して誠実な対応をしている限りは二人が良いように計らうだろう。ランスの奴がしてくれた忠告を覚えているか?」

「ああ『ジェラートの奴は悪人ではないが、まだ猫かぶっているぞ』だったな。『夫婦になって逃げられなくなったら、女権国家の男を蕩かし自由意思を奪われたことすら喜びに変える本来の姿を見せる。それは覚悟しておけ』 多分あいつの言うことはあっているだろうな」

 ランスは男性優位ハーレムなどと言う、女権国家では無謀すぎる理想を掲げているから、バカだと評価されているが、男性解放戦線の副長として本当に有能だ。危険な女と良識的な女を見分ける目も鋭い。
彼を馬鹿にしている女たちでさえも彼の活動の記録などを調べた者は現実が見えていないとは言っても、『無能』であると評価するものはほとんどいない。

 身内を助けてくれた礼だと言ってしてくれたランスの忠告を思い出して、彼は多少の躊躇を覚えたが、それでもミクに命じられて初めてジェラートと会ってから彼女と過ごした数か月の時を思い返し、彼は決断を下した。

558 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:04:27 ID:KWGsNfn2
「彼女の意向の通りに付き合おうと思います。彼女が女権国家の王国を支配する勢力を限界まで牽制してくれて、それで開戦となったら公爵の位を捨てて、ただの魔女として王国についてくれるという言葉は嘘じゃないと思いますから」

「ええ。公爵の座を捨てたとしても、彼女に恩がある女権国家の貴族は多いし、その中には王国への戦争時の協定違反を女権国家が先に犯した件を嫌ったものたちも多い。一番悪い結果、政争に敗れて公爵の位を捨てて亡命でも、王国にはかなりプラスよ。何より魔女としても彼女は強いから、相当な戦力になるはず」

 ミクの言葉を聞いて頷くと、大鳳とジャギが言葉をかけてきた。

「忠夫、他国の公爵と付き合うって大変だと思うけど僕もできる範囲で力になるから」

「横島、あの公爵はお前が不義理しない限り『お前には』迷惑をかけないだろうが、それは王国や俺たちにじゃない。俺たちも気を付けるからお前も気を付けてくれや」

「ジャギは彼女を信じられないか」

「信用はしているさ、だが『まだ』信頼は無理だ」

「分かった。俺も気を付ける。 それと早く答えた方が誠実だと思うから明日にでも返事をしてくるな」





 次の日、ちょうどバレンタイン朝に、横島はジェラートの元を訪れていた。ジェラートは喜色満面な様子で彼を迎えた。

「忠夫殿、わらわの交際の申し出の答えてくれるのかえ?」

「ああ。王国の為ってのもあるけど、やはりジェラートさんは信用できると思うからな」

 それを聞くと彼女は嬉しそうに笑った。

「それでは早速付き合うことが決まったので色々と用意してくるゆえ、待っていてたもれ」

「ああ。しかし、バレンタインに、ヴァレンティーヌ公爵と付き合うのが決まるとか、狙ったわけじゃないだけに奇妙な偶然だな」

「そうであるな。わらわの苗字と同じであるがゆえに、バレンタインはわらわにとっては一大行事でな、忠夫殿が来るまでに準備もしておいた。根性で縁を結んだ皆様にも声をかけておく故それまでわらわの城でくつろいでいてたもれ」

 ジェラートの言葉に頷くと彼は、そのまま彼女の私室に向かった。かつて道を踏み外した時は情欲をそそる毒々しい赤でこの城は彩られていたらしいが、
今は紅が主であり娼館の様な気配ではあっても禍々しさはない城になっている。 彼は大きすぎるとも評されるジェラートの寝台を見ながら様々なことを思い返した。
自分の前世=高島がジェラートを救い、彼女をかつての慈悲と有能さを兼ね備えた公爵に戻したあとに、高島は彼女の罪の赦しを与えるために幾つかの善行を成し遂げた。
そして彼女は罪を許された後、彼と結婚し毎晩彼を嫐りぬいたそうだ。 80代でジェラートに嫐られぬいて過労死しした彼は快楽のあまり虚ろな目になりながら、来世でもこの快楽を与えてほしいと言っていたらしい。
そのためかこの寝室にいると、恐怖と快楽への期待とジェラートに対する隷属願望が彼を襲ってくる。

 恐怖と快楽への期待に飲まれそうになりながらも、彼は部屋の中を歩き回り始めた。



 しばらくの時間がたち、運ばれてきた食事を食べ終え、軽く体を動かして、ちょうど世間でいう所のおやつの時間になったころに、ジェラートが配下の魔女達を伴って部屋に帰ってきた。横島が今生で縁を結んだ女性達も一緒だ。


自分に対する好意前回でありながら背筋が寒くなる笑みを浮かべたジェラートが部屋に入室してくると、彼の分身が既にそそり立ち始めた。他の女性達も愉しそうな笑みを浮かべている。ジェラートは優雅に一礼すると、普段よりも口上を述べた。

「旦那様、さとりに記憶を想起させてみてみたが、ハロウィンとやバレンタインで随分と素晴らしい色事を味わった様じゃな。 怯えるでない。 今生でわらわと会う前にしたことに妬いたり怒ったりはせん」

 柔らかくも期待と恐怖を煽る声を聞きなんとなくこれは本心だろうと思った。そして次の瞬間に怒りなどではなく気迫に満ちた声に変わった。

「しかし、ヴァレンティーヌの名を持つ者として、バレンタインというイベントでは他の女性に負けるわけにはいかぬのでな。恋人に慣れた記念日と合わせて最高の日にしてさしあげようぞ。ユウキ殿手伝ってくれぬか」

「はーい。任せて、ジェラート様」

 病の完全治癒と引き換えにメタリカにインプとされたユウキは単独でも恐ろしく強いが、魔術に関わる存在と組むとその相手を支援することに特化した能力を得る。 最初にユウキが彼に抱き着き唇を奪うと、苦みのある甘さと体を切り裂くような快感が走った。

 ジェラートが優雅に手を振るとユウキの服が消え去り、小柄ながらも豊満な体があらわになる。 自分もいつの間にか服を脱がされており彼女に押さえつけられたまま、
乳房が右肩に当たる感触と共にユウキの腕が彼の分身を愛撫する。 数度の愛撫で完全に蹂躙された様に彼が射精すると、ジェラートの配下の魔女達が嘲笑を込めて笑い、ユウキが面白がりながら言う。

「女としてみていなかった、僕にこんなにあっさりイカされて恥ずかしくないの。相変わらず可哀そうなくらい弱い雑魚一物だね♪」

 ユウキの満面な笑みでの侮蔑の言葉に心底へこんだところでジェラートが彼の唇を奪った。それを受けた瞬間、彼の思考は一気に甘い感触に塗りつぶされた。極上のショコラを思わせるような甘みは相変わらずだが、
今日は特にそれが強い。またユウキの切り裂く様な快感とは逆の甘く柔らかく包み込むような快感が、彼女の甘すぎる舌と絡む自分の舌から脳に広がっていく。 ジェラートは唇を離すと快楽のもたらした脱力感で立てなくなった彼を見下ろしながら言った。

「旦那様どうじゃ? わらわの与える快楽は強かったが逆の快楽を味わった後ではそれもひとしおであろう。 幼き頃から旦那様を支えてきたのじゃ、最初は其方が奪うが良い」

 今は使い魔となっているせいか、普段と違って目下の者に話しかける口調のジェラートに嬉しそうに頷くと、ユウキが彼の分身をその巨乳で包みぬき始めた。

「僕の巨乳に反応してくれなかった分の取り立てだよ♪ ほら今後はちょっとは自分に惚れた女性の体に対する反応をするように」

「あ! ユ、ユウキ 頼むから勘弁、あー!」

 逃げようとしたところをジェラートの足を口の中に突っ込まれ、彼女の足の甘い味が口の中に広がると、そのまま彼は完全に動けなくなった。それを見てさとりがアリスに頼みごとをした。

「アリスさん、横島人形と資格を共有させて今のご自分の姿を見せてあげてください」

 視点が入れ替わり自分がジェラートの足を懸命になめながらユウキが胸を手で動かすたびに電気ショックを受けて痙攣するように下半身を動かしている姿が映った。 いくら好意的とはいえ、敵国の公爵相手に無様すぎる。そう思った瞬間さとりがわざわざ周りに聞こえる様に言った。

「横島さんの分身の硬さが増していますねぇ。前よりも彼は興奮しているようです。実に女権国家に染まるのが早い男性です」


 周りの嘲笑が極に達した時、彼の分身から出た白濁がユウキの胸を大いに汚した。彼女は女権国家のインプらしくそれをなめとる。そして横島の霊力が一気に下がり、ユウキの魔力が一気に上がっていくのが分かった。

「忠夫―、ちょっと弱すぎるよ。もうちょっと胸で遊びたかったのに。というわけで罰ゲーム!」

「ば、罰ゲームって、 ああー!」

559 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:06:02 ID:KWGsNfn2

 射精したばかりで敏感な状態な彼の分身をユウキが一息に自分の内部へと招き入れた。普段ならユウキは彼が射精した後は少し待ってくれるだが今回は完全に間を空けていなかった。 彼はいつもよりすごい快感に負けてユウキが軽く腰を振るたびに悶え三度射精した。

 立つことすらできず快楽でズタボロになった彼にジェラートがチョコを渡してきた。そのチョコは霊力が籠っており、食べれば回復できると本能が告げている。疲労を回復させることしか考えられなくなった彼がそれを食べると霊力が回復し体力が戻ってきた。

「旦那様が、今生で縁を結んだ方々はお優しい方ばかりでな。二種類のチョコを旦那様に送ることにして、一つはわらわも含めた全員で作りもう一つはわらわ一人で作ってよいと言ってくれたのじゃ。もう一つチョコを出すがそれがどちらがわらわ一人で作ったチョコか想像してもらっても面白いかもしれぬな」


 チョコを食らった横島は背筋が凍り始めた。あれほど絞られたのに霊力も体力も完全回復している。ヴァレンティーヌは名前の通りチョコに入れる霊薬は最高のものを作れるのかもしれない。

 回復した彼をユウキがジェラートの前に引き立てると、ジェラートが彼を片腕で持ち上げて抱え込む様に抱きしめると対面坐位の形で加えこんだ。胸と胸の間に顔を挟まれつつ、
ユウキと反対の甘く柔らかく分身を溶かしてくる彼女の秘部が射精の度に彼の立ち上がる力を奪っていく。ジェラートはしばらく胸で彼の顔を挟むのを楽しんでいたが、しばらくすると完全に脱力しきった彼の口の中に自分の乳首を押し込んだ。
甘い味と匂いが彼の脳までもおかしどんどんと脱力の速度が速くなっていく。 直接口に入れなくても甘みが伝わるチョコの沼に沈んでいくような感覚が彼を襲う。だんだんと沈みながら射精していく彼に遠いところからと思えるような声が響いた。

「完全に堕ちられては困る。忠夫そろそろ目を覚まさせ」

 少しだけ嫉妬の混じった声と共に首筋に電撃が走り、今までで一番の射精をさせられる。ジェラートは電撃の様な快感で痙攣する彼をなでながら大量の射精を笑いながら受け止めると、大人の姿になったエヴァに彼を渡した。

「さて、甘く溶かされた後の気付けだ受け取れバカ弟子」

 敢えて嗜虐的な笑みを彼に見せつけてから、エヴァは彼を捕らえ彼を両手両足でとらえながら、彼の分身を速攻で迎え入れた。
それだけで狂い掛けるほどの快感に彼が感電した様に震え、それによって彼の分身が彼女の内部で余計に嫐られるのを楽しそうに眺めた後、彼女はわざとゆっくりと彼の首筋に再びかみついた。

「あー!」

 彼の胸板でエヴァの豊満な乳房が潰れそして首筋からも吸われて意味のある声を発せなくなった彼を見ながらエヴァは少しだけ血を吸うのをやめた。
動きを封じられた彼に再び特殊な霊薬入りのチョコを持ってきたジェラートの配下の魔女が彼の口の中にゆっくりとチョコを入れた。それを食べると彼は再び回復し、
再び射精が起こった。吸われた血すらも回復し、再びエヴァに首筋から血を吸われると、さっき以上の快感が彼に襲い掛かる。多分食べたチョコの効果なのだろう。

 彼が二度目の限界を迎えると、エヴァは再び彼から離れた。

「一回全回復させたら交代の約束だったな。ここまで回復させるとはさすがはヴァレンティーヌ公爵と言ったところか」

 横島の血と精を奪った彼女は強者らしい笑みを浮かべながら横島を見下ろしている。普段でも勝ち目がほとんどないのに、今の彼は霊力を吸い取られ尽くして余計に勝てないと感じられる。


 倒れる横島の前にアリスが慈愛に満ちた笑みを浮かべながら進み出てきた。

「古典的だけど、柔らかい快感と激しい快感が交互の方が印象に残りやすいから、次は私とリグルね」

「忠夫、僕とアリスの共同技で沢山気持ちよくなってね」

 そういうとリグルが彼に口づけし、虫の力の何かを彼に流し込んできた。それと同時にアリスが彼の体に霊力出てきた糸を入れて動かしてくる。 アリスに対して絶対的な信頼を抱いた今でも、
人形の様に操られることに対する恐怖はある。それが彼を自衛させていたが、今は完全に恐怖がない。これは多分カマキリの霊力をリグルに渡されたのだろう。カマキリは食われている時に恐怖などを感じない。
その信仰が生んだ力だ。 リグルが最初に貪り食らうように彼に騎乗し、アリスが後ろから彼を抱えて豊かな乳房を彼に押し付ける。 射精したいにもかかわらず分身の内部に入ったアリスの糸がそれを止めている。
しばらく時間がたつとリグルがアリスに目配せし、アリスも頷くと彼は一気に射精させられた。一度の射精で食らいつくされたような感覚が走るのはリグルが虫の女王だからだろう。

 動けなくなった彼にリグルがチョコを渡すとアリスが彼の体を動かしそれを食べさせた。

「忠夫、どう? そのチョコには僕の配下の蜂の蜂蜜が大量に使われているんだよ。直ぐに回復できるでしょう?」

「あ、ああ」

 食らいつくされるような快楽のせいで頭が朦朧としたところでアリスが今度は前に回り彼の唇を奪う。口づけを通して自分自身の糸が切れていくような快楽が彼を襲い、だんだんと彼の体を新しい糸が動かし始める。
アリスが彼に騎乗するとどこまでも優しい無数の糸に包まれたような感覚で分身が何度も彼女の内部へと射精した。そしてその度に脳の中の糸が切れていくような感覚がする。 何度も射精させながらアリスは笑う。

「忠夫、普段なら人形に変わっていくような感覚に気悲観や恐怖があるけど、今日は快楽しかないでしょう? どう貴方が望むなら永遠に私のお人形さんになってもいいけれど?」

 辛うじて首を横に振ると彼女がどこまでも優しく唇を奪ってきて、それと同時に起きた射精が一気に彼の最後の糸を切り落とした様な感覚がした。


 完全に糸が切れたように倒れた彼を、メタリカと陸八魔アルが面白そうに見下ろした。

 沼の魔女メタリカが魔術を唱えるとアルの体から激しい魔力が迸りそのまま彼女は愉快そうに笑う。

「忠夫のおかげで大分力を取り戻したけど、今回はメタリカちゃんに一時的に全盛期に戻してもらったわ」

「キヒヒ、私達は同じ属性の二人で一気にお前を堕としてみるのも面白いと思ったのさ。今回は、いつもと違って手加減不要だから覚悟しておけ」

 アルとメタリカがアリスに目配せするとアリスが彼を子供に戻した。そしてアリスに操られながら再びチョコを食べると彼は再び完全に体力が戻り、二人に一気に嫐られ始める。
メタリカは子供になった彼にジェラートがやったような対面坐位をはじめ、アルはそれを見ながら自分も後ろから彼を挟む。

「悪魔と王国と敵対していた沼の魔女にやられて本当に貴様は楽しそうだな。どこまで浅ましい一物をしているんだ。キヒヒ。ユウキ罵られてこの男余計に硬くしているぞ」

「ええー! さすがに嘘でしょうさとりさん」

「いえ間違いなく事実ですよ」

 メタリカの言葉とは裏腹に彼をどこまでも甘やかすような膣に射精すると交代するようにアルが彼を抱き込み同じ行為に移る。

「忠夫、大丈夫魔女と悪魔の体に勝てる男なんていなから気にしなくていいわよ。まあ、王国男子でもちょっと早すぎるけど。 やっぱり早漏だって指摘された方が息子さんは元気になるのね ふふ」

 過度にバカにしないアルの優しめの嘲笑も彼を余計に昂らせた。メタリカとアルは彼が射精するたびに交代し、その度に彼をどんどんと追い込んでいった。二人のチョコを食べて回復した後、横島は愛歌に寄り掛かった。

560 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:07:03 ID:KWGsNfn2

「愛歌ちゃん、ヴィヴィオ」

「やっと、私たちの番ね。浄化の時間だわ。別に彼女たちの性根が邪悪というわけではないけど、闇の気をもらいすぎだからね」

 愛歌が自分の体をホーリーゴーストと呼ばれる形態に変え始めると横島は、怯えながら言った。

「愛歌ちゃん、体力は回復したけど、精神はしてないんやこれ以上は限界なんや」

 そういうと、愛歌は横島の眼をのぞき込み王女らしい真剣な口調で言った。

「大丈夫今日は本当に大丈夫だから。私を信じて」

 そういわれた時横島は怯えつつも彼女は嘘を言っていない確信する。そこで後ろから大人の姿になったヴィヴィオに捕らえられた。

「それじゃあ行きましょうか忠夫さん」

 ヴィヴィオが彼の唇を奪い彼を抱くように内部に招き入れると、彼は格闘技の強力な技を食らったかのような痙攣をして一気に射精をした。何度か射精すると愛歌が交代する。彼女は優雅に服を脱ぐと、
ヴィヴィオとは対極的ゆっくりと彼の分身を飲み込み、ゆっくりと動き始める。 優しくもどこまでも逃げ場を奪う動きに彼が何度も射精すると、ヴィヴィオが愛歌に言葉をかける。

「愛歌さん、こうしていると忠夫さんは、幼い姿の私にも欲情してくれるようになりますか?」

「近々そうなるんじゃないかしら。 もうそうなっているかも、試してみる?」

「はい」

 愛歌が引くとヴィヴィオは子供の姿に戻った。彼の分身を足で嫐りながら言う。

「お兄ちゃん聖王である私の夫になるんだから、私がしたいときに勃足せられなきゃダメだからね。ほら王国男子にあるまじきロリコンマゾへの第一歩頑張って♪」

「さ、さすがにそれだけは。許してくださいヴィヴィオ様」

「閨の中でも様付は、いじめてほしいと同義だよ。お兄ちゃん♪」

 ヴィヴィオの激しい足によって射精させれた後、敏感になったそれを彼女が再び子供の姿で飲み込み彼は一気に射精した。

 アルやメタリカの魔力と対極の聖属性の力で蹂躙されると、いつも以上の快感が彼を襲ってくる。
彼女たちはそのせいか、ヴィヴィオ達に嫐られた後にアル達が彼を嫐るということも多くされてきていた。だが魔力が浄化されバランスはとれても、もはや彼の精神は限界だ。それを見越した様にジェラートが彼の近くに近づいてきた。

「旦那様、これがわらわのチョコじゃ食してたもれ」

 そういわれてそれを食べた時、彼の精神に驚愕が走った。激しい甘みがもたらす、多幸感が全身にいきわたり、体力だけでなく彼女たちに嫐られ激しい快楽で再起不能一歩手前まで壊れかけていた精神すらも全快したためだ。

「これがわらわの手製のチョコぞ。最強の魔女の候補であり、『ヴァレンティーヌ』の名を関する公爵は伊達ではなかろう」

「ああ。このチョコがあるからこそ、彼女たちは無茶できたわけだな」

「ええ、というわけで次は私の番ですね」

 笑みを浮かべたさとりが彼の額に手を当てて叫んだ。

「『想起・今日一日の性行為』」

「ああー!」

 悲鳴をあげる彼に騎乗し大量の精液を受け止めたさとりは上機嫌に言う。

「ジェラート様策のチョコはあと三個ありますけどどうします? さすがに王国男子としては死にたくなるような性交をしたいと知った上で食べたりしませんよね」

 そういわれながらも、横島は壊れない程度に想起され性欲が残った彼はそのチョコを食らった。彼の回復を見てジェラートが彼に多い被さり最初の性行為の体制で彼を再び貪り始める。


あれから何度もジェラートやユウキ達だけではなく、ジェラートの配下までも参加し、彼を甘い沼に沈める様に嫐りぬいてきた。そして彼の脳は極上のチョコでできた沼の中に沈みつつあるようだ。
今彼を抱き込んでいるジェラートの極上のショコラの様な味のする女体に抱き込まれながら彼は、自分がヴァレンティーヌ公爵の虜となる日もそう遠くないだろうと思った。その認識を最後に彼の意識は甘いチョコの沼に沈み切った。

561 :名無しさん@狐板:2023/02/15(水) 13:17:52 ID:bthfMWTC
乙でした

562 :556:2023/02/15(水) 23:17:07 ID:vJSoeWfL
>>561
乙感謝です

563 :名無しさん@狐板:2023/02/16(木) 17:55:10 ID:A8oIuQSQ
乙ー

564 :名無しさん@狐板:2023/02/16(木) 20:18:42 ID:V0TFIXrb


565 :556:2023/02/16(木) 22:09:11 ID:0NFUL6yS
>>563
乙感謝です
>>564
乙感謝です

566 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:06:33 ID:WCFTTbQn
子供の頃の話だ。
自分の祖父母の実家が山奥にあり、夏休みはそちらで過ごしていた。
地元の子供達と外で遊んでいたが、その時は山に釣りに行っていた。
山の渓流では川魚やサワガニが獲れ、家族にお土産ができたと思いながら帰路についていた。
その時、ふと雑木林に見知らぬ獣道の様なものがあったのに気付いた。
好奇心から雑木林の中を通っていくと、抜けた先には訪れた事のない渓流があった。
辺りを見回してみると、ぱしゃぱしゃという水音と共に動く何かが見えた。
不思議に思って近づいてみると、それは人の姿である事に気付いた。
すると、向こうもこちらに気付いたのか、水音を立てながらこちらに小走りで近づいてきた。


567 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:07:07 ID:WCFTTbQn
裸の、一糸まとわぬ女の子だった。
見た限りでは自分よりちょっとだけ下くらいの年の様に見えた。
自分とそう変わりのない体の女の子ながらも、わずかにふくらみかけた胸と
股の所に何もない事が目の前の子供が女の子である事を即座に理解させた。
肩の所まで伸びた黒い髪。年相応のあどけない顔。
手を後ろで組みながら背伸びする様に首をかしげながら、ぱっちりとした瞳でこちらの顔を覗き込む。
裸で川遊びするのは、自分が子供の頃には珍しい事じゃない。
でも、このくらいの女の子が全裸で男の前で全く恥ずかしがらずに、隠そうともしないとは珍しかった。
ちょっと視線を下にやると、股の毛ひとつない一本のすじが目に飛び込み、思わず目をそらす。
山の中で遊んでいる子供にしては、日焼けひとつない透き通る様な真っ白な肌がやけに印象的だった。


568 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:07:27 ID:WCFTTbQn
自分に興味津々なその子に色々話しかけてみた。
自分の名前、どこから来たのか、どこの学校でどの学年なのか、色々話し尋ねてみる。
「…?ん、う、ん?ん…?」
何やら首を傾げながら聞き取れない声を出す。緊張してうまく喋れないのだろうか。
「…ろ、く、ねん、せい…?」
かろうじて聞き取れる言葉を発した。自分と同学年なのだろうか。
しかし、自分の言葉を真似しておうむ返しした様な、ただたどしい返答だった。
その直後に、自分の腕にひやっとした感触が伝わる。
女の子は自分の腕をぺたぺたと触っており、視線は手に持っていたカゴに注がれていた。
どうやら自分の取ったサワガニに興味があるらしく、欲しければあげるよ、と言いながら一匹手渡した。
女の子は嬉しそうな声を上げると両手でそれを弄びながらじっと観察を続ける。
その場にしゃがみこんで股を大きく開いた、いわゆるうんこ座りの無防備な姿勢を取る。
正面に立っていた自分にはその大きく開いた股の部分が丸見えになり、
股のすじの部分からちょこんと桃色のものが目に飛び込み思わずドキリと心臓が高鳴った。
母親以外の女のそれを見た事のない自分には刺激的すぎた。それも同年代の女の子のそれを。
そして、んにゃんにゃと珍妙な笑い声を上げながらはしゃぐ女の子に、テレビで見た野生児が頭をよぎり恐怖心を感じた。

569 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:07:46 ID:WCFTTbQn
直後、女の子はサワガニの脚をもぎ取った。驚く自分を尻目に、彼女は楽しそうにもがく姿を眺めている。
そして、次の瞬間、バクっとサワガニの頭にかぶりついた。彼女の口からもがき苦しむサワガニの脚がバタバタと動く。
ばくん、とさらに一口。口の中に完全に飲み込まれ、ひとかみ、ふたかみと咀嚼し、ごくりと音を立てて飲み込んだ。
うぅううぅうぅと、エサに夢中になっている猫の様な奇妙な声を上げながら美味しそうに食べて見せた。
その瞬間、背筋に冷たいものが伝う感覚を感じ、この時初めて目の前の裸の女の子が人間じゃない何かだと感じ取った。
怖くなり後ずさる自分。その足を即座に目の前の女の子は掴んだ。
女の子とは思えないその異様な力の強さに、自分は思わず尻餅をついてしまった。
逃げなくては、恐怖に震える足に力を込め、起き上がろうとしたその瞬間に、自分の体の上に女の子が覆いかぶさった。
んみゃおう、と猫の様な奇怪な声を上げる。自分の手を押さえつける力はまるで女の子どころか人間のそれとも思えなかった。
懸命に手足を動かし抵抗するも、女の子の押さえつける力にまるでかなわない。
そのもがく光景に、先程目にした無惨なサワガニの姿が重なり自分は震え上がった。

570 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:08:06 ID:WCFTTbQn
自分より少し小さな、裸の女の子に押し倒され押さえつけられている。
目の前には女の子の顔がすぐそばに近く、怯える自分の姿を見て口の端を釣り上げた。
直後、女の子は口を開いて、自分の口に重ねてきた。そして固く閉じられた歯を歯でこじあけるように開かせ、
そこから熱い何かが口の中に侵入してくる。彼女の舌は自分の舌と絡み合い、口の中を蹂躙する様に暴れ回る。
口の中の唾液をこそぎ集め、女の子は自分の口の中の唾液をごくん、と喉を鳴らして飲み込んだ。
幼さの残るあどけない顔は赤く紅潮し、荒くなった息が自分の顔にかかる。
唾液が糸を引いて伝う唇を、呆気にとられる自分に再びむさぼる様に重ね、口の中を舌で蹂躙する。
ん…と一息おくと、女の子の口から唾液が送り込まれ、思わず飲み込んでしまった。
密着しそうなほどに迫った彼女の顔は興奮で蕩け、今まで見たどのエロ雑誌の写真よりも官能的で蠱惑的に感じた。

思わず硬直し、硬くなってしまった股間が、ズボン越しに彼女の肌へと当たる。
それを感じた彼女は、口の端を緩めると自分のズボンに手をかけ、一気にずり下ろす。
はちきれんばかりに怒張したそれは勢いよく飛び出し、それを目にした女の子は目を丸くした。
そして今まで最高の大きな笑みを浮かべると、それをどうするのかわかっている様な手つきで、
右手で自分の腕を押さえつけながら、左手で自分の股の割れ目へと導いていった。
柔らかい感触が自分の先端に伝わる。
何をしようとしているのか訳の分からなかった自分の顔を覗き込みながら、蠱惑的な顔を浮かべながら、
―一気に腰を落とした。

571 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:08:37 ID:WCFTTbQn
今まで感じた事もない快感が股間から全身を駆け巡った。
自分の、硬くなったそれが女の子の股に入ってしまっている。自分に覆いかぶさった女の子は
大きな声を上げて顔を蕩けさせた。はあ、はあと息を何度か吐き、落ち着いた所で、
腰を上下させた。自分のそれが女の子の股の中を出たり入ったりを繰り返している。
その度に肌がぶつかり合うぱんぱんという音が山の渓流に響き渡り、
彼女の股から溢れ出てくるぬるぬるとした白濁した液体が滑り、抜き差しを滑らかにしている。
引き抜く瞬間に股間の先端に何かが引っかかる感覚が気持ちいい。
差し込んでくる瞬間に、股間を根元まで締め付け刺激する感覚が気持ちいい。
交互に与えられる未知の快感の波に、自分の腰は浮き上がり、心臓がドクンと高鳴り続ける。
目の前の女の子も気持ちよさそうだった。甘い声を口から漏らしながら、目は快感に泳ぎ、
口からは唾液が漏れている。腰を打ち付け、股から抜き差しを繰り返すたびに得られる快感を
貪欲にむさぼる様にそのスピードを上げていく。
自分も限界だった。どうしようもなく快感が高まり、股間の玉袋の部分がすぼみ上がる感覚を感じる。
先端から我慢できない何かが飛び出そうとしているのを抑えられなかった。

572 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:09:05 ID:WCFTTbQn
「ん、にゃああんっっ!!!」
女の子の叫びとともに、自分のものをきつく締めあげていたそれが更に絞まった。
それがとどめになり、自分のものから何かが出口を求めて盛大に放たれた。
ビクンビクンと波打つごとに放たれるそれが、彼女の股の奥へと放たれていった。
一回飛び出るごとに頭が吹き飛びそうな感覚が下半身を走り、
その感覚と目の前の女の子の中に放つ快感を味わいたいかの様に、
二度、三度と脈動しながら放たれる。
どくん、どくんと注ぎ込まれるような感触を味わうかの様に体を震わせながら快感に浸る女の子。
繋がりながら脈動するその自分と女の子の結合部を、快感に染まる頭でぼんやりと眺め続けた。
お互いにその余韻に浸りながら、どれだけ繋がっていただろうか。
はあ…と大きな息を吐きながら、くたりと自分の上に覆いかぶさる女の子。
顔を紅潮させ、荒い息を吐きながらこちらを見る。視線が重なった一瞬、
彼女はニコ、と静かにほほ笑むと優しく自分にキスをした。
とても気持ち良かったよ、と伝えるかのように。
ん…と小さな声を上げながらゆっくりと体を起こし、結合が解かれ女の子の股から自分のものが引き抜かれる。
直後にどろり、と白濁した自分の放ったものが彼女の股の間から溢れ出た。
女の子は脱力したように股を開いて息を吐きながら、お腹に手を当てて自分へとほほ笑んだ。

573 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:20:20 ID:WCFTTbQn
その瞬間だった。
みゃおん、みゃあ、と彼女と似た声が辺りに響き渡り、草木がガサガサと音を立て、小枝を踏み折る音が響く。
何かが、この場に駆けつけようとしている。
その直後に自分は我に返り、情けない悲鳴を上げてその場から一目散に逃げだした。
女の子の呼び止めるような声が響き続けた。それが自分にはたまらなく恐ろしく、
どこにこんな力があったのかと思うほどの速さで山を駆け巡り、一刻も早く麓に降りなくてはと思った。
後ろを振り返る事はなかった。もし振り向いてあの子やその仲間を見たら心臓が止まってしまいそうだったからだ。
どこをどう走ったのかは覚えていない。
気が付くと、山の知らない所から下りており、近くの民家で畑仕事をしているおばあさんが自分を見て目を丸くしていた。
その時になって、ようやく後ろを振り向く事が出来た。
飛び出してきた雑木林には何もいない。そしてその直後にその場に倒れるようにへたり込んだ。
やっと、逃げてこれたんだ。

574 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:20:36 ID:WCFTTbQn
―それは、カワワラシという存在だ。
おじいさんはそう告げた。
人間の子供とほとんど変わらない姿で、男や女の区別がある。山の中の川に棲む存在で、
時折人間の子供の前に姿を現す事がある。河童とは違う土着の妖怪で、
山の中の動物が人間を模して人間の姿になったというものだそうだ。
性質は動物のそれと同じで、人間の常識や倫理を持たない獣そのもので、
殆どは野蛮で残酷だというのだ。お前が会った女のカワワラシは、運が良かったな、と言った。
もし、あの時逃げられなかったらどうなっていただろうか。
姿は人間そっくりだが、人間の倫理を持たない獣そのものの存在。
思い出すと、冷汗が止まらなかった。
―そして、カワワラシのあの子にされたあの事は、言えなかった。
心身ともに疲れ切った自分は、睡魔に屈して朝まで眠りこけた。
怖い目に遭ったけど、もう大丈夫だ…。そう胸をなでおろして…。

575 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:21:06 ID:WCFTTbQn
「大変だ!こっちに来てみろ!」
日も登った早朝に、おじいさんからの声で自分は目を覚ました。
玄関の前にあったのは、あの時置いていったクーラーボックスに、釣り竿、カゴだった。
そしてそのクーラーボックスの中には、自分が釣ったものではない無数の川魚が詰まっていた。
「信じられん…お前、そのカワワラシに相当気に入られたようだぞ」
カワワラシが人間に贈り物をするなどという事はありえないそうだ。彼らにそんな概念はないと。
自分は、あの時のカワワラシの女の子の優しいキスと、こちらに向けるあの微笑みが頭に蘇った。
そして同時に、家がバレていた。自分がここに住んでいるという事が知られており、
その気になれば気に入られてしまった自分を無理矢理連れていく事も可能だという事実に震えた。
「もうお前は、あの山に絶対に入るな。奴らに捕まったら、何をされるかわからん」
贈られた魚はクーラーボックスごと川に流した。こっちにはお前に興味はないぞ、という意志を伝える為だという。
その行為にあの子に対する罪悪感を少し感じたものの、恐怖心が勝った。
そして、それから自分はもう二度と山に入る事はなかった。
そしてここの外で遊ぶ事も、ここで過ごす事もなくなっていった。
あれは何かの夢だったのだろうと思い、夏休みは終わりを迎え元の生活に戻っていった。

576 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:22:00 ID:WCFTTbQn
「いいか、今教えた事がセックスっていうものだ。お前達はこうやって生まれてきたんだ」
強面の体育教師が黒板にある男女の裸、そして生殖器の図を指して説明する。
この保健体育の授業で、自分はハッとした。
女の人の裸やエッチなシーンを見て興奮する事、自分の陰部が硬く大きくなる事、
その後の意味を知らなかった自分にとって顔から火が出るほど恥ずかしい思いをした。
「男の勃起したペニスを、女のヴァギナに挿入して、精子を出す事で子供ができるんだ」
先生の言葉で、あの時自分があの女子とした事の意味が、ハッキリと分かってしまった。
あれは、気持ち良くなるためだけの行為だったんじゃない。子供を作ろうとする行為だったのだ。
子供。母親。父親。自分が、あの子と?フウフ?ニンシン?ケッコン?
頭の中を自分では抱えきれない出来事が駆け巡り、頭がクラクラした。
「おっなんだー?お前スケベな事考えて頭が固まったのかー?お子ちゃまだなー」
アハハと冷やかす隣のクラスメイトの言葉だった。
「こら!真面目にやれ!重大な事なんだぞ!お前たち男子はなあ、個人差があるし
スケベな事に夢中になってセックスしたくなるだろうけど、子供ができるって事なんだからな!
エロ本やビデオに影響されてレイプなんてもってのほかだぞ!」
クラスメイトが叱られたその言葉は自分に強く突き刺さった。
最も、レイプという無理矢理性行為に及ぶ行為をされたのは自分ではあるが、
あの女の子に子供ができてしまったかと思うと気が気ではなかった。
―その日、夜に見た夢だった。
あの時出会ってセックスしてしまったあの子のお腹が大きくなってこちらに微笑んでいた。

577 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:22:19 ID:WCFTTbQn
―あれから10年以上が経っただろうか。
あれから何もなく、普通の生活と生き方を送ってきたと思う。
オナニーをする度に、あの時の女の子の顔と、セックスの光景、あの時の快感が何度も思い出された。
カワワラシ、そんなものが仮に存在していたとしよう。
見ず知らずの会ったばかりの人間の男と性行為を行うなど、ありえない事だろう。
時が過ぎるにつれ、あれは強烈に印象に残った夢精の類なのだろうと思う事になった。
あるきっかけで再び訪れた実家の山奥を、思い出に耽るように歩いている。
あの出来事は夢の類だったんだ、そう思いながらかつての山の中の渓流の水の音に耳を澄ませる。
―あの時と同じ、水がパシャパシャと跳ねる音。
そこで見たのは、あの時出会った裸の女の子…が成長した姿だった。あの時と同じ、一糸纏わぬ全裸。
髪は腰まで長く伸び、あの時と同じ透き通る様な真っ白の肌。
ふくらみかけだった胸は大きくなり、つるつるでくっきりすじだった股には毛が生えていた。
―そして。彼女と手をつなぐ、あの頃に出会った女の子の姿に瓜二つの、小さな裸の女の子だった。
あの時の子は驚いて目を丸くすると、自分の子供であろう小さな子の頭を撫で、肩を押した。
その小さな裸の女の子はあの時と同じように無邪気に自分へと駆け寄り、飛びついてきた。
まるで父親にスキンシップを求める様な、その勢いで思わず尻餅をついて倒れてしまう自分。
そして、自分を押し倒し顔を覗き込む女の子の顔は、プロレスごっこではしゃぐのとは違う、
別の熱がこもっていた―

578 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:22:44 ID:WCFTTbQn
以上です
SS投下失礼いたしました

579 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 01:12:05 ID:2jYfh6Eg
乙でした

580 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 13:25:53 ID:xMxROJdP
乙でした
えろい

581 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 01:15:29 ID:lgxOU+gr
乙ありがとうございました
えろいとはエロ小説を書く者にとって最大の賛美ですね

582 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:30:22 ID:A4iGS+R7
女権国家2023年雛祭りSS 流し雛の船上のお内裏達の見た死後の世界群

これは現在本スレで連載されている女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
今回は特に重要な忠告があるので最後まで注意書きを呼んでください
@ 一月以上も遅れた雛祭りSSです申し訳ありません。
A FGOのキャラ黒髭エドワード・ティーチがかなり活躍しています。
B 読まなくても大丈夫な様に書いていますが以前>>495から>>501に投降したハロウィンSSと繋がっています。
C スレ主さんが過去に投下した『邪な騎士と横島と騎士』の影響でヒロインが増えています
D このSSの世界線だとアンリエッタ皇女の大鳳くんへの好感度が200越えしており、ネロの好感度は60くらいです
E 名前ネタがあっちこっちにちりばめられており、ちょっとしたネタではなくストーリーに重要な変化をもたらします。
F 装甲悪鬼村正のキャラ少しでてますが中身が完璧に別人です。
G 女権国家に登場していない女性キャラが本編と絡んでいますがそのキャラと本編のキャラの過去や関係性はこのSSのオリジナル設定です。
H 両方女権国家に出演している狂三と陸八魔アルの関係はこのSSオリジナルであり原作でどうなるかはわかりません。
I 各キャラクターの大人形態の描写があり、その姿について明確な姿を次に書ますが曖昧なまま自分で想像したい方は下のアンカーで飛ばしてください
>>583


































リグルの大人形態はEXリグルと画像で検索すると出てくる長髪の姿をイメージしています。作中で出てくる沙条愛歌の大人形態は、FGO量産型ワルキューレで検索すると出てくるショートカットの金髪の娘の姿をイメージしています。

583 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:32:20 ID:A4iGS+R7
 穏やかな風の中で無数の流し雛が、川を流れていく。海に通じる女権国家の川、この川では毎年流し雛が行われる。 この儀式は女権国家の良識派の女性達が自分たちのあまりにも男性の気持ちを考えないと思える欲望を捨て去るための願掛けの行事だ。 
この人形は雛祭りの日だけは申し合わせたように、穏やかになっている海に出たところを回収され。清められた後に各家庭の雛壇に飾られる。この行事に参加する女性は良識派か、良識派よりの女性多い。
自分たちの束縛欲などが良くないと思い、オカルトの実在を信じる者が多い女権国家で自らの精神の浄化と、想い人を得た際に男を支配しすぎた家庭にしない為の願いを込めてこの人形流しに参加しているのだ。

 川を流れる人形たちを多くの女性達が見送り自らの欲望の浄化を望む女性と、自らの欲望が生み出す伴侶となる男性への不幸を流してほしいと願う彼女たちの祈りを受けて雛人形を乗せた多くの小舟はゆっくりと流れていく。
海に近づけば近づくほど、速くなるそれを見ながら彼女たちは、幸せな家庭を司る人形へと変わり雛壇に戻ってきてほしいと考えているのだろう。






 多くの流し雛が流れ着いた海、その無数の流し雛を回収する小舟を多く射出している母船=クイーンアンズリベンジ号。その船の上で多くの流し雛を見つめる横島は、憂鬱そうな顔をしていた。

「今年は本当に流し雛が多いな。多分だけど大鳳に入れあげている良識派よりの女性達の雛が多そうだ。ここで大鳳に向けられた欲望を祓えば俺にも大鳳に欲望を向ける女性の呪詛への特効力や耐性がつくから頑張らにゃな」

 憂鬱ではあるがそれなりに使命感をたぎらせる彼の横を全身が引き締まった筋肉でできたようないかつい顔をした黒いひげの巨漢が叩いた。彼はエドワード・ティーチ、女権国家で数少ない男性だけの除霊と貿易を兼用する船団の団長である。

「そうですぞ、横島殿。 大鳳キュンを汚そうとするような悪い欲望は海の塩でペッしなければなりませんぞ。拙者及ばずながらお手伝いいたしますぞ」

 いかつい顔に合わないオタク口調の声に僅かに安心を覚えながら彼は言葉を返した。

「ティーチさん、何度かこの雛流しの清め役買って出ているんですよね。今年はどんな感じですか」

「大変ではありそうですが、予定外の苦戦はあっても、予想外の苦戦はないでしょうな。それより珍しくこの船に来てくれた大鳳キュンを愛でる作業に戻りたいのですぞ」


 ティーチはキモイオタク口調で話している時ですら、声に彼の指示を聞くべきと思わせる指導者らしい響きがある。 本当に船員たちに底力を引き出す時には彼は昔の悪党らしい威圧感に満ちた口調になるのだ。
そのためかオタク口調で話しているのを聞くと船員たちは緊張しつつ安心できる。何度か、彼の航海に付き合っただけの自分もそう思うあたり船長としての彼の力は本当に凄いと感じる。




 二人の雑談が終わるか否かのさなかに船室から大鳳が駆けだしてきた。

「忠夫、ティーチさんここにいたんだね! もうすぐ開戦なんだね。頑張るぞ!」

 目をキラキラさせる大鳳を見て、横島はやはり海軍総大将の息子だから船が好きなのかもしれないと思った。 ティーチは大鳳を見るとオタクらしいだらしない笑みを浮かべていった。

「やはり大鳳キュンの様な男の娘は眼福の極みですな! でもできれば拙者の方を先に呼んでほしかったですぞ。 それと呼び方も呼び捨てか、もしくはティーチお兄ちゃんでお願いします! もしくはさげすむような眼で見ながら気持ち悪いホモ屑で!」

 もしくはからの下りの言葉は横島が大鳳に向かって、『消』『音』の文珠を投げたので大鳳に届かなかった。 そして彼は即座に黒髭に拳を繰り出した。

「アホ船長、何大鳳にへんな知識植え付けようとしてんじゃ!」

「友愛でも良いから純愛が拙者はほしいのでござる。横島殿は純愛人外ガールズだけじゃなくて、男の娘な大鳳キュンにまで好かれるとか贅沢すぎですぞ」

 最初は心配していた大鳳も、二人の殴り合いをいつものことだと思うようになっており、呆れたような様子で他の場所に歩いて行った。それを認識しつつ横島は思う。
多分だがティーチは横島が毎回の様に船員として船に乗っていたら大鳳にああいう冗談は飛ばさなかったのではないか。今回はあくまでも船員ではなく、
悪霊払いの外部協力者として乗り周囲にもそういっていたから、こういう行動に出られると見越していた気がする。





 ウォームアップに近い感覚になるような殴り合いを終えた後、彼は少し息をついた。

「ティーチ、そろそろ仕事の時間なのか?」

「霊感はない拙者ですが、海の気の読み方は横島殿より上ですぞ。まもなくですな。今回は船に同行してもらったアリス殿とエヴァ殿にも頑張ってもらわないと」

「ああそうだな」

 横島は凄く憂鬱な気分になった。エヴァとアリスの二人は女権国家だと良識派の女性に分類されるが、自分が二人にとって格好良い感じられるところを見せると昂ってくる。だからあまり呼びたくないと思っていたところもある。
だが、黒髭ことティーチのこの船は多くの悪霊退治などを成し遂げたために強力な悪霊などを討った刀が威力を増す様に強力な破邪の船になった。
その船の船長からの今後の約束の確約や追加報酬が美味しすぎて二人の動向要請を断ることができなかった。

 思考に沈む彼に不意にティーチが声をかけてきた。いつも通りのオタクの口調だが、重要な事だということは彼の声の質が告げている。

「横島殿、貴方からもらった幾つかの文珠、あれ今回は拙者使えません」

「どうしてだ!」

「それなり以上に大事な用事がありましてな」

 既に使ったのか、それとも使う予定なのかわからない様子で彼は言ってきた。誰にも悟らせてはならない事なのだろう。敵に文珠を持っているかもと思わせるためか、それとも持っていないかもしれないと油断させるためかそれは判断がつかない。
 横島にこれを伝えてきたこと自体、相当に苦渋の決断なのが見て取れる。本来なら誰にも漏らしたくなかったのだと思った。 だからこそ横島も言葉少なに短く答える。

「分かった。船長としてのお前は信じている。重要な事なんだろう」

 その言葉にティーチは苦渋の賭けに出た時の様子で郷愁に似た哀愁をにじませながら言葉を返してきた。

「ああ。どんなものよりも大切なものだ。できれば絶対賭けたくないものまでも賭けなきゃいけない、くらいのな」

 横島はティーチのあまりにも真剣な様子に僅かに驚いたが、直ぐに禍々しい気を感じて意識が切り替わる。無数の雛人形から黒い瘴気が立ち上り始めた。黒髭はそれを見るとさっきの郷愁を感じさせない軽い口調で船員たちに指示を出し始める。

「はい、皆さん討滅の時間です! 悪霊祓いの銃と梓弓構え! 最初は怪異も様子見ですから、魔除けの音だけで迎え撃つように。実弾や矢を撃つのは中盤ですぞ」

 黒い瘴気が固まってできた女性の戦士の群れティーチが駆け入り大きな体格に物を言わせて刃付きの篭手を影の一体に突き立てた。一撃で霧散したその瘴気を以外の妖怪が彼に迫るとティーチは篭手の刃の部分ではなく拳で殴り倒す。決して遅くはない、
女性達の影の攻撃をティーチは掻い潜り体格に任せた怪力でなぎ倒し、その迫力に敵も味方も飲まれた瞬間に威圧感のある声に切り替えて彼は言葉を発した。

584 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:34:05 ID:A4iGS+R7

「新人ども、みりゃわかると思うがこいつらは個々の戦闘力は高いが軍団としては弱い。なぜなら女権国家の女性達の負の欲望と支配欲が固まっているからな。
こっちがちゃんとまとまって対処すりゃ的とかわらん。乱戦慣れしている連中は俺に続け」

 ティーチは部下に緊張感を与えるべき時と、発言を印象付けたいときは、威圧感のある悪党の口調に戻る。今回もその効果があったらしく、新人の船員たちは今の指示をあっさりと覚えた。
切りあいが始まるとティーチが一斉掃射の指示を飛ばした。それを聞き梓弓の弦を鳴らす音と魔除けの処置を施された空砲の音が鳴り響く。

「良いか悪霊との戦いでは銀の弾や魔除けの弾丸や弓矢は威力は高い。だが人間にもあたる恐れがある。対して音だけの武器は味方に当たることはない。そういうメリットも覚えておけ」

 新人たちが懸命に連射し、ベテランの男たちが切りあいを演じる中で、横島は霊波刀を構え文珠を片方の腕に握りしめて戦況を見た。予定通りにいけば、破邪の武器で武装を固めた例の力者ではないティーチの船団で事足りるだろう。
 横島や大鳳の役目は予定外の事態が起きた時に被害を出さないことだ。 全力で警戒をしながら『調』の文珠で敵の伏兵などがないことを確認した。新人が主だがベテランが十数人指揮官として混じる援護射撃を繰り返す後衛と、
ベテランと接近戦が得意な新人で構成された前衛どちらも良く動いていると思いながらもどちらに非常事態が起きても直ぐに動けるように立っていた。



しばらくの切りあいが続いたあと、横島は文珠を構えると『浄』の字を掲げて投げた。
そしてそれに瘴気でできた軍団がひるむと即座に『広』の文珠を投げて効果をより強くいきわたらせ始める。 敵全体がひるんだのを見てティーチが笑いながら叫んだ。

「ここまでくればあとはもう詰みですな。全員一斉掃射。今回は切り札だけじゃなくて、普通の破邪の祝福済みな弾丸や矢すら出番なしで終わりですかな」

 ティーチのその発言が終わった直後に何人かの船員が弾き飛ばされて壁に刺さった。
 その船員たちが平船員とは言え、精鋭と言える面子だったのを見てティーチの雰囲気が僅かに変わる。

「拙者ったらフラグ立てちゃった?」

 ティーチふざけた口調でありながら隙の無い様子で船員を吹き飛ばした黒い人影を見た。 その人影は他の倒された人影の瘴気を吸収し、どんどん強くなっていく。さらには自らも率先して他の瘴気でできた人影を倒し吸収している。

「こりゃあかんですな。 大鳳キュンは拙者の合図があるまで船の奥に隠れていてくだされ。 平の船員共は全員下がれ。これには祝福済みの矢や銃もあまり効かない。むしろ同士討ちの恐れが強い。
強化される前に倒すとか考えるな。むしろ瘴気を吸収しようとしている内に避難しろ。横島殿や大鳳キュンクラスでないと無駄死にだ。アリスちゃんと、エヴァ様は切り札の用意をお願いしますぞ」

 ティーチの言葉が終わると同時に横島が霊波刀を出現させて横に並んだ。

「ティーチ、霊能関係には除霊船もやる船長としての最低限くらいの知識しかないって言っていたけど、なんか思いつくか?」

「ムーリ。拙者こんな規格外の瘴気人間相手したことありません。今年は本当についてませんな。この仕事は毎年苦戦はあってもピンチはなかったのですがな」

 隙のない佇まいをしながら日本刀めいた武器を構える黒い人影相手に、横島が緊張感を削ぐ言葉を紡いだ。

「というか、この瘴気人間どう見ても翼さんやないか!」

「本当にシャレにならない欲望パゥワーですな」


 そういって軽口をたたきつつもティーチと横島に一切の油断はない。目の前の存在は本当に恐るべき存在だと判断している。

あまりにも恐ろしい瘴気を恐れながらティーチが毒づく。

「翼どのはなんで今年に限って雛流しに参加したりしたんでしょうな? それとも毎年出ていたけど、今年は大鳳キュンがいたせいでこんな欲望が生まれてしまったとか言うオチですかな」

その黒髭の愚痴を聞いて横島の頭に心覚えが思い出された。

「そういえば、翼さんは大鳳以外を狙っている警邏隊員に凄い説教したらしい。その隊員たちは普段は凄く良い隊員なのに、狙っている男が絡むと凄くダメになるとか。 その説教を見てティアナさんが珍しく怒るんじゃなくて言い辛そうに言ったそうだ。
『翼、その娘達も確かにひどいけど、大鳳くんを前にした貴方よりは少し、いいえ大分ましなのよ』って、それを聞いた翼さんは、その警邏隊員達の醜態を思い出しながら震える声で『わ、私は、か、彼女たちよりひどいのか』って返したそうだ」

「なぞは全て解けましたな」


ティーチが銃を構えた瞬間、翼の姿をした瘴気でできた人影が一気に彼に切り込んできた。
 鋭く速い一撃を黒髭が鉄の篭手で覆われた拳を繰り出して受けた。受けるというより、斬撃を殴ったと思えるような鈍器めいた一撃を放った後、ティーチが驚きの籠った声を上げた。

「こりゃシャレにならねぇな。横島わりい、十秒は援護すんの無理だ。腕がしびれちまった」

 翼の影の一撃はティーチが早く拳を繰り出したために振りぬけたとは言えなかった。にもかかわらず力負けしていないだけではなく、逆にティーチの腕をしびれさせるとは。 横島は直ぐに霊波刀を構えると全身を文珠で『強』『化』して切りかかった。 ティーチがやられたら時間稼ぎはもう不可能だ。



 霊波刀を構えエヴァやヴィヴィオの配下達にもまれた剣士との戦い方を思い返しながらティーチを襲おうとする翼の人影に彼が剣を突き立てた。牽制ではなく全力の一撃でなければ時間稼ぎにすらならない。
翼の影に霊波刀を受け止められると彼は即座に離れた。接近戦の時間を長引かせれば直ぐにやられる。
まだ片腕を使えるティーチへの警戒を影が捨てられないうちにティーチが止めを刺されそうになったら直ぐに邪魔をできる程度の位置に下がり様子をうかがう。
 翼の影は即座に横島を倒しにかかってきた。ティーチよりも横島の方が何をしてくるかわからないと踏んだのだろう。
刀の威力を殺せる距離だったにも関わらず軽く手がしびれるような一撃を受けて彼は下がった。 下がりすぎれば、ティーチと挟んでいる有利が消えてしまうが、それでもその優位が消えるギリギリの位置まで下がらなければやられていただろう。

 僅かに空気が変わった後、翼の影が奥義らしき一撃を放ってきた。文珠の強化と危機回避能力の全てを集中してその一撃を受けきったが、詰んだと彼は思った。

 そう思った直後にピストルの音が響き、翼の影が僅かに揺らいだ。ティーチは笑いながら銃を構えていった。

「敵を欺くには味方から、本当は五秒程度で銃を撃てそうだったのですぞ。 超高級品の悪霊浄化弾のお味はいかがですかな」

 軽い口調で言いつつ、ティーチの表情は硬い。この弾で倒せないということはこの影は相当に強いのだろう。 横島は即座に決断を下すと一瞬で翼の影に襲い掛かった。
銃のダメージが消えたらいよいよ勝ち目はなくなる。それならばダメージの回復を遅らせる攻めの形で時間を稼ぐしかない。ティーチも同意見だったのか即座に横島と息の合った連携を見せ始めた。

585 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:36:53 ID:A4iGS+R7
 速さが勝る横島が僅かに動きを鈍らせた後、ティーチが剣や拳で攻撃を仕掛ける。翼の影も攻撃が有効だとはならなくても、かわせず剣で受けることが殆どなっている。
だが僅かに間違えれば、剣以外の拳や蹴りが彼らを襲った。きちんと上手く受けてなお、体の芯に響き彼らを削るそれはまともに受けたらどうなるか考えたくもない。
だが防ぐより攻めた方が今は時間が稼げる。守りに入りたいという本能を理性で怒鳴りつけると彼は霊波刀を構え、ティーチと鍔迫り合いを演じる翼の影をうかがった。

 激闘の中で横島は息を切らせ早くティーチが大鳳を読んでほしいと思った。この翼の影は多くの大鳳狙いの女子の欲望を吸収しているから、大鳳が来れば一度だけなら隙だらけになるだろう。
であるにも関わらずティーチが大鳳を呼ばないのは先ほど彼女を弱らせた以上の破邪の弾丸は持っていないのだろう。 横島の眼から見てもあの弾は凄く高価な霊具であることがうかがえた。
 あれを受けてこの程度しか弱らないということはこの瘴気の塊は本当に規格外だ。

 瘴気の塊の傷が癒え再び速度が速くなり始めた時、ティーチが叫んだ。

「大鳳きゅん、来てくだされ」

「はい。ティーチさん」

 黒髭の声にこたえて大鳳が来た瞬間、大鳳を見た翼の形をした影は一瞬膠着し、次の瞬間凄まじい速度で大鳳に迫った。その間にエヴァとアリスが立ち塞がり、翼の人形らしきものを出した。

「忠夫、『繋』がるの文珠を投げて」

「おう」

 横島がそれを投げると人形と瘴気が呪術的な意味でつながった。途端にその影の動きが一気に弱まった。それを見て黒髭が言う。

「今だ。俺の銃を文珠で『強』『化』しろ」

「ああ」

 破邪の銃弾が文珠で強化されるとティーチは構えていった。

「赤字ギリギリの銃弾連射だ。たっぷりと味わえ」

 ティーチの高級品の悪霊祓いの銃弾が五発くらい当たるとその影は不意に弱まり、やがてアリスとエヴァの用意した人形の中に吸い込まれていった。





戦いが終わった後、流し雛が行われた山で宴会が行われる中、横島はティーチに質問をした。

「なあ、ティーチ結局どうやってあの翼さんの影が主となっていた存在を弱らせたんだ」

「アリス殿やエヴァ殿の方が分かりやすく教えられると思いますが、アリス殿が最初に横島殿と会った時のテレポート見たいので翼殿の所に行って髪の毛もらってきていたのですよ」

「そうなのか」

「警邏隊副隊長なめちゃいけませんよ。彼女普段大鳳キュンを襲う時にあっさりティアナさんにつかまっているのは良くないことしていると思っているせいで、己の良識と良心からかなり強力なデバフがかかっております」

「それで翼さんの人形と繋げたのか」

 ティーチへの問いだったが答えたのはいつの間にか近くに来ていたアリスだった。

「正確には人形を通じて翼さん本人の意識と繋げた感じね。あの瘴気の塊があそこまで強かったのは、ストッパーなしの欲望のみの状態だったからなの。だから普段から制御できている意識と繋げたら直ぐに抑えられたわ」

 そこまで聞いて横島は風鳴翼という人は女権国家でもかなりの良識派であり、もしかすると大鳳と結婚出来たら理想的な嫁さんになるかも、と思った。 そこまで考えるとアリスが彼の耳元に唇をつけていった。

「今回の除霊の依頼で材料も手に入ったからあとで、雛祭りのイベントに移りましょう」

 そういい終えた後、いつの間にか来ていた愛歌がアリスと彼を挟む様に侍り酒を注ぎ始めた。

 宴を終えて様々な料理を食らいつくした彼は愛歌に注いでもらったお酒が心地よい脱力感を与えてくれていることに気づいた。薬酒であり霊酒でもあるのだろう。
ふらつきながら彼はアリスと愛歌に支えられながら天然の温泉の出る山小屋に誘われそこで二人に体中のツボを押されながら、温泉につけられた。
薬酒の効果が温泉の脱力感で強まり動くことすらできない。 二人の自分を洗う腕が余計に脱力を招きもはや立つことすらできなくなってきた。

「忠夫、そろそろメインイベントに移りましょう」

 アリスの綺麗な笑みに怖いものを感じながらも、彼は従った。もはや逃げることはできないし、彼女たちの与えてくる快楽に慣れてしまった今逃げる気力もいまいち湧いてこない。


 横島が運び込まれた部屋は、船に乗った雛人形とお内裏の群れが多数にある部屋だった。そしてそれらは全て自分と彼女達を模したものだなとなんとなくわかった。

 不意に彼は自分を襲う女性達の中でも珍しい面子の女性がいることに気づいた。

「ルイズさん、ヴィーラさん」

 紅のイメージが似合うヴィヴィオの近衛騎士の一人である彼女は、ヴィヴィオ護る為に共闘してからは偶にだがヴィヴィオと共に自分を嫐ってきていた。だがヴィヴィオの信任が厚いからこそ顔を合わせる頻度はそれほど多くない。

 もう一人は白と青紫の衣装に身を包んだ包容力のありそうな笑みを浮かべたアリスの姉だ。綺麗な金色の髪を靡かせながら彼女は言った。

「忠夫くん、久し振り」

 彼女は横島を気に入り妹であるアリスと共に嫐ってきたが旅行などに出かけていることが多く、偶にしか顔を合わせる機会がない。

「ひょっとして、アリスの補助ですか」

「いえ、違うわ。今回はティーチの手伝いと皇族の依頼両方を果たすという蝙蝠をして懐を膨らませに来たのよ」

前聞いた話では、ルイズはある皇族と仲が良く彼女が旅行先で仕入れた魔術的な価値も高い骨董品などを扱っている店にその皇族が来ることも多いらしい。だからこそ多少は皇族や貴族にも顔が効くそうだ。彼女の言葉を疑問に思う彼に彼女は言葉を続ける。

「ティーチは今日、親王国派として、謀略に長けた皇族を罠にかけようとしているの。それでその皇族はあまりにも自信満々な手紙につられて私にティーチの盗聴を頼んできたの。
そしてティーチはわざと盗聴されることでその皇族を罠にはめるつもりみたい。詳しくない様は知らないけど、ティーチはかなり自信満々だったわ。『今回しか謀略であの女に一泡吹かせる機会はねぇ。
自分自身ですら自覚できてない弱点をいきなり殴られたら、さすがに上手く対応できないだろう』って言ってたわ」


 ルイズの言葉が終わると、アリスが純粋に楽しそうな笑みを浮かべて言う。

「実を言うと私達もティーチにお願いされていたの。忠夫を最低でも三日くらいは動けない状態にしてほしいって。そして特定の時間に深刻ではないレベルの霊的災害を多発させてって。 今回は遠隔操作で霊災害起こす以外、私達の出番はないだろうから、たっぷり楽しみましょう」

 少しだけ怯えつつティーチの意図を彼は読み始めた。自分を三日くらい使い物にならなくしてほしいということは、どれくらい効果があるかわからない三日程動けなくなる自分の能力を上げる儀式の時間を作ってくれると言う事かもしれない。
もしくは自分が動けなくなることで戦力を下げて敵をおびき寄せるつもりなのかも。あるいはその両方か。少しだけアリスの楽しそうな様子に怯えながら彼は答えた。

「きょ、今日は何する気なんや」

「忠夫、前にティーチさんの紹介してくれたゲーム世界に転生したいって夢を抱いたことがあったでしょう」

 アリスのこれから閨を楽しもうとする声に彼の背筋がゾクゾクとしてきた。これは恐怖と期待両方があるのだろう。

「人間の感性では今生尽くしきったら来世では無関係、それが基本的な考え方でしょう。そしてあなたは今生にかけては私達に尽くしてくれることに決めてくれた」

 ここまで嬉しそうに言いながら彼女は柔らかい体を密着させながら言う。

「あ、ああ。だがアリスちゃんたちからしたら来世でも他の女性の所に行くのがいやだったから、俺の魂までアリスちゃんたちの魅力に参る様にしようとしたんやろ。もう来世でもそうするつもりや」

586 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:38:50 ID:A4iGS+R7

 そういい終わると、アリスが彼の唇を塞ぎ、舌を絡めてきた。アリスとの口づけは快楽で達すれば達するほど、自分の中の糸が切れていき、アリスの糸が彼の体を構成するようになっていく様な感覚がある。

 脳内で射精が起こらないのがおかしいほどに電撃が走り、そして射精した時と同じような爆発が何度も起こったがそれでも、彼の分身は射精をしていなかった。
アリスの指から出ている霊力でできた光の糸が彼の分身に入りそれを抑えているためだ。苦しすぎる寸止めに涙が流れてくるのを見越したようにアリスが、
彼の服を脱がせる。彼女は心底嬉しそうに笑いながら立てなくなった彼に跨り一瞬で彼の分身を飲み込んだ。

「〜〜!」

 言葉にすらできない悲鳴を聞き背筋をゾクゾクとさせている様子のアリスは少しだけ名残惜しそうに彼の分身の中の糸を外した。

 射精と同時に全ての思考が抜けきった彼を嬉しそうに抱きしめながら彼女は言う。

 耳元に唇を近づけその吐息だけでつながった分身が彼女の内部で悲鳴を上げる。

「ええ、その通りよ。前話した通り、忠夫は能力が便利すぎるから女権国家以外の世界にも呼ばれる可能性があるの。 そして忠夫は積んだ善行の結果、
異世界に私達を連れて行けるだけじゃなくて、ある程度は転生先の世界も選べるようになるかもしれないって、神綺様が言ってたわ」

「あ、ああ」

 動けずにいる彼を見下ろしどこまでも優しい感じがする膣で彼の分身を嫐りながらアリスが言葉をつづけた。彼がもう一度射精したら交代するような約束をしているのだろう。

「それで私達としては貴方をベッド中だけではいじめたいの。私たちが転生してほしいと思う世界を疑似体験してもらって、もしも転生先を選べるようになったらどっちを選ぶか決めてほしいの」

 そういうと上海人形たちが雛人形たちを小さな船に乗せて、山の中に通じる川に流そうとしていた。その雛人形たちが流れ着きそうな先には異界に通じる穴のような光が見える。

「今回は誰の好みの世界に転生するか決めてもらうための体験だからたっぷりと楽しんでね」

 そういうと二回目の射精をした彼からアリスは笑みを浮かべて離れた。

 いつの間にか来ていた今生で縁を結んだ女性達が部屋に入ってくると、彼は期待と恐怖を覚えた。既に大人の姿になっているヴィヴィオが笑いながら言った。

「まずは私と愛歌の希望の世界からですね」

 ヴィヴィオが彼に覆いかぶさり分身を飲み込むと、彼は瞬殺されてしまい零れなければおかしいほどの射精をした。そんな彼を見て笑いながら彼女は何度も彼を嫐りぬく。
暴君が完全に支配しようとする儀式に似た性行為は彼の魂すら完全に締め上げている感覚がしてくる。

 落ちかける彼を強く抱きしめ、彼の胸板で豊満な胸を潰しながらヴィヴィオが言う。

「私の希望の来世の世界を選ばれたらかわいがる楽しみが生まれますし、別の所を選んだら、貴方の一番を奪うために分からせる楽しみが生まれます。ですから気軽に選んでください」


「ちょっと待って、ヴィヴィオが選んだ世界ってまえみたいに男性優位が当たり前のエロゲーの世界なのか?」

「それは始まってのお楽しみです♪」

 その言葉と共に彼の意識は一気に暗転を始める。彼が意識がある状態で見た最後のモノはヴィヴィオと似た雰囲気の雛人形と愛歌と似た雛人形に挟まれた自分を連想させる内裏様を乗せた船が流れ光の中に入っていく光景だった。 
王としての征服欲に満ちた笑みを浮かべるヴィヴィオと、大好きな遊びを始める直前の子供の様な笑みを浮かべる愛歌を見ていると恐怖と期待が膨らんでいくのが分かった。





 唐突に意識が覚醒した彼は自分がティーチに紹介されてプレイして自分が来世の転生先に候補に選んだ男性優位のエロゲー(黄昏の丘の向こう側からくる闇に軍勢)の世界にいることに気づく。
 永遠の夜と言われる世界から無数の闇と混沌の軍勢が攻めてくる世界で、常に夕方の様な地域を防衛して戦うゲームだ。闇の軍勢の中にも道義を重んじたり、義侠心を持っていたり、最初は持っていなくても、
義侠心に目覚めたりして人間側に着くものも稀にいたりもする。実は男性陣が女性を奴隷にできたり性魔術を使える理由は、義侠心から人間側に着いた元闇の軍勢の血を引いているからという設定がある。
このゲームの一番の特徴は女権国家の男たちの満たされることのない女性を屈服させる性描写などが多いことだ。
噂によればライターは他国の男性優位エロゲーでも評判の多いものを鬼畜から純愛までやり込んで書いたらしい。性魔術だけを極めて、戦わぬ雄ライオンとなって世界を取るルートまであるという。


過去のことを忘れ意識を現在に戻す。今の自分は来世の自分と意識は共有しているが、主導権は完全に来世の自分にありただ自分は感覚を共有しているだけだと理解する。 大きな天上の宮殿を思わせる城で彼はヴィヴィオに跪いていた。

「ヴィヴィオ聖王陛下、これまでの助力誠に感謝致します。貴方様のおかげで多くの悲劇を防ぐことができました。そしてあなた様が最初に送り込んでくれた援軍である、ヴィーラとユウキの援護は本当にありがたかったです」

 横島の質問にヴィヴィオは笑って答えた。


「いえ、前世で私に尽くしてくれたことを思えばこれくらいは恩返しができたとは思えません。 それに愛歌殿も貴方に幼き頃から修行を着けてくれたりして尽くしていたじゃないですか」

「はい。聖王様のおっしゃる通りです」

「ですから私だけに恩を感じることはありませんよ」

 恭しくヴィヴィオに頭を下げながら、ヴィヴィオに対する対応に神経が磨り減っている感覚がある。

 ヴィーラはヴィヴィオの近衛騎士であり、この世界が完全男性優位社会だと知った上で来てくれてこの世界ではベッドの中でも負けることもあり得ると分かった上で付き合った。
ユウキも女権国家に染まったとはいっても、最初は男性優位の王国の出身だったらしく、男性優位の性行為に忌避感はなかったらしい。
さすがに女王それも女性優位の性行為が当たり前の女神でもある女性にこの世界で一般的な性行為をするのは不敬だし、悪いと思う。
 彼女は明らかに自分に好意を持ってくれているがそれに応じて良いのかわからない苦手な相手なのはそのためだ。


 来世の自分がそう考えている中で前世の意識である横島は来世の自分の楽観的すぎる考えに呆れながら早く逃げろと叫んでいた。
届かないと分かった上でも言わずにはいられないほどに今の自分はストレリチアや女権国家の女性達には最高の餌だ。ヴィヴィオは来世の横島の顔を両手でつかみながら言った。

「今生でも私や前世の妻達全員を娶ってはいただけませんか?」


 ヴィヴィオの王族らしい気品あふれる色香とその豊満な肢体にくらくらとしながら彼は、どうにか首を振った。

「だ、ダメです。俺たちの世界の性魔術などは前世の世界より強いから、貴方達の世界だととんでもなく恥辱溢れる性行為をさせることになってしまいます。ユウキやヴィーラはともかく、
愛歌様ですらまだ男性優位の性行為をされる覚悟ができていないって拒んでいるのに、現在も続いている王朝の神の様な側面もある女性にそんなことはできません」

 その言葉にヴィヴィオは深い笑みを浮かべて答えた。

「心配はいりませんよ。私達は色欲も強いですから。殿方をイジメたい感情も同じくらいありますけど、満たしてくれるならそれもありです」

 そういいながらヴィヴィオは横島を抱き込み豊満な体を押し付けながら言う。

587 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:40:38 ID:A4iGS+R7

「貴方の内心には、自分が閨で負けてこの世界の男子にあるまじき醜態を晒すかも、って恐怖もあるんでしょう?」

 ヴィヴィオの言葉の中には僅かにある横島の内心の恐怖を言い当てていた。
その恐れがあってなお抱きしめたくなる、柔らかさが彼の心を蝕む。耳元に口をつけて彼女はさらに言う。

「大丈夫ですよ。ヴィーラとユウキを貴方は奴隷のごとく仕立てたじゃないですか。きっと私にも勝てますよ」

 そこまで聞いた瞬間彼の理性は切れた。 一瞬でヴィヴィオをお姫様抱っこして彼は言う。

「婚姻の件この場で了承いたします。寝室に参りましょう。陛下」


 前世の横島は来世の自分に馬鹿野郎と言いつつ、僅かに期待してしまう自分が末期だと思っていた。

 ヴィヴィオを寝台に横たえると今生の彼はこの世界の男に相応しい閨の中での獰猛な笑みを浮かべて彼女の服を脱がせた。そして乳房を揉みしだきながら笑う。

「陛下寝室では、身分などは関係なく、一人の男と女ということでよろしいのですね」

「ええ。この世界ではそうらしいですね。貴方が私に閨で勝てたら今後の夫婦生活もそうでよろしいかと」

 意味深なヴィヴィオの言葉を聞きながら、も来世の自分は迷わずに彼女を押し倒し、自らも服を脱ぎ始める。 ヴィヴィオは少しだけ横島に抵抗しながら悩んでいる様な様子で独り言を口にした。

「どうしましょうか……どっちでも良いんですけど。どちらがより楽しいかな?」

 言い終わるより先にこの世界で過ごした記憶しか持たない来世の横島は女権国家で過ごした記憶があれば絶対に口にしない言葉を口にした。

「愛歌様、いや、愛歌ちゃんも今夜俺のモノになってくれると言ってくれていたし。もはやあなた、じゃない、お前達は今夜から俺に飼われるただの雌犬じゃ。おらー!」

 そういって一気に襲い掛かろうとするとヴィヴィオは楽しそうに笑い言った。

「少しもったいない気もしますけど、こっちにしましょうか」

 正常位で上から、覆い被さろうとする横島を彼女は拒まず足をゆっくりと広げ迎え入れる準備をしたあと、彼の分身が彼女の秘部に僅かに入った瞬間、不意に彼女が彼の腰を叩いた。
片腕で叩かれただけなのに一気に腰が内部まで入ったことに彼女の力の凄まじさが分かり次の瞬間、分身の先端から電撃が一気に走り、
そのまま無理やり奥に達した時には腰全体が爆発した。その余波で脳髄が砕けた。一晩で使い切る予定の精液が今の一回で全て搾り尽くされたと彼には分かる。ヴィヴィオは笑いながら言う。

「忠夫さん。どうしました、雌犬の調教もう終わりですか?」

「あ、ああ」

 今の一回の射精で完全に彼の闘争欲が一気に砕け散り。もう眼のまえの女性には閨の中でもベッドの中でも勝てないと悟ってしまった。
腰を叩かれた時の手の動きが目の前で楽しそうな笑みを浮かべる女性が膂力だけではなく、どれだけ武芸や魔術に精通しているかを示している。

「ヴィ、ヴィヴィオ様。ワイの負けです」

「早漏なだけじゃなくて体力が尽きるのも早いんですね。 閨の中で完敗したってことは私に負けた、征服されたってことですね」

 ヴィヴィオが笑みを浮かべて彼の体を触ると萎えていたはずの分身が再び活力を取り戻した。

「は、はい」

 この世界で領主まで上り詰めた男ではありえない寝室での女性に対する土下座をしながら彼は負けを認めた。

「それじゃあ、ストレリチアの法で裁いて構いませんね」

 ヴィヴィオは土下座する彼を心底楽しそうな見下ろしながら笑みを浮かべて指を鳴らした。その音と共にユウキとヴィーラと愛歌が寝室に入ってくる。

「ヴィーラ。忠夫さんのあの発言は明らかに不敬罪ですよね」

「はい。聖王陛下を雌犬呼ばわりなど、この世界で彼と共に過ごしていた身としては無理からぬことだと思いますが、さすがに擁護できないかと」

「それじゃあ、貴方達も忠夫さんを懲らしめるのに協力してくださいね」

 ヴィヴィオの声に女権国家に染まり切ったユウキの喜色満面な声が答えた。

「はーい♪ 忠夫を聖王様のお婿さんに相応しくなるようにたっぷりと矯正します。この世界では剣の師匠だった僕に任せて」

 そういって笑いながら近づいてくるユウキとヴィーラを見ながら、彼の中に反骨精神が出てきた。この世界に来て二人に勝ってから彼は毎晩の様に男性優位の性行為でこの二人を喘がせてきた。 
ヴィヴィオには負けてもこの二人に負ける気はない。

 そう思い彼が立とうとしたところにヴィヴィオが薬酒を差し出してきた。

「さすがに動けない体では二人の相手は難しいでしょう。 大丈夫、ただ精力を回復させて溢れる様にするだけの薬種です。感度が上がったりしませんよ」

 ヴィヴィオに与えられた薬種を飲み体力が回復した瞬間に彼は、ヴィーラとユウキにこの世界の住人らしい獣めいた性欲をもって襲い掛かった。そしてヴィーラを押し倒しかけた時、彼女は言った。

「忠夫様、実は謝らなきゃいけないことがあります」

「なんだ。それなら今からお仕置きしてやるからまとめて吐き出せ」

 そういいながらヴィーラの内部に自分の分身を突き立てると、突然に今までとは比べ物にならない快感が襲い掛かり彼は直ぐに果ててしまった。

「ごめんなさい。 実は今まで閨で負けていたのは全部演技だったんです。 私が愛する聖王陛下が、どうしても調子に乗った忠夫様をへし折る遊びしてみたいと仰るので」

 誠意のない謝罪をしながら彼女は心底楽しそうな笑顔で射精後の快感で立てなくなった彼に騎乗して腰を振り始めた。

「あー!」

 声にならない悲鳴を上げる彼を見下ろしながら彼女は言う。

「閨で私にすら勝てないものが聖王陛下に勝てるわけがないでしょう。でも大変でした。貴方が、好意に値する行動をとったり、
ベッドの中で調子に乗るたびに虐めたい欲望が沸き立ってきて、聖王様への愛がなければ我慢するのはとても無理でした」

 今までの閨の中で服従させてきた記憶がすべて嘘だったと知って彼の心は散々に砕け散った。 そしてヴィーラは演技だと分かる怒った様子で理不尽なことを口にした。

「一度達したら交代する予定なのに貴方があまりに夜が弱くて行けないじゃないですが。聖王陛下が待ちくたびれてますよ。 謝りなさい!」

 理不尽な言葉を口にしながら腰を振る彼女に心折られた彼は謝罪の言葉を口にした。

「よ、夜が弱すぎてごめんなさい」


謝罪の言葉に合わせたようにヴィーラがより強く締め付けて体を豊満な体を密着させてきた。
ヴィヴィオとユウキが彼の手を取り自分たちの乳房を無理やり揉ませとどめの様な快感が訪れてきたときに、謝罪の言葉と敗北感が一気に脳に焼き付いた感じがした。

 射精して体力は余っているのに分身に与えられた快楽だけで動けない彼を見下ろすヴィーラを不意にヴィヴィオが全く怒っていない口調で咎める。

「ヴィーラ、夜が弱いのはダメなことではあっても悪いことではないし、こちらが騙し討ちにしたんですから理不尽すぎるし可哀そうですよ。それに私の命令とは言え、彼をここまで調子に乗らせたのは貴方でしょう。少し矯正が必要ですね」

 そういってヴィヴィオがヴィーラの乳房を揉みしだくと彼の分身を捕らえていた秘所が一気に強く締まりはじめ、そのまま彼の意識を削り取っていく。ヴィヴィオがヴィーラに口づけするとそのまま一気に締め付けがきつくなりヴィーラの絶頂と同時に彼は果てた。

 達したのは同時でも指一本動かせない彼と、余裕の様子を見せるヴィーラではどちらが勝者であるかは一目瞭然だ。

588 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:41:41 ID:A4iGS+R7

 横島が完全に動けなくなったのをヴィーラは見下ろしながら、ヴィヴィオと交代をした。

「あ……、やめ、待って」

 ヴィーラもヴィヴィオも横島が足元にも及ばないと思う程閨の術はすさまじい。だが、横島がネズミならヴィーラは猫で、ヴィヴィオは虎や熊だ。
射精したばかりで敏感になった分身を彼女に飲み込まれると一気に体中が潰されるような錯覚を覚えた。つながって最初の射精で悲鳴を上げるとヴィヴィオは嬉しそうに笑った。

「悲鳴が可愛すぎて私も一度達しちゃいそうです。少し待ってくださいね。同時にイキましょう」

 ヴィヴィオが体の位置を変えて、快感が強すぎて逆にイク事が出来ない状態を作り出し。 対面坐位の形で彼を抱えながら笑う。
腰を振られる度に射精を求める感情が強まり狂いそうになる。 彼女は横島が完全に屈服したのを見計らった瞬間に自らも絶頂し、彼から搾り取った。

 射精後にきつく締められた彼は二度目の射精を迎えたのと、この世界での恥辱の強さに流れた涙をヴィーラ―がなめとった。

「ヴィーラ、忠夫の傲慢さもこれで少しは戒められましたね」

 動くことすらできない横島の分身を踏むヴィヴィオに、ヴィーラが近づき猫の様にすり寄った。ヴィヴィオがヴィーラに対して愛撫を始めると彼女はあっさりと生きながら笑う。

「ごめんなさい忠夫さん。私の被虐的な性欲はヴィヴィオ様に全て取られてしまいました。もう、貴方に対しては嗜虐的な性欲しか向けられそうにありません」

 最後の言葉はヴィヴィオに可愛がられながらも彼の分身に足を延ばしながら口にされた。

「ふざけん、あー!」

 反論の言葉を言いかけた彼の分身の一番敏感な部分を足の一突きで完全に手玉に取りながら、彼女は笑う。
そしてユウキが後ろから彼をその豊かな乳房を押しつぶす様に押し付けながら、後ろから押さえつける。 満面の笑みを浮かべていることが分かる声音で彼女は言う。

「忠夫、僕も負けている演技していたけど、以前『今日からお前は師匠じゃなくて寝所では俺に飼われる雌犬だ』とか言ったよね」

「あれはあくまでも寝所だけだって」

「うん、前世で同じような事言われたら怒ってたと思うけど、僕全然怒ってないんだよ。どうしてだと思う?」

 問いかけながらかの自は横島の分身の根本を握りしめた。射精を封じられただけでなく、握りしめられる快感で余計に射精できない状態が辛くなった。そこに本格的にヴィヴィオが上になり百合を始める。
ヴィーラとヴィヴィオはお互いを愛撫し合いながら四つの足で横島の分身を激しく嫐る。快楽のあまりしゃべるのが辛い。だがそれでも喋れないわけではない。ヴィーラとヴィヴィオは横島のその限界を見極めながら足で嫐っているのが分かる。

 二人に怯えつつも、ちゃんとユウキの問いに答えないと、答えなかった場合より、もっとひどいことになる。そう思いながら彼は答えた。

「そ、それはこの世界の一般価値観がそうであることが分かっていたことと、意図的にワイを調子に乗らせたのが自分だという、自覚があったからでは?」

「それもあるけど、主な理由はそうじゃないんだ〜。 正解は」

 そこまで言うとユウキが彼を引き倒し、言う。

「分からせる楽しみの方が勝ってたから。 うん、もう僕完全に女権国家に染まっちゃってるね♪」

 最後の楽しそうな言葉と共に横島の分身を飲み込んだ彼女は、敢えて大量の射精をさせながら、横島を見下ろす。子供の頃から師匠として英雄を見る目で見てくれた彼女が、演技を見抜けなかった愚かさと、
ベッドの中での不甲斐なさを見下す目で見てくるそれが何より彼の自尊心を砕いた。その砕けた自尊心が流れ込んだように自分の分身が固くなり、彼女に注がれる精液の量が増えていく。 ユウキは体を密着させると胸を彼の胸板で押しつぶし楽しそうに笑う。


「ホラホラ、実はいつでもこうできたけど負けてた振りをずっと続けていた僕に好きなようにされる気分はどう?」

 それに対する彼の答えは強すぎる快感が生んだ言葉にならない拷問を受けている様な声だった。

「うん♪ 実に良いお返事だね♪ 次は今までの寝室での名誉棄損の暴言へのお仕置きだよ」

 引き抜き立てなくなった彼の分身をユウキは豊満な乳房で挟んだ。数回はその乳房で挟み込み分身をしごき射精させたが、それが済んだ後は直前で、寸止めすることを繰り返し始める。

「あー! ユウキ意地悪しないで早くイカせて」

 それを聞いた瞬間、ユウキがいきなり乳房で強く彼の分身を圧迫し、射精させた。そしてその直後に舌で先端を搦め手追い打ちをかけてくる。精液を飲み下した直後に彼女の霊力が一気に上がり、逆に彼の霊力は一気に下がった。 強すぎる快感で脳が壊れかけた彼に彼女は言う。

「忠夫、もう閨の中で負けたんだから、イカせてじゃなくて、イカせてくださいって。敬語で言わなきゃダメでしょ。 分かった」

「は、はい。わ、わかりましたユウキ様」

 肯定の返事を返した瞬間、自分とユウキの関係が決定的に変化した感覚が彼に走った。その感覚が終わる前にユウキは優しく彼の分身を乳房で抜き射精させた。その射精がその変化を決定的に彼の脳裏に焼き付けた感じがする。

「よく言えたね。えらかったよ」

 そういうとユウキは笑いながら彼から離れた。交代するかの様に愛歌が前に立ち、彼女は笑いながら、横島の分身を踏みつける。踏まれているのに優しい快感が走ることが逆に彼の背筋を寒くした。
愛歌は魔術を使い服を消し去ると幼さが残っていながら、吸い込まれるような色香を放つ肢体を彼に見せつけながら、手のひらで彼の分身を撫でつける。 

 快楽で脱力気味な彼の耳元に彼女は唇をつけると楽しそうに言った。

「忠夫、ヴィヴィオへの不敬罪はこれで凄惨完了らしいけど――さっきお前たち、つまり私の事も今夜から雌犬って言ったわよね。つまり、私の方への不敬罪はまだ清算できてないわ♪」

「愛歌様、許してくださ、あー!」

 言い終わるより先に彼の分身を愛歌が飲み込んだ。彼は悲鳴を上げながら叫ぶ。ヴィヴィオやユウキやヴィーラと違い彼女の膣は幽霊であるせいか、彼の魂により深く絡むような感じがする。

 横島の霊力はゼロに等しいのに生命力を吸い取り彼女の霊気が強くなると。振りほどけないという恐怖がより増していく。

「勝手に調子に乗ったならともかく、調子に乗るように仕向けた相手を嫐るのはあんまりよくないと思ってはいても、楽しいって感情の方が強いあたり私も女権国家人なのね」

 花の咲いたような笑みで彼の彼に跨り絞り尽くしながら愛歌は笑みを浮かべた。
魂に絡みつくような膣が彼の分身を子供らしくきつく締めながらもどこか優しく、絞るがどこまでも溺れてしまいそうになる恐ろしさが背筋に走る。愛歌は射精と同時に崩れ落ちた彼を抱えながら笑い口づけをした。

589 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:42:59 ID:A4iGS+R7

「そろそろ、次に移りましょうか。前世で貴方が頑張ってくれたおかげで、私の王朝の時代に主流だった宗教の女神の一柱に格上げしてもらえたの。
王朝が滅んでも、その宗教は滅びず女権国家内では細々と続き、ストレリチアではそれなりにメジャーな宗教になっていたわ」

 そういって愛歌が立ち上がると、彼女の体が光に包まれた。光がやむと白い衣装に身を包んだ金髪の若干くせ毛のショートヘアの美女が現れた。 彼女の身を包む宮殿の巫女を思わせる白くそれでいて女権国家らしい、
露出のやや多い感じがする衣装だ。鮮やかな色の肌がその純白の布とお互いを引き立て合っている。愛歌は年齢と共に大きく育った乳房を彼に見せつけながら挟み込んだ。

「英雄を育て導くものって意味で私は女権国家とストレリチアのワルキューレの大将の一人みたいな立場に成り上がったの。おかげで私の墓が神殿と併用になってしまったわ」

 幼き頃から聞かされた前世の話をしつつ愛歌は彼の分身をゆっくりと乳房で嫐る。屈服させつつどこまでも甘く柔らかく、脱力させる類の嫐り方に彼は脱力してしまい動けない。
いつまでも溺れていたいような胸での愛撫に疲れ切った時に入った温泉の様な脱力を覚えていると、ゆっくりと射精の時が近づいてくる。 完全に四肢の力が抜けきったころにユウキが後ろから彼を抱き上げて愛歌の姿を見せる。
自分の分身を意のままに操る愛歌の姿が余計に彼の欲情を煽る。

最後の崩壊は予想と同じ形で訪れた。どこまでも優しい胸での愛撫で限界を迎えた分身が、射精を起こす。だが予想と同じだったのはここまでだった。
射精がもたらす快感は完全に予想外のものだ。どこまでも優しい乳房による愛撫で引き起こされたにも関わらず強すぎるがゆえに痛みにも似た射精が起こる。
その快楽から逃げようとするとそれを、ユウキに背後から止められた。彼女は片腕とインプの尻尾で彼を拘束しながら、残った最後の手で横島の玉袋を優しく揉みしだく。

「あー! あー!」

 愛歌のインプとなっているためか、彼女の胸と同じような優しい快楽が射精の厳しい快楽をより引き立てる。 揉まれる度に射精の量が増えそれが噴水の様に愛歌を汚す。
目の前が白く染まり股間から雷と火花が散った様になり僅かに痙攣するように悶える彼をユウキと愛歌が楽しそうに見ていた。

 快楽で意味もなく上を向きそうになった所をユウキが頭を押さえ無理やり愛歌の方を見せる。
笑う愛歌に視線を戻されると、白い液体が彼女の体全てを汚し、そして少しずつその精機が彼女の霊体に吸収されていく。自分の霊力が削り取られた感触と共に精液が消えていくほど愛歌の霊力が増す感じが力の差を自覚させていく。


 射精を終えて立てなくなった彼を愛歌は手をかざしてできた霊力だけで、拘束した。愛歌は敢えて少女の姿に戻り動けない彼の分身を足で愛撫し始める。
その足先のもたらしてくる快感は先ほど胸で彼の分身を翻弄しつくした時のそれと同じ類の快感だ。だが胸と違い、強く踏まれなければ自分の分身は達することが困難であると横島の理性は理解している。 
あまりにも巧みすぎる足での愛撫で彼が情けない嬌声を上げると。愛歌は笑いながら彼を見下ろした。


「不敬罪の清算はあと一回私とヴィヴィオを閨で満足させたらおしまいにしてあげるわ」

 その言葉にほっとした。今夜は地獄化もしれないが、これを耐えればすべてが終わる。そう思った彼の目の前でヴィヴィオが不意に愛歌より幼い姿に変身した。
 彼女は天使の様な無邪気な笑みを浮かべながら愛歌に足で嫐られる彼の分身を踏みつける。 愛歌のどこまでも脱力させ出られなくしてくるそれとは対極な圧倒的な快感で屈服させて来る類の快感が分身に向けて走り始める。
 笑みを浮かべながらヴィヴィオは言う。

「不敬罪の清算なんだからそんな楽に終わるわけないでしょ♪ しばらく恥辱的な意味で死にたくなるかもしれないけど頑張れお兄ちゃん」

「ヴィ、ヴィヴィオ。まってただでさえもこの世界では男性優位の性行為が当たり前なのに、よりによってそんな幼い姿で、あー!」

 口調は優しく慕う兄にじゃれる様な言葉でありながら、どこまでも徹底的に支配し蹂躙する感じの彼女の足が容赦なく彼の分身を追い詰め、対照的に嘲笑しながらも優しい愛歌の足が彼の快感を余計に引き立てる。

「ほら、頑張ってください。世界中に英雄として名が知れている男爵閣下? あと20秒耐えたら、幼女二人の足で達した屑の称号だけは免れる様に計らってあげますわ?」

 愛歌が発するどこまでも侮辱を込めた礼儀正しい王族の口調が余計に恥辱心を煽り、我慢させる気のない二人の責めで彼は一瞬で達してしまった。
愛歌に胸で抜かれた時の優しい快楽と相反する電撃の様な射精で脳が壊れかけた瞬間にヴィヴィオの足がさらに追い打ちをかけてくる。

「ほら、私達との上下関係をちゃんと覚えてお兄ちゃん」

 無邪気な声と同時に射精して一番、敏感な所に来た一押しが再び大きな射精を巻き起こす。体を反り返らせて倒れた彼の視界にうっとりとした表情のヴィーラが視界に入った。

「ああ! 成人の姿の陛下もお美しいですが、幼き姿で忠夫殿を嫐って楽しんでおられる姿も尊すぎます! 何年も閨で負けた振りをして、貴方をわからせたいと思う気持ちを抑え続けた努力が報われました」

 そこまで言った後、ヴィーラは特別なご馳走に仕込みをするタイミングを忘れかけていたのを思い出したかのような様子でヴィヴィオに言葉をかけた。

「陛下、私が仕込んでおいたネタ晴らし今やるのが一番かと」

「ずっとお兄ちゃんに張り付いていた貴方が言うならヴィーラが言うならそうなんでしょうね。 それじゃあネタ晴らしゴー」

 ヴィヴィオの無邪気な子供らしい言葉と共に、不意に無数の画面が空中に現れた。そこには彼が今までの生涯で救ってハーレムに加えてきたこの世界の女性達が映っている。ヴィヴィオは笑顔で言った。

「テレビ電話状態で最初から最後まで全部見てたよ彼女達♪ 大丈夫お兄ちゃんを捨てたりしないように、私たちの世界の女性的になるようにしておいたから」

 嘲笑めいた目を浮かべた彼女たちが画面から消えてしばらく経つと、彼女たちが寝室に入ってきた。彼女たちはストレリチアの騎士あるいは、愛歌と同じ衣装に身を包んでいる。白い衣装に身を包んでいる。

「男爵様、これからは私達は聖王ヴィヴィオ様にお仕えするものと、愛歌様にお仕えするものに分かれることになりました。それでは主従逆転の儀式を始めるとしましょう」

 一目見ただけで分かる。彼女たちは、既に自分が絶対勝てないレベルの夜の戦闘力を得ている。 ヴィーラが彼を後ろから押さえつけて笑いながら言った。

「ヴィヴィオ様と、愛歌様がしばらく見学されるみたいだから。お二人の興が乗るように彼を可愛がってあげなさい」


 それからの彼はしばらく快楽と恥辱の地獄が続いた。この世界で男性優位の性行為をし続けた相手から、この世界の住人だからこそわかる類の恥辱責めを受け続けさらには時々ヴィーラにヴィヴィオと愛歌の蔑む視線を時々無理やり見せられる。

全員に犯され終わり、最後に彼を搾りながらヴィーラが言う。

「ヴィヴィオ様が喜んでくれています。お二人の興も乗ったし今宵は私の番はこれで最後です」

 しばらく焦らしてから大量に搾り取るとヴィーラはヴィヴィオと愛歌に彼を渡した。

 愛歌とヴィヴィオが心底楽しそうに笑いながら、言った。

「それじゃあ、この世界では特に恥ずかしいらしい、女性優位の性行為を私と愛歌お姉ちゃんで交代でしようか。幼女の姿と大人形態両方でして上げるから。しっかり思い出の初夜として記憶に刻んでね」

590 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:45:08 ID:A4iGS+R7

 二人に交互に犯され続けヴィヴィオの与えてくる激しい征服してくる様な夜の攻めに完全な屈服をした。その直後にヴィヴィオに大量の精を放った直後に少女の姿の愛歌に入れ替わられる。
彼の分身は射精直後で一層敏感になっているのとヴィヴィオと対極の快楽が余計に愛歌の与えてくる快楽による反応を強めた。 
彼は愛歌の優しい快楽がもたらす射精の恐ろしさを思い出し、震えたが既に何もできないまま。最大の雷が分身に落ちて爆発した感覚が起こりそのまま意識が砕け散った。








 横島が目を空けると、夢と同じ体制で自分と繋がる愛歌がいた。後ろにはヴィヴィオとユウキとヴィーラがいる。自分の霊力が激しく消耗して状態になっており、代わりに彼女たちの霊力は大幅に上がっていた。

 愛歌は優しい笑みを浮かべて横島に言った。

「こういうのはダメだと思っているけどたまには悪くないわね。忠夫あなたはもう二度としてほしくないならやらないけど。どう?」

 言われた直後に、二度とやらないでくれと即答できない自分がいることに気づく。それを見て愛歌は彼の顔を立てる様に抱き着き言った。

「うん、私達が凄くやりたいってわかって譲ってくれているのね。ありがとう私の英雄さん」

「あ、ああ」

 自分の顔を立ててくれているなと思いつつ、愛歌が差し出し来た果実酒を彼は飲んだ。今夜は普段から自分や大鳳を助けてくれている彼女達への礼でもある。
最後まで相手をちゃんと仕切らなければ。果実酒を飲み下すと心地よい眠気と共に、失われた霊力と精力が戻ってくるのが感じられた。
宴会料理に含まれていた良質な栄養と混じり合い、彼の体力を回復させていのが分かる。


 横島が座った状態から立ち上がろうとすると、アリスが笑みを浮かべながらもう一つの雛人形を川に流し始めた。

 今度はアリスとアルとエヴァ、リグル、ルイズそしてユウキを思わせる人形が自分を想起させるお内裏様を囲んでいる。ほかにもいくつか誰なのか分からない雛人形が幾つかあったが、
それ以上に気になることがあった。ユウキの人形がどちらの時にもいるのはなぜだろう。その疑問を察したユウキが声をかけてきた。

「僕はどっちの世界でも別に良い中立派だから。それに両方でみんなの為に協力できるしね」

ユウキの楽しそうな声に嫌な予感を覚えながらも彼の意識は再び落ちていった。








 横島が来世の自分の中にいる意識体として目を覚ました彼は、ここがどこか直ぐに理解した。
ティーチと共にプレイした『悪魔の作り出した大奥破壊。女の奴隷からの下克上、女王様たちを奴隷に落とせ、悪夢の大奥迷宮制覇録』という女性の心が生み出す夢のダンジョンに挑み続けてクリアした女性達を奴隷にできるエロゲーの世界だ。

 このゲームのでは主人公は悪霊払いなどをしていた良識的な家の人間であり、邪悪な悪魔や邪神と契約して、幻想を現実に浸食させて、幻想や神秘の干渉率を上昇させて現実を支配しようとする悪魔に挑んでいくというものだ。
 男性優位の性行為が当たり前の世界で、夢の迷宮を踏破する前に負けると、夢魔の女王の力を手にした女性達に嫐られ王国でいう所の逆レイプを受ける。快楽に負けると自分も夢魔の女王に使える側に落とされるバッドエンドだ。
迷宮を踏破するとヒロイン達を男性優位の性行為で支配下に置ける。または寝室の中以外では自分の方が主人になることができる。 現実世界で善行などをして好感度を上げると、様々なメリットがあるが、
好感度が上がったヒロインが主人公を得るために夢魔の女王の僕になるなどのデメリットが出ることもある。




 そこまで思い出した後、横島は来世の自分の状況を必死に読み取り始めた。 この来世の自分はどのルートに進んでいる? 周りのヒロイン達との関係は。前世で関係を持った女性達はどんな形で関わってきている?

 読み取り終わった直後に彼の頭は恐慌状態になった。今の自分は最悪なルートをたどっている。味方になってくれたヒロイン達が好感度マックス状態でドSに目覚め心情的には完全に女魔王の味方となっている。
一部のヒロインは契約で一応こちらについていてくれているが、早く彼が堕ちてほしいと思っており、大奥の迷宮で負けた時の逆レイプには普通に魔王側として参戦して来ている。そして今の自分は、
学校で雪姫という名前の教員をしているエヴァに呼び出されている。 間違いなくエヴァだと思い安心すると共に、恐怖が背筋を走る。安心の念はエヴァが本当の意味で自分には許容できない悪事に走ることはないだろうという思いだ。
恐怖の念はだが快楽や苦悩を共有する来世の自分は知らない。その苦悩や強すぎる背徳感を来世の自分と感覚を共有して味わうことになる。

 二つの感情が混じり合う彼に構わず体の主導権を持つ来世の自分はやや虚勢を張りながらエヴァに近づいた。

「雪姫先生なんの御用でしょうか」

「今日は私が主である、大奥の迷宮に来るのだろう」

「はい」

 来世の横島は政争で家が完敗しているから、相手の言うことに何一つ逆らえない状態に近い。だが大奥迷宮を踏破すれば相手はメス奴隷になるから逆転できると考えている。その彼に雪姫と名乗る、エヴァは抱き着き言った。

「私に負けずっと性奴隷でいたいと思わせた方が、夢の世界ではデバフがかかるからな。 この世界は前世の女権国家と違って男性優位の性行為が当たり前だから、男にセクハラしてもバレることはない。実にやりやすい世界だ」

 そういうといつの間にかエヴァの私室から、豪華な西洋の城に来ていた。彼女は笑いながら、彼の唇を奪いながら言う。

「卑怯だなどとは言うなよ。何しろお前は諦めさえしなければ、いつか勝てるという反則能力を得ているのだからな」

 口づけを受けて全身を脱力感に支配されながらも、来世の横島はエヴァを敵視していた。だが彼女の紡いだ言葉には心底同意している。大奥は一度でも攻略してしまえば、相手をメス奴隷に落とすことができる。そうである以上相手の心を完全に折るか堕落させるしかない。

 エヴァは口づけし舌を絡める感覚だけで、横島が完全に脱力したことを見破り、そのまま服を脱ぎ始める。

 不意に何かの気配を感じて振り向くと、いつの間にか横島にもなじみがあるエヴァの配下のメイド人形たちが周りにいた。メイド服を剥ぎ取らなければ普通の人間とほとんど見わけのつかない彼女たちは笑いながら彼の服をゆっくりと脱がせ始める。
彼女たちは体は成人女子に近く見えるが、言動などがやや幼いところがありそれが彼女たちを美少女という認識にさせていた。黒髪のポニーテールと、ショートカットのもの。茶色のツインテールのと青色のショートカットなどのメイド達、彼女たちは笑みを浮かべるとエヴァに言った。


「まかせてください。ご主人様。今夜の私達へのご褒美よろしくお願いしますね」

「勿論だ。だが、褒美が主目的とはいえ、任務という面もあるから手は抜かないようにな」

 エヴァと話しながらも、動けない彼の服をあっさりと脱がせるその手腕は本当に一流のメイドだと感じられる。


 僅かな時間で、服を脱がされた彼をエヴァが軽々と片腕で持ち上げて立たせるとそのまま彼を引き倒し、両腕両足で拘束すると見かけだけは正常位の体制で彼の分身を加えこみ、一気に射精させた。その射精に合わせて彼女は彼の首筋に牙を立てる。

 上と下からの強すぎる快楽に涙が出たのを見計らって彼女はより強く彼を抱きしめて乳房を彼の胸板で潰した。

「どうだ? ずっとこれを味合わせてやるから私達の配下にならないか?」

 契約などそういう強制力などない問いかけだが、ハイと答えたら自分は多分永遠に精神世界の迷宮で勝つのは不可能になる。そう思った彼は首を横に振った。

591 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:46:07 ID:A4iGS+R7

「そうか。まあ、私達としてはお前の奴隷にされても奴隷にするのもどっちでも良いのだがな(最終的には結果は変わらないから) それではもう少し奴隷になった場合の快楽のデモンストレーションを堪能しろ」

 上からは血をしたからは精を搾られながら彼はしばらく経った後で助け起こされて、メイド達から魔法薬のドリンクを渡されて飲み下した。少なくとも自分を殺す気は全くないという点では信じている。

 飲み下した直後に彼の体中の霊的な疲れと精を吸われた体力が回復を通り越して、前以上に昂ってきたのを見てエヴァが笑う。

「素晴らしい霊薬だろう? 毒などは盛っていないぞ。なぜなら普通の効果だけで十分だからな」

「それはどういう」

 倒れる彼にエヴァが再び抱き着き。分身を飲み込むとさっきとは比べ物にならない量の射精が起こった。

 脳が完全に砕け散った感覚を味わう彼に彼女笑う。

「射精の量が多ければ多いほど、精神を破壊する快楽の威力は増すだろう。それでは頑張って耐えることだ」

 その言葉と共に不意に彼の意識は一気に暗闇に落ちた。






 一度落ちた意識が戻ると、彼はエヴァの別荘の中に再びいた。エヴァの姿は既になく服も既に着せられている。 横島は疲労しながらも前に進む決意を固めた。

『さてどうなるか。とりあえず家に戻ったら迷宮に入る準備だな』

 そこまで考え進もうとすると不意に後ろから声がかかった。

「あ〜横島さん、もうお帰りになられるんですか。ご主人様が寂しがりますよ」

 声に警戒の念を刺激されて、見るとそこには先ほど自分の服をはぎ取ったエヴァのメイド人形たちの姿がある。しゃがみながら彼を見下ろしていた、
黒いショートカットの女性が離れると、茶髪の女性は慇懃無礼と思えるような態度をわざと見せながら礼を取った。

「ご主人様はちゃんと盟約通り貴方の帰宅時間を『遅らせたりはしていない』のでご安心を」

 それを聞き、来世の横島に様々な考えが浮かぶ。前世で妻だったらしい頂上存在達は絶対に約束を破らない。そこまで考えて彼は結論を出した。

「エヴァの別荘は外と中で時間の流れが違うのか?」

「正解で〜す。 つまりぃー、貴方を何回搾り取っても約束の時間に返したってことにはなるでしょうね」

 そういわれて彼は逆に冷静になった。エヴァは勝負する際に自分を鍛えようとしている様な側面もあるためか、そういうゲームでいう所の嵌め技の様な戦い方は好まない。
おそらくそういうこともできるのだから、うかつだったぞと言う警告だろう。実際に冷静になる数瞬までは本気で肝が冷えた。

 横島が冷静になったのを見ると黒髪のショートカットのメイドが笑いながら言葉をかけてきた。

「それでは、お帰りになられる前にご主人様に挨拶していってくれますか。 なんだかんだで、貴方に雑な対応されると、ヘコんじゃうんですよ。今生は敵対組織に所属を選んだくせに、夜が強い以外は割と普通の女の子ですから」


「ああ。分かった」

 横島は頷いた。悪夢世界の大奥は、相手の女性の好感度が高いほど難易度は上がるが、危険度はそれに反比例して低くなる。だからこそ、ここは彼女の機嫌を取るべきだ。
ゆっくりとメイド達の案内に従ってエヴァの待つ、城主の間にたどり着くと彼女は玉座らしき椅子に大人の姿でもたれかかっていた。

「雪姫先生、それでは家に戻らせてもらいます。 今夜貴方の精神世界であり、領域でもある夢の迷宮で会いましょう」

「忠夫、お前はもう、今夜は負けているぞ。 私は一応教師としての務めは果たすと言っていたな、今回は約束を全て守った上でお前を完敗させている」

 そこまで言われて横島の頭の中に様々な可能性が浮かぶ。エヴァは今生でも約束を破ったり嘘はついたことがない。つまり彼女が間違えていない以上は自分の負けが決まっているのだろう。 悩み考える彼に向けてエヴァが手をかざすと、そのまま彼の体が急に重くなった。

「お前はもう家に帰っている。ここは私の夢の迷宮だ」

 そこまで言われて横島は真っ青になった。夢の迷宮は最初に入ってしばらく経てば現実と変わらない様な世界だ。そしてエヴァは自分の夢の迷宮の形が現実世界の城に似ているから、夢だと気づかせない方向で準備ができる前にボス部屋に誘い込んだのだろう。

 動けない彼に近づいてくるとしゃがみ目線を合わせるとエヴァは言った。

「とてつもなく強い武器なら相手も死に物狂いで研究してくるし、対策も考えてくる。完全に武器を取り上げたりするのは無理でも、こういうやり方は可能だからな。 ちなみに、
今の術は吸血鬼の魅了の応用だ。お前の私との性行為を思い出してああいう風にされたいという、願望を引き出して縛っている。夢の世界ならではの技だな」

 そういうとエヴァは軽く横島の首筋をかんだ。 数的血を吸われただけでも脱力を伴う快楽が襲い掛かり、彼は倒れかけた。うつ伏せではなく、仰向けに倒れる様にして彼女は笑う。

「お前たち、褒美の時間だ。好きにするが良い」

 エヴァが彼の服を一瞬で剥ぎ取ると、メイド達が笑いながら服を脱ぎ始めた。彼女たちが服を脱ぎ終えた瞬間、ここは夢の迷宮だと完全な確信が訪れる。エヴァの言葉を疑っていたわけではないが、僅かな疑念も完全に消え去った。

「それじゃあ。頂きます♪」

 黒髪のショートカットの娘に一気に分身を飲み込まれると彼はそのまま一気に意識を持っていかれた。エヴァが見下ろし笑いながら霊力で来た糸を彼の体の内部に潜らせながら、言う。

「色々と女性を悦ばせるのが男のたしなみだろう。悲鳴を上げて射精するだけとは情けない。私が前世の妻だった身として、手伝ってやろう」

「待って、もう限界だ」

 分身が内部に飲み込まれているだけで完全に快楽で気がやられかけている彼はこれ以上、僅かな快感でも送り込まれるのも耐えきれない。その彼の懇願を無視してエヴァが手を動かすと彼の手が繋がっている彼女の乳房を揉みしだき始める。

「あー! あー!」

「胸を揉んでいるだけで、完全に限界かもう少し根性を見せろ」

 次いで目の前の女性の尻を揉みしだかせられた時、彼は二回目の射精を迎えた。
それを見てショートカットの娘が笑いながら、彼から離れて、黒髪のポニーテールと入れ替わる。

「ほらほら♪前世で私達は貴方をかなり助けたんですからその分の報酬は払いなさい。霊力をよこしてそれと性的奉仕も頑張って」

 射精直後に入れ替わり敢えて別の刺激を与えながら嗤う彼女に屈しつエヴァが手を動かすと、まだ体を重ねていない茶色の髪をした二人に彼の手が伸び乳房や尻を揉みしだき始める。 
嘲笑めいた視線を感じながら目の前の髪を降ろしロングになった女性に口づけされながら彼は射精し倒れた。

「まだまだ足りませんけど、夜が弱すぎるあなたには可哀そうだから、一旦は許しましょう。 おや、この程度の罵倒でダメージが入るだけじゃなくて、屈辱による勃起が起きていますね。
やはりこの世界は女権国家のある世界の王国より、男性優位の性行為が当たり前の度合いが強いようですね。ある意味王国と違ってベッドの中で男を圧倒できる女性がほとんどいない世界だから当然ですか」


 入れ替わった後、茶色の髪をした二人が前と後ろから彼を挟み、射精する都度に入れ替わることを2回繰り返した。 倒れた彼を見ながらエヴァが試してみようとするかの様に呪文を唱えると、ユウキが現れた。
それを見て彼は真っ青になる。ユウキはダンジョンを攻略中は協力してくれるが、自分が攻略に失敗して敵の女に犯される段になると向こう側に参加する立場になっている。エヴァは笑いながら言う。

592 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:47:47 ID:A4iGS+R7

「まだ戦えるのに私の術にかかるということは、お前はそれを望んでいるということだな。このド変態が」

 罵るエヴァを他所にユウキは丁寧に彼女に礼をして言う。

「エヴァ様呼んでくれてありがとうございます。最近は忠夫がダンジョンの攻略に失敗しないから、女性優位だけどノーマルな範囲の性行為しかできてなかったんだ。
最も僕の方が彼女達よりは性的な技術は上なのに、射精量は今より少ないんですけどね」

「筋金入りだな」

 エヴァの侮蔑の言葉に分身が硬くなったのを見て、四人のメイドが足で抜き始めた。そこにユウキが近づいてきて、一気に分身を飲み込むと、彼の脳天に雷が落ちた。
今回の彼女は一度で一気に奪い去る類の搾り方をしたかったようだ。痙攣する彼を満足そうに眺めながら何度か腰を動かし、彼が倒れると彼女は笑いながらエヴァに礼を言った。


「久しぶりの被虐心が満たされる性交で一気に落ちたみたいです。それじゃあ、僕は今夜はエヴァ様の使い魔ですから、夢の世界から現実に行ってエヴァ様の為に忠夫の体を頑丈にさせたり、回復させる霊薬集めてきますね」

「相変わらずお前は便利だが不利な点もあるな。インプであるがゆえに、誰を主としたかで得意分野も変わってしまうとは」

 その言葉のやりとりを聞いた直後に彼の意識は完全に落ちた。





次に彼が目を覚ました時彼は自宅の自室にいることに気づいた。恐らくエヴァは現実世界の性行為の後に彼をそのままここに運んできたのだろう。 一切夢精の跡がないことに気づき、彼の気は余計に重くなった。
それだけ大量の量の精をエヴァに吸われたということなのだから。夢の世界で射精させられて、現実にも出る精が残っている内はまだ精を奪われたり、服従を刻む繋がりが浅いということだ。だが一切射精の跡がないということは負けすぎると危ないと言えるだろう。


 彼が落ち込んだ様子で、外に出るとユウキが笑いながら迎えてくれた。

「忠夫、そろそろ完全に屈服しちゃったら。忠夫が負けまくっても、この学園の大奥迷宮を攻略に来る人山ほどいるし、その人たちがクリアしたら解決だし」

 基本的に大奥迷宮は挑戦者がサキュバス達と、このダンジョンの淫欲を司る存在を倒せば終わる。ただ女性達と仲良くなるとその人物専用のダンジョンができてしまう場合もある。ちょうど今の彼の様に。


「そういうわけにはいかん。ダンジョンの奥に潜む存在の邪悪さが大きく激減したっていうのは俺も聞いている。激減したのは確かでも今の時点でどれほど邪悪かわかって、いないからな。
 それに男でありながら妻達にベッドで負けっぱなし手のは格好悪すぎるからな。 かつて予知で見た、一人で多くの女性を喘がせてものしている光景は諦めなけりゃいつか実現するらしいからな」

「そっかー。それは残念。今日もまたエヴァさんの迷宮に挑む気」

「いや、アリスさんの所にしとく。エヴァさんと結構似た迷宮だから訓練になるし、今のところはトラウマもそこまで深いものはないからな」


「うん。良くわかったよ。それじゃあ頑張ろう。隠すまでもなく、僕は心情的には向こう側だけど、攻略に対してはちゃんと手を抜かずに協力するからね」

「それはわかっとるが。本当にお前はドSに染まるのが早かったな。今も俺の味方をしてくれている、茶々丸を見習え」

茶々丸という名前を聞き、前世の横島は来世の自分の意識を探り始めた。エヴァの使い魔人形ではなく、この世界における足利茶々丸だ。自分がプレイしたこのゲームと同じく、
金髪で赤目のトランジスタグラマーな美女の姿をしている。だがゲームと違ってこの世界では容姿はまったく同じ双子となっている。 湊斗景明を村正と呼ばれる女性と取り合っているのは、
まったく同じ容姿の亀若丸と言う妹だ。彼女の方が原作の茶々丸に近い気質だ。何より一人称が違いすぎる。この世界の茶々丸は一人称が私になっており、
気質もエヴァの人形に近い。そして姉妹どちらにも原作の茶々丸を苦しめていた体質が現れていない。

 それを聞くとユウキは楽しそうに笑った。

「彼女は僕に言わせると従順すぎると思うんだよね。もう完全に独立できたんだから、エヴァの魔力で動いていた姉たちみたいに素直になったらいいのに」


 その言葉に来世の横島は首を振ると次のダンジョンへの攻略の準備を進め始めることにした。茶々丸が自分の鎧となってくれるリビングアーマーとして、動いてくれるのはありがたい。だが一つ気になっているところがある。
 大鳳が彼女には気を付けた方が良いかもしれないと忠告して来ていた。自分でもなぜかはわからないが横島がかつての自分と同じ目に遭うかもしれない気がすると言っていた。大鳳もなぜ自分がそんな風に思うのか、まったく理解不能だと言っていた。


 未来の自分の言葉を聞き、前世の横島は驚愕の極みにあった。大鳳がなぜかこの世界に来ている。今の大鳳の生まれ変わりか、それともただの同一存在か。そこまで考えて彼はこの考えを捨てた。
あとでこの来世の夢から戻ったらエヴァ達に聞けばいい。最もその疑問が解けるのはかなり先のことになったのだが。



 来世の横島は必死に昨夜の情事を忘れる努力をしていた。ユウキはまだいいが、エヴァのメイド達との情事が最悪極まった。彼女たちがもたらす快楽はユウキより下だったが、恐らくは狙って、
エヴァと似ていながらエヴァに届かない快楽で彼を嫐っていた。劣る彼女たちにすら閨で勝てないと刻み込むと同時にエヴァに再び犯されたいと思うように仕向けているのだろう。 
メイド達の誹謗中傷とエヴァと同じ性魔術それを思い出しながら彼は、必死に夜が来るのを待った。アリスの迷宮に挑む算段を着けることにした。


 僅かに思考が迷宮への攻略法に埋没しかけた時、不意にユウキの言葉が彼を現実に引き戻す。

「忠夫〜、そういえばエヴァさんが、昨日メイド達が忠夫を激しくイジメすぎたから、前にした忠夫の家にメイドを送り込ませてって取り引き他の条件に変えていいって言ったけど、どうする。もし取引の内容変えたいなら、今日の五時までに申し入れてほしいそうだけど」

「そういえばそういう約束していたな。いや、別に良いわ。エヴァさんの性格はよくわかっている。メイド達が来たとしても、あまりにも卑怯すぎるレベルの妨害はさせないだろ。それに前に恩と引き換えに飲んだ条件だから、あまり変えたくない」

 言った言葉も本心だが、一番は彼女たちが人形だと認識することで、快楽により刷り込まれたトラウマや彼女たちのもたらす快楽に惹かれている、自分の認識を変えたかった。
 現実世界で無機物に過ぎないと強く理解すれば、欲情も多少は収まる。そう考えての答えを聞きユウキも頷いた。

「それで良いんだね。分かったよ」

 ユウキのこの件に関わっていないことがうかがえる。そのことに彼は僅かな落胆を覚えた。エヴァは自分に学習させるような形で痛い目に合わせに来ることが多い。
今回はメイド達を拒否する方が正解だったのか、それとも受け入れた方が正解だったのはっきりとしていない。僅かでもユウキが共犯者だったりすれば彼女の声で分かっただろう。
今回の転生先でも一番付き合いが長いのは彼女だ。僅かに沈んだ気分を立ち直らせると彼は迷宮に向かう準備を整えに移った。







 その日の夜彼がアリスの迷宮に入った時、彼の心に大きな動揺が走った。アリスの迷宮が大きく変化している。正確に言えば、リグルの心の迷宮と合体していると言えばいいのだろうか。
 リグルの迷宮は女権国家と言われた土地に類似したところが多く、彼の活躍した場面などを通ったり、クリアすると彼女がくれた刀が強くなり、前世の技などが使えるようになることが多かった。
 これは恐らく蛍が集まってできた刀の逸話から、刀が自分の魂に働きかけているのだろう。
その代わり負けると前世のトラウマ物の逆レイプなどが想起された。何事も代償が付きまとうと彼は思う。 召喚呪文を用いてユウキを呼ぶとか彼女が楽しそうに現れた。

593 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:49:11 ID:A4iGS+R7

「忠夫、今日はアリスさんの迷宮だけのつもりだったんでしょう。それがリグルちゃんの迷宮と合体していたなんて災難だね」


「ああ。 確かにな」

 答える横島の顔をユウキが手で挟み言う。

「リグルちゃんの迷宮で前世の情事思い出すたびに、忠夫は可愛くなっていったよね。僕としてはもっと、前世の情事思い出してほしいんだけど」

 王国女子のユウキが女権国家に染まり前世の彼を嫐った記憶は彼にとってトラウマが多い。だが、それをやられたことを思い出して強く興奮してしまっている自分が情けないと思い余計にそれが昂ってしまう。 
ユウキは何度も彼の分身を抜いた乳房を服をずらして少しだけ見える様にして見せつけながら、情事の最中に彼を余計に昂らせた閨の中での弱さを侮蔑する視線を向けてきている。 分身が固まりそうになるのを彼は無理やり鎮めると、迷宮に向けて歩み始めた。

 ユウキはそれを見て楽しそうに笑い、まるで誰かに報告するような様子で独り言をつぶやいた。

「まだ、自分から嫐られたいとかってところまでは言ってないみたいだけど、冷静に思考する突入前のタイムを手放させたから今回は割と簡単にゲームオーバーになりそうだね♪」





 アリスの迷宮とリグルの迷宮は彼の過去の性的トラウマを抉り被虐心を煽るという所は似ている。だが、リグルの迷宮は前世の有名なエピソードが多く、その時の感情まで再現される、いわば自分が主役の性的な劇だ。
対してアリスの迷宮は過去の自分が受けた性的な快楽で嫐られる劇の感覚を共有している観客になっている感じがする。 どちらも体験させられるという点では同じだが、攻められる個所は違った。この迷宮では過去の迷宮で受けた攻めを同時に受けることになるだろう。


 
 道中の途中の中庭にインプであるユウキが行った方が楽に動かせる仕掛けがあり、そこにユウキを送った直後に不意に、幾つもの蛍の光が集まり始めた。警戒と共に身構え軽く攻撃してみるが、手ごたえはない。恐らくは発動した後しか対処できない仕掛けなのだろう。
蛍の光が集まると、そこには本物のユウキと寸分たがわぬ姿をしたユウキの姿があった。これは前世のユウキだ。そう判断すると彼はリグルからもらった刀を抜き放ち構えた。リグルも敵対はしているが、決して約束は違えず彼女がくれた武器は彼にとって最良のものだ。


 ユウキの偽物が剣を構えた。彼女からの威圧感を感じると彼の色香でかかったモヤがなくなり、最戦時のそれへと切り替わった。全身の神経を目の前のユウキの前世の影法師に集中させると、彼女の癖を読み取り始める。
ユウキの剣は速度に上乗せされた剣の圧が凄まじい。無理をしてでも一太刀目を受けきり鍔迫り合いに持ち込めば勝てる。

『大丈夫だ。このユウキは俺が前世で共に戦ったユウキの再現。だからこそ今のユウキ程駆け引き等には長けていない。そして癖なども俺に稽古をつけているユウキと似ているし、長所も今ほど伸びていないし、欠点の減少具合も今より少ない』

 次の瞬間、極限まで引き絞られた矢の様な速度で切り込んできた、彼女の一撃を彼は辛うじて受けきった。僅かに見える癖がなければ不可能だっただろう。ユウキの一撃は速さが生み出す、剣圧も脅威だが、次に怖いのは変幻自在さだ。
一撃必殺の構えから突然連撃に切り替えるということを、他の剣士ではできない様な速度でやってのけてくる。剣をぶつけ合い、凄まじく強いだが、今生のユウキ程ではないと理解した彼は、敗北への恐怖を克服すると、こちらから体重をかけて鍔迫り合いに持ち込んだ。


最も恐るべき瞬間を乗り越えて、彼女の動きが鈍った瞬間に彼は霊波刀を片腕を離した。そして篭手状の霊波刀を出現させ、予備動作なしで篭手から剣に変えると仕込み刃の様な剣をかわすべく後ろに飛びのいた彼女に『抑』の字の入った文珠を投げつける。

『背に羽がなければ、いくら早くても一度飛んだら降りる場所は変えられない。ユウキ自身速くて敵に滅多につかまらないせいか、飛んだあとを狙い打たれたことが何回かあったといってたしな』

 文珠が命中し動きが止まったユウキに向かって彼は、『眠』の文珠を使った。『眠』の文珠を受けるとユウキの影法師はそれを受けると体が再び蛍となって散っていく。それを見ながら負けると消え去る勤めなのだなと彼は思いながら、ユウキの帰還を待つことにした。





ユウキの帰還が遅いことと彼女が文珠を一つ使ったことが伝わってきたことで彼に僅かな不安が募った。基本的にユウキはインプであり自分の使い魔だが、
距離が離れていると契約を一時的に乗っ取られることなどもあり得る。それができるものはほとんどいないが、今の彼が攻略している迷宮の主である彼女達はそれにあたるかもしれない。

『一応文珠で契約を一時強化しとくべきだったか? いや、だが、やられる可能性も低いし、現実世界程じゃなくても文珠は貴重だしな』

 横島は色々な迷宮をクリアしてきた際に、そういう事態も起こりうるということは知ってはいたが、実際にそういうことが起きたことはなかった。 だが一応は警戒しておくべきかもしれない。  離れていたために確実とは言えないが、
多分ユウキの文珠の用途は契約の一時的な乗っ取りを防ぐための類の使い方だったようだ。 戻ってきたら何があったか聞いた方が良い。そう断じて質問の内容を頭の中でまとめ始めると丁度ユウキが戻ってきた。

「忠夫、ただいま!」

「ユウキ、何があった。やっぱり契約の一時的な乗っ取りか?」

「うん! 忠夫のくれた文珠で『阻』んだけどね。割とぎりぎりだったよ。でも正式な契約は一時的に乗っ取るだけでも相当力を使うし、それをやってきた以上ボスの力も相当弱体化したはずだよ」

「そうか」

 短く答えると、横島は中庭に『印』の文珠を使うと、結界を張った。 これで『転』の文珠を使えばいつでも戻ってこられる。 彼は不自然ではない程度の速足で、古い西洋の古城を思わせる廊下に入った。 歩く彼の横に寄り添うように歩くユウキが口を開いた。

「忠夫、さっき昔の僕の影法師と切りあってたけど、どうだった?」

「俺よりは少し強かったけど、お前と手合わせしてたおかげでメタはれたから勝てたな。今のお前より癖を隠したりするのが下手で攻撃が分かりやすかった。それに今のお前も力では俺に負けているけど、そのお前より力でも劣っていたぞ。まあ、過去なんだから当然だが」


 そこまで言うとユウキが雑談を振るように言葉を返してきた。

「だろうね。さっきの僕はリグルちゃんの英雄譚再現、でできた僕の影法師だけど、あの状態の僕ってどういう状態で戦っていたか、分かってた?」

「いや」

 そこまで言うとユウキは面白そうに昔の話を始めた。

「女権国家の霊的な恋愛相談員の人に、『闘技場で今モノにしないと遠くに行ってしまうかも』って言われた時の僕だよ」

「そうなのか」

「うん、あの時は僕が初めて本当に大事な勝負で忠夫との騙し合いに勝った時だったよ。勝負や試合自体では勝てることが多いけど、本気で忠夫が騙しに来ると引っ掛かることが僕は多かったから。
忠夫が僕を傷つけずに勝つために動きを封じる術を使ってきたときに、その術を破れたのにかかったふりして不意打ちしたんだ。 こんな風にね」

 言い終わった瞬間に、放たれた抜き打ちの一撃を彼は辛うじてかわした。

「あれ? どこでバレちゃったの?」

「自分でもよくわからんわ。ただ何となく雰囲気でな」

594 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:51:00 ID:A4iGS+R7
 答えながら、横島は状況を頭の中で整理した。ユウキの裏切り=正確には契約を一時的に乗っ取られたに関しては、少し時間を稼げば解けるだろう。
ユウキは持久戦も強いが、一番強いのは短期決戦とその軌道速度だ。 だからこそ襲撃の可能性を考慮して狭い廊下を歩いていた。
長時間乗っ取れない仕様であるなら、この長い廊下で仕掛けてくるしかないだろうと踏んでいた。 全神経を集中させて彼は霊波刀も消して全ての霊気をリグルからもらった刀に集中させる。
ユウキとやりあう場合はこの間合いに来たら速さでは勝てない。だからこそ、僅かに力で勝るのを活かして刃を受けて力比べに持ち込むしかない。


 ユウキの一撃を警戒しながら彼は、油断なく観察した。そして幾つかの推測が浮かぶ、今のユウキは普段のユウキより弱い。恐らくはさっき横島が倒したユウキの影法師が影響しているのだろう。
 自分が影法師を倒した時、蛍の群れはユウキが去っていった方に向かっていた。 そして今の構えは丁度あの影法師と同じくらいに退化している。普段の訓練では読み取るのが困難なユウキの癖も今なら容易に読み取れる。
彼女の僅かな、それでもいつもの鍛錬よりは大きな予備動作に気づいた彼は即座に受ける形でユウキの剣に刀をぶつけにかかった。その瞬間彼の体中の汗が一瞬で冷たくなる。
本当の窮地、或いはそれが訪れる直前の感覚が彼の火事場の馬鹿力めいたものを引き出し、剣にかつてない力がこもった。その次の瞬間、ユウキがかつてない速度で彼に剣を放ってきた。
剣を狙い通り合わせることができたのは、ユウキの剣を知り尽くしていたこともあるが、一番は運だった。剣がぶつかり合った瞬間、
速度だけではなく力も普段とは比べ物にならなくなっていると感じた直後に腕がしびれ彼は大きく耐性を崩した。そして次の瞬間ユウキの拳であごを揺らされそのまま倒れた。


「前世の僕は女権国家の好感度ドーピング状態になってたんだ。その時にそのドーピング状態でない状態くらいで戦って、それでいきなりドーピング状態にしたんだ。今生でも騙し合いの初勝利だね」

 そういうとユウキは嬉しそうな笑みを浮かべながら、横島に多い被さり唇を奪う。舌を絡められた瞬間揺らされた脳と快楽が合わさり、一気に彼は脱力の極みに落ちた。

「戦っている時もなるべく僕に痛い思いさせない戦法を取ってたでしょ。そういう所はかわらないね。 さすがに前世の方が今生より強いとか予想できなかったかな」

 ユウキが放った剣は、横島をモノにしないとどこかに行ってしまうかもと言われた夜にだけ出た、馬鹿力だ。あの日の斬撃だけは今よりも速く重い。
それ以外では今の自分と過去の自分では今の自分の方が強いとユウキも思っている。さすがに横島にこれを予想しろと言うのは酷だとも思う。


 ユウキは心底楽しそうな笑みを浮かべながら倒れた彼の服を脱がせ始めた。程なくして全ての服が剥ぎ取られると、この迷宮の主であるアリスとリグルがいつの間にか来ていた。
アリスは倒れた彼をのぞき込むと教師の様な口調で言った。

「今回は流石に、忠夫が下手を打ったというより私達が一度しか使えない切り札を山ほど投入したから勝てたと言った所ね。 忠夫、どうしても一つだけ腑に落ちないところがあるんでしょう?」

 肯定の視線を返すと、アリスは文珠を差し出してきた。横島はそれを見て、驚いた。自分が作った文珠かと一瞬思ったが違う。今の自分の文珠より僅かに効果が上だ。それに対してアリスは答える。

「前世の今の貴方より文珠を作るのが上手になった時期の文珠よ。私達の身を守るために貴方がくれていたの。 これを使ってユウキの契約を一時的に乗っ取ったのを『偽』ったの」

「今生での努力で補えていたせいか前世のエピソードに無関心すぎたか。多少とは言え前世の力を使っていたんだからもっと、前世の力を引き出したり記憶を取り戻す霊的な修行もやっとくべきだったか」


 そこまで話した直後に彼の分身が不意に覚悟していなかった快感に包まれた。全身の力が抜ける脱力感を味わいながら見ると、ユウキが自分の分身を飲み込んでいることに気づく。
今彼女が送り込んでくる快感は昨夜エヴァの使い魔をしていた時とは対極にある。エヴァの配下をしていた時は激しく攻めてくるような肉食獣に食いちぎられるような快楽だったのにたいして、
今の彼女は脱力させる毒を思わせる甘い快楽を与えてきている。脳震盪が治ってきてなお動き辛い彼の腕をアリスが霊力でできた光の糸で動かしユウキの乳房を揉ませながら言う。

「ホラ頑張って、ユウキを満足させてあげなさい。私も協力してあげるから」

「ちょ、ちょっと待って、もう繋がっているだけで限界、ああー!」

 敢えて射精に合わせて乳房を揉まされて完全に脳が焼き切れて倒れた彼をリグルが見下ろす。 彼が前世であった時の彼女は、ショートカットで小学生くらいの姿だったらしいが、今は美しい緑色のロングヘアーの大人の女性だ。彼女は笑いながら言う。

「忠夫、全ての虫を統べる女王として君にカマキリの雄の加護を上げようか? 気持ちいいだけになるよ?」

 横島は首を横に振った。カマキリの雄は交尾の時に食われていても痛みを感じていない。それなら最後に至る道はどうなるか言うまでもない。リグルは甘いフェロモンを漂わせながら彼の眼を見て言う。

「大丈夫、死なせたりしないから。僕達は妖怪であって、もともとの虫と同じ存在じゃないよ」

 甘い香りで脳が犯され始めるとリグルが服を脱ぎ、彼の体を触り始める。送り込まれた霊気が雲に捕食される虫の様に体中の力を抜いていくのが分かる。 ユウキは名残惜しそうに仰向けになった彼に口づけすると思いっきり彼に抱き着き乳房を胸板で潰した。
仰向けになった彼の体が快楽で痙攣するとアリスが、前世の彼からもらった文珠を取り出し、『刻』の字を浮かべ彼に投げた。射精と同時に乳房が押し付けられアリスの糸でユウキの尻を形が変わるほど揉みしだかされた。
彼の脳は強すぎる射精の快楽で甘い霧の眠りから一気に覚めた。そしてユウキが状態を起こし再び乳房をアリスに動かされる手で揉まされるとユウキが見せたいと望む様に彼の手が、乳房を揉みしだき変化させていく。
ユウキの感触と乳房の変化と形が文珠の力で脳に刻まれていく。 しばらくするとユウキが一度離れ今度は彼に背を向ける形で騎乗してきた。
 再びアリスは文珠を取り出し、先ほどと同じ、『刻』の文珠を投げてきた。 ユウキが腰を振るたびに何度も彼は射精し彼女が望む様に動かされていく。
そして彼女の背とアリスに操られた自分の手がユウキの尻を揉みしだく様子が脳に記憶されていく。 完全に屈服して塊の様な射精を終えた後に、ユウキがようやく離れた。

「忠夫、早く降参しなよ。毎日が僕達とのこの日々だよ。この世界では男性が女性にベッドの中で負けるとかありえないけど、だからこそ気持ち良いでしょう?」

 ユウキの侮辱しながらも自分への恋慕の感じられる言葉が媚薬の様に耳に染み込んだ直後にリグルが唇を奪い、彼の分身を飲み込んできた。強すぎる快感が命を削り取る様な危機感を与え、そしてそれすらも快楽となるような精を取られすぎる痛みにあえぐ彼を見ながらリグルが耳元で言う。

「今から一時的にカマキリの加護をあげるね」

 その言葉と共に口づけされて、舌を入れられると一気に彼の体の内部から苦痛が消えただ中毒になるような快楽だけがある状態になった。理性では話さなければならないと思っているのに、黙って雌に食われるカマキリの雄の様に自分はリグルに食われる快楽を味わっている。
彼が快楽だけで、限界まで拷問を受けたものと同じような悲鳴を上げて倒れると、リグルは笑いながらどいた。

595 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:52:25 ID:A4iGS+R7

「痛みがある方の性交も気持ちいいでしょう。 忠夫が望むならどっちでもしてあげるから。だから、早くプライドを捨てて女権国家に戻ろう」


 リグルが離れるとアリスが笑いながら彼に騎乗してくる。どこまでもアリスの体は今のユウキと似た感覚であり、どこまでも彼に対して甘く脱力させて来る。

「ほら、プライドを捨ててしまえば、ただ気持ちよく何も考えずに快楽を味わい続けるだけの人形になっても良いのよ。 女権国家の私たちの住居にこの世界のお土産を持ってきて」

「土産って」

 ぐずぐずに脳が溶けながらも浮かんだ疑問にアリスは彼を抱きしめながら体を密着させて言う。

「男性優位が当たり前の世界の価値観よ。貴方の恥辱心に満ちた顔本当にゾクゾクしちゃうわ。 蕩けきって堕ちてしまった後に正気に戻った時のことを想像してみて。 惨めでしょう、いやでしょう。でも」

 そこまで言うとアリスは僅かに飲み込まれていない、彼の分身を指で撫でる。それだけで背筋が震え、射精の量が一気に増える。それを見ながらアリスは彼の分身を指で撫でながら言葉を続けた。

「その背徳感がこの子をより元気にしていくでしょう。 想像してみて、今の快楽と恥辱を昔の男性優位の性行為しかありえないと思った状態で味わったらどうなるか」

 想像しただけで恐ろしさとその背徳感が生み出す射精量とそれを受け止めるアリスの体が頭に巡ってくる。もしかしたらどこかでその人形劇をアリスが行っているのかもしれない。 
アリスが彼の体に入れた霊力でできた糸で射精をいったん止めると、敢えて彼に嬉しさ満点の表情を見せながら口づけし、口の中の快楽のつぼ全てを舌で押し始める。
彼女は射精を許されないもどかしさが限界を超えかけた瞬間、一番強く口の中のツボを押しそれと同時に糸での拘束をやめた。決壊するように起こった射精はただひたすら甘く、
彼女に対して人間としての部分を出し尽くし、代わりに彼女の糸が体を埋めていくような感覚がある。それもただただ気持ちよさと、期待しか湧かない。それもそうだろう霊力は精神の力でもある。
自分に対する好意しかないない彼女の糸ならそう感じるのは当たり前だ。 射精直後で敏感になった所でアリスは腰を動かしながら、気持ちよすぎて射精できない状況を作り出し、
それを不意にやめるなどをして彼から大量に搾り取った。そして彼の生身体が一時的な消滅を迎えかけた時彼女は一時的に搾り取るのをやめて、リグルが渡した何個目になるかわからない『刻』の文珠を彼に使いながら耳打ちした。

「ボス部屋で待っているからいつか来てね。これよりすごいことをしてあげるから」

 そういって彼女が体を完全にくっつけると。人形に近づいていくことへの快楽と期待を膨らませる射精が起こり、彼はダンジョン内での生身を維持できなくなり幽霊のようになって夢から消えていった。 彼の幽体が近くにいることを確信しながらアリスは見せつける様に人形めいた肢体を晒し言った。

「完全に脱力しちゃった忠夫をこの体で存分に甘やかすのが良いのに。この世界は便利な部分もあるけど本当に無粋だわ」

 彼女の美しい肢体と、それでいかに自分を嫐ったかが思い出されると同時に、その肢体で動けなくなった自分を嫐り甘やかす彼女の姿が思い浮かび、彼の中に期待が一気に膨らんでいく。それと同時に彼の意識が現実に戻る合図が起こり、彼の意識は現実へと浮上していった。






 夢から現実に戻ってきた彼は夢見心地のままふわふわとした快楽の中で意識がおぼつかない状態になっている。 迷宮で負けて逆レイプを受けた時の状態だ。だが今は股間の分身が甘く、緩やかな快楽に支配されている。
不意に激しい快感へとそれが変わり、彼の意識が一気に覚醒した。あまりにも強い快楽に悲鳴を上げながら目を開くと、自分の眼前には夢の中のアリスと同じ体制で自分を犯すユウキの姿があった。
強すぎる快感で拷問を受けたような悲鳴を上げる彼に、ユウキは普段通りのご機嫌な様子で声をかけた。

「忠夫、おはよう♪ 昨日の負けっぷりは凄かったね♪」

「ユ、ユウキ、もうやめてくれやばい」

「しょうがないなぁ」

 ユウキは横島から離れると魔術で一瞬で服を着こみながら彼を見下ろしながら言う。

「今回の迷宮の主そこまで、非道じゃないから降参したら?」

「男として引けない戦いもあるんや。諦めなければあの時見た未来も必ず実現すると占い師も言ってたしな」


 横島はそういってかつて予知で見た、全ての女性達を組み伏せて喘がせて意のままに跪かせる光景を思い浮かべて、それを頼りに頑張ろうと思ったが、その望みが叶うことはなかった。
勝ちの眼は最初からゼロに等しかったが、昨夜の負けが完全にそれを決定づけたと彼は後に思うことになる。





 その日からの彼は迷宮で負け続ける日々が続いた。『刻』の文珠で意識に彼女達との性交を印象付けられたのが決定的な原因だったと思う。

 ある時の攻略では、敵が意図的にユウキのスカートを破壊したのが原因で彼の視線がユウキの大股と尻に釘付けになってしまい、
あの日の夜の事しか思い出せなくなりユウキに誘惑されて押し倒して結果そのままあの日の夜の再現となった彼女は笑いながら言う。その時の彼女は笑いながら言った。


「今の僕は君の使い魔だよ。それなのになぜこうなっているかわかる? 君がこうされたい。女に負けまくる恥ずかしいセックスしたいって思っているからだよ。ほら早く出しちゃえ、女性に負けるのが大好き無様クズ男!」

 射精しながら脳が焼き切れているタイミングに合わせた罵倒が余計に射精の量を増やし、それが彼をそのまま敗北させて現実に戻すことになった。


 さらに似たような理由での敗北を繰り返す日々を過ごしていた彼に大きな追い打ちとなる出来事が起こる。 エヴァの配下のメイド人形達が彼の家に入居してきた。表向きは一応は政争はしていても同盟者である彼の家への行儀見習いだったが、彼を堕とす手伝いなのは明らかだ。



 彼女たちは来た日に笑いながら言った。

「忠夫さん、いつになったらエヴァ様の心の迷宮に行くんですか? エヴァ様が最近寂しがっていましたよ。最後に来たのはもう一月前じゃないですか」

 黒髪ショートヘアーの女性の言葉に彼はひるんだ。あの日夢の中で性的に完全敗北を喫してから彼女たちに逆らい難いものが芽生えている。
何かの魔術で彼女たちは敢えて彼に名前を覚えさせない。そして夢の迷宮の中で彼を犯す時は敵対勢力の端女であるメイドのカチューシャーを着けている。情事の際にはそれを常に見せつけてきている。 横島は目をそらしながら答えた。

「俺には俺の攻略の仕方がある。敵対勢力の女たちに言うことに従えるか」

 それを聞くと彼女はエヴァからもらったらしい、前世の自分が作った文珠に『真』の文字を込めて自分に使った。そして彼を見据えて言う。

「最近のエヴァ様はかなり欲求不満ですから、そろそろ行ってあげないと、貴方を強すぎる快感で再起不能にしちゃうかもしれませんよ。ちなみに私達も欲求不満です。
今夜エヴァ様の所に行くなら、貴方が一月に一回以上来ている以上は、再起不能にする性行為禁止の契約を交わしてもいいですよ」

 それを聞くと横島は即座に了承することにした。迷宮では相手がその気がなくても精神が壊されることもある。だからこそ攻略の際には相手の無意識の欲望などを募らせない予定組なども大切だ。
だがこの契約をかわせば、不可抗力の破壊にすら歯止めがかかるようになり、時間調整が相当楽になるだろう。

「分かった今夜は必ず行く」

「ええ。ありがとうございます」

 綺麗な笑顔を浮かべる彼女に若干の不安は覚えたが、これで自分迷宮のクリアは容易になる。そう考えて彼の足取りは一気に軽くなる。そう考えて向かう準備を重ねる彼にさらなる朗報が届いた。

596 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:53:50 ID:A4iGS+R7

 エヴァに使える黒髪のポニーテールのメイドが嬉しそうな声で言った。


「忠夫さん、茶々丸様と、アリスさんの姉のルイズさんが帰還しました」

 その言葉を聞き彼の精神はさらに高揚した。ルイズは骨董品屋を営むアリスの姉であり、旅行が趣味で掘り出し物の骨董品やオカルトアイテムなどを見つけるのが上手い。
横島もいわくつきの呪いの美術品などを何度か祓って給料をもらったこともある。そういう特技も旅行を繰り返すうちに自然と身に着いたらしい。それだけではなく、
何度も効果の高い魔道具などを格安でもらったこともある。
茶々丸はルイズの護衛という理由で長期旅行について行っていたが、彼女を同行させるのと引き換えに格安で役に立ちそうなアイテムを譲ってもらえる約束をしていた。 横島は大喜びで彼女達を迎え入れると、茶々丸に声をかけた。



「戻ってきてくれて嬉しいですルイズさん。 それと茶々丸お前も帰ってきてくれて嬉しいぞ。 妹の家にもよってきたか?」

 横島の問いに茶々丸は原作のゲームとはかけはなれた丁寧な口調で答えた。

「ええ。でも信頼し合っているのもあってかあの子の対応は大分適当でした。亀若丸にも困ったものです。あの娘ったら私じゃなくて、
最初にルイズさんに声をかけて『あてがあの鉄蜘蛛女から兄さんをぶんどるのに役に立ちそうなアイテム何かなかったか?』ですって。少しは姉を敬ってほしいものです」


 身内だからこそのぞんざいさだなと思いながら彼はルイズの方を見た。

「忠夫くん、相変わらずアリス達相手に頑張っているみたいだけど最近は敗色濃厚気味みたいね。 挑戦できる回数そろそろ1000回切ったんじゃない?」

「あと600回です。ルイズさん何かいいアイテムありませんか?」

「私も多分向こうに着いちゃうけど、ちゃんと約束は守るしアイテムに関しても嘘は言わないから安心して。魔界では契約は絶対だからね。だからこそ契約の穴をついてくるから気を付けないといけないのだけど」

 最初にもらった忠告と同じものを繰り返すルイズに頷くと彼はそのまま今回の度で得た商品を見せてもらうことにした。


 見せてもらった商品はどれも攻略を大きく手助けしてくれそうな良質なものではあったが、既にあるアイテムの上位互換と言った感じで唯一とまではいかないものばかりだ。
彼は少し悩んだ末に、もう少し攻略が大変になったら買おうと結論を下した。 ルイズの骨董品店を後にした彼は茶々丸を部屋に呼び今夜エヴァの迷宮に行く旨を伝えていた。

「了解しました。旧主との戦いなら任せておいてください。彼女の手の内は私も知り尽くしています」

「頼りにしているぞ」







そして彼はエヴァの迷宮に挑み、エヴァに勝利していた。西洋の豪華なゴシックホラーの美を追求したような夜の城で倒れるエヴァを前に、東洋風でありながら西洋でも見栄えがする鎧姿で彼は倒れたエヴァを見下ろしてた。
エヴァの配下のメイド達もそれぞれが主を守り戦かった後の姿で地面に突っ伏している。彼は少し悩むと一人ずつお姫様抱っこをしてベッドに寝かせ始める。『縛』の文珠を使いつつ『癒』の文珠も使うと辺りを見回した。

『一応は主を全て倒してしまえば、迷宮は崩壊するはずだがまだ主が残っているか』

考える彼の頭の中に不意に茶々丸の声が響いた。
『忠夫さん、早く次のボスを見つけましょう。しかし、色仕掛け込みでふざけた攻撃されていた時の方がガチバトル時より手間取るとか本当に助平ですね』

『い、言い訳できんな』

 メイド達の色仕掛けのせいで完全に動きが鈍って負けそうになった所を、師匠としても彼の成長を見たかったエヴァが本気の一撃を放ってきたおかげで、
危機感スイッチが入り彼はそれ以降は色仕掛けに負けずに全力で戦えた。茶々丸との合体などがなければ恐らくエヴァには一騎打ちでも勝てなかっただろう。


 エヴァが負けを認めた直後に彼女が確かに敗北を認めた証が立ったがまだ迷宮が消滅しないのを見て、彼は他の迷宮の主がいることを確信した。
次の攻略からはエヴァは倒さなくても良いが、この迷宮の主を全て倒すまではこの迷宮で負けるたびに自分を嫐ってくるだろう。 そこまで考えたところで不意に彼の体が身に纏う鎧に拘束された。そしてそれと同時に今生の大鳳の忠告が脳裏によみがえってくる。


『茶々丸さんは忠夫の事好きみたいだけど、エヴァさんへの忠義も捨てていないから絶対に油断しない方が良いよ。最終決戦の前になったら、彼女にはあまり重要なポジションを任せない方が良い』


 その言葉を思い出し終わった直後に幽体離脱した茶々丸の手が彼の分身を撫でまわした。同時に鎧の中で服が脱がされると彼の分身が拘束され激しい快楽が襲ってくる。 幽体離脱した状態の茶々丸は猫の様な笑みを浮かべて彼に言った。

「契約通り『エヴァ様を迷宮で下すまでは』あなたの味方になるという約束が終わったので、ここからは迷宮の主の一人として行動させていただきます」

 そういうと彼女は鎧と化した肉体で固められて魔術的な快楽を流し込まれる彼の分身に手を伸ばした。幽体が鎧をすり抜けて彼の分身をなでるとそのまますさまじい快楽が彼を襲い彼はそのまま一気に凄まじい量を射精した。
その一度で完全に霊力の大半が出てしまい、もう勝負はついた彼は感じた。なぜか大鳳が『言わんことじゃない。経験者である僕の言葉を信じていれば』と言っている気がする。

 彼女は霊体であるがゆえに無常力状態なのを利用してそのまま彼の分身を浮き上がって秘所で飲み込むと一気に大量の精液を搾り取って笑った。

「もう拘束の必要はありませんね。今夜はもうエヴァ様や私だけでなくて、迷宮の雑魚サキュバスにすら勝てないでしょうから。 エヴァ様お疲れでしょうから、回復しませんか」

「うむ」

 茶々丸が人間形態に戻り、一度だけその体制のまま騎乗して絞り上げると。一気に彼女の霊力が上がった。エヴァが笑いながら彼女の血を飲むとそのまま彼女の力も回復していく。そしてエヴァは笑みを浮かべて言う。

「お前がこういう風に育ってくれたのは本当に運が良かった。今宵しか出来ぬ楽しみを味合わせてももらおう」

 エヴァが彼に再び騎乗して上になりながら彼を糸で操り上半身を立たせると彼の首筋にかみついた。 その瞬間彼はエヴァと意識を共有する状態になった。そしてその瞬間、エヴァに先ほどかまれた茶々丸の意識も共有することになり、
それと同時に恥辱心が一気にもたげてくる。今まで彼は身分の違いなどに頓着しない育ち方をしてきたがゆえに、足利家と自分の家が政敵同士でもあるということに意識はなかった。
お互い完全に潰そうという意思は何代か前の共闘を機になくなり、どちらが従属させるかという主従争い程度まで落ちていたのも大きい。だが茶々丸は長女であったがためか従属させる計画を幾つも練っていた。
そして本来政敵の女性に、しかもこの世界ではベッドの中で負けるのはとても恥ずかしいのに、エヴァと茶々丸から見た自分の痴態がエヴァの牙から流れ込んでくる。


 茶々丸が後ろから言った。

「家の歴史を勉強していても実感してない貴方では、どれほど恥ずかしいかわかりませんでしたよね。政的に負けるのは恥ずかしくて背徳的ですけど、忠夫様はそれが好きな変態ですね」

 罵られた言葉と共に茶々丸が背後から抱き着き胸を当ててきた直後に彼の背中の腰の辺りからも分身を飲み込まれたような快楽が不意に襲ってくる。なぜと思った直後にエヴァに首筋をかまれ再び理解する。 
夢の世界で背中に肉棒をもう一本生やされていてそれを文珠で『隠』されていた。茶々丸とエヴァ二人に挟まれたまま完全な発狂直前の快楽を味わっている中で、エヴァが呪文を唱えると彼の背丈が縮み丁度二人の胸元まで下がった。
四つの乳房で彼の頭が嫐られる中、嘲笑めいたエヴァの声が響く。

597 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:54:57 ID:A4iGS+R7

「お前があまりにも閨の中で弱いから満足できん。茶々丸と百合をして達することにした。お前がイクときに合わせてやるから感謝しろ」

 そういって二人が上で唇を合わせ愛撫し合うと、前後の彼の分身を包む蜜壺が一気に締まっていく。エヴァが霊力で来た糸を彼の分身の内部に入れて射精を防ぎ達するのを防ぎ、
彼が達するのを防ぐと彼はそのまま涙が流れ始めた。限界直前となった時、
二人の嬌声が響きかつてないほど二つの分身が締め付けられ彼の脳が二つの分身から広がる白い爆発に包まれるような感覚が起こり、二人の腹が膨らむほどの射精が起こったと理解した後、彼の夢は崩壊した。







「あー!」

 現実に戻ったと感覚で理解した後、彼は完全に意識が驚愕に支配された。現実世界でも夢と同じ状態でエヴァと茶々丸に挟まれていたためだ。彼が完全に達するとエヴと茶々丸は楽しそうに笑って離れた。

「『今夜私の所に来るその契約を安易にかわした結果がそれだ』いくら自分に惚れてくれている相手でも闇の眷属やその僕と話すときはもう少し注意することだ。
それと大丈夫か?あと何百回かは大丈夫だが、もう絞られることだけを望む猿になってしまったのではないか?」

 嘲笑めいたエヴァの声と目に何かを言い返そうとしたが彼は何も言えなかった。分身が痛いほど勃起していたためだ。こんな時になぜ自分の言うことを聞かないんだと思った。

 茶々丸が背中から離れると彼の体の一部と化していた背中の男性器を取り外して笑う。

「前世でまだ私が人形だったころに、貴方を嫐る際に使ったものです。アリス様も配下の女人形達への褒美として貴方の魂を閉じ込めた、男人形達を嫐る劇を上演する際に使っていましたよ」


 ベッドの中で完敗した敗北感で立てない彼に向って、エヴァが彼を回復させる神酒を差し出しながら言う。

「次はアリスの所を攻略に行くのか、できれば早くクリアしてほしいものだ。そうすれば私の、いや、正確に言えば茶々丸と合体した我が迷宮に来てくれる日も増えるだろうからな」

 彼女にもらった酒を飲むと体力を回復させるための脱力が起こりそのまま彼は眠りに落ちていった。エヴァはメイド人形達に目配せをして言う。

「お前たち明日の朝で完璧に仕上げろ。私にとって最高の獲物にな」

「はい。ご主人様」

 メイド達は心底楽しそうにエヴァに跪き頷いた。そして彼女たちは倒れた横島を掴むと、転移の魔法陣に移っていった。





 次の日の朝、横島は分身が完全に屈服する激しい射精の快感によって目覚めた。目の前にはエヴァの配下であるメイド達がいた。現在彼に騎乗している青色の髪の女性が笑いながら言う。

「私達実は付喪神になって魂を得てからは、アリス様の母親である神綺様に肉体を作ってもらっていたんですよ。 今までは一応昔の体である人形に憑依していたんですけどね」

「そ、それで。どうしてこんなことを」

「エヴァ様のお願いですよ。私達はエヴァ様の魔力で動く人形からできた付喪神だったもの。それと交わって気が混じれば、エヴァ様に精や血を吸われた時の快感はもっとすごくなりますよ?」

「は、離れ」

「本当にそう望んでますか? もしかしたら私達が人形じゃないって気づいていながら、夢の中でされたことが気持ちよすぎて、気づかないふりをしていたのでは?」

 彼女たちはかわるがわるに横島を犯しながら、そういう言葉をかけてくる。そして彼女達の与えてくる快感が心地よすぎてもしかしたら自分はそう思っていたのでは?という思いが彼に浮かんでくる。
 実際には横島は本当に気づいていなかったし彼女たちに気づくのは不可能だった。それを敢えて強すぎる快感で精神の防御力と判断力を緩めて、そう思い込ませていく。
さらにはエヴァが彼を嫐ったのと同じ技を使って彼女の性技を味わいたいと思わせる行為も同時に彼女たちは行っている。 快楽に対する屈服の曲がりやすい折り目が射精の度にできていく感じが彼には分かった。
 精を搾るたびに交代する彼女たちの嘲笑が余計に分身を固くて行く。黒い髪のメイド達が左右から耳に息を吹きかけながら言う。

「この世界本当にイージモードすぎます。 基本的に男性がベッドの中で圧倒できるのが当たり前の上に、政争で負け気味な忠夫さんの家から見ると、この部屋で行われているのはエヴァ様への逆転への一歩とか思われているんですよ。
 私達が貴方にベッドの中で負けて、快感に屈しそうだけど、どうにか主人への忠誠を貫いているって振りしてたら、上の方々は邪魔するどころか、『早く忠夫に調教され切ってしまえ』という目で私たちを見てますからね」


 茶髪のメイドが彼を犯しながら嗤いながら言う。

「女権国家だったらこんな調教無理です。忠夫さんは恥ずかしすぎて周りに言えないんでしょう。女に閨で負けるのがここまで恥ずかしいとされる国は女権国家のある大陸にはありませんからね」

 彼女たちが離れると、そこに彼女達と同じメイド服を来たユウキと茶々丸が入ってきた。
彼女たちは敢えて、横島にメイド衣装を見せつけた後、エヴァの配下の証であるしるしの付いたカチューシャー以外の衣類を脱ぐと彼に歩み寄ってくる。動けない彼を見下ろしながらユウキが心底楽しそうな笑みを浮かべて言う。

「忠夫、君昨日の夜でエヴァ様に支配されたよ。あと一時間くらいで解けるけどね。というわけで、僕も今回はエヴァ様の配下として参加させてもらうね。 茶々丸さんなんか楽しそうだけど何かあった」

「やはり、私としてもこちらのメイド服の方が肌に合います。私も前世の付喪神としての体が破壊される前はエヴァ様のメイドでしたから」


 ユウキと茶々丸が二人係で彼を犯し酩酊状態になった彼の耳元で言った。

「私達全員と交わって気が混じった今エヴァ様に血と精を同時に吸われたらどれほど気持ち良いでしょうか?」

「忠夫、インプである僕は今エヴァ様の配下その気も混じるだろうね」

 言われるとあれほど絞られた後だというのに彼の分身がどんどん力強くなってくる。

 それを見越してユウキは言う。

「今夜の攻略エヴァ様に一度絞ってもらわないともう無理じゃない? 集中できないでしょう」

 ユウキと茶々丸のささやきと、メイド達にされたエヴァと同じ技を使った嫐りが彼の脳をどんどんと犯し浸していく。彼は悪夢にうなされる寝言の様なか細い声で答えた。

「お願いします。エヴァさんを呼んでください」

 その言葉を聞いた直後、不意にユウキが足で彼の分身を踏み強すぎる快感と、痛みを同時に与え、茶々丸が射精を手で封じる。快感と寸止めのもどかしさと痛みで涙目になるかを見下ろしながらユウキが言った。


「さん、じゃなくて、様って言いなさい。寝室では負けていて奴隷同然の立場なんだから、わきまえなきゃダメだよ。忠夫」

「エ、エヴァ様を呼んでください」

 そこまで言い終わると不意に彼の首筋に快感を伴う痛みが走り、それと同時に大きな脱力が走った。

 仰向けに倒れて天井を見ると、そこにはエヴァンジェリンの姿がある。なぜ、どうして、同盟者であり政敵でもある、彼女がなぜこんなに直ぐにここに来られたのか。彼の疑問を彼の視線から感じ取ったらしいエヴァは自分でもまだ信じられていないと言った様子で、答えた。

598 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:57:09 ID:A4iGS+R7

「昨日お前に迷宮を攻略されて性行為をしたあと、体がうずくから来たと言ったらあっさり通してもらえた。 多分罠ではないのだろうな。あの政争上手ごわかったものたちが何の疑いも持っていなかったぞ」

 エヴァの言葉には彼女を通した横島側の政敵を無能とあざける色はない。むしろ信じられない事態に困惑している様だ。そのエヴァの言葉に茶々丸が答える。

「だから何度も言ったじゃないですか。この世界では一部の例外以外では男がベッドで勝つ方が一般的で。 まして忠夫さんの様に、強い霊力や性魔術を学んだものが負けるとかありえないというのが世界の人達の認識なんですよ」

「うむ。知ってはいたが、事実だと実感できたのは今日が初めてだ。でなければあれほど有能な者たちが疑いの色を一切見せないのも説明がつかん」

 エヴァの言葉には深い実感がこもっていた。あまりにも非人道的な妖怪を討つという点で同盟しつつも、妖怪の方を上に置こうとする政治派閥と上下関係が緩いとはいえ、
妖怪を人間が支配する形にする彼らの家は婚姻の頃から同盟しつつ政争もしてきていたらしい。
だからこそ横島の庇護者たちの有能さも見てきていたのだろう。 そこまで考え終えると、エヴァは彼を再び見下ろすと言った。 

「もう少し間が空くと思っていたかもう来ていた。それでは我が僕たち全員とまぐわいたてのお前を味わせてもらうとするか」

 逃げようとする彼を四人のメイドが拘束し突き出すと、彼女は笑って近づいてくる。たとえメイド達の拘束がなくても絶対に自分は逃げられないくらい弱り果てていたが、
上下着ける為に敢えてこうしたのだろう。エヴァは彼に跨り一度射精させると、一気にその霊力を吸い取った。そしてメイド達とが面白そうに手を差し出すとエヴァは一口ずつ彼女たちの血を吸った。そしてユウキと茶々丸もそれに習い彼女に血を捧げる。

 その直後に彼女の牙が彼の首筋に来た瞬間、自分がこの世界の基準でどれだけみっともなく女達に負けて来たのか、彼女達全員の視点が伝わって流れ込んでくる。二度目の射精をする彼にエヴァは笑いながら言う。

「お前と血を吸い感覚を共有したから分かる。この無様な現状が余計にお前を興奮させているな。さっさと達しろ。クズが!」

「あ、そんなことわざわざ口に出さな、あー!」

 言い終わる前に達した彼はエヴァの秘所に貪り尽くされる大量の射精が脳に焼き付いたまま倒れた。エヴァにやられなければとれないであろうこわばりが取れるのと引き換えに、
全員との情事でできた隷属させる傷跡に快楽の炎であぶられたような跡がついた感じがした。倒れる彼をしり目にメイド達が恭しくエヴァに服を着せ始める。

「一応、帰り道で忠夫の仲間に見つかったら、ベッドの中で負けた振りくらいはした方が良いか?」

 エヴァの問いに茶々丸が首を横に振ってこたえた。

「いいえ、いつも通りの態度でもこの世界では必死に強がっているくらいにしか思われませんよ。忠夫さんが、恥ずかしくて言い出せないのもそういう世界だからです。どんなに無様をさらしても最終的に全ての迷宮を攻略すれば、全て帳消しになるっていうのもあるんでしょうけど」

 そこまで言われた彼はエヴァが出て行った直後に倒れた。彼の様子を満足そうに見て嘲るように笑うメイド達の声が耳に響き、その声が媚薬の様な効果を自分にもたらす様になっていることを実感が彼の焦燥感を余計に煽った。






 弱り果てた彼は少し悩んだ末に、ルイズの骨董品屋に行った。久しぶりに店番の女性ではなく、ルイズ自身が迎え入れてくれた。彼女は柔和な笑みを浮かべて横島に注文を促してくる。

「忠夫くん、大変そうね。 回復薬必要。かなり良いものがそろっているけど」

「ありがとうございます。でも要らないかもしれません。以上に搾り取られたのにもう治りつつある気が、エヴァに飲まされた神酒の効果かも」

「ああ、あれ。私が旅先で見つけた薬酒よ。ゲームで言えばHPとMP全回復。かつ2,3日リジェネ状態になる希少品。エヴァ達が最初の一本だけは自分たちに売ってほしいって言ったから、棚に並べてなかったけど、今なら貴方に売っても問題ないわね」

 横島はルイズの旅行先で掘り出し物を見つけるのが異常に上手い才能に舌を巻きながら購入する旨を告げた。彼女は柔和な笑みを浮かべながら商品を渡してきて言う。

「忠夫ちゃん、今夜はアリスちゃんたちの迷宮に来るのよね。私の迷宮も多分東吾されているから気を付けてね。 いえ、負けたらとってもいいことになるから楽しみにしていてね」

 ルイズの言葉と手を見ると彼の分身が元気づき始める。それを見て彼女は笑う。

「やっぱり魂は覚えているのね。私この手で何度も貴方の息子を可愛がったから。今生ではできないかもしれないけど」

 全然本心じゃない言葉が彼の背筋を続々とさせてくる。ルイズはどこか恐ろしい笑みを浮かべながら言葉を続ける。

「降参しない? 今なら恥ずかしい以外のデメリットをなくすこともできるけど。迷宮を支配しているボスより強い神様が私の知り合いにいるからその神様、神綺様っていう人に頼んであげるけど?」

「代償は?」

「貴方の閨の中での男の誇りの全てかな」

「お断りします」

 即断にルイズは嬉しそうな声で返した。

「も〜う、この世界神過ぎるわ! どれだけ女性にベッドの中で負けるのが恥ずかしいの! 女権国家じゃ考えられないわ。 前世から活きが良かったけど、こんなに活きの良い餌になるなんて! 早く迷宮に来てね」

「行きますけど餌になるつもりはありません」

 その横島の言葉に、少し考えるとルイズが薬らしきものを一本取りだしてきた。

「これも私が旅先で見つけた掘り出し物なのだけど、これを使ってみない?」

「なんですかこれは?」

「色仕掛けとかに対する耐久度が凄く高くなって。犯されたくてたまらないとか、そういう感情も抑えることができるようになる薬よ」

 そこまで言った後ルイズは次の言葉は忠告の為か強い口調で言った。

「ただし、これを飲んだ場合正々堂々戦って負けて逆レされると、いつもより屈服の度合いや快感によるトラウマの刻まれ具合が上がってしまうわ。下手するとたった一回の敗北で完全に心折れちゃうかも」

 横島はその言葉に深く悩んだ。今の自分は相当に彼女たちの色香に犯されている。しかし大奥迷宮は、普通に戦っても恐ろしい場所だ。色香が通じないとなれば彼女達も本気を出してくるだろう。
そして負ければこの薬の副作用でいつも以上に記憶に刻まれやすくなった自分は完全に屈服する可能性も高い。だが現実世界と夢の世界両方で戦い続けて実力派相当上がっている。
だからこそ、色香に迷わない状態で挑めば負けずに済むと信じる気持ちも強い。少し悩んだ末に彼には薬を購入することにした。

 ルイズから薬を受け取ると彼は、そのまま自宅に戻り毎週の週末の通りに挑む心の迷宮に挑む準備をした。




 アリスとルイズとリグルの心の迷宮に入った彼は霊波刀を構え一気に駆ける。ユウキと茶々丸の力は今回は借りないことを決断した。彼女たちは最低限の約束は絶対に違えないが、
それでも内心では横島を屈服させて支配したいと思っている。そうである以上どの様な不確定様子が生じるか分かったものではない。横島は今生で学んだ全てを思い出しながら、敵をなぎ倒しながらかけた。アリス配下の人形達に対しては、
エヴァから学んだ合気道の気の使い方を応用した気のぶつけ方をして魔力の気の巡りを悪くして倒していく。そしてリグルの配下に対しては閃光手榴弾などで混乱させ撃破していく。
ルイズの使い魔らしき存在はあまり出てこないが、時々彼女が見つけたらしい掘り出し物で強化されたアリスの人形などが出てくることがあった。

599 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:58:23 ID:A4iGS+R7

 一つの大きな門を打ち破ると、立派な大広間があり、奥のキングサイズのベッドにかけるアリスとルイズとリグル。そしてその前に親衛隊の様に洗練された、動きで侍るメイド姿の人形達がいた。
彼女たちは剣を持ち一切気配を感じさせないものが二体と、ハルバードを持った強い気配を感じさせる二体の人形だ。構える横島に向かってアリスが言う。

「その四人がこの迷宮の最後の中ボスよ。頑張って倒してね。色香に溺れずに最適な戦い方をする忠夫格好よかったわよ」

 アリスの言葉を聞き本心だからこそ調子が狂うと思いながらも、ルイズからもらった薬がなければ恐らく自分は分身が負けたいと言い始めて、実力が半分も出せなくなっていただろうなと思った。


 人形たちが一斉に切り込んできた瞬間に彼は即座に動いた。羽根に弾かれた様な勢いでい飛んできた二対のハルバードをかわし、気配が希薄な人形の剣を気配ではなく、
空気の流れを感じ取ることでかわした。気配の強い人形に関しては元からそういう風に作られている以上は、一定以下まで気配を弱めることができない。
アリスの心の世界でもある以上は、アリスの現実世界での認識もまた強くなる。 攻撃をかわしながら戦斧の連撃を避けて、剣の人形達に一瞬だけ全神経を集中させると、
力押しだけで破壊できる瞬間を見極め一気に切り込んだ。 アリスが魔力を送り強化したのを確信すると彼もまた少しの時間か出せない力を振り絞り鍔迫り合いを制しかけた瞬間、
鈍器で殴られた様な感覚が全身に走る。殴り倒され上を見ると5体目の人形がいた。それを見て彼の頭に湧いたのは、騙されたという憤りではない。なぜよくある駆け引き程度の嘘に自分が騙されたのか、
と言う疑問だ。そういう疑問を彼は抱き同様の中にあっても、彼の行動は迅速だった。即座に『転』『移』の文珠を使うと部屋を後にした。




 移動した彼は自分の精神領域の部屋のベッドに腰を下ろすと、回復の文珠を使うまもなく、息を切らした。なぜなぜ、こんなことになったのか。
あれはまるで見え見えの嘘をなぜか本当だと取ってしまっていた。その理由がわからないと今後も騙され続けかねない。そう悩んだ瞬間、不意に鈴を転がすような声が響いた。

「忠夫、前世のとはいえ、妻の寝室に訪れて何もせずに帰るのは無体過ぎない?」

 驚愕と共に振り替えるとアリスの姿が目の前にある。驚きながら辺りを見回すと、その後ろにはルイズとリグルの二人のもいた。彼女たちの背後の決して自分以外の手では開かないはずの自分の精神領域の扉が開いている光景が彼の精神にさらに追い打ちをかける。

 アリスは回復しきっていない彼の唇を奪うと舌を絡め始めた。彼女の甘く優しく、それでいて、彼の体の糸を断ち切り尽くしていくような舌が脳の中の糸を切り落としいく様な感覚がする。彼女は口づけを終えて、人形の様に崩れ落ちる彼を見下ろしながら嬉しそうな笑みを浮かべながら言った。

「実を言うともう邪神と言うかそれと入れ替わった、迷宮の主は復活してこの迷宮完全掌握済みなのよ。 貴方や他の迷宮攻略している男の子たちの精はずっと前から、復活分は溜まっていたの」

「そ、そんな。ならなぜ」

 言い終わる前に四人目の姿がこの場に現れる。ダークピンクの艶やかなロングヘアーをたなびかせた一流の女社長を思わせる高級スーツに身を包んだ豊満な体をした美女だ。彼女はアリスに口づけされて糸が切れた人形の様になっている横島を見下ろすと笑みを浮かべていった。

「陸八魔アル。前世で貴方と深い仲だった悪魔よ。この世界ではベリアルの力を持つ存在と言えばわかるかしら?」

 そこまで言われて横島は全てを理解した。

「そう、ベリアルは神の名の元に誓わなければ嘘しか言わない。それでも、騙されてしまう召喚者が多いのは本当の事としか思えない響きが嘘の中にもあるからよ」

「つまりあと、五百回と言ってたけど、本当は二百回とかだったと」

「正解」

 アルが手を振った瞬間、横島の肉体に変化が起きた。今までは現実の体とほとんど変わらぬ精神体だったのが、完全に本当の生身となったことが分かった。アル社長は笑みを浮かべて言う。

「夢と現実の境界も完全に私の支配下に落ちたわ」


 アルが笑みを浮かべて手を振ると、一瞬で現実世界の自分の部屋へと変わった。次いで女権国家で悪魔が男を完全に支配下に置く儀式場を思わせる寝室へと変化する。回らない頭を精一杯働かせると彼は問いを投げかけた。


「俺をどうする気だ?」

 アルは少し考えた後、答えた。

「今日は前世で貴方が完全に私達に屈服して忠誠を誓ってくれた記念日なの」

 そういうと彼女は笑いながら、服を脱ぎ始める。 彼女のその仕草と肌に目を奪われ瞬きすらできなくなっている彼を見下ろしながら彼女は言う。

「この迷宮は完全によみがえったから、この迷宮の管理者の一人として、貴方もこの迷宮を守るものとなってもらいたいわ。この一言については真実だと神に誓うけど、かつて邪神の様な悪趣味には使わないから安心して。 これから前世の再現をしましょうか」

 そういいながらアルが彼に跨り分身を飲み込むと。今までとは根本的に違うレベルで何かが変質していく感覚が全身に走った。
残った抗う力全てが快感にすりつぶされた様な錯覚がした。そしてそのまますりつぶされたもの全てがアルの秘所の中で嫐られる分身から出ていくような錯覚がと共に射精が起こる。
震えた一物をアルは嬉しそうに迎え入れると彼の唇を塞ぎゆっくりと舌を搦めて与えてくる快感で、彼の中で磨り潰されているものを全部出そうとしているかの様だ。 舌を絡められるごとに精液が何度も出て倒れた彼を見下ろすとアルが離れてアリスとルイズが彼を挟みだした。
アリスが彼の分身の模造品を彼の背にくっつけるとそれは完全に生の肉棒へと転じた。アリスは笑い言う。

「普段のアルはここまでできないけど、夢と現実の境界を薄くできる迷宮に嘘すら真実に近づけるベリアルの力が合わさったからね」

 そういうとアリスとルイズは茶々丸とエヴァがした様に彼を挟んだ。アリスが前方となり、ルイズが背後に着くと、申し合わせたように同じ瞬間に二つの女陰が彼の二つの分身を飲み込む。

 どこまでも甘く、脱力させる快感が彼の二つの分身から伝わりそれでいながらアリスに操られる人形に自分が変わっていくような感覚がすると、アリスの指から出る魔力でできた糸が彼の内部に入ってくる。 彼の体はアリスの意のままに動き、時にルイズとアリスの乳房や尻を揉みしだく。
その度に射精が起こり雷に打たれたように震える彼を愛おしそうにアリスとルイズは抱きしめる。 二人に抱き寄せられ二つの分身が二人の奥底まで飲み込まれてしまいアルに磨り潰された反骨心とは別に、自立心すら溶かされていくような感覚が襲ってくる。
甘く脳髄に霧がかかるような甘い快楽が蜘蛛の毒の様に彼を蝕み、アリスの射精するたびに霧が深くなり、アリスの糸が脳の神経にまで入ってくる感覚がする。

 完全に脳が屈服した感覚の後アリスが彼にディープキスをしてきた。それと同時に彼の二つの分身から、一際大きな射精が起こった。その射精と同時に彼の体が子供へと戻り、アリスが嬉しそうに丁度胸の位置に来た彼の頭を抱き込む。
しばらくの時間がたつと、彼女は乳首を彼の口にねじ込み、ルイズと二人で撫で始める。時々つぼを押されたような感じになる撫で方が彼に射精を強く促してきた。何度目かの射精の後アリスとルイズが位置を入れ替えた。ルイズは笑いながら言う。

600 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:59:42 ID:A4iGS+R7

「ほらほら、アリスの旦那様なんだから私にとっては義弟。お姉ちゃんに思いっきり甘え尽くしなさい」

 ルイズの撫で方はアリスよりも快感の引き出し方が正確性がない代わりに、脱力させるおおらかな感じの愛撫だ。それを見ながらアリスが言う。

「姉さんの方が甘えさせたり脱力させるのは上手なのね。中々上手くいかないわ」

「大丈夫よ、私の愛撫に慣れた後にアリスちゃんにされると効果が倍増するから。アリスちゃんにはアリスちゃんの長所があるでしょう。 それに、甘えて堕落脱力させるのも下手というわけじゃないし。魔女の名に恥じないくらいにはできていると思うけど」

「それでも、自分より上手い人がいるとそれくらいになりたいと思ってしまうものよ」

 二人が離れると彼は大人の体に戻り、この世界であるまじき女性優位の幼児プレイをしていた事実が彼の恥辱心を煽りぬいてくる。
そして最後とばかりにアリスが手を振ると彼の体が再び立ち上がる。玉座らしき椅子に座り、あたり全体を見て気づく、ここはかつて予知夢で見た全ての女性を屈服させていた閨だ。


『俺がどこかで折れたせいで、彼女達を支配する閨で逆に支配されることになってしまったか』

 彼の心の中を見通したようにアルが不意に否定の言葉を口にした。

「いえ、貴方は折れてないしあの予知夢はこれから実現するわよ」

「は?」

 間の抜けた言葉を出してしまう彼を見ながらアルがアリスに目配せすると、アリスが人形を動かす様に手を動かし始める。彼の体は完全にアリスに掌握されて、人形の様に動き出した。
 そしてそのままエヴァやリグル茶々丸までがいつの間にかこの部屋に現れると、表向きだけは男性優位の性行為が始まりだした。






「ああ、忠夫様、敵対してた時に生意気言って申し訳ありませんでした。許してください」

 茶々丸が口だけでは負けている様な声を出しつつ、迷宮の力でテレパシーを使い馬鹿にした言葉を送ってくる。

『早いですね。これで私やエヴァ様たちを閨の中で倒せると本当に思っていたんですか。早漏さん♪』

『やめて。テレパシーで罵らんといて。普通に口で言われるより辛い』

 アリスが抜群の演技力で彼の耳に息を吹きかけながら言う。

「忠夫様♪ さっき許してって言ったばかりだけど、また欲しくなっちゃいました。茶々丸が終わったら可愛がってください」

『忠夫、とっても可愛いわよ。早漏呼ばわりされたり些細な罵倒で直ぐ内心なく辺り、声が可愛すぎるわ。その弱い一物もたくさん精子出しているから一応生物学的には意味があると思うわ♪』

『あ、ああ……』

 アリスの優しい言葉にもはやまともな言葉すら発することができない彼をアリスは表向き閨で負けた雌奴隷の様に接しつつ、彼にだけ分かる嘲笑と慈愛の眼で見ている。
その目が表向きの態度こそが本来の男女の営みの姿だとより強く突きつけ、ある意味では普通に閨で負けている時以上に恥ずかしさが煽られる。



 何度も心が死ぬほどの恥辱心を味わいその度にありえない程の量の射精をし続けた彼の眼のまえでアリスが指を動かした。そしてそれを合図にかつて彼が予知で見た未来が展開される。
アルとエヴァとアリスの三人に上から多い被さり迷宮の主である悪魔アルと繋がりながらそれだけでは足りぬと、アリスとエヴァの乳房や尻を揉みしだき喘がせる自分。だがそれは表向きの話だ。
本当はアルと繋がっているだけで限界が来て何度も射精しているうえに二人に糸で操られ二人の乳房や尻を揉まされる度に射精の量が増えて快楽の地獄を味わっているのは彼だ。 乳房を彼の胸板で潰しながらアルが笑いながら念話を送ってくる。

『実はこれが過去の貴方が見た未来の真相よ。過去の貴方はこれを見て、私たち相手に男性優位の性行為ができると思って頑張っていたの。 ベリアルの力で本当だと嘘を本当だと思わせる力もマシマシで使っていたからね』

『イキってすいませんでしたアル様。だからもうこれはやめてくれませんか』

『過去の貴方に見せる映像収録完了だから別に良いわ。次はリグルちゃんと交代ね』


 リグルがかつて横島の家に敗れた悪辣な虫妖怪たちすら従えた物の証であるマントだけを羽織り彼の前に訪れた。動けない彼は馬乗りになられて騎乗されてただひたすら喘いだ。アリスが横島の人形を使い、
別の視点からそれを見せると、自分はかつて先祖が倒した外道たちの頭目に屈服させられているという背徳感と恥辱感が強まる。射精し倒れた彼を見下ろしながらあるが言った。

「今回一番の功労者に来てもらおうかしら」


 アルがそういって指を鳴らすとユウキが姿を見せた。彼女は笑いながら言う。

「見事に騙されて惨敗雄奴隷落ちしちゃった。忠夫、残念だったね」

「ど、どこからワイをだまし取ったんや?」

「逆だって僕はインプとして君に協力してたんだよ。アル社長と契約して君の使い魔でもある状態なることで、嘘を信じ込ませていたんだって。 アル社長もう良いですよ、契約一時的に切ってもらえますか」

「ええ」

 アルが契約を切った瞬間、ユウキは間違いなく自分だけの使い魔になったと彼には分かった。そして完全に自分の使い魔になったからこそわかる。 彼女は、嘘を言っていない。そしてユウキが腕を振ると一瞬で彼は瞬間移動を果たした。





 戻ってきた場所は自分の心の部屋だ。だがそこは既に、立ち向かうための攻略部屋ではない。今まで大奥迷宮で嫐られた絵画などが山ほどあるクリア後の記念部屋の様になっている。

 それを見て全てを察した彼が最後の答え合わせを求めるように彼女の方を見ると、ユウキは笑いながら言う。

「うん。本当は数回で忠夫折れちゃってたんだ。正確に言うと、折れてはいないけど負けて逆レされるのが癖になっちゃってた。だからアルさんからもらった力で、この世界の男子らしく、いつかは僕達を屈服させて見せるって気持ちでいるという、忠夫が自分についている嘘を信じさせたんだよ」

「お前がそうしてくれていないと俺は直ぐにゲーム―オーバーだったわけか」

「まあ、覚えてなくても前世の関りとかから、僕達を信じてくれているせいか、そこまで抵抗する意義を見出せなかったというのもあったんだろうね。だからアルさんに頼んで折れてないという自分に着いた嘘が本当と思えるように使い魔をやっている僕が調整して、さらに、実は非道な魔王かもしれないって嘘も信じさせたんだ」

「そうか」

「うん、でも嘘を取り除くとこの通り、忠夫の望みはこの世界の男性にあるまじき閨で女性に負けてイジメられるの大好き、ゴミ屑男だったのさ。 君の使い魔としての僕の力はこれさ」

 そういってユウキが彼を掴むと、今まで彼が印象的な敗北をして女性達に逆レイプをされた迷宮にテレポートをしていた。

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