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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

1 :名無しさん@狐板:2020/01/19(日) 00:15:29 ID:bMTYbG3g



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当スレは某R-18スレの長文レス、SS、スレ主以外のAA・支援AAを投稿する場所です
それ以外での使用はお控えください

267 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:07:46 ID:689e7t63
 天狗はそういうと刀を構えた。 横島は彼の意見に頷き即座に従うことにした。泥臭い手段を択ばない戦い方や戦争めいた集団戦に対する知識や技術は横島やジンに劣るが、命すら賭ける達人の技の比べ合いや琢磨しあう鍛錬の経験はこの天狗が上だ。

 高島が生粋の二刀流の剣士がとるような歩幅になったのを見て横島は顔色を変えた。高島の霊波刀は横島の霊波刀を上回りその剣は号を得た刀と同等なのが見てとれる。そして手に持つ刀も、霊力を通わせてなくても、折ることは至難の業だ。
霊波刀に回す霊気を戻す速度なども自分と比べ物にならない。刹那の時間に霊波刀が出て一振りで命が消える。本当に厄介な能力だ。だが自分も同じような戦い方をしているのだから学べるところも多いと前向きにとらえることにした。

 切り結び始めて、横島は本当の意味で自分が良く使う戦法の恐ろしさを理解した。いきなり手に持つ刀の切れ味と強度が上がったり、逆にもう一本の剣が突如出現して、切り殺しにかかって来たりを繰り返す。横島は愛女守に回す霊気を最低にして、霊波刀を具現化した。
目の前の人形を手本にしたためかかつてないほど固く鋭い霊波刀が出来たと思う。
 横島は霊波刀と刀を構え連続で切り込むと天狗と共に一気にかかった。決して下手ではない横島の二刀流と天狗の剣撃を高島は良く捌いた。むしろ横島の方が冷や汗をかいた回数が多かった。
高島が僅かな時間とはいえ一刀流に戻った瞬間、二刀流の状態では受けた刀が弾き飛ばされるのでは、と思ったことも多い。だが何度もそれを潜り抜けた。

激しい武術の欧州の中で横島も二刀流と一刀流に何度も切り替えながら天狗と二人で連携を取り戦った。そしてその中で歯がゆさを覚えた。
今までマイの仲魔達と戦った際の戦いは掛け算の様にお互いの力を高めあえたが、この天狗が相手ではそういう風にはできない。これは何度もお互いに死線を潜った仲魔達と比べれば当然のことだ。
幸い一度本気で闘った経験からか、お互いが足を引っ張ることはないが単純な足し算の様にしかなっていない。だが二人で何度も切り合い続けることで、若干だが息があってきている感じもする。 
何よりも目の前の人形、高島との戦いが横島にとってはすさまじい劇薬だ。剣を交え、拳を打ち込まれたり、打ち込む度に体の内側が熱くなり、どんどんと技術を思い出すかのように習得できてしまう。 だが高島との戦いの中で、横島は危うい感覚も覚えた。
闘争のさなかにありながら、はっきりとは自覚できない快楽の様なものまでも甦ってくる。戦闘を見守るアリスの視線は時折、閨の中で見せたペットをかわいがりつつ見下す様な目に見えることがある。その目で見られることがまるで糸が絡みついているかのような錯覚を感じる。
これだけの快楽を感じていながら、分身が反応しないことと、戦闘に集中できているのは奇跡といえる。あるいは目の前のアリスがそれを望み何かをしているのかもしれない。

 剣戟の応酬を繰り返す中、横島はどんどんと高島に近づいていく感覚がする。そして目の前の人形はアリスが過去の高島を再現している為か強くなる事はあっても、横島から吸収することはない。それが少しずつ不利を覆す要素となっている。
何度も起きた交差の中、不意に天狗と横島が一瞬だがかつてないほどに息の合った連携が成立した。双方が切り込んだ瞬間、二刀流でしのいでいた高島が僅かにのけぞった。その瞬間、天狗が今こそ勝機と、正眼からの袈裟斬りの一撃を放った。
横島もまた二刀流から一刀流に変えると愛女守で切り込む。

 横島が勝利を確信した瞬間、止めを刺すための集中が極に達したためか。世界の全てがスローモーションの様になった。横島は高島の動きを一挙手一投足、全てを観察し読み取りながら、結論を下した。
高島はかつてない程の動きのキレを見せて霊波刀を消し全ての霊気を刀に送り天狗の剣を受けにかかる。横島はその動きを見て、心底感嘆した。自分の前世なのだからある意味当然だが、
この高島は追い詰められた時に強くなるタイプだったようだ。かつてない動きを見ながら横島は勝利を確信する天狗の剣は防げるし、下手をすれば天狗が仰け反らされるかもしれない。だが自分の一撃はしのげない。
そう確信し、下腹のあたり目掛けて愛女守を横薙ぎに放った。

 僅かな時間の刹那横島は一瞬で戦場が逆転する瞬間を体験した。正確には自分が使っていた、騙しや隠し札で戦況が変わる瞬間というものを初めて知った。最初に妙に柄が気になったことさえなければ気づくこともなかっただろう。
天狗の袈裟斬りの一撃が高島の刀とぶつかり火花を散らし、天狗が体制を崩しながら下がった。そして自分の愛女守が何か力強いものとぶつかり、天狗ほどではないが自分が僅かに体制を崩す。
彼の目には高島の持つ刀の柄のもう片方から霊波刀が出ているのが写った。
そして最初に気になった文字は、この為の呪文なのだと理解した。 両剣または、双刃刀と呼ばれる刀は、柄の両方から刃を出す刀はロマン武器とされており実在すら疑われている。
だが使うとしたら、棒術の様な要領で使うのが近いという。 高島は天狗の剣を受けるときに、逆方向の刃が横島の剣に当たる様にしたのだろう。
僅かにしびれた腕で下がり剣を注視すると刀剣に通った後の霊気が霊波刀となっていることに気づく、これなら手元の剣の威力も落ちることはないだろう。

 横島は即座に打ちかかった。 天狗は速ければ3秒から5秒後、遅ければ6秒から8秒後くらいに戦線に復帰するだろう。それまでよそを見ている暇などない。 
遠心力をつけさせたら終わりだ。その一念で放たれた矢のように切り込んだ、横島は即座にその愚を悟った。
 高島は一瞬で、霊波刀を消して、ただの刀に戻すと横島と打ち合い、彼が僅かに下がった瞬間、霊波刀を出現させて双刃刀にしてきた。
双刃刀と刀にいきなり切り替えられるのを繰り返されながらも横島は押された。不意に閃きと共に、自分も愛女守に霊気を送り高島と同じことをした。


 それをした瞬間、横島は不思議な感覚を覚えた。普段は意識もしたことがないことだが、霊波刀には重さがない。ただ受けた相手には圧力や衝撃はあるのだ。横島は初めて高島との戦いでそれを体験した。
天狗たちから習った棒術や槍術の基礎に従いながら、動くが高島の方がはるかに切り替える巧みさが上だ。 『自分』の前世だからこそ分かる。彼はこういう器用貧乏な戦い方と応用力で妻達を護ってきたのだろう。
高島の一撃を避け彼がやや不利な体勢から、再び双刃刀に変えて霊波刀から切り込んできた。ひと際鋭い一撃を横島も同じく双刃刀と化した愛女守の霊波刀で受け切った時、横島の中で何かが嵌ったような、感覚がした。
双刃刀の基礎を会得したそんな気がした。 その瞬間、青木に叩き込まれ、ジンとの戦いで余計に向上した鍔迫り合いの技の全てを横島つぎ込んだ。ここで高島の体制を僅かでも崩せば、天狗が後は片を付けてくれるはず。
そして横島の意識は再び、加速した。周りがスローになっていく。天狗がこちらに向かう、空気の流れが感じられた瞬間、勝ちを確信した。しかし、その予想は外れた。アリスが不意に手をかざすと無数の糸が高島人形の中に入った。
そして次の瞬間、横島は驚愕した。高島の鍔迫り合いの技術が一気に向上した。正確に言えば横島よりやや劣る程度だった技術が、横島の動きを学習したかのようだ。これはアリスが主導で動かしたゆえだろう。
鍔迫り合いに負けた瞬間、横島が吹き飛ばされ、次の瞬間天狗が打ち負けて刀が弾き返される。体制を戻すより先に、高島の刀は一瞬で双刃刀に変じ柄の反対の霊波刀で天狗が切られた。高島の刀を首に突き付けられ、横島は負けを宣言した。

 高島が剣を引くと横島は即座に駆けた。

「天狗の爺さん無事か。死んじゃいないだろうが後遺症は残りそうか」

 回復用の札を取り出す横島を天狗は、落ち着いた声で諭す。

「急所は外れておる。これだけ鋭い刃で切られれば逆に治りが早い。落ち着け」

 そういいながら天狗は自分に回復魔法ディアラマをかけて、しばらくすると立ち上がった。

「良き鍛錬であった。それでは約束を守ろう。我が性の魔術横島に伝授する。少し時間をくれ念話でわしの生涯を追体験させる。こやつならそれで会得できよう」

「いえその必要はありません。天狗様貴方の人形を作らせてもらっても良いでしょうか」

「ほう。女権国家でも恐れられた、人形の魔女が人形を作るところを危険も対価もなしで見られるとはめったにない機会だ。わしも運が良い」

 アリスはバッグから材料をいくつか取り出すと人形の作成に移った。 彼女は華麗な手さばきは機会を思わせる様だが、感情を持つものしか出すことができない良い意味での癖が手さばきの中に感じられる。
 ほどなくして出来上がった人形を見た時、天狗は本当に感嘆の念しかない様な表情を見せた。横島は恐れに似たものを僅かに覚える。アリスの人形を作る技術の凄まじさは前から知っていたが、ここまでだとは思わなかった。
これなら髪の毛を入れなくても、ある程度は効果のある呪いの藁人形の様な人形さえ作れてしまうのではないだろうか。

268 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:11:35 ID:689e7t63
 そこまで考え終わった直後にアリスはその人形に向けてアギダインを唱えた。人形が焼け凄まじい量の煙が出てそれが横島の体に入る。

 その瞬間横島の中に様々な天狗がした閨ごとの記憶が流れ込んで来た。圧倒的な性魔術で多くの女性を喘がせ、自分がかつて演技だったかもしれないが、マイ相手にすることが出来た男性優位の性交の意識が入り込んでくる。
どうにか横島家の魔術と混ぜ合わせられる分を考えると、アリスが手で口を塞いできた。

「あとは実践をするのが一番いいでしょう」

 そういうとアリスは横島を抑えトラポートを唱えた。彼女の呪文が唱え終わると横島の視界が暗転した。

 横島が去った後天狗は、冷やかす様な目でアリスを見ていた。アリスは少しだけ不快そうに彼に問いかけた。

「何が御用でしょうか」

「いや、なに奴は害意無き者には鈍いが、わしは気づいておった。大方誰か一人くらいはあの男に懸想した女が張り付いていると思ったが、アリス殿だったのは運が良かったわ」

「おほめに頂き光栄です」

「冷たい声だな、随分と嫌われたものだ。 一応だがあやつもわしの弟子となったから言うが、もう少しあやつを信じるがよい。 
女権国家の女性で男性優位の性交ができないことに危機感を持っているのは多分あやつの妻達だけであろうな。 今生で関係が出来た今、あやつはそなた達を捨てたりはせん」

「分かってはいるのですが」

「まあ。 教師のまねごとをすることの多かった爺のたわごとと思って構わん。どのみち不幸な結婚生活にはなるまい」

 そういうと天狗は笑いながら去った。アリスは会話でマウントを取られたなと思った。 導き助言をすることと傲慢に上に立つそれを両立する辺りは天狗だと感じ、彼の師匠としては及第点だと思った。


 
 横島が目を開くとヴィヴィオに嬲られた閨に送られたことが分かった。トラウマと快楽が同時に甦ってきて、逃げようとしたが思い出される快楽がそれを鈍くする。
そして笑みの深いマイが中にいることがより恐怖を深くする。

 マイが笑顔で近づいてくると横島の足が震えたが、それでも逃げる気が起きないのは相当に快楽に毒されているのが分かる。彼女は唐突に仲魔を召喚する術を発動させながら、笑顔で横島に言葉をかけてきた。

「愚弟、私に勝つために天狗の性魔術を学んでる途中らしいわね。それはあとで試させてもらうわ」

 その言葉に横島は背筋が寒くなった。いまだに微塵も自分がマイに勝利できるイメージがわかない。その横島をよそにマイは言葉を続ける。

「あんたが修行している間にお姉ちゃんも取り戻した力を使い戻すために結構頑張ったのよ。強くなった新しい仲間を紹介するわ」

 マイの言葉が終わると、召喚陣が輝き二人の悪魔が姿を見せた。

 片方は青い羽織に身を包み、日本刀をその身に帯びており見るからにはつらつとした気に身を包んでいる。ユウキだと思ったが、明らかに東洋の悪魔としか思えない気配をしている彼女はやや、
短めになった髪をたなびかせながら飼い主を見つけた猫の様に横島に近づき抱き着きながら名乗った。

「一応本当に一応だけど、初めましてかな。僕は紺野木綿季(ゆうき)。君と一緒に戦っていた、ユウキが合体して出来上がった悪魔。東洋の国にいた時の転生体さ」

 そうして横島が意識を取られると、もう一人の巫女衣装に身を包んだランが声をかけてきた。彼女は優しい印象を与える細めた瞳で横島を見つめながら、おっとりとした声で自己紹介をした。

「私もこの姿では初めまして、紺野藍子(あいこ)です。女権国家のある世界で貴方が東洋に転生した時に護り導く巫女を務めた時の転生体の姿です。こんごともよろしくお願いします」

 そういうと藍子は不意に横島の頬に手を当てて掴んだ。

「これから傲慢界での罪の楽しみ方をするのでその前準備が終わりました。ともに楽しみましょう」

 そういうと藍子の優し気な細い目に飲まれるような錯覚を覚え、体から一気に力が抜けていく感覚が巻き起こる。 ランが巫女衣装に手をかけ服を脱ぎ始めた時、横島の背筋に嫌な感覚が走った。 
ユウキも同じ様に青い羽織を脱ぎ始めている。自分の前世の一つでもあるガーディアン=高島が大声で警告を挙げているが分身が疼き逃げる意思と力を奪っていく。
 
ユウキが刀を振るい横島の服を切り裂いた瞬間、ヴィヴィオが制止の声を上げた。

「まちなさい」

「ん〜なんですか聖王陛下。僕としては早く始めたいんだけど、一体」

 不機嫌そうな木綿季の言葉を藍子が咎めた。

「ユウ、私室とはいえ聖王陛下にその口調は良くないわよ」

「別に気にしなくてもいいですよ。臣下と言っても、ほとんど同格ですし。それより前世の再現するなら、私に忠誠の儀をしてからの方が良いでしょう」


 それを聞くと二人はヴィヴィオに跪き忠誠を誓う言葉を口にした。それを見た時横島の背がひどくぞくぞくとする。これは自分の前世でやられた、隷属に近い従属をさせる儀式としての性行為の前触れだという予感がある。
ヴィヴィオに忠誠を誓う言葉を言い終えた二人は跪くのをやめて、楽しそうに横島に近づいてくるそして――。


 横島は気が付くと闘技場のアリーナにいた。 自分が覚えているのは藍子と木綿季が自分に迫って来る所までだ。明らかに意図的に記憶が消されている上に、間違いなく性交の後であることがわかり、背筋が異常に寒くなった。 
記憶を消されてなお、激しすぎる快楽を刻まれたことだけは分かる。そして彼女たちは絶対に、この記憶を近々蘇らせるだろうという確信がある。


 試合が始まる前だと理解した横島は周囲を観察し始めた。様子を見ると、試合が始まるまでまだ間がありそうだ。アリーナの真ん中でルイズとサラが何らかの準備をしている。彼女達は横島を見ると、声をかけてきた。

「横島くん、思ったより早く目覚めたのね。回復が思ったより早かったのかしら」

 笑顔で話しかけてくるルイズに横島も答えた。

「ルイズさん、サラさん俺に前世の力を取り戻すことに協力してくれてありがとうございます。 お二人はここで何をしているんですか」

 横島の問いにサラが楽しそうに笑って答えた。

「実はこの闘技場結構使い道が多いから、善玉のデビルサマナーや、デビルバスターに貸したりする準備している他、貴方の罪の魔界巡りでも『最低でも』あと二つくらいの魔界で使いそうだから、その準備しているのよ」

 横島はそれを聞き背筋が寒くなり、そして恐怖とは別の不安を覚えた。ヴィヴィオにされたあの大勢の前で男の尊厳が砕け散る行為を恐れる気持ちもあるが、何割かはまたあれと同じ思いを味わえるという、期待がある。
マイによって折れる前に戻された今でも、へし折られた時の背徳感と快感が忘れがたくなっている。不意にそれを見透かしたようなマイの声が響いた。

「あんたの前世の力を取り戻すための儀式の準備が出来たわよ。存分にやりなさい」


 そういうとマイが背中から純白の羽を出した。彼女が笑いながら再びマイクを持ち解説者となった。 その様子を見るとサラが扉を出現させて礼をしてルイズと共に出て行った。二人を見送るとマイは高らかに実況を始めた。

「本日はお集まりいただき、ありがとうございます皆さま。少し挽回したとはいえ、ヴィヴィオ陛下にあまりにもひどい無様をさらさせられた、我が愚弟、横島忠夫の名誉回復マッチです。今回は女殺しの魔獣から何度も私達を救った英雄の本領を見せてくれるでしょう」

 マイのほめたたえる言葉には本心からの賞賛や好意が感じられたが、どこかで自分を落とす準備が整っている気配がして背筋に嫌なものが走った。
 だが自分の力を取り戻させる儀式というのは本当の様である以上は、本気で挑むべきだろう。

 横島は愛女守を構え全体に気を張った。

「横島、準備は出来た? 本気で闘える状態じゃなきゃこの儀式はあまり意味ないから」

「ああ、大丈夫だ」

 言い終えた瞬間、青い羽織に身を包んだ木綿季が対戦者席から飛び込んで来た。相変わらず羽根の様に軽い身のこなしをしている。そしてそれに付き合うようにやや遅れて隙の無い動きでゆっくりと藍子がアリーナに登場した。

「や、横島また君と戦うことになったね。前回よりは不公平じゃない形で勝負できそうで嬉しいよ」

「だけど二対一だぞ」

 木綿季の気質上一対一の戦いを好むと思ったが今回の彼女は二体一でも特に気にしていない様だ。

「前回は君とレベル差が結構あったけど、今回は君の方が僕達よりレベル上だし、気づいてないかもしれないけど、二対一でもそこまで不公平じゃないくらいのハンデがあるんだ。じゃあ、いっくよ〜!」

 正々堂々とした戦いを好む彼女が、引け目を感じないくらいには不平等でない戦いの様だと思いつつ横島は即座に剣を構えた。 木綿季のはしゃぎ切った感じの剣を受けて横島は下がった。

『俺の方がレベル高いのに速さではやや負けるか。彼女は魔法と剣に全振りした感じのファイターだな。特化型だからこそ格上に勝つこともできるんだろうな』


269 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:14:52 ID:689e7t63
 木綿季の刀を受けながら横島は愛女守で何度も切り返した。ユウキ、青木、天狗、ジン、この四人との闘いは特に彼の血肉となったが、木綿季の技は天狗の剣に似ている。
もともと強かったが故に、泥臭い戦いはあまり学ぶ必要がなかった気風がする。だがそれでも死線を潜ってきた凄みは確かにある。木綿季の剣撃は若干だが、たたきつける感じから切れ味重視に変わっている。
横島はそれを愛女守で防ぎながら下がった。辛うじてついていける速度で何度も剣を合わせた。木綿季の太刀筋になれた時、横島は木綿季ではなく自分に迫る刀に狙いを定めて刀を振った。
剣が合わさった瞬間、予定より僅かに早い、剣の接触に木綿季は無理やり後ろに下がった。彼女ほど身のこなしが良くなければ、転倒するか無様な体勢になっていただろう。

 下がる木綿季を見て、横島は感嘆の念を覚えた。剣が触れ合った瞬間、横島が鍔迫り合いに持ち込もうとしていたことに彼女は気づいていた。彼女の剣は速度重視であるために、鍔迫り合いをする必要があまりなかった。
その為持ち込めば確実に動きを封じるか、有利に戦況を動かすことが出来ただろう。だが今の一挙動を見て、横島は即座に札をまいた。

「わわっ、本当に君は勝機をつかむとえげつない攻めをするんだから」

 横島の札からでる魔法を辛うじてかわす木綿季に横島が、愛女守を構え切り込みかけた瞬間、何枚かの札が無効かされた。そして、木綿季に速さはやや劣るが力強く強い霊力の籠った剣撃が飛んできた
。巫女衣装に身を包んだ藍子がやや薙刀寄りの長巻を持ち、横島に切りかかってきた。おっとりとした顔をしながら、その攻撃は凄まじいものがあった。彼女が持つ長巻はどこか行者などが持つ杖なども連想させる気配がある。
 斬撃だけではなく、霊力を通わせた鉄ごしらえの柄の打撃にも冷や汗が出た。

「お姉ちゃんごめん。 良いことがありすぎてテンション上がりすぎてた。 絶対勝たなきゃダメってわけじゃないけど、こんなに早く負けると後が大変なのに」

「全く、私と離れている時はちゃんとしているらしいのに、こういう時はダメなんだから。横島さん、おっちょこちょいな妹が失礼しました。期待外れにならない様に私も参戦させてもらいます」

 相変わらず柔らかい声で言い終わると、その声と正反対の凄まじい剣撃を藍子が放ってきた。彼女の長巻での攻撃は、前世の自分、高島と似ていた。長巻を柄を持つ位置で時には刀の用に使い、
時には鉄ごしらえの鞘を棒術の棒のように使ってくる。藍子の攻撃と木綿季の攻撃を同時に防げるのは、今憑いているガーディアン高島のおかげといえるだろう。前世の記憶の引き出しがスムーズに開き、この二人の攻撃を予知の様に読み取らせてくれる。

 木綿季の刀を横島がかわしそして藍子が長巻で追い打ちをかける。即座に横島は、双刃刀に変えて二人の攻撃を受けた。僅かに力負けした木綿季を庇う様に藍子が力を込めて木綿季の負担を減らした。
横島は霊波刀をいきなり消して力を込めた木綿季を空回りさせた後即座に、右腕に霊波刀を出して突きかかった。木綿季はそれを見事に剣で受け流しかけたところで再び、霊波刀が消え去る。その瞬間、木綿季の刀の軌道が横島目掛けた一撃へと変わる。
藍子の長巻をかわした横島は再び霊波刀を出現させてそれをしのいだ。

 激しい戦いでありながら、どこか恋人同士の舞踏を連想させる剣撃の嵐の応酬を観客席の天女騎士達は無言で見ている。東洋の武術や術の応酬であっても参考にできる部分などを感じ取ったためだ。 
刃と魔術の応酬がある度に、横島はどんどんと動きが洗練されていく。上達しているというより、どんどんと技術を思い出しそれが体に馴染んでいくように見える。また木綿季と藍子にもそれは当てはまる。
後半になればなるほど、お互いが僅かだが術や技を繰り出す速度が上がっていく。これはまるで約束組手を思わせる戦いの用だ。

 木綿季は時々、横島のフェイントに引っかかっているが、それでも前より頻度は少なく、フェイントに引っかかった後に見破るのも早い。藍子は一人で闘っても強いのにどこまでも木綿季を支援し合わせている。
妹に気を使っているというより、支援する戦い方が好きだというのもあるのだろう。

 会場からの熱気を受けながら横島は二人と闘い幾つかの事実に気づいた。木綿季は霊的な能力も一流の剣士で、藍子は武芸も一流の霊的な職業の巫女や魔法使いに近い。お互いの長所を掛け合わせ強くなる双子だと、横島は思った。
この二人が横島の勝利を期待しているそう思った瞬間、横島の体からでる霊力は一気に上がった。

 どんどんと洗練され力強さを増す横島の太刀筋を姉妹はお互いの長所を掛け合わせた連携でしのいでいく。その戦いの模様はどこか横島が天狗と共に戦った、高島人形との戦いを思い起こさせた。 
木綿季はあの天狗であり、長巻を持ち替え横島と似た戦いをする藍子はあの戦いでの横島。 そこまで考えが至った瞬間横島は、即座に動き双刃刀に変化させて上での一撃を放った。その一撃が大きく戦局を動かし、
木綿季と藍子が飛び下がる。何度か激しい交差を交え剣戟の音がなり響いた後、横島と二人は必殺の間合いに半歩前の体制になった。お互いに引くことができず、次の交差で必ず決着がつく。
仕掛けるまでの間に僅かに呼吸を整える横島と双方の息が完全に整った。いつでも仕掛けられと思った瞬間、この戦いが始まってから初めて藍子が攻防の始まりとなる一撃を放った。

 横島はその一撃を受けて僅かだが驚いた基本的には、木綿季の援護や失敗を補うことに接していた彼女が初めて主導的に動いた。度肝を抜かれたという程ではないが、僅かだが起こる可能性の低いことが起こったことで反応が遅くなった。
その瞬間、木綿季の実を包む服が炎に包まれ、青い侍装束が消え去り、その下にはやや山伏衣装に身を包み背中からカラスの羽をはやした木綿季の姿がそこにあった。

「女天狗木綿季見参。君が治療の為にくれた霊薬を飲み続けたことと、修行の果てに天狗になって、その後に君を導いたのがこの時の僕だったんだ。行くよ」

 手に持つ刀もやや短めの波紋の入った物に代わり、片腕には天狗の団扇を持った。前よりも速度の上がった攻撃を横島は辛うじて捌きかわした。そして次の瞬間、藍子も木綿季と同様に変化したのを感じた。
彼女から感じ取れる期は凄まじく濃密で木綿季より霊力は高い。霊的な尻尾が巫女衣装をすり抜けて現れたのを見て、彼女は妖狐だと確信した。

「後天的、妖狐藍子です。妹と同じく貴方様が私の病を治すために取ってきてくれた霊薬と、霊的治療、そして自然と調和する霊術を使い続けた結果、夜叉寄りの妖狐となりました」

 おっとりとした口調でしゃべる彼女相手に横島は必死に情報を分析しつつ、考える。狐は飯縄権現を背に乗せる神使でもある。
かの神は天狗を眷属とし、自身も天狗と似た姿をしており、修験者たちから崇められている。天狗と化した木綿季を支える彼女が転ずるには最適といえるかもしれない。 
 ここまで考えて、横島は妖狐の弱点の犬や、たばこなどは持ち合わせていないことに考えがいたり、正面から倒すしかないと結論付けた。 人間形態の時よりは強いが勝機がないわけではない。
そして何よりこれは闘いではあっても勝負というより試験に近い。この二人が真の姿を見せた理由は一つ、不正解の回答で横島が正解と同じ結果を出すのを避ける為だろう。

『よしよし、俺は間違ったやり方でも正解と同じ結果を出しかねないとみられているほど強くなっているってことか。正解でなくても、正解と同じ結果を出してやろう』

 もちろん正解を出せれば一番良いが、気を大きく持つために敢えて大言壮語を心中で吐く。愛女守を構え、どの戦いにも転じられる型のまま構えた。 そして横島は自分なりの答えを見出した。
火事場の馬鹿力の様な力を意識的に引き出せばその時間内はこの二人に勝てる。その時間内で、片を付ける。

 横島は決断を下すと一気に動いた。木綿季に一気に切り込み彼女がそれを受けて、下がった瞬間に、かつてない速さで双刃刀に変えて連撃に移る。そこに藍子が援護に入ると
、同じ戦い方をする二人が剣をぶつけ合う形になった。僅かな隙に札をまき散らし、発動させる。自動追尾効果のある札の連続の魔術を藍子が防ぎ、木綿季が隙の出来た姉を護る為に切り込んで来た瞬間、
横島はそこを突いた。藍子を今倒そうとすれば、致命傷ではないがかなり苦しい一撃を受けることになる。最悪の場合は後で治せる可能性が高いとはいえ、片腕が木綿季に切り落とされるくらいにはなるかもしれない。
その状況で敢えて、横島は藍子を倒すために捨て身の一撃を放つフェイントをした。 途端に木綿季がそれに引っかかり、姉を庇おうとして横島の一撃を受けた。
体を切られたりはせず剣で受けたが、鍔迫り合いに持ち込まれ完全に不利になったところを横島の拳を受けて倒れた。

「ユウそこまでです。あとは私に任せなさい。横島さんが貴方にひどいことしたくないと思ってなかったら、愛女守で両断されてましたよ」

 木綿季は藍子に言われて、少し慌てて刀を鞘にしまった。負けを認められないというより、闘いが楽しすぎてつい続けそうになった、という感じに見える。木綿季が刀を鞘に納めると藍子は楽しそうに目を細めながら横島を見て言った。


270 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:20:08 ID:689e7t63
「木綿季ちゃんを切り殺すのが一番確実だったのに、当身で終わらせる辺り、優しいですね。貴方は本当に何度生まれ変わっても変わらない」

 ペットを愛でるような目をしながら愛でるような声音の彼女の言葉が、横島の背を再びゾクゾクとさせた。藍子は息を整えながら長巻を構え言う。

「すいません。今は色香ではなく実力で貴方と戦わなければならないのに。 少し前世の夫が見事な姿を見せたせいで理性が緩んだようです」

 そういうと彼女は気を整え全身から強い魔力を放出し始めた。さっきとは違い、色香などない戦士と教師を足して二で割ったような気配に変わり彼女は言葉を続ける。

「青木さんの指導もあったとはいえ、貴方は今生では格上との戦いの経験が少なく、強くなる速度も異常でした。
だからこそ最大の武器である機転や土壇場での発想力などが鈍くなったかもと、不安でした。ですが、ユウを倒した時のやり方を見る限り大丈夫ですね」

 藍子が言う木綿季を倒した時の手腕とは、藍子を倒す一撃を放つというフェイントを選んだことだ。木綿季がフェイントに引っかかりにくくなったのは、天狗となったことで、風の動きに敏感になったためというのもある。
横島はそれを見破り、藍子を討つという方向にフェイントをかけて、木綿季が風を感じ取れない状態で直ぐ動くように仕向けた。
悪魔は伝承に強くされると同時に縛られる部分もある。姉妹仲が良いという伝承もまた木綿季の行動を縛るだろうと思っていた。その結果見事に木綿季の行動を誘導し倒すことできた。

 そこまで言い終わると藍子は長巻を薙刀の様に持ち言った。

「それでは、ここからは私も短い時間しか出せない本気でお相手します。願わくば貴方が、この試練を乗り越えてくれることを願っています」

 そういうと藍子は長巻を杖の様に振った。その瞬間炎と雷と暴風を魔法が起り横島に迫る。横島はそれを見ながら、既視感を覚えた。これは多分、高島だったころの自分が乗り越えた戦いの再現なのだろう。
火事場の馬鹿力に近い全力を意識して出し、全てをかわし切ると彼女の懐に飛び込み連続で切り込んだ。二刀流だけは使わず、双刃刀と一刀流を切り替えながら切り合っていくと、
どんどんと自分が磨かれた刀剣の様に研ぎ澄まされていく感じがした。
藍子の厳しいが最適解を出せば必ず乗り越えられる猛攻をしのぎ何度も切り結び、最後は不意に全力を越えた全力を意識せず出せたと思った瞬間、藍子の長巻が弾かれた。
構えなおす前に横島の剣が首に突き付けられたのを見て、藍子はどこか嬉しそうに負けを認める宣言をした。

「私の負けです。お見事です忠夫様」

「いや、何度も危ないと思ったけど、前世のおかげで勝てたわ。二人ともマジ強かったわ」

 そこまで言い終わると、マイが神酒をもって横島に渡してきた。木綿季と藍子にも同じものを渡している。それを飲み終えると、横島の体が完全に回復した。
魔力なども戻り申し分なしと思った瞬間、不意に金縛りの様なものが起り、横島の動きが止まる。 咎めるような目でマイを見るが彼女は首を横に振り、実況を始めた。

「ろくに動けず喋れなくなった、愚弟は私が酒に何か入れたと思ったようです。真相は、契約によるものなのに、彼はどこまで自分の人間性を過大評価しているのでしょうか〜!」

 その言葉を聞き、横島は即座に納得した。確かにこれは薬物などではなく魔術的な縛りだ。しかも嵌められたり、したのではない。自らの意思で契約を結んだ場合のものだ。
多分消えた記憶が関係しているのだろうが、一体自分はどういう契約を結んだのか。そこまで考えたところで、神酒を飲んだ木綿季と藍子が近づいてきた。マイは楽しそうに解説を続ける。

「愚弟の無様さと契約の内容についてはこちらをどうぞ。アリスさんお願いします」

 マイがそういうと幾つものスクリーンに人形劇の場面が映し出される。あれは間違いなく、自分や木綿季達だ。そう思った瞬間、横島の意識は不意に昨夜のヴィヴィオの寝室に戻った。
自分の記憶の再生を見せられているような不思議な感覚がある。これは昨夜起きたことだと自分の心が告げている。

 
木綿季が最初に横島の唇を塞ぐと、彼女はゆっくりと服を脱いだ。程よく締まり、猫を思わせる女性らしい部分もある体が良く見える。
そして藍子も同じく巫女装束を脱ぐと横島に近づいてくる。木綿季は口づけで動けない状態の横島を尻目にいつの間にか現れて、人形劇の準備を終えていたアリスに声をかける。

「ねえ、アリスもう初めていい?」

「ええ、大丈夫ですよ」

 それを聞くと木綿季は横島に覆いかぶさり一気に体を絡めてきた。
アリスは横島の人形と天狗の人形を重ね動かすと、横島の体が勝手にあの天狗の性魔術と自分の家の術の利点を合わせたような術を使い始めた。
だが即座に木綿季の中に入った分身は一瞬で射精してしまい、勝てないことを一回で確信した。それだけではない、自分が感じる快感も性魔術が強化された結果上がっていたことも分かった。 
その横島をよそに木綿季は最愛のペットを軽くイジメる子供の様な声を上げた。

「凄いやこれ。いつもより気持ち良かったよ。もっと絞っていいかな?」

 その言葉に藍子が首を振ってそれを封じた。

「ユウ、今度は私にさせなさい」

「は〜い」

 半泣きになりながら懇願の言葉を上げかけた横島に、藍子は穏やかな声で目を細めながら言う。

「大丈夫ですよ。私は優しく指導しますから。これを越えれば、いつかは私たち相手にも男性優位の性行為ができるかもしれませんよ」

 そう言って藍子が横島の分身を飲み込むと、激しい快感を与えてくるのは一緒だが木綿季と対局のゆったりとした責めが彼を襲った。
じらされた時間は僅かなのにそれが長く感じられ、心構えができる前に一気に絞られた。射精が終わるより先に甘くゆったりとした快感で絞られなかなか止まらず
、出し終わったころには彼の気力が完全に溶けていた。

 アリスの人形での操作が切れた瞬間、横島は仰向けに倒れた。 唯一元気な横島の分身を木綿季は遊ぶ猫の様に、藍子は飼犬を撫でる様に手でしごき始めた
。木綿季のバカにしているような目と、藍子の駄目なペットを愛でる様な二つの視線が前以上に自分に刺さりより敗北感を強めていく。彼女の視線が明らかに弱点となってきているのを横島は自覚させられた。 
二人の手で何度も射精させられその度に周りの天女騎士達から嘲笑を浴び、さらには姿を見せていない女性達からの嘲笑も受けているような錯覚も覚える。
 不意に木綿季が羽をはやして、天狗の姿を見せてアリスの方を見て声を上げた。

「ねえ、アリス。せっかく横島のガーディアンが高島でこれだけ前世の力を取り戻しているんだし、久しぶりにあれやってくれない。アリスの担当の魔界にいる僕の分霊に助手として頑張らせるからさ」

 屈託のない木綿季の笑顔を見てアリスは少し困った様な笑顔で答えた。

「そういうと思って既に準備しておきました」

「やったー! アリス、ありがとう! アリスが担当する魔界の助手やっている僕も絶対頑張るから」

 木綿季の感謝の言葉と宣言をアリスは受け止めながら再び人形劇を始める。

「さあ、ご覧ください。此度は女殺しの魔物達との戦いの奇跡的に数度訪れた、休憩機関の物語。
聖王陛下が自らを巨悪の国家の王と思い込む極東の国に敢えて愛する夫が生まれ変わった際の情事の一コマです。今、横島様のガーディアンを務める三代目高島の、五つ前の前世初代高島物語陥落編。お楽しみください」

 その劇は女殺しの魔物たちの被害が小さくなり、横島の前世の一つの活躍で小康状態となった時、ヴィヴィオは横島が聖王を邪悪と信じる極東の地域に横島が転生した時、彼女はそれを凄く楽しんだ。
横島の転生体なら調べもせずに自分を邪悪と断ずることなどありえないし、むしろ邪悪な敵国の王と思われた状態で横島を嫐れると楽しみにしていた。

 横島は昨夜の記憶をたどる旅の途中にまた前世の世界に投げ込まれるという状況に陥り、不思議なものだと思った。多重夢の逆の経験というのはこういうものなのではないかと、なんとなく思った。

 夢の中で夢に入った時、横島は自分がヴィヴィオに組み伏せられ犯されている状況にいた。圧倒的な熱量を持った彼女の体は特別な性技などを用いずとも、彼を一気に屈服させる。
男性優位の性交が主な地域に生まれた彼にとっては術を使わずに情けなくおられたことが大きなダメージとなった。
夢の中の自分と体だけではなく、精神も共有していることを実感しどうなってしまうのか、と思う彼をヴィヴィオは笑顔で見下ろしながら言う。

「高島。どう、気持ちよかったでしょう」

「はい」


 ベッドの中で惨敗し、敬語になってしまった彼の頭に不意にアリスのナレーションが頭に響いた。

『高島の家は、聖王を一時期邪悪なる魔王とまでした家の出でした。今は女殺しの魔物たちとの戦いが忙しく同盟も済ませたし、絶対悪だとは思っていない程度には心象は回復していましたが、
宗教的な敵一歩手前でもありました。その状態の彼を犯しながら聖王が楽しみ彼が堕ちたエピソードです』


271 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:22:03 ID:689e7t63
 ヴィヴィオは笑いながら、高島から離れた。横から下級の天女騎士数人が彼を抑える。
普段ならあっさりと振りほどける相手だが、ヴィヴィオに搾り取られたマグネタイトが多すぎたのと、強すぎる快感で術は愚か霊波刀すら出せなくなっている。
その虚脱状態の高島をヴィヴィオは面白そうに見下ろして言葉を紡ぐ。

「高島、貴方は言いましたよね。先祖同士のいさかいを見ても、私達が絶対悪とは思えないし、現代の私達に含むところはあまりないと。ただ先祖と宗教の手前と政敵であるから親しくはできないと」

 クスクス楽しそうに笑うヴィヴィオに夢の中の横島=高島は状況を思いすことに腐心した。ヴィヴィオ当人ではなくその家系の先祖に不義理をされて戦争をした高島の一族は多くのものを失った。
ただその際のヴィヴィオの系譜の王はヴィヴィオ達から見ても褒められた王ではないと評されていたし、好き好んで外道したわけでもなかった。女殺しの魔物たちとの戦いで手を結ばざるを得なくなり、その際の外交官を務めた彼により手柄を立て合って競い合う形の関係に落ち着いた。
その後でヴィヴィオに個人的な恩ができてしましい。個人単位でならどんな恩返しもすると言ったら、途端に意識が遠くなり気が付いたらここにいた。

「私達にとって誇れない王の所業も、私という聖王を生み出すための行為であり聖業だと言えないでしょうか」

「あの所業のどこが」

 答える高島にヴィヴィオは再び、高島を組み伏せ分身を飲み込み射精させながら言う。

「こんなにも貴方を気持ちよくさせることができる。体をもって生まれたこと自体が聖なる王たる証です。 そう思いませんか? 横島さん、じゃなかった、高島さーん、どうしました返事してくれないと分かりませんよ?」

 叫び声しか上げられなくなっている横島をバカにしたような目で見下しながら下級天女騎士が口を開いた。

「聖王陛下。恐らくですが彼は強すぎる快感でまともに口がきけないのかと」

「ええ。特別な性術などはまだ使ってませんよ? 本当にそうなのですか。だとしたら女性に勝てないのが当たり前の女権国家にいた時より貴方は夜が弱いですね」

 わかっていながら、敢えて高島の口から言わせようという様子のヴィヴィオに高島は首を振って肯定した。

 それが済むと不意に近くにいた下級天女騎士二人が横島の分身をしごき射精させた。特殊性術を使われたらしく、余計に立ちづらくなった。その状態の横島に下級天女騎士達は、咎めるように言った。

「ヴィヴィオ様の質問に対してはなるべく声を出して答えなさい」

 命令口調のセリフに反発を覚えたが、ヴィヴィオはそれを言った天女騎士を窘めた。

「子供の頃からの付き合いだから別に構いませんよ。それよりも、高島さんお願いだから我が王朝は貴方の使える国家と同盟関係になったし、臣従してくれませんか? 貴方と政敵なのが嫌なんです」

 人類全ての敵と言える女殺しの魔物達との戦いがあって同盟が成立後も一応は政敵という形で競い合っていることができるのは、並外れた才能を持った高島が多くの手柄を立てて政争でのし上がったためでもあった。
勝てるなどとは微塵も思っていなかったが、形だけでも敵対することで面目を保っておきたかった。 高島の家の人間たちはヴィヴィオの人柄の良さや統治と戦力差を見て、降伏もやむなしと思っていた。
だが彼のおかげで屈せずに済むかもとも思っている。それを思うと横島は膝を折れないと思った。交渉術や政治力あるいは手柄で負けたのはともかく、下半身に与えられた快感で降伏というのはあまりにも情けなさすぎる。

「聖王陛下、貴方自身に含むところはないし、貴女様が善人であることも知ってはいますが」

 言い終わる前にヴィヴィオが口づけしてきた。今度はさっきと違って性魔術も使ってきている。手加減はされているがそれでも危ないレベルの快感が彼を蝕んでくる。繋がった直後に凄まじい量の射精をした彼を、見下ろしながらヴィヴィオは言う。

「聖王として命じますけど、寝室を始めとした私的な空間で私を他人行儀な呼び方をしないことを命じます。わかりましたか?」

「はい」

 高島は怯えながら声を出した後、完全にへし折れている声だと自覚し震えた。ヴィヴィオはそれを見ると満足そうにうなずき、寝台に王の様に座ると、下級天女騎士達に指示を出した。

「私達に屈服するのは良いことだと、教えてあげる必要がありますね。貴女達火がついてしまったでしょう、少し彼の教育を手伝いなさい」

 ヴィヴィオはそういうと、黒髪のショートカットの下級天女騎士が差し出してきたウォーターボウルで手を洗うと、切ったリンゴを手づかみで食べながら、配下に犯される高島を嘲った。

「彼女たちは私の配下達の中でも、夜の戦闘力も下の方なのです。それなのになんともお早いことですね」

 絞られて立つことすらおっくうになっているのに、ヴィヴィオが手をかざすと光が入り込み、分身は何度も立ち直る。天女騎士達は何かを察したかのように動き、高島をヴィヴィオの足元に運んだ。

 ヴィヴィオは運ばれて来た高島の分身を踏みながら言う。

「こんなに快感に弱い情けない一物に生まれついたことも、私に屈服すべきという天意なのではないですか?」

 ヴィヴィオの足技は達者だったが、それでもかつてないほどの量を射精したのを見てヴィヴィオとその配下達が爆笑し始めた。

「足で嬲られての射精が一番の量とか変態すぎるのでは」

 ヴィヴィオの言葉に下級天女騎士達も続く。

「いくら閨の外では立派でもこれではクズ過ぎます」

「ご両親はちゃんと男性優位の性交だったんですよね。 ご両親に謝った後は先祖の墓に土下座行脚してきては?」

「前世で私を助けてくれたけど、ベッドの中では本当に情けなかったですものね。一度男性優位の国に生まれたくらいでは治りませんか」

 ヴィヴィオは足についた精液のマグネタイトを吸収しつつ高島の一物を踏みつけながら命令を口にした。

「男性優位の国に生まれた時の方がこういうことをされて射精量が多いとか、寸止めするつもりだったのに。 とりあえず貴方の情けない性癖のせいで汚れた私の足を綺麗にしなさい」

 既に精液は吸収され消えているのに、ヴィヴィオが足を突き出すと配下の下級天女騎士達が水の張られたボウルを持ってきた。明らかに拒否の色が強い、高島の表情を見てヴィヴィオはわざとらしく憂いている様なふりをして言葉を放った。

「聖王たる私も名前負けしているかもしれませんね。想い人で前世が夫だった人の心すら解きほぐせないのだから。 ここは下級天女騎士だけではなく、中級の天女騎士や上級の天女騎士達にも協力してもらうべきでしょうか。 
もう少し貴方が慣れてからと思っていましたが、私だけでは力不足の様ですから。彼女達も貴方が今生で格好良い姿を見せたおかげかかなり乗り気で、今夜の件に参加できないことを残念がってましたから」

 高島の背筋が恐怖でゾクゾクし始めた。だがそのゾクゾクとした感情の中には期待も含まれていることを自覚し、自分がジパングの男として終わりかけているという恐怖が走った。 怯えながらも精いっぱいの媚びた演技で声を出した。

「足を洗わせていただきます。ヴィヴィオ様」

 演技でも媚びた様な態度をとるとすさまじい勢いで自分の中の抗う感情が削れていくのが高島には分かった。 丁寧に自分を気遣う洗い方をされてすっかりと楽しみ笑顔になったヴィヴィオは、横島に王らしい声で死刑宣告の様な宣言をした。

「良い足の洗い方をしてくれましたから、約束通り中級天女騎士や上級天女騎士達は呼びません。代わりに今夜私の配下になる二人を呼びます」

 ヴィヴィオの言葉が終わると、戸が開き高島が見慣れた顔が二つ現れた。幼馴染である木綿季と藍子の姉妹だ。彼女たちは嬉しそうな顔をしながら高島に抱き着いてくる。

「高島、久しぶり〜」

 高島の頭は混乱の極にあった。木綿季と藍子この二人は共に不治の病を患っており、だからこそ高島が修験道を修め二人の治癒に全力を注いだ。そして二人は霊術や剣術を学び高島から与えられた霊薬によって病が緩和されていき。
最後には山の気と同調したのと高島から与えら続けた霊薬の影響で人でなくなった。この二人が天狗と夜叉の力を宿した妖狐として馴染むまで自分は二人の帰ってくる場所を護るつもりだった。
だが二人はなぜこんな状態でヴィヴィオと共にいるのだろうか。

 思考がまとまり切る前に猫の様に抱き着いて来た木綿季の乳房が高島の胸板で潰れた。どうなっているのか分からない状態と再会した木綿季の突然の成長。高島はあまりの胸の大きさに目の前の木綿季は偽物では、と思った。
だが間違いなく、霊気や気配は彼が良く知る木綿季のものだ。彼女は笑いながら、言う。

「君に助けられて天狗になった後、前世の記憶が戻ったんだ。ヴィヴィオ陛下の配下も務めたこともある魔剣士ユウキが僕の前世だったんだ」

 前世の記憶が戻ったから、ヴィヴィオ側の配下になったのだろうか。長い時間自分と離れることに耐えられなかったからヴィヴィオの軍門に下り早く人界に来られるようにしてもらったのか? その言葉は直ぐに否定された。


272 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:26:43 ID:689e7t63
「高島君が何考えているかわかっちゃったよ。ほとんど不正解。実は僕は君の前世で英雄の横島忠夫の妻達だった、ランとユウキの遠縁だったんだ。
それで僕たちは本来死産になるはずだったんだけど、それを見かねたユウキさんとランさんが分霊をくれて死産にならないようにしてくれた」

 それを聞くと高島の心は大いに沈んだ。木綿季と藍子からの自分への好意は二人に植え付けられたものだったのか。そして、死産で死ぬはずだったとは言え無垢な赤子を自分たちの都合で利用していたのだろうか。
そんなことをしたはずの二人にすら怒りが淡い。これは恐らく前世で妻だったせいだろうか。そう思った瞬間、木綿季が不意に呪文を唱えた。偽りを言えば即座に自らが命を落とす類の魔術だ。
高島は何を言うつもりか心配になった。彼女は少しだけ嬉しそうでありながらも、心外そうに言葉を続ける。

「あくまでも彼女たちが僕達に分霊を植え付けた際には、僕たちの人生に影響は低いようにしてくれたよ。
特に恋愛にはね。ただ命を助けた対価として、君に対して親切になったり、冒険の際に助けてあげたくなる程度で、あれくらいの施しにしては破格なくらい緩かったんだよ」

 それを聞いて高島は安心した。少なくとも前世の妻はそこまで悪い女性ではなかった様だ。

「むしろ病気しつつ色々外で活動できたのは、分霊に支えられていたところもあったからね」

 そこまで言い終わると木綿季は高島に抱き着きながら言葉を続ける。

「どっちかというと君を好きになって君を落とす方法を模索していくうちに僕たちの方が、壁を壊しちゃった感じだよ。
ユウキさんとランさんも魔術的なエネルギーで外の魔力と身を合わせるうちに気が付いたら人間やめてたらしいから。僕達も同じような経緯で天狗と夜叉になっちゃったけどね」

 そこまで言い終わると木綿季は横島を押し倒した。

「実は僕、魂の扉壊してから、ユウキさんと混じっちゃってもう東洋のユウキの分霊みたいになっちゃてるんだ。それはお姉ちゃんも一緒だけど。 彼女が疑われた時に、
自分を疑われたみたいにイラついたからお仕置きタイムの時間だ〜」

 遊び始める子供の様な声で言いながら、横島の分身を大きくなった乳房で挟み一瞬で射精させた。 あまりの早い射精に半泣きな横島に木綿季は半分馬鹿にしたような様子で言葉を続ける。

「相変わらず早いね。僕達との初夜の時、気持ち良すぎて圧倒された以外はあまり覚えてないでしょう? 君があまりに早すぎて惨めでかわいそうだったから、記憶消してあげたんだ。
あの時は女権国家の女性の力は得ても感性は男性優位の性交が当たり前のジパング人だったから」

 そこまで言ったところで、藍子が後ろから木綿季にかけてあった嘘を言うと死ぬ魔術を解いた。

「木綿季、殿方は誇りを傷つけられると弱い者です。嘘かもしれないと思えるくらいの逃げ場は残してあげなさい」

 そして今度は自分に直ぐに解けるようにして嘘を言うと死ぬ魔術をかけて、高島に言う。

「安心してください。貴方が私達の好意を勝ち取ったのは今生での努力の果てです。そして私達はヴィヴィオ様の臣下とはなりましたが、
政争では貴方に御味方します。貴方が閨で心まで屈してヴィヴィオ陛下の配下にならない限りは、ですが」

 そういうと藍子もまた木綿季と同じように高島の分身を豊かになった乳房で挟んだ。木綿季の強すぎる快感で一気に嬲るのとは対極の優しい快感が、木綿季にされた強い愛撫の余韻のせいで余計に強く感じられる。
男として恥ずかしい早さでの射精をした高島の頭を撫でながら彼女は言う。

「いくら夜がふがいなくても、貴方への愛は揺らぎませんから安心してください」

 その発言を聞くと木綿季が頬を膨らませた。

「お姉ちゃんずるい。僕より先に告白して」

「彼の初めては上げたのだから大目に見なさい。高島様、私達とヴィヴィオ様の契約は私達はヴィヴィオ様の配下ではありますが閨の外では完全に高島様の味方として動いて構わないとのことです。
ただし、閨の中ではヴィヴィオ様の配下として貴方を聖王王朝に降伏させる手伝いをせよ。以上です。これはヴィヴィオ様がおらず私達だけが閨に呼ばれた場合も変わりません」

「うん。その通り。その代わりヴィヴィオ様に早く体が変化に馴染んで君を助けられるようになる処置をしてもらったんだ。嫌だった?」

「嫌な訳ないだろ。俺が屈しさえしなければ、政争の際に強い味方が二人も手に入るんだからな」

 それを言うと木綿季は嬉しそうに高島に覆いかぶさろうとして、ヴィヴィオに止められた。

「一応は私の配下となるんだからそれをするのは臣下の儀を済ませてからです」

「失礼しましたヴィヴィオ陛下」

 そういうと藍子と木綿季はヴィヴィオに跪き臣下となる儀式らしき行為を略式だが行った。 強すぎる快感で動けない高島に二人が迫ると、高島はいよいよ自分は宿敵の配下に自分のいた地域ではありえない女性優位の性交をされるのだと恐ろしくなった。
木綿季は高島に好物を出された犬の様な速さで近づき繋がった。強すぎ快感で悲鳴を上げる彼に木綿季は笑いながら言う。

「高島、頑張れ。僕たちの病を癒すために天狗の術を学び数々の高額の悪霊退治や妖怪退治を成し遂げた君なら、政争で一番良い負け方に持ち込むまで堕ちないと、信じてるよ」

 誠意のない声援を送りつつ犬の様にじゃれつく彼女の膣はネズミをいたぶるネコを思わせる快感を高島の分身に送り込んでくる。藍子も後ろから抱き着き乳房を背に押し付けながら、高島の腕を掴み、木綿季の尻を無理やり揉ませる。

 悲鳴すら上げられなくなった高島に木綿季が術を唱えると、かつてないほどの量の射精が起った。 高島は喋ることすらできなくなって、混乱の極の目で木綿季を見た。彼女は笑いながら答える。

「君が学んでいた天狗の性魔術を君の体を操って使わせてみたんだよ。天狗の術を学んで使ってきたせいか今の僕の霊力で操られやすいんだね。あとあの術って、女性を気持ちよくさせるだけじゃなくて自分の快感もあげちゃうんだね」

 そういうと木綿季は高島から離れ分身を撫でる。信じられない程の早さで分身が復活したのを見て彼女は面白そうに笑う。

「弱くて情けない君の股間は僕が天狗の魔力で助けるよ。だから頑張ってお姉ちゃんを満足させてね」

 そういうと、木綿季がさっきの藍子の位置に移動し藍子は木綿季と同じ位置に来た。

「木綿季、女権国家での生の記憶もある状態で無茶を言うんじゃありません。耐えられず堕ちても仕方ありませんよ。高島様もういちど参ります」

 藍子と繋がった時、木綿季と対局の優しい感じのする攻めが始まる。だが彼女責めは木綿季に劣っているわけではなく。優しい感じのする攻めが、なかなか射精させてくれないじれったさを与える。
射精すれば解放されそうなのにそれがいつまでも許されない。木綿季と対極の快感が木綿季との性行為のせいで余計に強く感じられる。 
しばらくして射精が許された時高島はとてもゆっくりとした長い射精をした。その際の脱力感は魂の芯にまで及んだ。

 あれから何度か二人は高島が達するたびに入れ替わり搾り取り続けたが、今はヴィヴィオと三人がかりで攻めている。
下級天女騎士達に両脇から無理やり立たされて、いる状態の高島の分身を三人がかりで胸で挟んでいる。射精の度にマグネタイトを補給され何度出したか覚えていない。

 不意にヴィヴィオが木綿季と藍子に目配せすると二人が離れた。

「そろそろ限界の様ですけど。どうですか、私達の配下になりませんか?」

「それは受けられん」

「そうですか。それでは今夜私達の相手をしてくれたことで、恩の返却は終了したことにします。これは聖王の名に誓って約束します」

ヴィヴィオがそういうと下級天女騎士達が高島の体を洗い始めた。性的ないやらしさはないにも関わらず、どこか欲望が刺激される洗い方だ。帰り支度をする彼にヴィヴィオは思いついたように言った。

「私と賭けをしませんか」

「どんな?」

「明日、私の主催する闘技場で木綿季と藍子の二人となんでもありのルールで、闘って勝てたら、二人の臣下の約束を無しにします」

 ヴィヴィオの言葉は高島には渡りに船といえた。実は木綿季と藍子には今生に限っては、閨の中以外では負けたことがない。これも高島が二人を救うために妖怪退治や天狗の修行に明け暮れたたまものだった。

「俺が負けたら」

「今夜と同じような性行為を闘技場で私の部下たちと一緒にさせてもらいます。今夜より少し過激ですよ。それ以外は一切取らないし。何度挑戦しても構いません。
 貴方が一度でも勝てばこの約束はいつでも果たします。 見るのは私の部下たちだけだし、貴方が性行為で負けたことで風評被害を煽るようなことは絶対にしません。
そして貴方の政争上の勢力を削るような行為にも使いません」

「その勝負受けた」

 高島は何度負けても一度勝てばすべて終わりの一言で、勝ちを確信し受けることにした。それが彼の快楽地獄の始まりとなることを彼は予想していなかった。

 次の日万全な状態でコロシアムに来た高島は藍子と木綿季がアリーナで待っていた。木綿季が笑いながら、高島に話しかけてくる。


273 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:28:31 ID:689e7t63
「高島、君と闘えるのも嬉しいよ。最悪十年くらいは無理かもと思っていたから、でも大丈夫?」

「何がだ」

「負けたら、昨日と同じ性行為って約束が君の足を引っ張ちゃうんじゃない? 君は凄いことを何度も成し遂げたけど、基本的には色欲の為だったし」

 意地悪そうな笑みを浮かべる木綿季に横島は首を振った。

「いくら何でもそんな簡単に負けんわい」

 高島はそういうと刀に霊力を流し込み構えた。 その高島を見ながら藍子も長巻を構える。

「別に欲望に負けることが悪いことではないでしょう。それでは参ります」

 そういうと藍子が長巻を構え切り込んでくる。高島はその一撃を見事に防ぐと、天狗となった木綿季の剣撃も避けて、速攻で打ち合いを始めた。横島が闘技場で二人に勝った時と似たような剣撃の応酬が始まる。
高島と全てを共有状態の横島は、高島はいつもこういう流れで二人を圧倒していたのだなと思った。

 時に二刀流になり、時には双刃刀にして場合によっては一刀流に戻しながらの戦いは、高島が有利に進めた。だが以前程優勢ではない。その原因は木綿季がフェイントに引っかかる回数が以前よりはるかに減ったことが大きい。

 木綿季の動きを見ながら高島は愉快そうに笑った。

「反射神経が鋭すぎて牽制に引っかかりやすいのが大分改善されたな」

「そうでしょ。天狗になってから風の動きを知りやすくなって、霊波刀とかを出現させる場合は、空気を切る音を感じてからでも回避や迎撃が間に合うからね」

「それじゃあ、本物の刀身やあらかじめ出していた霊波刀で振りのかく乱をすればいいか」

 嬉しそうに答えた木綿季の顔色が一瞬で変わった。

「あちゃ〜! 情報与えちゃったかひょっとして、僕が答えるまで気づいてなかった?」

「どうだと思う」

 高島はそういいながら木綿季とのやり取りを楽しんだ病弱でありながら、剣と霊力に長けた二人を時には護り、時には二人が存分に長所を活かせる依頼を見つけて共に冒険した。その際に良く手合わせをしていた日々が思い出される。
 真剣に渡り合いながらもどこか遊びやじゃれ合いめいたところもあった模擬戦の数々。 お互いの技が格段に上達していながら、その空気だけはあの時と変わっていなかった。
 ――この時までは、不意に木綿季が天狗の刀を構え軽快な足取りで足踏みを始めた。重心の移動を繰り返す木綿季がいつ切り込んでくるか警戒を続ける。 

 闘技場の天女騎士達も歓声を止めて穴が開くほどの勢いで二人を見た。これから東洋の武術の達人同士の決着の時が近づいていると見たのだろう。 お互いに決着をつける準備をしながらも、親愛の情は変わらない様子で言葉の応酬は続いた。

「高島、君には子供の頃から助けられていたよね。 僕達を助けるために善天狗の人達に弟子入りして、霊薬の作り方や医学を学んで天狗さん達から効率的な鍛錬方法を聞き出して、僕たちの武術と霊術の修行両方に付き合ってもくれたっけ」

「ああ。そうだったな」

 十代前半が終わったころは高島が半ば二人の主治医と化していた。二人にとって楽しすぎる訓練の時間が長引き体に障りそうになると、彼が剣を寸止めにして勝利して今日は終わりと宣言していた。

「今日は本気出した君に勝って恩返しさせてもらうよ」

「恩返しってどういう意味で」

「もちろん。健康になってこんなに強くなったって見せることさ。 それとも昨夜みたいな行為を期待してた?」

 それを聞いて高島は顔を真っ赤にした。

「そんなわけないだろうが」

「そうなのですか」

 藍子が不意に少し残念そうな声を出した。昨夜の閨で男にとって恥ずかしすぎる敗北を繰り返す彼をあやす様に、話しかけていたのと同じ声音だった。彼女はその声音のまま言葉を続けた。

「あれだけ、お世話になったのだから、貴方様が望むなら、貴方様に育てられたこの体で悦ばせて差し上げたいのですが」

 二人の言葉で情事が思い出され、あれを受けたいと思っている自分が確かにいることに気づいた。僅かに体が鈍くなることを自覚する高島に藍子は誘惑の言葉を続ける。

「私達は女権国家の、影響を受けていますからそれに閨で勝てないことは恥ずかしいことではありませんよ。何なら高島様が勝ってもああいう夫婦関係になっても良いのですが」

 そこまで言われたが、高島の男としての矜持がそれをはじいた。

「ここで勝って、絶対に女性優位の性交に骨抜きにされた男の称号を返上したる。スケベなのはまだしも、女に閨で負けて悦ぶ男の称号は得られん」

 木綿季と藍子はその答えに少しだけ嬉しそうに笑いながら言葉を返した

「君ならそういうと、思ったよ。 僕たちの地域は男性優位の性交が当たり前だし、僕たちが女性優位の性交に骨抜きにされた男の妻ってことにしない為でもあるんでしょ?」

 答えず構える高島に木綿季が一気に切り込んだ。

 高島は双刃刀に切り替えると二人を迎え撃った。双刃刀は基本的に直ぐに二刀流と一刀流に切り替えられるから、二人の攻撃を捌きなれるためだ。戦い方の癖はお互い変わっていない。ならば、どれだけ落差に対応できるかだ。

 双刃刀を出している時は藍子が主となり木綿季が援護に入り、一刀流と二刀流の時は、木綿季が主で藍子が援護に回る。
力が分散され、手数が増える二刀流と同じ武器を使う一刀流は木綿季が対応し、双刃刀は長巻と似た部分があるから理解しやすい藍子が対応する。
 丁度横島が現代で二人と演じたのと同じ様な舞踏めいた闘いが展開された。ただこの戦いでは高島の方が横島より二人相手に有利に進めている。
木綿季が高島の記憶を遥かに上回る連続の攻撃で切り込み、藍子が霊力をより強くした技術と重さを増した攻撃を繰り返したが、高島はそれらを全て跳ね返した。

 澄んだ金属音が響き二人が不利な体勢で跳ね返され、丁度横島と紺野姉妹が演じたのと同じ状態になった。 あと半歩で、お互いの必殺の間合いに入る。
お互い引くことができず攻めることも容易ではない状態だ。 高島は勝ちを確信しつつ万が一が無いように構えた。 対して木綿季と藍子はどこか余裕のある表情をしている。

「高島、今日は僕たちの勝ちが確定しているよ。どんな戦術家でも覆せない不利はある。それが天狗の先生の教えだったよね。 君は今それに嵌っている」

 高島は木綿季の腹芸が離れている内に進化したのでなければ、相当に拙い状況だと思った。 天狗の先生が言う実力が拮抗している時の最悪の状態とは、予想できなかった一撃をもらうことだ。
木綿季も藍子も初見殺しの技を身に着けたのだろうか? そこまで考えて決断を下した。 丁度横島がしたのと同じように高島は木綿季に切り込んだ。

 木綿季を追い詰め切れば、フォローに藍子が動くそうすることで動きを予測し勝利する。過去に2回か3回訓練でこの状況になった時に使った手だった。
 1回目は2回目より困難だったし3回目は2回目より困難だった。 今度も簡単にはいかないだろうと、高島は思いながら木綿季に横島以上に速く重い一撃を放った。 
木綿季は高島が予想していた以上に速い斬撃を返してきた。高島は一瞬でそれに対応しようとして驚愕した。木綿季の剣の重さまでもが、はるかに上がっていた為だ。
鍔迫り合いに持ち込んだものの、技術の差があってもこれでは藍子が来るまでに木綿季を倒せるかわからない。その瞬間、藍子が高島に何かの術を使った。

 その術を受けた瞬間、高島の意識は昨日のヴィヴィオの閨に戻った。狐の幻術だと思った時にはもう遅かった。 
これは記憶をそのまま再現する幻術だ。 木綿季が高島の分身を豊かになった胸ではさみながら、意地の悪い猫の様な表情で分身を嬲る。

「高島、お姉ちゃんと二人で左右から胸で攻めた時にお姉ちゃんの方に逃げすぎ。という訳でその分を今から絞るよ。 回数じゃなくて時間だから20分頑張ってね」

 木綿季の胸の感触に激しく妨害されつつ、幻術破りを懸命に行い。どうにか破った。仮に一度でも射精したら完全に堕ちて幻覚から抜け出せなくなっていただろう。

 現実に戻った高島は即座に木綿季の気配のした方に向けて刀を振るった。今どんな状況かわからないが、今までの経験則上、何らかの行動を取った方が生存率が少しは高くなると思ったためだ。

 高島の剣は木綿季に当たりかけたが、木綿季はわざとそれを紙一重でよけた。正確にはわざと当たったと言える。高志も剣は木綿季の胸の部分の服とその下の晒を切り裂いた。
 天狗の風を操る術を使い幻覚を見せられていた時に分身を嬲った時と同じに乳房の形を変えるあたりわざとなのが分かる。高島は自分の分身が固くなってしまった感覚を味わうと、どうにか術を使おうとした。

「ユウ。 体格を多少は操れるのだから、戦闘型の体系に戻しておきなさいと言ったでしょう」

 全く咎める意志の感じられない、姉の形だけの咎めに木綿季は笑いながら答えた。

「あはは。ごめんなさい。勝った後に高島をイジメることしか考えてなくてさ」

「その胸では剣を振るのに邪魔でしょう。晒が破れた今は動きが限られるから魔法で援護しなさい」


274 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:30:09 ID:689e7t63
「ごめん、ごめん。お姉ちゃん頑張って。昨夜みたいに高島を可愛がれるか否かはお姉ちゃんにかかっているよ」

 昨夜みたいにというくだりに、不思議な呪縛な様な感覚があり、背筋が余計に寒くなる。そして藍子は、長巻を構えると高島に再び切り込んだ。高島はその一撃を受けた瞬間手がしびれた。
精神が乱され切って霊力による身体強化などの精度が多少落ちているにしても異常な力の差だ。 高島の方からは動き辛い鍔迫り合いの体制になった瞬間、藍子は言葉をかけてきた。

「高島様、どうですか私とユウのこの力は」

「さっきまで手加減しとったのか」

「いいえ。私達本来の力だけで貴方と戯れていたかったから、少し自重していました。女権国家と言われる国の影響を受けた神々の分霊を宿した私達も、女権国家特有の力を使えるのですよ」

「それはいったい」

「好感度ドーピングとその国では呼ばれているそうです。意中の殿方への愛が深いほど強くなれると」

 極東の島国の出身で女権国家の事を知らない高島からしたら、そんな事態を予想すること自体が無理というより不可能過ぎた。嘘を言っていない様子の彼女はさらに言葉を続ける。

「力だけじゃなくて霊的な力も強くなるのですよ。今の私やユウの様に」

 その言葉を聞き、木綿季の方を見るとすさまじい炎を彼女はその手に出している。天狗は食らったら戦闘不能は確実だ。
天狗や狐は火を操る伝承があるがこれほどとは。高島はとっさに、自身にとっての災いを防ぐ術を早口で唱えた。術は確かに成功したのに木綿季の炎はその術の防御を突破し高島に当たった。

 高島の全身が凄まじく熱くなる。そして分身が問答無用でそそり立った。その瞬間高島はこれが、性行為の時の熱だと理解した。
もはやまともに動けずへたり込んだ高島を木綿季は好意的だが意地の悪い笑みを浮かべてのぞき込んだ。

「子供の頃から善天狗に弟子入りして霊術使ってきた君には、天狗の霊術が聞きやすいね。
なんで防御の呪文が聞かなかったって? 僕達との性行為を君が嫌がってないからさ」

 高島は無理やり呪文で分身を鎮めるとさっきとは比べ物にならない程速度が落ちた一撃を放った。まだ辛うじて一流の剣撃と言える攻撃だが木綿季はそれを余裕をもって片手持ちにした剣で受け止めた。
そしてもう一方に団扇を持ち高島を扇ぐ。体の中の性的な炎が余計に燃え上がり立っていられなくなる。 

 そこに藍子が近づいてきて高島の額に手を当てた。その瞬間再び、昨夜の記憶がよみがえる幻術が始まる。

 磔台の様な機能もある寝台に拘束され腰だけを動かせる状態にされた高島の分身を木綿季と藍子が自分たちの胸で挟み、攻め立てている。優しい責め方をする藍子の方に分身を送ると木綿季が少し不機嫌に咎めた。

「コラ高島、さっきからお姉ちゃんの方にばっかり逃げすぎ」

「ユウ、もうちょっと待ってみなさい。私の方に逃げ続けると時期に貴方の方に行きたくなるから」

 藍子と木綿季の声は二人の責めを象徴しているかの用だ。

 不意に現実に戻った高島は疑念に満ちた状態になる。今の自分には藍子の幻術を破るだけの力はない。それなのに現実に帰ってくることができた。これは藍子が自分を戻したのだろう。
そう思った瞬間、藍子が狐火を放ってきた。これは明らかに木綿季の炎と似たようなものだ。 それを辛うじて避けた、高島に木綿季がまた炎を放つ。その炎をかわすとそれが藍子に当たり藍子の体が火に包まれる。
高島はそれを見て藍子の体が僅かに心配になった。 彼女の体を診ようとして近づいた瞬間、甘い香りが辺りに充満した。 藍子の体から立ち上る狐の香の匂いだ。
それを嗅いだ瞬間、高島の分身が天を衝く勢いで固くなり、全身が脱力感に襲われ動くことができなくなる。

「戦闘不能で勝負ありだね。それじゃ勝ち目ゼロの夜の戦いスタート」

 はつらつとした楽しそうな声で、木綿季は刀を振るい、高島の服を切り裂いた。鼻歌交じりに彼女は高島の体を撫で始め傷を見る。

「確かこれは、僕たちの霊薬の材料になる妖怪を倒した時の傷だったね。これは自分に勝てたらその肉を家族や仲間と共に食らい力とせよと言っていた、土地神様の肉を僕たちの所に持ってきてくれた時の傷だね」

 木綿季が古傷に手を当てて撫でると高島の体に快感が走る。天狗の霊術を使い続けた体は女天狗と化した木綿季やそれを支える妖狐と化した藍子の霊力を良くも悪くも通しやすい。

「女権国家の力を得た女性に勝てるなんて言う、傲慢の鼻はおらなきゃね。じゃ行くよ」

 そういうと木綿季は一息に彼の分身を飲み込んだ。木綿季の速すぎて容赦のない動きで脳が爆発した様な快感を与える。そして一秒もたたぬうちに精液を吐き散らした。

「ちょっと高島。天狗の夫婦和合の術も覚えたから僕を閨で泣かせてくれるって言ってたじゃない。 今使ったけど早すぎるよねえ」

 闘技場中の女性達の嘲笑が響いた瞬間、木綿季が笑う。

「やっぱり僕達に惨敗したせいで、被虐趣味に目覚めちゃったか。大丈夫責任は取るから」

 そういって木綿季が炎を出して高島に当てるとその熱が股間に来る。そして二度目の射精をした時、嘲笑や悪口への体制が零になった様な感覚を受けると辺りからの嘲笑が聞こえた。

「早すぎるわあれ」

「しかも射精量も多い。男性優位の国に転生したのも、虐めてもらう際に刺激ほしさじゃない」

 悪口によるダメージは大きかったが、それがもたらす性的快感も大きくさらに射精の量が増えた。それを見て観客席から一斉に爆笑が起る。

「罵られてあんなに射精量が増えるとか」

 木綿季は高島の耳もとで小さな声で言った。

「天狗である僕は誇りの強さも操れるんだ。どうプライドを高くされておられるのって気持ちいいでしょう」

 激しい快感とこんな最低の行為で逆に多く出す自分の情けなさに涙が出ると、藍子がそれをなめとりながら、木綿季を引き離した。

「高島様恥ずかしがることはありませんよ。 女権国家の女性に閨で勝てる男性なんていません。貴方が勝てないのは当たり前のことです。それに貴方が閨の外ではどれだけ立派な方かは私と木綿季が一番知っています」

 そういうと彼女は木綿季と相反するようにゆっくりと高島の分身を飲み込んだ。同じ快感の強さを持ちながら木綿季と反対の優しい動きに高島の抵抗する意思が削られていく。
木綿季に激しい快感で付けられた傷に怪我は癒えるが中毒になる毒を盛られているような快感が魂に絡みついていく。 ゆっくりとした甘えさせる性行為で射精した時大量の精液が出る。
その時の快感はどれ程だろう。恐怖と期待が同時に来る。怖がる高島をよそに藍子は不意に思いついたように声を上げた。

「ヴィヴィオ様、少しお願いがあるのですがよろしいでしょうか」

「なんですか藍子」

「高島様を癒す性交がしたいので、あの特技をお願いします」

 それを聞くとヴィヴィオは頷き高島に手を当てた。不意に自分の体が縮んだことに気づいた時には、6年前の12歳の頃の体格に戻ったことに気づく。
繋がったまま小さくなった彼は快感で声を上げ辛いのに耐えながら、何か言おうとすると不意に抱きしめられ乳首を口に突っ込まれた。叫びかけたところで口を塞がれて、鼻で香を吸い込んでしまい一気に思考力が落ちる。
脳が縮んでしまったことも効果をさらに高めたのだろう。熟練の指圧師の様な快感をもたらす彼女の手が頭を撫でるたびに快感がさらに思考力を奪う。母が子をあやしながら授乳しているような状態の騎乗位を見てヴィヴィオが呆れたような声を出す。

「藍子、貴方相変わらず甘やかすのが好きなのね」

「ええ。生まれついての趣味ですから。少しだけ虐め気味な木綿季と二人でやると彼の堕ちる速度が倍以上になるんですよ。 高島様、そうです何も考えず全てを委ねてください」

 それから間もなく彼は大量の射精をした後、大勢の前で与えられた被虐的快感でつけられた傷から大量に流れ込んだ甘い毒が一気に流れ込んだ様に、何もできないかの様な状態になる。

 次に目覚めた時、彼は複数の天女騎士とヴィヴィオに嫐られていた。壊れかけるほどの快感を与えられ、何度も倒れかけながら、意識を失いかける。ヴィヴィオと共に自分を犯しているのは明らかに上級の天女騎士だ。
下級の天女騎士も閨では自分が足元にも及ばないのは一緒だが、上級の騎士たちはさらにすさまじい。ヴィヴィオも昨夜とは違い手加減が一切ない。

「ごめんなさい。高島さん」

 強すぎる快感でしゃべることすらできずにいる高島に、ヴィヴィオが少しだけだが謝意の籠った声で告げた。

「木綿季ちゃんと藍子ちゃんの人生を追体験みたいな形で見せてもらったら、彼女達と似たような境遇だった上級天女騎士達と、私我慢できなくなっちゃいました」


275 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:32:02 ID:689e7t63
 マグネタイトが無理に補充されるだけではない。木綿季が目天狗としての通力で高島の分身を固くなり続けるようにしている。
それだけではなく、時には感度を上げ時には持久力を上げて相手を満足させつつ高島をじらして遊んでいる。
彼女はスイッチが入ってしまうとえげつないタイプかもしれない。 不意にヴィヴィオが高島にまたがり激しい快感を与えた後、射精直前で離れた。寸止めされた様な拷問の様な感覚に苦しむ彼に。ヴィヴィオは木綿季に目配せして命じる。


「木綿季、彼に少し未来を見せてあげなさい」

 木綿季が天狗の予知能力で高島と視界を共有すると、高島が世話になった同盟先の家などが政争に敗れヴィヴィオ達に下る未来が見えた。そしてそれをしたのが豪奢な金髪をしたどこか獅子を思わせる男性だった。

「彼はラインハルト、貴方がいま私に射精したら身ごもる子ですよ。今我慢すれば大乗ですがどうしますか」

 拷問の様な快感だったのに最後まで射精させてもらえないと、それはもっとひどい拷問の様に感じてしまう。ヴィヴィオが敢えて後ろ向きになり尻を突き出すと高島の理性が飛び、突き入れてしまった。かつてない快感と共に意識が飛び倒れるとヴィヴィオは言う。

「不義理もの! 己の欲望の為に世話になった同盟相手を裏切るなんて」

 王としての威厳を備えた大喝は彼の心に大きな傷を与えた。

「まだ着床はしていませんけど貴方が誇りを捨てて跪くなら、今回は貴方の精液を魔力に変えて、次の戦に使うだけにしてあげます。そしてあの子供が同盟者の家たちを衰退させたりはしないと約束します」

 ヴィヴィオが参戦する次の戦は同盟した家にとっても有益な戦だった。それを聞くと高島は即座に一番、惨めな最高礼を取った。それが済むと彼女は満足そうに頷いた。

「許しましょう」

 その後高島は何かが折れてしまい完全に彼女達に跪いた。 ヴィヴィオ達との賭けの戦いに出るたびに木綿季と藍子に敗れ続けた。負けて嫐られることが癖になってしまったためだ。
 木綿季と藍子の姉妹で彼を堕とす手腕が何よりも凄まじいものがあったことも大きい。

 横島は高島の人生の部分部分を追体験してきて、やっと現実の闘技場に戻ってきた。凄まじい脱力感が体中を襲い動こうとして、服がなくなっており、仰向けの体に木綿季がのしかかる様に繋がっていることに気づいた。
そして周りには数名の天女騎士達とヴィヴィオがいて明らかに情事の後の様だ。そこで嘲笑めいたマイの声が響く。

「愚弟、あんた人形劇の人形の人生追体験させられつつ、現実でも彼女達と性交渉していたのよ」

「どこまでしたんでしょうか」

「人形が喋った台詞や情けない性行為はやっていたわね。嬉々としてヴィヴィオと木綿季と藍子の足にほおずりしたり洗ったりとかも現実ではやっていたわよ」

 闘技場以外でも聞こえていた気がした遠くからの嘲笑は現実世界での自分への嘲笑だったのか。 ダメージを受ける横島を楽しそうに見ながらマイは言葉を続ける。

「あんた、昨日木綿季と藍子に勝った時の条件覚えている? 記憶消したから覚えているわけないとは思うけど」

「なんだった、いや聞きたくない。なんか俺の精神がやばいことなりそうだ」

 そう答えた横島にマイは笑顔で追い打ちをかけた。

「あのねぇ、この人形劇とこれ二回目で昨夜同じことされていたのよ。それで木綿季と藍子に二対一で勝ったら同じことしてあげるってヴィヴィオ聖王陛下が言ったの。
その記憶消して戦ったけど本当に、これをされるために勝つとかあんたはどれだけ、ここに忠実な訳」

 マイの暴露に闘技場が大爆笑の渦に包まれその嘲笑で一物が固くなったのを踏みつけながら彼女は言葉を続ける。

「色仕掛けで高島の時にも負けるし、勝てた時はこの男として尊厳が死ぬ、性行為してほしいため。いくら立派なことを成し遂げても、しょせん下半身の為って野次られてたけどそのとおりね」

 マイの足で射精させられてなく一歩手前になった彼を木綿季と藍子が左右から抱きしめて横島を弁護した。

「女権国家の女性に何度もされたらそうなっちゃうのはどんな男性も共通だからしょうがないよ」

「それに横島様は私達が本当に良くないことをしそうなときは、色香の誘惑に勝てると冥府の神様も仰っていましたよ。ただそういう場面が訪れないだけで」

「だが俺は前世でヴィヴィオ相手に欲望に負けて不義理していたぞ」

「あれは、表層意識では気づいていなかったけど、潜在意識ではヴィヴィオ様が過去の埋め合わせをしたうえで、高島家とその同盟者たちを取り込もうとしていると気づいていたからです。 
仮に本当にヴィヴィオ様がああいうことをしようとしていたら耐えられなくてもどうにか、軌道修正させていましたよ」

「そうなのか」

「ええ。あの後、生まれた子は理想的な臣従にする形で同盟の家の者達を取り込みました。だから、どんなに折れても貴方は人としての線を踏み越えることはありません。マイさん早く折れる前に戻してあげてください」

「ええ。少し意地悪し過ぎだったわ。今夜は二人に慰めてもらいなさい」

 マイが剣を向けると横島の心は女性優位の性交で折れる前の状態に復帰した。だが折られることへの期待は植え付けられてしまった感じがする。そこに木綿季と藍子が抱き着きいう。

「大丈夫ですどれほどおられようと私や、癒すことを喜びとする女性達もいますから。それに折れてしまった時は私と木綿季が貴方の剣となります」

「横島、僕たちが間違った方向に行ったときは君はどんなに快楽漬けでも愛し合っていれば、止めてくれるって冥府の神のお墨付きだから僕達も安心してああいうことできる面もあるんだよ」

 二人に言われた直後にマイがトラポートの呪文をかけて来た。気が付くと彼は止まっている魔界の宿屋にいた。藍子の香の匂いに包まれた彼は二人に襲い掛かり、直ぐに返り討ちにあった。

 藍子と木綿季が横島をはさみ木綿季に搾り取られる彼に藍子が甘い毒を注ぎ込むように耳打ちしてくる。

「横島様。青木様と戦った時貴方は、ヴィヴィオ様の誘惑をはねのけることができました。木綿季が言うようにいくら堕ちても人としての大切なものは失わないから大丈夫です」

 ぼんやりとした頭で横島は思う。

『そうだな。藍子の言う通りかも。俺はあの状態でも青木の教官役ちゃんとやれたしな』

「そうだよ。君なら大丈夫さ」

『折れるのが良いことではないが、折れても耐えられるのは確定かなら、もっと性交に積極的になっても良いかな』

 そう思う彼は気づかなかった。木綿季が彼を絞りながら天狗ゆえにとくいな傲慢や自尊心を操る術を使っていたことを。
自分はどれ程堕ちても大丈夫というある意味『傲慢』な自信が植え付けられていく。木綿季の与える激しすぎる快感が一説には天狗の鼻の象徴ともされる男性器を嫐る程それは強くなっていった。

 木綿季に絞られ過ぎて横島が倒れた瞬間、魔石を使い彼を回復させて今度は藍子が彼の分身を優しすぎる口淫をした。彼女の口淫で頭がバカになったところで再び対面座位気味の騎乗位で分身を飲み込まれ、
乳首を口に含まさせられた。ぼやっとした頭の中で藍子の言葉が響く。木綿季の嫐る性交の後でより威力が上がっている感じがする。

「貴方様はどんなに甘やかされても人としての大切なものは失いませんからご安心ください」

 そういうと香の匂いと共に女権国家の幻惑球をもらったような幻覚が見えた。甘やかされる性交の幻覚が多く見えてくる。そしてその幻覚は実際の感覚も伴っている。藍子相手に果てた時、深くその幻覚と堕ちる快感が記憶に残った。


 聖王の私室で木綿季と藍子に惨敗している横島を水晶で見ながらマイとヴィヴィオが笑っている。嘲笑ではなく、ことが上手く進んでいることが面白くてたまらないという様子だ。

「これで横島の奴は、自分は性欲でしか大業をなせないという劣等感が出来たから天狗の術を極めても天狗道に堕ちることはないでしょう」

「そして、彼は藍子と木綿季の二人の飴で、女性に負けるのが恥ずかしいことではないと意識が変化した上に、折られることへの忌避感と恐怖薄れてきています。 完全に来世でも来世でも、折られることが癖になり。
男性優位の性交を求める感性がへし折られる悦びの前振りに変わる日も遠くないですね」

 ここまでは上機嫌に話していたが、不意に二人は真剣な表情になった。

「それでマイさん、どうですか。こっちの世界で彼が恩義のある人たち全員を無事に終わらせるのは難しそうですか?」

「ええ。思ったより難易度は高そうだわ。全員無事で終わらせるのは無理に近いわ。 最悪でも、あいつに打算無しで良くしてくれた連中に対しては私達と関わった結果、本来の運命より悪い運命になることだけは、止めないと」


276 :名無しさん@狐板:2021/07/29(木) 00:33:13 ID:689e7t63
「分かりました。 こっちの世界に転送可能な私の国庫のアイテムなどはいくら使っても構いません。 それと天女騎士達も良識派のサマナーの召喚に応じたり、鍛えるために出現する際のマグネタイトは国庫から負担します。 
彼と関わった善人を救うより本来の運命より悪い形になるのを防ぐのを最優先で動いてください。その上で余裕ができたら助ける方向でお願いします。
それと彼の親友とかは死んだ場合は、蘇生させて女権国家の世界に転移それが無理なら、死後転生するようにしておいてくれますか?」

「了解」

 昨夜、横島を嫐った時や、先ほどまで情事を眺めたいた時はこの二人は魔王と天使の姿をした大悪魔に見えたし、この寝所は、魔王の玉座や処刑台を思わせた。
だが今はヴィヴィオもマイも天使と聖なる王へと変わり、彼女らがいる寝所も弱者を救う聖職者の聖堂の様な模様にその姿を変えている。 だが二人が予定の仕事を終えると、元の魔王と悪魔の済む魔城の模様に変わった。

「時にマイ次の横島がいく魔界はどうですか」

「ええ。 彼が男気を見せたせいか飽食界担当の彼女、大分気合が入ってしまったみたい」

「それは残念な結果になるかもしれませんね。私が担当の魔界は終わったとはいえ、助手として出る機会はまだあるのに、できれば彼には途中で快楽のせいで折れたりせず最後の魔界まで言ってほしいものです」

「ええ。私も全力で協力するつもりよ。色々とやりたいイジメ方が山ほどあるから」

 マイの笑顔を見てヴィヴィオは僅かに安心した。
彼女なら必ず横島を折れさせずに全ての魔界での快楽を味わい尽くすようにするだろう。魔王と従者を思わせる二人はその城で嫐られる横島を見ながら愉快そうに笑った。その笑みが彼の運命を決定づけていた。


277 :名無しさん@狐板:2021/08/24(火) 00:12:16 ID:s/H6xs3l
幸せスクリブルの二次創作ゲームでとーさんのサイトであるドレインの掲示板に、
ある”作品紹介とかするスレ”に投稿された”退魔剣士の備忘録”です。じぶんはまだ
あまりやれてないけど、負けた際や色仕掛けに乗った結果の無残さがスクリブルへの
リスペクトを感じました。 ”作品紹介とかするスレ”の357レス目からダウンロード先に行けます。
一度誰かが勝手に消したらしいので、早くダウンロードした方が良いかもしれません。


注意点としてはまだ未完成であり、最後まで見られません。それとスクリブルと違って一どクリアした
依頼は二度受けることはできない仕様になっています。自分はまだあまりプレイできてないけど、”作品紹介とかするスレ”215で
投稿されてから住民の方々からも高評価でした。

278 :名無しさん@狐板:2021/09/06(月) 18:55:09 ID:3gok11u+
 警邏隊にバカにされるほど、女性の誘惑に弱い『男性解放戦線』だが、時に、有能な新人が入ってくることがある。
 その多くは、まだ女性性に惑わされることのない―――性に未発達な少年のことが多く、他国からの知識や格闘術などを自慢としている事が多い。

 そういう新人がしばらく活躍していると、『男性解放戦線』のメンバーである白鐘直斗から声が掛かる時がある。

 同じ理想をもとに、任務を潜り抜け、信頼を勝ち取っている上司。
 いつもは冷静で、頼りになり、時折、いい匂いがしてくる……まさに理想の上司に直々に声が掛かってドキマギしている彼に、直斗が言う。

「次回から、とうとう、本格的な任務に入ります。おそらくは、FFF団との戦闘もあるでしょう。
 その前に、ボクから最後の指導です。……服を脱いで、ベッドに横になって、目を閉じて下さい」

 え、と声が出たが、直斗が冷静なまま「必要なことなのです。お願いします」と続けた。
 信頼する上司の言う通り、彼は上半身の服を脱ぎ捨てて、質素なベッドの上に横になった。

「目を瞑っていてくださいね……途中で、開けないで下さいよ?」

 妙にいつもの声よりも艶っぽく……まるで、女性のような声色に少しドキッとする。FFF団に対抗する為に必要なことだからと、
直斗から渡されてきた―――『男性解放戦線の新人たちが、どのような戦術に負けてきたのか』の資料映像を見てきたからか、
前よりも、彼の頭の中には、女性の『性的な魅力』、あるいは『女性が上位となる性行為』に対し、敏感になっていた。

 しかし、相手は信頼できる上司―――そのようなことをするはずもない……


 むにゅ……♥

「ふぁ!!!?」
 彼は、突然自分に覆いかぶさる、大きくて柔らかい……水風船のような感触に声を上げてしまった。しかも、まるでぬるぬるしていて、
こそばゆく、それでいて、ミルクのようなとてもいい香りがしてくる。

「―――もう、いいですよ……♥」

 彼が目を開ける……そこにいたのは―――とても大きく、見ただけで目を釘づけにしてしまうような大きな乳房をこちらに当てて、
慈愛に満ちた表情を浮かべる、絶世の美少女だった。突然現れた女性に、スパイなのかと驚き警戒をしようとしたが―――

「〇〇くん……ボクです。直斗ですよ」

 目の前の女性が名乗る。その声は確かに、自分の尊敬する上司の白鐘直斗そのものだった。

「すみません……ずっと黙っていて。ボクは男性解放戦線に属しているのですが……実は女なんです。
 ああ、誤解はしないで下さい。ボクは、スパイじゃあないんです。……女でありながら、本当に男性に強くなって欲しい。この国を変えて欲しい。
 ―――そう思っているんです」

279 :名無しさん@狐板:2021/09/06(月) 18:55:25 ID:3gok11u+
        _..-ニ三:::::::::::::::三ニ-_
      _-ニ/:::/:::::::::::i::ヽ:::ヽ::ヽヽ:.、
    .//::/::::::/::::::::::::::::::|::::i::::::ヽ::::ヽヽ:.、
   ./::::/::/:::::/:::::i:::::::::::::: |::::|:::::::: |:::::::Vハ::.、
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. ノ|:::|:::_|__|:: |::|::::V:|::::::::::ノ:/:j::::::::j:/:: |: |:/:::::|:::|:ト、     ,....-:::" ̄   u  ̄¨:::::...、
/|::|::::V::ト.:「::ト:ト、V|::::::ィ"7「:¨:メ.|:::: |:::リ::::::ハ:::V:\  .,..::´, .i  .しー、 .).(  rしu uヽ、_,,,,,,,,,,,,,,,,,,_
イ:|::|::-≦ヒ≧|::.ト:::::トミ、/レ_|,斗イ___V:j::/::::/ハ:::::「.`./: . // |  .|.|  し'ハゞ .し'  .,..:::´     、 `::::....、
/,ィ:\,_<芸ミ\|::::|/ ィa芸テテァ//::::/ハ }トミ.V: : : : :し: . u  し  し'   _.....:イ! ,       ヽi、 ヽ:.、ヽ、
 .レヘ:::\!  ̄   \ト.、 `¨¨” . 7ィ::::://ハ ./ハV: : : : : : _:_:_:_:_rュ---==≦ /  |! {{、__.ノ.|    .| し、.)i.:}  ヽ、
   ト、:.:ト///     //// /:,イ .,..イ  ./: _. -: "¨: : : : : :¨:¨":`.<_-./._:.. |!::. しハ {    .しへ_.ノU    ヽ、
   .|:::ハ:ハ..    `        /イ,.<,ィ/.  /´_..-……-::.._ : : : : : : ::::::::ノ:::`<: : :ト、: . .| `i   .i .|、  ..||   | .i ':,
   .レ' レ:ト.、  、   _,     .,.イトr-<__r."¨     O  ヽー-r-: : ::´::{:::::::::::o`<ミ、: .| | し し )  ..し、 j .j.: : ',
       .V≧::..      ,..イニジ: V:., ノ .::.   | i       ヽ.ノ .:::, ::::ゝ: : : : : : :.ヾj: : | .{: : し: : :j i: : : : :ゝ .ノ: : : :',
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..i     i  ./  : :  ̄ヽ、:/  __,ィ.: : : : : : .   ヾ、 _:.:.:`し´::.... .| |     `.< {_ :..:..| ー. ハ :j .|: : : : i 、ノ: : :しヘノ:.   ハ-=-、,イニニニ
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..', し  /./.: : ://: i: : : : .    .: i_j: :i : :し: : : : : : :. \  .i:ヽ、:しヘ_ノノ  | |    .\   : : |i i_j: : : :しi_j: : : : : :.   .ij//:i:iVニニ(:i:i:i,ィ
 ',: : : : i./: : : :(.(: :.し: : : : :.   : : : : :ゝ.,: : : : -  o   \.i .{ ヽ、:し´: : :..| |  r= , .≧=r--┴-:.____,,,,.::: : : : : : : ー=イイj j:i:iVニニ≧iiii
  .ト: : :,「: : :  .ヽ {   :::::....  ,: : :,,,::::ヽ ヽ: .     し .\)  ゝ、: : : : ゝ、ィシゝ'   ::.`ト、:::::::ヽ ヽ:: : : ヽ (: : : : ,イ:i:i:i:{ {:i:i:i:r≦:i:i:i:i:iii
  .|: :斗 ,  ././(u ) u  ij ::ヽ ,!...:::::   ),.ミ`ーぅ    i i ヽ    `<ニ=-:_:_:_....__.:::.   jニ.ト.、::::i  r .⌒.ゝ-i {,.<:i:i:i:i:i:i| ト,:i:i:i|:i:i:i:i:i:i:iiii
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,::: ./ .j {  .{ .{ :....::ヽ .ヽ ノノ :,′: :. i.ヽ、{ {  (r=へヽ、))j {,.ぅ_. ヽ、 ヽヽ .V.:.:.:.:.:.:./ { ./ニVニ\:i:i:i:i\ .\:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:iノノ:し|i:i:ij:i:i:i,イiiiii/
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::: .i ,r (,rジ._j    ) {^}: : :r{:.:::ゝ _ジ .ヽ、ゝ、{.{,,,,,;;;;;;"/⌒´ ヽ }, Vハ .| .j .::V:.:.{..:::ノ /ニニjニニ≧ニ\:i:i:i:i`i_,i:i:i:i:i:i{ .{:i:i:i:_.-イiiiiiiii>′
:: ,イ .i { .し'  rミー_ジ.{ { u'.:.:!:.:.:.i {:::..   .i  ー---、 ,イ,ィ  _,.ジu.} F.ヘし .:::::::}:.:.:し′/ニニノ>" ̄    ‘<:i:i:i:i:i:i:i:i:{,.イニニユイ
::く{:.:.| {  .o .{ {.⌒´ ハ{ {:.:. .', :.:| |:i i:.:.. .| ハヽ  .j j.| j  (_.ノ { }  } ...::ヽ.:.oノ:.:.:.:  /ニニ/′         `<:i:i:i:i:{ニニニニニゝ、
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ニニニ\≧≦ニニニニニニ/ニ:\\ニニニニニuニしニニニしニニ::/:i:i:i:-<ニニニニニニニニニニニニニ/
ニニuニ\ニニニニニニニ/ニニニ\ニニニニイニニニニニニニニ-≦ニニニニニニニニニニニニニ:> "

 彼の胸板に、ゆっくりとぬるぬるおっぱいを押し付けて―――まるで、彼の心をゆったりと溶かして、心の中に言葉を塗りこめるように―――直斗は続ける。

「ボクは、男の人と……対等の、愛のある生活を夢見ているんです。
 この国では……女が男を一方的に支配する、犯して壊してしまう……そんなデストピアが作られてしまっています。

 ボクは、そんなこの国を変えたい……―――その為にこうして、皆さんを 『 応 援 』 しているんです♥」

「ふぁぁ……♥」

 ぬるぬるとしたおっぱいマッサージは、性に疎い少年の心を簡単に解きほぐしてしまう。
 男性解放戦線に協力する女性の存在、今自分が置かれている現状の不自然ささえ、容易に受け取ってしまうほどに。

「やはり、女性と男性の間にあるべきなのは―――「愛」であり、健やかな感情でなければなりません。女性の胸―――おっぱいは、ただ男性のペニスを犯すだけの道具などではなく、
男性を愛し、慈しみ、癒す……そういうものであるべきなのです♥ キスは愛の証……そして、お互いに愛を育んだ先にこそ、セックスはあるべきで……♥
 ボクたちは、それを解放する為に戦っているんです……分かっていますよね? 〇〇くん♥」

「ふ、ふぁい……♥」

「ふふふっ……いい顔です……♥ やはり、男女の関係には愛がないと……ね? 今夜は一晩中―――あなたに、女性の男性の愛し方、について具体的にレクチャーしていきましょう♥
 おっぱいに甘え、おっぱいにおちんちんを挟みこみ、ズリズリとして快感に堕ちていく……そんな愛♥ キスとして、愛を囁かれて、何も考えずに女性と結ばれることを幸せに感じる愛♥
 みーんな覚えて、明日の初任務に備えましょう? そうすれば、きっと愛のないえっちなんかに負けない……♥ そういう心構えが、出来てくるはずですから……ね?


 負けても大丈夫です♥ きっと帰ってきてください。そうすれば、ボクがまたずっと励まして……癒してあげます♥ そして、次の戦いには必ず勝てるよう、特訓してあげますからね♥
 もしも勝てたら、ご褒美です……♥ ボクがあなたのして欲しいことを一晩中をして差し上げますから……ね?」


「 男 性 解 放 戦 線 が 解 放 さ れ る そ の 時 ま で―――ボクが、あなたのサポートを、してあげます♪」


 そしてまた、新しい男性解放戦線のメンバーが実動隊に加入した。

 しかし、その前の勇ましさはどこへやら……FFF団によって、手痛い敗北を味合わされた。
 その後、また白鐘直斗によって救出され、一晩中「 指 導 」を受けたという。

280 :名無しさん@狐板:2021/09/07(火) 22:11:06 ID:oy7uc6dE
 相変わらず、FFF団の格好の餌食となっていた男性解放戦線であったが、
ホープとなった彼だけは、獅子奮迅の活躍を見せていた。

 それが白鐘直斗―――憧れの先輩であり、そして、毎晩のように体を重ね、
時に乳房の中で甘え、時に優しく絞り出してくれる……男性解放戦線の中に存在する
女性に褒められたい、認められたいという不純な動機であっても。

 彼は、ひたすらに男性解放の為に抵抗を続けた。
 しかし、ある時、FFF団の中枢に潜入し、重大な極秘情報を抜いた彼は―――
その白鐘直斗こそが、FFF団のスパイであることを知ってしまうのであった。


「―――やっぱり、見つけたんですね」
 その極秘資料に目を通していた時、後ろから、最も心惹かれながらも、今は決して
出会いたくない女性の声がした。

 彼は怒りと、男性解放戦線の一員としての誇りをもって、振り返り―――
 そして、その姿を見て、言葉を失った。


          ,...., -=ニニニ=-:.、: :-: : ._
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. . jハ: r薔{薇ジ /くミ::\V| |::|!  ,a芝f汚 ジ>薇ミj: i: :ヾー――. . . . . .+ . . . . . . . . . . .
. /. .|: ゞ:.薇く/ミ_xxx_ヾ_ヾミ::|!   "¨””¨` o,イ>薔}: |. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
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. . . j: ..:::,イ: :{r薇}≧=-::...ィ     _,     レ,.イ. . . . . . ):.薇リ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
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. ,ジ. . . . . ..|:.ノ薇r`ミミ≧-x_______   ,イ _.シ:ハミ、. . . _.-(r薇}. . . . . . . . .+. . . . . . . . . .*. .
. . . . . . . . .У薔ハ. . . ヾゞ :ミハ「く三≧ィ「「三ニjx__r " o {ゞ薔ト、. . . . . *. .o。. . . . . . .o。
. . . .+ . . .(薔薇}. . . . . . . .,r三ニ|.|i||三ニ]]ニジ: ,.::′   .{r薇}、:':,. . . . . . . . . . . . . . . . . .
. . . . . . . . .ゞ薔ト、_. . ._ . r(ニニジトィ-…",.r."     -、: ゞ薔ミ, ',. . . . . . . . . . . . +。. . .
.* . . . . . . . ,rr薇.}、 .``    ̄/ニジ==ミrニ[[三二二ニニユ_: ゞ薔薇ミxxxぅ. . . . . . . . . . .
. . . . . .o。.,: (薔 ハ: . .    .rミ_..-ニ三- ¨´ ,.: : : :       ̄¨¨.`.<薔薇). . . . . . . . . .
. . . . . . . ,/. . .{r薇). .: :.  ,.イニニ{ジ:  :o: : :.、!: : :  o  。     : : : :.`:<. . . . . . . . . .
. +. . . . . i. . . .(薔): : リ,.イニ/: :  。   : : :ヽ、       .:   :.  : : : :ヽ、. . . . . . .
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. . . . . . . {. . .r薔リ :,ィジ′           : : : :':,             : : : : :V. . . . .
. . {薔}. .人.r薔ジ,イジ               : : : :':,:.            .:u : : : }. . . . .
. . . . . .r(薔ジ r//                 : : :o ',:.          . : : ...::::o:!、._,,,.
. . . . . .{薔薇:ト{i,リ                  : : :。:.i: : .        . : : : .:::ij::::r.}、. .
ミx. . . .ゞ薔イ: :V! .                 . : : : :}: : : :. :.    . : : : : : :::::o:У. -. .
ゞミ、,/ィ薔薇:У{      . .           . : : : : }: : : : : :。: : : : : : : :.: : :::::ijイ: : ____
ミニーイミx:{、. :}、   .:o.r=、:..        . : : : : : :j: : : : : : : : : : : : : : : : : :o/::.... _...
ニ-ミニニミ、=く }    : .ゞイ: O。      . : : : : : : :ノ::. : 。 : : : : : : : : : : : : :ノ三三. . ...
ニニニにミ、ヾ薔ハ、   : : : : :     . : : : : : O。ノ、:::::..O。: : : : : : : : o,.イ---。::..、:
     `<  `薇ニ!          . : : : : : : :.: イ≦≧。: : : : : : : ,...イ三三ニ::: . . . . . .
 . : : : :_-ニヾミ、 `薔ミ、     O。 。: : : : : : :,.イ三   :≦ィ≧三≦ニ≧=---::._ . . . .
. . .-ニ   _...ニハミ .V薇:>。_. . . . . . . . . . . ,.イ三_:i   /⌒:::...、   ̄ニ-._: .
      . : : : V ミ |ジミ、 o .≧ニニニ≦ニミ>-、,.ィ ⌒ニ-:._  .\     -ニ-._
    . : : : :    . :. .i薇/ o _.-ニ ̄  : :/: :i!: `' ヽ     ニ-._ .\      ..ニ-._

「―――どうですか? 似合ってますか? ボクの花嫁ドレスは」

 白銀の花嫁衣装―――それは、以前、直斗との行為の終わりに、ベッドの中で結婚の夢を語った時に、
直斗に似合うのではないか、と彼が提案した衣装そのものだった。

 少し違う点があるとすれば―――

「ふふっ……こんな時にも見惚れてしまうのですね。
 あんなにも女性の乳房に目を奪われてはいけないといったのに……本当に、かわいい人だ」

 彼が、いつも、直斗との行為に及ぶ際に翻弄され、甘え包み込まれ、この世の何にも変えられない程の
甘露であるおっぱいだけが、彼を挑発するように丸見えになっていた。

「ええ、わかっていました。あなたなら―――ボクが信頼し、期待するあなたならきっと、それを読むだろうと、
 たった一人、この場所にやってきて……それを発見するであろうことはわかっていました。

 ―――さて、それで、どうしますか?」

 艶然と、いつもベッドの横で、恋人のように手をつなぎ、行為に及んできた最愛の先輩は、いつもように、
にっこりと笑って―――

「ボクはあなたの敵です。倒さなければ、男性解放戦線はずーっと、負け続けるでしょう。
 そうなるようにボクは、あなたを含め、ほぼ全員の男の子たちを骨抜きにし、ボクたちFFF団に犯されるとわかっていても、
抵抗し続けるように仕向けてきました。それがボクの任務だからです」

 結婚を夢見て語り合った時と変わりなく、残酷な事実を告白した。
 
 戦うべきだ、と彼の中の男性解放戦線としての自分が言う。だが、それ以上に、裏切りの衝撃で頭が回らない。
 いや、そもそも、彼が、男性解放戦線として頑張ってきた理由は―――

「―――ですが」

 直斗は心なしか、頬を赤らめて。

「あなたには、別の道もあります。……ボクと同じ、FFF団として、男性解放戦線のスパイをしませんか?」

 ―――え?
 彼は耳を疑った。

「ボクの仲間になってほしい、といったのです。……ボクのパートナーとして。いえ」

 いつの間にか、そっと手を取る。

「ボクの恋人として……ずっと、男性解放戦線のメンバーを……FF団に敗北するように、指示してほしいのです。
 報酬は……」

 むにゅん♥ と胸を押しつけられて、「ぁぁ……」と夢心地な声をあげてしまう。

「ボクのカラダでいかがですか……? 今まで通りで構いません。いえ、今回の功績で、あなたは男性解放戦線でも地位を与えられるでしょう。
 ボクはあなたの参謀として、四六時中、あなたを「 援 助 」します♥ 今まではご褒美か、慰めでしかありませんでしたが……これからは、
ボクに任務として、いつでもどこでも……あなたにご奉仕、してあげられるんですよ……? ね……?」

 「あああああああっ!?」と、声をあげる。すでに彼のペニスは、白鐘直斗の手の中にあった。
 いや、ペニスだけではない。毎夜毎夜、彼女の口で、胸で、膣の中で……愛をささやかれ、篭絡され続けた彼の心はすでに、直斗の術中にあったのだ。

 どぴゅっ! と、ズボンの中のペニスから容易に精液が絞り出される。
 くすっと、淫靡な笑みを浮かべながら、手をズボンの中に入れて、精液でぬるぬるになったペニスを掌で撫でまわした。

「ぁぁぁあ……♥」
「……ね? あなたはよく頑張りました……みんな、ボクの体に溺れさせて、男性解放戦線として頑張るように仕向けたけれど、
 結局みんな、ほかのFFF団のメンバーに負けてしまいました。ボクのことよりも、ほかのメンバーに負けたくて仕方なくなって、
 完全に名ばかりの、腰抜けになり下がったんです。だけど……」

「あああああああああ……!」
 ぬちゃぬちゃ、と優しく愛しいものを撫でまわすような愛撫を続けながら、直斗はうっとりした表情でいう。

「キミは―――ボクを思い続けたんですね……ほかの誰よりもボクが愛おしくて、ボクのカラダに溺れたくて、ずっと頑張り続けたんでしょう?
ボクに愛してほしくて、ずっと努力を続けた来たんでしょう? ……そのことはほかの誰よりボクが知っています。だから、ずっとあなたに
「ご褒美」も「激励」もし続けたんですよ。ボクに慰めてほしくて、ボクに褒められたくて、かわいい子犬のように頑張り続けたキミの為に、
ずっとずーっと、この時を待ち続けたんです。

 ―――あなたは、ボクに篭絡される為だけに男性解放軍であり続けてください♥
 これからもずーっとね……♥」


「ふぁああああああああああああああああ♥」

 どぴゅ! どぴゅどぴゅどぴゅ!!
 優しく愛撫されるだけで、簡単にペニスから精液が絞り出され、彼の心は白鐘直斗に奪われてしまった。
 そして、何も考えられないまま―――彼は彼女のカラダに溺れ、再び男性解放軍としての任務にあたる。

 ―――最愛の恋人に篭絡される。ただ、それだけの為に。

281 :名無しさん@狐板:2021/09/22(水) 16:58:52 ID:qOA/QSF/
 女権国家で敬老の日の地雷を踏んだ男の末路

 注意書き
 これは女権国家の二次創作SSです。以下の注意があります。
@ 女権国家世界の横島の前世を捏造しています。
A この世界線では横島は複数ヒロインと仲良くなっておりエヴァが正妻に近いハーレムルートです。
B アリスの設定とエヴァとの関係はこのオリジナル設定です。同じ人形遣いであることから思いついたものです。
C 時間軸としては中盤の終わりか終盤の始まりくらいで何度も修羅場を潜り諜報部全体が仲良くなり、全員のレベルが上がっている状態をイメージして書いてます。
D キャラの元ネタのネギま等にある設定ではあっても、女権国家で採用されているとは限らない設定やオリジナル設定も使われています。 

 
 女権国家と諜報戦を日々繰り広げる、諜報部に所属する大鳳が住まいとしているアパートで、三人の男性たちが食事をとりながら雑談をしていた。

 少女と間違えられる程の線の細い容姿をした美少年、大鳳、愛らしいが生き残ることに特化し、獲物を狙う肉食獣に一矢報いる、爪を隠し持つ小動物をどこか連想させる。
そしてその横には鋼の様な肉体にいかつい顔をした拳法家ジャギ、一見すると恐ろしいが瞳を合わせれば、決して凶賊ではなく義侠の好漢に近い気質だと気づくだろう。

 二人の向かいに座っている人物は赤いバンダナを見に着け青い服に身を包んだ、陽気そうな男=横島は、二人の必死の忠告を真面目に聞いてはいるがどこか深刻に受け止めてはいない様子だ。
彼は幾つもの修羅場を潜り実力が高いにも関わらず、良い意味でも悪い意味でも堅気の陽気な男にしか彼は見えない。身内に認定した女性へのわきの甘さなどが諜報部とは思えない雰囲気を彼に与えているのかもしれなかった。
三人は今テーブルを挟んで食事をしている。ジャギと大鳳が必死に忠告している事さえ除けば和気あいあいとしたにぎやかな食事風景だ。
ジャギと大鳳の二人の忠告に対して横島は、好意をありがたく思いながらも二人の忠告をあまり重く受け止めてはいない様に見える。 少し歯がゆそうに大鳳が、横島に言葉をかけた。

「だから横島、エヴァさんに卑屈なくらい強く謝った方が良いって」

「そうは言ってもな、あの喧嘩はエヴァの方が悪かったし、それは冷静に戻ったエヴァもそう思っとった。それで逆恨みする程分別の無い女じゃないし、狭量でもないであいつは」

 エヴァとの些細な喧嘩で仲直りする口実を求めた横島は、丁度エヴァの頭が冷えて、彼女がバツが悪そうになったのが敬老の日になった瞬間だった。それに気づいた横島は敬老の日になったから許すという旨をからかうような感じで、伝えて自分から折れた。 
自分の方が悪いと思いバツが悪そうだった彼女が、惚れた男におばあちゃん扱いされた瞬間に危険な瞳になったことに横島だけが気づいていなかった。 
就寝直前だった時にそれを見た二人は、そのエヴァの瞳を見て眠れる気がしなくなり、案の定敵襲の恐れがある時の様な浅い眠りとなってしまった。 
朝起きた時当人の横島だけはぐっすり爆睡していたらしいと悟った時、危機感のなさに腹が立ったのと、自分だけ爆睡してんじゃない、という気持ちで少しだけ殴りたくなった。

 おばあちゃん扱いされた後の仲直りが成立した様な彼女の振る舞いはあの瞳を見た時の大鳳とジャギですら、エヴァは心から横島と仲直りしたのでは? と錯覚するほどだった。
それが逆に彼女が横島をからめとろうとする策だと理解している二人には余計に恐ろしく見えてしまい、他人事ながら背筋が寒くなる。

 呑気な横島に、ジャギがやんわりと言葉をかける。

「それなら、なおさらだ。エヴァの姉御は発端に関しては自分が悪いと思っている。だからこそ、本気でばあちゃん扱いにムカついていたとしても、お前がみっともないくらい謝れば、自分の道徳心から今回は不問にするしかなくなるぜ」

「そんなに切れる様なことか? 前は自分でも冗談気味にババアだ。見たいな事言ってたぞ」

「好きな男の人からおばあちゃん扱いされた時の女性の怒りが横島はわかってないよ!あらゆる意味で理不尽なんだから! 痛い目にあったことがある僕とジャギの言葉を信じて!」


 二人の必死の忠告を聞き、忠告が届いたかどうかは別にして横島も真面目な顔で謝意を示した。


「ありがとうな。 だけど俺はこの国での任務が終わったら、エヴァと夫婦になることも考えてんだ。 だからああいう喧嘩が発端で起きたことで謝罪するようだと長く夫婦を続けられないと思うからな。それに」

「それになんだ」

「前血を吸われた時に、一部記憶とか感情を共有できたんや。そん時にあいつは内面も綺麗な女だって分かった。ワイらしくないキザな物言いになってしまうが、過酷な環境の中で美しく咲いた花みたいだと思った。 
仮に仕返しとか考えてたとしてもな、そんな惨いことせんやろと思う。 もしも仕返しとかしてきてもこれからワイが死ぬまで一緒に生きるんやし、そのなんだ…… 夫婦喧嘩のやり方を練習する機会だと思っとくわ」

 横島のエヴァと歩もうとする覚悟に好感を覚えたジャギと大鳳は若干、非難の意識が薄れてしまい、次に出たジャギの説得の言葉もやや勢いがそがれた。

「修行の難易度を間違えて、大怪我したり死んだらシャレにならねぇぞ。横島お前は間違いなく、拳法で言うところの大怪我する鍛錬に挑もうとしてる」

「かもしれんな。ま、血を吸われた時に意識が混じったから分かるが、あいつはワイにべた惚れやからな。 ひどいことせんやろ。 それに今日は敬老の日やし老婆でもある恋人の我儘聞くのも出来た男の務めや。
恋愛は惚れた方の負けやからワイはエヴァおばあちゃんに完勝しとるわ」


 横島のその宣言を聞き大鳳とジャギは女性からの高すぎる好意で調子に乗り危機感が薄れている彼を、どうやってヘタレな部分を刺激してエヴァに謝罪させるべきか、知恵を巡らせると口を開こうとした。その瞬間、後ろの扉が開いた。

 入場してきたエヴァを見た瞬間、大鳳とジャギは横島を逆の席に座らせなかったことを心から後悔した。
エヴァの肥大化した情欲と嗜虐心の深い瞳を見れば、横島の殺し文句の様な告白めいた言葉と、調子に乗ったばあちゃん扱いの言葉がエヴァの耳に入ってしまっていたのは明らかだ。


「忠夫、前回の喧嘩は若干私が悪かったのにお前から歩み寄ってくれて、嬉しかったぞ。それで謝罪と礼を込めてデートの準備をしておいた。行くぞ」

 エヴァのいつも通りのぶっきらぼうで尊大だが、気を許している響きのある低い声に横島が顔をほころばせた。ジャギは忠告の言葉かあるいは腕づくで、止めるために席を立ちかけた時、エヴァがジャギにすら悟らせぬ歩法と速さでテーブルの横に来ていた。そして彼と大鳳にしか聞こえぬように言った。

『大丈夫だ。多分だが再起不能にはしない。 なったとしても私が責任をもって横島が抜けた穴は埋めてやる』

 合気道や合気鉄線術などで彼女から指導を受けたことのあるジャギは一瞬で今自分と大鳳は負けたと察した。女権国家では格下の戦闘員ですら、好感度ドーピンガがかかれば格上の男を瞬殺することがある。まして相手はエヴァである。
彼女の声の響きから、横島に後遺症が残る可能性は低いと踏み、エヴァが出ていき次第、ミクに連絡を取ることにした。横島の耐久力なら一晩くらいなら耐えぬける、と確信していたからこそ下せた結論でもある。



282 :名無しさん@狐板:2021/09/22(水) 17:02:29 ID:qOA/QSF/
 エヴァに連れられてデートをした横島は、様々な場所を歩き回り夕食前に食用となるモンスターを狩り終えるとエヴァの隠し城に訪れていた。

 考古学にも美術にもほとんど興味がない横島ですら美しいと思える景観に、そして小学生くらいの頃の様な冒険心を刺激される様な古城に心が浮き立つのを感じた。

「私と共に歩めば見飽きた光景となるだろうが、来ただけで心躍るうちに見せるのも悪くないと思ったのさ」

「エヴァ、ありがとうな」

 そういうとしばし、城を探索した後、エヴァの作った魔法薬の薬酒と狩った魔物の肉などのふんだんに使われた料理を食した。食べ終わると体中が熱くなり、汗が多く出た。不快な感じではないが発汗作用が強い様だ。


「大分汗をかいた様だな。 新陳代謝を活発にする薬品や体に吸収効率の良い栄養ドリンクに近い魔術的な薬酒をふるまったからな。風呂を用意してある、高価な薬湯の風呂を用意してあるぞ。今宵は食や風呂や閨ごと全てにおいて最高の快楽を与えてやろう」

 最高の快楽を与えてやろう、のくだりに不穏な響きを横島は僅かに感じたが、今日のエヴァの自分への歓待ぶりを見る限り、害意などないと横島は信じた。

 だがそれでも、小市民な彼には気になって仕方がないことがある。

「エヴァ、今日のデート費用っていくらだったんや? 全部エヴァが出してくれたけど、食材とか酒とかかなりした気がするんだが」

 割と高給取りな自分ですら払おうと思ったら凄くかかる感じがして、女性に全部出させるのは気が咎める。だが、割り勘でも払えとか言われるのは怖い。そんな横島の小市民らしい心配はエヴァの輝くような笑顔での返答が消し去った。

「気にすることはない。今日は敬老の日だ。私としてはただ若者が老人を敬うのではなく、老人の方も『敬意をもたれる努力』をする日だと思っている」


その優しい声と笑顔が、心地良い酔いと、料理を食して薄れた彼の警戒心を完全に消し去った。 今のエヴァからは怒りや害意は感じられない。 この時大鳳とジャギがもしも今の状況を知ったら、害意じゃなくて女権国家の女性が抱く快楽で意中の男性の大事な何かを砕く、もしくは溶かす好意だ、と叫んでいただろう。

 横島が風呂に入ると香りの良い幾つもの葉っぱが浮かび風呂の中にある爽やかな甘みの果実の絞り汁が酔いを醒ましてくる。 風呂の心地よさが前身の疲労を引き出し凄まじい脱力感を生んだ。 そこに大人の姿になったエヴァが裸で入ってきた。

 
吸血鬼の裸体の美しさは棺桶などが見つかった際の最後の防衛手段という言葉を思い出した。 エヴァを見ているだけで射精しそうになったが、エヴァの指から伸びてきた魔力の糸がそれを止めた。 アリスと同じく性的な快感を引き起こす糸だが
、二人の糸は質が違う。アリス産毛で撫でられるような糸だが、エヴァの糸は強く絞るような糸だ。彼女は笑いながら言葉を続けた。

「『お前の様なロリババアに欲情などせんわ』と言っていながら私の裸体を見た時に股座をおっ立てていたが、大人の私の姿を直視すればこうもなるか。相変わらずこらえ性の無い下半身をしている」

「しょうがないやろ、なんせエヴァは吸血鬼なんやから。他の同じくらいの年齢の娘やったらあんな風にならんわ」

 弁解しながらも横島はエヴァに散々に負け続けた恥ずかしい夜の数々を思い出した。成人形態のエヴァとの情事の際は部分、部分しか見ておらず、成人形態の全身を見たのはこれが初めてだった。

 エヴァは軽く体を洗うと横島の後ろに来て言葉を続ける。

「湯の疲労を引き出し回復させる薬効が強すぎて、動けんか。今宵は最高の歓待を与えると言ったのだ、二言はない私が洗ってやろう」

 エヴァはそういいながら横島の体を洗い始めた。時には指圧めいたことや撫でまわす様な事をしてきて、彼の体を覆いに反応させた。

 風呂から上がった横島は、全身が指圧の快感と風呂のもたらす脱力感で股間以外は指一本動かすことすら困難な状態になっていた。そして股間に全身の生気が集まった様な錯覚すら覚えるくらい、分身が元気になっていた。


 エヴァは横島を猫の子の様に抱き上げると大きいベッドに運んだ。

「私が魔力の糸で止めなければ、何度射精していたか本当に速すぎる」

 その言葉に横島は恥ずかしくなりそっぽを向いたそれをエヴァは顎を掴み自分の方を向かせると、目をのぞき込み入った。

「そういえば忠夫、私に仲直りを申し入れた時に言ってくれた言葉は、『今日は敬老の日だから、老人に尽くすのが若いもんの務めや。今日は尽くしぬいてやろう。だからこっちから頭下げるわエヴァおばあちゃん』だったな』」

 エヴァの言葉の響きを聞き横島は一気に背筋が寒くなった。今更になって大鳳とジャギの忠告の正しさが鈍った頭でも理解できた。 エヴァは成人女性形態のまま横島に抱き着くと分身を一息に飲み込んだ。それと同時にエヴァの魔力で出来た糸が横島の背中から全身に巡っていく。
飲み込まれた分身は心地よ過ぎるエヴァの内部で嫐られ直ぐに限界に達した。分身まで巡ったエヴァの魔力で作られた糸が無ければ射精が止まらなかっただろう。

「忠夫、お前の前世は自分も相手も気持ちよくして気の質を高め、女に霊力を譲渡する性魔術を使えたらしいな。 アリスの人形劇でもやっていたし、少し試してみるか」
 エヴァはそういうと、横島の体を動かし自動で性魔術を使わせ始める。

「エヴァ頼む許して」

 泣き声を聞き、余計に火が付いた様子のエヴァの顔を見て後悔した、横島に彼女は笑いながら告げる。

「言ったではないか、今日は敬老の日だから老人に尽くしぬくと。奉仕系性魔術の霊力の籠った体に良い精液と若さを保つために最高の血液を私に献上し尽くせ」

 性魔術を使わせられて体が繋がる感覚が余計に強くなり、射精と同時に分身からだけでなく、繋がっている全体から生気を吸い取られる快感が起り一気に脱力したが、夕食で与えられた料理がエネルギータンクの様に自分を回復させていることに気づいた。だが快感によって魂や神経は削られて戻ってこない。
むしろ射精の元が補充され快楽の拷問が終わらない恐怖の元としかならない。

「うむ。お前の霊気は良い次は上と下から同時にもらうか」

「え、まだ射精したばかりで」

 エヴァが自らの意思で膣の内部の壁を動かすと一気に射精後の分身が直ぐに前より多くの量を出した。さらに首に噛みつかれ血を吸われる快感が、余計に射精の量を増やす。
 首筋から溶け合うようにエヴァと一つになる様に彼女の感情が流れ込んできて、横島は心底敬老の日をネタにしたことを後悔した。自分の言葉を聞いた際の嬉しさなども伝わってきたが、その嬉しさの方が大きかったから、歓待自体は本物になった。だが意中の男である自分からばあちゃん扱いされた怒りは消えたわけではないのだ。
 彼女が自分をどれほど今日嫐り尽くそうとしているかその意図が伝わり全身が震えてくる。


283 :名無しさん@狐板:2021/09/22(水) 17:04:48 ID:qOA/QSF/
 覆いかぶさり血を吸っていたエヴァが不意に横島から離れると裸体を横島の前に見せた。

「情事を続ければお前の尊厳が死ぬことになる。 それが嫌なら逃げろ」

 吸血鬼の体は魔性の美術品でありその体と吸血行為は麻薬にさえ近い。エヴァは裸体を見せられただけでも抵抗できないのに、血を吸われ体を味わった直後で逃げられるはずがない。 
敢えて自分との情事の危険さと無様さは認識できるように快感での精神の破壊具合を下げた上で彼女はこういっている。

 必死に抗おうとするが下半身だけは力が入りそこから強制的に引っ張られるように自分の体はエヴァに向かっていく。 逆らえずそれでも逃げようとして異常にゆっくりと彼女に近づいていく形になった。 
そして彼女は意地の悪そうな美しい笑みを浮かべながら時々ゆっくりと回転して見せてくる。
 エヴァは血を吸われた時に自分が強すぎる快感でこれ以上快感を与えないでと思った瞬間を見計らって乳房を押し付けたり、尻をもませて追い打ちをかけてきていた。その際にどれほど強い快感が自分を襲うか彼女も感覚の共有で知り尽くしている。

 首筋の傷の繋がりがエヴァの今の心理を告げている。ゆっくりと回り体のさまざまな部分を見せつけているエヴァは拷問道具を捕虜に見せている拷問好きの工作員と似た心理状態だ。 彼女は近くまで来た横島にディープキスをすると、
いかなる無残な結果が待っていても体が押し倒しにかかる状態になった横島を、体を倒し受け入れる体制を作った。

 先端が入った瞬間強すぎる快感に泣きそうになりゆっくりとした動作になり始めた横島に、棘のある嗜虐を愉しむ声で告げる。

「私は一気に深く突き入れさせられてもだえるお前の感情が好きだと前に行ったはずだ。今日は敬老の日なのだ。 宣言通り老人に着くせ」

 そういうと、吸血鬼の怪力で横島の腰を押し無理やり一気に加えこんだ。

「ぎぴゃぁ!」

 奇声を上げて射精した横島を両腕両足で、絡めとり止まらない射精を背中に回した手の指から糸で調節しながら、エヴァは笑いながら言葉を続ける。

「私の敬老の日だからこその『敬意をもたれる努力は』どうだ」

 エヴァの言葉に対する横島の返事は言葉にならない悲鳴めいた奇声だった。横島の頭の中では、女権国家の男ですら口にするのがためらわれるほどの、卑屈な謝罪の言葉の嵐が飛び交っている。エヴァはほとんど正解に近い理解をしながらわざとらしく、分からない風に首をかしげる。

「私はおばあちゃんなせいか耳も遠い様だ。何を言っているかわからんな。そうだ血を飲んで感情を共有すれば分かるかもしれんな」

 これ以上の快感を送り込まれると危ない。そう思い怯える横島の表情をエヴァは楽しみながら、無慈悲に首筋に再び牙を突き立てた。
 
血を吸われ始めた瞬間、首筋からの快感が射精の勢いをより強め、そしてエヴァの内面の感情が流れ込んできて彼を余計に絶望させた。 以前吸血された時に横島が下した評価も間違いではないが、彼女は惚れた男である横島に自分の強すぎる情欲や嗜虐心は隠していた。
それでもエヴァへの想いは揺らがなかったが、ばあちゃん扱いされた時の、エヴァ当人ですら横島に対して理不尽だとは思いつつ、抑えられない女としての深い怒りが伝わり、恋愛という戦争で自分を完全にへし折り膝間づかせぬくまで許す気がないことが今になって分かった。

 いったん首筋から牙を抜き横島から離れるとエヴァは笑いながら横島を見下ろし言う。

「私の本心が伝わったか、だが安心しろ。敬老の日が終われば流石に許す。老人に尽くしぬく義務があるのは今日だけだからな」

「エヴァさん、いえエヴァ様、ワイが悪かったです。エヴァ様はいつまでも見かけと変わらぬ心を持った妙齢の女性です。 そんな素敵な女性相手にあんな最低の仲直り言葉をかけてすいませんでした」

 足に縋り付く横島にエヴァは無慈悲な宣告で返した。

「その言葉大分遅かったな。 もうお前をいじめぬくことが最高に楽しくなった後だ。 『敬老の日が終われば許す』から今日だけは耐えろ」

 エヴァはそういうと一旦、横島のそばを離れた。

 不意に横島の体にエヴァとは別の魔力で出来た糸が入り込んで来た。産毛の様な性的快感は間違いなくアリスのものだ。振り返ると金髪の美しいショートカットの髪をしたやや人形めいた美女、アリスがいつの間にか現れていた。彼女は楽しそうな笑みを浮かべながら言う。


「忠夫、ごめんなさい。私も人形関係でエヴァさんと技術交換しているし、借りがあるから今日は手伝わなきゃダメになったの」

「アリス、自分で横島を操りながらやるのも良いが、私も性魔術に宣言したいから頼む」

「ええ、任せて」

 エヴァの魔力で出来た糸が全てで言った後、アリスの糸が体に入ってくると、横島の前身が再び前世が使っていたという性魔術を使い始めた。エヴァも男をへし折り従える性魔術を使いながら対面座位の騎乗位で乳房を押し付けつつ舌を絡め横島の分身を飲み込んだ。
最初から糸で操りエヴァの尻を揉ませなかったのは、射精して性的快感が限界を超えた瞬間に追い打ちをかけるためだと、横島には分かった。
 つながったまま首筋から血を吸われ、アリスの糸で動かされた手がエヴァの尻を揉みしだきどこか別の場所に自分の魂が飛んだ感覚を味わうと、彼の意識は沈んだ。

284 :名無しさん@狐板:2021/09/22(水) 17:06:44 ID:qOA/QSF/

 そして目を開けると、エヴァが少女の形態に戻っていた。

「あのぅエヴァ様、何をしようとしているのでしょうか?」

「お前の血を飲んだ時に分かったが、あちらの形態とこっちの姿与える快感は別種類だがどちらが劣っているという訳でもないのだろう? ならこっちの姿でも可愛がってやろうと思ってな」

 そういうとエヴァは王国では恥ずかしい女性優位の体位で横島を一気に絞り始める。少女となって小さくなった彼女の秘所はより強く横島を絞り、やや顔を上向きにして首筋から噛みついた牙が再び血を吸い始める。少女の姿だろうと大人の姿だろうとエヴァには勝てない。
それを理解し心が9割近く折れたところで、アリスのストップがかかった。

「エヴァさん、 これ以上すると忠夫が折れちゃうわよ。それに体だけでも回復させないとそろそろ危険よ」

「む、そうか少し嗜虐心のスイッチが入りすぎていたな」

 エヴァはそういうと悠々とした様子で風呂場に歩いて行った。アリスは優しく横島を抱き上げると、再び風呂場に彼を運び始める。

「忠夫、女性におばあちゃん呼ばわりがどれだけ危険かわかったでしょ。今後はもう控えなさい」

「アリスちゃん、ほんまに止めてくれてありがとな」

「懲りたなら良いから、それじゃあ体を洗ってそれが済んだら食事なさい。色々と吸い取られ過ぎたでしょう」

 その後、横島は風呂に入り再び豪華な食事を食べて、全身の生命力が回復したのを味わい尽くした後、アリスとエヴァに寝室に連れてこられた。アリスが悪戯が成功した小悪魔の様な笑みを浮かべながら言葉を言う。

「忠夫時に、思ったんだけど今日は敬老の日だからとエヴァさんに宣言していたけど、実は私魔女として覚醒してからは、何十年分も魔女として生きた記憶もあるの」

 アリスの言葉に横島は背筋が一気に寒くなり始めた。怯える横島を愛でるように彼女は言葉を続ける。

「つまり、私も敬老の日の対象内よね」

 そういうとアリス心底楽しそうな笑顔で服を脱ぎ、魔性めいた美を誇る魔女としての裸体をさらした。

「おばあちゃん扱いされたのはエヴァさんだから最初の一回は全部彼女に譲ったけど二回目は私も混ざる約束だったから、魔法の薬酒や料理で回復したからさっきと同じくらいは持つでしょう」

 その問いに横島は怯えながら答えた。

「体は回復していても、快感で削られた精神は全然治ってないんや」

 言い終わる前にエヴァの魔力で出来た糸が体に入ってきて横島をアリスに近づかせた。勝手に動くからだが乳房を揉みしだき、尻を絞る様につかみ固くなった分身を彼女が迎え入れると、エヴァが横島を完全に操りアリスに対して性魔術を行使させた。 
一度の射精で魂の大半が持っていかれた様に虚脱状態となった横島をアリスは幼子にするように撫でた。

「うん、こっちが一方的に性魔術で搾り取るのも良いけど、捧げられるのも悪くはないわ」

 アリスが与えてくる快感は魔力の糸と同じく脱力させ堕落させて来る、危険さを伴う快感だ。
エヴァのどこまでも強く屈服させて来る快感とは真逆に近い。エヴァが今回彼女を呼んだのは、自分が与える快感とアリスが与える快感を順番に与えれば、横島がなれることがないと踏んでだろう。

 二度目の射精が起ると、アリスが離れ今度はエヴァが横島と繋がった。 少女形態の彼女にすら勝てないという認識と、小さい少女の体であるがこその成人形態とは違う絞るきつさが彼の射精をより激しくした。

「少女形態の私は絞り方がきつすぎるか。では大人になってやろう」

 その言葉を聞き横島の顔色が怯えに支配されたが、エヴァは構わず成人形態になる。その瞬間、乳房を胸に押し付けられる感触が彼を襲い再び激しい射精が起る。

 交代を繰り返し甘やかし蕩かすアリスの性行為とエヴァの強すぎる快感でへし折り尽くす性行為を交互にされて、横島が完全に折れた時エヴァと彼が同時に達し横島が意識を堕とした。

 自分の体内時計で一日が終わった。ことを確信すると、横島はほっとした様子で自らにまたがるアリスに言った。

「エヴァ、一日が終わったからもう終わりだろ」

「うむ、宣言が終わった以上はもう終わりだな。 諜報員として長く戦ってきたお前の体内時計は信頼できるからな」

 そういうとエヴァが手を振り外の世界に戻った瞬間、横島は絶望した。時計の針の時間が殆ど進んでいない。それだけではない、明らかに自分がエヴァの隠し城に着いた時から一時間くらいしかたっていないことに気が付いた。

 わざとらしいエヴァの声が後ろから響いた。

「そういえば私の隠し城は外界とは時間の流れが違っていたな。まだまだ敬老の日の奉仕を私とアリスは受けられるか」

横島は一瞬でみっともないくらいに土下座して叫んだ。

「エヴァ様お願いです。どうか残りの時間は外界で」

 エヴァは土下座する横島を愛と嗜虐心と見下す心の混ざった目で見降ろしながら、笑みを浮かべ言った。

「ふむ、今までの時間で夫婦喧嘩のやり方なども学べた上に、残りの時間は敬老の日らしく老人に尽くせる。実に有意義な一日だな。忠夫」

 性魔術で霊力を注がれ美しさに磨きがかかり威風同党としたエヴァとアリスに霊力と血と性を吸われ尽くされて、一回り小さくなり土下座する横島。この光景を見たら預言者でなくても分かるくらいに、未来の夫婦生活がどうなるかを示していた。


285 :名無しさん@狐板:2021/10/14(木) 22:46:55 ID:VuwLQMTp



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                         l       ==`\  , ィ ""=- __
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雑談所
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286 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/10/18(月) 22:45:52 ID:Ire8a+lD







         ,.  , , .-‐ァ_, ,-―- ..___                                                  _,,,,,,........,,,,_
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        l _―-_,... _.     }          l: : :/   ll   ヾ三マ三三 ': : :/!/        /         l, l.| | .!: l ;;│; | ./  ! ヽ             \   l .l
  ,. -‐ ''"         ー--.=' ̄ ヽ    .       ! : '    i!  _ヽニマ三ニ.i: :./l l:!       i           .li`- .凵_,,l゙.;: .l″ i. i .ヽ        ,,....,゙ッ ./  !
             / ,.'"     ヽ   .      i: :i    `/´ ,/マ:i三ヲi:./ マ!l!       l         .|i、 ゙、|'ti、.:::...; /   /. .!  .ヽ     _.. -''"´: : │  !
 '                /       ゙、        i: i    ‖ ,〃 ヽ!_/'!;  マ! .,,     /          . l.\  `''''''l″  .,i  l   ゙!,i-‐''゙゛: : : : : : : :./  .!、
                /\、        ヽ       ` ー   i 〃    // l!  ll、lll j!    '            .!. ゙'-   !  .__,,゙.. -'ヘ   .ヽ: : : : : : : : : : ./

                                   【女権国家諜報員日月抄】

#上の三人が女権国家で頑張ります

#Mシチュ専門、NO逆転
#【歓迎】 合いの手 ・ 感想 ・ 支援 ・ 展開予想 ・ 批評 ・ 改善提案 ・ 要望(Mシチュに反しないものに限る)
#まとめフリー

前スレ

「初スレです」

過去スレ

「初スレです」


まとめ
やる夫エッセンシャル様
ttp://copymatome.blog.fc2.com/


雑談所:女権国家の考案はここが元で、スレ主以外もMシチュネタを自由に投下できます
Mシチュ関係の雑談はこちらで延々やってます
ttp://yaruoshelter.com/test/read.cgi/yaruo001/1616338113/




287 :名無しさん@狐板:2021/10/30(土) 23:31:53 ID:3cpv8Ax2
魔女と百騎兵紹介文
魔女と百騎兵はネタバレすると面白さが激減する内容で、操作性とかは悪いとファンたちからの、
間でさえも言われているような、内容のゲームでした(PS3版に限る)自分がやったのはPS3晩だけなので、
そっちの事しか言えません。邪悪な魔女にこき使われるペットの様な使い魔になるダークファンタジーという、
触れ込みで偽りはなかったけど、最終的にペットみたいな使い魔である主人公が、実は魔女メタリカより凄い
地位っぽいことが明らかになってしまうという。メタリカの地位が低いのではなく百騎兵の立場が凄すぎた感じで。
しかも、見ようによっては彼女にこき使われまくっていたのは、主人公が彼女を見初めた上位者で我儘を聞いてあげてた、
だけみたいにもとれるという。

しかも終盤彼女が良い娘であることがわかり始めたころに弱点を突かれた彼女が捕らわれて、ゲス男に乱暴されたと思われる
描写もあるという。

Mとしての期待を完全に裏切られたけど、ストーリー自体は凄く面白かったと感じられました。ただ、主人公の方が上位者である
事がわかって、人間形態とかがあっても、M的な展開は無理だなと自分は思え残念でした。基本的には彼女が 悪逆やることもあるけど、
ひどい目にあうことの方が多いという。スレ主さんにはかなりきつい話だと思います。

288 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2021/10/31(日) 22:22:40 ID:Y8Y/G9e+


                                         。£。
                :y’                     (⌒Y⌒) 、                     ‘y:
              〆) , 。:,        p0q  ,((__))人((__,))  p0q         。:,     (〆
               ‘⌒!、⌒'y((        〃⌒`Y⌒))x⇔8⇔x(⌒Y´ ⌒ヽ       }}y'⌒ _,,ノ⌒’
                  ッ  'y((⌒\」jj_从人___,)゙ナ=彡'⌒  '⌒ミ=弌゙(___,人从_jjLノ⌒))y'て¨⌒ヽ
    :⊂二犯⊃=====─(⌒Y  ´´´¨““““““““⌒¨⌒   V   ⌒¨⌒““““““““¨```  Y⌒))c─=====⊂ニ箔⊃:
                _))$                                  $((_,:
.           ;⌒ ,  ,y'⌒メ、                                  y'⌒ヽ   , ⌒;
             }   ‘y弋_,,))い         女権国家諜報員日月抄           ん ((_,ノ y’   {
    :⊂二犯⊃弌=─、 。。. }                               {  。。.jノ'─=弌⊂ニ箔⊃:
         ッ´    ッ`Y⌒ ,ノ                                 ‘.`Y⌒ヽ    `ヽ
      ⌒Y           iC´                                      ゚F         Y⌒
       丿        抓 V         ,ィ〔 _..,      ,._   〕x,          V 抓          丿
.   :⊂二狽ノ⊃==─y─;{i圦         ,ィ{ミh升ミ、    ノ洲iム,イ{iム             ノj儿)__)y─==⊂に箔⊃:
        (    ッ´厂 シj乂ヽ   .     {!゛ (淡(⌒ヾ  〃⌒心} `i}!           ん(艾⌒j厂`ヽ    )
         ` c{;   _,ノ'゚゚’ }}        !  ヽi圦  (;;;Y;;;) 厶マ  リ           {{ ゚゚’      ;}c ´
           人,__)  ,'⌒  jリ            .h。 `Y´ ,ィi                  ‘. ⌒ヽ  (__,人
            )   八__,,x代ミ,,__ _          ヽ 〃               _ _彡.,__,ノ   (
                 ‘¨)八,,_ _          ,ィi{i} {!}h。            _ _彡((¨’
          ,,_     (__((_,,.」U山⊥乢[_jノ_彡           ミミ、j_]U山⊥乢[_,,,))、__)    _,, ..
               `';   `“¨≫''"””¨ア⌒ ー===彡   V  ミミ===一 ⌒ヾ¨””"''≪¨”W    ;'´
          ,,_,,J(,_ 彡´    {{(__)ノ戸ノノ⌒)x⇔8⇔x(⌒乂 气((__)}}      `ミnn_,)J,,_,,
.         ン( ̄”            (_`_彡       彡仆ミ       `ミ,,_' _)       )       “ ̄)く
        ‘                  ̄       _彡仆ミ,,_        ̄                 ’
                                   ‘:’


289 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:06:48 ID:57B+xd8z
ハロウィンが最厄日な男の三年目の上書き快楽地獄

 このSSは横島主人公の女権国家の二次創作SSです。

以下の注意点があります。 

展開捏造しています。作者であるスレ主さんの許可があったけど、横島のヒロインとしては、数えられていない魔女と百騎兵というゲームの主人公がヒロインの一人として出ています。

ダイス次第で変化するヴィヴィオの出自がこのスレだと結構特殊な出自となっています。ヴィヴィオの出自は本編開始後ダイスで決まることになっているので、これはあくまでもパラレルワールドです。

魔女と百騎兵のメタリカの設定を流用して多少変化させています。

ユウキの設定にソシャゲネタを使っています。


 ハロウィン当日となり激しい喧騒がとどろく女権国家の喧騒の街並み、そこにあるアパートの一室で女権国家で多大な、戦果を上げた王国の、諜報部の三人、大鳳、横島、ジャギが顔を突き合わせていた。 大鳳とジャギは頭を悩ませた様子で、
横島に対していかに言葉をかけるかを思案している。 大鳳は申し訳なさそうな様子だったが意を決した様子になると彼に声をかけた。

「忠夫こんなこと言いたくないけど、ハロウィンの招待状が来ているよ。相手は、ヴィヴィオ殿下――」

 大鳳が言葉を、言い終わる前に横島の叫び声が返ってきた。

「いやや!ハロウィンの怪異退治の依頼でワイは重傷を負ったって、答えてくれんか仮病ならぬ仮傷(けしょう)を頼む。いや、ハロウィンには逆レとかせえへん、普通の魔物も暴れるからそこに出撃して本当に大怪我してくるわ」

 『今年』の横島以外がそんなことを口にしたら、大鳳とジャギ、特に武道家であるジャギは激怒して叱り飛ばしていただろう。実戦でわざと怪我する奴があるか、そんな器用なことはできん。できても周りにどれだけ迷惑をかけると思っている、と。
だが 自分達にも幾ばくか落ち度がある状態で、去年のハロウィンに横島があった女権国家の快楽地獄を思えば、強くものが言えない。何より今の横島は女性に対する煩悩並みに高められた、ハロウィンから逃れたい一心で、
自分より強い怪異と戦い勝つだけじゃなく、明らかに故意に見えない形で、重傷を負うという離れ業をやってのけかねない気がする。

 ジャギは二人のやり取りを鍛え抜かれた獣すら連想させる筋肉に包まれた、巨躯をそれに似合わぬ、情けない様子で重心を移動させていた。今の情勢を思えば、大鳳と共に横島を説得しなければならない。
だがそれでも武人であり正しい意味での侠客に近い気質な彼にしてみれば、明らかに自分の落ち度が大きい形でトラウマを負った同僚に強くものを言うのは気が咎めているのだろう。 しばし悩んだが言わなければならないと覚悟を決めると彼は、口を開いた。

「横島、それやっちまったら自体は凄まじく悪化するぞ。 ヴィヴィオ殿下が仕事の全部を片付けて、知り合いの貴族の娘たちとお化けの格好で来てトリックオアトリートをしまくってきて、さらに国宝レベルの治療薬を渡されて借りができて逃げるのが無理から、不可能に格上げだ」

 彼女は女権国家でも未だに影響力が強い王家の聖王のクローンである。彼女は女権国家に婚姻というハニートラップに負けて統合された王家の血筋であり、神の血も引いているため、女権国家の一部の宗教と貴族たちに影響力が強い。
 横島が彼女を助けて落としたことで、彼女を担ぎ上げている勢力の大半が王国に対してハト外交寄りになっている。

 言われて気づいた様子の横島を見て、ジャギは心の中で大きなため息をついた。普段の横島なら気づかないはずがないことだ。むしろこういう政治情勢や経済情勢を配慮することは彼の方がジャギに正しい忠告をしてくれる方なのに逆になってしまっている。

 戦場での機微に関して彼や大鳳が気づかないことはジャギが教え、政治情勢で読み取れたことは彼が教えてくれる。たった一日だけとはいえ、彼の頭脳が機能しなくなるのは意外と重い負担なのだな、と思った。そしてなぜこんなことになったのか、
とジャギは去年の失態のせいだという答えが浮かび上がる。そして去年の自分を殴り飛ばしたくなる衝動が走った。気が咎めた様子で決定的な説得の言葉を吐き出すのをためらっている大鳳も同じ心境なのだろう。


 二年前のハロウィンは様々な怪異が暴れまわり、子供たちに好かれた横島は、彼らの身内である美女とそして子供たちの為に凄まじい活躍を見せた。その時の横島は怪異に関しては、ジャギを明らかに上回る働きを見せて勝利をもたらした。
それによりハロウィンの諜報活動が大戦果となり、そしてその大きすぎる大勝利が今の状況を生んだ去年の失態の遠因でもある。

 去年はハロウィンの事件があまりにも大きすぎた。怪異の暴れ具合がハロウィンでもめったにないほど凄まじい状態だった。予想が不可能だった大きな理由は、ハロウィンの怪異は王国側を攻撃したのではなく無差別攻撃だった為だ。
状況を理解した女権国家の長保部は、王国も同じ状況だから自分達に手を出す暇なしと判断し協定無しの休戦状態となった。

 その際に王国の諜報部本保が襲撃を受けて連絡が取れなくなった時、大鳳が彼らの部隊の最高責任者となった。本部が手薄な状況だったが、大鳳は迷わず怪異退治とそれによって恩を売り女権国家の警邏隊や宗教組織を王国側になびかせる方を選んだ。

「どんなに手薄でも、ミクさんが勤務している時間だよ。落ちるわけないよ」

 大鳳のこの言葉が決定打となり本部に援軍を出そうとする意見は出なかった。

 そしてその時の振り分けは、横島に承諾なしに彼を負担が大きく援軍も遅れやすい場所に送った。これは別に彼に含むものがあったからではない。二年前の大金星時の彼の活躍が記憶に残りすぎて、大丈夫だろうと油断してしまったためだ。
事実それは横島も同じだったようで、大鳳にそれを通知された時、彼が言ってきた文句は『殺す気か!』と言う様な内容ではなく『もう少し楽をさせろ!』という内容のものだった。

 その慢心の代償は大きく、横島は街を荒らす怪異に大戦果を上げ、大鳳立ちより先に片づけて大鳳たちの援軍に来ようとしたところを、共闘していた魔女たちにとらわれてすさまじい快楽地獄に放り込まれた。 
一昨年横島が助けたまだ子供な少女たちがこの為に一念魔女の修行をしていてそれに加わったと聞き、大鳳とジャギは女権国家の女性は子供でも油断できないと痛感した。

 アリスとは外交上付き合いは合っても派閥の違う魔女たちの仕業だったことが分かって、激怒した横島と親しい女性達をハロウィンのメタリカという沼の魔女がとりなしてことを終えた。

 大鳳たちは詳しく聞かなかったが主犯でありながら去年横島と共闘し、親しい中になったそうだ。アリス達に他に彼を想う女がいることを知らなかったことを証明し、横島も含めた被害者たちに惜しみない賠償を支払ったそうだ。
 重過失であってもわざとではないと分かると、切られて当然の身内を助けるために高価な魔法アイテムなどを惜しみなく払う当たり、相当に身内に甘い性質な様だ。


 ジャギが去年の失態を思い返し終えると、大鳳が覚悟を固めた様子になっている。彼は横島に口を開いた。

「横島、今の外交上ヴィヴィオ殿下の派閥は多くの王国の諜報部員と市民の安全と幸福にかかわっている。だから諜報部である以上その招待を断ることは――」

「別に断っても大丈夫よ」

 不意に聞こえた女性の言葉に振り替えると、ミクが大鳳とジャギの後ろにいた。声を掛けられるまでまったく気づけなかった事実が、かつてより段違いに強くなった今でも、彼女に敵と断じられれば自分たちは即座に命を落とすと実感させられる。

 救い主を見る様な目でミクを見つつ疑問の表情もある横島に彼女は言葉を続ける。

「ヴィヴィオ殿下は本気であんたを好きなせいか、去年の事を思えば出たくないのは仕方ないと思っているようよ。わざわざ私に無理強いしない様に釘を刺しに来たわ」

 それを聞きジャギと大鳳はその場にいなくてよかったと思った。ミクは聖王の血に目覚めたヴィヴィオを負けることはないけど、余程運が良くなければ一蹴は無理と評価した。そんな怪物めいた女生とミクの対談の場にいたら、胃がどれだけ削られたかわかったのもではない。

 それを聞き横島の顔が罪悪感で歪んだ。横島にとってはどれ程強くなっても、彼女は最初の庇護対象から外れていないのだ。 しぼんだ勢いで彼はうなだれ答えた。

「とりあえず何時までに返事せなあかんか教えてください」

 横島の返答にミクは黙って手紙らしい書類を渡した。それを受け取り部屋から出ていく横島を見て気の毒に思う大鳳とジャギにミクが不意に声をかけてきた。



290 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:11:01 ID:57B+xd8z
「あんたたちまだ去年の失態を引きずっているわけ」

「この時期までは思い出すことは稀でした」

「まあ、あんたたちの主観だとあいつがああいう目にあったのは、自分が9割くらい悪いんでしょうけど、私から言わせるとあんたたちの責任が6割くらいでどう厳しめに見ても、7割程度よ」

「はい?」

「4割か3割くらいはあいつが悪いわ。 抗議しなかったのは、無茶振りされた時に2年前の圧勝のイメージが強すぎてそうなるって勝利する自分以外は思い描けなかったんでしょう。ちゃんと自分の落ち度を認めるのも大事だけど、
過度に罪悪感を抱くと冷静な判断が下せないわよ」

「そうですかミクさん」

「ええ。その証拠に幾つも戦場を見てきたエヴァもあんた達を責めなかったでしょう。 彼女多分それなりに忠告していたから、横島の失態に結構怒ってたのかも、まあバカすぎるとかまではいかない失態だったし、
臨時とはいえ上司と同僚の失態の方が原因として大きすぎたから、それほど責めなかったかもしれないけど」

「しかし、ヴィヴィオ聖王殿下も女権国家の女性でありながら、すごく自重できる娘なんですね」

「違うわ。ああいった方があいつがハロウィンを欠席しないって人を見る目のある王様らしい思考からよ。あれ」

 横島はアパートから出た後ハロウィンで騒ぐ街の喧騒を見ながら、凄まじく落ち込みながらオープンカフェに入った。この店は基本的に良識派の女性が集まりやすい場所であり、横島に恋愛感情がない上に去年と一昨年のハロウィンに横島に助けられた女性が殆どだ。
店のマスターも例外ではなく、お通夜状態の横島を見て事情を知る常連と店員たちが一人になりたいのだろうと、察して距離を取った。気分を変えたいだけで一人になりたい感情はそこまで強くなかったが、その気遣いをありがたいと思い普段客があまり集まらない席に着いた。


 しばらく落ち込んだ様子で紅茶を頼み飲もうとしたら、不意に低い知的な声が響いた。

「キヒヒ、随分と辛気臭い顔をしているな。一応はヴァルプルギスの夜会の魔女の恩人とは思えぬヘタレぶりだ」

 声に振り替えると、ハロウィンのトラウマの中では一番軽い相手であり、何度か共闘し恩を受けた沼の魔女メタリカがいた。 彼女は肌寒くなった時期にもかかわらず十代前半の見かけに不相応な豊かな胸を隠しているだけにも見える胸当てに、
太ももの見える穴をあけたズボンに身を包んでいる。頭の上にのせている宝石らしきものがはめ込まれた横幅の大きい三角帽子が、彼女が魔女であることを示している。彼女もまた人外でなければ寒いと思うのだろうか、
と思考がずれかけた横島の視線に申し訳なさそうな顔をした店長が写った。恐らくは入店の許可が出た瞬間にテレポートしてきたのだろう。

 横島は一瞬だけ考えると、同席に異論がない旨を店長に伝えた。 彼女とは何度か体を重ね強すぎる快感でトラウマを作られたが、一応合意の上だったしそこまで深いトラウマもない。 
恐ろしいとは思うが魔女の中では善性で恩人認定した相手に非道なことをスルタイプではない。 
何より自分に恋愛感情を持っていないと思える相手だからこそ盛らせる愚痴もある。

「メタリカ。 今回俺の所に来たのは偶然か」

「そんなわけが無かろう。 一応お前は借りのある相手だからな。ハロウィンにまた変な相手に襲われたりしない様にしてやろうと思ってな。何か悩んでいる様だな。多分アリスやエヴァの奴に打ち明けられない事なのだろう。
私に話せ。不出来な弟子共の悪行を不問にしてくれた借りもある。場合によってはただで何とかしてやろう」

 口を開きかけた、横島にメタリカは何かを思いついたように不意に言葉をさえぎってきた。

「言葉が正確でなかったな。 ただでと言ったがそれは金品などの報酬は求めない、ということだ。 わが弟子たちの行動を不問としてくれた借り今回の依頼で完済とみなす胸の言質をもらおう」


 依頼のこととなると厳格な部分を見せるこの魔女に依頼の内容を話すことを考えてまとめてみた。

「実を言うと俺、去年のハロウィンで魔女の使い魔というか、魔女の守護騎士にされちまったじゃないか」

「ああ、実に見事な騎士ぶりだったぞ。まだ未熟だった魔女たちが良くああできた者だと感心した。お前自身の能力高さもあったのだろうがな」

「俺を逆レして快楽を与えてきた魔女たちは快感で男の心を壊し虜にし、力を引きだし、自分たちは後方から援護する方の魔女術を使ってきていた。 彼女達は男が壊れず、いや壊れても能力は失われない様にするその手の拷問のプロだったやろ」

「ああ。 快感を与える能力は誰が一番か議論が難しい。だが男の壊れるギリギリなどを見極めて虜とする魔術知識はあの者達に勝るものは中々いない」

 ハロウィンの夜一応はメタリカの派閥であるその勢力の魔女たちに輪姦された。中には彼を得るためにそこに所属した。少女や女性達もいた。その後エヴァとアリスとリグルとヴィヴィオとユウキに救われたが、
その後の敗戦処理ならぬ勝った後の戦後交渉難航したのを覚えている。 横島が誰のものとも言えない状態であったためにアリスやエヴァのものである印があれば手を出さなかったことと、彼を得るために魔女の術を覚えた女性達に情を捨てられなかったことなどもあり苦労をした。 

結局最後は目の前の魔女が交渉に乗り出してきて、双方に遺恨なく裁いた。ユウキが特にごねていたが、自分たちから悪意を持って寝取ろうとしたわけではなく、本当に関係を知らなかったことと、
横島に恋愛感情のない魔女たちも新しく出来た弟子たちの恋の成就に協力するつもりで彼を快楽漬けにしたことが決め手となり、メタリカの賠償金と何度かただで冒険への協力をする条件で手打ちとなった。


 恋人がいないと思って彼を快楽で蝕んだが、事実関係が分かってからは正式に謝罪し、彼女がユウキの冒険を手伝う際にかなりの回数を共闘した。 
ユウキの病を治すために一時的に使い魔であるインプにして二人係で襲われた時はユウキの方には愛のある性交だったにも関わらず大きなトラウマになるレベルの快感を与えられたものだ。

 ここまで考えて、横島は目の前の彼女が自分に恋心を持っていないと感じだからこそ打ち明けられると思い悩みを口に出した。

「実を言うと俺、去年のハロウィンの彼女たちの性交が癖になっちまったみたいなんだ。 俺に惚れてくれてた魔女たちとの性行為も気持ちよかったけど、『早く快楽堕ちして私の弟子のものになりなさい』そんな感じの犯され方が癖になってしまった。
そして彼女達は俺が壊れないギリギリを責めることに関しては、すごかった。そのせいか手加減して送り込んでくる彼女たちの快感が僅かだが物足りなく感じちまう」


「本気で好きになってくれる彼女達に失礼とか思っているわけか。それでどうしたいのだ?」

「ああ。特にハロウィンになると、どうしてもトラウマと、あの快感が思い出されてしまうんや。自分を真面目に好きになってくれている女性を前に、事務的に堕とす性交してきた女たちの方を重く見ながらデートとかしたくなんや。 
ちゅうわけでメタリカ、できれば後遺症が残らない形で性交の記憶だけ消してくれないか。そうすれば彼女達に不実な感情を持たずに済む」

 メタリカの声が不意に真面目な声音になった。

「そう依頼するなら受けてやろう。だが勧めはしない。 お前に好いている女たちと話し合って決めるべきことだ。 それにな、記憶を消された経緯を覚えていれば、混乱などはなく自分が消してもらったと思っているから焦燥感などはないだろうが、好奇心は消えんぞ。
 自分が受けたらしい凌辱はどんなに気持ち良かったんだろう、とな。 そうならない様に計らってやろう。恋人たちとの関係の改善を依頼とすることを進めるぞ」

 横島は少し悩んだのちに頷きメタリカの言う通りの依頼内容を口にした。

「キヒヒ、確かに依頼は受けた。 それではヴィヴィオ聖王陛下の招待に応じると良い。私も今夜は同行してやろう」

 そういうとメタリカは立ち上がった。彼女の視線の先にはどこかエヴァと似た金髪のきつそうな目をした美女とアリスに似た青い服を着た少女がいた。

「あちらは雪姫とアリス、最近できた友人だ。お前の最近の悩みにただならぬ興味があったので連れてきていた」

 横島はそれを聞き魔女の集会の関係者か、と思った。去年横島が受けた仕打ちは魔女たちの間でも、恩を仇で返した逆レ事件として不祥事扱いになっているらしい。良識派の派閥に所属していれば気に掛けるだろう。
 エヴァとマーガトロイドに雰囲気が似ていると思い少し気になったが、声をかけるより先にメタリカが杖を振ると三人ともテレポートしてしまった。



291 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:13:29 ID:57B+xd8z
メタリカに依頼ができて気が少し気が軽くなった彼は、ヴィヴィオやアリス達が嫉妬でタガが外れ壊される恐れが完全にゼロになったと思い大分気が楽になった。

ヴィヴィオの呼び出しに応じた横島を最初に出迎えたのはメタリカとユウキだった。

「キヒヒ、忠夫来たか、私からのプレゼントだ。ユウキをと話してみろ」

「忠夫久しぶり。 メタリカの使い魔を卒業して独立したからこれからは外れていた分の穴埋めを頑張るよ」

 様付けしてない時点でユウキが独立しているのは明らかだ。もともとメタリカが彼女を一時的とはいえインプに変えて、使い魔にしたのは賠償の為の延命行為だったから独立させる手助けは惜しまなかったのだろう。 メタリカは無体はしないだろうし、
そこまでひどく拘束していなかったとはいえ、彼女が完全に自由になった姿を見て横島の気が一気に軽くなった。

 ヴィヴィオも元気そうに駆けてくると横島に挨拶をしてきた。

「横島、トラウマ持ちなのに私の誘いに応じてくれてありがとうございます。 今日は大いにハロウィンを楽しみましょう」

 ヴィヴィオに誘われたあと、横島は今年のハロウィンの趣旨の説明を受けた。魔物や妖怪の中でもそれほど性質の悪くない存在達が分霊を送ってきたり、殺されても魔界に送還されるだけの状態で暴れまわり、
倒されると子供たちに配られるお菓子に病除けなどになる良質な霊気となって入り込むそうだ。 そしてその霊気が宿ったお菓子が倒された怪異のいた場所に出現する仕組みになっているらしい。

 大人な魔物達もこの日ばかりは子供にやさしくする気になったらしい。2年前は大勝とはいえ巨悪と戦い、去年は巨悪に勝利した後、魔女たちからの逆レイプを受けた彼には、こういう健全な遊びができるハロウィンは懐かしく思えた。

「忠夫、去年の嫌な思い出を忘れて今年は健全に楽しくいこう。悪霊たちが浄化されて出来た良いお菓子を可愛い子供たちに上げないと悪戯されちゃうぞ。頑張ってお菓子を集めよう」


 元気なユウキの声が祭りを楽しみだした彼の心を余計に上向きにさせた。

「おお。いっぱい集めよう」


「忠夫、せっかくだから勝負しない? 僕たち一人一人が別々のルートで今日だけは子供たちの為に遊んでくれる怪異さんたちを倒して回るから誰が一番、お菓子を得られるか競争しよう」

「リグルとか他の娘達も了承しとんのか」

 ユウキは笑顔で頷いた。横島も完全に祭りを楽しむ気分になり頷いた。

「良しやるとしようか」

 その後は無数の怪異たちと戦い倒された怪異達の体を構成する霊気が浄化され子供たちに振舞われるお菓子をよりよくしていくのを見て

 遊びなどが基本的に好きな部分もある彼は途中でスイッチが入り悪霊や妖怪の群れを倒し夢中でお菓子を集めた。

 競技の時間が終わり横島はスタート地点に戻ってきた。いたのはユウキだけだったが、エヴァ、アリス、ヴィヴィオ、リグルが収めたらしいお菓子が大量に積まれていた。横島は自分が集めたお菓子を、全て籠に収めた。

「横島おめでとう、賞品は特にないけど優勝だよ」

「ま、楽しめたからオッケーやな。ユニークな魔物も多かったし、ああいう闘いなら楽しめたわ」

 そう言って腰かける横島に、不意にユウキが抱き着いてきた。心地よい感じがしながら、どこか抜けだし辛い感じが彼に僅かに嫌な予感を覚えさせた。そして彼女が不意に言葉を口にした。


「僕もまだ子供だから言う権利があるよね、トリク・オア・トリート」

「すまんがワイはもう全部競技にお菓子いれてしまったわ」

「それじゃあ『僕達』が悪戯して良いね」

 不意に出たユウキの言葉を聞くとメタリカと話していた時に見た、アリスに似た少女とエヴァがいつの間にか来ていた。エヴァもある意味では メタリカより年下に見えるし資格があると言えばあるのだろう。

「ではまず私からだな」

 エヴァがそういうと横島の首筋に何度か口づけして、から噛みついた口づけの度にぞくぞくする激しい快感が走り牙を突き立てられた時優しい快感とそれがもたらす脱力感で、横島は一気に動けなくなった。
 射精が起こらないのが、不思議なほどの快感だったが優し過ぎる快感の中で唯一射精を許さないという一点だけは、厳しく彼を縛り付けている感じがした。

 次にアリスに似た少女が横島に近づいてくると子供特有の無邪気な残酷さを感じさせる笑みで言葉を告げてきた。

「私はあと、『今』は子供だからハロウィンの悪戯させてもらうね」

「キヒヒ、横島私も参加せてもらおう」
 
メタリカの笑みを見て横島は恐れが背中に走った。彼女は笑いながら言う。

「予言して占ってみたらお前に好意を持ったことを隠していた方が有益な情報が手に入ると出ていた。 ユウキを使い魔にした時私はかなり深く繋がってしまってな。彼女のお前に対する感情も大分流れ込んできていた。
契約を切った今でもその想いは消えていないのでな。 しかし、まさかお前があの未熟者たちにされた快感が忘れられないとは思ってなかった。今日はトラウマが消える様な女権国家の魔物らしい悪戯をしてやろう」

 メタリカは自分を虜にしようとした魔女たちより上の魔女だ。彼女達よりそういった魔術は上手いのだろう。想像しトラウマがよみがえり、その状況でもそれをやられたいと思っている自分に気づき震えだした。

 メタリカが杖を振ると彼は大きな寝台のある洋館に瞬間移動した。メタリカは笑いながら彼を押し倒し魔術で服を脱がせると一瞬で分身を飲み込んだ。 優しい攻めであるにも関わらず、激しく射精し一度の射精で完全に立てなくなった彼を見下ろしながらメタリカは言う。

「人間基準だとこの悪戯は軽いらしいが、種族魔女からすると軽い悪戯がまだ終わってない状態だぞ。 もっと頑張らんか」

 一度の射精で激しく大切な何かが削り切られたような感覚を味わう彼にメタリカは言う。

「どうだ。去年の女たちに与えられた快感より強かっただろう。忘れたか?」

「遥かに上でしたけど、それでも忘れられたほどではなかったっす」

 仰向けになり立てない横島の分身をメタリカは踏みながら言う。 魔力を帯びた彼女の足が一瞬で彼を絶頂に導きかけたが、メタリカは不意にそれをやめて、口を開いた。

「いかんいかん、私としたことが忘れていた。 お前の様な変態マゾを満足させるには普通のやり方では、いかんな。これくらいは必要か」

 メタリカが魔法の杖を振ると横島は不意に自分が女性に閨で負けているのが凄まじく恥ずかしく思えてきた。疑問がる横島に彼女は笑いながら言う。

「キヒヒ、一応お前は王国の人間だからな。神話では男性優位の性交ができて当然になっている。お前の中に眠る王国の神話時代からの男性としての意識を呼び戻した」

 そういうとメタリカは笑いながら横島の一物を踏みつけ快感を与えるように足を動かし始める。

「勘弁してこればっかりは」

 言い終わる前に凄まじい音と共に射精が起こり一気にベッドの周りを白く染めた。メタリカはわざとらしくおどろいた様な表情と仕草を作りユウキに問いかける。

「ユウキ、明らかに私の秘所の方が気持ちよさは上だろうに、この男一番屈辱的な足でさせられた方が射精の方が多かったぞ。 私の性術がそこまで上達していたのか?」

「メタリカ違うって。多分だけど、忠夫は屈辱的なセックスに興奮を覚えるド変態なんだよ」

 普段から褒めて称えてくれているユウキの罵倒に泣きそうになったがそれでも分身が元気づき否定できないのが余計に彼を惨めにさせた。ユウキは笑いながら言葉を続ける。

「ごめん忠夫。 去年の件とその事情を知って君はあまり悪くないけど、僕達上書きし尽くさないと気が済まなくなっちゃたんだ」

 ユウキが言い終わるとメタリカが彼を再び騎乗位で搾り取り始めた。王国の神話時代の男性優位意識が強い状態で屈辱感が凄いのに射精の量が多いことが彼を凄く惨めにさせた。

 横島の意識が落ちかけた時、ユウキが笑いながら言った。

「メタリカ次は僕たちの番だね」

「うむ。私は上書きをするための準備に取り掛かろう」

 横島はユウキと彼女の息のあったやり取りを見て使い魔だった時に本当に良い上司をしていたのだろうなと思った。そう思うとメタリカへの怒りが一気に冷めていく感じがした。


292 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:17:45 ID:57B+xd8z
 メタリカが外れたことで、横島は少しだけ安心した。彼女と違い他の女性達は快感で男を隷属される専門家の魔女派閥ではない。そして学んでいたとしても日が浅いはずだから大丈夫なはずだ。 そう思った時に、次に入ってきたのはリグルだった。
 横島は背が一気に寒くなった。彼女は虫の妖怪であり、雄が交尾の際に死ぬことも多い虫の性質を受け継ぎ精力を搾り取る力が強い。 いつもなら最後に来るはず。 そんな横島の葛藤をよそに彼女は笑いながら言う。

「忠夫、去年は僕が援軍に行けなかったせいもあって災難だったね。 惚れてた娘たちはともかく性術に長けた愛してない魔女たちに負けているのは我慢できないから本気で行くよ」

 そういうと、リグルに騎乗された瞬間、魔女たちにされた快感以上の快感が襲い掛かってきて、横島は一瞬で悟った。

『これワイ壊れる奴や』

 しかし崩壊の瞬間は訪れず耐えきることが出来た後、ユウキにさすられた場所から一気に精神が回復していく感覚がした。 振り返るとユウキが笑いながら、服を脱ぎ呪文を唱えると彼女の額に角が生えていることに気づいた。 
その姿はある世界であれば奈落の鋭鋒と呼ばれた姿に酷似している。

「忠夫、メタリカが僕を自由にしてくれる際に思いついた方法が、種族チェンジで僕自身が剣の達人で東洋人の血が入っていたから、東洋の鬼になる様にしてくれたんだ」

ユウキの言葉にリグルは笑いながら感謝の言葉を言った。

「ユウキ、君のおかげであいつら以上の快感を忠夫に与えても大丈夫だったよ。ありがとう」


 リグルの礼に答えるとユウキは横島の耳に息を吹きかけながら言う。

「鬼がした悪戯には人間を生きたまま地獄連れて言ったり、地獄を経験させたりもあるらしいから、これから僕がするトリートは鬼の悪戯だから」

 そういうとユウキはエヴァに目配せをした。エヴァは笑いながら横島に言う。

「地獄の極卒である鬼になったユウキはあの女どもより性的な拷問にも通じている。何より鬼は地獄で死んだ魂も生き返らせるから、壊れても大丈夫だ。 そういえばお前を犯した女たちは巨乳も多かったな」

 そういうとエヴァはメタリカの側にいた金髪の美女の姿に姿を変えた。普段の横島なら喜ぶであろうスタイルの良い姿も今は、どれだけの快感を与えてくるのかという恐怖の元でしかない。

 そういうとエヴァは横島を騎乗位で抱き込んだ後、正常位に無理やり持ち込み両手両足で拘束すると、子宮で分身をイジメヌキ射精して敏感になった瞬間を狙い定めて首筋から血を吸い取ると、余計に激しく横島は射精した。 
魔女たちの与えてきた快感似ていてかつそれを上回るものを意図的に与えてきている様だ。 最初は激しく拷問の様だった攻めが優しい感覚に変わり脱力の極に落ちた横島をエヴァは軽い人形の様に持ち上げると、言葉を紡いだ。

「アリスもお前の心を完全に奪い返す準備をしているぞ」

「そもそも、俺寝取られてはいないぞ」

 エヴァもその言葉に頷いた。

「前言修正だな。完全にあの魔女たちに勝つ準備をしている」

 返ってきたメタリカが杖を振ると横島の体が一瞬で綺麗になり、そして服を着ている状態になった。

「それではアリスの主催する人形劇に言ってくるがよい」

 不意に連れていかれた人形劇の劇場に連れていかれた時そこには無数の女権国家の女性達、去年横島を嫐った横島に好意を持っていた魔女たちもたくさんいた。
 劇を一番よく見ることができる位置に大人の姿になったヴィヴィオがいて、その隣が自分の席なのだと思い、恐れながらも、どこか期待する自分に気づきながら横島は座った。

 横島の周りの席には魔女ではない普通の女性達もいた。彼女達は一昨年と去年のハロウィンで横島に助けられ好意を抱いた女性達だったそうだ。

 アリスが人形劇を始めると去年のハロウィンに魔女たちに逆レされる前の大活躍時の横島を主役にした劇が始まった。あまりにもレベルの高い劇であり、見ている者達は息を飲んだ。
アリスの横島を称える声は本当に恋する乙女らしい声音だった。だが不意にそれが愛している相手を下に見て嘲笑する女権国家特有の女性の声に変わる。

「こんなにも雄々しく格好良い彼ですけど、語られなかった英雄譚の裏部隊もあるんです。去年彼が受けた魔女たちからの拷問劇です」

 魔女たちにされた複数からの逆レイプが人形劇で始まった時、去年と全く同じ快感が横島に襲い掛かった。 
観客の魔女やヴィヴィオの嘲笑さえ自分が受けているような錯覚を覚え恥辱心と快感への恐怖から逃げ出そうとすると隣に座っていたヴィヴィオとその侍女に手を掴まれて席に引き戻される。

「忠夫さん最後まで見ましょう。 私達にとっては最高の娯楽ですから」

「そんなこと言っても、ああ!」

 人形劇でひと際すごい快感を与えられたシーンが上演されるとその快感が起こり彼はつい声を出した。 射精していないのに人形劇で射精をした場面になる度に射精の感覚が走り、意識がどんどんと削り取られた。そして彼の意識は闇に落ちた。

 次に彼が目覚めると、彼は人ではないものが住まう場所にいた。 目の前には今日何度か見掛けた、アリス似た少女そしてナレーションじみたアリスの声が響いた。

「彼は子供の頃から、性欲が強く女性に負けやすい性質でした。 幼少期の私との初めての時のことです」

 それを聞き、横島は自分の意識が人形劇の人形に乗り移っていたことに気づいた。

 目の前のアリスが指示を出すとトランプの兵隊と言われる使い魔の女性が現れ横島を拘束し、アリスと共に愛撫し始める。 あまりにも早い射精に情けないと思う子供心を刺激されたながら、何度も彼は達した。 
見えないはずなのに観客席からの女性達の嘲笑が響きそれが彼の誇りに傷をつけつつ、興奮ももたらした。 最後に王国の男子として恥ずかしい騎乗位をアリスにされた時強すぎる快感が走り意識を失った。

 再び目覚めると優し過ぎる激しい快感が彼を襲ってきた。目の前には仰向けの自分に覆いかぶさり繋がりながら激しく体を密着させてくるアリス。

「横島、私の悪戯はどうだった? 去年の魔女たちにされた行為より恥ずかしかったでしょう」

 普段横島に甘いアリスがああいうことをした理由は、いつでもあの魔女たちから受けた快感を再現できるということを示すためと、恥ずかしさによる性的快感を上書きするつもりというのもあったのだろう。 アリスが行為を終えると、ヴィヴィオが大人の姿のまま入室してきた。

 彼女は一息に服を脱ぐとアリス達とは違った芸術的な裸体を見せつつ、言った。

「忠夫、女どもの方が私達より上位である部分があるのが許容できません。今日聖王として貴方を清めさせてもらいます」

 手加減のないヴィヴィオの与えてくる快感は荒々しいときのエヴァをより強くしたような感じであり、神々と性行為をしたような錯覚を覚えることもある。 普段は手加減してくれる彼女もユウキがいて壊れても治せるいじょうそれはしないだろう。
ヴィヴィオに抱き着かれ貪られた瞬間、横島は頭が爆発した感覚を味わいそのまま、意識が戻らなかった。正確に言うと、何度かユウキに治されてその度に意識が戻り、手加減の無いヴィヴィオの与えてくる快感で意識が飛ぶのを繰り返した。



293 :名無しさん@狐板:2021/10/31(日) 23:18:42 ID:57B+xd8z
 全てが終わり倒れかけた、横島にユウキが言う。

「じゃ、最後は僕とメタリカも君を好きになってからは、あの魔女たちの方が上になっているのが耐えきれなかったみたいだから本気で行くよ」

 そういうとユウキが胸当てを外すと大きな乳房がそれをのぞかせた。 横島はそれを見て驚愕した胸が大きくなっているのは成長期だからそういうこともあるかもしれない。
だが明らかに、胸当ての上のそれは小さいものだった。 横島の言葉にユウキは笑いながら言った。

「鬼の神通力それに尽きるよ」

 逃げようとする横島をメタリカが背後から掴み、言う。

「ユウキ折角だから協力しろ。忠夫の精神をさっきより完璧に王国原初の神話時代の男性優位の性交が当たり前の時代に戻すぞ。地獄の鬼なら容易かろう」

「はーい」

「勘弁してくれ」

「ごめん。それだけはきけない。 忠夫は悪くないけど、あの女たちより下の状態が僕たちはどうしても耐えられないから。 これ以外の事では君の意向を通すから」

 そういうとメタリカとユウキが合同で呪文を唱え、それが終わると、横島は今まで女性達にされた性行為が恥ずかしいと感じ顔が真っ赤になった。それでも分身がより強くなったのを見て、メタリカは笑う。

「キヒヒ、この状況で興奮するとかお前は本当にクズだな」

「メタリカ、やめてあげて。 ただでさえ夜で惨敗しているからかわいそうだよ」

 ユウキの恥辱心を煽るかわいそうだよ、にへこみかけた時、メタリカとユウキが左右から横島の分身を挟み何度も抜き始める。時には苦しいほど射精させ時にはとことんじらし、それを何度か繰り返した後、ユウキが横島に騎乗位で絞り始めた。 
魔女たちからされた拷問の再現でありながら、魔女たち以上の快感を与えることを意識した性交をしておりそれが終わると、メタリカと交代する。

 メタリカはユウキが優しく絞るのと対照的に蜘蛛の様な優しい快感を与えながらも容赦のなく毒を注ぎ込んでくるように彼を絞り尽くす。 何度も搾り取られ、横島が恥辱心の中で意識を失いかけた時メタリカが言った。

「横島どうだ、我々のものになるのを止めるか。今やめるなら、体を重ねた責任とかも私がどうにかした、彼女達に不利益を被らせん」

「こんな快感を味わったらもうむりです」

 横島の敗北宣言にメタリカは笑った。

「これでお前の所有者の一人に私もなれたし、一応恋人たちとの関係を改善という依頼も果たせたな。 それと横島本物の魔物と付き合う時はハロウィンでも油断しないことだ。
今日した悪戯はお前にとってはシャレにならにものだったが、過去にやった人外達は本当に軽い悪戯のつもりでやったのだからな」

 メタリカの最後の真面目な注意を受けながら、横島はハロウィンは絶対に彼女達と離れないことにしようと誓った。無理なら大鳳やジャギと絶対一緒にいようと。

 横島が意識を失った後、アリス達は心底上機嫌でハロウィンを満喫していた。その様子を見ながら気の良いお昼に横島がいたマスターが声をかけた。

「ユウキちゃん注文は」

「テイクアウトで、忠夫が好きな精のつくものを適当にお願い」

「そうか。今日は随分と上機嫌だな」

「僕だけじゃなくて、アリス達もそうだよ」

「良いことがあったのかい」

「寝取られたとかそういう訳じゃないけど、想い人を完全に隅から隅まで奪還出来たからかな。 今日は彼が動けない分まで、僕達がハロウィンの仕事しなきゃダメなんだ」


心底上機嫌なユウキの様子を見てマスターはこれなら横島も数日後には元気になっているなと確信した。なんだかんだで本気で自分に惚れてくれている女性達と繋がっていれば最終的には彼は立ち直るから。
ハロウィンの喧騒を見ながらマスターは心の引っ掛かりが取れた様子で営業を再開した。 それにこたえるように町の喧騒は大きくなっていった。


294 :名無しさん@狐板:2021/12/09(木) 00:14:45 ID:PuWeSzIv
(なんで、こんなことに……?)

響裕太は、現状に理解が追いついていなかった。

「これが……響くんの……」
「うんうん、ちゃんと皮被ってるねー。やっぱり響くんみたいなかわいい系の男の子は、真性包茎じゃないとね」

クラスメイトの、宝多六花と新條アカネ。
二人の美少女が、丸出しになった自分の股間を見つめて興奮しているのだ。

295 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:03:59 ID:kBtghrfc

イッチ : 短編
└苗床脱出編 体験版
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16663.html
└逆レ推理(笑)もの
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16812.html
└勇者のくせになまいきだ
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16817.html
└娘シュテルと子供の出来かた
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16823.html
└イマジナリーフレンド
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16834.html
└あなたのやかた
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16877.html
  └ 後日 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16883.html
└やがみ按摩店
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16892.html
└業の旅路(仮)
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16918.html
└無人島一ヶ月10000逆レ生活(仮)
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16926.html
└囚人にジレンマはない
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16934.html
└高級愛玩用奴隷
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16939.html
└麻雀ネタ
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16957.html
└魔物売り & 媚薬ガス室
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16978.html
└魔物売りのやる夫
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16979.html
└お姉さんのお菓子
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17436.html
└山の実り
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17466.html
└数年の冬
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17580.html
└百合逆NTR×NTR
  └ 予告 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17695.html
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17696.html
  └ 後日 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17705.html
└匂う妹
  └ 本編 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18257.html
└クドク
  └ 予告 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18819.html
  └   01 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18820.html
  └   02 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18821.html
└邪な騎士と横島と騎士
  └ 予告 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19177.html
  └   01 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19178.html
  └   02 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19179.html
  └   03 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19180.html

イッチ : ゲーム紹介
└01 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16819.html
└02 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16837.html
└03 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16862.html
└04 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16940.html
└05 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16971.html
└06 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16972.html
└06 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17037.html
└07 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17093.html
└08 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17134.html
└09 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17309.html
└10 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17375.html
└11 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17489.html
└12 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17499.html
└13 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17526.html
└14 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17537.html
└15 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17569.html
└16 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17608.html
└17 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17616.html
└18 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17627.html
└19 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17628.html
└20 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17687.html
└21 : ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18120.html

296 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:04:15 ID:kBtghrfc

イッチ : 雑談
└小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16830.html
└小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16910.html
└霊夢・逆NTRされた側の逆襲シチュ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16920.html
└Mシチュ寓話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16933.html
└エ○ステータス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16958.html
└ちびでかアイランド
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16976.html
└こんなコピペ、Mシチュにしてくれるわ!!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16977.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16984.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17554.html
└めだかボックス使ってない
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16999.html
└女権国家ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17018.html
└女権国家ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17019.html
└落ち武者狩り
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17028.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17035.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17050.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17051.html
└女権国家 戦闘システム案
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17072.html
└女権国家 キャラメイク案
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17074.html
└女権国家 キャラクター紹介
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17085.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17087.html
└すらいむほいくえん お父様ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17092.html
└女権国家 主人公安価 & 好感度システム試作品
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17108.html
└女権国家 主人公安価投票結果
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17109.html
└女権国家ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17202.html
└闘技場ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17253.html
└僕はスターになるんだ!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17254.html
└10月3日はまどかの誕生日!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17262.html
└ショタ化逆レイプ+百合逆NTR×NTR草案
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17339.html
└女権国家の男女比率
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17405.html
└女の子可愛そうな展開(偽or仮)からの逆逆転
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17513.html
└月のクトゥルフもの
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17525.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17533.html
└次回作まとめ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17539.html
└次回作候補 & 小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17542.html
└みんな丸太は持ったな!!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17578.html
└ひびみく産み分け
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17639.html
└くるみちゃんが良過ぎて逆に配役できない説
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17653.html
└百合現場目撃シチュ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17655.html
└きりたん(ロリ×退行ショタ)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17662.html
└チュートリアル(traumatic)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17673.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17678.html
└我慢ほむほむ+犬山さん
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17679.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17743.html
└翼いじめ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17746.html
└マフィア・警邏隊
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17754.html
└女権国家登場人物整理
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17753.html
└ひびみく二等分+質の悪い悪女
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17801.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17807.html
└ツインルーム+ひびみく塗りつぶし
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17833.html
└スイートルーム
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17838.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17874.html
└首絞め未来
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17892.html
└翼「見てしまったな?」
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17925.html
└囲い込み系(シンフォギア)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17937.html
└呪いのネックレス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17991.html
└意訳
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18005.html
└イマジナリーフレンド 説明
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18053.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18056.html
└クリスの彼氏のフリ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18240.html
└盃付喪神+4人パーティー
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18265.html
└女権国家のキャラ募集ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18319.html
└戦闘におけるドロップ判定
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18370.html
└女権国家施設 SHOPシステム案
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18731.html
└ステータス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18851.html
└ささら
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18885.html
└クリスマス小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18886.html
└ささら
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18923.html
└桃鉄
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18925.html
└女権国家で人気な男ランキング
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18961.html
└老害?
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18963.html
└バレンタインチョコ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18977.html
└女権国家:試運転
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19029.html
└私が、来た
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19030.html
└エイルケイム精神療養院
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19159.html
└もう…ボコったら…ワタが出てるよっ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19195.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19197.html
└女権国家:戦闘テストする時の展開ダイス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19199.html
└女権国家:戦闘テスト
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19227.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19228.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19229.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19255.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19253.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19284.html
└無在庫転売の末路
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19286.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19309.html
└乱文
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19332.html
└体重計の前にて
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19349.html
└敢えて僕の方からぐいぐい行けば
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19378.html

297 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:04:31 ID:kBtghrfc

師匠
└嘘予告 Mシチュ脱出アクション『Escape from the cage(仮)』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16872.html
└戦闘員ライダー(メドゥーサ)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16980.html
└風見幽香短編
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17000.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17530.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18057.html
└やらない夫の誕生日
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17180.html
└映し魔の館
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17181.html
└女権国家・ミス・コンテスト
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17192.html
└Live+
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17201.html
└大使館小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17244.html
└とある日の闘技場の一幕〜ボクがわたしに堕ちた日〜
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17255.html
└薬師とメイド〜大鳳くんの治療と選択
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17285.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17721.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17722.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17728.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17729.html
└レズ寝取られシチュ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17310.html
└薬効試験会
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17391.html
└とある冒険者の永い依頼
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17408.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17435.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17451.html
└とある傭兵の誕生日・災難
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17498.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17831.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18049.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18055.html
└ブルーにポケモンごとゲットされる話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17514.html
└月が綺麗ですね
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17538.html
└クリスマス小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17549.html
└年越し小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17560.html
└年末年始小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17567.html
└直葉ちゃんのキリトちゃん敗北調教
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17570.html
└お年玉企画BRS編
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17581.html
└エイプリルフールネタ(2019)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17642.html
└善吉くんを堕とそう
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17657.html
└悪魔に魅入られた日々
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17767.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17873.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18000.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18004.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18027.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18035.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18123.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18183.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18209.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18244.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18267.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18420.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18433.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18434.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18435.html
└娼館男責め小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17793.html
└楯無さん好感度超+ヤンデレルート
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17806.html
└羽衣狐小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17825.html
└トロイの娼婦
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17936.html
└こんなお姉さんに貪られたい
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17938.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17959.html
└淫靡な館からの脱出
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18007.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19226.html
└姫始め・東国の姫達
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18075.html
└悪魔未来と天使シャル
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18121.html
└脱出ゲームで隠しアイテムで無双してたら
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18190.html
└咲耶さんに逆ナンされて
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18196.html
└シンフォギアショタ小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18210.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18887.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19310.html
└ミルヒオーレペットネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18211.html
└性根の腐ったキャラにチャレンジ・誘惑・快楽堕ち好き.ver
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18260.html
└アンリエッタ夢落ちネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18273.html
└大鳳くん、奴○を買う。
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18280.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18314.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18317.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18320.html
└エイプリルフール(2020)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18281.html
└ゼロ魔逆レ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18368.html
└巨人と少女と燃料と
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18389.html
└火の精霊クー子
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18409.html
└エロくないベネット
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18514.html
└うだつが上がらないやる夫が聖剣を(ry
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18610.html
└誕生日小ネタ2020
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18613.html
└奪われた誕生日
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18647.html
└動画配信者アスナ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18733.html
└女権国家のIF過去話(アティ先生)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18853.html
└年末年始小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18892.html
└燻憧さん作品 IF 拷問:朱雀√
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18922.html
└心折られる少年/心折る少女
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18924.html
└すらいむほいくえん二次/IF:善き神の戯れ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18942.html
└すらいむほいくえん二次/After IF:ざんげちゃんの野望
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18960.html
└すらいむほいくえん二次/IF 束 BAD:兎のマッドパーティー
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18962.html
└燻憧さん作品二次 IF リゼル√?
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18970.html
└すらいむほいくえん二次/平穏な?バレンタイン
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18979.html
└誘惑・快楽堕ち好き.なりのキャラ把握?
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18985.html
└すらいむほいくえん二次/IF ルサルカ BAD?:幸せを手に入れた影
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19004.html
└燻憧さん作品二次 IF GOODEND 『愛する人と共に幸福を』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19009.html
└エルフを助け出すネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19028.html
└エイプリルフールネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19032.html
└夢の中のエイプリルフール
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19039.html
└燻憧さん作品二次 蓮メガテン アークエンジェルIF
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19049.html
└燻憧さん二次? 不純な獣
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19069.html
└燻憧さん二次ネタ/或いは燻憧さんを性癖で殴る話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19101.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19134.html
└燻憧さん作品二次 蓮メガテン アプサラスIF
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19135.html
└復活ポイント
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19160.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19196.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19198.html
└邪な騎士と横島と騎士 IF
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19193.html
└女権国家:IF 拗れた感情
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19200.html
└誕生日小ネタ・2021
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19256.html
└ある戦う少女達の話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19264.html
└すらいむほいくえん・二次『友好的な……?』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19285.html
└すらいむほいくえん・二次 魔物娘妄想『サメ娘』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19287.html
└我慢比べ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19379.html
└闘技場もの嘘予告風
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19380.html
└クリスマスネタ2021
  └ttp://yaruoshelter.com/test/read.cgi/yaruo001/1616338113/8190-8230

298 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:04:41 ID:kBtghrfc

馬ニキ
└ココア連作短編
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17207.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17210.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17245.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17290.html
└ある敗軍の兵の手記
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17521.html
└後輩三葉と従妹シノア
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17548.html
└卯月逆痴漢もの
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17589.html
└予告 プリンス・シャルルと魔女の森
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17640.html
└卓ゲー部
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17740.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17747.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17837.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17981.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17998.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18272.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18855.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18856.html

299 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:04:55 ID:kBtghrfc

PUニキ
└アラクネの仕立て屋
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17357.html
└パワーレンタリング屋
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17359.html
└総合病院
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17376.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17390.html
└雪女の集落
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17420.html
└蛸壺の酒場
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17457.html
└ワイルドハント
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17461.html
└鬼が島
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17478.html
└ブラッドファクトリーズ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17483.html
└生贄の神殿
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17487.html
└盗賊ギルド
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17488.html
└ハニーハント
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17495.html
└町内会
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17508.html
└児童買春
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17555.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17559.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17568.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17583.html
└売春宿
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17579.html
└不幸の女神
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17588.html
└BAOH
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17607.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17631.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17674.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17958.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18212.html
└死にたくないならパパになれ!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17688.html
└冥婚の館
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17712.html
└エロフのハウスメイド
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17760.html
└看護実習
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17839.html
└女権国家RTA
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17911.html
└予告 やる夫は秘密結社の黒一点
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17982.html
└こいつおまわりさんです
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18237.html
└サキュバスのアルバイト
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18673.html
└女権国家RTA
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18857.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18859.html
└甘蕩リクエスト作品
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18940.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18989.html
└懺悔室
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19019.html
└DQ3(魔物娘)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19150.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19182.html

300 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:05:03 ID:kBtghrfc

甘蕩
└仮題『え!! エナジードレインを有効活用する方法を!? できらぁっ!!』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17264.html
└ノンケに堕ちたレズ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17452.html
└嘘予告 触手女子〜檻の中でうねる怪物たち〜
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17590.html
└甘蕩搾精シンフォギア!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17617.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17792.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18001.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18850.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18976.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19254.html
└寝取られ率105%
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17618.html
└みさきちトレーニング!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17680.html
└彼女を寝取っていたのは……俺だッ!!
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17682.html
└ペニーワイズのおススメ男性受け作品紹介
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17754.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17980.html
└漆黒の触手鎧
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17752.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17761.html
└路地裏クリス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18036.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18052.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18073.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18266.html
└Wiz風・冒険の終わり
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18318.html
└ネバーランド
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18408.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18418.html
└熟成(仮)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18646.html
└ オスです可愛がってください
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18714.html

301 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:05:12 ID:kBtghrfc

重愛上等
└どうか、あなたのおそばに
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18098.html
└やさしいりょうて
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18197.html
└しあわせのかたち
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18258.html
└くすりづけ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18327.html
└きずあと
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18371.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18374.html
└自分の価値を決めるのは他人の評価
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18564.html
└おたんじょうび
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18671.html
└いと、かぐわしき
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18792.html

302 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:05:21 ID:kBtghrfc

燻憧
└黒鉄有人の異界探索
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18884.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18975.html
└バトルファック選定の儀
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18939.html
└魔王シャル
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18941.html
└宝探し屋としての死
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18974.html
└くノ一忍法「恋騙り」
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18984.html
└悪魔のいたずら
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18994.html
└女神転生ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19002.html
└魔王初音ミク
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19031.html
└光の女神/闇の女神
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19033.html
└フェイト・ハッピーエンド
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19048.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19050.html
└好意はあるけどぞんざいな扱いしてくるジト目メイド
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19136.html

303 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:05:33 ID:kBtghrfc

ユーなの系
└射○管理局
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16985.html
└悪いお姉さんたちに買われるショ○
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17009.html
└電車の中で逆ナンされた話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17472.html
└VRMMOネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17529.html
└Sお姉さんとMショタのバレンタイン
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17594.html
└魔王なのはVS大賢者ユーノ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17623.html
└しこらせ上手のなのはさん
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17663.html
└木コキ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17800.html
└なのはキャラで15人斬られ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17905.html
└RPG風小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18818.html
└たのしいぼくじょうけんがく
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18938.html
└正義の味方「スターマジシャン」
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19350.html

304 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:05:46 ID:kBtghrfc

蒼穹
└ヤルオックマン
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17582.html

冒険者
└ビッキーが妹な話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18003.html
レトロゲーMer
└勇者になりそこねた青年の夢
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19041.html
└お姉ちゃんは恋心泥棒
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19194.html

作者複数
└おっぱいパロディ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18986.html
└レズ(バイ)な幼馴染に女の子を捧げさせられる話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18988.html
└ユウキ & 抱き枕
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19099.html

名無し
└Xenon's Vocaloid Studio へようこそ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17124.html
└妖精さん(特殊性癖注意!)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17141.html
└裏カジノ・千夜一夜
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17188.html
└犠牲になった村
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17190.html
└VRキス
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17275.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17656.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17664.html
└しっぽ姉妹の隠れ家〜ある薬師の家
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17283.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17340.html
└ポケ○ンで逆レ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17484.html
└アイドルに見抜きさせてもらう話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17543.html
└茜の華
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17632.html
└予告 しょたぐいたちの夜
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17644.html
└SEXしたら出られない部屋
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17710.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17711.html
└点1麻雀
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17720.html
└ハルヒ短編
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17992.html
└とある女尊男卑世界の、男性アイドルの話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18355.html
└新興宗教「エ・ムシーチュ教」
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18763.html
└MMM
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18910.html
└鷺沢式男塾
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18978.html
└インキュバスだよ! アルトくん
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19068.html
└美女の妖怪に襲われるショタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19239.html
└AIのべりすとに書いてもらった逆レSSを、やる夫スレ化してみた
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19395.html
└スグリでイチャラブ逆レ書きたかった
  └ttp://yaruoshelter.com/test/read.cgi/yaruo001/1616338113/7877-7923

305 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 00:11:49 ID:kBtghrfc

 ===================
 || まとめ済作品リスト ||
 ===================

■ イッチ : おちこぼれ冒険者やる夫と、すらいむほいくえん(本編)
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/107

■ イッチ : おちこぼれ冒険者やる夫と、すらいむほいくえん(IF)
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/108

■ イッチ : 短編
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/295

■ イッチ : 雑談
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/296

■ 師匠
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/297

■ 馬ニキ
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/298

■ PUニキ
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/299

■ 甘蕩
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/300

■ 重愛上等
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/301

■ 燻憧
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/302

■ ユーなの系
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/303

■ その他作者まとめ
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/304
.

306 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 01:25:33 ID:kBtghrfc

師匠
└嘘予告 Mシチュ脱出アクション『Escape from the cage(仮)』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16872.html
└戦闘員ライダー(メドゥーサ)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-16980.html
└風見幽香短編
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17000.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17530.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18057.html
└やらない夫の誕生日
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17180.html
└映し魔の館
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17181.html
└女権国家・ミス・コンテスト
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17192.html
└Live+
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17201.html
└大使館小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17244.html
└とある日の闘技場の一幕〜ボクがわたしに堕ちた日〜
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17255.html
└薬師とメイド〜大鳳くんの治療と選択
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17285.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17721.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17722.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17728.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17729.html
└レズ寝取られシチュ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17310.html
└薬効試験会
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17391.html
└とある冒険者の永い依頼
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17408.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17435.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17451.html
└とある傭兵の誕生日・災難
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17498.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17831.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18049.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18055.html
└ブルーにポケモンごとゲットされる話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17514.html
└月が綺麗ですね
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17538.html
└クリスマス小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17549.html
└年越し小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17560.html
└年末年始小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17567.html
└直葉ちゃんのキリトちゃん敗北調教
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17570.html
└お年玉企画BRS編
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17581.html
└エイプリルフールネタ(2019)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17642.html
└善吉くんを堕とそう
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17657.html
└悪魔に魅入られた日々
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17767.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17873.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18000.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18004.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18027.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18035.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18123.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18183.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18209.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18244.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18267.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18420.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18433.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18434.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18435.html
└娼館男責め小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17793.html
└楯無さん好感度超+ヤンデレルート
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17806.html
└羽衣狐小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17825.html
└トロイの娼婦
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17936.html
└こんなお姉さんに貪られたい
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17938.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-17959.html
└淫靡な館からの脱出
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18007.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19226.html
└姫始め・東国の姫達
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18075.html
└悪魔未来と天使シャル
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18121.html
└脱出ゲームで隠しアイテムで無双してたら
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18190.html
└咲耶さんに逆ナンされて
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18196.html
└シンフォギアショタ小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18210.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18887.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19310.html
└ミルヒオーレペットネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18211.html
└性根の腐ったキャラにチャレンジ・誘惑・快楽堕ち好き.ver
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18260.html
└アンリエッタ夢落ちネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18273.html
└大鳳くん、奴○を買う。
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18280.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18314.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18317.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18320.html
└エイプリルフール(2020)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18281.html
└ゼロ魔逆レ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18368.html
└巨人と少女と燃料と
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18389.html
└火の精霊クー子
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18409.html
└エロくないベネット
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18514.html
└うだつが上がらないやる夫が聖剣を(ry
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18610.html
└誕生日小ネタ2020
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18613.html
└奪われた誕生日
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18647.html
└動画配信者アスナ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18733.html
└女権国家のIF過去話(アティ先生)
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18853.html
└年末年始小ネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18892.html
└燻憧さん作品 IF 拷問:朱雀√
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18922.html
└心折られる少年/心折る少女
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18924.html
└すらいむほいくえん二次/IF:善き神の戯れ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18942.html
└すらいむほいくえん二次/After IF:ざんげちゃんの野望
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18960.html
└すらいむほいくえん二次/IF 束 BAD:兎のマッドパーティー
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18962.html
└燻憧さん作品二次 IF リゼル√?
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18970.html
└すらいむほいくえん二次/平穏な?バレンタイン
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18979.html
└誘惑・快楽堕ち好き.なりのキャラ把握?
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-18985.html
└すらいむほいくえん二次/IF ルサルカ BAD?:幸せを手に入れた影
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19004.html
└燻憧さん作品二次 IF GOODEND 『愛する人と共に幸福を』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19009.html
└エルフを助け出すネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19028.html
└エイプリルフールネタ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19032.html
└夢の中のエイプリルフール
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19039.html
└燻憧さん作品二次 蓮メガテン アークエンジェルIF
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19049.html
└燻憧さん二次? 不純な獣
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19069.html
└燻憧さん二次ネタ/或いは燻憧さんを性癖で殴る話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19101.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19134.html
  └ttp://shokaku05.sakura.ne.jp/test/read.cgi/reppua7m1/1618741172/41-129
  └ttp://shokaku05.sakura.ne.jp/test/read.cgi/reppua7m1/1618741172/140-193
  └ttp://shokaku05.sakura.ne.jp/test/read.cgi/reppua7m1/1618741172/198-265
  └ttp://shokaku05.sakura.ne.jp/test/read.cgi/reppua7m1/1618741172/274-367
└燻憧さん作品二次 蓮メガテン アプサラスIF
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19135.html
└復活ポイント
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19160.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19196.html
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19198.html
└邪な騎士と横島と騎士 IF
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19193.html
└女権国家:IF 拗れた感情
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19200.html
└誕生日小ネタ・2021
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19256.html
└ある戦う少女達の話
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19264.html
└すらいむほいくえん・二次『友好的な……?』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19285.html
└すらいむほいくえん・二次 魔物娘妄想『サメ娘』
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19287.html
└我慢比べ
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19379.html
└闘技場もの嘘予告風
  └ttp://copymatome.blog.fc2.com/blog-entry-19380.html
└クリスマスネタ2021
  └ttp://yaruoshelter.com/test/read.cgi/yaruo001/1616338113/8190-8230

307 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 01:25:56 ID:kBtghrfc

よねさん
└pixiv:作者page
  └ttps://www.pixiv.net/users/55566261
└魔物娘図鑑:作者page
  └ttp://kurobine2.sakura.ne.jp/mamonogirllover/sscgi/mtsg.cgi?mode=profile&id=iiyone

308 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 01:26:11 ID:kBtghrfc

メガテンクロス
└アリス
  └ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/149-153
└これはひどい真・女神転生if
  └ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/159-162
  └ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/164-169
  └ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/221-228
  └ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/229-235
  └ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/229-235
  └ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/259-276
└女権国家で敬老の日の地雷を踏んだ男の末路
  └ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/281-284
└ハロウィンが最厄日な男の三年目の上書き快楽地獄
  └ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/289-293

309 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 01:26:56 ID:kBtghrfc

 ===================
 || まとめ済作品リスト ||
 ===================

■ イッチ : おちこぼれ冒険者やる夫と、すらいむほいくえん(本編)
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/107

■ イッチ : おちこぼれ冒険者やる夫と、すらいむほいくえん(IF)
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/108

■ イッチ : 短編
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/295

■ イッチ : 雑談
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/296

■ 師匠
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/306

■ 馬ニキ
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/298

■ PUニキ
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/299

■ よねさん
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/307

■ 甘蕩
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/300

■ 重愛上等
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/301

■ 燻憧
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/302

■ メガテンクロス
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/308

■ ユーなの系
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/303

■ その他作者まとめ
ttp://yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1579360529/304
.

310 :名無しさん@狐板:2021/12/25(土) 14:34:10 ID:L6bULBnN
本スレ規制されちまった
乙ですー
ついでに師匠クリスマスとイッチ感想も乙

311 :名無しさん@狐板:2021/12/29(水) 22:34:21 ID:06ecV9yD
女権国家SS 男性の希望の神殿と男性の癒しの遊郭の本当の目的

このSSは女権国家の二次創作SSです。以下の注意書きがあります。

1自分が出そうと思ったけど必要ないと思い自主的に没にした施設が舞台になっています。
その施設の内容は難易度が上がりすぎていた時は裏の無い善玉施設、逆に上手くいきすぎていた時は裏のある女権国家らしいMシチュ施設になる予定でした。

2魔女と百騎兵のネタバレが微妙にあります。魔女と百騎兵の登場人物で一つもAAのないキャラがヒロインの一人です。

3魔女と百騎兵の重要ネタバレがあります。主に主人公メタリカの正体に関する内容です。


4イースというゲームの登場人物が名前だけだけど登場しています。自分はSFC版を1作やっただけで他は調べただけなので、矛盾などが出たらすいません。

5読まなくても大丈夫な様に書いたつもりだけど、>>289のハロウィンSSと微妙に繋がっています。


 日が完全に沈み切った夜の中で祭りを思わせる賑わいを見せる歓楽街。その中には多くの男性が安心しきった顔で歩き回っている。 女権国家には珍しく彼らは男を誘う女性達に一切の忌避感も警戒心もなく、ただ性欲を満たせる至福の時間を楽しみにしている。

その中にやや窮屈そうに高めの礼服を着こみ歩む男、横島忠夫がいた。赤いバンダナ以外は普段の服装の面影は一切ない。男性たちは彼の修羅場を潜ったもの特有の佇まいと、砕けた格好でも許される遊郭には少しだけ珍しい高価なスーツを見て
、用心棒か何かと思い僅かに好奇の目を向けるが、直ぐにそれはなくなる。

やましい所がない彼らにしてみれば怖れる原因にはならないのだろう。彼はその光景を見ながら思う。 ここは女権国家でも少ない男性が完全に安心できる場所だ。その中でもこれほどの数の男性が無防備でいられる場所はここしかないだろう。

 歓楽街の街並みを見ながら横島は街並みを鑑賞し始めた。諜報部の仕事初めてから夜には夜の風情があり、朝には朝の風情がある、と思うようになった。だが、この街は夜に灯をともした時こそ最高に美しくなるように作られている。 

男性を安心させる笑みを浮かべる娼婦たちを見ながら僅かに心惹かれつつ横島は歩き、思った。メイヴを信望する魔女たちから強い快楽を与えられて、トラウマになった自分の心すら惹きつける彼女達は相当なものだと思いながら彼は歩んだ。

ここは大魔女にして花の大公爵ヴァレンティーヌ・ジェラートの居城でもある。彼の大公爵は自分にトラウマを刻んだ魔女たちの中で最も大きな力を持っている。  そして自分はなぜこんなところに来る羽目になったのかを思い出す。



 今から一週間前、初音ミクの執務室に呼び出された大鳳とジャギと横島は思案顔をしたミクに任務を言い渡されていた。ミクの複雑そうな表情を見た時、三人の頭に嫌な予感が走ったのは今でも覚えている。ミクは情に流されないとはいえ、情がないわけではない。
その彼女が半ば身内とみなし、信頼もしている彼らを前にこういう表情をしている時点で、無事に済む可能性がそれなりに低いことは明白だ。 彼女は少しすると口を開いた。

「私には門外漢な事だけど、横島あんたに任務よ。運で全てが決まる様な任務だけど 9割は無事に帰ってこられるわ。ただし残りの1割を引いたら確実に身の破滅が待っているわ」

 それを聞くと大鳳とジャギは納得顔になった。彼らとさほど仲良くなかった時から、ミクは別々の任務を与える時も、危険度が一定を越えていた場合は全員の前で言ってくる。
三人が仲間である以上に、お互いの生存率を高めあえる関係である以上不明瞭な形で戦死させると本来無用な不信や裏切りが起きるという配慮からだ。付け加えればほとんど対等な関係で階級も同じとはいえ、形の上では横島の直属の上司は大鳳である。

ミクの方が権限は上とはいえ、緊急事態以外で直属の上司に断りもなく戦死の可能性のある任務に部下を送るのは良くないという考えもあるのだろう。


 ミクの発言が終わると大鳳とジャギは視線で続きを促した。女権国家で9割無事に帰ってこられる任務などというのは珍しい。だがどれほど上手く立ち回っても1割は身の破滅ということは横島の立ち回りではなく、周りの環境次第なのだろう。
 
ミクは仲が悪い相手であっても、裏切り等の落ち度のない部下が部下の責任のないところで死ぬ様な任務に送ることは好まない。その彼女が了承した、ということは断れない状況と、本当に9割くらいは無事に帰ってこられるという言葉が真実だからなのだろう。

「ミクさん、どんな任務なんですか」

 横島の言葉に彼女は敏腕の社員が珍しくハンコをどこかに押し忘れた気がする書類を出してしまった後の様な様子で答えた。

「横島、あんた怪異たちとの戦いで上手くいきすぎて調子に乗った結果、あんたに惚れた少女たちが魔女に弟子入りしてて、その娘達が、弟子入りした派閥=メイヴ信望者の魔女たちに犯られたでしょう」

 横島の頭に彼女達に侵された時とエヴァやアリス達に上書きで犯されたトラウマが蘇ってきた。 横島の分身が反応してしまったのを見て、ミクは失言を悟ると横島の意識を任務に向けなおすために説明を続ける。

「その中であんたを犯した魔女たち派閥の直属の上司があんたに詫びを送りたいと正式な招待をしてきたのよ」

 ミクの言葉を聞くと、三人は困惑顔になった。その時横島が受けた魔女たちからの集団逆レイプに関しては、その魔女たちの派閥のトップだった沼の魔女メタリカが、頭を下げて部下を庇って、表向きは自分が一番悪かったということにして、
国宝級のマジックアイテムを王国に送り、病が悪化したユウキをインプに転生させて病を癒すことで手打ちになったはず。最もその際にユウキをただの使い魔ではなく、深く繋がる形の半身に近い契約をしたことで、
横島に好意を抱くユウキの影響を受けてしまい彼女が横島に入れあげる原因となり、横島と関係を持つ事態に繋がった。


 横島の意識が快楽地獄に味わった頃に戻りかけたが、目の前に訳の分からない事態を分析しなければという考えが現実に踏みとどまらせた。
手打ちが済み派閥の長が謝罪と賠償を済ませたのにその下の者が改めて賠償と謝罪をするという明らかに裏しか感じられない事態が彼らの警戒心を大いに刺激する。


「姉御どうにか断れなかったんですか? ここまで聞いた感じだと9割無事に帰ってこられるって見込みの方が意味不明なレベルなんですが」

 ジャギの言葉に怒りや非難の響きがないのはミクの事も信頼しているためだ。彼女が9割無事に帰ってこられるというのなら、それなり以上に根拠があるのだろう。少なくとも彼女は諜報部としては一流止まりだが、一流ぐらいの能力はある。
仮に不信に感じられる部分があれば諜報に長けた戦友に助言を求めていただろう。あるいは既に求めていたのかもしれない。その考えはミクの次の返答で肯定された。

「ええ。 私も裏しか感じなかったから調べてみたわ。 そしたら横島を名指しで招待した相手が、花の大公爵ヴァレンティーヌ・ジェラートだったのよ。彼女は実績を見れば信用できるし、一応筋が通るでしょう」

 それを聞くと大鳳とジャギの顔色が変わった。畏怖と確かにこれは裏の無い申し入れかもしれない、という二つの考えが同時によぎったためだ。

 花の公爵ヴァレンティーヌは何百年も前から生きていると噂される有名な魔女であり、伝説と化した偉人の時代から生きているらしい。

かつて非の打ち所の無い完璧な領主から外道に堕ち、創造主から追放され、その後に異界から流れ着いた女神の計らいで更生し女権国家が出来上がった後に大いに女権国家の守護や繁栄に貢献してきたらしい。

大鳳達は彼の公爵に対して敬意はあるが、伝説の時代から生きる魔女という話に対しては、横島が霊能に目覚め人外や霊術の実在を知った今でも半信半疑とすらいえない程信じてはいない。
多分世襲制の魔女の地位を伝説や信仰を合わせるために表向き何百年も生きた魔女としているのだろう。

 前の戦争の時は常に正々堂々とした戦いをした上に、戦争の条約を破っていない王国兵への虐待などを禁止しており、そういった行為を行った女権国家の同国軍と小規模な内乱を演じた事さえある。 

戦争が終わった後賄賂を大量に使ったことを告白し自ら手柄の褒賞の全てを返還した。しかもその賄賂の使い道は条約違反の虐待をされている王国民の捕虜を自領に引き取る為だったという。

 戦後確かな証拠と共に彼女に襲われた方に非があったとはいえ、内乱を起こしさらには賄賂までつかったにもかかわらず、公爵に復帰できたことが彼女の政治力の強さを物語っている。

 他人事だった時はロマンのある人物だと思っていた。だがその人物が身近に関わりだすと途端にそれが不気味に思えてくる。 横島は少し考えたのち口を開いた。

「ヴァレンティーヌ公爵なら俺ですら知っているけど間違いなく当人なんですか?」

「オカルトが実在している以上何百年も生きた魔女というのも完全には否定しきれないわ。エヴァの例もあるしね。 横島一応聞くけど、あんたエヴァ辺りからヴァレンティーヌ公爵について聞いたことある?」

 聞きながらもミクはあまり期待していない様だった。ヴァレンティーヌ公爵はこちらから殴り掛からない限りは安全である可能性が高い相手である上に敵対しなければいけない理由も今の所はない。
女権国家に来てからは敵や、敵になる可能性が一定以上の相手以外のことなど調べている余裕はなかった。 横島は首を縦に振ると答えた。

「一度聞いたことがあります。エヴァは今代のヴァレンティーヌと何十年か前にあったことがあったそうです。 『今回』俺に招待状を寄越した相手と同一人物とは限りませんけど。
エヴァが言うには、あれは絶対に普通の歳の取り方をしていない。神話の時代が終わった直後から生きている魔女かどうかはわからないけど、相当な実力を持っていて少なくとも数世紀は生きているって」

「そう」

 答えると、だまったミクを前に横島は全力で思考を始める。ヴァレンティーヌ公爵は魔女であると同時に宮廷の魔術師であり、貴族としての席も持っている。メタリカは魔女たちの派閥の長として、横島に謝罪と賠償をした。
今回彼女が送ってきた招待状は、横島を凌辱した新米魔女たちに女権国家の貴族も混ざっていたから、貴族の派閥としての詫び状と招待状の様だ。 もしも噂通りの人柄なら、新米魔女たちの直属の上司である自分も謝罪したいと思っているだけかもしれない。
 横島は少し考えた後口を開いた。


312 :名無しさん@狐板:2021/12/29(水) 22:38:11 ID:06ecV9yD

「ミクさんとしてはどっちが都合が良いんですか?」

 横島の簡潔な問いにミクは即答した。

「受けてもらう方ね。今回の件が裏の無い評判を守るための行為なら、ある程度彼女の政治的な動きを制御できる。表向きは徳と公平さと慈悲の公爵なのだから、その評判を捨てても良い時が訪れる時まで、
部下が恩を仇で返した相手はかなりの抑止力になるでしょう。裏があったらその時は、私が苦戦している理由が消えるわ」

 ミクの獰猛な笑みにしり込みしながらも横島は理解した。ヴァレンティーヌは殴り掛かることができない。しかも王国でも親ヴァレンティーヌ派がそれなりにいる。そして諜報部の頭を痛めさせている事態がある。彼女は捕虜にした王国の男子を返還しようとしてきている。
女権国家で何年か過ごした男性はスパイになっている可能性が高い。しかも殺して白だったら取り返しがつかない程王国が政争で不利になる厄介な存在だ。 それ以外にも融和政策という名目で、王国の経済などを握りに来ている。
今はその政治的攻撃を防げてはいるが、攻撃であるという証拠は掴めていない。だが、ここで横島を害するようならミクも敵である証拠を掴み暗殺に動ける。そこまで考えると横島は頷いた。

「任務を受けます。今回の任務はヴァレンティーヌ公爵の招待を受け彼女が王国を諜報戦で削ろうとしている証拠を可能なら掴むこと」

「それに関しては期待していないわ。正式な要請として、王国民が不安がっているから捕虜たちを一時的に大使館にとどめその間の食い扶持などの費用をできるだけ負担してもらえるようにすること。
それと返却予定の捕虜たちの職業あっせんと訓練及び居住地の決定に王国が口を出せるようにしてもらえるように約束を取り付けてきて」

 ヴァレンティーヌは違法でない方法でかなりの私財を貯めていたはず。前の大戦で敵国の捕虜の人権を買うという珍しい行為もその私財で行われた。公費に手を付けていなかったことも彼女が復権できた理由の一つだったのだろう。
 今ミクが言った要請はその私財があれば痛手ではない。そして徳と慈悲の公爵の名を守りたいなら受けた方が良いレベルの要求だ。本当に裏がないのなら受けるだろう。

「今回の件本当に裏が無かったら、王国を悩ませる最大の病が一つ片付きますね」

「ええ」

 半分冗談な言葉だったが、ミクは真顔で頷いてきた。不思議そうな顔をする横島に彼女は説明を始めた。

「あの女と前の戦争で私は一度だけ戦ったことがあるの。 少し手を合わせてみて、楽勝は無理だけど勝てる相手だと思った。その後、あの女がなりふり構わず仲の悪い相手にすら多大な報酬を支払い援軍を求める様な事をしてひたすら私の攻撃を防ぎ逃げ切った。
そして、それ以降合うことはなかった」

「聞いたことがあります。ミクさんの武勇伝で有名ですよね。あのヴァレンティーヌ公爵が、それ自体は違法でないとはいえ、一番仲の悪い悪辣な実力者に頭を下げて金を出させたっていう」

 心からの賞賛の言葉を贈る大鳳にミクは少しバツが悪そうな表情で返した。

「あれは今にして思うと勝ちでは絶対になかったわ。 初見殺しの魔術や、自分の実力以上のものを使えるようにしてくれるマジックアイテムを乱発してきたあの女を援軍が到着する前に倒すのは無理だった。援軍が着た後でも時間をかければ殺せたけどその場合、
絶対に自分も無傷では済まかったから他の敵を優先的に殲滅して、戦況を覆して撤退させたの。でも今にして思えば戦争が終わった後の政争の強さを見れば、あの女の方が恐ろしかったかも」

「それはそうですね」

「少し話がそれたけど、あの女は表の顔も完全に演技ではなく、何割かは素だと思う。でもあの女は大業の為に女権国家の女らしい黒さを完全に隠しきっているわ。願わくば今回の件がその欲望を満たす方法でなければいいんだけど」

 ミクが危惧した通りでなければ、ヴァレンティーヌはこれ以降最強の味方となるだろう。目的の為に慈悲と公平さの公爵を演じなければならないのだから。

 そこまで思い返した後、横島は歓楽街の喧騒を離れた静謐な自然の心地よい気に包まれた神殿の立ち並ぶ森に到着していた。 歓楽街の城壁の中にこういった神殿があるのも女権国家のフリーダムさ故だろう。
 最もここがヴァレンティーヌ領であるせいもあるが。 ヴァレンティーヌ公爵は創造主に捨てられた直後に異世界から流れ着いた女神に叱り飛ばされて立ち直り。多くの善行を積み赦されたという。そのヴァレンティーヌを救った女神が祀られている。
淫猥さと豪華さと威厳が両立した神殿を素通りすると、目的地である神殿に入った。

 横島が足を踏み入れた神殿はどこまで神聖さを感じながら、静謐さより、子供たちが集う陽だまりの遊び場や、冬の暖炉の周りを思わせる気配に満ちている。そこでは男子の子供たちが遊びまわり本当に楽しそうにしている。
ここは女権国家で女性の英雄を入れても確実に五本の指に入る大英雄アドル・クリスティンを祀ったアドル神殿だ。主に女生徒の望まぬ結婚から逃がしてくれる神様として大いに崇められている。女権国家の男性達からは最も信仰されているだろう。

 アドルの信者は男性だけではない。良識派の女性の冒険者や騎士なども一定数の信仰者がいる。 この神殿は男性を匿うのではなく逃がす加護を与える神殿であり、男性に非がない場合は、加護だけではなく手助けも行う。 
オカルトに明るくなってからは横島も性質の悪い女性の人外から守ってもらうためにこの神殿で作られたらしい護符をいくつか購入したこともある。


 アドル神殿は男を匿うのでは逃がす類の加護を与える祝福と活動をしているのに、過去に何度か女権国家の女性達に破壊されたことがある。 
この事態は珍しいとティアナが言っていた。 基本的に女権国家の女性は男性を匿わず逃がす場合は、逃がした方には頓着しない為だ。 
確かに加護があると分かってから自分にとっても有益な支援をしてくれる神殿が壊れてはシャレにならないと思い調べてみたところ、アドル神殿は加護があまりにも強かったために、オカルトに明るくない女性でさえ危険視して破壊したことがあったそうだ。

 神殿に祭られた神であるアドルが不義理をせずに女性を傷つけず無事に女性の元から去り、身を固めずライフワークの冒険を続けた男だった為か、加護は霊能者の目から見ても本物なのに、破壊した女性達が祟りを受けたようなことはなかった。
その為か頻繁とまでは言えないが礼拝者が多いにも関わらず何度か破壊されていた。

 その度にアドルの冒険日記のファンの男性や良識的な女性の信仰者やアドルのファンからの寄付で再建している。  最短で1年、最も長くて20年くらいの頻度で壊されては再建されるという状態の繰り返しに終止符を打ったのもヴァレンティーヌ公爵だったらしい。

 アドルに救われアドルを愛した女性の中で冒険の旅以上に魅力的になり彼を来世でも捉えると誓った女神を祀り、そして彼女の神殿で女権国家の女性達に男を得るための訓練や知識を与えるのと引き換えに、破壊行為を止めさせたらしい。
 多分だがオカルトに明るくない女性達に神の加護などの実在を見せて、引き込んでいるのだろうと横島は思う。

 女性達の訓練所でもある遊郭の立ち並ぶ歓楽街はどこか男を抗えなくする魔性めいた艶に満ちていた。自分に惚れてくれているエヴァやアリス達や魔女たちが与えてきた快楽を連想させるそれもアドルの神殿に来ると徐々に抜けてきたような感じがする。

 アドルは女権国家では男女ともに絶大な人気を誇っているが、やはり男性からの人気は特に凄い。最後まで独身だった説もあれば、それなりに自分を立ててくれる女権国家の女性か他国の女性と結婚した説もあり。
女権国家の男でありながら、最後まで女性に束縛されず冒険というライフワークで死んだことが憧れを生んでいるのだろう。

 横島がアドル神殿に入るとそれぞれの男性が気ままに行動をしていた。アドル神殿での無料の訓練を受ける者。単純に遊ぶもの。新しく発見された冒険日誌の話題で盛り上がる者。 彼らの話題はアドルが今回どうやってその冒険日誌のヒロインから逃げ切ったかになっている。
その冒険日誌は発見されたのはあとでも、冒険が繰り広げられたのは現在の冒険日誌より前なのだろう。余程逃げ切るのが難しい様子らしく。途中までしか読んでない子供たちは白熱の議論を繰り広げている。

 横島は子供たちの姿に微笑ましいものを感じつつ、アドルの像の前に恭しく跪いた。彼にしては珍しいが、何度もこの神殿の護符に救われた身としてはこの神は敬うべきだと、感じている。だが不思議とアドル神に対しては親愛の情の方がなぜか強い。

 跪いて祈りを捧げる横島に不意に聞きなれた声が響いた。

「よう! 女に負けて気概まで失った負け犬。女から逃がしてくれると大げさに称えられてる冒険神の御機嫌取りか。逃げるなら俺も一緒に祈ってやろうか。エヴァちゃん達をお前と縁切って俺の雌奴隷に転職させてくださいってな」

 尊大でバカにしたような言葉でありながら悪意を感じさせない物言いに目を開けると、男性解放運動の副長ランスがいた。

「ランスかいな。 仮にも神様祀っている神殿でその神様の悪口とかどうなんだ」

 ランスの言葉に誰も腹を立てていないのは、もう慣れっこなのと彼が彼なりにこの神殿に貢献しているのを知っているからだろう。 女権国家という国で生まれ育ったためか、彼は自分の下に着いた男性の身内には甘い。
アドル神殿に男性解放運動のメンバーで国外に逃げたいものを連れてくることも良くある。 

今日のランスは機嫌が良さそうだ。恐らくは情の移った身内の男を無事に国外に逃がせたのだろう。 横島の返答にランスは笑いながら答える。


313 :名無しさん@狐板:2021/12/29(水) 22:42:19 ID:06ecV9yD

「俺様にいわせりゃ、アドルなんぞが無双の大英雄扱いなのがおかしい。せいぜい普通の英雄止まりだろう。 男なら自分に惚れてくれた女はものにして跪かせて最高の喜びを与えてこそだ。 
逃げ切ったなんて恥が称えられている方がおかしい」

「ランスお前だって、一応はアドル様の子孫だろう。直系かどうかはわからないが少なくとも兄弟とかくらいに近い系譜ではあるはず」

 アドルの悪口を言われると横島はなぜか昔から腹が立った。自分がここまで怒るのはおかしいという自覚があるからどうにか隠していた。しかし、ランスが相手だとなぜか腹が立たない。
ランスは女の想いに答えなかったことに腹を立て軽蔑しているものの、冒険者としてのアドルに対しては隠れファンであることを知っているからかもしれない。


「おお。生物は進化する。子孫である俺様はこの野郎なんぞとは比べ物にならないところを見せてやる。 女たちに最高の幸せを首輪と一緒に与えてやる」

 横島はやめとけと、忠告したくなったがその言葉を飲み込んだ。そういうことを言うとランスは不思議な程長く自分に絡んでくる。そしてそれに対してなぜか付き合ってやりたくなる。

 不意にランスが真面目な顔になった。今までも嘘をついているわけではないが、これは本気の忠告だと思った。ランスのこういう時の忠告は従えるかは別として真面目に聞くべきだと経験が告げている。

「横島、お前ヴァレンティーヌ公爵に招待されたらしいな」

「ああ」

「一応身内を何回か助けてもらった借りがあるから教えてやるが、可能なら今すぐ逃げとけ。 あの女はやばい。少なくとも詫びがお題目なら無礼にならない様に退去しても問題ないだろ。 お前の大好きなヘタレアドルの日記にもあの女は出てるだろう」

「すまん。その巻は読んでない」

「アドル好きな癖に読んでないとかどういうことだ! 詳しいくせにエセファンか」

 ランスは忠告に余分な説明も必要になったことと、横島というアドルの日誌のことを語り合える相手が知らないことが合わさり不機嫌になった。ランスのアドルを貶しまくりつつそれでも認めている所もある
、めんどくさい語りに付き合えるのはスバルと横島しかいない。信仰と加護が絶大なアドル神の悪口など畏れ多いと思うものが大半だ。スバルはそういう経験でもあるかのように上手くランスを捌くし、
横島は不思議と友人の反抗期の息子に接するような態度でランスに上手く付き合っていた。 不機嫌になったランスに横島は言葉を返す

「いや、高島がアドル様に同行している話はあんま好きじゃないんや。なんか多少ワイと似ているせいか気恥しくなってくる」

「まあ。確かにあの陰陽師お前に似ているよな。 だが読め。へまをした高島をフォローしたり、逆に助けられたりするアドルの姿は面白いぞ。 それに高島の奴は女に袖にされたり、あるいはやばい女に好かれたりするが
、逃げようとしないだけあのヘタレよりは好感が持てる。あっさり気概を失って女に絞られるようになったのはいただけんがな」

 意外と小市民めいたところもあるランスが神様を罵倒したり貶すのはアドル神だけだ。FFF団などを相手取る際に縁起を担ぐ彼にしては珍しい。悪口を言われた程度で被害者の男を逃がす加護をケチったり祟ったりしない。
そういう部分ではランスもアドル神を信じている様だ。 男を逃がす戦いで運が悪くてもアドル神のせいだという類の愚痴は一度も言ったことがない。

 若干楽しそうな口調から、ランスの顔色が途中で変わった。ここから先の話は重要なことだと横島には分かった。

「アドル日誌の中で、あまり多くはないパターンのあのヘタレに惚れるヒロインが一人も出てきてねぇ。魔女のとりなしの手伝いという日誌にヴァレンティーヌ大公爵は出てくる」

 ランスの言葉を横島は頷きながら聞いた。ランスは真面目な様子で言葉を続ける。

「あの朴念仁は自分の冒険好きを病気と評したが、実にその通りだ。かわいこちゃんを他の男が口説くのを手伝う、冒険でも活き活きしていやがる。いや、女との距離の取り方とか考えなくていい分、普段の冒険より活き活きしてやがったな。
 創造主に捨てられた魔女であるヴァレンティーヌ公爵、その時は追放されているからただのヴァレンティーヌか、それで彼女の状態を高島が見かねて、かつてその創造主のひざ元でも手柄を使ってとりなした。
その際にその元公爵の出した許しの条件の為に、高島とアドルが多くの人間を救う闘いに挑んだ」


「アドルは友情にも熱いからな」

 横島の言葉をランスは好きな作品の嫌いな部分を賞賛されたファンの様な不機嫌な声で切り捨てた。

「あいつは頭がおかしい。俺様の先祖だからこそ俺様程ではなくても魅力ある男なのに、寝取れる機会に女を寝取らないとか、カワイコちゃんはモノにして最高の幸せを与えてこそだろうが」

「女権国家で女性を寝取ろうとするなんて、自殺行為やぞ」

「まあ、今の所はそうだろうな。時期に逆転してやるがな」

 ランスの言葉を聞きながら横島はそれは多分叶わないだろうと思った。だがランスは男性解放運動の副長の役目を立派に果たしている。女権国家の女性を奴隷にするという望みは自分の様な最高の男が叶えるべきことであり、
他の奴らは身の丈に合った野望を持てとあちらこちらに逃がすことで、女権国家の女性を狙う他国の男の権力者やそこまで黒くない傭兵団や冒険者とパイプを作っている。そして他国から男性解放運動に使えそうな人材を大量にスカウトしたりもしている。

 女権国家の女性の怖さを知らずに立ち向かう勇敢というより、無知が生む蛮勇持ちの他国の男性たちにも危機感を持たせた上で壊滅させない辺りかなり優秀だと思う。 これは横島の予想だが、他国の冒険者や女権国家の敵対国に味方する傭兵団と組んで、
女権国家の女性達を捕え男性優位のハーレムを作ろうとしているのではないだろうか。成功はしないだろうが、よく考えられた策だとは思う。

 そこまで考えて、横島はランスの表情を見直した。何度も敗北しつつ、致命的な負けだけは避け再起の目を残し続けるこの男は、致命的な失策を避ける勘が鋭い。その彼の忠告だ。重く受け止めるべきだろう。



「俺はアドルの日誌でヴァレンティーヌ公爵が勘当を解かれて手伝ったアドルに礼の挨拶に来た。所を読んだ。 その章にはこう書いてあった。最もアドルがその時一緒にいた公人の書いた記録を許可もらって転載した感じだったがな。 
全く男なら美女の事は自分の言葉で記せってんだ。 少し話がずれたがこんな感じの文章だ。『彼の公爵は夫となった高島を伴わず、単身でアドル氏の元に礼を言いに来た。男を惹きつける娼婦の魅力、しかも口にしたら二度とそれを手放すことができない、
甘い菓子を思わせる気配に身を包みながら、完璧な貴族の礼を取った後に口を開いた』

『我が夫となった高島はもはやそなたの冒険には同行できぬ身と相成った。魔女としての全力の愛を注いだら彼は快楽によって壊れてしまった。もはや妾を護る為にしかかつての気概や力はふるえまい』」

 ランスの思い出しての引用を聞くと横島の体がゾクゾクとし始めた。エヴァに血を吸われたり、魔女たちに調教された後の禁断症状を思わせる。努めてそれを隠しながらランスの言葉の続きをまった。ランスはさらに言葉を続ける。

「アドルはその後ヴァレンティーヌに招待されて、高島がやばけりゃ、助けようとした。だが、彼女が明らかに本気で改心しており彼女が統治する領地の民たちの笑顔と高島との直接の対面を経て、次の冒険の度に出た。
 だがアドルの野郎は気づかなかったんだろうが、いや気づいた上でヴァレンティーヌ公爵の高島への愛が本物だから許したのかもしれん。だが、あれは表向きは従順でも、男を快楽でへし折り完全に中毒にして、夫に対して権威だけを与えた家庭だ」

 ランスの言葉を聞き、任務の前にその冒険日誌を読んでおくべきだったかもと、後悔の念が出てきた。だが、その日誌に出てくるヴァレンティーヌ公爵と彼女が同一人物という保証はない。ミクも読んでおけと言う様な事は言わなかった。
今は万一のことを考えなかった後悔より、ランスの忠告に全力で耳を傾けるべきだろう。横島の視線に気づいたのか言葉を続ける。

「あのヴァレンティーヌは明らかに、あの日誌に出てくるヴァレンティーヌの同類だ。お前は人でない者に好かれやすい。万が一好かれたらもう帰れねぇぞ。 取り返しがつかないレベルで変えられてしまうかもな」

 そこまで言われて横島もランスの言わんとしたことが分かった。ヴァレンティーヌは建前上は何百年も前から生きている魔女。代々養子なのか、秘密裏に婿取りして代替わりしているのか分からない。
普通の人間の様に生殖行為をしていた場合霊自分がその候補になる可能性もゼロではない。何しろ自分は霊力が高い上に、魔女たちにも大分気に入られていた。
今回の件は建前も本気だが、自分を見てみようという気もあるのかもしれない。エヴァから聞いた話を思い返してみれば、ヴァレンティーヌは普通の人間とは違う歳の取り方をしているためいつが婿取り、あるいは子をなす時期なのか予想ができない。


314 :名無しさん@狐板:2021/12/29(水) 22:43:46 ID:06ecV9yD

 仮に相手をした男性をどうするのか最悪消している可能性もある。そこまで考えると横島はランスに礼を言った。

「忠告感謝するわ。一応エヴァ達にもここに来ることは言ってあるし、メタリカが俺の後ろにはついているから。大丈夫だとは思うが危険ではあるな」

 メタリカは魔女としてだけとはいえ、ヴァレンティーヌより上の立場だ。その彼女に貸がある自分を害する程バカではないだろう。 今回の場合は横島に対してメタリカが入れあげていることが伝わっていない方が話は簡単だ。
さほど価値のない横島を害したり人質に取ろうとする可能性はほとんどない。徳と慈悲の公正さの公爵の名を手放す様な事は多分しないだろう。逆に知っていた場合は、メタリカへの人質などに使われる恐れもある。 
表向きはメタリカに恩があり敬意をもって仕えているようだが、それも巧妙に隠した姿に過ぎない可能性もある。

 エヴァ達に自分がどこに行くのか教えてきたことが彼にとっては一番の命綱と言えた。何より、王国と女権国家の不利な政争。大鳳やジャギと自分が奮闘し良識派かつ新王国派の女権国家の勢力の抱き込みで盛り返してきたのをここで壊すわけにはいかない。

 ランスはまだ何か言いたげだったが、黙った。横島が決意を固めた以上、自分には何か言う権限はないと思ったのだろう。 女権国家に生まれていなければもっと唯我独尊の人格になっていたのかもしれないが、今の彼は綿密さや忍耐。所属組織の守るべき礼などもわきまえている。

「お前への借りはまだ返し終わってないから、万一がヴァレンテイーヌがやばそうだったら、アドル神殿に逃げてこい。明後日までなら俺もいる。無理かもしれんがな」

「ああ。そうするわ。 ランスお前も泊まるのか」

「ああ。 せっかくの男性優位同人誌もこういう場所でしか大っぴらに読めないとか本当に腐っとるわ。俺様はFFF団の女どもなんぞ怖くないが部下共が泣きついてくるから、アドル神殿の泊部屋に隠しとる」

「あとでワイにも見せて。 アドル本限定で」

 ランスは女性を奴隷にする様なエロ同人が好きなのにアドルの本に関しては鬼畜物は買わず純愛物しか買わない。 ランスが言うには“あのヘタレはこんなんじゃねえ”と言っていた。あとアドル以外の男が冒険日誌のヒロインを犯す様な話アドルが間に合わなかったもしも系も買わなかった。
“あの恋愛以外には敏腕冒険者のフェミニストが女の不幸のかかった戦いで負けたり間に合わないなんぞありえん”と言っていた。

 こういう言動を見ているとランスのアドルに対する複雑な感情が良くわかる。 実は横島もアドル神殿に部屋を取り、純愛だけど若干の鬼畜化したアドル同人誌を隠していたりする。女権国家の男性は抑圧されているためかこういう本は王国で見られない程力を入れている。

 横島もそういうエロ本を凄く買いあさり、○○様は俺の嫁だとかよく言ったものだった。今ではとてもではないが自分を好いてくれる女性達が怖くて口にできないが。たまに男性優位ものの世界に転生したいとか思うこともある当たり、自分も王国男子なのだと思う。

 ランスが部屋に戻った後、横島はアドルの像に深く頭を下げて祈ると、ヴァレンティーヌ公爵の元へ向かった。

 ヴァレンティーヌの公爵の居城は、静謐な神殿通りからも入れるし。歓楽街からも入れるようになっている。歓楽街の方から入れる方が裏門らしいが、どちらも豪華で守りに優れた作りだ。横島は正式な客人として呼ばれていたことと、アドル神殿の空気に近い気配を感じていたいと思いから神殿街の方から進んだ。

 神殿外か訪れた横島を取り次の魔女は洗練された礼儀作法を取りながら迎え入れた。かつて横島を自分の弟子の奴隷とすべく篭絡しようとした魔女だ。それが分かると背筋が寒くなった。恐れではなく、快感への期待であることがわかりそれがもう引き返せないという恐怖を生む。
 彼の恐怖をよそに黒く長い髪をした彼女は朗らかに微笑みながら横島に声をかけてきた。

「横島様、本日は私達の悪行の清算に動いてくれる我が主君の招きに応じてくださり、誠にありがとうございます」

「ああ。確か貴方は」

「まだ名乗れるほどの者ではないないのでいずれ。しかし、横島様、一度私達の使い魔に帰る為の魔術を味わった身としては、私の対応は物足りないかもしれませんが、本日はお詫びですからご容赦を」

 そういうと彼女は距離を詰めて横島の目を見つめながら言葉の続ける。

「それに、私のこの対応に満足できないのなら、リスクなしであの夜と同じことをしても良いですよ」

 魔女の声音が一瞬だけ自分を快楽の海に沈め屈服させた夜と同じに変わり、恐怖を覚え分身が僅かに反応した。さらに踏み込んで来ようとする彼女に横島は頷きたがる自分の欲望をどうにか抑えて声を絞り出した。

「俺を好いてくれている女性達が怖いし、戻れなくなるかもしれんからやめとくわ」

「そうですか。貴方の精気に含まれる霊力は質が良いから残念です。公爵様と誼を通じたら機会があるかもしれませんから。良い形で今日の会談が終わることを願っています」

 どっちにとって良い形なんだと、内心で思いながら横島は進んだ。完璧な礼儀の裏に見え隠れする、快楽に屈して誇りを差し出すと確信し尽くした目が怒りではなく欲情が刺激されてしまうことにどうしようもないふがいなさを覚えながら、公爵の部屋に向かった。


 奥に通されると豪華さよりも清潔さが目立つ面会室に通された。相手によって面会場所を変える場合も貴族にはあるらしいが、ここは公にも使われるが私的な用事にも使われる類の部屋だ。そしてそういう部屋の中では最高に豪華な部屋だと思われる。
 ヴァレンティーヌ公爵として横島の身に起きた事件は女権国家ではギリギリ私的なトラブルと取れる範囲だから、余程重要なこと以外では公の使者を迎えても無礼ではない部屋を選んだのだろう。 この対応は横島としてもありがたかった。

『ここの部屋は国家の公職人ではなく、独立した諸侯として許されることを決める際の使者も迎える部屋だったはず。ここに通された時点で、ヴァレンティーヌ公爵の領内の捕虜に対する扱いに関してはかなり踏み込んだ要求を出しても無体とは言われないだろう。 これなら、ミクさんの頼み事も首尾よく終わるかもしれん』

 そう考えながら、横島が部屋に入るとヴァレンティーヌ公爵の姿が見えない。変わりに貴族の衣装に身を包んだ金髪のやや長めの髪をたなびかせた美女が控えていた。彼女は横島が来ると優雅に一礼をした。

「横島様。申し訳ありません、公爵様に火急の用事が入りこの部屋では出迎えられなくなってしまいました」

「ああ。別に構いませんよ」

これも対面が大切な貴族としてはきちんと詫びないとまずいはず。後の事を考えれば、むしろプラスだ。

 仕事が上手くいきそうになり、気分が上向きになったところで、彼女が少しだけ不満そうに声を上げた。

「横島様、一応これが初対面ではないのですがお気づきになられませんか?」

 彼女の礼を失さぬうえで嗜虐心を僅かに込めた声でようやく彼女も横島を犯した魔女の一人だと気づけた。 話していて、彼女も自分を犯した魔女だったことに気が付いた。貴族としての衣装に身を包んでおり、印象が変わりすぎたために印象が変わりすぎて気づくのが遅れた。
驚いた横島の顔を見て彼女は数舜前とは逆に少しだけ嬉しそうに横島に声をかける。

「衣装だけではなく、此度は魔女ではなく貴族としてあっているからそれだけ私の印象が変わっている、ということでしょう。 貴男の察しの悪さを怒るより、自分の切り替え能力の高さを誇るべきでしたね」

「ああ」

 横島は名も知らぬこの魔女も含めて、ヴァレンティーヌの派閥の魔女たちは程度の差はあれ、善人寄りの気質をしているとエヴァが評価していたのを思い出した。彼女達にされたことを思い出し、分身が固くなった横島を眺め、彼女は少しだけ意地悪そうな笑みを浮かべながら言う。

「貴方がこうなったのは私の落ち度ですから、口にすることすらおこがましいのですが、さような状態では公爵様と面会はさせられません」

 そういうと、横島の下半身を見て固くなった分身を服の上から撫でつける。

「少し鎮めさせてもらいましょう」

 そういうと魔法の光の様なものが横島を拘束し、動きを封じた。横島は混乱の極にあった。彼女はここまで強くはない。以前敗北して犯された時は他の怪異との戦いで消耗しきっていたからであって、万全な体制なら自分が負けることはあり得なかった。この僅かな期間で爆発的に強くなったのだろうか?


315 :名無しさん@狐板:2021/12/29(水) 22:45:55 ID:06ecV9yD

「ここは公爵様に与えられた私の仕事場ですから。普段の私はここまで強くはありませんよ。あの時ですら、貴方を犯した時ですら弱り切ってなければ負けていたかもしれない程度です」

 横島の疑問に答えるように彼女は言うと、そのまま服をはぎ取り彼の分身を口に含んだ。侮り切った目で見上げられて逆に興奮していることに気づきながら、彼女の目が嘲笑の色を帯びた後、横島は10秒もたたずに絶頂を迎えさせられた。
 一度の射精で信じられない程霊力が奪われてしまい、さらには脳を揺さぶられ尽くしたような感覚が起きた。二つの事態で体の動きが鈍くなった彼を見ながら彼女は言う。

「まだ硬いままですね。もう三回くらいでしょうか」

「ちょっと待って」

 言い終わる前に舌が動き始めると射精したばかりの所を容赦なく責められた。すい尽くす様な動きで一度射精後、次は舌が分身の奥まで入ってきた。最後は綺麗にするようになめられていくうちに自然に出た。 
精液ではなくジュースでも飲んだ様に喉を動かして飲み干した彼女は見下す感情を込めた目で彼を見上げている。その視線と仕事だから事務的にしている感じに昂らされかつて受けた。
凌辱の快感と背徳感を思い出し一気に力が抜けて立てなくなった彼を立ち上がった彼女が逆に見下ろしながら言った。

「霊力を大量に頂いてしまって申し訳ありません。 これは公爵様からのお叱りは免れませんね。 最も後悔はしていませんけど。それでは公爵様の元へ案内いたします」

「あ、ああ」

 服を着こみながら横島は朦朧としかけた意識を奮い立たせて彼女の後に続いた。今回の任務は交渉であり失敗しても余程無礼を働かなければ無事に戻ってこられる。逆に横島を無事に返さなければ、公爵の方が危ないのだ。部屋を出ると、
目の前の魔女が弱体化したことに彼は気づいた。正確に言えばあの部屋にいた時は横島より強くなっていたことを悟らせないことさえできるほどに強くなっていたようだ。今の彼女は横島から吸い取った霊力で大きく強化されている。逆に自分はその分弱くなっている。
万一彼女がその気になれば自分をあっさりと殺害できるだろう。

 不安がる横島に彼女は笑みを浮かべると案内し始めた。 赤く鮮やかでありながらどこか男性を惹きつける毒々しさを感じさせられる赤で染められた場内を歩みながら、横島は本当に嫌な予感がした。かの公爵はアドル神殿と対をなす女神の神殿の管理者でもある。
その神殿は男性の生きがいよりも魅力的な女性となり、恋を成就させる女神たちの神殿らしい。女権国家でそうとなると嫌な予感しかしない。 

 僅かに芽生えた彼の怯えを打ち破ったのは、大故郷の女権国家の捕虜となった男性の帰りを待っている家族たちの様子とそれに心を痛める大鳳やユウキの様子だった。ここで自分がヴァレンティーヌ公爵と話をつければ、多くのそういう家族が救われる。そして危険な仕事からの足抜けもより早く出来るだろう。
 
ここで(少なくとも表向きは)良識のある相手に交渉で勝てば今後良識すらない恐ろしい相手との戦いの危険も一気に減る。横島の覚悟が決まると、それに申し合わせたかのようにヴァレンティーヌ公爵の待つ部屋に到着した。
目の前の魔女が戸を叩くと、それに応じるように戸が開いた。

 部屋に入り横島は大きな眩暈を覚えた。その部屋は10人くらいなら余裕で入れそうなベッドで大半を占められた寝室だ。そのベッドの中心に腰かけているのは片眼を眼帯で隠し赤くやや黒みを帯びた鮮やかな色をした髪をたなびかせた美女だ。
娼婦特有の色気と貴族らしい気品が両立しているだけではない。そこにさらに魔女の持つ男性を惹きつける魔性めいたものも持っている。 髪と同じ色のけだるそうな瞳が横島を捕えている。
彼女が立ち上がるとモデルを思わせる長身に横島は少し気圧された。 高級娼婦と貴族を両立させた様な衣服がより彼女の魅力を引き立てており、エヴァやリグルや魔女たちに閨で弄ばれた記憶がより彼女の体への興味を強める。
魔性の者たちに味合わされた快楽は免疫などを与えてはくれない。むしろ知ってしまったが故に余計に惹きつけられてしまう。

 彼女が典雅に一礼すると赤い髪から花の蜜を思わせる甘い香りが彼の鼻孔をくすぐった。そして胸元を強調して見えやすくしているドレスの胸が大いに揺れた。それが済むと、彼女は再び腰を下ろし口上を述べた。

「横島殿、この度は部下であり弟子でもある魔女たちの不始末を詫びる場に、訪れてくれて感謝する。お初御目にかかる妾は花の大公爵 ヴァレンティーヌ・ジェラートじゃ」

 公爵として目上の立場を崩さずそれでいて誠意は伝わる語り掛けかたから彼女の貴族としての場馴れ具合が分かる。女権国家の女性はいつまでも若く美しいが、彼女は明らかに人外であり短くても百年以上は公爵をやっているのではないか、と横島は思った。

「ヴァレンティーヌ公爵様。それで此度は詫びとして誠意を見せてくれると言っていたので、いくつか頼みたいことが」

「かまわぬぞ。捕虜たちの返却とその際の安全の保障の為に便宜を図ってほしいのじゃな。ヴァレンティーヌ公爵の名によって、約定を違えぬことを誓おう」

 あっさりと要求が通ったことよりも内容を彼女が内容を知っていたことに横島は驚いた。読心術を使われてしまったのだろうか?

「それと王国に対して本国が戦勝国だからと無体な要求を出し過ぎる様なら、その都度抗議文も出すようにしようぞ」

 次いで出た言葉は通せない可能性が高いができればやってほしい、とミクに言われていたことだ。 動揺する横島をよそに彼女は公文書を持ってこさせると横島に見せた。そこにはミクに通すように言われた条件一覧が書いてある。
彼女はそれに従う旨を書いた署名をすると、判を押し使者を呼ぶと持たせた。この書類に書いた以上もはや約束を違えることは不可能だ。

 あまりにも要求があっさりと通り、やるべきことが失われ頭が真っ白になった横島を見ると彼女は言葉を続ける。

「心を読まれた様で不思議か。それとも妾の気前が良すぎて不安かえ? 我が部下の行儀の悪さの詫びじゃ」

 最後の言葉は若干咎める様な目で横島の隣にいる魔女を見ながら紡がれた。ジェラートが自分の要求を全て知っていた理由もそれで理解できた。最初の口淫で脳が揺さぶられ尽くしたような快感が起きた時に頭の中身を覗き見られていたのだろう。

「ヴァレンティーヌ大公爵様。全ての要求を通してくださりありがとうございます。 あなたの弟子である魔女にされた無礼前回のものも含めて、全て水に流すことここに約束します。 
わが上司初音ミクにも裏がなかったことこれからは味方に近い立ち位置になったことをよく伝えておきます」

「そうかえ」

 ジェラートの今の返答は明らかに寂しさに溢れた声だった。それも一瞬でまた元の大公爵らしい威厳と気品に満ちた声に戻る。

「横島殿、寛大な対応に感謝する。我が領はいつでも客人をもてなす用意はできているゆえ、望むなら妾の詫びであるもてなしを受けて言ってたもれ」

 ここで帰るべきだと横島の直感は告げていたが、明らかに本心からとしか思えない寂しそうな声が、彼に帰ることをためらわせた。女性と付き合い洞察力も上がった彼からすると自分の礼儀正しすぎる口調が彼女のそういう感情を引き起こしたのだという確信がある。
なぜそうなったのかはわからない。自分は子供の頃に人外と多くかかわっていたから彼女と昔親しくしていたのかもしれないし、もしかしたら前世関係かもしれない。


 本気で女性を落ち込ませてしまった以上放置して帰ることは彼の気質から不可能だった。

「分かりましたもてなしを受けたいと思います。大公爵殿」

 普段はあり得ないことだが、横島をもてなす際に公爵は自ら相席するような形を取った。これは私的な詫びでもあると明言していたからこそ通ったことではないだろうか。 ジェラートと共に取った食事が体力を回復してくれるのを感じながら、横島は少し悩むと声をかけた。

「大公爵様、恐れながら個人的な質問があります。もし無礼であったら平にお許しを」

 珍しく礼儀を重んずる横島の声に彼女は先に答えを返してきた。

「先ほどの妾の落ち込み具合が原因か、気を使わせてしまったようじゃな。事情を話そう。自分に非がないことがわからなければそなたも良い気分で帰れまい」

 女権国家の女性でありながら深い男性への配慮などもを見るとやはり慈悲と徳の公爵だと、感じてしまい横島の警戒心はもはやほとんど残っていなかった。 丁度食事が終わり、侍女たちが下がった後、彼女は言葉を続ける。

「これは個人的なことであまり他人の耳には入れたくないのじゃ。できれば妾の私室に来てほしい」

 さっきの大きいベッドのある部屋だと思い、横島は大きな不安と僅かな快楽への期待が沸き上がったが、それを押し殺して頷いた。


316 :名無しさん@狐板:2021/12/29(水) 22:47:57 ID:06ecV9yD

 寝室に入るとジェラートは貴族らしい雰囲気は保っていたが、それ以上に迷子になった子供を思わせる様な気配を感じさせた。彼女は少し悩むと言葉を口に出した。

「先ほども申したようにそなたには非は一切ない。 ただそなたが原因ではある」

「ひょっとしたら俺が礼儀正しい口調でしゃべったからですか」

「うむ。 エヴァンジェリンと付き合っているのなら驚きはしないと思うが、妾はアドルの時代から生きていたヴァレンティーヌ公爵本人じゃ」

 その言葉に横島はやはり、と思った。彼女の絶大なる魔力を見れば、彼女に匹敵するものはエヴァやメタリカしかいないと彼は思った。 
それだけの力を持つ以上はミクの様な一部の規格外を除けば、人外の方が自然と言える。 納得済みになった横島に彼女は言葉を続ける。


「そなたの前世は高島、アドルの冒険日誌に出てくるあの陰陽師じゃ。かつて妾が愚行を働き創造主から捨てられた際に妾を救い創造主に善行を積むことでとりなしてくれた男の生まれ変わりなのでな。夫の生まれ変わりにああいう口調で話しかけられて寂しくなった」

 隠そうとしてはいるが声が弱弱しくなった彼女を見て、横島は自分にできることはないかと悩んだ。今の自分は高島ではない。人外からすれば魂が一緒なら同一人物らしいが、今生で関係を持った女性達に不義理はできない。

「俺にできることは何かないですか」

 何でもしますと言えない自分を情けないと思いつつ、声を出すとジェラートは少し考えて答えた。

「そうじゃな一夜で良いから、前世と同じように妾とちぎってはくれぬか」

 半分冗談の様な口調だが本心ではそれを望んでいることが分かった。彼は首を横に振った。

「それは無理です。今生で縁を結んだ女性が何人かいるから不義理はできません」

 それを聞くとジェラートが喜色に溢れた顔に変わった。それを見て怪訝に思いながらも、落ち込んだ状態でなくなりほっとした彼に彼女が弾むような様子で声をかけてくる。

「今生の恋人たちの許可さえあれば良いのじゃな? 前世と同じ様に妾と愛の営みをしてくれるのじゃな?」

「あ、ああ。だが力づくや脅しはだめだぞ」

「分かっておるそんなことはせん。魔女との約束じゃからな」

 嬉しそうな彼女を見ながら横島は無理だろうと思った。ハーレムができるまでの間それなりの修羅場があった。彼女達が今出てきたばかりの女性に対して許可を出すとは思えない。

「それでは一刻程待っておれ」

 ジェラートは花の様な笑みを浮かべると花びらとなって消え去った。 横島は嫌な予感を覚えつつ、大きすぎるベッドに腰かけながら時間をまった。半国程時間が過ぎたころ不意に再び花びらが室内に舞い始める。
そしてその吹雪が終わると満面の笑みを浮かべたジェラートが現れた。彼女は片腕に手紙らしきものの束を束ねて横島に渡してくる。

 その中身を見て横島は驚愕した。間違いなく恋人たちが書いた許可の手紙だった為だ。

「いったいどうやって」

「長いこと貴族をやっておれば根回しや交渉はお手の物よ。それに妾に対して情が移っておったメタリカ殿がいたことも大きかったゆえな」

 ここまでは無邪気な子供を思わせる笑みで話、次の瞬間貴族と魔女の恐ろしさと美しさを併せ持った顔に転じた。

「旦那様、よもや約束は違えまいな」

 首を縦に振る横島をよそに彼女が杖を振ると、服が花びらとなって消え去りその下から長身の女性はかくあるべしという。淫猥な美しい娼婦をモデルにした絵画の女性の様な体が現れる。それを見て横島は抵抗する意識が一気に削り取られていく感じがした。
彼女達が崇める妖精女王の一人メイヴも力づくで相手を襲いつつ、その美貌で抵抗の意思を削いでいくらしい。 彼女は横島に口づけすると明らかに一瞬で達させることもできるにも関わらず、敢えて離れた。
 口づけの際に脱力系の魔術をかけられ動けなくなる横島から離れると彼女は何らかの魔術を行使した。

 その瞬間にユウキとメタリカとアリスの姿が現れる。

 横島はメタリカの姿を見て嫌な予感が一気に強くなった。他の女性達も危ないが、彼女はジェラートの上司の上に、ある意味木の精霊といる存在だ。『花の』魔女であるジェラートと凄く相性が良いのではないだろうか。怯える横島の様子を楽しむようにジェラートは言葉を紡いだ。

「旦那様の今生の恋人と我が上司よ、よう来てくれた。全員という訳にはいかなかったか」

 ジェラートの声にユウキが笑いながら答える。

「大丈夫だよ。今日これなかった娘達もジェラート様に含むところがあるわけじゃないから。みんなして色々と参考になるから、今夜の様子を映像とかで記録しておいてって言ってたよ」

 そこまで言うとユウキは横島の分身を見て意地悪そうに笑う。

「ねえ、横島、他の娘達も見られちゃうって、聞いて余計に固くなったみたいだけど、恥ずかしい性交をみんなに見られるのが好きなの? そこまで変態なの」

 足で優しく踏んだのち同じように優しく乳房で挟んだ後、達する直前に離れてユウキは笑う。 ジェラートは嘲笑の目を彼に向けながら明らかに本心からではない弁護の言葉を口にする。

「よさぬかユウキ。まだ旦那様が王国男子にあるまじき被虐主義者の変態だと決まったわけではない。これからそれを調べてみようではないか。今から旦那様の前世の記憶の一部を呼び覚ます。 そして妾と性交すればあれと同じ目に合うと分かっていてなお妾といたそうとするなら、そうかもしれぬな」

 ジェラートがそういうと前世で受けた数々の激しすぎる快感と誇りが死ぬ恥辱の性行為が思い出された。そしてそうされると分かっていても、ジェラートが裸体を見せると体が勝手に動き始める。

 それを見てアリスが淑女らしい様子で侮蔑の言葉を口にした。

「惚れた男ながら本当に度し難い変態だわ。あんな目にあわされると分かって、逆に喜んでいくなんて」

 ジェラートと繋がった瞬間体中に快感が走りアリスと似たようなどこまで甘やかし脱力させる快感が前身を貫いた。ジェラートと対面座位で繋がった瞬間、身長差から丁度乳房に顔を埋める形となりその大きな胸に快感を覚えながら、横島は恐怖も覚えた。
自分の人外の恋人達とするたびに快感で削られていく何かが再び大きく削られていく。射精が起きた時それはとてつもなく大きいだろうという予感がする。


 優しい快感で一気に射精した後、横島は一気に立てなくなった。完全に精も根も尽き果ててしまった。

「たった一度でここまでとは。早漏は回復が早いらしいが、射精した後に立つこともできない程とは、取り柄がまるでない。ここまで来ると哀れじゃな」

 そういうとジェラートは横島の口に足を突っ込んで来た。ジェラートの足は極上のチョコレートを思わせるほどの甘さをしておりそれをなめると削り切られた生命力が回復してきて、それが股間に流れ込んでくる。 これはやはり彼女がチョコレートに関する名前を与えられた魔女ゆえなのだろうか?

「確かに妾の体にはそういう力もあるが回復が早すぎるの。 靴や足の裏をなめるのは隷属の儀式でもあったらしいがそれに興奮しておるのか? 前世の旦那様もそうであったがやはりダメすぎる変態部分も変わらぬのじゃな」

 そういうとジェラートは不意に横島の口から足を離した。消耗し尽くした体力の回復とあの足の甘さを味わいたくて僅かに動く首を足が近くに来るたびに動かし、その無様な姿をメタリカとユウキが笑う。

「キヒヒ、情けない姿を笑われて逆に興奮するとはそんな男に惚れた私が言うのもなんだが、本当に無様な変態だなお前は」

 メタリカはそういうとジェラートに目配せをすると動けない横島に跨った。そしてその瞬間ジェラートの足が再び横島の口に突っ込まれた。その瞬間前以上の甘さが口に広がり、一気に射精させられた分の体力が回復したのを感じた。
あまりにも凄まじい甘さとメタリカと繋がっている部分から送られる快感が一気に自分の中の大切なものを削り取っていく。



317 :名無しさん@狐板:2021/12/29(水) 22:48:55 ID:06ecV9yD
 ジェラートの体から感じられる甘さは自分の射精度に削られるものを補充してくれているがその甘さが蝕んでくる感覚が恐怖を誘う。そして体力的なものは戻ってきているが。メタリカとの性交で脳が砕ける様な快感の度に削られる、精神的なものは戻ってこない。

 不意にジェラートがアリスに向けて声をかけた。

「アリス殿、旦那様に今の自分のお姿を見せてたもれ」

「はい。忠夫しっかりと見てね」

 そういうとアリスは横島そっくりの人形を出してこちらを見せた。その瞬間自分の今のジェラートの足をなめ王国男子としては恥ずかしい女性優位の性行為をしている姿が見えてしまい、一気に昂らされた。

 最も無様すぎると自分を軽蔑した瞬間にジェラートの足から送り込まれる最高の菓子を思わせる甘さが一気に強くなり、メタリカも性魔術で全力を出した。止まらない射精の後メタリカは笑いながら言う。

「キヒヒ、お前は絶対にここまで強い快感を送り込まなくても、アリスに自分の惨状を見せられた時点で、大量の射精をしていたな」

 メタリカの指摘に否定できず落ち込みながら、逆に分身が固くなりそれが逆に情けなさを引き立てられて落ち込む彼からメタリカは笑いながら離れた。

 交代するようにジェラートが彼に覆いかぶさり、魔術で彼の体を動かすと再び対面座位の騎乗位で繋がった。分身が甘い最高の高級チョコを思わせる秘部に包まれ、顔の所に来た乳房にしばし顔を埋めさせられた後
、乳首を口に含まされた。鼻でしか息ができなくなり、甘い香りを吸い込む量が一気に多くなり、頭の気怠さが一気に増していく。

「相変わらず、ベッドの中では赤子並みに弱い上に行動も赤子並みになるようじゃな」

 幼い子供やペットを撫でる様な手で横島の頭を撫でながら、時々ツボらしきところを押しその度に射精を起こさせて、彼女は横島の夜の弱さを嘲り笑い、落ち込むたびに母親を思わせる優しさと、幼子扱いするかのような侮蔑を絶妙に混ぜた手使いで撫でて昂らせていく。

 不意にジェラートが魔術を唱えると、横島の魂の奥深くに何かが入ってきた感触が起こりそこから一気に何かを削り取られるように精液が出た。彼女は立ち上がると愛おしそうに僅かに秘部から溢れだしたそれを手で秘部に入れながら言う。

「旦那様。王国男子にとって屈辱的な性交を自国に大損害を与えた敵国の公爵にされている感想はどうじゃ? おや妾の言葉を聞いた途端に再び固くなったな。 本当に立派な愛国者なぁ」

 ジェラートはいつの間にか現れていた椅子に座り、右足を横島の分身に当て、もう片方を口元に当てた。口からは極上のショコラを食べた時の様な甘みが広がり、分身からも甘くくどいショコラを食べた時に似た快感が走る。
 反論したくなる暴言を吐いた直後に分身に触れて激しすぎる快感で喋れなくした後、彼女は敢えて嘲笑めいた眼で見るだけになりながら、足で愛撫をしてくる。無言が時にどんな言葉よりも効果的な罵倒となると心得ている様だ。

 じっくりと甘い感じで攻め尽くされて射精させられた彼にジェラートは笑いながら言う。

「ユウキ、根性では旦那様と一番付き合いの長いそなたに聞くが、妾の与えた快感は強い方ではなかったのではないか。それで射精の量は多いほうかえ?」

 ユウキは横島の額に手をかざすと魔法円の様なものを出現させて、彼の記憶を読み取ると、少し不機嫌そうに答えた。

「ジェラート様はとても上手だからかなり強い快感だったよ。 でも同じくらいの快感を与えられた中ではかなり多い方だね。同じくらいの快感で言うと、僕と合意の上で女権国家的には普通の純愛エッチした時より多いよ。 忠夫本当に君はどこまで言っちゃうのかな?」

 憐れみと蔑みを込めたユウキの目でさらに固くなった分身をジェラートは嗤いながら言葉を紡いだ。

「妾は生まれ変わろうとその人柄は変わらぬと思い、旦那様に罠を仕掛けたが、もう少しずさんな罠でも引っかかっていたかもしれぬな。ここまで王国男子にあるまじき変態であればな」

「わ、罠ってなに、あぎゃ!」

 質問し終える前に足で先端を撫でられ射精し悲鳴を上げた横島にジェラートは優しめの愛撫を加えながら言う。

「先ほどは一刻程まってたもれ、とは言ったが、本当にその時間だけでここまでの準備ができると思うかえ、旦那様」

 旦那様という言葉と丁寧語に込められた侮蔑と嘲笑が甘く彼の耳と脳裏に響き渡り再び分身を固くする。 情けないと思い落ち込む彼を内心までも見下した目で見降ろしながら、彼女は笑みを浮かべて、説明を続けた。

「貴族である妾は根回しは得意技ゆえに、何か月も前からこういう準備をしておいたのじゃ。そして生まれ変わっても魂の形が変わっていない旦那様なら、寂しそうな声を聞かせれば、ああいう反応をすると分かり切っておった。 
あの感情自体は本心じゃ。だが女は感情を隠すことも見せることもコントロールできるタイプのものもおる。 それを見抜けなんだな。そこは相変わらず変わらぬな」

 ジェラートの嘲笑にユウキは笑いながら言う。

「えー、違うんじゃないかな? 忠夫は、結構鋭い所があるから見抜いていたかもしれないよ。 こういうことされたい変態だから勘が鈍くなってたのかもよ。真正の被虐趣味の王国男子の恥さらしだし」

「ち、ちが」

 反論する横島にユウキは口をとがらせて言った。

「だったらなんで僕とした時よりたくさん出たのさ? 恋人と合意の上でするよりああいう、まともな男の子なら恥ずかしがったり嫌がる状態でする方が良いんでしょう?」

 半分は嫉妬、半分は女権国家の影響を受けて単純に楽しんでいる様子だ。ユウキの言葉に恥ずかしさを覚えた直後に、ジェラートが左足を離すとユウキが代わりに足を横島分身に当ててしごき始めると、ジェラートとは異なり厳しい快感が彼を襲う。

「王国女子である僕はこれが男の子にとって、どんなに恥ずかしいか知っているよ。 うん、やっぱりこの言葉に反応して硬くなる以上思った通り救えない変態だ」

 ジェラートの足の甘い味と甘い香りのせいで頭がボーとして悪口を理解できても反論できない横島をユウキは見下ろしながら言う。

「メタリカ様のおかげで病が癒え、インプではなくなった僕だけど今宵は一時的に戻してもらったよ。 メタリカ様だけだとかなり手間だけど、ジェラート様も協力してくれたからね」

 インプ姿のユウキを見て横島に様々なトラウマが蘇った。メタリカがまだ横島に恋愛感情を持ってなかったころ霊力を事務的に吸われ魔女の使い魔と化したユウキは今よりも息の合った連携でメタリカの力を引き出していた。ジェラートの使い魔と化したらどうなってしまうのだろう。

 インプ化したユウキはジェラートの与えてくる快感を引き立たせるような快感が強すぎてやや苦痛となるような責めをしてくる。そしてジェラートが与えてくる麻薬を思わせる甘い快楽をより新鮮な感じにしてくる。彼女に騎乗位で抜かれると吸い取られ切った脱力感で一気に動けなくなった。

 ジェラートはその姿を見ながら笑う。横島が足に出した精液もいつの間にか消え去っている。僅かに残っていたそれは彼女に吸収されるように吸い込まれていたのが見えた。
そしてより霊力が強くなったのを見て余計に恐怖が募る。

「アリス殿そろそろ次に進むとしようか」

「ええ」

 横島を快感のどん底に沈めるのを心底楽しんだ様子でアリスは笑いながら等身大の横島の人形をジェラートに渡した。

 ジェラートが渡された人形に自分の胸を揉みしだかせると、横島の腕にも全く同じ快感が走った。激しい快感にあえぐ横島にアリスはまたがるとジェラートが人形を犯すのと同時に横島を貪り始めた。
優しい糸を思わせるアリスの攻めとジェラートの甘い攻めが同時に来て体だけではなく脳までも脱力の極と化した彼をしばし弄んだあと、ジェラートが言う。

「少し夜の運動を激しくし過ぎて、小腹が空いたな」

 明らかに本気で言ってない彼女の言葉に嫌な予感を覚えると、途中で東洋の男性器をまねて作られたチョコらしきものが持ってこられた。それは明らかに自分の分身がモデルになっている。ジェラートがそれを一口食べると、アリスが作った自分の人形が愛撫を受けた時と全く同じ快感が走った。
歯を立てられても痛みなどは一切なく、性的快感だけが伝わってくるが、ジェラートに二回なめられただけで、横島は射精した様な錯覚を覚えた。自分の体の分身からは出てこなかったが、代わりに彼女が食するチョコ棒から生クリームが大量に噴出されてジェラートの上半身を白く染めた。


318 :名無しさん@狐板:2021/12/29(水) 22:49:33 ID:06ecV9yD
 あまりにも早く射精した時と同様の情けなさに泣きそうになる彼をバカにしたような目でみながらジェラートは言う。

「旦那様早いのは知っていたが、今回はあんまりじゃぞ。 おかげで妾の体がベトベトではないか」

「いやだって、あまりにもお前が、言えなんでもありません。すいません」

 反論しかけたがジェラートの強い瞳を見て何も言えなくなった。彼女は横島が怯んだのを見て言葉を続ける。

「責任をもって妾の体を綺麗にせぬか。掃除せよ」

 ジェラートに命じられるまま舌を這わすと生クリームは味が良いだけではなく、体力を回復させてくれる成分も入っているらしく全身から力が湧きたってくる。

「遅いぞ旦那様」

 クリームだけをなめる動きをする彼の後頭部をジェラートが押しその勢いでジェラートの体もなめた瞬間、彼女の体の甘さとクリームの甘さが混じりあい彼の脳を完全に快楽でぐずぐずにした。 
それから何があったのかは数十分の記憶が飛びのいている。彼女と最初に繋がった時と同じく対面座位の騎乗位をされて、そしてクリームを舌でなめながら、美味すぎる甘味と強すぎる性的快感で脳と心を犯し尽くされた感覚しか覚えていない。

 ジェラートが満ち足りた表情で離れた後、ジェラートと同じクリームで上半身を汚したメタリカが笑いながら言葉をかけてきた。

「あまり覚えてはいないだろうが、今のお前はこうだったぞ」

 メタリカが杖を振ると、ジェラート相手にされた性行為の数々が出てきて王国男子として恥ずかしい内容ばかりだった。逆にそれを見せつけられて分身が固くなった瞬間メタリカが言った。

「横島、お前が早漏過ぎるせいでな私もこの様だ。自分で被ったんじゃない。あのチョコ棒を食べようとしていたんだ。私も綺麗にしろ」


 強く言われて寝室の中では逆らえなくなった横島は再びメタリカの体を綺麗にし始めると、脳が一気に痺れ始めた。それに伴いなぜか自分の背が低くなっていることに気づく。

「アリス感謝するぞ。相手を子供にする術を伝授してくれて。ジェラートがやった授乳状態の対面騎乗位を私もやってみたかったからな」

 自分が子供になったことに気づいた直後メタリカの乳首を口に押し込まれクリームがもたらす脱力感で完全に動けなくなった後、何度も彼は射精の限りを尽くした。

「子供になっても射精する速度変わらないんだね。夜の強さが全然成長してないや」

 笑いながらユウキも混じり隠していた巨乳で横島の分身を挟み込むと何度も射精させられる。彼女はメタリカと組んだ時は甘い感じで攻めてきて、アリスやジェラートと組んだ時は二人を引き立てる厳しい快感で攻めてきた。魔女の使い魔であるが故の特性だとなんとなく思いながら、
夜が終わるのが名残惜しくなってきた自分に怯えながら彼は激しい快楽に貪られ続ける夜の終わりをまった。

 明らかに一夜明けてもおかしくない程の時間がたったにも関わらず、時間が夜が明けないことに疑問を抱くとジェラートが笑いながら言葉をかけてきた。

「知っての通り妾はサキュアというサキュバスの亜種を従えておる」

 そういうとジェラートは手を振り何体かのサキュアを召喚して見せた。黒い下着を連想させる女体を引き立てる衣装に身を包んだ彼女達は、横島を嘲笑めいた眼で見降ろしながら笑った。それをよそにジェラートは解説を続ける。

「サキュバスと同一視されるドリュアスの逸話は知っておるか? 知らぬか、木の精霊であり誘惑された男がその中で過ごすと一晩立っただけで何十年もたっていることがあると。メタリカは広義な意味で木の精霊だからこそそれと逆の事もできるのじゃ。妾の協力がなければこんなことはできなんだがな」

 そこまで聞いてジェラートは花の魔女でもあることを思い出した。木にも花があるからメタリカとはある意味親和性が高いのだろう。

 サキュアたちは笑いながらジェラートに性的な意味で挑むとジェラートは軽々しく彼女達を圧倒して見せた。女権国家でも百合セックスであそこまであっさりと負けるのは恥ずかしい。彼女達はその無様を見せつけるように嬌声を挙げると解説続ける。

「キャー数人がかりであっさりとジェラート様に負けちゃいましたー! いくら花の魔女が相手でも恥ずかしいですぅ」

 そこまで言うと彼女達は笑いながら言う。

「けれど、そんな女に負けたら貴方はもっと無様ですよねぇ」

 そういうとサキュアの内の一人が横島に覆いかぶさりあっさりと彼を絶頂させた。 代わる代わる横島を押し倒しながら彼女達は嘲笑を続ける

「凄―い。ジェラート様の配下では夜の戦闘力最弱の私達にここまで瞬殺されるとか。最低」

 アリスとユウキとジェラートとメタリカは敢えて言葉を発さずバカにしたような目で笑った。

「余計に固くなってますねこれ」

 サキュアたちに犯され終えて立てなくなった、横島にジェラートが再び覆いかぶさり犯しながら言葉をかけてきた。

「旦那様。いや横島忠夫よ。 今生でも妾を妻の一人としてほしい。そうすれば必ずやそなたの命ある限り同盟者として王国に十全の加勢をしよう。何だったら女権国家から我が領は離反しても良い。嫌だというのなら時間は無限にある故、妾のすばらしさを知ってもらい続けるとしようか」

 甘い言葉によって鼻と口の中だけではなく、耳も犯され完全に意識が沈みつつ彼は朦朧とした意識の中で答えた。

「生き死にを共にしてきた奴らに不義理はできない。 それを守ってくれるなら」

「約束は違えぬ。絶対に不義理はさせぬ」

 横島はジェラートが約束してくれた瞬間、甘すぎる快感に浸し切られるのを辛うじて防いでいた最後の線が切れた音が聞こえた気がした。そして彼の意識は闇に沈んだ。


 月光の下で意識を失った横島を抱きすくめながら、ジェラートは上機嫌な顔で笑っていた。メタリカも同じくらい上機嫌そうに言った。


319 :名無しさん@狐板:2021/12/29(水) 22:51:46 ID:06ecV9yD
「しかし、いささか驚いたぞ。 まさか横島の奴が、お前の旦那の生まれ変わりとはな」

「妾も驚いたわ。以前我が部下たちが犯した男がそうだったとは」

 仮にジェラートがその時から知っていたら、横島を得る方法はもっと完璧な手段となり、今生で縁を結んだ相手も取り込むように動いていただろう。
 ジェラートは嗤いながら百合の花の蜜をリグル配下の蜂たちに集めさせている。ユリの花はリリスの象徴でありそして女性同士の性行為も好むジェラートの守護花でもある。
これから作られた蜂蜜酒を横島に飲ませることで完全に夢の世界の彼まで自分たちのものにする気なのだろう。メイヴという多くの男性騎士を従え支配した女王に習うという意味もある。

 蜂蜜酒の準備をしながらジェラートはイシュタルの像に跪き祈り始めた。その姿はとてつもなく敬虔な信者としか思えない。
「お前がそこまで信仰するとか、その女神は余程のものか?」

 純粋に疑問がるメタリカにジェラートは答えた。

「女権国家では偶にだがイシュタル神とメイヴが混同されることもある。この女神は妾の恩人でな。悪事に走り自業自得で創造主から捨てられた妾を助けようとする高島を守護してくれた。なぜか彼を一目見た時にの罪悪感を覚えたからじゃと言っておった。
詳しくはおしえてくれなんだがな。 それに妾が娼館を経営していたから娼婦の守護者としても動くと言っておったな」

 かの女神が君臨していた土地の娼婦と妾が扱っていた娼婦は内容が異なるのにな、とジェラートは続けた。

「自由恋愛の守り手でもあるかの女神は、アドル神が男性の自由を保障するなら、女性の追いすがる権利を自分は保証しようと言われた。そして男性が自由意思で選ぶような女性になる協力もしようとな」

 それがアドル神殿とイシュタル神殿が隣接している理由だ。アドル神の逃がす加護は本物だが、男が逃げ出さない様に一時的に問題のある女性を捕えて安心させて国内にとどめイシュタル神殿で教育を施し魅力と欺く能力と夜の技術を上昇させ、
昨夜横島が味わったような夜を男性に味合わせて逃げる意志を失わせるのが現代の神殿のシステムだ。そして、訓練で忍耐と欺く術を得た女権国家の女性を他国に流出させて男性を連れ帰らせているのもこのジェラートの仕業でもある。



「性行為を通じて男性に力を与えるイシュタル神の加護と男を支配するリリスの力と強気男を魅力で従えるメイブの力を混ぜた蜂蜜酒を忠夫様に飲ませて完全にものにしてみせようぞ」

 一緒に冒険したり戦いたいタイプのエヴァやユウキ配慮してこういう決断を下したのだろう。ジェラートの禍々しく美しい笑みを見てメタリカは自分も、横島の事を語り昂っている時はこういう顔をしているのかもと思った。


 横島が任務を終えて戻った後、ヴァレンティーヌ公爵の返答はミクですら目を丸くした。女権国家を裏切らない範囲で出来る限りの親王国派閥となる誓約書が送られてきたためだ。これ以降は王国側は敗戦国として不利ではあっても滅亡を防ぐことは大分容易な立場となった。
ミクは横島の前世が高島だったとジェラートから聞かされると、納得し外交に長けた同僚にこの件を丸投げすると言った。

 横島が任務を終えて数日後、女権国家のある街をランスが不機嫌な様子で歩いていた。周りにいる彼の部下たちは、身内ではないが借りのある横島を助けられなかったことで気に病んでいるのだとなんとなく察した。
その彼の目の前に不意にジェラートと横島が視界に入った。ジェラートはまるで少女の様な綺麗な笑みを見せるとランスに礼をしてきた。

「ランス殿以前から我が夫の来世が世話になっておった様じゃな。夫を助けてくれたことに感謝するぞ。それはそうとなぜそんなに不機嫌な顔をしておったのじゃ?」

 ジェラートの様子を見てランスの不機嫌な様子は一気に静まった。

「いやぁ、あんたみたいな良い女を横島みたいな女に折られたヘタレに取られちまったと思ってな」

「そうかえ。まあ、男性でありながらそういう気概を捨てないのは見事思うが、そう思う女性もこの国では多くはない気を付けることじゃ」

「わかっている。夫の友人である俺様の夢の実現にも力を貸してくれや」

「他国でハーレムを作ることを進めるぞ」

 しばらく話した後、ランスは上機嫌で歩き出した。ジェラートの様子を見て女権国家の女性でも惚れた男を得れば善人になるタイプの女性だと理解したためだ。ランスはアドル神殿のアドルの像に向けて、それほど悪意を感じない悪口を言った。

「全然ご利益なかったじゃねぇか? 前世からの知り合いの女だから渡しちまったのか。こんなご利益までヘタレな神じゃああんたを上回る英雄になる日はかなり近そうだ。いつかあんたの像の前で女達に首輪をつけた性交ありの結婚式してやるから、そん時は天罰下しに来いや瞬殺してやるからな」

 アドルの像の前で啖呵を切ったランスの上機嫌さを見て、横島に仮のあった男性解放運動のメンバーは胸をなでおろした。女を見る勘の鋭いランスのこの様子なら横島はそこまで不幸にならないだろう。
 ランスの罵倒の後もアドル神殿は優しい爽やかな風を吹かせ続けた。その柔らかい風はこの神殿の神が古い友人の門出を祝福しているかのようだった。


320 :名無しさん@狐板:2021/12/31(金) 01:31:17 ID:f86l7Xh4
乙でした

321 :名無しさん@狐板:2022/01/04(火) 12:21:27 ID:1hY+WD6D
いいですねぇ!
おつ

322 :名無しさん@狐板:2022/01/04(火) 21:52:41 ID:TpkD/kGh
ランスの強みがほぼ100%封殺される世界観の下で、ランスがランスしてる……!!

323 :311:2022/01/04(火) 23:10:20 ID:k4E6ATLC
これから>>311>>319に投下したSSに使った施設アドル神殿の施設概要を書きます。その前に、
感想と乙をくれた方々にお礼を

>>320
向こうでも言いましたけど重ねて乙感謝です。ありがとうございます。
>>321
ありがとうございます

>>322
そういってもらえて嬉しいです。

324 :名無しさん@狐板:2022/01/04(火) 23:19:37 ID:k4E6ATLC

これは>>311から>>319まで投下したSSに使ったアドル神殿の施設概要です。施設の内容は女権国家の難易度次第で、変わる設定になっており自分のSSでは裏のある方の施設の方で書いていました。

女権国家施設案

【施設】男性の希望の神殿 施設名称→『アドル神殿』
【内容】

 難易度が高すぎた時は救済施設となる予定であり、逆に引くなりすぎた時は難易度を上げる施設となる予定の特殊施設。

女権国家においては数少ない男性の大英雄アドルを祀る神殿。女権国家にも男性でありながら、英雄とみなされる行為をした男性も皆無ではないが少なく、また大英雄となると数えるほどしかない。その中でもかのアドル神は女性達と絶妙に距離を取り、
どんな好感度ドーピング済みの女性達から逃げ切り、束縛されずに逃げ切った実績があり、冒険者や旅人の守り神や剣をもって善行をなすものの守り神という側面の他に、望まぬ結婚から男性を助けてくれる神という側面も持つ。
ただし女性から逃がしてくれる加護については女権国家において絶対ではない為、全土には広まっていない。
それでも女性達から逃げ切って幾つもの偉業を成し遂げた、逸話から尊敬や信仰は高くその冒険日誌は女権国家の男性たちから『男でもやれるんだ』という希望を与えている。
かの神を信仰するものは死後に結婚したくなるまで、ずっとアドルと共に好きな仕事を続けられる終わりなき冒険都市に行けると信じられている。

難易度が高くなり過ぎた際の裏無し善良神殿の場合。

ここに善行を積んでいる状態で礼拝すると女性達からの逃亡などに幸運が舞い込みやすくなる。また横島やオカルト系の能力を持つ仲間と共に来るとアドルの女性から逃げ切った時の絵などが描いてある護符を購入できる。
その護符を使うと、アドルの奇跡が起こる。例えば馬がいないはずの場所に馬が運良くいて乗って逃げられる。男性を逆レしてくる悪霊などに効果絶大な護符となる他、様々な効果がある。
オカルト系の女性からの誘惑の呪いは余程のもの以外はシャットダウンしてくれたりもする。
男性を匿うと神殿が破壊される恐れがある為日数に限りはあるが、女性からの誘惑で精神に後遺症をきたした場合数日間匿ってくれる上に、治療処置もとってくれる。
ここにいる女神官や巫女たちは、アドルの信望者だったり、彼に救われた人々の子孫であり、アドルの様に自由に生きたいという男性を助けるために活動している。
男性が王国などの国に逃亡できるように手を回したりもしている。亡命希望者の男性を助ければ、神殿からの支援もどんどん大きくなっていく。
その加護の一例としては、アドル神を信仰し善行を積んだ男性が行き着く終わりなき冒険都市終から英霊を召喚できたりする。


難易度が低くなり過ぎた際の裏のある神殿だった場合。

アドル神の加護は本物だが、アドルと同じく女神と化したかの冒険日誌のヒロイン達がアドルと似た男たちを、他の女性が堕とさせる際の協力をしている場所である。
彼の女神たちはアドルを得るために彼と似た思想と行動を取った男性たちにアドル神の加護を与え英雄となった後に自分達の加護を与えた女性達に堕とさせている。
鬼を切った刀が鬼殺しとして強くなる現象を利用してアドルと同じ意思を持ち男をアドルと似た境遇の男性を自分たちの信徒の女性達に堕とさせることで自分たちの女神としての力がアドル神に通りやすくするのが目的である。 
彼の神殿で裏のある巫女(アドル神だけを信じる裏のない善意の神官や巫女もいる)などは女性達はアドル神の加護を与えつつ相手の男性の情報を引き出し、自分たちが信仰する女神の加護や男性の情報をその男性を堕とそうとする女性達に与える。
そして女神の加護を受けた女性達に犯された男性は強い快楽により、自由意思を差し出しあるいは自らの自由意思で女性達のものになることを選ぶ。
アドルを思う女神たちの性魔術を学んだ女性達は自由を求める心やカルマが善寄りであるほど自由意思を吸い取る様にあるいはそういう男性を堕とすことに特化した様な強い快感を与えてくる。
アドル神の加護を得れば得るほど彼女たちの与えてくる快楽はすさまじいものなってくる。 

また、裏のある施設となった際にアドル神に恋慕する女神の加護を受けた女性との戦闘となった時、に終わりなき冒険都市から英霊を召喚していた場合その男性を狙う女性の英霊も来てしまい。その女性の英霊から発せられる気は
その英霊の主君である女神の加護を受けた女性の戦闘力と魅了の力を大きくしてしまう。


325 :名無しさん@狐板:2022/01/09(日) 16:00:26 ID:HwiCxVdH
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326 :名無しさん@狐板:2022/01/09(日) 16:00:40 ID:HwiCxVdH



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             __(.、! }.{ } _             )うわっ!(
            `ー、_  ソ              ⌒Y⌒Y Y
                    ヾ  \     / ̄`ヽ,
                  \ ..ヽ、  i.       }
                   \   `ー.      ノー- 、 ドタンッ
                    \       _   ヽ
                    /     /´  `ヽ .ゝ-、
   __          __,,,======'     /       {λ}_},}}
  {iiiii`;;ー‐===ニ´          .r‐==〈
  ゝ、iiiiiiiiiヽ____,,,..==-‐''´ ̄ ̄ ̄`Y    /
     ー‐ '                /==-v′
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                    〉iiiiiiiii/
                         ゝ==ノ


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327 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2022/02/08(火) 22:49:17 ID:hqBT2A6F
本スレ上限変更ミスってたようです。新スレ立ててきます

328 :Mゲーそむりえーる ◆WRbFpp11s2 :2022/02/08(火) 22:56:15 ID:hqBT2A6F
ttp://yaruoshelter.com/test/read.cgi/yaruo001/1644328338/

329 :名無しさん@狐板:2022/03/18(金) 23:20:44 ID:tMa6KxOl

これから>>311>>319に投下したSSのパラレルワールドのSSです以下の注意点があります。
自分はイースに関してはスーパーファミコン版のVしかやっていないので他の知識はネットで得たものです。
魔女と百騎兵のジェラートというAAの無いキャラがでばってます。
この世界にでてくるオカルト設定と雪泉さんの出自境遇はこのSS独自のものです

女権国家SS 当人だけが監禁所だと気づかぬ保護訓練施設

 自然との融合が最も深い闇が支配する森の田舎の村を包む厳しい森の中の夕暮れ時、恐るべき夜が訪れる前に火を起こそうとする男がいた。
彼こそがかつては女権国家と王国の諜報戦で王国をあと百年は続くであろうという状態に持ち込んだ最功労者たちの一人である横島忠夫だ。
今の彼は東洋の神社でよくみられる篝火らしきものを作ると、それにあたりながら幾つもの破邪の札をそこにくべると簡潔な魔除けの呪文を唱え、効果が表れたのを確認すると篝火に当たりながらやや珍しい冬の夕日を見始めた。

 篝火に当たりながら、横島はふと思った夕暮れ時は郷愁を呼び起こすというが一年前まで夜は恐怖と戦いの始まりだった。王国の時から一緒だった仲間たちの脱落や任務を成し遂げた栄光、
そして王国の時からともにいた者達程ではなくとも大切に思える女権国家で得た仲間たちとの共闘や宴会、大半は夕日が沈むころに始まっていた。 

不義理なことはしたわけではないが、自分は大鳳やジャギとは違い引退が認められた今も故郷へ帰ることはなかった。なぜその様な事になったのか義理を果たし諜報部を辞す時が来た1年前のことを彼は思い出した。

「確かに機密情報の記憶からの消去を確認したわ。これであなたたちは諜報部引退に一切の足かせ無し。今までご苦労だったわ」

 引退を認めるミクの声は今まで聞いたことがないほどに柔らかいものだった。彼女は半ば身内の様になってからも、上司として死ねと命じなければならない可能性なども考慮し、
踏み越えてこない一線と、踏み越えさせない一線の様なものを守っていたが、部下でなくなった時に初めて、完全に公の混じっていない素の感情を見せてくれたのだという気がした。

「ミクの姉御今までお世話になりました」

 付き合いが深くなってからするようになったジャギの親しみの籠った呼び方と、知り合ったばかりの様な礼儀の正しい口調には、彼女に対する敬意と感謝が込められていた。そして彼は頭を下げながら言葉を続ける。

「あと20年くらいはミクの姉御と再開することがないことを願っております。そうなったら王国存亡がかかった戦争が起きた状態でしょうから。 その時はミクの姉御とまた一緒に戦えるくらいしか良いことがないですからね」

 ジャギに言葉にミクは明らかにシャレと分かる不機嫌そうな顔をして言葉をかえした。

「そこはせめて休暇の時以外は再開したくない。くらいにいいなさい。貴方たちのおかげで、私もとろうと思えば長期休暇取れるくらいには王国が持ち直したから」

 予断は許さないが王国の存続が百年は確実となってから彼女は大分態度が柔らかくなった。これは大鳳達を身内とみなすようになったことも大きいのだろう。

「休暇中なら会いに行っても良いんですか?」

 嬉しそうな大鳳の言葉にミクは頬をほころばせながら答えた。

「今の情勢ならね。私も生涯現役を返上しても大丈夫かもしれないくらいだから」

 大丈夫になっても返上したい、と言い出さない辺り彼女らしいと三人は思った。役割は変わるが彼らの間接的に王国を支え、彼女を助ける仕事は未だに続くのだろう。その柔らかい空気が次の瞬間引き
、険悪ではないがやや緊張感を帯びた気配が戻った。ミクが横島の方を見て、詰問というより純粋な疑問めいた問いかけをしてきた為だ。

「横島、あんたは大鳳とジャギ違って一応王国領だけど、女権国家と所有権が何度も行ったり来たりしている国境の村に移住しようとしているわね。もしかして諜報部時代にこしらえた因縁が残っているの?」

 ミクも大鳳達が潜り抜けた修羅場の全てを把握しているわけではない。横島達の記憶が消去されるうえで、機密に反しない記憶は残っているために、彼女が知らない因縁もあり得るからの質問だ。それに対して横島は首を横に振ってから答えた。


「いえ、相手はどうも諜報部じゃないみたいで。探偵に依頼してみたら、どうも人外で魔術とかに通じたやばい女たちに狙われているみたいなんですよ。 あの寒村は霊的防御がしっかりしている上に、ああいう場所に逃亡した方がばれにくいって探偵が教えてくれたので」

「ああ。霊能の部署に異動して王国の魔除けとかを請け負うのはそういうことね」

「はい。あそこは女権国家の良識派の退魔師たちが定期的に出入りしているし、安全かと。それに、取られたら王国が詰むって程じゃないけど結構厳しいらしいから、守ろうと思います。
 護りきるのが無理なようなら過激派じゃなくて穏健派かつ良識派の女権国家の霊能部門の相手に渡そうかと」

 横島が住もうとしている土地はどちらかと言えば王国寄りの守護神が坐する土地であり、宗教の自由の思想が強い女権国家の人間が責任者になれば、女権国家の所有物にはなっても、霊的には王国の有利に働くだろう。それにあの土地は、
無体をしなければどっちの国の領主でも従うが、無体をすれば最後まで敵になる村だ。
彼の村は正面からの闘争に限定すれば、狩りをする山の民であり、優勝な狙撃手や戦闘に長けた者が多い。霊的な面でも土地の神々の加護が厚い上に、地形も良いので、守りに関しては侮りがたい部分がある。
王国と女権国家の両方に良識的な対応をすることで、半独立状態の様な立場を守ってきている。あの村は両方の国が敗走した際の退却の中間拠点の様な場所の一つだ。 そこまで考えを巡らせるとミクは頷き口を開いた。




330 :名無しさん@狐板:2022/03/18(金) 23:22:49 ID:tMa6KxOl
「隠れ場所としては悪くはないけど、何年も腰を落ち着ける様な手続きはやめておきなさい」

「どうしてですか。俺もできれば王国の首都に帰りたいですけど」

「ここはばれ辛い場所ではあるわ。凄く可能性が低い。でもそれを知っているのは女権国家の女性の恐ろしさや心理を知っている上級者や、上級者寄りの中級者よ。初心者や初心者寄りの中級者は、ここの安全性に気づけず次の逃走場所を探すわ。
だから手続きはいつでも村から出られる様な手続きにしておきなさい。そうすれば、あんたを狙っている女達には多少は気づかれにくくなるでしょう」

 ミクは何度か王国の捕虜や止むをえず女権国家に来ることになった王国の男性を逃がすミッションの最高責任者もやったことがあったらしい。この助言はその経験から来たのだろう。
「ありがとうございます」

「別に構わないわ。ここまで貢献してきた元身内の末路が女権国家のろくでもない人外の餌食じゃ少し寝覚めが悪かっただけだから」

 温かい篝火がミクと最後に話した、部屋の温度に似たためか、最後の別離の会話を思い起こさせた。その時もらったミクの忠告を聞いたおかげか、引退してから2年たったが一度たりとも不穏な気配を感じたことはなかった。今はこの寒村で悪霊払いに精を出し、
時々女権国家と王国双方の霊障に苦しむ人間の治療などもしている。本土の都に行くほどではないされど、地元の除霊者の手には余る。そういう人々からの需要はそれなりにあるようだ。

 郷愁に似た感傷は逢魔が時ともいわれる夕暮れが終わった瞬間に掻き消えた。空気が女権国家で何度も味わった緊張感に満ちた戦時のそれに代わると横島の意識は即座に戦時のそれえと切り替わる。
 横島は霊波刀を出現させると篝火に幾つかの札を投げ込み、破邪の力を強めると霊波刀を構えた。この森に巣くった魔物達が、彼に狙いを定めた様だ。

 横島は霊波刀を構えながら嫌な既視感を感じ取った。魔物の群れの中にこの森に元来からいた魔物だけではなく、物語が産んだ怪異『お約束の魔物』が含まれていた為だ。お約束の魔物とは物語が生んだ魔物の中でも手強いというよりは厄介な魔物に分類される。
女権国家で強大な女神、妖怪、魔物などの人外に追われている時に男が捕まる際に、折り悪く出会う魔物だ。勝てない様なものは滅多に出てこないが、逃亡を妨害できる程度の一蹴は無理程度から、苦戦するまでの幅広い種類がいる。
正体は不明だが格の高い人外の女性に目をつけられている横島にしてみれば長い付き合いになるかもしれない相手だ。だがこの化物たちの出現も必ずしも悪いことばかりではない。 それは彼の次の言葉にも表れている。

「警報装置共、ご苦労やったな。逃げ時を教えてくれてありがとうな」

 知性があるかはわからないが、明らかに格下に見る皮肉と嘲笑を込めた発言。知性ある妖怪なら多少は怒り隙を見せやすくなるし、何の反応もなければ本能で動く妖怪であると分かる。 『お約束の魔物は』必ずしも逃げられなくする存在ではない。
捕まりやすい状況は作りだすが男が逃げ切った話にも多数登場しているために彼らの存在は近くにその存在が来ていること、もしくは近々来ることを告げている可能性が高い。

 横島の言葉を聞き終わると彼の存在達は人間の言葉を理解してはいないが、侮蔑の類だと理解したのか一斉に彼に襲い掛かった。横島は侮れない敵だが負けるほどの相手ではないと、感じながらも万一の恐怖を覚えながら敵の動きを観察する。
連携が取れているのを見ると、一体の動きからある程度は他の群れの魔物達の動きも読めると判断した。

 空気を切る音と霊力の動きから予測を立てながら、敵を切り払い。内心冷や汗を流す。万一読み間違えても、死んだり負けたりはしない。だが重傷を負えばやばい女性達に捕まる可能性が上がる。文珠を消費するし、それも尽きれば見つかった時に早く逃げられない。
女権国家の影響を受けた読み間違えた後に風を切る音を肌で感じて、敵を逆に切るという離れ業をやってのけていたが、自分はそこまでやるのは無理だ。 

 浮かんできたネガティブな思考を横島は即座に切り捨てた。他の人間なら一度の重傷で終わりだが自分は文珠で何回かはやりなおせる。 それだけではなく、大抵の状況には文珠で対応できるからこそ、できるだけ温存せねばならない。

 霊波刀だけで多数の魔物をどうにか仕留め切った彼は安直の息を吐いた。奇跡的に文珠という切り札を一度も切らずに今回の戦いは終わった。女権国家から離れてスパイとしては大きく鈍ったが悪霊払いとしては実力が上がったと思う。
この村は霊能者の修行場としては悪くなかったのだろう。だが住みよかったこの村からもそろそろ退去すべき時が来た。『お約束の魔物達』が来たということは自分を狙っている人外の女性達もそろそろくる頃なのだろう。

 敵を倒した安心感で気が抜けてテンションが落ちるとともに、良識的な村人達に別れを告げなければならないと思い、気落ちした瞬間不意に複数の大きな霊気の乱れが感じ取れた。

 横島は一瞬だけ文珠を使って気配を消すか悩んだのち自力で気配を消し去ると辺りを冷気が乱れた辺りを見た。そこには大量の魔物の群れがいた。どの魔物も勝てないわけではないが楽に倒すことが不可能に近いレベルの魔物達しかいない。横島はそれを見て状況を分析し納得すると心中で毒づいた。

『さっきまでの連中が先兵ってわけか。確かこの村ではワイルドハント、東洋で言うところこの百鬼夜行の伝承の地だったな。しかも、あの百鬼夜行は『お約束の魔物達』まで入って強化されてやがるこりゃやばい』

 横島にとって一番恐ろしいのは数の暴力だ。正確に言えば、多様な適性の暴力というべきか。文珠はあらゆる敵を倒せるが、炎が弱点な敵と冷気が弱点の敵が混じっていてそれが多様なところで混雑していれば一掃するのは難しい。 
ワイルドハントは一応邪悪なるものだから、全体にダメージを与えることができる聖属性の術を文珠で強化して削っていくしかない。また気配遮断に優れたものがいる可能性も配慮しなければならないだろう。

 霊波刀を振るい文珠で妖怪の群れを切り払いながら、横島は状況を整理する。自分の敗北条件は二つ。一つ目は自分が戦闘不能にされて殺害又は捕縛されること。もう一つは結界を破られてこの村の住民たちが襲われることだ。勝利条件は三つ。
朝日が来るまでしのぎ切る。ワイルドハントは夜の恐怖が具現化し強化された怪異であり魔物だ。だからこそ朝になれば大幅に弱体化する。もしくは消滅する。そして二つ目は全てとまではいかなくても一定以上の魔物を倒し切ること。
ワイルドハントは多数の恐怖という側面もあるからこそ、数を減らされ過ぎるとワイルドハントという怪異としては成り立たなくなる。これは雑魚である魔物を多数倒してもそれは変わらない。三つ見目はワイルドハントを率いる首領の撃破これは現実的ではない。
ワイルドハントは色々な種類があるが、これは物語から生じたワイルドハントだ。そしてこういうワイルドハントは二パターンある。強大な首領がワイルドハントを起こしたから、数と質の高いワイルドハントになる場合と、強力なワイルドハントが生まれる条件がそろったから、
ワイルドハントに合わせて強大な首領が作られる場合だ。今回のワイルドハントがどちらかはわからない。だが、どっちだったとしてもこの数と質のワイルドハントを率いている以上は横島が勝てる可能性は低い。


『できれば後者であってほしいが。仮に前者だったらワイルドハントを撃滅させてもボス戦が始まる。後者なら物語に縛られているから一定以上の数が倒されれば、弱体化するかお開き宣言してくれるだろう。もしも前者ならワイを狙っていたヤバい人外当人の可能性すらあるしな』

 前者の可能性も十分にあることも考えながらも多分だが、自分を狙った人外の可能性は低いと横島は思っている。仮にそうだったら交戦した時点で自分だと気づくはずだ。そしてこれほど強ければミクの部下というある意味守られている立場で亡くなった自分を襲いに来ない理由はない。 
横島は腹を決めると霊波刀を構え駆けだした。物語に生み出された魔物であるワイルドハントは悪霊祓いなどを生業としたものと戦う伝承は少ない。故に進軍者の群れであるために守りが苦手である可能性が高い。

 最も軍隊なのだから、簡単に倒せるほど甘くはない。苦手な戦に持ち込めても出会えば絶望という怪異としての面は未だ健在であり、有利だと分かった上でそれを実行に移す者が少ないのは、やったとしても勝てる可能性が低く、
逃げ切った伝承もそれなりにある為だ。だが今横島は明らかに村に向かって攻撃の意図を見せているワイルドハントを放置はできないと断じた。ならば有利に働く結界内で先に仕掛けるのが一番マシと思えた。

 最初に文珠二つを発動させて、『必』『中』を出すと即座に購入していたり、自ら作っておいた破邪の札を投げつけた。文珠の効果で殆ど適当にばらまかれたそれも、彼が望んだ一番効果の高い場所に放り込まれる。
一度の多数の群れが一気に減ったのを確認すると、彼は即座に切り込み、そこからさらに効果の高い札を一気にばらまく。

『これで何割くらい削れたかな。この倍くらい削れば後者だった場合は流石に引いてくれるだろうが』
大きな爆発が起き煙が消える前に『隠』の文珠を使い。普通ならばれる位置、それでいて敵が通り辛い木の陰から彼らの姿を窺い、横島は絶句した。最初の札以外はさしたる被害をワイルドハントの群れに与えることができていなかった為だ。 
奇襲の二撃目は黒いマントに身を包んだ少女姿の吸血鬼が生み出した氷で殆どが防がれていた。そしてその姿を見て横島は悟った。


331 :名無しさん@狐板:2022/03/18(金) 23:25:12 ID:tMa6KxOl

『あれエヴァが過去に活躍した際の伝承が産んだ吸血鬼だ。道理でエヴァと術が似ている訳や。ワイルドハントの主は色々な正体の説があるけど、吸血鬼説はなかったはず。なのになぜ? いや吸血鬼は全ての闇の王とも言われているし、
親和性は高いからそういう伝承が出来ても不思議はないか。よし倒し方は決まった見つかる前に実行に移すとするか』

 横島が息を飲みながらも倒す為の方策を確定し、動こうとした時。即座にエヴァの分身と思われる吸血鬼が一気に切り込んで来た。

『バカなどうして『隠』の文珠が破られるとか、いや気配は隠せてももしかして少量の血が出ていたかそれか返り血を浴びていてその匂いのせいか? それとも吸血鬼は耳も良いから、空気の乱れを察知されたか?』

 一瞬の混乱を無理やり鎮めると、彼女の拳を飛びのいてかわし、霊波刀の間合いとなるように仕向ける。それを終えた瞬間、即座に横島の首筋めがけて吸血鬼の剣が飛んできた。
剣を帯びていない状態からだった上に抜刀の気配もなかった状態からの剣撃をかわせたのは、
女権国家で何度も修羅場を潜った経験が産んだたまものだ。戦闘に支障がでる寸前くらいの腕のしびれを感じながら、横島は吸血鬼の手の中に氷で作られた剣が握られていることに気づいた。

『そういえばエヴァは氷と闇の魔術が得意だったな。その伝承が産んだ魔物ならこれもできるか。まして今は冬だもんな』

 内心で毒づきながら追い詰められた時の底力を出して再び間合いを広めた彼を吸血鬼は飛び上がり迫ってくる。彼は即座に頭の中で計算すると彼女の攻撃をかがんで、かわし、
文珠を発動させようとして――、斬撃が想定より早くおりてきた為霊波刀で受ける羽目になった。
 彼女の足が予定より一瞬早く地面に着いたために起った事態だ。吸血鬼は地面に落ちる一瞬前に成人形態となり、足を速く地面につけてきた。 横島は自分も吹き飛ぶ覚悟で服の中の人間にすら効果のある強力過ぎる退魔の札を発動させた。
衝撃が腹部に走り嘔吐一歩手前の状態に陥言ったが辛うじて、彼女と距離を取った。 相手の吸血鬼も横島程ではないがダメージを受けている。これなら文珠を発動させられる。そう信じた瞬間、数匹のワイルドハントの獣が彼を襲った。
即座に斧を持った化物の攻撃を避けて霊波刀を伸ばし、化物の首を切りおとす。それでも動きが止まらなかったことに驚いた直後に彼は理解した。その化物の首から糸が出てきている。

『エヴァの伝承が産んだ妖怪なら彼女よりは下でも、エヴァと同じ技が使えると想定しとくべきだったこりゃ詰んだか』

 そう思いながらも最後の底力でその妖怪を胴切にした瞬間、無数の糸が迫ってきた。今までしのげたのは、彼の女権国家での経験もあるが、エヴァに稽古をつけられた経験の深さも大きい。
糸の動きもまたエヴァと酷似していた為に、彼はどうにかそれをかわしながら下がった。そして、彼の苦戦は思いもよらぬ援軍により覆されることになる。

 エヴァの伝承が産んだ吸血鬼すら上回る氷気が唐突に場に満ちたと思った瞬間、不意に吸血鬼の操る糸が一斉に切り落とされた。何が起こったかわからなかったが、僅かに光の加減が変わり、彼は理解する。
彼と吸血鬼の間に透明度がガラスのように高く薄い氷の壁があり、
この薄くとも異常な強度を誇る壁がギロチンの様に全ての糸を切り落としたのだろう。女吸血鬼の怪力を込めた一撃ですらも割れない氷の壁に守られながら、
助太刀の主を見るべく振り返るとそこには、夜の森に映える真っ白な雪より美しい雪色の着物に身を包んだ美女がいた。
彼女こそ女権国家で過ごした時代の冬で遭遇した際には最悪の相手である雪泉だ。彼女は簡潔に横島に指示を出した。

「早くなそうとしていたことを実行しなさい。その吸血鬼、氷の扱いが私には及びませんが達者です。長くは防げませんよ」

「助かったで。雪泉さん」

 返事をしながらも横島は既に二文字の文珠を発動させていた。その二文字は『太』『陽』
エヴァ本人ならともかく、夜の帝王であり日光に弱いとされる伝承から生まれた吸血鬼を倒すにはこれで十分だ。その光が当たりを満たした時、吸血鬼は退散し、ワイルドハントの群れも消え去っていた。

 戦いが終わった後、横島は篝火の前で彼女と膝を突き合わせていた。 スパイを引退した者には軍や諜報部に戻らない限りは手を出さないという、諜報部の仁義があり、
そして王国と女権国家の盟約が王国の地位が大分改善される形で再びかわされた以上、彼女は敵ではない。 横島は少し悩んだ末に言葉を切り出した。

「雪泉さんもしかしてやけど、ワイに以前『万が一返す機会があれば、『私人』とし受けたこの恩は返します。多分返す機会など訪れないでしょうけど』って言っとたけど、その約束守るために来てくれたんすか?」

 雪泉は敵対はしていたが個人としては悪人ではないことを横島も知っている。義に悖るような行為は自国の利益ではなく、大損害を防ぐため以外には絶対に避けようとする程度には彼女は善人だ。
だから私人として恩を返すためにここまで来てくれたのではないかと、横島は思った。 それに対して彼女は首を横に振って答える。

「いいえ。実を言うと、今回の私は花の大公爵ヴァレンティーヌ様からの要請で女権国家の領内と女権国家に友好的な集落などの悪霊祓いを頼まれていました。
そこで本当に偶然貴方を見つけたそれだけです。 雪女の里の子達を救ってもらった恩を返す機会に恵まれて私も運が良かったといえますね」

 横島はその言葉を聞き納得した。徳と慈悲の大公爵と名高い彼の公爵なら、自費で友好的な集落などにも補助などを出しても不思議はない。

「そうか。今の女権国家は政争でも起こってるんか」

 口にして横島はしまったと思った。もはや自分は諜報部ではない。世間話程度とはいえ、公人としての彼女を刺激するような言葉を言うべきではなかった。 横島の内心を見抜いたのか彼女は柔らかく笑う。

「そこまで気にすることはありませんよ。貴方が軍にも諜報部にも戻る気がないことは良く知っていますから。 貴方も大鳳くんほどではないにせよ女権国家にとっては脅威でしたし、引退してしばらくは仁義に反しない範囲で身元を探っていましたから」

 大鳳くんとつぶやいた彼女の声に横島の背が寒くなった。彼女の彼への女としての欲情は恐ろしいものがある。だが自分を襲う恐れのない良識派であり、味方になってくれる戦闘力の高い女性というのは頼もしいものだと思う。
恐らく彼女の中では横島に対しては恩を返し切れていない状態なのだろう。
多分彼を狙ってきているヤンデレ人外の女性達が来たら味方したくれると確信を持って言える。

 横島の内心を知らずに彼女は少し考えると言葉を紡ぎ始めた。

「どんな形であれ女権国家は王国との和平が成立して、諜報部の仕事は一時的だとは思いますけど、不穏分子の排除などに移りだしたんです。この排除はただ捕えたりするだけではなく、賠償したり正当な要望は通る様にしたりして反乱の可能性を減らすことも含まれています。
 そしてヴァレンティーヌ公爵は前の戦争の時にしたようにその行動にはことさら熱心でして」

 横島は内心で頷いた。ミクが彼女を評していた言葉と女権国家から脱出の際に借りを返すと、助けに来てくれたランスとの雑談も思い出される。特にランスの言葉は強く印象に残っている。

『あの女に頼るのはやめとけ、ミクから聞いているんだろうが、あの女はアドルの日誌に出てくるヴァレンティーヌと同類だ。万が一だがお前が対象だったらアウトだし、そうでなくとも借りを作るとろくでもないことが起こるかもしれねぇぞ』

 正当な陳情であれば捕虜の頼みでもむげにはしない、名高い魔女でもある彼女に助けを求めようとした時のランスの忠告は今も思い出せる。また女権国家から脱出の際に手を借りた探偵たちも同じような評価を下していた。

 横島は少し気になり雪泉の目を見ると言葉をかけた。

「雪泉さん実を言うと自国の公爵様の事を悪く言われたと気分を害するかもしれんけど、信頼できる仲間たちからの彼女の評価は、惚れた男が絡まない限りは良識的な女権国家の女性だけど響き渡っている慈悲と公正さの公爵ってのは、仮面だと言ってた雪泉さんから見るとどうや?」

 彼女はその言葉に首を横に振った。問いの否定というより、分からないという感じの答えに見える。そう答えつつも彼女の答えは横島の問いに対してやや肯定的なものだった。

「私は幼い時にかの公爵を見ただけなので何ともいえません。ですが同じ女権国家の女性だから気づいたのかもしれませんが、あの顔は完全に演技ではないあるいは、本人の性質に近くかぶりやすい仮面ではあるのでしょうけど、
惚れた男を得た時の男性にとっての恐怖でもある女権国家の女性らしい面も持っていると私は感じました」

 意外と饒舌に話す雪泉の言葉に横島は彼女の意図をはかりかねたが直ぐに納得する。諜報部でなくても直ぐに分かるようなことの上に、大貴族とはいえ彼女たちの上に立っているわけではない。せいぜいやや上の斜め程度の上司なのだろう。
加えて横島はもはや女権国家の敵ではなく、今の所は女権国家にも益をもたらしている同盟国の集落の守護者であり、味方寄りの中立に近い恩人だ。なら自衛に役立つ情報くらいは与えても良いと思ったのかもしれない。

 彼女はさらに言葉を続ける。

「断言はできませんけど、彼女は仮にあなたを狙う人外と同盟していても戦力という面では『今は』そこまで警戒しなくても良いと思います」


332 :名無しさん@狐板:2022/03/18(金) 23:26:28 ID:tMa6KxOl

「それはなぜ?」

「実は私はここ数年かの公爵から仕事を頼まれても、直接顔を合わせることは許されていないのです。礼に失しない対応をするようにかなり気を配られてはいますけどね」

 雪泉のこの言葉は多分だが、横島の問いに関係のあることなのだろう。横島は黙って視線で続きを促した。

「私がというより、雪女が彼女と顔を合わせることができないのは、彼女は花の大公爵であり魔女だから、『冬』になると弱体化するのです。咲く花が減り弱まりますから。だから万一でも殺害できる可能性がある私は合わせてもらえないのです。
彼女に仕事を振られるときは大抵彼女の配下では手におえない任務だったり、彼女の影響力が弱っている冬ですから」

「なるほど」

「それに加えて、彼女は今は武力よりも監視力に重点を置き花との交信術で各地の民が不満を溜めていないか見ている様です。それも戦力ダウンの原因の一つでしょう」

 彼女の言葉に横島は頷きながら様々なことを考えた。最悪この村を捨てて女権国家に戻ることになったら、彼女に頼るのも一つの手かと思っている。仮に自分が対象でなければ、慈悲と公正さの公爵の庇護下に入ることも可能だ。
彼女は新王国派であり、再び戦争が起きない限りはミク達にとっても不義理となる相手ではない。また雪泉に同行をこのまま頼むのも一つの手かと思えた。王国は未だ女権国家の下だが自分たちの活躍でかなり地位を向上させた。
そして雪泉が私的な恩人と評して保護を願った人物であるなら彼の公爵はかなり本気で保護してくれるだろう。 もしも万が一自分が標的でも彼女なら見抜き再び女権国家から脱出するまで手を貸してくれる可能性が高い。それぐらいの恩は彼女も自分に感じているはず。

 横島の考えを読み取ったのか雪泉は少し悩んだ様子で言葉をかえした。

「今盾無しさんに念話送ってみましたけど」

「この距離から届くんですか?」

「冬でなければこうはいきませんよ。多分貴方を狙う者達にも気付かれてはいないはず。 盾無しさんからの返答はたまには他国に逃がしたりするミッションも面白いかもと言ってましたから、おそらくは協力してくれるはずです。貴方が既に敵でないこともあるのでしょうけど、万一的に戻った時、私が恩を返して、
気持ち良く戦えるようにしたいという気づかいもあるんでしょう。 『お約束の魔物』が出た以上この村にとどまるよりはましだと思いますけど、女権国家に再び来ることはお勧めしませんよ。
貴方を狙っている女性の人外達はどういうものたちかはわかりませんが、
貴方の元の住居を調べた際の霊力の残滓から凄まじい情欲と恋慕が感じ取れましたから。女権国家では恋に狂った女とそれを止めようとする良識人な女性の戦いはどちらが勝つ結末を迎える物語が多いか、貴方には言うまでもありませんね。 そして物語が産む信仰に影響を受けるオカルトの闘争にどれほど深く関わるかも」

「分かってます」

「私としては一番お勧めの方法があるのですけど」

「それは何でしょうか?」

 言い終わる前に雪泉は横島の前に手をかざした。不意に氷期が彼を襲うただし、不快にものではなく直接股間の分身を冷たい女性の手で撫でまわされた様な快感が全身をねめつける。快感にあえぐ彼に対して雪泉は勧誘するような声で言う。

「貴方が以前助けてくれた。私の里の妹や妹分たち彼女達は貴方に惚れています。雪女の里は男性の待遇も女権国家の中では良い方ですから、こちらに来ては如何ですか? この術凄く気持ちいいでしょう。でも大鳳くんが味わった者よりは劣ります。
当たり前です。本来なら妹達の術を私が無理して使っているわけですから。今でも私よりは上のこの妹の術を味わい続けてみたくはありませんか?」

 横島はどうにか首を横に振るとあっさりと氷期が引いていく。雪泉は姉としての残念そうな顔を見せた。

「あっさり引いてくれたな。それに以外にも大鳳に使ったような技は使わなかったな?」

 若干だが敵対行動に近い行為をされて口調が変わった横島に彼女は笑みを浮かべ答えた。

「ええ。これはあくまでもあの娘達の『姉』としてやったことですから。諜報部の性技は引退した相手には使えません」

 そういいながら雪泉は髪飾りを横島に渡してきた。

「もしも女権国家に逃れる道を選んで、抜き差しならなくなったらその髪飾りに向けて『雪女の里に婿入りします』と念じなさい。可能なら救助しますから。あくまでも通信手段だけで貴方の運が落ちたりするような、まじないの類は一切かかっていません」

 雪泉の言葉を聞き多分本当の事だなと、思いながら横島は頷いた。

「とりあえず今日はもう休まれては。本来ならここから家に戻るなど自殺行為でしょうけど、雪女である私が冷気を操り無事に家に送りましょう。それとできればひと月以内にこの村から退去した方がよろしいかと、本来ならひと月でも十分早いと思いますが、相手が相手だけにひと月でもぎりぎりだと思います」

「分かった。ワイの女権国家の家の調べて霊力の残滓調べてみた感想なんやろ。そうさせてもらうわ」

「私も一旦ヴァレンティーヌ公爵殿に此度の件を報告してきます。貴方の事は現地協力者とボカした報告しておきますからご安心を。貴方だとはわからなくても、この村の内情を思えば悪事を働いたわけでもなく潜伏活動を余儀なくされた男性であることを察せられない花の公爵殿ではないかと」

「ああ。感謝するで」

「もしも女権国家に再び潜伏するなら一週間後に私が仕事の仕上がり確認という名目出来ますから、その時に申し出てください。それより先に他の場所に逃げるのも自由ですよ」

「妹たちが惚れているとか言っている割に、意外と俺を縛ろうとはしませんね」

「妹たちを信じてますから。ここの情報は半年たったら教えるつもりですが、それで捕まえられないならそれまでということです。自分の無能で男を捕えられなかった経験が彼女達を成長させるでしょう」


 雪泉に礼を言うと横島は頷き、そのままこの村の自宅へと歩んだ。雪のある山を夜に降りるなど本来は自殺行為だが、雪が歩みやすい形の硬さの上に帰りやすくしてくれている様な作りとなり、あっさりと帰ることができた。 大量のハーブの入った風呂に入ると彼は即座に就寝した。 

 それから数日間は何事もなくことが過ぎた村長に事情を話すと惜しみながらも気前よく今までの給料を払ってくれて、今でもこの村に便りを寄越している逃亡中の男性が選んだ潜伏先などをまとめたものを渡してくれた。
 しかし、その平穏が破られたのは雪泉が去って五日目の朝だった。村長が慌てた様子で、彼の部屋に飛び込んで来た。

「どうしたんですか」

 年配で落ち着いた村長が珍しく取り乱している。それを見て横島はこの村で最後の大仕事かもしれないと、思いながら立ち上がった。村長はやや慌てながらも用件を伝えてきた。

「な、なぜかはわからないがこの村に賓客が来られた。しかも相手は君を名指しで指名している」

 横島の頭に女権国家のアンリエッタ皇女が浮かび直ぐにそれを却下した。大鳳への人質として自分を捕えようとした可能性も考えたが、彼女にも趣味がある。そういう無粋な手は好まないだろう。他の可能性が浮かびかけた時に、村長は即座に口を開いた。

「ヴァレンティーヌ公爵、ジェラート様だ」

 それを聞いた瞬間、横島の頭が真っ白になった。雪泉の事が頭に浮かび冷静さが損なわれかけた。彼女に裏切られたのではという疑いではない。彼女が害されたのではないかと、いう心配の為だ。少なくとも彼女は国益が絡まない限り私人としての恩もないがしろにする人種ではない。


333 :名無しさん@狐板:2022/03/18(金) 23:27:43 ID:tMa6KxOl

 幾つもの可能性が頭に浮かんだ。自分を狙った人外達と彼の公爵が密命をかわしていた? それともまさか自分が彼の公爵の対象だった。まさか彼の公爵が自分をストーキングしていた人外の一人だった? 雪泉は無事だろうか? 少なくとも殺害されている可能性は低いだろう。
こんな形で彼女を殺していれば諜報部は完全にヴァレンティーヌ公爵の敵に回る。様々な憶測が自分の中で飛び交う中、横島は村長を見た。彼は彼の公爵に大きな畏怖を抱いている様だ。戦時に戦ったこともあれば、
一時的に統治されたこともあったはず。村長にとっては敬い怖れる公爵なのだろう。

「分かりました。 ただ流石にこの格好で会う訳にはいかないから支度の時間を」

 村長も引きつった顔になりながら頷いた。横島の要求は当然すぎる。いきなり大貴族の訪問を予告なしに受けたのだ。ちゃんとした準備をしろというのは、酷というより不可能だ。 だがその準備の時間は即座に消え去った。
不意にドアが開け放たれ、燃える様な赤毛の長髪とその髪に合わせた華美なドレスに身を包んだ公爵が飛び込んで来た。

 僅かに緊張が走ったのは一瞬で、彼女は直ぐに足をもつれさせると転び痛そうな悲鳴を上げた。コメディ映画を思わせる気配を感じながら、横島は即座に文珠で『治』を行うと彼女は立ち上がり礼を言ってきた。

「済まぬ。旦那様、ではない。旦那様の来世たる横島殿。頼むから前世系のストーカーだと妾のことを思わなんでくれぬか」

 一切狂気を感じさせずひたすら慌てる彼女を見ると、横島は毒気を抜かれた。感じられる霊気からも明らかに悪人ではなさそうだ。一応は警戒しながらも彼女に礼をもって問いかける。

「貴方が花の大公爵ヴァレンティーヌ・ジェラートですか」

「うむ。だが今は私事で来ている故、公爵とは言い切れぬがな。冬で力が落ちておって無様をさらした。許してたもれ。そなたもこんな女と前世で夫婦だったとか恥じゃろう」

「慌てれば誰でもしくじる時はあります。一度こけたくらいで軽蔑できるほど人は軽くありません。村長の顔色を見ていればどれだけ貴方が偉大な業績を積んで来たかはわかります」

 言葉を選びながら言う横島に彼女は言葉を返してきた。

「うむ。そなた妾に聞きたいことがあろう」

「ええ。俺とかつて敵だったけど、私的な恩から俺を助けてくれようとした雪泉さんは今どうなっていますか?」

「そのことだが心配はいらん。ちゃんと彼女に言ったうえで妾はここに来たぞ」

 警戒が薄れ幾つかの疑問が横島に浮かんだ。この公爵は慈悲と公正さの公爵と言われている。雪泉から恩人の身を預けられると思うくらいの信頼をまさか勝ち取ったのだろうか? 疑問に思う彼に彼女は言葉を続ける。

「なに止めるのが返って不自然になる様に話を持ち掛けただけのことよ。 この村を調べたいと言ってな。 実のところはここにそなたがいると、9割程確信した上で来たのだがな」

「どういうことでしょうか」

「彼女以外の雪女たちにも同じような依頼を多数だし、予定より大きな氷気が観測された場所全てを調べるつもりだったのだ。 どうやって観測したか、雪の下に咲く花もあるのでな」

 それを聞き彼女が情報収集にかなり熱心になっていると雪泉から聞いたことを彼は思い出した。

「しかし、決定的だったのは昨夜この村の花が観測した夜なのに日光が出た事じゃ。それを見てそなたの仕業と妾は確信した。 表向きは幾つか気になることがあるから妾自ら調査したいという体で出てきた。
雪泉殿も止めると不自然と思った上に、妾の目的がそなたと確信できてなかったので黙っておったわ」

 雪泉が無事であることに横島は安直を覚えた。自分は一応は彼女を味方とみなしていたのだなと、少し以外に思いつつ話の続きを待つ。ジェラートは村長に許可を取ると不意に魔術を展開した。

「この結界を張っている間は嘘を一切付けなくなる。むろん術を展開している妾も例外ではない。直ぐに解除する故心配はいらん。そなたにどうしても信じてもらいたいことがあるのでな」

 ジェラートが魔術を展開するのを見て、横島は息を飲んだ。彼の大公爵がこうまでして伝えたい真実とはなんなのだろう。ジェラートはそれが終わると直ぐに言葉を口にした。

「そなた女権国家にいた時に常軌を逸したストーカー女たちに狙われており、その女性達が誰かもわかっておらぬそうじゃな」

「はい。俺を好いてくれたり仲良くなったりした女性達には申し訳ないけど、事情を説明する手紙だけ残して逃亡しました」

「妾はそのストーカーの一味でもないし、そなたが女権国家にいた時に行われたストーカー行為と一切関りはないぞ」

 それだけ言うとジェラートは魔術を解除した瞬間に転倒しかけた。
慌てて支える横島に彼女は謝罪した。

「済まぬ。後先考えず魔術を展開し過ぎた。だが前世が旦那な男にあんなストーカー集団の一人と思われては、不本意極まるのでな。来世で再開した時もどれだけ色眼鏡がかかるか考えたくもなかったのでな」

「いや、前世で旦那だったとか今知ったし、ストーカーだとか微塵も疑ってませんでしたよ」

 そこまで言われてジェラートは気づいた様子でしまったという顔をした。

「まだ疑われてすらおらなんだが。これでは完全に無駄足ではないか。まことにすまぬ少し眠らせてくれぬか」

 そういうと横島の布団にもぐり込むと彼女は一瞬で深い眠りに落ちた。

「村長さんこの状況どうしたらいいんすかね?」

「起こしてしまうのもかえって非礼かもしれませんし、お供の方たちに事情を説明します。君もきてくれるか」

 公爵の馬車までいき事情を話すと半分も話さない内に従者たちはやっぱりと呆れた様子を見せた。彼女の弟子らしい親しみが持てそうな金髪ショートヘアの女性がため息をつきながら言う。

「公爵様は気を許し切った相手の前では割とああですから。前世が旦那だったらしい貴方の前ではポンコツ化したのでしょう。ご迷惑をおかけします。夕方には起きると思うので寝床を貸してあげてください。申し訳ありません。もしも日をまたぐくらい眠り続ける様なら、宿代はこちらが負担させていただきます」

 礼に徹しきったメイドの謝辞に僅かに恐縮しながら、横島は頷いた。

 その後、横島は村の図書館で逃亡先となりえる村長から渡された資料を読み返していた。ジェラート付きのメイド達に図書館にいると伝えた後、彼はひたすら思考に時間を費やしていた。女権国家に再び潜伏するか、
それとも王国の首都の方に逃げるか。女権国家にいた時は頻繁にアドル神殿に礼拝し加護を得ていたから、一度女権国家に逃げて、それからアドル神殿で大きな加護をもらってそこに行くのも一つの手かと思えた。
思考の海に沈みながらもさっきのジェラートの姿が彼の頭の中では印象深く何度も思い出されていた。間が抜けていながら、女性としての美や品の失われぬ所作と、どこか親しみやすさを感じさせる言動などは恐ろしく能力の高い隙の無い女性と戦ってきた彼にはどこか新鮮に感じられた。 
今までの女権国家の女性とのギャップと自分の前世の記憶、アドル日誌にでてくる英雄高島の記憶がそうさせるのだろうか?

 そこまで考えたところで不意に図書館の司書が彼に来客を告げてきた。礼を言い、外に出ると、ピンク色の神をと瞳をした小学生くらいに見える少女がいた。彼女を見て、横島は背筋がゾクゾクとする感覚を覚えた。 
彼女は女権国家の女性が愛する男に向ける嗜虐心と夜の弱さを見下す笑みと視線を横島に向けながら、その表情と正反対の淑女らしい礼をしながら口を開いた。

「今生では初めましてですね。高島様、いえ横島様。私は古明地さとり、かつてはヴァレンティーヌ・ジェラート様に保護されて今はもったいなくも盟友とみなされている妖怪『悟り』一族のものです。一族の代表として、種族の名前そのものを本名としております。

それにしても前世では閨の中ではいじめぬかれたとはいえ純愛といる関係だった公爵様より、激しくいじめぬかれた私の方に反応するとか、貴方は魂まで変態なのですか?」

 無礼な言葉に怒りを覚えるべきなのに、股間の分身に血が言ってしまう自分を彼女は愛してはいても下に見ているペットをバカにするような視線で見ながら、横島以外には完璧な礼を取っているとしか思え言葉で形だけの謝罪をした。


334 :名無しさん@狐板:2022/03/18(金) 23:28:56 ID:tMa6KxOl

「申し訳ありません。前世の貴方があまりにもすさまじい変態でしたので、今生の貴方も同じような心をしていて、内心私からの嘲笑で虐めてもらいたくなっていても、頼まれるまでは実行してはいけませんでしたね。『今はまだ』前世と違って夫婦ではないのですから」

 さとりの言葉に自分の内心が当てられてしまい、羞恥の感情を覚える横島に彼女は笑いながら言う。

「『恥ずかしいけど、物足りなくも思うですか』もっと激しい罵倒がほしいのなら、ジェラート様の所の閨に来られては? その時は私も貴方をイジメる一人になって差し上げますよ。前世の夜の日々は思い出せなくても、魂がまだおぼえていて、欲しているのですね」

 獲物をいたぶる捕食者の様な目をしたさとりの発言は威厳と品のある鈴を転がす様な低い声に制止された。

「さとり、よさぬか。 彼は前世がそうではあっても旦那さまではない。今生で夫婦となっていない以上は、妾たちにかような事をする権利はない」

 声のした方を見るとジェラートがいた。先ほど家で見せた親しみやすい様子ではなく、慈悲と公平さの公爵の名を得ている貴族に相応しい威厳をその身に纏っている。彼女は真摯に横島に謝罪の礼を取ると言葉を続けた。

「横島殿、すまぬ。先ほどの妾の失態もそうじゃが、どんな形であれ前世が旦那だった相手と再会できて、気分が高揚し過ぎておるようじゃ。 妾としては今回の訪問の目的は、
女権国家にそなたがいた時に行われたストーカー行為と一切関りがないことをそなたに、分かってもらうだけでよかったのだがな」

「いえ、構いません。 自分でも甘いと思うけど彼女にはあまり重い処分を下さないであげてくれませんか? 前世の記憶のせいか、どうしても彼女がひどい目に合うところは見たくない気がするんです」

 それを聞くとジェラートは懐かしむような笑みを浮かべ、答えた。

「そうじゃな。そなたは今生でも変わらぬな、その要請被害者からのものとして正式に受け取ろう」

 ここまで告げると彼女は悪戯を思いついた様な笑みを浮かべ、さとりに花のついた杖を向けた。

「そなたへの罰はこれにするとしよう。少しは隠していたい内心を暴かれる恐ろしさを思い知るがよい」

 ジェラートの杖に光が迸った。横島もこれは過去に数回だけ見たことがある。嘘を言えなくしたり、本心を喋らせる類の魔術の光だ。その光がジェラートの杖から放たると光がさとりに吸い込まれた。さとりは顔を真っ赤にしながら、横島の方を見て口を開いた。

「申し訳ありません。横島さん、実はわたくしさとりは前世である高島様と貴方を人外の倫理観から同一視しており、べた惚れだったせいで、自制できませんでした。ジェラート様、お願いですから本心を喋らせる魔法もう解いてください! 
横島様だって、私の恥ずかしがっている様子を見て『もう十分やっ』て思ってますよ」

 ほとんどしゃべらされていないが、それでも恥ずかしがる彼女を見て思ったことを言われ、さとりの能力は凄いと感じた。
 ジェラートは魔術を解くと横島に礼をとり、口を開いた。

「横島殿今更だが後で家を改めて訪問させていただきたい。その時に幾つか伝えたい用件がある。 勝手に他人のベッドで寝ておいて何をと思うかもしれんがそなたの力になれるかもしれぬゆえ、訪問しても良くなったら霊術で伝言を送ってたもれ」

 横島は頷き図書館を後にした。そしてジェラートは笑みを浮かべながら虚空に向けて不意に声を放った。

「朝からずっとご苦労であったな。こいし」

 そうジェラートが言葉を口にすると何もなかった場所から不意に、美しいプラチナブロンドにやや近い白髪をしたさとりと似た顔立ちの少女が不意に現れた。彼女は無邪気な笑みを浮かべ、どこか猫を思わせる笑みを浮かべながらジェラートに一礼して言葉を返した。

「はい。ジェラート様。 久しぶりに旦那様と敢えて私もテンション上がって頑張っちゃいましたー。 横島さんもう堕ちるかなー」

「堕とせるかどうかはわからぬ。だが、堕とす為の舞台には招けよう」

「それで私はどうすれば、いいんですかー。お姉ちゃんと二人であの忠夫さんを嫐る遊びはいつできますかー」

 猫がネズミに向ける様な目で横島が出て言ったドアの方に向けるこいしを、さとりが窘めた。

「こいし、急ぎ過ぎてはだめよ。狩りに失敗する獲物は我慢が足りなかったり安易な手を使ってしまった結果が多いんだから。今回の彼女達みたいにね。我慢と苦労なんてなるべくせずに済む方が良いけど、必要ならしなくちゃだめよ」

「はーい。わかりましたー。お姉ちゃん」

「あとは妾に任せよ。お前たちは彼を迎える準備に万全を尽くせ」

「はーい」

「了解しました」

 二人は確信めいた笑みを浮かべて答えた。ジェラートの言葉の調子を見て失敗はないと確信したようだ。


 自宅に戻りどうにか最低限貴族を迎えても良いくらいに部屋を片付けた横島は即座にジェラートに便りを出した。敵対していてなお、王国の捕虜などにも人道的な扱いをし続けた、慈悲と公平さの公爵は彼にとっても畏怖の対象でもある。 

女権国家に行く前の彼だったら、ああいう女性をものにして閨で良いようにしたいと考えただろう。だが今となっては褥に連れ込まれた恐ろしいことになるなという印象しかない。女権国家に潜伏したばかりの頃にスケベ野郎な彼ですらも、
見ただけでトラウマになるくらいひどい逆レイプを大鳳が受けてしまい、それが原因で彼は女権国家の女生徒は絶対に性的な関係を持ちたくないと一時期は思っていた。 アリスやエヴァやリグル、ヴィヴィオといった良識的な女性達と付き合った今では、
女権国家の女生との性交は絶対に嫌とまでは思わない。だが余程信頼できる相手以外とはごめんだと思っている。それほどに激しい快感を与えられすぎて治療に何週間もかかった大鳳の痛ましさは未だに記憶に鮮明だ。

 女権国家で親しくなった女性達に不義理とまではいかなくても、断りを入れずに姿手紙残して姿を消したのは本当に悪いと思っている。 だが貝木とコナンの忠告で犯人でもない女性達にも国外脱出後以外に伝わる置手紙以外の連絡は避けて、
速攻で逃げろと言われて、そのまま逃亡した。 その際に『お約束の魔物達』に襲われながらも逃亡し、最後にアドル神殿の加護をもらったランスが助けに来てくれたことで彼は女権国家を無事に脱出した。 決め手となったのはランス乗っていた馬だった。
 終わりなき冒険都市からの英霊召喚で、男を呼ぶのはリスクがあると思ったランスは、アドルが善良な男性をやばい女性から逃がすときに、乗った馬を呼び出したのだ。

『一生に一度だけお前に頭を下げてやる。あの馬を俺に貸せ』

 そうアドルの像に頭を下げて彼は来てくれたとスバルが言っていた。ランスは女権国家という国に生まれたためか、身内の男性にはかなり甘い上に身内相手程ではないが、不義理をしていない男性の同盟者などにもその傾向が強かった。貝木とコナンはその馬を一目見ると、
脱出ルートを破棄してランスに乗せてもらってそのまま国境に行けと言ってきた。その言葉に従った結果今彼はここにいることができている。

 過去に想いを馳せながら彼は考える。女権国家に戻るということはアドル神殿の加護を受けられるということだが、あの馬に乗ってアドルに逃がされた人物がどうなったのかはまだ分かっていない。
どちらにせよ戻らない方が賢明であるようにアドルの冒険日誌には書いてあった。あの馬に乗ってしまった以上はこのまま逃亡するのが正解かもしれない。

 思考に沈む横島を現実に引き戻したのは不意に響いたジェラートのノックだった。訪問の許可を求めるノックを聞くと彼はドアを開けて礼をとる。彼女はその礼を受けると彼女は貴族らしい優美な礼をすると部屋に入ってきた。 

 横島の向かい側の椅子に座ると彼女は少し考えてから口を開いた。

「横島殿端的に言おう。今生の生でも妾の夫となる気はないか?」

「俺は王国に大きな義理があります。僅かでも王国に弓向ける可能性のある貴族の夫となるのはさすがに無理です。貴方が約束を違える様な人ではないことはわかってますけど、それでも約束を絶対に守れるとは限りませんから」

「そうかえ、相変わらず義理堅い部分はとことん義理堅い方じゃな。では一旦女権国家に来る際の避難所として妾の城を使わぬか」


335 :名無しさん@狐板:2022/03/18(金) 23:30:16 ID:tMa6KxOl
「というと」

「そなた、アドルの馬に乗って逃亡したのじゃろう。 なぜ知っているという顔じゃな。妾は花と話せる。そしてそなたの逃げた場所にも花は咲いておった。
 ――話を本題に戻そう。妾はそなたの前世に救われており、そなたに惚れておる。残念ながら、今生は夫婦になれる可能性は低いと思っておるがな」

 ジェラートの落ち込んだ声を聞き、責められているわけでもないのに彼の心に罪悪感が芽生えた。それを察知したのか彼女は努めて事務的な口調に変えて言葉を続ける。

「今生も『まだ』諦めてはおらぬし、今生が無理でも来世のそなたを狙うつもりじゃ。だがストーカーをしていたやばい人外の女たちに捕まってしまっては永遠にそなたを取り戻せぬかもしれぬ。
だからこそ妾の元で保護したい。それに来世でもある程度は今生の記憶は影響を与える。ここでそなたを助ければ来世でもそなたに好かれる可能性は上がろう」

「そうですか。それで条件は具体的にどういうないようですか?」

「妾の領地や城にそなたを匿おう。そなたにストーカーしていた人外達とも、そなたの合意なしに無理やりモノにさせない様に話をつけるように最大限の努力をする。これは魔女としての正式な契約じゃ」

 話をつけると断言しない辺り彼女が本気なのが分かった。話をつけると確約した場合、『しなかった』場合だけでなく、『できなかった』場合も大きなペナルティーが彼女を襲うのだから。 横島は少し悩んだ末に声を出した。

「契約の内容を詳しく聞かせてください」

「そなたには時々で良いから妾とその配下達の夜の相手をしてほしい。『そなたが望まぬような』ことは慎むことは固く約束しよう。そして妾や配下達が与えた快楽で耐性を上げてやろうぞ。
そしてもしも王国と敵対するときなどが万一来たら、性交時の記憶を消して王国に送り返すことを約束しよう」

「分かりました」

 少し悩む横島にジェラートは言葉を続けた。

「そなたこちらに来た方が良いと思うぞ。あの馬に乗って帰るのは気が引けるかもしれぬが。そなたもアドルの日誌に登場している英雄の来世な上に妾と契れば、あの伝承から離れられるのではないか」

 少し悩んだ末に横島は首を縦に振った。

「条件を追加させてください。俺が領土にいる限りは王国とは味方寄りの中立を崩さないという契約をお願いします」

「任せよ。そなたが望まぬ限り破棄できぬ契約をしておこう。永遠に解けない契約だと万一だがミクどのや大鳳達以外の意向で王国の方がそなたに不義理した時、そなたを守れぬかもしれぬからな」

 その約束を終え、横島が頷くと。ジェラートが杖を振るった。その瞬間、横島は赤と黒が支配している大きな寝台の上に自分がいることに気づいた。全身を激しい快感が貫き顔を二つの柔らかいものに押しつぶされそうになり、
視点が不意に他人のものへと変わる。昔した経験視界をジャックされた時、もしくはアリスの人形に視界を移した時の状態だ。自分は立ったままジェラートと体をつなげている。不慮の事故の様にしたが彼女の体を這った瞬間上等なショコラの様な甘味が全身に脱力を招いた。
ジェラートの内部に飲み込まれた分身が一気に精を放つとそのまま彼は仰向けに倒れた。

「一度の性行為でこれとは本当に情けないの。王国は男性優位の性交が当たり前ではなかったのかえ? ユウキ、ラン」

 ジェラートの声に辛うじて首を動かして振り返ると、そこにはユウキとその双子の姉であるランがいた。彼女達は黒く鮮やかな巫女や聖職者と騎士を足したような姿をしている。ランの方はやや聖職者やシャーマンに近くユウキは騎士や剣士に近い。彼女達は笑いながらジェラートに応じた。

「横島は王国では恥ずかしいくらい早かったですジェラート様。僕が好きな男とはいえこれじゃあ、ストーカーしていた女性に犯されたらすぐ堕ちちゃいそうです。 
忠夫、ジェラート様に病気からの解放と引き換えにインプやっているんだ。 君の訓練係の一人でもあるから頑張ってこの雑魚一物を強化してあげるよ」

 そういうとユウキは服を脱ぎ大きな胸で彼の分身を抜き始めた。数回抜かれて一気に射精した彼を嘲笑しながら彼女は言う。

「早すぎるよこれ! これじゃあ探偵さん達も、捕まったらすぐ堕ちちゃおうと思って必死に逃がすよね。きゃはは!」

 心底楽しそうなユウキをランが諫めた。

「忠夫さんは恩人ですし、女権国家で強化された私たち相手では無理もありませんよ。そんなにバカにしてはダメですよ」

 そういいながら彼女はユウキと交代し胸で彼の一物を挟んだ。 ユウキと正反対の優しい快感が彼の理性を溶かし何度も絶頂に導く。正反体の快感に何度も射精を続けまともに思考できない彼女にランは続ける。

「忠夫さん。貴方からの置手紙を受け取った結果様々な方面に捜索を依頼し、ジェラート様から連絡が来てこちらに私達は集まったのです。それで、やばすぎる人外の女性達に勝てるように訓練しようということになりました」

「お姉ちゃん聞こえてないよ。頭が爆発しちゃってる。コラ! 忠夫! 初訓練とはいえ情けなさすぎるぞ! 射精は仕方なくても意識はせめてまともに保ちなよ」

 ユウキとランに一度ずつ騎乗位で抜かれた後、彼はそのまま意識を失った。

 次の日に目覚めるとジェラートから声がかかった。

「忠夫殿状態はどうじゃ」

 広い寝台の上から状況を確認し、窓をみてここが女権国家のジェラートの領土だと理解すると彼は答えた。

「滅茶苦茶調子が悪いです。昨日の激しすぎる快感と疲労が残ってます」

「うむ。そなたは男としては十分すぎるほど強い。必要なのは快楽と誘惑への耐性じゃ。妾の配下だけではなく、そなたを心から好いておる女性達にも連絡を取らせてもらったが、彼女達は訓練役を喜んで買って出てくれたぞ。
彼女達の快楽に耐えきれるようになれば(無理であろうが)そなたをストーカーしていた女達にとらわれても大丈夫じゃろう」

「そ、そうすっか」

「それでは訓練を始めるがよいか。彼女達は訓練という形でもそなたとそういうことができるなら、とかなり乗り気じゃからな。彼女達を呼ぶが良いか」

「女権国家だと女生徒体を重ねても責任取らなきゃダメな社会構造じゃないことはわかっているけど、俺彼女達の旦那になるとは限りませんよ。それで良ければ」

 合意した瞬間首筋から激しい快感が走り、背中に大きな柔らかい感触が襲う。射精すら起こりそうなそれは霊気で出来た糸が彼の分身の中にとどめなければ射精をしていただろう。

「久しぶりだな、バカ弟子が」

 低い懐かしい声に振り替えると金髪のロングヘアの吸血鬼エヴァンジェリンがそこにいた。彼女はかつて横島を骨抜きにした大人の形態となっている。
エヴァは笑みを浮かべ横島を自分の方に向かせ抱き込むとそのまま倒れ込んだ。形の上では正常位だが両手両足で動きを封じられさらには、彼女の内部に飲み込まれた分身を襲う激しい快感のせいで一切抵抗が出来なくなっている。 

「快感への耐久訓練だ。これに耐えきれればもう安心だ」

 気持ち良すぎて射精できない状態を緩め解除した瞬間に首筋から一気に血を吸い。射精の量を大量に増やさせながら彼女は笑う。

「どうした訓練は始まったばかりだぞ? もう降参か? いかんぞそれは。女権国家で捕らわれたら相手は完全に堕とすまでやめてはくれないぞ」

 エヴァに血と性を吸われ立つことができなくなった後、彼には快楽地獄の一週間が待っていた。

 アリスやヴィヴィオも訪れヴィヴィオにいたっては配下の女性達にも逆レイプさせた。施設闘技場の様な場所で負けたら逆レイプという条件で彼より弱い配下に戦わせて彼が強すぎる快感の後遺症で負けるのを笑いものにして、自分も犯したりもした。



336 :名無しさん@狐板:2022/03/18(金) 23:31:07 ID:tMa6KxOl

 その日々が続き一月後、横島はジェラートの寝室に呼ばれていた。彼女から出された高価な料理や薬種のおかげで彼は絶好調の状態にあった。ジェラートは彼に対して真摯な瞳で問いを投げる。


「忠夫殿。妾の領土でまだまだ過ごしはするが今日で訓練は終わりじゃが、どうじゃった」

「ワイはもう、記憶を消さない限り王国の女性じゃ満足できない体になってしまったと思うで。だが今のワイならストーカーしていた女どもに捕まっても快楽や色仕掛けは多分大丈夫やと思う」

「そうか。妾やエヴァ殿やアリス殿の事は信じてくれておるか?」

「ええ」

「それでは今回は訓練ではなく、妾たちに堕とされぬか? そうすれば他の信用できない女たちに良いようにされることはあるまい」

 少し悩んだ末、横島は頷いた。

 途端にジェラートは笑いながら杖を振った。

「さとり。待たせたな本気を出してよいぞ」

「はい。ジェラート様」

 ジェラートの魔法で動けなくなった彼の上にさとりが跨り、その分身を小山内見た目からは考えられない程滑らかにそれを受け入れる。激しすぎる快感で立てない彼に、彼女は笑いながら無慈悲な言葉を口にする。

「『想起・トラウマと快感の日々』」

 さとりの宣誓が済むと、横島がこのひと月で味わった山ほどの快楽の拷問が一気に蘇ってきた。闘技場で無数の女性達から受けた嘲笑。ユウキとランの姉妹の息のあった攻め。アリスの人形に変えてくるような激しい快感。
ヴィヴィオの制圧してくるような技。エヴァやジェラートの魔性の達人と思える性技。リグルの虫の様に精巣の全てを奪うと錯覚させられる性交。それら全てをされた時の様に思い出したが、最も激しかったのは、本人も忘れていたエヴァ達との初夜だった。
 横島の童貞は女権国家に最初にいた時に既に失われていた。ただエヴァ達が横島のトラウマを慮り、逆レイプした際の記憶を消去していたのだ。そして今になって分かったのはストーカーしていた女性達とは彼女達だった。
確かに彼女達の性術に耐えきれれば大丈夫などとジェラートも宣言するはずだ。彼女たち本人なのだから。彼女達との初夜の記憶がよみがえった時、
脳が限界を迎えた様に爆発し一気にさとりと繋がった分身から精液が溢れ出た。 さとりの腹が一気に膨れ上がり彼女は満足そうに溢れ出た精液を内部に戻しながら彼を嗤う。

「彼女達に愛されていたことも嬉しいし嫌いになれないけど、ストーカー達に卑怯な手で快楽漬けにされていたシチューエションに燃えてますよこの人。本当に度し難い変態ですね」

 反論したくても絞られ過ぎて声がでない。それすら察し彼女は愉快そうに笑う。
「こいし、前世からの恩人であり旦那様であるこの変態を満足させてあげなさい」

「はーい」

 こいしは笑いながら横島と繋がり、彼の頭に手を置いた。さとりは笑いながら彼のトラウマを想起させる。

「このひと月の数々の逆レイプ。卑怯な策略だったと知ったうえで追体験しなさい。『皆さんも』見てくださいこれ」

 さとりの言葉に振り替えるとユウキ、ラン、ヴィヴィオ、エヴァ、アリス、リグルがその場にいた。

「どうやったか? こいしは無意識を操りますから。貴方の無意識をあやつっていたのですよ」

 笑うさとりをよそにユウキが面白そうに口を開いた。

「凄い忠夫、さとりさんのトラウマ想起は若干快感が劣る様にしていたらしいのに、訓練で愛もある逆レよりたくさん出してるね。凄い変態だ。早漏な上にこれとか王国男子として救えないや。はははー!」

 ユウキの嘲笑でさらに射精量が増えたのを見てヴィヴィオが笑いながら、こいしと交代した。

「横島、私とリグルは女権国家に所属する王族でもある。貴方の精液は前世が英雄である上に極上の精だから敵国への利敵行為になりますよ。頑張って耐えてくださいね」

 そういって一息に突き入れられるとかつてないほどの量を彼は射精してしまった。

「どれだけ女権国家を利する行為をしたいんですか貴方は。それとも根っからの変態なのですか」

 ヴィヴィオは笑いながらリグルと変わった。

「忠夫、虫の子供は多いよね。君との間に出来た子はやばいくらい高性能だよ。ユウキちゃんお願い」

「うん」

 ユウキはジェラートに杖を振られると東洋の天狗へとクラスチェンジした。そして彼に未来氏の術を使って見せる。

「ほら。未来見えたでしょ。もしも王国と戦争したらこの子供たちが大被害を王国に与えちゃうから頑張って耐えて。 子供たちの活躍劇を見た途端に前より硬くなったねどうしたの」

 リグルの問いにさとりが笑いながら答えた。彼女は騎乗位されて喘ぐ横島の耳もとに口を近づけ嘲るような言葉で言う。

「時刻を裏切って大量の被害を出してしまう兵士のパパにされちゃう状況に彼は興奮しているんですよ」

「うわーひどすぎる変態ね! 惚れた男ながらひどすぎるな」

笑いながらリグルが離れると、さとりが再び屈辱と快感を与える声音を心から読み取り言う。

「軽蔑百パーセントの声で逆にここが活発になりましたねぇ」
 
 『ここ』という、言葉を言う時にさとりは横島の玉袋を言葉とは裏腹に優しく揉みしだいた。どうされれば一番彼が耐えがたい快感を得るか心を読んで知り尽くしている動きだ。


「ああー!」

 さとりの嘲笑と玉袋の一揉みが止めとなり一気に射精した彼にアリスが近づいてきた。彼女は笑いながら唇を奪う。

「大丈夫よ。横島。私達は前約束した通り契約がなくても、王国にひどいことはしないから。もし彼女達が今の様な事をしようとしたら、私だけじゃなくて神綺様にお願いして王国に味方するわ」

 アリスの真摯な言葉に安心の念を覚えつつ、僅かに残念だという念が浮かんだ瞬間さとりが意地の悪い笑みを浮かべた。

「アリスさん。彼、貴女がひどいイジメ方をしてこないのを残念がってますよ」

「そうなのじゃあ。彼のコピーの人形を王国に放つ位した方が良いのかしら?」

 その際の未来。自分の人形が王国の一般兵を大量に倒す未来を見せられた。しかも自分がアリスに絞られれば絞られるほど強くなっていくおまけ付きだ。

「貴方が望むならそうするけどどうなの?」

 アリスは横島を糸で操り時には男性優位の体位でしながらも、射精の度に自由をどんどん削り取る快感を与えながら問うてくる。

「口には出さないけどやってもらいたがってますね彼。でも駄目だとも思ってますよ」

 アリスとの最後の性交が終わり、立てなくなった彼を見下ろしながら、さとりが言う。

 アリスの糸が体から出た後にエヴァが変わり彼を再び襲い始めた。

 珍しく糸で彼を操らず騎乗位から、正常位に戻しての性行為だ。だが、糸で止められていないのに、射精が起こらない。エヴァは笑いながら言う。

「お前に惚れている。雪泉の妹分たちから習った技だ精液を凍らせた。熱が一定になったら一気に出るぞ。早漏なお前の為の技だ。アリスより人形術が劣る私にはありがち技だな。お前を嫐るのに集中できる」

 それから2分ほどたち信じられない程の量を出した直後に彼は完全に倒れ落ちた。

 そこにジェラートが近づいてきた。彼女はこいしに目配せすると、横島の瞳をのぞき込んだ。

「どうじゃ横島殿。妾たちのものにならぬか」



337 :名無しさん@狐板:2022/03/18(金) 23:33:34 ID:tMa6KxOl
首を横に振ろうとした彼に、こいしとさとりが両脇から何かをしてきた。今受けた逆レイプとこのひと月で嫐られ尽くした記憶がよみがえり彼の下半身がより強く固まる。気が付くと彼は頷いていた。

その瞬間ジェラートとその使い魔と化したユウキとランが襲い掛かってきて。ユウキの暴力的な快感のあとに来る二人の甘やかす圧倒的な快感が襲い掛かり完全に彼の意識は甘すぎる食物と食した後の様な感じで落ちて言った。


 横島が激しい快楽に沈んでからひと月がたった後、彼はジェラートの私室にて目覚めと同にさとりに騎乗位されながら『想起王国男子として特に恥ずかしかった性行為』を受けていた。一気に朝立ちが収まった後、ジェラートが珍しく寝所にいないことに気づいた彼に、さとりが説明をした。

「ジェラート様は今日お客様と待ち合わせです」

「さとりちゃん、頼むから毎朝目覚め一発をあれにするのはやめてぇな」

「貴方を夫とできている時の三割くらいはあれが楽しみなんですよ私は」

 寝起きと同時に襲ってくるあの快楽は彼にはあまりにも悪すぎた。上下を意識の覚醒と同時につけられる感じがどうも嫌だ。だが癖になってきている感じもして、それが王国男子として余計に情けない。

 さとりが横島をからかっている時、ジェラートは雪泉の訪問を受けていた彼女はそこまで強くはないが、強く釘を刺すような目でジェラートを見ている。

「ヴァレンティーヌ公爵閣下、此度は真冬であり力が落ちている状態でありながら私と直に対面していただきありがとうございます」

「かまわぬ。そなたにも多少不義理をしてしまったし、そなたの里の妹分たちも時期に旦那様を共有する仲間となるのじゃ」

「ええ。まさか貴方が私以外彼に惚れた里の妹分全てに、根回ししていたとは予想外でしたよ」

 雪泉の故郷の里は女権国家の配下という訳ではない。ただ女権国家を主とするものが多い里でもある。少ないが王国などを生涯の雇われ先とする者も稀にいる。

「ことの始まりはエヴァ達が、デュラーン神殿(アドルを正体を明かすまで騙しぬいたシスターであり敵)の力を借りて彼を逆レイプしつつその記憶などを消去して負ったことじゃ。彼はエヴァ殿たちがストーカー当人だと気づかず、アドル神殿の加護をもらってそのまま逃げた。
そこで彼女達から依頼をもらって調べてみたら、まさか前世の旦那様だったとは、妾もいささか以上に驚いた」

「ええ。しかし、良く彼を者にできましたね。横にいる彼女の仕業ですか」

 それを聞くとジェラートは少し驚いた様子で窘める様な声を出した。

「こいし、勝手に来客室に入るなと言っておいたであろうが。済まぬな。しかし忍びというものは怖い、妾でも気づけなかったことにも気づくとは」

 姿を不意に表したこいしは叱られたことも気づかずジェラートの膝にじゃれつき始める彼女を撫でるジェラートを見て雪泉は、心底驚いた直後にこういう反応をする当たり、本当に信頼しあっているのだなと思った。

「その娘が彼を堕とした際の最功労者ですか」

「その通りじゃ。最初は妾の無意識を操らせ、旦那様の前で身内しかいない時のポンコツ状態にさせた。そうすることで警戒心を解かせたのじゃ。その後で公明正大な公の妾が印象づくように旦那様の意識を操らせた」

「それはまた」

「むろん夜の方でもこいしは素晴らしいぞ。旦那様の無意識の契約がなくても約束は破らないという妾たちへの信頼を表層意識から消し去り無意識にだけ信じさせた。その結果旦那様は妾たちを信じていたからこそ契約破棄とかをしたのに、王国を裏切ったくずという背徳感の快感を味わいほうだいじゃった。
今でも無意識では妾たちを信じ切っているのに、表層意識では自分は快楽に負けたクズだと思っていよう。 そなたが大鳳を捕えられたら、こいしを貸そうかえ?」

 少し心動かされた様子を見せた後、雪泉は言った。

「今日私は、妹分たちに釘を刺してきました。彼は王国に対してまだ中立だった故郷の里を救ってくれた一人ですから、もしも女権国家と王国の戦争が女権国家の側が不義理をする形で起こったら、王国に尽きなさいと。仮にその状態でも女権国家に着いたら、女権国家の諜報部としては協力するけど、
その戦争が終わったら里の一員として貴方たちを粛清します、と」

 雪泉の真面目な様子にジェラートも位を正して話を聞く。

「彼には個人的な恩があります。もしもあなたが王国に味方したいという彼をああいう方法で夫とした以上、王国に不義理したときは、私が個人的に貴方を許すことはありません。花の大公爵。
 彼に不義理をした時、私の寿命が尽きるまで貴方が安心して過ごせる冬は訪れないとお覚悟を」

 そういう雪泉は完璧な礼を取った。辺りを包む恐ろしいまでの氷期にジェラートも貴族らしい礼でそれにこたえた。それは決して違えぬ約定をかわした時の礼だった

 雪泉は帰り道をやや軽い気分で歩いた。久しぶりに直接話して確信したが、ヴァレンティーヌ公爵は惚れた男を得れば善人になるタイプの女性だ。後に彼女の元に仕えるであろう。妹分たちを粛清に走るような日々は恐らくは訪れないだろうと思えた


338 :名無しさん@狐板:2022/03/21(月) 20:27:12 ID:gwTE6faX
女権国家施設案
【施設】善性の男性への援軍派遣冥界『終わりなき自由冒険都市』

【内容】 前に>>324に提出したアドル神殿の付属施設、死後の世界である。女権国家において素の状態でも高い能力を持っている女性達が好感度ドーピング状態になったにも関わらず、逃げ切った説が濃厚である英雄アドルが治める死後の世界。
この都市では善良な生き方をした男性全てが迎え入れられ、そこで好きな仕事などに没頭し続けることができるとされている。他の国では騎士や善良な冒険者たちにとってはここに招かれることが最高の栄誉であるとされている。

女権国家においてはこの都市に死後、行きたいと願う男性がかなり多く。この都市では女性に縛られず。己を好きなだけ高め、来世の男性優位の土地などに転生するまでアドルが訓練をつけてくれると信じられている。
女権国家で英雄とされた男性の大半はこの城塞とでもあるこの都市から、アドル神殿を礼拝する善良な男性たちを見守り時に助けているという。
善行が一定値の状態で礼拝し理不尽に女性に狙われていると一定確率で、この都市から英霊が援軍に来てくれる。 
死後この世界に行きたがっている男性の大半は伴侶となった女権国家の女性にこの都市に来る気がなくなるレベルで快楽漬けにされている場合が多い。
また女権国家に限らず、自らこの都市に入る権利を快楽に負けて手放すのは大変に恥ずかしいことであるという認識が広まっている。
それを根付かせたのは死後すら奪うプレイを楽しみたいという女権国家の女性達だという説もある。またあまりにもモテすぎる男性がこの街を死後の行き先に選ぶと崩壊が起きるのではと本気で危惧している霊能力者も一定数いる。


339 :名無しさん@狐板:2022/03/21(月) 20:33:13 ID:gwTE6faX
 女権国家SS 当人だけが監禁所だと気づかぬ保護訓練施設・続編訓練施設での日々とその後

このSSは前に投稿した女権国家SSの続編です。以下の注意事項があります。

@ このSS内での人間関係は女権国家本編と大分変っているパラレルワールドです。
A このSS内ではオカルト設定などには自分が考えたオリジナル要素が多々入っております。
B >>324>>338で自分が出した施設案の施設が使用されております。

 花の大公爵ヴァレンティーヌに婿入りを終えた、横島は彼女に閨の中で王国を支援する政策を取り続けてくれるように懇願しながら一日を終え心地よい倦怠感の中で激しい睡魔に襲われていた。
寝て起きるといつも体が綺麗になっているのはアリスかエヴァが体を動かして風呂に入れているのか、それともそのまま洗われているのかどちらなのだろうと、少し疑問に思いながらも、睡魔に身を委ねた。
聞けば答えてくれるだろうがそこまで知りたいわけでもない。気が向いたらいつか聞く日が来るだろう。そう結論付けると彼の意識はまどろみ始める。

 微睡の中で彼は様々なことを思い起こしたヴァレンティーヌ公爵の策を見破れず、ここで訓練を受けると決めた時から始まった快楽と恥辱の日々が蘇ってくる。さとりとこいしらしき気配が枕元に感じるあたり二人の仕業かもしれない。 
僅かに現実と皮一枚で隔てられたような過去の快楽を再現する愛撫は現実の体にも触れる感じのものに変わり、一気に股間の分身が飲み込まれる感触と共に強くなった。 眠りに落ちる直前の最後の力で目を開けると、さとりとこいしが、枕元に立ちユウキが自分に騎乗していると気づいた。
射精と同時に意識が落ちながら、ユウキがいるということは双子の姉であるランも来ているのだろうな、という考えが意識が落ちる直前に浮かんだ。

 意識が落ちると横島はジェラートの言葉に乗って快楽に耐える訓練を受け始めたばかりの頃の夢を見始めた。

 自分を好いてくれた女性陣全員から一度快楽漬けにされたばかりの頃、彼は夢の中と現実両方で嫐られていた。

 倒れ意識を失いかける彼をユウキが楽しみながら、暴力的な快楽で蝕み、それに僅かになれたころランが交代するように優しい快楽で圧倒してくる。

「横島、子供の頃から助平だったけど、快楽に負けるのは恥ずかしいって教えが強かったから、それはダメって思ってたはずなのに早すぎるよ」

 女権国家と敵対関係にあった王国では快楽に負けるのは恥ずかしいことだという教えが強かった。男性優位の性行為が当たり前である風潮も女権国家との戦争が何割かは関わっているのだろうと横島は思っている。 
過去の思い出と王国の思想に対する考察はより強く絞る様に強めてきたユウキの快楽で打ち切られた。

「ぎゃ! ユウキ、た、頼むお願いだから今夜は終わりにして。無理ならランさんと変わって。もうこれ以上お前にやられたらワイのなかで何かが限界なん」

 射精の度に色々と削りきられる感覚に負けるとユウキは少し不機嫌そうな顔をしつつ、自分の与える快楽に完敗した彼を楽しそうに見下ろし言う。

「情けなさすぎるよ。忠夫、訓練に付き合ってあげている僕とお姉ちゃんと公爵様。そして今も君を尊敬している部下だったモヒカンさん達に謝って! 『ふがいなさすぎてごめんなさい』って」

 騎乗しながら時に体を密着させて命令してくるユウキの声に横島は屈した様に、声を出した。

「ふ、ふがいなさすぎてごめんなさい。かんにんしてください」

 聞き終わるとユウキは無様すぎて面白すぎるお笑い芸人を見た時と同じ様子で爆笑し始めた。そして双子の姉である優し気な気配に身を包むランに話をふる。

「はははー! お姉ちゃん、公爵様、忠夫が本当に謝っちゃったよ! 女権国家に強化された女性に勝てないのは当たり前でちっとも悪くないのに謝っちゃった。 悪くないのに謝るとか凄くみっともないけど、約束は、約束だからお姉ちゃんと代わるね」

 インプと化し花の大公爵の使い魔となったユウキとランはサキュバスに近くなっている。その為か英雄の転生体である彼から精を絞り尽くしたせいで余計に強くなっている。
そして自分は彼女との今の性交でどれだけ弱体化したのだろう。逃げたいと思い立とうとして倒れる彼をランが優しく支える。 ランもユウキと同じような体系をしているが彼女は激しく責めてこない。敢えてユウキが好む責めと正反対の方法で来ているというのもあるのだろうが、
自分の性的な責め方はこれが一番効果的だと確信しているのもあるだろう。 彼女は優しく横島の分身を撫でそれだけで射精寸前まで追いつめてから、赤子やペットに向ける様な慈愛と下に見る思いを同居させた目で彼を見ながら口を開いた。

「忠夫さん。女権国家に強化された女性に勝てないのは当たり前のことです。恥ずかしいことではないからいくら負けても大丈夫ですよ。それで軽蔑したりする貴方を好いた女性は多分いませんから。 貴方を好いた女性の中には蔑むものもいるかもしれませんが、嫌いなる女性は絶対にいませんよ」

 ユウキに嫐られた後に幼子をあやす様な言葉と性行為をされて屈辱を感じつつ大いに癒され安心していた。この時は気づかなかったがこいしにランや他の女性達の言葉が印象に残ったり記憶に残りやすくなるように無意識を操作されていた。
恐らくは何度もこういうことが行われていたのだろう。

 見下されていると思いながらも、それで背筋が余計にぞくぞくしてくる彼をいつの間にか耳もとに口を近づけていたさとりが言葉で嫐る。

「子供扱いされる屈辱がたまらないですか。本当に貴方王国で勲章もらった英雄なんですかぁ? おや英雄でありながら女権国家に染まった女性に負けている事実を指摘されて余計に一物とここが元気になってますね」

 『ここ』と言われてさとりに訓練が始まったころに頻繁に玉袋を揉みしだかれたことを思い出し興奮した瞬間、彼女は手ではなく足で玉袋を踏みつけてきた。少しの痛みとそれより強い快感で余計に激しい射精をすると彼女は笑う。

「私は足より手の方が器用ですから、足で与える快感が手より上のはずないのですが。女権国家の英雄に足で踏まれたことが余計に貴方を興奮させましたか」

「やめてぇ! 公表せんで」

「嫌なら早くそれを糧に快楽に耐えられる男に成長しなさい」

 嘲笑を浮かべるさとりの鞭がランの与えてくる飴の様な快楽の効果を余計に高めてくる。ジェラートは笑いながらそれを見ている。何度も絞りぬかれるとランは笑みを浮かべながら彼から離れた。

「一度ここで交代です。忠夫さん。それじゃあ次の耐久訓練頑張ってくださいね」

 ランが離れると、代わりにアリスが現れた。彼女は服を脱ぐと美術品めいた美しい人形を連想させる裸体をさらしながら、霊気で出来た糸を彼の体の中に入れてくる。見ほれる様な笑みを浮かべながら彼女は言う。

「忠夫それじゃあ、私が与える快楽をひたすら受けてね。耐えきれなくても良いから。他の女たちに快楽漬けにされても、私の与えた方が勝っていれば大丈夫だから」

 アリスが彼を操ると彼の体は言うまでもなくアリスの意のままに動き始める。何度も精を放たせられるだけではなく、時にはアリスが満足するまで射精を許してもらえない時もある。
彼の分身の内部に入り込んだ糸が、それを許さずしかもその糸が絹の様な柔らかい感触で余計に快感を煽ってくる。 一番長く我慢させられた後の射精で倒れかけた彼にジェラートが蜂蜜酒を差し出してきた。

「特殊な薬酒であり。魔術もかかっておる。これからの訓練に備えて飲んでおくがよい」

「は、はい」

 その酒を飲むと信じられない速さで自分の体が回復していく感覚を覚えた。そして酒の効果かより早く自分が眠りの世界に落ちていく感覚も覚える。

 夢の中に落ちた横島は自分の精神世界全てが完全に掌握されている事態に気づいた。それを心底嬉しそうに笑いながら見ているユウキとランが最初に瞳に写った。



340 :名無しさん@狐板:2022/03/21(月) 20:40:38 ID:gwTE6faX
「忠夫君の夢の世界を完全に掌握させてもらったよ。気を許している相手には割とすぐに落とせるらしいけどアリス達は女権国家にいたころの君の精神領域ははあっさり取れたけど、
子供の頃の部分は僕達がいないとこんなに早くは無理だったらしいよ。
 大分昔から僕達には気を許していてくれたんだね」

 そういいながら彼女はアリスに目配せをする。アリスは頷き横島に何らかの魔術をかけてきた。横島は自分の体が縮み、少年期の精通直後に戻ったことに気づいた。ユウキとランは懐かしいものを見たような笑みを浮かべた。
彼女達が手をかざすと見えない糸につられた様に体が浮かび、空中で仰向けにされる。そして左右から彼女達は横島の分身を巨乳で挟んだ。二人係で優しい愛撫を珍しくされると横島は直ぐに射精しながら恐ろしいと危機感を覚える。

『脳まで子供になって耐性が落ちている上に優しい快楽が二倍になったせいか、このままだと夢から出られなくなる』

 大人の頃の記憶が薄れ始めしばらくすると、彼は幾つかの記憶が封印されていることに気づく。目の前にいるのは女権国家のヴァレンティーヌ公爵と幼馴染たちの成長した姿だ。

「ユウキ、ラン、どうしてヴァレンティーヌ公爵様と一緒にいるんだ?」

 敵国の公爵であっても様付けするものが少なくはない程彼女の徳望は大きかった。横島の言葉に二人は顔を赤くしながら驚き、そして心底嬉しそうに笑う。

「成長した後の記憶がなくなっていても僕達だって一目で分かるんだね。お姉ちゃん」

「ええ。とても嬉しいわね。ユウキ」

「忠夫、僕達は今ヴァレンティーヌ公爵様の配下になっているんだ。頑張って僕達に勝利して取り戻してね。 そこのアリスさんが協力してくれるから」

 そう二人が目配せした先を見るとアリスが優雅な様子で椅子に座っていた彼女は柔和な笑みを浮かべながら立つと、言葉をかけてくる。

「忠夫さん。貴方が大人になった後救われた魔女アリスです。貴方は覚えていないでしょうけど、貴方への好意から今回無条件に貴方の夜の戦力を上げる術を施しましょう(勝てるとはいってない)」

 アリスの糸が体に入ると彼の体は勝手に動き出した。アリス淡々と説明を始める。

「貴方の前世はアドル日誌にも出てくる、高島さんよ。だからこそヴァレンティーヌ公爵様にも目をつけられた。彼はジェラート様に婿入りした後も性魔術などもたくさん学んで、
凄く夜の戦闘力が高かったの(それでも女権国家の女性達には勝てなかったけど)その術で彼女達を王国男子らしく討ち果たして王国に寝返らせちゃいなさい」

 アリスの言葉に頷くと横島の体が勝手に動き始めまずはユウキに襲い掛かった。最初の射精を仕掛ける時にアリスの説明が響いた。

「その性魔術は男の魔術の達者な王様が女性達を快楽で縛りながら、自身の精を受けた相手をより強化させたものよ。それを使って使い魔にされた二人を取り戻しなさい」

 アリスの言葉に横島は全く言葉を返せなかった。この性魔術は魔力を注ぐ際自分の快感も上乗せされるゆえに、自分の体に対する快感による負担も激しい。一回の射精で彼は膝から崩れ落ちた。それをユウキが笑みを浮かべながら抱きとめる。 
ユウキは丁度横島の顔が自分の胸のあたりに来たのを嬉しそうに受けながら、朦朧としている横島の頭を撫でながらアリスに礼を言う。

「アリス。ありがとう。ジェラート様が丁度胸の所に忠夫の顔を受け止めながら嫐るの見て僕とお姉ちゃんもやってみたかったんだけど、普段の僕達の背丈じゃできなくてね」

「いいえ。私も忠夫にそうしたいんだけど、青年期の彼中々背が高いから子供にしないとできないのよね。そういう意味では長身のジェラートさんが羨ましいわ」

そういいながら意識をすっかりやってしまった横島が戻ってくるとアリスは真面目な支援者という表情に戻り演技を再び始めた。

「忠夫一度でダメなら何度でも頑張りなさい」

 アリスの激励に横島は明らかにためらった様子を見せた。自分の霊力を注がれたユウキは前とは比べ物にならない程強くなっている。

「確かにそうだけど、諦めたら彼女を戻せる可能性はゼロになってしまうわよ」

 それからしばらくはランとユウキとジェラートにあざけられながら注ぐたびに脳が爆発した様な錯覚を覚える射精を繰り返した。その度にまるで別の世界を行ったり来たりしたような快感が彼を襲い。
夢の中がどんどんと彼女達に寝返っていく様な恐ろしさとそれすら塗りつぶす快楽が何度も彼を襲った。

「妾たちにはありがたいだけで、逆にそなたの魂の方が限界なのではないのかえ。敵国の公爵と裏切った売国奴を強化し続けるとは、本当に今生の旦那様は立派な方じゃなぁ」

 尊敬している部分もある敵国の公爵の言葉が彼の恥辱心をより煽り、そしてかつてない射精が起こると一気に夢の世界が崩れ落ちた。それと同時に視界が現実世界の寝室に戻る。

 目の前には情欲が満たされ切った様子のジェラートとユウキとラン。そして人形の糸で自分を操り続けたであろうアリスがいた。体が子供に戻っていることは目線の高さで分かった。

困惑する彼にジェラートは笑いながら彼に残酷な事実を告げてきた。

「旦那様。夢と現実の世界を何度も行ったり来たりしておった。そして完全に子供に戻っていたのは夢の中だけじゃ
。現実では記憶を持っていながら敵国の公爵である妾にも大量に霊力を注いで負ったぞ(もっともこいしに無意識を操作させて、妾たちなら王国に不義理しないという確信を与えたうえで無意識に沈めたから負けたのだが)」

 無意識に彼女達が王国に不義理しないと認識していなければ彼は快楽にもっと洗っていたが、それに気づけない彼は自分のことを快楽に負けて精を放ちまくった最低男と思ってしまった。

 子供に戻り落ち込む彼をランが抱きとめながら言う。

「訓練中なんだから仕方ありませんよ。早く快楽に耐えきれる様になりましょう」

「うん、うん。忠夫はいざというとはできる男の子だったから大丈夫だよ」

 ユウキとランの甘やかす優しい言葉と愛撫が傷ついた心に染み入り極上の魔酒の様に心に沁み込んでくる。

 二人に挟まれ激しく嫐られながら彼の意識は再び沈み切っていった。アリスは魔女らしい妖艶な笑みを浮かべ捕食者めいた瞳をしながらジェラートの方をみる。

「それじゃあ。公爵様。一時的にユウキとランのインプとしての主人としての権利の譲渡お願いします」

「うむ。任せよ」

 ジェラートとアリスが何らかの呪文を唱えるとユウキとランの周りに輝く魔法円が現れその魔法円から出た光がアリスと二人を結ぶと消え去った。アリスは笑みを浮かべるとユウキとランはサキュバスが良く使う術を使い光となって彼の頭の中に入っていく。

 アリスはそれを見届けると、愛おしさを抑えきれなくなった様子で彼の口ビルを吸うとそのまま子供となったことで顔の高さが丁度自分の胸に来る彼を抱きかかえながら繋がった。その瞬間彼の体が大きく痙攣し激しい射精が起こったがその彼の霊力を嬉しそうに彼女は吸収する。

 横島は不意に投げ出されたような場所で唐突に意識に様々な情報が流れ込んでくる感覚を味わった。自分は今、女権国家でユウキとランと共に任務を受けている途中だったはず。そうだ。
ミクさんの部下を止めた王国に引き上げ霊能部門の人間として、この国に再びきた自分は、アドルの盟友が前世だった自分は彼の陰陽師が残した術を得て、霊的国防をさらに進めなければ。

 高島がいた秘術を残した洞窟の奥で彼が使っていたらしい性魔術の書を読み覚えた彼は大きく落胆した。他国の女性ならともかく女権国家の女性に対してはこの魔術所はなんの価値もない。
相手を気持ち良くさせて奴隷にさせる霊的性術。使っても閨で負けて、その呪いが自分に跳ね返ってくるだけだろう。


341 :名無しさん@狐板:2022/03/21(月) 20:42:20 ID:gwTE6faX

 そこまで考えた瞬間、不意にランが長巻を思わせる剣を振るい彼に打ちかかり、隣にユウキも洗練された動きで彼を襲う。自分より遅く着くルートで来ていた二人がなぜ急に何より、なぜ自分を攻撃してくる?

 文珠を取り出し、『解』『放』を使ったが二人は止まらず彼は直ぐに倒された。ユウキとランは若干嬉しそうに笑みを浮かべた。

「忠夫はやっぱり女の子には甘いね。裏切ったとか微塵も考えてなかったんだ」

「な、なんのつもりなんだ」

「忠夫が霊的防衛職に就いたでしょ。性行為も霊的にはかなり重要だから女権国家に染まった僕達とそういう関係になると霊的国防がダメになるかもしれないって、結婚を禁ずるかもしれない動きが出てきたから女権国家に寝返ろうかと」

「いや、いくら何でもそんな命令を出すほど王国は腐敗していないで。ミクさんだって多分だけど、女権国家の影響受け取るし」

「僕達って実はアドルより強いと評判で先回りし続けたエレナの血族なんだよね。だから君より先につけたんだ。捏造伝承『エレナによる逆レイプ冒険の終わり』を再現しようか」

 ランとユウキが交互に彼を襲うと一度の射精で彼女達より大儀や愛国心が大事という気持ちが一気に精液と共に吸い出されていく。人としての大事な何かを奪われるような性行為はすさまじい快感を彼に与えた。

 ジェラートの寝室でアリスは夢の中のユウキと同じ動きをしながら人形劇をテレビで放送していた。
高島の生まれ変わりの逆レイプ劇これはユウキとランが夢の中でしていることでもある。多くの人間の信仰が注ぎ込まれことで呪いはますます強くなっていく。
一つの劇が終わると同時に、アリスは名残惜しそうに離れた。大人の姿に戻った横島の元に金色の神をした理想的な体系の吸血鬼、
大人の姿のエヴァが訪れる。彼女は笑いながら、彼を捕え血と精を同時に吸い始める。

 夢の中で横島は一気に堕ちていく感覚を味わった。今は王国に敵対する闇の福音と呼ばれる吸血鬼に血と精を奪われれば奪われるほど、
相手を強くしてしまうのに彼女の美術品めいた体の魅力と味合わされた快楽に敗れ何度も無様に自ら彼女の腕の中に入ってしまっている。

「正義の味方を目指す心も多少はあった霊能者よ。もうお前が出した被害より上の数の人を救うのは生涯かけても不可能だぞ」

 嘲笑めいた残酷な宣言を聞いた瞬間一気に達しその瞬間意識が完全に落ちた。


 横島の調教が完了し完全に彼女達のモノになった後の週末の夜、ヴィヴィオとリグルがメインとなり彼を寝所で攻める閨事が行われていた。彼に好意を持つ女性達全員が揃っていたが、
今の所は二人の女王が主賓の様だ。彼女達は大量の女性の部下たちを時には彼との性交に混じらせ、時には彼を嘲らせている。

 リグルが横島に口づけし、触れるとその時点で一気に全身から力が抜け彼女に騎乗された射精させられた瞬間、男性を死に至らしめる虫の交尾の際の魂の内臓すら精液と変わり果てたような感覚と共に一気にリグルの中に彼は精を放った。

「忠夫が一気に出して弱ったから回復させてあげないと」

 リグルがそういうと、笑いながらジェラートが蜂蜜酒を差し出してくる。それを飲むと彼は一気に体力が回復し、奉仕系統の性魔術を使う霊力と体力が戻ってくるだが、その交わりをするたびに抵抗の意思の削られ具合が増していく気がする。
それでも蜂蜜酒を飲んだ後の気持ち良さと、その後で受ける女性達からの女性上位の攻めの快楽を夢想してしまい飲み込んでしまう。それを飲んだ彼をさとりが、笑いながら言葉で嫐る。

「本当に救いようがない男性ですねぇ。絞られ過ぎて死にそう。言い訳でしょう。男を隷属させる性行為で負けるのが完全に癖になってますよ。彼」

『はははー』『くすくす』『みっともなーい』『早すぎてなさけなーい』

 リグルとヴィヴィオそしてジェラートの配下の女性達の嘲笑が余計に彼を昂らせた。その状態を察知したさとりが笑いながら言う

「『自分が顎で使えるメイド達や妻の部下たちにすら男しての尊厳をずたずたにされるのが、最高に興奮する』ですか。誰でも女権国家で嫐られ続ければそうなりますけどねぇ、心の強い男なら三か月は持ちますよ。ひと月でこれとか本当に立派な愛国者で英雄ですねぇ」

 そのさとりの言葉が引き金となり一気に彼は射精した。リグルは笑いながら離れ、蜂蜜酒を彼に飲ませると説明を始めた。

「忠夫、蜂蜜にも色々と種類があるって知っていた。女権国家で男性を働きアリの如く従えたメイブ様にも繋がりのある飲み物で、さらにこれは百合の花から作られた蜂蜜なんだ。ユリの花は騎乗位で男を支配するリリスの象徴であり、女陰の象徴。『花の大公爵』である
ジェラートさんが作ったその百合の花から取れた蜂蜜酒を飲みながら交わっていたんだから、君の体にどれだけ女性上位の性交に向いた体に変わっているか想像つくよね」

前から異常な快感が襲ってきていたが、教えられた瞬間一気に彼を襲う快感の余計に強くなった。雄が死ぬことも多い虫の交尾に似た快楽はすさまじかったが、今回は完全に『王国男子』としては自分は死んだと思った。

リグルが離れるとヴィヴィオが横島に蜂蜜酒を注いだ。絞られ過ぎて体力を回復せねばという思いと、快楽への期待からそれを飲み下してしまう。

 リグルが離れるとヴィヴィオが理想的な肉体をさらしながら王族らしい優雅な様子で蜂蜜酒を一息に飲み干し彼に言葉をかけて来た。

「横島さん。貴女ほどに善行を積んだものなら『終わりなき自由冒険都市』に行けますよ。ただし、死後の世界でヴァルハラを管理している私とお互いに蜂蜜酒を飲んだと認識した状態で交わったらさすがに無理でしょうけどね。
流石に死後の世界でまで貴方を拘束するのは気が咎めますから、嫌ならやめますけど」

 そういいながら両腕を広げ目の前で回転するヴィヴィオを見ると彼女にされ続けた逆レイプがドンドンと蘇ってくる。顔や体に押し付けられたり、アリスやエヴァの糸で操られて揉みしだかされた乳房や尻。
その快楽の記憶が余計に分身に集まる血の量を増やしていく。少しして、さとりが横で想起を繰り返していると気づいたがもはや遅かった。快楽を求めてヴィヴィオに近づく彼をさとりは嘲る。

「自ら快楽に負けて『終わりなき自由冒険都市』にいく権利を手放しちゃうんですか? 王国男子として快楽に負けるのは最低なのに。 ヴィヴィオ様に死後ヴァルハラで王国男子として最低の屈辱を味合わされ続けたいんですか」

 さとりがそこまで言うとジェラートが杖を振り横島を嘲る女騎士たちを天界で騎士たちが纏う衣装へと変えた。それを見て余計に分身が固くなる横島をさとりは笑う。

「おやおや、死後の世界で結婚したら貴方の英雄としての知名度が産んだ霊力は女権国家の有効勢力のものになってしまいますよ。前世の分もそうなるのですがね。『死後の世界で現世ではできない様な嫐られ方がしたい』『王国を裏切る背徳感がたまらない』それが貴方の心ですか」

 実際は横島が快楽にあっさり屈しているのは無意識化では彼女達がそんなことをしないと信じているからなのだが、こいしがそれを意識に上らせないために自分は屈しているだけではなく、そう考えているクズだと思ってしまっている。

 ヴィヴィオに挿入した瞬間一気に射精させられ騎乗位に持ち込まれた後、彼はただひたすらに快楽に喘ぎ始める。

「ここまで堕ちたか。王国の救国の英雄よ」「下半身の耐久力だけではなく、欲望への体制も最低だわ。彼」 「陛下達以外のものになったらどうなっていたのやら」

 天界にいる天女でもある騎士との衣装を着たヴィヴィオ配下の女性達の声が余計に彼を昂らせ、一度の射精で彼は完全に倒れた。それを見下ろしながらさとりが言う。

「もうすっかり、立ち直る気がなくなってますよ、彼。私達が信用できるから他の女たちに襲われても大丈夫だろう。良い言い訳ですね。これを思い出しても同じこと言えますか? 『想起・二日前の閨事』」

 横島の記憶に完全に記憶を消された状態でヴァレンティーヌ公爵に良いようにされた時の記憶が蘇ってきた。 
ユウキとランがメイドの衣装に身を包み彼女に奉仕している姿が余計に敵国に寝返った女性の誘惑と快楽に敗れている背徳感を強くし勝てなかったことを思い起こさせた。

「ほら。この通り貴方は大業をなしてもそれが性欲の為だった男ですから、ここが満たされるならこの程度ですよ」

 ヴィヴィオが離れた後、さとりは横島の分身を快感だけを送り込むように踏みつけながら嘲ってくる。


342 :名無しさん@狐板:2022/03/21(月) 20:43:26 ID:gwTE6faX
 彼女は横島に最後に騎乗すると笑いながら、残酷な宣言をした。

「『想起王国男子としての誇りが砕け散った夜の日々』
 受けた調教で特に屈辱が強かった日々を思い出し射精し尽くす彼にさとりは、笑いながら次の宣言をする。

「『想起・強すぎる快感を味わった夜の日々』」

 屈辱はそれほどではないが、トラウマになるほどの快感を刻まれた夜の記憶が彼を襲い始める。二度の大量の射精でさとりの腹が大きく膨れ上がり、彼女が離れるとこいしが笑いながら横に現れる。

「こいしご苦労様でした。無意識の操作の報酬に忠夫さんの無意識の夢を操作して存分に現実と夢で嫐りななさい」

「はーい。おねえちゃん」

 その直後横島は夢の中で何度も何度も女性達から受けた調教で特にトラウマとなる快楽を注ぎ込まれた夜の記憶を繰り返し見せられながら、
その激しい快感と共に全てを奪われていく感覚を覚えていき最後に夢が崩壊する程の射精と同時に目覚めた。
それからはいつもそういう夢を見て目覚めた時には、目の前に騎乗している誰かがいる日々を過ごしていた。その日々を過ごしてしばらくたったある日、結婚を発表する日の前日ジェラートに彼は呼び出された。 
ジェラートは滅多に見せない真面目な表情で彼に向き合っている。 彼女は少し考えると口を開いた。

「旦那様。妾だけではなく、そなたと添い遂げると決めた女一同は今後王国に不義理をする様な真似は一切せず。親・王国派として犯罪ではない範囲で王国に味方し続けることを約束する」

 不思議とその言葉を彼は信じることが出来た。

「ああ。信じるで」

「感謝するぞ。惚れた男に信じてもらえるというのは、誠に嬉しいものじゃ。 こいしよ旦那様の無意識を操作せよ。 この記憶を消しても無意識では覚えておる状態にしておくがよい」

 こうすることで、彼に対して自分は快楽に屈したクズ男を思わせるプレイも余裕になるとジェラートは思った。 横島に『忘』の文珠を投げて記憶を消しながら彼女はこれからの様々なことを考えた。
 彼を夫とした以上はもはや、王国に不義理をするわけにはいかない。女権国家と王国は今の所は数十年は続く和平がなされており、上手くいけば平和が百年以上続くだろう。
数世紀も公爵をし続けた彼女にとって王国に義理を欠かずに和平を維持する政治的働きをすることは決して難しいことではない。だが、しくじる可能性もゼロではないのだ。彼の為にも万一の敗北も許されぬと決意を固めると彼女は執務室へと歩み始める。
 王国に義理のある夫を迎えた公爵としての物語が不義理をしたという結末を迎えさせないという断固たる決意がその足取りからはうかがえた。


343 :名無しさん@狐板:2022/03/23(水) 20:43:34 ID:0bDJkm2g
乙でしたー

344 :339:2022/03/25(金) 23:54:46 ID:+H7UJ/wu
>>343
今更ながら乙感謝です。本スレだけでこちらを見てなかったので返信が遅れてすいません。

345 :名無しさん@狐板:2022/03/26(土) 21:38:21 ID:AsgZw+cQ


346 :339:2022/03/27(日) 12:06:21 ID:ut/TPh10
>>345
乙感謝です

347 :名無しさん@狐板:2022/04/01(金) 22:56:12 ID:GQH0SHDw
月間少年カンカン

王国の児童漫画雑誌。10年戦争時に女権国家に捕らわれていた過去のある捕虜が創業者兼編集長となり立ち上げた。現在は廃刊となってしまったが、今でも成人男性たちからすら高い評価を受けるほどクオリティの高い連載漫画ばかりだった。
主に幾つもの名作が生み出されており。大半の漫画は登場人物に感情移入できる王道物語が多かった。 
少年誌には珍しく凄すぎるメンタルの主人公はあまりおらず、中盤や終盤にかけて成長してそうなる場合が多い。また凄すぎるメンタル主人公は納得できる理由がセットになっていた。しかし、
この児童雑誌の一番の特徴はとてつもないエロ描写にあった。悪の女から色仕掛けを受けたりする描写とそれによって悪に堕とされることの良くなさが良く描かれており、大半の子供の頃は性欲の薄い少年たちは女権国家の恐ろしさなどを知った。
一部の性の目覚めの早い少年などはその美しい絵と巧みな描写に、悪役の女キャラクターの虜となってしまう少年も多く4年戦争の敗戦前は規制を視野にいれた処置がとられかけたことがある。
女権国家に捕らわれて返却された捕虜たちが書いていた為にそういう本ができあがったが、エロ描写を抜いても女性からさえ評価されるほど、漫画のクオリティは高く、また大半の捕虜だった男性は女権国家の女性達の虜となった男たちの、
変動を見て純粋に女権国家の女性の様な女性の怖さを伝える警告のつもりで書いていたものが大半だった。一度手入れが入った際も、
彼らの供述を調べてみると限りなく白に近い灰色であり(少なくとも大半の作者は)スパイではなく女権国家の女性やそれに類する女性の色仕掛けの恐ろしさを伝えるためや純粋にクオリティ高い漫画を描くために女権国家での経験を活かしただけだった。
経済活動にもそれなりに貢献していた上に、この漫画に登場するような女性が女権国家に多いと知った少年たちのアンケートを見ても本心から女権国家の女性達を警戒し色香に溺れるのは良くない事だと考えるものが増えていたので敗戦前でも作品に深い規制は入らなかった。

 女権国家の女性達特にサキュバスや夢を操る能力者たちからは『姦姦』などと揶揄される。または同じ名称で、敬意をもってありがたがられたりしている。 夢の中で男を堕とす際に、
昔読んだ大好きな漫画を真似た夢でその漫画の主人公を快楽や色気に負けて裏切らせると屈服が早くなり、または背徳感からたくさんの快感を与えてあげられると感謝されている。 
ただし色仕掛けで破滅することの恐ろしさと女権国家の女性の誘惑の凄さと防ぎ方も学べるために、これを読んだ王国男子は堕とされ始めると早い反面、手を付けられる前は未読者より上手く女権国家の女性から逃げる傾向が強い。
 その為女権国家の女性達からの評価も一枚岩ではなく、『この本を読んで得た価値観を持った男子を堕として敗北感や背徳感を味合わせたい派』と、『この本で得られる知識のせいで捕まえにくくなっている派』に分かれてしまい。
後者の派閥が勝っていた時に女権国家に利用されることを危惧した王国が穏当な形で廃刊に持ち込もうとしていた上に、編集長も協力したために。後者の派閥の協力もあり廃刊となった。
なお王国の各家庭では、読ませた方が良いか悪いかの判断を付けられない親が多く、大半の家庭の親のスタンスは『家の子には読ませない(又は読ませる)けどよそ様の家はどっちでも口を出さない』というものが多かった。
ストーリのクオリティが高かった為か、王国男子だけでなく女子にも心のバイブルとしている者も多い。その為女権国家の影響でM向け小説などを書くようになったものでも、この漫画の男キャラを辱める話は書けないという作者も多い。
また、今でも女権国家の女性達から逃げるテキストを作る王国の軍用教科書作成者はこの本を読んでそこから教材を作っている。


348 :名無しさん@狐板:2022/04/01(金) 23:00:56 ID:GQH0SHDw
女権国家SS エイプリルフール企画、夢幻の無限快楽堕ちの夢


 このSSは女権国家のSSであり、>>329から>>337>>339から>>342まで投下したSSの続編にあたりますが、>>311>>319の物語もパラレルとして繋がっています。
 また>>347の児童漫画雑誌については公式設定ではなく、このSS限定のオリジナル設定です


 花の大公爵ヴァレンティーヌの居城。慈悲と徳の大公爵の通り名を持つだけではなく、女権国家の遊郭等を取り仕切る歓楽街を統べる女主人でもある。その彼女の居城の寝室で彼の公爵の夫となった横島が複数の女性達に嫐られていた。
女権国家の歓楽街の主でもある彼女に相応しい赤と黒で彩られた、情欲を掻き立てると同時にどこか男性から見ると牢獄を連想させる場所で、横島は口から情けないまでの悲鳴と喘ぎ声の間のような、声を出している。彼のその姿を黒みがかった赤い髪をした公爵が、
満足そうに高めの椅子から見下ろしていた。彼女の満ち足りた表情を見れば女権国家の人間なら、今宵は夫を閨で重利し尽くした後だと察せられるだろう。
公爵は一糸まとわぬ姿でありながら不思議と威厳と品のある佇まいで、椅子に掛けながら笑い彼を嫐るような言葉を口から紡ぎ始めた。

「旦那様。その者達は、妾の弟子としても貴族としても最低の地位の者達じゃぞ。 そんな者たちにすらその様とは、情けなや。 一対一で惨敗した女全員に、掛かられればそれもやむなしか」

 椅子に掛けるジェラートにメイド服に身を包んだユウキとランが恭しく侍り給仕を務めている。いつかの完全敗北の夜とその後に見せられた夢が思い出され余計に彼を昂らせる。

「ジェラート様。忠夫が王国男子にしてもあまりにも早漏過ぎる醜態を見せているけど、女権国家の女性としてはどうですか? 僕としては見てて楽しいけど。
王国女子としてはかわいそうになってきます。 あんなに早くてしかも、さとり様が言うにはあれで心底興奮するようになるまで一月。ここまで早漏とかあまりにもかわいそうです」

 ユウキの蔑みの言葉で逆に彼は昂り。丁度夜の弱さをバカにする意の籠った目で見挙げながら、彼の分身を口淫していた魔女の中に一気に放ってしまった。
三人が嫐る言葉で解説する中、横島を襲う女性達は無言でただ蔑みの視線を向けてひたすら彼をベッドで圧倒した。 これが今夜は一番効くとさとりがアドバイスしたらしい。

 彼女達が横島から精と霊力を搾り取り尽くし、満足して出ていこうとすると服を着る手伝いをしようとする二人をジェラートが制した。

「あまりにも旦那様が無様でかわいらしかったので、妾ももう一度したくなった。そなたらもそうではないか」

「はい。忠夫様、夜伽をお願いしますね」

「さすが公爵様。僕達も使い魔として頑張りまーす。忠夫〜蜂蜜酒は用意しておいたからがんばろー」

 ジェラートには心底の敬意を込め、横島には嗜虐心の込めたランとユウキの声が彼をより絶望させ。その後彼は意識が何度も飛び続けた。

 果てしない快感と共に何かを捧げさせられている感覚が支配されている感じを強めていき、限界が来ても振舞われた料理と蜂蜜酒が体の中で砕け散る様に精力を回復させていく。   
体力か精神力どちらかに限界が訪れ、横島が倒れかけた時にジェラートが水分をひたすら欲する状態と化した彼に蜂蜜酒を再び差し出してきた。それを飲み終わるとジェラートが口を開いた。

「今宵は少しばかり特別な賓客を招いておる。旦那様」

 その言葉を聞いた瞬間、横島の背に嫌な予感が走った。だが同じくらいに期待もあった。期待を感じるあたり自分も大概になってきていると感じる。横島は多少自己嫌悪しつつ彼女の言葉の続きをまった。
ジェラートは横島の表情を見ると右手に光を纏わせると優雅に手を振った。その瞬間光で出来た魔法円が現れる。ジェラートの右腕の光は、召喚というより来ても良いと相手に伝えるためのものだったのだろう。

 魔法円の光が止むと、そこには太陽の光を受けた狐を思わせる美しい金色の髪をした魔女がいた。見かけは十代前半くらいにしか見えないが、それでも身に纏う魔力は凄まじく見かけの年齢に相応しくない大きい乳房をしている。
彼女は笑いながら綺麗な緑色の瞳で横島を見下ろした。 横島は彼女を知っている。 過去にユウキとランの治療に駆けずり回った時に世話になった魔女、メタリカだ。 彼女は強力な力を持った沼の魔女であり、ユウキとランの恩人でもある。 
ジェラートにインプに転生させてもらって病が完全に治る前に彼女が寿命を延ばせる薬を二人に処方してくれた。 何度か行動を共にした後、完全に治す方法を見つけてくれたと聞いたからこそ、
横島はかつて自分をストーカーしている女性達から逃げることを選択できたのだ。最もそのストーカー達がユウキも含む女権国家で親しかった女性だったのだが。それが分かった今でももう彼女達から離れようという発想は出なくなっている。
それほどユウキ達が自分に与えてきた快楽は凄まじい。

 メタリカは傲岸不遜な笑みを浮かべながら、横島を見下ろすと口を開いた。

「久しいな横島。ユウキとランを救う為に色々と奔走していた時から好感を持ってはいたが、少しばかりジェラートからの提案で二人を使ってからは余計にお前への好意が強くなってな」

 横島はメタリカの言葉に恐怖を覚えた。王国の時から一緒にいたユウキを始めとした女性達、彼女達は自分を心底好いてくれていると分かった今では大切な女性だと思っている。それでも強すぎる快楽と恥辱で時々トラウマを刻まれる。
今のメタリカの目は自分にトラウマを刻んでくるときの女性達と同じ目をしている。

「端的に言うとユウキとランを上位の魔女の使い魔として使った結果繋がりが深くなり過ぎて、私もお前に嗜虐心と好意を覚えた。そういうわけで気が向いたらお前を嫐りにくる。今夜はお前を嫐る女としてのデビューの日だ」

 メタリカの言葉に恐怖を覚えながらも動けない横島を彼女は笑いながら押し倒した。一息に分身の全てを飲み込まれた瞬間彼の、意識は一気に落ちた。大量の精液を出しそのまま快楽のあまり意識を失う。
メタリカは笑いながら、ユウキとランに目配せをする。それを受けた二人は笑みを浮かべながらメタリカと使い魔の契約の準備を始めた。その儀式が終わる時彼の、意識が完全に堕ちた。

 横島は目を開けると、自分がジパングにいることに気づいた。そして全あっちこっちを見た時、自分は子供の頃カンカンで掲載されていて単行本も全館かった漫画『陰陽師少年』の世界にいるのだと気づいた。そこにユウキとランが入ってくる。 
横島は自分の体を見て精通したばかりの頃の年だと気づく。対してユウキとランは小柄だが十代半ばくらいの育ち切った体系になっている。ユウキは武士らしい衣装に身を包み、ランは巫女の様な衣装を着ている。

「ユウキ、ラン。すまん。状況が飲み込めてへん。今、俺たちはどういう状況に置かれているんだ?」

 その問いにユウキとランは笑いながら答えた。

「忠夫、前世の記憶が戻ったんだね。 前世でも快楽に負けて、ここに従い続ける愚物に堕ちて僕達の奴隷だったじゃない」

 ユウキの蔑みと情欲の混じった言葉に、屈辱や怒りより興奮を覚えてしまい、彼は自分がやばいと思った。

「木綿季、あまりイジメるものではありませんよ。忠夫さんはめでたくこっちに来てくれたんですから」

 ランは笑いながら横島の衣服を巫女の杖を連想させる長巻で切りさくと、腕から呪縛の呪文を放ち彼の動きを止めた。

「前世の話はそれくらいになさってください。今の私は紺野藍子ですよ。忠夫様」

 最後の言葉は舌を絡める口づけをして終えた。藍子は横島を味わい尽くした後、彼を縛る呪縛を解いた。

「もう口づけだけで完全に堕ちてしまいましたね。木綿季、色々と説明してあげなさい」

「はーい! お姉ちゃん」

 木綿季は笑いながら、横島に跨り分身を迎え入れると、笑いながら話し始める。

「前世で王国の英雄と言われるほど凄かった忠夫は、本気で惚れていたとはいえ卑怯な手を使った女性達や、王国を裏切ってヴァレンティーヌ公爵に着いた僕達みたいな、卑怯女の与える快楽に負けて。
女権国家で働き続けたんだよ。その後、カンカンで連載されてた、陰陽師少年の世界に転生したんだよ。今生の記憶戻ってきた」


349 :名無しさん@狐板:2022/04/01(金) 23:02:21 ID:GQH0SHDw

 横島は快感で脳が破壊されるような錯覚を覚えながらも、木綿季の言葉を聞きながら様々なことを思い返してみた。前世で読んだ、漫画の内容が思い出される。
近代化が始まりだしたばかりのジパングで陰陽師の少年たちが東洋の悪の術者や妖怪そして西洋からの魔術師や妖怪からの侵略に対して霊的国防を試みるというものだった。 
その際にサキュバスや西洋の魔術師など夜の戦闘では決して勝てない相手の色仕掛けに乗ってしまった男などが敵として現れる展開も多かった。そこまで考えた瞬間、射精が起こった。
完全に脳が砕け散った様になった横島を見下ろしながら木綿季はおかしそうに宣言した。

「忠夫は今生でも僕達の色香に負けて。英雄“だった”のに今じゃあ陰陽師少年の敵役の色香に負けた堕ちた元英雄の一人だよ」

「す、すまん。ワイは今生の記憶が殆どないんや。陰陽師少年の何巻目くらい、ああぁ!」

 言い終わる前に木綿季が敢えて強い快感を与え射精させそのあと敏感になった分身にさらに快感を送り込んで来た。

「今は君の方が地位的にしたなんだよ。口の利き方に気を付けてね♪ それと、僕の味方陣営に堕ちていて、僕と褥を共にしているのに前世でファンだった漫画の主人公の方の心配とか、少し教育が必要かなぁ?」

 かなぁという言葉は疑問に思っているというより、横島がどの程度自分に卑屈な態度をとるか図っている様だ。横島は即座に下手に出ることにした。前世で女権国家に染まった影響が残っているなら下手に出てくる、
好いた男にはかなり甘くなるはずだ。ユウキの性根からして、少し拗ねただけでそこまで怒ってないなとも彼は思った。

「木綿季様。すんませんでした。許してください」

 そこまで聞くと彼女は笑いながら横島から離れた。自分が精と共に大量の霊力を吸い取られ目の前の女性に手も足も出なくなったことを自覚させられ落ち込む横島をよそに木綿季は妖術を使い一瞬で服を着こんだ。 
その姿を見て、横島は驚いた。

「木綿季、お前天狗やったんか」

 山伏を思わせる白い衣装に身を包んだ彼女は笑いながら言う。

「うん。陰陽師少年の山の妖怪たち=鬼や天狗や妖狐との戦いの3,5巻辺り、つまり山中死闘編だよ。今」

 木綿季は笑いながら言うと藍子が狐の尻尾を見せてくる。それを見て横島の顔色が変わった。彼女は笑いながら服を脱ぎ木綿季と同じ様に彼を絞り始める。
木綿季から受けた暴力的な快感の後のせいか彼女の甘い柔らかい攻めは余計に効果が高い。彼女が殆ど動かないのに何度も悲鳴を上げさせられる彼を、木綿季は面白そうに眺めて言う。

「忠夫〜、 山中死闘編は何度も読んでたから、九尾の狐や妖狐の色香に負けるとどうなっちゃおうか知っているよね。 妖怪の色香に負けると最悪の展開が多いけど特にこの二種類は圧倒的だからね〜」

「は、はい」

 藍子の胸に顔を埋めさせられながら横島は答えた。九尾の狐や妖狐の虜になった物は堕ちた英雄の中でも特に強くなり、真っ当な良識や倫理を持ったまま、それでも色香に勝てず、虐殺や悪事に手を染め続ける。

「僕達にこれだけ精を吸い取られたら、元の強さに戻るまで十日はかかるよ。主人公くんの足を引っ張るどころか、敵対したくないなら頑張って僕達に奉仕してね。ご機嫌取りの仕方次第では、“僕達”は参戦しないから」

 木綿季はそういうと藍子に惨敗して蛙の様に仰向けになった彼を前に再び妖術で服を脱いだ。天狗の衣装を見せるために服を着ていたのだろう。

 それから横島は何度も意識を飛ばしながらも、二人に奉仕した。精を一度搾り取る度に交代し彼を嫐る彼女達は不意に彼を挟んだ。木綿季が彼の分身を内部で嫐っている時に時に藍子が彼女に百合的な愛撫をすると、
余計に強く彼を絞るように木綿季の内部が動き、さっきより大量の精を放ってしまう。さらに藍子と一つになっている時も木綿季は同じことをしてくる。三回ほどそれを繰り返すと二人は満足するように離れた。

「忠夫、お疲れ様。『僕達』は約束通り参戦しないよ」

「ほ、ほんまか」

 ホッとする横島に藍子が優しそうな笑みを浮かべながら、彼の分身をさすり言う。

「ええ。でもあなたご自身に行っていただきます。また嫐ってあげますからお願いします」

 そう言われると、彼の頭にさっきまでの情事が蘇ってきた。そして彼は自分が妖狐の情事の術を受けていたと、思い至った。今は霊力を吸われているが、ここで霊力与える性行為をされれば自分は殺人マシーンになる。
そう思ったがもう彼の体は言うことを聞かなかった。負け犬を見る様な目をして腕を広げる二人の間に体が勝手に動き入っていた。


「ああ〜〜!」

 声にならない悲鳴を上げる彼は二人の操り人形の様になりながら彼女達に奉仕を閨の中で繰り返した。快感が極に達した瞬間に意識が落ちる。

 ジェラートの寝室でメタリカが横島に覆いかぶさりその精を絞っていた。ユウキとランが彼の精神世界に入っていかせた後、夢の中では二人に嫐らせ、
現実の肉体は彼女が嫐る。その為か横島の分身からはいつも以上に凄まじい量の精液が溢れ出る。強すぎる快楽が苦痛となる彼を彼女は余裕の笑みで見下ろす。

「さて、そろそろ次に進むとするか」


 木綿季と藍子に絞られ尽くされて意識を失った後、彼は小学生くらいの背丈になっていた。現代の中学校の生徒開室を思わせる場所だ。
目覚めた彼は辺りを見回すと、不意に自分が狐耳を思わせる髪型をした金色の髪をした少女が声をかけてきた。左右には木綿季と藍子ではなく、ユウキとランが控えている。

「キヒヒ、今のお前には初めましてと言うべきか? 忠夫」

「すいません。貴方は」

 そこまで言って横島は思い当たったことがありその予想を口にした。

「もしかしてメタリカさん」

 そういうと金色の少女は嬉しそうでありながら、僅かに不満もあるような顔になった。彼女が手を振ると中学校くらいの姿になって、歳に不相応の乳房が揺れる。
彼女が合図するとユウキとランが左右から彼を押さえつけた。メタリカが杖を振ると不意に生徒開室が外の世界と切り離されてかのような感覚が起きる。

「この世界での記憶を全て消したからしょうがないが、私を呼ぶ時は呼び捨てか、もしくは様を付けろ」

 メタリカはもう一度杖を振ると彼の衣服が消失した。彼女は笑いながら説明を始める。
「横島、ここはお前が嵌っていた児童向け漫画、陰陽師少年の同作者の作品、『魔術ダンジョン冒険奇譚』の世界だ」

 それを聞くと横島の気分が少しだけ軽くなった。この世界は陰陽師少年の続編という訳ではないが、世界観的につながりがある。陰陽師少年がバッドエンドになると続くことがない世界だったはず。陰陽師少年がハッピーエンドで終わった後に、
様々な霊的異物が残りそこから西洋、東洋善悪関係なく無差別に全ての霊的存在が活性化し、人々の意識が混じりあって生まれる異界のダンジョンを攻略して、時には悪霊や妖怪の被害を抑え、
時には妖怪と共に出現する宝などを持ち帰ってくるというものだったはず。設定を思い出して安心した彼に、メタリカが笑う。


350 :名無しさん@狐板:2022/04/01(金) 23:03:35 ID:GQH0SHDw

「お前は没落中の陰陽師の家の出で不治の病に犯されていたワタシ達の守役件ダンジョンの同行者だった」

 メタリカとユウキとランこの三人は病気でありながら神秘的な力の素質などがすさまじかった為出現したダンジョンの攻略に駆り出されたこともあった様だった。

「で、お前がダンジョンで無茶しながら私達の治療薬や回復させる魔法を探したおかげで、助かったという訳だ」

 そういうとメタリカは緑色の液体を彼の分身に塗り付けた。メタリカ自身の指使いとそれに込められた魔力が巧みだったこともあるが、
緑色の液体の与えてくる媚薬の様な効果が彼を狂わせる。だが緑色の液体の与えてきた快感が脱力を覚えさせ指一本動かすことすら辛い。メタリカはそれを見下ろしながら笑う。

「忠夫、ワタシはなお前の通っている付属小学校の中学、黒曜中学校生徒会長にしてリリス会サバト会長の魔女メタリカ様だ」

 それを聞くと横島の顔色が変わった横島が子供の頃滅茶苦茶尊敬していた。正義の主人公の最悪の敵一派だったはず。番外編が色々な都合で没になったが、十代後半になってもその設定資料を買うくらいにはこの話が彼は好きだった。

「お前を支配して、戦わせるかそれとも精と霊力を搾り取って私達を強化してもらうか、キヒヒどちらにしようか? 現実逃避ではなく真剣にこれは夢でただのプレイかもしれないとか思っただろう今」

 横島は自分の内心を言い当てられたことで余計にこれは夢かもしれないという予感が強くなった。

「そうかもしれんが、小説や漫画を描いている人間は実際に異世界で起きたことを無意識でキャッチして書いているという説もあっただろう。 私は幾つものパラレルワールドも繋げられるここが本当にお前が子供の頃読んだ漫画の世界じゃない、なんて保証はどこにある?」

「なぜこんなことを?」

「なに。お前が子供の頃フィクションの世界では一番好感を持った相手にワタシたちの女としての魅力が勝るか知りたかったと言えばいいか」

 そういい終わるとメタリカは横島の分身を緑色の液体のついた足で踏みつけた。それを受けて射精した彼を見ながら彼女は笑う。

「昔は近づいただけで死者が出るほどの毒の沼だったが、今では完全に男を支配する魔術の沼だ。効くだろう」

「あ、ああ」

 横島は強すぎる快感と女性に主導権を握られる性行為は恥ずかしいというこの世界での常識が急に頭に浮かび上がってきたことで言葉を発せなくなった。そこに楽しそうなユウキとランがインプの耳をさらしながら言う。

「メタリカ様―! せっかくだからあれやろうよ、あれ」

「ワタシもそう思ってたところだ。さて行くか」

 メタリカが横島を掴み呪文を唱えると一瞬で彼はプールの様な所に移った。緑色の液体を見てこれはメタリカの沼だと理解した。楽しそうなユウキとランが飛び込んでくると、彼女達の力が一気に上がったのが分かる。 
沼に入った途端脱力感と果てしない快感の中にいる彼を二人は笑いながら追い込んでくる。彼女達が泳いだ程度の振動ですら、射精を招きかねない程に彼の体を刺激した。 その状態の彼をユウキとランは二人係で弄び始める。
時には玉袋を揉みしだき、乳首に吸い付いてきたりする。彼が絶頂を迎えかけた時に二人は沼の水の動きでそれを察知でもしているかの様に口か秘部で受け止める。
その度に彼は、悲鳴を上げる。二人は敢えて横島を快感にならさない為にこういうやり方をしているようにも思えた。メタリカが合図を出すとまともな思考ができなくなり、沼に沈みかけている彼をユウキとランが引き上げ左右から拘束してくる。二人は手と魔力で動かす沼の水で彼に愛撫をしながら、メタリカを見上げさせた。
「どうだ?気持ち良かいいだろう。 過去の正義とかヒーローとかどうでも良くなってきたか?」

 首を横に振るとメタリカは楽しそうに笑った。

「そうだな。だからこそ――弄び甲斐がある」

 メタリカは沼から出た液体を僅かだけ取り出すとローションの様に使いながら彼を愛撫した。塗り込められるたびに沼の中に放り込まれたのとは別の快感が彼を襲う。そして彼女に押し倒され彼女と一つになった瞬間、
彼の魂は快感の底なし沼に捕らわれた。メタリカの秘部は酷薄そうな口調とは裏腹に優しいどこまで捉えてくる底なし沼を思わせる快感を彼の分身に与えてくる。そして彼はその激しい快感に自分がどんどん沈められていると感じた。ユウキが手に沼から取れたローションの様な液体を持ちながら彼の玉袋を強く揉んだ。

「忠夫、ほらもっと頑張ってメタリカ様を楽しませなよ。夜が弱すぎてすぐ飽きちゃうぞ」

「飽きたりはしませんけど気概を見せてほしいと私も思います」

 ランが優しいがどこかバカにしたような声を出しながら彼の玉袋をユウキの後に撫でる。
ランの優しいがバカにしたような目とユウキの残酷な遊びをする無邪気な子供の様な瞳に屈辱感を煽られつつ、分身がカチカチになる当たり自分はもう末期だと横島は思った。

 メタリカが彼を抱き乳首や肛門の近くを沼の液体を塗りたくり、それに続く形でユウキとランも同じことをする。彼はそれを受けるたびに何度も堕ちてイキ射精の度に自分の分身の内部に入った沼の液体と精液が混じり危ない変化を起こしている感じがした。メタリカは何度も彼を犯しながら笑う。

「キヒヒ。変態、気づいたと思うが私達を抱けば抱くほどお前の大好きなヒーローが振りなっていくぞ」

 沼での情事の後横島は、何度もダンジョンの捜索に連れていかれ手柄を立てて彼女達の勢力を盤石にして、今でも大好きなヒーローたちを不利にする程彼女達に過激な快感を与えられた。そしてそれを繰り返し終えると再び意識が落ちる。

 その後横島は何度も転生らしき体験をした。時には人形の魔女アリスの使い魔となったユウキとランに英雄が受けた恥ずかしい逆レイプを人形劇の様に再現させられ堕とされたし、ある時は女王国からだけではなく、
女権国家の住民からさえ高評価を受けた女権国家と戦う仮想戦記漫画、『王国の守護男神』の世界でジェラートとランとユウキそしてその配下達に輪姦され、
ユウキとランは花の魔術で強化され彼を種類の違う花の力を借りて何度も嫐った。そして彼女達に堕とされて王国と小学生だったころの自分の中の英雄を裏切らされた。
ある時は『陰陽師少年』の続編である『魔術ダンジョン冒険奇譚』のさらに後世が部隊の作品、『ジパングの夜の守護者』の舞台でエヴァンジェリンに大人形態と子供形態両方で嫐り尽くされ血と精と誇りを吸われ尽くした。
『少年騎士道』物語の世界ではヴィヴィオやその配下達に輪姦され。敢えて武力ではなく快楽で屈服させられた。



351 :名無しさん@狐板:2022/04/01(金) 23:04:58 ID:GQH0SHDw
 その転生を終え尽くした後、彼はある廃墟と思しき荒野にいることに気づいた。この荒野は澄んだ場所でありながら、その先にはいくつかの美しい廃墟めいた建物が見える。吸血鬼が済んでいそうな洋館に、
迷宮を思わせる様々な劇画上演できそうな劇場。神殿の様な豪華な城。そして品のある遊郭の雰囲気をしたジェラートの城。ユウキやランと遊んだ場所や泊まり込みで、過ごした幼少期の村や、
、固まってできたような集落もある。さらには虫の沢山いる森などがある。彼は辺りを観察した。明らかに今までの、夢とは違う。今の自分は捕らわれていないし、女権国家で過ごした時の年齢になっている。さらには完全に自由自在に動ける状態だ。怪訝に思う彼をメタリカは見下ろしながら言う。

「忠夫、お前くらいに霊的な知識が深ければここが死後の世界だと分かるだろぉ。ここは『元終わりなき自由冒険都市』お前が負け続けたおかげでパラレルワールドに変換が起こり続け遂にはあの難攻不落の都市が落ちた。
おやおや青ざめているな。流石に自分が快楽に溺れ続けて彼の都市を滅ぼしては寝覚めが悪いか。安心しろ、ここは夢の世界。集合無意識の世界でもある。まだ予言という形で滅んだにすぎない。だからこそ、この夢幻の迷宮を踏破して予知夢でもある悪夢を滅ぼせば予知夢はただの泡沫の悪夢に変わる」

「どうすれば良いんだ」

「死に覚えゲーみたいなこの神殿や都市を越えて、全てのボスを倒せば始まりの夢、全てのパラレルワールドをかき集めた私が作った影響は消える。夢だから何度死んでも、折れない限りは何度でも挑戦できる安心するが良い。ただし気を付けることだ。
負けるたびに激しい快楽が襲ってくるかつての逆レイプの再現の上に、そこで折れてしまわないようにな。この迷宮の魔物達はお前の夢、お前の逆レイプされたい願望が強さの元だぞ、キヒヒ」

 横島はそれを聞き、迷わず人形の魔女アリスのステージだと思われる劇場に挑んだ。

 そこに着いた時、アリスの下僕となった自分の人形にあっさりと彼は敗北してしまい。脳天に雷が落ちた様な快感に目を開くとアリスに騎乗されていた。彼女はいつもの様に糸で彼を操り、彼が受けた歴史に残った逆レイプをしながら言う。

「忠夫。今回の人形は貴方の私達に嫐られたいという感情がエネルギーだったけど、あっさり負けてしまった気分はどう」

「自分が末期だと思った。でも諦めない限り次があるんやろ。ああー!」

 アリスの与えてくる優しい快感に屈し射精した後、彼女は笑いながら服を着こみ始めた。指一本動かせない自分との差を否応にも感じさせられる。彼女は横島に服を着せながら言う。

「そうだけどこれじゃあ先は見えているわね。閨でも手加減してあげるから。早く挑戦しに来てね」

 ペットの犬にこっちに早く来てという様な口調に屈辱感を覚えた彼に、アリスは笑いながら言う。

「貴方がこの世界を絶対にクリアできないなんて、私達は誰も思ってないわ。ただ負けても私達には損失はないし、貴方が本気で望むなら戻すから安心して」

 アリスの言葉になぜか『無意識を操られた』かの様に安心できず負けてはだめだという思いが募りながらも、彼はそのまま入り口に戻された。その後、リグルの森で負けた後は、ダンジョンを護る虫型モンスターの父親にされていた。

「忠夫―君と同じく、夢幻の迷宮の被害を止めに来た皆さんを妨害するモンスターの強―いのが生まれちゃうよ。 ほらほら射精を我慢すればちょっとはましになるから、頑張れ♪頑張れ♪」

 リグルの馬鹿にし尽くした声で余計に激しく配下に射精した後、再びリグルに押し倒され彼は何度も果てた。

「ボスモンスターである僕まで強化してどうするんだい? そんなに女権国家の男性の死後の安寧地まで壊したいのかい? それとも背徳感が余計に君を興奮させているのかな」

 全てのメンバーに逆レイプを受け終えた後、ユウキが笑いながら声をかけてきた。

「大丈夫だよ忠夫これは、夢で『嘘』だから。『横島は夢幻の快楽地獄のダンジョンを踏破し、死後の世界を護るようです』なんて始まるわけないよ」

 ユウキがそういうと彼の視界が真っ暗になった。

 横島が目を開けるといつもの情事の後であることに気づいた。あまりに消耗に首を動かせない彼が、当たりを見回すと、メタリカをはじめ彼に好意を寄せてくれた女性全てが情事の後の様になっている。吸い取られ尽くした自分の霊気を見て、
かなり激しく絞られたのだと思った。昨夜の情事はあまり思い出せないが、今までにない背徳感と屈辱感がありそれが激しい快感を送り込んで来たことだけは覚えている。 動けない彼を見るとジェラートが布団を再びかけてきた。休めということだろう。彼が目を閉じるとゆっくりと意識が落ちて言った。

 横島が眠った後、ユウキはメタリカに礼を言っていた。

「メタリカありがとう」

「キヒヒきにするな。お前とは付き合いも長いし、一番気に入っている女友達だからな」

 今回の情事に関してはユウキがメタリカに深く頼んだ様な所があった。子供のころカンカンを読んで、横島が悪の女幹部のファンになったのを見て、ユウキは妙に腹が立っていた。だが自分もその作品のファンになり、主人公がその女幹部の誘惑を振り切り、
魅力で負けているヒロインを取ったのを見た時は、横島にもそうしてほしいと思ったが、今は違う。自分があの女悪役達と同じ立場に、なり彼をあの女達よりも深く魅了したくなっていた。これも女権国家の影響だろう。 メタリカは彼女のその望みを快諾し、
平行世界の情報なども多少は読み取れる力を使いそういう夢幻の部隊を整えてくれた。彼女の一度身内にしたものへの甘さが良くわかる。 笑うメタリカ相手にユウキはなんとなく口を開いた。

「でもエイプリルフールの嘘とは言え、忠夫には少し悪いことしちゃったね。自分が欲望に溺れ続けた結果、終わりなき自由冒険都市を滅ぼした戦犯だと思い込まされちゃうなんて。本当はただの適当設定でしょう?」
 それにメタリカは真顔になって答えた。

「キヒヒ。そうでもないかもしれんぞ。夢などの無意識世界は多少はオカルト的には神界などと繋がっている。そして漫画の世界などと同じようなことが起こった世界は多数ある。
私は誰かが色欲に溺れたせいでほろんだ世界の欠片を集めてあの夢幻のダンジョンを作ったのさ。そこで忠夫がそういう役割を持った男たちの記憶を多少共有していたり、あるいはその役になる様に仕向けることもできる」

「それじゃあ。夢の中のやり取りは本当の事なの?」

「『嘘』だから安心しろ。仮に本当でも元々滅ぶ世界だった上に忠夫がクリアすれば運命は回復する仕組みになっている。おしまいだった世界にチャンスを与えているから気にすることはない。最も『嘘』というのが『嘘』かもしれんがな」

「メタリカ、僕達に滅んだ責任がゼロでも流石によそ様の世界が滅びる様な事を性的な遊びに使うのは」

 ユウキの言葉にメタリカは笑いながら横島を撫でながら答えた。

「仮に『嘘』でなければこいつがクリアできないと思うか? お前も私の使い魔をやった時にパラレルワールドのこいつのことを見ていただろう」

 ユウキはそれを聞きユウキは黙った。いくつかのパラレルワールドの経験を疑似体験した時、『魔術ダンジョン冒険奇譚』に限りなく似た世界では、横島が塔は不可能と言われたダンジョンをクリアして持ち帰った薬のおかげで自分たちは助かったのだ。
絶対にクリアできるというメタリカの言葉を不思議と疑う気にはならなかった。本当に『嘘』か訝る自分を他所に眠る横島の頭を楽しそうに撫でるメタリカを見ながら、ユウキは深い付き合いがある自分より、まだ距離のある彼女の方が見えている部分もあるのかもと思った。


352 :名無しさん@狐板:2022/04/02(土) 02:02:25 ID:0D8QM6RI

何だかんだ言いつつ横島を評価し、信頼しているメタリカ良い・・・
以前の本心を言った(言わされた)さとりといい、そういう本心があるからこそ歪んだ愛情表現がより映える

353 :名無しさん@狐板:2022/04/02(土) 15:12:32 ID:BPLpWz+R
おつでしたー

354 :348:2022/04/02(土) 23:02:16 ID:rgcpub8b
>>352
乙と感想ありがとうございます。超常的な相手でも惚れていてもらえるシチュが自分も好きです。
>>353
乙感謝です

355 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:12:24 ID:5AOAdM2e
これはひどい真・女神転生if 飽食界編

これは女神転生ifと女権国家のクロスSSで>>259から>>276の続きです以下の注意があります。

@魔石はマグネタイトを固めて作るというのは公式設定でない可能性があります。昔どこかで読んだけど、設定本か攻略本かどこかのホームページか覚えておりません。

A女権国家の冥府勢力がかなり強く設定されています。

Bエヴァの血を吸った際にできることは一部の吸血鬼小説の設定であり、普通に強い快感を与えてくるだけなど多岐にわたるのでこのSSではそうだというだけと割り切ってください。


 横島はアリスの人形劇で初代高島の人生を経験してから、ひたすら前世の体験で覚えた剣を馴染ませるために悪魔達との戦いや、闘技場での戦闘と教導そして天狗との修行に没頭していた。 
あまりにもひどい屈辱とそれを思い出すごとに下半身が反応する事実が余計に彼の恥辱心を煽った。
 そんな状況下で彼にとって一番の気晴らしになったのはジンとの闘技場での模擬戦だった。ジンの爽やかな気を感じ取りながら剣や拳をぶつけ合うと、屈辱や情けなさ、そしてそれがもたらす快感と被虐心を忘れることができる。 
仲魔を率いての戦いをジンと何度かしてみて分かったが、彼の戦い方は当たり前だが、赤根沢玲子と別れる前の青木と似ている。ただ青木より敵を討ち滅ぼす速さによっている感じがする。横島が速さに優れた万能型なら、
青木は速さ特化でありながら他の能力も高いため万能型と誤認される指揮官だ。
ジンとの仲魔を率いても模擬戦は最初の速攻をかけてくる5分が特にきついと感じた。指揮官として能力比べは今の所は最初の5分だけは互角だが、もう少し立てば、最初の5分だけはジンにも勝ち目がある様になり。
さらに時間がたてば、最初の5分をしのぎ切れば横島の勝ち、できなければジンの勝ちになる。
そして最後には、最初の5分をしのぎ切れば、横島が勝つことが多い、となるだろう。

 久しぶりのジンとの一騎討ちの闘いの中で毎度のことだが今までで一番の苦戦をしていた。
 それはジンの手に握られる新たな名刀によるものだった。
 
ジンはあれからもゴブリンの剣を手に馴染ませては横島に何度も挑みその度に横島は何度も苦戦していた。あのゴブリンとジンはどこにでもいる多数の種族の一人でありながらたまたま才能が有りとてつもなく強くなり偉業をなしたもの。という共通点がある為か、
そのゴブリンの半身だった剣は凄まじく彼と親和性が高かった。ジン専用の剣を作るまで自分は負けることはないと確信している。負けることは絶対にないが、それでも彼があの剣で幾つもの命がけで苦難を乗り越えてくる度に苦戦の度合いは上がるだろう、という確信もあった。
 今日の闘いが始まる前に、彼が新しい剣を持ってきたとき横島は自分が負けるかもしれないと直感的に思った。ジンは横島に礼を取ると言った。

「この新しく作った剣で勝たせてもらいます」

 横島はその剣を見て感嘆の声を上げながら答えた。

「風神剣(ふうじんけん)か」

 つぶやきながら横島は意外だという思いと自分が実際に見た風神剣より強いという感想を抱いた。風神剣は二種類あるがどちらも弱い剣ではない。むしろ強い剣だ。片方は剣合体と呼ばれる特殊な儀式で悪魔と合体して強化される錬気の剣の変化の一形態の中でも低レベルで作ることもできる為、
愛用者も多い。そしてもう片方も剣合体で同じように作られるが、選ばれた者だけが手にすることができるという、高レベルな天狗と合体してできる風神剣だ。横島の眼前の剣は横島が何度か見た風神剣よりはるかに強い。これは天狗と合体してできる選ばれた者だけが持つ風神剣に近い。
 
横島は覚悟を決めると、少しだけ楽しみに思いながらその勝負を受けた。

澄んだ金属音が響き渡り、横島の刀がぶつかり合った直後に距離が詰まると殴打の音が響く。
距離が詰まるとお互いの体術が激しくぶつかり合う。ぶつかり合いの度にジンの攻撃も横島に多く命中しているが、それにも関わらず下がるのは始終彼の方だ。
始終押しながらも、横島は今までで一番気を張り詰めていた。最初の一合を打ち合った時に、気づいたが、この風神剣は間違いなくあのゴブリンの剣を合体に使ったものだ。無名の雑魚悪魔が死に物狂いで卑怯な手を使わずに強者に上り詰め、
種族全体を強くするために使った名剣。この時点で、特殊な剣となる条件には十分だ。

あのゴブリンが率いた軍の様に強者との戦闘での苦境の強さを支える力がこの剣には確かにある。追い詰め切った時こそが最も危ない。そう思いながらも闘技場の端に横島がジンを追い詰めた。
横島は全ての渾身の力を込めて、彼ならば確実に防げる、だが受け損なえば死ぬ一撃を彼に放った。
ジンの手元の風神剣を完全に封じなければ安心できない。その一念がさせた判断だ。案の定ジンは風神剣で横島の愛女守を受け切った。だが次の瞬間予想外のことが起きた。風神剣は封じられたが、
一撃を受け切った直後にジンが片腕を剣から放し、凄まじい手刀の一撃を放ってきた。
その手刀を一目見た瞬間受ければ真剣で切られたように首が飛びかねない。そう感じ火事場の馬鹿力めいた力が沸き上がり、自分も片腕を愛女守から放し、全力の反撃を放った。
殺してしまうかも、そう思った瞬間、司会をしていたマイが一時的に力の封印を解き、二人とも吹き飛ばした。

「この闘い愚弟の負けね。異論は?」

「ないわ。教導官なのに、本気出させられた時点でもう負けや」

 横島の言葉にジンは嬉しそうに笑った。

「やりました。これで次の魔界に心置きなく行けます」

「脱帽したわ」

 横島は意図せず本音を吐露した。自分はデビルバスターとして追い込むような修行を始めたのは青木師匠とあった半年感が主だったが、マイの役に立つために子供頃からサマナーの世界に飛び込む準備の修行はしていた。 
その自分がここまで追いつめられるようになるとは。最もそういう感傷も大した意味がないが。 悪魔と戦い打倒すれば大半の人間はある程度は覚醒する。 その際の生存率を最初の登竜門を潜れるかどうかが幼いころからの訓練などが分けやすい。
目の前のジンも大量の悪魔を倒し死に物狂いで己を磨いてきた以上、余程の名家か、神々の血を引くサマナーでもなければ、そこまで差は生じないだろう。だが前世から己を高め続けた自分がここまで本気を出すことになったことに僅かな時間とは言え教官を務めた、身として嬉しさがある。

 だが今一番気になったのはジンの最後にはなってきた手刀の一撃だ。あの一撃を見た時、不思議な既視感があった。

 戦いが終わり、嬉しそうな様子のジンに横島は意を決して聞いた。

「なあ、最後にはなったあの手刀あれは誰に習ったんだ。似たような技は俺も使っているけど、あれは初めて見る」

「ああ、あれですか。実を言うと女権国家出身の悪魔から教えてもらったんです。仲魔じゃないけど見込みありって見なしてくれたみたいで。闘神ジャギって名乗っていました」

 その名前に不思議な嬉しさと親近感を覚えながら、横島はふと思った霊気や気を使い身体能力を強化したり硬化させる技は自分も得意だ。だがジンの放ってきた最後の手刀はもしかしたら自分が前世で学んだ技かもしれない。
あの技を前世で学んだから、自分の得意な格闘技も定まったのではないだろうか。

 ジャギの名を聞いた瞬間、ひどく懐かしく嬉しい気持ちが湧いてきたのは恐らくは前世の影響だろう。その横島にジンは続ける。


356 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:15:48 ID:5AOAdM2e

「あの人、俺にいきなり弟子入りを進めてきて、北斗神拳って拳法の一般教授が許されている基礎と、南斗聖拳という技を教えてきました。 明らかにライトよりの悪魔だし強くなれるなら何でもありだから承諾しましたけどね」

「そうか。俺も俺用の飽食界が完成したらしいからこれから行こうと思う。次合う時は教導官じゃなくて、対等な相手として訓練しあうことになるだろうな」

「そうですか。手加減のない横島さんに勝つのは難しそうですね。素手の技ならジャギさんに習ってみたらどうですか? あの人貴方の前世に恩があるから返す機会を待っているみたいなこと言ってましたよ」

「そうなのか。機会があったら頼んでみようかだが、恩返しを指導を受けるので使ってよいものかな? 他の姉ちゃんたちがやばい時に援軍に来てもらうとかの保険の方がいい気もする」

「確かに強力で善良な悪魔に対する貸しは返してもらう形やタイミングも考えた方が良いですよね。損はしないけど、一番効果的な形が一番でしょうし」

「ああそうだな。 それと少し気になったんだが、ジンお前の剣を仕上げてくれたのはやっぱり夢子さんか?」

「いえ。彼女でも出来たかもしれないけど、他の妖怪がやってくれました。リグルって名乗ってましたね」

 それを聞き横島は驚いた。確か医療の女神であるアレクシアの主君でもあったが鍛冶の事までできるとは。彼女はかなり手が広い様だ。

「そうか。この試練を越えて高校が元の世界に戻ったら一緒に戦うことになりそうだな」

「その時を楽しみにしています。 教導官の殻は壊せても、そこから先が長いんだろうなぁ。 玲子さんの為にも頑張らなきゃな」

 きちんと礼を取ると疾風の様にかけていくジンを見て、横島はこっちも爽やかな気持ちになれていることを自覚した。マイの為にこの業界に入ったが、良いこともあるがきついことの方が多い。
だが憧れの師匠の若き日の現身と友達と弟子両方を兼ねた様な関係になれたのは他の業界では絶対に体験できない事だったなと思った。

 横島は霊波刀と愛女守を構え 適食のリングを封印の間で開いた。不意にマイの方を振り返る。

「姉ちゃん。校長先生の方には目を光らせてあるか?」

「ええ。青木さんの時はあの人は良い校長とは言えなかったけど、寄生虫の悪魔を入れられてオーカスっていう豚の姿の悪魔に変えられていたんでしょう? 悪い校長だったとしても、そこまでの仕打ちを受けるほどじゃなかったと思うわ。それにここでは良い人だしね」

 横島は恥ずかしそうに頷いた。 この世界の校長は平行世界から反省の意思が流れ込んで、良い校長であろうとした校長の集合体なのか、教師としてかなり真面目に頑張っていたことをジンから聞いた。
以前から青木のいた世界線よりは良い校長だとは思っていたが、すごくいい教師だと知ってからは守るべき対象として優先順位が上がっている。青木の世界の記憶を見て先入観が入って過小評価していたことが今ではバツが悪い。
校長は今では、戦う術を積極的に学び強くなってきた生徒達より守るべき相手として見ている度合いは強いかもしれない。魔界のゲートが広がり飽食界の扉が開くと、横島は迷わずその扉を開けた。あとからジャックフロストとジャックランタン木綿季と藍子も続く。

 扉を開けると、横島はまたしても青木の事件の時と異なり過ぎる魔界の内装に驚いた。青木が挑んだ飽食界は、大木の中にある家の様な所で壁いっぱいに蔓の様な植物に満ちていたが、ここは月光満ちた自然豊かな庭園を思わせる森だ。無数の木々が迷路の様な役目を果たしている。
 横島はどこまでも美しい月と森を見た後、背筋が凍るような感覚を味わった。 このどこまでも美しく人を魅了してやまない夜の美と恐ろしさを詰め込んだ異界、
この主人は間違いなくこの異界に相応しい格を備えているだろう。横島は仲魔全員とはぐれない様に心がけながら前に進み始めた。 月の下を歩きしばらく進むと月光の下で月の光を浴びて輝く噴水にたどり着いた。
その前には神綺の像がある。 横島は構えを解き憩いの場所だと思いながら、神綺の声を聞く準備を始めた。少し時間がたつと魔界神の像が動き出した。

「え〜と、人は美味しいものを食べたい好物ならなお貪ってしまうこともそれは食事を楽しむ上での、感情あるからこその行為です。だからこそ残さず食べることが大事だと考えている人達もいます。
 心身の健康に取って最高に良い物だからと乱獲されたり食べられすぎると、個人であれ種族であれ、される側からしたらひどい迷惑よね。 つまり何が言いたいかというと、忠夫ちゃんごめんなさい」

「ついに説明からワイへの謝罪になった!?」

 謝罪の言葉にあまりにも誠意が籠っていた為、自分はどれだけ凄い目に合うのかと不安になりつつもう少し鍛えた方が良かったかもと、不安になる横島をよそに神綺の発言は続く。

「忠夫ちゃんがあまりにも活躍し過ぎて、飽食界担当の『今』ですら娘が気合が入っているから気を付けて。多分貴方は選ばないでしょうけど今回に限り貴方は貪られることを避けることができる道もあるわ。
貴方は選ばないでしょうから、あまり格好いい姿を見せ過ぎない様に気を付けて。 最も無理かもしれないけど」

 そこまで言うと神綺の像が崩れ落ちた。 横島は割と本気で頭が痛くなってきた。今回は自分が貪られる飽食界となるとは。ある意味予想通りだ。頭を抱える、横島に木綿季が笑いながら声をかけてきた。

「ははは、神綺様は相変わらずアドバイスになってないアドバイスしかできてないね。あの人は大切な時しか、為になることを言えないタイプだからね」

 木綿季の明るい声で気分が上向きになったところで、藍子が慰めるような言葉を言ってきた。

「もしも折れてしまっても、私達がこちらの世界の事に対しては最善を尽くしますから気楽に試練に挑みましょう」

 鼓舞する木綿季とは反対の藍子の声は優しいのにどこか撫で上手な飼い主がペットを脱力させるような感じで背筋に響いてくる。横島はそれを務めて無視すると前に進みだした。


357 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:20:28 ID:5AOAdM2e

 神綺の像があった場所を越えると早速、飽食界名物オークが出てきた。剣を構えた瞬間、横島は息を飲んだ。オークは基本的にはニュートラルだが、種族はダーク悪魔だ。だが目の前のオークたちはどちらかと言えば悪魔としての種族は聖獣に近い感じがする。
彼らはやや脂肪が多いがそれでも、鍛え抜かれていることが分かる体をしており斧や剣を構える姿は統率のとれた騎士団を連想させた。一目で楽には勝てない相手だと理解し剣を構えた。
 戦おうとする横島の前に戦闘のオークが進み出てきて、言葉をかけてきた。

「横島殿、われら今回は貴殿が高みに行くための試練の相手に指名されました」

 明らかにダーク悪魔のオークの口調ではない。女権国家世界のオークと混じり変質を遂げている様だ。横島は戦闘態勢を解かないものの軽く礼を取り、口上が終わるまで切りかかる意思がないことを示した。

「飽食界、必ずしも貪られるのは貴殿だけではなく、我らも含まれております。これより飽食界の主の補佐であり、貴方の刀の作成に関りしヴァーミン・クイーン・リグル女王陛下のご来場です」

 その言葉が終わると不意に無数の蛍が辺り一面を覆い始めた。青白い月の下に映える庭園が緑色と黄緑の蛍美の乱舞に包まれ、月光の輝きが余計に映える。ひと際強い光を放つ蛍の群れが噴水の下に集いその乱舞が終わると、
そこに蛍の光を思わせる髪をしたあどけなさと威厳を併せ持った少女がたたずんでいた。

 彼女は横島を見ると心底嬉しそうな柔らかい笑みを浮かべた。

「横島、久しぶり。リグル・ナイト・バグ。君の配下にして蟲妖怪を統べる女王。東洋での名は通り名は蛍光姫(けいこうき)。そして東洋で親しき者だけが呼んでいた名は蛍(けい)君を後悔させないための試練を与える役を請け負って参上したよ」

 リグルは笑みを浮かべて横島に抱き着いてきた。見た目は横島の対象外の少女なのに、問答無用で男を操り獣に変える色香の様なものがにじみ出ていた。横島はそれを振り切ると言葉をまった。 
甘ったるい雰囲気がしばらく続いたが、不意にその気配は消えリグルが横島に声をかけてきた。

「横島、一応聞くけどこの魔界がいかなる意図で作られたかはもう理解しているよね」

「ああ」

「それじゃあ聞くけど、マイさんやアリスや夢子さんやエヴァさん達みたいに僕達の事も信じてくれる」

「少なくとも敵対してない人間や罪のない人間にひどいことはしないってことは疑ってないぞ。この魔界も俺を強くしてくれるためだ、ということは信じている」

「それなら十分だよ。 それでいきなりだけど、君の愛女守を剣合体で強化して僕と夢子さんとアリスさんで強化するのが今回の目的だよ」

「今の所は愛女守に不足は感じとらん。これより良い剣をいきなり与えられても、剣が俺の腕に勝りすぎて強くなれん気がするが」

 横島は答えながらも、目の前のリグル相手に僅かな警戒心さえ抱けない事に気が付いた。この発言も最高の武器を、敵かもしれない相手に渡す警戒心でからではなく、純粋に言葉通りの懸念しかない。やはり彼女も前世では自分にとって良い妻だったのだろう。

「横島大丈夫だよ。君の成長を促進することに特化した剣に変じさせるから。むしろ今より成長速度は早くなるよ」

「横島様。リグル殿の言うとおりにすればより早く強くなれます。それは間違いありません」

 不意に響いた声に振り替えると、アリスと夢子がいつの間にか来ていた。二人の青と赤のメイド服に身を包んだ二人はやはり、朝や昼より夜の方が映えると横島は思った。二人は優雅に一礼すると横島に対して言葉を続ける。

「最初は私達でこの世界の女性に貴方が奪われるかもという恐怖で、横紙破りをしましたが、今では半分くらいは貴方を後悔させないために動いています」

 夢子の言葉をアリスが引き取って続ける。

「前世の力を再現するだけではなく、今生の貴方の糧とするための剣を作ることにかけてはリグル殿が最も適任なのです」

 夢子の言葉を聞くとリグルは嬉しそうに笑いながら、弾んだ声を出した。

「鍛冶に関しては夢子さんから褒めてもらえると本当に嬉しいよ」

「事実を言ったまでです。私が師匠を務めたというより、技術を交換し合いましたが、得意分野に限ってはリグル様の方が上です」

「ほんの少しだけどね」

 夢子の宣言を引き取った後リグルは横島に笑顔で近づきいう。

「僕の鍛冶師としての腕は、折り紙付きだと思うよ。もう横島は僕の打った剣を見ているから」

「ああジンの剣を見てみたけど、あれは凄かった。それに夢子さんがそういうのなら、俺を成長させる武器に関してはリグルちゃんが一番なんやろ」

 リグルは笑顔で頷くと横島の愛女守を受け取り、時折緑と黄色に輝く水にぬれたような美しい刀を持ってきた。

「その剣は」

「これは蛍守(ほたるもり)君の前世の内の一人が、僕を護る為に振るった剣のレプリカさ。 最も僕がこの世界に来てから打ったから偽物とはいいがたいかもしれないけどね」

 横島は蛍守を見ていると体の内部が熱くなってくるような錯覚を覚えた。この剣を振るい女殺しの魔物達と戦い続け夜をかけた日々を自分の魂が覚えているのだと、感じた。

リグルは横島から愛女守を受け取るとその剣をもって魔法円の上に置いた。横島はそれを見て驚愕した。この少女は剣同士を合体させる剣合体だけとはいえ、業魔殿や邪教の館の施設無しで出来てしまうのか。リグルが呪文を唱えると、
蛍丸が蛍の光を強めたような翡翠色の光を帯び始め、そして少し時間がたつと剣そのものが光で出来た剣へと変わった。そして翡翠色の光で出来た剣は、無数の光を放出し蛍の光の様にばらばらになって、愛女守に降り注いだ。
愛女守も翡翠色の光に包まれ輝き最後にひと際太い光が当たると、蛍守は消え去り、翡翠色の光を僅かに帯びた愛女守がそこにあった。

「来国衛(らいくにえい)愛女守だよ。持って行って」

「おお。ありがとうな。来国衛ってのはリグルちゃんの職人名か?」

「うん。 来国は僕が鍛冶を始めるきっかけになった文字なんだ。それにあやかってなのったの。この世界に蛍丸(ほたるまる)って刀があるでしょ。その情報が女権国家のある世界に流れ込んできて、僕も鍛冶ができるんじゃないって噂が広まったから、
やってみたんだ。最初は君の刀が傷んだ時とかに蛍を送って補強してただけだったけど、剣の知識を仕入れていくうちにやりたくなっちゃったんだ」

 横島はリグルから剣を受け取ると幾つもの戦いが頭の中に浮かび消えていく感覚が走った。そしてそれを終えると、リグルは輝くような笑みで言葉を告げた。

「これで私、来国衛の役目は終わり。ここからは飽食界の主の助手として動かせてもらうね。忠夫、必ずその剣で高みに来てくれると信じているから。それじゃあその来国衛・愛女守の初陣だ」

 リグルが手を鳴らすと無数の金槌坊とオークの群れが剣や槍それぞれの武器を引き抜きこちらに向けてきた。月の光できらめくその美しい刃渡りの刃を見て新たな愛女守を取った横島には、彼らの剣がリグルとその配下の作であると分かった。
 金槌坊達が槍を構え、オークが剣を抜いた時、マイがアレクシアを召喚した。彼女は呼び出された瞬間に、リグルに向けて敬意を込めた礼を取った。



358 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:22:59 ID:5AOAdM2e
「リグル様、外道であった私を蟻妖怪の女王へと育ててくれた、女王に至る前の分霊ではありますが記録にはあります。貴女の教育を幾ばくか受けた身として恥じぬ戦いを演じさせてもらいます」

「アレクシア、随分と女王らしくなっているじゃないか?確か君はアシュフォードの分霊のままだったよね? 忠夫たちと共に魔界を駆けて変わったのかな? それともレベルが上がるごとにクイーンアントの姓を得る直前の頃の精神状態に近づいたのかな?」

 昔の親戚を見る様な目でリグルが言葉を継げるとアレクシアは触手を腕に巻き付け剣の様に形作り、仲魔達と共に構えた。 木綿季が刀を抜き藍子が長巻を構え、トゥルダクが二刀の剣を抜き放ち、マイが冥妻天女の剣に霊力を集め始める。

 リグルが手を振り下ろすとその、瞬間一気に金槌坊の群れとオークが様々な武器を構え切り込んで来た。

 月下の庭園の下で切り合いが起り、横島はマイに指揮を任せ一人の兵士に近い形で前線で剣と術を振るった。 金槌坊の群れとオークの群れは双方とも似通った性質をしている。金槌坊達はありの性質の大力と統率があり、
オークたちも豚の持つ仲間思いという性質と、力強さで動く面が強調されている。

「彼ら本当に強いね」

 かすり傷一つない木綿季が本心からの言葉を吐露した。戦斧や太い槍あるいは大刀それらを一太刀でも体に受けことはおろか、受け流すことに失敗すれば彼女は即座に退場させられかねない。 恐らくは何度も危ないと思うような場面があったのだろう。
彼女はそのスリルすら楽しんでいるようだが、相当に疲労をため込んでいることは一目でわかった。
 藍子の方は魔術で筋力を強化して上手く切り合っているが彼女はオークの群れと優先的に戦っている。蟻妖怪もオークも仲間を大切に思っているのは一緒だが、オークは仲間を生存させることに重きを置く本能があり、
群れの為に仲間を敵もろとも打つようなことはしにくいようだ。逆に金槌坊は群れ全体の為なら、切り捨てることも切り捨てられることも織り込み積みだ。敵と切り合い鍔迫り合いをしていたら、その相手ごと貫かれて死んだ、
というリスクを減らすためにオークの群れを彼女は受け持っている様だ。金槌坊とやり合う時の方が多少無理をしてでも動きを速めているように見える。

 今回の戦いではアレクシアが、獅子奮迅な戦いぶりを見せている。金槌坊の動きをよく知っているためかその明晰な頭脳で先を読み藍子の方に流れぬように誘導しつつ、自分自身も多くの蟻を屠っている。 
横島は愛女守を構えトゥルダクと共に大勢の敵を切り払った。時々混じる、細めの武器を持つ敵が特に速い攻撃を仕掛けてくるせいか、攻撃の速度に対する対応が切り替わりいつも以上に疲れる感覚がある。

 妖怪たちは横島一向に倒される度に蛍火の様な光を放ちそれが天に昇るとただの豚や、大き目の蟻の遺体となった。オークや金槌坊だった遺体はリグルが手をかざすと、即座にいずこかへと転移していく。
僅かだが遺体をどうするのか気になったが、自分の勘が警戒を告げない以上は少なくとも今の脅威ではないだろう。そう断ずると横島は戦闘に戻った。

 群れの統率者を倒し、全ての敵を切り終えて息を切らす横島にリグルは拍手をして称えた。

「今生の戦いを始めて生で見たけど、やっぱり強いね。マイさんそれじゃあ、ここから先は予定通りで」

「ええ、そうするわ」

 リグルの問いの頷いて答えるマイに横島は疑問を抱いた。この魔界は自分を鍛えるのが目的でもあると聞いたからマイが相手と協力することは珍しいことでもない。

「いったい何の話をしているんだ?」

「今回の世界ではパートナーを代わることにしたの。実は貴方を鍛えるために外のお客さんを呼んだんだけど、そのお客さんは貴方を強くすることは快諾してくれたけど。そのお客さんには私たちがけじめをつける意味で決闘裁判しなきゃだめなのよ。
下手するとそのお客さんに、私達殺されるかもしれないのよ。そのリスクを避けるために私が前線に立つ必要があるわけ」

 そこまで聞くと、横島の顔色が変わった。

「マイ姉ちゃんはその俺を鍛える為に呼んだお客さんとやらに殺される可能性は低いのか」

「相性が一番いいのが私で、あの方の力が最も通じ辛いのも私なのよ。最も後者は本当に運が良かったというか偶然なんだけど。久しぶりに本気出さなきゃダメかもね」

 横島はそれを聞き、さらに深刻な顔になった。マイのあの方という言葉には多少だが敬意があった。人格を尊敬しているのか能力を尊敬しているのかはわからない。だが後者なら絶対に容易い相手ではないだろう。 不安がる横島にマイはいつもの軽い口調に戻り言った。

「愚弟、私は無理だと思ったらすぐに引けるくらいには戦術眼が確かなのは知っているでしょう。 それにこれから貴方は東京崩壊を止めるために色々なことができるようにならなきゃいけないのよ。 止められなくても義理が出来た人たちの残したものは護るつもりでしょう」

「ああ」

「そうしたら私と離れて別々に戦わなきゃダメな事だって多いでしょうし、他の前世の嫁さん達をパートナーとして動かなきゃダメなこともあるでしょう。そして初めて会った相手と共闘しなきゃダメなことだって多いでしょう」

 横島はマイの言葉に頷いた。こういう大切なことを言い聞かせてくるときの彼女にはいつも以上に逆らい難い所がある。 黙って聞く横島に彼女はさらに言葉を続ける。


「今生では初めてでも、前世で共闘した女性なら、完全に初対面の相手よりはまだ合わせやすいでしょう。ここで練習しておきなさい」

「分かった。姉ちゃん無理すんなよ」

 横島の切実な声に、マイは上機嫌になっているのを務めて隠しながら、横島のパートナーの一時出来譲渡の準備に移った。

「アリス。飽食界のパートナーは貴女に任せるわ。木綿季と藍子とアレクシアは貴女に預けるから好きにしなさい。必要なら合体させてもいいわ。 ジャックランタン・トゥルダクとかのこの世界の悪魔は忠夫あんたが指揮を執りなさい。他のサマナーと共闘するときの練習よ」

 マイに忠夫と呼ばれて、横島は本当に一時的とは言え、コンビを解消するのだな、という実感が湧いてきた。 マイは基本的にコンビを組んで戦う時は家の名字で呼ぶことで、家の代表だという意識を持たせて公の役目で動いていると横島に示していると言っていた。
 私的な名前で呼ばれたことで、彼女を絶対に護りきるという決意が固くなった横島は、アリスを真剣な目で見て頭を下げた。

「アリスちゃん、この飽食界の踏破のパートナーよろしく頼む」

 横島が真摯な言葉と声で頭を下げた時、アリスの頬が赤くなった。そして彼女メイドとしての礼で応じた。

「お任せください。全力を尽くします」

 アリスがそれに答えるとマイは言葉を告げた。

「忠夫、今回の飽食界の攻略は貴方にとって色々と選択が多いし考えることも増えると思うから、私が一旦コンビを解消して対処に当たるお客様も、事情を知れば攻撃するのをためらうかもしれないけど、本気で殴っても相手に深刻な傷とかは残らないから安心しなさい」

 そういうとマイと夢子はトラポートで姿を消した。横島は二人が消えた後を少し見据えた後、アリスに言った。

「アリスちゃん、それじゃあ行こうか」

 頭を下げる横島にアリスは意を決した様子で言葉をかけてきた。

「横島様、今回の飽食界の試練に挑むためにパートナーとなる上でお願いがあるのですが良いでしょうか」

「ああ。アリスちゃんの頼みならできる範囲ならきこうと思うぞ。 能力的に無理なことならできんがな」

「横島様の能力の心配の必要はありません。今回はメイドとしての疑似人格である私ではなく、一度だけ貴方と話した、魔女である本来の人格の方で共に戦いたいのです」

「分かった。ぜひ頼む」

 メイドとしての人格で動いている状態のアリスの力の凄さを感じさせられることも何度かあったが、本来の人格のアリスの方が今回の飽食界では力になると判断したのだろう。


359 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:24:05 ID:5AOAdM2e

 アリスは一礼するとトラポートで姿を消した。そしてしばらくすると私服になり戻ってきた。彼女は輝くような笑顔で横島に語り掛けてきた。

「忠夫久しぶりに貴方と一緒に戦えて嬉しいわ。 最も荒事はあまり好きじゃないけど、遺恨の残らない戦ならそこまで嫌いではないから」

 メイド姿のアリスとのギャップに戸惑っていると、不意にアリスが何かに思い至ったように頭を下げてきた。

「ごめんなさい。久しぶりに貴方と一緒に動けるのが嬉しすぎて、下の名前で呼んでしまったわ。マイ姉さんは貴方が許すなら別に良いと言ってくれたけど、まだ許可を取ってなかったわね」

「俺を名前で呼びたいなら構いません。前話したときは頼みごとをするときだったから抑えていたんですか」

 アリスの態度の変化があまりにも大きかった為か、少しだけ丁寧な言葉で話す横島にアリスは笑顔で答えた。

「それもあるけど、久しぶりに貴方と一緒の戦えることが嬉しすぎて自制が効かなくなっているのもあるの。はしたないとは自分でも思うけどね」

「そうかそれじゃあ、早く飽食界に挑もうか」

 そう口にした瞬間、アリスが横島の言葉に首を横に振った。 彼女のそのリアクションを見て、横島の頭に自分の精神状態はかなり危ういのかも、という考えがよぎる。
マイの身に危機が迫った時冷静な判断が下せなくなることに自覚はかなりあった為、自分への苛立ちを務めて抑えると、アリスの諫めの言葉と提案を聞くべく勤めて気を落ち着けた。

 アリスは家庭教師の様な調子で横島に言葉をかけた。

「マイ姉さんが戦わなきゃいけない相手に敬意を払っていたけど、あれは能力じゃなくて人格の方よ。普段の貴方なら気づいたでしょうに、本当に貴方は親しい女の子の危機になると冷静な判断が下せないのね」

 最後の言葉に愛でる様な響きがあり、自分を見てくる目に背筋がゾクゾクとしてくるのを、横島は感じた。全身が快楽をもたらす糸に絡めとられていく様な感覚だと理解した後、メイドとしてのアリスに嫐られている時に覚えていた感覚もこれなのだろうと思った。

 股間に血が集まる感覚を覚えながら、横島はアリスの言葉の続きをまった。

「忠夫、そのお客さんは本当に危ない相手だけど貴方がいないとどうにもならないようなら、絶対にマイ姉さんは貴方も同行させたわ。そして姉さんは引き時や頼り時を誤るような人じゃない。それはわかっているでしょう」

「ああ」

「だから今はこの飽食界で強くなることをひたすら考えなさい。本当にマイ姉さんが危なくなったら、神綺様が事態の収拾に動いてくださるから」

 アリスの言葉に横島は頷き、歩もうとしたが不意に動きが止まる感覚に襲われた。即座に周囲を警戒するが害意は一切感じられない。 アリスの方を見ると彼女の指から出た魔力の糸が彼の体のいたるところに入り込んできていた。
 今までとは異なり一切異物感も操る気配も感じさせない術式だった。アリスは横島の目をのぞき込みながら言葉を紡ぐ。

「これから、この飽食界で貴方には経験や食物を食らい強くなってもらわなければいけないから。これからその為の儀式をしに行きましょう」

 横島が本気で嫌がれば止めてくれることは糸から感じられる魔力でなんとなく分かったが、必要なことなのだろうと思いそれを受け入れた。

 アリスはリグルと共に儀式場を思わせる寝台のある場所に横島を連れてくるとアリスが彼を糸で操り座らせた。

 横島が座るとリグルが横島の目の前に来て、蛍火の乱舞を思わせる翡翠色の光に身を包んだ。 月の光を反射する光と相まって、美しく一瞬だがまぶしいと思われた光が消えると、目の前に翡翠色の髪をなびかせる女性が現れた。
穏やかそうな顔を形作る目鼻立ちは、どこか水の精霊や妖怪を思い起こさせる美を伴う造形をしている。彼女は喪服を思わせる夜の闇より深い黒とその黒をより映えさせる赤い裏面の外套の下に外套と同じ黒を基準としたドレスに身を包み月下の下で横島を見据えると、女王らしく礼を取った。

「この姿では初めましてだね。貴方と共に幾つもの生を駆けて成長した虫妖怪の女王リグル。神様や妖怪様々な立場で崇められているけど、基本的には大半の職種の人が参って良い神様になっているかな。
ある意味君と似た器用貧乏タイプかな。神様としては他の超一流の神様の補欠や助っ人を務める一流の神様って感じかな」

 リグルはそういうと、横島に口づけして舌を入れてきた。あまりの快感と彼女の唾液が蜂蜜を思わせる甘さと共に脳がしびれる。アリスは崩れ落ちる横島を可愛い親戚の子供の失態を見る様な目で見降ろした。
 その瞳に怒りというより挽回しなければという思いを呼び起こされる屈辱感を刺激された。それを見てアリスは微笑む。

「マイ姉さんを助けるための一番の近道を私が示すから、今は強くなるために交わりを通じて力を与えるから、できるかどうかは別として私達を閨で屈服させることを決して、諦めずに頑張って」

 心が折れかけていたが、それが強くなりマイを護ることに繋がるならと横島は己を奮い立たせた。アリスもリグルも明らかに嘘は言っていない。オカルト世界で戦っている以上、変わった儀式や訳の分からない方法で悪霊が倒れる例も多い。
まして自分は異世界の英雄の転生者という珍しすぎるケースだ。この行為にもなにか意味があるのだろう。

 アリスがトラポートと唱えると、西洋の豪邸を思わせる寝室に一行は瞬間移動をした。アリスが笑みを浮かべながら、横島の体の中にある糸を動かした。気が付くと自分は人形劇の人形の様に動き服を脱いでいた。
恐らく自分が人形劇の人形の様に動いたと気づいたのは、アリスと自分だけだろうと、横島は思った。 リグルも服を脱ぎ十分に女らしくなった体を月下の下でさらすと、容赦なく横島に前から襲い掛かり、
あっさりと彼の分身を飲み込んだ。乳房が横島の胸板で潰れその感触が射精の量を一気に増やす。彼女の接吻を受け射精しながら、横島は恐怖を覚えた。霊能力者だから理解できる。彼女はまさに交尾後のカマキリなどの一部の虫の様に、
自分の体の中にあるマグネタイトを『食らって』いる アリスの糸が体の中で彼の神経を直接愛撫し余計に快感が強まり立てなくなりそうなったが、アリスの言葉が彼の意思を燃え上がらせた。

「これはより強くなり、マイ姉さんを助けに行くために必要なことよ。頑張って」

 その言葉を聞くと横島は、全身のマグネタイトや魔力を使いリグルに快感を与える性魔術を使い始めた。これは体に性魔術によって良い変化を与える作用とその快感で女妖怪をへし折った始祖の魔術だが、それを受けながらリグルは笑った。

「これ気持ちいいけど、女権国家じゃ奉仕系性魔術扱い止まりだよ。 女権国家に来たら私達以外には絶対に使っちゃだめだよ。 虫の交尾は雄が死んだり食べられることが多いけど、余計に食べられやすくなっちゃてるね。性魔術に使った魔術やマグネタイトまで貪られちゃうから気を付けてね。――こんな風にね」

 繋がるリグルの秘所が狭まり一気に抜かれると体中の神経まで射精の影響を受けた様に快感が走り一気に貪られたような感覚の後に指一本動かすことそら億劫になった。倒れかけた横島がリグルの乳房に顔を埋める形で倒れたが、まだ自分の乳房をもんで来たのを見てリグルは笑った。

「マイさんを早く助けに行くために必要となると本当に頑張るね」

 ここまでは花の様な笑顔で良い、次に妖刀の刃の様な美しいが怖さもある表情になり言葉を続ける。

「閨を共にしている女の前でそれはいただけないよ。そういうものだと合意の上ではあるけど、妬かないとは言ってないから」

 低い声音に恐怖を覚え下がろうとしたが、アリスの糸がそれを許してくれない。仰向けに押し倒された体に彼女がのしかかり虫のフェロモンを思わせる匂いと唾液がかかった瞬間、
彼の頭は完全に霧がかかったようになった。しばらく仰向けになった体に押し付けられるリグルの体の柔らかさに体を食いちぎられる様な快感を覚えていると、リグルの指からも魔力の糸が出てきて横島の体に入り込み始めた。アリス程ではないがその糸は十分に横島の体を操り快感も強い。


360 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:25:43 ID:5AOAdM2e

「アリス先生どうかな? 蜘蛛妖怪一門に主と認めてもらえてからは大分糸の使い方を学んだけど」

「前より上手になっているわね。でもまだまだ、貴方の技能の限界までは遠いわ」

 そういうとアリスの放ってきた糸が体の中から出て行き。代わりにリグルの糸が彼の体を支配する。

「忠夫僕の糸に抗える? できるならやってみて」

 アリスやリグルに体の全てを掌握されても彼は抵抗する気が起きなかった。二人を信用していることと、そして自分でも気づいたが屈服させられ嫐られることが気持ち良すぎて抵抗の意思がなくなってきているためだ。
 だがリグルの言葉で何か意味があるのだと思い抗うと、痛みではなく、糸が体の中で擦れて性的な快感と脱力感が襲ってくる。

「うん、前より与えられる快感が増したみたいだ。 でもアリスやエヴァさんなら、糸で止めないと射精しているくらいに激しい快感を与えていただろうね。私ももう少し頑張らないと」

 それを聞き横島は背筋が寒くなった。リグルの糸だけでもこれほどの脱力と快感なのに、アリスやエヴァに操られた際に逆らうと自分はどうなってしまうのだろう。

 不安をよそにリグルが体の中に入った糸で横島を動かし、アリスに視線を固定させると、アリスはゆっくりと服を脱ぎ始めた。脱ぐ途中ですらメイドの時とは違う種類の品と、男を操る糸を思わせる魔女の色香が溢れ、
彼女の姿を見ているだけで分身に集まる血の量が増していくのが分かる。 脱ぎ終えるとアリスはゆっくりと体を重ねてきた。絹の糸を強めた様な快感が触れられた部分から流れ込み、
分身を飲み込まれた瞬間に訪れてくる感覚は疑似人格の時とは、違い多くの糸に翻弄されているような感覚がする。アリスの秘所の中で無数の糸が絡みついてくるような快感を味わいながら、この糸が一本でも自分は負けると、横島は思った。 
アリスが僅かに内部を動かすだけで分身に快感が走り射精したら脳が砕けた様になるそう思い歯を食いしばる横島の耳もとに口を近づけアリスは言った。
言葉と共に出てくる息が耳に吹きかかり快感が追い打ちとなる。


「忠夫、私達に負けない屈服させるという意思を持ち続けることだけ考えなさい。あとは私達がするから」

 アリスに言われた通りに全力で意識を保つとリグルの糸が横島の体を動かし、アリスの乳房を揉みしだきだした。ただでさえも強すぎる快感に辛うじて踏みとどまっていた彼にはそれが止めとなった。凄まじい量の射精を終えると、頭の中にかかる霧が余計に強くなり、
自分が一気に人形に近づいた様な錯覚を覚える。彼女は笑いながら再び腰を動かし始める。 悲鳴を何度も上げつつ彼女に絞られると不意に、アリスが離れると、リグルと二人がかりで指から魔力で出来た糸を伸ばし横島の分身の全体を愛撫し始めた。

 無数の心地の良い糸が分身の先端と幹を袋を上からさするが、あと少し強い快感が欲しいというもどかしさを、与え続けている。 射精したばかりで敏感になった部分を二人の糸で嫐られあまりのもどかしさに遂に自らの手でしごこうとした瞬間、手足の動きを二人に止められた。

「忠夫、私達を屈服させる意志だけは捨てちゃダメって言ったでしょ、自慰したら負けを認めたようなものよ」

 そういうとリグルとアリスは横島の体を糸で動かし高めのベッドに座らせた。そして、二人は大量の糸で乳房の間に張り巡らせた状態で、横島の分身を左右から挟みしごき始める。胸の柔らかさと、糸の感触が同時に襲い掛かりもう言葉にならない声しか上げられない横島を二人は笑いながら嫐る。
 歯を食いしばり、耐える横島を見ながらアリスとリグルは笑いながらが急に指を動かすと、体の中に入った糸が直接睾丸を愛撫し、一気に果てた。吹き散らされた大量の精液を見ながら二人は笑う。 リグルが笑みを浮かべながら、形だけの謝罪の言葉を口にした。

「ごめん、ごめん、前世より耐久力とか落ちているのは知ってたけど、ここまでとは思わなくて、でも本当に美味しいマグネタイトだね。この世界でも色々なことを成し遂げてきてたんだね」

 そういうとリグルは再び横島の上に乗り絞り始める。食らい尽くされる感覚が再び彼を襲った。 リグルは目を閉じ恍惚の様子を浮かべながら、腰を動かし横島から容赦なく搾り取り続ける。 最低でも五回程達するたびにアリスとリグルは交代を繰り返した。
二人に体を支配された状態で、何度も横島家の性魔術を使わされよりたくさんの快感を自分も味わいながら意識が遠くなる中、最初にアリスが絶頂しその反動でより強い快感が返ってきて倒れかけた、リグルが彼からアリスを引きはがし犯した。その後で直ぐにリグルが果て再びアリスと同じことが起ると横島は完全に、意識を失った。

 次に目を開けた時、横島は視界に違和感を覚えた。天井が前より高くなっている。そしてリグルとアリスが起きてみると座った状態なのに自分と同じ背の高さとなっている。二人は悪戯が成功した様な目で彼を見ると言った。

「君の体から色々と抜き取ってからアリスの魔術で子供に戻して再構成させてもらったよ。
大丈夫、飽食界を踏破する頃には元に戻れるよ」

「この体でどうやってクリアしろってんだ」

 横島の抗議にリグルはおかしそうに笑うと蜘蛛の様な糸で彼を縛り、分身を握りしめしごき始めた。

「こういう時は頭に血を上らせちゃダメだって。下がった?」

 あまりの快感に言葉にならない声しか出せない横島を射精させると彼女は言った。

「この魔界は君を強くするための魔界だから、『不可能』なこともさせるけどかもしれないけど、『無意味』なことはさせないから安心して。それじゃあ君の道を示すから良く見ていてね」

 そういうとリグルは蛍火を思わせる光を放つと寝室から姿を消した。これから何が起きるのかと思った時、不意にスクリーンが下りてきて画面いっぱいに、リグルが玉座にかけている姿が映し出される。 
西洋風の飾りつけの中に僅かに東洋が混じっている、豪奢な部屋でリグルはどこか余裕をもって挑戦者が入場に使う扉を見つめている

「あれは一般用の飽食界でリグルがボスを務めている部屋よ。これからそこで貴方にこの飽食界での修行の道を示そうとしているのよ」

 横島はそれを聞きスクリーンを穴が開くほど見始めた。リグルはこれから自分に何かを見せようとしているのだろう。 そこから少しでも吸収しなければ、この飽食界を乗り越えられない。

 少しの時間がたつと、不意に扉が開き風神剣をもった、ジンが乱入してきた。威風堂々とした姿はもはや一軍の将を思わせる。彼が率いる仲魔たちも本来格が低い種族の者ももはや、弱卒は一人もいない。そして彼の横には黒い髪をした、
メガネの顔立ちの整った女性がいた。その黒髪をたおやかな動作がより強く引き立てており、強い意志を宿した瞳が整った顔を余計に美しく見せていた。 横島は彼女の顔を見て、青木師匠もジンも惚れこむわけだ、と思った。 
彼女の手には青木の記憶で見た刀、坤竜丸(こんりゅうまる)が握られている。 彼女が刀を構え、魔法の詠唱の準備を始めるとジンが護る様に、側に立った。 リグルと彼女達はまだ戦い始めてはいないが、始める前の口上らしきやり取りがこれから起こるようだ。



 ジンは多くの敵との戦いを潜り抜け飽食界の奥に到着した。ここまで侮って良い敵は一人もいなかったが、それが彼の精神を良い意味で昂らせている。彼はここに来る前の事を思い出していた。学校が魔界に放り込まれた時に事情の説明を受けた時、
彼はサマナーとしての道を行くことを決めた。やりたいことが見つけられてないこともあったが、日本の秩序が女神転生と呼ばれる世界の様に崩壊したら、自分の生活が危ういと思ったためだ。
そして共に戦う仲間として、赤根沢玲子に声をかけられた時、彼は歓喜と共に了承の意を伝えた。


361 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:27:12 ID:5AOAdM2e


彼は一目見あった時から玲子に心を奪われている。彼女の大きな災いを予想していながら、強い意志を込めた瞳が彼を惹きつけて止まない。
その瞳の中にある憂いを消し去ることが今の彼の一番の目標でもある。まるで心のどこかで未来を知っているかの様に自分たちは一緒にいることはできないと何かの予感が告げていた。
だが今回の事件を起こしたのが、自分の師匠とも言える横島の前世の妻達だと、知ってからはその不吉な予感は急速に弱まってきている。

 それから多くの敵を破り今は二つ目の魔界に訪れていた。目の前には自分と玲子の剣を無償で打ってくれた虫の女王がいる。彼女は日本刀らしい水にぬれたような美しい剣を構えながら優雅に礼をすると、口を開いた。

「ジンくん、待たせてしまってごめん」

「大事な用事だったんでしょう。 本気で闘うとは言え『今』は敵じゃないそんなに気にしないでください」

 仮にリグルと本気の敵対をする事態になってもジンは赤根沢玲子を護る為に全てをかけて勝利する覚悟と勝算はある。だがそんな事態には絶対になってほしくないものだ。周りの仲魔達もリグルの気配に大きな反応を見せている。ジャックフロストとジャックランタンが、
やや怯え気味であり。ラクシャーサとケルベロスが武者震いをし、ハニエルは警戒しつつ玲子を護ろうとしている。こちらの緊張をよそにリグルは軽く口を開いた。

「僕にとってはね。この大人の姿をこの世界で初めて見せる相手は、旦那様が良いっていう我儘さ」

「それは、それは、女性にとっては何よりも大切なことでしょう。おかげでなんの気兼ねもない貴方の技を見ることができそうで嬉しい限りです」

 意図的に切り替えられているであろう、ジンの口調を見て横島は青木を思い出した。礼儀を護りつつ卑屈にならない様に徹底的に、言葉を選んでいながらそれを表に出さず滑らかに話す。サマナーは戦い方や交渉術は千差万別だが、
ジンは礼で守りを固めて紳士的な口調で話し、相手次第で臨機応変に応じるタイプだ。今回は相手に好意を持たれているから、自尊心をくすぐり情報を得ようとしているのだろう。

 多分青木なら、不快にさせない様にリグルと彼女に惚れられた男を褒めつつ、僅かだがリグルから情報を引き出していたかもしれない。ジンはあったこともないのに男を褒めるのはどうかと思ったようだが、
青木なら多分『惚れられた女性の格を見れば、相手の男性の格もわかります。さぞ素晴らしい人なのでしょう』という主旨の言葉を一流の接待役より上手に口にしていたと思う。

 リグルは笑みを浮かべると、西洋の動きやすいドレスに似合う刀を抜き放った。ジンはそれを見ながら、風神剣を構える。

「君の為にもなるけど、一番はこれを見ている旦那様の成長の手助が目的なんだ。それじゃ、いくよ。生あるものの輝きを助ける神としての側面も持つものとして、君たちの訓練に全力で付き合うよ」

 そういうとリグルが凄まじい勢いでジンに切り込んだ。 ジンはその攻撃を風神剣で辛うじて受け止めた。

「マハジオンガ」

 気品のある高い声で玲子が呪文を詠唱すると、リグルに向けて雷が落ちた。 ジャックルロストがマハブフーラをかけて追い打ちをかける。 中級クラスの氷結魔法でも彼らに鍛えられたジャックフロストが唱えると部屋全体が寒くなった。

 リグルはぜんぜん堪えていない、様子で雑談の様な調子で二人に声をかける。

「良い判断だね。 僕が蛍の化身である以上、寒さに弱いのは確定だし、仮に蛍が水の中にいる以上は凍らせられると危ない。蛍火の伝承的にも氷は有効に見えるよね」

 雑談しながら一切の隙を感じさせないリグルをジンは一切の油断なく見る。針の穴を通す様な隙すら見逃しそうにない。 玲子も呪文と剣どちらでも対応できるように構えた。


 二人を見ながら、リグルは懐かしそうな目で言葉を続ける。


「玲子さん、君の男の子を見る目は確かだったと思うよ。 ジンくんの立ち振る舞いとか戦い方とか、僕達を護る為に戦い始めたばかりの頃の旦那様とそっくりだもん」

 その言葉に玲子は素直に嬉しそうな表情になりつつ、軽口を返した。このやり取りを見るに彼らは結構親しい様。

「それは、それは貴方の旦那様も素晴らしい人なんでしょうね。その旦那様がいないのが今回の敗因でしょう」

 和やかに返した次の瞬間、玲子が絶対零度を思わせる氷の嵐をブフ系の魔法を連発して作り出した。 それを見た横島はとっさに駆けだしそうになった。合意の上の訓練めいた戦いとはいえ
、リグルが死ぬかもしれない戦闘で弱点属性の猛攻を受けている。そう思うと自分の魂が助けに行けと叫んだ。その声に従おうとした彼の体は不意に脱力感を与えてくる快感が内部に走ってきて掻き消えた。
アリスが体の中に入った糸で束縛しながら愛撫してきたと理解すると、その脱力感はますます強くなる。

「忠夫、安心しなさい。ここからよ、ヴァーミンクイーンの名は伊達じゃないから。彼女にとっては冷気は苦手だけど、致命的なものではないわ。それより、彼女の戦いをよく見ておきなさい」

 アリスは女教師の様に言うと、糸で横島を操り画面を再び見せた。なぜかリグルの戦い方や立ち振る舞いに目が奪われ始めほどなくして、穴が開くほど画面を体が見始めた。リグルは笑いながら翡翠色の光を放つ日本刀を振るうと、
剣から蛍火の乱舞が起りそれが本当の火に変わると火炎の乱舞と化した。ベルゼブブの死蝿の葬列と真逆の神聖な気を放っていながらどこか似た気配のするその光は神聖属性と炎の合わせ技だと感じ取れた。

 ジンは一瞬で書けるとジャックフロストに吹雪を吹かせ、玲子を無事な位置に逃がすと、向き直った。 リグルは笑いながら手を振ると無数の蛍が空中で舞いながら集まり剣となり鋭い剣撃を彼に放ってくる。 

 玲子が危ない、そう思った瞬間彼が出した火事場の馬鹿力はリグルの予想を遥かに上回っていた。全身から霊的な気配察知能力を出すと自分に迫る斬撃はかわし切り、玲子に迫った剣は風神剣で叩き落とした。 
そして空中に舞う全ての蛍の気配を体全体で感じ取ると、剣ができそうな位置を全て感じ取りながら先読みし全てに対処しながらリグルに迫った。

「ユウキちゃん以外にもこんなことできる人いたんだ」

 驚愕の声音で紡がれるリグルの短い独白が終わるころには、ジンとリグルの距離が殆どなくなっていた。無数の蛍が隼の様な速さで群がりリグルを護る様に間に入る。間に入った無数の蛍は一瞬で集合し剣となりリグルに迫るジンの剣撃の嵐を、防いだ。澄んだ音と火花が散った後、リグルもまた剣を構え笑った。

「予想以上に君は凄いね。これなら旦那様の力を引き出すための儀式も予想より上等になるよ」

 そういうとリグルもジンを迎え撃ち全力で切り込んだ。ジンは劣勢になりながらも重傷を避けながら見事に下がった。リグルに追い打ちをする隙を与えない見事な駆け引きと撤退だ。その撤退戦を繰り広げるジンの後ろで、
玲子はジンに代わって仲魔達に指示を出しながら自分も切り込むか援護の魔法を撃つかを思案している。 美味い立ち回りだ、と横島はジンと玲子を見て思った。彼女は優柔不断とも言える長考をしつつ、どちらかに転ばれると怖いと思われるようにふるまい行動に移さずとも、
ジンの負担を減らしている。ジンもその支援を受けながらリグルにプレッシャーをかけている。


362 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:28:45 ID:5AOAdM2e

 だがそれ以上に横島はリグルの立ち振るまいと彼女を護り飛び交う蛍たちが集まりできる無数の剣が繰り広げる舞に視線を固定された。あれは間違いなく、自分がいつかの前世で使った剣と技を再現している。だからこそ見ているだけで経験が入ってくるのだろう。
そしてリグルの立ち振る舞いも、横島の前世の英雄譚を再現している。彼女は筋力も使っているが生命エネルギーである気や、霊力を使い身体能力を強化している。あれも恐らくは横島が前世で使った修験道などの技なのだろう。

 今までもああいうことはしてきたが、リグルが見せてくれた技は質が違う。これを模倣し子供の体でも勝ち抜け、これが飽食界の試練なのだろう。 横島の集中力が極に入り、闘いを見続け学ぶ機械のようになると、アリスが魔法でリグルに連絡を入れた。


 ジンは玲子や仲間たちと共に、リグルと刃を交え彼女の周り飛ぶ大量の蛍たちが時には業火の嵐となり、時には剣と変わり自分たちに襲い掛かってくるのをはねのけていた。
 ジンが絶好調を思わせる勢いで切り込むとリグルは不意にすさまじい速さを見せ彼を弾き飛ばした。 吹き飛んだ彼にリグルは笑いながら言う。

「ようやく旦那様の学習のスイッチが入ったみたい。 ジンくん、玲子さん君たちならこれからの僕の戦場の舞についてこれるって。 武芸の技も舞踏と同じで相手が上手じゃないと直ぐに終わって成り立たないからね」

「そのためだけではないのでしょうが俺たちを鍛えてくれたのは、それが一番の目的だったわけですね」

「やっぱり腹が立った?」

「いえ、打算込みでも俺たちは益になることしかしてもらってないので、ただあまり手を抜きすぎると、旦那様の学習とやらが俺たちが勝って、直ぐ終了してしまうかもしれませんよ」

 ジンの小気味よい軽口にリグル笑い、しかし幾ばくかは真面目さの籠った声で応じた。

「確かに君たちの爆発力や成長力を見たらその可能性もあるね。最近の私は大分思い上がっていたみたい」

 そういうとリグルの持つ剣が翡翠色の光をより強く帯び始め周りの蛍たちも業火を思わせる輝きを見せ始める。

 より強くなった蛍たちの光はオパールとエメラルドそして翡翠の輝きを放つ蛍火の乱舞と化し、それがうむ業火の嵐をジンは楽しそうな笑みを浮かべた。

「俺、殺し合いは好きじゃないけど、同委の上の喧嘩や試合は好きだったみたいです」

 その言葉と共にジンの持つ風神剣も眩い光を放ち彼はかつてない速度で駆け始めた。その後の戦いは熾烈を極めた。ジンは故人としての戦い方はユウキに似ており指揮官としてはリグルに似ている。
普段は仲魔達の自主性に任せ、本当に自分の指示がなければ危ないときだけ念話で動かす。双方の戦いに横島は魅せられながら、リグルが使う技や蛍が集まり生み出す光に視線を奪われた。
リグルの周りを飛ぶ蛍たちが剣となり繰り出す剣撃は間違いなく横島が彼女を助けるために使った技だ。宙に浮く刀の乱舞は横島の瞳にはそれを振るう自分の前世たちの姿が確かに見えた。


 リグルの容赦のない攻めをかわしながらジンは唐突に笑った。 それを見た瞬間、横島の背筋が熱くなった。あれは何度も闘技場で闘った時に見た笑みだ。あの笑みを見せた時彼は何度も横島が自分は負けるかもしれない、
と思うようなことをやってのけた。アリスの糸がもたらす快感と脱力感すら屈服させながら、横島は立ち上がりかけたがアリスがさらに魔力を送ると動けなくなった。

「大丈夫よ。リグルはあれくらいじゃ負けることはあっても深刻な怪我とかは絶対しないから」

 アリスはそういうと横島の視線を画面に固定させた。

「見ておきなさい。これがリグルが貴方に見せたいものよ」


ジンの笑みを見たリグルはそれを見て少しだけ、後背や弟子が見事な姿を見せた、先輩や師匠めいた表情をしながら一気に攻勢を仕掛けた。蛍の光が槍や刀や戦斧、
札や杖に変わり一斉に殺到する武器をジンは獰猛な笑みを浮かべながら自分が中心となり避けたり叩き落したりした。仲魔達や玲子の力を最大限に引き出す動きはもはやジン彼らの軍団がジンを中心に一つの生き物となった様だ。 
横島はそれを見て焦りを覚えた。ジンは恐らくは今まで生きてきた中で一番強い状態だ。認め合える強敵との戦いや玲子を護る使命感や緊張感それが最も彼を高めている。恐らくは今も戦いながら強くなっている。
リグルは余裕でそれをかわしながら――正確に言えば、戦況的にはどんどんと彼らの成長ごとに不利になっていっているのに、それでも余裕の態度を一切崩さず捌いている。

 リグルの無数の攻撃をかいくぐり続けたジンに唐突に勝機が訪れた。 これはリグルの落ち度が産んだ勝機ではなく、唐突にジンの能力が一気に上がった為だ。スポーツ選手などにも行き成りその試合中にだけ、
凄い力を出すときがある。それは戦士にも起こる時がある。 ジンに稽古をつけ続けてきた横島にはジンにもそれが起きたのだと悟った。

 突然の当人にすら予想できなかった、勝機の到来に対するジンの対応は教導官を務めた者として心からの賞賛を送りたくなるようなものだった。

 ジンは速攻で仲魔達全員に指示を出すとそのまま一気に突っ込んだ。仲魔達も玲子もジンの変化を把握する前であったのに一切の躊躇いなく彼に従う。 
 一瞬で一つの剣を思わせる様な体制へと変わり、リグルに猛攻をかけた彼らをリグル余裕と楽しさ両方を込めた笑みで迎え撃った。幾つもの剣や術が発動し彼らを遮り始める。

そしてそれを見た時、横島の脳裏に今まで以上にその武器や術が刻まれていく。彼には分かった。あれは幾つかの前世で自分が妻達を護る際に特に活躍した戦いの再現だ。ジンを中心とした激しい連続突撃をリグルは時には自分が後ろに下がり武器たちに任せ、
時には前線に出て魔術の援護を受けて彼らと切り結ぶ。幾つもの盾となる武具や術が破れそうになったが、破れそうになるたびに他と入れ替えジンの動きに合わせてぶつける武具を変え続けたリグルの方に戦況が傾き始めている。

リグルが操る武具の大半が入れ替えを繰り返された大半が砕け散り残った武具も消耗が激しいが、残った武具も僅かという時に、ジンの動きが本当に僅かだが鈍くなった。リグルが外せば自らの敗北を決定づけるほどの攻撃を放った。
リグルの翡翠色の光を帯びた斬撃が稲妻を錯覚させる程の速さで彼に迫った時、彼は底力を出して風神剣をその稲妻めがけて放った。大きな澄んだ音が響いた直後に力負けした彼の剣は跳ね飛ばされそのまま彼も吹き飛ばされた。 

壁に激突した彼はそのまま意識を失ったが、それも数秒でジンは目を開けると、少し混乱した様子だったが直ぐに状況を把握した様だ。

「負けたんですね。 敗因は一体何だったんでしょうか?」

 悔しさもあるが疑問が勝っているジンにリグルは言葉返した。

「経験の差だね。悪魔と戦う時は常にこれに注意した方が良いよ」

「いや、確かに貴方の旦那と共に積み上げた武具の再現はすさまじく量が多く見事でしたけど、俺は貴方より戦闘経験が多い存在とも多分戦ってきてます」

 ジンの指摘にリグルは頷いて答えた。


363 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:30:54 ID:5AOAdM2e

「うん。そこは君の言うとおりだね。実を言うと、君が最後に勝負を決めに来た状態あれになられると勝つのは至難の業だから、生き残れる悪魔はそうはいないだろう。実を言うと僕はああいう状態の人と戦って生き残った経験が何度かあるんだ。ここまで言えば君なら分かるでしょ」

 それを聞いた瞬間ジンは全てを理解した様子になった。

「なるほど。全部読まれていたわけですね」

「そう、君はああいう状態になる人間特有の兆候が出ていた。そしてあの状態になったら絶対にああいう全てをつぎ込んだ攻めで来ると思っていたからね。
 だからあの状態になるまで戦いを長引かせて突っ込んできたら準備を固めた方法で迎え撃ったのさ。突発の事態で攻めた君と、
来ると分かって構えていた僕ではどうしても差が出てくるからね。普通はあの状態になった相手に生き残れる相手は滅多にいないどころか、出会っている人間もそう多くないけど、悪魔は寿命が長い。だからこういう可能性も頭の片隅に置いて置いた方が良いよ」

 ジンは頷いた。今は惚れた女性の前で無様をさらしたくらいで心底悔しいくらいで済んだが、これが失敗の許される訓練でなければ玲子だけでなく、自分に十全の信頼を置いてくれている仲魔達や頼りにしてくれた人たちまで死んでいたのだ。
 これは正解を出すのは無理に等しい問題だったが、それでも正解を出さねばならないのがサマナーの役目だと思い、正解を出せなかった悔しさはリグルに真摯に礼を言いながらも血がにじむほど握りしめられた拳が示している。

 リグルはそれを見て柔らかい目で笑った。

「今の君、力不足で僕達が怪我した時の旦那様にそっくりだよ。 そういう心を持ったままで入れば絶対に彼女を幸せにできると思うよ。そのまま強くなって旦那様と同じ陣営で頑張ってね」

 その言葉を聞くと、ジンは頷いた。今回の経験を得難いものだと感じている。反省をしながら、次につなげるべく必死に思考を巡らせるジンにリグルは言葉をかけ続ける。

「旦那様の道は過酷だから君みたいに善良で有能な同陣営か、友好勢力に就職してくれる人間はすごく貴重なんだよ。それじゃあ、君たちは合格だから、『勤勉のリング』を授けるね。次の魔界は君たちの助けを必要としている人がいるかもしれないから頑張ってね」

 リグルの真摯な願いの込められた声にジンは頷いた。恩を受けたと感じている相手からの陳情を避けるという発想は彼には薄い。

 ジンの返答を聞くとリグルは輝くような笑みを見せた。そしてジンと玲子に蜂蜜酒を渡す。

「ソーマほどじゃないけど、回復をすごく早めてくれると思うから飲んでおくといいよ。僕は少しやらないと駄目なことがあるから失礼するね」

 リグルの覚悟を決めた様子を見て、ジンは即答した。

「敵との闘いですか、なら俺たちもお手伝いしましょうか?」

 その言葉にリグルは首を横に振った。

「君達に助けてもらえばすごく楽になるけど、これは僕達にとっては、過去にしてしまったことの、けじめとかに当たる戦いでもあるんだ。だから部外者を巻き込むわけにはいかない」

 リグルの言葉にジンは頷くと座り休息に入った。ボスの部屋は基本的に侵入してくる悪魔は少ない。 ジンたちに一礼するとリグルは翡翠色の光に身を包み姿を消した。おそらくは敵のところに行くのだろう。


 彼らのやり取りを見た後、横島はアリスの方を見た。

「ええ。今回の飽食界の戦いは、あなた次第だけど、エヴァやリグル達が今戦っている相手と戦ってもらうことになるわ。最も今回ばかりは、貴方が助太刀を拒んでも私たちには文句を言う資格はないけど」

「分かった。安易に助太刀するとは約束しないでおく。すべての事情を聞いてそれから決めるは」

「ええ。そうして。忠夫これから出かける準備をして。飽食界での修行の準備に移るわ」

 アリスの言葉の後、横島は愛女守をその手に持ちながら子供用の陰陽師の服に身を包み彼女の到着を待っていた。 アリスは木綿季と藍子を伴うと、到着し彼を邪教の館に連れて行った。

 アリスはどこからか交渉し仲魔にしてきた女権国家の悪魔たちを木綿季と藍子に合体させた。 煙が消え去るとそこから再び西洋の服に身を包み悪魔の見たいな耳を生やしたユウキとランがいた。
二人は天狗と狐だった時より大きな魔力を放っている。種族的には弱くなったが、この種族だった時に偉業を幾つも成し遂げていたのだろう。 
二人の衣装は見かけこそ違うがあまり変わらない。ユウキはファンタジーの世界の魔法剣士を思わせる衣装に身を包み、ランは杖にも見える槍を持ち巫女や魔術師に近い格好だ。

「インプ・ユウキ数々の魔女に仕え幾つもの偉業を成し遂げた最速の剣技と魔術を君に捧げるよ。今後ともよろしく」

 洗練された騎士を思わせる礼をするユウキの横で、ランもまた同じく礼をとった。

「同じくインプ・ラン。幾つもの魔女に仕え幾つもの偉業を成し遂げた姉妹の力を貴方の捧げます。今後ともよろしくお願いします」

 ユウキとランの礼を受けて横島とアリスは頷き答えた。 アリスは向き直ると、彼に向けて言う。

「さっきのジンくんとリグルの戦いを見て、色々と情報が流れ込んできたと思うけど、今回は彼女の再現した術をひたすら覚えなさい。そしてそれらを食らい強くなること飽食界らしくね」

 アリスの言葉に彼は頷くと、呼吸を整え愛女守を振った。子供の体になって筋力は落ちているが、サマナー特有の呼吸法なども用いればどうにか振るえる。それを見て、アリスは頷く。

「アリスちゃんにとって一番使い勝手のいい仲間はこの二人か。もう少し他の悪魔も仲魔にしてこようか」

「昔から私に仕えてくれている仲魔達もそれなりにいるんだけど、あの娘達はこの飽食界の戦いには向かないから。一人ある意味この『飽食界では』凄く強いけど娘がいるけど、
ここで同行させると彼女が強すぎて修行にならないしね。それに他の娘達は、私がボスを務める魔界で貴方と戦うかもしれないから」

「そうかそれならしかたないな」

 残念そうな横島の言葉にアリスは花の様に笑うと宣言した。

「それでは行きましょう。この魔界を踏破しに」

 アリス達から連れてこられた館を出た彼は夜に映える森を思わせる魔界を駆けぬいた。あまたのオークや金槌坊をどう種族の悪魔たちと戦いながら、リグルが見せてくれた術や技を再現し、敵を薙ぎ払う。オークや金槌坊をはじめとする蟻を初めとした無視悪魔たちとの戦いは気が抜けなかったが、
アリスの横島の前世の人形を使って敵を薙ぎ払う魔術が発動すれば大半が片付いた。そしてその人形の動きを見るたびにどんどん、自分の中で前世の技が再現され血肉となっていく感じがする。 特に強い剣を持ったオークと金槌坊だけが生き残り、絶望的な戦況になったにもかかわらず、一切気負わずこちらに剣を構えている。
 横島はその二人を見て嫌な予感を覚えた。あれは絶望的な戦況ですらもたまにだがひっくり返してしまう勇者の気をまとっている。自分たちよりまだ実力は低い。だが万が一があるかもしれないと思わせる空気が感じられる。そう思うと即座に彼は刀を構え駆けだした。一番上の指揮官として育てられていればここでは、
この二人をしとめるより、一旦引かせて流れが変わった時に討ち取るのだろうが、今の横島は誰かの支援をする将軍や戦士に近い。こういう敵は自らの手で早く討たねばと考えてしまう。


364 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:33:22 ID:5AOAdM2e

 金槌坊は無言で槍を構えた。自分を超えて、早く強くなれと言っているのが霊気から分かった。 オークは少しだけ、考えると剣を構え口上を述べた。

「横島殿、われらオークは若干だが金槌坊たちをはじめとした無視妖怪とはこの試練に対するスタンスが違っております」

「ああ。そうだろうな。オークであるあんた達は前世で嫁さんだった彼女たちの直属じゃないものな」

「ええ。貴方に恩はありますが、我らも観測者たちが『女神転生』と呼ぶ世界にするわけにはいかないと思っております。それは女権国家の世界のオークである自分たちなりの義でありますゆえ。
 一言で言わせてもらうと、『貴方を万一倒せたのなら、それで得た力で我らは貴方が将来戦う無辜の民草を脅かすものを討ちます。我らが貴方に敗れるようなら、我らの遺骸を糧に我らが許容できぬ者を討っていただきたい』」

 横島はその口上を聞くと、愛女守を深く構えた。この二人はすごく強い。もともと強かったのが戦士の成長を促すうえでは理想的な戦場で、最後まで生き残ったのが蟲毒に似た効果をもたらしたのかもしれない。または戦場の経験が化けさせただけかもしれない。 

 この有利な状況で引くようではこの魔界を超えた後の数々の事件から東京や日本を護れるはずもなし。そう決断すると、横島はアリスに視線を送った。

「金槌坊の方はユウキとランが仕留めなさい。忠夫はオークをお願い」

 ユウキとランと横島双方が苦手な方を割り振ったのはその方が成長になると思ったからだろう。 横島はオークが繰り出してきた速度重視の一撃をかわして彼を切りつけた。だが脂肪の鎧とその下の筋肉に阻まれて致命傷には至らない。
さらにオークの放ってきた拳が彼に当たった。完全に防御されると分かったうえでの一撃であり、その一撃の代償に横島の放ったアギラオの炎がオークに浅くはないやけどを与えた。だが、その一撃は無駄ではなかった。

 横島の心に恐怖まではいかなくても大きな警戒の念が芽生えてしまった。綺麗なあたりでなくてもオークの手足どれか一つの有効打を受けたら、自分は動きが鈍り即座に殺される。 そう思うとそれまで警戒していなかった手足からも威圧感を感じ始めた。 
オークの連続攻撃を防ぎながら彼は何度も下がった。オークもまた横島の動きに驚いていた。これほどプレッシャーをかけられていながら、彼は引く方向に動かず自分を攻めてきている。速度で劣る彼は何度か横島に切りつけられると、即座に決断を下した。
このままでは横島が耐えきり自分を削りきって勝つ。そう思った彼は即座に全力の一刀を放った。横島もそれに応じて同じく一撃を放つ。勝負の結果は想定通り横島の勝ちだった。

「見事」

 そういいながら崩れ落ちるオークを見下ろしながら、横島は体中から滝の様な冷や汗が流れた。万が一の可能性が完全に潰えたと思いつつ、最後にこのオークがまだ反撃をしてくるのではないかという警戒から、アリスを庇う位置に立つことと構えはやめなかった。彼が消え去り豚の死骸となった時、ようやく彼は一息つき、ユウキたちの戦いの様子を見た。

 槍を構えた金槌坊が倒れユウキが剣を鞘に納める構図を見て横島はほっとした。どうやら助かったようだ。

「忠夫、勝ったよ。でも彼本当に強かったよ。格上と戦いなれていたのかとにかく粘り強くて、気を抜いたら、ひっくり返されてたよ」

 明るく言うユウキの言葉を聞いてアリスの方を見るとアリスも頷いた。

「ユウキはある時期から常に明るくて苦戦や苦労すら心底楽しむから、圧勝しているみたいに思われやすいけど、今回の戦いは本当に手ごわかったわ。ランが回復や補助のタイミングを少し誤ってたら、負けていたかもしれなかったわ。
 毎回ねじ伏せていたけど、何度か演劇の舞台の空気が変わりかけた状態が何度かあったけど、あれ多分逆転されかけてたでしょう?」

「うん。本当に危なかったよ」

 それを聞き横島は今後はユウキに目を配らなければならないと、思った。彼女は頼りになる雰囲気が強すぎて危なくても気づき辛いところがある。

 アリスが手をかざすと蟻と豚に戻った彼らの死体がどこかに送られた。

「彼らを食らい、そしてマグネタイトを得て強くなっていくこと。それが一番の弔いとなるから行きましょう」

 横島たちはその飽食界で限界まで体を酷使し、それが終わると倒した悪魔たちを食らうというサイクルを繰り返した。食事をする度に体が頑強で強くなっていく感覚があり、また成長期となったせいかいつもよりたくさんの食事を摂取することができた。


 体感時間でひと月くらいが過ぎ、横島の体が高校生の頃に戻った時、不意にアリスが手をかざした。

 そうすると不意に光の映像が現れ、そこには傷だらけのエヴァとリグルとマイが映っていた。 マイは比較的軽いが、エヴァとリグルはそれなりに思い手傷を負っている。 これは、実力差というより敵との相性のためだろう。 横島は即座にアリスの方を見た。

「十分成長したし、そろそろ出陣の時かもと思ったのよ。彼女たちを助けに行かないという、選択はとらないでしょうから、どうしても覚えておいてもらいたいことがあるの」

 気がはやりながらも、アリスの真摯な言葉を横島はどうにか頭に入れる努力を始める。あまり複雑な忠告でなければ良いがとも思った。

「もうわかっていると思うけど今回の敵は決して邪悪な存在じゃないわ。むしろ人間でいえば善人に分類される。エヴァ達も悪人じゃないけど、善良な悪魔に付け狙われるようなことも過去にしてしまったこともあるの。
そして今回の悪魔は決してうそを言ったり卑怯なことはしてこないから、彼と対話してみて、その上で私たちのために彼と戦うかは決めてほしいの」

「分かった。 そういう悪魔なら、落としどころ見つけんのは多分無理やと思うが行ってみるわ。 多分エヴァさんたち庇うなら戦うしかないやろうな。善人な悪魔らしいし、戦争せんで済むならそっちの方法とっとるやろうしな」


「ええ。彼はすごく強い戦士だから気を付けて」

 善人だと聞き憂鬱になったが、戦士でもあると聞くと少しだけ気分が軽くなった。善人であっても同じ覚悟を決めなければいけない職種なら少しは罪悪感も軽くなる。

 覚悟を決めて駆けだすと、アリスの糸が彼の中に入り込んだ。そして人形劇の人形にするように彼を操り始める。アリスに操られた状態で繰り出した技は完全ではないがコツなどはある程度つかむことができた。 
多くの敵、主にオークと金槌坊の群れを切り払いながら彼は一切休むことなく、敵を薙ぎ払いながら彼らはマイたちが戦っている場所にたどり着いた。 横島が到着した時、エヴァが重傷と思われる傷を負いながら膝をついており、リグルもエヴァほどではないが消耗している。
彼女は戦いで負った傷というより、疲労の方が大きいようだ。一番怪我が軽いのはマイだった。それを見て横島は、マイの相性の問題が大きいという言葉が事実であると改めて思った。 彼は即座にエヴァ達が相対している敵を見て、言葉を失った。 
目の前の存在は、あまりにも静謐で神聖な気に満ちた存在だったためだ。この世界のオーク達全体がライト悪魔に近かったが、彼の目の前にいる。豚の姿をした亜人オーカスは、鍛え抜かれた力士と高僧を合わせた様な気を放っている。彼の存在は大きな剣を持ち、横島を見ると口を開いた。


365 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:35:04 ID:5AOAdM2e

「よくぞ来た。今日までは我が庇護対象でもあった魂よ。此度の戦いをする前に我の問いに答えてもらいたい」

「ああ。なんだ」

 横島はまずは会話に応じることにした。悪魔との会話はろくでもないことになることが多いが、筋を通す善玉悪魔達は例外なケースもある。エヴァ達の回復を待つ意味でも少しでも時間が欲しかった。それに目の前の存在は明らかに善なる気を纏っている。
戦っている理由を知らなければ吹っ切った状態で戦えない気もした。 目の前のオーカス。青木が救った校長が転じさせられた醜き食欲に支配されたそれとは一線を隔す神聖な気と威厳に満ちた悪魔はゆっくりと、口を開いた。

「横島忠夫、女権国家世界における、我オーカス並びオークの地位を引き上げし者よ、
汝、今の彼女たちへの感情はいかなるものか」

「体を重ねたこともあるし、ずっと助けてくれた大事な人たちだ」

 横島の即答にオーカスは頷きながら言葉を続ける。

「それらを傷つけた我に対する今の心境は」

「正直、許せんと思っている。あんたが人間でいうところの善人できちんと筋の通った理由でやっているらしいって、教えてもらってなければ直ぐに切りかかっていたと思うぞ。 今でも早くこの問答を終わらせたいと考えている」

「それでは、お前の前世の妻たちの犯した罪の内容は知っているか否か」

「俺も知らないことが多すぎるが、約束を破ったことか? 今生では俺と結婚しないって言っていたらしいじゃないか」

 オーカスはそこまで聞くと頷き説明をする口調になった。

「その者らが犯した罪は大変に大きいものだった。前世の貴公は死ぬ前に一度でいいから、男性優位の性行為をし続けられる環境でハーレムを作って過ごしたいと願った」

 オーカスの言葉の続きを横島は視線で促した。理解するためだ。このオーカスはこの世界のオーカスと女権国家のオーカスが混じった存在の様だ。強いから戦いたくないというのが一番だが、善良な悪魔だから交渉でことが済むならそれが一番だ、と思う感情も芽生えてきている。

 対話を続けようとする彼にオーカスは言葉を続ける。

「最後に幾つもの前世と記憶が混じり合った状態だった、貴公のひとつ前の前世は切実な思いでそれを願った。彼女たちもそれを感じ取り今まで自分たちに過ごしてくれた男の願いだから、一度の生くらいは自由にさせようと思い合意したのだ。だが、彼女たちはそれを違えた」

 横島はオーカスの言葉を聞き、彼女たちを護るための『闘志』は強くなっても、目の前の存在への『嫌悪』や『憎悪』は急速に、小さくなっていく感覚がした。 この存在は少なくとも自分の前世の為に行動している部分もあり、エヴァ達への怒りなどではなく、
裁判官や警察の様な義務感で動いている面もあると分かったためだ。 覚悟を決めた様子の横島にオーカスは剣を構え言う。

「今の貴公と前世達は別人だ。そして約束を破ったことを知った上で貴公の前世達は彼女たちの為に戦う貴公に力を貸している。彼女たちを許しているかはそれが答えであろう。だがそうであっても、冥府の神という側面も持つものとして、あの約束を違えたことは看過できぬ。
善行を積んだ魂の輪廻に約束を破り干渉したことを罰さねば示しがつかぬ」

 横島はそれを聞くと頷き、愛女守を構えた。

「俺も、彼女たちのことを知るために女権国家の文化を色々と勉強していたんだ。多分だけど、基本的には善良な男たちは死後の世界では生きてた頃より、女性たちの脅威とからからも守られているんだろう。そしてあんたは、冥府の神なんだから、
今際の際の約束とかは守らせたり、あるいは破ったものは罰しないと天国の維持にも支障が出ちまうんだろう」

 神々は自分が庇護すべき者たちを害するものは決して許さない。それを打ち破ることで強くなるダークサマナーなどもいるが、割に合うことは稀だ。ただ戦って倒すだけならまだしも、権能や保護対象を犯した以上その無事で済ませればその神の存在理由そのものが揺らぐ。 
目の前のオーカスは冥府の神と同一視されることもある存在だ。オーカスの発言から察するに、女権国家のある世界では何らかの要因で自分と関わりそういう面が強くなったのだろう。

「その通り。今の貴公は覚えていないのだろうが、その約束を交わした時の貴公は本気で、一度でいいからそういう生を歩みたいと思っていた。 彼女らはこの世界が安全地帯でなく、貴公の生が危ういとなって干渉することを決めたとは言え、約束を破った理由は善意もあったが、
この世界で男性優位の性行為ができる女性たちと貴公の絆が強くなることを恐れた側面もある」

「よくわかった。ワイは約束を破られたという実感はないし、性交で強すぎる快感を与えられすぎたり、辱められたりすると滅茶苦茶きついときもある。 だが、今生に置いて俺は彼女たちの支援が切れると故郷を守り切るのに支障をきたすし、彼女たちがむごすぎる罰を受けると、今生を楽しく生きることはできん。 
だからこそ前世の俺と今の俺を同一視しているのなら、被害者である俺からの被害届の取り下げを受け付けてくれ」

 そこまで聞くとオーカスは頷き剣を構えた。敵意も殺意もない斬撃が彼に迫りそれが当たると、今まで彼女たちから与えられた快楽を覚えてはいても、それによる精神支配が抜け落ちた様な感覚になった。これは目の前のオーカスの仕業なのだろう。
死後の世界の現世の因縁を落とす処置に似た行動だと横島は予想した。そして、オーカスは彼の眼をのぞき込み聞く。

「今の状態でもその意思変わりないか?」

「ああ」

「被害者からの要請確かに受け取った。 だが彼女たちが冥府の神として看過できぬ道義違反をしたのは事実。 決闘裁判をここで行うとしよう。貴公も夫として彼女たちと共に挑んでくるが良い。そして私を討ち果たした時は無罪としよう」

「負けたら、彼女たちはどうなるんだ? やはり死刑か」

「そこまではいかないが当初は重罰の予定だった。 だが被害者が被害届を取り下げたから問うべき罪は減った。 ただ、彼女たちにとっては精神的に重い罰を下すことになるだろう。例えば、貴公がこの世界で戦っているのに手助けできなくするとかか」

 そこまで聞くと横島は負けられないと思いつつ理にかなった罰だとも思った。切実な願いからの約束を違えたのだから、自分たちの願いを叶えさせないことが罰ということなのだろう。

「分かった。行くぞ」

 駆けだそうとする、横島をオーカスが手で制した。その気配は親切な係員が気付きにくいルールを客に説明しようとしているときに似ている。彼は言う。

「そちらのインプのユウキとランだが、アリス殿ではなく、貴公と契約した状態にした方が良いと思うぞ。 その二人はまだ約束破りという罪を犯す前の伝承の悪魔である故、罪を犯した者への特効が発動せん。 だが約束を破ったアリスの仲魔として動いている以上は私の罪を犯した者への特効が発動するぞ」

 その問いにユウキとランが首を振った。

「できれば僕達はこのまま、戦いたいんだけど良いかな? 僕達は確かに罪を犯す前の伝承が具現化した姿だけど、 どんな理由であれ忠夫との約束を破った本体から作られたんだ。 だからこの戦いではこのままでいることが僕たちなりのケジメなんだ。 もちろん忠夫が勝つこと優先っていうならそうするけど」


366 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:37:08 ID:5AOAdM2e

「分かったこのまま行こう」

 刑罰というのは場合にもよるが加害者が本当に反省しているときは、きちんと罰を受けたと安心させるために執行されることもあると聞いたことがある。ここでそういうユウキたちの言うとおりにしなければ彼女たちの心に納得できないものが残る。横島は構えると、言った。

「わざわざ忠告してくれる当たり、冥府の神様は本当に慈悲深くて公平だな。 女権国家の世界でもそれは変わらないか」

「加えて強さも求められるぞ。何しろ好感度ドーピング状態の性悪な女どもから男を引き離したり護ったりしなければならないからな。それと横島殿が貴公らを庇うと決めた以上決闘裁判は最初から再審すべきと思うが、女性たちよ、回復できたか? 済んでいるなら始めさせてもらうぞ」

「その前に一つ確認したいことがあるんだけど良いか?」

「それほど長くはかかるまい。 貴公も当事者だ。きちんと知りたいことは知っておけ」

 横島は待ってくれる様子のオーカスに頭を下げると回復を終えたエヴァ達に向き直った。

「エヴァさん。どうしてエヴァさんが一番ダメージが出かかったんすか? マイ姉ちゃんが一番軽いのはどうして?戦いの技術は全員高いとは思うけど、この三人の中で一番低いのはマイ姉ちゃんでしょ。やっぱり相性の問題だろうけど、どういう法則なんや?」

「ああ。それ、私も冥府の神って側面があるからオーカスにある程度抵抗できるのよ。それと私は、貴方の前世と約束しなかったの」

 それを聞くと、横島はマイの言葉に微笑ましいものを覚えた。彼女は横島との約束は毎回破る。だが本当に頼みを聞いてくれるときは、横島の頼みを聞くと約束せずに勝手に行動をしてくれる。約束を守ることを照れ臭いと思っている部分があるようだ。
前世でも多分そうだったのだろう。だからこそ彼女の罪状は『聞くべき頼み事を聞かなかった罪』であり、『守るべき約束を破った罪』は適応外になっている。そしてリグルは生の輝きを護り司るような神みたいな側面があるように見えた。だからこそ冥府の神の攻撃への耐性も強かった。
だが約束を違えたため罪人となることは免れなかったのだろう。エヴァに至っては遺言の聞き届け役であり、一番守るべき立場でありながら破ってしまった上に、吸血鬼というアンデッドでもあるため一番特効が刺さったと理解できた。

 横島が準備できたと視線で告げると、オーカスは一息に彼のもとに切り込んできた。 見かけと対極に位置する鋭く速い一撃を彼はかろうじて大量の霊力を込めて強化した愛女守と筋力で受け止める。全身が悲鳴を上げたが、
それでもかろうじて受けた瞬間に気をそらせば自分が首を?き切るという殺気を飛ばして僅かにオーカスが警戒をした瞬間、エヴァとリグルとアリスが一斉にオーカスに攻撃を仕掛ける。オーカスの体に無数の傷がつくが、その傷は彼女たちの絶大な魔力や攻撃力から見れば破格の浅いものだった。
 女殺しの魔獣たちとの戦いを思い起こさせる展開だ。おそらくは、彼女たちが罪を犯しているから冥府の裁きや罰を司るオーカスには与えるダメージが小さいのだろう。

 彼女たちの攻撃で僅かにできた隙を見て、横島の霊波刀がオーカスを切りつけた。彼の攻撃の方が威力は低いのにアリス達につけられた傷からみると、治る速度が遅い。横島は息をついた。この戦いではエヴァ達は自分よりあてにならないだろう。

「すまんな。だがお前が被害届を取り下げるさっきまでよりはだいぶましになった。 それまでは防御力も再生速度も私たちへの攻撃力も今より上だった」

 エヴァの言葉に横島は頷きながら言葉を返す。

「エヴァさん任せてください。何が何でも護って見せますから。 向こうも悪いわけじゃないけど、理屈じゃなくて俺が皆さんが怪我したりひどい目に合うのは嫌ですから」

 そういうと彼は愛女守を構え、ジャックランタンとアプサラス、ジャックフロスト、トゥルダクを呼び出した。今回はアリスと敢えて別の勢力として挑むことにした。 剣撃と魔法の嵐が飛び交う戦いは長引いたが、今回の戦いでは横島と彼が率いたこの世界の仲魔達が特に大きな活躍をした。 
ある意味当然と言えば当然だが、罪人でない横島とその仲魔はオーカスの特効特性の対象外だったためだ。特にトゥルダクはオーカス相手に最も激しく食い下がった。トゥルダクは横島の仲魔達の中でも特に接近戦に長けていたのが伸びていたが、
今回はオーカスの攻撃が特に聞き辛いようだった。同じ地獄の獄卒という役目もある悪魔であるためかもしれない。彼は横島と共に何度もアリスやエヴァの盾となってオーカスと打ち合い彼女たちを救った。最も横島よりは少なかったが、それでも今回の彼の彼女たちを護ろうとする気概は凄まじかった。

 次いでアリスの仲魔で活躍が大きかったのはユウキだった。彼女はその異常な速度で紙一重でオーカスの攻撃をかわし、切りつけることを何回もやってのけていた。

 オーカスの攻撃は戦神などと比べればやや遅いがそれでも、一流の武神や戦神にも通じる程度には速い。そして剣を合わせても僅かでも受け方が悪ければ、二発目で命を刈り取られる可能性が高い。横島は太り切ったオーカスの体が自分に大きな威圧感を与えてきていることに気づいた。
持久戦になったら絶対に勝てない。そんな幻想すら浮かんでくる。 横島たちがオーカスとの戦闘で消耗し回復の為に一人が一手割かれる時、ユウキが並外れた速度でオーカスを牽制し時に猛攻を仕掛けその隙を埋めていた。 ユウキの様子を観察する限りでは戦いを楽しんでおり、
今の所は体力や精神力の限界の陰りは見えない。 だがオーカスの様子を見る限りではユウキを攻略する何らかの方法を思いついた様に見えた。

 それを見た瞬間ユウキが一気に飛び込んだ。長考させると危険と感じたのかそれとも敢えてその策を破ることで流れを変えようとしたのかはわからない。

 横島は愛女守を構え速攻でユウキの援護に飛び込んだ。ラクカジャを重ねがけされた自分なら、一太刀だけならまともに受けても死ぬことはない。ユウキの動きを読み重ねながら、彼女が失態を犯したとき自分が盾になる。

 ここで横島はデビルバスターとして大きなミスを犯した。この中で最強の盾であり刃でもあるのは彼である。

目の前の存在は地獄の看守でありながら、女権国家世界では冥府で善良な男性を護る防衛隊長の様な立場でもある。だからこそ女権国家の女たちとは戦い慣れている。 いわば女権国家の女たちとの戦いの専門家だ。 
いわば違う世界の東国の武術と魔術を使う横島が一番未知で対処しづらい相手でもある。 そして攻守ともに最も大きな成果を見せるのは彼でもある。 
これは一概に欠点とも言えない。仮にここでユウキの盾になる決断を下す様な人物でなければ、体育館の戦いで金槌坊たちはあそこまで彼の為に尽くさなかっただろう。

ユウキと横島は比翼連理の鳥を思わせる連携でオーカスに迫り敵を何度も切りつけた。横島はオーカスが不十分な形で繰り出さざるを得なかった攻撃などを見定めて、そこに敢えて刃を合わせて僅かに彼の行動を遅らせるなどしてユウキを助けぬいた。 
切りつける回数こそ多いが精神的な疲労度は横島の方が遥かに上回っている。オーカスは武芸などなくてもすさまじい膂力と巨躯そして溢れ出る魔力で闇雲に振り回しているだけで、恐ろしく強い。しかも、目の前の相手は武芸や術を極めつくすというほどではないが一流だ。


367 :名無しさん@狐板:2022/04/24(日) 23:38:31 ID:5AOAdM2e

この戦いはオーカスより総合的にみれば弱いとは言え、武芸を極めつくそうとする悪魔達との戦いの経験がなければ、何度敗北が確定したであろう場面があったか数えきれない。

オーカスの剣を避けるたびに疲労により体の重さが増し始める彼を見てユウキも勝負を決めようとした。オーカスにユウキが切り込み深手を与えた瞬間、横島は青ざめた。 何が拙いのかはわからないが、敵が何か策を立てそれが成功するときの空気だと彼の勘が告げている。

ユウキの一太刀で深手を負った。オーカスは即座に蹴りを彼女に向けて放った。 ユウキは完璧な対処を取りながら、わけがわからないという顔になった。 確かにこの蹴りは当たるだろうが、彼女なら無傷で受け流せる。 オーカスの足に足の平を当てそのまま飛び下がった。
 次の瞬間、オーカス以外のすべてが驚愕した。 ユウキが吹き飛ばされた距離は誰もが思っていた距離の3倍以上の距離だったためだ。それでも彼女が無事に着地をして安直した。確かにあれほどの蹴りだったら運が良ければユウキに深手を与えその予定外の隙に付け込むこともできたかもしれない。

この場に居る味方勢力が全てがそう思ったが、ランと横島だけが一瞬早くオーカスの真の狙いに気づいた。 

 蹴りは武道に置いて、一部の例外以外では勝ちが決まった時、最低でも確実に当てられるとき以外は放つべきではないとされている。オーカスは敢えて致命傷一歩手前の隙をさらしてまで、ユウキに確実に蹴りが当たる状態を作り出した。
その狙いはユウキの精神にトラウマまではいかなくても警戒心を植え付けるためだ。当たれば確実に死ぬ。そういう脅威と認識した以上、警戒の度は確実に本人の意思とは関係なく上がる。 オーカスは剣を構えると、
そのまま切り込んできた。そして彼は斬撃を放つ直前に、とてつもなく高度なフェイントを織り交ぜ始めた。
 さっきまでは使ってこなかったが、こういう真似もできたと分かった瞬間一気に精神的な負荷が大きくなった感覚がする。 ユウキは敵の意を読む力に長けているせいで、フェイントに引っ掛かるまではいかなくても、反応しやすい。
 足までも警戒せねばならなくなってしまい彼女は余計に体力の消耗が大きくなり、蹴りを食らいやすい動きは控えてしまうようになっている。蹴りが来ることなど9割ないと分かっていても、本当に蹴りが飛んでくると錯覚させるフェイントに反応しやすくなっている。

 さらに周りのメンバー全員もオーカスのさっきまでのフェイントなど不要と思われる一撃の重さ重視の戦いから意表を突かれ調子が狂っている。それでも突き崩されず劣勢にとどまっているのは、長年女殺しの魔物たちと戦い劣勢を強いられてきた経験の賜物だろう。

 オーカスの剣の一撃をユウキが受け止めて、後ろの飛び下がった瞬間、横島が即座に間に入り、トゥルダクと共にオーカスに打ちかかった。オーカスの重く鋭い一撃が放たれてくる直前に、
別の軌道から飛んでくる錯覚さえも混じるようになりさらに疲労が増したが彼は後ろの女性たちが殺されるかもしれないと思った瞬間熱を帯びたように体が動き始める。 
オーカスの剣を防ぎながらどんどんとその動きが洗練されていく彼を見て、ありえないことではあるがこのまま勝利してしまうのではないだろうかという、錯覚すら覚え始めるほどに彼の動きはすさまじかった。 
オーカスのすさまじく速い斬撃をかわし彼が一撃を加え、隼の様に下がりかけた時 …――…彼は一気に吹き飛ばされた。

 何が起きたのか理解できなかったが、目の前のオーカスを見て理解した。剣を手放して、素手の技で彼を吹き飛ばしたのだと。 後ろの下がっていて最小限のダメージでありながら、
全身が砕けたような錯覚。立ち上がろうとしたが、このままではだめだ。 オーカスは横島を見下ろすと一瞬だけ悩んだ後、他の仲魔達の殲滅に移った。

『なぜおれを見逃す?』

 アプサラスが回復魔法をかけてきてくれたが、治る速度が遅いことに気づいた。横島は理解した。通常の冥府の悪魔と違いこのオーカスはかなり格が高い分霊だ。その悪魔の一撃が彼の治癒速度を大きく遅らせているのだろう。 

 アプサラスにディアラマをかけてもらい癒えるのを待ちながら、彼は死に物狂いでオーカスの動きを見続け戦況を分析した。 復帰できたときにフェイントに反応する恐れのある直観を押さえつける理性を強化するためだ。そして戦っている彼女たちの能力も少しでも覚えなければ。 

 戦況を見て、横島は内心大いに焦った。マイが何度も冥妻天女の剣をふるいながらも危機に陥り、マイとこちらの仲魔達を除けば一番活躍していたリグルも危うくなっている。彼女は英雄としての横島の輝きを再現するらしく、アリスよりも燃費が悪いようだ。
そして持久戦になって一番活躍しているのはアリスとエヴァだ。アリスは幾つもの人形を使い守りに特化した戦いをさせつつ、回復の術なども使っている。エヴァは相性が悪いにもかかわらず、培った長年の経験でひたすら上手く立ち回って苦戦しつつも足手まといにならずに防衛線を支えていた。

 ディアラマの効果を受けながら、横島は考えた。一分だけなら十全の動きができる。相打ち覚悟切り込むか否か。 息を吐き援護に飛び込もうとした彼は不意にその動きを止めた。 オーカスとは別の大きな気配が不意に現れたためだ。

 オーカスと横島だけではなく、そこで戦う全ての者が新しく表れた乱入者にその目を奪われた。 ヘルメットを被りとげのついた肩当てをした男の、闘神を思わせる筋肉に包まれた体から発せられる嵐の様な闘気はこの場の気配を変えるには十分すぎた。 横島はどこか不思議な懐かしさと親しみを感じながら乱入者の行動を見守った。

 オーカスは彼を見ると簡潔な言葉を口にした。

「闘神ジャギ、貴殿は助太刀か? 構わんぞ。彼への義理や友誼を考慮すれば貴殿も助太刀の資格十分だ」

 オーカスの言葉の様子はジャギと呼ばれた闘神が入れば勝てないかもしれないと分かった上で、冥府と裁きの神として、助太刀を認める方が公平とみなしたのだと、横島は思った。

「いや違う。そこの自分が死ぬか再起不能になるかもしれない、奇襲をしようとした。バカな戦友の生まれ変わりに助言したくて乱入しちまった。  助言不可なら助っ人扱いで邪魔してくれて構わねぇぜ。 最低限の反撃はさせてもらうがな」

 オーカスは首を振ると道を譲るような動作をした。

「構わん。貴殿の望むままにせよ」

「意外だな。俺にビビっているわけじゃないだろ? なんでまた。 あんたと少しやりあう羽目になるかもと思ってたんだがな」

 ジャギの言葉はだまし討ちなどを警戒しているわけではなく、純粋にオーカスの裁定の根拠が気になっているようだ。 オーカスは少しバツが悪そうに答えた。

「不覚にも私は彼の奇襲に気づいていなかった。 そこまでの覚悟を持っていたとは思わなくてな。 多分貴殿の乱入がなければ、彼の奇襲で敗北していたかもしれない。
 そこまではいかない可能性が高いが負けの原因になる重傷か、大きく不利になる重傷くらいは負っていた可能性が高い」



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