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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

289 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:06:48 ID:57B+xd8z
ハロウィンが最厄日な男の三年目の上書き快楽地獄

 このSSは横島主人公の女権国家の二次創作SSです。

以下の注意点があります。 

展開捏造しています。作者であるスレ主さんの許可があったけど、横島のヒロインとしては、数えられていない魔女と百騎兵というゲームの主人公がヒロインの一人として出ています。

ダイス次第で変化するヴィヴィオの出自がこのスレだと結構特殊な出自となっています。ヴィヴィオの出自は本編開始後ダイスで決まることになっているので、これはあくまでもパラレルワールドです。

魔女と百騎兵のメタリカの設定を流用して多少変化させています。

ユウキの設定にソシャゲネタを使っています。


 ハロウィン当日となり激しい喧騒がとどろく女権国家の喧騒の街並み、そこにあるアパートの一室で女権国家で多大な、戦果を上げた王国の、諜報部の三人、大鳳、横島、ジャギが顔を突き合わせていた。 大鳳とジャギは頭を悩ませた様子で、
横島に対していかに言葉をかけるかを思案している。 大鳳は申し訳なさそうな様子だったが意を決した様子になると彼に声をかけた。

「忠夫こんなこと言いたくないけど、ハロウィンの招待状が来ているよ。相手は、ヴィヴィオ殿下――」

 大鳳が言葉を、言い終わる前に横島の叫び声が返ってきた。

「いやや!ハロウィンの怪異退治の依頼でワイは重傷を負ったって、答えてくれんか仮病ならぬ仮傷(けしょう)を頼む。いや、ハロウィンには逆レとかせえへん、普通の魔物も暴れるからそこに出撃して本当に大怪我してくるわ」

 『今年』の横島以外がそんなことを口にしたら、大鳳とジャギ、特に武道家であるジャギは激怒して叱り飛ばしていただろう。実戦でわざと怪我する奴があるか、そんな器用なことはできん。できても周りにどれだけ迷惑をかけると思っている、と。
だが 自分達にも幾ばくか落ち度がある状態で、去年のハロウィンに横島があった女権国家の快楽地獄を思えば、強くものが言えない。何より今の横島は女性に対する煩悩並みに高められた、ハロウィンから逃れたい一心で、
自分より強い怪異と戦い勝つだけじゃなく、明らかに故意に見えない形で、重傷を負うという離れ業をやってのけかねない気がする。

 ジャギは二人のやり取りを鍛え抜かれた獣すら連想させる筋肉に包まれた、巨躯をそれに似合わぬ、情けない様子で重心を移動させていた。今の情勢を思えば、大鳳と共に横島を説得しなければならない。
だがそれでも武人であり正しい意味での侠客に近い気質な彼にしてみれば、明らかに自分の落ち度が大きい形でトラウマを負った同僚に強くものを言うのは気が咎めているのだろう。 しばし悩んだが言わなければならないと覚悟を決めると彼は、口を開いた。

「横島、それやっちまったら自体は凄まじく悪化するぞ。 ヴィヴィオ殿下が仕事の全部を片付けて、知り合いの貴族の娘たちとお化けの格好で来てトリックオアトリートをしまくってきて、さらに国宝レベルの治療薬を渡されて借りができて逃げるのが無理から、不可能に格上げだ」

 彼女は女権国家でも未だに影響力が強い王家の聖王のクローンである。彼女は女権国家に婚姻というハニートラップに負けて統合された王家の血筋であり、神の血も引いているため、女権国家の一部の宗教と貴族たちに影響力が強い。
 横島が彼女を助けて落としたことで、彼女を担ぎ上げている勢力の大半が王国に対してハト外交寄りになっている。

 言われて気づいた様子の横島を見て、ジャギは心の中で大きなため息をついた。普段の横島なら気づかないはずがないことだ。むしろこういう政治情勢や経済情勢を配慮することは彼の方がジャギに正しい忠告をしてくれる方なのに逆になってしまっている。

 戦場での機微に関して彼や大鳳が気づかないことはジャギが教え、政治情勢で読み取れたことは彼が教えてくれる。たった一日だけとはいえ、彼の頭脳が機能しなくなるのは意外と重い負担なのだな、と思った。そしてなぜこんなことになったのか、
とジャギは去年の失態のせいだという答えが浮かび上がる。そして去年の自分を殴り飛ばしたくなる衝動が走った。気が咎めた様子で決定的な説得の言葉を吐き出すのをためらっている大鳳も同じ心境なのだろう。


 二年前のハロウィンは様々な怪異が暴れまわり、子供たちに好かれた横島は、彼らの身内である美女とそして子供たちの為に凄まじい活躍を見せた。その時の横島は怪異に関しては、ジャギを明らかに上回る働きを見せて勝利をもたらした。
それによりハロウィンの諜報活動が大戦果となり、そしてその大きすぎる大勝利が今の状況を生んだ去年の失態の遠因でもある。

 去年はハロウィンの事件があまりにも大きすぎた。怪異の暴れ具合がハロウィンでもめったにないほど凄まじい状態だった。予想が不可能だった大きな理由は、ハロウィンの怪異は王国側を攻撃したのではなく無差別攻撃だった為だ。
状況を理解した女権国家の長保部は、王国も同じ状況だから自分達に手を出す暇なしと判断し協定無しの休戦状態となった。

 その際に王国の諜報部本保が襲撃を受けて連絡が取れなくなった時、大鳳が彼らの部隊の最高責任者となった。本部が手薄な状況だったが、大鳳は迷わず怪異退治とそれによって恩を売り女権国家の警邏隊や宗教組織を王国側になびかせる方を選んだ。

「どんなに手薄でも、ミクさんが勤務している時間だよ。落ちるわけないよ」

 大鳳のこの言葉が決定打となり本部に援軍を出そうとする意見は出なかった。

 そしてその時の振り分けは、横島に承諾なしに彼を負担が大きく援軍も遅れやすい場所に送った。これは別に彼に含むものがあったからではない。二年前の大金星時の彼の活躍が記憶に残りすぎて、大丈夫だろうと油断してしまったためだ。
事実それは横島も同じだったようで、大鳳にそれを通知された時、彼が言ってきた文句は『殺す気か!』と言う様な内容ではなく『もう少し楽をさせろ!』という内容のものだった。

 その慢心の代償は大きく、横島は街を荒らす怪異に大戦果を上げ、大鳳立ちより先に片づけて大鳳たちの援軍に来ようとしたところを、共闘していた魔女たちにとらわれてすさまじい快楽地獄に放り込まれた。 
一昨年横島が助けたまだ子供な少女たちがこの為に一念魔女の修行をしていてそれに加わったと聞き、大鳳とジャギは女権国家の女性は子供でも油断できないと痛感した。

 アリスとは外交上付き合いは合っても派閥の違う魔女たちの仕業だったことが分かって、激怒した横島と親しい女性達をハロウィンのメタリカという沼の魔女がとりなしてことを終えた。

 大鳳たちは詳しく聞かなかったが主犯でありながら去年横島と共闘し、親しい中になったそうだ。アリス達に他に彼を想う女がいることを知らなかったことを証明し、横島も含めた被害者たちに惜しみない賠償を支払ったそうだ。
 重過失であってもわざとではないと分かると、切られて当然の身内を助けるために高価な魔法アイテムなどを惜しみなく払う当たり、相当に身内に甘い性質な様だ。


 ジャギが去年の失態を思い返し終えると、大鳳が覚悟を固めた様子になっている。彼は横島に口を開いた。

「横島、今の外交上ヴィヴィオ殿下の派閥は多くの王国の諜報部員と市民の安全と幸福にかかわっている。だから諜報部である以上その招待を断ることは――」

「別に断っても大丈夫よ」

 不意に聞こえた女性の言葉に振り替えると、ミクが大鳳とジャギの後ろにいた。声を掛けられるまでまったく気づけなかった事実が、かつてより段違いに強くなった今でも、彼女に敵と断じられれば自分たちは即座に命を落とすと実感させられる。

 救い主を見る様な目でミクを見つつ疑問の表情もある横島に彼女は言葉を続ける。

「ヴィヴィオ殿下は本気であんたを好きなせいか、去年の事を思えば出たくないのは仕方ないと思っているようよ。わざわざ私に無理強いしない様に釘を刺しに来たわ」

 それを聞きジャギと大鳳はその場にいなくてよかったと思った。ミクは聖王の血に目覚めたヴィヴィオを負けることはないけど、余程運が良くなければ一蹴は無理と評価した。そんな怪物めいた女生とミクの対談の場にいたら、胃がどれだけ削られたかわかったのもではない。

 それを聞き横島の顔が罪悪感で歪んだ。横島にとってはどれ程強くなっても、彼女は最初の庇護対象から外れていないのだ。 しぼんだ勢いで彼はうなだれ答えた。

「とりあえず何時までに返事せなあかんか教えてください」

 横島の返答にミクは黙って手紙らしい書類を渡した。それを受け取り部屋から出ていく横島を見て気の毒に思う大鳳とジャギにミクが不意に声をかけてきた。



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