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【R-18】Mシチュスレの引用スレ
1 :
名無しさん@狐板
:2020/01/19(日) 00:15:29 ID:bMTYbG3g
_________________
| |
| SS・長文はコチラ! |
|_________________|
. |::| -─- |::|
r‐ |::|´ \‐x.|::|
/乂_|::|ソ ___∧ __ ∨i|::ト,
,ノイ |::| |\/ ∨ VY_|::|.|
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. |(___) 〈__〉 ! (___)
ノム|::| | | |::ト、〉
|├|::|ノ| ├<二ノ
|八`゙/ミ ノ⌒ヽW
/ \
当スレは某R-18スレの長文レス、SS、スレ主以外のAA・支援AAを投稿する場所です
それ以外での使用はお控えください
429 :
名無しさん@狐板
:2022/06/22(水) 16:25:34 ID:yMXu62um
乙です
女は見かけや年齢に関わらず女なんだなと思い知らされました
それにしても路地裏の善行で怪談の死亡フラグを折った代わりに違うフラグを立てていたりして
430 :
421
:2022/06/22(水) 23:07:22 ID:/TlD7/C2
>>429
乙感謝です。
前に書いた敬老の日同様惚れた男にランクアップしたからこその地雷って感じになったと思います。
2,3年後にヴィヴィオの応急に元路地裏のメイド達とか入ってきて、横島をヴィヴィオと一緒に嫐ったり
するかもしれませんね。あるいは10年後くらいにロリ達が成長してそうなるかもw
431 :
名無しさん@狐板
:2022/06/22(水) 23:20:40 ID:iU1K6nJg
はたしてロリたちは自分らが成長するまで自制し続けるのだろうかw
432 :
名無しさん@狐板
:2022/06/22(水) 23:41:06 ID:/TlD7/C2
女権国家の女性ですから自制するとは言い切れませんねw
433 :
名無しさん@狐板
:2022/07/12(火) 23:10:45 ID:JwCzl0pi
32-B
【アイテム】リマヒの種・ピンク色の袋
レア度 ☆☆☆
基本買値6000m 売値3000m
【内容】「これで貴方も長持ちに!」とコピーされた、直球でいかがわしい種の袋。 早漏の直る種類……らしい。
人気がないかと思いきや、割りとよく買い占められるので、結果的に見かける確率はレア。
裏にはこんな注意書もある。「効果は微々たるものです。 効果を過信しての、男性の酷使はお止めください」
精力増強効果。
ピンクで種。もう搾られるしかないよね。
52-B
レア度☆☆☆
基本買値6000m 売値4800m
【アイテム】ジッポー
【内容】
オイル交換式のライター。蓋の開閉時、良い感じの音がする
もし誰かが求めているのならば、そっと『火』をプレゼントしてあげよう
僅かだろうとはいえ、きっと貴方に良い印象を持ってくれる筈
プレゼントした『火』は無くなってしまうだろうけど、ライター自体は無くならない。気軽に使ってみよう
無論、このライター自体をプレゼントする事もできる
……意外と高い
火を貸してほしい。その熱量、情熱を。
53−C
レア度☆☆
基本買値2000m 売値800m
【アイテム】マインド・フラッシュ
【内容】
特殊アイテム。精神に作用する閃光を放つ道具。ペン型、カメラ型などがある。
これから放たれた光を見てしまうと判断力が低下してしまう。誘惑・交渉・催眠に弱くなる。
ただしあくまで低下なので嫌なこと、不自然過ぎることだと効果が薄く、精神力で抵抗する、
目を閉じる等で無効化されることもある。特に交渉に使う際にはカメラ型等で偽装し、
フラッシュを見せることを不自然に思われないようにすることが重要だろう。
事前に簡単なお願いを聞いて貰ってからだと効果が出やすいとも言われている。
閃光を放つこととその効果から敵に使用し、逃走する隙を作るためにも使われる。
逃走用。プレゼントして写真を撮ってもらってもいい
逃走に使った場合INT判定に有利。
相手によっては効かないこともある
写真撮っていい?えっちな写真撮っていい?えっちしていい?
これが三段活用ですか。
60‐S
レア度☆☆☆☆☆
基本買値55000m 売35000m
【アイテム】聴覚ステルススーツ
【内容】
(元ネタ・fallout:New Vegas・ステルススーツMK-U)
隠密能力を大幅に強化してくれる実験的な装備
静音性に優れていて、大抵の行動では音を発しなくなり、音を外に漏らすこともない
また、回復薬や鎮痛剤などを自動で投与してくれる優れものだ
しかも登録した人間以外には脱がせられないように設定できて貞操もばっちりガード
さらには魔法的なAIが搭載されている。
おちゃめ機能搭載のボクっ娘口調の女の子が戦闘とかを手助けしてくれます!
注意事項・回復薬及び鎮痛剤の登録は初期状態では所持しているすべての薬品を指定しています。
貞操をばっちりガード。キミの貞操はボクだけのもの。
63‐C
レア度☆☆
基本買値900m 売500m
【アイテム】精神向上薬
【内容】
精神を上向きにする薬。【抑鬱】や【じぼうじき】など、精神的に弱ってる時に使用する。
その一日の間精神を上向きにしそれらの効果を打ち消す(別の状態に上書き?)。
ただし根本的な治療にはならない為治したいならそれ用の施設へちゃんと向かうこと。
またこの薬は精神を上向きにするがその分迂闊な行動に出たり、誘惑に乗りやすくなったりする。
精神科って素敵なところだよ。
76‐B
レア度☆☆☆
基本買値3000m 売値1500m
【アイテム】すのはら印のきびだんご
【内容】
慈愛の心を持つ料理人が、貴重な植物「ネコウメキビ」を調理することで作り出せると言われるレアアイテム。
他者に手渡しで食べさせると、相手は渡した人物を甘やかしたくてたまらなくなる。
効果は完全に消化されるまで続く。
三コ入り。
お腰につけたきび団子。両方根こそぎ吸いださせてくださいな。
元ネタ:「桃太郎印のきびだんご」+「すのはら荘の管理人さん」
434 :
甘蕩搾精
:2022/07/31(日) 05:11:01 ID:aSfd+7RO
「何してるの」
「立ちなさいよ」
「狂三」
/:::::::∨/:::∠二//二ヽ \ヽ::::ヽY^^Y::::::ヽ:::::\
/:::::::r厶ィこゝ/⌒ー'⌒く__Y⌒)ヾ::::::::ト、 ィ:::::::::::::\::::\
,..、.-...ヘ...-.,.、 ...――.、 /::::::::〈厶と∧´::::!:::::::::::::::::::::::::::::::`丁∨`j Y ユ::::::::::::∧::::::\..f´ ̄`ヽ
.....-―‐.、 ,....´/........′.. ∨....ヽ`..、/_...ニニ.ミ /::::::::Yく.У´::j i:i:::|:::::::::i:::::::∨::::::::::::::::∨∨`Y>:::::::::::::∧::::::::: | 忘 |
. f´ ̄`ヽ /...==..‐-...〉./ ヽ′....................................'....ヽ__.,:::::::::べソ:::|:::::|:|:|:::l:::::::斗一弋´::::::::::::::::∨ゝイ-ヘ⌒}}:::::∧::::::::| れ |
. | 何 | .〃´......._...z≦7./.........................................................`ヽミ ,::::::::::∨:::::!:L斗トi、::∨::::ィ彡≦<:::::::::::::::jト、イ:ト、ヾ、_ノj::::::::∧::::|..た |
. | . を | ../..._ z≦///;才./............l|..... l|.............',....................ヽ.../:::::::::::::i|::::::|:{:::::ヘ!ヒヘ::ト、::::Y'f{レハ リヾ::::::::::::∨レ' ∨ ヾ{::::::::::∧ : | の |
. | . し . | ,.z≦////> ,/{/.......i{.....l|.....八..............l ',..................../:::::::::::::::||::::::ト|::У云ミヾ: :\ヽゞツ′ |ト:::::::::::::\/ jj ヾ、:::::::::i::::| ? |
. | に..| イ/////> 〃.,′ , -―-../_ヽ....,.....}_ 斗.ヤ. ̄.....,::::::::::::::::::||::::::|ヘ::ヘ ゞツ ,: :::::::::::::::::: u: ||:::ヾ::::::::\\.}} j::::::::j::ム__ノ
. | .こ | ///// / 〃 |...../..l|. メ≠≧ 、 ̄.......}≠‐ ミ 、....}..,:::::::::::::::::::||::::::|:::ヘ::! jj::::::::`ト-≧=ー〉 |::::::::|::::::::::::::::∧
. | .こ |×/// .〃 l|...ム.l|/〈 f抃 ,..}' f抃 リ!.l../::/:::::::::::/::||::::::|:::::::ト、 r=、 /!:::::::::::|>、 _>─|::::::::|::::::::::::::::::∧
. | に..|/./ 〃 .八/`刈 弋り ∨ 弋り } {:/{::::::::::/i ::||::::::|:::::::| \  ̄ / .|:::::::::::j /ヶ'´ .|::::::::|::::::::::::::::::::∧
. | 来 |// {{ ヽ |.!  ̄ ,  ̄ /i! |i !::::::::{ |::::ll::::::!:::::::l `> 、_∠rュノj:::::::::: | ∨f/ j::::::::ト::::::::::::::::::::::∧
. | た..|〃 .{{ `|l', ,.}...|| |::::::::| |::::|ト:::::::、::::l > ´ /イ∨二|:::i:::::::|ノ/} |::::::::| i::::::::::::::::::::::∧
/| の | .′ {{ 从ヘ r‐., /}′|| |::::::::| |::::|| ヘ:::∧:| /´ ヽ/_辷イ_/::::|::::::j || i |::::::::| }::::::::::::::::::::::iヘ:!
. | か |{ _ f、 、  ̄ /、.... || |::::::::| |::::|| ∨Y. i f′ `∨/:/!:::::l .|| { |::::::,' !:::::::::::ト::::::::| |
. | ? > .,.ィ会ニミ.、__| ー-、! 、 ィ _),. || |::::::::| |::::|| ∨::i. | 、 ||. /イ:/ .|:::::j .|| ! !::::/ .|∨::::::| i::::::| |
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i ヾ/ } / / ',::::、::|i:i|´::::::{く ∨ヘ」:::|| | _厶T⌒7ーュ厶イ/´ j /イ .|/ }! |::::::| !
.
435 :
名無しさん@狐板
:2022/08/24(水) 20:03:06 ID:aHqNaP6M
警邏隊への説明(大筋、細かい所は相手によって修正)
・まず外部に話を漏らさないよう約束して貰ってから自分が王国の諜報員だと話す
・学校卒業後、上からの命でスパイ組織に所属、ミクさんが上司(真実。スパイなのは不本意だと誤解させる?)
・女権国家の男性への虐待を止めさせたいと思っている(一応真実。来た理由ではないけど)
・立場上スパイであることを隠していたことを謝罪(まず必要。相手の反応次第で対応を変える?)
・スパイ組織に所属はしているが女権国家全体に敵意は抱いていない(真実。そも敵意そのものが薄い)
・男性への虐待を止められるなら女権国家の治安を乱すつもりはなく、むしろ可能な限り協力したい
(真実。スパイ活動をする面でも治安がいい方が良く、女権国家自体と争うのは上の役目)
・スパイであることを明かすのは警邏隊にスパイバレするのは時間の問題というのもあるが、
協力して貰ったりするのに騙したままなのは心情的に辛かったから(真実)
・スパイの活動を止めるわけにはいかない(粛清されそうだし)が、危険人物の情報の共有や
捕縛の協力等をして欲しい、治安維持に有用な情報があれば伝える(協力内容、互いに不利益はない)
・個人的な事だけど、可能であれば任務の関わらない個人の範囲では今まで通り仲良くして欲しい
(読者的な要望)
436 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:21:14 ID:eLEKoExj
女権国家SS 女権国家でホストとして比喩ではなく本当の意味で女性の心の迷宮を攻略しつくした男の、ホストとしての引退と、友誼ゆえの悪夢の日々の始まり
これは現在連載中の女権国家の二次創作SSです以下の注意書きがあります。
@女権国家本編と関わったネタが出てきますが
>>329
から
>>337
に投降した話のパラレルワールドでもあります。そのためこのSSの人間関係はこのSS内部だけのもので本編とは関係ありません。
A明言はされないけど、味方勢力ではないエロ要因のキャラクターが大鳳くんと横島を両方を犯したかもしれない様な描写が入ります。彼女が二人としたかあるいは二人とやっていないか、片方としかしていないかは読者の方々の解釈が正解です。
Bスカサハと愛歌が二次創作をしている女権国家に出てきたためと、自分がFGOファンな為にFGOのキャラが出張ってきています。
CFGOのキャラ達については他の二次創作などの影響も大分受けているところがあります。
D負けありきのMシチュ用とはいえ、勝ったらSシチュになってしまうアイテムが出てきます
E大鳳くんのヒロインで畜生だと本編で明言されてないヒロインを畜生として書いています。
FこのSS内ではミクさんの大鳳くんへの好感度は滅茶苦茶高いです。
G大鳳くんが凄い愚行を犯すシーンがありますが、ギャグイベントのダイスでファンブルが出た感じて書きました。
女権国家の不夜城街でも特に清潔で警邏隊の詰め所の一つとアドル神殿という男性の安全に貢献する二つの施設と最も近いところにある、ホストクラブそこの奥の控室で、青一色の服を脱ぎ黒い執事服に似た、高級スーツに着替えた青年がいた。
彼、横島忠夫はすっかり馴染んだスーツの重みを感じながら、これを着るのは今日が最後になるのだと思い、感慨深い思いを抱いていた。 不意に始めて着た時の感覚を意識して思い出すと遠いところに来たものだという思いがよぎり、このホストクラブに来た時のことが思い出された。
彼が初めてこのホストクラブに勤めることになったのは上司であるミクの紹介によるものだった。 女権国家の女性達と仲良くなりつつ、比較的安全な距離の取り方を学びたいと大鳳とジャギと共にミクに相談すると彼女は少しだけ悩んだのち、口を開いた。
「そういうことを学ぶにはうってつけの親王国派の施設に覚えがあるからそこに行って学んできなさい。 私からの仲介だと分かればかなり便宜を図ってくれるはずよ」
ミクの公人としては躊躇わず、しかし私人としては忸怩たる思いを抱いている様子に怪訝に思う三人の視線を受けて彼女は説明を始めた。
「そこはホストクラブで多くの女権国家の女性達が御用達にしている場所で、そこの支配人は王国の元外交官よ。終戦間近になった時には時々軍師の様な事もしていたけど」
ミクの問いに納得がいった様子の大鳳が首を傾げて質問を投げかけた。
「ミクさんが推挙するってことは信頼できる人物ではあるみたいだけど、ミクさんは明らかに少し頼るのが嫌そうに見えたけどそれは何か理由があるんですか?」
「昔の私は、彼を低く見ていたというほどではないけど、あまり詳しく知ろうとしなかった。 彼は過去に王国に非がある理由で戦争が起きそうになった時、無駄な血が流れるのを止めるために命を懸けて敵国になりかけた国出向いたこともあったし、
ブラッドレイに献策した時、ほとんどが却下されていたけど、ブラッドレイの反応からすると策に評価できるところはあったみたいだった。だから臆病者や無能ではないのだろうくらいにしか思ってなかったわ」
「邪険にしていた相手でもないのに、頼るのはあまり嫌なんですか? もしかして女権国家に屈しているわけではなくても、降伏とかしようとしているとか?」
横島の質問にミクは首を横に振った。そして彼女は少しだけ憂鬱そうな顔になり言った。
「『今の所は』それはないわ。ただ彼の思想は敵国も自国も血を流させる量を減らすことが一番、王国への忠誠は二番みたいなところがあるの。 だからこそいつそうなってもおかしくない。
あくまでも結果論にすぎないけど彼の案を聞くべきだったかも、とブラッドレイが言っていた案もいくつかあった。 今になって思えば彼の案を吟味できる上官であった以上、彼の案が却下されたのには私にも責任がある。
そして彼は今も自分の案の殆どが却下されて、出来上がったこの窮地の中で王国に情報提供や親王国派の豪商や貴族とのパイプの確保などで貢献しつづけているの。私もそれなりに助けてもらっているわ」
そこまで話されて彼らは察した。 世話になって恩返しもできていない相手ではあるが、それでも女権国家に降伏するように働きかけ始めたら、その時は殺さなければならない。
そしてその相手に新たに恩を作る行為をするのだから、彼女もまた憂鬱になるのも当然というものだ。 しかし、そんなところに技術を学びに行かせる決断を下したのは、ミクが彼ら三人を決して降伏派に鞍替えしたりしないと信頼しているからだろう。
横島はそこまで聞くと勢いよく言った。
「そのホストクラブ行きます!ミクさんの負い目がなくなるくらいにそこでも手柄立てて、それと女権国家の安全なねーちゃんたちを見極める目や付き合い方を覚えて、モテモテでウハウハな日々をいただきじゃー!」
その言葉を聞き大鳳とジャギは呆れと賞賛の混じった目で彼を見た。 半分くらいは己の欲望入りの本心なのだろうが、もう半分はミクを元気づけるためと、
万が一彼の外交官を殺さねばならなくなった際にミクの負い目が少しでも減るようにしようと考えているのだろう。
残りの半分の欲望にしても女権国家で1年以上過ごしたにも関わらずまだそういう欲望が残っていることには賞賛しかない。 僅かに暗くなりかけた、空気を横島が壊したのを見計らって大鳳がミクの目を真っすぐに見つめて口を開いた。
「ミクさん僕もそこで頑張ってきます。 今までの様に王国に貢献してその人が降伏とか考える必要もなくなるくらいに、王国を有利にして見せます」
大鳳は力強く宣言した。まだ王国は劣勢だが彼らの活躍で息を吹き返し始めてもいる。王国への忠誠が二番と言っても、その外交官は愛国心がないわけでもないのだろう。なら彼が降伏案を捨て去るくらいに王国を有利にすればよい。
そういう経緯で彼らはこのホストクラブ通称GICに勤めた。本来の名前は聞いたはずだが彼は忘れてしまった。 ここの支配人は大鳳たちを信頼できると踏んだ時に教えてくれたが、
本来の名前のほかに偉大な知恵で王国の現状をキュアするという裏の意味を込めて看板がこうなるようにしたらしい。 最も女権国家の国民たちからは流行っているソーシャルゲームに出てくるキャラに似ているホストが多い上に、
客から公表とはいえ受けるとはいえ羽目を外しすぎるホストも多いためGIFは『ギャグイベント時のカルデア』などと言われている。
カルデアとは過去の英霊たちと手を取り合いながら、歪んだ歴史を修正していくゲームだ。 少しプレイ動画を見てみて先輩ホスト達と似ていると思って驚いたものだった。
大鳳とジャギはしばらくここで勤めたのち十分に信頼できる女性の見極めや女性達との距離の取り方などを学ぶと割と直ぐに引退した。しかし、ホストの先輩たちやここの支配人とは仲は良好であり、
今でもたまに助け合ったりしている。大鳳が辞めた主な理由はあまりにも多くの客が来すぎたのと、敵である楯無やファサリナ、極めつけは狂三やスカサハなどの四惑まで来てしまい、
彼女たちは店の規約に反しない範囲の誘惑で彼の理性を削りぬいた。 ジャギは大鳳を支援する方法などを学ぶ気持ちが主だったが、時々彼につけて飲みまくる美鈴や手練れの冒険者でもてこずる依頼をいくつもこなして、
彼を指名して高価なシャンパンを注文するメアリに貢がれすぎて若干胃を痛めてしまい、引退した。今は彼女に恩返しすべく孤児院に足しげく通っているようだ。
437 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:24:30 ID:eLEKoExj
横島はホストクラブの喧騒が始まりその音を聞きながら、この喧騒を聞くのも今日が最後と思うと寂しさも覚えた。 その僅かな感傷は背後から叩きつけられた激励するような手が吹き飛ばした。
凄まじい力でありながら、一切の悪意の籠らない強い殴打に僅かにせき込みそうになりながら振り返るとこの店に勤めだしてから最も親しくなった先輩がいた。
少しだけ赤毛に似た茶色の髪に一見するとゴリラすら連想させるようでありながら締まり切った無駄のない筋肉と会うショートカットの髪をしたその人物は快活な笑みを浮かべ彼に良く通る大きい声で告げた。
「タダスケ、せっかくの引退の日だ。 ここに通うのをやめたお客さんたちまでお前の為に今日は来てくれるんだから、最高のお前で行かなきゃ失礼ってもんだろう。
そこまで寂しいと思うほど彼女たちと素晴らしい時間を過ごせたんだから、その分を感謝に変えて乗り切れ。 勇退兵」
タダスケとは横島がホストをする際に定めた源氏名であり、愛歌やアリスやエヴァ達が占って決めた名前だ。GICにはウェイバーが術でそうしたためか人生に厄ネタを抱えた女性陣が癒しを求めて訪れることも多い。
そしてこのホストクラブのホストの大半は兼業冒険者であり、ウェイバーの指導で強くなっているためか女性を助ける様な英雄めいた行動をとる男性が多い。 そのためかこのホストクラブは小アドルの集いの場など一部ではいわれている。
「ナポレオン先輩。激励ありがとうございます。それと叩く手はもう少し弱めでお願いします」
「ははは! そういうな。加減を意識せず激励できる後輩が一人辞めちまうんだ。俺も多少は寂しいんだ。それにこの方が記念になるだろう」
ナポレオンは、横島にとって本当に頼りになる先輩だ。自分だけではなく、大鳳とジャギもかなり助けてもらった。自分はこの国に来てから王国と関わりのない人物の中では一番信頼できる男性だと思っている。
多分大鳳とジャギもそれは変わらないのだろう。ただし大鳳の方はナポレオンを嫌っているわけではないが苦手意識を持っていた。付き合い初めてから数か月経った時にあったトラブルさえなければ大鳳はもっと彼に頼ったのではないかと思う。
そのトラブルは大鳳の姉であるキャル姉が絡んだことだ。
横島と大鳳とジャギ彼ら三人がこのホストクラブに勤めてから二月くらいたった時、ここの支配人ウェイバー・ベルベットに大鳳が姉のことを相談したのが事の起こりだった。
キャルに起きたことの仔細を聞き、彼女の状態を聞いたウェイバーは額に刻まれたしわをより深くしながら話を聞き終えると、口を開いた。
「ファック! とんでもない厄ネタじゃないかこれは。 私の大嫌いな行為をするしかないか。 大鳳、ミク女史に一筆書いてやるから姉をさっさとここに連れてこい!」
ウェイバー・ベルベット=ロードエルメロイ二世は前回の王国が没する戦いの際に聖杯戦争ならぬ、聖杯競争と言われる過去の英霊たちと共に多くの悪霊を倒した陣営が勝者という、戦いで女権国家の将校たちを出し抜き一位になって生存したらしい。その時のことで彼をたたえると彼は途端に不機嫌になる。
「あの戦いは魔術師としての魔力すらあまり必要ではなく、軍略においては契約した英霊達と、一時的に同盟した女権国家の良識派の将校たちのおかげで勝ったにすぎん」
不機嫌にはなりつつも、その時の戦争のことを思い出す時の彼は心底楽しい日々を過ごせた夏休みの思い出などを語る様な雰囲気だった。 彼が女権国家の篭絡部隊などにやられなかったのもその時組んだ良識派の女権国家の将校たちが、
王国に行われた非道などに一切かかわっておらず、むしろ自国の方がやらかした協定違反を嫌悪し調査する側だったのも大きいのだろう。 彼は本当の意味で幸運を持っていると思う。
女権国家の一部の外道が作り出した聖杯が無数の怨霊と悪霊を生み出し。このままでは王国も女権国家も両方被害が甚大となる。そうなったために、決して破れぬ魔術契約で、聖杯競争の参加者に限り不可侵条約が交わされた状態で、
彼は女権国家の良識的将校と同盟し、聖杯から注がれる魔力で厳戒した二人の英雄、アドル・クリスティンとその子孫の一人征服王イスカンダルと契約したらしい。
彼が上げた大功のおかげで僅かに外交で優位が取れる材料が手に入ったのも王国が存続できた理由の一つだったそうだ。だが男性とはいえ、女権国家の出身の英雄と、
自称である可能性も高いとはいえ、女権国家出身ではなくてもその子孫の英霊と契約したことと良識派とはいえ女権国家の将校と同盟した事実が、不信感を呼んでしまい、彼は本来の功績ほど高い地位にはついていない。
そのこと自体は別に彼は悲観していないが、自分自身の実力を伸ばす時間のある程度の地位にいながら、修行をしても術者としての地力が上がらないことが彼の眉間の皺を深くさせている。
才あふれる自分たちを大分妬むようなことを言ってきたことも多い。特に印象深かったのは、才能が低いというジャギに向かって『贅沢を言うな。一応北斗神拳の伝承者として不足ではないくらいの才能はあるだろうが』と言ったのが印象的だった。
それでも指導者として手を抜かず困っていれば助けてくれる辺り人格者だ。
ウェイバーは本来三人まで英霊を呼べる戦いで二人しか呼ばなかったのは、三人目の英霊である、王国を支えた軍師にして政治家である諸葛亮孔明が、彼と融合する形を選んだためだ。
正確に言えば自分の軍師として能力や妖術、仙術の類をすべて彼に与えた方が上手くいくと冷静に判断したためらしい。その為かウェイバーは東洋の術と相性の良い、横島の指導も時々してくれた。
大鳳がウェイバーの店のキャストとして、女性の厄ネタを解決する際に立てた手柄と引き換えにキャルのことを頼んだのも彼のその凄まじい力を信じてのことだ。
程なくしてキャル姉を連れて帰ってきた大鳳を見てウェイバーは彼女の様子を見始めた。魔眼を持つようになったキャルが警戒しない辺り、ウェイバーは本当に善人なのだと思う。
ウェイバーは僅かにキャルのことを見ると、嫌そうな顔をしつつ、孔明の力を呼び覚ました。自分の実力ではなく、過去の英霊の力に頼るこの行為は彼にとっては強い屈辱と嫌悪感を巻き起こすようだ。
彼の持つ医療の文字の書いた札の光がキャルの体を撫でまわすと、ウェイバーは能力も一流の医者ができれば完治させたい病気に対してそれは無理だと断じる様な様子で、吐き捨てるように言った。
「結論から言う。この目がもたらす被害を小さくすることはできるが今の所は完治させるのは無理だ。 とりあえず彼女はここで雇おう。 バックヤード兼用心棒という形でな」
ウェイバーの言葉に大鳳は、迷った様子を見せた。彼は手柄と引き換えの頼みに対して黒い策を張り巡らせる様な人物では断じてない。だがそれでも万が一敵対するような事態になりその際にキャルを人質に取られたらその時は取り返しがつかない。
大鳳の懸念を察したのかウェイバーは穏やかな口調で言葉をかけてきた。
「心配するな。彼女の身を預かるのは王国と関わりのないホストにやらせる」
ここのホスト達は能力が高いが様々な、事情や素性の物が多い。王国の旧領だったものや、王国捕虜の子供で王国寄りの物。あるいは王国に対して女権国家が行った戦争で破っていけない行為などに憤慨している良識派の家計などだ。
女権国家があまりに無体なことをすれば向こうにつく可能性もゼロではないとは言え、王国に義理を感じてないものたちは一度保護したキャルを人質など断じて許容しないだろう。
438 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:30:57 ID:eLEKoExj
その考えと魔眼を得たキャルが肯定的な雰囲気を発したことが大鳳の決意を固めさせた。
「ランスロット、ガウェイン、トリスタン。 この女性は今日から用心棒兼裏方の手伝いとして、この店で働くことになった。 ミク女史が用意した住居からアドル神殿内部に移ってもらうようミク女史と話はつけた。しばらくはお前たちが面倒を見ろ」
この三人はホスト冒険者を兼業している凄腕のホストで何度か男性だけではなく、女性の不幸を止めるために共闘したこともある相手だ。大鳳が信頼しているホストを選ぶ当たり、
ウェイバーは相当気を使ってくれているのが分かる。 呼び出したうちの二人しか来なかったのを見て、ウェイバーが眉を顰めた。
「ランスロットはどうした?」
赤い長髪の憂いに満ちた表情の美丈夫、トリスタンと金色の短髪のさわやかな男性ガウェインは少し気まずそうにしたのちに答えた。
「ランスロットは不幸な女性を助け、その後女権国家では自殺行為としか思えないその気にさせるアプローチをして逆レイプされて監禁されていました。
救助したところ『今回こそはアドル様の様に逃げ切れると思いました』などと述懐しており、それがばれて娘さんに『お父さんバカでしょう。最低です』と言われてしまい、それがとどめとなり今日は休みです」
友を気の毒に思う気持ちも本心だが、コントめいた自爆を面白いと思うのを止められない様子のガウェインをよそにトリスタンも琴としても使える弓を弾きながら言葉を続ける。
「私は悲しい。無二の友があれだけひどい目に何度もあっていたのに学習できていないことが」
「この人たち大丈夫なの?」
不安がるキャル姉を見て大鳳の頬が綻んだ。キャルは魔眼を得てから、警戒が強くなり自分とジャギと横島とアミバ、そしてモヒカンたち以外は信じられなくなりつつあった。
だが今のキャルは彼らに対しては能力に不安を覚えても人柄に対して一切警戒していない。それを見て大鳳は力強く頷いて答えた。
「普段はこんなだけど、騎士道を歩むものとして大切な場面では凄く頼りになる人たちだよ」
大鳳の迷いない回答にはオカルトがらみなどを主にして善良な女権国家の女性達を護る為に共に戦った彼らに対する揺らぎない信頼があった。その答えを聞きキャルは一瞬で彼らを信じぬく表情へと変化した。
ウェイバーはランスロットが来なかったこととその理由にいら立ち、葉巻をかみちぎってしまった後に直ぐに声をかけた。
「ランスロットのバカが! あいつの出身地であるフランク地方の魔術師たちの手も借りねばならない可能性も高いというのに。肝心な時にやらかしたな!
大鳳の戦果を思えばキャル嬢を使った揺さぶりの工作のための妨害がいつ来るか分かったものじゃないというのに。 仕方ない。 ナポレオンを呼べ!
あいつもランスロット程じゃないがフランク地方に顔が効いたはずだ。ランスロットが話を通す前にあいつに動いてもらう」
呼び出されたナポレオンは快活に笑いながら、ランスロットへのウェイバーの怒りをなだめた。
「まあ、ランスロットが助けた相手の女も善性だったしむしろこのクラブの人気も上がっただろう。大将は軍師としての気質上神経質なんだろうが、
これくらいなら俺がどうにかするさ。俺はランスロットが声をかけなきゃ本格的には動かない地域にも多少は顔が利くから、ランスロットからも正式な要請が届くだろうと言っておいた」
「相変わらず手回しが早い。 私は彼女を助けるのに手を借りる可能性のあるオカルト系の組織全般に連絡を取ってくる。 今日の支配人代行はイアソンに任せる。 ダメ人間の兆候が見えたら殴って止めろ」
それだけ言うと、ウェイバーは彼にしては珍しく早足で駆けて行った。それだけキャルを助けることに対して本気なのだということがうかがえる。
ウェイバーを見食った後、事態の把握に努める為に辺りを見回し始めたナポレオンはその視線にキャルが収まった瞬間いきなり彼女に近寄ると口を開いた。
「お前が今回助けるべきマドモアゼルか。いきなりだが、俺はお前に惚れてしまった。俺の恋人になってくれないか?」
粗野だが不快感を感じさせない真剣な告白に時が止まった。 キャル姉もあまりのことに赤面した。特殊な目を持ったが故に彼の人柄と告白の真剣さが分かったのだろう。 一瞬早く再起動を果たしたのは大鳳だった。
「ナポレオンさん何考えているんですか! あなたは女権国家人でしょう。彼女は僕の姉です」
それを聞いた瞬間ナポレオンは間を置かず本心からの口説き文句を直ぐに出した。
「大鳳の姉だったのか。余計に俺の一目惚れの勘は間違っていないことが分かった。 先輩として何度か苦難を共に乗り越えて大鳳の人柄はよくわかっている。彼をこういう風に彼を育てた女性だと分かって余計に好きになっちまった。直ぐにではなくていいから返答をしてほしい。
お前が望むならホストはやめて冒険者一本に切り替えよう直ぐに」
この時キャルは本心から弟を賞賛された事態と初めて高評価できる男性に本気で口説かれた事態で、顔が赤くなっていただけで、ナポレオンに惚れたりしたわけではない。
だが女性らしい照れた彼女の顔を見て大鳳のシスコンスイッチが入ってしまった。大鳳は即座にミクに電話をした。
「ミクさん。以前手柄の褒美として、自分が出張るほどの案件でなくても僕の要請にこたえてくれるって約束してくれましたよね。はい。それを使わせてください」
程なくしてクミに変装したミクが不本意極まる様子でGICに訪れた。彼女の顔にはなぜ自分が呼ばれたのかという疑問をあるようだ。その彼女をよそに大鳳は彼女をナポレオンの前に出すと言った。
「姉さんに相応しい男かチェックさせてもらいます。その内容はこれです。こちらのクミさんは王国武芸の免許皆伝者だけど、
――歳を超えています。いわばおばあちゃんです。いくら武芸の達人相手とはいえ――歳を超えたロートルおばあちゃんに勝てない人には姉さんは任せられません」
それを聞いた瞬間、横島とジャギの血の気が一気に引いた。粛清とかが起こらない範囲で一番ミクを怒らせることをやらかしたのでは、と二人は思った。
クミに変装したミクから空気を塗り替えるほどの気配が発せられた。普段の大鳳なら逃亡に全力を注ぐその恐ろしい気配に、横島とジャギは震えあがった。
それはそうだろう。血相の変わった声で信頼しているとは言え敵対する可能性もゼロではない上に、負い目のある味方勢力の施設に来てくれと言われて様々な可能性を考慮しながら大急ぎできてみれば、
シスコンを爆発させただけだった上にいきなり気にしている年齢に触れられたのだから。
ミクと仲が微妙なキャルでさえも、多少心配しながらもこれは大鳳が悪いという表情になっている。
ミクは恐ろしい笑顔で大鳳の頭を掴みミシミシという音をさせながらナポレオンに頭を下げさせ自分も頭を下げた。
「すいません。この子は大分シスコンですから。殆ど同世代の自分をおばあちゃん呼ばわりしてまで姉に男性を近づけたくなかったみたいで。 今日は大鳳くんは私が指名して、アフターまで私で良いですか」
ミクの言葉に寒気が走りつつ、彼女は大鳳と恋人に近いほど仲良くなっていた事実も顧み止めに入れない二人をよそに、ミクは有無を言わさない様子で代金を置くと大鳳を連れて行った。ナポレオンは純粋に面白いものを見たように笑いながら、大鳳に先輩としての言葉をかけた。
「好いてる男からおばあちゃん呼ばわりされれば女性は誰だって怒るもんだ。それを上手くなだめて笑顔に変えるのも良い男のたしなみだ頑張れよ!」
439 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:34:27 ID:eLEKoExj
結局それからナポレオンはキャルを口説きつつ今は大鳳の幸せが一番の望みと見て、距離を詰める様な行為は慎むようになった。 大鳳もそれがあってからナポレオンが男として尊敬できる部分を見せるほど微妙に距離を取るようになった。
おそらくは、姉を取られるかもという危惧と、姉との恋路を邪魔するかもしれないのに彼に頼るのはフェアじゃない、という少年らしい潔癖さが入り混じった行動だったのだろう。
それでも二人の仲は険悪ではなく、姉を口説くのがやんでからはナポレオンの筋肉に大鳳が少し憧れて、こうなった鍛え方を教えてやろうかと言われて悩んだところを女権国家の女性達に止められたりするような事件もあった。
その際に一番切れていたのは警邏隊副隊長風鳴翼だった。彼女はナポレオンの胸ぐらひっつかみ滅茶苦茶怒っていた。 だが怒り方は犯罪者や悪に対するそれではなく身内とみなした相手だからこそできる類のものだった。
「ナポレオンこの恩知らず! 昔あんなに鍛錬に付き合ったのに。いや、別に恩返ししてほしかったわけではないが。こんな女権国家の至宝を壊すような真似をしようとするとか、大犯罪だぞ。副隊長権限でしばらく刑務所か強制労働所に行くか」
翼のその様子に大鳳の方が驚き引いたが、ナポレオンは笑いながら大鳳に心配いらないと目で告げた。 案の定翼の後ろから凄い気配を纏ったティアナが現れた。彼女は好感度ドーピング状態の翼をあっさりとひねると、恐ろしすぎる綺麗な笑顔で言う。
「ナポレオンくん、警邏隊副隊長に化けた。急進派副長が失礼したわ。 懲罰房に送って貴方の恩人の本物を見つけてくるから今日はこれでお暇するわね」
「ティアナさん、まあほどほどにお願いします。貴女がこなくても冷静になれば直ぐ反省したと思いますし」
珍しく敬語でしゃべる彼を見て、驚きつつ連行される翼をしり目に彼は大鳳に口を開いた。
「大鳳、お前の中では大分評価が低いと思うが、お前が絡まなきゃ彼女は凄く良識的で男前気質な良い女なんだ」
「そうなんですか?」
「ああ、俺が歪まずに済んだのも何割かは彼女のおかげだ。 事実かどうかは怪しいが俺の家系は一応アドルの血が入っているらしいんだ。 おっと血統のせいで差別されたり女性に襲われる回数が増えたとかそういうわけじゃない。
俺はガキの頃アドルみたいになりたいと本気で考えていた。当時少し年上だった、彼女たちにその夢を打ち明けたことがあったんだ。 ティアナさんとリンネさんそして彼女に話した」
「それでどうなったんですか」
「翼さんが一番俺の夢に真剣に向き合って協力してくれた。 女権国家の良識的な女性なら男性に課さない様な鍛錬も俺に課して来てな。 諦めさせるとかそうじゃなくてこれくらいやらないとアドルのようになるのは無理だという思いからやってくれていたことが分かったからこそ、俺はその鍛錬に耐えられた」
ナポレオンの言葉からはつらい思い出ではあっても嫌な思いではない事と、翼に対する感謝の念がにじみ出ていた。その言葉を聞き意外な思いにとらわれながら大鳳は興味を持ち言葉を返した。
「意外でした。自分の前ではその欲望前回の女権国家の女性らしいところしか見られていませんでしたから」
幾つも恩のある先輩であるナポレオンの手前言葉を選ぶ大鳳にナポレオンはいつもの様子で快活に言った。
「ああ。俺の伸びしろが一度限界に来た時も彼女は直ぐに告げてくれた。言いづらかったが自分の指導を真面目に受けている以上はそうするのが礼儀だと思ったんだろう。彼女がそうしてくれたからこそ、俺はショックではあったがその時も前を向くことができた」
「限界まで鍛えたのならナポレオンさんの強さも納得です」
大鳳は本心から言った。彼の姉も含めて理不尽に不幸な人間を助けるために共に戦った時のナポレオンの強さはすさまじかった。限界まで鍛えられたのならそれも納得いくものだ。だがナポレオンは首を振った。
「その時は今よりもっと弱かったさ。ただ知り合いのティアナさんが、伸びしろに限界が来たのに鍛錬を繰り返して破ったのを見て、翼さんがそれを俺に教えたうえで、できるとは限らないがやってみるかと、言ってくれた。それを聞いて俺も挑戦して今の強さまでこれたんだ」
「そうなんですか」
「ま、そういうわけだからな、翼さんはお前から見るとただの残念なバカ女に見えるかもしれないが、お前の関わらないところではそういう女性だってことも頭に止めといてくれ。世話になった女性が惚れた男にただのバカ女と思われて振られるのは寝覚めが悪いからな。
ああいう女性が警邏隊副隊長をやっているような国だからこそ、――俺もこの国の為に働く甲斐もあるってもんだ」
ナポレオンが最後に口にした言葉を聞いたことも大鳳とジャギがこのホストクラブを早めに去った一因となったのではないかと、横島は思っている。
ナポレオンはウェイバーに協力的だが女権国家に愛国心を持った男性だ。
そして親王国思想の者が多いとはいえ、自分たち諜報組織とは相いれない思想の有能な男性もあのホストクラブには多く勤めている。
彼らや彼らに惚れている女性陣はウェイバーが王国と女権国家双方を仲良くさせてお互いに得をさせるのを目的とした外交官の思想をしているからこそ味方にできている人材だ。
そしてあのホストクラブを運営しているウェイバーは信頼できる同盟者ではあっても自分たちの身内とは言えないし、身内となることもありえない相手だと悟った。
横島が今日このホストクラブを去ることにしたのも、その事情が大きい。 彼に入れあげてきた女性達が何人かおり、それなりに女権国家に影響力のある女性達だった。彼女達の力を諜報活動に活かしたりするのは完全にウェイバー側に着かない以上は不義理極まる。
だからこそまだ引き返せるうちにやめることにした。 自分の引退式の様な、最後の勤務時間が始まる前に、支配人室に来るように言われていた彼は、着替え終えるとウェイバーの部屋に入った。
支配人室の前に来た彼は結界の構成をみてその出来の良さに畏怖を覚え、ウェイバーは霊力自体は少ないが術者として霊力の運用に関しては並外れているのだと感じた。
彼自身が練ることができる霊力は少ないがそれを上手く用いて辛うじて、一流に届きかける所まで来ていたし、この特殊なホストクラブでは大量の魔力を自由に使えるためか、霊的な守りに関しても凄いものがある。
このホストクラブにいる時に限定すれば、彼を倒せるものは女権国家でも十人もいないのではないだろうか。
横島が入室するとウェイバーは横島の才能への嫉妬と自分の指導が間違っていなかったことへの満足感が入り混じった表情をした後、彼に声をかけた。
「つい先ほど私はミク女史と対談してきた」
「それはまたなぜ?」
お互い嫌いあっているわけではないが、仲良くできる状態ではない二人が敢えて対面したのは何か重要な理由があるのだろう。
「私の方から出向いた。大鳳とジャギがいる時を見計らってな。 あの二人が近くにいれば、『お互いに』変な考えを起こし辛いから安心して話せるからな」
ウェイバーとミクは丁度お互いを反対にした様な能力を持っている。ウェイバーは外交や情報分析に関しては化け物めいた力を持ち、このホストクラブで多額の金を稼ぎ王国に貢献し。富裕層の客人の漏らした会話と、
一般的な商売の流れだけでスパイを使っているのでは?と疑われくらいに王国に有益な商売に関する情報や資金を流している。だが戦闘に関しては体に残った英霊の残滓をもってしても、一流止まりだ。
対してミクも戦闘に関しては化物だが諜報に関しては一流止まりであり、トラウマなどを刻み女権国家の諜報部に多大な人的被害などを出しつつも、楯無たちの牛歩戦術などで力を縛られている。
ウェイバーがミクを恐れているようにミクもまた彼を警戒しているところがある。 だからこそお互いが不義理しづらい大鳳とジャギがいる時を見計らって面談したのだろう。
440 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:37:43 ID:eLEKoExj
「それでその用事は」
「私が彼女以外に殺された際に、取ってほしい行動のメモを渡してきた。 最近は情勢があまりにも早く動き、保身の策も無駄になる可能性があるからな。 言っておくが引退を止めるなどとは考えるな。
お前がこの店からいなくなっても『女権国家の方から無体をした場合』は最後まで私に味方してくれる者たちの戦力は大きい。 殺されたりはしない」
「そうですか」
「少なくとも、あと半年は彼女と手を取り合い続けることができるはずだ」
彼の努力や自分も含む大鳳一派の活躍それにより王国に勝機が出てきたことで、絶望的戦況では生じ辛かった不和の種が王国にも芽吹き始めてきている。
ウェイバーの前の大戦での女権国家の戦争犯罪を嫌う良識派の女権国家の権力者を味方につけて一時的なら、女権国家の良識派の下で王国を存続させる派閥とミクの徹底抗戦派の派閥も場合によっては潰し合う時が来るかもしれない。
横島は息をのんだ。自分ももう少ししたら、ミクかウェイバーかを選ばなければならない可能性もある。
「理想としてはミクに徹底抗戦派の筆頭として前線に立ってもらい、勝てばそれでよし。負けた時は我々が王国に帰還して王国に好意的かつ、女権国家が行った協定違反を嫌う国境勢力を味方につけ、
そして女権国家内部の良識派に反戦行動をしてもらいながら、防衛線を行い王国の存続を狙う形に持ち込むことだ。だが、女権国家の権力者たちも愚かではない。 私かミクかどちらかを潰そうとするだろう。そしておそらくは消去法で私を消しに来るだろうな」
ミクを殺すのは不可能に近い。対してウェイバーは殺すのがとても難しくかつ、殺した際のデメリットも大きいが不可能なわけではない。そして何より彼は男性だ。女権国家の女性達にとってはカモだろう。
「だからこそお前はミクの所に戻っておけ、お前に経済の流れなども多少は叩き込んだから、もしも私が消されたら、一旦王国に帰国してミクが破れた際の私の後継者の補佐を頼む。 ミクもその件に関してはもう了承済みだ」
ミクとの対談はそれだったのだろう。
「お前がミクの所に帰れば私より彼女を取ったと女権国家や周りはみるし、後方支援についてもお前の能力なら不自然ではないだろう。 私の派閥が立ち消えたと思っていたら、補うものがいれば衰えぬ働きをしてのければ女権国家も相当に予定が狂う」
ウェイバーの言葉に横島は頷いた。
「分かりました。支配人今までありがとうございました。最後の仕事をこなしてきます」
頭を下げる横島にウェイバーが再び声をかけてきた。その声のトーンは明らかに今までとは違った。 この声は忠告を聞かないと部下が死ぬそんなときに出す声だと分かり、横島も体を固くした。
「横島、お前に惚れた女性達はこの国の基準では良識的な女性が多い。だが、彼女達も女権国家の女性であることは忘れるな。 アドル神殿への礼拝を良くしておくことだ」
ウェイバーはイスカンダルほどではないがアドルに対しても相当に好意や敬意を持っていることが分かる。冒険日誌などが出ると必ず購入している。 ウェイバーはさらに言葉を続ける。
「相手の女性も了承の上とはいえ、あの先祖への尊敬の念も素直に出せない未熟者の小僧からもらったアイテムで作った関係などは長続きするとは思わない方が良い」
未熟者の小僧の一言でランスのことを言っているなと横島は思った。ウェイバーはランスのアドルを尊敬している部分もあるのに、素直になれない彼には辛らつな言葉を吐く。
だがランスがアドルを超えるために修行していると、助言する辺り心底嫌っているわけでもない気もする。
「はい。分かってます」
内心驚きつつ、女性達との関係にまで気づかれた衝撃を隠しながら話す彼にウェイバーは言葉を続ける。
「明らかに、分かっていない。 お前がそういう関係になった女性達は善人か善人寄りの女性が多い。だが、女権国家の女性であることには変わりはない。もう手遅れかもしれんが、
今までのホストとしての交流を思い出し、一人ひとり対応を変えて彼女たちの嗜虐心を抑える努力をしろ。 そうすれば『運が良ければ』人としての尊厳くらいは残るだろう」
「悪かったらどうなるんですか?」
ウェイバーは彼にしては珍しく素で気の毒そうな顔になった後。横島から目をそらしやや小声になって言葉を返してきた。
「彼女たちの気質上、不義理や汚いことをしたわけじゃないお前のことは多分大事にするはずだ。 まあ、そのなんだ。結婚式だけはまともにしてくれるように頼め。そうしないとここに来るホスト希望者が減ってしまうからな」
「オーナー。そんな怖いこと言わないでくださいよ。 気づいていたんでしょうなんで止めてくれなかったんですか!」
横島の悲痛な声にウェイバーは再び向き直ると強い声で返した。
「このホストクラブでお前はなかなかの数の女性を助けたが、そのメダルで強くならなければ助けられない女性もいただろう。それでもそのアイテムを使わなかったか?」
それを言われて答えられない横島にウェイバーは言葉を返した。
「今沈黙している状況それが答えだ。 忠告すると勢いが落ちてしまったかもしれなかったからな。 賭けのない戦や外交などない。それは諜報活動も一緒だ。彼女たちの良心と自分の運を信じろ」
「支配人分かりました。それでは改めて行ってきます」
横島が決意を固めて出て行ったのを見て、ウェイバーは憂鬱な顔になった。
「諜報員として死んだりはしないだろうが。王国男子としての尊厳は確実に死ぬな。ああいう決意を固めた表情がどれほど彼女たちの情欲を刺激するか」
横島の最後を想像した彼は横島が出て行ったドアに向けて合掌すると、再びホストクラブに来た女権国家の女性達、商人、軍人、貴族令嬢。霊能職、冒険者、一般人の入れるボトルの量や漏らす愚痴などを調べ上げメモをして女権国家の過去のデータと照らし合わせ、
現在の経済状況の動きなどの予測を書き始める。 諸葛孔明の残滓のためか、あまりにも正確なそれがスパイ活動を疑われるために手入れが過去に何度か手入れが入ったほどのものだ。
手入れの度に白だったためか今では警邏隊は完全にこの店の味方になっている。この予測した書類を王国に出すことも、王国を経済的に助けるだけではなく女権国家のスパイをいくばくかはこの店に張り付かせて人員を無駄にさせる意味もある。
ウェイバーはこれからの店の運用について悩みながら横島が抜けると裏方的な意味でも痛くなるなと思った。
横島が引退式の会場に来ると、アリス、愛歌、ユウキ、エヴァ、リグル、ヴィヴィオ、そして花の大公爵ジェラート・ヴァレンティーヌ等をはじめとしてホストをやりながら怪奇事件などから助けた女性たちが集まってくれていた。
思った以上に自分を好いてくれた女性や、好いたわけではなくても感謝してくれている女性が多いのだなと思い誇らしくなった。
「忠夫引退おめでとう!」
一番うれしそうな満面の笑みで祝辞を述べてきたのはユウキだった。彼女にしてみれば、純情で不機嫌になることも多かったが、
それでも善良な女性達を見捨てる横島など見たくないと思い黙認していたが、横島に助けられた女性がここに来るたびに不機嫌になったものだった。 アリスも笑みを浮かべて横島に近づいてきて言う。
441 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:39:31 ID:eLEKoExj
「貴方が大勢の不幸な女性達を助けるために頑張る姿は素敵だったけど、スパイの仕事以外でも怪我をするのは見ていたくなかったから嬉しいわ」
二人の言葉を聞き彼女たちに傅かれるような対応に、横島はランスから試してみろと言われたアイテムを使ってみてよかったと本気で思った。そしてランスからそのアイテムを譲られた時のことが思い浮かんだ。
今から1年半前この仕事をしながら兼業冒険者として働いている中、善良な女性を助ける為に少しでも早く強くなりたいとランスに漏らした時、彼はアドルを尊崇するウェイバーに対する憎まれ口を止めて、彼に言った。
「あの頭でっかち軍師野郎の指導でも足りねぇのか」
ランスの神妙な表情には、普段は女性を支配するのではなく逃げる方を選んだアドルごときを尊崇するヘタレと言いつつ、育成者としてのウェイバーは高く評価していることがうかがい知れた。 彼は少し考えると、横島に言葉をかけた。
「横島、次の休みは俺様と出かけろ。 俺様が試してみたいアイテムがあったからそれを使ってみろ。お前が仲良くなった女達なら、事情を隠さず話せばこのアイテムを使うことを了承してくれるだろうし、どう転んでもそこまで悪いことにはならんだろ」
ランスは女権国家で男性優位ハーレムを考えている無謀な男だが、女権国家に生まれ逆境を経験し続けたためか、良識なども育っている。 恐らく本気で彼の力になってくれようとしているのだろう。
次の日にランスに指定された場所に行ってみると、そこには見ただけで心奪われるような大聖堂に美しく大きな絵画が飾られていた。 その絵画は山の中で月の下で遠吠えを上げる大きな狼が描かれていた。
狼の強さと誇り高さ月の光で引き立てられてどこまでも引き込まれるような絵だ。 ランスはその狼の絵が刻まれたメダルを横島に渡してきた。
「神狼(しんろう)のメダルと言ってな。この狼は神の力を持った獣で、気高く誇り高く罪なき弱者を多くの邪悪な存在から守り、邪悪な存在を狩り尽くしていた。 そして多くのメス狼たちを支配し、
交尾の際も圧倒していたらしい。 それを見て女権国家に侵略されたばかりの、男性優位の性行為が当たり前の、国の画家がこの狼に憧れてこの絵を描いた」
「そうなんか。これを書いたのは霊能者とかじゃなくても、あまりにも凄い絵すぎて後天的に何か霊的な力を得ても不思議じゃないレベルや」
「ああ。この絵を見た女性を支配したいと考えた男がそういう信仰を植え付けてこのメダルを作った。最も作られたばかりの頃は魔狼(まろう)のメダルって言われていたらしい。 このメダルを使うと心夢(しんむ)の迷宮ってところに行けて、
その迷宮を踏破できると夢の中で女性の魂を屈服させるような性行為ができて、女性の魂を屈服させて支配できるようだ。 女権国家外の善良な女性達にこれを使おうとし入り外道な男たちの魔術結社を、アドルが奴が潰した時の冒険で回収した」
「ランスこれを持っていたのはやはり先祖から受け継いでいたのか?」
「そうだ。 最も踏破に失敗すると女どもに夢の世界で逆に犯されてしまい、完全に支配されてしまう危険もあるそうだ。 だが夢の世界での戦闘経験もある程度は現実に持ち帰れる。
魔術や霊力を使える人間は、筋力は変わらなくても、霊的な気の扱いがとてもうまくなったそうだ。拳法家とかでも気の使い方は向上したらしい。 横島事情を話して仲良くなった女達に事情話して彼女たちの心夢の迷宮に挑ませてもらえ。
心夢の迷宮はどの迷宮もすさまじい難易度だが、女が好意を持っていればいるほど難易度は下がるそうだ。そういう迷宮ならお前の鍛錬にちょうどいいだろう」
ここまでの発言を終えると途端にランスは不機嫌な顔になった。語気を荒くしてそこから言葉を続ける。
「あのヘタレフェミニスト野郎は、女権国家以外の善良な女性を保護するためと、女権国家の男がこれを使って死に覚えゲーみたいな心夢の迷宮に挑んで堕とされるのを見かねて、邪教集団や夢魔と戦って回収したらしい」
ここまでのランスの口調は誇らしげだったが、ここからは少しだけ憤懣が混じった荒い声になった。
「そこまでは良い! その後の行動が本当にダメだ! 俺様ほどではなくても、そこそこの男なんだから、このメダルを使って今まで自分が救った女たち全員を支配して。首輪つけて自分専用の雌犬にするくらいはしてのけろってんだ。
冒険日誌をあらかた読んでいるから分かるが、あいつなら心夢の迷宮をいくらでも踏破できるだろうが」
その発言を聞き横島はこれはまた長くなるなと思った。ランスのアドルに対する尊敬と不満の混じった愚痴はなかなか収まらない。 その愚痴をどう止めるか悩んだ瞬間に彼に声をかけてきた女性がいた。
「タダスケ殿、心夢の迷宮に挑むというなら手を貸そうかえ」
低く品のある声に振り替えるとそこには何度かホストとして相手をした花の大公爵ジェラートがいた。
彼女は自分の配下であるさとりがキャルに悪戯をした詫びに来た後、横島の前世が夫だったからという理由で彼を何度も指名してくれていた上客に当たる。
「ジェラートさん。助けてくれるんですか」
「前世で妾は何度もそなたに助けられたゆえにな。サキュバス族を従えておる故そちらにも妾は詳しい。 そなたが敗北した時に被害が小さくなるように取り計らおう。 さとりの奴がやらかしたことに対する監督不行き届きの詫びもまだ済んでおらぬ故な」
ジェラートはかつて悪事に走り自業自得で追放されたところを横島の前世に救われて償いの試練を手伝ってもらい、ついに創造主に許されたらしい。それゆえか彼女は疎まれる出自の者の保護に熱心な所がある。
以前彼女は『大罪を犯した自分が許されたのに、何もしてないものが苦しい生活を送るのは通りが通らぬ』と横島に言っていた。
それゆえかさとりがキャルにやったことに対しては割と本気で怒っており、厳重に呪いで縛り横島達の支援者として送り込むなどしてきた。 この時の横島はさとりと行動を何度か共にしたためか、あまりさとりに対しては悪感情はなくなっていた。
さとりやこいしなどの心や無意識の能力を持つ妖怪や、無数のサキュバスを従える彼女なら確かに心夢の迷宮の攻略には絶好のサポーターだろう。
「ジェラート様お願いします」
横島に頼られると彼女は本当に嬉しそうに頷いた。彼に頼られたのが相当嬉しかったらしい。
それから彼はユウキ、アリス、エヴァ、愛歌、リグル、ヴィヴィオ、というホストを始める前に知り合った女性達だけではなく、この店に来てから助けた女性達にも事情をすべて話して合意の上で、彼女たちの心夢の迷宮に挑ませてもらった。
ホストクラブで彼女たちのご機嫌を取り、迷宮の難易度を下げつつ、下がってなお高すぎる難易度の迷宮で敗れるたびにひどい逆レイプを受けてしまった。さらに何回かは、目が覚めると夢と同じ行為をいつの間にか侵入してきた彼女たちに現実でもされていたことも多い。
その度に彼女たちにずっと飼われたいという願望が芽生えたが、その念を自分の実力を上げるためとこの店に訪れる霊能がらみの厄ネタを抱えた女性達を救いたいという一念で折れずに乗り越え切った。そして彼は女権国家の男性なら憧れるであろう男性優位の性交を日常的にできるようになっていた。
彼は全ての女性達の心夢の迷宮を踏破したわけではないが、それでも踏破出来たアリス、ユウキ、ジェラート、ヴィヴィオ達との夜の日々は甘かった。だが、迷宮踏破に失敗して彼女たちに嫐られた日々を思い返すと、物足りないと思ってしまう自分もいる。 感傷に浸りかけた時にさとりが笑いながら言った。
442 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:42:04 ID:eLEKoExj
「愛歌さん、アリスさん彼王国男子のくせに女性に勝って征服した性行為より、負けて嫐られていた時の方が良いみたいですよ」
「さとりちゃん、やめてぇな。恥ずかしすぎるわ。それと少し気になることがあるんやけど」
「ええ。分かってます。でもここの皆さんにも教えた方が良いと思うから敢えて口に出して聞いてみては」
さとりと横島のやり取りを見て、何人もの女性達が興味を持ったように彼らの様子を見始めた。横島が本当に困っているようなら自分にできる範囲で恩を返そうと言う、気配もある。 それを見ながら彼は少し間を置くと口を開いた。
「実を言うとワイが神狼のメダルを使って皆さんに鍛錬に付き合ってもらったのは周知の通りや。なぜか知らんが大鳳がランスに頼んであのメダルを使わせてもらおうとしたらしいんや。
大鳳はあのメダルの危険さをよく知っとるはずだけどなぜあれに頼ろうとしたのかわからん。 今の所は無事みたいだがな」
それを聞くと周囲の女性達の顔に疑問と横島の恩人で親友な大鳳の身を案じる様な気配が漂い始めた。 あのメダルを使って横島が無事でいられたのは仲の良い女性達にきちんと説明して合意をもらって侵入したからこそ、
心夢の迷宮の難易度と負けた際のカウンター的な女性優位の性交による夢の世界からの魂の浸食が大分優しめになっていた。
仮にも敵対している相手や強く大鳳に執着している女権国家の女性に使ったら一回で呪い返しを受けて虜にされてしまってもおかしくない。
それを聞くと花の大公爵ジェラートが不意に立ち上がり彼に近づいてきた。毒々しいにも関わらず鮮やかな美しさがそれに勝る赤い瞳で彼を見据えながら近づいてきた。
「タダスケ、そなたがここにいるということは、大鳳殿は無事なのであろう。じゃが、彼が確実に無事であると断言できる時間はどれくらいかえ?」
「ああ。あと半月は確実に大丈夫だ」
横島の力強い断言に周囲は安心した様子になりこれが終わったら大仕事だという様な気配になった。それをありがたく思いながら彼は説明を続けた。
「ジャギにも事情を前に話した。 ジャギは俺の話を聞いて、大鳳の気の流れに不自然なところはなかったといっていた。アミバも定期健診でも変なところはないと言っていたから、
気配を消して尾行して大鳳が疲れ切ったところを見計らって、調べてようやく女権国家の女性に搾り取られ切った後の様な状態になっていることが分かったようだ」
「それは随分と奇妙じゃな。メタリカ殿どう思う」
沼の魔女メタリカは横島に救われて心夢の迷宮を使うことを許してくれた魔女だ。迷宮の踏破に失敗した時に犯してくる彼女の快楽が凄まじすぎたために、
横島は根を上げてしまい彼女の迷宮は踏破できていない。魔女としての実力だけなら大差という程ではないがジェラートに勝る。
「すまんな。ワタシも月に一度とはいえ彼を見ていながら気付かなった側だ」
メタリカの答えにジェラートは咎めるよりやはりという表情を浮かべた。ジェラートも横島の恩人なのでたまにではあるが、大鳳と顔を合わせていた。綿密な診断をしたわけではないが、自分も気づかない以上は彼女が気付いている可能性は高くないと思ったようだ。
少しだけ重くなった空気を変える様に横島は言葉を切った。
「大鳳の奴がそうなっているのは神狼のメダルを使って誰かの夢に入っているからや。それはあと半月は絶対やらんと約束してくれた。 確たる目的を意識を持って、やっとる以上はそう簡単には折れんだろう。 だから明日から俺は大鳳が挑んでいるものに挑もうと思う」
横島のその言葉に対してユウキが笑顔で返した。
「うん、明日から重労働になりそうだから今夜は思いっきり騒ごうか」
切って落とされた宴が最高に盛り上がり終わりに近づき始めた頃、不意に白に近いピンク色の花びら舞い散り始めた。ジェラートが気を利かせた余興を始めたかな、と思い直ぐにそれは違うと思った。
ジェラートと同じ花の魔術だがイメージが大きく異なる。ジェラートが使う花は濃い色をした艶やかな花を思わせるのに対してこの花は対極に位置する春の桜などの化身を思わせる。辺り一面にさわやかな春の訪れを思せる花びらの乱舞がやむと可憐な花を思わせる白い髪の女性がいた。
ジェラートと似通った花の魔術の使い手なのは一目でわかったが。 彼女の出現させるさわやかな花に対して無邪気な子供めいた笑みと赤い瞳がどこか危険な感じがする。彼女は笑いながら横島に声をかける。
「初めまして、タダスケさん。いやもうホストは引退済みだから忠夫さんかな。僕は花の魔術師マーリンさ」
彼女の笑みを見た瞬間ジェラートが横島をかばうように前に立ち、杖を抜いた。 愛歌とメタリカは攻撃を仕掛けるか否か悩んだようだが、ジェラートが一応対話に応じようとしているのを見て、彼女に合わせることに決めたようだ。他の女性達もそれにならう。
「ジェラート、同じ花の魔術を使う仲間じゃないか。そんなに塩対応しないでほしいな。悲しくって泣いてしまいそうだよ」
「そなたがそのような殊勝な女か。一体いかなる用事でこちらに来た」
「実を言うと君たちの危惧を解決する情報を持ってきたんだ。もちろんただじゃないよ。報酬はただ一つ。友の為に奮闘する彼とその彼を助ける君達を見たいんだ」
「相変わらず終わらない物語を望むか」
「うん。 それでこれから大鳳くんを助けにいかないかい? 大鳳くんは横島君との約束は守るつもりだけど、君が助けに来てくれるなら彼は今から神狼のメダルを使って改心させるべき女性の心夢の迷宮にいくよ。 夢は不変無意識でつながっているから、君の大鳳くんのお助けキャラをやれるはずさ」
横島は少し悩んだ後、回りを見た。全員が行こうと言ってくれているのが分かる。横島はそれを読み取ると。ウェイバーのいる支配人室に戻った。 着くと彼は既に状況を把握していたらしく、言葉を返してきた。
「とんだ引退式になってしまったな。だがお前の源氏名らしいと言えばらしいか。タダスケとは忠(ただ)助けるの意だったらしいからな」
「死に物狂いでただ助けることだけ考えんと救えん女性ばかりでしたからね」
「まあ。最後は親友を助けるための戦いに出陣する形でホスト引退というのもお前らしいだろう。 どんなに無様でも良いから生き残れ。仮に戦闘員として再起不能になっても、お前は私が死んだ後の後継者を補佐できる頭はあるのだからな」
ウェイバーに頭を下げると彼はそのまま彼女たちの元に戻った。
深刻な表情をしている面々の中で唯一これから楽しいピクニックに行くような笑みを浮かべるマーリンを見ながら彼は頭を抱えた。
「それでこれからどうすればいいんや?」
「ジェラートの城に連れて行ってくれないかな? 彼女はサキュバス族を従えているし花の魔術を使う公爵だから僕の力とも相性がいいんだ」
横島はそれを聞き、頷くとジェラートが笑みを浮かべて杖を振った。
ジェラートの華美極まる遊郭を思わせるが赤の多い彼女の城に来ると大鳳の姿はなかった。
マーリンが既に連れてきているかもという予測もあったが今はここにはいないらしい。彼女は笑みを浮かべながら言う。
「大鳳くんは他の場所である心夢の迷宮に挑んでいるよ。 忠夫くんこれから君は時に自分の女性達の心夢の迷宮の攻略を大鳳くんに手伝ってもらい、時には君が手伝いに行くんだよ」
「なぜそんなことをする必要が? いや大鳳を助けることは別に良いんや。当然のことやしな。 だがなぜワイも自分の女性の心夢の迷宮に挑まなきゃいかんのや」
「説明不足だったねごめん。 大鳳くんが今挑んでいる心夢の迷宮の持ち主の女性の心の中では君が負けても王国でいう所の逆レイプとかはされないんだ。それは君が大鳳くんを攻略中の心夢の迷宮に読んだ場合も一緒なのさ。
そして君の主な役目は大鳳くんが向こうの心夢の迷宮で危ないことになったら、君の助っ人という形で呼ぶことで避難させられる。今回大鳳くんが望んでいるのはそういう支援さ。最も大鳳くんの話では、助っとして呼ぶ可能性もあるそうだけどね」
「なるほどな」
443 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:44:21 ID:eLEKoExj
「早速だけど、大鳳くんが向こうの迷宮で攻略失敗して負けそうだから呼んでほしいそうだよ。大鳳くんを呼んでしまったら、心夢の迷宮の一エリアをクリアするか、一度負けて逆レされるまで、帰れないよ。大鳳くんが君を呼んだ場合の条件も同じだ。
そして今回君がいく心夢の迷宮は誰の迷宮になるか選べない。これは一人で挑むのではなく、助け合う場合の代償なんだ」
「分かった」
そういうと横島は神狼のメダルを握りしめた。ジェラートとマーリンが杖を振ると彼の意識は一気に眠りに落ちた。
横島が目を空けると最初に目に入ったものは吸血鬼の城だった。
「よりによってエヴァの心夢の迷宮か」
愚痴る横島に不意に柔らかく少女を思わせるものがぶつかってきた。抱き着かれたような感覚をしてみると、そこには大鳳の姿があった。
「忠夫、助けに来てくれたんだね」
「おお。大鳳、色々聞きたいことはあるがとにかく今はこの迷宮のクリアやな」
「忠夫、確か何人かの迷宮はクリアしていたんだよね?」
「ああ。アリス、ユウキ、ジェラート、ヴィヴィオの迷宮はなんとかクリアした。他の女性はまだ無理というか、もう挑む理由がないから一生やらんと思っとった。
あれから現実世界でも修行したし幾つかの心夢の迷宮を超える際に鍛えたから。今回は超えて見せるで」
そういうと横島は霊波刀を構えエヴァの心の迷宮を切り崩しながら進んでいく。月の下に映える美しい場内で吸血鬼の手下を思わせる敵を無数に切り倒し。大鳳もそれに続き剣を抜き放った。
横島はそれを見てやはりと思った。心夢の迷宮はイメージが最も大切だ。ここでは霊的なまじないも現実世界以上に効果がある。だから銃ではなく、聖剣の様な剣を大鳳は武器としているのだろう。
二人の息の合った連携がかつて彼が敗北した城の敵を一切寄せ付けようとしない。 ボス部屋の前の中ボスらしき、狼男がいた。
月光の下に映える恐ろしくも獣の美しさも合わせ持つそれは達人が放った弓の矢を連想させる速度で彼らに迫ってきた。 横島は即座に間合いを開くと。文珠で『臭』を出すとかの獣の動きが僅かに鈍った。
初撃を受けた横島は、鍔迫り合いを演じ、このまま続ければ彼を倒せる。だが逃げようとすれば、深手を負う。それを読み取った狼男は即座に、下がるか否かの判断を強いられた。
その瞬間に一切の躊躇いなく大鳳が即座にスタングレネードを投げてきた。 狼男は心底驚き疑問を抱いた。狼は群れの意識が強い。
彼と大鳳には確かな友情があったにもかかわらず彼を巻き添えにする戦法を大鳳は一切迷わず使った。それを予測できなかったためか狼男はスタングレネードで耳をやられてしまい。大鳳にあっさりと打倒された。
横島も鼓膜をやられていたが全く迷わずに『治』の文珠を使って治療した。消えかけている狼男に彼は律義に話しかけた。
「正直お前はエヴァのイメージする吸血鬼の理想の従者の狼男だから、文珠二個で済むなら安いレベルの敵だった。 ましてここは心夢の迷宮。現実の文珠が減るわけじゃないしな。痛みは現実と変わらんが、負けるよりはましだ」
そういって彼を倒した。横島はエヴァの部屋に入るべく文珠を大鳳に数個渡すと自分も構えた。
「忠夫、一つ聞きたいんだけど。 心夢の迷宮のエヴァさんって現実より強い?」
「いやエヴァの場合はそこまで現実のエヴァと差はなかった。夜の状態とあまり変わらんがな。本人が最強の自分をイメージし慣れとるせいか、あまり変わらんのや。最もここのエヴァは厳密に言うと本人とは言えんらしいがな。そのためか、本人が一定の好意を持っている男の侵入者の場合犯さないという行動もとれんらしい」
そういって彼が部屋に入ると吸血鬼の玉座に座るエヴァが、おもしろそうだという表情をしながら玉座に座っていた。
「忠夫、やはりここまで来たか。さすがに友の命もかかっている訓練となれば最後まで成し遂げると思っていたぞ。 だが、許可を出しおいてなんだが、私の心夢の迷宮に挑んできたのはいただけないとも思っている。
クリアできると思ってはいなかったようだが、闇の福音である私の嗜虐心を大分侮ったようだな。修業は十分できただろう。もうこの迷宮に来る気がなくなるくらいに可愛がってやろう」
立ち上がろうとするエヴァを見ながら横島は少し面白がるような顔をした。大鳳が視線で説明を求めると、まだ立ち上がっていないエヴァを警戒しつつ横島は答えた。
「実はワイは心夢の迷宮のクリアしたボス戦は全部一回で勝ったんや。エヴァ相手にはあまりにも凄い逆レされて折れた。だからこれが初めての二回目の戦いなんや」
「そうなんだ。それで何か発見したの?」
「ああ。前とおんなじセリフ言っとるから少しおかしくてな」
「そうなんだ」
僅かな違和感を覚えつつ大鳳は即座に構えた目の前のエヴァが戦闘態勢に入った。彼女が戦闘態勢に入ると即座に瞬間移動めいた動きが起こった。僅かな空気の流れが、本当に瞬間移動をしたのではないことを告げている。
彼女の放った拳の一撃とそれをかわした直後にマシンガンの様に放たれた、冷気の魔法とそれが作り出す氷柱の刃を横島が札をばらまき相殺し、残った一部をかわしながら横島は勝ちを疑っていない声を出した。
「やっぱ強いな。 だが今なら前よりは戦力差がない。なにより前とは違って大鳳、お前がいる」
「うん。忠夫、勝とう!」
エヴァの連続攻撃を大鳳と横島は息の合った連携で見事に捌きぬきながら戦った。前回負けた時より数瞬だがお札の発動や、あるいは引き出せる力が強くなった彼は前よりも彼女に拮抗できている。そして何よりも大鳳が彼の負担を減らして僅かな時間とはいえ、術に専念できる時間を与えてくれるのが大きい。
僅かに余裕をもってエヴァと切り結ぶ大鳳と、本当に全身全霊で辛うじて二人の動きについていき援護する横島の戦いが起こり、エヴァが優勢でありながら、横島が援護に入り続ける限り大鳳が崩れずそして、
逆転劇が起きてしまいそうな気配もある。エヴァが有利でありながら硬直した戦局は唐突に次の局面を迎えた。まるで僅かに上がってきた二人の逆転の可能性を摘もうとするかの様に、エヴァが大きな冷気を纏いだした瞬間に空気が変わった。これは決着の時だと二人も察した。
緊張が極度に高まった次の瞬間、エヴァが氷でできた剣を作り出してきたのを横島が辛うじて霊波刀で受け止めると、大鳳が妖怪等に効果がある太陽神の加護を受けた閃光手榴弾をばらまいた。
エヴァは最初の一個が爆発する瞬間に即座にマントで目を覆った。大鳳と横島の二人も自らが投げた閃光手榴弾のせいで視界がある程度は狭まるのを予想しつくしての動きだ。 即座に目を覆う大鳳とは違い横島は目を閉じるだけにとどめた。
目を閉じていても布などで覆っていなければ視界の復活が大分遅れる。それを覚悟の上で彼は、二つの文珠を発動させる。『強』『化』手榴弾に刻まれた太陽神の力が強化されるように仕向けることで、エヴァを弱体化させる。前回エヴァに負けたからこそ、彼女の強さはよくわかっている。
閃光手榴弾の効果で弱体化された彼女なら、大鳳なら確実に倒しきれる。そう信じ切ったからこそ十秒近くも失明状態になることを覚悟出来た。だが、その予測は一気に裏切られた。凄まじい闘気が辺りを包み、その気配が一瞬で大鳳を討ち果たした。
横島は即座に負けを覚悟しつつも、自分を倒す一撃がいつまでも来ないことを疑問に思った。不意に目を空けるとそこには、ナポレオンとのトラブルがあった夜のクミに変装した。初音ミクが大鳳に騎乗して犯している。そしてそれを見た瞬間彼は致命的な事実に気づき叫んだ。
「ここは、エヴァの心夢の迷宮じゃない! 多分だけど、さとりのだ!」
叫び声が終わり切る前に不意に閃光手榴弾で視界が戻り切っていない彼の後ろ頭を小さな子供の様な手が掴んだ。後ろから嗜虐心をたっぷりと含んだ声が響いた。
「ご明察です。トラウマ想起も戦闘だと融通が利くんですけど、セリフはそうもいかなくて困ってました。 あなたにとってトラウマだらけのエヴァさんの心夢の迷宮の想起はいかがでしたか? それでは遊びましょうか忠夫さん」
そういった瞬間さとりが、彼に向けて手をかざし宣言した。
「『想起・嫉妬したエヴァさんをホストとして接客した日』」
444 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:46:22 ID:eLEKoExj
その日横島は彼女と似たところも吸血鬼を助け理想のナイトの様に振舞っていい気分で接客していた。その日珍しくエヴァが客としてGICにやってきたので彼は明らかに不機嫌なオーラを身にまとっている。
大人の姿となり黒いイブニングドレスを着こんだ彼女は美しいがその美しさが余計に不機嫌さが生み出す恐ろしさと強者の気配を引き立ている。彼は若干怯えながらも彼女の指名に応じた。
「忠夫、最近は私たちの指導で強くなって男を見せる機会が増えたせいかモテモテだな。クルル・ツェペシにスカーレット姉妹。随分と私の同族に優しい男になったな。師匠の一人として鼻が高いぞ」
皮肉たっぷりの彼女の声に、横島は怯えつつホストとして過ごしてきた。経験が最高の対応を引き出した。
「当たり前だろ。エヴァ、お前の同族にホストとして接する以上はお前の面子の為にも、恥ずかしい真似できないからな」
声音からして、エヴァの同族に対して彼女のメンツを損なわせない為に頑張ったと思わせる自尊心をくすぐる声だった。それを聞いたエヴァは笑顔になり優しい手つきで彼を抱き寄せる。ほっとした瞬間に彼女の腕に万力の様な力が宿る。
「随分と女の自尊心を満たす言葉選びが上手くなったものだ。うん、女権国家でそういう対応は犯してくださいと言っているようなものだぞ。 意訳すると『これ以上女を堕とすスキルを上げる前に俺を縛り付けないとだめだぞ』ということか」
エヴァの場を凍らせかねない恐ろしいオーラに怯えた彼はホストとしての仮面が壊れ。泣きつくような様子で答えた。
「しょうがないやろ。彼女たちの境遇はお前と似通ったところがあったから見捨てるなんて無理や!」
その言葉を聞きエヴァの怒りが収まった様子になり横島はほっとしたが、怒りは収まったが代わりに情欲が燃え盛った女権国家の女性の目になった。横島も女権国家の女性やその影響下にある女性と付き合った以上覚悟は決めていたので、エヴァの次の言葉を待った。
「それでは今日は特別なカクテルを出してもらえば許そう。店主タダスケのアフターまで頼んでいいか」
「了承しよう」
ウェイバーがそう答えたのを見て、横島はエヴァが持ってきた酒を飲むように促されその美味な酒を飲んで心地よい倦怠感と共に、動けなくなった彼を支えながら彼女は言う。
「この極上の魔法酒を飲んだお前の血こそ最高のカクテルだ。それではかえってじっくりと飲ませてもらおう」
そういうとエヴァは先ほどより力強く横島を抱えた。それほどの力を込めているのに痛みが一切ないところが、彼女の技量の高さが感じられてより恐ろしく感じられる。そして彼女は多めに料金を置くと、釣りはいらないと言って出て行った。
夜の闇を超えてエヴァの城の寝室に連れ込まれた彼は震えあがった。これからエヴァから与えられるであろう快楽への期待と恐怖が同時に訪れている。
「あれほど私を妬かせたんだ。それなりの覚悟はしてもらうぞ。 他の吸血鬼どもを超える快感を刻み付けてやろう」
「ひょっとして彼女たちを助けるために血を吸わせたこと怒っとるんか? 確か吸血鬼では血を吸う行為が性交にあたるとか」
それを聞くとエヴァは、名探偵や警察が9割無実だと思っていた容疑者が完全に白になった時の様な様子で笑った。
「自分で気づいていないようだな。 後で解ける疑問だと思って、今は私の与える快楽に溺れろ」
言い終えると、彼女は横島の服をはぎ取り、自分も服を脱ぎ彼を押し倒した。
吸血鬼の美術品めいた気配の裸体を見て硬くなった自分の分身が一瞬で、飲み込まれた直後に激しい射精が起こり、脳が砕け散った錯覚を覚えた直後に意識が飛んだ。
そして射精が終わると彼女は指から魔力でできた糸を彼の体の中に潜り込ませ操り人形の様に彼を操ると対面座位の騎乗いとなり、ゆっくりと優しい搾り取り方に切り替えた。いつでも彼を射精に導けるのにそれをしない彼女の優しい腰の動かし方をもどかしく感じつつ。
押し付けられる乳房の感触が余計に射精を望む衝動を強めるが彼女はそれを許してくれない。 しばらくして射精を望む感覚が最大になったのを見計らったかの様に彼女が首筋に牙を立て血を吸い始めた。
首に刺さった快楽の電撃をもたらす針がとどめとなり射精をした瞬間、両方から冷気を奪いつくされ彼は前後不覚となった。 強すぎる快楽で涙が吹き出だしたのを見て彼女は悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべていう。
「どうだ。私がもたらす快楽は他の吸血鬼どもとより良いだろう」
「ああ〜〜!」
叫び声しか上げられない彼をエヴァはさらに笑いながら血を啜る。時に勢いよく啜り特にゆっくりと啜り、腰を動かす動きと合わせて彼に与える快感を調整して、彼を堕としぬこうとしているのが分かる。
エヴァに与えられた魔法酒のせいかいくら精と血を吸われても萎える時が訪れない。体に限界が来ない代わりに射精の度に削られていく精神が悲鳴をあげている。
エヴァは心底愛おしいペットに意地悪をしつつ可愛がる少女の様な笑みを浮かべながら快楽地獄にいる彼の表情を愉しみ、彼が何度目かの射精で糸が切れた人形のように崩れたのを見ると笑いながら離れた。
「忠夫、他の吸血鬼たちと比べて私の与える快楽は上か。 答えなくてもいい今から直接聞かせてもらおう」
エヴァがそういって彼の首筋に牙を立てると、一気に彼女と自分の精神がつながった感触が起こり彼女が与えてくる快感と味わっている快感が流れ込み彼は蘇生の電撃を無理やり流された人形の様に痙攣を繰り返した。
倒れた横島を見下ろしながら彼女は笑いながら言う。
「私の与えた快感の方が上の様だぞ、お前たち?」
その言葉に意味もない恐怖を覚え彼が振り向くとスカーレット姉妹と、クルル・ツェペシュの二人が笑いながら立っていた。 フランが面白そうに笑いながら言う。
「エヴァさん。凄い私とお姉さまが二人がかりで責めた時もあそこまで情けない痴態は引き出せなかったのに。やっぱり戦闘力だけじゃなくてそっち方面でも私達より上なんだね」
フランの素直な賞賛の横で、レミリアは多少複雑な表情をしながら言う。
「負けた上に約束した以上は従うけど、私たちが貴方を超えた時は所有者としての上位の座は明け渡してもらうからね。 その時も貴女が上位者だった時と同じ様に貴女を遇するけど」
レミリアの言葉にエヴァは笑いながら答える。
「もちろんそれで構わん。 ツェペシュもそれで異論ないな」
「ええ。 それよりそろそろ私達も混ぜてください。エヴァ様」
エヴァに向かって友人に絶対に相手が怒らないと確信している皮肉を言うような様子で丁寧語を使いながら貴族礼を取るクルルにエヴァは笑いながら横島から離れると彼女たちを招いた。
快楽のあまり立つどころか、動けなくなっている彼をエヴァはあっさりと仰向けにさせると、脱力状態の女王の様にベッドにかけながら彼に問う。
「忠夫、お前は彼女たちに血を吸われただけじゃなくて肉体関係も持っていたか?」
「い、いえ」
「やはり、覚えていないか。 多分そうだと思ってはいたが、今確信した。吸血鬼得意の暗示で記憶を消されたか」
そういうとエヴァは三人の吸血鬼を見て少し厳しい目になって言葉を紡ぐ。
「悪意ではなく、助けてくれた相手の気を病ませぬために筋を通したのだろうが、そういう場合は私にも一言断れ」
「あまりにも理想の騎士や王子様の様に助けられて、その場のテンションで犯ってしまったけど、少なくとも『その時は』彼が引退したらそこで切れるのは覚悟済みでしたから」
ややバツが悪そうな三人を代表する様に答えるクルルにエヴァは笑いながら言った。
「嘘は言っていないようだな。まあいい、今となっては些細なことだ。私が認めよう。忠夫が拒まない限りはお前たちもこいつの所有者だ」
しゃべることすらできなくなった横島の目をエヴァがのぞき込み彼にそのまま言葉をかけてきた。
445 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:48:08 ID:eLEKoExj
「こいつらはかつてお前に助けられた時に窮地を脱するために血を吸っただけではない。お前を襲って交わった。そしてその交わった記憶を消したのだ。
お前がホストをやめたら関りを断つつもりでな。 だがお前が理想的な対応をしすぎたためか、お前がホストをやめた後も関係を持ちたいと私に断ってきたから、
勝負して上下を決めたうえで私の下になることと、有益さを示すのと引き換えに許した」
そこまで言うとエヴァは愛おしそうに横島の体中の古傷を指でなぞり始める。触られるたびに動けない体に電撃めいた快感が走り、動けない状態がもどかしさに拍車をかける。
じらしつくすことすら自分の権利であると告げるかの様な彼女の指が彼をどこまで嫐る。レミリアとフランとクルルの三人が古傷をなめ始めると。電撃を通り越して雷が落ちたような快感が走り、
動けないからだが無理やり痙攣し始めた。そそり立ち始めた彼の分身を眺めながらエヴァがいう。
「それでは約束通りお前たちの価値を見せてもらおうか」
「ええ任せておきなさい」
レミリアはそういって笑うと彼の分身を飲み込んだ。エヴァとは異なる幼い少女でありながら男の全てを堕としきる吸血鬼らしい魔膣が彼の分身から脳が壊れる様な快感を与えてくる。
強すぎる快感で射精できない状態を作り出すと、レミリアは酷薄に笑いながら彼女と妹を救うために追った胸の下にある古傷をなめて牙を立てた。フランも同じような理由で負った背中の傷に向けて同じことをする。
「ヒギャー!」
古傷二つと分身三方からくる強すぎる快感で支離滅裂な悲鳴をあげながら横島は叫んだ。これは間違いなく、廃人になるような快感だ。
だがそれでもレミリアとフランはそこまでひどいことをしてこないと、信じる心もある。 それでも二人は自分たちが満足するまで責めるのをやめずに彼から離れたのは5分も経った後だった。
強すぎる快感で倒れ伏した、彼の頬を愛おしそうに撫でながらレミリアはエヴァに言う。
「どう? これが私の運命を操る能力よ。 廃人になったり後遺症が残る可能性が百パーセントじゃないかぎりは彼に一切後遺症を残さず、健康体のままで入られる運命を決定できるの。
エヴァ貴方もどちらかと言えば良識派だから彼に後遺症を残すのは本意じゃないでしょう? 私としても今ではこの能力がありがたいと思っているわ。 どんなに凄い快感を与えても彼を壊さずに済むから」
「確かに有益だな。私が遠慮していた夜の責めもいくらでもできるか」
レミリアがエヴァと話している横で、フランは彼女と代わって仰向けに倒れた横島にまたがりながら彼の傷口から血を吸い始めた。
フランの秘所はレミリアの獲物に快楽の毒を流し込む様な感じと対照的に爆発的な快感をたたきつけてくる感じがする。一度フランが腰を振るたびに変な風に跳ねかける彼をフランは笑いながら見ていた。
「こら、フラン私の運命を操る能力がない時も彼を可愛がりたいなら、少しは加減を覚えなさい」
「ごめんなさい。でもちゃんとできるよ。血を吸っていれば限界値がわかるから」
白目をむきかけながら空を見る横島の視線は完全に定まらなくなっている。それを見てクルルが女王らしい見下ろす目で笑いながら自分の血を一滴だけ、グラスに入れるとそれをエヴァが横島に飲ませた魔法酒で割る。彼女はそれを横島に飲ませると笑った。
「吸血鬼の貴族の血液で割った魔法酒貴方を回復させるには十分でしょう。大丈夫よ、吸血鬼の血を飲んだら吸血鬼になるけど、この酒で割られた場合はありえないから」
甘く精力を取り戻させる酒を飲んで一気に力を取り戻した彼を彼女は笑いながら覆いかぶさり繋がりながら首筋の血を啜り始める。クルルに与えられた血で分身から出る精が一気に増え、彼女の秘部に一気に吸い尽くされていく。 出し終わり意識がどこかに飛んで行った彼を優しく責めながら彼女は笑う。
「あまりにも無様な逝き方。女権国家の女性にとってはそれはもっと犯してと言っているようなものよ」
その後彼女たちは交代しながら彼を犯しぬいた。その際に繋がっている女性もそうでない女性も楽しみながら彼の古傷をなめる。その度にただでさえも多い射精の量が増えるのを笑いながら彼女たちは見ている。特にレミリア姉妹やクルル達を助けるために負った傷をなめられると特に射精の量が激しくなる。
いつまでも続きそうな快楽の宴は不意にレミリアが彼の首筋をなめて強すぎる快感を与えたところでいったん途切れた。彼女は笑いながらメイドを呼ぶ。
「咲夜、そろそろこの宴を締めるわ」
レミリアが声をかけた場所に彼女の従者である銀色の髪をした麗人のメイドが現れた。彼女は美しい銀色の髪を靡かせながらゆっくりと、彼に近づいてくる。彼女は恋愛映画で惚れた男への告白が成功した少女の様な笑みを浮かべ弾んだ声で言った。
「それではお嬢様私の能力で彼に止めを刺させてもらいますね」
咲夜が指を鳴らすと、唐突に全ての快感が遮断された。エヴァがそれを見越したように横島の分身を飲み込み上で腰を動かす。怯える横島の瞳を楽しそうにのぞき込みながら咲夜は拷問係がこれから来る痛みを開設するような様子で横島に楽しそうに言う。
「何度か共闘したから知っているでしょうけど、私は多少時間を操れます。そして今貴方様の体の快感の時間を止めています。そしてそれをここで解除すると」
エヴァが笑いながら首筋に牙を突き立て、咲夜が指を再び鳴らすと全ての古傷と分身が一切に爆発を起こし、そのまま彼は一気に涙と鼻水をたらしながら訳の分からない叫び声をあげた。意識が落ちそうになったところで、笑みを浮かべたレミリアが彼に手を当てて、気絶することも正気を失うこともできない様に運命を操った。
その後クルルとスカーレット姉妹にも同じことをさせられてしまい。完全に倒れかけたところでレミリアが笑いながら言う。
「それじゃあ最後の余興をしましょうか」
クルルが彼に血液を与えると一時的に自分が吸血鬼になった感覚を覚えた。レミリアが手をかざしたのは多分完璧に人間に戻れるように運命を操ったのだろう。そしてフランが笑いながら言う。
「きゅっとしてドカーン」
横島は自分の中の何かが壊された感覚を覚えたが何を破壊されたのかは全く理解できなかった。そして吸血鬼となった彼に咲夜が服を脱ぐと跨り彼を犯し始める。凄まじい恥辱心が彼を襲った吸血鬼となって超越者になったのに人間の女性に閨で負けている。フランは笑いながら言う。
「忠夫兄さまの魂の恥辱心への防御を壊したよ。大丈夫確実に元通りに治るように姉さまが運命を操っておいたから」
その言葉を聞き納得しつつ恥ずかしさで死にそうになりながら、無言でありながらベッドの中で自分を圧倒しつつ、夜の弱さをさげすむ目で見てくる咲夜がわざとらしく彼に首筋を差し出してきた。彼は腹を立てながらもそのまま彼女に首筋に牙を突き立てた。
彼女の血を飲んだ瞬間激しい快感が起こり、媚薬を飲んだような状態になりそのまま射精の量が一気に増しいった。僅かな疑問が起こり、次の瞬間女権国家の女性の血液だという答えが浮かび、彼を納得させる。咲夜の腹から僅かに零れた精液を彼女は笑いながら手ですくって飲んだ。
腹から僅かにこぼしたのもわざとだろう。どうすれば繋がっている男性をより強く欲情させられるか知り尽くしたしぐさだ。
446 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:50:46 ID:eLEKoExj
再び固くなった彼の分身が敏感になったのを見計らい彼女はその瞬間に時を止めた。彼女はつながったまま腰をゆっくりと動かし続けながら、珍しくレミリアに頼みごとをした。
「お嬢様お願いします」
「ええ、任せておきなさい」
レミリアは満面の笑みを浮かべながら咲夜のカチューシャ、一応とはいえ王国と敵対関係にあるスカーレット家の家紋の入ったそれを彼女の頭に付けた。そしてそれを横島が認識した瞬間に、時を動かした。
「ああー!」
恥辱と快感両方で悲鳴をあげる彼を見下ろしながら咲夜はいう。
「忠夫様。先ほどエヴァ様やお嬢様たちとした時より多く出しておられていますね。私が与えている快感はあの方々よりは下なのに、貴方の名誉の為にその理由は敢えて言及しないでおきましょう」
侮蔑たっぷりの言葉を聞きながら彼の意識はそのまま堕ちていった。
トラウマの想起が終わると、目の前で彼を絞り尽くすさとりが笑いながら言う。
「トラウマを想起してましたけど、咲夜さんにやられた時が一番出してましたね。快感が強い時より屈辱感が強い方が貴方は射精量が多い様で。本当にゴミですねぇ」
「そ、そんな」
言い終わる前にさとりが腰を動かすと再び射精して彼は完全に倒れた。
「今夜の心夢の迷宮の敗北のペナルティはこれでおしまいです。身の程を良くわきまえなさい」
夢から覚めた彼は当然の様に侮蔑の目で自分を見下す、さとりに騎乗されていることに気づくと、起きるのと同時に射精し。悪夢の続きの様な感覚の中で射精した。
ふらつきながら朝食を取りにでると、咲夜とアリスが朝食を用意してくれていた。 咲夜は一礼するとふらつく横島を優しく席に誘導し頭を下げた。
「忠夫様、今日はお出かけするのでしょう体力の回復に良さそうなものをアリス様と作っておきました」
意識的にそうしているのか、咲夜は閨の中以外では、横島に対して主君を救ってくれた感謝や敬意が伝わりやすい接し方をしてくる。 レミリアやフランの為に彼の精神を早く回復させるためというのもあるのだろうが、本心でもあるのだろう。
「ああ、ありがとう、それとマーリンさんはあれからどこへ行ったか分かるか?」
食事をしながら問う横島に咲夜は少し悩んでから答えた。
「ジェラート様が、血眼になって探したのち、確かにいないことが分かると、忠夫様に
彼女が干渉しがたくなる類の術をかけていました。そしてジェラート様からの言伝によると『少しでも早く大鳳殿もわらわの元に連れてくるがよい。かような存在を旦那様の恩ある友人にこれ以上は干渉させられぬ』だそうです」
それを聞くと横島は、早めに大鳳と会うことを決めた。アリスと咲夜の作ってくれた料理を平らげると、辛うじて足腰に力が戻ってきた。それから1時間ほど時間がたつと不足なく戦闘できる状態になったことに気づき、
彼はそのまま大鳳の住居に向かった。念のためにジャギにも連絡を取り、彼にも同行を頼んだ。 大鳳の様子はただごとではなかった。自分が肩代わりした以上はさすがに壊れてはいないと思いたいが、もしかしたら正気を失っているかもしれない。
事情を聞きアミバも呼んで直ぐに来てくれたジャギと共に大鳳の家に到着すると、幸いなことにいつもと変わらない様子の大鳳がいた。 アミバに目配せすると彼は安心させるような様子で首を縦に振った。『今の所は』大鳳が大丈夫だと示している。 横島は真面目な顔になり大鳳に向かって声をかけた。
「大鳳、昨夜余程の緊急事態があったようだがなんで、神狼のメダルなんてつかったんや。あのメダルは女性を奴隷にする前にこっちが折れて完全に奴隷にされる可能性の方が遥かに高いやつだって前に報告書に書いといただろう。
合意の上でかつワイに好意を抱いてくれる女性の心夢の迷宮ですら何度も負けて、ワイは堕ちかけたんや。もしも敵対している女性が相手なら」
糾弾の色は一切なく、純粋に心配と疑問の色しかない横島の声に大鳳は少しだけ悩むと口を開いた。
「忠夫、ごめん。どうしても僕は踏破しなきゃいけない心夢の迷宮があるんだ。そして堕とされないために他の攻略者を手伝う機能を使って、避難するという行為を僕は何度も繰り返さないとだめかもしれない。
その度に色んな人を巻き添えにしてしまうけど、助けてくれないかな? 事件が解決してから10年くらいたたないと事情を話せないけど」
大鳳の申し訳なさと真剣さの籠った声と目を見て、横島は少し悩んでから答えた。
「一つだけ条件がある。 夢から覚めたら完全に記憶を失う魔術があるから、夢の中だけでも事情を話せ。内容は思い出せなくても、俺がどう受け取ったかだけは覚えていられるようにしておくから」
「忠夫ありがとう」
大鳳は頭を下げるとジャギに向かって声をかけた。
「ジャギ、もしもだけど僕と横島が壊れた時の為に、ジャギは残っていてくれないか」
「いや、俺も姉貴たちやメアリと連絡が取れ次第、そのメダルを使ってお前の避難場所を確保する。ここまで王国が持ち直せば、アミバだけでも残ればそこまでひどいことにはならねぇ」
大鳳をジェラートの元に送り届けた帰り道でジャギに、横島は問うた。
「なあジャギ、大鳳はなぜ心夢の迷宮に挑んどるんやと思う?」
バカなことなどとはさすがに言えない。彼の有能さはよくわかっているからこそ、本当にそうするしかない事情があるのだと思う。 それに対してジャギは少し考えてから答えた。
「横島、すまん。一個だけ仮説が出ているんだが、その仮説はあまりにも可能性が低い。そしてその仮説は、滅多なことでは口にすべきことじゃねぇんだ」
ジャギの言葉を聞き、無理に聞き出そうとしても無駄だし、ジャギが黙るのは本当に効くとろくなことにならん時が多い、と思った彼はあっさりと引き下がった。
「ああ。分かった。 半年後じゃなくてよかったわ。ミクさんへの連絡頼むわ。俺は一応ウェイバー先生に話しておく。「今」はまだお互い完全に味方だからな」
ジャギと別れた後、GICたどり着くと後輩たちに忘れ物をしたと言って通された、彼はウェイバーに事情を話した。ウェイバーは少し考えたのち答えた。
「今回はお前の知力が足りなくて気づけないわけではない。 私も確信まではいってないがな。 その方が上手く回りそうだから、何も教えられないが、大鳳を助けるべく調査と打つ手は打ち始めることは約束する。最も敬愛する我が主君イスカンダルと、次に敬意を持つ恩人アドルに誓おう」
「それだけ聞ければ十分ですよ。師匠ありがとうございます」
横島が出て行ったのを確認するとウェイバーは自分が収集した女権国家の情報資料をあさり始めた。そしてしばらく資料を真剣な目で読み続け、読み終えるとそれを机に戻し空を仰ぐような姿勢になると独り言の様につぶやいた。
「明らかに大鳳があのメダルを使わざるを得ない様な案件は『女権国家内部には』ない。――ならば答えは。……はずれであってくれれば良いが」
心夢の迷宮に入った横島は、約束の処置を施された状態で、大鳳が挑んでいる心夢の迷宮に呼ばれていた。ジェラートの話では大鳳の夢の中にはマーリンはいないらしい。彼女はサキュバス族をたくさん従える魔女でもあるから、その言にはかなり信憑性があるだろう。
一応安心しながら目の前の大鳳を見ると、心底嬉しそうに声をかけてきた。
「忠夫、助かったよ。全部じゃなくて一エリアでもクリアすれば、その日はとりあえず大丈夫だから」
安心した様子の大鳳を見ながら彼は言葉をかけた。
447 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:52:42 ID:eLEKoExj
「大鳳、約束通り俺はこの夢が覚めたら、全て忘れる様にしている。だから教えてくれお前が神狼のメダルを使ってまで支配下に置こうとしている女って誰なんだ? 支配下に置くんじゃなくて鍛錬に付き合ってもらいたいだけかもしれんが、とにかく理由を教えてくれ」
横島が嘘を言っていないことを微塵も疑っていない様子の大鳳は一切迷わず答えようとした。その瞬間、恐るべき気配がして、氷の刃が弾丸の様に彼らに飛んできた。 横島はそれを霊波刀で叩き落すとそれを飛ばしてきた下手人を見た。
着物姿に男を誘う様に揺れる乳房をした和服の雪女、女権国家の防諜組織の一人雪泉だ。彼女を見ると、大鳳は恐怖と、ダメだと思っているのに自分の下半身が反応ししまったのを恥じているような様子を見せた。踏破出来た心夢の迷宮が幾つか、
ある横島にも覚えがある。この夢の世界では快楽を与えてきた女性に対しては自身の快楽を求める願望の為か、防御力などが下がってしまうのだ。横島は霊波刀を抜き放つと大鳳を庇うように立ち、冷静な様子で、言った。
「本人じゃないなこれ、大鳳と違って犯されたことがない俺はそこまで色香に迷わん。さて誰の心夢の迷宮なんだ」
雪泉の放つ冷気を横島は少しだが余裕をもってかわしながら彼女と圧倒とまではいかなくても若干有利に進めている。エヴァという冷気使いから教えを受けたことが大きいうえに、トラウマの具現に似た存在ならできる行動も、限られるためだ。
切りあいながら横島は直ぐに決断を下した。 何かの文珠を自分に発動させると、この程度ならすぐ倒せると言わんばかりに雪泉に切りかかり、舞踏会のワルツを踊るようにお互いの立ち位置を切り替えまわりながら、剣撃と霊術と忍術の応酬が続いたが、
不意に雪泉が大鳳を背にする形になった時、横島が文珠を投擲した。とっさに雪泉がそれを避け、後ろにいた大鳳に直撃すると大鳳が、唐突に雪泉に襲い掛かった。大鳳の一切の迷いのない攻撃が彼女を捕らえ、そのまま一気に雪泉の幻影は消え果た。
「忠夫ありがとう。『鎮』の文珠で僕の欲望とトラウマを沈めてくれて。おかげで思うようにうごけたよ」
「この雪泉は多分だけど1年半くらい前の雪泉やからな。ワイが、文珠の器用な使い方をまだ覚えていなかった頃の奴や。 『嘘』の文珠で騙したおかげで、直ぐに思い通りに進められたわ」
ここまで言った後、横島は本当に訳が分からないという表情になり大鳳に質問をした。
「本当にここ誰の心夢の迷宮なんや? 明らかにさとりではないみたいだが」
基本的に心夢の迷宮は侵入した女性の精神に沿った迷宮となる。そしてその心夢の迷宮のボスもまたその女性の精神に沿った能力などを有する。アリスの場合は彼を人形に変えて快楽の極致に落とし込むというものだった。
こういう他の女性の敵が出てくるパターンは滅多にない。ジェラートやレミリアの迷宮に入った時に、彼女たちが従えていた、信頼していた部下などが出てきたことはあるが、それくらいだ。横島の問いに大鳳は少しだけ、悩むと覚悟を決めたように口を開いた。
自分を深くし信頼している大鳳ですら直ぐに言うことができない程の事なのだとわかったためか彼の顔も硬くなる。彼は少し悩んだのちに口にした。
「ここは、まどか王女の心夢の迷宮なんだ」
「な」
あまりにも衝撃的な言葉に、横島は何も言えなくなった。そして大鳳は一切迷いがない様子で言葉を口にした。
「忠夫、僕に嘘を言えなくなる様に文珠を使ってくれる。詳しくは明かせないけど、僕はまどか王女からのお願いで、まどか王女の心夢の迷宮を攻略しているんだ」
震える大鳳の様子を見て横島は言った。
「まだ話したくないんだろ。なら話さなくていいぞ。 ただ一人で抱えるのがきつくなったら話せ。お前が望むなら現実に戻っても覚えているようにしてやる」
「忠夫、文珠は?」
「いらん。こんなことで嘘言う奴じゃないことはよう知っとるわ」
「ありがとう」
「それと今回はこの迷宮の仕組みについては聞かん。ひたすらお前の指示に従って動く。王女様の心の迷宮のギミックとかその成り立ちとか知りとうないわ」
そういいつつも、半分くらいは自分への配慮でもあると、思い大鳳はその気遣いを嬉しく思うと彼に頭を下げた。
その後二人は文珠の効果で色欲やトラウマが鎮まった大鳳と共に、多くの敵をなぎ倒していった。
基本的には女権国家の宮殿を思わせる様な迷宮に大鳳を性的に凌辱した女性が敵として出てきたが、過去の記憶にすぎないそれらは、成長した大鳳と横島の敵ではなかった。
あまりにも順調に進みすぎたためか、二人は撤退の必要なしと踏んで一気に進み切る道を選んだ。一度だけ ゴルゴの忠告を思い出した、横島が大鳳に退くかと聞いたが、大鳳は珍しく、それを拒否した。
「忠夫ごめん。今回の戦い今日終わらせないともう時間切れってわけじゃないけど、今日終わるなら今日終わらせた方が良い戦いなんだ」
それを聞き、横島は悩まずに答えた。
「分かった。ただし少しでもアイテム切れの不安が出たり、なんかやばそうな罠がありそうなら、長期戦にきりかえるぞ」
それから二人は順調に進んだ。心夢の迷宮を幾つも超えた横島の目から見て、楽勝ではあっても、迷宮の難易度は普通に高かったため罠とは思えなかった。
それなりの苦戦を何度かした後、最後に王国の宮殿の謁見室を思わせる部屋の眼前に来た時、大鳳は横島の目を見て頼みごとをした。
「忠夫、ここまで協力してもらって本当に恥知らずだと思うけど、このボス部屋は僕一人に行かせてもらえないかな?」
「ああいいぞ。惚れた女の暗部なんて他の男に見せたくないだろ」
そういうと、横島は『繋』の文珠を大鳳に渡した。
「これでお前の状況が分かるから。『鎮』の文珠の効果が切れたら、『送』の文珠でお前に届けてやる。片づけてこい」
「忠夫、ありがとう」
大鳳が部屋に入っていくのを見ると、横島は霊波刀を構えた。
「やっぱり来たな大鳳のトラウマども、王女様という役職上自分が襲い掛かってきて弱らせたところで挟み撃ちってか。治癒の文珠もあまり使えんし、こらきつい戦いになりそうだ」
心夢の迷宮は負ければ犯されるだけの迷宮ではない。現実世界に影響はなくても刀などで切られれば、その痛みは現実と変わらない。 横島は大鳳が早く片付けてくれることを願いながら霊波刀を構え、大鳳の妨害をしようとする無数の敵の群れに駆け入った。
横島が敵を食い止めている最中、大鳳は内心で彼に礼を言うとそのまま剣を構えまどか王女の前に来ていた。
「王女様、約束通り助けに来ました」
大鳳は剣を構えながらこの心夢の迷宮に挑むきっかけとなった時のことを思い出していた。
ある時極秘裏の一時帰国を要請されて、横島の文珠を数個使い王宮に一度戻った時、まどか王女が泣きながら彼に、今までの所業本来受けさせるべき対策なども受けさせずに女権国家に送り出したことを告白してきた。
衝撃を受けながらも事情を聞くと彼女は女権国家か、あるいはそれ以外の王国を恨むどこかの陰謀か逆寝取られに興奮する性癖を植え付けられ国を護る救国の志、しかも最も国を救える可能性が高いものを女権国家に送り込む性癖を植え付けられたという。 それを聞いた大鳳はまどかに問うた。
「なぜ今になってそれを明かしたんですか?」
「大鳳くんがよこした報告書に神狼のメダルって言うのがあったよね。あれを使って私を支配して、完全な亭主関白な状態の夫婦になってほしいの。そうすればこんな性癖を植え付けられた私でもこれ以上国を裏切らなくて済むから。
女権国家、あるいはほかの王国を憎む何者かの呪いを消し去ってほしいの。お願い。これ以上家臣や民を裏切るようなことをする前に、一刻も早く私を支配下に置いて」
そこまで言われて大鳳には否やはなかった。
448 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:54:03 ID:eLEKoExj
大鳳は剣を構えると即座に勝負を決める体制を取ろうとして、それをしようとした瞬間。懐の『繋』の文珠から横島の声が響いた。
『大鳳お前が、なに考えているかはわからんがこれだけは言う。20分くらいなら、絶対に持ちこたえてやるから、俺の為に早く勝負決めるとかは考えるな。 あくまでも自分の都合で決めろ』
横島の言葉を聞き感謝しながら大鳳は剣を構えた。目の前のまどか王女を倒しそして彼女を支配下に置き救う。それを何が何でも成し遂げなければならない。だが、目の前の王女が楽勝ではない、
しかし強敵とも言えない範囲の敵のせいか余計な悩みが出てきてしまう。合意の上とはいえ、王女を犯しそして支配下に置く。こんなメダルの力で関係を作ってしまっていいのか? など数々の疑問が浮かんでくる。
それでも目の前の王女が桃色の光を纏う矢を構えた瞬間、その弓矢から感じられる大きな霊気が彼の手加減の枷を外した。
大鳳は迷わず弓矢をかわすと一瞬でまどかとの間合いを詰めて一気に切り込んだ。しかし、まどか王女を両断するはずだったその一撃は突然現れた乱入者により叩き落された。
一撃で剣がへし折られ飛ばされたのを見た大鳳の顔色が一瞬で変わる。その相手は昨夜さとりの心夢の迷宮で自分を倒し犯した。ナポレオン相手のいさかいのあった日のミクだったからだ。
「な、なぜ」
さとりの迷宮で彼女と出会ったのはまだ納得だ。あの日の夜のことはトラウマになっていたから。だがなぜまどか王女の心夢の迷宮にさとりの迷宮と同じミクが出現するのか。それに対して、目の前のまどか王女が笑いながら話す。
「前も言ったけど、私は純愛系の寝取られは無理だから、私の迷宮で具現化できるのは大鳳くんが嫌がりつつ快楽に屈した敵だけ。だけどナポレオンさんといさかいを起こした夜のミクさんだけは、大鳳くんを怒りと女権国家の影響を受けた女性として嫐ったから、呼び出せたんだ」
ミクの蹴りが彼に直撃し、吹き飛んだ彼にまどかの弓矢が当たった。その瞬間大鳳の数々のトラウマが蘇ってくる。最初に蘇ったのはナポレオンとのいさかいの日のミクとの夜だった。
ナポレオンに頭を下げ終わった後、ミクは大鳳を連れてアジトに戻ると彼を押し倒した。
「大鳳、シスコンをこじらせてお姉さんを真剣に好いてくれた男性に悪辣な嘘をついたじゃない。『少しだけ年上』な武芸の達人な絶対勝てないような相手に、勝たなきゃ認めませんなんて」
冷静に帰った大鳳は自分が凄まじい地雷を踏んでいたことにやっと気づいた。普段の彼ならありえないことだ。シスコンスイッチは恐ろしいと他人事の様に彼は思った。だが冷静に帰ると即座に土下座外交に移行することを決めた。
「は、はい。姉さんを取られるのが嫌なあまり、妙齢で全盛期なミクさんに勝たなきゃ認めませんなんて、ありえない条件を出してしまいました。嘘とはいえ、あんな失礼な発言ごめんなさい」
大鳳の謝罪を受けるとミクは柔らかい慈愛に満ちた笑みを浮かべた。
「もうこんどから気をつけなさいよ。 少しは私も年齢を気にしているんだから、私が女として衰えてない確信を得る手伝いをお願い」
そういって彼女が服を脱ぎだすと大鳳もそれに応じて受け入れることにした。慈愛に満ちた柔らかいミクの手が彼の体をもむたびに異常な脱力が走り、そしてミクが彼の分身を飲み込んだ瞬間――あまりの快感に脳が砕けた。
何度かミクと体を重ねたことがあるからこれはわかる。明らかにこれは人格を壊す手加減なしの性行為だ。ミクは不意に思いついたような笑顔で言う。
「確か気を遣う術で男性の精液にある気をもらって若さを保つ術もあったし、少しだけ年齢が心配だからそれやらせてもらうわ。何しろ私――歳のおばあちゃんだから」
ミクがそういいながら抱きしめる様にして大鳳を絶たせると彼の背中のツボを押した。その瞬間その指から睾丸を絞りぬかれたような快感が走り、ミクと一体化している分身の感度も一気に高まった。
「ああー!」
「大鳳、ちゃんと限界ですって言いなさいよ」
快楽でまともな言葉が話せない状態を作り出しながらミクは言う。それからしばらくの間。
「なんでまだ限界って言わないの? ああなるほど、私の老化を少しでも遅らせようという愛国心と献身の発露ね。えらいわ」
笑顔で自分を搾り取るミクに対して、大鳳は初めて上司じゃなくて、女性として怒った彼女を目の当たりにした心地がした。 泣きながら許しをこう大鳳に察したらしいミクは笑いながら言った。
「本当に反省したみたいだからこれで終わりにしてあげる」
手強い敵に必殺の一撃を放つように彼女の体が震え次の瞬間彼の分身を包む快楽が一気に強まり締め上げ切られた感触と共に悲鳴が上がる。最後に信じられない量の射精の音を聞き彼の意識は落ちた。
あの日の夜の幻影から今に戻ってきた彼はまどか王女の迷宮のベッドで彼女が具現化したミクに跨られていた。快楽に悲鳴をあげる彼をまどか王女が笑いながら見ている。
「大鳳くんどう、私の性癖に甘えてやり放題ハーレム続けたくなっちゃった?」
揶揄するような口調と共にまどかが手を振るとミクが消え去り代わりに、楯無、雪泉、ユカリ、ティナアンリエッタ皇女など彼にとってはトラウマ、まどか王女にとっては夜の極上のおかずの提供者だ。
もう勝ち目は千に一つくらいしかなかったが、まどかの術で彼女たちにされたことを思い出させられた時、完全に抵抗の意思が消えて勝率がゼロになった。それを見た彼女たちは心底楽しそうに笑いながらそれぞれが大鳳にとって最も記憶に残る方法で犯し始める。
ティナに最初に犯され女権国家の幼女の膣が彼の分身を一気に飲み込みそのきつさが一気に彼を達しさせる。
「お兄さん惜しかったですね。 でもお友達の文珠がないと自国の王女を救うことより、彼女の逆寝取られ性癖で敵に犯されるのが癖になっちゃてるんだ♪ 王女様に謝ったらどう? 呪いを解くことができないどころか楽しんでごめんなさいって」
かつて自分が味わったのとまったく同じ快感を与えつつ、それと別の言葉を言うティナはミクのとは違った種類のエネミーらしく、まどか王女が作った理想の寝取り相手らしい。彼はティナの送り込んでくる快感に負けて叫んだ。
「ま、まどか王女様ごめんなさい」
屈服した声の謝罪を聞き上機嫌なティナの横でまどか王女は楽しそうに自慰を始めた。
「昔の時より射精量多いですねお兄さん? 王女様を裏切る背徳感が癖になっちゃいました」
大鳳を容赦なく攻めながら彼女は思いついた様にいう。
「もう一人謝らなくちゃいけない人がいますね。 ここに来る前に私達が倒した横島さん。彼、本当に貴方に友情を感じてなきゃできないような戦い方してズタボロになりながらも私達を大分足止めしてましたよ。
勝てないという結果は一緒でも、最後まで頑張らず、下半身に負けたゴミ野郎でごめんなさいって、彼にも謝りなさい! 」
明らかに残酷な真実を告げるのを愉しんでいるティナの声を聞き大鳳は半泣きになりながら謝罪の声をあげた。
「た、忠夫ごめん」
大鳳の謝罪を聞いた瞬間ティナはさっきのまどか王女への謝罪を聞いた時とは正反対に不機嫌な顔になった。意図的に大鳳の射精を早めた後、敏感になった分身をさらに厳しく絞る。
「ああー!」
激しい快感から精と涙が同時に出る彼を見下ろしながらティナは怒った声で言う。
「今、私に強制されて屈したからじゃなくて、本心から反射的に彼に謝りましたね。つながっている私より男友達ですか。 これは女性と閨を共にするときのマナーを叩き込む必要がありそうです」
ティナのテンションがあがり始めるとゆかりが、魔曲の奏でと共に、呪歌を歌い始めた。確か女権国家の女性の色香と体がもたらす快楽に敗れる男をあざ笑う類の歌だったはず。それを聞くとティナが与えてくる快感が強くなり、
そして大鳳は自分の頭が余計に朦朧としてくる感じがした。ティナに三回ほど絞られると、楯無がティナを軽くいさめて引き離した。彼女は笑みを浮かべながら大鳳を優しく抱きしめて胸元に顔を埋めさせながら対面座位で彼を優しく絞りながら言う。
449 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:55:13 ID:eLEKoExj
「女権国家の女性の体に勝てる男なんていないんだからあまり気に病まなくてもいいよ。そうだ。またお姉さんと取引しない? もう一度だけわざと負けてくれるって約束してくれたら、彼に君は彼の献身に恥じないくらい立派だったって情報操作さしてあげるよ」
その言葉を聞き快感で朦朧とした彼は首を横に振った。
「だめです。さすがにここまで情けない敗北をしてさらに忠夫に嘘まで言えない」
それを聞くと楯無は笑いながら大鳳を抱きしめた。
「うんうん、立派立派。そういう子を堕とすのが女権国家の女性の楽しみだからね」
楯無がファサリナと雪泉と交代し、彼女達二人がかりで大鳳の分身を挟み少しでも彼女たちが動くたびに噴水の用に射精の限りを尽くした。ミクとティナにやられた厳しすぎる快感が、彼女たち三人の優しい愛撫の効果を高めている。
「射精しすぎて情けないと思っているようなのでこれはいかがですか?これなら女性が達するのと同じ時に射精できますよ」
雪泉が大鳳が射精できない様に精子を凍らせ、焦らしきってから溶かして射精させた後。
交代したファサリナがいさめながら言う。
「雪泉さん意地悪すぎますよ。殿方は早く出したいものですから」
そういって一度腰を動かすたびに射精が続く彼を、ゆかりの嘲笑の歌がより強く襲う。
今まで女権国家の女性の与える快感に破れる男を嘲笑する呪歌めいた歌をうだけだった彼女が笑いながら大鳳に近づいてきた。
ゆかりの歌をアンリエッタが引き継ぎ、彼女は笑いながら大鳳に近づいてきた。
「大鳳さん。この歌のコーラスが入るサビの部分は男を蹂躙し愉しむ女性の嬌声なんですよ。というわけでコーラスの手伝いお願いします」
そういって彼女に飲み込まれて彼女が嬌声をあげ始めた瞬間、一気に自分の中で何かが取り返しがつかなくって行く感じがした。前にやられた時は、最後まで終わっていたか微妙だったし、直ぐに横島が祓ってくれたが、夢の中とは言えこれをやられると自分はどうなってしまうのだろう。
歌のサビの部分が終わった瞬間自分の中の大切な何かが砕け散ったような感触が起こり、それが溶け出たような精液をゆかりは受けながら笑う。
「皇女様ありがとうございました。それでは締めましょうか」
「ええ。それではいただきましょう。貴方を完全にかの王女から奪い去らせてもらいます」
そういってアンリエッタが歌うのをやめてゆかりが歌に復帰すると彼女が初めて大鳳と出会ったときと同じように彼を撫で、そしてあの日レストランでやったことを再現するように犯し始める。 あの時以上の快感を感じて叫ぶ。
「どうですか。あの時と同じですけど、今度は愛しの王女様が目の前で見ていますよ。余計に硬くなりましたね。 これからは貴方は完全に私のものですよ」
アンリエッタの優しすぎる犯し方で彼女相手に一番の射精をした瞬間、電源が切れたように夢の世界がブラックアウトした。
大鳳がまどか王女の迷宮攻略に失敗したのと同じ時刻、横島は困惑の極みの中にいた。彼は時間を稼ぎ切った後、以上に強い楯無一派に襲われて倒された。そして本来なら目覚めるはずだったが、マーリンと出会い、ここに連れてこられていた。そしてこの場所は彼にとってとても見覚えのある場所だった。
「な、なんで過去にクリアした心夢の迷宮がまたでとるんや」
疑問がる横島の横にマーリンが不意に現れ笑った無邪気な子供を思わせる茶種猫めいた笑みを浮かべながら彼女は言う。
「女権国家の女性の精神構造的に一度男性優位の性交が当たり前になってもずっとそうなわけないじゃないか。それでこの世界は復活したのさ。それじゃあ頑張ってね」
そういって消える彼女を見た後、横島は帰れないことを確かめると、辺りを見回し始めた今は大鳳に呼ばれないし、呼ぶこともない状態だから自分で良く迷宮を選ぶことが可能だ。
横島は少し悩んだのちに、ジェラートの迷宮を選んだ。彼女は前世からの関り上横島に対する好感度が高いためか一番優しい難易度だった。そこに入った時、彼は本気で真っ青になった。
彼女の配下であるサキュバス族と魔女が大量にいたのはもちろんのこと前回よりはるかに強化されている。なぜと思う間もなく、サキュバスに敗れた彼は心夢の迷宮で負けた時に起きる女性優位の性行為を覚悟した。
敗れた瞬間心夢の迷宮の現実と変わらないジェラートの寝室に瞬間移動させられた彼をジェラートが迎え入れた。
「旦那様、よく最初にわらわの迷宮を選んでくださった」
「あ、ああ。ジェラート実はマーリンの奴が」
「事情は分かっておる。だがわらわの迷宮を選んだということは、これは犯しても良いという許可じゃな同意であろう!」
ジェラートの言葉を聞き一部の女性相手だけとはいえ男性優位の性交になれた彼は本気で怯えた。今までベッドの中で思うようにできた女性に逆にやられるというのは一度征服欲が満たされる性行為を味わった男性特有の恐怖があった。
言い終わる前にジェラートが杖を振るとアルラウネ族の女性型のモンスターが現れ彼を縛り、そして口の中に三つのような液体を出すとそれを口に含んだジェラートが口移しで彼に飲ませ始める。
甘い蜜を飲んで動けなくなった彼をジェラートは抱きかかえ覆いかぶさる形で、抱きしめる。胸が丁度顔にくる形になり乳房に挟まれる顔を彼女は時々わざと乳首を口に含ませて母親がするように撫でながら、頭のツボを押したりしてくる。
花の香水の甘い香りが分身をより固くし脱力状態を強くしていくのを見ながら彼女は笑う。
「旦那様。女権国家では女性優位であり男性の権利はほとんどない。故に義務も存在しないのだ。妾の所有物となった時はこの日々が永遠に続くぞえ」
それだけ言った後彼女の優しい秘所に分身を飲み込まれどこまで、優しい感覚の中で彼は射精を繰り返し。自分が射精の度にどんどん赤子に戻っていくような錯覚を覚えそれでも抜けだせない恐怖を感じていく中彼の意識は落ちた。
ジェラートは少し離れると配下のサキュバスの群れを召喚し、彼を嫐らせ始める。 彼をさほど好きではないサキュバスに嫐られることで、本気で惚れている自分に嫐られた時の効果が倍増するのをよく知っているためだ。 サキュバス達に嫐られて、二度目の限界を彼が迎えると、無邪気な笑みを浮かべ彼女は再び彼を犯す。
サキュバス達の強い快楽の後にくるどこまで緩やかでありながら圧倒的なジェラートの体が彼に快感を与えそのまま彼の反抗心や気骨を一気に削り取っていく。彼はこの夜初めて、ジェラートの乳房に自分から吸い付いた。
それを合図としたように最後の射精は何かが抜き取られていく恐ろしさと快感があった。 それを最後に彼の意識は夢の中で再び落ちた。
次に目覚めた時自分がまだ、心夢の迷宮にいることに気づき疑問を抱いたが、直ぐにジェラートがそれに答えた。
450 :
名無しさん@狐板
:2022/08/30(火) 20:57:31 ID:eLEKoExj
「簡単なことじゃ今度は旦那様が心夢の迷宮を攻略される側となった。最も既に攻略が終わっておったがな」
そういって彼女が杖を振り魔術でカーテンを開けると、
アリス、ユウキ、ヴィヴィオと彼がかつて心夢の迷宮を攻略した女性達が立っていた。アリスは笑いながら告げた。
「貴方相手なら、男性優位の性交も嫌ではなかったけどやはりこっちの方が私たちの性に合うみたいごめんなさいね」
アリスが口づけしてくると横島の前身の糸が切れたような感触が起こり口づけしてくる唇から彼を操る糸が他に入り込んでくるような感覚がする。アリスは目を閉じ心底愛おしそうに自分とのキスを楽しみながら動けなくなった彼を霊的な糸で操り始める。
体の中の糸すら心地よい感触に屈しそうになる彼を見ながら、アリスはただ楽しみ彼が自分が与える快楽に彼が屈するのを見て楽しむ。アリスに射精した瞬間、自分自身の糸が全て千切れて射出されたような果てしない快感で、
アリスの指示なしでは指一本動かせない、彼をアリスは優しくなでながら、ユウキに預ける。
「忠夫、僕もすっかり女権国家に染まっちゃったみたい。王国的な性行為じゃもう満足できなくてごめんねー」
ユウキは笑いながら横島の分身をその巨乳で挟みながら笑う。かつてはこれを揉みしだき、良いように彼女をあえがせた記憶が余計に惨めさを引き立てる。
「神狼のメダルの効果が消えると弱すぎる忠夫も悪いんだよ〜。 ほら、もう少し頑張って」
乳房で揺らされるたびに何度も射精した彼をユウキはしばらく嫐りつづけ。完全に倒れたところでヴィヴィオに差し出した。
「忠夫さんそれじゃあ、王として下克上返しさせてもらいますね」
ヴィヴィオに犯された瞬間、今までしてきた男性優位の性交で気づいてきた何かが崩れ彼女に完全に征服されたという感じが起こり彼の意識は完全に堕ちていった。
次の日の夜、横島は再び心夢の迷宮に来ていた。犯されるためではない。そういうことを望む期待も確かにあったが、一番は大鳳を助けるためでもある。そして大鳳が危険になったら、自分がどこかの心夢の迷宮に挑み、
大鳳を呼び出すことで救出するためだ。だがかつて攻略したことのある迷宮までがかつてとは比べ物にならない、難易度になっているのを見て、彼は怯えたそこに笑いながらマーリンが声をかけてきた。
「忠夫くん、ここからが本当の心夢の迷宮だよ。頑張ってね」
「攻略する気はないが俺完全に心折れてしまわんか心配なんだが。完全に女性に精神的に屈服するとこの迷宮にもう入れないんやろ」
それを聞くと彼女は笑いながら言った。
「そうなったら大鳳くんをもう助けられないけど良いのかい?」
それを聞くと彼は決意を固めた目になりゆっくりと歩いて行った。
とても嬉しそうな笑みを浮かべる彼女の後ろに不意に赤く鮮やかな花弁が舞い散り、その背後にジェラートが現れる。
「これが、今回の主の望みかえ?」
「うん。僕は終わらない物語が好きだからね。大鳳くんは協力してくれた横島くんを裏切れないからいつまでもおれないだろうし、横島たいほうくんの為ならいつまでもおれないと思う。 二人の友情と激闘の日々をいつまでも見ていたいのさ」
ジェラートは半分夢魔のマーリンの霊力の充実具合に不快感を覚えた。直接まぐわったかは彼女にも分らないが、夢の中に紛れ込んで姿を変えて大鳳と横島片方あるいは、両方の精を吸ったのではないだろうか?
もしかしたらまどか王女の夢の中で大鳳を嫐った女性の一人が彼女だったかもしれないし、自分が横島を嫐った時に共に行動した魔女やサキュバスに紛れていたかもしれない。 最も二人が夢の中で絶頂する際に干渉して精気を奪っただけの可能性もあるが。
「大丈夫アドルの転生先やアーサーの転生先の物語がもうすぐ始まるから。そうなったらそっちの観劇にいくよ。それまでは彼らの友情物語を見させてほしいんだけど良いかな」
「嫌だが。許そう。断って何かされると余計にシャレにならぬ」
「それじゃあ、僕はもう少し二人の友情と激闘の日々を見させてもらうよ。 それが終わったらジェラート君はどうするんだい?」
「決まっておる。残酷すぎる真実を大鳳殿に告げずにあの性悪王女と縁が切れる様に計らうわ。旦那様の恩人の嫁としては論外極まる。シノンという娘かティアナ殿くらいでないとどうしようもないわ。二人がだめならミク殿に若返りの薬でも貢いで、嫁いでくれぬかと打診するわ」
最後は女権国家の公爵としてあり得ないことを口走っているなと思ったがそれをおくびにも出さずにマーリンは続ける。
「シノンちゃん。ああ昨日大鳳くんを癒したいから夢を繋げてって言ってきたあの娘だね。注文細かかったなー。 現実世界でも繋がった状態で、大鳳くんを乳房で包みながら目覚める様にしてとか。それじゃあ僕がみたい本当の話が始まるまで少し二人の友情物語を見せてもらうけどちゃんと二人が成長できるようにテコ入れはちゃんとするからそこは安心して」
爽やかな春の花の様に消えた彼女を見た後、ジェラートは再び辺りを見回した。やはり神狼のメダルの様なものを合意の上では使うべきでないのかもしれない。このメダルは今現在の女権国家の女性達では想像するのは難しいかもしれないが、
かつて女性が弱かったころに女性を奴隷にするために作られたものだ。そして、今は力は失われたが最初の忌まわし呪いは消えていない。 もしかしたらだがあの半夢魔が来たのはこのメダルの祟りかもしれない。あるいは善意だけで善行をなしたからこそ、
このメダルにかかわっても性質が悪い存在ではあるが絶対悪ではないマーリンに目をつけられただけで済んだのだろうか。ジェラートは破邪の祈祷の準備をするように部下の魔女たちに伝えるとこれからのことを考え重くなった気を奮い立たせた。
大鳳を助けつつ残酷な真実を伝えないためにやらなければいけないことが山ほどできてしまっただが夫の恩人を見捨てるわけにはいかぬと、決意を固めると彼女は自分がもつ全てのつてに連絡を飛ばし始めた。
451 :
名無しさん@狐板
:2022/08/31(水) 20:15:05 ID:GoPGN9dm
乙です
吸血鬼たちだけ見てもエヴァだけでなくレミリアたちの能力(と嫉妬)が混じって責めがよりエゲつないことにw
それにしても精神勝負の場でさとりは無理ゲーすぎるし完全にだまされました
452 :
436
:2022/08/31(水) 22:50:09 ID:TcaQqlzk
>>451
ありがとうございます。
ホストをネタの醍醐味は女性陣の嫉妬だと自分も思ってます
453 :
452
:2022/08/31(水) 22:51:04 ID:TcaQqlzk
誤字すいません。女性陣の嫉妬だと自分は思ってますでした。
454 :
名無しさん@狐板
:2022/09/01(木) 16:20:11 ID:NuwWujJq
乙
455 :
名無しさん@狐板
:2022/09/01(木) 16:20:19 ID:NuwWujJq
乙
456 :
436
:2022/09/01(木) 20:53:54 ID:IYP9cvRV
>>454
乙感謝です
457 :
名無しさん@狐板
:2022/09/03(土) 01:44:58 ID:EDg3vvHD
乙でした!
458 :
436
:2022/09/03(土) 18:52:49 ID:Cy5k/yId
>>457
乙感謝です
459 :
名無しさん@狐板
:2022/09/05(月) 21:41:45 ID:Wy8Zp/nE
【王国組】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「スパイ組織」 「その他王国系女性」
ミク シノン 桃子 キャル 大鳳 坂本美緒 麦野 フレンダ
「王室」 「五将他」
ほむら まどか ペンウッド ブラッドレイ ゴルゴ13 秋山小兵衛
「大使館」 「大鳳くんチーム」
王留美 鹿島 峰津院 アミバ ハート デカいババア モヒカン 横島 ジャギ
【友好キャラ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「セラピーセンター」 「路地裏」
はやて ユキカゼ・パネトーネ 杏子 シリカ
「男性解放戦線」 「幽霊洋館」
オルガ団長 ランス ナツキスバル 白鐘直斗 ミヤコ 幽々子 妖夢 ファリエル サンズ パピルス
「警邏隊」 「ジャギヒロイン」
ティアナ 翼 リンネ モブナンデス 楠舞神夜 ティファ 美鈴 沖田さん 流子 メアリ
「ギルド」 「横島ヒロイン」
アリシア 野曽木蓮 カイジ 村上巴 ユウキ 愛歌 アリス ヴィヴィオ エヴァ リグル
「マフィア」 「その他友好?」
春閣下 千早 島村卯月 アナスタシア 塩見周子 さとり 那月ちゃん 結月ゆかり
【敵対キャラ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「皇室」 「防諜組織」
ネロ アンリエッタ シエスタ ベルファスト 扇 モブメイド 雪泉 ファサリナ ティナ 楯無
「四惑他」 「他」
ビスマルク スカサハ 狂三 ルザミーネ プリンツ 咲 豊音 小梅 ロスマン
【再生組】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「元FFF団」 「元急進派」
柊シノア 美国織莉子 呉キリカ エーテル 日塔奈美 朝倉涼子 かくれ奈
【未登場・未関係・他】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「闘技場」 「他」
アンチョビ 絶奈 音無小鳥 紅月カレン ミーナ 霊夢 公衆浴場のお姉さん達(けいおんキャラ)
アチャ子 キル子 ハンナ ホロ 遠坂凛 ルカ 菊地真・白瀬咲耶・デオン(小ネタキャラ)
アサギ 立花響 未来 ドラゴン ハサン カノン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
460 :
名無しさん@狐板
:2022/09/08(木) 19:54:24 ID:RDt1NWBb
【安価】
・アミバ
薬草の取り扱いに長けており、麻薬生産を専門家の観点からヒントが得られる可能性もある。
・ミク
戦時中に女権国家によるセクレーション、あるいはそれに類似した軍事麻薬の使用はあったか、あったのなら重点的にどこで使われていたか、何か傾向はあったかを尋ねる。
・王留美
亡命するか否かはさておき、大使館で保護をしてもらう必要があるため。
・方針
蓮からどのように依頼されたかを聴取する必要あり。対面であればどのような人物であったか外見や特徴などを聞き、手紙などの間接的なものであればそれらを証拠品として貰い、鑑定などを行う。
その後、警邏隊(と場合によってはマフィア)と協力し、依頼人の捜索・目的の調査を行う。
スパイ組織での聴取及び鑑定が終わった後、大鳳が警羅隊へ赴き事情を説明、蓮から得た資料や証拠を手土産に協力して調査をしてもらえないか提案。
その後に周子に春閣下、或いはマフィア上層部に取り次いでもらい、資料や証拠を手に調査協力、情報提供などを願う。
可能であれば那月との対面時に事情を説明し、持っているであろう流通網にセクレーションに関わるものが無いか、那月が知る者でそれらに関わりそうな者はいないかを尋ねる。
ジャギはメアリーを訪ね、同じく事情を説明し、女権国家上層部の中で現在セクレーションを利用しそうな人物がいないかを聞く。また可能であれば今後の動きについてのアドバイスを聞く。
蓮は大使館に潜伏してもらい、蓮の周辺を探る不審人物があれば捕縛ないし、桃子やアリスの人形による尾行を推奨。
461 :
名無しさん@狐板
:2022/09/08(木) 20:10:10 ID:ztZsJidB
警邏隊メンバー
共通理由:
工事で建物を壊したならば、事前に解体工事の申請を済ませている可能性あり。
そうしないと解体工事の届け出が出ていないとして法律違反になる為、大手を
振って警邏メンバーが出動できる理由を作ってしまう。同時期に工事説明会の
お知らせ等が有れば、発行元を特定して逆探知に繋がる可能性あり。
その解体申請記録が無いなら違法工事として情報提供を要請でき、警邏業務中に
解体中の様子を目撃しているのであれば、それを理由に味方に引き込む事は可能だろう。
翼
上記の理由に加え、大鳳の目撃情報収集で通報が来るレベルで広範囲かつ多数に
調査をしていた為、彼女が巡回しているエリアは危険と判断して謎の連中も移動
経路として使わない筈。逆説的に他の巡回エリアを担当している人が目撃情報を
持っている可能性が有るので、彼女から巡回ルートを聞き出すべきだ。
楠舞神夜
理由:
警邏隊メンバーと連携でき、尚且つ一定以上の武力を持つ部外者である為
野曽木の護衛に回しても敵から勘付かれにくい。大鳳とも闘技場で観衆に
目撃されているので、呼び出してもデート等と誤魔化しやすい。密談するなら
警邏隊メンバーで一番安牌だろう。
マフィア
巴
理由:
マフィアはテキ屋の営業で構成員が一定の場所に留まっている可能性が高く、実際に
巴は地回り担当として顔が広いから彼女の伝手を頼れるだろう。店を勝手に解体する
現場を目撃している、あるいは裏社会関係者の不審な出没を見ている構成員が居れば
彼女の手柄として上司に報告できるメリットが有るので連携可能だろう。
塩見周子
理由:
魅了及び快楽強化の麻薬は組として取り扱っている為、薬物の物資流通路は
春閣下が一番詳しい筈。セクレーションの材料自体が貴重との事なので、
不審な動きが有れば春閣下の伝手が役に立つ。
また『特殊な加工工程があって、出来る人間は限られている』なら、野曽木の
保護は組としても優秀な技術者を囲えるメリットが有るので交渉の材料として
利用できる。縛霊香をサンプルとして見せれば技量を分かりやすく示せるはずだ。
それを報告して手柄を立てれば、周子にメリットが生まれるので断らないだろう。
また、組織のトップとして保護を約束した=保護失敗は看板に泥を塗られた事に
なるから全力を出す筈。兵隊を集める為にも傘下の構成員や提携店等にも連絡が
回るのであれば、縄張り内の店や人々の協力を得やすくなるだろう。
春香自身も大鳳を狙っているので、彼から保護依頼を受ける代わりに
連絡先を要求できるチャンスともなる。断られる可能性は低い。
野曽木自身もマフィア関係者とはいえ大口顧客を一気にできる機会であり、
その仕事柄安定した依頼が約束されるので食いっぱぐれるリスクが低い。
462 :
名無しさん@狐板
:2022/09/16(金) 23:05:01 ID:hzfLqbrH
女権国家陸八魔アル登場記念SS
このSSは本スレで投稿されている女権国家の二次創作SSです。以下の注意事項があります。
@このSS内の設定や人間関係は本編とは異なり独立しております。
A微妙に女神転生とクロスしています。
Bダイスによって出自等が変わる設定をパラレルワールド扱いしています。
C自分の解釈ではこういう使い方もできると思われる施設が出てきますが、多分本編ではこういう使われ方はされないと思います。
D施設の職員の能力が原作とは少々異なっています。
E特に八陸魔アルの設定はまだ一切公開されていないので本編と異なりすぎる可能性が高いです
女権国家の喧騒あふれる大通りの裏をやや深い悩みを宿した表情の美少年が歩いている。その顔にあるのは今の所は大丈夫だが早く解かないと後で良くないことが起きる問題をどう解くかそれに心砕かれている表情だ。
一見すると美少女にすら勘違いされるその少年――大鳳は、ゆっくりと歩きながらバイト先に入るような様子である建物に入った。彼が入った建物は一般人から見れば、何らかの公的施設の様だがなんの施設かわからない、
そして自分たちには関りはないから近づく意味もない。そう決断を下すような印象を与える建物だ。 ただし、妙に守りや侵入に対する対策が行き届いているためか、警察や軍に近い関係者が見れば、多分傭兵派遣会社や警備会社だと辺りをつけるだろう。
この簡素なビルは幾つかある王国諜報部のアジトの一つだ。そこに入った大鳳は、汚すぎず綺麗すぎず一般の警備会社を思わせる廊下を歩み、奥の部屋まで迷いなく進むと、三回ノックをした。それを聞くと綺麗な女性の声で許可の言葉が返ってくる。
「入りなさい」
ドアを開けると、そこには王国を支える諜報部の最高責任者初音ミクが、椅子に掛けて彼を待っていた。
「ミクさん、今日は自分の相談の為に時間を取ってくれてありがとうございます」
頭を下げる大鳳にミクは手を振って少しバツが悪そうに答えた。彼女の表情が渋いのは厄介ごとを嫌がっているのではなく、自分では力になれないかもしれないという思いが強いようだ。
「礼を言うのは問題が解決してからにしなさい。 それに内容を聞いてみなければわからないけど、私では力になれない可能性もあるわ」
ミクの言葉は謙遜ではない。ここ最近の大鳳の活躍はすさまじいものがある。既に諜報に関しては一流止まりの彼女を部分的には、上回っているところも多々あるのだ。 彼が能力的に自分を超えている部分で行き詰ったのなら、
自分ができることは、そこから手を引くように指示するか、失敗した際の後始末をするかの二つだけの可能性が高い。 幸いなことに大鳳が自分に相談したいと連絡を入れてきたときの様子を見る限りではまだ、時間に余裕はあるようだ。
諜報の世界に楽観は禁物だが、大鳳は優秀だ。彼がそう考えているなら急に猶予がなくなるような可能性も低いだろう。 もしも自分でダメならゴルゴやブラッドレイ達に相談させるのも一つの手かもしれない。
大鳳はここに来るまでに考えをまとめていたらしいが報告書などではなく、口頭でしゃべりだそうとしたのを見て、ミクは訝しみ直ぐに納得した。紙などにもなるべく残したくない事なのだろう。
裏切りの可能性がある仲間の密告などは、裏切っていないのにそういう書類を残したせいで、疑心暗鬼が生まれた例もある。
大鳳が言葉を放つ僅かな時間にミクは考えた。
『身内の問題である可能性が高そうだけど、あの面子は今の所女権国家の女性に襲われたという事態はない。そうである以上裏切りの可能性は低い。だとすると身内の不和?
少し前に横島とジャギと大鳳の共闘を見た限りでは、隔意があったらできない連携をしていたしその可能性も低いとは思うけど』
次の推論にミクの頭が移り変わる直前に大鳳が言葉を発した。
「今回の悩みはもしも起きたらシャレにならない痴情のもつれが起きそうな状態。それも、中心の部下には今の所は失点や落ち度がない。そんな時どう注意を喚起したらいいんでしょうか?」
ミクはその言葉を聞き少し頭を悩ませた。大鳳くらいに有能な人間がシャレにならないという以上は、本当にその痴情のもつれは起こったら致命傷や重傷という程ではなくても。諜報部全体の被害になるのだろう。 彼女は少し考えてから答えた。
「具体的になぜシャレにならないのか、それが起きるとどうなるのか、貴方の危惧している事態を教えて」
「僕が危惧しているのは忠夫の周りの女性達です。 彼女達は最近、忠夫が活躍しつつ彼女たちに尽くしぬいたせいか、その愛が重すぎる状態になっています」
「独占欲の強すぎる女性はいる? 一人か二人ぐらいなら共有をいとわない女達を早く団結させなさい。そして譲歩が無理なら戦わせるしかないわ」
答えながらミクはいっそ小さな爆発が起きてくれればその方が簡単なのに、と思った。そうなれば彼女自身が出て行って太い釘を刺すこともできる。
だが女権国家の友好的な協力者にすぎない、横島の周りにいる女性達に対してミクは上司ではない。問題を起こしていない現状では何かするわけにはいかない。
大鳳は少し悩んだのち言葉を返した。
「今の所は問題が起きそうにないんですが近々爆発が起きそうなんです。それも、切るのが痛手になりそうな人物で」
「それは誰?」
「陸八魔アルさんです」
それを聞くとミクの顔が意外だという風に変化した。
「彼女確かに有能な所もあるけど、横島が補佐に着く前は本来なら一流企業の底辺に行けるくらいの所を、失敗が多すぎて二流企業の底辺一歩手前まで行ってたダメ社長でしょう」
大鳳が横島を彼女の専属補佐の様な状態にしたのも、有能なサポーターがいれば化けるかもという、ペンウッドの助言によるものだ。いうなれば一人ではそこまで優秀ではない。何より恋愛に関しては女権国家の女性としては珍しい恋愛弱者だ。
「ええ。彼女はダメな所はとことんダメですから、奪取対象の価値とかに気づかず慢心して、悪ぶって、“こういう女達を出し抜いて男を独占してこその私よ”みたいな考えでとんでもないバカをやって痴情のもつれの決戦とか起こしかねません」
ミクは少し考えた後に、彼女にしては珍しく素で疑問に思っているような声を出した。
「と、言うか彼女、横島に惚れていたの? 何度か襲ってはいたみたいだけど」
決して鈍くはないミクの目から見てもわからない様な好意の伝え方しかしていなかったらしい。ミクが彼女に対しては問題を起こす女性として眼中になかったのもこのためだ。
「はい。そうなったら、彼女どうなってしまうか。あまりひどいことになると、こっちに協力的な女権国家の企業、しかも傭兵などにも多少顔が利くところが一つ潰れてしまいかねません。それは痛手ですけど、
取り返しがつかないわけでありません。でも忠夫が自分を好いてくれている女性達が、身内と呼べるくらい仲良くなった女性をひどいリンチとかしたら、忠夫の性格上、最悪再起不能になってしまいかねません」
「それもありえるわね」
答えながらミクも渋い顔になった。問題行動を現在取っていない部下の行動を掣肘するのは難しい。しかも指示を出す上官も正解がどれかわかってない以上は、逆に出した指示が状況の悪化を招きかねない。 少し考えてからミクは言った。
463 :
名無しさん@狐板
:2022/09/16(金) 23:07:08 ID:hzfLqbrH
「とりあえず、横島に今はそれなりに危ない状態であることを自覚させて、それから陸八魔が逆レイプとかしてきそうになったら直ぐに逃げる様に指示をだして。
それとその時にきちんとこれからの関係を決めない限りはそういう行為は断ると言うように命じておきなさい。失敗でも寝取り独占という行為に彼女が走った時点で爆弾が爆発することには変わりがないから」
「はい。他の女性達と比べて彼女は忠夫がサポートしていないと、出してくれる成果もいまいちですから、引き離すのも難しい。 最近はましになってきましたけど、それでも王国への貢献は多少下がるでしょうしね」
「私もできるだけの支援はするから、もしもそういうことをしたら釘を刺して二度とやる気が起きなくしたうえで、他のあいつの周りにいる女性達にも制裁は済んだから、これ以上はやめておくように話をつけてあげるわ」
「ありがとうございます。ミクさんは軍隊にいた頃それなりに部下を使ったことも多かったと思うけど、こういうケースは過去にありませんでしたか?」
「あったし解決したこともあったけど、今回は使えないと思うわ」
その発言を聞き、大鳳の目が輝いた。事態の収拾の手段というより、上に立つ上司としてのノウハウは少しでも多い方が良いから聞いておきたいという向上心によるものだ。彼は勉強する学生の様な目になって問いかけた。
「その時はどうしたんですか?」
「昔、恋愛ごととかじゃないけど、明確な問題行動とは言えないし、咎めるほどではないけど、もしかしたら部隊の損害につながるかもって行動をとっていた兵士がいたの。
あの程度のことを力づくで、やめろというのも他の部下に厳しすぎる上官というイメージを与えてしまうかもと、悩んでいた。 丁度そのあと少し経ったらそれに似た行動をとっていて運悪く部隊に被害を出した実話が本に載っていてね。
それを読ませて、万一が起こると分かるからやめなさいって言い聞かせたのよ。 そいつも少し自分に似た行動だったから、万一が起きたらシャレにならないと思ってその癖だった行動を意識的に抑えるようになったわ」
「そんなことがあったんですね」
「ええ。でも今回は無理でしょう。こんなレアケースの似たような話なんてそうそうころがってない。それに明確に拙いと言える行動をとっていないのに気を付けようと思うなんて、余程痛い目にあいでもしないと難しいわ。
それにその部隊の実話を読ませた話は、その部下と取っていた行動は微妙に違っていたけど、似た部分もあって他人事とは思えない様だったから、『運が悪いと起きる自分のイフ』みたいに感じられたのも大きかったと思うわ」
そこまで聞いた瞬間、大鳳の顔色が一瞬で変わったまるで事態の解決案が一瞬で浮かび上がったかのようだ。
「ミクさん、ありがとうございます。今回の件解決案が見つかりました」
「え、ええ」
明らかに虚勢などではなくひらめいた様子の大鳳に若干の疑問と困惑を覚えたが、別に良いかと直ぐに頭を切り替えた。有能な部下である彼がここまで自信ありげに言うということは、それなりに成算があるのだろう。
「それじゃあ。解決に行ってきます。確か忠夫は今日非番だったから直ぐに会えると思うので」
礼もほどほどに駆けだす彼を見送った後、ミクは大鳳が失敗した場合に自分がすべきことを頭の中でまとめ始めた。ああいう態度に出た彼はしくじることはほとんどなかったが、ゼロではない。 万一に備えるのが上司の勤めだろう。
横島は不意に大鳳からの電話がかかってきて目が覚めた。今は9時、非常識とは言い難いが、それでも疲れ切った自分にはハードすぎる時間と言えるだろう。
「おう、大鳳かどうした」
「忠夫、実を言うと忠夫の周りになぜ危険なのか説明するのが難しい、大きなリスクがあって、それを上手く説明する方法が思いついたからそっちに行っていい?」
大鳳の言葉を聞き、彼の頭も寝ぼけ眼から直ぐに覚醒した。そういう危険は放置すると絶対にろくなことにならない。
女権国家で一年半以上スパイとして修羅場をくぐり続けた経験がそれを告げている。大鳳が自分に警告しなかったのは説明が難しいだけではなく、話すべきタイミングでもなかったというのもあるのだろう。
程なくして準備を整えると、彼の家に大鳳が来た。
「忠夫、今からその場所に行くけど準備できている?」
「少しまて。飯がまだなんや」
「大丈夫だよ、僕がおごるから。忠夫にリスクを説明するための場所で食事取れるから」
横島はそれを聞きどこに行くのかと思いつつ、答えた。
「分かった。ただあんま遠いとこなら、軽く何か摘まんでから行くわ」
「大丈夫あそこだから」
大鳳が指を刺した先を見て、横島は驚き訝った。昨日まではなにもなかった空き地に『D4C』という看板の付いたカフェが出現していたためだ。 横島は直ぐに文珠を出すと、『調』の字で大鳳を見た。
「偽もんじゃないようやな。 それに操られてもいない。それじゃ行くか大鳳」
大鳳が正気であり偽物じゃないと分かると彼はあっさりと信じて、カフェに向かい始めた。
「忠夫ごめん。前もって説明しておけばよかったね。文珠を一個無駄にさせちゃった」
「構わん。どうせあまりものだし、先に説明があってもあの店の前で多分使っとたわ」
横島はカフェに入ると甘くてボリュームのあるパンを注文し、大鳳はパフェを頼んだ。
はたから見ると仲の良いカップルにも見えるその光景だが、横島は幸せそうにパフェを頬張る大鳳を見ながら微笑ましい感情を覚えつつ、口を開いた。
「大鳳、それでワイを呼んだのは何のためや。やはりワイの周りのリスクってのは、オカルトがらみか?」
横島はこのカフェのいきなりの出現を見て、霊能関係の施設であると思ったようだ。彼の立ち振る舞いにはファニー・ヴァレンタインのことを敵ではないが只者ではない相手と考えている節が見える。
「オカルトがらみと言えばそうだけど、そういう異能の力を持たない者同士の間でも普通に起こりえることだよ」
そこから大鳳はミクに話したのを同じことを横島に話した。それを聞いて彼は、大分驚いた顔になった。
「アルさんもワイに惚れてとってそういう行動に出るかもしれんって、何回か犯られたこともあったけど、そうなんか」
横島が一応の警戒の念を持ってくれたのを見て。大鳳は観察しこれで、爆発が起こる可能性は大分低くなったと思った。だが、まだ駄目だと断じた。彼が本当に大事な時に見せる底力、
それを発揮してくれるぐらいじゃないと、安心できない。そう判断すると彼は、電話を取ると今日呼ぶべきと考えていたもう一人の人物に電話をかけた。
「陸八魔さん。大鳳です」
大鳳が電話を入れると陸八魔アルは丁寧だが僅かに対抗心を感じさせる声を返してきた。
『あら、大鳳くんあなたほど優秀な人が緊急回線で連絡を入れてくるなんて相当な事態ね。できるだけ便宜を図るから要件を言って。一応『今の所は』忠夫を貸してもらっている立場なんだから』
今の所はという部分を地味に強調する声を大鳳は少し微笑ましく思いつつ、言葉を返した。
「忠夫の身の安全に深くかかわる事態があり、その為に共有したい情報があるんです。最悪命に係わることなので、なるべく早くお願いします。 今日明日どうなるってわけじゃないけど、早い方がいいので。準備が出来たら指定の場所にお願いします」
命に関わると言った瞬間、電話の向こうで何かを落とした様な音が聞こえた。彼女が慌ててやってしまったのだと想像がついた。
『そ、そう。彼に死なれると取り返しがつかないわけではないけど、当社としてもそれなりに痛手だから直ぐに向かわせてもらうわ』
大鳳も少し悩んだが、彼女にも自分の行動の結果を自覚させた方が良いかもしれないと、考え、呼ぶことにした。
彼女は明らかに慌ててきたようだが、横島の姿を認めると余裕のある女社長らしい足運びに切り替えて、ゆっくりとカフェの中に入ってきた。
464 :
名無しさん@狐板
:2022/09/16(金) 23:08:44 ID:hzfLqbrH
「それで、彼の命に関わる、案件とは一体何なの? 色仕掛け関連かしら。彼は有能だけど、下半身の欲望には中々勝てない困った男でもあるし」
過去に横島を逆レしてベッドの中でいじめぬいたことを彼女はやたらと自慢したがるが、女権国家の女性達に言わせると力づくな上に、他のライバルもいる状態でこれは悪手と取られている。
独占できているならともかく、告白した女性達もいる以上はもっと素直に当たった方が良いと、評されていた。それでも目の前の彼女は映画や漫画から出てきた悪の組織の妖艶なキャリアウーマンにしか見えない。
横島も彼女の色香で欲望とトラウマを刺激されているようだ。 大鳳は話題の脱線を避けるために直ぐに本題に入った。
「この施設は起こりえるもしもの世界線を追体験できる施設なんです。そして現在横島の身に起こりそうな危機は相当に危なく、それが起きてしまった場合のイフを忠夫を陸八魔さんに体験してもらおうと思います」
それを聞くとアルは納得した様に頷いた。オカルトの実在を知っていた彼女でも相当度肝を抜かれたようだったが、大切なものを護る時には彼女の判断力は余分なものを直ぐに切り落とし最適化される。彼女は堂々と答えた。
「私は優れた社長だという、自負はあるけど欠点だってあるでしょう。それゆえに犯してしまうかもしれない間違いを実害なしで体験できるならありがたいことだわ」
彼女の同意を得ると大鳳は大統領に向き直った。
「ファニーさん。お願いします。注文は一年前のイフでお願いします。忠夫が陸八魔さんの会社に出向する時に霊的な悪事を働く企業との交戦の為に別地域に出張するかの時に、
出張して彼女の発作的な悪事が成功した感じで。できれば忠夫が危機感を持てる様な体験でかつ、彼女があまり悲惨なことにならなかったパターンでお願いします」
「請け負った」
大統領の言葉と共に彼らの意識はそのまま、落ちていき一年前のあの時に戻った。
暗い海の近くで霊的な魔除けの意味のある篝火を囲みながら、大鳳は考え抜いた末に、声をあげた。
「というわけで、忠夫はしばらくの間だけど、陸八魔アルの支援者としてしばらくの間出向してもらうことにしたよ。忠夫の周りにいる皆さん。アルさんのこれからの仕事上、数週間程度とは言え、忠夫と会えない状態にしてごめんなさい」
頭を下げる大鳳に対して、横島に好意を抱いている女性達は文句を言わなかった。大鳳が練った作戦も間違いではないし、八陸魔アルは恋敵としてもそこまで脅威と感じられるような相手ではなかった目だ。 横島としても彼女の方が抜けていて心配だというのもあったのだろう。
「私がその気になれば、あんな非人道的な怨霊兵器などに頼る悪徳商会数週間どころか一晩で潰してみせるわ」
そういうと彼女は勇ましく魔銃に魔力を込めた。 横島は彼女を見ながら心配そうな顔をした。彼女は敵をせん滅する能力は高いが、いまいち守りが弱い。
だが並外れた火力を持っているが故に二手に分けた際に、『直ぐに倒されたりしなければ』相当に相手の企業を警戒させて人員を割かせられる。
今回の敵の質はそれほどでもない。だが数があまりにも多いため今回は、幾つかに別れなければならないが、彼女の様に有能な部分とダメな部分が同居しているタイプを使うのは大鳳にとっても初めてのことだろう。
意気揚々と出発した彼女を追おうとする、横島を大鳳が呼び止めた。
「忠夫、最初の奇襲さえ成功させてくれたらあとは逃げていても良いから。必ず生きて帰ってきて」
「ああ。分かっとる。できれば彼女も死なせずに戻ってくるわ」
できればと言いつつ、絶対に彼女を見捨てられないだろうな、と大鳳は思った。彼女を制御するのは難しいから補佐に長けていて生存と逃亡に特化した彼をつけてみたが上手くいってくれることを願うしかない。
結論から言って悪徳霊能企業との戦いは勝利に終わった。八陸魔アルを無能ではないが隙の多い敵とみなしていた悪徳霊能企業は、横島とアルのタッグが初陣だったため、
事前情報がなく、彼のフォロー得たアルの大暴れで想像以上の被害を出し、そこを分かれた大鳳とジャギたちの挟み撃ちに会い、一気に突き崩されてしまった。
戦いが終わった後、有能な部分では有能な彼女を支えつつ横島は事後処理の手伝いに移っていた。
悪徳霊能企業を潰した後、陸八魔アルがかの企業の参加で恫喝されて従っていた弱小勢力を傘下に置く際の事務手続きなどを終えて、新王国派の良識派の企業寄りに動いてもらえるように動く彼に、アルがコーヒーとサンドイッチを持ってきた。
「横島ご苦労様。 霊能での戦闘と言い、今回の処置も両方とも負担を大分かけているわね」
「王国で何度も追試食らったおかげか何とかやれています。アルさん」
アルが持ってきたサンドイッチを食べて、コーヒーを飲み下した瞬間、彼を急激な眠気が襲いそのまま彼の意識は深い眠りに落ちた。
意識が戻った瞬間、彼は不意に激しい快感が全身を襲い悲鳴をあげた。仰向けになった自分の体に向けて柔らかく淫らな体を押し付けるアルが目の前にいた。既に分身は彼女の秘所に飲み込まれ。
彼が目覚める前から、その中に精を注いでいる。射精したばかりで敏感になっているそう思った瞬間、一気に快感が強まり、再び大量の射精が起こった。それを見てアルは妖艶極まる笑みを浮かべた。
彼女本来の善性と抜けている部分もある親しみやすさを見慣れた今でも、悪辣ぶった時の彼女の笑みは女権国家の女性らしい妖艶さがある。 彼女は恋慕と嘲笑めいた思いも籠った笑みを浮かべながら彼を見下ろした。
「私のことをポンコツだとみなしていたけど、ベッドの中に連れ込まれれば男なんてこんなものね」
「ア、アルさんちょっと待って。ああー!」
言い終わる前に彼女が悪魔の力を使い一気に快感を強めると怒ったように言った。
「ベッドの中ではさんじゃなくて様と言いなさい」
「は、はい。アル様、アー!」
様と言い終えたところを狙ったように彼女が腰を動かし一気に彼に大量の射精を促した。自分を様と呼んだことを彼の脳に焼き付けるためだったのは明らかだ。
「魔法的なしびれ薬少し強すぎたからしら? ちゃんと性感帯機能している。少なくともこの弱すぎる股間の剣は機能しているみたいだけど」
そういって彼女は横島の動かない手を取り自分の豊かな乳房を揉ませた。彼女の秘所に加えこまれて、悲鳴をあげる様に射精を繰り返す分身の射精量が増えたことで彼女は満足そうに頷いた。
「うん、しゃべることは可能。性感帯に衰えなし。これはなかなか使えるわ。結構な商品になりそうね」
そういいながら彼女は、横島の手を乳房から離し自分の尻に導き握らせる。乳房を彼の胸で押しつぶしながら、時折自分の乳首で彼の乳首を刺激しながら言う。激しく射精する彼の霊気を射精を通じて吸い尽くしながら彼女は言う。
「それでも完全に動けないから触ってほしい部分とかは自分の手で誘導しなきゃダメか結構な手間ね」
情事が終わって立ち上がった彼女は横島の霊力を吸ったためか一時的だが、横島の足元にも及ばない程に力が開いた状態になった。彼女は部下の女社員に何かを持ってこさせるとそれを彼に向けて放った。
「これは、性的な快感を忘れがたく再び求めやすくする類の魔法アイテムよ。今夜の私から受けた屈辱とそれが増幅する性的快感が強く印象に残って癖になりやすいのよ」
ピンク色の光がなかなか彼に入り込まないのを見てアルは頷いた。
「あれだけ吸ったのに、まだ拒めるとか意思と霊力が思ったより高いのね。少し魂の隙を作りましょうか」
そういいながら彼女は横島の分身を踏みつけ、ピンポイントで激しい快感を与えると射精させた。その瞬間毒々しい桜色の光が一気に彼に入ったがまだ光は収まっていない。
「貴方の霊的防御力が高いのもあるけど少しこれ効果に難ありね」
465 :
名無しさん@狐板
:2022/09/16(金) 23:10:27 ID:hzfLqbrH
そういうと彼女は彼の分身を口に含み嘗め回し始めた。口淫という男性優位の性交委でありながら、彼女の見下しきった目が射精を完全にコントロースされているという自覚を促し、
屈辱感がより強い快感を与える。射精をするたびに霊力が一気に彼女に吸い取られそれを三回繰り返したのちに毒々しい桜色の光は彼の中に入り切った
「これからも商品の検品チェックよろしくね。 忘恩の裏切り薬頼りの逆レで大量射精する、早漏変態さん♪ 私が出す夜食には時々今回のと似たようなのが入っているから。嫌なら食べなくてもいいのよ」
絶対に断らないという横島に対して使った魔法アイテムに対する強い信頼感を持った声に彼は戸惑いながらも、頷いた。
「な、なぜこんなことを」
彼の問いかけにアルは少し悩んだ様子で答えた。
「もしかしたら貴方のことを好きになったのかもしれないわ」
その一言が本心かもしれないと思った瞬間、横島にはアルを憎むことが難しくなってしまった。
その日の夜から彼は時々夜食に混ざったそういう薬のせいでしばしばあるに逆レイプを受けた。断ろうと思っても最初に受けた魔法アイテムのせいか、アルの肢体とそれを駆使した攻めが浮かんでしまい、どうしてもそれに抗えなかった。
ある夜は。
「ほら、貴方の故郷の王国を滅茶苦茶にした悪徳商会の社員だったころの制服よ」
初日のしびれ薬を盛られた後、悪徳企業の服を着たまま彼女に騎乗されてなじられた。
「この服着た時の方が射精量多いわね。大丈夫?頭まで精子じゃない。愛国心なさすぎでしょう?」
ある日の夜は彼女にひたすら足で抜かれぬいた。
「ほらほら、こんな目に合うと分かっていて欲望に負けて夜食を食べる様なクズは足だけで充分でしょう」
そんな日々が一週間ほど続き、女権国家でも男にとって恥ずかしすぎる性行為をした後に彼女は笑いながら言った。
「忠夫、実を言うと今までのプレイをビデオに撮ってあんたを好いてくれている女性達(節穴な彼女は気づいていないが、この世界線では全員好感度200越え状態)に送っておいたから。
今日届いたはずよ。ちなみにその動画には女権国家とは言え、男としてこれは情けないみたいな観念が強くなる魔法もセットしておいたわ」
「な、なんで」
「ほかに手がなければ諦めたけど、できればあなたを独占したいしね。まあ、彼女達もぎりぎりとはいえ、理性の強い男なら耐えられる程度の呪いに負けてこんな醜態さらす男よりは他の良い男を見つけるでしょう」
横島が完全に落ち込み切ったのを見て、勝利を確信したアルが出て行ったあと、落ち込む彼を慰める様に、どこからか来た上海人形と蓬莱人形がいつの間にか訪れ彼の体を清潔にし始めた。
「アリスちゃんの使い魔か。お前たちの奉仕受けられんのも今日が最後やろな」
死んだ魚の目になっている横島に、二つの人形は優しそうな否定の響きのある声で叫んだ。
「シャンハーイ、ホウラーイ」
惚れた男を独占できると有頂天状態のアルは良い笑顔で部下の女社員に事の経緯を話した。一応霊能にも明るい彼女は、顔色を変えた。
「社長、ちゃんと金さえもらえば何でもやるタイプの有能な霊能者とか雇ってありますか? それも可能ならダース単位で」
「なに言っているのよ。 体を重ねた回数も少ないしあそこまで情けない姿を見たら直ぐに、ぽい捨てに決まっているでしょう。 霊能に対する防御ももうしばらくした経費減らせるわね。 横島が専属になる上に、彼女たちの監視も恐れずに済むし」
敏腕らしい女社員は諦めたように天井を仰ぐと言った。
「社長すいません。明日から五日ほど休暇もらっていいでしょうか」
「いいわよ。最近よく働いてくれているじゃない」
子供の様な可愛い笑みを浮かべる彼女を見て敏腕社員は少し良心が痛んだような顔をした後、『自分の命には代えられない』と結論付けた様子で休暇の手続きを取り会社を後にした。
横島に発した時とは正反対の恐ろしい凍り付いた怒気が籠ったような人形の声に彼女は幸い気づくことはなかった。
『シャンハーイ。ホウラーイ』
大鳳は不意に横島を好いている女性達が一斉に訪問してきて、ジャギも呼んでほしいと言われてそれに従った後、彼女たちが持ってきた映像ディスクを再生し、最初はアルに対して怒り
、それでも仲間としての情はあったので一度制裁して上下を分からせねばと思っていた。だが、後半になると横島を好く女性達が怖くなり、人形から送られてきたアルのダメっぷりと観測の甘さをみて今では哀れみと心配の方が勝る状態になっていた。
「あ、あの」
少しどもりながら出した彼の声に、恐ろしく綺麗な笑みを浮かべたエヴァが答えた。
「む、なんだ大鳳。横島に恩を仇で返して、幾つものトラウマを刻むような畜生逆レをしたあの女を殺る時は自分に止めを刺させてくれという懇願か? ダメだぞ。条約に引っ掛かってしまってお前の迷惑になる。な、ユウキ?」
怒りが極に達して恐ろしい目になっているユウキが攻撃的な笑みを浮かべながら言う。
「エヴァさんダメだって、彼女を殺したりしたら忠夫のトラウマになっちゃうよ。 でも、仕事はちゃんとしていたとはいえ、僕達が忠夫に迷惑にならない様に他の場所で戦っている時に、忠夫にあんなことするなんて。少し頭にきちゃったね」
ユウキが鉄でできたマグカップをひしゃげるのを見て、大鳳は『君スピード型だったよね!』と内心突っ込んだ。
怒りのあまりマグマの様な気を放つヴィヴィオを愛歌が寒気がするような笑みを浮かべながらいさめている。
「ヴィヴィオ、王族ならああいう勘違いしたバカな側室とかが沸くのも夫の魅力故と誇りつつ、教育することを考えなきゃダメよ。そんな怒気と殺意に身を包むものじゃないわ。その分際をわからせる教育は厳しくしなきゃダメだけど」
大鳳は彼女がひどい目に合うのが確定となったときアルへの怒りはすっかり消え去った。
何とか多少でも制裁を軽減できないかと魔女としてやばそうなものを淡々と用意するアリスをしり目にジャギに目で問いかけると、彼は無理だというように直ぐに首を振った。
アルとの夜の次の日、横島はいったん大鳳たちの本拠地に戻りに来ていた。
『さすがにあそこまで醜態さらしたら、ワイへの好意も消えたやろうけど、せめて今回の戦いが終わるまでは一緒に戦ってくれと頼まんとな。モヒカンたちもかなり死ぬ恐れがあるしな。
ユウキはなんだかんだでワイには愛想尽きても、途中離脱である程度でも仲良くなった、奴らが死ぬのはよしとせんだろうから、聞いてくれるだろう。
エヴァもアウトローだったからこそ自分のルールに厳しいから不義理してない相手に迷惑かける理由で途中離脱は嫌がるやろうから安心や。だが今回の戦いが終わったらさよならかな』
ここまで考えて彼の顔は余計に曇る。
『アリスちゃんは、ワイへの好意が第一だったようやし、善人ではあるけど嫌がるかもな。不義理とかそういうのが魔女に通るかもわからん。そもそもワイたちに借りないしな。
いくつかの高価な魔法アイテムを渡せば今回だけは戦ってくれるかな? リグルは人間と仲いいわけではないが、善良な人間と縁結んだらその人間に対する不義理は嫌うから今後も対価次第では働いてくれるかな?』
テレビカメラ越しのさとりの実況を受けて好意の伝え方が足りなかったと反省する彼女たちをよそに大鳳は必死に彼女たちの目を盗み横島やアルと連絡を取る方法を探していた。
大惨事になりそうになった時の為に呼んでおいたジャギに目を向けて聞く。アイコンタクトをした。
466 :
名無しさん@狐板
:2022/09/16(金) 23:11:50 ID:hzfLqbrH
『ジャギ何とか忠夫と連絡取れない?』
『無理だ。十中八九気づかれるな』
『陸八魔さんをひどすぎる状態にならない様にできないかな』
『あとは天のみぞ知るだ。 美鈴姉貴に言わせたら、天を見て死兆星が見えてなければ助かるだろう』
『ジャギ、無駄かもしれないけど動こうよ。今回は彼女が悪いけどあまりむごい結末は見たくないから。 1パーセントでも可能性があるならやってみる。それが北斗神拳でしょ』
『北斗神拳使いの俺が動いていない時点で察してくれ』
『あ、やっぱり』
二人が半ば諦めた頃、横島はようやく女権国家での自分の住居に戻ってきていた。アリスを見かけると彼は、さっそく頭を下げ声をかけようとして、 不意に彼女に抱き着かれてバランスを崩した。
「忠夫、おかえりなさい。 随分とひどいプレイをされてしまっていたけど大丈夫。女性がトラウマになってない?」
「あ、ああ。今でも美女なら大好きだし怖いとかありえんわ」
「それじゃあ、あの勘違い女にかけられた呪いの解除に行きましょう。 愛歌さんとヴィヴィオが用意しているわ」
優しい慈愛に満ちた天使の様な笑みを浮かべるアリスに手を引かれながら彼はゆっくりと、祭壇が用意された自室に通された。
「お兄ちゃんおかえりー!」
輝く笑顔を浮かべながら抱き着いてきたヴィヴィオを抱き留めると、少しだけ怖い笑みを浮かべた愛歌が話しかけてくる。
「おかえりなさい。私の英雄さん。 あっちでもたくさん人助けしていてご苦労様だったわね。まあ、戦勝の夜にサンドイッチを食べてしまったのは失点だったけど、貴方がなした善行に比べたら小さなものよ。それじゃあ解呪の準備をするから」
程なくして愛歌が持ってきた料理は神殿などで振舞われる類の本膳料理だった。ふんだんにふるまわれた鶏肉とスパイシーなトマトのソースが絶品であり、直ぐかみちぎれるわりにきちんと歯ごたえの残っているところが素晴らしかった。
アリスが注いでくれたワインと交互にそれを食べながら彼は、魚の蒸し焼きや、新鮮なサラダなどを食べ終わると彼は急激な眠気に襲われてそのまま彼の意識は落ちていった。
次に彼が目覚めた瞬間、彼は自分の体がアルに薬を盛られた時と同じ状態になっていることに気づいた。違うのは体が勝手に動いているという一点、そして彼の体はゆっくりと彼女たちが待っているベッドへと近づいて行った。
エヴァかアリスどちらかの霊力でできた糸が自分を動かしていると分かった。 ベッドに来ると最初に愛歌が近づいてきて彼の唇を奪った。 優しくとろかすような口づけを受けながら、しびれ薬を盛られていなければこの口づけで動けなくなっていただろうなと、
他人事の様に感じる。 夢見心地の中にいる彼は目の前で服を脱いでいく愛歌を見ながら、ゆっくりとその体が放つ美しさと色香によって視線に力が入っていく。 恐らく体が動けば脱ぎ始めた時点で視線が動かなくなっていただろう。
本来彼女の様な体には興味を持たない横島ですらも欲情させてしまう程の色香に身を包んだ愛歌は笑いながら言う。
「初めは私から、まずはあの女と別の快楽を味わって。あの女の印象を消し去りなさい」
愛歌が笑いながら彼の分身を飲み込むと。 横島の分身はあるとは対極の快楽を送り込んでくる彼女の秘所に飲み込まれ一気に射精した。大量の量を出しているのに、一切漏れ出さない。それは彼から一気に霊力を奪っていく。霊力の奪い方はアルのそれをはるかに上回っていた。
「悪魔の力を多少使える程度の娘が、一応王家の王女である私の性魔術に勝るわけがないでしょう」
愛歌は心底彼を貪ることができるのを楽しみながら、どこまでも優しく溺れさせるような様子で彼の分身を嫐り続ける。 ゆったりとした責めでありながら、快感から出ることができなくなる温泉につかっている様な快楽が彼を何度も襲い。
ひと際すさまじい射精をした瞬間、彼女は笑いながら横島に再び口づけをしてきた。その際に何か凄まじい呪いか祝福めいた力を流し込まれる感覚が襲ってきた。震える彼の体をアリスかエヴァが動かし、愛歌を強く抱きしめさせた。
「大丈夫よ。婚姻や盛り立てる英雄と会った時の祝福だから。私以上の性魔術の使い手と会わない限り貴方はもう正気を失うことはないわ」
愛歌がアリスに目配せすると横島の手が動き彼女の尻を強く握りしめた。気持ちよすぎる射精が苦痛になる一歩手前で快感が止まる中、彼女は何度も彼の唇を奪い満足すると立った。
「名残惜しいけど、そろそろ次の人の番だから」
彼女が後ろに下がると、リグルが前に出てきた。
「忠夫、今回は災難だったね。ちゃんとアルは僕達が惨すぎない範囲で制裁しておいたから。 とりあえず制裁の一環として彼女の特別感を君の中から消すことにしたよ」
そういってリグルが彼に騎乗すると、横島は脳内に電撃が走るような快感を味わいながら気づいた。 彼女はアルが自分にした騎乗位と同じ動きをしている。特徴の違う狭い膣が彼の分身に余裕を与えず嫐る。
アルと彼女どちらが上というわけではないが、それでも耐え難い快感が襲ってくる。リグルは不意に頼むような口調で言った。
「忠夫、僕のこともリグル様って呼んでくれない。アルを呼んだのと同じ感じで」
横島は聞かないと何が起こるかわからないという恐怖と、聞いてあげたいという気持ちが混じった状態で答えた。
「リグル様、――! ……!」
言い終わった瞬間彼の意識が飛ぶほどの長く多い射精が起こった。女権国家では大量の射精は珍しいことではないが、リグル相手のこれは異常だった。
交尾の際に精子を奪いつくされて死ぬ虫の雄に自分がなったような錯覚を覚えるその射精は、形だけでもリグルを上位者と思いながら様と呼んだ瞬間を狙って起こされた。
指一本自力では動かせなくなった彼を見ながらリグルは笑いながら言う。
「これでアルより僕の印象の方が上になったでしょう。近々僕達も彼女の会社に出向するからね」
満面の笑みで横島に口づけして蛍の光を放ち消える彼女を見ながら、横島はがくがくと体が震え始めた。愛歌にふるまってもらった本膳料理の為か、自分の精力はまだまだ限界ではない。だが射精の度に強すぎる快感で削られる精神はそうでもない。
ふらつく彼にアリスが優しい笑みを浮かべながら、近づいてくる。
「強すぎる快感でそろそろ限界状態みたいだから休憩を挟みましょうか」
そういってアリスは服を脱ぐと彼を動かし、自分を抱きに越させた。正常位の体位になるように自分が下になろうとしていたが、待ちきれなくなったかのように彼の分身が自分の中に入りかけたところで、一気に彼の腰を押して慣らす間も与えず彼の分身を飲み込んだ。
「あー!」
悲鳴をあげられたのは一瞬で彼女の唇で口を塞がれると一気に逃げ場を失った快感が、分身に集中し、射精以外では吐き出せなくなっていく。 彼女は横島を動かしながら、様々な体位を試したが常に霊力でできた糸で彼を操り主導権は彼女にある状態だ。
そして愛歌と似た、癒す様な性行為をしつつ、自分の与える種類の快感への耐久力が限界に近いことを見極めると、彼を仰向けにして全身をくっつけながら口づけをつづけた。 横島の意識が帰ってこれない位置に落ちかけた直前にやめると彼女は笑いながら言う。
「普段はここまでしたりしないから、彼女の痕跡を消したいだけだからね。 でも堕ちたくなったらいつでも言って。どんなに情けなくなっても私は貴方を嫌うことはもうないから」
アリスが下がると、エヴァが前に出てきた。彼女は大人の姿になり。いつもとは違う、黒いマントに身を包んでいる。
467 :
名無しさん@狐板
:2022/09/16(金) 23:14:30 ID:hzfLqbrH
完全に全てを隠すマントを彼女が明けるとその下にはサイズは違うがアルが着けていたのと同じ種類の黒い下着が見えた。エヴァがそれを身に着けている姿は凄まじく妖艶だ。
「あの女より私の方が似合うだろう。さてこのマントを見てみるが良い」
横島はエヴァの姿を見て、気づいた。2世紀以上前に半ば正当防衛とは言え、王国の兵士を大量に殺害した吸血鬼闇の福音のマントだ。
「お前は私が闇の福音でも嫌わないだろうが、さすがに自分の情事の最中にそれをされるのは非常識だと思うだろう。 だがアルに刻み付けられた印象を上書きするにはこれくらいしか手がないのでな」
ダメだと思いつつ体が動かせず、そして動いたとしてもエヴァの体の魅力に抗うことは不可能だという確信が彼の中にある。 ゆっくりと近づいてきた彼女は僅かな時間彼を霊力の糸で操り、
下着の上から自分の胸や尻を触らせ、アル以上い強く印象づいた瞬間に魔術で脱ぎ去ると、闇の福音のマントをはためかせながら彼に騎乗をした。凄まじい背徳感が産んだ射精を一度すると、彼女はアリスと同じく正常位へと移った。
既に動けない彼を両手両足で拘束し、ユウキに目配せするとユウキが短剣で一滴だけ血が出る様に指を切りエヴァの口元に垂らした。
ユウキは愛歌の回復魔法で傷を塞がれながら好きな男をいじめるのを楽しむ女権国家の女性が良く見せる意地の悪い目で横島を見ている。
エヴァが彼にかみついた瞬間、エヴァの視点だけではなくユウキから見た自分がいかに王国男子としてみっともないか、わかる感覚が伝わってきてそれが余計に屈辱感と背徳感を煽る。 笑いながらユウキが言う。
「忠夫―! 闇の福音相手に女性優位の性交されて、そんなになるなんて恥ずかしくないの?王国女子として凄く幻滅したよ。 みっともなーい!」
エヴァの牙がもたらす快感はアリスとは別方向に精神を大いに削った。アルがもたらした屈辱や屈服間以上のものを与えたことが伝わると、彼女はようやく離れた。
「よし、私たちの感情も伝わったか。嫌いに等なってはいない。ただあの女のせいでお前をいじめたいという欲望が抑えられなくなった。 あんな姿を見せつけられてはな」
今後もこういうことをやりたくなった時の為に、器用にアルに責任転嫁する辺り、エヴァは不義理をやらかした相手には容赦がないようだ。
ユウキが笑いながら王国の学校の制服に身を包みながら彼に近づいてきた。
「アルとエヴァさんで変えられてしまった性癖を元に戻さないと。王国男子らしく優しく僕をリードしてね」
そういいながら、彼女は騎乗し横島を大いに嫐った。王国の学校の制服が本来男性優位な王国女子としているという意識を余計に強め、彼の誇りを大いに傷つける。そしてそれが激しい快感に変わる自分が情けないと思う。
「忠夫、ちょっと早すぎるって。 もう少し我慢しなきゃ恥ずかしいぞ♪」
上着だけ脱いで胸の間に彼の分身を挟んだユウキは笑いながらえげつない言葉を言う。
「制服フェチだったくせにエヴァさんとアルにされた服装プレイの方が燃えたの。射精量があっちより少ないな。早く王国男子とは言えないクズから、元に戻さなきゃ。頑張って戻ってね♪」
何度もユウキの胸に絞りぬかれながら彼は倒れた。倒れたところでユウキは制服を着たまま彼に乗り一気に分身を飲み込むと、そのまま彼を果てさせた。
「うん、これで僕の気持ち伝わったかな」
笑顔でえげつない快感を送り込んでくる彼女に横島は答えた。
「正直、あの姿見て嫌われたと思ってたからほっとしたわ」
その言葉を聞いた瞬間、ユウキが腰を振る速度が上がり、横島が何度も射精を繰り返した。 横島の意識が落ちかけた瞬間に愛歌が彼女を引き離した。
「ユウキそこまでよ。これ以上やると彼が限界になりかねないから」
「分かったよ。愛歌。それじゃあヴィヴィオ、仕上げお願い」
ユウキが後ろに下がると体が勝手に動き、大人の姿になったヴィヴィオが玉座に腰掛けていた。彼女がから放たれる威圧感は神々を怒らせたときにも似ている。これが聖王の嫉妬かと思い震えた瞬間、彼女が彼を抱きしめて押し倒してきた。
「それじゃあ、警邏隊の方式で貴方を浄化し治療します。あの悪魔の力を取り込んだ娘、それだけならまだしも、聖王である私の者をかすめ取ろうとした女が残した彼女の快楽の魔術を完璧に消し去りましょう」
ヴィヴィオに騎乗されるのは横島にとって嫌だというより怖いと感じている。彼女が聖王であるせいか、自分が霊的に支配されているという感覚が他の女性より遥かに強いためだ。 飲み込まれた時、
アルの残した魔力を一気に消し去るような快感とそして王に支配されているような錯覚が同時に襲ってきて、彼は何度も果てた。不機嫌そうに激しい快感で横島を蹂躙しつくしていた彼女も、横島の体がアルの残した魔力が消え去ると上機嫌に笑いながら彼を絞り始める。
彼女は横島を一通り犯しぬいた後、口淫を始めた。アルと同じやり方でありながら逆の質の霊気を使われている感じが余計に上書きされている感覚を強めていく。
「ヴィヴィオ、もうかんべんして」
「これは浄化であり治療です。だからあなたが綺麗になるまではやめられません」
口淫をやめた彼女は手で彼の分身をしばらく撫でた後、再び騎乗する形で飲み込み、強すぎる快感で逆に射精できないでいる彼をしばらく楽しみながら、
不意に最大の技を繰り出すように筋肉を躍動させると一気に彼を搾り取った。全身の力を霊力や力を秘所に集めたような搾り取り方が一気に彼の意識を飛ばした。それを見て彼女は満足そうに笑う。
「完全にアルの不義理な独占寝取り計画の痕跡は我が伴侶から消えましたね。満足です。アルへの制裁はこれで完了としましょう」
満足そうに王らしく頷くヴィヴィオを見たのを最後に彼の意識は一気に落ちていった。
現実のカフェに戻ってきた横島は、震えあがりながら大鳳の方を見た。
「な、なあ。大鳳流石にユウキたちあそこまで凄いプレイせぇへんよな。アル社長が魔がさしてああいうことしたからそれでついやってしまっただけだよな」
怯える横島をよそに、陸八魔アルは白目をむきながら何かを口走っている。
「会社の自衛部隊壊滅……、武器庫に炎をはなたれビル爆発……、吹き飛ぶ場所を魔法でまだ寒い雪山に指定されて、雪山で凍える中逆NTR返し動画強制鑑賞…… イヤー! エヴァ様、私が悪かったです! 忠夫と完全な絶縁だけは許してくださいー!」
一緒にイフを見ていた彼女を見ながら大鳳はこれなら十分懲りただろうと思い問題が片づいたことに安心を覚えた。 ホッとしながらも彼は僅かな違和感も覚える。前回利用した時とは店の雰囲気が少しだが異なっている。
だが実害はないと勘が告げているので大統領に礼を言うと、アルを起こした。
「アルさん。逆NTR独占なんてしようとするとああなりますよ」
「わ、分かったわ。忠夫、お願いだから今夜は傍にいなさい。不義理しない限りは怖くなくても、しばらく彼女たちがトラウマになりそうよ」
二人が出て行ったのを確認すると大鳳は大統領に頭を下げて店を出た。
大鳳が帰っていったのを確認すると大統領は、不意に声をかけた。
「あの悪魔の干渉は完全に途絶えているか?」
彼が声をかけた先には、赤い服に身を包んだサイドテールの銀色の髪をたなびかせた、どこか豊かな母性を感じさせる美女=神綺と、学生服に身を包みながらどこにでもいる様な様子でありながら、強大な意思力を感じさせる目をした歴戦の戦士の様な気配に身を包んだ男性がいた。
「ええ、大丈夫よ。 この世界のアリスちゃんが私の娘かはわからないけど、アリスちゃんが選んだだけあって素敵な子ね彼」
神綺の言葉が終わると、青い学生服に身を包んだ青年が言葉を続ける。
「かつてのザ・ヒーローたちみたいに俺も異世界出張か。最もここは大分違いすぎる世界の様だが。 まあ、あんたが大鳳という少年を他人と思えない様に、俺もあのバンダナの男には親近感がわいた。 だがそれなりに疲れた。報酬になんかただ食いさせろ」
468 :
名無しさん@狐板
:2022/09/16(金) 23:17:23 ID:hzfLqbrH
大統領は頷き厨房に戻りながら、先ほどまでの事態を思い返していた。
横島はイフの世界戦で激しくアルに嫐られていた。その場所は淫らさを連想させる暗めの赤い絨毯とカーテンに包まれた王宮の様な寝所で彼はひたすらに悲鳴をあげさせられ続けている。
悲鳴をあげる彼を後ろからもう一人のアルが押さえつけて逃亡を防ぎ、前の彼女が唇を奪う。どこまで甘い味のする舌が脱力を誘い股間の分身以外の前身の力が完全に失われ尽くされていく。
「どうした忠夫。今までの私は擬態で本当は気に入った男を得るための詐術だったそれが真相だ。 これより地獄で悪魔の公爵を孕ませ、その子がいかなる悪行をなすか見続けるがいい」
彼女が彼にまたがると一気に彼は射精し、意識を失いかける。
「安心しろ。今はまだ孕まぬようにしている。お前が快楽に抗えなくなって、外道な息子が生まれると分かっても自ら体を求めるようになるまでな」
離れた彼にもう片方のアルが口づけをして笑う。
「今まで貴方と接していた方の私とどっちが気持ちいいかしら?」
悪人ぶった演技と分かってなお妖艶さに満ちていたはずのその仕草が今では、本当の悪女だけが持ち得る妖艶さにしか見えない。彼女は愛と侮蔑の混じった目で彼を見ながら唇を奪い体を重ねる。
「やはり本能には抗えない様ね。今あなたの中にあるのは気持ちよくなりたい。そしてどんな外道であろうが強い雌を孕ませることができるそれだけよ」
「ち、違う」
「じゃあ、あと十回以上私たちと体を重ねた後でも同じことがいえるわね」
そういい終わりかけた瞬間。大統領の声が響いた。
「そこまでだ。 私の運用する施設で、利用者に意図せぬ不都合を起こさせるな。 『いともたやすく行われるえげつない行為』」
大統領の宣言と共に二人の人影が現れる。その二人の人影が放つ強大な気配がこの場の淫らさが全てを支配し男を堕とす劇の様な空気を一瞬で砕いた。
学生服に身を包んだ男は刀を構えながらアルをにらみつけ言葉をかける。
「多分初めましてかな? 地獄の公爵が一人ベリアルさんよ。最もこの世界の、と着くんだろうが。俺は、青木仁この大統領にいきなり呼ばれつつ、
かつて惚れた女の願いを叶える戦いに手を貸してくれたシヴァさんと斉天大聖への義理でそこのバンダナを助けに来た。なんでも韋駄天ことカルティケーヤさんとその横島ってやつは縁があるらしくてな。
あと斉天大聖も一応師匠やったこともあったからな。それと俺の世界のベリアルがそれなりに報酬をくれるって約束してくれてな。異世界とはいえ、自分の同一存在が『アリス』って名前の女から男を寝取るのは不愉快なんだそうだ」
そこまで言った後青木は、少し珍しそうに言葉を続ける。
「俺の世界の伝承ではベリアルは、淫乱で詐術の天才で伝承によっては二人の天使の姿らしいが、片方が油断させる女でもう片方が本体ってか」
ジンがそういう横で、神綺が大きな魔力を放ちながら彼女たちに圧力をかけ始める。
「正直荒事は嫌いなんだけど、パラレルワールドとはいえアリスちゃんに誠実な対応している男性にこれは面白くないわね。 彼を解放してくれないなら私も嫌いな荒事をしなきゃダメになるけど、どうかしら」
二人の言葉を聞くとベリアルは少し残念そうに横島を放した。
「よかろう。返すとしよう。正直少し惜しいが手に入る機会も皆無ではないしな」
そういうともう一人のアルを指して笑いながら言う。
「彼女が私と同じ出自とは限らないが、本気で惚れた時は女権国家の女らしくいづれは私を呼び出せるくらいになるだろう。この世界に私がいないとしても、その壁すら突き破ってな」
それに対して神綺が笑いながら答えた。
「大丈夫よその時は彼の成長しているでしょうし、アリスちゃんが選んだ男の子がこういう負けイベ以外で変な結末を迎えるわけないでしょう」
そのやり取りが終わったと彼らはすぐに元の場所に戻っていた。
大統領は調理をしながら考える。
「世界には様々な可能性がある。最初の分岐点でヴィヴォオの地位がクローンだったり正当なる、王だったり。そしてあのアルは恐らくは幾つもの運命力がまとまってできた存在かもしれん とりあえず、
アドル神殿の浄化の護符をつかいもう一人のアルの記憶は消去しておいた。これで顧客への被害はないだろう」
諜報部のアジトの療養室で傷一つない体でありながら、ベッドから動けなくなっている男がいた。彼、横島忠夫の惨状を見て大鳳は女権国家でよくみられる、
搾り取られすぎて動けない状態だと見抜いた。指一本動かすのが困難な彼を痛ましく思いながら大鳳は問いを投げかけた。
「横島どうしてこうなったの」
「微妙にワイを好いてくれている女性達を怖がったから事情聴かれて、仕方なく『伝』の文珠使ったんや。そうしたら彼女達、逆NTR防止とか言って、あの世界とほとんど同じことを、ああー!」
「そ、それは災難だったね」
大鳳は心底同情しつつ小さめにリンゴを切りながら横島に差し出した。横島も乾いたのどを潤しながら言葉を続ける。
「とにかくお香の匂いがトラウマなんや。出しても出してもあの匂いを嗅ぐと息子がビンビンになって体はともかく精神が限界、まじかなのに容赦なく」
そこまで言い終わったところで、ヴィヴィオに仕えている女騎士が不意に贈り物を持ってきた。 騎士は箱を携えていたが、最初はヴィヴィオの手紙らしきものを彼に渡した。 横島が封を切ると手紙の内容は以下の通りだった。
『お兄ちゃん昨日は、やりすぎてごめんでもどうしても、逆NTRされるかもという恐れがあってついああいう行動に出ちゃったの。 それと多分だけど陸八魔アルさんはまだ逆NTR独占願望を完全に捨ててないと思うよ。
それでも彼女をお兄ちゃんは多分見捨てないと思うから、女権国家の上書き地獄を知っていてなおそんな彼女を見捨てない勇者なお兄ちゃんに贈り物したから。最近は王族ではこれが、流行りなんだって』
読み終わった直後にヴィヴィオから送られた箱を女騎士が明けるとそこにはかつて大鳳がアンリエッタ皇女から送られたのと同じ50Mと横島を逆レする際に使われたお香の匂いの染み込んだひのきの棒が入っていた。女騎士は彼を気の毒に思いつつも律義に主命に従い、殆ど動けない彼の口をふさぐと、
鼻の近くにそれをつけた。匂いを嗅いでトラウマを刺激された横島は騎士の手が口から離れると、悲鳴と泣き声の中間の様な声をあげた。
「アンリエッタ皇女許さーん! 大鳳にあんなことしただけじゃなくて、(ベッドの中以外では)天使みたいなヴィヴィオにこんな影響を与えおってー!」
大鳳は気の毒に感ながらもかつての自分もこうだったのだろうかと思いつつ、今の横島の姿が面白くて仕方なかった。そしてそれを見ながら自分の判断は間違ってなかったと思う。
あの店に行かずに陸八魔が逆NTR独占計画などを実行していたら、もっと陰惨な最後を迎えていたかもしれない。 彼は横島を慰めつつ本当に今は楽しいと貴重な日々をかみしめていた。
469 :
名無しさん@狐板
:2022/09/17(土) 00:05:29 ID:OPQ8A1Fw
乙でした!
470 :
名無しさん@狐板
:2022/09/17(土) 13:11:17 ID:h6Yrwzon
乙
471 :
462
:2022/09/17(土) 17:30:21 ID:jpkejNEm
>>469
乙感謝です
>>470
乙感謝です
472 :
名無しさん@狐板
:2022/09/17(土) 18:51:06 ID:vSV24Wau
乙
ひのきの棒オチw
473 :
名無しさん@狐板
:2022/09/17(土) 18:53:48 ID:vSV24Wau
乙
ひのきの棒オチw
474 :
462
:2022/09/17(土) 19:27:03 ID:jpkejNEm
>>472
乙感謝です。
大鳳くんだと悲惨だけど、横島だと割とギャグになった気がしますw
475 :
名無しさん@狐板
:2022/09/19(月) 02:01:03 ID:/DLR7xhc
白井沙穂(林トモアキ作品/お・り・が・み) の原作での振舞い
@初期:戦闘許可を貰った時以外は静かに掃除とかのメイド業務してる、自己主張しない無口従順系戦闘狂
「軍曹、得物のみ切ってよし」or「軍曹、たたっ切れ!」→「了解であります」がお決まりの流れ
バンダナ巻いてる右目で幽霊が見えたりする
A改造後:ハイテンションで健気な言動の元気っ娘、でも斬り合いが楽しくて死の恐怖を感じない戦闘狂
元の右目は失ったので光速レーザーを発射する義眼に変えた
「ちっちゃくて萌え☆ でありますねっ!!」みたいなことも言うのでちょっと電波入ってるかも
B次回作(ミスマルカ):人が死ぬことは悲しいことだと覚えたけど、それはそれとして世紀末な荒野で楽しく人斬りしてる戦闘狂師匠
自殺未遂した孤児に鎖付きの首輪を嵌めて荒野に連れ回す、死なない訓練として自分から逃げられるようになるまでボコり続けるなど、
色々なことに頓着しないせいで無自覚に虐待気味
主が居なくなったので自分の意志で行動するようになって戦闘狂は悪化したが、
弟子になった孤児の成長を喜んだり、昔の仲間が作ったものを麻雀の景品にされて静かに怒ったりと、色々考えるようになった
476 :
名無しさん@狐板
:2022/10/05(水) 22:29:53 ID:bqxg9d3i
女権国家世界教師の日SS 前世の因果が追いついた生徒の最後の授業
これは本スレの作者様が連載している女権国家の二次創作SSです。以下の注意点があります。
@来世ものです。
A割と理不尽系に分類されています。
BこのSS内で女権国家と王国の戦争の結果や起こったとされていることは全てこのSS独自の世界線のものであり、本編とは関係ありません。
Cアティ先生が出てきており、一応はこのSSでは来世という設定で書いています。
D大鳳くん達が活躍してから100年以上後であり、また敗北というわけではなくても王国が滅びそうあるいは女権国家に統合されつつあります。
E統合の内容は女権国家の良識派閥の女性が大量に王国に流れ込んでいる形になっているので、王国内部でも良識派の女権国家の女生徒はかなり仲が良好となっています。
F成就はしないけど、大鳳くんヒロインに横島が惚れているかもしれないような描写があります。
かつてペンウッド卿が校長を務めた王国の特務科、一時的とは言え王国を持ち直させた英雄たちを輩出したこの高校は、国家防衛科と名を変えて今も存続している。
王国の存続が危うくなりつつある今は余計にこの学科での人材の育成には力が入っている。その王国の教室で教鞭を振るう女性がいた。
月光の下で映えるであろう金色の髪に男の欲望を一気に呼び覚ます理想的な豊満な肢体をした威厳のある声をした女性。かつてエヴァンジェリンと呼ばれており、
今では雪姫と名乗る彼女はこの王国で大鳳たちが勝利した後に設立された、特務学科のオカルトの授業を受け持っている。
かつて王国が大鳳たちが活躍する前の戦いで敗れた理由は幾つもあったが、そのうちの一つにはオカルトに対する知識があまりにもなかったというのも含まれていた。大鳳とその部下である何人もの英雄が生まれた諜報戦では、
横島が一人で霊能関係の仕事をしなければならなかった時期もあったらしい。
大多数の男子生徒が見惚れる雪姫の姿に対しても、横島忠夫は一切心を動かされた様子もなくそれでも一応は真面目に、授業を受けていた。 彼女の王国の歴史に対する授業を聞き嫌な所が始まると思った。
自分の前世は間違いなく大鳳を助けた自分と同姓同名の英雄だったらしい。そのせいで多少人生が狂った所もあった。 恩人と言えるアティとの遭遇がなければ自分の前世にもっと強い忌避感を持っていただろう。
今では前世の自分らしい男の活躍劇などを聞いても、彼女の惚気るような様子も相まって凄く恥ずかしいだけだが、あのままいたらどうなっていたか分かったものではなかった。そんな彼を放置してエヴァの授業は続く。
「――というわけで、大鳳たちの活躍もありそして忠夫が女権国家の悪辣派の魔術組織機や呼び出した悪霊を倒したこともあったおかげで王国は一度女権国家の侵略を退けて大半の領地を奪還に近い形に持ち込むことができた。
しかし、今にして思えば王国はある意味では前より絶望的な状況になっているのは、その時の皇帝ネロの英断のせいだったともいえる。王国が、戦争のルールを破っておらず、女権国家の方が先に破りそういう行為が多々あったと知った彼女は、
大鳳たちの活躍で奪い返されるのが確定されていた土地以外の土地も返却した。彼女にしてみれば、道義的にそうすべきと考えていただけで、裏はなかった。当時見ていた私から見てもそう見えた。だが、
それがのちに女権国家の良識人枠な女性達を大量に王国に流れ込ませる一因となってしまった。彼女たちは本気で属国ではあっても、協定違反の被害者である王国を護ろうと動いていたせいか、
それが結果として多くの親女権国家の男性を生んでしまい、良識派ではあっても王国を支配したいと考える女権国家の女性の侵入の窓口を作り出してしまい。そこから王国が戦争などをしなくても少しづつ女権国家に統合され始めた」
最後の雪姫の講義は今王国がどういう状態化を彼らに伝え、今は大鳳が活躍した時と同じくらい危ないからこそ。良識派の女性達と強く結び戦力を整える諜報戦が必要だと強く解いていた。
王国の領土から女権国家に戻った女性はティアナと呼ばれる女性に近い思想をしているものが多く。彼女たちを多くたきつけることと、彼女たちに支配派の女性達の情報を掴み与えることが今世代の王国の防衛方法だとエヴァは解いた。
講義を聞き終えて進路が確定している中で特に仲が良いモヒカンたちが彼に声をかけてきた。
「横島、お前それでこれからどうするんだ。 前世と同じくやっぱり主席な大鳳やジャギと一緒に女権国家に乗り込むのか?」
「給料次第ではそれも考えとるが、多分行かんと思う。 行っとくけどあの二人に対して恨みに思ったりしとることは一切ないで。 ワイはあの二人とは付き合いをさせないことにアティ先生が決めたからよく知らん二人やしな」
「そういえば、横島お前好きな女性アティ先生なんだろ。あの人は大鳳にご執心だけどどうしてあの先生が好きなんだ」
「ああ、実を言うと彼女初めて俺の為に真剣に怒ってくれた教師なんだ」
「どういうことなんだ」
「俺がアティ先生の本気の怒りを見たのは初めて会った時が最初で最後だったんだが、俺の境遇が彼女にとっては地雷だったらしくてな」
「一体どんな境遇だったんだ」
目の前のモヒカンは心底疑問に思っている様な声をあげた。彼は入学当初から横島と付き合いがあった。だからこそ、入学当時はやる気のない様子ではあっても虐待された様子などが見えなかった横島に何があったのか気になったようだ。
「実を言うとワイ他の学科に行きたくて奨学金狙いで受験して、実は合格しとったらしいんや。ただ前世が大鳳を補佐して多大な貢献をした横島忠夫だったことが分かったから。落ちたことにして、
ここ以外では奨学金を受けられない状態にして入学させた。そして前世の再現の為にやる気がないせいで成績低迷状態になるように仕向けてたらしい。彼女は経験から誰かに誘導されていると見抜いて俺のことを調べた後、
俺が他の学科の入学試験受けたのと同じ問題やらせて、その解答用紙見た後『この成績で落ちるなんてありえませんって』言ったんや、あの時のアティ先生の声と発する気は本気で怖かったわ。マジでトラウマになった。ワイが彼女に欲情できんのもその時の恐怖が原因や」
「それでその後どうなったんだ」
「後で知ったことも付け加えると、彼女半日も経たず王国守るためなら手段を選ばんみたいな思想でワイのことを色々と誘導していたらしい、所に電話かけて話付けてくれた。そして『あなたが望むなら今からでもそちらの学科に移れるようにします』と言ってくれてな」
「だがお前はそれを選ばなかったんだろう」
「少し授業受けてみて、王国が支配派の女性達に負けて支配されるとシャレにならないことが分かってしまっていたからな。それに俺の夢はそれなりに本気で目指していたが、死んでも付きたいって程じゃなかった。女権国家の悪辣派の女性達から国を護らんと怖くて仕方なくなってたからな」
「そうか。それじゃあお前は潜入じゃなくて霊的防衛に就くかんじになるか」
「多分な。しかし、あんときのアティ先生本気で怖かったし頼もしかった。ワイを志望校から落とした連中に言い放った底冷えするような言葉も凄かった『稀代の無能国防家の皆様おめでとうございます。このままだと、
女権国家に入ってすぐに、悪辣派の女性のナイト君に変わってしまったであろう、前世が英雄な彼を無害な王国民のままでいさせるように私は動こうと思います。 もしも、彼のしかるべき権利が守られないのなら、出世した教え子全てに声をかけて政争も辞さないつもりです』
477 :
名無しさん@狐板
:2022/10/05(水) 22:32:01 ID:bqxg9d3i
「なるほどな。怖そうだけど本気で切れたアティ先生ちょっと見てみたい気もするな」
「やめとけ。一時期本気で好きだった時のワイですら欲情できなくなるレベルでやばかったで。今となっては、感謝なのか憧れなのか恋だったのか、自分でもわからんがな。
それでワイが大鳳とジャギと接触禁止になったのも前世の再現を盲目的にさせようとする派閥への彼女なりの意思表示だったんだ。
『彼は前世の横島忠夫と違って他の志望学科に受かる別人です』ってな」
そこまで話し終えるとモヒカンは不意に思いついた様に質問を投げかけてきた。
「それはそうとお前雪姫先生に対してはどう思っているんだ。彼女体と色香はアティ先生に負けていないと思うが」
それを聞くと横島は一気に爆笑した。
「ありえん、ありえんて。外面みとるとそうやけどな、ワイから見た彼女は初対面の時に大人形態になるの失敗してロリ形態でワイと会ったんや。 あまりにもぬけとってせいぜい妹にしか見えんわ。
前世が夫なせいか俺には結構高飛車でな、それを不快に思わない辺り俺もかなり前世の影響強いのかもしれん。 まあ、アティ先生の優しくて包み込むような色香に少しでも近づいたら、
考えるかもしれんがあの間抜けおこちゃま相手にありえんわ」
女としては見ていなくても、雪姫に対して彼がかなり気を許しているのがその笑い声からはうかがえた。おそらくは雪姫の身に危険が迫れば彼はなりふり構わず助けに行くだろう。しかし、それでも恋愛対象としてはエヴァは彼にとってはありえない相手の様だ。
モヒカンの問いに心底面白い冗談を聞いた様に爆笑する横島、彼とモヒカンがいる廊下の窓に赤い目をしたコウモリが張り付いていたことに誰も気が付くことはなかった。
卒業式の前日彼は不意に手紙が届いたのを目にした。便箋を破ると目を通す。その中には以下の内容が記されていた。
『前略卒業生国務防衛科 横島忠夫様。女権国家との政争に関わる霊的防衛を職を選んだ貴方様と同じく女権国家と戦う進路を選択した卒業生の皆様にだけ行わる特別授業があります。
これは女権国家と戦いその脅威にさらされる方々にだけ施される特別な講義であり、これを受けないと安全面からも女権国家の支配派閥との闘争に関わる職に就けることは認められないので、
絶対にご参加ください。講義の場所は生徒によって異なりますが、横島様の場所は霊的な〇〇隠れ教室で行います』
横島は間違いなく本物の学校のからの手紙であることを確認すると。即座に向かい始めた。諜報部というわけではないが、それに類する霊的国防の職に就く以上はこういう行動もとれなくては話にならない。
幾つもの仕掛けを突破して隠れ教室と言われる場所に入った彼は本気で困惑した。手順を終えて入ってみれば絵画で見たような月の下に映える城。そしてその下には月光の化身を思わせる美に身を包んだ雪姫がいた。
彼女は、横島を見ると笑みを浮かべた。横島は困惑と混乱の極みにあった。今まで雪姫を見てこんな感情を抱いたことなど一度もない。彼女は横島の手を取ると、透き通る声をかけてきた。
「横島よく来た。ここが最後の授業の場だ。 『この講義を受けることを了承したらもう後戻りはできない。国防の為に人権に反しない範囲の全ての命令に従う義務が生じてしまう』今のお前の能力なら民間の悪霊払いでも十分に大成できるがいいのか?」
「これ以上戦線が悪化して良識派じゃない女権国家の女性が大量に流れ込んできたら、この国がどうなるかわからん。それに戦線が悪化した場合、俺も国になにされるかわかったもんじゃない。変な人体実験もどきされて無理やり前世に戻されるとかシャレにならんわ」
それを聞くと雪姫は頷いた。
「分かったでは講義を始めよう。女権国家の良識派の女性達や一部の男子生徒たちの教材ともなる。 講義の内容は『女権国家式の男のからめとり方と、女権国家の女性の理不尽さについて』だ」
そういうと雪姫はコートを一息に脱ぎ捨てた。上着が一枚取れてあふれる様な乳房が見えかける服が見えた瞬間、彼の視線はそれに釘付けになった。 ゆっくりと焦らす様に彼女が服を脱ぎ始めると彼の視線は彼女が強調するそれから一切目を離せなくなった。
美しい背中はその下の豊満で形の良い尻が見える前から彼の視線を釘付けにしており、尻が見えた瞬間に痛いほど固くなったそれを彼女は振り返ると笑いながらつかんだ。
「あー!」
射精したくなるほどの快感は、彼女の指から出ている霊力でできた糸で止められており、彼女はそれを見てせせら笑う。男性優位の性行為が未だ強く根付く王国男子のプライドを砕くことに慣れ切った笑みだ。
「どうしたアティの足元にも及ばない女相手に随分と良いようにされているな。 これを見る国防の男子生徒諸君。女権国家の女性の中には有能だと認めた男性を得るためなら油断させるために何でもするタイプもいることを忘れるな。
例えば私が忠夫にした様に、色香を微塵も感じない様に振舞って。確実に堕とせるときだけ見せるなどとな」
そういうと雪姫は射精できないでいる彼の唇を奪う。叫び声という快感の逃げ場を奪われたショックで彼は余計に追い詰められていく。雪姫が与える快感が下腹と分身にたまり一切ぬけてくれない。唇が離れて強すぎる快感で前よりひどく泣きわめく彼を見ながら彼女は続ける。
「こういう状態に陥ると射精させてと懇願してしまう。その際に何か宣言しろとか言われたら無理に我慢しないことだ。その宣言に合わせて射精させられると一気に脳にその言葉が焼き付いてしまう。
我慢すればするほどダメージはでかい。 直ぐに屈服した方が嗤われたりするダメージが入るがそれでもましではある」
そこまで言った後彼女は続ける。
「横島お前が女性として私の評価がすこぶる低いのは油断させるために私が仕向けたことだ。だがアティに執心のお前を見ていて凄くイラついたので謝れ。具体的な謝罪内容は『エヴァ様、
貴方の魅力に気づかず他の女にうつつを抜かしてすいません。初恋を一回の閨で忘れるゴミな俺を好きになってくれてありがとうございます』だ」
「ち、ちと待って、あんたの名前は雪姫じゃ」
横島の突っ込みに対して彼女は射精できない状態の彼の分身を手で抜き苦痛となる快感を与えながらいった。
「夫の来世とこういうことをする時は昔の名前で呼ばれたいものだ察しろ」
理不尽な怒りにもこうする気力もなく彼は叫んだ。
「エヴァ様、貴方の魅力に気づかず他の女にうつつを抜かしてすいません。初恋を一回の閨で忘れるゴミな俺を好きになってくれてありがとうございます」
その宣言を聞いた瞬間エヴァは彼を押し倒した。上から乳房さを押し付けながら一気に奥まで飲み込まれた分身が白濁を一気に放った。
射精し終わった彼はぶるぶると震えたあまりにも多くの霊力と生命力を吸い取られた感じがする。それでも死ぬまで彼女に抱かれても嫌ではないという程の精神の防壁が壊れるほどの快楽が今の性交にはあった。
エヴァは恐ろしい気を収めると柔和な笑みを浮かべ彼を抱えると瞬間移動をした。
478 :
名無しさん@狐板
:2022/10/05(水) 22:32:54 ID:bqxg9d3i
「すまなかったな。アティに対して熱をあげるお前を見ていたら、自分の責も大分あるのに理不尽に妬いてしまった。 実は私をはじめとしたお前の前世の妻達が、お前を志望校から落とした連中への対処はすることになりそうだったが、
冷静に対処できないからアティがそう動くように誘導したんだ」
「そうだったんか。俺の為に動いてくれたんだろそれならもう恨んでない」
「そうか。忠夫、お前さえ嫌でなければもう一度抱いてくれないか。 今度は王国男子の好む正常位でな」
「分かった。エヴァ、特別講義の教材役の特権を行使させてもらうわ」
エヴァの誘いに横島は喜びながら応じ彼女を押し倒し分身を挿入した。 僅かに入っただけでも射精が起こりそうな快感に歯を食いしばり耐えると。不意に、エヴァの腕が彼の背を捕らえ、
そして足が彼の腰に回され、そのまま一気に背中から力が入り一気に奥まで突き入れさせられた。 強すぎるサキュバスを想定させる膣が彼の分身全てを味わおうとするようになめしゃぶり。止まらない射精を楽しみながら彼女は笑い首筋に牙をあてようとする。
横島は前世のトラウマが蘇ったような嫌な予感を負いながらも泣き叫ぶ前に彼女に一気に首筋に牙を突き立てられ血を吸われた。
「あひゃー!」
しばらく両目を閉じながら彼を堪能した後エヴァは思い出したように、口を開いた。
「見ている王国男子の諸君。 私は彼を完全にものにして他の女を彼の心から追い出すことしか考えていなかったが、ここまで恐ろしい性行為をすると予想できたものは多分いなかっただろう。
女権国家の女性は諜報戦が長引き進化してきている。だからこそいま私がやったほどではなくても上手な嘘をつく女も多いから気を付ける様に」
エヴァから解放された彼は、エヴァのくれた薬草をすりつぶしたスープを飲んで回復ながら言った。
「こ、これで講義はおしまいですか雪姫先生」
言葉が終わると、彼女は少女の形態になり彼の分身を踏みつけた。彼の好みの範囲外である少女でありながら、その身にまとう色香は彼の分身を無理やり目覚めさせる。
「エヴァと呼び捨てにしろ。今日から夫婦となるのだからな」
「な、なんで」
「お前はさっき最終講義を受けることを了承したではないかあれが国防に有益なことならなんでもする契約となっていた。 『大鳳を支えた英雄横島忠夫の妻達を王国の味方につける』これは王国の為に有益なことだろう。その手段が婚礼でもな。
これを見るであろう卒業生諸君、人外と話すときは言質を取られない様に気を付けることだ。上級の存在となるとこの程度でもアウトになることもあるからな」
少女形態でエヴァは彼の分身を踏み抜き射精させた後敏感になった彼の分身を飲み込み笑う。
「嫉妬させられた後に夫を味わうのも良いものだな。 どうだ少女に女性優位の性交をされるのは屈辱感と背徳感が強かろう。 昔お前が反応しなかったのも、油断させるために色香を切っていたのだ」
「あー、あー!あー!」
快楽で強い声を出せない彼を笑いながらエヴァは言う。
「この形態では不満か、では夫の希望にこたえてこちらで行くか」
エヴァが雪姫の姿になり少女の時とは異なる快感を膣で送り込みながら彼の胸板で乳房を潰し彼の分身から大量の射精を引き出した。快楽と疲労が限界を超えて倒れた彼を見ながら彼女は言う。
「講義の最後として言おう。女権国家の女性を嫉妬させると本当にシャレにならないぞ」
そういいながらも倒れた横島を愛おしそうに抱きしめる彼女は吸血鬼というよりは月の光が固まってできた妖精や女神の様だった。彼女は横島の頬を撫でながら思い出したように不意に口を開いた。
「最後と言ったが、忘れていたことがあったのでもう一つだけ言おう。人外は決して契約を破らない。だからこそ逆に利用することもできる。 彼が夫となった以上は王国に味方するという契約は私を始め彼の前世で妻だった女性達も破らないし破れない。
だからこそ善良な人外の女性が相手の時は自分を気に入ってくれたら婚姻するのも一つの手でもある。それでは最後の講義のビデオはこれでおしまいとする。女権国家の人外と手を組んだり渡り合う時の参考となれば幸いだ」
横島の頬を愛おしそうに撫でながらエヴァは笑い講義の最後を締めくくった。このビデオを見た諜報部と霊的国防部は女権国家の女性のだましの手口や人外との付き合い方を学ぶだろう。
そして彼らはこのビデオのエヴァの表情を見て善良な人外となら夫婦となるのも悪い選択肢ではないのではないと思った。エヴァの最後の笑みはそういう曇りのない笑みだった。
479 :
名無しさん@狐板
:2022/10/12(水) 00:19:28 ID:vvAIQjNl
女権国家スポーツの日SS 聖王の女権国家式のスポーツに相手という名の生贄にされた男
このSSは女権国家の本スレで連載中の女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@このSSでは前に作者さんが連載した短編『邪な騎士と横島と騎士』の影響でヒロインが決まってます。連載中である女権国家では別人かつ横島のヒロインになるとは限りません
A短編と比べるとヒロイン達の畜生度が大分下がってます。畜生なヒロインが好きだった人は注意
BこのSSの前世設定や人間関係はすべて独自のものであり、本編での搭乗時は全く異なる立場や能力なっている可能の方が高いです
女権国家に対抗する王国の諜報部組織のアジトの一つで今となっては諜報部の、支柱と化した三人が顔を突き合わせていた。仮面で顔を隠し棘の付いた肩パッドをしながら、その下にははち切れんばかりの筋肉に包まれた武道家として理想的な肉体を持った男、一見すると、
残虐非道な盗賊団の首領などにも見えるがその瞳の色は澄んでおりその身に纏う気は正道を行く武道家のものだ。彼ジャギは一見すると女子にすら見える少年に声をかけた。
「大鳳今回の件どう思う? 一応俺の部下たち全員で調べたところ、怪しい裏は一切取れなかった。 裏のある可能性は限りなく低いとは思うが、横島の勘は本気でバカにできねぇ。 その勘が未だに安全とは告げてはいないみたいだ」
大鳳は少し悩んだのちに頷くと赤いバンダナを額にまいた青で統一された安っぽい服装の少年に声をかけた。
「さんざん悩んだけど、今回のヴィヴィオ殿下の招待は受けてもいいと思う。忠夫の勘は本当に危ない時は凄いけど、今回はどう見ても危ない要素はないから」
大鳳の問いに横島は少し悩みながら頷いた。
「おう、ワイも霊能者としての勘が働いた時本当にやばい時の気配だとは思ったが、今回はさすがに大丈夫やろ」
彼ら諜報部の支柱が難しい顔をして会議をしていたのは一週間前に起きたことが原因だった。横島の所によく遊びに来ていた、少女、ヴィヴィオがストレリチアの騎士たちを統べた聖王の系譜であり、
王位継承権を有する上に聖王を再降臨させるための処置を受けていたその彼女からスポーツの日だからと横島に招待状が届いたのだ。 その際に彼は理屈ではない霊感が告げてくる恐怖を覚えたと大鳳とジャギに告白した。それを聞いた時二人は、ヴィヴィオを良く思わないストレリチアの派閥か、王国とストレリチアの同盟を阻止ししようとする女権国家の作かと、警戒の念を覚えた。
ヴィヴィオに対しては一応は調査対象とはしたが、彼女のことは殆ど疑わなかった。それというのも彼女の横島に対する感情を思えば、害することなどありえないというのが二人の見識だった。
ヴィヴィオは彼女の特殊な出生が明かされた当時は本当に大きな騒動があったものだった。彼女は前からストレリチアの大使館に在住しつつ横島の元へよく来ていたらしい。
そして聖王を恨む怨霊や悪霊の群れから横島は彼女を護っていた。 横島が彼女を護った表向きの理由はストレリチアは前の大戦で先に協定違反をしたのが女権国家である証拠を見つけて提出した以上は、
どの程度かはわからないが王国寄りに動いてくれる可能性が高いからだ だがそれはあくまでも口実であることは大鳳にもジャギにも分っていた。当人の責でないことで苦しむ彼女を見捨てることがしのびなかったのだろう。
激しい激闘の日々は意外な形であっさりと終わりを告げた。守られる対象であるヴィヴィオに施されていた封印が解けたらしく、唐突に聖王の力に覚醒した彼女が全てを片付けたらしい。
らしいというのはストレリチアの騎士たちの証言しか情報がないためだ。横島がヴィヴィオを逃がしてストレリチアの騎士たちに彼女を預けた後、逃がしたはずの彼女が聖王の力に目覚め、
横島より先に悪霊の本拠地に乗り込んで壊滅させたという。戦死すら覚悟して悪霊の本拠地の戸を開けたら、出てきたのは敵じゃなくてヴィヴィオだった上にタックルの様に抱き着かれた彼の困惑の表情は今でも忘れられない。
それからの日々はいつもと変わらなかった。ヴィヴィオが前より彼の所に遊びに来るようになり、一つだけ変わったのはヴィヴィオに何人か護衛騎士がついてくるようになったことだけが変化と言える。
しかし、その女騎士たちの顔ぶれも奇妙と言えば奇妙と言えた。 ヴィヴィオが連れてくる女騎士たちは一人二人を除いて顔ぶれが毎回変わっていたのだ。そのくせ一度入れ替わらなかった女騎士は毎度連れてきている
。前回来たときは一人も変わっていなかったから、ついに一人も変わらなくなったかとなんとなく思ったものだ。
横島の所に来る時に連れてこられなくなった女騎士たちもヴィヴィオと不仲というわけでもないことも不思議と言えば不思議に思えた。ヴィヴィオ達を疑ってはいなかったが、横島が猛烈に嫌な予感を覚えた後に彼女たちが気に入っている大鳳自身が出向き調査をしてみた。
その結果は完全な白。彼女たちは、主君であるヴィヴィオを救ってくれた横島に深く感謝しており、
もしも女権国家が協定違反の方法で彼を害したら国が開戦しなくても、個人的にそれをやらかしたものを切り捨てに行くし、大使館に逃げ込んできたら絶対に保護すると、一切の迷いなく言い切った。
それを聞いて大鳳はここはある意味横島にとっては一番安全な場所かもしれないと思ったものだ。
以上のことからヴィヴィオの配下達の派閥が占めているストレリチア大使館は横島にとっては大変安全な場所のはずなのになぜかそこからの招待状を受けた時に、横島の背筋が凄まじく寒くなった。これは何度か大鳳たちの危機を救った霊感がもたらす悪寒だ。
大鳳たちもこの勘は軽んじるべきではないと感じている。だがどれほど調査を進めても危険な要素は見つからない。しかし、彼の嫌な予感も一向に収まっていない奇妙な状態が続いている。
長く続いた葛藤はこの場における最高責任者出る大鳳が受けても良いと思うと答えたことでそちらに転がった。
横島もヴィヴィオを信じていたし、彼女がせっかく招待してくれたのにそれをむげにして悲しませるのも嫌だと思った。
悩む時間は長いが、結論を下せば早い横島は速攻で用意を始めた。私的な遊びの場に近いと招待状に書いてあったので最低限の礼節を保った動きやすいスーツに身を固めると彼は大使館に向かう準備を始めた。彼が準備を終えた時に丁度、迎えが訪れた。
その顔ぶれを見て大鳳は少し奇妙なものを覚える。今回の迎はヴィヴィオが訪問する際に連れてこなくなった女騎士たちで構成されていた。むろん彼女たちは明らかに裏がないし、何より異性としては横島に興味を持っていないからとてつもなく安全と言える。
今回は大鳳が同行しないと聞いて残念そうだが、主君の恩人の護送にやりがいを感じてもいるようだ。
「それでは横島殿、ヴィヴィオ聖王陛下の無聊を慰めるための恩人との遊戯のお相手よろしくお願いします」
「おお、よろしく頼む。 今回は大鳳は他の任務で同行できん。すまんな」
「いえ、今回は仕事ですから。それでは参りましょう」
大使館に向かう馬車の中で横島は安全であることを確認すると、騎士に向かって質問を投げかけた。多少だが話した中なのであっさりと本題に入ることができる。
「実を言うと、ここ数日悪寒が止まらないんですけど、何かストレリチア周りで不穏な動きとかありませんか?」
それを聞くと女騎士は虚を突かれたような顔をした後、直ぐに真剣な思案する顔になった。
480 :
名無しさん@狐板
:2022/10/12(水) 00:21:09 ID:vvAIQjNl
「報告書で読んでいます。何度かヴィヴィオ様や、同胞を救ってくれた霊能者の勘ですね」
「ああ、ワイらなりに調べてみたけどヴィヴィオの周りに不穏な気配はなかった。 不穏な気配ってヴィヴィオがなんかしようとしているとかじゃなくて、ヴィヴィオを害そうとする連中を主に調べたんや」
女騎士は横島を安心させるような明るい笑顔を意識して浮かべた後、答えた。
「今の所そういう輩はいないと思います。それに、いたとしても今は一番活動を起こしづらい時期です。ヴィヴィオ様が力に目覚められて、戦闘能力がけた外れだけどどれくらいかはわからない、
そんな状態では手を出すのはリスクが高すぎます。それに今の所は大半の貴族がヴィヴィオ様に忠誠を誓うものと、忠誠は誓わなくても、同情的なものが多いのでそんな輩はいないかと。
女権国家にしてもこういう状態でヴィヴィオ様に何かすればストレリチアと相当に外交が悪化するから避けると思います」
彼女はそこまで言った後、笑みを消し少し思案するような顔になる。
「ですが、報告書を読んだ限り貴方の勘はバカにできない。人外や悪霊の残党いう方面では警戒した方が良いのかもしれません。確か貴方のその悪寒は災いが始まった時に起こっており、調査した結果、起きた災いを回避、もしくは軽減できていましたね」
「ああ」
「最長で一月くらい後に実害が出る災いを予感し、警戒を解かずにいた結果被害を軽減することに成功していた。今から一月の間は警戒態勢としようと思います。たぶん誰も反対しないかと」
彼女は携帯電話を取り出すと連絡を入れてその後、再び横島に話し始めた。
「貴方の悪寒が出た時の災いは毎回かなりの災いだった様ですけど、今回はどれくらいでした?」
「とにかくやばいくらい怖かったっす。一番ひどい時とどっこいどっこいです」
「それはまた」
「一応聞きたいんですけど、ヴィヴィオの様子に変わったところはありましたか?」
自分より強くなったヴィヴィオのことを未だに庇護対象と見ている彼を好ましく思いながら女騎士は、考えを巡らせる。特に重大事などなかったはずだが、主君の恩人の真剣な質問なのだから真面目に答えるべきだと思った。
「いえ、特に変化はなかったかと、――ああ一つだけありました。 私たちの上司ではなく、マーガトロイドの方のアリスさんが演じる人形劇を見た時劇を見ていた時にひどく落ち込み、その後アリス様に呼ばれて楽屋から出た時にはとても上機嫌になられたことがありましたね」
その話を聞き、なぜか嫌な予感がよぎったがアリスは間違いなく自分の味方であることは間違いがないから大丈夫だろうと切り替えると質問を続けた。
「そうなんですか。その演劇どんな内容だったかわかりますか?」
「私はその場にいなかったから詳しくはわかりませんけど、初代聖王陛下を支えた貴方の前世らしい術者が出てくる話らしかったです」
「どんな話か分かりますか?」
「人形劇の内容はしりません。 ただ、その術者に対する扱いに関してはストレリチアの中でも、かなり意見が分かれているみたいなんです」
「前世の俺何かやらかしたのか?」
「いえ、少なくともストレリチアでは彼を悪くいうものはあまりいないと思います。ただその術者の死後に初代聖王陛下がしたことが、人によっては聖王陛下の数少ない過ちと思う人も多いみたいです。その術者の死が聖王陛下を若干だけど女権国家寄りの思想によらせてしまったみたいで」
横島は不思議とその話に興味が引かれる感覚を覚えた。そして詳しくそれを聞こうとした瞬間に示し合わせたのかの様に御者を務める騎士が到着を告げてきた。
「横島様、話の途中ですが失礼します。ヴィヴィオ陛下のお相手をよろしくお願いします」
礼儀正しく一礼して去っていく女騎士の背中を見ながら、霊感にうずくものを感じた彼は一瞬呼び止めて話を聞くかと迷ったが、せわしなく走り回る周りと見て彼女も忙しいのだろうと思いなおした。
ここに着く前に彼女が入れた連絡の為か、直ぐに代わりの案内役が現れた。
今回現れた案内役は、ヴィヴィオが訪問する時に毎回同行していた騎士、アリス・シンセシス・サーティだ。彼女は美しい金髪を靡かせながら優雅に一礼すると、工場を述べた。
「横島様、聖王陛下がお待ちです。陛下のお相手をよろしくお願いします」
「あ、ああ分かった。と言ってもヴィヴィオ相手にスポーツとかどうすりゃいいんだ、まあ、格闘技とか以外にも遊びの要素が強いスポーツもそれなりにあるからそっちやりゃいいんか?」
「ご心配なく。横島様は見たことがないから仕方ないかもしれませんが、ヴィヴィオ様は既に聖王の力に覚醒しており、ストレリチアの女子ですら同年代の者は相手にならないのです。霊力で身体強化した貴方や私達じゃないと無理なくらいです」
神々の血が覚醒したヴィヴィオが相手では普通の騎士では厳しいかもと横島は思った。とはいえ自分も霊能者だ、霊力で身体的強化はできるがオカルトの効かない相手には、
大鳳やジャギには及ばない。シンセシスの言葉を聞き、彼は自分も本気を出さないとヴィヴィオの相手は無理かもしれないと思った。 女権国家では少女や幼女でも好感度ドーピングを起こせば、人間の限界を超える例もある。
横島がシンセシスの案内に従って進むと、途中で広間に集まりお出撃の打ち合わせをしている騎士たちを見かけた。彼女たちは大鳳に執心している騎士たちであり、
それゆえに自分にとっては最も安心して頼れる相手だ。先ほど横島の話し相手をしていた女騎士がリーダーを務めているようだ彼女たちの会議の内容に少し興味を持つと、シンセシスも足を止めてくれた。
「とりあえず大使館は結界を強める処置をとって、人員が最低限の警護で済む状態にして出撃するわ。横島殿の勘は基本的に外で身内を害する効果的な企みが練られている時に発動していたから、大使館が狙われる可能性は低いでしょう」
「ええ、本当にめんどくさいわこれ」
「文句言わない。 面倒だったり、凄く疲れる程度で済むなら身内が死んだり大怪我するよりはずっとましでしょう」
軽口をたたく女騎士が他の騎士にいさめられた後、彼女は再び開設を続ける。
「戦闘力は比較的低くても乱戦や連携に長けた者は大人数で、モヒカンさんたちのアジトに行って彼らの人手を増やしましょう。場合によっては、向こうの指揮官殿の指示に全面的に従うように。
それと個人戦の方が得意なものは大鳳くんやジャギさんが少人数で行動するようなら、なるべくついていくこと。足の速いものは見つかりにくい場所に潜み万一が起きた時の連携を、定時連絡を欠かさない様に」
「「「了解です」」」
大勢の女騎士たちがあわただしく準備するのを見て、横島は少しだけ不安を覚えた。この大使館は高価な護符を消費すれば詰めている兵士がゼロでも危険性は限りなくゼロに近くできる。とはいえ自分がとても嫌な予感がした後に、自分のいる場所の兵士が減るのは不安なものだ。
会議が収まりひと段落すると先ほどの女騎士は横島の姿を見つけると一礼してきた。
481 :
名無しさん@狐板
:2022/10/12(水) 00:22:30 ID:vvAIQjNl
「横島様、どうやらあなたの霊感は当たっている可能性が高いようです。かなりの悪行をなそうとする大鳳くん達の敵対組織が動く準備をしていたみたいで。今日は索敵と偵察だけで終わりそうですが、近々決戦が起こりそうです。
今夜から他の理由をでっちあげて調査と威嚇行動を兼ねた巡回を警邏隊の方々に頼んで行うことになりました。とりあえず、少しの間は我々もなるべくあなた方と仲が良いところを見せて牽制に移ります」
「分かった。ヴィヴィオの下でも位が高いメンバーは出ないのは、牽制しつつ気づいていないかもと相手に思わせる目的もあるんやな」
「はい。 とりあえず聖王陛下直属の騎士以外が巡回や親勢力の護衛を強化する程度の不自然でない口実は幾つか見つかったので。筆頭はセクレーションの販売勢力の残党たちに不穏な気配があったりもしました」
ここまで聞いて、横島は自分は帰れなくなったと思った。ここである程度活躍し通しの自分がヴィヴィオの招待を辞退して戻れば、その組織達に嘘がばれる可能性が上がる。
逆に招待を受けて帰るのを明日にすればまだ気づかれていないと思わせることもできるだろう。 今挙げた組織達と最終決戦が起こるのはまだ先のことだ。今夜事故が起こって最終決戦なんて可能性もゼロではないが限りなく低い。
とりあえず今日はヴィヴィオの相手を全力でして、帰ったら大鳳たちと打ち合わせになるだろう。
そこまで考えると彼は思考を切り替えてヴィヴィオの待つ部屋に向かった。
シンセシスに案内されて付いた場所は温水プールと言われる場所だった。一応用意はしてきていたが、今は寒い時期だったので以外だと感じる。 ヴィヴィオは最近は色々なスポーツに挑戦従っていたと聞いていたから、
水泳がマイブームなのだろうかと思いながら、彼女のかわいらしい水着姿を想像しながら待っていると想定外の事態が起こった。金色の髪をしたサイドテールの水着姿の美女が姿を見せた。彼女の鍛えられていながら女としての魅力を輝かせる体に戸惑いながらも、
オッドアイの瞳とさりげない仕草を見て彼は頭に浮かんだ考えを口にした。
「間違ってたら、すいません。貴女はもしかしてヴィヴィオですか?」
その質問に彼女は少し怒ったような表情をしながら横島の鼻を摘まんだ。
「もう、一目でわかったのは嬉しいけど、そういう他人行儀な呼び方されたら寂しいですよ。気さくないつもの口調で話してください」
ヴィヴィオの言葉を聞き横島は、頷いた露出が少ないにも関わらず、彼女の女性としての魅力を引き立てる少しだけ競泳水着に似た衣装は彼の性癖であるスクール水着の琴線に触れているのか以上に印象に残った。
ヴィヴィオの聖王という立場にありながらもどこか男を惹きつける女体に心奪われつつ彼は、どうにか幼いヴィヴィオの姿を思い返し、庇護欲で性欲を押さえつけて言葉を返す。
「ヴィヴィオ、もしかしてずっとその姿になってしまったんか?」
ヴィヴィオは横島の問いに敢えて口調を崩し、幼い時の姿と同じ口調で答えた。
「ううん。自分の姿で切り替えられるよ。力の消耗が激しすぎると元の姿に戻っちゃうけど、魔法アイテムとかで回復していれば殆ど無制限かな。 特に体力を消耗とかせずにいれば5時間くらいだと思うって、専門家の人が言ってたよ」
「そうか」
横島が安心すると、大人らしい口調に戻り彼女は言う。
「それより忠夫さん、私のこの姿どうです。ドキドキしますか?」
体制を変えて、体を強調してくるヴィヴィオに横島は必死に内心を隠し答えた。
「そりゃまあ、美人でそんな良いからだし取れば男なら多少はドキドキするわ」
内心ではムラムラする。早く水泳終わらせたい、と思いながら彼は答えた。
「それじゃあ、今日は一日『ストレリチアや女権国家のルールにのっとて私と一緒スポーツをしてくださいね』
「おうまかせい」
「それと『これからも暇があったら今日みたいにお相手をしてくれますか』
「ああ、時間があったらな」
肯定の答えを返した瞬間、何かが嵌ってしまったような感じがしたが、それを黙殺すると、王族としての勉強が大変であろう彼女の息抜きに全力で付き合うことを決意した。
競泳に関してはヴィヴィオに対して横島はあっさりと敗れた。彼も諜報部だけに泳ぎもできないわけではなかったが、ヴィヴィオの身体能力が規格外すぎた。何より彼女を追いかける様な形になった時に彼女の尻が見えてしまい、
集中力が落ちてしまった所がある。普段の彼ならもっと見ていたいとか思って規格外の力を見せたかもしれないが、ヴィヴィオが相手だと幼い姿の時に保護した相手だから自重しようとする念が出てしまい、いまいちの結果だった。
それでも速度が上がる辺り自分でも度し難いと思う。試合が終わった後、審判役を仰せつかったシンセシスが少しだけ咎める様な様子で彼に近づいてきた。
彼の心臓が跳ねた。ヴィヴィオが嫌がっていなかったとは言え、王族相手に不敬だっただろうか、そこまで深刻な怒りの様子でもないのを見て少しだけ安心しつつ、彼女の言葉を待つと意外な言葉を彼女は言った。
「横島さん、あなたの今の行動は今後の陛下の調子が崩れてしまいますよ」
「す、すいません。あまりにも大人になった彼女が魅力的な体をしていたので」
「ええ、でもあれだけ、惚れている男性に胸や尻を見つめられたら陛下が性欲を刺激されてまともにスポーツができないでしょう。そういうわけで公平を期すために陛下の性欲を満たしていただきます」
あまりにも真面目な口調で王国男子としては斜め上の言葉を聞かされて、一瞬呆けたところに不意を突いてシンセシスが魔法の剣を彼に放った。 一切殺気や害意がなかったことも彼のいつもの察知能力と回避力が発動しなかった一因だったのだろう。
シンセシスの放った魔法剣を受けて動けなくなった彼をヴィヴィオは笑いながら抱き留める。水着の上からでもわかる大きな乳房が彼の胸板で潰れそれが彼の分身をはち切れんばかりに大きくなる。
ヴィヴィオは笑いながら、動けない彼をお姫様抱っこして寝室へと運ぶ。ストッパーになってくれそうな彼に恋愛感情を持たない女騎士たちも今は大半が出払ってしまっている。
寝室に着いたヴィヴィオは笑いながら言う。
「忠夫さん、それじゃあ今から女権国家の夜のスポーツを始めましょうか」
服を脱いだ彼女を見て彼の分身が限界に達したのを見て、よくないと思いつつ彼女の体の魅力に屈しているのを察したヴィヴィオは笑う。
「聖王たる私をいやらしい目で欲情させるとか、本当にスポーツマンシップに反しすぎですね。惚れた男性に何分もこんな目で見られ続けたら集中できません。ね、審判さん」
明らかに道理に合わない理屈を自覚的に言うヴィヴィオにシンセシスは笑いながら答える。
「ええ、不可抗力とはいえ色仕掛けで陛下を惑わしたのですから今後の試合の為のペナルティは必要ですね」
笑いながらヴィヴィオは彼に体を見せつけながら、己の秘所を見せて言う。
「貴方に見られていたせいでこんな風になってしまいましたよ。早く私を満足させて集中できるようにしてくださいね」
一息にヴィヴィオに分身を飲み込まれた時に、彼は一気に己の体というより魂が征服されている様な感覚を覚えた。激しい快感で一気に射精した瞬間、ヴィヴィオが一気に体を預けてきて、そのまま体が密着するとそれが余計に射精の勢いを一気に強くした。
あまりにも凄い快感に嫐られる彼を見下ろしながらヴィヴィオは笑う。
482 :
名無しさん@狐板
:2022/10/12(水) 00:23:39 ID:vvAIQjNl
「忠夫さん、もしかしたらできちゃうかもしれませんよ。我慢しないとストレリチアの王族を孕ませた王国の諜報部員の称号を得ることになります。別に咎める人はいないでしょうけど、婿入り確定ですね」
そういわれて妊娠の恐怖を煽られとたん、余計に自分の分身が固くなりヴィヴィオにそそぐ量が増えていく。彼女は笑みを浮かべながら、動けない横島の腕をとると自分の乳房を揉ませ、その行為で彼の射精を何度か促したのちに、自分の尻を揉みしだかせ始める。
魔法剣の効果が切れてきた彼はようやく叫んだ。
「頼む、ヴィヴィオもう勘弁して。気持ちよすぎておかしくなってしまうー!」
「そうしてあげたいのはやまやまですけど、これは貴方が最近前世と同じ行動をとっているので、同じ死に方をさせないために必要な処置でもあるんですよ」
優しい口調で言うヴィヴィオの言葉はさっきまでの男をいじめるふざけた口調とは違い本音としか思えなかった。 横島の限界が近いとみて、腰を動かすのがゆっくりになった彼女は何度も彼をじらし、その上で溜め切らせた上で最後に思いっきり動くと射精させた。
性行為が一時終わった後、彼はふらつきながらもヴィヴィオを見た。さっきの情事の際の最後の告白が明らかに本気だったせいか、どこか彼女に抱く怒りは淡い。それだけではない、性交がもたらした圧倒的敗北感が彼女に逆らうことができない意識を深く彼に植え付けられた感覚も確かにある。
「ヴィヴィオ、どうして俺を死なせない為にあんな処置が必要だったんだ?」
明らかにあの言葉は嘘ではなかった。そう確信した彼はどうにも怒り切れない感情を持った。嘘は言ってないし本当にあれが死なせないために必要な処置だったら、
自分はどういう風に接すれば良いのかそれもわからない。だが一応は聞いてみることにした。ヴィヴィオは回復させる飲み物を彼に丁寧に渡しながら、少し悩んだのちに答えた。
「私が嘘を言ってないのは信じてくれてますよね」
「ああ」
横島の即答に凄く嬉しそうな顔をした後ヴィヴィオは少し悩んだように言った。
「次は私と総合格闘術で勝負してくれませんか。その結果次第なら教えても大丈夫ですから。これは聖王の名に誓って嘘じゃありません」
「ああ、わかった」
横島は頷きながら覚悟を決めた。ヴィヴィオは自分よりはるかに強い。彼女が戦った結果次第ということは実力が低いと明かせない、という類のものなのだろう。 ここで聞き出せずに帰ったら情けないというレベルではない。
地価の弾みの良いリングにたどり着いた彼はどうにかヴィヴィオからもらった飲み物のおかげで回復した体力に鞭を入れると、いかにして戦うか考え始める。ヴィヴィオは相当に達人などと稽古を積んできているが、
自分の様な泥臭い戦い方をするタイプとの経験はあまりない。一撃必殺のプレッシャーに負けずに動きながら反撃し、霊術と文珠を使って削っていくしかないだろう。最初の一撃をかわした時にヴィヴィオの動きを文珠で『鈍』らせることができるかどうかに全てがかかっている。
決意を固めて動こうとする彼に不意に、審判役の女騎士、シンセシスが声をかけた。
「すいません。戦う前にハンデを、ヴィヴィオ陛下のスタイルは一撃必殺。だけど貴方を好きすぎて本気で殴れない可能性もあります。そういうわけで、負けたら陛下に先ほどと同じことをされるという条件で戦っていただきます」
彼女にそういわれた後に、ヴィヴィオとの情事が頭をよぎりはじめ分身が固くなり、動き気が鈍くなり始めた瞬間、それを見越した様に開始のゴングがなった。どうにかヴィヴィオの初撃をかわした瞬間、ヴィヴィオが一気に彼を押さえつけにかかった。このなだらかな動きは警邏隊などが使う類の捕縛術だ。
「ヴィヴィオ陛下は聖王の技だけじゃなくて色々な格闘技をやって取り入れてましたけど、一番の得意技は聖王の技ですから小さなことですね」
シンセシスに魔法でもかけられたのか、どうしてもさっきの異常な快感を伴う情事が忘れられず、その快感が彼の分身を強化し、彼は一気にヴィヴィオに押さえつけられた。彼女の乳房が密着した瞬間、
最初に彼女の乳房がつぶれるくらいに胸板に押し付けられた時の感触が一気に蘇りその隙に殴られ意識を一気に失った。
次に彼が目を覚ましたのは股間に走る激しい電撃めいた快感によるものだった。ヴィヴィオが大人の姿になりながら心底楽しそうに騎乗位体制で彼の分身を飲み込みながら腰を振っている。
「ヴィヴィオ、少し待って。あー!」
「だからこれは処置であり。貴方に邪教の技を使えなくする聖なる処置なんですよ」
「な、なに言って、ああ!」
しゃべり終わる前にヴィヴィオが腰を振った時の快感で動けなくなる彼を笑い見下ろす。そこにマーガトロイドの方のアリスが笑いながら入ってくる。
「忠夫、そこから先は私が説明するわ。ヴィヴィオ聖王陛下止めなくても大丈夫です」
アリスは臣下の宮廷魔術師が取る礼をヴィヴィオにしながら言葉を続ける。
「私少し前から、ヴィヴィオ様に仕える宮廷魔術師になったから。それで事情を話すと、貴方の前世はヴィヴィオ様の前世である聖王に尽くしていった術者だったのよ。その術者の死因は、男性だけが使える寿命と引き換えに仕える強力な魔術の連続行使。
初代聖王陛下に尽くしぬいた果てに、そのまま死亡したの。 初代聖王陛下はそれ以降その魔術を邪教認定しようとしたけど、大半のストレリチアの騎士たちが反対したわ。
男性しか使えず強力すぎて寿命を削るだけで、基本的には善人にしか使えない魔術で一部の騙されたなどの例外以外では、善良な弱者を救うことが大半の術だったから。今は男性に使わせることを忌避されてはいるけど、文化遺産として失伝だけは避ける様にされているけどね」
そこまで言うとアリスは言う。
「私としてはそんな術、失伝してしまった方が良いけど、貴方の寿命を削り切ってしまってはたまらないわ。 どうせなら男性に使わせるならこういう術でしょう」
そういうとアリスの糸が彼の中に入り、彼を操り始める。そして彼の体が勝手に動くとヴィヴィオの乳房や尻を揉みしだきながら、彼女に奉仕を始める。
勝手に動く体に横島は大きな恐怖を覚えた。自分の霊力が分身や体内で動きヴィヴィオに霊力を捧げる様に動いている。今度の射精は本当に何かが危ないそう思った瞬間にヴィヴィオが自分を掴み刻み付ける様に唇を貪った瞬間、
口内を剣で引き裂かれたような快感が走り彼女の息が腹の中に降りてきた瞬間それに睾丸が押されるように一気に射精が起こる。彼女が注ぎ込む息が腹の内部を押して精液を絞り込むように押し込んでくる。それを出し尽くした瞬間、笑いながらヴィヴィオは彼のそばを離れる。
「今あなたがした性魔術は本来は女性を強い快感で隷属させて奴隷となった女性の能力を大きく上げる類の性魔術でした。貴方の前世の術者が非人道的すぎると思いつつ、有用な術だけを取り込んだソフトに改良したんですけど、私の前世は好奇心から受けてみたいと言って貴方にやらせたんです」
それをしたとたんに全身から一気に霊力が抜き出ただけではなく、目の前のヴィヴィオが絶対に逆らえない王に変わったような感覚が自分の中に芽生えた。それを見越したように彼女は笑いながら言葉を続ける。
483 :
名無しさん@狐板
:2022/10/12(水) 00:24:40 ID:vvAIQjNl
「結果は今あなたが味わっている通りです。貴方の前世は、私にあまりに強く頼まれたのと、一度だけなら後遺症も残さず直ぐ治せるから、懲りさせるつもりでやったけど快楽で仕掛ける男性の方が負けて、呪い返しも発動するありさま。
一応は正々堂々女性を奴隷にする性魔術に勝った逸話になってますけど、人間同士の付き合いとしては騙し討ちでした」
動けなくなっている横島からヴィヴィオが離れると、アリスが服を脱ぎゆっくりと彼に近づいてきた。
「これをやっているのも貴方が前世で使った寿命を削る術を習得できなくするためよ。それじゃあ快感を味わい私たちに支配される感覚を強めてね」
なぜアリスと交代するのかと疑問に思った瞬間、アリスが即座に彼の唇を奪い息を吹き込んできた。その瞬間彼は理解した。アリスも抗いがたい快感を植え付けてくるのは一緒だが、
ヴィヴィオとはちょうど対極のものを流し込んでくる。彼女がゆっくりと彼の分身を飲み込むと支配するのはヴィヴィオと一緒でも、与えてくる質は対極の快感が彼を一気に蝕んだ。優しい絹糸に愛撫されてとらわれていくような肌と膣が彼の分身に刺激を与え、
射精した後も容赦なく快感で塗りつぶしてくるヴィヴィオとは異なりゆっくりと蜘蛛糸でからめとるように彼を射精させてくる。横島が彼女の快感に敗北して射精すると、アリスは心底嬉しそうに笑う。自分が彼を気持ちよくできることが嬉しくてたまらないようだ。
その邪気のない笑顔が彼の矜持や警戒心をそぎ落とし彼女の意のままの人形とされることへの抵抗力を奪っていく。 何度かの射精の後アリスの糸が彼を動かし先ほどヴィヴィオに使わせられた術を再び使わせに来た。
ヴィヴィオの時とは違う恐怖が彼の背筋に走る。もしもこの警戒心すら抱けない、冬の布団の様な快楽で屈服させられながら射精させられたら自分はどうなってしまうのだろうか。
「ア、アリス。ま、まって」
「ダーメ♪ 私達を護るためであってもあんな術を覚える可能性はゼロにしなきゃ」
射精が済んだ瞬間彼は自分を今まで動かしてきた糸が一気に変わったような感覚を味わった。 そしてそれが済むと、ヴィヴィオがアリスに代わって彼を嫐り始める。 ヴィヴィオに分身を飲み込まれた瞬間、彼は一気に悲鳴をあげた。
「あー!あーー!」
ただでさえ抗いがたい快感だったのにちょうど正反対の快感を与えられて慣れを消された直後だ。その反動が余計に彼をさいなむ苦痛を強くさせる。
「これなら、彼の魂が呪い返しで完全に服従するのも遠くありませんね」
そこまで言うとヴィヴィオは笑いながら手をたたいた。
「もういいですよ。仕上げにかかりますから、貴方たち彼に最後の追い打ちを」
そこにはヴィヴィオが訪問の時に必ず連れてくるようになった騎士たちでも古参の二人がいた。先ほど審判を務めていたアリス・シンセシス、金色の髪に小柄な体に似合わず多くの敵を大剣で薙ぎ払う無双の怪力騎士ユグドラ。彼女たちを見るとヴィヴィオは簡潔に言った。
「シンセシス、ユグドラ、彼の魂に最後のダメ押しを。アリスさんだけでも十分かもしれませんけど、完全に私の配下である貴方達にも屈服することで私より下だと分からせます」
「はい。ヴィヴィオ様」
そういうとまずはシンセシスが彼の分身を飲み込みその彼を嫐り始める。アリスと名前は同じなのに、そのやり方は剣で切り裂く様に彼を屈服させて来る。後ろからアリスが抱き着き彼の玉袋を揉んでくると異なりすぎる二つの快感に襲われ彼は悲鳴をあげた。
「アリスちゃん、やめて」
横島は基本的に二人そろった時はシンセシスの方を苗字で呼ぶだから、分からないはずがないのに、意地悪く二人は聞く。
「「アリスってどっちのアリスなの?」」
「そっ、そりゃもちろん」
言いかけたところで二人が申し合わせたようにしぇべれなくなるような快感を与え彼がのたうつのを楽しんだ。そしてシンセシスが唇を貪り始めるとアリスも後ろから抱き着き彼に快感を与えることを楽しむ。
しばらくして彼が完全に耐えきれなくなると彼の分身の幹を放してからアリスは背中から離れた。そこを狙ったかのように騎乗位をした状態で彼を達しさせると、シンセシスは笑った。
「これでどうですか陛下」
「次ですね」
動けなくなった彼に向ってユグドラが騎乗位をする直前の様な体制になりながら言葉を言った。
「ヴィヴィオ陛下は少女形態でも貴方を閨の中で喘がせることなど容易ですよ。 なぜかというと今から貴方を犯す私が劣化ヴィヴィオ陛下ですから」
「え、ちょっとま」
言い終わると彼の言葉を待たずに一気に飲み込んだユグドラに対して彼はすさまじい量の射精をあっさりとしてしまう。彼女は嘲笑の顔を浮かべながら言う。
「陛下と夫婦になる以上はいつでも陛下の求めに応じられなければ、ですから私の様な少女にも勃つようになりなさい、っと思ってましたけど貴方早すぎますよ。少女姿のヴィヴィオ様より下の私にこんなに早く出させられてどうするんですか?」
ユグドラの言葉は無茶ぶりも良いところだ。ヴィヴィオと彼女の閨の中での強さの差は、男がネズミなら、虎と狼の違いくらいだ。ネズミに勝ち目があるはずなどない。
「ほら早漏男。見かけが幼い少女に嫐られる快感に目覚めて陛下の求めに応じられるようになりなさい」
罵倒の言葉で余計に分身が硬くなった時に笑みを浮かべ彼の自尊心も嫐りつつユグドラは何度もそれを受け止める。シンセシスとユグドラに犯され続けた彼に、アリスが糸を伸ばし二人に対してもあの魔術を使わせてきた。それが済んだ瞬間、彼のヴィヴィオへの屈服間が一気に上がりぬいた。
それを見て満足そうに頷きながらアリスが言う。
「配下の騎士に屈服させられて一気に魂が堕ちたは、後は単純な快感を一気に与えるのが良いわ」
その宣言を聞くと二人は離れるとヴィヴィオとアリスに渡した。二人は笑みを浮かべながら横島を襲い始める。
484 :
名無しさん@狐板
:2022/10/12(水) 00:25:53 ID:vvAIQjNl
アリスとヴィヴィオが交互に入れかわり何度かが過ぎた後。ヴィヴィオが彼の上で腰を振りながら言った。
「アリスさん、そろそろ良いですか?」
「ええ、陛下ころあいです」
「忠夫、魂の底から宣言しなさい。前世で私を護るためにやむを得ず使ったあの術の素質はすべて放棄する、と」
僅かに残った反骨心は見越したようにヴィヴィオが彼の眼をのぞき込んできた。その瞳の色に、自分を心から好いて死ぬかもしれないと思った時に不安がる少女の面影を思い出した時完全に、彼の心はその術を手放すことにためらいがなくなった。
「前世で使ったあの術の素質は放棄します」
その言葉を待ったようにヴィヴィオが彼を支配するような性術を使いそのまま一気に搾り取った時、自分の中の何かが精液と共に抜けるような感覚が起き彼は意識を失った。気絶した横島に心地よさそうに体重を預けるヴィヴィオを見ながらアリスは医師の様な手で横島を触診し言った。
「陛下大丈夫です。前世で彼の寿命を縮めた霊的戦闘術の素質は完全に壊れました。他の術に対する素質および霊能への才能に一切影響ありません」
「彼そんな術なくても十分強かったのに、前世の私の力が足りなかったから使わざるを得なかったのよね。今生では要らないもの」
「ええ。その通りです」
頷くアリスを見ながらヴィヴィオは答えた。
「アリス今回一番働いてくれたのは貴方でしたね。 忠夫が自分が感じた悪寒を誤認させるような他のたくらみも幾つも突き止めてきてくれて。
さらに忠夫に恋愛感情がない騎士たちをこの大使館から離れさせられる口実に仕える最高のタイミングでリークお疲れ様でした。これがないと彼をここまでうまくとらえられなかったでしょう」
「私もあんな術を彼に覚えさせる可能性はゼロにしたかったですから」
二人の会話にユグドラとシンセシスも頷いた。
「はい。ヴィヴィオ様に前世の記憶を取りも出させられた我々も同意見でしたから。戦乱が終わった後五年後に彼が死んだのを見た時は本当に、背筋が凍ってトラウマでした」
シンセシスの言葉にユグドラが言葉を続ける。
「私も彼に守られた前世を持つものとして前世より強くなった以上あんな術を覚えることは、絶対に許容できませんでしたから。 それと陛下少し気になったのですが?」
「なんですか」
「忠夫に惚れた人間は全て前世で関係があったものばかりなのですか?」
「いえそうじゃないです。そういうものも何人かはいますけど、基本的に神様や人外と結婚した貴族の先祖返りとかが多いみたいです。 とりあえずこれからやることはかなりありますね。
ありのままにやったことを報告して、その後の大鳳やジャギに頭を下げて補償しなければ。 でもその前に彼が目覚めたら女権国家的な夫婦のスポーツを楽しむとしましょう」
そういうとヴィヴィオは笑いながら薬湯と精力が付く料理の準備を自助に命じ心底嬉しそうに彼の体を点検し続けた。前世で彼の死因となった術を彼が覚えられなくなったのが嬉しくてたまらない様子だった。
ユグドラとシンセシスにもその気持ちは分かった。前世で彼に助けられた記憶と、彼が逝った時の喪失感はもう訪れないと思うと頬が自然に綻ぶのを止められない。それは多分調理の為に人形を動かしているアリスも同じなのだろう。
485 :
名無しさん@狐板
:2022/10/12(水) 00:34:04 ID:xRGqj7Yl
乙
Wアリスならではの反応はなかなか意地が悪い
そしてそれ以上に皆の愛情とやっていることがえげつないw
486 :
名無しさん@狐板
:2022/10/12(水) 01:12:20 ID:vvAIQjNl
>>485
乙と感想ありがとうございます。
ストレリチアの女性だけど、男の庇護と支配に関してはかなり女権国家寄りになってしまっている、
感じで書いてました。
487 :
名無しさん@狐板
:2022/10/17(月) 23:15:41 ID:qQ1v8Z7b
女権国家化石の日SS 聖王による今更ながらの化石と化していた邪教認定の撤回が決まった日
これはMシチュあんこスレのスレ主さんが連載している女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@
>>479
から
>>484
まで投降したスポーツの日SSの続編です
A化石の日SSだけど二日遅れです。
B前にスレ主さんが投降した邪な騎士と横島と騎士の影響を受けていて、本編では横島ヒロインにならないかもしれないヒロインが横島ヒロインをやってます。
Cあくまでも二次創作でありこのSSでの登場人物同士の人間関係や素性は本編とは関係ありません。
Dファイナルファンタジー3とファイナルファンタジータクティクスのファルガバードが合わさったネタが出てきます
E魔剣士の技暗黒剣が寿命を削るというのはファイナルファンタジー3ではなくタクティクスの設定です。
FこのSSでは暗黒剣は男性にしか使えないことになっています。
スポーツの日にヴィヴィオに嫐られぬいてから横島はシンセシスの方のアリスとユグドラに護衛されながら、自宅へと帰った。疲労困憊の横島を二人の対照的な美少女が迎え入れる。艶やかな黒に身を包みながら明るく陽気な気配に身を包むユウキと、
気品のある青を思わせる金髪の髪をした少女愛歌は、横島を抱き留め背後に労わるように寝かせると対照的な反応を示した。その瞳に剣呑な色を宿し問い詰めるユウキ。
対して愛歌は知っていたうえで彼女たちの言動を計ろうとする様にも見える目で静かに二人の騎士を見ている。
「ヴィヴィオ殿下は忠夫への好意は本当だと思っているから警戒しなかったけど、これはどういうことなの? まるで女権国家の男性を破壊しつくそうとする類の女性達に嫐られぬいた後みたいだけど」
ユウキの今にも剣を抜きかねない瞳に対してシンセシスは一歩も引かずに剣の柄に手をかけずに、鞘をもって近くに置くと前に出た。口上を述べる前の堂々とした態度が後ろめたいところがないのだろうと思い、
僅かにユウキの敵意を削いだ。怒ってはいるが、ヴィヴィオが横島に悪意を持ってなにかをするはずがない。そこに関しては彼女は一切疑っていない様だ。 アリスが口上を述べる前に愛歌が発言をした。
「私も一応忠夫のことは見ているから貴方たちの王様のしたことに関しては大体予想はつくわ。今回の件に関しては私も似たようなことをしたかもしれないから放置はしたけど、貴方達の聖王はこの処置を取った後の対策はきちんとしているの?」
横島から奪った才能を補うものを用意できているのか否か、そこから彼女はヴィヴィオ達を値踏みするつもりの様だ。愛歌が黙認するような行為だったと聞いて、ユウキの敵意は大分薄らいだ。剣から完全に手を放す手続きを終える様な様子で彼女は二人を見ている。
「ヴィヴィオ様はこれから処置のダメ押しをするために忠夫様の関係者の各方面に声をかけて回るつもりの様です。そしてその際にご自分の口から話されると仰っておりました。 そして今はユウキ殿に事態の説明をさせていただきます」
シンセシスがアリスに持ち掛けられたことを話始めてしばらく経つとユウキの手は直ぐに剣の柄から放れた。
「そうだったんだ。それなら僕にも言ってくれればよかったのに。なんで黙っていたの?」
「アリス様が言われるには、自分は人形劇をやるから演技には長けているけど、長時間やるのは厳しい。だからこそ忠夫殿の傍にいる時間も最長でも一日数時間にして隠したけど、ユウキ殿は良くも悪くも付き合いが長いから、忠夫殿の隠し事を見破れる半面その逆もあり得ると」
シンセシスの答えにユウキはそうかもしれないと思ったようだ。それに今回の横島の寿命を削る術に対する才能を潰すたくらみはかなり周到に練られていた。敢えて彼に恋愛感情がなく、企みも知らない女騎士たちを迎えに寄越し、
そして彼を大使館に迎え入れた後、全ての彼に恋愛感情を持たない、諫言してきそうな女騎士たちを出撃させて逃げ場が完全になくならせて、さらにはシンセシス以外の企みに関与している騎士は彼と顔を合わせないようにするという徹底ぶりだ。ユウキは少し考えた後に質問をした。
「この状況じゃ忠夫は前世のこと知ったら、仲良くなったモヒカンさんたちが死にそうとかなったら絶対に、その前世の術を使っちゃうね。見かけによらず仲良くなった男友達には義理堅い面もあるから。僕としてはモヒカンさんたちが死んだり悲惨なことになったら、
ジャギやアミバ辺りは絶対にいい顔しないと思うよ。あの二人から心証が悪いと、忠夫との付き合いにはかなり支障をきたすと思うけど」
横島達はただでさえも仲が良かったうえに、女権国家に来てから苦難を共に乗り越えた回数が多いので、その結束はすさまじいものがある。
ジャギやアミバが嫌った所で横島の性格上自分を慕う女子たちを切ったりはしないだろうが、無理やり逆レしてきた女性よりは彼らの方が優先度は高いだろう。それに対してはユグドラが言葉をかけてきた。
「そのようですね。だからこそユウキさんにお願いしたいことがあります。忠夫様の失った術というか技の才に対する補償の準備はもうできています。 だからこそ彼に新しい術を覚えさせることと、完全に寿命を削る術の才能を潰す処置のご協力をお願いします」
そこまで聞くとユウキの顔色が変わった。
「その術の才能まだ完全に潰れてないの?」
「『今は』ヴィヴィオ様が全力で動けば彼の術の才を何とか戻せます。ですがヴィヴィオ様の助力がなければその術の才能は戻ってこない程壊れています」
「分かったよ。何でも言って。仮にその補償が十分でなくても忠夫の寿命を削る技の才能を潰すなら協力するよ」
ユウキの言葉に愛歌はあっさりと答えた。
「そちらの補償が十分でなくても私の方にも補う用意はできているから、安心しなさい」
その言葉を聞きシンセシスは敵意ではないが愛歌を警戒するような眼で見た。もしも保証が十分でなければ英雄を盛り立てる妻としてヴィヴィオへの評価は相当に落ちそうだ。
二人が口上を伝え終えて帰還すると、不意にアリスが姿を現した。初めて横島達の前に姿を見せた時と同じく、まるで最初からそこにいたかの様だ。 彼女は優雅に一礼し二人に謝意を示した。
「ユウキ、愛歌ごめんなさいね。忠夫が前世で使っていた術、それを使えなくする為の処置を無断でしてしまって。ユウキ、貴方に黙っていたのはシンセシスさんが言っていた通りの理由よ。そして愛歌、貴女は私達が他の才能まで壊しそうだったら直ぐに邪魔に来ていたでしょう?」
その問いに愛歌は頷いて肯定する。
「ええ、明らかに好意だけで害意はなかったし会話の内容も聞こえていたから」
愛歌が言葉を返したあと、ユウキは明らかに協力的な様子で言葉を返した。
「アリス事情は分かったから気にしないで。忠夫の寿命を削る技の才能を潰すなら協力するよ」
「ありがとうユウキ」
綺麗な笑顔で礼を言うアリスにユウキは少し気になっていることを聞いてみた。
「アリス、忠夫が前世で使っていた技って何なの?」
「ファルガバードの暗黒剣よ」
それを聞きユウキが納得済みの顔になった。かつて聖王全盛の前に聖王が戦った多くの魔物たちを切り伏せたという魔剣士たち。彼らが戦ったのはそういう魔物だけではなく、行き過ぎた正義故に悪と同じ行いをした聖職者の軍などとも戦っていた。
その中で陰陽術をと魔剣を使い、聖王の聖なる力の効きが悪い相手を倒して回った陰陽師であり魔剣士でもあった高島忠助(ただすけ)彼は敢えて本気で聖王と戦い敗れた後、彼女と敵対する聖なる属性を持った者たちを倒して回り宣言した
。『自分を倒した聖王陛下こそが真の聖なるお方、誠に聖なる行いをしていれば、陛下の様に我が負の力など跳ね返せるだろう』
488 :
名無しさん@狐板
:2022/10/17(月) 23:17:20 ID:qQ1v8Z7b
闇が必ずしも悪ではないという東洋思想を持っていても、彼は西洋の思想も理解が深かったらしい。それを使って多くの道を踏み外した聖職者たちを正気に戻していた。
悪ではなく、間違えてしまった聖職者たちをなるべく殺したくないと言う意図を叶えながら、彼女の攻撃の効きが悪い相手に常に前に出て守りぬき、暗黒剣を使った代償で寿命が縮まってしまった。
そこまで話を聞くとユウキは言った。
「その才能もう完全にヴィヴィオでも治せないように壊せないかな?」
「今はまだやめておいて準備だけにしておきましょう」
そういうとアリスは壊れ物を抱える様に横島を抱くと呪文をかけ始めた。彼の体がユウキにとっては懐かしい子供の頃の姿へと戻っていく。 子供に戻り切った彼をアリスは壊れ物の様に抱きしめると、
ベッドの上に置き人形劇の準備を始めた。眠る横島の様子を見る限りでは彼の夢にそれは大きな影響を与えているようだ。愛歌はそれを見ながら言った。
「上手いものね。 ヴィヴィオと横島が組手した時もそれをやっていたでしょう。 確か水泳の後にヴィヴィオにされた逆レイプを思い出す様に仕向けていたわね」
「ええ。感触が蘇ってこの子が元気になりすぎて組手どころじゃなかったんじゃないかしら」
この子の下りで横島の分身をアリスは愛撫ながら笑った。電撃が走った様に痙攣みたいな反応をする横島を見ながらアリスは笑う。
横島は目を覚ました瞬間、混乱の極みにあった。自分の精神と体が明らかに幼いころに戻っており、そして目の前には妖艶で恐ろしい笑みを浮かべる魔女がいる。
「忠夫、どうだったかしら昨日の夜は」
「あ、ああ」
横島は一気に震え上がった強すぎる快感と術を無理やり行使させられ、魂が敗北を連敗した時の恐怖を思い出した。なによりもその恐怖がありながらまたあの快感を味わいたいと思っていることが何よりも恐ろしい
。逃げようとする横島を、アリスは信じられない程速い速度でとらえた。
それでいながら抱きしめてくる手は一切彼に苦痛を与えず吸い付くような肌と指が快感を伴う脱力を与えてくる。 アリスは親がする様な軽いキスを何度かしてきたがその度に自分の意識が飛びそうになる。彼女は笑いながら誘惑の言葉を続ける。
「そうやって『どこかに行ってしまいそうな雰囲気があるから』陛下や貴方を好きな女騎士たちも貴方を縛るために過激な快楽を与えてくるのよ。それとも強すぎる快感でいじめてほしいの? まあ、そうでなくても最終的にはあまり変わらないでしょうけど」
「ア、アリスまだ儀式まで時間あるんだろ。それならなんでワイを子供の姿にしたんや?」
「根回しは済んだから、ここから先は私の楽しみと貴方の逃げる気をなくさせるための行動だから」
そういってついに唇を奪った。上質の絹糸で愛撫されるような感覚が体の内部に広がっていく。そして上海人形と蓬莱人形が彼の服を脱がせるとアリスも、人形にすら見える美しい肢体をさらし彼の分身を飲み込む。
声すら出せない彼と繋がりながらアリスは丁度乳房の位置に頭が来るくらいに縮んだ彼の口の中に乳首を入れるとそのまま頭をなで始める。ツボを押されたような感覚が彼の理性と我慢を溶かしていき、その彼の頭をなでながら言う。
「ヴィヴィオ陛下や騎士たちはいささか行き過ぎた快感を貴方に与えるでしょうけど、その後には私がこうしてあげるから。そうしたら彼女たちにまたいじめてほしくなるでしょう?」
何度も彼女の中に精を放たされながら彼はどんどん自分が沈められていくと思った。真冬の朝の布団の中にいる様な抜け出しづらい感覚が強くなり。最高に強い快感を送り込んでくる、
絹糸の布団の中にいる様な感触が彼を包み続けてくる。 抵抗しなければという意思も頭のツボを押されたり、撫でられるたびに激しさを増す射精の度に溶けていくような感覚がする。
すっかり気をやった様子の横島を抱きかかえると、彼女はユウキに目をやった。
「後は任せてアリス」
「ええ。……あの、ユウキ儀式の下ごしらえが終わったら、もう一回私とも交代してくれない?」
「うん、いいよ」
アリスとの性行為で気持ちよすぎる温泉に入ったかのように頭が動かない彼を見据えると、ユウキはあっさりと彼の分身を飲み込んだ。優しく抱きしめつつ、
女権国家に来てから変わった体で彼の内部の何かを屈服させながら、幼馴染だけが知る彼が逆らい辛い口調で命じだした。
「忠夫! 寿命を縮める暗黒剣なんかに頼ろうとするから聖王様とアリスが心配しちゃっているよ。早く完全にそれを放棄して」
「も、もう才能が潰れて覚えることはできないって」
「これから完全に潰すから同意して! そうしないと僕も安心できないから」
ユウキの命令だけではなく懇願の籠った様子の言葉に彼が折れるとそのまま射精と同時に彼は同意の声を出した。
「わ、わかった。 あーー!」
最後の同意を聞いた瞬間ユウキがより強く彼を絞り、その同意した事実を彼に強く焼き付ける様に搾り取った。
アリスは普段とは違う妖艶な魔女を思わせる笑みを浮かべながら、ユウキに言言葉をかける。
「ユウキこれからの数日間彼に取る処置の効果を上げる処置をとるから協力よろしくね」
「任せて」
アリスが呪文を唱えるとユウキが彼女の使い魔へと一時的に転じた。そしてインプに転じたユウキは言う。
「それで忠夫の精神に干渉する手伝いをすればいいの」
「ええ。 こういうのはあまり好きじゃないんだけど、いえ好きだし楽しいけど、誠実な対応をしてきている男性にはしてはいけないことだからあまりできないの。だからこそ、この機会にうーんと楽しませてもらうわ」
そういうとアリスは魔女の笑みを浮かべ横島の唇を吸い始める。彼女とインプとなったユウキも彼女の手足の様に動きながら、彼女を手伝うように混じった。
二人が彼を嫐っている寝台の近くで、人形たちが動き始め、横島を模した人形を複数の女性の人形が嫐る人形劇が起こり始める。これは彼の夢に大きな影響を及ぼしていることは一目瞭然だった。
ヴィヴィオの所に再び連れていかれるまでの時間が横島にはどれくらいだったのか、わからない。五日以上だったのだけは間違いないが、体感時間が快楽と意識の断絶が何度もあったため正確な時間を計れないのだ。
アリスの冬の布団から出られなくなるような快楽と吸い付くような肌の快楽が寝所で彼を溶かしていき、ユウキまでもが一緒に手伝い始めてからは一気にそれが強まった。焚かれた香が眠気と快楽を強くし、
子供に戻されて脳が小さくなったことで一気に埋めてくる快楽がすべてに届くようになったかのようだ。
ユウキが時には姉の様にあるいは母親の様に叱りほめたたえながら彼の分身を胸で挟みぬきながら言う。
「聖王陛下に従って。全ての邪教の暗黒剣の才を捨てて。陛下は選ばれた聖なる王だから、彼女の忠夫と共に居続けたいという、聖意に逆らっちゃだめだよ」
「あ!あー! だ、だがそれは」
自分でも何が悪いのかが思い出せない快楽とお香で機能の落ちた脳はユウキとアリスから与えられる限界を超えた快楽を味わいたいという思いと、逃げたいという思いが同時に生じそれを対処することすらできずにいた。
489 :
名無しさん@狐板
:2022/10/17(月) 23:18:31 ID:qQ1v8Z7b
「ほら、陛下の嫌う才能を捨てない不忠者にはお仕置きだー!」
女権国家の影響を受けた彼女は横島が自分の与える快楽に屈服することを心底楽しむようになっていた。また一時的とはいえ魔女であるアリスとの契約が、彼女に横島から自己犠牲の暗黒剣の素質を奪うという点での容赦を取り払っている。
ユウキとアリスに閨の中で嫐られながら時間がたち彼は気が付くと馬車に乗せられていた。
こと事とした馬車の揺れとアリスとユウキの体温が余計に眠気を強くさせてくる。ヴィヴィオの前に連れ出された時、快楽と眠気で朦朧とした彼を見ると彼を犯した時と同じく成人の姿を取っているヴィヴィオは満足そうに頷いた。
「完全に仕上がってますね。見事な仕事です。アリス、ユウキ」
「そりゃ頑張るよ。忠夫の寿命を削る術の素質を完全に消し去るためだもの」
臣下というわけではないので、自由な物言いが許されているユウキとは対照的に、それほど強くはないとはいえ。宮廷魔術師となったアリスは礼を取りながら言葉を返した。
「聖王陛下、お褒めの言葉ありがとうございます。それと今回の仕上げにはオリヴィエ様とヴィーラ様が来られるとか」
「ええ。あの二人なら絶対に大丈夫でしょう。 才能を潰した後のケアには愛歌さんとリグルさんに手伝ってもらいます」
謁見の魔に赤と黒を身に纏った豊満な姿の美女=ヴィーラとしなやかな体をしたどこかヴィヴィオと似た雰囲気の少女=オリヴィエが訪れた。それを見てヴィヴィオは満足そうに笑う。
「それじゃあ。ことに移りましょう」
「はい。全ては聖王陛下の御心のままに」
ヴィヴィオの役に立てることを心底悦んでいるヴィーラの声に、ヴィヴィオの意を叶えることをまるで『自分の事の様に』喜んだ様子のオリヴィエが応じた。
「陛下早くまいりましょう。一刻も早く彼から邪法の素質を消し去りましょう」
「そうですねオリヴィエ」
ヴィヴィオが頷くとオリヴィエは不可解な行動をとった。もはや抵抗することができない横島の首筋に手刀を当てて、気絶させた。
苦痛を一切与えずに落とすそのやり方は彼に対する害意がないのは明らかだが、そうする必要は明らかにない。怒るというより疑問めいた目をむけるユウキにアリスが声をかけた。
「忠夫が目覚めるまでに説明するわ」
次に横島が目を開けた時に待っていたのはヴィーラが後ろから彼を抑えながらオリヴィエが前から彼に覆いかぶさり一気に彼の分身を加えこみ貪ってい要る状態だった。
「忠夫様、目を覚まされたのですね。ここからは意識を取り戻しながら敗北を脳に焼き付けて聖王陛下の夫に相応しいお体になってください」
丁寧な言葉とは裏腹にあざけるようなヴィーラの声が恥辱心とヴィヴィオやアリス達に嫐られ覚えた被虐の悦びを刺激する。彼の分身がより固くなったのを感じ取りオリヴィエは嘲笑めいた目を向けてきた。
「忠夫さん、以前に貴方に何度か助けられたことがあるオリヴィエです。一応はヴィヴィオのいとこで聖王の系譜の一人ということになります。今夜貴方から暗黒剣の才能を完全に絶つ厄を担ったものです」
喋れないほどに彼を絶頂させ続けながら、敢えて彼女は落ち着いた丁寧な声で自己紹介をした。今もアリスに操られ奉仕系の性魔術を使わされているが、それでも彼女にしてみれば余裕がたっぷりとあると、
告げるためにそうしているようだ。彼の大人に戻された体は脳も元に戻り、そして快楽を流し込まれる用も一気に大きくなっている。ヴィヴィオと似て非なる彼女の与えてくる快楽に屈服しつくし始めた頃オリヴィエが手を彼の腹に当てた。
その瞬間、彼の分身から出る敗北の証の噴出が一気に上がった。さっきまでの快感もすさまじかったが、今の彼女はヴィヴィオや他の女性達を大きく上回る快感を彼に与えてきている。
最も他の女性達の与えてくる快楽にも彼が勝てることは絶対にないだろうが。 強すぎる快楽で発狂しそうな彼は声にならない声をあげた。
「〜〜!」
「実は私は義手なんです。 そしてこの腕はアリスさんが幾つもの人形劇で使った聖王の人形で作った義手ですから。聖王陛下のしたことを再現できるんですよ」
「い、今もそれやっとんのか?」
「ええ。貴方の前世である高島忠助に惚れた聖王は、彼に暗黒剣を使わせないために手刀で彼を気絶させそのまま寝室に連れ去った。そして騎乗位で搾り取りながら、彼に自分の許可なく暗黒剣を使わないと宣誓させたとあります。
そしてその際には腹に手を当てて気を一気に彼の生命力を操作し沢山の精を搾り取ったと」
オリヴィエが笑いながら腰を動かすと彼は悲鳴めいた声になりながらも質問をした。
「ど、どうしてそんなことを。もうワイは才能潰れていて」
「一応私たちの協力なければ不可能とは言えまだその才は再生する可能性が残っています。だから完全に絶つ儀式なんです。 宣誓なさい、許可なく暗黒剣を二度と使わないと」
「許、許可なく暗黒剣を二度とつかいません」
オリヴィエの圧倒的な全ての臣下の反抗心を押しつぶす王を思わせる目、日ごろですらも抗いがたいそれを閨の中で完敗している状態でぶつけられて、彼はすぐに屈した。
オリヴィエは満足そうに頷きつつ、から一気に搾り取ると。指一本動かすことすら困難な彼を満足そうに眺めながらヴィーラと入れ替わった。そこにヴィヴィオとユウキとアリスの三人が入ってくる。
「忠夫〜、さすがに今のは、王国男子として情けなさすぎるよ。 早いのは仕方ないけどせめて意思力で我慢したら〜?」
笑みを浮かべながらあざけるユウキの言葉に、ここ数日の閨の記憶が鮮明によみがえり、彼女に対しても抗いがたい感情が芽生えてくる。その瞬間に、ヴィーラが彼を押し倒し唇を奪った。
「忠夫様、私は両刀です。陛下を護る戦いで貴方に助けられ好意を抱いた、惚れたと言いました。その言葉は嘘ではありません。ですが一番の相手は聖王陛下です」
「な、なんでそんなことを」
わからないという様子の横島に彼女は言う。
「今回の処置で貴方様の意思があまりに強固なら惨すぎる快楽での尊厳破壊と一時的な精神破壊もしなければならないと言いました。他の面子と違って私は聖王陛下の命令である場合に限っては貴方にも惨いことができます。 ――ですからあまり強固に耐えすぎないでくださいね」
ヴィーラの声音から一切の嘘がないことが分かり怯えつつある彼をヴィヴィオが彼を後ろから押さえつけて整体師の様に体のあちこちを刺激すると、その度に分身が元気づき始める。
ヴィーラが笑いながら彼を抱き込み正常位で抱え込むと両手両足で拘束されて動けない彼をヴィヴィオが背後から迫り彼の背中を押し始める。ヴィーラの中に飲み込まれた分身がヴィヴィオに背中のツボを押されるたびに、射精し、つぼを押される快感で動いてしまうたびに、分身がヴィーラの中で嫐られる。
「陛下、どうですか臣下の騎士よりも下にならせるだけではなく、彼の精神を一時的な崩壊も必要ですか」
横島を閨で嫐りながら、敢えて彼の心への敗北感を与えるための発言にヴィヴィオは笑って答えた。
「大丈夫ですよ、ヴィーラ。彼の才を潰すにはそこまでする必要もなさそうです。それにあなただって、私の頼みや命令ならやってくれるとは言っても、彼にひどいことするのが嫌でないわけではないでしょう?」
「ヴィヴィオ様……!」
ヴィヴィオの言葉で喜びから絶頂したヴィーラの膣が彼の分身を一気に締め上げ、彼は強すぎる快感から意識を失った。
490 :
名無しさん@狐板
:2022/10/17(月) 23:19:36 ID:qQ1v8Z7b
彼が意識を取り戻した時、彼を嫐る閨ごとにアリスとユウキも加わり、彼の手や足のツボを押したりマッサージめいたことをし始める。霊力や魔力を込められた指圧は明らかに自分の中の才を破壊しているのだと感じつつ、
その度に起こる射精がどんどんと抗う意思と思考力を奪っていく。
全員にまんべんなく犯され彼の精神が快楽で限界を迎えかけた時、それを見計らったようにヴィヴィオが彼に騎乗して強すぎる快感を与えてくる。そして彼女は言う。
「横島忠夫、私の命に従い暗黒剣の素質を放棄した者よ、その才なくとも仲間や私達の災いを防ぐために努力を惜しまないことを誓いなさい」
これは前世でも立てさせられたのと似たような誓いなのだろう。
「ち、誓います」
そう答えた瞬間、オリヴィエが後ろから彼の背中に手を当てたその瞬間、横島の頭に嫌な予感が走った。ヴィヴィオの聖王としての素質はオリヴィエ以上そして自分は今ヴィヴィオに犯されている。ここで彼女の義手で前世の聖王が与えた快楽の再現をされたら。
「正解でーす♪ いい声で鳴いてこの宣誓を脳に焼き付けてくださいね」
楽しそうなオリヴィエの声を聞いた直後ヴィヴィオが腰を動かし彼の意識は一気に落ちた。
次に目覚めた時彼は、搾り取られ切った体力と霊力が回復しきっていることに気づいた。意識の断片を繋ぎ合わせると、リグルがくれた蜂蜜酒と愛歌が持ってきてくれた料理のおかげだったことが思い出せた。
「忠夫、調子はどう?」
声をかけてきた愛歌に、横島は答えた。
「ああ大丈夫だ。なんかもっと深いトラウマになりそうな気もしたが、割と大丈夫だったな」
「ええ、体調が戻ってから、私達がこういうことをしていたからね」
そういうと愛歌は彼を金縛りにすると押し倒し彼と交わり始める。強い快楽を与えてきており、決して男性優位になれないのはヴィヴィオ達と一緒でも恐れなどは浮かばずただ彼女の与える快楽を得るためなら何でもしたいという感情が浮かんでくる。
それだけではない、ヴィヴィオ達にされた行為への恐怖や忌避感さえも相手が自分を好いていてくれると思うと、薄れていく。これこそが男性を盛り立てるべきと考えている王家特有の性魔術なのかもしれない。感嘆する彼に愛歌は友達の手柄を教える様な口調で声をかけた。
「リグルも貴方に似たようなことをしていたわ。フェロモンを使って働きアリみたいに貴方を操り精神を回復させていたから」
それを聞くと半分くらい意識がない状態で、リグルにされていた行為の記憶が蘇ってくる。
寝室で蜂蜜酒を飲み意識が戻った彼は、そのまま何度もリグルの体から出た甘い香りに動かされ彼女を襲う。男性優位の性交位でありながら余裕をもって楽しい遊戯をする様な顔をしている彼女と、
唸り声しか上げられずにそれでも与えてくる快感につられ彼は腰を振り続ける。彼女は不出来だが真面目な教え子を慈しむ女教師の様な笑みを浮かべ言う。
「そう、そう。忠夫性行為は強すぎる快感を流し込まれることもあるけど怖いことじゃないんだよ。さあ、もっともっとその衝動のままに暴れて」
「〜〜!」
声にすらならない声をあげながら何度も腰を打ち付け快楽で気を失った彼を抱きながらリグルは言う。
「さて、忠夫の寿命が縮むリスクをなくしてくれたお礼にヴィヴィオ殿の注文の品を届けないとね」
子供相手にリードされて先に意識を失ったことに気恥ずかしさを覚えながら、彼は愛歌に促されながらヴィヴィオの元に出向いた。
聖王の形態で待っていた彼女に、横島は言った。
「ヴィヴィオ、俺も多少前世の記憶が戻って、俺が死んだときのお前の前世の嘆きを思い出したから、お前を責める気にはなれん。
が、今回みたいなことは今回だけにしてくれよ。 多分大鳳たちに迷惑は掛からないように動いていたんだろうが、それでもこういうのはやばい」
「ええ。これで最後にします。でも今回の件での最後のわがままを聞いてくれますか?」
「なんだ?」
ヴィヴィオが合図をすると刀を持ったリグルとオリヴィエが入室してきた。リグルは刀を横島に渡した。
「東洋には蛍丸っていう蛍が集まってできた剣があるんだって。それで僕も鍛冶の修行してどうにか一本刀を打てたの。それで蛍は英雄の魂が宿るって伝承があるから多少は英雄の技も再現できるんだ。
忠夫が振るった場合に限り忠夫の前世の技はかなり再現度が高いよ。霊力的な疲労も凄いけど寿命を削らずに暗黒剣も使えるよ」
言われて前世の暗黒剣を一回だけ振るってみて、ダメだなと横島は思った。寿命が削られなくなった代わりに疲労度がひどすぎる。後のことを考えなくてもいい戦い以外では使いようがない。そして諜報部でそんな戦いは滅多にない。
ヴィヴィオの意図を計れない彼にヴィヴィオは言った。
「10分だけならあなたは前世と同じ強さになれるそうです。それでオリヴィエと共に私と戦ってくれませんか? 義手で聖王の動きを再現できる彼女は、前世の今頃、つまり貴方を婿として直ぐのやむを得ず暗黒剣の使用許可を出した頃の前世の私の再現ができますから」
「過去との決別か。分かった。ヴィヴィオお前にとっては大切なことなんだろう」
「ええ」
ヴィヴィオに言われて、闘技場に来たオリヴィエと共にヴィヴィオと相対した彼はリグルからもらった刀を構えた。
オリヴィエが前世の今頃のヴィヴィオの再現をし始めると、その動きは十分に強者と言うに足りるがそれでも昨夜の恐らくは聖王の後期の再現には遠く及ばない動きだ。
ヴィヴィオはいらだった様に突っ込んだ。決して遅くも弱くもないオリヴィエが正面から力負けして弾かれたのを見て、横島は前世の聖王を護った技を再現し、ヴィヴィオに打ちかかった。
その一撃をヴィヴィオは背中に目が見えているかのようにかわし、聖なる気で鉄のようになった拳を放ってくる。
『こりゃとんでもないわ。ヴィヴィオの奴もう前世の同時期より強いなこれ』
横島はそう思いながら即座に前世の再現である陰陽術を発動させた。彼の呼び出した鬼がヴィヴィオに襲いかかり光の玉となって弾け、ヴィヴィオの動きを僅かに止めた
『よし。暗黒剣でなければそこまで消耗しないか』
僅かに動きが鈍くなったヴィヴィオにオリヴィエが突っ込んだ。
「もらいました。前世の自分へのいら立ちが視野を曇らせていますね」
オリヴィエの拳をヴィヴィオが受け止めた後彼の放った光の弾が当たるが彼女の霊気は一切衰えず彼女の内からはじけた様な霊力の爆発が一気にオリヴィエと横島を吹き飛ばした。
491 :
名無しさん@狐板
:2022/10/17(月) 23:20:02 ID:qQ1v8Z7b
それを見て横島はヴィヴィオに向かっていった。
「すまんがこっからは、今生の俺の力でいかせてもらうわ。前世と同じようにはならんってその方がお前も安心できるだろう」
そういうと横島は、リグルからもらった刀に霊力を込めて文珠で速度を一気に上げて切り込んだ。 オリヴィエも頷き聖王の再現を捨ててそのまま全力でヴィヴィオに打ちかかりはじめる。
暗黒剣以外の前世が学んだ技を主に使いながら横島が戦いはじめ、オリヴィエもそれに合わせ始めるとヴィヴィオの様子も変わり苛立ちが消え去った過去との決別が済んだよう後の戦いがしばらく続いた。
爽やかな空気でありながら、それでもオリヴィエと横島は何度か死ぬのでは?と錯覚するような事態が何度か起きたが
、その度に横島が暗黒剣以外の前世の技を前世以上に使いこなすことで切り抜けた。不意に満足したような様子になったヴィヴィオが言葉を放つ。
「忠夫さん、オリヴィエ過去との決別の手伝いありがとうございました。今日はこれで終わりで」
「本当に大変やったわ。大鳳たちと色々打ち合わせしたりすんの大変そうだ。 ヴィヴィオお前とまた会えるのは当分先やぞこれ」
「忠夫さん主君の過去との決別の付き合いありがとうございました」
満面の笑みで宣言するヴィヴィオと礼を言うオリヴィエを背に去っていく、横島を見送った後、ヴィヴィオ子供の姿に戻り心底嬉しそうに笑った。
「お兄ちゃんの、暗黒剣の素質潰し完了」
「ええ。人は体の一部を失うと。他の体が代わりに力をつけて補う。暗黒剣の素質が潰れた後、陛下との死を錯覚させる程の模擬戦で私を助けたり、庇うために失われた才を補う形で他の才が急速に発達しました。これでもう暗黒剣の素質は戻らないでしょう」
「私も現金だね。お兄ちゃんの寿命を削る恐れがなくなった途端に、暗黒剣も絶対悪じゃなくて、善良な男性たちが弱者を護るために使った使用者の寿命を削る剣術に過ぎないって認められるようになったんだから」
「ええ。ヴィヴィオ様、その暗黒剣を振るう魔剣士たちの恩恵を一番受けたのは前世の貴方とその民たちだったとお忘れなきよう。悪い側面もある『化石』と化したような技術でも当時の人間たちは本当に必要だと思ってやっていたのですから」
「うん。邪教認定が通ってなくて良かったと今は思うよ」
素直に心から非を認めつつ笑う彼女を見てオリヴィエは思った。横島が傍らにいる限りは彼女は道を違えたりはしないだろう。そして既に化石とした集落である魔剣士達の里も聖王ゆかりの聖地であるともうすぐ認められるのではないだろうか。
492 :
名無しさん@狐板
:2022/10/17(月) 23:58:18 ID:ymjUNTb7
乙
横島が自己犠牲で女子供を助けられる力を持っていたらいつどこでどれだけ使うかわかったもんじゃないから
気が気じゃなかっただろうし気持ちはわかる
なお加減
493 :
名無しさん@狐板
:2022/10/18(火) 16:40:21 ID:iHcKy1oG
乙でしたー
英雄は力を使い過ぎないように捕まえておかないといけないって大ダイも言ってた
494 :
487
:2022/10/18(火) 18:12:12 ID:4fjEjF0P
>>492
乙感謝です。
その心配が爆発した結果、加減ゼロでした
>>493
乙感謝です
女権国家世界では男性の英雄は直ぐにつかまりそうですけどね
495 :
名無しさん@狐板
:2022/10/31(月) 23:40:44 ID:pspxBtSB
女権国家2022年ハロウィンSS、悪戯の程度を主とした種族の価値観の違いを見誤った代償
このSSは本スレの作者様が掲載している女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@このSSの人間関係は主にこのSSないだけのものであり、あくまでも本編とは別のパラレルワールドです。
A陸八魔アルは完全に力を取り戻したのをイメージして書いています。
B本編に出ていないFGOキャラが出張っています
Cアドル神殿のオリジナル設定あり。
D愛歌様が穢れなき純潔の束縛に少し似た魔法を使う場面があります。一応女権国家内の王族だったからそういうことにしました。
町の喧騒が鳴り響き、良識的で子供に優しい男性たちにとっては地獄となる危険日のハロウィンの当日憂鬱な表情で船に揺られる男がいた。赤いバンダナを頭に巻き、全身を青いジーンズに身を包んだ人物、横島忠夫だ。
彼はとてつもなく情けない様子で戻ってきてほしくないテストの答案が返ってくる授業が始まる前の時計を見ている小学生の様な様子で海の光景を見ている。
物思いに沈む彼の背後から黒いひげを伸ばした巨漢が忍び寄ってきた。いかつい顔を全身を包む筋肉とその筋肉に着いた幾つもの傷が引き立てている。彼は横島の様子を観察ししばらくすると表情を崩壊させてだらしない笑みを浮かべ、オタクが上げる様な声を出した。
「横島殿、どんなに見ていても船は進むし女権国家本土への帰還の距離は変わりませんぞ。デュフフ」
「ティーチ船長、俺に見たくない現実を突きつけるのやめてくれませんか。それより船長の仕事は」
「本日の業務終了。横島殿の様子を見ることが最終業務でしたぞ。占いの結果と共に見てみて、霊感に触れる所がないということは女権国家首都への帰還までトラブルが起きる可能性極めて低し、
よって残りの五日間は存分にエロ同人やエロゲーの数々を見ることができるでござるよ、デュフフフフフフフー!」
横島は男性の目から見てもキモイ笑い声を上げる船長を殴り飛ばしたい衝動を抑え込みながらここ数日の成果に着いて思いをはせた。 横島は陸八魔アルの会社を手伝う形で諜報員の仕事をこなす様になり、
有能な所はあってもダメな部分で損をしやすい彼女を補い会社を軌道に乗せてきた。彼が引き受けた難易度の高い悪霊払いからの報酬で事業を再開し、横島がアルを補うことでかなりの利益を上げることができる状態になっている。
彼女は大金を得るようになってからは自分の配下を増やすと評して会社を傾けない範囲で慈善活動をすることが多い。
今回の黒髭ことティーチによる一月近い航海もその一環だ。ハロウィンを満足に祝えない地域の人々にお菓子や食料を大量に買い付け支給するという国内航海の日々は本当に、横島にとっては大仕事だった。
ハロウィンが近いゆえに色々な怪異が出てくるので、船旅の安心を求める船員たちの為に霊能者である彼の乗船が求められた。 去年は彼女一人で大丈夫かと思い気が気でなかったが、
頭脳明晰なアリスや愛歌、そして古くから彼女を知る沙穂が監視して愚かなことはさせないと約束してもらって、出てそれを見事に果たしてもらった。そして今年のアル社長は去年とは比べ物にならない程有能になっている。
そういう意味では彼は微塵も心配していない。だが、彼女達との情事を思い出すと気持ちよいとは思うが憂鬱な気分にはなる。王国男子としての男性優位の性行為を望む心と誇りが悲鳴をあげているのだ。そこまで考えると彼はティーチに向けて声をかけた。
「船長、確か布教用に幾つも男性優位の純愛エロゲーや同人誌持ってましたよね。俺にくれませんか? 残りの数日仕事がないに等しいみたいだから満喫したいので」
その言葉に関するティーチの返答は辛うじて身内のじゃれあいで済むレベルの殴打だった。
「バカ!バカ!横島殿の贅沢もの! 純愛してくれる女性がいるくせにまだ男性優位同人欲しいとか、実績と財産と有能な遺伝子だけを狙う女としか関係持ててない拙者に謝るでござる!」
横島もティーチに殴られると直ぐに殴り返した。
「女権国家出身で女性に攻められるのも好きなあんたと違って、ワイは王国男子なんや。いくら純愛でも男の誇りが砕ける様な性交ばっかされたら多少は嫌になるわ!」
辛うじてじゃれあいと思える二人の殴り合いを見て船員たちの緊張が一気に下がったのを横島は感じた。 そしてこの殴り合いも多少計算しているのでは?という考えが浮かぶ。 この後、ティーチは女権国家の本土の港で数日休んだ後長期航海に移るらしい。
そのために緊張を解いてよい局面に来たからこそ、こういう真似をしたのではないだろうか。 他の船員たちも船長と横島は危険が去っていないときはお互いの体力を温存させることに気を使うから二人がくだらない喧嘩をすると本当に山を越えた気になると言っていた。
恐らくはティーチの狙い通りに船員たちが必要最低限の警戒を残しつつリラックス状態に入るのを見て横島は、船長としては本当に有能だと思う。
彼と半分くらいはじゃれあいめいた殴り合いをしながらこの男は本当に特殊な出自をしていると感じる。
女権国家では珍しい男の船乗りであり、法に反した悪党限定の海賊を狩る海賊の様な好意をする船に彼は一時期乗っていたそうだ。男性がそんなことできるわけないと考える女性が多いためか、
冗談だと思われているようだが多分本当だと横島は思う。彼の戦闘力なら悪ではあってもある程度道義わきまえたアウトローの上役を持てばそれも不可能ではないだろう。
巨漢の黒ひげの拳を受けるとどうにか懐に潜り込み殴りつける様な訓練とじゃれあいの中間の様な殴り合いはしばらくするとティーチの方から切った。
「横島殿、すまんかったでござる。 確かに女権国家の女生との性行為は王国男子にはきついでしょうな」
「わかればいいんや」
「お詫びと言っては何ですが、要望通り男性優位のエロゲーをお貸しましょう。やはり二次元が最高ですな。自分のペースでしたいだけできるし、嫌がってやめてというと余計に昂ったりもしないし」
「それは女権国家の女性だろう。王国の夫婦関係は大体が男性優位だぞ。亡命したらどうだ。お前くらい有能なら海軍で出世できると思うぞ」
「それも悪くないとは思いますが、拙者女権国家の男性たちに義理がある相手もおりますので」
ティーチの言葉を聞きながらこういう義理堅さも持っているからこそ、二つ名を得るほどの船長となったのだろうと感じる。ティーチに誘われ、彼の自室に行くと山ほどのオタクグッズのある部屋が待っていた。
綺麗ではないが不思議とリラックスできる散らかりようをする部屋に入りソファーに腰掛けるとティーチが色々なゲームを渡してきた。
「最近は色々なエロゲーにも色々あるんやなアクションやら、シミューレションからRPGとかなんでもござれやな」
「デュフフもちろんであります。自分としては異世界が部隊の男性優位エロが好きですな。女権国家が部隊の話で男性優位だとリアリティがなさすぎますぞ」
「それはワイもわかるわ」
答えながら横島はすっかりプライベートモードに戻されてしまったと思った。公私をきちんと分けているが勤務時間が終わったり船から降りると彼とティーチは悪友に近いような感覚になる。
普段は勤務時間が終わるまではそうならないが、今回はティーチの殴打がきっかけでそうなってしまった。
496 :
名無しさん@狐板
:2022/10/31(月) 23:42:38 ID:pspxBtSB
ティーチと横島は二人ともゲームの腕は高い。ティーチが横島に渡してきたゲームは『紅いの月下の城』という男性優位世界を舞台にしたゴシックホラーアクションゲームだ。
内容は人格者な善良な女性の冒険者たちが外道な魔王が率いる魔の土地に乗り込み、敗れると凌辱されたりあるいはサキュバスなどに転じさせられて男を貪り嫐り尽くすというものらしい。
エロだけではなくアクションゲームとしてのクオリティと難易度も高い。そしてサキュバス化した時の男を貪り尽くすシーンは男性責めのSシチュゲームなのに女権国家らしいマゾ男性向けのものなのとティーチが言った。
「ティーチなんでこのゲーム俺がクリアしなきゃいけないんだ? 俺は純愛男性ゲームがしたいんだが」
「それが拙者このゲームの詳細な資料とかを制作サイトで見たらヒロイン達が良い子過ぎて、ゲームオーバーとかのシーン見るのがきつくなってしまったでござる。
説明書にある設定読んだだけの時はそんなでもなかったのですがな。 クリア後に読破推奨と書いてあったのを読んだ結果がこれです。 だから説明書しか読んでない貴方にお願いしたいのです」
「ああ。分かった一応他のゲームも貸してもらうわけだからな。ゲームオーバーシーンの残酷シーンは見なくていいから、俺のプレイ見てコツを掴んだら自分でやれよ」
悪霊や妖怪などの退治を請け負う男性の船乗りのみで構成された特殊船団の団長をアル社長に任され、黒髭などという二つ名を持っていながら、こういう所では妙に小心な所もある。最も横島がいなければ嫌がりつつも一人でクリアするまで頑張ったのだろうが。
こんな風には見えるが彼の船乗りとしての実力は本当に凄い。船は女性でありその船に宿る神により強い加護をもらうために男性だけの船乗りで構成されたこの船団で彼の式力と決断力に助けられた回数は数えきれない。
基本的に女権国家の男同士は結束が強く、同性への殺害などは他国よりも忌避感が強い。 それはティーチも例外ではない。だが、横島がいなければ周りに災いを振りまく呪いを運悪くもらった部下を、即断で射殺しようとした時の彼の、
速度はすさまじいものがあった。冷酷なわけではなく、本当にそれが最善だと思ったからこそそれをやろうとしたのは本気で命の扱いに慣れている軍の高官を連想させた。 その時横島が到着するのが後数秒遅かったらその男性は死んでいただろう。
横島が彼を助けた時に、本当によかったと言って喜んだティーチの姿を見るとあれほど大切に思う部下も場合によっては殺さなければならないのが戦闘を生業とする職業なのだと実感させられた。
それくらいでなければ船の神の加護が強くなる代わりに男性しかいない船というリスクも大きくなる船の船長などはできないだろうから当然とも思える。今度、暇があったら大鳳もこの船に連れてきてやろうかとも横島は思った。大鳳の能力なら安全だろうし、女性のいない空間でリラックスできるかもしれない。
そこまで考えつつ、横島はティーチに頼まれたゲームを始めた。最初は攻略のコツをティーチが掴んだらすぐやめて、他のゲームを貸してもらうつもりだったが、思いのほかストーリなどのクオリティも高くのめりこみ始めてしまい、あっという間に女権国家本土への入港の日が訪れた。
入港の日当日横島とティーチは戦友の様に手をたたき合いながら最高のハイテンションで叫んでいた。
「ティーチ、俺にこのゲーム紹介してくれてありがとな! 〇〇(ゲームのヒロイン)ちゃん最高!」
「拙者も感謝しておりますぞ。設定資料読んでヒロインをひどい目に合わせることにチキンになった拙者の代わりにクリアしてくれてこれこそ××ちゃんと▲▲ちゃんのエンディングを見せてくれてありがとうでござる!これこそ男の友情ですなデュフフ」
「□□ちゃんも凄かったわ」
そういいながら横島は、クリア後に閲覧推奨という制作サイトの設定資料を見てテンションを上げていた。そんな彼を見ながらティーチは言う。
「実を言うとゲームや小説の物語は、異世界で本当に起こったことだという説もありますな。それを捕らえて書いているのが小説家などのクリエイターだと」
「それがどうかしたんか」
「そこで横島殿、我らも異世界転生狙ってみませぬか?」
それを聞くと横島の顔が怪訝なものに変わった。
「ティーチお前はそういうことに関しては冗談言うタイプじゃないのはわかるがどういうことだ?」
「簡単なことですぞ! アドル神殿の熱心な信徒や悪行より善行の方が勝っている者たちが死後に行ける『終わりなき自由冒険都市』そこはアドル殿が男性優位の土地に転生させたりさせてくれる場所ですぞ」
「まあそうだな」
「そこには善行を積んだ一流の霊能力者や魔術師も多いのですぞ! 彼らはスペシャリストですから、異世界息の呪文などの研究も一流のはず。彼らと共に異世界行き用の呪文を探すのですぞ。 こういうのに興味ない方々も横島殿の文珠を対価に差し出せば手を貸してくれるはず」
「それいいな! 今俺の周りにいてくれる女の子たちだって大好きだし不義理する気はない。だから今生は彼女たちに尽くしきって、来世はこのゲームの世界にゴーてか」
「ダメでも男性優位の土地には転生できるでしょう。善行を積みまくればこのゲームみたいなプレイもできる土地を選ばせてくれるはず」
「よしやろう! ただし異世界への転生方法見つけても○○ちゃんと□□ちゃんはお前にやらんぞ」
「拙者の好みは××ちゃんと▲▲ちゃんですから心配はいりませんぞ。今の想いと素質を持って転生しないといけませんな」
そんなテンションを上げる二人を天井の柱に腰掛けた人形と、赤い目をしたコウモリと多くの虫が見下ろしていた。
横島の済むアパートそこに見目麗しい女性達が一堂に会していた。彼女たちはそれを映像を見終わった後、人形めいた美を誇る女性アリスが口を開いた。
「忠夫がああいう所に転生行したいっていうのもしょうがないわね。男性にもマリッジブルーはあるものだし」
女権国家の男性なら彼女たちの反応を意外に思うかもしれないが、彼女たちは人間の死生観などを横島と付き合うために勉強をした。そして横島だけではなく大半の人間が、
輪廻転生を経れば次は別人だからこそ、今生では全力で生きると考えていることを知っている。そして自分たちの恋愛観を伝えずに付き合ったという自覚していた。だからこそ来世もそのまた来世も永遠に自分たちのモノでいてほしいという考えはあっても、
横島が戯れ半分で自分たち以外の相手との結婚計画を立てたくらいで、怒るほど狭量ではない。半ば来世でも付き合い続ける約束をしたのも同然の愛歌も怒っている様子はない。彼女が来世までついてくることも彼は了承しているのだ。
横島が愛歌の事を口に出さなかったのは言うまでもないことだからなのは明らかだ。
そういいながらもアリスは強い情欲の宿った目で口を開いた。
497 :
名無しさん@狐板
:2022/10/31(月) 23:43:40 ID:pspxBtSB
「私たちの魅力にやられて人間を捨てて私たちに可愛がられ続けたいって、思想になったり、来世もそのまた来世も私たちのモノでいたいって思想にするように頑張らなきゃいけないわね」
アリスの言葉に陸八魔アルが頷いた。彼女は善良さにあふれた笑顔で言う。
「そうね。自分の恋愛観を隠して付き合った以上は、ちゃんと向こうに私たちの魅力で参ってもらわなくちゃ」
アルの声にはかつてとは違いその言葉にはどこから魅惑的で恐ろしい響きがある。
「男性優位の性行為がしたいというのは王国男子の本能だからな。まあ、できなくなっても別に良い、とあいつが思うくらいに幸せにしてやらなければな」
エヴァの言葉には、横島が心からぞっこんになっていた架空のヒロイン達への嫉妬が混じっている。彼女は不機嫌さとばつの悪さが混じった様な声音で言葉を続ける。
「どうも、私は自分が思ったより狭量な様だ。ゲームの中の女に嫉妬するとわな……。それもこんな盗聴めいた真似をしておいてか」
「しょうがないよお兄ちゃんが魅力的すぎるんだもの」
エヴァを慰めつつヴィヴィオは負の感情のない笑みを浮かべながら、どうやって彼の来世も含めて永劫に自分のものにするか考えているようだ。 しばらくするとアルが携帯電話を取り出し大鳳に電話をかけた。
「もしもし、大鳳くん。少しお願いがあるの。前の借りを完済したことにするから、あの施設の使用権を一回譲ってくれない? ええ。忠夫にひどいこととかするわけないでしょう。 不義理とかされたりもしていないわ。 そう、ありがとう」
彼女は電話を切ると好きな男を落とす策謀が成功しそうな女権国家の女性が浮かべる笑みを浮かべ、横島が帰ってくる日に印がつけられたカレンダーを楽しそうに眺め始めた
女権国家の本土に船が停泊をすると、横島はようやく陸に戻ってきたと感じた辺り一面が、ハロウィン一色になっているのを見て、彼は今回の航海も悪くなかったと思えた。多くの食事などに困っている人々を助けることができたし、
邪心のない子供たちも喜んでくれた。ティーチも子供たちに対しては純粋に甘い。そういうところがあるから彼と妙に気が合うのかもしれないと彼は思った。
船から降りる準備をしていると、ティーチが彼に声をかけてきた。
「横島殿、大鳳きゅんは元気かよく見ていて拙者に報告してほしいでござる。彼なら男でも拙者別に構わないレベルですからデュフフ」
「冗談でもやめとけ、翼さんあたりに聞かれたら殺されるぞ」
ティーチは無力な子供には無条件に甘いが大鳳に対しては特に甘かった。彼の父である提督を深く尊敬しているようだ。もしかしたら提督の部下だった海軍の士官と女権国家の女性の子供なのか、
あるいは敵として提督に敬意を持っていたストレリチア気質の女性軍人の子供だったのかなどと彼の素性を想像させられたものだ。戦争のルールを守っていた提督に対して篭絡部隊が取った手段を知った時は本気で彼は恐ろしい気を発した。
そしてその部隊に命令を出した女権国家の幹部を捕らえた時の彼は本当に恐ろしかったものだ。銃でその女の頭ぎりぎりを威嚇射撃で射抜き低くよく通る声で脅迫の言葉を紡いだ。
「今ここには神はいない。いるのは悪魔(俺)だけだ。 どういう理由でああいうことをやったのか、白状しやがれ。 言っておくが嘘だと感じたら、殺すなんて言わねぇ、
死んだ方がましな痛みを与えて夜明けまでいかしてやる。白状の報酬が助命から介錯に代わる前に吐け、俺は女権国家人だから彼らに迷惑はかからねぇぞ」
なおも渋る彼女にさらに彼は言葉を続ける。
「情報を吐き出させられそうな候補は後二人いる。 お前の死体を見せりゃ他の二人も物分かりが良くなるだろう」
彼の声音とやり取りを聞いた時、横島は普段はふざけていても女権国家という男が上り詰め辛い場所で海賊の船長まで上り詰めた男なのだと感じた。
その女の自白を聞き無理やりやらされていたことが分かると、協定違反の方法で篭絡したことをちゃんと話して戦争犯罪人として裁きを受けることを約束させて彼女を解放した。口約束だったのに彼女が守ったのは、
上層部に対する手掛かりは自分からは出てこない状態だというのもあったのだろうが、一番は黒髭の二つ名を持つ彼の眼と声音がトラウマになったからだろうと、横島は思っている。
過去の記憶を思い返した後、黒髭は笑いながら、横島に言う。
「大鳳きゅんの好感度を稼ぐために拙者頑張りましたが、提督殿はあんな見目麗しい男の娘を産んでくれるわ、拙者の両親も助けてくれるわ、いくら感謝してもたりませんな。拙者キャル殿と大鳳キュンの間に挟まりたいでござる」
彼の発言はふざけている時は、どの発言も冗談か本気かわからない。少し呆れつつ横島も言葉を返す。
「ふざけるのはそれくらいにしておけ。それじゃあ俺も帰るとするわ」
「むろんでござるな。大鳳キュンにとって大災害みたいな日が占いで出たら教えてくだされ、拙者いつでも駆けつけるでござるよ。それか逃がした方が良い時は拙者が船に乗せて一時的に高跳びさせて差し上げても良いですぞ」
ふざけつつも大鳳がやばい時は本気で助けてくれるであろう彼に礼を言いつつ、横島はハロウィンの街に繰り出した。彼が街を歩くとトリック・オア・トリートの声が山ほど来て、
自宅に戻る前には全てのお菓子を使い切ってしまった。最も今回は各地の名産品のお菓子が自宅についているからユウキたちにはそれを渡すつもりだ。
不意に後ろから聞きなれた声をかけられた。
「忠夫、トリック・オア・トリート」
振り返ると魔女であるアリスと契約してインプモードになっているユウキの姿があった。彼女の様子に微笑ましいものを感じながらも、横島は答える。
「すまん。子供たちに群がられすぎて完全に空っぽだ。 後で家に帰ってお菓子渡すは」
彼の言葉にユウキも笑顔で答える。
「だろうね。 でもお菓子ないんだから僕の悪戯に付き合ってくれない?」
そういうとユウキが指をさした先にカフェD4Cが現れている。若干嫌な予感を覚えつつ彼はいくことにした。 過去に大鳳にイフの世界線を見せられたことがあるこの店は基本的に有益なことが起こりやすい。
自分が犯した失敗のイフを見たり、あるいは記憶に残る官能的な体験をさせられたりした。この施設に通った後は基本的に運気が上向きになったり、あるいは冴えた選択が頭の中に浮かんだりすることが多い。
大鳳に支払いを済ませてもらってまた自分に、何かをさせようというのだろう。
彼が部屋に入ると、エヴァ、アリス、愛歌、ヴィヴィオ、アル、リグルと彼と親しい女性が集合していた。彼女たちはいっせいにトリック・オア・トリートと言ってきたが、彼はユウキに伝えたのと同じ返事を返した。
その言葉にアリスが満面の笑みで答えた。
「それじゃあ私たちの悪戯に付き合ってね。これから行くのは忠夫が転生したいと言っていた、世界に転生して私達もついてった場合のイフの世界よ」
アリスの言葉を聞き、眠気が襲ってくると何度か体験したイフの世界への扉が開いた音思って彼は意識を手放した。
498 :
名無しさん@狐板
:2022/10/31(月) 23:44:56 ID:pspxBtSB
紅の月の下に映える夜に合わせて作られたような城の眼前に青で統一された衣服に身を包み、翡翠色の蛍の光を思わせる日本刀を構えた男がいた。そしてその横には黒い衣装に身を包んみ長い髪をたなびかせた少女がいる。
彼らの眼前には多くの死霊の軍隊が槍や斧、剣を構えひしめき合っている。彼は一足飛びに駆け込むと翡翠色の光を放つ日本刀で隊長格らしき死霊の剣士に切り込む。澄んだ金属音が夜空に響き、
隊長格の死霊は一太刀の切りあいで自分の方が剣士として劣っていると察すると、他の死霊たちに指示を出そうとした。
その刹那に、彼のもう片方の腕から青く光る霊波刀が出現し、目の前の死霊の計算を崩した。一刀流から不意に二刀流に切り替えられ一気に劣勢になった死霊の隊長を援護するか否か悩んだ死霊たちの群れはその刹那の逡巡に付け込まれ黒い髪の女剣士に切り込まれた。
僅かに遅れたとはいえ、鈍いというには酷な遅れが招いた陣形の乱れの隙をつくように、黒女剣士が飛び込み剣を振るうと次の瞬間には死霊の群れは冥府へと帰っていた。
部下の死を見た隊長は躊躇わず相打ち狙いの剣を放ったが、青い服の男はそれを正面から受け止め、恐怖を爆発力に変えたような力で押し返し、鍔迫り合いで距離を取ると、霊波刀を手甲の様に変えると死霊を殴り冥府へと返した。
殴り倒された死霊が青い光を放ち冥府に戻ったのを確認すると、彼はほっとした様子で息を整えた。何かを思案する様子の彼を見てユウキが声をかけてきた。
「忠夫、どうしたの何か気になる?」
「なんというか違和感が凄いんだ。 何に違和感を覚えているのか俺にも分らんな。ユウキ、今回の依頼は悪魔や邪神を崇拝する集団が引き起こした事態でそれを解決するために来たが、召喚されたのは魔王ベリアル。そして闇の福音エヴァンジェリンだったよな?」
「うん、そうだね。それがどうかした」
「自分でもなぜかはわからんが、なんかそんな奴らじゃなかった気が。もっとこう女性を監禁して輪姦させた挙句魔物と化した信徒の孕ませ袋にしようとしたり(そんなことやろうとしたら俺がもっと早く乗り込んでいたが)罪のない弱者を虐殺しようとしたり」
「罪のない弱者は虐殺されてるでしょ?」
怪訝な顔で首を傾げるユウキに横島も自分の発言に違和感を持ちながら答える
「あ、ああそうだな。なぜかされているって前情報で知っていたのに、されていない気がした。良くわからんな。 しかし、ここの魔王本当にどういう連中なんだろう。
あっちこっちから女性を捕らえてサキュバスとか男を嫐る女性に変えているようだし。それにサキュバスとかの男女魔物に変えられたものは他のサキュバスとかより強いみたいだしな」
「忠夫、多分だけど僕と忠夫の前世の世界から来た奴らだよこれ」
それを聞くと、横島の顔に不安が走った。
「確か一般の女性すら他国では閨の中であらゆる男を圧倒するとか言う女権国家のか」
「うん。他国ではどんな女性にも勝てる性魔術の達人な男でも一般市民の女性にすらベッドの中で勝てないやばい国だよ」
「あ、ああそうか」
横島は前世で幼馴染だったらしい、子供の頃から訓練をつけてくれたこのインプとの日々を思い出した。 稽古で負けたら襲っても良いと言われ、負けるたびに犯された日々。
その中で最も印象深かったのは、精通を迎えた13歳の日だった。その日の稽古の内容はこうだった。横島が彼女と同じく前世からの付き合いらしい鍛冶師でもあるリグルからもらった、
刀を振るい、ユウキと共に修行をつけてくれている、愛歌の前で稽古をしていた時、初めてユウキの本気を引き出すくらいの健闘をした後、次の瞬間彼の手にあった刀は弾き飛ばされた。そして彼を弾き飛ばした後、ユウキは笑いながら服を脱ぎ始める。
「忠夫、剣の稽古で負けたら襲っていいって言ったよね。それは、女性の方にも適応されるんだよ」
「は」
この世界は一部の例外を除いて性行為は男性優位のもの。横島にしてみれば、嬉しいことでしかない。その甘すぎる考えが断ち切られたのは性行為が始まってすぐだった。
ユウキが隠れ巨乳な姿を見せた直後にそそり立った分身を挟むと彼の分身はあっさりと果ててしまった。白い精液はインプでもあるユウキの体の中に吸収されていく。彼女は笑いながら言う。
「前世より夜の耐久力低いね。神様も惨いことするね。英雄になれるくらい実力はあるのん夜がこれじゃ女の子たち幻滅だよ。 本当にかわいそう」
可哀そう発言で自分の男の中の何かが折れる音が聞こえつつ、精液が完全に彼女の体に吸収されると一気に自分の霊気が下がり逆にユウキが膨れ上がった感じがした。
「ほらサキュバスとかの誘惑に負けるとこうなっちゃうぞ。もうこうなったら詰みたからね」
「あ、ああ」
「愛歌、忠夫にあれお願い」
振り返ると愛歌はいつの間にか服を脱いでいた彼女は幼さが残っていながら官能的な美術の彫像を思わせる肢体をさらしながら彼に近づいてくる。
立ち上がろうとしてもユウキの胸で抜かれた脱力感で彼は動けない。愛歌は笑いながら、魔女を思わせる笑みを浮かべて彼の上に腰を下ろし分身を飲み込んだ。
「〜〜!」
明確な言葉にならない悲鳴と泣き声の間の様な奇声を発する彼に愛歌は口づけすると愛おしそうに両目を閉じて舌を絡めてくる。彼女の舌が口内や彼の舌を押すたびに分身からは精液が発射され、
目からは涙が吹き出る。愛歌は彼女との長い口づけを終わると自分の体に何かが刻まれた感覚がした。愛歌は笑いながら言う。
「私は貴方の前世がいた異世界の国の王女で魔術に通じていたの。今のは『雄々しき獅子の祝福』。 これを受けた男性はどんなに凄い快楽漬けにされても、勇気や正義の心を失なわないの」
「そ、そうなんですか」
「ええ。男性を堕とすべきって思想の敵国と戦った時、男性の勇士を達が向こうの女性達に堕とされない様にするうえで一定の効果があったわ。
でも男性優位の性行為とかを求める心とかもそのままにすると分かったら、嫐ることに使えるとみなされてそういう風な楽しみ方をし始めるものが出てきて、戦況が不利になった時は全ての技術を消失させたわ」
「そ、それを俺に」
「ええ。貴方は将来サキュバスとかに襲われそうだからね。正義の心が失わなければ私やリグルやユウキたちが救出してあげるから」
それを愛歌は満足した様子で彼から離れた。 かなり強い魔法を使ったはずなのに彼女の霊力は前より上がっている。それも彼から霊力を吸い取ったからだろう。
倒れそうになる彼をユウキが胸の中に抱き留める様に支えた。
「それじゃあこっから先は僕の番だね♪ 忠夫、サキュバスとかに負けるとどうなるか体で覚えちゃおうか♪」
ユウキに女性優位の性行為をされながら横島は自分の精神が危ないと思った。『雄々しき獅子の祝福』を受けてからは彼は男性優位の性行為を求める心が僅かたりとも衰えない為に、
逆に女性優位の性行為をされた時の精神のダメージに慣れがこないのだ。それでいてその女性に負けている屈辱がもたらす性的快感や背徳感は記憶に刻まれていく。
499 :
名無しさん@狐板
:2022/10/31(月) 23:46:06 ID:pspxBtSB
それ彼の稽古では負けたら逆レと言われる度に分身が硬化してしまい、まともに戦えない事すら多かった。
愛歌とユウキ時にはリグルも混じって嫐られた時のことを思い返しながら、彼はリグルに打ってもらった刀である蛍守(ほたるもり)を構え前に進む準備を進めた。
「と、とにかく行くぞ、ユウキ。リグルちゃんも今回は義理立て上、向こうに着くといっとたしな。向こうがこれ以上虐殺とかするようなら敵対すると言っていてくれたがそれも望めそうにない」
「そうだね。忠夫一緒に頑張ろう」
頷き迷わず城に入った二人を最初に迎え入れたのは美術的な品が山ほどある、美術館と劇場を足して二で割ったようなホールだった。そこにから多くの人形が武器などを持って襲い掛かってきた。
横島の背中に嫌な寒気を走らせたのは自分をかつて貪った愛歌やユウキに似た人形が出てきたときもあったことだ。そして明らかに色欲に溺れ彼女たちの犬となったような自分の人形が出てきたとき、
彼はその人形と戦うと断片的にその人形が味わった快楽が思い出され動くことができなくなりそうになる。 痛いほどに強張ってきた分身に参りながらユウキを見る。彼女は横島の視線による懇願に気づくと笑顔で答えた。
「もう少しで結界にある場所があるからそこで鎮めてあげるよ」
「あ、ああ」
その言葉が終わるより先に今までの敵とは一線を隔す横島にそっくりな人形が再び彼に襲い掛かってきた。 その人形との戦いは防戦一方と言っても良い形だった。目の前の人形が彼を殺すつもりだったら直ぐに勝負はついていただろう。
だが彼が武器を受けるたびに前世の記憶などが流れ込んできて、
次々と霊気の使い方などがひらめく代償とでも言うように、前世での閨の記憶も蘇ってきた。立つことすら困難になった時、その人形が動きを止め、女王に使える衛兵の様に恭しく横に控えると、金色の髪をした魔女が現れた。
「久しぶり、いえ初めましてかしら忠夫」
「あ、貴女は前世の記憶が正しければアリスさん?」
「正解。 私は今回は魔王とかとの契約とは本当に関係ないから。ただ貴方に前世の力を取り戻させるついでに、少し貴方を味合わせてもらいに来ただけよ」
「そ、そんなことを言われても。 ああ!」
アリスの言葉を遮ろうとした直後に小さな彼の人形を複数の彼女が操る人形たちが愛撫し淫らな人形劇を演じていた。その人形が受けている愛撫を自分が受けているような感覚が走り動けない彼の両の頬を優しく手で挟みゆっくりといつの間にか現れていたベッドに引き倒す。
ユウキは止めるどころかアリスに近づいて何かをしようとしている。
「彼女本当に敵じゃないから。一時的に使い魔契約して、忠夫の前世の力を引き出すのに協力するね」
そういわれた後、彼は前世で自分が二人にされたらしい、女性優位の性行為の数々を何度もされた。本来なら動けない彼の体をアリスが霊力でできた糸で動かし、胸と尻のふくらみなどをこねさせ愛撫させる。
分身が二人の秘所や手や足で愛撫されている時点でもはや限界なのに、無理やりされるそれは限界を超えた快感という拷問に近かった。アリスは快楽が苦痛に変わる限界を見極め、その一歩手前と半歩過ぎを何度も行ったり来たりをさせてくる。
「忠夫、ほらこういう時は女性に愛撫して気持ちよくさせるのが殿方の勤めよ。痙攣してばかりだから手伝ってあげるわ。えい!」
「まって、アリスちゃんもうああー!」
射精して敏感になった分身を秘所で嫐りながらアリスは自分の胸とユウキのむねを同時に揉ませる。余計に大量の精液が出たのを見て笑うとそれを吸収し彼女はユウキと交代する。
「忠夫、前世より夜は弱いね。 前世の夜を再現する前に壊れないでね」
ユウキに飲み込まれ叫びながら彼は思う、ユウキはアリスの使い魔となったことで愛歌の時とは違う感じの能力を手に入れている。前世で自分が味わった快楽の再現力の高さだろう。本来なら限界を超えているのに、
前世の自分が耐えきった為に自分は耐えきれてしまう。それは必ずしもいいことではない。体が限界を迎えた時のギブアップができないということだ。
ユウキとアリスに絞り尽くされつつ、アリスがくれた薬湯を飲んだ彼はふらふらとふらつきながらも前に進んだ。次に待っていたのは、金髪でサイドポニーの髪形をしたオッドアイの女性が待っていた。彼女は横島を見ると、笑いながら声をかけてきた。
「久しぶりです忠夫。私は聖王ヴィヴィオ。貴方の前世の妻です」
「そうか。聖王ってことは今回の戦いに協力してくれるのか?」
「いえ。『貴方が負けてしまい。その後に二人が虐殺を等に走るようなら止めて見せます』ですがそれまでは基本的に傍観者です。もしも途中で悪魔達にその身を犯されたら戻ってきなさい。アリス達とは違う形で私が浄化してあげます」
「分かった協力感謝します聖王陛下」
返事を言い出ようとする彼にユウキが不意に声をかけてきた。
「忠夫、実は僕も少し調べなきゃいけないことがあるからいったん二手に分かれて良いかな?」
「ああ。なんか重要な事なんだろう。俺のことは心配すんな。存分に調べてこい」
そういい彼が進むと大きな階段がありそこから先は月の下に映える空中庭園があったその先を死霊たちを倒し進んでいくと、月の光を思わせる金色の髪をした吸血鬼がいた。少女でありながらその姿は他を圧倒する力が感じられる。
彼女は男を欲情させる吸血鬼特有の視線で彼を見ると反応してしまい恥じる彼を見て嗤った。
「愛歌とリグルの調教は大分行き届いているようだな。この姿の私にさえも欲情するとわな」
「しょ、しょうがないだろうが。そもそも吸血鬼は、魅了にも特化しとるらしいし抗えんわ。外道の所業の数々ここで裁いてやろう」
そういって彼が刀を抜き放ちかけた時、エヴァは一瞬で彼を倒していた。そして彼女は大人の姿へと転じ笑う。
「今生で随分と思い上がったようだな。前世に続き今も私のものだと思い知らせてやろうか」
そういってエヴァに血を吸われ押し倒された彼は散々に絞られた後でヴィヴィオの元へ返された。
ヴィヴィオは呆れモードの様な様子で笑いながら押し倒してくる。
「吸血鬼に汚された体は私と交わることで浄化されるのです。それでは聖王たる私の浄化を受けなさい」
ヴィヴィオに分身を加えこまれた瞬間に果てると彼女はあきれ果てたような声を上げた。
「ユウキが言っていたように本当に前世より夜が弱いですね。私も達しないと浄化できないから頑張りなさい」
「そ、そんな。ヴィヴィオ様、許してください」
「許すも何もこれは浄化ですから。ただし命令が一つ。閨の中では私に様づけしなさい。無様でかわいらしい声で多少は私の達するのも早まります」
そういいながらヴィヴィオは彼を両手両足で拘束する様に抱えこみ対面座位に持ち込むと顔に胸を押し付けながら前後してくる。無理やり胸に顔を埋めさせられ激しく動くたびに分身が何度も果てては蘇り繰り返され、彼が完全に倒れた時、ヴィヴィオもようやく達した。
500 :
名無しさん@狐板
:2022/10/31(月) 23:47:09 ID:pspxBtSB
「それでは回復が済んだから早く行きなさい。またあまりにも早く倒されてここに戻ってこないように」
その後も横島はリグルに一度徹底的に絞られただけで、魔王ベリアルことアルの元へ到着した。
赤い月の下の城主の間でやや桜色めいた赤い髪をした少女は高級なスーツに身を包み、彼を見下ろしている。彼は蛍守を構えると言った。
「お前が魔王ベリアル、またの名を陸八魔アルだったな」
「ええ」
彼女の妖艶さと多大な魔力の籠った声に、横島はひるむことなく言葉を返した。
「なぜこんなことをした? やはり召喚者の意向か?」
その問いにアルは意外な答えを返してきた。
「いえ、そもそも虐殺とかしたっていうのは嘘だから。神の名に懸けて誓いましょう私は嘘は言っていません。そして今から嘘をつかない約束の期間が終わりというまで嘘は一切言わないわ」
その言葉を聞き横島は完全に訳が分からなくなった。ベリアルは神の名においてした約束した以上嘘は言わないとある。彼女が言っていることは多分真実だ。
「それじゃあなぜこんなことを」
「実は前世の貴方と私夫婦だったのよ。その時のハロウィンが原因。トリック・オア・トリートでお菓子がなかったから、トリートを取ったの。だからそのトリートよこれは。悪戯を仕込んだのはその年のハロウィンだったから。そういえば今日もハロウィンだったわね。ほらこうなっているわ」
それを言い終えるとアルが手を振ると空中に映像が映し出されるそこには虐殺されたはずのこの地方の住民たちと、その住民たちを護るために戦って大半が戦死したはずの悪事を働いていない異教には寛大な騎士団の面々が酒盛りをしている。
子供たちは楽しそうにお菓子を頬張っているものが大半だ。
横島は完全に脱力しながら刀を鞘に納めた。
「よくわかった。終末思想の邪教団体がとんでもなくやばい実験をして何かを呼び出したってのも嘘か」
「いえ。それは本当よ。そいつら『紅いの月下の城本来の敵たち』は私達が倒して何とかしたわ。中々手ごわかったわ。シャレにならないくらい痛い思いも何回かしたし、本当に疲れたわ」
アルの実力を見て横島は思う。彼女が言っていることはすべて事実なら、恐らく自分とユウキの二人だけなら勝てないとまではいかなくても被害ゼロなど絶対不可能だったし、彼女たち程勝てる可能性は高くなかっただろう。
横島は悪霊祓いとして民衆の守護者の矜持は持っていたから頭を下げた。
「陸八魔アルさん。今回の悪戯本当に肝が冷えたけど、一応は俺の守るべき対象である領土の民を護ってくれてありがとうございます」
アルは子供の様な笑みを浮かべて答えた。
「ふふーんそうでしょう偉大でしょう。もっと褒めなさい」
横島は感謝の言葉を述べて彼女を褒めると彼女が不意に言葉をかけてきた。
「ユウキたちはもう了承済みなんだけど、今夜一晩相手してくれない」
「い、いいんですか?」
「それは了承ということね」
そういってアルにベッドに引き倒された彼は再びゆっくりと体を重ねられて一気に達した。アルの体がもたらしてくる快感はアリスのそれに近いが似て非なるところがある。アリスの快感はどこまでも怠惰な事ただそこにいるだけでいいと怠惰に溺れさせてくる糸の様な快楽がある。
アルの体はすさまじい快楽と共に色欲の中にある全ての欲望と隷属の快感がどんどんと注ぎ込まれてくるかのようだ。アルは笑いながらいつの間にか彼の上で腰を振りながら言う。
「忠夫、私が見せた虐殺映像、あの大半は特殊加工のものとか偽物だったけど、演技は本当に真に迫っていたでしょう」
「え、ええ。死骸なども凄かったけど、俺が騙された一番の理由は彼らの演技力です。特に民を護るために戦う兵士たちと、逃げる民たちの恐怖を感じている姿は本気で真に迫ってました」
「あんなに凄い演技だったのは戦いに関しては本気でやらせていたからよ。死にさえしなければ完治させられる状態にして、そして民たちにはこういったの。今から言うことは嘘だから」
「?」
怪訝な顔をする横島にアルは言った。
「これより虐殺を開始する。その悲鳴と生き延びようとあがく姿で私を楽しませなさい」
その言葉を聞いた瞬間、横島の背筋が凍った。絶対に嘘だと分かっているのに目の前のアルを倒すべき邪悪だと悪霊祓いしとしての義侠心が倒すべき相手だと告げている。ベリアルは呼び出されると、神の名によって本当のことを言うことを強要されないと嘘しか言わないとある。
そう記述されているのに騙されるものが後を絶たない理由が彼には分かった気がした。
そんな風に怯える彼をよそに彼女は言葉を続ける。
「実はあなたが私の中に放った精は虐殺するための魔法の魔力の元になるし、子が生まれたら多くのものを不幸にする闇の英雄となるのよ」
嘘だと分かっているのに本当にそうだと思えてきてしまい。彼の中で快楽に屈してはだめだという意識が本気で湧き上がってくるだが。仰向けの彼に彼女が体を押し付けると一その柔らかさに押しつぶされるような射精が起こり彼は一気に屈した。
そんな彼から彼女は離れ、足で分身を踏みつけながら笑う
「完全に屈服したわね。ほらほら射精まで間があったのに逃げなかったわね。貴方は大勢の民より、色欲の方が大事なんでしょう」
「主にここと」
乳房を彼に揉ませそののちに胸板で押しつぶしながら、屈服した情けなさに参る彼を笑いながら言う。
「そしてここと」
乳房についていた手を放させ自分の尻を無理やり握らせる。魔王の体がもたらす電撃の様な快楽が両腕に走り彼の分身が天を突くように立った。
「そしてこれにはさからえないんでしょう」
最後に再び横島の分身を秘所で飲み込み一気に彼を射精させた。
しばらくして意識を失った彼はリグルと愛歌とユウキに慰める様な性行為をされていた。
リグルがカマキリの雄の祝福をかけると食われる際には痛みを感じないカマキリの様な状態になり、屈辱などを感じなくなった彼の上で快楽の身を与えながらリグルは言う。
「忠夫大丈夫だよ。本当にそうだったら君は抗えていたから前世の時から共にいた僕は知っているよ。アルが本当はそんなことしないってわかっているから」
リグルはそういいながら彼に大量の射精をさせて雌の虫の様に大量の精を貪った。ユウキと愛歌とリグルの三人は彼を回復させることを楽しみ尽くしている。彼女たちの優しい女性優位の行為を受けているとアルにされた。自分が射精したら大量殺戮とか、
あるいはその子供たちで恐ろしい行為をするという本当としか思えない嘘を聞きながらも誘惑に負けて放った記憶の数々が蘇ってきた。 そしてそれが癖になっていることにも気づく。
彼を幼少期から支え鍛えてきた彼女たちはそれを見てささやく。
501 :
名無しさん@狐板
:2022/10/31(月) 23:49:12 ID:pspxBtSB
「別に恥ずかしいことじゃないわよ。魂レベルで恋人だったことを覚えているから、あれはただの恋人同士のプレイでしょう」
愛歌の言葉を聞いた瞬間自分は完全に女性優位の性行為のとりことなったことを思い出し、彼は完全に女性優位の性行為の虜となったことを自覚した。
来世のイフの世界から現在に帰還した横島は、自分が『カフェD4C』から自室に戻っていたことに気づいた。
そして衣服が脱がされており現実世界でも情事の後だったことを悟るそして。快楽のトラウマが強く根付く彼に滅多に見せない魔王としての威厳に満ちた様子のアルが言葉をかけてきた。
「忠夫、どうまだ来世であの世界に行って男性優位ハーレムしたい?」
「む、無理です皆さんが与えてくれる快楽が癖になって不可能です。アル様」
「そう。 軽い悪戯のつもりだったけど魔王の悪戯は人間には重すぎたわね」
明らかに確信犯でありながらすっとぼける彼女に横島は何も言わずに彼女が事後に好む抱きしめ方をした。上機嫌になる彼女をよそにこれは悪くないと思える。
明らかに裏の人間御用達の酒場で酒を飲むティーチの元に一人の女性が近づいてきた。
陸八魔アル。完全に力を取り戻した、彼女は笑いながらティーチに言う。
「ティーチ、約束通り貴方が来世に『紅いの月下の城』の世界を選ぶのならなるべく貴方の意がかなう様に協力することここに約束するわ」
「いやはや、横島殿も情が深い女達につかまっていてわ来世でサヨナラとか通るわけがありませんな。拙者、横島殿を生贄に『紅の月下の城』に転生してハーレム件をゲットでござる」
「貴方の言う通り、漫画とかの世界が異世界で本当に起こったことという学説が本当である可能性がある以上、あの世界に忠夫が言ったら帰ってこないかもしれないしね。
私達と同じくらい気持ちよくさせる体を持っている上に、演技じゃない男性優位の性行為までできるとか、本当に危ないわ」
「ゲームやってみて人間的にも魅力的なヒロインだとも思えたでござろう?」
「転生させたらあれくらいやらないと忠夫を取られる可能性がゼロではない、と思うくらいにはね」
そう答えながらアルはあれは限りなく似た世界だったのか、それとも本当にゲームの世界なのかと思ったが直ぐにやめた。そう考えるアルにティーチが不意に真面目な様子になり声をかけてくる。
「まあ、横島の奴も不義理とかしたわけじゃないが、それでも純愛をはぐくんだ以上は最後まで相手の女を幸せにしてやってほしいからな。 あんたらの様子見てりゃめったに見られない純粋な愛ってやつを見せてもらえている礼でもある。これで来世で彼を奪われる可能性も一つ減っただろう」
ティーチが横島を奪われる可能性のある先という話をして、自分たちに忠告をしてきたのは、横島の能力が便利すぎて来世が異世界に呼ばれる可能性もあるということだった。彼がこういうことをしたのは利益もあるが、
少なくとも彼は自分達と横島が純愛をはぐくんでいると評価しているためもあるのではないかと、アルは思う。彼は純愛など文学やネットの世界にしかないと、嘆いていた時期もあったらしい。だからこそ本当の純愛と言えるようなものを見た時は、
それを抱いている相手には敬意の念をもつ。そこまで考えてアルは詮索をやめた。言動は気持ち悪いオタクでも有能で義理堅い恋人の友人であることに変わりはない。
そう決めた彼女はティーチに礼を言い店を出た。彼が味方でいてくれるうちは自分たちは決して横島を不幸にはしていないのだろうという安心感が彼女の胸中にはあった。
502 :
名無しさん@狐板
:2022/10/31(月) 23:58:39 ID:fJx1vERw
乙
503 :
名無しさん@狐板
:2022/11/01(火) 00:08:03 ID:s+Hu995L
乙です
504 :
495
:2022/11/01(火) 00:23:12 ID:mi4QziEx
>>502
乙感謝です
>>503
乙感謝です
505 :
名無しさん@狐板
:2022/11/02(水) 12:56:44 ID:7VWq+k4m
乙ですー
506 :
495
:2022/11/02(水) 22:51:21 ID:TYzPKh+3
>>505
乙感謝です
507 :
名無しさん@狐板
:2022/11/22(火) 23:54:31 ID:H7mUDbkG
1.M男くんが数合わせで合コン呼ばれて、
2.ハチャメチャにレベル高い女性陣の1人となんか打ち解けて、
3.合コン終わりに其々カップルでアフターする流れになったんだけど、
4.なんかその打ち解けた娘に半ば強引にラブホに連れ込まれて、
5.最初はおっかなびっくり緊張しながら寄り添いつつ世間話してたんだけど、
6.蠱惑的な貌と開けた服の隙間から漂うむせるようなフェロモンにクラクラしてきて、
7.彼女の身体にむしゃぶりつき、言われるままに彼女の全身を舌でくまなく解していって、
8.夢見心地のまま対面座位で挿れさせてもらうんだけど、
9.挿れた瞬間に膣内がマグマのように熱く蕩けた淫肉にねっとりと締め付けられて、
10.ほぼ暴発同然に射精してトロ顔オホ声晒しながら見悶えて、
11.暫くしてちょっと落ち着いてから彼女の火照ってエロい姿をよく見てみたら、
12.角と尻尾生やしててどう見てもサキュバスですありがとうございました チクショーー!!!!!!
/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、::::V:::::ヘ::V/
,:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::l::::::::ヘ::V
,:::/::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::v::::::ヘ',:::::::::ヘ:!
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l/::/::::::,'::::::‖:::::::::::::::::::::N:::::::::V_,::: ',:::::::::::ム
,.イ:/:::::: f::__:/f::::::::::::::::::::::::l.,>'"´ヽ:::::!::::::::::::ハ
/.イ:::::::::::「:::::l``〜、、:::::::::::::! `ヾ_LL!:::::::::::::::
"´ f::::::::::::从:リ ヾ:l \:::::::::::::} ,.ィ爪沁 !:::::::::::::::!
{::::::::::::ヘ''"弌示坏 ヽ:::::::リ 乂少 ,1::::::::::::::!, もう逃げらんないよ♥
W::::::::::::ヘ 之ソ }::メ /:/:/:/: /.|::::::::::::::!::V
ミ 个 、ヾヾム /:/:/:/: " 、 u ,イ. .!:::::::::::::l..V:V ニチャァ
`ヽ, -=== - ≦. ̄ ̄V:::::::::::::Lヽ ` _ v7 ,イ ヽl:::::::::::::L,__v:V
``〜 ~"'〜.. V::::::::::::! > 。.,_ ゞ - // l!::::::::::::l `Y\
::... }::::::::::::| , { `≧=彡'" j乂:::::::::V .ハ. .\
. : l::::::::::::l./ ∧_,.斗zォ=r= - ミ_/ `ヽ:::::ヽ./ .V. . .ヽ
. : : :|:::::::::::l' ./く- ''" 彡}_」ミ  ̄ ア .\:::\ .V. . . .ヽ
...::: . : : : : :}::::::::::l .>/.:.:.:V ,.イ.:.:.N ./ v lミッ,、`''<. . . . Y
/ ./. _,Lユユム:::::::::l ./.:.:./ゝ≦ l.:.:.:.l!.ヽ / ヽ .V N ミh、::::::`ヽ、.}
/.,z彡ア/. . ..ム:::::::メ., '.:.:.:.ケ= - ィl.:.:.:.:N ~_,..斗、 .ヽ:.. i Y:::::::::::).!
. . : /-.く .//. . . ../::::/ , '.:.:.:.:.:.L __ .」.:.i.:.:l  ̄ .| \ ヽ.v ,.LLユ、:::::/.ム
. . : ::/ /::/. . . . . /:/.f /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄.:.:v.i.:.:k '' " ̄ .\:./ ,...z .マ=、
: ,.イ Y:::::::f. . . ../:/. . .l/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ll.:.f ij ヘ.r斥"_,斗 マv .V
ゝ、:::V. ./:::::/. . ../.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.! \;;;;ヒ"__,, } } }
`ヽ.f::::::f. . ...f.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:{ 。 ./;;;; ハ_ .ノ ム l
川:::l. . . .{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{.:.:! f;;;;;;;;;;;',ミ彡イ .l
.N:V. . .,V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:v.:! ,.. --ム;;;;;;;;;;;} /
.{. ヾ./.j.V.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ.:ヘ γ::::::::_{;;;;;;;;;;;;/ _,. イ
ハ./.:.:.〈.:.:ゝ、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./i.:.l.:.:.ゝ、 八:::,zゞイ;;;;; メ`'''"/
./.:.:.:.:.:.:.V.:.:.:.:> - -‐ ≦.:l.:.:.l.:.:.:.:.:≧‐-<;;;;;;;;;_,.イ.:.:.:\'
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508 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:06:19 ID:+zV8TJ62
女権国家SS失った力の代わりに得た物と前世の因縁との決着
このSSは本スレのスレ主様が連載している女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@
>>479
から
>>484
と
>>487
>>から
>>491
に投降したスポーツの日と化石の日SSの続編です。ファイナルファンタジーのU、V、とファイナルファンタジータクティクスの設定が使われています。
A呪いや祟りなどの設定が本編で語られる前に書いたので大分、本編とは違うかもしれません
B今回は横島以外のキャラクターで女権国家に出ていないキャラのエロシーンもあります。
C原作では巨乳でないキャラが巨乳AAがあるから巨乳になってます。
D本編で主人公である大鳳くんが受けた呪い穢れなき純潔の束縛を(女権国家の女性なりの)善意で使用するシーンがあります。
E女権国家に出ていないヒロインが横島ヒロインとして追加されています
Fラヴィアンというキャラが女権国家本編に出てこないキャラとくっついているうえに彼女の妹みたいな存在の半オリキャラがでてきます。その名前はオリジナルです
女権国家に出てきていない男性キャラクターと女性キャラクター出てきます。
ラビアンというシスターキャラは大鳳くん、横島、ジャギ様の誰かのヒロインになる可能性が高いけど、このSSでは敵を務めるキャラとくっついています。
巨乳AAはあるけど、原作では巨乳でないキャラが巨乳になってます。
女権国家の皇都、音一つ立つことすら稀な町はずれ、そこで明かり一つすら立たない、石畳のある街の夜道を懸命に駆ける、4人の美女たちがいた。 彼女たちの走り方は訓練された兵士のそれに近い。明らかに逃走の為に走ってはいるが、
それでも彼女たちの目には恐怖はあっても、混乱はなく、目には強い意志力が宿っている。多少でも霊能に対する知識があれば彼女達も一流のオカルト系の戦士だと一目で気づくだろう。金色の髪に豊満な体をしたシスターは不意に立ち止まると、
その細腕に似合わぬ鈍器めいた全てが鉄ごしらえの長い戦斧を取り出し、小枝でも扱うように扱い構えると言った。
「ラビアン、小蒔、フェイ、逃げなさい。ここは私が引き受けます」
そのシスターの言葉に双子としか思えない二人の黒髪のシスターの片方の女性が進み出て反論した。彼女の瞳にはこの四人の中でも特に折れない強い意志の光がその目に宿っている。ラビアンと呼ばれた彼女は決して引かない意思を持って声をあげた。
「待ってください。カーミラさんでも今の彼の相手はさすがに無理です」
ラビアンの絶対にここから逃げないと言う意思に金色の髪をしてその善良そうな人柄に似合わない妖艶さを持ったシスターは答えた。
「ええ、でも不可能ではありません。今この場所で最も生存率が高いのは私です。私達が全員逝ってしまったら、彼を止められるものはもう誰もいなくってしまうでしょう。 それに彼の使う武器で殺されたら、私ならもしかしたら蘇れるかもしれませんから。今夜は満月ですし」
カーミラの言葉に小蒔と呼ばれた東洋の衣装に身を包んだやや赤に近い茶色の髪をした少女が答えた。
「カーミラさん、早く逃げよう。貴女が殿を務めなくても逃げられる可能性は十分あるよ」
その言葉に彼女は首を横に振った。そして彼女は口を開けて、夜の一族の証である牙と、僅かに残った血液を見せると言う。
「一度バラバラに逃げて合流する際に、運良く外道の群れと私はあったのです。その者たちから殺さない程度に血を奪ったおかげで、夜の一族の超感覚が戻ってきました。だからこそわかります。彼は私達の居場所を既に捕えています」
「そ、そんな、あれだけ高価な逃亡用の霊具を幾つも使ったのにもう?」
小蒔の声には深い絶望が籠っていた。使った霊具の性能の高さを自分で確認したからこそ、既に自分たちを補足した相手の凄まじさが理解できてしまう。僅かに怯えの混じった彼女の声を断ち切るように、
先ほどまで無言で思案をしていたフェイと呼ばれた少女が、不意に弓矢を放った。機械すら思わせる正確無比で力強い矢が弾かれた音が鳴り、その音が鳴り響くと同時に、不吉を思わせる大きな霊気が辺りを包む。
演劇の舞台の幕が切り替わった様な感覚と共に、美しく不吉な赤い月に映える黒い外套と軍服に身を包んだ少年が現れる。彼女たちの想い人であると同時に、最悪の敵である魔人黒鉄アルト。
彼がその手に持っているものは赤い月と同じ霊気の光に包まれた東洋の魔剣村正。その剣でフェイの放った矢を叩き落した動作が彼女たちが決して死なないと確信していたからこそ放てた攻撃も彼を弱らせていないことを示している。
「アルトくん、考え直してくれないかな?」
自分の命を絶たれることもそうだが、それ以上にこれから彼がすることを止めたい一心の問いかけに、問われた少年は思う所はあるようだがそれでも躊躇いのない様子の澄んだ声で答えた。
「女権国家が過去に我が故郷に行った非道があった以上は、もはや和解の余地などない。戦いに敗れた対価として、我が呪いの成就の贄となれ」
カーミラが斧を構え三人を庇うように前にでるとラビアンは剣と弓どちらを使うか僅かに悩んだ末に弓を構えた。小蒔も恐らくは今夜もしくは生涯最後となるであろう一矢を放つ覚悟を決めると弓に最後の霊力を込め始める。
フェイが剣を抜いて入ろうとしたのをカーミラの声が止めた。
「やめておきなさい。ラビアンちゃんと比べて膂力と速さは上でも、貴女は経験が足りません。二人が援護の矢を乱射できた先ほどとは状況が違います」
言葉を終えると共に、ばねに弾かれたように飛び出したカーミラの戦斧を村正で受けたアルトはカーミラの連続攻撃を良く防ぎ下がっていく。
切りあいは激しいが勝敗は見えている。膂力はカーミラが僅かに勝るが、アルトの方が魔術と剣技の技巧は上だ。三人の弓矢の援護への警戒がなければカーミラは既に両断されているだろう。
刀と戦斧必ずしも優劣は武器にはない。だが小枝の様に戦斧を振り回せるという普通はありえない条件がある以上は、カーミラの重さも伴う連撃が勝つのが当たり前だ。
だが、アルトの持つ村正は妖刀として膨大な信仰を受け彼の術で強化されている。さらには霊力を通わせれば普通の刀ですらも大抵の鈍器系武器に勝らせるアルトの術までかかった状態だ。
真紅の月を思わせるアルトの刀が彼女に競り勝った。カーミラはそれを見据えながら辛うじてかわすと、広場の方に飛び去った。アルトは一瞬にも満たない逡巡の後、
三人を討たずカーミラの方を追いかけた。おそらくは三人が同時に最後の一矢を放ってきたら、それをかわしながら二人を討つことはできても、
カーミラが戦斧を投げてくると思ったのだろう。以前一度だけ見せた見事な戦斧の投擲が三人の命を救った。
アルトは三人の矢は無傷ではかわせないからこそ乱戦めいた状態を演じ二人に撃たせないようにしていた節もあった。カーミラは厄介な敵であると同時に三人の矢を防ぐ障害物でもあったのだ。
あそこで距離を取られては最後の力全てを振り絞った二人の一矢だけでなく、カーミラの最後の魔力を込めた戦斧の投擲まで飛んでくる。だからこそ、カーミラの方に距離を詰めることを選んだ。
乱戦に持ち込み彼女を盾にしながら切り捨てたらそれで勝ちは決まる。カーミラがいなくなれば三人が最後の霊力を込めた最後の一矢もさほど脅威ではない。
アルトとの戦いでカーミラに幾つかの幸運がこの時舞い込んでいた。カーミラは長命種であり、一つの技能をある程度まで高めると生に飽きをこさせないために色々な技の鍛錬をしてきていた。
中には使う可能性は低いが一応学ぶことは無意味とは言えない、と言う様な技も含まれている。 そして彼女はそういう技も余った時間で気が済むまで鍛え上げていた。
カーミラは戦争の斧の部分を外すボタンを押すと一気に戦斧を振りぬき斧の部分がアルトめがけて飛ぶようにした。
509 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:08:45 ID:+zV8TJ62
この時カーミラに舞い込んでいたもう一つの幸運は一時的に彼と共に戦い続けた時期があり、何度もピンチになったがこの技能を使った方が良いような場面は訪れていなかったことだ。
特別隠していたわけではなかったので、アルトはこの技を全く予想していなかった。完全に虚を突かれた彼は刀ではなく、右腕に凄まじい量の霊力を込めて無理やり受けた。
刀で防ぐよりは隙が少なかったが、傷こそできずとも左腕が僅かにしびれ、そして多めに霊力が削られた。
それを見越すとカーミラは鉄の棒と化したハルバードの鉄製の柄を棒術の棒として使い一気に打ちかかった。アルトの前で棒術を使ったことは何度かあったが、
それでもアルトにとっては戦斧を迎え撃つ準備をしていたため脳内の対処の遅れができ僅かに隙を作ってしまった。
本来ならアルトが有利な戦いだが、最初の僅かな隙がカーミラと彼の差を一時的に埋めている。アルトは棒術の乱舞を時には村正で受け、時には霊力で強化した手足で受け止めながら彼女の乱撃を捌く。
やや劣勢でありながらも、三人の最後の一矢をそれぞれ警戒しながらカーミラを盾に戦うあたりその駆け引きの上手さが分かる。
カーミラが最後の賭けに出たとしか思えない猛攻を仕掛けると、アルトは僅かに押されながら下がった。故意に作ったとは思えない大きな隙。
これすらも演技の可能性はある。だが、故意に作ったのだとしても、この隙は大きすぎる。カーミラは覚悟を決めて一気に大降りに降りかかった瞬間、アルトは笑った。
「我の勝ちだ。 やっと小振りではない一撃が来たな」
そういうとアルトは鉄ごしらえの鞘を引き抜くと大量の霊力を込めてカーミラの棒を狙ってたたきつけた。これだけの無茶な動きをすれば後の反動で彼もただでは済まない。今見せた一連の動きはそういうものだ。
彼女たちを殺せればしばらくは戦う必要はない。だからこそできた動きなのだろう。むちゃな一撃でそのカーミラの棒術的な動きが僅かに止まった瞬間、稲妻を思わせる赤い光を帯びた村正の斬撃が彼女に降りかかる。
どうにか棒で受けた物の、カーミラは弾き飛ばされてしまった。壁に激突した彼女にはほとんど霊力が残っていない。アルトの斬撃を防ぐために棒に霊気を込めすぎてしまった。
三人は彼女を死なせぬために即座に躊躇わず破邪の矢を放ったが、それも気休めとしかならないだろう。屋に霊力を込めすぎた小蒔は、自分が赤い月の出る空を見上げている状態になったことに気づく。霊力を込めすぎて倒れたのだろう。
カーミラの断末魔と血しぶきが舞う光景を目の当たりにすることを覚悟しながら彼女は起き上がる。しかしその予想に反し彼女の耳に届いたのはとてつもなく大きな澄んだ金属音だった。そしてその音と共に再びこの場の空気が切り替わった。
いかなる奇跡が起きたのか、そう思って何とか顔を上げると、アルトの赤い月を思わせる光に包まれた村正を、青いジーンズに身を固めた青年が受け止めていた。
その青年の腕に握られているのは優しく幻想的な癒しを連想させる少しだけ翡翠に似た光に包まれた刀が握られている。
黒鉄アルトはすさまじく不機嫌な顔をしている。そして彼は自分たちと共闘していた時に数回だけ見せた年相応の少年めいた言葉でしゃべった。
「忠助(ただすけ)殿。貴方もファルガバードの剣士でしょうなぜ邪魔をする。 僕は王国の出身じゃない。貴方方に迷惑は掛からない」
その問いに、忠助と呼ばれた男も不機嫌そうな声で応じた。
「ワイは高島忠助じゃない。前世はそうだったがな。今の俺は横島忠夫だ」
「それではなおのこと退きなさい。ファルガバードの者ではない貴方には関係ないでしょう」
その言葉に横島はすらすらと答えた。
「悪いがそうもいかん。暗黒剣ではないがファルガバードの技を使ってしまった。だからこそ前世の役職上やらねばならないことはやるようにしているんだ。前世と同じく、アルトで良いのか?
お前はファルガバードの住民や頼ってきた人たちが害された時に報復するのが役目だった。だが俺の役目は何だった?」
それを聞くとアルトは舌打ちしつつも、少しだけ面白そうに答えた。
「迫害などで居場所がなくなりファルガバードを頼ってきた者を護る剣となることでしたね。そして罪を悔いた者たちが不当なレベルの制裁を受けるようならそれを止める刃となること」
「ああ。彼女たちは報復対象ではあっても多分当人は何もしとらんのやろ?」
「ええ。その通りです彼女たちを殺すことで女権国家という国にかける呪いが完成します。だからこそ共闘の約束が終わった今夜、彼女たちを切ることでこの村正を完成させます」
言い終わった瞬間、横島が拳を繰り出した。翡翠色の霊気の込められたそれをアルトの赤い光を帯びた腕が止める。
「責めているんですか」
「いや、ファルガバードの剣士だった前世の記憶もある以上。お前は道義的に悪いことはしてないのはわかる」
ここまで言うと彼は距離を取り振りかぶって言う。
「ただ怒っているだけだ。自分に惚れてくれている女たちを報復の剣を作る材料みたいな目で見ていることにな。しかもそれやっているのは一時期弟子だった弟分やぞ」
横島の翡翠色の光を放つ斬撃を受けた時、アルトは僅かに驚いた表情になった。
「前世でも剣の腕はかなりのものでしたが、今生の方が上ですね」
そういうと彼は横島を蹴り飛ばした。彼が吹き飛んだにも関わらず、アルトはなぜかもう戦えない女性達にも危害を加えようとはしない。明らかに情によるものではない。
一部の隙も無い様子で、横島の方を警戒しながら彼は言葉を続ける。
「今宵はこれでお開きにしませんか? あなたにとっても予定外だったのでしょう? 彼女たちを護りながら戦うのは無理では?」
それに対して横島は英雄めいた行動をとっているとは思えない調子に乗った子悪党な様な表情で答えた。
「相変わらず駆け引きは下手な奴だ。 もう戦いたくありませんって、表明してしまったな」
「むろんただとは言いません。貴方との決着の為に後日決闘します。場所と時間は貴方が決めて構いませんよ。 前もっていかなる準備をしても文句はいいません」
「それだけじゃ、足りん。負けたら復讐やめて彼女たちともう一度話し合ってやれ」
「分かりました。今の僕が負けることなどありえません。それでもそういいますか。どんな罠を仕掛けても良いですが必ず一騎打ちをすると約束できますか?」
「分かったそれでいい」
返答を聞き去ろとするアルトに横島が声をかけた。
「すっぽかしたりはしないから、俺と戦うまでは彼女たちを監視したり呪いで縛ったりはするなよ。俺にだったらかけてもいいからな」
「ええ。そうさせてもらいます。というより既にかかっていますよ。決闘をすっぽかしたら貴方は死にます」
それを聞くと横島はやっぱりかという顔になった。
「契約を破らない限り無害な呪いとはいえ、まったく気づけないとか前世より腕が上がったな」
横島の誉め言葉が聞こえたか否か判断がつかない程の速さで彼は術を使いどこかへと転移した。 彼が去ったのを確認すると、
横島は文珠を取り出し『調』の文字で辺りを調べる。そして完全に監視がないことを確認すると。腰が抜けたように一気に脱力した。
「怖! 前世ではあいつと本気でやりあったことなかったけど、ガチで殺す気になったあいつのプレッシャーやばかったー!」
「あ、あのう。大丈夫ですか?」
さっきとはあまりにも凄い落差の彼に対して気遣うように声をかけるカーミラに横島は輸血パックを渡した。
「これはワイの恋人の一人に吸血鬼がいるから持ってたもんや。 ワイの血やけど文珠で保存して霊気も込めているから質は良いはずや。文珠知っとるか?知らんかったらすまん」
510 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:10:14 ID:+zV8TJ62
「あ、ありがとうございます。一応聞いたことはあります。 アルトさんの兄貴分さんだったんですか」
「前世がな。しかし、今回本当に死ぬかと思ったわ。 十中八九退いてくれるとは思っとたが、万一が起きたら、皆さんを転移させてその後あいつとタイマンとか考えたくもないわ」
小蒔と、フェイ、ラビアンも横島の所に駆け付けると、大変な状態でありながら口々に礼を言い始めた。
「横島さん、助けてくれてありがとうございます。僕は桜井小蒔、アルトくんと今日まで共闘していた女権国家の東洋系の弓使い系の悪霊祓いです」
彼女の言葉に横島は少しだけ面白そうな顔をすると文珠を取り出し、『回』『復』の文字を入れて彼女達全員が癒える様にした。そして小蒔に言う。
「小巻ちゃんはワイの大事な奴と似た特徴しとるな」
「そうなんですか?」
「ああ。ラビアンちゃんとフェイちゃんも怪我は大丈夫か?」
「はい。アルトさんにつけられた切り傷あまりにも切れ味が鋭いゆえに、逆に早く治りました」
ラビアンの問いに、フェイも続ける。
「私よりも姉さんに多めに当ててあげてください。私は生まれの事情で傷の治りが早いのです」
「ああ。分かっとる。ワイの女性達も大半が人じゃないからな。治療用の札いるなら作るがどうする?」
横島の発言に少しだけフェイは驚いた表情を見せて、警戒した色を見せたが、彼の人柄を見る限りは大丈夫だろうという結論になり、文珠だけでよいと答えた
程なくして彼は彼女たちを連れて、自分の家に帰ると、上機嫌な品格のある金髪のショートカットの髪をした少女が彼を迎えた。
「おかえりなさい。私の英雄さん♪ 今日は凄く格好よかったわよ」
その言葉に横島は落ち込みの涙を流しながら叫んだ。
「占いで英雄になるための試練あり、しかも襲われているのは愛歌ちゃんに気質が近いムチムチ美女たちって聞いて行ってみたら、全員もう惚れた男がおる状態やったー! しかも相手は前世の弟分やぞ」
「英雄色好むっていうから、私は別に増えても良かったんだけど、占いでも見通せない部分はあるしね。 それよりヴィヴィオちゃんとエヴァさんとアルさんが怒っている、
というよりヤキモチで不機嫌状態だから早くご機嫌取りに行った方が良いんじゃない? それとアリスはヤキモチはやいてないけど――」
それを聞き横島に助けられた四人は驚愕した。女権国家で何人かの女性とそういう関係になっていながら、善良な女性限定とは言えまだ相手の女性を増やそうと考える辺り、彼の煩悩はすさまじいものがある。
ひきつった顔になって三人の所に向かおうとする彼を、カーミラが引き留めた。
「あの、すいません」
「なんですかカーミラさん」
「アルトくんと戦った時、横島さんは退いてくれることを確信していたって言ってましたけど、どうしてそう思ったんですか?」
「ああ、簡単な話や。アルトは皆さんとの戦いで相当消耗していた。最初に放った一撃で俺が前世より強いと思い込ませたことで、その警戒を余計に強くさせたんや」
そういうと横島は文珠を取り出し、そこに文字を込めるそこには『嘘』の文字が入っている。
「本当はビビりまくっているのに余裕たっぷりに見える様にこれでごまかした。前世のワイは強いことは強いがビビリチキンだった。だからこそ、勇敢で少し余裕のあるワイを見て相当な切り札を持っていると勘違いしたんやろう。
前世の俺は手品師みたいに相手をはめるから 三合で仕留める自信がない時はできれば避けろ、十合で無理な時は絶対やめとけって言われとったからな」
「そうですか」
頷きつつ四人は理にかなっていると思いつつ、少し弱い気もしていた。アルトにとってはあの戦いは絶対に退けないというわけではないができればあの場で決着をつけた方が良い戦いではあった。
重要度の深さ次第では退かない可能性もゼロではなかったと思う。 深い事情は知らなくても、横島くらいに戦場の機微を知っていればそれくらいはわかるだろう。 その四人の考えを察したのか、彼は説明を続ける。
「多分だけど、アルトの奴は自分が負けると勢力崩壊とか後がない状態だろ。これは前世の知識じゃない、今の上司初音ミクさんがそうだから気づいたんだ。アルトの方がミクさんよりは弱いが、ミクさんと戦い方が似ていたから確信できたんや」
その言葉を聞き四人の中で納得という形で心がストンと落ちた。それを確認すると、横島は三人の待つ部屋に向かって歩み始めた。
彼が部屋に到着すると四人の女性達が待っていた。怒ってはいないが妬いていることが一目でわかる。ヴィヴィオは既に聖王の大人の形態となっており、エヴァも彼が好む大人の姿になっている。これは、カーミラへの対抗意識だろう。
アリスは、魔女らしく人形めいていながら彼を堕とす策を練れることを楽しんでいるのが分かる。そしてアルは滅多に見せない上級悪魔らしい顔になっている。他の二人はともかく彼女に対して自分のどの行動が嫉妬させる地雷になったのかと訝りつつ、
横島は前に出た。彼は怯えつつも、分身が元気づき始めるのを見て、自分は王国男子としては終わっているかもという達観がある。
頭の中で彼女たちに対する対処をまとめる。自分が悪くないと分かっているなら謝るのは逆効果だ。とりあえず最初にエヴァに対して口を開いた。
「エヴァ、先ほどお前以外の吸血鬼に血を与えてしまった。お前が認めたわけでもない相手だ」
その言葉にエヴァは不機嫌ではあるが、横島が責められるべきところはないと理解しているという意図を込めた声で答えた。
「明らかに善良な私の同胞を助けるためにやった事だろう。さすがにそのことで責めるほど、大人げなくはない。 だが――」
言い終わるより先にエヴァが彼のそばに来ていた。彼女は甘い吐息を匂わせながら、言う。
「感情は別だ。今宵はじっくりと私達に尽くせ」
エヴァの牙が彼の喉に穴をあけ僅かに血を啜られた。 激しい快感を与えられても一気に吸ってもらえないことがかえって彼を辛くさせる。 快楽をねだる彼から彼女は離れると笑う。
「普段はこんな趣味の悪い焦らしはしない。 今夜は私の嫉妬を鎮めるために無様な懇願を続けろ」
「エ、エヴァ様。お願いですから一気に快楽を与えて楽にしてください」
「今夜は完全屈服の敬語が早いな。 今まで激しい快感を与えるだけで焦らしはしてこなかったからか。敵の吸血鬼にとらわれた時の訓練を今夜から始めるか?」
横島の顔が引きつった。半分は恋人としての意地悪でもう半分は師匠として真剣に考慮している声だ。
「そ、それは」
「安心しろ、吸血鬼は少なくはないがそこまで多くもない。それに私の顔が通じないものは少ない。 ――だからこれはただの遊びだ」
そこまで言うとエヴァは笑いながら彼の首筋に再びかみつきながら、血を啜り始めた。いつの間にか服を脱がされていた彼は快楽で朦朧とした頭の中でエヴァの裸体が目に入ると夢心地になった脳にその美しさが再び焼き付き始めていく。
朦朧とした意識は彼女が腰を下ろし彼の分身を飲み込んだ時点で、朦朧とした意識が完全に目覚めた。立つことすらできないはずの彼をエヴァの指から出た魔力でできた糸が彼の内部へと入り操り始める。
体の中すら愛撫されるような感触が余計に彼を昂らせていくが、エヴァトアリスの糸は双方とも与えてくる快感が異なる。
人間が望む脱力をもたらす快楽を無限に与えてくるようなアリスの糸、これは彼女の自分で動くことすら放棄してひたすら自分の与える快楽に沈んでも良い言う意思が伝わってくるようで、
気持ちよいと感じると共に恐ろしい感じもする。対してエヴァの糸は快楽で自分を屈服させて来る彼女の意思が籠っているようだ。自分の与える快楽には勝てないのだから従え、そう言われているのが嫌ではないと思える辺り恐ろしいと感じる。
511 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:11:46 ID:+zV8TJ62
エヴァの糸に内部まで愛撫されるような錯覚を覚えながらも彼女が望む様に体は動き彼女と抱き合う形で上にしながら、彼女の体のさまざまな部分を愛撫させられる。
強すぎる快感で射精ができない状況に追い込みながら一番強い快感が来る時期に合わせたように彼女は抱き着き乳房が形を変えるほどに押し付けながら、
横島の腕で尻を揉ませると僅かに位置を変えた。その瞬間決壊した様に射精が起こり、それと同時に彼女の牙が首筋に刺さる。
10秒近くも続いたと思える射精は彼女の牙がもたらす快感で5秒近くも伸びそのまま彼の意識が壊れかける。吸われた血と精は多量ではあっても医学上は問題な量なのに与えられた快感と、
吸われた霊力の量が多すぎてエヴァが離れると同時に彼の体が糸が切れた人形同様に崩れ落ちた。
それでもエヴァから離れるのが名残惜しそうな彼を見てエヴァは嬉しそうに笑いながら言った。
「咎めるほどではない、と分かっていても、他の吸血鬼にお前の方から欲情した目を向けるとこれほど嫉妬するのだ。 お前の方から手を出したらどうなるか想像はついたか?」
彼女の問いかけに対して、彼の分身が固くなったのを見て、エヴァは嘲笑と自尊心が満たされた女性特有の笑みを浮かべて彼の分身を足でいじりながら言う。
「む、王国男子として情けなさすぎることをされたのに逆に想像して硬くなったか? これでは教育失敗かもしれんな」
足で射精させた後、彼女は自分の足がどれだけ精液まみれになったかを彼に見せてからその精液を霊力に分解して吸収して見せた。
「私の気持ちはこれで収まったがそうでないメンバーのご機嫌取りを頑張れ」
他人事の様にエヴァは笑いながら強すぎる快楽で動けなくなった彼を三人に引き渡した。
横島は完全に快楽で壊された脳を総動員してどうにか質問を口にした。
「エ、エヴァが怒るというか、妬いたのはわかる。アルさんとヴィヴィオはなにが地雷だったんだ?」
問われた二人も、嫉妬はしても横島が悪くないと分かっているらしく問いかけに対して、どうこたえるか考えている。今の理解力が落ちている横島にも、分かる言葉を少し考えると二人は考え付いた表情になり、アルが先に答えを返した。
「私は悪魔だから、『シスター』に欲情して口説いたのが嫉妬のポイントだったの。 多神教ならまだしも彼女たちは一神教に近いからね」
そういって彼の唇を奪い思考力を落とす彼女の横でヴィヴィオも言う。
「私もアルと一緒です。 多神教の神の血を引いている聖王としては一神教に近い考えのシスターに靡きそうになるのはアウトなんです」
そう言ってヴィヴィオはアルに目配せをした。アルはそれにこたえる様に、横島の仰向けの体に自分の体を押し付ける様に覆いかぶさり彼の分身を内部に飲み込む。
エヴァとは対照的に彼女は優しい刺激で彼を何度も射精させてそれを受け止めて楽しんでいる。仰向けの体に押し付けられる彼女の豊満な体の感触に溺れながら彼の意識はどんどんと朦朧としていく。
上等な酒を飲んだ際の眠気の中にいる様な感覚が彼を蝕み、
しばらくすると起きていながら眠る直前の様な状態になった。残った僅かな意識で彼女の魔力で体を動かされている感触を味わいながら彼女の体の様々なふくらみを揉みしだかせられる。
彼女の与えてくる体をしびれさせる蜜の様な感触が彼を蝕み切った時、アルは笑いながら彼の傍から離れた。
心地よいまどろみが極に達した様になっていた彼はアルが自分の上から離れたのを知り名残惜しく思った次の瞬間、一気に意識が覚醒させられる。ヴィヴィオが自分の上に乗り彼を絞り始める。 彼女は笑みを浮かべながら彼に言う。
「吸血鬼に悪魔相手に随分と汚されましたね。今から聖王である私が浄化して差し上げます」
エヴァとアルの闇の気に慣れ切ったところで、逆の属性の力を持つヴィヴィオに跨られ絞られることで彼の分身は凍土の中から不意に日の中に投げ込まれた様に跳ねてヴィヴィオの中に大量の精を放った。
「ヴィヴィオ、お前普段からアルやエヴァと仲良く遊んどるやろう」
激しい快感で意識が戻ってきたことと、あまりにも突っ込みどころの多い彼女の言葉に彼はつい突っ込んだ。それに対して笑いながら彼女も堪える。
「個人的な友誼と王としての、職責は別です。貴方は私と違って、男性で快楽に弱いから王である私が悪魔のもたらす快楽を上回る快楽で縛らないとどうなるかわからないでしょう」
ヴィヴィオが笑いながら彼の上で腰を上下させるとその度に彼の口から悲鳴が上がった。それを見ながら彼女は心底楽しそうに笑う。
「ほら、精力はいただきますが代わりに霊力は上げますから早く回復なさい」
「ヴィ、ヴィヴィオ、休ませて」
それを言うと彼女は笑いながら横島から一時離れると、アリスに目配せをした。アリスは頷き、横島に栄養価の高い魔法酒を差し出してきた。彼はアリスに礼を言いながら飲むと精力が回復してくる感じと共に体がだるくなり動き辛くなっていく。
アリスは笑みを浮かべながら脱力する彼を抱き留めると彼に口づけし舌を絡めてきた。 自分を抱き留めるとアリスの指から体の中に霊力でできた糸が入ってくるのが分かる。ゆったりと床に倒れながら彼女が自分の体をそうなるように操作しているのだと、察しながら彼は倒れた。
「ヴィヴィオ様、それじゃあ今夜のメインイベントに移りましょうか。忠夫、アルトくんとの戦いの為に祝福とまじないをかける儀式の時間よ」
綺麗な笑みを浮かべるアリスに怯えつつ、どこかで期待するようになっている自分に呆れながら彼は彼女たちの動きを見つめる。アリスは何かの魔術の呪文を唱え終えると服をゆっくりと脱ぎ始めた。
横島はアリスの完成された人形を思わせる肢体を見て分身が元気づくのを感じながら自分はアリスの体に見慣れることは永遠にないのだろうという達観を覚える。アリスは彼が朦朧とした意識の中でも自分の体を見て反応する彼を見ながらアリスは嬉しそうに笑い彼を抱擁し、
分身を飲み込みながら口づけて舌を絡めてくる。背中に回されたアリスの手の指から自分の体の中に魔力でできた彼女の糸が入ってくる感触がある。エヴァの支配する強い刺激に慣らされた後の彼の体はアリスの優しい刺激が新鮮になっており余計に体が反応してしまう。
愛おしそうに眼を閉じながら彼との口づけを楽しむアリスの舌は叫び声という快感の逃げ場をふさぎ、自分の秘所に注ぎ込まれるそれを少しでも増やそうとしているようにも思える。
横島はアリスの糸に動かされている時は自分が人形劇の中で最高に楽しい時を過ごしている人形になっているようだと思う。
動かなければ得られない快楽が動かずとも押し寄せてきてただひた彼女に全てを委ねることへの誘惑が強くなっていく。舌で口内を撫でられる度に彼女の中に精が放たれていく。
ここを超えると自分は完全に人形になることへの抵抗がなくなるその寸前でアリスは彼から離れた。
「名残惜しいけど、そろそろ次に移らなきゃダメだから。アルトに勝つなら前世の再現率を思いっきり上げなきゃね」
笑いながらアリスが離れると、横島の体は自動的に動きながらヴィヴィオに近づき始める。ヴィヴィオは笑いながら彼の前で肢体を見せつけながら、彼が自分の所に到着するのを待った。彼女の体を見て分身が余計に硬くなっているのをヴィヴィオは見下しながら笑う。
「忠夫さん、前回暗黒剣の才能の潰されたのに全く警戒していませんね。あるいは警戒心があってもこの子に逆らえないのか」
この子の下りでヴィヴィオは彼の分身を最初に強く踏みつけ、次いで足で優しく愛撫し始めた。達することができないぎりぎりの刺激を送りながら笑うヴィヴィオに抗えず、情けない声を上げる彼を周りの女性達も欲情と蔑みの籠った目で見ている。
512 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:12:57 ID:+zV8TJ62
ヴィヴィオが再び足で彼の分身の亀頭を踏みつけそれに反応して、体がのけぞった所でヴィヴィオが覆いかぶさるように彼女が上になる対面座位に持ち込んできた。
覆い被さるような形で彼を嫐るヴィヴィオ相手に、悲鳴をあげる彼に対してヴィヴィオは不敵な笑みを浮かべている。 横島は彼女の言動に大きな不安と疑問を抱いた。
ヴィヴィオは基本的に共有を許容した女性が相手でも彼が激しく嫐られると、王らしい貪欲さでそれを上回る支配の欲を見せながら上書きしてくることが多い。
アリスの真似をして唇をふさいでこないのは絶対に何か意味がある。 そこまで考えたところでアリスが笑みを浮かべながら背後から近づいてきて、彼の背中の腰の辺りに何かをくっつけてきた。それをくっつけられたのは丁度彼の分身と同じ位置だ。
疑問に思う間もなく、アリスが離れると不意に背中からも誰かに挟み込むように抱き込まれ、そしてアリスにくっつけられた何かから激しい快感が走る。それはまるで背中にもう一つ分身をつけられてそれを後ろから抱き着いてきた女性が飲み込んだかの様だ。
「あー! あー!」
横島の悲鳴が上がり最大の音量になりかけた瞬間を狙うように、ヴィヴィオが彼の唇を口づけでふさいだ。そしてアリスとは異なる支配するような形で舌を絡めてくる。
苦悶の表情を浮かべる横島を楽しそうに眺めながら腰をグラインドさせるヴィヴィオをよそに後ろから声が響いた。
「忠夫さんどうですか。私の与える感触は」
声でオリヴィエだと理解した瞬間、彼の心に絶望が走る。彼女はヴィヴィオと共に彼を嫐ると責めがえげつないことになることが多い。
オリヴィエが後ろから彼に強く体を押し付けると背につけられた分身をより激しく嫐る。彼は絶頂を迎えると、背中の分身からは精液こそ出ていないが霊力が彼女の膣に注ぎこまれていると感覚で理解できる。
オリヴィエは敢えて彼に与える快感を少し抑えた瞬間後ろに彼が腰を退くとその瞬間に再び元の強さの快感に戻し、それを見たヴィヴィオが同じことをすると彼は腰を前に出してヴィヴィオの方に逃げる。
その瞬間ヴィヴィオもオリヴィエと同じことをして、彼に追い打ちをかける。何度同じこと二人に繰り返されても彼は同じことを繰り返した。与えてくる快楽が限界に達し、もはや一時しのぎでも逃げることしか考えられなくなっている。
横島に目を閉じて口づけを楽しんでいるヴィヴィオに不意にオリヴィエが声をかけた。
「聖王陛下、そろそろ口を解放してあげてください。陛下は表情で楽しめるでしょうけど、私は悲鳴も聞きたいんです」
ヴィヴィオが口を放すと横島の悲鳴が響き渡った。その中でヴィヴィオは横島を責めながらオリヴィエに言葉を返す。
「彼の筋肉の震えで十分わからない」
「それも愉しいですけど、やっぱり声も聞きたいんです」
「じゃあ、前と後ろ代わりましょうか。一回体験すると口をふさいでいたい私の気持ちもわかるでしょうから」
そういってオリヴィエと彼女はゆっくりと彼から離れる。彼がアリスの糸がなくてももう動けないことを理解しつくしているが故の行動だ。
ヴィヴィオが背後から彼の背中に豊かな乳房を押し付け、オリヴィエが横島の両手を取り胸を揉みしだかせながら口づけし、ゆっくりと手を尻に誘導した後、ヴィヴィオと同じ体位で彼の分身を飲み込むと、一気に動き始めた。
ヴィヴィオも同時に背後から彼に襲い掛かり先ほどのオリヴィエと同じことをする。彼は即座に絶頂すると前の分身からは精を放ち後ろの分身からは霊力を放った。
「あー!」
悲鳴に近い嬌声は、直ぐにオリヴィエの口づけでふさがれて、二つの分身以外から抜け出すことができなくなった快感が一気に二つの分身から注ぎだされる。 二人は笑いながら横島を嫐りぬくと二人も絶頂を迎えた。
その瞬間、横島の大事な糸が切れた様な感覚が走り、かれは操るものがいなくなった人形の様に崩れた。オリヴィエは愛おしそうにそれを抱き留めながらヴィヴィオに謝罪した。
「ごめんなさい。確かに口を塞いだり、開放したりの遊びは楽しいですね。陛下がやりたくなるのも当然です」
「分かってくれればいいですよ」
倒れる横島をよそに、アリスが再び薬湯をもって彼の口に運ぶと彼はそれを飲みながら訪れた小休止に感謝しながら泥の様に布団に沈みそうになる。だがアリスとヴィヴィオとオリヴィエが三人がかりで体の様々なツボを押してきて痛みと快感の二つが彼を眠りの世界に旅立たせない。
アリスに背中のツボを押され快感で目が覚めた彼を見下ろしながらアリスが言う。
「忠夫、そろそろ種明かしの時間ね。貴方の背中につけた物はこれよ」
そう言ってアリスは横島の分身とよく似た、プラスチックらしきものでできた男性器を模した棒を見せてきた。色の塗り方などは凄くリアルであり、もう一つ自分の分身があるのではないかと思えてくる。
彼女がそれを愛撫すると自分の分身にもそれと同じ感触が走り再び分身がそそり立ち始めた。呪いの人形と同じようなものかと思って少し不安がる彼にアリスが笑いながら言う。
「大丈夫よ。これは元から性的な快感以外は通さないようになっているから。これは貴方の前世の再現劇でつかわれた、人形たちの分身に使ったものを集めて作ったの。だから前世の再現が色々と可能なの。例えばこんな風にね」
そういうとアリスは笑みを浮かべながら、オリヴィエに手元の分身を渡した。受け取ったオリヴィエとヴィヴィオは笑いながら彼の分身の模造品をお湯で洗い始める。そしてその愛撫が自分の分身に至り始めるとヴィヴィオが洗うのをオリヴィエに任せて彼を押し倒した。
最初から本気の、ヴィヴィオの攻めを受けていながら彼は達することができず、必死に原因を探すと、オリヴィエが彼の分身の模造品の射精口を塞ぎ強く握りしめている。それを理解した後、懇願めいた声を上げるのをヴィヴィオが腰を動かして快感で遮った。
それを三回ほど繰り返したのち、オリヴィエがようやく寸止めをやめて射精させてくれた時、止められた分の精も一気に放った彼はそのまま意識を失った。そしてふと思う、これは前世で聖王にされたことの再現だと。
倒れる彼に口づけしながらヴィヴィオは言う。
「気休めかもしれませんが、前世でアルトと戦う前の再現な性行為を何度もしましょう。そうすれば英雄である前世をなぞる彼に対する勝率も上がるでしょう。貴方は前世に置いて『真剣勝負では』彼に負けたことはないのだから」
そこまで言われた後、彼の意識は疲労が極に達した形で落ちていった。
次の日に目覚めた彼はアリスが作ってくれたシチューを食べると、少しだけ体に力が戻ってくる。食べ終えた後、蜂蜜を入れたコーヒーを飲んで今日の鍛錬の段取りをつけようとすると来客を告げるインターホンが鳴った。
「いらっしゃい」
誰だろうと思いつつ彼は家主として来客を迎えるべくゆっくりと玄関に向かい始める。まだ辛うじて早朝だから遅くてもそこまで無礼にはならないだろうと考える彼を迎えたのはあまりにも予想外過ぎる来客の姿だった。
彼の眼前では、昨日殺し合った前世の弟分=黒鉄アルトが玄関にたたずんでいる。 愛歌が一切警戒していないことと、前世の記憶らしきものが今の彼は安全だと告げているためか、驚きはしても警戒の念はわいてこない。横島は少し考えた後、彼に声をかけた。
「アルト、何の用事で来た」
「忠助殿、いや横島さん。戦うにあたってどうしても伝えておかないと不誠実かもしれないことがあったので、貴方が望むなら伝えておこうと思いました。 むろんあなたが望むならこのまま帰りますが」
「愛歌ちゃんが警戒してないってことは、裏はないんやろ。俺は彼女達を守る戦いから手を引いたりはしない。だが話してくれんか。上がっていけ」
「承知しました。王女殿下、ありがとうございます。貴方が先に出てくれたおかげで彼の警戒心が薄れて信じてもらう手間が大きく省けました」
513 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:14:35 ID:+zV8TJ62
愛歌に対して礼を持って接する彼を見て、そういえばファルガバードは愛歌の王朝が滅んだ際にその王朝の流民も多く受け入れていた。
その際に流民や元貴族から様々な技術や美術品を売り払った際の収益などの恩恵も受けていたなと前世の記憶が戻ってくる。その王朝の王女が相手なら敬意を払うのも納得できた。
アルトの礼を受けながら愛歌は笑みを浮かべて答えを返す。
「黒鉄さん、ファルガバードの剣士として私の王朝の流民や忠義を尽くしてくれた人々を保護してくれたことに感謝します。それと一月後に忠夫と真剣勝負をするということでよろしいのかしら」
「ええ。殺すために戦う気はありませんが、結果として命を断つことにはなるかもしれません」
そこまで言った後、アルトは重い口調で言葉を続ける。
「最もその逆、僕が殺されることもあり得ますけどね」
アルトの声の緊張具合は、自分の方が勝率は高いと認識していながら、横島に負ける可能性もあると本気で思っていることがうかがえた。それに対して愛歌は笑って返す。
「そう。これは単なる女の勘だけど、私の英雄さんはどちらでもない結末を招いてくれると思っているわ」
愛歌の言葉にアルトは少し悩んでから返した。
「その可能性もゼロではないでしょうね。前世で彼と共闘した回数が一番多かったファルガバードの剣士としてそう思います」
二人のやり取りを見つつ横島は、アルトに早く家に上がるように促した。
アルトが進もうとする中で愛歌が不意に声を上げた。
「忠夫、お客様のおもてなしのお茶とかは今日私がするから」
愛歌の発言を一瞬疑問に思ったが、何か考えがあるのだろうと思い了承し奥に行くと、愛歌の危惧の内容が直ぐに分かった。
ヴィヴィオの姿を見た瞬間、アルトの目の色が変わり一気に部屋の空気が変わり始める。彼の体から魔人めいた鬼気が走りその怒気が産んだ幻影の刃がヴィヴィオの首を切り落とそうとした錯覚を横島は見た。
迷いなく駆けだし霊波刀を抜き間に入ると、アルトは怒気を収めながら横島と愛歌に謝罪の言葉を投げかけた。
「横島殿、愛歌様申し訳ありません。 仇敵となった女を前に怒気と殺気を抑えられませんでした。 一応はお二方の大切な人間であり、辛うじて粛清対象外の相手ではあるのに未熟極まりました」
そこまで言われて横島は、アルトの殺意の理由に思い至る。ヴィヴィオは前世に置いて、彼の前世である高島忠助の死後ファルガバードの魔剣士達と敵対した。恨みや憎しみではなく、彼の寿命を縮めた技を失伝させることと、
魔剣士を殺す者という概念を自分に宿らせることで彼の来世の運命を変えようとしたらしい。 聖王に対してはアルトは恨みがあるがギリギリ報復対象からは外すことができるようだ。恩を仇で返されたとはいえ、
戦のルールは守っていたし、宣戦布告も共闘後にファルガバードが力を取り戻してからにしていた故に、負けた自分たちが悪い、というのがアルトの考えなのだろう。
対して女権国家は受けた恩を仇で返し決して破ってはいけない同盟の約束を破る形で聖王に負けそうなファルガバードを襲い目当ての男たちを拉致して回った。それが原因でファルガバードの剣士達にも多くの死者が出たため、聖王よりも女権国家の方が許せないとアルトは思っているのだと思う。
いくら報復対象外とは言え、故郷の滅亡に最も大きな原因だった聖王の生まれ変わりに、彼が悪感情を抱かないのは難しい。そう考える横島の心を読んだようにアルトの声が響いた。
「それだけではありません。 前世の聖王殿は、ファルガバードの剣士達を何人も望まぬ運命に落としたし、数は少ないが戦闘中に殺害した例もありました。 その際も少なくとも卑怯な手は使っていなかったし、
殺された相手も負けた無念はあっても死ぬことも覚悟しなければいけない道を選んだものとして恨み言は言いませんでした」
そこまで言われて横島も気づく。ヴィヴィオが自分を堕とし、魔剣を使えなくしたやり口は明らかに前世の聖王とは違い卑怯すぎた行為だ。横島はファルガバードの剣士ではないからそれが原因で粛清対象とはしないまでも、
絶対に良い気はしないだろう。横島の考えを読んだのか、アルトは言葉を続ける。
「ええ、彼女はストレリチアではなく女権国家の王めいた行動をとったことに僕は殺意を覚えています」
「分かった。だが被害者当人である俺は許している。 アルトお前は前世の俺から受けた恩はかなりあっただろう。その恩を全てなかったことにして構わないから、仮にお前が勝って俺を殺しても俺の魔剣の才を潰した者たちは報復対象から外してくれんか」
前世の力を多少でも使った以上はこういう筋は通すべきと思い口にするとアルトは頷いた。愛歌がお茶などを持ってくると言った理由もわかる。アリスやヴィヴィオ達が持ってきた飲食物には彼は絶対に手を付けないだろう。
アルトは横島の言葉に了承の胸を返してきた後、一言だけヴィヴィオに向けて言葉を放った。
「兄弟子殿、了承します。個人的な感情としては彼女相手には特殊な加護が働かない手間を差し引いてでも彼女を殺したかったのですが、やめます。貴方を結果的に殺害することになっても、
彼女から何かしてこない限りは彼女を害しはしません。 しかし、聖王殿、前世の貴方は少なくとも兄弟子が逝くまでは、彼が護る価値のある御方でしたが、女権国家の女性に近い気質に成り下がりましたね」
その問いにヴィヴィオは笑顔で答えた。剣呑な気配はなく、一切気にしていない様だ。
「貴方の目からしたらそう見えるでしょうね。 ですが聖王たる私のなすことは全て聖なる行ですから。私の伴侶となるに不要なものを取り除かせていただきました」
アルトから剣呑な気配が発せられ、ヴィヴィオも彼に悪感情はないが念のために迎え撃つ構えを取りかけた瞬間、愛歌がお茶を持って部屋に入ってきた。
「黒鉄殿、ヴィヴィオが悪意なしとは言え失礼しました。それでは約束の事実の説明をお願いします」
王女らしい礼節を保った物言いを聞いた後、アルトは彼に向って自分の意識を伝える術を使ってきた。
それを受けて横島の顔色が変わった。 黒鉄アルトは一度壊滅したファルガバードの村の残党の様な隠れ里で生まれ育った少年であり、彼の村は大昔と同じく女権国家に協定違反の方法で滅ぼされていた。
女権国家のオカルトの部署に、助けを求められた際に大昔の遺恨はあったが、女権国家を滅ぼそうとした大多数が悪と断じる組織に襲われるのを見逃すのは人道にもとりすぎる。そう考えこの戦いが終わったら宣戦布告するという約束の後女権国家のオカルト部署の人々を助けた。
オカルト部署の者たちもそこまで悪辣な者たちではなく、当初は戦争の約束事を護るつもりだったようだ。だが、非人道的霊能組織を潰した時のファルガバードの残党たちの強さに怯え、その組織との戦いが終わった傷がまだ言えていないファルガバードを休戦協定の期限が切れる前に夜襲して滅ぼした。
アルトは仲のよかった面子が死に果てた時に前世の記憶が蘇り、その場で女権国家の郡代を返り討ちにして逃げ延びてこの国に潜伏した。
過去を見終えた彼にアルトは言う。
「横島殿、今回の報復行為見逃してはくれませんか。自分が大切に思っている相手すら殺すことで発動する呪いで、女権国家の霊的滅亡を僕は狙っています。貴方にとっても悪い話じゃないでしょう」
「論外じゃボケ。王国との戦争で女権国家の方が先に破るべきではない協定を破ったことを発覚させて良識派やストレリチアが王国寄りになってきたし、新王国派で王国に経済支援している国境地帯まで呪いの対象やないか」
「そうですね。王国に帰属したら女権国家所属でなくなるから呪いの効果はなくなると確かな成果と共に通知しますよ」
514 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:15:39 ID:+zV8TJ62
「それやっても最初の呪いの余波で死ぬ親王国派の人間は相当出てくる。爆弾みたいに使うことは許容できんわ。女権国家に1000のダメージが入るとしても、その巻き添えで今の王国に600ダメージが入ったら王国が死にかねん」
「でしょうね」
「それにアルト、お前は恐ろしさに負けて新制ファルガバードを夜襲した女軍人たちを殺すだけじゃなくて、死んだ方がましな状態にするつもりだろう」
「ええ。そうですが」
「彼女たちのやったことを思えば、殺害までなら仕方ないとは思う。だが彼女たちを敢えて生かして、守ろうとした民たちの死骸の山を見せたり、死後悪霊として使役して、女権国家の一般市民を殺して回らせるとか悪趣味が過ぎるわ」
横島にとってはアルトの報復行為も悪趣味すぎるし、それをやろうと思えばいつでもできたのに敢えて恐怖で苦しめるために実行に移さずにいたこともは不快すぎた。だが、故郷を焼かれた恨みを共有できない自分が、
言ってよいことでもない、と思ったからこそ黙っているが、戦争のルールは守っているとはいえ、当てつけの為に殺される民の身にもなれと言いたかった。
アルトは自分に憤りを感じているらしい横島に対して不快感は持っていない様だ。彼の前世の役職と信条が今でも受け継がれていると感じているためか少し好意的な様子に見える。彼は少し考えると口を開いた。
「無理だとは思っていましたが、やはり手を引いてはもらえないようですね」
「ああ。色々と理由はあるが、一番は自分を好いてくれている女たちを殺して妖刀と呪いの威力上げようとしとるだろ、それが一番許容できんわ。半ば育ての親に近かった兄弟子として殴りつけねばと思っとるわ」
アルトの持つ村正は凄まじい呪いの力が感じられる。二度の不義理で滅ぼされた里の呪いを込めた妖刀の力が放たれれば女権国家に相当な打撃が入るだろう。
だがさすがに無辜の民草まで巻き添えにする様な行為は許容できない。 他人ならまだしも前世の記憶が戻って彼を身内認定している今はなおさらだ。
少し考えた後アルトは、口を開いた。
「僕が戦の礼に反した方法で殺されれば、祟り神と化して女権国家に未曽有の霊的災害を引き起こすことになります。戦の礼に反さぬ方法で討たれればそうでもありませんが、止めたければ正面からくることです。それとこれは個人的な忠告なのですが」
最後のアルトの言葉は明らかに裏がないと彼には分かった。これも前世で半ば育ての親に近い兄弟子をしていた経験だろう。
「近々貴方は敵国の貴人の訪問を受けることになると、占いに出てますよ。心情的にかなり難しい立場に立たされるかもしれない」
「そうか、決闘の日まで元気でな。それとワイが勝っても卑怯だとか言ってリベンジマッチはやめてな?」
情けない発言をする横島を見ながらアルトは少しだけ面白そうに笑った後、出て行った。
アルトは帰り道で様々なことを考えていた。
『彼の恋人の中にベリアルがいたな。詐術に長けた悪魔かなり力を取り戻していたようだった。一応は僕を騙せるほどではないが、相当に嘘の制度を上げることはできるはず。やはり昨夜のあの態度はブラフだったか』
アルトはできる範囲で横島の戦績を調べたが、前世と同じく搦め手や器用貧乏めいたスタイルで、敵の専門分野外から引きずりおろして勝つということが多いようだ。だが一つだけ気になることがあった。
『前世の記憶を取り戻してからは刀を用いた剣技や術を使うことが多くなったようだ。これは想定内だけど、一度だけ敵対している防諜組織相手圧勝したことがある。その際の戦闘方法が謎のままだ。
多分前世関連の技ではないだろう。そういう技を彼が覚えていた記憶はない。だがその戦闘の後に彼は相当長く寝込んだとある。おいそれと使える類のものではないことが幸いか。
それにそれを使った後寝込んだという情報は間違いなく事実の様だからそれを、使うのなら本当に最後の決戦の時だけだろう。それなら僕が負けることはない』
横島はアルトが帰ってから数日後に驚くべき人物の訪問を受けていた。目の前には敵対国の長である皇帝ネロの姿がある。 ネロは高級な菓子を口に運びつつ彼に声をかけてくる。
「余が任命した部下たちの不始末を図らずも王国の人間にしてもらうことになりそうで誠に遺憾である。そして貴公が王国の人間ではなく、前世の因縁故に剣を取ると言うなら、ファルガバードの村にどれほどの負い目を持つことになるのやら」
「ファルガバードの村の剣士としても剣を取るし、王国のスパイとしても剣を取ろうと思ってます。 (比較的良識的な)ネロ陛下が皇帝でいてくれた方が今の王国にはありがたいので」
ネロは性格上、宮廷以外では意図せぬ無礼にはかなり寛容だ。そして無理に取り繕った言葉よりもある程度飾らない言葉で本心を話した方が上手くいくこともあると、彼女と親しい大鳳から聞かされていた。だからこそ今の横島はそれに習って行動していた。
「そういってもらえて嬉しいぞ。敵国からも皇帝でいてほしいと思われるとはさすが余だ!」
ネロの言葉に答えつつ、カーミラやラビアンが所属する修道院が、皇帝の側仕えを輩出しておりその縁でこちらに来たそうだ。ラビアンたちの負傷を聞いて、血相を変えて高価な回復アイテムを持ってくるあたり、善人ではあると思う。
少し考えた後に横島は本題を切りだした。
「ネロ陛下、今回俺の所に来た理由は何でしょうか? アルトを討つ際の協力の申し入れですか?」
「いや、ファルガバードの兄弟分同士の戦いであろう。それは余が口を出していいものではないと思っている。ただ皇帝としての責務を果たしに来ただけだ」
「一体それは?」
「決闘場を余が用意したい。決して破れぬ呪術的な誓約書に署名しよう。そなたたちの戦いには横槍は一切入れぬし、入れさせぬ」
それを聞き横島は即答した。
「ミクさんが了承したらその申し出受けます」
そういうと横島はミクに連絡を取った。
「ミクさん今から文珠をそっちに一個送ります。そこに『伝』の文珠を渡すので情報を受け取ってください」
「あんたが大鳳越しじゃなくて直接私に、連絡寄越してくるって相当の緊急事態みたいね」
横島はオカルトに関する事柄を任されるようになってからはミクに直接連絡をとることもそれなりにあったが、それは常に緊急の場合だった。基本的には直属の上司である大鳳を通じて彼女に伺いを立てている。
横島が文珠まで使って早く情報を伝えようとするということは、緊急事態の中でも特に急ぐ用件なのだと断じたミクは、彼からの文珠を受け取ると情報を頭に刻み始める。そしてしばらくの時が経つと断じた。
「その話受けなさい。今の国家の状態を思えばアルトの企みが成功しない方が王国の為だわ」
「承知しました」
横島はそれを聞くと頷き、ネロの元に戻った。
「陛下今回の話お受けします。どうかアルトとの戦いに横やりが入らない様に手回しをお願いします」
「うむ。感謝するぞ。それとそなたはかつて我らの先祖に滅ぼされた王国の幽霊と懇意だそうだな」
「はい」
内心の衝撃を隠しつつ、平静を装い彼は答えた。愛歌の存在は女権国家の皇族にとって脅威ではない。にもかかわらず知られていたとは。そこまで調べられていたのか、それとも、知られても無害だからこそ悪意なしで誰かが漏らしたのだろうか?
多分後者の可能性が高いと考える横島にネロは言葉を続ける。
515 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:17:15 ID:+zV8TJ62
「会わせてくれぬか? これは個人的な頼みであり、もしも断ってもそなたに不都合は一切生じさせぬ」
「分かりました。『俺は』構いません。ただ彼女が嫌だと言ったらお断りさせてもらいます」
「対面が叶わぬとしても取り次いでくれることに感謝するぞ」
横島は奥に入り愛歌に事情を話そうとすると、その前に彼女が言葉を返してきた。
「大体の事情は聴いていたわ。直ぐに会いに行くから安心して」
「良いのか?」
「私を害そうとしているわけではないのはわかるから。 それにあなたに英雄となってもらうためにはその方が良いって勘が告げているの」
愛歌の答えに頷くと彼は、愛歌を伴いネロの元に戻った。 ネロは愛歌を見るとお互いに王族同士の礼をかわした。
「かつて滅んだ王朝の王女殿、滅ぼした王国の子孫でありながら対面を申し入れるのは失礼かと思ったが、それをしてでも貴女と会い見極めたいことがあったのだ。対面を申し入れたことを許し応じてくれた貴女の寛大さに感謝を」
「女権国家皇帝殿、礼にはおよびません。貴女の礼に則った申し出に応じなければ、自身と、我が王朝に忠を尽くした全ての配下達の品性を損なってしまうと思い応じたまでですから。皇帝殿良ければ一つおこたえください。貴女の望む答えは得られましたか?」
愛歌の問いにネロは笑って頷いた。
「うむ! 貴女のおかげで大きな決断を下すことができた。重ねて感謝する」
そこまでは快活な笑みで良い、途端にまた真面目な顔になって彼女は言った。
「王女殿名前を、教えてくれぬか。それと余と愛人関係にならぬかあくまでも私のネロとしての頼みだが」
「皇帝の目にかなう程の女性であったと分かって悪い気はしませんが、私の時代では愛のある百合は忌避されないまでも、王族のたしなみというわけではなかったので。今は私の英雄を育て寄り添うことで手一杯ですので」
ネロは本気で落ち込んだ様子を見せたがその後、直ぐに立ち直った。
「そうか、気が変わったら来るが良い。何なら死後の余が祭られた墓や神殿でも構わぬぞ」
ネロが帰っていったあと、横島は愛歌に質問をした。
「他はともかく、百合の誘い受けた時やばいことになるかと思ったがよく怒らんかったな」
「ええ、あくまでも私人として真剣に私を好きになってたみたいだし、さすがに礼を守った本気の求愛に怒るほど狭量じゃないわ」
本気の求愛と聞き横島の中ではネロの評価が定まらなくなった。愛歌は王女として最高に良い女の一人だと彼は思っている。つまり愛歌の内面までネロはあの僅かな対面で見抜いたのか、
それとも美少女、美少年好きで見境がないだけかどちらなのだろう? 少なくともネロと愛人関係になったものは大活躍した者と、活躍はしていなくても、問題を起こしていないもが大半だ。 前者の可能性が高いのでは、と彼は思った。
昼は鍛錬をし、夜はヴィヴィオ達に嫐られる日々を過ごす彼は決闘は後2週間後に迫った日、鍛錬を繰り返す彼にいつもとは違うことが起こった。
鍛錬中は手伝うことがない時は訪れないアリスが彼の所に訪れたのだ。横島は疑問を抱きつつ彼女の言葉を待った。彼女は少し考えると言った。
「忠夫、貴方にお客様よ。1年に2週間以上は使うと副作用が怖い類の鍛錬の成果を上げる霊薬を作ってくれるそうだから」
そういって彼女が連れてきた相手は、野曽木蓮、ライザ、あかりという、かつて助けたカブ村で過ごしている面々だ。
「アルさんは力を取り戻したから大丈夫だろうけど、皆さんは大丈夫なんですか自衛手段とかないでしょう?」
横島の問いに蓮が笑って答えた。
「今回に限っては私達の安全は完全に保証されているわ。貴方にとっては面白くない相手だろうけど、アンリエッタ皇女が手を回したのよ」
横島はそれを聞き驚いた表情になった。彼女たちが使者でなければ罠と断じていたかもしれない。だが彼女達ならば信用できると踏んだものの理解ができない彼に蓮が説明を続ける。
「なんか、今回のアルトくんっていう凄腕の呪術者いえ、魔人?が生まれら経緯を知ってネロ陛下が彼がああなった原因を作った人たちを任命したのは自分だからと、彼の呪いが発動した際に自分がその呪いを防ぐ大業をやろうとしているんだって。
それでネロ陛下は『余が死んだら、アンリエッタ其方が皇帝だぞ心せよ』って言ったんだって。
それを聞いてアンリエッタ皇女が『皇帝に即位? 冗談じゃありません! そんな事したらプライベート(主に大鳳くん関連の)時間が減ること著しいじゃないですか』って考えて、もうあらゆる手段でネロ陛下の死ぬ可能性を下げにかかっているみたい」
その言葉を聞き、少しばかりあの性悪皇女をわざと負けてブラック企業状態に投げ込んでやりたい衝動にかられたが、敵対しているとはいえネロは義にもとる方法で死なせるには、さすがに寝覚めが悪い相手だ。
それにアルトの呪術が成就すれば王国への巻き添えも半端ではない。そう思って彼は意識を切り替えなおした。
「それで今回は、貴方達が俺の鍛錬成果を上げる霊薬を作ってくれるんですか?」
「それが今回は私達は助手みたいなものなのよ。 アンリエッタ皇女が四惑番外の薬の技術に長けた人物を送ってきたのよ。 彼女は私達より薬に関しては凄いと思うわ。 八意永琳先生お願いします」
呼び出されると共にアリスが初めて現れた時の様な様子でそこには銀色の髪に赤と青の医師の服に身を包んだ麗人が現れた。
「今生では初めまして八意永琳と申します。 今の自己紹介で気づいたと思いますけど私も貴方の前世の関係者です」
「もしかして、ワイの嫁さんの一人だったりした人ですかー! 早速夫婦の再開の営みをー!」
襲い掛かる横島を彼女は軽く投げ飛ばして笑った。
「生まれ変わっても貴方は変わらないわね。貴方に入れあげていたのは私じゃなくて弟子と姫様よ。月を救ったこともあったからね」
そういって彼女が腕を振ると、和風の衣装に身を包んだ二人の女性が現れた。片方は東洋の薬売りの衣装に身を包みピンクに近い紫色の長髪の髪をした女性だ。
彼女の頭には霊能力者には作り物ではないと分かるバニーガールが着ける様なうさ耳がついている。それが彼女は人間ではないという事実を示していた。
もう片方の東国の美姫というイメージが具現化したような長く艶やかな黒髪に高価な東国の姫らしい着物を着こなした女性だ。傾国の美女とは彼女の様なタイプを言うのだろう。
薬売りの衣装に身を包んだ女性は懐かしい恋人と再会したような満面の笑みで彼に向って頭を下げた。
「私は鈴仙・優曇華院・因幡です。今生では初めまして。かつて自業自得で居場所を失った際に貴方に居場所となってもらい、心底帰りたかった居場所に戻してもらった月の兎です。今回は貴方の決闘に全力で協力させてもらいます」
頭を下げる彼女を和服の美女が言葉を続ける。
「私は蓬莱山輝夜。竹取物語にでてくるかぐや姫って言った方が通りがいいかしら。貴方の前世に助けてもらった恩を返させてもらうわ」
「は、はい」
横島は頷きながら、背筋がゾクゾクとしてくる感覚を覚えた。分身が元気づき始める感覚が起こると、鈴仙が笑いながら彼を捕らえた。
「どうも私達に嫐られた記憶を魂が覚えているみたいですねぇ。 姫様、今日の訓練は終わっているみたいですし、変態な旦那様の来世な彼の被虐心を満足させてあげますかぁ?」
516 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:18:22 ID:+zV8TJ62
輝夜はその言葉を聞きながら、横島を嗤いながら答える。
「ええ。そうね。優曇華、前世の力を取り戻させる儀式も兼ねた夜遊びに移りましょう。 アリス協力をお願いね」
その言葉にアリスも笑みを浮かべて答えた。
「ええ、任せておいて」
輝夜が九尾の狐などの伝説級の悪女を思わせる笑みを浮かべながら、彼の唇を塞ぎそのまま意識舌を絡められると数回で彼の分身が射精しかけたが、なぜかそれは起こらなかった。
寸止めされている様な不思議な感覚と共に悶える彼を輝夜が手に掴むと次の瞬間、彼は高価な和室の寝室に移動させられていた。いつの間にか服も脱がされている。
優曇華が笑いながら、彼の分身を踏みつけてくると射精できないのがつらいほどの快感が訪れているのに射精ができない。疑問に思う彼に彼女は笑いながら言う。
「私の波長を操る能力は男性の体の気の動きすら操れるんですよ。快感を司る波長を強めて、射精部分の波長を達せない様にしています。ちなみに先ほど貴方の早漏すぎる分身を持たせたのは姫様の永遠と須臾を操る力です」
心底馬鹿にした笑みを浮かべる彼女に目で理由を問うと面白そうに彼女は答えた。
「私は人の気質も操れるんですけど、罵られたり足で踏まれた時に喜んでいる度合いが凄いなと。貴方の精神の波を見ていると本当にあなたは閨の中ではごみマゾだな、と」
罵られた途端に彼女の足で嫐られる分身が余計に元気づき、それを嘲笑する優曇華は同じく嘲笑の目を浮かべる輝夜に目配せすると輝夜も足で彼の分身を踏みつけ始めた。優曇華の足は幹と先端を嫐り。
輝夜の足は玉袋を左右の玉袋を撫でる。 限界に彼が達しかけた時、輝夜が服を脱いだ。傾国の美所の名にふさわしい東洋の女性の最高峰とも思える体がそこには現れる。輝夜は豊かで形の良い胸や尻だけではなく、
バランスの良さをふんだんに見せつける様に彼の前で脱ぎ終えると。そのまま近づき彼の分身を加えこんだ。
女権国家の蜘蛛の巣にとらわれ毒が周り脱力していく虫が味わう様な脱力感を与えてくる彼女の秘所に分身が嫐られ、彼は声にならない奇声を上げる。
その彼を見ながら彼女は獲物を食らう女郎蜘蛛を思わせるような笑みで彼を嫐りながらしばし楽しんでいたが、不意に王族を思わせる気配に変わり、命令口調で彼に言った。
「私のもたらす快感に溺れなさい」
その言葉が彼の脳に焼き付いた瞬間、それを狙ったかのように射精を起こさせた。激しく量の多い射精をしながら彼は怯えた。女権国家の女生たちと交わった経験上この射精は十秒近くなる。
この溺れさせるような快感が十秒も続くのかと。だがそれは間違いだと輝夜の獲物を快楽で嫐る女権国家の女性らしい声が告げた。
「私のもたらす快楽はまさに永遠に近いのよ。溺れきるまでそれがおわることはないわ」
輝夜が何かの力を発動させたことで十秒が永遠に近くなり、体感時間では2分近い射精となった。
どこまでも脱力させ歯向かう心などを搾り取り尽くす快楽に彼が屈し倒れたところで彼女は笑いながら仰向けに倒れた彼に覆いかぶさるように体を押し付けてくる。快楽とその持続時間だけで意識をもうろうとさせられた彼の上で彼女は永い時間愉しみ続けた。
完全に快楽で蕩かされた彼の腑抜けた顔を見ながら優曇華が笑う。
「姫様相変わらずお見事です。女権国家の女性でも1,2時間はかかる快楽漬けを3分も経たずに」
「私と彼の間の時間は1時間近くたってたわよ。老化もさせないように時間を須臾を永遠に近づけるのはやっぱり疲れるわ。優曇華、前世の再現の続き行きましょうか」
倒れた彼に優曇華は紅く光る眼で彼を見ると、女性に閨で良いようにされていることに対する恥辱心が一気に上がった。波長を操る能力で男性としての恥辱心を強くされたようだ。 優曇華は笑いながら彼に対して、豊満な肢体を見せつけた後、彼に騎乗してきた。
輝夜の溺れさせるような性交で霞がかかった様になっていた脳が、彼女に分身を飲み込まれた瞬間雷が落ちたように正常に戻り、そのまま一気に現実に引き戻される。
「朦朧とした意識では理解できなかったでしょうけど、今あなたは王国男子なのに、女性優位の性行為で良いようにされてますよ。頑張って反撃しなさい」
大したことはない煽りの言葉なのにすさまじく恥ずかしく感じられるのは、たぶん彼女の眼で王国男子としての意識も強くされているからだろう。
彼女が横島の波長を操り彼の分身の射精後に敏感になる度合いをより強めた。そして彼女の膣に屈し射精すると、自分が前世の力を取り戻すと同時に、彼女たちに首輪をつけられたような感覚を覚えた。
彼が喘ぎ倒れ意識を失うと次の瞬間、神殿の荘厳さと高級遊郭の様な品のある淫猥さが融合した儀式場の様に部屋が模様替えされていた。意識を失ったのは長くても十秒もなかったはずなのになぜ。そう思った彼に輝夜が笑みを浮かべて答えを返してくる。
「私の永遠と須臾を操る能力を使えば容易いことよ。 優曇華、続きを」
「はい」
「アリス、ユウキちゃん、愛歌さんお願いね。特にユウキちゃんは一番重要なしめだから」
輝夜の言葉に驚き、周囲を見るとアリスとユウキと愛歌がいつの間にか部屋にきていた。
「ええ。任せて」
余裕たっぷりの笑顔で答えるアリスとは対照的に、ユウキは僅かだが緊張している色が見える。女権国家の影響を受けてからの彼女は基本的に儀式的な性交ですら彼を嫐れるとして楽しんでいた節もある。
今の彼女は楽しみにしているのは嘘ではないが失敗できないと思っている節もあるようだ。 愛歌は笑みを浮かべながらユウキを安心させるように何かの言葉をかけているようだ。
三人に注意が向いた瞬間、優曇華が目を光らせた感覚がした後、彼女の瞳が自分だけではなく、アリスが持っている幾つもの人形にも注がれているのが分かった。
魂を抜かれ人形の中に移された感覚がした後、分身に強い快感が走り、これは肉体の方が触られたのだと理解する。そこに楽しそうなアリスの声が響いた。
「私一人の力でもこういうことはできるけど、ここまで手早くはできないわ。優曇華の能力は本当に便利ね」
「ええ。今回はこの力を十全に使わせてももらうとしますね」
二人の会話がどこか遠くで聞こえた時眠りに落ちる時と似たような感覚が彼に走り意識が落ちていく。次に目覚めた時何か大きな変化が自分に起きているという確信が彼の脳裏にはあった。
横島は自分の意識が完全に眠りに落ちた後、自分が前世の時代を追体験していることを確信した。 その瞬間前世高島忠助の記憶が彼に流れ込んでくる。
自分は今ファルガバードの村で罪なき弱者たちと戦い女権国家の先祖たちと小競り合いや、それ以上の邪悪な存在と戦いを繰り返していた。
ヴィヴィオの元で剣を振るった直後に優曇華と輝夜に治療と言われてここに連れてこられていたと思い出す。彼女たちが最初に出してきた薬湯を飲んで意識が落ち次に意識が戻った時には、この状態だった。
輝夜は笑いながら彼の上で彼を嫐っている。一切腰を動かさず膣内部の動きだけで彼の分身を何度も射精させその度に電撃が走った様に痙攣する彼を優曇華と少しだけ似た、ウサギ耳の女性に押さえつけさせて笑う。
「レイセン、もっと彼を嫐ってあげなさい。戯れに男としてプライドが高い相手を閨で圧倒する遊びを初めて見たけど悪くないわね」
そこまで言いながら彼女は残酷さのある笑みを浮かべながら彼の顎を掴み押し上げると言った。
「それともあなたが相手だからかしら? 女権国家の力を取り込んでから好感が持てる男程いじめた時の、楽しみも大きいわ」
輝夜はそういうと彼の唇を塞ぎ舌を絡めてくる。したが絡めば絡むほど彼女の与えてくる蜘蛛の毒の様な快楽が分身と口内両方から体内に広がっていく。 女にいいようにされる彼を優曇華と似た短髪の髪の女性はバカにしたような笑みを浮かべながら答える。
「おそらくは彼だからというのもあるのでしょう。 だってここまで無様に閨で喘ぐ殿方は滅多にいませんよ。 他の男より夜が強いから好きって女性に上書きするのをロマンにしている殿方もいるらしいけど、弱すぎて無様で逆に好みと上書きしちゃうって本当にひどいですね」
517 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:20:02 ID:+zV8TJ62
彼女も優曇華ほどではないが波長を操ることができるようだ。彼の分身や恥辱心に対する耐久力を下げている。優曇華ほど上手じゃないのに初めて受けている様な感覚で免疫がない感じなのはこれが前世の再現だからだろう。
何度目からの射精の時に、輝夜がそれに合わせて腰を振ると彼の下半身はだらしないほどに射精を繰り返した。達したばかりで敏感になったそれを彼女の腰の動きがなぶる。輝夜は笑いながら、わざとらしく怒ったふりをしながら言う。
「私の与えた難題を超えて一応旦那としてあげたのに不甲斐なさすぎるわ。そういうわけで妻として長く持たせるように協力してあげる」
輝夜がそういうと自分の分身への快感が不意に途切れた。これは永遠と須臾を操る能力によるものだと確信すると彼の顔から血の気が引いた。つまりこれが解除された時に一気に蓄積された快感が訪れてくる。達する直前に来た輝夜は笑いながら自分が達すると同時にそれを解除した。
特大の雷に打たれた人間はこうなるのかもしれないと思う程の快感の奔流が彼を襲いそのまま彼は痙攣を繰り返した。笑いながら輝夜が愛おしそうに彼を抱きしめて拘束し、自分の体全てで余計に射精量を増やし、唇も塞ぐ。一分近くも痙攣を繰り返したのちに彼は糸が切れた人形の様に布団の上に倒れた。
崩れ落ちた彼を楽しそうに眺めながら、輝夜はレイセンに目配せをして声をかける。
「今夜の一番の出し物に移りましょうか」
「はい。 優曇華さん来てください」
レイセンが来てからは優曇華院・鈴仙・因幡の事は、優曇華と呼ぶようになっていた。
高島は優曇華の姿を見て、顔色が変わった。彼女が身に包んでいるのはファルガバードに移住してからいつも着こんでいた薬売りの衣装ではなく、
女権国家の月の力を得たり司る女神や淫魔をあがめる部隊の軍服だったためだ。ブレザーにピンクのスカートを身に着けた彼女は笑う。
「畜生行為を行ったかの国の部隊に私も復帰しました。 今はファルガバードと和睦済みとはいえ、この部隊の衣装を着た相手にやられるのは凄く恥ずかしいでしょう?」
「あ、ああ」
優曇華の嗜虐的な笑みに恐怖を覚えつつ彼女との日々を忠助は思い出していた。
優曇華は強いにも関わらずメンタルが弱く、敗れるかもしれない戦いで死亡を偽装し戦線を抜けてこの村に逃げてきた。
暗黒剣の開祖レオンハルトはかつて大罪を犯し、この村に居を移し、そして暗黒剣を生み出した。レオンハルトが大罪を犯したのは弱さゆえに居場所を奪われたトラウマが深く関わっていた。
だからこそ、この村は居場所のないものの寄る辺であるべきという意識が強い。そういう彼が生み出した暗黒剣継承しているからこそ、ファルガバードは居場所亡き者の寄る辺となるべきという思想が強い。
そして居場所がなくなった理由が自業自得であっても、慚愧の念を持つ者はレオンハルト以上の大罪を犯していないのならできる範囲で味方になるべきと考えている一派もあり、彼はその一派の長だ。
だからこそ彼は優曇華の為に戦い、女権国家と和睦と一時的な同盟が結ばれた時には自分が女権国家にした貢献と引き換えに彼女の帰国を許してほしいと頼んだ。
ファルガバードの理念からすれば多くのものから圧倒的な力で居場所を奪い支配下に置こうとする当時の女権国家は、許すことが出来ない相手でもある。
彼女はそれを知った上で女権国家の軍服に身を包みながら言う。
「忠助さん、以前私の薬で多くの人が救われた時に、どんな頼みも一つ聞いてくれるって言いましたよね」
「あ、ああ」
「じゃあ、一度だけこのプレイを許して一切恨まないでください」
「わ、分かった」
横島と違い高島忠助はこのファルガバードの一派の長の一人だ。相手が妻や恋人であろうと、受けた恩に対する約束事に二言などありえない。
彼女は笑いながら、服を一切脱がずに腰を下ろした。下着はつけていなかったらしく、そのまま彼の分身を彼女が飲み込んだ。 彼女の眼が光り彼の被虐心が強くされそして感度も上げられる。激しい射精をした、
彼女と何度もした女性上位ではあっても純愛めいていた性交以上の激しい射精に著しい自己嫌悪と共に自尊心が割れる音が聞こえた気がした。
「忠助さん大丈夫ですけ? 私と女性上位でも普通なエッチしている時の倍以上に出してますね。私との性行為が長すぎて、ドマゾになっちゃたの?」
「そ、そんなことはな、あー!」
優曇華が腰を振りながら音を立てブレザーを半分だけ脱ぎ乳首をぎりぎり見える様に揺らしていた場所に彼の手を導き笑う。
「そういっても仇敵な敵国の軍服来た方がこんなに精子が出るなんて、私にとってはヒーロだったのに幻滅しちゃった。嫌いになった訳じゃないけど」
無理やり胸を揉まされ何度も射精した後、彼かれ優曇華は笑いながら離れた。そして彼女より階級が下の者が着る女権国家の月に関わるものオカルト部隊が着る軍服に身を包んだレイセンに彼を譲る。
「忠助さん、それではいただきますね」
言葉と共に彼女が優曇華と同じ様に彼を犯し、優曇華には及ばずそれでも男性の限界を遥かに超えた夜の技が彼を何度も達しさせる。彼女も波長を操り優曇華と同じことをして彼が自分に屈服するのを見て笑う。
「私は月の部隊では夜の戦闘力は下から数えた方が早いんですよ。そんな私にここまであっさり負けるとか、本当に閨の中の食物連鎖の最下層ですね」
こういう風に女に笑われたら、逆襲したい、やり返さないと情けない。そういう感情を生み出す笑みを意図的に浮かべながら彼女は彼の上で腰を振り続ける。敢えて快感で理性が飛ばず嘲笑の笑みを認識できるくらいに押しとどめながらそれを繰り返している。
何度も射精させながら彼女は波長を操る能力で敢えて横島の感覚を鋭くさせて、自分の体が作り替えられていることを理解させた。射精の度に起こる変化が分かった直後に彼は不安を覚えた。彼女たちに嫐られぬきそれでも分身を包む快楽を求める念は、体力の限界が来るまで止まらないだろう。
彼の精神が完全に堕ちたのを確認すると、レイセンは優曇華と目を合わせて頷きあい、二人で彼を魔眼で見つめ波長を操り始める。彼の性交時の体位に対する認識が変わり、男性優位の体位が女性優位の恥ずかしい体位であると認識し始める。彼女達は笑いながら尻を突き出し後背位の体制になった。
「今の貴方はこれも相当恥ずかしい体位であると認識しているはずですよね。女性に負けると分かっていてこの体位でもしたいという欲望に勝てますか?」
問いかけながらも、一切彼が欲望に勝てると思っていない嘲笑めいた声に余計に分身が固くなり、彼は欲望に負けたと認識しながら優曇華を後ろから貫いた。そして彼女の内部に彼の分身が飲み込まれた瞬間、彼の口から戦闘で激痛を味わった時と同じような悲鳴が上がった。
「ああー!」
悲鳴をあげる彼を優曇華は嘲笑するような顔で笑いながら言う。
「女性が感じるほど締め付けとそれが与える快感は強くなる。そして兎が好む体位ですればこうなるでしょう」
絞め殺される獣の様な声しか出せないままに彼が、僅かに腰を引くとレイセンが笑いながら、彼の腰を掴み押し戻した。律動をさせられて再び強すぎる快感にあえぐ彼を馬鹿にした笑みを浮かべ彼女のさげすむような視線で見る。
彼女の瞳で見られると、優曇華に隷属させられている様な感覚と、射精の際に霊力を奪われる量が増えていく感じがした。怯えつつ期待してしまう彼にレイセンは笑いながら言う。
518 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:20:56 ID:+zV8TJ62
「最低の敵国の軍服来た女性の魅力に負けて、最悪に恥ずかしい体位で性交することを決めておきながら、今更逃げるんじゃありません」
「レ、レイセン、は、離して」
「私より優曇華を先にした貴方にかける慈悲はありません。早く優曇華を満足させて、私の番を回しなさい」
強すぎる快感で気が練れない彼はひたすら人外の力に良いようにされ、そしてレイセンの波長を操る能力の追い打ちで余計に快感を強められて射精の量を増やされる。レイセンは笑いながら彼の玉袋を揉みしだいた。
「もっと固くしてたくさん出さないと鈴仙が満足しないでしょう。早漏。閨の中ではクズザコ男!」
罵る言葉で余計に硬くなったのを優曇華が面白そうに報告を始めた。
「姫様、レイセン。忠助さんたら、男性に行ってはいけない暴言を吐かれて硬さを増してますよ」
それを聞き嘲笑の籠った笑い声を上げる二人に反応するように射精した彼を優曇華が後輩位のまま力を込めて余計に射精の量が増える様に仕向ける。そして輝夜が焼き付くような苦痛も伴うレベルの快感ろもたらしている射精の時間を永遠と須臾を操る能力で伸ばした。
「あ、あ、あああ」
優曇華相手に射精を終えた後、彼は屈辱と脳が焼き付く快感を味わう時間を延ばされたせいで膝から崩れ落ちた。だが、最初に与えられた薬湯の効果か再び欲望が分身に宿り体に力が戻ってくる。
優曇華が彼から離れレイセンが再び彼を迎え入れる様に背中を向けて彼を誘う。彼女の内部に再び分身を突き入れた時の感覚以外は頭から消え去り、二人の魔眼でこれが情けないことであるということだけは強く意識に残るが、彼女が女権国家の軍服を着ていることすら肉欲をより強く燃え上がらせる。
彼がレイセンに分身を挿入するとその瞬間に優曇華の眼が光り、先ほどとは比べ物にならない程の体の全ての気が一気に支配下に置かれたような感覚が走る。その姿を見て輝夜が彼を興奮させる様に罵る。
「敵国の最底辺の軍人に支配されると分かった上で挿入した屑! 否定できないわね。我が支配下に落ちそしてその霊気、生命全てを我が支配下に堕としなさい」
輝夜の言葉を否定できないと思った瞬間に射精時に起こるに衝撃が彼に走り、その衝撃が彼女たちに支配されていく感覚を強めていく。優曇華の視線によって操られた波長が一気に射精ともに霊力を奪いつくす。
彼女に霊力を奪われる感覚が強くなりそして再び輝夜によってその時間を永くされ脳が壊れ尽くすような感覚の後、彼はレイセン射精した時以上に早く崩れ落ちた。
倒れた彼を優曇華とレイセンが両方から押さえつけ仰向けにすると、輝夜が最後に彼の上になり、ゆっくりと見せつける様に女権国家を支援している月の姫である証を見せながら彼の分身を飲み込んだ。レイセンと優曇華の眼が光り、
彼の霊力が一気に奪われていき、輝夜が口づけと同時に流し込んでくる霊力が彼の体内に満ちていく。彼が完全に動けなくなると、輝夜が姫に似つかわしくない怪力で彼を持ち上げ椅子にかけさせた。
薬湯らしきものを彼に飲ませると少しづつ、体に霊力がしみわたっていく感じがする。全ての薬湯を飲み終えしばらくの時間が経つと優曇華とレイセンが情事の時とは正反対に優しく彼を運び温かい布団の中に横たえた。 意識が眠りの世界に落ちる直前に輝夜とヴィヴィオの前世が話している姿が見えた。
「聖王陛下、お望みの通り院の気を遣う暗黒剣で縮んだ彼の寿命、少しだけ伸ばしておきました。暗黒剣の陰の気を抜き、私達の陰の気を送り込んだことで彼の寿命も少しはましになったでしょう」
輝夜の言葉に前世のヴィヴィオは満足そうに頷いた。月の姫であり不死を富士山の由来としたこともある彼女の陰の気を全身にいきわたらせれば、暗黒剣による浸食よりはだいぶましになるだろう。
自分の聖なる陽の気で無理やり中和する方法では、本来体の中にある陰の気が暗黒剣の使用で伸びたものだから、陰の気は散らせても副作用の方が余計にひどい結果を招くという事態に落ちかねない。
月の姫である彼女が与える有益な陰の気が忠助の体を満たしているのを確認するとヴィヴィオはこれで少しは彼の寿命を延びただろうと安心した。その彼女に輝夜姫が不意に声をかける。
「それと次回からは代金要らないから。優曇華の恩人であり情夫だから助けたのもあるけど、うちの因幡達も助けてくれたし、処置の為に一緒に暮らして大分情が移ったみたい」
「分かりました。また彼の寿命を延ばす処置が必要なら連れてきます。でも不死にしたりはしないでくださいね」
「もちろん。 限られた命の中で死に物狂いで走り回るからこそ見ていて楽しい。彼はそういう人種なのだから。貴方も今生で彼の羽をもがなかったことを後悔しているみたいだけど、来世で再開してもやりすぎないようにね」
威圧しているというより、純粋に年長者からの忠告めいた言葉に聖王は少し悩むと頷いた。 多分彼女の経験上そうした方が良いと純粋に思っているのだろう
夢の中で指一本動かせなくない彼は徐々に夢が覚めていく感覚を味わった。そろそろこの夢が終わるのだろう。
彼が目覚めると、夢の中の自分の技が前よりも使いやすくなっていることに気づいた。今の彼は前世より弱いわけではないが、剣術にかけては前世より僅かに劣る。
それが大分補われた感じがする。輝夜と優曇華とレイセンが満足そうに彼を見下ろしていた。おそらくは夢と同じ性交が現実の体でも行われていたのだろう。輝夜は笑みを浮かべながら言う。
「これでアルトとの戦いでも前世で負けたことなしという事実の補正が少しは入るはずよ。せいぜい頑張りなさいな」
そういい終えた後輝夜は彼の、唇を唇でふさぎそれを終えるという。
「お役目が終わったら偶には永遠亭に来なさい。優曇華とレイセンにとって貴方は前世の情夫と同一人物だから、かなり好意的に動いてくれるはずよ。そして、先刻の様に可愛がってくれるはず。もちろん気が向いたら私も参加するけど」
輝夜の口づけを受けて彼は自分の足元が崩れる様な感覚を覚えた。忠助と忠夫が混じり合い、全の自分に主導権を取られたような感覚を覚えた瞬間に、不意にユウキが彼を支えた。隣に上機嫌そうな愛歌がおり彼の腕をつかむ。
「輝夜さん、忠夫を生かすための協力ありがとうございました。あとは僕達がことを終わらせます」
「ええ。貴方たちなら何とかなるでしょう」
輝夜は一瞬で姿を消した後、ユウキと愛歌が今度は彼を押し倒した。 愛歌はインプと化したユウキに後ろから彼を押さえつけさせながら自分も彼を押し、彼の分身を包み込むように受け止めながら言う。
「忠夫、貴方は忠助じゃなくて、前世の力も得た私の英雄さんな、横島忠夫なのよ。さあ今生で得た縁を思い出しなさい」
快楽で精神がボロボロになり、気品のある優しい言葉がそれを癒すような性行為を彼女はしながら時々祝福めいた口づけを彼に何度もしてくる。その度に忠助が横島の一部となり最適化していくような感覚がする。後ろからユウキが胸を押し付けて、耳をかみ息を吹きかけながら言う。
「『忠夫』僕と君は今生で結ばれた縁だから、僕が君を好きになったのは前世の因果は一切関係ないんだ。だから、僕と愛歌との縁を強めて前世に打ち克ってね」
愛歌が彼から離れた後、ユウキが彼を正常位の形で加えこみ快楽で喘ぐ彼を愛歌が時々口づけをしてくる。横島がユウキ相手に射精する時に合わせたような口づけは何度も彼の絶頂時の射精の量を増やした。そして彼女がもたらす祝福が、彼の中の横島忠夫を強めていく。
「忠夫、ほら僕達の『忠実なる夫』なんだからアルトくんとの決戦の時はその通りに動いてね」
ユウキが彼の分身を胸で挟みびくびくと震えるそれを胸で泳がせながら言う。
「わ、わかっとる」
射精した彼を満足そうに見ると不機嫌な顔になった愛歌が再び彼の分身を飲み込む。
「胸だけがすべてではないことも覚えておきなさい。ほら、『忠夫』私の祝福と魔術の支援を受けなさい」
愛歌の下で喘がせられ射精すればするほど忠夫の名前通り彼らの『忠実な夫』に近づいてく感じがしている。
519 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:22:59 ID:+zV8TJ62
二人に何度も射精させられた後その日の夜完全に、忠助が前世だと無意識でも認識できるようになった時、その日の情事は終わりになった。 決戦の前日の夜に彼はリグルに押し倒されていた。リグルは何度も彼の霊気を貪り尽くした。
そして優曇華とレイセンが彼の気を調整し、リグルにたくさんの精を注ぐように体の感度などを上げていく。
「忠夫、ほらもっと僕に霊気を注いで。そうすることで僕が鍛えた剣、蛍守(ほたるもり)との同調を高めなきゃ」
「あ、ああ」
ここ2週間はリグルに何度も絞りぬかれた後、彼は優曇華たちの作った薬膳料理などで回復させられることを繰り返した。彼女との性交が終わった後、彼は様々なことを考えた。
アルトに惚れた四人の女性達、吸血鬼でありながら聖なる力を使えるシスターカーミラ、そしてアルトの言い分が正しいと認めつつ、修羅道から彼を引き戻したいと思う小蒔。そしてカーミラの弟子であり、アルトに救われたラビアン。
恐るべき邪教の集団がラビアンの強さを見て生み出した、邪悪なる生き物の力を注入されたラビアンのクローン体であり、そしてそのような境遇でも正しい心に目攻めた彼女は、預言で悲惨な未来しかない、ラビアンを救う為に戦った。
新たなる運命という意味と、邪教団体を欺くという二つの意味で、彼女はアルトから『フェイ』という名を与えられたらしい。その名は自分にとって宝だと彼女は言っていた。
彼女たちのアルトへの愛を知れば知るほど、あいつを殴らねばという思いが彼の中で強くなっていく。そして彼は気を落ち着けると眠りに落ちた。
アルトは猜疑や恐怖はないが僅かな困惑を覚えつつ、横島が指定した決闘場に向かっていた。そしてその場所に着いた時、彼はやはりという思いを抱えながら状況を見た。
目の前には女権国家の闘技場だ。彼がたどり着くと案内係、多分ネロのメイドと思われるものたちが彼を迎えた。 一番前の紫色の髪をした女性は一礼すると口上を述べ始める。
「貴方がアルト様ですね。お待ちしておりました。私はネロ様に使えるメイド、ヴィルヘルミナ・カルメルであります。本日ご案内をさせていただきます」
「貴方達、僕に対して思う所がないのか?」
メイド達は意にも介さない様子で答えた。
「ネロ陛下のあの様子なら多分どうにかできる様に手を打っていたのだと思います。ネロ陛下は自分が死ぬかもしれないと本気で言ってましたけど、多分大丈夫でしょう。
確かに死ぬかもしれないと、本心からおっしゃってもいました。ならばなおのことネロ様が少しでも映える様にいつも以上に凛とした態度でなければいけませんから」
「そ、そうか」
「それにあなたの報復の念は正当なものですから。恐怖に負けた故で邪念はなかったとはいえ、貴方の故郷を滅ぼした女性達の行為は戦争中とは言え、超えてはいけない線を越えていました。
ですが、もしもですけど、横島様が勝利してなお貴方が生きていたのなら、小蒔様やラビアンちゃんと一緒に貴方を好きにさせてもらっても良いですか?」
ネロの配下のメイド達の慈愛と情欲の混じった瞳に彼は僅かもたじろがずに応じた。
「別に構わない。負けるということは望みが潰えるということ、敗れて木偶となった抜け殻などどうとでもしてくれても良い」
それを聞くとネロ配下のメイド達は喜びの声を上げた。
「言質取りましたよ。ファルガバードの魔剣士の方々は二言などない方たちですから、約束を違えることはないでしょう楽しみであります」
そのメイドの声を聞き、アルトの中の警戒心はより強くなった。少なくとも彼女たちは正々堂々した戦いが行われると信じている。その上で横島が自分に勝つ、さらには殺さずに終えるとまで考えているようだ。 前世の長所をさらに伸ばした彼なら、味方すら騙しぬきかねない。
そこまで考えてやめようと思った。彼との戦いは考えすぎると深みにはまる。
状況への推理は捨て、客観的な過去の情報だけを拾い上げ分析し始める。横島が防諜組織を返り討ちにした時のことを改めて調べてみたが詳細は分からなかった。ただ防諜組織にとってはトラウマになるレベルの敗北だったとしかわからなかった。
『そして、二週間ほど前から初音ミクと共に、誰にも見られない場所で鍛錬を続けていたらしい。彼女は相当な達人であるし、横島殿も前世の力を取り戻していている以上は、剣の技の一つくらいはものにしたかもしれない』
アルトの思考はそこで断ち切られた。恐るべきものはそう多くはない。今の自分は祟り神に近いファルガバードの剣士たちの念で霊力が膨大であり、そして武術に関しては彼より上だ。 最強の居合の太刀を放てば確実に勝てるだろう。
できればそれを使わずに勝ちたいとも思う。前世から自分より格上すら確実に葬ってきたこの技は一度見せてしまったら、盗まれる恐れもわずかだがあるし、この技を警戒されてしまいださせないことに全てを費やす敵だらけになってしまう。だが今夜呪いが成就すればその心配もない。
一方横島もここ一月の鍛錬を思い出していた。ユウキの剣やミクの剣技の嵐を受けながら、ひたすら蛍守を振るった日々。彼女たちの相手を続けなければ、今のアルトの剣はとても受け止められない。霊力をコントロールする彼にユウキが心配そうに声をかけた。
「忠夫勝てそう?」
「正直難しいが、確実な勝ち筋は見えとる。アルトの奴は絶対に俺に勝てると思っている。事実そうだろう。だがあいつは貪欲なんだ。前世で半ば育ての親みたいな兄弟子だったワイはそれが良くわかる。戦場でも学べる技術のある敵とかがいると、
わざと術を使わせたり敵の技を放たせて学ぼうとするときもあった。格下や勝率の高い戦いで見せるその悪癖を見せてきたらそこに付け入れると思う」
「それでその悪癖を見せて来たらどうするの?」
「見せるじゃなくて刺激して目覚めさせるわ。最初の数秒それでこの戦いの楽さが決まる。最も一番楽なルートでも死ぬ可能性が4割から7割の繰り返しやけどな。それが出来たら、どうにかワイの望む最終局面の展開に持っていく」
横島はそういうと歩み始めた。
「もう行くの?」
「ああ。アルトの奴は俺に勝つ際に一番調子の良い俺を倒したがっていた。だからこそ闘技場に色々な術式とかも仕組んでいいと言ってきていた。先に待ち構えることで、罠が一つ二つ増えたかもと思わせる」
「ところでミクさんとはどんな修行してたの」
「あれか修行には無論意味があったが主な理由は戦闘力の向上じゃない。切り札を得るためだ」
そういうと横島は蛍守とは別の刀を持った。二刀流に使うとは思えないそれは、確かに名刀であると分かった。だが明らかに横島が使う刀ではない。直接振るうだけではなく、刀に宿る魂を引き出す術に近い技もあるようだがそっちの為の刀なのだろうか?
横島が先に闘技場に出て待ち構えているとオカルトの実在を知っている女権国家の女性達が闘技場に集まり、彼が負ければネロが死ぬと聞き必死の声援を送ってきている。ネロは皇帝の観戦席から明るい様子で声を上げた。
「本日十数年前の任命失敗の責により余は死ぬかもしれない形で責任を取ることにした。横島が死亡し黒鉄アルトが彼と深い仲になった女性達を殺し、呪いが成就したなら、
その不当な殺戮が産んだ呪いは余が受けることになっておる。呪いは宮殿の方に先に行くようにしてあるが早く避難するようにな」
ネロの声を聞いていると、本来なら大惨事になる可能性のある事態すらも笑い話で終わるかもしれないという、気がしてくる。彼女はそういう運命を引き寄せる王の徳の様なものも持っている気がする。
今は彼女を守る形で剣を振るう立場なことがありがたかった。彼女の天運が自分の背を押してくれるだろう。 彼女が身に纏う服などは呪いを受けるために来た特別なものなのが分かる女権国家では皇帝は霊的な象徴でもあるのだろう。
520 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:24:15 ID:+zV8TJ62
僅かに緩んだ緊張は次の瞬間張り詰めた。あの日の夜四人を殺そうとしていた魔人となっているアルトが向こうのコーナーから歩みだしてきた。
その手に持つ不吉の象徴な様な刀と、身に纏う鬼気は以前とは比べ物にならない。 その歩みだけで彼が祟り神に近い存在と化していることが分かる。
闘技場に到着した彼は禍々しくも美しい赤い月を連想させる光に刀身を包んだ村正を抜き口上を述べた。
「兄弟子、約一月ぶりですね。前世の僕は真剣勝負の場では一度たりとも貴方に勝てなかった。 今日それを返上させてもらいます」
「別のものがかかっている戦いならともかく、今の事態でそうはならん。いやさせん」
そういいながら横島も蛍守を構え抜き放つったアルトの剣とは対照的な夜の闇への恐怖を和らげる翡翠色の光がその刀身を包んでいる。
アルトは全身から霊力を飛ばし、闘技場全体を確認した。先に準備を許した以上、彼の事だ、恐らくは無数の札や霊的な罠があちらこちらに仕掛けてあるだろう。
アルトは剣を構えると問うた。
「準備は良いですか」
「おう、いつでもこい」
言葉が終わった瞬間に、武芸の熟練者たちにすら理解不能の光景が繰り広げられた。アルトが瞬間移動としか、思えない動きで、横島がいた場所に迫り村正を振るった。だがその瞬間彼の姿が一瞬で掻き消えたのだ。
一瞬の動揺の後にアルトは即座に冷静に戻る。
『信じられないが転移の術を我が剣で薙ぎ払うより先に、使ったのだろう。準備も何もしていない状態でそれができるとは。だが呪いが発動していないということは少なくともこの闘技場から逃げてはいないな』
動揺が収まりかけた瞬間、横島の霊力の籠った札が地面から出てきてある札は彼に迫り、ある札は火炎や光を乱射してくる。
「こざかしい!」
叫び声と同時に起きた、波動で大半の札は消滅した。それを見て霊能に明るい観客たちは戦慄を覚えた。 横島が作っていた札はどれも上級の悪魔などでも、まともに食らえばただでは済まないものだ。
それを迸る鬼気だけで破壊するとはどれだけ今の彼が強力な存在かわかる。 十数個の特注品が残り彼に迫ったがその大半を彼は村正と自分の放った式神で破壊した。
防ぎそこなった一つが彼に迫りそれを左腕で直接叩き落すと彼の腕に大きな火傷の跡ができる。だがそれも体を包む邪気が直ぐに癒した。
闘技場のリング全体を破壊しつくしかねない術を発動させようとした瞬間、横島が再び現れて、彼に不意打ちの一撃を放った。 速さは僅かに横島の方が勝っているとアルトは感じながら彼の連続の剣撃を受け止めている。
済んだ金属音の奏でる曲が響き渡る中で、闘技場は珍しく静寂に包まれた。二人の立ち合いが間違いなく命のやり取りであり、そしてその緊張感に溢れる技の応酬がオカルトが実在すると『理解』はしていたが、『実感』はしていなかった面々にオカルトの実在と、
この戦いで横島が負ければ祟りが女権国家中にばらまかれ、そしてほぼ確実に現皇帝の死につながると理解したのだ。
「珍しく激しく攻めてきてますね。兄弟子」
「ああ、お前の所業を知ってむかつくことが多すぎたからな」
横島の剣撃の嵐は速いだけではなく、直前に軌道を変えたり意図したフェイントが多く、普通に速いだけの剣士以上に厄介だ。剣だけではなく様々な技の警戒をしなければならない。それでも敢えてアルトは横島が最高の状態で攻めの初手を取れるように持っていたところがある。
今の自分は不当に殺されて強い祟りをなすファルガバードの剣士たちの呪いに後押しされている魔人だ。彼の祟りの力が大抵の傷ならばすぐに癒す。そして本気で自分を倒しに来ている横島の技は学べるところも多い。稽古ではない真剣勝負だからこそ、使ってきている技というのもある。
術を時には放ち、剣撃や武術のフェイントを大量に放ってくる彼にアルトはしばらく受け付けていたが、不意に言葉を放った。
「そろそろこちらが攻勢に転じますよ。この状態を維持したいのなら、引き出しを全て空けなさい」
「時間稼ぎが目的だけど、実は守りの方がワイとしては嬉しかったのかもしれんぞ」
急に攻めるのをやめていつでも打って来いと言わんばかりの構えを見せた横島に対して、アルトの頭の中に様々な可能性が浮かんだ。さっきの転移がまたできるのかもしれない。そして、
いつの間にか手元から消えていたもう一本の剣はどこに行ったか。あの剣は間近で見た限り良い霊刀ではあるが、戦局を変えるほどのものには見えない。少なくとも横島の手になじんではいない。刀に宿る魂の引き出す秘術をもってすればそれなりに強力な力を放ちそうだが、便利ではあってもこの戦力差は覆せまい。
そこまで言うとアルトの気配が一気に変わった。少年の雰囲気から自ら魂を魔人に堕とした存在へと転じる。
「それでは行かせてもらうぞ」
敢えて宣言して彼は切り込む。横島相手にこんな馬鹿正直な戦い方は普通なら自殺行為だが、今は彼の守りの型も学んでおきたかった。
アルトの全霊を込めた一撃を横島は辛うじてだが受け止めた。
「見事。余程この国に来てから死に物狂いで鍛えたのだな。我の剣を受けるとはな」
鍔迫り合いで圧倒的な有利を取りながらも、アルトの声には賞賛の念が籠っていた。今の自分はスポーツで例えれば飲んだら速攻で失格になる薬でドーピングされている状態だ。それとまともに打ち合える時点で、賞賛の言葉しかない。そして彼の首筋に鍔迫り合いをしたまま剣が迫った瞬間、アルトは言った。
「我の勝ちだ。 女権国家の者どもよ、見ろ。いま我が大願と呪いが成就せり、貴様らの過去の所業が原因で、徳高き皇帝は呪いで死ぬ。ファルガバードの英霊でもある横島忠夫が、守り切れぬことが貴様らの国の罪状が許されぬ証左である」
アルトの剣が彼の首に迫ると横島は慌てて早口でしゃべりだした。僅かに彼の口調が喜劇の様で僅かに空気が弛緩する。
「ア、アルト。まだ勝ちが決まってないんだからそういう宣言はやめた方が良いぞ。万が一しくじったら格好悪いじゃないか。それより復讐やめないか? もう知っているかもしれんが故郷焼いた連中もそこまで外道ではなかったみたいだし
、怖さのあまりやっただけだったし、処刑されるなら受け入れるつもりやったぞ。 冷静に戻るとお前の性格上彼女達を苦しめるために罪のない女権国家の女性虐殺とかしたら、絶対後悔するぞ。 彼女達自分たちの不始末なのに、
その落とし前でネロ殿が死ぬかもって聞いて一晩で白髪になってたし、女権国家の女性なのにお前が嫌なことがあるたびに、いじめに行くからやつれ気味やったぞ。こんな不毛なことやめようぜ」
殺されかけているのに場を喜劇の様な空気に変えかけた。彼に対してアルトは冷酷な声で応じた。
「どうやら手加減を間違えたようだ。もう少し学びたかったが最後だ」
「ああ。もっと本気で殺す気で来るべきやったな」
521 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:25:26 ID:+zV8TJ62
その言葉を聞いた瞬間アルトは即座に村正を引いた。前世の記憶があるからこそ、分かる。こういう場面では目の前の兄弟子は絶対に、
一矢報いてくる。ベリアルの力も性行為で得ていることを考えれば、嘘かもしれないが勝ちは揺るがない以上、焦ることはない。彼の予想は正しく無数の光の矢や札が彼めがけて飛んできた。
結界の展開がもう少し遅ければ受けたダメージは倍以上になっていたそう思いながら彼は飛び切りの念力で横島を吹き飛ばした。
彼は自分の傷を癒しながら少し考えてから口を開いた。
「なるほど文珠か。 あのふざけた口上をしながら術を唱えたり、念を送るのは無理。もしかしたら貴様は凄く器用だからやってのけるかもと思ったが、あれは術だけはないと思わせるためか」
『あからさますぎたか。絶対にないと、思わせたら逆にあると思われるとは、術の発動狙っているなら。ありえない行動だったんだが』
「貴様を過小評価していたようだ。ここからはどれほど遠回り仕様が最後に勝利という結末にたどり着く道を行く」
それからしばらくは紅く輝く妖刀村正を翡翠色に輝く横島の剣が受けるとことを繰り返し、時々横島が仕掛けた罠が発動することが何度か繰り返された。観客席から二人の戦いを見ているジャギと大鳳はアルトの戦い方がこの場にいないミクに似ていると思った。
アルトの方が実力は上だが横島の生存に特化した守りがうますぎるのと、さっきの失敗で脳に刻まれた手厚い失敗のせいで慎重になり過ぎてしまい攻めきれない場面が多い。
剣撃の嵐を浴びせ時には反撃の刃や拳を受けながらアルトは思う。一度脳裏に刻まれた戦闘での失敗の記憶というのは思った以上に、重いようだ。その時は気づけなかったが、慎重な戦法ではなく全力で速攻をかければ勝てた場面も何度かあった。
『いや、我が下手というより目の前の彼が上手かったと思うべきだな』
使うべき罠が尽きかけたらしい、横島が刀を構え提案を持ち掛けてきた。
「アルト。お互いが次に繰り出す技で決着をつけんか」
ファルガバードの剣士同士の決闘の技で最高の技をぶつけ合い、負けた方が折れるというのがあった。兄弟子からの提案にアルトは少しだけ魔人から少年に戻ると即座に頷いた。
「彼女たちに僕を連れて帰るという約束を果たせる最後の機会だと思っているようですね」
「ああ。これ以上消耗したらワイが勝つのは不可能に近い。それにお前も俺の今生で得た技に興味があるんだろう。この戦いの後も女権国家の相手に戦うなら技は多い方が良いだろう」
「応じましょう。兄弟子貴方との戦いは本当に学ばされることが多かったです。自分は剣の速さや力強さは上がっても思考パターンは前世とあまり変わってなかったようで。 勝負自体は勝っても読みあいでは負けまくっていたのが何よりもそれを物語っています」
「そうでもないがな。俺の前世と今生両方で得た、培った最高の技で応じよう来い」
アルトは笑いながら怨霊たちの力を取り込み魔人に戻ると村正に全霊力を込めてそして彼に向けて切りかかる準備をした。
村正の断ち切るという概念と妖刀としての側面を一気に強化しそして自らをそれを振るう部品へと変える、最高の妖刀に込めた最高の妖力の一撃。前世から格上すら倒しぬいた最高の技一度も敗れたことがない。必殺の剣を彼が放とうとしたとき、横島も二つの文珠を取り出した。
『やはり文珠で『強』『化』するか。我の技の威力を知っていながらなお応じるのだから相当な技ではあるのだろう。今の彼は二文字までしか使えない。『超』『強』『化』でもこの技は破れまい。これで終わりだな』
それを見て大鳳とジャギは観客席から慌てて離れていた。そして彼らはほっとした様子で言う。万が一にもアルトが自分たちの様子を見て、不信感を抱かせないためだ。
「ジャギ。もう忠夫の勝ち確定だね」
「ああ。黒鉄の奴は横島の文珠の便利さが他の文珠と一線を隔すと予想できてなかったんだな。 それに俺たちの事も反女権国家勢力だからと、戦力に対しては調べてなかったのも拙い。まあ、敵対する可能性なんて一割もいかなかったし、
この一騎打ちで横島に勝ったら大切な兄弟子を殺した村正で、恋人だった女性達も殺して女権国家を呪う呪術発動だったらしいし、その後の女権国家相手の殺戮計画は『できればやりたい』って程度の気持ちでしかない。
最悪今回の呪いが発動すれば別に殺されて良いと思っていた。それが次に横島の敵討ちに来た俺たちに殺されても別に良かったんだろう」
「彼、忠夫のことは調べていたみたいだけど、本当にこの後のことはどうでもよかったんだね。でも迂闊すぎるよね」
いつになく毒のある口調でアルトを評する大鳳を見てジャギは大鳳がリンネに言ったに信念なき勝利を認めないという言葉を吐いていたというのを思い出した。アルトは慚愧の念をもった相手を殺すのではなく、嬲っていた。
彼女たちが受けた仕打ちに対して大鳳は本気で怒っている。多分実感はなくても父を奪われた自分と似通った部分に反発しているところもあるのだろう。
「桃子から連絡が来たよ。楯無さんたちも、帰った人たちとアルトから見えない場所に移った人に分かれたってさ。もう忠夫の勝ち確定だって言っているみたいだよ」
「だろうな。あの日のトラウマ持ちならそう思うだろ」
アルトは村正に全ての気を込めて一撃を放った瞬間、横島が文珠で『隠』していたさっきの刀を拾ったのを見た。そして彼の両腕の文珠に現れた文字は、予想していた『強』『化』ではなかった。その文字は『再』『現』そして横島の服が男性でも女性でも着られる道義に変わる。
そして彼はその状態の彼に馴染む持ち換えた刀でアルトの村正を受けきると鍔迫り合いで勝利し、一気にラッシュを叩き込んだ。拳一撃一撃が鉛の様に重い。その攻撃を圧倒的な劣勢になりながらアルトは反撃を繰り返す。横島の拳などの攻撃が三度当たる際にアルトの攻撃は一度くらいしか当たらず、
どんどんと彼の霊力が削られていく。圧倒的な劣勢の戦いを繰り広げるアルトを楯無たちは賞賛の眼で見ていた。
「祟神の力を取り込んだ人間ってすごいですね」
「ええ。今大鳳くんの悪友な彼が使っているのって、私達にトラウマ刻んだ夜に使ったミクを『模』した文珠の『再』『現』でしょ。殆ど一方的とはいえ、ミクとあそこまで殴りあえるとか凄いわ」
横島は昨夜ミクと訓練所で『模』の文珠を使わせてもらっていた。そしてその際に今日使ったもう一本の刀がミクの手に馴染むまで共に鍛錬を続けていたのだ。今夜の『模』させてもらった彼女をより強くイメージするために二人で修業していたという部分もある。
そして彼女の忠告を彼は思い出していた。
『横島、多分これやらないと勝てないでしょうけど、なるべく早く片付けなさい。あんま長引かせると貴方相当凄い筋肉痛とかになるわよ』
『前使った時で知ってます。服装までミクさんになって恥ずかしかったうえに、あの後両手両足がポキっと折れてそこに肋骨にひびが入り、うずくまった所に相撲取りがドスンと来たような感じでした』
『まあ、おかげで楯無たちも準備なしで私の襲撃受けたみたいな状態になって、ボッコボコにされてしばらくトラウマで睡眠薬が必要になってめでたかったわ』
『模』の文珠は本当に使い道が多かった。最初にアルトが彼を見失った際に彼は『転』『移』の文珠を使った直後に、『隠』の文珠を使って隠れながら、アルトに『模』の文珠を使ったのだ。驚くほど相手の思考を読めていたのはそのせいもある。
522 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:27:04 ID:+zV8TJ62
アルトを殴りながら彼は本当に後が怖いと思っている。
『これ絶対に後でえらいことになるわ。ドスンとくる相撲取りが二人くらいかも。だが殺さずに弱らせるには殴り続ける持久戦しかないしな』
60発目の拳を受けてアルトが倒れると彼は勝利したと確信した。そして彼は宣言する。
「ファルガバードの剣士の怨霊たちよ、前世が貴方たちと共に戦いし剣士である横島忠夫が宣言する。ここに正々堂々の戦いによる報復戦は終わった。女権国家の二度目の無道に対するけじめはこれをもって最後としてもらいたい。
二度目のファルガバード壊滅を汚点としてこの国の歴史に残し、そして彼女達をファルガバードの村のある場所の辺境伯としてあるいは修道女として、かの地の縁者血縁者たちに使える巫女や奉公人となさせる」
彼の宣言が終わった後アルトの中から禍々しい存在が出ていく感じがした。
「まだ怨霊は残っているが悔い改めて上位者として祀れば女権国家にも祟りはくださない。執行猶予が付いた状態だと心してくれ」
息を切らして倒れた横島に変わり、いつの間にか訪れていた霊夢がマイクを取り言った。
「今回に限り除霊などを請け負う組合の代表として選ばれたので言わせてもらうわ。あの怨霊たちは凄く強力だから、古来より善行をなしたものが不当にひどい目にあわされて生じた祟り神はそういうものよ。
今回悪かったのは女権国家の方だから。もしもこれ以上ファルガバードの英霊達や生き残りの縁者たちに不義理したら、どんな祟りが起きても私たち民間の除霊組織は知らない。助けない。
道徳的に助けたくないとかじゃなくて、無駄死になるからよ。それを踏まえてファルガバードの生き残りたちは遇しなさい」
この席に出席しているものたちの中にはオカルトの実在を今夜初めて実感した者も少なくなかった。だが、そういうものたちですら霊夢が悪霊払いなどに関してはすさまじい実力者なのだということは分かった。
そして彼女の言葉が、ただただ事実を述べているのだということも。今夜の戦いを見に来た良識派はもちろんそうでなかった者たちも恐怖から神妙に頷いた。
アルトは戦いが終わった、後宮廷の寝所らしき場所に自分が寝かされていることに気づいた。
祟り神の力はぬけてしまい。今の自分は策謀なしの横島との剣技の勝負でも10回戦って6か7勝てるくらいだろう。
彼が立とうとすると不意に声が響いた。
「目を覚ましたようですよ。では約束を果たしてもらいましょう」
横島との試合の前に話したメイドの声に気づき顔を上げると、目の前にいたのは声の主のメイドではなく、シスターカーミラだった。彼女は笑いながらアルトの唇を奪うと、彼の体は普通の男性よりははるかに遅れて、反応し始めた。
「やはりファルガバードの剣士達は普通の男性より女性の与えてくる快感に対して鈍く耐性が強いみたいですね。暗黒剣は邪悪ではないけど陰の気ですから」
陰陽論では女性は陰であり、男性は陽である。女性に触られた時の男性の陽の気が反応する部分もあるために、快感が大きくなる。ファルガバードの魔剣士達は、男性でもある陰の気を暗黒剣の技法で練り上げている為に女性の陰の気に反応しづらいのだ。
それが強さ以外でも、ファルガバードの剣士達が女権国家の女性他の難敵とされた理由の一つだった。それを見ながらカーミラいう。
「でもそれならそれでやりようはあるんですよ。ヴィヴィオ陛下直伝の方法です」
カーミラが祈りをささげると聖なる気が陽の気が部屋中に満ちアルトの陰の気を消し飛ばし強制的に彼の体を陽の気で満たし始めた。アルトの分身が余計に硬くなったのを見て彼女は笑いながら彼の分身を飲み込む。
「あ、ああー!」
生まれてはじめの祟り神のなどの陰の気に守られていない状態での射精は一気に彼の精神を砕いた。横島との一騎打ちで敗れ約束した以上は復讐を止めなければという、喪失感の中での強すぎる女権国家の女性が与えてくる快楽は彼の心を滅茶苦茶にするには十分すぎた。
カーミラ自分の胸の所丁度来ているアルトの顔を抑えると完全な脱力状態の彼に乳首を口に含ませると撫で始めた。母親があやすような技の中に脱力させる快楽の技も多数入っている。
「アルトくん。復讐者と戦っていないときはファルガバードの剣士として、他者を救うために悪を切る戦いを続けて疲れたでしょう。ほら早く昔の子供らしい顔を取り戻して」
三回ほどカーミラがアルトを絞り終えると、小蒔とラヴィアンとフェイ、そしてネロ付きと思われるメイド達も入ってきた。
カーミラは彼女たちが来ると一時的にアルトから離れた。小蒔が笑いながら彼を抱きしめて言う。
「アルトくん。もう負けちゃったんだから兄弟子さんとの約束通り復讐を捨てよう。そして僕達の旦那様、あるいはペット、抱き枕どれかになってね」
小蒔が射精したばかりの彼の分身を巨乳で挟みラヴィアンとフェイの二人もそれに加わった。 彼女達もカーミラと同様に聖なる力を使い始める
。カーミラとフェイは邪悪な存在の生まれでありながら、善なる心が悪心に勝り、そして積んだ善行の為に聖なる属性の力も使えるのだ。
小蒔に絞られて倒れそうな彼をラヴィアンとフェイが左右から挟み顔を四つの乳房で圧迫しながら分身を手で嫐る。
「アルト様。ここのメイド達は私やカーミラ様と同じ修道院で修業してネロ陛下付になったもたちです。
カーミラさんが血を飲ませて人生を追体験させたら、貴方に惚れて貴方を、復讐者から解き放つというネロ陛下の命令をうけたのです」
「あ、ああ。や、約束した以上は好きにしていいって言ったし復讐はやめるけど、これ以上はやめておかしくなっちゃう」
二人に離され仰向けに倒れたアルトに小蒔がのしかかり胸で顔を窒息させそして分身を飲み込みながら言う。
「大丈夫!大丈夫! 今までが大人すぎただけで、これからなるアルトくんの姿の方が年相応だよ」
「〜〜!」
胸で口を防がれ声すら出せない状態で射精する彼を、小蒔は楽しそうに抱きながら撫でた。カーミラが後ろから血を吸うとさらにその快楽で、射精の量が増えていく。
小蒔に解放されるとラヴィアンとフェイが二人係で彼を弄び始める。
『それじゃあ、私達がどっちでどっちか当てられたら今夜はお開きにしてあげます』
そういってラヴィアンが彼の分身を飲み込んだ。彼女のどこまでもアルトに強い快感を与えるという善意しかない攻めで彼は気概や信念が一気に溶かされていく感じを味わいながら脳が壊れ、彼女の使った魔法のせいで彼はフェイと誤認した。 普段の彼ならありえないことだ。
「ハズレです今度はちゃんと当ててくださいね」
そういってカーミラが再び胸で目隠ししながら対面座位に持ち込み。彼を一度射精させると。今度はフェイが自分をラヴィアンと思わせる魔術を使いながら彼の分身を飲み込み嫐る。
「ラヴィー!」
宣言し終わる前に、彼女はわざと快感を強めて射精させその声を途絶えさせた。そしてわざとらしく見下ろしながら言う。
「声が途切れたのはフェイと言い直すため? 確かに慎重に考えないとチャンス逃したら今夜はずっと嫐りものですからね」
「ラヴィ、ああー!」
彼がはずれの答えを口にできたのは、五回射精させられた後だった。
再び彼の分身を加えこみ巨乳で頭をとらえている小蒔が言う。
「アルトくん、少し弱すぎない。それとも僕達に嫐られて女性優位の性行為されるのが癖になっちゃった?」
「――!(そんなことはない)
「そうかなあ。それじゃあそろそろ今夜の締めに移ろうか」
小蒔が離れると、控えていたネロ付きのメイド達がベッドの前に並び始める。先頭はヴィルヘルミナだ。
「アルト様、私もカーミラ様に血与えた際に、カーミラ様の人生を共有し彼女の眼を通して貴方が魔人ではないときにどういう風に戦ってきたか見せてもらいました」
そういいながら彼女は快楽の与えられすぎて動けないアルトの分身を飲み込みながら言う。
523 :
名無しさん@狐板
:2022/12/05(月) 23:27:57 ID:+zV8TJ62
「私が訓練をつけた者たちが本当に申し訳ありませんでした。それなのに貴方は虐殺に走りはしても戦争の条約は破らずに女権国家の悪辣な存在だけを切っていましたね。
本当に素敵です。私の全てを味わいつくして怨恨の全てを吐き出してください」
ヴィルヘルミナは一度離れると魔力で作ったリボンでアルトの分身を愛撫させ彼女は意味深な笑みを浮かべた。
「実は私も、継承権はないけど一応は女権国家の皇族なんです。本来ならこんなことはできないんですけど、
ネロ陛下が貴方に最高の快楽を与え続けたいと頼んだらネロ様が協力してくださり本来使えないまじないをさせてくれることになったのであります」
リボンで彼を縛るのは万が一にも逃亡されるのを防ぐためだろう。今の快楽でおかしくなっている彼にはそんなものは明らかに必要なさそうだが、それでもかなり慎重にやろうとしているのがうかがえる。
そしてヴィルヘルミナが口づけると、彼の中に何かが刻まれた。それは大鳳が受けた穢れなき純潔の束縛だ。
「これであなたは常に最高に気持ちよい状態で私たちの与える快楽を受け続けられるで、あります」
なにか危ないと思い逃れようとする彼だが分身に手足のリボンは一切苦痛や圧迫感はないのに彼を決して逃がさず、そして何よりも分身と玉袋に絡みついたそれが快楽を流し込んできて一切行動させてくれない。
彼女が焦らしぬいて再び押し倒してくると、小蒔が横島からもらっていた『伝』文珠をヴィルヘルミナを含むメイド達に使った。不意に彼を嫐るヴィルヘルミナの動きが止まり、しばらくすると彼女が言った。
「申し訳ありません。恐怖ゆえとは言え私の教え子たちがあそこまで道義に外れた協定違反をしていたとは。これから全力で償わせてもらいます」
彼女の動きがさっきまでよりもすさまじくなり、そして言葉すら発せないアルトの痙攣がますます激しくなってその射精が終わって倒れた彼に他のメイド達も集まってきた。
「アルトさん。早く癒されてくださいね」
「あ、ああー」
メイド達の贖罪と情欲の混ざった瞳にさらされながら一人に分身を飲み込まれ、射精しながら彼は、復讐者としての自分は完全に死ぬと確信した。
試合を終えて一週間後横島は、ネロとかわした約束がちゃんと履行されているかを確認すべくメアリー孤児院に向かっていた。ネロがアルトを復讐の修羅堂から解き放つ女性達を募ると言った際に、
本妻は最初にあった四人の誰かにすることと自分の文珠で人柄を確認した女性達で信用できるものたちだけを選ぶことを条件とした。アルトを女権国家の女性のものにすることには思う所があったが、
それでもあの修羅道を歩ませるのは良くないと思ったためだ。
激痛を早く収める薬をもらう条件として輝夜たちに薬を飲ませてもらった後貪られ、ユウキたちにもいいようにされ続けてようやく、動けたのは一週間後だった。彼が今向かっているのはメアリー孤児院。
アルトを解放する際の見受け場所として彼が指定した場所だ。横島がアルトと決闘する際の条件にミクは様々な条件を女権国家に飲ませたようだ。あの日の夜闘技場にいなかったのはアルトに警戒の念を抱かせない為と
、自分とアルトどちらが勝っても、臨機応変に対応するために本部に戻っていたためだったらしい。自分が勝った時にはどういう風に動いたのだろうかと思った。彼女の表情からすると相当王国が有利になるような条件を飲ませたのだろう。
しかし、ネロが自分に全てをかけた理由には驚いたものだ。愛歌を見て彼女の王族としての格を計り、彼女が選んだ男である自分なら何とかする可能性が高いと思ったからだとは、本当に恐ろしい天運と直感を持つ皇帝だと思う。
考え事が終わり前を見ると孤児院に到着していたことに気づく。彼が孤児院の戸を叩くとメアリーが彼を迎えてくれた。彼女を引き取り手に指定したのも横島だ。横島は彼女が更迭された原因を考えれば、アルトを丁重に扱うだろうと予想した。
「横島さんいらっしゃい。アルトくんの安否の確認ですね」
「ああ。一応前世の弟分やし、あの闘技場で『模』の文珠使ってある程度人生を共有したから、気になってな」
「ええ。一応は修羅道からは解き放たれましたけど、まだまだ監視が必要です」
「そうですか。約束は破らないだろうけど、それでも今生と前世の混じった恨みそう簡単には離れそうにありませんか」
「いえ。そうではなくて」
少し言いづらそうなメアリーの様子の謎は直ぐに解けることになった。横島が彼女に案内されて彼の部屋に行くと、メアリー孤児院の新しい職員らしい元ネロ付きのメイド達が
アルトを甘やかす感じで嫐っていた。完全に腑抜けに担ったアルトの顔を見せながら彼女たちは笑顔で横島に礼を言う。
「彼を外道から止めてくれてありがとうございました。これからは私達が幸せにします。こんなに年相応の顔をするようになってくれたんですよ」
「お、おおそうか」
返答して部屋を出た後横島は、メアリーに聞いた。
「普段からあんな何ですか?」
「今回は小蒔さんたちが留守ですから。普段はあそこまでいきません」
「そ、そうですか。それじゃあワイも時々様子見に来ますね」
横島は頭を抱えた。善良ではあっても女権国家の女性達は恐ろしい時は本当に恐ろしい。自分にとっても他人事ではないが、アルトの様子を時々は見に来てやったほういいだろう。
そう思いながらも彼が殺戮をなすかもしれないと持っていた時よりは気分が軽いのを自覚し、彼はこれも悪くないと思えていた。アルトと彼を第一と考えている女性達も味方に引き入れられれば、
女権国家の悪辣派との戦いはかなり楽になるだろう。そして彼の中にはアルトに勝利で来たことで失った前世の技の素質以上のものを得たという確かな自信が芽生えていた。
524 :
名無しさん@狐板
:2022/12/06(火) 11:48:00 ID:BzSSOS+V
おつ
525 :
名無しさん@狐板
:2022/12/06(火) 13:52:43 ID:pZRBZVKj
乙でした
526 :
508
:2022/12/06(火) 23:48:32 ID:YjBWibo8
>>524
乙感謝です
>>525
乙感謝です
527 :
名無しさん@狐板
:2022/12/08(木) 23:57:31 ID:5iFR2cYd
乙でした
528 :
508
:2022/12/09(金) 00:59:25 ID:kwTCQjAC
>>527
乙感謝です
529 :
名無しさん@狐板
:2022/12/09(金) 20:25:28 ID:kwTCQjAC
これは前回
>>508
から
>>523
に投下したSSで使われていた。知らなくても問題のない設定資料です。以下の注意事項があります。
@ファイナルファンタージシリーズのファイナルファンタジーUとファイナルファンタジーV、そしてファイナルファンタジータクティクスプレイステーション版無印の設定が混じってます。
Aこれから書く設定は上記で挙げた設定の中に、インターネットでファンが考えた俗説などもかなり入って混ぜて使っており、このSSだけの独自設定です。
BこのSSはあくまでもパラレルワールドでありスレ主さんが掲載している本編とは関係ありません。
C現実世界のオカルトの理論が持ち込まれている部分もあります。
DCのオカルト理論に関しては著者の知識では怪しい部分があるので間違っている可能性もあります。
設定@このSSでのファルガバードの村滅亡の経緯
主にタクティクスとファイナルファンタジー3の設定の混合物 ファイナルファンタジー3の設定では魔剣は分裂などを起こす魔物相手に対して分裂をさせずに倒すことができる唯一の武器である。負の力を源とし、暗闇の恐怖を克服した者だけが使えるという設定だった。
またタクティクスでは魔剣は絶大な威力と引き換えに使用者の命を削る為に次第に魔剣士の数は減少していき、ファルガバードが廃墟になっている。 今回のSSの設定では横島の前世である高島忠助はヴィヴィオの前世の聖王を暗黒剣の力で聖なる属性の効きが悪い相手から守っていて、それで早死にしたという設定。
SS本編でも書いた通りヴィヴィオの前世の聖王は特にこの村に対して恨みなどはなかったが、女権国家と共同して一度壊滅状態にした。
その理由は英雄の来世は前世の力などを得た場合前世と同じ運命をたどりやすいという独自設定があり、
だからこそ魔剣の才能を潰す王となることで、『魔剣を潰えさせる英雄』という特性を獲得し横島の来世が暗黒剣を使えなくすることが目的だった。
ヴィヴィオの前世の聖王は恩を仇で返すような形で魔剣を潰えさせるために宣戦布告し挑んだが、戦争のルールは守っており最低限の義理は果たした後での宣戦布告だったので、
アルト個人としては憎しみはあったが嫌悪はしておらず報復対象からは外していた。一度目の滅亡の時にファルガバードを脅威と見た女権国家が恩を受けた他国に対する最低限の義理を果たさぬ形で聖王と組んで滅ぼしにかかった為、
前世の記憶も持った彼が女権国家の方を強く恨んでいた。
設定A暗黒剣のこのSSでの設定
ファイナルファンタジーVでは分裂してくるモンスターを分裂させずに倒せる技であり、ファイナルファンタジータクティクスでは絶大な威力と引き換えに、命を削っていくため失伝しファルガバード滅亡の原因となった。
陰陽論では男性は陽女性は陰とされている。このSSの設定では陰陽論の理論から暗黒の力は陰の気でもあるため、それを使える魔剣士達は陰の気で自分の体を包み込むことで女性の陰の気が産む性的快感をシャットダウンできる。
完璧というわけではないが、女権国家の女性達の愛撫さえ効果が激減する。
二度目のファルガバードの隠れ里の滅亡は外道極まる人外の群れに劣勢だった女権国家の軍の大部隊が撤退中に里にたどり着き助けを求めてきたことがきっかけだった。
報復対象ではあっても、彼女らを追う人外の群れの外道さをみて、ここで見捨てると非人道的すぎると思い外道な人外の群れに暗黒剣を振るった。
助けられた女性達どちらかといえば善人寄りだったが、助けられた際にあまりにも強すぎた上に、誘惑の効き辛さに恐怖してしまい。いつか報復に来た際のリスクに怯え、
これだけの恩を受けた相手を討つのは最低だと分かった上で、破ってはいけない休戦協定が終わる前に彼らの疲労と傷がいえるより先に夜襲して殆どの魔剣士達を殺しつくした。 彼らが最後まで戦う意思を捨てなかったことと、前述の魔剣士たちの特性が殺しつくさざる得ない事態を招き、
虐殺が行われた。その際にアルトは切り抜けるために生存本能が極に達し前世の記憶を取り戻す。自分は逃れることに成功したもの故郷を救うことはできず、今生と前世、二度の故郷の滅亡の記憶を得て、ファルガバードの剣士たちの怨念をその身に宿す魔人と化した。
設定BこのSSでのファルガバードの暗黒剣とその成り立ち。
ファイナルファンタジーVでファルガバードの暗黒剣の開祖とされるレオンハルトは、インターネット上の俗説だとファイナファンタジーUのレオンハルトと同一人物であるとされている説もある。
このSSではその説を採用している。ファンの推察だと彼は一度居場所を失った恐怖と無駄な死者を減らすために帝国側に寝返り皇帝が殺された際に即位し戦を討を早く終わらせるために虐殺をしたことがある。
その後先代皇帝が黄泉がえり世界を滅ぼそうとしたときに再び仲間たちと共に戦ったが、裏切りをして虐殺などの悪の道に走った為同じ道を歩めず別れた。今回のSSでは、その後力を求めてファルガバードに移住し暗黒剣開眼したという設定。
十字架を連想させる西洋剣ではなく、日本刀を用いて極めぬいた。また自分自身の居場所を失った際のトラウマと、重ねた非道の自覚があったので、
レオンハルトの理念としては居場所のない者たちの寄る辺となる村であることと、過去の罪を慚愧しているものは自分以上の大罪人でもない限りは、できる範囲で味方となることを理念としていた。
ファルガバードが2度目の滅亡の時に女権国家の部隊を助けたのは、破ることが通常ではありえない盟約をかわしたこともあるがこの理念の為もあった。 ファルガバードの剣士達は様々な役割に分かれていたが、
横島の前世は居場所のないものや罪を慚愧するものの味方であるべきという考えの防衛隊であり、アルトは無駄に不幸なものや死者を出す者を殺すことで被害を減らすべきという攻めの思想の部隊だった。
その為に横島は今回のSSの様な行動をとり、アルトは殺害に走る行動にでていた。
またこの村では考えが偏りすぎない様に反対の思想の人格者の家に一時的に修行に出すなどの風習がありその時にアルトの前世の面倒を見たのが横島の前世だったことが今回の戦いの原因となっている。
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