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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

1 :名無しさん@狐板:2020/01/19(日) 00:15:29 ID:bMTYbG3g



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当スレは某R-18スレの長文レス、SS、スレ主以外のAA・支援AAを投稿する場所です
それ以外での使用はお控えください

726 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:10:43 ID:AXpTmxZ/

「実を言うとここにおられる青木様、もしくは葛葉(くずのは)伯爵様は一人の女性の為だけに全てをかけて戦って両想い、というよりは両片想いだった女性の為だけに生きているようなところがあったのです。
それで最初にそれを知った第一発見者の女性達が遊びで彼を犯そうとしたところ大惨事になってしまいまして。それが彼にとっては殺そうかとも思うくらいには凄い地雷だったのです。
しかし、いきなり異世界からの住人である自分が、どれだけ悪いことかわかっていない相手を蹂躙したら、それは自分にとって大切なものをいくつも奪った相手と同じことだと思ってやめたと、言っていたそうです」


 横島たちは知る由もなかったが、これはかつて彼がいた軽子坂高校が突然魔界にのみこまれ、彼が惚れた女性ほどではなくても、大切な人間が何人も悲惨な目にあったことに起因した思いが産んだことだ。
まだわからないことが多い彼に彼女は歩を進めつつ説明をつづけた。

「アンリエッタ皇女様は男を寝取るのが好きですから。しかもハードルが高い程燃えるタイプ。危険を察知して引く可能性もあるけど、逆だったら彼に速攻で切り捨てられかねませんでした。
彼は、スローライフを送っているような心境でいるため、『死にたいわけではないけど、自分を貫いて死んだらそれはそれで仕方なし』そんな考え方をしている方です。故に皇女を切ることにすら何の躊躇いもないでしょう」

 横島はそれを聞き、もう少し運命が変わっていれば大鳳はアンリエッタに傷つけられずに済んだのでは? と僅かに思ったが継承権第一位の皇女が死亡すればそれなりに大きな変化が歴史に起きていたはずだ。
王国に関係がないところで女権国家に痛手があれば必ずしも今よりいい歴史になったとは限らない。そこまで考えると部屋に到着したことが告げられた。

 案内してくれたメイドが戸を叩くと入室を促す低く威厳があるがどこか気さくな親しみやすい声が響き、メイドが戸を開けると一礼して彼を迎える体制をとる。

「客人の案内ありがとう。リャナンシー」

 その言葉と共に、横島が目を向けると不意に目の前の女権国家の女性の気配が変わり、淡い光と共に彼女が姿を変える赤色の服に身を包んだ洗練されたメイドが、横島とユウキに優雅に一礼しながら言う。

「初めまして、青木様の仲魔リャナンシーです。こちらで言うところの異世界からのお付き合いをしております。 女権国家のメイドの振りをしていたことを平にご容赦を。貴方たちの見方をするうえで万が一の情報の漏洩の可能性を減らすためでした」

 誠意ある言葉を送ってくるリャナンシーに少しだけ戸惑う二人をよそに、扉の向こうから声の主が姿を現した。

 その年齢は20代後半くらいにも若々しさに満ちた50代半ばくらいにも見える。染めているわけではない茶色の地毛に鮮やかな白髪が混じった髪を纏めている。
そしてその瞳は温厚な中にも強い情熱の様なものが感じられる。男はどう生きてきたかが顔に出るというが、彼は平凡な顔立ちながら良い生き方を貫き続けて、
美形に見える年の取り方をした男性だと思える。彼はその顔を引き立てる紳士的で隙の無いふるまいで礼をとると二人に声をかけてきた。

「君たちがこの世界の横島忠夫とユウキさんか。はじめまして。私は青木・仁(あおき・じん)ネロ陛下からは特別にかつて所属していた組織の公称の姓をいただき、
葛葉(くずのは)伯爵を名乗っている。ある異世界において、君が行き着いた果ての来世の師匠を勤めたこともあるものだ。今回は弟子だった存在と惚れた女性への義理で君たちを助けることにした」

「初めまして俺は横島忠夫と言います」

 相手の礼に則った態度に感かされ堅苦しい程の礼を持って応じると、青木はユウキと彼を観察するように見た。
その眼の中に郷愁に似た色と親愛の感情が混じっていることに彼は若干の戸惑いを二人は覚えたが、二人はすぐにその理由に思い至った。

「やはりあなたが師匠を勤めた俺に似ているんですか?」

「ああ。別人ではあっても同一人物だから当然と言えば当然か。正確に言えば、君が行き着いた可能性が転生をつづけた結末というべきか。それでも今の君とあまりにも似ていて驚いたがな」

「そうなんすか」

「その通りだ。だが順序が逆なのかもしれない。俺が師匠をした相手は、『既にこの世界線では起こりえない大事件が起きた際に全力で駆けた君の同一存在だった別人が行き着いた幾つもの転生を経た来世』だ。
むしろあいつが君に似ているというべきなんだろうな」

 それだけ言い終えると、彼はユウキを見て少しだけ驚いたような表情になった。

「君がユウキか、一応君の同一存在とも私は話したことがある。 安心させられる話と、残念な報告をしよう」

 青木の言葉に少しだけ不安そうにするユウキに彼は言った。

「君は私がいた未来では普通に横島の傍にいたよ。どうやったのかはついぞわからなかったがな。そしてあの世界の横島がどうやって君を助けたのかは私も知らない」

「そうなんですか。まあ忠夫が何度も転生した後だから、彼らからしたら相当昔のことだから仕方ないかな」

 答えつつ残念そうな声を出すユウキに彼は発破をかける様な声で言った。

「その方法は多分使う必要はなくなるだろう。何しろ私が君たちを助けるからな」

 そういうと、青木はついてくるように促すと奥の部屋に歩み始める。後に続く横島とユウキは不思議と頼もしいと感じながら、彼に続いた。


 奥に進むと彼らを迎えたのは簡素だが趣味の良い装飾品に包まれた一人暮らしの男性が済んでいると思われる部屋だ。 趣味が良いと言えばいいが、『謎の皇帝の客人』が住んでいる部屋にしては普通過ぎると彼らは思った。
それに対して青木は、少し残念に見えるのも当然だという感じで言う。

「私はもともと、生まれが小市民だからな。それに人間などというものは能力が超人になっても本質はあまり変わらん。
正直豪華な屋敷などには威光を示す必要がある状況なら住むのにためらいはない。だが、その場合苦痛とまではいかんが、こういう住居と比べると気が休まらない」

 彼の言葉は明らかに経験則の様だ。恐らく必要に迫られて豪華な屋敷に住んだことがあるのだろう。 部屋の中に入ってみると客人を迎える際の間取りなどもよく考えられていることが感じられた。
そして部屋には執筆用のパソコンや、女権国家やストレリチアの神話や民話、幻想の物語が多く、置かれている。彼は横島とユウキを向かいに座らせると、自分も座り言った。


「端的に言おう。横島、君がいま悩みを抱えている悩み、ユウキを縛っている契約と体のことだが解決することができる。ただしそれにはお前たちが強くならねばならない」

「そうなんですか」

「ああ。私はかつて君の同一存在の来世を鍛えたことがある。それゆえに弟子入りすれば、鍛えてやろう。試練を超えられなくても、
『周りに迷惑をかけずにユウキと添い遂げられる状況にはなるように』算段は立てたし邪魔する可能性のある者達とも話はつけておいた」

「ちなみに話をつけた相手は誰ですか?」

「四惑達だ。彼女たちにとって有益な未来の情報を私が渡した。むろん俺が渡した情報が王国に迷惑をかける様な内容ではなかったことは、俺が愛する女性、赤根沢玲子(あかねざわれいこ)に誓おう」

 横島の頭は本当に混乱の中に放り込まれている。いきなり目の前の問題が片付き、それでいて四惑が条件を飲むような情報を彼は渡したのだろうか。横島は少し考えた後、どうにか質問を返した。

「取引する前に呼びたい人がいるけどいいですか」

「構わない」

 横島は大鳳を呼ぶかミクを呼ぶか少し悩んだ末に、ミクを呼ぶことにした。大鳳の方が頭の良さは上かもしれないが、ミクの方が王国の長官として大局を見てきている時間が長い。
それに自分やユウキに親愛の情が強すぎる面子ではかえって冷静になれない恐れもある。 連絡を入れるとミクはあっさりとくることを承諾してくれた。四惑に取引を飲ませることができる存在に興味が一番大きかったのだろう。そして諜報部にとって興味深い存在であった『謎の皇帝の客人』を見られるという好奇心も多少はあったのかもしれない。



 一時間も経たないうちに彼の仲魔であるメイド妖精のシルキーに案内されてミクが来ると青木は他国の作法ではあるが洗練された礼をとって彼女を迎えた。 そして青木とミクが並んだ様子を見て、
横島は青木を見た時に感じた謎の既視感が何なのか理解する。 青木はミクと似ていた。正確に言えば、ミクが行き着く一つの結末というべきか。 彼は執念や様々な地獄を見ながら信念を貫きそれでもかけぬき、
悲願を果たして隠居などをしたミクは恐らく彼の様になるのだろう。ミクが青木に負けることは絶対にないと悟る。実力の差云々以上に、彼は全てを賭けて成し遂げるべきことをなした為に、
既に大往生を迎えた亡霊だ。現役時代の彼なら可能性もあったかもしれないが、今の彼では百回闘っても一度たりとも彼女に勝てないだろう。 話していて、
警戒心が沸かなかったのもスローライフを送る状態になって善性だけを発揮している状態だと理解できためだろう。


 武人としては天域に至っているミクは一目見て彼の本質に思い至ったのか、一瞬で警戒を解くと敵とは見なしていない様子で彼に挨拶をした。

「初めましてあなたが、『謎の皇帝の客人』と名高いお方ですね。 横島、彼は敵じゃないわ。どちらかと言えば味方だからそこまで警戒しなくていいわよ」

 ミクの言葉にほっとしながら横島は彼女に現在の状況を伝えた。それを聞くとミクは横島の成長を促そうとするように答えた。

「混乱していても思考力をはたらかせる訓練代わりに彼に思いついた質問をしてみなさい」

 その返しを聞いた彼は少し悩んだ末に言った。


727 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:13:11 ID:AXpTmxZ/

「四惑に教えた情報って、もしかしてストレリチアの情報ですか? それとも王国の敵だけど、女権国家の敵でもある相手とか」

「ストレリチアの情報ではない。後者に関してはその通りと言えるかもしれない。正確に言うと、すごく馬鹿なことをやらかして女権国家全体だけじゃなくて、
この大陸どころか世界中に迷惑をかける勢力の芽を摘むための情報と引き換えに幾つもの行動の許可を得た。
王国と女権国家が手を組むほどの大迷惑自体を引き起こし、十数世紀に渡って女権国家人も本来必要なかった犠牲として死にまくる事態を巻き起こす勢力の芽を摘む情報を寄こすから、
今回の取引を頼むと言ったら、応じてくれた。 むろん正式な契約を結んでおいた。
狂三殿は相手が約束を守っているのに破るのは大嫌いだが、絶対にやらないとは断言はできないからな。 ユウキが契約した相手が四惑かどうかはわからんが、
そいつが妨害に来るなら四惑総出で抑えるという約束も取り付けておいた」

 青木の言葉に対して横島はある程度聞こうと思ったことが絞れたが、彼が言おうとした質問を先にミクが口にした。

「女権国家と王国が手を組む? 貴方のかかわった未来では本当に世界滅亡にリーチをかけるレベルの馬鹿をやったやつがいたの? 十数世紀に渡ってということは無差別虐殺する生物兵器でも作って世界中にばらまきでもしたの?」

 驚きと呆れが入り混じったミクの声に横島は凄く珍しいものが見れたと他人事の様に感じる。そして王国と女権国家が同盟などとはそれくらいの事態にならないとあり得ないんだろうなと、
改めて再認識した。 少し前の共闘もそういう事態だったからこそ実感がより強い。ミクの言葉に彼は本筋から脱線しすぎないようになるべく簡潔にまとめるように答えた。

「ああ。今から100年以上先のきわめて可能性の低い世界線の話だが、男尊破遊魔術団(だんそんはゆうまじゅつだん)なる組織が生まれて、
女権国家とは遠く離れた国で外道の限りを尽くした。そしてそれを見て危機感を感じた男が、男性優位の神話や宗教しかない世界から多くの魔物を呼び寄せてしまったんだ。
その異世界と繋がってない世界線でも奴らは女権国家に大迷惑をかける様な事をいくつもやらかしているみたいでな。俺が見た世界程でなくても、女権国家人に大量の被害を出している。
今でも秘密裏になかなか侮れない勢力を持っていたが、狂三殿たちは把握していなかった。もしくはさすがにあそこまで大事にならないと思っていたのか放置していたかのどちらかだったみたいだ」

「確かに女権国家に損失を与えるのが百年以上先のことで、かつ女権国家人同士の争いとなる勢力の情報なら王国に対して迷惑とは言えないわね。 青木殿、私としては納得いきました。
横島、私からはもう言うことはないわ。 どうするかあんたが決めなさい」


 ミクからの許可を得た彼は少し悩むと言葉を口にした。


「青木さん、俺にユウキを護る為の試練と修行をお願いします」

 ユウキも進み出て続ける。

「僕もお願いします。幸せの為に困難を乗り越える力が欲しいから。そしてずっと忠夫の傍にいるために」

 ユウキの言葉を聞くと青木は彼女の眼を覗き込み少し考え後言った。


「本当に情念が強いな。よくもまあ、私が来た未来では、共有している女相手とはいえ、幼き頃から彼の傍にいる立場を譲ったものだ。それだけ長いこと共に戦いつづけて信頼関係などが出来上がっていたか」

 青木の言葉に僅かに好奇心がくすぐられた横島が声を上げた。

「あのすいません。俺のずっと先の来世の幼馴染って、誰だったんですか?」

「そうだな。女権国家の女性には珍しい公平で善良な女神の様な気質の女性だった。 ただし、横島、君以外にはという言葉が最後につくが。
君を愛してはいるが腹黒演技派で、君の同一存在である別人な来世をいじめまくれる日を心待ちにしていたよ」

「なにそれ、怖!」

「まあ、今生では出会うとは限らん」

「まだ出会ってないと断言できるのはなんでですか?」

「ああ。出会っていたら今の説明だけで誰かわかっただろうからな」

 そう返した後、青木がミクに向き直り言った。

「ミク殿今日の対談はこれで終わりということでよろしいでしょうか。これからこの二人に訓練をつけたいので。信用できなければ見ていきますか」

「その必要はないわ。私も忙しいし、貴方が信用できる人間であることは分かったから」

 ミクに一礼すると青木は、横島に向き直り言った。

「今から君は私の弟子ということで良いか?」

「それでユウキを助けられるんなら構わん」

 その返答を聞くと青木は懐かしそうな眼になった。僅かに称賛の念が含まれた瞳で彼を見ながら言う。

「お前はどの世界でも変わらないな」

口調が僅かに崩れると同時に青木の身に纏う気配が変わる。これは前線にいたころの自分を呼び戻しているのだと横島は一目で察した。 彼はこの瞬間、葛葉伯爵から、
青木仁になったのだろう。騎士を思わせる優雅さと力強さを合わせたような足運びの野性味を僅かに纏いはじめ、そしてその身から放たれる威圧感が大きくなっていく。

彼の凄まじい気に圧倒されている横島をよそに青木はメイドが持ってきた腕に装着する方のパソコンを腕につけると起動させた。それを見て横島はその用途をすぐ理解する。
理あれは教師でもあったアティの召喚と似たものだ。 彼女が召喚する時と気配が似ていることが、それに思い至らせた。青木が召喚を終えると猿の姿をした巨大な力を感じる神が姿を現した。

「ハヌマーンという俺の世界の神様の一人だ。お前に稽古をつけることも多いだろう。後で話すが彼は俺のガーディアンという特殊な守護霊を勤めていたこともあるんだが、
そのせいかなぜか彼が適任な気がしてな。 もっとも今回はただの案内人だが。ハヌマーン頼む」

「お任せあれ。わが主君。トラポート」

 ハヌマーンの呪文と同時に、横島とユウキの視界が光りに包まれた。そして数舜だけ意識が度切れた。





意識が戻ると彼らの前には広い訓練場の様な光景が広がっている。その場所で少し離れた位置にいる青木は業物と思われる刀を構えていた。
実践に適した刀であるだけではない。あれは青木が振るい多くの強大な悪魔たちを切り続け、昇華された刀だ。
剣の威圧感だけでたいていの邪悪なる存在は寄り付かなくなるだろう。それを自分の体の一部の様に動かして彼に向けると、青木は言った。

「来い。俺は器用じゃないからな。それに基礎から教えるより、お前が覚えられそうな技や経験を叩き込むのが一番だろう」

 言葉を終えるとともに全体の空気が一気に変わり、一流の兵士でも息苦しさを覚えるほどの威圧感を放っている。それを見て横島は迷わず一気に切り込んだ。
霊波刀を信じられない程の速さで出現させ、『速』の文珠を発動させると彼の刀とぶつかり合わせる。青木がその一撃を楽しそうに生徒が予想以上の答えを返してきた教師の様な笑みを浮かべ受け切りかけた瞬間、
霊波刀を消して籠手に変化させる。本当に僅かとしか言えない隙が生じた瞬間に、籠手のない左手に霊力を込めて殴りつけた。 その一撃を受けて青木に感嘆の念が走る。
今の彼が身にまとっている気は危機を察知する能力が高ければ高い程打ち込むことに恐怖を覚える威圧感だ。それを乗り越えてかかってくるのが数瞬早かっただけではなく、
霊力の籠手に守られていない左手で殴ってくるとは。これは反撃される恐れがないと確信していてもよほどの覚悟がなければできることではない。



連続攻撃を放とうとした瞬間、横島は急に視界が反転し天井を見ていることに気づいた。視界の変化から僅かに遅れて腹部に激痛が走る。倒れる彼を見下ろしながら青木が言う。


「すまんな。少しお前をなめてた。 かつて弟子だった相手のイメージが抜けてないか。あいつも覚悟はあったが、お前ほど追い込まれてなかったし、あの時点ではまだ戦士じゃなかったからなぁ」

 言い終わる前に、横島が霊波刀を彼の首筋めがけて突き出すと、青木はそれを刀で受けて上機嫌に笑う。

「普通の刀と違って霊波刀は突きだけならどこでも繰り出せるか。こんなに早く攻撃してくるあたりプロの軍人らしい。これなら遠慮なく行けるな」

 そういうと起き上がった横島に青木は一瞬で距離を詰めて、拳を叩き込んだ。 撃ち込まれた一撃はいかにして霊力を込めれば、相手の体に響くか嫌でも理解させられる一撃だ。
横島はそれを受けて少しでも覚えなければと思いながら下がり、青木の斬撃を辛うじてかわし、文珠を使おうとしたところに容赦なく彼の鞘の一撃が彼を吹き飛ばした。

「文珠は便利だが脅威を知っている奴は発動を是が非でも止めに来るぞ。俺がユウキを不幸にしようとしている敵だったら。彼女はどうなっていた。 残された時間はそこまで多くはない」

 敢えて横島が『癒』の文珠で回復するのを待った後、彼は再び切り込んだ。

 横島は剣撃を受けながら何度も下がる。青木の剣撃は速さが生む力で非力さを補う類の剣だ。だがそれでも彼は本来よりは力を抜いているのがわかる。
本来の青木の剣はあくまでも『英雄たちの中ではやや力が弱い』程度だ。だが今の彼の技は速さで力を補うことに特化した英雄の剣技を模している。
そしてその剣を受けながら横島は悟った。この剣の速さと重さは、ユウキの剣と同じにしている。


 それを悟ると彼はその技を受け流しながら切り返した。 切りあい何度もくらいつきながらも、彼は膝を何度もつきそうになる。ユウキと同じ力で攻撃をしてきているのに、
拳を受ければ、今の彼以上に力強い敵より受けたものより奥に響き、首から上にもらえば、脳が揺れる。これが圧倒的な強さの敵と戦ってきた経験の差なのだろう。青木は笑いながら言う。

「そろそろ、本腰を入れていくぞ」

 次の瞬間、青木の剣撃が速さを増し、その一撃を受けた際に手がしびれる重さも伴っている。 青木は続けて言う


728 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:16:52 ID:AXpTmxZ/


「どうだ、戦っている時に不意に強さを変えられると脳が混乱するだろう。敵がわざわざ手加減して後に本気だしてくるなんてことは滅多にいないが、たまに伝承から生じた悪魔はパターンの違う伝承に切り替えてくることもあるからな」

 敢えて手のしびれが退くのを待った後彼は、再び多くの斬撃を放ち始めた。適切な受けをすれば、大丈夫な攻めはしくじるたびに激痛が走る連撃となり彼を襲う。そして倒れると回復魔法がかかってきて、彼の傷を癒す。


 倒れることと回復魔法を何度も繰り返して数時間がたった後、青木は彼に言った。

「今日の訓練はこれまでだ。これ以上は意味がない。 リャナンシーとシルキーが回復させる料理と薬酒用意しているから食べておけ」

「あ、ありがとうございました」

 気絶しかけた横島に回復用の魔力のこもったラスタキャンディを横島の口に突っ込むと途切れかけた彼の意識が戻り、そのまま彼はふらつく足で食卓に向かった。





 青木にしごかれる日々が訪れ、昼は青木に模擬戦でしごかれたり、彼が作った異界や、女権国家で自然発生した異界に放り込まれる他、
夜は青木が儀式を終えたり術をかけた女権国家で縁を結んだ女性に嫐られる。どういうわけか他の女性よりリグルと愛歌が訪れる頻度がやや多い。これも青木の指示らしかった。彼のことだから何か意味があるのだろう。
訓練を課してくる青木の行動に一つだけ疑問に感じることがあり、それがドッペルゲンガーが来るかもしれない相手であるユウキまで鍛えていることだ。疑問がる横島に青木は真剣な様子で答えた。

「ちゃんと意味のあることだ。むしろ後々これは王国の為になる。すまんが今はこれ以上のことは言えん」

 その際に同席していた愛歌も同じように笑って頷いたのを見たことが彼が追及を辞めることを決断した最大の理由だ。そしてその時青木は横島に不意に頼みごとをしてきた。

「横島、お前が持つ文珠いくつかもらいたい。最低でも五個はほしい」

「理由を聞かせてもらっても?」

「ここ(青木の館)なら多少は言える。ただあまり知られない方が良いことでもある。お前の友である大鳳やジャギの為にもなることだ」

「どうぞ」

 僅かなやりとりで彼は、あっさりと渡した。青木の人柄はここ半月くらい過ごして大体わかっているので拒む理由はない。

「感謝するぞ、横島必ず大鳳の為になることを成し遂げて見せる」

 そういうと青木は早速何かの儀式をする様子で、駆け去っていく。横島はそれを見て絶対に何らかの形で事態が好転すると確信できた。

 その次の日に、青木の戦い方が大きな変化を見せる。僅かだが速度が落ち代わりに敵を騙すフェイントなどが上手くなった。
そしてそのだましの技術はなぜか異常に横島にとって覚え安いものばかりだ。 何度も地べたに這いつくばらせながら彼はそれでも自分が強くなっていると感じた。
その日彼は横島に不意にある提案をした。その提案をされた時のことは不思議と印象に残っている。彼は珍しく、覚悟を決めるような間をとってから言葉をかけてきた。

「本人たちが良いなら大鳳くんとジャギもここに連れてきてくれるか。あの二人に対しても有益な指導ができるようになった」

「わかりました二人にも聞いてみます」

 答えつつ彼の内心は驚きが満たしている。青木と稽古する際に様々なことを彼に教えられ、敵を知り己を知ることも大事だと言われて彼のことを調べてみたが、彼の経歴は異常だった。
ネロの客人として多の霊的災害を解決し男性でありながら女権国家で霊的に不安定な土地の辺境伯の位を得るという偉業を成し遂げ、今でも時にはネロに頼まれて四惑の手がふさがっている際の霊的案件を請け負っているらしい。
そして彼はいかなる時も余裕の表情と態度を崩さなかったそうだ。演技だった可能性もあるが、皇帝が直々に頼むほど危ない任務をいくつこなしても、
余裕を見せていたらしい。さらに彼の異常性を引き立たせるのはその女性関係だ。死んだ相手に一途なだけではなくしょっちゅう外に出て数えきれないほどの孤児などに炊き出しや職業訓練を施し、
大勢の理不尽な不幸に見舞われる女性を救って回っていたらしいのに、誰も彼を恋愛的な意味で好きになった女性はいないという。特殊な占いで、自分が琴線に触れない女性を選んでいると言ったが、
絶対にそれだけではないと自分の勘が告げている。女権国家の女性と友好的に過ごしまるで理想の騎士や王子の如く接しても、惚れられない様にできる何かが彼にはあるのだろう。
親愛だけを勝ち取る処世術を用いたにせよ、あるいは術であれ常人どころか英雄でも不可能な類のことだ。

そんな怪物めいた能力を持つ彼が何か覚悟を要する様な事をしようとしているのだろうか?
 横島の警戒とやや驚愕よりの内心を察したのか、青木はいつもの余裕を意識的に取り戻し答えた。

「ああ誓って言うがお前たちを巻き添えにしてしまう様な大事は起こっていない。 祖霊より、別に無理に修業は受けなくてもいいが、
大鳳くんには一度ここに顔を見せてほしいと伝えてくれ。彼を蝕んでいる呪いを私ならどうにかできるかもしれない」





 その言葉を聞いてすぐに彼が大鳳とジャギを呼ぶと二人を割と直ぐに訪れた二人を見て青木は礼儀正しく優雅ではないが見栄えのする貴族礼をとって迎えた。

 ジャギは彼を図る様に彼を見ていたが味方だとわかると少し、居心地が悪そうだ。武術家としての礼法も多少はあるが、
青木くらいの高位貴族として恥ずかしくない類の礼を受けると、少々座りが悪いと感じているのがみていてわかる。

「あんたが葛葉伯爵か見てみてわかったが、実戦からのたたき上げで強くなったタイプか」

「ああ、そんなところだ。君たち二人の師としては向かないかもしれないが、それでも気が向いたら手ほどきくらいならしよう」

「いや、そこまで手間はかけさせねぇさ」

 ジャギはそういいながら獰猛な笑みを浮かべた。顔は見えないが、声の調子で好ましい武人と会えたことを多少は喜んでいるのがわかる。そして彼は気を練り上げながら下がっていう。

「あんたは実戦の中で練り上げて技を盗んできた類の達人だろう。恐らくはそれで一流になった後に、本格的に型にはまった武術を学んだ。
指導するような気でこなくてもいい。思いっきり俺たちを身に着けた技でぶっ叩け。 勝手に盗ませてもらう」

 大鳳も彼を見ながら頷きいう、

「貴方は指導もできない訳ではないけど、あまり得手ではないでしょう。実戦形式で受けた技が一番為になると思います」

 大鳳とジャギの言葉を聞くと青木は頷いた。

「結局横島の奴にやっていることと変わらなそうだな。最低限の手加減はしよう。勝手に覚えてくれ。ミク殿の方が上手いかもしれんが時間は俺の方があるからな」

 その戦いの後は三人でかかり、ある程度善戦したものの青木が最終的には勝利した。大鳳は後で型も彼から教えてもらっていたが、
ジャギは回復してもらうたびに立ち上がり、青木にたたき伏せられる度に、北斗の型の練習をしている。青木が注意をしない辺り確実に無益なことではないのだろう。



 鍛錬が終わった夜青木は大鳳に言った。

「君の呪いについて調査したい。かなりプライベートなことまでわかってしまうが良いか。治療に必要がない限り、他人に打ち明けたりはしないから」

 少し悩んだ末に大鳳は頷いた。実際に少し話しただけで、彼が信用できる相手であることは分かったからだ。横島は少し解せない者を覚えた。
青木の大鳳を見る目が好意的に過ぎる。心から彼を案じ助ける最適解を何が何でも見出そうとしている眼だ。それを感じているからこそ、
大鳳も診せることを悩みはしても警戒はしていないのだろう。だが、なぜ彼はここまで大鳳を案じるのだろうか? その疑問が浮かんでもなぜか警戒の念はわかないまま彼はその様子を見守った。
 大鳳の体を診療のベッドと思える寝台に横たえた後、青木は呪文を唱えた後、瞑想ししばらくすると、空気を振るわせるほどの怒りを一瞬だが見せた。 大鳳が僅かに脅えたのを見て、怒りをしまうと彼は言った。

「大鳳くん大丈夫だ。君の呪いを私なら解ける。お別れの日に解くことになりそうだ。それまで準備をしなければならないがな」

「青木さんどこかに去るんですか?」

「近々な。それまでは君たちに稽古をつけよう。そして最後の日は唐突に呼び出すかもしれないし、君が少しの間女権国家から離れることになるかもしれない。だから身辺の整理をしておいてくれ」

「わかりました。自覚があるにも関わらず僕はどんどん、アンリエッタ皇女に好意を抱いています。このままだと利敵行為にも走ってしまいそうですから」

 大鳳の言葉に頷いた後彼はハヌマーンと天狗を召喚すると言った。

「一週間ほど、この二人が訓練を受け持つ。それまでに俺はやらねばならないことができた」

 そういって彼が引っ込んで一週間後に、『モンテ・クリスト伯』という異世界の小説が発行された。女権国家では、オカルトだけではなく、
SF的な超技術的な分野からも『異世界はある』という考えが主流であり、青木こと葛葉伯爵の書籍は本当に異世界の物語である可能性が高いと全ての部署が太鼓判を押している。
男性も女性も面白いと考える作品を書く彼の支持率は高い。女権国家の女性達としても、男性との共通の話題ができるのは堕とす際に便利だし、
自分たちも楽しめるからだ。意中の男を得る為なら自分が微塵も面白くないと感じる作品すら細部まで把握して、楽しんでいるふりをすることもできる。
それでも、どうせなら自分も面白いと思える作品を提供してもらった方が色々と負担が少ない。


729 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:18:20 ID:AXpTmxZ/

 モンテ・クリスト伯は他の作者の作品出ることを明言したうえで、出版され男女両方から高い支持を受けた。
ネロが青木の所に一度だけ文句を言いに来た以外はかね平和だった。文句の内容は『こんな面白い話を知ってたならもっと早く書かんか!そなたが書いていてくれたら、余が退屈した空き時間がどれだけつぶれたか』

 その時の文句の良い型を見ても、ネロは恋愛感情ではないが青木を信頼しかなり気を許しているのがうかがえた。

 それ以降は大鳳と共に訓練し、たまに交じりに来ては技を盗みに来るジャギと共にしごかれたり叩きのめされる日々が続いた。

 そしてある日、青木が夕食の後彼を珍しく部屋に呼び出した。常に鍛錬を課すときはまじめだったが、いつになく真剣な様子に彼も覚悟を決めて彼は覚悟がいるなという確信と共に部屋に足を向け歩み出す。

 重々しく部屋を空けるとそこには彼が待っていて、横島に言葉をかけてきた。

「横島、お前達の鍛錬はそろそろ卒業と言っていい。俺のこの多大な善行と引き換えに神々からもらった人生のボーナスタイムな肉体もそろそろ寿命が来る」

「そ、そうですか。師匠」

 声が振るえる辺り、自分はこの人物のことが思ったより好きだったんだなと横島は思う。その彼に対して青木は言葉を続ける。

「実は異世界の神話などが最近広まったのは俺の仕業だったんだ。最近発表したモンテ・クリスト伯やドッペルゲンガーだけじゃなくて、俺の出身世界のインド、北欧、ギリシャ、メソポタミア様々な神話を俺が広めた」

 雑談の様だがこれは大事な話だなと、いう確信が横島の脳裏によぎる。その彼の表情を見ながら彼は言う。

「俺の広めた神話などの浸透率は女権国家だとどれくらいになっている?むろん数字は知っているし、自分なりに調べても見た。だが、市民に紛れる時間が長かったお前の口からもききたい」

「異世界は確かに実現し、女権国家の歴史家たちも、確かに異世界から来た人間も本当に過去にいたと知っている面子は、大半が本物だと太鼓判を押しています。
青木師匠の書いた話を面白いと思った面子はほとんどが走り読み程度には読んでいると思います」

「そうか、それなら俺の計画も十分進みそうだな」

「そうなんですか」

「ああ。四惑と取引した際に、取引が終了後に一番俺のやることに口を出してきたのは狂三。彼女の相手が一番大変だった」

「なんでまた」

 青木の交渉面などの有能さなども見ていると彼が苦戦している姿はとても想像ができない。四惑が相手でも、有利な状況で始まった場合は必要最低限の成果はあげられるだろう。悩む横島に返ってきた返事は意外なものだった。

「利益問題じゃなくて、良識から口を出してきたからな。ちゃんと礼を持って良心から要求をしてくる相手の意見を無碍にしては俺に惚れてくれた玲子さんの品格まで落ちる。だからなるべく彼女の意見は尊重するようにした」

 それを聞き、横島は愛歌から聞いた、心情的には彼女が愛歌の王国側だったらしいという噂は本当の可能性が高いと思った。思案顔になった彼に青木は言葉を続ける。

「俺の世界の神話と女権国家世界の類似点とかをまとめた本とかも相当に売れたか」

「はい。考察している人たちもかなり多いです。特にストレリチアの聖王は北欧神話のオーディンと同一存在だったのでは?とか言われるケースが多いっす」

「そうか。俺はお前を鍛え上げるのも今日で最後だ。あとはこの世界の者たちの仕事だな。それじゃあ失礼する。これから最後の試練場というか、戦場にお前を送る。いかなる結末でもユウキは不幸にならないから安心しろ」

 そういって青木が魔法のこもった石を投げてくると、彼の意識が一瞬だけ途切れた。

 青木は意識を失った彼の前で、彼から受け取った文殊に『隠』の字を入れて発動させた後、もう一つの文珠に『移』の字を入れてかざした。その瞬間彼に何かが移っていく。それを見届けると彼は横島をどこかに瞬間移動させた。





 次に彼が目覚めたとき最初に彼の視界に入ったのは、宮殿の様な廊下に立つユウキの姿だ。彼女が一言もしゃべらず無言で剣に手をかけた時、彼は目の前の存在がドッペルゲンガーだと、確信した。最初に放ってきた抜き打ちをかわし、即座に霊波刀を出現させる。彼女の剣を受け止め、打ち合いながら彼の心は散々に乱れた。ユウキではないとわかっていても、彼女を傷つけるという行為をすることにブレーキがかっているのが自分でもわかる。


 横島は青木と比べれば速さも力も劣ると断じた。なまじ余裕があることも、彼が力を出せない原因の一つだ。
もっと追い込まれれば、余裕がなくなり多少は容赦のない反撃もできたかもしれないが、今の状態ではユウキと同じ姿の存在を傷つけることに対する忌避感が勝っている。

 ユウキの剣は横島が断じた通り、青木と比べれば遅く軽い。だが決して弱いわけではない。この剣を余裕をもっていなせるものは女権国家でもそう多くない。
横島の場合は幼いころからユウキを知っているからこそ、読み取ることに長けているために防ぐことができている。 無言で機械の様な表情で剣撃の荒らしを放ってくるユウキの剣を彼はあしらいながら、
内心驚いていた。 ドッペルゲンガーの強さではなくそれをあしらえている自分にだ。

『ユウキが強くなるとドッペルゲンガーも強くなるか。青木師匠の指導を受けてユウキも実力を上げたんやな。 ただ青木師匠が言うには俺の実力がここまで上がったのは、異常に師弟の相性が良かったためらしいから、ワイ程強くなってないか』

 ユウキの剣の鋭さと速さが、前より遥かに上がっているのにあしらえているだけではなく、わずかとはいえ余裕がある。
彼は特に激しくなった、ユウキの剣撃の乱舞が始まりかけた瞬間に初めてドッペルゲンガーに向かって言葉を放った。

「ユウキの偽物、ここでおれを仕留められないと本当に終わりだぞ。俺はユウキの癖を知り尽くしているから、それまでコピーしたのが、いや、コピーしないということができないんだな。
その性質上。物語から作られた怪異はその物語から強大な力を得られる代わりに、その物語に弱点も縛られる」

 言い終わった直後にさっきよりも一段上の速さになったドッペルゲンガーの剣の激しい乱舞が放たれてきた。

 横島は全ての攻撃を捌き切りながら特に振りの大きい攻撃を辛うじて受けた直後に霊波刀を籠手型に変えて相手のバランスを崩した。僅かな違和感を感じたがそれでも、
彼は躊躇わずにドッペルゲンガーに殴り掛かった。仮に今の失敗がわざとであっても、この隙は大きすぎる。拳が当たりかけた直前にドッペルゲンガーが言葉を発した。

「忠夫、強くなったね。でもさすがにそれされると痛いから止めてくれるかな?」

 その言葉を聞いた瞬間、横島の戦意が消えうせる。脅えたとかではなく、目の前の存在が本物のユウキだと確信したためだ。攻撃を止めた瞬間にユウキが再び攻撃を放ってきた。
その一撃は今までの中でも最高のものだ。それを受けて彼が倒れると、ユウキは嬉しそうに彼を見た後、彼ではない他の誰かを煽る様な笑みを浮かべた。

「見ているかい、ドッペルゲンガー、いやその伝承を使って出てきた僕の前世。 忠夫は君の時と違って攻撃を躊躇うじゃなくて、ドッペルゲンガーかもって思っていても僕を傷つけられなかったよ」

 ユウキの言葉を意味不明だと思いながらも、彼は意識が落ちかけるのを感じた。そしてユウキの足元『演』の字が入っている文珠が転がっていることに気づく。彼女はこれを使ってドッペルゲンガーを演じていたのだろう。

 そこまで考えた時不意にユウキが軽々と彼を抱き上げた。ユウキの信じられない力強さに好感度ドーピングという言葉が浮かんだが彼はそのまま運ばれていった。
彼が状況を打開できなかったのは、相手がユウキだと確信してしまったためだ。ユウキが相手だと確信した結果、危機に陥った時に起こる火事場の馬鹿力が発動しなかった。






 寝室らしき場所に運ばれた彼をユウキは女権国家の女性が見せる特有の発情の籠った笑みで見下ろしながら言った。

「アリス、お願い」

「ええ」

 ユウキの言葉にこたえて金色の髪の美女であるアリスが姿を現すと彼に呪文をかけた。その瞬間目線が低くなり、ユウキの姿が大きくなりはじめ、
しばらくして自分が子供の姿になっていることに気づく。だが今の自分は大人だったころの記憶もあるが、精神も少年時代のそれに戻っている。

 ユウキはその横島を見ると満足そうにうなずき彼の唇を貪り始めた。最初の口付で完全に彼が腰砕けになると、だぼだぼになった服から彼を引き出し、そのまま対面座位の体制で犯し始める。

 敢えてユウキは与えてくる快感を調節しながら、アリスに目配せをした。アリスは笑みを浮かべて左手で玉袋を揉みしだきながら、彼の分身の下の方を指で強弱の力を使い分けながら押し始める。

「忠夫〜、気持ちよさと不安さが同時に訪れてきてすごいでしょう。アリスだけじゃなくて僕もそうなるようにしているからね。 それじゃあ一気に行くよ〜」

 敢えて寸止めをやめて本気を出したユウキに射精させられると彼は、快楽と不安が同時に襲い掛かってくる。その状態を見計らったように、
ユウキが敢えて彼の口に乳首を突っ込むと片腕で彼の頭をなでもう片腕と足で彼の体を強く拘束した。最初の射精で一気に、脱力した彼はそのままユウキにあやされ始める。
気持ち良すぎるが射精したばかりで動くと敏感になった分身がどうなるかわからない。そう思い脅える彼の様子を察したユウキが敢えて腰を激しく動かし何度も射精させながらアリスに言う。

「アリスありがとね。当分は僕だけで大丈夫だから」

「ええ、後で私も混ぜてね」


730 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:20:20 ID:AXpTmxZ/

 そういって姿を消したアリスをよそにユウキは横島の分身を敢えて抜くと唇に乳首を含ませたまま彼の分身を手でなぶり始める。
分身を愛撫する手は気持ち良いが不安も煽るそういうことをしながら、抱き込み頭を撫でる手はどこまでも優しく彼を堕としてくる。
意識を失いそうな彼を見下ろしならユウキは何度も手で彼を射精させた。



 射精した精液はユウキ手にぶちまけられその度にインプと化した彼女に吸収されていき、どんどんと彼女を強くして言っている。
強すぎる快楽の中で何も考えられなくなりそうになりながらも彼はどうにか思考し、言葉を絞り出した。

「ユ、ユウキなんでや?」

 なぜこんな逆レイプをするのか。その問いにユウキは少しだけ忌々しそうな表所をすると答えた。

「敢えて言うなら絶対に負けたくない相手との勝負だからかな? もちろん忠夫のことじゃないよ。 それじゃあ次は僕の胸にいい意味でのトラウマをプレゼント♪」

 ユウキが手を離し彼の分身を胸で挟み込むと腰砕けになるほどの快楽が彼を襲ってくる。
ユウキは敢えて優しくゆっくりと何度も彼の分身を胸の中で泳がせて精液を溜めさせると一気に射精させ、それが済むと。彼女は言った。

「それじゃあ次は激しくいくよ♪」

「ちょ、ちょっと、ま」

 言い終わるより先にやさしい快楽に慣らされた後に、不意にきた激しいパイズリで彼はそのまま果ててしまい一気に倒れた。
意識を失いかけながら彼は思う。ユウキの胸怖い、でもほしい。そんな感情に支配され終えると同時に彼の意識は完全に堕ちた。





 意識を取り戻した彼は、豪奢な寝室にいることに気づく。ファンタジーの小説などで森の妖精などが住まいそうな美しい夜の森が見える屋敷にいるようだ。
目の前には嬉しそうな笑みを浮かべているユウキがいる。彼女は笑顔を浮かべながら横島に話しかけてきた。

「忠夫、僕の体を見て今どう思う?」

 明らかに本気の害意ではないのに威嚇的な笑みが恐ろしく感じる。そしてユウキの威圧的な言葉で分身が屹立してきていることに気づき、
自分が完全に彼女に屈服していることに気づく。さらには今まで発情を感じたことがなかったユウキの体に自分がトラウマの様な快感を刻まれて、完全に性の対象内にユウキが入ってきている。 満足そうにユウキは笑いながら言う。

「精神も子供に戻した状態で逆レイプしたのが良かったみたいだね。それじゃあ続きをしようか」

 そういった彼女が服を脱いで行きあらわになった裸体を見て自分の中の恐れと期待が絶頂に達するとユウキは彼を容赦なく押し倒した。
上になった彼女の中に何度も精を放ちながら、揺れる乳房から目が離せなくなると彼女は敢えて彼の分身を寸止めの状態に持ち込んで、
少し焦らしたのちに激しい射精をさせる。それと同時に彼の腕をとり自分の乳房を鷲掴みにさせて彼の射精の量を一気に増やす。
脱力の極みにより倒れる彼を見下ろしながら彼女は自分の内部で彼の分身を嫐りそれでもだえる彼を嬉しそうに見下ろしながら言う。

「ほら、見たかい僕の前世、同じ初体験なら僕の方がうまく刻み付けられるんだよ。生まれた時からの付き合いだからね」

 ユウキの様子を疑問気に見る彼にユウキはいま思い出したという感じで、横島から護身用に渡されていた文殊に『戻』の文字を込めて彼に投げつけた。
それを受けると同時に彼の記憶が『戻』り始めた。それを見越した様にユウキが不意に彼の後ろに言葉をかける。

「さとりお願い」

「任せなさい。『想起・ドッペルゲンガーの皮をかぶって現れたユウキの前世に敗れた時の思い出』」

 さとりの宣誓と共に彼の意識が一気に過去のトラウマの世界へと引き戻される。それと同時に過去の記憶が蘇ってくる。






 今から二か月以上前に彼はドッペルゲンガーのうわさが広まりだすと同時に、異世界の神話がこの女権国家で広まりだすと同時に鍛錬に賭ける熱の用が倍以上になっていた。
動機は記憶を失う前と同じ、ユウキの所にドッペルゲンガーが来るかもしれないという危惧からだ。そしてその危惧は的中し、彼はユウキのドッペルゲンガーが来たと確信したが大きな違和感も覚えた。

 目の前に現れた少女は見かけもユウキに似ているがとても似ている従妹や姉妹と言ったくらいだ。ユウキの髪は黒が強い紫色の髪だが、目の前の少女は青に近い紫の髪をしている。
ユウキの様に魔法剣士の様な風貌ではなく、オレンジ色で統一された傭兵らしい服装だ。しかし、その魂は間違いなくユウキに近い。横島は覚悟を決めると霊波刀を抜き放った。

「君がユウキのドッペルゲンガーか」

「うん。正確には彼女の理想の姿に近い前世かな。あたしはワユ、クレイル傭兵団に所属し、聖王陛下を貴方の前世高島と共に支えた剣士だよ」

 それを聞き、横島の顔色が変わった。聖王の伝承は神職しか知らないものも多い。彼女はちゃんとメジャーな方に分類される英雄ではあるが、神職しか知らない活躍も多い。
ユウキのドッペルゲンガーが相手ならば、知り尽くしているという意味ではこちらも一緒だ。だが、前世の姿が現れたとなれば、わからないことも多い。困惑する彼を他所に彼女は、はつらつとした明るい声で彼に向って告げた。

「忠夫、それじゃあさっそくだけどいっちょ私と勝負してくれない? 私の最終的な所属国はストレリチアだからこの意味は分かるよね」

 横島はそれを聞くと霊波刀を具現化させて構えた。

「俺が君に勝てばユウキはドッペルゲンガーに勝利した女性達の様な運気を得ることになるのか?」

「うん。ただし簡単にはいかないけどね」

 言い終わると同時にユウキと似たそれでいて確かに異なる連続の剣撃が彼に迫ってくるが、それに対して彼は数劇を受け止めると、即座に霊波刀の重い一撃を放った。
その一撃を近くした瞬間、彼女の顔色が変わりそして、それを受けた時刃同士の触れる大きな金属音が響き、戦場の空気が一気に変わる。 その一撃が放たれるまではワユが勝利する流れだったが、
今の一撃で流れが横島の方に傾いた。 横島はワユの地力の高さを見て賭けに出なければ勝てないと断じた。

 ユウキの剣技は速さによって増す重量が増した剣撃の連続で、勝機を作り出していく。そして3割くらいの力を込めて打つ予定だった一撃でさえ、
勝負所と見れば6割から7割くらいの力や全力に変えてしまう時もある。彼はワユが6割くらいの力ではなってきた一撃を見極めそこに切り込んだ。
ユウキの癖と似通ったところもあるからこそ、どの程度本気かもわかった。普段の横島ならもう少し見極めてから勝負に出るが、彼が彼女に対してある程度予想がつけられる以上その逆もあり得る。
だからこそ、絶対に勝負に出ないときに賭けに出たのだ。横島の予想は当たっており、そして予想外の一撃を受けた彼女は六割の力の所に全力の一撃をもらってバランスを崩した。
そこから一気に防戦気味に傾いたが、横島は攻めながら恐怖していた。ワユの失策というより、自分の策が上手く嵌ったにもかかわらず、彼女はその速度を活かして不利ながらも時々反撃を繰り出してきている。
その反撃を捌く度に、さらに連撃が飛んできて一気に巻き返されるのではないだろうか。ユウキと同じ様な戦い方だが、ストレリチア寄りの彼女の剣技を彼も知り尽くしているわけではない。



 横島が辛うじて優勢を保ったまま、5分近い時間が流れた時不意にワユの雰囲気が変わった。横島はそれに嫌な予感を覚え、攻めをより激しくしたが、
ワユは辛うじてそれをかわすと反撃の一撃を放てそうなときが訪れた。にもかかわらず彼女はそれを見送った。横島は生じた違和感をねじ伏せるとさらに攻撃を続ける。
彼女の神速の剣技は僅かでも油断ができない。長考すれば即座に流れを取り返される。一度大きな機会を逃した後に何度か打ち込んできた剣撃をかわし、霊波刀を手甲型に変えて距離を詰めかけた瞬間、
今までで一番早い一撃が飛んできた。 それを手甲とかした霊波刀で受けた瞬間彼の腕に凄まじい鈍痛が走る。

 それを受けて動きが鈍くなった瞬間、ワユが連続攻撃を仕掛けてきた。手甲型の霊波刀だけではなく、つけている防具の上からでも、
容赦なく彼の体に斬撃が響く。横島が距離を取ろうとした瞬間、彼女の鋭い一撃が決定的に彼の意識を刈り取った。

「相変わらず、騙しあいにかけては凄いね。でも今回はあたしの勝ち!」

「な、なぜあんなことができたんや」

「手品の種はこれだよ」

 そういうとワユが横島に一つの文珠を見せてきた。それには『隠』という字が刻まれている。

「ドッペルゲンガーは持ち物もコピーできるし、前世の貴方から護身用に文殊もらっていたから」

「技を隠せるほどだったんか?」

「それは違うよ。私が隠したのは文殊の所持。そして入れたのは『忘』の字。そして『戻』の文珠を使って、戦って5分後くらいにその効果が表れるように『決』めておいたの」

「自分で自分の技を忘れさせていたのか?」

「うん、防具の効果を激減させる月光。まだ未熟な貴方ならそれを使わなくても勝てたかもしれないし、それでだめなら思い出して不意に切り込めば行けると思って。敵を欺くには味方から。こうでもしないと騙しあいじゃ貴方には勝てないからね」

 これはワユの戦闘スタイルが、月光という技を忘れていても十分強くかつ、スタイルに変化が生じないからこそできた騙し技でもあっただろう。負けたと思って落ち込む彼に彼女は言う。


731 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:22:35 ID:AXpTmxZ/

「貴方、いつまでもこういうのは何だし、忠夫と呼ばせてもらうね。ストレリチアで貴方の前世の名は、禁忌って程じゃないけど、神職とか以外にはあまり聞かせない方がいい名前らしいから。
陛下も前世から独占欲強いね。私も人のことあまり言えないけど。 それから今日は別に貴方の命もユウキの命もとったりしないから安心して」

「それじゃあなんの用でここに」

「そりゃもちろん来世の自分や来世の自分の想い人と手合わせに決まっているでしょう。世界一の剣士を目指していたから未来の闘術にも興味あったし。それはそれとして、ストレリチアの法に習わせてもらうね」

 そういうと彼女は彼を気絶させるとそのまま、どこかに連れ去った。





次に目覚めたとき彼は顔が柔らかく暖かいものに包まれていることに気づいた直後に、分身がいきり立ち切った状態で果てしない快楽を与える蜜壺の中で捕食されていることに気づいた。
何が起きたか理解できない彼の頭上からワユの声が響く。

「目が覚めたみたいだねそれじゃあお目覚めの一発行こうか」

 その言葉で自分が胸に顔をうずめさせられながら、寸止めされていたらしいことに気づいた。その直後彼の分身を嫐るワユの蜜壺の拘束が解かれると同時に爆発した。
脳が破壊しつくされるような快楽と共に彼は震えながらすべての精液を一気にぶちまけた。
 ワユの手の拘束が解けると彼の顔を包んでいた乳房から離れ、そのまま彼は気をやったように倒れた。

「忠夫、どうだった。今生の私より気持ち良い」

 ワユの姿を見て自分の目線が低いことに気づき。これは何度かアリスに戯れでされた、子供時代に戻す術だと彼は理解する。 恐らくだがヴィヴィオか、もしくはヴィヴィオの前世である聖王からそういうアイテムをもらうか、
術を習ったのだろう。脳が子供に戻ったことで、快楽を処理しきれない彼にワユは笑いながら言う。

「ユウキともそれなりにしたみたいだけど、心身共に子供時代に戻されてやったのはこれが初めてでしょう? ドッペルゲンガーの本能か、本人がしてないプレイとかしたり上書きしたくなっちゃうんだ。それじゃあ続きやろう」

 その後彼は甘いお香の匂いのせいで脱力状態の彼を解きに授乳するように口に含ませ、手で抜き。ある時は胸の間に彼を分身を挟み何度も彼を達しさせた。
最後は最初と同じような体制になり、乳首を彼の唇に含ませたまま彼女は一気に彼から精を吸い尽くした。彼女の霊力が一気に上がり、
自分は指一本動かすことすらきつくなった直後に不意にドアがけ破られ、一気に気配が変わった。



 ドアがけ破られるとその向こうから全身から震えるほどの怒気と闘気を噴出させる彼の幼馴染ユウキの姿が見える。横島がワユ相手に抵抗できなかったのは、特殊な香のせいもあったが、
もう一つはワユもユウキの前世であるためか、ユウキと認識していたせいもある。しかし、今生のユウキを見たことでそれが大きく揺らいだ。 いつの間にか服を出現させたワユが一足飛びに切り込んできたユウキの剣を受けて笑う。

「はじめまして今生のあたし、いやあたしの来世っていうべきかな。旦那様の来世を閨で味わった後は、来世の自分と勝負なんて初体験とっても贅沢だね」


 ワユの向上を聞き終えると、ユウキは横島ですら見たことがない程の速さの剣撃を繰り返しながら恐ろしい笑みを浮かべた。

「君が噂のドッペルゲンガーだね。理想の自分で現れるパターンが拡大解釈されて、僕の前世が僕の理想に近かったから出てきた感じかな? それはともかく、ドッペルゲンガーを自分の手で倒せば完全にすべてを吸収できるらしいから、
今までやっていた忠夫との情事の記憶ももらうね。いくよ♪」

 楽しそうな声でありながら、今までで一番怖い幼馴染の声に脅えつつ、ワユに絞られ過ぎて動かない自分の体をどうにか動かそうとすると、いつの間にか来ていた。愛歌に止められた。

「大丈夫よ。今回はそんなひどい結果にはならないから」

 ユウキとワユの戦いは凄まじく、少しでも目を離したらその瞬間にどちらかが死んでいるのでは?と感じさせるような剣撃を双方が放っている。
ワユの放つ月光も防御力を半減させる斬撃なためか、同じ速度でかわすユウキにはそれを発動できない様だ。しかし僅かだが、ワユの方が優勢に見える。その理由はユウキはその圧倒的な速度故に、
自分より速いもしくは自分と同じ速さの相手と戦った経験が少ないからだ。 もちろんユウキに食らいつける強者や、ユウキより強い敵と戦った経験はそれなりにあるが、
そういう相手と戦った時ですら、ユウキの方が速度に関しては多少は上だったことがほとんどだった。

 だが今の闘っているユウキの前世の姿で現れたドッペルゲンガーはユウキよりも速度が上だ。本当に少しの差でしかないがその差は大きい。
しかし、彼女も自分と同じくらいの速さの相手との戦いには慣れていないらしく、僅かに手間取っている。そこに付け込むかの様にユウキの怒りの籠った剣の連続の攻撃が距離を一気に詰めている。
ユウキの剣撃は好感度ドーピングと怒りで天井知らずと化している。 横島は子供の体でできることは少ないができることはないか懸命に考え始めた。
文珠が一つでもあれば『戻』の文珠で元の姿に戻ればできることがあるかもしれないが、多分奪われているだろう。
では子供の姿でできることはないか。 思いついたのは二人の間に割って入ることだ。ドッペルゲンガーは意中の相手に対する、感情もコピーする。
それなら自分を傷つけることもできないはずだ。 そう考え指一本動かすことすらきつい体に無理やり鞭を入れて立とうとするが、なかなかにできない。
寝ているうちに媚薬と精力剤と脱力させる薬と同時に使われていたようだ。分身以外には入らない力を無理やり奮い立たせるためにベッドの角ある場所に頭を叩きつけようとすると、
不意に聞きなれた愉悦を楽しんでいる美しいにも関わらず性根の腐った感じがする、女子の声が響いた。

「約束通り、今回はあなたと彼女で遊ばせてもらうわ」

 目の前に不意に現れたさとりが、こいしと二人で笑みを浮かべ彼を捕らえると、ワユからもらったらしい文珠に『伝』の文字を込めた。
それと同時に少しだけユウキが押され気味な打ち合いのさなかの向こうは鍔迫り合いに持ち込まれる。ワユは笑いながら言った。

「今生の忠夫もとっても閨では可愛かったよ。さとり、教えてあげて」

「ええ、楽しい修羅場の時間だわ。『想起・ワユにやられた王国男子としてはあり得ない、閨での女性優位性交』」

 さとりの言葉と共に横島の意識に『忘』の文珠で消されたらしいワユにされたベッドの中での快楽による精神的殺害の数々が浮かび上がる。時には大人の姿で惨敗させられ。あり得ない懇願の言葉を寸止めされて言わされ、
精神まで子供に戻されて恥ずかしすぎる女性優位の逆レイプを受けた後、大人に戻され恥辱心を煽られさらにそのまま嘲る言葉で、余計に興奮されたことを性交しながら指摘される。

 さとりがこいしに目配せすると、王国男子として女性をベッドの中で圧倒するのが当たり前という意識が強まりそれを見越した様に、余計に分身が固くなるとさとりが言う。

「王国女子で内心では貴方をヒーローだと思っていた、ユウキちゃんにもこれ見えてますよ」

 そういってさとりは彼の分身を踏みつけつつ、いつの間にか服を脱ぎ同じく全裸になっていたこいしと二人で彼を押し倒し始める。

「『最悪の悪意を持ってユウキちゃんに一番見られたくない姿を見せた相手に犯される背徳感が溜まらない?』本当にひどい変態ですね。こいし変態な彼をもっともっと、喜ばせてあげるために、王国男子としての意識を強くしてあげなさい」

「はーい。恥辱と快楽で泣いている忠夫の顔可愛い!」

 さとりが彼の心を読みながらされると心が崩れる快楽を一番効率良く与えながら言う。

「王国男子としてのプライドを破壊してくるのが幼女にも見える少女というのが余計に燃え盛っているでしょう。元旦に馬鹿にした体でギンギンに勃起する変態に堕ちなさ……、もう堕ちているわね。射精も、堕ちる速度も早すぎるわ」


 最後の罵る言葉で、余計に激しい射精をした彼を嘲笑するさとりはこいしと代わり彼の耳元で彼に対する言葉攻めをしながら、ワユにやられたことも思い出させてくる。
さとりの膣が毒々しい蜘蛛の様にからめとる快楽なら、こいしのは一気に堕としてくる鋭い刃物の様な快楽だ。

「幼馴染が危ないかもしれない状態で逆レイプされて余計に興奮してるんですか。このクズが!(最もそうなるようにこいしに無意識を操作させているのは私だけど)」

 激しい快楽に脳を壊されながらもどうにか二人の方向に視線を送るとユウキとワユの戦いはよりすさまじいものになっている。

 ワユが心底楽しそうな笑みを浮かべて速度と重さをよりましたユウキの剣を受けながら言う。

「すごい。すごい。 あたしの来世は本当に悋気が強いんだ。ドッペルゲンガーの心を読んで具現化という、部分に親近感を持って色々教えてくれたさとりの言う通り、本当に楽しい勝負になってきたね」

「さとりとはもともとそういう契約だからしょうがないけど、自分の前世なら遠慮はいらないね。早く死んで僕に吸収されて、僕と忠夫の未来の糧になってね♪」

 ユウキのこれ見よがしに激怒しているよりもはるかに恐ろしい笑顔に横島は脅えつつ、僅かにユウキが冷静さを取り戻していることにも気づいた。
さとりとの約束だと横島を嫐り遊ぶが一応王国寄りで行動するという約束をかわしている。だからこそ、ユウキも今回は横島に対しては被害があまり行かないという、確信を得て冷静に目の前の存在をどうするか考えている様だ。

 ユウキがワユに迫り剣を振るいさっきよりも互角に近い形で鍔迫り合いになるとワユは笑いながらユウキにだけ聞こえる声で言った。


732 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:24:02 ID:AXpTmxZ/

「ユウキちゃん。本当に楽しい敵と闘えて面白いけど、貴女ももっと本気というか、さらに高いモチベーションで挑んできたら?」

「忠夫を怪異から救出する。それ以外に何かあるとでも」

 ユウキの剣をワユはいなしながら言う。

「文珠は貴重品でしょう。あたしに勝ったら、あたしが彼の前世からもらった文珠あげるよ。それで最後に『忘』の文字入れて彼の記憶を消すことにして、
王国女子として悪いことしてない彼氏にすると気が咎めると思うプレイ全部しちゃったら? 具体的には今さとりが『伝』の文珠で伝えてきたあたしが忠夫にしたプレイとか」

 それを聞いた瞬間、ユウキの体から嫉妬と怒り以外にも欲望めいた感情が剣にこもり始めた。ユウキは剣の速度と力が余計に上がり僅かだが技も洗練され始めた。ユウキは激しく打ち込みながらも僅かに同様の籠った声で叫ぶ。

「そ、そんなことするわけないでしょう。忠夫は今回何も悪くないから、助けて見せるよ!」

 言いながら彼女を倒せばそれができると思うとどんどんと剣の速度と力上がる自分を諫めながらユウキは必死にワユに切り込み続ける。ワユはそれを受け止めると、拳をユウキ叩き込んだ。
深手と言える、一撃を受けてもまだ勝負は決していない。しかし、少しだけ残念そうな眼をするとワユは距離をとった。

「もっと素直になって欲望すらも力に変えてからきなよ。今だって、『そういうプレイ忠夫としたいから、文殊もらうよ!』くらい言えれば勝てたかもよ。
来世の自分が宿敵になるなんてめったにない体験ができているんだから、つまらない結末にはしないで。こんどは全力でやろう。それとこの文殊もプレゼント今言ったことをやってみるといいよ」

 ワユはそういうとさとりの方を見た。

「さとり、次回までにユウキを私の宿敵に仕立ててくれるんでしょう。楽しみ、この時点でも苦戦するのに勝てるかどうかわからなくなっている自分の来世とか腕が鳴るねぇ」

 ワユにとっては人生を終えた後の泡沫の夢に過ぎない為か剣士として強者と技比べをすることや楽しむことに重点を置いている様だ。

 ワユが去ったあと、横島はユウキに近づいていき、さとりがワユからもらったらしい『癒』文殊を使ってユウキを治すと彼は少し不安そうに言った。

「ユ、ユウキ、ワイはワユ相手に王国男子としてあまりにも情けなさすぎる懇願とかワイはしていたけどワイのこと嫌いになったか」

 不安そうな彼の表情を見た瞬間、ユウキの背筋にゾクゾクとしたものが走る。そして彼女は信じられない程上手な演技で言った。

「忠夫を嫌いになるとかありえないけど、さすがにあそこまで無様だと幻滅したよ。あんなに意思が弱いなら少し王国寄りの女性達に調教された方がいいんじゃない。 拒否権はないから」

 そういった後にユウキが彼を押し倒してきた。





 さとりから受けた想起でワユにされたことと同じプレイをされたことまで思い出した彼は、丁度ユウキにされたプレイと同じ状態になっているところで正気に戻された。それと同時に彼はなぜ自分が記憶を失っていたのかも思い出す。
ユウキが横島に初めての体験をさせるためにワユにされたことをワユからもらった『忘』の文珠で消していた為だ。

 ユウキは記憶を取り戻しつつ虚脱状態の中で崩れ落ちる彼を楽しそうに見下ろしながら彼を抱える腕から解放すると。こぼれ落ちそうになる精液を自分の内部に戻し霊力ごと吸収し言った。

「これから、あのストレリチアの前世と決着をつけてくるね」

「あ、ああ。俺も行こうか」

「無理だって。あの女にしたい放題されて快楽付けになった忠夫じゃ、足手まといにしかならないよ。僕と僕以外の君に寄ってきている娘たちと一緒の方がまだ勝率は高いと思うよ。これから僕があの女と決着をつけてくるから」


 そういうとユウキはいつの間にか出現していた転移させるための魔法陣に彼が止める間もなく飛び込むと、姿を消した。横島は考える間もなく。彼女を追い魔法陣に飛び込んだ。


 魔法陣を潜り抜けた彼が目にしたのはストレリチアの宮殿を思わせる豪奢な部屋だ。確か青木が話してくれたヴァルハラとも少し似ているかもと彼は思う。
恐らくはユウキと別の場所に転送されたのだろう。そしてそこには愛歌とリグルの姿がある。リグルが第一声で横島に声をかけた。


「これが青木さんが作ってくれた忠夫用の刀だよ。蛍丸という刀を打った一門の刀なんだって。
僕の加護が宿るならこれが一番だそうだよ。蛍の輝きは雌を惹きつける為のものだから、いろんな意味で忠夫にとって最適だろうって。今回の戦いは厳しいからこれくらい持っておけ、って卒業祝いでもあるって言ってたよ」

「忠夫、旧王家の男性を盛り立てるための加護を与える儀式もしておいたから」

 そういうと愛歌は彼に近づいてきて、少女めいた容姿をそれすら感じさせず男を欲情に駆り立てる、妖艶な色香を纏いながら言葉を続ける。

「ここ数日の閨で私たち実は新手の祝福を貴方に授けていたから」


 愛歌の言葉と共にここ数日間リグルと愛歌が彼を嫐ってきた記憶が蘇ってくる。分身が反応し始めたのを見て愛歌が言う。

「あれ以上の快楽を約束するから、ユウキも混ざって貴方を可愛がれる状態を早く作ってね。この蛍守(ほたるもり)で勝利をつかみ取ってきて」

 その言葉を聞きながら刀を受け取ると、信じられないくらい手になじむ感覚がしてきて、師匠の粋な計らいが感じられた。

「わかった。この刀でワイは必ず勝利して二人とも助けてくるわ」


横島が駆け去ったあと、不意に二人の前に青木が現れた。彼は二人に挨拶をすると、唐突に召喚の魔法陣を出現させる。彼の生み出した魔法円から現れた人物を見たら、
大鳳は驚愕するだろう。そこには闘技場の選手である遠坂凛が神々しい気に身を包みながら現れたのだから。女権国家では珍しくない露出の激しい水着みたいな服装に、
弓を思わせる大きな浮遊物に乗りこなす彼女は、気さくな様子で青木に声をかけた。

「やっと呼んでくれたわね。ジン、私の自己満足に付き合ってくれてありがとね」

 その言葉に青木は完璧な礼節を持って応じた。

「かつて愛する人の悲願を成就するためにあれほど力を貸してくれた貴女様の頼みを断る言葉を私は持ち合わせておりません。
貴女の同一存在が自由恋愛の守護者という役割に反する行為で彼に不幸をもたらしたのだとか」

「ええ。厳密にはあれは私じゃないけど、同一存在がやったことを見ると罪悪感がね」

「わかっております。私も貴方の堕ちた姿アスタロトをガーディアンとしたことがある身です。その罪悪感理解できております。
それゆえに貴女が望む結末の為に微力を尽くします。最もそれほど出番はないかもしれませんが。私の弟子ならことをうまく終えるでしょう」

「そう、あいつが上手くやっても必ずしも良い結果になるとは限らないのがこの国の怖いところよ。まあこれが終わったら愛歌をはじめとした私の権能と相性の良さそうな娘たちに加護を与えておいたしどうにかなるでしょう」

イシュタル姿を認めると愛歌は前王族らしく恭しく礼をとり、リグルもやや拙いなりに敬う心が伝わるように頭を下げる。それを見てイシュタルは愛歌とリグルを可愛い子供を見るような目で見て言葉を告げた。

「二人とも私が悲恋に終わらせてしまった娘の想い人の同一存在、あるいは転生体に良くしてくれてありがとね。特にリグルちゃん、貴方は私の同一存在が最も報いるべきだったのに最低の対応をした娘に似ているから幸せになってほしいわ」

 イシュタルは自由恋愛の守護者としてどこか思うところがあると青木が言っていたが、同一存在ではあっても別人のやらかしたことに罪悪感を感じるあたり、
彼女は凛という善性の娘を依り代にした影響が相当大きいのだろう。彼女が気に病んでいる理由は、イシュタル神は性交を通じて男性に祝福と力を与える神殿娼婦の守護者でもある。
そして横島の同一存在でもある相手と恋に落ちた娘がとった行動は賞すべきことだった。それに真逆の結末を与えたことが彼女の心に負い目を与えている。なんとなく青木がリグルには他の女性以上に優しかった理由も少しわかった気がする。

 様々な想いを胸にイシュタルの言葉にリグルは笑って答える。

「大丈夫ですよ。忠夫は絶対にユウキを取りこぼしたりしませんから」

 その言葉にイシュタルが強くうなずくと。光の柱が立ち上りもう一柱の女神が現れる。
桜色めいたピンク色の髪をした温和そうな美を纏った姿をした彼女は自分の髪と同じ色をしたアクセントを加えたインドの民族衣装に身を包んでいる。彼女は慈愛に満ちた目で横島が進んでいった方を見ると言った。

「あの子なら無事に事をこなしてくれるでしょう。青木様、それでだめならよろしくお願いしますね」

 彼女を見ている時の青木は明らかに気を遣っている様子で下がりながら頷いた。

「あ、ああわかっている。パールヴァティ」

 リグルはその様子を見て少し驚いた。青木という存在はある意味技を極めた結果人外になったものに近い気質をしている。
そして唯一拘っていたものからも切り離された人物であり、技を極めぬいた結果何事にも縛られなくなった仙人などの類に近い思考をしている。
だが彼は明らかに目の前の存在に縛られているのがわかる。むろんイシュタルと呼ばれた存在に対してもかなり気を遣っていたが、目の前のパールヴァティに対してはその度合いが段違いだ。

 疑問がるリグルに青木は特に隠す気もない様子でさらっと答えた。


733 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:26:11 ID:AXpTmxZ/

「実を言うと、イシュタル神とパールヴァティ神は、愛する女性の望みをかなえる戦いを最初に戦い抜いた仲魔であるだけじゃなくて、愛する女性に多大な影響を与える守護霊、
ガーディアンだった時期もあったんだ。そして私のガーディアンを勤めた存在シヴァの妻でもある」

「へー」

「ああ、ガーディアンは通常実体化できないが強者に宿ることでより強くしてくれたりする霊だ。対して仲魔は実体化して共に戦ってくれている別の分霊だったが、
私が元の世界に戻る際に解き放った後、玲子さんについていたガーディアンと合体してな。そのためか、玲子さんの影響が強く残った彼女に対しては逆らい難いところもある。
それに俺自身もパールヴァティ神の夫であり愛妻家極まるシヴァ神がガーディアンをしていた時期もあったからな」

 最後に“私”が“俺”に変わっていたのは、過去の話をして少しだけ昔のテンションが戻って葛葉伯爵の仮面がはがれたためだろう。

「そうなんですか」

 そう答えるリグルに彼は言う。

「ああ、あいつには少し荷が重いかもしれんが、肩代わりをするかそれとも最後の仕上げをするかその差が出てくるだけだ。ユウキが救われることは俺が約束しよう」





 リグルから受け取った、蛍守を構えながら彼が部屋に飛び込むと、ユウキとワユの姿はなく、そこにはユウキだけの姿があった。だが彼にはすぐにそれが異質なものだと理解する。

「ワユでもユウキでもない。君は二人が融合した場合のイフの姿なドッペルゲンガーか」

 その言葉に目の前のユウキが笑って答えた。

「あたり、女権国家の空気から生まれた僕に勝てるかな♪ 僕に勝てば二人とも救えるよ。その代わり難易度はユウキだけを助けるよりずっと高いけど」

 ワユとユウキを合わせたような速く鋭い攻撃に対して彼は全力の打ち込みで応じ連続攻撃を繰り出した。 ユウキは僅かに驚いた表情を見せたがその横島以外には気づくものがいないその表情の変化がこの戦いの結果を決定づけた。

 ドッペルゲンガーに切り込んだ直後に彼はそのまま手を休めないどころか、火事場の馬鹿力めいた力を引き起こし連続攻撃を繰り返していく。
リグルと愛歌が祝福を施したこの剣は彼の意図をどこまでも組んでくれると本能が告げている。そして目の前の存在を殺さずに制する方法が彼の頭の中で出来上がっていた。
彼はそれを異常に感じたがそれでも迷わない。ユウキとワユの融合体の第三のドッペルゲンガー相手なのにまるで預言者の様に対処法が次々と浮かんでくる。
これはさっきのユウキとの戦いでもそうだったが今では受け取った刀の効果なのかさっきとは段違いだ。異常なまでの既視感を不信がるよりも頼もしく思いながら彼は駆けた。


横島はドッペルゲンガーに生まれた僅かな隙が生んだ有利な状況を徹底的に生かして切り込みぬく。
ユウキが彼以外には見抜けないであろう、完璧すぎる演技で作り上げたもうすぐ逆転できるという余裕の表情に僅かに不安を掻き立てられながらもそれを追い払い、
彼女の一見すると余裕をもって捌いているように見える動きにも惑わされず連続で切り込み続ける。

 ユウキ相手に横島が優位に立てている理由は、一番は異常なる既視感だが、最初の一合目で横島がいきなり勝負に出て意表を突けたのもある。
それ以上に今手にした青木の指導と蛍守の効果も大きい。横島は基本的に霊波刀もそうだが、西洋剣でしか行ったことがなかった。
今この時初めて日本刀で切り込まれたことが彼女の計算を大いに狂わせている。 死に物狂いの攻めが生み出した僅かな余裕を見出した彼は、
剣がぶつかりあう直前に自らの力を文殊で『強』めた。そして鍔迫り合いに持ち込んだ瞬間、勝てると確信し一気になだれ込んだ。
ドッペルゲンガーがそれを受け止めた直後に有利な形で鍔迫り合いに持ち込んだ。 もととなったユウキもドッペルゲンガーも貧弱というわけではない。
ただ敵に捕まえられる形での鍔迫り合いには慣れていないのだ。だからこそこの体制なら文珠を発動できる。彼の手の中にある文殊が発動する。
その文字は『略』青木に叩き込まれた、陰陽道などの術を呪文などと略して発動させた。金縛りの術で動けなくなったドッペルゲンガーを彼が倒しかけると、ここ数週間で聞きなれた足音が響いてきた。


振り向いた先には、師匠となった青木の姿がある。彼は教え子の成長を喜ぶ教師の様な目で横島を見ると言った。

「見事だった。だがお前には彼女を殺せないんだろう」

「はい。痛みを感じない、調伏させる術で浄化して、ユウキにドッペルゲンガーを討ち果たした際の幸運をもたらそうかと。できればワユも同様の処置をとりたいです」

 青木はそれを聞いた後、言った。

「だそうだぞ、ユウキ、ワユ、男を見る目は確かだったな」

 そういって背後を見るといつの間にか来ていたらしい、ユウキとワユの姿があった。横島が二人の姿を認めると、青木は笑みを浮かべて言葉を続ける。

「それじゃあ、弟子が見事なことを成し遂げたんだ。師匠であるが俺が仕上げと行こうか」

 そこまで言った後青木は不意に虚空に向けて言葉を放った。恐らくは相手がみているか、聞いていると確信しているか、もしくは敢えて聞かせる類の術か霊具を使ったのだろう。

「狂三殿、貴女との約束を果たさせてもらう。見届けたければこちらに来てくれて構わない」

 その言葉と共に辺りの空気が変わり、その姿だけで男を惑わす紅の服に身を包んだ淫魔が姿を現した。その姿を見ただけで、全ての男は多少は欲情を引き立てられる。横島も例外ではない。
だが今回はそれほどではなかった。恐らくは今回は約束を守る青木のもとに見届けに来ただけだから、邪魔しない様に淫魔としての力を抑えているのだろう。それでも、
多少は欲情させられ集中力を落とされるのに、青木だけは一切彼女に対して反応していない。それほど赤根沢玲子への愛が強いのだろうかと、横島が思うと、それを青木は打ち消した。

「違うぞ。俺の特性によるものだ。鬼でも竜でも殺せる名刀があった場合、最初に鬼を殺したか、竜を殺したかで存在が定義されるんだ。もともとどちらも殺せるほどの名刀なら鬼を殺したからと言って、
竜が殺せなくなるなんてことはない。 だが鬼殺しという概念がその剣には焼き付く。鬼を倒す上で有利な力が宿るようになる」

「はい」

 青木の教えを聞きながら頭の中を整理する横島に青木は説明を続ける。

「それは人にも起こるんだ。俺は異世界の原初の淫魔ともいえる存在を倒したことがある。劣化分霊と言ってもそこら辺の上級悪魔よりずっと強かったがな」

 そこまで話を聞くと狂三が納得いったという表情になった。

「どおりで初めて会った時から自分の危機感の様なものが働くと思いましたわぁ。まさか異世界の原初の淫魔殺しをなしていたなんて」

 青木は狂三の方に向き直ると敬意の念が感じられる礼を取りながら言った。

「狂三殿、まだ私は切り札を隠し持っております。そしてそれをこの世界から無くすことが貴女方との契約の完遂の証です。全ての女性特に貴女にとっては最悪の武器をこの世から消し去りましょう」

「ええ。貴方が約束を違えるような殿方でないことはよくわかっていますわぁ。でも見届けさせていただきますわぁ」

「ああ、構わないが。何か気になることでも?」

「ええ、私の天敵と言える切り札とは何なのか、なくなってしまうのだから知らなくても問題はないのでしょうが、それでもどんなものだったのか、多少は気になってしまいますわぁ」

「それも道理ですか。横島、彼女が立ち会いというか見学することを許してくれるか。その代わりもしも俺がしくじったら多少補助していただけますか」

「しくじる? 貴方が? ありえないとは思いますけど万が一そんな事態になるようならわたくしも骨を折ることになりそうですわね」

「ありがとうございます。しかし、私も昔はしょっちゅう失敗しましたよ。出会って少ししか経ってない頃に玲子さんがやきもち焼くぐらいには自分を好いていると気づきもせず、
交渉中の女悪魔に冗談で『気持ち良いことしよう』って言って殴られたり、女悪魔の『良いことしましょう』って言葉に頷いて服を脱ぎだしたので見とれていたら、
鼻の下を伸ばしていると言ってゴミクズの様に蹴散らされたり」

 ユウキが横島をやきもちからシバくのを見るたびに彼はほほえましいものを見る目で見ていたが、これが原因だったのだろう。
その度に笑いながら『こういうやり取りができるのは恵まれているぞ。私はそれがどれだけ得難いものか失うまでわからなかったがな』と言っていた。
両片想いでも二人は本当に愛し合っていたのだろう。だからこそ、自分以外の男、兄の為に全てを捨てて去った玲子の遺命や名誉を守ることが彼の全てとなったのだなと、横島は思った。

 狂三とどこか友人めいたやり取りをしていたが、不意に彼の雰囲気が変わる。横島に見せていた、地獄を見せつつもどこか親しみを感じさせていた師父の顔とも違う、
神官と執事を合わせた様な様子へと変わった。厳粛だが人を安心させる温かみもある声で言う。

「それでは俺の最後の舞台へと移動させてもらおう」

 青木が言葉と共に仲魔を召喚しトラポートを唱えると、目の前のヴァルハラの様な景色ら一転して、厳粛な裁判所を思わせる大きな部屋に彼らは移動していた。

 そして青木は横島が動きを封じたドッペルゲンガーを見下ろすと言った。

「お前もまた、ユウキとワユが融合したイフの形のドッペルゲンガーだ。だからこそ、これからやることに異論はないな」

「うん。僕もまた貴方の世界の悪魔でもある。だからこそ悪魔合体めいたこの処置に異論はないよ。むしろより強い存在に生まれ変われることは喜びでもある」


734 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:27:59 ID:AXpTmxZ/

 この発言は狂三に聞かせるために言っている様だ。彼女にとっては養子の様な存在でも子供だから殺されるのは看過できないのだろう。嘘を言っていないことを確信すると狂三は同意するようにうなずいた。

 青木は覚悟を決めると、虚空に向かって何かを手に取ろうとするように手を伸ばす。そして何らかの呪文を唱えた。
そしてそれと共に圧倒的な神聖で荘厳な気配に身を包み大量の火炎が現れ、その中に刀身が赤い炎でできている剣が現れる。
それを見て、狂三の表情が変わる。彼女は納得がいったように言葉を紡いだ。

「それが貴方の体の一部ともいえる剣なのですわね。理屈はわかりませんがそれこそが私の天敵ともいえる剣であり、
貴方が女権国家の女性達からどれほどの尊崇や親愛を得ても恋されることはなかった理由」

「その通りだ。ヒノカグツチ。天津神の化身の一つでもある剣です。日本という俺の故郷。この世界でいうところのジパングにあたる国の神様で。
日本神話の『あらゆる全の火の概念を司っている』 そしてこれこそが異世界の原初の淫魔を斃した剣でもあります。だからこそこれから儀式ができる。頼むぞパールヴァティ」

 青木の言葉にパールヴァティが現れるとヒノカグツチに向かって祝福の言葉をかけた。それと共に青木は高らかに宣言する。

「大自在天姫でもあるパールヴァティ神は、サティであった頃に、父がシヴァを愚弄するが故に、この様な人物の娘の体ではシヴァ神に妻としてふさわしからず。
故に自分はよりふさわしき体に生まれ変わると。 サティ神は韋駄天と神と縁が結ばれた彼の伴侶たりえるユウキに夫に相応しき体になる機会を与えんとしている。ヒノカグツチよ我が祝福の炎となれ」

 青木の厳かなる宣言と共に、彼の剣がユウキとワユが融合したイフの姿と言えるドッペルゲンガーを炎で包むとドッペルゲンガーの体を薪としてすさまじい火柱がたった。

 その炎がユウキとワユを包んだとき横島の心臓が跳ねたが、青木への信頼と、そして火の中にいる二人が全く苦しんでいない様子を見て、安心した。青木は横島に軽く説明をする。

「ここは女権国家のファンタジーな世界に力を与える多くの信仰などの人々の普遍無意識の集まる魔界だ。ここでユウキは、
もう何物にも縛られないという状態を示すことで彼女を縛る幻想を、彼女を祝福する幻想に打ち負かさせて、彼女を救う」

 あたりから凄まじいまがまがしい気配を身に纏った魔獣や鎖などがユウキに迫り中にはタコを思わせる禍々しい触手もあった。どれも上級霊に匹敵する邪気を纏っていたが、それを見て青木は笑う。

「俺が千以上も切ったニャルラトホテプ、劣化分霊に似ているが、それ以下だな」

 そして青木は詩人を葬送を勤める洗練された司祭の様な声で言う。

「幻想にすがり恩恵を得たものは、幻想に縛られる。されど幻想で縛る者もまた幻想の法則から逃れられない」

 そういうと青木の手で振るわれるヒノカグツチの刀身から出た炎が鎖を溶かし切り魔獣たちを一瞬で絶命させていく。
魔獣と鎖の群れは引き絞れ抜かれた矢を思わせていたが、青木の動きはそれすら上回る銃弾の様だ。彼の姿一瞬だけ目にも映らぬ速さになるたびに、火炎が巻き上がり、不浄な気を持つユウキをからめとろうとするものは消えていく。
そしてユウキ達を包む祝福めいた炎がますます大きくなっていく。 その様子を見ながら、狂三が疑問めいた表情を浮かべていたが、青木がすぐに説明をした。

「貴女のお友達は約束を破っていませんよ。ここは普遍無意識ファンタジーの法則を生み出している場所。ああいうものと契約し者にはハッピーエンドは訪れないという概念や、あるいは試練を越えねばだめだという概念が襲ってきたのです。
彼女だって何もかもを制御できているわけではなありません」

 得心が言った顔になった狂三を見ると青木は言葉をつづけた。

「狂三殿、おさらばです。契約通り女権国家の女性とあなたにとって天敵である、ヒノカグツチはこの世から消え去ります。  そしてもう一人の俺の弟子、絶対にユウキを守り抜け。
これはお前の為に言っている。かつて玲子さんを護ろうとしていた時の俺はお前と同じ目をしていたと言われた。そのお前と同じ目をしていた男からの経験則だ。大事に思える女性を不幸にしてしまうととんでもなく堪えるぞ。
落ち度がなくても俺は立ち直るのに相当かかった。まして少しでも落ち度があればどうなるか」

「わかりました師匠」

 その答えを聞くと青木は笑って冗談を言う様な口調で言った。

「俺はシヴァを宿していたせいか、色んな世界で韋駄天と縁があるお前と付き合っているユウキを見ていると、義理の娘みたいに思えてたんだ。義理の娘の為に最後の役目と行くか」

 そして彼は生涯最後の宣言を口にした。

「幻想はより強気幻想に書き換えられる。パールヴァティの夫であるシヴァをその身に宿人々を不幸にする幻想を狩り尽くした我が肉体を薪とした炎は果たしてユウキの災いとなる幻想を焼き尽くすに足らざるや?」

 一応疑問詞で問うてはいるが、否とは言うまいという有無を言わさぬ圧がその言葉には込められていた。 その言葉を最後に彼は言う。

「破壊と再生を司るシヴァを宿したことのある我が一撃よ、ユウキ達の体をシヴァの伴侶たるパールヴァティが生みだした転生の炎で焼き払いユウキが望む肉体へと再創造せよ」

 ユウキを襲おうとする黒く力強い触手めがけて青木が炎を飛ばし、そしてそこから生じた炎に彼が飛び込むとそのまま火炎が大きくなりその触手が完全に消え去り、
ユウキとワユを包む炎が一気に燃え上がった。そして彼女たちの転生が果たされたと横島は確信した。

「お見事でしたわぁ。 自分が愛した女性と一時来ても意識を共有していた女神たちの願いすらかなえる見事な愛でした」

 狂三は心からの称賛を述べると一瞬で姿を消し去った。この場ではこれ以上青木が助けた者たちにとって不利な情報を僅かたりとも求めないことが、彼への礼儀だというかのように。


 青木は炎の中からもう一度横島に向けて念話で言葉を送ってきた。

『狂三殿がいなくなった所でもう一つの、プレゼントだ。お前の親友大鳳をこれに』

 横島はそれを聞くと文殊で『大』『鳳』の文字を出すと青木のハヌマーンが転移魔法トラポートを唱えた。そこに何が起きたのかわからない様子の大鳳の姿が現れる。それを見て、青木は念話で大鳳に言う。

『我が弟子の友よ、今から君にかけられた呪いを解く。フェニックス。イシュタル神』

 青木の仲魔の一柱であり、横島が気絶や瀕死になった時の治療係の一人だった霊鳥がイシュタルの祝福を受けるとそのまま青木を燃やす炎と合体し、
大鳳を飲み込んだ。大鳳は圧倒的な熱さを感じながらも一切の苦痛を感じない不思議な感覚を味わった。共に自分の体が焼け落ち再生され終わると、
疲労に効く温泉に入り思う存分寝て起きた後の様な、あるいは腕の立つ整体師に体をいじり尽くされた後の様な感じの爽快感が彼を包む。そしてそれを見て横島は確信した。

「大鳳お前」

「うん、忠夫、多分だけど、アンリエッタ皇女にかけられた呪いは解けたよ!」

「師匠、ありがとうございます。でもなぜここまで俺たちの為に」

 その答えに青木は魂だけとなった状態で念話を返してきた。

『お前たちの為というのもあるが、一番はイシュタル様の為だ。あの方は、お前にとある並行世界で引け目を感じることがあり、幸せを願っていた。
そして彼女は自由恋愛の守護者だ。だからからこそ、大鳳にかけられていた呪いが気にいらなかった。 彼女やパールヴァティ様は玲子さんのガーディアンを勤め彼女と意識を共有していたこともある。
だからこそ彼女たちが喜ぶなら何でもしてやりたかった』

「そうですか」

『それに、デビルサマナーをやってからは仲魔や友達はいても、『家族』は永らくいなかったからな。お前やユウキがそれだった』

 その言葉は嘘ではないようだがそれだけではない様に横島には思えた。そして更なる違和感を感じる。大鳳は横島の横でただ感謝を浮かべるだけの目をしている。
なぜ自分が大鳳でも気づけないことにづけたのだろうか? だがその疑問は声を潤ませた大鳳の感謝の言葉が消し飛ばした。

「青木さん助けてくれてありがとうございます。もう死後の世界に旅立つんでしょうけど僕たちから貴方に返せるものはありますか? 例えば遺言の執行や気になることとか?」

『大丈夫不要だ。それに報酬ならもう、もらった』

「それはいったい」

『イシュタル様とパールヴァティの喜ぶ姿。そしてあのいけ好かないアンリエッタの悔しがる姿を想像しながら旅立てるということだ』

 最後の弾むような声を聞き、ここ数週間の暮らしで、青木はアンリエッタを凄く嫌っていたことを思い出す。大鳳をひどい目にあわされて嫌いな自分と話が合ったことが、
青木と自分がすごい早さで仲良くなった理由の一因でもあった。最もそれがなくてもすごく気は合っていたが、余計に仲良くなるのが早まったと思う。 


735 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:29:50 ID:AXpTmxZ/

酒の席で青木から聞いた話だと、確か大鳳と出会う前のアンリエッタが、赤根沢玲子から彼を寝取る遊びをしようと計画を立てたことがあり、それをネロが止めて、近づかせない様に厳命したらしい。
自分にまだ迷惑をかけてないから報復まではしなかったが、遊びでそういうことをしようとしたことが余程不快だったようだ。

 最後の言葉で湿っぽさが消えたと思うと炎がより一層強くなり青木の仲魔たちが青木に来世でまたみたいな別れの言葉を言うと、彼らは横島達にも健闘を祈る旨を伝えてきた。最後に激しい炎が辺りを包んだ後、彼の意識は落ちた。




どれだけ寝ていたかはわからないが次に彼が目覚めた時、青木の家ではなく見たことがない城に転移していた。そして目を開けると満面の笑みを浮かべたユウキとワユの姿がある。

「忠夫、ありがとう。これで僕たちは二人とも転生完了だよ」

ユウキの言葉は喜びに満ちていたドッペルゲンガーに勝った場合は、より意中の相手に相応しい様に変われる上に様々な幸運が訪れハッピーエンドに行き着けるという物語の法則それが完遂されたのだ。
イフの姿のドッペルゲンガーを討ち果たして、ハッピーエンド供給機と化したドッペルゲンガーも薪にしてサティを生まれ変わらせた火炎にイシュタル神が祝福を施した炎で転生した以上もう自由恋愛を妨げることはないだろう。

 横島には難しいことはわからないがユウキの顔を見て確信した。これで彼女の憂いは完全になくなったのだろう。

 安心した彼の唇をユウキが奪い笑う。

 口づけを受けて完全に腰砕けになりながら横島は思った。ユウキは女権国家の影響を大いに受けていた。
さらに女権国家の普遍無意識を集めた異界で転生したことで前より強くなっている。横島が立つことすらできなくなったのを見て、ユウキは彼の服を脱がせながら言う。

「それじゃあ、忠夫の調整も兼ねて僕とワユ、どっちが上か決めようか」

 ユウキの言葉に前ほど険悪な気配はしないが、それでも対抗心の強そうなワユがいう。

「そうだね、それじゃあ青木さんからもらった新しい体で、一戦目行ってみようー!」

 ユウキとワユが服を脱ぎ笑う。そしてワユがユウキと同じように口づけしてくると、彼は射精直前になりそれをユウキの手が握りしめ、とめる。

「ほら、ワユ今生の忠夫の射精前の癖まだ覚えてないでしょう」

 乳房を背に押し付け余計に泣きそうになる彼を楽しそうに見ながら言うユウキをどうにかワユから解放された後に、必死に抗議めいた目で見ると、二人は一瞬だけ怪訝な顔をした後、すぐにした表情に変わる。

「「青木さんが死んだ直後に喪も明けてないのに不謹慎だって?」」

 横島が辛うじて頷くと、ユウキもワユもこの瞬間だけは真面目な顔になっていった。ワユが少しだけ悔しそうな様子でユウキに視線で促すと、幼馴染だからこそわかる、嘘を言ってない口調で言った。

「青木さんは消える前に、自分が消えたら一秒でも早く夫婦としての結びつきが強くなる儀式を終えてしまえって言ってたよ。僕たちが悲恋に終わると辛いからって。だから自分の死に限っては喪中とか考えなくていいって」

 そこまで言った後、ユウキは彼の分身を飲み込むながら続きを言う。

「忠夫に取った処置の副作用の悪影響を抑えるための処置の一部でもあるってこれは♪」

 副作用の悪い部分を抑えるための処置の一部でもある。そのくだりまでは本当に真面目な声の響きだった。
それを聞き怒りというより疑問が浮かび上がる副作用とは何なのだろうか? その考えもユウキに分身が飲み込まれた瞬間に果てて白濁を彼女の中に放った直後に頭が白く染まり切るまでだった。

「ああー!」

 悲鳴を上げる彼の上で射精直後の敏感になった分身に追い打ちをかけるように腰を振るユウキの動きに耐え切れずに叫ぶ彼の唇をワユが接吻でふさぎ、さらにユウキの動きに合わせるように舌で彼の口内を蹂躙する。
ユウキが彼に引っ付き胸を押し付けながら絞る方向に変えるとワユも優しめに口づけして彼の理性を溶かし始める。射精しない程度の快楽で抑えながら、
彼の意識が眠りに堕ちかけた直後にユウキが再び立ち上がり一気に強く締めた。そしてワユの舌がそのまま喉の奥の快楽のツボを押して二人の手が彼の腕を自分の乳房に導き揉みしだかせる。
完全に意識が飛んだ彼を見下ろしながらユウキがいう。

「ちょっと、忠夫―! 君が早漏で弱すぎるせいでまだ処置終わってないのに意識が飛んでるよー! もうちょっと頑張ってよー!」

 王国女子に言われると恥ずかしい言葉を知り尽くしたユウキの言葉に興奮しつつ、彼は違和感を覚えた。いつもベッドの中で惨敗させられると逆らい難くなるが、
今回はいつも以上にその感覚と与えてくる快楽が強い。 恐らくは青木の手引きで転生したせいで霊的にも強くなったせいだろう。 倒れかける彼に、ワユがソーマと呼ばれる完全回復させてくれる酒を差し出してくる。

「これも処置の為だから、早く回復して」

「あ、ああ」

 なんのためなのかわからないがこれも処置なのだろう。そうしてそれを飲んだ直後に、ユウキが彼から離れ、ワユと位置を交代する。
ユウキと似て非なる彼女の内部が彼の分身を包み込みその快楽に喘ぐ今度はユウキが口づけしてさっきのワユと同じ様な舌遣いでワユの中に注がれる射精量を増やしていく。
そしてワユの与えてくる快楽が射精に至らせない優しく緩いものに変わった直後に彼はまたユウキと同じことをしてくると思い構えようとし瞬間、ユウキ唇を離していった。

「忠夫、実を言うと副作用に関してなんだけどね」

 さっきとは違い真面目な真剣な口調ではないことが気になったが、それでも何なのだろうと、思った直後にワユがさっきのユウキよりはるかに早いタイミングで射精に至る鋭い快楽を送り込んできた。

「ぎゃあぁ!」

 彼の悲鳴はユウキの再びの口づけによって遮られた。ワユは横島の全てを理解しているという目で、見ながらこれ以上の快楽は限界を超えると理解したうえで、
心底愉しんでいる満面の笑みに切り替えると彼の片腕をさっきのユウキと同じように自分の乳房に導き揉みしだかせ始める。ユウキも口づけをつづけながら、先ほどのワユと同じように彼の手を自分の乳房に走らせる。

 二人に無理やり乳房を強く揉まされてその電撃が脳の中で完全に雷を落としその直後の射精で気をやってしまった彼を見下ろしながら二人は笑う。

「前世の僕。忠夫は僕たち二人を助けるためにあれだけ頑張ってくれたんだし、忠夫を大事にしようねー」

「もちろん。それはそれとしてどっちが上かはちゃんと決めようか。」

 そういうと二人は、左右から横島の分身を乳房で挟み込みその快楽で彼が気を戻すと舌をも這わせ始める。

「ユ、ユウキ、ワユちゃん、ちょっと待って」 射精した直後に霊力が大いに吸い取られ二人の霊力がその精液を窮して一気に大きくなったのを見て、脅える彼を二人は満足そうに見て言う。

「この調子なら処置はすぐ終わりそうだね」

「うん、うん、どんどんもらうよ」

 そういって激しく乳房を動かしながら舌でなめられ始めると彼の意識は何度も飛びぬいた。そこに愛歌、アリス、リグル、エヴァ、陸八魔アル、さとり、こいしが入ってくる。
最後にヴィーラと、オリヴィエと、シンセシスの姓を持つ騎士であるアリスとユグドラをひきつれたヴィヴィオがやってくる。

 彼女たちはあまりの快楽のせいで苦痛の極にある状態に近づけられた様な悲鳴を上げる横島を欲情と自分も嫐りたいという欲望の籠った目で見つめてきた。
そしてヴィヴィオが満面の笑みを浮かべ娯楽となる処刑を決定づける貴婦人の様な口調で言う。

「ワユ、ストレリチアの前世の私を支えてくれた騎士よ、自分とユウキがどちらが上かすべてを持って競うって言いましたよね。私はそれを全力で見届けるって」

「はい。ヴィヴィオ様」

 ヴィヴィオの言うことはわかりきっているのに敢えて白々しく疑問に思っている様な声でワユが答えた。

「それなら人脈も考慮に入れるべきですね。ワユはストレリチアの守護女神の一柱でもあるので、私とストレリチアの騎士はワユに味方します。他の皆様はユウキちゃんですね」

「それが妥当かと」

 そういってワユが魔術めいた呪文を唱えると、横島の体が変化し始める。自分の霊気が、ヴィヴィオたちの持つ気がもたらす快楽に染まりやすいものに変わり始めたと彼は確信した。
そういえばワユはストレリチアの守護女神であり、旦那が現世に現れると他の騎士たちと共に転生して嫐ったり、あるいは天国に来た時により夫を快楽に沈める為の手助けもすると書いてあった。 そこまで考えた直後にヴィヴィオが彼の唇を奪い、
その後にオリヴィエも続く。そしてヴィヴィオが笑いながら言う。

「オリヴィエ確か、ストレリチアのヴァルハラに来るという証二人で刻んでしまいます?」

「良いですね。壊れても青木様が残してくれたソーマで回復するだろうし、今回だけは一度壊した方が忠夫さんの為です」

 横島の恐怖心をあおる楽しそうな声だが、『今回だけは一度壊した方が忠夫さんの為です』のくだりだけは心底真面目な声音だ。 何かがある。
そう思った直後にヴィヴィオとオリヴィエが術を唱え、ヴィヴィオが乳房を彼の胸で押しつぶしオリヴィエも後ろから強く抱き着いてきて快楽を与えヴィヴィオに飲み込まれたそれをより奥まで無理に挿入させながら玉袋を揉みしだき、
射精をより多くさせる。

 泣きわめく彼の耳元で彼女たちは二人で解説を始める。


736 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:31:28 ID:AXpTmxZ/

「忠夫さん、これはストレリチのヴァルハラの刻印で、死後の世界で男がこれを刻まれた時期の状態になると信じられています。
女権国家気質のストレリチアの騎士たちがこれを刻んだから愛しい男を快楽で壊しても問題なし、という方便にも使われますね」

 ヴィヴィオがそういって彼から離れると足で彼の分身に凄まじい快楽を与えながら笑って言う。

「われらストレリチの王族は死後の世界も支配していますから、それを刻まれたら冥府でも私たちのもの。そして魂がそれを理解するから、こういう屈辱的行為による背徳感と快感が増します」

 ヴィヴィオがストレリチの加護をフルパワーにして彼を絞っていたがそれを抑えて寸止めを続ける。オリヴィエが拘束を解き即座に彼を前から抱きしめて飲み込んだ直後に、快楽で泣きわめく彼を背後に回ってとがめた。

「忠夫さん、オリヴィエをもっと満足させてあげなさい」

 ワユから放たれる霊気が余計に二人に刻まれた刻印の効果を高め苦しむ彼にヴィヴィオが後ろから抱き着いた。
豊かな乳房の感触が彼の快楽で壊れていく速度を加速させるが、オリヴィエは抱き着きながらヴィヴィオと目配せしあって笑う。

「ヴィヴィオ、少しあなたは前世からストレリチアが過ぎますよ。こんなに気持ち良いと動けないのも仕方ないでしょう」

「あ、ああ?」

 オリヴィエのこの口調は苛め抜きたいが、緩急の緩めるときの形だけのとがめだと思い、僅かに安心した彼に対してヴィヴィオが笑いながら返す。

「じゃあ忠夫さんに加勢しますね。オリヴィエを少しは感じさせてあげてくださいね」

 そういって悲鳴を上げる彼の手を掴むとオリヴィエの尻に手を伸ばさせて強く握りしめさせた。 そこに来てオリヴィエガ示し合わせた様に射精を許すと完全に彼の脳が壊れたようになり倒れた。

「泣きわめく忠夫さんの声たまりませんでした」

 満足げなヴィヴィオは笑いながらオリヴィエと共にいったん彼から離れる。

 倒れ落ちた彼の傍に愛歌が笑いながら近づいてきた。彼女は立てない、横島の顔を楽しそうに見下ろしている。
そして横にはインプと化したユウキがいる。ユウキに向かって愛歌が呪文を唱えるとユウキと愛歌の間に契約が成立したような気配がする。

 愛歌は横島の顎をとると言った。楽しみながらそれでも頼み事自体は真面目な口調と声音で声をかけてきた。

「忠夫、少し文殊に文字を入れてくれる? 今回している処置は私たちが楽しんでいるのもあるけど、一応はあなたの為の処置でもあるの。 やらなくても大丈夫だとは思うけどした方がより安全だから」

 それを聞いた横島は、どうにか持ち直して、愛歌が入れてほしい言葉を聞く。愛歌は満足そうにうなずき言った。

「文珠に『誘』『導』と入れて」

 横島が愛歌の言うとおりにすると愛歌が彼の耳元に彼を魅了してやまなくなった唇を当てながら言う。その吐息ですらも彼の分身が反応し始める。

「この処置を成功させるために必要なことだから言うけど、私との約束を守ることを考え続けて」

 愛歌の為に英雄になる。その約束が頭の中に過りこれが折れない限り大丈夫だというセーフティが自分の中に出来上がった感じがした。これが快楽で塗りつぶされた時自分は危ないだろう。

『そうや。ワイがここまでこれたのや、仲間が誰も欠けなかったのは何割かは愛歌ちゃんのおかげや彼女との約束を破るなんて最低や』

 それを見てヴィヴィオがその手があったかという顔になった。そして彼女は言う。

「忠夫さん相手なら女権国家的な愛で方もありという私には無理な方法ですね。ユウキさんたちが有利かも」


 ヴィヴィオの言葉を他所にアリスが前に出てきた。彼女は愛歌と位置を変えるとユウキと使い魔と主人の契約を結ぶと笑う。

「忠夫、愛歌の約束が頭にあるなら簡単には精神的な再起不能にはならないわね。これなら、思う存分甘やかせそう。 万一が起きても仮に魔女の蜜で英雄の素質が腐っても、愛しているから安心して」

 そういうとアリスは彼の分身を飲み込み、どこまでも甘く気持ち良すぎる眠りに誘う風呂や、
冬の布団を思わせる快楽で彼を何度も射精させる。 彼女の指から出てくる意図が胸を揉みしだかせ尻を握らせるたびに彼は射精していく。
彼女は色々な体位を試したが横最後は口づけしながらの体をくっつけ切った女性が上になった正常位に落ち着いた。彼女は笑いながら言う。

「忠夫、ほらいくら堕ちても大丈夫よ。元に戻す方法はあるし、堕ちたままでも私は大丈夫だから」

 堕落しきった先に進める彼女の言葉を聞く度に彼は強すぎる快楽で脳が壊れるというより溶けていく感覚を味わう。
そして時々アリスと交代し、体を押し付けてくるユウキがさらに追い打ちをかけてくる。

「忠夫〜ちなみに僕も堕ちても大丈夫派だよ♪ 女権国家に大分染まっているからね♪」

 アリスが後ろから豊満な胸を押し付け、抱えユウキが彼の腹に乳房を押し付けながら腰をくねらせて分身を嫐りながら笑う。
アリスの何もしなくても良い、という脱力の極みの快楽をユウキが余計に刺激してくる。
ユウキが途中で彼の射精を寸止めし始めた後に、二人が強く彼を抱きしめ乳房を押し付けた後に二人の尻を思いっきり握りしめさせた瞬間に射精が許され、
絶叫を上げて彼が射精するとこの部屋の女性陣全員が恍惚とした表情を浮かべてそれを見ていた。

 意識が途絶えたと思った直後、長い夢を見たような感覚が起り、目覚めると目の前にはヴィーラがとシンセシスとユグドラがいる。彼女達は楽しそうに言う。

「ヴィヴィオ様は凄く興が乗ったらしく、今宵だけは後先を考えずに貴方を好きにして良いと、仰ってくれました。私達の技を存分に味わってください」

 ユグドラが神聖な気を纏って彼に触れてくるとそれだけで彼の分身は一気にそそり立ち、それを見てヴィーラが最初に彼の分身を飲み込む。
同じ暴力的快楽でもアリスの優しい、性技で脳をぐずぐずにされた後に、不意打ちで強い快楽を与えられ、免疫がゼロに等しくなっていた彼はそのまま、射精をする。
即座にヴィーラが笑いながら、何度も激しく腰を振り彼を押し倒し、敏感になった分身を快楽で痛めつける。その度に面白い様に彼は射精を繰り返した。

「ヴィーラ、交代の時間ですよ。貴方の与える快楽に彼は慣れ切ってます」

 シンセシスの方のアリスが目の前に来た時、彼は疑問を抱いた。確かに自分に対して好意的だったが、性行為に参加するほどだっただろうか? その疑問に対して彼女は説明するように答えた。

「実を言うと、私は青木殿、もしくは葛葉伯爵殿が持ってきていた、未来の自分の霊体を取り込んだのです。 霊的な損傷を受けて死産になりかけた私の体を補ってくれたのが、
マーガトロイド殿の付喪神と化した人形たち。より早く強くなれるならと受け入れたら、思った以上に影響が大きくて、貴方に抱いていた好意が余計大きくなりました」

 一応納得した彼の分身をアリスが手でいじり始めると、信じられない程の上手さで彼は感電するように悶え始める。

「どうですか『もう起こりえない未来の転生先の数々』で貴方を嫐ってきた技術は。同一存在だから感じる触り方も一緒の様ですね」

「あ、ああ」

 シンセシスの手が分身を弄るのをやめて玉袋を揉みしだく動きに代わると、ユグドラが足で分身を踏みつける。快感だけを与えたり、痛みより強い快楽を与えたりをしながら彼女は笑う。

「ほら、子供過ぎると依然言っていたけど、愛歌様のご寵愛で完全にロリコンもいける口になりましたね。さとりさん曰く、『少女に足で嫐られると背徳感で余計に気持ち良いですか』わが想い人ながら気持ち悪い性癖ですね」

 最後の侮蔑の言葉を聞いた直後にシンセシスが彼の分身を握り閉めた。

「経験上あの罵り言葉が暴発を引き起こすと知っていましたから。それでは参ります」

 シンセシスが彼を飲み込んだ後、彼を嫐り続けた技術を使ったらしい優しい動きを繰り返す。射精の度に動きを変えて敏感になった分身に新しい快感を与えてその度に彼は涙をす。
シンセシスはアリスの人形の付喪神の霊気で霊的な傷を補ったせいかアリスの堕とし方と似ているなと彼は感じた。 これ以上続けられると危ないと思いつつ慣れ始めると途端にシンセシスが彼から離れ、
ユグドラと変わった。アリスがしたのと同じように、後ろから豊満な胸を押し付けながらユグドラに前から犯させる。ユグドラは彼のそれを少女らしい秘所で強く締め付けながら、ストレリチア騎士の神通力で快楽に追い打ちをかける。
ユグドラの秘所から零れ落ちるほどの射精をした彼が倒れると、二人は楽しそうに笑い、彼をユウキ達の方に渡す。



 ハンマーの様な快楽で殴られぬき、甘い極上の酒の様な快楽に完全に溶かされたり、聖王の系譜二人や王女のユグドラの追い打ちで完全に彼はバカになっている。
拷問を受けた後みたいな表情の彼は『愛歌との約束を守るために一線を越えてはだめだ』以外は考えられない状態だ。その状態の横島が戻ってきたのを見ると愛歌が笑いながら言う。

「忠夫、すごい凄い、女権国家とストレリチアではめったに使われない、惚れた男を完全に壊して自分たちの愛玩動物に変える類の攻めを受けても屈服しないなんて、私との約束を守ってくれいて嬉しいわ!」


737 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:33:25 ID:AXpTmxZ/

 どこか芝居めいた嘘らしい声だが、脳が快楽でズタズタになった彼は気づけない。愛歌が差し出してきた回復薬でもある青木がくれたソーマを飲み干すが、
体力は戻っても脳は治らず多分今までの生涯で一番無様で弱弱しい、表情をさらしているのだろう。
愛歌は彼を魅了しつくしてきた唇で彼の唇を奪うとそのまま彼の分身を飲み込んだ。 
強すぎる快楽が彼の理性を崩し始めるが、きっともう少しで愛歌は自分を回復させる類の性魔術を使い始めてくれるだろう。そう信じていたが、
そこで愛歌は彼から渡されていた文殊を取り出した。ほとんど思考能力ない、彼はただ彼女の掌の文珠に『誠』の文字がこもるのを見ていた。彼女はそれを自分に使うという。

「あの約束だけど貴方のことが大分好きになったから、私も別に堕ちても良いと考えているわ。これだけ霊的素質が高ければ来世で鍛えるのも手だし。
約束破っても好きなままだし、許すわ。そして堕とすのも楽しいから今日はこのまま本気で行くわね」

 その宣言を聞いた直後、彼は愛歌が追い打ちをかけてくるという絶望と、唯一の堕ちてはいけない理由であり、よりどころだったものが、壊れブチーン!という己の中の快楽に抗う最後の線が切れた音が聞こえた。
そしてその音が切れた直後に愛歌は、全力で彼の分身を絞り一気に彼の霊力を吸い上げる。ソーマで回復した分の霊力まで一気に精液に溶かされ搾り取られると、
愛歌の霊力が天井知らずに上がり、彼は取られた霊力の大きさに比例する快楽で糸が切られた。その快楽による衝撃の追い打ちに激しい快楽から優しい快楽に変わった愛歌の膣の中で彼は長い射精を繰り返す。
 自分の与える快楽と美貌で男の全てが崩れたのを気品のある笑みで愛歌が見下ろし軽やかに彼らから離れる。 そこにエヴァとリグルが交代の様に訪れる。

「忠夫〜なんとなく怖いみたいだけど、特に落ち切ってもデメリットないでしょう? というわけで忠夫が思いっきり堕ちられるように『かまきりの加護』」


 恐怖心というものまでなくなった直後にリグルが彼の分身を加え虫の妖怪の唾液と口淫で彼の精液を絞る。そしてエヴァが大人の姿になって彼の前に立った。乳房に釘付けになる彼の視線を心地よさそうに受け止めると彼女は言った。

「今宵だけは本気でお前を壊しても、再生可能な上にむしろお前の為になる。手加減なしの女権国家の吸血鬼の本気を味わうがいい」

宣言の直後に首筋に歯を立てると、今までの自分の痴態が脳に入ってきて一気に彼は堕ちていく、それを見てユウキが二人にインプとして支援をしているのを感じ取っていると、ユウキが口を開いた。

「前世の僕、もうこういう競争もやめない? お互い協力しあった方が忠夫を気持ちよくできるし」

「うん、賛成。これじゃ忠夫が自分で選ぶどころじゃないしね」

 そういって二人が和解した直後に、リグルが彼の分身から口を離し、エヴァがそのまま彼を正常位の形でとらえて首筋と分身両方から霊気を吸い取り始めた。
エヴァが満足しそうになるとユウキがインプとしての力を使い彼にリグルが作った蜂蜜酒を飲ませてくる。その直後にリグルとエヴァが交代すると、
蜂蜜酒の為かリグルの与えてくる快楽への防御が一気に下がり彼は彼女への射精を最後に意識を失った。ブチーン!という音の後の苛烈な攻めが脳に焼き付く。
そしてそれがもう自分は取り返しのつかないところが切れたのだとどこか他人事の様に思った。 自分を嘲りながらも愛と情欲をたぎらせる彼女たちの顔をもっと見ていたい。そう考えて次の目覚めが楽しみだと思う。




 目覚めた彼は眠っていた時も果てしない快楽に包まれていたことと、自分が眠りに落ちる前より遥かに堕ちたという確信を味わっていた。目の前にはアルがいて、
満足げな天真爛漫な笑みを浮かべている。彼女は魔王の力を取り戻す前と変わらない元気のよい声で彼に目覚めの挨拶をした。

「忠夫、おはよう。眠姦なのが不満だったけどとっても楽しませてもらったわ。私たちの取った処置は成功かしら」

 アルが何らかの魔術で彼を探るために近づいてくると、彼女を覆っている毛布が取れ乳房が見えた。そしてそれを見た瞬間彼の分身が一気に反応し、
痛いほどにこわばったのを見て確信する。恐らく眠っている間に相当な快楽を与えられて、トラウマになっているのだろう。アルはそれを見て笑う。

「これじゃあ、まともに動けないわね。一度抜いちゃいましょうか」

 アルがそういって彼を見つめるとそれだけで彼は動けなくなった。完全に魔王の力を取り戻した彼女は本当にすごい力を持っていると思う。
アルに押し倒され乳房を胸板で潰されながら口を塞がれて、舌を絡められるたびに射精の量が増えぬき唇を解放された瞬間、彼女の背後の鏡が視界に入る。あるいは彼女がわざとそうしたのかもしれない。
そして鏡越しに彼女の背中と豊満で形の良い尻が見えると分身が再び硬さを取り戻し、それを察したかのように彼女の腕が彼の手を自分の底に充てて胸板で乳房を潰すのもより強める。その射精で彼が倒れると彼女は笑う。

「頭もすっきりしたしシャワー浴びたら朝食とって最後の確認に行きましょう」

「は、はい」

 アルは腰砕けになって立てない彼を軽々と持ち上げるとそのまま彼女はシャワー室で動けない彼を洗ってくれた。






 全てが終了し朝食に青木が作っておいたらしい、甘いケーキと霊力を回復させる飲み物を飲み干すと、愛歌が唐突に言う。

「忠夫、それじゃあ私たちがとった処置がちゃんと聞いたか見るから、ユウキと手合わせしてくれる?」

「あ、ああわかった」

 昨夜の情事は彼女たちが愉しんだのもあるが、横島に対して取らなきゃダメな霊的な処置でもあった様だ。彼は食べ終わってしばらくすると、
愛歌に案内された武道場らしい、場所にたどり着いた。ユウキとワユの二人がヴィヴィオの左右に控えている。ユウキは横島の姿を認めると凄く嬉しそうに駆け寄ってきて、
抱き着きながら言葉をかけてくる。

「忠夫―! それじゃあ処置が上手くいったかどうかの最後のチェックに移ろうか、それじゃあリグルと愛歌が加護を込めた剣を使って僕と立ち会って」

「ああ」

 勝敗を競うのではなく、何かを調べる為のものの様だ。それでもユウキがここまで真面目になる以上自分も真面目にやらなければならない。
そう決意をすると横島は刀を構えユウキに切り込んだ。以前より段違いに速く鋭くなった剣撃にフェイントを混ぜて切り込むとユウキも、青木の指導で身についた前以上に速い速度でそれに応じる。
剣をぶつけ合い、ながら、彼はユウキに押され始める。フェイントを織り交ぜて彼女の感覚の鋭さゆえに反応してしまう隙に付け入り、どうにか渡り合うが、今度はユウキの速すぎる剣技に力までが加わり、
徐々に逆転され始める。

 ユウキと打ち合いながら彼は大きな違和感に気づいた。今のユウキははっきり言って、自分が倒したワユとユウキが合体した場合のドッペルゲンガーより少しだけ弱いくらいだ。
にもかかわらず、今押されているのは自分の方だ。体が不調とかそういうものではない。今生で関係のある女性達に嫐られ抜いた時、
多分だが彼女たちは恐らく性魔術を使いながら加護などを自分に与えていた。だからこそ以上に頭のさえも、体の切れも上がっている。
にもかかわらず、劣勢なのは自分の方だ。 そこまで考えた直後にユウキが笑みを浮かべた。その瞬間彼は劣勢の原因を理解し、もはや九割近く負けは避けられないことに気づく。

 次の瞬間ユウキの剣撃の速度が一気に上がり彼は思う。あの笑みを浮かべた時のユウキは勝機を見出した瞬間であり、
そして自分が今味わった既視感を感じる箇所が勝利した時はもっと多かった。ユウキの動きを読むことが容易だったのだ。
だが今の横島が衰えたというわけではない。ユウキとワユが融合した場合のイフと思われるドッペルゲンガーと戦った時はそれが異常に高まっていたのだ。
違和感が消えた後に、彼は一割の正気を逃さないために、敢えてユウキの渾身の一撃に自分も全力で打ち返す。 手がしびれたが、
予想外の動きをしたことで僅かに彼女の計算が狂い、二撃めが僅かに遅れる。そして放たれた二撃目を――受けきれなかった。

 今までよりわずかに速い、自分が倒したドッペルゲンガーと同じ速度の一撃で彼は沈んだ。それを見ながらユウキは笑みを浮かべて言う。

「忠夫、騙しあいでは勝てないと思ったから、これ使わせてもらったよ」

 ユウキの手には『騙』の字が入った文殊がある。これで僅かに遅い速度の攻撃を全力だと思わせていたのだろう。彼女は言う。

「おとといの忠夫なら見破っていたから、これを見破れないってことは処置が上手くいったことだね」

「いったい何の処置やったんや」

「青木さんが僕のドッペルゲンガーと戦う前に文殊で何かしたでしょう。あれって実は、青木さんの宿していたガーディアンを文殊で忠夫に『移』していたんだよ。その事実をもう一つ文殊で『隠』していたけどね」

「そうなんか」

 横島の問いにユウキは彼に口づけしながら説明を続ける。

「それで、何のガーディアンを付けたかと言うと、パラレルワールドの忠夫の転生体の集合体みたいな神様。青木さんはかつて、
世界が法と秩序の戦争で滅んだパラレルワールドで英雄となった人たちの霊体が、時系列手的には前な上に別の方向に進むこともある自分の世界に来て守護霊であるガーディアンになったことがあるから、できると思ってやったみたい」


738 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:35:29 ID:AXpTmxZ/

 そこまで聞くと彼は何となく納得がいった。青木のフェイントや戦い方がやたらと自分には覚え易かったり、ユウキの技を読み取れたのもずっとユウキを護る為に一種に戦った、十数回以上の人生経験が流れ込んできていた為だったのか。

 そこまで考えた直後にアリスとヴィヴィオが近づいてきて、彼に手を当てると、彼は少年の姿に変えられた。 ユウキの口づけで舌を絡められた時点で完全に動けなくなっている彼を見下ろしながらヴィヴィオは言う。

「ガーディアンは恩恵も凄く大きいけどデメリットもあるんです。 例えばガーディアンになってくれた存在が総合的に見れば、憑いた人より優れていても、
一点だけそのガーディアンより勝っている部分があったりすると、その優れた一点だけ能力が下がっちゃったりするそうです。
忠夫さんの場合は英雄として称えられるレベルになった自分を一緒くたにして祀っている宗派の自分をガーディアンにしたから、悲惨な最後とか大怪我もその英雄たちと同じにする可能性が高いって。
一応、青木さんはあの戦いが終わったらガーディアンが送還されるようにしておいてくれたみたいだけど、念には念を入れろって」

 その説明を聞いて彼は青木があそこまで自分たち特に大鳳やジャギに好意的だったのか、恐らくはガーディアンになった自分の未来の可能性達を宿していた影響も相当強かったのだろう。
それを聞き感傷に浸りかけた瞬間ヴィヴィオが何かの呪文を唱えた音が聞こえた。恐らくはこの館限定で使える転移魔法のようなものだろうと彼の霊感が告げる。その直後に視界が暗転した。





 転移魔法で彼が連れてこられた寝室は、昨夜嫐られつくした場所とは用向きが違う気がする。霊感が告げるところは今思い出すと昨夜の寝室は、
ストレリチアや女権国家で、気に入った男性の他国人としての生命を終わらせる儀式に使われるような部屋だった気がする。
それに対してここは女権国家やストレリチアの民として生まれ変わらせる部屋だと霊感が告げている。 彼の目の前でヴィヴィオたちが服を脱ぎだすと、分身がそれだけで痛い程こわばり始める。 
子供の視点になったことで余計に彼女たちの体のボリュームが感じられる上に、その体でされた昨夜王国男子なら恥ずかしすぎる女性優位の行為の数々も思い出され興奮が止まらない。その横島の耳元に不意に嘲笑めいた声が響く。

「随分と変態になったようですね。あんな行為の数々を思い出してここまで固くするなんて」

 嘲笑めいた声に気づき見るとそこにはさとりとこいしの姿がある。彼女は笑いながら彼の分身を踏みつけ、屈辱と興奮を与える絶妙な加減で彼を悶えさせながら言う。

「想起はしていませんよ。ただ彼女たちが貴方から渡された文殊で『刻』していただけです」

 こいしが彼の腕をとり動きを封じると、さとりが踏むのをやめて分身を飲み込んで言う。

「微想起すらしてませんよ。私も青木さんのおかげであり得た未来の知識を得て、強くなりましたから。今の私の想起はこうです。『想起・昨夜の覚えていない情事と夢』

 さとりの秘所が彼の分身を甘い媚薬の様な感触で嫐っていた上に、彼に記憶から消えた情事までが蘇ってくる。

 アリスがさとりの目配せを受けて横島の人形をいくつも出すと、その人形たちと視点が混じり自分がどれだけ無様にさとりに圧倒されているかが見える。それと同時に昨夜の敗北の数々も蘇ってくる。
 眠りに堕ちた後、ユウキがこいしやさとりと組んで夢の世界に侵入してきた。さらに彼の枕元で人形劇を演じるアリスがいる。これは間違いなく、この人形劇が彼の見せられている夢なのだろう。


 ユウキに見せられていた夢は『月間少年カンカン』の登場人物になる夢だ。感情移入できる主人公というより、尊敬できるあるいは応援したくなる主人公たちが多かった物語『転生英雄集結伝』だ。
前世が英雄だった少年たちがさまざまな困難を乗り越えながらいろいろな戦いを潜り抜け成長していくとものだった。そして女権国家の女性陣と関わらなければ道を踏み外さずに済んだ者たちが大半であり、
まだ性欲が薄い少年期だったから辛うじて前世で破滅させてきた女性の色香に打ち克ち、ハッピーエンドになるという内容だ。彼はそれを見た時は感情移入できなかったが、
面白いと思ったし主人公たちに好感が持てたので読み返した回数は少ないが未だに全巻実家に置いてある。だがこの想起を受けた時は感情移入できる話になっていた。
これは恐らくガーディアンにあり得た転生体達の集合体がついて融合に近い形になっていた為だろう。



 そして彼の頭の中に様々な情報が入ってくる。今自分は原作にでてくる心から尊敬していた主人公たちとは関係のない隣の学校の生徒だ。だが主人公たちの頑張りを占いや遠見の術で一方的に知って尊敬して、彼らを間接的に助けられる場所で頑張っていた。

 だが精通を迎えた直後に魔王に逆レイプされて、一度の射精で完全に腑抜けにされて、射精すればするほど主人公の敵たちを強化する状態で射精を繰り返している。
アルが目の前で彼を抱え込み口づけすると彼女の口づけから嘘だとわかっていた情報が真実に思えてくる。これはさとりやこいしでもできることだが、
ベリアルとしての嘘だとわかっていてもなお信じる契約者が後を絶たないという彼女の力によるものだろう。

 限界を超えた様な快楽で倒れる彼から、アルが笑いながら離れる。

「尊敬する隣の学校の〇〇くんや××くんを応援するって志も所詮ここには勝てないのね」

 アルは嘲笑を込めて分身を足蹴にすると彼はそれだけで射精してしまった。それを見て彼女の左右に侍るユウキとワユが笑う。

「地獄の魔王におちんちんを足蹴にされた背徳感でいつもよりたくさん射精するとか終わり切っているよ。忠夫―!」

「剣士として正々堂々戦えるのはさっきの一戦が最後だったけど、あたしに勝ったのにこれとか無様すぎない」

 そういって従妹という設定の二人、魔女の衣装に着替えたワユとインプと化したユウキが彼の分身を二人がかりで嫐り始める。
二人は魔王と契約して数年後の姿になっているという設定だ。ユウキが手で先端を握りワユが幹をしごく。したと胸まで使われだした時点で彼の分身は白旗を上げて二人に射精を繰り返す。そして命令めいた口調でワユが言う。

「あたしたちもしかしたら、貴方の尊敬している〇〇一行と戦うかもしれないの。そうなった場合の未来を見なさい」

 ワユとユウキが彼の精液を絞るたびに強化され、彼らの苦戦が重くなっていく姿が見える。 二人は笑いながら離れるとワユが剣士の衣装から着替えていた魔女の衣装を脱ぎ。ユウキも敢えて彼に背を向けていう。

「自分の意志で堕落して、僕たちに腰を振る忠夫がみたくなっちゃった♪ 今なら無防備だよ」

 そこで隠れていたさとりの弱めの想起が入り、二人にも絞られた秘所の感触が蘇り、彼はユウキに剣で切りかかるのではなく、分身を背後からねじ込んだ。

「ああー!」

 罪悪感と強すぎる快楽で、叫びながら射精する彼を笑いながら見るユウキとは対照的に、不機嫌な顔で見るワユ。彼女は射精して倒れた横島に迫る。

「どうしてあたしじゃなくてユウキの方が先なのさ。魔女衣装より背徳感が勝っていたから? それならこうしてあげよう」

 ワユがかつて一緒に戦っていた時の剣士としての服に魔法で着替えるとそのまま胸元を空けて彼の顔を乳房で挟んだ後、分身を飲み込んだ。
かつて正義の味方として共に戦った彼女に悪の手先として動く際の力を与える。その背徳感が分身により大きな快楽を与え彼はそのままワユにもユウキを上回るかもしれない量を射精した。そこで彼の夢は終わった。





 現実世界ではさとりとこいしが交互に彼の分身を飲み込みながら笑いあっていた。途中で彼女たちは横島から離れ他の女性陣に場所を譲る。
エヴァは大人の姿のまま電気椅子にかけられた囚人の様になっている横島に近づくと横島の耳元で言った。

「ユウキ、ワユ、次は私が嫐るからあの悪の吸血鬼が出てくる漫画の内容の夢で頼む」

 横島の夢の中に入っていたらしいユウキとワユから了承の声をもらうとエヴァが彼の分身を飲み込み、小さくなった彼の顔を胸で挟み込み何度も搾り取りながら笑いだす。
 
それから彼を嫐る女性陣が変わるたびに夢の内容をユウキが変えていく。アリスが上になった時は魔女が悪役なカンカンの物語を、アルの時は悪魔が主人公の物語を、
そして彼女たちが一周して、愛歌とヴィヴィオが来ると儀式の雰囲気が変わるこれが彼を生まれ変わらせる最後の仕上げの様だ。




 夢の中で横島の精神は完全に限界を超えていた。屈辱と背徳感それが強める快楽で目が完全におぼつかなくなっている。
ユウキとワユは二人とも対抗意識を燃やしながら彼をどれだけ自分の与える快楽に溺れさせられるか競い合っている。
特にユウキは横島を幼少の姿に戻し丁度抱き合った時に顔が胸に来る体制でするのを好んで行う。恐らくは背丈の都合で他の女性陣がやったのを見ていたからだろう。
ユウキの乳首を口にねじ込まれた後、完全に思考が止まりただ自分が王国男子として恥ずかしすぎるレベルのプレイをしていることだけを理解しているその彼を母親がするように撫でながらユウキは腰を振り嫐って射精させる。
何度も繰り返したように、完全に堕ちた彼をワユに渡す動作をしなかったのを見て、ワユが文句を言いかけるとユウキが止めた。


739 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:37:32 ID:AXpTmxZ/

「忠夫を達しさせた回数はこれで一緒だよ。それに仕上げの時間みたい」

「え、もう? そっかぁ、楽しい時間が過ぎるのは速いって本当なんだね」

 ワユがそういうと愛歌が彼の夢の世界に入ってくる。そして現実世界ではヴィヴィオが祭壇の前でストレリチアの神々から加護をもらう儀式をして何か呪文を唱え準備をしている。
ストレリチアの加護だけじゃなくて、旧王朝のシャーマニズムも混ぜた特別製の様だ。現実世界のその光景が頭に流れ込んでくると、横島は『嫌』ではなく『怖』いという感情を覚えた。

 愛歌が彼の唇を塞ぐと笑って言う。

「私の英雄さん、あの異世界の集合体の皆さんみたいになっても不足というわけではないんだけど、できるなら自分で育てていきたいから最後の儀式に移るわね。 それじゃあ行きましょうヴィヴィオ」


 現実世界のヴィヴィオが祭壇の前で響いた愛歌の声に頷くと、愛歌が夢の世界の彼の分身を飲み込んだのと同時にヴィヴィオが現実でも飲み込む。

「フギャー! ああー!」

 鳴き声を恍惚とした表情で聞きながら愛歌が彼の分身を飲み込んで笑うと、現実世界のヴィヴィオも同じ様な表情で笑う。

 ヴィヴィオの大きいながらも完全に隷属させてくる感じの膣は彼に自分こそが使えるべき女王だと教えてくるような感じで射精の度にそれが脳に焼き付いていく。
今回はそれが特に顕著だ。対して愛歌は横島がダメ人間でも良いと言い切ってしまうようになってからは英雄になってほしいけどあなたらしくあればよいという柔らかく活力を与えてくれるが、
加減を誤れば堕とし切ってしまう感じの快楽を与えてくる。 ヴィヴィオの激しすぎる快楽まで同時に味わった彼は愛歌に泣きながら抱き着き優しい快楽に逃れようとした。両方の快楽が襲ってきていたが、
それでも夢の世界にいるせいか愛歌の与えてくる快楽の方が少し強かったためだ。その瞬間現実に戻された。

「忠夫さん♪ 逃げた先は逃げようとした相手でしたね♪」

「ああー!」

「私の与える快楽が一番やばいときはこちらです。逆に愛歌様の快楽がやばいときはあっち、今夜は転生ですから♪」

 ヴィヴィオの与えてくる快楽が強すぎたのち、いま愛歌の与えてくる快楽が主となったらその優しすぎる快楽で完全い落ち切ってしまう。そう思った瞬間彼の意識は夢に堕ちた。


 優しすぎる快楽で彼が倒れかけると愛歌が笑いながら言う。

「ほら早く堕ちて、いえ長く持ちこたえて。これはこれで楽しいから♪」

 横島が彼女が腰を振るたびにビクンと体中を動かすのを楽しそうに見ながら愛歌は笑う。その度に彼女の霊力が大きくなり彼は惰弱になっていく。そして愛歌は耳元で言う。

「夢の世界にいたから分かったけど、青木先生が自慢の弟子であれと言ったから、さすがにこれは情けなさすぎると思って耐えているのね」

 実際そういう気持ちはあったが、愛歌に言われるとそうだという思いが強くなった。そしてその思考が固まった頃を見計らって彼女は言う。

「この処置青木先生の指示よ。貴方がひどい死に方する未来を完全に潰したいんだって。それと意図はわからないけど、ユウキとワユが見せた夢は葛葉伯爵が必ずあの夢を見せろと、指示していたらしいの」

 よりどころができた直後に叩き潰されると愛歌が子供の姿の彼の唇を塞ぎ余計に精液をたくさん出させた。
最後になぜ青木がそんな指示を出したのかは気になったがそれもすぐに愛歌とヴィヴィオ二人の王女に飲み込まれた分身から流れ込んでくる快楽に飲まれていく。

 そしてその直後にヴィヴィオのいる現実に彼の意識は戻る。

 女神めいた美しさのヴィヴィオが大人に戻った彼の胸板で乳房を潰しながら愛歌と同じ口づけをしていたが、それを解き言う。

「愛歌殿が言ってたことは本当ですよ。これは聖王の系譜の血にかけて約束します。だから早く堕ちて私の者になりなさい」

 敢えて王族としてのカリスマなどを出していなかったのはここでとどめを刺すためだったのだろう。最後にヴィヴィオが思いっきり腰をひねった直後に彼の魂がつぶれ絞られたような感触共に最大の射精を起こして彼は夢に堕ちて、
愛歌にも同じくらいに放つと、夢すら消えるほどの眠りに落ちた。






 情事が終わった直後倒れた横島を満足そうに見下ろす、彼と縁のできた女性達の中で、陸八魔アルだけは若干浮かない顔をしていた。行為自体は楽しんだ様だが引っかかるものがあるようだ。それを見て、ユウキが声をかける。

「アルさんどうしたの?」

「いや忠夫の夢の中で三人でやったじゃない。あれ楽しかったけど終わった今は罪悪感が凄いのよ。特に題材に使われた作品読んだら、背徳感もすごいけど忠夫だって落ち込むわと思って」

「そうだね。でもあの作品は僕も好きだったけど、特に効果的かと思ってね」

「それだけ?」

 その問いにユウキは少し不機嫌な様子になり答えた。

「もちろん恩のある葛葉伯爵様の頼みだしなにか意味があるんだなって、思ったのもあるけど一番の理由はね、忠夫が精通したのってあの話の悪役女が原因で、
自慰する時も一時期あれ使ってたんだ。だから完全に上書きしないとだめだって思ったの」

「うん。その通り」

 二人の答えを聞きアルは思ったこの二人凄く嫉妬深いなと。フィクションの人物からすら横島の一番の欲情対象の座を奪おうとするとは。



 横島は目覚めると自分が完全に過剰な英雄としての非業の最後などの副作用が消えていると確信した。
そして思い出した数々の夢の中での行為や現実世界で夢に合わせて彼女たちに嫐られていたことも蘇ってくる。それを思い出した彼に愛歌が声をかける。

「忠夫、とりあえず今の状況について知りたい」

「ああ。とりあえずここの城はどこなんや?」

「ここは数週間前までぎりぎり女権国家だった王国と女権国家の国境の街――……に建てられた貴方の城ね」

「はあ?」

「クズノハ伯爵が元々王国寄りの中立だったこの土地の人たちに女権国家の方が先に協定違反をした証拠を提出して、
そして皇帝ネロにも今までも手柄といくつかの国宝クラスの霊具を献上して王国の領に戻したのよ。少なくとも女権国家としては名分がなければ攻め込み辛い拠点でもあるわ」

「それでなぜ俺がここの城主に?」

「それもあの伯爵の根回しよ。ここなら霊的防衛的な意味で守りやすいところだからと言っていたわ。そして大鳳くんも任を解かれて王国に戻って良い様にあの人が根回ししていたみたい。
昨夜の炎によるテレポートで王国に戻すための処置だったみたいだけど宮廷の良識派の貴族たちにさっきの大戦で女権国家が先にがやらかした協定違反をリークして、
攻め込むのではなく融和にすべきという派閥が有利になるように動いていったから、『どんなに短くても』二年はくらいは平和なんじゃない?」

 多分だがこの情報を知っていたのはミクくらいの一部の者で、葛葉伯爵こと青木師匠は最後にここまでテレポートさせることで完全に女権国家と自分たちの縁を切るつもりだったのだろう。
ジャギやモヒカンたちもこちらに戻ってきているらしいが、良識派の女性達なら会いに来られる絶妙な場所だと横島は思った。





 執務室に到着すると女権国家に居た時よりはるかに元気になった大鳳の姿が見えた。

「忠夫、おはよう。とりあえず僕は当分ここで秘書官やることになったよ。青木さんは僕の方が城主に向いているかもと思ったらしいけど、女権国家の悪辣派の女性が攻めてきたら、早く逃げられるように秘書官にしておくって。
僕が逃げなきゃダメになった時の為にも、ビシビシ仕事覚えてね」

「ああ。女権国家のやばいやつらから、霊的な意味でもこの国護らんとな」

 大鳳の笑みを見ながらいきなり転職になったが、そこまで苦労せず楽しく仕事をこなせそうだと彼は思った。城主の仕事から霊的防衛職などに仕事が変わる日もすぐ来るかもしれないが、それまではこの土地で良い思い出を作っていけそうだ。






 青木が大鳳達を助ける一週間前、アンリエッタ皇女は珍しくそして意外な訪問者を迎える準備をしていた。数日前に私的な宴会に近いとはいえ、
かろうじて公の場ともいえる場所でネロから勅令ともいえる命令を受けたのだ。その際に妙に上機嫌だったネロはアンリエッタに向けて怒ってはいないが、少しは反省しろという教師に似た意思をにじませながら言う。

「アンリエッタ、そなたなにをやったのだ?」

「具体性を欠きすぎている質問で理解できませんが」

「余の客将の葛葉伯爵殿が何やらそなたにお冠な様子だったぞ。一度面談の約束を取り付けてほしいと、言っておった。
そなたに頼みたいことがあるからそれを聞くように余に命じてほしいとな。それをしたら、余が払わねばならぬ報酬をいくつか清算したことにしてくれるそうだ」

 アンリエッタはネロの上機嫌の理由を理解した。葛葉伯爵に払わなければならない報酬がいくつか消える上に、アンリエッタに反省を促す機会も訪れる。
ネロにとっては得しかない出来事だ。ネロのその様子にアンリエッタは葛葉伯爵は暴力ではなく政争的な報復をしようとしているなと察すると、余裕の笑みを浮かべる。
ネロの呆れがより深くなったが、特にことはない。アンリエッタの悪行に怒ることもあるがそのうえで彼女と仲良くしている。だからこそアンリエッタも私的な席ではあまりとりつくろう必要もないのだ。


740 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:39:36 ID:AXpTmxZ/

「心覚えが多すぎてわかりませんわ。彼の様な義侠心に厚い殿方を本気で怒らせるようなことですか。過去に女権国家の女性の業を抑えきれずついやり過ぎてしまったことのどれかがばれたのでしょうね」

 悪事だと自覚しつつ全く悪びれないアンリエッタにネロは呆れながら答えた。

「覚えがあるなら勅令として命ずる。〇月×日に葛葉伯爵を迎え入れよ。そして目に余る無礼があったり、よほど無茶な内容でない限り彼の頼みを聞き入れよ。そなたもたまには悪行の報いを受けて反省するが良い」

 葛葉伯爵は過去に本気でアンリエッタに怒ったこともあるようだが、今はただ嫌悪しているに過ぎない。そして彼は嫌いなものが相手でも、戦闘になったとき以外は犯した罪に見合った程度の罰しか与えない。
別名の一つに『応報伯爵』というのがあるのもその為だ。ネロが異例の頼みを聞けという遥かに不利になる勅令を出したのもそれが原因だろう。





 葛葉伯爵を待つアンリエッタは軍靴と思敷き彼の足音が遠くから聞こえだしたとき、静粛にするように布令を出したことを少しだけ後悔した。ネロに命じられた以上彼は客人である。
その際に向こうに対して無礼があればそこを政治的攻撃の口実にされかねない。自分より政争に関して劣ると思うがそれでも確実に傷を負わせられる時しか動かない慎重さを持つ男だ。侮ってはいけないと感じていた。


 葛葉伯爵が履いている靴は決闘で勝利すれば放免という制度があった時などに処刑人がつけていたものが改良された靴らしい。
そのためか処刑人が来るような不吉な気配を醸し出している。 訪問した彼を見てアンリエッタは皇族であるからこそ、彼の異常性とネロが一切彼を恐れない理由を理解した。
この人物は悪に対する制裁と善人への報いを繰り返して応報の化身となりかけている。 人も偉業を成し遂げ過ぎれば、善行をなす聖剣や災いを振りまく魔剣などに近づいて行ってしまう。
ネロの様に善行を多く積んだ者にはさぞ好ましくそして頼もしく映るだろう。そしてもう一つは直感的な何かがこの男を恐れている。恐らく女権国家の女性にとって天敵と言える何かとこの男は繋がっているか、
中に何かが眠っているのだろう。それが意識的にやったものか結果的にそうなっただけなのかはわからないが。 思案するアンリエッタを他所に葛葉伯爵は非の打ち所がない程に洗練された礼をとると短く向上を述べた。

「アンリエッタ皇女殿下、ネロ陛下のご命令に従いお時間をいただいたことに感謝します」

 内心に沸いた嫌な予感と警戒心を微塵も出さず女神の様な笑みを浮かべて彼女は答えた。

「いえいえ、皇帝陛下を日々助けるだけではなく、本来皇室が救うべき女権国家の民たちを数えきれないほど助けてくれた伯爵様の御訪問、拒否するわけがありません」

 その答えに、彼は女権国家の女性達が群がってくるような完璧な笑みを浮かべて答えた。作り笑いだとわかったがその上でも心奪われる女は多いだろう。
ナイスミドルあるいは老人好きというタイプの女性なら彼を運命の相手と決めるものが大半だろうし、そういう趣味がない者ですら、十人中、二人か三人くらいは彼に走るのではと、アンリエッタは思った。
そう他人事の様に考えた直後に彼は、頭を下げていった。

「自ら訪問しておきながら、失礼とは思いますが、私も多忙故手短に用件を済ませねばなりません。 こちらの小包と便箋を受け取っていただきたい。
そして10日立ったら時間があるときに開けて中身を見ていただきたい。とてもめでたき知らせが届きます故」

 アンリエッタは彼が渡してきた二つを見て警戒心が刺激されるのを感じた。彼は普段は自力で魔術などを使うことはできないらしいが、準備を万全にしたり特殊な触媒を用いれば、とてつもなく強力な術を使うらしい。
一流の術者でも見抜けない何かが仕込まれている可能性もある。警戒心を持つ彼女に彼は朗らかな笑みを浮かべて言葉を続ける。

「ご安心ください、この封筒に呪いなどを仕込むなど決して私が許しません。ただ、十日経つ前に事故か何かで空いた場合に限り私が気づく類のまじないがかかっております。それでは失礼いたします。
ネロ陛下に頼まれた無辜の民草に災難をもたらす霊障の処置をしなければならないので」

 そういって去っていく彼の背を見送りながら、アンリエッタはほっとすると共に、大鳳少し前の様に嫐りたいと思った。彼の肌が恋しくなるのと一応は子孫を早く残さねばと思うくらいには威圧感を感じる相手だったのだなと思い、
男性にも警戒すべきものはいると強い実感が宿る。




 それからすぐにアンリエッタは超一流と名高い魔術師などを招きそれを調べさせた。最優先で呼び出した為に他への警戒なども少し割く羽目になったが、
それでも一応の確認として必要だったからだ。 だがその内容は十日経たずに封を切ると葛葉伯爵にわかる様になっている魔術以外は仕掛けられていないという答えだった。


 それ以降も不気味に思いつつ様々な調査をしたが、結局は葛葉伯爵のたくらみはわからずじまいだ。






 アンリエッタのもとを去り、自室の廊下に戻った葛葉伯爵、否、既に私の自分に戻っているので青木というべきだろう。
彼の背後の唐突に罪の浄化を司る様な青い炎が現れる。黒い外套に身を包み端正な顔をした白髪の整った顔をした男性が彼の後ろに現れた。彼は哄笑を上げながら青木に話しかける。

「クハハ! 我が共犯者と似た運命をたどり、されど自ら剣を執った我が弟子よ、よくぞやった!これで応報は果たされる」

 素の自分に戻った青木は少しだけ目の前の巌窟王=エドモンに引きながらかれを見据えると答えた。

「これで良かったのですか、エドモン先生」

「ははっ! ガーディアンという召喚体系は利益もあるが不利益も大きい。ままならぬものだな! 横島忠夫の来世の集合体である神をガーディアンとする前のお前ならばこのくらいはできたであろう!」

 その答えに彼は少しだけ悩みながら答えた。彼がエドモンをこの女権国家の世界で物語を広めてまで読んだのは、横島の転生体が集合して崇められた神を彼の鍛錬の効率を上げるためだ意図的にガーディアンとして付けたのだ。
その結果狙いは当たった。だが十数世紀も神となった大鳳やジャギと助け合いつづけた者をガーディアンとした結果、
大鳳やジャギに対する好意が溢れすぎて、客観視できなくなってしまった。だからこそある意味応報の化身ともいえる存在である彼を呼び出し助言を求めたのだ。

「貴方を疑っているわけではありません。確かに制裁とはなるのでしょう。ですが、本当にあの程度であの女を除けると?」

 青木は巌窟王エドモンの有能さを認めたうえで疑問を抱くほど軽い制裁だと思っている。だがそれに対してエドモンは哄笑をもって答える。

「クハハハ! ああ、あれで十分だ。あの女を断罪するために作ったされど使われぬ数々の砦をあの女が壊している間に、
あの女ですらも知らぬあの女の急所を抉る応報の剣は既に刺さっている!」

 エドモンの問いに青木は頷いた。応報を与える際に重すぎる報復は因果が重なりあまり良い結果をもたらさない。
いくつも彼女への制裁の為に用意した罠は彼が作ったと気づかれぬように細心の注意を払っている。まして、彼が手を引いた今では絶対に彼が関わっているという証拠は出ないだろう。

 青木は彼に感謝すると言った。

「エドモン先生、いえ敢えてこういいましょう。モンテ・クリスト伯爵殿。かつて別なる次元で世界の滅亡がかかった戦いをする少年の意識を護る浄化の炎をもたらし続けた貴方に、人の精神を護るやり方を教えていただきたい」

「任せるがいい! 炎の剣を使い我が恩讐の炎を持って幼き鳳凰の雛鳥を護り抜け!」

 彼は仲魔であるモンテ・クリスト伯を連れて悪魔を剣に宿す類の悪魔合体である剣合体をしに部屋に向かった。








 大鳳と共に王国と女権国家の国境の城主となった横島はその日の夜奇妙な夢を見た。見てわかるこれは大鳳がした経験を見た青木の記憶だ。





 大鳳が諜報員引退を考え出し以上に落ち込みだした日の事実を彼は知った。王国と女権国家双方に多大な損害を与えかねない大きな霊的災害が起きかけた時、
大鳳は女権国家の善良な女性達を救うために危険な場所に身を投じていた。彼の父親が戦争の約束事を護っていたにもかかわらず、
篭絡部隊が絶対にやっていけない戦争の禁じ手まで使って篭絡していたことが分かった直後のことである。それを知り大半の良識人の上層部たちは過去の所業を恥じていた。
王国上層部もこの共闘が終わるまでは絶対に女権国家は不義理をしてこないと疑わなかったほどだ。ビスマルク元帥も敢えて公の場で元帥号を見えるようにしてはっきりと宣言をした。

「もしも、今回の共闘中に彼を辱めるような行為をした者がいたら、私は狂三様の制止すら無視します。それをやったものを絶対に処断します」

 その一言には間違いなく本心だった。この件に対しては、悪辣寄りな女性達ですら、『仇を恩で返してきた相手にまた仇で返すという恥知らずはいないな』と無言の威圧をかけているものが大半だ。


741 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:41:13 ID:AXpTmxZ/

 しかしそれを破ったもの達がいた。大鳳に対して無自覚で惚れぬき過ぎて彼を嫐りたい欲を抑えらなくなったアンリエッタとその配下のメイド達だ。
この日の夜はアンリエッタの配下のメイドでも特に大鳳に惚れぬきそれでいて鬼畜寄りな女性達だけが選ばれた。悪人であってもこの状況では、良心の叱責から邪魔をするものや、
あるいは後になって慚愧して密告する者が出てくるかもしれなかったためだ。 特にアンリエッタが人を見る目を十全に使い、大鳳の様子を監視させ自分の悪行を知らない誠実な女近衛兵大鳳にあくまでも疑惑程度だが、
この戦いの最中に大鳳に質の悪い男性を奴隷にする呪いをかけたものがいるかもしれないから、チェックするために彼が力を使い果たしたら連れてきてほしいと頼んでおいた。
恩を仇で返す行為は女権国家でも最低中の最低な行いとされている。だからこそ問い詰めることさえ無礼と言える。その騎士は可能性が低いからこそ失礼で貴族相手には調査できないのだなと、
納得し大悪霊との戦いで疲労困憊の彼を内密に拉致して攫ってきた。 この計画が上手くいったのはまどか王女のおかげだ。嘘の事情を説明すると一切疑わずに裏で協力していなければここまで成功することはなかっただろう。



 悪霊との戦いで疲労困憊となった彼は、下心をもたない女騎士に拉致されてここに来た。
高価な霊具を持たせたのもあるが彼女自身が一切邪心を持っていなかったことも拉致に成功した理由の一つだろう。


 大鳳は目を空けた瞬間アンリエッタと彼女の直属の特に畜生なメイドに囲まれているとわかった瞬間、恐怖と同時に女権国家に来てから味わった初体験を思い出して、
一気に分身が反応したことに気づいた。そしてそれと同時に立ち上がったそれが、アンリエッタの手に収められた直後に彼は悲鳴を上げる。

「あ、ああ!」

 アンリエッタの手が上下する度に叫ぶ彼を蔑む様に見るメイド達を他所にアンリエッタは告げる。

「今、私は仇を恩で返して貴人の如く扱わなければいけないあなたを最低の卑怯な手段で自分のもとに連れてこさせたのですよ。そして連れてきた騎士も貴方が受けるのはただの検査だと疑っていない。
なぜかわかります? さすがに女権国家でもこれは僅かでも良心があればやらないことだからです。 あの女騎士も可哀そうに」

「あ、ああ、やめやめ」

 アンリエッタが手を離した直後に二人のメイドが左右から彼の分身をしごきだす。アンリエッタは言う。

「疲れやダメージは取らず精力だけは回復させるお薬の効果は絶大な様ですね。今体力も戻してあげます」

 最後に足で彼の分身を踏みつけて射精させた後、アンリエッタは笑いながら言う。

「普通なら殺意を抱いてもおかしくないレベルのことなんですけど、私を嫌えてますか?無理でしょう。『穢れなき純潔の束縛』の影響が相当大きいようですね」

 射精直後の敏感になったそれを彼女が飲み込むと大鳳は、この国の中で受けた数々の行為を思い出してしまい、彼はどんどんと追い込まれていく。
そして自分は人として最低の行為をしている敵国の皇女にこれをされていると思った直後にアンリエッタ配下のメイド達が鏡を持ってくると、アンリエッタが強い口調で言った。

「自分がいまどれだけ無様かよく見なさい」

 アンリエッタの命令に逆らい難いものを感じてみると、騎乗されて喘ぐ己の惨めさが余計に際立ち、それがとどめとなって彼は一気に射精した。
それを見ながらアンリエッタは満足そうに見下ろすと、大鳳の荷物から何かを取り出した。アル社長からもらったベリアルの力の籠った騙し玉だ。
これを使われると、嘘だとわかっていても本当だと感じてしまう。戦った時に、『シノン援護射撃お願い!』などというと、嘘だとわかっていても相手に隙ができることがしょっちゅうだった。アンリエッタもそれを知っていたのかとると発動させた。

「貴方は今回の役目は果たしたけど、横島やジャギというお友達たちは、まだ女権国家と王国両方害する霊的な悪魔と戦っていますよね。実は私とここにいるメイド達は、
貴方という極上の男性からもらった精を霊力変えて、その悪魔に贈る様にしているんですよ。つまり注げば注ぐほど、彼らが死ぬ可能性が高くなっていきます」

「う、嘘だ」

 大鳳の推察通り嘘である。だが本当だと思う念は消え去らない。特にジャギは既に対象を倒している。

「そう思っていてもここは反応していますね」

 アンリエッタにもう一度犯された直後彼はさっきより大量の射精をしてしまった。アンリエッタは精液を敢えて自分の秘所から漏れ落ちさせて見せながら言う。

「仲間を裏切る背徳感を得て興奮しているんですか。貴方は自分が快楽に屈して最悪の卑怯な行為をした男性である問レッテルからは永久に逃げられませんよ」

 アンリエッタは敢えて彼から離れると手を広げて待った。まだ大量の精液が残った彼は耐え切れず彼女に挿入してしまい。その瞬間、完全に自分がゴミクズに堕ちたと思った。
そう考えた瞬間を狙ったようにアンリエッタが膣を締めて彼の脳にその後悔が焼き付くような射精を巻き起こす。その後メイド達が輪姦を始めるのを貴族らしい口調で大鳳の無様さを罵りながら、眺める。

「そのメイドは受けた恩を返す最低の行為で貴方を辱めると聞いて特に乗り気でした。さらに今あなたとの友誼の為に死にかけている横島という方が多々かかっている悪魔の戦闘力を上げていますよ。
おやおや余計に固くしていますね。もう一度あふれ出るほど射精して。本当に彼らは良いお友達を持ちましたね」

 射精を終えた大鳳の体に胸を押し付けながら分身をしごく二人のメイド達の様子を見て笑いながら彼女の言葉攻めは終わらない。



 全員のメイドに犯された後、アンリエッタが再び彼に騎乗しながら言う。

「今回の件相手がどんなに見下げ果てた人間でも貴人の如く扱わなければならない恩をあだで返した行為、普通に私以外の女権国家の貴族に密告すれば私の政治的生命は大打撃です。
可能性は極めて低いけど、廃嫡や最悪の場合は打ち首もあるかもしれませんね。三日たったら証拠がすべて消えますけど」

 最悪打ち首もあるかも、その一言を聞いた直後に大鳳は言えないという思いが強くなった。穢れなき純潔の束縛の効果だろう。そして嘲笑と共に彼の分身を嫐りだした彼女に気絶させられた後、
最低の卑怯をした兵士だけが贈られるというゴミ箱で彼は次の日目を覚ました。





 アンリエッタが大鳳との関係を思い出していた直後に、横島も青木が返してきた『伝』の文珠が見せた夢で同様の情報を読み取っていた。
大鳳が自分を生きる価値もない屑だと思って落ち込んでいた時期があった理由を知り、怒り狂いかけたが、それを止めたのは愛歌だった。

「忠夫、葛葉伯爵様は既にアンリエッタへの応報の手続きは終えると言っていたわ。つまり今夜であの女は破滅に導かれると言っていたわ。そして忠夫にも協力してほしいって」

「そ、そうなのか」

 横島は本気で悩んだ。今は亡き師匠の能力高さを彼は誰よりも信じている。そして文殊で集めた情報によれば、葛葉伯爵死亡。後継者は彼が鍛え上げた良識的男性孤児らしい。
 作家としても大ヒットをいくつも出した彼が最後に発表したドッペルゲンガーシリーズの最後が今では女権国家で飛ぶように売れているそうだ。

「いったい何を考えているのやら」

 アンリエッタ皇女が突如行幸を停止して、政争に本腰を入れ始めて王国を従属させようとする派閥とのつながりを強め始めたという情報もある。恐らくは青木師匠が何かしたのだろうと彼は思った。





 その日の夜横島は不意に愛歌に起こされて、大鳳の精神世界に入る様に言われた。城にある仕掛けで客人の気配を感じ彼女たちを迎えなくていいのかと聞くと、愛歌は首を横に振った。

「彼らは大鳳くんを助けるために来ている治療者たちだから、その治療が終わった後で会ってお礼を言って」

「そうなんか。緊急事態なのか?」

「葛葉伯爵様の最後の遺言。一応大丈夫だけど、もしかしたら大鳳くんを完治させられないかもしれない事態が起きたら、知らせる仕掛けが動いたの。
この仕掛けが動いても大鳳くんの治療が処置が失敗した可能性は低いけど一応動けるときにすぐ動いてって」

「わかった。客人の方たちも了承済みのみたいだけどお詫びと礼を頼むで」

「多分彼女たちも了承済みだから大丈夫だと思うけどわかったわ」
 愛歌の返事を聞きながらも横島は眠っている大鳳の部屋に駆け込むと、愛歌とアルとエヴァの協力で彼の精神世界に文殊で『入』った。





 大鳳の精神世界にたどり着いた彼は、二度と会えないと思う人物がいる、青木仁だ。一目見て横島はこの青木は本人でないないと悟った。
彼はもはや生者でも幽霊でもない。多分青木の残滓やコピーに近い存在なのだろう。青木は横島を見ると落ち込んだ顔になった。

「あれほど格好よく分かれたのに、残滓に過ぎぬとはいえ再開とはな。本来なら大鳳の精神の負荷をすべて綺麗に燃却して、後始末だけお前に頼む予定だった」

青木の持つ剣からでる紫色の禍々しい黒紫の炎があまたの敵を切り払うとそこから黒紫の炎の化身の如きシルクハットの男が現れる。横島は彼を見て一目で何者か理解した。彼こそ青木が女権国家に広めた、モンテ・クリスト伯爵だ。

 彼は黒紫の炎に包まれた剣で禍々しい気配を纏う影の様な妖怪の群れを薙ぎ払いながら、笑う。


742 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:42:37 ID:AXpTmxZ/

「クハハハ! 良いではないか。自分の息子と等しき存在との再会だ!喜ぶがいい!」

 大鳳の精神世界であるせいかどこか大鳳を逆レイプした女性達に妖艶な気配を放つ影たちは恐ろしい程に強い。モンテ・クリスト伯が笑いながら幾つもの炎で作られた剣で敵を薙ぎ払い彼もそれに習おうとするが、
攻撃が今一通り辛い。それを見て青木が言葉を続ける。

「ここは穢れなき純潔の束縛の残滓と彼の快楽を望む帰還呪術などに反応する意識だ」

「それで俺はどうすればいいんですか」

 青木は横島の顔を見て安心した表情になった。

「彼女たちは俺が望んだ処置をとってくれた様だな。お前は一度魂までくだけるレベルの快楽を与えられて、再生された。これならもうあり得た来世の武器を使っても運命が引きずらないだろう」

 そういうと彼の手にある炎の剣から蛍火を思わせる火炎が生じ、その蛍火から出来上がったいくつもの剣が横島の周りをまわりながら敵をなぎ倒し始める。

「横島、その剣から生まれた剣でこの念を切り倒せ。お前のあり得た可能性の来世たちが大鳳と共闘したり、助けるときに使った剣だ」

「わかりました師匠」

 青木から受け取った剣で大勢の敵を薙ぎ払いながら、彼は初めて青木が女権国家で十年以上も過ごして女性に一切襲われなかった理由が分かった。
青木が生み出した横島が今振るっている剣に宿っている炎が原因だ。前にも説明は受けたが、この剣は原初の淫魔を殺しただけではない。
もう一つ大きな女性殺しの概念が宿っている。これは狂三とその子孫女権国家の女性達に対する天敵と言える力なのだろう。
だからこそ彼の人柄に惚れこんだり、大きな感謝の念を持った女性達も彼に異性として恋愛感情を持たなかった。
女権国家以外の国でも大勢の女性をほれ込みぬかせて大奥が出来上がりそうな行動をしても一切女権国家の女性に惚れられないというのは凄く便利だろうなと、
横島は思う。ある程度の恩を受ければマフィアでさえも、恩返しと引き換えの約束は絶対に違えない。絶対に裏切らない義理堅い味方を無限に作れたようなものなのだから。
それこそが彼が女権国家で伯爵をやっていられた理由だろう。 この炎は何なのだろう、その疑問を横島が抱いた時、丁度それにこたえようとしたかのように青木の言葉が響く。


「これを見ている大鳳の過去の快楽を思い出させて女権国家に呼び戻そうとしているものよ、無駄だ。大鳳が受けた快楽がどれほど強かろうとその記憶を私は消し去れる。
この剣はヒノカグツチの神の化身。そして俺が最初に振るった相手はリリスと言われる異世界における原初の淫魔の分霊だ。俺の書いた本が発売されたことでわかっているだろう。
ヒノカグツチはただ現象として、母である国の母である神の陰部を焼き死に至らしめたつまり、原初の淫魔の血を引き国の母としている女権国家の魔力の天敵なんだ。
そして何より大鳳の精神を蝕んでいるのは『女陰による快楽』ならば俺の力で焼き尽くせぬ道理なし」

 そういって彼がヒノカグツチから火炎を放射するごとにどんどんと大鳳の精神を蝕む魔物たちがなぎ倒され消えていく。モンテ・クリスト伯も軽口をたたきながら共に敵を倒していく。

「我が恩讐の炎にて邪悪なる魔性の女どもの記憶よ消え去れ。クハハ!」

 最後に青木がヒノカグツチを全開にして全ての敵を焼き払うと。モンテ・クリスト伯も黒紫の炎を全開にして大鳳の意識にあるすべてを焼き払った。そしてよどみが消えた後に青木は、笑って言う。

「モンテ・クリスト伯殿。精神浄化警備員の先輩として私の手腕はいかがでしたか?」

「クハハ! 幼き鳳凰の精神を再生させる技見事だった。これであの子供はもう快楽や呪術の影響で女権国家に戻りたいなどとは言うまい。
全ての火を司る神の化身たる剣を己が魂の一部となるほど昇華せしものよ、我が恩讐の炎も一部としよくぞ成し遂げた」

 そういうとモンテ・クリスト伯は黒紫の炎となるとそのまま姿を消した。二人だけになった後、横島は青木を自分の方に振り向かせた。そして気になったことを問い詰めた。

「師匠色々と感謝してますけど、なんで昨夜あんなことする指示をユウキに出したんですか。一応ガキのころ読んで入れ込んだ漫画汚されるって割と来るんですけど」

「さすがに私が相手でも簡単には許せんか。 何大鳳が受けた仕打ちを見ただろう。彼はあれが原因でお前に負い目を感じていたから、
お前が精神の世界に入れないかもしれないと思った。だからこそ、同じ状況で快楽に抗えなかった状態にすれば精神の同調もたやすいと思ったからこその処置だ。私が一時期ガーディアンをやってもらった、
ザ・ヒーローは愛する女の精神に入ったこともあるから、その記憶の経験上そうしたほうが良いと思ってな」

「そういう事情でしたかそりゃしょうがない」

「それではな、横島。アンリエッタへの応報が十分でないと感じるなら執務室にある文殊を見ておけ。愛歌殿にも伝えるように言ってはおいたが、機械が来たのでな。それではさらばだ」

 大鳳の精神が夜のいかがわしい店を思わせる桜と黒から綺麗な空へと変わったのを見て彼は安心して意識を外に戻した。





 横島が目を開けると彼は既に城主の間に戻っており、そこにはすっかり元気になっている様子の大鳳がいた。彼は笑みを浮かべて言う。

「忠夫おかげですごく元気になれたよ! ありがとうね」

「ああ、大鳳お前の精神はもう大丈夫か」

「うん、それとアンリエッタ皇女への報復とかやめてね。守り抜けるのが確定で王国もここまで盛り返したんだからこれからはみんなですごす方が大事だよ」

「そうか。だが悪女にもてあそばれるのは魅惑があるだろうし、またやられたいって気持ちが強いんじゃないか?」

 大鳳は力強く首を横に振る。

「もう、アンリエッタ皇女に対する未練はないよ。細胞全部焼き払って転生させてもらったのもあるけど一番の理由は」



大鳳の言葉を遮るように、ユウキの声が不意に響いた。

「忠夫〜、昨日大鳳を助けるための処置をとってくれた人たちがいまそっちに行くよ。時間がないから早く報告済ませたいんだって」

「わかった。大鳳後で詳しく話はきくわ」

 横島が答え終わった直後に扉がドンという音とともに開き彼らの視線がそちら移った。そしてティアナとリンネと翼を見た直後に懐かしい顔を見た。
彼らの担当教師だったアティだ。彼女は途轍もなく上機嫌な笑みを浮かべると横島に頭を下げた。

「久しぶりですね横島くん、いえ城主殿。城主となった以上は昔の様な態度で接するわけにはいきませんから。」

 それを聞き横島はよほど疑わしく見える人物なのだろうなと感じつつアティに返事を返す。

「いえいえ、昔あれだけ迷惑かけたし何よりここはプライベートな場所ですから昔どおりで構いませんよ。アティ先生。それとよくわからないけど昨夜大鳳の為に処置をとってくれたんですよね。ありがとうございます」

「そういってくれると思ったけど、一応は許可が出てからと思いまして、葛葉伯爵様の指示でこの城の防衛と学校での育成を任されたアティです。以後よろしくお願いします」

 それを聞いて横島の顔色が変わった過去に散々迷惑をかけた恩師が部下になるというのは何とも座りが悪い。
決して彼女に悪感情があるわけではないが、窮屈かつ距離感の取り方がわからない。それに対してアティが言う。

「横島くん、プライベートな空間では昔と同じで構わないと言われたからこそ言いますけど、貴方は自分の意志で領主となることを了承し私は既に部下となっています。
だからこそ、窮屈であっても乗り切って見せる、上手く使って見せるという気概を持って、俺が上司だ。従えって思いでいなければなりません」

 それを言われて横島も戦場で意識を切り替えるのと同じ要領で意識を切り替える。

「わかりました。アティ先生。いや、アティ殿。これから大鳳の護衛と精神的治癒と人材の育成をお願いします。
しばらくはあなたの役職に影響しない初期の取り決めのままことを進めるので、俺も訓練を受けさせてもらったり助言を求めることも多いと思いますがよろしくお願いします」

「お任せください領主殿」

 言い終わると横島は領主としての口調から、私人としての口調に戻っていった。

「しかし、青木師匠は召喚士でアティ先生と似たところもあったのに、全然アティ先生の下では俺の便かったな。それだけ怠惰だったということか」

「どちらかというと、貴方は天命みたいなものがないと覚醒しないタイプの生徒に見えましたから、最低限の指導しかしなかったのもあると思います。今の貴方を見ていると間違えてなかった様でほっとしました」

 ここまでは教え子の立派な姿を見ていた朗らかな恩師の顔だったが、不意に真面目な顔になり彼女は言う。

「領主殿、本日最後の役目として貴方に紹介しなければならない人がいます」

 アティの真剣な声に彼も身を正して彼女の様子をうかがうとアティは真面目な声で言葉を続ける。

「その、人物はとても信用できないでしょうけど、彼は葛葉伯爵殿が大鳳くんを護る為に連れてきた人です。今は私の召喚獣というより、伯爵風に言えば仲魔でしょうか」

 それを聞いた直後に彼は内心少しだけ驚いた。彼女がそんな風に前置きをするということはよほど疑われるような要素があるのだろう。だが青木が判を押したのなら問題ないと確信できる。


743 :名無しさん@狐板:2024/04/16(火) 23:43:59 ID:AXpTmxZ/






 横島と大鳳が話を始める3時間ほど前、大鳳は横島の意識が彼の精神世界に入り治療が完治した後、驚愕の表情を浮かべることになっていた。
治療に訪れた面々が警邏隊の幹部たちとアティだっただけではなく、アティが見慣れた召喚術を使った直後に現れたのが、アンリエッタ皇女だったからだ。
だが彼女の顔には悪女らしい気配は鳴りを潜めている彼女は笑いながら言った。

「初めまして大鳳くん、私はアンリエッタ皇女の善玉ドッペルゲンガー、アンとお呼びください。葛葉伯爵様が最後に残した、仲魔です。今はアティさんの召喚獣でもあります。
あの人が書いた作品、ドッペルゲンガーの最終シリーズ、悪女を殺してなり替わるんじゃなくて寝取って相手の男性と共に去っていくタイプのドッペルゲンガーです」

 そこまで聞いて大鳳は納得した恐らく彼女が残されたのはアンリエッタ皇女の対策としてなのだろう。

 そこまで大鳳が考えるとアンリエッタのドッペルゲンガー=アンが言う。

「貴方の中にあるあの女への未練を今夜完全に消し去ります。私はあの女と同じくらい貴方に執着していますから」

 そういって口づけだけで、完全に腰砕けになった彼の服を脱がせるとそのまま分身を一気に飲み込んだ。
初めてアンリエッタ皇女に犯された時と同じされど性悪ではなく、善良な気質の女性が送り込んでくる快楽に狂う彼の唇を口付でふさいだ後、彼女は言う。

「警邏隊の皆さん、協力お願いします。マフィアの淫紋の上書きをする要領で彼に快楽を刻み込んでください」

 そういいながらアンリエッタがしたのと同じ方法で彼女は穢れなき純潔の束縛を大鳳に刻んだ。

「私がかけた以上、あの女は自分を対象とした穢れなき純潔の束縛はかけられません。私は彼の安全が確保されて望むならいつでも解くのに協力します」

 アンリエッタのドッペルゲンガーである彼女はそこまでコピーされていたのか。驚く大鳳を他所にティアナがその豊かな乳房を押し付けながら彼の唇を塞ぎ優しく分身を飲み込んでくる。

「良く頑張ったわね。今までたくさんの人を助けたからもう休んでいいのよ」

 底なしの善意からくる甘やかす快楽に彼は何度も射精していき表情が完全に幼児退行しか始める。
それを見てティアナの甘やかしたがるスイッチが入り、何度も射精をさせられる。大鳳が完全に腑抜けた表情になった時に翼が変わる。

「ティアナ少し甘やかしすぎだぞ。 これだとどんな男性でも腑抜けになってしまう。大丈夫か?」

「あ、ああ?」

 焦点が定まらない彼を覗き込むと翼は笑みを浮かべて言う。

「今から正気に戻すぞ。行くぞ」

 翼に抱き着かれかつてない程の密着をされながら、分身を飲み込まれ。激しい快楽で彼の頭が僅かに正気戻る。アンが背後から彼を抱き乳房を押し付けると、翼が対抗心を燃やしたように腰を振る速度が上げていく。

「も、もうだめぇ〜」

 翼の中に射精した後、崩れ落ちる彼をリンネが受け止めて言う。

「大鳳さん、証拠はもう見つけられないけど我が国の皇族がごめんなさい。だから償いも込めて、完全に貴方を解き放ちますあの女から」

 リンネがそういって彼の上に乗り力強く彼を抱き込むと彼の意識が一気に落ちた。彼女相手にさせられた射精で彼は完全に壊れたようにすべてが止まる。そしてアンが笑いながら彼の上に乗り言う。

「かつての私と同じ快楽をあたえることができる私がいればあの女はもういらないでしょう。これが生まれ変わった貴方の初体験ですよ」

 アンリエッタに何度もやられた激しい嫐られる行為を再現されて彼が果てるとアティがアンと交代しティアナに似た甘やかす性行為で彼を堕とす。

「大鳳くん、さあ存分に溺れて堕ちてください。どんなに壊れたも戻せるヒーラーな召喚獣を用意していますから」

「あ、せ、先生」

 そういわれた直後にアティは腰をひねり彼にやや強すぎる快楽を与えると言った。

「こういう時は名前で呼びなさい」

 射精した直後の彼の分身をアティとアンの二人が乳房で挟みしごき始める。彼は何度も悲鳴を上げて喘ぐと警邏隊の面々もアティ達も燃え上がった。

「回復薬も山ほどありますし、完全にあの女の影響を消し去る為に上書きしましょうか」

「そうですね。大鳳くんの治療です」

 その後はただ射精を繰り返した記憶しか彼には残っていない。
 ただ最後に、アンに犯されながら、細胞一粒まで完全に転生してまた同じ女性に嫐られるのは奇妙なものだなと大鳳は思って堕ちた。






 執務室で事情の全てを聞いた横島は、アンリエッタのドッペルゲンガーアンを見ながらとりあえず折り合いをつけていた。

「そういう理由だったんか。調べてみたが、あの畜生皇女とは違って善寄りな性格見たいやしな。それで君の役割は」

「一応国家機密に類しない程度のアンリエッタと同じ知識や技術はあります。そして王族の知識なら大半は持ってます。あとはあの女(アンリエッタ)の思考パターンをトレースできるのであの女から大鳳くんを護る上で大変有力だと自負しています」

「だろうな。しかし善良なドッペルゲンガー程悪辣な本体を嫌うと、師匠の書いた物語で定義づけられたみたいだけど、本当にアンリエッタが嫌いなんだな」

 アンは心外だという風に首を振った。

「そんな嫌いなんかじゃありませんわ。私は本体のことが大大大っ嫌いです」

 そこまで聞いた後、彼はアンリエッタをこの城の参謀の一人で霊的防衛係に任命した。彼女のオリジナル皇女の精神のやばさを何となく把握したためだ。

 そして矢継ぎ早に指示を出す。

「アティ殿、青木先生、いや葛葉伯爵殿の狙いは、召喚獣とすればアンリエッタ皇女にアンが暗殺される可能性が減るという判断からだろう。
できるだけアンを死なない様に守りってください。最悪アンが殺されそうになったら断りなく大鳳やシノンやキャルと出奔してかまいません」

「はい♪」

 嬉しそうに答えるアティを見ながら、国境の警備に目を光らせるとティアナたちが決意を固めて、これも先生の狙いなんだろうなと思った。

「ティアナさんと警邏隊の皆様方。俺は良識派な女性であれば、女権国家の女性にも隔意はありません。ただし、
畜生極まる外道にも大鳳は目を付けられています。だからあいつの身がある程度危なくなったら、本人が嫌がったとしても、
穢れなき純潔の束縛の力を使ってアンに遠くに連れて逃げてもらうことになると思います。だけど大鳳と関わった良識ある女性達を苦しめたいとは思っていないので、
国境に畜生な女性が来ない様に守ってください。それと青木師匠が貴方たちに渡したらしい、この城への転移アイテムは休暇中であればいつ使ってくれてもかまいませんから」

「ああ。絶対に悪党外道を近づかせるものか」

 翼が力強く答えた。

 横島は本当に青木師匠は怖いと思った十数年も女権国家で男でありながら伯爵をやれていたのは伊達ではないのだろうな。そう感じながら彼は大鳳を護る為の作戦を立て始める。
女権国家で一度くらいは大きな内乱が起きるかもしれない。まさに大鳳は傾国の美少年だと内心でつぶやいた。そう考える彼の頭に文殊による伝達が不意に起る。





 アンリエッタ皇女は葛葉伯爵から送られた小包を空けた直後に今の大鳳の状況すべてと、自分のドッペルゲンガーとの情交の情報を得た。
そして彼女は良識派の女性達が大鳳を自分たちがいつでも会いに行ける、国境の王国領土から出さないためにあらゆる手を尽くすことまで読み取ったのだ。絶対に解かれないはずの穢れなき純潔の束縛が解かれるという事態が彼女を嫉妬の地獄に叩き込んだ。彼女の眼には恐ろしい程の情念の炎が宿っている。彼女はあの日の夜大鳳を共に嫐った一人のメイドを呼んだ。

「ア、アンリエッタ様、何の御用でしょうか」

「これから、あらゆる手段を用いて彼を確保します。最後の手段に出ることも辞さないので、オブサーバーに連絡を場合によってはあなたと契約するかもとお伝えください」

 その情念の炎を見て脅えるメイドが矢の様に駆け出して行った。



 青木の残した文殊で見た横島は十分にアンリエッタへの応報は果たされたが、当分は気が抜けないと覚悟を決めた王国と女権国家の戦いではなく、
王国と女権国家の良識的な女性達の派閥とアンリエッタが使う悪辣派の派閥の戦いに自分はまきこまれたのかもしれない。とんでもない宿題を残してくれたと師匠に毒づきながら彼は城主の間の執務室の机に座った。
諜報部としての戦いは終わり、これからは国境の城主としての戦いが始まるのだ。


744 :724:2024/04/19(金) 00:09:09 ID:EAUuRN4+
これは>>724から>>743まで投下したSSの女神転生if主人公な半分以上オリキャラな登場人物が各場面でなにを考えていたかのまとめです。
キャラのイメージが壊れる恐れがあるので人はすぐ下のアンカーから次に移ってください
>>745














おまけ 葛葉伯爵こと青木の思考と行動の遍歴まとめ


これはひどいの女神転生ifの横島に稽古つけて成仏しようと思ったら、今までの善行から神々になんか異世界でスローライフ送ってよいと言われた。
よしパラレル世界行ってスローライフ送りつつ、善行を積んであの世の玲子さんへの土産話増やすか。
                               ↓
なぜか過去の女権国家来てしまった。しかも男尊破遊魔術団とかが生まれる前の世界だ。操立てている男サイコーとか言って逆レしてこようとする女たちぶちのめしたらネロと知り合った。
しばらく中立派のオカルト警察やって、弟子の同一存在と会えたら、助けてやるか。
                               ↓
 ヒノカグツチの力使ったら一切言い寄られなくなったけど、弟子の過去調べたらユウキが割とひどいことになっている。
(玲子さんを助けてくれて同化に近い状態でしかも一時期玲子さんと意識を共有していた女神や仲魔たちも心痛めているし)←彼にとっては最重要事項。なにがなんでも助けてやるぞ!           
                               ↓
横島に稽古つけるためにあり得た横島の可能性である大鳳くんと数世紀も一緒に戦ってきた横島の転生体の集合体な神様をガーディアンにしたら客観視できなくなった。
大鳳くんにひどいことしたアンリエッタへの怒りが抑えられん。よし応報の化身のモンテ・クリスト伯の話広めて召喚して過剰報復にならない様に助言もらおう。
                               ↓
モンテ・クリスト伯呼んでその通りにしたら上手くいきそうだ。モンテ・クリスト伯さん、助言だけじゃなくて大鳳くんの精神浄化の手伝いありがとうございます。
モンテ・クリスト伯が言うには自分の行動ヒノカグツチの力を使ってないと女権国家でなくてもヤンデレ製造機なレベルか、本当に私は運が良かった。早く仕事終えてこの世界から去ろう
                               ↓
 女権国家で人助けしまくって、手に入れた人脈使って、王国に協定反して奪った土地返却派かつ良識派の女性達を大鳳くんたちを住ませる予定の城の通り道に配置だ。
私に恩のある貴族や権力者が協力的すぎて何もかもが簡単に進む。女権国家の女性は惚れていない恩のある男には理想的な報恩者だというのは本当だな。
あとアンリエッタ全然私を警戒しない。穢れなき純潔の束縛が解かれるとかありえないから無理もないか。
                               ↓
 大鳳くんを転生の炎で細胞一粒残らず焼き尽くして浄化したけど、彼があちこちで受けた快楽が強すぎて女権国家のまじないで意識を操作されて呼び戻されそう。
モンテ・クリスト伯と二人でもちょっとやばい。あんなに格好よく分かれた後で格好悪いが弟子を大鳳くんの精神世界に呼んで浄化手伝ってもらおう。浄化完了こんどこそさようなら。












745 :陰茎を借りた天狗:2024/05/19(日) 20:28:10 ID:N0GMuoT3
ピンポーンと鳴るチャイムの音。どうせセールスか何かだろう、と思っていた自分だった。
ドアを開けた先にいたのは黒髪のセミロング、白いシャツと黒いミニスカートに身を包んだ少女だった。

「あ、突然すいません!いきなりで悪いんですけどおち〇ちん貸してくれませんか?」
耳を疑うような発言が少女から放たれた。思わず自分の体は固まって間抜けに口を開いてしまった。

「あ、私を頭のおかしい女とか思ってますね?」
ずいっ、と半開きのドアを押し開けて、玄関の中に押し入る少女。
その行動に呆気に取られる自分だった。
ふと、そのなびいた髪から覗いた耳はファンタジーもので見たエルフの様な人間とは思えない形をしていた。
「―これを見た方が、話が早いですかね?」
少女の背中から黒い羽根が伸び、頭には山伏が頭にのせている赤い頭襟があった。
「わかりました?私、天狗なんですよ」
ただただ口を開いたまま呆然とする自分。玄関のドアが静かに閉まる音が響き渡った。


746 :名無しさん@狐板:2024/05/19(日) 20:29:10 ID:N0GMuoT3
「単刀直入に言いますね。今度、私達天狗の組織で上司の大天狗を接待しなくちゃいけなくなったんですよ。
 その上司、ハッキリ言いますと男日照りの年増天狗でしてね…そんな女にピッタリのものなんて決まってますよね?」
ハァ…と面倒臭そうにつぶやく天狗。わかりやすい上司と部下の上下関係が発言から見て取れた。
「そこで、あなたのおち〇ちんを貸して欲しいんですよ」
ズイッ、と息がかかるほどに近く寄る天狗。
赤い瞳で妖艶に見上げながら、自分の股間へと手を這わせた。
「こんなにいいものを持っていらっしゃるのに、勿体ない…」
淫靡な手つきで服越しに股間をまさぐる様に愛撫する。その刺激にどんどんと自分の股間は屹立していった。
「貴方のここは、その気のようですよ?ただ一言『貸す』、と言って下さるだけでいいんです」
ただただ狼狽するばかりの自分の耳に息を吹きかけ、そのまま軽く甘噛みする。
「―最高の快楽を、約束しますよ?」
頭が真っ白になった自分は、唇が『貸す』と動くのを止める事が出来なかった。


747 :名無しさん@狐板:2024/05/19(日) 20:29:48 ID:N0GMuoT3
声を押し殺したようにクス、と笑みを漏らす天狗。
「―では、確かに貸して頂きました」
その手には、可憐な少女の手には似つかしくないグロテスクなものが乗っていた。
それはまがうことなく、見慣れた自分の陰茎だった。
慌ててズボンの中を覗くと、本来あるべきそれが闇に包まれたように消えてなくなっている。
動揺を隠せない自分に天狗は言い聞かせる。
「大丈夫ですよ、明日になったら必ず返します。あ、トイレは大丈夫ですけどなるべく水分取らないで下さいね〜」
小憎たらしいほどに爽やかに笑いながら去っていく天狗。
大慌てでドアを開け周囲を見渡すもその姿は既になく、風に舞う木の葉があるだけだった。


748 :名無しさん@狐板:2024/05/19(日) 20:30:46 ID:N0GMuoT3
なくなった股間のものの違和感を感じながら、いつも通りの日常を送る。
尿意を催した直後に排尿感を感じるなど、どうやら自分の体に存在しないだけで感覚などはそのままの様だ。
この気味の悪い感覚に不安を覚えつつも、明日になったら返すという約束を信じるしかないと思い、
明日になるのを待ち続けるのも嫌な気持ちになり早めに床についた。
目をつぶり無理矢理寝てしまおう。

―そう思った瞬間に電気が走るような感覚が自分を貫いた。
股間の先にないはずのものから強烈な刺激が伝わってくる。
自分の亀頭に熱くぬめった柔らかいものが執拗に這い回る様な感覚。
自慰では知る事がなかった強烈な快感が自分を責め立てるように襲いかかるのだった。
自分はただ一人、夜の布団の中で声を押し殺して悶えていた。


749 :名無しさん@狐板:2024/05/19(日) 20:32:54 ID:N0GMuoT3
「…なんだそれは…確かに無礼講とは言ったが…それは少々品がないというものだろう…」
長い黒髪の天狗は顔をほろ酔い以外で赤く染めながら、困惑した視線で目を逸らした。
「いえいえ!きっと大天狗様もお気に入りになりますよ〜?」
大天狗の目の前で挑発的に陰茎に舌を這わせる天狗。
「こうして茎の根元からゆっくり舌を這わせて…亀頭の部分になったら、ほじくる様に舌で刺激するんです」
舌の刺激を受ける度にビクンビクンと脈動する陰茎。次第に屹立していく陰茎に大天狗は視線を外せなかった。
「あっ、私もやりま〜す♪」
大天狗の傍に控えていた幼い容姿の狐の従者が突然陽気に声を上げる。
押し殺したような蠱惑な笑みを主人に送ると、天狗の舐めている陰茎の下の陰嚢へと舌を這わせる。
ペロペロと躊躇いもなく陰嚢を執拗に舐め上げると、ぱくりと口の中に含む。
天狗は亀頭を、狐の従者は陰嚢を同時に責めたてる。
「ぷはっ♪袋の中の玉が上がってきてますよ♪もう今にも射精しちゃいそうです♪」
唾液でベショベショになってしまった陰嚢から口を離し、挑発的な視線を主へと向けた。
目を丸くしながらもそれから視線を外せず、無言でごくりと唾を飲み込む大天狗。
「―大天狗様、どうですか?この一物、味わってみたくありませんか?」
その言葉の直後、静かに大天狗は立ち上がり、服をまくり上げた。
「…確かに私は無礼講と言ったな…。いいだろう、お前の下品な出し物に付き合うのも悪くない」
大天狗は真上を向くほどに屹立したその陰茎を手に取ると、自らの秘部へとあてがった。

750 :陰茎を借りた天狗 続:2024/06/03(月) 03:55:21 ID:2K7oJXZn
襲い来る快感の波に股間を抑えながら声を押し殺していた。
亀頭のカリの部分に舌を押し込んでほじる様に執拗に舐め上げられる感覚。
敏感な部分の刺激に悶えていたかと思うと、陰嚢、金玉が何度も何度も舐め上げられる感覚を味わった。
茎と玉を同時に責められる感覚に今ここにないはずのものから精液がせり上がり、今にも発射する瞬間を迎えていた。
そんな責め手が一瞬止んだかと思うと、しなやかな指のようなものが触れる感覚があった。
おっかなびっくりにぎこちなく感触を確かめると、ぐっと強く握りしめ、亀頭の先端に僅かに濡れた柔らかいものが触れた。

「ふっ…ん!」
大天狗は自分の陰唇にあてがったそれを、一瞬ためらった後に一気に腰を落とした。
「くっ!はっ、ああっ!ふ、深い…っ!」
大天狗は困惑の顔を浮かべながら男根を己の膣内に受け入れる感触によがり声を上げた。
「わぁ〜…すごい、あの凛々しい大天狗様がこんな淫らな声と姿を見せちゃうなんて…」
従者の狐は主の姿に釘付けになり、自分の股へと自然に指が伸びていくのを抑えられなかった。

751 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:56:08 ID:2K7oJXZn
「大天狗様、予想通りお気に入りいただけたようですね…」
天狗はその光景を眺めながら冷めた、?み殺すように口元を緩ませた。
「お、お前達なあ…で、でも久しぶりだったから…こ、腰が…」
大天狗は自分を見る二人の姿に苛立ちを口にするが、
それを?き消されるような体の奥底から湧き上がる快楽に抗えず腰を何度も叩き付け始めた。
ぱん、ぱんとリズミカルに激しく鳴り響く腰を叩き付ける音。
その度に大天狗の凛々しい顔が赤く蕩けてよがり声が漏れて響き渡る。
男の一物を生ディルドーの様に扱う激しい腰使い。
「ふっ…ふわああっっ!」
大天狗は勢いのままに続けた激しい腰使いで絶頂を迎えた。
それと同時に男の陰茎からも大量の精液が噴出し、ドクンドクンと脈打つ様に大天狗の膣内に精液を放っていく。
びくんと震えながらその感触に身を震わせる大天狗。
射精を終えた陰茎はぬるりと力なく大天狗の陰唇から抜ける。
「ふ…、はっ…ああ…」
放心して絶頂の余韻に息を吐く大天狗。股からは白濁した固体の様に濃厚な精液がどろりと溢れている。

752 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:56:42 ID:2K7oJXZn
「ああっ大天狗様からこんなに濃い精液が…私が綺麗にします!」
その淫靡すぎる痴態に我慢ができなくなったのか、狐の従者は主の股から溢れる愛液と精液が混じり合ったものを舐め取り始めた。
「あっ…!やめろ、まだ敏感だから…っ」
「ぷあっ…まだこっちも…」
狐の従者は一滴も残すまいと糸を引く亀頭の方へと吸い付く。
尿道の中まで吸いだすような入念なお掃除フェラに、力なく萎びた陰茎は再び屹立を始めた。
先程射精したばかりなのに再び天を突くようにそそり立ったその一物に目を丸くする大天狗。
「こ、今度は私がこれを使って奉仕させていただきます!」
「ま、待てっ!お前、何を…!」
情欲を抑えきれなくなった狐の従者は男のそれをまるでペニスバンドの様に腰に装着し、
余韻に息を吐く大天狗の膣内に挿入した。
大天狗の甘い声が再び場に響き渡った。

753 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:57:16 ID:2K7oJXZn
信じられないような未知の感触と快感が自分の股間を襲った。
自分の亀頭に柔らかいものが触れたと思った次の瞬間、陰茎全体が包み込まれるように飲み込まれていった。
ヌルヌルの液体に満たされ、全体がまるで絞めつけるように刺激する。
その直後、まるでヒダが亀頭のカリの部分を執拗に責め立てるように激しくしごかれる。
情けない甘い声が口から漏れるのを抑えられなかった。
普段の手淫やオナホールの自慰とは比べ物にならない貪る様な刺激。
亀頭の先端に柔らかいものが何度も当たり、上下を繰り返すたびにカリの部分が扱かれる。
限界を迎え始めたその直後、とどめを刺すかのようにひときわ激しい絞めつけるような刺激が襲いかかった。
その快楽に抗えず、自分の股間にないはずのそれは絶頂を迎え射精した。
搾り取られるように精液が吐き出される度に、頭の中が焼き切れるような快感が走った。
ただただ放心して床に突っ伏し、快楽の余韻に息を吐くのみだった。

―その直後。敏感なままなそれを執拗にペロペロと舌を這い回される感覚が襲いかかる。
満遍なく舐め取る様に舌を這わせ、直後に先端から吸い出されるような強烈な吸引が襲い来る。
尿道の中にまで舌が侵入し、陰茎内の精液が残らず睾丸の中まで吸い出されるような感覚だった。
あまりにも強すぎる刺激に、精液を吐き出したそれが再び屹立していく感覚を実感した。
そして、今度は横向きに先程の猛烈な刺激をもたらしたそれに挿入される感覚がやって来た。
既に愛液と精液でヌルヌルになったであろうそれに、激しい横運動で扱かれる感覚。
悲鳴に似た喘ぎ声が口から漏れるのを抑えられなかった。

待ってくれ、もう…懇願する様な情けない声が口から漏れた。

754 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:57:50 ID:2K7oJXZn
「あっ!ああ〜っ!!」
絶頂を迎えた大天狗の声が場に響き渡った。
狐の従者は自分のものではない故に、疲労などお構いなしに腰を振り続ける。
「はぁ…素敵です…」
脱力したように狐の従者は尻をつき、己の股間からそれを外す。
まるでディルドーのようなそれは、ビクンビクンと痙攣するように脈動し、
引き抜いた大天狗の秘部から引き抜かれたそれは繋がっていた事を示す様に糸を引いた。

「大天狗様、大層お気に入りの様でしたね。光栄ですよ」
ふふっ、と嘲笑するような声を漏らす天狗。
「あ、ああ…勿論だ。気の利く部下を持って私は誇らしいぞ」
絶頂の余韻に甘い気を吐く大天狗の負け惜しみめいた声を聞いて、天狗は口の端をつり上げた。
「―それで、もちろんお前も楽しむよな?」
「えっ!?」
「言っただろう、無礼講だとな。一緒に楽しんでこその宴だろう」
「いや…その…私は…」
「私がここまでやったんだからな。上司に注がれた酒を断るほど無粋ではないよな?」
「あ…は、はい…」

「くっ…うんっ!わ、私がこんなので…こんなに気持ち良くなっちゃうなんて…!」
甘い声が天狗達の宴の部屋に鳴り響く。
それと同時に、遠くの男の住宅で悲鳴にも似た喘ぎ声が響き渡った。

755 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 03:58:11 ID:2K7oJXZn
―生気を搾り取られたようだった。
目を覚ましたら自分の股間にそれは戻っていた。
何度も見慣れた、己の一部を。干からびるような脱力感で、それを確認すると再び瞼が下りて眠りに落ちた。

「えーと…この間はありがとうございました。…一応、私の上司は大喜びでしたよ」
複雑そうな顔をして天狗の少女は例を告げた。
「それでなんですが…気に入ってしまったようで、また次の機会も貸して欲しいそうなんですよ。
 今度は他の同僚も交えて催したいと…」
頭がくらくらする様だった。
「不本意ですが、私も気持ちよかったですし…いいですよね?」
冗談じゃない、お断りだ。そう言い切ってしまおうと思ったが、その言葉は口から出なかった。
あの頭が焼き切れるような絶頂の波を思い出すと、断れる自信がない事を認めざるを得なかった…。
(おわり)

756 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 09:29:17 ID:0SWVyt5E
おつー
えろいなぁ

757 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 18:23:18 ID:YZ6AqgQE


758 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:15:03 ID:cxwr1jV1
乙でした

自分も今から投下いたします

759 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:25:35 ID:cxwr1jV1
 女権国家SS架空の女権国家舞台のゲームを体験してわかる、女権国家に男性主人公ゲームが少ないわけ

 このSSは本スレで連載中である女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@このSSの設定としては原作と同じ流れを辿ってかつ紆余曲折会って、このSSの人間関係が構築された設定になってます。
A前に投降した>>693から>>698>>704>>から>>709に投降したゲーム会社SSの続編であり、設定も引き継いでます。『ブルーアーカイブ』のゲーム開発部のキャラクター達と『うみねこのなく頃に』のベルンカステルが横島ヒロインとして出張ってます。
B横島ヒロインと大鳳くんのヒロインの百合描写があります。
C女権国家のゲーム事情を書いていますが著者の想像です。本編とはだいぶ異なる可能性が高いです。
DこのSSだと四惑の時崎狂三が、男性の身代わりになる為に男性名を名乗ることがある地方出身者という架空の身分で『きょうぞうという偽名を使って趣味の為に正体を隠して活動している設定です。
E>>682で投下した『雄々しき獅子』の祝福という自分の作ったオリジナル魔術が出てきます




 クリスマスとその後のお正月で多大なトラウマを刻まれた横島忠夫、彼は今もモモイとミドリが立ち上げたゲーム会社で働いている。
やはりスパイとして身を隠すことにかけては、表向きの職業は必要だし、何よりゲームの取材として悪霊などと戦えたり、
お祓いなどを生業とする者達と繋がりを持てる上にたまに発生する怪異などの対処で霊的な戦闘の経験を得られるし、
そして大鳳が横島にここにいてほしいと希望したのも大きい。

 大鳳の思惑としては、横島はこの会社で歴史アドバイザーなどをしている、時崎きょうぞう本当は四惑の狂三だが、彼女の情報が欲しい。
そして横島がこの会社にいて不義理をしない限りは彼女もこの会社に損害を出すような方法での横島の排除は最後の手段とするだろう。
偽りの身分とはいえ給料をもらっている以上は最後の手段とすることさえ相当抵抗がある。
狂三は敵方とはいえ、そういう善性の人物だ。 大鳳は横島にちゃんと隠していることがあると言ったうえで、きょうぞうのことを監視というより印象に残ったことがあった場合に限り話してほしいと言ってある。
普段なら出席するような会社の会議を欠席した時とかだけは大鳳に話すようにしてはいるが、これで良いのだろうと思っている。




 職場に到着すると、全員がそろった状態でミーティングが始まった。社長の椅子に座っているのは愛らしい猫を思わせる少女姉妹であるモモイとミドリに引っ張られて、
ミレニアム学園でゲーム開発部を立ち上げた、赤毛の気弱そうな少女花岡ユズ。人見知りで背が低いため横島にとっては庇護対象と認定された相手でもある。
横島が理想的な保護者として接しているため彼女は横島に対してかなり入れあげている。そして彼女はクソゲーと呼ばれる類のゲームを作ってしまうことが多いが。
その原因の一端は彼女自身がゲームが上手すぎるために難易度調整をミスっているところがある為だ。きょうぞうのアドバイスを聞いてからは、徐々に難易度の高すぎるゲームを作ってしまう癖は鳴りを潜めてきている。
この会社を『キャット・ブリングズ・アバウト・ホープ』という名前にしたのも、モモイとミドリへの感謝からだと言っていた。

 赤い髪を長く伸ばした背の低い彼女は、横島に何度も助けられてからは、女権国家の女性に珍しい人見知りもなくなってきており、良い意味で社長らしい、ふるまいを見せることも増えてきている。
そんな彼女をきょうぞうが誇らしそうな目で見ているのが分かった。かつてのホラーゲームが具現化した怪異との戦いで、自分が辛くても他人を助けるために頑張る善性を見てからは、モモイやミドリ相手程ではないが、
彼女に対しても相当好意を抱いていることがわかる。このきょうぞうという、女性は良識の強い女性が好きな様だ。そして贔屓しすぎない様に気を付けているのが何となくわかる。彼女は少し考えたのちに、言葉を口に出した。

「……本日の議題ですけど、どのゲームを開発するかですね。それで忠夫さんが出した案、男性もプレイヤーになれる人生ゲーム系ですけど、これはかなり厳しいと思います」

「どうしてまた。女権国家には人生ゲーム系統のゲームはあるけど、男はみんな結婚相手というかトロフィーが多い。 でも最近は優秀な男も出てきて男性解放戦線のおかげで少し男性の地位も上がってきている。
だからこそ男性もプレイできる人生ゲームもできるんじゃないですか?」

 プライベートな時間では年下の女性に対する庇護者の様な態度で接してしまいがちだが、社長の時は意識して敬語で接するようにしている。その彼に対してユズは悩んだ様にいう。

「……最近の女権国家しか知らない王国民な、忠夫さんには少し難しいかもしれませんね」

 ユズの悩んだ様子を見て、横島は少し拙いと思った。これは多分コミュニケーション能力が高い人間でも説明するのが難しいことなのだろう。
ユズはそこまでコミュニケーション能力が高い方ではない。彼女は少し考えたのち精いっぱいわかりやすく話し始めた。

「実際に最近の女権国家は急進派はFFF団が壊滅して、男性の住みやすさが相当上がってます。でもこれは一時的なものである可能性も高いんです。
そして普段の女権国家の状態だと人生ゲームで男性プレイは、ゲームでできる難易度にするとムリゲーだし。普通にするとリアリティがなさすぎるんです。正直私も内心この国は滅んだ方が良いかもとか思うレベルでした」

 きょうぞうがダメージを受けているのを横島は不思議に思ったが、言葉の続きを視線で促す。スパイ言うよりこの会社の一員として情報がもっと欲しい。
だが、きょうぞうが多少心配でもある。自分だけは霊気の乱れで分かったが、彼女は少し堪えているようだ。今の彼女はこの会社の一員であり同僚だ。だが、
彼女たちの会議を邪魔しない為に隠しているのに自分が発言を遮っていい物だろうか? そう考えるときょうぞうが念話で彼に話しかけてきた。

『お気遣い感謝しますわぁ。でも今回は彼女たちが頑張って捻出したお給料を受け取っている私の矜持の為に黙っていてくださいまし』

『わかった。きょうぞうさん、あんま辛かったら、体調不良みたいだと言って帰るか?』

『念話でもそう呼ぶということは……、いえ、なんでもありませんわぁ』

 途中で念話を切った後、きょうぞう=狂三は四惑としての思考に僅かだが移る。テレパシーと言われる能力では嘘を突くことは難しい。
そしてその状態で彼が自分を偽名であるきょうぞうと呼んだ意味を彼女は頭に刻み思考を始める。

『彼は私が四惑だと知らない。大鳳くんとの関係性を考えると、隠し事をしていると断った上で私の正体は黙っているということ、私の憩いの場を壊さない気遣いか、
それとも彼がただの同僚として見てかつ不義理をしてこない限りこの会社では、私もよほど急を要さなければ、私もあまり思い切った手に出ないという判断でしょうか』

 ここまで考えて狂三は笑みが浮かんできた。前者なら単純に嬉しいし。後者でも自分が狙っている男性の優秀さが感じ取れて淫魔としての本能が刺激される感覚がする。
そしてそこまで考えた後、自分以外の面子が発情状態に堕ちかけていることに気づいた。しまった、と思った時には既に遅くなっている。仕事ができなくなるほどではないが効率が大分落ちてしまうかもしれない。
横島が不可抗力だと察して、文珠を取り出して何とかしようとするのを彼女は止めた。

『今回の件では絶対に迷惑をかけない様にしますから、よしてくださいまし』

『まあ、あんたなら何とかできるんやろうな。正体は知らんけど有能でかなり上の方にいる人みたいやし』

 さすがに敵方とはいえ、今は同僚として働いている時間だ。そんな時に自分がしでかした不始末の為に貴重なアイテムを消費させるのはどうかと思いストップをかけた。
彼女の有能さを信じた横島があっさりと聞き入れる。しかし、狂三の淫気に反応した面々は多少なりとも影響を受けた様だ。横島が声をかけようとした瞬間、モモイが口を開いた。

「ユズ、今日はもう仕事やめてゲームでもしない。なぜか真面目な仕事できる気分じゃなくなっちゃたし。ここはいっそ現在の女権国家というか、ティアナさんたちが台頭する前に平均的な女権国家をリアルに再現したゲームやってもらえば、
忠夫にもどれだけ男性を選択できる人生ゲームがムリゲーかわかってもらえると思うよ」

 一応様々な予定に余裕があったので息抜きも兼ねてゲームを始めることになったが、きょうぞうがまるで自分の黒歴史の博覧会を見る直前の覚悟を決めるような様子になっているのが気になった。





 横島が、プレイルームにたどり着くといつの間にかユウキだけでなく、彼が女権国家に来てから縁を結んだ女性陣まで集合していた。

「なんでこんなことになっとるんや?」

「せっかくだから忠夫がモデルの人物が主人公のゲームやるんなら見てみたいし。それに前みたいな体験できるならそれはそれでしてみたいしね」

 ユウキが笑顔で答えてきた言葉に彼は頭を痛めたがすぐに気を取り直す。そして彼はモモイとミドリがゲームのスイッチを入れるとさっそくゲームが起動し始めるのを見た。



 『月下の愛の巣への強制帰還拒否』といわれるゲームを見てゴシックホラーアクションなそのゲームの内容を見た時点で嫌な予感に襲われた。
一応は大鳳に連絡をして、自分がまたゲームに吸い込まれたらゲームが得意なモヒカンを送ってほしいと連絡を入れた。 ゲーム系統の怪異はクリアすれば収まることが大半である場合が多い。
だが今回はこのゲームは怪異なのかモモイ達の能力が生んだものなのかさえはっきりしない。


760 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:28:40 ID:cxwr1jV1

 そしてゲームを始めると高島・忠助(たかしま・ただすけ)という自分の来世っぽいキャラが出てくる。彼はそれなりの家の出の悪霊祓い師の様だ。そして霊波刀や札を使い数多の敵を倒していくタイプの様だ。
そしてゲームの内容は無駄に壮大な語り口で語られている。だが、モモイのシナリオの腕も大きく上がっているなと彼は感じた。主人公である高島の視点で言えば、このストーリーも嘘ではない。 そのあらすじは以下の通りだ。

『前世が王国に仕え、女権国家の良識的な親王国派の女性達と手を結び王国を救った一端を担った彼は来世においてその代償を支払うことを余儀なくされていた。
都会とも交流深い、産業地であり観光地でもある田舎町かつて王国男子に惚れた大半の女性達が移り住んだ国境の親王国派の都市の彼はこの時代では関係が良好な王国への亡命を夢見ている。
しかし、その彼の十六歳となった誕生日の夜に、手紙が届く。その内容はかつて前世で助けた報酬として、自分たちが課した試練を乗り越えること。そしてその試練に敗れるたびに女権国家的な契りを交わすというものだった』

 そこまで読んで横島はげんなりした。これは明らかに発自分の来世の一つ、正確に言えばそうなる可能性の一だ。モモイ達の能力でまたイフの世界のゲームができたのだろう。
そして明らかに自分が逆レイプされる話だ。そして横にいるきょうぞうも興味深そうな表情でそれを見ている。恐らくは彼女も訪れる可能性は低いとはいえ、女権国家の未来の一つに興味があるのだろう。そして彼女は言った。

「横島さんプレイしてみますの?」

「ああ。女権国家が治安が悪いというか、特に良いわけではないときどんなかわかるらしいからな。さて複数の女性に好かれている男にとってどれくらいハードモードか探ってみるか」

 きょうぞうは複雑な顔になったその内心は単純である。

『黒歴史上映ゲームを見る羽目になるのもいやですけど、モモイとミドリとベルンちゃんの喜んでいる姿見たいですわぁ。』

 心の天秤は直ぐに猫娘と猫らしい少女たちの喜ぶ姿を見ることの方に傾いた。

「それでは頑張ってプレイしてくださいな。もしも行き過ぎるようなら私が救助しまわすわぁ」

「できるんか」

「色々とあれから学びましたから。それにゲームクリアすれば解決する異変なら切り札となる知り合い(スカサハ)がおりますから」

 狂三は先ほど淫気を放出してそれを振り払うために熱中できるゲームを始めることになってしまったことに多少責任を感じている様だ。
仮に静まらずに女権国家の女性らしい行動に周りの面子が出始めたり、あるいはその衝動にこたえるようにゲームの中に吸い込まれる現象が起きても、
職場の同僚である時間の中で自分に非がある以上は助けてくれるだろう。後顧の憂いがなくなったと確信すると彼は、そのままゲームに移った。

「忠夫がんばれ〜! 今回はかなり難易度が高すぎてクソゲーだよ」

 モモイの無邪気な少女らしい笑みの声援を聞きながら彼は、女権国家の男性のハードさを想像しながら、どれほどなのだろうと考えながらコントローラーを操作し始める。






 最初は回想ステージから始まり、彼がこの村をはじめとする色々な場所で、悪霊払いなどで人助けをした戦いの過去編らしい。プレイしてみると札を投げて戦いながら、
霊波刀や蛍の光を思わせる光を帯びた日本刀を使ってどんどんと敵を倒していく。チャートリアルの時点で主人公はかなり強いことがわかる。
横島は今の時点でも上級霊くらいには勝てるようになっているが、このゲームの主人公は総合的に見れば自分よりわずかに上くらいだろうか? 





 チャートリアルステージをクリアした横島は本来のステージを見ると、ユウキに似た少女ワユという名前らしい少女と共に自分の屋敷で、試練に挑む準備をしている様だ。多分だが彼女はユウキの来世だろう。

「忠助、これから前世のあたしたちと戦いに行くみたいだけど、あたしの助太刀いらないの?」

「ああ、なんか森の妖精の長なユウキ様とか、ワユお前の前世で別れた部分らしいし、なんかなまじ近親嫌悪で洒落にならないことになってしまうと悪いしな」

「そう。気遣ってくれてありがとう」

 声にこもる念からしてワユと彼は半ば恋人の様な仲なのだろう。彼女の感謝の念の籠った言葉に彼はさらに言葉を返す。

「それに前世の御恩を返して自由の身になるって戦いぐらいは自力で越えたいしな。それじゃあ行ってくるわ」

 彼が越えなければならない試練は森の妖精たちの長であるユウキ、魔女であるアリスとベルンカステル。古明地姉妹に城主であるエヴァンジェリン。
そして聖王の力を持つヴィヴィオだ。さらに敵ではないが負けると彼を嫐るのに参加してきそうなのは刀をくれたリグルや魔王である陸八魔アル、そして旧王朝の王女愛歌。


 出かけようとする、彼に不意にゲームの中のモモイとミドリが声をかけてきた。メイド服に身を包んだ、彼女達はこのゲームの中で彼の来世に仕えているらしい。

 丁寧な声でミドリがいう。

「ご主人様、準備は本当によろしいですか。忘れ物などはありませんか?」

「ちょっとミドリ、心配しすぎよ。これで忠助はいざという時はやるし、それに負けても死ぬわけじゃないし」

 モモイとミドリのやり取りを見て頬をほころばせる彼を他所に、エヴァに仕えるメイドが入ってきた。黒い髪にショートカットの彼女は彼に礼をするといった。

「エヴァ様からの伝言です。森に入ってからは試練が始まり完全に、始まるので心してかかる様にと。過去に修行を付けていた時とは比べ物にならないので覚悟を決めてください」

「ああ。わかったそれじゃあ行ってくるわ」




 ステージが始まると月光の下で夜の美しさが映える、森で美しい妖精たちと戦いながら彼は、進んでいく。美麗なステージの中で妖精たちが繰り出してくる攻撃も華麗であり、
本当に綺麗なゲームだと彼は思う。そして主人公が強くなければ詰むアクションゲームだ。札をばらまきほぼ休む暇もなく駆けて、剣を振るわせながら彼はどうにか中ボスな槍使いの妖精を倒した。

 中ボスの女妖精は笑いながら言う。

「昔とは比べ物にならない強さになりましたね。これならユウキ様にも勝てるかもしれません」

 彼女は意図して騙したわけではないが、この発言は大いに的外れだった。そしてその理由を彼が知るのはずっと後のことになる。だがそのことを知らない彼は、
妖精にそういわれて意気揚々とボスの部屋に駆け込む。そして試練場に入るとそこには黒い衣装に身を包んだユウキが待っていた。
子供のころから面倒を見てもらった相手でもあり師匠の一人らしくゲームの中の彼も、緊張した面持ちをしている。

「忠助、それじゃあ僕からいくよー」

 そういってユウキが切り込んできた結果、ゲームをプレイしている横島は絶句した。

「速すぎやって、なんなんやこれ。しかも一撃でここまで防御ゲージ減るとか、ああ体力ももうなくなりそうだし」

 横島の叫び声に、モモイが同意の意が籠った声で答える。

「好感度ドーピング再現したらこうなっちゃうの。しかも、これで終わりじゃないのよ」


 横島が必死に捜査して、どうにか攻撃を防ぎながら攻撃パターンを読もうとするとゲームの中のユウキが笑って言う。

「やっぱり忠夫の生まれ変わりは強いね。というわけで攻撃を覚えられる前の詰めていくね。 別の側面な僕お願い」

 妖精のユウキとは微妙に異なる、同じ黒い衣装のユウキが現れて彼に切り込んでくると、画面中に安全地帯ゼロに近くなりあっさりと彼のライフがゼロになった。

 もう片方のユウキは誤差程度だが、剣術より魔術の方が強い様だ。そして倒れた忠助に近づいてくる。

「こっちの僕は王国と親王国派の良識的女権国家の女性達に崇められている剣と魔術の妖精であるインプなユウキとは違って、男を支配する魔術の達人な魔女の守護者にして剣の使い手、悪魔なインプのユウキだよ」

 そこまで言うと彼女たちは祭壇めいたベッドに彼を連れて行き、言う。

「それじゃあ元服の儀式も兼ねて名前を変えるとしようか。今日から君は忠助じゃなくて、前世と同じく忠夫だよ」


 それをゲームの中にユウキが言った瞬間、現実世界の彼とユウキとアリスがゲーム中に吸い込まれた。それを見て、他の横島と関係の深い女性達が隠し切れない喜悦こらえて言う。

「今回もゲームの世界に入り込む現象起きちゃったわね。まあ最悪きょうぞうさんが何とかしてくれるでしょう」

「ええ、何とかしますわぁ」

 狂三は職場の同僚として過ごす時間帯にかけた迷惑はどうにかせねばという、理念から答えつつ、内心最初のステージすら初見でクリアできるのはスカサハくらいしかいないのでは?などと思っていた。
それに対してモモイとミドリが説明するように答える。

「これ女権国家の男性の人生がどれほどハードモードかリアルに再現した難易度ゲーを作ってみようって大会様に作ったの。
結局この作品に限らず他社の作品も難しすぎて無理ってことになって結局企画倒れだったけど。ユズがクリアしないと、他の会社のゲームもステージとか全部見れないのがほとんどだったと思うよ。本当にこの国滅んだ方が良いかも」

「そ、そうかもしれませんわね」


761 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:31:34 ID:cxwr1jV1

 内心若干のダメージを受けつつ、狂三はスカサハに連絡を取るべきか悩んだ。だが、一応可能性は低い未来とはいえ、これも、モモイ達の特殊能力で描き出される女権国家が辿る未来の形の一つ。為になる情報もあるかもしれない。
一応借りの姿の自分の同僚である彼に対しても不義理にならない範囲なら情報も集めたい。とりあえず狂三はゲームの続きを見ることにした。


 横島はゲームに吸い込まれたあの現象だと思った直後に、二人のユウキに犯されていることに気づいた。インプなユウキが彼の上に載って跨りどこまでも彼の分身を支配しつくして快楽で絡めとり切るという意思で一気に飲み込んでいく。
そして妖精の方のユウキが乳房を見せつけると顔に押し付けてそのまま彼の顔面を乳房で犯し始める。

「だらしない表情を周りに見せたくないっていう思いはかなえてあげるけど、どれほど情けないかちょっと見てもらうね。ほらこの村の外で負けると、親しい女性以外にもこういう姿見られちゃうよ♪ アリスお願い」

「ええ。任せて」

 魔女の館から来たアリスが、横島の人形に魔力を飛ばすとその人形と視覚を共有する状態になり、王国に近い領土の彼にとって恥ずかしすぎる性行為が映し出される。
それを見てユウキ配下の妖精たちや、彼に何度も助けてもらって恭しい態度で接していた女権国家の村の女性達も嘲笑を浴びせ始めた。

 悪魔の方のユウキが笑いながら言う。

「7発目なのに、みんなの嘲笑を受けたら前よりたくさんの精液が出たよ。彼」

 その言葉と共に全員の爆笑が広がった。

「「「「「きゃははー」」」」」

 彼が倒れそうになると、妖精の方のユウキと悪魔なユウキが交代し、悪魔の方のユウキは彼の顔に乳房を押し付けるのではなく、尻尾で両腕を動かなくして、
胸を背中に押し付けながら、片手で乳首をいじり。残った片腕で、彼の分身と玉袋を弄び始める。ユウキ同士なせいか、その息の合い方は異常だ。妖精の方のユウキが彼を甘やかして堕としたいと知ると彼女はそれを読み取った様に、
玉袋を優しく揉みしだく。そして焦らしぬいた後にした射精は甘やかすような動きで彼の分身を飲み込みつくしたユウキの膣内に一気に入った。 男とした一番恥ずかしい性行為を他の視点からも見せられて倒れた彼を見ながらアリスが言う。

「それじゃあ、さらに堕ちましょうか」

 アリスがそう言うと、横島の背が振るえた。彼女は言う。

「忠夫は見られながらが好きみたいね、それじゃあこれはどうかしら」

 そういうとアリスは『伝』と書いた文殊を彼にぶつけてくる。そして周囲には先ほど彼と視覚を共有した彼の人形の群れがある。





 そして彼は、その人形たちが演じた劇の体験をした。前世において彼が受けた恥ずかしすぎる王国でいうところの逆レイプ。特にアリスにされた腑抜けに変える甘やかすレイプを受けて観客の女性達の嘲笑が彼の脳内に響いていく。
アリスが彼に救われて彼に好意を持ってヒーローを見るような目で彼を見ていた女性達の前で彼を腑抜けにしていくと、それに触発された女権国家の女性達も彼を嫐り始めていく。
彼を共有する一団に入ろうとする魔女などもいれば、一夜の遊びと思いながら入る者もおり様々だ。 アリスの乳房が彼の胸板で潰れ彼の両腕は彼女の尻を糸で操られながら揉みしだいている。
一度の射精で彼が倒れそうになると糸によって倒れることも許されず、他の女性達への奉仕も強要されていく。その様子を見て快楽しかない世界で堕ちていく彼をアリスは可愛いペットが幸せそうにしているのを見る飼い主の様な目で見ている。




 現実世界の彼も同じ状態にあった。離れたアリスが、楽しそうに彼を糸で操り複数の妖精たちが、彼を面白そうに嫐っている。
そして卑猥だがどこか美しい動きをする人形たちが、彼の前世の人形を嫐りぬいているのをみて、気が向くとその動きをまね始める。妖精たちや、この現実の彼に助けられた女性達の嘲笑それが既に見分けがつかなくなっている。

 彼は操られるように美酒と言われる酒を口に運び酩酊しながらも、妖精の蜂蜜酒で精力を整えられ糸がなくなった後も、彼女たちの命令通りに動きながら嫐られていく。
最後にアリスが再び服を脱ぎ彼の分身を飲み込むと、彼に接吻をした。彼が彼女の舌遣いで躍らされ快楽のあまり声すら上げられない地獄を味わうのを彼女は楽しんだ後、彼の射精が近いとみると唇を彼の口から離す。
一際大きな射精が起こる際に彼が悲鳴を上げると踏んだ彼女な予想通りになった際にうっとりとした様子で、彼の悲鳴を聞きながら彼が射精を終えた後に、敏感になった分身を腰をひねって嫐り、奇声と二度目の射精を楽しむと、
彼の体を人形たちに掃除させ始める。 今夜の饗宴はこれで終わりらしい。




 次の日目覚めた横島は不快感のない、頭がくらくらする感覚だけが残ったような状態で目が覚めた。そこには左右にメイド服姿のモモイとミドリを侍らせた不機嫌そうなワユがいる。彼女たちもゲームの中に来たのだろうと察して彼は言う。

「昨夜おれどんな風になっていた」

 それに対してワユは怒ったような様子で言う。

「こんな感じだったよ」

 ワユは答えると酒が残っているのと昨夜の後遺症で動けない横島の寝間着を剣で切り裂き、露出させた彼の分身を乳房で挟み込んだ。自分で情けなさすぎると思う彼に聞かせるように彼女は言う。

「凄く早漏でアタシも見ているのに、気持ちよさそうにやられながら喜んでいたよ」

 射精手前の彼のそれを止めると、ワユは服を脱ぎ、彼の分身を飲み込み言う。

「人形劇で意識をどこかに移されていたけど、顔見知りの娘たちに一番恥ずかしい体位でやられてまくって喘ぎながら凄い量出していたけど、何か弁明ある?」

「ご、ごめんなさい。負けたのはともかく逆レされて喜びまくってすいませんでした」

 恋人と言えるユウキの来世であるワユは容赦なく彼を犯すと上書きを始める。モモイとミドリも恥ずかしすぎる彼を見ながら爆笑しているモモイと、わざと控えめに笑っているミドリの嘲笑が余計に彼の分身を固めてくる。

「忠助、じゃなかった解明済みで忠夫―、下っ端の雇われメイドに嘲笑されて余計に固くしていいのー」

 笑みを浮かべるモモイは彼の恥辱心を煽る為にわざわざ、非番なのに彼の部下である証となるメイド服を着てきたようだ。ワユに射精させれて快楽のあまりビクビクと震えている彼を、モモイとミドリは服を脱いで犯す準備を始める。
彼女たちが全ての服を脱ぎ終えたところでワユが声をかけた。

「二人とも、今回は私からのわからせの儀式だからメイドの証であるカチューシャは外さなくていいよ」

 ワユの言葉に抗議しかけたが、途中でその言葉は筋違いかもと言う考えが浮かぶ。女権国家で女性からの結婚を承諾した以上、はワユの方がプライベートでは偉いのは当たり前だからだ。
考えが終わる前に、モモイが彼の分身を飲み込みながら笑う。彼女たちは、彼に助けられてメイドとして雇われた後は、プライベートな時間では彼を立てていた。女権国家の女性ら成句性行為をしたことも何度かあるが、
メイドのカチューシャを付けた状態で、されるのは初めてだ。 モモイは彼の上になるとゲームで一方的に相手を倒している時の様なテンションで笑いながら腰を上下させ始める。
彼の分身が狭い膣に締められ、強すぎる快楽で射精をするのを笑いながら彼女は言う。

「ほら、ほら♪がんばれド変態♪」

「ド、ド変態ってぇ! な、なにがぁ」

 射精させられながらなせいで、息も絶え絶えな彼にモモイは余裕たっぷりで言う。

「幼馴染の私たちに犯されるより、メイド姿の私にされている方が、元気じゃない♪ 忠夫は、他国への旅とかやめたら。 自分より格下な地位に犯される方が息子が元気づくのは女権国家以外では恥ずかしいことなんだよ」

 余裕たっぷりでバカにしてくる、彼女相手にミドリが諫めるように言う。

「おねえちゃん。言い過ぎ、忠夫さん、大丈夫ですよ。ストレリチアとかでもそこまで恥ずかしくないかと」

 そういいながらミドリが彼の玉袋を揉みしだいてくる。モモイの遊ぶような動きに反比例した優しい手が彼の顔をだらしなく変質させてくる。
十分に彼を堪能したモモイとミドリが位置を交代すると、ミドリは彼の分身を飲み込んだが、彼女はあまり腰を動かさず。
ゆっくりと優しく彼を導くように内部で味わっていく。ワユが背後から乳房を当てながら、モモイが遊ぶように玉袋を揉みしだき、長い時間彼女と繋がりなった後に射精をすると、
優しすぎる快楽に慣れ切った分身が強すぎる射精の快楽で焼けただれた。ミドリはその時初めてゆったりと少なく腰を振って彼の射精を長引かせ続ける。一度の射精で完全に腑抜けになった彼に口づけするとミドリは笑って言った。


762 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:33:07 ID:cxwr1jV1

「修行の旅に出るなら私とお姉ちゃんたちは、同行します。いつでもこの快楽は味わえますからご安心を」

 メイドらしい口調がより屈服させられている背徳感を煽り、彼は二度目の射精を終えた。そして、あと一度だけ射精の余力が残っているのを見て取ったうえでミドリは敢えて離れて言う。

「試練には何度でも挑めるそうですから、これ以上すると今日は何もできなくなります。汗を流し終えたらお食事に移りましょう」





 シャワーを浴びながら彼は、ミドリとモモイのメイド達に嫐られた感触を思い出していた。そしてミドリの最後の恭しい態度が自分が部下であるメイドに負けていたのだという印象を強め、余計に彼を興奮させている。
敢えて冷たいシャワーを浴びてもあの二匹の猫に嫐られた鼠の様になった快楽が彼の分身を解放してくれることはなかった。






 どうにかシャワーを終えて、出るとメイド服の恭しい態度のミドリと最低限の礼だけを守るモモイに迎えられ彼は、閨の中での行為を思い返しながら食事を始めた。
勢力のつく料理を食べ終えてどうにか落ち着くと、ミドリが心配そうな顔で質問をしてきた。

「ご主人様、私達も少しやり過ぎたかもしれませんが大丈夫ですか。何なら今日は休日ですし、閨ですっきりしますか」

「忠夫―、今夜も挑むなら出し尽くさないと、息子さんに足引っ張られて、戦うどころじゃないんじゃない。淫乱マゾ男だしー!」

 思いっきり馬鹿にしたモモイの言葉に股間の分身が反応してそれが自分を末期だと思わせて彼を追い詰めたが、
どうにかやり過ごした。二人の作ってくれた香辛料の多いカレーがどうにか二日酔いを覚ましてくれた。美味いが口の中が少しヒリヒリとしていると最後に飲むヨーグルトを差し出され、彼はそれを飲むと再び試練に挑む準備を始めた。







 その日の夜、再び試練に挑みに行くとユウキ達は彼を素通りさせた。

「だって、昨夜十分楽しんだし、負けたらあれするって条件だと、忠夫もう永遠に超えられないでしょう? 他の人たちからのクレームがひどすぎるし。
次は魔女たちの森だよ。頑張ってね♪ 負けたら僕たちも使い魔インプとして罰ゲームに参加するから」

 そこまで言った後、ユウキは上着を脱ぎ隠れ巨乳な胸を見せて言う。

「それともギブアップして、次のボスの罰ゲーム受ける僕たちも昨日と同じことしてあげるけど」

 昨夜の情事だけでなく、ワユにされたパイズリの記憶まで『異常な程鮮明に蘇り』彼が蹲ると、ユウキは自分の胸を揉みしだき時には彼の分身を挟み込んだときの動きまで再現し始める。

「つ、次の場所さっさと行くぞ」

「残念♪」



 我慢しながら魔女たちの領域の洋館に入ると、人形の軍団だけはいないが恐ろしい程の使い魔などが彼に襲い掛かってきた。アリスはどうやら昨夜彼を嫐ったから、自分も加わると不平等とみなした様だ。

 湖に映る月の光と森を窓やテラスから見ながら、様々な敵を切り倒し彼は何度も危機を迎えながら、最後の扉へと辛うじてたどり着いた





 扉を開くより先に戸が開かれ、入室すると愛歌とアリスそして奇跡の魔女であるベルンカステルの姿がある。彼女たちは、月の下で美しく映えているが到着した彼を迎え入れる姿は不適切に見えた。
敵とまでは言えないが少なくとも試練を超えるという意味では、戦闘行為を行う相手だ。それに対して、まるで夫が可愛がられに来た女権国家の女性らしい雰囲気にしか見えない。
ある意味あっているのかもしれないと思いつつ彼は刀を抜き放ち言った。

「それじゃあ試練をお願いします。それで今回は誰が相手になってくれるんですか」

 彼の問いにベルンカステルが立ち上がって、鎌を構えてくる。それを見て彼も本気で戦う覚悟決めた。彼女は笑みを浮かべて言う。

「今回みたいな戦い方は正直好みじゃないんだけど、傷つけずに勝つのはこれが一番みたいだから」

 彼が刀を持って切りかかると、ベルンカステルはそれを鎌で受けて無数の猫を呼び寄せて、その猫たちに魔法を放たせてくる。彼は、とっさにそれを避けながら無数の札を彼女に投擲して返す。
今回は前から作ってあった札をリソースをこの戦いに全てつぎ込むつもりだ。ベルンカステルは彼の師匠の一人でもある。だからこそ敵を見て返し技を放つ方が勝率の高い策士である彼に敵の攻撃を防ぐ術を叩き込んだ。
だからこそ彼女の予想を上回る攻撃を初手から叩き込んで反応を見ることにしたのだ。

 ベルンカステルは驚き生徒が思ったよりも良い成果を出した教師の様な表情に変わる。その、瞬間彼の危機感が爆発した。確かに裏をかくことができ、そして予想以上に良い手を打てたのだろう。
だがこの表情はまだ彼女の勝ちを揺るがすことができるほどではない。

 横島が火事場の馬鹿力めいた力を籠めて彼女に全力で切り込むと彼女はそれをわずかだが余裕のある様子で受けた。済んだ金属音がなった後に、彼との鍔迫り合いに入った瞬間、ベルンカステルが呪文を発動させた。
彼が即座に懐に潜ませていた魔術を跳ね返す札を使うが、なにも起きずその札の効果が消えた直後に彼の体が一気に快楽で脱力し始める。そして彼は理解するこれは、自分が過去に受けた激しすぎる快楽が蘇ってきた類の快楽だ。

「さとり、お疲れ様」

 その声と共にこいしをともなった彼女が現れ笑いながら言う。

「久しぶりですね忠夫」

「さ、さとりさん」

「私はこいしと違って隠形はあまり得意じゃないんですけど、貴方に心を読んで見つからない場所を選んで隠れていました。ベルンカステルは奇跡の魔女。可能性の低いことでも成功させてくれるんですよ」

 そこまで言うと、ベルンカステルが彼の瞳を覗き込み言う。

「今起きたのはあなたに対してさとりの想起による快楽で行動不能にさせる事態を成功させたのよ。私の術が当たったらそうするように言っていたの。一応は私の術が当たらない限りは、発動しないようにしていたけど」

 魔女としての全てで来ると言われていた以上はこれは自分の負けだろう。そして彼は負けを受け入れるというと、ベルンカステルは笑った。

「さとり、こいし、彼が壊れず深刻な後遺症も残らない、という奇跡を起こすからあの想起をしてしまいなさい」

「はい。『想起・精通の夜に受けた快楽地獄と堕落への誘い』」

 さとりの宣言と共に彼の意識が精通を迎えた十二の夜に戻り、その日の夜に受けた快楽がすべて蘇ってくる。乱暴な快楽ではなく、アリスの使い魔となっていた二人のユウキやエヴァや愛歌、
それぞれが優しくどこまでも蕩かす性行為をされてしまい。自慰すらまだな彼にその快楽を刻み込んだ。アリスに乳房を口に含まされ、体のツボを知り尽くしたように頭を撫でられるたびに、堕ちていき。
アリスは彼の射精を受けると二人のユウキが魔術で彼の分身を背にも生やし、挟み込んで射精させた後、夢の世界にまで入ってくる。夢の世界で想いでの中で快楽付けの彼をエヴァが血を吸って堕としてくるヴィヴィオや、
アルそしてリグル全員に嫐られ最後にベルンカステルが彼を押し倒した直後に彼の意識は現実の現代に戻った。

 そして目の前に想起の中で彼と最後に繋がったベルンカステルが想起と同じ状態でアリスの魔術で子供に戻された彼を嫐っている。

「忠夫どうだった」

「あ。ああ。」

 快楽で何も言えない彼を見てベルンカステルは口づけすると愛歌と変わった。周りの様子を見ると彼は想起と同じ状態で彼女たちに輪姦されていたようだ。愛歌は彼に口づけすると大人に戻して言う。

「忠夫、実を言うと、今生では貴方が十代でした以上の冒険はもうないみたいなの。時代によって状況も変わるからね。十代で英雄でも上な方のことを成したけど、今生ではあれ以上のことは起こらないみたいなの。
だから、これから自己鍛錬以外に私たちを楽しませてね。貴方の精通の日に『雄々しき獅子の祝福』をかけたけどこの魔法の言葉もプレゼンするわ」

 愛歌は笑いながら、彼の分身を飲み込み、快楽で脳がグズグズになった彼に言う。

「『雄々しき獅子は災いなき時はただ雌たちに養われ群がられ、寿命が削られていくのみ。その獅子の如き日々を送りつつ我が王朝の名のもとに壮健な日々が一日でも長く続くように』」

 愛歌の宣誓と共に彼の体の奥底まで根付いた祝福が大きな影響を与えたと思うと彼は、リグルとヴィヴィオと子供姿のエヴァンジェリンが寝室に入ってきた。そしてアリスも子供の姿になる。

「雄々しき獅子の祝福で女性にベッドの中で負けるのが恥ずかしいという意識も強まったし、その状態で少女に負ける背徳感を味わってもらいましょうか」


 その後は彼はひたすら悲鳴を上げながら快楽に飲まれ恥ずかしさが余計に射精量を増やしている自覚と共に意識が落ちた。多分最後の相手は愛歌だったかもしれないと思った直後に彼の意識が外に戻る感覚がした。





 ゲームの外に戻った彼は、自分が霊力と精力が大きく減り、周りのメンバーが大きくなっていることに気づく。きょうぞうかあるいはベルンカステルが魔術で出してくれたのだろう。
周りの女性の様子を見ると、きょうぞうだけはテンションが落ちているが、他の面子は多いに楽しんだ様子が見える。疲れる彼にモモイが子をかけてきた。

「ちなみにゲームの中で中ボスが忠夫ならユウキに勝てるかもって言ってたのは、好感度ドーピング抜きのユウキと戦った記憶しかなかったからだよ。あの中ボスも好感度ドーピングガかかるとあれくらいになっちゃうの」


763 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:34:33 ID:cxwr1jV1

「理不尽すぎやろ。実際に男性主人公でリアル難易度にするとこんなになるとか」

「忠夫さん、ゲームの中でも大変でしたね。どうぞ。しかもあの世界だと、あの田舎町に忠夫さんを留めたい女性陣が全員演技して連携しています。さらに妖精たちと村の女性達にされまくって、忠夫さんの来世が生まれてくる家系準備中だったりします」

 ミドリが渡してくれたエナジードリンクを飲みながら彼は言葉を続ける。

「本当ひどすぎるな。しかし、あれくらいひどいなら男もプレイキャラにした女権国家の人生ゲームって男でプレイするとどんな難易度になるんかな」

 今のゲームをプレイさせてもらった理由は、女権国家で男性も動かせる人生ゲームはリアルにやるとどれだけハードになるかわからせる意味もあったのだろう。

「試してみる? 一応作ってあるけど」

 少し試作品に興味が出た彼にモモイが質問をしてくると、彼は皇帝の返事を返した。

「ああ、やってみるか」

 ゲームのCDを差し替えスイッチをオンにすると今度はいきなり横島とその関係者たちがテレビの中に吸い込まれていった。


 そしてルーレットを回した彼は本当に女権国家はやばいと思った。エスカレーター式の小学校で既にエヴァが教師として赴任してきて高校までの担任決定になるし、野良猫をひろって可愛がると、化猫になって逆レしてくるし(ベルンカステルだった)




 高校の卒業式の進路が彼だけはルーレット式であり、抱き枕が当たると、大人形態のエヴァに職員室に呼び出された。

「忠夫、悪霊祓い師をやるそうだが、私が仕事を手伝ってやろうか。最初の仕事はもう受けているのだろう」

「はい。数か月かかるかもしれないけど、エヴァ先生が手伝ってくれるなら心強いです。俺の前世ともコンビだったみたいだし」

「うむ、任せておけ」

 そして卒業式の後、頼まれた呪いの品をエヴァはあっさりと浄化してしまった。それと同に衣服を脱ぎ、魔性の雰囲気を纏った美術品めいた裸体で彼の視線を動かせなくしてから言う。

「500万の仕事を一人でしたのだ。五回射精してもらおうか」

 この後胸が彼の胸板で潰しながら射精と同時に首筋をかまれ余計に射精した彼は、五回目の射精が終わってもエヴァから離れられなくなっていた。彼女は乳房で彼の顔を挟み射精させた後、言う。

「今宵からお前はもう私のものだ」


 結婚官僚となった後、エヴァの抱き枕となった彼は、職業マスでかつて非道をしていた製薬会社『アンブレラ』という会社の犠牲者たちの供養と、
死してなお怨霊となっている悪徳社員の除霊を受けることになった。依頼してきた役員はアレクシアという天才女子だった。
 
そして彼女はブロンドの美女だが蟻の力を取り込んだ生物兵器と化した結果、リグルの配下になっていた。犠牲者たちの魂を救い終わった打ち上げでたくさんの蜂蜜酒と精の付く料理を食べ終わった後、
彼は気が付くとリグルとアレクシア、そしていつの間にか来ていたエヴァの三人に嫐られている。

 かつて悪の居城だった島の寝室で。成長したリグルが彼の騎乗位で彼を絞り、アレクシアが彼の顔に豊満な胸を押し付けて彼の射精の量を余計に増やしている。
そしてエヴァが彼の無様な姿を脳に焼き付けた後、首筋にかみつき。血を吸った時の記憶の共有で彼にその姿を見せながら、より射精の量を増やす。
雌の虫に交尾の時に食らいつくされる雄の虫に変わったような射精で虚脱状態となった彼を見下ろしながらリグルは笑みを浮かべて言う。

「アレクシア交代しようか」

「はい、リグル様」

「ちょっと待ってこれ以上されたら(快楽で)壊れちまう」

 それを聞くとアレクシアが脳波系を見ながら言う。

「大丈夫です。自分で思っているより頑丈ですよ。あなたは。脳波に異常なしです」

 それだけ言うと、アレクシアは彼の分身を飲み込み射精したばかりのそれを嫐り。悲鳴を上げる彼の声を愉しむ。
前世でリグルの配下となって横島と付き合ってからは相当善良な気質に変わったそうだがそれでもサディスティックな面は一切治っていない。これでも横島以外の善良な人間に対しては、本当に良識的らしいが。

 そこまで考えたところで、アレクシアが彼の思考を呼んだのか口をとがらせて言う。

「失礼な改心した後は、私は良識的なシスターの教えを今も守ってますよ」

 彼の分身を飲み込みながら、射精したいのに快楽が強すぎてできない状態を作りながら言う彼女に、彼は目で問いかけたそのシスターは何と言っていたのかと。
それに対してアレクシアはようやく彼の射精を許しながら答えた。

「『善良な男の子に意地悪して良いのはベッドの中だけです』って言葉です♪」

「あー!」

 射精した直後の彼の分身さらに射精させる腰の動きをした後、アレクシアはリグルと代わり、彼に背後から乳房を押し付ける。リグルの秘所で彼の分身が味わう快楽の質が変わるのを見越してその状態の彼の悲鳴を堪能している。

 アレクシアのフェロモンにやられた後の彼はひたすらに女王蟻に従う雄蟻のようになりエヴァに血液という餌を与えそして三人が交代を繰り返している。
順番が来たエヴァが彼を他国でいうところの生常位で彼を加えこみ、両手両足で彼を拘束しながらゆっくりと血を吸っている。大人形態の彼女に乳房とサキュバスの如き膣で精を搾り取られていく。
そして吸血の快楽で精神が壊れかけているのを見越して、アレクシアとリグルが彼の手を取り自分たちの乳房を揉ませた。快楽で壊れかけていた彼の脳が完全に両腕に走る快楽の電撃でました射精で壊れ。
言葉にならない絶叫と共に、彼はそのまま意識を失った。そしてリグルは笑いながら言う。

「アレクシア君を配下にしていてよかったよ。これだけやっても忠夫に障害が残らない様にできるとかすごいね」

「いえ、私はまだまだルザミーネの足元にも及びません。それに皆さんの魔術でも可能では?」

「できるけど、科学の方が勝っている部分もあるよ。アレクシアの作った薬や機械より上な部分もあるけど、誰もができるわけじゃないしね」





 エヴァとアレクシアによって何度も果てぬいた後、再び彼の意識はルーレットに戻り今度は陸八魔アルの会社を手伝うイベントが起きた。今までで一番まともな会社だったが、
アル社長の好感度上げてまともな恋愛をしていたが初夜の夜に彼は完全に圧倒された。いい人で害意はなくても女権国家の女性はベッドの中では恐ろしいものだ。





 アル社長の会社を手伝う際にストレリチアとの取引で彼も同行することになった。ストレリチアの人々を助けたこともあったので、アル社長の身元を一応保証してほしいというものだった。
彼女の人柄は知っているが、邪神の欠片なので、恩人である彼に太鼓判を押してほしいとのことだ。


 アルの人柄を知っていたらしいストレリチアとの交渉はあっさり終わった。横島の保証も、形式上必要という程度のものだったのだ。だがその日の交渉の席でアルとヴィヴィオが意気投合しその結果彼は。
アルとヴィヴィオに挟まれていた。二人はいたわる様な性交をしてくるがそれでもその強すぎる霊力のせいで、強すぎる快楽が襲い掛かり、彼の魂が悲鳴を上げている。

「あー!」

「忠夫さんの声可愛いです」

 ヴィヴィオが笑いながら彼に体を押し付けながら、その豊満な体で彼の苦悶の表情と悲鳴を楽しむ。
仰向けになった彼の上で笑いながら彼の分身を飲み込み体の全てで彼に快楽を与える状態を味わっている。何度目かわからない射精を終えた彼を見ながらヴィヴィオにアルが声をかける。

「そろそろ交代しましょうか。忠夫、大丈夫?」

 アルが彼の顔を手で挟み、こちらに向けると彼は辛うじて頷いた。

 アルが彼に対してヴィヴィオと同じ体制になりつながると、彼はヴィヴィオとせい反対すぎる強すぎる快楽で自分が解けていくような感覚を味わった。
その快楽がある意味ヴィヴィオが与えてくる快楽で消耗した部分を直していくような感覚もある。一度だけ激しい射精をさせると、アルは彼を強く抱きしめ胸を押し付けてもう一度だけ射精させると離れた。

「今夜はここまでにしておきましょう。回復しづらいでしょうしね」


 その後も普通に嫁さんが増えて結局は、抱きまくらに職業が変わってしまった。しかもダイス判定で彼が快楽に対する耐性がつくまで、待っていた幼馴染のユウキも出てくるわ。本当に嫁が増えたり逆レによる一回休みが多すぎる。





 富豪になってメイドを雇うところまで行くと、モモイとミドリとユズの三人が来て。一番おとなしそうなユズですらも、二人が彼を犯しているとそれを見て乱入してきた。


 ヴィヴィオが彼の首に首輪をつけて上向きにして分身を足で踏みつけ、モモイとミドリが左右から分身を撫でる。それを見てヴィヴィオが言う。


764 :名無しさん@狐板:2024/06/03(月) 22:38:22 ID:cxwr1jV1

「さっきからあれほど射精ばかりだというのに、今度は幼女みたいな女の子たちの裸ですら勃つなんて本当に、忠夫さんは節操がありませんね」

「あ、そ、そんなこと言われても」

 ヴィヴィオが足を離すと三人が舌で彼の分身を嫐り、彼は即座に果ててしまった。そして射精したばかりのそれをユズが加えるそして彼はそのユズの表情を見て恐怖した。
あの気弱で優しい彼女ですらも閨ではここまで妖艶で恐ろしい女に変わるのかと、そしてその彼の恐怖を楽しむ様な表情をユズが見せるとヴィヴィオが彼の足を払い倒して、ユズが彼の分身を飲み込んだ。
「……♪ 忠夫さん、あんなに頼もしく私を護ってくれたのに……、ベッドの中ではここまで無様だなんて……とてもかわいいです……♪」

 幼児体系の彼女に負けている情けなさはあるが、自分への熱烈な好意を伝えてくる体の動きに反応するように体の射精は止まらず彼はそのまま腰砕けになり、
他の三人も満足するまで閨から出してもらえなかった。このイベントはどんなにおとなしい子でも女権国家の女性は好感度ドーピングされたらこうなるというイベントだったらしい。
ユズがこのイベントが終わったらゲームの外に出て行って、クリアすると言った。それからほどなくして、逆レイプされるイベントが大きく減り、彼は順調にゴールへと向かった。





 どうにかユズがクリアしてくれて、ゲームの外に出てこられた彼は言った。

「女権国家が舞台の人生ゲームって、男性でやると難易度が高すぎてクソゲーになるな」

 その言葉に花岡ユズも頷き答えた。

「……そうですよね。私か、きょうぞうさんのお友達のスカサハさんじゃなきゃ……クリア無理だと思います。
……ルーレットを押すタイミングを覚えて(普通は無理)ミニゲーム(超難易度)をクリアしまくらないと抱き枕化して後は終わりまで操作不能は防げませんね」

「その通りですわぁ」

 落ち込み切った様子のきょうぞうが向こうに向かうとモモイとミドリとベルンカステルが彼女を慰めに行った。




 きょうぞうを部屋に招き入れた後、モモイとミドリとベルンカステルはきょうぞう=狂三に百合的な意味で可愛がられると同時に、
男性を堕とす際の気の遣い方などを伝授してもらっていた。勘のいいところのあるモモイが可愛がられながら言う。

「きょうぞうさんって多分だけど、それなりに偉い人なんでしょう? 仕事自体は真面目にしてくれいるけど、こちらに来ているのは趣味だったりするんでしょう」

「ええ。そうですわねぇ。そして今の女権国家をリアルに再現した男性主人公のゲームを作るとああなのに……多少は責任がある立場の者でもありますわぁ」

 モモイの善良でまっすぐな瞳に対して嘘を突くのが少し後ろめたいと思いながらも、彼女は多少という言葉を使った。それに対してモモイがいう。

「そうなんだ。でもきょうぞうさんだけが悪いんじゃないし、うちの会社で少しでもストレスが減るなら存分に利用してね。ゲーム開発の時にきょうぞうさんの歴史の知識は助かるし」

 モモイとミドリの肌を堪能しつつ癒されながら狂三は言葉を返す。

「そういってもらえると嬉しいですわぁ」

 狂三の落ち込んだ様子が上向いてきたのを見て、ミドリが彼女に言う。

「きょうぞうさん、教えられないことならいいけど、もしよければ結構偉い人として、今の目標を教えてくれませんか?」

 素性や本来の役職までは彼女たちは不明の自分を気遣ってくれているなと思いつつ、狂三は今日できた目標を口にした。

「三つありますわぁ。 一つは、リアルさを追求したタイプの女権国家が舞台のゲームでも男性キャラでもまともな難易度のゲームができあがる国にすることでしょうか」

 半ば冗談だが、半ばは本気の言葉だ。善良でまっとうに生きている女権国家男子も自分の子供である。まっとうに生きている以上はもう少し自由に生きられる環境を作る努力をする義務があると前から思っていた。

 それに対してモモイは称賛の言葉を返してきた。

「すごいよ、きょうぞうさん。大半の人がさじを投げているのに、真面目に頑張っているんだね!」

「ありがとうございます。もう一つは、貴女達の恋の成就の強力ですわぁ」

 そういった直後の彼女の表情は恐ろしい程に妖艶で原初の淫魔のそれになっていた。
 横島の良識人さと霊能の実力来世を舞台にしたゲームで見ても英雄クラスだ。最悪死後でも女権国家の女性の魅力で堕としてその魂を帰化させれば霊的に女権国家は強くなるだろう。
そのために良識人で彼を気にいる女性は多い方が良い。モモイとミドリが自分の性的な技を吸収させながら彼女は四惑だけでなく、彼女たちの友人としてもこの性技を横島に使って堕とす彼女たちを想像して、
頬をほころばせた。モモイとミドリが限界を迎えたのを見るとベルンカステルが狂三に身をゆだねてきた。彼女は狂三の気の遣い方を魔女として学びながら、技を覚えていく。

 三人は喘がされながらも、横島に使う技と聞き貪欲に吸収しながら聞いた。

「きょ、きょうぞうさんの三つ目の目標ってなんなの? あん!」

「私も堕としたい殿方がいるのですわぁ」

 大鳳の姿を想像した直後に二人が快楽のあまり意識を失うそして彼女も気分が戻ったのを確認すると眠りに落ちていった。二人を抱きしめて眠る姿は慈母と少女を合わせたような不思議な表情だった。
その寝顔を見たらさっきまでの妖艶な女性だとは誰も思わないだろう。彼女たちに慰められて気を持ち直した狂三が手を振ると彼女たちの視界が暗転し、気が付くと彼女たちは、横島たちがいる寝室に戻っていた。

 そしてそこでは満足したらしい女性たちをよそい悲鳴を上げる横島の上になったさとりがこいしと二人で彼を嫐っている。彼女は笑いながら言う。

「『想起・ゲーム世界で受けた全ての逆レイプ』」

「あー!」

 さとりの腹が妊婦の様に膨れ上がり、彼の体が一つしぼんだ様になった。そしてこいしがさとり交代すると、さとりがもう一度今と同じ想起をかける。

「忠夫、可愛い」
 
笑うこいしをよそにさとりが彼の頭を撫でながら子供に向けて話すように言う。
「忠夫、こいしに無意識を操られて女性優位の性行為の恥ずかしさは極限だけど、ゲームの中のどれを想起しましょう。選ばないなら私が決めちゃいますよ」

「あ、ああ」

 横島が嫌だと思ったらしいのを見つけてさとりが言う。

「気持ち悪いマゾ男だからこれがお望みですね。『想起・月下の愛の巣への強制帰還拒否世界の、屈服後の各ヒロインの従者たちからの大衆の前での逆レイプ』」

「ああー!」

 大量の射精をする彼を見ながらさとりは笑う。

「ごめんなさい。おまけも忘れてました。『想起・さらに子供に戻された後の恥辱的逆レイプ』」

 二度目の想起の射精で完全に彼が倒れるとこいしとさとりは腹いっぱい食べた子供の容易な様子で眠りに落ちていった。

 それが済むと、モモイとミドリとベルンカステルは彼に回復させるドリンクを渡すと、アリスと愛歌とユウキと共に癒す方向の性行為をする準備を始める。
そしてその瞳には狂三が大鳳のことを思い浮かべながら『堕としたい殿方がいる』といった時の瞳に宿ったのと同じ光が宿っている。





 横島は狂三と閨を共にした後の彼女たちが与えてくる快楽に翻弄されていた。ただ強い快楽を与えてくるのではなく、疲れている自分にしみわたってく。
夢心地の中で真冬の布団の中にいるような快楽を味わいながら、彼は何度も精を放っていく。そしてトラウマが消えていくと共に彼女たちから離れがたくなっていく感覚も感じていた。
女権国家の善性の女性と体を重ねた者は悪辣な女性に犯されたものとは違う形で女権国家に取り込まれていく。一つ桁が上がったような快楽を与えてくるモモイとミドリとベルンカステルの三人が与えてくる快楽を危険と感じつつ、
彼女たちは女権国家と敵対しても自分に味方してくれるだろう。だがそういう戦いに彼女たちは巻き込むべきではない。決意を固めながら、彼の意識は眠りの中に堕ちていった。


765 :名無しさん@狐板:2024/06/04(火) 02:07:00 ID:PCy6S1FM
おつー

766 :759:2024/06/04(火) 22:45:54 ID:MLkv/F5Y
>>765
乙感謝です

767 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:43:26 ID:EER4THiE
女権国家SSゲーム会社で体験したゲーム(ifの世界)で横島が絶対に実現させたくないと思った出来事多数と、ゲーム会社社長の意外な家族構成
このSSは現在本スレで連載されている女権国家の二次創作SSです。以下の注意点があります。

@このSSだと横島に惚れている同年代の純粋な人間女性が出てきますがもしかしたら女権国家に登場の予定があるかもしれません。多分ない様にしているけど、もしも他の人物のヒロインだったら申し訳ありません。
A原作だと悪人だった父親キャラが女権国家の影響で善人になってます
Bメタルギアソリッドのソリッド・スネークが特殊な能力を有している設定になってますがそれは作者の独自解釈で、多分公式設定ではありません。どういう特殊能力を持っているかの解釈についてはネタバレを避けるために後書きで説明します
C本編で大鳳くんがしていた発言、横島といるとオカルトらしい現象が起きることが多かったというのが、女権国家と関わる前からだったみたいなので、そのつもりで書いています。
Dブルーアーカイブのメイドユズが明らかにメタルギアのパロディをしていたのでそれがかなり影響しています
E作者はメタルギアの外伝である、ゴーストバベルをプレイしたことはないけど、そっちの世界だとソリッド・スネークがビッグボスのクローンではなく実子設定なのでそれを採用していますが、基本的にはクローンではなく実子なことを除けば外伝じゃない方のソリッドスネークのつもりで書いています。
F横島が韋駄天様と合体した原作ネタを活かすために食戟のソーマからヒロインがでてます。
Gヴィヴィオと似ていると思い使えると思ったためか超次元ゲイムネプテューヌからヒロインがでています





 ユズが社長を務めるゲーム会社に会社員として勤める王国のスパイ横島は、今焦燥の中にいる状態にあった。モモイやミドリ達の作るゲームはもはや起きない、
あるいは限りなく起きる可能性の低いイフの世界の可能性を描くものになることがまれにあり、その際に彼や彼と縁の深い女性がそこに呼びことがある。 女権国家の女性陣は彼を嫐れることを楽しんで入ってく。
だがメリットも皆無ではない。現実の世界程ではないないが、多少は鍛錬を積んだような効果があるし、コツを掴めば一気に上達する類の技などはこのゲームのおかげで上達したことも何回かあるのだ。
だからこそ彼もどうにか癒されながら、ゲームの世界に入る現象を受けながらもこの会社の会社員を続けている。そんな中で彼はある日社長室でユズに呼び出された。



 勤務時間外にお願いという形で呼んだということは、友人としての頼みなのだろう。

「……忠夫さん来てくれてありがとうございます。……、実を言うと今日の御願いは……父とあってほしいんです」

「ユズちゃんお父さんと同居しとったんか?」

 横島は過去に彼女を何度か助けたことがあるが、父親の存在は知らなかった。最も女権国家では良識人な妻たちに愛された男性と言えども、娘とのかかわりは希薄なケースも多い。

「はい。父は私が本当に困っている時以外は放置するタイプです。その癖どうしようもない事態になった時だけは来てくれます」

 それを聞いて、横島はユズの父親に対する疑問が浮かんだ。ユズの口調だけで、彼女は相当に父親を好いていることがわかる。そこから親子関係は本当に良好な様だ。
 だが、父親は本当に困った時だけ助けに来るという発言から察するとそういうことができるだけの実力や力があるのだろう。基本的にユズは内気だが、良い友達に恵まれているし、
そういう環境の彼女がどうしようもなくなった状態というのは女権国家においては早親が何とかする事態だ。彼は疑問に思いながらも、言葉を返した。


「それでユズちゃんのお父さんが俺に会いたいってどういう状態なんだ?」

「……父は、元王国の兵隊で最後まで戦い抜いて捕虜となった人でした。そして私の母は良識派かつ、戦争犯罪反対派で、親王国派なんです。
女権国家が先に戦争のルールを破ったと知ってからは、勢いづいています。……父は母たちが属する派閥が違ったら多分逃げていたと思います。……それくらいに軍人として優秀なんです」

 そこまで聞くと横島の中に色々な可能性が頭の中に過った。もしかしたら、こちらへの協力の申し入れだろうか。だがこのゲーム会社の人間たちは戦闘力や秘術などを持っていても、
裏の世界とは関わらぬ堅気が大半だ。そしてユズはそれに属する。そうである以上、裏の社会に巻き込むわけにはいかない。

 横島は少し考えたのちに答えた。

「あくまでも『ユズちゃんの父親として個人的に会うというなら』時間を作るって答えてくれんか。裏の話がしたいなら大鳳かミクさんを通じて話してほしい」

 その答えに横島の考えを呼んだらしいユズが嬉しそうな顔になる。そして彼女は言う。

「はい。あくまでも親として会いたいって言ってました。忠夫さんの話を聞いて、有能だが隙も多すぎるって評価してましたね」

 珍しく力強く言い切るユズの言葉に彼は頷くと、次の休日に案内してもらう約束をかわした。





 次の日の休日に、ユズに連れられて出かけた場所は、奥深い山の中だ。そしてそこには精悍な顔つきをした、横島とは正反対の青いバンダナをした軍服の男が待っていた。
横島は一瞬で、彼は強いと悟る。体つきからして、特殊能力はなくても『努力をすることで誰でも得られる戦う技能を』徹底的に鍛え上げた類の体をしていることが一目で分かった。そして彼は礼をする横島に言葉を返してきた。

「初めまして、になるな。俺はソリッド・スネーク。お前を王国でいうところの逆レイプをしたこの花岡ユズの父にあたるものだ。娘の被害者の顔を見ておきたいと思って呼ばせてもらった」

 横島はそれを聞いた瞬間どう対応したらいいか、悩んだ。王国の貞操観念でいえば、娘と肉体関係を持った男には責任を取れとか言ってもおかしくない。だが、娘の被害者といったということは、
彼を被害者と認識しているともとれる。本当にそう考えているなら縁を娘がやばい奴だから縁を切れと言っているのかもしれない。横島は少し考えた後言葉を返した。

「初めましてスネークさん、俺は横島忠夫です。王国の暗部の一員です。一応はオカルト部門に関しては第一人者とされています」

 その格上の将校めいた気配を放つスネークに気おされて敬語になってしまった言葉に頷くとスネークは言葉を返した。

「ああ。俺も今は複雑怪奇な立場になっている身だ。女権国家の親王国派の夫として今は動いている。だが今回はあくまでも女権国家で長く過ごした者として、そしてこの娘の父として話しにきた」

「それは何でしょうか、娘と体を重ねた責任を取れってことすか?」

 真面目な横島の言葉にスネークは笑って返した。

「さすがに女権国家で十年以上も過ごして、娘の方から無理やり気味にしたらしいことでそういうやつはよほどの親ばかでなければいないだろう。だが、
一応先輩として女権国家の女の恐ろしさの多様性を教えておいた方が良いかもしれないと思ってな」

 前半の冗談めいた口調から後半の声のトーンの変化である程度義理ができた相手に破滅の可能性を授けるための言葉を口にしようとしていることがわかる。横島も真面目な様子で意識を切り替えた。

「これから俺と少しだけ模擬戦をしてもらう。そうしなければ理解できない類のことがある」

 それを聞いた彼は頷くと即座に動いた。ソリッド・スネークは全てにおいて侮れないが、距離を取られて、隠れられると手におえない相手だと彼の経歴を軽く効いただけの彼にすらわかった。
コンバットナイフで霊波刀を受けられた直後に足を蹴られた。そして彼は足に意識が動いた瞬間ナイフを交わそうとした直後にナイフのない方の腕が自分に触れたと思った瞬間、彼は投げ飛ばされたのだとわかった。

「判断力は良かったが、潜入の際に培った近接格闘術、CQCに対応するのは無理だったな」


768 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:45:28 ID:EER4THiE

 初見殺しの技に近かったが、それでも彼に近接で勝つのは難しいと横島は思った。その後に何度もやりあったが、スネークが敢えて彼に学習させやすい類の戦い方をしてくれていたにも関わらず、
最後の一回の勝負に全ての隠した手札などを投入してようやく、あと一歩で引き分けというところまで行けた程度だ。疲れ果てた彼にスネークが言う。

「CQCに対してそれなり対応できるようになったな。最後の訓練だ。文殊で疲労を回復させろ」

 その言葉を聞き彼は頷いた。恐らくはこれは技術云々ではなく、実際に落ちなければ警戒心が身につかない落とし穴に彼を一度落として学習させるためのものなのだろう。絶対に無意味なものではない。
そして彼が指示に従うと、ユズが歩いてきた。彼女は頭を下げるという。

「……忠夫さん次は私と戦ってください」

 そこまで考えて彼はようやく理解するスネークは彼とユズを戦わせたかったのだろう。好感度ドーピング状態の女性がどれほど強くなる場合もあるか彼に教えるのが目的だったのだと彼は理解した。

「わかった。ユズちゃんじゃあ勝負するか」

 そういいながら彼はなるべく油断しない様に構えた。スネークの娘である以上は、多分父からCQCも仕込まれているだろう。以前ゲーム会社でゲームにとりつく悪霊騒ぎがあった時モモイやミドリと同じく、
銃の使い方が上手いだけでなく、指揮の取り方も上手だった。そのときは彼女たちが上手に銃を使って戦い、そして横島の奮闘もあって格闘戦の腕を見ることはなく事件が解決していた。戦いが始まる前にユズは言った。

「……忠夫さん、私が勝ったら次の連休に3本ほど一緒にプレイしてほしいゲームがあるんですけど……いいでしょうか?」

「ああ。いいぞ」

 勝ったら欲望を満たせるその条件でなければ好感度ドーピングの意味などない。そう考えて彼は構えた。

『ユウキ程ではないが相当強くなりそうだな。彼女みたいな娘でもこれとか、女権国家女性は恐ろしい。とりあえず全力で相手取るか』

 しかし、横島の見解は甘いと言わざるを得ないことが後になってわかった。

 ユズが彼にコンバットナイフで切りかかってきた瞬間、彼はどうにか霊波刀で受けたが、本気で驚愕した。好感度ドーピング状態のユウキよりわずかに遅いくらいだった。
刃物がぶつかった衝撃で本当に僅かとしか言えない隙が生じた時、ユズはコンバットナイフを滑らせながら、彼の間合いに一気に近づいた。ナイフの間合いになってしまったと感じた瞬間、
彼は即座に、霊波刀を手甲に変化させて格闘戦に切り替えた。だが彼女のナイフを交わした直後に動き、彼は反撃の機をうかがった。
そしてユズは横島が唯一反撃を当てられる可能性がある場所が顔になる様に動いた。彼女の策は成功し、顔以外は充てることができない状況ができあがる。
そして横島は女性それも庇護対象と見ている相手の顔を殴ることに僅かなためらいを覚えてしまい、それが彼の決定的敗因となった。ユズが信じられない速度でナイフを投擲してきて、
それを霊波刀でしのいだ直後に彼女の速度がもう一段上がる。好感度ドーピング状態のユウキと遜色のない速度だ。最初から横島に誤認させるために速度を下げていたのか、
あるいは男を手に入れることができる速度を得るために火事場の馬鹿力の様なものが出たのか、どちらかはわからない。
手甲で受けた後彼は左腕で反撃しようとした直後にユズが右腕を取りに来たことで意表を突かれた。霊波刀の方の手は下手に組み付けば反撃される恐れがある。だが彼女は横島の意識が霊波刀による反撃に移る前に手を取り投げに移った。

 投げ飛ばされた直後に容赦のない蹴りを受けた直後に銃を向けられて彼は、負けを認めた。

「俺の負けだ」

「やりました。私の勝ちです。どうですか父さん」

「我が娘ながら良いセンスだ。 先にゲーム会社に行っていてくれるか。どうしても彼に言っておきたいことがある」

「はい♪」




 嬉しそうに走るユズを見送った後にスネークが言った。


「実を言うと俺は君がユズに渡した文殊でゲーム中に入る現象を『伝』えてもらっていた」

「なぜそんなことを」

 横島の問いに彼は少しだけ考えると、理解してもらうために説明を始めた。

「うちの娘は内気な上に争いが嫌いで自罰的な所がある。そのせいか暴力を振るえるときは本当に悪いことをし過ぎた急進派とかくらいだけだった。モモイやミドリがいないといじめの対象になっていたかもしれない」

「それで」

「だが、彼女は俺の娘なせいか戦闘能力自体は低くなかった。VR訓練だけなら、女権国家の軍人たちの中でも上位に位置する。そしてVR訓練はゲーム感覚で人を殺せるようにする様な側面もある。
だからこそ、ユズが言うゲームの中に入る現象がそのVR訓練と似ていないか知る必要があった」

 そこまで聞くと横島は納得がいった。

「ユズちゃんがゲーム感覚で人を殺さない様に、確認しておきたかったんですか」

「それもある。だが、お前に自覚を促すためでもある。非はなくてもユズはもう好感度ドーピングができるくらいにお前に惚れている。恐らくはお前に危害を加えるものが現れたら、現実だと認識したうえで、
VR訓練の時と同じような動きで動いてしまう。そして――」

 ここから先の言葉はスネークは強い声で言った。

「お前を手に入れるときも同じだろう。殺人をVR訓練のゲームに近い感覚と混同しない様に、俺は教育した。現実の命の大切さをわかった上でユズは躊躇わないだろう。それが女権国家の女性と言うものだ。
いきなり自分にも向くかもしれない諸刃の剣を渡されたお前は気の毒だがそれでも王国の暗部なら、うまく使え」

 『うまく使え』という言葉のくだりで、スネークは王国への忠も失っていないし、彼の妻たちも女権国家が犯した戦争犯罪反対派であり、良識派であるということへの僅かな疑念すら消え去った。

 そうなった彼にスネークは言葉を続ける。

「ユズが道を踏み外してお前を襲うような状態になっても『まだしばらくは』俺なら抑えられる。その間にミクやブラッドレイを頼ることも考えておけ」

「わかりました。でも彼女は良い娘ですから道を踏み外させない様にやって見せます」

 複数の女子と関係している自分が逆にその女性の父親から心配される、という行為に彼は不思議な感覚を覚えた。スネークは十年以上も女権国家で過ごしたからの感覚なのかもしれない。
大鳳がもしもシノンと結婚してさらに女権国家の良識派の女性30人くらいと結婚とかなったらさすがにゴルゴ13は切れるのではないかと考えが彼の頭に浮かんだ。

 よそ事を考える彼に、スネークが再び声をかけてきた。

「これは言うべきかどうか悩んだんだが」

「はい」

「俺の父親ビッグボスがお前に興味を持ったそうだ。ユズに近々お前と合わせてほしいと頼んだらしい」


「ビッグボス?」

 横島はそこまで聞いて少し考えた。王国は五将すら記録から消されている様に、敗戦国だからこそ、消された英雄も多い。
スネークと戦ってみてわかったが彼は間違いなく、英雄と呼ばれるくらいの実力は有している。その彼が言うビッグボスとはどのような人物なのだろうか。


「反女権国家の傭兵団を率いている傭兵隊長だ。一応は良識派の女性人たちは憎んでないと明言しているがな。もともとは王国出身だったが、
女権国家とのかかわりで腐敗した王国のせいで兵士が死亡して、王国に尽くす気になれず傭兵会社を立ち上げた」

「そうなんですか」

「ああ。それもどこまで本当か怪しいがな。王国と無関係を明言したほうが王国に迷惑をかけずに女権国家と戦えるというのもあったのかもしれん。
女権国家の戦争犯罪の被害者にあたる傭兵たちを集め、アウターヘブンという組織を運用していた。『五将の役』と『四惑の禍』両方でそれなり以上に女権国家相手に戦果を挙げていた。
俺も『四惑の禍』ではそれなりに女権国家に敗戦を与えていたんだがな」

 スネークの言葉を聞き納得した感情を持った。事実女権国家の都合で消された英雄の記録は相当多いのだろう。そしてスネークは言葉を続ける。

「親父は傭兵になった今でも親王国派だ。だからこそお前に対して害意を持つ理由は低い。だが、それはあくまでも俺の見解だからな。間違っていないとは限らない。
アウターヘブンという組織名を決めたのも女権国家の過激派の女共の主張である『男を天国に連れて行くなら何をしてもよい』みたいな言葉に対する皮肉だ。『自分たちはお前達みたいな女に導かれる天国の中にはいかん』という意味らしい」

「なるほど。それでスネークさんは俺にどうすべきかと」

「親父は王国を捨てた今でも相当な親王国派だが、同盟者という目で見ている。だからこそ盲目的に信じるのは危険だと覚えておいた方が良い。だが心配ないかもしれないとも考えてもいる。その理由こそがお前に対する助言の本題でもある」

 助言の本題という辺りで、かなり深い意味の言葉だと彼は察した。

「それはなぜ?」

 決意と共に聞き返す彼にスネークは言う。

「ユズは対人恐怖症の兆候があったが、お前に対して好感度ドーピングがかかってからはそれがプラスになり、異常な観察眼を得た。お前に近づく相手に限定すればだが、潜入任務で何度も戦場に勝利をもたらした俺より観察眼が強いかもしれん」

 それを聞いて横島は驚いた。好感度ドーピングは大半が力や戦闘力だが知力が落ちることも多い。だが演技力などの知力に行く場合も皆無ではないという話を彼は強くここで認識した。驚く彼を他所にスネークは続ける。

「そのユズが一切お前と合わせることに難色を示していなかったからな」

 スネークはなるべく先入観を与えない様に気を付けつつ、彼にとって有用な助言を送ってくれているなと感じた彼は。頭を下げて礼を言うとその場を後にした。

769 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:47:43 ID:EER4THiE

 彼の心に僅かな疑問が残る。もしかしたら時崎きょうぞうはユズの家族構成を知らないのか、それとも『ユズ自身』は一切女権国家に敵対する意思がないから関係ないと断じているのかどっちだろう。少し悩んだがその考えを直ぐに引っ込める。
きょうぞうは『ユズ自身が』女権国家に敵対しない限り非人道的手段に出られるような性格はしていない。そこまで考えると彼の足取りは軽くなり目的地に進む足が速くなっていった。





 横島は家への帰路の最中にスネークとの会話を思い出していた。そして時崎きょうぞうという女性への評価が自分の中で上昇していることに気づく。
彼女は以前ユズが善良な男性に絶対やってはいけない行為をしようとした急進派思想な女性を倒したことがあり、その際にユズが発した言葉を聞き彼女を諫めていた。

「……昔やったVR訓練の敵兵を仕留める要領で気絶させました。意識を切り替えてゲームの敵キャラ、もしくはVR兵士だって思い込んだら何とかやれました」

「あら、あら、そういう悪いことをした者を放置せず善良な殿方を助けたのは立派ですわぁ。それにしても近くに警邏隊もいないとはユズも災難でしたわねぇ。 彼女たちは必要最低限の暴力で相手を制圧するプロですから。
相手に大怪我をさせる可能性とかもユズよりはずっと低いでしょう。 仮に大怪我させていたらユズあなたはずっと気に病んでいたのでは?VR訓練やゲーム敵キャラと違って悪人の中にも同情の余地のある理由で堕ちた人もいますし、
なるべく怪我をさせずに済んだのは本当にさいわいでしたわね」

 月並みなことしか言っていなかったが実感の籠った言葉の中には同情の余地のある悪事に手を染めた者の悲惨な末路を見た様な声音だった。
ユズはそれを見て何か感じたのか、この感覚は良くないと思ったのだろう。あくまでも相手を傷つける為ではなく、ゲームやVR訓練では絶対の強者な自分を鼓舞する意味でやった意識操作の様だったが、
それに頼るのをなるべく控えようと決めた様だ。善行を積んだことは心から褒めつつ、それでいて危険な意識の変化には釘を刺すあのやり方は相当長く人を育てていなければできないだろう。


もしかしたら、彼女が横島をゲームの中に入り込ませる現象をよく起こすのは、VR訓練とは違ってある意味イフの世界と言える別世界のゲームの中で行動させることで、
ユズが道を踏み外さない様にしている側面もあるかもしれない。彼女はユズの善性を知ってからはモモイやミドリやベルンカステル相手程ではないが、ユズのことも気にかけている。






 家に戻った直後に彼は少し休憩を取った後、次の連休にプレイするゲームのことを考えて気が重くなる。大鳳やジャギに事情を説明するメールを打って、連休終了後に自分が欠席したら救助を頼む旨を伝えた。






 連休の日に横島が出席するとモモイとミドリと女権国家に来てから縁を結んだ女性陣がゲーム会社に集合していた。彼は覚悟を決めると、ユズの所に進んだ。
なぜかアリスが凄く嬉しそうにしていることがとても気になったが敢えて考えない様にする。そして彼が部屋に入るとユズが言った。

「忠夫さん……、来てくれて嬉しいです。それではゲームに移りましょう」


 横島が最初にプレイすることになったゲームは人生ゲームの前にプレイした『月下の愛の巣への強制帰還拒否』の続編らしいゲームだ。それを見て彼は驚いた。

「これどうなってんや? あんなに難易度高いのに続編作れるくらい売れたんか?」

「はい。まあそれなりに好感の持てる男性キャラクターが犯されるストーリーは好きな人が多いですから。一応コンセプトがクリアさせるためのゲームじゃなかったので、
私がクリアした動画上げておきました。最もストーリー上何度かそういうことされるシーンはどうあがいても出てますけど」

「それはそうやろうな」

「一応、この高島忠夫さんは人気キャラになってましたよ。特に妖怪とか人外族や子供に好かれやすいみたいで」

「そ、そうか」

 横島は少し怯えながら答えた。そういう彼のもとに不意にノックの音が聞こえた。メンバーは全員そろっているだろうと思った直後に、ユズが思い出したように言った。

「……そうでした。今日は新メンバーを呼んでいたんです。王国のゲームにも詳しくて、いくつもの名作に知識のある彼女なら、女権国家にも受け入れやすい女権国家らしくないゲームを作れるかもと思って……」

 そこまでユズが言うと、扉が開いた。

 元気のよい音と共に入ってきた少女は、ユズとは正反対の活発なアイドルを思わせる娘で、紫色の瞳と長い髪をした黒い衣装に身を包んだ少女だ。彼女は闊達さを感じさせる明るい声で言った。

「お待たせ! 今日からこの会社にやとわれたゲーム作成のアドバイザーのネプテューヌだよ! 基本的には大抵のことができるけど
、一番は王国でヒットしたゲームと女権国家のゲームの文化のすり合わせが主なお仕事になると思うからよろしくね!」

 彼女の自己紹介を受けながら横島は意識のどこかで彼女に違和感を覚える。なぜか彼女から感じられる気配に既視感があった。敢えて意識を切り敢えて周りを見ると、
ゲーム会社の面々は彼以外は面識があったらしく、横島にだけ伝え忘れていたという空気だ。

「忠夫ごめんね〜。私が伝言頼まれていたのに伝え忘れちゃった〜」

 モモイの申し訳なさそうな声を聞き彼は気にしてない旨を伝えると、ネプテューヌという少女を観察する。ヴィヴィオが彼女に最初に声をかけた。

「初めまして、ストレリチアの王族のヴィヴィオです。多分知っているでしょうけど、このゲーム会社で起きる特殊現象目当てで来ているお兄ちゃんの恋人の一人です」

「うん、聞いているよ! あの現象が起きるってことはある程度ゲームのクオリティが高いって証拠だし、それをもとに新しいアイディアが出るみたいだしね。一応王族だから敬語で話した方が良い?」

「ううん。今はプライベートだから、初めての挨拶だけはちゃんとしたけど気楽に話してもらえると嬉しいな」

 一瞬で意気投合した二人を見ながら彼は、ネプテューヌに既視感を覚えた理由に気づいた。彼女はなぜかヴィヴィオと気配が似ているのだ。

「それじゃあ、早くゲームを始めようか!」


 ネプテューヌの元気な声に促され彼は、『月下の愛の巣への強制帰還の拒否』の続編ゲー『メイドギアソリッド堕落の船からの救出劇』というものだ。

 このゲームの内容は前作で大勢のヒロインに嫐られぬいた高島忠夫が、十代前半でもう『今生』では大きな戦いは終わったと愛歌に太鼓判を押されつつ鈍らない様に人助けを高校生活中も続けた結果、
とんでもなく好感度を上げ過ぎてしまった同級生の女性達に修学旅行で乗った豪華客船で人格が消されかけているのをメイドであるユズが救助に行くという内容だ。 
実力はそれなり以上にあるが、それでもその内気な性格から警戒されていない彼女は他の高島に惚れている良識派女性陣程警戒されていないという設定になっている。

 ゲームを起動してオープニングが終わると横島は体ごとゲームの中に吸い込まれた。




 ゲームの中に体ごと吸い込まれた横島はいつも通りに色々なコツなどが体に入ってくると同時にこの世界線の記憶が入ってくる。愛歌やエヴァなどの良識派たちは、
今生は平和な時代なため十代前半で、彼の英雄譚のメインとなる敵は片付いたと判断している。仮に堕とされ切っても自分たちなら戻せるし、堕ちたままでも問題ないと断じている様だ。
そして今回彼を堕としに来たのは、九尾の狐の力を宿したワカモと呼ばれる美女だ。普段はその黒髪に似た艶やかな黒の着物に似た着物めいた服を着ているが、
今の彼女は西洋風の客船に合う、白い洋風のビキニでその豊満な体をアピールしている。料理を食して夢見心地となっている彼に対して彼女は言う。

「忠夫様、お久しぶりと言うべきでしょうか」

 彼女の体から感じられる甘い香りが余計に彼の脳髄を溶かしていく。

「あ、ああどうなっているんだ」

「日々あの村で、色々な体験をなされていましたね。かつて悪辣な狐の祟りにやられた私も助けてくださった御恩忘れてはおりません」

「あ、ああ」

 返事が終わるより先に、彼女は彼の唇をいだ。甘い香が口では一切息ができない彼を余計に追い詰んでいく。彼女は舌がもたらす快感で彼の脳髄を削り切った後に言った。

「貴方様の奥様達からは了承を取っています。この修学旅行中に貴方様を堕とし切れたら、今生は好きにして良いと。自分たちも堕ちきった貴方様を愛で嫐ることを楽しむと言ってました」

 そういって彼女が水着を脱ぐと豊満な胸が姿を見せた。そして彼女が分身を飲み込むと彼は悲鳴を上げた。これは女権国家の女性達の中でも特別な九尾の狐の力だ。
かつて横島は彼女が望まぬ略奪や暴力に身をゆだねていた時に止めたことがあった。あれは十代の時に最大の激闘だったかもしれない。そして今の彼女は九尾に乗っ取られているのではなく、
彼を得るためにその力をモノにしたのだ。燃えるような膣がそれをわからせてくる。彼が電撃の拷問を受ける虜囚の様にわめき痙攣しているのを見て彼女はその悲鳴を楽しんでいた。
一切腰を動かさず膣の動きだけで彼の分身を嫐っていた。悲鳴を聞いている彼女は量の目を閉じて名曲を聴き心地よさのあまり眠りそうな客の様な表情をしている。しばらくすると何度か腰をひねり彼を射精させた。

 射精と同時に大量の霊力を抜かれ動けなくなる彼に対して体を密着させて耳元で言う。

「忠夫様、なぜ前世からの奥方たちが貴方様を堕とし切ることを許したと思いますか?正確に言えば、堕とす許可というより堕とす機会を与えたというべきでしょう」

「あ、ああ?」

 まともな言葉すら返せない彼に彼女は言葉を続ける。


770 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:50:47 ID:EER4THiE

「英雄となると下らぬ者たちによって命を落とすことも少なくないからです。彼女たちは良識が強すぎて、やり返せても当人たちが限度。ですが私という英雄にかしづく怪物がいれば、
凡人の群れは貴方様という英雄が死んだ後に止める者がいないから排除される可能性が低いというのが理由です。この修学旅行中に堕とし切れぬなら、番犬となってほしいとのことです。
そして堕とせたなら、英雄の存在が都合が悪くなった時に、堕落させて表舞台から去らせる役をしてほしい、と」

 耳元で息を吹きかけそれだけでも射精の量が増える彼に彼女は言葉を続ける。

「堕ちたとしても誰も貴方を捨てません。ですから九尾のもたらす酒池肉林に今生は身をゆだねてください」

 胸板で彼女の乳房がつぶれ、彼の意識が何度も飛びそうになるとワカモは笑って離れた。
そこに何人かの女性が入ってくる。確か自分が助けて回った女性だと思う。彼女たちはワカモから許可をもらうと、彼をワカモの目の前で嫐り始める。嘲笑の中で最も恥ずかしい体制で犯される彼にワカモは言う。

「これを貴方様の前世からの奥方様たちが見たらさぞや嗜虐心とこの娘たち以上に嫐りぬきたいという対抗心で貴方様を嫐るでしょう。考えてみてください。アリス様とエヴァに人形とされながら、動かせない手がこうなった時のことを」

 快楽のあまり布団を握りしめている彼の腕を彼女は離すと、犯している女性陣の乳房を握らせた。それがきっかけで今繋がっている女性の秘所から彼の精液が僅かに零れ落ちる。

「ユウキさんならどうするでしょうね」

 さとりの想起を受けた時みたいに彼が彼女の前で彼女の部下に犯された時、自分でも聞いたことがない声を出したと言って、徹底的に快楽で妖精と悪魔のユウキ二人に嫐られ、夢の中でも絞りぬかれた日が思い出される。

「それではこれで止めとしましょう」

 他の女たちが嘲笑めいた視線で彼を見ながら、離れてワカモの前に差し出すと彼女が騎乗して彼の両腕を乳房に導き、揉みしだかせながら射精をさせた。意識を失う彼を他所にワカモは何人か狐の力を分け与えた女性達が意識を失っていることに気づいた。
彼から搾り取って大きくなった霊気を持ちながら彼女は、そのまま当たりの見回りを強化する指示を出す。何人か横島を堕とすことに難色を示していた女性陣もいたが、強硬な手段に出るものはいなかったはずだ。
だが横島の前世からの妻たちの発言を思い返せば、
『今回堕ちきるか免れるかは天運に任せる』という趣旨のことを言っていた。つまり彼が逃れうる可能性もあるのだろう。警戒するにこしたことはない。





 全ての事情を愛歌から念話で聞いたユズとモモイとミドリは横島を救助する作戦を実行に移っていた。ユズが潜入しながら麻酔銃で相手を眠らせていながら、進んでいたが、
ついに彼が拉致されている部屋の直前で数人の見張りを力技で気絶させてしまった。これはもう少しでばれる。そう判断した彼女は一刻も早くワカモの部屋に向かった。



 彼の部屋に到着するとワカモが待ち構えており、数人の狐の力を与えた部下が倒れているのを見てそれをユズがやったと理解した時、怒るよりも驚きの表情を浮かべていた。

「確か、忠夫様の家に仕えているメイドさんでしたね。こんなに強かったのですか」

「は、はい。今回は絶対に負けるわけにはいきませんから」


 その言葉を皮切りにワカモは直ぐに本気を出した。全身から九尾の狐の気を放ち一刻も早く勝負を決めにかかる。ユズはそれを見ると即座に陸八魔アルが送ってくれたスティンガーミサイルを取り出してはなった。


 ワカモは戦いながらユズに対する評価をぐんぐんと上げていった。オカルトの能力があるのかないのか判断はつかないが、自分をとことん観察して動きを読み、
どこに何を打ち込もうとしているかを正確に当ててきている。恐らく一騎打ちに限定すれば彼女は相当な強者だろう。常人離れした動体視力と格闘ゲームで異常な勝率を与える読みの良さ、
そこまでくるとワカモは冷静な口調で言った。

「貴女たちもこちらに加わりませんか? 女権国家の女性である以上、こちら側で忠夫様を堕としたいという感情は間違いなくあるでしょう」

「……、その気持ちがあることは否定しませんけど、でも快楽だけを享受する人形なればあの人今際の際に絶対後悔します。自分は私たちに何も返せてないって」

 そういうとユズがスティンガーを捨てて、懐に隠し持った拳銃を取り出し発砲してきた。ワカモはその銃弾の気配を感じた瞬間己の死を確信した。拳銃ではこの距離では充てることはほぼ不可能だ。
だが極限の集中力を得た者だけに宿る光を宿したユズの眼光が必ず当てると告げている。あと半歩前に出ていれば警戒していたであろう。拳銃の弾丸。それが勝敗と決定づけた。
恐らく彼女は急所は外す様に打ったのだろう。それでも生きれるかは五分五分かもしれない。だが痛みは訪れなかった。

 眼を空けると、『転』『移』の文珠を両腕に持った横島が代わりに銃弾を受けていた。血相を変える二人に彼は言う。

「大丈夫だ。急所が外れていれば、狐族以外にはただの小さい弾だし腕で受けた」

 そういうと彼は文殊で弾を『抜』いた後、『治』の文珠で自身の傷を治した。




戦いが終わった後に、横島は先ほどワカモと彼女の部下となっていたもの達に嫐られていた、部屋でモモイとミドリとユズと共にワカモから事情を聞いていた。ベッドに腰掛けている、
横島は火事場の馬鹿力でワカモを助けるために動いたが、彼女たちから注がれた蜜の様な快楽の後遺症が残っている様だ。目の光が僅かにおかしくなっている。だが理性の光は消えていない。
正座しているワカモと彼の間に一応はモモイとミドリとユズが入っている。彼女は一度負けを認めた以上何もしてこないとは思ったが、念のためというものだ。横島はモモイの持ってきた霊力と体力を回復させるドリンクを飲んだ後、
最初に言うべきことを言った。はじめにこれは言っておかなければならないと強く思ったことらしいと感じたこの部屋の面子は真面目な様子で彼の声を聞こうとしている。

「まあ、今回はお互い殺しあう様なつもりはなかったんだろう。だが、頼むからいくら急所を外すとはいっても、親しい女どうしで死ぬ可能性のある様な攻撃はやめてな。本当に」

「……すいません忠夫さん。でもあれは妖狐封印の弾で、妖狐殺しの弾じゃないです」

「そうなんか。ワカモがあんまりビビってたから殺す弾かと思ったで。まあ特定の種族に対して天敵な力はその種族から見ると見分けつきにくいしな」

「……はい忠夫さんが前話聞いた時彼女のことを嫌ってなさそうでしたから。助けられてよかったと言ってましたし」

 その言葉を聞くとワカモは落ち込んだ。

「そうだったのですか、私が死ぬかもと恐れたあまり忠夫様を怪我をさせてしまってすいません。封印の弾なら私が受けた方が傷も残らなかったでしょうし。後で戻すことも容易だったでしょう」

「まあ、俺も十中八九、殺すような弾は使ってないだろうと思ってたけど、万一があるかもと思ってつい助けに入っちまったからな」

 その答えを聞いてワカモが頬を染めた後、少し何かを言い出すタイミングをうかがう様子になったユズを見て、横島が声をかけた。

「ユズ、どうした何か言いたいことがあるのか?」


「……はい。忠夫さんのワカモさんと妖狐の力を与えられた女性陣にされた行為の後遺症まだ残ってます。前世からのかかわりのある奥方さんたちは、
後遺症が残っても大丈夫なものや自分たちで治せるものだけを選んで快楽を与えていますけど、今の忠夫さん危ないです。堕ちかけてる様子見せたら、今回ワカモ様に賛同した人たちにまた襲われちゃうかも」

「そうか、じゃあどうすりゃいい?」

 文殊でも治すイメージが浮かばないとうまくできない。そう思った直後にユズが彼に接近するとCQCで投げ飛ばし、押し倒した。いつも通り彼女の顔は真っ赤になっている。
ユズは彼を犯すときは観察眼と高い技術で容赦がないのに、そういう行為が恥ずかしいらしく顔を赤らめることが多い。


「……警邏隊がマフィアの淫紋を消すときの要領で上書きします。塩見周子ってマフィアが活躍してから狐の関係の淫術の対処の技が進化してますから任せてください」

 ユズが彼を押さえつけている間にモモイとミドリが服を剥ぎ取ってくる。そして、見慣れた体が見えてくる。
彼女たちに刻まれた強すぎる快楽が生み出す幾つものトラウマが蘇り分身がそそり立った。
それを見て悪戯をする直前の笑みを浮かべたモモイとミドリが四つ手で彼の分身を嬲り始める。竿に色々な手が回ったと思えば玉袋がもまれ、いたずらをする手と、優しい刺激が同時に来て、
どっちの手がモモイなのかミドリなのかがわからなくなってくる。何度か寸止めされた後、ユズに分身を飲み込まれた彼は、双子の手で溜まった精液を一気に彼女に注いだ。ユズはワカモと正反対な自分の躰を上手く使い、
より強い印象を彼に刻み付けていく。 二度目の射精を終えると、モモイが彼女と代わった。

「ご主人様の治療の時間だよ〜。気持ち良すぎて辛いかもしれないけど頑張って耐えてね♪」

ユズは後ろから彼を押さえつけると、ミドリが体のツボを押してくる。優しい刺激が余計にモモイと繋がった彼の快楽を引き出し、彼は彼女の中に放っていく。不意にミドリが何かに気づいた様に言った。

「お姉ちゃん、忘れものよ。変態マゾヒストなご主人様の要望がかなってないよ。

「へ?なになに、なんか私忘れていた」


771 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:52:23 ID:EER4THiE

 疑問がるモモイを他所にミドリはモモイが脱いだメイド服の衣服から彼の使用人であるメイドの象徴であるカチューシャをモモイにつける。そしてその後彼の耳に口づけながら言う。

「ご主人様は自分の使用人に情けなく閨で屈服させられるのが好きな変態だってさとり様が言ってましたから」

 ここまで言った後、わざとらしくまじめな口調になって彼女は言う。

「もし違ったら後免なさい」

 そのミドリの言葉にモモイが答える。

「ミドリ大丈夫だよ。多分間違ってないよ。だってカチューシャ付けたら忠夫ったら固さが増したもん」

 余計に固くなってたくさん出した後、モモイの遊ぶような腰遣いで嫐られぬくとミドリがモモイと交代した。彼女はいたわる様な腰遣いで彼の分身を飲み込んで、
子供を甘やかし弄ぶ姉や母の様な目で見下ろし彼の分身を何度も果てさせる。下手をすると小学生にも見える二人に嫐られている事実と、
そして自分にやとわれているメイドのカチューシャが彼を余計に興奮させる。 射精を終えた彼の耳元でミドリが言う。

「妖狐の淫術の後遺症が消えるまでの辛抱です。いえ、むしろ消えたら残念ですか?ご主人様」

 彼が答えに窮しているとワカモが後ろから彼を捕らえて言う。

「わたくしも協力します。妖狐の淫術をかけた以上後遺症を消す上書きもできますから」

 ワカモの乳房が背で潰れると彼は一気に緑に大量の射精をした。ミドリはそれを面白そうに受けると、笑った。

「そういうと思ってました」

 横島から離れた後彼女は手で彼の分身の先端を弄びながら言う。

「女権国家の影響を受けた女性が惚れた男性の痴態にいつまでも我慢できてないでしょうからね」


 ワカモが彼に襲い掛かってきた後彼はひたすら悲鳴を上げぬいていた。その豊満な体で彼を嫐ってくる際に、彼女は確かに堕とすのではなく、
自分がしてしまった堕落の種を消し去る様な性行為だ。だが中毒が強まり彼女への依存が強まっていくのは変わらない。ワカモは仰向けになった彼に自分の柔らかい体を押し当てながら言う。

「この修学旅行の最中、どこまでも付き従い貴方に最高快楽を与えますから、私から離れないでくださいね。た・だ・お・様♪」





しばらくして彼が動けなくなった後、彼女が指示を出すと彼女の部下となっていた彼がかつて助けた女性陣も似たような方法でそれに混じり始める。

 旅行の船旅の中で彼は彼女達との性行為をしている記憶の方が大きかった。有名な建物や町並みなどは、性行為をしているうえでの夜景となっていた。
今度ここを旅行したら、自分は必ずこの夜を思い出すのだろう。そこまで思った時点で、彼の意識が戻る。ゲームが終わった時の現象だ。






 ゲームの外に出た彼はボーとしながら、空腹感を自分が覚えていることに気づいた。恐らくはゲームから出たタイミングで食事をとる前だったためだろう。それを見て、モモイが言う。

「忠夫。お昼時だし、一応どこかで食べてくる?」

「あ、ああ。そうすっか」

 そう答える彼にこのゲーム会社に勤めてから一番の衝撃が襲い掛かった。

「念願のあなた様との性行為だからとはりきりすぎましたわ」

 低く妖艶な声がしたと思ったら、そこにはゲームの中で性行為をしてた相手である狐坂ワカモの姿があった。

「ど、どうなっとるんや?」

 軽い混乱状態の彼の耳に状況をある程度把握しているらしいさとりの声が響く。彼女の声がある程度彼の疑問を解消してくれた。

「どうも、今回彼女も前から貴方を付けていた怪異だったみたいですね。それが今回ゲームの中に一緒に入ったと。相当強いうえに、貴方の味方ですから利用できると思いますよ」

 にやにやと笑うさとりを他所に愛歌が言う。

「それがすべてじゃないんでしょう。白面金毛九尾の狐の化身の一人とかとんでもないものを引き当てたわね。こちらが裏切らない限りは大丈夫だろうけど、気を付けなさい」

 愛歌は英雄に新たな仲間ができたことと御すことが危険な男を堕とす存在の扱いに頭を回している様だ。 ユウキは何か心当たりがある目で彼女を見ているが、
そこに負の干渉波感じられない。後で聞いてみる必要があるかもと思いつつ、彼は大鳳に報告しなければと思った。

 悩む彼を他所にユズが不意に声を上げる。

「……、忠夫さんお腹がすいているならご飯を食べに行きませんか? 社員食堂にとてもおいしい料理を作れる人たちを呼んでいるんです」

 そういえばこの会社は調理場だけは異常に立派だったし作られるご飯も美味しかったと思い出した。きょうぞうが彼女たちに料理を教えていたりもしたらしい。

 食堂に到着するとそこにはブラッドレイと少しだけ似た様子のオールバックの髪をした男性が待っていた。センスのいいコートに身を包み佇まいが歴戦の戦士を思わせる。
ソリッド・スネークと会っていたからこそわかる。彼がビッグボスなのだろう。ユズは見かけると嬉しそうに言った。

「御祖父ちゃん時間通りに来てくれたんですね」

 普段とは違い一切ものおじじしない。その様子にユズは相当に彼に気を許しているのがわかる。ビッグボスも柔らかい笑みを浮かべて答えた。

「久しぶりだな。ユズ今回は恩を売ったことがある相手のおかげでスムーズに女権国家に潜入できた」

 ビッグボスの発言を聞いてもしかしたら、時崎きょうぞうが、忙しくしばらくこの会社にアドバイザーとして手伝えない時期なのと何か関係あるのだろうかと思った。ビッグボスは横島の顔を見ると言った。

「今回は大した陰謀などはもくろんではいない。ただ孫の想い人に興味があっただけだ」

 それだけではないようだが、少なくともそこまで重要な用事ではないと彼の霊感が告げている。

 ビッグボスが入室を促すと、女権国家には珍しい、男性の料理人が入室してきた。

 黒いコートに整った顔立ちをした実業家を思わせる美男子だ。もう少し威圧感などがあれば、マフィアのボスなどにも見えただろうが、どこか善人らしい雰囲気があるせいでそこまで恐ろしくはない。
その人物は柔らかく一礼してきた。横島は彼を見た瞬間、奇妙な警戒心が浮かんだ。目の前の人物へのそれではない。彼の自分を見る視線が若干の申し訳なさと、同情心がある為だ。
これは自分に女性関連の災難で何か負い目があるのだろうか。そう思った直後に彼が口を開いた。

「初めまして薙切・薊(なきり・あざみ)と申します。昔は色々あって道をたがえかけたところを、こちらのビッグボス、ジョンと出会い、少し落ち着く期間を持てと言われて、この人の傭兵企業の糧食班でシェフをしておりました。
本日はジャックに頼まれて娘たちと共に料理をさせていただきました」

 ジャックというのは親しいからこその愛称な様だ。彼の言葉から察するに、相当ビッグボスに強い親愛を偉大いているのがわかる。薊の言葉を聞くとユズが喜色満面という顔に変化した。

「薊さんの料理ですか。おじいちゃんが昼食を楽しみにしてくれていいって言ったから期待してたけど、それなら納得です」

 薊のユズに対する笑みを見て、彼女は怖いところもあるが基本的には善性なんだなと感じた。女性に対する不信感が強い女権国家の男性からも庇護対象扱いされている。

「薊さんですか、ユズ社長と親しい年長者の方なんですね。ユズ社長にはお世話になってます。よろしくお願いします」

 横島のあいさつに対して彼は少し考えた後、答えた。

「ああ。よろしく。実を言うと君には注意しておいた方が良いかもしれないことがあるんだ。うちの娘が――」

 その言葉を低い美声が遮った。厨房から金髪の髪をした凛とした雰囲気の整った目鼻立ちをした美女が現れる。

「お父様、余計なことを言って人を不安にさせる暇があるなら、お母さまを構って上げては如何ですか? ジョンさんからの頼まれごとはもう終わったのでしょう? それならお父様の用事が終わってどこにいるかお母さまに教えましょうか」

 彼女の言葉に薊は少し怯えた様子を見せた。『ママの相手してあげたら?』は『パパを気に入っている娘が友達にいるんだけど』並みのポピュラーな脅し文句だ。だが少ししか怯えていない辺り、妻と仲が良くてかつ妻が良識人なのだろう。

 横島は僅かな警戒心を感じながらも彼女を薊が気の毒なので立ち入り過ぎない程度に諫めることにした。

「なんか知らんが君の父さんは俺に何か忠告をしてくれようとしていたみたいだった。それをそこまで強硬に遮るってことは何か理由があるんか?」

 一応は威圧的になったりしない様に、父親の忠告を遮る理由を質問を質問した。やましいところがないなら今の対応も仕方ないという、ニュアンスを声に込めておく。その言葉を聞くと彼女は若干バツがわるそうに返してきた。

「少し短気だったわ。ごめんなさい。私は薙切えりな。今、貴方に危険人物みたいに言われかけたこの人の娘よ。目の前で男性が迫害されたらいい気分はしないわよね」

「そうか。わかった。俺は横島忠夫」

「ええ。もう聞いているわ。実を言うとお父様が貴方に忠告しようとしたのは、私のことなのよ。横島くん」

 横島と苗字で呼ばれて彼の中でえりなに対する警戒心がガクっと下がった。基本的に自分を狙う女性陣は忠夫と呼ぶ。薊も似たような経験があるのか、娘を見る目の警戒心が落ちているのがわかる。

 その二人を尻目にえりなは言葉を続ける。

「実は私達もオカルトに対する知識は少しはあるのよ。それである神様と縁を結ぶことになったのだけど、私は前世で貴方とそういう関係だったとその神様が言ってたの」

 それを聞いて横島は安心感と僅かな、寂しさを覚えた。前世でそうだったからと言って、今生でもそうありたいなどと思わないが、それでもそういう気が全くないと示されると複雑なものだ。えりなは横島の僅かな落ち込みを他所に言葉を続ける。


772 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:54:05 ID:EER4THiE

「ごめんなさい。別に貴方の前世とそういう関係だったのが嫌なわけじゃないのよ。私の前世は、私の視点から見ても凄く閨の中の趣味が悪くて正直本気で引いているの。それでお父様も前世の私の悪趣味を知っているらしくて、あんなことを楽しむ女だと思われたらと思うと、いい気分がしないわ」

 えりなの言葉を聞くと薊が若干バツが悪そうに「すまん」といった。それを聞くと彼女は少し険しい目になって言葉を続ける。

「お父様、私がお父様に当たりが強い訳はそれだけではありませんよ。お母さまにとっても恩人でもあるジョンさんの頼みの為に家を空けるのは仕方ないけど、家に帰ってこられる時間がもっとあったでしょう。お母さまが寂しがってましたよ」

「単身赴任が気楽過ぎてな。別に真凪のことが嫌なわけではないが、もう少しこの生活をしていたいのだ」

 返答の声が若干の脅えだけでなく後ろめたさも見えるあたり、夫婦仲は健全な意味で良好なのだろう。その言葉にえりなは忠告めいた強い口調で返した。

「それならなおのこと今日は埋め合わせをしてきなさい。そうしておいた方が、次の機会でも渋らずに出ることを許してもらえますよ」

「ああ。そうだな」

 薊は少しだけ悩んだ後、ビッグボスに言った。

「ジャック女権国家を出てマザーベースに戻るまであと5日でしたね。それまでは妻の傍にいようと思います」

「わかった部下に送らせよう。私も後から行く。あの旅館の料理は美味いからな」

 答えるビッグボスは目の前のさらにすっかり興味が移っている彼は相当食欲が強い様だ。




 食事を終えた横島は、ゲームの中で消耗した分の栄養が補充されていく感覚を味わっていた。ビッグボスも満足した様子だ。彼の心底美味いものを食べて、満足げな様子を見ていると、こちらの食欲まで刺激されるようなリアクションが思い出されてくる。薊という人物が道を踏み外さなかったのと、彼とここまで仲良くなったのはあの料理人冥利に尽きる反応のせいもあるのだろう。ユウキの為に料理を毎日作っていた時期もあった彼にはよくわかる。食事を終えるとビッグボスは彼の顔を見ながら言った。

「今回私がここに来た理由だが、霊感なども私は多少はある。だからこそ女権国家と戦っている王国の霊感担当者を見たかったというのもあるが、一番の理由はもしも危なくなったら、
マザーベースまで逃げてこい。『縁』の文珠を一つくれれば、マザーベースに『転』の文珠で来れるようにしておこう。一時的な避難所としては悪くないだろう」

「それだけですか?」

「ああ。優秀な軍人は山ほどいるが、霊感持ちは希少だ。ただ一度避難したり、他のメンバーを送ってきたら、その回数だけ君に私の任務に同行してもらいたい」

 あまりにも破格すぎる避難所の提供である。目の前のビッグボスには明らかに裏が感じられない。だからこそ不信とまではいかないが、不思議だと思う。
一応了承の意を伝えるとビッグボスは少しだけ自嘲気味な様子で答えた。

「まあ確かに理解できないかもしれないが、そこまで深い裏があるわけではない。私の目的が少なくとも王国に被害を出すようなことではないことは約束しよう。それに理由を知ったら、意外としょうもないことだと思うだろうな」

 もしかしたら孫娘可愛さだろうか、と思った直後にビッグボスは時間が来たと言って歩き去った。角を曲がったと思ったら既にその姿はなく、デュークに僅かに劣るが見事な姿の消し方だ。





 ビッグボスが帰った後に彼は、多分あの取引こそが彼の目的だったのだろうと感じながらゲームのスイッチを入れようとすると、えりなの従妹らしい艶やかな銀髪をショートカットにした美女がいた。
彼女は薙切アリスというらしい。横島はマーガトロイドの方のアリスと並ぶとめんどうなので、薙切と呼ぶ許可をもらった。彼女たちもビッグボスとの付き合いでオカルトが実在することを知っており、
実害のないゲームの世界に吸い込まれる現象に多少興味があると言ったためにそれを見たいという要望をかなえることにした。あからさまにわくわくしている薙切アリスと、
興味はあるけどそこまでではない様子のえりなを見て、彼女の方が姉みたいなポジションなのだろうと辺りがつく。ゲームのスイッチを入れながら不意にユズが口を説明を始めた。

「……今からするゲームはお祖父ちゃんが横島さんとぜひやってほしいという、要望を出してきたゲームです。女神達の狂宴(きょうえん) これはいくつか前の輪廻でたくさんの人外と関係した主人公が学園の奥にある遺跡を探りながら、
何人もの男性を快楽の虜にする妖怪や魔物そして神々があふれる土地を攻略していくというものです。被害者な男性を救ったり、あるいは学校生活中に男女問わず色んな人を助けたりして、仲間を増やしたり、
あるいは女性を助けて難易度を上げたりしていきます。完全カスタマイズのキャラも作れるけど、最初は初心者用に横島さんをモデルにした霊感体質キャラや、一周後向きの難易度が高くなっている大鳳くんをモデルにしたキャラもいます」

「今回は俺で行くわけか」

「はい。一応良識派の女生徒をパートナーにして操作することもできます。男性だけだとムリゲーなので。
そのパートナーは私にしておきました。霊感が最低限だけど銃と、CQCをマックスにしてあります。忠夫さん、それじゃあゲームを楽しみましょう」

 そういってユズがゲームのスイッチをオンにすると彼らはそのままゲームに吸い込まれた。





 横島が目覚めると自分は大きな山のふもとにある学校の生徒として入学した生徒であるという情報が入ってくる。
毎度色んな情報が入ってきて実体験として多少とはいえ役に立つ技能なども蓄積されるのに浸食されて行かないのはここがゲームであり、もう起こらない。
あるいは起こる可能性が極度に低い可能性の世界でもあると理解していることと隔てている感覚があるからだろう。 横島が入学した後、いくつものイベントを経て、
学校の近くに山をくりぬいて作った遺跡らしきものがあり、それが女権国家の良識派の女性達から見ればよくない男性の隷属のさせ方をさせる霊的な力のある遺跡であると、彼は理解した。
そして霊能の力で大勢の人助けをして回ったある日自分が、その遺跡の力を受けていることに気づく。


 自分に仕えるメイドであるモモイとミドリとユズを連れて彼は山の中に作られた地下に続く墓場めいた遺跡に来ていた。


 ユズが真剣な瞳でその遺跡を見下ろしながら言う。

「ご主人様の躰に現れた淫紋それを取り除くにはこの遺跡を踏破するしかないんですね」

「ああ。俺が完全に堕ちきる前にここを踏破せなあかん」

 横島は答えつつ、途中で不意に遺跡の扉に触れると淫紋が浮かんだ夜の記憶が蘇ってくる。




 淫紋が浮かんだ日彼は自分が目覚めると遺跡と繋がっていることに気づいた。そして森の中で妖精たちに囲まれている状態と共に理解する。ここは以前プレイした『月下の愛の巣への強制帰還拒否』と同じ地域だ。
町の名前も変わり、多少産業などにも変化が生じていたし、観光名物も変わっていたのでこの時までは気づかなかったが、森の景色を見たことで気づいた。


 動けない彼の所に妖精としてのインプな側面のユウキと悪魔としてのインプの側面のユウキが近づいてくる。そして彼女たちの転生体でもあるワユも楽しそうに参加する気満々な様子だ。

「忠夫〜久しぶりだねー」

「ユ、ユウキ」

「今生は平和な時代で忠夫が十代前半でたくさん経験した英雄並みの戦い。それを上回る事態は起きないってさ。だから、堕としても問題なしって、愛歌も言ってたよ」

 そういうと妖精の方のユウキが笑いながら彼の分身を乳房で挟み寸止めしつつ。ワユと悪魔な方のユウキが彼の顔を乳房で左右から圧迫する。

「とりあえず王国との国境よりの国だから女性優位の性交委は恥ずかしいって常識はあるでしょう。愛歌お願い」

 悲鳴を上げる彼の分身をユウキが乳房から離し、秘所で飲み込む直前に不意に愛歌が現れ彼に接吻した。彼女の舌が口内に入ってきて優しくなめ上げられるだけで、射精が起こりかけている。
それを見越して愛歌は浮き上がりながら、両腕で彼の顔を挟み固定しながら余計に口づけを強め、ワユが離れると背中に豊満な乳房を押し付け、
妖精の方のユウキが彼の両腕を腕でつかみ強引に自分の乳房を揉みしだかせた。悪魔の方のユウキが彼の分身を飲み込んで乳房を胸板に当てると、
彼は涙を流しながらそのまま一気に声すら出せない快楽を彼女の中に吐き出した。屈服のあかしともいえる白濁をユウキは楽しそうに受けとめると、ワユと代わりながら言う。

「忠夫〜『雄々しき獅子の祝福を受けたから』女性にベッドの中で負けるのとっても恥ずかしいって観念が固定されちゃったね」

「あ、ああ」

「この遺跡を踏破しないと、その感性のまま快楽の虜になってずっと奴隷生活だよ♪」

 足で彼の分身を踏みつけながら彼女は笑う。インプの尻尾が首輪の様に彼の首に巻きつき、妖精の方のユウキの尻尾が彼の分身を愛撫しながら、射精を止める。

 それを見とがめる悪魔の方のユウキ。

「ちょっと妖精な僕、射精できなくて忠夫がかわいそうじゃない」

「いやいくら何でも男としての誇りがあるから、さすがに足で出させてなんて考えてないと思うよ。悪魔の方の僕、まさか足で出させてほしいとか思ってないよね?忠夫」


773 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:55:32 ID:EER4THiE


 本当は射精したい衝動に負けていることがわかっている上で聞いてくる妖精な彼女に彼は射精したいというと、

「うわ、僕の想い人ながら最低。しょうがないな」

 そういって笑いながら彼女が話した後、悪魔だけでなく妖精な彼女も足で彼の分身を踏み一気に射精させた。そしてそれが終った直後に射精したばかりで敏感に、彼の分身を秘所で飲み込む。

「ちょ、ちょっとまって」

「足の方が胸や尻や女陰より好きな変態にならないための治療だよ」

「あー!」

 その射精で意識を失いかけた彼を後ろで嘲笑めいた声でクスクスと笑うワユの声が余計に分身を固くしていく。倒れた彼にワユが騎乗して言う。

「前世の再現はユウキの転生体であるあたしに閨で完全屈服で終わるみたいだよ。じゃあいこっか」

「あー」

 ワユがユウキ同様の背が低いながらも巨乳の躰で十分に彼を嫐り、時には離れ動けない彼の分身を乳房で挟み焦らしてから、また飲み込み射精させるなどして遊びつくした。完全に動けなくなった彼に愛歌が上になりながら言う。

「彼女たちは遺跡を踏破したら、貴方の味方になってくれるわ。『雄々しき獅子の植福』があれば簡単には心がおれないでしょう。 私の担当している遺跡まで踏破できたらまた可愛がってあげるわ」

 愛歌と繋がった直後に彼は旧王朝の性魔術を味わった。愛歌に目を除きこまれた後、彼女の意のままに体が動き彼女の乳房や尻肉を揉みしだき彼女に奉仕していく。
射精後に彼女の躰をまた味わえるならどんなことでしようという意識がみなぎってくる。愛歌は笑いながら彼に最後に接吻した後言う。

「私とまたしたいのなら頑張りなさい」

 そういって彼女が消えると最後の口づけで大きくなった分身をユウキとワユが睨んでいた。

「忠夫のロリコン。愛歌も欲しいとか救いようがないじゃない」

「そ、そういうわけでは」



 この後彼は三人に犯されて完全に上下がついてしまった。





 淫紋の後が呼び覚ました記憶に負けかけながらも彼は、どうにか自分を奮い立たせた。この遺跡を踏破して試練を越えなければ自分はかなり拙い結末を迎えるだろう。そう思い入ろうとする彼に嗜虐親に満ちた嘲笑めいた声が響いた。

「あらあら、自分では気づいていない、というか目をそらしているけど、ロリ体系な女性にいじめてほしいという気持ちで、遺跡に挑む決意を固めている変態がいるわよ。こいし」

 声の方向に振り替えると、ピンク色の髪をした少女と青とピンクで彩った服を着た少女と、銀髪の黄色と黒の少女が彼を見ていた。

「だ、誰やあんたたちは?」

「ああ。大丈夫、この遺跡の守り手で貴方をいじめる役をやるメンバーよ。大丈夫よ、ここは私たちの担当じゃないから。ただ自分の本能に気づいておいてほしいだけで。
愛歌にいじめるというか可愛がってほしい。それが貴方の本能だから、頑張って嫐られて人として終わってほしいと思っているわ」

「忠夫―。気にすることないよ。お姉ちゃんなんだかんだで、忠夫のこと好きだから。とりあえず私たちの所までくるの期待しているね」

 こいしの発言に少しだけ照れたような様子を見せた後、さとりは彼女を連れて姿を消した。安心した彼が戸を開けようとしたところでさとりの声が不意に響いた。

「忘れていたわ、せっかくだからプレゼントを。『想起・淫紋が浮き出た夜の情事』」

 二人のユウキとワユと愛歌にされたことが一気に蘇り、駆けていった彼はそのまま進んだ。ワユとモモイとミドリ達が後ろから銃で援護してくれたおかげで大事にはならずに済んだが、精神的にはかなりきつかった。


 さとりの想起で心乱されたが、それでも、冷静さを取り戻すとこの遺跡は相当に綺麗な遺跡で明らかに誰かの墓であることがわかる。そして墓荒らしを殺すものというより、試練を与えて踏破して見せろというタイプの遺跡である様だ。


 横島が最初に相手をすることになった相手はユウキ達であり、彼女たちは割とあっさりと彼の力のありようを見ると合格と言ってこれからは力になることを約束してくれた。


 ただしそれ以降は学校の休みの時などにも来て、何度も彼を犯してきたが。





 ユウキ達と戦いを終えた次のフロアのボスはアリスだった。彼女は横島の人形などを遣って襲い掛からせてきたが、一度勝った時に前世の再現人形劇をしながら人形に意識を映し、
彼に前世と同じ光景見せながら自分は現実の彼の体を嫐った。一回だけだが彼女の優しすぎる堕落を誘う魔女らしい性行為は彼の体の中に蜘蛛の毒の様に根付いた。




 遺跡を進むほかに、学校での行事などでも彼は今まで助けた女性達に嫐られる回数が増えている。

 アリスが人形を使い彼が人形と同じように動くようにして、そして彼を犯す彼に助けられた学校の女生徒たち。女権国家の女らしく、笑いながら言う。

「アリス様の言う通り、もう今生は種付けするだけの家畜になったら? マゾだしこれで良いでしょう」

 アリスは笑みを浮かべながら彼が嫐られる姿を見ながら笑っている。善人でも性行為がえげつない女を彼女は横島に嫐らせるのを楽しむ癖がある。
そうした後に自分が甘やかす性行為をすると彼の意識がドンドン堕ちるのを自覚しているのだ。善良でありながら閨でだけは畜生な女性達に辱められぬいた後彼女たちは、アリスに言う。

「それじゃあ、忠夫の回復お願いします。回復させてくれる保証がないと、恩人相手にあれは気が咎めるので。おかげさまで気兼ねなく遊べます」

 閨の中以外では彼女たちは善良だ。遺跡の攻略に自分の身の危険も顧みず、協力し指揮官として横島を敬い礼儀正しい。だがそれは公私を分ける気持ちではなく、
落差を与える趣味な気もする。あるいはどちらも含まれているのか。


 性行為が終ったあと、アリスが彼に覆いかぶさり優しい性行為で彼と繋がると。彼は射精と同時にアリスの柔らかく淫らの殻に溶かされていく感触を味わった。
彼女たちのえげつない罵倒が蜜の様になり。アリスが耳元でささやく愛の言葉が脳を溶かしていく。

「忠夫、ギブアップして私たちのモノにならない。今生では劇的な成長はもうありえないわ。何しろ敵がいないのだから」

「あ、ああ」

 腑抜けになり果てている彼の顔と呻きだけで言いたいことを察した彼女は笑う。

「それでも少しでも強くなった方が、来世で私たちを護れる可能性が上がる? フフ♪」

 横島の返事を聞いたアリスは嬉しそうに笑い。彼とより一層体を強く重ねる。霊力でできた糸を彼の体に入り込ませて、乳房を時に揉ませ、尻を強く握り閉めさせて。
敢えて彼の耳元で喘ぎ声を聞かせる。射精を繰り返して気絶する彼を見下ろして笑いながら彼女はそのまま人形たちに彼を預け体を洗わせ始め、自分も風呂場へと向かった。




 その後もエリナと薙切の方のアリスの料理などで体力を回復しながら彼は全ての遺跡を進んでいった。途中でワカモだけでなく獣人の砂狼・シロコなる人物と彼は出会いその協力を得ることになる。
彼女を見て彼の霊感がひどく疼くのがわかる。銀髪でショートカットの豊満ではないが、均衡のとれた体をした彼女はヴィヴィオ程で目立ちはしないがオッドアイだ。彼女は横島に会うと不意に言った。

「ん、今日から忠夫の遺跡攻略に付き合うよろしく」

 端的にそういった後の彼女は時々横島と共に行動を共にすることが多かった。ワカモとは非常に仲が悪く、彼が間に入らないと危ないことが多く、狐と狼だからかもと彼は思ったものだ。
しかし、モモイやミドリ達とは険悪にならなかった。綿密な計画を立てて常に遺跡の踏破に彼女は適切な意見を出した。凄まじい戦闘力をを持つワカモとはそこが対照的だと彼は思う。



 シロコがここに加わってから、遺跡の攻略はすさまじく早く進むようになった。モモイやミドリやワカモも決して見劣りするわけではないが、彼女はこの墓場という遺跡と深い関係があるかの様に思える。





 一年半をかけて学校生活でも、遺跡の中でもいろいろな女性に嫐られながら様々な技術を磨き全ての遺跡を踏破して数々の快楽に耐えながら彼はついに最後の部屋にたどり着いた。



 最後の扉を開けるとそこには壁いっぱいに描かれた自分の前世たちと思える、人物とその妻たちの閨事の逸話を描いたらしい壁画がある壁のある部屋だ。
不思議と厳粛で神聖な気配も保っているのが、奇跡と言える。そして手が届かない高い位置に幾つものの彼と妻たちを思わせる人形が飾られていた。
その淫猥さと威厳が両立した部屋で、まっていたのはネプテューヌとヴィヴィオと初めて見る女性だ。はじめてみる女性はウサギの耳を付けた、金髪のグラマラスな体系をした女性だ。彼女横島を見ると、楽しそうな顔で言った。

「久しぶりだな。忠夫、私は韋駄天の分霊が女権国家に馴染んだ神様シャーロット・E・イェーガ。通称はシャーリー何回か前の前世でお前と深い仲だった女神さ」

 そして彼女の横には食事店で彼にバフのかかる料理を作り続けてくれていた薙切えりなと、薙切アリスの姿がある。

「韋駄天様はご馳走様の語源の元でもあり厨房の守護者でもあるから、私たちは仕えて歌と言えるの」

 悪戯めいた笑みを浮かべる二人を見て彼はいよいよ嫌な予感を覚えた。そして彼が剣を振るおうとした瞬間さとりが現れて、言った。

「『想起・今までの様々な生涯で味わった快楽』」

 さとりの言葉と共に彼は異常な快楽の記憶が襲い掛かってくるのを感じた。それと同時に、快楽で脳が壊されかけながらも、なぜさとりがこんなことができる?という疑問が浮かぶ。さとりは彼が今生で体験したことしか想起・できないのでは?

快楽で震え射精して精液をまき散らす彼を覗き込みながらさとりが言う。


774 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:57:03 ID:EER4THiE

「簡単なことですよ。ここのおかげです。ここはあなたのいくつかの前世のお墓そして冥府に近い場所。だからこそ、例外的に今生以外の性的トラウマも想起できる。
一瞬で全部思い出させたけど、脳が処理できなくて、忘れているでしょう? それでも戦意残ってる? マゾ男」

 横島にはもう一切戦う気力が残っていない状態になっていることが自分でもわかった。そしてネプテューヌがヴィヴィオに言う。

「それじゃあ、そろそろ前世の再現と饗宴に移りましょうか」

「ええ! 今回の忠夫さんも伝承に語り継がれるだけの活躍をした以上は、私たちの神話の地続きとしましょう」

 そういってネプテューヌとヴィヴィオが笑いながら、近寄ってきて言った。

「お兄ちゃん、あの言葉を覚えている?」

 ヴィヴィオの問いに直ぐにその言葉が思い出されたのはさっき受けたさとりの想起のせいだったのかもしれない。
彼はいくつも前の前世でネプテューヌに向かって、結婚してほしいと言われた時に大きくなっても思いが変わらなかったらと答えたら、
一瞬で大人の姿パープルハートになられて犯されたことがある。そして何度かの生まれ変わりの後、ヴィヴィオにもそれと同じことをされた。その時の記憶が今でも思い出される。そして二人は笑いながら言う。

「今生でも同じ約束しましたよね」

「ええ。子供相手だと侮っていたわね。私も女神なのに」

 礼儀正しい声に変ったヴィヴィオと、少女ネプテューヌから女神パープルハートになり、妖艶で気さくな声に変っている。シロコが彼を拘束しながら言う。

「ん、ここが私の領域ここでするために今まで協力していた」


 ヴィヴィオが最初に彼にくっつき分身を飲み込むと、ストレリチアの加護の力もあってか、彼は一気に射精して果てた。ネプテューヌが笑いながら言う。

「本当に忠夫は早漏ね。ヴィヴィオをもっと満足させてあげなさい」

 ネプテューヌが豊満な乳房を当てて、笑いながら早漏さを笑うとヴィヴィオが何度もかれを射精させる。ヴィヴィオが入れ替わると、ネプテューヌが彼の分身を飲み込んだ。

「ああー!」

「ほら、ただわめくだけじゃ嗜虐親が増すだけでしょう。もっと私を満足させなさい。ヴィヴィオ手伝って上げてくれない?」

「しょうがないですねぇ。忠夫さんは」

 ヴィヴィオが背後から彼に抱き着き腰を無理やり降らせると、彼は何度射精し始める。彼女にツボを押される度にどんどんと、射精の量が増して堕ちていく感じがする。倒れる彼から、離れるとえりな、
薙切アリスとワカモとシャーリーが近づいてきた。えりなと薙切アリスが彼の傍に来ると、えりなが動けなくなった彼の耳元に唇を近づけて言う。

「実を言うとワカモ様とシャーリー様は穀物を司る神と、食物を運んでくれる神様なのよ。そして私は神の舌というものを持っていて、
すごくおいしい料理が作れる代わりに、あまりにも舌が敏感過ぎて、食事を楽しめなくなって自殺することもある類の体質だったの。それを救ったのが貴方の前世、
韋駄天様との縁をもって私が絶望しない様に、様々な食物を運んできて食事への興味などが失せない様にしてくれたのよ」

「そ、そうなんか。えりなちゃん助けて」

「ようやくこう呼べるわね『忠夫』」

 忠夫という言葉に、女権国家の女性が意中の男に込める声が含まれていて彼は絶望した。今までえりなとアリスは横島と呼ぶことで自分たちが彼を狙っているとわからないようにしていたのだ。

 そしてえりなは彼の分身を飲み込むと笑いながら言う。

「本来あなたは韋駄天様の加護受けし戦士だから私達より偉いんですよ。ですが女権国家である以上は、婚礼の儀や夫婦に契りはこうよ」

 一応は善行や多大な功績で、韋駄天の神々の一因ともみなされている自分が、自分にかしづく信徒である料理人の下部となる婚姻の儀式、性行をしていると思った瞬間彼の分身は余計に固くなった。それを見て笑うさとり。

「この状況で固くなるとか人格おわってますね」

 さとりの嘲笑で彼が射精すると薙切アリスが交代してえりなが後ろから彼を押さえつけながら言う。

「忠夫、貴方はこの遺跡の攻略の上で、一年半私たちの料理を食べていたでしょう。その結果沢山の細胞がシャーリー様やワカモ様の加護を受けて、私たちに反応しやすくなっているわ。
想像してみて、もしも次の生まれ変わりで赤ちゃんの頃からずっと私たちの料理を食べ続けたらどうなるか」

 薙切アリスがそういいながら彼の分身を嫐りエリナと二人で彼を挟んだまま抱き留めて射精させると彼は完全に堕ちそうになっている。そして二人は笑いながら離れる。

「シャーリー様。貴方の下部である、私たちに閨で屈服しきった彼は貴女様の快楽への体制が落ちています。仕上げをお願いします」

「そうだな。じゃ、いくよ忠夫」

 シャーロット・イェーガが彼の上になり体を密着させると彼は、何度も射精起こした。彼女は乳房を彼の胸板に押し付けると乳首で彼の乳首を愛撫したり、
自分の胸を潰して遊んだりした。そして彼の腕を無理やりつかむと仰向けの彼の横になっているえりなと薙切アリスの胸を揉みしだかせた。
そして自分も残った腕で彼のえりなと薙切アリスの胸を揉みしだくと、二人はシャーリーの愛撫で絶頂した後、横島には惨敗したことを突きつけるような嘲笑の目を向けてくる。それを見てさとりがいう。

「おやおや、嘲笑の目で余計に固くなってますね」

 ワカモが彼と代わると、彼女の加護で育った穀物の効果か余計に敏感になった分身が一気に落ちていく感覚がする。ワカモも彼と交わる際に毒薬の様な快楽を与えつつ、
エリナと薙切アリスに視線で指示を出して、彼を犯させた。その度に自分より宗教上身分が下の相手に閨で屈服させる快楽が彼を蝕んだ。


 彼女たちが離れると、シロコが言った。

「ん、これで全ての細胞が私たちに屈服しやすくなった。それではもう一度行く」

 シロコが服を脱ぎ去り彼を襲うと。やや控えめだが、均衡のとれた体で彼は何ども絞られる。狼の与えてくる快楽は終わりがない。彼女が目配せをするといつの間にか来ていた人形遣いの方のアリスが笑って言う。

「本当に名前の力って侮れないわね。薙切さんの料理で慣れたせいか私の糸も通りやすくなっているわ。忠夫それじゃあ行くわね」

 アリスの糸が彼の体に入ってくると彼の体中の性的快楽が余計に強くなっていく。
そしてこの遺跡の攻略中に味わった快楽や、学校生活で味わった快楽を彼は再び味わうことになる。 いつの間にか祭壇の前のベッドに彼は移されており、エヴァが大人の姿でいて、
彼を抱き込むと乳房を押し付け笑いながらベッドの中で血と精を吸い取り始める。

「うむ血の味が上がっている上に細胞全てが私達全員の、与える快楽への反応が良くなっているな」

 彼女は横島が快楽で脳が壊れた直後に回復させるドリンクを置いていった。

「シャーリー殿とえりなと薙切の方のアリスも受け入れろ。その方が有用だろう」

「は、はい」

 快楽と屈服感で無条件に肯定する彼に満足そうに頷くとエヴァは姿を消した。





 全員に犯されぬいた後、ヴィヴィオとパープルハートとシャーリーがとシロコが入ってきた。

 彼女たちは再び彼を嫐りだしたが、その中で会話を交わしはじめる。

「ヴィヴィオ、今生でも私は貴女が彼とそういう関係になったことを嬉しく思うわ。何せ私と婚姻を結んだ時と同じなんだから」

「そうなんですか」

「ええ。『おっきくなったら結婚して』と言って言質を取ってモノにした。そういう私と同じ形で彼の転生体をモノにした女性が出てくると、神話での私とのつながりも強化されるもの」

「そうですか。私としても、聖王となってからは女神との競合は利点が多いですしね」

 片手間で彼を何度も射精させ、その度にお互いに投げ渡しながら彼女たちは続ける。

「ん、私としても冥府の守り手として、忠夫が来た時に使える手段が増えるのは喜ばしい」

 シロコは楽しんでいながらもまるで機械の様に同じ動きで何度も彼を射精させながら言う。

「まあ、女権国家やストレリチアの女神に愛されたものはある意味天国な快楽地獄が結末なのは相場だからな」

 シャーリーは時々彼の時間を加速させて、そしてそれを切ることで一気に快楽を訪れさせることなども繰り返した。

 完全に彼が快楽で倒れビクビクとしたところでシロコの姿が不意に変化し始める。長い髪になり乳房がやや控えめなものから大きくなる。そして女権国家の女性らしい豊満な体になると言った。

「ん。忠夫儀式の最後の時間。人として自由人としての最後の矜持を護りたければここからでる。それができないなら」

 そこまで言うと、彼の分身を手で撫でていう。

「これを。私に入れる。その時冥府の神々の眷属の者となり、来世もそのまた来世もこれと似た一生が繰り返される」


775 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 01:59:03 ID:EER4THiE

 シロコが与えてくる手の快楽が消えた後、ヴィヴィオやパープルハート、シャーリーの体を見て彼はシロコに近づいていく。たくさんの壁画などが動き始め、それが彼の閨での無様なエピーソードなのだとわかる。
リアルさを増した壁画時には純愛。あるいは女権国家でも鬼畜過ぎる辱める行為。そういう行為を壁画の中でされている自分の感覚と共有されていく。
彼を嫐っていた女性陣は彼に口づけしたと思うと、いきなり、壁画の中に入ったりすると、その女性が描かれた壁画がもたらす快楽がとトラウマが強まっていく。
彼女は嘲笑めいた目で勝利を確信したシロコの内部に分身を差し込んだ。その瞬間射精と同時に何かが断ち切られ、一気に彼は堕ちていく。自分が壁画の中に入ったのか、
それとも壁画から出てきた女性達に嫐られているのかそれすらわからぬまま、彼の意識が混濁していくといつか人形の群れが現れ壁画と同じような動きをし始めていく。
彼は人形がもたらす快楽までも入った後は、自分も同じくアリスの糸で動かされる人形となった。最後にさとりが彼と繋がって全てのトラウマを想起した後はただ、全ての女性に女性優位の性交をされたことしか覚えていない。
全ての女性が満足した後彼はようやく遺跡から帰ることを許された。不思議なことに相当な時間嫐られたのに対して時計を見ると時間は殆ど経過していない。

それに対していつの間にか近くに来ていたシロコがいう。

「ん、冥府と人間界では時間の流れが違う」




その日から敗北した彼の学校生活は青春というより性春な日々だった。えりなと薙切アリスに夜食をもらったと思ったら犯されぬき。
教師をしているエヴァに補修として呼ばれては遺跡に連れ去られ。アル社長は普通にアリスと愛歌やモモイと共に彼を癒し、助けた女性陣までこの遺跡とつながりが深くなり
、彼を貪る快楽が増えていった。そして最後に、次回の捜索者に期待しようと出て終わった。





 ゲームの中から出た後、彼はいくつかのスキルのコツがつかめた感覚と、自分の精神が大幅に堕ちていることに気が付いた。その彼に少しだけばつが悪そうなえりなとアリスが言う。

「ごめんなさいね。ゲームの中での初体験とはいえ、狙ってないふりをして不意打ちしたほうが印象に残るかと思って。名前でなくて苗字で呼ばれると油断するでしょう女権国家の女性は狙った男は名前で呼びたくなるけど、
稀に我慢して苗字で呼んでくる女性もいるから気を付けて」

「あ、ああ、いい勉強になったわ」

 ベッドの中で惨敗しすぎたのと、本気で惚れている好意を伝えられたせいで憎みづらい彼はえりなと薙切アリスの与えてくる快楽が頭の中で繰り返されている。

 そしてその彼にユズが声をかける。

「忠夫さん、今回のゲームに関してはちゃんと責任を取ることができますから任せてください」

 ユズの言葉に疑問を覚えたが彼は、ユズの言葉を信じて、ついていくと彼女はナイフを構えていった。

「……私と戦ってください。たった一つの特殊能力をお見せします」

 それを聞いて、横島は心底疑問に思った。明らかにユズは嘘を言ってない。だが、彼女に特殊能力などないはずだ。彼は僅かな疑問を抱きながらも、ユズと戦った。






 戦闘終了後に彼は信じられない思いをした。あれだけひどい快楽にむしばまれていたのに、今の彼は完全に正気に戻っている。快楽を忘れたわけではないが、信じられない程の健常な精神だ。それに対してユズは言う。

「……実を言うと、私のお父さんソリッド・スネークと私は戦って倒した相手を正気に戻すという、謎の力があるんです。これを使えば女権国家の女性達に快楽付けにされた人間でも戻せます。
……でもこれは自分たちでも原理とかよくわかってなくて、一度治した相手はもう二度と無理かもしれないんです」

「いや助かった。これがあるからこそ、俺にあのゲームやらせてくれたわけか。確かに凄くたくさんの技能のコツをつかめたし有用だったで。一生に一度の治療と引き換えにするくらいの価値はあった」

「……本当は忠夫さんが女権国家の女性にやられて壊れたらやるつもりだったんですけど、技能を身につけさせないと危ないかもしれませんし。
それにあのゲームをプレイする用意勧めたのは祖父でしたから何か意味があるかもしれなかったので」

「そうか。ビッグボスいったい何のためにやったのやら」

 そういいながらも、横島は考えた。多分一度だけなら快楽堕ちしても正気に戻れるというなら、自分は油断してろくでもないことになっていたかもしれない。
大鳳やジャギでもその可能性はある。恐らくは油断させないためかあのゲームで得られる技能が一番自分にとって必要だったからなのだろう。実際に相当な経験値が自分の中にたまったことを確信した後、ビッグボスとの同盟しての共闘などに頭をはせつつ、大鳳やジャギに話してもいいものかなどの悩みが彼の中に渦巻いていた。だがトラウマを克服し見方が増えたせいかネガティブな感情は一切浮かばなかった。




オマケ@
 ビッグボスが横島をあのゲームの中に吸い込ませたかったわけ。

 ビッグボスに一度頼ることになった彼は今はビッグボスの依頼で、女権国家に対抗する組織の協力活動を行っている。対悪霊用のマシンガンを装備したボスは大勢の敵をなぎ倒しながら、
テンションを上げている。そして戦闘が終わった後、凄く嬉しそうに横島に声をかけた。

「レーションも良いがジャングルでいろんなものをキャプチャーして食うのも森の戦場のだいご味だ。というわけで横島頼むぞ」

「俺をあのゲームに投げ込んだ訳って、韋駄天の加護を通して食料を取ってこさせるためですか」

「ああ。キャプチャーしそこねた食材があるから捕まえてきてくれ。あの川のでかいカエルが上手いらしい」

 見つけるのが困難なものでも、韋駄天の加護を受けてからは横島はすぐ見つけられるようになった。軍神だからこそ戦闘力も上がったし、
速度も上がったがそれはそれとして納得できない思いもある。ソリッドに言いつけようかとも思ったが、大人げないし何より親王国派の強力な傭兵団の隊長だ。
嫌われても良いことはないと思い、直感の導くままにビッグボスの所望の食材を取りにかけた。ビッグボスのことはきらいではないが、あまりイラっとさせられたら、
吸血鬼が怖いらしいからエヴァに来てもらうのも良いかもしれないと思いながら彼は駆けた




オマケA
 パープルハートやワカモやシャーリーやシロコがどこで横島とかかわりを持ったか。

 横島をゲーム中で嫐りぬいた面々は今王国諜報部のアジトで正座をさせられていた。そして彼をしかりつけているのは初音ミク。王国の守護神ともいえる女傑である。横には大鳳が控えて呆れている。

「一度忠夫を再起不能に仕掛けるほどの女神として快楽与えるとか何考えてるんですか!」

「そうね。貴方たち一応王国の守護神とまではいかなくても、王国で祀られている神様でしょう? シャーリー貴方も女権国家の影響で女体かしたとはいえ王国の軍神なのに自覚が薄いんじゃない」

 ミクの激怒というより釘を刺す程度の怒りに対して周りはバツが悪そうに答えた。

「いや、ハハハ事情知ってたから、多分ゲーム中で壊れても治す方法用意してあると思ってさ」

 シャーリーの言葉に大鳳は返した。

「皆さんもそういう手段もってない訳じゃなかったし、忠夫の周りの女性陣も一応用意してたみたいだけど、完全に治ると保証はなかったそうじゃないですか。今は彼が王国の霊的防衛隊長みたいなものだと理解してください」

「ん。壊れたら壊れたでその分私たちが頑張る」

「貴女達の戦力も大きいけど、それでも何の意味もないことで忠夫の戦力が消えたら無駄すぎる消費でしょう。女権国家に着た後の縁は警戒していたけど、まさか王国で忠夫と一緒にいた時に感じた変な気配の皆さんが原因だったとか。
ユウキを助けるために神頼みとかも結構してたしね」

 呆れつつ、大鳳は横島が無事であったことを喜び、信じられない程健康になっていたことに少々の疑問を抱いたがスルーすることにした。横島が話そうとしないということは考えがあるのだろうと信じたためだ。




 後書きとユズがソリッド・スネークから引き継いだという能力についての解説。

メタルギアの主人公の一人ソリッドスネークは人間離れした能力を有する超能力者や超人相手に、鍛え抜かれた兵士の能力で倒していき基本的には超能力めいた力はないものの、
明らかに自分と戦った相手の精神を浄化する類の力があるとしか思えないような描写があり、一作目では非人道的人体実験を受けて精神が崩壊していた、旧友と殴り合ったらその旧友が次に会った時に正気に戻っていました。
他にも、ソリッド4だと強烈なトラウマを植え付けられて精神がゆがんだのを利用されている女兵士たちの精神を不殺で倒すと浄化していたみたいなので。明らかにこれは特殊能力と解釈して書きました。
ただし公式では『多分』名言されていないので注意を。


776 :767:2024/06/14(金) 02:05:49 ID:EER4THiE
すいません今回投下した話>>759から>>764までに投下した話の続編って注意書きに書き忘れてました

777 :名無しさん@狐板:2024/06/14(金) 15:48:50 ID:FgPXcQVP


778 :767:2024/06/14(金) 21:33:57 ID:EER4THiE
>>777
乙感謝です

779 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 21:46:41 ID:Q955qKlc
女権国家二次創作SSストレリチアの隠し神話・聖王御乱行事件の真相
このSSは本スレで掲載されている女権国家の二次創作小説です。以下の注意書きがあります。

@>>767から>>775まで投降した話の続編であり、さらにその話にアンカーをつけ忘れており、その話は>>759から>>764の続きです。
A色々なキャラクター、食戟のソーマ・ストライクウィッチーズ・ブルアーカイブ・ネプテューヌシリーズのキャラクターが横島ヒロインになってます。一応女権国家にまだ
B女権国家にまだ出ていない上に出演しない可能性の高いキャラクター達をヒロインにしているつもりだけど、見落としてたり、横島ヒロインではなく他の男性キャラのヒロインとして起用されていたら申し訳ありません。
Cストレリチアの風習や気風に独自解釈が加わっており、卑怯な行いに対する許容度や、卑怯な行いをした際の理由による対応は殆どこのSS独自のものです。本編では全く違うかもしれません。
Dヴィヴィオと横島が前世から繋がっていた設定だけど、執念を燃やして男性を得るシチュエーションの為に、SSにしか出ていないヒロインが先に横島と付き合ったことになってます。
Eスレ主さんの作品である『邪な騎士と横島と騎士』の影響で横島それに出てきたヒロイン達が横島ヒロインとなっています。
F異世界から神様が訪れやすい場所があるというのはこのSSの独自設定であり、異世界から来た神様が来た場合の体質などもこのSSの独自の設定であり、女権国家で同じ様な展開が起きた場合は、本編での設定と混同しない様にお願いします。
Gアリスという名前のヒロインが三人になってしまったので、見分けを付けるために名字だけで表記したり、していますが、基本的にアリスと書かれたのが本編出ている人形遣いのアリスです。




 深い闇が美しい夜の街で石畳を歩む音が響く。何も飾り建てしなくても美しい夜の町並みは、禍々しい気配により恐ろしくだが、それでも普段とは違う形で美しく整えられている。その音の元は青い衣装に身を包んだ青年だ。
赤いバンダナに身を包んだ彼は、それなりに整った顔をいつもは異なり崩すことなく歩んでいる。幾つもの札を構え、汚れた瘴気を放つ慰霊碑にたどり着くと彼は文殊で幾つもの札を『強』『化』してばらまいた。
その瞬間あたりを包む空気がまるで死ぬ直前の痙攣を思わせる様に揺れ始め、最後の抵抗をするかの様に彼に向けて紫色の火炎を纏った鬼の面となる兜を付けた東洋の甲冑を付けた鎧武者が現れる。


鬼面の武者の痛みが生んだ馬鹿力を思わせる壮絶な剣を辛うじてだが、彼は受けた。僅かに力で劣る形で彼はやや下がったものの大勢は崩れていない。鎧武者は僅かな有利が生んだ余裕を周囲の気配を探ることに使った。
あたりに意識を割くと彼のばらまいた札が瘴気を浄化して良き霊力を彼に注いでいるのがわかる。鬼面の武者は札の外に出るべきか否かの僅かな逡巡の後、剣を引き全力で彼に切り込んだ。

袈裟斬りの構えのそれを横島が受けきると彼は即座に鍔迫り合いに移った。そして距離が縮んだ直後に彼は拳を繰り出しに移る。
そして精密機械めいた速度と正確さで片方の手を離した瞬間刀を持つために残した片腕の負荷が焼失したことに気づく。
僅かな隙を生じさせたものの力強い拳を繰り出した直後に相手の刀の所在を確認すべく横島の霊波刀を見ると彼の霊波刀が手甲に変わっている。
そして拳を繰り出した手が彼の腕で殴られた。 腕の鈍痛を感じた鬼面の武者は、この痺れがどれほど続くか調べようとして無意味であることに気づいた。
距離を取った横島が無数の札を投げてきてその時点で、片腕がこれでは防ぎきれない。残る刀でどうにか切ろうとしたが、横島が手に持った文珠に『速』を入れて発動させた直後に札の速度が上がり、彼はそのまま幾つもの札を受けて焼失した。




 鬼面の武者を倒した後、横島は滅多に見せない整い切った顔で真剣に彼の生前の行いを称える呪文を唱えた。
そしてそれが終ると、禍々しき気配が消え去り、静謐さが美しい夜を彩り始める。さっきまでと景色は変わっていないが、美しさの種類は完全に変わった。



立ち去ろうとする彼の前に再び鬼面の武者が現れる。だが、彼は一切警戒していない。禍々しい気配は一切なく、むしろ神々しい気配がしている。鬼面の武者は彼に礼を取ると穏やかな翁の声で言った。

「感謝いたす。名も知らぬ霊能者殿」

「そういってもらえると助かります。鬼面(きめん)様。穢された貴方を浄化したほうが王国に有利だからさせていただきましたので、今後も前と同じ神様としたお役目をお願いします」

 横島がここに来た理由は名も残らぬ女権国家で大勢の人を助けて崇められた王国の武者を正常な神に戻すためだ。多くの女権国家人を救い、
この国境よりの集落で強制婿入りさせられた後、女権国家の女性でも倒せなかった怪異を倒して大勢の女性を救った彼は、大勢の女権国家女子を親王国派に転じさせた。
そして今では、女権国家が先に戦争のルールを破ったことで勢いづいている、親王国派の、戦争犯罪反対派の守り神でもある。女権国家の急進派それもかなり有能なもの達の工作で悪神化していて、
このままでは数百年は眠らなければもとに戻れなくなっていただろう。

 完全に元に戻り謝辞を述べる彼に横島は言う。

「鬼面様、一つ問いかけさせて抱きたいことが、最後の祝辞がなくても元に戻れていた可能性は高いと思いますか? 具体的には俺と戦って敗れた後とか」

 横島がここに来た理由は、かつてユズに敗れたことで正気戻った能力を、文珠で『再』『現』していたので効果があるか否かを見る為でもある。あれができれば快楽付けにされた大鳳達を助けることも容易だろう。

 それに対して鬼面様は少し悩んでから答えた。

「貴殿に敗れた後、大分楽になり申した。絶対とは言えぬが、恐らくは最後の祝詞がなくても、正気に戻ることはできたであろう」

「ありがとうございます」

 大鳳やジャギが快楽付けで壊れたり、敵の傀儡になっても『再』『現』の文珠でユズの戦って倒した相手の精神を回復させる能力を使えば助けられる可能性が高いと彼は理解した。



 鬼面の武者がこれからも国境の親王国派の女性人たちの活動を霊的に支援することを約束してくれた帰り道で、彼はユズたちの作るゲームに吸い込まれた後のメリットの一つを強く認識していた。


 ユズが社長を務めるゲーム会社で時々作られる彼がゲームの中に吸い込まれる類のゲームは、吸い込まれた世界の経験全てを現実に持って帰ってこられるわけではない。
だが、ある程度コツなどを掴めることもある。それだけでない。もはや起こらなくなった、または起こる可能性が極端に低い世界線の物語でもある為か、現実世界でも使える情報が手に入ることもあるのだ。
今回の鬼面の武者をまっとうな神に戻すことができたのも、ゲームの世界に吸い込まれなければ、手に入らなかった情報によるものだ。さらに、余程でなければ性行為などを通じて堕ちた部分はゲームの外に出た時に消え去っている。
間違いなく吸い込まれた先で同じく吸い込まれた女性達と現実世界と変わらない性行為はしているのに、精神的な後遺症だけはなくなる。もしくは大幅に軽減されている。
これは彼女たちの作るゲームが大鳳の知り合いである大統領のカフェD4Cと似ていることと何か関係があるのかもしれない。





 戦いを終えて、宿に戻った横島はシャワーを浴びて寝室に戻ると、大人の姿になったエヴァが自分のベッドに腰掛けていた。彼女のその様子を見て期待と恐怖が同時に湧き上がってくるのを感じる。
逃げようとはせずに前に出るとエヴァは上機嫌に彼の顎を掴んだ。

「忠夫、見事だったぞ。 あの鬼面の武者を救った姿実にいい男ぶりだった」

「ああ。 それで今日はいったいどうしたんだ」

「最近はあの奇妙な現象ゲームの中に吸い込まれた先でしか閨事をしていなかったからな」

 そういうとエヴァは一瞬で魔術を使い自分が纏う服を消し去った。女権国家の女性は全て妖艶で美しい体をしているが、夜のエヴァは特に美しい。
吸血鬼は棺桶にいるとき裸で寝る理由は、その肢体の美しさで魅了して攻撃を止めるためだと何かの本で読んだ気がするが彼女の裸体を見ているとその通りなのだと思えてくる。
黒いマントを敢えて脱がずにいた為か、肌の色が余計に引き立てられている。エヴァは笑うと彼を抱き寄せて、乳房を胸板で潰しながら、口づけする。吸血鬼とのキスで脳内を割られた彼を抱きかかえると彼女は言う。

「忠夫、この町は実を言うと、『月下の愛の巣への強制帰還拒否』では発展して街になった場統合されていた地だ」

 それを聞いた瞬間、横島の心にエヴァがベッドに腰掛けているのを見た時と同じ期待と恐怖が走る。だが今回は恐怖の方が大きい。あのゲームの中と同じことをされてしまったら、自分はどうなるのだろうか。エヴァは少しだけ面白そうに笑うと言った。

「安心しろ、暗部を引退するまでは、使い物にならなくなるような溺れさせ方はしない。あの城は吸血鬼の主人を待っていてな、お前のおかげで力を取り戻したおかげか、私はあの城の主と認められたぞ」

 そういうとエヴァは彼を抱えて、宿の鏡に体当たりした。割れる、弁償、そんな単語が浮かんだがその心配は杞憂に終わる。鏡が映画で見るようなスライムの様になり、彼とエヴァを受け止めると、そのまま食らう様に彼らを中に取り込んでいった。


780 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 21:48:57 ID:Q955qKlc




 次に彼が目を開けると森と庭園を見下ろせる城の寝室にいた。恐らくは寝室の姿見と繋がっていたのだろう。エヴァは景色を見せるように指から出た魔力でできた糸で彼を操っていたが、
彼女がそれをやめると彼は指一本動かすことすら辛くなっている。エヴァの口づけがそれほどの快楽と脱力感を生んだのだ。

 彼女は笑いながら言う。

「あの旅宿はこの城の城主の傘下でな、女権国家が不義なことをした際に敵対した派閥の家系らしい。今ではここの城主に恩はあっても配下というほどではないそうだ。
だが女権国家が不義なことをして侵攻した際は王国にとって味方寄りの中立くらいの行動をとる。 この城の城主となった私との婚姻といくか」


 そういってエヴァが彼に近づいてくると服を剥ぎ取られた。そして彼はエヴァの魔力の糸で動かされながら、王国でいうところの正常位の体制となった。
エヴァはこの体制を凄く好んでいる。両手両足で彼の動きを封じられる上に、牙を突き立てた時の快楽で彼が暴れかけるのを手足で押さえつけるのが溜まらないそうだ。
繋がった瞬間、秘所に嫐られぬいた分身があふれ出ないのが不思議なくらいに精液を出すと、それを見越してエヴァが彼の首筋に牙を突き立てる。牙がささった瞬間、氷や焼けた鉄を押し付けられた様な快楽が襲い掛かり、
血を飲まれだした瞬間には、首筋の快楽がより精液を放出量を増やしていく。

「あ〜!あ〜!」

 快楽のあまり拷問を受けている様な声を上げる彼の声をエヴァはうっとりとした表情で聞いている。そして彼を軽々と持ち上げると、今度は仰向けに倒して言う。

「名残惜しいだろうが、これ以上血を吸うと少し危ない。造血剤と薙切アリスとえりなの料理を食べ続けて回復が早まっているが、休みは必要だろう。少し待つか」

 そういってエヴァがベルを鳴らすと、嗜虐親に満ちた表情をした、前の騒動で一応形の上では彼の部下となったえりなと薙切アリスが入ってきた。
 金髪の髪をした少し険の強そうな女性がえりなと銀色の髪をした品があるが少し近寄りがたい美女アリスを見ると彼は驚きながら名前を呼んだ。

「アリスちゃん、えりなちゃん」

 同じ名前の女性がそろった時は最初にあったマーガトロイドのアリスを名前で呼び、他は苗字で呼んでいる。
アリスの名を持つ者達は不仲ではないが、横島と会う時は少しだけ同じ名前のものとは来ない様にしている様だ。 彼女たちは横島の声に笑いながら、返事をしてきた。

「忠夫、料理が終って、控えていたけど、とっても女権国家の女性をそそる声を出していたわね」

 えりなの嗜虐親を煽られた視線に脅えつつ、疲れ果てていても分身が反応しだすことに彼は王国男子として自分がいよいよやばいかもと思った。

「えりな、それくらいにしておきなさい。私たちは今日だけとはいえ、エヴァさんの使用人な料理人なんだから。旦那様には敬意を持ちましょう」

 横島の分身が立っているのを見たうえで、目だけでバカにするとアリスはえりなと共に彼にワインと増結効果と精力の付く直ぐに食べられる料理を並べ始める。

 マナーを気にせずに食べられる石焼のピザや、精力を増強するスープと消化促進の薬酒が彼の脳を溶かしていく。
かみちぎったピザの口の中に僅かに残ったチーズが酒で流し込まれると彼は、少しづつ堕ちていくような感覚を味わっている。
えりなとアリスは酒が入り動きづらい彼の、手を暖かいタオルで拭きながら、性感帯を刺激していく。そこにエヴァが戻ってきた。彼女はそれを見ながら意地悪く笑うという。

「二人とも今日は私の部下だから、許可を出す。忠夫を嫐りぬいて構わん。料理人として我が食料でもある夫の味を上げよ」

「「はい」」

 二人の声が綺麗に重なると二人は笑いながら言う。

「韋駄天様の加護を受けて多くの食糧難の人々を救った忠夫様」

 えりなは普段は呼び捨てにしているくせに、こういう時だけは自分が厨房の守護者の軍神の加護を受けた戦士の目下な態度をとる。
それはアリスも同じで目上の者として丁寧に立てることで、ベッドの中で負けている彼の無様さを引き立てるためだ。

 二人が服を脱ぎ去ると、豊かな乳房が見えた。釘付けになったそれを見て、彼女たちは前と後ろから彼を挟んだ。
薙切アリスが後ろに回り、えりなが前にきた瞬間、彼の背中と胸板で乳房が潰れ、彼の分身が一気に固くなる。えりなは繋がりながら腰を振り言う。

「忠夫様、私たちの料理を食べ続けて、細胞や血液どんどん彼女たちとの夜ごとのデバフがかかってますよ。まして、私たちと気が交わればどれくらい、私たちの料理が貴方の血肉となった。際の快楽はどれくらいでしょう?」

「あ、ああ……!」

 不安がる彼に後ろから抱きしめている薙切アリスが耳に息を吹きかけたりなめていた舌を止めて言う。

「今夜の締めは私とアリスに王国男子としては恥ずかしいプレイを全部した後で、最初のエヴァ様と同じ型の性行為だそうですよ」

「そ、そんな」

 懇願の言葉は、えりなが腰をひねったことで、起こった射精で言葉にならなかった。アリスが離れると倒れた彼の上にえりなが騎乗位の体制で何度も彼を射精させ始める。
彼女は仰向けになった彼にぴったりと体を押し付けると、最後の射精をさせると笑って言った。

「精力を付ける料理は成功ですね。ぜんぜん萎えていません。――最も精神はそうじゃないみたいだけど」

 強すぎる快楽で前後不覚になっている彼をバカにした目で見下ろして足で分身を踏み射精直前まで追い詰めるとえりなは薙切アリスと交代した。

「えりなったら性格悪いわ。直ぐに出させてあげなきゃかわいそうじゃない」

 薙切アリスは表向きは非難しつつ本心では楽しみながら彼の分身を飲み込んだ無理やり立たせられた彼と対面座位をしながら射精の時に口づけして、余計に出させた後は、動けなくなった彼の上で騎乗しながら表情の変化と悲鳴を彼女は楽しんでいる。
腰をくねらせられるたびに射精が起こり、体力ではなく精神が削れ屈服感が増していく。それに対して彼女たちは言う。

「エヴァ様。お願いします」

「任せろ。今夜はお前たちは私の配下だ」

 アリスの言葉にこたえるとエヴァは魔力できた糸を彼に差し込んだ。そして少しの感嘆の色を見せる。

「さっきより誤差程度だが魔力の糸が入りやすいな。これも儀式料理の効果か」

 そういった後、エヴァは横島の目を覗き込んで言う。

「忠夫、これから私達との性行為をするたびに王国男子として恥辱の極みな性行為で最後とする。本気で嫌がったらこの糸は切れるぞ。そうしたら今夜はもう終わりだ。無理だろうがな♪」


 その後横島は何度も彼女たちの嘲笑を受けながら快楽を求める為だけに何度も何度も彼女たちの中に射精を繰り返した。
快楽の沼に沈んだ様な意識になった後、エヴァが最初と同じ正常位で彼を抱き込んで首筋の血を飲んだことで、強すぎる快楽でようやく正気に戻った。エヴァは笑いながら言う。

「次のゲームでは私の出番はないかもしれないらしいから役得だ。この地方の霊的新領主として王国の味方をするから安心するがいい」

 返事ができないとわかった上で言ってくるエヴァの言葉に声すら出せない程絞られた彼は一応は王国の暗部としては良いことだと感じながら意識が落ちていった。





 次の日に彼が目覚めてシャワーを浴びて部屋に戻とるとマーガトロイドの方のアリスが料理を用意してくれていた。えりなや薙切の方のアリス程ではないが、彼女も料理は上手い。アリスは彼に料理を出しながら笑って言う。

「忠夫昨夜は随分と可愛い姿を見せていたみたいね」

 純粋な想いで言われる王国男子としては恥ずかしい言葉だが、それでもアリスに火が付いて自部が襲われるかもしれないことに期待を覚えている自分もいることに気づく。彼は少し悩んでから答えた。

「アリスちゃんも見てたんか?」

「ええ、一応王国民とこの城の領主の霊的婚姻に近い行為だから、魔女として過去の映像を見せてもらったわ」

 少しだけからかうように笑うアリスが出してくれた朝食を食べながら彼は、アリスの出してくれた料理をありがたく思った。
辛みの強いカレーを柔らかいパンにつけて食べると昨夜のやや飲みすぎた胃にしみていき頭を鈍くする頭痛が少しづつ引いていく。






 食事を終えて体調の戻った彼は、アリスに気になったことを質問した。

「アリスちゃん、それで少し聞きたいんやが、全員がここに来とるのか」

「ええ。ここは割と王国を守る為の霊的防衛地としては、重要だから調べておきなさいってミクさんに頼まれたの。そしてゲーム会社の面々も来ているわ。ミドリがイラストの参考になりそうなものが多いからって」

「そうかそれじゃあ会いに行くか。アリスちゃん料理ありがとうな。おかげで体調が戻ったわ」

「ええ、女権国家の料理は本当に精力がつくでしょう美味しそうに食べてもらえて嬉しかったわ」

 その後に小声で、「後で忠夫を食べたいわ」というアリスの言葉が聞こえなかった彼は、不安を覚えることなく城を見て回ることにした。





 城を見て回ると綺麗で大きいが、夜の方が映える城だと感じられる。ここら辺はやはり吸血鬼の城だからだろう。眠そうな表情をしているモモイとミドリを見つけると、二人も横島の姿を認めて、走ってきた。


781 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 21:51:42 ID:Q955qKlc

「忠夫ー、もう起きたんだね。調子戻った?」

 モモイの陽気な様子に彼は元気が湧いてくると思いながら答えた。

「ああ。アリスちゃんが作ってくれた料理のおかげで大分回復したで。ちなみに二人とも眠そうやったけどなんかあったんか」

 その答えに控えめな様子のミドリが答えた。

「実を言うとこの城ゲームのイラストに仕えそうだからメモしてたんです。昨日みたいに満月が美しい夜は滅多にないから、少しで記録しておきたくて」

「確かに素人なワイでもわかるくらい。この城は夜の方が映えるわな」

 横島の答えにモモイも言う。

「このお城舞台のシナリオ書くから、私も見ておこうかなって思ったの。本当に綺麗だったよ」

 答えながら横島は少し不安に思った。完全オリジナルならまだしも。もしかしたら自分が体験するイフの世界ができたらエヴァに嫐られる世界の話ができてしまうかも。

 恐怖と彼女たちに嫐られ続けた記憶が産み出す期待を押さえつけると彼はその場を去ろうとしたが、モモイとミドリが子供の様に引っ付いてきた。

「忠夫、疲れているから少しは甘えさせてよ。このまま次ぎの目的までいこう」

「はい」

 ミドリとモモイに抱き着かれながら彼は明らかに少女な二人の体にすら嫐られた記憶のせいで反応しかけていると感じながら、進んだ。




 彼が城の遊戯室にたどり着くと、そこには全員ではないが女権国家で知り合った女性陣の姿がある。城を王族らしく評価していたらしい少女の姿のヴィヴィオが彼を見つけると笑みを浮かべて近づいてきた。


「お兄ちゃん、もう目覚めたの。エヴァさんに好きにされた割には早く目攻めたね!」

「ああ。料理と薬酒が想像以上に聞いたおかげだ」

 ヴィヴィオを抱き上げながら彼は応じると、辺りを見回した。

「わざわざ、モモイやミドリ、ユズちゃんとくるってことは今回もやった方が良い、もっと言えばワイが入った方が良いゲームができたってことか」

 一応疑問系で問いかけてはいるが、確信している彼の言葉にヴィヴィオも頷く。それを見て彼は、またアブノーマルプレイの数々が始まると思い、憂鬱になり、暗部としての自分を取り戻すと、贅沢な悩みだと切って捨てた。
王国の不利な現状を見れば多少でも有利に働く現象を起こせるのなら、自分の名誉くらいは別に良いだろうと思う。
好きでもない皇女にトラウマ体験させられた大鳳から見れば、一応は両想いといえる女性達にしかされていない自分はまだだいぶましだ。

 彼が気を取り直したのを読み取るとヴィヴィオは笑みを浮かべて言葉を待っている。それを見て横島は言った。

「ヴィヴィオそれで今回はゲームの中に入ると起きるメリットってなんだ。スキルが僅かに上がったりコツを掴めたりか? それとも俺たちが生きている世界線でも役立ちそうな情報か?」

「後者の情報と私たちの前世の力を取り戻す類のことかな。それじゃあさっそくプレイしようか」

 ヴィヴィオの上機嫌な様子を見て、今回はかなり重そうだな、と思い憂鬱になりながら彼は遊戯室にあるゲーム機を起動させた。

『ストレリチア物語。聖王陛下生涯一度の御乱行と女神パープルハートとの和解共闘経緯』

 タイトル画面を見た瞬間、横島は今までゲームをやった中でも、すさまじく嫌な予感を覚えながら下がろうとしたが、後ろから大人形態になっているエヴァとヴィヴィオに押さえつけられた。
そしてパープルハート形態になっているネプテューヌと、アリスも混じっている。

「忠夫、大丈夫よ。プレイを終えたらきっと楽しくなるから」

 アリスの笑みに凄まじく嫌な予感を覚えているのに、分身が反応してきているのを自覚した彼は覚悟を決めた。この状態では逃げ切れない。
それならいっそとことん味方の女性達にとことん堕とされる類の堕ち方をした方がリスクは少ないだろう。




 ゲームを起動して彼はしばらくは彼のいくつか前の前世である高島・忠夫の簡略化された人生を見ていた。

 親王国で女権国家と敵対していた小国の霊的防衛を中心とした軍人である彼は悩んでいた。
霊能の才能から16歳で下士官となりそれなりに活躍したものの、女権国家との戦争に敗北を喫し、守り切って和睦はできたが、降伏に近い形になりそうな今、自分はどの様に身を振るべきだろう。
自分の腕は辛うじて一流だが、一流の中では底辺という位置にいる。王国に流れるか、それとも他のまだ最低でも10年以上は持ちそうな王国以外の同盟国に亡命して、女権国家に侵入する諜報員になるか。
給料が凄まじく良いし、女権国家では様々な霊能の技術を得られる可能性もある。生きて帰れれば、人生は好転するだろう。だが女権国家に行った場合のことを占うとろくでもない運命しか出ないので、諦めていた。
占いというのは自分のことを占うと客観性が落ちてしまうために効果が激減するが、それでもわかるくらいろくでもない運勢でかつ外れている気配がない。

 少し考えたのちに彼は、異界から様々な神が訪れ、善行をなしたという幾つもの来訪神祀る神社に来るとおみくじを引くことにした。この神社は様々な加護があるが、一番は出会いや別れや旅立ちの決断の後押しだ。
自分は一応流浪の身にもなることができる地位でもある。今いる一応は王国領である、国境の里にまだいるべきか、それとも女権国家ではなくてもどこかに行くべきか。ここでおみくじを引いてみよう。

 神社でおみくじを引きかけた瞬間、彼は運命と出会った。 大きな神の気配を感じ上を見ると、神社全体が大きく揺れ始める。これは間違いなく異界の神の来訪。そう考えたかれは、即座に身構えると、非礼がない様に身を正した。

『まさかこれからの、ことを占うおみくじもらうところで来方神様の相手とはな。この神社に祀られている、善事をなした神々よ、どうかあなた方のご加護によりて、貴方がたの後輩である神と良き関係を築けますように』

 柄にもない敬語を内心で使うと彼の目の前で空が割れる。そして明るい桜色よりの紫の髪をした少女が空から現れた。ほとんどが白であり、いくつかの部分は彼女の髪と同じ紫で彩られたパーカーワンピースに身を包んだ彼女は、
横島を見ると凄く良い笑顔で駆けよってきた。

「やったー、異界からの訪問オーケーな神域に来たら、いきなり大当たり!」

 いきなり抱き着かれて、困惑する彼に彼女は言う。

「私はネプテューヌ。さすらいの昆虫ハンターで今はある異世界のゲーム会社の社長やっている女神だよ」

「ゲーム会社?」

「まあ、小説とか戦略もののTRPG凄く親かせたものだと思って。和風ゲームの教材や題材になりそうな人物ゲット」

 高島はネプテューヌの言葉を聞き困惑と納得を同時に覚えた。ゲームというものはぼんやりとしか想像できないが、確かに自分は東洋の資料という意味では大変有用だろう。

陰陽道を学びたまたま適性があったので、妖怪の治癒なども学び、治癒した妖怪のつてで女権国家を敵視する、希少極まる強くて有能な男性の天狗から武芸と妖怪を救う医療の技を教え込まれた。

今思い返してみると、あの天狗は親しいものを救ってくれたことへの恩義が3割か4割くらいで、残りは女権国家に対する敵意だったのだろう。
自分が確実に女権国家と一戦交える国の所属だからだろう。その天狗の見立ては正しかった、一流の中では底辺とはいえ、予定外の霊能者の参戦で女権国家は予定よりはこの国に勝ちきれない結末を迎え、
攻め落とすのではなく最終的な和睦でこの国を落とすことになっていた。もう少し善戦の内容が伝われば自分はこの国から出ることが困難になるだろう。

 自分が女権国家に与えた損害を思い返すと、あの天狗の女権国家への憎悪は割と深かったのかもと思う。天狗は弱いとされていて、男性器の象徴でもあるとする鼻を持つが故かいわれなき、
冷遇というより無条件に自分たちに隷属せよ見たいな扱いも受けたのかもしれない。 


 そこまで考えた後、彼は不意にネプテューヌの手で頬を掴まれた。

「私も日本刀をよく使うし、そういうゲームが増えるとありがたいの。それじゃあ一緒に、女権国家行こうか」

「は?」

「あそこは凄い魔術もたくさんあるし東洋の術も凄いのがあるから頑張って収集しよう。非道なことをしている組織『だけ』を潰すなら警邏隊とかは味方になってくれるし、無事に帰れるよ。
そして和風ゲームをたくさん作って日本刀や和風系の術とか武器が強化されるようにしよう!」

 ネプテューヌの言葉を聞きながら、彼はその手を取った。敗戦国となった際に仲間たちの死やそれなりに尊敬していた上官からの裏切りなども彼の心にある程度影を落としていたようだ。
最も上官の裏切りに関しては女権国家が先に戦争の約束事を破った篭絡が原因だったので責めきれないが。この何も考えていない様にも見える底なしに明るい女神と共に駆ければ陰鬱な敗戦の陰りが消えていく気がした。







 女権国家に入国して良識派の女性達と共闘を繰り返すこと2年が過ぎた。女権国家に入国する展開になった瞬間ゲームの世界に吸い込まれて高島と合体した横島の目から見ても、
女権国家と対峙するうえで役に立つ知識が多い。現在の女権国家以上に襲われる率が高いところから、彼は今の女権国家は大鳳がいるほか、ティアナやマフィアのボスの手腕が凄かったのだなと理解した。 


782 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 21:55:28 ID:Q955qKlc






この2年間で様々なパターンで人助けをしてその際に色々な経験をしたが、特に大きなものだけを記すと、
彼がかつて韋駄天神、スカンダ神と一時的に合体したせいか、女権国家の信仰で変化した韋駄天族の一柱であるシャーロット・E・イェーガ、通称シャーリーに目を付けられた。
そして彼女に目を付けられるきっかけとなった事件こそが、今生まで追っかけてきた、薙切えりなと薙切アリスとの出会いだ。神の舌を持つ者は敏感過ぎる味覚のせいで味に絶望して自ら命を断つ例も多い。
それを防ぐために厨房の守護者で食べ物を調達する面もある韋駄天神の加護を借りて彼はえりなに食べさせる料理を集めるほか食料が運ばれる経路を整えたりもした。

そういった善行の大半はネプテューヌが彼を引きずり込んだことが大半だ。彼女は善行をなすとき彼を振り回しつつ、こき使って陰惨な敗北や過去の事件を思い出させない様に立ち回っていた。
恐らくは何割かは狙ってやっていたのだろう。遥か昔の時代だったが、女権国家だけには一部の地域だけだが現代の様なゲームソフトなどもあり、そこでネプテューヌがやっているらしいゲーム会社のゲームを売ったりすることもあった。





 女権国家を出ることになった彼は、ネプテューヌと共に世話になった面々にその旨を伝えるために向かい合っている。
彼に恋愛感情を持っていなかったが何度も助け合った当時の警邏隊長は漠然とした疑問を抱いていたようだが、上手く言い表すことができないと言った様子だ。
彼女は決して無能ではない。むしろ有能だと言えるが、ティアナには遠く及ばない。その彼女は少し悩んだ後、確信はなくても言うべきだと決めたらしく彼を呼び止めると言葉をかけてきた。

「私も確信があるわけではない上に、違和感を感じている程度なのだけど、この忠告を聞いてくれる?」

 彼は迷いなく頷いた。何回も共闘してわかったが、彼女の忠告はとりとめがなくても、無駄だと思えた内容は一つもなかった。
ネプテューヌも最後の別れとなる友達との歓談をやめていつの間に彼の膝の上に来ている。それを見ると警邏隊隊長は話し始めた。

「貴方が肉体関係は結ばなくても仲良くなった女性達、彼女たちはどう見ても貴方の惚れていてもおかしくないわ。 でも良識派な女性達だから貴方がネプテューヌ一筋だとわかってからは、距離を置いていたみたい。
ギリギリだけど我慢できる程度にしか惚れていなかったのかもしれない。でも少し違和感があるのよ。過去に巧妙に男性への好意を隠して私の目を潜り抜けた女性達と似た気配がしたの」

 忠告を聞きながらもネプテューヌ一筋の下りで横島の心臓は跳ね上がり、この警邏隊隊長を過小評価していたと反省の念が沸き上がっている。
他の警邏隊員たちも横島のリアクションを見て驚いている辺り、自分の隠し方も下手ではないのだろう。この時代の警邏隊は今ほどではないが優秀だ。

 警邏隊隊長は横島が驚いたのを見てネプテューヌに言う。

「一応聞くけどどうやって彼を落としたの? どう見てもロリ形態は好みじゃなさそうだし、それは今も変わらないみたいだけど」

「あははー。神様だけの特殊能力です。洗脳とかじゃないよ」

 少しバツが悪そうに笑う彼女に警邏隊隊長は許すという態度を見せながら言った。

「まあ、今は相思相愛みたいだから咎めませんけど、――少し話が脱線しましたね。彼女たちは横島くん、貴方を襲う気配もないし、引き留めようともしていない。
過去に私の経験とデータを見ても彼女達くらいの良識派かつ、基本的に独占したいネプテューヌちゃんに恩のある現状なら、ギリギリあり得なくはない反応ではあるわ。でも少しおかしい気もするの」

 彼女の忠告を聞きながら高島役としてゲームに取り込まれた横島は答えた。

「まあ、何かあるかもしれないけど、彼女たちが相手なら大してひどいことにはならないでしょう。それにこれから俺が行くのはストレリチだしあそこに行ったらもう安全でしょう」

 その言葉に彼女も警邏隊隊長も頷いた。高島は納得してしまっているが、横島の意識は少し警戒心が薄いと感じている。多分ティアナさんだったらもっと警戒しただろうなと、横島は思う。その後しばし騒いだ後、お開きとなった。

 後でわかったことだが、横島に対して好感度が高くなった女性たちは女権国家でも有数の占い師の所に行って情報を入手していた為の態度だったらしい。それがのちに彼に災難となって降りかかることになる。





 ストレリチアの入国した後の彼は、偶然にも聖王の転生体ともいわれるヴィヴィオを助けることになり、そして少女である彼女に現在でいうところのスパダリと言われるような、助け方をして、邪悪なる存在達から護り抜いた。
ネプテューヌはストレリチアの掟を調べたうえで、既婚者の証を彼につけさせた後、勝負に応じないことを命じて、彼と別れて行動することの方が多い状態だ。
ストレリチは邪悪な気質の女性はあまりいないから大丈夫と踏んでいる上に、ヴィヴィオを護る為には東洋の術に長けた彼がそばにいた方が良いと考えたのだろう。






 ストレリチアで過ごして一年が過ぎた時、明日戻ってくるネプテューヌを称える本格的な祭りの前夜祭の宴に出席しながら、彼はそろそろヴィヴィオの元から離れても大丈夫な時が来たと考えていた。
彼は気づいていないが、横島が最初に白馬に乗った騎士の様に救った時にヴィヴィオには女権国家の女性と同じく好感度ドーピングが起きている。その影響と聖王の血のせいか彼女はまだ幼い体で横島よりも強くなっている。
彼は女神ネプテューヌに振り回されて女権国家でも死線を潜ったから普通に英雄と言えるくらいには強くなった。だが、それでもストレリチアの英雄な女騎士や、聖王の系譜や女神達には及ばない。

 自分とネプテューヌの力の差を認識して少しだけ憂鬱な気分になったが、このストレリチアで出会った夫婦たちの様子を思い出すとすぐに持ち直した。
ストレリチの夫婦関係を見ていると決して弱くはない男たちが、それ以上に強い女性に保護されて共有されている様だ。ネプテューヌが彼をここに連れてきたのも、力の差で悩む彼にこういう夫婦関係もある、と見せる為だったのかもしれない。
思考を打ち切ると彼は壇上のヴィヴィオを見た。まだ子供だがそれでも、立派に王族らしい威厳に満ちた様子でネプテューヌを祀る神殿に対する演説をしている。
かの女神がどれだけ大きな貢献をストレリチアにしたか、そしてこの神殿がその証となり彼女が加護を与えてくる拠点であると同時に、彼女の神話の新たな一説になるであろうと言っている。





 宴を終えた彼はストレリチの料理と二十歳記念に飲んだストレリチア産の酒の味を思い起こしながら心地よい倦怠感に包まれながらベッドに入った。眠りに落ちかけた時、ドアをノックする音が聞こえてきて落ちかけた意識が戻ってきた。

「お兄ちゃん、もう寝ちゃった?」

 ヴィヴィオの声を聞いた彼は起きている旨を伝えると、王族の衣装に身を包んだヴィヴィオが彼の部屋に入り込んでくる。子供らしいがどこか高貴な気配を感じながら彼はいつもの様に彼女を迎え入れた。


「ヴィヴィオ、今日の演説みごとやったな。もうほんとうに見違えたぞ」

「もっと褒めてお兄ちゃん!」

 子供らしいテンションで近寄ってきたヴィヴィオを見て、ネプテューヌとはタイプが違うが明るい娘だと思う。
この国に来てからはネプテューヌより彼女と過ごした時間が長かったが、共にいることでネプテューヌと一緒にいる時と同じく、陰鬱な気持ちに沈むことはなかった。
子供らしい彼を照らす様な笑みを浮かべていたヴィヴィオが、不意に王族らしいカリスマを纏った気配に変わる。それを見て彼は戸惑い恐れを抱いた。
彼が過去にネプテューヌとの夜に経験した気配に少し似ている。僅かに萎縮した彼にヴィヴィオは言う。

「実を言うと聖王って死後は神様になるともいわれていて、戦士たちや正しく武力を用いた人たちが行き着くヴァルハラの統治者でもあります」

「そうなんか」

 そこまで聞き終えた後に横島はよくわからない不安を覚えた。そんな彼を他所にヴィヴィオは幼い少女とはとは思えない力で彼を掴んだ、それに横島は少し恐れたが構わずに彼女の言葉の続きを待つ。

「だからこそある程度どんな行いをしてきたかとかも見れるんですよ。ある程度はその魂を選定しなきゃダメですからね。だからこそ決めました」

 そこまで言った瞬間、ヴィヴィオの目から感じられる気配に彼は畏怖の様なものを覚え全身が金縛りになったような錯覚を覚えた。
今日食べた料理と酒のせいかけだるい状態で力が入らないだけではなく、途端に自分の股間の分身が力強く勃起し始める。それを見てヴィヴィオが笑う。

「時間ぴったりです♪ 薬種とストレリチア産の調味料やハーブの効果が出てきましたね」

 そういうと彼女は素手で横島が来ていた衣服を引き裂いた。

「ネプテューヌさんには多大な恩があるから、正々堂々忠夫さんを落としていたならもっと段階を踏んで側室になるつもりでしたけど、こんな手を使ったのなら話は別です。私も同じ手を使わせてもらいます」


783 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 21:58:03 ID:Q955qKlc

 そういうとヴィヴィオが服を脱ぎ、少女でありながらも天才に作りこまれた美術品を思わせる、肢体を見せてきた。その体に少女に欲情を覚えない彼ですらも分身が余計に固くなる。
そう思えたのは一瞬で、次の瞬間ヴィヴィオの体が大人へと代わると痛いくらいに分身が強張った。豊満な乳房と形の良い尻を彼女が見せるように座ると、完全に目が離せなくなる。それを見てヴィヴィオが言う。

「ネプテューヌさんの初夜と同じ反応ですね」

 その通りだった。女権国家でネプテューヌと共に駆けて多くの人を助けていた時、女神としての彼女の好意が一定を超えた時、彼は打ち上げと称して女権国家の高級料理店で食事を終えた後、
止まったビジネスホテルでネプテューヌが女神としての姿パープルハートに変わり彼をものにしたのだ。1年半以上も共に戦い彼女の女神としての在り方に魅せられた彼は拒み切る気になれず、そのままパープルハートに堕とされた。


 それを思い出した直後、ヴィヴィオがちょうどパープルハートと同じように彼を押し倒し、胸板でその豊かな乳房を潰してくる。そして両腕で彼の手を取り自分の尻を握り閉めさせる。

「あ、あー!」

 パープルハートの激しいながらも優しくどこまでも腑抜けにしてくるそれとは反対の支配してくる快楽が彼の分身を包み両腕から伝わる弾力と胸板で潰れる彼女の乳房の感触が一気に彼の分身から精を放たせた。

 たった一回の射精で、ヴィヴィオにされた卑劣な行為などに対する怒りなどが出尽くした感覚がして彼は自分が一気に腑抜けに堕ちた感覚を味わう。ヴィヴィオは彼の瞳を見ながら言う。

「パープルハートさんは女神、そして私も聖王だから同じ様な事が出来ます。こういう手段で関係を結ばれて、そこまで操を立てる必要がありますか」

「あ、ああ」

 呻くだけで答えられない彼の上でヴィヴィオは腰を振ると笑った。そしてパープルハートにされた行為が思い出され、彼の意識が快楽で飛びかける。そしてその中でネプテューヌと初めて性行為をした時の記憶が蘇る。





 ……――……女権国家に滞在して一年と二か月が過ぎたころ、彼は女権国家のビジネスホテルの一室で、ネプテューヌと二人で過ごしていた。
女権国家でビジネスホテルは比較的安全な場所だ。男性の就業率が低い以上、女性が単独で泊まることが多いから男性を嫐るための道具や罠を置いていない所も多い。
男性が単独で泊まりに来ることなどほとんどないし、男性を連れて入ってくる女性もごくまれにいる程度だ。そんな場所でも最低限の男性と性行為する道具はある辺りは流石女権国家といったところだろうか。

多くの悪霊との戦いで疲弊した彼を支えてネプテューヌがこのホテルに来た時、幸い外傷はなく、悪霊に殴られて霊力や生命力を削られただけだった彼を見たホテルの人は、ネプテューヌが彼を絞り尽くしたのだと勘違いした様だ。
ここはルームサービスありのビジネスホテルだったのでネプテューヌが選んだメニューを頼んでくれた。なんでも精力が凄くつくが男性が欲情しない限り、勃起しない類の料理らしい。
その注文を聞いたホテルの女性はネプテューヌが『こんな子供に勃起するなんて変態』みたいなプレイをしたい女性という勘違いもした様だった。




  シャワーを浴びた後、ルームサービスの料理を食べて彼は、霊気が回復していくのを感じると心地よい倦怠感が襲ってきて、ベッドに倒れこんだ。

 ネプテューヌは倒れている彼を見下ろしながら言う。

「忠夫は随分と私に気を許しているね」

「まあな。料理のチョイスの時も男が欲情した場合に股間が強く立つとかそういうのを選んどったしな。ワイはネプテューヌ相手には勃たんからな」

 その言葉を聞くとネプテューヌは笑った。

「霊力回復を助けるとはいえ、倦怠感を強くする酒とかあっさり飲むし、本当に信用しすぎ。神様って時には凄くわがままなんだからね。欲しいものを得るためにはえげつないことも平気でするし」

「いや、冗談だよな」

 言いながらも横島は、一応逃げる準備だけは始めた。特に股間の分身だけは触られない様にしようと思った直後に、ネプテューヌの体を彼女の髪と同じ紫色の光が包んだ。
その光が消え去った後には紫色の長髪をした、豊満な体を引き立てるボディスーツに身を包んだ美女がいた。女権国家の女性達と同じような美女だが、彼女は妖艶というより女神を思わせる美を纏っている。
色香さえ纏えば淫らに見える黒と紫のコントラストのあるボディスーツは彼を誘惑するための気配を見せた直後にそうなり始める。彼女は横島の分身がやや硬くなった所で彼の前にかがむと豊かな乳房が見えた。
あるいは故意だったのかもしれない。 彼女は微笑に茶目っ気を交えながら言う。

「やっぱり大人の女性にはとても弱いのね貴方。 ここもこんなになっちゃって。この姿では初めましてね、女神パープルハートよ。今夜から貴方を支配する御主人様、じゃなくて御主神(ごしゅじん)様よ」

 分身をバスローブ越しに一度撫でられただけで彼は達しかけた。女神としての気を遣っているだけではない、女権国家に来た上に女神として人助けをたくさんしたことで信仰を受けたことが影響している様にも見える。

 一回撫でられただけで痛いくらいに分身が屹立したのを見て揶揄う様に笑うと彼女は彼の服を剥ぎ取り言う。

「早漏過ぎて、これ以上焦らすと無駄撃ちになっちゃいそうね」

 そこまで言った直後に彼女がサイコキネスらしき力で彼の分身の射精を禁じると、ゆっくりと服を脱ぎ始めた。 彼女の足や乳房、尻を見ているだけでこの見えない圧迫がなければ射精していただろう。
射精を禁じられていながら、彼女がわざとらしく遅く脱ぎ乳房を揺らす動作に、射精欲が強まり。後ろを向いて尻を見せながらブーツや靴下を脱ぐ速度が遅すぎるさまはもはや拷問だ。
射精が許されずにのたうち回りつつ、彼女の女神としての美が目をそらすことを許さない。そして脱ぎ終えた彼女は笑いながら言う。

「御預けはここまでよ。よく我慢できたわね。偉い♪偉い♪」

 ペットに言う様な声を聞かせた後、彼に覆いかぶさるように対面座位の体制で分身を飲み込んだ。

「ひぎゃー!」

 悲鳴しか出ない彼は射精を彼女の内部にしながら、霊力が一気に削り尽くされた感覚を味わった。どこまでも優しく彼の脳を溶かしていく快楽に沈む彼をパープルハートは笑いながら言う。

「男性優位の性交が当たり前の国出身の男の子は可愛いわね。女神の夫としては上々。女権国家やストレリチアの男は普通にやっているだけでここまで恥辱の涙を流してくれないもの」

 彼は快楽で脳が壊れ切っており、そこまで考えている余裕はなかった。
だが、射精して少し冷静になった隙間にそれを埋め込まれるように言われたことで自分がどれだけ女性優位の性交をしているのか考えた直後に、パープルハートの手が動き、彼の顔を豊かな乳房の間から解放し、
対面座位から彼女が上のまま仰向けになった彼にぴったりと体を重ねる状態に変えた。そしてホテルの姿見で自分の姿を見た彼はベッドの中で女性に良い様にされている姿を見て、情けなさで胸がいっぱいになった。

 パープルハートはそれを見て言う。

「あら鏡で自分の姿を見た途端、この子がとても元気になったわね」 

 この子の下りで分身を余計に締めて射精させて、悲鳴を上げる彼を見下ろす。

 彼女と繋がり完全にベッドの中で敗北しつつ快楽の極限で脳と魂が完全に無防備になっている彼の手を取ると彼女は自身の乳房を握り閉めさせる。

「ああー!」

 性交をやめたいという気持ちではなく、これ以上の快楽が来れば脳が壊れる。そういう恐怖から手を離しかけた彼に彼女が言葉をかけた。

「手を離しちゃダメ。揉みしだきなさい」

 完全に魂が屈服して支配下に置かれた様な状態なったような彼は彼女の言葉に逆らえず、これ以上の性的快感は心が壊れるという警報を無視して無理やり手が動いた。
揉みしだく度に、射精が脳に激しい切れ目を入れていく。パープルハートは時々彼に命令をして尻なども揉ませた。

 2時間ほどが経過した後、彼が闘技場などで殴り倒されたファイターの様にうつぶせになっている横で、パープルハートが満足そうに笑っている。

「忠夫、とてもかわいかったし、満足したわ。初めてだから繋がる儀式としても必要だから激しくしたけど、今度からは優しくするから安心して」

 燃えカスの様な彼は言葉すら出せなかったが、『ほんまか?』と言っている様な雰囲気がした。それに彼女は笑いながら頷く。

「次の人助けの戦いで、頑張ったら優しくしてあげる」


784 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:00:53 ID:Q955qKlc





 次の戦いで彼が誰かを助けた後、彼は再びパープルハートの姿になったネプテューヌに閨で圧倒されていた。前回の性行為で魂に刻み付けられた何かが、快楽を余計に強めていく。
どこまでも優しく、睡魔にむしばまれる休日の布団を思わせる脱力感と快楽が、パープルハートの体から伝わってくる。
彼女の女神の名に相応しい豊満な体と、男性でありながらベッドの中で良い様にされている無様さを嘲笑う口や視線が彼を堕としていく。 パープルハートは笑いながら、彼の頬を手でつかんだ。
彼女が口づけと共に舌を絡めてくると、脳が快楽をもたらす下で直接削られていくような快楽が走りそしてその快楽が魂を溶かしていく様な錯覚を覚える。
パープルハートの舌で感電した様に動きかける彼を頬から背中に手を回すと、口づけしたまま彼女は彼の分身をどこまで優しく秘所で嫐る。
射精を終えて仰向けに倒れた彼は、前回とは違い快楽で壊されたのではなく溶かされたようになりながら天を仰いでいた。


 パープルハートは笑いながら言う。

「人助けの戦いで活躍する度にこれが待っているから頑張ってね」

「は、はいぃ」

 腑抜けになり切った声と共に答えた彼はそのまま意識が落ちていった。






 パープルハートにされたのと同じ性行為をヴィヴィオにされつくされた彼は、ただ快楽で圧倒されながら。ヴィヴィオの強い力を籠めた王族の威厳と神にすら近い聖なる気に操られたようにヴィヴィオが望んだままに答えていた。
ヴィヴィオは彼の顔をその乳房で挟みながら腰で精を絞りながら言う。

「パープルハート様とどちらが気持ちいいですか?」

 ヴィヴィオに騎乗位された時に魂の防壁の様なものが壊れた感覚が走り最初の射精で完全に脳が壊れた彼は思考を誘導されて、
ヴィヴィオの問いに答えねばだめだと思倦怠感と強すぎる快楽で脳が殴られ続けている様な状態で必死に考え始める。ヴィヴィオは彼の状態全てを霊気の乱れで知りながら、
思考を乱すように彼を愛撫し時には胸をパープルハートがしたのと同じように自らの腕で導き揉ませたり、彼の胸板で潰したりしながら聞く。


 正解の自信が微塵もない状態だが辛うじて考えを纏めたところでヴィヴィオが腰をひねり、ストレリチアの騎士の加護の力を放って射精させて完全にその快楽で脳を壊して思考を最初に戻した。

「あ、あ、ああ?」

 ヴィヴィオはかつてパープルハートがしたのと同じように、声にならないうめき声しか上げられない彼の両腕を乳房から自分の尻にもっていって握り閉めさせながら、彼の胸板に乳房を当てながら楽しそうに悪戯っぽい笑みを浮かべて言う。

「どっちが気持ち良いと思いますか?」

 横島の答えは、わからないだ。パープルハートとヴィヴィオの体はどちらも与えてくる快楽の種類が違う。その為に比べようがない。 ヴィヴィオとの性行為はかつてパープルハートにされたことと同じだが種類の違う快楽だ。
パープルハートは最初の夜の様な厳しい性行為より、一度押し倒されたら二度と出る気がなくなる脱力させてくる布団の様な快楽が得意だ。
対してヴィヴィオは強すぎる電撃の様な快楽を与えてくる。食らっている時はつらいのに、終わればまた求めてしまう。パープルハートと同じく優しい快楽を与えてこられた時もどこか屈服させられる快楽の様なものがあった。
ヴィヴィオはそれがわかり切っている上でそれを聞いていた。ヴィヴィオは笑いながら言う。彼の顎を捕らえ支配する女王の目で見下しながら言う。
元から王族の威厳に従えられるようなところがあったが、今の彼は完全に魂が彼女と繋がり支配されている。これはパープルハートにされたのと同じだなと、彼はぼんやりと思った。
彼女の目は勇士や英雄を扱う女神のそれに近い。そしてかつての横島の記憶を読んだ様にいう。

「パープルハートさんとしたときに思ったことは、『さすが女神様これ以上の女は多分おらんやろう』でしたね。でも確かにいることがわかったでしょう♪ 彼女に対抗できる快楽を与えられる女性はまだまだいますよ」

 パープルハート以外の女性を知らず、女神であり女権国家の力もある程度取り込んだ彼女がもたらしてくる快楽で初めての経験をした彼は、これ以上の快楽などない、と思っていた。
浮気心や他の女性に欲情を覚えないのは本人の気質も強かったが、一番はその認識の為だ。 浮気するメリットもなどないから、耐えなければに変わった彼の脳にストレリチアであった女性陣の体が脳裏をよぎり始める。
あるいはこれがヴィヴィオが魂に働きかけてきたのかもしれない。

 ヴィヴィオが体をひねり騎乗位に耐性を変えると、彼はただひたすらに射精した。そしてヴィヴィオによって促された一際激しい射精で完全に思考が停止したところでノックの音が響く。
ヴィヴィオが許可をすると何人かの4人の騎士たちが入室してきた。

 全員の顔に彼には見覚えがあった。ヴィヴィオと同じ瞳をした均衡のとれた美しい体をした聖王騎士団の一人オリヴィエと見かけは小柄で少女を思わせる聖王騎士団の一人ユグドラ。

「忠夫さん大分ヴィヴィオに仕上げられたみたいですね」

 オリヴィエがプライベートスペースなためか、ヴィヴィオを呼び捨てにすると、ユグドラが笑う。

「私たちがする大仕上げもやりがいがありそうですね」

そして女王親衛隊の筆頭のヴィーラ・リーリエの姿もある。彼女は騎士らしい衣装ではなくどこか妖艶な通夜のある赤いイブニングドレスに身を包みながら彼を見下ろしている。

 その瞳には危険な光がある。

「ああ、忠夫様を嫐るヴィヴィオ陛下本当にお美しく尊いですわ。私が貴方を堕とせば陛下はさぞ、喜んでくれるのでしょう。しかも気にいった男性も一緒とは。これはもはや陛下と私は永遠の恋人という運命に違いありませんわ」

 ヴィーラは百合をたしなんでいるというよりレズよりのバイという類の騎士でヴィヴィオに対して重い感情を抱いており、狙った男ができた後もその男よりヴィヴィオへの愛の方が重い稀有なストレリチア騎士だ。
彼女が横島に何かをしようと魔法を唱え始めると、それを横にいた金色の美しい髪をたなびかせた豊満な体を持つ女騎士アリス・シンセシス・サーティが止めた。

「ヴィーラ、ヴィヴィオ様は忠夫さんを廃人にするのはだめだけど、腑抜けは許容範囲だと言っておりました。ですがヴィヴィオ様を惚れさせた英雄としての武力や気質は『なるべく』なくさせないでほしいと言っていたでしょう」

 その言葉を聞くとヴィーラが彼への情欲はそのままに冷静な表情になった。それを見てシンセシスも離れる。ヴィーラが笑みを浮かべながら彼を掴み言う。

「申し訳ありません。どちらにしても私にはご褒美ですが。失敗のお仕置きを殿下にしていただいて、腑抜けになった彼を嫐りつつ公務で彼の分の仕事を陛下とするのも。
あるいは、勇ましき彼と共に戦場を駆けて、昂った殿下と共に嫐ったり、彼が限界を超えた際に代わりに嫐られる日々も」

 そういうとヴィーラが彼に口づけしてきた。そのキスはヴィヴィオやパープルハートよりは下だが、十分に激しい快楽と共に、この女性が本気になれば自分はなすすべなく廃人にされてしまうほどの快楽を与えてくる。
ヴィヴィオやパープルハートが与えてくる快楽の差は、彼が子犬や猫や鼠なら、パープルハートやヴィヴィオが熊や虎であり、ヴィーラは狼や豹だ。
ヴィーラの口づけで完全に意識が飛んだ刹那にオリヴィエが彼に抱き着き精を絞り始める。ヴィヴィオと似て非なる強い快楽に彼が悲鳴を上げると彼女は笑いながら腰を動かす。
ヴィヴィオは彼が悲鳴を上げるのをキスでふさいで、舌でさらに逃げ場を奪い追い打ちをかけてより多くの精を出させて楽しむが、彼女は悲鳴を聞きながら何度も射精させることを好んでいる。

「どうですか? 忠夫さん気持ち良いでしょう。 パープルハート様と並ぶ女などいない。同じくらい気持ち良い女性三人見つけちゃいましたね♪」

「あ、ああ」

 宴会でふるまわれた酒と滋養の強い料理の為に彼の分身は一切萎えず、彼女たちが与えてくる快楽の荒らしを終わらせる気配もない。

 虚ろになった彼をユグドラが飲み込むと、オリヴィエやヴィヴィオとは違い少女に犯されるような快楽が彼を襲い、彼は完全に意識が飛びかける。

「少女に犯されるのも、豊満な体とは別な快感があるでしょう」

「も、もうこれ以上は」

 ヴィヴィオやオリヴィエに犯された際にパープルハートとしたときと同じ上位の霊的存在に刻み込まれの中につながりができていく感覚があったが、ユグドラもそれを彼にふんだんに与えてくる。
 彼女が腰を上下させるたびに、射精した時は快楽のあまり脳が壊れ霊的な何かが焼き付き。射精できない快感を与えてくるときは焦らされぬいて涙が出てくる。
ユグドラは特に長い時間彼をじらした直後に、大量の射精をさせて、口づけをして口内を舌で犯しながら、舌で口の中をまさぐられることで上と下の両方から霊的な支配がされていく感覚がある。


785 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:02:44 ID:Q955qKlc

「名残惜しいでしょうけど次の段階に進む頃合いです」

彼が倒れた直後にヴィーラとシンセシスがヴィヴィオと共に近づいてきた。彼女たちは笑いながら言う。

「ここまで開発したのだから、堕ちるまであと一歩ですね。ヴィヴィオ様、そろそろやりましょう」

「そうですね」

 ヴィヴィオが彼の目を覗き込むとヴィヴィオとオリヴィエとユグドラとの性行為で体の中に入ってきたものが、より強く刺激されていく感覚がする。
ヴィーラが最初に彼に騎乗して、中毒にする甘い毒を思わせる絞り方をしてくるとシンセシスが彼を背後から抑えた。
ヴィヴィオと同じく胸を彼の背中で潰しながら彼の乳首をつねり、ヴィーラと共に彼の射精をコントロールしてくる。
ヴィーラが途中で彼との距離を詰めて挟み前と後ろから彼に豊満な体を押し付け胸を潰しながら口づけしてくると、彼女は射精の時に口づけをやめた。ヴィヴィオに聞かせるためだ。

「可愛い悲鳴♪ こうやって聞いていると、私もオリヴィエの趣味がよくわかります」

 そこまで言うとヴィヴィオが彼の腕を取り自分の乳房さに導いて揉みしだかせる。限界の状態からさらに追い打ちが来て、彼は叫び声をあげた。

「あぎゃー!」

「本当にいい声ですね忠夫さん、ヴィーラ射精量は増えていますか」

「ええ、とっても♪」

 ヴィーラとアリスはヴィヴィオに忠誠を誓った騎士であるせいか、彼女たちに犯されるとヴィヴィオに刻み込まれたものが彼の内部で反応して、余計に深く堕ちていく感じがする。

ヴィーラに仰向けにされて体を押し付けられてヴィヴィオと同じ体制で犯される度に、彼はヴィヴィオとの性行為を思い出していきどんどんとヴィヴィオとヴィーラの虜になっていくのがわかる。
シンセシスが下の方から彼を抱え動けなくさせながら、耳をなめてくると、彼の射精がよけに増していく。
シンセシスが彼から離れて、ヴィーラが騎乗位に切り替えて激しく絞り出すと、ヴィヴィオが彼に口づけして舌を絡めてくる。
彼の中に刻み込まれた霊的な何かが余計に強く反応して彼の分身を内部に捕らえるヴィーラへの射精が余計に大きくななった後彼は一際大きな射精をすると、そのまま意識が飛んだ。



 意識が飛んだ直後に彼は自分の両乳首と分身から激しい快感を感じて悲鳴と共に目覚めた。

「あー!」

 目の前ではシンセシスがヴィーラと交代する形で騎乗位をして彼を優しく絞り、ヴィヴィオとヴィーラが彼の乳首を口に含みなめている。
意識が戻ったのを確認すると三人は目配せしあって、シンセシスが射精を許すように動くと、二人が一気に吸い込んできた。

「〜〜〜!」

 もはや声にすらならない、声しか上げられない彼の表情をうっとりした表情で全員が見た後、射精を終えた彼をヴィーラが見下ろしながら言う。

「忠夫様、貴方はヴィヴィオ様を変態だと思ってませんか?」

「?」

 質問の意図が分からないという表情になった彼にヴィーラは説明が足りなかったという表情になる。

「貴方に何度も助けられたとはいえ、こんな手段に出て貴方を嫐り抜く辺り性欲が強すぎるとか、あるいは早熟すぎると思ってませんか?」

「さすがに変態だとは思ってない。ストレリチア女子の体質も他国とは違うかもしれないし、俺の配慮が足りなかったのもあるかもしれん」

 真面目な彼の返答にヴィーラは納得した様に頷くと言葉を返した。

「そうですか。まあ悪感情はもっていないようですが、それでも念のため、ヴィヴィオ様に貴方がしてしまったことを少し体験してもらいますか」

 そういうとヴィーラはヴィヴィオを見て言った。

「殿下お願いします」

「やらなくてもいい気がしますけど、貴女が言うのなら」

 そういうとヴィヴィオが寝室にある祭壇を光らせて彼に向けて何らかの神聖な呪文を唱えると、彼は心地よい脱力感に包まれ意識が眠りに落ちていくような感覚を味わった。

 眠りに落ちたような感覚で意識が途切れた後、彼は起き上がろうとしてしくじりベッドに倒れこんだ。柔らかいベッドの上でなければ彼は、怪我をしていたかもしれない。
薬物などによる筋力低下や、感覚が狂ったわけではない。天井が高くなっていている。そして彼は自分が子供になっていることに気づく。その彼を見下ろしながら大人姿のヴィヴィオが言う。

「忠夫さん、ストレリチアの王族のたしなみの技の一つですよ」

 そこまで言われた後に彼はヴィヴィオの体を大きく感じるとともに、自分の精神も大人の記憶だけを持った子供に戻っていることに気づく。そこまで考えた時点で不意に彼の体が宙に浮き、後ろからヴィーラの声がする。

「忠夫さん、あなたはヴィヴィオ様が危機の時に何度も助けていましたけど、その度に抱き上げて、胸板を押し付けたり抱え込んだり。男女逆転すると、こういうことだったのですよ」

 そういうと、ヴィーラがヴィヴィオの乳房の間に横島の顔を突っ込んだ。大人だったころより乳房のボリュームを感じられ彼は自分の脳にヴィヴィオの乳房の快楽とトラウマが刻み込まれていくのを感じる。

「んー! んー!」

 声すら出せない彼をヴィヴィオは一度解放すると、腕でつかみ、ヴィーラがしたのと同じ動作で、ヴィーラの胸の間に彼の顔を突っ込んだ。ヴィーラの乳房で震える彼にヴィヴィオが後ろの方から胸を押し付けて言う。

「ほら私が危なくなった時に貴方がやむを得ずしたことはこれですよ。格好よく助けられてこんなことされたら性癖壊れちゃうでしょう」

「んー! んー!」

 痛いくらいに強張ってきた分身をヴィヴィオが残った左手でいじると、すぐに彼をベッドに倒すと騎乗した。彼に騎乗し、ヴィーラが顔に乳房を押し付けたまま。彼を達しさせる。
その後彼女はヴィヴィオと位置を変えて同じことをする。射精を終えた後にシンセシスが寄ってきて、他の騎士達も百合行為をしながら彼の痴態を眺め、時には彼のベッドの中で敗北する姿をこき下ろしたりしながら、
楽しそうな表情で彼を嫐れる順番を心待ちにしている。そしてシンセシスが同じことをすると、オリヴィエもそれに加わっていく。

 子供の姿の彼の顔面にヴィヴィオが座り、シンセシスとヴィーラが両腕の先に尻を押し付けて座ると、オリヴィエガ後背位体制で尻を押し付けるように彼の分身を飲み込み一際すさまじい射精をさせると言った。

「これが子供のヴィヴィオに貴方がしたこと一覧です。こんなことされたら、その相手への執着心が凄くなるのもしかたありませんね」

「は、はい」

 その返事を聞いた後オリヴィエは満足そうに頷き言う。

「あとは楽しみついでに彼を嫐りましょうか。パープルハート様に許してもらうという大仕事の前に英気を養いましょう」





 数時間が経過した寝室で彼は、仰向けになって白目をむいて倒れていた。最後に彼と性交をしたらしいヴィヴィオが仰向けの彼から名残惜しそうに離れると言った。

「パープルハート様が戻ってくる明日までに闘技場の準備を」

 恭しく下がっていくメイド達彼女たちも、ヴィヴィオが彼に助けられた際に一緒に戦ったことがあるようだ。彼女たちは笑いながら言う。

「ヴィヴィオ様、パープルハート様と話がついたら、私達も参加させてください」

「ええ。かまいませんよ」







 ネプテューヌは時間だけはかかるが、それほど難事ではない仕事を終えて、戻ってきた。そして帰ってきた瞬間に高島忠夫を見て、大体のことを察した。

 彼に寄り添うヴィヴィオを見ると、友達相手でも場合によっては本気で殴りつけると決めた時の笑みが浮かぶ。それを見て脅える彼をヴィヴィオはヴィーラに押さえつけさせると前にでた。
 彼女に向ってネプテューヌが言う。

「ヴィヴィオちゃん、一応私と忠夫の関係については話していたし知らない訳じゃないよね? その上でこの行動に出たの?」

「はい。もちろんです」

「それでこの行動への弁解はある」

「いいえ。ストレリチアの騎士として、英雄の地位にまで上り詰めた男性を独占させる訳にはいかなかったし、私も諦める気はありませんでしたから。
そして貴女もストレリチアの一女神として祀られることを了承したのだから、機会を与えてもらうことは当然の権利とさせてもらいました」

 そこまで聞くとネプテューヌは少し考え答えた。

「わかったよ。とりあえず一度本気で喧嘩しようか。私が勝ったらどうするかはまだ決めてないけど、場合によっては忠夫を二度と貴女達と会わせないかもしれないから」

 ネプテューヌが自分で自分の感情をわかっていないとき、に見せる表情をしているとみて、横島は大体の彼女の心情を理解した。
恐らくはヴィヴィオに対して相当情が移っているがさすがに許せないと思いそれでいて、自分が彼女をどうしたいのかわかっていないのだろう。
だが一応はこういう形で、半ば伴侶ともいえる相手を犯されたから殴らないと気が済まないと考えている。ヴィヴィオはそれに対して笑みを浮かべて答えた。


786 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:07:34 ID:Q955qKlc

「わかりました。今回に限っては私もストレリチの騎士として好ましからざるあらゆる手段を用いています。今度の戦いルールに反しないあらゆる手を用いさせていただきます」




 
横島とネプテューヌは彼らにあてがわれていた、騎士教団の用意した部屋に戻ると最初に横島の容態の確認をするためだ。騎士教団の面子は、ヴィヴィオの配下達と総力戦を行い、自分たちが勝ったなら、横島を諦めてほしいと言って戦ったらしいが、
見事に敗北していた。彼女たちが弱い訳ではなく、ストレリチでもある好感度ドーピングが強すぎたのだ。
ネプテューヌは止めに入った国教騎士団に御礼回りをして礼品を配り終えると、彼女は横島の状態を見た。
その診断の結果、そこまで焦る様な事にはならず済んだ。ネプテューヌが彼との間に築いた、霊的つながりを一切犯すことなく、
ヴィヴィオたちは別の霊的つながりを作っている。多分自分をストレリチアの女神の一柱として祀ったのは、彼に負担を書けないためというのもあるのだろう。 ネプテューヌは高島に言った。

「そんなに心配そうな顔しないで。怒ってない、とは言えないけど、忠夫の知らないところで私もヴィヴィオちゃんと沢山一緒に戦ったから、惨すぎると思われる様な処置とる気が起きないくらいには今でも彼女のこと嫌いじゃないよ」

「ああ。俺もストレリチアで過ごして、油断しすぎとった。決闘を受けない、礼儀をもって接すれば何も起きないと考えていた」

「まあ、ストレリチアの王族に多大な恩を与えた貴方ではこうなっちゃうのも仕方ないわ」

 そこまで言うとネプテューヌは彼の体を触りながら確認し始めた。

「記憶が飛び飛びだけど、女権国家の女性達にもされたみたいね。ヴィヴィオ以外にも女権国家の女神の霊力も貴方から感じるわ」

「ああ。女権国家で助けたシャーリーさんと何人かが途中で後乱入してきた」

「まあ、ストレリチでも善良な女権国家の女性なら、入国や亡命を認めるケースもゼロではないからね」

「ああ」

「それとストレリチアの聖術も貴方にかかっているみたい。でも私が勝てば解除できるから問題ないわ。正々堂々の決闘で負けたら彼女たちも約束は守るでしょうから」

「わかった。それとネプテューヌお前とヴィヴィオどっちが大怪我しても治癒術や文珠ありったけ使うけど、ええか?」

 ネプテューヌにとってはヴィヴィオはやらかしたことを考えれば天罰対象もしくは神敵扱いされてもおかしくない。その問いに対してネプテューヌは答えた。

「見損なわないで。さすがに、ぎりぎりだけどまだ友達だと思っている相手を死なせたいとか、一生モノの傷を残したいなんて思ってなから」

 そういった後、ネプテューヌは女神パープルハートの姿へと変わった。

「それより、貴方の体に何が仕込まれたのか最後の点検に移らせてもらうわ」

「あ、ああ、もしかして」

「ええ、性的な交わりの後で、魂をつなげてたっぷりと調べてあげる♪」

 パープルハートが刀で彼の服を切り裂き押し倒すと、彼はそのまま分身を飲み込まれ。一気に果てた。
ヴィヴィオがしたのと同じ様な体制で犯されながら、彼の中で女神への信仰心などが深まっていく。女神としての彼女のもたらす快楽が信仰心を強めていく。

「ほらほら、忠夫、もっと頑張りなさい。三十秒我慢できなきゃお仕置きだからね」

「い〜ち、に〜、 もう逝くなんて早すぎるじゃない」

 そういうとパープルハートは彼の分身を胸で挟み射精したばかりで敏感になった分身を嫐り、再び射精させると、今度は先端を加えてもう一度出させた。
精液を霊的に吸収して、完全に消す前に、彼の出した白濁が全身を汚した姿を見せて、余計に彼の情欲を煽る。そして彼が敢えて押し倒してきた後、正常位で受け止めながら、
彼が快楽で腰を振れなくなる瞬間に、彼の分身を包む秘所の内部を動かして彼を射精させたり、あるいは拘束して射精できない状態を見て楽しんだ。

 それが終った直後に彼女の方から押し倒してきた後、彼は彼女の体のあらゆる部分の魅力を教え込まれるように射精した。

 最後に気絶した様に眠る彼を愛おしそうな笑みで抱きしめながら、パープルハートは安心した様子になり、ヴィヴィオに対する怒りのレベルが落ちていることを自覚する。
そしてこれは、彼女の策だったのかもと気づく。そのことをいったん頭の隅に置くと、彼女はヴィヴィオとの決闘に備え始めた。





 次の日ネプテューヌは剣を構えて闘技場でヴィヴィオと向かい合っていた。卑怯な手も使ってでも横島の前世である彼を得ると言われた後でも、ストレリチア騎士が相手が戦の礼を破らぬ限り、使
ってはならないとされている手段を使うという可能性に関しては全く、警戒していない。ネプテューヌは怒ってはいても、ヴィヴィオはそういうことはしないと彼女はここ一年の付き合いで疑う必要すらないと認識している。



 試合が始まりかけた時、ヴィヴィオとネプテューヌは最初は子供の姿で闘技場に上った。
そして、お互い無言のままに、構えた。ヴィヴィオは鉄の籠手を構え、ネプテューヌは彼と共に女権国家で何度も危難を払い続けてきた刀を手に取っている。
通常素手で刀に勝つことは三倍の実力が必要とされるが、人間離れした超人の域にいる二人では参考にならない。

 ヴィヴィオがはじかれた様にネプテューヌに殴り掛かると、極限まで引き絞られた弓矢か弾丸を思わせる体捌きで彼女に迫った。
ヴィヴィオの暴風を纏っているという錯覚すら起こさせる拳は突然、金属音が鳴り響き空中で制止された。否、消えたと誤認するほどの速度で動かされたネプテューヌの剣が受け止めていたのだ。
籠手と剣の鍔迫り合いを見て闘技場の客席にいるストレリチア騎士達から感嘆の声が上がる。


 ヴィヴィオとネプテューヌ双方が様々な技術を用いて隙を付き合い、切りあおうとしているがその駆け引きが本当に高度であったためだ。
聖王の系譜今回の行動で大幅なマイナスがついたとはいえ、それでもストレリチアへの貢献度の高さから、次の聖王になる可能性が最も高い女性が死ぬかもしれない。
それすら忘れて、彼女たちは瞬きすらせずに二人の技術や気の運び方を盗もうとしている。


 それを見ながら賞品の席みたいなところにいた横島は戦いを止めようとした瞬間に、ネプテューヌとヴィヴィオ双方から霊的な束縛を受けて動けなくなっていた。彼女たちは念話で言う。

『心配なのはわかるけど、これもけじめをつけるための戦いだから、今回は黙ってみていて』

『忠夫さん、絶対にそこまで陰惨な結末にはしませんから。それに今回は女神の怒りを受け止めきるなり、あるいは倒して認めさせる私の責です』


 動けない彼の心臓が跳ねかけていたが、それでも双方がお互いに惨いことをする気がないことを知りつつ戦闘不能クラスの怪我を負ったらすぐに駆けだす準備を始める。
場合によってはここ一年で余った文殊を全部使い切って二人を癒すことを決めた。


 ネプテューヌはヴィヴィオと鍔迫り合いを演じつつ、体中から汗が噴き出してくる感覚を味わっている。ヴィヴィオも同じ状態であることがうかがい知れる。不意にネプテューヌが口を開いた。

「ヴィヴィオちゃん、あんまり忠夫に心労をかけても悪いし早めに決着をつけない」

「やってみますか」

 その返答の直後にネプテューヌが凄まじい力を剣に込めてヴィヴィオを僅かに引かせると、蹴りを放った。ヴィヴィオと並ぶほどの体術を彼女は一つだけ会得していたのだ。
それこそがこの蹴りだ。それを知らなかったヴィヴィオが辛うじて受け抜いた直後に、彼女がパープルハートの姿に変身するとヴィヴィオも同じく大人の姿へと転じる。
静から動に戦場は動き、パープルハートの連続攻撃をヴィヴィオが籠手で防ぎ、時には僅かでも間合いを詰めさせると一撃で彼女に致命傷を与えかねない蹴りで牽制をしている。
パープルハートが何度か切り込む際に思いとどまったのはそのせいだろう。 普通は蹴りを確実に当てられる時以外は放たないものだが、ヴィヴィオの様な超人めいた速度で動けるもの達はその限りではない。



あの一蹴りが戦況を動かしパープルハートがやや有利になっていた。だが不意に彼女の一撃をヴィヴィオが右腕に受けたことでヴィヴィオが側が有利に反転した。
ヴィヴィオが籠手ではない部分で剣を受けた時、横島の心臓が跳ねあがりかけたが、彼女の腕は切り落とされなかった。ヴィヴィオもまた全身の気を上手く用いれば、
数回だけならネプテューヌの剣を受けられることを隠していたのだ。 そして切断する気がなかった彼女は当てた直後に力を抜きかけたために隙ができてしまい脇腹にヴィヴィオの一撃を受けた。
その一撃を受けた彼女の動きが僅かに鈍り、彼女の連撃が始まる。しかし、それでもどちらが勝つかはわからないままだ。お互いが剣と拳を応酬し間違えた方が、倒れるだろう。そう思った直後に一時的な硬直状態になったところでヴィヴィオが言う。


787 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:11:12 ID:Q955qKlc

「できれば正々堂々勝ちたかったですけど、今回だけは搦手を使わせてもらいます。何しろ私と貴女どちらが死んだり大怪我をしても忠夫さんの心痛が大きすぎますから」

「そう? まあその搦手を使ってなお負けた王族なんて称号をえない様に頑張りなさい」

 パープルハートの余裕を装った声を聞きながら、横島はヴィヴィオはなにをする気なんだろうかと思った。ヴィヴィオはストレリチアの闘技場での禁止行為はしないだろうし、一応恩のあるネプテューヌに戦の礼に反しすぎる戦法も取らないと彼も思う。

 ヴィヴィオがこれから使う搦手の説明を始めようとしたとき、パープルハートは僅かに悩んだ後、聞くことにした。脇腹に受けた一撃の痛みを軽くしたい。ヴィヴィオの右腕腕よりも早く自分の脇腹の後遺症は僅かだが早く消え去るだろう。

「貴女は自覚していないみたいですけど、パープルハート様にとっては、忠夫さんの影響は本当に大きいんですよ。何しろこの世界に来て原初の信仰者であり、最初に神話に記される善行を共にした者ですから。一番つながりが深い」

「確かにそうかもね」

「ええ。貴方はもしかしたら、もうこの世界に住む女神となって本体と別れている可能性もあります。どちらにせよ、この世界にいる限り忠夫さんからの影響は絶対ではないけど大きい。
そして女権国家でも彼を狙う女性達からも好意や信仰を得ている。そしてストレリチアでも女神として祀られることを了承してしまいました。ストレリチアは良い男を複数の女性で共有する国。
女権国家とストレリチ人多数の信仰を受けたらあなたの本質も変わるでしょう」

 パープルハートはその言葉に心覚えがある。神や悪魔は一夫多妻が多い。だが自分はもっと夫となる人物をああされたら今より激しく怒りをもったのではないだろうか。

 そこまで考えたところで、ヴィヴィオの合図を受けたヴィーラが横島に文殊を使うのが見えた。確かヴィヴィオを守る為に彼が幾つか渡していたものだ。そしてその文殊には『戻』の字が刻まれていた。


 横島はその文殊を受けた直後に、昨夜『忘』の文珠で消された記憶が戻ってきたのを思い出した。

 ヴィヴィオたちに嫐られぬいた後の彼はストレリチで一年食べ続けた料理と宴の特別な料理の為か分身が萎える気配もない。そしてそれを見ながらヴィヴィオが言う。

「実を言うと、今回の料理は特別中の特別だったんです。何しろ女権国家からきた料理の天才達と、厨房の守護者さんを呼びましたからね」

 ヴィヴィオが入室を許可すると、彼がかつて共に戦った韋駄天族のシャーロット・E・イェーガ=シャーリーと彼が救った薙切えりなと薙切アリスの姿があった。彼女たちは心底楽しそうな笑みを浮かべて言う。

「占い師に占ってもらって忠夫をものにする機会を得るにはこれが一番良いって言われていたけど会ってたみたいね」

 薙切アリスの声にえりなも応じる

「ええ。ネプテューヌ様とシャーリー様。どちらも大怪我させずに終わらせるにはストレリチアに行かせるべきってね」

 シャーリーが彼の目を覗き込んで言う。

「えりなとアリスは双方とも私を信仰し始めた初代で忠夫お前は神の戦友だから、本来はお前が上なんだぞ」

 神としての言の葉でそう宣言させた後に彼女が後ろから彼を羽交い絞めにして胸を押し付けるとえりなに騎乗させた。
子作りという男女の儀式で本来立場が下の相手に上になられる快楽が彼を襲いそれを見ながらシャーリーが言う。

「えりな。私もネプテューヌ程ではないけど、忠夫と神として繋がっているからわかるけど、彼は身分が下の相手にベッドの中で良い様にされて興奮しているぞ」

 それを聞くとえりなは意図して侮蔑に満ちた視線に変える。

「あら。そうなの、惚れた男ではあるけど、気持ち悪いマゾだとも思ってたわ。今蔑まれて余計に固くしたでしょう。ほら逝きなさい。この屑が!」

 蔑みの目と最後の侮蔑の言葉で一気に射精した彼からえりなは離れると、足で射精したばかりで敏感になった彼の分身を踏み嫐り始める。
そして射精寸前になったところで薙切アリスが代わりに彼の分身を飲み込んで、そのまま彼は一気に射精した。
シャーリーとの間に霊的なつながりができていくのを感じながらこれは儀式だと彼は思いながらそれでも、彼女たちのもたらす快楽に対して抵抗できなことに気づく。そして二人が離れた後、彼を無理やり立たせてシャーリーの胸に顔をうずめさせて、シャーリーが分身を嫐るのを見ながら、ヴィヴィオが言う。

「忠夫さん、貴方を嫐る私達、パープルハートさんと同じくらい気持ちいいし少し劣る程度の快楽だったでしょう」

 そこまで聞くと内心で頷く彼にヴィヴィオが言う。

「想像してみてください。ここにパープルハートさんが混じったらどうなるか」

 ヴィヴィオの王族や神らしい威厳のある言葉を聞き想像した瞬間、彼は堕ちていく。そして女権国家でパープルハートに嫐られぬいた日々がどんどんと彼に追い打ちをかける。
それを見ながらヴィヴィオはえりなと薙切アリスが彼を辱め快楽で沈める姿を見ながら彼からもらった文殊に『伝』の文字を刻むシャーリーに渡す。
そしてシャーリーからその文殊を使ってもらうと、計画が完璧になったという笑みを浮かべた。





 横島が記憶を取り戻させられた直後にパープルハートは自分の動きが鈍り始めたことに気づく。最初の信仰者である彼の願望が流れ込んできたことで、自分は大分ヴィヴィオの行動を許容し始めている。
女権国家以外でも人助けをかなりしてきて、信仰された。だが一番彼女の信仰が多いのは女権国家かストレリチアだ。その信仰心による影響をシャットダウンできていたのは、彼が自分に対して一途であったからモある。
体制を立て直そうとする彼女相手にヴィヴィオが不意に動き、文珠を投げてきた。その文殊には昨夜と同じく『伝』とあった。

 彼女はそれを受けた直後にシャーリーがヴィヴィオに昨夜『伝』えた記憶が流れ込んでくる。

 自分とは違う女神の視点で横島に惚れた経緯と、彼女を信仰する従者たちが、彼を嫐りそれを侮蔑の目で見下ろす感覚。そして屈服していく彼。それを見ながらヴィヴィオが言う。

「パープルハート様、想像してみてください。貴女の信仰者となった身分が最も低きものが忠夫さんを嫐る様を。そして貴女がそれを見下ろし彼を侮蔑していく状態を。
彼の恥ずかしいと思いつつ、快楽を与えてくる相手に逆らえない状態を考えてみてください」

 そこまで言われた直後に横島が昨夜受けたパープルハートからの快楽とヴィヴィオの言葉の記憶に挟まれ、その願望の影響を受けた横島の念が入ってきた。
そして彼女も自分が彼女たちと共に嫐りたいという気持ちが沸いてきて、弱体化してきたことを自覚すると、パープルハートは負けを宣言した。

「だめだわ。これじゃあ勝負にならない。私の負けだわ」

「ありがとうございます」

 一応神と戦ったケースはストレリチアではこれが初だった。そして、ヴィヴィオの行為は『神との決闘が初めてであった為』一応は『この時のストレリチアの既存のルールでは』反則とは見なされていない。
ただし相手の実力にあまりにもデバブをかけすぎるからこそ、これ以降は神との決闘の際のルールが設けられることになる。



 ネプテューヌとヴィヴィオの決着がついた後、彼は闘技場のリングに挙げられて少女形態となったヴィヴィオとネプテューヌに足で射精させられた。
闘技場に彼がかつて助けた、女権国家の女性達も混じっていたらしく言葉攻めが余計に彼を高ぶらせた。

「淫乱男。一途女神様を複数で責める趣味に変えるマゾごみ。パープルハート様の姿でされた時よりたくさん出ているわ」

 なぜそれを知っているのか、という疑問が一瞬過ったが、ネプテューヌに騎乗されると、ユグドラにされたことを思い出し余計に興奮し、ヴィヴィオが満足そうに玉袋を踏みつけて言う。

「ユグドラのやや少女形態で犯したことで、大人形態にならない私達にも反応するようになりましたね」

「ヴィヴィオ、淫乱な夫の欲望にこたえて昨夜の願望をかなえてあげましょうか」

 そういって、ネプテューヌとヴィヴィオが双方とも大人の姿に変身して、パープルハートとなったネプテューヌとヴィヴィオに挟まれた時、
彼は完全に悲鳴を上げてそのまま果てた。しばしの時が立つと彼は自分がヴィヴィオにやられたのかそれとも、パープルハートにやられたのかすらわからない。
あまりにも無様な姿を鏡で見せられて思わず目を閉じた瞬間、快楽が強すぎて正気を失ったようになり目を空けることすら困難になった。


788 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 22:14:17 ID:Q955qKlc

 快楽が極限に達して目を開けると、彼は昨夜と同じく自分が子供に戻されていることに気づく。そして昨夜と同じくヴィヴィオとシンセシスと、ヴィーラが彼の分身をその豊かな乳房で挟み弄び顔をパープルハートの乳房に覆われた。

「昨夜私にも混じってこうしてほしいと思ってたんでしょう? 淫売な私の信徒さん」

「もごもご(はい)」

「少しはその淫乱さを悔いなさい。今は納得したとはいえ、闘技場で私が負けた原因を作ったんだから」

 パープルハートが彼の顔から乳房を離すと、ヴィヴィオとシンセシスとヴィーラの三人の乳房に挟まれて自分の分身が見えなくなっていることに気づく。三人は笑いながら言う。

「忠夫さん、私達だからよかったけど『性質の悪い』女権国家の女性に負けると壊れるまでこれですからね。それじゃあ行きますよ」

「「「せぇの♪」」」

 三人がより激しくパイズリを始めた直後にパープルハートに再び乳房で顔を塞がれた彼は叫び声にもならない絶叫上げて射精した後、闘技場から寝室に連れていかれた。
そこには彼に好意を抱いていたストレリチアでパープルハートに大きな恩ができたらしい教団騎士たちが、彼女も信仰の対象とすることを誓った後、彼を嫐る団体に加わった。
そして最後にヴィヴィオとパープルハートに挟まれた時に彼は絶叫と共に射精して意識が途切れた。






 気が付くと彼は現実に戻ってきていた。だが霊力は大幅に削れており、多くの女生と性交をした感覚が体に残っている。
周りのヴィヴィオやネプテューヌの様子を見ると、明らかに彼を削り切ったような様子だ。そして二人の霊力が増えていることから二人もゲームの中に入っていたのだろうと察する。

 一応は前世の術や技のコツがいくつか蘇ってきた感覚がした後、彼に対してネプテューヌが説明を始めた。

「昔の私は独占欲の強い方の女神だったのよ。それが女権国家とストレリチアの信仰を大量に受けたのと、二つの国に長期滞在した結果か変化しちゃったの。 まあ後悔はしてないけどね」

「そうか、あの後の歴史について教えてくれないか?」

「ええ。実は私の世界から流れ着いた神様も邪神との戦いに参加してそれなりに貢献したことがあって、その神様と同じ世界出身だからと、私も騎士教団に崇められるようになって、
それが理由でヴィヴィオちゃんの前世の扱いが少し落ちちゃったの。ストレリチアにあるまじき手段で夫の恩のある相手に夫の共有を認めさせたことが、後に私がストレリチを助けて邪悪な存在相手に活躍したことで、
余計に私に対して好感度高いストレリチア民からこの手段はダメだったろうってなっちゃってね」

 ネプテューヌの言葉をヴィヴィオが補足する。

「うん。お兄ちゃんをああいう手段で手に入れた後も聖王になれるほどの活躍をしたけど、善良とはいえ女権国家の女性達が夫と性交するのを許したり、夫が天寿を全うする間限定とはいえ長期滞在を許したのもまずくて、
それがなければ死後に大聖王とかの称号も得られるかもってくらいにはたくさん凄いことしたんだけどね。最も最近じゃ、女神と人は子ができにくい。それにも関わらず、
英雄クラスの男性を独り占めしようとしたネプテューヌを諫めた善行だったって説も出てきているけどね」

「そうなんか。当時のストレリチアの価値観はそうだったんやな。まあ、今のストレリチアは当時より緩いかもしれんし、逆もあるかもしれんがな」

「おかげで、私の前世は評価割れちゃって優秀な男の独占禁止法を立案した偉大な王ともいわれるし、主張は間違ってないけど正しいことを正々堂々と押せなかったこの件に限っては擁護できないとも言われているの」

「まあ、後世の評価なんか影響のでかい凄いことをして教科書に載れば、大なり小なり賛否両論だからな」

 そういうと横島は疲れが不意に襲ってきたので、すぐに眠りに落ちた。

 その後目覚めた後は、彼の恋人たちが作ってくれた料理を食べるとすぐに睡眠に堕ちて言った。





 エヴァの古城の一室で眠る彼は夢を見ていた。そしてその横には彼の来世が辿る可能性の一つと思われるゲームが彼の恋人たちの手でプレイされており、アリス・マーガトロイドが動かしている人形が枕元で行われている。
そして、エヴァとマーガトロイドのアリスとヴィヴィオとネプテューヌが子供の姿で彼のベッドに入っていく。




 夢の中で彼は快楽の極にいた。助けた少女たちが不意に彼が好む大人の姿に変わり、そしてその魅力で彼の動きを封じて彼を嫐ってきた。時に彼の心まで子供に戻し、性癖を刻み。
大人に戻して全員で愛撫の限りを尽くしたり。そして少女の姿に戻ってその快楽を刻み込み、彼を少女にも反応するように調教していく。
彼が豊満な体と少女の体両方で勃起するようになるとリグルやモモイやミドリやユズという少女たちまでが彼を嫐り始める。





 現実世界で彼に対面座位をしながら彼を人形で操り自分の躰を触らせるアリス妖艶な魔女の笑みを浮かべながら、ネプテューヌに声をかける。

「ネプテューヌ貴方が複数の女性で彼を嫐る類の女性に変わった後、ヴィヴィオやエヴァや私をありがたがる理由がわかったわ。 いえ実感できたというべきかしら」

「はい一度英雄譚に残るほどの活躍をした彼が、自分と同じタイプの女性に同じ手段で堕とされればそれだけ、私の英雄としての側面が強くなり、私に弱くなるから」

 そういうと彼女はパープルハートの姿になり彼を背後から抱きしめて乳房を当てて、ただでさえも快楽が強すぎて喘ぐ彼を余計に激しく痙攣させる。

 それを見てアリスは笑う。

「私もシンセシスさんと薙切アリスさんがしたことのおかげで、『アリス』という名の女性に快楽で支配されつつ支援を受けるものという側面が強化されたみたいね。ここまで堕ちることはなかったでしょうし」

 アリスが離れると魔女の使い魔と化したユウキが彼の精神世界から出てきた。

「忠夫の精神は僕が壊れない様に守るから、快楽と引き換えのバフをどんどん上げちゃっていいよ」

 その言葉は嘘ではないが、夢の世界で彼を嫐ることを楽しんでいることは一目瞭然だ。『仕事以外で忠夫が本気で恥ずかしがることしたら、女権国家に染まっちゃったということだからね』と言っていたが、
もう染まっている様にしか見えないが、害はないので指摘はするものはいなかった。アリスは彼を嫐りながら思う。ヴィヴィオの前世がああいう手で彼を手に入れたのは、
神に近い存在として生まれたからこそネプテューヌを味方につけるだけではなく、今自分が達が味わっている様な楽しみを味わいたいという思いもあったのではないだろうか。
一瞬思考が脱線したが、横島が痙攣と共に射精をすると彼女はエヴァに彼を渡す前準備の魔法を唱え始める。騎乗しながら腰を振り、快楽で泡を吹く彼の腹の上に魔法円が出るのを楽しそうに見下ろす彼女の魔術はもう少しで完成するだろう。


 横島の夢はアリスやエヴァという子供の姿にもなれる女性達に嫐られていた状態から、ゲームの中で何度か体験した妖精としてのインプであるユウキと悪魔としてのインプであるユウキに嫐られる状態に変化していた。
子供のころから共に過ごした彼女は誰の使い魔をやっても、彼の精神背顔をあっさりと掌握してしまう。
気を許しているが故に、抵抗が無駄なのだ。 ユウキはえりなや薙切アリスやシンセシスがしたような左右からの二人がかりのパイズリで彼の分身を挟んだり、あるいはアリスやエヴァたちがした女性優位の大半を彼にした。

「忠夫、僕にやられるのも気持ち良いでしょう」

「も、もちろんですユウキ様」

 二人のユウキにパイズリされて果てぬいた彼にユウキは笑いながら言う。

「他の女性人たち相手にも多分だけどこれはされたことないでしょ」

 そういって彼女は横島を丁度自分の胸の所に来るくらいの子供に戻すと、何か呪文を唱えた。そして彼の後ろにも分身が生えるとそれを後ろの回ったユウキが飲み込み前の勇気が対面座位をして飲み込む。

「無防備な夢の世界で、子供に戻されて、ここで一番屈服率の高い体位で射精しちゃったら、どれくらい魂が屈服するのかな?」

 笑顔でえげつないことを言うユウキに自分は恐れよりも期待を抱いている自覚が彼を余計に恐れさせた。
ユウキを今動かしているのは彼に一番すごい屈服と快楽を与えるという対抗心だろう。それ以外にも女権国家に染まったが故の嗜虐心なども混じっている。

「現実世界でエヴァさんが忠夫に吸血鬼の加護上げるからそれと同時に射精させてあげるね♪」




 二人のユウキに嫐られぬいている頃アリスは彼の分身からもう一度精を放たせるとやや名残惜しそうにエヴァに彼を渡した。

「エヴァお願い。夜の加護とそして私と同じ特徴を多々持つ貴女が色々と刻み付けて」

「任せておけ」」

 大人の姿になったエヴァに両手両足でとらえられて血を吸われると彼は激しく痙攣したまま崩れ落ちる。
夢の世界でユウキに前と後ろを同時に飲み込まれ現実世界ではエヴァに飲み込まれる実質三本の分身の快楽と、吸血がおしよせて快楽が極に達したが故の反応だ。
彼は拷問を受けている様な嬌声を上げて拷問を受けた悶死を連想させる痙攣をしながら。エヴァに向けて倒れた。ある意味自由人な彼はこの時死んだのかもしれない。



 倒れた彼を愛おしそうに抱き寄り添う面々を月が照らす。そしてこの一枚の高級絵画の様な風景が出来上がった。
その絵画は見る者によっていかなる絵画か変わるだろう。
人によっては女神達から寵愛を受け眠る一人の男のようにも見えるだろうし、別の者が見れば人知を超えた美を持つ存在達によって翻弄されて生き人形のなり果てた哀れな男にも見えるだろう。
どこまでも澄み切った青い月が彼を祝福する様にあるいは憐れむように照らしていた。

789 :名無しさん@狐板:2024/07/09(火) 23:58:11 ID:akLlsIti
乙です

790 :名無しさん@狐板:2024/07/10(水) 01:25:02 ID:n+IKXCpI


791 :779:2024/07/10(水) 01:47:17 ID:Efo1jhNe
>>789
乙感謝です
>>790
乙感謝です

792 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:32:12 ID:Sq7lEzZl
 女権国家二次創作SS前世絡みの女性達による横島祟り神化完全阻止計画

このSSは本スレでスレ主さんが連載している女権国家の二次創作SSです。以下の注意書きと説明があります。
@このSSは>>779から>>778の続編だけど、単品で読めるように説明を入れると、時々オカルト現象で人をゲームの世界に吸い込んだりする、
 ゲームを作ってしまうこともあるゲーム会社に勤めている、横島が様々なエロ体験などをしている設定です。そのゲームで描かれているのはもう起こる可能性がゼロになった世界線だったり、
 あるいは極端に低い可能性になったりした世界線です。

A本編で関りのないヒロインが多く登場しています。全員に出番があるわけじゃないけど、ブルーアーカイブのワカモやシロコ、モモイとミドリ・ユズ。
 超次元ゲイムネプテューヌシリーズからネプテューヌなど。食戟のソーマからは薙切えりなと薙切アリスが出ています。

BFGOの清姫や清少納言や玉藻が登場します。このSSでは清少納言の本名が諾子(なぎこ)さんです
C祟り神や怨霊信仰に独自解釈があります。
D唐突に閃いて書いたため、ストレリチアに対する設定が殆ど捏造です。
EFGOの清姫が乙姫と合体するイベントが起きてかつ、あまりにもGS美神の乙姫と共通点があったので書きました。
FFGOの清姫より嘘への対応がだいぶマイルドになっている上に、清姫は大分誕生の経緯が違います。何よりも女権国家的な清姫です






 自分がストレリチアの聖王に婿入りさせられた時の記憶を思い出して数日が立った横島は任務で山中の森に来ていた。ゲーム会社のイフの世界で、得た情報で女権国家の戦争犯罪に深い不信感を持ちつつ、
自分には決して惚れない女性達がいる女権国家の国境よりの領主や村を霊的災害から救いに来ていた。狩魔豪の活躍したエイルケイム裁判で多くの女権国家の戦争犯罪が明らかになった際に、
狩魔が敢えて黒に近い灰色などにしていたものなどもあったのを知った理由は政治が絡むから相手を追い詰め過ぎない方が良いなどの理由もあったのだろうが、
中立よりの味方を相手にとって悪いタイミングでこっちに引き込むためなどの理由もあったのだろう。 

政治的な問題に思いをはせていて彼は不意に戦闘時の表情に切り替わる。炎を思わせる音が鳴り響き、何体もの東洋の鎧に身を包んだ武者の亡霊が出現してきた。

 横島は霊波刀を出現させると、十分に俊敏な鎧武者の刀を受け止めると、鍔迫り合いに持ち込むと見せかけると霊波刀を消滅させていきなり、力を抜かれて耐性を崩した武者に札を投げて焼失させる。
生前の癖が抜けていない怨霊は札で攻撃されることに対する経験がないこともあるからこそ使える手だ。 最初に切り込んできた武者が消えた直後に無数の札で弱った武者たち相手に彼はネプテューヌからもらった刀を抜くと切り込んだ。
その後は大した苦戦もなく、怨霊たちを倒して、祀る儀式をすると良識派の街の住民に女権国家の戦争の約束違反で死んだ怨霊だったことを伝えると、彼女たちは今回の件で王国への戦争犯罪抗議派になると決めていたので、
その守り神として祀ると伝えてきた。

 彼は迷いのない様子で宿に戻るとやるべきことを決めている決意の籠った目で一切迷いなく動いていく。彼は地図を広げると『隠』の文字の入った文殊を付けて通信機を作動させる。

「大鳳、とりあえず四枠の狂三の良識上、許容できない戦争犯罪で王国に同情的な村をいくつかこっちに引き入れたで。戦争時に味方するほどじゃないが、国民の権利を最大限に使って合法的なラインで王国に味方してくれると思う。
女権国家人は恩義に厚いからな」

『忠夫助かるよ。引き続き火急の様ができるまではそっちの任務をお願い』

 大鳳と連絡を取りながら彼は最近の人間関係について悩んでいた。時崎きょうぞうという明らかにただものではない彼が務めるゲーム会社の同僚、その女性は多分だがかなりの大物だ。
多分だがモモイ達との付き合いで得られる利益については、やたらと大鳳が細かく指示を出してくるのはそのせいだろう。
基本的には女権国家が行った悪事の因果応報で不利益が出るような形で動くように大鳳が命じてくることが多い。 仕事を終えた彼は少し憂鬱になった。
自分をとても立派なホテルで待っている女性陣のことを考えると、気が滅入る。王国男子しての尊厳の死に具合がどれくらいになるのだろうか。


 考えながら戻ると、今回ついてきたのはユウキとネプテューヌとストレリチアの女性陣だ。とはいっても、人外な彼女たちは横島と霊的なつながりが強い故に、不意に現れて彼を嫐るのも日常茶飯事だが。
交わりによって得られる加護は大きいがそれでも、強すぎる快楽で自分がどんどん壊されかけている感覚もありそれが不安を煽る。

 少しネガティブになった感情を自覚した彼は敢えて意識を切り替えた。外に出よう。そう結論すると彼はこの町の歴史に思いをはせる。かつてここは女権国家に統合された、小国だった場所だ。
もともとは東国の文化が流民や同乗の余地のある貴人の流刑者やそのお供たちによって持ち込まれ様々な術や文化が根付いた。そして女権国家相手に奮闘したが、最後に篭絡されて滅んだらしい。

 港町で山も海もある地でもある。そんな場所にいながら宿で蹲っていてもしょうがない。外に出て遊ぼう。そう考えると大鳳やジャギがいないことを彼は残念に思った。
幸いモヒカンたちとも気は合うが上司と部下では、向こうも羽目を外せないかもしれない。モヒカンたちに連絡を取ると、昨日休暇だったもの達が数人来てくれることになった。

 横島の遠征任務のお供はモヒカンたちから比較的人気が高い。大鳳やジャギも好かれているが、横島の遠征任務は悪霊などを祓い終えれば直後に恩を感じた住民や地元の有力者が味方になってくれる場合が多いので、
(あくまでも女権国家内にいるにしてはだが)安全になるし、あとは観光地みたいな場所でゆっくりできるためだ。





 モヒカンたちと共に海に来た彼は釣り糸を垂らしながら、少し泳いでもいいかもなどと考えながら、海を見ていた。モヒカンたちは素潜りをしたり、泳いだりしている。


 釣り糸を垂らしながら休む彼に不意にモヒカンが声をかけてきた。

「横島隊長、なんか面白そうな石碑見つけたけど、高島って英雄がここら辺を守ってたんすね。 見に行きませんか?」

 それを聞いた瞬間、横島の中で一気に危機を告げる警報が鳴り響き、一気に景色が既視感に満ちる。彼は即座にモヒカンに向けて言った。

「お前たち、すまん詳しく話している時間はないが、今すぐ宿に戻ってユウキ達に俺がやばい予感がしているって伝えてきてほしい。それともしも俺が失踪したら、今回来てない俺と行動を共にしているメンバーにも連絡頼む」

 モヒカンはその言葉を聞くと彼からもらった対霊的装備を取って走った。他の面子もその様子だけで全てを察して駆け始める。 別々の方向に行くのは恐らくは彼にも教えていない、独自の連絡や決まりごとがあるからだろう。
彼が篭絡されたら、そこから情報が抜かれるかもしれないから、こういう小さな工夫も生存率を僅かだが上げてくれる。

 横島は既視感に包まれだしたころには全てが手遅れな可能性も高いと、思いながら自分が悪いわけではないと察したうえで、自分を罵った。これは明らかに自分の前世がネプテューヌと出会う前に所属していた国だった場所だ。

 横島は景色全てに既視感が宿っている状態に冷や汗を流しながら、モヒカンたちに自分が撤退命令を出した確かな証拠を渡したことを確認すると、構えた。
そして海から大きな霊力を持った存在が、彼に迫ってくる。横島は戦闘にも移れるが、一応は礼を失しない体制を整えると、頭を下げて海からの使者を迎え入れようとした。
だが、彼は自分の魂に刻まれた、何かが脱力させてくることに気づいた。女権国家の女性達がもたらしてくる快楽に近いその快楽により意識を失い倒れかけると、
目の前に大きな亀の姿があり、そこから複数の女性達の姿が見える。 自分を拉致しようとしているなと察して彼は意識を失いかけながらも『繋』の字を刻んだ文殊を使うのが最後にできたことだった。





 モヒカンたちから報告を受けたユウキは即座に動く準備を始めた。ヴィヴィオやストレリチアの騎士たちは焦っている様子がない。ヴィヴィオは落ち着いた様子でいった。

「ご心配なく。今回忠夫さんは浦島太郎みたいにはなりませんよ。そういう契約ですから」

「もしかして前世のヴィヴィオが何かした相手?」

 ユウキの疑問に彼女は余裕の笑みを見せて答えた。

「ええ、東洋の霊的高位存在です。ストレリチアに東洋の術を取り入れるきっかけはいくつもあったけど、ネプテューヌ様は東洋の刀を用いているからその加護から忠夫さんを独占する裏技を持っているかもしれないと思いました」

「でも、ネプテューヌちゃんはそんなことしないと思うけど」

「ええ。私もそう思ってます。ただ夫とした男性を独占されかねない状態そのままにしておくのは王族としてあまり見栄えが良くありませんし。忠夫さんの魂は東洋に寄っているから東洋の同盟者との契約をするのも良いかと」

「そうなんだ。亀にさらわれたってことは、今回の忠夫をさらった相手は乙姫かな? 一応は正式な契約に基づく行為みたいだから一概には悪とは断じきれないかもしれないけど」

「そうですね。彼女たちの目的はユウキさんならすぐに知ることになるでしょう。この地で彼と関わっていた方々との関りもありますから。それでは救助に向かうとしましょう」

 ヴィヴィオやストレリチア騎士たちの様子を見てユウキは胸をなでおろした。明らかに彼女たちは怒っていないし、横島をさらった相手をぎりぎり敵とみなしている、
という感じの雰囲気だからだ。ちゃんと戦の礼を守っている相手に対するストレリチア騎士の反応だ。だがそれでも横島を救助する戦いとなれば、全力で挑む。

 ユウキが挑む準備をしているとシンセシスとヴィーラが声をかけた。

「ユウキちゃん、今回は負けてもそこまで悪いことにはならないから、安心してくれていいですよ」


793 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:33:55 ID:Sq7lEzZl

「僕も忠夫と霊的にもつながっているからひどいことが起らないという、予感は何となくわかるけど、それでも万一はあるかもしれないし。ヴィヴィオ殿下、こういうことは今回限りにしてね」

「ええ。もちろんです。それではそろそろ向かいましょうか」

 そういうとヴィヴィオがあらかじめ用意しておいたらしい、聖王家に伝わる紋章の入ったものを取り出すと、言った。

「では行きましょうか。忠夫さんが連れ去られた浜辺でこれを使えばすぐにたどり着けますから」

「うん。急ごう」


 そういうとユウキはヴィヴィオの後に続き駆け始める。横島と深く霊的につながって得た直感が彼に深刻な危機は訪れないと告げている為か、火事場の馬鹿力の様なものは出せない感覚が付きまとっている。
それでも万が一何かが起きた時に横島を守る為にそばにいた方が良いだろう。

 ユウキは剣を取り出すとヴィヴィオに聞いた。

「今回の敵……、というには少し微妙だけどどんな相手なの?」

 ユウキの問いに少しだけ悩んだ後ヴィヴィオは答えた。

「先ほども言いましたけど、乙姫と言える存在ではあります。でも本物の乙姫というと少し語弊があります。でも完璧に偽物というとそれもまた違うのです」

「なるほど。大分複雑な存在なんだね」

「ええ。彼女は、本来は清姫という存在です。異常な程に嘘を嫌い情念の強さから最高の神秘種である龍へと変わったのです。正確に言えば竜の方の感じが正しいのかもしれませんが。何しろ炎を使いますから」

「確か清姫伝説って、深い情念から竜に転じて相手の男性を焼き殺したってのが原型で女権国家でそれが変化して受け入れられて別な展開の話もあるんだっけ」

「ええ。その通りです。でも今回はそんなに急ぐようなことはありませんよ。忠夫さんをさらったのも後から私たちが着くようにしているのも、すべては神話の再現をして儀式の効果を上げたいだけですから。なんの儀式から道すがら色々説明しますね」

 ヴィヴィオの言葉に頷きながらユウキは彼女たちと共に竜宮城に向かうことにした。そこまでひどいことにはならない。
その言葉は嘘ではなさそうだが、危機感や不安とも違う不思議な落ち着かない感覚が自分の中にあることにユウキは内心首をかしげつつ、横島のもとに向かうために一切迷いなく動いていく。




 竜宮城に囚われた横島は激しい快楽で目を覚ました。全身が焼けつくような快楽があり、射精の際の熱を思わせる感覚を感じながら目を開けると、
緑色の髪をした豊満な体を持つ美女が仰向けになった彼に体をぴったりとくっつけて押し倒していた。性的な快楽をもたらす、秘所はとにかく熱が凄い。それも不快な熱さではなく性行為の最中に快楽となる熱だけを凝縮したような熱さだ。

「忠夫様。思いっきり私の中に出してくださいまし♪」

「ああー!」

 射精の熱で彼は脳を焼かれながら頭の中にドピュー!という音が響く様な射精を終えると。理性がなくなっていく感じがする。乙姫と思える人物は笑いながら言う。

「忠夫様、覚えていますか私を」

「いいや」

 人外相手に迂闊な嘘は命取りになることもある。その思いと本気で自分を好いている様子の相手に嘘はなるべくつきたくないという、思いが混じった言葉が出させた言葉だったがそれを聞いた瞬間、その変化は劇的だった。
彼女は上半身だけ起き上がった、彼に再び抱き着くと、そのまま豊満な胸を胸板で押しつぶしながら腰を動かし彼の分身を内部で嫐る。彼女の腕から出てきた炎が彼を焼くと性的な欲求が燃え上がり、
快楽を与えてくる熱が精液が分身の内部を通過するときの快楽の熱も強めていく。

「危険な状態でも嘘を言わないのですね。こういう時の貴方様は大好きです」

 毒蛇にかまれたような快楽が彼の中に蓄積し、彼は毒を吐き出すように射精するがその度に脳にこの快楽が中毒になる様な快楽が押し寄せてくる。

「貴方様の清姫を堪能してくれましたか?」

「乙姫やないんか?」

 純粋な疑問めいた言葉に彼女は納得いったという表情になった後、彼女は言った。

「そうですね説明が足りませんでした。貴方様と再び会えた嬉しさでいきなりこんなことをしてしまってすいません」

 真摯に詫びてくる彼女を見ながら、横島は懸命に頭の中で対策を巡らせる。女権国家の清姫伝説はいくつもパターンがあり、嘘を言った男を龍に転じて懲らしめるものが多い。
だが、彼女がどの伝承の清姫か彼には理解できていない。その彼を他所の彼女は説明を始めた。

「それでは、まずこの竜宮城や私の性質について話さなければいけませんね」






 横島を捕らえた亀を追いかける船に乗っていたユウキはヴィヴィオから説明を受けていた。

「つまりその、清姫っていうのはどこにでもいる女権国家の低級貴族の娘で、忠夫の何個か前の前世で彼に惚れて、竜に転じて炎の中に捕らえたの」

「ええ。結果的に嘘になるかもしれない言葉に対する拒絶勘と焦り故だったので本来よりはマイルドですけどね。彼女は女権国家の怪異として現れたいくつかの竜宮城と、乙姫をその炎で飲み込み融合しました。
そして嘘偽りを許さぬ海神というか海竜の化身と今はなっています」

「そうなんだ。それで前世のヴィヴィオはどうしてその娘に忠夫をゆだねたの?」

「簡単なことです。彼女は女権国家に流れ着いて変化した伝承とはいえ、『清姫伝説』に従って、清姫という竜神になったもの。そうである以上絶対に嘘は言えないんです。
だからストレリチアでも決闘などの約束事と海の恵みを司る女神として取り込み、ネプテューヌさんが忠夫さんを独占しようとしたときのカウンター存在としたんです」

「なるほど。でも疑っていない相手に形だけの警戒装置役なんて軽い役目を了承してくれたね。かつては人でも今は凄く格が高い竜神なんでしょ?」

「ええ。彼女は彼女には嘘を言いませんと言ったうえで本当のことを言えば、凄く寛大で気立てが良いですから。
ほとんど疑ってないけど念のためと万が一そういうことが起きた時の対策としてお願いしますって言ったらすぐに応じてくれましたよ。今回忠夫さんを渡したのはその時の契約なんです」

「なるほどそうなんだ。でも、忠夫、大丈夫かな? 女権国家で変質した伝承の清姫なら、殺されたりはしないだろうけど」





 ユウキ達が語り合っていた後に、彼は清姫から大体のことの顛末を聞いていた。

「つまり貴女は俺に惚れていた下級貴族の娘で、情念が強すぎて竜に転生して俺を無理やりその力でものにしたと。 どうしてもわからないんだが、ヴィヴィオはネプテューヌちゃんへの牽制以外でどうして俺を君にゆだねたんだ?」

「その理由ですが、それは貴方様を祟り神にする可能性を完全に断つためです」

「は?」

 そこまで言った後に、清姫は彼に向って火を放ってきた。そして彼女が手招きするとシロコとワカモが入ってきた。

「シロコ。ワカモ」

 黒髪の金色の瞳の傾国の妖狐とそして冥府で彼の魂を嫐る神の一柱でもある二人は笑いながら言う。

「旦那様、英雄としての末路の一人祟り神化の可能性を断つ儀式の為にまいりましたよ」

「ん、忠夫が神として祀られるパターンも許容範囲だが祟り神だけはだめ」

 そういうと清姫に射精させられ過ぎて動けない彼を二人が運んでいく。

 竜宮城の寝室から出た部屋には大きな布団があったがそこでは、モモイとミドリとユズとネプテューヌが共にゲームをプレイしていた。

「ネプテューヌさん上手だね。やっぱりゲームの女神だけはあるね」

「モモイちゃんだって上手だよ。何よりゲームを楽しんでいるのが伝わってくるし」

 ミドリとユズはあまりしゃべっていなかった様子で今も無言だが、ネプテューヌに対するしぐさを見ているとかなり気を許しているのが分かった。

 彼女たちは横島を見ると想い人を見つけた女権国家の女性らしく目の色を変えて近づいてきた。

 モモイが明るい太陽の様な声と笑みで言う。

「忠夫、これくらいの時間で来れたってことは清姫さんの地雷は踏まなかったんだね。本当に運が良いね」

「ああ。どうにか助かったで。それで今何しとんのや」

「乙姫さんに招待されて忠夫が来るまでの間ネプテューヌちゃんの御加護もらって頑張ったらできたゲームやっていたの」

「そうなんか」

「うん。忠夫も回復するための薬酒や料理食べながら見ててね」

 横島は竜宮城の海の幸を食べながら、ゲームを見ていた。ネプテューヌが、関わった為か、妙にゲームの内容が自分たちに有益な情報が多かった気がする。
大鳳が完全に女権国家に洗脳された際にユズが正気に戻すが、彼女の戦って倒した相手を正気に戻すという能力は二度と大鳳に仕えないというシーンが印象的だ。
理由は大鳳がユズの近接戦闘術CQC(Close Quarters Combat)を覚えてしまったために二度と倒せないと評していた。

 その他のルートでもユズは楯無と戦うのを異常に避ける様な描写がある展開があり、その理由はCQCを盗ませないためだ。
CQCは女権国家にも伝わっているが、熟練者がCQCを会得している者に使うと、異常なまでに上達させてしまうことがある。そして楯無はそいう類の素質を持つ者の様だ。
楯無はユズに最初は負けたが、それ以降何度も彼女に挑む。そして敢えてCQCしか使わずに戦い破れていた。そして負ける度に信じられない速度で習得している。
このゲームの最後は王国側が辛うじて大規模な諜報戦で勝利したが、女権国家の方がまだまだ優勢なのは変わらない状態だ。そして最後の戦いが終った時にユズが楯無に言われた言葉が印象的だった。

「貴方はもう、そこの彼(ゲームの中の横島を指している)の生き死にが関わっている状態でもなきゃもう私には勝てないでしょ」

 その言葉に対してユズは隠そうとしたがそれが当たりであると見抜かれた様だ。ユズはソリッド・スネークの娘で戦闘術は上級兵士数人に勝てるほど強い。
だがそれでも諜報部で訓練を受けた人間ではない。あくまでもプロの戦場でも通用する異常に高い戦闘技術を有している一般人に過ぎないのだ。


794 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:35:55 ID:Sq7lEzZl


 様々な情報を見ながらも彼は食事をつづけた。竜宮城の刺身のほかに野菜もふんだんに盛り込んだ磯邉は彼の喉をくすぐるきちんと美味な薬酒を余計に進ませる。 食べ終わった彼は、
自分の体が異常に脱力し股間の分身だけが凄まじい状態になったことに気づく。それを見て清姫が笑いながら言う。

「あ・な・た様♪ 精力がつく野菜やお酒がたっぷりと入っていて、それが消化されて子種に変わったんですよ。それではシロコさん。ワカモさん毎度の処置に移りましょうか」

「ん。任せる」

「ええ。あなた様を変質させるがん細胞の切除に移りましょう」




 横島が意識を失いかけているところの不意に、モモイやネプテューヌと似たタイプの気配を纏った黒髪の女性が現れた。和風のパリピという印象な女性で青と黒の混じった髪が良く似合っている。
美人にもいろんなタイプがいるが彼女は笑顔が特に魅力的なタイプの女性だ。今もそれを全力証明するような笑みを浮かべている。彼女は横島を見ると言った。

「今生では初めまして、忠夫様。清少納言と申します。いくつか前の前世で貴方に助けられてから、人でありながら貴方様が祟り神と化すのを阻止し続けている清少納言と申します。
及ばずながら文の力が信仰が生む幻想と渡り合う貴方様の役に立つこともありましょう。裏目に出ても責任持ちませんが」

 ここまでは完璧な和風の淑女を思わせる声と作法だったがここまで言い終えると、彼女は不意に明るい声に変わり言った。

「えーと、挨拶はこんなもんで良いかな? これから今生でもよろしくね。忠夫ッち」

 不意に服に似合うくだけた声になると、彼女は笑いながら彼に抱き着いてきた。

「そろそろ木綿季ちゃん、じゃなかったかユウキちゃんも到着する頃かな? きよひー、早くユウキちゃんとも会いたいから早く来るようにできない?」

「そろそろ来る頃かと思います。お出迎え致しますね」





 横島たちが話し終えてしばら経った頃に、ヴィヴィオたちが竜宮城に到着した。

 彼女たちの目の前には、薙刀を持った清姫がいる。髪は横島の目の前にいた時とは違いプラチナブロンドに変わり、衣装も乙姫のそれではなく、衣をつけた水着めいた衣装だ。

「ヴィヴィオ様、お久しぶりと言うべきでしょうか?」

「私にとっては初めましてだけど、多分久しぶりで良いと思うな。前世の記憶も多少はあるせいか初対面の気はしないし」

「そうですね。そちらが木綿季さん……ではなくて、ユウキさんですね」

「そ、そうだよ」

 嘘を言わない様に気を付けつつユウキは清姫の様子をうかがった。

「貴方様も私と同じく修練と情念で人を超えた存在になった経緯のある者。それでは参りましょう。これから私と戦うことこそがあの方の魂の病の芽を摘む儀式となるのです」

 そういって清姫が薙刀を構えかけると、シンセシスとヴィーラが前に出た。

「御二人ともどうしたのですか?」

「前世の私たちは貴方と腕試しをした時に、ぎりぎり恥さらしではない程度の戦い鹿できなかったと聞きました」

 シンセシスの礼儀正しい言葉にヴィーラも礼をもって続ける。

「ですからユウキさんと闘う前に前世の雪辱戦に付き合っていただけませんか。貴女は竜宮城にいる限り回復速度が凄く早いそうですし」

 その言葉に少し悩むと清姫は答えた。

「前世の貴女たちは決して弱くはありませんでしたよ。ただ竜宮城の後押しがある私を侮っていたことと、なまじ竜宮城の外で私と本気の手合わせをした、
記憶があったせいで最初の一太刀で不利な体勢になっただけです。そしてその体制から、不名誉ではない程度の善戦をしました。でも今の貴方たちは前世よりはまだ弱い。そして私は昔より少し強くなっています。それでもよろしいのですか」

 清姫の純粋な忠告にシンセシスとヴィーラは一礼すると言った。

「ご忠告ありがとうございます。嘘を言えない、貴女からのその言葉で、負けても恥ではない上に善戦すれば大栄誉だというお墨付きをいただけました。まいります!」

 本心から礼儀正しく礼を言った直後に、一撃で首どころか胴を両断しかねない剣撃を放つ彼女達を見て、ユウキはストレリチアの気質はやはり怖いと思った。

 ヴィーラとアリスの最初から火事場の馬鹿力めいた力を見せた猛攻に対して、清姫は竜と化した並外れた膂力と速度で薙刀を振るい迎え撃った。

 ヴィーラとシンセシスの剣撃は基礎は抑えつつ、野性味に溢れた荒々しいヴィーラの剣を、理詰めで徹底的に分析し型を極めた故に強くなったシンセシスの剣が補うという形の連携だ。
双方の力強い所立ちを清姫は薙刀を竜の一撃を想定させる一振りで二つの剣を受けた。この一撃で前世の轍は免れたと観戦者と化したユウキは思った。 辛うじて有利と言える程度だが、
初撃のぶつかり合いは前世とは逆に彼女たちが競り勝っている。

 清姫が青白い炎を放ち辺りを燃やし始めるとヴィーラもそれに応じて、その炎をかいくぐりストレリチアの騎士が纏うオーラを全開にして切り込み始める。

 清姫は押されながらもやや防戦よりの状態で剣撃の音を響かせながら廊下を下がっていく。竜と化した並外れた膂力が産み出す。
柄までも鉄でできているのかもしれない薙刀を小枝の様に振るう彼女の炎をかわし果敢に切り込む二人が有利を保っているのは、
シンセシスが今までヴィーラと手合わせした経験から、ヴィーラの動きを読んで連携を合わせているためだ。ヴィーラの予測が困難な野性味あふれる攻撃に合わせる彼女の負担は相当だが、
それでも見事に連携をすることで、清姫を追い詰めている。 連続の切りあいを繰り返しながら、ヴィーラがストレリチア騎士の中でも特に鋭い勘で、竜宮城の地形を不利に働かせない様に動き、
シンセシスがそれを読み込みながら、動く戦いがしばらく続いたが、ユウキはそろそろヴィーラとアリスが決着を付けに行くと見て取った。理由は簡単だ。
二人の体力がそろそろ限界に近い。戦いの中で勘が研ぎ澄まされて、一番良い動きができる状態に入ったところで、二人は一気に勝負を付けに行く。


 清姫の長刀が二人を引き離した直後にヴィーラが裂帛の気合の声を上げた。そして次の瞬間、この戦いで初めて、ヴィーラではなくシンセシスが切り込んだ。
それを見てユウキは理解する。完璧な伏線だ。シンセシスが今までずっとヴィーラの援護攻撃をして清姫の動きを覚え、そして最強の一撃を放つヴィーラより早く気配を消して仕掛ける。
そのシンセシスの攻撃をヴィーラが後から援護する。それを見た直後に彼女は、決着がつくと思った直後に、清姫が二人の剣を敢えて急所だけ外して受けたのを見た。次の瞬間彼女は言う。

「お見事です。これを使わせてもらいます転身火生三昧(てんしんかしょうざんまい)」

 清姫の言葉と共に剣を刺した二人を巻き込むほどの大炎が起り辺りが焼け落ちた後、すぐに建物が再生し始める。 ユウキは二人が死んだのではと思ったが、二人は健在だ。
死ぬどころか怪我すらしていないように見える。だが二人の様子が明らかにおかしい。ヴィーラは浮かされたように言った。

「清姫殿私たちの負けです。今すぐヴィヴィオ殿下か忠夫様を、いえ、ヴィヴィオ様ではだめです、忠夫様の所に連れて行ってください」

 その言葉にユウキは驚愕した。ヴィーラはレズよりのバイであり、横島に惚れたと明言した後でさえ、優先順位はヴィヴィオが至上だ。
以前横島とユウキに大きな借りができた時に、不誠実にならない様に言ってきた言葉にでも『この恩は忘れません。
ですが、ヴィヴィオ殿下の御安全と引き換えの場合になった時だけは恩返しをしないどころか逆な行為すらしてしまうかもしれません。
ストレリチアの騎士としてあるまじきことだとは思いますが私は陛下に本気で惚れこみ過ぎていますので。唯一命より大事な騎士道以上に殿下が大事なのです』と言っていた。
その彼女がヴィヴィオより横島を優先する発言を口にした。この炎は清姫の情念を相手に移す類の炎なのではないか? そう思った直後にその疑念は即座に消え去った。 ヴィーラの続く言葉があまりにも彼女らしかった為だ。

「嗜虐的な性欲が燃え上がってしまって、忠夫殿でなければだめです。殿下相手は純粋に愛し合いたい。もしくは可愛がられたりいじめられたりしたいのに、いじめたい。可愛がりたい。という性欲だけが刺激されてます」

 シンセシスも綺麗な笑みを浮かべて言う。

「清姫さん私ももう戦いになりません。今なら忠夫さん相手に、女権国家ギネスに乗る様な凄いいじめ方ができます」

「御二人とも前世よりはまだ未熟だったのに本当に苦戦しました。やはり前世の快勝は運が良かっただけだったようです」

 清姫は本心からの称賛の後二人を、侍女たちに送らせた。ヴィヴィオもそれに続いてく。竜に一瞬転じたとはいえ、ここまで早く清姫の傷が治っているのは、ここが竜宮城だからなのだろう。 彼女はユウキを見ると言った。

「それではユウキさん、忠夫様が転生した際の恒例行事な忠夫様の祟り神化の種の摘出に移りましょうか」

「なんのことかわからないけど、貴女とは多分前世かどこかで会っていた気がする。そして忠夫の為になんかしようとしてるのはわかるよ」

 そういうとユウキは剣を置いた。それを清姫が連れてこさせていた、竜宮城の女官が受け取る。そして他の侍女が恭しく、なぜか見覚えのある東洋の刀を礼儀正しく渡してきた。
ユウキはその刀を受け取ると信じられない程手に馴染んだことに驚く。そしてそれを見た清姫が炎をはいてくると、彼女はインプから天狗へと転じていた。

「炎渦の鴉天狗殿、それでは参りましょう。共に炎を高めあい、あの方が山の気の影響を強く受ける英雄となるのなら貴女が、海や竜神の影響を強く受けるのなら私が祟り神と転ずる全てを情念で焼き落としましょう」

 ユウキは自分の中で熱い情念の炎が燃えてくるのを実感した後、これが横島を嫐り染め変えるための儀式の前段階の戦いと感じた直後にはじかれた様に切り込んだ。
清姫はそれを薙刀で受けると彼女に教導めいた攻撃を繰り出してきた。ユウキはそれを避けながら悟る。これは天狗めいた力が自分に馴染むまでも訓練なのだろう。


795 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:38:08 ID:Sq7lEzZl





 横島は清姫がヴィヴィオたちを迎えるべく出て言った直後に、料理により分身だけが異常に固くなり脱力したところを女権国家で出会った女性陣達に嫐られていた。
モモイとミドリが双子らしい息の合った方法で彼を襲ってきた後、今度はアリスが人形劇を始めると、彼の意識がヴィヴィオたちに共有されていた前世へと戻る。そこでちょうどヴィヴィオとシンセシスとヴィーラが入室してきた。



 前世の聖王の閨房で彼は今子供の姿に戻されて、彼に惚れたストレリチあ騎士たちの前でヴィヴィオに股間を弄られていた。
ヴィヴィオの手が彼を操る様に動かすと彼は嬌声を上げそれをパープルハートの姿になったネプテューヌが共に嫐る。 あまりにも早漏な彼を笑う女騎士たちの声を見たヴィヴィオの興が乗り彼は胸に抱きこまれて分身を飲み込まれた。
その瞬間決壊したような感覚と共に、彼の脳が射精によって崩れるようにヴィヴィオの中に射精をし尽くした。ヴィヴィオは笑いながら言う。

「あまりにも早漏で耐久力がないせいか、一度の射精で恥辱なども感じる余裕がなくなってしまったようです。我が淫乱婿殿は」

 そういいながらヴィヴィオは離れると再び彼の分身を手で嫐り始める。彼は快楽に耐えられず悲鳴を上げた。

「やめてー!」

 その言葉にヴィーラが危ない目をしながら言う。

「本心からやめてーと思ってませんね貴方は」

 大人の姿に戻すとヴィーラが豊かな乳房を彼の胸板に押し付けながら言う。

「この胸板と、そしてその悲鳴で陛下を誘惑しています」

「気持ち良すぎて辛いんや! これ以上されたら」

 ヴィーラが手を彼の分身に当てると五本の指で固くなったそれをいじくりながら言う。

「レズよりのバイである私ですら襲いたくなっています。これは、政務前の陛下を誘惑する行為決定です。責任をとりなさい。具体的には陛下の嗜虐心完全に満足させなさい」

 そういいながらヴィーラは彼の分身を飲み込み彼の快楽が限界に達した際の悲鳴を聞いて笑う。ヴィヴィオがその声を堪能しているのが余計に彼女の欲情を駆り立てている。

 ヴィーラがそこから離れると、シンセシスが彼に抱き着き、仰向けの彼と体をぴったりとつけて清姫と同じように優しいがどこか逃げ場を残さない性的な快楽で彼を蝕んでいく。
ヴィーラとシンセシスの二人は彼を襲う際に痴態の引き出し方が巧み極まった。二人の手が乳房がそして秘所が、彼に快楽を与え悲鳴と精液を吐き出させていく。
ヴィヴィオとパープルハートがここに加わったらどうなってしまうんだろう。そう思った直後に、ヴィヴィオとパープルハートが立ち上がり、彼に言う。

「それじゃあ忠夫逝きましょうか」

「え、ちょっとま」


 シンセシスに射精させられた直後にパープルハートが彼の分身を飲み込み。射精したばかりで敏感になった彼の分身を容赦なく抜いて再び射精させ、その直後にヴィヴィオに同じことをさせる。
彼は時には大人の体で大勢に愛撫され、時には心まで子供に戻された状態で免疫が消えたところで容赦なく犯され快楽を脳に刻まれていく。

 長い夜が終ったあと、ヴィヴィオはシャワーを浴びた後でメイドに言う。

「忠夫さんは今日は殆ど動けないでしょうから枕元で、自分がどんな痴態をさらしていたかのビデオを再生しておきなさい。夢に見るでしょうから。時々見て興奮する様だったらたまには相手をしてあげなさい」

「はい。ヴィヴィオ様」

 この時代にはいなかったはずのメイドであるモモイとミドリとユズが頷き、彼の体をマッサージし始めると、彼は心地よさのあまり何度か分身を大きくしてしまい。その度に猫の様な二人の姉妹と、内気なメイドに快楽の極に堕とされた。






 横島が嫐られ始めたのと同じ時間に清姫とユウキの戦いは激化していた。明らかに命がけの戦いとしか見えないにもかかわらず、命の危機を感じさせない二人の剣撫は佳境を迎えていた。

 ユウキの鋭く速い連続の技は、今生の技術まで融合し始めると手が付けられない程の速度と化しており、清姫はそれを薙刀で辛うじて受けている。
彼女の剣の連続は薙刀での反撃を受けてもその衝撃すら利用して距離を取り余計に速く突っ込んで切り込でいる。ユウキの剣撃が常に彼女の優位を取る様に動いており、
膂力で勝る彼女の長刀とぶつかってもやや不利以上にはならずにいる。清姫は防戦一方だが、それでも負けることを危惧していない。なぜならユウキも激しい情念を燃やしているが、
ここまで差が出ているのは彼女が短期決戦をするために後先を考えていないからだ。長期戦になれば確実に自分が勝てる。だが、そういう決着は望んでいない。
ユウキのかつてない程の速さの一撃を辛うじて受けた彼女はかつてない力で鍔迫り合いを制し距離を取った。彼女は頃合いだと断じると竜の様な気を纏い炎を具現化しながら言う。

「ユウキさんそろそろ決着を付けませんか」

「うん、そうだね。炎を司る類の天狗の力僕も慣れてきたよ。お互い高めあう霊的な戦いお互い最高潮なうちにやろうか」

 そういうとユウキも刀に炎を纏わせ、清姫と全力の一撃をぶつけ合った。その瞬間竜宮城の一室が吹き飛び、再生が始まる。お互いが無傷であることを確認するとユウキが笑い名が言った。

「引き分けかな?」

「多分」

 そういいながらも清姫はユウキの様子を見て、儀式が成功であると確信した様だ。その彼女にユウキが笑いながら言う。

「うん。全部じゃないけど前世の記憶が戻ったよ。僕は忠夫と二人で天狗に弟子入りして、忠夫が前世でも病弱な僕を助けるために霊薬作って、それを飲んで天狗になったと。
それで人でなくなったから、『忠夫の妻』という形と人としての半ちゅうの通力以上は使わない形で動いていたと。そして忠夫が祟り神化を完全に潰すために動いていたと」

「はい。一度、祟り神となって当然とみなされた魂は絶対ではないけど転生後にそうなるケースが多々あるので。まして前世と同じ条件となると」

 祟り神は元人でありながら絶大な力を持つ。いくつかの条件がある。善良な人間かつ、明らかに不当な扱いで死亡。あるいは惨い扱いを受けて、怨嗟を抱き死亡。それをした側が報いを受けていない。
この条件を満たした存在は一般人ですらも侮れない力を持つ恩讐の神となる。だが、祟り神と化したものは、人だった頃はしない様な非道をしてしまう人格の変化を遂げる可能性もある上に、祟り神と化すとその経緯が広がり、
大衆の信仰や道場の念が流れ込み他の神となった英雄神より、人格が変化して戻ってこないケースも多い。

 それを止めるために、彼女達はいくつか前の横島の前世をワカモと清少納言と協力して嵌めたのだ。彼女たちは今生でもそうしないために奥の寝室に向かうことにした。




 いくつか前の前世を経て彼は今複数の女官に犯されていた。彼は一度女権国家のあり得ない、条約破りで家族を失い冤罪をかけられて重傷を負って死にかけた時、九尾の狐に助けられた。
そしてワカモと名乗った黒髪の彼女に押し倒され一度の射精で脳が壊れ二度目の射精で完全に腑抜けになった。その後は国が冤罪を認めて、食料が豊かな離島に彼をおいた。
ワカモが選んだ複数の貴族の侍女女権国家と九尾の力を分け与えられた女たちに犯されながら一生を終えた。


 そして今彼は諾子に同じことをされている。シロコとアリスに人形劇の追体験をさせられたからこそわかる。前世の自分は英雄として最高に情けない最後を迎えていた。
前回彼に不当な扱いをした国が、彼を暗殺したという濡れ衣を晴らせなくなってまで、事実を何百年も公表しなかったのは、彼に対するせめてもの償いだったのだろう。
それほど晩年の彼は男性優位の性交が当たり前の国では情けない性交を夜ごと繰り返していた。

 諾子が笑いながら書物を読み言う。

「忠っちの前世マジあり得ない。九尾の狐に一番恥ずかしい体位で三連発された後、家族にまで償いの為と偽ってきた、性悪貴族女たちがそれ見ながら爆笑してたら余計固くなってたなんて」

「今でもそうですねぇこれ♪」

 足で彼の分身を踏みつけるワカモの化身の姿の一つ玉藻の前が笑って言う。ピンク色の髪を振り乱しながら、彼女はそれを飲み込むと既に快楽が限界を超えているのに、体が勝手に動いて、
彼女の乳房を揉みしだいてしまう彼を嘲笑する。余計に射精の量が増えて苦しむ彼を笑う、着物の女性達を他所に諾子は言う。

「ほらほら、忠っち今生でも女権国家にルール違反過ぎる手で仲間沢山殺されたけど、頭より、こっちに血を登らせなきゃ」

 そういって玉藻の裸を凝視ているがために固くなったそれを諾子が掴むと彼は余計に固くなったそれに完全に参る。そして侍女の一人となっていたシロコが笑いながら言う。

「ん。前世であんなに無様だったんだから祟り神の資格なし」

 この言葉は前世の自分の無様すぎる性行為の数々を追体験させられた後だからこそ余計に響く。彼に自分は祟り神になる資格なしと思わせることで、そうなる可能性を徹底的に減らそうとしているのだろう。
銀髪の美女狼が背後から長髪に変わり乳房で彼を嫐る。そして玉藻が、黒髪の美女ワカモに変わり言う。

「確か前世ではこうでしたね。あ・な・た様」

 この国では一番恥ずかしい騎乗をした後、自らの力を分け与えた、侍女たちにも同じ事させ、足でも何度か射精させる。それを見て笑う侍女たち相手に大きくなる分身を嘲笑と共に射精させる。
それを終えた後、不意にさっきまで彼を軽い口調で嘲っていた諾子の姿が消えていた。そして次の瞬間着物に身を包んだ、美女が現れる。その姿は間違いなく諾子、ではなく清少納言だ。彼女は普段とは違う声で言う。

「忠夫様。貴方と対立し恥知らずに裏切って故国を女権国家に統合させた家の娘であり、一応は対立派閥の清少納言です。この国が女権国家の一部となった証の契りを結ばせていただきます」


796 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 00:41:59 ID:Sq7lEzZl

 涼やかな気品あふれる声が彼を余計に絶望させた。今の彼女は公人清少納言だ。公私を超えた、友達である諾子に犯されるのとは違う。
ここで閨で果てたら、決定的に自分は敗北してしまう。それを他所にシロコが彼を抑え、ワカモも彼を抑えて言う。最も二人に抑えられずとも、彼は絞られ過ぎて動けなかっただろうが。

「前世のふがいなさすぎる夜の再現ですね♪」

 清少納言が着物を脱ぎ去ると、隠れ巨乳だった彼女の胸が見えた直後に見えてそのまま彼と一つになった。涼やかな貴婦人めいた目で彼を見下ろしながら彼女は彼を何度も果てさせた。彼が倒れた直後に、彼女は離れ言う。

「とてもかわいかったですよ(この時代の彼らの故国では男性優位セックスが当たり前で女性に閨で負けた後にこれ言われると滅茶苦茶はずかしいことだった。普通はそう思っていても言わない)」

 その言葉を聞いて余計に分身が固くなったことで絶望すると、そこにユウキと清姫が入ってきた。

 ユウキを見ると清少納言が顔色を変えていった。彼女は清少納言から、私人である諾子に戻ると言った

「ユウっちよく来たね。これでいよいよ最後に移れるわ」

 この前世では彼女たちは知り合いだった様だ。ユウキは彼女を見ると言った。

「諾子さんお願いします。忠夫いくよ♪」

 ユウキは笑みを浮かべて彼を犯し始めると諾子は何か儀式所を思わせる自分の本に手を伸ばした。

 諾子が彼の今生でも英雄譚をつづる物語を読み上げ始め、彼の悲嘆などを読んだ後、『されど幼き頃から共にありしきらきらしき者は今もともにあり』

 そして彼女が言う子供のころから変わらぬ風景などの話を読むと、ユウキとの日々が思い出されはじめる。
そして彼の上で彼を絞るユウキが何よりも愛おしく感じられ彼はそのまま完全に魅了されていく。ユウキは時に清姫や他の女性と共に彼を犯し、
何度も意識を飛ばしていく。ユウキは途中で気の利いた言葉攻めなどもしなくなり、ひたすら彼の名前を繰り返しながら、彼にとって最高の弱点を突き犯していく。

「忠夫! 忠夫!」

「ユウキー!」

 愛にこたえているようでもあり、ただの絶叫でもあるような声を上げながらユウキに精をささげ続ける彼を見ながら諾子は言う。

「うん。快楽だけじゃなくて強い愛も同時に注がれれば祟り神になってまで復讐果たさなくてもいいやになるからね。これで良し」

 祟り神になる最後の素養自分の意思を失ったの見て彼女は満足そうに頷いた。

 清少納言と化した彼女とユウキの二人に犯されている彼は完全に腑抜けつつ、彼女たちと共に過ごした日々の記憶が彼の復讐の念を削り取っていく。
清姫の放ってきた炎は今度は暖かいかがり火の様な心地よい情事の熱を思わせる。 ユウキが彼の分身を胸で挟み、清少納言と清姫もそれに習って散々焦らした後で彼女たちにかわるがわる犯された後、
政争目的で女権国家の力を得て彼を快楽付けにしに来た女官たちと代わる。

「見てください諾子さん、僕たちとしている時よりたくさん出しているよ」

「ユウっち仕方ないって、あいつは生粋の屑マゾだから。ほら前世のこれ見てよ」

「こ、興奮なんかしてません」

 心折られて閨で女性に敬語を使うようになった彼の言葉に清姫が反応する。

「嘘を言いましたね」

 清姫の放った炎が彼の欲情を余計に高め嘲笑を浮かべる女官たちもまた同じ状態になりながら、彼を襲い始めた。その宴の締めは清姫も頷く彼の屈服宣言だった。それを聞いた諾子は言う。

「これで祟り神かの可能性完全排除だぜ」

 そこで彼の夢は現実へと帰還した。目の前には政争の家の女官ではなく、竜宮城の乙姫=清姫の配下の女官おり彼を犯している。その快楽に負けて射精すると彼は意識を失った。




 竜宮城の寝室、横島が意識を失っている横でユウキは諾子と話していた。

「諾子さんは政略結婚な側面も強かった時代に忠夫とそういう関係になったのはやっぱり忠夫が好きだったからですか? 今回も英霊としてわざわざ忠夫を祟り神にしない処置を取りに降臨してくれたみたいだし」

 その言葉に諾子は嘘は言えないと断じたせいか少し悩んで答えた。

「実を言うとさー、自分でもよくわからないんだ。 あたしちゃんの家がとんでもなく彼に対して不義理かましたときも、あたしちゃんは関与してないって知ったら普通に接してくれたり、
友達の兄貴だからって兄貴が霊的にやばいことになったら助けてくれたりして、理想的な友達やってたんだよねー。
あたしちゃんがあんまりプライベートだとおしとやかさがなくて、女として見れなかった結果、忠っちは本当良い友達してくれててさー。
それで祟り神になると、子供とか本気で反省したり命乞いしてる奴らも笑いながら殺せるようになるって聞いたらさー、どうしても祟り神にさせるの嫌になっちゃてさー。 もう何でもしたるって、前世で思ったらあの行動だったわけ」

 本当に自分でもよく分かってなかったのだろう。あの時代のあの国は恋愛感情がなくても結婚して義務で子をなすために性行為をなしていた貴族も大量だった。
もしかしたら、彼女にとっては義理堅い友達を堕とさないための手段だったのかもしれない。恩讐を捨て去り表舞台を去った自分の夫とすることで、忠夫の名で縛り祟り神かの芽をつぶしたのだろう。

「恋愛であれ友愛であれ、忠夫を踏みとどまらせてくれた上に今も祟り神となる芽をつぶすためにあらゆることをしてくれてありがとうございます」

 礼を言うユウキに彼女は照れ臭そうに手を振った。

「良いってことよ。あたしちゃんなんて、きよひーと比べたら足元にも及ばないぜー」

 清少納言の言葉にユウキは内心頷いた。何しろ彼女は横島の前世の一つが血みどろの戦いに身を投じず、生きるために戦ってくると約束したが、あまりにもひどい敵国の裏切りが原因で、
『あの時は本心だったが嘘になってしまった。俺は恐らく祟り神となってでも敵国に報復すると思う』と横島の前世が言ったら、
『祟り神になった貴方様を清姫伝説の様に竜と化して燃やし共に転生して戻して見せます』と返して女権国家的な竜神と化したという。そして自分と共同戦線を張るわ、
女権国家の怪異的な竜宮城を飲み込んで『快楽で永遠にあの人を幽閉する場所としてちょうどいいです♪」といって乙姫ともなるわ滅茶苦茶極まる。

 そう思いつつ清姫とのやりとりを思い出し少しだけユウキも深刻になる。清姫が今回彼にこんな処置をとったのは女権国家の戦争犯罪が深刻であり、もし彼の大切な人間が多数死ぬと、
彼が始めての祟り神となる恐れがあるからこそこの様な強引な処置に踏み切った。
それがわかったからこそ彼女も迷わず彼女に協力する道を選んだ。




 ある海岸でツインテールの美女が刀を構え海を見ていた威嚇的でもないのに、恐ろしい程の気を持つ彼女のもとに、海から竜神が現れると、相手を格上と認める礼を取った。
そして清姫の姿になると頭を下げて言う。

「御初御目にかかります。初音ミク様。旦那様がいつもお世話になっています」

「まだ今生では夫婦じゃないと思うけど、……、それはともかく取引は成立ということで良いの?」

「はい。忠夫様の祟り神化の素養を潰すのと引き換えに私達竜宮城勢力は、女権国家が突いた戦争のルールを破った嘘で奪った領土の奪還の際には協力しますし、返還が終らない限りは消極的敵対行為を続けます」

「感謝するわ」

「それでは失礼します。今生の高島様は多忙極まるから竜宮城に滞在してくれる帰還もそう長くないでしょうから」

 竜に変身して信じられない速度で恐らくは彼の元へ向かう清姫を見てミクは思った。あの横島は本当に普通から外れた女に好かれ過ぎる。だがそれが今は王国の役に立っているなと。
ミクは彼に対する同情の念を抱きつつ、久しぶりにゆっくりと景色を楽しむことにした。王国にとって久々の大吉報だ。今は彼のおかげで味方になった海の景色を楽しむことにしよう。


797 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 01:09:07 ID:N9xa3Lxh
乙ー!

798 :名無しさん@狐板:2024/07/19(金) 13:53:32 ID:i8RL3o+U


799 :792:2024/07/19(金) 18:28:41 ID:Sq7lEzZl
>>797
乙感謝です

>>798
乙感謝です

800 :名無しさん@狐板:2024/07/20(土) 22:42:07 ID:AkdUSeCg


801 :792:2024/07/20(土) 23:34:55 ID:nknK+tfU
>>800
乙感謝です

802 :名無しさん@狐板:2024/07/26(金) 08:31:13 ID:zkgHGD1R
乙ー

803 :792:2024/07/27(土) 23:02:18 ID:OVBkjGlA
>>802
乙感謝です

804 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 00:45:20 ID:LNj0Gnq0
 女権国家バニーの日SS 女権国家産のウサギの群れに囚われた男のありふれた末路

 このSSは本スレで掲載中の女権国家の二次創作SSであり三日遅れのバニーの日のSSです。以下の注意書きがあります

@今回のSSだとさとりとこいしも横島のヒロインとなっており、好感度200越えして嫉妬深い面を見せます。
A>>347で書いた月間カンカンの設定が使われています。
BユウキとAAが似ているのでファイヤーエムブレムのワユとWILD ARMSのアナスタシア・ルン・ヴァレリアが横島のヒロイントして出てきます
Cエヴァやアル社長の能力や人脈がかなり盛られているかもしれません。
Dバニーの日なのにバニーガールは出てきても、ウサギキャラは出てきません。




 女権国家の静謐な夜、人通りの少ない裏路地に疾風を思わせる速さで走る影がある。その速度に反して音すらろくに立てずに歩む人物は一見すると美少女を思わせる様な容姿をしている。
それに反して進む足取りは武道の熟練者を思わせる。人通りの少ない裏路地を歩む彼は僅かな焦燥感を醸し出しながらも、迷うことなく目的意識をもって進んでいる。

 彼がある裏路地に差し掛かると、ヘルメットをかぶった戦い抜くことに特化した筋肉に身を包んだ男が彼を迎えた。王国の諜報部の武芸担当者であるジャギだ。彼は大鳳を見ると、周囲の気配を探り安全だと確信した直後に口を開いた。

「大鳳、横島の奴の身に何か起きた可能性が高いってのは本当か?」

 ジャギの半信半疑めいた言葉に大鳳は即座に頷く。そして彼に言葉を返した。

「うん。まだ大事ではない可能性が高いけど、これは放置するとやばいと思う」

 ジャギはその言葉を聞き、気を引き締めたが、事態の予想がつかない様子だ。

「しかし一体何が起きたんだか。 最近のあいつは戦闘力でも相当だし精神的にもかなり強い。まして力を取り戻したエヴァの姉御をはじめとした周りの女たち、それであいつに何かできる奴の方が珍しいと思うがな」

 そう答えながら、ジャギは一応はミクに連絡を入れておいた。もしかしたら出陣してもらわなければだめかもしれないという旨を籠めたものだ。 横島は霊的防衛的な意味で最近は貢献度が高い。
そして彼の周りにいる女性陣も強い故に彼が危害を加えられたということは、それができる人物も限られている。半端な相手じゃない以上はミクを呼ぶことも考えておいた方が良いだろう。


 大鳳がここまで、焦っているのは横島からの報告書が原因だ。
 彼の報告書が過去に一度か二度くらいしか見せたことがないくらいに文体が乱れていた。一応概要は読み取れたし、最低限の報告はできるくらいにはきちんとした報告書ではあったが、長い付き合いのある大鳳だからこそわかる心底精神的なダメージが大きかった時しか見せない乱れがにじみ出ていたのだ。大鳳はそれを見て直ぐに横島の所に行くことに決めた。

 連絡を受けたジャギも全く止めずに同行を決断したのは、彼の安否が気になったからだ。
最近の横島の『業務中の』有能さやあらゆる面での打たれ強さを見ている限り彼がここまで精神的ダメージを受けるということ自体が、非常事態の可能性ありといえる。
滅多に見せない横島のダメージを受けた様子に、少しだけ心配になったジャギに向かって大鳳が言う。


「とりあえず操られたりして書いたわけじゃないし、報告書としてちゃんとしているから、意識を『業務モードにしていれば』ぎりぎり大丈夫なぐらいではありそうだけど、早くケアしないと、女権国家の敵に付け入られると悪いから早めに対処しよう」

「そうだな」

 短く堪えながら、ジャギは大鳳の言に頷いた。表の世界であれば大事になる可能性が低いことを放置しても運が悪かった、で済むが自分たちが所属している場所ではその大事が起きやすいところだ。
優先度は低くとも、部下が聞きならばなるべく早く対処するに限る。





 ほどなくして横島が済んでいる館に到着した。確かエヴァか愛歌のつてを経て購入した、霊的な守りの高い館らしい。
いくつかの霊的大事件を解決してその報酬で購入したそれは、ぎりぎり豪邸と言えるくらいの建物であり、不思議と印象に残り辛い。多分だが、霊的な襲撃などにも強いのだろう。 

 インターホンを鳴らすと愛歌が直ぐに迎え入れてくれた。愛歌の姿を見て、大鳳とジャギの心に安直の念が沸く。彼女の様子を見ている限り横島の精神はそこまで重症ではない、もしくは緊急性は低い可能性が高い。

「いらっしゃい。忠夫は今業務を終えて部屋にいるわよ。早く精神のケアお願い。私でもできるけど、貴方たちの方が早く終わらせられると思うから。」

 愛歌は明らかに上機嫌な笑みを浮かべている。横島に対してかなり入れあげるようになってから、彼女がこういう姿を見せている時は横島が相当に女権国家の女性を引き付けるような行動をとってしまった時だ。

「ありがとうございます。それじゃあ行ってきますね」


 愛歌に礼をすると大鳳とジャギは急ぎ横島の部屋に入った。そして驚愕が彼らの意識を包んだ。

 かつてない程打ちひしがれた様子の横島が彼らをどうにか迎え入れた。一応漫画でいうところ子のギャグパートの様な雰囲気があるからまだ大丈夫だとは思うが相当やばいことは何となくわかる。大鳳が心配した声で言う。

「忠夫、いったい何があったの?」

「大鳳、報告書にショック受け取る様子を出してしまっていたか。詳しくは愛歌ちゃんに聞いてな。今のワイではうまく話せん。ワイがバカだったんや」

 大鳳は彼を見据えて言葉を返した。

「とりあえず忠夫の口から話して。 話すだけでも考えを整理できるし多少は楽になると思う。それに考えを整理できるでしょう。不明な点があったら愛歌さんに聞くから」

「ああ、ありがとな」

 横島はダメージを受けつつ、ぽつりぽつりと事情を話し始めた。




 横島から聞いた説明によると、横島は良識的なホストクラブ、それも男性の悪霊祓いししか払えない霊障に困った女子を惹き付ける仕組みの施されたホストクラブで働いていたらしい。
実戦経験も積めるし、自分に他のホストに惚れた女性も恩を売れば人脈作りに使えるからだ。これは大鳳も報告書を読んでいた。
そこでかなり活躍をしていたようだ。実際に彼に惚れていない女性陣も王国に対して友好的になっている者が増えていた。 そのホストクラブは女権国家に在住しているストレリチアの女性も多く入店していたはずだ。
確かホスト達では手におえない霊障が出た時に、対処してくれていたらしい。ヴィヴィオも横島がそのクラブで頑張っていると上機嫌で良く訪れていた。横島がここまで落ち込んだのは、二日前の事件が原因らしい。

 なんでも一目見て横島を気に入ったらしい姉妹から、人助けの為に霊障解決の助太刀を頼まれたのだ。そこでワユと、アナスタシア・ルン・ヴァレリアという女性二人の依頼を受けて出撃した彼は見事すぎる活躍を見せた。
アナスタシアという単語を聞き大鳳の表情が少し強張ったが、ルンヴァレリアという名字を聞くと、人違いかという風に安心したように変わる。そして横島の話を聞くと僅かな違和感を覚えたが、
そんなことかと思う様な内容だった。 もしもこの時大鳳がもう少し違和感を深く追求していれば、今回の事件はもう少し穏当に終わっていたかもしれない。
だが、事態がラブコメディ映画のような事態だったために、『違和感』は大きくてもそれに対する『警戒心』が大きく下がってしまった。




二日前の夜にワユとアナスタシア・ルン・ヴァレリアが助けたいという女性の友達を助けた彼は、二人にお礼を籠めてシャンパンを注文してもらっていた。
どこかユウキに似た二人は彼に対してとても好意的だった。底なしに明るいワユと俗にいう大人のお姉さんめいた雰囲気をしたアナスタシアがソファーの真ん中の彼を挟みなが褒めたたえた。

「忠夫くんったら、格好良すぎ。ストレリチアでも多分それなりにもてると思うな」

 アナスタシアは包容力に満ちた大人のお姉さんめいた雰囲気を出しながら聖女の様な純白の衣装に似合わぬ酒に酔った色気を見せて彼にまとわりつき。ワユも底なしに明るい様子で言う。

「忠夫、凄く格好良かったよ。今度からあたしたちの専属して助っ人毎回やってくれない」

 この二人からはどこか神霊めいた気配があったが、なぜか警戒心が沸かなかった。その理由の一番は多分、ユウキとどこか気配が似ているからだろう。
「いやー、そういわれると嬉しいですね。 俺の周りにはかわいい子は割と多いけど、大人のお姉さんめいた包容力のある女性はあまりいませんでしたから」

「そう?そういってもらえると嬉しいわ」

 あくまでもホストとしての業務を逸脱しない範囲内ではあったが、それでも散々いちゃついていた。そしてそれを陰から見ながら切れている。女性の姿がいくつかあった。特にさとりが今回はひどく怒っていた。

「こいし、少し無意識を操りなさい。彼じゃなくて、今やきもち焼いている、ユウキのよ」

 横島が知ることがないこのやり取りが今回の事件の裏側だった。

 仕事を終えて帰った彼はユウキに声をかけられた。

「本当に心の籠った口説きをするくらい魅力的な女性に敢えてよかったね。 アナスタシアさんとお幸せに、タダスケ(横島の源氏名)さん」

 その言葉を聞き横島は精神的に崩れ落ちた。ユウキからの凄まじい拒絶。しかも、忠夫と呼んでもらえないなど出会ってから横島呼びから忠夫に変わってからの初めてのことだったらしい。





 話を聞き終えた大鳳とジャギは少しだけ奇妙な違和感を覚えた。ユウキの性格上ちゃんと事情を話してホストをやった以上そんな切れ方はしないと思う。それに限界が来たならもうやめるように詰め寄る程度だろう。少し考えてから大鳳は答えた。

「忠夫、ごめん解決策を考えてくるよ」

「おう。ワイの私事に煩わせてすまんな」

 かなりダメージを受けている様子の横島を見ながら大鳳は外に出た。そして一回に降りるとジャギに言う。

「おかしいよね。ユウキの態度」

 悪いではなく、違和感の強さを大鳳が口にするとジャギも頷いた。

「ああ。ユウキらしくねえ」

「忠夫呼びじゃない辺り相当キテた気もするけど。本気で怒っているならどうしたらいいかな」

「今の横島の様子をこいしかアリスの隠し人形で動画にとって見せたら一発で治るだろ。考えるだけ時間の無駄だ」

 ここまでは呆れた声でジャギは答え、そして次の言葉で声のトーンが切り替わる。

「……最もユウキのやつが正気ならだがな。ぎりぎりあり得る反応な気もするが、明らかにおかしい」

 そういいつつそこまで警戒してはいない様だ。恐らく横島に入れあげてきたさとりやこいしの悪戯程度だろうと彼も思っている様だ。そしてジャギの返答に大鳳も納得しつつ返事を返した。

「そうだね。むしろ警戒すべきは、神霊めいた気配がしたストレリチアの女子二人じゃないかな?」

 アナスタシアとワユこの二人以上にユウキに似ていたという点が妙に気にかかる。ストレチア女子だったという点が警戒心の段階を一つ下げるが、
横島様の篭絡部隊ではないかと疑いの念が沸く。ヴィヴィオはあの二人を一時的に下りてきたストリレリチアのヴァルキリーか何かかもと言っていたらしいが、太鼓判が押されていない常は女権国家に帰属したストレリチア人の可能性もある。


805 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 00:47:01 ID:LNj0Gnq0

 悩む二人にアリスと愛歌が声をかけてきた。二人ともうずうずしている様子だ。

「早く忠夫とユウキを仲直りさせて。幼馴染に冷たくされて傷心状態な忠夫が可愛すぎて襲いたくてたまらないの」

 笑顔で言うアリスはユウキへの仁義から待っている様だ。アリスだけでなく愛歌も同じような反応を見せている。そこに来て愛歌も大鳳に言う。

「一応あの後、かつてない程優しい様子のエヴァが『私からとりなしておいてやるから、安心しろ』って忠夫に言ったからエヴァに任せているけど、
あんまり英雄さんが可愛い姿見せていると我慢できなくなっちゃうかも♪ 今のユウキは正気だし、前みたいに忠夫を嫐れば参加しに来るかも」

 もう横島を襲っていたというのは意外だったが、それを聞き大鳳はこの面談が終ったら、エヴァと会うべきだという結論に達した。最もユウキと横島の喧嘩に対してはそこまで深刻にとらえていない。
愛歌が連絡を寄こしてこなかった時点で急務ではないなと思っている。横島のメンタルケアよりはむしろミクに頼んでアナスタシア・ルン・ヴァレリアとワユという女性に対して調査してもらった方が良いかもしれない。
そこまで考えると二人は横島の所に行くと一応報告を済ませることにした。

「忠夫、大丈夫だよ。ユウキとは絶対仲直りできるよ。それよりも僕たちは警戒したほうが良さそうな相手が出てきたから少し動くことにするね」

「横島、あまり気にすんな。ちゃんと筋通して任務としてホストやってたんだ。直ぐに収まる」

 横島が大鳳の能力に高い信頼を抱いているからこそ、大鳳は敢えて些事のよう言う。こうすることで彼に大丈夫だと確信させるためだ。
その試みは上手くいったようで、彼の顔色が平時の者に少しだけ近づく。それを見ると二人は部屋を出て愛歌に挨拶を済ませて、ユウキの部屋に向かった。ぎりぎり豪邸と言える程度の屋敷だがそれなりに広い。そのためか同居していながら、顔を合わせない日なども出てくるのだろう。

 ユウキの部屋に向かいつつ大鳳は僅かな危惧を覚えていた。今の横島が可愛すぎると評価していた他の女性陣に襲われたら、横島がユウキとの関係の悪化を恐れて割と本気で抵抗してしまい、
その結果彼女たちがどんなリアクションを取るか想像がつかない。もしかしたら燃え上がってしまい、無理やりして人間関係がこじれる恐れがある。

 早めにユウキと横島を仲直りさせなければと考えて、ユウキの部屋に入ると不機嫌とは正反対な上機嫌の極みで、にやにやを抑えられない様子のユウキがいた。
半分呆れながらも大鳳は一応理由を問いただすと彼女は笑いながら答えた。

「あの後、エヴァが今の忠夫の様子を隠しカメラで特別に見せてくれて、僕に呼ばれ方変えられただけで、あんなになる何て可愛いな〜」

 上機嫌の極みな、脱力した笑みを浮かべるユウキの様子を見て、大鳳は内心で『はい!もう解決!』と叫びながら言葉を返した。

「それなら早く忠夫に会いに行ってあげて、僕たちも暇じゃないから早く戻して、他の女性陣が我慢できなくなって襲っても知らないよ」

「それなら大丈夫。他の女性陣ともう話しついているから。それに忠夫は今回の件が堪えて、修行もできたからホスト引退してあそこのオーナーが助けを求めてきたら霊障に対してだけ動く立場になるって言ってたよ」

「そうなんだ。ユウキそれなら心配はいらないかもしれないけど、僕たちが危惧していることが他にあるんだ。アナスタシア・ルン・ヴァレリアとワユ」

 その言葉を聞くとユウキの顔色が少し変わった。そこまで剣呑ではないが、いつものやきもちとは違う様子だ。彼女は少し考えてから答えた。

「多分彼女たちは大丈夫だと思うよ」

 明らかに勘から口にした言葉だが、彼女の言葉はそれなり以上に信憑性がある。霊格のたかいインプと化しているのでその霊感は侮れない。彼女は少し考えてから言う。

「あの二人僕としては仲良くなるには大変だろうけど、今は女権国家意外と争っている場合じゃないしね」

 ユウキの何かを感じ取っている言葉にはあの二人が女権国家人じゃないという確信があるようだ。やはりストレリチアの女性なのだろうか?

 不機嫌な様子はそこまでで、ユウキは満面の笑みを浮かべると言った。

「エヴァが忠夫の引退パーティを兼ねた僕との仲直りの舞台を用意してくれるって言ってたからそこでしようと思うんだ。忠夫がホスト時代に助けた人たちまで今回は参加してくれるらしいから」

「そうか。それなら一応心配はないか」

 八割近く安心したジャギの声はこうなったら後は一端放置して、万一失敗したら後日対処する方が良いと判断した。大鳳も同意見であり、十中八九大丈夫だとは思っている。

 一応はミクに報告してワユとアナスタシアの情報を洗うことにすることにすると彼らは解散することにした。




 大鳳からの訪問で若干精神が持ち直した横島は、ユウキとどうやって仲直りするか懸命に思考を巡らせている。
こちらから仲直りの連絡を入れるか?それともユウキと顔を合わせる時まで待つか? どんなふうに謝るか? 悩みは尽きない。
覚悟を決めて外出の準備を固めると、彼の覚悟は空振りだったことが直ぐに明らかになった。不意にノックもなしにドアが開き、満面の笑みのユウキが彼に向って抱き着いてきた。

「忠夫、ごめん。僕に呼び方変えられただけで、あそこまで落ち込むなんてちょっと配慮が足りなさ過ぎたね」

 あそこまで落ち込むなんて、の下りで彼女は凄く声が弾んでいるあたり、横島の自分に対する重すぎる感情がわかって嬉しいのがあるのだろう。ユウキは彼に胸を押し付け体重を預けながら言葉を続ける。

「でも、忠夫も悪いんだよ。あんな風に好きな男が他の女性を口説いていたら理屈じゃなく腹が立ってしまうものなんだから」

 抱き着かれながら横島は自分のメンタルが急速に回復していることを自覚しながら答えた。

「機嫌が直った様で良かった。それはそれとして本当にワイの言動がだけが、原因だったんか? あの二人の女性がなんか特別に因縁があったとかやないんか」

 横島の問いにユウキは少し悩んでから答えた。

「もしかしたら何かあるのかもしれない。ううん、多分あると思う。あの二人見ていたら、他の女性と忠夫が仲良くしている時とは違う苛立ちが走ったから間違いないと思う」

 ユウキの霊感に従ったらしい声に彼は僅かに警戒心を刺激されかけたがその瞬間、ユウキが彼に抱き着き言う。

「忠夫それより今日は仲直りとお詫びを兼ねて、ホストの引退式することになったよ。ベリアルの力取り戻したアルさんと、力を取り戻したエヴァが合同で色々してくれているから行こう」

「ああ。わかった」

 そういってユウキが指を刺した先には、普段はない場所に霊的な力でできたドアが出現していた。

 そのドアを潜ると、彼の目の前に豪華カジノが広がっていた。確かかつての吸血鬼の力を取り戻したエヴァの居城をアルが悪魔の力で上乗せしたらしく特別な気配が満ちている。
客は彼だけではないようだが、それでも活気に満ちた遊び場だ。そこまで(女権国家基準では)性質が悪くない善良寄りなカジノなのが彼の眼にもわかる。

 豪華なカジノに気圧される彼を他所にユウキが抱き着きながら言う。

「忠夫、それじゃあ行こうか。『今夜は仲直りも兼ねてなるべく僕の意をかなえてくれる?』」

「もちろんや」


 そう答えた瞬間、何かがカチッと嵌ったような気がしたがそれでも横島にとっては大した問題ではなかった。嬉しそうな顔でユウキは笑いながら言う。

「それじゃあ僕も準備してくるから」



 横島が来た場所はアルが率いている悪霊の軍団の女性や見目麗しい女権国家の様々な妖怪達がおり、ホスト時代に彼が助けた女性陣の姿もちらほらと見えた。
そして彼が辺りを見るとそこにはバニーガールの姿になっているアリスの姿があった。いつも露出が少ない彼女がこういう格好をすると裸とは違った、刺激がある。彼女は笑いながら言う。

「忠夫、ここはポーカーテーブルだけど遊んでいく?」

「ああ。それでどんな賭けなんや」

「アルに恩のある悪魔が貴方が勝つごとに王国に大金や、あるいは防衛に役立つ霊的道具を送るそうよ。ただし、負けたらその度に精力と正気度とかを奪っていくそうよ」

「そんなにか」

「ええ。どんなに負けても王国に不利益は与えないし、スパイ活動の邪魔はしないって明言してたは。比較的悪魔にも嫌悪を持たないストレリチアの神様とか英雄神たちも、ヴィヴィオの伝手で手伝っているそうよ」

 横島はそれを聞き特に考えずに了承した。逆レイプされると明らかに明言していたが、アリスや知った女性が相手なら別に問題はないだろう。そして彼はポーカーを始めた。

 しばらくして何度か勝った彼はガッツポーズをしていた。王国に対して霊的防衛を有利にする道具いくつかと、経済的にそれなりに回復できそうな価値を得たためだ。勝ちに乗った彼にアリスが忠告をする。

「忠夫、倍掛けすると負けても今まで買った商品は王国に送られるけど、その分嫐られる量が凄いことになるのよ」

「おう。ここでもう一度勝てば王国の負債半分以下や」

 そういった彼の手にはフォーカドの手札が握られていたが、アリスはその挑戦を受けてオープンした手札がロイヤルストレートフラッシュだった。

「負けね。それじゃあ清算に移りましょうか」

 そういわれた直後に彼はカジノのヴィップルームを思わせる寝室に瞬間移動していた。いつの間にか服がはぎとられている。そしてそこにはアリスだけでなく、バニーガールの衣装に身を包んだユウキと大人姿のヴィヴィオの姿がある。

「忠夫調子に乗って、降り時を間違えたんだね。バカな忠夫にお仕置きの時間だよ」

 そういうとユウキはバニーの姿のままその大きな乳房で彼の分身を挟み込んだ。

「今の僕はカジノのディーラアリスさんの使い魔インプユウキというわけで容赦なくいくよ」

 分身を挟まれて呻く彼が射精するとバニー衣装のままヴィヴィオが彼に後ろから抱き着いて言う。

「ホラホラ忠夫さん、王族の婿として引き時を間違えるとどうなるか学んでくださいね♪」

 楽しむ二人の乳房に翻弄されて、射精をするとアリスが少し考えた様子で言う。

「私がとった勝ち分だと、忠夫の心に性癖を刻む権利ももらえるからそれ使っちゃうわ」

 そういってアリスが彼を子供に戻す術を使うと、彼は体だけでなく、精神も子供に戻った。その彼めがけてアリスの指から魔力ででた糸が走ると、彼の体を動けなくした。そして分身からの射精を封じながら言う。

「それじゃあ今夜に相応しい性癖を身に着けてもらいましょうか」

 そういった後、アリスもまた彼にバニー衣装で抱き着き。時には乳房を押し付け、あるいは尻を揉ませたり倒れた彼に圧するように接してきた。彼の分身が強張り抜くと一瞬で裸になり彼の分身を飲み込んだ。


806 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 00:48:19 ID:LNj0Gnq0

「ああー!」

 悲鳴を上げる彼の声を心地よさそうに聞きながらアリスは次の瞬間には魔法を使ったように、バニーの衣装に戻っていた。そしてずらして彼の分身を入れるとその乳房で彼の顔を包み込む。
それを見たユウキも乱入してくるとアリスと同じ行動を起こし始める。ユウキとアリスに交互に犯され、快楽に耐え切れない悲鳴を上げる彼を楽しそうにヴィヴィオは見ていたが、彼が脱力の極み落ちると
、ヴィヴィオが進んできた。そして彼に近づくとバニーガールの衣装のまま乳房で彼の顔を包んだ。彼は射精と同時に気絶しかけた。
そしてあと一回の射精で完全に頭がすっきりすると思った直後に彼女たちは彼に気づかれぬようにお互いに目配せてしていう。

「負け分の清算終ったわ。引き続きカジノを愉しんでね」

「あ、ああ」

「王国男子として恥ずかしい性行為だったけど、負けたんだからしょうがないよね。また負けたらここだから今度は駆けすぎないようにね」

 ユウキが意地悪に笑いながら言う。彼女の手には、『刻』の字が入った文殊が握り閉められている。これで彼はバニーの性癖が完全に植え付けられた。


 元のギャンブル場に戻った彼は、意識を切り替えながら王国の為にギャンブルを続けに移ることにした。不意に横から声をかけられて見るとそこにはバニー衣装のユウキの姿がある。


「忠夫、今夜は僕が君専属のカジノの案内バニーさんだよ」

 そういうと彼女はバニーの衣装で隠れ巨乳ではなくなった、胸を押し付けるように抱き付きながら言う。

「負けたら色々取られちゃうから今度からは気を付けなきゃダメだよ。倍掛けも程ほどにね。それとかいがいしくバニーさんらしくお世話するけど、
忠夫僕が仕事で忠夫以外にこういう態度取ったらどうか少し想像してみてね。そうしたら一昨日の僕の気持ちもわかるんじゃないかな♪」

「あ、ああ」

 そう答えながらも彼の頭の中にあるのは、ユウキとヴィヴィオとアリスの三人による快楽で意識を破壊しつくし輪姦された記憶だった。
それがどうしても蘇ってくる。彼の傍に、こいしと一緒のさとりが隠れ弱めの想起をしていることに彼は気づけなかった。


 アップダウンのテーブルに着いた彼は、最初にめくられたトランプより大きい数だと思うなら、アップ、小さいと思うならダウンという賭けでも勝ちまくった後に、今負けたらえらいことになる。そう思ったが、
負けてもその分自分が絞られるだけで商品は王国に届くのだ。そう思って7という微妙な数字で外してしまった。その直後に彼は先ほどの寝室に戻っていた。

 アリスの姿がなくなっている代わりに、ヴィヴィオとユウキだけではなく、ワユとアナスタシア・ルン・ヴァレリアの姿がそこにあった。

「忠夫くん、昨日ぶり。実は私ユウキちゃんのいくつか前の前世で、ストレリチア騎士なの」

 アナスタシアの言葉に驚愕する彼を他所にワユも言う。

「背丈では負けているけど、あたしもストレリチアでぎりぎり神様扱い受けるくらいには手柄立てた剣士でユウキの前世だよ。言うまでもないけど、忠夫の前世と夫婦でした」

 二人の言葉にユウキが言う。

「妙にイラついたと思ったら、僕の前世が元な神様だったから見たい。疑問も晴れたしそれじゃあ再び負け分の清算ね」

 そういってヴィヴィオが彼を捕まえると、ワユとアナスタシアとユウキが三人がかりで彼の分身をその乳房で挟み始めた。
真ん中になったアナスタシアは一人だけ純白のバニーガール衣装を着ているが、黒いバニー衣装を着た二人とは違い一人だけ白いバニーの為か印象に残りやすく。
きれいすぎるその衣装を汚すのは妙な背徳感がある。それを見越して彼女は敢えて彼の分身を舌でも嫐った後、敢えて離れて射精させた。ユウキとワユも射精後の彼の分身をその手で掴みピンポイントに快楽を与えて射精させると、
自分たちに方向を向けて射精した白濁を受ける。彼女たちはわざとらしく怒ったように言う。

「忠夫、もう少し我慢しなよ。おかげでせっかくのバニーガール衣装が汚れちゃったじゃない」

「は、はいすいません」

 三人の足が彼の分身を踏みつけ絶妙な快楽と屈服感を与えてくる。

「それじゃあ少し罰ゲームの時間スタート」

 バニーガールの衣装を脱いだワユとアナスタシアが彼の分身を飲み込むと、ヴィヴィオに口づけされて刻まれた何かが彼の内部で反応し余計に快楽を強めてくる。これは間違いなくストレリチアの霊的性魔術だ。
アナスタシアが彼の上になり恋人繋ぎの手で彼を捕らえながら。腰を振り何度も射精させると、ワユが途中で交代してくる。射精を幾度重ねてもカジノで味わった料理とドリンクの為か彼の精液が一向に尽きる気配がない。ただし射精の旅に快楽で壊される精神には限界があるが。

「忠夫、もしかしたらわざと多額の債務になるまで負けてたんじゃないの?こうして欲しくて」

 嘲りながらワユが契約で縛られた彼の上で射精をさせて。倒れた彼にヴィヴィオが上からくると完全に彼は征服されたように射精をした。ヴィヴィオは圧倒的な霊力で彼を屈服させながら魂さえ支配下に堕とすような騎乗位を愉しんでいる。
ユウキが背後から彼に抱き着き、乳房を押し当てて射精の量を増やした後に、ヴィヴィオと代わり彼に騎乗すると。彼は射精しながら倒れた。

「忠夫、可愛い。前世の二人より、上手く忠夫を支配できるのはやっぱり僕だね♪」

 その言葉に不機嫌な顔になった二人が迫ってきた後のことは彼は覚えていない。ただ激しい快楽が何度も襲ってきて意識が何度か飛んだあと、自分はカジノのフロアに戻っていた。

 その後の彼はバニー姿のユウキの胸や尻しか頭になく、ギャンブルでも負けたら何かが奪われるではなく、快楽を与えてもらえるということしか頭になくなっていた。



 自分自身が出る闘技場で何人もの強敵を打ち破った後、対戦者決定ルーレットで出てきたエヴァに敗れた後は、寝室で血を吸われながら捕らえられた。


 大人の姿のエヴァが彼を両手両足でとらえた後、血を吸いながら射精も下の口で味わった後に、指一本動かせなくなった彼の分身を踏みつけながら言う。

「負けた時に、随分と残念そうにしていたな。さては貴様。あの闘技場で犯してもらえなくて残念とか考えていたな」

「あ、ああ」

 血を飲んで記憶が流れ込み答えを知っていながらエヴァは大げさにそれをバカにする。

「まさか王国男子でありながらそこまで変態とはな」

 いつの間にか横に来ていた、さとりが相槌を打つ。

「エヴァさん彼は救えない変態ですから。私も少し楽しませてもらいましょう」

 さとりが仰向けの彼の分身を飲み込みそれだけでも余裕なく喘ぐ彼に無慈悲に言う。

「『想起・今夜の屈辱的だけど癖になった性体験』」


 ユウキやヴィヴィオたちにされたことだけではない。ホスト時代に助けた女性人たちからされたトラウマになりかねない気持ち良すぎる性行為なども蘇ってきくる。さとりの女陰だけで射精直前だったところにそれをされた彼は奇声に近い悲鳴を上げた。

「ああー!」

 さとりの女陰に溢れるほどの彼の射精が入るとさとりの腹が膨れ上がり、彼女はそれを愛おしそうにさすりながら、こしかけ彼の分身を足で愛撫しながら言う。

「昨夜のユウキのらしくない行為はこいしに命じて私がユウキの無意識を操作しました」

「な、なんで?」

 それを聞いた瞬間さとりの目が恐ろしい色を帯びる。彼女は恐ろしい声で言う。

「アナスタシアに対する貴方の評価が、『余裕のある大人のお姉さんで一緒にいると安らげる』ねぇ。 ユウキの前世の一つだった補正ありとはいえ、あって二日で私より好感度高いとかどれだけ尻軽なんですか貴方は」

 屈辱的な性行為の想起がまた起こり強い口調の足コキで彼が完全い屈服しかけた瞬間に、不意に女陰に包まれた感触がしたかと思うと、こいしが彼の分身をさとりと同じように飲み込んでいた。彼女は笑顔でいう。


807 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 00:49:45 ID:LNj0Gnq0

「忠夫、すごいね。少しだけとはいえ、お姉ちゃんにやきもちめいた感情抱かせるなんて。というわけでも私もお姉ちゃんのお仕置きに協力するね。
男として女性をベッドの中で圧倒して当たり前って考えを無意識を操作して強くしたよ」

「こいし、良くやったわね。『想起・王国男子として恥ずかしい性行為の数々』」

 完全に横島の意識が飛び射精量が多すぎて気絶したのを見るとさとりは楽しそうに笑った。

「さて今日の仕上げと行きましょうか。ホストクラブで働いた際に焼かせたやきもちの分の清算の始まりね」



 横島は夢の中で訥々に沢山の情報が入り込んでくる感覚を味わい目を開いた。もっと正確に言うと自分という存在が夢の中で作り上げられぬき、現実と変わらぬ人生を歩んできた感覚を味わう。
これは『月間少年カンカン』のオカルト物語の『英雄転生幻想譚』の場面だ。ファンタジーな物語の英雄たちが転生先で多くの魔物と戦い、女権国家の女性めいたサキュバスなどとも死闘を繰り広げる物語であり、
雄の本能に逆らえない男が苦戦する描写も多い。

 自分は東洋の陰陽師の転生体の小学生で、今は西洋の魔物たちに嫐られている途中だ。前世の契約上一晩だけ好きに荒れる契約を交わした結果魔女や吸血鬼やベリアルに良い様にされている。
今彼は魔王の寝室で配下達の相手をさせられていた。

 魔王姿の陸八魔アルが彼を見下ろしながら現実ではバニーガールをしていた配下の悪霊である美女たちに輪姦させながら見下ろし言う。

「忠夫、もう契約は終わったのよ。貴方が本気で抜ければ体を操る術からも逃れられるでしょう」

 アルに魔術で無理やり体を動かされながら、後背位で彼は腰を振り奇声を上げながら射精を繰り返した。それを見て嘲笑を浮かべる悪霊たち。アルの下部とは思えない程に性悪な性質をしている。ただ彼の誇りを快楽で手放させることを愉しんでいる。

 その彼女たちは罵らず見下す眼と嘲笑を浮かべるだけでいるそれが余計に彼を昂らせる。

 アルが魔王らしい笑みを浮かべながら下がるとエヴァがいまだに腰を振り続ける彼の首筋に牙を立てながら言う。

「高い地位にいた英雄だけに、堕ちてみれば豚以下だな。この変態が」

 変態がという心底侮蔑に満ちた声と共に自分の射精がなにをもたらすのかが頭の中から蘇ってくる。
ここで射精すればするほど悪の勢力が強化され、いまだに尊敬している少年誌の主人公たちを不利にしていく。夢だと思っていても罪悪感がやばいのに、アルの嘘を真実と思わせるベリアルの力で強化されて余計に危ない。





 現実世界で、アリスが夢の中と同じ模様の人形劇をしている横で、アルが退室するような行動をした後、少し引きながら言った。

「みんなちょっとやり過ぎじゃない。夢を操作するのはアリスの人形劇だけで十分なのに、私の力まで上乗せとか。楽しいけど罪悪感が」

「大丈夫よ。忠夫は回復させられるし、ホストクラブで良くも悪くも磨かれたから、私たちが一番になる様に髄まで刻み込まないと」

「え、ええ」

 楽しいがここまでしなくてもと言いたい様子のアルはエヴァが悪霊と交代し、彼と性行為をし始めると、自分も部屋に戻った。

 エヴァの厳しい性行為で完全に快楽で心折れた後に、アルのどこまでも甘く落として堕落に誘ってくる性行為を受けて彼は完全に堕ちた。
アルの乳房に吸い付きながらひたすらに無抵抗で嘲笑めいた笑みを浮かべる彼女相手に腰を振る。アルはそれを愉しみながら受けた後、彼が一際大きな射精をするのに合わせて、夢の終わりを告げさせると、彼が現実に戻ってきた。


 射精の量が凄すぎて虚脱状態の彼にいつの間にか来ていたリグルと愛歌が、左右からよっていう。

「忠夫、大分きつい状態になったみたいね」

 愛歌はふわりと少年の体の彼を抱きした。撫でる手つきが彼の脱力をさらに誘っている様だ。そして、リグルがカマキリの加護を授けたことで彼は性行為に対する食われる恐怖を失った。

「忠夫、ここからは精神回復の時間だよ。ひたすら気持ち良い思いだけしようか」

 リグルが笑いならキスすると虫の唾液が特殊な快楽を与えたらしく、彼の分身がいきり立ち、彼はそのまま愛歌を押し倒した。愛歌は笑いながら言う。

「英雄さん、格好いいのはいいけど、あんまり女権国家の女性を妬かせるのは控えた方が良いわよ。あまり妬かせられると私でもこうしちゃうから」

 こうしちゃうからと言いながら下になっていた、愛歌が膣を操ると彼は電気が流れた死刑囚の様に痙攣し大量の霊力を消費しながら、恐怖ではなく強すぎる快楽から逃げるように離れようとした。
その瞬間を見据えた様に愛歌が両手両足を絡めて余計に強く彼を抱き込み、奥深くまで彼の分身を抱え込む。二度目の射精で倒れかけた彼と位置を変えると彼女は優しく騎乗位で絞りながら彼の精神を快楽で回復させていく。

「リグル、恐怖が消えているしあなたも彼を愉しみなさい」

「うん」

 愛歌がリグルに場所を譲り彼を背後から抑えると彼は快楽で痙攣していく。そしてユウキやエヴァやアリスという女権国家で縁を結んだ全ての女性が入ってきた時、彼は喜びへの期待による歓声とも恐怖ともわからぬ奇声を上げた。
彼の夜はまだ始まったばかりだ。




 後日初音ミクは執務室で頭を抱えていた。突如として女権国家の不正がリークされ、返還された土地から多額の埋蔵金が見つかり王国の国庫に入ったのだ。
明らかに横島がユウキに対して愛する心は変わらないが、一つ骨が抜けたように小さくなってからだ。明らかに何か関わっているだろう。大鳳とジャギが気の毒そうに横島を見ているが、それでも彼はそこまで不幸ではない様だ。
ストレリチアも剣の聖女アナスタシア・ルン・ヴァレリアを信仰する派閥が妙に王国に対して好意的になってきている。 大鳳とミクは問い詰めるか少しだけ考えたが、やめた。
横島と彼女たちの様子を見ていれば圧倒的に彼が尻に敷かれていることさえ除けば、確かに愛し合っているし、彼の周りの女たちは(さとり以外はそこまで性質の悪い女ではない。
不幸になったりはしないだろう。そう思いながら、発見された財宝の額や霊的防衛への有益さを聞きながらミクは頬をほころばせた。

808 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 02:28:33 ID:jXlKjdTH


809 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 02:52:55 ID:z8ayluCO
乙ー

810 :名無しさん@狐板:2024/08/05(月) 02:54:58 ID:2afpJrsU
投下乙

811 :804:2024/08/05(月) 14:04:57 ID:LNj0Gnq0
>>808
乙感謝です
>>809
乙感謝です
>>810
乙感謝です

812 :名無しさん@狐板:2024/08/06(火) 03:07:08 ID:ni24J7jX
おつ

813 :804:2024/08/06(火) 22:38:13 ID:VvAChzSF
>>812
乙感謝です

814 :名無しさん@狐板:2024/08/07(水) 16:01:06 ID:04Nkvktj


815 :804:2024/08/09(金) 00:41:54 ID:nhHr6Wet
>>814
乙感謝です

816 :名無しさん@狐板:2024/08/09(金) 08:56:59 ID:hm2yvdmj
おつー

817 :804:2024/08/09(金) 20:53:06 ID:nhHr6Wet
>>816
乙感謝です

818 :804:2024/08/19(月) 20:55:12 ID:rYCQu+iM
 これは前回>>804から>>807までに投下したバニーの日SSに登場した施設に関する設定です。次に投下する世界写真のSSがバニーの日SSの続編なので先に投下することにしました。
全ての施設に目を通しているわけではないので、もしも被っていたら申し訳ありません。

施設設定の後に、ユウキの前世たちの設定説明も入っていますが、あくまでもバニーの日SSと世界写真の日SSの独自設定であり本編とは関係ありません。

 女権国家施設、良識的人外が集う悪魔が作ったカジノ
 名前とは裏腹に(女権国家にしては)良識的な霊的存在御用達カジノ。本来のカジノと繋がる場所もあるらしいが、比較的良識的な人外の居城などで不意に出張、開催されることもある。
 ここでは男性が様々な商品を『尊厳コイン』と引き換えにもらうことができる。このカジノではどんなに負けても高額商品やお金をもらうことができる。
 ただし負けた時に魂を束縛する尊厳コインを抜かれ、それを抜かれると悪魔や妖怪の女性優位系統能力に抵抗できなくなるだけではなく、完全に体が思う様に動くことになってしまう。
 ゲームに勝った際に尊厳コインを返してもらうかそれとも商品か金をもらうかを選ぶことができ、尊厳コインを選べば負け分の返済が早まる。 
 ただし一度でも負けると快楽で判断が鈍り尊厳コインを選択する男性が減っていく場合が大半である。利用している人外は尊厳コインを奪った際には快楽を与え当人の尊厳を奪う以外は許されず、
 また金銭や特殊アイテム目当てで来た客が勝利した分は、相手の男性を完全な腑抜けや廃人抱き枕にした後でも、その相手の意に沿う様に使用する義務が生じている。
 比較的良識的な人外や、『最低限』の良心はある、人外が開催したり利用者となっている場合が多い。その理由は良識的な悪魔達が創始者だったために温情がある施設になったと言われている。


ユウキの前世たち設定

アナスタシア・ルン・ヴァレルア
出典はWILD ARMS

剣の聖女の異名を持つ大英雄ユウキの前世の前世かつてこの世界の危機に立ち上がった剣士であり、世界を救ったと言われるが本人の望みは生きたい死にたくない。
惚れた男性と添い遂げたいという思いであり、その強い心が聖剣に認められ選ばれた。
このSSにおいては騎士として功績が大きかったためにストレリチアでも祀られている。横島の前世と幸せに添い遂げたために、余裕のある大人の女性となっている。


 ワユ
 出典はファイアーエムブレム蒼炎の軌跡、暁の女神

 アナスタシアの次の転生先でありユウキの前世。アナスタシアが横島と添い遂げた後、自分や横島の前世の死を恐れてがむしゃらに戦った後に、落ち着いてからは冒険の旅も悪くなかったと思い、
 もう少し冒険しても良かったかもという僅かな後悔が反映されていた為か、横島の前世を連れまわして、色んな冒険をした。
 アナスタシアと比べると格が劣るがそれでも神様として祀られるくらいの善行といえる偉業は成し遂げていた。
 ひたすら平穏な日々の為に戦ったアナスタシアとは少し相性が悪い。最もお互い気持ちもわかるので不仲というほどではない。


819 :名無しさん@狐板:2024/08/19(月) 20:58:35 ID:rYCQu+iM
 女権国家世界写真の日SS人外の女性に好かれた男が写真を撮られることを警戒しなかった結果訪れた末路

 このSSは本スレでスレ主さんが連載している女権国家の二次創作SSです。
以下の注意書きがあります。

@このSSは>>804から>>807のバニーの日SSの続編です。注意書きについても重複している部分がありますので、バニーの日の注意書きも呼んでもらえると助かります。
A吸血鬼の写真やカメラに映らない設定をかなり独自解釈しています。エヴァが鏡や写真に対して映るか否かは本編では名言されておらず、あくまでもこのSSだけの設定です
Bこいしの能力がかなりチートで盛られています
Cさとりが好感度200越えした場合の行動をかなり想像して書いています。
D女権国家の悪魔の設定を滅茶苦茶独自解釈しています
Eハートマークを文章に使おうと思っているけど、もしかしたら?になっているかもしれませんので、明らかに?がおかしいところについていたらハートマークだと思ってください。
F>>818に書いた設定も使われております










 バニーの日にユウキの嫉妬で落ち込み。女権国家的な仲直りを終えた横島は今日も自分の尊厳や自由を取り戻すべく力を取り戻したアルが改造したエヴァの別荘を訪れていた。
 バニー姿のユウキとその前世であるワユとアナスタシアに囲まれながら、彼はまたしてもポーカーで過剰な賭けをしてしまっている。そして勝った時は自分の尊厳や束縛される度合いを強めるコインではなく、
王国に対して有益な景品を好感してしまった。それを見てユウキが嘲笑を浮かべながら口だけでは褒めたたえる。

「忠夫、凄く偉いね♪尊厳コイン取り戻さないと、王国男子なら恥ずかしくて恥死モノな性行為をいつさせられるかわからないのに、王国の利益を追求し続けるなんて。幼馴染として僕も凄く鼻が高いよ♪」

 ユウキの侮蔑の念の籠った楽しそうな声を聞くだけで、寝室での行為を思い出してしまう。彼女は眼を合わせるためと偽って、わざとらしく椅子に座る彼の前でかがんで見せて、
バニーの衣装で普段とは違い隠れていない乳房を彼に見せつけた。そして彼が分身を嫐られたのを思い出して分身が固くなったのを確信すると、白々しく言った。

「そういえば控室に忘れ物してきたかも、取ってくるね♪ 忠夫が尊厳コイン取り戻さずに負けちゃったら、僕がお仕置き役だしマジックアイテムどこだったかな?」


 そういいながら、歩いていくユウキを横島は意地悪な性格になったと感じたが、逆にそれで興奮している自分が情けなくなる。そもそもここは特別なカジノだから歩いて行かなくても、
瞬間移動できるしあるいは魔術で忘れ物をここに出現させられるはずだ。それなのに、自分が負けた時に逆レイプで魔術をかけたり魂から契約分の取り立てをする役だと言ったうえで、
彼の視線が自分に向いているのをわかった上で、バニー衣装の露出の多い尻を見せながら歩いていく。わざとらしく思い出したようにテレポートした彼女はすぐに戻ってくると、言った。

「ディーラさん、ごめん。忠夫は王国男子にあるまじき変態なせいで、僕にされたいと思っているせいかわざと負けちゃうかも。だから一度抜いてあげるからちょっと待って」

「ええ。かまいませんよ」

 アルの部下らしい悪霊の美女が嘲るように笑いながら答えた。

 ユウキが彼の魂から取り出されたコインをいくつか彼の体に戻すと、それと引き換えに彼はそのままカジノの寝室にテレポートさせられた。



 寝室に入った彼は激しい快楽で脳が壊れる射精と同時に意識が覚醒する。表向きは男性優位の後背位をしていたが、主導権はユウキにある。目の前に姿見があり、そこに意地の悪い蔑みの視線で彼を見るユウキが映っている。

 アリスかエヴァの糸で動かされた彼は、快楽のあまりうめき声にしかならないような声を上げながらひたすら腰を振っていく。最初の射精の時点で、霊力が一気にユウキに流れ込み、力の差が開きそれが余計に彼を惨めにさせる。

「おわー!」

 横島の屈服の声をうっとりとした声で聴くユウキは不意に意地の悪い笑みを深くすると言った。

「せっかく男性優位の体位でさせてあげているのに。確かさとり曰く、忠夫はこういう体位で女の子を屈服させるのが夢だったんだっけ? ホスト時代にやきもち焼かせてくれたんお礼をプレゼント♪」

 ユウキはそういうと、彼の分身を強く膣で絞めて射精させると、そのまま腰をひねった。その射精したばかりの分身が余計に強く締められ、彼はそのまま悲鳴を上げて、彼女が快楽を弱めた瞬間に懇願した。

「ユ、ユウキ。もう勘弁して」

 その瞬間、カシャ、カシャというカメラの様な音がした後、ユウキが逆に腰をひねる。それによっては彼は再び悲鳴を上げて射精が起こり彼は倒れた。

 倒れた彼の上になりながらユウキが言う。

「魂の尊厳コインを返すのと引き換えの性行為中は僕がご主人なんだから敬語使わなきゃダメでしょう。様付けで呼びなさい」

「は、はいユウキ様」

「良く出来ました」

 そういうとユウキは優しく彼の分身を受け入れ騎乗位で彼の分身を嫐り始める。さっきとは違った優しい快楽が彼を襲い脱力の中で意識が遠のいていく。




 ディーラの元に戻ってきた彼は完全に腑抜けきった表情を浮かべ、バニー衣装のユウキの乳房や尻しか見ていない状態になっていた。

 嘲笑と共にディーラがルーレットに玉を投げ入れると、彼はそれが済んだ後に黒と答える。そしてその玉が黒に入ると、ユウキとワユが言う。

「忠夫、尊厳コインでしょ。前回あれだけ王国の為になる霊具やお金景品で取ったんだから、さすがにこれ以上自分の尊厳や人権コインあたしたちに渡したままにはしないわよね。
このコイン取り戻さないと次の瞬間にはあたしたちが支払って、その分の恥ずかしいプレイが始まっちゃうかもしれないんだから」

 言葉の裏に下半身には逆らえず愛国心を言い訳にして、尊厳コイン以外の商品を取ろうとするでしょうと嗤う蔑みの眼をしたワユと、
年上らしい余裕の籠った目で幼子をバカにしている様なアナスタシアの瞳が彼の恥辱心と屈辱を煽る。惚れた女性達相手であっても憤りが沸いてくるが、
自分の分身が痛いくらいに強張っているのに彼は気づく。それを見てワユが笑うと、靴を脱ぎ彼の分身を服の上から踏みつけた。痛いのにそれすら快楽を際立てる絶妙な力加減だ。彼女は笑いながら言う。

「こんな風にしている変態だもんね。多分尊厳コイン永遠に取り戻さないでしょ」

 ワユが彼の下半身を嫐ると、尊厳コインが光りとなって彼の体に入っていく。本来なら二十枚か三十枚くらいのはずなのに、百枚近く減っている。恐らくはワユがルール違反しているからだろう。
アナスタシアが妹を諫めるような口調で言う。本気で止めていないことは丸わかりだが一応、カジノの一員としての義務を果たしたという体裁を保とうとしているのだろう。

「ワユ。それくらいにしておきなさい。普通は20枚くらいのコインが一気に減っちゃうわよ」

「大丈夫♪大丈夫♪ 忠夫は変態だから永遠にコインを取り戻す賭けできないって、そんな情けない彼にお情けの返還」

 そういってワユが尊厳コインを500枚ほどささげると。彼のズボンが消え去り、彼女の足に直接触れた状態になる。そのまま彼は意識が落ちかけるほどの快楽と共に射精してしまった。

 ワユは満足そうに白濁まみれになった足の裏を彼に見せつけた後、言った。

「それで今回の勝利の分はどうするの忠夫?」

「尊厳コインで」

「え、わ、わかったわ」

 ワユからあまりに大量の射精をさせられたことで頭が落ち着いて彼は僅かに冷静になれたのと、いくら相思相愛の女性相手でもこのままの関係はだめだという思いが入り混じり何とかその言葉を口に出した。
それを見て他のディーラや客たちも本気で驚いた眼で彼を見ている。まさかあれほど快楽を与えられてまだ脱出を選ぼうとする心が奮い立つとは思わなかったのだろう。

 アナスタシアは横島の様子を見て、称賛の眼差しを送った後、少し考えると男を襲うのを我慢できなくなったという様子で不意に自分の分の彼の尊厳コインを取り出した。

「この尊厳コイン全部使っちゃっていいかしら?」

 一応の確認の口調だが、このコインは支払った分だけそのコインを差し出した男性を好きにできる、コインなのだから横島に拒否権はない。それにギャンブルなしで取り戻せるのだからむしろ利益と言えるだろう。

「人前でする場合かなり余分にコイン使わなきゃダメだから部屋で待ってて」

 そうアナスタシアが言うと、彼はカジノの寝室にテレポートさせられていた。





 彼は覚悟を決めると精力を付けてくれる料理と薬酒を飲んで準備にかかった。彼が食事を終えて準備を終えると、計ったようにドアが開く音が鳴り響き、そちらを見るとアナスタシアだけではなく、
ユウキとワユ以外にも、女権国家で彼が仲良くなった女性人たちがいる。彼女たちは楽しそうな様子だ。部屋に入りながらエヴァがアナスタシアに感謝の言葉をかけた

「礼を言うぞ、アナスタシア。今回は忠夫の尊厳コインお前がすべて使って私達も参加刺してくれるとはな」

「忠夫が圧倒的に勝ちながら倍掛けして負けたコイン相当な量だけど、これでアナスタシアさん余裕なくなっちゃたんじゃない?」

 アリスの言葉にアナスタシアは笑いながら言う。

「別に気にしなくていいわ。このカジノで働いてまた稼げるし、いつ天界に帰還しなきゃダメかわからない以上やりたい時にやらなきゃ損でしょ。それに貴女達も恩を返すタイプだから、気が向いたら呼んでくれると思うしね」




 そういうとアナスタシアが彼の顔を乳房で挟みながら上になり彼の分身を飲み込んだ。つながった直後に痙攣して射精した彼を周りが嘲笑の眼で見ると、
アナスタシアが背を弓なりにした騎乗位で彼を絞り始める。奇声としか言えない悲鳴を上げて、わめく彼を見て、ユウキが鏡を彼に見せると、自分が情けなさすぎる表情をしていることがわかる。それを見てさとりが言う。


820 :名無しさん@狐板:2024/08/19(月) 20:59:56 ID:rYCQu+iM

「彼自分の、情けなさすぎる表情を鏡で見て、この顔を見られていると思ったら余計に興奮したみたいですよ。アナスタシアさん。貴方と繋がっている分身が余計に固くなってますね」

「ええ。今のさとりちゃんの指摘で余計に固くなったわ。ますます表情がひどいことになっているわね?」


興奮はしているが、恥ずかしさに震えはじめた彼にエヴァが大人の姿になって彼の顔を乳房で包み隠した。

「忠夫これで多少は恥ずかしくなくなっただろう。見えないから安心しろ」

 エヴァの乳房で表情を隠されたものの顔を隠す乳房の感触が余計に分身を固くし、彼は余計に多くの量を射精した。アナスタシアが彼の上から去ると即座に他の女性の膣が彼の分身を包む。 楽しそうなアナスタシの声が彼に響いた。

「今貴方を貪っているのはユウキとワユどっちでしょう?」

「フゴフゴ(ユウキ)」

 その言葉にアナスタシアは笑いながら答えた。

「ハズレー♪ 正解はユウキの嫐り方をまねしたワユでした♪ 罰ゲームスタート♪」

 そういうと、エヴァの胸が彼の顔から離れ。ワユが楽しそうに笑いながら彼の分身を本気で搾り取り始める。

「忠夫、間違えさせるつもりだったけど、間違えられると腹が立つから本気で行くよ♪」

 ワユが彼を射精させた後、射精直後で敏感になった彼の分身にストレリチアの加護を発動させてより強い快楽を与えてくると彼は奇声を上げた。
それを見てエヴァが彼の首筋にかみつき血をすすると余計に強い快楽が襲ってくるとともに、自分がどれほど王国男子として情けない顔をしているかがエヴァの視点から流れ込んでくる。
それをカメラで写真に収められて、彼は余計に強く勃起する自分が情けなくて死にたくなった。だがそれ以上に死ねばこの快楽が味わえないという思いでそれは塗りつぶされていく。

 エヴァが口を彼から話すと、ワユが彼に騎乗したまま彼の右腕を取り、自分の右乳房を揉ませ。アナスタシアは左腕を取り自分の左乳房を揉ませると右乳房の乳首を彼の口に押し込んだ。
それを見ていたアリスが彼の足の裏を按摩し始める。足の裏を突かれる度に、痛みと快楽で彼はワユの中に射精していく。彼女は人形遣いであるがゆえに人体のツボにも詳しいのかもしれない。

 射精の快楽が凄まじく、だらしない顔をしている彼を楽しそうに見下ろしながら、アナスタシアは年上の女性らしい余裕を持った表情で言う。

「男性が快楽に勝てないのは当たり前なんだから、もっと自分を許して。ホラホラお姉さんに対してもっと吸い付いて赤ちゃんみたいになっても良いのよ。ストレリチア女子だってこうじゃないときはエッチなこと考えてばかりなんだから。
男の子を責める資格なんてないわ」

 ワユが彼から離れると、ユウキが代わり彼の分身を飲み込んで優しい快楽を送り込んでくる。優しすぎる快楽で完全に自分の中の何かが終る。
そう思った直後にエヴァが意地悪な笑みを浮かべて、彼に写真を見せてきた。アナスタシアの胸に吸い付きながらワユの胸をもむ自分も、ユウキの乳房をもむ自分の表情がだらしなさすぎる。このままだと自分は完全に堕ちる。

 アナスタシアが笑いながら離れるという。

「男の子の矜持が残っていたのね。またしてほしくなったら呼んでね♪」


 エヴァが笑いながら意地悪くいう。

「忠夫、本当は堕としたがっているアナスタシアがお前をどう嫐ってくれるか楽しみで耐えているだけではないのか?」

 エヴァが言いながら彼の顔を乳房で覆うと再び顔を見られずに済むという安心感の後、ユウキとアリスの二人の愛撫で彼はどこまでも表情が崩れていくのを感じた。

 ユウキとアリスが交代すると、彼はユウキ以上に堕落に誘ってくる甘い快楽でひどく情けない顔になっていると確信した。

 アリスのどこまでも、甘く柔らかい快楽を与えてくる膣が底なし沼の様に彼を沈めていく。彼は量は多くないが止まらない射精を繰り返しながらどこまでも堕ちていった。

不意にアリスの乳房が胸板にあたる感触が長く続き完全に声にすら奈良にうめき声を上げる途中で、アリスがエヴァに言った。

「エヴァそろそろ忠夫の顔見せてくれない? どれくらい堕ちたか興味があるの」

「うむそうだな」

 エヴァの乳房が顔から離れると、アリスは彼の顔を見て喜色満面という様子になりより強く彼を加えこみ抱き着き言う。

「忠夫可愛すぎ。一気に堕ちて。ほらもっともっと固くして?」

 今までと違い強すぎる快楽で射精できない寸止め状態にして、しばらくたってからアリスが彼の分身を射精させると、彼は強すぎる快楽ではなく、甘すぎる快楽に負けて腑抜けきった奇声を上げながら射精して崩れ落ちた。

 アリスが離れると愛歌が言う。

「忠夫、私も可愛がり過ぎたから人のことは言えないけど、少し直した方が良さそうね」

 愛歌が彼に口づけして、『雄々しき獅子の祝福』をかけると彼は自分の情けなさで泣きそうになり、そこでエヴァが彼の前に立ち言う。

「少し甘くされ過ぎてどうにもならんか。気付けの時間だ」

 エヴァが彼の分身を飲み込みこむと強すぎるきつい快楽が走り、血を吸われる快楽も加わって彼は意識がはっきりとした後、そのまま正気に戻った。

「忠夫、どうだ気持ち良いか」

「は、はい。エヴァ様」

 それを聞くとエヴァの眼に女権国家の女性特有の危険な光が宿る。

「忠夫、お前が様呼びしたせいで完全に私のスイッチが入ってしまったぞ。覚悟しておけ、強すぎる快楽で、尊厳が残らないかもしれんぞ。 脅されて余計に固くなったな。この変態が!」

 エヴァの罵倒と共に送り込んでくる快楽で彼は完全に意識がおかしくなり、そのまま強い快楽で何度も射精をした。そして時々来る吸血で意識の一部が混じり、エヴァの嗜虐心と、自分の無様さが共有され余計に彼は興奮し堕ちていく。


 エヴァが引いた後、アルが変わり悪魔らしい堕落をもたらす快楽で彼を搾り取ると、彼はエヴァとアリスの糸で操られながらいろいろな体位で彼女の体の中毒になっていく。

「忠夫、大丈夫?」

 精神を回復させる性行為をしたアルが聞くと彼は何とか首を縦に振った。
「『雄々しき獅子の祝福』凄いわ相思相愛の味方が相手ならどんな凄い快楽与えても、男性が恥ずかしすぎる以外デメリットないとか」

 心底感心した様子のアルが愛歌と変わり、彼女が彼に乗るとすさまじい快楽で彼は呻く。だが旧王朝の王族なせいか、この快楽を味わうために自分は頑張るという気にさせられる快楽でもあった。
愛歌は主導権を握りながら騎乗位で彼を絞りながら言う。

「忠夫が好きなのはわかるけど、やりすぎもいい加減にね。私だけじゃ回復させきれない日もやってくるかも」

 愛歌の与えてくる快楽で彼の精神が持ち直しているのを見て、エヴァたちは自分たちも習得したほうが良いかもという目で見ている。

 愛歌が彼に対して快楽を与えながら、三度目の射精を受けると、ヴィヴィオに言う。

「とりあえずここまで回復させたから、聖王の血筋の力で彼の体を本調子にしておいて」

「ええ。まかせてください。その前にリグルちゃん」

 リグルがヴィヴィオに言われて彼に口づけした後騎乗して快楽を与えてくると、彼の頭の中から恐怖が消えていく。雌に食われても痛みを感じないかまきりの加護だ。

「忠夫、これで女性への恐怖は消えたでしょう。ヴィヴィオのお好みのシチュで可愛がられてきてね」

 リグルは横島をくらい尽くすように射精させて、彼の魂に虫の加護を刻み込むと彼から離れた。
大人の姿になっているヴィヴィオの体を見た彼は恐怖を失ったために完全に抑制が効かなくなり、勝てないという事実を理解しても理性が破れそのまま襲い掛かった。
ヴィヴィオの乳房を揉み、彼女に分身を挿入した瞬間、悲鳴を上げて彼は倒れる。仰向けに倒れた彼の上でヴィヴィオは彼の腕を自らの腕で乳房に導き揉ませながら言う。

「忠夫さん、勝てないとわかっていても恐怖が消えれば、こんなに私を求めちゃうんですね? 男性の可愛い愚かな部分を聖王である私に見せてください」

 腰を振るたびに射精が起こり、ストレリチアの加護が彼の精神を立て直すが、それでも快楽による脳の破壊は止まらない。
 ヴィヴィオが楽しそうに彼の腕を乳房から尻に移動させると、仰向けの彼の体に自分の体を密着させ胸板で自らの乳房を潰しながら彼女は笑う。

「さぁ頑張って。本日の最後のノルマですよ? 一度でも私をイカせたらおしまいです?」


 その後彼は何度も射精した後、ようやくヴィヴィオが達して解放された。その際に、彼は達した際のヴィヴィオの膣で完全に意識がくだけ、意識が落ちていく。

 眠る彼の周りで楽しそうに女性人たちが話している声が僅かに聞こえた。

「ここまでやれば大丈夫ですね。あとはさとりさんとこいしさんに仕上げを任せましょう」

 僅かに不安を覚える内容だったが、不安を口にすることもなく、意識はなくなり、次の日にはそれは記憶から抜け落ちていた。



 次の日彼はカジノでもてなされ回復に良い酒や料理を食べてから眠りに落ちた。

 強い快楽に反応して彼が目を開けると、さとりが彼の分身を飲み込みながらいやらしく面白そうに笑っている。そして彼の頭に手をのせるこいしの姿もある。

「忠夫、昨夜はとてもかわいかったわよ。雄々しき獅子の祝福の効果で男が女性に負けるのは恥ずかしいという王国男子の心も強くなっているみたいだし、こいしもっと強くしてあげなさい」

「はーい、お姉ちゃん」

 そこまで言った後で、さとりは面白そうに写真を取り出してきた。いつの間にか部屋に入ってきていたエヴァも意味深に笑う。

 昨夜、散々嫐られた記憶が蘇る写真を見せつけられた彼の顔が一気に恥辱に染まった。エヴァが乳房で隠していたと思われていたそれは写真に写るとエヴァの姿が消えており、
一切、顔が隠れていなかったのだ。恥ずかしさのあまり死にたくなる表情を浮かべた彼の幾つもの種類の顔を見せながらさとりは言う。

「エヴァは吸血鬼だから、写真に写らないのよね。もちろん映ろうと思えばできるけど。この写真早くカジノで勝って処分しないとろくなことにならないわよ。『想起・この写真が撮影された昨日の情事』」


821 :名無しさん@狐板:2024/08/19(月) 21:00:58 ID:rYCQu+iM

 アリスやアナスタシアやアルに甘やかされる類の性行為を受けた時の蕩け切った顔を浮かべた時の記憶やエヴァやヴィヴィオや愛歌の支配してくる逆らい難い快楽、
そしてリグルやユウキやワユの好意を伝えてくる抗いがたい快楽が蘇ってくる。そして男性が女性にベッドの中では負けると恥ずかしいという思いが極度に強くなった状態がこいしによって固められてしまい彼はそのまま、
さとりの膣の中に射精した。

 痙攣する死体の様な動きをする彼を小気味よくさとりは見下ろすと、大量の精液を受け止めて妊婦の様に膨れた自分の腹を楽しそうにさすりながら離れた。 こいしがさとりと変わり、
彼と繋がると男性として女性に負けるのが恥ずかしいという思いが強くなりその状態の彼にさとりが耳打ちしながら言う。

「情けなくて背徳的だけど、そういう行為こそ気持ち良いでしょう?」

 そう認識するように意識を動かされた。そう思った直後に、彼はさとりにさっきと同じ想起をされて、そのままこいしの中に同じだけの精を放つと意識を失った。





 次の瞬間彼が目覚めると、自分の夢の中にいることに気づいた。さとりとこいしをはじめとした女権国家で縁をつないだ女性陣が集合している。さとりは笑いながら言う。

「ここは貴方の夢の世界。そして私の取り分の貴方の尊厳コインを全部使って取る処置があるのよ」

 そういうとさとりがエヴァが映らない為に情けなさすぎる表情が丸見えになっている彼の写真を彼の精神世界に掲げると、彼の心の宮殿らしき場所に同じ絵画ができあがる。

「これで深く深く根付いたわ。 取り戻したければ早く悪魔のカジノで尊厳コインを大量に取り戻して、買い戻すのね。最も貴方の様なマゾじゃ無理でしょうけど。
今思っていることは、『この状態ならあの想起を何度も味わえる』とか本当に気持ち割るマゾ男ね♪」

「そ、そうかもしれんが絶対に全部買い戻すは現実世界の写真も、この絵画も消して見せるわ」

「そう、期待しないで、貴方がド変態マゾ男を卒業できる日を待っているわ。さもないと」

 さとりはエヴァが映っていない為に彼の情けなさすぎる顔が映っている写真を見せながら言う。

「貴方の英雄譚の記念地にこの写真が飾られちゃうわよ。そうしたら、来世でもこの運命を辿りやすくなっちゃう♪」

 さとりの言葉を聞き期待し始めている自分を叱咤しつつ、彼はもうだめかもしれないと思った。








 横島たちが大鳳と共に戦った日々から数世紀が経った後、女権国家とストレリチアが一部とはいえ、同盟して悪事をなしているという情報を得た高島忠夫という旅の悪霊祓い師がある小城で、
天から降りてきた聖王と魔王陸八魔アルと向かい合っていた。彼の心にあるのは悪への憤りではなく、困惑だ。評判ではかなりの非道をしていたはずの両国だが、
実際に討伐の旅で見た限りではそれほどひどいことをしていたとは思えない。だがまるで『嘘を本当に聞かせる力』でも働いている様に彼は非道の行いから救ってほしいという民の言葉を疑う気にはなれなかった。
霊波刀を構えた彼を迎え撃とうとするヴィヴィオをピンク色の髪をした少女さとりが止めた。

「ヴィヴィオ陛下、惚れた男を正面から倒してものにしたい、ストレリチアの本能はわかりますけど、もう私達も待てませんから、すぐ終わりにしましょう」

「はーい。忠夫さんと闘って押し倒したかったけど、しょうがないですね」

 さとりが指を振ると小城の部屋に彼のものとしか思えない写真がいくつも浮かび上がり、そしてそれを見ると分身が反応してしまう。さとりは笑いながら言う。

「本来なら前世の記憶とかは想起できないんですけど、貴方が欲望に負けて来世の分まで尊厳コインをカジノで借金した結果よ。『想起・この写真に写っている数々の前世の情事』」

 カジノでさとりに刻まれてからそれが癖になり、心の中に埋め込まれた、写真の想起を受けたいがために尊厳コインではなく、王国にとって有利を招く資金やアイテムばかりを景品に選んだ日々と、
そしてその度に増えていく写真の数々が思い出される。はじめてエヴァに顔を隠されていたが、写真で改めて見せつけられた時の想起を思い出し彼は、射精して倒れた。



 次に目覚めたとき彼は前世の女性達に写真を撮られた時と同じように輪姦されていた。そして、すべてが終わった後にさとりが言う。

「前世で尊厳コインを使いすぎて来世まで負け分がこんだけど、どうするの?今生も悪魔のカジノで返済目指す?」

 他の悪党はともかく彼女たち相手には良い様に動いてしまったのは前世の負け分のせいだろう。悪行が嘘だった今彼女たちに含むところがなくなった彼は迷わず答えた。

「やめとくわ。地道に返済する。それに、コインなしでもあんたたちは俺から離れんだろ。前世でもちゃんと恋人だったみたいだけど、今生ではコインなしの関係を目指したい」

 それを聞くと全員が嬉しそうな顔になり、エヴァが、全員の意思を代表するようにいった。

「そうか、お前の意をかなえるとしよう。早速尊厳コインを全部消費するために頑張るとしよう。 今夜でどれくらい減るかな」

 そういってベッドに押し倒された後彼は、コインがなくなる頃には彼女たちから今生はおろか世界が終る輪廻の果てまで離れられなくなっているだろうなと思った。
それも悪いことではないと思いながら、彼はアリスの魔力でできた糸で操られながら、立っているか座っているかもわからない感覚の中で快楽で悲鳴を上げ続けた。


822 :名無しさん@狐板:2024/08/20(火) 23:58:51 ID:IPhCkA3g

相変わらずさとりたちの攻めがえげつないw

823 :819:2024/08/21(水) 01:24:46 ID:9rPpoGyB
>>822
乙感謝です

824 :名無しさん@狐板:2024/08/28(水) 10:54:24 ID:uIl3lkgx
乙ー

825 :名無しさん@狐板:2024/08/29(木) 04:18:56 ID:bU0hVcV6
乙ー

826 :名無しさん@狐板:2024/08/30(金) 12:25:39 ID:tasO+6tj


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