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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

355 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:12:24 ID:5AOAdM2e
これはひどい真・女神転生if 飽食界編

これは女神転生ifと女権国家のクロスSSで>>259から>>276の続きです以下の注意があります。

@魔石はマグネタイトを固めて作るというのは公式設定でない可能性があります。昔どこかで読んだけど、設定本か攻略本かどこかのホームページか覚えておりません。

A女権国家の冥府勢力がかなり強く設定されています。

Bエヴァの血を吸った際にできることは一部の吸血鬼小説の設定であり、普通に強い快感を与えてくるだけなど多岐にわたるのでこのSSではそうだというだけと割り切ってください。


 横島はアリスの人形劇で初代高島の人生を経験してから、ひたすら前世の体験で覚えた剣を馴染ませるために悪魔達との戦いや、闘技場での戦闘と教導そして天狗との修行に没頭していた。 
あまりにもひどい屈辱とそれを思い出すごとに下半身が反応する事実が余計に彼の恥辱心を煽った。
 そんな状況下で彼にとって一番の気晴らしになったのはジンとの闘技場での模擬戦だった。ジンの爽やかな気を感じ取りながら剣や拳をぶつけ合うと、屈辱や情けなさ、そしてそれがもたらす快感と被虐心を忘れることができる。 
仲魔を率いての戦いをジンと何度かしてみて分かったが、彼の戦い方は当たり前だが、赤根沢玲子と別れる前の青木と似ている。ただ青木より敵を討ち滅ぼす速さによっている感じがする。横島が速さに優れた万能型なら、
青木は速さ特化でありながら他の能力も高いため万能型と誤認される指揮官だ。
ジンとの仲魔を率いても模擬戦は最初の速攻をかけてくる5分が特にきついと感じた。指揮官として能力比べは今の所は最初の5分だけは互角だが、もう少し立てば、最初の5分だけはジンにも勝ち目がある様になり。
さらに時間がたてば、最初の5分をしのぎ切れば横島の勝ち、できなければジンの勝ちになる。
そして最後には、最初の5分をしのぎ切れば、横島が勝つことが多い、となるだろう。

 久しぶりのジンとの一騎討ちの闘いの中で毎度のことだが今までで一番の苦戦をしていた。
 それはジンの手に握られる新たな名刀によるものだった。
 
ジンはあれからもゴブリンの剣を手に馴染ませては横島に何度も挑みその度に横島は何度も苦戦していた。あのゴブリンとジンはどこにでもいる多数の種族の一人でありながらたまたま才能が有りとてつもなく強くなり偉業をなしたもの。という共通点がある為か、
そのゴブリンの半身だった剣は凄まじく彼と親和性が高かった。ジン専用の剣を作るまで自分は負けることはないと確信している。負けることは絶対にないが、それでも彼があの剣で幾つもの命がけで苦難を乗り越えてくる度に苦戦の度合いは上がるだろう、という確信もあった。
 今日の闘いが始まる前に、彼が新しい剣を持ってきたとき横島は自分が負けるかもしれないと直感的に思った。ジンは横島に礼を取ると言った。

「この新しく作った剣で勝たせてもらいます」

 横島はその剣を見て感嘆の声を上げながら答えた。

「風神剣(ふうじんけん)か」

 つぶやきながら横島は意外だという思いと自分が実際に見た風神剣より強いという感想を抱いた。風神剣は二種類あるがどちらも弱い剣ではない。むしろ強い剣だ。片方は剣合体と呼ばれる特殊な儀式で悪魔と合体して強化される錬気の剣の変化の一形態の中でも低レベルで作ることもできる為、
愛用者も多い。そしてもう片方も剣合体で同じように作られるが、選ばれた者だけが手にすることができるという、高レベルな天狗と合体してできる風神剣だ。横島の眼前の剣は横島が何度か見た風神剣よりはるかに強い。これは天狗と合体してできる選ばれた者だけが持つ風神剣に近い。
 
横島は覚悟を決めると、少しだけ楽しみに思いながらその勝負を受けた。

澄んだ金属音が響き渡り、横島の刀がぶつかり合った直後に距離が詰まると殴打の音が響く。
距離が詰まるとお互いの体術が激しくぶつかり合う。ぶつかり合いの度にジンの攻撃も横島に多く命中しているが、それにも関わらず下がるのは始終彼の方だ。
始終押しながらも、横島は今までで一番気を張り詰めていた。最初の一合を打ち合った時に、気づいたが、この風神剣は間違いなくあのゴブリンの剣を合体に使ったものだ。無名の雑魚悪魔が死に物狂いで卑怯な手を使わずに強者に上り詰め、
種族全体を強くするために使った名剣。この時点で、特殊な剣となる条件には十分だ。

あのゴブリンが率いた軍の様に強者との戦闘での苦境の強さを支える力がこの剣には確かにある。追い詰め切った時こそが最も危ない。そう思いながらも闘技場の端に横島がジンを追い詰めた。
横島は全ての渾身の力を込めて、彼ならば確実に防げる、だが受け損なえば死ぬ一撃を彼に放った。
ジンの手元の風神剣を完全に封じなければ安心できない。その一念がさせた判断だ。案の定ジンは風神剣で横島の愛女守を受け切った。だが次の瞬間予想外のことが起きた。風神剣は封じられたが、
一撃を受け切った直後にジンが片腕を剣から放し、凄まじい手刀の一撃を放ってきた。
その手刀を一目見た瞬間受ければ真剣で切られたように首が飛びかねない。そう感じ火事場の馬鹿力めいた力が沸き上がり、自分も片腕を愛女守から放し、全力の反撃を放った。
殺してしまうかも、そう思った瞬間、司会をしていたマイが一時的に力の封印を解き、二人とも吹き飛ばした。

「この闘い愚弟の負けね。異論は?」

「ないわ。教導官なのに、本気出させられた時点でもう負けや」

 横島の言葉にジンは嬉しそうに笑った。

「やりました。これで次の魔界に心置きなく行けます」

「脱帽したわ」

 横島は意図せず本音を吐露した。自分はデビルバスターとして追い込むような修行を始めたのは青木師匠とあった半年感が主だったが、マイの役に立つために子供頃からサマナーの世界に飛び込む準備の修行はしていた。 
その自分がここまで追いつめられるようになるとは。最もそういう感傷も大した意味がないが。 悪魔と戦い打倒すれば大半の人間はある程度は覚醒する。 その際の生存率を最初の登竜門を潜れるかどうかが幼いころからの訓練などが分けやすい。
目の前のジンも大量の悪魔を倒し死に物狂いで己を磨いてきた以上、余程の名家か、神々の血を引くサマナーでもなければ、そこまで差は生じないだろう。だが前世から己を高め続けた自分がここまで本気を出すことになったことに僅かな時間とは言え教官を務めた、身として嬉しさがある。

 だが今一番気になったのはジンの最後にはなってきた手刀の一撃だ。あの一撃を見た時、不思議な既視感があった。

 戦いが終わり、嬉しそうな様子のジンに横島は意を決して聞いた。

「なあ、最後にはなったあの手刀あれは誰に習ったんだ。似たような技は俺も使っているけど、あれは初めて見る」

「ああ、あれですか。実を言うと女権国家出身の悪魔から教えてもらったんです。仲魔じゃないけど見込みありって見なしてくれたみたいで。闘神ジャギって名乗っていました」

 その名前に不思議な嬉しさと親近感を覚えながら、横島はふと思った霊気や気を使い身体能力を強化したり硬化させる技は自分も得意だ。だがジンの放ってきた最後の手刀はもしかしたら自分が前世で学んだ技かもしれない。
あの技を前世で学んだから、自分の得意な格闘技も定まったのではないだろうか。

 ジャギの名を聞いた瞬間、ひどく懐かしく嬉しい気持ちが湧いてきたのは恐らくは前世の影響だろう。その横島にジンは続ける。


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