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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

1 :名無しさん@狐板:2020/01/19(日) 00:15:29 ID:bMTYbG3g



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当スレは某R-18スレの長文レス、SS、スレ主以外のAA・支援AAを投稿する場所です
それ以外での使用はお控えください

200 :名無しさん@狐板:2021/04/17(土) 23:38:08 ID:P7aoEpPk
自分はこれはひどい女神転生ifの序盤編がもう少しで終わりそうで、多分明日には書き終わりそうだけど、
この状況だと投稿して良いものか悩んでます。

201 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/04/17(土) 23:40:27 ID:03+/oTRk
問題ないとは思いますがここしか舞台がないのが困りものですね
方舟さんだとSSもOKだったような?
落ち着いたら建ててしまいましょうか

202 :名無しさん@狐板:2021/04/17(土) 23:46:11 ID:P7aoEpPk
とりあえず見直しとかもあるし、自分の為に早く立てたりして不備があっても困るので、急ぎ過ぎない方が良いかと。
それにしても、シェルターが落ちた際は執筆が止まってしまう程ショックでした

203 :名無しさん@狐板:2021/04/17(土) 23:53:54 ID:P7aoEpPk
少し気になったけど。ここしか舞台がない状態になると、こっちにしか投稿できない自分みたいなタイプ以外の作家さんもかなり
弊害が出ているかな? 自分は直ぐに思いつかないけど、単純に向こうで投稿できない以外にも困った事はかなりありそう
な気がする

204 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/04/18(日) 00:07:22 ID:f2qUtaR8
方舟メインになるとSSが共存可能だったような
ここだけだと引用を利用する投下とかはやりにくくなりそうですね

205 :200:2021/04/18(日) 00:14:29 ID:vAM0s3He
あと書き込めない人たちも出てくるかもしれませんね。しかし>>200で書き込んだ後に、催促めいた発言になっていたかもとか、
思って慌てて>>202書いてしまいましたけど、良く考えたら。書きあがり次第宣言してここに投下でも大丈夫な訳ですしね。しかし、
未だにネットでチキンと言うか小心者なのが治らないな。こんなんだから投下後に、しばらく動く気も起きなくなるのかも

206 :名無しさん@狐板:2021/04/18(日) 00:16:06 ID:jCZ4Xnq2
シェルターが落ちる事自体は過去にも何度かあったから、そこまで心配はしてない
ただ復旧まで数日はかかるかもしれんな

207 :名無しさん@狐板:2021/04/18(日) 02:49:06 ID:NdINNCgP
2年くらい前にも予告とかは特になしにいきなり入れなくなって右往左往した記憶ありますからね

208 :名無しさん@狐板:2021/04/18(日) 13:36:18 ID:x6AbIGsm
ここのメンツはもし四散してもまたじきにどこかで集結してそうなんだよなぁw

209 :名無しさん@狐板:2021/04/18(日) 14:07:23 ID:7MdpbooA
こんな廃人の巣を潰して廃人どもを世に放つなんてなんて恐ろしい

210 :燻憧:2021/04/18(日) 14:18:57 ID:+eCSHGX2
ツイッターで、スレ作者さんの一人が問い合わせたところ、
料金の支払い方法で不手際があって、未払いにしてしまったそうです。

月曜日の昼には復帰するらしいですよ。

211 :名無しさん@狐板:2021/04/18(日) 14:24:34 ID:vAM0s3He
>>210
報告乙です。その話を聞いてほっとしました。

212 :名無しさん@狐板:2021/04/18(日) 17:34:56 ID:x6AbIGsm
良かった良かった
それはそうとして避難所は欲しいかもだ

213 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/04/18(日) 19:30:52 ID:f2qUtaR8
まだ作業中ですが
せっかくなので避難所を作っておきました。
ttp://shokaku05.sakura.ne.jp/test/read.cgi/reppua7m1/1618741172/

基本の優先順位はシェルター本スレ>避難所>ここ引用スレ

ということで、規制環境やシェルターのSS禁止規約により
小ネタ投下はシェルター本スレ、トラブルや規制があるなら避難所も可
SSは避難所または引用スレ
引用はここ引用スレへというようにしましょう

214 :燻憧:2021/04/18(日) 19:46:19 ID:+eCSHGX2
乙でーす。
明日には小ネタ作っておきたいな、と。

215 :名無しさん@狐板:2021/04/18(日) 20:26:44 ID:C+8Cl6Sl
おつでーす

216 :名無しさん@狐板:2021/04/18(日) 20:36:35 ID:vAM0s3He
乙です


217 :名無しさん@狐板:2021/04/18(日) 21:15:57 ID:Hjpr18w2
乙です
使いたいAA改変できたし私も小ネタ清書して参ります

218 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/04/18(日) 22:34:40 ID:f2qUtaR8
ちょっと今日明日(もしかして明後日)あたりはあまり動けない……
投下していただいたものは楽しみに読ませていただきます!
こちらの小ネタもようやく迷っていた部分が埋まりました

219 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/04/18(日) 22:42:45 ID:f2qUtaR8
今日はとりあえず避難所にて雑談、明日復帰以後はシェルター本スレ。
以後の基本活動の優先度は本スレ>避難所>引用スレとします

220 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/04/18(日) 22:43:04 ID:f2qUtaR8
ttp://shokaku05.sakura.ne.jp/test/read.cgi/reppua7m1/1618741172/

221 :名無しさん@狐板:2021/04/20(火) 00:11:43 ID:7Bl9tswg
これはひどい真・女神転生if 体育館
これは前に>>159から>>162とそれから>>164から>>169に投稿したこれはひどい女神転生ifの続きです


この作品は以下の追加の注意があります。
@ 女神転生シリーズの設定を使っていますが、良く出来過ぎていて二次創作で使われる頻度が多く公式設定と混同されている設定などを作者が分からず使っている可能性が高いです。
A 一応真・女神転生ifの本編に入りますが原作とかけ離れ切っています。
B 女権国家世界の未来捏造。女権国家の横島ヒロインズで人間かもしれないキャラが人間じゃなくなったりしています。
C 作者は真・女神転生Vとライドウシリーズの二つを最後にしたため、仲魔が成長するのはそれだけしか知りません。それまでは悪魔を強くする方法が邪教の館での合体以外はなかった感じです。
このSSではライドウや女神転生Vが特殊環境という設定であり。この2作品でだけ仲魔が普通に経験値で強くなる設定は自分の独自解釈です
D 悪魔の価値観にデビルチルドレン(黒の書と赤の書だけ)が使われています
E 作中の魔石の設定は公式設定かよく使われる二次設定か作者にもわかっておりません。
F 合体後の悪魔の記憶の持ち越しなどについては独自解釈です。

 体育館の門の前で横島は門番を務めていた、一際手強かった金槌坊を切り倒すと息を整えた。

「これで最後みたいだな、突入前に休憩や。回復魔法だけではあかん」

 疲れを取るべく結界を張ると腰を下ろした、横島の横にマイがかける。

「ベッドの外では勇ましくなったわね。ナイトくん」

 なぜかナイトくんという呼び方に嫌な悪寒が走った。これは絶対前世のどれかの記憶だ。マイの自分を捕食したそうな瞳を見て横島は少しでも話題を変える為に気になっていたことを聞いてみることにした。

「マイ姉ちゃん、ここに来るまで戦ったやつら異常に強かったけどあいつらどうしてあんなに強かったんだ」

 ここに来るまで横島達が戦った相手はピクシー、コボルト、ノッカーと言ったそれほど強くはない悪魔たちだった。どの悪魔達も伝承上多数いるとされている悪魔達だ。それを顧みれば個体差があるのも矛盾はしていない。
だがそれでも強い悪魔が多すぎる。この軽子坂高校の異変は一回目ではない。多分パラレルワールドでそれなりに観測されたのだろう。
だからこそ大業を成し遂げて、自分たちの種族の認識を変化させ強化しようという悪魔たちが集まったにしてもこれは異常すぎた。横島の疑問に答えたのは、マイではなく横に控えていた金槌坊だった。

「デビルバスターをしている王配殿には釈迦に説法かもしれませんが、悪魔と言うものは基本的に最初に決められた強さの限界を超えることはありません。一人しかいないはずの悪魔は分霊が群れをなして行動していたりしますが、
彼らの場合は余程の事がないと最初に作られた以上のものにはなれません。彼らとは別に伝承上多数存在している悪魔も種族全体に定められた限界を超えることは難しい。ボルテクス界などの新たな世界誕生の舞台や、
あるいはライドウなどと言った機会に頼らず古のからの術を用いた者たちに使役されて強くなっていくケースなどもあるでしょう」

「そうだな。だがこいつらは明らかにそのどちらでもない気がする」

「『今回』の軽子坂高校は、疑似ボルテクス界と呼べるものになっております」

 横島は驚いた顔になりマイの方を見た。マイは頷いて言葉を返してきた。

「横島、平行世界であんたはかなり格が高い英雄で、人から英霊とか地域によっては神様になれる立場の偉業を成し遂げていたのよ。その英雄の新たなサーガだからそれに出演することで、活躍すれば物語から生まれた存在の連中は種族全体が強くなれる。
だからこそ死に物狂いで自分たちを高めに来るわ。サマナーじゃないあんたも知っているでしょう悪魔の価値観を」

「ボルテクス界作ろうと思ったら世界を生贄にしなきゃ駄目だったよな。どうやったんだ」

「王配殿は向こうの世界で王配殿用の世界が作られる程の神や英霊になり上がっていました。王配殿が死後そこに収まる予定だった神界を奥方達が東京受胎と言われる現象で言うところの、生贄にしたのではないかと。
努力をすれば際限なく強くなれる世界である上に、世界で広く知られるサーガに出演できるとなれば出てこない理由がないかと」


 この業界では神々なども便宜上悪魔と呼ぶが彼らの価値観ではか弱い存在で終わるよりは自我などが失われる悪魔合体で他の種族に転生することの方が、弱者のままで終わるよりはマシなのだ。
だが自分の生れついた種族をそのまま底上げできるならそれに飛びつかない理由はないのだろう。弱いと言われる悪魔なら負けても失わずむしろ善戦すれば、種族の中にも強者ありと認識されて多少は種族が強化される。
彼らの執念が半端ではない理由が良くわかる。

「途中のコボルトの言葉からすると俺たちの戦いは必ず正確に後世に残る仕組みになっているんだな。それをつぶせば士気が下がるか?」

「それは多分無理です。というより不可能かと思います王配殿。今は私の出身世界でもある女権国家と呼ばれる国が存在する異世界と繋がっております。その世界の方の世界の人間たちから注ぎ込まれる感情が悪魔の力ともなるみたいです」

 そこまで聞いて横島も頭を抱えた女権国家のある異世界の話は途中の休憩で金槌坊から聞いた。かつて記録で見たことがあるロウ勢力が牛耳る悲惨な未来から来た40代目のライドウが過去を変えようとしたという事件があったらしいが、それとも少し違うようだ。
その世界も一部同じ伝承の悪魔がいたりして似通った部分もある。だが根本から作りが違う気もする。その世界での信仰心なども力となるならその世界に行けない自分達ではやりようがない。


 気疲れした横島にマイが不意に魔石を使った。回復魔法とはまた違う生体エネルギー=マグネタイトの塊である魔石により精神の疲れまでもが僅かだが癒えた様な状態になる。


「横島、あんまり難しく考えない事よ。此処は青木さんがいた世界と違うけど、似通ったところも多々あり、向こうだけじゃなくてこちらも幾らでも強くなれる。そしてハザマ・イデオとは違うわ。少なくとも今の所は一般人に手を出す気はない。今回の戦いはずっと楽でしょう」

「そうだな。マイ姉ちゃん。今回は全力で戦って俺の前世が何かやった結果なら全力で土下座して、それでもだめなら倒してから、許してくれるまで謝りゃええ。一般人のみんなは絶対に元の世界に戻さなきゃな」

 横島は精神も上向きに戻りつつマグネタイトというものはつくづく不思議だと思った。生体エネルギーでありながら、人々の信仰心や恐怖等からも生まれ。悪魔たちを存在させ時に、実体化させる。魔石はマグネタイトが固まってできたものらしいが、
どういう風に固まるのだろうか? 信仰心や恐怖とかを固めても作れるのだろうか? 自分はさっきまでエヴァとマイに絞り取られていた時、マグネタイトを性交で奪われそして魔石を使って回復させられ続けた。そこまで思い出して、自分の股間が硬くなり掛けていた事に気付いた。
それを見たマイが面白そうに蔑みの目を向けてくる。

「横島、あの屈辱的なセックスを思い出して硬くしているの。今度から魔石で回復される度に立つようになるんじゃないでしょうね? 魔石なしでも戦えるけどマジで恥ずかしいから治してねそれ」

「姉ちゃんとエヴァ様。じゃないエヴァさんのせいやろ」

「今の様呼びはガーディアンを馴染ませる為?それとも癖になったの?」

 笑いながらおちょくってくるマイにたじろぐ横島を救ったのは金槌棒の声だった。

「王配殿、疲れも取れたし緊張もほぐれた様ですな。それでは参りますか。この先に今回の戦いに私が参戦した理由の敵が居ます」


 金槌坊がそう言うと全身から裂帛の気迫が溢れで出した。その様子に横島は一歩引いた。戦場では獅子奮迅だった彼だがここまで、気迫のこもった様子は初めて見た。


 金槌坊が戦闘態勢に入っている中マイも今までの戦いで特に強かったコボルトやノッカーやピクシー等の悪魔を勧誘していた。以外にも彼らは快くそれに応じてきた。横島達の方についても活躍すれば損にはならないからだと思える。
彼らとは短い様で長いダンジョンで苦楽を共にし、何度か休憩中に雑談したりもした。横島と彼らの距離の縮まる速さは非常に早かった。その時間を思い出しながら彼らは門に手をかけた。

体育館への門を開けると青木の記憶と似通ってはいるが大きく異なる魔法陣があった。陰陽道などの知識も多少はある横島には分かったが、これは東京受胎を引き起こした際の術式と一部が類似している。
これが自分の前世の神々が担当する神域を生贄に出した術式だとなんとなく分かった。ここまであっさり分かったのは今のガーディアンのおかげかもしれない。マイは少し術式を調べた後首を横に振った。


222 :名無しさん@狐板:2021/04/20(火) 00:18:22 ID:7Bl9tswg
「駄目ね、ここから働きかけて元の世界に戻れるか試してみたけど、私より数段上の存在が魔法使ったから無理だわ。魔界を踏破して戻るしかないわ」

マイの言葉を聞き横島は諦めたように頷くと、青木の記憶に従い謙虚のリングを探し始める。青木の記憶では七大罪に当たる罪の魔界が作られており、その罪と反対の美徳のリングで魔界の扉が開いていた。ここにもそれがある可能性が高いだろう。


 少しの時間探し続けて、腕輪の様なアイテム謙虚のリングを横島達は見つけた。魔界の封印を解くアイテムだけに聖なる気配を感じる。マイを危険にさらすわけにはいかないと思い、横島が手に取ろうとした瞬間、眩い光が起こり、
半透明な光で出来た美女が現れた。そのサイドテールの銀の髪とその美貌を見て横島は恐怖した。この存在は実態のない精神体だが、今の自分達等用意にひねりつぶせる。確信すると、横島はマイの前に立ち構えた。
自分が死ぬことになってもトラポート=転移魔法を発動させて、マイだけは逃がすつもりだ。それを見てサイドテールの美女は笑顔になった。

「初めまして。私は魔界神、神綺と言います。貴方のお嫁さん達の創造主です。流石私の娘たちが選んだ子ね!予想より早く謙虚のリングに到達したわね。偉い偉い。義母としても鼻が高いわ」

 ここまでは満面の笑みで言っていたが、僅かに眉をひそめる様な表情になった。それだけで、横島の胃が痙攣を引き起こす。目の前の女神がその気になれば、自分達等一瞬で消し去られてしまう。

 横島にとっては永遠にも感じられた刹那は次の彼女の言葉で終わりを告げた。

「それはそうと、マイちゃん。彼が好いた女性には甘いからって鬼畜すぎるいじめ方は程々にしなきゃ駄目よ。この魔界に来てからの貴方達を見ていたけど、いじめ過ぎ。そんなことばかりしていると――」

 神綺の言いかけた言葉に何故か横島は無性に嫌な予感を覚えたが、その言葉は最後まで言われる事はなかった。マイが少しだけ不快そうな様子でその言葉を遮り声を上げる。

「魔界神・神綺殿。此処に来た理由はそんな事を言いに来たんじゃないんでしょう」

「ええ。謙虚のリングを手に入れる前のお約束のボスイベント、リグルちゃんの所から来たアレクシアを倒してからよ。頑張って」


 そう言うと神綺は姿を消した魔方陣から光が立ちゆっくりと何かが現れ始める。その姿を見ながら金槌坊が武者震いと共に槍と金槌を構えた。彼は横島の方を見て熱のある声で告げた。


「横島殿、この世界は女権国家のある世界とは違った世界の方式で成り立っております。そして今我らの前に立つのは、私が生涯で戦うことは不可能だった相手です。アレクシア・アシュフォード。蟻妖怪の頂点にして蟻妖怪の面汚し『だった』女です」


 金槌坊は初めて王配ではなく横島と呼んだ。この体育館に着くまでの短い様で長い時間の中で、横島のマイを護る姿勢にある程度敬意が芽生えていた為だろう。彼は貴人ではなく、尊敬できる上官に対するような声で言葉を続ける。

「女権国家の世界では一人しかいない悪魔も分霊を作ったりする例もありますが、この世界と違い横島殿の様な一部の特殊な例外を除き過去の姿や転生前の存在が別々に現れたりすることはあり得ないのです」

 それを聞き横島は悪魔の中にはセタンタとクーフー・リンの様な子供の頃と青年期の頃が別の種類の悪魔として現れるケースや。
師匠である青木のガーディアンだったシヴァの妻であるパールヴァティもサティーという生まれ変わる前の別悪魔として個別に存在している事を思い出した。女権国家の世界では基本的にそういう事はない様だ。

「お前が倒したい相手と関係あるんだな」

「はい。これから戦う敵はアレクシア・アシュフォード。蟻の遺伝子を用いてウィルスと呪術で人外への転生をしたものです。周りを兵隊蟻やモルモットしてしか見ておらず、多くの存在を不幸にした外道です。
最も現在はリグル様により支配されて、女王アリとしての気構えを叩き込まれ外道ではなくなりました。改心した後はリグル様から新しい姓を与えられ、アレクシア・クイーンアントと名乗っております。私の生前の主君でもあります」

 そこまで聞き横島は何となく、この金槌坊の望みが分った。蟻妖怪として最も唾棄すべき、存在だった伝承の存在と戦えるのはこちらの世界でしかないと思ったのだろう。

 言葉が終わるより先に炎が辺りを包み、青紫のドレスに身を包んだ金髪碧眼の美女が現れた。アリスや夢子と似た金色の髪をしているが、その瞳には子供めいた残酷さと科学者特有の狂気と極一部の貴族が持つ残虐さが感じ取れた。
横島は一瞬でマイの前に立つと、霊波刀を出現させて、アレクシアの視線を遮った。マイは特殊な種族であり霊的な実験価値が高い。この狂った科学者の狂気めいた瞳に彼女を映したくなかった。

 金槌坊もアレクシアに向けて槍と金槌を向けて言葉を紡いだ。

「なるほど我が主君である。アレクシア・クイーンアント様は過去の自分を悪し様に語っておられた。それは、出来た人故に過去の御自分の悪行にも厳しいのだと思っていた。だが今それは実に適切な評価だった事が分った。
アレクシア・アシュフォード、蟻妖怪としてそして用心棒ともみなされる存在として許すべきではない者が眼前にいる」

 金槌坊も用心棒としての側面から目の前の存在の醜悪さを感じ取った様だ。

「働きアリと新しいモルモット達がわめいている様ね。実験を始めましょう」

 そう言うとアレクシアは無数の蟻の怪物をけしかけてきた。蟻を大きくしたようなものや、金槌坊と少し似た存在様々なものが一切に襲い掛かってくる。それと同時にアレクシアの全身が炎に包まれ、衣服が焼失し。
青みをおびた肌の所々を黄色い触手が包む異形へと姿を転じる。それと同時に彼女を包むのと同じ触手があちらこちらから現れ体育館の金属すら破壊して横島達に襲いかかる。


 時に飛びかかってくる触手をかわし、アレクシアの放つ金槌坊の群の攻撃を味方である金槌坊と共に防ぎ、マイの指示に従った仲魔たちが補助魔法を唱え、戦いは一進一退の模様を見せている。
不意アレクシアがマイに向けて炎を放ったマイはそれを受けても怯まず。雷の魔法マハジオンガを唱え反撃した。敵全体に雷が命中したが、一切ひるまなかった。今回は運が悪かっただけか、
それとも雷でダメージは受けても感電体制を持っているのかは分らない。魔法の威力を身を持って知った敵勢力は最初にマイに狙いを定めた。最も果敢に攻め込んで来たのはアレクシアだ。

アレクシアがマイに迫ると横島が割って入って、切り込み劣勢に追い込んだ。アレクシアは心底面白そうに横島を見ると応戦をしてくる。
アレクシアの攻撃は苛烈で狡猾だった。自身を包む触手を時に武器として使い、時には周りの触手が横島に襲いかかる。直に盛り返され横島は劣勢になりながらも、アレクシアを釘づけにしている。
彼は有利ではあるが気をそらすと危ない絶妙な位置の攻防を繰り広げている。
アレクシアは横島にかなりの神経を削られているようだが、それでも周りの蟻のモンスターの動きは一切衰えない。
マイが指示を矢継ぎ早に出し時には指示を出す暇もなく、仲魔達に動きを丸投げする。ここで見込んだ悪魔たちだけにサマナーの指示が途切れても、敗色が濃くはなる様子は見えない。

 激闘が続きアレクシアの攻撃が何度も横島を捕えて来た。彼女の一撃が横島に命中したその一撃は力任せだったがそれでも、横島を吹き飛ばした。
彼が吹き飛ばされた刹那に横島が体制を立て直す隙すら逃さず右腕を包む触手を硬質化して横島の脇腹を貫いた。アレクシアは倒れる横島をしり目にマイに無数の触手をけしかけながら楽しそうに笑う。

「改造の施されていない個体でここまで戦闘力が高いなんて、本当に興味深いモルモットだわ。そして貴女も私のラボでどの生物の苗床にするのが一番相性が――」

アレクシアがマイにしようとする実験内容を言い終わるより先に、激高した横島がかつてない速く鋭い拳を放った。その一撃でアレクシアの体が宙に浮く。
効いたというより驚いた表情の彼女に続いて剣技を放つ。その一撃は彼女の体を切り裂いたが返り血が噴き出し、横島はそれを慌ててかわす。この敵は自分でも炎を意のままに操るだけでなはなく、
返り血でさえ浴びると炎となって焼かれる。しかも相手は異常に炎に強い。最悪死なない程度にわざと血をばら撒き大火事を起こして敵を皆殺しにすることすらできるかもしれない。



223 :名無しさん@狐板:2021/04/20(火) 00:22:42 ID:7Bl9tswg
 返り血をかわした横島はマイの唱えた回復魔法のおかげで傷が癒えて力が戻った瞬間に、アレクシアが拳を繰り出してきた。その一撃は彼を驚愕させた。それはついさっきマイの身に危険が迫った時に、
横島が繰り出した突きと同じ一撃だった。その一撃を受けて、横島は体制を崩しかけたが死に物狂いで踏ん張った。
それをみてアレクシアが再び触手を剣の様に変えて横島の放った剣撃めいた一撃を放ってきた瞬間、金槌坊がアレクシアを金槌で弾き飛ばした。

「横島殿。サマナーに危機が迫ると肩に力を入れ過ぎですぞ。しかし、まさかあれだけの技を一度くらっただけで覚えるとは本当に恐ろしい女です」

 金槌坊の言葉を聞いて横島はほっとした。このアレクシアが覚える技は自分が直接打ち込んだ技だけらしい。無論演技の可能性もあるが見ただけで使えるのなら、もっと使うべき場面は幾つもあった。
下手に技を打ち込むとこの女が強化されるかもしれない。そもそもどこまで自分の技をまねられるかもわからない。一番複雑な技すら真似られるのか? それとも今繰り出してきた二つの技くらいの複雑さが限界なのか?

 アレクシアに新たなる警戒要素が加わり僅かに動き辛くなってから横島達は少しづつ押され始めた。戦いながら横島は周りを見て考える。
アレクシアとの戦いの中でも盗まれる恐れのある技でも躊躇わず一度放って見せて、必要なら使うと示したのち自分は良く敵を薙ぎ払い尽くした。

だが徐々に敵に与える損害が小さくなりこちらの被害は大きくなっている。当初7割くらいはこちらが優勢だったが今では5分に傾きつつある。横島は剣を振るいながら、周りを見ようとした。
だがそれと同時に触手と敵の群れが来て状況を把握させまいとしている。だがこの時点である程度は理解できる。敵は何が何でも横島に全体の事を把握させたくない様だ。
横島は無理やり脳と魂の限界を外し火事場の馬鹿力を引き出した。それと同時にマイに行動を委任された金槌坊が短時間しかできない奮迅を見せて、敵を薙ぎ払う。
横島は飛んでさがると戦場の全体を見た。青木の多くの悪魔を率いて指揮を執り続けた経験の共有もあって直に事態の拙さを理解できた。


今の戦況はアレクシアが信じられない程の早さで学習し成長をしている状態だ。横島と戦い技だけでなく、戦場での呼吸の合わせ方や 体捌きなどを切り合いながら覚えている。
それもアレクシア自身が強くなっているだけではなく、横島やマイの動きや癖をすさまじい速さで覚えている。一番まずいのはマイの悪魔たちを指揮する思考や癖を覚えられていることだ。
マイはサマナーとして培ってきた経験があるから辛うじて互角よりやや上の戦いを演じているが、精神的な疲労が起これば直ぐにひっくり返りかねない。マイが仲魔達に委任の回数が少なくなったのは、
仲魔たちの癖はほぼ完全に把握されたとみるべきだろう。

 機械の様に動きながら自分たちを追い込む巨大蟻と触手と炎の雨にさらされながら、横島は疲労気味の金槌坊を助け魔石を使った。金槌坊の傷がふさがり疲労も少しは和らいだ様だ。横島は敵を切り払いながらマイに向けて叫んだ。

「姉ちゃん俺に一時的に、仲魔達の指揮権を譲渡しろ!」

 マイは迷わず魔術を使いそれを実行に移した。指揮権を譲渡された横島は即座に念話で悪魔達に指揮を執り始める。横島は意識がサマナーに向いていなくても技術自体は高い。
マイの仲魔たちを借りて青木の指示の元マイが指揮をとれない時の代役の練習もしていた。横島が指揮を執り始めた瞬間、五分よりやや有利な戦況が一気に傾いた。マイが魔術砲台と回復に専念し始め、そして仲間たちの動きが完全に変わった。


 横島に指揮が切り替わってから全ての仲魔達が攻撃によりマイの攻撃パターンも大きく変化した。アレクシアはその攻撃を防ぎながら驚嘆していた。
この学校に来てから彼の戦い方はマイを支援し守ることに特化していた。だがここまで指揮官としての能力も高いとは思わなかった。

 横島は指揮をとり全ての仲間たちに指示を出しながら委任をする時は、自分が暴れまわることで敵の陣形をかき回しながら全霊で切り込む。

「凄い、凄いわ。ただの人間でありながらこれ程なんて。仮に貴方を実験台にして強化したら、どれ程のクリーチャーが生まれるんでしょうね」

 斬り合いながら横島は、拙いと思った。戦局的にはこちらが有利だがこのアレクシアの口調は無邪気で残酷な子供の様な声のままだ。まだ負けないという確信があるのだろう。

不意にマイが背後で魔石を使う音がした。彼女の精神的な疲労も回復しただろうが、十全に戻ってもやや有利が良い所だろう。完全に覚えられてしまう前にアレクシアの体力を3割以下に出来なければこちらの負けだと横島は思った。 

勝つ為の思考を巡らせている次の瞬間、アレクシアに操られる蟻の怪物たちが自爆してきた。横島はそれらを辛うじてかわした。防御力上昇魔法ラクカジャで強化された面々も辛うじて重傷には至っていない。
回避率と命中率を上げるスクカジャの加護もあってかわせた面々もいたが、爆発に巻き込まれた仲魔達の傷は深い。マイが全体回復魔法であるメディアラマを唱えた後、周りで攻防が激しくなる。
自爆は悪魔の生命力が削れていれば威力も落ちるが、何時自爆をしてくるかわからない状態では大いに気を奪われる。不確定様子が加わり、気疲れが加速する中、蟻の中には自爆する種類も居たなとふと思った。


224 :名無しさん@狐板:2021/04/20(火) 00:28:14 ID:7Bl9tswg
敵の自爆攻撃が始まってから、横島は余計に劣勢に立たされた。アレクシアが気まぐれにあるいはそう見える様に計算しつくしてやっているランダムな、自爆が彼らを大いに苦しめる。
自爆を食らわずに済むように味方達を誘導し自分自身が率先して蟻たちを削る。

「さあ恋人を護る為に常識外れの力を出すモルモットはどれくらいで神経の限界が来るのかしら。今のところは魔石による回復なしの記録は歴戦の軍人より3分長いけどあとどれくらい?」

最高のおもちゃを見るような目で自分を見るアレクシアを見ながら、横島は全力で青木から受け継いだ想いと闘志を呼び覚ました。かつて青木の経験した軽子坂高校での事件の時、
青木よりもパートナーである赤根沢玲子が死んだ場合の方が失われるものは大きかった。
青木の冒険時は魔法の使えるパートナーは魔法を基本的にガーディアンと共有していた。そして覚えられる魔法には限りがあったのだ。
その結果魔法を多く覚えるキャパシティを玲子が得る前に死ぬと貴重な魔法が新しく着いたガーディアンの魔法に上書きされ貴重な魔法が失われた。
だからこそ青木は魔法の使えない自分が常に先に死ぬような戦い方をして、その速さを活かして玲子の盾であり続けた。
最もそれは半分以上、言い訳であり口実だったのだろうと横島は思う。今自分がマイの盾をしているように、惚れた女に痛い思いをさせたくなかったのが一番の訳だったのだろう。
だからこそ青木も同じ思いを抱く自分にこの戦い方や指揮の取り方を惜しげなく教えてくれたのだと思う。

 だが今はその戦い方では駄目だ。死んでも生き返れる保証はない。だからこそ横島は青木に叩き込まれた戦い方や体術の全てを思い出し、今自分に着いているガーディアン=前世の自分の記憶も引き出し始めた。

 横島の動きがかつて青木と模擬戦をした時に見た青木が見せた様な動きになり、その後に一気に変わった。かつて女権国家で人外の女性を狩り尽くす無数の怪物たちから守った守護神めいた動きと、
青木の動きが融合した独自の型になり、仲魔たちとも連携も青木の戦い方を取り入れた横島のものに変わった。

 アレクシアは横島とそれが率いる悪魔の猛攻を受けながら笑った。その笑みは退屈な問題しか周りになかった天才児が少しは難しさを楽しめる問題と出会ったかの様だ。

「全滅する際も最後まで折れずに最善手を打ち続けた、部隊の映像を見たことがあるけど、貴方の雰囲気はそれに似ているわ。 もしも最後までそうなら結構大変そう」
 
 アレクシアはそういうと全力で横島と周りの仲魔達を観察し始める。少しでも多くの情報を集め些細な癖や動きも完全に覚え尽くし、読み切ることに本気を出し始めた。
今までも手を抜いていたわけではないが、完全に余裕を捨てた感じがする。 

「ほら、頑張りなさい。貴方が負けたらマイは永遠に実験動物の苗床よ。ウィルスを体に打って魔界人はどれくらいのウィルスでゾンビやクリーチャーになるのかを調べてもいいわ。
トラポートで逃がそうとしても無駄よ。今から2時間はテレポートできない妨害魔術でエネルギーをまいたわ」

 炎の荒らしをかわしながら、それでも僅かにアレクシアに届かない横島を見ながら彼女は続ける。

「指揮官として部下を捨て駒にする感性が貴方はなさすぎるわね」

 横島が僅かに疲労と負傷が大きく動きが止まったが、それを見越して指揮をとっておいたため金槌坊や他の仲魔のフォローが直ぐに間に合った。金槌坊は、横島を庇いながら口を開く。

「その通りだ。横島殿がサマナーになれないと断じられたのはこういうところだろう。仮に私の女王であるアレクシア・クイーンアント様が相手だったら、絶対に勝てなかっただろう。
彼女は横島殿と同じ兵を大事に思う女王蟻の心を持ってなお、必要とあれば兵に死を命じられる。だが貴様よりは優れた指揮官であることに間違いはない」

その言葉にアレクシアは気分を害した様子もなく笑った。

「私が未来の私にはともかくその男に経験以外で負けると」

「反逆の恐れから部下である蟻すら機械の様にしか作らない貴様では、我が女王の足元にも及ばぬ。サマナーとしては論外だが、戦友として上官としては称えるに足る、彼の元で兵として勝利して見せよう」

「やってみなさい」

 アレクシアはそういうと、横島の動きをより深く注目し始めた。金槌坊の言葉は明らかに虚勢などではない。むしろ言われた横島が戸惑うくらい勝利を確信している。そしてそれは周りの仲魔たちも一緒だ。
アレクシアはそれを見て初めて焦りを見せた。無数の触手と蟻の魔物たちの攻撃を激化させた。

 激しくなった攻撃の雨を横島は捌きながら全体に指揮を執り続ける。金槌坊の言葉は明らかに虚勢ではなかった。彼は歴戦の戦士であることは間違いない。戦場の経験自体は横島より上だ。
その彼だからこそ当人ですら気づいていないアレクシアを倒せる横島の何かに気付いたのかもしれない。アレクシアは横島がマイに指揮権を戻すのをがむしゃらに阻止してきている。
金槌坊が気付いた事に横島も気づいたとき戦況が大きく傾く。それを理解している顔だ。


 普通なら動揺させられるような苛烈な突撃と攻めを受けながらも、横島は冷静に敵の攻撃を防ぎ応戦し続けた。金槌坊が自分を信じてくれているならそれに答えて見せる。自ら前線に立ち敵を多く切り倒すと、
アレクシアと鍔迫り合いを演じて敵の隊列を一気に乱すと、金槌坊たちを側に呼び寄せる。金槌坊達がアレクシアに食らいついたのを見て、一部委任ではない、完全な自由行動の許可を与えると自分は、一気に距離を取る。
戦局を崩壊させずにいられる時間は長くて一分、短ければ20秒くらいだ。その時間で金槌坊が気づいた何かを探そうとして――次の瞬間アレクシアが多大なダメージを受けて吹き飛び、多くの触手とアレクシアの配下の大半も弾け飛んだのを見た。

 圧倒的な戦局の傾きに何が起きたのか、横島は理解できない。ただ金槌坊のいた所から、アレクシアの配下達が良くしていた自爆と同じ事を金槌坊がしたのだと気付いた。
アレクシアは何が起きたのか分らないという表情をしている。帰り道すらおぼつかないこの状況では、死んだ仲魔をドロップ=捨て去る、ダークサマナーの常等手段を取るしかない可能性が高い。
通常のドロップはただの契約破棄だが、死んだ状態でそれをやられるという事は、彼らを繋ぎ止め呼びもどす枷が消え去り、彼らという個体が完全に近い消滅を迎える事に他ならない。

 アレクシアは混乱の極みにある表情をしながらも数瞬の遅れの後全ての配下に自分の防衛を命じた。次の瞬間、金槌坊の自爆に巻き込まれた仲魔達、彼らは防御していたからアレクシアよりはましだ、だが重症である事に違いはないが。
一切躊躇わず特攻を仕掛けた。肉を切らせて骨を断つというより、命を断たせて肉を切るというその攻撃は確実にアレクシアを傷を与え守りにいた配下達も消耗させた。

「貴方達正気?」

 アレクシアの混乱の声は当たり前の事だ。この戦いが正確に後世に伝わる以上彼らの種族全体は信仰や好感の感情が流れ込み、底上げされる可能性が高い。彼ら自身も信仰が降り注ぎ戻ってこられる可能性もゼロではない。
だがこの行為は限りなく低い確率で得た利益を激減させることに他ならない。横島達が負けてしまっても、死なない程度に不義理しない道を取った場合の方が収益は高いのだ。その問いに最後に残ったコボルトが応えた。

「士は己を知る者の為に死すか。ガラじゃねぇけどこの兄さんが気に入っちまってなぁ」

 そう言うとコボルトはアレクシアに貫かれながらも味方全体の防御力をあげる魔法ラクカジャを唱えてから消失した。

225 :名無しさん@狐板:2021/04/20(火) 00:34:36 ID:7Bl9tswg
仲魔達の行動にパニックになりながらも、この勝機を逃せば敗北が決まる。つまりマイを守れなくなる。それが一瞬で横島の思考のノイズを消し去った。全力で駆けると、アレクシアの懐に飛び込み渾身の一撃を放つ。
覚えられとしてもここで確実に決める覚悟の一撃をアレクシアは防ぐ事が叶わずその一太刀で絶命した。

 アレクシアが倒れた後、横島はマイに振り返ると少しだけ言い淀み口を開こうとした。先んじてマイが応える。

「分っているわ。こいつらをドロップはしないから、安心しなさい。2軍メンバーで何とかやりくりして帰るわ。その変わりあんたには死ぬほどきつい思いしてもらう事になるから覚悟しなさい」

 横島の上役である主家の老人たちが、横島がサマナーにならないとしてもサマナーめいた能力の習得を許す条件は、最後の決定はマイに全て委ねるというものだった。彼は良識的な悪魔たちと共に戦えば、
今回の様な良い結果になるが悪性の存在や、人と愛し方がずれていて周囲に災いを撒く愛し方をする人外への対処が下手すぎるのだ。

「確か師匠の記憶では魔界に行くまで仲魔達は回復できなかったはず。エヴァさん達に頼めばやってくれるかな?」

「とりあえず今は戻りましょう」

 帰り道の横島の戦いは鬼気迫る者があった。自分が不甲斐なければ彼らがドロップされるという恐れも僅かにあったし、何より彼らの為に恥ずかしい戦いは出来ないと思ったのだろう。 

 保健室に戻る為に先に斥候として先を行く横島を見ながら、念話を始めた。

「――ええ、見ていたでしょう感想はどう? 想像はつくけど。ええ、金槌坊達への感情は種類こそ違うけど私たちに向けている想いに近いくらい大切に思っているわ。本当に妬けてしまうわ。
――リグルちゃんにお願いしたい事があるんだけど。――ええ、ええそうよ。悪魔合体の解禁をお願い。――え?良いの?派遣されてくる彼女が嫌がるかと思ったけど、昔とは正反対の良識人なのに良く私の趣味を了承してくれたわね。
良くないとは思いつつ彼を苛めるのは好きすぎる感じかしら。――張り切っているように見えるって、ええ、妬かされた分、頑張って私の性癖も満たして貰わなきゃ」
 
妬けてしまうわの下りは冗談めかして言っているのに嫉妬とそれにより煽られた情欲が大きく籠っていた。


 横島は最新の注意を払いながら出てくる悪魔達を返り討ちにしながら、遂に悪魔の出てこない場所まで到着した。敵の悪魔達としては堂々と進軍してきている時はともかく手負いの獣である横島達を倒しても益は低いと断じたのかもしれない。
彼らの目的はサーガに登場することでもあるのだから。



 横島達は即座に邪教の館とも化した保健室に入った。その瞬間、横島は一瞬で飛びのき剣を抜き放ちかけたが、それは即座に保健室にいた白衣の美女=アレクシアによって阻止された。
彼女は一瞬で横島が飛びのいた以上の速度で間合いを詰めると横島を取り押さえた。僅かに甘い香りを感じた瞬間異常な脱力感が横島を襲い、体に力が入らなくなり、横島は死を覚悟したが、攻撃が繰り出されることはなかった。

「大体の事態は予想がつきました。過去の私の分霊がずいぶんなことをしたようですね」

 その声には礼儀作法と気品だけではなく、横島を子供の頃から後見した老人達や大人の女性が持つ良い意味での貴族めいた責任感と、医師としての仁の念が籠っていた。彼女は優しく横島を抱き上げると言葉を続ける。

「私はアレクシア・クイーンアント。此度の異変は試練をただ厳しくするだけでは、公平ではないという判断があったので、皆様の仲魔たちの治癒も請け負うべくリグル様に派遣されたものです。
女権国家の世界では医療の女神と蟻が穴を掘ることとから罪人が送られる炭鉱労働と絡み、私も大罪を犯したのち正道に戻ったので、贖罪者たちの守護女神もしています」

 横島はアレクシアの匂いを嗅いでから立つことすらままならず、その上思考回路さえぼんやりとしてきていることに気づいた。だが呂律が回らない口を無理やり動かし、どうにか言葉を紡いだ。

「アレクシアさん、どうかあいつらを、仲魔達の治療をお願いひます」
 アレクシアは少しだけ嬉しそうに目を細めたが少しだけ頬を膨らませた。さっき倒したアレクシア・アシュフォードと顔は全く同じなのに、可愛と思える表情だった。彼女は横島の頬をつねった。
そして、大きくなった分身を服の上からさする。気持ち良すぎて逃げようとしても、力が入らず、感電したように痙攣する横島に彼女は告げる。

「私の自慢の家臣も大切に思ってくれるのは嬉しいです。けど一応私も貴方の妻の一人だったんですよ。フェロモンの香水で思考が鈍って欲情している状態でなお、開口一番がそれでは複雑です」

 横島はアレクシアに触られながら、動くことができない。彼女は片腕で横島を抱えたまま、保健室に戻った。そして空いた方の手をかざすと、一瞬で死亡状態だった仲魔達全てを蘇生し完治させた。


 治療が終わった仲魔たちは横島に一礼した後、マイに跪いた。マイは金槌坊以外を送還すると、無言で金槌坊に何かの許可を与えた。金槌坊はマイに再び一礼しアレクシアに向き直る。
 彼の様子を見てアレクシアは横島を寝台に横たえながら金槌坊に向き直る。

「女王陛下、貴女様の汚点である過去の存在を消し去り勝利することができました。もしも、貴女様のお計らいならば蟻妖怪として唾棄すべき存在の討伐できる位置に私を置いてくださりありがとうございます」

「いえ、私の差配じゃなくて貴方の伝承による特性でしょう。この世界だと天使や善神も悪魔と呼ばれているけど、貴方は横島殿が転生を繰り返すうちに何度も彼を助けた、蟻妖怪の集合体のレギオンの一人だから、それで彼に縁ができたのでしょう。
その姿での最後の奉公、大儀でした」

 金槌坊はその言葉を受けると頭を下げるとマイの方に向き直り送還された。それが終わるとアレクシアは横島に言葉をかける。

「私の黒歴史にしたい過去を倒してくれてありがとうございます」

「黒歴史では、ないんれすか?」

「ああいう過去があったから、今では女権国家という国で有数の女神になり多くの人を救えたのです。断じて黒歴史じゃないし、してはいけません。それは彼も含め、私の家臣なら皆知っています。
でもそれはそれとして蟻妖怪としては倒したい悪魔ではあるんでしょう」

 そういうとアレクシアは棚から色々な薬品を取り出し始めた。横島はそれを見て凄く嫌な予感に襲われる。マイの方を見ると横島をイジメて楽しむときの鬼畜めいた笑顔を見せている。
 やばいと思い逃げようとするが、アレクシアにかがされた香水の効果か頭が回らず力も入らない。アレクシアは不意にさっき倒した過去の彼女の伝承から生まれた悪魔らしい無邪気な笑みを浮かべると動けない横島から服を脱がせた。
そして淡々と医者らしい手つきで、横島の分身をさすり始める。横島が射精直前になると彼女は手の動きを緩めた。

「今私が手加減をしなければ射精していましたね。女権国家という男性が女性にベッドの中で勝てないのが当たり前の国に居た頃より、耐久力が著しく低下し、さらにフェロモン香水で筋力弛緩がなければ、手にこすりつけていた可能性が高かったです。
精神の耐久力も同様で、落ちています」

 淡々としたアレクシアの夜の戦闘力の酷評に横島はどんどん自分の分身の力が強くなって行く事を悟りへこむと。そこにマイが嘲笑しながら相槌を返してきた。

「メイドさんに淡々と事務的に惨敗させられてもたくさん出すし、私に罵られたり、足でされても普通のエッチより出すし。今度は学者的な悪口でここまで大きくするとか。貴方どこまで行っちゃうの。
御先祖様たちの墓に土下座したら? ちょっと、また私に馬鹿にされてさらに大きくして。お姉ちゃん恥ずかしいわ」
 
 その言葉を聞き落ち込みきった、横島を見て笑いながらも、マイがアレクシアの方を見て言葉をかける。

「アレクシアさん。一応聞くけど、ちゃんと正当な理由があって横島にそういう事しようとしているんでしょうね? 流石に前世が旦那だったからって合意なしでするのは黙っていられないけど」

「金槌坊と契約した時、後払いで良いと言われていましたよね」

 それは横島にとっても初耳だった。マイと金槌坊が契約した様子をそう言えば彼は知らなかった。納得の色が強くなった、マイにアレクシアは続ける。

「実はあの子――金槌坊はこうなる事を知っていた訳ではありません。ですが、私が今生の彼にも執着しているから、どういう形になるかは分らなくても、少しは彼との関係に便宜を図れないかと思ってした契約でした。
それと、今回の仲魔達と貴方達への治療費を無料とします」

「良し、取引成立だわ。私はエヴァさん達と悪魔合体に付いて話してくるから、せいぜい彼女に奉仕しておきなさい」

226 :名無しさん@狐板:2021/04/20(火) 00:39:35 ID:7Bl9tswg
無慈悲にマイが外に出た後、アレクシアは白衣を脱ぎ去ると、横島の分身を飲み込んだ。香水のせいで馬鹿になった頭がひび割れる様な快感と共に、射精が起こり横島の意識が飛んだ。
彼女は動けない横島の手を掴み自分の豊かな乳房に導くと揉みしだかせる。強過ぎる快感で射精が止まらない横島の一物はアレクシアの乳房が形を変える度に一層激しく射精した。
アレクシアは横島の唇を唇でふさぎ舌を挿入してくる。口で息ができなくなり、鼻から激しく息をするとそのまま香水の香りがより一層横島の鼻に入ってくる。

「女権国家の世界に居た頃より夜は弱いようですね。この体だと快感で精神が壊れるか否かの実験もできそうです。 今恐怖より期待しましたね。何度かマゾになるような性行為をした際に、
それが癖になっているようなそぶりがあったようですが、貴方はやはりそうなのですか」

「ひがう、と思う」

 横島の弱弱しい返答はフェロモン香水のもたらす効果のせいだけではなかった。自分がマイやエヴァ達にされた時、男性優位の性交をした時より大量に射精したことが念頭にあり、自身が持てないためでもある。
アレクシアはそれを見て愉快そうに笑う。と魔石を取り出し横島に使った。生体エネルギーの塊である魔石のおかげで横島の搾り取られた精液すらも回復したが、強すぎる快感の後遺症と敗北感は残っている。
その横島を見て笑いながらアレクシアはいう。

「違うと思いたい、の間違いでしょう。今の貴方は明らかにマゾフィストが理想のセックスをしている時の状態になっていますよ」
 
アレクシアのその言葉にへし折れかけた時扉が開き、マイが戻ってきた。マイのそばにはエヴァとその従者のメイド姉妹アリスと夢子も居る。

「クイーンアントさん、あんま虐めないで。そいつをイジメるのは私の楽しみなんだから。という訳で、私達も参加させて」

 横島はガタガタ震えつつ、自分の分身がマイの蔑みと嗜虐心の籠った瞳で見られた時により固くなってしまったことで、マイだけではなく自分の事も怖くなった。

 怯える横島を見ながらマイは悪魔召喚をした。それを見た時、横島の顔に恐怖が浮かんだ。そこにいたのは今自分を絞り尽くしていた相手と同じ顔だ。ただしその瞳の中には良心の光がない。
弱体化こそしているが体育館で倒したアレクシア・アシュフォードがそこにいた。

「エヴァさん達に頼んで女権国家世界の悪魔達とこっちの悪魔達を悪魔合体してみたの。ちゃんと仲魔達から許可は取っておいたから。あいつら初めて異世界の悪魔と合体した悪魔になれると、滅茶苦茶乗り気だったわ」

 アシュフォードが少しだけ面白そうにマイの顔を見て笑う。

「サマナー、私以外は気づきかなかったけど、早口になっていたわね。彼の目に非難めいた色が浮かんだ瞬間に、仲魔達が乗り気だったと言う当たり、嫌われるのが怖いのね」

 アシュフォードの指摘をマイは少し不機嫌になりながらも認めた。

「まあ、なんだかんだで、ベッドの外では立派な男だし惚れてはいるわ」

 ここまでは、恋人を敬う敬虔な女性の声音で言い、次の瞬間に落差を感じさせる、蔑みの声になる。

「ただし、夜が弱いだけならまだしも、たった数回でマゾに染まる駄目さ加減は割と本気で末期だと思うけど」
 
そういうとマイは笑いながら横島の分身を踏みつける。声の落差と蔑みの目が凄まじい硬さを分身にもたらし、それを目の前の女性に知られているのが余計に横島を興奮させ、焦らせる。

「ほら、守ってくれた男しかも、横島家の当主候補にしていいことじゃないでしょこれ。それをされてこんなに固くする辺り、本当に救えないわ」

 初めてされた時よりは劣るがそれでも壮絶な性技に横島が屈服し、子種が巻き散らかせれると、マイはそれを魔術で分解しマグネタイトとして吸収する。

「一回目より、気持ち良くさせるテクニックを抑えたのに凄い量ね。ひょっとしてあなたはクズな所業をしている女性に虐められるのが好きなゴミなの?」

 そうかもしれないと思いながら横島は思考力を振り絞り、自分でも半分くらいしか信じられない反論を口にした。

「相手が姉ちゃんだからや」

 その言葉を聞きマイの頬に赤みがさした。それを見てアシュフォードが面白そうな顔になる。

「半分以上は取り繕うための言い訳なのに、凄く上機嫌になってるわね。サマナー貴女も彼に対しては相当ちょろいわ。 それと横島、貴方は少し周りを見ることを覚えた方が良いわ。
その状況は事態を悪化させるわ。なぜなら他の――」
 
 他の女性達の様子を見なさいと続くはずだった言葉は、サマナーとしての強権で塞がれた。彼の言葉は怒りではなく、他の女性達の競争心に火をつけてしまった。そしてマイが自分が今回は正妻だという、
自信を深め余裕をもって彼をイジメぬく手段を考え始め出している。
 マイは上機嫌さと嗜虐心をにじませた笑みを浮かべるとアシュフォードに向き直った。

「それじゃあ横島、貴方が苛められている背徳感で負ける変態ではないと証明してもらいましょうか。クイーンアントさんじゃない方のアレクシア犯っておしまいなさい」

 横島の顔が真っ青になった。

「いや、流石に彼女とすんのは、それに契約で無理やりは……」

 悪魔たちは種族にもよるが基本的には貞操観念はそこまで強くない。そして男性サマナーと契約したりする際は、そう言う事も織り込み済みでかわしている事が多い。横島はそれらを咎める気はないが自分がやるのは嫌だと思っている。
その返答にマイは横島の頬を掴み目線を合わせながら言う。

「大丈夫よ。彼女の伝承調べたけど、あんたとそういうことするの嫌じゃないから」

「それは、クイーンアントさんの方やろ。ワイの前世の妻やったらしいし」

「彼女は人でなくなった時から、あんたに執着していたんだって。前のアシュフォードは戦闘態勢に入ってからだったから、そういう感情が目覚めなかったけど、倒されて戦闘態勢が解除されたら逆レされてたんじゃない?」

 マイの言葉が終わるとアシュフォードが横島に覆いかぶさってきた。体が繋がりクイーンアントと同じ気持ちよさ、ただし性的な技術は少し劣るが襲いかかって来た。マイは魔石を取り出し、横島を回復させる準備をする。

「彼女手加減が下手だから、絞られ過ぎて死なない様にしないといけないわね。彼女は、リグルっていう虫の女王に臣従していたらしいの。そして貴方の前世と体を重ねさせてもらえて、
裏切る気が一気に下った伝承もあるから頑張って」
 
 マイの言葉を聞き裏切らせない為なら仕方がないと思った。事実この世界の悪魔は伝承に支配されることが多い。口裂け女などは生まれたてにしては破格の強さを誇る怪異だが、べっこう飴が好物で、ポマードを恐れている。

アシュフォードも伝承から生まれた悪魔であり、本体でないのなら、横島と性行為をすれば裏切る可能性は低くなるだろう。契約が結ばれた以上、必須ではないが生存率が上がるなら、やった方が良い。
アシュフォードは直ぐに横島を押し倒すと滑らかに繋がった。彼女から香るフェロモンが頭をまたボウっとさせてくる。彼女は横島を押し倒しながら言葉をかけてきた。

「今あなたとしていた未来の私は罪を悔いて多くの贖罪を成し遂げて、その償いの完了の証としてクイーンアントの姓をリグル様から送られたわ。でも私はまだ償いが終わってない、外道のままなのよ。
貴方がマイさんの言う通りの変態じゃなかったら、クイーンアントとした時より、射精量は少ないはずよね」

 そういうと彼女は一気に腰を動かした。激しい上下運動を受けて横島は目から涙が出た。それと同時に、良くわからない叫び声が上がる。

 最初にクイーンアントとした時と変わらない量の精液を見てマイが嘲笑の言葉を投げかけてきた。

「一回私の足で抜かれた後なのに、クイーンアントと同量とか、やっぱりあんた性癖がゴミなマゾだわ」

 顔は天使の様な笑顔で声は男の誇りを一番痛めつける侮蔑の言葉のギャップに余計に固くなり、それを見てマイは無言で見下す目で見つめてくる。下手な言葉で罵られるより、答えることを知り尽くしている。


227 :名無しさん@狐板:2021/04/20(火) 00:43:19 ID:7Bl9tswg
アシュフォードは不意に横島の口に乳首を押し込んできた。息ができなくなり、余計に強いフェロモンの香りが脱力と思考力を奪っていく。不意にマイが横島に理解できる思考力が残っているうちにとでも言うように言葉をかけてくる。

「女権国家の伝承だとリグルが褒美としてアシュフォードと貴方の前世と体を重ねた時、強すぎる快感と、屈辱であんたの前世マジ泣きしたんだって。女性が性行為で男を圧倒して当たり前の世界でそれとか気の毒ね」


 わざとらしい、忘れていた振りが込められた言葉が横島を絶望させる。アシュフォードは余計に面白そうに笑った。何度も横島が絶頂させられていると、不意にクイーンアントが後ろから横島に抱き着いた。

「我慢していましたけど、過去の自分の横島様へのイジメようを見ていたら、私もやりたくなってしまいました」

 そういうとクイーンアントは横島の体のツボを押し始める。その度に射精してしまい、何度か意識が飛んだ。横島が倒れると二人は魔石で回復させたのち、同時に横島の分身を乳房で挟んできた。
クイーンアントとアシュフォード双方の乳房は感触が同じだがクイーンアントの方が技術は上だ。しかし、どちらも横島が勝つのは不可能なレベルである。
不意にアシュフォードの方のアレクシアが声を上げた。

「確か横島の家だと女性優位の性交を通じてマグネタイトや生命エネルギーを奪われるのが凄く恥ずかしいことなんだって。それじゃあマゾゴミ男かどうか調べてみましょうか」

 そういうとアシュフォードはクイーンアントと共に胸で分身を抜きながら言葉をかけてくる。

「横島、今度射精したら子種の中の生命エネルギー=マグネタイト私が吸収するからね」

「ちょっと待―― ああ!」

 言い終わる前に四つの双球に包まれ愛撫され射精直前の、それにアシュフォードが舌を這わせると一気に射精し、彼女の口周りと胸を精液が汚し横島は倒れそうになった。
 倒れかけた横島にクイーンアントが非情な声をかけてくる。

「次の射精の際に出たマグネタイトは私が吸収します」

 アシュフォードより優しく、しかし、確実に上手な技術で追い詰め容赦なく舌でなめられると、射精の瞬間だけは意識が飛びそうになる。

「――!」

 凄まじい量の精液が出てクイーンアントの胸を汚すがアシュフォードに出したのよりは少ない。
 マイがおかしそうに笑いながら告げる。

「一度だけなら誤射かもしれないけど、何度も続いたら人としてやばいわ。調べてみましょう」

 二人に交互に射精させられ尽くし疲れ果てた横島にマイが楽しそうに笑いながら言う。

「うん、この実験だけど、一度順番入れ替えてやらないと分からないわね」

 そういうとマイは横島を魔石で回復させると二人の間に返した。今度は、クイーンアントが先に横島の分身が達しかけた時に舌を這わせた。

「――!」

 二人に何度も乳房で射精させられ、その都度アシュフォードが吸収する時の方が大量に精液を出す横島をマイは爆笑しながら罵る。

「あんたは、最低過ぎる女に犯されるのを悦ぶゴミやろうね。決定だわ。 しかも私の罵る声で大きさが増すまでがセットなのね」
 
 横島はマイの言葉が事実かもしれないと思い誇りに大きな傷が入るのを感じた。実際にクイーンガードの性行為は技術がアシュフォードより上で、優しいながらも上下関係をハッキリと分からせるような動きをしてくる。
逆にアシュフォードはクイーンアントより気持ちよくさせる技術は劣るが支配し嬲るような快感を送り込んでくる。それでも自分はアシュフォードの方に多く射精することが多い。マイは笑いながら言う。

「罵られて固くするあんた見てたら、私も虐めたくなったわ。参加させなさい」

 そう言うとマイは服を脱いで魔石を口に含むと横島に口づけをした。正式な術で強化された回復効果が横島を完全に回復させる。
彼女は横島と舌を絡ませ、言葉とは真逆の優しい舌遣いで横島の理性を削り尽くした。それが終わり完全に朦朧として目の焦点が合わなくなった横島に言葉をかける。

「横島、あんた過去に私にベッドで勝った事があるでしょう(全部演技だけど) 横島家の悪徳妖怪を閨で屈服させた性魔術をアシュフォードに使いなさい。
私やクイーンアントに負けるのは良いけど、アシュフォードに負けるのは横島家として駄目でしょう」

 その性魔術は単純に激しい快感を与えるだけではなく、大量の霊力やマグネタイトを打ち込むことで相手の女性の健康状態を良くしたりもできる。ただしやる方の男性の快感も増す。
横島の家の先祖はこの性魔術で悪辣な女妖怪を改心させて配下とした。

「性魔術を用いて完全にアシュフォードを改心させなさい。
その性魔術は元々そういう力があったのだろうけど、言い伝えで信仰が宿りより強化されているわ(私達にとっては余計気持ち良くなって、あんたをいじめやすくなるだけだけど)」
 
 朦朧とした意識で子供の頃から導いてくれた姉の声に従い、その性魔術を横島は使い始める。マイが背中のツボを押して余計に分身に宿る気を滑らかにしていく。
アシュフォードにそれを使った瞬間、横島の意識が一気にへし折れた。強過ぎ快感と出ていく霊気やマグネタイトが増えるほど強くなる快感が彼を一気にへし折った。
 アシュフォードは余裕たっぷりの笑みを浮かべながら腰を振る横島を見て嗤った。

「この程度だったの。一応気持ちよさは増したけど、想像より下だわ。これ女権国家で使ったら奉仕系性魔術の上位くらいが良いところだわ。
 勝てないのは仕方ないけど、先祖伝来の誇りの魔術すらバカにされて余計に固くなるとか、本当にダメな男ね。幻滅したわ。お・う・は・い・ど・の♪」
 
王配殿という言葉を聞いて横島は自分の誇りに凄まじい傷がつくのを感じた。それが何かわからない。だが理解したくないという思いがある。
しかし、鬼畜めいた笑みを浮かべるマイが容赦なくそれを踏みにじった。

「横島、アシュフォードの合体材料になった悪魔は、金槌坊だから」

 その言葉を聞き、横島は確信した。王配殿という言葉はあの金槌坊の言い方と似ている。確信すると共に完璧に別種族になっているとはいえ、
自分をあそこまで敬ってくれた悪魔の記憶も一部継承している相手に軽蔑の言葉を投げかけられていることが彼をすさまじく追い詰めた。
倒れそうになる彼の上でより激しく腰を振りながらアシュフォードは告げる。

「閨の外の貴方を敬う気持ちは一切揺らいでいませんけど、こんな姿あの金槌坊は知らずに済んでよかったと思いますよ。 おや余計に固くなったわね、本当に面白すぎるモルモットだわ」

 心折れかけた横島をマイが普段の横島なら気づかない方が難しい白々しい声で励まし始めた。

「横島、諦めちゃだめよ。魔石は山ほどあるから、彼女を改心させるまで性的に何度でも挑みなさい。横島家の性魔術と貴方の事をお姉ちゃん信じているわ」

 そういうとマイに魔石を使われて回復した横島は何度も性魔術を使ってアシュフォードの内に精を放った。20回達した時にやっと彼女が絶頂を迎えた。
その絶頂を迎えた彼女の締め付けが激しくなり、横島の意識が完全に堕ちた。誰が見ても分かる完全敗北の構図だ。
 それを見ながらマイは無様なコメディアンを見るような笑い方をしながら声をかける。

「横島、良くやったわ。これで彼女が裏切る可能性はゼロに等しくなったでしょう」

 明らかに馬鹿にした嘲笑めいた声だが、疲労とフェロモン香水で朦朧とした横島は喜んだ。

「おお、やったで姉ちゃん」

「それじゃあ。私とクイーンアントさんも満足させてもらいましょうか。あの性魔術女性優位の性行為でも使えるのが分かったし」

 いくら体力が回復できてもこれ以上は快感で精神がやばい。そう思った横島が逃げようとしたが、香水の力で体が動かない。当たりを見回すと、いつの間にかいなくなっていたエヴァとアリスと夢子が視界に入った。

「エヴァ様、アリスちゃん、夢子さん助けて」
 
横島に近づかれた三人は不機嫌そうな顔をした。エヴァが代表するように応えた。

「諦めろ」

「何か怒っとりますか」

「怒ってはいない。妬いているだけだ。前世が夫な男が、目の前で他の女に殺し文句を言ったのを目の当たりにしたからな」
 
それだけ言うとエヴァは横島の口を塞ぐとキスの快感で指一本動かせない。状態になった横島を寝所に横たえて言う。

「安心しろ。『今回は』参加させろ、などとは言わん。ただ近々お前に自分の魅力を刻み込める場を用意してある。その時を楽しみに待て。アリスと夢子は直ぐだと思うがな」

 三人の嫉妬めいた眼を見て震えあがりながら、その時のことを想像すると股間に血がより多く流れ込んだ。それを見てマイが笑いながら、横島の分身を踏みつける

228 :名無しさん@狐板:2021/04/20(火) 00:44:58 ID:7Bl9tswg

「どんな風に虐めてもらえるか想像して硬くなっているわね。これ」

 そういうとマイはアシュフォードに目配せをした。彼女もそれを受けて同時に足で嫐り始める。マイは最大限に固くなった横島に覆いかぶさり体を重ねると分身をあっさりと飲み込んだ。
マイがアリス達から習った性魔術のせいか、繋がった瞬間絶叫しかけたが、それも口で塞がれた。彼女は気持ち良すぎて射精できない状況を作り、耳打ちしながら横島に、子供の頃から逆らえない口調で言う。


「横島、私にもアシュフォードに使った性魔術使いなさい」
 
彼女のお願いと命令の中間の様な言葉に抗えず使った瞬間、横島は一気に意識が落ちかけた。長いこと体を重ね馴染み切った体同士がより強い快感を引き出し彼から多くのマグネタイトを奪う。
完全に気を奪われて倒れかけた横島をより強い快感でクイーンアントが押し倒してくる。彼女に口づけされて口移しで飲まされた薬品が魔石と同じくらいに体に力を与える。そこで不意に体に心地良い異物感が走った。
振り返ると、アリスの指から光で出来た糸が横島の体に入ってきている。アリスは無表情なままマイに声をかける。

「マイ様。これから、契約に乗っ取った処置に移ります」

「分かっているわ。人形劇の技で横島を操ってあの性魔術を連発させて。そうすることで夜の戦闘力を上げないとこれから厳しいと思うから。 対価はちゃんと払うから」

「了解しました」
 
アリスは無表情にそういうと横島の体の中の糸を操り始める。体が勝手に動き再びマイに性魔術を使い一気に意識が落ちそうになるがアリスが魔石を握り占めると魔石が光となってアリスの指から出てくる糸から横島の体に入ってくる。
そうすると体がどんどんと回復してくる。

 横島は何度も性魔術を自分の意思と関係のない所で使い、その度に体がその精液を放出するのに慣れていく感覚を味わった。
これ以上の快感を与えられると危ないと思った直後に、マイがアリスに目配せした。そしてそれと同時に強力な攻撃魔法を放つ前の様な雰囲気を纏い始める。横島の射精と同時に性魔術を使い、一気に絞り取ってきた。
悲鳴をあげそうになった口は即座に口づけでふさがれる。そしてマイの口の中にはいつの間にか仕込んだ魔石があり、口移しでマグネタイトを譲与される。それにより射精が増えてより横島の精神が危うくなった瞬間、
マイはより一層乳房を強く押し付けてくる。快感が超えてはいけないラインを超えたと思った瞬間、射精する一瞬前にアリスの指が動き、横島の体を動かす。その瞬間横島の手が動き上に居るマイの尻を握りしめる。

 凄まじい量の射精が起こり、さらにそれは性魔術で精液が出る際の快感が強化されている。尻を手が勝手に握れば握る程量が増える。その状態は握りしめているのは自分なのに、まるで自分が自分で精液を絞っている様な錯覚すら覚える。
完全に魂が屈服した瞬間。マイの動きが優しい感じに変わり、ゆっくりと横島の分身を絞り始める。一時間ほど優しい性交が続き体力が削り切られるのと反対に、精神は癒され切った時に横島は今夜の性交最後の射精をして意識が落ちた。

 横島の目が覚めると、体が隅々まで洗い抜かれた清潔感がと爽快感があり、マイが膝枕をしながら自分の頭をなでていることに気づく。


「女性上位の性交も軽子坂高校の皆を救うまでの辛抱だから許してね。『あなたが嫌なら』この事件が終わったらもうしないから。それと、エヴァさん達に勝手に貴方を売ってごめん」

「いや、気にんせんでええ。実際今の事態は何が何でも、解決せな。エヴァさん達は信じとる。だが、他の前世の嫁さんたちは何考えるとるか分らんしな」

 そう答えると再び香水の香りで朦朧としながら横島は眠りに落ちた。その後にエヴァとアリス達が部屋に入ってくる。

「アリスちゃん今回もご協力感謝するわ。エヴァさんも色々とありがとう」

「気にするな。アリスからは横島を動かす技を教えてもらっているしな。お前との性行為を見て色々と学べた。いよいよ罪の魔界巡りが始まるな」

 そういうエヴァの顔は嫉妬しつつそれを閨の中でぶつけることを想像し楽しんでいる顔をしている。少し気づかわし気にアリスが声をかける。

「エヴァ良いの? 私たちは直ぐに彼に刻み込む機会が来るけど、エヴァは少し先でしょう?」

「なぁに、少し間を置き耐久力が落ちた時に痛めつけるのも乙なものだ。アリス、夢子、お前たちの方こそ直ぐできるとはいえ、インパクトが薄れるかもしれんぞ」

 妬いてはいるが、焦ってはいないエヴァはむしろ二人を気遣っている様にも見える。夢子は丁寧に答える・

「大丈夫ですよ。 慣れていたとしても彼なら抗うことが不可能なことは私達も知っていますから。もう少ししたら彼の為の剣の作成に移ります」
 そう答えると夢子は横島の頬に手を置き撫でた。マイが目を細めてそれを見る。

 4人の女性達は眠る横島を抱き、あるいは手を添えて、労るが、その姿は永遠の夜の闇を擬人化した女神たちの抱擁を思わせた。
夜の美と眠る時の安心感を与える闇の良き部分と、決して出られない道を閉ざす二つの面が同時に彼に降り注いでいる様に見えた。


229 :名無しさん@狐板:2021/05/02(日) 23:37:05 ID:OO4A8bAH
これはひどい真・女神転生if6 準備編

 これは女神転生ifと女権国家のクロスSSです>>221から>>228からの続きです。以下の注意があります。

@ 今回の話では名前オリジナル国家が出てきますが、女権国家の公式設定ではありません。

A 女神転生ifでもあるけど未成年の飲酒描写があります。

B 剣が心理学的な意味だけではなく、神話的にも男性器の象徴と言うのは、ネット知識+昔どこかの講義で聞いた話から取りました。それと昔読んだ海外小説ラリー・ニーヴン氏のガラスの短剣から取ってます。
その小説だと剣を使って不能治療している魔導士がいました。


 魔界の時間で言えば、体育館での激闘を経て横島達は邪教の館で休んでいた。エヴァ達がそれぞれの分野で自分たちを助けるために色々と新しい実験をしてくれていると聞き、その結果を待つためだ。

 豪華な西洋の風の部屋の中で、横島がベッドの上で横になり死んだように動かなくなっている。疲労もあるが、アレクシアが今は休ませた方が良いと良い、脱力と疲労の回復の促進の香水をこの部屋に充満させていったのだ。
横島は、休んで良いとなっている時はこの香水はありがたいかもと思った。普段の自分なら意識の訓練で休憩モードに切り替えられるが、ここまでリラックスは出来ないだろう。
脱力状態で横になる彼の元に青いメイド服に身を包んだアリスが料理を乗せたトレイをもって訪れた。無表情だが、横島を見る目には思慕と情が垣間見える。横島は少し、驚いた。ここ数日間、自分の所に訪れたのは決まって夢子だった。
意外そうな顔をする横島に彼女は珍しく茶目っ気のある声で告げる。

「どうしました。夢子姉さまではなく、私でがっかりしましたか?」

「そんなわけないだろ。アリスちゃんで不満とか言ったら罰が当たるわ」

 横島の返答にアリスはにっこりとほほ笑んだ。横島はその笑顔を見て魅了されつつ驚いた。彼女は人としての温かみのある人間だと知っている。だが、ここまで感情を見せるのは初めてだ。
困惑する横島に彼女は汁のたっぷりとしみ込んだ鶏肉料理を配膳しながら言う。

「前も言った様に私は前世で貴方の妻でした。そして今生では貴方と結婚しない約束を貴方の前世としました」

「それはまた、前世のワイはアリスちゃんのどこが不満やったんや? ありえんだろ」

「別に不仲になった訳ではありません。好きな相手と過ごしていても、疲れる事はあると聞きます。それで前世の貴方は休憩をする形で今生は休みたいと思った様です」

 なんとなく横島にも前世の自分の気持ちが解る気がする。アリス達との性行為は気持ち良過ぎて、意識が飛ぶ事もしばしばだ。自分を心底愛してくれている幸福感などもあり、嫌ではない。
だが、嫌いなわけでなくても距離を取りたい時間が生じるのも分る。考える横島に彼女は言葉を続ける。

「その際に私は貴方が来世の来世、つまり貴方にとっては来世が来るまで、感情を抑えて過ごす為に作った疑似人格みたいな部分などです。別人という訳でもないのですが」

「感情が気迫で淡々としとるのはやっぱり、ひょっとしたら俺と今生で結ばれないせいで、ショック受けてそうなったのか?」

 心配そうな顔をする横島にアリスは嬉しそうに首を横に振った。

「そんなことはありません。不義理された訳ではなく、来世の来世では再び私の所に来てくれるつもりでしたから。ただ、来世の来世まで早く時間が過ぎてほしいと思ったのと、我慢できなくなると悪いから感情が希薄なメイドという人格を作っただけです。
最近は貴方と性交したり、添い遂げられるかも知れなくなって感情が溢れ気味になってきているようです」

「契約ではなく約束ってことは、別に破ってもアリスちゃんになんかペナルティが行くことはないんだな?」

ここで真っ先に自分を心配する所も好いた理由の一つだと、アリスは思った。

「ええ。そんなことにはなりません。それに前世の貴方は私を信じてくれていたし、破っても落ち込みはするけど我慢してくれる様な人です。 というより人でした」

 現在進行形でそうだと思ったが横島にしてみれば、前世は別人なのだろうと思い言いなおす。その間もアリスの流れる様な給仕の手は止まらない。
 配膳が済むと横島は勢い良く食事を始めた。疲れが抜けない自分にはありがたい、胸肉のソースにだが、柔らかくなり過ぎない様に適度に硬さを残している。噛みちぎった時のプツンとした感触が好きな自分の好みを良く考えてくれている。
 夢子もこういう料理の仕方に長けていたが、前世の自分の好みに合わせて作ったのだとしたら、魂は食の好みにも影響を及ぼすのかもしれない。
 自分の作った鶏肉の煮込みを食べる横島を見ながら、アリスは告げた。

「横島様、ここ数日私たちは皆さまを手助けする新しい試みをしていました」

 食べ終わった、横島は胃に血が行ったのとクイーン・アントの香水で余計にぼんやりとしながら、言葉の続きを待つ。

「もう知っていると思いますが、今回の罪の魔界巡りでは、金槌坊やアレクシアの配下たち以外の、女権国家の悪魔達もこの世界に来ています」

「それの何が拙いんだ。金槌坊はこっちの世界と同一の伝承だったみたいだけど、普通に俺の攻撃が効いたぞ」

「問題がある、と言うより横島様たちの戦力を強化する方法が見つかったから、その準備をしているのです」
 
アリスは少し考えてから口を開いた。
「こちらの世界では神が人を作ったのか、人が神を作ったのかと言う、問いがあります。どちらが正しいのかはわかりませんが、デビルサマナーの方々が使役したり、倒している相手は人が作ったものであることが大半です」

「ああ。個人的には人を作った神様とかのガチモンの存在も否定しきれん気がするけどな」

「はい。女権国家の世界では、神が人を作った世界。正確に言うとそう思われるほど、神秘のエネルギーマナが溢れています。その為か人が作ったわけでもない悪魔や神々が多いのです。
その為かこの世界基準の悪魔は若干誕生し辛いのですが、すごく良く出来た怪談や神話があり広まれば生まれることもある。という感じです」

「そこら辺はこの世界と一緒か」

「アレクシア・アシュフォードは金槌坊とこちら側の悪魔との三身合体で誕生しました。つまりあちら側の伝承の神々なども呼び出せるようになるのです。こっちの悪魔と向こうの悪魔の合体が初めてだったせいか、合体装置の調整に時間がかかってしまって」

「新しい試みってひょっとして故障したんか」

「いえ。準備を重ねていたので故障は致しませんでした。ただ準備を重ねていてなお機械に相当な負担がかかったので、理由の分析や改良を重ねておりました」

「そうか夢子さんが俺の面倒を見に来てくれることが多かったのは」

「姉さんは剣担当ですから。比較的スムーズに進んでいました。知っての通り横島様に今着いているガーディアンは向こうの世界の悪魔です。前世のご自分が神として、語り継がれた姿を悪魔と呼ぶのも少し変かもしれませんが」

「まあ。サマナー業界じゃ人間に無害、どころか有益な善性の神様や天使も悪魔呼びやからな。 それより夢子さんの方がスムーズに進んでるのはなんか訳ありなのか」

「ええ。それを話すのは少し、別の所から話さなければいけません。その方が分かりやすいでしょうから」

アリスの言葉に横島は頷いて続きの言葉を促した。アリスは少しだけ考えると人形達にホワイトボードを持ってこさせた。アリスは人形達を捜査してホワイトボードに枝だらけの大きな木の絵を描かせた。双方の木は大きく離れている。
だが両方の木に一本だけ異常に長い枝があり、その枝同士が触れ合いそうな位置にある。

230 :名無しさん@狐板:2021/05/02(日) 23:41:00 ID:OO4A8bAH
「世界樹で例えて説明させていただきます。右の木がいま私たちのいる世界です。左は女権国家と言われる国のある世界です。実際の世界樹とは大分違いますが、あくまでも例えです」

「ああ。続きを頼む」

「一本の大きな木があり、様々な結末によって分岐して枝が増えていくとしましょう。この枝は王国が女権国家のとの戦争で引き分けた世界線。こっちの枝は負けた世界線。これは勝利した世界線です。
住んでいる人間や悪魔達が虫や生き物だとして、その生物の活動で枝が増えたり伸びたり大きく変化していきます」

「ああ。大体分かるぞ。アリスちゃん、その特に目立つように描かれている隣接しそうな二本の枝は? 目立つ書き方したってことは意味があるんだろ」

「この二本の枝が私たちの出身世界であり横島様の前世がいた世界でもある世界と、いま私たちがいる世界です」

 アリスの声の調子からここから本題が始まるな、と横島は思った。彼女は自身もホワイトボードの前に立ち言葉を続ける。

「この二本の枝は他の枝と違い影響を与え合う可能性も極度に低い独自の伸び方をした枝です。この枝同士の方が同じ木から伸びている枝より近いでしょう。ここまで近づいたことで、この枝同士が様々な影響をもたらし合うようになったのです。
実際は世界樹の空白はとても大きいのです。この程度の距離でもこの木の上に生物たちが飛び越えることは至難の業、それは概念の存在である悪魔などの人外も例外ではありません」

「女権国家の一部の悪魔達はこの枝を飛び越えてこちらに来ているか。恐らくは同一伝承の存在とかは来やすいんだろうな」

「ええ。その通りです。 ここからが本題ですが、この枝同士はお互いに影響を与え合いやすくなっており、この枝同士に限っては微弱な電波を受信しあったり、極まれに飛行能力の高い生物だけは片方の枝に飛び移ったりしています。
そうすることでこの枝の生態系だけはお互いに大きく変わっていくとしましょう」

「ああ」

「例えると悪魔達は辛うじてたどり着くことができる飛行生物です。対してガーディアンはこちらの世界でもそうですが実体化していない悪魔だから枝から出ている電波などに近いのです。ここまで理解していただければ、本題も理解していただけるかと」

「大体わかった。教えてくれるか」

「この世界でもそうですけど。ガーディアンは基本的に実体化できない悪魔で、例えれば電波などに近い存在なのです。そしてその電波の影響を受けた生物が変化するのがガーディアンが宿って変化した人たちです。
横島様の前世はガーディアン状態の悪魔だからあっさりとこちらに来ました。言わば横島様がその電波を受信して変化した生物です」

「よくわかる。それが夢子さんの方がスムーズに進んだ理由と関係あるんだな」

「はい。夢子姉様は向こうで刀鍛冶の女神としても崇められたりもしています。本人が剣を具現化できるからです。横島様の前世が使う剣を作成したり、霊派刀を具現化させる際の師匠をしたりもしていました。
姉さんの場合は、こちらで剣を作り向こうの世界の伝承が産む信仰をという電波を剣に当てるだけから、ガーディアンをくっつける私より楽だったそうです」

「そうか。夢子さんが作ってくれた物なら持って行こうと思うぞ。でも、かさばるかもな。しかし、有った方が良い物ではあるしな」

 実際にデビルサマナーは多くのアイテムを携帯することができる。青木達の戦いでは威力銃は店やで変えたが 剣などの近接武器は貴重だったし、属性次第では威力が劣る者でも使えたので、捨てたことは少なかった。
だが横島の場合は修行次第で霊波刀の威力が上がるし、霊波刀が出せなくなる前には撤退しているのであまり抜く機会はないかもしれない。ただ霊波刀が出せなくなった時の為に持っていて損はないとも思う。

「回復アイテムとかをたくさん持って行った方が良いし。多くても二本までだな」

 マイにも使用可能な剣を一本自分が霊波刀を出せない時の為の非常用の剣を一本といったところが一番だと、横島は思った。場合によっては霊波刀と合わせて使ったり、マイの剣を自分が使う事もあるだろう。

「夢子さんは多分、俺の前世のどれかが用いた剣を打ってくれているんだろう。二振りまでで良いと伝えてこないとな」

「その必要はありません」

 低く綺麗な声に振り向くと夢子が部屋の中にいた。ドアの前に立っているが、ドアを開けた音すらさせずまるで、最初からこの場に居たかの様だ。彼女は優雅に一礼すると横島に口上を述べ始める。

「横島様、剣はもう打ち終わりました。ただ『今』貴方様が使えるのは二振りまでかと。それと伝言です。エヴァ様とマイが呼んでおります」

 夢子とアリスはマイに対する呼び方が安定しない。前世からの付き合いであり身内であった機関もあり、そのせいらしい。 アレクシアの香水の効果で動くことすら億劫な状態である体を引きずりゆっくりと歩む。アリスが光る糸で手伝おうとしたがそれは止めた。
これくらい強い脱力感は滅多にない。これに抗うのも意思力の訓練になるだろう。


 ほどなくして客室に付くと、マイとエヴァが待っていた。エヴァは自分の実験成果を横島に披露できるのを楽しみにしていた様だ。子供の頃から横島が凄いと素で称賛すると、照れつつ喜んだ。
横島が脱力の極みにある事を察してか椅子を用意して座った後に声をかけてきた

「横島、女権国家の悪魔たちとこの世界の悪魔たちを連続で合体できる様にしたぞ」

「そりゃすごいな」

「喜んではいるが少し怯えているようだな」

「ああ出来れば、金槌坊みたいな男悪魔が良いな」

「なんで? ドスケベ小僧のあなたらしくもないわね」

 マイのからかう様な口調に、横島は首を横に振って言葉を返す。

「正直、マイ姉ちゃんで俺は手いっぱいな感がある」

 横島のその言葉に周りの気配が変わりかけた。

「それはどういう意味だ?」

 エヴァは横島の言葉の意味を計りかねているようだ。訳もなく体を重ねた女を切り捨てる様な男じゃない事は、この場に居る全員が知っている。この発言もエヴァ達と縁を切りたがっているとは断じられない所ではある。
それが分っていても、多少の不安は覚えたのだろう。エヴァの少し硬い声での問いに横島も真面目な声で応える。

「マイ姉ちゃんはアリスちゃんと夢子さんから性魔術習ってから、ベッドの中では俺が足元にも及ばないレベルになっちまった。そのマイ姉ちゃんでさえ、皆さんの中では夜の戦闘力は一番下だ。
 姉ちゃん相手にすら本気だされたら壊れるかもしれない俺が、女権国家のサキュバスとかと出くわしたら死ぬわ」

 横島の応えにマイ以外の面々は安心した様子になり、マイは少しだけカチンと来た様子になった後、見かけだけは天使の様な笑みに変わった。エヴァはそれを見て、内心横島に同情しつつ言葉を返す。

「安心するが良い。私達は女権国家世界でも上の方だ。この世界に来てからお前との閨事は手加減していた。だが、お前にもまだ伸び代がある。私たちが本気を出しても壊れない所まで行けると、私は見立てている」

「そうですか。まあサキュバス系の悪魔を呼び出さなければ、大丈夫ですね」

 その横島の発言にマイが笑顔で言った。

「エヴァ、女権国家の性魔術に長けた悪魔のリストと伝承教えて、愚弟が一番呼んでほしくなさそうでかつ、性魔術を人間に伝授するのに長けている逸話のある悪魔でお願い」

「ちょっと姉ちゃんそれは流石に許して――」

 良い終わる前に、マイとの契約に基づいたアリスの糸が現れ横島の体に入り込み、マイの足元に横島を転がす。マイは魔法でも使ったかのように横島の下半身を露出させると、一瞬で素足になり、片方の足を口にもう片方の足を分身に当てる。

「この中で一番下なんて言われて女としてのプライドがお姉ちゃん傷ついたのよ。だからもっと、貴方をギャフンと言わせないと気が済まなくなったわ」

231 :名無しさん@狐板:2021/05/02(日) 23:45:14 ID:OO4A8bAH
「フゴー、フゴー、フゴー、フゴー、フゴー!(姉ちゃん、俺じゃもう勝てないって。これ以上姉ちゃんに成長されたら、俺、色々とやばいんだ)」

 マイは横島のマジ泣きしながらの訴えを理解できてないふりをしながら、心底楽しそうに足を動かす。彼女の分身をこする足が性魔術でピンクに近い紫の光を帯びている。

「気持ちよがってはくれているけど、これでもアリスちゃん達よりずっと下なのよね。精進しなきゃ♪」

 マイの足は何度も寸止めをした後、横島の頭にマイの掌から生じた光が当たる。これは魂を多少なり操れるマイの術だ。男としてのプライドが強くなる様にすると、容赦なく横島を射精させた。

「愚弟が恥ずかしい思いや、屑な所業する女に虐められて興奮するゴミだから、こんなに射精してくれたけど、本来はもっと少ないのよね。頑張らなきゃね♪」

 わざわざマグネタイトとして吸収するのを遅れさせて、どれだけ出したか見せつけて横島の脳裏に焼き付いたのを見てから、彼女は精液を吸収した。
 マイも本気で怒っているわけではない。半分以上はいつものじゃれ合いでもある。軽い嫉妬を覚えつつエヴァは話を本題に戻した。

「とりあえず今回は傲慢会に行く前の準備だ。横島お前のガーディアンとの同調率を上げる。そして新しい剣を使いこなせるように処置をとる。それと悪魔達を女権国家の悪魔とも合体させて作成するぞ。それで良いか?」

 横島は男の誇りが死にかけたのと強すぎる快感で虚脱状態だったが、仕事のこととなった瞬間に直ぐに意識を取り戻した。

「おお。悪魔合体の事に関しては全部姉ちゃんに任せる。俺を強化するのに必要なことは何でもやってくれ。前世の嫁さん達の意図は読めんが、エヴァさん達が協力しているってことはそこまで邪悪なことではないかもしれん。
だが、一般人が巻き込まれとる以上は早く終わらせんとな」

 説明するための客室から悪魔合体の部屋に到着すると、横島の為に特攻を仕掛けてくれた面子が、横島に手を振ると悲壮感を感じさせない足取りで合体機の中に入っていった。
 マイが2軍と評した面子たちでさえも、決して弱兵ではない。むしろ並みのサマナーなら主力にする人もいるくらいだが。今回の事件に挑むには力不足だ。
もしかしたら傲慢会では、一歩入った途端現時点で最強レベルの悪魔を連れていないとダメな可能性もある。石橋を叩いて渡る精神が必要だろう。

 合体はスムーズに進み、12体の悪魔の内2体が女権国家出身の悪魔であり。女権国家出身のピクシーとインプが使われる予定だ。まずはインプを入れた三身合体が行われた。
最初の一回でいきなり合体事故の音がした。ただならぬ気配を感じた横島は即座に動き、マイを庇う。
悪魔合体で事故が起きると、稀に本来ならサマナーが扱えないレベルの悪魔が生まれる事がある。そういう場合でも、合意の上で仲魔にした悪魔同士の合体ならサマナーのレベルを上回る悪魔でも従ってくれる。
だがそれはこの世界の悪魔同士の場合だ。女権国家の悪魔が混じった悪魔がそうである保証はない。

 マイを庇う横島は突然弾丸の様な速さで詰め寄られ抱きつかれて押し倒された。目の前の存在は長い黒髪をした、耳のとがった美少女だ。彼女は笑顔で横島に頬ずりしながら言葉を言った。

「僕はコンノ・ユウキ。妖精郷の騎士であり。善行をなす冒険者たちと人々の夢守る夢魔と妖精を兼ねる騎士さ。
魔獣であるレディキラー・ウェポン達との戦いで繰り広げ、あらゆる悲劇と善良な人々の悪夢を終わらせて『絶剣』の名を得た剣舞を君達に捧げるね。コンゴトモヨロシク」

 言葉を言い終わるとユウキは横島に突進し強く抱きしめた。小さいにもかかわらず、彼女の体捌きも膂力も横島より上なのはわかる。何よりも横島は敵意のない女性に手荒な事は出来なかった。

 エヴァはユウキを見ながら珍しい物を見る目で見た。少し考えると納得めいた声をあげる。

「ユウキ。お前の本体も分霊を作ったか。本体はやはり担当している罪の魔界に居るのだろうが、どの程度同調している。余り向こうに情報が流れる用なら、邪教の館の主として看過出来んが」

「大丈夫だよ。合体したり、完全消滅した時だけ本体に記憶がフィードバックするし様だから。それと僕の本体が担当している罪の魔界の決着がつくまでは、記憶封印される様にしてあるから」

 天真爛漫な笑顔で彼女は笑いながら言葉を続ける。

「本体があんまりマイさんといちゃついていたので妬いて僕を送り込んだみたい。僕も本体と比べると弱いけどね。なにしろ伝承の一部分を切り取って信仰されている部分だけだから」

 横島に抱き着く彼女は気を許し切ったペットが主人にじゃれているようにも、あるいは子供が心から可愛がっているペットに抱き着いているようにも見える。

「あの貴女はやはり俺の前世の妻の一人でしょうか?」

「うん。僕はユウキさっき名乗った通りの存在で、妖精郷の騎士であり冒険者でもあるそして――」

 ここまで言うとユウキは横島の唇を奪った。雷に打たれた様に横島の動き止まったのを見ると彼女は面白そうに言う。

「前世で君の奥さんだった女性でもあるんだ。 前世と比べてでも横島は女性からの快楽攻撃に対する耐性が落ちているね〜。 前世の君なら舌を入れられるまでは持ったよ」

「そうか。ワイは男が女に性交で勝てなくても当然の世界の男以下か」

 落ち込む横島を見て、ユウキは怪訝な顔をした。そして疑問気に横島に問いかけた。

「女権国家の男たちは別に夜の戦闘力低くないよ。 女権国家の女性達が桁外れすぎるだけで、耐久力に関してだけはこの世界の本職より凄い人が多いと思うよ。なんでそんなに落ち込むの?」

 そこまで言ってユウキは何か思い当たった表情になると、マイをにらんだ。

「マ〜イ〜、君また横島を虐めるために一部情報を伏せたりしたでしょう? この世界では女性優位の性交が恥ずかしい家に生まれたって知っててそういうことしたんだね。
君が逆光源氏すると横島が毎回凄く良い子に育つから、余計にイラつくんだけど」


 そういうとユウキが剣を抜きマイに向けた。マイも迎撃の体制をとりながら軽口を返した。

「あらあら、無能男トレーナーのユウキちゃんが何かほざいているわね。戦闘能力以外を伸ばすのが下手で、女たらしにしたり、やばい女ホイホイに磨きをかけさせたりした無能が成功者を妬んだ遠吠えを上げているわ」

二人のやり取りは本気で険悪な感じではない。明らかに喧嘩友達同士のじゃれ合いめいた空気だ。それでも横島は霊波刀を構えマイを庇う様に割って入った。

「ユウキちゃん。俺の為に怒ってくれるのは嬉しいし、本気で姉ちゃんを害そうとしてるわけじゃないのは分かる。けどな、冗談でもサマナーに剣を向けるのはこの世界だとシャレにならないことなんだ」

 横島もどこまで本気で止めればいいのか分からないと思った。だが、直ぐに戦闘に入れる状態は維持する。
 ユウキはその横島の構えを見て嬉しそうな顔になった。

「劇的に強くなったのは最近だけど、子供の頃から真面目に鍛えていたんだね。本当に女の子のために頑張る君は格好いいや」

 横島はユウキが剣をしまったのを見て安心した。ユウキは横島のガーディアンを見て嬉しそうな顔になる。

「放浪騎士タダスケじゃないか。マイが姉として接し、僕が魔法戦士としての師匠をした君の前世の一人だよ」

 ユウキはガーディアンと横島を交互に見比べ口を開いた。

「今の時点でもガーディアンとの同調率は普通に凄いけど、もう少し上に行けると思うよ」

 横島はユウキの言葉を嘘ではないと思ったからこそ疑問を抱いた。これ以上同調率を上げるのは無理だと思う。青木を宿していた時でさえ、時々本当に自分の一部だったと勘違いすることは何度かあった。
だが今のガーディアンは完全に自分の部品だった様に思うことが多い。これ程体に馴染むガーディアンは他の自分の前世達くらいしかいないと思う。


232 :名無しさん@狐板:2021/05/02(日) 23:50:03 ID:OO4A8bAH
 横島の疑問を読み取ったユウキはさらに言葉を続ける。

「戦闘や鍛錬での同調率の底上げとか独力でできることはかなりやったのは分かるよ。あとは一人ではやれないことで君を強化するしかない。 悪魔合体が終わったら、君の力を引き出す処置に移ろうと思うけどいいかな?」

「ああ今は少しでも早く強くならんといかん」

 やり取りが、終わるとエヴァが再び合体に移った。女権国家出身のピクシーと二体の悪魔を入れて合体させると再び、合体事故が起こった。横島は再び霊波刀を具現化させてマイを守る様に立った。
エヴァ達の邪教の館の主としての責任感を信じてはいるが、万が一の可能性は常に考えておかなければ。
今回の事故で生まれた悪魔は気配だけで、ユウキ以上の強者だと分った。彼は気を引き締めると最悪の場合に限りだが、初の共闘をすることになるユウキの方を見た。彼女は凄く嬉しそうな目をしている。

 煙が晴れるとそこには妖精が身を包む黒紫のゴシックドレスめいた服を着たユウキと似た顔立ちの少女がいた。彼女とユウキは似ているが、違う部分もある。特に顕著なのは瞳だった。
ユウキの瞳ははっきりと見開かれていて、周りを元気づける無邪気な子供めいた光がある。それに対して目の前の少女はおっとりとし感じの雰囲気の細められた目をしており、包容力を感じさせる優しい目をしている。
人を安心させる優しげな瞳は魅入られると神隠しが起こる森の夜を連想させた。優し気な瞳に背筋が凍る様な寒気を感じたのは、横島自身が同質な女性達の魔性に当てられているからかもしれない。
彼女は横島を見ると吸い込まれそうな優しい笑みを浮かべ口を開いた。

「私はコンノ・ラン。妖精卿のドルイダスにして剣を振るうものに祝福を与える支援者であり、夜の闇の中で得る眠りと夢の安息を与える妖精。 
かつて数々の忌まわしき偶然が重なり生まれた痛ましき、レディキラー・モンスターズ達を安らかな死の眠りと、輪廻への旅立ちを与えた魔術と剣を貴方たちに捧げます。コンゴトモよろしくお願いします」

 エヴァは頭を抱え、ユウキは嬉しそうに彼女に駆け寄って彼女に抱き着いた。

「お姉ちゃん。やっぱりお姉ちゃんも僕と同じ形でこっちに来たの?」

「ええ。私の本体も大分焼きもちをやいて。焦ったみたい」

 二人のやり取りを見たエヴァはため息をつくと、横島の方を見て口を開いた。

「すまんが、サマナーであるマイにだけするべき話がある。少し外してくれるか」

 横島は頷くと外に出て行った。それを見終えた後、エヴァは二人を見て口を開く。

「あまり我慢させすぎると、夜の加減を誤ってあいつを壊しかねないとは思っていた。だが、もう少し我慢できなかったのか?」

 ランはゆったりとした余裕のある笑みを浮かべながらエヴァに返事を返した。

「それは本体に言ってあげて。と言うより私たちが既に言ったわ」

 二人の余裕のある態度を見てエヴァは何かを察した表情になると、口を開いた。

「お前たち横島と共に戦ってきた悪魔達の記憶を向こうの本体に送ったか」

「ええ。横島君のマイさんだけで精いっぱいという趣旨の言葉が原因ね。不安が爆発して私たちを送り込んだけど、彼と共に戦った仲魔達の記憶を共有して安心していると思うわ。彼、本質は全然変わってないから」

「それならば良い。それとマイ、お前も少し大人気ないぞ。横島を壊さないように快感を与える機能を制御しているからあの評価は当然だろうに」

 エヴァの良識的な注意にもマイはどこ吹く風という様子で答えた。

「感情と理性が手を取り合うことなんかめったにないでしょ。それに本気で怒ったわけじゃないし、次の傲慢界が楽しみになる内容だったわ。私のリミッターも外せるしね」

 マイの楽しそうな笑顔を見てエヴァは少し羨ましそうにした後、直ぐに気を取り直し周りに声をかけた。

「とにかくランとユウキが来るのは予定外過ぎたが、結果的には好都合だ。あいつを快楽に染め上げるだけではなく、この世界の後見人たちが良識人であったが故に義理を感じているあいつの為にもすべき処置は増えたからな」

 エヴァの声にユウキが弾むような声を出した。

「うん。ガーディアンの力をほぼ完全に引き出せているから、今度は今生の横島が潰れない程度に一体化させなきゃね。そうすることで彼を『色々』な意味で強くしなきゃ」

「この世界と女権国家、どちらの世界の文化も優れたところと劣った部分がある。だが女性の性的な強さと男性の快感に対する耐久力は明らかにあちらが上だ。横島の奴がマイだけで手いっぱい、などと言うのも分かる」

 実際に今の時点で告白しても体を重ねた以上彼は責任を取るだろうという信頼はある。サマナーの世界では儀式で体を重ねた相手に責任を取らなくても非道徳ではないにもかかわらずだ。
そういう男だと分かってはいても、弱音を吐かれた時に走った氷の剣が背に刺さったような感覚はまだ生々しい。ユウキ達の行動をあまり咎める気になれないのはその気持ちが分かるからだ。

「そうだね。意中の相手が快楽に弱いのも良いことばかりじゃないね」

「とりあえず。夢子とアリスだけでやらせる予定だった処置をお前達も手伝え。それとその時の性交の記憶も本体に送ってやれ。そうすれば流石に、担当の魔界まであいつが行くまでは持つだろう」

「了解! 僕体を張って彼を堕とすの頑張るよ。それにしてもこの世界って不思議だね。女権国家でも、伝承の差異とかで別の存在扱いされたり、信仰で力が少しは左右される事はあったけど、人間時代の感性で言うと服や装備品が増える程度だったんだ。
でもこっちだと装備品や服が自分の分身みたいになることすらある。本当に不思議だ」

「私は伝承が分離していないし、死んでいない為かその感覚は理解できん。興味深いから今度お前の血を吸わせてくれないか?」

「良いよ。 それにしてもこっちの神様の神話を向こうに広めて向こうに連れて行くとどうなるんだろう。僕たちみたいに本霊が一人で、他の名前や伝承が違う分霊は装備や服みたいになるのかな?」

「この計画が始まった時点で、もう二つの世界は混じり合っている。完全に一つになる事はないがお互いに影響を与えあっていくだろう。だが意図的に異世界を絡めて大きな変化をもたらそうとするのは止めておけ。そうすると碌な事にならん。それは我々が一番知っているはずだ」

 エヴァの言葉を聞くとユウキは天真爛漫な様子から神妙な顔になった。エヴァに頭を下げると謝罪した。

「ごめん、失言だった。 横島が何度血を流したか、分ったものじゃないよね。戦場での討ち死にこそ少なかったけど、明らかに霊力の使い過ぎや傷の負い過ぎて寿命が縮んだのも一度二度じゃなかったからね」

 エヴァ達が話している時横島は、邪教の館の自分に与えられた訓練室で霊波刀を振るっていた。夢子が自分用に打ってくれた剣も振ってみたが、初めてにはしてはあり得ない程自分に馴染んだ。やはり前世で自分が振るった剣のレプリカだけの事はあると思った。
 体が温まってきた辺りでユウキの言葉を思い出し独り言の様に口を開いた。

「マイ姉ちゃんやっぱり、俺の前世の嫁さんだったんか」

 別に驚いてはいない。エヴァ達との仲のよさとかを見ていれば9割以上そうだろうと、思っていた。それにマイは自分から言いはしないと言うだけで、隠そうともしていなかった。

「マイ姉ちゃんも今回の件で前世の俺の嫁さん達の共犯なのか?」

 横島はマイの事を信じる意思は微塵も揺らいでいない。彼女は外で猫を被っている所もあるが、自分以外の善人には礼儀正しく誠実だ。性格上善人を率先して助けている訳でもないが、善人との約束は決して違えず霊的な仕事に対しては手を抜いたことがない。
だからこそ彼女を心から信じてはいる。だからこそ色々な悩みも生じた。
 マイは今回の件で相手の女性達と完全な敵対関係なのか、それともルールに従った勝負の様なものなのか。そして前世の嫁さん同士の争いの場合、どういう原因で起きた物なのか等悩みが尽きない。
夢子から貰った剣を振りまわし、それが終わると術の練習もして完全に体が温まりだした時、不意に後ろから声がかかった。

「横島、何度も転生して色々な職業に就いたけど、やっぱり剣士よりの魔法戦士が一番君にあっているみたいだね」

 先程仲魔になったばかりのユウキとランが鍛錬場に現れたのを見て、横島は言葉を返した。

233 :名無しさん@狐板:2021/05/02(日) 23:54:32 ID:OO4A8bAH
「ユウキちゃん、マイ姉ちゃん達の話しは終わったのか?」

「僕達が聞かなきゃ駄目な話しはもう終わったよ」

「そうか。ランさん鍛錬場に来るのは良いけど、二人とも合体事故で呼ばれたばかりで大丈夫ですか」

 横島の気遣う様な言葉にユウキが不満げな声をあげた。

「横島、同い年なのに僕は『ちゃん』で、お姉ちゃんは『さん』なのひどくない。僕だって君より何百才も年上だよ」

「ユウキ。そう言うところが子供みたいだから、横島さんも、ちゃん付けになってしまうのだと思いますよ。 横島さんお気づかいありがとうございます。大丈夫だとエヴァさんから太鼓判を押されました」

「そうっすか。二人とも鍛錬か」

「ううん。それもあるけど、横島のガーディアンとの同調率の底上げと、強化の手伝いに来たんだよ。何度も君の師匠を努めた僕にお任せあれ」

 ユウキはそう言うと、横島に向けて剣を構えた。横島は霊波刀を構えてユウキ見る。

「今から鍛錬を始めるのか?」

「ううん。それもあるけど一番は君の前世の神話の再現。横島は独力でやれる事は大半やっているから、ガーディアンの前世をたくさん再現すればするほど、同調率は上がって行くよ。
もう一回マイとエヴァさんに閨の中で虐められて凄く同調できたでしょう。君の今宿っている前世は大きな事を成し遂げた直後に僕にまけていたんだ」

「八百長試合して負ければいいんか?」

「ううん、僕と本気で戦えばそれで良いよ。それでも前世の再現にはなるし、僕に勝ったら前世越えになってそれはそれで強くなれるから」

「それじゃ勝負と行こうか」

 霊波刀を具現化させる横島にユウキは怪訝な顔をした。

「横島、夢子さんから貰った剣を使わないの? 手に馴染んでないなんて事はないと思うけど」

「初めて持ったとは思えんレベルで馴染んでいるけどな。それでも8割ってところや。完全に馴染んだ武器以外じゃユウキちゃんとは勝負にならんわ。それにユウキちゃんの剣もまだ完全じゃないだろ。その剣なら辛うじて俺の霊波刀でも受けられる」

「良く見ているね。夢子さんが打った剣が完全に馴染んだら僕ともう一回戦ってくれると嬉しいな。それじゃ行くよ!」

 ユウキはそう言うと横島に斬りかかってきた。横島は霊波刀でそれを受け止めた。鍔迫り合いは僅かにユウキが有利だが、その僅かな差が剣術の優劣を良くあらわしている。ユウキが放つ連続の剣を横島は辛うじて捌くが剣撃の重さに顔が歪む。
彼女の膂力もあるが剣の速度がさらなる剣圧を生み出しているせいもある。横島は劣勢に立ちながらも、反撃できそうな場面を作り出し、その度に何度もフェイントを入れた。しかし、彼女の反応を僅かに鈍らせることはあっても大きな隙を生み出すことはできない。
 ユウキは横島と切り合いながらわくわくしていた。明らかに横島は剣術の奥義の技を狙っている。そしてそれを繰り出せる場面を蹴ってまでその技を放つフェイントを入れてきた。
それをされたことで、自分の中にフェイントに見せても本当にその技を使ってくるのでは、という警戒心が生まれた。それによって7割以上の確信がないと大きな剣撃を放てなくなった。こういう読み合いの上手さが横島との闘いの楽しさだと彼女は思った。
横島の目が自分の剣撃に慣れ始める程、彼が逆転の一手を打ってくるのが近づくのが分る。それを潰せるかどうかが勝敗を分けると何度も剣を交えた経験が告げている。

 ユウキの剣撃に僅かに慣れた横島は時々だが剣撃を返し始めたそれでも劣勢を強いられている。横島の反撃が一度ユウキのラッシュを止めた。その後の刹那に、不意にユウキが距離を取り横島に魔術を放った。黒紫の光の球が横島に向けて飛んだ。
横島はユウキの魔力の球を光の盾を具現化させて防いだが、押し負けてしまい独力では防げなかった。どうにか札を取り出し具現化させた盾に張り付けて防いだ。ユウキはそういう強い札もあるのかと驚いた表情になった。横島その瞬間にユウキに無数の札を投げた。
どういう札が分りづらくする魔術もかかっているが故に、ユウキも直には気付かない類の乱舞だ。注視すれば気づけるが彼女の性には合わないだろう。案の定彼女はその早すぎる剣撃で全ての札を切り裂く方を選んだ。
ユウキの剣が黒紫の光を帯び次の瞬間、無数の剣撃の嵐が吹き荒れた。大した威力ではない札も威力の高い札も有効的な効果を発揮することなく切り裂かれていく。それでいて彼女は横島がぎりぎり切り込める程度の隙以外は作りださない。
横島は何度か切り込むような体制を見せるたびにユウキの動きが鈍るが、たまに横島も何かを警戒するように何度か体をこわばらせた。最後の一枚が切り裂かれる前の刹那に横島は札を放り、自分も駆けだした。


 札を剣技の嵐で切り裂きながらユウキは心底戦いを楽しんでいた。彼女は横島との戦いの時はこの奇策によって実力差を覆されかけた時の、読み合いが一番好きだった。
お互いに最新の注意を払い合いながら、最善手を尽くす。横島は強くても喧嘩や戦争は嫌いだが、自分との戦いは楽しいと言ってくれた時のことは今でも覚えている。時々、札を切り裂くたびに攻めてくる横島の幻影が何度か見え、その度に体がこわばった。
 
ユウキも何度か横島にフェイントを仕掛けていた。駆け引きの最中に横島も何度か自分が札を受けるリスクを冒してでも切り込む幻影が見えたはずだ。
最後にひと際大きな攻撃の気配を感じた後札が飛んできたのを感じるとユウキは横島が最後の勝負に来たことを悟る。
彼のフェイントを見破り反撃しようとする自分の反射神経を黙らせると、次に飛んできた札を切り裂き、空気の切れる感覚を感じ取って、横島の霊波刀に剣を放った。
完璧なタイミングで放たれたユウキの攻めて崩しの技は空を切った。彼女は驚愕と共に、何が起きたのかを見ると、横島が霊波刀を籠手の形態に変えたことに気づいた。
空振りしたところに横島が一瞬で間合いを詰めて拳を繰り出してきた瞬間、ユウキは剣を放した。その瞬間彼女の目の色が変わったことにランだけが気づいた。
ユウキの視界に入る全ての存在がモノクロに変わり、そして全ての移動速度がビデオのスロー再生の様になる。ユウキだけがその中で自由に動くことができる。横島の拳の繰り出し方などを見て、いかなる意図の一撃か見抜く。斜め上に自分を跳ね上げる一撃。
拳が当たる一瞬前にユウキは地面を蹴る。拳が当たり体が浮くと、軽い痛みが走る。興奮状態でないともっと痛いだろうなと思いながら、横島を見る。そして浮いた体で、僅かに近くなった彼の顎に向けて彼女も拳を繰り出した。
剣を手放した彼女の腕はすさまじい速さで横島の顎を打った。力はそれほど強くないが、横島は一気に崩れ落ちる。顎を揺らされたのが効いたのだろう。彼にしてみれば、魔力を帯びなければ大したことがない細腕が消えたと思ったら、急に自分の体が動かなくなり崩れた様にしか思えなかっただろう。
彼が体制を立て直す前に魔力を込めた拳を打ち込み完全に意識を断った後、距離を取り念の為に剣を構えながら、横島が意識を失っているか確認をした。彼の意識が飛んでいるのを見て少しテンションを落としながら勝利宣言をした。

「お姉ちゃん一応勝ったよ」
 
心底楽しかったようだが、勝ち方だけは誇っていない感じがする。

「褒めてあげ辛い勝ち方だったわね。ユウキ」

「うん。自分でも分かるけど、一応外から見てたお姉ちゃんの総評を聞かせてくれる」

「これは殺し合いじゃないから、そこまで辛口じゃないけど。まず横島くんが最初から最後以外は剣形態だけで戦ってたのは、ユウキに剣が一番得意で、それで勝負しようしていると思い込ませるためだったわ。
これは私も気づいてなかった。この体が持つ仲魔達の記憶から見ても、一番苦しい戦いは始終剣な事が多かったからね。でも彼はオールラウンダータイプだから拳も使えるって考えておくべきだったわ。駆け引きでは完全に裏をかかれ切ったわね」

「うん。そこまでは僕の見解と一緒だね」

「それで最後の一撃あれは、相手のミスとスペックのゴリ押しで勝った感じね。横島くんの狙いはあなたを浮かせてその後、顎に一撃入れてできるだけ痛くない様に気絶させるつもりだったみたい。その為の一撃を読んで、自ら飛んで逆に顎を揺らした。
実際空中に居て手の力だけで打った拳なんて、屈強な男でも相当威力は落ちている。まさか女の細腕でそこまでやれるなんて思わなかったでしょうね」

 ユウキの腕は剣を機械の様な精密さと力強さで操るそれは素手でも変わらない。彼女が放った一撃は手打ちの拳だったが、信じられない程正確に相手の顎を揺らす、動作だった。
例えるなら自分よりは弱いが、決して雑魚ではない機械人形と戦い、細い針を機能にちょうど壊れる部分に寸分たがわずに打ち込んだようなものだ。こんなことができる人間がいるなど誰にも思わないだろう。

 ランはそれらも含めて口を開く。

「彼の力を引き出すという意味もあるから仕方ない部分もあるし、久々に闘えて嬉しかったのでしょう。けれど楽しさに負けたのと危機感が薄れていたわね。
最後は彼が一線を越えたわけではない女性に甘い人で、最初から容赦なしの技を打ってきていたら、2割くらい、いえ3割くらいは負けてたわよ」

「なんで今言い直したの」

「身内のことになるとどうしてもひいき目が入るから。私が2割と思ったってことは多分3割くらいは負けていると思うから」

「そうかぁこっちの方がレベル高いのにみっともないなぁ」

 ここまでは落ち込んだ声で言い、直ぐに明るい声に戻りユウキは言った。

234 :名無しさん@狐板:2021/05/02(日) 23:57:10 ID:OO4A8bAH
「それじゃあ、本格的な横島を強化する儀式に移ろうよ! 横島もこのままじゃ僕たちの相手をするの辛いだろうし、あのマイさんだけで手いっぱいって言葉を言うのも無理ないしね」
 
 マイさんだけで手いっぱいの下りに重々しい情念を感じつつランも頷き夢子たちの到着を待つことにした。


 横島が目を開けると全身に強い脱力感と思考を奪う倦怠感があった。アレクシアの香水を強化したものだとなんとなく理解した。そして周りには豪華だが祭壇を思わせる大きなベッドに自分が寝かされていることが分かる。

 動かない体に僅かな不安を覚え辺りを見回すと、アリス、夢子、ラン、ユウキの4人がいた。彼女たちは普段から神秘的な感じや、魔性めいた美を感じさせるが今日はそれが特に強くなっている。最初に夢子が横島の唇を奪った。
そして彼女の手で分身を撫でられた時に、自分が裸だと初めて気づいた。夢子は無表情で機械的にそれでもどこか優しさを感じさせる手で横島の分身をしごく。1分も立たないうちに射精してしまった。
ベッドの上に広まった精液をユウキが手で撫でて夢魔の技で吸い取り尽くす。夢子が僅かに抗議めいた眼を向けるが彼女は笑って返した。

「これからたくさんできるから目くじら立てないでよ。それに今は早く儀式を終わらせるのが大事でしょ。夢魔でもある僕の方が少しはやいから」

「そうですね。 横島様この儀式の趣旨を理解できていますか」

 夢子に抜かれて僅かにはっきりとした頭でぼうっとしながらも横島は浮かんだ答えを返した。

「前世の再現?」

「それもあります。ですが今の横島様は理屈上どの前世の武器も十全に使えるはずなのです。今着いているガーディアンは8個前です。ですが、今の横島様は全ての前世を体験し尽くしてきた魂ですから。
今から剣を貴方様の魂に完全に馴染ませます」

 そういうと夢子が横島の背後を指さした。その方向を見ると人形が持つようなサイズだが名刀の凄みを感じさせる剣があった。これはアリスの作った剣だと横島には分かった。
 その剣が置いていある祭壇の横にアリスがいる彼女は事務的な口調で横島に説明を始める。

「実際にその剣を振るってもらうのではなく、ガーディアンの一部とすることで、横島様の霊波刀として、その伝承の力を一部引き出せるようにします」

「ああ。だがどうしてエロいことを」

「こちらの世界では剣は男性器の象徴とされています。それは女権国家の世界でも同じです。形が似ているためでしょうか」

 アリスの言うことは正しい心理学で剣も男性器の象徴とされているし、聖剣などを、男性器を模して作った儀式の道具だったと、見なす学説もある。そこまで頭が回った時点で夢子が息がかかるほど横島の側に来て説明を続ける。

「女権国家では女鍛冶師や剣士が男性器を性交で支配することで剣に関わる儀式がなるのです。男性器を連想させる武器を作る者は、男性器を支配することでそれに加護が宿ります。女性の剣士もまた、男性器支配することで剣の扱いが上手くなると信じられており、
また剣に神通力や魔力を通しやすくなるのです。横島様の男性器に剣の打ち手である私が最大に膨張させ快感を送り込むことが強化につながります」

 そういうと夢子は容赦なく横島に抱き着き一気に分身を飲み込んだ。繋がった瞬間横島の分身は無数の快楽をもたらす剣で切られているような錯覚を覚えると即座に射精した。泣きわめきそうになる横島を夢子は子供にするように撫でて言葉をかける。

「大丈夫です。私は剣作成の魔術師です。男性器を強化しますから少しは苦痛も和らぐかと」

 夢子は優しく動きながらその豊満な体で容赦なく横島を意図せずに嫐る。彼女のみだらな体に射精すればするほど自分の分身が作り替えられていく様な怖さと底知れない快感が走った。何度射精しても中折れせずその結果息をつけない横島に彼女は励ます様な声をかける。

「剣の作り手である私は男性器を萎えない様にすることもできるのです。お辛いでしょうが、今は耐え抜いてください」

 最後に腰から下が両断されたような錯覚を与えるほどの快感を送り込むと彼女は横島に口づけし後ろに回った。指一本動かすことすら辛い彼だが、決して逃がす気はない様だ。目の焦点が合わなくなってきた横島にアリスが、近づいてくる。

「横島様。私も夢子姉さまほどではありませんが剣や武器を作れるのです。人形劇で作っていくうちできるようになりました。私は貴方様の前世である方々の偉業を再現する劇を多く上映したので、剣やガーディアンの逸話などの再現をできるようにしていきます」

 そういうとアリスの指から糸が出て横島の体内に入る。彼は指一本動かせない程脱力していたはずなのに、アリスに近づき奉仕を始めた。
最初にアリスに口づけされて全身の力が抜けて舌を絡められた時、限界が来たのに過去を再現しているから、今射精すると過去と変わる、と言わないばかりに体は動く。
アリスの乳房を両腕が揉みしだいた時点で横島の分身は限界に来ていた。それでも射精は許されない。祭壇の上の人形が遣う剣が輝き、自分を振るった前世の通りにしろと強要している様だ。
対面座位の騎乗位になって胸に顔を埋めアリスの尻を揉みしだいた時、やっと射精が許された。
それと同時に大量のマグネタイトが失われた。アリスと夢子が目配せをすると祭壇の上の剣が煙となり横島の中に入ってきた。
 魔石を使われた様な感覚で自分の生命エネルギーが回復したのを感じながら、そういえば信仰心とかからもマグネタイトは出来たなと思った。

「これで前世と同じくらいには耐久力は上がったはずです。女権国家出身のサキュバスなどにもある程度対応できるはず」

 アリスの事務的な説明に天真爛漫な笑顔を浮かべたユウキが応じる。

「うん、そうなったみたいだね。それじゃ横島、僕たちの強化もお願い。剣士だから女権国家の伝承上君を、支配しないと剣の使い方が今一つなんだ」

 返事を言う前にユウキは横島の唇を奪った。

「ほら、こんなお子様の体でも勃っちゃうでしょ。妖精と夢魔両方の力を持ち、剣を支配する魔法剣士は凄いでしょう」

 見掛けの年齢の割に豊満な、体を見ながら横島はエヴァの肢体の魅力に近くそれでも異なる彼女の姿に目を奪われていた。ユウキは笑いながら横島の分身を飲み込み楽しそうに腰を動かし始める。横島の分身は彼女の思いのままに弄ばれた。彼女が望んだ時は射精し、そうでないときはいつまでも、射精を許されない快感にとらわれる。
 横島が横島家の性魔術を使うおうとするのを感じて彼女は心底楽しそうに笑った。
「お、あの術を使うんだ。よーし負けないぞ〜」
 そう言った直後にユウキが本気を出した瞬間横島は現実ではありえないと思ったAVのフィクション作品の様な射精をした。自分の体がミイラみたいになりその状態でも恐怖より恍惚感が強いことに驚く。
まだ抵抗できる体力は僅かに残っているのに、ユウキの膣に全てを出して死んだときのことを想像すると気持ち良さそうだという、誘惑があり抗えなくなっていく。
 横島の命が消えかけた時、ランがユウキを引きはがした。

「ユウキはしゃぎ過ぎです。久しぶりに彼と体を重ねられて嬉しいのはわかりますが、殺してしまって、妖精郷か夢幻(むげん)の森に連れ帰っちゃったら他の娘たちが怒っちゃうわ」

 そういうと彼女は蜂蜜酒を差し出してきた。サマナーはソーマという酒を未成年でも飲むことが多い。この酒は未成年が飲んでも一切副作用はなく、傷を塞ぎ体力を回復するだけではない。魔法を使う精神力すら完治させる。これはそういう類の酒だと察して横島は一気に飲んだ。
体の吸い取られた過ぎた水分を吸収するように三杯も飲むと一気に体が熱くなり心地よい酔いが体に回った。脱力感がより強くなり、世界が回っているような錯覚すら覚える。
 前後不覚になった横島にランが口づけして来た。

「ユウキに随分と消耗させられましたね。次は私が癒します」

 そう言うと彼女は横島の分身をユウキとは真逆にゆっくりと飲み込んだ。度を超えた快感は一緒でも、彼女はひたすらゆっくりと薬草やどろりとした薬を塗り込む様に横島の分身を扱う。

「あがー!」

 ひたすら優しい動きだが気持ち良過ぎてそれでいて直に射精させてくれないもどかしさで横島は奇声を上げた。その状態を彼女は目を細めながら見ている。子供の背伸びを見る様な細められた目が、奇妙な恥辱心を煽ってくる。
 ひたすら癒す気持ちよさは今までベッドの中で女性達に虐められて負った魂の傷口を癒すかのようだ。しかし、その癒しは横島に安息をもたらさない。傷が言えれば言えるほどマイやエヴァ達与えられた男としての気概を切りつける様な快感を味わいたくなってくる。


235 :名無しさん@狐板:2021/05/03(月) 00:00:11 ID:raEUV/v9
 そして彼女の性交はある意味癒してはいるが、男としての気骨を削り取ってくるのは他の女性達と一緒だ。アリスや夢子そしてマイがしてきた癒す感じの女性上位のセックスの時もこの感覚はあったが、ランとのそれはより強く感じられる。
 もどかしさに震えながら、横島は何度も香のせいで僅かにしか動かない腰を動かしたが、彼女は一切強さを感じさせない締め方で射精を許さない。
横島が限界に近いとみると強く締め上げたがそれすらも優しい締めあげ方だ。彼女の一動作でした際の射精はかなりの量だが一気に出ず長時間続いた。
その際も腰を一切動かさず、横島を加え込んだ内部の動きだけで射精したばかりの横島の分身を優しく嫐り何度も射精を促す。何度も射精したというより、射精が時々途切れる様な感覚の射精に思えた。

「どうです。 消耗した気力は癒えましたか?」

「あ、ああ」

 気力は癒えたが気骨が一気に削られた脱力感の中にある横島に彼女は口づけすると離れた。 ランはゆっくりと横島から離れるとアリスと共に祭壇で何かの準備を始める。止めないと拙いと何故か思った。
しかし、ランに優しく絞られつくした分身の脱力感が体を動かす、気骨を挫き指一本動かせない。

 完全な脱力状態の横島に頬を膨らませたユウキが声をかける。

「確かにお姉ちゃんの癒す性術は凄いよ。けど釘づけになり過ぎ。今度は僕の番なんだよ」

「ユウキ様とラン様の剣を作ったのは私です。お二人の剣を強化する時が来ました」

 そう言うとユウキは不意に光に包まれるとそこには、黒い髪をした美女が現れる。僅かに茶目っ気を込めた、笑顔がチャシュ猫を想像させた。ただしそれは主人と戯れる笑顔をと、獲物を嫐る時の中間の様な笑顔だ。

「どう?初めて君と会った時は子供扱いされたけど大人になった僕は凄いでしょ」

 そういうとユウキは笑顔で動けない横島の分身を特に大きくなった乳房で挟んだ。快感のあまり歯を食いしばる横島に構わず乳房を動かし始める。

「剣は男性器の象徴だからこそ、女権国家だと男性の剣士は長い時間射精せずに耐えることで剣での戦闘時の耐久戦の時の武運が上がるんだよ」

 ユウキの性行為は常に楽しく得意なゲームで相手を圧倒しているような感じで行われる。その為か、横島は自分が一方的にスポーツや試合で負けているような敗北感がある。それでいて、性交時にそれすら悪くないと思えどんどんと、気骨が削げ落ちていく。

不意に両腕四本の腕につかまれ何らかの力を流し込まれたような感覚を覚えた。振り返るとアリスと夢子が左右から自分の腕をつかみ何らかの気を流し込んできている。

「横島様。前世で貴方は強すぎる快感に長時間耐えきり耐久戦での武運の加護を得ました。それを再現する気を送ります」

 アリスは言葉を終えると横島の体に腕から魔力を送り続ける。夢子も続いて言葉を継げる。

「横島様だけではなくユウキ様とラン様の剣を打ったのも私ですから男性器に魔力を起こり皆様の剣との親和性を上げます」

 夢子から送り込まれてくる霊力は特に横島の分身に大きく流れ込んでいくが。その魔力の影響か分身が固く大きくなっていく。
大きさを増したせいでユウキの胸に包まれる部分が大きくなり余計に快感が増してくる。不意に苦しそうな横島を見て、ランが歩みだしてくると口を開いた。

「大分お辛そうですね。私もお手代致しましょう」

 ランもユウキと同様に大人の姿へと転じた。若干だがユウキより大きな胸と愛玩動物を見るような切れ長の見下ろす目が横島の背筋に寒気を走らせる。彼女はユウキと反対の方向から横島の分身を挟み込んだ。

「――!」

 姉妹二人の息の合いすぎた連携は横島を一気に追い詰め、言語化できない奇声を絞り出す。どこまでも優しく癒す様でそれでいて、きつすぎる快感はユウキとは真逆でありながら、ユウキと同じように横島の気骨を削ぎ落していく。

 しばらくの時間が過ぎた時アリスと夢子からの許しが出た様な魔力が送られ、横島は一気に射精した。二人は大量の射精をする横島の一物をつかみ交互にお互い向けてかけ合う。
マグネタイトとして分解され吸収される前にお互いをなめ合う二人を見ると再び分身が目覚め始める。

「これで耐久力は上がりましたね。次は剣を使った際の復活力を伸ばしましょうか」

 淡々と言う夢子の言葉を皮切りにランとユウキは笑顔で再び横島の分身を左右から乳房で挟み嫐り始める。今度は何度も休む間もないえげつない攻めを二人はしてくる。それでもランは柔らかく優しい攻めをユウキは楽しみながら遊ぶようだ。

「横島同じようなのばかりだと飽きるだろうからこういうのはどうかな」

 そういうとユウキが不意に子供の姿に戻るただし、胸だけは大人の時のままだ。ランもそれを見て同じことをし始める。
大人の姿の二人に嫐られるのとは別の背徳感と、子供に圧倒される敗北感が余計に彼を興奮させる。それが彼に自分はもう戻れないのではと思う危機感を与えた。
その危機感もランの胸が与えてくる優しすぎる快感とユウキの胸が与える容赦ない快感に塗りつぶされた。まるで一瞬だけ快感を緩め危機感を芽生えさせた後、それを敢えて塗りつぶしたかのようだ。
何度も射精させられた後、今度はユウキが祭壇から蜂蜜酒を持ってきて横島に飲ませた。

 半ばミイラの様になりかけた体が大量の酒で治った時、ユウキとランが離れアリスも祭壇の方に歩み始める。

「儀式の仕上げです横島様」
そういうとアリスは人形と両方に男性器の先端がついたディルドを祭壇から持ってきた。そのディルドは自分の一物を模したものだと横島は直ぐにわかった。それをユウキとランが挟むと同時に分身にそのディルドがされた愛撫と同じ快感が走った。
ユウキとランは横島の人形を受け取ると大人の姿になり四つの胸で挟み始める。全身を乳房で包まれた様な電撃が走りもだえる横島をよそにユウキが楽しそうに声を上げる。

「アリス凄いね。横島を模して作った人形だけじゃなく縫いぐるみ人形とかでもここまでできるようになったんだ」

「精進しましたから」

 夢子が不意に横島の背に手を当て呪文を唱えると横島の背に光の塊の様なものが生え始める。それから流れる糸が横島の睾丸と繋がり夢子がそれを受け入れると一物を受け入れた時と同様の快感が走る。

「剣は神話で男性器と同一視されます。剣を具現化させる能力に特化している故に私はこういうことも可能なのです」

 叫ぶ横島を無視してアリスも前から横島に抱き着き同様に口づけし嫐り始めると。ユウキとマイも二人で百合的な性交をしながら両面のディルドを使い、そして横島の人形を胸の間で嫐り快感を与えてくる。

 しばらくしてユウキが思い出したように口を開いた。

「そういえば、ガーディアンとの親和性が高くなったから思い出したと思うけど、放浪騎士タダスケの出身国はカーマイン国。冒険者で成り立つ国で、ある程度善行を積んだものは放浪騎士を名乗ることが許される国で、僕たちを熱心に信仰してくれてたよね。
でもあの国は基本的に男性優位で騎士が使う剣は男性器の象徴だから、ベッドの中で女の子に負けるの恥ずかしかったよね?」

 なぜそんなことを言うのか分からないユウキの言葉に疑問を抱く横島をよそにユウキは続ける。
「君が今生まれた国より男性優位だったからガーディアンとの親和性が高まってきて恥ずかしくなってきたんじゃないの? あの国は男性たちも性交時も含めて亭主関白だけどフェミニストで良識人が多かったから、
あの国の騎士たちに変なことしようとした女権国家の女たちは、良く良識派な女権国家の女たちに咎められてたよ」

 そこまで言われて横島は親和性の上昇とともに一気に恥ずかしさが芽生えてきたことに気づいた。ユウキは笑いながら激しく絞りはじめ、ランは優しく絞ってくる。
 最後に四人が不穏な気を放った瞬間意識が飛び。極大の恥辱心の後、脳が砕け散るような快感が四か所から走った。本物の分身からだけではなく、模した三つからもマグネタイトが大量に放出され彼女たちに捧げられたのを横島確信すると意識が落ちた。


 あの儀式が終わってから体感時間で二日後、横島は今エヴァの計らいで邪教の館の訓練施設で訓練をしている。霊波刀の具現化した際の硬さと切れ味がましそして体の中に入ったであろう剣の動きも引き出せるようになった。
夢子から送られた剣も信じられない程手に馴染んでいた。ユウキとランの二人もあの後、剣に魔力を帯びさせるのが上手くなり戦力も一気に上がった感じがする。

 強力な悪霊を切り倒した横島にエヴァが賞賛の声を上げるが彼は少し落ち込み具合だ。

「横島どうした? 強くなれたのが嬉しくないのか」

 エヴァの問いに横島は首を横に振った。
「強くなれたのは嬉しいけど、ガーディアンとの親和性が高いせいか女性優位の性交がめっちゃ恥ずかしいねん。思い出しただけで顔が赤くなる。 それに――」

 次の言葉は言いかけて慌てて飲み込んだ。しかもそれが癖になってきているのが嫌だというのと、マイの罵る言葉がなくて物足りなさを感じていたのが、やばいと感じたとは言えなかった。
それに自分の夜の耐久力も剣が男性器の象徴の為か、あの儀式で上がった。だが、マイにすら勝てないレベルだと横島は思った。横島は次の魔界への準備は万端でありながら、謎の不安を覚えていた。その光景を見て陰で笑うマイがその予感の正しさを裏付けていた。

236 :名無しさん@狐板:2021/05/07(金) 23:41:19 ID:P2uxRfVt

舞台背景 : なろう的中世ファンタジー風世界

遥か昔に封印された大悪魔が眠っているという曰く付きの遺跡でソロダンジョンアタックする主人公が、
遺跡の最深部で何故か衰弱して取り残されている少女がいて、
詳しく聞くとパーティーメンバーに嫌がらせで置いていかれ、帰り道も分からず途方に暮れていたようで、
仕方ないのでひとまず一緒に街まで帰る事になったんだけど、
その後所属パーティーを抜けた少女に懐かれて、それからは一緒にパーティーを組む事になって、
それから段々と仲良くなっていって、まぁ当然エロい関係にもなるんだけど、
その少女が物凄い被虐趣味の持ち主で、段々と影響を受けていくようになる

それにしても少女を見つけた遺跡、結構危険度が高かったのに、あの時は魔物の気配がまるでなかったのは何故だったのだろう?

三三三イ三三三三 |:::::::::ヽ三|\三三ヽ三三三三三三!
三三三ハ三三三イニ!:::::::::::::\|:::::\三/三/、三三三三ニ!
三三ニ/::ヽ三三/lニ/:::::::, ≦三三三 /三/ニト、三三三三|
三三/:::::::::ヽ三/::l/:::::::´ {i  l  l  /三イ三| ',三三三三|
三イ::::::::::::::::∨::::/::::::::::::::つ ゝ_ノ /lニ/三ニ! l三三三 /
',三|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` `===l /l三ニ,  |,三三三,  _
 ヾ!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ l三 l  /l三三三l/  l
',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|三, /三!三三,/   !\
;;,:::::::::::::::::::::::::::`:::::::::::::::::::::::         |三l_/三三',三l    |三\
ニ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::          |三l三三三、三!    |三三\
三',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  ,      /l三|三三三',三!     !三三三\
三 ',:::::::::::ー_――― ニ '     ,.イ/三,三三三三',;l     三三三三
三三:::::::::::::::::: ̄ ̄        /ニ/三/三三三三三、    ',三三三三
三三.、::::::::::::::::::::::      ,.イ三三三/三三三三三三、   ヽ, ´`',三三
三三 ヽ> 、     _,.. イ  |三/三/三三三三三三三',   /   ヽ三
、三三',    ` ー ´ _, - ''"´ /三/三三三三__人-三ニl  /      ',三
|、三三', `  ー ''"´      /三/三三三三三 ) (-、三,| /     ,  l三
| 、三三、   | | |         /三/三三三三三/ー:.:、、::ヽ'     /  - 、
}  ',三三',.   | | |      /三/三三三三三//:::::::::::ヾ、/    / /
\ ,三三',   | | |        l´     `ヽ、三//:::::::::::::::ノ  , //
  \,三三',  | | |   , / `ヽ、_      ∨ {:::::::::::::::{、 _´ノ/

237 :名無しさん@狐板:2021/05/09(日) 07:19:26 ID:JgW5dNpC

被虐趣味のあった少女は、エロい仲になった当初はまだ自重していたのだけど、
やがてそれも無くなっていき、漏れだすような虐めてオーラと無意識下で媚を売ってこちらを誘ってくる
そして……

        _ ,.......:::::::::::::::::::::::::......、
     ,...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   /::::::::::::::::::,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::ヽ
   /:::::::::::::::::::::///////////////∧:::::::::.
  ,::::::::::::::::::::::::l::/::::::::::/:::::l:::::::l::::l::::::::ヘ::::::::,
  l:::::::::::::::::::::、|イ:::::::::/:::::,イ:::::/l::::ト、::::::::l:::::::l
  |:::::::::::::::::::::::|`l:>'-l:::/ !:::/ l::ー七l´::::l::::::|
  |:::::::l:::::::::::::::| !::/  / l,/  リ  l/!::::::|:::l !
  |:::::::l:::::::::::::::|三三三     三三{::::リ::::!     【みせられないよ!】
  |:::::::l:::::::::::::::|          、     ,:::::::::::!
   、:::::l:::::::::::::::!            八:::::::l
   }::::::,::/::::::::l:>..... __  - __,. イ:::/l::::::,
    l::::::|∧:::::::::l:,. -‐ ∨下ア -、::::l::/!.l:::::,
    |:::::::::::::、::::::l:.:.:.:.:.:.:.∨/-、|:.:.:ト、/::| |::::l
    |::::::::::::::∧::ト、:.:.:.:<´/l¨\>:.l ヽ:| |::/
    |::::::::::::/ ヘ! 、:.:.:.`:.:l l ヽゝ:.l ヘ l/
root-A
そして段々と主人公も感化されていった結果、それまで考えもしなかったような乱暴な行為を少女に行うようになる
快楽の為にモノ同然に扱うだけでなく、意図的に身体を傷つけたり、尊厳を汚すような行為を強要したり、
それこそ少女の生命の危機に瀕するような行為すら、次第に遠慮も自制も消えていく
それでもなお快楽に塗れた少女のアクメ顔を見る度に、自分の中の加虐心が脈々と肥大化し続ける

                         _,,....-‐‐‐-....,,_    .:::/
      ``丶、.....            /二三三三三二\  .::/
         \:::::....... -‐....::: ̄:::`:..'‐ニ二三三三三三二.ヽ:::;'
           |\:/::::::::::::::::::::::::::::::::゙:、.ニ二三三三三三二',       __
       \、._ノし/:::::::::,::::,,.. -‐‐-ヽ:::::::ヽニ二三三三三三二i  ''"¨¨ ̄
         `)(´.i:::::,:::/´_ -‐‐‐‐- ',:::',:::iニ二三三三三三二!
        //^´.l::::i::::ii::/:::!l::::エュ::lヽ:l::::i::lニ二三三三三三二l
           .l::::l:::::!ノィzx',:::l,ィ==ミi!::::l::lニ二三三三二二ニ.' _
       -‐=ニニi:::!i::::l'cィ==、` ::::::::゚l::::!_li..-‐ '' " ̄        ゙   ,     _
            ソ:i::::ゝ::::::  ,,.....-‐''',−''    ,‐- _     u.  }   ''"´
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           /´ .i/二三三三三ニ`ー-''ニ='ニ二三三三三三二ニ‐ 、::/
          ./u. ./ニ三三三三三三二ニ.}三ニ1ニ二三三三三三二ニ ヽ
  ,..、 -‐ '' ""´´,'    l三二ニニ−-‐‐‐ ニ三./三二iニ二三三三三三三二ニ',
         .,i "´ ̄          `ーュ三二lニ二三三三三三三二ニ.i
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'::/  /:::::::::/∧       ヽニ二三三三三三二 .lニ二三三二,ノ'´    ゙,
:/   ':::::::::/::::::ヘ.      ヽニ二三三三三二ニl二三三三/       ,
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   l:::::::,' {:::::::::::ゝ. \      `、.二三三三ニiニ二三, '      , ..´
root-B
こんな可愛くて優しい子にそんな恐ろしい事ができる訳ないので、普通にイチャラブセックスに努め続ける
芽生えたSっ気と愛おしさが、探り当てた少女の弱点を丹念に愛撫する事を選び、
ひんひんと涙目トロ顔の少女と粘っこく深い接吻をする度に、自分の中の加虐心がねっとりと膨れ上がっていく

238 :名無しさん@狐板:2021/05/09(日) 07:19:43 ID:JgW5dNpC

そうして数ヶ月が経った頃、暫く滞在していた街で目を覚ますと、少女の姿がどこにも見当たらない
少女を探して街を中を歩き回ると、そもそも街の中から喧騒がまるで感じられない事に気付き、
止むを得ず家という家に直接入ってみると、街の住民たちがまるで死んでいるかのように眠りから目を覚ましていない
この異常事態に呆然とすると同時に、なぜ少女の姿が何処にもないのかという疑問と困惑の中、

                 |,\
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    '::: i::::::::::::::: i::::::::::::::/: /__:i__:|:::Lハ\、
   i::i:::|::::::: |:|::::|:::::::::::∧/∨__::|::::|::::::|:: ヽ\、   「私はここよ」
   |::l:::|:::: 斗f笊 ::::: /  ィfだハ≫::::::|;;::::i , \、                    _,,  -――……
   |::|::::::::::/|/x=ミ、/   `¨´  |::::::| }:::| |i  i|                '"
   Y::::∨〃v:炒'   '        |::::::|':::::| ||  ||            /         _____
    |::::::从 / )         ノ   |::::::|::::人 ||  ||           / _   -‐   ̄
    |:::::::|ヽi/ {   -       |::::::|:/::::::\ ノ'  _,,    - ― / ̄ フ、             /
\   ::::::八ヽ//≧=-       イ: |::::::|:::::::::::::::\           /    / |≧=------------=≦ \
  \/::::/::::::ト-=ミ///∧― __{,,|Y:::: |:::::: /::::::::\     /   /  |    |    \   \
__,/\::::::::::|>―=ミ////,「 V∧'| |::::::|:::彡___ ,,  -<___ 彡' |    |    |     \   )\_
 ̄/::::::::ヽ:::::'    |////∧ |//,>:::::::|⌒V:::::/::::/:::::::|:\ |    |   |    |\  |\     /\/爻爻
i /::::::::::::::::: |ノ' ̄ ∨//// ⌒レ^)  从ノ  i:::/::::/::::::::∧:: ∧   ∧ ノ\  爻 \爻爻_ /爻爻爻爻爻
/\/\_|/ ̄ /////_ 〈メヽ  ⌒ヽ 从::/|:::::::/爻:::爻\/爻v爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻
爻爻爻爻vl/ ̄'////,|ニニ\¨´ /ニニ_=|爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻
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爻爻爻爻;|ニ////////|≧=- ニ=,,= |ニニ| ニ|爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻
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爻爻爻从:|∧ ////,   'ニニニニニiニニ/|ニニ 爻爻爻∧爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻
爻 爻 /:::: |:::::ー: イ}    ニニニニニニi ニニi爻爻|:::::::::\爻|爻爻爻爻|\爻爻爻爻|爻爻爻∧爻
爻/∧:::::::::|:::::::::::::::/   ,ニニニニニ=_人|ニニ|::::::::: |:::::::::::::: 爻爻爻爻彡  \爻| 爻∧爻爻,/  '爻
∨::::::::|/|:: |::::::::::::/|  /ニニニニ=/ニニ\= |:::::::::∧::::::::::::::|爻爻\爻/'    \!\,  \/    ∨
. i:::::::: l,人 |::::::/ニ| 'ニニニニニニijニニニ \j:::::::/  \::::::人从(⌒ヾ,/
. |::::::从  ヽ /ニニニニニニニニニニニ/  ̄ \:{    ∨    ヽ
. |:::/      'ニニニニニニニニニニ /ニニニニ≧ 、
. |/     /ニニニニ=---=ミニ\ /ニニニニニニニ\
     ノニニニニニニニニニ=--<ニ>―― ⌒ヽ _ ー=ミ
    /ニニニニニ 彡' ̄      \i              ヽニ \
 _,/ニニニニ ) ̄            \               ∨ /=\
/ニニニニニニ(                \             ∨ニ==\

彼女が目の前にいた。とても人間とは言えない姿で。

239 :名無しさん@狐板:2021/05/09(日) 07:20:14 ID:JgW5dNpC

そう少女の正体は、かつて遥か昔に遺跡に封印されていた大悪魔
何の因果か――――太陽と星の巡りによって封印が特に弱まっているその日、
主人公が「自分から最深部に足を踏み入れ、封印式を荒らした」事によって封印が解かれてしまったのだ!
封印が解かれた直後、悪魔の魔力は長年の封印によって著しく落ち込んでおり、
全盛期の力を取り戻す為に早急に魔力の補給が必要で、
それこそが、主人公に近づいた真実にして最大の理由だった
そして……

                  .......:::::::::::::{  >x:::::::::...., /   ハ
                    /::::::::::::> {      \:::::::|     |
              /::::::>< __、      \_ ヽ   \
                 /::::::/ ><:::::::::::::::..   ヽ/   〉/ ̄   \
             /::: / /:{:::::::::::::::::::::::::::\      ./´、      }
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        、_/::::::::::|:::::|::::::::|:::::|:::::| ,\´:\\{ヽ:::::´: | ト \::::::::::|
           7:::::::::::: |:::::|::::::::|从{::: |   _,ィ斥斧ァ |::::::: ! !::\\:::::}
\       ///::::::::|:::::|:::/レ     ´~ {h_jン  .|::::::::| |:{ ::\\|
\\.         /イ::::::|:::::|/ ,zz、      ~´    |::::::::| |:|/:::::::::\\
  \\       |::::::::::∧,イ.{h_j〉         |::::::::| |::::::::::::::::::::\\         今までの変態被虐趣味なんて、只の演技よ
..、   \\      ヽ::: /::∧ `~ ′         |::::::::| |:::::::::::::::::::::| )ノ
 \  \\     〉/:::::::∧       _   ァ   :|::::::::| |:::::::::::::::::::::::/´
   \  \\     ′::::::::∧     ¨ー   '    :|::::::::| |::::::::::::::::::::/{            そうやって驕り高ぶった男を、
    \  \\   /:::::::::::::::::>..        /}::::::: | |:::::::::::::::::〈/:i'                   ぐちゃぐちゃに犯すのが大好きなの♪
      \  \\./::::::::::::::::::::::::|::::::::>...、 ./  |:::::::::| |::::::::::::::::::::::::.
       \   /::::::::::::::}:::::::::::|:::::::|__:::)   /:::::::: | |_:::::::::::::::::::::\
     j:    \ /:::::::::::::::::}::::::::::::!:::::::マ:i:i:ト、   /::::::::::jLノ:i:i:/:::::::::::::::::::::: \
      j:      ./:::::::::::::::::::j{::::::::::/――マ:i:i:i}  /:::::::::::/:i:i:i:i:/斗<:::::  _:::\
\    j:    /::::::::::::::::/^j:::::::::/:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:V/:::::::::::/:i:i:i:i:i:i:i:≧=-' ̄     \\
  \ ‖   /::::::::::::::::/\}::::::j{>:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ij{::::::::::∧:i:i:i:i:i:iゞ=-'         ∧
..‖ `ヽ    /::::::::::::::::/  j{:::::::j{¨^フ:i:i:i:i:i:i:i:i:j{:::::::::::j:i:i:i:i:i:i:i\           }:::::',
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    |::::::::::::::::::::::八   ,ノ::::::::::::::::::::::ヽ
    ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/⌒::::ノ
.     }::::::::u:::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈  0ノ「
     :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::ノ
.    ノ::::::::::::::::::〈v´"''丶、::::::::::::::イ.       、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
  /::::::::::::::::::::::::::\`ー  \::::::::/          )                       (
―::::::::::::::::::::::`、::::::::::::>- `'ー::/         ) 嘘だ! 俺は信じないぞ!! (
::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::: /          )                       (
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::/.              ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
::::::\:::::::::::::::::::::::/  ー'′
::::::::::::::::::::::::::::::::/{
:::::::::::::::::::::::::::::/::Λ
:::::::::::::::::::::\:::::::_\
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄"''ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}

残酷な真実を受け入れられない主人公は……

240 :名無しさん@狐板:2021/05/09(日) 07:21:03 ID:JgW5dNpC

root-A
五月蠅ぇ!メスガキが!と言わんばかりに押し倒し、いつも通りに乱暴に凌辱しようとするが、
その華奢な身体からは想像もつかない動きで逆に自分が押し倒されてしまい、
咥え込まれた肉棒を音を立てて吸われると、
それまで少女から引きずり出していた気持ち良さとは桁違いの快楽によって、体全体が震えだして瞬く間に吐精してしまい、
突然の快楽と驚愕に放心していると、悪魔が妖艶且つ残忍で残酷な眼差しで、

            ./: : : : :_   -─-   _: : : : .lニr、ム、: : : : : ムソヽニ|: : : : : : : :∨
           / _.ニ ̄. .  -─‐-  二.‐-∨,: :`ヽム、_/ア': : :.|ニl: : : : : : : : :∨
           /:´/: : : : :|: : : : : : |: : : : : : :`:.∨'、ヽ:.:\ニ゙<: : : : lニl: : : : : : : : : :
          ,' : ; : : : : :l|: : : : : : |: : : : : : : |: : ゙ヽ\`ーヘニリ: : : /ソ: : : : : : : : : :
           l : l: : :l : :l.|: : : : : : |; : : : : : : :l: : : ム/: : : :{ニソ: : :ゝム: : : : : : : : : :
          .l : | : : | : | l; : : : : : :|'; : : : : : : l: : ム/ : /ソ、\ : :∨'; : : : : : : : : :
    ,r-っー-_、l:l: | : : |;斗´l: :|; : : : :|ヘ`ヽ、: : : l: :リン´ア'イl_ヘニゝ; ',リ; : : : : : : : :
    ムニヽ lニニム l'; ̄:l: :l l: :|l : : : l ヽ: : `':ーl-lニア'´:/_7ヽムニムリ; : : : : : : : :
    ,iニニニ}J三三ム ヘ : |l | .l: :l'; : : :.|.  ヽ: : : : l: `:´l:.|.ム7: : :.゙.、ム`ー´: : : : : : : :    「今まであなたがやってきた事とその快楽を、
   レ'´ ノニ三三ニム ト、ll l  '; :l.ヽ: : :l   ヽ: : : |'; : :.|:ll二l: : : : `.'<`ヽ、: : : : : :
  / ,/ニ三三三ニムリニ`ヽ、 ヽゝ ヽゞニ=ー-\_:!ヽ: :|l:|三l: : : : : :| : `'<ニ`>_、:
 ,'  ,/ニ二>'´リ三三ム゚ `ヾリ     `《´下、_ソ'`‐-ヘ:l: l三.l: : : : : ll: : : : :`ヽ、ニソ:/     何百倍の濃度で返してアゲル♪」
 l  リ,ニア´ _ノ三三三ム::::: /       ⊂`ヽ‐-ソ、. ∨:!三.|: : : : :lソ'ヽ: : : : : :゙'´,イ
. \./  , ´ ノ三三三ムノ       ´   ̄  `゙ l: :|ニニ.l : : : | ヽ.i: : : : : : :/ l
  ヘl /  /1ニ三三ニ.ム        :::::::::::::::::::::: ,': : lア'´ : : : l / ,' : : : : : /: : |
   .l ' / /ニ三三三ニム              /: : ; : : : : : : :|ソ /: : : : : : : : :
.   ヘ  l  /二三三三三ニゝ.             /: : /: : : : : : : l /.l: : : l: : : : : :
    'l   リニ三三三三ニニリ::::ヽ         /: :;イ : : : : : : : l|´: : :|: : : :l: : : : : :
     `ヽ、_l三三三三三三(::::_::::ゝ       ///: : : : : : : : :ll : : : l: : : : '; : : : :
.       ヘニ二三三三ニニ`}lニム、___  _,イ-‐/: : : : : : : : :,' ;: : : :|: : : : ヘ: : : :
         ヘニ二三二>'´ J   ̄ヽ、::i l::::ヽ /: : : : : : : : :/  ヘ: : : : : : : : ヘ: : :
           ヘニニニ/   ,イヽ、    ヽ.J:::::::∨: : : : : : : : /    ヽ: : : : : : : : ヘ: :

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.          /   !       (_ノ⌒   7  /: : :ノ:\__: : : :ヽ  ヽ  | /⌒                 \
         /                とつ / /γヘ / ̄\: :}  }  U                     \
.        /               { { .:/::::し::::: } {:::::U::::∨ ノ_   {                      \
       /            u   {_人 .:::::::{::::::::::し::::}::::::::::〈´ニ \ U                u          \
                       √ {:::::::{:::::::U::::::: }::::::::::::Vニニニu、         |            u   \
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   i| '      | i      ) し/ |     {:::::::{:::::::::::::::::::: } ::::::::: }ニニニニ /{            |     \ ,/ニニニニニニニニニニニ-_
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二|二|ニニニニ. |ニニ=-<__    |   八:::::::::::::::::::::::::::}::::::::::::{ニニニ)ニニニニニニニ'/ \ニニニ/ニニニニニニニニニニ )ニニニニニニ-_
二|二|ニニニニ .|ニニニニニニニ=-| i  (_∧::::::',::::::::::::::::{:::::::::::::{ニニニノニニニニニニニ)=-  ~ニニニニニニニ/ニニニニニニニニニニニニニ
二|.ニニニニニニ|ニニニニニニニ二| i \___ 、:::::',:::::::::::: {:::::::::::::{ニ /ニニニニニ=- ~ ニニニニニニニニニニ {ニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニ\二二ニニニニニニニニ |ニニ\⌒ \:::::::::::::::::、:::::::::::{\ニニニニニニニ=-ニニニニニニニニニニニ\ニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニ.\ニニニニニニニニニニニニニニニ):::}:::::::::::::`、::::::::\ニニニニニ/ニニニニニニニニニニニニニニ{ニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニ\{ニニニニニニニニニニニニニニ/:::::::\:::::::::::/::::::::::\ニニニ/ニニニニニニニニニニニニニニニ.{ニニニニニニニニニニニニ

――――人知を超越した魔性の快楽                             ドレイン
人間では到底身に付ける事のできない卓越した技巧と、悪魔としての能力による吸収能力と、
正体を現した悪魔の、狡猾極まりない残虐性と加虐心
それらを用いられて、悲鳴と絶叫と共に主人公を構成するあらゆるモノが破壊されていく
育てられた加虐心、培われてきた自尊心――
やがて性器も快楽に耐えきれずに精液が垂れ流しになり、使い物にならなくなり、
全てが悪魔の掌の上だった事と、自分の愚鈍さを呪い――――その精神すらも粉々に粉砕された

241 :名無しさん@狐板:2021/05/09(日) 07:21:21 ID:JgW5dNpC

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          /::斗-―――--ミ:::::::::::::::::::::::::::::::\
         //'" ̄ ̄ ̄`〜x  \:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
          /::::::::::/::::::::::::::::::::::「 ̄ ̄\>‐、x-――-、::ヽ
       /:::::::::::/:::://:::::/∧  こ / /-―  ノ::::::::::、
       /::::/::::/‐く /::::/ /::::L_ ノ〜弋    /::::::::::::::l
      /:::::{:::/{/  ;:::/{  {:从:::::l::::::l   {:::\__}::::::::::::::::}
      /:::::八{ 气x、 }/    l「"ト、l:::::l  /l:::::::::::::l::::::::::::l::::::l
      /:::::/::::j 、_代}     _l八\l j }::::::/:::l::::::::::::l:::::;
     ,:::::::;::::::j `~ミ'゙       冖ミx,,_ j l j::::/::::::l::::::::::::l::/             ふふっ、封印を解いてくれてありがとう
     l:::l:::l::::::{           ,,_ {r(价Y L/::/:::::::::l::::::::::::l
     j{:::{:::{::::八   "        ̄~冖/_j::::/::::ハ::l:::::::::::::l
     l:l::::!::l:::/ ヽ  、       /:::::/:::/:::/ ノ::l::::::::::::::、             アナタのお陰でまた遊べるわ
     {::い::∨   \ ヾニ=-‐    /::::/::::::::::/イ::::::}::l:::::::::::::、
    l:::ヽ\\   \      /::::/::::::::::/-《》::::j:::l::::::::::::::\
      l:::::::::{  ̄     ̄ ̄ヽ-/:::::/:::::/:::/;';'V::l:::l::::l::::::l::::::::::::\
     八:::::::l            У::/::/:::/;';';';';Vl::l::::::l::::::l::::::::::l::::::\
     ヽ:::::l       乂___/:::::::::彡::/;';';';';';';';l::l:::::::l::::::!::::::::::ト:::::::::\
      \乂  ー--―冖〜ミ;;;;;;;;/;'人;';';';';';';l::l::::::::l:::::l:::::::::::l:::\:::::::\
             ̄    -―フ;';ノj/l/  ヽj`⌒l::::::::::::l::::l::::::::::::l:::::::\:::::::\
            /     ̄           l:::::::::::::l::::}:::::l::::::l:::::\::\:::::::\
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             {                 } j::::::::l::::::l::ハl:::::l::::ハ::::::::ヽ::\::\::
               、         _ヽ ___ノ/::::::::l::::::j/:::}:::::l:/l::::::::::::::゙、::::\:::
               ヘ   _ノ;';';';';';';';'7;';';';';';';';/:::::::::l:::::/::::::l::::::l::::l::::::::l::::::::::::::::::::
            ヘ  _{;';>'" __ヽ;';';';';';'/:::::l:::::l:::/::::::::j::::::l::::l::::::::l::::::::::::::::::::
             ∨;';/ /;';';';';';';'ヘ;';'//::::::j:::::l::::::::::::;:::::::::l::::l:::::l::l:::::::::::::::::::
             └-〈 /;';';';';';';';';';';'ヘ{ /:::::::;:::::::::::::::::/::::::::::l:::l\l::l:::::::::::l:::::::
                \;';';';';';';';';';';';';'∨:::::::/:::::/::::::::/:::::::::::::}::l  }::}:::::::::::l:::::
                  \;';';';';';';';';';';/::/:::/:::::/::::::::::::::::::l:::::::ト:l ノイ::::::::::::l::::
                   \;';';';';'/::/::::/:::::/:::::::::::::::::::l:::::::l }  l:::::::::::::}:::

――――悪魔は蘇った
そして世界は再び暗黒に飲み込まれる――――

242 :名無しさん@狐板:2021/05/09(日) 07:21:36 ID:JgW5dNpC

root-B
どうにかしてこの街の状態を元に戻してほしいと少女にお願いするが、少女は聞く耳を持たず、
それどころか、

                    、          、
                   ムヽ、       /ニム
                ____ {三三゙ヽ、    ,'ニ三l
           .>. ':"´ : : : : : ゝ三三三\.  |三ニリ
        ,. .'´: :> ' "´ ̄ ̄ ` ''\三三三`ムソ三二ヽ
      ./: :ノ'´ ,. .-‐. ': : ̄ ̄: :` ' {三三三三}=ソ三ニl
     ./: / ノ'´: : : : : : : : : : ; : : : : :',ニ三三ニ/ハ 、三リ
.    ,.' : ノン´: : : : : : : :l: : : : : :|: : : : : ヘニ三ニ.イイ: l=l`ーハ
   /: : /,.' : :l: : : : : : : : |: : | : : l'、: :|; : :',ヽ、ア: |=|: ヘ_', : : : ∨
  ./: : :/': : : : l: : : : : : : :l: : :l', : | '; イ \:', : ´: : |=|: : ヘ_',: : : :∨
  ': : : ; : : : l: : !: : : : : : : !|: :|1,イ´',.l.  ヽ'、: : : l=l: : : |ヽヽ: : :',
  l: : : :| : : : |: : |'; : : : : : :l !;イ´!リ.>‐_ニ <ヽ : : ヘヽ: : :l: :\ヽ: ',          「今まであなたがやってきた事とその快楽を、
  !: : : :l:| : : :l:_: !ヽ: : : : : | | l /,イニヽ `ヽヘ.', : : : \ヽ:l: : : \\
 .! : : : |:.l : : ハ:`!'''ヽ: : : :l| !;' ゝ´l U c     ',: : : : : ヾ.、: : : : `ハ
 |: : : : :l :l: : l ゙、1>‐、: :l .リ   ヘ..ソノ    l: : : : : : ヘ.ム: : : : :ヘ∨         何百倍の濃度で返してアゲル♥」
 l: : : : : ',ヽ: :! //´ニ〈ヽ:,'       ^ /// /∨|: : : : : : :.ヘム: : : :| レ
 .!: : : : : ヽ',ヘ',イリ | Uリ;          /ニ三! : : : : : : l:.l=| : : ハ
  !: : : : : !|ヘ', ヘ  ゝ.ノ  `        l三三!: : : : : : :|: |=l : : : ∨
  .l: : : : :|:l \l1 ///             l三ニ.|: : : : : : l : レ : : : : ∨
  l: : : : :l:l  lニl      r   ソ    .lニニ.l; : : : : : ; : : : : : : : : : ヽ
   l : : : |!l   |ニ'、      `       !ニニl :/: : : :/: : : : : : : : : : : :| 、
    '.; : : lll   l三|ヽ、             ,イ三,'/ : : : /: : : : : : : : : : : :_: : :\
    ヘ: : ',l   l三ニニ> ,       /.,'ニ./:' : : : :ム : : : : : > ' ´   `'<\
      、: ヘ.  ';三三三三ニ`,ー‐'' ´|-=jニ/: : : :, '.ソ_ム: :>'´          ∨: ヽ
      ヽ: '、. ヘ三三三三三ハ   .lニ.l.ソ: : :/ニリ三ニア'´            l: : :
       ` \ '、ニ三三三リ `゙''ー-..l1/ン'´三三l三<   /         l: : :
          ` 〉,ニ三三ニ|    ∠ニハ´三三三.ム<   /ヘ、       ,': : :
           l |ニ三三ニl      レ' ヽニ三三ニム   / 、ニニ≧_<_  /: : : :

と無理矢理に押し倒し、魔の技巧によってそそり立たせた肉棒をあっという間に膣内に呑み込んでしまう

       ,l:l::|:::::::::l、                  |:::::::::l:::l
       ,'::l:::l::::::::::|:',      _,.. -‐..、      ,イ::::::::|:::::l
      ./::;':::::l:::::::::|::ヘ       v'´::`´::::ヽ     /:l:::::::::l:::::::',            さぁ、いつもの様にキスしましょ
     /::/::::_;;l:::::::::l‐-\    ヽ;:::::l:::,イ     /ーl:::::::::l-<!∨
    ノ>' ´  l:::::::::l    `'、‐-..._)iゝ:ソ(_...-‐ ´   l:::::::::l   `'<
-‐'''"´ ̄     l:::::::::l ヽ   ヽ  ij  ̄l(  /   ,' l::::::::;'     ´ ̄`''ー- ..,,_     愛情たっぷりのねちねち、ディープな、ね♥
          ';::::::::! `ヽ、  '    ゚ .ノ   /  l::::::;'
        、.  ヘ::::::l     `'ー..、    ´_, '´    l:::::/
          ::ヽ. ヘ::::l       `゚  /´      .l:::/ ,イ´:..

と、素早く口づけして舌を絡めとった少女のキスは普段よりも遥かに甘く濃厚で頭の奥まで痺れてしまい、
更に全身すらも少女の四肢に絡めとられ、この異常な状況にも拘らず意識が快楽に陶酔していく……

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                           ゚          ............ _
                       ’     |      ,...‐''"´::::::::::::::::::::::::`゙ヽ、
                        \、_ノし/ノ'ン'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
             ,ィ   「|        つ (⌒' ,.':::'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ’
      .     / / ,.へl |「|        ^\/_/:::::::::::::ノ'"´__:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
         ∠/// //ヽi.」l」          / /:::::::::/ニ-‐‐ー--ニ.._ _::::::::::::::::::::::i
           ./ し'/        ゚       イ/:::::::::/::::::/:::::::::::::::::::::::::`'ヽ、::::::::ハ::::l
            ヽ-'                 //::::::::/ヽノ:::::::::::;ィ:::::::::::::::::::::::::ゝ;ムニ|:::::l
              /フ           .,イ;'::::::::/:/::_>ソ´::::::::::::::::::::/::::::_lニムリノフ、
             < <           _,,,/::::i::::::::;゙゚:k'ニ、/_:::::::::::::、_ノ::/::ノ´三ニレ'7´ヽ
              ヽ〉      /´   `ヽ::::::l :::`::´゙ヾミ' ̄ ̄ ン'ハ::/三ニソム´
            /7      .,イ        ヘ:::::! u _  , ゝー=ャン::/:::::://>ノ、   /7
           .//、_,.ィ >.:'´::,' _ιi/´   ヘ::::l、( ⌒ ヽ ::::`^,`ー-‐イ|/〈/`ー=ニソ
           ./へハ/:::::::::::::::!´三`'/   ,:c:.. ヽ:`くヽ、ソ-‐=' ´ヽ|:::::::::lノヘ ヽ
      ,....-‐.:'::´:::::::::::::::::::::::::::::::::|´_`,    _´_  ヽ.\/ヽ、 .、l  l:::::::::l   ヽ\
   .>'´:::::::::::::::::::;:::::-‐''"´:::::::::::::::l三ニ.|ゝ/三三`ヽ .ハ::∨´` uヽul::::::::;'    ソノ
  /::::::::::::::::;  イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::',三_ヘ/三三三( `  l:::iム  __ ソ l::::::;イ    '´
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..'::::::::/   /:::::::::::::::::::::/./::::::::::::::::l三ニム二三ムゝ`./ ' /ニニ/::/::::l
.!:::::/    /:::::::::::::::::::/  /::::::::::::::::::ハ三三l`ぃニ´三ニム、   ソニlニ´!:::::::::::l
.l:::;'   /:::::::::::::::/   /::::::::::::::::::::l三三ノ'´/.ニ三三三ニヽι/三ム=l::::::::::::::',
..';:!   ':::::::::::/   ’i':::::::::::::::/:::::l三_ノ/ニ三三三三三.ム/ニニニム|::::::::::::::::∨
 \  !::::::::;.' ゚     |:::::::::::::/:::::::::l/ニニ三三三三三 / ̄ ̄\ .ム:::::::::::::::::\
     |::::::/   \、._ノし//イ::::/ニ三三三三三三三 | | ll    \ ム::::::::::::::::::::::\
.    ヘ:::;' ___)r'⌒ヾてー/.ニ三三三三三三三三.| |\ ―ァo |..ム::::\::::::::::::::::::`.、
      ヘ:l  ̄ ̄`ヽ 、 -‐‐   ̄ `ヽ、'´ ̄7三三三三 . |   ./   |.三!:::::::ヽ\:::::::::::::::ヽ
        ` > ' ´  \        ヽ .l三三_三三三\  ``ノ / .三l:::::::::::',  ヽ、:::::::::::',
    >' ´                ヽ',_7´ `'ニ三ニ|ヽl/ ̄ ̄ニ三/ム、,_iノi  ヽ:::::::::i
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                         ! `ー=‐'"    /ソ´ ン        ` < //
         ι               ',   u      ´  /            ヽ  _
                          ソ       ,‐''´        u   ,__<三
                      ι  ノ J ,イ  ヽ           ,__<三三三
                   ___, <> __,イソ、ιノ  u     ,__<三三三三三
  __,,.... ----――==ニニニニニ二三三三三三三三三≧=―−--__/三三三三三三三
´三三三三三三三三三三三三三三三三''"´三三三三三三三三三三三三三三三三

――――人知を超越した魔性の快楽                             ドレイン
人間では到底身に付ける事のできない卓越した技巧と、悪魔としての能力による吸収能力と、
正体を現した悪魔の、狡猾極まりない残虐性と加虐心
それによって少女の吸精は留まる事を知らず、咥え込まれた肉棒は噴水の様に吹き上げ続け、少女の胎を満たし続ける
そして可愛らしく育てられた加虐心は、自尊心と共に情熱的な快楽によって甘く溶かされ、咀嚼され、美味しく食べられてしまう
トロトロになるまで捕食され、今までの関係による優位性も忘れて少女に屈服して快楽の波に溺れていたが、
「最後は……人格♥」
という少女の言葉に正気に戻り、いやいやしながら許しを請うが、

       ,l:l::|:::::::::l、                  |:::::::::l:::l
       ,'::l:::l::::::::::|:',      _,.. -‐..、      ,イ::::::::|:::::l
      ./::;':::::l:::::::::|::ヘ       v'´::`´::::ヽ     /:l:::::::::l:::::::',            だぁ、め♥
     /::/::::_;;l:::::::::l‐-\    ヽ;:::::l:::,イ     /ーl:::::::::l-<!∨
    ノ>' ´  l:::::::::l    `'、‐-..._)iゝ:ソ(_...-‐ ´   l:::::::::l   `'<
-‐'''"´ ̄     l:::::::::l ヽ   ヽ  ij  ̄l(  /   ,' l::::::::;'     ´ ̄`''ー- ..,,_     ぜーんぶ、食べてアゲル……♥
          ';::::::::! `ヽ、  '    ゚ .ノ   /  l::::::;'
        、.  ヘ::::::l     `'ー..、    ´_, '´    l:::::/
          ::ヽ. ヘ::::l       `゚  /´      .l:::/ ,イ´:..

と更に甘いキスと膣内の吸引で精液を漏らし、完全に抵抗力を奪われしまい、
その後の熾烈な凌辱によって、今まで培ってきた人間性、思想、何もかもが、
少女への想い以外を残して――――ドロドロに溶かされ、食べられてしまった

243 :名無しさん@狐板:2021/05/09(日) 07:21:56 ID:JgW5dNpC

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                      , , . . -‐.- . . , ・    i  '
               |         .,. :'" : : : : : : : : : : `ヽ. ’ .|    ’
         \、ノし ’  _ ・/ : : : : : : : : : : : : |\ r、  |し/
      ___)(⌒  ,≦≧ニ/: : : : : : : : _  --- 1三`リ: :',`ヽて ’
         ̄ ̄^\ .|ニ三ニ.l: : : :l-‐''"´ _. . -─-ヾ丿ソ : l ;}(__
             , !ニ三ニ.! : : :|-‐''"´: : : l;_:_、:_:l:_|ヘヘlヽ、   ̄ ̄ ̄           あ、あははは……もう人間界とかどうでもいいわぁ
               ',ニ三ニl:| : : !: lノ:|'; : : ハ:.lヘリ_;|;_|,l:!; | ’
              ,ヘニ三ニ'l: : イハ:l_ヽ:./ レ苡ソゞ:.|l:lリ:l≧_<  ,
               ヘニ三ニ.! ,,イ伐¨ソ`  ''///゙|: : |' :l.ニ三三≧_< ,         さぁ、一緒に魔界に帰りましょう♥
               ’ヘソ''´ l: : :|"/// '     l: : :l: '|ヽ、三三三三_ヽ
                 ヘ,>'''l: : ll、   r  ソ ιイ! : l: : l  ヾ、三三三ニ
               ______ヽア´l : l个ー- ,,_ }j /_|; : ,' : _1_,>''、´`ヽ三三ニ       永遠に舐め犬ペットとして飼ってアゲル……♥
            ./´    ,|   l : l `ヽ=!三´ニソ,' :./´  r' ヘニ.ム   }三ニア
             /      ハ . ヘ: l ‐-i`lニニハニ/:./   ノι lニニ}. ノ=‐''´
           ./    .l  ./: ',/  ヽ:l  レ' !ソ' ∨:/  ./  _,,ノ-‐''´, ’ `ヽ
          /     | ./:’r.、;.  ゙ヘ   ,'  ./ソ  ./' ´/'.、  l
             ,'     ノ': : :{ `      : ノム、   '´ .:c;.、 /: : : : \!
         ./  >.'´: : : :ヘ   .. . : ヘソ'´    ` l/: ’: 、: : : : ヽ、
        .>. '´: : : : : : : : ’|ン≦ニヽ   '´  `;__   /: : : : : ヽ、: : : : :ヽ
、 ,   >''´: : :_; ; : :-‐ '': : : : /三三{'`'   ∠二三≧イ: ’: |; : : :ヘ}`ヽ 、 : ヽ
  ' </:, -‐'"´  ./: : : : : : ’l三三ニl     ソニニニニ/ : : : ,'ヽ: : : ',,> ' ´
    `ヽ、/,  /: : : : : : : : /|ニニニア`   .∠ニ三三ソ :’ : /,ヘ>'´
         `</: : ; -‐; ''' ´,' ヘ三ニ{   ι/ニ三ニム : : /ン'´
     ι   `< ,/: :>'≦三ニソ /  )三三三三ニ>        /
            `ー<三三三三ム _..-‐'"ニ三三三ア         /
             ∠三三三三三三三三三三ア            '
              lニr''⌒r三三三三三三ニア              !
         `ヽ、   ゝ{   lア'´  ヽア´ `ア'ッ'                  |
               ` .、  レ' |リ    }    ./        ι         ',

――――悪魔は去った
それが一人の人間の愛情によるものだとは誰も知らない――――

244 :名無しさん@狐板:2021/05/09(日) 07:22:12 ID:JgW5dNpC

○関係のないおまけ

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|         V  /:.:.:.:.:.:.:.\| |    .|               | |       {/{__/:.:.iハ                |
|   ヽ.吾   |__/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| |   __ノ               | |  M. 前   .{:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.、              |
|   }_ヰ_  |.ノ 〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| |  ヽ. だ .あ な .そ  | |  シ 半   Vィニニ髑、:.:.Y              |
|    ,ニ、   /:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.| |イ:.:.」 ろ  り ん  こ  | |  チ が   /「>-==l}:.ノ                  |
|    _ノ   レ'〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.| |:.丶  う.   ゃ の に  | |   ュ      И' ┌‐〈.リ            _.. -‐= |
|   /ハ   ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| |:.:.:|   .が .し 違    | |  で      .〉\,二'/|      _.. -= ¨、_.. -‐= |
|   ∨ ノ    |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| |:.:.:|.   ! ね い    | |  !       {¨¨    ¨7¨¨ ̄/      、 \}    .|
|  ┼__[[l    \_.. -ヘ:.:.| |:.:/_    ぇ. も     .| |ヽ     ___〉、     |   |    、 \ノ}    .|
|  / __     / }::}  ヽ| |:.:.:.:.:.:.:\             | |イ¨¨¨l\/ { .r  「|   \   \    _\ノ¨    .|
|   .l7 l7  /¨ (::;     | |:.:.:.:.:.://         | | ハ  |ニニ|  r┘ー r一   >─ャ‐<.__ノ      |
|\ 0 0./    )  o   | |-=≦ニニニニニヽ   .ィァ…| | |   ヽ.ニト ._ |厂/   ,/    |           |
|. /⌒\〈  o         | |ニニニ,三三=-─\{..ソニニ| |∧     ノ     / [[l/7   }   |           |
|/o  〉::::::\         | |\ \ニニニニニニニニニ\.ニ| |  、       \    l/ /、   /\           .|
|    }::}¨¨l:::ヽ   __. -‐=| |、: :\ \ニニニニニニニニニド| |  ∧            /   \イ     、        |
|____}/__.. -‐ヤ ´:::::::::::::::::| | ヽ:_: :\_`二二二¨寸ニニ|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|::〈_rッ\}:::::::::\:::::::::::::::く| |    > /     .>、\ニ| ____________________
ト:::::::::::::::::;:|¨¨\:::::..、二 \| |  ´        |: : \`| |     /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\   \  |       |
|:ハ:::{¨¨i/::|      ⌒¨¨ ヽ| |   _       _ │ー: : :| |   〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.ィニニ髑ト.:.:.:.}    |∨   後    .|
|:.:.|:::ゝ ':::::|    /⌒ン、| | / | \     |    `| |     \ニニニイ三三三i|:.:/    \l    半    .|
ト:∧ヽ::::::/ >‐    /   .| |′  、  \ヽ 丿   .| |      .ハ l | >--'¨¨{刈イ     ハ     が    .|
|V:∧ }::::} |` ー‐=≦     | |    \   、__    /| |   _. -‐|ノ、 |   /` ーi }ム      |     M    |
| 、∧::::{ V      _ _| |        ̄ ̄¨/   / .| |/ニニニリ   、\ {   / イニヽ  , -‐/    シ     |
|\ .∧:::ヽ| / ̄    .| |           /   //| |ニニニニ|   \ヽニニハ\   ///.     チ   .|
|/∧ ヽ\::V     _.. -‐| |          ./   イ'ニニ| |ニニニニハ、    ー’ ∧ フ′  ⌒i    ュ   |
|∧∧  、\ ¨,二二  /| |_       /  /ニニニ| |ニニニ7      ー─--  ヽ      /    !     |
|/∧∧  ヽ:.:V:.:.:.:.:.:.:V:.:.:.| |、__,二¨ヽ. /  イ/`寸ニニ| |ニニニ|       ヽ        |    '⌒7、       .|
|∧∧/\   \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | |    \  / ′  \ | |ニニニ|      |       ,ハ      / 、 V⌒\/⌒ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .!ニニニ!     ノ     /  \__/   \       |
                                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

245 :名無しさん@狐板:2021/05/21(金) 00:33:48 ID:E1SuUXS/
なんというかこう、呼ばれてない時に部屋に向かうけど鍵がかかっていて
ノックするけどドアロック(チェーン?)かけたまま開けて入れてくれなくて、
「呼んでないけど?」とすげなく言われて、それでも抱いてほしいと頼むと
無言のままドアを閉められて、ドアの前で落ち込んでいると「鍵は開いてるわよ」
と言われてドアを開けて中に入ると部屋の奥で笑みを浮かべながら座って足を
意味ありげに差しのべていて、それに何も言われずとも足を舐めるようにされたい

246 :名無しさん@狐板:2021/06/06(日) 23:10:00 ID:YcmzYxVj
これはひどい真・女神転生if7 傲慢界編



これは女神転生ifと女権国家のクロスSSです>>229から>>235まで投下した話の続きです。以下の注意があります。

@ この話に出てくる設定の大半はオリジナル設定や作者の独自解釈であり女権国家や女神転生の公式設定ではありません。
A 登場人物の生い立ちヴィヴィオの設定やアリスの人間関係も、元ネタから想定して拡大解釈したものであり、女権国家本編のものではありません。


 邪教の館の来客用の寝室。高級ホテルを思わせるこの部屋は普段は悪魔などとの関連を一切感じさせない、雰囲気となっている。外が完璧な霊的な守りに囲まれているが故に不要という考えによるものだ。しかし、今日は違った。
大きなベッドの周りを即席の祭壇が囲みその周りを小さな人形達が動きながら儀式をしている。小さいながらも美女を思わせる人形達は完璧な侍女と巫女を合わせたような動きをしながら、
時には香を焚きあるいは性行為をしている最中に女性達が使う魔術に合わせて手伝うように魔法を発動させたりしている。絡み合う5つの人影たち、横島、アリス、夢子、ユウキ、ランの五人が性交をしている。

 彼らの性交の様子は淫猥だが、儀式めいた神秘的なものでもある。
 4人の女性達に嫐られている横島は脱力感と、もどかしさと快感の間で狂いそうになっていた。あの儀式から数日、――青木の記憶の通りなら1時間も現実世界では経っていないだろうが、
アリス達に強化のためだと性交による前世の再現と剣を馴染ませる性魔術を行使されていた。
 彼女たちが送り込んでくる快楽はすさまじいが横島にとって一番辛いのは彼女たちが激しい鞭の様な快楽を一切与えてこなくなっていることだった。甘い傷に塗り込む心地よい薬を思わせる快楽が、マイやエヴァに与えられた傷を塞いできている感覚があるが、
それに浸っていると、また切りつけるような快感が欲しくなる。夢子が横島と繋がりながら目を閉じると唇を貪り、上としたが同時に脱力感が襲いそして分身が震え射精が起こった。夢子は横島から離れると、アリスに場所を譲り自分は後ろから横島の背中から抱き着く。
数日前の儀式のときにやられた、分身を増やす魔術を恐れ期待している自分がいることに気づいた。だが、それは行われず夢子は乳房を背中に押し付けながら、耳たぶをかみ前に回した手で横島のあばらの下のツボを押してくるだけだった。
アリスの優しすぎる攻めが同時に訪れ、夢子にツボを押される度に射精が起こる。二人に弄ばれ圧倒されているが、彼が欲する鞭の様な快感はいつまでも訪れない。 

 波目になった横島を見てユウキとランは不意に目配せをすると、黒い光となって横島の頭の中に入っていった。

 アリスと夢子よって意識が落ちた横島は目覚めると、神秘的な森の中に居た。優しい月明かりの似合う、おとぎ話とファンタジーの中間の様な森の寝台で横島はランとユウキの二人に押し倒されている。 最初に動いたのはランだった。
彼女は夢の世界で思う様に動けない横島に不意に口づけをして来た。どこまでも優し過ぎる口づけで横島は指一本自分の意思では動かせない所まで脱力させられた。

 動けなくなった横島にユウキが茶目っ気たっぷりの笑顔で告げてきた。

「横島、本当に君は僕達に対しては弱いね。僕よりも相手の夢を掌握する達人の夢魔の侵入すらはね返したり逃れたことすらあるのに、僕たちに対しては本当に無防備だ」

 嬉しそうに笑うとユウキは手をかざしピンク色の光を横島に放ってきた。何か危ないと思ったが、横島の口の中を蹂躙するランの舌のせいで思考がまとまらず、そのままでいると。一気にランの姿が大きくなった。
――否、彼女が大きくなったのではなく、自分が小さくなったのだと直に気づいた。
 子供になった横島をランが膝枕の様な状態にしてユウキと死線を合わさせると、ユウキはいたずらが成功した子供の様な笑顔で横島に言葉を告げる。

「エイジドレインはアリスやエヴァやヴィヴィオの領分なんだけど、夢の中なら僕だってお手のものさ」

 そう言うとユウキは乳房だけを大人の時と同じ大きさにして横島の分身を挟んだ。優し過ぎる責めが再び増してきて、辛くなった。ユウキはゆっくりと優し過ぎる責めで胸を挟みながら横島をじらし尽くしてから射精させた。
敏感になった分身を再び優しく乳房で攻めるユウキを横島は抗議する様な視線で見た。

 ユウキはその視線に気づいていないのか、それとも自分の体がもたらす快感に彼が屈しているとみているのか、ただ、ただ楽しそうに横島の分身を乳房で抜き続ける。不意にランが不満げな声を横島に対して上げた。

「ユウキの方ばかり見すぎです。私も見てください」

 そう言うとランもユウキと同じく乳房のみを大人の時の状態にして、横島の顔を覆ってきた。乳房で顔をおおわれてしまい大人の時でも圧倒される胸が、小さくなった自分の頭を包みこむ。
甘い香りが鼻腔をくすぐり、なんとなく危ないと思い口で息をしようとしたらその瞬間、ランが横島の口に乳首を押し込んで来た。口でする筈だった息を鼻でしてしまい、一気に脳を甘い香りに犯される。

ボヤけ切った頭になった横島に対して不意にマイが乳房を放すと、ユウキの方を向かせた。

ユウキは乳房で挟むのを止めると、今度は足で横島の分身を踏みつける。それと同時にランが再び、横島の頭を完全に乳房に埋もれさせる。
待ち望みきった、鞭の様な快感が来るかと思ったがユウキの足は信じられない程優しく、横島の分身をしごく。

「横島、辛い快感が来るって期待してたでしょ? まだダーメ♪ 君に対する強化の儀式はまだ終わってないんだから」

 横島は焦った。鞭の様な快感が欲しいという衝動はどんどん大きくなっているのに、甘やかす優しい快感の中毒も同時に進行している感覚もある。ユウキの足は横島分身の竿と最先端を優しくさすり続ける、ランは右腕で横島の頭をなでツボを押し、
もう左手を股間に伸ばし袋を揉みしだいた。睾丸を優しく包まれ横島の目からは涙が吹き出た。子供に戻った事で精神の耐久力も落ちていると、冷静な部分が告げてくる。ユウキの足が特に気持ち良く先端を刺激し、ランの手が頭のツボを強く押した瞬間に横島は一気に射精した。
激し過ぎる勢いの射精は、横島がようやく味わう事が出来た鞭の様な快感だった。

射精が終わると、一気にランとユウキに自分の夢の世界が支配された感覚が強まる。脱力状態の横島にユウキは満面の笑みで恐ろしい事を言ってきた。

「一度射精したから、今度は僕とお姉ちゃんが交代だね」

 そう言うとユウキが横島の顔に乳房を押しつけ、ランが乳房で横島の分身を挟む。
ユウキと似てそれでいて優しい攻めに対してはユウキ以上に上手いランの乳房での攻撃は、横島を激しく追い詰めた。そして頭の中には、ユウキの乳房で鞭の様な快感を与えられた時の事がよぎり始める。ランはそれを察してかより激しく優しい快感を送り込んでくる。
 ランの乳房で射精させられた横島は完全に腰砕けになってしまった。完全に魂が屈服した横島をランは切れ長の優しい眼で見下してくる。そして彼女の足がユウキがしたのと同じように、横島の分身を嫐り始める。
ユウキは胸を押しつけながらランがしたのと同じように横島の、頭のツボを押し、そして股間の袋を揉みしだく。
僅かに感じられる、ユウキの与えてくる厳しい快感が横島の唯一のよりどころとなった時、ユウキとランが同時に横島の急所を見極め最高の快感を与えてきた。その射精と同時に夢が砕け散った。まるでこの夢の全てが分身から放出されているかのような射精が起こる。
それが終わると、ランが横島にまたがり繋がった。待望の厳しい快感が走るが、ユウキと異なり、僅かに甘い快感が残っている。それでも彼女の内部は優しい攻め方なりに鞭の様な快感も与えてくる。
射精が済むとランとユウキが瞬間移動して入れ替わった。次の瞬間、厳し過ぎる快感が遅い一気に横島は屈服した。優しい快感に慣らされつくした後の厳しい快感は一気に彼を陥落させた。


247 :名無しさん@狐板:2021/06/06(日) 23:14:24 ID:YcmzYxVj
「ユウキ。もう一回彼が達したら交代だからね」

「はーい」

 一度目で厳しい快感での射精を求める精神が普通に戻り、二度目で甘く優しい快感を求める程、厳しい快感で横島は心へし折られた。絞り取る度に入れ替わるが彼女達は優しい攻めと厳しい攻めを一周ごとに繰り返した。
ユウキのネズミをいたぶる様な無邪気な猫を思わせる目と、ランのバカなペットを愛でる様な、細められた優しげな視線が自分の精神の弱点として刻まれていく感覚が頂点になった時、ひと際激しい射精と共に横島の意識は現実に戻った。

現実に戻るとアリスと夢子が前と後ろから横島を挟み込んでいる。横島と繋がりながら前から責めていたアリスはいつも以上に強い快感を横島に送り込んできている。激しい快感の海におぼれさせられながら横島は気づいた。
目の前の彼女は別人という訳ではないが、今まで接してきたアリスとは大きく変化している、と。激しい快感が走り遂に横島が望んでいた鞭の様な快感が走った。
夢子の魔術で後ろにも魔術で出来た分身が付き前と後ろ双方から一気に魂の大半が切り裂かれた。意識が再び落ちるとユウキとランに嫐られる夢の中に戻った。夢と現実の間を何度も往復した果てに儀式は完全に終わった。

 次の目覚めは心地よい解放感と共に訪れた。ガーディアンが完璧に馴染んだ感覚と共に、夢子から貰った剣も、後一歩で完全に自分の体の一部となるそんな確証がある。その一歩は実戦で剣を振るい馴染ませるしかない。
夢の中での性交によって魂の潜在能力の壁が薄くなった事を確信すると、横島は寝台から出て剣を持った。
その姿を見てユウキが嬉しそうに声をかけた。

「横島、儀式は完全に完遂したよ。夢の中で僕たちの加護を受けた事で完全に前世に近づいたね」

「ああ。これで傲慢界も踏破できそうだ」

 横島が体の好調さに任せて外に出ようとした瞬間、ユウキが声をかけてきた。

「横島、アリスと夢子さんが君にお願いがあるって。実行するかどうかは君次第だけど、内容だけでも一応聞いてほしいってさ」

「ああ分った」

 横島は夢子から貰った日本刀を思わせる刀を手に持つと、彼女達の部屋に向かった。この刀の名を夢子に聞くと、名前は応えず愛女守(あいめもり)と、号だけを応えた。彼女は横島の刀にはこれが一番合う名だと言っていた。
アリス立ちの部屋に辿り着きノックをしようとすると、その前に扉があき不意にアリスに抱きつかれた。

 横島は驚き戸惑った。アリスは前世が夫だっただけに自分に好意的だがここまで積極的な性質ではない。それに彼女の服も青いメイド服ではなく、青と赤のリボンであつらえた私服に変わっている。続いて出てきた夢子も服装は変わらないが、
普段より感情が豊かになっている事は一目でわかった。アリスは横島に頬ずりしながら嬉しそうに口を開く。

「横島久しぶり。疑似人格の中から貴方を見ていたけど、今日ばかりは本来の私で頼むべきだと思って、一時的に封印を解いたの」

「アリスちゃん。一体何の頼み事だ。 夢子さんもいつもと大分違うけどなにかあったんか?」

「私もこの娘同様に今回の頼みは本来の自分に戻ってするのが筋だと思ったので、アリスに習いました」

 夢子は優雅に一礼するとアリスを引き離し、横島を部屋の中に案内した。

 二人の部屋は基本的に小奇麗で趣味が良い作りだ。アリスのスペースは大半が伝承や噂が広がる仕組みや、人形劇を始めとしたエンターテイメントの盛り上げ方や、魔術の書が多い。 
夢子のスペースと思われる場所は鍛冶の神の伝承や神秘的な伝承のある剣の本などが多い。仕事だからそうしている訳ではなく、典型的な好きを仕事にした人の部屋という感じだ。

 席を勧められてかけた横島を真剣な目で二人は見ている。しばらく経つとアリスが重々しく口を開いた。

「横島、私たちのお願いというのは次の傲慢界で私と同じアリスって名前の騎士と戦う事になる可能性が高いと思うの」

「アリスちゃんそのアリスをどうすればいいんだ? 戦場での事は『やってみる』は言えるが、それ以外は約束できんぞ」

「別に倒してほしいとか、逆に殺さないで、って訳でもないわ。あの娘が貴方に頼みごとをしてくるかもしれないから、マイさんとの信義や職責に反しない範囲だったら聞いてあげてほしいの」

 横島はアリスの目を少し見ると夢子の方にも向き直る。

「夢子さんの頼みも、アリスちゃんと同じことか?」

「はい。私もあの娘の望みを叶えてあげてほしいと思っています」

「分った」

 一瞬の迷いもない即答は、二人を大いに驚かせた。

「宜しいのですか?」

「ああ。職責に反しない範囲かつマイ姉ちゃんを裏切るような頼みでもないんだろ。それなら二人の望みを叶えるわ。 アリスちゃんも夢子さんも完全に味方じゃないけど、長く接して人柄は分っとる。
二人のお願いなら完遂しても寝覚めが悪くなる様な内容じゃないだろ」

 一切疑っていない、横島の様子に二人は心から喜んだ表情を見せた。それを見て、横島も顔がほころぶ。

「何と言うかその顔を見れただけでも頷いて良かったと思えるな」

 その言葉を聞くとアリスと夢子が赤面しそしてアリスと夢子が横島に近づき、アリスが嬉しそうに口を開いた。

「貴方は本当に何度生まれ変わっても変わらないわ」

 ここまでは恋する少女を思わせる親しみやすい声で言い、そして次の瞬間その瞳が魔性めいた魔女のものへと変わり横島を抱きしめる。

「そういう口説き文句を魔女に言うことは危険だということを理解してもいないところもね。 こっちの世界にいる以上はもう少し警戒心を持ち続けなさい。敵意だけじゃなく、深すぎる好意を受けることも人でない者との付き合いでは危険なのよ」

 魔性めいた声音で語りかけてくるアリスの体の柔らかさを感じ横島の背筋が寒くなった。恐怖を感じているのに溺れさせられることへの期待が、強いことがより恐怖を煽る。

 アリスが離れると同時に夢子も横島に抱き着き警告の言葉を紡ぐ。

「危機感を持たずに行動していると、快楽に溺れさせられるだけではなく己を軽蔑し尽くしているのに、それが快感になる程の無残な殿方に成り下がらせられますよ」

 二人の魔性めいた言葉は耳をくすぐるだけで、媚薬の様に心に沁み込んでくる。そして抱き着かれた時の感触だけで分かった。普段の二人は自分を壊さない様に手加減していると。 ここ数日の儀式の繰り返しで自分は夜の耐久力も上がったが、
それでも今の二人に襲われたら快楽で精神が壊れるかもしれないと横島は思った。それを理解しているのか彼女たちは、ゆっくりと横島から離れると言葉を続ける。

「狙っていない時に限って女性を落とす様な発言をするときは、そばに恋人がいるときだけにしておくことです」

 夢子の忠告に頷くと。横島は慌てて話題を変えようと思い前から気になっていたことを聞くことにした。

「忠告ありがとな。 それと少し聞きたいことがあるんだが良いかな?」

「はい。なんなりと」

「夢子姉さん。渡した剣の事じゃなかったら私に教えさせてくれる。姉さんも教師が下手な訳じゃないけど、私の方が上手いし、教えるのは好きだから」

「少し気になってたんだが、ユウキちゃんとランさんが言っていたレディキラー達って何なんや?」

 アリスと夢子はその言葉を聞きなるほどと言う顔になった。女権国家の伝承の魔物たちと戦うのだから、前世の記憶のない横島からしたらユウキとランの宿敵と言えば出会う恐れもあるかもと考えるのは当然だ。もう敵として出会う可能性はないし、
であってもそこまで恐れる相手ではない。少なくとも善良な男性たちにとっては微塵も脅威ではない存在に生まれ変わっていることだろう。だが安心させるために一応は話しておいた方が良いかもしれない。


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  アリスは目を閉じて黙考した。これは話すか否かで悩んでいるのではなく、どう伝えるのが一番効率的か考えている様子だ。それを一目で察した横島は黙りアリスの考えがまとまるのを待った。しばらくしてアリスは目を開けると、横島を見て口を開いた。

「今から説明するわ」

 アリスがそう言うと、人形たちの群がホワイトボードを運んできた。数日前に横島がアリスから説明を受けた二本の世界樹が描かれたままになっている。 アリスは二つの世界中の特に近い枝二本、横島達が現在いる世界を指差すと人形達が、
僅かな時間でその枝を拡大した様な絵を描いた。

「横島、貴方は女権国家に対する知識はそれなりにあるけどどれくらい理解しているの?」

「とても強い女性が多くて寝技に持ち込まれたら敗北確定なやばい国。どんな男でも何度か女性に犯されると支配されてしまう。女性より戦闘力に関しては強い男はそれなりにいるが、女性たちの誘惑する能力も、凄まじく抗える男は稀だ。
それ故に他国との戦争でも国力で負けていても、相手の国を絡め手で倒してしまう。さらに戦場でも将官等の寝返りが続出する恐れもある。もっと詳しい知識が必要か?」

「いえ、それくらい理解していれば今から私が話す事は理解できるわ。貴方と私たちの縁が最初に始まったのは、貴方が女権国家と戦う王国に所属していてその時に最初の結婚をしたの。そして貴方達の活躍で王国は、
一時的に女権国家相手に外交的優位関係を結べた。そして貴方達は、優位的外交を維持したまま、友好的な関係を築くことに奔走した。これがこの枝の世界線での出来事よ」

「その時に何か起きたのか?」

「いいえ。正確に言うと貴方が二度目の転生をした時にそれは起こったの。女権国家の良識的な女性達からは蛇蝎のごとく嫌われている、男尊破遊魔術団(だんそんはゆうまじゅつだん)って組織が出来あがり台頭してしまった。
それが全ての惨劇の始まりだったわ」

「名前からしてろくでもない組織だってことは分かる。それでそいつらは何したんだ」

「彼女らは、魔術などに長けた女権国家の女性達が寄り集まって出来た組織で、特に性魔術に長けていたの。女権国家の中でも特に質の悪い男の人としての尊厳を奪い去ることを最高の楽しみにしていたわ。
 男性たちは本当に稀にだけどFFF団という組織と間違えて混同する人もいるけど、それはダメだわ。 横島、貴方も女権国家にもしも行くことがあったら、絶対に混同しているような発言はしちゃだめよ。本気で彼女たちが怒るから。それに、
あれと一緒にしたらFFF団に失礼すぎるわ」

 もしも行くことがあったらと言った後の忠告はもう横島を連れていくことが確定しているが故の忠告にも聞こえた。訝る横島をよそにアリスの説明は続く。

「その組織=男尊破遊魔術団は例えると、高潔な騎士を快楽漬けにして抗えなくして無力な守るべき対象を殺させたり。他にも快楽で精神崩壊状態にして、恩人を後ろから切ることを強要して、それをさせた後に正気に戻したり、
どんな男でも逆らえない快楽で言いなりにしながら、騎士道精神とかは残して置いたり、最悪の外道よ。しかもそういう楽しみの為にした性行為で余計に魔術師として強くなっていくという厄介極まりない連中だったわ」

 アリスの言葉には強い嫌悪が籠っていた。巻き起こされた惨劇で被害を被ったというだけではなく、純粋に善良な男性達が受けた仕打ちに不快感を持っている部分もあるのだろう。
話の途中だが横島にはどうしても気になることができてしまった。彼は少しためらいつつもそれを口に出した。

「アリスちゃんワイは正確には十数個前のワイはなんで人のままやったんや? やっぱり人外になる事に抵抗があったんか」

 横島の問いを受けるとアリスは当然の疑問だという表情になり直ぐに、その質問に答え始めた。

「それを話すには少し、長くなるけど、このことも話した方が分かりやすいでしょう。実際にこの件と無関係な話でもないし。貴方は私達と最初にあった時の人生で王国に戻った時に凄く熱心に東洋の術を勉強していたの。東洋の術が余り得意な者が、
私たちの中にはいないと分ったから私達にできない術を学んで、私たちを助けてくれようとしたの。あと私たちを守ることに必死だったの。王国は人外と人間の結婚に女権国家程寛大ではなかったから」

「そうか。やっぱりアリスちゃん達も昔は今ほど強くなかったんやな」

「いえ、自分の身くらいは守れたけど、やっぱり祖国で大手を振って愛する女性達と結婚したいって、貴方が言ったの」

「みんなと結婚前に殺されたか。それとも人外になるのは許さん、見たいな宗教家に後れを取ったのか」

「いいえ。貴方も女権国家で修羅場を潜ったし、かなり真面目に修業して死ぬ可能性は殆どなくなっていたわ。それに加えて東洋の術は人間でなくなると覚えられなくなったり、使えなくなる術とかもあったから、焦る事もないって事になったの。」

 アリスの弾んだ声を聞きながら横島は嫌な予感を覚えた。今の彼女は自分に対して恋する乙女の様な目と声で話しかけてきている。そしてその都度に無表情だったメイドとしてのアリスにされた女性上位の性行為の数々が思い出される。
今の彼女は手加減を誤り、自分の大切な何かを壊すほどの快感を送り込んできそうな怖さがある。一番怖いのはそれをされるのを少し期待し始めている自分がいることだ。

 横島の心配をよそにアリスは平然と言葉を続けた。

「少し話がずれるけど、一度目の生の貴方は東洋の占いにも通じてかなり命中率が高い占いができるようになっていたわ。細かいことや具体的なことはわからないけど良いことが起きるとか、悪いことが起きやすいとか、そういう占いに対しては王国でも有数になっていたの。
貴方が私達の未来を占った時60年から100年後に大災い、死ぬ可能性極めて高し、なんて結果が出たの。それを見た貴方は東洋の占いを特に磨き上げ始めたわ」

「それでどうなったんや」

「貴方の占いは大雑把なことしかわからないけど、それでも的中率は高かったわ。それで仲の悪い派閥の人たちでも、軽んじない程度には信憑性があったの。
そのおかげで占いの修行や研究に協力してもらえたわ。私達は貴方との結婚を許してもらう条件として百三十年は王国を護るって約束してたから。王国最強までいかなくても、切り札や懐刀クラスだった私達が全員死ぬ恐れがあるって、ただ事じゃないって誰もが判断したの」

「今の方が強いとは思うが当時のアリスちゃん達はどれくらいだったんだ?」

「相対的な強さを言うと、当時のミクさんって貴方の上司くらいしか私たちを瞬殺できる人はほとんどいないくらい。少なくとも敵国も懐刀クラスの戦士や暗殺者を送ってこないと、話にならないくらい強かったわ。それくらいの強さの女性達の殆どが死ぬ恐れあり。
しかも本国の首都とか重要拠点を守っている人達もよ。ここまで言えば分かるでしょう」

「国が滅亡するかもと思った人たちが多数だったんだな」

「ご名答。少なくとも存亡の危機くらいではある、って見解の人が大半だったわね。 貴方の占いは大まかなことしかわからない。けれど被害を軽減できる類の占いだったから国中で対策が行われて、貴方に対しても協力体制が直ぐに整ったわ。
敵も味方も多かったけど、積極的な敵対者はあまりいなかったから。貴方が人外と結婚したことで反発した人も多かったけど、そういう人たちも国を守ろうとする貴方の意思は信じていたから協力してくれたわ」

「前世の俺って結構な愛国者だったんだな」

「まあ、主なところは結婚を許してくれた上司の方たちや、戦友たちへの義理立てだったけど。それでもあなたと戦友たちのおかげで王国の滅亡は大分遠のいたのは間違いなかったわね。それで貴方の占いが様々な方向で進化してその占いの結果が広まって、
さらに事態は大きくなったの。貴方が広範囲を占えるようになった結果、大陸全土の実力者な女性達、外交に秀でていて、無害な国とかも含めた実力者な女性達や、人外の隠里や異界の女性達が大量に死ぬ可能性が高くなっていたの。
そして女性ほどでなくても男性の実力者の死亡率も大きかった。その結果を見て戦争ではなく、大陸全土を巻き込んだ災害では、って考え始めたの」

「それでその結果どうなったんだ」

「貴方の占いは敵国や同盟国からもそれなりに警戒されたり信用されるくらいだったから、それで停戦や冷戦状態の国同士がやや和平に積極的になり、災いが回避されるかあるいは実際に起こって乗り切るかまでは停戦が続くようになったわ。
その時は大陸の情勢的に戦争を当分は避けようという国が大半だったから、大陸全土が停戦協定や同盟状態という平和な状態になったわ」

「ほぼ確実な強大な外敵の侵入。そして防ぐことも可能な状態それなら同盟して防ぐために動き始めるか。それで俺が出した結論は何だったんだ」

「貴方が占いの技能を磨き上げていきついた最終的な結果は女性の天敵と思える存在達が60年から100年後に大暴れするというものだったの。それを知った貴方の行動は早かったわ。
命数と転生を操る術を学び、今までの善行全てをささげて転生と冥府の神々に願ったわ。私達に災いが降りかかる時期に一緒に戦える状態で転生させてくれるようにって」

「それで転生始めの俺が次に転生したのは何年後だった」

「80年後だったわ。その時に貴方の占いの正しさも実証された。60年後に男尊破遊魔術団が台頭してきたの。その組織は魔術とかも実証されて、実在していることを『実感』している人は少なかったけど、
理解している人が多くなった結果生まれたの。皮肉なことに、女権国家の女性達はサキュバスなどの男を破滅させる存在の力を取り込んだり、あるいは転生することに関しては相性が凄く良かったの」

「その組織、なんですぐに潰れなかったんだ? 戦争時ならままだしも一応平和で攻め込まれる恐れがないなら、小規模内乱を覚悟で潰しに動けば良かったんじゃ」

「それが出来なかった理由はその女達は女権国家でも良識派からは疎まれていたけど、オカルト的な実験ではかなり有益な成果を出していたの。
そしてあいつらは魔術的な契約で大災害が起きた時には自分たちの楽しみよりも災害の鎮圧に協力すると契約したのよ。彼女達を疎ましく思いつつも、
その絶大な戦力や魔術の研究の成果を惜しいと思った人達のせいで彼女達は、非人道的実験を大きく制限されても報いは受けなかったわ」

「それで彼女達とその天敵達はどういう関係があったんだ」

「結局最終的には女権国家内部で良識派と彼女達の間で半内乱クラスの政争が起こったの。それを見越した彼女達は平和条約で手を取り合った同盟国に大量に逃亡したわ。皮肉なことに大陸中が同盟状態だったせいで、
隣国の隣国まで逃亡が出来てしまうものが多かった。そしてあいつらは女権国家内部ではそれなりに勢力が削られていたけど、亡命先ではどんどん勢力を拡大していった。そして他国に逃げたあいつらは女権国家本国より、
勢力が大きくなったわ。女権国家内部や女権国家と交戦経験のある国はある程度彼女達を抑えたけど、女権国家と戦争した事がない隣国の隣国辺りはもう駄目だった」

 横島も何となく状態に想像がついた。本国から流出した勢力が他国を乗っ取って逆に強くなってしまったのだろう。横島の表情から事態を想像できているなと、読み取ったアリスは核心部分を話し始める。


249 :名無しさん@狐板:2021/06/06(日) 23:28:54 ID:YcmzYxVj

「女権国家から出たあいつらは本当に男性に対して外道だった。そしてこのままでは、女権国家の良識ある女性たちなら、絶対にやらない様な扱いを受ける男性が大陸中に溢れかえる。
そう思った一人の天才的な魔術師が異界と女権国家の世界を繋げようとしたのよ」

「それがこの世界と女権国家の世界か」

「ええ、つなげようとした魔術師は決して悪人ではなく、男尊破遊魔術団の作った地獄を見て、こんな女達に大陸を支配させる訳にはいかないって一念でやってしまったの。後世どころか大災害が起きた直後ですら、
彼が見た男尊破遊魔術団の所業と勢力の拡大具合が知れ渡ってからは、彼を絶対悪とみなす人は殆どいなかったわ。女権国家や王国を始めとした、女権国家と戦った事のある国と結ぶのが最適解だったけど、そこまで理解するのは不可能だったろう、
と大半の歴史家に同情されているわ」

「この世界と向こうが繋がりかけた経緯は分ったけど、人外女性の天敵ってこの世界に居なかった気がするな」

 これは横島が一番解せないと思った事だった。人外の女性の天敵という存在はこの世界にはいない気がする。勉強不足の自覚はあるので断言はできないがそれほど多くはないと思う。横島の頭に浮かんだ疑問は直に解決した。アリスが我が意をいたりと話し始めた。

「当時大陸全体が危ない事になって、あの魔術師は全てをかけて男尊破遊魔術団と戦っていたわ。女権国家を囲みかけていたあの女達の勢力はどんどん外側に力をつけて行っていた。 彼はまだ女権国家の手に落ちていない外の勢力や国家と交渉して、
全ての勢力を反男尊破遊魔術団へと傾けたの。そして彼の与えた情報で大半の国は恐慌状態なったわ。彼の周りには積極的に味方する勢力は多かったし、資金援助などで消極的に味方する勢力は星の数だったわ。
そしてその時に、世界を繋げる魔術を成功させたの」

「そこまでは分かる。だがこの世界にだって、女性の天敵な悪魔なんて多くないと思うぞ。
いるかもしれんが俺はきいたことがない」

「ええ。彼は様々なことを調べて、この世界は女権国家と似通った部分も多いけど決定的に違うところがあるところを見つけたの。それがこの世界は女性優位の国がないということ魔術や神秘が溢れ恐るべき女神や魔女や女妖怪はいるけれど、
女権国家の様な国はない。そしてインキュバスを始めとした男性の人外も絶滅していない。それを見てこの世界には女権国家の世界にはない、男性優位を作り出す神秘があると彼は信じたのよ。彼の占いでもこの世界とつなげれば、
あの女達を潰せると出ただけで、具体的にどう潰せるかまでは出ていなかった。それが大きな落とし穴だったの」

「まさか男性まで虐殺する様な兵器が出来あがったとか?」

「いえ。近いけど違うわ。この枝と枝は一時期もっと近づいていたの」
 ホワイトボードに描かれたくっつきそうな枝を指差しアリスの言葉はさらに続く。
「彼は二つの世界が許容し合う、限界近くまでこの世界と向こうの世界を近づけた。それは一時的なものだったけど、世界の法則が混じり合ったのよ。完全に同一にはならなくても、向こうとこちら側が数滴の水をお互いに入れあったかのように変化が生じた。
そして実在しない悪魔でも噂が広まれば、現実になり易いという現象が女権国家のある世界で起こった」

 そこまで聞いて横島の頭に一つの答えが出た。噂が広まり生まれるメカニズム。人の願望、あり得るという根拠。納得できる法則性、これらが複雑に絡み合った時噂が広まる。そして、自分が倒してきた怪異の中にはそういう誕生をした悪魔も居た。
横島の頭の中を正確に読み取ったアリスはさらに言葉を続ける。

「そう、彼が引きいていて、纏めた各国では男尊破遊魔術団の恐ろしさが知れ渡り、恐慌状態だった。そして女権国家の様な国が存在しないという、この世界での情報が広まったの。その情報が、女性の天敵となる神や悪魔か魔物が居るはずだと信じられた。
その認識が広まる際に向こうの世界が、こちらの世界の大まかな情報を読み取れるようになった時にこの世界には男性優位の宗教と神話が殆どだと分かったの。それがさらにその認識に拍車をかけたわ。そして男尊破遊魔術団への恐怖がそれを強く求めさせた結果、
こちらの世界と法則が混じり合い、よりにも寄って、向こうの世界で全ての女性の天敵である魔物が誕生したの」

「向こうの世界の人たちは多分、俺達の世界出身の魔物だと思い込んでいたんだろうな」

「ええ。当時は男尊破遊魔術団への恐怖で最高の知識人たちでさえ冷静さを欠きかけていたわ。そんな状態で彼女らを倒してくれるかもしれない存在、そしてその魔物たちは男性にしか倒せない魔物で、
彼らが居た結果この世界では女性上位の国は生まれなかったと見た人達が多かったわ。男尊破遊魔術団の大半はあの魔物達に討たれたわ」

「それで終わりじゃなかったんだろ」

「その通りよ。悪辣な女性だけを殺してくれて、どんな強い女性にも絶対負けない化物。そんな都合の良すぎる存在がいる訳ないと思った大衆の意識と恐怖が混じり合い、この魔物達は駆逐される理由があるはずという結論に落ち着き。
最終的には、善良な女性達まで殺す化物と思う人たちが増えてそして、強い女性や有能な女性達から最初に殺す存在なんだと思われる様になったの」

「典型的な人が作った多神教の神の状態やな」

「ええ。彼らは姿も様々で、無性であり感情も持たない機会の様な殺戮機械だったわ。男尊破遊魔術団は癪だけど有能な女性が多かったせいか、優先的に狩られてもう存在しなくなったわ。その騒動の後、最終的に女性が一人もいなくなれば、
人類も滅ぶから倒す手段もあるだろうと誰もが思い。その結果が、人間の男性じゃなければ倒せないという噂が世界中に知れ渡ってしまったわ」

「どうして人間の男性じゃないと駄目になったんだ? 男なら人外でも倒せるんじゃ?」

「最初にあの魔物達が生まれた時、男尊破遊魔術団やその思想に傾倒した女性達が妨害に近づいていたの。そしてあのバカたちの行為が様々な最悪の事態を引き起こしたわ」

 アリスの口調が珍しく乱れた。やや品のない言葉を使う当たり、相当に頭にきているのだろう。彼女は横島の気遣うような視線に気づき、野蛮な口調を混ぜてしまった自分を諫めると再び言葉を続けた。

「男尊破遊魔術団の中には人でない女たちには悪魔とかも混じっていたわ。そして強力な女悪魔たちがその場に居合わせた事で、大きく事態が動いた。女殺しの悪魔たちはいわば概念や信仰の塊。
霊的な悪魔である女性や魔術に適性が高い女性達程影響を受け易かった。 横島、貴方には言うまでもない事だけど、実際に鬼や竜を殺せるほど素晴らしい武器が出来た場合デビルバスターとして気にかけるのは何?」

 アリスの一応の質問に横島は間をおかず応えた。

「その剣でなにをするかやな。そしてどんな悪魔を最初に倒すかと、中心的に倒す悪魔たちをどうするかだ」

 現代ではめったにない事だが、稀に神々や大悪魔にすら通用する剣なども生まれる事はある。 そういう武器は、最初に倒した悪魔や中心的に倒した悪魔に大いに影響を受ける。
鬼殺しをした剣なら大抵の邪悪な存在に有効だが、特に鬼に効きやすくなる。邪竜を殺せば邪悪な竜に効きやすくなる。偉業を成し遂げれば、それにより世界に認められるような形でも、上に行くのは人間の英霊だけの話しではない。
ぎりぎり強大な悪魔に通用する剣などでも、強力な悪魔を倒せば、後に威力が大きく上がる事もある。有名な童子切り安綱等は号を得たことで、鬼殺しの力がより強くなっている。横島が夢子からもらった愛女守の様に、号が先に付く事は普通はない。
そこまで思い返して、横島はアリスの言いたい事に気付いた。

「そう女殺しの魔物達の初陣は男尊破遊魔術団の上層部の魔女や、女悪魔を始めとする人外だったの。彼女達を多少苦戦しつつも殺し尽くす様子は世界中に知れ渡ったわ。ただその殺し方は気か異質な残虐な獣の様で殺戮に狂う猛獣を思わせたの。
その時に世界を繋いだ戦犯である男性が、善良な女性達まで殺そうとした魔物達と戦って大勢殺害したわ。彼はその場で善良な女性達を守って討ち死にしたけど、彼の放った魔術が効いたおかげで、
男性相手にはあの魔物達の特攻や不死性が緩和されると周知されたの」

「なるほど」

「加えて言うと、その際に魔術の適性が低い人間の女性達の剣などの攻撃も多少は効いたことから、オカルト的な力の弱い女性の攻撃は効きやすいと広がったわ。人間の男性が一番彼らと戦いやすく、
そして女性や人外に対しては無敵ではないが最強で不死身、そんな存在だと彼らはなったのよ」

「今でもあっちの世界が滅んでないって事は内乱とかは余り起こらず、その女殺しの魔物達は駆逐されたんだな?」

「ええ。人類にとって共通の敵ができたおかげで、少なくとも表向きはその魔物が絶滅するまでは国同士の争いのない状態になったわ」

「そうか。多分だけど、俺が人として転生し続けたのは、人間の男性でいた方がアリスちゃん達を護りやすかったからだな」

「その通り。私達もただ守られてばかりじゃなくて色々と工夫して頑張っていたから、エヴァは、自分の力をひたすら磨き上げて、大きなハンデがあっても前線で戦い続けたりしたわ。 私は人形劇などで大勢の人間に伝説を広げて貴方が生まれ変わるたびに得る力を大きくしたり、
術や剣お大勢の人間に認知させて威力を上げたり、貴方の人形を使って女殺しの魔物たちの特性を緩和したり色々やっていたわ」

「そりゃ女性にとっちゃ死活問題やし、男にしたって女が滅びたら人類滅亡だし頑張るわな」

「そのとおりよ。その戦いの中貴方は何百年も私達を護り続けて最後はあの痛ましい事件で生まれた魔獣たちを駆逐する戦いで大いに活躍したわ。しかし、今になって思ったけど、男尊破遊魔術団は結果的にだけど、
男を見下し奴隷としていこうとする過激派たちの集まりだったのに、結果的には逆に男性の地位を上げてしまったわね。
女権国家でもナイトくんと呼ばれる類の男性たちが多くなったし、男性に護られた女権国家の女性達の良識派は善良な男性の権利順守思考になった人が大半で、彼女たちは夫の手柄で発言権が上がったし。
男の人外達もレディキラー達との戦いに、人間の男性ほどじゃないけど有用だったから地位が向上したし。あの女どもに力を与えた女悪魔はさぞ悔しがっているでしょうね」

 最後の言葉の響きでアリスがどれだけ相手を嫌っているかが横島には分かった。少しうすら寒くなったが、頭を切り替えると直ぐに一番重要な確認に移った。

「それでその、女殺しの魔物たちはこの魔界に出現することはないのか?」

「ええ。恐ろしい魔獣ではあるけど、経緯だけに絶対悪とは見なされていない上に、倒されたあの子達は、東洋的な思想に基づいて崇められているわ。善良な男性たちの守護者で悪辣な女性達に天誅を下す神様みたいにね。
仮に出てくるとしても、今ではそっちの側面が強いから、あれ? もしかしたらマイ姉さんが危ないかしら」

 半分冗談めいたアリスの言葉に横島は苦笑しながら答えた。

「それなら大丈夫だ。絶対に俺が姉ちゃんを護って見せる」

 その言葉を聞きアリスは少し妬いている様な表情になったが笑顔で言葉を返してきた。

「頑張ってね。貴方なら必ずマイ姉さんを護れるでしょう。そろそろ傲慢会への扉が開くから行ってらっしゃい」

 横島はアリスの言葉を受けて頷くと、夢子にも礼をして彼女が打ってくれた愛女守を持ってマイの元に向かった。


250 :名無しさん@狐板:2021/06/06(日) 23:41:40 ID:YcmzYxVj
 学校の裏口を通り不思議な壁に囲まれた封印の間は不思議な空間だ。近未来を若干連想させる様な、作りになっており不思議な扉が居並ぶ。ここは青木の記憶と余り変わらないと、横島は思いながら封印を解く為に中心の部屋へと入った。
謙虚のリングを捧げると空間が開き傲慢界の扉が開いた。横島は意識を切り替えると、全力で仲魔と自分の状態を確認し始める。傲慢界は青木の記憶が正しければ、万能感や全能感を最初に与えて、最後に凄く強いボスをぶつけることで、
その傲慢を砕く魔界だった。だがここでは、横島がそういう知識を持っている事も向こうの敵達は知っている。ならば同じ方法では来ないだろう。

 それでも傲慢界である以上は何らかの傲慢さゆえにひどい目に遭う仕掛けはあるはず決して油断はしないと心に決めつつ横島は傲慢界の入口を睨み次いでマイを見て口を開いた。

「姉ちゃん。もう最初から仲魔達を出しておこう。最初に戦ってある程度戦力過多ならひっこめりゃええ」

「傲慢界だからこその警戒ね。良いでしょう。ただ戦力過多でも、手に入るマグネタイトの量次第では出したままで行くわよ」

 マイは応えると、ユウキとランとアレクシアを召喚した。それから僅かに悩んだ後、二本の剣を携えた骸骨トゥルダクを召喚した。

「早速僕を呼んでくれたね。期待に添える様に頑張るよ」
 
 笑顔で抱きついてくるユウキは乳房を大きめにして現れたせいか、閨で嫐られた感触を思い出させる。彼女の無邪気に遊ぶ様でもあり、スポーツを楽しむような声で自分を嫐る言葉も同じ感覚を与えてくる。

「ユウキ、公私はしっかり訳ないだめよ。横島さん妹がすいません」

 ランがユウキを諫めて言葉をかけてくるが、優しげな細められた瞳を覗き込むとベッドの中で切り裂かれた傷に中毒になる様な快感をもたらす薬を塗られる様な感覚が思い起こされる。 ここが戦場でなければ股間が強張りまともに戦えなくなっていただろう。
アレクシアは触手を出すと地面につけて周囲の音を感じ取る機能の確認をしたり、小さな蟻の券族を召喚して偵察の用意をさせている。トゥルダクは二本の刀を構え、横島に視線を送るとマイの側に控えた。

 マイの側に控える、トゥルダクの姿に安心感を覚えながら横島は夢子から貰った剣を構えた。トゥルダクも二本の剣を構えマイの側に立った。マイがやられると仲魔達が強制的に戻されてしまうが故に誰か一人は彼女を守らねばならない。
ユウキは攻めに長けた速度の剣士でありランはユウキより強いが盾ではなく支援に向いている。アレクシアは盾も出来ない訳ではないが、気質的に向かず何より攻めに回った時の活躍が大き過ぎて、守りをさせるにはもったいない。
だからこそ打たれ強く守りに長けたトゥルダクと横島が、マイを護る。だが横島は出来る事が多いので一番マイを多く守るのは実質的にトゥルダクとなるだろう。 自分の命すら惜しまず彼を助けたコボルトや他の仲魔達が合体したからこそ、横島も彼を十全に信じる事が出来た。

 横島は全員と目を合わせて頷くと、傲慢界の扉を潜った。彼はその扉を超えた時、呆気にとられた。自分が青木の記憶で知る傲慢界とは余りにも姿が違い過ぎた為だ。青木の記憶にある傲慢界は薄暗い石造りの立派な城の地下室をどこか思わせる様な所だった。
だがこの傲慢界は、ローマや中世の立派な城あるいは天国や北欧神話のヴァルハラを思わせる、石造りの明るい街を思わせる場所だ。太陽めいた光もあり、決して暗くはない。

 立派な景色に少しだけ気遅れを覚えた刹那に大きな気配を感じて横島は即座に夢子からもらった刀を構えた。ゴブリンを中心とした敵の軍団が一気にこちらに攻めかかってきたためだ。東洋のゲームの設定も取り入れたのか、ゴブリン達はある者は剣を構え、
ある者は斧や槍を構え一斉にこちらに向かって来ている。 交渉の余地はない、一目で判断を下すと横島はアレクシアの方を見る。

「敵はこいつら以外にも大量に向かって来ているわ。嬉しい事に、マグネタイトには困りそうにないわ」

 その言葉を聞くと横島は即座に愛女守を構えると周りを見た。ユウキが風の様に動くとゴブリンの群を切り裂き一瞬で何体も斬り殺して回り、ランがユウキに支援魔法であるスクカジャをかけてその動きをさらに速める。トゥルダクはユウキとランの間に立ち、
ユウキが万が一崩れた時の援護或いは不意の伏兵によるマイへの奇襲どちらにも動けるようにしている。

 横島はマイの方を見て視線をかわすとユウキの加勢に飛び込んだ。ゴブリンの群は横島達が規格外すぎるからこそ、一方的に蹴散らされているが、彼らもまたこの世界で己を高め切った上で挑んで来た事が分る。もしも斧や棍棒を装備したゴブリンの一撃がユウキに当たったら、
動きが鈍りその瞬間に蟻に群がれたかの様に全身に刃物が刺さり死に繋がる。ユウキの速く正確な動きを見ていても、ゴブリン達の気迫と下級悪魔にあるまじき動きを見ていると、万が一が起こるのでは、という不安がぬぐい去れない。

 横島もゴブリンの群に飛び込むとその瞬間後続のゴブリンの群が合流してきた。そしてその群はユウキが切り伏せていたゴブリン達より速く力強い。木の棍棒に霊気を通わせながら殴りかかってきたゴブリンの攻撃をかわした。
その直後に剣を持ったゴブリンの群に斬りかかられながら、横島は敵を切り裂き前に出た。

『しくじった。最初の連中は『精鋭部隊の2軍』だったか。俺が不安になってユウキの手伝いに入る事まで計算づくか』

 そこまで考えると横島はさがるのではなく前にでた。自分の考えをここまで読まれていたなら、普段の自分ならさがる状態にされた以上、前に出る方が『マシ』な事態になるとみての事だ。横島は剣に霊力を込めると木の棍棒で殴りかかってきたゴブリンを棍棒ごと切り裂いて倒した。
即座に大量の槍や剣を持ったゴブリンが切り込んでくるが、どうにか剣で凌いだ。剣撃の音を響かせながら横島は心中で毒づいた。

『剣に霊力を込めれば、ゴブリンが霊力を込めた棍棒でも切れる。だが、それやると霊波刀がだせん。こいつら本当によく考えて動いてやがるな』

 愛女守に気を込めつつ横島は周囲を見た。今回の戦いでは二刀流を諦めるしかない。もしもどこかに棍棒持ちのゴブリンが潜んでいたら、その瞬間剣がめり込み霊波刀だけで戦う羽目になる。

 ゴブリン以外にもピクシーやキャクの群も攻め込んで来たのを見ると横島は即座に敵を切り払いながら、トゥルダクを見た。敵の軍団に攻撃力をあげる魔法タルカジャ、素早さを上げるスクカジャ、魔法攻撃力を上げるマカカジャの使い手がそろった以上は、
彼を作り出した最大の理由である、強化魔法無効化魔法であるデカジャを唱えてもらわなければ。だが、そのタイミングが極めて難しい。
アレクシアが敵を触手で薙ぎ払い、炎と格闘戦で圧倒しつつ、彼女も時々回復魔法を唱えている。彼女の難問を楽しむ様な表情がこの戦いは、優勢ではあっても決して楽な戦いではないことを示している。

「本当に敵も頑張ったんだね。この世界では限界が訪れにくいとはいえ、どれくらい努力したんだろう」

 ユウキが無数のゴブリンや敵悪魔の返り血を浴びながら、楽しそうな声を出す。彼女の言葉を聞くと良い意味で緊張感が抜けてくる。

「ああ。気を抜いたら格上殺しの餌食確定だ」

 応えながら、横島は周囲の状況を見た。トゥルダクが特に激しく動いている。時には呪文を唱えるマイを守り、時にはデカジャを唱え、時には敵陣に切り込んでいる。横島は器用貧乏な所があり、今の彼の様な役割をする事も多い為か、彼の負担と限界も分る。
トゥルダクの限界が来る前に敵を大きく突き崩すか撤退をしなければ今回の戦いでは負けるだろう。 僅かな休憩めいた時間の中でも自分がどちらに動くか悩む横島にユウキが謝罪の言葉をかけた。

「横島ごめん、この不利な消耗戦に持ち込まれたのは僕のせいだね」

「気にするな、って言っても無理だろう。だけどユウキちゃんはあまり悪くなかったと思うぞ」

 実際に最初のユウキの突撃がきっかけでお互いを削りあう不利な消耗戦に持ち込まれた。だが、ここまで切り込まれるような事態になるとは誰も予想できるはずもない。何より敵の出鼻をくじく突撃はあの時点では悪手とは言い切れなかった。
賭けのない戦いなどないと、横島は思っている。何より周りのメンバーも最初に駆けだすユウキを止めていなかった。味方側ではあの行動を拙いと思ったものは横島を含めて一人もいなかったのだろう。
 慰めている感じに取られないようになるべく本心を込めて横島は言葉を続けた。

「ユウキちゃんが下手を打ったちゅうより、敵が上手過ぎた。それにこの程度の窮地何回も通ったわ。それにな、ワイの師匠はこれよりやばい戦場でもひっくり返した。その教えを受けた俺に任せとけ」

 言いながら、横島は愛女守に意識を向ける。この刀は青木をガーディアンとしていた時以上に自分がマイを護る為の最適な動きを教えてくれる。 横島が刀を振るおうとした時、マイが念話を送ってきた。

『横島、今回は状況を見て考えるのは、やめなさい』

 マイの言葉に横島は怪訝な思いを抱いた。横島は全ての能力が高い代わりに特化したところがない。それ故に戦場で空きそうな穴のある部分を補ったり、逆に手を増やした方が有利になるところに出向くなどで、定着した位置を持たなかった。
青木との訓練で、近接戦闘が特に得意になったが、それでも基本的なスタンスは変わっていない。
 そういうスタンスでいたからこそ、アレクシアとの戦いでも彼は見事に指揮官を果たせたところもある。思考せずに直感だけで戦えと言うことだろうか? 疑問がる横島にマイは彼女が夢子から打ってもらったであろう、剣を見せた。
両刃のレイピアよりはやや長い程度の澄みきった剣を横島に向けて彼女は言う。

「夢子から打ってもらった剣が教えてくれるままに動きなさい。あんたの思考が抜けた分は私が補うわ」

 横島はそれを聞くと愛女守に全ての意識を注いだ。途端に自分の体がこの刀に合わせて最適化されていく様な感覚を味わった後、自分が刀に動かされているようになった。
刀に意識の全てを注いだ瞬間に、ユウキが切り込んでしばらくして覚えた嫌な予感は今思うと刀が教えてくれていたものだと直ぐに理解できた。


251 :名無しさん@狐板:2021/06/06(日) 23:47:24 ID:YcmzYxVj
「ユウキちゃんもう、自分のやりたいようにひたすら動け。しくじったら俺が何とかする」

 横島のその言葉が終わると、ユウキは嬉しそうに笑い再び矢のように敵陣に飛び込んだ。それを見た瞬間、横島の刀を持つ手から、するべき行動が流れ込んでくる。ユウキが風の様に敵を薙ぎ払い切り伏せると、
敵の軍団も己の命をためらわず捧げることすらして、一矢報いようとしてくる。彼らの高い練度が引き起こす万が一の事態が頭によぎった直後に、その万一の可能性をどうすれば潰せるか。それが流れ込んでくる。
ユウキには及ばないがそれでも速く横島は駆けた。そして愛女守を振るい多くの敵を薙ぎ払い、時には札をまき、呪文を唱えた。ユウキに降りかかる万が一の可能性さえ完全に刈り取るのに最適な行動を剣に導かれるままに行った。

横島とユウキの猛攻が起こった直後に敵の群れの攻撃も苛烈になった。今までも十分激しかったが、命を失うことを恐れないではなく。命を捨てて少しでも傷を与え来ようとする特攻だと空気で直ぐにわかった。戦闘は激化したが、横島の精神的な負担は軽かった。
この愛女守の導くままに動けば必ず仲間を全員護り切れるという確信がある為だ。不意にマイがアイズを出して横島を呼び止めた。彼女の言葉に従い様子を見ると、敵の群れが不意に途絶えている。一瞬浮かんだ僅かな疑問は、マイの言葉で直ぐに氷解した。

「最後のあの特攻あれは後続部隊との繋がりを断ち、逃がすためだったわ。あんたとユウキの猛攻をみて、消耗戦の損害が大きいと見たから、即座に切り替えたんでしょうね」

「怖い奴らやな」

 横島の言葉には心底の恐れが籠っていた。今まで戦った悪魔達は戦いで被害を少なくしようとしたり、恐れの感情を持つものが大半だった。体育館の時点で分っていた事だが、ここの敵は失うものを持っていないだけではなく。得るものしかない状態だ。
瞬殺されても侮られず、傷一つ与えられなくても、良い戦いぶりを見せれば、種族全体の評価が上がる。それだけでも怖いのに、上がり切った士気を制してなりふり構わず引く冷静さも持っている。 
この事件で侮って良い敵などいないとは思っていたが、それも間違いだった。ここには恐るべき敵しかいない。

 敵の気配が消えた後、ユウキが嬉しそうに声をかけてきた。

「横島、相変わらず君と一緒に冒険するのは楽しいよ。それでこれからどうしよう?」

「俺は進むべきだと思う。いったん戻ったら、絶対にあいつらは新しい手を打ってくる。この倍くらいの距離なら、あいつらのクラスの敵に襲われても撤退可能だからな。戻った際に挟撃用の伏兵が居ても、ボスクラスでなければ何とか蹴散らせると思うしな」

 マイも横島の意見を肯定する感じで頷いた。

「ええ。私もあんたの意見が正しいと思う。それじゃ行きましょうか」

 このやり取りの後、横島達は数回、敵の奇襲を受けた。大多数で潰すのではなく、精鋭で奇襲して、いつ襲われるか分らないと言う緊張感で神経を削る手で来た様だ。兵力が少ないのか、それとも一番効果的だからそうしてきたのか判断がし辛かった。

 何度かの奇襲を退けると、傲慢界の町と書いてある門のある場所に着いた。横島は振り返り、周りのメンバーを見た。彼女達はほっとした様子で言葉を返してくる。

「大丈夫よ。こういう罠を好むタイプは私たちにはいないから。町の中で襲ってくるような、敵も多分いないはず」

 マイの返答を聞くと、横島は自分が気が進まないながらもユウキに先導を頼んだ。彼女が一番速い。実力的にはランが一番だが、速さに関してはユウキが上だ。だからこそ町の直前の罠や襲撃があった場合は彼女が一番生存率が高い。

 ユウキは軽い足取りで歩みあっさりと、町の扉の前に着いた。それを見て次は横島が行き、他のメンバーも直に到着した。ようやく休める。そう思い、ドアを開けると横島はぎょっとした。そこには魔界神である神綺の像があった。その像は横島達が入ると喋りはじめた。

「あーテス、テス、マイクチェック感度良好♪ え、もう横島君達着いているの?」

 綺麗な可愛らしい声が僅かに困惑を帯びたものになった後、像から声がする。子供みたいで優しさを感じさせる声でありながら、畏れを抱かせる神威の様なものも籠っている。

「えーと、まずはここまでこられてお見事でした。予想より凄く早かったですよ。それでこそ娘たちが見染めた人の転生者。 では本題行きます。男性は誰しも、女性を屈服させたい圧倒したいと言う、感情を持っています。女権国家でさえも男性の人たちはそう思っている子も多いです。
それは傲慢だけど、咎められることじゃないと私たちは思ってます。なぜならその傲慢を持つからこそ女権国家の女性達に与えられる楽しみもあるのだから。貴方はこの傲慢界でその傲慢な心を持つ男性として女性達に楽しみを提供することになるでしょう。 
―― 夢子ちゃん、横島君ひどい目に遭い過ぎないかしら、ヴィヴィオちゃんが、久しぶりに彼と会えてテンション上がり過ぎて、やり過ぎないかちょっと心配なんだけど。って中継切り忘れてた――!御免なさいこれじゃ雰囲気が。次回からは予定通り録音にしましょう」
 
そこまで言った直後に魔界神の像は砕け散った。よくわからない単語もあったが、ここを取り仕切っている相手はヴィヴィオと言うボスの様だ。横島は若干緊張感の落ちた意識を切り替えると、街を歩きながら観察し始める。
この街は北欧の都市とローマに似た雰囲気の街だがどこか東洋文化も少し入っている。そして町の真ん中にコロシアムがある。ダンジョンを抜けてその先に闘技場にたどり着く仕組みの様だ。マイが辺りを見回した後、仲魔達を全て返還した。
念の為に周囲の気配を探るが敵意の類は一切感じなかったが、後ろから近づいてくる気配がある。敵意や害意が皆無なため反応が遅れたところで、背後から声がかけられた。

「あのすいません。貴方は横島忠夫さんで間違いありませんか?」

 横島は低く落ち着いた品のある声の方に振り替えると、驚愕し言葉を失った。目の前の金色のサラサラの長髪をウィッグで止めている美女がいた。彼女性は金色の神々しい雰囲気と清澄な気を放ちながら。騎士らしい礼をしてきた。
異世界の騎士らしく作法は違ったがそれでも品のある礼であることは伝わってきた。横島は僅かに呆けた、彼女はメイドとして人形の様になっていた時のアリスと夢子二人を足して二で割った様な気配がする。
あの状態のまま二人の感情が育ち、完全に人間になると彼女の様になると思えた。

 呆けたのは一瞬で横島は直ぐに彼女に対してお辞儀して礼を返した。敵の可能性が高いが、少なくともこの街で仕掛けてくる可能性は低そうだし、明らかに今の彼女には敵意や闘志が感じられない。
何よりマイやユウキ達も顔見知りとあったという感じで、一切警戒していない。完全に構えを解くと横島は言葉を返した。

「ああ。俺が横島だ」

「私はアリス・シンセシス・サーティと申します。貴方が横島忠夫だと確信はありましたが、一応確認させていただきました。聖王騎士団の筆頭にして第5騎士団団長です。
死後も聖王様の騎士として聖王様の近くに控えております。貴方様が転生するまでの間の休息時間にマイ様と共に休憩所を守護しております」

「悪いが俺は、前世の記憶が殆どないんだ。この刀とか色々とあって思い出し気味だが、自分と前世は別人だと思っている。そのせいか君とも昔あった気がするくらいの感情しかわかない」

「ええ。そういうものであることはわかっています。横島殿もう察していると思いますが、今回、私は聖王陛下にお仕えする形で、貴方たちとあの闘技場で戦います。一つだけ私の頼みを聞いていただけないでしょうか?」

「どんな頼みだ」

「コロシアムで私と戦うところまでたどり着いたら、一度だけ私とあの闘技場で一騎打ちをしていただけないでしょうか」

「騎士らしく剣術や武術で勝負ってなると俺が勝つのは無理だぞ」

「ええ。分かっています。ですから一対一でお互いになんでもありで勝負がしたいのです。私は何度も貴方の前世である方々と共に戦ったけど、一度で良いから真剣勝負をしてみたかったんです。
多分だけど、これが貴方と正々堂々と戦える最後のチャンスですから」

 悲壮感はないが、少しだけ寂しそうな彼女の声が横島に速攻で決断させた。

「分かった。受けよう。 マーガトロイドの方のアリスちゃんと夢子ちゃんにも頼まれていたしな」

「あの、御二方がお願いしてくれていたんですか」

 アリスの言葉からは二人への敬意と感謝が感じ取れた。横島はやはり深い縁があるんだなと、なんとなく思った

「ああ。二人がずいぶんと真剣に頼んできてたしな」

「ありがとうございます。 それと私とあの方、アリス様が共にいる時は私の方をシンセシスと呼んでください。あの方は貴方に名前で呼んでもらうのが好きですから。
それに私にとってはこのシンセシスと言うミドルネームは誇りでもあります」

「ああ。分かった」

 彼女は横島に丁寧に礼をすると、マイの方に向き直った。

「マイ様。お久しぶりです。今度の戦いでは貴女様にとって不本意な結果を招くかもしれませんが、どの様な結果になってもご容赦を」

「良いって。貴女がどんな結果出しても根に持ったりしないから。周りを白けさせる状態になっても私が何とかするわ。伊達に闘技場の司会者とか進行役を何年もやってないのよ。それに横島の奴はこう頼まれたら、私がやめろと言ってもやるしね」

「マイ様ありがとうございます。それとマイ様が上機嫌な気がするのは私の気のせいでしょうか」

 祈りを捧げる聖騎士の様にマイに接するアリスの問いにマイは笑いながら答えた。

「実際に期限が良いのよ。負けても良い戦いで横島が本気で戦うって状況を見られるのはこれが初めてだから」

 そういうとマイは輝く様な笑顔で横島に近づいて来た。そして彼の顎に手を当てて言う。

「横島、今生の嫁は私なんだから、他の女性達を嫁にした時より無様な結果を残したりはしないでね。そして必ず勝てとは言わないわ。自分が納得できる戦いをしなさい」

 マイの幼いころから背を押してくれた声音での言葉に横島は迷わず頷いた。

「それじゃあ。宿を取りましょうか。本格的な攻略は明日からね」

 宿を探す為に街をうろつくと。思った以上に宿がたくさんあった。そして、宿を取るのが至難の業とまでは行かないが、それなりに大変というくらいには混んでいた。なんでも軽子坂の生徒達が、
傲慢界攻略に乗り出して頑張っているそうだ。魔界の創設者は横島達よりは大分低い難易度にしたそうだが、それでも予定より早く着く組が多く、客を捌くのに苦労しているそうだ。少し手間取って見つけた宿屋では、一泊二日か、二泊三日のだけなら空いていると言う。
ただし二日の場合は一日しか宿泊しなくても、部屋代は返却不可との事だった。最もだと横島も思った。今はそれなりに混んでいて他の客を泊められなくなってしまう状況から止むを得ない。迷わず二泊三日の手続きを取り料金を支払うと部屋に転がり込み横になった。庶民が使用しそうな宿だが、横島の気質的にはこっちの方があっている。
業魔澱や邪教の館のエヴァ達は、かなり自分に気を使ってくれていたのだな、と横島は思う。あそこに居た時は嫌いな訳ではないが、気が抜けなくなるかもしれない、豪華な部屋なのに、気疲れは感じなかった。


252 :名無しさん@狐板:2021/06/06(日) 23:50:37 ID:YcmzYxVj
 食事を終えてマイが横島の部屋に訪問してくると、横島は彼女を迎え入れた。横島が聞きたがっている事があるのを察して応える為に来てくれたとなんとなくわかった。彼女の瞳が了承の意を宿しているのを見て、横島は割と気楽に言葉をかけた、

「マイ姉ちゃんやっぱり、姉ちゃんは前世の俺と関わりがあって向こうの彼女たちとも関わっているんか?」

「ええ。 私としては貴方がこの軽子坂の事件を解決しても折れても良いの。だからこそ、貴方のサポートして派遣された側面もあるわ」

「やっぱりそうやったか。それで彼女たちの目的は」

「それはまだ言えないわね。ただし応えられる事もあるわ。目的は一つじゃなくて、幾つかあるけど、少なくとも貴方が本気で敵認定する様な目的は一つもない。それだけは保証するわ」

「これはそれと重要な事やけど、軽子坂の生徒達どうなっとるか分るか。少なくともエヴァさん達や姉ちゃんがガチギレする様な事にはなっとらんのは確か見たいだが」

「ああ。彼らには貴方に教えていない情報を教えたのよ。そうしたら、魔界越え出来るかどうかは別として強くなろう、って思った人達がかなりいたの。心折れた時は私達が一生悪魔たちに脅かされない様に面倒みる事にして魔界に挑ませているの」

「その情報俺に教えてくれないか」

「今は駄目よ。ただし傲慢界を超えたら何時でも貴方が望んだ時に教えるわ」

「分かった。マイ姉ちゃん、姉ちゃんも剣を夢子さんからもらったみたいだけどそれはどんな剣なんだ」

「ああ。これ冥妻天女(めいさいてんにょ)の剣って言って、私の剣よ」

 レイピアを少しだけ太くしたようであり、辛うじて切る剣としても使えそうなその剣は、上質な鉄で作られており、かなり振るい易そうなのが分った。何より、偉業を成し遂げた剣に宿る、霊的な力が深く籠っている。
その剣を見る横島の視線を察してマイは言葉を続けた。

「ええ、冥妻天女って言うのはこの世界にはいない神よ。私が神として崇められている地域の人々が付けた名前よ。最もこれは本物じゃなくて凄く良くできたレプリカだけど。偽物って言うより、日本刀で言うところの影打ちくらいかしら?」

「その剣は如何にして作られたんだ? 俺の剣に近い感じがするが」

「ああ。多分だけど、アリスと夢子の合作よこれ。アリスは女権国家世界で、貴方のサーガを上演して、信仰心が上がる様にしていたから。この剣とあんたの剣は、人形劇で何度も貴方の人形が使った剣の鉄を集めて作られたんじゃない。
私の能力は貴方が生前使った魔術や技を引き出す事だから、この剣もそれに特化しているわ」

 そういうとマイは自分の剣に魔力を送った。途端に魔力が剣を包み固まり剣を芯に新しい武器を作り上げる。マイの細い剣を包んだ魔力は日本刀の様な形になったり、西洋の剣の様になったりした。

「これらはあんたが幾つかの前世で使っていた武器よ。最も私の本領は魔術だから、あんたの武術の再現は良く6割か、特に相性が良くても7割くらいが限界でしょうね。
あんたが生まれ変わった先次第で使いづらくなった魔術を再現するのに使っていたわ。あるいはあんたの能力を前世に戻してあんたに前世の呪文を使わせたりね」

「随分と、年代を重ねた武器に見えるのは姉ちゃんの能力高さゆえか」

「それもあるけど、多くの人間の信仰をハイレベルな人形劇で集めた人形の武器の鉄が使われた事からね。その鉄は舞台上とは言え実際の偉業を何度もなしとげていたから」

「手に持った時に、号が妙に馴染んだ様な霊力をしていたのはその為か」

「ええ。この剣多分あんたにも使えるわよ。今までの輪廻で生きてきた分の能力値にいくらでも変えられるわ。
今のあんたのレベルが50くらいだとしたら、幾つ前の前世でもレベル50までなら再現できるんじゃない? 多分前世でレベル49の時のパラメータとかレベル1時のパラメータも可能でしょうね」

「そうか全部の輪廻の今と同じかもしくは低いレベルに再現できるかのか。それだと敵を戸の戦いで、相手を欺けるな。一個前の前世を再現している時に、三個前の前世で上書きとかも可能かな?」

「どっちもできるわ。私がやるよりは多少時間かかるでしょうけどね。ただし今の自分に戻るのはあんたでも一瞬でできると思うわ」

「今の俺が器用貧乏だとすると、いきなり速さ特化や術特化になって殴れるわけかある意味手品みたいで敵をだませるかもな」

 自分とマイの武器への疑問が解けた横島は内心でほっと息を着いた。性能は微塵も疑っていなかったが、武器に疑問や知らない事があるのはやはり良い気がしない。ここまで聞いた後に、横島は今回最も大切だと思う事を聞くことにした。

「姉ちゃん。姉ちゃんは冥妻天女らしいけど、どういう女神様なんだ? 普段は冥府に引っ込んでいる女神様なのか? それなのにわざわざ現世に来なきゃいけない様な事があったとか。例えば俺が居ないと駄目な事があったから育てようとしているとか」

 不安がる横島の声を聞きマイは内心で爆笑した。彼がそういう疑念を抱くのも状況からしたら、的外れではない。だが今の女権国家の世界は安定し切っている。マイは横島を安心させるように本当の事だけを話す時の声音で返した。

「心配することはないわ。私達が居た女権国家のある世界は今は安定期よ。余程運が悪くなければ、最低でも300年くらいは、理不尽に不幸になる者が少ない時代が続くんじゃない」

「でも冥府の神様らしい姉ちゃんがこっちに来ているのは」

「私はどっちかっていうと使える者って意味での天使に近い存在だったのよ。上下関係が緩いから、多神教の女神辺りが近いかしら。冥妻天女って言うのは崇めている国の人達が勝手につけた敬称。
あんたの、転生先を決めたり冥府で寄り添ったりするからそう呼ばれたの。 今回は私達は本当に私的な理由で動いているだけだから、仮にどんな結果になっても私たちの世界には弊害はないから安心しなさい」

「ああ。分った」

「それより今日はもう寝なさい。コロシアムの奥で待ち構えているのは聖王ヴィヴィオ様。私の上司の一人で、この世界で言うところのヴァルハラに近い宮殿を滑る領主よ。無数の天界の女騎士達を率いた最高の王様だから凄く強いわよ」

 マイに促され横島は自室に戻ると眠りに着いた。

 目覚めた後、横島は闘技場の形をしたダンジョンに向かった。他の軽子坂高校の生徒達とは何故か遭遇しなかったが、これは魔界の支配者たちが意図的にそうしているようだ。実害がない事だけは分ったので放置しつつ、マイが先日と同じ仲魔を召喚すると闘技場に駆け入った。

 そこに入ると途端に美貌の女騎士達が剣を持って切りかかってきた。一目で彼女達は女権国家の悪魔だと分った。聖なる気配を身に纏っているのに、体から流れ出る気配がサキュバスめいたものもある。その騎士団に加えて先日追い払った、ゴブリンやピクシーを始めとした軍団も居る。

 戦闘の火ぶたが切って落とされた後、邪悪ではないむしろ聖なる気を放つ女騎士達を切り捨てることに若干憂鬱な気分を覚えた。女悪魔と戦う時もこういう気分になる事は多いが、女権国家の悪魔たちはこっちの悪魔達より人間に近い気配がするからかもしれない。
 直に割り切ると横島は愛女守を構えると即座に戦闘の火ぶたが切って落とされた。

 それぞれの仲魔達が全力を尽くし戦線を支える中で、横島は次々と立ち位置を変えながら目まぐるしい、忙しさに忙殺されていた。トゥルダクが魔法を放たねばならぬ時は剣の働きを増やし、逆の時は札をバラまき。横島がこの加減を少しでも間違えれば戦況が不利に傾く。
そう思うと神経が削られていく。質はこっちが高いとはいえ強者である敵との戦いだ。それも今回は女権国家の天界の女騎士達までいる。トゥルダクの力強い双剣が多くの剣を払い、時に女騎士達を切り捨てるがそれでも彼女達の勢いは休まらない。

 横島が快進撃と言える動きを見せて、多くの女騎士を弾き飛ばした時トゥルダクが声をかけてきた。

「横島、こいつらは修羅地獄の修羅達に近い。自分達が北欧で言うところのヴァルハラに捕らわれている事を知っているゆえか、死に対する恐れがない」

 トゥルダクの声を聞き横島はやはりと思った。彼女達の動きから十中八九そうではないかと思っていた。初見殺し専用の技とかをまだ使っていなくて良かったと思いつつ、どう戦うか悩む横島にマイが補足の説明を飛ばしてきた。

「彼女達は復活に速くて半日、遅ければ二日はかかるわ。こっちの世界で言うところのヴァルキリー、戦乙女に近いわね。彼女達は天女騎士(てんめきし)レディキラー達と戦った女騎士達で、死後はヴァルキリーとエインフェリアを足した様な存在になっているの」

「分った。それと少し気になるんだが、剣が多いのはなんでだ」

「女権国家世界でも剣は男性器の象徴。女殺しの魔物達と戦う際にあいつらの不死性などを緩和する手段として、剣を使う女性剣士たちも多かったの。 ただ槍や斧を使う者も皆無じゃないから気をつけて」

 その忠告の直後大剣を持った天女騎士が横島に斬りかかり、槍や戦斧を持った天女騎士が続く。彼女達を愛女守で応戦しながらも苦戦するとランとユウキが加勢に入ってくる。
 二人は矢の様に入り込むと天女騎士達と舞踏を思わせる激しい切り合いを始めた。他の仲魔達の働きが悪い訳ではないが、レベルが上だけに二人の戦いは格別に上だ。血の舞踏を連想させると彼女達と天女騎士の切り合いを見ながら、横島はこの戦いはもうすぐ終わると思った。

 ほどなくして激闘と思われた戦いは終わり、横島は愛女守を鞘に収めると進んだ。それからは最初の襲撃程激しい戦闘はなかった。時々行われる小規模な奇襲が何度かあったが、それらも簡単ではないが大きな被害はないまま潜り抜けた。

 何度かの奇襲を終えて、横島達は長い廊下に出た。この廊下の向こうに大きな扉がある。あそこがこの傲慢会の最後の戦いの場だろうと思い、周囲を警戒しながら、前に出ようとすると、黒い短髪の天女騎士が頭を下げて横島達を迎えた。

「先ほどぶりですね。横島様。聖王陛下からのお礼のお言葉とこれからの戦いを始める前の約束事をお伝えするために派遣されました」

 彼女に頭を下げられて横島は困惑した。先ほど切り捨てた、女性がもう甦っている。この傲慢会はヴァルハラや修羅地獄に近い世界になっているのかもしれない。困惑する横島をよそに目の前の女性は言葉を続ける。

「聖王陛下からのお言葉です『マーガトロイド殿と夢子殿からの頼みというのもあったのだろうが、それでも私に忠勤の限りを尽くし騎士アリス・シンセシス・サーティの頼みを聞いてくれて感謝します。一騎打ちの場所は私が提供させてもらいます。
この廊下の大門を潜った先の闘技場です。彼女との一騎打ちが終わった後に私との勝負となるが、彼女と決着をつけた後に準備の時間を設けるから憂いなく、彼女の頼みを果たしてほしい』以上です」

 背を向けて歩く彼女に続き大門の前に立つと、彼女は少し嬉しそうに笑った。

「横島様は私を切り殺した後、大分テンションが落ちていましたね」

「ああ」

 あっさりと認めた。この程度の事知られたところで不利になるわけではない。


253 :名無しさん@狐板:2021/06/06(日) 23:54:10 ID:YcmzYxVj

「実は私も貴方と関係の合った女性の一人なんですよ。もっとも私の場合は一代限りでそれ以外は、冥府にいた時の貴方に寄り添っていただけですけど。覚えていなくても、私を切りつけてそこまで落ち込んでいてくれるのを見ると少し嬉しいです」

「そうか。ちなみに君の名前は」

「それは教えません。恨みだとか戦略的な目的ではないのでご安心を。それは生前の家名と聖王陛下への忠義にかけて誓います」

「分かった。それとこの廊下はシンセシスさんとの決闘の準備場みたいなもんなんやろ。ってことは、ここの情報は聖王陛下や、シンセシスさんにも伝わらんってことで間違いないか?」

「はい。一切伝わらないし、私も伝える気はありません。お望みなら準備が終わるまで扉の向こうに行ってますけど」

「ああ。そうしてくれると助かる」

「それでは失礼します。その前にこれを」

彼女が渡してきた数ページの紙の束を見て疑問がる横島に彼女は言う。

「闘技場のリングの情報をまとめた資料です。アリス様の望みは決闘ですから。この闘技場で何戦もしている、アリス様と対等にはなれないでしょうが、これで少しくらいは不利も埋まるかと」

「特殊ギミックとかないならあまり意味ないやろ。律儀なことやな」
 そういいつつ横島は数ページの資料を読んだ、リングの事や闘技場の地理が詳しく書いてある。読み終わると、横島は女騎士に質問をした。

「彼女に渡された資料はこれだけか? 忘れていたりはしていないよな」

「今回の件にアリス様は大分力を入れておいででしたから、忘れると言う事はないと思います。私は少なくとも任務中には余りうっかりはした事はないです。
私は言伝だけを命じられただけですし、アリス様も稀に失敗するので、しっかりした天女騎士の部下達にチェックしてもらっていました。恐らくはそれだけで間違いないかと。どこか闘技場の情報で不明瞭な所でも?」

 目の前の天女騎士は僅かだが不安がっている。もしかしたら何か記入漏れでもあったのかと思った様だ。それに対して横島は首を振った。

「ああ。間違いじゃなくて、アリスが意図的に開示しようとした情報がこれだけだって言うのなら、それで良いんだ」

 横島の言葉が目の前の彼女には理解できなかったが、何か戦法を決めた事だけは分った様だ。彼女は自陣営の失態がない事を知ると安心した様子で、闘技場に入場する為の大門の横にあるドアを指差した。

「あそこにあるドアは売店と回復屋さんです。アリス様が貴方と正々堂々戦うために用意しておきました。御札や様々なアイテムも変えます。利益が出るギリギリの値段にしてあるそうです。
それとどうしてもお金が足りなかったら、利子無しで借金も認めるとアリス様が言っておられましたよ」

 明らかに裏が感じられない言葉を聞き、横島はアリスは余程自分と正々堂々と闘いたいのだろうと思った。
 
役目を終えて彼女がドアの向こうに行った後、横島は売店の扉を潜った一応準備万端だとは思うが、一騎打ちようのアイテムなども見ておいても良いかもしれない。売店の中に入ると、そこには二人の美女がいた。
白い帽子をかぶり全身を白で統一し、紫のリボンを付けた豊満な体をした明るい茶色ががった髪をした柔和な笑みを浮かべた女性と、ピンク色の服と髪をしたやや魔法使いめいた服をした女性がいた。大人の女性めいた二人は横島を見ると嬉しそうに手を振った。そして白い衣装に身を包んだ女性が先に声をかけてきた。

「今生でははじめましてね。私はルイズ様々な土地を旅行し取り込める魔術を取り込んだり、旅行記の執筆を仕事にしているわ」

 ピンク色の髪をした方の女性も同じく嬉しそうに横島に声をかけてくる。

「私はサラ。魔界の門番であり、様々な場所を門として区切ったり繋げるのが役目の魔界人よ。戦争時には傷だらけになった貴方を、色々な場所にテレポートさせたりしていたわ。治療所に送り込んで治していたわ」

「ひょっとしたらこの売店の商品は」

「ええ。私が色んな場所に繋げて、ルイズが旅行先で見つけた物が大半よ。軽子坂高校の皆さんもたくさん買って行ってくれているわ。それと、こことあの部屋は準備室も兼ねているから、私が門を操る魔術でプチ逆竜宮城状態にしてあるわ。
だから札を自分で書いたりして、仕込んでも余り相手を待たせる事にはならないわ」

「それはそれは」

 横島の勝負事に挑む時に何か重要な情報を掴んだ時のつぶやきを聞き二人は顔色を変えた。

「ひょっとしたら、私たちシンセシスの方のアリスちゃんの不利な情報開示しちゃった」

 サラの不安そうな声に横島ははっきりと首を

「いえ、何もあの娘の情報は得ていません。ただ推理出来ただけです。外れていたら俺の負けやけどな」

「それなら良かった。ゆっくり選んで行ってね」

 柔和な笑みで促すルイズに言われるままに、横島は札や即効性のある回復アイテムを多数買うとマイに向き直り頼みごとをした。

「姉ちゃん。冥妻天女の剣はワイにも使えるんやろ。シンセンスとの戦いが終わるまでの間貸してくれないか」

「ええ、良いわよ。他に望みはある?」

「この剣から俺の前世の戦いを読み取らせてくれ。マイ姉ちゃんがこの戦いで特に使えると思った情報を頼む」

「まかせなさい」

 マイに魔法をかけられて前世での戦いの記憶が幾つも駆け巡ってくる。剣より術寄りだった自分、逆に術寄り剣寄りだった自分、前世の自分の戦い方は、軍師や術者の事もあったが、基本的には器用貧乏な万能型だった。
完全な一芸特化の前世はないと思った。記憶を読み切ると、横島はこの剣がどれくらいの距離まで効果があるかなども調べた。そして一つの確信を得ると、戦法を完全に決めた様だ。

 サラとルイズに礼を言って廊下に戻ると黒髪のショートヘアの女性大門の前で待っていた。横島が店の中で完全に準備を終えてくると確信していた様だ。 彼女は大門を潜ろうとする横島に向かって頭を下げた。

「横島様これは個人的なお礼なのですが、アリス様の頼みを聞いてくれてありがとうございます。私たち天女騎士達にとってもあの方は良き上司で、恩が幾つもあるのです。
今の貴方から見たら、我々は滅するべきかもしれない相手でしょうに、本当にありがとうございます」

「ああ。正直悪人ではない気もしてきてるけどな。それに今回は夢子さんとマーガトロイドの方のアリスちゃんの頼みだったからっての大きいからな」

 そういうと、横島は愛女守を構えて闘技場の中心に出た。

 闘技場に入り横島は圧倒された。無人でも圧倒されそうな広いコロシアムに客席が満員だったためだ。さらには、いくつかの場所に戦場を移すための大きなスクリーンがあり、横島達が見えずらくなった時の配慮だろう彼女たちはそちらの方も食い入るように見ようとしている。
観客の大半が天女騎士らしい女性たちだ。前の方に女性達の中には横島が倒した者も多い。中には生身の人間らしい者達も居るが明らかに、横島が今まであってきた女性達とは気配が違う。 疑問が浮かんだ横島にマイからの、念話が届いた。

『ここに居る女性の半分くらいは女権国家の女たちで、人外や混血も多いわ』

『どうなっとるんだ。こっちの世界に来るのはめちゃくちゃ大変なんじゃなかったのか?』

『それは世界を超える場合よ、ここは向こうとこっちの中間の魔界だから。こっち側にはこれなくても魔界には簡単にこれるってことよ』

 マイの言葉を聞きながら、横島は周囲を見回し、サイドテールの金色の髪をしたオッドアイの美女がこちらを見ている事に気付いた。装飾の美しいコロシアムの特等席で華美な玉座にかける彼女は視線だけで、横島を震え上がらせた。
コロシアムの女性達の自分が敗れる事を期待した情欲の籠った視線も恐ろしいが、彼女の視線は一線を隔している。偉大な王が自分の物を蹂躙しつくす遊び方を考えている目だ。
 聞いた名前が正しければ聖王ヴィヴィオの後ろにある、自分に似た男性が女性に組み伏せられ犯されている絵、その絵も闘技場の絵だがあれが自分の運命の様にも思えてくる。
 横島は敢えて他の全てを忘れ闘技場のリングの上で清澄な気配を放っている聖騎士、アリスに目を向けた。

「アリスちゃん、約束を果たさせてもらいに来たわ」

 アリスは輝く様な笑顔を見せた後、剣を構えた。

「ありがとうございます。アリス・シンセシス・サーティ。魔界神を信仰し、聖王陛下に剣を捧げし騎士として全力で参ります」

 そういうとアリスが凄まじい勢いで切り込んできた。横島は即座に無数の札をばらまいた。マハラギオンやマハジオンガの込められた札により炎と雷の雨が起こり視界が一気にさえぎられた。
アリスは動じずに剣を片手持ちにして待ちの体制に入った。彼女から放たれる威圧感は剣だけではなく、剣を持たない方の腕さえも、発射前の大砲を思わせる。
 僅かに煙が晴れた瞬間、彼女が金色の剣を構え切り込んできた。引き絞られた弓矢を思わせる一撃は、ユウキとの組手が無ければ確実にかわせなかっただろう。
かわした直後に、横島は愛女守にありったけの霊力を込めて、横薙ぎにアリスに切り込んだ。彼女の振り返り際の斬撃とぶつかり合い澄んだ金属音が響く。

『こりゃとんでもないわ。速度はユウキちゃんに劣るが、腕力は遥かに上や。全力の一撃以外ならどうにか体制を崩さずに防げるくらいってとこだな』

 横島は即座に動き一瞬で距離を取ろうとした。青木は特に速度を重視して動いていた。敵を滅ぼし時には盾となり最も必要なのは機動力だったためだ。だが、アリスは即座に距離を詰めてきた。
攻撃を受けることすら覚悟済みの突進である事は一目でわかった。幾つかの札を投げた、少しでも相手の動きを予測する為だ。彼女は札の爆発でダメージを受けつつも一切動きは鈍らず剣を振り下ろしてきた。
かたいはずの地面が砕け散り横島も僅かに体制を崩した所で、彼女の半ば独り言めいたつぶやきが聞こえた。

「手品師に種を仕込む暇を与えてはならない」


254 :名無しさん@狐板:2021/06/07(月) 00:00:07 ID:NPV354QC

 そういうとアリスは横島目掛けて剣を持たない方の手をかざすと太陽を思わせる金色の光を放ってきた。一撃に、二撃、三撃、全てが半端ではない威力だ。規則正しい連射の光を避けながら、辛うじて攻撃を避ける。
横島は愛女守を構えると幾つかの札を放った。その札をアリスは金色の光を放った。光の威力が落ちているのは、反射系の札を警戒しての事だろう。
 横島は距離を取りながら、驚くほど自分が冷静な思考をしている事に気付いた。普段の自分なら、もっとビビったりあるいは必死になり過ぎて幾つかの悪手を打っていただろう。
そこからしぶとさを見せて、最後には逆転するのが自分の勝ち筋な事が多い。だが今の自分は何故か、目の前の圧倒的な相手を分析できている。少なくとも読み合いや騙し合いでは負ける気が一切しない。

 彼女の恐ろしい程に正確で規則正しい連続攻撃を辛うじて捌きながら、横島は冷静に思考する。横島は実は一対一の戦いの経験が殆どない。
訓練や稽古では欠かしたことがないが、マイの手伝いで悪魔たちの手の足りない部分を補ったり、指揮官として戦った事がほとんどだ。それにも関わらず、彼がここまでアリスの攻撃をしのいでいられるのは、青木との一対一の組み手による所が大きい。
実践で学びその後に天狗等の悪魔達から学んだ武術を融合させた技や玲子を守る為の実践的な駆け引きで得たものは彼が青木に何度も叩き伏せられて、身に沁み込んでいる。
 青木と違い目の前のアリスは道場剣術や武術で読みやすい。しかし、目の前の技は明らかに実践で通用するところまで自らを鍛え上げ、戦場でさらに磨かれた物だ。本来なら侮って良い物ではない。だが何故か横島には彼女の動きが信じられない程読む事が出来た。
青木から学んだ虚々実々の駆け引きによるものだけではない。まるで体が彼女の戦い方を覚えているようだ。それでなくても彼女の機会めいた動きがそれを助長しているのだろう。
横島は攻撃を力強い一撃の直後に、切り込んだ。彼女が剣で受けた瞬間、ひと際威力が長い札を投擲する。これで大きな傷を与える事が出来た。その確信の直後に、彼女の剣が、札を切り裂き横島に切り込んで来た。
彼女はまるで、体を変えたかの様に動きが変わっている。力強さが売りの剣技が、速さ重視のそれに変わっている。さっきまでは、ユウキよりは明らかに下だった。だが今の彼女はユウキに僅かに及ばぬ速さになっている。力強さもさっきより落ちたが、それでも凄まじい。
その猛攻を横島は驚愕して思考が鈍った状況でも、勝手に動く様になった体のおかげで凌ぎ、冷静さを取り戻す。青木に感謝の言葉を呟きながら、横島は剣を激しくぶつけながらさがる。

『アリスのこのステータスの振り替えはどれくらいの速度で出来るのか。今直に力が優れたモードに変えられたら、即座に詰むぞ』

 横島は彼女の剣を読みながら何度も愛女守で打ち掛かった。もしも彼女が力重視に切り替えたのなら一太刀入る様に計算しながらだ。倒す為ではない。一太刀浴びせた瞬間に、なりふり構わず距離を取る為だ。二人の速さ重視の切り合いは澄んだ金属音を響かせながら長く続いた。
不意にアリスの剣撃が力重視の構えに変わり重い一撃が繰り出された。横島はそれを受けて、咄嗟にその剣の力を利用して意図的に吹き飛ばされた。それが彼の誤りだった。
今回の怪力は、純粋な筋力による物ではなく、魔力による肉体強化によるものだ。彼女は速さのタイプから魔術重視に体を変えていたのだ。彼女は吹き飛んだ横島に無数の光を放った。
機械の様な正確な連射を横島は愛女守で必死に防いでいたが、不意に凄まじい速度で僅かな光の切れ目から駆けだした。アリスはそれを見て顔色を変えた。丁度今の横島ならかわせないぎりぎりのラインで攻めた所でいきなり、ステータスが変化した。

『愛女守ではなく冥妻天女の剣の力ですね。恐らくは5回目の転生もしくは、7度目の転生のステータスに振り替えましたか。5度目か7度目か。5度目なら速度が勝るが魔術の警戒は不要。7度目なら、速度は今の横島殿より少し速い程度ですが、魔術の警戒も必要です』

 横島が札をばら撒いてきた時アリスは敢えて一枚だけ受けた。札の威力からある程度の予想は出来るからだ。受けた瞬間七番目だと悟った。

 その瞬間アリスは力重視に切り替えた。
『前世の再現をする以上は、速度が上がるだけではなく、私に記録されているパターンの通りに動きやすくなります。これなら力重視で勝てます』

 アリスの剣撃の速度がユウキと紙一重から、ユウキに一段劣るところまで落ちたが、それでも前よりも横島が不利になっている。横島も魂の記録でアリスの剣を知り尽くしているが、それはアリスも変わらない為だ。
剣撃の応酬の最中に鍔迫り合いに一度なった瞬間、横島が体制を僅かに崩しながらさがった。その瞬間、アリスは剣撃を構え一気に切り込んだ。あと五合で勝負が決まる。

 一合目、横島がさらに体制を崩しながらも距離をより取った。

 二合目、アリスの突きを最小に近い動きでかわした。横島が読み切っていた様だ。

 三合目、横薙ぎの一撃をかわした直後にアリスの拳を受け止めてさがった。

 四合目、逃げ切れない距離に詰められた直後に、完全に体制を立て直した。

 五合目、アリスが渾身の一撃を放った直後に横島が剣を手放し辛うじてだがアリスの一撃をかわし、飛び込んで来た拳を放った。避けられることなど想定していない。あり得ないことが起こり大きな動揺が起こり、
それを刹那で沈めたがそれが終わる前に、彼の拳がアリスの顎を揺らしていた。横島が刀を構え、首に刀を突き付けてきた時、アリスは負けを認めた。

 勝者横島と言う、レフリーの宣言が終わるとアリスは少し悩み、それから口を開いた。

「教えてください。私はいかなる手品にやられたのですか?」

 アリスの口調に避難するような色はない。ただ自分がいかにして負けたのか知りたい純粋な好奇心だけがある様だ。

 横島は正直に答えることにした。この娘は正々堂々と負けた以上、もう自分たちの邪魔をすることはない。そしてなぜかはわからないが自分はこの娘に対して、
異常に親しみや庇護欲に似たものも感じている。多分だがこの娘は前世で妹分か何かだったのだろう。

「冥妻天女の剣あれを使ったんだ」

 横島がそういうと、コロシアムの横島の立っていた場所に冥妻天女の剣がある。『隠』の字が書いてある札が何枚も張られている。
 それを見てアリスはやはりという顔になった。
「はい。マイ様が貴方についていた以上、ああなると思っていました。術が得意な前世の貴方に戻って、あの札を山ほど張ったのでしょう。どこでああしたのかはわかりませんが、
貴方が本気で隠したら見つけるのは無理だと思ってました。それにあの剣を砕こうと思ったら隙が大きすぎます」

「加えて魔力も消費するだろうしな。アリスちゃんたぶんだけど、俺の前世と沢山一緒に戦ったんだろう」

「ええ。もしや私と戦っているうちに、色々な記憶が戻ってきて、それで戦法を」

「いや君と戦ってどういう人間かはわかってきた。多分前世の記憶もあるんだろうけど凄くわかった。だが、今回の戦法はコロシアムで戦う前に決めた」

 横島の説明の仕方は出来の良い生徒に教師が自ら気づかせようとしているようだ。アリスはもう少しだけヒントがほしいと言う様子で横島を見た。横島は彼女が気づくまで秒読みだと思いながら言った。

「アリスちゃん。今生の俺をどれくらい知っていた? いや言い方を変えよう。 『どれくらい俺の情報を知ることを自分に許した?』 多分だけど、俺が指導を受けた流派の名前とか青木師匠が指導した内容でどんなタイプの戦士になったかとかそれくらいだろう」

「ええ。ですから」

そこまで言ってアリスの顔が何かに気づいた顔になった。そして答え合わせを求めるような口調で横島に質問をする。

「まさか、試合が始まる前から、冥妻天女の剣で少し前の今生の自分になっていたんですね。つまり僅かにレベルが下がった状態で私と戦っていた。そして最後に今の自分に戻って私の計算を上回る速度で剣を潜り抜け倒した」

「そう。当たりだ。今より低いレベルなら『今までの俺の生の能力値』を再現できるって言っていたから、できると思ったんだ。の状態をアリスちゃんは俺と正々堂々と闘える最後の機会だって言っただろ。俺はアリスちゃんの事を一切知らない。
知っている知識があるとしたら、ここで戦った天女騎士たちの剣の型くらいだ。
最初に戦い始めようとした時にアリスちゃんが俺に情報の開示をせずに切り込んできた時点で、俺は多分だけど俺の情報を得るのを制限した状態で戦おうとしているなって思った」

「そうでしたか」

「ああ。傲慢界の本部で戦いレベルが結構上がったから、幾つ前のレベルにするか本気で悩んだ。あまり前過ぎる状態にすると不自然だし、少ししか戻さないと、意味がなさすぎるかもしれないからな」

「それで私の剣をさけて見事に倒しましたか。凄い勇気でしたね。レベルを下げたら瞬殺されると思いませんでしたか?」

「いや。傲慢界の街で頼みに来ていただろ。アリスちゃんにしたらどうしてもここで戦わなきゃダメな訳やないからな。少なくともあの街にいた時点の俺でも、まったく勝負にならないわけじゃないと思ってたぞ。 
今回は死にさえしなきゃ負けても良い戦いだったから、割と博打にも出れたわ」

 アリスはどこかすがすがしそうな顔で、立ち上がると悔いはないが残念そうな声を上げた。

「残念です。貴方と正々堂々と闘える最初で最後の勝負が負けとは」

「あー、そのことやがな。わいめっちゃアリスちゃん強くて怖かったけど、アリスちゃんが望むなら真剣勝負また受けてもいいで。 今生がダメなら来世でもな」

「横島様、相当怖がってたし。しんどかったと思いますが?」

「しんどかったけど、ワイと闘いたいんやろ。それなら滅茶苦茶いややけど、聞いてもいいぞ」

「いえ、私にとってはこれが最初で貴方と対等な条件で戦える機会だったのです。次からは騎士として恥ずべき勝利しかありません」


255 :名無しさん@狐板:2021/06/07(月) 00:04:24 ID:NPV354QC

 アリスがそういうと、不意にヴィヴィオが国王用と思しき観戦席から飛び降りてきた。
 彼女が飛び降りてきた瞬間コロシアム全体の気配が変わった。公開処刑上の様だと横島は思った。彼女の凄まじい闘気はもはや一切の勝ち目を感じさせない。横島だけではなく全員でかかってもそれは一緒だろう。闘技場のリングに上がってきたマイたちも、その要素を見て顔色を変えた。

「ヴィヴィオどういうつもり? まずは試練を与えてそれを越えられたら本気を出すんじゃなかったの?」
 
 マイの問いに彼女はあっさりと答えた。

「アリスと一騎打ちで勝てる時点で、試練はやるまでありません」

 そういうとヴィヴィオは横島にリングを渡してきた。

「これが次の魔界への封印を解く適食のリングですよ」

「あれ確か、青木師匠の時は」

 横島の声にヴィヴィオは頷いて答えた。

「ええ粗食のリングでしたね。神綺様が質素の素ならまだしも、粗末な食事の粗だと、やだって、言って、名前変えたんです。それでは私のモノを取り戻す聖業に移るとしましょう」

 横島はリングを受け取ると即座に逃走経路を探した。目の前の存在相手には勝ち目がない。 彼が知る限り彼女に勝てる可能性のあるのは夜で本気を出したエヴァくらいだ。ヴィヴィオは少し考えると手をかざした。
途端に光が巻かれ全ての疲労と傷が癒えていく。完全に回復したところで彼女は満面の笑みで言った。

「試練は無条件合格にしたとはいえ、連戦の為に準備時間上げるという約束を破るのは良くないですから、装備と召喚している仲魔を変え終わったら来てください」

 横島は冥妻天女の剣をマイに渡すと、言った。

「姉ちゃん逃げろ。こりゃ勝てん。俺に指揮権をよこして後は任せろ。試練を越えたと言っていたから、彼女にしても俺たちを先の魔界に挑めなくするのは不本意なはずだ。だから俺を殺したりする可能性は低いだろう」

 横島の言葉にマイは笑いながら答えた。

「大丈夫よ。彼女そこまで非道じゃないから。私も色々な意味で力を取り戻したいし、ここらで勝てない相手に無理してみるのも手かもしれないわ。むしろ試練の為に力落していた方がやばいわ。手加減をミスった彼女に大怪我させられちゃうかも」

 そういうとマイは冥妻天女の剣を受け取り構えた。 

「全力で戦うしか道はないわ。負けるのは確実だけど、健闘したらヴィヴィオ様からボーナスがあるかもよ」

 そういうとマイはヴィヴィオがくれた時間を使い。ユウキ、ラン、トゥルダク、アレクシアを召喚した。
 彼らの準備が出来たのを確認するとヴィヴィオは構えそして戦いが始まった。ヴィヴィオが観戦席にいた時に侍っていた天女騎士たちも慌てて、駆けてくるとこの聖王の遊びに付き合い始めた。戦いの様子は長い様で短かった。
ヴィヴィオが戯れの様に手加減して戦う横で、天女騎士たちが横島達に挑み倒されても、ヴィヴィオの放つ太陽を思わせる黄金の光で再生し、それをしばらく繰り返した後、横島が全てを込めた奥義を放った瞬間、
我慢出来なくなったかのようにヴィヴィオが拳から闘気を放ち全員を吹き飛ばした。倒れ立てなくなった横島は愉快そうに見下ろして、口づけをする。

 全身が電撃を浴びたようにしびれ余計に動けなくなった横島を見下ろしながら、ヴィヴィオは横島の服を脱がせると自分も服を脱ぎ払う。

 ヴィヴィオの肢体は芸術的な戦の女神を思わせる豊かな体をしている。横島はそれを見て、余計に分身が固くなるのを感じた。それを見てヴィヴィオは笑う。

「横島。貴方一度、男性優位の性行為が当たり前の国に生まれて、私に闘技場で逆レされた時、一番固くしてたけどそれを魂が覚えているみたいですね。 愛しの恋人とした時より大きいです」

「なんで知ってるんだ」

動揺する横島の言葉を聞きヴィヴィオは笑った。

「まさか本当にそうだったんですか。貴方はどんなに男性優位の国に生まれても、貴方の今生の世界のの安いエロゲーのヒロインよりマゾ落ちが早かったけど、こんなに直ぐ暴露するとか。
アリスとの戦いで見せた頭の冴えはどこへいったんですか? 今の戦いで頭を強く殴りすぎてしまいしまたか?」

 明らかにバカにするために心配する演技をしながらヴィヴィオが横島の分身を踏みつける。

「〜〜!」
 
 屈辱ではなく、あまりの快感にまともな言葉にならない声を出す横島をバカにする様な目で見ながら、ヴィヴィオは続ける。

「それとも前世のマゾ記憶のせいで大勢の女性の前で自分がドマゾだって暴露したい恥辱プレイがしたかったとか」

 観客席から横島を嘲る声が聞こえてくる。

「格好良かったのに最低」

「恋人との初エッチより大きいとか人として終わりすぎ」

 彼女たちの嘲る言葉がきっかけで横島はヴィヴィオの足に一気に放ってしまった。

「うん。明らかに私の性技じゃなくて罵る言葉で達しましたね」

 ヴィヴィオの宣言と共に闘技場中が嘲笑の笑いに包まれた。ヴィヴィオは楽しそうに口づけして言う。

「やはり、貴方を閨で蹂躙する時が一番楽しいわ」

 そういって横島の分身を受け入れると、強すぎる快感で逆に達せられなくしながら胸を顔に押し付けてくる。
強過ぎる快感で達する事が出来ない状態の分身を包む拷問の様な快楽は顔に押しつけられる二つのふくらみがより強くしていく。その状態の横島にヴィヴィオが不意に言う。

「ねえ、横島さん、『聖王陛下の栄光ある夫でありながらこんな惰弱な一物な上に直マゾに染まる雑魚マゾ魂で御免なさい』って言ってくれたら射精させてあげるけど、どう?」

 ヴィヴィオの言葉に屈服しそうになる中、なけなしの男の意地がみなぎり観客の声もそれを強めた。

「ねえ、何分持つと思う?」

「30秒も持たないんじゃない?」

「いいすぎ〜いくらなんでも1分はもつでしょ」

 その言葉を聞きどうにか一分間持たせるべく横島は歯を食いしばった。ヴィヴィオは敢えて一度離れ、今度は胸板に乳房を押しつけて口づけするなどして余計に横島に対する拷問を強めた。
胸板でつぶれる二つの乳房が電撃をもたらし、口の中を割って入る舌が脳を溶かし、彼女の吐く息が居に落ちる度にその熱さが睾丸に吸収されていてく。

 横島にとって一時間にも感じられた一分が終わりヴィヴィオは楽しそうに言った。

「良く耐えましたね。偉い♪ 偉い♪ 次のキスは3分くらいだから、辛かったら今の内に宣言した方が良いですよ♪」

 その言葉を聞き横島は恐怖した。このままでは自分が壊れるそう思った彼は言った。
「聖王陛下の栄光ある夫でありながらこんな惰弱な一物な上に直マゾに染まるマゾ雑魚魂で御免なさい」

 途端に会場中が爆笑に包まれた。

「本当に一分しか持たないとか」

「女権国家の男性より向こうの男性は夜が弱いって本当なのね。こっちの世界の男性なら5分はもつのに」

 その言葉で完全にへし折れた横島を余所にヴィヴィオは横島から離れ立ち上がった。意図したわけではないかもしれないが、秘部から漏れる大量の精液が敗北感をより強める。彼女は素知らぬ顔でアリスに声をかける。

「アリス、王として命じます。彼に男性の持つ傲慢さがあるからこそ、味わえる至高の快楽を与える褒美と、永遠に我らの物であることを刻みつける聖業の手伝いをしなさい」

「どこが聖業なんだ」

 弱弱しく言う横島にヴィヴィオは輝く笑顔で応えた。

「私こそ地上の大国の聖王であり、天界の宮殿を統べる者。私のやる事したい事こそが聖なる業です」

 はっきりとそういうと彼女はマイに近づき、立ちあがらせた。明らかに危害を加える気はない様だ。その為か何時もの底力が目覚めない事を横島は歯がゆく思った。
 
 アリスは横島に口づけすると一気に押し倒してきた。横島は悲鳴を何度も上げた。

「横島様。今まで私にさえベッドの中で勝てた事はありませんが、今回は本当に弱いですね」

 アリスの性的な技は横島の体の構成魂のデータを知り尽くしているかの様だ。最初は強過ぎる快感で落としてきた。そしてそれが終わると速度重視の腰の使い方となった。5回性を絞り取ると、魔術でじわじわと優しく絞り取る形に変えてくる。
どの責めも横島が絶対勝てない程に強いのは一緒だが、ヴィヴィオ等には遠く及ばない。だが彼女は横島を快感でどう攻撃するのが一番効果的か知り尽くしているようだ。

 絞られて過ぎて虚脱状態の横島を見て彼女はその乳房で分身を挟み乳房の上から辛うじて出る先端に舌を這わせてきた。余りにも知り尽くしきった動きに横島は混乱した。今生の自分に対するデータは彼女は持っていないはず。
それは先刻の試合でも明らかだ。あれは絶対に演技じゃない。なのになぜこんなに自分を的確に追い詰められる?

「簡単です戦い方等は毎回変わりますが、貴方の夜の弱さや弱点やどうすればマゾに染まり易いかは良く知っています。下手をすれば私がそういうデータの所持量に関しては一番かもしれませんよ」

「それはどういう――!」

 良い終わる前にアリスが横島の分身を口に含み舌を這わせ吸い上げてきた。しかも、大勢の嘲笑と共に投げかけられる、あざける言葉が辛うじて理解できる位に絶妙に手加減をしながら横島の分身を抜く。

「みっともなーい」

「せめて最後まで言葉は言おうよ」

 観客席の罵る声で余計に増えた横島の精液を飲み下すと、アリスの気がさらに大きくなった。彼女は笑いながら言う。

「罵られるのがどんどん癖になってきていますね。ここまで可愛がられてどこか足りないと思っている部分があるのでは。例えばエヴァさんが居ないとか、何故分った、もしくは何故自分はそんな風に考えたかと思いましたか?」

 図星を突かれて横島は怯えたが何故自分は、エヴァがここで自分を嫐る側に居ないのを残念がったのだろう? それにアリスは応えた。

「簡単ですよ。貴方は前世の一つで闘技場でエヴァさんも参加して虐めてもらった事があるんです。そしてその時のエヴァさんのお言葉は何だか分りますか?」

「分らない」

「『マイの奴に多大な借りがあったからやったが、もうこんな虐め過ぎなプレイは止めようと思う』です。エヴァさんがそういうプレイを止めようとしたのに貴方が期待してこれとは。どれだけマゾなんですか」

 最もエヴァも相当楽しんだし、実はやりたいと言う気持ちも少なからずあるが、それを伏せて横島の精神にダメージを与えた。そしてヴィヴィオがマイを持ちあげ気を送り込むと、マイの体からかつてない程強い気が迸った。
彼女の背から白く美しい羽が生え純白の衣装がより映える。彼女は笑みを浮かべながら言った。

「聖王陛下封印を解いてくれてありがとうございます。護国の守護女神にして、貴方に使える天使でもある冥妻天女復活いたしました」

 そういうとマイは面白そうに笑いながら横島の方に近づいてきた。


256 :名無しさん@狐板:2021/06/07(月) 00:12:12 ID:NPV354QC
「横島、ヴィヴィオ様に封印を解いてもらってお姉ちゃん完全復活したわ。それで、貴方への色々なプレイができそうだから遊ばせてもらうわね」

 そういうとマイの手から光が放たれ、横島に直撃した。途端に横島の心に恥辱心が強くなった。今までも強かったが今回のそれは格別極まる。泣きそうな横島にマイは綺麗な笑顔で言う。

「実は貴方は今生より女性上位の性行為が恥ずかしい国に生まれたこともあったのよ。その頃の価値観に戻させてもらったわ」

 そういうとマイは一瞬で服を脱ぎ横島に抱き着き豊満な体を密着させて、分身を秘部にのみ込んだ。ヴィヴィオによって封印が解かれた彼女の体は、今までとは比べ物にならない。横島が決して勝てないのは一緒だが、
地面と高層ビルの差から地面と雲の上くらいまで離れた感じがする。さっきのヴィヴィオと同じく気持ち良すぎて達することができない状態にしてから、マイは楽しそうに笑う。

「ちなみにその国は私を邪神扱いしている国だったわね。 私に向かって『マイ様逆らってすいませんでした。下の剣の耐久がゴミ性能な聖剣士に射精の許可をください』って言うなら射精させてあげるけど。
 あ、逝くときはちゃんと『俺は邪神相手に性欲に負けるゴミです』って言いながら逝くと約束しなさい」

 マイの提案は女権国家の世界の女性達から見てもやり過ぎなのかもしれないらしく、横島を嘲る声が止み、それでも大半の女性達が見てみたそうな期待に満ちた視線をしている
 その視線の中で、あまりの快感に負けそうになりながら横島は口をつぐんだ。それだけはダメだと男の矜持が告げている。それにマイへの親愛や惚れた感情は微塵も揺らいでないが、それでも邪神と認識しているマイに屈服するのは屈辱的過ぎた。
前世だと自分はもう言っていたなと思いつつ、耐えた。一分と三十秒耐えると、横島に地獄を見せているマイがかわいらしく頬を膨らませた。

「ヴィヴィオ様に犯されている時より長く耐えるとか、お姉ちゃんに女としての屈辱を与えたから少しきつめにお仕置きするわ」

 それを聞いて横島の顔が真っ青になった。

『軽いお仕置きって言って、姉ちゃんのお仕置きが軽かったことなんてないやろが』

 怯える横島にマイが有無を言わさず口づけする。ヴィヴィオがしたのと同じ口づけだが、彼女の場合は覚えてもいない前世のトラウマと快感が押し寄せてきて余計に辛い。そしてヴィヴィオと同じくらいの長さで口づけした後、口づけを――やめなかった。
横島が本当に限界ギリギリになるまで快感を与えてからようやく口づけをやめ密着させた体を放した。

「ヴィヴィオ様程、私は優しくないわよ。その言葉を言わないなら、どうなるかわかっているわね」

 それを聞き横島は心底背筋が凍った。次に口づけされて降参の言葉を口に出せない状態がどれほど続くのか。反射的に恐怖に負けたのと、惚れた相手には勝てない心理が働き口を開いていた。

「マイ様逆らってすいませんでした。下の剣の耐久がゴミ性能な聖剣士に射精の許可をください」

 その言葉を聞くとマイは満面の上機嫌な笑みで頷いた。そしてヴィヴィオの配下の騎士に冥妻天女の剣を持ってこさせると、なぜかその剣を持った。それを見て横島は猛烈に嫌な予感を覚えた。

「観客の皆様は楽しんでいるし、見てみたいと思ってくれているみたいだけど、引いてもいるみたい。という訳で、この闘技場に来ている皆さんに前世の記憶と感性を取り戻してもらうことにしました。 あなたの今の前世と同じ時代の前世の感性に戻ってもらいましょう」

 マイがそう言って剣を振るうと、観客席全体に純白の清らかな光が降り注ぎ、マイの背中にある青と純白の中間の光を放つ羽が輝いた。その瞬間、観客の女性達が一気に前世の頃に戻った感じがした。横島を見る目の情欲が強まり。再び嘲笑が一気に強くなった。

「いくら何でも邪神にあんなおねだりとかないわ〜」

「聖騎士じゃなくて性騎士じゃない、彼」

「ご先祖様たちに謝りなさい」

 笑い声と嘲笑の威力がより強まった。自分と同じ価値観を持つ女性達からの罵倒だと思うと余計に魂に響くダメージと被虐的な性的な快感が大きくなる。横島の目がうつろになった瞬間を狙ったかのようにマイが腰を動かすと、
今までマイに嬲られ続けてきた中で一番の射精が起きた。天使としての力を解放したためか、横島の魂の奥底まで揺さぶる快感が襲ってくるだけではなく、快感と屈辱で負った魂の古傷が一気に開く感じがした。
そして約束を果たすべく口が勝手に動き言葉を口にする。

「俺は邪神相手に性欲に負けるゴミです」

宣言と共に傷口が一気に大きくなった。そしてその傷口から出た精液がマイの中に注がれる。そして彼女は嘲笑しながら観客席に聞かせるように言う。

「射精量がタイ記録だわ。彼は幾つもの人生で気持ち良すぎるセックスをたくさんしたけど、一番気持ち良いセックスと同じ量よ。これ。ちなみに快感自体は一番気持ち良かった性行為には遠く及ばないはずだけど」

「屈辱的な性交がどれだけ好きなの。人として終わりすぎ―」

 観客席からの罵倒で余計に固くなった分身を踏みつけながら、マイは裸から一瞬で服を着こみマイクを持った。

「さて。聖王陛下に封印を解いていただいた、私マイは今回の横島との性交に司会者としても参加させていただくことにします。皆様お久しぶりです。男のプライド殺しの口舌の刃の達人、冥妻天女マイです。今日はこの愛しの愚弟をみんなで虐めて楽しみましょう」

 愛しの愚弟という下りは誰が聞いても本心だとしか思えない響きを帯びていたが、その言葉が横島を余計に不安させる。その内心を見破ってか、マイはさらに続ける。

「ごめん。横島、ヴィヴィオ様に封印解いてもらって、貴方にさんざん護ってもらったり助けられたこと思い出したら、スイッチが入っちゃった♪ これが終わったらまた魔界攻略全力で協力するから許してね♪」

 そういうとマイは楽しみながら手招きすると、観客席から三人の女性がリングに上がってきた。

 アリス・マーガトロイド、サラ、ルイズの三人だ。アリスはまだメイドには戻ってはおらずその表情には笑みを浮かべている。そして横島の顔をつかみ目をのぞき込むと、礼の言葉を口にした。

「横島、ありがとう。あの娘の頼みを聞いてくれて。本当に格好良かったわ」

 そういうとアリスは横島に口づけをしてきた。アリスの口づけを受けて横島は癒す様な快感に包まれると同時に不安も覚えた。強すぎる快感があるだけではなく、彼女の口づけを通して過去のトラウマの様なものが感じられた。彼女は横島から離れると少し申し訳なさそうに言った。

「ごめんなさい。私達は重すぎる借りがヴィヴィオさん達にあって、その対価として貴方とのプレイを手伝うように言われているの」

 そういうとアリスの指から光の糸が出て横島の体に繋がった。

「ヴィヴィオ聖王陛下それでは約束通り横島との性行為の協力をさせていただきます。これをもって依然受けた恩の清算を果たしたと見なし、私達が担当する魔界までの間、私達は完全に横島忠夫の味方をさせていただきます」

 そういうとヴィヴィオが満面の笑みを見せながら頷き答えた。

「横島達には聞こえない様にしていたけど、解説見事でしたよ。やっぱり劇をやっているだけあって上手ですね」

 ヴィヴィオの言葉にアリスは宣誓が終わったせいか砕けた口調で答えた。

「自分で台本を決められる劇よりこっちの方が大変だったわ。もう。いつもあんなに上手に司会できるマイ姉さんは本当に凄いと思うわ」

 アリスの言葉をよそにマイはノリノリでマイクを取り出し、解説する耐性に入っている。

「さあ。これより魔女裁判ならぬ、200年前からの女権国家名物、卑男(ひお)裁判の準備が始まります。 十中八九有罪確定の愚弟横島。さあ彼は誠に高潔な英雄であることを示せるのかぁ! 姉としては億分の一の可能性をつかんでほしい所。
 その前に彼の望みである男性優位の体位の性行為をしてあげるとしましょう。我が姉妹ルイズさんがお相手となります」

 ルイズは笑みを浮かべながら横島の前に来て口づけをしてきた。彼女のそれはアリスの惚れた恋人を甘やかす様な感覚とも、夢子の様に厳しくも優しい姉の感覚とも違う。根っからの甘やかすのが好きな姉を思わせる口づけだ。彼女はキスをして脱力し切った、横島に行った。

「久しぶりな上に、あんな格好いい所見せられたから、熱くなっているわ。できれば私の出番が多ければいいんだけど」

 そういうと彼女は魔法を使わずにじっくりと見せつけるように横島の目の前で全ての服を脱いでいった。目をそらそうとしたがアリスの糸で、それも封じられてしまい食い入るように見て分身が大きくなっていった。
彼女の服の下からのぞかせる白い下着とアリス達よりもさらに豊満な体が、より横島の分身を固くする。彼女はアリスの方に目配せして頷くと、横島に背を向けた。肉付きの良い尻に目が釘付けになった後、マイの指示で持ってこられた鏡がルイズの前に置かれる。 それが済むと横島の体が勝手に動き出し、彼女の秘部に挿入した。

「――!」

 挿入を終えた直後に快感のあまり、言葉が止まらず、直ぐに射精しかけたが、アリスの糸が一物の中で射精を止める。鏡に映る死にそうな表情の自分と余裕しかない笑顔のルイズが自分と彼女の差を大きく実感させる。
マイが横島の体を魔法で調べながら笑った。

「女権国家で騎乗位が多いのは男性優位の性行為だと、直ぐ男性が果ててしまい止まるからですけど、入れて2秒で逝きかけた男がどうやって男性優位の性交をするつもりだったのでしょうか〜?」

 バカにした様なマイのナレーションが響き渡り、辺り一面から嘲笑が起こると、横島は直ぐに射精した。脳が砕けたような快感のあと、アリスの糸で無理やり腰を降らされ、その敏感になった分身がより多くの精を放つ。
ルイズのゲームで敢えて子供相手に手加減している様な笑顔がより恥ずかしさを煽ってくる。

「さすがにこれだと勝負にならないから、アリスちゃんに協力してもらいましょう」

 アリスの糸が動くと体が勝手に動きルイズの胸を揉みしだいた。余計に固くなった分身からの射精量がまた増えていく。何分か経った後、ルイズも達しそうになっているのを見て、横島は恐怖を覚えた。彼女が感じれば感じるほど自分の快感も強くなっていく。
なら絶頂したらその時は。そう思った瞬間、アリスの指が動き自分の体が勝手に性魔術を使った。その瞬間、ルイズが達した。そして刹那の快楽地獄に横島は堕ちた。


257 :名無しさん@狐板:2021/06/07(月) 00:14:53 ID:NPV354QC

「ギャー!」

 拷問を受けた様な声を出した後、横島の体は崩れ落ちた。ルイズは嬉しそうに笑みを浮かべながら、今度は仰向けになった横島に覆いかぶさり唇を貪りながら
、腕を掴み自分の尻を無理やり握らせながら体を押し付け、甘やかす様な性行為で横島を何度も射精させた。
彼女との性交で癒された感覚を味わいつつ虚脱状態の横島を見下ろしながら、彼女は満足そうに笑いながら立ち上がる。そして魔法で衣服を一瞬のうちに着込んだ。そしてマイに言った。

「こういういじめるのも嫌いではないけど、やっぱり私は彼を甘やかす様な性交の方が好きだわ。 彼がいじめられすぎて精神が危なくなったら、私達が回復させるわね」

 そういうとルイズが離れると。長い廊下でヴィヴィオの言葉を伝えてきた黒髪の短髪の女性が現れた。彼女は横島が糸で動けないのを確認すると、魔石を幾つも使い横島を回復させた。そして笑みを浮かべながら言う。

「横島様。先ほどぶりですね。シンセシス団長の頼みを聞いてくれてありがとうございました。マイ様これから卑しい男か否か見分ける、卑男裁判を始めるそうですがよろしいですか」

「ええ。それじゃあ貴女たちのリクエストを聞いてみましょうか」

「横島様の価値観を十二番目の転生先に変えていただけませんか」

 それを聞くとマイが冥妻天女の剣を横島に向けて呪文を唱えた。今生の常識と価値観が入り乱れ、女性にベッドの中で負けるのが恥ずかしいという思いが強くなった。彼女は笑いながら言う。

「実はあなたの12番目の転生先も男性優位の性交が当たり前の国だったんですよ。そこに咥えて性魔術で悪の妖怪を改心させた一族として育った記憶。とてもきついでしょう」

 笑う黒髪の女性をよそに。ヴィヴィオが大勢の天女騎士を連れて横島に近づいてきた。彼女は少し考えると、横島の首を掴み呪文を唱えた。全身が不快ではないが激しい熱さにやかれるそれを見ながら、ヴィヴィオは言う。

「せっかくだから、ガーディアンも12番目に付け替えましたよ。この方がダメージも大きいでしょう。魔界攻略では不自由はさせないから安心してください」

 確かにヴィヴィオの言葉通り、前のガーディアンよりこっちのガーディアンの方が性能は上だと分かる。だが、余計に恥ずかしさが増してきた。そして黒髪のショートヘアの天女騎士が言う。

「実は私は貴方に救われて惚れて妻になった神族の血も入った下級貴族だったんですが、その際に受けた恩は多大なものでした」

 なぜそんなことを言い出すのか、横島には分からない。彼女は他の金髪や黒髪の天女騎士たちが来たのを見ながら言葉を続ける。

「今ここにいる天女騎士は大半がそうです。そんな相手の名誉を傷つけるとか貴族的には『当時の価値観』ではありえませんでした。ですが今一番恥ずかしい性行為を貴方にできる」

「それで君の名前は」

「教えません。 名前やどういう事情で惚れたか教えると忘恩の下級貴族ではなく、貴方にとって自分に惚れてくれた女性になってしまいますから。惚れてくれているけど、名前も知らない一蹴できる下級貴族、その方が刺激的でしょう?」

 そういうと彼女は横島を複数の女性達ともに押し倒してきた。性向を始めて分かったことは、彼女たちはアリスやヴィヴォオ達よりははるかに下だ。だがそれでも自分は彼女たちの足元にも及ばない。そして屈辱的で恥ずかしいのに、
彼女たちが言う通り自分はこの逆レイプに興奮してしまっている。

「おーっと、人としての最低の逆レイプをされて、我が愚弟は滅茶苦茶固くしているぞ〜。しかも、私との性交以上に感じている疑惑も出てきました。 解説と嘲笑で余計に固くなっています。 こんな変態に生まれてきて、生きていて恥ずかしいとか思わないのでしょうか」

 マイの言葉で余計に固くなり、それに伴う嘲笑が余計に射精量を増やしてくる。時に顔に胸や尻を押し付けられ、常に女性優位の性交をされて彼女たちは何度も横島から搾り取り、一度ずつ達すると離れた。そして入れ替わるようにマイが近寄り、闘技場のスクリーンを指さした。

 それを見ると無様すぎるほど無残な自分が写っており、マイに蔑みの視線を向けられて、分身が復活すると余計に泣きたくなった。彼女は靴を脱いで横島の分身を踏みつけながら言う。

「貴方は何度も偉業を成し遂げ私達を護ってくれたけど、基本的にはこの下半身の欲望に従った結果でもあったわね。卑しい男か否か試させてもらいましょう」

 そういうと横島を足で射精させた後、マイが横島にソーマを飲ませて完全回復させて魔法で衣服を整え、愛女守を渡した。

 そして敵として出てきたのは自分をさっき犯した下級の天女騎士たちだ。マイは乗りに乗った様子で司会を始める。

「さあ。私の弟分が卑しい男が否かの、見極める卑男裁判の時間がやってまいりました。敵はシンセシスちゃんと戦いレベルアップする前ですら、一蹴できた下級天女騎士たち。ただし、負けたらさっきやられたのと同じ逆レイプをしてもらえる条件付きです。ファイト!」

 それを聞き彼女たちと戦おうとした瞬間、彼女たちにされた行為を思い出した。気持ち良すぎて何度も搾り取られた秘部。顔や手に押し付けられて来た乳房と尻。そして分身を嬲る指や舌や胸、思い出して下半身に血が集まり、
次の瞬間ブルーのロングヘアの女性の槍が横島に直撃した。そしてあり得ない程の大ダメージが通ったのを見て驚愕する横島にマイが解説を続ける。

「横島選手完全に下半身が敵に回ってしまったようです。霊力の元である、煩悩が彼女たちに逆レイプされたがってダメージを大きくしています。 下級の彼女達より与えてくる快感が大きい女性は多いのに大丈夫か?」

 一撃をもらい顎が揺らされ、立ち直る前に黒髪のショートヘアの女性の蹴りと拳が自分を打ち据えた。普段ならこの倍以上の攻撃を受けても動ける状態で横島は崩れ落ちた。それが終わると再びさっき受けた性交が始まる。
 さっきと同じ姿になった横島を見ながらマイは爆笑しながら解説を続けた。

「卑男裁判有罪。天女騎士達の中では最低の彼女たちに負ける時点でもはや弁護の余地なしです。 敵勢力の一番下の女たちに恥ずかしい逆レされるのがそんなに良かったのでしょうか?」

 マイの嘲る口調に限界が気かけたのを見計らったかのようにサラが歩いてきた。彼女はマイに向けていった。

「そろそろ限界の様だから、私が癒してくるわ」

 そういうとサラが手をかざすと門が目の前に現れ、横島を抱きかかえながら彼女はその門をくぐった。門の先は高級な洋館を思わせる豪邸の寝室を思わせる部屋だった。彼女は搾り取られ過ぎて動けない横島の目の前で服を脱ぎ始めた。
ルイズには少しだけ劣るが女らしい肉体を髪の色に近い下着が包みより淫猥な気配を醸し出している。彼女は抜き終えると空中に向けて手をかざした。すると途端に、幾つもの門が現れた。
現れた門は不意に開くとその門からマグネタイトが現れて、横島の体に流れ込み始める。

「昔の戦いを思い出すわ。先ほども言ったけど私は異界を護る門番で、何度も貴方を撤退させてその都度癒していたの。体の傷だけじゃなくて心の傷もね」

 そういうとサラは横島に口づけをした。全身が甘くしびれるような脱力感に満ちた快感が走る。まるで毒蜘蛛に刺された様な脱力感が彼を蝕む。

「今貴方の体に流れ込んでいるのは貴方の前世達のへの女権国家世界での信仰心が、生んだマグネタイト。その中でも私との性行為で貴方の心が癒された箇所を読んだ人たちの信仰心を注いでいるわ」

 サラはあまり激しく体を動かそうとしない。横島の分身を飲み込みただ手足を絡めて抱きしめてくる。そして秘部の内部を動かし、達したくなった横島が動くのを待つ。横島は耐えきれず何度も突き上げその度に早く果てる。
そして果てるたびにマグネタイトが流れ込む程、どんどん自分を嫐った彼女達への親愛が強くなっていくことに気づく。もともと彼女たちにどんなに辱められても、怒るような感情が芽生える程度で、嫌悪や憎悪は抱けなかった。多分前世で関係した女性達だったせいもあるのだろう。
だが、今は逆に彼女達への好意が強くなってきている。 これは多分自分の多くの前世が生んだ英雄譚の信仰が生んだマグネタイトが流れ込んできているせいだろう。

 不意にアリスが部屋に入ってきた。彼女も楽しそうに横島を見ながら手をかざした。
横島は不意に目の前が真っ暗になり顔に柔らかい二つのものが当たっていることに気づく。少し離れると、サラの体が大きくなっている。僅かな違和感を覚えた瞬間、アリスが鏡を見せてきた。その瞬間彼は気づいた。自分が精通したばかりの年に戻っていると。

「これこそエイジドレイン。甘やかす性行為ならこういうのも良いでしょう」

 そういうとアリスは楽しむように一息で服を脱ぐと、横島に口づけして来た。そしてお気に入りの縫いぐるみを自分の番になったという感じで譲り受けるように、サラから横島を放し自分の方に抱き寄せた。両方の胸に頭を圧迫されて射精が止まらない状態の横島を強く抱きしめながら言葉を言う。

「横島、あの娘、シンセシスの頼みを聞いてくれて本当にありがとう」

 男として情けなさすぎる射精を繰り返す横島に対して、最愛の恋人にするように性交をしてくるアリスに横島は意識を何度も飛ばされた。本来なら自分はひたすら喘ぐだけの状態になっていたのだろうが、アリスが糸の様なもので動かすおかげで彼女が望むように動けている。
乳房や尻を揉みしだき時に口づけに答えている。乳房や尻を揉みしだいている時はただでさえ強すぎる快感がより強くなるし、キスに応じている時は悲鳴を上げられず代わりに精液が出るような錯覚と共に地獄の様な快感が襲ってきた。
だが自分を最愛の恋人と思いながら癒そうとする、アリスの意思も伝わってくるためか、精神が癒えてくる感覚もする。やがて性行為を終えて仰向けに倒れた横島はアリスにようやく質問した。


258 :名無しさん@狐板:2021/06/07(月) 00:17:14 ID:NPV354QC

「アリス……さんと、あのシンセシスさんはどういう関係なんですか?」

 子供の姿になっていた為か言葉も敬語となり、いつもとは違う敬称となった。それを聞きアリスは上機嫌そうに言葉を返す。

「あの娘は、私の娘の様な存在なの。女殺しの魔獣達との戦いの際にあの魔獣相手に戦果を上げた私の操り人形立ち、そういった人形は獣殺しの概念がつくから貴重だったの。
だから壊れても、パーツを一部でも回収出来たらそれを使っていた。中には付喪神になっていく娘たちもいたわ。
そしてある時、ある国の女騎士が霊的な重傷を負って、魂に傷を負って、その際に人形達の魂を臓器移植の様な形で移植したの。正確には溶け合って吸収できるような形にした感じだけど、それがあの娘よ。
シンセシスとは得られたデータを使い新しいデータを得る作業の事でしょう。あの娘の名前はそこから来ているの。半分は私に忠義を尽くした付喪神たちだから」

 それを聞き横島はシンセシスのいきなりのバトルスタイルの変化に納得がいった。アリスの人形はアリスの代わりに魔法を放ったり、大きい剣を振り回したり、速度重視で剣を振るう。
彼女たちから生じた付喪神の魂たちと合体して補ったが故の特性だったのだろう。

 アリスとの性行為が終わるとサラが再び横島を抱きしめて乳首を口に突っ込むと赤子をあやすように魔力を込めて撫でてきた。

「横島さん、女権国家世界の女に勝てないのは恥ずかしいことでもなんでもありませんよ。だから気を大きく持って気楽に気持ち良いことに身をゆだねましょう」

 アリスのあくまでも恋人として自分を癒そうとする性行為と子供に戻った自分を子を赤子を癒すようにやってくるサラ。屈辱感があるのにそれが余計に快楽を引き立ててくる。横島が完全に回復した瞬間に、ヴィヴィオとマイが部屋に入ってきた。
彼女達は心底楽しんでいる様子で横島を見た。

「完全に回復させてくれたみたいですねサラさん、ありがとうございますそれじゃあ、マイさんよろしくお願いします」

 マイはヴィヴィオの頼みに頷くと冥妻天女の剣を横島に向けて光を放った。その光を浴びた瞬間、横島は自分の男としての尊厳が死ぬのではという恐れと、それを期待しているような感覚が起こり背筋が凍った。
ヴィヴィオは小さい烏帽子の様なものを横島につけて口づけしてきた。
 マイが楽しむように横島に説明を始める。
「聖王であるヴィヴィオ様が宿敵である男性優位国家に貴方は転生していたこともあってその時のヴィヴィオ様に屈服前の状態に戻したわ。そしてその烏帽子はその国の公職の証なのよ。それじゃあ始めましょうか」

 ヴィヴィオに騎乗位で搾り取られその快感で心を完全にへし折られる中、マイが笑いながら言葉を続ける。

「ちなみにこの様子は闘技場のリングでも見えたスクリーンに映っているから。それで観客の皆さんも貴方の前世と同じ感性に戻しておいたわ」

 そのあと気の進まない様子のサラが手をかざすと門から嘲笑の声と念が流れ込んできた。

「アリスさんとラブラブエッチした時よりたくさん出しているわ」

「あれは人として酷い。烏帽子付ける前に陛下に犯されていたら絶対烏帽子付けた後の方が多く射精していたわ」

ヴィヴィオに何度も射精させられその度にマグネタイトを奪われ回復させられて、横島の意識が快感の許容量を超えた瞬間意識が落ちた。

 目覚めると、横島は闘技場の控室にいた。横にはマイが笑顔でいる。

「姉ちゃんあの後、俺どうなったんだ」

「ヴィヴィオ様の命令で 卑男裁判の最終審よ。なお有罪になっても大した刑罰はないもよう。それじゃあ、頑張ってシンセシスの方のアリスちゃんと闘ってきなさい。彼女との約束また、戦ってあげるという約束を果たせるかどうか見るそうよ」

 そういうと横島は、ふわふわした足取りで闘技場に行くとシンセシスが剣を構え待っていた。彼女は前と違い剣を持ってはいても薄着な衣装に身を包んでいる。

「卑男裁判の最後です。私と再び戦っていただきます。ただし負けたら、私から受けた逆レイプをまた受けていただきます。私は貴方を閨で嫐る魔術的な人形劇でも使われた人形の魂30体が移植されているので激しい快感を約束します」

 そういうとシンセシスにされた行為が頭をめぐり胸や唇から目を離せなくなり、彼女の拳一撃で完全に沈み切った。

 倒れた横島に観客席から嘲笑の声が響く。

「あんな低レベルな色仕掛けの誘い文句で、弱くなるとかどれだけ下半身が強いの」

「所詮立派なことをたくさん成し遂げていても下半身の為だものね」

 その声をよそにシンセシスはあまり失望せず嬉しそうな顔で横島の服をはぎ取り自分も脱ぎ始めた。
 彼女が口淫を行うと、横島は一瞬で冗談みたいな量の精液を口の中に放ってしまった。幾つものデータが入っているためか、横島の弱さを知り尽くしているかの様だ。
シンセシスに手で胸でそして秘部で絞り尽くされると、横島は裁判長らしいヴィヴィオから有罪を宣告された。
 次の魔界飽食会への扉が開くまで数日かかるらしいので、間この街にとどまり、三日に一度は闘技場に出場することが彼への刑罰となった。

 それからしばらくの間横島は、闘技場に何度も出場した。男としての傲慢である女性に閨で負けるのが情けないという感性を抉られる快感と、精神が限界に来た時に癒す様に犯してくるアリス達との性交が癖になってしまった。

 二日目に闘技場で負けて犯されぬいた横島をヴィヴィオが担いで帰ってきた。彼女は持ち前の陽気な声で言う。

「外の世界と連絡とってみてどうだった」

「ええ。神綺様も頭を抱えているわ。女権国家の世界とこの世界が影響を与え合っているから、これから起こる事件がどうなるかわからないって。横島が予定より早く強くなり過ぎて、今の魔界の難易度じゃ若干不安だから微調整するって」

「それが一番いいでしょうね。この世界の横島の後見人のお爺さん達良い人だから、需要や病気以外で死なれると寝覚めが悪いですし、何より守り切れないと横島のダメージが大きいからね。この事件が終わったら私もそっち行って良いかな?」

「場合によるわ。起こる事件次第では、私達の世界に移住させた方がましな可能性もあるから」

「それも視野に入れないとダメか。しかし、マイさん今回のコロシアムにかける情熱凄かったですね。横島で虐めるのに都合のいい観客を選ぶために、わざわざ観客の人たちに輪廻転生の記録まで調べるとか」

「ええ。おかげでこいつも、私に刻まれた快感と屈辱を永遠に忘れないでしょう。あとは私の能力で男性の傲慢を持ち合わせた状態に戻しては折を繰り返せば、それがどんどん癖になっていくでしょう」

 天使を思わせる笑顔で彼女はえげつないことを言いなが笑っていたが、不意に彼女は真面目な表情になった。

「ヴィヴィオ、こっちの世界の流れ次第では、横島の親しい人たちを死なせないではなく、納得いく死に方ができるようにしか動けない可能性もあるわ」

「その通りですね。多くの観測者たちが『デビルサマナー』読んでいる世界になるかそれとも『女神転生』と呼ぶ世界の流れになるか、それとも全く関係の新たな世界になるか。どうなるにしろ、その流が訪れた時に彼が受けるダメージを最低限にしなければ」

「ええ、そうね。何が何でも彼の親しい人たちに無残過ぎる死が訪れないようにしないと。私達の夫と言う役目からの休暇をつぶした挙句に、こいつに閨の中以外の事でトラウマをこしらえさせるわけにはいかないからね。
 その為にも彼にさらに強くなってもらうか、さもなくば折れてもらって私達に全てを任せてくれるようになってもらわないと」

 ヴィヴィオの言葉にマイも強く頷いた。意識を失う彼を見る二人の目には強い決意の光がともっていた。そしてそれは彼を鍛える為の魔界がより苛烈になる事も示していた。


259 :名無しさん@狐板:2021/07/28(水) 23:34:28 ID:acTw3ic1
これはひどい真・女神転生if 傲慢界 後日談

これは女神転生ifと女権国家のクロスSSで>>246から>>258の続きです以下の注意があります。

@この話に出てくる設定の大半はオリジナル設定や作者の独自解釈であり女権国家や女神転生の公式設定ではありません。

Aソードアート・オンラインのソシャゲネタが使われています。ユウキの姉、藍子の設定は大半がオリジナルと予想です。

B 血縁のキャラに声優ネタが使われています。

C女神転生の歴史の分岐に関しては一応根拠があり、女神転生ifの攻略本だと軽子坂高校が帰ってきた際に、崩壊が起きると書いてありました。そして女神異聞録ペルソナでは、軽子坂高校が帰ってこなかった場合はデビルサマナーなどに分岐するような描かれ
 方がしてありました。

D一応さらに分岐する世界に関してはペルソナ2などが当たりますが、このSSではそちらに転ぶ可能性はないことになっています。

 横島はあれから数日間、ヴィヴィオの主催する闘技場に挑みその度に負けて女性に犯されていた。マイの自分の誇りを切り刻むナレーションが媚薬の様に耳に染みわたる様になってきた事を自覚しつつ、辺りを見た。最近は軽子坂高校の同級生達もこの傲慢界で、
女性達に敗れ凌辱されている。その姿を見ながら、横島は自分の戦いに対するモチベーションが急速に落ちて来ている事を自覚した。この状態は前世の自分の妻たちが明らかに非道な女性ではない事が理解出来てしまっている事が大きい。
さらには最近見かけるようになった軽子坂の生徒達で戦う覚悟を決めた者達も凄い勢いで実力をつけてきた。彼らはどう見ても前世で自分の妻だった女性達に悪感情を持っていない。明らかに目標を持って前に挑もうとして修業しているようにしか見えない。
それを見て彼らを救助すべき対象ではあっても、庇護対象として見るのは難しくなってきている。

 時々女権国家出身と思える悪魔達に閨に引きずり込まれている生徒たちもいるが、傲慢界らしく調子に乗って油断したものたちがそうなっている様だ。女権国家産まれの悪魔達は自分たちの虜にした後は、惨く扱おうとする様子はない。
むしろ捕えた男性を女権国家に連れ帰るか、自分達が横島達の世界に移住するか考えてさえいる。こういった事実が彼から事件解決に挑む意欲を大きく下げていた。

今、真面目な思考を必死に保っているのも、ここ数日で刻みこまれた快楽を忘れる為だ。今も少しでも気をそらせば、闘技場に出て敗れた後の快楽を期待して、敗れる自分と、それを嘲るマイの実況と観客席からの嘲笑。
それを思い出し激しい快感と共に自分が無気力なっていく。 マイの冥妻天女の剣で折れる前に戻して貰った今でも、性交で辱められてへし折られた快感がどうしても忘れられない。

横島はここ一週間、自由時間はコロシアムの難易度の高めのダンジョンでマイの仲魔達を借りて鍛錬に来ていた。召喚したトゥルダクと雪だるまを思わせる妖精ジャックフロストと、カボチャ頭の妖精ジャックランタン、
そして妖魔アプサラスを従え傲慢界でも特に強い悪魔達と戦いを繰り広げた天女騎士達と遭遇する度に下半身が疼いたが、部下である仲魔の命を預かっていると思えば辛うじてその誘惑を振り切れた。

 特に強いゴブリンの群と死闘を繰り広げた後、その群れの中でも特に強かった対象と思われるゴブリンを愛女守で斬り殺した横島にジャックフロストが声をかけた。
「ヒーホー、横島凄いホ。二軍だったオイラ達を傲慢界の最難関であるここで通用出来るまで育ててくれて、ありがとう」

「指導したのは俺だがお前の頑張りがあったからだ。仲魔の層は厚い方が良いだろ。それにマイ姉ちゃんの役にも立つからな」
 
応えながら横島は特に強かったゴブリンの死体を見下ろしながら、複雑な感情を抱いた。このゴブリンは特に強いゴブリンで、最早種族の中ではヒーローと言っても良い存在だ。恐らくゴブリン族の○○と固有の名を公表するか、名乗れば特に強くなれていただろう。
だが種族全体の底上げの為に敢えてそれをせず自分に挑んで来た。彼に率いられた群の彼への忠誠とそれが生み出す死すら恐れぬ援護と連携もそこから来ていたのだろう。男として、こういう戦士に勝利した以上は立派な男でいたいと思うが、その都度に、
コロシアムでの自分の醜態が思い出される。一蹴出来ていた天女騎士達に負ければ嫐られると言う約束をかわされて斬りかかられると、自分の下半身が敵にまわりそのまま一方的に倒される感覚。彼女達に与えられる、快感と屈辱が思い起こされる。
闘技場に行きたくなってきた意識を無理やり切り替えようとした時、ダンジョンに足音が響いた。明らかに敵意がなかった為に気づくのが遅れた。その上で念のために身構えながら足跡の響く方向を見ると、
そこには最も横島をコロシアムで嫐った黒髪ショートヘアの下級天女騎士がいた。少しだけ自分を見下す様な嘲笑めいた眼がここ数日の情事を思い起こさせ、下半身が固くなりかけたが、それを務めて鎮めると声をかけた。

「なんの用だ」

 彼女は横島の虚勢を見破った様子で面白そうに笑いながら言葉を返す。

「仮にも体を重ねた相手にそっけなさすぎませんか」

「俺に屈辱を与えるためにわざと名前教えなかった上に、合意のない性交だった女にまでええ顔できんわ」

「貴方がその気になれば私なんて三合も持たずに死亡ですよ。ですからあれは前世の愛による和姦では? それとも」

 そこまで言うと彼女は不意に横島に近づき顔を手で挟みいう。

「貴方は名も知らぬ敵勢力の底辺の女に一番不名誉な性交をされて悦ぶ、クズなんですか?」

 彼女のからかうような糾弾の声に横島は分が悪いと思った。ここでは前者と認めた方が、マシな気もしたが、敢えて応えた。

「ああ。俺は、自分の命や大切な人が死ぬとかでない限り、性欲に負ける情けない男だと思う。 だから断じてあれは合意の上の性交じゃない」

「表層意識は認めていないという事ですね。内心はともかく。 今日私がここに来たのは、ヴィヴィオ様からのお呼び出しの為です。聖王陛下が貴方に伝えたい事があると、
何時伝えるべきか悩んでいたそうですが今が良いという、結論が出たそうです。それと一つ個人的なお願いがあるのですが聞いてくれますか」

「どんな頼みだ」

 お願いの内容だけでも聞いてしまうのは、彼女に押し倒され完全に屈服させられたせいか、それとも前世の情がある故なのか判断がつかない。悩む横島をよそに彼女は横島に近づき横島を苦戦させた特に強かったゴブリンの持つ剣を手に取り取ると言った。

「この剣を譲っていただけないでしょうか。このゴブリンはどうしてもあなたと闘いたかったらしくて、一度ある軽子坂高校の生徒に殺されかけた時、自分が死ぬか貴方に勝ったらこの剣を譲るという条件で命乞いしたんです。
私はその際の約束の立会人をたまたま勤めていました。きちんと代金は支払いますから。このゴブリンも助けてくれたことに恩を感じ、約束を破りたくないみたいでしたから。それに、私も立会人を務めたものとして嘘つきになりたくありません」

 彼女の嘘つきになりたくないという言葉を聞くとなぜか聞く気になった。これも、いつかの前世が夫だったせいかもしれない。そう思いながら横島は答えた。


「分った。良いぞ。その剣は確かに良い剣だけど、夢子さんの愛女守程じゃないし、換金くらいしか使い道なからな」

 彼女の用事が済むと、横島は僅かにほっとした。天女騎士の中には横島の前世の妻だった女性もそれなりにいると聞いてからは、見知らぬ天女騎士を見ると警戒してしまう。だが彼女の様にあったことがある相手だとその恐怖も少ない。
了承して仲魔を帰還させると横島はヴィヴィオに呼ばれた場所に向かった。

ヴィヴィオの寝室に辿り着くと、いかにも王族を思わせる豪華な部屋で大きなベッドに彼女はかけている。部屋の中には映画館を思わせる映像スクリーンがあり、闘技場の様子が写されている。軽子坂の生徒が特定の夫を持たない、
天女騎士に負けて犯されている。最初は嫌がり恥ずかしがっているが、一度射精をすると完全に落ちて自分を犯した天女騎士に犬の様にすり寄り始めた。その様子を見て、横島は思った。

『多分だけどあいつは、こっちの業界じゃ出世はできても長生きはできなかったな。才能はあったが、調子に乗り過ぎて過信が過ぎた』

 ある意味傲慢界らしい結末だと評する横島にヴィヴィオの言葉が響く。

「よく来てくれましたわが夫」

 横島の気になる試合が終わった瞬間に画面が消え、ヴィヴィオが声をかけてきた。横島は前世の影響の為か、自分の中にある彼女への敵意と警戒の念が淡くなった事を自覚しながらも、
直に戦闘に移れる体制を維持した状態で出来る最大の礼を取った。

「ヴィヴィオ聖王陛下、今回は俺が最も知りたがっている、情報を与えてくれると聞き呼び出しに応じさせてもらいました。今回のこの異変を起こした理由を教えていただけると聞き――」


260 :名無しさん@狐板:2021/07/28(水) 23:39:22 ID:acTw3ic1
――横島は意識が混乱の最中にあった。自分はさっきまでヴィヴィオと話していたはずだ。だが今は視界と頭がぐらぐらと揺れていて、豪華な寝台の天井を見ている。背中に柔らかい感触の布団が当たり、目の前にヴィヴィオがいる。動こうとしたが左右から、
押さえつけられて立つことを遮られる。左右を見ると数日前、ヴィヴィオに自分が破れ犯された時に、ヴィヴィオの周りに常にいた近衛隊らしき天女騎士達が、自分を押さえつけていることに気づく。多分だがヴィヴィオに殴打されて起こった、
脳震盪が完全に抜けるまでは、彼女達には一対一でも勝てないだろう。彼女たちは横島の首と顎を掴むと視線をヴィヴィオの方に固定させた。

 ヴィヴィオはゆっくりと服を脱ぎ戦の女神を思わせる肢体を横島に見せた。途中で瞬たきすらできなくなっていた彼の一物を掴みながら彼の唇を貪る。彼女の腕から感じられる気のせいで余計に快感がましながら、
それでいて射精も許されない状態が起こり快感が耐え難い苦痛に変わる瞬間が直ぐに訪れた。そうなってようやく彼女は一息に横島にまたがり分身を蹂躙する。凄まじい快感に負けて意識が飛んだ彼の顎を掴み、彼女は言った。

「私がなぜこれをしたかわかりますか?」

 横島は首を横に振った。ヴィヴィオは頷いて答えた。

「分かるはずがありませんよね。 怒りも感じられないし、事実私も怒っていません。これは罰じゃなくて教育ですから」

「何を教えようとしているんすか」

「私的な場では、私のことは呼び捨てにしなさい。敬称はまだしも、称号はつけないこと。 これだけ強い快感で刻まれたら忘れないでしょう」

 ヴィヴィオの瞳をのぞき込んだ瞬間、全身に畏れが道反射的に首が動いた。頷き終えた瞬間にヴィヴィオが闘技場で横島達を負かした際の一撃を放つ前の様な気配を放ち、次の瞬間横島は体の感覚が分身以外から一気に消失した。
ただヴィヴィオの与えてくる膣のうねりと送り込んでくる気に圧倒される。信じられない程の量の射精のあと、横島は指一本動かすことすらできない状態になった。

 ヴィヴィオは倒れかけた横島を立ち上がらせると、今度は母親が赤子を抱く様に抱き寄せ体を密着させて彼の分身を飲み込んだ。指一本動かせない彼は緩められた快感に溺れ始める。ゆっくりと体を動かすヴィヴィオに横島は恐怖を覚えた。
彼女は敢えて横島と同時に達そうとしている。それをされたらこの甘く緩い責めで溜まった際の射精はどれ程だろう。 ヴィヴィオは横島と自分が達する瞬間に一気に力を籠め横島の体を強く抱きしめ締め付けた。
絞りぬかれた様な感覚が襲い意識が飛び力が抜けかけたところで、彼女が手をかざすと、この魔界に溢れるマグネタイトが横島に流れ込み回復させて来る。彼女は裸でも勝者であり、王であることを感じさせる風格を見せながら腰かけた。
横島を押さえつけていた天女騎士達が伺いを立てるような視線で彼女を見ると笑って答えた。

「かまいませんよ。貴女達も前世で彼の側室だったことがあるのだから、こんな姿を見せられては耐えるのは酷でしょう」

 ヴィヴィオの言葉を聞き喜色に溢れた様子で近衛騎士らしき女性達が服を脱ぎ始め、怯え指一本動かすのすら難しい横島が逃げようとするとヴィヴィオが手で分身を掴みしごき始めた。
一瞬で強すぎる快感が苦痛に転じ、そして射精をじらされる拷問を受けた状態の横島に彼女は命令口調で言う。

「ちゃんと見てあげなさい」

 ヴィヴィオは左手で横島の顎を掴み服を脱ぐ近衛騎士達に視線を固定させ、右腕で横島の分身を掴み気を送り込み、快感を与えながら射精も封じている。
それが近衛騎士たちの美しく欲情を誘う肢体を見せられる横島には余計にひどい拷問となった。彼女たちの下着姿から裸へと転じる流れだけで射精が起こりそうなのにヴィヴィオはそれを許さない。
脱ぎ終えた、赤い髪の近衛騎士がまたがり横島を貪ると横島は悲鳴を上げた。ヴィヴィオにじらされ切った直後の不意打ちの快感に一気に達し再び意識を失いそうになる。彼女たちは絡みつくように横島を嫐り始めるとヴィヴィオは離れ、
横島に向けて手をかざした。そうするとマグネタイトが大量に流れ込み達して奪われた分が補充されていく。だが、明らかに女生に負けている性交の屈辱と快感で削られていく何かは戻ってきていない。
そして彼女たちの体の重ね方に自分への好意や愛が感じられるためか、横島はどんどん抵抗の意思がすり減っていくのを自覚した。一通り絞り終えて彼女たちが満足すると、ヴィヴィオが横島の頭を撫でて意識を落とした。

 次に目覚めた時横島ははぎ取られた服を戻されており、体を洗われ清潔感と心地よい疲労感に包まれていた。目の前には簡素だが高価な玉座にかけるヴィヴィオがいる。彼女は横島の様子を見ると口を開いた。

「どうです気分は、疲労感が重すぎたりしませんか?」

「大丈夫だ。それより俺が知りたかったことを教えてくれるんだよな」

 ヴィヴィオは横島の言葉に頷くと言葉を返してきた。

「私達がここに来て、軽子坂高校を魔界に引きずり込んだ目的でしょう」

「ああ」

 それが横島にとって一番気になることだった。今までの経験からこの事件に対するモチベーションが下がり、彼女たちの目的次第ではもはや自分が戦う意味がないのでは、と考えるところまで彼の意思は削られている。
だからこそ、今回の事件の目的を知り今回の事件に関しては自分が第一線から退くか、それとも意欲を高められるかを知りたかった。
エヴァもこの魔界を支配している一人だし、マイに至っては関わっている保証もない上に彼女が本気で隠し事をしている時は自分が勝てたためしはない。対して目の前の彼女は、曲りなりにも王であり、一度した約束を違えることはしない型の人間だ。
だからこそ彼女の提案は彼にとって渡りに船だった。黒幕同士が同じ目的で動いているという保証はないが、それでも幾何かは、この事件が起こした前世の妻たちの目的が分かるかもしれない。

 横島の視線を受けてヴィヴィオは面白そうに笑うと答えた。

「私も全員の目的を把握しているわけじゃないけど、大半の目的は私と同じ貴方を強くするか、それが無理なら女権国家のある世界に連れ帰ることだと思います」

「なぜそんなことを?」

「私も事態を理解しているけど、他の人から聞いた話しか知らないから鵜呑みにはしないでくださいね。私に教えてくれた方も嘘はついていないでしょうけど、間違えている可能性もあります。それに他の人たちの考えは私の予想に過ぎませんよ」

 ヴィヴィオの言葉に頷きながら、横島は次の言葉をまった。

「実を言うと女権国家のある私達の世界と貴方の今いる世界、多くのパラレルワールドを見る事が出来る程の上級悪魔達や、或いは観測所に座り続ける大いなる悪魔達から世界所の枝別れの大いなる分岐点とみなされています。貴方は青木さんの幾つもの戦いを見ましたよね」

 横島はヴィヴィオの言葉に頷いた。青木は幾つものパラレルワールドで軽子坂高校の異変に挑む際に誰かの手を取った、どこにでもいる『男』だった者達の集合体だ。
大半は赤根沢玲子と共に歩んだ道を行ったが、少しだけだが、他の人間と共に行った場合の記憶も持っていた。横島の心を読み取ったかのようにヴィヴィオは横島が考えを整理し終えると、言葉を続けた。

「実は青木さんが誰と共に戦ったかで未来は大きく変わるんです。そこから最初は二つの世界に分れました。赤根沢玲子さん、或いは博愛主義者で全員を救おうとした白川由美さんと共に戦う道を選んだ場合、多くの観測者達に『女神転生』と呼ばれる世界に分岐する場合が多かったんです」

「『多かった』って事は過去形なのか」

「ええ、それは後で話します。時間が巻き戻って、別の次元に変わったりしているのに、それを過去や未来と分類するのは変だと私も思います。でも観測者達の主観だと、
最初は『女神転生』ともう一つの『デビルサマナー』にしか分岐しなかったのに、さらに分れる場合も出てきた。だからこそ奇妙な話なのです。とりあえず、この話しは横に置きます。
 今言った様にユミさんとレイコさんを選んだ時『女神転生』の世界に分岐し、そして黒井慎二ともう一人宮本明この二人と共に行った時、
軽子坂高校は魔界に呑まれたままとなり、『デビルサマナー』と呼ばれる世界へと変わるんです」

 横島はヴィヴィオの言葉を聞き青木の記憶を思い出した。チャーリーと呼ばれた人間は自力で動こうとしない、人間達は見捨てていた。それが学校が戻ってこない理由だったのだろう。
恐らくはだが、軽子坂高校が消失したままだった世界線では、護国のサマナー達や、霊能関係の機関の腰の入れ方に大きく差が出たのかもしれない。何かする前に突然消えて戻ってきたのと、永遠に戻ってこなかったのでは大きく印象が違う。

「それが俺とどういう関係があるんだ」

「簡単な事ですよ。軽子坂高校が戻った世界線では、法と秩序を司る悪魔達と混沌を司る悪魔達の戦争が起こり核ミサイルが落ちて、日本が壊滅します。断言はできませんが、日本以外の国も相当な打撃を受けていると思います。
そこでも神々同士の主権の取り合いは終わりません。荒れ果てた大地の中で、秩序と混沌を求める悪魔とそれぞれを信望する二元の戦争が起こります。一人の少年が終止符を打つまでそれは終わりません」


261 :名無しさん@狐板:2021/07/28(水) 23:45:16 ID:acTw3ic1
 横島の頭に何故か、ヘルメットをして刺付きの肩パッドをしたやたらと鍛えられた体をした男が、荒野で多くの悪党を血祭りに上げる映像が浮かんだ。その男は自分を助けてくれてそうだが、何故そんな映像が浮かんだ疑問に思ったが首を振ってそれを消した。
そしてヴィヴィオの、言葉の続きを待つ。 ヴィヴィオは話の一区切りがつきどう話すか少しだけ考えると次の言葉を続けた。

「貴方にとって『女神転生』と呼ばれる世界は既に論外でしょう。後見人のお爺様たちや、良くしてくれた先輩や同僚の皆さんが殆ど死んでいるでしょうし。さらに悲惨な死に方をする可能性の方が圧倒的に高い。 だからこそあなたがもたらしたいものは、
『デビルサマナー』と呼ばれる世界でしょう。しかし、その世界もまた平穏には程遠いのです。多くの霊障が起こり、中には天変地異に近い者も多く。
力が足りなかったり、選択を間違えれば世界が破滅する、まではいかなくても5桁の命が頻繁に失われるそれが、『デビルサマナー』と呼ばれる世界です」

 横島の頭がひどく重くなった。『女神転生』の世界になることを防げてもその後は、『デビルサマナー』の世界となる可能性が高い。そうなった時、自分は果たして生き残れるだろうか。
自分も含めて同僚や先輩たちがひどい最後を迎えるのを防ぐのはかなり大変そうだ。そこまで考えたところでヴィヴィオの言葉響く。『聖なる王』として横島に告げたいことがある様だ。

「横島、この世界は女権国家と言う世界とどちらかに分かれるイフの可能性が集約している時間軸が触れ合った場所。この世界線では多くの悪魔がめったに見られない、干渉をしてきます。
まったく新しい世界に転ぶ可能性もあります。その際に貴方が弱ければ、貴方は大きな後悔をすることになる」

 ヴィヴィオの言葉は横島に強く響いた。今までも自分は強くなることに手を抜いてきたつもりはないが、救世主と呼ばれる人間たちについていけなければ、世界が滅ぶ可能性も低いがある。
それが大げさでも親しい人間や十万の人々が死ぬ可能背は高い。そういう事態が現実に怒れば除霊師としての歩み天変地異クラスの霊障にも呼ばれる自分のメンタルは耐えきれないかもしれない。

「ああ、分かった。多分だけどヴィヴィオさんはおれを強くしてくれるために今回の異変を起こしたのか?」

「異変を実行に移すときは半分近くがそうでした。最初に異変を計画した時は、貴方がこっちの世界で出会った伴侶の為に私達と決別するかも、という恐怖からです」

 そんなことはあり得ないと、言いかけて横島はその言葉を飲み込んだ。どうやってかは知らないが彼女たちはパラレルワールドをある程度覗けるのだ。そういう決断を下した自分もいるのかも、と思いながら別の言葉を口にした。

「そうなんか。前世の記憶がなければそれもあり得るかもな」

「まあ。それは実際に起きた世界ではなく、起こりえる可能性の予知でしたけど」

 そこまで言うとヴィヴィオは横島の頬を撫でた。性感帯を撫でられたわけでもないのに、快感が走り疲労が消え分身に力が入り始める。脱力しかける横島を見下ろしながらヴィヴィオは言を葉続けた。

「端的に言うと『私』の目的は貴方を強くして、この世界線での異変を乗り切れるようにすること。それが無理なら快楽でへし折り、女権国家の世界に連れ帰ることです」

 そういうとヴィヴィオは横島の唇を貪った。唇から電撃の様な快感が走り脱力し尽くして、指一本すら動かせなくなる。周りの近衛騎士たちの嘲笑と細められた軽蔑の視線がより股間を固くしてくる。

「私達は輪廻の中で常に貴方に護られて共に戦いました。貴方の妻である天女騎士達は一回だけが大半です。2回のものすら多くはない。最大でも3回くらいですけどね」

 言葉を続けながらヴィヴィオは横島の体を撫でさすった。撫でられただけで、体中の力抜け股間の分身に全ての生気が集まっていく様だ。横島は撫でるのが上手な飼い主に撫でられて脱力している猫や犬の気持ちがわかってきた。
指一本動かすことすら辛い状態の横島をヴィヴィオは手をかざし、子供にした。全ての服がずり落ちたところで風の様に早く動くと彼女は、横島を抱え寝台に腰かけた。
性感帯でもない肩を揉まれただけで快感が走り、分身が再び大きくなる。ヴィヴィオは即座に横島の分身に手を這わせしごいた。その瞬間、一気に射精をしてしまった。あまりにも早い射精に落ち込んだ横島を、
近衛騎士たちは言葉を発せずに、嘲笑を浮かべ蔑みの目で見た。 無言は状況次第では、いかなる罵りの言葉より強いと横島は思った。
そしてヴィヴィオが一時的に愛撫をやめて拘束だけにしたのは、蔑まれる状態で自分の分身が固くなるのを、横島に自覚させるためなのは明らかだ。彼女は愛しさと見下す心が混じる声音で言葉を続ける。

「私達は貴方の強さも弱さも知り尽くしています。貴方は戦闘能力だけなら、おそらくは大破壊を食い止められずとも、死んでしまったり不幸になる可能性は低いでしょう」

「それで何が問題なん、あ!」
 
 横島の質問が終わる前にヴィヴィオの手が再び横島の分身をしごき達しさせた。彼女はしゃべれない横島を見下ろしながら言葉を続ける。

「貴方は強いけど、下半身の欲望には勝てないでしょう。先日のコロシアムを見てもそれは明らかです。下級天女騎士にすら負けていたじゃないですか」

 最もあれは前世で側室だった時に愛し合った記憶を魂が覚えていたというのもあるのだが、横島はそう思っていない。そこに付け込みヴィヴィオは一部の真実を伏せ横島の精神を焚きつけに掛かった。

「今からは私は真実だけを言いますが、アリスさんから聞いた通り、女権国家のある世界とこの世界は触れ合い、様々な変化が相互に起こりました。それによりこの世界の悪魔たちも一部が強化されています。
主にサキュバスやリリムなどが、もしもそれらに後れを取ったら、貴方はかつて男尊破遊魔術団にとらわれた男たちと同じ運命をたどりますよ」

 ヴィヴィオの言葉に横島は否と言えなかった。事実肉欲に負けて一蹴してのけた相手に負けて、犯された快楽と屈辱が記憶に新しい。落ち込む横島にヴィヴィオは言葉を続ける。

「この傲慢界は誰もが陥る傲慢がもたらす悲劇的な結果を阻止するというための場でもあります。貴方が肉欲に勝てないのなら、サキュバスなどの悪魔達を上回る快楽で貴方の手綱を私達が握るしかないでしょう。
そしてあなたがこれからの異変を乗り越えられないなら、貴方には女権国家のある世界に戻ってもらおうと思います」

 ヴィヴィオの臣下に王の決定を伝える様な言葉に横島はとっさに反論した。


「俺に恩人たちを置いて行けと。あの人たちに不義理はできん」

 自分の言葉に反論したのを見てヴィヴィオは少しだけ驚いた顔になり喜んだ。臣下を務めたことのある魂を持つものが、聖王である自分の言霊に逆らうのは容易ではない。まして王としての征服行為である性行為をしたものは余計にそうなる。
まして今はその行為の最中だ。その状態で逆らえる彼の義理堅さは本当に好ましい。最も自分でも理不尽だと自覚した上で、彼に大切に思われる後見人たちに嫉妬は覚えるが。

「その恩人たちを守るのは私たちが代わりにしますよ。できればあなたが強くる方が好ましいですけどね。私達の趣味としては貴方に一緒に戦ったり、守られている状況の方が若干好みなので」

 そういうとヴィヴィオは再び横島を押し倒し搾り始めた。彼女の与えてくる快楽で脳が壊れそうになりつつ、横島は思う。二つの世界が繋がるということはそれだけ悪魔達の力の源の悪魔達に注がれる感情が強くなるということ。
生き残れないなら、元の世界に戻そうとする彼女たちの考えももっともかもしれない。だが女の後ろに隠れ戦いを押し付けることは彼の矜持が許さないだろう。必ずやデビルサマナーと呼ばれる世界に自分は世界の流れを定着させる。
そしてマイを始めとした彼女たちと共に歩むと決意を固めた。決意を重ねた瞬間を狙ったようにヴィヴィオが横島に口づけし舌を絡めながら、一層激しい快感を送り込んできた。異常なほどの快楽の他に、危機感と違和感が起きた。
女権国家の女性達と、体を重ねた時は魂が屈服させられていく様な感覚があるが、ヴィヴィオのそれは格別に強い。だが今は前とは比べ物にならない程だ。ヴィヴィオの瞳をのぞき込み、横島は背筋が一気に寒くなった。
彼女の瞳は情欲と嫉妬そして征服欲に満ち溢れていた。彼女が刑場の刑を執行させるような気配を放った直後に騎乗位から、仰向けの横島の体に全身を押し付けて来た。その瞬間激しい射精が起こる。
快楽地獄一歩手前に意図的に制御されたそれに彼が喘ぐのを見て彼女は横島の両腕を掴み自分の尻を無理やり握りしめさせ、さらに強く乳房を胸板に押し付けた。彼女は敢えて口づけをやめた。その瞬間、横島は悲鳴を上げた。
それを、聞きたい為に敢えて、口づけを止めたのだろう。周りの近衛騎士たちがヴィヴィオに何かを訪ね、ヴィヴィオがそれを了承すると、近衛騎士たちも群がってきた。
半分落ちた意識の中で多くの騎士とヴィヴィオに嫐られた。そして彼はしばらくして二度目の気絶をした。

 豪華な天幕のあるベッドで倒れ意識を失う横島を愛おしそうに抱き上げながらヴィヴィオは、魔術を使い声をマイの元に送った。

「ええ。彼は相変わらず大事なところでは義理堅かったですよ。貴方の教育が良かったからでしょうね。それと、マイお願いがあるんですけど。
 ――ええ。少し余興を思いついたの。アリスさんに貴女から頼んでくれませんか? ――ありがとう。 
まあ義理堅い所は好ましいけど、それはそれとして、実害がないレベルで少し意趣返ししても良いでしょう。それに彼のそういうところも堕とす為に使えます」


262 :名無しさん@狐板:2021/07/28(水) 23:51:09 ID:acTw3ic1
会話が終わると、ヴィヴィオは横島を運び宿に届けるように配下達に指示を出すと。傲慢界の状況を調べ始めた。

 横島が目覚めた時、目の前には既に見慣れた天井があった。自分が常駐している宿の部屋だと直ぐに気づく。機嫌が良さそうなマイが横島を見ながらスープを持ってきてくれた。

 礼を言って暖かく滋養がつくスープを飲みながら横島は頭を整理し終えると、マイに質問をした。

「マイ姉ちゃん。ヴィヴィオさんから理由は聞いたが、姉ちゃんたちはどれくらいから俺を鍛える方向に向かってたんや」

「日本崩壊の情報が入るまでは、割と連れ戻す方向に寄りだった娘が多かったわね。日本崩壊の恐れとかが出てからは、貴方を無理に連れ帰ると仲間や恩人たちを見捨てて逃げたというトラウマが付きかねないから、一定の強さになれないならそれを理解させて、
私達がこの世界での義理を果たすって方向に定まったわ。アリスとかユウキとか基本善性の娘たちは、割と早めに貴方の恩人たちには恩返しする方向にかじ取りしていたわ」

「そうか」

「まあ、彼女達からしたら、ああいう善人が貴方を連れ帰った戦力ダウンで運命が悪い方に転がったら寝覚めが悪いんじゃない。私でもあのお爺ちゃんたちには、不義理すると多少は気が咎めるくらいには良い人達だし」

「そうか、分かった。俺が前世の嫁さん達が納得するだけの強さになれなかったら、あとは、安全な向こうの世界で見ていろ、ってことなんだな」

「ええ。まあ、そういうことね。他の思惑の娘いるかもしれないけど。それと横島ヴィヴィオ聖王陛下から言伝よ。 飽食界の準備が終わるまで思ったより時間がかかりそうだから、それまで貴方は自分を鍛えるだけじゃなくて教官の役目も少しやってみなさいだって」

 横島はそれを聞き怪訝に思った。自分は一応悪霊払いとして基礎の稽古などは大勢の子供につけたことはある。それをここでもやれということか?

「違うわ。軽子坂高校の子たちも結構頑張っているから、その子たちを指導しなさいってこと。これから東京の惨事を防いだり起こる大規模な霊障を防ぐには、実力も大事だけど数も必要でしょ。だから真面目に頑張る凡人とかを強く出来る技術も学びなさいってのが、
ヴィヴィオの考えみたいね。まあ、貴方は教官みたいなことをした前世も結構あるから割とすぐ覚えられるんじゃない」

 マイの言葉に横島は頷くと、愛女守をその手に取った。

「この魔界を維持するのだってただじゃないだろ。前世とはいえ、俺に惚れてくれている女性達が何らかの負担を負っているんだろ。なら出来るだけ有効活用しないとな」

「それじゃあ、軽子坂の生徒達で一般用の傲慢界を踏破した子達にエクストラステージのボスやってあげなさい。貴方にも得られるものがあるはずだし、なくても彼らが強くなれば大破壊阻止とその後に役立つでしょう」

「ああ。そうだな、この世界を女神転生と呼ばれる世界にしない為には絶対にしてはいけないこと以外は何でも、やらなきゃな」

「頑張りなさい。 私を生贄にしたり、恩人を後ろから撃つとかそれ以外なら何でもする覚悟はある?」

「ああ」

「それじゃあ。私も貴方が強くなれるのに協力するわ」 

 マイの言葉に嫌な予感を覚えたが、黙殺して横島は闘技場のダンジョン最深部である、自分がヴィヴィオに最もひどく嬲られたコロシアムに向かった。

 コロシアムに入った時、自分の側室だったらしい天女騎士達が、大半を占める闘技場に入った時、彼女たちの蔑む目が自分の分身を刺激することに気づき、
横島は情けないという思いが襲ってきたが、どうにか気を取り直し軽子坂高校の生徒達をボスとして迎え撃つべく構えた。
 今回の軽子坂高校生の希望は、横島一人で戦い向こうは仲魔も使ってくるというものだ。戦いが始まる前に、気を引き締めかけた時観客席から声がかかった。

「負けたら、逆レイプの決まりごとがあったらあの格下にも負けるんじゃない?」

 詳しく思い出せないにもかかわらず、蔑みながら自分を何度も絞った女性の声だと思った瞬間、横島は股間が固くなりそうになった。しかしそれをどうにか気のコントロールで抑える。
だがさらに追い打ちがかかった。いつの間にか、闘技場の司会者としてきていたマイが言葉を紡ぐ。

「さあ、本日は我が愚弟の教官として初舞台の闘技場のお披露目です。流石に欲望へのヘタレさは折り紙付きなので今回は、教官をさせるために逆レの条件などはありません。
それにしても、我が愚弟はさっきの観客の一言の通りここで、負けたら逆レイプという条件だと目の前の身の程知らずにさえ負けるのではないでしょうか〜!?」


 マイの自分の屈服願望と性欲を刺激する蔑みの言葉を、慌てて否定しようとしたが目の前の軽子坂高校の生徒は怪訝そうな顔している。
女権国家の言葉でしゃべっているため分からないのか、何らかの魔術的な処置で横島にしか性的な野次は聞こえない様になっているのかいずれなのかはわからない。
もしも前者ならば理解可能なのは横島の前世が女権国家のある世界で転生を繰り返していた為だろう。横島は目の前の軽子坂高校の生徒を観察した。 見た目はどこにでもいる高校生が、突然大きな力を得たと言った感じだ。
多少勝利を重ねたことと、悪魔達を倒したことでレベルアップしたため傲慢なところもあるが、決して愚か者には見えない。 多分だが、勝てないことを理解済みで死なない場所でもあるから、どれくらい高みにいるかを見に来た。そんなところだろう。

 
彼の行動は愚かとは言い切れない。死や一生の障害を抱えるリスクが低い状態で自分より高みにいる相手と闘えるのはサマナーにとってはチャンスと言えるだろう。
横島は手加減をして戦った。相手もそれを察したが、侮りとは取らなかった。教官の様な役割のボスと聞いていたからこそ、いきなり終わらせては何もならないと分かっているのだろう。
最初は彼が後方から射撃で援護しつつ、ラクカジャとスクカジャで命中率と回避率と防御力が高まった時、彼が自ら前線に出てきた。仲魔たちだけでは支えきれないと思い自ら剣を構え一気に切り込んで来た。

彼の持つ剣の最初の一撃をかわしながら、横島は悪魔との戦いは本当に不条理だと思う。これまで戦に関わらなかったものでも悪魔を倒せば、その時点でレベルが上がり、力が大きくなる。
そして悪魔を倒したという事実が世界に認知され引き上げられる部分もある。目の前の相手は新たに得た魔力や力を体になじませる努力はしているが、まだ甘い。横島は十数号程打ち合い、相手が悪手を打つたびにそれに付け入る形で拳などを打ち込んだ。

 拳を受けて気絶した彼を見て、横島は見込みがあると思った。最後まで心折れていなかったし、仲魔達を捨て駒にする様な戦法を取ってなお、仲魔達が臆病さゆえにやったと思っていない辺り、早死にしなければ大破壊のあとでもそれなりのサマナーになれるだろう。 
横島に意識を断ち切られるとその高校生は光となって転移した。多分だが傲慢界の入り口に戻ったのだろう。 その姿を見たマイが嘲笑しながら言葉をかけてきた。

「挑戦者、最後まで折れない姿お見事でした〜。 実力はともかく、男の誇りを折られた直後にそれが癖になるマゾであるうちの愚弟よりはずっと根性がある挑戦者でした」

 マイの発言に性欲が煽られつつも、苛立った横島が顔色を変えると、彼女は笑いながら言う。

「うん、軽子坂高校の生徒さん達の相手の時間が終わったら、私とベッドの中で勝負してみる? 私まだ完全に封印解けてないからひょっとしたら勝てるかもしれないわよ。 何だったら前世で覚えた奉仕系性魔術の経験や知識も使えるようにしてあげるけど」

「戦う相手から武器もらって勝つとか、みっともなさすぎる。それにまだワイは横島家の性魔術極めきっとらん。その時にしておくわ」

「そう。貴方が頼むならいつでも今の処置をしてあげるけど、せいぜい頑張りなさい」

 次の軽子坂高校の生徒が来るまで、決して勝てないマイとのやり取りが続くかと、憂鬱になりかけた時、不意に闘技場の空気が変わった。闘技場にある玉座の間の扉が開きヴィヴィオが入場してきた。

 横島は彼女に見下ろされるのが苦手だ。王としての彼女に屈服させられてから、上から見下ろされると、それだけで欲情してきてしまう。この前の閨ごとのあとからそれがより顕著になった。ヴィヴィオに見下ろされながら僅かな時間がたった後、次の挑戦者の入場が告げられた。


263 :名無しさん@狐板:2021/07/28(水) 23:55:08 ID:acTw3ic1
 その後も横島は多くの軽子坂高校の生徒たち相手にボスを務めた。彼らのボスという名の教官を務めてみた感想は、力の求め方が真面目ではあるが必死ではない、というものだった。これは無理もないことだと思う。
軽子坂高校の生徒たちはこれから起こることを理解した上で、戦闘職に就こうと思った者もそうでない者も今後の霊障と向き合うつもりで動いている。彼らを指導した面子はちゃんとこれからの脅威が事実であると、理解させたのだろう。
だからこそ自分達や家族の為に強くならないとダメだという、強い意志は感じられた。だが、まだ実感しきれていないところもあるのだろう。横島は彼らを鍛えながら、考える。彼らは赤根沢玲子や白石由美の手を取らなかった、青木と少し似ている。
軽子坂高校にいるうちは死という最大のペナルティーがないためどこか、危機感を持てていないところがある。自分の後ろに護るべき女性がおり、そして自分がしくじればその女性が激痛を味わう。それを恐れた青木は必死だった。
彼をガーディアンとして修業を受けた自分だからこそ、分かる。対等な相棒である男友達と肩を並べていた時との差としか言えないだろう。そのルートでも青木はそれなりに得ていたものもあったが、覚悟と成長速度は玲子の手を取った彼には及ばない。

 戦いながら横島は自分を危機に陥れるほどの強者が来ないことで若干いらだった。普段の彼ならそんなことはない。軽子坂高校の生徒たちはこんな状況の中では良くやっている方だとは思う。
だがなまじ余裕がある為か、闘技場の女性達の自分にだけわかる嘲る声とマイの嘲笑めいた解説、そして蔑む目が欲情を煽ってくる。さらにヴィヴィオの見下ろす瞳が一番彼を追い詰めた。頭の中で彼女は横島を支配して蹂躙しているのが分かる。
もう少し挑戦者が強ければ危機感が募り戦時に意識が切り替わるだろう。だがそれをさせないギリギリの相手しか現れない。 マイやヴィヴィオがそういう相手しか来ない様に調整しているのでは? という邪推が一瞬浮かんだが、直ぐにそれはないと思った。
傲慢界でここに突っ込んでくる者は実力の高さ低さに関わらず、傲慢な者、良く言えば自信をつけた者だ。実力と自信が釣り合うかどうかまでは、操作できないだろう。


その日は挑戦者として溢れかえる軽子坂高校の生徒たちと時には仲魔たちの上手い使い方を見せ、ある時は一騎打ちに近い形式で叩き込む様に技を覚えさせながら、多くの敵をなぎ倒した。 そして多くの敵をなぎ倒し切った後にマイの嘲るような解説が入った。

「今回はもう一人倒したら、イベント終了です。下半身が敵に回った状態で良く頑張りました。最後のメインイベントの前にヴィヴィオ陛下から、お話がある様です」

 その言葉と共に闘技場の雰囲気が変わった。一切の音が消え去るとともに、ヴィヴィオがゆっくりと玉座から立ち、階段を下ってくる。彼女の足音すら闘技場に響くほどの静寂が訪れた。ヴィヴィオの周りにいる天女騎士達も彼女に寄り添うように、
歩むが彼女達からは足音が一切しなかった。ヴィヴィオに気を使い合わせているのかもしれない。ヴィヴィオは、ゆっくりとコロシアムのアリーナに降りてくると、横島に言った。

「これから来る相手にはこう言ってあります。『効くかどうかはわからないけど、ボスに弱体化の処置をとってある』と。そしてその状態の貴方に勝てたら、豪華な賞品をだします。とね。ちなみにその賞品は強力な武器やアイテムです」

 横島の顔色が変わった。最初から強力な武器やアイテムを与えられれば、それに頼った戦い方をしてしまい、向上心を失わない者でも、腕が腐ったり、あるいは強くなれても悪い癖を抱えてしまう可能性が高い。なぜそんなことをするのかという目になった横島にヴィヴィオは言葉を続ける。

「大丈夫ですよ。その人物は怠惰に溺れたりしないし、一時的に欠落を抱えてもそれを自ら矯正できる人です。もしも駄目だったときは私達がどうにかします」

「その人物に害意はないんだな。ならなぜそんなことを? 普通に強くするより直すほうが手間だろう」

 横島の問いにヴィヴィオは笑いながら答えた。
「簡単なことです。私達の女としての魅力と貴方の職責どっちが勝つか見てみたいのですよ。今回の戦い負けたなら、貴方に昨日以上の快楽を与えましょう。約束します」

 ヴィヴィオの王らしい宣言と共に横島の体にヴィヴィオとその配下にされた快楽の記憶がよみがえる。自分の言葉で前後不覚になりかけている横島をヴィヴィオは残酷な子供の様な笑顔で見ると玉座に戻った。彼女の子供の様な笑顔と王の様な笑顔が横島の欲情を誘い、
次の相手に負けてしまいたくなる。必死に歯を食いしばる彼をヴィヴィオは笑いながら見下ろした。

 マイは耐える横島を面白いおもちゃを見るような目で見て嗤いながらアナウンスを続けた。

「ちなみに負けたら私も参加するから。ヴィヴィオ様だけでも負けなのに完全に無理ゲーじゃないこれ。 最後の挑戦者の入場です」

 まだ犯されてもいないのにふわふわと宙に浮いたようになる自分を死に物狂いで叱咤する横島の前に次の挑戦者が入場してきた。

 入場してきた相手を見て、横島は一瞬だが言葉に詰まった。半年間自分を鍛え上げてくれた師匠と同一存在、この世界の青木仁がそこにいた。一目で、彼は師匠とは違うと分かった。年齢のせいもあるが、顔に辛苦を乗り越えてきた経験が生み出す彫がない。
だがどんな地獄でも失われなかった善性と、玲子の為に戦う芯と熱は対峙しただけで分かった。師匠である青木には及ばないが、彼も師匠である青木が辿った傲慢界より厳しい傲慢界で玲子を守りながら自らを磨き上げてきたのだろう。

 横島は世話になった親友の好きな部分が似た子供とかとあった時はこういう感覚なのだろうかと、思いながらこの世界の青木仁を見た。

「初めまして。俺は青木仁と言います。貴方が俺たちの教官を務めてボスをしてくれる横島さんですね」

「――ああ。お前はジンか」

 一瞬横島さんと呼ばれた際に、尊敬する師匠に敬称をつけられた様で少しむず痒い気持ちに襲われ、呼び捨てで良いと言いかけた。しかし、彼の礼儀正しい口調に師匠との違いを感じ、そのままでいいと感じた。

「それと俺が助けたゴブリンの剣を譲ってくれて、ありがとうございます。あいつ約束を守れないと気にしそうだったから」

「随分と仲良かったんだな」

「敵だけど気持ちのいい奴で卑怯な手は使ってきませんでしたから」

「そうか。俺は会話することもなく戦ったけど、戦士じゃない俺でも分かるくらい、すがすがしい気を纏っていたしなあいつ。 それと唐突にすまないが、お前のことは下の名前で呼ばせてもらうぞ。ワイの師匠は、お前と同姓同名な上に凄く似ていて混同しそうなんだ」

「そうなんですか。別に構いませんよ」

 和やかに話しながらも開始の合図が近づくにつれて、ジンの全身の筋肉が気と共鳴し、放たれる直前の矢を連想させる状態になっている。横島は自分が彼の師匠をすることになるとは思ってもみなかったと思いながら、構えた。
闘技場の天女騎士達や、玉座に君臨するヴィヴィオの視線さえ意識から消えた。 

 ジンが横島を苦戦させたゴブリンの剣を構え始めの合図とともに切り込んで来た。
 自分の方が格上でありながら、気を抜けない、一撃を受けた瞬間、刹那の間で横島は数えきれないほどの情報を読みとった。正確に言えば、一気に情報が熱と共に流れ込んでくる。 彼がどれほどの努力をして魔界を駆け抜けてきたのかが一撃で理解できた。
この世界でも赤根沢玲子を護る為にどれほどの修行を重ねたのか。そう思った瞬間師匠である青木との日々が思い起こされた。そして青木と同じくらい真剣に惚れた女性の為に頑張る彼の教官でもあると思い至った瞬間、
ヴィヴィオとマイと天女騎士達に刻まれた快楽の誘惑の僅かな残滓すら一気に掻き消えた。

長い時間に感じられた刹那が終わった瞬間、横島は彼の剣をはじき返し蹴りを見舞った。澄んだ金属音響いた直後に、蹴り飛ばされてジンがはじき飛んだ。だが、横島の顔には驚きの色しかない。ジンは横島に蹴り飛ばされた時、自ら後ろに地を蹴って飛びのいていた。
その反応の良さは師匠である青木と変わらないと思った。

「はぁ!」

 ジンは勝ち目がないことを理解した上で、全霊で切り込んで来た。凄まじい速度と、それに乗った体重があり、かなりの圧力が感じられる。ゴブリンが手にしていたいかなる用途にも使える両刃の剣はジンにとっても相性が良いようだ。横島は連続の攻撃を捌きながら、後ろに下がった。
ユウキの剣と彼の剣は似ている。ユウキの剣が女性特有の体の柔らかさと魔力を乗せた技であるのに対して、彼の技は速さ重視でありながら男性ならではの筋力によって鍔迫り合いに持ち込んでくるような怖さと、打ち込まれた際の重さで連続攻撃の威圧感を与えてくる。




264 :名無しさん@狐板:2021/07/28(水) 23:58:34 ID:acTw3ic1
拳が届く位置に着た瞬間、ジンが青木の使ったことのない類の体術を放ってきた。その体術に不思議な既視感と懐かしさを覚えつつも、自らも体術で応戦する。

『青木師匠は普通に素手の技も凄かったが、ジンの方が長じれば少しだけ体術は上になるかもな』

評価しつつ、横島は距離を取り剣撃を誘い、避ける方が定石の彼の剣撃の一撃を受けて鍔迫り合いに持ち込ませた。切り込んできた時の速さと、重さで有利な形成に持ち込み、
そこから崩す型だ。恐らくは格上の剣士でもこれをされれば互角にいかに持ち込まれる場合が多いだろう。――そう相手が横島でなければ。

 鍔迫り合いに持ち込んだ青木はいつも敵を仕留めてきた流れに持っていた、瞬間逆に、そこから返されて弾き飛ばされた。そして殴り倒された青木を見降ろしながら横島は、無意識に賞賛の言葉を口にした。

「ジン格上のとの戦いの経験はかなり多いのに、ここまで無様というか無策に飛ばされたところを見ると、鍔迫り合いに持ち込んで負けたことは多分初めてだったんだろ」

 ジンの一瞬だけ見せた少し驚いた様子が横島の言葉が当たっていたことを示している。対策を思いつかない様子のジンに横島は言葉を続ける。

「実際に初見殺しの技は返された時の対策なんてほとんどないものだ。だがお前の場合は鍔迫り合いに持ち込んだ後が上手過ぎて結果的に、必殺になった。それなら他の流派の動きとか見てみるのも手だ」

「助言ありがとうございます。 せっかくの格上との戦いですから。今回はとことん勉強させてもらいます」

 そういうとジンは最初に出会った時のユウキに僅かに劣るほどの速さで横島に連続で切り込んで来た。ジンの戦い方は速さが特に優れた万能型と言える。横島の師匠である青木と当たり前だが似ている。
それからの戦いは横島が始終優勢なのに、見ごたえのある教導戦となった。ジンがゴブリンの剣を振るい時にはフェイントをかけ連続で切り込むと、横島もそれを見破り切り最後には上回ることが多い。青木との鍛錬を思い出しながら、
横島はジンの剣撃を受けながら、思う。青木の戦いは多くの敵を倒しあるいは詠唱や行動を妨害する、集団戦での速さを活かした戦い方だ。玲子と別れた後は敵をなぎ倒す事に尖りだした。
だが根本的なところでは善人な部分と彼女を護る為の戦い方は変わっていない。無視できない自分が敵陣に切り込み敵の攻撃をなるべく避けながらも、避けられない攻撃をその身に受けて、致命傷や速度が落ちる攻撃だけは避ける。
そうすることで自分が傷を肩代わりする。必然的にマイを護る自分の戦い方に似ていると感じる。

 横島は彼の熱のこもる拳や剣を受け止めながら何度も最適解を出せば抜け出せる窮地に彼を追い込んだ。そして何度かそれを繰り返したとき、横島は愛女守を大上段に構えながら言った。

「これはお前の実力じゃ無理だ。火事場の馬鹿力みたいなのを出さなきゃな。これを乗り切れるかどうかで玲子さんを護りきれるかどうかが決まる」

 そういうとジンの気配が変わり、一層強くゴブリンの使っていた両刃の剣を握りしめた。愛女守の凄まじい一撃をジンがかつてない力で受け切り、そして横島の剣をはじき返した。
次の瞬間、横島の想定をはるかに上回る力を出した彼は矢の様な一太刀を打ってきた。
今のユウキの本気の一撃にすら近いその一撃が迫った時、どんな形であれ彼の教官を引き受けている、という事実が浮かんだ。そして自分がまければ彼の為にならない成長を妨げる豪華な道具が贈られることも。
さらには刹那の感触でヴィヴィオ達にされた行為、マイとの情事が浮かんだが、それらは青木に対する義理と目の前の自分と同じ理由で戦う、ジンへの好意と責任感が弾き飛ばした。
想定外の速度の一撃に横島はジンと同じような火事場の馬鹿力を出した。愛女守に送っている霊気を左手の籠手に集めジンの剣を受け止める。
鈍い音がしてそれでも骨が折れたが、受けられることを想定していなかった、ジンに開始の時と同じ形の蹴りを見舞った。それが今回の戦いの終着となる一撃となった。ジンは吹き飛ぶと、負けを認める言葉を口にした、

「完敗だ。 今の戦いどこが一番悪かったですか」

「その年でサマナーとしては破格だが、少しお前は、はったりに弱すぎる。お前に攻撃、食らうたびに、反撃当ててただろ。実は中にはあのまま攻められると、やばかった場合も結構あったんだ。
だがお前は反撃を受けた時に距離を取る事が多かった。多分だけど、後ろに頼れる味方が居るから、博打する必要がなかったんやろ。まあ速く倒さないと自分と味方がやばいみたいな、
相手と戦った事がないか、少ない故の弊害だな」

「傲慢界だから、慎重になりすぎてましたか」

「俺も他の魔界ならともかく、傲慢界に挑戦する立場だと、引いた方が得策と思うかもな。それとお前が他の面子より遅かったのは」

「ええ。 傲慢界っていうから謙虚にレベル上げや力をつけることをしないと、絶対に後悔すると思ったから、万全だと思うまで来ませんでした」

「まあ、次の魔界に行くまで暇があったらこい。その都度相手してやる。お前たちが強くなればそれだけ俺も得をする」

 横島はジンとの切り合いが終わった直後に全身がさわやかな気に満ちている感じがした。
彼の体がから、感じ取れるさわやかな気は師匠である青木と似ている。そして彼の中には恐らくは玲子を護るという情熱があるのだろう。その彼と拳や武器を打ち付け合った感じが、
傲慢界でヴィヴィオたちに快楽で刻み込まれたトラウマを消し去ってくれたような気がする。

 去ろうとするジンに横島は少しだけ、助言をする気になった。

「ジン、その剣はお前と相性が良いし名剣だ。だが、もっと上に行きたいのなら、その剣を溶かすか剣合体で新たな剣に変えた方が良いぞ」

「やっぱりそう思いますか」

 ジンもあのゴブリンも大勢いる中からたまたま才能を開花させ弱者から上り詰めたもの、そのゴブリンの使っていた剣は彼と相性はいいだろう。だが、ゴブリンの持つ剣は名剣ではあるが、
誰にでも使えるように作られた剣だ。ジンの速度型の戦いに合わせた武器の方が良いことは間違いない。 彼に忠を尽くす悪魔達が宿る剣ならまた結果も違ったかもしれない。 横島の助言を受けてジンは礼を言う様に言葉を返してきた。

「横島さん。貴方ならもう知っているかもしれませんけどこの傲慢界にはかなり強い、天狗が居ます。彼もまた名無しの天狗でこの剣をくれたゴブリンと同じ様な境遇の悪魔でした。
横島さんより若干弱いけど、術の使い方と剣術の技術は横島さんより上だったかもしれません。彼から指導を受けてみても良いのでは」

「いや、そりゃ初耳だ。ジンお前もその天狗から指導を受けたのか?」

「ええ。ただ俺の場合、魔法が使えないせいか、剣術と武術を教えると言う天狗の存在意義は果たせるけど、やはり魔術も教えたいと言ってました。俺の紹介だと言えば教えてくれると思いますよ。入口の右に言った所の隠しダンジョンの最奥の辺りにいます」

 ジンの言葉を聞き、軽子坂高校一般性と様のダンジョンの位置を思い浮かべ、自分がゴブリンと戦ったあたりだと横島は思った。そして彼の提案を吟味する。
 ジンの提案は横島にとっては渡りに船だ。天狗は速さ重視の剣を使う者が多く術にも通ずるところがある。 
その天狗は修業が進んだものにお互いの技術を交換し合う様なタイプの可能性もある。 今まで横島は善なる天狗と会った事もあるが、彼らは横島に霊術などはあまり教えなかった。その訳は少しだが自信あり過ぎた為、自分達と深く付き合い術を学ぶと、
天狗に転じてしまうかもしれないからとの事だった。横島は子供の頃からマイに玩具にされつつ愛されていた為、恋愛関係に対する自信も少しだがあり、さらに自分はデビルバスターとしての才は並外れていると理解していたので、そういうものか、と思った。
天狗達は、横島に天狗に堕ちない為の心構えや確実に人で居られる範囲の武術と術の基礎を教えてくれた。彼らは横島が確実に天狗とならない状態になれたら自分達や同族から技を遠慮なく学べと言っていた。 
横島は今の自分はそうだと言う確信もある。マイ達にベッドの中で誇りが砕かれ過ぎたせいで仮に万一なりたいと思っても、天狗にはもうなれないだろう。

 横島は頷くとジンに礼を言った。

「その天狗の事は初耳だ。マジ助かったわ。ジンお前の戦いは俺と似ているけど、その理由が天狗から剣を学んだからなら、俺も得られるものも多そうだ」

 そう答えつつ横島の頭の中には天狗は女性を啼かせる性魔術も使えたはずと思った。マイにされたことを思い返し少しくらいはやり返したいから、恥を忍んで指導を頼んでみるかとも思った。

 ジンが帰った後、横島はマイの方に向き直ると問いかけた。

「マイ姉ちゃん俺は、ここでジンが紹介してくれた天狗の指導を受けても大丈夫だと思うか?」

 大丈夫だとは思ったが、非常時以外は念の為の確認は怠らない方が良い。そう思っての問いにマイは笑いながら答えた。


265 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:01:14 ID:689e7t63
「ええ。今の貴方はもう十分大丈夫よ。ヴィヴィオ様に心折られているし、天狗から指導を受けても人のままだと思うわ。頑張ってきなさい」

 横島の後見人たちは自分たちと連絡が取れない時は、マイに裁定を仰ぐように言ってきている。その彼女が許可を出した瞬間、横島は駆けだしていった。その彼が去った後、ヴィヴィオが再びアリーナに降りてきた。
彼女は若干不機嫌だが、嬉しそうでもある複雑な表情をしている。 悩ましい表情をしているヴィヴィオに笑いながらマイが言葉を告げた。

「聖王陛下いかがでしたか?」

「複雑です。あの義理堅さを好ましく思っているけど、それはそれとして昨夜に続いて女としてのプライドが若干傷つきました」

 そこまで言った後にヴィヴィオの目の色が目的を果たす前の王の様に変わった。

「まあ。彼の本当に大切なものは奪わない範囲で彼の誇りを差し出してもらって、心を満たさせてもらいます。ここは傲慢界、女の傲慢を受け止めるのも夫の勤めでしょうから」

「ええ。アリスも今回は凄く乗り気だわ。魔女らしく自分が担当する魔界の威力が上がるのが楽しくて仕方ないみたい」


 横島はジンに教えてもらったダンジョンで明らかに一人だけ突出した天狗を発見した。その天狗は横島の姿を認めると、向こうから口を開いた。

「貴公が横島か、もう一人の弟子から既に連絡があった」

 そういうと天狗は無言で剣を抜いた。そして術を発動させる前の気配を身に纏う。

「基本はできている上に自らを磨き上げているようだ。ならば教えはしない。仕合って盗むがいい。私も貴公が磨き上げてきた技術を己を高めるのに使わせてもらう」

 言い終わると天狗の姿が一瞬で消失した。視界に移らなかったそれを横島は肌に触れる風と、恐怖によって刺激された生存本能で受け切った。鍔迫り合いに持ち込まれ、少しでも気を抜けば即殺される。
その状態になった時に横島がとっさに動き僅かに有利になった瞬間天狗が左腕を放し横島に向けてかざした。その瞬間衝撃魔法であるザンマを受けたような衝撃が走り横島は弾き飛ばされた。
仮にもう少し詠唱の時間があれば、サンダインと同じくらいの衝撃が来ていただろう。
横島はザンを唱え吹き飛ぶ量を減らすと、ザンを起こする札を辺りに巻き即座に発動させた。その札から出た風の乱れから天狗の一撃を補足するためだ。天狗の一撃を辛うじて受け切ると、構わず鍔迫り合いから連続して切り込んだ。

 天狗は受けに回ると、僅かに余裕がある様子で横島の攻撃を受け続けている。時々フェイントに引っかかっているにも関わらず余裕があるのは、彼が実践の経験が若干足りなくても、武芸者としては横島よりはるかに高みにいることを示している。
攻勢に転ずる機会があってなお、死に物狂いでそれを奪いに行かないのは、横島の技を学びたいという天狗としての種族の特性と、自分なら大丈夫という天狗ゆえの傲慢さゆえだ。

 天狗は、時々横島相手に、攻守を入れ替えるための攻めを仕掛けたがそれは手加減という程ではないが、試しに近い。『この程度で攻撃の主導権を取られるなら学ぶ価値なし』そんな意図の攻撃だ。
その攻撃が出るたびに横島の攻勢が激しくなっていく。天狗は目の前の弟子でもあり教材でもある存在が自分から吸収していくのが楽しくてたまらない様だ。

 横島の攻めを受け続けた天狗は攻撃の主導権を取ろうと僅かな隙を見出し、そこに雷を思わせる剣撃を放った。その一撃を横島が防ぎ辛うじてだが攻勢の主導権を守り抜いたことに彼は驚いた。
そして何度か本気で攻勢の主導権を取ろうとしても失敗すると彼もついに本気になった。横島の大上段からの振り落としを敢えて、失敗すれば負けが決まるようなギリギリの受け方をした。
そして鍔迫り合いに持ち込まれた瞬間、即座に横島を殴り飛ばして攻勢に転じた。天狗の風の様な剣撃を横島は紙一重の所で良く防いだが、最後は鍔迫り合いに持ち込まれた後の間をおかない一撃で弾き飛ばされ倒れた。

 倒れた横島を見て天狗は心底上機嫌な様子だ。ジンといい横島といい、天狗として刺激される相手が二人も出てきた。それに軽子坂高校の生徒たちももしかしたら、自分が技を授けることができる相手や修行相手にできる相手になるかもしれない。

 戦いが終わった後、天狗は気絶した横島を抱え自らの領域に戻っていた。目覚めた横島は意識を取り戻すと、若干悔しそうに口を開いた。

「青木師匠以外の男に負けたのは久しぶりや」

「わしも、十代を過ぎぬ小僧を一蹴できないのは久しぶりの事だ。それも二人もそういう若者が現れるとはな」

 片方は言うまでもなく、ジンの事だろう。横島は疲れを感じながらも立ち上がり口を開いた。

「俺も定期的にここに修行に来させてもらっていいか?」

「望むところだ。お前の戦い方はもう片方よりさらにわしに近いからな。この魔界から生きて帰れたら、基礎を仕込んでくれた同胞達からも技を学ぶがよい」

 話は終わったと思った天狗は、横島がまだ残っていることに少し疑問を覚え、言い辛そうにしているのを見て、僅かだが困惑した。目の前の相手はやましい悪事に手を染めるような相手ではない。だが何か自分に頼みづらいことでも頼もうとしているのだろうか?

 その疑問は横島が次に出した言葉で氷解した。

「あんた天狗なら様々な術ができるんだろう。女性を悦ばせる夫婦和合とかの術もできるか」

 それを聞き天狗はおかしそうに笑った。だが目の前の相手は男しかいない場所ではそういう話題を恥ずかしがるような人間には見えない。その疑問を続く言葉で直ぐに氷解する。

「実は俺一応恋人いるんだけど、ベッドの中で勝てたためしがなくて、滅茶苦茶なめられておちょくられているんだ。絞られ過ぎて立てなくなったり、強すぎる快感で前後不覚になったところを滅茶苦茶されたり。だからたまにはベッドの中で勝ちたい」

聞き終わると天狗は爆笑し始めた。

「ははは! すまん。すまん。 お前の様な境遇の男子ということは相手も人外か、あるいは性魔術の使い手なのじゃな。 確かに性行為は夫婦の営みであり人としての関係に通じる儀式的な意味もある。負けすぎれば尻に敷かれるわな。 よろしい少しその女との関係を話してみよ」

 途中までは笑いながら聞いていた天狗も、マイが女権国家の女性と聞くと顔色を変えた。真面目な顔になり、唐突に一言横島に言葉をかけた。

「その女と別れる気がないのなら男性優位の性交は諦めるがよい。 ワシはもともと有象無象の天狗だったが、偶然機会に恵まれここまでになった。今も名無しの天狗だがな。 
ワシは一度死に限りなく近い状況に陥り、その際に女権国家のある世界に転移したことがあるのだ。その世界では例外もいるが男の天狗は弱い。男根があっさりと陥落するところからきているのだろう」

「それじゃ。あんたは女権国家に行った結果、弱体化したのか」

「否、這い上がることにかけてワシはそなたや青木と似ている。女権国家のある世界に飛ばされる前のわしより、強くなったという自負がある。
そもそも順序が違うのだ。向こうの世界では男の男根が弱いから天狗が弱くなったのではない。女性が閨で強すぎて、男性が閨で負け続けその結果、神通力の源であり、男性器と同一視される鼻を持つ天狗という種族が弱体化したのだ」

 横島は目の前の天狗を改めて観察した。この天狗は実戦ではなく鍛錬で強くなり実戦に通じるところまできたタイプだ。戦った回数も少なくはないのだろうが、強くなってから実戦に出たため対等な勝負をしなれていないのだろう。
恐らくは向こうの世界でも鍛錬を続けて強くなったのではないか。 そこまで考えた後、横島は言葉を返した。

「あんたの言う事は良く分る。俺もこの世界で男を堕落させるプロの女妖怪を閨で圧倒した性魔術のある家の子だ。極めたわけではないとは言え、最近は全く通じなかったし、一時期勝てていたのも演技なんじゃないかと思えて来てるからな」

「もしや貴公の家はかつて高島姓だったのでないか」

「ああそうだ。昔は高島って名字だったらしい。分家となる際に、名を変えたらしい」

「確かにあの家の者であるなら女に閨で勝てないのは、悪いことや愚弄される様な事ではない。だが恥ずかしいとは思うであろうな」

「俺の家を知っているのか」

「ああ。そなたの先祖は修験道に伝わる男女和合の秘法を学んだ。全ては女を得るためにな。その後に得た術で女妖を落とした。その際にその女と結婚する際のけじめとして、本来なら、主家になれるほどの手柄をその女の減刑に使った。
それだけでも足りなかったから、自らを分家としてその際の名を邪からもじり横島家としたのだ。 修験者や天狗仲間では有名だったぞ」

「そうですか。それであんたの術と組み合わせることはできると思うか?」

「やってみなければ断言はできん。だが試して見ればよかろう。それに今のそなた相手が女権国家のある世界の出身だから負けているが、この世界のサキュバスなどなら余程上位でなければ閨で圧倒できるぞ」


266 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:03:17 ID:689e7t63
 これはこの世界の夢魔などが、性的に弱いという訳ではない。横島の家の性魔術がそれほど優れていることの証左だ。悩む横島にさらに天狗は続ける。

「そなた、その恋人に逆襲するための魔術訓練を恋人で試す気か? 手の内が全部知れてしまうぞ」

「それもそうだな。姉ちゃんも儀式とか魔術的な要素のある人外との性行為は良いと言っていたし、とりあえずサキュバスとかで訓練するか」

「はは。そなたさては男性優位の性交が懐かしくなったのではないのか?」

「それもあるけどな。儀式とかで俺を強くするために性交してくれる女性達が何人もいるんだが、彼女達にマイ姉ちゃんに使う性魔術の練習台になってもらうのは抵抗感があるんだ。
 サキュバスとか夢魔系の女性なら割り切った感じでできるからな」

「さてはその女性達明らかに貴公に対して好意を持っているのだな。ならば、そう思うのも仕方ないか。では アルプやサキュバスの巣窟にいくか」

「それはやめた方がよろしいかと。天狗様の性魔術を学ぶなら私がお相手とお手伝いをします」

 いきなり脈絡もなく聞こえた声に驚き振り返ると、そこにはアリスがいた。前の様に魔女の出で立ちではなく、メイド服に身を包み口調とたたずまいも横島が親しんだメイドのそれに戻っている。

 彼女は無機質だが、素を見せていた頃の自然に出る強者が持つ威圧感を纏いながら丁寧に礼を取ると言葉を続けた。

「横島様は強くなるための最短の道としては前世の再現で前世の力を取り戻しつつ、今生で前世にはない力をも得る形で強くなろうとしているのだと思います」

「ああ。その通りだ」

「何回もの転生をしてきた貴方様の前世とあまりにも違い過ぎる行為をすると、前世のガーディアンとの親和性が落ちる他、前世の術などの習得が悪くなり、前世の力を取り込むことも困難になると思われます」

 アリスに言われて、割り切った関係で女性と体を重ねるというのは、幾つもの転生を重ねた中で自分がやらない行為だったのだろう。

「分かった。じゃあ、アリスちゃん頼むわ」

 答える横島との間に天狗が不意に言葉をはさんだ。

「ふむ。わしの性魔術を小僧に伝授するということは、アリス殿にも利益が有ろう。その対価を示してくれるか? 横島の奴はわしに戦場の経験で得たものをくれた。だがアリス殿はそうでもあるまい」

「おい。女の子が体を重ねてくれるというのにそれは」

「恐らくは貴公は前世が女権国家の人間でこの彼女の夫だったのだろう。 女権国家の女にとっては気に入った男を貪ることなど代償でも何でもないのだぞ。むしろ危険を冒しているのは貴公の方であろう」

 横島の意見をバッサリと切って捨てた天狗にアリスは頷いて答えた。

「それでは私が、天狗様と横島様にとって有益な鍛錬環境を提供します。それでよろしいでしょうか?」

「鍛錬の内容次第だな。貴女が与えてくれるものがどれほどかによる」

 アリスはそこまで話を聞くと頷き一体の人形を取り出して見せた。

その人形を見た瞬間、横島の中で僅かだが時が止まった。まるで自分と出会ったかのような錯覚を覚えた。山伏にやや近い陰陽師の衣装に身を包んだその人形は横島と同じ顔をしており、その手元に愛女守と似た刀が握られている。
横島はその人形の刀の柄に刻まれた文字が妙に気になった。そして自分の刀を見てみると、それと同じ文字が刻まれていた。なぜ今まで気づかなかったのかと、思ったが使うような場面がなかったのだと、どういう機能かもわからないままに思った。
そして自分の今のガーディアンが激しく反応する感覚も覚えた。ヴィヴィオに付け替えられてから東洋の術が使いやすくなっていたが、おそらくはこの人形のモデルが今憑いているガーディアンなのだろう。

天狗は横島の前世と思われる人形を見ながら面白そうに笑った。

「確か女権国家でも聞いたことがある。魔女と天狗の夫であり天狗の術や武術を学んだ高島という陰陽師がいたとな。その人形の元だな」

「はい。 横島様の前世の一つ初代高島様です。女権国家の天狗の術は貴方様にも有益でしょう」

 天狗はそれを聞くと愉快そうに笑い懐から神酒取り出しを飲み込むと、もう一本取り出し横島に渡した。

「良かろう。その人形の佇まいだけでいかに強いか分かる。その人形との戦闘を対価と認めよう。 ただし、少しみっともないが、その人形との戦いは横島と二人で行かせてもらうぞ。
一対一では鍛錬にならん。女殺しの獣たちを幾匹も倒し、そしてその上で天狗に堕ちなかった男、『今』のわしと小僧では一対一では訓練にならんわ」

「分かりました。ルールは私が操る高島人形と天狗様と横島様の二体一の戦いそれでよろしいですか?」

「応、異存なし」

 天狗が言葉を終えるとアリスは頷き高島の人形を動かし始めた。普通の糸ではなく、彼女が横島を操る時に見せた魔力の糸だ。視認が困難な程細く透明感を強くしたそれは、高島の人形に入り込んだ。次の瞬間高島の人形が動き――だす前に天狗が叫んだ。

「人形の指が一本動いた時点で切り込め! 先手を取らせたら勝てぬ」

 その言葉と同時に天狗が切り込み、横島も愛女守でそれに倣った。二人の剣撃を高島の人形は跳躍してかわした。札を投げてこようとしたのを見て、天狗が霊力を込める前に風を打とうとすると横島が先んじて制した。前世の自分の人形だからこそ、気づけいた。あれはフェイントだ。

 高島の人形は札を投げず即座に離してその際に開いた手のひらから霊力を放ってきた。天狗はそれを受けて後ろに弾き飛ばされた。天狗に追い打ちをかけようとする高島に、横島は即座に切り込んだ。
その瞬間受けとめられ鍔迫り合いになった瞬間、横島は実力差を即座に理解した。
 前世の自分は今の自分の何倍も上だ。だが勝機も僅かだがある。自分は何度も転生し様々な戦いを経験した記憶が残っている。だからこそこのいくつか前の前世の絶頂期にも勝てる。アリスが動かしている以上はそうだとは一概にも言えないかもしれない。
だがこれは幾つか前の前世を完全に再現している故に、その前世のあとの経験は考えなくて良い。

 鍔迫り合いをしてあらゆるジンや青木に叩き込まれたことを全てつぎ込んだ。有利にもたらす腕の動き。蹴りや拳に移行しそうなフェイント。あるいは実際にそれを実行に移すことも視野に入れた。
見たことのない動きのせいか僅かに高島が横島を劣勢に追い込む速度が遅れその瞬間天狗が、後ろから切り込んだ。高島は、横島よりもはやい速度で霊波刀を具現化しそれを受け止めた。
打ち合い僅かに天狗が勝ったが鍔迫り合いで僅かだが引けをとったのを見てとり、横島は息をのんだ。

『この天狗より上か、俺は確実に負けるけど、天狗なら状況次第では勝てるかもってとこか』

 冷静に分析しつつ、横島は高島の僅かな隙をつき拳を繰り出した。霊力を込めたそれは確かに命中したが、手ごたえが渋い。避けられないと断ずるや否や、最小限のダメージにするように動いたようだ。
そして次の瞬間腹に鈍痛が走った。膝蹴りともらった。そう認識した瞬間天井が見え、高島の刀が横島に向けて振り下ろされる。直ぐに愛女守をその位置に持っていくが、この一太刀を受けた後、次の一撃を防げる可能性はほとんどない。
そしてその次は言うまでもないだろう。しかし、横島の剣と高島の剣がぶつかる前に澄んだ金属音が響いた。天狗が流星を連想させる程の早さで切り込み高島の一撃をそらした。横島は直ぐに立ち上がり、即座に何枚もの札を投げ即座に発動させる。
いつまでも出していると、目の前の相手に札を乗っ取られかもしれないと感じたためだ。魔術の雨を殆ど食らわず後ろに下がる高島を警戒しつつ、横島は天狗に礼を言った。

「助かった。ありがとな」

「礼はいらん。借りを返したにすぎん。何よりお前に脱落されては折角の鍛錬が直ぐに終わってしまうわ」

 答えながら天狗は刀を正眼に構え、横島に問いを発する。

「時間がないから、端的に聞こう。貴公は前世の自分の伝承や知識をどれくらい持っている?」

「名前くらいしか知らない。ガーディアンとして宿ったりした時に読み取って、前世の技を今生のバトルスタイルに取り入れているくらいだ」

「わかった。ではあまり考えるな。とっさの閃きと学ぶことを第一に考えろ。そうすれば少しはあの人形との差もましになろう」


267 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:07:46 ID:689e7t63
 天狗はそういうと刀を構えた。 横島は彼の意見に頷き即座に従うことにした。泥臭い手段を択ばない戦い方や戦争めいた集団戦に対する知識や技術は横島やジンに劣るが、命すら賭ける達人の技の比べ合いや琢磨しあう鍛錬の経験はこの天狗が上だ。

 高島が生粋の二刀流の剣士がとるような歩幅になったのを見て横島は顔色を変えた。高島の霊波刀は横島の霊波刀を上回りその剣は号を得た刀と同等なのが見てとれる。そして手に持つ刀も、霊力を通わせてなくても、折ることは至難の業だ。
霊波刀に回す霊気を戻す速度なども自分と比べ物にならない。刹那の時間に霊波刀が出て一振りで命が消える。本当に厄介な能力だ。だが自分も同じような戦い方をしているのだから学べるところも多いと前向きにとらえることにした。

 切り結び始めて、横島は本当の意味で自分が良く使う戦法の恐ろしさを理解した。いきなり手に持つ刀の切れ味と強度が上がったり、逆にもう一本の剣が突如出現して、切り殺しにかかって来たりを繰り返す。横島は愛女守に回す霊気を最低にして、霊波刀を具現化した。
目の前の人形を手本にしたためかかつてないほど固く鋭い霊波刀が出来たと思う。
 横島は霊波刀と刀を構え連続で切り込むと天狗と共に一気にかかった。決して下手ではない横島の二刀流と天狗の剣撃を高島は良く捌いた。むしろ横島の方が冷や汗をかいた回数が多かった。
高島が僅かな時間とはいえ一刀流に戻った瞬間、二刀流の状態では受けた刀が弾き飛ばされるのでは、と思ったことも多い。だが何度もそれを潜り抜けた。

激しい武術の欧州の中で横島も二刀流と一刀流に何度も切り替えながら天狗と二人で連携を取り戦った。そしてその中で歯がゆさを覚えた。
今までマイの仲魔達と戦った際の戦いは掛け算の様にお互いの力を高めあえたが、この天狗が相手ではそういう風にはできない。これは何度もお互いに死線を潜った仲魔達と比べれば当然のことだ。
幸い一度本気で闘った経験からか、お互いが足を引っ張ることはないが単純な足し算の様にしかなっていない。だが二人で何度も切り合い続けることで、若干だが息があってきている感じもする。 
何よりも目の前の人形、高島との戦いが横島にとってはすさまじい劇薬だ。剣を交え、拳を打ち込まれたり、打ち込む度に体の内側が熱くなり、どんどんと技術を思い出すかのように習得できてしまう。 だが高島との戦いの中で、横島は危うい感覚も覚えた。
闘争のさなかにありながら、はっきりとは自覚できない快楽の様なものまでも甦ってくる。戦闘を見守るアリスの視線は時折、閨の中で見せたペットをかわいがりつつ見下す様な目に見えることがある。その目で見られることがまるで糸が絡みついているかのような錯覚を感じる。
これだけの快楽を感じていながら、分身が反応しないことと、戦闘に集中できているのは奇跡といえる。あるいは目の前のアリスがそれを望み何かをしているのかもしれない。

 剣戟の応酬を繰り返す中、横島はどんどんと高島に近づいていく感覚がする。そして目の前の人形はアリスが過去の高島を再現している為か強くなる事はあっても、横島から吸収することはない。それが少しずつ不利を覆す要素となっている。
何度も起きた交差の中、不意に天狗と横島が一瞬だがかつてないほどに息の合った連携が成立した。双方が切り込んだ瞬間、二刀流でしのいでいた高島が僅かにのけぞった。その瞬間、天狗が今こそ勝機と、正眼からの袈裟斬りの一撃を放った。
横島もまた二刀流から一刀流に変えると愛女守で切り込む。

 横島が勝利を確信した瞬間、止めを刺すための集中が極に達したためか。世界の全てがスローモーションの様になった。横島は高島の動きを一挙手一投足、全てを観察し読み取りながら、結論を下した。
高島はかつてない程の動きのキレを見せて霊波刀を消し全ての霊気を刀に送り天狗の剣を受けにかかる。横島はその動きを見て、心底感嘆した。自分の前世なのだからある意味当然だが、
この高島は追い詰められた時に強くなるタイプだったようだ。かつてない動きを見ながら横島は勝利を確信する天狗の剣は防げるし、下手をすれば天狗が仰け反らされるかもしれない。だが自分の一撃はしのげない。
そう確信し、下腹のあたり目掛けて愛女守を横薙ぎに放った。

 僅かな時間の刹那横島は一瞬で戦場が逆転する瞬間を体験した。正確には自分が使っていた、騙しや隠し札で戦況が変わる瞬間というものを初めて知った。最初に妙に柄が気になったことさえなければ気づくこともなかっただろう。
天狗の袈裟斬りの一撃が高島の刀とぶつかり火花を散らし、天狗が体制を崩しながら下がった。そして自分の愛女守が何か力強いものとぶつかり、天狗ほどではないが自分が僅かに体制を崩す。
彼の目には高島の持つ刀の柄のもう片方から霊波刀が出ているのが写った。
そして最初に気になった文字は、この為の呪文なのだと理解した。 両剣または、双刃刀と呼ばれる刀は、柄の両方から刃を出す刀はロマン武器とされており実在すら疑われている。
だが使うとしたら、棒術の様な要領で使うのが近いという。 高島は天狗の剣を受けるときに、逆方向の刃が横島の剣に当たる様にしたのだろう。
僅かにしびれた腕で下がり剣を注視すると刀剣に通った後の霊気が霊波刀となっていることに気づく、これなら手元の剣の威力も落ちることはないだろう。

 横島は即座に打ちかかった。 天狗は速ければ3秒から5秒後、遅ければ6秒から8秒後くらいに戦線に復帰するだろう。それまでよそを見ている暇などない。 
遠心力をつけさせたら終わりだ。その一念で放たれた矢のように切り込んだ、横島は即座にその愚を悟った。
 高島は一瞬で、霊波刀を消して、ただの刀に戻すと横島と打ち合い、彼が僅かに下がった瞬間、霊波刀を出現させて双刃刀にしてきた。
双刃刀と刀にいきなり切り替えられるのを繰り返されながらも横島は押された。不意に閃きと共に、自分も愛女守に霊気を送り高島と同じことをした。


 それをした瞬間、横島は不思議な感覚を覚えた。普段は意識もしたことがないことだが、霊波刀には重さがない。ただ受けた相手には圧力や衝撃はあるのだ。横島は初めて高島との戦いでそれを体験した。
天狗たちから習った棒術や槍術の基礎に従いながら、動くが高島の方がはるかに切り替える巧みさが上だ。 『自分』の前世だからこそ分かる。彼はこういう器用貧乏な戦い方と応用力で妻達を護ってきたのだろう。
高島の一撃を避け彼がやや不利な体勢から、再び双刃刀に変えて霊波刀から切り込んできた。ひと際鋭い一撃を横島も同じく双刃刀と化した愛女守の霊波刀で受け切った時、横島の中で何かが嵌ったような、感覚がした。
双刃刀の基礎を会得したそんな気がした。 その瞬間、青木に叩き込まれ、ジンとの戦いで余計に向上した鍔迫り合いの技の全てを横島つぎ込んだ。ここで高島の体制を僅かでも崩せば、天狗が後は片を付けてくれるはず。
そして横島の意識は再び、加速した。周りがスローになっていく。天狗がこちらに向かう、空気の流れが感じられた瞬間、勝ちを確信した。しかし、その予想は外れた。アリスが不意に手をかざすと無数の糸が高島人形の中に入った。
そして次の瞬間、横島は驚愕した。高島の鍔迫り合いの技術が一気に向上した。正確に言えば横島よりやや劣る程度だった技術が、横島の動きを学習したかのようだ。これはアリスが主導で動かしたゆえだろう。
鍔迫り合いに負けた瞬間、横島が吹き飛ばされ、次の瞬間天狗が打ち負けて刀が弾き返される。体制を戻すより先に、高島の刀は一瞬で双刃刀に変じ柄の反対の霊波刀で天狗が切られた。高島の刀を首に突き付けられ、横島は負けを宣言した。

 高島が剣を引くと横島は即座に駆けた。

「天狗の爺さん無事か。死んじゃいないだろうが後遺症は残りそうか」

 回復用の札を取り出す横島を天狗は、落ち着いた声で諭す。

「急所は外れておる。これだけ鋭い刃で切られれば逆に治りが早い。落ち着け」

 そういいながら天狗は自分に回復魔法ディアラマをかけて、しばらくすると立ち上がった。

「良き鍛錬であった。それでは約束を守ろう。我が性の魔術横島に伝授する。少し時間をくれ念話でわしの生涯を追体験させる。こやつならそれで会得できよう」

「いえその必要はありません。天狗様貴方の人形を作らせてもらっても良いでしょうか」

「ほう。女権国家でも恐れられた、人形の魔女が人形を作るところを危険も対価もなしで見られるとはめったにない機会だ。わしも運が良い」

 アリスはバッグから材料をいくつか取り出すと人形の作成に移った。 彼女は華麗な手さばきは機会を思わせる様だが、感情を持つものしか出すことができない良い意味での癖が手さばきの中に感じられる。
 ほどなくして出来上がった人形を見た時、天狗は本当に感嘆の念しかない様な表情を見せた。横島は恐れに似たものを僅かに覚える。アリスの人形を作る技術の凄まじさは前から知っていたが、ここまでだとは思わなかった。
これなら髪の毛を入れなくても、ある程度は効果のある呪いの藁人形の様な人形さえ作れてしまうのではないだろうか。

268 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:11:35 ID:689e7t63
 そこまで考え終わった直後にアリスはその人形に向けてアギダインを唱えた。人形が焼け凄まじい量の煙が出てそれが横島の体に入る。

 その瞬間横島の中に様々な天狗がした閨ごとの記憶が流れ込んで来た。圧倒的な性魔術で多くの女性を喘がせ、自分がかつて演技だったかもしれないが、マイ相手にすることが出来た男性優位の性交の意識が入り込んでくる。
どうにか横島家の魔術と混ぜ合わせられる分を考えると、アリスが手で口を塞いできた。

「あとは実践をするのが一番いいでしょう」

 そういうとアリスは横島を抑えトラポートを唱えた。彼女の呪文が唱え終わると横島の視界が暗転した。

 横島が去った後天狗は、冷やかす様な目でアリスを見ていた。アリスは少しだけ不快そうに彼に問いかけた。

「何が御用でしょうか」

「いや、なに奴は害意無き者には鈍いが、わしは気づいておった。大方誰か一人くらいはあの男に懸想した女が張り付いていると思ったが、アリス殿だったのは運が良かったわ」

「おほめに頂き光栄です」

「冷たい声だな、随分と嫌われたものだ。 一応だがあやつもわしの弟子となったから言うが、もう少しあやつを信じるがよい。 
女権国家の女性で男性優位の性交ができないことに危機感を持っているのは多分あやつの妻達だけであろうな。 今生で関係が出来た今、あやつはそなた達を捨てたりはせん」

「分かってはいるのですが」

「まあ。 教師のまねごとをすることの多かった爺のたわごとと思って構わん。どのみち不幸な結婚生活にはなるまい」

 そういうと天狗は笑いながら去った。アリスは会話でマウントを取られたなと思った。 導き助言をすることと傲慢に上に立つそれを両立する辺りは天狗だと感じ、彼の師匠としては及第点だと思った。


 
 横島が目を開くとヴィヴィオに嬲られた閨に送られたことが分かった。トラウマと快楽が同時に甦ってきて、逃げようとしたが思い出される快楽がそれを鈍くする。
そして笑みの深いマイが中にいることがより恐怖を深くする。

 マイが笑顔で近づいてくると横島の足が震えたが、それでも逃げる気が起きないのは相当に快楽に毒されているのが分かる。彼女は唐突に仲魔を召喚する術を発動させながら、笑顔で横島に言葉をかけてきた。

「愚弟、私に勝つために天狗の性魔術を学んでる途中らしいわね。それはあとで試させてもらうわ」

 その言葉に横島は背筋が寒くなった。いまだに微塵も自分がマイに勝利できるイメージがわかない。その横島をよそにマイは言葉を続ける。

「あんたが修行している間にお姉ちゃんも取り戻した力を使い戻すために結構頑張ったのよ。強くなった新しい仲間を紹介するわ」

 マイの言葉が終わると、召喚陣が輝き二人の悪魔が姿を見せた。

 片方は青い羽織に身を包み、日本刀をその身に帯びており見るからにはつらつとした気に身を包んでいる。ユウキだと思ったが、明らかに東洋の悪魔としか思えない気配をしている彼女はやや、
短めになった髪をたなびかせながら飼い主を見つけた猫の様に横島に近づき抱き着きながら名乗った。

「一応本当に一応だけど、初めましてかな。僕は紺野木綿季(ゆうき)。君と一緒に戦っていた、ユウキが合体して出来上がった悪魔。東洋の国にいた時の転生体さ」

 そうして横島が意識を取られると、もう一人の巫女衣装に身を包んだランが声をかけてきた。彼女は優しい印象を与える細めた瞳で横島を見つめながら、おっとりとした声で自己紹介をした。

「私もこの姿では初めまして、紺野藍子(あいこ)です。女権国家のある世界で貴方が東洋に転生した時に護り導く巫女を務めた時の転生体の姿です。こんごともよろしくお願いします」

 そういうと藍子は不意に横島の頬に手を当てて掴んだ。

「これから傲慢界での罪の楽しみ方をするのでその前準備が終わりました。ともに楽しみましょう」

 そういうと藍子の優し気な細い目に飲まれるような錯覚を覚え、体から一気に力が抜けていく感覚が巻き起こる。 ランが巫女衣装に手をかけ服を脱ぎ始めた時、横島の背筋に嫌な感覚が走った。 
ユウキも同じ様に青い羽織を脱ぎ始めている。自分の前世の一つでもあるガーディアン=高島が大声で警告を挙げているが分身が疼き逃げる意思と力を奪っていく。
 
ユウキが刀を振るい横島の服を切り裂いた瞬間、ヴィヴィオが制止の声を上げた。

「まちなさい」

「ん〜なんですか聖王陛下。僕としては早く始めたいんだけど、一体」

 不機嫌そうな木綿季の言葉を藍子が咎めた。

「ユウ、私室とはいえ聖王陛下にその口調は良くないわよ」

「別に気にしなくてもいいですよ。臣下と言っても、ほとんど同格ですし。それより前世の再現するなら、私に忠誠の儀をしてからの方が良いでしょう」


 それを聞くと二人はヴィヴィオに跪き忠誠を誓う言葉を口にした。それを見た時横島の背がひどくぞくぞくとする。これは自分の前世でやられた、隷属に近い従属をさせる儀式としての性行為の前触れだという予感がある。
ヴィヴィオに忠誠を誓う言葉を言い終えた二人は跪くのをやめて、楽しそうに横島に近づいてくるそして――。


 横島は気が付くと闘技場のアリーナにいた。 自分が覚えているのは藍子と木綿季が自分に迫って来る所までだ。明らかに意図的に記憶が消されている上に、間違いなく性交の後であることがわかり、背筋が異常に寒くなった。 
記憶を消されてなお、激しすぎる快楽を刻まれたことだけは分かる。そして彼女たちは絶対に、この記憶を近々蘇らせるだろうという確信がある。


 試合が始まる前だと理解した横島は周囲を観察し始めた。様子を見ると、試合が始まるまでまだ間がありそうだ。アリーナの真ん中でルイズとサラが何らかの準備をしている。彼女達は横島を見ると、声をかけてきた。

「横島くん、思ったより早く目覚めたのね。回復が思ったより早かったのかしら」

 笑顔で話しかけてくるルイズに横島も答えた。

「ルイズさん、サラさん俺に前世の力を取り戻すことに協力してくれてありがとうございます。 お二人はここで何をしているんですか」

 横島の問いにサラが楽しそうに笑って答えた。

「実はこの闘技場結構使い道が多いから、善玉のデビルサマナーや、デビルバスターに貸したりする準備している他、貴方の罪の魔界巡りでも『最低でも』あと二つくらいの魔界で使いそうだから、その準備しているのよ」

 横島はそれを聞き背筋が寒くなり、そして恐怖とは別の不安を覚えた。ヴィヴィオにされたあの大勢の前で男の尊厳が砕け散る行為を恐れる気持ちもあるが、何割かはまたあれと同じ思いを味わえるという、期待がある。
マイによって折れる前に戻された今でも、へし折られた時の背徳感と快感が忘れがたくなっている。不意にそれを見透かしたようなマイの声が響いた。

「あんたの前世の力を取り戻すための儀式の準備が出来たわよ。存分にやりなさい」


 そういうとマイが背中から純白の羽を出した。彼女が笑いながら再びマイクを持ち解説者となった。 その様子を見るとサラが扉を出現させて礼をしてルイズと共に出て行った。二人を見送るとマイは高らかに実況を始めた。

「本日はお集まりいただき、ありがとうございます皆さま。少し挽回したとはいえ、ヴィヴィオ陛下にあまりにもひどい無様をさらさせられた、我が愚弟、横島忠夫の名誉回復マッチです。今回は女殺しの魔獣から何度も私達を救った英雄の本領を見せてくれるでしょう」

 マイのほめたたえる言葉には本心からの賞賛や好意が感じられたが、どこかで自分を落とす準備が整っている気配がして背筋に嫌なものが走った。
 だが自分の力を取り戻させる儀式というのは本当の様である以上は、本気で挑むべきだろう。

 横島は愛女守を構え全体に気を張った。

「横島、準備は出来た? 本気で闘える状態じゃなきゃこの儀式はあまり意味ないから」

「ああ、大丈夫だ」

 言い終えた瞬間、青い羽織に身を包んだ木綿季が対戦者席から飛び込んで来た。相変わらず羽根の様に軽い身のこなしをしている。そしてそれに付き合うようにやや遅れて隙の無い動きでゆっくりと藍子がアリーナに登場した。

「や、横島また君と戦うことになったね。前回よりは不公平じゃない形で勝負できそうで嬉しいよ」

「だけど二対一だぞ」

 木綿季の気質上一対一の戦いを好むと思ったが今回の彼女は二体一でも特に気にしていない様だ。

「前回は君とレベル差が結構あったけど、今回は君の方が僕達よりレベル上だし、気づいてないかもしれないけど、二対一でもそこまで不公平じゃないくらいのハンデがあるんだ。じゃあ、いっくよ〜!」

 正々堂々とした戦いを好む彼女が、引け目を感じないくらいには不平等でない戦いの様だと思いつつ横島は即座に剣を構えた。 木綿季のはしゃぎ切った感じの剣を受けて横島は下がった。

『俺の方がレベル高いのに速さではやや負けるか。彼女は魔法と剣に全振りした感じのファイターだな。特化型だからこそ格上に勝つこともできるんだろうな』


269 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:14:52 ID:689e7t63
 木綿季の刀を受けながら横島は愛女守で何度も切り返した。ユウキ、青木、天狗、ジン、この四人との闘いは特に彼の血肉となったが、木綿季の技は天狗の剣に似ている。
もともと強かったが故に、泥臭い戦いはあまり学ぶ必要がなかった気風がする。だがそれでも死線を潜ってきた凄みは確かにある。木綿季の剣撃は若干だが、たたきつける感じから切れ味重視に変わっている。
横島はそれを愛女守で防ぎながら下がった。辛うじてついていける速度で何度も剣を合わせた。木綿季の太刀筋になれた時、横島は木綿季ではなく自分に迫る刀に狙いを定めて刀を振った。
剣が合わさった瞬間、予定より僅かに早い、剣の接触に木綿季は無理やり後ろに下がった。彼女ほど身のこなしが良くなければ、転倒するか無様な体勢になっていただろう。

 下がる木綿季を見て、横島は感嘆の念を覚えた。剣が触れ合った瞬間、横島が鍔迫り合いに持ち込もうとしていたことに彼女は気づいていた。彼女の剣は速度重視であるために、鍔迫り合いをする必要があまりなかった。
その為持ち込めば確実に動きを封じるか、有利に戦況を動かすことが出来ただろう。だが今の一挙動を見て、横島は即座に札をまいた。

「わわっ、本当に君は勝機をつかむとえげつない攻めをするんだから」

 横島の札からでる魔法を辛うじてかわす木綿季に横島が、愛女守を構え切り込みかけた瞬間、何枚かの札が無効かされた。そして、木綿季に速さはやや劣るが力強く強い霊力の籠った剣撃が飛んできた
。巫女衣装に身を包んだ藍子がやや薙刀寄りの長巻を持ち、横島に切りかかってきた。おっとりとした顔をしながら、その攻撃は凄まじいものがあった。彼女が持つ長巻はどこか行者などが持つ杖なども連想させる気配がある。
 斬撃だけではなく、霊力を通わせた鉄ごしらえの柄の打撃にも冷や汗が出た。

「お姉ちゃんごめん。 良いことがありすぎてテンション上がりすぎてた。 絶対勝たなきゃダメってわけじゃないけど、こんなに早く負けると後が大変なのに」

「全く、私と離れている時はちゃんとしているらしいのに、こういう時はダメなんだから。横島さん、おっちょこちょいな妹が失礼しました。期待外れにならない様に私も参戦させてもらいます」

 相変わらず柔らかい声で言い終わると、その声と正反対の凄まじい剣撃を藍子が放ってきた。彼女の長巻での攻撃は、前世の自分、高島と似ていた。長巻を柄を持つ位置で時には刀の用に使い、
時には鉄ごしらえの鞘を棒術の棒のように使ってくる。藍子の攻撃と木綿季の攻撃を同時に防げるのは、今憑いているガーディアン高島のおかげといえるだろう。前世の記憶の引き出しがスムーズに開き、この二人の攻撃を予知の様に読み取らせてくれる。

 木綿季の刀を横島がかわしそして藍子が長巻で追い打ちをかける。即座に横島は、双刃刀に変えて二人の攻撃を受けた。僅かに力負けした木綿季を庇う様に藍子が力を込めて木綿季の負担を減らした。
横島は霊波刀をいきなり消して力を込めた木綿季を空回りさせた後即座に、右腕に霊波刀を出して突きかかった。木綿季はそれを見事に剣で受け流しかけたところで再び、霊波刀が消え去る。その瞬間、木綿季の刀の軌道が横島目掛けた一撃へと変わる。
藍子の長巻をかわした横島は再び霊波刀を出現させてそれをしのいだ。

 激しい戦いでありながら、どこか恋人同士の舞踏を連想させる剣撃の嵐の応酬を観客席の天女騎士達は無言で見ている。東洋の武術や術の応酬であっても参考にできる部分などを感じ取ったためだ。 
刃と魔術の応酬がある度に、横島はどんどんと動きが洗練されていく。上達しているというより、どんどんと技術を思い出しそれが体に馴染んでいくように見える。また木綿季と藍子にもそれは当てはまる。
後半になればなるほど、お互いが僅かだが術や技を繰り出す速度が上がっていく。これはまるで約束組手を思わせる戦いの用だ。

 木綿季は時々、横島のフェイントに引っかかっているが、それでも前より頻度は少なく、フェイントに引っかかった後に見破るのも早い。藍子は一人で闘っても強いのにどこまでも木綿季を支援し合わせている。
妹に気を使っているというより、支援する戦い方が好きだというのもあるのだろう。

 会場からの熱気を受けながら横島は二人と闘い幾つかの事実に気づいた。木綿季は霊的な能力も一流の剣士で、藍子は武芸も一流の霊的な職業の巫女や魔法使いに近い。お互いの長所を掛け合わせ強くなる双子だと、横島は思った。
この二人が横島の勝利を期待しているそう思った瞬間、横島の体からでる霊力は一気に上がった。

 どんどんと洗練され力強さを増す横島の太刀筋を姉妹はお互いの長所を掛け合わせた連携でしのいでいく。その戦いの模様はどこか横島が天狗と共に戦った、高島人形との戦いを思い起こさせた。 
木綿季はあの天狗であり、長巻を持ち替え横島と似た戦いをする藍子はあの戦いでの横島。 そこまで考えが至った瞬間横島は、即座に動き双刃刀に変化させて上での一撃を放った。その一撃が大きく戦局を動かし、
木綿季と藍子が飛び下がる。何度か激しい交差を交え剣戟の音がなり響いた後、横島と二人は必殺の間合いに半歩前の体制になった。お互いに引くことができず、次の交差で必ず決着がつく。
仕掛けるまでの間に僅かに呼吸を整える横島と双方の息が完全に整った。いつでも仕掛けられと思った瞬間、この戦いが始まってから初めて藍子が攻防の始まりとなる一撃を放った。

 横島はその一撃を受けて僅かだが驚いた基本的には、木綿季の援護や失敗を補うことに接していた彼女が初めて主導的に動いた。度肝を抜かれたという程ではないが、僅かだが起こる可能性の低いことが起こったことで反応が遅くなった。
その瞬間、木綿季の実を包む服が炎に包まれ、青い侍装束が消え去り、その下にはやや山伏衣装に身を包み背中からカラスの羽をはやした木綿季の姿がそこにあった。

「女天狗木綿季見参。君が治療の為にくれた霊薬を飲み続けたことと、修行の果てに天狗になって、その後に君を導いたのがこの時の僕だったんだ。行くよ」

 手に持つ刀もやや短めの波紋の入った物に代わり、片腕には天狗の団扇を持った。前よりも速度の上がった攻撃を横島は辛うじて捌きかわした。そして次の瞬間、藍子も木綿季と同様に変化したのを感じた。
彼女から感じ取れる期は凄まじく濃密で木綿季より霊力は高い。霊的な尻尾が巫女衣装をすり抜けて現れたのを見て、彼女は妖狐だと確信した。

「後天的、妖狐藍子です。妹と同じく貴方様が私の病を治すために取ってきてくれた霊薬と、霊的治療、そして自然と調和する霊術を使い続けた結果、夜叉寄りの妖狐となりました」

 おっとりとした口調でしゃべる彼女相手に横島は必死に情報を分析しつつ、考える。狐は飯縄権現を背に乗せる神使でもある。
かの神は天狗を眷属とし、自身も天狗と似た姿をしており、修験者たちから崇められている。天狗と化した木綿季を支える彼女が転ずるには最適といえるかもしれない。 
 ここまで考えて、横島は妖狐の弱点の犬や、たばこなどは持ち合わせていないことに考えがいたり、正面から倒すしかないと結論付けた。 人間形態の時よりは強いが勝機がないわけではない。
そして何よりこれは闘いではあっても勝負というより試験に近い。この二人が真の姿を見せた理由は一つ、不正解の回答で横島が正解と同じ結果を出すのを避ける為だろう。

『よしよし、俺は間違ったやり方でも正解と同じ結果を出しかねないとみられているほど強くなっているってことか。正解でなくても、正解と同じ結果を出してやろう』

 もちろん正解を出せれば一番良いが、気を大きく持つために敢えて大言壮語を心中で吐く。愛女守を構え、どの戦いにも転じられる型のまま構えた。 そして横島は自分なりの答えを見出した。
火事場の馬鹿力の様な力を意識的に引き出せばその時間内はこの二人に勝てる。その時間内で、片を付ける。

 横島は決断を下すと一気に動いた。木綿季に一気に切り込み彼女がそれを受けて、下がった瞬間に、かつてない速さで双刃刀に変えて連撃に移る。そこに藍子が援護に入ると
、同じ戦い方をする二人が剣をぶつけ合う形になった。僅かな隙に札をまき散らし、発動させる。自動追尾効果のある札の連続の魔術を藍子が防ぎ、木綿季が隙の出来た姉を護る為に切り込んで来た瞬間、
横島はそこを突いた。藍子を今倒そうとすれば、致命傷ではないがかなり苦しい一撃を受けることになる。最悪の場合は後で治せる可能性が高いとはいえ、片腕が木綿季に切り落とされるくらいにはなるかもしれない。
その状況で敢えて、横島は藍子を倒すために捨て身の一撃を放つフェイントをした。 途端に木綿季がそれに引っかかり、姉を庇おうとして横島の一撃を受けた。
体を切られたりはせず剣で受けたが、鍔迫り合いに持ち込まれ完全に不利になったところを横島の拳を受けて倒れた。

「ユウそこまでです。あとは私に任せなさい。横島さんが貴方にひどいことしたくないと思ってなかったら、愛女守で両断されてましたよ」

 木綿季は藍子に言われて、少し慌てて刀を鞘にしまった。負けを認められないというより、闘いが楽しすぎてつい続けそうになった、という感じに見える。木綿季が刀を鞘に納めると藍子は楽しそうに目を細めながら横島を見て言った。


270 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:20:08 ID:689e7t63
「木綿季ちゃんを切り殺すのが一番確実だったのに、当身で終わらせる辺り、優しいですね。貴方は本当に何度生まれ変わっても変わらない」

 ペットを愛でるような目をしながら愛でるような声音の彼女の言葉が、横島の背を再びゾクゾクとさせた。藍子は息を整えながら長巻を構え言う。

「すいません。今は色香ではなく実力で貴方と戦わなければならないのに。 少し前世の夫が見事な姿を見せたせいで理性が緩んだようです」

 そういうと彼女は気を整え全身から強い魔力を放出し始めた。さっきとは違い、色香などない戦士と教師を足して二で割ったような気配に変わり彼女は言葉を続ける。

「青木さんの指導もあったとはいえ、貴方は今生では格上との戦いの経験が少なく、強くなる速度も異常でした。
だからこそ最大の武器である機転や土壇場での発想力などが鈍くなったかもと、不安でした。ですが、ユウを倒した時のやり方を見る限り大丈夫ですね」

 藍子が言う木綿季を倒した時の手腕とは、藍子を倒す一撃を放つというフェイントを選んだことだ。木綿季がフェイントに引っかかりにくくなったのは、天狗となったことで、風の動きに敏感になったためというのもある。
横島はそれを見破り、藍子を討つという方向にフェイントをかけて、木綿季が風を感じ取れない状態で直ぐ動くように仕向けた。
悪魔は伝承に強くされると同時に縛られる部分もある。姉妹仲が良いという伝承もまた木綿季の行動を縛るだろうと思っていた。その結果見事に木綿季の行動を誘導し倒すことできた。

 そこまで言い終わると藍子は長巻を薙刀の様に持ち言った。

「それでは、ここからは私も短い時間しか出せない本気でお相手します。願わくば貴方が、この試練を乗り越えてくれることを願っています」

 そういうと藍子は長巻を杖の様に振った。その瞬間炎と雷と暴風を魔法が起り横島に迫る。横島はそれを見ながら、既視感を覚えた。これは多分、高島だったころの自分が乗り越えた戦いの再現なのだろう。
火事場の馬鹿力に近い全力を意識して出し、全てをかわし切ると彼女の懐に飛び込み連続で切り込んだ。二刀流だけは使わず、双刃刀と一刀流を切り替えながら切り合っていくと、
どんどんと自分が磨かれた刀剣の様に研ぎ澄まされていく感じがした。
藍子の厳しいが最適解を出せば必ず乗り越えられる猛攻をしのぎ何度も切り結び、最後は不意に全力を越えた全力を意識せず出せたと思った瞬間、藍子の長巻が弾かれた。
構えなおす前に横島の剣が首に突き付けられたのを見て、藍子はどこか嬉しそうに負けを認める宣言をした。

「私の負けです。お見事です忠夫様」

「いや、何度も危ないと思ったけど、前世のおかげで勝てたわ。二人ともマジ強かったわ」

 そこまで言い終わると、マイが神酒をもって横島に渡してきた。木綿季と藍子にも同じものを渡している。それを飲み終えると、横島の体が完全に回復した。
魔力なども戻り申し分なしと思った瞬間、不意に金縛りの様なものが起り、横島の動きが止まる。 咎めるような目でマイを見るが彼女は首を横に振り、実況を始めた。

「ろくに動けず喋れなくなった、愚弟は私が酒に何か入れたと思ったようです。真相は、契約によるものなのに、彼はどこまで自分の人間性を過大評価しているのでしょうか〜!」

 その言葉を聞き、横島は即座に納得した。確かにこれは薬物などではなく魔術的な縛りだ。しかも嵌められたり、したのではない。自らの意思で契約を結んだ場合のものだ。
多分消えた記憶が関係しているのだろうが、一体自分はどういう契約を結んだのか。そこまで考えたところで、神酒を飲んだ木綿季と藍子が近づいてきた。マイは楽しそうに解説を続ける。

「愚弟の無様さと契約の内容についてはこちらをどうぞ。アリスさんお願いします」

 マイがそういうと幾つものスクリーンに人形劇の場面が映し出される。あれは間違いなく、自分や木綿季達だ。そう思った瞬間、横島の意識は不意に昨夜のヴィヴィオの寝室に戻った。
自分の記憶の再生を見せられているような不思議な感覚がある。これは昨夜起きたことだと自分の心が告げている。

 
木綿季が最初に横島の唇を塞ぐと、彼女はゆっくりと服を脱いだ。程よく締まり、猫を思わせる女性らしい部分もある体が良く見える。
そして藍子も同じく巫女装束を脱ぐと横島に近づいてくる。木綿季は口づけで動けない状態の横島を尻目にいつの間にか現れて、人形劇の準備を終えていたアリスに声をかける。

「ねえ、アリスもう初めていい?」

「ええ、大丈夫ですよ」

 それを聞くと木綿季は横島に覆いかぶさり一気に体を絡めてきた。
アリスは横島の人形と天狗の人形を重ね動かすと、横島の体が勝手にあの天狗の性魔術と自分の家の術の利点を合わせたような術を使い始めた。
だが即座に木綿季の中に入った分身は一瞬で射精してしまい、勝てないことを一回で確信した。それだけではない、自分が感じる快感も性魔術が強化された結果上がっていたことも分かった。 
その横島をよそに木綿季は最愛のペットを軽くイジメる子供の様な声を上げた。

「凄いやこれ。いつもより気持ち良かったよ。もっと絞っていいかな?」

 その言葉に藍子が首を振ってそれを封じた。

「ユウ、今度は私にさせなさい」

「は〜い」

 半泣きになりながら懇願の言葉を上げかけた横島に、藍子は穏やかな声で目を細めながら言う。

「大丈夫ですよ。私は優しく指導しますから。これを越えれば、いつかは私たち相手にも男性優位の性行為ができるかもしれませんよ」

 そう言って藍子が横島の分身を飲み込むと、激しい快感を与えてくるのは一緒だが木綿季と対局のゆったりとした責めが彼を襲った。
じらされた時間は僅かなのにそれが長く感じられ、心構えができる前に一気に絞られた。射精が終わるより先に甘くゆったりとした快感で絞られなかなか止まらず
、出し終わったころには彼の気力が完全に溶けていた。

 アリスの人形での操作が切れた瞬間、横島は仰向けに倒れた。 唯一元気な横島の分身を木綿季は遊ぶ猫の様に、藍子は飼犬を撫でる様に手でしごき始めた
。木綿季のバカにしているような目と、藍子の駄目なペットを愛でる様な二つの視線が前以上に自分に刺さりより敗北感を強めていく。彼女の視線が明らかに弱点となってきているのを横島は自覚させられた。 
二人の手で何度も射精させられその度に周りの天女騎士達から嘲笑を浴び、さらには姿を見せていない女性達からの嘲笑も受けているような錯覚も覚える。
 不意に木綿季が羽をはやして、天狗の姿を見せてアリスの方を見て声を上げた。

「ねえ、アリス。せっかく横島のガーディアンが高島でこれだけ前世の力を取り戻しているんだし、久しぶりにあれやってくれない。アリスの担当の魔界にいる僕の分霊に助手として頑張らせるからさ」

 屈託のない木綿季の笑顔を見てアリスは少し困った様な笑顔で答えた。

「そういうと思って既に準備しておきました」

「やったー! アリス、ありがとう! アリスが担当する魔界の助手やっている僕も絶対頑張るから」

 木綿季の感謝の言葉と宣言をアリスは受け止めながら再び人形劇を始める。

「さあ、ご覧ください。此度は女殺しの魔物達との戦いの奇跡的に数度訪れた、休憩機関の物語。
聖王陛下が自らを巨悪の国家の王と思い込む極東の国に敢えて愛する夫が生まれ変わった際の情事の一コマです。今、横島様のガーディアンを務める三代目高島の、五つ前の前世初代高島物語陥落編。お楽しみください」

 その劇は女殺しの魔物たちの被害が小さくなり、横島の前世の一つの活躍で小康状態となった時、ヴィヴィオは横島が聖王を邪悪と信じる極東の地域に横島が転生した時、彼女はそれを凄く楽しんだ。
横島の転生体なら調べもせずに自分を邪悪と断ずることなどありえないし、むしろ邪悪な敵国の王と思われた状態で横島を嫐れると楽しみにしていた。

 横島は昨夜の記憶をたどる旅の途中にまた前世の世界に投げ込まれるという状況に陥り、不思議なものだと思った。多重夢の逆の経験というのはこういうものなのではないかと、なんとなく思った。

 夢の中で夢に入った時、横島は自分がヴィヴィオに組み伏せられ犯されている状況にいた。圧倒的な熱量を持った彼女の体は特別な性技などを用いずとも、彼を一気に屈服させる。
男性優位の性交が主な地域に生まれた彼にとっては術を使わずに情けなくおられたことが大きなダメージとなった。
夢の中の自分と体だけではなく、精神も共有していることを実感しどうなってしまうのか、と思う彼をヴィヴィオは笑顔で見下ろしながら言う。

「高島。どう、気持ちよかったでしょう」

「はい」


 ベッドの中で惨敗し、敬語になってしまった彼の頭に不意にアリスのナレーションが頭に響いた。

『高島の家は、聖王を一時期邪悪なる魔王とまでした家の出でした。今は女殺しの魔物たちとの戦いが忙しく同盟も済ませたし、絶対悪だとは思っていない程度には心象は回復していましたが、
宗教的な敵一歩手前でもありました。その状態の彼を犯しながら聖王が楽しみ彼が堕ちたエピソードです』


271 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:22:03 ID:689e7t63
 ヴィヴィオは笑いながら、高島から離れた。横から下級の天女騎士数人が彼を抑える。
普段ならあっさりと振りほどける相手だが、ヴィヴィオに搾り取られたマグネタイトが多すぎたのと、強すぎる快感で術は愚か霊波刀すら出せなくなっている。
その虚脱状態の高島をヴィヴィオは面白そうに見下ろして言葉を紡ぐ。

「高島、貴方は言いましたよね。先祖同士のいさかいを見ても、私達が絶対悪とは思えないし、現代の私達に含むところはあまりないと。ただ先祖と宗教の手前と政敵であるから親しくはできないと」

 クスクス楽しそうに笑うヴィヴィオに夢の中の横島=高島は状況を思いすことに腐心した。ヴィヴィオ当人ではなくその家系の先祖に不義理をされて戦争をした高島の一族は多くのものを失った。
ただその際のヴィヴィオの系譜の王はヴィヴィオ達から見ても褒められた王ではないと評されていたし、好き好んで外道したわけでもなかった。女殺しの魔物たちとの戦いで手を結ばざるを得なくなり、その際の外交官を務めた彼により手柄を立て合って競い合う形の関係に落ち着いた。
その後でヴィヴィオに個人的な恩ができてしましい。個人単位でならどんな恩返しもすると言ったら、途端に意識が遠くなり気が付いたらここにいた。

「私達にとって誇れない王の所業も、私という聖王を生み出すための行為であり聖業だと言えないでしょうか」

「あの所業のどこが」

 答える高島にヴィヴィオは再び、高島を組み伏せ分身を飲み込み射精させながら言う。

「こんなにも貴方を気持ちよくさせることができる。体をもって生まれたこと自体が聖なる王たる証です。 そう思いませんか? 横島さん、じゃなかった、高島さーん、どうしました返事してくれないと分かりませんよ?」

 叫び声しか上げられなくなっている横島をバカにしたような目で見下しながら下級天女騎士が口を開いた。

「聖王陛下。恐らくですが彼は強すぎる快感でまともに口がきけないのかと」

「ええ。特別な性術などはまだ使ってませんよ? 本当にそうなのですか。だとしたら女性に勝てないのが当たり前の女権国家にいた時より貴方は夜が弱いですね」

 わかっていながら、敢えて高島の口から言わせようという様子のヴィヴィオに高島は首を振って肯定した。

 それが済むと不意に近くにいた下級天女騎士二人が横島の分身をしごき射精させた。特殊性術を使われたらしく、余計に立ちづらくなった。その状態の横島に下級天女騎士達は、咎めるように言った。

「ヴィヴィオ様の質問に対してはなるべく声を出して答えなさい」

 命令口調のセリフに反発を覚えたが、ヴィヴィオはそれを言った天女騎士を窘めた。

「子供の頃からの付き合いだから別に構いませんよ。それよりも、高島さんお願いだから我が王朝は貴方の使える国家と同盟関係になったし、臣従してくれませんか? 貴方と政敵なのが嫌なんです」

 人類全ての敵と言える女殺しの魔物達との戦いがあって同盟が成立後も一応は政敵という形で競い合っていることができるのは、並外れた才能を持った高島が多くの手柄を立てて政争でのし上がったためでもあった。
勝てるなどとは微塵も思っていなかったが、形だけでも敵対することで面目を保っておきたかった。 高島の家の人間たちはヴィヴィオの人柄の良さや統治と戦力差を見て、降伏もやむなしと思っていた。
だが彼のおかげで屈せずに済むかもとも思っている。それを思うと横島は膝を折れないと思った。交渉術や政治力あるいは手柄で負けたのはともかく、下半身に与えられた快感で降伏というのはあまりにも情けなさすぎる。

「聖王陛下、貴方自身に含むところはないし、貴女様が善人であることも知ってはいますが」

 言い終わる前にヴィヴィオが口づけしてきた。今度はさっきと違って性魔術も使ってきている。手加減はされているがそれでも危ないレベルの快感が彼を蝕んでくる。繋がった直後に凄まじい量の射精をした彼を、見下ろしながらヴィヴィオは言う。

「聖王として命じますけど、寝室を始めとした私的な空間で私を他人行儀な呼び方をしないことを命じます。わかりましたか?」

「はい」

 高島は怯えながら声を出した後、完全にへし折れている声だと自覚し震えた。ヴィヴィオはそれを見ると満足そうにうなずき、寝台に王の様に座ると、下級天女騎士達に指示を出した。

「私達に屈服するのは良いことだと、教えてあげる必要がありますね。貴女達火がついてしまったでしょう、少し彼の教育を手伝いなさい」

 ヴィヴィオはそういうと、黒髪のショートカットの下級天女騎士が差し出してきたウォーターボウルで手を洗うと、切ったリンゴを手づかみで食べながら、配下に犯される高島を嘲った。

「彼女たちは私の配下達の中でも、夜の戦闘力も下の方なのです。それなのになんともお早いことですね」

 絞られて立つことすらおっくうになっているのに、ヴィヴィオが手をかざすと光が入り込み、分身は何度も立ち直る。天女騎士達は何かを察したかのように動き、高島をヴィヴィオの足元に運んだ。

 ヴィヴィオは運ばれて来た高島の分身を踏みながら言う。

「こんなに快感に弱い情けない一物に生まれついたことも、私に屈服すべきという天意なのではないですか?」

 ヴィヴィオの足技は達者だったが、それでもかつてないほどの量を射精したのを見てヴィヴィオとその配下達が爆笑し始めた。

「足で嬲られての射精が一番の量とか変態すぎるのでは」

 ヴィヴィオの言葉に下級天女騎士達も続く。

「いくら閨の外では立派でもこれではクズ過ぎます」

「ご両親はちゃんと男性優位の性交だったんですよね。 ご両親に謝った後は先祖の墓に土下座行脚してきては?」

「前世で私を助けてくれたけど、ベッドの中では本当に情けなかったですものね。一度男性優位の国に生まれたくらいでは治りませんか」

 ヴィヴィオは足についた精液のマグネタイトを吸収しつつ高島の一物を踏みつけながら命令を口にした。

「男性優位の国に生まれた時の方がこういうことをされて射精量が多いとか、寸止めするつもりだったのに。 とりあえず貴方の情けない性癖のせいで汚れた私の足を綺麗にしなさい」

 既に精液は吸収され消えているのに、ヴィヴィオが足を突き出すと配下の下級天女騎士達が水の張られたボウルを持ってきた。明らかに拒否の色が強い、高島の表情を見てヴィヴィオはわざとらしく憂いている様なふりをして言葉を放った。

「聖王たる私も名前負けしているかもしれませんね。想い人で前世が夫だった人の心すら解きほぐせないのだから。 ここは下級天女騎士だけではなく、中級の天女騎士や上級の天女騎士達にも協力してもらうべきでしょうか。 
もう少し貴方が慣れてからと思っていましたが、私だけでは力不足の様ですから。彼女達も貴方が今生で格好良い姿を見せたおかげかかなり乗り気で、今夜の件に参加できないことを残念がってましたから」

 高島の背筋が恐怖でゾクゾクし始めた。だがそのゾクゾクとした感情の中には期待も含まれていることを自覚し、自分がジパングの男として終わりかけているという恐怖が走った。 怯えながらも精いっぱいの媚びた演技で声を出した。

「足を洗わせていただきます。ヴィヴィオ様」

 演技でも媚びた様な態度をとるとすさまじい勢いで自分の中の抗う感情が削れていくのが高島には分かった。 丁寧に自分を気遣う洗い方をされてすっかりと楽しみ笑顔になったヴィヴィオは、横島に王らしい声で死刑宣告の様な宣言をした。

「良い足の洗い方をしてくれましたから、約束通り中級天女騎士や上級天女騎士達は呼びません。代わりに今夜私の配下になる二人を呼びます」

 ヴィヴィオの言葉が終わると、戸が開き高島が見慣れた顔が二つ現れた。幼馴染である木綿季と藍子の姉妹だ。彼女たちは嬉しそうな顔をしながら高島に抱き着いてくる。

「高島、久しぶり〜」

 高島の頭は混乱の極にあった。木綿季と藍子この二人は共に不治の病を患っており、だからこそ高島が修験道を修め二人の治癒に全力を注いだ。そして二人は霊術や剣術を学び高島から与えられた霊薬によって病が緩和されていき。
最後には山の気と同調したのと高島から与えら続けた霊薬の影響で人でなくなった。この二人が天狗と夜叉の力を宿した妖狐として馴染むまで自分は二人の帰ってくる場所を護るつもりだった。
だが二人はなぜこんな状態でヴィヴィオと共にいるのだろうか。

 思考がまとまり切る前に猫の様に抱き着いて来た木綿季の乳房が高島の胸板で潰れた。どうなっているのか分からない状態と再会した木綿季の突然の成長。高島はあまりの胸の大きさに目の前の木綿季は偽物では、と思った。
だが間違いなく、霊気や気配は彼が良く知る木綿季のものだ。彼女は笑いながら、言う。

「君に助けられて天狗になった後、前世の記憶が戻ったんだ。ヴィヴィオ陛下の配下も務めたこともある魔剣士ユウキが僕の前世だったんだ」

 前世の記憶が戻ったから、ヴィヴィオ側の配下になったのだろうか。長い時間自分と離れることに耐えられなかったからヴィヴィオの軍門に下り早く人界に来られるようにしてもらったのか? その言葉は直ぐに否定された。


272 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:26:43 ID:689e7t63
「高島君が何考えているかわかっちゃったよ。ほとんど不正解。実は僕は君の前世で英雄の横島忠夫の妻達だった、ランとユウキの遠縁だったんだ。
それで僕たちは本来死産になるはずだったんだけど、それを見かねたユウキさんとランさんが分霊をくれて死産にならないようにしてくれた」

 それを聞くと高島の心は大いに沈んだ。木綿季と藍子からの自分への好意は二人に植え付けられたものだったのか。そして、死産で死ぬはずだったとは言え無垢な赤子を自分たちの都合で利用していたのだろうか。
そんなことをしたはずの二人にすら怒りが淡い。これは恐らく前世で妻だったせいだろうか。そう思った瞬間、木綿季が不意に呪文を唱えた。偽りを言えば即座に自らが命を落とす類の魔術だ。
高島は何を言うつもりか心配になった。彼女は少しだけ嬉しそうでありながらも、心外そうに言葉を続ける。

「あくまでも彼女たちが僕達に分霊を植え付けた際には、僕たちの人生に影響は低いようにしてくれたよ。
特に恋愛にはね。ただ命を助けた対価として、君に対して親切になったり、冒険の際に助けてあげたくなる程度で、あれくらいの施しにしては破格なくらい緩かったんだよ」

 それを聞いて高島は安心した。少なくとも前世の妻はそこまで悪い女性ではなかった様だ。

「むしろ病気しつつ色々外で活動できたのは、分霊に支えられていたところもあったからね」

 そこまで言い終わると木綿季は高島に抱き着きながら言葉を続ける。

「どっちかというと君を好きになって君を落とす方法を模索していくうちに僕たちの方が、壁を壊しちゃった感じだよ。
ユウキさんとランさんも魔術的なエネルギーで外の魔力と身を合わせるうちに気が付いたら人間やめてたらしいから。僕達も同じような経緯で天狗と夜叉になっちゃったけどね」

 そこまで言い終わると木綿季は横島を押し倒した。

「実は僕、魂の扉壊してから、ユウキさんと混じっちゃってもう東洋のユウキの分霊みたいになっちゃてるんだ。それはお姉ちゃんも一緒だけど。 彼女が疑われた時に、
自分を疑われたみたいにイラついたからお仕置きタイムの時間だ〜」

 遊び始める子供の様な声で言いながら、横島の分身を大きくなった乳房で挟み一瞬で射精させた。 あまりの早い射精に半泣きな横島に木綿季は半分馬鹿にしたような様子で言葉を続ける。

「相変わらず早いね。僕達との初夜の時、気持ち良すぎて圧倒された以外はあまり覚えてないでしょう? 君があまりに早すぎて惨めでかわいそうだったから、記憶消してあげたんだ。
あの時は女権国家の女性の力は得ても感性は男性優位の性交が当たり前のジパング人だったから」

 そこまで言ったところで、藍子が後ろから木綿季にかけてあった嘘を言うと死ぬ魔術を解いた。

「木綿季、殿方は誇りを傷つけられると弱い者です。嘘かもしれないと思えるくらいの逃げ場は残してあげなさい」

 そして今度は自分に直ぐに解けるようにして嘘を言うと死ぬ魔術をかけて、高島に言う。

「安心してください。貴方が私達の好意を勝ち取ったのは今生での努力の果てです。そして私達はヴィヴィオ様の臣下とはなりましたが、
政争では貴方に御味方します。貴方が閨で心まで屈してヴィヴィオ陛下の配下にならない限りは、ですが」

 そういうと藍子もまた木綿季と同じように高島の分身を豊かになった乳房で挟んだ。木綿季の強すぎる快感で一気に嬲るのとは対極の優しい快感が、木綿季にされた強い愛撫の余韻のせいで余計に強く感じられる。
男として恥ずかしい早さでの射精をした高島の頭を撫でながら彼女は言う。

「いくら夜がふがいなくても、貴方への愛は揺らぎませんから安心してください」

 その発言を聞くと木綿季が頬を膨らませた。

「お姉ちゃんずるい。僕より先に告白して」

「彼の初めては上げたのだから大目に見なさい。高島様、私達とヴィヴィオ様の契約は私達はヴィヴィオ様の配下ではありますが閨の外では完全に高島様の味方として動いて構わないとのことです。
ただし、閨の中ではヴィヴィオ様の配下として貴方を聖王王朝に降伏させる手伝いをせよ。以上です。これはヴィヴィオ様がおらず私達だけが閨に呼ばれた場合も変わりません」

「うん。その通り。その代わりヴィヴィオ様に早く体が変化に馴染んで君を助けられるようになる処置をしてもらったんだ。嫌だった?」

「嫌な訳ないだろ。俺が屈しさえしなければ、政争の際に強い味方が二人も手に入るんだからな」

 それを言うと木綿季は嬉しそうに高島に覆いかぶさろうとして、ヴィヴィオに止められた。

「一応は私の配下となるんだからそれをするのは臣下の儀を済ませてからです」

「失礼しましたヴィヴィオ陛下」

 そういうと藍子と木綿季はヴィヴィオに跪き臣下となる儀式らしき行為を略式だが行った。 強すぎる快感で動けない高島に二人が迫ると、高島はいよいよ自分は宿敵の配下に自分のいた地域ではありえない女性優位の性交をされるのだと恐ろしくなった。
木綿季は高島に好物を出された犬の様な速さで近づき繋がった。強すぎ快感で悲鳴を上げる彼に木綿季は笑いながら言う。

「高島、頑張れ。僕たちの病を癒すために天狗の術を学び数々の高額の悪霊退治や妖怪退治を成し遂げた君なら、政争で一番良い負け方に持ち込むまで堕ちないと、信じてるよ」

 誠意のない声援を送りつつ犬の様にじゃれつく彼女の膣はネズミをいたぶるネコを思わせる快感を高島の分身に送り込んでくる。藍子も後ろから抱き着き乳房を背に押し付けながら、高島の腕を掴み、木綿季の尻を無理やり揉ませる。

 悲鳴すら上げられなくなった高島に木綿季が術を唱えると、かつてないほどの量の射精が起った。 高島は喋ることすらできなくなって、混乱の極の目で木綿季を見た。彼女は笑いながら答える。

「君が学んでいた天狗の性魔術を君の体を操って使わせてみたんだよ。天狗の術を学んで使ってきたせいか今の僕の霊力で操られやすいんだね。あとあの術って、女性を気持ちよくさせるだけじゃなくて自分の快感もあげちゃうんだね」

 そういうと木綿季は高島から離れ分身を撫でる。信じられない程の早さで分身が復活したのを見て彼女は面白そうに笑う。

「弱くて情けない君の股間は僕が天狗の魔力で助けるよ。だから頑張ってお姉ちゃんを満足させてね」

 そういうと、木綿季がさっきの藍子の位置に移動し藍子は木綿季と同じ位置に来た。

「木綿季、女権国家での生の記憶もある状態で無茶を言うんじゃありません。耐えられず堕ちても仕方ありませんよ。高島様もういちど参ります」

 藍子と繋がった時、木綿季と対局の優しい感じのする攻めが始まる。だが彼女責めは木綿季に劣っているわけではなく。優しい感じのする攻めが、なかなか射精させてくれないじれったさを与える。
射精すれば解放されそうなのにそれがいつまでも許されない。木綿季と対極の快感が木綿季との性行為のせいで余計に強く感じられる。 
しばらくして射精が許された時高島はとてもゆっくりとした長い射精をした。その際の脱力感は魂の芯にまで及んだ。

 あれから何度か二人は高島が達するたびに入れ替わり搾り取り続けたが、今はヴィヴィオと三人がかりで攻めている。
下級天女騎士達に両脇から無理やり立たされて、いる状態の高島の分身を三人がかりで胸で挟んでいる。射精の度にマグネタイトを補給され何度出したか覚えていない。

 不意にヴィヴィオが木綿季と藍子に目配せすると二人が離れた。

「そろそろ限界の様ですけど。どうですか、私達の配下になりませんか?」

「それは受けられん」

「そうですか。それでは今夜私達の相手をしてくれたことで、恩の返却は終了したことにします。これは聖王の名に誓って約束します」

ヴィヴィオがそういうと下級天女騎士達が高島の体を洗い始めた。性的ないやらしさはないにも関わらず、どこか欲望が刺激される洗い方だ。帰り支度をする彼にヴィヴィオは思いついたように言った。

「私と賭けをしませんか」

「どんな?」

「明日、私の主催する闘技場で木綿季と藍子の二人となんでもありのルールで、闘って勝てたら、二人の臣下の約束を無しにします」

 ヴィヴィオの言葉は高島には渡りに船といえた。実は木綿季と藍子には今生に限っては、閨の中以外では負けたことがない。これも高島が二人を救うために妖怪退治や天狗の修行に明け暮れたたまものだった。

「俺が負けたら」

「今夜と同じような性行為を闘技場で私の部下たちと一緒にさせてもらいます。今夜より少し過激ですよ。それ以外は一切取らないし。何度挑戦しても構いません。
 貴方が一度でも勝てばこの約束はいつでも果たします。 見るのは私の部下たちだけだし、貴方が性行為で負けたことで風評被害を煽るようなことは絶対にしません。
そして貴方の政争上の勢力を削るような行為にも使いません」

「その勝負受けた」

 高島は何度負けても一度勝てばすべて終わりの一言で、勝ちを確信し受けることにした。それが彼の快楽地獄の始まりとなることを彼は予想していなかった。

 次の日万全な状態でコロシアムに来た高島は藍子と木綿季がアリーナで待っていた。木綿季が笑いながら、高島に話しかけてくる。


273 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:28:31 ID:689e7t63
「高島、君と闘えるのも嬉しいよ。最悪十年くらいは無理かもと思っていたから、でも大丈夫?」

「何がだ」

「負けたら、昨日と同じ性行為って約束が君の足を引っ張ちゃうんじゃない? 君は凄いことを何度も成し遂げたけど、基本的には色欲の為だったし」

 意地悪そうな笑みを浮かべる木綿季に横島は首を振った。

「いくら何でもそんな簡単に負けんわい」

 高島はそういうと刀に霊力を流し込み構えた。 その高島を見ながら藍子も長巻を構える。

「別に欲望に負けることが悪いことではないでしょう。それでは参ります」

 そういうと藍子が長巻を構え切り込んでくる。高島はその一撃を見事に防ぐと、天狗となった木綿季の剣撃も避けて、速攻で打ち合いを始めた。横島が闘技場で二人に勝った時と似たような剣撃の応酬が始まる。
高島と全てを共有状態の横島は、高島はいつもこういう流れで二人を圧倒していたのだなと思った。

 時に二刀流になり、時には双刃刀にして場合によっては一刀流に戻しながらの戦いは、高島が有利に進めた。だが以前程優勢ではない。その原因は木綿季がフェイントに引っかかる回数が以前よりはるかに減ったことが大きい。

 木綿季の動きを見ながら高島は愉快そうに笑った。

「反射神経が鋭すぎて牽制に引っかかりやすいのが大分改善されたな」

「そうでしょ。天狗になってから風の動きを知りやすくなって、霊波刀とかを出現させる場合は、空気を切る音を感じてからでも回避や迎撃が間に合うからね」

「それじゃあ、本物の刀身やあらかじめ出していた霊波刀で振りのかく乱をすればいいか」

 嬉しそうに答えた木綿季の顔色が一瞬で変わった。

「あちゃ〜! 情報与えちゃったかひょっとして、僕が答えるまで気づいてなかった?」

「どうだと思う」

 高島はそういいながら木綿季とのやり取りを楽しんだ病弱でありながら、剣と霊力に長けた二人を時には護り、時には二人が存分に長所を活かせる依頼を見つけて共に冒険した。その際に良く手合わせをしていた日々が思い出される。
 真剣に渡り合いながらもどこか遊びやじゃれ合いめいたところもあった模擬戦の数々。 お互いの技が格段に上達していながら、その空気だけはあの時と変わっていなかった。
 ――この時までは、不意に木綿季が天狗の刀を構え軽快な足取りで足踏みを始めた。重心の移動を繰り返す木綿季がいつ切り込んでくるか警戒を続ける。 

 闘技場の天女騎士達も歓声を止めて穴が開くほどの勢いで二人を見た。これから東洋の武術の達人同士の決着の時が近づいていると見たのだろう。 お互いに決着をつける準備をしながらも、親愛の情は変わらない様子で言葉の応酬は続いた。

「高島、君には子供の頃から助けられていたよね。 僕達を助けるために善天狗の人達に弟子入りして、霊薬の作り方や医学を学んで天狗さん達から効率的な鍛錬方法を聞き出して、僕たちの武術と霊術の修行両方に付き合ってもくれたっけ」

「ああ。そうだったな」

 十代前半が終わったころは高島が半ば二人の主治医と化していた。二人にとって楽しすぎる訓練の時間が長引き体に障りそうになると、彼が剣を寸止めにして勝利して今日は終わりと宣言していた。

「今日は本気出した君に勝って恩返しさせてもらうよ」

「恩返しってどういう意味で」

「もちろん。健康になってこんなに強くなったって見せることさ。 それとも昨夜みたいな行為を期待してた?」

 それを聞いて高島は顔を真っ赤にした。

「そんなわけないだろうが」

「そうなのですか」

 藍子が不意に少し残念そうな声を出した。昨夜の閨で男にとって恥ずかしすぎる敗北を繰り返す彼をあやす様に、話しかけていたのと同じ声音だった。彼女はその声音のまま言葉を続けた。

「あれだけ、お世話になったのだから、貴方様が望むなら、貴方様に育てられたこの体で悦ばせて差し上げたいのですが」

 二人の言葉で情事が思い出され、あれを受けたいと思っている自分が確かにいることに気づいた。僅かに体が鈍くなることを自覚する高島に藍子は誘惑の言葉を続ける。

「私達は女権国家の、影響を受けていますからそれに閨で勝てないことは恥ずかしいことではありませんよ。何なら高島様が勝ってもああいう夫婦関係になっても良いのですが」

 そこまで言われたが、高島の男としての矜持がそれをはじいた。

「ここで勝って、絶対に女性優位の性交に骨抜きにされた男の称号を返上したる。スケベなのはまだしも、女に閨で負けて悦ぶ男の称号は得られん」

 木綿季と藍子はその答えに少しだけ嬉しそうに笑いながら言葉を返した

「君ならそういうと、思ったよ。 僕たちの地域は男性優位の性交が当たり前だし、僕たちが女性優位の性交に骨抜きにされた男の妻ってことにしない為でもあるんでしょ?」

 答えず構える高島に木綿季が一気に切り込んだ。

 高島は双刃刀に切り替えると二人を迎え撃った。双刃刀は基本的に直ぐに二刀流と一刀流に切り替えられるから、二人の攻撃を捌きなれるためだ。戦い方の癖はお互い変わっていない。ならば、どれだけ落差に対応できるかだ。

 双刃刀を出している時は藍子が主となり木綿季が援護に入り、一刀流と二刀流の時は、木綿季が主で藍子が援護に回る。
力が分散され、手数が増える二刀流と同じ武器を使う一刀流は木綿季が対応し、双刃刀は長巻と似た部分があるから理解しやすい藍子が対応する。
 丁度横島が現代で二人と演じたのと同じ様な舞踏めいた闘いが展開された。ただこの戦いでは高島の方が横島より二人相手に有利に進めている。
木綿季が高島の記憶を遥かに上回る連続の攻撃で切り込み、藍子が霊力をより強くした技術と重さを増した攻撃を繰り返したが、高島はそれらを全て跳ね返した。

 澄んだ金属音が響き二人が不利な体勢で跳ね返され、丁度横島と紺野姉妹が演じたのと同じ状態になった。 あと半歩で、お互いの必殺の間合いに入る。
お互い引くことができず攻めることも容易ではない状態だ。 高島は勝ちを確信しつつ万が一が無いように構えた。 対して木綿季と藍子はどこか余裕のある表情をしている。

「高島、今日は僕たちの勝ちが確定しているよ。どんな戦術家でも覆せない不利はある。それが天狗の先生の教えだったよね。 君は今それに嵌っている」

 高島は木綿季の腹芸が離れている内に進化したのでなければ、相当に拙い状況だと思った。 天狗の先生が言う実力が拮抗している時の最悪の状態とは、予想できなかった一撃をもらうことだ。
木綿季も藍子も初見殺しの技を身に着けたのだろうか? そこまで考えて決断を下した。 丁度横島がしたのと同じように高島は木綿季に切り込んだ。

 木綿季を追い詰め切れば、フォローに藍子が動くそうすることで動きを予測し勝利する。過去に2回か3回訓練でこの状況になった時に使った手だった。
 1回目は2回目より困難だったし3回目は2回目より困難だった。 今度も簡単にはいかないだろうと、高島は思いながら木綿季に横島以上に速く重い一撃を放った。 
木綿季は高島が予想していた以上に速い斬撃を返してきた。高島は一瞬でそれに対応しようとして驚愕した。木綿季の剣の重さまでもが、はるかに上がっていた為だ。
鍔迫り合いに持ち込んだものの、技術の差があってもこれでは藍子が来るまでに木綿季を倒せるかわからない。その瞬間、藍子が高島に何かの術を使った。

 その術を受けた瞬間、高島の意識は昨日のヴィヴィオの閨に戻った。狐の幻術だと思った時にはもう遅かった。 
これは記憶をそのまま再現する幻術だ。 木綿季が高島の分身を豊かになった胸ではさみながら、意地の悪い猫の様な表情で分身を嬲る。

「高島、お姉ちゃんと二人で左右から胸で攻めた時にお姉ちゃんの方に逃げすぎ。という訳でその分を今から絞るよ。 回数じゃなくて時間だから20分頑張ってね」

 木綿季の胸の感触に激しく妨害されつつ、幻術破りを懸命に行い。どうにか破った。仮に一度でも射精したら完全に堕ちて幻覚から抜け出せなくなっていただろう。

 現実に戻った高島は即座に木綿季の気配のした方に向けて刀を振るった。今どんな状況かわからないが、今までの経験則上、何らかの行動を取った方が生存率が少しは高くなると思ったためだ。

 高島の剣は木綿季に当たりかけたが、木綿季はわざとそれを紙一重でよけた。正確にはわざと当たったと言える。高志も剣は木綿季の胸の部分の服とその下の晒を切り裂いた。
 天狗の風を操る術を使い幻覚を見せられていた時に分身を嬲った時と同じに乳房の形を変えるあたりわざとなのが分かる。高島は自分の分身が固くなってしまった感覚を味わうと、どうにか術を使おうとした。

「ユウ。 体格を多少は操れるのだから、戦闘型の体系に戻しておきなさいと言ったでしょう」

 全く咎める意志の感じられない、姉の形だけの咎めに木綿季は笑いながら答えた。

「あはは。ごめんなさい。勝った後に高島をイジメることしか考えてなくてさ」

「その胸では剣を振るのに邪魔でしょう。晒が破れた今は動きが限られるから魔法で援護しなさい」


274 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:30:09 ID:689e7t63
「ごめん、ごめん。お姉ちゃん頑張って。昨夜みたいに高島を可愛がれるか否かはお姉ちゃんにかかっているよ」

 昨夜みたいにというくだりに、不思議な呪縛な様な感覚があり、背筋が余計に寒くなる。そして藍子は、長巻を構えると高島に再び切り込んだ。高島はその一撃を受けた瞬間手がしびれた。
精神が乱され切って霊力による身体強化などの精度が多少落ちているにしても異常な力の差だ。 高島の方からは動き辛い鍔迫り合いの体制になった瞬間、藍子は言葉をかけてきた。

「高島様、どうですか私とユウのこの力は」

「さっきまで手加減しとったのか」

「いいえ。私達本来の力だけで貴方と戯れていたかったから、少し自重していました。女権国家と言われる国の影響を受けた神々の分霊を宿した私達も、女権国家特有の力を使えるのですよ」

「それはいったい」

「好感度ドーピングとその国では呼ばれているそうです。意中の殿方への愛が深いほど強くなれると」

 極東の島国の出身で女権国家の事を知らない高島からしたら、そんな事態を予想すること自体が無理というより不可能過ぎた。嘘を言っていない様子の彼女はさらに言葉を続ける。

「力だけじゃなくて霊的な力も強くなるのですよ。今の私やユウの様に」

 その言葉を聞き、木綿季の方を見るとすさまじい炎を彼女はその手に出している。天狗は食らったら戦闘不能は確実だ。
天狗や狐は火を操る伝承があるがこれほどとは。高島はとっさに、自身にとっての災いを防ぐ術を早口で唱えた。術は確かに成功したのに木綿季の炎はその術の防御を突破し高島に当たった。

 高島の全身が凄まじく熱くなる。そして分身が問答無用でそそり立った。その瞬間高島はこれが、性行為の時の熱だと理解した。
もはやまともに動けずへたり込んだ高島を木綿季は好意的だが意地の悪い笑みを浮かべてのぞき込んだ。

「子供の頃から善天狗に弟子入りして霊術使ってきた君には、天狗の霊術が聞きやすいね。
なんで防御の呪文が聞かなかったって? 僕達との性行為を君が嫌がってないからさ」

 高島は無理やり呪文で分身を鎮めるとさっきとは比べ物にならない程速度が落ちた一撃を放った。まだ辛うじて一流の剣撃と言える攻撃だが木綿季はそれを余裕をもって片手持ちにした剣で受け止めた。
そしてもう一方に団扇を持ち高島を扇ぐ。体の中の性的な炎が余計に燃え上がり立っていられなくなる。 

 そこに藍子が近づいてきて高島の額に手を当てた。その瞬間再び、昨夜の記憶がよみがえる幻術が始まる。

 磔台の様な機能もある寝台に拘束され腰だけを動かせる状態にされた高島の分身を木綿季と藍子が自分たちの胸で挟み、攻め立てている。優しい責め方をする藍子の方に分身を送ると木綿季が少し不機嫌に咎めた。

「コラ高島、さっきからお姉ちゃんの方にばっかり逃げすぎ」

「ユウ、もうちょっと待ってみなさい。私の方に逃げ続けると時期に貴方の方に行きたくなるから」

 藍子と木綿季の声は二人の責めを象徴しているかの用だ。

 不意に現実に戻った高島は疑念に満ちた状態になる。今の自分には藍子の幻術を破るだけの力はない。それなのに現実に帰ってくることができた。これは藍子が自分を戻したのだろう。
そう思った瞬間、藍子が狐火を放ってきた。これは明らかに木綿季の炎と似たようなものだ。 それを辛うじて避けた、高島に木綿季がまた炎を放つ。その炎をかわすとそれが藍子に当たり藍子の体が火に包まれる。
高島はそれを見て藍子の体が僅かに心配になった。 彼女の体を診ようとして近づいた瞬間、甘い香りが辺りに充満した。 藍子の体から立ち上る狐の香の匂いだ。
それを嗅いだ瞬間、高島の分身が天を衝く勢いで固くなり、全身が脱力感に襲われ動くことができなくなる。

「戦闘不能で勝負ありだね。それじゃ勝ち目ゼロの夜の戦いスタート」

 はつらつとした楽しそうな声で、木綿季は刀を振るい、高島の服を切り裂いた。鼻歌交じりに彼女は高島の体を撫で始め傷を見る。

「確かこれは、僕たちの霊薬の材料になる妖怪を倒した時の傷だったね。これは自分に勝てたらその肉を家族や仲間と共に食らい力とせよと言っていた、土地神様の肉を僕たちの所に持ってきてくれた時の傷だね」

 木綿季が古傷に手を当てて撫でると高島の体に快感が走る。天狗の霊術を使い続けた体は女天狗と化した木綿季やそれを支える妖狐と化した藍子の霊力を良くも悪くも通しやすい。

「女権国家の力を得た女性に勝てるなんて言う、傲慢の鼻はおらなきゃね。じゃ行くよ」

 そういうと木綿季は一息に彼の分身を飲み込んだ。木綿季の速すぎて容赦のない動きで脳が爆発した様な快感を与える。そして一秒もたたぬうちに精液を吐き散らした。

「ちょっと高島。天狗の夫婦和合の術も覚えたから僕を閨で泣かせてくれるって言ってたじゃない。 今使ったけど早すぎるよねえ」

 闘技場中の女性達の嘲笑が響いた瞬間、木綿季が笑う。

「やっぱり僕達に惨敗したせいで、被虐趣味に目覚めちゃったか。大丈夫責任は取るから」

 そういって木綿季が炎を出して高島に当てるとその熱が股間に来る。そして二度目の射精をした時、嘲笑や悪口への体制が零になった様な感覚を受けると辺りからの嘲笑が聞こえた。

「早すぎるわあれ」

「しかも射精量も多い。男性優位の国に転生したのも、虐めてもらう際に刺激ほしさじゃない」

 悪口によるダメージは大きかったが、それがもたらす性的快感も大きくさらに射精の量が増えた。それを見て観客席から一斉に爆笑が起る。

「罵られてあんなに射精量が増えるとか」

 木綿季は高島の耳もとで小さな声で言った。

「天狗である僕は誇りの強さも操れるんだ。どうプライドを高くされておられるのって気持ちいいでしょう」

 激しい快感とこんな最低の行為で逆に多く出す自分の情けなさに涙が出ると、藍子がそれをなめとりながら、木綿季を引き離した。

「高島様恥ずかしがることはありませんよ。 女権国家の女性に閨で勝てる男性なんていません。貴方が勝てないのは当たり前のことです。それに貴方が閨の外ではどれだけ立派な方かは私と木綿季が一番知っています」

 そういうと彼女は木綿季と相反するようにゆっくりと高島の分身を飲み込んだ。同じ快感の強さを持ちながら木綿季と反対の優しい動きに高島の抵抗する意思が削られていく。
木綿季に激しい快感で付けられた傷に怪我は癒えるが中毒になる毒を盛られているような快感が魂に絡みついていく。 ゆっくりとした甘えさせる性行為で射精した時大量の精液が出る。
その時の快感はどれ程だろう。恐怖と期待が同時に来る。怖がる高島をよそに藍子は不意に思いついたように声を上げた。

「ヴィヴィオ様、少しお願いがあるのですがよろしいでしょうか」

「なんですか藍子」

「高島様を癒す性交がしたいので、あの特技をお願いします」

 それを聞くとヴィヴィオは頷き高島に手を当てた。不意に自分の体が縮んだことに気づいた時には、6年前の12歳の頃の体格に戻ったことに気づく。
繋がったまま小さくなった彼は快感で声を上げ辛いのに耐えながら、何か言おうとすると不意に抱きしめられ乳首を口に突っ込まれた。叫びかけたところで口を塞がれて、鼻で香を吸い込んでしまい一気に思考力が落ちる。
脳が縮んでしまったことも効果をさらに高めたのだろう。熟練の指圧師の様な快感をもたらす彼女の手が頭を撫でるたびに快感がさらに思考力を奪う。母が子をあやしながら授乳しているような状態の騎乗位を見てヴィヴィオが呆れたような声を出す。

「藍子、貴方相変わらず甘やかすのが好きなのね」

「ええ。生まれついての趣味ですから。少しだけ虐め気味な木綿季と二人でやると彼の堕ちる速度が倍以上になるんですよ。 高島様、そうです何も考えず全てを委ねてください」

 それから間もなく彼は大量の射精をした後、大勢の前で与えられた被虐的快感でつけられた傷から大量に流れ込んだ甘い毒が一気に流れ込んだ様に、何もできないかの様な状態になる。

 次に目覚めた時、彼は複数の天女騎士とヴィヴィオに嫐られていた。壊れかけるほどの快感を与えられ、何度も倒れかけながら、意識を失いかける。ヴィヴィオと共に自分を犯しているのは明らかに上級の天女騎士だ。
下級の天女騎士も閨では自分が足元にも及ばないのは一緒だが、上級の騎士たちはさらにすさまじい。ヴィヴィオも昨夜とは違い手加減が一切ない。

「ごめんなさい。高島さん」

 強すぎる快感でしゃべることすらできずにいる高島に、ヴィヴィオが少しだけだが謝意の籠った声で告げた。

「木綿季ちゃんと藍子ちゃんの人生を追体験みたいな形で見せてもらったら、彼女達と似たような境遇だった上級天女騎士達と、私我慢できなくなっちゃいました」


275 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:32:02 ID:689e7t63
 マグネタイトが無理に補充されるだけではない。木綿季が目天狗としての通力で高島の分身を固くなり続けるようにしている。
それだけではなく、時には感度を上げ時には持久力を上げて相手を満足させつつ高島をじらして遊んでいる。
彼女はスイッチが入ってしまうとえげつないタイプかもしれない。 不意にヴィヴィオが高島にまたがり激しい快感を与えた後、射精直前で離れた。寸止めされた様な拷問の様な感覚に苦しむ彼に。ヴィヴィオは木綿季に目配せして命じる。


「木綿季、彼に少し未来を見せてあげなさい」

 木綿季が天狗の予知能力で高島と視界を共有すると、高島が世話になった同盟先の家などが政争に敗れヴィヴィオ達に下る未来が見えた。そしてそれをしたのが豪奢な金髪をしたどこか獅子を思わせる男性だった。

「彼はラインハルト、貴方がいま私に射精したら身ごもる子ですよ。今我慢すれば大乗ですがどうしますか」

 拷問の様な快感だったのに最後まで射精させてもらえないと、それはもっとひどい拷問の様に感じてしまう。ヴィヴィオが敢えて後ろ向きになり尻を突き出すと高島の理性が飛び、突き入れてしまった。かつてない快感と共に意識が飛び倒れるとヴィヴィオは言う。

「不義理もの! 己の欲望の為に世話になった同盟相手を裏切るなんて」

 王としての威厳を備えた大喝は彼の心に大きな傷を与えた。

「まだ着床はしていませんけど貴方が誇りを捨てて跪くなら、今回は貴方の精液を魔力に変えて、次の戦に使うだけにしてあげます。そしてあの子供が同盟者の家たちを衰退させたりはしないと約束します」

 ヴィヴィオが参戦する次の戦は同盟した家にとっても有益な戦だった。それを聞くと高島は即座に一番、惨めな最高礼を取った。それが済むと彼女は満足そうに頷いた。

「許しましょう」

 その後高島は何かが折れてしまい完全に彼女達に跪いた。 ヴィヴィオ達との賭けの戦いに出るたびに木綿季と藍子に敗れ続けた。負けて嫐られることが癖になってしまったためだ。
 木綿季と藍子の姉妹で彼を堕とす手腕が何よりも凄まじいものがあったことも大きい。

 横島は高島の人生の部分部分を追体験してきて、やっと現実の闘技場に戻ってきた。凄まじい脱力感が体中を襲い動こうとして、服がなくなっており、仰向けの体に木綿季がのしかかる様に繋がっていることに気づいた。
そして周りには数名の天女騎士達とヴィヴィオがいて明らかに情事の後の様だ。そこで嘲笑めいたマイの声が響く。

「愚弟、あんた人形劇の人形の人生追体験させられつつ、現実でも彼女達と性交渉していたのよ」

「どこまでしたんでしょうか」

「人形が喋った台詞や情けない性行為はやっていたわね。嬉々としてヴィヴィオと木綿季と藍子の足にほおずりしたり洗ったりとかも現実ではやっていたわよ」

 闘技場以外でも聞こえていた気がした遠くからの嘲笑は現実世界での自分への嘲笑だったのか。 ダメージを受ける横島を楽しそうに見ながらマイは言葉を続ける。

「あんた、昨日木綿季と藍子に勝った時の条件覚えている? 記憶消したから覚えているわけないとは思うけど」

「なんだった、いや聞きたくない。なんか俺の精神がやばいことなりそうだ」

 そう答えた横島にマイは笑顔で追い打ちをかけた。

「あのねぇ、この人形劇とこれ二回目で昨夜同じことされていたのよ。それで木綿季と藍子に二対一で勝ったら同じことしてあげるってヴィヴィオ聖王陛下が言ったの。
その記憶消して戦ったけど本当に、これをされるために勝つとかあんたはどれだけ、ここに忠実な訳」

 マイの暴露に闘技場が大爆笑の渦に包まれその嘲笑で一物が固くなったのを踏みつけながら彼女は言葉を続ける。

「色仕掛けで高島の時にも負けるし、勝てた時はこの男として尊厳が死ぬ、性行為してほしいため。いくら立派なことを成し遂げても、しょせん下半身の為って野次られてたけどそのとおりね」

 マイの足で射精させられてなく一歩手前になった彼を木綿季と藍子が左右から抱きしめて横島を弁護した。

「女権国家の女性に何度もされたらそうなっちゃうのはどんな男性も共通だからしょうがないよ」

「それに横島様は私達が本当に良くないことをしそうなときは、色香の誘惑に勝てると冥府の神様も仰っていましたよ。ただそういう場面が訪れないだけで」

「だが俺は前世でヴィヴィオ相手に欲望に負けて不義理していたぞ」

「あれは、表層意識では気づいていなかったけど、潜在意識ではヴィヴィオ様が過去の埋め合わせをしたうえで、高島家とその同盟者たちを取り込もうとしていると気づいていたからです。 
仮に本当にヴィヴィオ様がああいうことをしようとしていたら耐えられなくてもどうにか、軌道修正させていましたよ」

「そうなのか」

「ええ。あの後、生まれた子は理想的な臣従にする形で同盟の家の者達を取り込みました。だから、どんなに折れても貴方は人としての線を踏み越えることはありません。マイさん早く折れる前に戻してあげてください」

「ええ。少し意地悪し過ぎだったわ。今夜は二人に慰めてもらいなさい」

 マイが剣を向けると横島の心は女性優位の性交で折れる前の状態に復帰した。だが折られることへの期待は植え付けられてしまった感じがする。そこに木綿季と藍子が抱き着きいう。

「大丈夫ですどれほどおられようと私や、癒すことを喜びとする女性達もいますから。それに折れてしまった時は私と木綿季が貴方の剣となります」

「横島、僕たちが間違った方向に行ったときは君はどんなに快楽漬けでも愛し合っていれば、止めてくれるって冥府の神のお墨付きだから僕達も安心してああいうことできる面もあるんだよ」

 二人に言われた直後にマイがトラポートの呪文をかけて来た。気が付くと彼は止まっている魔界の宿屋にいた。藍子の香の匂いに包まれた彼は二人に襲い掛かり、直ぐに返り討ちにあった。

 藍子と木綿季が横島をはさみ木綿季に搾り取られる彼に藍子が甘い毒を注ぎ込むように耳打ちしてくる。

「横島様。青木様と戦った時貴方は、ヴィヴィオ様の誘惑をはねのけることができました。木綿季が言うようにいくら堕ちても人としての大切なものは失わないから大丈夫です」

 ぼんやりとした頭で横島は思う。

『そうだな。藍子の言う通りかも。俺はあの状態でも青木の教官役ちゃんとやれたしな』

「そうだよ。君なら大丈夫さ」

『折れるのが良いことではないが、折れても耐えられるのは確定かなら、もっと性交に積極的になっても良いかな』

 そう思う彼は気づかなかった。木綿季が彼を絞りながら天狗ゆえにとくいな傲慢や自尊心を操る術を使っていたことを。
自分はどれ程堕ちても大丈夫というある意味『傲慢』な自信が植え付けられていく。木綿季の与える激しすぎる快感が一説には天狗の鼻の象徴ともされる男性器を嫐る程それは強くなっていった。

 木綿季に絞られ過ぎて横島が倒れた瞬間、魔石を使い彼を回復させて今度は藍子が彼の分身を優しすぎる口淫をした。彼女の口淫で頭がバカになったところで再び対面座位気味の騎乗位で分身を飲み込まれ、
乳首を口に含まさせられた。ぼやっとした頭の中で藍子の言葉が響く。木綿季の嫐る性交の後でより威力が上がっている感じがする。

「貴方様はどんなに甘やかされても人としての大切なものは失いませんからご安心ください」

 そういうと香の匂いと共に女権国家の幻惑球をもらったような幻覚が見えた。甘やかされる性交の幻覚が多く見えてくる。そしてその幻覚は実際の感覚も伴っている。藍子相手に果てた時、深くその幻覚と堕ちる快感が記憶に残った。


 聖王の私室で木綿季と藍子に惨敗している横島を水晶で見ながらマイとヴィヴィオが笑っている。嘲笑ではなく、ことが上手く進んでいることが面白くてたまらないという様子だ。

「これで横島の奴は、自分は性欲でしか大業をなせないという劣等感が出来たから天狗の術を極めても天狗道に堕ちることはないでしょう」

「そして、彼は藍子と木綿季の二人の飴で、女性に負けるのが恥ずかしいことではないと意識が変化した上に、折られることへの忌避感と恐怖薄れてきています。 完全に来世でも来世でも、折られることが癖になり。
男性優位の性交を求める感性がへし折られる悦びの前振りに変わる日も遠くないですね」

 ここまでは上機嫌に話していたが、不意に二人は真剣な表情になった。

「それでマイさん、どうですか。こっちの世界で彼が恩義のある人たち全員を無事に終わらせるのは難しそうですか?」

「ええ。思ったより難易度は高そうだわ。全員無事で終わらせるのは無理に近いわ。 最悪でも、あいつに打算無しで良くしてくれた連中に対しては私達と関わった結果、本来の運命より悪い運命になることだけは、止めないと」


276 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:33:13 ID:689e7t63
「分かりました。 こっちの世界に転送可能な私の国庫のアイテムなどはいくら使っても構いません。 それと天女騎士達も良識派のサマナーの召喚に応じたり、鍛えるために出現する際のマグネタイトは国庫から負担します。 
彼と関わった善人を救うより本来の運命より悪い形になるのを防ぐのを最優先で動いてください。その上で余裕ができたら助ける方向でお願いします。
それと彼の親友とかは死んだ場合は、蘇生させて女権国家の世界に転移それが無理なら、死後転生するようにしておいてくれますか?」

「了解」

 昨夜、横島を嫐った時や、先ほどまで情事を眺めたいた時はこの二人は魔王と天使の姿をした大悪魔に見えたし、この寝所は、魔王の玉座や処刑台を思わせた。
だが今はヴィヴィオもマイも天使と聖なる王へと変わり、彼女らがいる寝所も弱者を救う聖職者の聖堂の様な模様にその姿を変えている。 だが二人が予定の仕事を終えると、元の魔王と悪魔の済む魔城の模様に変わった。

「時にマイ次の横島がいく魔界はどうですか」

「ええ。 彼が男気を見せたせいか飽食界担当の彼女、大分気合が入ってしまったみたい」

「それは残念な結果になるかもしれませんね。私が担当の魔界は終わったとはいえ、助手として出る機会はまだあるのに、できれば彼には途中で快楽のせいで折れたりせず最後の魔界まで言ってほしいものです」

「ええ。私も全力で協力するつもりよ。色々とやりたいイジメ方が山ほどあるから」

 マイの笑顔を見てヴィヴィオは僅かに安心した。
彼女なら必ず横島を折れさせずに全ての魔界での快楽を味わい尽くすようにするだろう。魔王と従者を思わせる二人はその城で嫐られる横島を見ながら愉快そうに笑った。その笑みが彼の運命を決定づけていた。


277 :名無しさん@狐板:2021/08/24(火) 00:12:16 ID:s/H6xs3l
幸せスクリブルの二次創作ゲームでとーさんのサイトであるドレインの掲示板に、
ある”作品紹介とかするスレ”に投稿された”退魔剣士の備忘録”です。じぶんはまだ
あまりやれてないけど、負けた際や色仕掛けに乗った結果の無残さがスクリブルへの
リスペクトを感じました。 ”作品紹介とかするスレ”の357レス目からダウンロード先に行けます。
一度誰かが勝手に消したらしいので、早くダウンロードした方が良いかもしれません。


注意点としてはまだ未完成であり、最後まで見られません。それとスクリブルと違って一どクリアした
依頼は二度受けることはできない仕様になっています。自分はまだあまりプレイできてないけど、”作品紹介とかするスレ”215で
投稿されてから住民の方々からも高評価でした。

278 :名無しさん@狐板:2021/09/06(月) 18:55:09 ID:3gok11u+
 警邏隊にバカにされるほど、女性の誘惑に弱い『男性解放戦線』だが、時に、有能な新人が入ってくることがある。
 その多くは、まだ女性性に惑わされることのない―――性に未発達な少年のことが多く、他国からの知識や格闘術などを自慢としている事が多い。

 そういう新人がしばらく活躍していると、『男性解放戦線』のメンバーである白鐘直斗から声が掛かる時がある。

 同じ理想をもとに、任務を潜り抜け、信頼を勝ち取っている上司。
 いつもは冷静で、頼りになり、時折、いい匂いがしてくる……まさに理想の上司に直々に声が掛かってドキマギしている彼に、直斗が言う。

「次回から、とうとう、本格的な任務に入ります。おそらくは、FFF団との戦闘もあるでしょう。
 その前に、ボクから最後の指導です。……服を脱いで、ベッドに横になって、目を閉じて下さい」

 え、と声が出たが、直斗が冷静なまま「必要なことなのです。お願いします」と続けた。
 信頼する上司の言う通り、彼は上半身の服を脱ぎ捨てて、質素なベッドの上に横になった。

「目を瞑っていてくださいね……途中で、開けないで下さいよ?」

 妙にいつもの声よりも艶っぽく……まるで、女性のような声色に少しドキッとする。FFF団に対抗する為に必要なことだからと、
直斗から渡されてきた―――『男性解放戦線の新人たちが、どのような戦術に負けてきたのか』の資料映像を見てきたからか、
前よりも、彼の頭の中には、女性の『性的な魅力』、あるいは『女性が上位となる性行為』に対し、敏感になっていた。

 しかし、相手は信頼できる上司―――そのようなことをするはずもない……


 むにゅ……♥

「ふぁ!!!?」
 彼は、突然自分に覆いかぶさる、大きくて柔らかい……水風船のような感触に声を上げてしまった。しかも、まるでぬるぬるしていて、
こそばゆく、それでいて、ミルクのようなとてもいい香りがしてくる。

「―――もう、いいですよ……♥」

 彼が目を開ける……そこにいたのは―――とても大きく、見ただけで目を釘づけにしてしまうような大きな乳房をこちらに当てて、
慈愛に満ちた表情を浮かべる、絶世の美少女だった。突然現れた女性に、スパイなのかと驚き警戒をしようとしたが―――

「〇〇くん……ボクです。直斗ですよ」

 目の前の女性が名乗る。その声は確かに、自分の尊敬する上司の白鐘直斗そのものだった。

「すみません……ずっと黙っていて。ボクは男性解放戦線に属しているのですが……実は女なんです。
 ああ、誤解はしないで下さい。ボクは、スパイじゃあないんです。……女でありながら、本当に男性に強くなって欲しい。この国を変えて欲しい。
 ―――そう思っているんです」

279 :名無しさん@狐板:2021/09/06(月) 18:55:25 ID:3gok11u+
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 .レヘ:::\!  ̄   \ト.、 `¨¨” . 7ィ::::://ハ ./ハV: : : : : : _:_:_:_:_rュ---==≦ /  |! {{、__.ノ.|    .| し、.)i.:}  ヽ、
   ト、:.:ト///     //// /:,イ .,..イ  ./: _. -: "¨: : : : : :¨:¨":`.<_-./._:.. |!::. しハ {    .しへ_.ノU    ヽ、
   .|:::ハ:ハ..    `        /イ,.<,ィ/.  /´_..-……-::.._ : : : : : : ::::::::ノ:::`<: : :ト、: . .| `i   .i .|、  ..||   | .i ':,
   .レ' レ:ト.、  、   _,     .,.イトr-<__r."¨     O  ヽー-r-: : ::´::{:::::::::::o`<ミ、: .| | し し )  ..し、 j .j.: : ',
       .V≧::..      ,..イニジ: V:., ノ .::.   | i       ヽ.ノ .:::, ::::ゝ: : : : : : :.ヾj: : | .{: : し: : :j i: : : : :ゝ .ノ: : : :',
     _.,r--" :/≧:.._.,....イニニ>":   ソ.、.:::..  | {       .:: ヽ .ノ   ,  、: : . : : : :':, | .し' {: し' j: : : : i .i i |: : : : :.',
  ,..-.″  、 ./ \ト「-…r.7:::::::::...:/.: : :ヾ、::::...しゝ、   .: : : .  ゝ、 ../  ハ : : .    ',.し.⌒i_j: :j { : : u:j .j し: : : : : :ト、        ,ィ
. ./      У、___ :. : : : ./.__ .:-"...::    ヾ、: : :ヾ_`ー."r.⌒i |   .`.く、 .!: i : : : : .  ',: : : : : : :し、ヾノ ノ: ::i i: : :し: .',      _-ニニ
..i     i  ./  : :  ̄ヽ、:/  __,ィ.: : : : : : .   ヾ、 _:.:.:`し´::.... .| |     `.< {_ :..:..| ー. ハ :j .|: : : : i 、ノ: : :しヘノ:.   ハ-=-、,イニニニ
.|    .|.,r/.. : : : : : : .      .: : : : .:.: : : : : :.:.:. ヾ、 `-::、:.:.:.:| |   ノノ i i  . \ .し.⌒i_j:|i.し: : : : :| ..{: : : : : ::    .i .リ.ハニニニ>≦
..', し  /./.: : ://: i: : : : .    .: i_j: :i : :し: : : : : : :. \  .i:ヽ、:しヘ_ノノ  | |    .\   : : |i i_j: : : :しi_j: : : : : :.   .ij//:i:iVニニ(:i:i:i,ィ
 ',: : : : i./: : : :(.(: :.し: : : : :.   : : : : :ゝ.,: : : : -  o   \.i .{ ヽ、:し´: : :..| |  r= , .≧=r--┴-:.____,,,,.::: : : : : : : ー=イイj j:i:iVニニ≧iiii
  .ト: : :,「: : :  .ヽ {   :::::....  ,: : :,,,::::ヽ ヽ: .     し .\)  ゝ、: : : : ゝ、ィシゝ'   ::.`ト、:::::::ヽ ヽ:: : : ヽ (: : : : ,イ:i:i:i:{ {:i:i:i:r≦:i:i:i:i:iii
  .|: :斗 ,  ././(u ) u  ij ::ヽ ,!...:::::   ),.ミ`ーぅ    i i ヽ    `<ニ=-:_:_:_....__.:::.   jニ.ト.、::::i  r .⌒.ゝ-i {,.<:i:i:i:i:i:i| ト,:i:i:i|:i:i:i:i:i:i:iiii
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,::: ./ .j {  .{ .{ :....::ヽ .ヽ ノノ :,′: :. i.ヽ、{ {  (r=へヽ、))j {,.ぅ_. ヽ、 ヽヽ .V.:.:.:.:.:.:./ { ./ニVニ\:i:i:i:i\ .\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iノノ:し|i:i:ij:i:i:i,イiiiii/
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::: .i ,r (,rジ._j    ) {^}: : :r{:.:::ゝ _ジ .ヽ、ゝ、{.{,,,,,;;;;;;"/⌒´ ヽ }, Vハ .| .j .::V:.:.{..:::ノ /ニニjニニ≧ニ\:i:i:i:i`i_,i:i:i:i:i:i{ .{:i:i:i:_.-イiiiiiiii>′
:: ,イ .i { .し'  rミー_ジ.{ { u'.:.:!:.:.:.i {:::..   .i  ー---、 ,イ,ィ  _,.ジu.} F.ヘし .:::::::}:.:.:し′/ニニノ>" ̄    ‘<:i:i:i:i:i:i:i:i:{,.イニニユイ
::く{:.:.| {  .o .{ {.⌒´ ハ{ {:.:. .', :.:| |:i i:.:.. .| ハヽ  .j j.| j  (_.ノ { }  } ...::ヽ.:.oノ:.:.:.:  /ニニ/′         `<:i:i:i:i:{ニニニニニゝ、
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ニニニ\≧≦ニニニニニニ/ニ:\\ニニニニニuニしニニニしニニ::/:i:i:i:-<ニニニニニニニニニニニニニ/
ニニuニ\ニニニニニニニ/ニニニ\ニニニニイニニニニニニニニ-≦ニニニニニニニニニニニニニ:> "

 彼の胸板に、ゆっくりとぬるぬるおっぱいを押し付けて―――まるで、彼の心をゆったりと溶かして、心の中に言葉を塗りこめるように―――直斗は続ける。

「ボクは、男の人と……対等の、愛のある生活を夢見ているんです。
 この国では……女が男を一方的に支配する、犯して壊してしまう……そんなデストピアが作られてしまっています。

 ボクは、そんなこの国を変えたい……―――その為にこうして、皆さんを 『 応 援 』 しているんです♥」

「ふぁぁ……♥」

 ぬるぬるとしたおっぱいマッサージは、性に疎い少年の心を簡単に解きほぐしてしまう。
 男性解放戦線に協力する女性の存在、今自分が置かれている現状の不自然ささえ、容易に受け取ってしまうほどに。

「やはり、女性と男性の間にあるべきなのは―――「愛」であり、健やかな感情でなければなりません。女性の胸―――おっぱいは、ただ男性のペニスを犯すだけの道具などではなく、
男性を愛し、慈しみ、癒す……そういうものであるべきなのです♥ キスは愛の証……そして、お互いに愛を育んだ先にこそ、セックスはあるべきで……♥
 ボクたちは、それを解放する為に戦っているんです……分かっていますよね? 〇〇くん♥」

「ふ、ふぁい……♥」

「ふふふっ……いい顔です……♥ やはり、男女の関係には愛がないと……ね? 今夜は一晩中―――あなたに、女性の男性の愛し方、について具体的にレクチャーしていきましょう♥
 おっぱいに甘え、おっぱいにおちんちんを挟みこみ、ズリズリとして快感に堕ちていく……そんな愛♥ キスとして、愛を囁かれて、何も考えずに女性と結ばれることを幸せに感じる愛♥
 みーんな覚えて、明日の初任務に備えましょう? そうすれば、きっと愛のないえっちなんかに負けない……♥ そういう心構えが、出来てくるはずですから……ね?


 負けても大丈夫です♥ きっと帰ってきてください。そうすれば、ボクがまたずっと励まして……癒してあげます♥ そして、次の戦いには必ず勝てるよう、特訓してあげますからね♥
 もしも勝てたら、ご褒美です……♥ ボクがあなたのして欲しいことを一晩中をして差し上げますから……ね?」


「 男 性 解 放 戦 線 が 解 放 さ れ る そ の 時 ま で―――ボクが、あなたのサポートを、してあげます♪」


 そしてまた、新しい男性解放戦線のメンバーが実動隊に加入した。

 しかし、その前の勇ましさはどこへやら……FFF団によって、手痛い敗北を味合わされた。
 その後、また白鐘直斗によって救出され、一晩中「 指 導 」を受けたという。

280 :名無しさん@狐板:2021/09/07(火) 22:11:06 ID:oy7uc6dE
 相変わらず、FFF団の格好の餌食となっていた男性解放戦線であったが、
ホープとなった彼だけは、獅子奮迅の活躍を見せていた。

 それが白鐘直斗―――憧れの先輩であり、そして、毎晩のように体を重ね、
時に乳房の中で甘え、時に優しく絞り出してくれる……男性解放戦線の中に存在する
女性に褒められたい、認められたいという不純な動機であっても。

 彼は、ひたすらに男性解放の為に抵抗を続けた。
 しかし、ある時、FFF団の中枢に潜入し、重大な極秘情報を抜いた彼は―――
その白鐘直斗こそが、FFF団のスパイであることを知ってしまうのであった。


「―――やっぱり、見つけたんですね」
 その極秘資料に目を通していた時、後ろから、最も心惹かれながらも、今は決して
出会いたくない女性の声がした。

 彼は怒りと、男性解放戦線の一員としての誇りをもって、振り返り―――
 そして、その姿を見て、言葉を失った。


          ,...., -=ニニニ=-:.、: :-: : ._
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. . .j: : : :,::::r薔{薇イく,ィV:,::*| |::|:/′ ,r_ニx≦ミxr薔): : : : : : :.-_. . . . . . . . . . . . . . o。 . . .
. . jハ: r薔{薇ジ /くミ::\V| |::|!  ,a芝f汚 ジ>薇ミj: i: :ヾー――. . . . . .+ . . . . . . . . . . .
. /. .|: ゞ:.薇く/ミ_xxx_ヾ_ヾミ::|!   "¨””¨` o,イ>薔}: |. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
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. . . j: ..:::,イ: :{r薇}≧=-::...ィ     _,     レ,.イ. . . . . . ):.薇リ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
. . /.:/. i| .i: :{.薔}三三≧ミ、       ,イミ::{. . . . . . (:薔r′. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
. ,ジ. . . . . ..|:.ノ薇r`ミミ≧-x_______   ,イ _.シ:ハミ、. . . _.-(r薇}. . . . . . . . .+. . . . . . . . . .*. .
. . . . . . . . .У薔ハ. . . ヾゞ :ミハ「く三≧ィ「「三ニjx__r " o {ゞ薔ト、. . . . . *. .o。. . . . . . .o。
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. . . . . . . . .ゞ薔ト、_. . ._ . r(ニニジトィ-…",.r."     -、: ゞ薔ミ, ',. . . . . . . . . . . . +。. . .
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. . . . . .o。.,: (薔 ハ: . .    .rミ_..-ニ三- ¨´ ,.: : : :       ̄¨¨.`.<薔薇). . . . . . . . . .
. . . . . . . ,/. . .{r薇). .: :.  ,.イニニ{ジ:  :o: : :.、!: : :  o  。     : : : :.`:<. . . . . . . . . .
. +. . . . . i. . . .(薔): : リ,.イニ/: :  。   : : :ヽ、       .:   :.  : : : :ヽ、. . . . . . .
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. . . . . . . {. . .r薔リ :,ィジ′           : : : :':,             : : : : :V. . . . .
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. . . . . .{薔薇:ト{i,リ                  : : :。:.i: : .        . : : : .:::ij::::r.}、. .
ミx. . . .ゞ薔イ: :V! .                 . : : : :}: : : :. :.    . : : : : : :::::o:У. -. .
ゞミ、,/ィ薔薇:У{      . .           . : : : : }: : : : : :。: : : : : : : :.: : :::::ijイ: : ____
ミニーイミx:{、. :}、   .:o.r=、:..        . : : : : : :j: : : : : : : : : : : : : : : : : :o/::.... _...
ニ-ミニニミ、=く }    : .ゞイ: O。      . : : : : : : :ノ::. : 。 : : : : : : : : : : : : :ノ三三. . ...
ニニニにミ、ヾ薔ハ、   : : : : :     . : : : : : O。ノ、:::::..O。: : : : : : : : o,.イ---。::..、:
     `<  `薇ニ!          . : : : : : : :.: イ≦≧。: : : : : : : ,...イ三三ニ::: . . . . . .
 . : : : :_-ニヾミ、 `薔ミ、     O。 。: : : : : : :,.イ三   :≦ィ≧三≦ニ≧=---::._ . . . .
. . .-ニ   _...ニハミ .V薇:>。_. . . . . . . . . . . ,.イ三_:i   /⌒:::...、   ̄ニ-._: .
      . : : : V ミ |ジミ、 o .≧ニニニ≦ニミ>-、,.ィ ⌒ニ-:._  .\     -ニ-._
    . : : : :    . :. .i薇/ o _.-ニ ̄  : :/: :i!: `' ヽ     ニ-._ .\      ..ニ-._

「―――どうですか? 似合ってますか? ボクの花嫁ドレスは」

 白銀の花嫁衣装―――それは、以前、直斗との行為の終わりに、ベッドの中で結婚の夢を語った時に、
直斗に似合うのではないか、と彼が提案した衣装そのものだった。

 少し違う点があるとすれば―――

「ふふっ……こんな時にも見惚れてしまうのですね。
 あんなにも女性の乳房に目を奪われてはいけないといったのに……本当に、かわいい人だ」

 彼が、いつも、直斗との行為に及ぶ際に翻弄され、甘え包み込まれ、この世の何にも変えられない程の
甘露であるおっぱいだけが、彼を挑発するように丸見えになっていた。

「ええ、わかっていました。あなたなら―――ボクが信頼し、期待するあなたならきっと、それを読むだろうと、
 たった一人、この場所にやってきて……それを発見するであろうことはわかっていました。

 ―――さて、それで、どうしますか?」

 艶然と、いつもベッドの横で、恋人のように手をつなぎ、行為に及んできた最愛の先輩は、いつもように、
にっこりと笑って―――

「ボクはあなたの敵です。倒さなければ、男性解放戦線はずーっと、負け続けるでしょう。
 そうなるようにボクは、あなたを含め、ほぼ全員の男の子たちを骨抜きにし、ボクたちFFF団に犯されるとわかっていても、
抵抗し続けるように仕向けてきました。それがボクの任務だからです」

 結婚を夢見て語り合った時と変わりなく、残酷な事実を告白した。
 
 戦うべきだ、と彼の中の男性解放戦線としての自分が言う。だが、それ以上に、裏切りの衝撃で頭が回らない。
 いや、そもそも、彼が、男性解放戦線として頑張ってきた理由は―――

「―――ですが」

 直斗は心なしか、頬を赤らめて。

「あなたには、別の道もあります。……ボクと同じ、FFF団として、男性解放戦線のスパイをしませんか?」

 ―――え?
 彼は耳を疑った。

「ボクの仲間になってほしい、といったのです。……ボクのパートナーとして。いえ」

 いつの間にか、そっと手を取る。

「ボクの恋人として……ずっと、男性解放戦線のメンバーを……FF団に敗北するように、指示してほしいのです。
 報酬は……」

 むにゅん♥ と胸を押しつけられて、「ぁぁ……」と夢心地な声をあげてしまう。

「ボクのカラダでいかがですか……? 今まで通りで構いません。いえ、今回の功績で、あなたは男性解放戦線でも地位を与えられるでしょう。
 ボクはあなたの参謀として、四六時中、あなたを「 援 助 」します♥ 今まではご褒美か、慰めでしかありませんでしたが……これからは、
ボクに任務として、いつでもどこでも……あなたにご奉仕、してあげられるんですよ……? ね……?」

 「あああああああっ!?」と、声をあげる。すでに彼のペニスは、白鐘直斗の手の中にあった。
 いや、ペニスだけではない。毎夜毎夜、彼女の口で、胸で、膣の中で……愛をささやかれ、篭絡され続けた彼の心はすでに、直斗の術中にあったのだ。

 どぴゅっ! と、ズボンの中のペニスから容易に精液が絞り出される。
 くすっと、淫靡な笑みを浮かべながら、手をズボンの中に入れて、精液でぬるぬるになったペニスを掌で撫でまわした。

「ぁぁぁあ……♥」
「……ね? あなたはよく頑張りました……みんな、ボクの体に溺れさせて、男性解放戦線として頑張るように仕向けたけれど、
 結局みんな、ほかのFFF団のメンバーに負けてしまいました。ボクのことよりも、ほかのメンバーに負けたくて仕方なくなって、
 完全に名ばかりの、腰抜けになり下がったんです。だけど……」

「あああああああああ……!」
 ぬちゃぬちゃ、と優しく愛しいものを撫でまわすような愛撫を続けながら、直斗はうっとりした表情でいう。

「キミは―――ボクを思い続けたんですね……ほかの誰よりもボクが愛おしくて、ボクのカラダに溺れたくて、ずっと頑張り続けたんでしょう?
ボクに愛してほしくて、ずっと努力を続けた来たんでしょう? ……そのことはほかの誰よりボクが知っています。だから、ずっとあなたに
「ご褒美」も「激励」もし続けたんですよ。ボクに慰めてほしくて、ボクに褒められたくて、かわいい子犬のように頑張り続けたキミの為に、
ずっとずーっと、この時を待ち続けたんです。

 ―――あなたは、ボクに篭絡される為だけに男性解放軍であり続けてください♥
 これからもずーっとね……♥」


「ふぁああああああああああああああああ♥」

 どぴゅ! どぴゅどぴゅどぴゅ!!
 優しく愛撫されるだけで、簡単にペニスから精液が絞り出され、彼の心は白鐘直斗に奪われてしまった。
 そして、何も考えられないまま―――彼は彼女のカラダに溺れ、再び男性解放軍としての任務にあたる。

 ―――最愛の恋人に篭絡される。ただ、それだけの為に。

281 :名無しさん@狐板:2021/09/22(水) 16:58:52 ID:qOA/QSF/
 女権国家で敬老の日の地雷を踏んだ男の末路

 注意書き
 これは女権国家の二次創作SSです。以下の注意があります。
@ 女権国家世界の横島の前世を捏造しています。
A この世界線では横島は複数ヒロインと仲良くなっておりエヴァが正妻に近いハーレムルートです。
B アリスの設定とエヴァとの関係はこのオリジナル設定です。同じ人形遣いであることから思いついたものです。
C 時間軸としては中盤の終わりか終盤の始まりくらいで何度も修羅場を潜り諜報部全体が仲良くなり、全員のレベルが上がっている状態をイメージして書いてます。
D キャラの元ネタのネギま等にある設定ではあっても、女権国家で採用されているとは限らない設定やオリジナル設定も使われています。 

 
 女権国家と諜報戦を日々繰り広げる、諜報部に所属する大鳳が住まいとしているアパートで、三人の男性たちが食事をとりながら雑談をしていた。

 少女と間違えられる程の線の細い容姿をした美少年、大鳳、愛らしいが生き残ることに特化し、獲物を狙う肉食獣に一矢報いる、爪を隠し持つ小動物をどこか連想させる。
そしてその横には鋼の様な肉体にいかつい顔をした拳法家ジャギ、一見すると恐ろしいが瞳を合わせれば、決して凶賊ではなく義侠の好漢に近い気質だと気づくだろう。

 二人の向かいに座っている人物は赤いバンダナを見に着け青い服に身を包んだ、陽気そうな男=横島は、二人の必死の忠告を真面目に聞いてはいるがどこか深刻に受け止めてはいない様子だ。
彼は幾つもの修羅場を潜り実力が高いにも関わらず、良い意味でも悪い意味でも堅気の陽気な男にしか彼は見えない。身内に認定した女性へのわきの甘さなどが諜報部とは思えない雰囲気を彼に与えているのかもしれなかった。
三人は今テーブルを挟んで食事をしている。ジャギと大鳳が必死に忠告している事さえ除けば和気あいあいとしたにぎやかな食事風景だ。
ジャギと大鳳の二人の忠告に対して横島は、好意をありがたく思いながらも二人の忠告をあまり重く受け止めてはいない様に見える。 少し歯がゆそうに大鳳が、横島に言葉をかけた。

「だから横島、エヴァさんに卑屈なくらい強く謝った方が良いって」

「そうは言ってもな、あの喧嘩はエヴァの方が悪かったし、それは冷静に戻ったエヴァもそう思っとった。それで逆恨みする程分別の無い女じゃないし、狭量でもないであいつは」

 エヴァとの些細な喧嘩で仲直りする口実を求めた横島は、丁度エヴァの頭が冷えて、彼女がバツが悪そうになったのが敬老の日になった瞬間だった。それに気づいた横島は敬老の日になったから許すという旨をからかうような感じで、伝えて自分から折れた。 
自分の方が悪いと思いバツが悪そうだった彼女が、惚れた男におばあちゃん扱いされた瞬間に危険な瞳になったことに横島だけが気づいていなかった。 
就寝直前だった時にそれを見た二人は、そのエヴァの瞳を見て眠れる気がしなくなり、案の定敵襲の恐れがある時の様な浅い眠りとなってしまった。 
朝起きた時当人の横島だけはぐっすり爆睡していたらしいと悟った時、危機感のなさに腹が立ったのと、自分だけ爆睡してんじゃない、という気持ちで少しだけ殴りたくなった。

 おばあちゃん扱いされた後の仲直りが成立した様な彼女の振る舞いはあの瞳を見た時の大鳳とジャギですら、エヴァは心から横島と仲直りしたのでは? と錯覚するほどだった。
それが逆に彼女が横島をからめとろうとする策だと理解している二人には余計に恐ろしく見えてしまい、他人事ながら背筋が寒くなる。

 呑気な横島に、ジャギがやんわりと言葉をかける。

「それなら、なおさらだ。エヴァの姉御は発端に関しては自分が悪いと思っている。だからこそ、本気でばあちゃん扱いにムカついていたとしても、お前がみっともないくらい謝れば、自分の道徳心から今回は不問にするしかなくなるぜ」

「そんなに切れる様なことか? 前は自分でも冗談気味にババアだ。見たいな事言ってたぞ」

「好きな男の人からおばあちゃん扱いされた時の女性の怒りが横島はわかってないよ!あらゆる意味で理不尽なんだから! 痛い目にあったことがある僕とジャギの言葉を信じて!」


 二人の必死の忠告を聞き、忠告が届いたかどうかは別にして横島も真面目な顔で謝意を示した。


「ありがとうな。 だけど俺はこの国での任務が終わったら、エヴァと夫婦になることも考えてんだ。 だからああいう喧嘩が発端で起きたことで謝罪するようだと長く夫婦を続けられないと思うからな。それに」

「それになんだ」

「前血を吸われた時に、一部記憶とか感情を共有できたんや。そん時にあいつは内面も綺麗な女だって分かった。ワイらしくないキザな物言いになってしまうが、過酷な環境の中で美しく咲いた花みたいだと思った。 
仮に仕返しとか考えてたとしてもな、そんな惨いことせんやろと思う。 もしも仕返しとかしてきてもこれからワイが死ぬまで一緒に生きるんやし、そのなんだ…… 夫婦喧嘩のやり方を練習する機会だと思っとくわ」

 横島のエヴァと歩もうとする覚悟に好感を覚えたジャギと大鳳は若干、非難の意識が薄れてしまい、次に出たジャギの説得の言葉もやや勢いがそがれた。

「修行の難易度を間違えて、大怪我したり死んだらシャレにならねぇぞ。横島お前は間違いなく、拳法で言うところの大怪我する鍛錬に挑もうとしてる」

「かもしれんな。ま、血を吸われた時に意識が混じったから分かるが、あいつはワイにべた惚れやからな。 ひどいことせんやろ。 それに今日は敬老の日やし老婆でもある恋人の我儘聞くのも出来た男の務めや。
恋愛は惚れた方の負けやからワイはエヴァおばあちゃんに完勝しとるわ」


 横島のその宣言を聞き大鳳とジャギは女性からの高すぎる好意で調子に乗り危機感が薄れている彼を、どうやってヘタレな部分を刺激してエヴァに謝罪させるべきか、知恵を巡らせると口を開こうとした。その瞬間、後ろの扉が開いた。

 入場してきたエヴァを見た瞬間、大鳳とジャギは横島を逆の席に座らせなかったことを心から後悔した。
エヴァの肥大化した情欲と嗜虐心の深い瞳を見れば、横島の殺し文句の様な告白めいた言葉と、調子に乗ったばあちゃん扱いの言葉がエヴァの耳に入ってしまっていたのは明らかだ。


「忠夫、前回の喧嘩は若干私が悪かったのにお前から歩み寄ってくれて、嬉しかったぞ。それで謝罪と礼を込めてデートの準備をしておいた。行くぞ」

 エヴァのいつも通りのぶっきらぼうで尊大だが、気を許している響きのある低い声に横島が顔をほころばせた。ジャギは忠告の言葉かあるいは腕づくで、止めるために席を立ちかけた時、エヴァがジャギにすら悟らせぬ歩法と速さでテーブルの横に来ていた。そして彼と大鳳にしか聞こえぬように言った。

『大丈夫だ。多分だが再起不能にはしない。 なったとしても私が責任をもって横島が抜けた穴は埋めてやる』

 合気道や合気鉄線術などで彼女から指導を受けたことのあるジャギは一瞬で今自分と大鳳は負けたと察した。女権国家では格下の戦闘員ですら、好感度ドーピンガがかかれば格上の男を瞬殺することがある。まして相手はエヴァである。
彼女の声の響きから、横島に後遺症が残る可能性は低いと踏み、エヴァが出ていき次第、ミクに連絡を取ることにした。横島の耐久力なら一晩くらいなら耐えぬける、と確信していたからこそ下せた結論でもある。



282 :名無しさん@狐板:2021/09/22(水) 17:02:29 ID:qOA/QSF/
 エヴァに連れられてデートをした横島は、様々な場所を歩き回り夕食前に食用となるモンスターを狩り終えるとエヴァの隠し城に訪れていた。

 考古学にも美術にもほとんど興味がない横島ですら美しいと思える景観に、そして小学生くらいの頃の様な冒険心を刺激される様な古城に心が浮き立つのを感じた。

「私と共に歩めば見飽きた光景となるだろうが、来ただけで心躍るうちに見せるのも悪くないと思ったのさ」

「エヴァ、ありがとうな」

 そういうとしばし、城を探索した後、エヴァの作った魔法薬の薬酒と狩った魔物の肉などのふんだんに使われた料理を食した。食べ終わると体中が熱くなり、汗が多く出た。不快な感じではないが発汗作用が強い様だ。


「大分汗をかいた様だな。 新陳代謝を活発にする薬品や体に吸収効率の良い栄養ドリンクに近い魔術的な薬酒をふるまったからな。風呂を用意してある、高価な薬湯の風呂を用意してあるぞ。今宵は食や風呂や閨ごと全てにおいて最高の快楽を与えてやろう」

 最高の快楽を与えてやろう、のくだりに不穏な響きを横島は僅かに感じたが、今日のエヴァの自分への歓待ぶりを見る限り、害意などないと横島は信じた。

 だがそれでも、小市民な彼には気になって仕方がないことがある。

「エヴァ、今日のデート費用っていくらだったんや? 全部エヴァが出してくれたけど、食材とか酒とかかなりした気がするんだが」

 割と高給取りな自分ですら払おうと思ったら凄くかかる感じがして、女性に全部出させるのは気が咎める。だが、割り勘でも払えとか言われるのは怖い。そんな横島の小市民らしい心配はエヴァの輝くような笑顔での返答が消し去った。

「気にすることはない。今日は敬老の日だ。私としてはただ若者が老人を敬うのではなく、老人の方も『敬意をもたれる努力』をする日だと思っている」


その優しい声と笑顔が、心地良い酔いと、料理を食して薄れた彼の警戒心を完全に消し去った。 今のエヴァからは怒りや害意は感じられない。 この時大鳳とジャギがもしも今の状況を知ったら、害意じゃなくて女権国家の女性が抱く快楽で意中の男性の大事な何かを砕く、もしくは溶かす好意だ、と叫んでいただろう。

 横島が風呂に入ると香りの良い幾つもの葉っぱが浮かび風呂の中にある爽やかな甘みの果実の絞り汁が酔いを醒ましてくる。 風呂の心地よさが前身の疲労を引き出し凄まじい脱力感を生んだ。 そこに大人の姿になったエヴァが裸で入ってきた。

 
吸血鬼の裸体の美しさは棺桶などが見つかった際の最後の防衛手段という言葉を思い出した。 エヴァを見ているだけで射精しそうになったが、エヴァの指から伸びてきた魔力の糸がそれを止めた。 アリスと同じく性的な快感を引き起こす糸だが
、二人の糸は質が違う。アリス産毛で撫でられるような糸だが、エヴァの糸は強く絞るような糸だ。彼女は笑いながら言葉を続けた。

「『お前の様なロリババアに欲情などせんわ』と言っていながら私の裸体を見た時に股座をおっ立てていたが、大人の私の姿を直視すればこうもなるか。相変わらずこらえ性の無い下半身をしている」

「しょうがないやろ、なんせエヴァは吸血鬼なんやから。他の同じくらいの年齢の娘やったらあんな風にならんわ」

 弁解しながらも横島はエヴァに散々に負け続けた恥ずかしい夜の数々を思い出した。成人形態のエヴァとの情事の際は部分、部分しか見ておらず、成人形態の全身を見たのはこれが初めてだった。

 エヴァは軽く体を洗うと横島の後ろに来て言葉を続ける。

「湯の疲労を引き出し回復させる薬効が強すぎて、動けんか。今宵は最高の歓待を与えると言ったのだ、二言はない私が洗ってやろう」

 エヴァはそういいながら横島の体を洗い始めた。時には指圧めいたことや撫でまわす様な事をしてきて、彼の体を覆いに反応させた。

 風呂から上がった横島は、全身が指圧の快感と風呂のもたらす脱力感で股間以外は指一本動かすことすら困難な状態になっていた。そして股間に全身の生気が集まった様な錯覚すら覚えるくらい、分身が元気になっていた。


 エヴァは横島を猫の子の様に抱き上げると大きいベッドに運んだ。

「私が魔力の糸で止めなければ、何度射精していたか本当に速すぎる」

 その言葉に横島は恥ずかしくなりそっぽを向いたそれをエヴァは顎を掴み自分の方を向かせると、目をのぞき込み入った。

「そういえば忠夫、私に仲直りを申し入れた時に言ってくれた言葉は、『今日は敬老の日だから、老人に尽くすのが若いもんの務めや。今日は尽くしぬいてやろう。だからこっちから頭下げるわエヴァおばあちゃん』だったな』」

 エヴァの言葉の響きを聞き横島は一気に背筋が寒くなった。今更になって大鳳とジャギの忠告の正しさが鈍った頭でも理解できた。 エヴァは成人女性形態のまま横島に抱き着くと分身を一息に飲み込んだ。それと同時にエヴァの魔力で出来た糸が横島の背中から全身に巡っていく。
飲み込まれた分身は心地よ過ぎるエヴァの内部で嫐られ直ぐに限界に達した。分身まで巡ったエヴァの魔力で作られた糸が無ければ射精が止まらなかっただろう。

「忠夫、お前の前世は自分も相手も気持ちよくして気の質を高め、女に霊力を譲渡する性魔術を使えたらしいな。 アリスの人形劇でもやっていたし、少し試してみるか」
 エヴァはそういうと、横島の体を動かし自動で性魔術を使わせ始める。

「エヴァ頼む許して」

 泣き声を聞き、余計に火が付いた様子のエヴァの顔を見て後悔した、横島に彼女は笑いながら告げる。

「言ったではないか、今日は敬老の日だから老人に尽くしぬくと。奉仕系性魔術の霊力の籠った体に良い精液と若さを保つために最高の血液を私に献上し尽くせ」

 性魔術を使わせられて体が繋がる感覚が余計に強くなり、射精と同時に分身からだけでなく、繋がっている全体から生気を吸い取られる快感が起り一気に脱力したが、夕食で与えられた料理がエネルギータンクの様に自分を回復させていることに気づいた。だが快感によって魂や神経は削られて戻ってこない。
むしろ射精の元が補充され快楽の拷問が終わらない恐怖の元としかならない。

「うむ。お前の霊気は良い次は上と下から同時にもらうか」

「え、まだ射精したばかりで」

 エヴァが自らの意思で膣の内部の壁を動かすと一気に射精後の分身が直ぐに前より多くの量を出した。さらに首に噛みつかれ血を吸われる快感が、余計に射精の量を増やす。
 首筋から溶け合うようにエヴァと一つになる様に彼女の感情が流れ込んできて、横島は心底敬老の日をネタにしたことを後悔した。自分の言葉を聞いた際の嬉しさなども伝わってきたが、その嬉しさの方が大きかったから、歓待自体は本物になった。だが意中の男である自分からばあちゃん扱いされた怒りは消えたわけではないのだ。
 彼女が自分をどれほど今日嫐り尽くそうとしているかその意図が伝わり全身が震えてくる。


283 :名無しさん@狐板:2021/09/22(水) 17:04:48 ID:qOA/QSF/
 覆いかぶさり血を吸っていたエヴァが不意に横島から離れると裸体を横島の前に見せた。

「情事を続ければお前の尊厳が死ぬことになる。 それが嫌なら逃げろ」

 吸血鬼の体は魔性の美術品でありその体と吸血行為は麻薬にさえ近い。エヴァは裸体を見せられただけでも抵抗できないのに、血を吸われ体を味わった直後で逃げられるはずがない。 
敢えて自分との情事の危険さと無様さは認識できるように快感での精神の破壊具合を下げた上で彼女はこういっている。

 必死に抗おうとするが下半身だけは力が入りそこから強制的に引っ張られるように自分の体はエヴァに向かっていく。 逆らえずそれでも逃げようとして異常にゆっくりと彼女に近づいていく形になった。 
そして彼女は意地の悪そうな美しい笑みを浮かべながら時々ゆっくりと回転して見せてくる。
 エヴァは血を吸われた時に自分が強すぎる快感でこれ以上快感を与えないでと思った瞬間を見計らって乳房を押し付けたり、尻をもませて追い打ちをかけてきていた。その際にどれほど強い快感が自分を襲うか彼女も感覚の共有で知り尽くしている。

 首筋の傷の繋がりがエヴァの今の心理を告げている。ゆっくりと回り体のさまざまな部分を見せつけているエヴァは拷問道具を捕虜に見せている拷問好きの工作員と似た心理状態だ。 彼女は近くまで来た横島にディープキスをすると、
いかなる無残な結果が待っていても体が押し倒しにかかる状態になった横島を、体を倒し受け入れる体制を作った。

 先端が入った瞬間強すぎる快感に泣きそうになりゆっくりとした動作になり始めた横島に、棘のある嗜虐を愉しむ声で告げる。

「私は一気に深く突き入れさせられてもだえるお前の感情が好きだと前に行ったはずだ。今日は敬老の日なのだ。 宣言通り老人に着くせ」

 そういうと、吸血鬼の怪力で横島の腰を押し無理やり一気に加えこんだ。

「ぎぴゃぁ!」

 奇声を上げて射精した横島を両腕両足で、絡めとり止まらない射精を背中に回した手の指から糸で調節しながら、エヴァは笑いながら言葉を続ける。

「私の敬老の日だからこその『敬意をもたれる努力は』どうだ」

 エヴァの言葉に対する横島の返事は言葉にならない悲鳴めいた奇声だった。横島の頭の中では、女権国家の男ですら口にするのがためらわれるほどの、卑屈な謝罪の言葉の嵐が飛び交っている。エヴァはほとんど正解に近い理解をしながらわざとらしく、分からない風に首をかしげる。

「私はおばあちゃんなせいか耳も遠い様だ。何を言っているかわからんな。そうだ血を飲んで感情を共有すれば分かるかもしれんな」

 これ以上の快感を送り込まれると危ない。そう思い怯える横島の表情をエヴァは楽しみながら、無慈悲に首筋に再び牙を突き立てた。
 
血を吸われ始めた瞬間、首筋からの快感が射精の勢いをより強め、そしてエヴァの内面の感情が流れ込んできて彼を余計に絶望させた。 以前吸血された時に横島が下した評価も間違いではないが、彼女は惚れた男である横島に自分の強すぎる情欲や嗜虐心は隠していた。
それでもエヴァへの想いは揺らがなかったが、ばあちゃん扱いされた時の、エヴァ当人ですら横島に対して理不尽だとは思いつつ、抑えられない女としての深い怒りが伝わり、恋愛という戦争で自分を完全にへし折り膝間づかせぬくまで許す気がないことが今になって分かった。

 いったん首筋から牙を抜き横島から離れるとエヴァは笑いながら横島を見下ろし言う。

「私の本心が伝わったか、だが安心しろ。敬老の日が終われば流石に許す。老人に尽くしぬく義務があるのは今日だけだからな」

「エヴァさん、いえエヴァ様、ワイが悪かったです。エヴァ様はいつまでも見かけと変わらぬ心を持った妙齢の女性です。 そんな素敵な女性相手にあんな最低の仲直り言葉をかけてすいませんでした」

 足に縋り付く横島にエヴァは無慈悲な宣告で返した。

「その言葉大分遅かったな。 もうお前をいじめぬくことが最高に楽しくなった後だ。 『敬老の日が終われば許す』から今日だけは耐えろ」

 エヴァはそういうと一旦、横島のそばを離れた。

 不意に横島の体にエヴァとは別の魔力で出来た糸が入り込んで来た。産毛の様な性的快感は間違いなくアリスのものだ。振り返ると金髪の美しいショートカットの髪をしたやや人形めいた美女、アリスがいつの間にか現れていた。彼女は楽しそうな笑みを浮かべながら言う。


「忠夫、ごめんなさい。私も人形関係でエヴァさんと技術交換しているし、借りがあるから今日は手伝わなきゃダメになったの」

「アリス、自分で横島を操りながらやるのも良いが、私も性魔術に宣言したいから頼む」

「ええ、任せて」

 エヴァの魔力で出来た糸が全てで言った後、アリスの糸が体に入ってくると、横島の前身が再び前世が使っていたという性魔術を使い始めた。エヴァも男をへし折り従える性魔術を使いながら対面座位の騎乗位で乳房を押し付けつつ舌を絡め横島の分身を飲み込んだ。
最初から糸で操りエヴァの尻を揉ませなかったのは、射精して性的快感が限界を超えた瞬間に追い打ちをかけるためだと、横島には分かった。
 つながったまま首筋から血を吸われ、アリスの糸で動かされた手がエヴァの尻を揉みしだきどこか別の場所に自分の魂が飛んだ感覚を味わうと、彼の意識は沈んだ。

284 :名無しさん@狐板:2021/09/22(水) 17:06:44 ID:qOA/QSF/

 そして目を開けると、エヴァが少女の形態に戻っていた。

「あのぅエヴァ様、何をしようとしているのでしょうか?」

「お前の血を飲んだ時に分かったが、あちらの形態とこっちの姿与える快感は別種類だがどちらが劣っているという訳でもないのだろう? ならこっちの姿でも可愛がってやろうと思ってな」

 そういうとエヴァは王国では恥ずかしい女性優位の体位で横島を一気に絞り始める。少女となって小さくなった彼女の秘所はより強く横島を絞り、やや顔を上向きにして首筋から噛みついた牙が再び血を吸い始める。少女の姿だろうと大人の姿だろうとエヴァには勝てない。
それを理解し心が9割近く折れたところで、アリスのストップがかかった。

「エヴァさん、 これ以上すると忠夫が折れちゃうわよ。それに体だけでも回復させないとそろそろ危険よ」

「む、そうか少し嗜虐心のスイッチが入りすぎていたな」

 エヴァはそういうと悠々とした様子で風呂場に歩いて行った。アリスは優しく横島を抱き上げると、再び風呂場に彼を運び始める。

「忠夫、女性におばあちゃん呼ばわりがどれだけ危険かわかったでしょ。今後はもう控えなさい」

「アリスちゃん、ほんまに止めてくれてありがとな」

「懲りたなら良いから、それじゃあ体を洗ってそれが済んだら食事なさい。色々と吸い取られ過ぎたでしょう」

 その後、横島は風呂に入り再び豪華な食事を食べて、全身の生命力が回復したのを味わい尽くした後、アリスとエヴァに寝室に連れてこられた。アリスが悪戯が成功した小悪魔の様な笑みを浮かべながら言葉を言う。

「忠夫時に、思ったんだけど今日は敬老の日だからとエヴァさんに宣言していたけど、実は私魔女として覚醒してからは、何十年分も魔女として生きた記憶もあるの」

 アリスの言葉に横島は背筋が一気に寒くなり始めた。怯える横島を愛でるように彼女は言葉を続ける。

「つまり、私も敬老の日の対象内よね」

 そういうとアリス心底楽しそうな笑顔で服を脱ぎ、魔性めいた美を誇る魔女としての裸体をさらした。

「おばあちゃん扱いされたのはエヴァさんだから最初の一回は全部彼女に譲ったけど二回目は私も混ざる約束だったから、魔法の薬酒や料理で回復したからさっきと同じくらいは持つでしょう」

 その問いに横島は怯えながら答えた。

「体は回復していても、快感で削られた精神は全然治ってないんや」

 言い終わる前にエヴァの魔力で出来た糸が体に入ってきて横島をアリスに近づかせた。勝手に動くからだが乳房を揉みしだき、尻を絞る様につかみ固くなった分身を彼女が迎え入れると、エヴァが横島を完全に操りアリスに対して性魔術を行使させた。 
一度の射精で魂の大半が持っていかれた様に虚脱状態となった横島をアリスは幼子にするように撫でた。

「うん、こっちが一方的に性魔術で搾り取るのも良いけど、捧げられるのも悪くはないわ」

 アリスが与えてくる快感は魔力の糸と同じく脱力させ堕落させて来る、危険さを伴う快感だ。
エヴァのどこまでも強く屈服させて来る快感とは真逆に近い。エヴァが今回彼女を呼んだのは、自分が与える快感とアリスが与える快感を順番に与えれば、横島がなれることがないと踏んでだろう。

 二度目の射精が起ると、アリスが離れ今度はエヴァが横島と繋がった。 少女形態の彼女にすら勝てないという認識と、小さい少女の体であるがこその成人形態とは違う絞るきつさが彼の射精をより激しくした。

「少女形態の私は絞り方がきつすぎるか。では大人になってやろう」

 その言葉を聞き横島の顔色が怯えに支配されたが、エヴァは構わず成人形態になる。その瞬間、乳房を胸に押し付けられる感触が彼を襲い再び激しい射精が起る。

 交代を繰り返し甘やかし蕩かすアリスの性行為とエヴァの強すぎる快感でへし折り尽くす性行為を交互にされて、横島が完全に折れた時エヴァと彼が同時に達し横島が意識を堕とした。

 自分の体内時計で一日が終わった。ことを確信すると、横島はほっとした様子で自らにまたがるアリスに言った。

「エヴァ、一日が終わったからもう終わりだろ」

「うむ、宣言が終わった以上はもう終わりだな。 諜報員として長く戦ってきたお前の体内時計は信頼できるからな」

 そういうとエヴァが手を振り外の世界に戻った瞬間、横島は絶望した。時計の針の時間が殆ど進んでいない。それだけではない、明らかに自分がエヴァの隠し城に着いた時から一時間くらいしかたっていないことに気が付いた。

 わざとらしいエヴァの声が後ろから響いた。

「そういえば私の隠し城は外界とは時間の流れが違っていたな。まだまだ敬老の日の奉仕を私とアリスは受けられるか」

横島は一瞬でみっともないくらいに土下座して叫んだ。

「エヴァ様お願いです。どうか残りの時間は外界で」

 エヴァは土下座する横島を愛と嗜虐心と見下す心の混ざった目で見降ろしながら、笑みを浮かべ言った。

「ふむ、今までの時間で夫婦喧嘩のやり方なども学べた上に、残りの時間は敬老の日らしく老人に尽くせる。実に有意義な一日だな。忠夫」

 性魔術で霊力を注がれ美しさに磨きがかかり威風同党としたエヴァとアリスに霊力と血と性を吸われ尽くされて、一回り小さくなり土下座する横島。この光景を見たら預言者でなくても分かるくらいに、未来の夫婦生活がどうなるかを示していた。


285 :名無しさん@狐板:2021/10/14(木) 22:46:55 ID:VuwLQMTp



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雑談所
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286 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/10/18(月) 22:45:52 ID:Ire8a+lD







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        l _―-_,... _.     }          l: : :/   ll   ヾ三マ三三 ': : :/!/        /         l, l.| | .!: l ;;│; | ./  ! ヽ             \   l .l
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             / ,.'"     ヽ   .      i: :i    `/´ ,/マ:i三ヲi:./ マ!l!       l         .|i、 ゙、|'ti、.:::...; /   /. .!  .ヽ     _.. -''"´: : │  !
 '                /       ゙、        i: i    ‖ ,〃 ヽ!_/'!;  マ! .,,     /          . l.\  `''''''l″  .,i  l   ゙!,i-‐''゙゛: : : : : : : :./  .!、
                /\、        ヽ       ` ー   i 〃    // l!  ll、lll j!    '            .!. ゙'-   !  .__,,゙.. -'ヘ   .ヽ: : : : : : : : : : ./

                                   【女権国家諜報員日月抄】

#上の三人が女権国家で頑張ります

#Mシチュ専門、NO逆転
#【歓迎】 合いの手 ・ 感想 ・ 支援 ・ 展開予想 ・ 批評 ・ 改善提案 ・ 要望(Mシチュに反しないものに限る)
#まとめフリー

前スレ

「初スレです」

過去スレ

「初スレです」


まとめ
やる夫エッセンシャル様
ttp://copymatome.blog.fc2.com/


雑談所:女権国家の考案はここが元で、スレ主以外もMシチュネタを自由に投下できます
Mシチュ関係の雑談はこちらで延々やってます
ttp://yaruoshelter.com/test/read.cgi/yaruo001/1616338113/




287 :名無しさん@狐板:2021/10/30(土) 23:31:53 ID:3cpv8Ax2
魔女と百騎兵紹介文
魔女と百騎兵はネタバレすると面白さが激減する内容で、操作性とかは悪いとファンたちからの、
間でさえも言われているような、内容のゲームでした(PS3版に限る)自分がやったのはPS3晩だけなので、
そっちの事しか言えません。邪悪な魔女にこき使われるペットの様な使い魔になるダークファンタジーという、
触れ込みで偽りはなかったけど、最終的にペットみたいな使い魔である主人公が、実は魔女メタリカより凄い
地位っぽいことが明らかになってしまうという。メタリカの地位が低いのではなく百騎兵の立場が凄すぎた感じで。
しかも、見ようによっては彼女にこき使われまくっていたのは、主人公が彼女を見初めた上位者で我儘を聞いてあげてた、
だけみたいにもとれるという。

しかも終盤彼女が良い娘であることがわかり始めたころに弱点を突かれた彼女が捕らわれて、ゲス男に乱暴されたと思われる
描写もあるという。

Mとしての期待を完全に裏切られたけど、ストーリー自体は凄く面白かったと感じられました。ただ、主人公の方が上位者である
事がわかって、人間形態とかがあっても、M的な展開は無理だなと自分は思え残念でした。基本的には彼女が 悪逆やることもあるけど、
ひどい目にあうことの方が多いという。スレ主さんにはかなりきつい話だと思います。

288 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/10/31(日) 22:22:40 ID:Y8Y/G9e+


                                         。£。
                :y’                     (⌒Y⌒) 、                     ‘y:
              〆) , 。:,        p0q  ,((__))人((__,))  p0q         。:,     (〆
               ‘⌒!、⌒'y((        〃⌒`Y⌒))x⇔8⇔x(⌒Y´ ⌒ヽ       }}y'⌒ _,,ノ⌒’
                  ッ  'y((⌒\」jj_从人___,)゙ナ=彡'⌒  '⌒ミ=弌゙(___,人从_jjLノ⌒))y'て¨⌒ヽ
    :⊂二犯⊃=====─(⌒Y  ´´´¨““““““““⌒¨⌒   V   ⌒¨⌒““““““““¨```  Y⌒))c─=====⊂ニ箔⊃:
                _))$                                  $((_,:
.           ;⌒ ,  ,y'⌒メ、                                  y'⌒ヽ   , ⌒;
             }   ‘y弋_,,))い         女権国家諜報員日月抄           ん ((_,ノ y’   {
    :⊂二犯⊃弌=─、 。。. }                               {  。。.jノ'─=弌⊂ニ箔⊃:
         ッ´    ッ`Y⌒ ,ノ                                 ‘.`Y⌒ヽ    `ヽ
      ⌒Y           iC´                                      ゚F         Y⌒
       丿        抓 V         ,ィ〔 _..,      ,._   〕x,          V 抓          丿
.   :⊂二狽ノ⊃==─y─;{i圦         ,ィ{ミh升ミ、    ノ洲iム,イ{iム             ノj儿)__)y─==⊂に箔⊃:
        (    ッ´厂 シj乂ヽ   .     {!゛ (淡(⌒ヾ  〃⌒心} `i}!           ん(艾⌒j厂`ヽ    )
         ` c{;   _,ノ'゚゚’ }}        !  ヽi圦  (;;;Y;;;) 厶マ  リ           {{ ゚゚’      ;}c ´
           人,__)  ,'⌒  jリ            .h。 `Y´ ,ィi                  ‘. ⌒ヽ  (__,人
            )   八__,,x代ミ,,__ _          ヽ 〃               _ _彡.,__,ノ   (
                 ‘¨)八,,_ _          ,ィi{i} {!}h。            _ _彡((¨’
          ,,_     (__((_,,.」U山⊥乢[_jノ_彡           ミミ、j_]U山⊥乢[_,,,))、__)    _,, ..
               `';   `“¨≫''"””¨ア⌒ ー===彡   V  ミミ===一 ⌒ヾ¨””"''≪¨”W    ;'´
          ,,_,,J(,_ 彡´    {{(__)ノ戸ノノ⌒)x⇔8⇔x(⌒乂 气((__)}}      `ミnn_,)J,,_,,
.         ン( ̄”            (_`_彡       彡仆ミ       `ミ,,_' _)       )       “ ̄)く
        ‘                  ̄       _彡仆ミ,,_        ̄                 ’
                                   ‘:’


289 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:06:48 ID:57B+xd8z
ハロウィンが最厄日な男の三年目の上書き快楽地獄

 このSSは横島主人公の女権国家の二次創作SSです。

以下の注意点があります。 

展開捏造しています。作者であるスレ主さんの許可があったけど、横島のヒロインとしては、数えられていない魔女と百騎兵というゲームの主人公がヒロインの一人として出ています。

ダイス次第で変化するヴィヴィオの出自がこのスレだと結構特殊な出自となっています。ヴィヴィオの出自は本編開始後ダイスで決まることになっているので、これはあくまでもパラレルワールドです。

魔女と百騎兵のメタリカの設定を流用して多少変化させています。

ユウキの設定にソシャゲネタを使っています。


 ハロウィン当日となり激しい喧騒がとどろく女権国家の喧騒の街並み、そこにあるアパートの一室で女権国家で多大な、戦果を上げた王国の、諜報部の三人、大鳳、横島、ジャギが顔を突き合わせていた。 大鳳とジャギは頭を悩ませた様子で、
横島に対していかに言葉をかけるかを思案している。 大鳳は申し訳なさそうな様子だったが意を決した様子になると彼に声をかけた。

「忠夫こんなこと言いたくないけど、ハロウィンの招待状が来ているよ。相手は、ヴィヴィオ殿下――」

 大鳳が言葉を、言い終わる前に横島の叫び声が返ってきた。

「いやや!ハロウィンの怪異退治の依頼でワイは重傷を負ったって、答えてくれんか仮病ならぬ仮傷(けしょう)を頼む。いや、ハロウィンには逆レとかせえへん、普通の魔物も暴れるからそこに出撃して本当に大怪我してくるわ」

 『今年』の横島以外がそんなことを口にしたら、大鳳とジャギ、特に武道家であるジャギは激怒して叱り飛ばしていただろう。実戦でわざと怪我する奴があるか、そんな器用なことはできん。できても周りにどれだけ迷惑をかけると思っている、と。
だが 自分達にも幾ばくか落ち度がある状態で、去年のハロウィンに横島があった女権国家の快楽地獄を思えば、強くものが言えない。何より今の横島は女性に対する煩悩並みに高められた、ハロウィンから逃れたい一心で、
自分より強い怪異と戦い勝つだけじゃなく、明らかに故意に見えない形で、重傷を負うという離れ業をやってのけかねない気がする。

 ジャギは二人のやり取りを鍛え抜かれた獣すら連想させる筋肉に包まれた、巨躯をそれに似合わぬ、情けない様子で重心を移動させていた。今の情勢を思えば、大鳳と共に横島を説得しなければならない。
だがそれでも武人であり正しい意味での侠客に近い気質な彼にしてみれば、明らかに自分の落ち度が大きい形でトラウマを負った同僚に強くものを言うのは気が咎めているのだろう。 しばし悩んだが言わなければならないと覚悟を決めると彼は、口を開いた。

「横島、それやっちまったら自体は凄まじく悪化するぞ。 ヴィヴィオ殿下が仕事の全部を片付けて、知り合いの貴族の娘たちとお化けの格好で来てトリックオアトリートをしまくってきて、さらに国宝レベルの治療薬を渡されて借りができて逃げるのが無理から、不可能に格上げだ」

 彼女は女権国家でも未だに影響力が強い王家の聖王のクローンである。彼女は女権国家に婚姻というハニートラップに負けて統合された王家の血筋であり、神の血も引いているため、女権国家の一部の宗教と貴族たちに影響力が強い。
 横島が彼女を助けて落としたことで、彼女を担ぎ上げている勢力の大半が王国に対してハト外交寄りになっている。

 言われて気づいた様子の横島を見て、ジャギは心の中で大きなため息をついた。普段の横島なら気づかないはずがないことだ。むしろこういう政治情勢や経済情勢を配慮することは彼の方がジャギに正しい忠告をしてくれる方なのに逆になってしまっている。

 戦場での機微に関して彼や大鳳が気づかないことはジャギが教え、政治情勢で読み取れたことは彼が教えてくれる。たった一日だけとはいえ、彼の頭脳が機能しなくなるのは意外と重い負担なのだな、と思った。そしてなぜこんなことになったのか、
とジャギは去年の失態のせいだという答えが浮かび上がる。そして去年の自分を殴り飛ばしたくなる衝動が走った。気が咎めた様子で決定的な説得の言葉を吐き出すのをためらっている大鳳も同じ心境なのだろう。


 二年前のハロウィンは様々な怪異が暴れまわり、子供たちに好かれた横島は、彼らの身内である美女とそして子供たちの為に凄まじい活躍を見せた。その時の横島は怪異に関しては、ジャギを明らかに上回る働きを見せて勝利をもたらした。
それによりハロウィンの諜報活動が大戦果となり、そしてその大きすぎる大勝利が今の状況を生んだ去年の失態の遠因でもある。

 去年はハロウィンの事件があまりにも大きすぎた。怪異の暴れ具合がハロウィンでもめったにないほど凄まじい状態だった。予想が不可能だった大きな理由は、ハロウィンの怪異は王国側を攻撃したのではなく無差別攻撃だった為だ。
状況を理解した女権国家の長保部は、王国も同じ状況だから自分達に手を出す暇なしと判断し協定無しの休戦状態となった。

 その際に王国の諜報部本保が襲撃を受けて連絡が取れなくなった時、大鳳が彼らの部隊の最高責任者となった。本部が手薄な状況だったが、大鳳は迷わず怪異退治とそれによって恩を売り女権国家の警邏隊や宗教組織を王国側になびかせる方を選んだ。

「どんなに手薄でも、ミクさんが勤務している時間だよ。落ちるわけないよ」

 大鳳のこの言葉が決定打となり本部に援軍を出そうとする意見は出なかった。

 そしてその時の振り分けは、横島に承諾なしに彼を負担が大きく援軍も遅れやすい場所に送った。これは別に彼に含むものがあったからではない。二年前の大金星時の彼の活躍が記憶に残りすぎて、大丈夫だろうと油断してしまったためだ。
事実それは横島も同じだったようで、大鳳にそれを通知された時、彼が言ってきた文句は『殺す気か!』と言う様な内容ではなく『もう少し楽をさせろ!』という内容のものだった。

 その慢心の代償は大きく、横島は街を荒らす怪異に大戦果を上げ、大鳳立ちより先に片づけて大鳳たちの援軍に来ようとしたところを、共闘していた魔女たちにとらわれてすさまじい快楽地獄に放り込まれた。 
一昨年横島が助けたまだ子供な少女たちがこの為に一念魔女の修行をしていてそれに加わったと聞き、大鳳とジャギは女権国家の女性は子供でも油断できないと痛感した。

 アリスとは外交上付き合いは合っても派閥の違う魔女たちの仕業だったことが分かって、激怒した横島と親しい女性達をハロウィンのメタリカという沼の魔女がとりなしてことを終えた。

 大鳳たちは詳しく聞かなかったが主犯でありながら去年横島と共闘し、親しい中になったそうだ。アリス達に他に彼を想う女がいることを知らなかったことを証明し、横島も含めた被害者たちに惜しみない賠償を支払ったそうだ。
 重過失であってもわざとではないと分かると、切られて当然の身内を助けるために高価な魔法アイテムなどを惜しみなく払う当たり、相当に身内に甘い性質な様だ。


 ジャギが去年の失態を思い返し終えると、大鳳が覚悟を固めた様子になっている。彼は横島に口を開いた。

「横島、今の外交上ヴィヴィオ殿下の派閥は多くの王国の諜報部員と市民の安全と幸福にかかわっている。だから諜報部である以上その招待を断ることは――」

「別に断っても大丈夫よ」

 不意に聞こえた女性の言葉に振り替えると、ミクが大鳳とジャギの後ろにいた。声を掛けられるまでまったく気づけなかった事実が、かつてより段違いに強くなった今でも、彼女に敵と断じられれば自分たちは即座に命を落とすと実感させられる。

 救い主を見る様な目でミクを見つつ疑問の表情もある横島に彼女は言葉を続ける。

「ヴィヴィオ殿下は本気であんたを好きなせいか、去年の事を思えば出たくないのは仕方ないと思っているようよ。わざわざ私に無理強いしない様に釘を刺しに来たわ」

 それを聞きジャギと大鳳はその場にいなくてよかったと思った。ミクは聖王の血に目覚めたヴィヴィオを負けることはないけど、余程運が良くなければ一蹴は無理と評価した。そんな怪物めいた女生とミクの対談の場にいたら、胃がどれだけ削られたかわかったのもではない。

 それを聞き横島の顔が罪悪感で歪んだ。横島にとってはどれ程強くなっても、彼女は最初の庇護対象から外れていないのだ。 しぼんだ勢いで彼はうなだれ答えた。

「とりあえず何時までに返事せなあかんか教えてください」

 横島の返答にミクは黙って手紙らしい書類を渡した。それを受け取り部屋から出ていく横島を見て気の毒に思う大鳳とジャギにミクが不意に声をかけてきた。



290 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:11:01 ID:57B+xd8z
「あんたたちまだ去年の失態を引きずっているわけ」

「この時期までは思い出すことは稀でした」

「まあ、あんたたちの主観だとあいつがああいう目にあったのは、自分が9割くらい悪いんでしょうけど、私から言わせるとあんたたちの責任が6割くらいでどう厳しめに見ても、7割程度よ」

「はい?」

「4割か3割くらいはあいつが悪いわ。 抗議しなかったのは、無茶振りされた時に2年前の圧勝のイメージが強すぎてそうなるって勝利する自分以外は思い描けなかったんでしょう。ちゃんと自分の落ち度を認めるのも大事だけど、
過度に罪悪感を抱くと冷静な判断が下せないわよ」

「そうですかミクさん」

「ええ。その証拠に幾つも戦場を見てきたエヴァもあんた達を責めなかったでしょう。 彼女多分それなりに忠告していたから、横島の失態に結構怒ってたのかも、まあバカすぎるとかまではいかない失態だったし、
臨時とはいえ上司と同僚の失態の方が原因として大きすぎたから、それほど責めなかったかもしれないけど」

「しかし、ヴィヴィオ聖王殿下も女権国家の女性でありながら、すごく自重できる娘なんですね」

「違うわ。ああいった方があいつがハロウィンを欠席しないって人を見る目のある王様らしい思考からよ。あれ」

 横島はアパートから出た後ハロウィンで騒ぐ街の喧騒を見ながら、凄まじく落ち込みながらオープンカフェに入った。この店は基本的に良識派の女性が集まりやすい場所であり、横島に恋愛感情がない上に去年と一昨年のハロウィンに横島に助けられた女性が殆どだ。
店のマスターも例外ではなく、お通夜状態の横島を見て事情を知る常連と店員たちが一人になりたいのだろうと、察して距離を取った。気分を変えたいだけで一人になりたい感情はそこまで強くなかったが、その気遣いをありがたいと思い普段客があまり集まらない席に着いた。


 しばらく落ち込んだ様子で紅茶を頼み飲もうとしたら、不意に低い知的な声が響いた。

「キヒヒ、随分と辛気臭い顔をしているな。一応はヴァルプルギスの夜会の魔女の恩人とは思えぬヘタレぶりだ」

 声に振り替えると、ハロウィンのトラウマの中では一番軽い相手であり、何度か共闘し恩を受けた沼の魔女メタリカがいた。 彼女は肌寒くなった時期にもかかわらず十代前半の見かけに不相応な豊かな胸を隠しているだけにも見える胸当てに、
太ももの見える穴をあけたズボンに身を包んでいる。頭の上にのせている宝石らしきものがはめ込まれた横幅の大きい三角帽子が、彼女が魔女であることを示している。彼女もまた人外でなければ寒いと思うのだろうか、
と思考がずれかけた横島の視線に申し訳なさそうな顔をした店長が写った。恐らくは入店の許可が出た瞬間にテレポートしてきたのだろう。

 横島は一瞬だけ考えると、同席に異論がない旨を店長に伝えた。 彼女とは何度か体を重ね強すぎる快感でトラウマを作られたが、一応合意の上だったしそこまで深いトラウマもない。 
恐ろしいとは思うが魔女の中では善性で恩人認定した相手に非道なことをスルタイプではない。 
何より自分に恋愛感情を持っていないと思える相手だからこそ盛らせる愚痴もある。

「メタリカ。 今回俺の所に来たのは偶然か」

「そんなわけが無かろう。 一応お前は借りのある相手だからな。ハロウィンにまた変な相手に襲われたりしない様にしてやろうと思ってな。何か悩んでいる様だな。多分アリスやエヴァの奴に打ち明けられない事なのだろう。
私に話せ。不出来な弟子共の悪行を不問にしてくれた借りもある。場合によってはただで何とかしてやろう」

 口を開きかけた、横島にメタリカは何かを思いついたように不意に言葉をさえぎってきた。

「言葉が正確でなかったな。 ただでと言ったがそれは金品などの報酬は求めない、ということだ。 わが弟子たちの行動を不問としてくれた借り今回の依頼で完済とみなす胸の言質をもらおう」


 依頼のこととなると厳格な部分を見せるこの魔女に依頼の内容を話すことを考えてまとめてみた。

「実を言うと俺、去年のハロウィンで魔女の使い魔というか、魔女の守護騎士にされちまったじゃないか」

「ああ、実に見事な騎士ぶりだったぞ。まだ未熟だった魔女たちが良くああできた者だと感心した。お前自身の能力高さもあったのだろうがな」

「俺を逆レして快楽を与えてきた魔女たちは快感で男の心を壊し虜にし、力を引きだし、自分たちは後方から援護する方の魔女術を使ってきていた。 彼女達は男が壊れず、いや壊れても能力は失われない様にするその手の拷問のプロだったやろ」

「ああ。 快感を与える能力は誰が一番か議論が難しい。だが男の壊れるギリギリなどを見極めて虜とする魔術知識はあの者達に勝るものは中々いない」

 ハロウィンの夜一応はメタリカの派閥であるその勢力の魔女たちに輪姦された。中には彼を得るためにそこに所属した。少女や女性達もいた。その後エヴァとアリスとリグルとヴィヴィオとユウキに救われたが、
その後の敗戦処理ならぬ勝った後の戦後交渉難航したのを覚えている。 横島が誰のものとも言えない状態であったためにアリスやエヴァのものである印があれば手を出さなかったことと、彼を得るために魔女の術を覚えた女性達に情を捨てられなかったことなどもあり苦労をした。 

結局最後は目の前の魔女が交渉に乗り出してきて、双方に遺恨なく裁いた。ユウキが特にごねていたが、自分たちから悪意を持って寝取ろうとしたわけではなく、本当に関係を知らなかったことと、
横島に恋愛感情のない魔女たちも新しく出来た弟子たちの恋の成就に協力するつもりで彼を快楽漬けにしたことが決め手となり、メタリカの賠償金と何度かただで冒険への協力をする条件で手打ちとなった。


 恋人がいないと思って彼を快楽で蝕んだが、事実関係が分かってからは正式に謝罪し、彼女がユウキの冒険を手伝う際にかなりの回数を共闘した。 
ユウキの病を治すために一時的に使い魔であるインプにして二人係で襲われた時はユウキの方には愛のある性交だったにも関わらず大きなトラウマになるレベルの快感を与えられたものだ。

 ここまで考えて、横島は目の前の彼女が自分に恋心を持っていないと感じだからこそ打ち明けられると思い悩みを口に出した。

「実を言うと俺、去年のハロウィンの彼女たちの性交が癖になっちまったみたいなんだ。 俺に惚れてくれてた魔女たちとの性行為も気持ちよかったけど、『早く快楽堕ちして私の弟子のものになりなさい』そんな感じの犯され方が癖になってしまった。
そして彼女達は俺が壊れないギリギリを責めることに関しては、すごかった。そのせいか手加減して送り込んでくる彼女たちの快感が僅かだが物足りなく感じちまう」


「本気で好きになってくれる彼女達に失礼とか思っているわけか。それでどうしたいのだ?」

「ああ。特にハロウィンになると、どうしてもトラウマと、あの快感が思い出されてしまうんや。自分を真面目に好きになってくれている女性を前に、事務的に堕とす性交してきた女たちの方を重く見ながらデートとかしたくなんや。 
ちゅうわけでメタリカ、できれば後遺症が残らない形で性交の記憶だけ消してくれないか。そうすれば彼女達に不実な感情を持たずに済む」

 メタリカの声が不意に真面目な声音になった。

「そう依頼するなら受けてやろう。だが勧めはしない。 お前に好いている女たちと話し合って決めるべきことだ。 それにな、記憶を消された経緯を覚えていれば、混乱などはなく自分が消してもらったと思っているから焦燥感などはないだろうが、好奇心は消えんぞ。
 自分が受けたらしい凌辱はどんなに気持ち良かったんだろう、とな。 そうならない様に計らってやろう。恋人たちとの関係の改善を依頼とすることを進めるぞ」

 横島は少し悩んだのちに頷きメタリカの言う通りの依頼内容を口にした。

「キヒヒ、確かに依頼は受けた。 それではヴィヴィオ聖王陛下の招待に応じると良い。私も今夜は同行してやろう」

 そういうとメタリカは立ち上がった。彼女の視線の先にはどこかエヴァと似た金髪のきつそうな目をした美女とアリスに似た青い服を着た少女がいた。

「あちらは雪姫とアリス、最近できた友人だ。お前の最近の悩みにただならぬ興味があったので連れてきていた」

 横島はそれを聞き魔女の集会の関係者か、と思った。去年横島が受けた仕打ちは魔女たちの間でも、恩を仇で返した逆レ事件として不祥事扱いになっているらしい。良識派の派閥に所属していれば気に掛けるだろう。
 エヴァとマーガトロイドに雰囲気が似ていると思い少し気になったが、声をかけるより先にメタリカが杖を振ると三人ともテレポートしてしまった。



291 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:13:29 ID:57B+xd8z
メタリカに依頼ができて気が少し気が軽くなった彼は、ヴィヴィオやアリス達が嫉妬でタガが外れ壊される恐れが完全にゼロになったと思い大分気が楽になった。

ヴィヴィオの呼び出しに応じた横島を最初に出迎えたのはメタリカとユウキだった。

「キヒヒ、忠夫来たか、私からのプレゼントだ。ユウキをと話してみろ」

「忠夫久しぶり。 メタリカの使い魔を卒業して独立したからこれからは外れていた分の穴埋めを頑張るよ」

 様付けしてない時点でユウキが独立しているのは明らかだ。もともとメタリカが彼女を一時的とはいえインプに変えて、使い魔にしたのは賠償の為の延命行為だったから独立させる手助けは惜しまなかったのだろう。 メタリカは無体はしないだろうし、
そこまでひどく拘束していなかったとはいえ、彼女が完全に自由になった姿を見て横島の気が一気に軽くなった。

 ヴィヴィオも元気そうに駆けてくると横島に挨拶をしてきた。

「横島、トラウマ持ちなのに私の誘いに応じてくれてありがとうございます。 今日は大いにハロウィンを楽しみましょう」

 ヴィヴィオに誘われたあと、横島は今年のハロウィンの趣旨の説明を受けた。魔物や妖怪の中でもそれほど性質の悪くない存在達が分霊を送ってきたり、殺されても魔界に送還されるだけの状態で暴れまわり、
倒されると子供たちに配られるお菓子に病除けなどになる良質な霊気となって入り込むそうだ。 そしてその霊気が宿ったお菓子が倒された怪異のいた場所に出現する仕組みになっているらしい。

 大人な魔物達もこの日ばかりは子供にやさしくする気になったらしい。2年前は大勝とはいえ巨悪と戦い、去年は巨悪に勝利した後、魔女たちからの逆レイプを受けた彼には、こういう健全な遊びができるハロウィンは懐かしく思えた。

「忠夫、去年の嫌な思い出を忘れて今年は健全に楽しくいこう。悪霊たちが浄化されて出来た良いお菓子を可愛い子供たちに上げないと悪戯されちゃうぞ。頑張ってお菓子を集めよう」


 元気なユウキの声が祭りを楽しみだした彼の心を余計に上向きにさせた。

「おお。いっぱい集めよう」


「忠夫、せっかくだから勝負しない? 僕たち一人一人が別々のルートで今日だけは子供たちの為に遊んでくれる怪異さんたちを倒して回るから誰が一番、お菓子を得られるか競争しよう」

「リグルとか他の娘達も了承しとんのか」

 ユウキは笑顔で頷いた。横島も完全に祭りを楽しむ気分になり頷いた。

「良しやるとしようか」

 その後は無数の怪異たちと戦い倒された怪異達の体を構成する霊気が浄化され子供たちに振舞われるお菓子をよりよくしていくのを見て

 遊びなどが基本的に好きな部分もある彼は途中でスイッチが入り悪霊や妖怪の群れを倒し夢中でお菓子を集めた。

 競技の時間が終わり横島はスタート地点に戻ってきた。いたのはユウキだけだったが、エヴァ、アリス、ヴィヴィオ、リグルが収めたらしいお菓子が大量に積まれていた。横島は自分が集めたお菓子を、全て籠に収めた。

「横島おめでとう、賞品は特にないけど優勝だよ」

「ま、楽しめたからオッケーやな。ユニークな魔物も多かったし、ああいう闘いなら楽しめたわ」

 そう言って腰かける横島に、不意にユウキが抱き着いてきた。心地よい感じがしながら、どこか抜けだし辛い感じが彼に僅かに嫌な予感を覚えさせた。そして彼女が不意に言葉を口にした。


「僕もまだ子供だから言う権利があるよね、トリク・オア・トリート」

「すまんがワイはもう全部競技にお菓子いれてしまったわ」

「それじゃあ『僕達』が悪戯して良いね」

 不意に出たユウキの言葉を聞くとメタリカと話していた時に見た、アリスに似た少女とエヴァがいつの間にか来ていた。エヴァもある意味では メタリカより年下に見えるし資格があると言えばあるのだろう。

「ではまず私からだな」

 エヴァがそういうと横島の首筋に何度か口づけして、から噛みついた口づけの度にぞくぞくする激しい快感が走り牙を突き立てられた時優しい快感とそれがもたらす脱力感で、横島は一気に動けなくなった。
 射精が起こらないのが、不思議なほどの快感だったが優し過ぎる快感の中で唯一射精を許さないという一点だけは、厳しく彼を縛り付けている感じがした。

 次にアリスに似た少女が横島に近づいてくると子供特有の無邪気な残酷さを感じさせる笑みで言葉を告げてきた。

「私はあと、『今』は子供だからハロウィンの悪戯させてもらうね」

「キヒヒ、横島私も参加せてもらおう」
 
メタリカの笑みを見て横島は恐れが背中に走った。彼女は笑いながら言う。

「予言して占ってみたらお前に好意を持ったことを隠していた方が有益な情報が手に入ると出ていた。 ユウキを使い魔にした時私はかなり深く繋がってしまってな。彼女のお前に対する感情も大分流れ込んできていた。
契約を切った今でもその想いは消えていないのでな。 しかし、まさかお前があの未熟者たちにされた快感が忘れられないとは思ってなかった。今日はトラウマが消える様な女権国家の魔物らしい悪戯をしてやろう」

 メタリカは自分を虜にしようとした魔女たちより上の魔女だ。彼女達よりそういった魔術は上手いのだろう。想像しトラウマがよみがえり、その状況でもそれをやられたいと思っている自分に気づき震えだした。

 メタリカが杖を振ると彼は大きな寝台のある洋館に瞬間移動した。メタリカは笑いながら彼を押し倒し魔術で服を脱がせると一瞬で分身を飲み込んだ。 優しい攻めであるにも関わらず、激しく射精し一度の射精で完全に立てなくなった彼を見下ろしながらメタリカは言う。

「人間基準だとこの悪戯は軽いらしいが、種族魔女からすると軽い悪戯がまだ終わってない状態だぞ。 もっと頑張らんか」

 一度の射精で激しく大切な何かが削り切られたような感覚を味わう彼にメタリカは言う。

「どうだ。去年の女たちに与えられた快感より強かっただろう。忘れたか?」

「遥かに上でしたけど、それでも忘れられたほどではなかったっす」

 仰向けになり立てない横島の分身をメタリカは踏みながら言う。 魔力を帯びた彼女の足が一瞬で彼を絶頂に導きかけたが、メタリカは不意にそれをやめて、口を開いた。

「いかんいかん、私としたことが忘れていた。 お前の様な変態マゾを満足させるには普通のやり方では、いかんな。これくらいは必要か」

 メタリカが魔法の杖を振ると横島は不意に自分が女性に閨で負けているのが凄まじく恥ずかしく思えてきた。疑問がる横島に彼女は笑いながら言う。

「キヒヒ、一応お前は王国の人間だからな。神話では男性優位の性交ができて当然になっている。お前の中に眠る王国の神話時代からの男性としての意識を呼び戻した」

 そういうとメタリカは笑いながら横島の一物を踏みつけ快感を与えるように足を動かし始める。

「勘弁してこればっかりは」

 言い終わる前に凄まじい音と共に射精が起こり一気にベッドの周りを白く染めた。メタリカはわざとらしくおどろいた様な表情と仕草を作りユウキに問いかける。

「ユウキ、明らかに私の秘所の方が気持ちよさは上だろうに、この男一番屈辱的な足でさせられた方が射精の方が多かったぞ。 私の性術がそこまで上達していたのか?」

「メタリカ違うって。多分だけど、忠夫は屈辱的なセックスに興奮を覚えるド変態なんだよ」

 普段から褒めて称えてくれているユウキの罵倒に泣きそうになったがそれでも分身が元気づき否定できないのが余計に彼を惨めにさせた。ユウキは笑いながら言葉を続ける。

「ごめん忠夫。 去年の件とその事情を知って君はあまり悪くないけど、僕達上書きし尽くさないと気が済まなくなっちゃたんだ」

 ユウキが言い終わるとメタリカが彼を再び騎乗位で搾り取り始めた。王国の神話時代の男性優位意識が強い状態で屈辱感が凄いのに射精の量が多いことが彼を凄く惨めにさせた。

 横島の意識が落ちかけた時、ユウキが笑いながら言った。

「メタリカ次は僕たちの番だね」

「うむ。私は上書きをするための準備に取り掛かろう」

 横島はユウキと彼女の息のあったやり取りを見て使い魔だった時に本当に良い上司をしていたのだろうなと思った。そう思うとメタリカへの怒りが一気に冷めていく感じがした。


292 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:17:45 ID:57B+xd8z
 メタリカが外れたことで、横島は少しだけ安心した。彼女と違い他の女性達は快感で男を隷属される専門家の魔女派閥ではない。そして学んでいたとしても日が浅いはずだから大丈夫なはずだ。 そう思った時に、次に入ってきたのはリグルだった。
 横島は背が一気に寒くなった。彼女は虫の妖怪であり、雄が交尾の際に死ぬことも多い虫の性質を受け継ぎ精力を搾り取る力が強い。 いつもなら最後に来るはず。 そんな横島の葛藤をよそに彼女は笑いながら言う。

「忠夫、去年は僕が援軍に行けなかったせいもあって災難だったね。 惚れてた娘たちはともかく性術に長けた愛してない魔女たちに負けているのは我慢できないから本気で行くよ」

 そういうと、リグルに騎乗された瞬間、魔女たちにされた快感以上の快感が襲い掛かってきて、横島は一瞬で悟った。

『これワイ壊れる奴や』

 しかし崩壊の瞬間は訪れず耐えきることが出来た後、ユウキにさすられた場所から一気に精神が回復していく感覚がした。 振り返るとユウキが笑いながら、服を脱ぎ呪文を唱えると彼女の額に角が生えていることに気づいた。 
その姿はある世界であれば奈落の鋭鋒と呼ばれた姿に酷似している。

「忠夫、メタリカが僕を自由にしてくれる際に思いついた方法が、種族チェンジで僕自身が剣の達人で東洋人の血が入っていたから、東洋の鬼になる様にしてくれたんだ」

ユウキの言葉にリグルは笑いながら感謝の言葉を言った。

「ユウキ、君のおかげであいつら以上の快感を忠夫に与えても大丈夫だったよ。ありがとう」


 リグルの礼に答えるとユウキは横島の耳に息を吹きかけながら言う。

「鬼がした悪戯には人間を生きたまま地獄連れて言ったり、地獄を経験させたりもあるらしいから、これから僕がするトリートは鬼の悪戯だから」

 そういうとユウキはエヴァに目配せをした。エヴァは笑いながら横島に言う。

「地獄の極卒である鬼になったユウキはあの女どもより性的な拷問にも通じている。何より鬼は地獄で死んだ魂も生き返らせるから、壊れても大丈夫だ。 そういえばお前を犯した女たちは巨乳も多かったな」

 そういうとエヴァはメタリカの側にいた金髪の美女の姿に姿を変えた。普段の横島なら喜ぶであろうスタイルの良い姿も今は、どれだけの快感を与えてくるのかという恐怖の元でしかない。

 そういうとエヴァは横島を騎乗位で抱き込んだ後、正常位に無理やり持ち込み両手両足で拘束すると、子宮で分身をイジメヌキ射精して敏感になった瞬間を狙い定めて首筋から血を吸い取ると、余計に激しく横島は射精した。 
魔女たちの与えてきた快感似ていてかつそれを上回るものを意図的に与えてきている様だ。 最初は激しく拷問の様だった攻めが優しい感覚に変わり脱力の極に落ちた横島をエヴァは軽い人形の様に持ち上げると、言葉を紡いだ。

「アリスもお前の心を完全に奪い返す準備をしているぞ」

「そもそも、俺寝取られてはいないぞ」

 エヴァもその言葉に頷いた。

「前言修正だな。完全にあの魔女たちに勝つ準備をしている」

 返ってきたメタリカが杖を振ると横島の体が一瞬で綺麗になり、そして服を着ている状態になった。

「それではアリスの主催する人形劇に言ってくるがよい」

 不意に連れていかれた人形劇の劇場に連れていかれた時そこには無数の女権国家の女性達、去年横島を嫐った横島に好意を持っていた魔女たちもたくさんいた。
 劇を一番よく見ることができる位置に大人の姿になったヴィヴィオがいて、その隣が自分の席なのだと思い、恐れながらも、どこか期待する自分に気づきながら横島は座った。

 横島の周りの席には魔女ではない普通の女性達もいた。彼女達は一昨年と去年のハロウィンで横島に助けられ好意を抱いた女性達だったそうだ。

 アリスが人形劇を始めると去年のハロウィンに魔女たちに逆レされる前の大活躍時の横島を主役にした劇が始まった。あまりにもレベルの高い劇であり、見ている者達は息を飲んだ。
アリスの横島を称える声は本当に恋する乙女らしい声音だった。だが不意にそれが愛している相手を下に見て嘲笑する女権国家特有の女性の声に変わる。

「こんなにも雄々しく格好良い彼ですけど、語られなかった英雄譚の裏部隊もあるんです。去年彼が受けた魔女たちからの拷問劇です」

 魔女たちにされた複数からの逆レイプが人形劇で始まった時、去年と全く同じ快感が横島に襲い掛かった。 
観客の魔女やヴィヴィオの嘲笑さえ自分が受けているような錯覚を覚え恥辱心と快感への恐怖から逃げ出そうとすると隣に座っていたヴィヴィオとその侍女に手を掴まれて席に引き戻される。

「忠夫さん最後まで見ましょう。 私達にとっては最高の娯楽ですから」

「そんなこと言っても、ああ!」

 人形劇でひと際すごい快感を与えられたシーンが上演されるとその快感が起こり彼はつい声を出した。 射精していないのに人形劇で射精をした場面になる度に射精の感覚が走り、意識がどんどんと削り取られた。そして彼の意識は闇に落ちた。

 次に彼が目覚めると、彼は人ではないものが住まう場所にいた。 目の前には今日何度か見掛けた、アリス似た少女そしてナレーションじみたアリスの声が響いた。

「彼は子供の頃から、性欲が強く女性に負けやすい性質でした。 幼少期の私との初めての時のことです」

 それを聞き、横島は自分の意識が人形劇の人形に乗り移っていたことに気づいた。

 目の前のアリスが指示を出すとトランプの兵隊と言われる使い魔の女性が現れ横島を拘束し、アリスと共に愛撫し始める。 あまりにも早い射精に情けないと思う子供心を刺激されたながら、何度も彼は達した。 
見えないはずなのに観客席からの女性達の嘲笑が響きそれが彼の誇りに傷をつけつつ、興奮ももたらした。 最後に王国の男子として恥ずかしい騎乗位をアリスにされた時強すぎる快感が走り意識を失った。

 再び目覚めると優し過ぎる激しい快感が彼を襲ってきた。目の前には仰向けの自分に覆いかぶさり繋がりながら激しく体を密着させてくるアリス。

「横島、私の悪戯はどうだった? 去年の魔女たちにされた行為より恥ずかしかったでしょう」

 普段横島に甘いアリスがああいうことをした理由は、いつでもあの魔女たちから受けた快感を再現できるということを示すためと、恥ずかしさによる性的快感を上書きするつもりというのもあったのだろう。 アリスが行為を終えると、ヴィヴィオが大人の姿のまま入室してきた。

 彼女は一息に服を脱ぐとアリス達とは違った芸術的な裸体を見せつつ、言った。

「忠夫、女どもの方が私達より上位である部分があるのが許容できません。今日聖王として貴方を清めさせてもらいます」

 手加減のないヴィヴィオの与えてくる快感は荒々しいときのエヴァをより強くしたような感じであり、神々と性行為をしたような錯覚を覚えることもある。 普段は手加減してくれる彼女もユウキがいて壊れても治せるいじょうそれはしないだろう。
ヴィヴィオに抱き着かれ貪られた瞬間、横島は頭が爆発した感覚を味わいそのまま、意識が戻らなかった。正確に言うと、何度かユウキに治されてその度に意識が戻り、手加減の無いヴィヴィオの与えてくる快感で意識が飛ぶのを繰り返した。



293 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:18:42 ID:57B+xd8z
 全てが終わり倒れかけた、横島にユウキが言う。

「じゃ、最後は僕とメタリカも君を好きになってからは、あの魔女たちの方が上になっているのが耐えきれなかったみたいだから本気で行くよ」

 そういうとユウキが胸当てを外すと大きな乳房がそれをのぞかせた。 横島はそれを見て驚愕した胸が大きくなっているのは成長期だからそういうこともあるかもしれない。
だが明らかに、胸当ての上のそれは小さいものだった。 横島の言葉にユウキは笑いながら言った。

「鬼の神通力それに尽きるよ」

 逃げようとする横島をメタリカが背後から掴み、言う。

「ユウキ折角だから協力しろ。忠夫の精神をさっきより完璧に王国原初の神話時代の男性優位の性交が当たり前の時代に戻すぞ。地獄の鬼なら容易かろう」

「はーい」

「勘弁してくれ」

「ごめん。それだけはきけない。 忠夫は悪くないけど、あの女たちより下の状態が僕たちはどうしても耐えられないから。 これ以外の事では君の意向を通すから」

 そういうとメタリカとユウキが合同で呪文を唱え、それが終わると、横島は今まで女性達にされた性行為が恥ずかしいと感じ顔が真っ赤になった。それでも分身がより強くなったのを見て、メタリカは笑う。

「キヒヒ、この状況で興奮するとかお前は本当にクズだな」

「メタリカ、やめてあげて。 ただでさえ夜で惨敗しているからかわいそうだよ」

 ユウキの恥辱心を煽るかわいそうだよ、にへこみかけた時、メタリカとユウキが左右から横島の分身を挟み何度も抜き始める。時には苦しいほど射精させ時にはとことんじらし、それを何度か繰り返した後、ユウキが横島に騎乗位で絞り始めた。 
魔女たちからされた拷問の再現でありながら、魔女たち以上の快感を与えることを意識した性交をしておりそれが終わると、メタリカと交代する。

 メタリカはユウキが優しく絞るのと対照的に蜘蛛の様な優しい快感を与えながらも容赦のなく毒を注ぎ込んでくるように彼を絞り尽くす。 何度も搾り取られ、横島が恥辱心の中で意識を失いかけた時メタリカが言った。

「横島どうだ、我々のものになるのを止めるか。今やめるなら、体を重ねた責任とかも私がどうにかした、彼女達に不利益を被らせん」

「こんな快感を味わったらもうむりです」

 横島の敗北宣言にメタリカは笑った。

「これでお前の所有者の一人に私もなれたし、一応恋人たちとの関係を改善という依頼も果たせたな。 それと横島本物の魔物と付き合う時はハロウィンでも油断しないことだ。
今日した悪戯はお前にとってはシャレにならにものだったが、過去にやった人外達は本当に軽い悪戯のつもりでやったのだからな」

 メタリカの最後の真面目な注意を受けながら、横島はハロウィンは絶対に彼女達と離れないことにしようと誓った。無理なら大鳳やジャギと絶対一緒にいようと。

 横島が意識を失った後、アリス達は心底上機嫌でハロウィンを満喫していた。その様子を見ながら気の良いお昼に横島がいたマスターが声をかけた。

「ユウキちゃん注文は」

「テイクアウトで、忠夫が好きな精のつくものを適当にお願い」

「そうか。今日は随分と上機嫌だな」

「僕だけじゃなくて、アリス達もそうだよ」

「良いことがあったのかい」

「寝取られたとかそういう訳じゃないけど、想い人を完全に隅から隅まで奪還出来たからかな。 今日は彼が動けない分まで、僕達がハロウィンの仕事しなきゃダメなんだ」


心底上機嫌なユウキの様子を見てマスターはこれなら横島も数日後には元気になっているなと確信した。なんだかんだで本気で自分に惚れてくれている女性達と繋がっていれば最終的には彼は立ち直るから。
ハロウィンの喧騒を見ながらマスターは心の引っ掛かりが取れた様子で営業を再開した。 それにこたえるように町の喧騒は大きくなっていった。


294 :名無しさん@狐板:2021/12/09(木) 00:14:45 ID:PuWeSzIv
(なんで、こんなことに……?)

響裕太は、現状に理解が追いついていなかった。

「これが……響くんの……」
「うんうん、ちゃんと皮被ってるねー。やっぱり響くんみたいなかわいい系の男の子は、真性包茎じゃないとね」

クラスメイトの、宝多六花と新條アカネ。
二人の美少女が、丸出しになった自分の股間を見つめて興奮しているのだ。

295 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:03:59 ID:kBtghrfc

イッチ : 短編
└苗床脱出編 体験版
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16663.html
└逆レ推理(笑)もの
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16812.html
└勇者のくせになまいきだ
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16817.html
└娘シュテルと子供の出来かた
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16823.html
└イマジナリーフレンド
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16834.html
└あなたのやかた
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16877.html
  └ 後日 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16883.html
└やがみ按摩店
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16892.html
└業の旅路(仮)
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16918.html
└無人島一ヶ月10000逆レ生活(仮)
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16926.html
└囚人にジレンマはない
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16934.html
└高級愛玩用奴隷
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16939.html
└麻雀ネタ
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16957.html
└魔物売り & 媚薬ガス室
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16978.html
└魔物売りのやる夫
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16979.html
└お姉さんのお菓子
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17436.html
└山の実り
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17466.html
└数年の冬
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17580.html
└百合逆NTR×NTR
  └ 予告 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17695.html
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17696.html
  └ 後日 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17705.html
└匂う妹
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18257.html
└クドク
  └ 予告 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18819.html
  └   01 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18820.html
  └   02 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18821.html
└邪な騎士と横島と騎士
  └ 予告 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19177.html
  └   01 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19178.html
  └   02 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19179.html
  └   03 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19180.html

イッチ : ゲーム紹介
└01 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16819.html
└02 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16837.html
└03 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16862.html
└04 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16940.html
└05 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16971.html
└06 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16972.html
└06 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17037.html
└07 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17093.html
└08 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17134.html
└09 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17309.html
└10 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17375.html
└11 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17489.html
└12 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17499.html
└13 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17526.html
└14 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17537.html
└15 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17569.html
└16 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17608.html
└17 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17616.html
└18 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17627.html
└19 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17628.html
└20 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17687.html
└21 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18120.html

296 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:04:15 ID:kBtghrfc

イッチ : 雑談
└小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16830.html
└小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16910.html
└霊夢・逆NTRされた側の逆襲シチュ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16920.html
└Mシチュ寓話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16933.html
└エ○ステータス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16958.html
└ちびでかアイランド
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16976.html
└こんなコピペ、Mシチュにしてくれるわ!!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16977.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16984.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17554.html
└めだかボックス使ってない
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16999.html
└女権国家ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17018.html
└女権国家ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17019.html
└落ち武者狩り
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17028.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17035.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17050.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17051.html
└女権国家 戦闘システム案
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17072.html
└女権国家 キャラメイク案
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17074.html
└女権国家 キャラクター紹介
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17085.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17087.html
└すらいむほいくえん お父様ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17092.html
└女権国家 主人公安価 & 好感度システム試作品
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17108.html
└女権国家 主人公安価投票結果
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17109.html
└女権国家ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17202.html
└闘技場ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17253.html
└僕はスターになるんだ!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17254.html
└10月3日はまどかの誕生日!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17262.html
└ショタ化逆レイプ+百合逆NTR×NTR草案
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17339.html
└女権国家の男女比率
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17405.html
└女の子可愛そうな展開(偽or仮)からの逆逆転
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17513.html
└月のクトゥルフもの
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17525.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17533.html
└次回作まとめ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17539.html
└次回作候補 & 小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17542.html
└みんな丸太は持ったな!!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17578.html
└ひびみく産み分け
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17639.html
└くるみちゃんが良過ぎて逆に配役できない説
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17653.html
└百合現場目撃シチュ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17655.html
└きりたん(ロリ×退行ショタ)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17662.html
└チュートリアル(traumatic)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17673.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17678.html
└我慢ほむほむ+犬山さん
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17679.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17743.html
└翼いじめ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17746.html
└マフィア・警邏隊
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17754.html
└女権国家登場人物整理
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17753.html
└ひびみく二等分+質の悪い悪女
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17801.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17807.html
└ツインルーム+ひびみく塗りつぶし
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17833.html
└スイートルーム
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17838.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17874.html
└首絞め未来
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17892.html
└翼「見てしまったな?」
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17925.html
└囲い込み系(シンフォギア)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17937.html
└呪いのネックレス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17991.html
└意訳
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18005.html
└イマジナリーフレンド 説明
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18053.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18056.html
└クリスの彼氏のフリ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18240.html
└盃付喪神+4人パーティー
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18265.html
└女権国家のキャラ募集ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18319.html
└戦闘におけるドロップ判定
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18370.html
└女権国家施設 SHOPシステム案
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18731.html
└ステータス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18851.html
└ささら
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18885.html
└クリスマス小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18886.html
└ささら
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18923.html
└桃鉄
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18925.html
└女権国家で人気な男ランキング
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18961.html
└老害?
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18963.html
└バレンタインチョコ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18977.html
└女権国家:試運転
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19029.html
└私が、来た
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19030.html
└エイルケイム精神療養院
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19159.html
└もう…ボコったら…ワタが出てるよっ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19195.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19197.html
└女権国家:戦闘テストする時の展開ダイス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19199.html
└女権国家:戦闘テスト
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19227.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19228.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19229.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19255.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19253.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19284.html
└無在庫転売の末路
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19286.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19309.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19332.html
└体重計の前にて
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19349.html
└敢えて僕の方からぐいぐい行けば
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19378.html

297 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:04:31 ID:kBtghrfc

師匠
└嘘予告 Mシチュ脱出アクション『Escape from the cage(仮)』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16872.html
└戦闘員ライダー(メドゥーサ)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16980.html
└風見幽香短編
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17000.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17530.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18057.html
└やらない夫の誕生日
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17180.html
└映し魔の館
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17181.html
└女権国家・ミス・コンテスト
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17192.html
└Live+
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17201.html
└大使館小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17244.html
└とある日の闘技場の一幕〜ボクがわたしに堕ちた日〜
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17255.html
└薬師とメイド〜大鳳くんの治療と選択
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17285.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17721.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17722.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17728.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17729.html
└レズ寝取られシチュ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17310.html
└薬効試験会
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17391.html
└とある冒険者の永い依頼
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17408.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17435.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17451.html
└とある傭兵の誕生日・災難
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17498.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17831.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18049.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18055.html
└ブルーにポケモンごとゲットされる話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17514.html
└月が綺麗ですね
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17538.html
└クリスマス小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17549.html
└年越し小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17560.html
└年末年始小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17567.html
└直葉ちゃんのキリトちゃん敗北調教
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17570.html
└お年玉企画BRS編
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17581.html
└エイプリルフールネタ(2019)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17642.html
└善吉くんを堕とそう
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17657.html
└悪魔に魅入られた日々
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17767.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17873.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18000.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18004.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18027.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18035.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18123.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18183.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18209.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18244.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18267.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18420.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18433.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18434.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18435.html
└娼館男責め小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17793.html
└楯無さん好感度超+ヤンデレルート
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17806.html
└羽衣狐小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17825.html
└トロイの娼婦
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17936.html
└こんなお姉さんに貪られたい
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17938.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17959.html
└淫靡な館からの脱出
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18007.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19226.html
└姫始め・東国の姫達
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18075.html
└悪魔未来と天使シャル
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18121.html
└脱出ゲームで隠しアイテムで無双してたら
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18190.html
└咲耶さんに逆ナンされて
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18196.html
└シンフォギアショタ小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18210.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18887.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19310.html
└ミルヒオーレペットネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18211.html
└性根の腐ったキャラにチャレンジ・誘惑・快楽堕ち好き.ver
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18260.html
└アンリエッタ夢落ちネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18273.html
└大鳳くん、奴○を買う。
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18280.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18314.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18317.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18320.html
└エイプリルフール(2020)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18281.html
└ゼロ魔逆レ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18368.html
└巨人と少女と燃料と
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18389.html
└火の精霊クー子
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18409.html
└エロくないベネット
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18514.html
└うだつが上がらないやる夫が聖剣を(ry
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18610.html
└誕生日小ネタ2020
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18613.html
└奪われた誕生日
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18647.html
└動画配信者アスナ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18733.html
└女権国家のIF過去話(アティ先生)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18853.html
└年末年始小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18892.html
└燻憧さん作品 IF 拷問:朱雀√
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18922.html
└心折られる少年/心折る少女
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18924.html
└すらいむほいくえん二次/IF:善き神の戯れ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18942.html
└すらいむほいくえん二次/After IF:ざんげちゃんの野望
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18960.html
└すらいむほいくえん二次/IF 束 BAD:兎のマッドパーティー
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18962.html
└燻憧さん作品二次 IF リゼル√?
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18970.html
└すらいむほいくえん二次/平穏な?バレンタイン
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18979.html
└誘惑・快楽堕ち好き.なりのキャラ把握?
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18985.html
└すらいむほいくえん二次/IF ルサルカ BAD?:幸せを手に入れた影
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19004.html
└燻憧さん作品二次 IF GOODEND 『愛する人と共に幸福を』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19009.html
└エルフを助け出すネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19028.html
└エイプリルフールネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19032.html
└夢の中のエイプリルフール
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19039.html
└燻憧さん作品二次 蓮メガテン アークエンジェルIF
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19049.html
└燻憧さん二次? 不純な獣
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19069.html
└燻憧さん二次ネタ/或いは燻憧さんを性癖で殴る話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19101.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19134.html
└燻憧さん作品二次 蓮メガテン アプサラスIF
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19135.html
└復活ポイント
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19160.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19196.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19198.html
└邪な騎士と横島と騎士 IF
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19193.html
└女権国家:IF 拗れた感情
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19200.html
└誕生日小ネタ・2021
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19256.html
└ある戦う少女達の話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19264.html
└すらいむほいくえん・二次『友好的な……?』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19285.html
└すらいむほいくえん・二次 魔物娘妄想『サメ娘』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19287.html
└我慢比べ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19379.html
└闘技場もの嘘予告風
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19380.html
└クリスマスネタ2021
  └ttp://yaruoshelter.com/test/read.cgi/yaruo001/1616338113/8190-8230

298 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:04:41 ID:kBtghrfc

馬ニキ
└ココア連作短編
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17207.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17210.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17245.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17290.html
└ある敗軍の兵の手記
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17521.html
└後輩三葉と従妹シノア
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17548.html
└卯月逆痴漢もの
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17589.html
└予告 プリンス・シャルルと魔女の森
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17640.html
└卓ゲー部
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17740.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17747.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17837.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17981.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17998.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18272.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18855.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18856.html

299 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:04:55 ID:kBtghrfc

PUニキ
└アラクネの仕立て屋
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17357.html
└パワーレンタリング屋
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17359.html
└総合病院
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17376.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17390.html
└雪女の集落
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17420.html
└蛸壺の酒場
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17457.html
└ワイルドハント
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17461.html
└鬼が島
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17478.html
└ブラッドファクトリーズ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17483.html
└生贄の神殿
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17487.html
└盗賊ギルド
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17488.html
└ハニーハント
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17495.html
└町内会
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17508.html
└児童買春
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17555.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17559.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17568.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17583.html
└売春宿
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17579.html
└不幸の女神
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17588.html
└BAOH
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17607.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17631.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17674.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17958.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18212.html
└死にたくないならパパになれ!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17688.html
└冥婚の館
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17712.html
└エロフのハウスメイド
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17760.html
└看護実習
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17839.html
└女権国家RTA
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17911.html
└予告 やる夫は秘密結社の黒一点
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17982.html
└こいつおまわりさんです
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18237.html
└サキュバスのアルバイト
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18673.html
└女権国家RTA
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18857.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18859.html
└甘蕩リクエスト作品
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18940.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18989.html
└懺悔室
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19019.html
└DQ3(魔物娘)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19150.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19182.html

300 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:05:03 ID:kBtghrfc

甘蕩
└仮題『え!! エナジードレインを有効活用する方法を!? できらぁっ!!』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17264.html
└ノンケに堕ちたレズ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17452.html
└嘘予告 触手女子〜檻の中でうねる怪物たち〜
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17590.html
└甘蕩搾精シンフォギア!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17617.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17792.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18001.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18850.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18976.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19254.html
└寝取られ率105%
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17618.html
└みさきちトレーニング!
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└彼女を寝取っていたのは……俺だッ!!
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