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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

583 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:32:20 ID:A4iGS+R7
 穏やかな風の中で無数の流し雛が、川を流れていく。海に通じる女権国家の川、この川では毎年流し雛が行われる。 この儀式は女権国家の良識派の女性達が自分たちのあまりにも男性の気持ちを考えないと思える欲望を捨て去るための願掛けの行事だ。 
この人形は雛祭りの日だけは申し合わせたように、穏やかになっている海に出たところを回収され。清められた後に各家庭の雛壇に飾られる。この行事に参加する女性は良識派か、良識派よりの女性多い。
自分たちの束縛欲などが良くないと思い、オカルトの実在を信じる者が多い女権国家で自らの精神の浄化と、想い人を得た際に男を支配しすぎた家庭にしない為の願いを込めてこの人形流しに参加しているのだ。

 川を流れる人形たちを多くの女性達が見送り自らの欲望の浄化を望む女性と、自らの欲望が生み出す伴侶となる男性への不幸を流してほしいと願う彼女たちの祈りを受けて雛人形を乗せた多くの小舟はゆっくりと流れていく。
海に近づけば近づくほど、速くなるそれを見ながら彼女たちは、幸せな家庭を司る人形へと変わり雛壇に戻ってきてほしいと考えているのだろう。






 多くの流し雛が流れ着いた海、その無数の流し雛を回収する小舟を多く射出している母船=クイーンアンズリベンジ号。その船の上で多くの流し雛を見つめる横島は、憂鬱そうな顔をしていた。

「今年は本当に流し雛が多いな。多分だけど大鳳に入れあげている良識派よりの女性達の雛が多そうだ。ここで大鳳に向けられた欲望を祓えば俺にも大鳳に欲望を向ける女性の呪詛への特効力や耐性がつくから頑張らにゃな」

 憂鬱ではあるがそれなりに使命感をたぎらせる彼の横を全身が引き締まった筋肉でできたようないかつい顔をした黒いひげの巨漢が叩いた。彼はエドワード・ティーチ、女権国家で数少ない男性だけの除霊と貿易を兼用する船団の団長である。

「そうですぞ、横島殿。 大鳳キュンを汚そうとするような悪い欲望は海の塩でペッしなければなりませんぞ。拙者及ばずながらお手伝いいたしますぞ」

 いかつい顔に合わないオタク口調の声に僅かに安心を覚えながら彼は言葉を返した。

「ティーチさん、何度かこの雛流しの清め役買って出ているんですよね。今年はどんな感じですか」

「大変ではありそうですが、予定外の苦戦はあっても、予想外の苦戦はないでしょうな。それより珍しくこの船に来てくれた大鳳キュンを愛でる作業に戻りたいのですぞ」


 ティーチはキモイオタク口調で話している時ですら、声に彼の指示を聞くべきと思わせる指導者らしい響きがある。 本当に船員たちに底力を引き出す時には彼は昔の悪党らしい威圧感に満ちた口調になるのだ。
そのためかオタク口調で話しているのを聞くと船員たちは緊張しつつ安心できる。何度か、彼の航海に付き合っただけの自分もそう思うあたり船長としての彼の力は本当に凄いと感じる。




 二人の雑談が終わるか否かのさなかに船室から大鳳が駆けだしてきた。

「忠夫、ティーチさんここにいたんだね! もうすぐ開戦なんだね。頑張るぞ!」

 目をキラキラさせる大鳳を見て、横島はやはり海軍総大将の息子だから船が好きなのかもしれないと思った。 ティーチは大鳳を見るとオタクらしいだらしない笑みを浮かべていった。

「やはり大鳳キュンの様な男の娘は眼福の極みですな! でもできれば拙者の方を先に呼んでほしかったですぞ。 それと呼び方も呼び捨てか、もしくはティーチお兄ちゃんでお願いします! もしくはさげすむような眼で見ながら気持ち悪いホモ屑で!」

 もしくはからの下りの言葉は横島が大鳳に向かって、『消』『音』の文珠を投げたので大鳳に届かなかった。 そして彼は即座に黒髭に拳を繰り出した。

「アホ船長、何大鳳にへんな知識植え付けようとしてんじゃ!」

「友愛でも良いから純愛が拙者はほしいのでござる。横島殿は純愛人外ガールズだけじゃなくて、男の娘な大鳳キュンにまで好かれるとか贅沢すぎですぞ」

 最初は心配していた大鳳も、二人の殴り合いをいつものことだと思うようになっており、呆れたような様子で他の場所に歩いて行った。それを認識しつつ横島は思う。
多分だがティーチは横島が毎回の様に船員として船に乗っていたら大鳳にああいう冗談は飛ばさなかったのではないか。今回はあくまでも船員ではなく、
悪霊払いの外部協力者として乗り周囲にもそういっていたから、こういう行動に出られると見越していた気がする。





 ウォームアップに近い感覚になるような殴り合いを終えた後、彼は少し息をついた。

「ティーチ、そろそろ仕事の時間なのか?」

「霊感はない拙者ですが、海の気の読み方は横島殿より上ですぞ。まもなくですな。今回は船に同行してもらったアリス殿とエヴァ殿にも頑張ってもらわないと」

「ああそうだな」

 横島は凄く憂鬱な気分になった。エヴァとアリスの二人は女権国家だと良識派の女性に分類されるが、自分が二人にとって格好良い感じられるところを見せると昂ってくる。だからあまり呼びたくないと思っていたところもある。
だが、黒髭ことティーチのこの船は多くの悪霊退治などを成し遂げたために強力な悪霊などを討った刀が威力を増す様に強力な破邪の船になった。
その船の船長からの今後の約束の確約や追加報酬が美味しすぎて二人の動向要請を断ることができなかった。

 思考に沈む彼に不意にティーチが声をかけてきた。いつも通りのオタクの口調だが、重要な事だということは彼の声の質が告げている。

「横島殿、貴方からもらった幾つかの文珠、あれ今回は拙者使えません」

「どうしてだ!」

「それなり以上に大事な用事がありましてな」

 既に使ったのか、それとも使う予定なのかわからない様子で彼は言ってきた。誰にも悟らせてはならない事なのだろう。敵に文珠を持っているかもと思わせるためか、それとも持っていないかもしれないと油断させるためかそれは判断がつかない。
 横島にこれを伝えてきたこと自体、相当に苦渋の決断なのが見て取れる。本来なら誰にも漏らしたくなかったのだと思った。 だからこそ横島も言葉少なに短く答える。

「分かった。船長としてのお前は信じている。重要な事なんだろう」

 その言葉にティーチは苦渋の賭けに出た時の様子で郷愁に似た哀愁をにじませながら言葉を返してきた。

「ああ。どんなものよりも大切なものだ。できれば絶対賭けたくないものまでも賭けなきゃいけない、くらいのな」

 横島はティーチのあまりにも真剣な様子に僅かに驚いたが、直ぐに禍々しい気を感じて意識が切り替わる。無数の雛人形から黒い瘴気が立ち上り始めた。黒髭はそれを見るとさっきの郷愁を感じさせない軽い口調で船員たちに指示を出し始める。

「はい、皆さん討滅の時間です! 悪霊祓いの銃と梓弓構え! 最初は怪異も様子見ですから、魔除けの音だけで迎え撃つように。実弾や矢を撃つのは中盤ですぞ」

 黒い瘴気が固まってできた女性の戦士の群れティーチが駆け入り大きな体格に物を言わせて刃付きの篭手を影の一体に突き立てた。一撃で霧散したその瘴気を以外の妖怪が彼に迫るとティーチは篭手の刃の部分ではなく拳で殴り倒す。決して遅くはない、
女性達の影の攻撃をティーチは掻い潜り体格に任せた怪力でなぎ倒し、その迫力に敵も味方も飲まれた瞬間に威圧感のある声に切り替えて彼は言葉を発した。

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