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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

169 :名無しさん@狐板:2021/04/05(月) 00:03:12 ID:uO9tvhuf
 改築されたダンジョンと化した体育館までの道のりに数えきれないほどの悪霊や様々な悪魔の群れとの剣戟の音が響く。横島が敵の群れに駆け入り撹乱し切り合いをしている。敵の悪魔たちはピクシーやコボルトと言った弱小悪魔だが、
ボルテクス界の悪魔やライドウに率いられた悪魔たちの様に、実力が上がっており。彼らの動きは負けが確定した敗残兵ではなく、万が一の奇跡をつかみ取る可能性を感じさせる英雄に率いられた強兵のそれだ。
横島に切り伏せられながらも一向に怯まないコボルト達の隊長が叫び声を上げた。
「我らの戦いは後の世界に正確に残ると約束されている。異世界の英雄の生まれ変わりである、あの男に重傷を負わせるか、傷は浅くても彼が守る女に一太刀浴びせれば、それだけで我らの物語が広がり、種族全体の底上げとなる。
怯むな。スクカジャ」
 自分の命が危なくなってなお防御力を上げることより、命中率を上げた隊長は横島の霊波刀で切り伏せられた。それでもコボルト達は一切乱れず、精密機械の様な力強さと素早さのある連携で横島に切りかかる。横島の剣を抜けきった群れは
マイの仲魔である金槌坊の槍と金槌に討ち果たされた。
 敵との戦いが終わった後、横島は律儀に金槌坊に礼を言った。
「俺が取り逃がした相手倒してくれてありがとうな。おかげでマイ姉ちゃんは無事や」
 マイはこういうところが悪魔に好かれるのにサマナーになれないと、みなされた原因だろうと思った。道具として割り切る感性がなさすぎるのだ。
「横島絶好調じゃない、やっぱりあの処置を受けてよかったと思う?」
「言い訳ないやろ! 死ぬほど恥ずかしかった上に癖になりかけとるのが余計に情けないわ! でもあの処置が無かったら今回の戦闘でマイ姉ちゃんが軽いけがくらいはしとっただろうからそれよりはましや」
 マイはその答えを聞き微笑んだ。演技力の高さと持続力から横島の監視役兼育成係になったので、その特権を使って色々な意味で自分好み育てたが彼の、自分を好いてくれた女性にひどいことができないところと、
護ろうとするところを重点的に伸ばす逆光源氏計画は成功だと思った。 マイを護る為に前を行く横島はこれからの魔界巡りを想像した彼女の笑顔を見ることはなかった。仮にその笑顔を見たら横島は猛烈に嫌な予感を覚えていただろう。
その笑顔が彼のこれからの魔界巡りがどうなるかを暗示していた。


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