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【R-18】Mシチュスレの引用スレ
1 :
名無しさん@狐板
:2020/01/19(日) 00:15:29 ID:bMTYbG3g
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| SS・長文はコチラ! |
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当スレは某R-18スレの長文レス、SS、スレ主以外のAA・支援AAを投稿する場所です
それ以外での使用はお控えください
319 :
名無しさん@狐板
:2021/12/29(水) 22:51:46 ID:06ecV9yD
「しかし、いささか驚いたぞ。 まさか横島の奴が、お前の旦那の生まれ変わりとはな」
「妾も驚いたわ。以前我が部下たちが犯した男がそうだったとは」
仮にジェラートがその時から知っていたら、横島を得る方法はもっと完璧な手段となり、今生で縁を結んだ相手も取り込むように動いていただろう。
ジェラートは嗤いながら百合の花の蜜をリグル配下の蜂たちに集めさせている。ユリの花はリリスの象徴でありそして女性同士の性行為も好むジェラートの守護花でもある。
これから作られた蜂蜜酒を横島に飲ませることで完全に夢の世界の彼まで自分たちのものにする気なのだろう。メイヴという多くの男性騎士を従え支配した女王に習うという意味もある。
蜂蜜酒の準備をしながらジェラートはイシュタルの像に跪き祈り始めた。その姿はとてつもなく敬虔な信者としか思えない。
「お前がそこまで信仰するとか、その女神は余程のものか?」
純粋に疑問がるメタリカにジェラートは答えた。
「女権国家では偶にだがイシュタル神とメイヴが混同されることもある。この女神は妾の恩人でな。悪事に走り自業自得で創造主から捨てられた妾を助けようとする高島を守護してくれた。なぜか彼を一目見た時にの罪悪感を覚えたからじゃと言っておった。
詳しくはおしえてくれなんだがな。 それに妾が娼館を経営していたから娼婦の守護者としても動くと言っておったな」
かの女神が君臨していた土地の娼婦と妾が扱っていた娼婦は内容が異なるのにな、とジェラートは続けた。
「自由恋愛の守り手でもあるかの女神は、アドル神が男性の自由を保障するなら、女性の追いすがる権利を自分は保証しようと言われた。そして男性が自由意思で選ぶような女性になる協力もしようとな」
それがアドル神殿とイシュタル神殿が隣接している理由だ。アドル神の逃がす加護は本物だが、男が逃げ出さない様に一時的に問題のある女性を捕えて安心させて国内にとどめイシュタル神殿で教育を施し魅力と欺く能力と夜の技術を上昇させ、
昨夜横島が味わったような夜を男性に味合わせて逃げる意志を失わせるのが現代の神殿のシステムだ。そして、訓練で忍耐と欺く術を得た女権国家の女性を他国に流出させて男性を連れ帰らせているのもこのジェラートの仕業でもある。
「性行為を通じて男性に力を与えるイシュタル神の加護と男を支配するリリスの力と強気男を魅力で従えるメイブの力を混ぜた蜂蜜酒を忠夫様に飲ませて完全にものにしてみせようぞ」
一緒に冒険したり戦いたいタイプのエヴァやユウキ配慮してこういう決断を下したのだろう。ジェラートの禍々しく美しい笑みを見てメタリカは自分も、横島の事を語り昂っている時はこういう顔をしているのかもと思った。
横島が任務を終えて戻った後、ヴァレンティーヌ公爵の返答はミクですら目を丸くした。女権国家を裏切らない範囲で出来る限りの親王国派閥となる誓約書が送られてきたためだ。これ以降は王国側は敗戦国として不利ではあっても滅亡を防ぐことは大分容易な立場となった。
ミクは横島の前世が高島だったとジェラートから聞かされると、納得し外交に長けた同僚にこの件を丸投げすると言った。
横島が任務を終えて数日後、女権国家のある街をランスが不機嫌な様子で歩いていた。周りにいる彼の部下たちは、身内ではないが借りのある横島を助けられなかったことで気に病んでいるのだとなんとなく察した。
その彼の目の前に不意にジェラートと横島が視界に入った。ジェラートはまるで少女の様な綺麗な笑みを見せるとランスに礼をしてきた。
「ランス殿以前から我が夫の来世が世話になっておった様じゃな。夫を助けてくれたことに感謝するぞ。それはそうとなぜそんなに不機嫌な顔をしておったのじゃ?」
ジェラートの様子を見てランスの不機嫌な様子は一気に静まった。
「いやぁ、あんたみたいな良い女を横島みたいな女に折られたヘタレに取られちまったと思ってな」
「そうかえ。まあ、男性でありながらそういう気概を捨てないのは見事思うが、そう思う女性もこの国では多くはない気を付けることじゃ」
「わかっている。夫の友人である俺様の夢の実現にも力を貸してくれや」
「他国でハーレムを作ることを進めるぞ」
しばらく話した後、ランスは上機嫌で歩き出した。ジェラートの様子を見て女権国家の女性でも惚れた男を得れば善人になるタイプの女性だと理解したためだ。ランスはアドル神殿のアドルの像に向けて、それほど悪意を感じない悪口を言った。
「全然ご利益なかったじゃねぇか? 前世からの知り合いの女だから渡しちまったのか。こんなご利益までヘタレな神じゃああんたを上回る英雄になる日はかなり近そうだ。いつかあんたの像の前で女達に首輪をつけた性交ありの結婚式してやるから、そん時は天罰下しに来いや瞬殺してやるからな」
アドルの像の前で啖呵を切ったランスの上機嫌さを見て、横島に仮のあった男性解放運動のメンバーは胸をなでおろした。女を見る勘の鋭いランスのこの様子なら横島はそこまで不幸にならないだろう。
ランスの罵倒の後もアドル神殿は優しい爽やかな風を吹かせ続けた。その柔らかい風はこの神殿の神が古い友人の門出を祝福しているかのようだった。
320 :
名無しさん@狐板
:2021/12/31(金) 01:31:17 ID:f86l7Xh4
乙でした
321 :
名無しさん@狐板
:2022/01/04(火) 12:21:27 ID:1hY+WD6D
いいですねぇ!
おつ
322 :
名無しさん@狐板
:2022/01/04(火) 21:52:41 ID:TpkD/kGh
ランスの強みがほぼ100%封殺される世界観の下で、ランスがランスしてる……!!
323 :
311
:2022/01/04(火) 23:10:20 ID:k4E6ATLC
これから
>>311
>>319
に投下したSSに使った施設アドル神殿の施設概要を書きます。その前に、
感想と乙をくれた方々にお礼を
>>320
向こうでも言いましたけど重ねて乙感謝です。ありがとうございます。
>>321
ありがとうございます
>>322
そういってもらえて嬉しいです。
324 :
名無しさん@狐板
:2022/01/04(火) 23:19:37 ID:k4E6ATLC
これは
>>311
から
>>319
まで投下したSSに使ったアドル神殿の施設概要です。施設の内容は女権国家の難易度次第で、変わる設定になっており自分のSSでは裏のある方の施設の方で書いていました。
女権国家施設案
【施設】男性の希望の神殿 施設名称→『アドル神殿』
【内容】
難易度が高すぎた時は救済施設となる予定であり、逆に引くなりすぎた時は難易度を上げる施設となる予定の特殊施設。
女権国家においては数少ない男性の大英雄アドルを祀る神殿。女権国家にも男性でありながら、英雄とみなされる行為をした男性も皆無ではないが少なく、また大英雄となると数えるほどしかない。その中でもかのアドル神は女性達と絶妙に距離を取り、
どんな好感度ドーピング済みの女性達から逃げ切り、束縛されずに逃げ切った実績があり、冒険者や旅人の守り神や剣をもって善行をなすものの守り神という側面の他に、望まぬ結婚から男性を助けてくれる神という側面も持つ。
ただし女性から逃がしてくれる加護については女権国家において絶対ではない為、全土には広まっていない。
それでも女性達から逃げ切って幾つもの偉業を成し遂げた、逸話から尊敬や信仰は高くその冒険日誌は女権国家の男性たちから『男でもやれるんだ』という希望を与えている。
かの神を信仰するものは死後に結婚したくなるまで、ずっとアドルと共に好きな仕事を続けられる終わりなき冒険都市に行けると信じられている。
難易度が高くなり過ぎた際の裏無し善良神殿の場合。
↓
ここに善行を積んでいる状態で礼拝すると女性達からの逃亡などに幸運が舞い込みやすくなる。また横島やオカルト系の能力を持つ仲間と共に来るとアドルの女性から逃げ切った時の絵などが描いてある護符を購入できる。
その護符を使うと、アドルの奇跡が起こる。例えば馬がいないはずの場所に馬が運良くいて乗って逃げられる。男性を逆レしてくる悪霊などに効果絶大な護符となる他、様々な効果がある。
オカルト系の女性からの誘惑の呪いは余程のもの以外はシャットダウンしてくれたりもする。
男性を匿うと神殿が破壊される恐れがある為日数に限りはあるが、女性からの誘惑で精神に後遺症をきたした場合数日間匿ってくれる上に、治療処置もとってくれる。
ここにいる女神官や巫女たちは、アドルの信望者だったり、彼に救われた人々の子孫であり、アドルの様に自由に生きたいという男性を助けるために活動している。
男性が王国などの国に逃亡できるように手を回したりもしている。亡命希望者の男性を助ければ、神殿からの支援もどんどん大きくなっていく。
その加護の一例としては、アドル神を信仰し善行を積んだ男性が行き着く終わりなき冒険都市終から英霊を召喚できたりする。
難易度が低くなり過ぎた際の裏のある神殿だった場合。
↓
アドル神の加護は本物だが、アドルと同じく女神と化したかの冒険日誌のヒロイン達がアドルと似た男たちを、他の女性が堕とさせる際の協力をしている場所である。
彼の女神たちはアドルを得るために彼と似た思想と行動を取った男性たちにアドル神の加護を与え英雄となった後に自分達の加護を与えた女性達に堕とさせている。
鬼を切った刀が鬼殺しとして強くなる現象を利用してアドルと同じ意思を持ち男をアドルと似た境遇の男性を自分たちの信徒の女性達に堕とさせることで自分たちの女神としての力がアドル神に通りやすくするのが目的である。
彼の神殿で裏のある巫女(アドル神だけを信じる裏のない善意の神官や巫女もいる)などは女性達はアドル神の加護を与えつつ相手の男性の情報を引き出し、自分たちが信仰する女神の加護や男性の情報をその男性を堕とそうとする女性達に与える。
そして女神の加護を受けた女性達に犯された男性は強い快楽により、自由意思を差し出しあるいは自らの自由意思で女性達のものになることを選ぶ。
アドルを思う女神たちの性魔術を学んだ女性達は自由を求める心やカルマが善寄りであるほど自由意思を吸い取る様にあるいはそういう男性を堕とすことに特化した様な強い快感を与えてくる。
アドル神の加護を得れば得るほど彼女たちの与えてくる快楽はすさまじいものなってくる。
また、裏のある施設となった際にアドル神に恋慕する女神の加護を受けた女性との戦闘となった時、に終わりなき冒険都市から英霊を召喚していた場合その男性を狙う女性の英霊も来てしまい。その女性の英霊から発せられる気は
その英霊の主君である女神の加護を受けた女性の戦闘力と魅了の力を大きくしてしまう。
325 :
名無しさん@狐板
:2022/01/09(日) 16:00:26 ID:HwiCxVdH
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326 :
名無しさん@狐板
:2022/01/09(日) 16:00:40 ID:HwiCxVdH
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ヽ、._,,. ' \ ',. ', i ;’ ,' .,' / ' .,,_.、,r'
\. ゙'= _,! ,,. ゙ヽ. | ' ’ .,r'゙ .,, !,_ ='゙ ./
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ノ ゙ '',…-'" -‐'" ,ヽ \、ノし;// _ _ _.,r', ゛'‐- ゛'-…,'' ゙ !、
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-‐''" 、_,,...ノ-‐'‐-‐''ぐ_,,... -'''"゙''‐‐-‐''ヽ、 r' '゙゙'''‐\: :/‐'''゙゙' V <///..,,-‐‐-‐'‐-(,...,,_、 ゛''‐-
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327 :
Mゲーそむりえーる
◆WRbFpp11s2
:2022/02/08(火) 22:49:17 ID:hqBT2A6F
本スレ上限変更ミスってたようです。新スレ立ててきます
328 :
Mゲーそむりえーる
◆WRbFpp11s2
:2022/02/08(火) 22:56:15 ID:hqBT2A6F
ttp://yaruoshelter.com/test/read.cgi/yaruo001/1644328338/
329 :
名無しさん@狐板
:2022/03/18(金) 23:20:44 ID:tMa6KxOl
これから
>>311
>>319
に投下したSSのパラレルワールドのSSです以下の注意点があります。
自分はイースに関してはスーパーファミコン版のVしかやっていないので他の知識はネットで得たものです。
魔女と百騎兵のジェラートというAAの無いキャラがでばってます。
この世界にでてくるオカルト設定と雪泉さんの出自境遇はこのSS独自のものです
女権国家SS 当人だけが監禁所だと気づかぬ保護訓練施設
自然との融合が最も深い闇が支配する森の田舎の村を包む厳しい森の中の夕暮れ時、恐るべき夜が訪れる前に火を起こそうとする男がいた。
彼こそがかつては女権国家と王国の諜報戦で王国をあと百年は続くであろうという状態に持ち込んだ最功労者たちの一人である横島忠夫だ。
今の彼は東洋の神社でよくみられる篝火らしきものを作ると、それにあたりながら幾つもの破邪の札をそこにくべると簡潔な魔除けの呪文を唱え、効果が表れたのを確認すると篝火に当たりながらやや珍しい冬の夕日を見始めた。
篝火に当たりながら、横島はふと思った夕暮れ時は郷愁を呼び起こすというが一年前まで夜は恐怖と戦いの始まりだった。王国の時から一緒だった仲間たちの脱落や任務を成し遂げた栄光、
そして王国の時からともにいた者達程ではなくとも大切に思える女権国家で得た仲間たちとの共闘や宴会、大半は夕日が沈むころに始まっていた。
不義理なことはしたわけではないが、自分は大鳳やジャギとは違い引退が認められた今も故郷へ帰ることはなかった。なぜその様な事になったのか義理を果たし諜報部を辞す時が来た1年前のことを彼は思い出した。
「確かに機密情報の記憶からの消去を確認したわ。これであなたたちは諜報部引退に一切の足かせ無し。今までご苦労だったわ」
引退を認めるミクの声は今まで聞いたことがないほどに柔らかいものだった。彼女は半ば身内の様になってからも、上司として死ねと命じなければならない可能性なども考慮し、
踏み越えてこない一線と、踏み越えさせない一線の様なものを守っていたが、部下でなくなった時に初めて、完全に公の混じっていない素の感情を見せてくれたのだという気がした。
「ミクの姉御今までお世話になりました」
付き合いが深くなってからするようになったジャギの親しみの籠った呼び方と、知り合ったばかりの様な礼儀の正しい口調には、彼女に対する敬意と感謝が込められていた。そして彼は頭を下げながら言葉を続ける。
「あと20年くらいはミクの姉御と再開することがないことを願っております。そうなったら王国存亡がかかった戦争が起きた状態でしょうから。 その時はミクの姉御とまた一緒に戦えるくらいしか良いことがないですからね」
ジャギに言葉にミクは明らかにシャレと分かる不機嫌そうな顔をして言葉をかえした。
「そこはせめて休暇の時以外は再開したくない。くらいにいいなさい。貴方たちのおかげで、私もとろうと思えば長期休暇取れるくらいには王国が持ち直したから」
予断は許さないが王国の存続が百年は確実となってから彼女は大分態度が柔らかくなった。これは大鳳達を身内とみなすようになったことも大きいのだろう。
「休暇中なら会いに行っても良いんですか?」
嬉しそうな大鳳の言葉にミクは頬をほころばせながら答えた。
「今の情勢ならね。私も生涯現役を返上しても大丈夫かもしれないくらいだから」
大丈夫になっても返上したい、と言い出さない辺り彼女らしいと三人は思った。役割は変わるが彼らの間接的に王国を支え、彼女を助ける仕事は未だに続くのだろう。その柔らかい空気が次の瞬間引き
、険悪ではないがやや緊張感を帯びた気配が戻った。ミクが横島の方を見て、詰問というより純粋な疑問めいた問いかけをしてきた為だ。
「横島、あんたは大鳳とジャギ違って一応王国領だけど、女権国家と所有権が何度も行ったり来たりしている国境の村に移住しようとしているわね。もしかして諜報部時代にこしらえた因縁が残っているの?」
ミクも大鳳達が潜り抜けた修羅場の全てを把握しているわけではない。横島達の記憶が消去されるうえで、機密に反しない記憶は残っているために、彼女が知らない因縁もあり得るからの質問だ。それに対して横島は首を横に振ってから答えた。
「いえ、相手はどうも諜報部じゃないみたいで。探偵に依頼してみたら、どうも人外で魔術とかに通じたやばい女たちに狙われているみたいなんですよ。 あの寒村は霊的防御がしっかりしている上に、ああいう場所に逃亡した方がばれにくいって探偵が教えてくれたので」
「ああ。霊能の部署に異動して王国の魔除けとかを請け負うのはそういうことね」
「はい。あそこは女権国家の良識派の退魔師たちが定期的に出入りしているし、安全かと。それに、取られたら王国が詰むって程じゃないけど結構厳しいらしいから、守ろうと思います。
護りきるのが無理なようなら過激派じゃなくて穏健派かつ良識派の女権国家の霊能部門の相手に渡そうかと」
横島が住もうとしている土地はどちらかと言えば王国寄りの守護神が坐する土地であり、宗教の自由の思想が強い女権国家の人間が責任者になれば、女権国家の所有物にはなっても、霊的には王国の有利に働くだろう。それにあの土地は、
無体をしなければどっちの国の領主でも従うが、無体をすれば最後まで敵になる村だ。
彼の村は正面からの闘争に限定すれば、狩りをする山の民であり、優勝な狙撃手や戦闘に長けた者が多い。霊的な面でも土地の神々の加護が厚い上に、地形も良いので、守りに関しては侮りがたい部分がある。
王国と女権国家の両方に良識的な対応をすることで、半独立状態の様な立場を守ってきている。あの村は両方の国が敗走した際の退却の中間拠点の様な場所の一つだ。 そこまで考えを巡らせるとミクは頷き口を開いた。
330 :
名無しさん@狐板
:2022/03/18(金) 23:22:49 ID:tMa6KxOl
「隠れ場所としては悪くはないけど、何年も腰を落ち着ける様な手続きはやめておきなさい」
「どうしてですか。俺もできれば王国の首都に帰りたいですけど」
「ここはばれ辛い場所ではあるわ。凄く可能性が低い。でもそれを知っているのは女権国家の女性の恐ろしさや心理を知っている上級者や、上級者寄りの中級者よ。初心者や初心者寄りの中級者は、ここの安全性に気づけず次の逃走場所を探すわ。
だから手続きはいつでも村から出られる様な手続きにしておきなさい。そうすれば、あんたを狙っている女達には多少は気づかれにくくなるでしょう」
ミクは何度か王国の捕虜や止むをえず女権国家に来ることになった王国の男性を逃がすミッションの最高責任者もやったことがあったらしい。この助言はその経験から来たのだろう。
「ありがとうございます」
「別に構わないわ。ここまで貢献してきた元身内の末路が女権国家のろくでもない人外の餌食じゃ少し寝覚めが悪かっただけだから」
温かい篝火がミクと最後に話した、部屋の温度に似たためか、最後の別離の会話を思い起こさせた。その時もらったミクの忠告を聞いたおかげか、引退してから2年たったが一度たりとも不穏な気配を感じたことはなかった。今はこの寒村で悪霊払いに精を出し、
時々女権国家と王国双方の霊障に苦しむ人間の治療などもしている。本土の都に行くほどではないされど、地元の除霊者の手には余る。そういう人々からの需要はそれなりにあるようだ。
郷愁に似た感傷は逢魔が時ともいわれる夕暮れが終わった瞬間に掻き消えた。空気が女権国家で何度も味わった緊張感に満ちた戦時のそれに代わると横島の意識は即座に戦時のそれえと切り替わる。
横島は霊波刀を出現させると篝火に幾つかの札を投げ込み、破邪の力を強めると霊波刀を構えた。この森に巣くった魔物達が、彼に狙いを定めた様だ。
横島は霊波刀を構えながら嫌な既視感を感じ取った。魔物の群れの中にこの森に元来からいた魔物だけではなく、物語が産んだ怪異『お約束の魔物』が含まれていた為だ。お約束の魔物とは物語が生んだ魔物の中でも手強いというよりは厄介な魔物に分類される。
女権国家で強大な女神、妖怪、魔物などの人外に追われている時に男が捕まる際に、折り悪く出会う魔物だ。勝てない様なものは滅多に出てこないが、逃亡を妨害できる程度の一蹴は無理程度から、苦戦するまでの幅広い種類がいる。
正体は不明だが格の高い人外の女性に目をつけられている横島にしてみれば長い付き合いになるかもしれない相手だ。だがこの化物たちの出現も必ずしも悪いことばかりではない。 それは彼の次の言葉にも表れている。
「警報装置共、ご苦労やったな。逃げ時を教えてくれてありがとうな」
知性があるかはわからないが、明らかに格下に見る皮肉と嘲笑を込めた発言。知性ある妖怪なら多少は怒り隙を見せやすくなるし、何の反応もなければ本能で動く妖怪であると分かる。 『お約束の魔物は』必ずしも逃げられなくする存在ではない。
捕まりやすい状況は作りだすが男が逃げ切った話にも多数登場しているために彼らの存在は近くにその存在が来ていること、もしくは近々来ることを告げている可能性が高い。
横島の言葉を聞き終わると彼の存在達は人間の言葉を理解してはいないが、侮蔑の類だと理解したのか一斉に彼に襲い掛かった。横島は侮れない敵だが負けるほどの相手ではないと、感じながらも万一の恐怖を覚えながら敵の動きを観察する。
連携が取れているのを見ると、一体の動きからある程度は他の群れの魔物達の動きも読めると判断した。
空気を切る音と霊力の動きから予測を立てながら、敵を切り払い。内心冷や汗を流す。万一読み間違えても、死んだり負けたりはしない。だが重傷を負えばやばい女性達に捕まる可能性が上がる。文珠を消費するし、それも尽きれば見つかった時に早く逃げられない。
女権国家の影響を受けた読み間違えた後に風を切る音を肌で感じて、敵を逆に切るという離れ業をやってのけていたが、自分はそこまでやるのは無理だ。
浮かんできたネガティブな思考を横島は即座に切り捨てた。他の人間なら一度の重傷で終わりだが自分は文珠で何回かはやりなおせる。 それだけではなく、大抵の状況には文珠で対応できるからこそ、できるだけ温存せねばならない。
霊波刀だけで多数の魔物をどうにか仕留め切った彼は安直の息を吐いた。奇跡的に文珠という切り札を一度も切らずに今回の戦いは終わった。女権国家から離れてスパイとしては大きく鈍ったが悪霊払いとしては実力が上がったと思う。
この村は霊能者の修行場としては悪くなかったのだろう。だが住みよかったこの村からもそろそろ退去すべき時が来た。『お約束の魔物達』が来たということは自分を狙っている人外の女性達もそろそろくる頃なのだろう。
敵を倒した安心感で気が抜けてテンションが落ちるとともに、良識的な村人達に別れを告げなければならないと思い、気落ちした瞬間不意に複数の大きな霊気の乱れが感じ取れた。
横島は一瞬だけ文珠を使って気配を消すか悩んだのち自力で気配を消し去ると辺りを冷気が乱れた辺りを見た。そこには大量の魔物の群れがいた。どの魔物も勝てないわけではないが楽に倒すことが不可能に近いレベルの魔物達しかいない。横島はそれを見て状況を分析し納得すると心中で毒づいた。
『さっきまでの連中が先兵ってわけか。確かこの村ではワイルドハント、東洋で言うところこの百鬼夜行の伝承の地だったな。しかも、あの百鬼夜行は『お約束の魔物達』まで入って強化されてやがるこりゃやばい』
横島にとって一番恐ろしいのは数の暴力だ。正確に言えば、多様な適性の暴力というべきか。文珠はあらゆる敵を倒せるが、炎が弱点な敵と冷気が弱点の敵が混じっていてそれが多様なところで混雑していれば一掃するのは難しい。
ワイルドハントは一応邪悪なるものだから、全体にダメージを与えることができる聖属性の術を文珠で強化して削っていくしかない。また気配遮断に優れたものがいる可能性も配慮しなければならないだろう。
霊波刀を振るい文珠で妖怪の群れを切り払いながら、横島は状況を整理する。自分の敗北条件は二つ。一つ目は自分が戦闘不能にされて殺害又は捕縛されること。もう一つは結界を破られてこの村の住民たちが襲われることだ。勝利条件は三つ。
朝日が来るまでしのぎ切る。ワイルドハントは夜の恐怖が具現化し強化された怪異であり魔物だ。だからこそ朝になれば大幅に弱体化する。もしくは消滅する。そして二つ目は全てとまではいかなくても一定以上の魔物を倒し切ること。
ワイルドハントは多数の恐怖という側面もあるからこそ、数を減らされ過ぎるとワイルドハントという怪異としては成り立たなくなる。これは雑魚である魔物を多数倒してもそれは変わらない。三つ見目はワイルドハントを率いる首領の撃破これは現実的ではない。
ワイルドハントは色々な種類があるが、これは物語から生じたワイルドハントだ。そしてこういうワイルドハントは二パターンある。強大な首領がワイルドハントを起こしたから、数と質の高いワイルドハントになる場合と、強力なワイルドハントが生まれる条件がそろったから、
ワイルドハントに合わせて強大な首領が作られる場合だ。今回のワイルドハントがどちらかはわからない。だが、どっちだったとしてもこの数と質のワイルドハントを率いている以上は横島が勝てる可能性は低い。
『できれば後者であってほしいが。仮に前者だったらワイルドハントを撃滅させてもボス戦が始まる。後者なら物語に縛られているから一定以上の数が倒されれば、弱体化するかお開き宣言してくれるだろう。もしも前者ならワイを狙っていたヤバい人外当人の可能性すらあるしな』
前者の可能性も十分にあることも考えながらも多分だが、自分を狙った人外の可能性は低いと横島は思っている。仮にそうだったら交戦した時点で自分だと気づくはずだ。そしてこれほど強ければミクの部下というある意味守られている立場で亡くなった自分を襲いに来ない理由はない。
横島は腹を決めると霊波刀を構え駆けだした。物語に生み出された魔物であるワイルドハントは悪霊祓いなどを生業としたものと戦う伝承は少ない。故に進軍者の群れであるために守りが苦手である可能性が高い。
最も軍隊なのだから、簡単に倒せるほど甘くはない。苦手な戦に持ち込めても出会えば絶望という怪異としての面は未だ健在であり、有利だと分かった上でそれを実行に移す者が少ないのは、やったとしても勝てる可能性が低く、
逃げ切った伝承もそれなりにある為だ。だが今横島は明らかに村に向かって攻撃の意図を見せているワイルドハントを放置はできないと断じた。ならば有利に働く結界内で先に仕掛けるのが一番マシと思えた。
最初に文珠二つを発動させて、『必』『中』を出すと即座に購入していたり、自ら作っておいた破邪の札を投げつけた。文珠の効果で殆ど適当にばらまかれたそれも、彼が望んだ一番効果の高い場所に放り込まれる。
一度の多数の群れが一気に減ったのを確認すると、彼は即座に切り込み、そこからさらに効果の高い札を一気にばらまく。
『これで何割くらい削れたかな。この倍くらい削れば後者だった場合は流石に引いてくれるだろうが』
大きな爆発が起き煙が消える前に『隠』の文珠を使い。普通ならばれる位置、それでいて敵が通り辛い木の陰から彼らの姿を窺い、横島は絶句した。最初の札以外はさしたる被害をワイルドハントの群れに与えることができていなかった為だ。
奇襲の二撃目は黒いマントに身を包んだ少女姿の吸血鬼が生み出した氷で殆どが防がれていた。そしてその姿を見て横島は悟った。
331 :
名無しさん@狐板
:2022/03/18(金) 23:25:12 ID:tMa6KxOl
『あれエヴァが過去に活躍した際の伝承が産んだ吸血鬼だ。道理でエヴァと術が似ている訳や。ワイルドハントの主は色々な正体の説があるけど、吸血鬼説はなかったはず。なのになぜ? いや吸血鬼は全ての闇の王とも言われているし、
親和性は高いからそういう伝承が出来ても不思議はないか。よし倒し方は決まった見つかる前に実行に移すとするか』
横島が息を飲みながらも倒す為の方策を確定し、動こうとした時。即座にエヴァの分身と思われる吸血鬼が一気に切り込んで来た。
『バカなどうして『隠』の文珠が破られるとか、いや気配は隠せてももしかして少量の血が出ていたかそれか返り血を浴びていてその匂いのせいか? それとも吸血鬼は耳も良いから、空気の乱れを察知されたか?』
一瞬の混乱を無理やり鎮めると、彼女の拳を飛びのいてかわし、霊波刀の間合いとなるように仕向ける。それを終えた瞬間、即座に横島の首筋めがけて吸血鬼の剣が飛んできた。
剣を帯びていない状態からだった上に抜刀の気配もなかった状態からの剣撃をかわせたのは、
女権国家で何度も修羅場を潜った経験が産んだたまものだ。戦闘に支障がでる寸前くらいの腕のしびれを感じながら、横島は吸血鬼の手の中に氷で作られた剣が握られていることに気づいた。
『そういえばエヴァは氷と闇の魔術が得意だったな。その伝承が産んだ魔物ならこれもできるか。まして今は冬だもんな』
内心で毒づきながら追い詰められた時の底力を出して再び間合いを広めた彼を吸血鬼は飛び上がり迫ってくる。彼は即座に頭の中で計算すると彼女の攻撃をかがんで、かわし、
文珠を発動させようとして――、斬撃が想定より早くおりてきた為霊波刀で受ける羽目になった。
彼女の足が予定より一瞬早く地面に着いたために起った事態だ。吸血鬼は地面に落ちる一瞬前に成人形態となり、足を速く地面につけてきた。 横島は自分も吹き飛ぶ覚悟で服の中の人間にすら効果のある強力過ぎる退魔の札を発動させた。
衝撃が腹部に走り嘔吐一歩手前の状態に陥言ったが辛うじて、彼女と距離を取った。 相手の吸血鬼も横島程ではないがダメージを受けている。これなら文珠を発動させられる。そう信じた瞬間、数匹のワイルドハントの獣が彼を襲った。
即座に斧を持った化物の攻撃を避けて霊波刀を伸ばし、化物の首を切りおとす。それでも動きが止まらなかったことに驚いた直後に彼は理解した。その化物の首から糸が出てきている。
『エヴァの伝承が産んだ妖怪なら彼女よりは下でも、エヴァと同じ技が使えると想定しとくべきだったこりゃ詰んだか』
そう思いながらも最後の底力でその妖怪を胴切にした瞬間、無数の糸が迫ってきた。今までしのげたのは、彼の女権国家での経験もあるが、エヴァに稽古をつけられた経験の深さも大きい。
糸の動きもまたエヴァと酷似していた為に、彼はどうにかそれをかわしながら下がった。そして、彼の苦戦は思いもよらぬ援軍により覆されることになる。
エヴァの伝承が産んだ吸血鬼すら上回る氷気が唐突に場に満ちたと思った瞬間、不意に吸血鬼の操る糸が一斉に切り落とされた。何が起こったかわからなかったが、僅かに光の加減が変わり、彼は理解する。
彼と吸血鬼の間に透明度がガラスのように高く薄い氷の壁があり、
この薄くとも異常な強度を誇る壁がギロチンの様に全ての糸を切り落としたのだろう。女吸血鬼の怪力を込めた一撃ですらも割れない氷の壁に守られながら、
助太刀の主を見るべく振り返るとそこには、夜の森に映える真っ白な雪より美しい雪色の着物に身を包んだ美女がいた。
彼女こそ女権国家で過ごした時代の冬で遭遇した際には最悪の相手である雪泉だ。彼女は簡潔に横島に指示を出した。
「早くなそうとしていたことを実行しなさい。その吸血鬼、氷の扱いが私には及びませんが達者です。長くは防げませんよ」
「助かったで。雪泉さん」
返事をしながらも横島は既に二文字の文珠を発動させていた。その二文字は『太』『陽』
エヴァ本人ならともかく、夜の帝王であり日光に弱いとされる伝承から生まれた吸血鬼を倒すにはこれで十分だ。その光が当たりを満たした時、吸血鬼は退散し、ワイルドハントの群れも消え去っていた。
戦いが終わった後、横島は篝火の前で彼女と膝を突き合わせていた。 スパイを引退した者には軍や諜報部に戻らない限りは手を出さないという、諜報部の仁義があり、
そして王国と女権国家の盟約が王国の地位が大分改善される形で再びかわされた以上、彼女は敵ではない。 横島は少し悩んだ末に言葉を切り出した。
「雪泉さんもしかしてやけど、ワイに以前『万が一返す機会があれば、『私人』とし受けたこの恩は返します。多分返す機会など訪れないでしょうけど』って言っとたけど、その約束守るために来てくれたんすか?」
雪泉は敵対はしていたが個人としては悪人ではないことを横島も知っている。義に悖るような行為は自国の利益ではなく、大損害を防ぐため以外には絶対に避けようとする程度には彼女は善人だ。
だから私人として恩を返すためにここまで来てくれたのではないかと、横島は思った。 それに対して彼女は首を横に振って答える。
「いいえ。実を言うと、今回の私は花の大公爵ヴァレンティーヌ様からの要請で女権国家の領内と女権国家に友好的な集落などの悪霊祓いを頼まれていました。
そこで本当に偶然貴方を見つけたそれだけです。 雪女の里の子達を救ってもらった恩を返す機会に恵まれて私も運が良かったといえますね」
横島はその言葉を聞き納得した。徳と慈悲の大公爵と名高い彼の公爵なら、自費で友好的な集落などにも補助などを出しても不思議はない。
「そうか。今の女権国家は政争でも起こってるんか」
口にして横島はしまったと思った。もはや自分は諜報部ではない。世間話程度とはいえ、公人としての彼女を刺激するような言葉を言うべきではなかった。 横島の内心を見抜いたのか彼女は柔らかく笑う。
「そこまで気にすることはありませんよ。貴方が軍にも諜報部にも戻る気がないことは良く知っていますから。 貴方も大鳳くんほどではないにせよ女権国家にとっては脅威でしたし、引退してしばらくは仁義に反しない範囲で身元を探っていましたから」
大鳳くんとつぶやいた彼女の声に横島の背が寒くなった。彼女の彼への女としての欲情は恐ろしいものがある。だが自分を襲う恐れのない良識派であり、味方になってくれる戦闘力の高い女性というのは頼もしいものだと思う。
恐らく彼女の中では横島に対しては恩を返し切れていない状態なのだろう。
多分彼を狙ってきているヤンデレ人外の女性達が来たら味方したくれると確信を持って言える。
横島の内心を知らずに彼女は少し考えると言葉を紡ぎ始めた。
「どんな形であれ女権国家は王国との和平が成立して、諜報部の仕事は一時的だとは思いますけど、不穏分子の排除などに移りだしたんです。この排除はただ捕えたりするだけではなく、賠償したり正当な要望は通る様にしたりして反乱の可能性を減らすことも含まれています。
そしてヴァレンティーヌ公爵は前の戦争の時にしたようにその行動にはことさら熱心でして」
横島は内心で頷いた。ミクが彼女を評していた言葉と女権国家から脱出の際に借りを返すと、助けに来てくれたランスとの雑談も思い出される。特にランスの言葉は強く印象に残っている。
『あの女に頼るのはやめとけ、ミクから聞いているんだろうが、あの女はアドルの日誌に出てくるヴァレンティーヌと同類だ。万が一だがお前が対象だったらアウトだし、そうでなくとも借りを作るとろくでもないことが起こるかもしれねぇぞ』
正当な陳情であれば捕虜の頼みでもむげにはしない、名高い魔女でもある彼女に助けを求めようとした時のランスの忠告は今も思い出せる。また女権国家から脱出の際に手を借りた探偵たちも同じような評価を下していた。
横島は少し気になり雪泉の目を見ると言葉をかけた。
「雪泉さん実を言うと自国の公爵様の事を悪く言われたと気分を害するかもしれんけど、信頼できる仲間たちからの彼女の評価は、惚れた男が絡まない限りは良識的な女権国家の女性だけど響き渡っている慈悲と公正さの公爵ってのは、仮面だと言ってた雪泉さんから見るとどうや?」
彼女はその言葉に首を横に振った。問いの否定というより、分からないという感じの答えに見える。そう答えつつも彼女の答えは横島の問いに対してやや肯定的なものだった。
「私は幼い時にかの公爵を見ただけなので何ともいえません。ですが同じ女権国家の女性だから気づいたのかもしれませんが、あの顔は完全に演技ではないあるいは、本人の性質に近くかぶりやすい仮面ではあるのでしょうけど、
惚れた男を得た時の男性にとっての恐怖でもある女権国家の女性らしい面も持っていると私は感じました」
意外と饒舌に話す雪泉の言葉に横島は彼女の意図をはかりかねたが直ぐに納得する。諜報部でなくても直ぐに分かるようなことの上に、大貴族とはいえ彼女たちの上に立っているわけではない。せいぜいやや上の斜め程度の上司なのだろう。
加えて横島はもはや女権国家の敵ではなく、今の所は女権国家にも益をもたらしている同盟国の集落の守護者であり、味方寄りの中立に近い恩人だ。なら自衛に役立つ情報くらいは与えても良いと思ったのかもしれない。
彼女はさらに言葉を続ける。
「断言はできませんけど、彼女は仮にあなたを狙う人外と同盟していても戦力という面では『今は』そこまで警戒しなくても良いと思います」
332 :
名無しさん@狐板
:2022/03/18(金) 23:26:28 ID:tMa6KxOl
「それはなぜ?」
「実は私はここ数年かの公爵から仕事を頼まれても、直接顔を合わせることは許されていないのです。礼に失しない対応をするようにかなり気を配られてはいますけどね」
雪泉のこの言葉は多分だが、横島の問いに関係のあることなのだろう。横島は黙って視線で続きを促した。
「私がというより、雪女が彼女と顔を合わせることができないのは、彼女は花の大公爵であり魔女だから、『冬』になると弱体化するのです。咲く花が減り弱まりますから。だから万一でも殺害できる可能性がある私は合わせてもらえないのです。
彼女に仕事を振られるときは大抵彼女の配下では手におえない任務だったり、彼女の影響力が弱っている冬ですから」
「なるほど」
「それに加えて、彼女は今は武力よりも監視力に重点を置き花との交信術で各地の民が不満を溜めていないか見ている様です。それも戦力ダウンの原因の一つでしょう」
彼女の言葉に横島は頷きながら様々なことを考えた。最悪この村を捨てて女権国家に戻ることになったら、彼女に頼るのも一つの手かと思っている。仮に自分が対象でなければ、慈悲と公正さの公爵の庇護下に入ることも可能だ。
彼女は新王国派であり、再び戦争が起きない限りはミク達にとっても不義理となる相手ではない。また雪泉に同行をこのまま頼むのも一つの手かと思えた。王国は未だ女権国家の下だが自分たちの活躍でかなり地位を向上させた。
そして雪泉が私的な恩人と評して保護を願った人物であるなら彼の公爵はかなり本気で保護してくれるだろう。 もしも万が一自分が標的でも彼女なら見抜き再び女権国家から脱出するまで手を貸してくれる可能性が高い。それぐらいの恩は彼女も自分に感じているはず。
横島の考えを読み取ったのか雪泉は少し悩んだ様子で言葉をかえした。
「今盾無しさんに念話送ってみましたけど」
「この距離から届くんですか?」
「冬でなければこうはいきませんよ。多分貴方を狙う者達にも気付かれてはいないはず。 盾無しさんからの返答はたまには他国に逃がしたりするミッションも面白いかもと言ってましたから、おそらくは協力してくれるはずです。貴方が既に敵でないこともあるのでしょうけど、万一的に戻った時、私が恩を返して、
気持ち良く戦えるようにしたいという気づかいもあるんでしょう。 『お約束の魔物』が出た以上この村にとどまるよりはましだと思いますけど、女権国家に再び来ることはお勧めしませんよ。
貴方を狙っている女性の人外達はどういうものたちかはわかりませんが、
貴方の元の住居を調べた際の霊力の残滓から凄まじい情欲と恋慕が感じ取れましたから。女権国家では恋に狂った女とそれを止めようとする良識人な女性の戦いはどちらが勝つ結末を迎える物語が多いか、貴方には言うまでもありませんね。 そして物語が産む信仰に影響を受けるオカルトの闘争にどれほど深く関わるかも」
「分かってます」
「私としては一番お勧めの方法があるのですけど」
「それは何でしょうか?」
言い終わる前に雪泉は横島の前に手をかざした。不意に氷期が彼を襲うただし、不快にものではなく直接股間の分身を冷たい女性の手で撫でまわされた様な快感が全身をねめつける。快感にあえぐ彼に対して雪泉は勧誘するような声で言う。
「貴方が以前助けてくれた。私の里の妹や妹分たち彼女達は貴方に惚れています。雪女の里は男性の待遇も女権国家の中では良い方ですから、こちらに来ては如何ですか? この術凄く気持ちいいでしょう。でも大鳳くんが味わった者よりは劣ります。
当たり前です。本来なら妹達の術を私が無理して使っているわけですから。今でも私よりは上のこの妹の術を味わい続けてみたくはありませんか?」
横島はどうにか首を横に振るとあっさりと氷期が引いていく。雪泉は姉としての残念そうな顔を見せた。
「あっさり引いてくれたな。それに以外にも大鳳に使ったような技は使わなかったな?」
若干だが敵対行動に近い行為をされて口調が変わった横島に彼女は笑みを浮かべ答えた。
「ええ。これはあくまでもあの娘達の『姉』としてやったことですから。諜報部の性技は引退した相手には使えません」
そういいながら雪泉は髪飾りを横島に渡してきた。
「もしも女権国家に逃れる道を選んで、抜き差しならなくなったらその髪飾りに向けて『雪女の里に婿入りします』と念じなさい。可能なら救助しますから。あくまでも通信手段だけで貴方の運が落ちたりするような、まじないの類は一切かかっていません」
雪泉の言葉を聞き多分本当の事だなと、思いながら横島は頷いた。
「とりあえず今日はもう休まれては。本来ならここから家に戻るなど自殺行為でしょうけど、雪女である私が冷気を操り無事に家に送りましょう。それとできればひと月以内にこの村から退去した方がよろしいかと、本来ならひと月でも十分早いと思いますが、相手が相手だけにひと月でもぎりぎりだと思います」
「分かった。ワイの女権国家の家の調べて霊力の残滓調べてみた感想なんやろ。そうさせてもらうわ」
「私も一旦ヴァレンティーヌ公爵殿に此度の件を報告してきます。貴方の事は現地協力者とボカした報告しておきますからご安心を。貴方だとはわからなくても、この村の内情を思えば悪事を働いたわけでもなく潜伏活動を余儀なくされた男性であることを察せられない花の公爵殿ではないかと」
「ああ。感謝するで」
「もしも女権国家に再び潜伏するなら一週間後に私が仕事の仕上がり確認という名目出来ますから、その時に申し出てください。それより先に他の場所に逃げるのも自由ですよ」
「妹たちが惚れているとか言っている割に、意外と俺を縛ろうとはしませんね」
「妹たちを信じてますから。ここの情報は半年たったら教えるつもりですが、それで捕まえられないならそれまでということです。自分の無能で男を捕えられなかった経験が彼女達を成長させるでしょう」
雪泉に礼を言うと横島は頷き、そのままこの村の自宅へと歩んだ。雪のある山を夜に降りるなど本来は自殺行為だが、雪が歩みやすい形の硬さの上に帰りやすくしてくれている様な作りとなり、あっさりと帰ることができた。 大量のハーブの入った風呂に入ると彼は即座に就寝した。
それから数日間は何事もなくことが過ぎた村長に事情を話すと惜しみながらも気前よく今までの給料を払ってくれて、今でもこの村に便りを寄越している逃亡中の男性が選んだ潜伏先などをまとめたものを渡してくれた。
しかし、その平穏が破られたのは雪泉が去って五日目の朝だった。村長が慌てた様子で、彼の部屋に飛び込んで来た。
「どうしたんですか」
年配で落ち着いた村長が珍しく取り乱している。それを見て横島はこの村で最後の大仕事かもしれないと、思いながら立ち上がった。村長はやや慌てながらも用件を伝えてきた。
「な、なぜかはわからないがこの村に賓客が来られた。しかも相手は君を名指しで指名している」
横島の頭に女権国家のアンリエッタ皇女が浮かび直ぐにそれを却下した。大鳳への人質として自分を捕えようとした可能性も考えたが、彼女にも趣味がある。そういう無粋な手は好まないだろう。他の可能性が浮かびかけた時に、村長は即座に口を開いた。
「ヴァレンティーヌ公爵、ジェラート様だ」
それを聞いた瞬間、横島の頭が真っ白になった。雪泉の事が頭に浮かび冷静さが損なわれかけた。彼女に裏切られたのではという疑いではない。彼女が害されたのではないかと、いう心配の為だ。少なくとも彼女は国益が絡まない限り私人としての恩もないがしろにする人種ではない。
333 :
名無しさん@狐板
:2022/03/18(金) 23:27:43 ID:tMa6KxOl
幾つもの可能性が頭に浮かんだ。自分を狙った人外達と彼の公爵が密命をかわしていた? それともまさか自分が彼の公爵の対象だった。まさか彼の公爵が自分をストーキングしていた人外の一人だった? 雪泉は無事だろうか? 少なくとも殺害されている可能性は低いだろう。
こんな形で彼女を殺していれば諜報部は完全にヴァレンティーヌ公爵の敵に回る。様々な憶測が自分の中で飛び交う中、横島は村長を見た。彼は彼の公爵に大きな畏怖を抱いている様だ。戦時に戦ったこともあれば、
一時的に統治されたこともあったはず。村長にとっては敬い怖れる公爵なのだろう。
「分かりました。 ただ流石にこの格好で会う訳にはいかないから支度の時間を」
村長も引きつった顔になりながら頷いた。横島の要求は当然すぎる。いきなり大貴族の訪問を予告なしに受けたのだ。ちゃんとした準備をしろというのは、酷というより不可能だ。 だがその準備の時間は即座に消え去った。
不意にドアが開け放たれ、燃える様な赤毛の長髪とその髪に合わせた華美なドレスに身を包んだ公爵が飛び込んで来た。
僅かに緊張が走ったのは一瞬で、彼女は直ぐに足をもつれさせると転び痛そうな悲鳴を上げた。コメディ映画を思わせる気配を感じながら、横島は即座に文珠で『治』を行うと彼女は立ち上がり礼を言ってきた。
「済まぬ。旦那様、ではない。旦那様の来世たる横島殿。頼むから前世系のストーカーだと妾のことを思わなんでくれぬか」
一切狂気を感じさせずひたすら慌てる彼女を見ると、横島は毒気を抜かれた。感じられる霊気からも明らかに悪人ではなさそうだ。一応は警戒しながらも彼女に礼をもって問いかける。
「貴方が花の大公爵ヴァレンティーヌ・ジェラートですか」
「うむ。だが今は私事で来ている故、公爵とは言い切れぬがな。冬で力が落ちておって無様をさらした。許してたもれ。そなたもこんな女と前世で夫婦だったとか恥じゃろう」
「慌てれば誰でもしくじる時はあります。一度こけたくらいで軽蔑できるほど人は軽くありません。村長の顔色を見ていればどれだけ貴方が偉大な業績を積んで来たかはわかります」
言葉を選びながら言う横島に彼女は言葉を返してきた。
「うむ。そなた妾に聞きたいことがあろう」
「ええ。俺とかつて敵だったけど、私的な恩から俺を助けてくれようとした雪泉さんは今どうなっていますか?」
「そのことだが心配はいらん。ちゃんと彼女に言ったうえで妾はここに来たぞ」
警戒が薄れ幾つかの疑問が横島に浮かんだ。この公爵は慈悲と公正さの公爵と言われている。雪泉から恩人の身を預けられると思うくらいの信頼をまさか勝ち取ったのだろうか? 疑問に思う彼に彼女は言葉を続ける。
「なに止めるのが返って不自然になる様に話を持ち掛けただけのことよ。 この村を調べたいと言ってな。 実のところはここにそなたがいると、9割程確信した上で来たのだがな」
「どういうことでしょうか」
「彼女以外の雪女たちにも同じような依頼を多数だし、予定より大きな氷気が観測された場所全てを調べるつもりだったのだ。 どうやって観測したか、雪の下に咲く花もあるのでな」
それを聞き彼女が情報収集にかなり熱心になっていると雪泉から聞いたことを彼は思い出した。
「しかし、決定的だったのは昨夜この村の花が観測した夜なのに日光が出た事じゃ。それを見てそなたの仕業と妾は確信した。 表向きは幾つか気になることがあるから妾自ら調査したいという体で出てきた。
雪泉殿も止めると不自然と思った上に、妾の目的がそなたと確信できてなかったので黙っておったわ」
雪泉が無事であることに横島は安直を覚えた。自分は一応は彼女を味方とみなしていたのだなと、少し以外に思いつつ話の続きを待つ。ジェラートは村長に許可を取ると不意に魔術を展開した。
「この結界を張っている間は嘘を一切付けなくなる。むろん術を展開している妾も例外ではない。直ぐに解除する故心配はいらん。そなたにどうしても信じてもらいたいことがあるのでな」
ジェラートが魔術を展開するのを見て、横島は息を飲んだ。彼の大公爵がこうまでして伝えたい真実とはなんなのだろう。ジェラートはそれが終わると直ぐに言葉を口にした。
「そなた女権国家にいた時に常軌を逸したストーカー女たちに狙われており、その女性達が誰かもわかっておらぬそうじゃな」
「はい。俺を好いてくれたり仲良くなったりした女性達には申し訳ないけど、事情を説明する手紙だけ残して逃亡しました」
「妾はそのストーカーの一味でもないし、そなたが女権国家にいた時に行われたストーカー行為と一切関りはないぞ」
それだけ言うとジェラートは魔術を解除した瞬間に転倒しかけた。
慌てて支える横島に彼女は謝罪した。
「済まぬ。後先考えず魔術を展開し過ぎた。だが前世が旦那な男にあんなストーカー集団の一人と思われては、不本意極まるのでな。来世で再開した時もどれだけ色眼鏡がかかるか考えたくもなかったのでな」
「いや、前世で旦那だったとか今知ったし、ストーカーだとか微塵も疑ってませんでしたよ」
そこまで言われてジェラートは気づいた様子でしまったという顔をした。
「まだ疑われてすらおらなんだが。これでは完全に無駄足ではないか。まことにすまぬ少し眠らせてくれぬか」
そういうと横島の布団にもぐり込むと彼女は一瞬で深い眠りに落ちた。
「村長さんこの状況どうしたらいいんすかね?」
「起こしてしまうのもかえって非礼かもしれませんし、お供の方たちに事情を説明します。君もきてくれるか」
公爵の馬車までいき事情を話すと半分も話さない内に従者たちはやっぱりと呆れた様子を見せた。彼女の弟子らしい親しみが持てそうな金髪ショートヘアの女性がため息をつきながら言う。
「公爵様は気を許し切った相手の前では割とああですから。前世が旦那だったらしい貴方の前ではポンコツ化したのでしょう。ご迷惑をおかけします。夕方には起きると思うので寝床を貸してあげてください。申し訳ありません。もしも日をまたぐくらい眠り続ける様なら、宿代はこちらが負担させていただきます」
礼に徹しきったメイドの謝辞に僅かに恐縮しながら、横島は頷いた。
その後、横島は村の図書館で逃亡先となりえる村長から渡された資料を読み返していた。ジェラート付きのメイド達に図書館にいると伝えた後、彼はひたすら思考に時間を費やしていた。女権国家に再び潜伏するか、
それとも王国の首都の方に逃げるか。女権国家にいた時は頻繁にアドル神殿に礼拝し加護を得ていたから、一度女権国家に逃げて、それからアドル神殿で大きな加護をもらってそこに行くのも一つの手かと思えた。
思考の海に沈みながらもさっきのジェラートの姿が彼の頭の中では印象深く何度も思い出されていた。間が抜けていながら、女性としての美や品の失われぬ所作と、どこか親しみやすさを感じさせる言動などは恐ろしく能力の高い隙の無い女性と戦ってきた彼にはどこか新鮮に感じられた。
今までの女権国家の女性とのギャップと自分の前世の記憶、アドル日誌にでてくる英雄高島の記憶がそうさせるのだろうか?
そこまで考えたところで不意に図書館の司書が彼に来客を告げてきた。礼を言い、外に出ると、ピンク色の神をと瞳をした小学生くらいに見える少女がいた。彼女を見て、横島は背筋がゾクゾクとする感覚を覚えた。
彼女は女権国家の女性が愛する男に向ける嗜虐心と夜の弱さを見下す笑みと視線を横島に向けながら、その表情と正反対の淑女らしい礼をしながら口を開いた。
「今生では初めましてですね。高島様、いえ横島様。私は古明地さとり、かつてはヴァレンティーヌ・ジェラート様に保護されて今はもったいなくも盟友とみなされている妖怪『悟り』一族のものです。一族の代表として、種族の名前そのものを本名としております。
それにしても前世では閨の中ではいじめぬかれたとはいえ純愛といる関係だった公爵様より、激しくいじめぬかれた私の方に反応するとか、貴方は魂まで変態なのですか?」
無礼な言葉に怒りを覚えるべきなのに、股間の分身に血が言ってしまう自分を彼女は愛してはいても下に見ているペットをバカにするような視線で見ながら、横島以外には完璧な礼を取っているとしか思え言葉で形だけの謝罪をした。
334 :
名無しさん@狐板
:2022/03/18(金) 23:28:56 ID:tMa6KxOl
「申し訳ありません。前世の貴方があまりにもすさまじい変態でしたので、今生の貴方も同じような心をしていて、内心私からの嘲笑で虐めてもらいたくなっていても、頼まれるまでは実行してはいけませんでしたね。『今はまだ』前世と違って夫婦ではないのですから」
さとりの言葉に自分の内心が当てられてしまい、羞恥の感情を覚える横島に彼女は笑いながら言う。
「『恥ずかしいけど、物足りなくも思うですか』もっと激しい罵倒がほしいのなら、ジェラート様の所の閨に来られては? その時は私も貴方をイジメる一人になって差し上げますよ。前世の夜の日々は思い出せなくても、魂がまだおぼえていて、欲しているのですね」
獲物をいたぶる捕食者の様な目をしたさとりの発言は威厳と品のある鈴を転がす様な低い声に制止された。
「さとり、よさぬか。 彼は前世がそうではあっても旦那さまではない。今生で夫婦となっていない以上は、妾たちにかような事をする権利はない」
声のした方を見るとジェラートがいた。先ほど家で見せた親しみやすい様子ではなく、慈悲と公平さの公爵の名を得ている貴族に相応しい威厳をその身に纏っている。彼女は真摯に横島に謝罪の礼を取ると言葉を続けた。
「横島殿、すまぬ。先ほどの妾の失態もそうじゃが、どんな形であれ前世が旦那だった相手と再会できて、気分が高揚し過ぎておるようじゃ。 妾としては今回の訪問の目的は、
女権国家にそなたがいた時に行われたストーカー行為と一切関りがないことをそなたに、分かってもらうだけでよかったのだがな」
「いえ、構いません。 自分でも甘いと思うけど彼女にはあまり重い処分を下さないであげてくれませんか? 前世の記憶のせいか、どうしても彼女がひどい目に合うところは見たくない気がするんです」
それを聞くとジェラートは懐かしむような笑みを浮かべ、答えた。
「そうじゃな。そなたは今生でも変わらぬな、その要請被害者からのものとして正式に受け取ろう」
ここまで告げると彼女は悪戯を思いついた様な笑みを浮かべ、さとりに花のついた杖を向けた。
「そなたへの罰はこれにするとしよう。少しは隠していたい内心を暴かれる恐ろしさを思い知るがよい」
ジェラートの杖に光が迸った。横島もこれは過去に数回だけ見たことがある。嘘を言えなくしたり、本心を喋らせる類の魔術の光だ。その光がジェラートの杖から放たると光がさとりに吸い込まれた。さとりは顔を真っ赤にしながら、横島の方を見て口を開いた。
「申し訳ありません。横島さん、実はわたくしさとりは前世である高島様と貴方を人外の倫理観から同一視しており、べた惚れだったせいで、自制できませんでした。ジェラート様、お願いですから本心を喋らせる魔法もう解いてください!
横島様だって、私の恥ずかしがっている様子を見て『もう十分やっ』て思ってますよ」
ほとんどしゃべらされていないが、それでも恥ずかしがる彼女を見て思ったことを言われ、さとりの能力は凄いと感じた。
ジェラートは魔術を解くと横島に礼をとり、口を開いた。
「横島殿今更だが後で家を改めて訪問させていただきたい。その時に幾つか伝えたい用件がある。 勝手に他人のベッドで寝ておいて何をと思うかもしれんがそなたの力になれるかもしれぬゆえ、訪問しても良くなったら霊術で伝言を送ってたもれ」
横島は頷き図書館を後にした。そしてジェラートは笑みを浮かべながら虚空に向けて不意に声を放った。
「朝からずっとご苦労であったな。こいし」
そうジェラートが言葉を口にすると何もなかった場所から不意に、美しいプラチナブロンドにやや近い白髪をしたさとりと似た顔立ちの少女が不意に現れた。彼女は無邪気な笑みを浮かべ、どこか猫を思わせる笑みを浮かべながらジェラートに一礼して言葉を返した。
「はい。ジェラート様。 久しぶりに旦那様と敢えて私もテンション上がって頑張っちゃいましたー。 横島さんもう堕ちるかなー」
「堕とせるかどうかはわからぬ。だが、堕とす為の舞台には招けよう」
「それで私はどうすれば、いいんですかー。お姉ちゃんと二人であの忠夫さんを嫐る遊びはいつできますかー」
猫がネズミに向ける様な目で横島が出て言ったドアの方に向けるこいしを、さとりが窘めた。
「こいし、急ぎ過ぎてはだめよ。狩りに失敗する獲物は我慢が足りなかったり安易な手を使ってしまった結果が多いんだから。今回の彼女達みたいにね。我慢と苦労なんてなるべくせずに済む方が良いけど、必要ならしなくちゃだめよ」
「はーい。わかりましたー。お姉ちゃん」
「あとは妾に任せよ。お前たちは彼を迎える準備に万全を尽くせ」
「はーい」
「了解しました」
二人は確信めいた笑みを浮かべて答えた。ジェラートの言葉の調子を見て失敗はないと確信したようだ。
自宅に戻りどうにか最低限貴族を迎えても良いくらいに部屋を片付けた横島は即座にジェラートに便りを出した。敵対していてなお、王国の捕虜などにも人道的な扱いをし続けた、慈悲と公平さの公爵は彼にとっても畏怖の対象でもある。
女権国家に行く前の彼だったら、ああいう女性をものにして閨で良いようにしたいと考えただろう。だが今となっては褥に連れ込まれた恐ろしいことになるなという印象しかない。女権国家に潜伏したばかりの頃にスケベ野郎な彼ですらも、
見ただけでトラウマになるくらいひどい逆レイプを大鳳が受けてしまい、それが原因で彼は女権国家の女生徒は絶対に性的な関係を持ちたくないと一時期は思っていた。 アリスやエヴァやリグル、ヴィヴィオといった良識的な女性達と付き合った今では、
女権国家の女生との性交は絶対に嫌とまでは思わない。だが余程信頼できる相手以外とはごめんだと思っている。それほどに激しい快感を与えられすぎて治療に何週間もかかった大鳳の痛ましさは未だに記憶に鮮明だ。
女権国家で親しくなった女性達に不義理とまではいかなくても、断りを入れずに姿手紙残して姿を消したのは本当に悪いと思っている。 だが貝木とコナンの忠告で犯人でもない女性達にも国外脱出後以外に伝わる置手紙以外の連絡は避けて、
速攻で逃げろと言われて、そのまま逃亡した。 その際に『お約束の魔物達』に襲われながらも逃亡し、最後にアドル神殿の加護をもらったランスが助けに来てくれたことで彼は女権国家を無事に脱出した。 決め手となったのはランス乗っていた馬だった。
終わりなき冒険都市からの英霊召喚で、男を呼ぶのはリスクがあると思ったランスは、アドルが善良な男性をやばい女性から逃がすときに、乗った馬を呼び出したのだ。
『一生に一度だけお前に頭を下げてやる。あの馬を俺に貸せ』
そうアドルの像に頭を下げて彼は来てくれたとスバルが言っていた。ランスは女権国家という国に生まれたためか、身内の男性にはかなり甘い上に身内相手程ではないが、不義理をしていない男性の同盟者などにもその傾向が強かった。貝木とコナンはその馬を一目見ると、
脱出ルートを破棄してランスに乗せてもらってそのまま国境に行けと言ってきた。その言葉に従った結果今彼はここにいることができている。
過去に想いを馳せながら彼は考える。女権国家に戻るということはアドル神殿の加護を受けられるということだが、あの馬に乗ってアドルに逃がされた人物がどうなったのかはまだ分かっていない。
どちらにせよ戻らない方が賢明であるようにアドルの冒険日誌には書いてあった。あの馬に乗ってしまった以上はこのまま逃亡するのが正解かもしれない。
思考に沈む横島を現実に引き戻したのは不意に響いたジェラートのノックだった。訪問の許可を求めるノックを聞くと彼はドアを開けて礼をとる。彼女はその礼を受けると彼女は貴族らしい優美な礼をすると部屋に入ってきた。
横島の向かい側の椅子に座ると彼女は少し考えてから口を開いた。
「横島殿端的に言おう。今生の生でも妾の夫となる気はないか?」
「俺は王国に大きな義理があります。僅かでも王国に弓向ける可能性のある貴族の夫となるのはさすがに無理です。貴方が約束を違える様な人ではないことはわかってますけど、それでも約束を絶対に守れるとは限りませんから」
「そうかえ、相変わらず義理堅い部分はとことん義理堅い方じゃな。では一旦女権国家に来る際の避難所として妾の城を使わぬか」
335 :
名無しさん@狐板
:2022/03/18(金) 23:30:16 ID:tMa6KxOl
「というと」
「そなた、アドルの馬に乗って逃亡したのじゃろう。 なぜ知っているという顔じゃな。妾は花と話せる。そしてそなたの逃げた場所にも花は咲いておった。
――話を本題に戻そう。妾はそなたの前世に救われており、そなたに惚れておる。残念ながら、今生は夫婦になれる可能性は低いと思っておるがな」
ジェラートの落ち込んだ声を聞き、責められているわけでもないのに彼の心に罪悪感が芽生えた。それを察知したのか彼女は努めて事務的な口調に変えて言葉を続ける。
「今生も『まだ』諦めてはおらぬし、今生が無理でも来世のそなたを狙うつもりじゃ。だがストーカーをしていたやばい人外の女たちに捕まってしまっては永遠にそなたを取り戻せぬかもしれぬ。
だからこそ妾の元で保護したい。それに来世でもある程度は今生の記憶は影響を与える。ここでそなたを助ければ来世でもそなたに好かれる可能性は上がろう」
「そうですか。それで条件は具体的にどういうないようですか?」
「妾の領地や城にそなたを匿おう。そなたにストーカーしていた人外達とも、そなたの合意なしに無理やりモノにさせない様に話をつけるように最大限の努力をする。これは魔女としての正式な契約じゃ」
話をつけると断言しない辺り彼女が本気なのが分かった。話をつけると確約した場合、『しなかった』場合だけでなく、『できなかった』場合も大きなペナルティーが彼女を襲うのだから。 横島は少し悩んだ末に声を出した。
「契約の内容を詳しく聞かせてください」
「そなたには時々で良いから妾とその配下達の夜の相手をしてほしい。『そなたが望まぬような』ことは慎むことは固く約束しよう。そして妾や配下達が与えた快楽で耐性を上げてやろうぞ。
そしてもしも王国と敵対するときなどが万一来たら、性交時の記憶を消して王国に送り返すことを約束しよう」
「分かりました」
少し悩む横島にジェラートは言葉を続けた。
「そなたこちらに来た方が良いと思うぞ。あの馬に乗って帰るのは気が引けるかもしれぬが。そなたもアドルの日誌に登場している英雄の来世な上に妾と契れば、あの伝承から離れられるのではないか」
少し悩んだ末に横島は首を縦に振った。
「条件を追加させてください。俺が領土にいる限りは王国とは味方寄りの中立を崩さないという契約をお願いします」
「任せよ。そなたが望まぬ限り破棄できぬ契約をしておこう。永遠に解けない契約だと万一だがミクどのや大鳳達以外の意向で王国の方がそなたに不義理した時、そなたを守れぬかもしれぬからな」
その約束を終え、横島が頷くと。ジェラートが杖を振るった。その瞬間、横島は赤と黒が支配している大きな寝台の上に自分がいることに気づいた。全身を激しい快感が貫き顔を二つの柔らかいものに押しつぶされそうになり、
視点が不意に他人のものへと変わる。昔した経験視界をジャックされた時、もしくはアリスの人形に視界を移した時の状態だ。自分は立ったままジェラートと体をつなげている。不慮の事故の様にしたが彼女の体を這った瞬間上等なショコラの様な甘味が全身に脱力を招いた。
ジェラートの内部に飲み込まれた分身が一気に精を放つとそのまま彼は仰向けに倒れた。
「一度の性行為でこれとは本当に情けないの。王国は男性優位の性交が当たり前ではなかったのかえ? ユウキ、ラン」
ジェラートの声に辛うじて首を動かして振り返ると、そこにはユウキとその双子の姉であるランがいた。彼女達は黒く鮮やかな巫女や聖職者と騎士を足したような姿をしている。ランの方はやや聖職者やシャーマンに近くユウキは騎士や剣士に近い。彼女達は笑いながらジェラートに応じた。
「横島は王国では恥ずかしいくらい早かったですジェラート様。僕が好きな男とはいえこれじゃあ、ストーカーしていた女性に犯されたらすぐ堕ちちゃいそうです。
忠夫、ジェラート様に病気からの解放と引き換えにインプやっているんだ。 君の訓練係の一人でもあるから頑張ってこの雑魚一物を強化してあげるよ」
そういうとユウキは服を脱ぎ大きな胸で彼の分身を抜き始めた。数回抜かれて一気に射精した彼を嘲笑しながら彼女は言う。
「早すぎるよこれ! これじゃあ探偵さん達も、捕まったらすぐ堕ちちゃおうと思って必死に逃がすよね。きゃはは!」
心底楽しそうなユウキをランが諫めた。
「忠夫さんは恩人ですし、女権国家で強化された私たち相手では無理もありませんよ。そんなにバカにしてはダメですよ」
そういいながら彼女はユウキと交代し胸で彼の一物を挟んだ。 ユウキと正反対の優しい快感が彼の理性を溶かし何度も絶頂に導く。正反体の快感に何度も射精を続けまともに思考できない彼女にランは続ける。
「忠夫さん。貴方からの置手紙を受け取った結果様々な方面に捜索を依頼し、ジェラート様から連絡が来てこちらに私達は集まったのです。それで、やばすぎる人外の女性達に勝てるように訓練しようということになりました」
「お姉ちゃん聞こえてないよ。頭が爆発しちゃってる。コラ! 忠夫! 初訓練とはいえ情けなさすぎるぞ! 射精は仕方なくても意識はせめてまともに保ちなよ」
ユウキとランに一度ずつ騎乗位で抜かれた後、彼はそのまま意識を失った。
次の日に目覚めるとジェラートから声がかかった。
「忠夫殿状態はどうじゃ」
広い寝台の上から状況を確認し、窓をみてここが女権国家のジェラートの領土だと理解すると彼は答えた。
「滅茶苦茶調子が悪いです。昨日の激しすぎる快感と疲労が残ってます」
「うむ。そなたは男としては十分すぎるほど強い。必要なのは快楽と誘惑への耐性じゃ。妾の配下だけではなく、そなたを心から好いておる女性達にも連絡を取らせてもらったが、彼女達は訓練役を喜んで買って出てくれたぞ。
彼女達の快楽に耐えきれるようになれば(無理であろうが)そなたをストーカーしていた女達にとらわれても大丈夫じゃろう」
「そ、そうすっか」
「それでは訓練を始めるがよいか。彼女達は訓練という形でもそなたとそういうことができるなら、とかなり乗り気じゃからな。彼女達を呼ぶが良いか」
「女権国家だと女生徒体を重ねても責任取らなきゃダメな社会構造じゃないことはわかっているけど、俺彼女達の旦那になるとは限りませんよ。それで良ければ」
合意した瞬間首筋から激しい快感が走り、背中に大きな柔らかい感触が襲う。射精すら起こりそうなそれは霊気で出来た糸が彼の分身の中にとどめなければ射精をしていただろう。
「久しぶりだな、バカ弟子が」
低い懐かしい声に振り替えると金髪のロングヘアの吸血鬼エヴァンジェリンがそこにいた。彼女はかつて横島を骨抜きにした大人の形態となっている。
エヴァは笑みを浮かべ横島を自分の方に向かせ抱き込むとそのまま倒れ込んだ。形の上では正常位だが両手両足で動きを封じられさらには、彼女の内部に飲み込まれた分身を襲う激しい快感のせいで一切抵抗が出来なくなっている。
「快感への耐久訓練だ。これに耐えきれればもう安心だ」
気持ち良すぎて射精できない状態を緩め解除した瞬間に首筋から一気に血を吸い。射精の量を大量に増やさせながら彼女は笑う。
「どうした訓練は始まったばかりだぞ? もう降参か? いかんぞそれは。女権国家で捕らわれたら相手は完全に堕とすまでやめてはくれないぞ」
エヴァに血と性を吸われ立つことができなくなった後、彼には快楽地獄の一週間が待っていた。
アリスやヴィヴィオも訪れヴィヴィオにいたっては配下の女性達にも逆レイプさせた。施設闘技場の様な場所で負けたら逆レイプという条件で彼より弱い配下に戦わせて彼が強すぎる快感の後遺症で負けるのを笑いものにして、自分も犯したりもした。
336 :
名無しさん@狐板
:2022/03/18(金) 23:31:07 ID:tMa6KxOl
その日々が続き一月後、横島はジェラートの寝室に呼ばれていた。彼女から出された高価な料理や薬種のおかげで彼は絶好調の状態にあった。ジェラートは彼に対して真摯な瞳で問いを投げる。
「忠夫殿。妾の領土でまだまだ過ごしはするが今日で訓練は終わりじゃが、どうじゃった」
「ワイはもう、記憶を消さない限り王国の女性じゃ満足できない体になってしまったと思うで。だが今のワイならストーカーしていた女どもに捕まっても快楽や色仕掛けは多分大丈夫やと思う」
「そうか。妾やエヴァ殿やアリス殿の事は信じてくれておるか?」
「ええ」
「それでは今回は訓練ではなく、妾たちに堕とされぬか? そうすれば他の信用できない女たちに良いようにされることはあるまい」
少し悩んだ末、横島は頷いた。
途端にジェラートは笑いながら杖を振った。
「さとり。待たせたな本気を出してよいぞ」
「はい。ジェラート様」
ジェラートの魔法で動けなくなった彼の上にさとりが跨り、その分身を小山内見た目からは考えられない程滑らかにそれを受け入れる。激しすぎる快感で立てない彼に、彼女は笑いながら無慈悲な言葉を口にする。
「『想起・トラウマと快感の日々』」
さとりの宣誓が済むと、横島がこのひと月で味わった山ほどの快楽の拷問が一気に蘇ってきた。闘技場で無数の女性達から受けた嘲笑。ユウキとランの姉妹の息のあった攻め。アリスの人形に変えてくるような激しい快感。
ヴィヴィオの制圧してくるような技。エヴァやジェラートの魔性の達人と思える性技。リグルの虫の様に精巣の全てを奪うと錯覚させられる性交。それら全てをされた時の様に思い出したが、最も激しかったのは、本人も忘れていたエヴァ達との初夜だった。
横島の童貞は女権国家に最初にいた時に既に失われていた。ただエヴァ達が横島のトラウマを慮り、逆レイプした際の記憶を消去していたのだ。そして今になって分かったのはストーカーしていた女性達とは彼女達だった。
確かに彼女達の性術に耐えきれれば大丈夫などとジェラートも宣言するはずだ。彼女たち本人なのだから。彼女達との初夜の記憶がよみがえった時、
脳が限界を迎えた様に爆発し一気にさとりと繋がった分身から精液が溢れ出た。 さとりの腹が一気に膨れ上がり彼女は満足そうに溢れ出た精液を内部に戻しながら彼を嗤う。
「彼女達に愛されていたことも嬉しいし嫌いになれないけど、ストーカー達に卑怯な手で快楽漬けにされていたシチューエションに燃えてますよこの人。本当に度し難い変態ですね」
反論したくても絞られ過ぎて声がでない。それすら察し彼女は愉快そうに笑う。
「こいし、前世からの恩人であり旦那様であるこの変態を満足させてあげなさい」
「はーい」
こいしは笑いながら横島と繋がり、彼の頭に手を置いた。さとりは笑いながら彼のトラウマを想起させる。
「このひと月の数々の逆レイプ。卑怯な策略だったと知ったうえで追体験しなさい。『皆さんも』見てくださいこれ」
さとりの言葉に振り替えるとユウキ、ラン、ヴィヴィオ、エヴァ、アリス、リグルがその場にいた。
「どうやったか? こいしは無意識を操りますから。貴方の無意識をあやつっていたのですよ」
笑うさとりをよそにユウキが面白そうに口を開いた。
「凄い忠夫、さとりさんのトラウマ想起は若干快感が劣る様にしていたらしいのに、訓練で愛もある逆レよりたくさん出してるね。凄い変態だ。早漏な上にこれとか王国男子として救えないや。はははー!」
ユウキの嘲笑でさらに射精量が増えたのを見てヴィヴィオが笑いながら、こいしと交代した。
「横島、私とリグルは女権国家に所属する王族でもある。貴方の精液は前世が英雄である上に極上の精だから敵国への利敵行為になりますよ。頑張って耐えてくださいね」
そういって一息に突き入れられるとかつてないほどの量を彼は射精してしまった。
「どれだけ女権国家を利する行為をしたいんですか貴方は。それとも根っからの変態なのですか」
ヴィヴィオは笑いながらリグルと変わった。
「忠夫、虫の子供は多いよね。君との間に出来た子はやばいくらい高性能だよ。ユウキちゃんお願い」
「うん」
ユウキはジェラートに杖を振られると東洋の天狗へとクラスチェンジした。そして彼に未来氏の術を使って見せる。
「ほら。未来見えたでしょ。もしも王国と戦争したらこの子供たちが大被害を王国に与えちゃうから頑張って耐えて。 子供たちの活躍劇を見た途端に前より硬くなったねどうしたの」
リグルの問いにさとりが笑いながら答えた。彼女は騎乗位されて喘ぐ横島の耳もとに口を近づけ嘲るような言葉で言う。
「時刻を裏切って大量の被害を出してしまう兵士のパパにされちゃう状況に彼は興奮しているんですよ」
「うわーひどすぎる変態ね! 惚れた男ながらひどすぎるな」
笑いながらリグルが離れると、さとりが再び屈辱と快感を与える声音を心から読み取り言う。
「軽蔑百パーセントの声で逆にここが活発になりましたねぇ」
『ここ』という、言葉を言う時にさとりは横島の玉袋を言葉とは裏腹に優しく揉みしだいた。どうされれば一番彼が耐えがたい快感を得るか心を読んで知り尽くしている動きだ。
「ああー!」
さとりの嘲笑と玉袋の一揉みが止めとなり一気に射精した彼にアリスが近づいてきた。彼女は笑いながら唇を奪う。
「大丈夫よ。横島。私達は前約束した通り契約がなくても、王国にひどいことはしないから。もし彼女達が今の様な事をしようとしたら、私だけじゃなくて神綺様にお願いして王国に味方するわ」
アリスの真摯な言葉に安心の念を覚えつつ、僅かに残念だという念が浮かんだ瞬間さとりが意地の悪い笑みを浮かべた。
「アリスさん。彼、貴女がひどいイジメ方をしてこないのを残念がってますよ」
「そうなのじゃあ。彼のコピーの人形を王国に放つ位した方が良いのかしら?」
その際の未来。自分の人形が王国の一般兵を大量に倒す未来を見せられた。しかも自分がアリスに絞られれば絞られるほど強くなっていくおまけ付きだ。
「貴方が望むならそうするけどどうなの?」
アリスは横島を糸で操り時には男性優位の体位でしながらも、射精の度に自由をどんどん削り取る快感を与えながら問うてくる。
「口には出さないけどやってもらいたがってますね彼。でも駄目だとも思ってますよ」
アリスとの最後の性交が終わり、立てなくなった彼を見下ろしながら、さとりが言う。
アリスの糸が体から出た後にエヴァが変わり彼を再び襲い始めた。
珍しく糸で彼を操らず騎乗位から、正常位に戻しての性行為だ。だが、糸で止められていないのに、射精が起こらない。エヴァは笑いながら言う。
「お前に惚れている。雪泉の妹分たちから習った技だ精液を凍らせた。熱が一定になったら一気に出るぞ。早漏なお前の為の技だ。アリスより人形術が劣る私にはありがち技だな。お前を嫐るのに集中できる」
それから2分ほどたち信じられない程の量を出した直後に彼は完全に倒れ落ちた。
そこにジェラートが近づいてきた。彼女はこいしに目配せすると、横島の瞳をのぞき込んだ。
「どうじゃ横島殿。妾たちのものにならぬか」
337 :
名無しさん@狐板
:2022/03/18(金) 23:33:34 ID:tMa6KxOl
首を横に振ろうとした彼に、こいしとさとりが両脇から何かをしてきた。今受けた逆レイプとこのひと月で嫐られ尽くした記憶がよみがえり彼の下半身がより強く固まる。気が付くと彼は頷いていた。
その瞬間ジェラートとその使い魔と化したユウキとランが襲い掛かってきて。ユウキの暴力的な快感のあとに来る二人の甘やかす圧倒的な快感が襲い掛かり完全に彼の意識は甘すぎる食物と食した後の様な感じで落ちて言った。
横島が激しい快楽に沈んでからひと月がたった後、彼はジェラートの私室にて目覚めと同にさとりに騎乗位されながら『想起王国男子として特に恥ずかしかった性行為』を受けていた。一気に朝立ちが収まった後、ジェラートが珍しく寝所にいないことに気づいた彼に、さとりが説明をした。
「ジェラート様は今日お客様と待ち合わせです」
「さとりちゃん、頼むから毎朝目覚め一発をあれにするのはやめてぇな」
「貴方を夫とできている時の三割くらいはあれが楽しみなんですよ私は」
寝起きと同時に襲ってくるあの快楽は彼にはあまりにも悪すぎた。上下を意識の覚醒と同時につけられる感じがどうも嫌だ。だが癖になってきている感じもして、それが王国男子として余計に情けない。
さとりが横島をからかっている時、ジェラートは雪泉の訪問を受けていた彼女はそこまで強くはないが、強く釘を刺すような目でジェラートを見ている。
「ヴァレンティーヌ公爵閣下、此度は真冬であり力が落ちている状態でありながら私と直に対面していただきありがとうございます」
「かまわぬ。そなたにも多少不義理をしてしまったし、そなたの里の妹分たちも時期に旦那様を共有する仲間となるのじゃ」
「ええ。まさか貴方が私以外彼に惚れた里の妹分全てに、根回ししていたとは予想外でしたよ」
雪泉の故郷の里は女権国家の配下という訳ではない。ただ女権国家を主とするものが多い里でもある。少ないが王国などを生涯の雇われ先とする者も稀にいる。
「ことの始まりはエヴァ達が、デュラーン神殿(アドルを正体を明かすまで騙しぬいたシスターであり敵)の力を借りて彼を逆レイプしつつその記憶などを消去して負ったことじゃ。彼はエヴァ殿たちがストーカー当人だと気づかず、アドル神殿の加護をもらってそのまま逃げた。
そこで彼女達から依頼をもらって調べてみたら、まさか前世の旦那様だったとは、妾もいささか以上に驚いた」
「ええ。しかし、良く彼を者にできましたね。横にいる彼女の仕業ですか」
それを聞くとジェラートは少し驚いた様子で窘める様な声を出した。
「こいし、勝手に来客室に入るなと言っておいたであろうが。済まぬな。しかし忍びというものは怖い、妾でも気づけなかったことにも気づくとは」
姿を不意に表したこいしは叱られたことも気づかずジェラートの膝にじゃれつき始める彼女を撫でるジェラートを見て雪泉は、心底驚いた直後にこういう反応をする当たり、本当に信頼しあっているのだなと思った。
「その娘が彼を堕とした際の最功労者ですか」
「その通りじゃ。最初は妾の無意識を操らせ、旦那様の前で身内しかいない時のポンコツ状態にさせた。そうすることで警戒心を解かせたのじゃ。その後で公明正大な公の妾が印象づくように旦那様の意識を操らせた」
「それはまた」
「むろん夜の方でもこいしは素晴らしいぞ。旦那様の無意識の契約がなくても約束は破らないという妾たちへの信頼を表層意識から消し去り無意識にだけ信じさせた。その結果旦那様は妾たちを信じていたからこそ契約破棄とかをしたのに、王国を裏切ったくずという背徳感の快感を味わいほうだいじゃった。
今でも無意識では妾たちを信じ切っているのに、表層意識では自分は快楽に負けたクズだと思っていよう。 そなたが大鳳を捕えられたら、こいしを貸そうかえ?」
少し心動かされた様子を見せた後、雪泉は言った。
「今日私は、妹分たちに釘を刺してきました。彼は王国に対してまだ中立だった故郷の里を救ってくれた一人ですから、もしも女権国家と王国の戦争が女権国家の側が不義理をする形で起こったら、王国に尽きなさいと。仮にその状態でも女権国家に着いたら、女権国家の諜報部としては協力するけど、
その戦争が終わったら里の一員として貴方たちを粛清します、と」
雪泉の真面目な様子にジェラートも位を正して話を聞く。
「彼には個人的な恩があります。もしもあなたが王国に味方したいという彼をああいう方法で夫とした以上、王国に不義理したときは、私が個人的に貴方を許すことはありません。花の大公爵。
彼に不義理をした時、私の寿命が尽きるまで貴方が安心して過ごせる冬は訪れないとお覚悟を」
そういう雪泉は完璧な礼を取った。辺りを包む恐ろしいまでの氷期にジェラートも貴族らしい礼でそれにこたえた。それは決して違えぬ約定をかわした時の礼だった
雪泉は帰り道をやや軽い気分で歩いた。久しぶりに直接話して確信したが、ヴァレンティーヌ公爵は惚れた男を得れば善人になるタイプの女性だ。後に彼女の元に仕えるであろう。妹分たちを粛清に走るような日々は恐らくは訪れないだろうと思えた
338 :
名無しさん@狐板
:2022/03/21(月) 20:27:12 ID:gwTE6faX
女権国家施設案
【施設】善性の男性への援軍派遣冥界『終わりなき自由冒険都市』
【内容】 前に
>>324
に提出したアドル神殿の付属施設、死後の世界である。女権国家において素の状態でも高い能力を持っている女性達が好感度ドーピング状態になったにも関わらず、逃げ切った説が濃厚である英雄アドルが治める死後の世界。
この都市では善良な生き方をした男性全てが迎え入れられ、そこで好きな仕事などに没頭し続けることができるとされている。他の国では騎士や善良な冒険者たちにとってはここに招かれることが最高の栄誉であるとされている。
女権国家においてはこの都市に死後、行きたいと願う男性がかなり多く。この都市では女性に縛られず。己を好きなだけ高め、来世の男性優位の土地などに転生するまでアドルが訓練をつけてくれると信じられている。
女権国家で英雄とされた男性の大半はこの城塞とでもあるこの都市から、アドル神殿を礼拝する善良な男性たちを見守り時に助けているという。
善行が一定値の状態で礼拝し理不尽に女性に狙われていると一定確率で、この都市から英霊が援軍に来てくれる。
死後この世界に行きたがっている男性の大半は伴侶となった女権国家の女性にこの都市に来る気がなくなるレベルで快楽漬けにされている場合が多い。
また女権国家に限らず、自らこの都市に入る権利を快楽に負けて手放すのは大変に恥ずかしいことであるという認識が広まっている。
それを根付かせたのは死後すら奪うプレイを楽しみたいという女権国家の女性達だという説もある。またあまりにもモテすぎる男性がこの街を死後の行き先に選ぶと崩壊が起きるのではと本気で危惧している霊能力者も一定数いる。
339 :
名無しさん@狐板
:2022/03/21(月) 20:33:13 ID:gwTE6faX
女権国家SS 当人だけが監禁所だと気づかぬ保護訓練施設・続編訓練施設での日々とその後
このSSは前に投稿した女権国家SSの続編です。以下の注意事項があります。
@ このSS内での人間関係は女権国家本編と大分変っているパラレルワールドです。
A このSS内ではオカルト設定などには自分が考えたオリジナル要素が多々入っております。
B
>>324
と
>>338
で自分が出した施設案の施設が使用されております。
花の大公爵ヴァレンティーヌに婿入りを終えた、横島は彼女に閨の中で王国を支援する政策を取り続けてくれるように懇願しながら一日を終え心地よい倦怠感の中で激しい睡魔に襲われていた。
寝て起きるといつも体が綺麗になっているのはアリスかエヴァが体を動かして風呂に入れているのか、それともそのまま洗われているのかどちらなのだろうと、少し疑問に思いながらも、睡魔に身を委ねた。
聞けば答えてくれるだろうがそこまで知りたいわけでもない。気が向いたらいつか聞く日が来るだろう。そう結論付けると彼の意識はまどろみ始める。
微睡の中で彼は様々なことを思い起こしたヴァレンティーヌ公爵の策を見破れず、ここで訓練を受けると決めた時から始まった快楽と恥辱の日々が蘇ってくる。さとりとこいしらしき気配が枕元に感じるあたり二人の仕業かもしれない。
僅かに現実と皮一枚で隔てられたような過去の快楽を再現する愛撫は現実の体にも触れる感じのものに変わり、一気に股間の分身が飲み込まれる感触と共に強くなった。 眠りに落ちる直前の最後の力で目を開けると、さとりとこいしが、枕元に立ちユウキが自分に騎乗していると気づいた。
射精と同時に意識が落ちながら、ユウキがいるということは双子の姉であるランも来ているのだろうな、という考えが意識が落ちる直前に浮かんだ。
意識が落ちると横島はジェラートの言葉に乗って快楽に耐える訓練を受け始めたばかりの頃の夢を見始めた。
自分を好いてくれた女性陣全員から一度快楽漬けにされたばかりの頃、彼は夢の中と現実両方で嫐られていた。
倒れ意識を失いかける彼をユウキが楽しみながら、暴力的な快楽で蝕み、それに僅かになれたころランが交代するように優しい快楽で圧倒してくる。
「横島、子供の頃から助平だったけど、快楽に負けるのは恥ずかしいって教えが強かったから、それはダメって思ってたはずなのに早すぎるよ」
女権国家と敵対関係にあった王国では快楽に負けるのは恥ずかしいことだという教えが強かった。男性優位の性行為が当たり前である風潮も女権国家との戦争が何割かは関わっているのだろうと横島は思っている。
過去の思い出と王国の思想に対する考察はより強く絞る様に強めてきたユウキの快楽で打ち切られた。
「ぎゃ! ユウキ、た、頼むお願いだから今夜は終わりにして。無理ならランさんと変わって。もうこれ以上お前にやられたらワイのなかで何かが限界なん」
射精の度に色々と削りきられる感覚に負けるとユウキは少し不機嫌そうな顔をしつつ、自分の与える快楽に完敗した彼を楽しそうに見下ろし言う。
「情けなさすぎるよ。忠夫、訓練に付き合ってあげている僕とお姉ちゃんと公爵様。そして今も君を尊敬している部下だったモヒカンさん達に謝って! 『ふがいなさすぎてごめんなさい』って」
騎乗しながら時に体を密着させて命令してくるユウキの声に横島は屈した様に、声を出した。
「ふ、ふがいなさすぎてごめんなさい。かんにんしてください」
聞き終わるとユウキは無様すぎて面白すぎるお笑い芸人を見た時と同じ様子で爆笑し始めた。そして双子の姉である優し気な気配に身を包むランに話をふる。
「はははー! お姉ちゃん、公爵様、忠夫が本当に謝っちゃったよ! 女権国家に強化された女性に勝てないのは当たり前でちっとも悪くないのに謝っちゃった。 悪くないのに謝るとか凄くみっともないけど、約束は、約束だからお姉ちゃんと代わるね」
インプと化し花の大公爵の使い魔となったユウキとランはサキュバスに近くなっている。その為か英雄の転生体である彼から精を絞り尽くしたせいで余計に強くなっている。
そして自分は彼女との今の性交でどれだけ弱体化したのだろう。逃げたいと思い立とうとして倒れる彼をランが優しく支える。 ランもユウキと同じような体系をしているが彼女は激しく責めてこない。敢えてユウキが好む責めと正反対の方法で来ているというのもあるのだろうが、
自分の性的な責め方はこれが一番効果的だと確信しているのもあるだろう。 彼女は優しく横島の分身を撫でそれだけで射精寸前まで追いつめてから、赤子やペットに向ける様な慈愛と下に見る思いを同居させた目で彼を見ながら口を開いた。
「忠夫さん。女権国家に強化された女性に勝てないのは当たり前のことです。恥ずかしいことではないからいくら負けても大丈夫ですよ。それで軽蔑したりする貴方を好いた女性は多分いませんから。 貴方を好いた女性の中には蔑むものもいるかもしれませんが、嫌いなる女性は絶対にいませんよ」
ユウキに嫐られた後に幼子をあやす様な言葉と性行為をされて屈辱を感じつつ大いに癒され安心していた。この時は気づかなかったがこいしにランや他の女性達の言葉が印象に残ったり記憶に残りやすくなるように無意識を操作されていた。
恐らくは何度もこういうことが行われていたのだろう。
見下されていると思いながらも、それで背筋が余計にぞくぞくしてくる彼をいつの間にか耳もとに口を近づけていたさとりが言葉で嫐る。
「子供扱いされる屈辱がたまらないですか。本当に貴方王国で勲章もらった英雄なんですかぁ? おや英雄でありながら女権国家に染まった女性に負けている事実を指摘されて余計に一物とここが元気になってますね」
『ここ』と言われてさとりに訓練が始まったころに頻繁に玉袋を揉みしだかれたことを思い出し興奮した瞬間、彼女は手ではなく足で玉袋を踏みつけてきた。少しの痛みとそれより強い快感で余計に激しい射精をすると彼女は笑う。
「私は足より手の方が器用ですから、足で与える快感が手より上のはずないのですが。女権国家の英雄に足で踏まれたことが余計に貴方を興奮させましたか」
「やめてぇ! 公表せんで」
「嫌なら早くそれを糧に快楽に耐えられる男に成長しなさい」
嘲笑を浮かべるさとりの鞭がランの与えてくる飴の様な快楽の効果を余計に高めてくる。ジェラートは笑いながらそれを見ている。何度も絞りぬかれるとランは笑みを浮かべながら彼から離れた。
「一度ここで交代です。忠夫さん。それじゃあ次の耐久訓練頑張ってくださいね」
ランが離れると、代わりにアリスが現れた。彼女は服を脱ぐと美術品めいた美しい人形を連想させる裸体をさらしながら、霊気で出来た糸を彼の体の中に入れてくる。見ほれる様な笑みを浮かべながら彼女は言う。
「忠夫それじゃあ、私が与える快楽をひたすら受けてね。耐えきれなくても良いから。他の女たちに快楽漬けにされても、私の与えた方が勝っていれば大丈夫だから」
アリスが彼を操ると彼の体は言うまでもなくアリスの意のままに動き始める。何度も精を放たせられるだけではなく、時にはアリスが満足するまで射精を許してもらえない時もある。
彼の分身の内部に入り込んだ糸が、それを許さずしかもその糸が絹の様な柔らかい感触で余計に快感を煽ってくる。 一番長く我慢させられた後の射精で倒れかけた彼にジェラートが蜂蜜酒を差し出してきた。
「特殊な薬酒であり。魔術もかかっておる。これからの訓練に備えて飲んでおくがよい」
「は、はい」
その酒を飲むと信じられない速さで自分の体が回復していく感覚を覚えた。そして酒の効果かより早く自分が眠りの世界に落ちていく感覚も覚える。
夢の中に落ちた横島は自分の精神世界全てが完全に掌握されている事態に気づいた。それを心底嬉しそうに笑いながら見ているユウキとランが最初に瞳に写った。
340 :
名無しさん@狐板
:2022/03/21(月) 20:40:38 ID:gwTE6faX
「忠夫君の夢の世界を完全に掌握させてもらったよ。気を許している相手には割とすぐに落とせるらしいけどアリス達は女権国家にいたころの君の精神領域ははあっさり取れたけど、
子供の頃の部分は僕達がいないとこんなに早くは無理だったらしいよ。
大分昔から僕達には気を許していてくれたんだね」
そういいながら彼女はアリスに目配せをする。アリスは頷き横島に何らかの魔術をかけてきた。横島は自分の体が縮み、少年期の精通直後に戻ったことに気づいた。ユウキとランは懐かしいものを見たような笑みを浮かべた。
彼女達が手をかざすと見えない糸につられた様に体が浮かび、空中で仰向けにされる。そして左右から彼女達は横島の分身を巨乳で挟んだ。二人係で優しい愛撫を珍しくされると横島は直ぐに射精しながら恐ろしいと危機感を覚える。
『脳まで子供になって耐性が落ちている上に優しい快楽が二倍になったせいか、このままだと夢から出られなくなる』
大人の頃の記憶が薄れ始めしばらくすると、彼は幾つかの記憶が封印されていることに気づく。目の前にいるのは女権国家のヴァレンティーヌ公爵と幼馴染たちの成長した姿だ。
「ユウキ、ラン、どうしてヴァレンティーヌ公爵様と一緒にいるんだ?」
敵国の公爵であっても様付けするものが少なくはない程彼女の徳望は大きかった。横島の言葉に二人は顔を赤くしながら驚き、そして心底嬉しそうに笑う。
「成長した後の記憶がなくなっていても僕達だって一目で分かるんだね。お姉ちゃん」
「ええ。とても嬉しいわね。ユウキ」
「忠夫、僕達は今ヴァレンティーヌ公爵様の配下になっているんだ。頑張って僕達に勝利して取り戻してね。 そこのアリスさんが協力してくれるから」
そう二人が目配せした先を見るとアリスが優雅な様子で椅子に座っていた彼女は柔和な笑みを浮かべながら立つと、言葉をかけてくる。
「忠夫さん。貴方が大人になった後救われた魔女アリスです。貴方は覚えていないでしょうけど、貴方への好意から今回無条件に貴方の夜の戦力を上げる術を施しましょう(勝てるとはいってない)」
アリスの糸が体に入ると彼の体は勝手に動き出した。アリス淡々と説明を始める。
「貴方の前世はアドル日誌にも出てくる、高島さんよ。だからこそヴァレンティーヌ公爵様にも目をつけられた。彼はジェラート様に婿入りした後も性魔術などもたくさん学んで、
凄く夜の戦闘力が高かったの(それでも女権国家の女性達には勝てなかったけど)その術で彼女達を王国男子らしく討ち果たして王国に寝返らせちゃいなさい」
アリスの言葉に頷くと横島の体が勝手に動き始めまずはユウキに襲い掛かった。最初の射精を仕掛ける時にアリスの説明が響いた。
「その性魔術は男の魔術の達者な王様が女性達を快楽で縛りながら、自身の精を受けた相手をより強化させたものよ。それを使って使い魔にされた二人を取り戻しなさい」
アリスの言葉に横島は全く言葉を返せなかった。この性魔術は魔力を注ぐ際自分の快感も上乗せされるゆえに、自分の体に対する快感による負担も激しい。一回の射精で彼は膝から崩れ落ちた。それをユウキが笑みを浮かべながら抱きとめる。
ユウキは丁度横島の顔が自分の胸のあたりに来たのを嬉しそうに受けながら、朦朧としている横島の頭を撫でながらアリスに礼を言う。
「アリス。ありがとう。ジェラート様が丁度胸の所に忠夫の顔を受け止めながら嫐るの見て僕とお姉ちゃんもやってみたかったんだけど、普段の僕達の背丈じゃできなくてね」
「いいえ。私も忠夫にそうしたいんだけど、青年期の彼中々背が高いから子供にしないとできないのよね。そういう意味では長身のジェラートさんが羨ましいわ」
そういいながら意識をすっかりやってしまった横島が戻ってくるとアリスは真面目な支援者という表情に戻り演技を再び始めた。
「忠夫一度でダメなら何度でも頑張りなさい」
アリスの激励に横島は明らかにためらった様子を見せた。自分の霊力を注がれたユウキは前とは比べ物にならない程強くなっている。
「確かにそうだけど、諦めたら彼女を戻せる可能性はゼロになってしまうわよ」
それからしばらくはランとユウキとジェラートにあざけられながら注ぐたびに脳が爆発した様な錯覚を覚える射精を繰り返した。その度にまるで別の世界を行ったり来たりしたような快感が彼を襲い。
夢の中がどんどんと彼女達に寝返っていく様な恐ろしさとそれすら塗りつぶす快楽が何度も彼を襲った。
「妾たちにはありがたいだけで、逆にそなたの魂の方が限界なのではないのかえ。敵国の公爵と裏切った売国奴を強化し続けるとは、本当に今生の旦那様は立派な方じゃなぁ」
尊敬している部分もある敵国の公爵の言葉が彼の恥辱心をより煽り、そしてかつてない射精が起こると一気に夢の世界が崩れ落ちた。それと同時に視界が現実世界の寝室に戻る。
目の前には情欲が満たされ切った様子のジェラートとユウキとラン。そして人形の糸で自分を操り続けたであろうアリスがいた。体が子供に戻っていることは目線の高さで分かった。
困惑する彼にジェラートは笑いながら彼に残酷な事実を告げてきた。
「旦那様。夢と現実の世界を何度も行ったり来たりしておった。そして完全に子供に戻っていたのは夢の中だけじゃ
。現実では記憶を持っていながら敵国の公爵である妾にも大量に霊力を注いで負ったぞ(もっともこいしに無意識を操作させて、妾たちなら王国に不義理しないという確信を与えたうえで無意識に沈めたから負けたのだが)」
無意識に彼女達が王国に不義理しないと認識していなければ彼は快楽にもっと洗っていたが、それに気づけない彼は自分のことを快楽に負けて精を放ちまくった最低男と思ってしまった。
子供に戻り落ち込む彼をランが抱きとめながら言う。
「訓練中なんだから仕方ありませんよ。早く快楽に耐えきれる様になりましょう」
「うん、うん。忠夫はいざというとはできる男の子だったから大丈夫だよ」
ユウキとランの甘やかす優しい言葉と愛撫が傷ついた心に染み入り極上の魔酒の様に心に沁み込んでくる。
二人に挟まれ激しく嫐られながら彼の意識は再び沈み切っていった。アリスは魔女らしい妖艶な笑みを浮かべ捕食者めいた瞳をしながらジェラートの方をみる。
「それじゃあ。公爵様。一時的にユウキとランのインプとしての主人としての権利の譲渡お願いします」
「うむ。任せよ」
ジェラートとアリスが何らかの呪文を唱えるとユウキとランの周りに輝く魔法円が現れその魔法円から出た光がアリスと二人を結ぶと消え去った。アリスは笑みを浮かべるとユウキとランはサキュバスが良く使う術を使い光となって彼の頭の中に入っていく。
アリスはそれを見届けると、愛おしさを抑えきれなくなった様子で彼の口ビルを吸うとそのまま子供となったことで顔の高さが丁度自分の胸に来る彼を抱きかかえながら繋がった。その瞬間彼の体が大きく痙攣し激しい射精が起こったがその彼の霊力を嬉しそうに彼女は吸収する。
横島は不意に投げ出されたような場所で唐突に意識に様々な情報が流れ込んでくる感覚を味わった。自分は今、女権国家でユウキとランと共に任務を受けている途中だったはず。そうだ。
ミクさんの部下を止めた王国に引き上げ霊能部門の人間として、この国に再びきた自分は、アドルの盟友が前世だった自分は彼の陰陽師が残した術を得て、霊的国防をさらに進めなければ。
高島がいた秘術を残した洞窟の奥で彼が使っていたらしい性魔術の書を読み覚えた彼は大きく落胆した。他国の女性ならともかく女権国家の女性に対してはこの魔術所はなんの価値もない。
相手を気持ち良くさせて奴隷にさせる霊的性術。使っても閨で負けて、その呪いが自分に跳ね返ってくるだけだろう。
341 :
名無しさん@狐板
:2022/03/21(月) 20:42:20 ID:gwTE6faX
そこまで考えた瞬間、不意にランが長巻を思わせる剣を振るい彼に打ちかかり、隣にユウキも洗練された動きで彼を襲う。自分より遅く着くルートで来ていた二人がなぜ急に何より、なぜ自分を攻撃してくる?
文珠を取り出し、『解』『放』を使ったが二人は止まらず彼は直ぐに倒された。ユウキとランは若干嬉しそうに笑みを浮かべた。
「忠夫はやっぱり女の子には甘いね。裏切ったとか微塵も考えてなかったんだ」
「な、なんのつもりなんだ」
「忠夫が霊的防衛職に就いたでしょ。性行為も霊的にはかなり重要だから女権国家に染まった僕達とそういう関係になると霊的国防がダメになるかもしれないって、結婚を禁ずるかもしれない動きが出てきたから女権国家に寝返ろうかと」
「いや、いくら何でもそんな命令を出すほど王国は腐敗していないで。ミクさんだって多分だけど、女権国家の影響受け取るし」
「僕達って実はアドルより強いと評判で先回りし続けたエレナの血族なんだよね。だから君より先につけたんだ。捏造伝承『エレナによる逆レイプ冒険の終わり』を再現しようか」
ランとユウキが交互に彼を襲うと一度の射精で彼女達より大儀や愛国心が大事という気持ちが一気に精液と共に吸い出されていく。人としての大事な何かを奪われるような性行為はすさまじい快感を彼に与えた。
ジェラートの寝室でアリスは夢の中のユウキと同じ動きをしながら人形劇をテレビで放送していた。
高島の生まれ変わりの逆レイプ劇これはユウキとランが夢の中でしていることでもある。多くの人間の信仰が注ぎ込まれことで呪いはますます強くなっていく。
一つの劇が終わると同時に、アリスは名残惜しそうに離れた。大人の姿に戻った横島の元に金色の神をした理想的な体系の吸血鬼、
大人の姿のエヴァが訪れる。彼女は笑いながら、彼を捕え血と精を同時に吸い始める。
夢の中で横島は一気に堕ちていく感覚を味わった。今は王国に敵対する闇の福音と呼ばれる吸血鬼に血と精を奪われれば奪われるほど、
相手を強くしてしまうのに彼女の美術品めいた体の魅力と味合わされた快楽に敗れ何度も無様に自ら彼女の腕の中に入ってしまっている。
「正義の味方を目指す心も多少はあった霊能者よ。もうお前が出した被害より上の数の人を救うのは生涯かけても不可能だぞ」
嘲笑めいた残酷な宣言を聞いた瞬間一気に達しその瞬間意識が完全に落ちた。
横島の調教が完了し完全に彼女達のモノになった後の週末の夜、ヴィヴィオとリグルがメインとなり彼を寝所で攻める閨事が行われていた。彼に好意を持つ女性達全員が揃っていたが、
今の所は二人の女王が主賓の様だ。彼女達は大量の女性の部下たちを時には彼との性交に混じらせ、時には彼を嘲らせている。
リグルが横島に口づけし、触れるとその時点で一気に全身から力が抜け彼女に騎乗された射精させられた瞬間、男性を死に至らしめる虫の交尾の際の魂の内臓すら精液と変わり果てたような感覚と共に一気にリグルの中に彼は精を放った。
「忠夫が一気に出して弱ったから回復させてあげないと」
リグルがそういうと、笑いながらジェラートが蜂蜜酒を差し出してくる。それを飲むと彼は一気に体力が回復し、奉仕系統の性魔術を使う霊力と体力が戻ってくるだが、その交わりをするたびに抵抗の意思の削られ具合が増していく気がする。
それでも蜂蜜酒を飲んだ後の気持ち良さと、その後で受ける女性達からの女性上位の攻めの快楽を夢想してしまい飲み込んでしまう。それを飲んだ彼をさとりが、笑いながら言葉で嫐る。
「本当に救いようがない男性ですねぇ。絞られ過ぎて死にそう。言い訳でしょう。男を隷属させる性行為で負けるのが完全に癖になってますよ。彼」
『はははー』『くすくす』『みっともなーい』『早すぎてなさけなーい』
リグルとヴィヴィオそしてジェラートの配下の女性達の嘲笑が余計に彼を昂らせた。その状態を察知したさとりが笑いながら言う
「『自分が顎で使えるメイド達や妻の部下たちにすら男しての尊厳をずたずたにされるのが、最高に興奮する』ですか。誰でも女権国家で嫐られ続ければそうなりますけどねぇ、心の強い男なら三か月は持ちますよ。ひと月でこれとか本当に立派な愛国者で英雄ですねぇ」
そのさとりの言葉が引き金となり一気に彼は射精した。リグルは笑いながら離れ、蜂蜜酒を彼に飲ませると説明を始めた。
「忠夫、蜂蜜にも色々と種類があるって知っていた。女権国家で男性を働きアリの如く従えたメイブ様にも繋がりのある飲み物で、さらにこれは百合の花から作られた蜂蜜なんだ。ユリの花は騎乗位で男を支配するリリスの象徴であり、女陰の象徴。『花の大公爵』である
ジェラートさんが作ったその百合の花から取れた蜂蜜酒を飲みながら交わっていたんだから、君の体にどれだけ女性上位の性交に向いた体に変わっているか想像つくよね」
前から異常な快感が襲ってきていたが、教えられた瞬間一気に彼を襲う快感の余計に強くなった。雄が死ぬことも多い虫の交尾に似た快楽はすさまじかったが、今回は完全に『王国男子』としては自分は死んだと思った。
リグルが離れるとヴィヴィオが横島に蜂蜜酒を注いだ。絞られ過ぎて体力を回復せねばという思いと、快楽への期待からそれを飲み下してしまう。
リグルが離れるとヴィヴィオが理想的な肉体をさらしながら王族らしい優雅な様子で蜂蜜酒を一息に飲み干し彼に言葉をかけて来た。
「横島さん。貴女ほどに善行を積んだものなら『終わりなき自由冒険都市』に行けますよ。ただし、死後の世界でヴァルハラを管理している私とお互いに蜂蜜酒を飲んだと認識した状態で交わったらさすがに無理でしょうけどね。
流石に死後の世界でまで貴方を拘束するのは気が咎めますから、嫌ならやめますけど」
そういいながら両腕を広げ目の前で回転するヴィヴィオを見ると彼女にされ続けた逆レイプがドンドンと蘇ってくる。顔や体に押し付けられたり、アリスやエヴァの糸で操られて揉みしだかされた乳房や尻。
その快楽の記憶が余計に分身に集まる血の量を増やしていく。少しして、さとりが横で想起を繰り返していると気づいたがもはや遅かった。快楽を求めてヴィヴィオに近づく彼をさとりは嘲る。
「自ら快楽に負けて『終わりなき自由冒険都市』にいく権利を手放しちゃうんですか? 王国男子として快楽に負けるのは最低なのに。 ヴィヴィオ様に死後ヴァルハラで王国男子として最低の屈辱を味合わされ続けたいんですか」
さとりがそこまで言うとジェラートが杖を振り横島を嘲る女騎士たちを天界で騎士たちが纏う衣装へと変えた。それを見て余計に分身が固くなる横島をさとりは笑う。
「おやおや、死後の世界で結婚したら貴方の英雄としての知名度が産んだ霊力は女権国家の有効勢力のものになってしまいますよ。前世の分もそうなるのですがね。『死後の世界で現世ではできない様な嫐られ方がしたい』『王国を裏切る背徳感がたまらない』それが貴方の心ですか」
実際は横島が快楽にあっさり屈しているのは無意識化では彼女達がそんなことをしないと信じているからなのだが、こいしがそれを意識に上らせないために自分は屈しているだけではなく、そう考えているクズだと思ってしまっている。
ヴィヴィオに挿入した瞬間一気に射精させられ騎乗位に持ち込まれた後、彼はただひたすらに快楽に喘ぎ始める。
「ここまで堕ちたか。王国の救国の英雄よ」「下半身の耐久力だけではなく、欲望への体制も最低だわ。彼」 「陛下達以外のものになったらどうなっていたのやら」
天界にいる天女でもある騎士との衣装を着たヴィヴィオ配下の女性達の声が余計に彼を昂らせ、一度の射精で彼は完全に倒れた。それを見下ろしながらさとりが言う。
「もうすっかり、立ち直る気がなくなってますよ、彼。私達が信用できるから他の女たちに襲われても大丈夫だろう。良い言い訳ですね。これを思い出しても同じこと言えますか? 『想起・二日前の閨事』」
横島の記憶に完全に記憶を消された状態でヴァレンティーヌ公爵に良いようにされた時の記憶が蘇ってきた。
ユウキとランがメイドの衣装に身を包み彼女に奉仕している姿が余計に敵国に寝返った女性の誘惑と快楽に敗れている背徳感を強くし勝てなかったことを思い起こさせた。
「ほら。この通り貴方は大業をなしてもそれが性欲の為だった男ですから、ここが満たされるならこの程度ですよ」
ヴィヴィオが離れた後、さとりは横島の分身を快感だけを送り込むように踏みつけながら嘲ってくる。
342 :
名無しさん@狐板
:2022/03/21(月) 20:43:26 ID:gwTE6faX
彼女は横島に最後に騎乗すると笑いながら、残酷な宣言をした。
「『想起王国男子としての誇りが砕け散った夜の日々』
受けた調教で特に屈辱が強かった日々を思い出し射精し尽くす彼にさとりは、笑いながら次の宣言をする。
「『想起・強すぎる快感を味わった夜の日々』」
屈辱はそれほどではないが、トラウマになるほどの快感を刻まれた夜の記憶が彼を襲い始める。二度の大量の射精でさとりの腹が大きく膨れ上がり、彼女が離れるとこいしが笑いながら横に現れる。
「こいしご苦労様でした。無意識の操作の報酬に忠夫さんの無意識の夢を操作して存分に現実と夢で嫐りななさい」
「はーい。おねえちゃん」
その直後横島は夢の中で何度も何度も女性達から受けた調教で特にトラウマとなる快楽を注ぎ込まれた夜の記憶を繰り返し見せられながら、
その激しい快感と共に全てを奪われていく感覚を覚えていき最後に夢が崩壊する程の射精と同時に目覚めた。
それからはいつもそういう夢を見て目覚めた時には、目の前に騎乗している誰かがいる日々を過ごしていた。その日々を過ごしてしばらくたったある日、結婚を発表する日の前日ジェラートに彼は呼び出された。
ジェラートは滅多に見せない真面目な表情で彼に向き合っている。 彼女は少し考えると口を開いた。
「旦那様。妾だけではなく、そなたと添い遂げると決めた女一同は今後王国に不義理をする様な真似は一切せず。親・王国派として犯罪ではない範囲で王国に味方し続けることを約束する」
不思議とその言葉を彼は信じることが出来た。
「ああ。信じるで」
「感謝するぞ。惚れた男に信じてもらえるというのは、誠に嬉しいものじゃ。 こいしよ旦那様の無意識を操作せよ。 この記憶を消しても無意識では覚えておる状態にしておくがよい」
こうすることで、彼に対して自分は快楽に屈したクズ男を思わせるプレイも余裕になるとジェラートは思った。 横島に『忘』の文珠を投げて記憶を消しながら彼女はこれからの様々なことを考えた。
彼を夫とした以上はもはや、王国に不義理をするわけにはいかない。女権国家と王国は今の所は数十年は続く和平がなされており、上手くいけば平和が百年以上続くだろう。
数世紀も公爵をし続けた彼女にとって王国に義理を欠かずに和平を維持する政治的働きをすることは決して難しいことではない。だが、しくじる可能性もゼロではないのだ。彼の為にも万一の敗北も許されぬと決意を固めると彼女は執務室へと歩み始める。
王国に義理のある夫を迎えた公爵としての物語が不義理をしたという結末を迎えさせないという断固たる決意がその足取りからはうかがえた。
343 :
名無しさん@狐板
:2022/03/23(水) 20:43:34 ID:0bDJkm2g
乙でしたー
344 :
339
:2022/03/25(金) 23:54:46 ID:+H7UJ/wu
>>343
今更ながら乙感謝です。本スレだけでこちらを見てなかったので返信が遅れてすいません。
345 :
名無しさん@狐板
:2022/03/26(土) 21:38:21 ID:AsgZw+cQ
乙
346 :
339
:2022/03/27(日) 12:06:21 ID:ut/TPh10
>>345
乙感謝です
347 :
名無しさん@狐板
:2022/04/01(金) 22:56:12 ID:GQH0SHDw
月間少年カンカン
王国の児童漫画雑誌。10年戦争時に女権国家に捕らわれていた過去のある捕虜が創業者兼編集長となり立ち上げた。現在は廃刊となってしまったが、今でも成人男性たちからすら高い評価を受けるほどクオリティの高い連載漫画ばかりだった。
主に幾つもの名作が生み出されており。大半の漫画は登場人物に感情移入できる王道物語が多かった。
少年誌には珍しく凄すぎるメンタルの主人公はあまりおらず、中盤や終盤にかけて成長してそうなる場合が多い。また凄すぎるメンタル主人公は納得できる理由がセットになっていた。しかし、
この児童雑誌の一番の特徴はとてつもないエロ描写にあった。悪の女から色仕掛けを受けたりする描写とそれによって悪に堕とされることの良くなさが良く描かれており、大半の子供の頃は性欲の薄い少年たちは女権国家の恐ろしさなどを知った。
一部の性の目覚めの早い少年などはその美しい絵と巧みな描写に、悪役の女キャラクターの虜となってしまう少年も多く4年戦争の敗戦前は規制を視野にいれた処置がとられかけたことがある。
女権国家に捕らわれて返却された捕虜たちが書いていた為にそういう本ができあがったが、エロ描写を抜いても女性からさえ評価されるほど、漫画のクオリティは高く、また大半の捕虜だった男性は女権国家の女性達の虜となった男たちの、
変動を見て純粋に女権国家の女性の様な女性の怖さを伝える警告のつもりで書いていたものが大半だった。一度手入れが入った際も、
彼らの供述を調べてみると限りなく白に近い灰色であり(少なくとも大半の作者は)スパイではなく女権国家の女性やそれに類する女性の色仕掛けの恐ろしさを伝えるためや純粋にクオリティ高い漫画を描くために女権国家での経験を活かしただけだった。
経済活動にもそれなりに貢献していた上に、この漫画に登場するような女性が女権国家に多いと知った少年たちのアンケートを見ても本心から女権国家の女性達を警戒し色香に溺れるのは良くない事だと考えるものが増えていたので敗戦前でも作品に深い規制は入らなかった。
女権国家の女性達特にサキュバスや夢を操る能力者たちからは『姦姦』などと揶揄される。または同じ名称で、敬意をもってありがたがられたりしている。 夢の中で男を堕とす際に、
昔読んだ大好きな漫画を真似た夢でその漫画の主人公を快楽や色気に負けて裏切らせると屈服が早くなり、または背徳感からたくさんの快感を与えてあげられると感謝されている。
ただし色仕掛けで破滅することの恐ろしさと女権国家の女性の誘惑の凄さと防ぎ方も学べるために、これを読んだ王国男子は堕とされ始めると早い反面、手を付けられる前は未読者より上手く女権国家の女性から逃げる傾向が強い。
その為女権国家の女性達からの評価も一枚岩ではなく、『この本を読んで得た価値観を持った男子を堕として敗北感や背徳感を味合わせたい派』と、『この本で得られる知識のせいで捕まえにくくなっている派』に分かれてしまい。
後者の派閥が勝っていた時に女権国家に利用されることを危惧した王国が穏当な形で廃刊に持ち込もうとしていた上に、編集長も協力したために。後者の派閥の協力もあり廃刊となった。
なお王国の各家庭では、読ませた方が良いか悪いかの判断を付けられない親が多く、大半の家庭の親のスタンスは『家の子には読ませない(又は読ませる)けどよそ様の家はどっちでも口を出さない』というものが多かった。
ストーリのクオリティが高かった為か、王国男子だけでなく女子にも心のバイブルとしている者も多い。その為女権国家の影響でM向け小説などを書くようになったものでも、この漫画の男キャラを辱める話は書けないという作者も多い。
また、今でも女権国家の女性達から逃げるテキストを作る王国の軍用教科書作成者はこの本を読んでそこから教材を作っている。
348 :
名無しさん@狐板
:2022/04/01(金) 23:00:56 ID:GQH0SHDw
女権国家SS エイプリルフール企画、夢幻の無限快楽堕ちの夢
このSSは女権国家のSSであり、
>>329
から
>>337
と
>>339
から
>>342
まで投下したSSの続編にあたりますが、
>>311
>>319
の物語もパラレルとして繋がっています。
また
>>347
の児童漫画雑誌については公式設定ではなく、このSS限定のオリジナル設定です
花の大公爵ヴァレンティーヌの居城。慈悲と徳の大公爵の通り名を持つだけではなく、女権国家の遊郭等を取り仕切る歓楽街を統べる女主人でもある。その彼女の居城の寝室で彼の公爵の夫となった横島が複数の女性達に嫐られていた。
女権国家の歓楽街の主でもある彼女に相応しい赤と黒で彩られた、情欲を掻き立てると同時にどこか男性から見ると牢獄を連想させる場所で、横島は口から情けないまでの悲鳴と喘ぎ声の間のような、声を出している。彼のその姿を黒みがかった赤い髪をした公爵が、
満足そうに高めの椅子から見下ろしていた。彼女の満ち足りた表情を見れば女権国家の人間なら、今宵は夫を閨で重利し尽くした後だと察せられるだろう。
公爵は一糸まとわぬ姿でありながら不思議と威厳と品のある佇まいで、椅子に掛けながら笑い彼を嫐るような言葉を口から紡ぎ始めた。
「旦那様。その者達は、妾の弟子としても貴族としても最低の地位の者達じゃぞ。 そんな者たちにすらその様とは、情けなや。 一対一で惨敗した女全員に、掛かられればそれもやむなしか」
椅子に掛けるジェラートにメイド服に身を包んだユウキとランが恭しく侍り給仕を務めている。いつかの完全敗北の夜とその後に見せられた夢が思い出され余計に彼を昂らせる。
「ジェラート様。忠夫が王国男子にしてもあまりにも早漏過ぎる醜態を見せているけど、女権国家の女性としてはどうですか? 僕としては見てて楽しいけど。
王国女子としてはかわいそうになってきます。 あんなに早くてしかも、さとり様が言うにはあれで心底興奮するようになるまで一月。ここまで早漏とかあまりにもかわいそうです」
ユウキの蔑みの言葉で逆に彼は昂り。丁度夜の弱さをバカにする意の籠った目で見挙げながら、彼の分身を口淫していた魔女の中に一気に放ってしまった。
三人が嫐る言葉で解説する中、横島を襲う女性達は無言でただ蔑みの視線を向けてひたすら彼をベッドで圧倒した。 これが今夜は一番効くとさとりがアドバイスしたらしい。
彼女達が横島から精と霊力を搾り取り尽くし、満足して出ていこうとすると服を着る手伝いをしようとする二人をジェラートが制した。
「あまりにも旦那様が無様でかわいらしかったので、妾ももう一度したくなった。そなたらもそうではないか」
「はい。忠夫様、夜伽をお願いしますね」
「さすが公爵様。僕達も使い魔として頑張りまーす。忠夫〜蜂蜜酒は用意しておいたからがんばろー」
ジェラートには心底の敬意を込め、横島には嗜虐心の込めたランとユウキの声が彼をより絶望させ。その後彼は意識が何度も飛び続けた。
果てしない快感と共に何かを捧げさせられている感覚が支配されている感じを強めていき、限界が来ても振舞われた料理と蜂蜜酒が体の中で砕け散る様に精力を回復させていく。
体力か精神力どちらかに限界が訪れ、横島が倒れかけた時にジェラートが水分をひたすら欲する状態と化した彼に蜂蜜酒を再び差し出してきた。それを飲み終わるとジェラートが口を開いた。
「今宵は少しばかり特別な賓客を招いておる。旦那様」
その言葉を聞いた瞬間、横島の背に嫌な予感が走った。だが同じくらいに期待もあった。期待を感じるあたり自分も大概になってきていると感じる。横島は多少自己嫌悪しつつ彼女の言葉の続きをまった。
ジェラートは横島の表情を見ると右手に光を纏わせると優雅に手を振った。その瞬間光で出来た魔法円が現れる。ジェラートの右腕の光は、召喚というより来ても良いと相手に伝えるためのものだったのだろう。
魔法円の光が止むと、そこには太陽の光を受けた狐を思わせる美しい金色の髪をした魔女がいた。見かけは十代前半くらいにしか見えないが、それでも身に纏う魔力は凄まじく見かけの年齢に相応しくない大きい乳房をしている。
彼女は笑いながら綺麗な緑色の瞳で横島を見下ろした。 横島は彼女を知っている。 過去にユウキとランの治療に駆けずり回った時に世話になった魔女、メタリカだ。 彼女は強力な力を持った沼の魔女であり、ユウキとランの恩人でもある。
ジェラートにインプに転生させてもらって病が完全に治る前に彼女が寿命を延ばせる薬を二人に処方してくれた。 何度か行動を共にした後、完全に治す方法を見つけてくれたと聞いたからこそ、
横島はかつて自分をストーカーしている女性達から逃げることを選択できたのだ。最もそのストーカー達がユウキも含む女権国家で親しかった女性だったのだが。それが分かった今でももう彼女達から離れようという発想は出なくなっている。
それほどユウキ達が自分に与えてきた快楽は凄まじい。
メタリカは傲岸不遜な笑みを浮かべながら、横島を見下ろすと口を開いた。
「久しいな横島。ユウキとランを救う為に色々と奔走していた時から好感を持ってはいたが、少しばかりジェラートからの提案で二人を使ってからは余計にお前への好意が強くなってな」
横島はメタリカの言葉に恐怖を覚えた。王国の時から一緒にいたユウキを始めとした女性達、彼女達は自分を心底好いてくれていると分かった今では大切な女性だと思っている。それでも強すぎる快楽と恥辱で時々トラウマを刻まれる。
今のメタリカの目は自分にトラウマを刻んでくるときの女性達と同じ目をしている。
「端的に言うとユウキとランを上位の魔女の使い魔として使った結果繋がりが深くなり過ぎて、私もお前に嗜虐心と好意を覚えた。そういうわけで気が向いたらお前を嫐りにくる。今夜はお前を嫐る女としてのデビューの日だ」
メタリカの言葉に恐怖を覚えながらも動けない横島を彼女は笑いながら押し倒した。一息に分身の全てを飲み込まれた瞬間彼の、意識は一気に落ちた。大量の精液を出しそのまま快楽のあまり意識を失う。
メタリカは笑いながら、ユウキとランに目配せをする。それを受けた二人は笑みを浮かべながらメタリカと使い魔の契約の準備を始めた。その儀式が終わる時彼の、意識が完全に堕ちた。
横島は目を開けると、自分がジパングにいることに気づいた。そして全あっちこっちを見た時、自分は子供の頃カンカンで掲載されていて単行本も全館かった漫画『陰陽師少年』の世界にいるのだと気づいた。そこにユウキとランが入ってくる。
横島は自分の体を見て精通したばかりの頃の年だと気づく。対してユウキとランは小柄だが十代半ばくらいの育ち切った体系になっている。ユウキは武士らしい衣装に身を包み、ランは巫女の様な衣装を着ている。
「ユウキ、ラン。すまん。状況が飲み込めてへん。今、俺たちはどういう状況に置かれているんだ?」
その問いにユウキとランは笑いながら答えた。
「忠夫、前世の記憶が戻ったんだね。 前世でも快楽に負けて、ここに従い続ける愚物に堕ちて僕達の奴隷だったじゃない」
ユウキの蔑みと情欲の混じった言葉に、屈辱や怒りより興奮を覚えてしまい、彼は自分がやばいと思った。
「木綿季、あまりイジメるものではありませんよ。忠夫さんはめでたくこっちに来てくれたんですから」
ランは笑いながら横島の衣服を巫女の杖を連想させる長巻で切りさくと、腕から呪縛の呪文を放ち彼の動きを止めた。
「前世の話はそれくらいになさってください。今の私は紺野藍子ですよ。忠夫様」
最後の言葉は舌を絡める口づけをして終えた。藍子は横島を味わい尽くした後、彼を縛る呪縛を解いた。
「もう口づけだけで完全に堕ちてしまいましたね。木綿季、色々と説明してあげなさい」
「はーい! お姉ちゃん」
木綿季は笑いながら、横島に跨り分身を迎え入れると、笑いながら話し始める。
「前世で王国の英雄と言われるほど凄かった忠夫は、本気で惚れていたとはいえ卑怯な手を使った女性達や、王国を裏切ってヴァレンティーヌ公爵に着いた僕達みたいな、卑怯女の与える快楽に負けて。
女権国家で働き続けたんだよ。その後、カンカンで連載されてた、陰陽師少年の世界に転生したんだよ。今生の記憶戻ってきた」
349 :
名無しさん@狐板
:2022/04/01(金) 23:02:21 ID:GQH0SHDw
横島は快感で脳が破壊されるような錯覚を覚えながらも、木綿季の言葉を聞きながら様々なことを思い返してみた。前世で読んだ、漫画の内容が思い出される。
近代化が始まりだしたばかりのジパングで陰陽師の少年たちが東洋の悪の術者や妖怪そして西洋からの魔術師や妖怪からの侵略に対して霊的国防を試みるというものだった。
その際にサキュバスや西洋の魔術師など夜の戦闘では決して勝てない相手の色仕掛けに乗ってしまった男などが敵として現れる展開も多かった。そこまで考えた瞬間、射精が起こった。
完全に脳が砕け散った様になった横島を見下ろしながら木綿季はおかしそうに宣言した。
「忠夫は今生でも僕達の色香に負けて。英雄“だった”のに今じゃあ陰陽師少年の敵役の色香に負けた堕ちた元英雄の一人だよ」
「す、すまん。ワイは今生の記憶が殆どないんや。陰陽師少年の何巻目くらい、ああぁ!」
言い終わる前に木綿季が敢えて強い快感を与え射精させそのあと敏感になった分身にさらに快感を送り込んで来た。
「今は君の方が地位的にしたなんだよ。口の利き方に気を付けてね♪ それと、僕の味方陣営に堕ちていて、僕と褥を共にしているのに前世でファンだった漫画の主人公の方の心配とか、少し教育が必要かなぁ?」
かなぁという言葉は疑問に思っているというより、横島がどの程度自分に卑屈な態度をとるか図っている様だ。横島は即座に下手に出ることにした。前世で女権国家に染まった影響が残っているなら下手に出てくる、
好いた男にはかなり甘くなるはずだ。ユウキの性根からして、少し拗ねただけでそこまで怒ってないなとも彼は思った。
「木綿季様。すんませんでした。許してください」
そこまで聞くと彼女は笑いながら横島から離れた。自分が精と共に大量の霊力を吸い取られ目の前の女性に手も足も出なくなったことを自覚させられ落ち込む横島をよそに木綿季は妖術を使い一瞬で服を着こんだ。
その姿を見て、横島は驚いた。
「木綿季、お前天狗やったんか」
山伏を思わせる白い衣装に身を包んだ彼女は笑いながら言う。
「うん。陰陽師少年の山の妖怪たち=鬼や天狗や妖狐との戦いの3,5巻辺り、つまり山中死闘編だよ。今」
木綿季は笑いながら言うと藍子が狐の尻尾を見せてくる。それを見て横島の顔色が変わった。彼女は笑いながら服を脱ぎ木綿季と同じ様に彼を絞り始める。
木綿季から受けた暴力的な快感の後のせいか彼女の甘い柔らかい攻めは余計に効果が高い。彼女が殆ど動かないのに何度も悲鳴を上げさせられる彼を、木綿季は面白そうに眺めて言う。
「忠夫〜、 山中死闘編は何度も読んでたから、九尾の狐や妖狐の色香に負けるとどうなっちゃおうか知っているよね。 妖怪の色香に負けると最悪の展開が多いけど特にこの二種類は圧倒的だからね〜」
「は、はい」
藍子の胸に顔を埋めさせられながら横島は答えた。九尾の狐や妖狐の虜になった物は堕ちた英雄の中でも特に強くなり、真っ当な良識や倫理を持ったまま、それでも色香に勝てず、虐殺や悪事に手を染め続ける。
「僕達にこれだけ精を吸い取られたら、元の強さに戻るまで十日はかかるよ。主人公くんの足を引っ張るどころか、敵対したくないなら頑張って僕達に奉仕してね。ご機嫌取りの仕方次第では、“僕達”は参戦しないから」
木綿季はそういうと藍子に惨敗して蛙の様に仰向けになった彼を前に再び妖術で服を脱いだ。天狗の衣装を見せるために服を着ていたのだろう。
それから横島は何度も意識を飛ばしながらも、二人に奉仕した。精を一度搾り取る度に交代し彼を嫐る彼女達は不意に彼を挟んだ。木綿季が彼の分身を内部で嫐っている時に時に藍子が彼女に百合的な愛撫をすると、
余計に強く彼を絞るように木綿季の内部が動き、さっきより大量の精を放ってしまう。さらに藍子と一つになっている時も木綿季は同じことをしてくる。三回ほどそれを繰り返すと二人は満足するように離れた。
「忠夫、お疲れ様。『僕達』は約束通り参戦しないよ」
「ほ、ほんまか」
ホッとする横島に藍子が優しそうな笑みを浮かべながら、彼の分身をさすり言う。
「ええ。でもあなたご自身に行っていただきます。また嫐ってあげますからお願いします」
そう言われると、彼の頭にさっきまでの情事が蘇ってきた。そして彼は自分が妖狐の情事の術を受けていたと、思い至った。今は霊力を吸われているが、ここで霊力与える性行為をされれば自分は殺人マシーンになる。
そう思ったがもう彼の体は言うことを聞かなかった。負け犬を見る様な目をして腕を広げる二人の間に体が勝手に動き入っていた。
「ああ〜〜!」
声にならない悲鳴を上げる彼は二人の操り人形の様になりながら彼女達に奉仕を閨の中で繰り返した。快感が極に達した瞬間に意識が落ちる。
ジェラートの寝室でメタリカが横島に覆いかぶさりその精を絞っていた。ユウキとランが彼の精神世界に入っていかせた後、夢の中では二人に嫐らせ、
現実の肉体は彼女が嫐る。その為か横島の分身からはいつも以上に凄まじい量の精液が溢れ出る。強すぎる快楽が苦痛となる彼を彼女は余裕の笑みで見下ろす。
「さて、そろそろ次に進むとするか」
木綿季と藍子に絞られ尽くされて意識を失った後、彼は小学生くらいの背丈になっていた。現代の中学校の生徒開室を思わせる場所だ。
目覚めた彼は辺りを見回すと、不意に自分が狐耳を思わせる髪型をした金色の髪をした少女が声をかけてきた。左右には木綿季と藍子ではなく、ユウキとランが控えている。
「キヒヒ、今のお前には初めましてと言うべきか? 忠夫」
「すいません。貴方は」
そこまで言って横島は思い当たったことがありその予想を口にした。
「もしかしてメタリカさん」
そういうと金色の少女は嬉しそうでありながら、僅かに不満もあるような顔になった。彼女が手を振ると中学校くらいの姿になって、歳に不相応の乳房が揺れる。
彼女が合図するとユウキとランが左右から彼を押さえつけた。メタリカが杖を振ると不意に生徒開室が外の世界と切り離されてかのような感覚が起きる。
「この世界での記憶を全て消したからしょうがないが、私を呼ぶ時は呼び捨てか、もしくは様を付けろ」
メタリカはもう一度杖を振ると彼の衣服が消失した。彼女は笑いながら説明を始める。
「横島、ここはお前が嵌っていた児童向け漫画、陰陽師少年の同作者の作品、『魔術ダンジョン冒険奇譚』の世界だ」
それを聞くと横島の気分が少しだけ軽くなった。この世界は陰陽師少年の続編という訳ではないが、世界観的につながりがある。陰陽師少年がバッドエンドになると続くことがない世界だったはず。陰陽師少年がハッピーエンドで終わった後に、
様々な霊的異物が残りそこから西洋、東洋善悪関係なく無差別に全ての霊的存在が活性化し、人々の意識が混じりあって生まれる異界のダンジョンを攻略して、時には悪霊や妖怪の被害を抑え、
時には妖怪と共に出現する宝などを持ち帰ってくるというものだったはず。設定を思い出して安心した彼に、メタリカが笑う。
350 :
名無しさん@狐板
:2022/04/01(金) 23:03:35 ID:GQH0SHDw
「お前は没落中の陰陽師の家の出で不治の病に犯されていたワタシ達の守役件ダンジョンの同行者だった」
メタリカとユウキとランこの三人は病気でありながら神秘的な力の素質などがすさまじかった為出現したダンジョンの攻略に駆り出されたこともあった様だった。
「で、お前がダンジョンで無茶しながら私達の治療薬や回復させる魔法を探したおかげで、助かったという訳だ」
そういうとメタリカは緑色の液体を彼の分身に塗り付けた。メタリカ自身の指使いとそれに込められた魔力が巧みだったこともあるが、
緑色の液体の与えてくる媚薬の様な効果が彼を狂わせる。だが緑色の液体の与えてきた快感が脱力を覚えさせ指一本動かすことすら辛い。メタリカはそれを見下ろしながら笑う。
「忠夫、ワタシはなお前の通っている付属小学校の中学、黒曜中学校生徒会長にしてリリス会サバト会長の魔女メタリカ様だ」
それを聞くと横島の顔色が変わった横島が子供の頃滅茶苦茶尊敬していた。正義の主人公の最悪の敵一派だったはず。番外編が色々な都合で没になったが、十代後半になってもその設定資料を買うくらいにはこの話が彼は好きだった。
「お前を支配して、戦わせるかそれとも精と霊力を搾り取って私達を強化してもらうか、キヒヒどちらにしようか? 現実逃避ではなく真剣にこれは夢でただのプレイかもしれないとか思っただろう今」
横島は自分の内心を言い当てられたことで余計にこれは夢かもしれないという予感が強くなった。
「そうかもしれんが、小説や漫画を描いている人間は実際に異世界で起きたことを無意識でキャッチして書いているという説もあっただろう。 私は幾つものパラレルワールドも繋げられるここが本当にお前が子供の頃読んだ漫画の世界じゃない、なんて保証はどこにある?」
「なぜこんなことを?」
「なに。お前が子供の頃フィクションの世界では一番好感を持った相手にワタシたちの女としての魅力が勝るか知りたかったと言えばいいか」
そういい終わるとメタリカは横島の分身を緑色の液体のついた足で踏みつけた。それを受けて射精した彼を見ながら彼女は笑う。
「昔は近づいただけで死者が出るほどの毒の沼だったが、今では完全に男を支配する魔術の沼だ。効くだろう」
「あ、ああ」
横島は強すぎる快感と女性に主導権を握られる性行為は恥ずかしいというこの世界での常識が急に頭に浮かび上がってきたことで言葉を発せなくなった。そこに楽しそうなユウキとランがインプの耳をさらしながら言う。
「メタリカ様―! せっかくだからあれやろうよ、あれ」
「ワタシもそう思ってたところだ。さて行くか」
メタリカが横島を掴み呪文を唱えると一瞬で彼はプールの様な所に移った。緑色の液体を見てこれはメタリカの沼だと理解した。楽しそうなユウキとランが飛び込んでくると、彼女達の力が一気に上がったのが分かる。
沼に入った途端脱力感と果てしない快感の中にいる彼を二人は笑いながら追い込んでくる。彼女達が泳いだ程度の振動ですら、射精を招きかねない程に彼の体を刺激した。 その状態の彼をユウキとランは二人係で弄び始める。
時には玉袋を揉みしだき、乳首に吸い付いてきたりする。彼が絶頂を迎えかけた時に二人は沼の水の動きでそれを察知でもしているかの様に口か秘部で受け止める。
その度に彼は、悲鳴を上げる。二人は敢えて横島を快感にならさない為にこういうやり方をしているようにも思えた。メタリカが合図を出すとまともな思考ができなくなり、沼に沈みかけている彼をユウキとランが引き上げ左右から拘束してくる。二人は手と魔力で動かす沼の水で彼に愛撫をしながら、メタリカを見上げさせた。
「どうだ?気持ち良かいいだろう。 過去の正義とかヒーローとかどうでも良くなってきたか?」
首を横に振るとメタリカは楽しそうに笑った。
「そうだな。だからこそ――弄び甲斐がある」
メタリカは沼から出た液体を僅かだけ取り出すとローションの様に使いながら彼を愛撫した。塗り込められるたびに沼の中に放り込まれたのとは別の快感が彼を襲う。そして彼女に押し倒され彼女と一つになった瞬間、
彼の魂は快感の底なし沼に捕らわれた。メタリカの秘部は酷薄そうな口調とは裏腹に優しいどこまで捉えてくる底なし沼を思わせる快感を彼の分身に与えてくる。そして彼はその激しい快感に自分がどんどん沈められていると感じた。ユウキが手に沼から取れたローションの様な液体を持ちながら彼の玉袋を強く揉んだ。
「忠夫、ほらもっと頑張ってメタリカ様を楽しませなよ。夜が弱すぎてすぐ飽きちゃうぞ」
「飽きたりはしませんけど気概を見せてほしいと私も思います」
ランが優しいがどこかバカにしたような声を出しながら彼の玉袋をユウキの後に撫でる。
ランの優しいがバカにしたような目とユウキの残酷な遊びをする無邪気な子供の様な瞳に屈辱感を煽られつつ、分身がカチカチになる当たり自分はもう末期だと横島は思った。
メタリカが彼を抱き乳首や肛門の近くを沼の液体を塗りたくり、それに続く形でユウキとランも同じことをする。彼はそれを受けるたびに何度も堕ちてイキ射精の度に自分の分身の内部に入った沼の液体と精液が混じり危ない変化を起こしている感じがした。メタリカは何度も彼を犯しながら笑う。
「キヒヒ。変態、気づいたと思うが私達を抱けば抱くほどお前の大好きなヒーローが振りなっていくぞ」
沼での情事の後横島は、何度もダンジョンの捜索に連れていかれ手柄を立てて彼女達の勢力を盤石にして、今でも大好きなヒーローたちを不利にする程彼女達に過激な快感を与えられた。そしてそれを繰り返し終えると再び意識が落ちる。
その後横島は何度も転生らしき体験をした。時には人形の魔女アリスの使い魔となったユウキとランに英雄が受けた恥ずかしい逆レイプを人形劇の様に再現させられ堕とされたし、ある時は女王国からだけではなく、
女権国家の住民からさえ高評価を受けた女権国家と戦う仮想戦記漫画、『王国の守護男神』の世界でジェラートとランとユウキそしてその配下達に輪姦され、
ユウキとランは花の魔術で強化され彼を種類の違う花の力を借りて何度も嫐った。そして彼女達に堕とされて王国と小学生だったころの自分の中の英雄を裏切らされた。
ある時は『陰陽師少年』の続編である『魔術ダンジョン冒険奇譚』のさらに後世が部隊の作品、『ジパングの夜の守護者』の舞台でエヴァンジェリンに大人形態と子供形態両方で嫐り尽くされ血と精と誇りを吸われ尽くした。
『少年騎士道』物語の世界ではヴィヴィオやその配下達に輪姦され。敢えて武力ではなく快楽で屈服させられた。
351 :
名無しさん@狐板
:2022/04/01(金) 23:04:58 ID:GQH0SHDw
その転生を終え尽くした後、彼はある廃墟と思しき荒野にいることに気づいた。この荒野は澄んだ場所でありながら、その先にはいくつかの美しい廃墟めいた建物が見える。吸血鬼が済んでいそうな洋館に、
迷宮を思わせる様々な劇画上演できそうな劇場。神殿の様な豪華な城。そして品のある遊郭の雰囲気をしたジェラートの城。ユウキやランと遊んだ場所や泊まり込みで、過ごした幼少期の村や、
、固まってできたような集落もある。さらには虫の沢山いる森などがある。彼は辺りを観察した。明らかに今までの、夢とは違う。今の自分は捕らわれていないし、女権国家で過ごした時の年齢になっている。さらには完全に自由自在に動ける状態だ。怪訝に思う彼をメタリカは見下ろしながら言う。
「忠夫、お前くらいに霊的な知識が深ければここが死後の世界だと分かるだろぉ。ここは『元終わりなき自由冒険都市』お前が負け続けたおかげでパラレルワールドに変換が起こり続け遂にはあの難攻不落の都市が落ちた。
おやおや青ざめているな。流石に自分が快楽に溺れ続けて彼の都市を滅ぼしては寝覚めが悪いか。安心しろ、ここは夢の世界。集合無意識の世界でもある。まだ予言という形で滅んだにすぎない。だからこそ、この夢幻の迷宮を踏破して予知夢でもある悪夢を滅ぼせば予知夢はただの泡沫の悪夢に変わる」
「どうすれば良いんだ」
「死に覚えゲーみたいなこの神殿や都市を越えて、全てのボスを倒せば始まりの夢、全てのパラレルワールドをかき集めた私が作った影響は消える。夢だから何度死んでも、折れない限りは何度でも挑戦できる安心するが良い。ただし気を付けることだ。
負けるたびに激しい快楽が襲ってくるかつての逆レイプの再現の上に、そこで折れてしまわないようにな。この迷宮の魔物達はお前の夢、お前の逆レイプされたい願望が強さの元だぞ、キヒヒ」
横島はそれを聞き、迷わず人形の魔女アリスのステージだと思われる劇場に挑んだ。
そこに着いた時、アリスの下僕となった自分の人形にあっさりと彼は敗北してしまい。脳天に雷が落ちた様な快感に目を開くとアリスに騎乗されていた。彼女はいつもの様に糸で彼を操り、彼が受けた歴史に残った逆レイプをしながら言う。
「忠夫。今回の人形は貴方の私達に嫐られたいという感情がエネルギーだったけど、あっさり負けてしまった気分はどう」
「自分が末期だと思った。でも諦めない限り次があるんやろ。ああー!」
アリスの与えてくる優しい快感に屈し射精した後、彼女は笑いながら服を着こみ始めた。指一本動かせない自分との差を否応にも感じさせられる。彼女は横島に服を着せながら言う。
「そうだけどこれじゃあ先は見えているわね。閨でも手加減してあげるから。早く挑戦しに来てね」
ペットの犬にこっちに早く来てという様な口調に屈辱感を覚えた彼に、アリスは笑いながら言う。
「貴方がこの世界を絶対にクリアできないなんて、私達は誰も思ってないわ。ただ負けても私達には損失はないし、貴方が本気で望むなら戻すから安心して」
アリスの言葉になぜか『無意識を操られた』かの様に安心できず負けてはだめだという思いが募りながらも、彼はそのまま入り口に戻された。その後、リグルの森で負けた後は、ダンジョンを護る虫型モンスターの父親にされていた。
「忠夫―君と同じく、夢幻の迷宮の被害を止めに来た皆さんを妨害するモンスターの強―いのが生まれちゃうよ。 ほらほら射精を我慢すればちょっとはましになるから、頑張れ♪頑張れ♪」
リグルの馬鹿にし尽くした声で余計に激しく配下に射精した後、再びリグルに押し倒され彼は何度も果てた。
「ボスモンスターである僕まで強化してどうするんだい? そんなに女権国家の男性の死後の安寧地まで壊したいのかい? それとも背徳感が余計に君を興奮させているのかな」
全てのメンバーに逆レイプを受け終えた後、ユウキが笑いながら声をかけてきた。
「大丈夫だよ忠夫これは、夢で『嘘』だから。『横島は夢幻の快楽地獄のダンジョンを踏破し、死後の世界を護るようです』なんて始まるわけないよ」
ユウキがそういうと彼の視界が真っ暗になった。
横島が目を開けるといつもの情事の後であることに気づいた。あまりに消耗に首を動かせない彼が、当たりを見回すと、メタリカをはじめ彼に好意を寄せてくれた女性全てが情事の後の様になっている。吸い取られ尽くした自分の霊気を見て、
かなり激しく絞られたのだと思った。昨夜の情事はあまり思い出せないが、今までにない背徳感と屈辱感がありそれが激しい快感を送り込んで来たことだけは覚えている。 動けない彼を見るとジェラートが布団を再びかけてきた。休めということだろう。彼が目を閉じるとゆっくりと意識が落ちて言った。
横島が眠った後、ユウキはメタリカに礼を言っていた。
「メタリカありがとう」
「キヒヒきにするな。お前とは付き合いも長いし、一番気に入っている女友達だからな」
今回の情事に関してはユウキがメタリカに深く頼んだ様な所があった。子供のころカンカンを読んで、横島が悪の女幹部のファンになったのを見て、ユウキは妙に腹が立っていた。だが自分もその作品のファンになり、主人公がその女幹部の誘惑を振り切り、
魅力で負けているヒロインを取ったのを見た時は、横島にもそうしてほしいと思ったが、今は違う。自分があの女悪役達と同じ立場に、なり彼をあの女達よりも深く魅了したくなっていた。これも女権国家の影響だろう。 メタリカは彼女のその望みを快諾し、
平行世界の情報なども多少は読み取れる力を使いそういう夢幻の部隊を整えてくれた。彼女の一度身内にしたものへの甘さが良くわかる。 笑うメタリカ相手にユウキはなんとなく口を開いた。
「でもエイプリルフールの嘘とは言え、忠夫には少し悪いことしちゃったね。自分が欲望に溺れ続けた結果、終わりなき自由冒険都市を滅ぼした戦犯だと思い込まされちゃうなんて。本当はただの適当設定でしょう?」
それにメタリカは真顔になって答えた。
「キヒヒ。そうでもないかもしれんぞ。夢などの無意識世界は多少はオカルト的には神界などと繋がっている。そして漫画の世界などと同じようなことが起こった世界は多数ある。
私は誰かが色欲に溺れたせいでほろんだ世界の欠片を集めてあの夢幻のダンジョンを作ったのさ。そこで忠夫がそういう役割を持った男たちの記憶を多少共有していたり、あるいはその役になる様に仕向けることもできる」
「それじゃあ。夢の中のやり取りは本当の事なの?」
「『嘘』だから安心しろ。仮に本当でも元々滅ぶ世界だった上に忠夫がクリアすれば運命は回復する仕組みになっている。おしまいだった世界にチャンスを与えているから気にすることはない。最も『嘘』というのが『嘘』かもしれんがな」
「メタリカ、僕達に滅んだ責任がゼロでも流石によそ様の世界が滅びる様な事を性的な遊びに使うのは」
ユウキの言葉にメタリカは笑いながら横島を撫でながら答えた。
「仮に『嘘』でなければこいつがクリアできないと思うか? お前も私の使い魔をやった時にパラレルワールドのこいつのことを見ていただろう」
ユウキはそれを聞きユウキは黙った。いくつかのパラレルワールドの経験を疑似体験した時、『魔術ダンジョン冒険奇譚』に限りなく似た世界では、横島が塔は不可能と言われたダンジョンをクリアして持ち帰った薬のおかげで自分たちは助かったのだ。
絶対にクリアできるというメタリカの言葉を不思議と疑う気にはならなかった。本当に『嘘』か訝る自分を他所に眠る横島の頭を楽しそうに撫でるメタリカを見ながら、ユウキは深い付き合いがある自分より、まだ距離のある彼女の方が見えている部分もあるのかもと思った。
352 :
名無しさん@狐板
:2022/04/02(土) 02:02:25 ID:0D8QM6RI
乙
何だかんだ言いつつ横島を評価し、信頼しているメタリカ良い・・・
以前の本心を言った(言わされた)さとりといい、そういう本心があるからこそ歪んだ愛情表現がより映える
353 :
名無しさん@狐板
:2022/04/02(土) 15:12:32 ID:BPLpWz+R
おつでしたー
354 :
348
:2022/04/02(土) 23:02:16 ID:rgcpub8b
>>352
乙と感想ありがとうございます。超常的な相手でも惚れていてもらえるシチュが自分も好きです。
>>353
乙感謝です
355 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:12:24 ID:5AOAdM2e
これはひどい真・女神転生if 飽食界編
これは女神転生ifと女権国家のクロスSSで
>>259
から
>>276
の続きです以下の注意があります。
@魔石はマグネタイトを固めて作るというのは公式設定でない可能性があります。昔どこかで読んだけど、設定本か攻略本かどこかのホームページか覚えておりません。
A女権国家の冥府勢力がかなり強く設定されています。
Bエヴァの血を吸った際にできることは一部の吸血鬼小説の設定であり、普通に強い快感を与えてくるだけなど多岐にわたるのでこのSSではそうだというだけと割り切ってください。
横島はアリスの人形劇で初代高島の人生を経験してから、ひたすら前世の体験で覚えた剣を馴染ませるために悪魔達との戦いや、闘技場での戦闘と教導そして天狗との修行に没頭していた。
あまりにもひどい屈辱とそれを思い出すごとに下半身が反応する事実が余計に彼の恥辱心を煽った。
そんな状況下で彼にとって一番の気晴らしになったのはジンとの闘技場での模擬戦だった。ジンの爽やかな気を感じ取りながら剣や拳をぶつけ合うと、屈辱や情けなさ、そしてそれがもたらす快感と被虐心を忘れることができる。
仲魔を率いての戦いをジンと何度かしてみて分かったが、彼の戦い方は当たり前だが、赤根沢玲子と別れる前の青木と似ている。ただ青木より敵を討ち滅ぼす速さによっている感じがする。横島が速さに優れた万能型なら、
青木は速さ特化でありながら他の能力も高いため万能型と誤認される指揮官だ。
ジンとの仲魔を率いても模擬戦は最初の速攻をかけてくる5分が特にきついと感じた。指揮官として能力比べは今の所は最初の5分だけは互角だが、もう少し立てば、最初の5分だけはジンにも勝ち目がある様になり。
さらに時間がたてば、最初の5分をしのぎ切れば横島の勝ち、できなければジンの勝ちになる。
そして最後には、最初の5分をしのぎ切れば、横島が勝つことが多い、となるだろう。
久しぶりのジンとの一騎討ちの闘いの中で毎度のことだが今までで一番の苦戦をしていた。
それはジンの手に握られる新たな名刀によるものだった。
ジンはあれからもゴブリンの剣を手に馴染ませては横島に何度も挑みその度に横島は何度も苦戦していた。あのゴブリンとジンはどこにでもいる多数の種族の一人でありながらたまたま才能が有りとてつもなく強くなり偉業をなしたもの。という共通点がある為か、
そのゴブリンの半身だった剣は凄まじく彼と親和性が高かった。ジン専用の剣を作るまで自分は負けることはないと確信している。負けることは絶対にないが、それでも彼があの剣で幾つもの命がけで苦難を乗り越えてくる度に苦戦の度合いは上がるだろう、という確信もあった。
今日の闘いが始まる前に、彼が新しい剣を持ってきたとき横島は自分が負けるかもしれないと直感的に思った。ジンは横島に礼を取ると言った。
「この新しく作った剣で勝たせてもらいます」
横島はその剣を見て感嘆の声を上げながら答えた。
「風神剣(ふうじんけん)か」
つぶやきながら横島は意外だという思いと自分が実際に見た風神剣より強いという感想を抱いた。風神剣は二種類あるがどちらも弱い剣ではない。むしろ強い剣だ。片方は剣合体と呼ばれる特殊な儀式で悪魔と合体して強化される錬気の剣の変化の一形態の中でも低レベルで作ることもできる為、
愛用者も多い。そしてもう片方も剣合体で同じように作られるが、選ばれた者だけが手にすることができるという、高レベルな天狗と合体してできる風神剣だ。横島の眼前の剣は横島が何度か見た風神剣よりはるかに強い。これは天狗と合体してできる選ばれた者だけが持つ風神剣に近い。
横島は覚悟を決めると、少しだけ楽しみに思いながらその勝負を受けた。
澄んだ金属音が響き渡り、横島の刀がぶつかり合った直後に距離が詰まると殴打の音が響く。
距離が詰まるとお互いの体術が激しくぶつかり合う。ぶつかり合いの度にジンの攻撃も横島に多く命中しているが、それにも関わらず下がるのは始終彼の方だ。
始終押しながらも、横島は今までで一番気を張り詰めていた。最初の一合を打ち合った時に、気づいたが、この風神剣は間違いなくあのゴブリンの剣を合体に使ったものだ。無名の雑魚悪魔が死に物狂いで卑怯な手を使わずに強者に上り詰め、
種族全体を強くするために使った名剣。この時点で、特殊な剣となる条件には十分だ。
あのゴブリンが率いた軍の様に強者との戦闘での苦境の強さを支える力がこの剣には確かにある。追い詰め切った時こそが最も危ない。そう思いながらも闘技場の端に横島がジンを追い詰めた。
横島は全ての渾身の力を込めて、彼ならば確実に防げる、だが受け損なえば死ぬ一撃を彼に放った。
ジンの手元の風神剣を完全に封じなければ安心できない。その一念がさせた判断だ。案の定ジンは風神剣で横島の愛女守を受け切った。だが次の瞬間予想外のことが起きた。風神剣は封じられたが、
一撃を受け切った直後にジンが片腕を剣から放し、凄まじい手刀の一撃を放ってきた。
その手刀を一目見た瞬間受ければ真剣で切られたように首が飛びかねない。そう感じ火事場の馬鹿力めいた力が沸き上がり、自分も片腕を愛女守から放し、全力の反撃を放った。
殺してしまうかも、そう思った瞬間、司会をしていたマイが一時的に力の封印を解き、二人とも吹き飛ばした。
「この闘い愚弟の負けね。異論は?」
「ないわ。教導官なのに、本気出させられた時点でもう負けや」
横島の言葉にジンは嬉しそうに笑った。
「やりました。これで次の魔界に心置きなく行けます」
「脱帽したわ」
横島は意図せず本音を吐露した。自分はデビルバスターとして追い込むような修行を始めたのは青木師匠とあった半年感が主だったが、マイの役に立つために子供頃からサマナーの世界に飛び込む準備の修行はしていた。
その自分がここまで追いつめられるようになるとは。最もそういう感傷も大した意味がないが。 悪魔と戦い打倒すれば大半の人間はある程度は覚醒する。 その際の生存率を最初の登竜門を潜れるかどうかが幼いころからの訓練などが分けやすい。
目の前のジンも大量の悪魔を倒し死に物狂いで己を磨いてきた以上、余程の名家か、神々の血を引くサマナーでもなければ、そこまで差は生じないだろう。だが前世から己を高め続けた自分がここまで本気を出すことになったことに僅かな時間とは言え教官を務めた、身として嬉しさがある。
だが今一番気になったのはジンの最後にはなってきた手刀の一撃だ。あの一撃を見た時、不思議な既視感があった。
戦いが終わり、嬉しそうな様子のジンに横島は意を決して聞いた。
「なあ、最後にはなったあの手刀あれは誰に習ったんだ。似たような技は俺も使っているけど、あれは初めて見る」
「ああ、あれですか。実を言うと女権国家出身の悪魔から教えてもらったんです。仲魔じゃないけど見込みありって見なしてくれたみたいで。闘神ジャギって名乗っていました」
その名前に不思議な嬉しさと親近感を覚えながら、横島はふと思った霊気や気を使い身体能力を強化したり硬化させる技は自分も得意だ。だがジンの放ってきた最後の手刀はもしかしたら自分が前世で学んだ技かもしれない。
あの技を前世で学んだから、自分の得意な格闘技も定まったのではないだろうか。
ジャギの名を聞いた瞬間、ひどく懐かしく嬉しい気持ちが湧いてきたのは恐らくは前世の影響だろう。その横島にジンは続ける。
356 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:15:48 ID:5AOAdM2e
「あの人、俺にいきなり弟子入りを進めてきて、北斗神拳って拳法の一般教授が許されている基礎と、南斗聖拳という技を教えてきました。 明らかにライトよりの悪魔だし強くなれるなら何でもありだから承諾しましたけどね」
「そうか。俺も俺用の飽食界が完成したらしいからこれから行こうと思う。次合う時は教導官じゃなくて、対等な相手として訓練しあうことになるだろうな」
「そうですか。手加減のない横島さんに勝つのは難しそうですね。素手の技ならジャギさんに習ってみたらどうですか? あの人貴方の前世に恩があるから返す機会を待っているみたいなこと言ってましたよ」
「そうなのか。機会があったら頼んでみようかだが、恩返しを指導を受けるので使ってよいものかな? 他の姉ちゃんたちがやばい時に援軍に来てもらうとかの保険の方がいい気もする」
「確かに強力で善良な悪魔に対する貸しは返してもらう形やタイミングも考えた方が良いですよね。損はしないけど、一番効果的な形が一番でしょうし」
「ああそうだな。 それと少し気になったんだが、ジンお前の剣を仕上げてくれたのはやっぱり夢子さんか?」
「いえ。彼女でも出来たかもしれないけど、他の妖怪がやってくれました。リグルって名乗ってましたね」
それを聞き横島は驚いた。確か医療の女神であるアレクシアの主君でもあったが鍛冶の事までできるとは。彼女はかなり手が広い様だ。
「そうか。この試練を越えて高校が元の世界に戻ったら一緒に戦うことになりそうだな」
「その時を楽しみにしています。 教導官の殻は壊せても、そこから先が長いんだろうなぁ。 玲子さんの為にも頑張らなきゃな」
きちんと礼を取ると疾風の様にかけていくジンを見て、横島はこっちも爽やかな気持ちになれていることを自覚した。マイの為にこの業界に入ったが、良いこともあるがきついことの方が多い。
だが憧れの師匠の若き日の現身と友達と弟子両方を兼ねた様な関係になれたのは他の業界では絶対に体験できない事だったなと思った。
横島は霊波刀と愛女守を構え 適食のリングを封印の間で開いた。不意にマイの方を振り返る。
「姉ちゃん。校長先生の方には目を光らせてあるか?」
「ええ。青木さんの時はあの人は良い校長とは言えなかったけど、寄生虫の悪魔を入れられてオーカスっていう豚の姿の悪魔に変えられていたんでしょう? 悪い校長だったとしても、そこまでの仕打ちを受けるほどじゃなかったと思うわ。それにここでは良い人だしね」
横島は恥ずかしそうに頷いた。 この世界の校長は平行世界から反省の意思が流れ込んで、良い校長であろうとした校長の集合体なのか、教師としてかなり真面目に頑張っていたことをジンから聞いた。
以前から青木のいた世界線よりは良い校長だとは思っていたが、すごくいい教師だと知ってからは守るべき対象として優先順位が上がっている。青木の世界の記憶を見て先入観が入って過小評価していたことが今ではバツが悪い。
校長は今では、戦う術を積極的に学び強くなってきた生徒達より守るべき相手として見ている度合いは強いかもしれない。魔界のゲートが広がり飽食界の扉が開くと、横島は迷わずその扉を開けた。あとからジャックフロストとジャックランタン木綿季と藍子も続く。
扉を開けると、横島はまたしても青木の事件の時と異なり過ぎる魔界の内装に驚いた。青木が挑んだ飽食界は、大木の中にある家の様な所で壁いっぱいに蔓の様な植物に満ちていたが、ここは月光満ちた自然豊かな庭園を思わせる森だ。無数の木々が迷路の様な役目を果たしている。
横島はどこまでも美しい月と森を見た後、背筋が凍るような感覚を味わった。 このどこまでも美しく人を魅了してやまない夜の美と恐ろしさを詰め込んだ異界、
この主人は間違いなくこの異界に相応しい格を備えているだろう。横島は仲魔全員とはぐれない様に心がけながら前に進み始めた。 月の下を歩きしばらく進むと月光の下で月の光を浴びて輝く噴水にたどり着いた。
その前には神綺の像がある。 横島は構えを解き憩いの場所だと思いながら、神綺の声を聞く準備を始めた。少し時間がたつと魔界神の像が動き出した。
「え〜と、人は美味しいものを食べたい好物ならなお貪ってしまうこともそれは食事を楽しむ上での、感情あるからこその行為です。だからこそ残さず食べることが大事だと考えている人達もいます。
心身の健康に取って最高に良い物だからと乱獲されたり食べられすぎると、個人であれ種族であれ、される側からしたらひどい迷惑よね。 つまり何が言いたいかというと、忠夫ちゃんごめんなさい」
「ついに説明からワイへの謝罪になった!?」
謝罪の言葉にあまりにも誠意が籠っていた為、自分はどれだけ凄い目に合うのかと不安になりつつもう少し鍛えた方が良かったかもと、不安になる横島をよそに神綺の発言は続く。
「忠夫ちゃんがあまりにも活躍し過ぎて、飽食界担当の『今』ですら娘が気合が入っているから気を付けて。多分貴方は選ばないでしょうけど今回に限り貴方は貪られることを避けることができる道もあるわ。
貴方は選ばないでしょうから、あまり格好いい姿を見せ過ぎない様に気を付けて。 最も無理かもしれないけど」
そこまで言うと神綺の像が崩れ落ちた。 横島は割と本気で頭が痛くなってきた。今回は自分が貪られる飽食界となるとは。ある意味予想通りだ。頭を抱える、横島に木綿季が笑いながら声をかけてきた。
「ははは、神綺様は相変わらずアドバイスになってないアドバイスしかできてないね。あの人は大切な時しか、為になることを言えないタイプだからね」
木綿季の明るい声で気分が上向きになったところで、藍子が慰めるような言葉を言ってきた。
「もしも折れてしまっても、私達がこちらの世界の事に対しては最善を尽くしますから気楽に試練に挑みましょう」
鼓舞する木綿季とは反対の藍子の声は優しいのにどこか撫で上手な飼い主がペットを脱力させるような感じで背筋に響いてくる。横島はそれを務めて無視すると前に進みだした。
357 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:20:28 ID:5AOAdM2e
神綺の像があった場所を越えると早速、飽食界名物オークが出てきた。剣を構えた瞬間、横島は息を飲んだ。オークは基本的にはニュートラルだが、種族はダーク悪魔だ。だが目の前のオークたちはどちらかと言えば悪魔としての種族は聖獣に近い感じがする。
彼らはやや脂肪が多いがそれでも、鍛え抜かれていることが分かる体をしており斧や剣を構える姿は統率のとれた騎士団を連想させた。一目で楽には勝てない相手だと理解し剣を構えた。
戦おうとする横島の前に戦闘のオークが進み出てきて、言葉をかけてきた。
「横島殿、われら今回は貴殿が高みに行くための試練の相手に指名されました」
明らかにダーク悪魔のオークの口調ではない。女権国家世界のオークと混じり変質を遂げている様だ。横島は戦闘態勢を解かないものの軽く礼を取り、口上が終わるまで切りかかる意思がないことを示した。
「飽食界、必ずしも貪られるのは貴殿だけではなく、我らも含まれております。これより飽食界の主の補佐であり、貴方の刀の作成に関りしヴァーミン・クイーン・リグル女王陛下のご来場です」
その言葉が終わると不意に無数の蛍が辺り一面を覆い始めた。青白い月の下に映える庭園が緑色と黄緑の蛍美の乱舞に包まれ、月光の輝きが余計に映える。ひと際強い光を放つ蛍の群れが噴水の下に集いその乱舞が終わると、
そこに蛍の光を思わせる髪をしたあどけなさと威厳を併せ持った少女がたたずんでいた。
彼女は横島を見ると心底嬉しそうな柔らかい笑みを浮かべた。
「横島、久しぶり。リグル・ナイト・バグ。君の配下にして蟲妖怪を統べる女王。東洋での名は通り名は蛍光姫(けいこうき)。そして東洋で親しき者だけが呼んでいた名は蛍(けい)君を後悔させないための試練を与える役を請け負って参上したよ」
リグルは笑みを浮かべて横島に抱き着いてきた。見た目は横島の対象外の少女なのに、問答無用で男を操り獣に変える色香の様なものがにじみ出ていた。横島はそれを振り切ると言葉をまった。
甘ったるい雰囲気がしばらく続いたが、不意にその気配は消えリグルが横島に声をかけてきた。
「横島、一応聞くけどこの魔界がいかなる意図で作られたかはもう理解しているよね」
「ああ」
「それじゃあ聞くけど、マイさんやアリスや夢子さんやエヴァさん達みたいに僕達の事も信じてくれる」
「少なくとも敵対してない人間や罪のない人間にひどいことはしないってことは疑ってないぞ。この魔界も俺を強くしてくれるためだ、ということは信じている」
「それなら十分だよ。 それでいきなりだけど、君の愛女守を剣合体で強化して僕と夢子さんとアリスさんで強化するのが今回の目的だよ」
「今の所は愛女守に不足は感じとらん。これより良い剣をいきなり与えられても、剣が俺の腕に勝りすぎて強くなれん気がするが」
横島は答えながらも、目の前のリグル相手に僅かな警戒心さえ抱けない事に気が付いた。この発言も最高の武器を、敵かもしれない相手に渡す警戒心でからではなく、純粋に言葉通りの懸念しかない。やはり彼女も前世では自分にとって良い妻だったのだろう。
「横島大丈夫だよ。君の成長を促進することに特化した剣に変じさせるから。むしろ今より成長速度は早くなるよ」
「横島様。リグル殿の言うとおりにすればより早く強くなれます。それは間違いありません」
不意に響いた声に振り替えると、アリスと夢子がいつの間にか来ていた。二人の青と赤のメイド服に身を包んだ二人はやはり、朝や昼より夜の方が映えると横島は思った。二人は優雅に一礼すると横島に対して言葉を続ける。
「最初は私達でこの世界の女性に貴方が奪われるかもという恐怖で、横紙破りをしましたが、今では半分くらいは貴方を後悔させないために動いています」
夢子の言葉をアリスが引き取って続ける。
「前世の力を再現するだけではなく、今生の貴方の糧とするための剣を作ることにかけてはリグル殿が最も適任なのです」
夢子の言葉を聞くとリグルは嬉しそうに笑いながら、弾んだ声を出した。
「鍛冶に関しては夢子さんから褒めてもらえると本当に嬉しいよ」
「事実を言ったまでです。私が師匠を務めたというより、技術を交換し合いましたが、得意分野に限ってはリグル様の方が上です」
「ほんの少しだけどね」
夢子の宣言を引き取った後リグルは横島に笑顔で近づきいう。
「僕の鍛冶師としての腕は、折り紙付きだと思うよ。もう横島は僕の打った剣を見ているから」
「ああジンの剣を見てみたけど、あれは凄かった。それに夢子さんがそういうのなら、俺を成長させる武器に関してはリグルちゃんが一番なんやろ」
リグルは笑顔で頷くと横島の愛女守を受け取り、時折緑と黄色に輝く水にぬれたような美しい刀を持ってきた。
「その剣は」
「これは蛍守(ほたるもり)君の前世の内の一人が、僕を護る為に振るった剣のレプリカさ。 最も僕がこの世界に来てから打ったから偽物とはいいがたいかもしれないけどね」
横島は蛍守を見ていると体の内部が熱くなってくるような錯覚を覚えた。この剣を振るい女殺しの魔物達と戦い続け夜をかけた日々を自分の魂が覚えているのだと、感じた。
リグルは横島から愛女守を受け取るとその剣をもって魔法円の上に置いた。横島はそれを見て驚愕した。この少女は剣同士を合体させる剣合体だけとはいえ、業魔殿や邪教の館の施設無しで出来てしまうのか。リグルが呪文を唱えると、
蛍丸が蛍の光を強めたような翡翠色の光を帯び始め、そして少し時間がたつと剣そのものが光で出来た剣へと変わった。そして翡翠色の光で出来た剣は、無数の光を放出し蛍の光の様にばらばらになって、愛女守に降り注いだ。
愛女守も翡翠色の光に包まれ輝き最後にひと際太い光が当たると、蛍守は消え去り、翡翠色の光を僅かに帯びた愛女守がそこにあった。
「来国衛(らいくにえい)愛女守だよ。持って行って」
「おお。ありがとうな。来国衛ってのはリグルちゃんの職人名か?」
「うん。 来国は僕が鍛冶を始めるきっかけになった文字なんだ。それにあやかってなのったの。この世界に蛍丸(ほたるまる)って刀があるでしょ。その情報が女権国家のある世界に流れ込んできて、僕も鍛冶ができるんじゃないって噂が広まったから、
やってみたんだ。最初は君の刀が傷んだ時とかに蛍を送って補強してただけだったけど、剣の知識を仕入れていくうちにやりたくなっちゃったんだ」
横島はリグルから剣を受け取ると幾つもの戦いが頭の中に浮かび消えていく感覚が走った。そしてそれを終えると、リグルは輝くような笑みで言葉を告げた。
「これで私、来国衛の役目は終わり。ここからは飽食界の主の助手として動かせてもらうね。忠夫、必ずその剣で高みに来てくれると信じているから。それじゃあその来国衛・愛女守の初陣だ」
リグルが手を鳴らすと無数の金槌坊とオークの群れが剣や槍それぞれの武器を引き抜きこちらに向けてきた。月の光できらめくその美しい刃渡りの刃を見て新たな愛女守を取った横島には、彼らの剣がリグルとその配下の作であると分かった。
金槌坊達が槍を構え、オークが剣を抜いた時、マイがアレクシアを召喚した。彼女は呼び出された瞬間に、リグルに向けて敬意を込めた礼を取った。
358 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:22:59 ID:5AOAdM2e
「リグル様、外道であった私を蟻妖怪の女王へと育ててくれた、女王に至る前の分霊ではありますが記録にはあります。貴女の教育を幾ばくか受けた身として恥じぬ戦いを演じさせてもらいます」
「アレクシア、随分と女王らしくなっているじゃないか?確か君はアシュフォードの分霊のままだったよね? 忠夫たちと共に魔界を駆けて変わったのかな? それともレベルが上がるごとにクイーンアントの姓を得る直前の頃の精神状態に近づいたのかな?」
昔の親戚を見る様な目でリグルが言葉を継げるとアレクシアは触手を腕に巻き付け剣の様に形作り、仲魔達と共に構えた。 木綿季が刀を抜き藍子が長巻を構え、トゥルダクが二刀の剣を抜き放ち、マイが冥妻天女の剣に霊力を集め始める。
リグルが手を振り下ろすとその、瞬間一気に金槌坊の群れとオークが様々な武器を構え切り込んで来た。
月下の庭園の下で切り合いが起り、横島はマイに指揮を任せ一人の兵士に近い形で前線で剣と術を振るった。 金槌坊の群れとオークの群れは双方とも似通った性質をしている。金槌坊達はありの性質の大力と統率があり、
オークたちも豚の持つ仲間思いという性質と、力強さで動く面が強調されている。
「彼ら本当に強いね」
かすり傷一つない木綿季が本心からの言葉を吐露した。戦斧や太い槍あるいは大刀それらを一太刀でも体に受けことはおろか、受け流すことに失敗すれば彼女は即座に退場させられかねない。 恐らくは何度も危ないと思うような場面があったのだろう。
彼女はそのスリルすら楽しんでいるようだが、相当に疲労をため込んでいることは一目でわかった。
藍子の方は魔術で筋力を強化して上手く切り合っているが彼女はオークの群れと優先的に戦っている。蟻妖怪もオークも仲間を大切に思っているのは一緒だが、オークは仲間を生存させることに重きを置く本能があり、
群れの為に仲間を敵もろとも打つようなことはしにくいようだ。逆に金槌坊は群れ全体の為なら、切り捨てることも切り捨てられることも織り込み積みだ。敵と切り合い鍔迫り合いをしていたら、その相手ごと貫かれて死んだ、
というリスクを減らすためにオークの群れを彼女は受け持っている様だ。金槌坊とやり合う時の方が多少無理をしてでも動きを速めているように見える。
今回の戦いではアレクシアが、獅子奮迅な戦いぶりを見せている。金槌坊の動きをよく知っているためかその明晰な頭脳で先を読み藍子の方に流れぬように誘導しつつ、自分自身も多くの蟻を屠っている。
横島は愛女守を構えトゥルダクと共に大勢の敵を切り払った。時々混じる、細めの武器を持つ敵が特に速い攻撃を仕掛けてくるせいか、攻撃の速度に対する対応が切り替わりいつも以上に疲れる感覚がある。
妖怪たちは横島一向に倒される度に蛍火の様な光を放ちそれが天に昇るとただの豚や、大き目の蟻の遺体となった。オークや金槌坊だった遺体はリグルが手をかざすと、即座にいずこかへと転移していく。
僅かだが遺体をどうするのか気になったが、自分の勘が警戒を告げない以上は少なくとも今の脅威ではないだろう。そう断ずると横島は戦闘に戻った。
群れの統率者を倒し、全ての敵を切り終えて息を切らす横島にリグルは拍手をして称えた。
「今生の戦いを始めて生で見たけど、やっぱり強いね。マイさんそれじゃあ、ここから先は予定通りで」
「ええ、そうするわ」
リグルの問いの頷いて答えるマイに横島は疑問を抱いた。この魔界は自分を鍛えるのが目的でもあると聞いたからマイが相手と協力することは珍しいことでもない。
「いったい何の話をしているんだ?」
「今回の世界ではパートナーを代わることにしたの。実は貴方を鍛えるために外のお客さんを呼んだんだけど、そのお客さんは貴方を強くすることは快諾してくれたけど。そのお客さんには私たちがけじめをつける意味で決闘裁判しなきゃだめなのよ。
下手するとそのお客さんに、私達殺されるかもしれないのよ。そのリスクを避けるために私が前線に立つ必要があるわけ」
そこまで聞くと、横島の顔色が変わった。
「マイ姉ちゃんはその俺を鍛える為に呼んだお客さんとやらに殺される可能性は低いのか」
「相性が一番いいのが私で、あの方の力が最も通じ辛いのも私なのよ。最も後者は本当に運が良かったというか偶然なんだけど。久しぶりに本気出さなきゃダメかもね」
横島はそれを聞き、さらに深刻な顔になった。マイのあの方という言葉には多少だが敬意があった。人格を尊敬しているのか能力を尊敬しているのかはわからない。だが後者なら絶対に容易い相手ではないだろう。 不安がる横島にマイはいつもの軽い口調に戻り言った。
「愚弟、私は無理だと思ったらすぐに引けるくらいには戦術眼が確かなのは知っているでしょう。 それにこれから貴方は東京崩壊を止めるために色々なことができるようにならなきゃいけないのよ。 止められなくても義理が出来た人たちの残したものは護るつもりでしょう」
「ああ」
「そうしたら私と離れて別々に戦わなきゃダメな事だって多いでしょうし、他の前世の嫁さん達をパートナーとして動かなきゃダメなこともあるでしょう。そして初めて会った相手と共闘しなきゃダメなことだって多いでしょう」
横島はマイの言葉に頷いた。こういう大切なことを言い聞かせてくるときの彼女にはいつも以上に逆らい難い所がある。 黙って聞く横島に彼女はさらに言葉を続ける。
「今生では初めてでも、前世で共闘した女性なら、完全に初対面の相手よりはまだ合わせやすいでしょう。ここで練習しておきなさい」
「分かった。姉ちゃん無理すんなよ」
横島の切実な声に、マイは上機嫌になっているのを務めて隠しながら、横島のパートナーの一時出来譲渡の準備に移った。
「アリス。飽食界のパートナーは貴女に任せるわ。木綿季と藍子とアレクシアは貴女に預けるから好きにしなさい。必要なら合体させてもいいわ。 ジャックランタン・トゥルダクとかのこの世界の悪魔は忠夫あんたが指揮を執りなさい。他のサマナーと共闘するときの練習よ」
マイに忠夫と呼ばれて、横島は本当に一時的とは言え、コンビを解消するのだな、という実感が湧いてきた。 マイは基本的にコンビを組んで戦う時は家の名字で呼ぶことで、家の代表だという意識を持たせて公の役目で動いていると横島に示していると言っていた。
私的な名前で呼ばれたことで、彼女を絶対に護りきるという決意が固くなった横島は、アリスを真剣な目で見て頭を下げた。
「アリスちゃん、この飽食界の踏破のパートナーよろしく頼む」
横島が真摯な言葉と声で頭を下げた時、アリスの頬が赤くなった。そして彼女メイドとしての礼で応じた。
「お任せください。全力を尽くします」
アリスがそれに答えるとマイは言葉を告げた。
「忠夫、今回の飽食界の攻略は貴方にとって色々と選択が多いし考えることも増えると思うから、私が一旦コンビを解消して対処に当たるお客様も、事情を知れば攻撃するのをためらうかもしれないけど、本気で殴っても相手に深刻な傷とかは残らないから安心しなさい」
そういうとマイと夢子はトラポートで姿を消した。横島は二人が消えた後を少し見据えた後、アリスに言った。
「アリスちゃん、それじゃあ行こうか」
頭を下げる横島にアリスは意を決した様子で言葉をかけてきた。
「横島様、今回の飽食界の試練に挑むためにパートナーとなる上でお願いがあるのですが良いでしょうか」
「ああ。アリスちゃんの頼みならできる範囲ならきこうと思うぞ。 能力的に無理なことならできんがな」
「横島様の能力の心配の必要はありません。今回はメイドとしての疑似人格である私ではなく、一度だけ貴方と話した、魔女である本来の人格の方で共に戦いたいのです」
「分かった。ぜひ頼む」
メイドとしての人格で動いている状態のアリスの力の凄さを感じさせられることも何度かあったが、本来の人格のアリスの方が今回の飽食界では力になると判断したのだろう。
359 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:24:05 ID:5AOAdM2e
アリスは一礼するとトラポートで姿を消した。そしてしばらくすると私服になり戻ってきた。彼女は輝くような笑顔で横島に語り掛けてきた。
「忠夫久しぶりに貴方と一緒に戦えて嬉しいわ。 最も荒事はあまり好きじゃないけど、遺恨の残らない戦ならそこまで嫌いではないから」
メイド姿のアリスとのギャップに戸惑っていると、不意にアリスが何かに思い至ったように頭を下げてきた。
「ごめんなさい。久しぶりに貴方と一緒に動けるのが嬉しすぎて、下の名前で呼んでしまったわ。マイ姉さんは貴方が許すなら別に良いと言ってくれたけど、まだ許可を取ってなかったわね」
「俺を名前で呼びたいなら構いません。前話したときは頼みごとをするときだったから抑えていたんですか」
アリスの態度の変化があまりにも大きかった為か、少しだけ丁寧な言葉で話す横島にアリスは笑顔で答えた。
「それもあるけど、久しぶりに貴方と一緒の戦えることが嬉しすぎて自制が効かなくなっているのもあるの。はしたないとは自分でも思うけどね」
「そうかそれじゃあ、早く飽食界に挑もうか」
そう口にした瞬間、アリスが横島の言葉に首を横に振った。 彼女のそのリアクションを見て、横島の頭に自分の精神状態はかなり危ういのかも、という考えがよぎる。
マイの身に危機が迫った時冷静な判断が下せなくなることに自覚はかなりあった為、自分への苛立ちを務めて抑えると、アリスの諫めの言葉と提案を聞くべく勤めて気を落ち着けた。
アリスは家庭教師の様な調子で横島に言葉をかけた。
「マイ姉さんが戦わなきゃいけない相手に敬意を払っていたけど、あれは能力じゃなくて人格の方よ。普段の貴方なら気づいたでしょうに、本当に貴方は親しい女の子の危機になると冷静な判断が下せないのね」
最後の言葉に愛でる様な響きがあり、自分を見てくる目に背筋がゾクゾクとしてくるのを、横島は感じた。全身が快楽をもたらす糸に絡めとられていく様な感覚だと理解した後、メイドとしてのアリスに嫐られている時に覚えていた感覚もこれなのだろうと思った。
股間に血が集まる感覚を覚えながら、横島はアリスの言葉の続きをまった。
「忠夫、そのお客さんは本当に危ない相手だけど貴方がいないとどうにもならないようなら、絶対にマイ姉さんは貴方も同行させたわ。そして姉さんは引き時や頼り時を誤るような人じゃない。それはわかっているでしょう」
「ああ」
「だから今はこの飽食界で強くなることをひたすら考えなさい。本当にマイ姉さんが危なくなったら、神綺様が事態の収拾に動いてくださるから」
アリスの言葉に横島は頷き、歩もうとしたが不意に動きが止まる感覚に襲われた。即座に周囲を警戒するが害意は一切感じられない。 アリスの方を見ると彼女の指から出た魔力の糸が彼の体のいたるところに入り込んできていた。
今までとは異なり一切異物感も操る気配も感じさせない術式だった。アリスは横島の目をのぞき込みながら言葉を紡ぐ。
「これから、この飽食界で貴方には経験や食物を食らい強くなってもらわなければいけないから。これからその為の儀式をしに行きましょう」
横島が本気で嫌がれば止めてくれることは糸から感じられる魔力でなんとなく分かったが、必要なことなのだろうと思いそれを受け入れた。
アリスはリグルと共に儀式場を思わせる寝台のある場所に横島を連れてくるとアリスが彼を糸で操り座らせた。
横島が座るとリグルが横島の目の前に来て、蛍火の乱舞を思わせる翡翠色の光に身を包んだ。 月の光を反射する光と相まって、美しく一瞬だがまぶしいと思われた光が消えると、目の前に翡翠色の髪をなびかせる女性が現れた。
穏やかそうな顔を形作る目鼻立ちは、どこか水の精霊や妖怪を思い起こさせる美を伴う造形をしている。彼女は喪服を思わせる夜の闇より深い黒とその黒をより映えさせる赤い裏面の外套の下に外套と同じ黒を基準としたドレスに身を包み月下の下で横島を見据えると、女王らしく礼を取った。
「この姿では初めましてだね。貴方と共に幾つもの生を駆けて成長した虫妖怪の女王リグル。神様や妖怪様々な立場で崇められているけど、基本的には大半の職種の人が参って良い神様になっているかな。
ある意味君と似た器用貧乏タイプかな。神様としては他の超一流の神様の補欠や助っ人を務める一流の神様って感じかな」
リグルはそういうと、横島に口づけして舌を入れてきた。あまりの快感と彼女の唾液が蜂蜜を思わせる甘さと共に脳がしびれる。アリスは崩れ落ちる横島を可愛い親戚の子供の失態を見る様な目で見降ろした。
その瞳に怒りというより挽回しなければという思いを呼び起こされる屈辱感を刺激された。それを見てアリスは微笑む。
「マイ姉さんを助けるための一番の近道を私が示すから、今は強くなるために交わりを通じて力を与えるから、できるかどうかは別として私達を閨で屈服させることを決して、諦めずに頑張って」
心が折れかけていたが、それが強くなりマイを護ることに繋がるならと横島は己を奮い立たせた。アリスもリグルも明らかに嘘は言っていない。オカルト世界で戦っている以上、変わった儀式や訳の分からない方法で悪霊が倒れる例も多い。
まして自分は異世界の英雄の転生者という珍しすぎるケースだ。この行為にもなにか意味があるのだろう。
アリスがトラポートと唱えると、西洋の豪邸を思わせる寝室に一行は瞬間移動をした。アリスが笑みを浮かべながら、横島の体の中にある糸を動かした。気が付くと自分は人形劇の人形の様に動き服を脱いでいた。
恐らく自分が人形劇の人形の様に動いたと気づいたのは、アリスと自分だけだろうと、横島は思った。 リグルも服を脱ぎ十分に女らしくなった体を月下の下でさらすと、容赦なく横島に前から襲い掛かり、
あっさりと彼の分身を飲み込んだ。乳房が横島の胸板で潰れその感触が射精の量を一気に増やす。彼女の接吻を受け射精しながら、横島は恐怖を覚えた。霊能力者だから理解できる。彼女はまさに交尾後のカマキリなどの一部の虫の様に、
自分の体の中にあるマグネタイトを『食らって』いる アリスの糸が体の中で彼の神経を直接愛撫し余計に快感が強まり立てなくなりそうなったが、アリスの言葉が彼の意思を燃え上がらせた。
「これはより強くなり、マイ姉さんを助けに行くために必要なことよ。頑張って」
その言葉を聞くと横島は、全身のマグネタイトや魔力を使いリグルに快感を与える性魔術を使い始めた。これは体に性魔術によって良い変化を与える作用とその快感で女妖怪をへし折った始祖の魔術だが、それを受けながらリグルは笑った。
「これ気持ちいいけど、女権国家じゃ奉仕系性魔術扱い止まりだよ。 女権国家に来たら私達以外には絶対に使っちゃだめだよ。 虫の交尾は雄が死んだり食べられることが多いけど、余計に食べられやすくなっちゃてるね。性魔術に使った魔術やマグネタイトまで貪られちゃうから気を付けてね。――こんな風にね」
繋がるリグルの秘所が狭まり一気に抜かれると体中の神経まで射精の影響を受けた様に快感が走り一気に貪られたような感覚の後に指一本動かすことそら億劫になった。倒れかけた横島がリグルの乳房に顔を埋める形で倒れたが、まだ自分の乳房をもんで来たのを見てリグルは笑った。
「マイさんを早く助けに行くために必要となると本当に頑張るね」
ここまでは花の様な笑顔で良い、次に妖刀の刃の様な美しいが怖さもある表情になり言葉を続ける。
「閨を共にしている女の前でそれはいただけないよ。そういうものだと合意の上ではあるけど、妬かないとは言ってないから」
低い声音に恐怖を覚え下がろうとしたが、アリスの糸がそれを許してくれない。仰向けに押し倒された体に彼女がのしかかり虫のフェロモンを思わせる匂いと唾液がかかった瞬間、
彼の頭は完全に霧がかかったようになった。しばらく仰向けになった体に押し付けられるリグルの体の柔らかさに体を食いちぎられる様な快感を覚えていると、リグルの指からも魔力の糸が出てきて横島の体に入り込み始めた。アリス程ではないがその糸は十分に横島の体を操り快感も強い。
360 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:25:43 ID:5AOAdM2e
「アリス先生どうかな? 蜘蛛妖怪一門に主と認めてもらえてからは大分糸の使い方を学んだけど」
「前より上手になっているわね。でもまだまだ、貴方の技能の限界までは遠いわ」
そういうとアリスの放ってきた糸が体の中から出て行き。代わりにリグルの糸が彼の体を支配する。
「忠夫僕の糸に抗える? できるならやってみて」
アリスやリグルに体の全てを掌握されても彼は抵抗する気が起きなかった。二人を信用していることと、そして自分でも気づいたが屈服させられ嫐られることが気持ち良すぎて抵抗の意思がなくなってきているためだ。
だがリグルの言葉で何か意味があるのだと思い抗うと、痛みではなく、糸が体の中で擦れて性的な快感と脱力感が襲ってくる。
「うん、前より与えられる快感が増したみたいだ。 でもアリスやエヴァさんなら、糸で止めないと射精しているくらいに激しい快感を与えていただろうね。私ももう少し頑張らないと」
それを聞き横島は背筋が寒くなった。リグルの糸だけでもこれほどの脱力と快感なのに、アリスやエヴァに操られた際に逆らうと自分はどうなってしまうのだろう。
不安をよそにリグルが体の中に入った糸で横島を動かし、アリスに視線を固定させると、アリスはゆっくりと服を脱ぎ始めた。脱ぐ途中ですらメイドの時とは違う種類の品と、男を操る糸を思わせる魔女の色香が溢れ、
彼女の姿を見ているだけで分身に集まる血の量が増していくのが分かる。 脱ぎ終えるとアリスはゆっくりと体を重ねてきた。絹の糸を強めた様な快感が触れられた部分から流れ込み、
分身を飲み込まれた瞬間に訪れてくる感覚は疑似人格の時とは、違い多くの糸に翻弄されているような感覚がする。アリスの秘所の中で無数の糸が絡みついてくるような快感を味わいながら、この糸が一本でも自分は負けると、横島は思った。
アリスが僅かに内部を動かすだけで分身に快感が走り射精したら脳が砕けた様になるそう思い歯を食いしばる横島の耳もとに口を近づけアリスは言った。
言葉と共に出てくる息が耳に吹きかかり快感が追い打ちとなる。
「忠夫、私達に負けない屈服させるという意思を持ち続けることだけ考えなさい。あとは私達がするから」
アリスに言われた通りに全力で意識を保つとリグルの糸が横島の体を動かし、アリスの乳房を揉みしだきだした。ただでさえも強すぎる快感に辛うじて踏みとどまっていた彼にはそれが止めとなった。凄まじい量の射精を終えると、頭の中にかかる霧が余計に強くなり、
自分が一気に人形に近づいた様な錯覚を覚える。彼女は笑いながら再び腰を動かし始める。 悲鳴を何度も上げつつ彼女に絞られると不意に、アリスが離れると、リグルと二人がかりで指から魔力で出来た糸を伸ばし横島の分身の全体を愛撫し始めた。
無数の心地の良い糸が分身の先端と幹を袋を上からさするが、あと少し強い快感が欲しいというもどかしさを、与え続けている。 射精したばかりで敏感になった部分を二人の糸で嫐られあまりのもどかしさに遂に自らの手でしごこうとした瞬間、手足の動きを二人に止められた。
「忠夫、私達を屈服させる意志だけは捨てちゃダメって言ったでしょ、自慰したら負けを認めたようなものよ」
そういうとリグルとアリスは横島の体を糸で動かし高めのベッドに座らせた。そして、二人は大量の糸で乳房の間に張り巡らせた状態で、横島の分身を左右から挟みしごき始める。胸の柔らかさと、糸の感触が同時に襲い掛かりもう言葉にならない声しか上げられない横島を二人は笑いながら嫐る。
歯を食いしばり、耐える横島を見ながらアリスとリグルは笑いながらが急に指を動かすと、体の中に入った糸が直接睾丸を愛撫し、一気に果てた。吹き散らされた大量の精液を見ながら二人は笑う。 リグルが笑みを浮かべながら、形だけの謝罪の言葉を口にした。
「ごめん、ごめん、前世より耐久力とか落ちているのは知ってたけど、ここまでとは思わなくて、でも本当に美味しいマグネタイトだね。この世界でも色々なことを成し遂げてきてたんだね」
そういうとリグルは再び横島の上に乗り絞り始める。食らい尽くされる感覚が再び彼を襲った。 リグルは目を閉じ恍惚の様子を浮かべながら、腰を動かし横島から容赦なく搾り取り続ける。 最低でも五回程達するたびにアリスとリグルは交代を繰り返した。
二人に体を支配された状態で、何度も横島家の性魔術を使わされよりたくさんの快感を自分も味わいながら意識が遠くなる中、最初にアリスが絶頂しその反動でより強い快感が返ってきて倒れかけた、リグルが彼からアリスを引きはがし犯した。その後で直ぐにリグルが果て再びアリスと同じことが起ると横島は完全に、意識を失った。
次に目を開けた時、横島は視界に違和感を覚えた。天井が前より高くなっている。そしてリグルとアリスが起きてみると座った状態なのに自分と同じ背の高さとなっている。二人は悪戯が成功した様な目で彼を見ると言った。
「君の体から色々と抜き取ってからアリスの魔術で子供に戻して再構成させてもらったよ。
大丈夫、飽食界を踏破する頃には元に戻れるよ」
「この体でどうやってクリアしろってんだ」
横島の抗議にリグルはおかしそうに笑うと蜘蛛の様な糸で彼を縛り、分身を握りしめしごき始めた。
「こういう時は頭に血を上らせちゃダメだって。下がった?」
あまりの快感に言葉にならない声しか出せない横島を射精させると彼女は言った。
「この魔界は君を強くするための魔界だから、『不可能』なこともさせるけどかもしれないけど、『無意味』なことはさせないから安心して。それじゃあ君の道を示すから良く見ていてね」
そういうとリグルは蛍火を思わせる光を放つと寝室から姿を消した。これから何が起きるのかと思った時、不意にスクリーンが下りてきて画面いっぱいに、リグルが玉座にかけている姿が映し出される。
西洋風の飾りつけの中に僅かに東洋が混じっている、豪奢な部屋でリグルはどこか余裕をもって挑戦者が入場に使う扉を見つめている
「あれは一般用の飽食界でリグルがボスを務めている部屋よ。これからそこで貴方にこの飽食界での修行の道を示そうとしているのよ」
横島はそれを聞きスクリーンを穴が開くほど見始めた。リグルはこれから自分に何かを見せようとしているのだろう。 そこから少しでも吸収しなければ、この飽食界を乗り越えられない。
少しの時間がたつと、不意に扉が開き風神剣をもった、ジンが乱入してきた。威風堂々とした姿はもはや一軍の将を思わせる。彼が率いる仲魔たちも本来格が低い種族の者ももはや、弱卒は一人もいない。そして彼の横には黒い髪をした、
メガネの顔立ちの整った女性がいた。その黒髪をたおやかな動作がより強く引き立てており、強い意志を宿した瞳が整った顔を余計に美しく見せていた。 横島は彼女の顔を見て、青木師匠もジンも惚れこむわけだ、と思った。
彼女の手には青木の記憶で見た刀、坤竜丸(こんりゅうまる)が握られている。 彼女が刀を構え、魔法の詠唱の準備を始めるとジンが護る様に、側に立った。 リグルと彼女達はまだ戦い始めてはいないが、始める前の口上らしきやり取りがこれから起こるようだ。
ジンは多くの敵との戦いを潜り抜け飽食界の奥に到着した。ここまで侮って良い敵は一人もいなかったが、それが彼の精神を良い意味で昂らせている。彼はここに来る前の事を思い出していた。学校が魔界に放り込まれた時に事情の説明を受けた時、
彼はサマナーとしての道を行くことを決めた。やりたいことが見つけられてないこともあったが、日本の秩序が女神転生と呼ばれる世界の様に崩壊したら、自分の生活が危ういと思ったためだ。
そして共に戦う仲間として、赤根沢玲子に声をかけられた時、彼は歓喜と共に了承の意を伝えた。
361 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:27:12 ID:5AOAdM2e
彼は一目見あった時から玲子に心を奪われている。彼女の大きな災いを予想していながら、強い意志を込めた瞳が彼を惹きつけて止まない。
その瞳の中にある憂いを消し去ることが今の彼の一番の目標でもある。まるで心のどこかで未来を知っているかの様に自分たちは一緒にいることはできないと何かの予感が告げていた。
だが今回の事件を起こしたのが、自分の師匠とも言える横島の前世の妻達だと、知ってからはその不吉な予感は急速に弱まってきている。
それから多くの敵を破り今は二つ目の魔界に訪れていた。目の前には自分と玲子の剣を無償で打ってくれた虫の女王がいる。彼女は日本刀らしい水にぬれたような美しい剣を構えながら優雅に礼をすると、口を開いた。
「ジンくん、待たせてしまってごめん」
「大事な用事だったんでしょう。 本気で闘うとは言え『今』は敵じゃないそんなに気にしないでください」
仮にリグルと本気の敵対をする事態になってもジンは赤根沢玲子を護る為に全てをかけて勝利する覚悟と勝算はある。だがそんな事態には絶対になってほしくないものだ。周りの仲魔達もリグルの気配に大きな反応を見せている。ジャックフロストとジャックランタンが、
やや怯え気味であり。ラクシャーサとケルベロスが武者震いをし、ハニエルは警戒しつつ玲子を護ろうとしている。こちらの緊張をよそにリグルは軽く口を開いた。
「僕にとってはね。この大人の姿をこの世界で初めて見せる相手は、旦那様が良いっていう我儘さ」
「それは、それは、女性にとっては何よりも大切なことでしょう。おかげでなんの気兼ねもない貴方の技を見ることができそうで嬉しい限りです」
意図的に切り替えられているであろう、ジンの口調を見て横島は青木を思い出した。礼儀を護りつつ卑屈にならない様に徹底的に、言葉を選んでいながらそれを表に出さず滑らかに話す。サマナーは戦い方や交渉術は千差万別だが、
ジンは礼で守りを固めて紳士的な口調で話し、相手次第で臨機応変に応じるタイプだ。今回は相手に好意を持たれているから、自尊心をくすぐり情報を得ようとしているのだろう。
多分青木なら、不快にさせない様にリグルと彼女に惚れられた男を褒めつつ、僅かだがリグルから情報を引き出していたかもしれない。ジンはあったこともないのに男を褒めるのはどうかと思ったようだが、
青木なら多分『惚れられた女性の格を見れば、相手の男性の格もわかります。さぞ素晴らしい人なのでしょう』という主旨の言葉を一流の接待役より上手に口にしていたと思う。
リグルは笑みを浮かべると、西洋の動きやすいドレスに似合う刀を抜き放った。ジンはそれを見ながら、風神剣を構える。
「君の為にもなるけど、一番はこれを見ている旦那様の成長の手助が目的なんだ。それじゃ、いくよ。生あるものの輝きを助ける神としての側面も持つものとして、君たちの訓練に全力で付き合うよ」
そういうとリグルが凄まじい勢いでジンに切り込んだ。 ジンはその攻撃を風神剣で辛うじて受け止めた。
「マハジオンガ」
気品のある高い声で玲子が呪文を詠唱すると、リグルに向けて雷が落ちた。 ジャックルロストがマハブフーラをかけて追い打ちをかける。 中級クラスの氷結魔法でも彼らに鍛えられたジャックフロストが唱えると部屋全体が寒くなった。
リグルはぜんぜん堪えていない、様子で雑談の様な調子で二人に声をかける。
「良い判断だね。 僕が蛍の化身である以上、寒さに弱いのは確定だし、仮に蛍が水の中にいる以上は凍らせられると危ない。蛍火の伝承的にも氷は有効に見えるよね」
雑談しながら一切の隙を感じさせないリグルをジンは一切の油断なく見る。針の穴を通す様な隙すら見逃しそうにない。 玲子も呪文と剣どちらでも対応できるように構えた。
二人を見ながら、リグルは懐かしそうな目で言葉を続ける。
「玲子さん、君の男の子を見る目は確かだったと思うよ。 ジンくんの立ち振る舞いとか戦い方とか、僕達を護る為に戦い始めたばかりの頃の旦那様とそっくりだもん」
その言葉に玲子は素直に嬉しそうな表情になりつつ、軽口を返した。このやり取りを見るに彼らは結構親しい様。
「それは、それは貴方の旦那様も素晴らしい人なんでしょうね。その旦那様がいないのが今回の敗因でしょう」
和やかに返した次の瞬間、玲子が絶対零度を思わせる氷の嵐をブフ系の魔法を連発して作り出した。 それを見た横島はとっさに駆けだしそうになった。合意の上の訓練めいた戦いとはいえ
、リグルが死ぬかもしれない戦闘で弱点属性の猛攻を受けている。そう思うと自分の魂が助けに行けと叫んだ。その声に従おうとした彼の体は不意に脱力感を与えてくる快感が内部に走ってきて掻き消えた。
アリスが体の中に入った糸で束縛しながら愛撫してきたと理解すると、その脱力感はますます強くなる。
「忠夫、安心しなさい。ここからよ、ヴァーミンクイーンの名は伊達じゃないから。彼女にとっては冷気は苦手だけど、致命的なものではないわ。それより、彼女の戦いをよく見ておきなさい」
アリスは女教師の様に言うと、糸で横島を操り画面を再び見せた。なぜかリグルの戦い方や立ち振る舞いに目が奪われ始めほどなくして、穴が開くほど画面を体が見始めた。リグルは笑いながら翡翠色の光を放つ日本刀を振るうと、
剣から蛍火の乱舞が起りそれが本当の火に変わると火炎の乱舞と化した。ベルゼブブの死蝿の葬列と真逆の神聖な気を放っていながらどこか似た気配のするその光は神聖属性と炎の合わせ技だと感じ取れた。
ジンは一瞬で書けるとジャックフロストに吹雪を吹かせ、玲子を無事な位置に逃がすと、向き直った。 リグルは笑いながら手を振ると無数の蛍が空中で舞いながら集まり剣となり鋭い剣撃を彼に放ってくる。
玲子が危ない、そう思った瞬間彼が出した火事場の馬鹿力はリグルの予想を遥かに上回っていた。全身から霊的な気配察知能力を出すと自分に迫る斬撃はかわし切り、玲子に迫った剣は風神剣で叩き落とした。
そして空中に舞う全ての蛍の気配を体全体で感じ取ると、剣ができそうな位置を全て感じ取りながら先読みし全てに対処しながらリグルに迫った。
「ユウキちゃん以外にもこんなことできる人いたんだ」
驚愕の声音で紡がれるリグルの短い独白が終わるころには、ジンとリグルの距離が殆どなくなっていた。無数の蛍が隼の様な速さで群がりリグルを護る様に間に入る。間に入った無数の蛍は一瞬で集合し剣となりリグルに迫るジンの剣撃の嵐を、防いだ。澄んだ音と火花が散った後、リグルもまた剣を構え笑った。
「予想以上に君は凄いね。これなら旦那様の力を引き出すための儀式も予想より上等になるよ」
そういうとリグルもジンを迎え撃ち全力で切り込んだ。ジンは劣勢になりながらも重傷を避けながら見事に下がった。リグルに追い打ちをする隙を与えない見事な駆け引きと撤退だ。その撤退戦を繰り広げるジンの後ろで、
玲子はジンに代わって仲魔達に指示を出しながら自分も切り込むか援護の魔法を撃つかを思案している。 美味い立ち回りだ、と横島はジンと玲子を見て思った。彼女は優柔不断とも言える長考をしつつ、どちらかに転ばれると怖いと思われるようにふるまい行動に移さずとも、
ジンの負担を減らしている。ジンもその支援を受けながらリグルにプレッシャーをかけている。
362 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:28:45 ID:5AOAdM2e
だがそれ以上に横島はリグルの立ち振るまいと彼女を護り飛び交う蛍たちが集まりできる無数の剣が繰り広げる舞に視線を固定された。あれは間違いなく、自分がいつかの前世で使った剣と技を再現している。だからこそ見ているだけで経験が入ってくるのだろう。
そしてリグルの立ち振る舞いも、横島の前世の英雄譚を再現している。彼女は筋力も使っているが生命エネルギーである気や、霊力を使い身体能力を強化している。あれも恐らくは横島が前世で使った修験道などの技なのだろう。
今までもああいうことはしてきたが、リグルが見せてくれた技は質が違う。これを模倣し子供の体でも勝ち抜け、これが飽食界の試練なのだろう。 横島の集中力が極に入り、闘いを見続け学ぶ機械のようになると、アリスが魔法でリグルに連絡を入れた。
ジンは玲子や仲間たちと共に、リグルと刃を交え彼女の周り飛ぶ大量の蛍たちが時には業火の嵐となり、時には剣と変わり自分たちに襲い掛かってくるのをはねのけていた。
ジンが絶好調を思わせる勢いで切り込むとリグルは不意にすさまじい速さを見せ彼を弾き飛ばした。 吹き飛んだ彼にリグルは笑いながら言う。
「ようやく旦那様の学習のスイッチが入ったみたい。 ジンくん、玲子さん君たちならこれからの僕の戦場の舞についてこれるって。 武芸の技も舞踏と同じで相手が上手じゃないと直ぐに終わって成り立たないからね」
「そのためだけではないのでしょうが俺たちを鍛えてくれたのは、それが一番の目的だったわけですね」
「やっぱり腹が立った?」
「いえ、打算込みでも俺たちは益になることしかしてもらってないので、ただあまり手を抜きすぎると、旦那様の学習とやらが俺たちが勝って、直ぐ終了してしまうかもしれませんよ」
ジンの小気味よい軽口にリグル笑い、しかし幾ばくかは真面目さの籠った声で応じた。
「確かに君たちの爆発力や成長力を見たらその可能性もあるね。最近の私は大分思い上がっていたみたい」
そういうとリグルの持つ剣が翡翠色の光をより強く帯び始め周りの蛍たちも業火を思わせる輝きを見せ始める。
より強くなった蛍たちの光はオパールとエメラルドそして翡翠の輝きを放つ蛍火の乱舞と化し、それがうむ業火の嵐をジンは楽しそうな笑みを浮かべた。
「俺、殺し合いは好きじゃないけど、同委の上の喧嘩や試合は好きだったみたいです」
その言葉と共にジンの持つ風神剣も眩い光を放ち彼はかつてない速度で駆け始めた。その後の戦いは熾烈を極めた。ジンは故人としての戦い方はユウキに似ており指揮官としてはリグルに似ている。
普段は仲魔達の自主性に任せ、本当に自分の指示がなければ危ないときだけ念話で動かす。双方の戦いに横島は魅せられながら、リグルが使う技や蛍が集まり生み出す光に視線を奪われた。
リグルの周りを飛ぶ蛍たちが剣となり繰り出す剣撃は間違いなく横島が彼女を助けるために使った技だ。宙に浮く刀の乱舞は横島の瞳にはそれを振るう自分の前世たちの姿が確かに見えた。
リグルの容赦のない攻めをかわしながらジンは唐突に笑った。 それを見た瞬間、横島の背筋が熱くなった。あれは何度も闘技場で闘った時に見た笑みだ。あの笑みを見せた時彼は何度も横島が自分は負けるかもしれない、
と思うようなことをやってのけた。アリスの糸がもたらす快感と脱力感すら屈服させながら、横島は立ち上がりかけたがアリスがさらに魔力を送ると動けなくなった。
「大丈夫よ。リグルはあれくらいじゃ負けることはあっても深刻な怪我とかは絶対しないから」
アリスはそういうと横島の視線を画面に固定させた。
「見ておきなさい。これがリグルが貴方に見せたいものよ」
ジンの笑みを見たリグルはそれを見て少しだけ、後背や弟子が見事な姿を見せた、先輩や師匠めいた表情をしながら一気に攻勢を仕掛けた。蛍の光が槍や刀や戦斧、
札や杖に変わり一斉に殺到する武器をジンは獰猛な笑みを浮かべながら自分が中心となり避けたり叩き落したりした。仲魔達や玲子の力を最大限に引き出す動きはもはやジン彼らの軍団がジンを中心に一つの生き物となった様だ。
横島はそれを見て焦りを覚えた。ジンは恐らくは今まで生きてきた中で一番強い状態だ。認め合える強敵との戦いや玲子を護る使命感や緊張感それが最も彼を高めている。恐らくは今も戦いながら強くなっている。
リグルは余裕でそれをかわしながら――正確に言えば、戦況的にはどんどんと彼らの成長ごとに不利になっていっているのに、それでも余裕の態度を一切崩さず捌いている。
リグルの無数の攻撃をかいくぐり続けたジンに唐突に勝機が訪れた。 これはリグルの落ち度が産んだ勝機ではなく、唐突にジンの能力が一気に上がった為だ。スポーツ選手などにも行き成りその試合中にだけ、
凄い力を出すときがある。それは戦士にも起こる時がある。 ジンに稽古をつけ続けてきた横島にはジンにもそれが起きたのだと悟った。
突然の当人にすら予想できなかった、勝機の到来に対するジンの対応は教導官を務めた者として心からの賞賛を送りたくなるようなものだった。
ジンは速攻で仲魔達全員に指示を出すとそのまま一気に突っ込んだ。仲魔達も玲子もジンの変化を把握する前であったのに一切の躊躇いなく彼に従う。
一瞬で一つの剣を思わせる様な体制へと変わり、リグルに猛攻をかけた彼らをリグル余裕と楽しさ両方を込めた笑みで迎え撃った。幾つもの剣や術が発動し彼らを遮り始める。
そしてそれを見た時、横島の脳裏に今まで以上にその武器や術が刻まれていく。彼には分かった。あれは幾つかの前世で自分が妻達を護る際に特に活躍した戦いの再現だ。ジンを中心とした激しい連続突撃をリグルは時には自分が後ろに下がり武器たちに任せ、
時には前線に出て魔術の援護を受けて彼らと切り結ぶ。幾つもの盾となる武具や術が破れそうになったが、破れそうになるたびに他と入れ替えジンの動きに合わせてぶつける武具を変え続けたリグルの方に戦況が傾き始めている。
リグルが操る武具の大半が入れ替えを繰り返された大半が砕け散り残った武具も消耗が激しいが、残った武具も僅かという時に、ジンの動きが本当に僅かだが鈍くなった。リグルが外せば自らの敗北を決定づけるほどの攻撃を放った。
リグルの翡翠色の光を帯びた斬撃が稲妻を錯覚させる程の速さで彼に迫った時、彼は底力を出して風神剣をその稲妻めがけて放った。大きな澄んだ音が響いた直後に力負けした彼の剣は跳ね飛ばされそのまま彼も吹き飛ばされた。
壁に激突した彼はそのまま意識を失ったが、それも数秒でジンは目を開けると、少し混乱した様子だったが直ぐに状況を把握した様だ。
「負けたんですね。 敗因は一体何だったんでしょうか?」
悔しさもあるが疑問が勝っているジンにリグルは言葉返した。
「経験の差だね。悪魔と戦う時は常にこれに注意した方が良いよ」
「いや、確かに貴方の旦那と共に積み上げた武具の再現はすさまじく量が多く見事でしたけど、俺は貴方より戦闘経験が多い存在とも多分戦ってきてます」
ジンの指摘にリグルは頷いて答えた。
363 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:30:54 ID:5AOAdM2e
「うん。そこは君の言うとおりだね。実を言うと、君が最後に勝負を決めに来た状態あれになられると勝つのは至難の業だから、生き残れる悪魔はそうはいないだろう。実を言うと僕はああいう状態の人と戦って生き残った経験が何度かあるんだ。ここまで言えば君なら分かるでしょ」
それを聞いた瞬間ジンは全てを理解した様子になった。
「なるほど。全部読まれていたわけですね」
「そう、君はああいう状態になる人間特有の兆候が出ていた。そしてあの状態になったら絶対にああいう全てをつぎ込んだ攻めで来ると思っていたからね。
だからあの状態になるまで戦いを長引かせて突っ込んできたら準備を固めた方法で迎え撃ったのさ。突発の事態で攻めた君と、
来ると分かって構えていた僕ではどうしても差が出てくるからね。普通はあの状態になった相手に生き残れる相手は滅多にいないどころか、出会っている人間もそう多くないけど、悪魔は寿命が長い。だからこういう可能性も頭の片隅に置いて置いた方が良いよ」
ジンは頷いた。今は惚れた女性の前で無様をさらしたくらいで心底悔しいくらいで済んだが、これが失敗の許される訓練でなければ玲子だけでなく、自分に十全の信頼を置いてくれている仲魔達や頼りにしてくれた人たちまで死んでいたのだ。
これは正解を出すのは無理に等しい問題だったが、それでも正解を出さねばならないのがサマナーの役目だと思い、正解を出せなかった悔しさはリグルに真摯に礼を言いながらも血がにじむほど握りしめられた拳が示している。
リグルはそれを見て柔らかい目で笑った。
「今の君、力不足で僕達が怪我した時の旦那様にそっくりだよ。 そういう心を持ったままで入れば絶対に彼女を幸せにできると思うよ。そのまま強くなって旦那様と同じ陣営で頑張ってね」
その言葉を聞くと、ジンは頷いた。今回の経験を得難いものだと感じている。反省をしながら、次につなげるべく必死に思考を巡らせるジンにリグルは言葉をかけ続ける。
「旦那様の道は過酷だから君みたいに善良で有能な同陣営か、友好勢力に就職してくれる人間はすごく貴重なんだよ。それじゃあ、君たちは合格だから、『勤勉のリング』を授けるね。次の魔界は君たちの助けを必要としている人がいるかもしれないから頑張ってね」
リグルの真摯な願いの込められた声にジンは頷いた。恩を受けたと感じている相手からの陳情を避けるという発想は彼には薄い。
ジンの返答を聞くとリグルは輝くような笑みを見せた。そしてジンと玲子に蜂蜜酒を渡す。
「ソーマほどじゃないけど、回復をすごく早めてくれると思うから飲んでおくといいよ。僕は少しやらないと駄目なことがあるから失礼するね」
リグルの覚悟を決めた様子を見て、ジンは即答した。
「敵との闘いですか、なら俺たちもお手伝いしましょうか?」
その言葉にリグルは首を横に振った。
「君達に助けてもらえばすごく楽になるけど、これは僕達にとっては、過去にしてしまったことの、けじめとかに当たる戦いでもあるんだ。だから部外者を巻き込むわけにはいかない」
リグルの言葉にジンは頷くと座り休息に入った。ボスの部屋は基本的に侵入してくる悪魔は少ない。 ジンたちに一礼するとリグルは翡翠色の光に身を包み姿を消した。おそらくは敵のところに行くのだろう。
彼らのやり取りを見た後、横島はアリスの方を見た。
「ええ。今回の飽食界の戦いは、あなた次第だけど、エヴァやリグル達が今戦っている相手と戦ってもらうことになるわ。最も今回ばかりは、貴方が助太刀を拒んでも私たちには文句を言う資格はないけど」
「分かった。安易に助太刀するとは約束しないでおく。すべての事情を聞いてそれから決めるは」
「ええ。そうして。忠夫これから出かける準備をして。飽食界での修行の準備に移るわ」
アリスの言葉の後、横島は愛女守をその手に持ちながら子供用の陰陽師の服に身を包み彼女の到着を待っていた。 アリスは木綿季と藍子を伴うと、到着し彼を邪教の館に連れて行った。
アリスはどこからか交渉し仲魔にしてきた女権国家の悪魔たちを木綿季と藍子に合体させた。 煙が消え去るとそこから再び西洋の服に身を包み悪魔の見たいな耳を生やしたユウキとランがいた。
二人は天狗と狐だった時より大きな魔力を放っている。種族的には弱くなったが、この種族だった時に偉業を幾つも成し遂げていたのだろう。
二人の衣装は見かけこそ違うがあまり変わらない。ユウキはファンタジーの世界の魔法剣士を思わせる衣装に身を包み、ランは杖にも見える槍を持ち巫女や魔術師に近い格好だ。
「インプ・ユウキ数々の魔女に仕え幾つもの偉業を成し遂げた最速の剣技と魔術を君に捧げるよ。今後ともよろしく」
洗練された騎士を思わせる礼をするユウキの横で、ランもまた同じく礼をとった。
「同じくインプ・ラン。幾つもの魔女に仕え幾つもの偉業を成し遂げた姉妹の力を貴方の捧げます。今後ともよろしくお願いします」
ユウキとランの礼を受けて横島とアリスは頷き答えた。 アリスは向き直ると、彼に向けて言う。
「さっきのジンくんとリグルの戦いを見て、色々と情報が流れ込んできたと思うけど、今回は彼女の再現した術をひたすら覚えなさい。そしてそれらを食らい強くなること飽食界らしくね」
アリスの言葉に彼は頷くと、呼吸を整え愛女守を振った。子供の体になって筋力は落ちているが、サマナー特有の呼吸法なども用いればどうにか振るえる。それを見て、アリスは頷く。
「アリスちゃんにとって一番使い勝手のいい仲間はこの二人か。もう少し他の悪魔も仲魔にしてこようか」
「昔から私に仕えてくれている仲魔達もそれなりにいるんだけど、あの娘達はこの飽食界の戦いには向かないから。一人ある意味この『飽食界では』凄く強いけど娘がいるけど、
ここで同行させると彼女が強すぎて修行にならないしね。それに他の娘達は、私がボスを務める魔界で貴方と戦うかもしれないから」
「そうかそれならしかたないな」
残念そうな横島の言葉にアリスは花の様に笑うと宣言した。
「それでは行きましょう。この魔界を踏破しに」
アリス達から連れてこられた館を出た彼は夜に映える森を思わせる魔界を駆けぬいた。あまたのオークや金槌坊をどう種族の悪魔たちと戦いながら、リグルが見せてくれた術や技を再現し、敵を薙ぎ払う。オークや金槌坊をはじめとする蟻を初めとした無視悪魔たちとの戦いは気が抜けなかったが、
アリスの横島の前世の人形を使って敵を薙ぎ払う魔術が発動すれば大半が片付いた。そしてその人形の動きを見るたびにどんどん、自分の中で前世の技が再現され血肉となっていく感じがする。 特に強い剣を持ったオークと金槌坊だけが生き残り、絶望的な戦況になったにもかかわらず、一切気負わずこちらに剣を構えている。
横島はその二人を見て嫌な予感を覚えた。あれは絶望的な戦況ですらもたまにだがひっくり返してしまう勇者の気をまとっている。自分たちよりまだ実力は低い。だが万が一があるかもしれないと思わせる空気が感じられる。そう思うと即座に彼は刀を構え駆けだした。一番上の指揮官として育てられていればここでは、
この二人をしとめるより、一旦引かせて流れが変わった時に討ち取るのだろうが、今の横島は誰かの支援をする将軍や戦士に近い。こういう敵は自らの手で早く討たねばと考えてしまう。
364 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:33:22 ID:5AOAdM2e
金槌坊は無言で槍を構えた。自分を超えて、早く強くなれと言っているのが霊気から分かった。 オークは少しだけ、考えると剣を構え口上を述べた。
「横島殿、われらオークは若干だが金槌坊たちをはじめとした無視妖怪とはこの試練に対するスタンスが違っております」
「ああ。そうだろうな。オークであるあんた達は前世で嫁さんだった彼女たちの直属じゃないものな」
「ええ。貴方に恩はありますが、我らも観測者たちが『女神転生』と呼ぶ世界にするわけにはいかないと思っております。それは女権国家の世界のオークである自分たちなりの義でありますゆえ。
一言で言わせてもらうと、『貴方を万一倒せたのなら、それで得た力で我らは貴方が将来戦う無辜の民草を脅かすものを討ちます。我らが貴方に敗れるようなら、我らの遺骸を糧に我らが許容できぬ者を討っていただきたい』」
横島はその口上を聞くと、愛女守を深く構えた。この二人はすごく強い。もともと強かったのが戦士の成長を促すうえでは理想的な戦場で、最後まで生き残ったのが蟲毒に似た効果をもたらしたのかもしれない。または戦場の経験が化けさせただけかもしれない。
この有利な状況で引くようではこの魔界を超えた後の数々の事件から東京や日本を護れるはずもなし。そう決断すると、横島はアリスに視線を送った。
「金槌坊の方はユウキとランが仕留めなさい。忠夫はオークをお願い」
ユウキとランと横島双方が苦手な方を割り振ったのはその方が成長になると思ったからだろう。 横島はオークが繰り出してきた速度重視の一撃をかわして彼を切りつけた。だが脂肪の鎧とその下の筋肉に阻まれて致命傷には至らない。
さらにオークの放ってきた拳が彼に当たった。完全に防御されると分かったうえでの一撃であり、その一撃の代償に横島の放ったアギラオの炎がオークに浅くはないやけどを与えた。だが、その一撃は無駄ではなかった。
横島の心に恐怖まではいかなくても大きな警戒の念が芽生えてしまった。綺麗なあたりでなくてもオークの手足どれか一つの有効打を受けたら、自分は動きが鈍り即座に殺される。 そう思うとそれまで警戒していなかった手足からも威圧感を感じ始めた。
オークの連続攻撃を防ぎながら彼は何度も下がった。オークもまた横島の動きに驚いていた。これほどプレッシャーをかけられていながら、彼は引く方向に動かず自分を攻めてきている。速度で劣る彼は何度か横島に切りつけられると、即座に決断を下した。
このままでは横島が耐えきり自分を削りきって勝つ。そう思った彼は即座に全力の一刀を放った。横島もそれに応じて同じく一撃を放つ。勝負の結果は想定通り横島の勝ちだった。
「見事」
そういいながら崩れ落ちるオークを見下ろしながら、横島は体中から滝の様な冷や汗が流れた。万が一の可能性が完全に潰えたと思いつつ、最後にこのオークがまだ反撃をしてくるのではないかという警戒から、アリスを庇う位置に立つことと構えはやめなかった。彼が消え去り豚の死骸となった時、ようやく彼は一息つき、ユウキたちの戦いの様子を見た。
槍を構えた金槌坊が倒れユウキが剣を鞘に納める構図を見て横島はほっとした。どうやら助かったようだ。
「忠夫、勝ったよ。でも彼本当に強かったよ。格上と戦いなれていたのかとにかく粘り強くて、気を抜いたら、ひっくり返されてたよ」
明るく言うユウキの言葉を聞いてアリスの方を見るとアリスも頷いた。
「ユウキはある時期から常に明るくて苦戦や苦労すら心底楽しむから、圧勝しているみたいに思われやすいけど、今回の戦いは本当に手ごわかったわ。ランが回復や補助のタイミングを少し誤ってたら、負けていたかもしれなかったわ。
毎回ねじ伏せていたけど、何度か演劇の舞台の空気が変わりかけた状態が何度かあったけど、あれ多分逆転されかけてたでしょう?」
「うん。本当に危なかったよ」
それを聞き横島は今後はユウキに目を配らなければならないと、思った。彼女は頼りになる雰囲気が強すぎて危なくても気づき辛いところがある。
アリスが手をかざすと蟻と豚に戻った彼らの死体がどこかに送られた。
「彼らを食らい、そしてマグネタイトを得て強くなっていくこと。それが一番の弔いとなるから行きましょう」
横島たちはその飽食界で限界まで体を酷使し、それが終わると倒した悪魔たちを食らうというサイクルを繰り返した。食事をする度に体が頑強で強くなっていく感覚があり、また成長期となったせいかいつもよりたくさんの食事を摂取することができた。
体感時間でひと月くらいが過ぎ、横島の体が高校生の頃に戻った時、不意にアリスが手をかざした。
そうすると不意に光の映像が現れ、そこには傷だらけのエヴァとリグルとマイが映っていた。 マイは比較的軽いが、エヴァとリグルはそれなりに思い手傷を負っている。 これは、実力差というより敵との相性のためだろう。 横島は即座にアリスの方を見た。
「十分成長したし、そろそろ出陣の時かもと思ったのよ。彼女たちを助けに行かないという、選択はとらないでしょうから、どうしても覚えておいてもらいたいことがあるの」
気がはやりながらも、アリスの真摯な言葉を横島はどうにか頭に入れる努力を始める。あまり複雑な忠告でなければ良いがとも思った。
「もうわかっていると思うけど今回の敵は決して邪悪な存在じゃないわ。むしろ人間でいえば善人に分類される。エヴァ達も悪人じゃないけど、善良な悪魔に付け狙われるようなことも過去にしてしまったこともあるの。
そして今回の悪魔は決してうそを言ったり卑怯なことはしてこないから、彼と対話してみて、その上で私たちのために彼と戦うかは決めてほしいの」
「分かった。 そういう悪魔なら、落としどころ見つけんのは多分無理やと思うが行ってみるわ。 多分エヴァさんたち庇うなら戦うしかないやろうな。善人な悪魔らしいし、戦争せんで済むならそっちの方法とっとるやろうしな」
「ええ。彼はすごく強い戦士だから気を付けて」
善人だと聞き憂鬱になったが、戦士でもあると聞くと少しだけ気分が軽くなった。善人であっても同じ覚悟を決めなければいけない職種なら少しは罪悪感も軽くなる。
覚悟を決めて駆けだすと、アリスの糸が彼の中に入り込んだ。そして人形劇の人形にするように彼を操り始める。アリスに操られた状態で繰り出した技は完全ではないがコツなどはある程度つかむことができた。
多くの敵、主にオークと金槌坊の群れを切り払いながら彼は一切休むことなく、敵を薙ぎ払いながら彼らはマイたちが戦っている場所にたどり着いた。 横島が到着した時、エヴァが重傷と思われる傷を負いながら膝をついており、リグルもエヴァほどではないが消耗している。
彼女は戦いで負った傷というより、疲労の方が大きいようだ。一番怪我が軽いのはマイだった。それを見て横島は、マイの相性の問題が大きいという言葉が事実であると改めて思った。 彼は即座にエヴァ達が相対している敵を見て、言葉を失った。
目の前の存在は、あまりにも静謐で神聖な気に満ちた存在だったためだ。この世界のオーク達全体がライト悪魔に近かったが、彼の目の前にいる。豚の姿をした亜人オーカスは、鍛え抜かれた力士と高僧を合わせた様な気を放っている。彼の存在は大きな剣を持ち、横島を見ると口を開いた。
365 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:35:04 ID:5AOAdM2e
「よくぞ来た。今日までは我が庇護対象でもあった魂よ。此度の戦いをする前に我の問いに答えてもらいたい」
「ああ。なんだ」
横島はまずは会話に応じることにした。悪魔との会話はろくでもないことになることが多いが、筋を通す善玉悪魔達は例外なケースもある。エヴァ達の回復を待つ意味でも少しでも時間が欲しかった。それに目の前の存在は明らかに善なる気を纏っている。
戦っている理由を知らなければ吹っ切った状態で戦えない気もした。 目の前のオーカス。青木が救った校長が転じさせられた醜き食欲に支配されたそれとは一線を隔す神聖な気と威厳に満ちた悪魔はゆっくりと、口を開いた。
「横島忠夫、女権国家世界における、我オーカス並びオークの地位を引き上げし者よ、
汝、今の彼女たちへの感情はいかなるものか」
「体を重ねたこともあるし、ずっと助けてくれた大事な人たちだ」
横島の即答にオーカスは頷きながら言葉を続ける。
「それらを傷つけた我に対する今の心境は」
「正直、許せんと思っている。あんたが人間でいうところの善人できちんと筋の通った理由でやっているらしいって、教えてもらってなければ直ぐに切りかかっていたと思うぞ。 今でも早くこの問答を終わらせたいと考えている」
「それでは、お前の前世の妻たちの犯した罪の内容は知っているか否か」
「俺も知らないことが多すぎるが、約束を破ったことか? 今生では俺と結婚しないって言っていたらしいじゃないか」
オーカスはそこまで聞くと頷き説明をする口調になった。
「その者らが犯した罪は大変に大きいものだった。前世の貴公は死ぬ前に一度でいいから、男性優位の性行為をし続けられる環境でハーレムを作って過ごしたいと願った」
オーカスの言葉の続きを横島は視線で促した。理解するためだ。このオーカスはこの世界のオーカスと女権国家のオーカスが混じった存在の様だ。強いから戦いたくないというのが一番だが、善良な悪魔だから交渉でことが済むならそれが一番だ、と思う感情も芽生えてきている。
対話を続けようとする彼にオーカスは言葉を続ける。
「最後に幾つもの前世と記憶が混じり合った状態だった、貴公のひとつ前の前世は切実な思いでそれを願った。彼女たちもそれを感じ取り今まで自分たちに過ごしてくれた男の願いだから、一度の生くらいは自由にさせようと思い合意したのだ。だが、彼女たちはそれを違えた」
横島はオーカスの言葉を聞き、彼女たちを護るための『闘志』は強くなっても、目の前の存在への『嫌悪』や『憎悪』は急速に、小さくなっていく感覚がした。 この存在は少なくとも自分の前世の為に行動している部分もあり、エヴァ達への怒りなどではなく、
裁判官や警察の様な義務感で動いている面もあると分かったためだ。 覚悟を決めた様子の横島にオーカスは剣を構え言う。
「今の貴公と前世達は別人だ。そして約束を破ったことを知った上で貴公の前世達は彼女たちの為に戦う貴公に力を貸している。彼女たちを許しているかはそれが答えであろう。だがそうであっても、冥府の神という側面も持つものとして、あの約束を違えたことは看過できぬ。
善行を積んだ魂の輪廻に約束を破り干渉したことを罰さねば示しがつかぬ」
横島はそれを聞くと頷き、愛女守を構えた。
「俺も、彼女たちのことを知るために女権国家の文化を色々と勉強していたんだ。多分だけど、基本的には善良な男たちは死後の世界では生きてた頃より、女性たちの脅威とからからも守られているんだろう。そしてあんたは、冥府の神なんだから、
今際の際の約束とかは守らせたり、あるいは破ったものは罰しないと天国の維持にも支障が出ちまうんだろう」
神々は自分が庇護すべき者たちを害するものは決して許さない。それを打ち破ることで強くなるダークサマナーなどもいるが、割に合うことは稀だ。ただ戦って倒すだけならまだしも、権能や保護対象を犯した以上その無事で済ませればその神の存在理由そのものが揺らぐ。
目の前のオーカスは冥府の神と同一視されることもある存在だ。オーカスの発言から察するに、女権国家のある世界では何らかの要因で自分と関わりそういう面が強くなったのだろう。
「その通り。今の貴公は覚えていないのだろうが、その約束を交わした時の貴公は本気で、一度でいいからそういう生を歩みたいと思っていた。 彼女らはこの世界が安全地帯でなく、貴公の生が危ういとなって干渉することを決めたとは言え、約束を破った理由は善意もあったが、
この世界で男性優位の性行為ができる女性たちと貴公の絆が強くなることを恐れた側面もある」
「よくわかった。ワイは約束を破られたという実感はないし、性交で強すぎる快感を与えられすぎたり、辱められたりすると滅茶苦茶きついときもある。 だが、今生に置いて俺は彼女たちの支援が切れると故郷を守り切るのに支障をきたすし、彼女たちがむごすぎる罰を受けると、今生を楽しく生きることはできん。
だからこそ前世の俺と今の俺を同一視しているのなら、被害者である俺からの被害届の取り下げを受け付けてくれ」
そこまで聞くとオーカスは頷き剣を構えた。敵意も殺意もない斬撃が彼に迫りそれが当たると、今まで彼女たちから与えられた快楽を覚えてはいても、それによる精神支配が抜け落ちた様な感覚になった。これは目の前のオーカスの仕業なのだろう。
死後の世界の現世の因縁を落とす処置に似た行動だと横島は予想した。そして、オーカスは彼の眼をのぞき込み聞く。
「今の状態でもその意思変わりないか?」
「ああ」
「被害者からの要請確かに受け取った。 だが彼女たちが冥府の神として看過できぬ道義違反をしたのは事実。 決闘裁判をここで行うとしよう。貴公も夫として彼女たちと共に挑んでくるが良い。そして私を討ち果たした時は無罪としよう」
「負けたら、彼女たちはどうなるんだ? やはり死刑か」
「そこまではいかないが当初は重罰の予定だった。 だが被害者が被害届を取り下げたから問うべき罪は減った。 ただ、彼女たちにとっては精神的に重い罰を下すことになるだろう。例えば、貴公がこの世界で戦っているのに手助けできなくするとかか」
そこまで聞くと横島は負けられないと思いつつ理にかなった罰だとも思った。切実な願いからの約束を違えたのだから、自分たちの願いを叶えさせないことが罰ということなのだろう。
「分かった。行くぞ」
駆けだそうとする、横島をオーカスが手で制した。その気配は親切な係員が気付きにくいルールを客に説明しようとしているときに似ている。彼は言う。
「そちらのインプのユウキとランだが、アリス殿ではなく、貴公と契約した状態にした方が良いと思うぞ。 その二人はまだ約束破りという罪を犯す前の伝承の悪魔である故、罪を犯した者への特効が発動せん。 だが約束を破ったアリスの仲魔として動いている以上は私の罪を犯した者への特効が発動するぞ」
その問いにユウキとランが首を振った。
「できれば僕達はこのまま、戦いたいんだけど良いかな? 僕達は確かに罪を犯す前の伝承が具現化した姿だけど、 どんな理由であれ忠夫との約束を破った本体から作られたんだ。 だからこの戦いではこのままでいることが僕たちなりのケジメなんだ。 もちろん忠夫が勝つこと優先っていうならそうするけど」
366 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:37:08 ID:5AOAdM2e
「分かったこのまま行こう」
刑罰というのは場合にもよるが加害者が本当に反省しているときは、きちんと罰を受けたと安心させるために執行されることもあると聞いたことがある。ここでそういうユウキたちの言うとおりにしなければ彼女たちの心に納得できないものが残る。横島は構えると、言った。
「わざわざ忠告してくれる当たり、冥府の神様は本当に慈悲深くて公平だな。 女権国家の世界でもそれは変わらないか」
「加えて強さも求められるぞ。何しろ好感度ドーピング状態の性悪な女どもから男を引き離したり護ったりしなければならないからな。それと横島殿が貴公らを庇うと決めた以上決闘裁判は最初から再審すべきと思うが、女性たちよ、回復できたか? 済んでいるなら始めさせてもらうぞ」
「その前に一つ確認したいことがあるんだけど良いか?」
「それほど長くはかかるまい。 貴公も当事者だ。きちんと知りたいことは知っておけ」
横島は待ってくれる様子のオーカスに頭を下げると回復を終えたエヴァ達に向き直った。
「エヴァさん。どうしてエヴァさんが一番ダメージが出かかったんすか? マイ姉ちゃんが一番軽いのはどうして?戦いの技術は全員高いとは思うけど、この三人の中で一番低いのはマイ姉ちゃんでしょ。やっぱり相性の問題だろうけど、どういう法則なんや?」
「ああ。それ、私も冥府の神って側面があるからオーカスにある程度抵抗できるのよ。それと私は、貴方の前世と約束しなかったの」
それを聞くと、横島はマイの言葉に微笑ましいものを覚えた。彼女は横島との約束は毎回破る。だが本当に頼みを聞いてくれるときは、横島の頼みを聞くと約束せずに勝手に行動をしてくれる。約束を守ることを照れ臭いと思っている部分があるようだ。
前世でも多分そうだったのだろう。だからこそ彼女の罪状は『聞くべき頼み事を聞かなかった罪』であり、『守るべき約束を破った罪』は適応外になっている。そしてリグルは生の輝きを護り司るような神みたいな側面があるように見えた。だからこそ冥府の神の攻撃への耐性も強かった。
だが約束を違えたため罪人となることは免れなかったのだろう。エヴァに至っては遺言の聞き届け役であり、一番守るべき立場でありながら破ってしまった上に、吸血鬼というアンデッドでもあるため一番特効が刺さったと理解できた。
横島が準備できたと視線で告げると、オーカスは一息に彼のもとに切り込んできた。 見かけと対極に位置する鋭く速い一撃を彼はかろうじて大量の霊力を込めて強化した愛女守と筋力で受け止める。全身が悲鳴を上げたが、
それでもかろうじて受けた瞬間に気をそらせば自分が首を?き切るという殺気を飛ばして僅かにオーカスが警戒をした瞬間、エヴァとリグルとアリスが一斉にオーカスに攻撃を仕掛ける。オーカスの体に無数の傷がつくが、その傷は彼女たちの絶大な魔力や攻撃力から見れば破格の浅いものだった。
女殺しの魔獣たちとの戦いを思い起こさせる展開だ。おそらくは、彼女たちが罪を犯しているから冥府の裁きや罰を司るオーカスには与えるダメージが小さいのだろう。
彼女たちの攻撃で僅かにできた隙を見て、横島の霊波刀がオーカスを切りつけた。彼の攻撃の方が威力は低いのにアリス達につけられた傷からみると、治る速度が遅い。横島は息をついた。この戦いではエヴァ達は自分よりあてにならないだろう。
「すまんな。だがお前が被害届を取り下げるさっきまでよりはだいぶましになった。 それまでは防御力も再生速度も私たちへの攻撃力も今より上だった」
エヴァの言葉に横島は頷きながら言葉を返す。
「エヴァさん任せてください。何が何でも護って見せますから。 向こうも悪いわけじゃないけど、理屈じゃなくて俺が皆さんが怪我したりひどい目に合うのは嫌ですから」
そういうと彼は愛女守を構え、ジャックランタンとアプサラス、ジャックフロスト、トゥルダクを呼び出した。今回はアリスと敢えて別の勢力として挑むことにした。 剣撃と魔法の嵐が飛び交う戦いは長引いたが、今回の戦いでは横島と彼が率いたこの世界の仲魔達が特に大きな活躍をした。
ある意味当然と言えば当然だが、罪人でない横島とその仲魔はオーカスの特効特性の対象外だったためだ。特にトゥルダクはオーカス相手に最も激しく食い下がった。トゥルダクは横島の仲魔達の中でも特に接近戦に長けていたのが伸びていたが、
今回はオーカスの攻撃が特に聞き辛いようだった。同じ地獄の獄卒という役目もある悪魔であるためかもしれない。彼は横島と共に何度もアリスやエヴァの盾となってオーカスと打ち合い彼女たちを救った。最も横島よりは少なかったが、それでも今回の彼の彼女たちを護ろうとする気概は凄まじかった。
次いでアリスの仲魔で活躍が大きかったのはユウキだった。彼女はその異常な速度で紙一重でオーカスの攻撃をかわし、切りつけることを何回もやってのけていた。
オーカスの攻撃は戦神などと比べればやや遅いがそれでも、一流の武神や戦神にも通じる程度には速い。そして剣を合わせても僅かでも受け方が悪ければ、二発目で命を刈り取られる可能性が高い。横島は太り切ったオーカスの体が自分に大きな威圧感を与えてきていることに気づいた。
持久戦になったら絶対に勝てない。そんな幻想すら浮かんでくる。 横島たちがオーカスとの戦闘で消耗し回復の為に一人が一手割かれる時、ユウキが並外れた速度でオーカスを牽制し時に猛攻を仕掛けその隙を埋めていた。 ユウキの様子を観察する限りでは戦いを楽しんでおり、
今の所は体力や精神力の限界の陰りは見えない。 だがオーカスの様子を見る限りではユウキを攻略する何らかの方法を思いついた様に見えた。
それを見た瞬間ユウキが一気に飛び込んだ。長考させると危険と感じたのかそれとも敢えてその策を破ることで流れを変えようとしたのかはわからない。
横島は愛女守を構え速攻でユウキの援護に飛び込んだ。ラクカジャを重ねがけされた自分なら、一太刀だけならまともに受けても死ぬことはない。ユウキの動きを読み重ねながら、彼女が失態を犯したとき自分が盾になる。
ここで横島はデビルバスターとして大きなミスを犯した。この中で最強の盾であり刃でもあるのは彼である。
目の前の存在は地獄の看守でありながら、女権国家世界では冥府で善良な男性を護る防衛隊長の様な立場でもある。だからこそ女権国家の女たちとは戦い慣れている。 いわば女権国家の女たちとの戦いの専門家だ。
いわば違う世界の東国の武術と魔術を使う横島が一番未知で対処しづらい相手でもある。 そして攻守ともに最も大きな成果を見せるのは彼でもある。
これは一概に欠点とも言えない。仮にここでユウキの盾になる決断を下す様な人物でなければ、体育館の戦いで金槌坊たちはあそこまで彼の為に尽くさなかっただろう。
ユウキと横島は比翼連理の鳥を思わせる連携でオーカスに迫り敵を何度も切りつけた。横島はオーカスが不十分な形で繰り出さざるを得なかった攻撃などを見定めて、そこに敢えて刃を合わせて僅かに彼の行動を遅らせるなどしてユウキを助けぬいた。
切りつける回数こそ多いが精神的な疲労度は横島の方が遥かに上回っている。オーカスは武芸などなくてもすさまじい膂力と巨躯そして溢れ出る魔力で闇雲に振り回しているだけで、恐ろしく強い。しかも、目の前の相手は武芸や術を極めつくすというほどではないが一流だ。
367 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:38:31 ID:5AOAdM2e
この戦いはオーカスより総合的にみれば弱いとは言え、武芸を極めつくそうとする悪魔達との戦いの経験がなければ、何度敗北が確定したであろう場面があったか数えきれない。
オーカスの剣を避けるたびに疲労により体の重さが増し始める彼を見てユウキも勝負を決めようとした。オーカスにユウキが切り込み深手を与えた瞬間、横島は青ざめた。 何が拙いのかはわからないが、敵が何か策を立てそれが成功するときの空気だと彼の勘が告げている。
ユウキの一太刀で深手を負った。オーカスは即座に蹴りを彼女に向けて放った。 ユウキは完璧な対処を取りながら、わけがわからないという顔になった。 確かにこの蹴りは当たるだろうが、彼女なら無傷で受け流せる。 オーカスの足に足の平を当てそのまま飛び下がった。
次の瞬間、オーカス以外のすべてが驚愕した。 ユウキが吹き飛ばされた距離は誰もが思っていた距離の3倍以上の距離だったためだ。それでも彼女が無事に着地をして安直した。確かにあれほどの蹴りだったら運が良ければユウキに深手を与えその予定外の隙に付け込むこともできたかもしれない。
この場に居る味方勢力が全てがそう思ったが、ランと横島だけが一瞬早くオーカスの真の狙いに気づいた。
蹴りは武道に置いて、一部の例外以外では勝ちが決まった時、最低でも確実に当てられるとき以外は放つべきではないとされている。オーカスは敢えて致命傷一歩手前の隙をさらしてまで、ユウキに確実に蹴りが当たる状態を作り出した。
その狙いはユウキの精神にトラウマまではいかなくても警戒心を植え付けるためだ。当たれば確実に死ぬ。そういう脅威と認識した以上、警戒の度は確実に本人の意思とは関係なく上がる。 オーカスは剣を構えると、
そのまま切り込んできた。そして彼は斬撃を放つ直前に、とてつもなく高度なフェイントを織り交ぜ始めた。
さっきまでは使ってこなかったが、こういう真似もできたと分かった瞬間一気に精神的な負荷が大きくなった感覚がする。 ユウキは敵の意を読む力に長けているせいで、フェイントに引っ掛かるまではいかなくても、反応しやすい。
足までも警戒せねばならなくなってしまい彼女は余計に体力の消耗が大きくなり、蹴りを食らいやすい動きは控えてしまうようになっている。蹴りが来ることなど9割ないと分かっていても、本当に蹴りが飛んでくると錯覚させるフェイントに反応しやすくなっている。
さらに周りのメンバー全員もオーカスのさっきまでのフェイントなど不要と思われる一撃の重さ重視の戦いから意表を突かれ調子が狂っている。それでも突き崩されず劣勢にとどまっているのは、長年女殺しの魔物たちと戦い劣勢を強いられてきた経験の賜物だろう。
オーカスの剣の一撃をユウキが受け止めて、後ろの飛び下がった瞬間、横島が即座に間に入り、トゥルダクと共にオーカスに打ちかかった。オーカスの重く鋭い一撃が放たれてくる直前に、
別の軌道から飛んでくる錯覚さえも混じるようになりさらに疲労が増したが彼は後ろの女性たちが殺されるかもしれないと思った瞬間熱を帯びたように体が動き始める。
オーカスの剣を防ぎながらどんどんとその動きが洗練されていく彼を見て、ありえないことではあるがこのまま勝利してしまうのではないだろうかという、錯覚すら覚え始めるほどに彼の動きはすさまじかった。
オーカスのすさまじく速い斬撃をかわし彼が一撃を加え、隼の様に下がりかけた時 …――…彼は一気に吹き飛ばされた。
何が起きたのか理解できなかったが、目の前のオーカスを見て理解した。剣を手放して、素手の技で彼を吹き飛ばしたのだと。 後ろの下がっていて最小限のダメージでありながら、
全身が砕けたような錯覚。立ち上がろうとしたが、このままではだめだ。 オーカスは横島を見下ろすと一瞬だけ悩んだ後、他の仲魔達の殲滅に移った。
『なぜおれを見逃す?』
アプサラスが回復魔法をかけてきてくれたが、治る速度が遅いことに気づいた。横島は理解した。通常の冥府の悪魔と違いこのオーカスはかなり格が高い分霊だ。その悪魔の一撃が彼の治癒速度を大きく遅らせているのだろう。
アプサラスにディアラマをかけてもらい癒えるのを待ちながら、彼は死に物狂いでオーカスの動きを見続け戦況を分析した。 復帰できたときにフェイントに反応する恐れのある直観を押さえつける理性を強化するためだ。そして戦っている彼女たちの能力も少しでも覚えなければ。
戦況を見て、横島は内心大いに焦った。マイが何度も冥妻天女の剣をふるいながらも危機に陥り、マイとこちらの仲魔達を除けば一番活躍していたリグルも危うくなっている。彼女は英雄としての横島の輝きを再現するらしく、アリスよりも燃費が悪いようだ。
そして持久戦になって一番活躍しているのはアリスとエヴァだ。アリスは幾つもの人形を使い守りに特化した戦いをさせつつ、回復の術なども使っている。エヴァは相性が悪いにもかかわらず、培った長年の経験でひたすら上手く立ち回って苦戦しつつも足手まといにならずに防衛線を支えていた。
ディアラマの効果を受けながら、横島は考えた。一分だけなら十全の動きができる。相打ち覚悟切り込むか否か。 息を吐き援護に飛び込もうとした彼は不意にその動きを止めた。 オーカスとは別の大きな気配が不意に現れたためだ。
オーカスと横島だけではなく、そこで戦う全ての者が新しく表れた乱入者にその目を奪われた。 ヘルメットを被りとげのついた肩当てをした男の、闘神を思わせる筋肉に包まれた体から発せられる嵐の様な闘気はこの場の気配を変えるには十分すぎた。 横島はどこか不思議な懐かしさと親しみを感じながら乱入者の行動を見守った。
オーカスは彼を見ると簡潔な言葉を口にした。
「闘神ジャギ、貴殿は助太刀か? 構わんぞ。彼への義理や友誼を考慮すれば貴殿も助太刀の資格十分だ」
オーカスの言葉の様子はジャギと呼ばれた闘神が入れば勝てないかもしれないと分かった上で、冥府と裁きの神として、助太刀を認める方が公平とみなしたのだと、横島は思った。
「いや違う。そこの自分が死ぬか再起不能になるかもしれない、奇襲をしようとした。バカな戦友の生まれ変わりに助言したくて乱入しちまった。 助言不可なら助っ人扱いで邪魔してくれて構わねぇぜ。 最低限の反撃はさせてもらうがな」
オーカスは首を振ると道を譲るような動作をした。
「構わん。貴殿の望むままにせよ」
「意外だな。俺にビビっているわけじゃないだろ? なんでまた。 あんたと少しやりあう羽目になるかもと思ってたんだがな」
ジャギの言葉はだまし討ちなどを警戒しているわけではなく、純粋にオーカスの裁定の根拠が気になっているようだ。 オーカスは少しバツが悪そうに答えた。
「不覚にも私は彼の奇襲に気づいていなかった。 そこまでの覚悟を持っていたとは思わなくてな。 多分貴殿の乱入がなければ、彼の奇襲で敗北していたかもしれない。
そこまではいかない可能性が高いが負けの原因になる重傷か、大きく不利になる重傷くらいは負っていた可能性が高い」
368 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:39:36 ID:5AOAdM2e
「あんた、自分に非があるかもと思うと本当に素直に認めるし公平だな。 冥府神は一部除き本当に悪人以外には優しいし、出来た神が多いな。俺の友人の嫁さんの冥府神とは比べ物にならないぜ。彼女にも見習ってほしいもんだ」
ジャギは最後の言葉はマイを見ながら口にした。 マイは少し慌てた口調でジャギに言い返した。
「言っとくけど、私は忠夫以外には公平で優しい冥府の女神って言われているからね。私がいじめたり、約束破るのはこいつだけだから」
横島を指さしながら言うマイは他の人間に冥府の神としてやらない様な事をしていると、横島に思われるのが我慢ならない様子だった。それを見越したようにジャギは笑う。
「はは、他の人間に冥府神にあるまじきことしているって横島に思われるのは我慢できんか。死後の裁きまで不公平なことしたらさすがのあいつも悪感情持ちそうだからな。 横島、彼女の言っていることは本当だ。 な、オーカス殿?」
ジャギに言葉を振られたオーカスは即座にそれを肯定した。
「うむ。彼女は冥府の神としての仕事は真面目にやっているし、横島、貴公と出会う前から死後の選定に関しては、義務感からかもしれないが本当に公平で慈悲のある判決を下していた」
ここで、マイに対する好感度が下がって横島の意欲が落ちると、公平な決闘裁判にならない。マイがそういうことをしていた場合は横島に本当にことを教えないと公平ではない。オーカスはそう考えるタイプの悪魔だ。
分析する横島をよそにジャギは気楽にオーカスに向かって言葉をかける。
「助言ついでに、こいつの体が癒えるのを早める手伝いしてもいいか? それと昔借りた物を今返してもいいか? 決闘裁判を有利に進める様なものなんだが?」
「構わない。 もともと彼の物だったのだろう。 生涯に影響を及ぼす裁判でそういう物を持ち込めない方がおかしい。 それに先ほど言ったように貴殿の乱入がなければ、奇襲そのものは成功し私は重傷を負っていた。それくらいは認めねば公平ではない」
オーカスがそういうとジャギはゆっくりと横島に向けて歩み始めた。 ジャギが歩みだしたのを合図にした様に再び剣撃と魔法の音が響き始める。
ジャギは壁にもたれかかった状態になった横島の前に腰掛けると、懐から緑色のビーダマ程の大きさ球を取り出した。そしてその緑色の球には『隠』という文字が刻んであった。
それが発動した時、完全に外界に対して与える情報が途切れたような感覚がした。 ジャギは横島の回復を促す秘孔突き、彼の目をのぞき込むと言葉をかけてきた。
「とりあえず、これでオーカス殿に会話を聞かれることはない。 横島、とりあえず返事は良いから聞いてもらいたいことがある。 お前は転生の度に何度も彼女たちを護るために戦い続けた。
そしてお前は流派を立ち上げたこともあった。女に尽くし支援するから女尽流(めしんりゅう)だとよ。 基本的には一人で戦える半面女性の支援や援護に長けた技が多い」
横島はジャギの言葉を聞きながら助言を待った。
「お前の本質は女を手助けすることだ。 だからこそ彼女たちの動きに合わせることに長けている。だからこそ、それを覚えておけば良い」
そういうとジャギは横島に向かい、『伝』と書いてある球を投げてきた。それを受け止めた時彼に様々な情報が流れ込んできた。 女権国家という世界でジャギが彼と共に戦った際のジャギの視点から見た彼。文珠と呼ばれるこの球の使い方。
闘神と化した彼と共闘した時の自分の前世達の戦いぶり。彼女たちと一緒にいる自分と共闘したジャギの記憶が流れ込んできた。
そしてその記憶を読み、横島の考えも大きく変化していた。今回は最悪、今生では再起不能になってもオーカスを退けられれば良し、と思っていたが彼女たちに自分の故郷を護る戦いを丸投げするわけにはいかない。
彼女たちは救われた以上は絶対に自分に不義理はしないから彼女たちを生かせば全力で故郷を護ってくれるだろう。だが自分が想像以上に彼女たちを助けるために適している以上、自分を欠いた状態で彼女たちを戦わせるわけにはいかない。その決意と共に彼は過去の記憶をより貪欲に読み取り始める。
過去の戦いの日々を見て横島は文珠と言われるアイテムの使い方を何度も見た。そして彼女たちを手助けする際の自分の行動を何度も見て、彼女たちの癖を覚えぬいた。 横島はジャギに突かれた秘孔のおかげで回復が早まるのを自覚しながらジャギに渡された文珠を受け取り構える。
文珠を作り出すことは今の自分では無理だ。だが文字を込めることはできる。時間がたてば経つほど全力で動ける時間は増えていく。その代わりオーカスの警戒も跳ね上がっていく。
横島考えているとジャギが懐から五つ文珠を取り出し渡してきた。彼はそれを受け取ると二つの文珠に『剣』『作』の文字を入れる。そして立ち上がり、状況を見続ける。
横島が離脱した後、オーカスはジャギが『隠』の文珠を使った場所に意識を割きながらも猛攻を繰り出し続けていた。オーカスは無類の打たれ強さを誇るためか、わざと攻撃を受けて反撃をするということをしても、相手が与えてくるダメージが大きくても、
相手の方が先に削り切られるという事態もざらに起こせる。さらに今回は相手が罪人と化している為に、勝利しやすい条件になっている。だからこそ、自分に一番致命傷を与えられる横島からの奇襲を最も警戒している。
先ほどジャギの頼みを快諾したのも彼からのほぼ確実に成功した奇襲を止めてもらったというのがそこまで大きかったためでもある。 敢えて攻撃を受けてから反撃する様なフェイントなども織り交ぜて剣をふるいながら彼は感嘆していた。
エヴァ達は疲労困憊の極致にありながらも、回復アイテムなどを使い辛うじて戦線の崩壊は防いでいる。
横島はさっきの霊力を込めた体当たりで霊的にも大きな傷を負ったが、まだ回復可能だ。ディアラマを受けながら、ジャギの秘孔も受けた以上は時がたてば経つほど、彼の奇襲への警戒度を上げていく必要がある。
目の前の彼女たちには負けることはほぼないが、万が一がないとは言えないほどには脅威だ。 ジャックランタン、ジャックフロスト、そして最も手ごわかったのがトゥルダク。この三体の仲魔がすごくよく動いている。
「見事な動きだやはり、ここまで彼の女たちを熱心に守ろうとするとは、人外に好かれやすい彼の特性はこの世界でも健在のようだな」
オーカスの言葉にジャックフロストが答える。絶対零度に近い氷の矢を作り放ちながら言う。
「ヒーホー、オイラ難しいことはわからんけど、これで勝てば忠夫の女性さんたち無罪なんだホー。ならその方が忠夫が喜ぶから頑張るホー」
オーカスがすべての氷の矢を防ぎ切った瞬間、ジャックランタンが上級の精霊を思わせる炎の嵐を放ちながら言う。
369 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:40:49 ID:5AOAdM2e
「オイラもサマナーが好きってのもあるけど、元ネタが、冥府関連でやらかした身だから、こういう正当な裁きをする冥府神に抗いたいのは本能ダホー」
二人の攻撃を防ぎ切った直後にトゥルダクが二刀流を構え彼にどこまでも切り込んでくる。 オーカスはそれを受け止めながら下がった。打たれ強さを売りにして攻めかかってくるこの妖鬼は今回の戦いに対して、
横島への忠義だけでなく存在その者を掛けているような気迫がある。
オーカスはトゥルダクの動機にも興味を持った。 トゥルダクは切り合う手を一切緩めずに言葉を返す。
「我がここまで抗うのは忠夫殿への忠義と、善行への好意もあるが、『この世界』の死神であり地獄の獄卒でもあるものとしての意地だ」
少し疑問を抱いたオーカスに彼はなるべく短くなるように意識しながら言葉を続ける。
「忠夫殿は彼女たちに大きな好意を抱いている。彼を主としてマグネタイトの供給を受けていればそれはわかる。そしてそちらの世界ではともかく、この世界では彼女たちの行動はそこまで重い罪ではない。
この世界の彼と夫婦となる以上この世界では厳罰に処させるわけにはいかぬ。 たとえ『死』ではなく『滅』を迎えることになろうと抗わせていただく」
その言葉を聞きオーカスは納得した。この世界の地獄の獄卒である以上はこの世界に転生した彼の生と感情に配慮する櫃量があるのだろう。
横島を仮サマナーとしていた三体の仲魔達が疲労困憊の彼女たちを庇い回復の時間を稼いだ中不意にジャックランタンが仕掛けてきた。それを見てオーカスは即座に動いた。
『ここまで早く仕掛けてくるとは。必ず何かある。横島が再起不能にならずに動けるのは30秒ほどだろうが、長い時間になりそうだ』
目の前の仲魔達を最も警戒していたが、彼らを二番目にし、そして横島のいる場所への警戒を一番に引き上げた時、ジャックランタンの声が響いた。
「次はサマナーが勝負を決めに行くホー、全員で全力を出して援護するんだ。ここでサマナーの攻撃が喉笛に届かなきゃこの戦い負けだホー」
それを聞くと全員が一斉に最大の攻撃をオーカスに向けて放ちだした。 トゥルダクとマイが特に力を込めて攻撃をしかける。今生の横島を一番理解しているであろう、マイの行動を見て、他の面々も全力で攻撃を始める。
今回の攻撃で特に印象的だったのはいつも真っ先にかけるユウキが敢えて我慢して駆けだすのを待ったことだ。 女権国家の女性たちの中では唯一オーカスに届きうる。圧倒的な速さ特化ゆえに致命傷を与えることができる可能性が僅かとはいえある
。だからこそ、戦況の流れを見て動く気なのだろう。
オーカスは守りの姿勢に入りながらも何度も、フェイントを使ってきた。九分九厘来ないと分かっていても、万が一放たれれば確実に死ぬ一撃は大いに彼女たちの動きを縛る。オーカスはフェイントと守りの体制、そして本当に稀に繰り出す反撃でうまく立ち回りながら下がっていく。
激しい攻防の中オーカスの意識がなぜか完全にジャギと横島のいる位置から離れた。それを見てトゥルタクと全員は今こそ好機と感じたがその認識は直ぐに改められる。 ユウキが引き絞りぬかれた矢のように駆けた瞬間、オーカスがどちらにも対応できるように構えなおした。
オーカスは敢えて同時に二方向を警戒するのを諦めて、エヴァ達の方だけに意識を向けた。そしてユウキが駆けだすときこそ、横島が仕掛けてきたときだと確信していたようだ。万が一とは言え、自分を討てるものと同時攻撃すれば奇襲の成功率も跳ね上がる。
オーカスの 読みは当たっていた。 駆けだしてきた横島が剣を構えユウキと連携するような形で彼を討ち果たしに行くときとそれは被った。 オーカスは無数のその場にいる者にしか見えない殺気の刃の雨でユウキを牽制し、横島には最新の注意の果てに一刀を放った。
ユウキは無数の殺気の刃全てを本物と見極めるのを諦めかわし抜き様な速度でオーカスに迫る。そして横島はオーカスからの一撃、かわしても時間切れが大きく近づき完璧に受けても、絶望的に時間が足りなくなるその一撃を、横島は見事にかわした。
彼の飛び込む攻撃を、オーカスは剣で受け、その瞬間顔色が変わった。
次の瞬間、オーカスの首筋から大量の血が流れた。そして彼の魔力の消費量が彼の元の世界への送還が不可避であることを告げていた。 オーカスは立ったまま、堂々と言葉を口にした。
「この決闘裁判、貴公らの勝訴だ。 前世の妻達と共に生まれ変わった地を全力で守るが良い」
それだけ言うと、オーカスはそのまま光となり消滅していった。
オーカスが倒れた後、その後には倒れていた校長の姿があった。 横島は彼を見ると、驚きつつ様子を探る。けがなどは一切なく、むしろ前より体調は良さそうだ。
目を覚ますと校長は言った。
「わしはなんか凄く教育者としてすべきことをせねばとか思って動いていた気がするが、何をしていたか思い出せんな。 まあいいちゃんとやり切った気がするし、他の仕事に移らねば。 横島君、確か悪霊退治とか仕事だったし学校まで送ってもらっていいかな?」
「あ、はい」
「愚弟、私にまかせなさい。 トラポート」
マイが転移呪文を唱えると校長の姿が掻き消えた。校長室に送り返されたのだろう。
「姉ちゃん。どういうことやったんやあれ?」
「青木さんが経験した、軽子坂高校事件で校長はハザマ・イデオの恨みを買って本人も飽食の罪を犯していた結果ああなったけど、この世界の校長先生は人格者過ぎて、女権国家の善良な冥府神のオーカスの器に選ばれちゃったのよ」
「それはまた……、 ダメ教師でも良い教師でもオーカスになるのは免れられない辺り、なんか呪いめいた因縁を感じるわ」
「そうでしょう。それはそうと愚弟、あんた最後どうやってオーカス様に勝ったの? ユウキの剣がすごく効果があったけど、本来ならあの倍くらい深く刺さなきゃ彼女の剣じゃ致命傷にならないはずよ?」
「それは簡単なことや。 こういうことや」
そういうと、横島の手にはユウキの剣が握られていた。そしてマイが驚き裏を見ればユウキの手に握られていたのは横島の霊波刀に似たユウキに合わせて作られた剣だった。
「僕も驚いたよ。ダメもとで深く切りつけるつもりが突然剣が変わっちゃって。でもこれ忠夫の霊力だけで作られた剣だから、僕が振るっても罪人補正が消えると思ったんだ。そしてそれは予想通りになってオーカスを倒せたよ」
ユウキの言葉を引き取るように横島は言葉を続ける。
「彼女の方が速いしオーカスの警戒も少なかったから、『剣』『作』の文珠で作ったものをこの『入』『替』で替えたんだ」
「分かったわ。でも二文字制御しつつ良くそんなに早くできたわね。自分ではできないと思った直後の決断、早すぎるわ」
「途中で決めたんじゃなくて、最初からユウキに任せるつもりだった。『伝』文字を込めた文珠でジャックランタンに伝えた」
その言葉を聞きマイの顔に納得の色が浮かんだ。
「確か、ジャックランタンは冥府の裁定者をだました逸話がある。だから私とトゥルダクとオーカス様は騙されたのね」
370 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:42:04 ID:5AOAdM2e
「ああ。だからどうにか倒すことができた。 ジャギさんも俺の文珠を制御するために必要な部分が早く治る様に動いてくれていたし、感謝しかない。 ジャギさんありがとう」
ジャギの姿を見ると彼がいた場所には既に何もなかった。 マイがディアラマを唱えると、横島の体が信じられないほどの速度で完全に癒える。訝る横島に彼女は言葉を続ける。
「白に近い灰色とは言え、あんたも一応罪人側で決闘裁判に出ていたから、少しだけオーカス様の補正が効いていたのよ。完全になくなればこんなものよ」
エヴァやユウキ、アリス、リグルの傷も言える速度が速くなっている。 ホッとする横島にマイが説明を続けた。
「今回の戦いで聞きたいことある?」
「個人的に気になったんだが、オーカスが俺を種族の恩人扱いしていたのはなんでや?」
「あんた昔、豚に変えられたことがあったのよ。それでそのあんたが大勢の人を救ったから、物語の中でオークの地位が女権国家世界では上がったの」
「そら凄いな」
「それだけじゃないけどね。この世界のエロ同人の知識が入ったことで、オークは女性を犯しまくる存在とみなされて女権国家だと、男性のお守りに豚やイノシシも使われている感じなの」
「それで冥府神の側面もあるオーカスさんの地位も上がったわけやな」
「ええ」
「それと、校長先生って今回は人格者過ぎてオーカスの体に選ばれちゃったらしいけど、青木師匠の時と同じくなんかパラサイトが入ったんか?」
その言葉にリグルが罰が悪そうに言う。
「それについては僕の同族の仕業なんだ。ごめん。この世界の伝承で三尸の虫っているでしょう。 ハザマ・イデオがやらかした世界線の虫はどうだかわからないけど、
女権国家だと三尸の虫の伝承が中途半端に入ってきた際に、善行を報告する虫もいるって信じられていて女権国家だと六尸の虫なんだ。その彼らも一応は、僕の参加なんだけど、
今回の件に関してはけじめつけろと言ってハザマ・イデオがやったのと同じ方法で校長先生に入っちゃたんだ。 校長先生も、本人は覚えてないけど、
教師として君が自分の意志で根性の道を選択できないと気の毒って思って選択の機会上げたいと思った結果了承して。善なる虫に寄生されてオーカスの依り代になっちゃったんだ」
「そうか」
そこまで聞き終わると、横島はどっと疲れた。不思議とオーカスに対する怒りや恨みはなく、ただ身内のしてしまった不始末のケジメはつけられたな、という思いがあるだけだ。
そして心の中で校長に、『一度先生が選ぶ機会をくれたから、俺はもう後悔しない様に頑張ります』と告げると、マイが差し出してきてくれたサマナー達の間でもめったに手に入らない神酒、ソーマを飲み干した。これを飲めばしばらくすれば完全に回復するだろう。
ソーマを飲み体が楽になり始めた瞬間にマイが彼に向けて眠りを誘う呪文ドルミナーを唱えてきた。今までも彼女の魔法は彼に聞きやすかったが今回は特に眠気を誘われた。
「うん、オーカス様に決意表明して、私たちと共に歩むと決めたせいか、冥府の加護が完全に効かなくなっているわ。 正確にいうと私たちが本気で愚弟が嫌がることや、愚弟の倫理上許容できないことしない限り、私の権能はもう拒めないわね」
そういうとマイは笑いながらドルミナーを唱えてきた。あまりにも
横島は自分が、吸血鬼などのゴシックホラー映画などでみるベルベットがあふれる暗く美しい寝室にいることに気づいた。 マイに与えられたソーマがもたらした回復で自分の体は大いに元気づいているが、
それでも立ち上がることが難しい。だが不快な感じではなく、疲労が強い状態で安心して休める状態ゆえの脱力感だ。
不意に背中に心地よい冷たさの柔らかい双球の感触が走ると、肩の部分からも違った脱力感をもたらす性的快感が襲ってくる。 傷口をなめられたと察した瞬間彼の体は脱力感の虜になった。
傷口をなめられた快感に力づいた分身を揉みしだかれ激しい快感に悶えかけたが、それでも射精には至らないというより至らせてはもらえなかった。揉みしだく手から魔力で作られた糸が出て彼の分身と玉袋に入り込み射精を禁じる
。リグルやアリスとは違う快感をもたらしてくる相手の正体を彼は手を見ると一目でエヴァだと気が付いた。
「エヴァさん、飽食界の試練はもう終わりなんじゃないんすか?」
拘束が緩み優しく仰向けに倒れるように解放されると、そこにはマイとエヴァがいた。純白の映える衣装に身を包んだマイと黒い衣服に身を包み大人の姿になっているエヴァが、彼を食物を見る様な目で見ている。
エヴァは笑いながら言う。愛と嗜虐心が混じり切った笑みに彼は震えつつ、それを見るだけで分身が余計に硬くなることに大きな違和感を覚えた。 マイはいたぶるネズミを完璧にとらえた猫の様な笑みを浮かべながら答えてきた。
「エヴァは相当に力を消耗したから『飽食界らしく』あなたを貪ることで回復したいそうよ」
「その通りだ。忠夫、私の消耗を貴様の血と精液に含まれるマグネタイトで癒してもらおう」
そういうとエヴァはゆっくりと服を脱ぎ始めた。普段はあっさりと脱ぎその魔性の美術品や妖刀めいた雰囲気に包まれた、肢体を横島に見せるが今回は敢えて、彼の視線が自分の露出されていく部分にくぎ付けになっているのを愉しんでいるようだ。
全てを脱ぎ終えた後、彼女は笑いながら彼の体を糸で操りながら招く。そしていつもの様にゆっくりとではなく、一瞬で奥に入るようにした。
容赦のない速すぎる結合に彼は強すぎる快感のもたらす恐怖感に襲われた。エヴァが糸を解き射精を許す数瞬の時間さえ、長く感じられた。射精を許された瞬間、彼は一気に大量の量を放ち、強すぎる快感で魂の何かが削られていく恐怖が襲ってきた直後にエヴァは言う。
「そろそろ上からももらうぞ」
射精の勢いが本当に僅かに衰えた瞬間を狙ったように言った死刑宣告の様な言葉は彼の分身をより元気づけた。 その直後に首に氷の針を思わせる快感が走った直後に首から一気に体中の力を奪い去る快感の電撃の嵐が吹き荒れる。
エヴァにかみつかれ、彼女が味わっている彼を嫐る嗜虐心と彼が与えている快感までもが返ってきて、一気に彼は堕ちた。
首筋に刺さった牙により一気に射精の量が増えて、もうろうとしながらしばしの時間がたつとようやく解放された。 マイは笑いながら言う。
「忠夫、おめでとう飽食界で食べながらまた成長したおかげで体の感度と耐久力が上がったみたいね。この飽食界に来る前の貴方だったら今ので、発狂していたわ。それじゃあ私も参加させてもらうわ」
マイが冥妻天女の剣を向けて呪文を唱えると、自分がエヴァにベッドで圧倒されているのがすさまじく恥ずかしいことの様に思えてきた。
男性優位の性行為が当たり前の国で過ごした前世に戻されたためだろうが今回は、いつもより遥かに恥ずかしい。 マイは嘲笑めいた笑みを浮かべながら言う。
「簡単なことよ。あんたは今まではオーカス様の加護があったから私の冥府を司る権能に体制があったのよ。それが今では完璧になくなったからね。今生でも私たちの守護者であることを選んだ瞬間に、ね」
最後の言葉には燃える様な情欲を感じさせる声でマイはエヴァを横島から引き離した。
「エヴァ少しがっつき過ぎよ。忠夫が回復するのを待ちなさい」
オーカス相手に今生でもこのままでいると決めたのがきっかけとなったのか、マイだけでなくエヴァも横島を下の名で呼び始めている。
マイは笑いながら騎乗位の体制で彼を搾り取り始めた。
「〜〜!」
371 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:43:18 ID:5AOAdM2e
あまりにもすごい快感とそれにも勝るかもしれない凄まじい恥辱心で泣きわめく彼を見下ろしながら、マイはわざとらしく首を傾げる。そして今更気づいた様な様子で白々しく口を開いた。
「あ〜! いま私があなたを戻した前世は、女性優位の性交が滅茶苦茶恥ずかしいだけじゃなくて、私が国の大敵な邪神として名が知れ渡っている国だったわ。うっかりしていてごめんなさいね。
でもこんな状態で生涯一の大量な射精をする愚弟にはご褒美でしかないわね♪」
天使を思わせる顔で笑うマイから離れようとすると、エヴァが以前と同じように彼の古傷をなめ始めた。 前よりも強い快感を送られ、感電した様に痙攣するたびに体が震え、その度に彼女の中に精を放ってしまう。
「忠夫、今生でも私たちを護る意思は微塵も変わらなかったな。前世で女殺しの魔物たちに何度襲われても、お前の意思は変わらなかった。 今回は本当に女殺しの獣たちと戦い続けた輪廻の日々を思い出せた」
エヴァの懐かしむ声共に来る、傷口からくる快感は激しい脱力感を与えてくるだけではない。首筋に打たれた牙のからくる快感の余韻を余計に強くしてくる。 マイが魔石らしきものを取り出し、
彼に使うと吸われた血液まで回復するが、今までの魔石と違い恥ずかしさが大きくなった感じがする。彼女は横島の顔を見ながら笑う。
「ああ、この魔石は信仰から生じるマグネタイトを固めて作ったの。その信仰の元となっているのが、今あなたが価値観を共有している前世の物語のものよ」
それを聞き横島は青くなった。価値観は戻ってきているのになぜ恥ずかしいのかは思い出せない。だがすさまじい恥ずかしさだけはある。別の前世にしてくれと言っても、この笑みを浮かべているマイは絶対に聞いてくれないだろう。
マイは横島から離れると、今度はエヴァに渡した。エヴァが横島に騎乗し彼から精を搾り取り首筋から血を吸われると、さっきまでどれだけ無様にマイに圧倒されたのかがエヴァの視点でどう見えていたのかが分かり、
その侮りの感情まで流れ込んでくる。そして再び大量の射精をするとマイが笑う。
「ちょっと、明らかに自分がどれほどみっともない姿をさらしていたか知らされて逆に興奮してるわ、こいつ。 ねえ? こんな変態マゾなのに男性優位の性交為ができると思ってたの?」
蔑みしかないマイの言葉を聞き、余計に自分が興奮していることをエヴァと感覚を共有して理解し、脱力の極みにある彼にはそれが余計に凄まじい屈辱と興奮を与えた。 そしてそれが済むとマイは笑いながら、トラポートの詠唱を始めた。
疑問を浮かべる、横島に彼女は笑いながら言う。
「飽食界らしく、エヴァのためのスペシャルカクテルをふるまうのよ」
それだけ言うと彼女は笑いながら、横島にソーマを再び差し出してきた。それを飲み干し回復すると、トラポートの光が起こった。
トラポートの光が消え去ると、彼の視線の先に見えたのはまぶしい光だった。闘技場でも夜だったし、明かりも蝋燭とかがり火が主なのでそこまで明るいわけではなかったが、エヴァの寝室に目が慣れた彼には少しまぶしく映った。
ここは夜の闘技場だ。あたりを見るとたくさんの観客見目麗しいところを見ると女権国家の女性達と思われるが、嘲笑めいた目で彼を見ている。奇妙なことに彼女たちは、指に奇妙な機会をつけていた。そこまで考える暇もなく、マイとエヴァが二人係で彼を容赦なく押し倒した。
前と同じく、周りの女性たちの価値観も自分の前世と同じに戻しているのだろうと思ったが案の上その通りでオーカスの加護が外れた彼にはその嘲笑は前より響いた。
「敵国の大敵にやられて余計に興奮しているわ。 あんなのを英雄視している子供たちがかわいそう」
「確か、エヴァさんも邪悪な吸血鬼扱いだったはず、その邪悪な敵に負ける惨めさで余計に悦んでいるわね。あれ」
マイとエヴァにやられ続け、観客席の女性達からの嘲笑が、余計に彼を興奮させそれが余計に自己嫌悪を強くしていく。
何度かの性行為の後、マイに騎乗位で絞られている横島の顔にエヴァが不意に尻を押し付けてきた。それが異常に恥ずかしく、しかし余計に興奮させられてしまい今の導入されている前世の価値観のせいだと、感じた。 特に凄まじい量の射精をした彼に、マイが嘲笑しながら解説をする。
「今のあんたの前世の価値観だと、男性優位の性行為が当たり前なうえに女性の地位が低めだったのよ。だから『女性の尻に敷かれる』って家庭は恥ずかしいうえに、性行為でそうなることは特に恥ずかしいと浸透していたの。
最もそれをより強く根付かせたのは私達だけど。 ひょっとしたらあんたをいじめるのに使えるかもと思ってね」
その言葉を聞き、横島はやばいと思いつつ体中からの湧き出る快感におられかけた時、もう一度射精したら、指一本すら動かせなくなる。その瞬間、エヴァが横島の顔から立ち上がった。
「凄まじく恥ずかしがっていたからな。さすがにこれはやりすぎかもと思ったすまんな」
まったく本心とは思えない言葉に横島は、エヴァが自分の体の魅力に負けて、横島が自分から尻に顔を埋めに来させようとしていると分かった。 何度も受けた凌辱のせいでどれだけ気持ちいい屈辱と背徳感があるのだろうという思いと、
吸血鬼の体の美しさに負けて彼は尻に顔を埋めた。途端にマイが鬼の首を取ったかの様に笑い叫んだ。
「愚弟は明らかに、魅了の魔術とかなしで自分からまけていましたねぇ。 普通はここまで落ちるのに三か月くらいは持つのに。 おや恥ずかしい解説を受けたら弱すぎ一物が余計に硬くなったわ」
それを聞き本心からの嘲笑が観客席から湧き出した。
『あははは――!』
無数の嘲笑に負けてそれすら快感と感じる彼に、マイが笑いながらエヴァと交代する。
「それじゃあ、エヴァ。ご注文のスペシャルカクテルの用意はできたから今持ってくるわ」
「おお頼むぞ」
上機嫌すぎるエヴァの笑みに横島は恐怖と悦びを覚え、自分は末期だと感じた。
不意にマイがワイングラスに血液をもって帰ってきた。 それをエヴァはゆっくりと味わうように飲み干していく。 そして彼に騎乗した。 エヴァに飲み込まれ激しく嫐られる彼にマイは楽しそうに解説を始める。
「エヴァは血を飲むと相手と精神的につながれるのは分かっているでしょう。 そしてこの会場の女性達は今の貴方と同じ前世の価値観にしている。 そしてあのワイングラスに入っていた血は貴方が、エヴァの尻に自分の意志で顔を埋めた最も無様な姿を嘲笑した時の血を観客全員から一滴づつもらったものよ」
それを聞いた瞬間、横島の顔から血の気が引いた。さすがに怯え逃げようとする彼の頭をマイがつかみエヴァの前に差し出す。エヴァは笑いながら彼にかみついた。
その瞬間会場中の女性たちの彼に対する侮蔑と嘲笑が一気に彼に流れ込んできた。どれほど自分が無様をさらしていたかも理解できた。その恥ずかしさがもたらす悦びとエヴァからもたらされる快感が一気に、彼を絶頂させ。エヴァの秘所に溢れかけるほどの精液を放った。
マイは一瞬で服を魔力で着込み司会者となると笑いながら言った。
「愚弟は、皆様が受けた説明通りの状態となり今回三回も、射精の量の記録を更新しました。ご協力ありがとうございます。 多分ですが闘技場の使用は今回を抜けば残り一回ですが、皆様次回もご愛顧を。 それではこれから見せる予想通りであろう、愚弟の正体をお楽しみください」
372 :
名無しさん@狐板
:2022/04/24(日) 23:43:50 ID:5AOAdM2e
射精させられ終わり、完全に上と下から霊力を絞られ切った彼を見て、マイは笑う。
「愚弟。実をいうと、前世の価値観的に無様すぎる姿をさらした時にもお客様たちから一滴ずつ採血してたんだけど、その際の血を飲んだエヴァさんにスペシャルカクテルを提供しまくりなさい」
快感で前後不覚になりながらも、射精しつくしたおかげか男としての尊厳が砕ける恐怖が蘇った彼は怯えながら首を横に振った。
「い、いや」
しゃべることすらままならない彼にマイは魔石を使うと一気に彼は回復した。そして下半身も回復すると、魔法で服を再び脱いだマイとエヴァの肢体を見て、頷いてしまった。
マイは笑いながら再びマイクを具現化させて解説を始めた。
「エヴァの回復の為に必要なことではあったけど、愚弟はそれが分かる前に明らかに性欲に負けて了承してました! ここまで無様な男は滅多にいませんね――!
今しているのはエヴァさんが私に恩があるからと乗り気でないのにやってくれたプレイだけど、愚弟がこうなったら、何回もしなきゃダメかも」
観客席からの笑い声に負けながらエヴァがワイングラスの血液を飲み干しその度に激しい快感と嘲笑の念に包まれながら彼は何度も意識が飛んだ。すべてが終わった後、エヴァは露出は激しいがぎりぎり下品ではないナイトドレスに着替えた。
「おかげさまで完全に回復したぞ。忠夫、これからは全力でお前の故郷を護ることに手を貸すことを誓おう」
宣言してくるエヴァを見て、横島は彼女に勝つのは不可能になったと思った。 強さが増したのもあるが、自分は今夜の閨で完全に討ち果たされてしまい、負け犬今生の様なものが彼女に対して芽生えた。負けたら性行為をされると戦う前に悪魔としての契約で宣言されたら、もう体が言うことを聞かないだろう。
「これからに備えて一時的に特別なガソリンを入れた車の様になりたいのでな。次の魔界が怠惰界の準備ができるまで私に、貪られていろ」
そういうとエヴァは横島を捕らえ、トラポートを唱えた。
エヴァの寝室で横島は大人の姿のエヴァに血を啜られながらマイによって男性優位の性交位が当たり前の前世の価値観に戻されながら、エヴァにその時代で一番恥ずかしい性行為をさせられていた。
彼女は闘技場で顔に腰掛けた時の様に途中で敢えてやめて、横島が自分に飛び込んでくるのを愉しむ癖がある。吸血鬼の体の美しさを武器にしている快感によっているところもあるのだろう。 この性行為はマイによって、
横島と同じ前世の価値観に戻された女権国家の女性にも配信されているらしく、その女性達の血液が時々届いてくる。それを飲んだエヴァに血を吸われているところをマイが笑いながら見て、エヴァに問うた。
「エヴァさん。今日のカクテルの味はいかがですか?」
「上手い。 だがやはり闘技場の様なライブの方が一番だな」
「そう」
答えつつ、マイは笑いながら、横島に声をかけてきた。
「愚弟、貴方はある意味飽食の罪を犯しているかもね。性的な快感を求め続け、オーカス様の提案を拒絶しなかったのは私たちにいじめてもらう快楽を貪る快感を欲しただけだからかも」
嘲笑めいたマイの言葉と首筋と分身に与えられる快感に破れ意識が朦朧とする彼をエヴァは笑いながら子供に戻し胸に顔を埋めさせた。
「一度あれをやられただけで、胸より尻に対する興奮が大きくなったサル病の治療の時間だ。早く尻に欲情するサルから胸に欲情する人間に戻れ」
嘲笑しながらも愛おしそうに彼を抱くエヴァにマイは声をかける。
「そろそろ怠惰界の準備ができるそうよ」
「早すぎではないか?」
エヴァのこの発言は、横島をそこに送るのが早すぎるというのではない。もっと時間がかかるはずではないかという意味の言葉だった。
「ええ。怠惰界の担当者なあの娘が、オーカス様との戦いで頑張りすぎた愚弟の姿にときめいてやる気出しちゃってね。工事を予定より早く終わらせちゃったのよ」
「あと何日だ」
小さくなった横島を強く抱きしめながら名残惜しそうにエヴァが聞くと、マイはあっさりと答えた。
「体感時間的にあと三日ってところかしら」
「そうか。それが終わったらこのバカの故郷を護る任務に戻らねばな」
エヴァはそういうと、横島に魔石を使い立ち上がった。マイ笑いながらその様子を見ている。
「もう少し気楽に構えられない?」
「今回約束を破った私たちを護る道を迷わず選んでくれこいつには、閨の中以外では不自由をさせるきはない。 万一試練が越えられない様なら私達だけでの戦闘も考慮せねばな」
エヴァの鬼気迫る様子を見てマイは内心で思う。閨の中で圧倒してはいるし横島は自分たちに跪いているが、本気で惚れさせられた者同士なら案外恋愛の勝負は引き分けなのかもしれないと。 横島の故郷の安全に対して考えるエヴァをあざ笑いつつ、自分もあまり大差はない、
と感じながら彼女もエヴァと共に横島に良くしてくれた故郷の人々の安全に対する対策を語り合いながら、次の怠惰界の主が横島に勝たないことを祈った。 そうなったら自分たちの忙しさはすさまじいものになるだろう。
373 :
名無しさん@狐板
:2022/04/27(水) 00:52:44 ID:NKj+TvPo
乙です
374 :
名無しさん@狐板
:2022/04/27(水) 16:59:35 ID:gLArIRwL
乙です
375 :
355
:2022/04/27(水) 20:58:22 ID:wV+dGtkR
>>373
乙感謝です
>>374
乙感謝です
376 :
名無しさん@狐板
:2022/04/28(木) 19:34:14 ID:fdtyl+RB
面白かった
マイ姉さんはオリジナルキャラ?
ジンとか青木先生はメガテンなのかな
377 :
355
:2022/04/29(金) 09:25:55 ID:McCx2C2l
>>376
ありがとうございます。
マイさんは東方の怪綺談にでてくるキャラクターです冥界とかに詳しいような描写が
あったらしいのと、ファンの間では腹黒扱いされているのでこういうキャラ付けにしました。
青木師匠とジンくんは女神転生ifのスピードタイプの主人公です。取り憑く守護悪魔が横島と、
関連深い悪魔が多いので、横島の師匠役に抜擢しました。 女神転生if小説版の主人公(ステレオタイプの善人系正義の味方)
から名前だけもらった感じです
378 :
名無しさん@狐板
:2022/04/30(土) 15:27:01 ID:nH0bosPs
ありがとうございます
379 :
名無しさん@狐板
:2022/05/04(水) 17:35:23 ID:8LERmHQB
女権国家 データ
《登場人物》
〈味方〉
『スパイ組織』
・大鳳
元五将の一人であるペンウッドが校長を勤め、王国の工作員・戦闘員を養成する学校である『特務科』に飛び級で幼くして入学し、優秀な成績で卒業した。
王国特務科卒業席次2位(本来は1位)
【ステータス】
HP 19
ATK 7
DEF 2【質素でしっかりしたツナギ(DEF+1)】
INT 18
【スキル】
【会心の一撃】:発動時ATKが+3、発動率3割
【精神状態】:正常
【trauma】:なし
【アイテム】
・銃剣付き制圧銃(通常装備)
・無外の守刀【ユニークアイテム】
[天魔の域に人のまま触れることを目指す者のためのお守りの役割を持つ小刀。心を正しく持つことで道は拓かれるだろう。恐怖への耐性が上昇し、彼我の実力差を正確に見積もりやすくなる。一部判定で補正。]
・剣豪の空鞘【ユニークアイテム】
[伝説となった歴戦の剣豪が年老いた後も持っていたと言われる鞘。持っていると、一部武人肌の女性の初期好感度が優遇される。]
【所持金】5500m
【大鳳くんメモ】
ぼくこそがしんのすぱいだ!王女様のために頑張るぞ!
・初音ミク 初期好感度25
大鳳の上司にしてスパイ組織の実質的指導者。仕事の出来る可愛い後輩は好き。
自分に厳しく、他人にはちょっと厳しいという人だが、なんだかんだ面倒見はいいので教えてくれる。
仕方ない理由で捕まったときは助けに来てくれることもあるが、裏切り・利敵行為は絶対に許さない。笑顔で何人でも銃殺できる人。
軍歌を唄う歌姫として従軍しながら後方から奇襲をかけた敵軍を血祭りにあげたことで名を馳せた。
異色の経歴を持つ緑翠の軍姫。今では「粛清人」とも呼ばれる。
・シノン 初期好感度101
大鳳の親友。王国特務科卒業席次3位(本来は2位)。
極めて成績優秀だが「四惑の禍」への学徒出陣とその後遺症で2年進級が遅れた。本来は大鳳、ジャギ、横島達の二つ上の学年。
学生のうちから狙撃の才能を開花させ、一流の狙撃屋の証と言われるA級スナイパーの認定を受けた。
激戦となった大戦終盤に学徒動員として女権国家戦線に投入され、当時若輩ながら褒賞を得るほどの戦果を残しながら、戦後はPTSDに悩まされたため、年単位の休学を続けた。
定期的に教材を届けに来た大鳳が精神的支柱となり、復学を遂げることとなった。
・東横桃子 初期好感度64
実地研修でスパイ組織にきた大鳳の後輩。
隠密チート。潜入捜査なら誰にも負けない。スパイ組織の中では一番ゆるい系、なのでミクさんは怖いらしい。
好感度次第では絶対にありえないタイミングで助けに来たりする。
・ジャギ
大鳳の親友。王国特務科卒業席次67位。
大鳳の助役として赴任。
・横島忠夫
大鳳の親友。王国特務科卒業席次197位。
大鳳の助役として赴任。
『大使館』
正式には「駐女権国家王国大使館」、構成員は王国の人間で任務をともにすることもあるだろう。
女権国家に来る以上リスク回避のため全員女性、今年特務科を卒業した大鳳達の同級生もいるはず。
・鹿島
・王留美
・峰津院都
大鳳の同級生。
『鍛錬場』
ギルドの近くにあるトレーニング施設。王国の大将軍だったブラッドレイやその娘がいるから、比較的王国寄り。
・ブラッドレイ
「五将の役」で活躍した五将の一人、最前線で知将かつ猛将として闘った「大将軍」
・坂本美緒
ブラッドレイの娘
『収容所』
女権国家と王国の国境にある施設で、エイルケイム精神療養院とも呼ばれている。
両国の精神を病んだ者や政治犯、思想犯が収容される。
今でこそ女権国家領だけど元は王国にあった施設。今の所長は王国の人間。
敵性の相手を捕まえたらここに抑留できる。女権国家の息もかかっているから脱獄や釈放されてしまうことも多い。
収容できる相手の人数・身分(正当性があれば)を心配する必要はない。
・麦野沈利
〈中立〉
「警邏隊」
女権国家の治安を守る組織。その構成員は概ね武人肌で義理堅く、治安を守る目的においては共闘できる相手と見ていい。
・ティアナ・ランスター
・風鳴翼
・リンネ・ベルリネッタ
「マフィア」
非合法な活動や商売に手を染めている厄介な組織、利用することもあるかも知れないけどあまり深く関わるにはリスクがある相手。
末端の構成員やフロント企業の企業舎弟まで含めれば把握しきれないほどの数がいる。
組長や執行部級には日常生活ではなかなか会わないでしょうけど、カジノなどに足を伸ばせば会えるだろう。
治安の良くない場所だけどこういう場所に情報が集まるのが常、羽目を外し過ぎない程度に遊んで情報を探ろう。
・天海春香
マフィアのボス
・如月千早
・高垣楓
・島村卯月
「ギルド関連」
生産や消費、外注依頼などに関わる根幹機関。全体としてのスタンスは中立だが、味方になりそうな、男性の権利を主張する「男性解放戦線(※味方しないと消滅します)」もいれば、その対立勢力の「FFF団」(ファック&ファック&ファック団)みたいにほぼ敵対確定なのもいる
〈敵対〉
【皇族】
割と自由奔放で大雑把に動いているけど権力は持っているから目を付けられないことが重要。
案外男性に対する警備は甘いところがあるけど、どんな人材を伏せてるか分からないから、深追いして潜入するのは危険な任務になりかねない。
しかし本人たちの脇は甘いからスパイの目標としては一番狙いどころ。
・ネロ・クラウディウス
女権国家の皇帝
・アンリエッタ
女権国家の皇女
【防諜組織】
スパイ組織の宿敵。戦闘にも諜報にも長けている面々が揃っていて、長らくスパイ組織と戦線を拮抗させている。
殺せない縛りがあるとはいえ、こちらに決め手が出ないのはとことん立ち回りが嫌らしいのが理由。
王国や女権国家の諸所に情報網や人員を張り巡らせている。
・更識楯無
防諜組織の会長。防諜組織最強。上下からの人望もある。
戦闘でも一流以上、諜報関係の力では超を付けてもいい一流。防御力は随一で戦闘でも強い。
誘惑も強力と隙がなく、即死のある拘束が最大の脅威。
文句なしの強敵。貴方が一対一で勝つ必要がある相手としては最強かもしれない。
弱点があるとすれば、暗部としての才能とキャリアに恵まれ、鬱屈したものがない。故にいい意味でも悪い意味でも余裕がある。
格下相手には油断することもあるため、それがつけ入る隙になることが多い。
それ故本当に手ごわいのは一度勝って本気にさせてからで、彼女の本質は格上、同格殺し。
非凡な分析力と立ち回りを兼ね備えていて、数段程度の実力差なら平気で5分以上の勝ち目にひっくり返して来る。
拘束技が強力なので、抜け出す方法がないとそのまま連れ去られてしまう。
・ファサリナ
防諜組織の副長格。楯無以外の構成員とは対等な関係。
娼館『快楽の花園』に勤めて防諜組織の情報収集の要を担っている。
楯無やその上司にあたる女権国家元帥への忠誠心がとても高く、体を張ってでも任務遂行しようとする傾向がある。それに計算を狂わされることもあり、敵に回すと厄介なタイプ。
身体能力も誘惑力もなべて高く、強敵。
・結月ゆかり 初期好感度107
王国特務科卒業席次1位(女権国家への忖度での首席扱い、本来は3位)。
防諜組織に所属し、王国への留学諜報をしていた若手。知性もあり、訓練も積んだ期待のホープという立ち位置。
歌を使った状態異常が得意、戦闘能力は成長途上。あの胸で色仕掛けをするだけの手管は持っている。
まだ鍛錬が煮詰まってないため、単純な戦闘の相手としては防諜組織では一番戦いやすいが、伸びしろはおそらく最大級であり、大鳳に執着しているその鬱屈が力になる。
長く争っている内に強敵に育つだろう。
・ティナ・スプラウト
防諜組織生粋の生え抜きで最年少、実はゆかりより防諜組織歴は長い。
見かけは天使みたいな顔しているが性格は割と畜生なメスガキ、基本誰の言うことも聞かないが、楯無には従っている。
王国特務科に出向留学する可能性もあったけど、却下されたらしい。
援護に適していて体力は高くないが、普通に戦っても強い。闘技場でAクラス上位。
媚薬弾を打ち込んでくる援護をしたり、直接誘惑しつつ隙あらば麻痺弾や媚薬弾を撃ってきたりする。
見かけに騙されては決していけない強敵で、怒らせると何をしてくるか分からないのが怖いところ。
シノンの援護があれば互角以上に戦える。
・雪泉
雪女の血が入っていて忍術を修めた防諜組織の構成員。
体術に加えて独特の固有能力を持っている。氷や吹雪を使った状態異常攻撃が得意。
番狂わせを起こされやすいため、注意が必要な相手。
真面目と言えば真面目で任務には忠実だが、ファサリナと違って本質的には割と自由人。トップが楯無だから従っているぐらいの感じ。
【急進派】
王国排除及び男性奴隷化の急先鋒。
極端な思想に偏った女性で構成された非合法団体。
思想的に相容れないか、男性を直ぐほつれる抱き枕ぐらいにしか思っていない連中で、話し合いの余地すらない。
捕まったら命はないと思っておいた方がいい。
【四惑】
防諜組織や急進派の背後にいると言われていて、先の大戦で因縁のある女権国家の枢軸たち。
〈その他〉
・まどか王女 初期好感度71
「四惑の禍」の戦後、在野の王族だったため無事だったので、王族に代わり王国のシンボルとなった。
・ほむら 初期好感度57
王女親衛隊長。在野の王族だったころからの旧知の仲らしく、まどか王女の名前を呼び捨てにしている。
クールで格好良く口調では冷たい印象を受けるが、大鳳のことはある程度認めてくれているらしい。
・ペンウッド
「特務科」の学校長。
大局を見ることと長期戦には誰よりも長け、彼の部隊は最も死者が少ないと言われた。
「五将の役」で活躍した五将の一人「王国無双」
・キャル 初期好感度80
大鳳の姉。
働いていた喫茶店が倒産して生活が苦しくなり、家を売った。
売り終わり次第女権国家に来る。
380 :
名無しさん@狐板
:2022/05/08(日) 09:30:51 ID:5duCg8Ms
《登場人物》
〈味方〉
『スパイ組織』
・大鳳
元五将の一人であるペンウッドが校長を勤め、王国の工作員・戦闘員を養成する学校である『特務科』に飛び級で幼くして入学し、優秀な成績で卒業した。
王国特務科卒業席次2位(本来は1位)
【ステータス】 ※装備込
HP 21
ATK 8
DEF 2
INT 19
【スキル】
【会心の一撃】:発動時ATKが+3、発動率3割
【精神状態】:正常
【trauma】:なし
【アイテム】
・銃剣付き制圧銃(通常装備)
・質素でしっかりしたツナギ(DEF+1)
・楯無さんのハンカチ
・ペンウッド校長の覚書
[辞書のような厚さだ。
行く先で出会うであろう人物について書いてある。困ったときに開けば、情報を得ることが出来るだろう。調査に補正。
(メタ視点では女権国家の人物に出会ったときに、尋常の手段で調査可能な範囲のみ、相手の立場などがその場で表示されます。大鳳くん自身はその場で相手の正体を察知できないこともあります。)]
・ラグジュアリースペース入場券
公衆浴場内の王族貴族も使う「ラグジュアリースペース」に入れる入場券。
皇族がいれば観察、そして可能なら接触か尾行をするといいかもしれない。
・ひみつのチラシ(娼館優待券付き)
[ファサリナから受け取った。一見普通のお店のチラシだが、実は特殊なインクにより術式が書かれた娼館「快楽の花園」のチラシ。
女性には反応せず見えもしないインクで、男性が見た時にその効果を発揮する。見た男性に娼婦による娼館の宣伝を見せる。
その宣伝は脳内で再生され、映像、声、香りまで再現され目の前で娼婦がいるようにすら感じるほど高度な物。
脳内で再生されるため現実の時間は一瞬程度で周囲に怪しまれることはない。また、一度見ると効果が薄れ、男性自身がもう一度見ようと注視しないと再生されないので、連続再生で動けなくなることもない。
チラシ自体が優待券になっており、他のチラシと区別する仕掛けも有るので複製することはできない。
優待券は料金の割引だが初利用者だと更に割り引かれる。おいしそうな相手だと無料になることも?
外から男性が来た。という情報が入ると優先的にチラシが配られることもある。]
・無外の守刀【ユニークアイテム】
[天魔の域に人のまま触れることを目指す者のためのお守りの役割を持つ小刀。心を正しく持つことで道は拓かれるだろう。恐怖への耐性が上昇し、彼我の実力差を正確に見積もりやすくなる。一部判定で補正。]
・剣豪の空鞘【ユニークアイテム】
[伝説となった歴戦の剣豪が年老いた後も持っていたと言われる鞘。持っていると、一部武人肌の女性の初期好感度が優遇される。]
【所持金】12000m
【大鳳くんメモ】
路地裏で突然襲われた。勝てて良かったけど気を付けなきゃ
あの杏子っていう子、異様に動きが良かった。とんでもない才能を感じる
・初音ミク 好感度25
大鳳の上司にしてスパイ組織の実質的指導者。
緑翠の軍姫、今では「粛清人」とも呼ばれる五将の一人。戦中は秘密兵器半分の扱いではあったらしい、
仕事の出来る可愛い後輩は好き。
実力の面ではこのなく頼りになるけど、冷徹な部分もありそうなので頼りすぎてはいけないのかも。
張り詰めた弓弦のような人、何かの拍子で切れてしまいかねない脆さと頼れば背中を押してくれるだろう力強さを感じる。
女権国家側からは男狙いで出撃したらぶつかる理不尽の権化みたいに言われているらしい。
・シノン 好感度101
大鳳の親友。王国特務科卒業席次3位(本来は2位)。
極めて成績優秀だが「四惑の禍」への学徒出陣とその後遺症で2年進級が遅れた。本来は大鳳、ジャギ、横島達の二つ上の学年。
・東横桃子 好感度64
実地研修でスパイ組織にきた大鳳の後輩。
・ジャギ
大鳳の親友。王国特務科卒業席次67位。
大鳳の助役として赴任。
・横島忠夫
大鳳の親友。王国特務科卒業席次197位。
大鳳の助役として赴任。
『大使館』
正式には「駐女権国家王国大使館」、構成員は王国の人間で任務をともにすることもあるだろう。
女権国家に来る以上リスク回避のため全員女性。男性の亡命や女性の襲撃があるため、いつも鍛錬場で鍛えている。
接触する際は部外者を連れて一緒に会いにいくとかは難しいが、基本的に大使館にいくときに後をつけられなければ問題ない。
利害は一致することも多いが、女権国家との関係性を悪化させる行為にはストップをかけられるかもしれない。
・王留美 好感度59
駐女権国家王国大使。
・鹿島 好感度59
駐女権国家王国副大使。
・峰津院都 好感度66
駐女権国家王国大使館附モブ。
『鍛錬場』
ギルドの近くにあるトレーニング施設、鍛錬や組手を行うことができる。
と言ってもほとんど女ばかりで、ときどきいる男はひたすら嫐られているだけらしい。
王国の大将軍だったブラッドレイやその娘がいるから、比較的王国寄り。ある意味治外法権で逃げ込めば割といい避難場所になる。
・ブラッドレイ
「五将の役」で活躍した五将の一人
・坂本美緒 好感度48
ブラッドレイの娘で鍛錬場受付。
『収容所』
女権国家と王国の国境にある施設で、エイルケイム精神療養院とも呼ばれている。
両国の精神を病んだ者や政治犯、思想犯が収容される。
今でこそ女権国家領だけど元は王国にあった施設。今の所長は王国の人間。
敵性の相手を捕まえたらここに抑留できる。女権国家の息もかかっているから脱獄や釈放されてしまうことも多い。
収容できる相手の人数・身分(正当性があれば)を心配する必要はない。
381 :
名無しさん@狐板
:2022/05/08(日) 09:31:12 ID:5duCg8Ms
〈中立〉
「警邏隊」
女権国家の治安を守る組織。その構成員は概ね武人肌で義理堅く、治安を守る目的においては共闘できる相手と見ていい。
・ティアナ・ランスター 好感度65
警邏隊隊長。
・風鳴翼 好感度69(好感度ダイス熱烈)
・リンネ・ベルリネッタ 好感度66
「マフィア」
非合法な活動や商売に手を染めている厄介な組織、利用することもあるかも知れないけどあまり深く関わるにはリスクがある相手。
末端の構成員やフロント企業の企業舎弟まで含めれば把握しきれないほどの数がいる。
組長や執行部級には日常生活ではなかなか会わないでしょうけど、カジノなどに足を伸ばせば会えるだろう。
治安の良くない場所だけどこういう場所に情報が集まるのが常、羽目を外し過ぎない程度に遊んで情報を探ろう。
「ギルド関連」
生産や消費、外注依頼などに関わる根幹機関。全体としてのスタンスは中立だが、味方になりそうな、男性の権利を主張する「男性解放戦線(※味方しないと消滅します)」もいれば、その対立勢力の「FFF団」(ファック&ファック&ファック団)みたいにほぼ敵対確定なのもいる
・アリシア・フローレンス 好感度70
ギルド受付
〔男性解放戦線〕
男性の権利を主張している団体。スパイ組織の味方になり得るだろう。
・オルガ・イツカ
男性解放戦線団長。子供に優しい。3日に1回は攫われているらしい
・ランス
男性解放戦線副団長。団長が攫われたときには団長の代行もやっている。
夢は男性優位ハーレム。
・ナツキ・スバル
男性解放戦線団員。前世やら転生やら電波なこと言ってるらしい。
・白鐘直斗 好感度32
中性的な男性解放戦線団員。
〔FFF団(ファック&ファック&ファック団)〕
男性解放戦線の対立組織。
男性を無差別に狩ってる団体。搾り殺したりはしないが、捕まったら泣くまで抱かれるらしい。
・柊シノア
FFF団団長。
・美国織莉子
FFF団副団長。
・呉キリカ
FFF団副団長。
・エーテル
FFF団団員。
・日塔奈美
FFF団団員。
〈敵対〉
【皇族】
割と自由奔放で大雑把に動いているけど権力は持っているから目を付けられないことが重要。
案外男性に対する警備は甘いところがあるけど、どんな人材を伏せてるか分からないから、深追いして潜入するのは危険な任務になりかねない。
しかし本人たちの脇は甘いからスパイの目標としては一番狙いどころ。
【防諜組織】
スパイ組織の宿敵。戦闘にも諜報にも長けている面々が揃っていて、長らくスパイ組織と戦線を拮抗させている。
殺せない縛りがあるとはいえ、こちらに決め手が出ないのはとことん立ち回りが嫌らしいのが理由。
王国や女権国家の諸所に情報網や人員を張り巡らせている。
・更識楯無 好感度108
防諜組織の会長。戦闘でも一流以上、諜報関係の力では超を付けてもいい一流。
防諜組織をまとめていて、上下からの人望もある。格上殺しなので、実力で上回っていても油断できない相手。
格下相手には油断することもあるようだ。
拘束技が強力なので、抜け出す方法がないとそのまま連れ去られてしまうかもしれない。
・ファサリナ 好感度88
防諜組織の副長格。楯無以外の構成員とは対等な関係。
娼館『快楽の花園』に勤めて防諜組織の情報収集の要を担っている。
楯無やその上司にあたる女権国家元帥への忠誠心がとても高く、体を張ってでも任務遂行しようとする傾向がある。それに計算を狂わされることもあり、敵に回すと厄介なタイプ。
身体能力も誘惑力もなべて高く、強敵。
・結月ゆかり 初期好感度107
王国特務科卒業席次1位(女権国家への忖度での首席扱い、本来は3位)。
防諜組織に所属し、王国への留学諜報をしていた若手。知性もあり、訓練も積んだ期待のホープという立ち位置。
歌を使った状態異常が得意、戦闘能力は成長途上。あの胸で色仕掛けをするだけの手管は持っている。
まだ鍛錬が煮詰まってないため、単純な戦闘の相手としては防諜組織では一番戦いやすいが、伸びしろはおそらく最大級であり、大鳳に執着しているその鬱屈が力になる。
長く争っている内に強敵に育つだろう。
・ティナ・スプラウト 好感度82
防諜組織生粋の生え抜きで最年少、実はゆかりより防諜組織歴は長い。
見かけは天使みたいな顔しているが性格は割と畜生なメスガキ、基本誰の言うことも聞かないが、楯無には従っている。
王国特務科に出向留学する可能性もあったけど、却下されたらしい。
援護に適していて体力は高くないが、普通に戦っても強い。闘技場でAクラス上位。
・雪泉 好感度84
雪女の血が入っていて忍術を修めた防諜組織の構成員。
体術に加えて独特の固有能力を持っている。氷や吹雪を使った状態異常攻撃が得意。
番狂わせを起こされやすいため、注意が必要な相手。
真面目と言えば真面目で任務には忠実だが、ファサリナと違って本質的には割と自由人。トップが楯無だから従っているぐらいの感じ。
【急進派】
王国排除及び男性奴隷化の急先鋒。
極端な思想に偏った女性で構成された非合法団体。
思想的に相容れないか、男性を直ぐほつれる抱き枕ぐらいにしか思っていない連中で、話し合いの余地すらない。
捕まったら命はないと思っておいた方がいい。
【四惑】
防諜組織や急進派の背後にいると言われていて、先の大戦で因縁のある女権国家の枢軸たち。
〈その他〉
・まどか王女 初期好感度71
「四惑の禍」の戦後、在野の王族だったため無事だったので王族に代わり王国のシンボルとなった。
・ほむら 初期好感度57
王女親衛隊長。在野の王族だったころからの旧知の仲らしく、まどか王女の名前を呼び捨てにしている。
クールで格好良く口調では冷たい印象を受けるが、大鳳のことはある程度認めてくれているらしい。
・ペンウッド
「特務科」の学校長。「五将の役」で活躍した五将の一人。
・キャル 初期好感度80
大鳳の姉。
働いていた喫茶店が倒産して生活が苦しくなり、家を売った。
売り終わり次第女権国家に来る。
・杏子 初期好感度61(路地裏チルドレンに概ね共有)
路地裏チルドレン。500mをあげた。
【ステータス】
HP 10
ATK5
DEF1
INT16
【稀代の天才】:挫折すると大きく成長する。上限がない。
【成長期】:伸び盛り。時間経過での成長が大きい
【ロッソファンタズマ】:発動率低、命中率50%の4回攻撃を行う。
・シリカ
路地裏チルドレン。サポートキャラ。
【退路支援】:敵の撤退を妨害または味方の撤退を成功しやすくする
382 :
名無しさん@狐板
:2022/05/15(日) 12:25:22 ID:qNQdTZWb
《登場人物》
〈味方〉
『スパイ組織』
・大鳳
元五将の一人であるペンウッドが校長を勤め、王国の工作員・戦闘員を養成する学校である『特務科』に飛び級で幼くして入学し、優秀な成績で卒業した。
王国特務科卒業席次2位(本来は1位)
スパイ組織正規特務員として着任。
【ステータス】 ※装備込
HP 21
ATK 8
DEF 2
INT 19
【スキル】
・会心の一撃:発動時ATKが+3、発動率3割
・精神状態】:やや消耗
【trauma】
・穢れなき純潔の束縛:アンリエッタに無意識に従属。童貞を失わない。
・女性恐怖症LV1
・キス中毒
【アイテム】
・銃剣付き制圧銃(通常装備)
・ペンウッド校長の覚書
・無外の守刀【ユニークアイテム】:戦闘外での一部判定で補正。
・剣豪の空鞘【ユニークアイテム】:持っていると、一部武人肌の女性の初期好感度が優遇される
・質素でしっかりしたツナギ:(DEF+1)
・ラグジュアリースペース入場券
・ひみつのチラシ(娼館優待券付き)
・楯無さんのハンカチ
・ひのきの棒
・勲章の刻まれた銃弾(5個)
・煙幕×2
【所有連絡先】
・銭湯で会った四人組のお姉さん
・八神はやて
・ユキカゼ・パネトーネ
・楠舞神夜
・塩見周子
・島村卯月
・天海春香
【所持金】17550m
【大鳳くんメモ】
色々皆に心配かけちゃった、これから頑張らないと
僕はスパイとしてやっていけるんだろうか
・初音ミク 好感度25
大鳳の上司にしてスパイ組織長官。
緑翠の軍姫、今では「粛清人」とも呼ばれる五将の一人。戦中は秘密兵器半分の扱いではあったらしい、
仕事の出来る可愛い後輩は好き。
実力の面ではこのなく頼りになるけど、冷徹な部分もありそうなので頼りすぎてはいけないのかも。
張り詰めた弓弦のような人、何かの拍子で切れてしまいかねない脆さと頼れば背中を押してくれるだろう力強さを感じる。
女権国家側からは男狙いで出撃したらぶつかる理不尽の権化みたいに言われているらしい。
・シノン 好感度101
大鳳の親友。王国特務科卒業席次3位(本来は2位)。
極めて成績優秀だが「四惑の禍」への学徒出陣とその後遺症で2年進級が遅れた。本来は大鳳、ジャギ、横島達の二つ上の学年。
スパイ組織正規特務員として着任。
デューク東郷を父に持つ。
・東横桃子 好感度64
実地研修でスパイ組織にきた大鳳の後輩。
スパイ組織特務専修生として着任。
・ジャギ
大鳳の親友。王国特務科卒業席次67位。
大鳳の補佐特務員として着任。
・横島忠夫
大鳳の親友。王国特務科卒業席次197位。
大鳳の補佐特務員として着任。
・モヒカンs、アミバ、ハート、デカいババアetc
学生時代のジャギ率いる不良グループの仲間達。
特務部補として着任。
『大使館』
正式には「駐女権国家王国大使館」、構成員は王国の人間で任務をともにすることもあるだろう。
女権国家に来る以上リスク回避のため全員女性。男性の亡命や女性の襲撃があるため、いつも鍛錬場で鍛えている。
接触する際は部外者を連れて一緒に会いにいくとかは難しいが、基本的に大使館にいくときに後をつけられなければ問題ない。
利害は一致することも多いが、女権国家との関係性を悪化させる行為にはストップをかけられるかもしれない。
・王留美 好感度59
駐女権国家王国大使。
・鹿島 好感度59
駐女権国家王国副大使。
・峰津院都 好感度66
駐女権国家王国大使館附モブ。
『鍛錬場』
ギルドの近くにあるトレーニング施設、鍛錬や組手を行うことができる。
と言ってもほとんど女ばかりで、ときどきいる男はひたすら嫐られているだけらしい。
王国の大将軍だったブラッドレイやその娘がいるから、比較的王国寄り。ある意味治外法権で逃げ込めば割といい避難場所になる。
・ブラッドレイ
「五将の役」で活躍した五将の一人
・坂本美緒 好感度48
ブラッドレイの娘で鍛錬場受付。
『収容所』
女権国家と王国の国境にある施設で、エイルケイム精神療養院とも呼ばれている。
両国の精神を病んだ者や政治犯、思想犯が収容される。
今でこそ女権国家領だけど元は王国にあった施設。今の所長は王国の人間。
敵性の相手を捕まえたらここに抑留できる。女権国家の息もかかっているから脱獄や釈放されてしまうことも多い。
収容できる相手の人数・身分(正当性があれば)を心配する必要はない。
『セラピーセンター』
toraumaを軽減してくれる施設。セラピーには日を跨ぐこともある。
・八神はやて 好感度92
セラピーセンター非常勤按摩師。セラピー担当。
普段は自分のマッサージ店を持っており、セラピーセンターには非常勤で雇われている。
自身が気に入った人物から紹介され、その上で自身も気に入った人物からしか仕事を受けないらしい。
・ユキカゼ・パネトーネ 好感度53
セラピー担当。獣人の村で守護騎士を務める獣人の侍。
〈中立〉
「警邏隊」
女権国家の治安を守る組織。その構成員は概ね武人肌で義理堅く、治安を守る目的においては共闘できる相手と見ていい。
・ティアナ・ランスター 好感度65
警邏隊隊長。
・風鳴翼 好感度69(好感度ダイス熱烈)
警邏隊副長。
・リンネ・ベルリネッタ 好感度66
・モブハ・モブナンデス 好感度104(好感度ダイス熱烈)
警邏隊モブ。
「マフィア」
非合法な活動や商売に手を染めている厄介な組織、利用することもあるかも知れないけどあまり深く関わるにはリスクがある相手。
末端の構成員やフロント企業の企業舎弟まで含めれば把握しきれないほどの数がいる。
組長や執行部級には日常生活ではなかなか会わないでしょうけど、カジノなどに足を伸ばせば会えるだろう。
治安の良くない場所だけどこういう場所に情報が集まるのが常、羽目を外し過ぎない程度に遊んで情報を探ろう。
〔カジノ〕
・天海春香 好感度79
見かけは若い女の人なんだけど貫禄がすごいお姉さん。
・如月千早 好感度76
スレンダーでカッコいいけど怖そうなお姉さん。東国風の博打の元締め。
・島村卯月 好感度62
・塩見周子 好感度66
カジノ初来訪時に話しかけてきた人物。恐らく初見者を勧誘する店の人物。
「ギルド関連」
生産や消費、外注依頼などに関わる根幹機関。全体としてのスタンスは中立だが、味方になりそうな、男性の権利を主張する「男性解放戦線(※味方しないと消滅します)」もいれば、その対立勢力の「FFF団」(ファック&ファック&ファック団)みたいにほぼ敵対確定なのもいる
・アリシア・フローレンス 好感度70
ギルド受付
〔男性解放戦線〕
男性の権利を主張している団体。スパイ組織の味方になり得るだろう。
・オルガ・イツカ
男性解放戦線団長。子供に優しい。3日に1回は攫われているらしい
・ランス
男性解放戦線副団長。団長が攫われたときには団長の代行もやっている。
夢は男性優位ハーレム。
・ナツキ・スバル
男性解放戦線団員。前世やら転生やら電波なこと言ってるらしい。
・白鐘直斗 好感度32
中性的な男性解放戦線団員。
〔FFF団(ファック&ファック&ファック団)〕
男性解放戦線の対立組織。
男性を無差別に狩ってる団体。搾り殺したりはしないが、捕まったら泣くまで抱かれるらしい。
・柊シノア
FFF団団長。
・美国織莉子
FFF団副団長。
・呉キリカ
FFF団副団長。
・エーテル
FFF団団員。
・日塔奈美
FFF団団員。
「闘技場」
・音無小鳥
闘技場受付兼選手C級2位
・アンチョビ
闘技場選手C級1位
・アチャ子
闘技場選手S級5位
・台場カノン
闘技場選手B級4位
・楠舞神夜 好感度46
闘技場選手A級3位。綺麗でいろいろとおっきなお姉さん。
383 :
名無しさん@狐板
:2022/05/15(日) 12:25:40 ID:qNQdTZWb
〈敵対〉
【皇族】
割と自由奔放で大雑把に動いているけど権力は持っているから目を付けられないことが重要。
案外男性に対する警備は甘いところがあるけど、どんな人材を伏せてるか分からないから、深追いして潜入するのは危険な任務になりかねない。
しかし本人たちの脇は甘いからスパイの目標としては一番狙いどころ。
・ネロ・クラウディウス
女権国家「皇帝」
・アンリエッタ・ド・トリステイン 好感度51
女権国家「皇女」
・シエスタ 好感度47
皇室付きメイド長
・ベルファスト 好感度81
皇室付き副メイド長
・忍野扇 好感度38
宮廷道化師
【防諜組織】
スパイ組織の宿敵。戦闘にも諜報にも長けている面々が揃っていて、長らくスパイ組織と戦線を拮抗させている。
殺せない縛りがあるとはいえ、こちらに決め手が出ないのはとことん立ち回りが嫌らしいのが理由。
王国や女権国家の諸所に情報網や人員を張り巡らせている。
・更識楯無 好感度108(好感度ダイス熱烈)
防諜組織の会長。戦闘でも一流以上、諜報関係の力では超を付けてもいい一流。
防諜組織をまとめていて、上下からの人望もある。格上殺しなので、実力で上回っていても油断できない相手。
格下相手には油断することもあるようだ。
拘束技が強力なので、抜け出す方法がないとそのまま連れ去られてしまうかもしれない。
・ファサリナ 好感度88
防諜組織の副長格。楯無以外の構成員とは対等な関係。
娼館『快楽の花園』に勤めて防諜組織の情報収集の要を担っている。
楯無やその上司にあたる女権国家元帥への忠誠心がとても高く、体を張ってでも任務遂行しようとする傾向がある。それに計算を狂わされることもあり、敵に回すと厄介なタイプ。
身体能力も誘惑力もなべて高く、強敵。
・結月ゆかり 初期好感度107
王国特務科卒業席次1位(女権国家への忖度での首席扱い、本来は3位)。
防諜組織に所属し、王国への留学諜報をしていた若手。知性もあり、訓練も積んだ期待のホープという立ち位置。
歌を使った状態異常が得意、戦闘能力は成長途上。あの胸で色仕掛けをするだけの手管は持っている。
まだ鍛錬が煮詰まってないため、単純な戦闘の相手としては防諜組織では一番戦いやすいが、伸びしろはおそらく最大級であり、大鳳に執着しているその鬱屈が力になる。
長く争っている内に強敵に育つだろう。
・ティナ・スプラウト 好感度82
防諜組織生粋の生え抜きで最年少、実はゆかりより防諜組織歴は長い。
見かけは天使みたいな顔しているが性格は割と畜生なメスガキ、基本誰の言うことも聞かないが、楯無には従っている。
王国特務科に出向留学する可能性もあったけど、却下されたらしい。
援護に適していて体力は高くないが、普通に戦っても強い。闘技場でAクラス上位。
スパイ組織本部襲撃の際、ミクに捕まり現在収容所にいる。
・雪泉 好感度84
雪女の血が入っていて忍術を修めた防諜組織の構成員。
体術に加えて独特の固有能力を持っている。氷や吹雪を使った状態異常攻撃が得意。
番狂わせを起こされやすいため、注意が必要な相手。
真面目と言えば真面目で任務には忠実だが、ファサリナと違って本質的には割と自由人。トップが楯無だから従っているぐらいの感じ。
【急進派】
王国排除及び男性奴隷化の急先鋒。
極端な思想に偏った女性で構成された非合法団体。
思想的に相容れないか、男性を直ぐほつれる抱き枕ぐらいにしか思っていない連中で、話し合いの余地すらない。
捕まったら命はないと思っておいた方がいい。
・朝倉涼子 好感度80(好感度ダイス熱烈)
反王国【急進派】総長
・風浦可符香 好感度-42
反王国【急進派】副長
・かくれ奈 好感度-23
反王国【急進派】モブ
【四惑】
防諜組織や急進派の背後にいると言われていて、先の大戦で因縁のある女権国家の枢軸たち。
〈その他〉
・まどか王女 初期好感度71
「四惑の禍」の戦後、在野の王族だったため無事だったので王族に代わり王国のシンボルとなった。
・ほむら 初期好感度57
王女親衛隊長。在野の王族だったころからの旧知の仲らしく、まどか王女の名前を呼び捨てにしている。
クールで格好良く口調では冷たい印象を受けるが、大鳳のことはある程度認めてくれているらしい。
・ペンウッド
「特務科」の学校長。「五将の役」で活躍した五将の一人。
・デューク東郷
「五将の役」で活躍した五将の一人。通称「ゴルゴ13」。
特殊戦闘のエース。シノンの父親。
・キャル 初期好感度80
大鳳の姉。
働いていた喫茶店が倒産して生活が苦しくなり、家を売った。
売り終わり次第女権国家に来る。
・杏子 初期好感度61(路地裏チルドレンに概ね共有)
路地裏チルドレン。500mをあげた。
【ステータス】
HP 10
ATK5
DEF1
INT16
【稀代の天才】:挫折すると大きく成長する。上限がない。
【成長期】:伸び盛り。時間経過での成長が大きい
【ロッソファンタズマ】:発動率低、命中率50%の4回攻撃を行う。
・シリカ
路地裏チルドレン。サポートキャラ。
【退路支援】:敵の撤退を妨害または味方の撤退を成功しやすくする
384 :
名無しさん@狐板
:2022/05/15(日) 14:36:27 ID:a9qfKiKS
┏┓ ┏┓
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┃ ○, ●, 01〜18, 19〜36, 偶数, 奇数 ┃
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┃ 01〜12, 13〜24, 25〜36, 3n, 3n-1, 3n-2 ┃
┃ (×3) ┃
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┃ ┌─────────┐ ┌─────────┐ ┌─────────┐ ┃
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┃ │ │○03│●06│ │ │ │○03│●06│ │ │ │○03┃●06┃ │ ┃
┃ │ ┏━━┓──┼ │ │ ┏━━┿━━┓ │ │ ├──╂──╂ │ ┃
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┃ │ │○01│●04│ │ │ │○01│●04│ │ │ │○01┃●04┃ │ ┃
┃ │ ┼──┴──┴ │ │ ┼──┴──┴ │ │ ┼──┗☆━┛ │ ┃
┃ │ ( × 3 6 ) │ │ ( × 1 8 ) │ │ ( × 1 2 ) │ ┃
┃ └─────────┘ └─────────┘ └─────────┘ ┃
┃ ┌─────────┐ ┌─────────┐ ┌─────────┐ ┃
┃ │ 4 点 賭 け │ │ 6 点 賭 け │ │ 4 点 賭 け │ ┃
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┃ │ ┃○03│●06┃ │ │ ┃○03│●06┃ │ │ ┃ │○03┃ │ ┃
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┃ │ ┗━━┿━━┛ │ │ ┠──┼──╂ │ │ ┃ ├──╂ │ ┃
┃ │ │○01│●04│ │ │ ┃○01│●04┃ │ │ ┃ │○01┃ │ ┃
┃ │ ┼──┴──┴ │ │ ┗━━☆━━┛ │ │ ┗━━☆━━┛ │ ┃
┃ │ ( × 9 ) │ │ ( × 6 ) │ │ ( × 8 ) │ ┃
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┃ ※ 1〜6点賭けはMax2000m (計5箇所までBET可能) ┃
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┌──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬───┐
│ │○03│●06│○09│○12│●15│○18│○21│●24│○27│○30│●33│○36│←3n │
│ ├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼───┤
│×00│●02│○05│●08│●11│○14│●17│●20│○23│●26│●29│○32│●35│←3n-1│
│ ├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼───┤
│ │○01│●04│○07│●10│●13│○16│○19│●22│○25│●28│●31│○34│←3n-2│
└──┼──┴──┴──┴──┼──┴──┴──┴──┼──┴──┴──┴──┼───┘
│ 01 〜 12 │ 13 〜 24 │ 25 〜 36 │
├─────┬─────┼─────┬─────┼─────┬─────┤
│ 19〜36 │ 偶 数 │ ○ │ ● │ 奇 数 │ 01〜18 │
└─────┴─────┴─────┴─────┴─────┴─────┘
385 :
名無しさん@狐板
:2022/05/15(日) 20:02:55 ID:B48ehDOd
すごい
386 :
名無しさん@狐板
:2022/05/19(木) 22:21:36 ID:4wLgfrF/
1-B
幻惑玉 レア度☆☆☆ 買値7500m 売値3000m
敵味方が幻影を見る。INT判定なし8割で逃走可も好感度と依存度に上昇判定
失敗時は相手の誘惑判定にプラス補正
幻惑・誘惑・魅惑。結局のところ全部逆レでは?
4-C
高級酒 レア度 ☆☆ 基本買値 3000m 売値1500m
ちょっと贅沢をしたいときのお酒。
シックな雰囲気になれるかも。
シックな雰囲気になった後は、シックな行為に及ばれることもやぶさかではなくなくなくなくなくない。
4-B
純粋高級蒸留酒スピリット レア度 ☆☆☆ 基本買値 7500m 売値3500m
高級で上品な味わいながらとても強いお酒。普段から飲みなれている人じゃないと悪酔いしてしまうかも。
物語の貴族が意中の人に贈る時、よく出てくるお酒。
度数が大変高い。
火を付ければ燃える。焼け木杭にも火が付く。
火がないところにも煙が立つ。特に男女の間には。
10-C
クールタイムドリンク レア度 ☆☆ 基本買値 1000m 売値 500m
昂りを強制的に静める魔法薬。飲むと心身共に冷やされる。平常時に飲むと冷静になり
誘惑等に強くなる。興奮や発情などの際に飲むとそれを軽減。
強力な薬だが、その分他の薬と同時に使えず一度に一本しか使えない。強制的に冷やすために
神経も少し鈍りINTが1〜5減少する副作用がある。また、興奮状態などはあくまで抑えるのみで
治療するわけではないので、効果が切れるまで治まらなければぶり返すので注意。
頭はクール、心はホットに。飲み過ぎて倒れたら暖めてもらうしかないね。
11-B
レア度☆☆☆
基本買値8000m 売値4000m
【アイテム】理力の刃
【内容】ある職人によって製作された特殊な刃。 元々の切れ味もなかなかだが、更にある特性を持つ。
それは、所持する人間の一定の精神力をある時間犠牲にすることで、その精神力ぶんだけ鋭さを高めるというもの。
ただしどれだけを代償にするかの取り扱いは難しく、魔法的な習熟がなければ、必ず一定量以上の精神の消耗を求められるだろう。
ATK+4、INT−3、ある程度のターン経過で色々な判定やや悪化
摩耗した状態で負けると嗜虐をそそってしまうかも知れない。
心を削ってまで必死で闘って負けて、涙目になっているショタ。
ごちそうですね。
89‐B
レア度☆☆☆
基本買値12000m 売値7000m
【アイテム】百合の波動砲
【内容】
実際の男性器に極力似せた外見のペニスバンドだが、装着者の女性の女陰部に取り付き、
装着者の興奮時、絶頂時に先端部から愛液もしくは潮を放出する機能を持つ
より高価なものになってくると、形状の特殊性だけでなく、
放出する愛液自体に付加効果を持たせたり、別の液体に変換させたりするものもある
……粘度や色合を変える事は無論、媚薬効果の付随も、”モノ”によっては不可能ではない
キミを女の子にしてしまえば百合だよね。
387 :
名無しさん@狐板
:2022/05/23(月) 22:41:47 ID:xIG1KGPf
《登場人物》
〈味方〉
『スパイ組織』
・大鳳
元五将の一人であるペンウッドが校長を勤め、王国の工作員・戦闘員を養成する学校である『特務科』に飛び級で幼くして入学し、優秀な成績で卒業した。
王国特務科卒業席次2位(本来は1位)。学園での戦闘実技はかなりの成績だった。
スパイ組織正規特務員として着任。
【ステータス】 ※装備込
HP 21
ATK 8
DEF 2
INT 19
【スキル】
・会心の一撃:発動時ATKが+3、発動率3割
【精神状態】:普通ぐらい
【trauma】
・穢れなき純潔の束縛
・女性恐怖症LV1
・キス中毒
【アイテム】
・銃剣付き制圧銃(通常装備)
・ペンウッド校長の覚書
・無外の守刀【ユニークアイテム】:戦闘外での一部判定で補正。
・剣豪の空鞘【ユニークアイテム】:持っていると、一部武人肌の女性の初期好感度が優遇される
・質素でしっかりしたツナギ:(DEF+1)
・ラグジュアリースペース入場券
・ひみつのチラシ(娼館優待券付き)
・楯無さんのハンカチ
・ひのきの棒
・勲章の刻まれた銃弾(5個)
・煙幕×2
・安酒
・高級酒
・幻惑玉
【所有連絡先】
・公衆浴場のお姉さんたち
・八神はやて
・ユキカゼ・パネトーネ
・楠舞神夜
・塩見周子
・島村卯月
・天海春香
・シエスタ
・ベルファスト
・皇室付きモブメイド
・那月ちゃん
【所持金】8050m
【大鳳くんメモ】
女権国家生活が始まったよ!
そろそろ名誉挽回しないと。ミクさんが怖いかもしれない
・初音ミク 好感度25
大鳳の上司にしてスパイ組織長官。
緑翠の軍姫、今では「粛清人」とも呼ばれる五将の一人。戦中は秘密兵器半分の扱いではあったらしい、
仕事の出来る可愛い後輩は好き。
実力の面ではこのなく頼りになるけど、冷徹な部分もありそうなので頼りすぎてはいけないのかも。
張り詰めた弓弦のような人、何かの拍子で切れてしまいかねない脆さと頼れば背中を押してくれるだろう力強さを感じる。
女権国家側からは男狙いで出撃したらぶつかる理不尽の権化みたいに言われているらしい。
・シノン 好感度101
大鳳の親友。王国特務科卒業席次3位(本来は2位)。
極めて成績優秀だが「四惑の禍」への学徒出陣とその後遺症で2年進級が遅れた。本来は大鳳、ジャギ、横島達の二つ上の学年。
スパイ組織正規特務員として着任。
デューク東郷を父に持つ。
・東横桃子 好感度66
実地研修でスパイ組織にきた大鳳の後輩。
スパイ組織特務専修生として着任。
・ジャギ
大鳳の親友。王国特務科卒業席次67位。
大鳳の補佐特務員として着任。
・横島忠夫
大鳳の親友。王国特務科卒業席次197位。
学園での実技成績 57
大鳳の補佐特務員として着任。
・モヒカンs、アミバ、ハート、デカいババアetc
学生時代のジャギ率いる不良グループの仲間達。
特務部補として着任。
『大使館』
正式には「駐女権国家王国大使館」、構成員は王国の人間で任務をともにすることもあるだろう。
女権国家に来る以上リスク回避のため全員女性。男性の亡命や女性の襲撃があるため、いつも鍛錬場で鍛えている。
接触する際は部外者を連れて一緒に会いにいくとかは難しいが、基本的に大使館にいくときに後をつけられなければ問題ない。
利害は一致することも多いが、女権国家との関係性を悪化させる行為にはストップをかけられるかもしれない。
・王留美 好感度59
駐女権国家王国大使。
・鹿島 好感度59
駐女権国家王国副大使。
・峰津院都 好感度66
駐女権国家王国大使館附モブ。
『鍛錬場』
ギルドの近くにあるトレーニング施設、鍛錬や組手を行うことができる。
と言ってもほとんど女ばかりで、ときどきいる男はひたすら嫐られているだけらしい。
王国の大将軍だったブラッドレイやその娘がいるから、比較的王国寄り。ある意味治外法権で逃げ込めば割といい避難場所になる。
・ブラッドレイ
「五将の役」で活躍した五将の一人
・坂本美緒 好感度48
ブラッドレイの娘で鍛錬場受付。
『収容所』
女権国家と王国の国境にある施設で、エイルケイム精神療養院とも呼ばれている。
両国の精神を病んだ者や政治犯、思想犯が収容される。
今でこそ女権国家領だけど元は王国にあった施設。周辺の地域は元々国境に近くて両国の人間が混じっている。
今の所長は王国の人間。
敵性の相手を捕まえたらここに抑留できる。女権国家の息もかかっているから脱獄や釈放されてしまうことも多い。
収容できる相手の人数・身分(正当性があれば)を心配する必要はない。
・麦野沈利 好感度67
収容所所長。王国寄りの人間。
・フレンダ=セイヴェルン 好感度38
収容所職員。元々女権国家寄りの人間。
麦野への懐き具合は31。
脱走させて欲しい人物がいる場合、フレンダに賄賂か体で払うと脱走させてくれるらしい。
『セラピーセンター』
toraumaを軽減してくれる施設。セラピーには日を跨ぐこともある。
・八神はやて 好感度92
セラピーセンター非常勤按摩師。セラピー担当。
普段は自分のマッサージ店を持っており、セラピーセンターには非常勤で雇われている。
自身が気に入った人物から紹介され、その上で自身も気に入った人物からしか仕事を受けないらしい。
・ユキカゼ・パネトーネ 好感度53
セラピー担当。獣人の村で守護騎士を務める獣人の侍。
〈中立〉
「警邏隊」
女権国家の治安を守る組織。その構成員は概ね武人肌で義理堅く、治安を守る目的においては共闘できる相手と見ていい。
・ティアナ・ランスター 好感度65
警邏隊隊長。
・風鳴翼 好感度69(好感度ダイス熱烈)
警邏隊副長。
・リンネ・ベルリネッタ 好感度66
・モブハ・モブナンデス 好感度104(好感度ダイス熱烈)
警邏隊モブ。
「マフィア」
非合法な活動や商売に手を染めている厄介な組織、利用することもあるかも知れないけどあまり深く関わるにはリスクがある相手。
末端の構成員やフロント企業の企業舎弟まで含めれば把握しきれないほどの数がいる。
組長や執行部級には日常生活ではなかなか会わないでしょうけど、カジノなどに足を伸ばせば会えるだろう。
治安の良くない場所だけどこういう場所に情報が集まるのが常、羽目を外し過ぎない程度に遊んで情報を探ろう。
〔カジノ〕
・天海春香 好感度79
見かけは若い女の人なんだけど貫禄がすごいお姉さん。
・如月千早 好感度76
スレンダーでカッコいいけど怖そうなお姉さん。東国風の博打の元締め。
・島村卯月 好感度62
・塩見周子 好感度82
カジノ初来訪時に話しかけてきた人物。恐らく初見者を勧誘する店の人物。
「ギルド関連」
生産や消費、外注依頼などに関わる根幹機関。全体としてのスタンスは中立だが、味方になりそうな、男性の権利を主張する「男性解放戦線(※味方しないと消滅します)」もいれば、その対立勢力の「FFF団」(ファック&ファック&ファック団)みたいにほぼ敵対確定なのもいる
・アリシア・フローレンス 好感度70
ギルド受付
〔男性解放戦線〕
男性の権利を主張している団体。スパイ組織の味方になり得るだろう。
・オルガ・イツカ
男性解放戦線団長。子供に優しい。3日に1回は攫われているらしい
・ランス
男性解放戦線副団長。団長が攫われたときには団長の代行もやっている。
夢は男性優位ハーレム。
・ナツキ・スバル
男性解放戦線団員。前世やら転生やら電波なこと言ってるらしい。
・白鐘直斗 好感度32
中性的な男性解放戦線団員。
〔FFF団(ファック&ファック&ファック団)〕
男性解放戦線の対立組織。
男性を無差別に狩ってる団体。搾り殺したりはしないが、捕まったら泣くまで抱かれるらしい。
・柊シノア
FFF団団長。
・美国織莉子
FFF団副団長。
・呉キリカ
FFF団副団長。
・エーテル
FFF団団員。
・日塔奈美
FFF団団員。
「闘技場」
・音無小鳥
闘技場受付兼選手C級2位
・アンチョビ
闘技場選手C級1位
・アチャ子
闘技場選手S級5位
・台場カノン
闘技場選手B級4位
・楠舞神夜 好感度46
闘技場選手A級3位。綺麗でいろいろとおっきなお姉さん。
388 :
名無しさん@狐板
:2022/05/23(月) 22:44:03 ID:xIG1KGPf
〈敵対〉
【皇族】
割と自由奔放で大雑把に動いているけど権力は持っているから目を付けられないことが重要。
案外男性に対する警備は甘いところがあるけど、どんな人材を伏せてるか分からないから、深追いして潜入するのは危険な任務になりかねない。
しかし本人たちの脇は甘いからスパイの目標としては一番狙いどころ。
天覧試合のある催し物や、観劇にはよく訪れるらしい。一部女権国家の上層部に接することもあるらしい。
四惑は皇族二人の直接の命令指揮系統にはいないようだ。
・ネロ・クラウディウス
女権国家「皇帝」
・アンリエッタ・ド・トリステイン 好感度51
女権国家「皇女」。
公務の他には市井を回っていることが多いらしい。
何かの目的のために研究中らしい。
・シエスタ 好感度33
皇室付きメイド長。皇室の総務を取り仕切っている。
可愛い子が好きで皇女様と趣味が一致している。
・ベルファスト 好感度82
皇室付き副メイド長。身のこなしに隙が無く、皇女様の護衛と命令による特務(諜報や特殊戦闘などを含む幅広い職務)が仕事。
メイドの中で一番強いらしい。
あまり他人に興味がないらしくそっけない態度が多いが、何故か大鳳には執心している。
・忍野扇 好感度38
宮廷道化師。道化師にあるべく、何でも好きなように直言することを許されている。
先の戦争の末期に雇われたらしい。
・モブメイド 好感度48
【防諜組織】
スパイ組織の宿敵。戦闘にも諜報にも長けている面々が揃っていて、長らくスパイ組織と戦線を拮抗させている。
殺せない縛りがあるとはいえ、こちらに決め手が出ないのはとことん立ち回りが嫌らしいのが理由。
王国や女権国家の諸所に情報網や人員を張り巡らせている。
・更識楯無 好感度108(好感度ダイス熱烈)
防諜組織の会長。戦闘でも一流以上、諜報関係の力では超を付けてもいい一流。
防諜組織をまとめていて、上下からの人望もある。格上殺しなので、実力で上回っていても油断できない相手。
格下相手には油断することもあるようだ。
拘束技が強力なので、抜け出す方法がないとそのまま連れ去られてしまうかもしれない。
・ファサリナ 好感度88
防諜組織の副長格。楯無以外の構成員とは対等な関係。
娼館『快楽の花園』に勤めて防諜組織の情報収集の要を担っている。
楯無やその上司にあたる女権国家元帥への忠誠心がとても高く、体を張ってでも任務遂行しようとする傾向がある。それに計算を狂わされることもあり、敵に回すと厄介なタイプ。
身体能力も誘惑力もなべて高く、強敵。
・結月ゆかり 初期好感度107
王国特務科卒業席次1位(女権国家への忖度での首席扱い、本来は3位)。
防諜組織に所属し、王国への留学諜報をしていた若手。知性もあり、訓練も積んだ期待のホープという立ち位置。
歌を使った状態異常が得意、戦闘能力は成長途上。あの胸で色仕掛けをするだけの手管は持っている。
まだ鍛錬が煮詰まってないため、単純な戦闘の相手としては防諜組織では一番戦いやすいが、伸びしろはおそらく最大級であり、大鳳に執着しているその鬱屈が力になる。
長く争っている内に強敵に育つだろう。
・ティナ・スプラウト 好感度87
防諜組織生粋の生え抜きで最年少、実はゆかりより防諜組織歴は長い。
見かけは天使みたいな顔しているが性格は割と畜生なメスガキ、基本誰の言うことも聞かないが、楯無には従っている。
王国特務科に出向留学する可能性もあったけど、却下されたらしい。
援護に適していて体力は高くないが、普通に戦っても強い。闘技場でAクラス上位。
・雪泉 好感度84
雪女の血が入っていて忍術を修めた防諜組織の構成員。
体術に加えて独特の固有能力を持っている。氷や吹雪を使った状態異常攻撃が得意。
番狂わせを起こされやすいため、注意が必要な相手。
真面目と言えば真面目で任務には忠実だが、ファサリナと違って本質的には割と自由人。トップが楯無だから従っているぐらいの感じ。
【急進派】
王国排除及び男性奴隷化の急先鋒。
極端な思想に偏った女性で構成された非合法団体。
思想的に相容れないか、男性を直ぐほつれる抱き枕ぐらいにしか思っていない連中で、話し合いの余地すらない。
捕まったら命はないと思っておいた方がいい。
現在、総長の朝倉涼子が一目惚れした男性を探し回っているせいで、愛想を尽かした副長の風浦可符香が離反。
比較的優しく男をイジメたい派閥(総長派)と徹底的に嫐り殺したい派閥(副長派)にほぼ二分している。
両方とも活発に活動しており、少し副長派が強く、対立は強いが潰しあいにまでなっていない。
・朝倉涼子 好感度80(好感度ダイス熱烈)
反王国【急進派】総長。比較的優しく男をイジメたい派閥筆頭。
一目ぼれした男性を探しているらしい。
・風浦可符香 好感度-42
反王国【急進派】副長。男性を徹底的に嫐り殺したい派閥筆頭。
総長に愛想を尽かし離反。
・かくれ奈 好感度-23
反王国【急進派】モブ
【四惑】
防諜組織や急進派の背後にいると言われていて、先の大戦で因縁のある女権国家の枢軸たち。
〈その他〉
・まどか王女 初期好感度71
「四惑の禍」の戦後、在野の王族だったため無事だったので王族に代わり王国のシンボルとなった。
・ほむら 初期好感度57
王女親衛隊長。在野の王族だったころからの旧知の仲らしく、まどか王女の名前を呼び捨てにしている。
クールで格好良く口調では冷たい印象を受けるが、大鳳のことはある程度認めてくれているらしい。
・ペンウッド
「特務科」の学校長。「五将の役」で活躍した五将の一人。
・デューク東郷
「五将の役」で活躍した五将の一人。通称「ゴルゴ13」。
特殊戦闘のエース。シノンの父親。
・キャル 初期好感度80
大鳳の姉。
働いていた喫茶店が倒産して生活が苦しくなり、家を売った。
売り終わり次第女権国家に来る。
・杏子 初期好感度61(路地裏チルドレンに概ね共有)
路地裏チルドレン。500mをあげた。
【ステータス】
HP 10
ATK5
DEF1
INT16
【稀代の天才】:挫折すると大きく成長する。上限がない。
【成長期】:伸び盛り。時間経過での成長が大きい
【ロッソファンタズマ】:発動率低、命中率50%の4回攻撃を行う。
・シリカ
路地裏チルドレン。サポートキャラ。
【退路支援】:敵の撤退を妨害または味方の撤退を成功しやすくする
・南宮那月 好感度51
INT42。SHOP店主。
品揃えよく安全に貴重な品を買える移動商店。
女権国家の外から来たり、どこからから逃げてきた男に安全に買い物をさせてくれる。
欲しい物があったら、取り置きもできる。
389 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 19:45:00 ID:oSDnTyKy
これはひどい女神転生if 怠惰界編
これは女神転生ifと女権国家のクロスSSで
>>355
から
>>372
の続きです以下の注意があります。
@閨の中で圧倒できるとかそういうわけではないし(多分)女権国家の女性なら作中以外の方法でも対処できるとは言え、女権国家の女性の天敵めいたキャラが出ます。
Aこの話に幾つかの動物の習性が出てきますが俗説なので間違っている可能性もあります。
B横島の没になった可能性の高いヒロインが合体したりして出てきます。また応募されていないヒロインとも合体しています。
C北斗神拳の設定が女権国家世界のそれとは異なるかもしれません。
D天敵となる能力持ちの特性は多分本当だと思った話を採用しただけで、実際にはそういう人はいない可能性もあります。
エヴァの閨房で横島は大人の姿になったエヴァに嫐られていた。飽食界を踏破して以来彼女の責めはねっとりとしておりどこまでも彼を堕とし込んでくる。 彼から大量の精液を搾り取り受け止めすぎて膨らんだ腹は、
暴食の後を連想させその膨らんだ腹を見るたびに自分は貪り食われているのだという実感が強くなっていく。
魔石とソーマで回復を終えた後、彼女がゆっくりとオーカスと戦った時に受けた古傷をなめ始める。最初に一回下を這わせられただけで快楽によって動けなくなる彼を、容赦なく何度もなめることで彼女は嫐る。
そして彼が懇願するまで本当の絶頂は与えてくれない。毎回情事の終わりは脱力感でしゃべれなくなった彼が屈服すると、『分かっているぞ』と目で伝えてきた後に、牙かあるいは秘所で彼を完全にへし折ってくる。
彼女は血を吸った後、魔術で彼を子供に変えると、加えこまれるように対面座位に近い騎乗位を受けて、自分の胸で押しつぶされる双球と首筋からの電撃、
そしてつながった秘所から与えられる快感に全ての精と気概を絞りつくされて立てなくなった彼を見下ろしながら、エヴァが子供の姿に戻った。 少女の姿に戻った彼女は、
再び彼を騎乗位で嫐り搾り取るが、大人の時とは違った侮蔑の表情が余計に彼を昂らせる。 少女の姿に戻った彼女は尊厳が壊れた彼を心地良さげに見下ろしていたが、まじめな表情に戻り口を開いた。
「飽食界担当の私が認めるお前は次の魔界に行く資格十分だ。 どうするそろそろ挑み始めるか?」
「は、はい」
エヴァは朦朧としながらも頷く横島を魔法で回復させると、改まった空気になり、不意に説明を始めた。
「横島、今回の魔界怠惰界は今までの魔界と、試練の内容が大きく異なる。そして公平さを持つためあまり詳しくは言えんが、怠惰界の主は今までの主とは立ち位置が違う」
エヴァのかけてくれた魔法で頭の調子が戻った横島は彼女の言葉を必死に聞き入った。
「怠惰界の試練はどれだけ長くお前が耐えられるか。それが重要だ。そして『乗り越えられれば』強くなれる。だがそれが凄く難しい。 さらにその試練の難易度は運によって大きく左右される」
「エヴァさん、一番簡単になっても楽ではないだろうけど、仮に一番簡単な状態になったらどれくらい強くなれる?」
「そうなったとしても確実に大きく強くなれることは間違いない。だが今はお前が考えるべきことは、試練を超えるために耐えることだ。『怠惰界』の担当者は本当に試練の与え方がえげつないぞ」
横島はエヴァを見ながら珍しいものを見た感覚を味わっていた。彼女にしては本当に歯切れが悪い。かなり言葉を選んでいるのが見て取れる。
少し悩んだのちに横島は彼女が最低限伝えたいことだけは分かったという意味で頷くと。エヴァが少し悩むと言葉をかけてきた。
「飽食界の主として聞こう。お前は怠惰界に挑む準備はできたか?」
「できました」
エヴァは閨で負けすぎて敬語になっている答えを満足そうに聞くと横島の傷口を再び嘗めてきた。再び襲ってくる脱力感により倒れた彼をエヴァが大人の姿になって、抱き留めると胸に顔を埋めさせてくる。
何らかの魔術で鼻でしか息をできなくされた彼は、甘い果実の様なエヴァの匂いが脳を犯し始める。古傷とかした傷口をなめられただけで立つことすら困難だった彼は動くことがつらくなった。そして、
彼女に牙を手首に突き立てられると完全に快感によって動けなくなった。首筋に来ると、自分が堕ちる感覚がした。エヴァは横島を軽いぬいぐるみの様に持つと、ドアの外に向かって声をかけた。
「アリス、準備は整った。怠惰界の試練を与えて良いぞ」
朦朧とした意識で外を見ると、アリスがいつのまにか来ていた。彼女は普段のメイドらしい態度ではなく、何度か見せた花の様な気さくな笑みを浮かべている。 疑問を抱く横島をよそに彼女は笑いながら言う。
「それじゃあ、忠夫怠惰界の試練に移りましょうか。 シャーリー、優曇華」
アリスが声をかけると左右から二人の美女が現れる。片方は栗毛色の髪をした美女であり、強者ゆえの余裕とおおらかさが顔に現れている。脚線美を惜しみなくさらしており男の理想を体現した様なグラマラスな姿をしている。
もう片方はピンク色の髪をした少し気弱そうにも見える女子高生の制服に似た軍服に身を包んだ少女らしい外見の女性だ。シャーロットと呼ばれた方には劣るが女権国家の女性らしい男を悦ばせるのに長けた豊満な体をしている。
横島は三人の獲物を見るような眼を見て本能的に拙いと感じた。今までとは違う何かがあると、思い怯えて下がろうとした。だがシャーリーと呼ばれた女性に手を握られると一気に抵抗するための力が体から抜け落ちた。
疑問がる彼をよそにシャーリーと呼ばれた女性は笑う。
「私のフルネームは、シャーロット E イェーガー そして二つ名は韋駄天ウサギ。ご馳走様の由来となった韋駄天様の力もそれなりに使えるんだ。 最もこの世界のじゃなくて女権国家の韋駄天様だけどね」
そこまで聞いても理解できない様子の横島に彼女は言葉を続ける。
「女権国家において男は女性に食われるもの。そして君はオーカス様の庇護を外れてアリス様達の恋人となることを了承したから、もう食べられるのから逃れられないってわけだ。それじゃあいこうか、旦那様」
敬う心はなく親愛しかない朗らかな声で彼女は横島を抱き上げた。 エヴァが『勤勉のリング』を使うと怠惰界への封印が解けた様な音が聞こえ、そこから感じられる気が横島にはひどく不吉に感じられる。
嫌な予感に身震いする彼をいつの間にか部屋に来ていたマイが意地の悪そうな笑みを浮かべながら言葉をかけてきた。
「今回は私やエヴァは怠惰界の主であるアリスの助手だから、頑張って試練を乗り越えてね。 私は堕ちても耐えきってもどっちでも良いけどね」
そこまで言われた後、アリスが笑みを浮かべながら言葉をかけてきた。
「今回の怠惰界の試練、貴方は乗り越えられないかもしれないけど、私はそれでも構わないから。シャーリー後はお願い」
アリスの目と声の調子を見て横島の勘がこれは拙いと告げてくる。それを考える間もなくシャーリーが豊満な胸に抱きとめるようにして、彼を抱えると駆け始めた。
テレポートで消えるアリスと優曇華を見ながら彼はおぼろげに思った。シャーリーに運ばれること自体に何か意味があるのかも、と。
390 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 19:47:37 ID:oSDnTyKy
は怠惰界に入ってから景色すら朧気にしか視認できない速さで駆けていた。彼女が不意に速度を緩め彼に、周りの景色を見せ始めた。 自然と城砦が一体化したような屈強な宮殿都市が目の前にある。
どちらかという森の奥にある魔女の館などが極限まで立派になるとこういう風になるのではないかと横島は思った。 毎度のことだが、青木師匠の巡った魔界とは全然違うと感じた。
青木師匠がいた魔界は洞窟を思わせる鉱山であり、怠惰とハザマ・イデオがみなした者たちを強制労働させる場だった。彼の思考は不意に強力な悪魔達の気配を感じたことで断ち切られる。
身構えようとする横島を、シャーリーが脱力させる手つきで彼の体中をまさぐってきた。 愛撫を受けて思考能力が落ち切った彼にシャーリーは言う。
「アリス様の意向で、監禁施設であると同時に保護施設でもある場所がどれだけ強固か見せておくようにって、言われたんだ」
横島はそれを聞きながら周りを見回した。森も城も相当に守りに特化している。これは戦争などで攻めには一切使えない代わり、守りに戦では敵軍にとって悪夢となる類の城だ。
もしも攻めざるを得ない状態に持ち込めば敵軍の兵力を大いに削れるだろう。 森と田畑が一体化したこの様子を見れば兵糧攻めも効きづらそうだ。
そこまで考えたところでシャーリーにつれられる形で彼は、城の中に連れていかれた。
中身は魔女などが作ったような神秘的な部分もありながら人が好む都の城めいたきらびやかな洋館の様な内装を見ながら、横島はシャーリーに連れられながら城を観察した。
『少なくとも俺を害するような魔術的なものはないか。ただ異界の中にも他の異界に転移させやすいようなほころびが意図的に作ってある。 その異界もこの世界の主の支配下の異界の様だ。一体どんな試練が待っているのか』
彼の思考はシャーリーが不意に立ち止まった事で断ち切られた。 彼女が立ち止まったのは大廊下の途中にある大きな部屋の扉らの前だ。
彼女は佇まいを直すと、礼儀正しく扉を開けて部屋に入り横島を地面に下した。 横島の目の前には魔界でおなじみの魔界神の像がある。
そして横にはマイがいる。彼女に促されるままに魔界神の声にまず耳を傾けることにする。
「飽食界の突破お見事でした。私の娘達を守り通し、選んでくれたこと心から感謝します」
いつもとは違い改まった口調には初めて見る神としての威厳があふれていた。そしてその中には無条件で人を安心させる母親の様な温かさもある。 かの像の言葉をまじめに聞くべく見つめる横島に彼女は続ける。
「人というものは本来怠け者であり、楽しいことだけをしていたい。そういう方向に流れるものも多いです。例外もいるけど、そういう願望を全く持たないものは皆無と言えるでしょう。
そういう誘惑に抗うために必要なものすべてを取り上げられてなお、それに抗うことは容易じゃありません。この魔界ではある意味怠惰なる主によって怠惰に落とされることに貴方は抗わないといけません。
もしもこの世界で貴方が堕ちることになっても、私や娘たちは味方として貴方の意を叶えるように動きます。これはここの主に与するための甘言ではなく、恩があるゆえの約束です。この約束を覚えた状態でなお抗えることを祈ってます」
神綺の像の発言を聞き、横島はますます恐れと不安が大きくなった。彼女がここまで言うということはこの魔界は相当にやばい気がする。
神綺の像が崩れ落ちると、マイが話しかけてきた。
「忠夫、今回は私はこの怠惰界の主のサポートを色々とすることになったから。オーカス様の加護を辞退したあんたにはきつい試練になると思うけど頑張ってね♪」
マイの楽しそうな笑みを見て嫌な予感を覚えている彼に追い打ちをかけるように、シャーリーも笑みを浮かべながら言った。
「忠夫そこまで怯えなくても大丈夫だ。試練を超えられなくても、少なくとも『お前にとっては』悪い結果にならないから」
そこまで言うとシャーリーは笑いながら城の主人の部屋へ横島を持って行った。
怠惰界の主人の部屋は玉座をぎりぎり庶民でも親しみが持てるくらいでありながら、王の部屋と言われても通る程度に豪華な部屋だった。何よりも趣味の良い、インテリアなどが配置が良く彼を安心させる。
玉座にかけているアリスと左右にメイド服を着て控えているユウキとランを見て彼女アリスが怠惰界の主人なのだと、理解できた。
アリスは笑みを浮かべると横島をシャーリーから受け取り、口づけをしてきた。シャーリーから受けた愛撫で脱力の極みにあったが、アリスの口づけから舌を絡められた時点で完全に体を動かす糸が断ち切られた様な感覚になった。
アリスは笑いながらいう。
「忠夫、改めまして怠惰界の主アリス・マーガトロイドよ。魔女としての魔性をもって貴方を堕落させしめる、じゃなかったわ。全力で試練を与えるから乗り越えてね」
アリスは言葉を終えると動けなくなった横島を抱えて、寝室にトラポートした。
寝台に置かれた横島は辺りを見回すと、業魔殿の寝室に僅かに似た場所に自分はいると気付いた。アリスは笑いながら服を脱ぎ始める。 今まで横島は何度もアリスに閨で敗北し嫐られてきた。
だが今のアリスは見慣れてなお美しく恐ろしかった裸体さえいつもと違う。 見ていることすら危険だという直感があったのに、いつの間にか体の中に入っていた糸のせいで目をそらさず見させられた。
そして彼女は裸体を僅かに見た後敢えてそれを切った。 横島に自らの意志で目がそらせなくなっていると知らしめるためだろう。
アリスは敢えて裸体の後ろから見せつけた後、回り彼の前で姿を見せるとゆっくりと近づいてきた。 彼の体中を愛撫しつくし射精できない状況にさせたのは僅かな時間でそれが終わるとあっさりと、彼を飲み込んでくる。
「あ!〜…」
強すぎる快楽に悲鳴を上げたのは一瞬で、それ以降は声すら出すのがやっとになり、最後は完全に言葉も発せなくなった。
アリスは絶えず笑いながら彼の顔を胸で覆うと、腰を密着させ亀頭を自分の奥に飲み込み母親が赤子を撫でる様な手で頭をなでながら、時に魔力を送り込み思考力を奪っていく。
アリスの許可が出て射精した瞬間、一気に体中から力が抜け、代わりにアリスの指から出てきた魔力でできた糸が彼の中に入ってくる。 アリスは乳房に顔を埋めた彼を見下ろし彼が堕ちていく姿を魔女らしい妖艶な笑みを浮かべている。
アリスが彼を押し倒し、決定的な何かを始めようとしたとき、ユウキが軽くアリスを小突いた。なぜ小突かれたのか疑問がるアリスに彼女は言う。
「アリスまだダメだって。試練の内容の説明もしてないし、教えてないと訓練にも何にもならないでしょ」
ユウキの言葉を聞きアリスは初めて思い至った様な顔になり、やや与えてくる性的快感を緩めそれでも安心させる手つきで頭を撫で、脱力させながら言葉をかけてきた。
「え、ええ、そうね。ごめんなさい、忠夫。 この怠惰界の試練は私と配下達が与える怠惰に堕とそうとする快楽に耐えきること。 そして耐えきった時に貴方は多くの能力を得ることになるわ。
ただし快楽に敗れて堕ち切った時、この世界から出られなくなるから。それが今回の試練よ。そして試練の起源は軽子坂高校の生徒たちの誰かがここに来るか、貴方が自分で怠惰な堕落を跳ねのけるかよ。後者は無理だろうから、頑張って攻略されるまで耐えてね」
391 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 19:49:45 ID:oSDnTyKy
最後の言葉と共に口づけをしながらアリスは容赦なく彼に与えてくる快楽を戻した。緩急の中で一切級のない柔らかい緩しかない甘く柔らかい快感が強くなりその快感の中で射精すると、霧がかかったように意識が朦朧とした。
冬の疲れ切った時に好きなだけ眠って良い時の布団の中にいる様な感覚がしてひたすらアリスに弄ばれ続ける。このままでは拙いという意識と恐怖があったがそれすらもアリスの柔らかすぎるからだと密着している場所から抜け落ちていき、
射精の度に危機感が出ていくような感覚がする。恐怖が大きくなっていくがこの恐怖がなくなった時が自分が完全に負けた時なのではないかと彼は思った。
アリスは自分の与える強すぎる快楽に彼が屈服していくのを笑いながら、インプであるユウキとランに指示を出し始める。 そしてシャーリーと優曇華の二人にも魔術で何らかの伝令を送る。
ジンはリグルとの戦いを終えた後、飽食界を超えて怠惰界に来ていた。 この世界の敵たちは、基本的には寝取り趣味などはないらしく、彼らに対しては正面から挑んできている。
トランプが舞うと現れるトランプのマークを身に着けた。女性兵士達など不思議の国を思わせる敵や、生き人形などのモンスターは妖艶で美しく、男を捕らえ連れ去っていく光景も多くみられた。
魔法を得意とするもの、武具を得意とするものそういった兵隊たちと、切りあいを繰り広げた。クローバーの兵士たちは植物を操る他、金属や魔術で強化された棍棒を駆使してくることが多い。スペードの兵士たちは剣を持つものが最も多く、
ハルバードなど騎士が使ってくる武器を使用してくる。ダイヤの兵士たちは剣なども使うが一番は高価な使い捨ての札などを多く使ってくる。 ジンたちが一番遭遇する率が少なかったのはハートの兵士たちだ。他の兵隊の支援に訪れるか、
他の男をさらおうとしているところに遭遇したぐらいだった。彼女たちは僧侶の様であり、奇跡と似た神聖魔法を多く使ってくる。また聖騎士や僧侶が戦場で使うようなハルバードや棍棒薙刀などを使ってくる。誘惑系統の魔術に最も長けているが、
ジンを誘惑はしてこなかった。寝取り趣味のないところがこういうところにも表れている、と彼らは思った。
「ジン、この魔界も一筋縄ではいかないようですね」
マハジオンガを唱えながら自身も剣を銃を振るう玲子が彼に声をかけてくる。
「ああ。そうだね。玲子さん」
戦いながらジンはトランプの兵士たちの猛攻を避けてジャックランタンとジャックフロスト、そしてグリフォンとケルベルスに指示を出しながらかける。 敵を薙ぎ払い進む途中で、スペードの兵士団の中から見知った顔が現れた。
「トゥルダクさん」
目の前の二刀流の剣を振るう髑髏姿の冥府の使いは間違いなく横島の部下だ。何度も手合わせをしたからこそ間違えるはずがない。以前よりも遥かに力を増していることがその立ち振る舞いだけで分かった。
今までの襲撃とは明らかに違い、戦う前に対話を求めている気配がする。 ジンは玲子を見ると彼女も対話に応じることに異論なし、と瞳で伝えてきた。 ジンは剣を構え、質問をした。
「俺に何か頼みたいことがあるんでしょう。なんでしょうか」
「ジン殿、我と一騎打ちをしてもらいたい。 貴殿が勝利したならこの怠惰界の攻略を我も手伝おう。最後までとは約束はできんが」
それを聞きジンの顔色が変わった。トゥルダクは横島と共に敵が圧倒的に強い戦いを潜り抜けてきた猛者であり、ジンの仲魔達と比べれば頭一つ抜けている。しかし、彼の意図があまりにも読めない。
死神や冥府にかかわる悪魔は一部を除けば、人格者が多い。この悪魔は、慈悲深い閻魔大王の従者である以上その例外に当てはまる可能性は低いだろう。事実何度も手合わせをして、彼の性格の高潔さはジンも知るところだ。 少し悩んだスレに彼は口を開いた。
「いいでしょう受けて立ちます。 戦いが終わったら、話せる範囲で構いませんので事情の説明をお願いします」
「承知」
そういうとトゥルダクが両手の剣を構え、ジンが流星の様にかけると彼の首を狙い切り込んだ。その一撃をトゥルダクは右腕の剣で楽にではないが防いで見せた。その瞬間ジンの顔色が変わった。
『やばい、片腕で俺の剣を受けられるか。これじゃあ、絶対に仕留められるとき以外に全力の攻撃を仕掛けたら反撃されて切られるかもしれないな』
そう考えた瞬間、トゥルダクの左腕の一撃が彼に迫った。紙一重ではないが、決して楽にかわしたとは言えない回避を成功させると、彼は剣を構えた。
『さて、俺はスピードタイプの剣士だから、力強い二刀流使いには不利だ。二刀流は力が分散されるが、それでもあの力で切られると危ない。 何より、横島さんとも日常的に模擬戦していた彼に、騙し合いで勝つのは難しいだろうな』
考え終わる前にトゥルダクが二刀流を振り回しながら彼に迫ってきた。 彼はとっさに剣を構え最高の速度で下がり始める。 仮にこの光景を武術の知識はあっても実践をあまり見たことがないものがみれば、奇妙すぎると思っただろう。
明らかに熟練の剣士でありながら隙だらけで意味のない空振りを繰り返すトゥルダクに、同じく手練れの武人でありながらそれを警戒して下がるジン。 トゥルダクは空振りを繰り返しながら本当に切り込んでくる幻影すら見えるフェイントを連続して繰り返している。
ジンはユウキと同タイプの敵の意を感じ取り読みかわしながら切る剣士であるが故にそれが効きやすい。そして一手間違えれば負けるかもしれない。
追いつかれたジンはトゥルダクより先に攻撃を仕掛けて辛うじて主導権を握りつつ、激しい圧力をかけている。 激しい攻めを見せているのは、ここで怯えたような対応をすれば、向こうに主導権を取られるという確信からだ。
フェイントだと分かり切った上でも、飛び越えるには勇気を要する剣撃の雨をかわしながら、彼は自分からも苛烈な剣撃の雨をトゥルダクに浴びせる。
『何かがかかっている状態で、負ける可能性のある相手との一騎打ちってこんなに神経がすり減るものなんだな。多対一の戦いは短時間だけやったことがあるけど、練度が低いやつも混じっている多数より強い一人の敵との一騎打ちの方が厄介だな』
『本当』に打ち込まれていれば、確実に重傷を負っていた一撃の幻覚に僅かに神経をこわばらせながらも彼は曲芸師の様な動きを高速でこなしながら切り込み続ける。トゥルダクの方が下がってはいるが、今敗北に向かっているのはジンの方だ。
格上との戦いと修羅場をくぐった数で守りに長けたトゥルダクの剣技は、速攻で型をつける速さに特化したジンには相性が悪い。トゥルダクの守りに特化した二刀流の守りを崩せずジンは息を切らした。
フェイントだと分かっていても飛んでくるのではないかという気疲れと、隙を見せれば逆転の一太刀が飛んでくる重圧はかなりのものだ。 疲労から自分の速度が落ちているのではないかという疑念が僅かに浮かびかけるたびにより速く動き自分の怯懦を黙らせた。
トゥルダクもジンの剣撃の嵐の速さと鋭さに驚嘆していた。そして、少ししくじったかもしれないとも思う。彼の目的はここでジンに成長してもらうことが一番で、二番目はその上で自分を倒し怠惰界の主を倒すのに協力させてもらうことだ。
ジンは自分が似て非なる経験を味わった戦いを思い出しながら、それでも初めてのプレッシャーに苦しめられながらも、大きく学んでいる。 だが今回は自分が勝つ可能性が高くなってきた。
トゥルダクが傲慢界にいた頃よりはるかに速く鋭くなった彼の斬撃をここまでうまく捌けるのは、ユウキとの訓練を何度も重ねたからに他ならない。 息を切らし始めたジンに玲子が声をかけてきた。
392 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 19:52:08 ID:oSDnTyKy
「ジン、欲張りすぎですよ。 ここで負けたところで全てが終わるわけじゃない。この魔界では最悪は訪れる可能性はすごく低いのだからもう少し気楽に剣を振りなさい」
ジンはそれを聞き、時には自分以上に自分を理解しているパートナーの言葉に従い意識を切り替えようとして、目の前のトゥルダクが敢えて仕掛けてこない意思を見せていることに気づいた。
油断を誘って不意打ちそういう類を好まぬ敵であることは嫌というほど知っている。
『彼は、俺に強くなってほしいと思っている様な節もあった。 恐らくはこの一戦で何かをつかんでほしいのか?』
そこまで考えるとジンは風神剣を構えなおした。考えるジンに玲子の声が響く。
「ジン、得るものがなまじ大きいせいか、普段の貴方じゃなくなってますよ。土壇場まで追い込まれたときに見せるあの、危機感を持ちつつ意識してそれすら楽しむいつもの顔を見せてください。
それにここで負けても与えられるリスクはせいぜい怠惰界の攻略が困難になるだけです」
その玲子の言葉を聞きジンの中で何かが吹っ切れた。そして玲子の言いたいことを理解する。そして彼は意識したわけではなく自然と、笑みに近い気楽な表情になっていた。
「はは、そうだった。そうだった。 所詮負けても失うものは微々たるものだ。トゥルダクさん醜態をさらしてすいませんでした。ここからはいつもの俺で一騎打ちさせてもらいます」
そういうとジンは一気にトゥルダクに切り込んだ。思い切りの良い一撃を受けて今までより強い圧力を感じながら下がるトゥルダクは次の瞬間、僅かに驚いた。
ジンは意図的に紙一重で反撃を防げるギリギリの隙を作りながら、切り込んできている。
トゥルダクがそれを見越して切り込んだ瞬間、彼は回避しなかった。正確に言えば、トゥルダクが本来狙った場所とは違う場所を浅く切らせて、トゥルダクのカウンターにカウンターを合わせてきた。
ジンにも軽くはない傷がついたが、トゥルダクが受けた傷の方が重い。
彼は後ろに下がり魔石で完全ではないものの傷を癒すと、再び切り込んできた。
フェイントが通じなくなり、正確に言えば通じていてなお、彼の動きの掣肘と誘導ができなくなったトゥルダクは、懐に飛び込んできた彼の体術を受けつつ刀の柄で殴り返したが、
直ぐに彼に離れられてしまった。 調子に乗ったジンは様々な距離から幻覚が見えるフェイントを何度もかけてきたが、
トゥルダクは長年の経験から正確に真の一撃だけを見定めて、冷静に防ぎ、自身も真贋混じった斬撃の雨を返している。
ジンの方が総合的にみれば能力は勝るにも関わらずトゥルダクの守りに長けた経験の高さの為に攻めきれない為に攻防は長引いた。
拳などの体術や攻撃を当てているのはジンがほとんどだが、疲労で速度が落ちれば負けることを考えると、決して有利とはいえない。
「本当にきつい。手練れのあくまでも騙したフェイントを何度も見破られて自信が、ボロボロですよ。横島先生と日常的に手合わせしてりゃそうなるか。俺よりあの人の方が騙し合いじゃ上でしょうしね」
軽口をたたきながらも、自然体で足に神経を集中し、トゥルダクの打ち込みをかわせるように彼は構えている。そして本当に危ない一歩手前くらいの隙を作りながらトゥルダクが切り込んでくるのを待つ。 必須ではないが数秒は休みたいと思ったが故だ。
そして本当に切り込まれたときに逆に返し技を放つためでもある。 守りに徹されている方がトゥルダクに勝てる可能性は低い。
トゥルダクも攻めに転じることも可能だが守りに重きを置いた構えをしながら軽口を返してきた。
「自分で思っているより下手ではないぞ。我も実をいうと何度か騙されかけたり、騙されていたのも数度あった。 ただ騙された後の対処を年の功でごまかしたから気づかれなかっただけでな。
本当に騙されたときのことが未だにばれていないということは、我も化かし合いでも捨てたものではない様だ」
そういいながら剣を滑らかに動かしながら、幾つもの剣が放たれた錯覚にジンは威圧感を覚えながら考える。 今の発言は本心だった。だがそれすらも彼を悩ませる話術でもある。
トゥルダクは再び剣を回しながら彼に近づいてくる。彼は悩みながら思う。
『今まで自分は、速さで敵を攪乱できていたが、こういう手数が少ないパワー型の相手は本当に厄介だ。9割以上来ないと分かっていても、万一を考えていけない時もあるし、普通の敵より遥かに疲れる。 たやすくできることじゃないが、体力が尽きる前に決めるしかない』
決断を下したジンが一切ためらわず弾丸を思わせる踏み込みでトゥルダクに切り込んだ。
迎え撃とうとしたトゥルダクは剣が届きあう距離の直前に、天狗を思わせるほどに速く高く飛ばれ頭上を取られると、剣の引き起こす風を感じ、即座にその風に合わせて自らの剣を受けに回す。
大きな金属音がすると即座にジンが左側に着地して離れた位置に着地する気配が感じ取れた。 彼は地に足がついた直後でさえも動きがほとんど滞らせずに渾身の一撃を放ってきた。切りあい距離が開いた瞬間に今度は彼を追いかける。
あまりに距離を空けると思いもかけぬことをされるかもしれない。そう思うほど、玲子の助言を受けて意識を切り替えたジンは油断がならない。
トゥルダクが動きを読み工夫を尽くしどうにかジンに追いつき、彼に何度も切り込むと大半はかわされた。彼の早すぎる斬撃を防ぎながら、トゥルダクはこの戦いで初めて、全力の攻撃を返し技以外で放った。
ジンはそれを辛うじてかわすと、笑った。おそらくは一度で良いから、達人クラスの守りから、上手程度の腕しかない攻めに転じさせるのが目的だったのだろう。彼が一撃をかわし間合いを広めた瞬間、トゥルダクは考えるより先に距離を詰めようとした。
その時ジンが逆に前に出てきて、これ以上近づけば剣の間合いでなくなる間合いを作り出した。ジンの剣に意識を集中した瞬間、トゥルダクは予想を超えた一撃を受けた。ジンがオーカスと同じく蹴りを放ってきたのだ。
393 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 19:53:40 ID:oSDnTyKy
トゥルダクがその一撃を防御できたのは運でしかなかった。蹴りは隙を作りやすい。オーカスがやったような多対一で放つというのは普通は愚行の極みであり、一騎打ちなら確実に当てられるときだけなら、やっても良いかもというぐらいだ。
だが、直前のジンの動きが僅かにオーカスと似ていたから、意識の隅で万が一の可能性を考慮した為にとっさに左腕が動いた。オーカスは完全に防がれること前提でその上で、フェイントと分かっていても相手を縛れる楔を打ち込むためだった。
ジンのこの蹴りはそういう意図もあったのだろうが、確実に自分を倒そうとした一撃だ。完璧に近い受けをした後でも左腕が刹那の間とはいえしびれた。そこにジンが足を地につけたのとほぼ同時に風神剣の斬撃が飛んできた。
受けきれずに左腕の剣を落としたトゥルダクはジンの斬撃を何度か防いだ後自分から距離を詰めてきたジンにやや強引に拳を当てて距離を、取ったもっと深い一撃を当てることも機会も多分あっただろうが、
警戒が強くなる前に確実に当てられる状態の内に一撃を見舞った。 拳の一撃を受けて、意識にそれが焼き付いたジンは当たる可能性は低くても接近戦を忌避するようになった。そしてトゥルダクは防ぎきることを放棄し、
切られたうえで一刀流になり威力の高まった一撃を彼に当てることに変化した。 距離を詰めることを今の一撃で忌避し始めた彼は守りを崩しきれずにいた。だが戦況の硬直ジンがどんどん有利になっていきながらも、
万が一の逆転の危惧は消えない状態は不意に終止符が打たれた。
トゥルダクの視界から僅かに離れた瞬間にジンが覚悟を決めた状態になり一気に彼が切り込んだ。そしてトゥルダクは予測していなかったらしく、勝負に来たと僅かに遅れて悟った直後に一手遅れた状態で最善の対処をしながらも最後は討たれた。
勝利した後、不可解そうな眼を向ける玲子に彼は説明した。
「お互いに読みあっていて硬直したら、賭けに出てみるのも手だと横島さんが言っていましたからね。 勝率が七割くらいと思っていたら、明らかにもっと後でもいい時に攻めてみれば意表をつけて8割くらいはいけると思いました」
最も下手すると読まれて直ぐ負けてしまうけどと、彼はつづけた。
「今回は負けても良い戦力が一つ手に入らない程度のリスクだしやってみても良いかなと」
倒されたトゥルダクが立ち上がり、言葉の続きを話す。
「お互いが頭の中で読みあうような戦いの図面が出来上がったような状態で敢えてそれを壊しての全力での攻めか、あそこで蹴りを受けきれればもう少し面白い盤面が続けられたかもしれんがな」
そういいつつ、トゥルダクは結局は、執念の差が大きかったと思った。もしも自分が譲れない線を賭けていれば、即座に再起動して食らいつきあそこまで一方的な負けにはならなかったかもしれないと。
勝っても負けても良い戦い、だがジンの方もそうだったが、彼の方が負けられない理由は強かった。トゥルダクは少し考えると口を開いた。
「貴殿らの仲魔になることはできないが、この怠惰界を踏破することに協力しよう」
トゥルダクの言葉を聞き終えると、ジンは少しだけ気になるような様子で言葉をかけた。
「トゥルダクさん、あなたが俺たちに力を貸す理由って何ですか?」
「なぜそれを聞く?」
「横島さんは特殊な立場にいるせいか様々な干渉を良くも悪くも受けています。でも俺は、飛びぬけて強いという自覚はあるけど、ここで訓練を受ける道を選んだ軽子坂の生徒たちとあまり変わらないと思います。
今まで特殊な干渉を受けた生徒はいなかったはず。怠惰界だから、怠惰にさせようとしているとも考えたけど、それなら立ち会う理由がないでしょう」
そのジンの問いにトゥルダクは感嘆したような空気を出し、答えた。
「ありていに言ってしまえば、ここの怠惰界の主、正確に言えばその主の横島殿に対する愛し方が我は気に入らない」
「それだけですか?」
「それだけだ。 私にとっては主君たるマイ殿よりも好感を持っている上司に対して籠に入れようとしている。 もっと言えば主人を護る番犬であり猟犬でもある存在を愛玩犬にしようとしている」
「そこまで気に入らないんですね」
「ああ。愛の形はそれぞれ。だが我の基準ではあの愛し方はあまり感心しない。それを見越したのか我が主君はこの怠惰界に限っては他のサマナーに味方しても良いと言ってくれた。
『我の同僚』であるジャックフロストとジャックランタンも私と同意見だが、怠惰界の主にも情が移っているからか、中立になったがな」
「分かりました。 協力しましょう利害は一致しています。彼が堕ちてしまったら、東京を護る戦力も大ダウンですし。
そうなったら、せっかく家族仲良く過ごしせるようになった玲子さんの家庭がまた離散とか起こるかもしれませんし」
「やはり惚れた女の為にがむしゃらに頑張る男は見ていて美しいし、気持ち良いものだ。だからこそ、過保護すぎる女権国家の女にも困ったものと思うのだがな」
後半の口調は棘があったが宣言した通り相手を嫌っているのではなく、相手の所業に怒っているだけの様に見えた。 トゥルダクは柔らかい声音に戻るといった。
「中盤辺りにもう一人協力者がいる。 その人物はすごく強い。ただ実力が足りないと少ししごかれるかもしれん」
ジンはその言葉に頷くと、怠惰界を歩み始めた。
アリスの城にとらわれた横島はひたすらに甘い快楽を与えられて脳がぐずぐずに溶かされていた。 多分一時的とはいえ、マイから譲られて魔女であるアリスの使い魔と化したインプのユウキとランも彼を容赦なく嫐る。
ユウキとランが容赦なく彼の分身を胸に埋め尽くし視認できなくし、アリスが彼を糸で無理やり倒れさせずにいる。 射精の度にことさら聞こえるように嗤う二人の顔を見させられながら横島は意思力が一気に削られていく感覚を味わった。
アリスが不意に呪文を唱えると彼を成人の形態に戻し、彼の胸板で自分の乳房を潰しながら腰を激しく密着させ動かしてくる。 口づけを受けてどんどん欠けた何かを埋めるものを無理やり流し込まれる彼に口づけをやめると彼女は、
少しだけ顔をだけを離し体をくっつける。柔らかくみだらな彼女の体のせいで何も考えられない彼を見下ろし彼女は心底楽しそうに笑う。
「忠夫、女性閨ごとばかりしていたら、弱くなっちゃうって心配しているでしょう。大丈夫よ。 まじめに鍛錬するよりは少し劣るけど、いつでも貴方の体を戻すことはできるから。
人形の魔女である私は英雄の語り手で劇による再現者。 あなたの前世の力を再現する魔力を送っているから」
394 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 19:54:53 ID:oSDnTyKy
笑うアリスにユウキが言う。
「忠夫、でも横島家の当主としてそれでいいの〜? 前世の再現ってことは君は一生ベッドの中では惨めすぎるペットとして一生を終えることになるんだよ〜。 こんな風に」
射精した、横島から離れたアリスは彼を後ろから抑えユウキとランの前に差し出す。申し合わせたように二人の足が彼に分身を嫐ろうとする。
だが嫐られるより先に、二人の足があまりに上手く刺激してきたために彼は二人の足を真っ白に染めてしまった。
「ははは! 忠夫ごめん。こんなに君がベッドの中で弱いなんて、あるいは足でしごかれて興奮する変態だったなんて予想外過ぎたよ。 ご先祖様たちが泣いているよ。でもまだ良いかな?
一応お尻で一番強く勃起するよりは足の裏の方が人間らしいかも。猿から猿以下の変態人間への進化おめでとう!」
ユウキの心底楽しそうな嘲笑のこもった言葉に対して男として一矢報いようとした瞬間、アリスが彼の口を口でふさいできた。
口づけで再び脱力状態に落ちた彼を子供に戻すとアリスは言う。
「ユウキが言い過ぎて、ごめんなさいね。主人である魔女として謝るわ。もっと気持ちよくしてあげるから少し待っていて」
アリスが横島の体に光でできた糸を流し込み、横島は人形の様に動きながらユウキを組み伏せた。 体制こそ男性優位だが、何度も彼女が達するより先に射精を繰り返し、ユウキは笑いながら言う。
「忠夫まだ、僕イけてないよ。男として勝てなくてもせめて相手を満足させようよ」
逃げかけた彼の腰を後ろから叩き、無理やり奥に分身を加えこみながら彼女が言う。倒れた彼を見下ろしながらユウキは言う。
「一度達することができたし、弱い者いじめしてもしょうがないから、しばらく休んでいいよ」
アリスの糸からマグネタイトを補給され、回復したところにランが覆いかぶさってきた。子供となった彼の顔を胸で包み込みながら彼女は言う。
「妹がごめんなさい。ユウは昔から貴方を好きになるほど、ベッドの中では意地悪になる悪癖があるんです。でも最初は心が痛いでしょうけど、その後の私やアリス様との性交が癖になり、最後は悦びしか感じなくなりますからご安心を」
ランの説明を聞き顔を赤くしたユウキは横島の視界が胸で完全に防がれているのを見てほっとした。
ランに何度か抱き込まれるような形で精液を搾り取られた後、アリスとユウキとランが三人がかりで彼の分身を愛撫し始めた。アリスの手が亀頭を撫でユウキが玉袋を揉みしだきランが竿の部分を撫でまわす。
射精の度にそれぞれが位置を交代し、彼に飽きをこさせない。 途中から寸止めを繰り返され、それが終わるとアリスが再び騎乗位をしてきた。
揺れる胸の揺れを見せつけて、絞った後。 背面騎乗位に切り替えた。そして尻を見せつける様な形で絞りながら彼女は言う。
「やはりまだ乳房よりお尻の方が大きくなってしまうみたいね。 エヴァも助けられて嬉しかったせいかやりすぎたわ」
そのアリスの言葉をユウキが笑いながら否定した。彼女が足の裏を見せると彼の分身が余計に強く反応し始める。
「それは違うよエヴァさんのせいじゃない。忠夫は屈辱的な性行為が好きすぎる変態だから。今僕の足を見て大きくなったから、足に一番興奮するようにするしかないんじゃない?そうすれば足の裏を見る機会は少ないから対面は守れるよ」
笑顔で男の尊厳を二重の意味で踏みつけてくるユウキによって分身が激しく硬くなることに情けなさを覚える彼をアリスが抱き留めて、甘やかすように再び搾り取りながら言う。
「ユウキそれくらいにしておきなさい。忠夫、恥ずかしくて嫌?」
男としての対面上、横島は頷いた。本心ではなかったが、そこまで嫌というわけでもない。ただあざけられると悦んでいる自分がいるのが何となく悔しいと思うところもまだある。 誘導された答えにアリスは笑いながら言う。
「それじゃあ、エヴァと違って本格的に人間に戻る治療に移りましょうか」
そういった直後に、アリスは離れるとまだ固い彼の分身を乳房で分身が挟んだ。アリスの胸の与える快楽に悶える彼をアリスは自分の胸から出る亀頭をなめ始める。みっともなさすぎるほどに悶える彼をアリスは愛おしそうに見ている。
しばらく嫐りぬいた後アリスの狙い定めたような舌が彼の分身の急所を突くと、一気に彼の意識が砕け散った。とてつもない量の精液をアリスが飲み下しアリスの魔力が大きくなっていく。その状態の横島にランが優しく忠告に入る。
「忠夫さん、あなたが出せば出すほど、この怠惰界の敵は強くなっていくから救助が遅れてしまいますよ。もしかしたら、難易度が上がって軽子坂高校の生徒たちが心折れてしまうかも」
「今自分を助けようとしている相手の足を引っ張ると聞いて興奮したね。 女性の部位より屈辱感と背徳感が一番なんだね。君は」
本来男性優位の奉仕である口淫をされながらもひたすらアリスの人形の様に好きな時に射精させられ女性に勝てないという意識がどんどんと募っていくのを彼女は達は笑いながら見ていた。
ジンと玲子は無数のトランプの兵隊たちを切り払い疾風の様に駆けていた。トゥルダクが加わったことで信じられないほどに戦力が上昇している。正確に言えば、トゥルダクが加われば、総合的にみれば戦力が上がるとは思っていたが、
ここまであっさりと彼がなじみ見事な連携もできるとは思っていなかった。 横島の戦い方とジンの戦い方が似ているというのもあるのだろうが一番は大きいのは一度一騎打ちをしたというのが大きい。
お互いに殺す気はなくても、死んでも仕方ないぐらいの気持ちで打ち合った経験は互いを深く理解させた。この死んでも帰ってこれる軽子坂高校でなければできない方法だったとジンは思う。 だが死んでもガーディアンが憑き戻ってこられるこの状態も、
女権国家の悪魔達の前では危ない。特に怠惰界では、捕らえた男を堕落させるのを好む悪魔達が快楽で堕ちた攻略者たちを愉しみながら連れ去っていく。
巣に一度連れ去られた男は二度と戻ってこれないだろう。 トランプのスペードの女騎士が剣を構え彼に切り込み。様々な形状の棍棒を持ったクラブの女兵士たちもそれに続いてくる。
395 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 19:56:54 ID:oSDnTyKy
世界では殺しても大したダメージを本体に与えることはないと分かってはいてもやはり、見目麗しくそして邪悪ではない女性を攻撃することはストレスが大きいと感じながらジンは複数の敵を切り払った。
棍棒の兵士たちは棒術の棒みたいなもの以外はジンには触れられもしないと割り切ってか、剣を合わせた瞬間に太い棍棒が飛んでくる。またはジンの行動を誘導するための避けられる前提の一撃が多い。
玲子が魔法で全員を強化しトゥルダクとジンが切り払う。
切り払われたトランプの女性兵たちは色を出すとそのまま消滅していった。 さらに大小さまざまなトランプが現れそこからハートやクラブ、ダイヤ、スペード様々な兵士たちが攻めてきた。 全ての敵を切り払い、
一番奥に到着すると今まではとは一線を隔す大きな闘気を彼らは感じ取った。 ジンはこの気配を何度も味わったことがある。自分に基礎の部分だけとはいえ、北斗神拳を伝授してきた闘神ジャギだ。
ジンは風神剣を構え、トゥルダクと共に彼に近づくと、途端に彼が手刀で切り込んできた。風神剣で受けた瞬間、まるで剣を受けたような感覚がなり、吹き飛ばされかけた瞬間、トゥルダクが彼にジャギに切り込んでいた。
二刀流ではなく一刀流なのは、トゥルダクの剛力をもってしても、両腕で打ち込まなければ牽制にもならないという考えからだろう。
ジンは鉄の様に固くなったか体で、トゥルダクの剣すら受けたジャギにフェイントをかけるのはやめて一刀に全てをつぎ込んだ。
一太刀だけならトゥルダクにも意識を割かれたジャギと互角になれる。ならその瞬間に勝負を決めればよい。 ジンの全てを駆けた一撃はジャギの腕を超えて首筋に届いた。
勝利を確信したジンは、次の瞬間それが驚愕に変わる。ジャギは首に闘気を集中させて、剣を受けぬいた。 心折れかけながらも彼は迷わず剣を振るおうとし、そこでジャギの一撃が彼に直撃する。
ジャギは倒れたジンを平均点よりは上だが、やや足りないと断じた教師の様な目で見下ろしながら言葉をかけてきた。
「決断力と、そして心折られない意思力は見事だ。だが想定外の事態が起きた時の立ち上がりと洞察力の低下はいただけなかったな。 俺はわざと首で受けたんじゃなくてあの時点では純粋にお前が上回っていた。
本当はあんな受けやらずに済むのが一番なんだ。 ただその後で実力差を見せつけられて、俺が余裕で受けたと勘違いしただろ。おかげで距離を取ろうとするとすぐ読めたぞ。
お前の癖不利な時は引く、逃げるは武人として間違っちゃいない。 死にさえしなければ次があるからな。だが、間違えればチャンスを逃しはするそれを忘れるな」
師匠らしいジャギの言葉を聞いた後、ジンは少し悩んでから口を開いた。
「ジャギ師匠がトゥルダクさんが言っていた今回の怠惰界の協力者ですか?」
「ああ。その通りだ」
「理由を聞いても? トゥルダクさんと同じ動機ですか」
「それもあるがな、一番は横島の奴への義理だ。 長い話になるが聞くか?」
ジンは玲子の方を見た。許可を求める視線だったが玲子は頷くだけでなく言葉も返してきた。
「私も知りたいです。 女権国家のある世界から来た方々はこちらに不義理はしていないし、隠しているというより話さなくてもいいから黙っているだけに見えます。
ですが、これからさき一緒に戦う仲間のことだし一応知っておきたいと思います」
ジャギは少し考えると口を開いた。そして横島が傲慢界を踏破前にアリスから受けた説明と横島の立ち位置について彼らに話した。
「――。ここまでは理解できたか? でないとこれから先の話も理解できないが」
「ええ。大体わかりました。女権国家という天然サキュバス最強サキュバスの群れみたいな国家の一部の、外道がその国と離れた場所で大勢力持ってその時のこの世界の神話とかの情報が向こうに中途半端に伝わって、
こっちの世界に女の天敵がいるって認識が広まり、それで向こうの世界に女殺しの魔物が生まれて、横島さんはずっと輪廻転生の間その魔物達から好かれすぎるとやばい女性たちの盾になって、好感度上げまくってたと」
「ああ。あいつの嫁さんたちは基本的にはあいつの意に添うように動いている部分もある。だが、今回の女は魔女としての本能『男を堕落させ虜にしたい』に従って動いている。
他の女たちは、堕ちたならそれもまた良し、と考えているし本気で堕とそうとはしている。だがあの女は横島に対して過保護なところがあった。
そして理性が強いから女殺しの魔物との戦いのときはあいつをしまってしまいたいのを我慢していたが、オーカスとの戦いであいつが重傷を負ったのがきっかけで、
甘やかしつくして堕落させたいという魔女の本能が爆発しちまったらしい」
「それはまた」
「女殺しの魔物の活動が殆どなくなる休息期に横島を堕落させるような遊びをあいつらはやっていたが、その際の伝承が広まった際の分霊を取り込んでかなりガチになっているな。
あの女の思うとおりになるとこの世界にも愛着や義理ができている横島の奴にはろくな結末にならん。ぶち壊すとしよう」
「分かりました」
「それと俺は今回は道中は手伝わん。ただボスの部屋までついたら俺に全部任せて構わねぇぞ」
ジャギの言葉に頷くと彼はそのまま駆けだした。その彼の後ろに向けてジャギは言う。
「別にそこまで急がなくても良いぞ。まあ、一回ゲームオーバーになるかもしれないが、あいつならどうにかなる」
「は、はい」
ジャギの言葉に若干の疑問を抱きながらもジンは先に進むことにした。
横島はあれから何度も様々な状態で性行為で搾り取られた後、自分が意識を失ったことに気づいた。 そして気が付くと自分の体が、小学生くらいまで若返らせられていた。
その横島の近くに恐らくは前世の自分をモデルに作られたと一目でわかる人形があった。見れば見るほど、その人形は高性能だと自分の中の観察眼が告げてきている。それを見終わる前に、人形の横に立ったアリスが言う。
「これから荒事等はこの子がするから貴方はただ怠惰に快楽を貪りつくして」
そういうとアリスが彼に口づけし、メイド衣装のユウキとランが何やら魔術を唱え始める。
不意に彼は異界の中の異界にいることに気づいた。 目の前にはアリスを幼くしたような少女がいる。彼女は間違いなくアリスだ。そして左右にはユウキとランに加えて優曇華とシャーリーが控えている。
アリスは子供になった横島に同じ子供の体で抱き着きながら口を開いた。
396 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:00:19 ID:oSDnTyKy
「不思議の国にようこそ、横島。ネバーランドと同じく永遠の少女の楽園で白騎士の役をこなしてね」
アリスがそういい、世界そのものを紹介する様に手をかざした。アリスの手の先に偶然いたユウキとランは前とは違った衣装に変わっている。ユウキは少し騎士らしいスペードの刻印の入った衣装に身を包み、
ランは少しだけ騎士に近いハートの刻印の入った聖職者らしい衣装を着ている。
「やっぱりインプ形態だと主人の影響が大きいね。アリスが子供状態になったら僕達も不思議の国のトランプの兵隊よりになっちゃたし」
そういいながらユウキはスペードのマークの付いた柔らかく心地よい生地でできた手袋の付いた手で彼の分身をしごき始める。
「ユウ、別に悪いことじゃないでしょう。主人によって能力が変わるという使い魔は便利で、色々な方法で彼を愉しませられるじゃない」
ランも同じくハートのマークの付いた手袋で彼の玉袋をやさしく揉みしだく。
「〜〜!」
声にならない声をあげながら射精する彼を二人は笑いながら手で何度も射精させる。
「忠夫、頑張って不思議の国を踏破しないと、どんどん元の世界に帰るのが遅くなっちゃよ。 こちらの時間は向こうより早いから元の世界に帰るまでに何度絞られるか分かったものじゃないからね」
「踏破の方法については、ひたすら快感に耐えてギブアップと言わずに進んでいくことです。頑張ってくださいね♪」
ランはユウキ以上にえげつない快感を与えながら応援する笑顔で言ってきた。
あえぐ横島を見ながらシャーリーが笑いながら言う。
「頑張って不思議の国を踏破しよう。 一応後付けとはいえ、子供の味方になったウサギとして協力してやるから。でもその前に快楽に負けて永住したくなるのはお前の自己責任だからな」
はつらつとした笑顔で言う、彼女の言葉に恐怖を覚えると、横でピンク色の光を放つ目を輝かせる優曇華が言う。
「正式にはまだ名乗っていませんでしたね。私は、鈴仙・優曇華院・イナバ。気軽に優曇華と読んでください。女権国家の不思議の国の三日月ウサギが変わったものです。できれば永遠に子供のまま、お茶会のつまみであり続けてくれることを願います」
怪しく美しい輝きを見せる、彼女の瞳に恐怖を覚える中、シャーリーが笑いながら言った。
「正式な名前は名乗ったけど、私の由来は言ってなかったな。 私は女権国家の不思議の国のアリスに出てくる白ウサギが元ネタだったんだ。
アリス様が子供たちに食料とか提供する際にこの飢えた子供たちの為に不思議の国のアリスのウサギみたいに走って食料を運ぶようにと言われて、使われるうちに韋駄天ウサギになったんだ。
これから嫁さんたちが、貴方を『食べたい』と思った時によく顔を合わせることになるかもね」
不思議の国のアリスは女権国家にもあったらしい。怯えながら下がろうとする彼を彼女は笑いながらつかんだ。
「それじゃあ、次の食べられる場所に行こうか。 大丈夫不思議の国の出口にも近づくから」
ジンは怠惰界の半分近くを踏破したと感覚で理解できた。途中で出てくる大半の敵を切り払い、何度も苦戦しながらも彼らは多くの敵を薙ぎ払った。多くの敵を切り払い、
小休止に入る時、偶然近くで休む形になったトゥルダクがこれ幸いという様子で、小声で彼に声をかけてきた。
「ジン殿、そろそろ私は離脱するかもしれません。怠惰界の最後まではお供できそうにない」
それを聞くとジンは無言で頷いた。 トゥルダクは足手まといにはなっていない。むしろ主力といってよい。だがその上でこの発言は彼が犠牲にならないと駄目な様な道があるのだろう。
ジンは周囲を見ながら警戒しつつ走った。もうすぐで何か恐るべきことが起こる。そう思った直後に長い廊下の向こうに大きな気配を感じた。
ジンは努めて雰囲気を変えない様に気を付けながら戸を開けた。トゥルダクがあそこまで小さい声で言ってきたということは、気づかれないことが重要なのだろう。気づかれたら彼を無駄死にさせてしまうかもしれない。
ドアを蹴破るとそこには横島の人形があった。だが何度も手合わせしたことのあるジンは一瞬で、これは今生の横島を模して作ったものではないと気づいた。 風神剣を構える、彼に自衛以外では戦闘に参加していなかったジャギの言葉が響いた。
「何個前か忘れちまったがアリスが正妻だった前世だな。多分だがアリスを正妻にした最初か二回目だったはず」
それを聞き終わると、ジンは風神剣を構えた。霊波刀などを強化する類の文字の刻まれた刃のない剣の柄。あれは間違いなく、横島の霊波刀を強化する類のものだ。そして両方に穴が開いているということは双刃刀としても使用可能なのだろう。
ジンは状況を分析し、かなり不利であることに気づいた。この人形は普通に戦った時ですら手強い。だがかつビジョンが見えないわけでもない。 しかし、ここは守りに長けた魔女の領域であり、かなりの量の魔力の供給をこの人形は受けている。
しかも前世の横島の全盛期ということは今の横島より霊波刀を具現化する速度なども速いだろう。 いきなり双刃刀に切り替えられたり、様々な事態を想定して動かなければならない。
幸いにしてこちらが一定の距離に行かなければ仕掛けてはこない様だ。風神剣を前に出してかけようとしたところで、ジャギから助言が響いた。
「今言ったが、それはアリスが正妻になった忠夫の前世を再現した人形だ。その時の横島は一つを極めようとする感じじゃなくて、一流や、一流一歩手前の二流という形で少しでも多くの畑の技を学び、アリスに合わせる支援を考えていた。
それでアリスの旦那となってからは自分の幾つもある前世の技を再現しまくって、アリスを護っていた。 速さ型によった万能型だ、体術と剣と魔術だけは、一流の中でも上手い方だったな。 あとは一流の中では下手な方とか、一流一歩手前の二流どまりだった。
あくまでも素の技術は、そうだってだけで、前世で英雄となった時の再現をアリスの術でしたときは再現率はそれなりだったぞ」
397 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:01:31 ID:oSDnTyKy
そこまで聞き終えると、ジンはトゥルダクと二人で駆けだした。仲魔達に自分か赤根沢玲子の指示があるまでは、守りに徹し援護などはしない様に命じ、横島人形にゆっくりと近づいていく。
仲間同士で庇いあい補いあう戦いの形で入ってしまえば、いきなり仲魔が脱落すると形が崩れてしまう。そして、この人形はある程度安全を確保してからでないと、本来足手まといではない程度に実力が劣る仲魔すら即殺されてしまいかねない。
玲子に敵の手の内が見えてかつ、実力が劣る仲魔も死なない程度に戦況が硬直するか、隙が出来たら援護の開始を求める旨を視線で伝え彼は距離を縮めだした。 ジンは人形の動きを観察し読みあい始めてから、槍の間合いの辺りで、自分が突かれる姿を幻視した。
身構えていなければ刺される、という確信を覚えた。大げさに防いでいたら他の手で切られていた、という確信がある。
ジンは長い柄を見ながら恐らくあれは様々な武器に具現化できるのだろうと、確信しながら足に全神経を集中させた。 決断を固めたジンに、トゥルダクが叫ぶ。
「ジン殿、我と戦った時に玲子殿から助言をもらった時と同じ心持で戦えばよろしい。そしてあなたの戦い方から色々と学ばせてもらった故、忠義の示し方も定まりました」
そういうとトゥルダクは二刀流を構えた。フェイントなどをしないのは、完全に騙し合いでは目の前の人形に勝てないと割り切り、全ての神経を返し技に徹すると決めたからだろう。
ジンは読みあいをしばしした後、不意に決断を下し速攻で切り込んだ。彼でもめったに見せない程の速度の一撃を、横島の人形は日本刀に似た霊波刀を柄から具現化させて受け止めた。
トゥルダクが即座に二刀流を構え、援護に入り二人係で切り込むと彼は一瞬でジンとかれ横島の人形との舞踏に混ざった。 ジンは知らないことだが、ここからの戦いは天狗を相棒に横島が二人係で彼の前世の一つと戦った時と大分似た形になっている。
横島の人形はとの戦いは彼らにとって困難極まった。この人形は横島の前世のデータから作られているためか、錯覚を見せるほどにフェイントをすごく上手く使い、さらには握られている、
霊波刀の具現力を高める柄のもう片方の方からも霊波刀を出して双刃刀として刃を振るったり、あるいは横島の人形の使う剣めがけて剣を振るった際に、不意に刃を消すなどして彼らを大いに混乱させた。
そして、ジンはかつてないほど荒々しく打ちかかり、何度も剣撃の乱舞を繰り返しながらトゥルダクが自分と共闘した理由を理解した。
『なるほどな。こりゃトゥルダクさんもこういう人形がいることが分かっていたら、俺みたいなのと組まないと勝てんと断ずるな』
横島とトゥルダクは純粋な剣の稽古でも横島の方が勝率が高いという。その理由はトゥルダクの剣は速さではジンより劣り、横島相手にも劣る。だが圧倒的な膂力と先読みで相手の攻めを崩す剣技に長けている。
速さではジンよりやや劣ってもフェイントと読みあいで勝ちやすい、横島には崩されやすいのだ。逆にジンは横島から吸収しているとは言え、生粋の速さのおかげでフェイントを磨く必要がなかった。
だからトゥルダクには読まれやすく、速さ自慢の剣を合わされやすいから、トゥルダクが勝ちやすい。しかし、横島相手には若干速さで勝っており、速さ任せで手数で圧倒する戦いになれているため、フェイントを潰しながら打ちかかれるため勝ち目がある。
トゥルダクは本当に必要な時にだけ重い斬撃を放つ。そして放つ必要がないときは牽制を繰り返し横島の人形にプレッシャーをかけている。 そして彼の行動で横島の人形は万一を考えて動いているため、ジンが悪手を打った時に致命傷になることもない。
ジンは横島人形に拳を打ち込んだ直後にしまったと思った。霊気を込めて生物を殺すより、単純な物質破壊の方が人形には効果的だ。 失策を悔いた次の瞬間、横島人形が彼に拳を返してきた。そしてそれを受けた時、ジンの顔色が変わった。人形の拳は魔力が霊気や気を込めた一撃とほとんど変わらない拳だった。
『なんだこりゃ。 本気でやばい威力だ。 だが気を込めた拳を打ったてことは、人間がこういう拳を打った時と同じくらい隙ができるはずだ。なにせこの人形の本質は【英雄の動きの再現】なんだからな』
手首の先からだけでも上手く振るえば風神剣の切れ味はすさまじい。 横島の人形の首か肩を切ろうとしたら、案の定人形は多少無理をしてでもそれをかわしに移った。
そしてその隙をつきジンが魔石を使った直後、トゥルダクが不意に二刀流の片方の剣を捨てて一刀流になり、横島の人形に切り込んだ。 横島の人形は即座にそれを受けて鍔迫り合いになった。 硬直状態になった直後トゥルダクが叫んだ。
「ジン殿、今のうちに先に進め!」
それを聞くとジンは即座に頷いた。
「玲子さん今のうちに通り抜けるぞ」
玲子もその言葉に頷き即座に通り過ぎた。
ジンたちが奥に進む通路に行くとトゥルダクはその通路の前に立って正眼にやや近い、返し技重視の構えをとった。
「こうなればそちらから攻めざるをえまい。 我は返し技に関しては最高峰の剣士だ。普通の勝負ならまだしも、そちらが攻めに固定されれば勝つことも不可能ではない」
横島の人形はいら立ちもなにもせず霊波刀を構え、凄まじい量のフェイントを織り交ぜた攻撃を嵐の様に仕掛けてきたが、トゥルダクは守りに徹せる状況から何度か軽い傷を受けつつ守り切った。
向こうがこちらを倒しジンたちを追わなければならない状態。そして時間の制限、時と地の利が味方になったことで横島の人形に勝てる。
トゥルダクと別れたジンは無数のサキュバスやトランプの魔物や妖狐、天狗、魔女、人形などを相手取りながら、あの横島の人形が来ても有利に戦える地形、玲子の魔法でごり押しできる場所に来ると一旦、休みジャギの方を見ると問いかけた。
「ジャギ師匠、トゥルダクさんは勝てると思いますか?」
「勝負はいつだって決着がつくまではわからねぇよ。ただ負けの可能性よりは、勝ちか相打ちの方が大きいと思う。 横島の奴は女尽流(めしんりゅう)なんていう流派を立ち上げただけに、基本的には相棒の女に合わせて強くなったケースが多い。
あれはアリスという色々な人形を使う彼女に合わせられるように器用貧乏を極めた前世だ」
「それならあのまま袋叩きを狙えば簡単ではないけど勝てましたかね?」
「難しいと思うぞ。あの前世の特技は相手に合わせることと守りの戦いだから、自分から事態を主導するのと攻めは若干下手なんだ。だから、あのトゥルダクの判断の方が正しい。向こうに対処させる方向で行ってしまうと、こっちの動きに合わせて対処されて逆に負けていたかもしれない」
ジャギは手を貸さないといったが、アドバイスを求めるとそっちに関しては直ぐに答えてくれた。 ジンは少し考えたのちに進む方を選んだ。 トゥルダクが負けたか勝ったかはわからないが、どちらにしろ彼は義理を果たしてくれた。もしかしたら決戦が長引いたら合流してくれるかもしれない程度に思っておいた方が良いだろう。
398 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:02:59 ID:oSDnTyKy
ジンが去ったあと、トゥルダクは本気で攻勢をかけてきた横島の人形の剣を捌きぬいていた。一刀流になったことで、重すぎる一撃を放てることで逆にフェイントの効果が上がる部分もある。
オーカスとの戦いで学んだことが存分に活きていた。横島の人形の剣を何度も受ける。防がれた回数が一定になった時、横島の人形は不意に霊波刀を構えるとジンが最速の一撃を放つときに似た構えをとった。
横島の人形はそのままジンの最速の一撃に僅かに届かぬ、速さの一撃を彼に放ってきた。 本来は予測できてなお、敵に重傷を負わせる返し技は不可能な一撃だ。
トゥルダクは守りを捨てて相打ち狙いですらない一撃を放った。命を絶たせて骨を切るそれくらいの交換をするその一撃は彼の計算を崩す。 トゥルダクは自身が致命傷を負いながらも人形が崩れ落ちかけるのを見て内心で笑う。
『これで良い。この人形もここまで壊れれば修理に時間がかかろう。 あるいは壊れるかもしれない。修理されずともこのまま彼らを追うかもしれないが、その場合はそこまで脅威ではない』
自分が消滅する可能性も考慮しながらも、トゥルダクは笑った。自分が消滅するよりは『今』のアリスに横島を委ねる方が嫌だという思いが強い。
この人形くらいの物はそう多くない。難所は多いが、ボスの元にたどり着けないほどの脅威はもうないだろう。
トゥルダクは自分の深手を見ながら考える。
『大体回収して再生してもらえる可能性は2割くらいか。 まあ、この戦いも女権国家に放送されて記録されるなら我が種族の底上げにはつながるだろうが』
時間はさかのぼりトゥルダク達が横島の前世の人形と戦い始める前、横島は不思議の国で多くの女性に弄ばれ尽くされながら、最後の最深部らしき場所に来ていた。
彼は途中で鏡の国のアリスを思わせる様な場面にも出くわし、アリスに白騎士として自分を護ってと言われて、赤騎士と化した夢子と滑稽な決闘をさせられた。
「それでは一度でも、私を達せさせることができたら貴方の勝ちということで」
そういった彼女に押し倒され何度も瞬殺され絞り出させられてしまい意識が何度も飛んでしまい。それを見て笑うアリスとマイ。
「白騎士様は毎回一方的に負けて滑稽ですね。一度達せさせるまで何回負けるか数えましょうか」
「赤騎士様が強すぎるとしてもあれはさすがに、演技だよね。あんなに早く行っちゃうなんてかわいそうだもん」
子どもの姿になったアリスは口調もいつもの淑女らしい口調から子供らしい口調に変わっており、その罵る声が余計に彼を興奮させる。夢子は笑いながら彼を絞りながら言う。
「守るべきレディに醜態をこき下ろされて、逆に分身が固くなっておりますよ。彼は」
夢子は直ぐに達せさせることができるのにそれを敢えて待ちながらアリスとマイが最高の侮蔑しきった嘲笑を浮かべるまで待った。
「「きゃははー」」
二人の笑い声によって起こった興奮に合わせるように彼女は横島を絶頂に導く。強すぎる快感に破れた瞬間に彼女自身も達することで余計に強く搾り取り建てなくなった彼を抱きしめながら言う。
「女権国家の女性に勝てないのは当たり前ですから恥ずかしがらなくて良いのですよ。マイもアリスも貴方を無様だ滑稽だとは思っても嫌いにはなってませんから」
夢子の奉仕めいた女性優位の性交で、ここにずっといたいという意思が強くなるが辛うじて耐えきり彼は進む決断をした。 進もうとする彼は自分の中の大事な何かが鋭い剣で切り刻まれたような快感の余韻がむしばんでくる。
その後、彼は不思議の国の裁判で色欲の為に大功をなしたのに美化されすぎとして有罪を受けて、アリス達への奉仕の刑を受けた。
今鏡の前で彼はトランプのマークを付けた女性たちや優曇華やシャーリというウサギなどの不思議の国の住人の女性たちに嫐られている。
ユウキとランはアリスと共に彼のベッドの中での敗北をけなしながら時々嫐る中に参加してくる。 優曇華とシャーリーが笑いながら言う。
「私たちはウサギだから後ろから攻められるのが好きなんだが、忠夫ではもう無理だ。マゾとして目覚めるのが早すぎて、男性優位の体位では起たなくなっちゃたしな」
シャーリーの言葉に優曇華が笑いながら言う。
「アリス様の糸で動かしてもらえば行けるんじゃない? マゾに対するサービスも私がするから」
アリスの指から延びる光でできた糸が体に入ってきた後に、優曇華の瞳が光り途端に彼は違和感を覚えた。シャーリーを後ろから攻め立てながら彼は違和感を覚えた。後背位という攻める体位なのに自分が女性優位で嫐られているような感覚を覚えた。
「優曇華は三日月ウサギだから人の波長を操れるのよ。だから体位に対してだけ、貴方の認識を変えたのよ。変態マゾ騎士さん」
シャーリーにそういわれて、横島は何度も達した。アリスはそれを見ながら妖艶で恐ろしい子供の笑みでいう。
「大丈夫よ。貴方が望むなら何度でも何の負担もなく私の糸で動かしてあげる。そしてすべての権限を私に譲って。その時に最高の快楽だけの場所に連れていってあげるから」
アリスが糸を抜くと強すぎる快楽と脱力感で完崩れ落ちかけた彼を今度はシャーリーと交代した優曇華が嫐り始める。シャーリーはひたすら速度で屈服させて来る夜の攻めだが。彼女の場合は横島の気を操り、
達することができないようにしながら波長を操り一番恥ずかしいと感じていた時にその一目で絶頂を強めたりした。
「ああー!」
シャーリーにしたのと同じように後背位で出して倒れた彼を見下ろしながらアリスが言う。
「忠夫、確か貴方の家は色事で名をはせた女悪魔を閨で屈服させた、家だったわよね。その術、男性優位の体位で使用する術だから効果が落ちていたのよね? それじゃあ、シャーリーと優曇華も後背位が好きらしいし使ってみる?」
「そ、それは」
横島の声音には拒否の割合が強く含まれていた。 破られたら後がないというのもあるが、これは本当に非道なことをやった女性悪魔などを屈服させて隷属させる閨の魔術だから
、もしも彼女たちが壊れたら嫌だという気持ちもある。むしろ彼が拒否しているのは、後者の理由の方が強い。横島の心情を正確に読み取ったここにいる女性達は笑みを浮かべた。
399 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:05:17 ID:oSDnTyKy
「それじゃあ、糸を使って私が操るからまずはユウキとランにやってみましょうか。二人ならもともと仲魔だし、私から一時的に貴方が主人に移るだけでしょう」
そういわれて、優曇華とシャーリーがまるで圧勝したスポーツ選手みたいな足取りで、自分から離れた後、ユウキに同じく後背位でやった瞬間、先に絶頂し。
その瞬間体の中の大事な何かが快感でちぎられた音が聞こえた気がした。 それを見てアリスがわざとらしく手を打つ。
「そういえば、この世界にも呪い返しや術返しがあったわね。 女性をベッドで屈服させて隷属させる魔術なら、逆に負けたら自分が隷属させられちゃうわね。 しかも私の使い魔に負けちゃったら、使い魔の使い魔まで落ちちゃうか」
そしてそのあとユウキに男性優位の体位でその魔術を使うと自分の方が閨で負けた感覚がしてその射精と同時に一気に大切なものが砕け散った感覚がした。
ユウキは逃げようとする横島を抱え込みながら笑い、両手両足で彼を拘束し何度も搾り取る。ユウキは一切動かず横島の好きにさせ、あるいは両方動きが止まった時でも彼は自然に射精させられる。
射精する横島を糸で操り、ユウキに何回も負けた彼が使い魔の様に変わったのを見てアリスが妖艶な冷笑を浮かべながら口を開いた。
「これだけハンデを上げてこの結果。これじゃあダメね。他のろくでもない女性の物にされない様に女権国家の男性隷属魔術をかけて上げるのが貴方のためだわ。『嫌なら』直ぐ解いてあげるから安心して」
そういうとアリスはユウキに横島を解放させると、敢えて子供の姿に戻り横島に騎乗し彼が壊れかけるほどの快感を送り込んでくる。 子供になったアリスは大人の時と違う快感を送ってくるだけではなく、
与えてくる快感での嫐り方が大人の時より容赦なく堕としに来ている感じがする。ペットを容赦なくしつける様な鞭を思わせる強すぎる快感で彼が射精し動けなくなると、敢えて幼女の姿で嘲笑の声を聴かせながら、
アリスは達するたびに魔術を唱えた。その度に射精と同時に大量の霊力が消費され、他の何かで補われてていく。そしてそれを何度か繰り返したのち、横島は再び子供の姿に戻された。 逆にアリスは大人の姿になる。
彼女は丁度胸元の辺りに頭が来るようにした彼を抱き留め、体の中に入れた糸で操り自分に奉仕させながら言う。 子供の時とは逆に甘すぎる蜜を思わせる快感が今まで以上に鮮明に彼にしみこんでくる。
「あなたの体に貴方の前世の英雄譚やそれを題材にした私の人形劇で広まった信仰が産んだマグネタイトを入れているわ。いつ現実に戻っても腕は鈍らない。だから気が済むまで、この怠惰界でひたすら快楽だけを貪り続けて」
射精の度に脳が壊れ朦朧とする彼は、アリスの乳首に吸い付いたことすら糸で操られたのか自分でやったのかさえわからなくなっている。 朦朧としている横島を見て妖艶な魔女の笑みを浮かべたアリスは、
不意に不機嫌な顔になった。そしてその顔とは対照的にどこまでも優しい快感を与え、横島の意識を奪うほどの射精をさせると、魔術を唱える。魔法円が描かれたのちにそこには、スペードの刻印のある衣装に身を包んだアリス・シンセシス・サーティが現れた。
「アリス様、お久しぶりです傲慢界ではありがとうございました」
「よく来てくれたわね。ありがとう、シンセシス。 今日は忠夫の護衛と快楽漬けにする係の一時的な交代をお願い。私はやらなきゃダメなことができたから」
シンセシスは快楽でどこかに頭が行ってしまっている横島を見て、女権国家の女性特有の笑みを浮かべた後、アリスに対しては騎士らしい優雅な礼をとった。
シンセシスが彼を抱き込み敢えてアリスと同じ様な動きで快楽を与え始めると、アリスは強すぎる快楽からくる横島の悲鳴を聞き少し名残惜しそうな表情で服を着こみ魔法陣で転移した。
消滅しかかったトゥルダクは不意に大きな回復魔法をかけられて自分が復活したことに気づいた。そしてその相手を見て意外な思いを抱く。
「アリス殿、まさか貴女が我を助けるとは思いませんでした。 一応は私の忠義を得難いものと認めてくれてはいたと思っておりましたが」
「あなたに死なれたら、忠夫が気に病んで立派なデビルバスターのならなきゃとか思ってしまうじゃない。円満退職してもらわないと困るわ。 それにあなたの性格上もう私には剣を向けられないでしょう」
アリスの言葉は正解だ。トゥルダクは一度命を失う状態となり救われた以上、もうアリスに剣を向けることはできない。
彼の気質では主君の妻に剣を向けるなど過ちを犯した度に一度限りのことだ。そして過ちを犯している主君の妻であろうと、命を助けられたらよほどのことがないかぎり敵対行動をとることに抵抗がある。
「正解であります。 一つ聞きますがこれからどうなさるのですか?」
「ジン君たちが怠惰界のボスの間に着いたら迎え撃つわ。そして完成品のあの人形の威力を忠夫に見てもらって、自分は怠惰界に永遠に引きこもっていても大丈夫だと分かってもらうわ」
「さようですか」
答えながらトゥルダクは目の前のアリスを見て思う。彼女は大分魔女として本能に飲まれている。魔女にもいろいろな業を抱えた者がいるが、彼女は男を操り甘やかし自らの人形の様に保護したいと思うのが性だ。
必要だと何度も我慢していたものがオーカス戦で横島が負傷したのと、自分を守ってくれた愛しさが爆発して抑えが効かなくなったのだろう。 彼を快楽漬けにしたことである程度は魔女としての業は落ち着いたようだ。あとは理性を呼び戻せばもとに戻るだろう。
アリスは魔術で周囲のことを調べるとトラポートを唱えて姿を消した。多分横島の元に戻ったのだろう。トゥルダクはそれを見て、無理かもしれないが自分の主君が耐え抜いてくれることを願った。
横島はシンセシスに何度も意識を奪われながら、途中からは自らの意思で彼女に体を委ね始めた。 シンセシスはその豊満な体で時には自分自身の動きで、時にはアリスを真似た動きで彼を嫐っていく。
僅かにアリスに届かぬ快感が彼女の再来を待ち遠しく思わせ、そしてシンセシス自身の攻めになった時の快感を倍増させる。
シンセシスが笑いながら意識を失いかけた彼を搾り取っているところにアリスが戻ってきた。彼女は少しだけ不機嫌そうな顔で、シンセシスに指示を出した。
「軽子坂高校の生徒たち、主にジンくんがボスの部屋に到着するまで『外の時間』ではもう少しよ。 完全に堕とすために色々しなきゃダメだから。シャーリーお願い」
400 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:07:08 ID:oSDnTyKy
それを聞くとシャーリーは楽しそうに笑った。
「アリス様久しぶりにあれやっていいんですね」
シャーリーはそういうと横島にゆっくりと抱き着き彼を加えこんだ。横島は不意に奇妙な不安を覚えた。彼女の豊満な体がもたらす快感はすさまじいが、
自分の分身への刺激があまりにも小さく遅い感じがする。それに対してシャーリーは笑いながら言う。
「実を言うと私は『超加速』っていう術を使えるんだ。そこまで万能じゃないし制約も多いんだけどね。この異界に限っては割と使いたい放題なんだ。
それで全体の時間を早めていたけど、忠夫、お前の男性器の部分だけ解除したんだ。つまり」
言いながら彼女はいろいろな形で腰をグラインドさせた。朦朧として理解できない彼に、さらに言葉を続ける。
「快感を溜めた後に再び超加速をかける。つまりお前の股間を同じ時間に戻すと」
シャーリーが笑いながら楽しそうに宣言した。
「こうなるんだ。ドカーン♪」
サプライズパーティの様な乗りの言葉の後に横島は、自分の脳が強すぎる快感で一気に壊された感覚を味わった。シャーリーは笑いながら言う。
「何回生まれ変わっても初めてこれを受けた時の忠夫の反応は面白いな。はい♪ もう一回♪」
「ぎゃー!」
二回目でどこかに意識が飛んだ彼をアリスが抱えた。
「シャーリー、ご苦労様。これで彼の精神的な防御力は吹き飛んだからここから追い込みの本番と行きましょう」
その言葉を聞くとシンセシスが嬉しそうな顔をしつつ、部屋に置いてあった無数のメイド服の人形を指し示しながら、アリスに娘が母に頼むような様子で言葉を口にし始めた。
「アリス様、それではこの娘達を使ってあげてください。 この娘達も忠夫様を大分気に入ったようですし、働き詰めでしたから」
「ええ。それとシンセシス。私が指定した女性達で都合がついている人は乗り気でなくても良いからここに招待して。今回の私の行いに否定的でも約束と義理で協力するくらいの人も帰さなくていいから」
「良いのですか? 他のお方々もアリス様の行いを否と思っていても、約束は守るし妨害はしないでしょう。ですが乗り気でない方が混じると妨害の意図はなくとも効率が落ちるのでは?」
アリスは抱えた横島に口づけし、気絶した彼が電流でも流されたように痙攣した後、彼の顔を胸に埋めさせて、片方の空いている手で分身を弄り回しながら妖艶な笑みを浮かべた。
遊郭を思わせるこの寝室が彼女の恐ろしい美しさというものが余計に映えさせている。アリスは自信に満ちた声で、シンセシスに答えた。
「彼を堕とすにはあの劇をやるのが一番だから。そして役者が乗り気でなくとも、真面目にやる意思があるなら乗り気にさせることこそ、劇団の長の腕の見せ所よ」
アリスの言葉を聞くとシンセシスは頷き部屋を出ていった。それを見ながらアリスは楽しそうに横島を愛撫しながら人形たちに指示を出し何かの準備を始める。
人形たちの掃除などの家事を行う人形たちの動きは鮮やかだ。 舞踏すら連想させる速度で家事を行う人形たちの足元が不意に光だし、鮮やかでありながら禍々しさも僅かにある桜色の光が不意に起こり始める。
その光は強くなると足元の魔法円の光であることが分かった。
桜色の魔法円の上でアリスは呪文を唱え始める。 彼女の詠唱が終わると魔法円がより強く輝き、演劇で部隊が切り替わった時の様な気配が部屋全体に流れた。
横島は目を空けると自分が宴の席にいることに気づいた。様々な情報が一気に流れ込んでくる。これはアリスの人形劇だ。過去にした経験から直ぐに分かった。この人形劇は自分の前世の一つ。
そして今は目の前にヴィヴィオとマイがいる。青いメイド服に身を包んだアリスと赤いメイド服に身を包んだ夢子が給仕をしている。
アリスが人形劇を上演している部屋、この部屋は見た目からして奇妙な空間となっていた。 人形劇の舞台をそのまま大きくしたような部屋に人形劇の人形と同じ衣装に身を包んだ女性達がいる。
アリスが糸を使わずとも自然に動く人形たちはまるで、現実の彼女たちの動きと連動しているようだ。人形がこの部屋の住民の動きに合わせて動いているのか
、この部屋の住民が人形に合わせて動いているのかわからなくなるような光景の中で、ただ一人異物と思える状態になっているのは横島だ。
アリスの魔術で子供に戻された彼は他の女性達がはっきりとした意志を持ち嗜虐審に満ちた目で見ている中で、彼は朦朧として心ここにあらずといった、人形に魂を吸い取られ切った様な目をしている。その光景はまるで部隊の人形が本物の彼であり、
今この部屋の女性たちに寄り添っている彼は人形なのではと錯覚された。
横島は自分が生を全うした後の情報すらも自分の頭の中に入ってきたことに僅かに驚きながらも、自分がいま演じさせられている事実を知らぬ人形と同じ感性になっていることに驚いた。アリスはこういうこともできるのか、そう思いながら頭の中で情報を整理する。
これは幾つかの前世の一つで、女殺しの魔物達が身を潜め一時的な休戦状態となった後の前世だ。 自分は女権国家より遥かに悪辣だが、それをうまく隠している国の暗部をしらぬ善人たちが所属する綺麗な部署に所属して、善行を積んでいた。
この時敵国のヴィヴィオたちやマイと共闘し、女殺しの魔物を倒しその後、同盟を破った彼女達に敗れ、宮廷魔術師であるアリスの魔術で子供に戻され彼女の糸で操られていた。
ヴィヴィオは笑いながら彼を捕らえると押し倒し容赦なく騎乗位で彼を搾り取る。横島は本当の事情を知識としては知っているにも関わらず彼を襲う、同盟破りの背徳感と屈辱感そしてそれが生み出す快感に討ち果たされた。彼は悲鳴を上げながらあえぐ。
「どうですか、貴方が所属する帝国を滅ぼす悪の女王に精を捧げる感覚は。破ったら最低の同盟破りまで私はしていたんですよ。あら事実を告げられて逆に硬くなってますね」
ヴィヴィオが彼を絞りながら嘲笑い、天使の様に羽を出すマイが言葉を続ける。
「ヴィヴィオに精を捧げれば捧げるほど、彼女に仕える天女騎士たちは強くなるし、子供ができちゃったら貴方の仕える帝国を滅ぼす王様のパパ決定だけどどう思う?」
401 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:08:09 ID:oSDnTyKy
この時の真相は帝国が腐敗しきり女殺しの魔物達と手を結ぶような所業に走っていた。さらに大勢力すぎて上手く隠しぬいていたために、良識的な将校たちは知らずに仕えていたものも多かった。
この時の同盟破りの真相は帝国が大量の善人な将兵たちを意図的に人類の敵である魔物の大軍に戦死するような特効をさせようとしたことと、その部隊の中に横島がいたことが彼女たちの怒りに触れた。
それが同盟破りの帝都襲撃の真相だ。 表向きは知恵をつけた女殺しの魔物に操られた皇帝と配下達を良識派の皇族がヴィヴィオ達と共闘し討ち取った上での政権交代と歴史の書物には記されている。
彼を搾り取りつくして満足したヴィヴィオが彼から離れるとマイが代わりに近づいてきた。騎乗位をする寸前に秘所で彼の分身を飲み込む直前の状態で彼女は言う。
「忠夫、あんたの国との同盟破棄と不意打ち奇襲作戦お告げ下したのは、聖王の国の守護神が人柱の私よ。他の神々は正々堂々でも勝てるって言ったんだけど、卑怯な方法で滅ぼした方が燃えるでしょう。最低の外道女神に精と魔力を捧げる気分はどう?」
「そ、そんなこのクソアマ、アー!」
言葉を言い終える途中で彼の分身を秘所で包み怒りの声を上げかけた彼をマイは笑う。
「前世の時から変態だったけど、頭に上らせるべき血を下半身に全振りしてどうするの。 帝国民らしく、私をベッドの中で圧倒して雌奴隷にしてみる? こんなに早漏じゃ無理ね」
そして次の日に彼はヴィヴィオの寝室で帝都が彼女の配下達に蹂躙されている様子をアリスの魔術で見せられながら搾り取られ続けた。
「あなたが注いだ精に含まれる霊力で今も強化されている私の配下達の働きはどうですか? 帝都が落ちるのを見ながら性行為を愉しみましょう」
「あ、ああ、だめやー! 防衛拠点のかなめが半分以上も落ちとる、本城まで遠距離の魔法弾だけとは言えもう届き始めとる」
「そういいながらも余計に硬くなってますね。 はっきり言って最低の悪の王国の女王に射精して自国を滅ぼす状態に興奮しているのでは?」
「そんなこと言わんでー?」
嘲笑した笑い声を上げるヴィヴィオに屈服の射精をした後、宮廷魔術師のアリスと夢子が入ってきた。彼女たちはメイド服に身を包み恭しく、ヴィヴィオに頭を下げると、
アリスがヴィヴィオに耳打ちを始めた。横島には聞こえない様に最新の注意が払われており内容はこういう物だった。
『ヴィヴィオ、そろそろ正規兵たちは引き上げさせて。一部の桁外れ以外のメンバーは私の高性能人形たちだけに突入させて。 ここまでは自分たちの手駒を減らしたくない上層部の外道どもの策もあって、
外道な帝国兵と何も知らない良識派が綺麗に分かれていたけど、ここからは少し混じるから、善人たちを殺さずに勝つのは難しいでしょう。でも、私の人形たちなら善人勢相手なら壊されても捕獲だけを考えて戦えるわ』
『わかりました。それじゃあ彼から搾り取った霊力で私たちは外道な皇帝を討伐に赴きます。前からの打ち合わせの通り今回は女殺しの魔物本体はいなくて、あくまでもそれと契約して力を得た皇帝と配下だけだから、忠夫は必要ないでしょう』
そしてヴィヴィオが悠々と闘技場で勝利した選手を思わせる様な足取りで出て行くと、アリスと夢子が交代するかの用に彼を押し倒してくる。
アリスは彼を押し倒し笑いながら言った。
「これから貴方に精と霊力を注がれて強くなったヴィヴィオ陛下のご活躍と、貴方に精を私が頂どんどん強くなっていく人形たちの活躍ご覧ください」
アリスが手を振ると画面が映し出され、燃え盛る帝都とそれを破壊して回る人形たちの破壊劇が見えた。離れようと思ってもアリスの体がもたらす体中が絹糸で愛撫されているような快楽が彼を動けなくしていく。夢子が彼女と時々交代し笑いながら言う。
「忠夫様、あの帝都を攻めている精兵部隊の剣は私が作った剣です。私が魔力を送れば一時的に威力が上がっていきます。そしてアリスやヴィヴィオ陛下と同じく、私も貴方から霊力をもらっています。それが何を意味するかお分かりですね」
言い終わると同時に夢子が横島の分身をアリスと代わるように飲み込んだ。 快感を味わいながら横島はアリスが夢子と二人で彼を攻めるのを好む理由を理解した。
アリスは基本的に甘やかすように少しずつ彼を嫐っていく性行為が好きだし上手い。そして夢子は一気に切り刻むような快感を与えてくる。自分と対極の相手と組むことで彼をよりひどく快感に溺れさせられると思っているのだろう。
その戦いが終わった後、横島はしばらくの間子供の姿でヴィヴィオに仕える給仕をやらされていた。 ヴィヴィオや配下がその気になると即座に寝室連れ込まれる。
アリスは彼が雄々しき帝国民だったころに手柄を立てた劇を開催し、その時に本気で周りに称えさせて、その信仰心などを凝縮したものを彼に注入してからヴィヴィオ達と共に彼を嫐る。
何度犯されても、帝国民だったころの意識が抜けず女性優位の性行為の恥ずかしさや背徳感に打ち負かされ続けた。
ヴィヴィオに絞られ続けて意識が落ちて戻った時、横島は自分が人形から現実の体に戻ってきていることに気づいた。目の前ではアリスが満足そうに彼を見下ろしている。
彼女の横には純白の羽をはためかし、彼を嫐る楽しみを堪能しつくしたマイが笑顔を浮かべている。
「忠夫、怠惰というのは色々な形態があるのよ。ただ寵愛を受け続ける仕える者としての底辺に落ちた快感はどうだった。 私たちは奴隷に落とした貴方を永遠にああ扱うけど」
「それとこの世界に来てから人形劇で得られる快感というか人形とのシンクロ率前凄かったでしょう。 前も低いわけじゃなかったけど、オーカス様の加護が消えたのと今回は私がアリスに協力しているからそうなっているの。今の気分はどう? 私たちの奴隷で居続けたくなってきているんじゃない?」
分かっている上で聞いてきているマイの言葉が彼をすさまじく追い込んだ。ずっとあのままで居続けたいという願望が全身を貫くが横島は頷くことだけは辛うじて耐えた。アリスはそれを見ながら自分のもたらした蜜が彼を打ち負かしていることに気づき満足そうに頷くと彼女は、笑いながら言った。
「忠夫これからジン君たちをお迎えする準備をするわ。それが済んだら決戦前に一度戻ってくるから。エヴァそれまで人形劇の人形たちを操るのをお願い」
「うむ」
簡潔に答えつつエヴァは複雑な表情をしている。彼女は今回のアリスの行動に思うところはあるものの、嗜虐心にスイッチが入ってしまい。彼を嫐りたい感情に流されているようだ。
402 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:10:44 ID:oSDnTyKy
アリスは笑いながら不意に魔術でメイド服を着こむと横島に対して臣下の礼を取った。
「忠夫様、これからは女権国家で王となった男性の怠惰を存分にお楽しみください。次の回演劇『ジパング空至王(くうしおう)の転落』のメインヒロインとの逢瀬を大劇場と化した闘技場でお楽しみください」
アリスが声をかけ終えると不意に、あたりの空気が歪んだ。トラポートをかけられたと思った瞬間、自分がいる場所は西洋の宮殿から和風の豪奢な寝室に移ったことが分かった。
心地よい夢見心地にさせる甘い香の匂いが周囲を見たし、目の前にはピンク色の髪をし豊和風の着物の上からでも豊満だと分かる肉体をした美女がいる。
「今生では始めまして、転生の度に貴方のお傍に侍る女権国家的な良妻狐、玉藻でございます。傾国の狐の快楽をお楽しみください。そう――男尊女卑の世界への未練が枯れ果て腐れ落ちるまで」
最後の言葉の下りには情欲には背筋が恐怖とその妖艶さで震えるほどの艶が籠っていた。
彼女が衣服をゆっくりと見せつけるように脱ぐ姿は彼の搾り取られすぎて萎えていた分身すら再び蘇り激しくそそり立つほどだ。玉藻は笑いながら彼を押し倒し、分身を飲み込む。一つになる瞬間、
彼女の人差し指が彼の下腹部を抑えそしてその人差し指に全てを支配されているような錯覚を覚えた。分身を飲まれた瞬間、彼の意識は一気に快楽で壊れ落ちた。直ぐに射精しなければおかしい状態だが、
彼女が下腹部に充てる人差し指にそれをせき止められ、さらにはその人差し指か与えてくる快楽をより強くしてきている。どんなに懇願しても彼女が決めた時まで射精は許されないそんな確信がある。
体の自由が奪われない中横島は必死に腰を振った。彼女を屈服させるためではない。もしかしたら射精できるかもしれないという一縷の希望に縋ってだ。
「ご主人様、お辛いのはわかりますけどぉ、今はそのときじゃあ、ありませんもう少しご辛抱を」
子供をあやすような優しさと揶揄を込めた声に苛立ちながらも彼女の人差し指と膣が彼の下半身を完全に支配した。少し時間がたつと彼女は笑いながら指で彼の下腹部を強く推した。
その瞬間一気に全ての意識が弾けるような快感と共に射精が起こった。彼は自分がミイラの様になりかけている感覚に怯えた。ここまで早く肉体が細くなるのは初めてだったからだ。
玉藻は笑いながら彼を泣きじゃくる子供をあやす様に抱きしめながら頭をなでてきた。意識を失う彼を楽しそうに見下ろす彼女の姿を最後に彼の意識は落ちていった。
横島は目を空けると自分の目線が低くなっていた。そして気づく自分が子供に変えられているのだと。アリスやヴィヴィオやエヴァに何度もやられた経験がそれに気づかせたが、
いつもとは違う感じがする。これは自分の前世の記憶だ。そして今、恐らくは一時的にはではあるが、自分の今生――この前世からすれば来世の記憶が一気になくなっていっている。
ここまでのことができるのもオーカスの加護を自ら断ち切ったことも影響しているのだろう。
辺りを見回すと、自分は今和風の宮殿にいることに気づく。この建物は間違いなく、女権国家のある世界のジパングだ。木綿季と藍子に激しく嫐られた前世とはまた別の前世の様だ。
横島は自分の腕を見て軽く驚いた。玉藻に絞られた今生と同じくらいに自分の腕がミイラに近づいていたためだ。玉藻はこの前世の自分に近づけるためにあれくらい搾り取ったのかもしれない。
そう思った直後に彼の来世の記憶が不意に流れ落ちていき、代わりに前世の記憶が流れ込んでくる。
「ご主人様おはようございまーす。 勇者としての最後のお仕事いかがでしたか?」
玉藻にそういわれて彼は様々な記憶を思い出した。女権国家という国に落ち延びて強大な力を持った九尾の狐それを自分は倒す勇者として選ばれた。
かの狐は女殺しの魔物の遺骸を使った儀式で自分を強化し、完全ではないがその魔物の力も取り込んでいたため前世からさんざん女殺しの魔物を狩っていた自分が勇者に選ばれたらしい。
女権国家で強化された九尾の狐は傾国の美と共にこのジパングを滅ぼしに来ていた。自分高島忠雄はかの妖怪との戦いで最後に放った一撃に霊力を込めすぎて生命力まで削られ、了承せねばならなくなっているのだ。
そこまで思い返すと玉藻が彼の前に膳を並べ始める。
「同じ狐の面汚しの外道分霊を倒す旅に私も同行させてくださり、ありがとうございます。おかげで妖狐もそこまで肩身が狭い思いせずに済みましたしぃ、忠雄様には感謝しかありませんよ。
でもぉ女権国家時代の前世からご主人様に寄り添っている身としては今のご主人様も嫌いではありませんけどぉ、違和感がバリバリですねぇ」
「そうだろうな。俺があの九尾、羽衣狐を倒せたのも術者と武芸者としての空位に至れたのも積んだ善行と引き換えにある程度来世の生まれ先を決められるせいだろう」
玉藻の作ってくれた山芋などをふんだんに使った滋養に効く料理を食べながら彼は回付していく自分の体に思いをはせた。目の前にけた外れの美女がいるのに、
横島の転生先にしては珍しくあまり心動かされていない。彼、高島忠雄は稀に見る精通まで性欲がない、あるいは異常に薄い少年だった。子供でも男性なら多少は性欲があるが彼の場合はほとんどない。
病気などではなく、精通すれば普通に性欲が出てくるらしいが今の自分にはそれが理解できない。他の子どもたちが春画などを見て喜んでいたのを浅ましいと一時期は思っていた。
だが、自分の方が特殊なのだと知ってからはそういうものなのかと思い、表にそういう感情を出さなくてよかったと思ったものだ。不当に相手を見下すような言動をしても得はない。
「それよりご主人様ぁ、本当に1年で退位しちゃうおつもりですかぁ?」
「ああ。羽衣狐の配下達の色香に敗れて狂ったやつらをワイは旅の途中で嫌って程見た。王族や貴族になるとたくさんの側室持つのが義務の様な側面もあるんだろう。木綿季や藍子やお前とならそうなるのも悪くない。
だが色欲に溺れさせられて、この国では恥ずべきことである、女性優位の性交行を喜々としてやっていた貴族達もいた。あんな醜態はごめんだ。たくさんの側室持ったら以上に夜が強い女がいてああされちまうかもしれない」
横島がエヴァにやられた女性の尻に顔を埋めさせられるのが異常に恥ずかしいとされる伝統はこの時代のジパングから始まっていた。最もこの風習は発足した国では廃れていた時期もあったようだが。
玉藻は残念そうな顔で言った。
403 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:13:13 ID:oSDnTyKy
「それじゃあ宮殿を支配した邪悪を滅ぼした者は一国の王になるという風習による任命はうけますが、ジパング全体の立て直しが済んだら退位ということで」
「ああ。財宝と食料は残っとるから公平に分配すればこの国はどうにか立ち直るやろ」
そのやり取りの後、高島忠雄は良識的な内政官を呼び戻し業務に励んだ。ハンコを押すだけで儀式などの進行役などをするのが主だったが、
それでも王をやった以上はいい加減はできないとなるべく旅で得た知識などと照らし合わせ何度も書類に目を通し、文官の意見もよく聞いた上でハンコを押し続けた。
そしてその日々が過ぎて退位三か月前の秋の夜、月の出ている日に彼は木綿季と藍子と玉藻を呼び寄せていた。 最後の書類に入念に目を通した後、それに判をおし三人を出迎える。
この転生先では木綿季と藍子は前世の高島の頃からの天狗と妖狐であり、幼いころから彼を鍛え上げていた。性欲はなくても前世から持ち越した記憶のせいかこの二人のためと思えば頑張ることができた。
彼が今回こういう所に転生したのは九尾の狐の分霊が今回妻達を脅かす敵が九尾の狐だと知り性欲があると勝率が下がると聞き、オーカスに頼みこういう少年に転生させてもらった。最もその時の記憶は今生になってからはないが。
公ではなく私室に来た三人を見て彼は美しいと思った。森と山が背後に見える景色の下に映える彼女たちは妖狐や天狗特有の美がある。白い衣装に身を包む木綿季と藍子そして玉藻を見て、
純粋に見事な美術品を見たような心地に飲まれた後に彼は、私室に入ってきた三人に昔と変わらぬ気さくな様子で頭を下げて挨拶をすると、告げた。
「後三か月後に俺は退位となる。初夜もまだだけど嫁さんになってくれたお前たちには話しておくべきだからな」
王となった以上は形だけでも妻を置くべきと言われ、悩んだ末に三人に頼んだ結果快く彼女たちは引き受けてくれた。今生でもそのつもりだったと言われてほっとしつつ、
彼女たちの愛に報いられない自分を彼は少し歯がゆく思ってもいる。 その言葉に三人は頷き、代表するように木綿季が答えた。
「うん、別に構わないよ。子供の頃から一緒だった君と一緒にいられれば別にいいし、勇者としての今回の功績があればジパングにいる限りは暮らしに困ることはないと思うしね」
旅の最中も何度も自分の背を押してくれた笑顔で答える木綿季に忠雄の表情も綻ぶ、姉であり師でもあるこの三人は彼にとって救いだった。
旅の最中には良いことも悪いことも数えきれないほどあったが、彼女たちと共にいなければ途中で折れていたかもしれない。 性欲がない今ですらも彼女たち全員を娶れることを幸せだと思う。
言うべきことを伝え終わり布団に入った彼に木綿季と藍子が布団に入ってきた。
「木綿季どうした?」
「明日は休みでしょう? この城にいる時間も後三か月だし、色々思い出作るのも悪くないかなって。それに今日は寒いからたまにはみんなで寝たいんだけどダメ?」
その木綿季の言葉に対して彼は笑って頷いた。
柔らかく心地よい彼女たちの感触が安心感を与えてきて余計に眠気を強くすることを自覚しながら彼は話しかけてくる木綿季の言葉に応じた。
「でもまさか前世ではあそこまで僕達の色香に惨敗していた忠夫の来世が武芸者としての理想の空位に達して僕達二人にも常勝なんて」
忠雄はそれを聞き、自慢にもならないと思った。霊的武道の理想の空位欲望などに一切流されない心理状態になったものだけが、練ることができる霊気を操り精神状態も機械のごとくとなりながら、
目的を達成する意思力を持った人とカラクリの良いとこ取りの武の理想形、自分は確かにそれに至っている。だがそれは単に欲望が薄いために簡単に至れたというだけに過ぎない。
生まれつき欲望が強くそれを修行の果てに超えてそこに至った者たちの方が凄いだろう。
そう思う横島に木綿季に続いて藍子が声をかけてくる。
「ええ、忠雄さんは本当に前世でも私たちの為に頑張ってくれたし今生でもそうでしたから、しかもその年で空位に至るのはすごすぎます」
「お姉ちゃん、空位に至ったのはそこまで凄くないと思うよ。 それに女権国家の力を得た女妖怪達の色香跳ね返せたのは単に忠雄は色香に反応する欲望が今のところはないからってだから。
前世の忠夫だったら揺れまくって手元が鈍りまくりながらも、僕達への想いで何とか耐えるって感じだったと思うよ」
「多分そうやろうな」
「もう! 嘘でもいいから少しは嫉妬してほしいな。前世の自分ばかりじゃなくて今の俺を見ろ。見たいにさ!」
木綿季の様子に微笑ましいものを彼は覚える彼に玉藻が声をかけてきた。
「ところでご主人様、やはり退位の考えは変わりませんか」
「ああ。今のジパングの情勢だと女権国家とも同盟することになりそうだ。そしたら女権国家の女達とも結婚せないかんやろ。
お前たち以外の女権国家の影響を受けた女と結婚とかごめんだ。旅の途中で見た色香に敗れたみっともない男たちみたいになりとうないわ」
忠雄の言葉には理性では抑えきれない、国を裏切り国士や男としての尊厳どころか、人としての尊厳すら捨てて回った男たちへの軽蔑がにじんでいた。 女権国家の力を得た女に閨で嫐られれば逆らうなど無理であり、
男性である以上仕方ないと『理解』はできているが一切『実感』と『共感』ができない自分にとっては彼らの醜態は醜すぎて目に余るものだった。
『理性』では彼らはそこまで咎められるほどではないと思う。だから王として在位中は差別しない様に気を付けているつもりではある。
しかし、私人としてはどうしても良い感情が持てない。 自重するために彼らの賞罰を決めるときはこの三人と、女権国家の女性に一度敗れた経験があるものの意見を聞いてから定めていた。
不意に木綿季が彼の鼻を摘まんできた。
「忠夫、僕達と過ごす時間なのに、政務の方に意識が行きかけてたでしょう。 それと少し気になったんだけど、女権国家の女性とも結婚しないと僕達とお別れってなったらどうする?」
彼はたっぷりと逡巡しそれからようやく答えた。
「う〜〜ん、お前たちと別れるくらいなら女権国家の女生との結婚を選ぶわ」
横島の返答に三人は嬉しそうな様子を見せたが、少し不機嫌な顔になった。
「即答してくれなかったね。そんなに悩まないでよ!」
「あ、ああ。旅の途中で見た九尾の配下になった男共の醜態がひどすぎてな」
武芸や術の実力では、理想形である空位に至った彼は三対一でも容易に負けたりはしない。だが子供の頃から世話になった身として彼女たちには頭が上がらない。 その返答に玉藻は笑いながら言った。
404 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:14:48 ID:oSDnTyKy
「まあまあ、木綿季さん、ご主人様ももう少しで彼らのことを笑えない気持ちになりますよぉ。 そうなったら、私たちの価値をたっぷり教えてあげましょう」
玉藻の言葉を聞き忠雄の背筋に冷たいものが走った。それを聞くと本当に怖いと思う。自分の幾つか前の前世らしい初代高島は木綿季と藍子に敗れた後、武芸の腕でも勝てないだけではなく、
閨での敗北のトラウマと刻まれた快楽で隷属状態だったらしい。精通して性欲が芽生えたら自分もそうならないという保証はない。 彼が九尾の配下と化していた男たちを冷遇したりしない様に気を付けているのは、
公平な王であろうという意識だけでなく明日は我が身の可能性も否定できないから、というのもある。
その日彼は不吉な気配を感じつつもそのまま眠りに落ちていった。
次の日に彼は不穏な気配のことなどをすっかり忘れるほど楽しく彼女たちと遊び倒し、夕飯に玉藻が作ってくれた少し変わったうなぎのかば焼きを前にしていた。美味しそうなタレの香りをかぎながら食べると、
うなぎとは違いコリっとした触感がしており癖になりそうな味だ。少し濃すぎるかもしれないタレがお茶とよく合い甘い味が癖になった。惜美味いけど何なのか気になると考える横島に、玉藻は笑いながら言う。
「やつめうなぎですよ。ちなみにタレは女権国家産の材料も結構使った特殊タレですよ」
「そうか」
忠雄はそれを聞きながら、最近の自分の疲労が目に余っていたのかもしれないと思った。女権国家は恐ろしいがそれでも有益な医療技術や食文化なども多い。
そういう滋養強壮に効く品を自分に食べさせた方が良いと彼女が判断したのだろう。女権国家に堕落させられるのを恐れてはいても、
悪感情はそこまでない彼は蒲焼の美味しさの方に夢中になった。 他にもすっぽんのスープや山芋などもふるまわれ、それに舌鼓を打ちながら楽しく夕食は済んだ。
食事の途中で、彼は不意に少しだけ気になっていたことを思い出し彼女たちに問いかけた。
「そういえば、玉三人で稀に見る熱の入った模擬戦したんやってな。珍しく木綿季と藍子が組まず、一対一対一の乱戦模様だったそうじゃないか。喧嘩とかじゃなかったみたいだけど、なんだったんだ?」
横島の声に玉藻が笑いながら一つ手をたたいて答えた。
「ああ、あれですか。ちょっとした賭けをしてたんですよ。最後は私が勝ちました」
「そうなのか。まあ大怪我をしたり後引いてないなら俺が言うことはないけど、あんまり熱くなってお互い負傷させるような事態は今後も避けてな」
「ええ」
「時に何を賭けていたんだ」
「それはもう少しでわかりますよぉ。ご主人様へのサプライズプレゼントする際のポジションの取り合いです」
玉藻の言葉になぜか背筋が寒くなりながらも、共に戦ってきた日々を思い出し彼女たちが自分を害するはずもないと断じると、体調に気を使ってくれた料理を作ってくれた三人に礼を述べて自室に戻った。
その日の夜彼は空至王の称号を失うことになった。
忠雄は寝所に入っても体が熱く眠れず、自分でもよくわからない苛立ちに身を焼かれそうになり、苛立ちながら歩き回りこれは病気か何かかもしれないと思い、玉藻と木綿季と藍子の元に式神を飛ばした。
天狗と妖狐であり修験者の術にも通じる彼女たちは、戦闘だけでなく健康面などの不安が起きた時に彼を助けてくれるありがたい存在でもある。
式神を送った直後に、不意に寝間着で現れた彼女たちに彼は僅かに驚き、直ぐに納得する。
「三人とも俺の体調がおかしいって気づいていたんだな。 でないとあそこまで栄養価の高い料理出さんわな」
「ええ、ご主人様のそのほてりを沈めに参りましたぁ」
玉藻の普段ならなんとも思わない、声と甘い香りになぜか平常心を乱されいら立ちと疑問を抱く彼をよそに、玉藻は手慣れた様子で光でできた文字を浮かびあがらせて彼の両手両足に潜り込ませた。
その瞬間、彼の体が緊張で強張る。これは玉藻に対する不信ではない。医療行為の際に激痛を伴う時に暴れない様にする拘束具の代わりの術だと思ったためだ。
『これは相当拙いな、さすがに切開手術とかではないだろうけど、激痛の伴う類の治療が必要な程か?』
横島の考えを読んだのか玉藻がどこか不安を感じさせる妖艶な笑みを浮かべ言った。
「ちっとも痛くなんてありませんよ。ただある意味痛いより辛いかもしれませんけどぉ、カモーン! 女権国家でご主人様の最初の前世と出会ったときからの友達アリスさん」
そういうと不意に魔法円が現れその魔法円の中から金色の髪にショートヘアの女性が姿を現した。
「今生では初めまして忠雄さん。前世で貴方の妻だったアリス・マーガトロイドよ。 今日は奥様たちに頼まれて貴方のほてりと女権国家の女性に負けた男性への差別意識の改善に来ました」
そういうとアリスは優雅に一礼すると彼そっくりの人形を幾つか寝所の周りに置き始めた。
それが終わると玉藻は彼を先ほど送り込んだ光の文字で操り始め目の前で服を脱ぎ始める。 彼女の服を脱ぐときの所作を見ているだけで、分身が一気に大きくなっていくことに彼は気づいた。
そして彼女は笑いながら光でできた文字を彼の分身に送り込む。
「一応私はもともと傾国の狐だった上に女権国家で強化されましたからぁ、性欲との向き合い方をよく知らないご主人様じゃ、裸見ただけでお漏らししちゃいそうですからねぇ」
そういい終わると彼女は彼を抱きしめ胸に顔を埋めさせる、その柔らかさが彼の意識を一気に溶かす。
『柔らかくて気持ちよくて暖かい。昨日まではこんなじゃなかったのに女体ってこんな感じなのか』
生まれて初めて味わう電撃と自分の中の何かを破壊する快感が彼を蝕み、玉藻は笑いながら術で彼の腕を操ると自分の尻を揉ませた。
顔だけではなく両腕にまで激しい電撃めいた快楽を受けて許容範囲を超えかけた快感にとどめを刺され自分の分身がかつてない変化を犯している。それを見ると玉藻は意地悪く笑いながら彼の分身を迎え入れる。
405 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:16:52 ID:oSDnTyKy
「あー!」
何を言えばよいのか懇願すればいいのかわからずただ叫ぶ彼をよそに玉藻は笑いながら言う。
「アリスさんお願いします」
「ええ、忠雄が嫌だと言わなかったら後で私も混ぜてね」
そういうと、彼の視点が不意に切り替わる。これはアリスが置いた自分の姿を真似た人形が見ている光景だと彼は気づいた。
桜色の乳首をたたえた形の良い乳房や、美しくそれだけで欲情を誘う背中とその下の肉付きと形の良い尻それらを時には揉まされたりあるいは扇情的に揺れる姿などを彼は幾つかの人形の視点で切り替えられながら見せつけられた。
自分が壊されている賢王、武芸者としての理想の天位、あるいは空位に至ったところから堕ちている。彼女の柔らかさと美しく淫らな肢体を見せられる視界からどんどん内面が破壊されている。
そう思いながらもアリスはひたすら容赦なく最も扇情的になっている部分を見ている人形と彼の視点を共有させる。 胸を揉ませられ時には乳首を口の中に入れられ、あやされるように撫でられぬいた彼に玉藻は不意に声をかけた。
「それではご主人様の様々な初めては玉藻がいただきます。傾国の体で精通した男子はどれくらいだらしなくなっちゃうんでしょうね。 あなたが軽蔑するジパングでは恥ずかしい性行為を喜々としてやっていた裏切り者たちの情けなさをどれくらい超えちゃうんでしょうか」
「や、やめて」
言い終わる前に玉藻が呪文を唱えると彼の射精を止めていた札が消え。その瞬間、彼女の腹が膨れるほどの射精が起きた。玉藻は白濁を自分の腹に詰め戻しながら笑った。
「私達と別れるか女権国家の女生と結婚するかの二択の際の長すぎる逡巡、とっても腹が立ちました。ご主人様は悪くないけど、それと感情は別です。私たちと別れるか否かの問いに時即答してくれなかった意趣返しを受け取りなさいませ」
「あ、ああ」
快感を感じながら彼は本気で震えた。他の男性は玉藻や木綿季や藍子の美に見惚れ玉藻に対しては妖艶すぎてまともに戦えないと言っていた。しかし、
横島はここにきて彼女に色香を使われたら自分はもう勝てなくなったと確信した。彼女がその気になれば服の上からでもその色香と美貌で彼を射精させる誘惑などたやすいだろう。
「名残惜しいでしょうけど一旦交代ですね」
「そ、そんな」
否定しかけて忠雄は言葉に詰まった。男性優位の性交行が当たり前のジパングでは最大の恥辱なあの性行為。精通前の自分なら侮蔑の対象だったそれが、今では最高に気持ちよく玉藻の言葉を否定しきれない。
横島が震え怯えながら下がる背中に柔らかく温かい感触が当たり、彼の分身が再び大きくなり始める。優しい笑みを浮かべた藍子が彼の両腕を拘束しながら胸を当ててきている。彼女は、笑みを浮かべながら言う。
「忠雄さん今宵で完全に私たちの物になっていただきます。ユウ早く忠雄さんをものにしてあげなさい。私ではそう長時間抑えられませんよ」
抑えられませんよ、の下りは明らかに本心ではない。昨日までの彼なら女性の胸が背に当てられていても精神を集中させて、心が乱れると使えない強化の術を一瞬で発動させて彼女を振りほどいていただろう。だが今は彼女の吐息と背に当たる乳房が一番簡単な術すら発動させてくれない。
「ごめん、お姉ちゃん玉藻のいじめ方があまりにも見事で見入っていて、まだ服さえ脱いでないんだ。早く脱ぎ終わらないと逃げられちゃうね」
そういいながら彼女はゆっくりと天狗装束を脱ぎその様子をアリスが人形と視線を共有させて彼に見せる。乗っ取られた視界を奪い返そうとするが、
彼女の乳房や尻を見て完全に意識がそれを見続けることしか考えられなくなっている。木綿季は笑いながら彼を押し倒しわざとらしく疑問を浮かべた風を装い言う。
「忠雄どうしたの、普段の君ならお姉ちゃんの拘束ですら直ぐに解いちゃうんじゃない?」
からかう様な声と共に彼女が彼を藍子と挟むようにして乳房を胸板に押し付けながら分身を飲み込むと彼は即座に達した。 何度も二人は後退しながら彼を嫐り続ける。今生では初めて二人と交わる彼は気づかなかったが、二人の責めはいつもと違った。
木綿季と藍子は普段はお互いの気分で木綿季の方が上手い激しい責めを藍子がやる時もあり、逆に藍子が得意な優しい責めを木綿季がすることもある。しかし、今回は木綿季は一番得意な激しい責めしかしないし、
藍子も木綿季のそれを引き立てる優しい感じの責めしかしない。まるでお互いがお互いの与える快感の威力を倍増させあって彼を慣れさせない様にしているようだ。
何度かの交合の後、藍子に騎乗されて精を絞られる彼はここで彼女の優しくも苛烈な攻めで達しそうになっている。それにも拘わらず彼女は敢えて彼が達せない様に快感を捜査している。
さっきから笑いながら見下ろしていた玉藻が不意に彼の顔に腰掛けるようにして尻を押し付けてきた。アリスが人形の視点に彼の眼を移しそれを殊勝に見せつけてくる。玉藻は笑いながら横島の視点を乗っ取った人形と目を合わせ見下した感情を込めた目で彼を見ながら彼女は言う。
「ジパングでは、女性に優位の性交が恥ずかしいうえに顔面騎乗されるのは特に恥ずかしいとされてますけどぉ、それを浸透させたのは私ですよ。狐は求愛行動の際に相手の顔に尻を押し付けますからぁ。
一番恥ずかしい性行為をわざわざ仕込まれていてどんな気持ちですかぁ」
バカにしつくしたその言葉機器屈辱と怒りが沸き上がるのに合わせたかのように同じ狐である玉藻の指示を受けた藍子が彼に射精を促した。
「〜〜!」
尻に顔を塞がれ聞き取るのが不可能な奇声を上げながら彼は一気に達した。そして何度も射精をした後なのに、最初よりはるかに多い量だったことが彼を一気に追い詰めた。
「あらあら、ジパング男子として最低の屈辱を与える謀略を張り巡らせていた狐の下にされるのがそんなに良かったですかご主人様ぁ」
ありったけの蔑みの念を込めたご主人様呼びでさらに射精の量が増え、それを藍子が容赦なく搾り取る。
406 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:18:17 ID:oSDnTyKy
玉藻は絞りつくされ倒れた彼を抱えながら椅子にかける。椅子の前に彼が眠る前に見ているテレビがある。彼女は鼻歌交じりにDVDとテレビをつけながら楽しそうに声を上げた。
「ご主人様それでは先ほどの情事を見てみましょうか特にご主人様の表情を」
再生されたビデオの内容はアリスの人形の視点からの物の様で、幾つかに画面が分かれている。彼が大きな衝撃を受けたのは、自分の表情だ。自分が軽蔑の極みと感じた、
旅の途中で羽衣狐の配下の女権国家の力を得た妖怪たちの下部となった男たちと同じ否、それ以上に情けなない表情をしている。快感に負けているだけの時はまだ良い。
自分から彼女たちの胸や尻に手や顔を伸ばす時の顔はあまりにも情けなかった。そしてそれを見ながら敗北感に打ちひしがれる彼の分身が急に電撃を浴びたような快感に包まれる。
自分でも気づかぬうちに勃起した分身を玉藻の手が掴んでいた。
「〜〜!」
「ご主人様ぁ、もう少しご子息の耐性上げてください。弱すぎてしゃべれないと閨の中の問答が楽しめないじゃないですかぁ。 しゃべれないなら息子さんの反応で肯定か否定か判断しちゃいますよ」
この傾国の狐は多くの閨の術を極めつくした女性を味わいつくした王さえ陥落させた手淫で彼にわざと発言できない状態に追い込みながら言葉で彼を嫐る。
「ご主人様はぁ、ご自分を陥れ辱めることをずっと目論んでいた女にジパングでは特に屈辱的な性行為されるのが大好きなんですかぁ? 硬くなった手ことは肯定ですねぇ」
屈辱を煽る丁寧な従者言葉と彼女の侮蔑の目が余計に彼を欲情させ、彼女は笑いながら言う。
「こら!私の許可があるまで言っちゃだめですよぉ。 国政上女権国家の女性達と結婚するんですから、閨の中では立場をわきまえませんとぉ」
彼女は笑いながら何度も寸止めし、行く直前に強い命令口調で彼に告げた。
「達しなさい! 空至王から九尾に負けたクソごみ男たちの同類に堕ちたゴミ男!」
強すぎる快感の射精の中で彼女の言葉が強く焼き付き、彼は完全に意識を絶たれた。
次の日彼は木綿季と藍子に鍛錬上に呼び出された。
「忠雄、僕達に色香で惨敗したじゃない。どれくらい弱くなっているか、確認した方が良いと思うんだ。一応女権国家からくる船を迎え入れる港のある所の王様なわけだしね」
横島がここを任されたのは関係が良好とは言え女権国家との戦争も視野に入れねばならない土地の王だからでもある。 だがだめだ。昨日の夜で自分は一気に欲望に目覚めてしまった。
今でも並みの英雄くらいには強いとは思う。だが今の彼は彼を無敵に近い最強にしていた大半の術や技が使用不能になった。
欲望が薄いからこそ自然の気と調和して、無限に近い気を得る外気孔術や機械のごとく早く威力の高い術や霊力の扱いも失われた。
「あ、ああ分かった。木綿季、わい多分めっちゃ弱くなっていると思うから手加減たのむで」
「うん。いくよ!」
木綿季の剣撃を受けて彼は大いに冷や汗をかいた。昨日までは自分しかできないらしい霊力による身体強化であっさりとかわした彼女の技が速く重すぎる。 そして多分彼女はわざと彼がぎりぎり受けきれるように打ちかかってきた。
「忠雄そこまで悲観することないよ。まだ13の状態でそれだから伸びしろあるし、むしろ昨日までが異常すぎただけだよ。
悟りの境地みたいな精神状態じゃないとできない技とかをその年で使えていたことが変なんだって。 女権国家の女生と戦えるかの最終チェック行くよ」
「おう」
横島は霊波刀を構えながら、頷いた。木綿季は笑いながら言う。
「決して破ってはいけない誓いを立てるけど、僕はこの戦いで買ったら昨日の夜と同じく君を閨の中で嫐りぬくよ」
それを聞いた途端、彼の分身が固くなり、そして三人にされた行為の数々が思い出される。 霊力を練ろうとしても体が言うことを聞かず一気に制度が落ちその後はひたすら木綿季に叩き伏せられた。
意識が戻ると彼は激しすぎる快感を分身に感じる状態で目覚めた。木綿季が満面の笑みで彼の分身を足で嫐っている。そして背中に電撃の様な快感が走り、藍子が背筋に裸で乳房を押し付けていることに気づく。
「忠雄ちょっと今日の君ダメすぎたよ。女権国家の力を得ている僕達とは言え、あそこまでひどいのはちょっとないよ」
「そ、そうだな。だが、足でするのはやめ、ああ!」
強すぎる快感にあえぐ彼に木綿季は好きな子をいじめて全力で楽しんでいる女子特有の満面の笑みでいう。
「旅先で出会った羽衣狐の配下になっちゃった男よりだらしなくなかった」
「返す言葉もありまへん師匠」
実力が木綿季を上回り旅のリーダーとなってからは呼び捨てで敬語も使わなくなったが、稽古と閨両方での敗北感が強すぎて昔の調子に戻ってしまった。彼女は満面の笑みでいう
「ほら旅の途中で内心馬鹿にしていた男の人達に謝って。『貴方たち以下のクズ男のクセに見下してごめんなさい』って」
忠雄はさすがにそれは理不尽だと思った。少なくとも『理性』では彼らはそこまで責められるほど悪くないと思っていたから、内心侮蔑の念を持ってもそれを表に出さない様に細心の注意を払ってきた。
事実彼の努力は無駄ではなかった。それに気づいていたのは旅を共にしていた三人以外にはいない。だが、木綿季の強い口調での命令が昨日の玉藻からの行動を思い起こさせ、つい命令通りの謝罪を口にしてしまった。
「貴方たち以下のクズ男のくせに見下してごめんなさい」
「はい。よく言えたね。ご褒美♪」
育ての親同然に鍛えてくれていた時の子供や弟へいうような言葉と共に木綿季は彼を射精させた。さらには敢えて妖術で彼を操り、自分が足に向かってどれだけ出したか凝視させる。
木綿季は一瞬で彼を抱き込み、射精したばかりの敏感な分身を飲み込む。再び即座に射精しその量からぐったりとした彼を藍子が笑いながらツボを押して、追い打ちをかける。
「ユウをもっと悦ばせてあげなさい」
彼女に体の様々な部分のツボを押されるたびに、射精しそしてその度にこの三人にあらゆる意味で勝てなくなっていくことを実感しながら彼は問うた。
「師匠、藍子姐さん。女権国家でもここまで男をいじめるのは稀らしいけど何でここまでやるんですか? ワイなんか怒らせるようなことしましたか」
407 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:20:21 ID:oSDnTyKy
「それが分からないってことは私たちの演技力も捨てたものではありませんね。玉藻が言った通りですよ。貴方精通前の日に、
私達と別れるか女権国家の女と結婚するかの二択ならどうするって聞かれたときに凄く逡巡したじゃないですか。
ああいう時は即答してほしいのが女心です。制裁の為に深刻じゃない怒り方の演技したけどすっかり騙されてくれましたね♪」
そこまで言った後、藍子は彼を解放し天狗と妖狐の薬酒を取り出し彼に渡した。絞られすぎて、体がつらかった彼はそれを飲み回復すると二人が不意に魔術を使い一瞬で衣装を着こんだ。
藍子は笑いながら彼の両頬を掴み言う。
「実は私たち以外にも怒っている人たちがいるんですよ」
誰が怒っているのか想像もつかない忠雄は真面目に首をひねった。さすがにわからなくて当たり前だと感じた彼女は口を開く。
「前世のお嫁さんたちです。旅の途中でいくら美人でも、男をあんな状態にする女権国家の女とは結婚したくないな、前世の嫁さんたちとは私たち以外とは縁切ろうかな、見たいなこと言ってたじゃないですか」
「ジパングを危機に陥れた妖怪倒したら、一時的かもしれなくても一国の王やらなきゃダメなんやからしょうがないやろ。他国の女性に跪かされとる奴が王様とか民に申し訳なさすぎるわ」
そう答えた彼に、藍子言う。
「彼女たちも貴方の言い分も理解できると思ってはいますからそこまでひどくはなりませんよ。それじゃあユウ、天狗隠しして彼をあそこに連れて行きましょう」
そういうと木綿季が彼を掴み天狗の術唱えた。光に包まれ目を空けるとそこは別世界に変わっている。
西洋の闘技場だと王になってから勉学していた彼には分かった。そこまで考えた彼の前に白い羽と青い髪の美女=マイがマイクを持ち不意に告げる。
「さあ本日のメインイベント。空至王忠雄対玉藻の前の暗黒面ジパングを闇に包んだ九尾羽衣狐のリベンジマッチです。色香に溺れ切った彼にどうにか逆転の気は訪れるのでしょうか?」
羽衣狐の下りを聞き彼は即座に剣を取り出した。だが目の前には玉藻しかいない。彼女は不穏な笑みを浮かべて言う。
「あれは私の分霊ですからご心配なく。女殺しの魔物が女権国家の女性の能力を取り込み男性を味方につける存在を産もうとしたから、私の分身体を送り込んで弱体化させたのがあれです。
羽衣狐は凄くパワーアップしていたのにご主人様に負けてプライドが傷ついたからリベンジマッチに付き合ってあげることにしました」
そう玉藻が言い自らの体に札を張り付けると、絶世の美女という共通点はあっても玉藻とは大いに特徴が異なる黒を基準とした魔性の美を誇る存在が現れた。かの存在は彼をせせら笑いながら剣を構える。
「それでは勝負と行くか旦那様。一度強化済みなわらわに勝ったのだ。ハンデとして色香に頼らせてもらうぞ」
そういうと彼女は笑いながら服を脱ぎそして札を構えた。玉藻と種類の違う傾国の美を見ながら自分が一気に欲望にとらわれる彼に笑いながら彼女は言う。
「勝った時はそなたを玉藻と同じように嫐りつくそう」
この時、忠雄は気づかなかったがマイによって彼は羽衣狐に対する自身の感情を彼女たちにぞっこんで屈服しきった前世の頃に戻されていた。そしてその後はあまりに惨め極まる試合となり、最後は女権国家の爆笑の渦の中で彼は羽衣狐に犯されぬいた。
「おーと! 先日アリスが開演した人形劇の通りの活躍をしていたらしい彼も、しょせん精通すればただの男の様です情けなさすぎて、鍛えた木綿季ちゃんたち泣きたいのでは〜!」
マイのバカにしつくしたナレーションでより周りの笑いは余計強まり羽衣狐は彼を騎乗位で搾り取りつつ侮蔑の笑みを浮かべながら言う。
「そなた空至王の称号返上した方が良いのではないか? いや、一応は一度空位に至ったのだから誇大広告とは言えぬか。誰か彼に相応しい、称号思いつかぬか」
そういう羽衣狐に不意にアリスが意見を言った。
「じゃあ、サルと書いて猿王(えんおう)なんてどう? 一番屈辱的なセックスであるらしいお尻に顔を押し付けられた時が一番射精量多かったらしいし」
「確か猿は自慰を教えらえると死ぬまでやりもするそうじゃし、あっておるな。いやだが、こやつは恥という感情があるのにそれを差し出しておるしなぁ。しかしそれ以外に相応しい称号も思いつかぬ」
そこまで言うと羽衣狐は腰を動かしながら強い口調で言った。
「ほら、アリス殿に礼を言わぬか! 『猿以下の自分に過ぎた称号をくれてありがとうございます』とな」
「さ、猿以下の自分に過ぎた称号をくれてありがとうございます」
「もっとましな称号を考えてあげてもよかったけど、私も少しは怒っていたのよ。貴方の道中の発言の数々には。羽衣狐さん、名前考えた褒美に次は私がもらっていい?」
羽衣狐が彼から離れるとアリスが代わりに彼に覆いかぶさりそのまま一気に精を絞った。
羽衣狐の鋭い刃の様な快感と対極の甘く優しい快感に彼は一気にやられそのまま意識を失った。
横島が目を空けると今の夢と同じ光景が目の前にあった。自分をあざ笑う女性の観客にあふれた闘技場。さらに目の前ではアリスが自分を見下ろしながら腰を振っている。あまりの快感にしゃべることすら不可能な彼を見下ろしながら彼女は言う。
「貴方の前世の快感はどう」
しゃべることすらできない彼の悲鳴に近い快感が生み出す声が一番の返答になったようだ。アリスは笑いながら彼の頬を手でつかみ口づけし、人形に変わっていく快感を与えながら言う。
「エヴァ、お願い」
「ああ分かった」
エヴァは少し微妙な表情をしながらも、飽食界で飲んだスペシャルカクテルと同じものを飲みそれから一瞬だけアリスの首筋から血を啜る。
エヴァに血を吸われた瞬間、快感でアリスの膣が締まり彼をより多く射精させる。それが済むとエヴァは後ろから横島の首筋から血を吸った。 その途端彼の中に自分がどれほどみっともない性行為をしているかという観客全体からの意識が入ってきたが、
それと同時にアリスの自分に対するどれほどみっともなくても愛おしく自分を思う感情も入ってきた。観客の侮蔑の感情という鞭とアリスの毒の蜜を思わせる好意で揺らぐ彼にアリスは言う。
408 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:21:44 ID:oSDnTyKy
「貴方がどうなろうと私の感情は変わらないから、永遠に怠惰なまま沈んでも大丈夫よ」
その言葉と共に来た快感で彼は再び意識を失った。
その後彼は夢の中でジパングの一国の王として、政略結婚をした彼女たちに嫐られ続け高貴な身分の者だけが許される怠惰を追体験させられた。 婚姻の際に名前も忠雄から忠夫に改めさせられた。
これは前世の名が好きな彼女たちの意向もあったが、英雄の文字から忠実なる夫に変える呪術的な意味合いもあったのだろう。
宮殿の中で彼は何度も玉藻相手に後背位で性行をさせられていた。横には優曇華が控えている。優曇華の瞳で体位に対する認識を女性上位と変えられて腰を振る彼を侮蔑の目で鏡越しに見ながら玉藻が優曇華に礼を言う。
「優曇華さんありがとうございます。狐である私はたまにはこっちの体位でもしたいんですけど、ご主人様はジパング男子として恥ずべき体位じゃないと勃起しなくなっちゃって。猿と同じ体位でできない上に男性優位でない猿王。本当に格好良すぎですねぇ」
「いえいえ、気にしないで玉藻さん。私も元がウサギだからその気持ちは凄くわかるから」
優曇華と雑談に興じながら必死に攻め立てる彼に自分は足元にも及ばないと敢えて見せつけながら玉藻はせせら笑う。
少し時間がたち強すぎる快感で何も言えない横島が射精した瞬間、快感の極が来る瞬間に合わせて玉藻がより強い快感を与え、そしてこれ以上快感を与えられると辛い時期を見越してさらに尻を押し付けてくる。
「あー!」
「また、あー!ですかご主人様攻めてしゃべれるくらいにはなりましょうよ」
玉藻が手をたたくと多くの女性が入ってくる。彼女たちはかつて羽衣狐に寝返っていた、性悪な女性達だ。戦いが終わると尻尾を振ってきてその様子を馬鹿にしていたが、玉藻の力で彼女の眷属となってからは、ひたすら恐ろしい。
性悪女達だと分かっているのに彼女たちの色香と快感に逆らえない。 口淫をしてきた女性乳房を押し付けてる女性、全員が彼を見下し馬鹿にした目で見ているのに振りほどこうとも思えない。その中の口淫をして女性が笑いながら言う。
「私たちの様な汚らわしい女の色香に負けた男はクズなんじゃありませんでしたか、猿王様?」
「そ、それは」
反論しかけたところで分身の奥に舌を突っ込まれ彼は一気に達した。そのまま倒れた彼を何人かの女が笑いながら犯す。 射精しつくし仰向けに倒れた彼の分身を踏みつけながら玉藻が言う。
「ご主人様、彼女たちの与えてくる快感はすごいけど私達よりは下ですよぉ。 なのになぜ切り捨てておしまいにならないんですか」
「む、無駄な殺生はよくないし、それにお前たちが睨みを聞かせておくって」
「それも嘘じゃないけど、一番は性悪で打算込みで貴方を支配従っている女たちに嫐られる状況が好きなんでしょうご主人様は。九尾の狐として王を堕落させた身だからよくわかりますよ」
そういうと玉藻は笑いながら彼に騎乗し何度も彼を絞った。その後の彼はこの色欲の世界を維持するという念の元善政を行い、武芸の腕を磨いた。だがどんなに世の中から称えられても、
自分は性欲の為にこれをやっているという負い目から抜けられることはなかったらしい。 らしいというのは人形劇で上演された舞台しか追体験できないために彼の主観では延々と女性達に嫐られぬき続けた記憶しかない。
王としての一生を終えると同時に夢から覚めた横島は、全身が完全に彼女の霊力で来た糸に掌握されていることに気づいた。目の前で彼に覆いかぶさり絞りぬいていたらしい、アリスは目覚めた彼を笑顔で迎えるといった。
「従属する怠惰と高貴なものが味わう怠惰どちらもよかったでしょう? あなたが望むならどちらでも私は与えるから。 王だったころの閨の中だけの日々でも奴隷として主人から愛でられるだけの怠惰どちらでも授けましょう。
それとこれから貴方が本当に怠惰に生きても大丈夫という保証を与えるから」
そういうとアリスは魔術を使って一瞬で服を着こみユウキと藍子に目配せをした。ユウキとランは二人ともインプのままだ。彼女たちが夢の世界で天狗などをやっていたのは、悪魔合体をして戻ったわけでなく、
アリスの使い魔をやっていたので人形劇の再現に協力する力が上がっていただけの様だ。二人は使い魔然とした態度で彼に魔術をかけると、そのままどこかに彼を転移させた。
ジンは大勢の敵を薙ぎ払い怠惰界のボスの間の前に到着した。
「ジャギさん、ここに怠惰界のボスがいるんですね」
「おう。今回は横島の奴が何回も大怪我しまくっていたせいか少し魔女としての性が暴走気味だ。少し頭を冷やさせるとしよう」
ドアを開けて入るとそこは多くの人形が山ほどある美しくも恐ろしい幻想の世界だった。
中央の玉座にはこの幻想の世界に最も映える魔女を基準とした衣装に身を包んだ金色のショートヘアの美女とそして、傍らには人としての大切なものを断ち切られたかのように快楽で意識をえぐられぬき朦朧とした横島がいる。
くしくも彼女の与える快楽は意図せずとも意中の男を己の人形のように変えていくようだ。 ジャギは短く口上を述べた。
「アリス、人間だった時からの付き合いだ。ここで怠惰界の攻略条件クリアにしてくれなねぇか」
「ジャギ久しぶりね。旦那様を何度も助けてくれた旦那様の親友相手に無体と思うけど、私を倒してからにして。最も私はここを攻略させる気はないけど」
そこまで言い終わると彼女が一体の等身大の人形を取り出してきた。ジンがトゥルダクと共に倒した人形と似た存在だ。年齢は20代中盤位に見える。トゥルダクと共に戦った人形と似た刃のない柄を持っている。
「猿王、高島忠夫か、忠雄という名の頃に妖狐討伐の功績でジパングの港町の王に任じられ、女権国家の女生との結婚を機に呪術的な意味で名を変えられた。おもに聖王ヴィヴィオとの婚姻の縁を通じて外交に励みジパングを守護した」
「ええ、貴方たちを全滅させれば、自分が何もしなくても故郷は安心だと彼は思うでしょう」
不意にジンが口を開いた
「ジャギ師匠、すいません、今回は俺が挑んで負けてから出てくれませんか」
「どうした、やはり成長の機会は逃したくないか」
「それもありますけど、こういう馬鹿をやってしまった時の実力者は負けるわけない相手に負けた方が諫言が効くでしょう」
409 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:23:07 ID:oSDnTyKy
「まあ。いいだろう。 アリス、ジンを退けた後は好きなだけ回復の時間を取れ。今回はお前が愚行を犯しているってたっぷりと分からせてやる」
そういいながら腰掛けるジャギをよそにジンは玲子と仲魔達に手を出すなと指示を出した。ここは一騎打ちの方が勝率は高いと彼は踏んだ。剣を構え近づくジンに高島も彼を迎え撃つべく柄を構える。
ジンは僅かに剣をゆらゆらとさせて近づきながら、不意に後ろに全速力で飛んだ。
フェイントをかけながら隙を探りあう動きで近づいた時、読みあいでは勝てないと悟った。様々な形の武器を出せるあの柄が相手では出せるフェイントの量が違いすぎる。
彼は即座に加速し全力で切り込んだ。 高島はそれを見て剣を具現化させて受けた。 ジンは即座に切り込み連続で彼に突っ込む
。高島は横島と同じく、フェイントを織り交ぜ相手を揺さぶるトリッキーな攻撃型だ。なら速さだけは僅かに勝る自分が徹底して奇策を出す暇を与えなければ良い。
嵐の様な剣撃を高島が受け流す中ジンは僅かに焦りを覚えた。 自分の体力が彼を沈めるまで持つだろうか。
守りの中にも高島が仕掛けてきた騙しは多くあった。僅かとは言え余裕があるのに辛うじて受けた振りやその逆をされたり。その度にジンは肝を冷やした。数回だけだが騙された時は、攻勢に転じられ危うくなった。
数回の交差の後、高島が僅かに騙された彼に火事場の馬鹿力めいた力を込めた一撃を放ってきたとき、彼は僅かに体制を崩し、彼も火事場の馬鹿力めいた速さで距離を取った。
その瞬間霊波刀を槍の形に変えた、高島の突きが彼を襲う。もう刹那速ければ片腕に重傷を負っていたかもしれない。そう思いながらそれを防ぐと、高島がそのまま槍に圧をかけてきて、鍔迫り合いめいた状態になった。
それを見た瞬間アリスの表情が勝利を確信したものに変わったことをジャギ以外は気づかなかった。ジャギもこれも弟子の経験と思い敢えて告げようとはしない。
鍔迫り合いをしつつ槍を剣に変化させながら迫る高島相手に彼は即動いた。彼は非力ではないが、力に関しては高島に及ばない。 近づいてきた高島に拳を放つと即座に距離を取りにかかる。
僅かでもミスれば剣を支える腕が片腕になった瞬間に一気に、切り倒される危険な賭けだが彼はそれに勝った。 だが試練はそれからだ。攻めに回ることができる高島の剣は、
短刀や長巻あるいは双刃刀に変わり彼を切り裂くかもしれない。切り替えるのに僅かな間があるとは言え騙され時間を取られればその隙にそれが来る。
フェイントが生み出した多数の幻影の刃に警鐘を鳴らす神経を黙らせ、風を切る空気の流れだけに従い、高島の繰り出してきた剣の一撃を受けるというよりそこに一撃を叩き込むように剣を放ち辛うじて打ち勝つと彼は即座に蹴りを放った。
万が一双刃刀にしたとして、刃は届かぬ位置。ジンは足の先に感じる蹴りの感触同時に自分の腹にも衝撃が走ったことに気づくと弾き飛ばされた。高島が僅かに遅れて自分に蹴りを放ったのだと理解すると即座に呼吸を整え、そのまま風神剣を構える。
一騎打ちを行う両者が警戒をしつつ、決着をつけるべく直前の小休憩に入った瞬間アリスが感嘆の声を上げた。
「本当に貴方の成長力凄いわね」
「ええ、ジャギ師匠曰く恐らくは貴女達の倍くらいになっているだろうと」
その言葉にアリスは笑いながら言った。
「ええ。だからこそ、忠夫に与えることができる安心感も倍になるわ」
アリスの宣言が終わった直後それを合図にした様に両者が駆けだし、双方の剣が何度もぶつかり合った。ジンは致命傷以外のフェイントを無視するように意識を切り替えひたすら手数で高島に勝利しつつあった。
お互いが渾身の一撃を込めて双方の剣がぶつかり、互いの隙ができた直後、高島が霊波刀をしまった。そして新たな武器に変えようとする。両方から霊波が出たのを見て、双刃刀そう考えると同時にジンは勝利を確信した。
『ここで双刃刀に変えるとはそうせざるを得ない理由があったのかもしれんが貴方の具現化速度では間に合わないこっちの勝ちだ』
そう思い彼の首に風神剣を放った直後ジンの腕に硬い感触が帰ってきた。本当に僅かな差だったが、ほんの数瞬速く霊波刀が具現化されていた。そしてその具現化されたものは双刃刀ではない。
先がまるく刃がない。これは棒術の棒だ。そう思った直後ジンの中ですべてがつながった。さっきの槍を出してきた一撃、あれは本来の具現化よりほんの僅かに遅らせたのだ。
ジンの脳裏に間違った計算を植え付けるために。 そして次の瞬間、高島が棒術の棒で彼に乱打を放ってきた。 僅かに速度で勝る彼も、棒術の乱打はしのぐのは不可能だ。何度か受けた物の足に一撃をもらってから決定的に崩れ、そして倒れた。
ジンが破れたのを見て驚く横島をアリスが魔力の込めた手で名で脱力させながら口を開いた。
「どう? この世界の封神演義の紂王は色欲三昧に溺れていても最後は見事な武勇を見せたでしょう。だからあの色欲に溺れた貴方の前世もあそこまでになるから心配はいらないわ」
「前世のワイはあの後武芸とかは真面目にやっとたのか、それともずっと色欲に溺れた日々を過ごしてあれだったのか」
「どちらにせよ、あの人形が貴方の故郷を護る戦力として動くから貴方がここで怠惰の極致に堕ちても大丈夫なのは変わらないわ」
立ち上がろうとしたジンをジャギが手で制すると前に進みだした。
「この戦い女権国家にも放映されているんだろ。なら放送を切るんじゃねぇぞ。 大醜態をさらせばそれだけ失敗を繰り返しにくくなる。俺が知る限り最低最弱となったアリス・マーガトロイドよ」
「安い挑発ね。そんな煽りで私の手元が鈍るとでも思っているの。忠夫から吸収した霊気を大量に注いだこの高島人形、分霊に過ぎない貴方がどうにかできるとでも」
そういうとアリスが魔力を放つと高島人形の動きがより速く力強くなり、放つ闘気が一気に膨らんだ。ジンはそれを見て、悟った。
たぶん彼女は高島という英雄が生きたどの時期でも再現できる。そして自分に経験を積ませるために一番実力が拮抗していた時の彼を再現していたのだろう。
強大な闘気にさらされながらも、ジャギは微動だにせず答えた。
「端末にすぎぬ分霊と、珍しくバカ女と化した魔女が操る人形丁度いい勝負だ。最もそっちの方がハンデがでかすぎるが」
410 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:24:45 ID:oSDnTyKy
「貴方のレベルではこの人形とまともな戦いになるのがやっとなんじゃない?」
アリスの言葉にジャギは淀みなく答えた。
「勝てるさ。相方の女がこれでは、横島の奴も本来の力は出せん。女尽流はどの流派でも女を支える支援の技、特にその高島が覚えた女尽鏡流(めしんきょうりゅう)女を映す鏡となる技だ。鏡の前に立つ女がそれじゃあ映えようがない」
そこまで言うとジャギはアリスを警戒する価値なしとでもいうように目をそらすとジンの方を見た。 理想に近い自然体であり空気の乱れを感じれば次の瞬間風より早く動く。その確信を抱くジンに彼は言う。
「すまんな。格上とは言え、『今の』バカ女なアリスに負けたなんて汚点だろうがお前から名誉挽回の機会取らせてもらうわ。今のあいつあいてならお前でもそう遠くないうちに多分勝てるだろうがな」
そういうとジャギは剣としても棒としても使えそうな鉄の棒を取り出した。多分あれはリグルの作品だろうと思った。かなり昔の品の様だが多くの強大な敵との戦いで役立った武器特有の風格がある。その武器を見てアリスは疑問めいた表情になった。
「その武器で立ち会う気?」
ジャギが本気でそうしようとしているのを見て、彼女は僅かに悩むと即座に決断した。
高島の人形が剣を構えジャギに突っ込むと袈裟斬りの鋭い一撃を放ったジャギも高島の剣と似た太刀筋の動きでそれを迎え撃つ。
ジャギは拳法かであって剣士ではない。状況に合わせて剣を使う例も皆無ではなかったが、剣を主に戦った横島相手には及ぶはずがない。
にも拘わらずお互いの剣のぶつかり合いは僅かだがジャギが競り勝っている。それを見てアリスが驚愕の極みという表情になる。
「そんな、なぜここまで高島人形と戦えるの?まさか水影心が爆発的に進歩したの?」
打ち合い僅かに押される高島を見て驚きつつ状況を分析するアリスに説明するような口調でジャギは言う。
「それはお前が愚行を犯しているからだ。猿王忠夫。女権国家の女性達に嫐り尽くされながらも相手の女性達が心底自分を好いていることと民の為になる政策をしてくれたことに気づき生涯かけて、
彼女たちを支えるべく武の修行を怠らなかった横島の転生先の一つ。 空位から降ろされた後、女尽鏡流を学び元最終的には精通前の自分より少し弱いところまで強くなった」
そこまで言って区切ると彼はさらに続ける
「女尽流の元となる霊力は自らの意思で女に尽くさんとする意思と、自らに快楽を与えてくれる女を失いたくなという色欲が産んだ執念の霊力。
この二つが武道の理想形の一つである無限の変化を遂げる鏡の様な形に至らせている。それがない女尽流など効率が良い霊的戦闘術にすぎん。 哀しみを知らぬ北斗神拳がただの拳法にすぎんようにな」
哀しみを知らぬ――の下りには失われたものへの郷愁が深く籠っていた。レベル事態は上の高島の猛攻をしのぎながらジャギは言う。
「横島よく見ておけ、お前と大鳳と幸運のおかげで生前の俺は至らなかった北斗の極致、これこそが核となる心が宿った武芸の技だ」
お前と大鳳のおかげでという言葉に深い感謝と戦友への親しみが籠っていたのがこの場にいる誰にも分った。
ジャギは高島の一撃速度と力の理想的な配分の一刀を辛うじてだが防ぎ、高島を逆に弾き飛ばすと、両腕を前に出し膝を曲げると気を練り技を繰り出した。
「北斗羅漢撃」
無数の残像と思われる手刀の雨を作り出しながら突撃するジャギが一気に高島人形を追い込む。高島人形は生前の彼の再現の様にすさまじい動きでそれを防ぐが徐々に圧倒されている。
ジャギは羅漢撃を放ち闘気で強化された手刀で高島と打ち合いながら、この技を完全に習得した時のことを思い返していた。死して闘神と化した自分に弟子入りしてきた無数の良き男子たち、
大半は自らよりも才が低いのに死に物狂いで修業し彼を敬ってくれた。彼らは女殺しの魔物達との戦いで戦死する際も才を与えてくれなかった天を恨まず、ただ被害の収束を願っていた。
彼らの師として恥ずべき事は出来ぬと思った時、妬み、嫉み、弟子たちを殺した魔物達への憎しみと恨みすら消え去った。そして気が付いた時この技が破れることは殆どなくなり、
自分は多くの人々を救える様になった。夢想転生を発動できるようになったのもあの時からだったろうと思う。
高島の技や術を手刀の速度と剛力でねじ伏せながら彼は横島の転生先達との日々も思い返した。全く合わなかった転生先もいたが自分の男子な弟子たちは大半が彼と共闘していた。
そして彼は自分の弟子だと知ると自身でもわからない理由の為にひたすら彼らを生かすために頑張ってくれた。彼の友情がなければ天寿を全うできた弟子はもっと少なかっただろう。
羅漢撃の中から特に早く鋭い一撃が繰り出された時、高島人形が韋駄天の型という女尽流の技でアリスの盾となり霊波刀で彼の手刀を受けた。 自らの一撃を一時的とは言え受け止めた人形に僅かに驚きながら彼は言う。
「アリス、横島の奴に霊力を注いだお前への愛があっても怠惰に堕とされた霊力を注がれた高島人形では羅漢撃は防ぎきれん。死に物狂いでお前を護ろうとする横島なら防いだだろうがな」
そこまで言った直後に高島人形がジャギの手刀で霊波刀ごと貫かれた。そして彼の手刀がアリスに迫った時、アリスは人形たちを動かし一撃もらう覚悟で迎撃しようとする。
その瞬間脱力させる快楽で完全に動きを止められていたはずの横島の目に光が戻り。高島人形が使った韋駄天の型を繰り出した。高島人形と比べればまだ未熟な動きだったが、
彼はジャギの一撃を霊力で生み出した盾で防ぎぬいた。全身の霊力を一転に集中させ、正確な一つを読み取り受けきった彼をジャギは小気味よさそうに見ながら言った。
「こんな風にな。 これで怠惰界はクリアだろう」
「ええ」
ジャギに敗れて負けを認めたアリスの様子は明らかに憑き物が落ちたようだ。おそらくは魔女としての性を思う存分に発揮して発散した後、ダメだとは思うがやってみたかったことがだめだと実感できたのだろう。
ジャギを見て疑問と懐かしさを覚えている横島に向けて彼は言った。
「まあ、普段はこんなバカ女じゃないんだが、魔女としての業がお前が傷つく姿を見すぎて溜まっていたんだ。今回の件で落ち着いただろう」
411 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 20:27:15 ID:oSDnTyKy
そういうと、瞬間移動すら思わせる足取りで去っていくジャギを見て横島は思う。自分の中でアリスを護りたいと思う気持ちも強かったが、
彼に無様な姿を見せたくないという思いもあったと。前世では多分相当深い戦友だったのだろう。
戦いを終えた後ジャギは、怠惰界の森で瞑想し過去を思い返していた。自分の弟子たちを常に守るために最善を尽くしくれた横島の転生先と彼の妻達。
アリスはその中でも人形劇をやっているだけに子供な自分の弟子の面倒をよく見てくれていた。
全てを思い返した後、彼は独り言を漏らした。
「悪いな、ジン。多分大丈夫だとは思ったが、弟子の面倒を一番見てくれた女が愚妻に堕ちるかもしれない状況をみてられなくてな」
怠惰界を超えた後、横島はアリスと向き合い話していた。
「忠夫、今回は試練の域を辛うじて出なかったとは言え、私は貴方に超えてはいけない線を越えたかもしれないわ」
沙汰を待つ罪人の様な声を出すアリスに横島は笑いながら答えた。
「恥ずかしいシチュエーションは勘弁やけど、アリスちゃんとのエロめっちゃ気持ちよかったで。アリスちゃん俺が隠居したら恥ずかしさ控えめであの酒池肉林をもう一回お願いします!」
裁判を思わせる空気を壊し、とびかかってくる横島にアリスは嬉しそうな笑みを浮かべた。彼女は彼を押さえつけ言う。
「毎回貴方は冗談めかして嬉しいことを言ってくれるわ。でも今日はやめておいて。今度は試練じゃない本気の誘いをかけてしまいそうになるわ」
本気の誘い。その言葉を聞くと彼の背筋が一気に寒くなりアリスにされた行為をすべて思い出されてくる。
何もしなくてもあれが与え続けられる状況が想像でき立つことすらままならなくなりかけると、いつの間にか来ていたマイが彼を支えてくれた。
「落ち込んだ女権国家の女性に優しくするのはかなり危ないのよ。 ほらあんたを完全回復させるのは私でも少し時間がかかるから、とりあえず戦線復帰させて、修行さながら癒すことにしたから、急場しのぎできる娘を連れてきたわ」
マイがそういい指示した先に狐面をつけた赤い羽織に身を包んだ少女がいた。その少女は不意に狐火を思わせる日を放つと玉藻の姿へと変わる。
「ご主人様、マイさんが貴方のケアに時間がかかるそうなのでそれまで戦うモチベーションを与えにやってきた良妻九尾ちゃん参上です。玉藻の前でもチェフェイでも羽衣狐でもお好きな様に呼んでください。
ご主人様が少しロリコンに目覚めたと聞いて少女姿も練習させてもらいましたぁ」
ここまでは冗談めいた口調で良い不意に、妖艶で恐ろしい目に変わると彼の眼をのぞき込み言葉をかけてきた。
「ご主人様ぁ、ちゃーんと全ての魔界を踏破してきてくださいね。 私の担当は最後の魔界貪欲界。そこで一番過激な快楽をご用意してありますから、――貪欲界で会いましょう」
貪欲界で会いましょうという言葉に妖艶極まる言葉が籠っておりそれを聞いた彼はトラウマをさらに刺激された。にも拘わらず体は他の魔界をすべて踏破するという意思に満ちていた。
快楽のトラウマと期待の超過で彼が倒れるとマイがそれを抱きとめる。彼女は横島を抱えるとトラポートを唱えどこかへと転移した。
静謐な蒼い月にどこまでも映える神殿で。そこにマイがいた。今の彼女は見かけ通りの冥府の厳格などこまでも純白が似合う天使に見える。彼女は両の眼を閉じながら水の中に着けた横島に回復の光を注ぎ続けている。不意に大きな魔力の奔流が起こった。
世界そのものが切り替わるような大きな違和感が生じた刹那に、神殿の中に来訪者があった。その来訪者は赤い衣装に身を包んだ銀色の髪をした麗人=神綺は感謝のこもった目で横島を見ながら、慈母の様な目でマイを見て問いかけた。
「マイちゃん。今回はどう」
「ええ、私の予想通りだったわ。ちゃんとアリスの溜まりすぎた業を発散させて、そしてその後のケアもちゃんと忠夫がやってくれたわ」
「なんだかんだ言ってマイちゃんもアリスちゃんがかわいいのね」
「妹ですから」
「次の魔界も彼にはきつそうね。作った私が行っていいことかとも思うけど」
心底申し訳なさそうに言う神綺をよそにマイは笑いながら答えた。
「きついことはきついけど、愚弟は折れることは多いでしょうけど最後には必ず立ち直りこの魔界を踏破し、強くなりますよ踏破します神綺様」
珍しく敬語で真面目な口調で話すマイに神綺は頬を綻ばせる。女権国家と異なる世界に来て、多くの災難が待っていそうだが、彼と共にいれば娘達はそこまでひどいことにはならないだろうそう信じ切った目をしている。
神殿を美しく彩る蒼い月がそれを保証しているかのように輝いていた。
412 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 23:50:47 ID:21nDh4++
乙です
413 :
名無しさん@狐板
:2022/05/24(火) 23:56:46 ID:oSDnTyKy
>>412
ありがとうございます。
あちらのシェルターの方にも書きましたけど、ミスして字が入ってなかったところがあります。
>>390
の一番最初の所に『シャーリー」が入り
>>395
の初めに『この』が入るはずでした
414 :
名無しさん@狐板
:2022/05/25(水) 11:58:59 ID:JDQxEwJp
乙でした!
415 :
413
:2022/05/25(水) 17:18:55 ID:3sAQSKmO
>>414
乙感謝です
416 :
名無しさん@狐板
:2022/05/25(水) 21:42:40 ID:3sAQSKmO
すいません脱字報告です。
>>409
のジンのセリフ「ええ、ジャギ師匠曰く恐らくは貴女達の倍くらいになっているだろうと」は
正確には「ええ、ジャギ師匠曰く恐らくは貴女達の予想の倍くらいになっているだろうと」です
417 :
名無しさん@狐板
:2022/05/29(日) 16:40:49 ID:JVZPqTAB
乙
418 :
名無しさん@狐板
:2022/05/29(日) 16:40:56 ID:JVZPqTAB
乙
419 :
413
:2022/05/30(月) 23:21:05 ID:s5GW2u3z
>>417
乙感謝です
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