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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

1 :名無しさん@狐板:2020/01/19(日) 00:15:29 ID:bMTYbG3g



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当スレは某R-18スレの長文レス、SS、スレ主以外のAA・支援AAを投稿する場所です
それ以外での使用はお控えください

560 :名無しさん@狐板:2023/02/14(火) 23:07:03 ID:KWGsNfn2

「愛歌ちゃん、ヴィヴィオ」

「やっと、私たちの番ね。浄化の時間だわ。別に彼女たちの性根が邪悪というわけではないけど、闇の気をもらいすぎだからね」

 愛歌が自分の体をホーリーゴーストと呼ばれる形態に変え始めると横島は、怯えながら言った。

「愛歌ちゃん、体力は回復したけど、精神はしてないんやこれ以上は限界なんや」

 そういうと、愛歌は横島の眼をのぞき込み王女らしい真剣な口調で言った。

「大丈夫今日は本当に大丈夫だから。私を信じて」

 そういわれた時横島は怯えつつも彼女は嘘を言っていない確信する。そこで後ろから大人の姿になったヴィヴィオに捕らえられた。

「それじゃあ行きましょうか忠夫さん」

 ヴィヴィオが彼の唇を奪い彼を抱くように内部に招き入れると、彼は格闘技の強力な技を食らったかのような痙攣をして一気に射精をした。何度か射精すると愛歌が交代する。彼女は優雅に服を脱ぐと、
ヴィヴィオとは対極的ゆっくりと彼の分身を飲み込み、ゆっくりと動き始める。 優しくもどこまでも逃げ場を奪う動きに彼が何度も射精すると、ヴィヴィオが愛歌に言葉をかける。

「愛歌さん、こうしていると忠夫さんは、幼い姿の私にも欲情してくれるようになりますか?」

「近々そうなるんじゃないかしら。 もうそうなっているかも、試してみる?」

「はい」

 愛歌が引くとヴィヴィオは子供の姿に戻った。彼の分身を足で嫐りながら言う。

「お兄ちゃん聖王である私の夫になるんだから、私がしたいときに勃足せられなきゃダメだからね。ほら王国男子にあるまじきロリコンマゾへの第一歩頑張って♪」

「さ、さすがにそれだけは。許してくださいヴィヴィオ様」

「閨の中でも様付は、いじめてほしいと同義だよ。お兄ちゃん♪」

 ヴィヴィオの激しい足によって射精させれた後、敏感になったそれを彼女が再び子供の姿で飲み込み彼は一気に射精した。

 アルやメタリカの魔力と対極の聖属性の力で蹂躙されると、いつも以上の快感が彼を襲ってくる。
彼女たちはそのせいか、ヴィヴィオ達に嫐られた後にアル達が彼を嫐るということも多くされてきていた。だが魔力が浄化されバランスはとれても、もはや彼の精神は限界だ。それを見越した様にジェラートが彼の近くに近づいてきた。

「旦那様、これがわらわのチョコじゃ食してたもれ」

 そういわれてそれを食べた時、彼の精神に驚愕が走った。激しい甘みがもたらす、多幸感が全身にいきわたり、体力だけでなく彼女たちに嫐られ激しい快楽で再起不能一歩手前まで壊れかけていた精神すらも全快したためだ。

「これがわらわの手製のチョコぞ。最強の魔女の候補であり、『ヴァレンティーヌ』の名を関する公爵は伊達ではなかろう」

「ああ。このチョコがあるからこそ、彼女たちは無茶できたわけだな」

「ええ、というわけで次は私の番ですね」

 笑みを浮かべたさとりが彼の額に手を当てて叫んだ。

「『想起・今日一日の性行為』」

「ああー!」

 悲鳴をあげる彼に騎乗し大量の精液を受け止めたさとりは上機嫌に言う。

「ジェラート様策のチョコはあと三個ありますけどどうします? さすがに王国男子としては死にたくなるような性交をしたいと知った上で食べたりしませんよね」

 そういわれながらも、横島は壊れない程度に想起され性欲が残った彼はそのチョコを食らった。彼の回復を見てジェラートが彼に多い被さり最初の性行為の体制で彼を再び貪り始める。


あれから何度もジェラートやユウキ達だけではなく、ジェラートの配下までも参加し、彼を甘い沼に沈める様に嫐りぬいてきた。そして彼の脳は極上のチョコでできた沼の中に沈みつつあるようだ。
今彼を抱き込んでいるジェラートの極上のショコラの様な味のする女体に抱き込まれながら彼は、自分がヴァレンティーヌ公爵の虜となる日もそう遠くないだろうと思った。その認識を最後に彼の意識は甘いチョコの沼に沈み切った。

561 :名無しさん@狐板:2023/02/15(水) 13:17:52 ID:bthfMWTC
乙でした

562 :556:2023/02/15(水) 23:17:07 ID:vJSoeWfL
>>561
乙感謝です

563 :名無しさん@狐板:2023/02/16(木) 17:55:10 ID:A8oIuQSQ
乙ー

564 :名無しさん@狐板:2023/02/16(木) 20:18:42 ID:V0TFIXrb


565 :556:2023/02/16(木) 22:09:11 ID:0NFUL6yS
>>563
乙感謝です
>>564
乙感謝です

566 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:06:33 ID:WCFTTbQn
子供の頃の話だ。
自分の祖父母の実家が山奥にあり、夏休みはそちらで過ごしていた。
地元の子供達と外で遊んでいたが、その時は山に釣りに行っていた。
山の渓流では川魚やサワガニが獲れ、家族にお土産ができたと思いながら帰路についていた。
その時、ふと雑木林に見知らぬ獣道の様なものがあったのに気付いた。
好奇心から雑木林の中を通っていくと、抜けた先には訪れた事のない渓流があった。
辺りを見回してみると、ぱしゃぱしゃという水音と共に動く何かが見えた。
不思議に思って近づいてみると、それは人の姿である事に気付いた。
すると、向こうもこちらに気付いたのか、水音を立てながらこちらに小走りで近づいてきた。


567 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:07:07 ID:WCFTTbQn
裸の、一糸まとわぬ女の子だった。
見た限りでは自分よりちょっとだけ下くらいの年の様に見えた。
自分とそう変わりのない体の女の子ながらも、わずかにふくらみかけた胸と
股の所に何もない事が目の前の子供が女の子である事を即座に理解させた。
肩の所まで伸びた黒い髪。年相応のあどけない顔。
手を後ろで組みながら背伸びする様に首をかしげながら、ぱっちりとした瞳でこちらの顔を覗き込む。
裸で川遊びするのは、自分が子供の頃には珍しい事じゃない。
でも、このくらいの女の子が全裸で男の前で全く恥ずかしがらずに、隠そうともしないとは珍しかった。
ちょっと視線を下にやると、股の毛ひとつない一本のすじが目に飛び込み、思わず目をそらす。
山の中で遊んでいる子供にしては、日焼けひとつない透き通る様な真っ白な肌がやけに印象的だった。


568 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:07:27 ID:WCFTTbQn
自分に興味津々なその子に色々話しかけてみた。
自分の名前、どこから来たのか、どこの学校でどの学年なのか、色々話し尋ねてみる。
「…?ん、う、ん?ん…?」
何やら首を傾げながら聞き取れない声を出す。緊張してうまく喋れないのだろうか。
「…ろ、く、ねん、せい…?」
かろうじて聞き取れる言葉を発した。自分と同学年なのだろうか。
しかし、自分の言葉を真似しておうむ返しした様な、ただたどしい返答だった。
その直後に、自分の腕にひやっとした感触が伝わる。
女の子は自分の腕をぺたぺたと触っており、視線は手に持っていたカゴに注がれていた。
どうやら自分の取ったサワガニに興味があるらしく、欲しければあげるよ、と言いながら一匹手渡した。
女の子は嬉しそうな声を上げると両手でそれを弄びながらじっと観察を続ける。
その場にしゃがみこんで股を大きく開いた、いわゆるうんこ座りの無防備な姿勢を取る。
正面に立っていた自分にはその大きく開いた股の部分が丸見えになり、
股のすじの部分からちょこんと桃色のものが目に飛び込み思わずドキリと心臓が高鳴った。
母親以外の女のそれを見た事のない自分には刺激的すぎた。それも同年代の女の子のそれを。
そして、んにゃんにゃと珍妙な笑い声を上げながらはしゃぐ女の子に、テレビで見た野生児が頭をよぎり恐怖心を感じた。

569 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:07:46 ID:WCFTTbQn
直後、女の子はサワガニの脚をもぎ取った。驚く自分を尻目に、彼女は楽しそうにもがく姿を眺めている。
そして、次の瞬間、バクっとサワガニの頭にかぶりついた。彼女の口からもがき苦しむサワガニの脚がバタバタと動く。
ばくん、とさらに一口。口の中に完全に飲み込まれ、ひとかみ、ふたかみと咀嚼し、ごくりと音を立てて飲み込んだ。
うぅううぅうぅと、エサに夢中になっている猫の様な奇妙な声を上げながら美味しそうに食べて見せた。
その瞬間、背筋に冷たいものが伝う感覚を感じ、この時初めて目の前の裸の女の子が人間じゃない何かだと感じ取った。
怖くなり後ずさる自分。その足を即座に目の前の女の子は掴んだ。
女の子とは思えないその異様な力の強さに、自分は思わず尻餅をついてしまった。
逃げなくては、恐怖に震える足に力を込め、起き上がろうとしたその瞬間に、自分の体の上に女の子が覆いかぶさった。
んみゃおう、と猫の様な奇怪な声を上げる。自分の手を押さえつける力はまるで女の子どころか人間のそれとも思えなかった。
懸命に手足を動かし抵抗するも、女の子の押さえつける力にまるでかなわない。
そのもがく光景に、先程目にした無惨なサワガニの姿が重なり自分は震え上がった。

570 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:08:06 ID:WCFTTbQn
自分より少し小さな、裸の女の子に押し倒され押さえつけられている。
目の前には女の子の顔がすぐそばに近く、怯える自分の姿を見て口の端を釣り上げた。
直後、女の子は口を開いて、自分の口に重ねてきた。そして固く閉じられた歯を歯でこじあけるように開かせ、
そこから熱い何かが口の中に侵入してくる。彼女の舌は自分の舌と絡み合い、口の中を蹂躙する様に暴れ回る。
口の中の唾液をこそぎ集め、女の子は自分の口の中の唾液をごくん、と喉を鳴らして飲み込んだ。
幼さの残るあどけない顔は赤く紅潮し、荒くなった息が自分の顔にかかる。
唾液が糸を引いて伝う唇を、呆気にとられる自分に再びむさぼる様に重ね、口の中を舌で蹂躙する。
ん…と一息おくと、女の子の口から唾液が送り込まれ、思わず飲み込んでしまった。
密着しそうなほどに迫った彼女の顔は興奮で蕩け、今まで見たどのエロ雑誌の写真よりも官能的で蠱惑的に感じた。

思わず硬直し、硬くなってしまった股間が、ズボン越しに彼女の肌へと当たる。
それを感じた彼女は、口の端を緩めると自分のズボンに手をかけ、一気にずり下ろす。
はちきれんばかりに怒張したそれは勢いよく飛び出し、それを目にした女の子は目を丸くした。
そして今まで最高の大きな笑みを浮かべると、それをどうするのかわかっている様な手つきで、
右手で自分の腕を押さえつけながら、左手で自分の股の割れ目へと導いていった。
柔らかい感触が自分の先端に伝わる。
何をしようとしているのか訳の分からなかった自分の顔を覗き込みながら、蠱惑的な顔を浮かべながら、
―一気に腰を落とした。

571 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:08:37 ID:WCFTTbQn
今まで感じた事もない快感が股間から全身を駆け巡った。
自分の、硬くなったそれが女の子の股に入ってしまっている。自分に覆いかぶさった女の子は
大きな声を上げて顔を蕩けさせた。はあ、はあと息を何度か吐き、落ち着いた所で、
腰を上下させた。自分のそれが女の子の股の中を出たり入ったりを繰り返している。
その度に肌がぶつかり合うぱんぱんという音が山の渓流に響き渡り、
彼女の股から溢れ出てくるぬるぬるとした白濁した液体が滑り、抜き差しを滑らかにしている。
引き抜く瞬間に股間の先端に何かが引っかかる感覚が気持ちいい。
差し込んでくる瞬間に、股間を根元まで締め付け刺激する感覚が気持ちいい。
交互に与えられる未知の快感の波に、自分の腰は浮き上がり、心臓がドクンと高鳴り続ける。
目の前の女の子も気持ちよさそうだった。甘い声を口から漏らしながら、目は快感に泳ぎ、
口からは唾液が漏れている。腰を打ち付け、股から抜き差しを繰り返すたびに得られる快感を
貪欲にむさぼる様にそのスピードを上げていく。
自分も限界だった。どうしようもなく快感が高まり、股間の玉袋の部分がすぼみ上がる感覚を感じる。
先端から我慢できない何かが飛び出そうとしているのを抑えられなかった。

572 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:09:05 ID:WCFTTbQn
「ん、にゃああんっっ!!!」
女の子の叫びとともに、自分のものをきつく締めあげていたそれが更に絞まった。
それがとどめになり、自分のものから何かが出口を求めて盛大に放たれた。
ビクンビクンと波打つごとに放たれるそれが、彼女の股の奥へと放たれていった。
一回飛び出るごとに頭が吹き飛びそうな感覚が下半身を走り、
その感覚と目の前の女の子の中に放つ快感を味わいたいかの様に、
二度、三度と脈動しながら放たれる。
どくん、どくんと注ぎ込まれるような感触を味わうかの様に体を震わせながら快感に浸る女の子。
繋がりながら脈動するその自分と女の子の結合部を、快感に染まる頭でぼんやりと眺め続けた。
お互いにその余韻に浸りながら、どれだけ繋がっていただろうか。
はあ…と大きな息を吐きながら、くたりと自分の上に覆いかぶさる女の子。
顔を紅潮させ、荒い息を吐きながらこちらを見る。視線が重なった一瞬、
彼女はニコ、と静かにほほ笑むと優しく自分にキスをした。
とても気持ち良かったよ、と伝えるかのように。
ん…と小さな声を上げながらゆっくりと体を起こし、結合が解かれ女の子の股から自分のものが引き抜かれる。
直後にどろり、と白濁した自分の放ったものが彼女の股の間から溢れ出た。
女の子は脱力したように股を開いて息を吐きながら、お腹に手を当てて自分へとほほ笑んだ。

573 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:20:20 ID:WCFTTbQn
その瞬間だった。
みゃおん、みゃあ、と彼女と似た声が辺りに響き渡り、草木がガサガサと音を立て、小枝を踏み折る音が響く。
何かが、この場に駆けつけようとしている。
その直後に自分は我に返り、情けない悲鳴を上げてその場から一目散に逃げだした。
女の子の呼び止めるような声が響き続けた。それが自分にはたまらなく恐ろしく、
どこにこんな力があったのかと思うほどの速さで山を駆け巡り、一刻も早く麓に降りなくてはと思った。
後ろを振り返る事はなかった。もし振り向いてあの子やその仲間を見たら心臓が止まってしまいそうだったからだ。
どこをどう走ったのかは覚えていない。
気が付くと、山の知らない所から下りており、近くの民家で畑仕事をしているおばあさんが自分を見て目を丸くしていた。
その時になって、ようやく後ろを振り向く事が出来た。
飛び出してきた雑木林には何もいない。そしてその直後にその場に倒れるようにへたり込んだ。
やっと、逃げてこれたんだ。

574 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:20:36 ID:WCFTTbQn
―それは、カワワラシという存在だ。
おじいさんはそう告げた。
人間の子供とほとんど変わらない姿で、男や女の区別がある。山の中の川に棲む存在で、
時折人間の子供の前に姿を現す事がある。河童とは違う土着の妖怪で、
山の中の動物が人間を模して人間の姿になったというものだそうだ。
性質は動物のそれと同じで、人間の常識や倫理を持たない獣そのもので、
殆どは野蛮で残酷だというのだ。お前が会った女のカワワラシは、運が良かったな、と言った。
もし、あの時逃げられなかったらどうなっていただろうか。
姿は人間そっくりだが、人間の倫理を持たない獣そのものの存在。
思い出すと、冷汗が止まらなかった。
―そして、カワワラシのあの子にされたあの事は、言えなかった。
心身ともに疲れ切った自分は、睡魔に屈して朝まで眠りこけた。
怖い目に遭ったけど、もう大丈夫だ…。そう胸をなでおろして…。

575 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:21:06 ID:WCFTTbQn
「大変だ!こっちに来てみろ!」
日も登った早朝に、おじいさんからの声で自分は目を覚ました。
玄関の前にあったのは、あの時置いていったクーラーボックスに、釣り竿、カゴだった。
そしてそのクーラーボックスの中には、自分が釣ったものではない無数の川魚が詰まっていた。
「信じられん…お前、そのカワワラシに相当気に入られたようだぞ」
カワワラシが人間に贈り物をするなどという事はありえないそうだ。彼らにそんな概念はないと。
自分は、あの時のカワワラシの女の子の優しいキスと、こちらに向けるあの微笑みが頭に蘇った。
そして同時に、家がバレていた。自分がここに住んでいるという事が知られており、
その気になれば気に入られてしまった自分を無理矢理連れていく事も可能だという事実に震えた。
「もうお前は、あの山に絶対に入るな。奴らに捕まったら、何をされるかわからん」
贈られた魚はクーラーボックスごと川に流した。こっちにはお前に興味はないぞ、という意志を伝える為だという。
その行為にあの子に対する罪悪感を少し感じたものの、恐怖心が勝った。
そして、それから自分はもう二度と山に入る事はなかった。
そしてここの外で遊ぶ事も、ここで過ごす事もなくなっていった。
あれは何かの夢だったのだろうと思い、夏休みは終わりを迎え元の生活に戻っていった。

576 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:22:00 ID:WCFTTbQn
「いいか、今教えた事がセックスっていうものだ。お前達はこうやって生まれてきたんだ」
強面の体育教師が黒板にある男女の裸、そして生殖器の図を指して説明する。
この保健体育の授業で、自分はハッとした。
女の人の裸やエッチなシーンを見て興奮する事、自分の陰部が硬く大きくなる事、
その後の意味を知らなかった自分にとって顔から火が出るほど恥ずかしい思いをした。
「男の勃起したペニスを、女のヴァギナに挿入して、精子を出す事で子供ができるんだ」
先生の言葉で、あの時自分があの女子とした事の意味が、ハッキリと分かってしまった。
あれは、気持ち良くなるためだけの行為だったんじゃない。子供を作ろうとする行為だったのだ。
子供。母親。父親。自分が、あの子と?フウフ?ニンシン?ケッコン?
頭の中を自分では抱えきれない出来事が駆け巡り、頭がクラクラした。
「おっなんだー?お前スケベな事考えて頭が固まったのかー?お子ちゃまだなー」
アハハと冷やかす隣のクラスメイトの言葉だった。
「こら!真面目にやれ!重大な事なんだぞ!お前たち男子はなあ、個人差があるし
スケベな事に夢中になってセックスしたくなるだろうけど、子供ができるって事なんだからな!
エロ本やビデオに影響されてレイプなんてもってのほかだぞ!」
クラスメイトが叱られたその言葉は自分に強く突き刺さった。
最も、レイプという無理矢理性行為に及ぶ行為をされたのは自分ではあるが、
あの女の子に子供ができてしまったかと思うと気が気ではなかった。
―その日、夜に見た夢だった。
あの時出会ってセックスしてしまったあの子のお腹が大きくなってこちらに微笑んでいた。

577 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:22:19 ID:WCFTTbQn
―あれから10年以上が経っただろうか。
あれから何もなく、普通の生活と生き方を送ってきたと思う。
オナニーをする度に、あの時の女の子の顔と、セックスの光景、あの時の快感が何度も思い出された。
カワワラシ、そんなものが仮に存在していたとしよう。
見ず知らずの会ったばかりの人間の男と性行為を行うなど、ありえない事だろう。
時が過ぎるにつれ、あれは強烈に印象に残った夢精の類なのだろうと思う事になった。
あるきっかけで再び訪れた実家の山奥を、思い出に耽るように歩いている。
あの出来事は夢の類だったんだ、そう思いながらかつての山の中の渓流の水の音に耳を澄ませる。
―あの時と同じ、水がパシャパシャと跳ねる音。
そこで見たのは、あの時出会った裸の女の子…が成長した姿だった。あの時と同じ、一糸纏わぬ全裸。
髪は腰まで長く伸び、あの時と同じ透き通る様な真っ白の肌。
ふくらみかけだった胸は大きくなり、つるつるでくっきりすじだった股には毛が生えていた。
―そして。彼女と手をつなぐ、あの頃に出会った女の子の姿に瓜二つの、小さな裸の女の子だった。
あの時の子は驚いて目を丸くすると、自分の子供であろう小さな子の頭を撫で、肩を押した。
その小さな裸の女の子はあの時と同じように無邪気に自分へと駆け寄り、飛びついてきた。
まるで父親にスキンシップを求める様な、その勢いで思わず尻餅をついて倒れてしまう自分。
そして、自分を押し倒し顔を覗き込む女の子の顔は、プロレスごっこではしゃぐのとは違う、
別の熱がこもっていた―

578 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 00:22:44 ID:WCFTTbQn
以上です
SS投下失礼いたしました

579 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 01:12:05 ID:2jYfh6Eg
乙でした

580 :名無しさん@狐板:2023/04/17(月) 13:25:53 ID:xMxROJdP
乙でした
えろい

581 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 01:15:29 ID:lgxOU+gr
乙ありがとうございました
えろいとはエロ小説を書く者にとって最大の賛美ですね

582 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:30:22 ID:A4iGS+R7
女権国家2023年雛祭りSS 流し雛の船上のお内裏達の見た死後の世界群

これは現在本スレで連載されている女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
今回は特に重要な忠告があるので最後まで注意書きを呼んでください
@ 一月以上も遅れた雛祭りSSです申し訳ありません。
A FGOのキャラ黒髭エドワード・ティーチがかなり活躍しています。
B 読まなくても大丈夫な様に書いていますが以前>>495から>>501に投降したハロウィンSSと繋がっています。
C スレ主さんが過去に投下した『邪な騎士と横島と騎士』の影響でヒロインが増えています
D このSSの世界線だとアンリエッタ皇女の大鳳くんへの好感度が200越えしており、ネロの好感度は60くらいです
E 名前ネタがあっちこっちにちりばめられており、ちょっとしたネタではなくストーリーに重要な変化をもたらします。
F 装甲悪鬼村正のキャラ少しでてますが中身が完璧に別人です。
G 女権国家に登場していない女性キャラが本編と絡んでいますがそのキャラと本編のキャラの過去や関係性はこのSSのオリジナル設定です。
H 両方女権国家に出演している狂三と陸八魔アルの関係はこのSSオリジナルであり原作でどうなるかはわかりません。
I 各キャラクターの大人形態の描写があり、その姿について明確な姿を次に書ますが曖昧なまま自分で想像したい方は下のアンカーで飛ばしてください
>>583


































リグルの大人形態はEXリグルと画像で検索すると出てくる長髪の姿をイメージしています。作中で出てくる沙条愛歌の大人形態は、FGO量産型ワルキューレで検索すると出てくるショートカットの金髪の娘の姿をイメージしています。

583 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:32:20 ID:A4iGS+R7
 穏やかな風の中で無数の流し雛が、川を流れていく。海に通じる女権国家の川、この川では毎年流し雛が行われる。 この儀式は女権国家の良識派の女性達が自分たちのあまりにも男性の気持ちを考えないと思える欲望を捨て去るための願掛けの行事だ。 
この人形は雛祭りの日だけは申し合わせたように、穏やかになっている海に出たところを回収され。清められた後に各家庭の雛壇に飾られる。この行事に参加する女性は良識派か、良識派よりの女性多い。
自分たちの束縛欲などが良くないと思い、オカルトの実在を信じる者が多い女権国家で自らの精神の浄化と、想い人を得た際に男を支配しすぎた家庭にしない為の願いを込めてこの人形流しに参加しているのだ。

 川を流れる人形たちを多くの女性達が見送り自らの欲望の浄化を望む女性と、自らの欲望が生み出す伴侶となる男性への不幸を流してほしいと願う彼女たちの祈りを受けて雛人形を乗せた多くの小舟はゆっくりと流れていく。
海に近づけば近づくほど、速くなるそれを見ながら彼女たちは、幸せな家庭を司る人形へと変わり雛壇に戻ってきてほしいと考えているのだろう。






 多くの流し雛が流れ着いた海、その無数の流し雛を回収する小舟を多く射出している母船=クイーンアンズリベンジ号。その船の上で多くの流し雛を見つめる横島は、憂鬱そうな顔をしていた。

「今年は本当に流し雛が多いな。多分だけど大鳳に入れあげている良識派よりの女性達の雛が多そうだ。ここで大鳳に向けられた欲望を祓えば俺にも大鳳に欲望を向ける女性の呪詛への特効力や耐性がつくから頑張らにゃな」

 憂鬱ではあるがそれなりに使命感をたぎらせる彼の横を全身が引き締まった筋肉でできたようないかつい顔をした黒いひげの巨漢が叩いた。彼はエドワード・ティーチ、女権国家で数少ない男性だけの除霊と貿易を兼用する船団の団長である。

「そうですぞ、横島殿。 大鳳キュンを汚そうとするような悪い欲望は海の塩でペッしなければなりませんぞ。拙者及ばずながらお手伝いいたしますぞ」

 いかつい顔に合わないオタク口調の声に僅かに安心を覚えながら彼は言葉を返した。

「ティーチさん、何度かこの雛流しの清め役買って出ているんですよね。今年はどんな感じですか」

「大変ではありそうですが、予定外の苦戦はあっても、予想外の苦戦はないでしょうな。それより珍しくこの船に来てくれた大鳳キュンを愛でる作業に戻りたいのですぞ」


 ティーチはキモイオタク口調で話している時ですら、声に彼の指示を聞くべきと思わせる指導者らしい響きがある。 本当に船員たちに底力を引き出す時には彼は昔の悪党らしい威圧感に満ちた口調になるのだ。
そのためかオタク口調で話しているのを聞くと船員たちは緊張しつつ安心できる。何度か、彼の航海に付き合っただけの自分もそう思うあたり船長としての彼の力は本当に凄いと感じる。




 二人の雑談が終わるか否かのさなかに船室から大鳳が駆けだしてきた。

「忠夫、ティーチさんここにいたんだね! もうすぐ開戦なんだね。頑張るぞ!」

 目をキラキラさせる大鳳を見て、横島はやはり海軍総大将の息子だから船が好きなのかもしれないと思った。 ティーチは大鳳を見るとオタクらしいだらしない笑みを浮かべていった。

「やはり大鳳キュンの様な男の娘は眼福の極みですな! でもできれば拙者の方を先に呼んでほしかったですぞ。 それと呼び方も呼び捨てか、もしくはティーチお兄ちゃんでお願いします! もしくはさげすむような眼で見ながら気持ち悪いホモ屑で!」

 もしくはからの下りの言葉は横島が大鳳に向かって、『消』『音』の文珠を投げたので大鳳に届かなかった。 そして彼は即座に黒髭に拳を繰り出した。

「アホ船長、何大鳳にへんな知識植え付けようとしてんじゃ!」

「友愛でも良いから純愛が拙者はほしいのでござる。横島殿は純愛人外ガールズだけじゃなくて、男の娘な大鳳キュンにまで好かれるとか贅沢すぎですぞ」

 最初は心配していた大鳳も、二人の殴り合いをいつものことだと思うようになっており、呆れたような様子で他の場所に歩いて行った。それを認識しつつ横島は思う。
多分だがティーチは横島が毎回の様に船員として船に乗っていたら大鳳にああいう冗談は飛ばさなかったのではないか。今回はあくまでも船員ではなく、
悪霊払いの外部協力者として乗り周囲にもそういっていたから、こういう行動に出られると見越していた気がする。





 ウォームアップに近い感覚になるような殴り合いを終えた後、彼は少し息をついた。

「ティーチ、そろそろ仕事の時間なのか?」

「霊感はない拙者ですが、海の気の読み方は横島殿より上ですぞ。まもなくですな。今回は船に同行してもらったアリス殿とエヴァ殿にも頑張ってもらわないと」

「ああそうだな」

 横島は凄く憂鬱な気分になった。エヴァとアリスの二人は女権国家だと良識派の女性に分類されるが、自分が二人にとって格好良い感じられるところを見せると昂ってくる。だからあまり呼びたくないと思っていたところもある。
だが、黒髭ことティーチのこの船は多くの悪霊退治などを成し遂げたために強力な悪霊などを討った刀が威力を増す様に強力な破邪の船になった。
その船の船長からの今後の約束の確約や追加報酬が美味しすぎて二人の動向要請を断ることができなかった。

 思考に沈む彼に不意にティーチが声をかけてきた。いつも通りのオタクの口調だが、重要な事だということは彼の声の質が告げている。

「横島殿、貴方からもらった幾つかの文珠、あれ今回は拙者使えません」

「どうしてだ!」

「それなり以上に大事な用事がありましてな」

 既に使ったのか、それとも使う予定なのかわからない様子で彼は言ってきた。誰にも悟らせてはならない事なのだろう。敵に文珠を持っているかもと思わせるためか、それとも持っていないかもしれないと油断させるためかそれは判断がつかない。
 横島にこれを伝えてきたこと自体、相当に苦渋の決断なのが見て取れる。本来なら誰にも漏らしたくなかったのだと思った。 だからこそ横島も言葉少なに短く答える。

「分かった。船長としてのお前は信じている。重要な事なんだろう」

 その言葉にティーチは苦渋の賭けに出た時の様子で郷愁に似た哀愁をにじませながら言葉を返してきた。

「ああ。どんなものよりも大切なものだ。できれば絶対賭けたくないものまでも賭けなきゃいけない、くらいのな」

 横島はティーチのあまりにも真剣な様子に僅かに驚いたが、直ぐに禍々しい気を感じて意識が切り替わる。無数の雛人形から黒い瘴気が立ち上り始めた。黒髭はそれを見るとさっきの郷愁を感じさせない軽い口調で船員たちに指示を出し始める。

「はい、皆さん討滅の時間です! 悪霊祓いの銃と梓弓構え! 最初は怪異も様子見ですから、魔除けの音だけで迎え撃つように。実弾や矢を撃つのは中盤ですぞ」

 黒い瘴気が固まってできた女性の戦士の群れティーチが駆け入り大きな体格に物を言わせて刃付きの篭手を影の一体に突き立てた。一撃で霧散したその瘴気を以外の妖怪が彼に迫るとティーチは篭手の刃の部分ではなく拳で殴り倒す。決して遅くはない、
女性達の影の攻撃をティーチは掻い潜り体格に任せた怪力でなぎ倒し、その迫力に敵も味方も飲まれた瞬間に威圧感のある声に切り替えて彼は言葉を発した。

584 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:34:05 ID:A4iGS+R7

「新人ども、みりゃわかると思うがこいつらは個々の戦闘力は高いが軍団としては弱い。なぜなら女権国家の女性達の負の欲望と支配欲が固まっているからな。
こっちがちゃんとまとまって対処すりゃ的とかわらん。乱戦慣れしている連中は俺に続け」

 ティーチは部下に緊張感を与えるべき時と、発言を印象付けたいときは、威圧感のある悪党の口調に戻る。今回もその効果があったらしく、新人の船員たちは今の指示をあっさりと覚えた。
切りあいが始まるとティーチが一斉掃射の指示を飛ばした。それを聞き梓弓の弦を鳴らす音と魔除けの処置を施された空砲の音が鳴り響く。

「良いか悪霊との戦いでは銀の弾や魔除けの弾丸や弓矢は威力は高い。だが人間にもあたる恐れがある。対して音だけの武器は味方に当たることはない。そういうメリットも覚えておけ」

 新人たちが懸命に連射し、ベテランの男たちが切りあいを演じる中で、横島は霊波刀を構え文珠を片方の腕に握りしめて戦況を見た。予定通りにいけば、破邪の武器で武装を固めた例の力者ではないティーチの船団で事足りるだろう。
 横島や大鳳の役目は予定外の事態が起きた時に被害を出さないことだ。 全力で警戒をしながら『調』の文珠で敵の伏兵などがないことを確認した。新人が主だがベテランが十数人指揮官として混じる援護射撃を繰り返す後衛と、
ベテランと接近戦が得意な新人で構成された前衛どちらも良く動いていると思いながらもどちらに非常事態が起きても直ぐに動けるように立っていた。



しばらくの切りあいが続いたあと、横島は文珠を構えると『浄』の字を掲げて投げた。
そしてそれに瘴気でできた軍団がひるむと即座に『広』の文珠を投げて効果をより強くいきわたらせ始める。 敵全体がひるんだのを見てティーチが笑いながら叫んだ。

「ここまでくればあとはもう詰みですな。全員一斉掃射。今回は切り札だけじゃなくて、普通の破邪の祝福済みな弾丸や矢すら出番なしで終わりですかな」

 ティーチのその発言が終わった直後に何人かの船員が弾き飛ばされて壁に刺さった。
 その船員たちが平船員とは言え、精鋭と言える面子だったのを見てティーチの雰囲気が僅かに変わる。

「拙者ったらフラグ立てちゃった?」

 ティーチふざけた口調でありながら隙の無い様子で船員を吹き飛ばした黒い人影を見た。 その人影は他の倒された人影の瘴気を吸収し、どんどん強くなっていく。さらには自らも率先して他の瘴気でできた人影を倒し吸収している。

「こりゃあかんですな。 大鳳キュンは拙者の合図があるまで船の奥に隠れていてくだされ。 平の船員共は全員下がれ。これには祝福済みの矢や銃もあまり効かない。むしろ同士討ちの恐れが強い。
強化される前に倒すとか考えるな。むしろ瘴気を吸収しようとしている内に避難しろ。横島殿や大鳳キュンクラスでないと無駄死にだ。アリスちゃんと、エヴァ様は切り札の用意をお願いしますぞ」

 ティーチの言葉が終わると同時に横島が霊波刀を出現させて横に並んだ。

「ティーチ、霊能関係には除霊船もやる船長としての最低限くらいの知識しかないって言っていたけど、なんか思いつくか?」

「ムーリ。拙者こんな規格外の瘴気人間相手したことありません。今年は本当についてませんな。この仕事は毎年苦戦はあってもピンチはなかったのですがな」

 隙のない佇まいをしながら日本刀めいた武器を構える黒い人影相手に、横島が緊張感を削ぐ言葉を紡いだ。

「というか、この瘴気人間どう見ても翼さんやないか!」

「本当にシャレにならない欲望パゥワーですな」


 そういって軽口をたたきつつもティーチと横島に一切の油断はない。目の前の存在は本当に恐るべき存在だと判断している。

あまりにも恐ろしい瘴気を恐れながらティーチが毒づく。

「翼どのはなんで今年に限って雛流しに参加したりしたんでしょうな? それとも毎年出ていたけど、今年は大鳳キュンがいたせいでこんな欲望が生まれてしまったとか言うオチですかな」

その黒髭の愚痴を聞いて横島の頭に心覚えが思い出された。

「そういえば、翼さんは大鳳以外を狙っている警邏隊員に凄い説教したらしい。その隊員たちは普段は凄く良い隊員なのに、狙っている男が絡むと凄くダメになるとか。 その説教を見てティアナさんが珍しく怒るんじゃなくて言い辛そうに言ったそうだ。
『翼、その娘達も確かにひどいけど、大鳳くんを前にした貴方よりは少し、いいえ大分ましなのよ』って、それを聞いた翼さんは、その警邏隊員達の醜態を思い出しながら震える声で『わ、私は、か、彼女たちよりひどいのか』って返したそうだ」

「なぞは全て解けましたな」


ティーチが銃を構えた瞬間、翼の姿をした瘴気でできた人影が一気に彼に切り込んできた。
 鋭く速い一撃を黒髭が鉄の篭手で覆われた拳を繰り出して受けた。受けるというより、斬撃を殴ったと思えるような鈍器めいた一撃を放った後、ティーチが驚きの籠った声を上げた。

「こりゃシャレにならねぇな。横島わりい、十秒は援護すんの無理だ。腕がしびれちまった」

 翼の影の一撃はティーチが早く拳を繰り出したために振りぬけたとは言えなかった。にもかかわらず力負けしていないだけではなく、逆にティーチの腕をしびれさせるとは。 横島は直ぐに霊波刀を構えると全身を文珠で『強』『化』して切りかかった。 ティーチがやられたら時間稼ぎはもう不可能だ。



 霊波刀を構えエヴァやヴィヴィオの配下達にもまれた剣士との戦い方を思い返しながらティーチを襲おうとする翼の人影に彼が剣を突き立てた。牽制ではなく全力の一撃でなければ時間稼ぎにすらならない。
翼の影に霊波刀を受け止められると彼は即座に離れた。接近戦の時間を長引かせれば直ぐにやられる。
まだ片腕を使えるティーチへの警戒を影が捨てられないうちにティーチが止めを刺されそうになったら直ぐに邪魔をできる程度の位置に下がり様子をうかがう。
 翼の影は即座に横島を倒しにかかってきた。ティーチよりも横島の方が何をしてくるかわからないと踏んだのだろう。
刀の威力を殺せる距離だったにも関わらず軽く手がしびれるような一撃を受けて彼は下がった。 下がりすぎれば、ティーチと挟んでいる有利が消えてしまうが、それでもその優位が消えるギリギリの位置まで下がらなければやられていただろう。

 僅かに空気が変わった後、翼の影が奥義らしき一撃を放ってきた。文珠の強化と危機回避能力の全てを集中してその一撃を受けきったが、詰んだと彼は思った。

 そう思った直後にピストルの音が響き、翼の影が僅かに揺らいだ。ティーチは笑いながら銃を構えていった。

「敵を欺くには味方から、本当は五秒程度で銃を撃てそうだったのですぞ。 超高級品の悪霊浄化弾のお味はいかがですかな」

 軽い口調で言いつつ、ティーチの表情は硬い。この弾で倒せないということはこの影は相当に強いのだろう。 横島は即座に決断を下すと一瞬で翼の影に襲い掛かった。
銃のダメージが消えたらいよいよ勝ち目はなくなる。それならばダメージの回復を遅らせる攻めの形で時間を稼ぐしかない。ティーチも同意見だったのか即座に横島と息の合った連携を見せ始めた。

585 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:36:53 ID:A4iGS+R7
 速さが勝る横島が僅かに動きを鈍らせた後、ティーチが剣や拳で攻撃を仕掛ける。翼の影も攻撃が有効だとはならなくても、かわせず剣で受けることが殆どなっている。
だが僅かに間違えれば、剣以外の拳や蹴りが彼らを襲った。きちんと上手く受けてなお、体の芯に響き彼らを削るそれはまともに受けたらどうなるか考えたくもない。
だが防ぐより攻めた方が今は時間が稼げる。守りに入りたいという本能を理性で怒鳴りつけると彼は霊波刀を構え、ティーチと鍔迫り合いを演じる翼の影をうかがった。

 激闘の中で横島は息を切らせ早くティーチが大鳳を読んでほしいと思った。この翼の影は多くの大鳳狙いの女子の欲望を吸収しているから、大鳳が来れば一度だけなら隙だらけになるだろう。
であるにも関わらずティーチが大鳳を呼ばないのは先ほど彼女を弱らせた以上の破邪の弾丸は持っていないのだろう。 横島の眼から見てもあの弾は凄く高価な霊具であることがうかがえた。
 あれを受けてこの程度しか弱らないということはこの瘴気の塊は本当に規格外だ。

 瘴気の塊の傷が癒え再び速度が速くなり始めた時、ティーチが叫んだ。

「大鳳きゅん、来てくだされ」

「はい。ティーチさん」

 黒髭の声にこたえて大鳳が来た瞬間、大鳳を見た翼の形をした影は一瞬膠着し、次の瞬間凄まじい速度で大鳳に迫った。その間にエヴァとアリスが立ち塞がり、翼の人形らしきものを出した。

「忠夫、『繋』がるの文珠を投げて」

「おう」

 横島がそれを投げると人形と瘴気が呪術的な意味でつながった。途端にその影の動きが一気に弱まった。それを見て黒髭が言う。

「今だ。俺の銃を文珠で『強』『化』しろ」

「ああ」

 破邪の銃弾が文珠で強化されるとティーチは構えていった。

「赤字ギリギリの銃弾連射だ。たっぷりと味わえ」

 ティーチの高級品の悪霊祓いの銃弾が五発くらい当たるとその影は不意に弱まり、やがてアリスとエヴァの用意した人形の中に吸い込まれていった。





戦いが終わった後、流し雛が行われた山で宴会が行われる中、横島はティーチに質問をした。

「なあ、ティーチ結局どうやってあの翼さんの影が主となっていた存在を弱らせたんだ」

「アリス殿やエヴァ殿の方が分かりやすく教えられると思いますが、アリス殿が最初に横島殿と会った時のテレポート見たいので翼殿の所に行って髪の毛もらってきていたのですよ」

「そうなのか」

「警邏隊副隊長なめちゃいけませんよ。彼女普段大鳳キュンを襲う時にあっさりティアナさんにつかまっているのは良くないことしていると思っているせいで、己の良識と良心からかなり強力なデバフがかかっております」

「それで翼さんの人形と繋げたのか」

 ティーチへの問いだったが答えたのはいつの間にか近くに来ていたアリスだった。

「正確には人形を通じて翼さん本人の意識と繋げた感じね。あの瘴気の塊があそこまで強かったのは、ストッパーなしの欲望のみの状態だったからなの。だから普段から制御できている意識と繋げたら直ぐに抑えられたわ」

 そこまで聞いて横島は風鳴翼という人は女権国家でもかなりの良識派であり、もしかすると大鳳と結婚出来たら理想的な嫁さんになるかも、と思った。 そこまで考えるとアリスが彼の耳元に唇をつけていった。

「今回の除霊の依頼で材料も手に入ったからあとで、雛祭りのイベントに移りましょう」

 そういい終えた後、いつの間にか来ていた愛歌がアリスと彼を挟む様に侍り酒を注ぎ始めた。

 宴を終えて様々な料理を食らいつくした彼は愛歌に注いでもらったお酒が心地よい脱力感を与えてくれていることに気づいた。薬酒であり霊酒でもあるのだろう。
ふらつきながら彼はアリスと愛歌に支えられながら天然の温泉の出る山小屋に誘われそこで二人に体中のツボを押されながら、温泉につけられた。
薬酒の効果が温泉の脱力感で強まり動くことすらできない。 二人の自分を洗う腕が余計に脱力を招きもはや立つことすらできなくなってきた。

「忠夫、そろそろメインイベントに移りましょう」

 アリスの綺麗な笑みに怖いものを感じながらも、彼は従った。もはや逃げることはできないし、彼女たちの与えてくる快楽に慣れてしまった今逃げる気力もいまいち湧いてこない。


 横島が運び込まれた部屋は、船に乗った雛人形とお内裏の群れが多数にある部屋だった。そしてそれらは全て自分と彼女達を模したものだなとなんとなくわかった。

 不意に彼は自分を襲う女性達の中でも珍しい面子の女性がいることに気づいた。

「ルイズさん、ヴィーラさん」

 紅のイメージが似合うヴィヴィオの近衛騎士の一人である彼女は、ヴィヴィオ護る為に共闘してからは偶にだがヴィヴィオと共に自分を嫐ってきていた。だがヴィヴィオの信任が厚いからこそ顔を合わせる頻度はそれほど多くない。

 もう一人は白と青紫の衣装に身を包んだ包容力のありそうな笑みを浮かべたアリスの姉だ。綺麗な金色の髪を靡かせながら彼女は言った。

「忠夫くん、久し振り」

 彼女は横島を気に入り妹であるアリスと共に嫐ってきたが旅行などに出かけていることが多く、偶にしか顔を合わせる機会がない。

「ひょっとして、アリスの補助ですか」

「いえ、違うわ。今回はティーチの手伝いと皇族の依頼両方を果たすという蝙蝠をして懐を膨らませに来たのよ」

前聞いた話では、ルイズはある皇族と仲が良く彼女が旅行先で仕入れた魔術的な価値も高い骨董品などを扱っている店にその皇族が来ることも多いらしい。だからこそ多少は皇族や貴族にも顔が効くそうだ。彼女の言葉を疑問に思う彼に彼女は言葉を続ける。

「ティーチは今日、親王国派として、謀略に長けた皇族を罠にかけようとしているの。それでその皇族はあまりにも自信満々な手紙につられて私にティーチの盗聴を頼んできたの。
そしてティーチはわざと盗聴されることでその皇族を罠にはめるつもりみたい。詳しくない様は知らないけど、ティーチはかなり自信満々だったわ。『今回しか謀略であの女に一泡吹かせる機会はねぇ。
自分自身ですら自覚できてない弱点をいきなり殴られたら、さすがに上手く対応できないだろう』って言ってたわ」


 ルイズの言葉が終わると、アリスが純粋に楽しそうな笑みを浮かべて言う。

「実を言うと私達もティーチにお願いされていたの。忠夫を最低でも三日くらいは動けない状態にしてほしいって。そして特定の時間に深刻ではないレベルの霊的災害を多発させてって。 今回は遠隔操作で霊災害起こす以外、私達の出番はないだろうから、たっぷり楽しみましょう」

 少しだけ怯えつつティーチの意図を彼は読み始めた。自分を三日くらい使い物にならなくしてほしいということは、どれくらい効果があるかわからない三日程動けなくなる自分の能力を上げる儀式の時間を作ってくれると言う事かもしれない。
もしくは自分が動けなくなることで戦力を下げて敵をおびき寄せるつもりなのかも。あるいはその両方か。少しだけアリスの楽しそうな様子に怯えながら彼は答えた。

「きょ、今日は何する気なんや」

「忠夫、前にティーチさんの紹介してくれたゲーム世界に転生したいって夢を抱いたことがあったでしょう」

 アリスのこれから閨を楽しもうとする声に彼の背筋がゾクゾクとしてきた。これは恐怖と期待両方があるのだろう。

「人間の感性では今生尽くしきったら来世では無関係、それが基本的な考え方でしょう。そしてあなたは今生にかけては私達に尽くしてくれることに決めてくれた」

 ここまで嬉しそうに言いながら彼女は柔らかい体を密着させながら言う。

「あ、ああ。だがアリスちゃんたちからしたら来世でも他の女性の所に行くのがいやだったから、俺の魂までアリスちゃんたちの魅力に参る様にしようとしたんやろ。もう来世でもそうするつもりや」

586 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:38:50 ID:A4iGS+R7

 そういい終わると、アリスが彼の唇を塞ぎ、舌を絡めてきた。アリスとの口づけは快楽で達すれば達するほど、自分の中の糸が切れていき、アリスの糸が彼の体を構成するようになっていく様な感覚がある。

 脳内で射精が起こらないのがおかしいほどに電撃が走り、そして射精した時と同じような爆発が何度も起こったがそれでも、彼の分身は射精をしていなかった。
アリスの指から出ている霊力でできた光の糸が彼の分身に入りそれを抑えているためだ。苦しすぎる寸止めに涙が流れてくるのを見越したようにアリスが、
彼の服を脱がせる。彼女は心底嬉しそうに笑いながら立てなくなった彼に跨り一瞬で彼の分身を飲み込んだ。

「〜〜!」

 言葉にすらできない悲鳴を聞き背筋をゾクゾクとさせている様子のアリスは少しだけ名残惜しそうに彼の分身の中の糸を外した。

 射精と同時に全ての思考が抜けきった彼を嬉しそうに抱きしめながら彼女は言う。

 耳元に唇を近づけその吐息だけでつながった分身が彼女の内部で悲鳴を上げる。

「ええ、その通りよ。前話した通り、忠夫は能力が便利すぎるから女権国家以外の世界にも呼ばれる可能性があるの。 そして忠夫は積んだ善行の結果、
異世界に私達を連れて行けるだけじゃなくて、ある程度は転生先の世界も選べるようになるかもしれないって、神綺様が言ってたわ」

「あ、ああ」

 動けずにいる彼を見下ろしどこまでも優しい感じがする膣で彼の分身を嫐りながらアリスが言葉をつづけた。彼がもう一度射精したら交代するような約束をしているのだろう。

「それで私達としては貴方をベッド中だけではいじめたいの。私たちが転生してほしいと思う世界を疑似体験してもらって、もしも転生先を選べるようになったらどっちを選ぶか決めてほしいの」

 そういうと上海人形たちが雛人形たちを小さな船に乗せて、山の中に通じる川に流そうとしていた。その雛人形たちが流れ着きそうな先には異界に通じる穴のような光が見える。

「今回は誰の好みの世界に転生するか決めてもらうための体験だからたっぷりと楽しんでね」

 そういうと二回目の射精をした彼からアリスは笑みを浮かべて離れた。

 いつの間にか来ていた今生で縁を結んだ女性達が部屋に入ってくると、彼は期待と恐怖を覚えた。既に大人の姿になっているヴィヴィオが笑いながら言った。

「まずは私と愛歌の希望の世界からですね」

 ヴィヴィオが彼に覆いかぶさり分身を飲み込むと、彼は瞬殺されてしまい零れなければおかしいほどの射精をした。そんな彼を見て笑いながら彼女は何度も彼を嫐りぬく。
暴君が完全に支配しようとする儀式に似た性行為は彼の魂すら完全に締め上げている感覚がしてくる。

 落ちかける彼を強く抱きしめ、彼の胸板で豊満な胸を潰しながらヴィヴィオが言う。

「私の希望の来世の世界を選ばれたらかわいがる楽しみが生まれますし、別の所を選んだら、貴方の一番を奪うために分からせる楽しみが生まれます。ですから気軽に選んでください」


「ちょっと待って、ヴィヴィオが選んだ世界ってまえみたいに男性優位が当たり前のエロゲーの世界なのか?」

「それは始まってのお楽しみです♪」

 その言葉と共に彼の意識は一気に暗転を始める。彼が意識がある状態で見た最後のモノはヴィヴィオと似た雰囲気の雛人形と愛歌と似た雛人形に挟まれた自分を連想させる内裏様を乗せた船が流れ光の中に入っていく光景だった。 
王としての征服欲に満ちた笑みを浮かべるヴィヴィオと、大好きな遊びを始める直前の子供の様な笑みを浮かべる愛歌を見ていると恐怖と期待が膨らんでいくのが分かった。





 唐突に意識が覚醒した彼は自分がティーチに紹介されてプレイして自分が来世の転生先に候補に選んだ男性優位のエロゲー(黄昏の丘の向こう側からくる闇に軍勢)の世界にいることに気づく。
 永遠の夜と言われる世界から無数の闇と混沌の軍勢が攻めてくる世界で、常に夕方の様な地域を防衛して戦うゲームだ。闇の軍勢の中にも道義を重んじたり、義侠心を持っていたり、最初は持っていなくても、
義侠心に目覚めたりして人間側に着くものも稀にいたりもする。実は男性陣が女性を奴隷にできたり性魔術を使える理由は、義侠心から人間側に着いた元闇の軍勢の血を引いているからという設定がある。
このゲームの一番の特徴は女権国家の男たちの満たされることのない女性を屈服させる性描写などが多いことだ。
噂によればライターは他国の男性優位エロゲーでも評判の多いものを鬼畜から純愛までやり込んで書いたらしい。性魔術だけを極めて、戦わぬ雄ライオンとなって世界を取るルートまであるという。


過去のことを忘れ意識を現在に戻す。今の自分は来世の自分と意識は共有しているが、主導権は完全に来世の自分にありただ自分は感覚を共有しているだけだと理解する。 大きな天上の宮殿を思わせる城で彼はヴィヴィオに跪いていた。

「ヴィヴィオ聖王陛下、これまでの助力誠に感謝致します。貴方様のおかげで多くの悲劇を防ぐことができました。そしてあなた様が最初に送り込んでくれた援軍である、ヴィーラとユウキの援護は本当にありがたかったです」

 横島の質問にヴィヴィオは笑って答えた。


「いえ、前世で私に尽くしてくれたことを思えばこれくらいは恩返しができたとは思えません。 それに愛歌殿も貴方に幼き頃から修行を着けてくれたりして尽くしていたじゃないですか」

「はい。聖王様のおっしゃる通りです」

「ですから私だけに恩を感じることはありませんよ」

 恭しくヴィヴィオに頭を下げながら、ヴィヴィオに対する対応に神経が磨り減っている感覚がある。

 ヴィーラはヴィヴィオの近衛騎士であり、この世界が完全男性優位社会だと知った上で来てくれてこの世界ではベッドの中でも負けることもあり得ると分かった上で付き合った。
ユウキも女権国家に染まったとはいっても、最初は男性優位の王国の出身だったらしく、男性優位の性行為に忌避感はなかったらしい。
さすがに女王それも女性優位の性行為が当たり前の女神でもある女性にこの世界で一般的な性行為をするのは不敬だし、悪いと思う。
 彼女は明らかに自分に好意を持ってくれているがそれに応じて良いのかわからない苦手な相手なのはそのためだ。


 来世の自分がそう考えている中で前世の意識である横島は来世の自分の楽観的すぎる考えに呆れながら早く逃げろと叫んでいた。
届かないと分かった上でも言わずにはいられないほどに今の自分はストレリチアや女権国家の女性達には最高の餌だ。ヴィヴィオは来世の横島の顔を両手でつかみながら言った。

「今生でも私や前世の妻達全員を娶ってはいただけませんか?」


 ヴィヴィオの王族らしい気品あふれる色香とその豊満な肢体にくらくらとしながら彼は、どうにか首を振った。

「だ、ダメです。俺たちの世界の性魔術などは前世の世界より強いから、貴方達の世界だととんでもなく恥辱溢れる性行為をさせることになってしまいます。ユウキやヴィーラはともかく、
愛歌様ですらまだ男性優位の性行為をされる覚悟ができていないって拒んでいるのに、現在も続いている王朝の神の様な側面もある女性にそんなことはできません」

 その言葉にヴィヴィオは深い笑みを浮かべて答えた。

「心配はいりませんよ。私達は色欲も強いですから。殿方をイジメたい感情も同じくらいありますけど、満たしてくれるならそれもありです」

 そういいながらヴィヴィオは横島を抱き込み豊満な体を押し付けながら言う。

587 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:40:38 ID:A4iGS+R7

「貴方の内心には、自分が閨で負けてこの世界の男子にあるまじき醜態を晒すかも、って恐怖もあるんでしょう?」

 ヴィヴィオの言葉の中には僅かにある横島の内心の恐怖を言い当てていた。
その恐れがあってなお抱きしめたくなる、柔らかさが彼の心を蝕む。耳元に口をつけて彼女はさらに言う。

「大丈夫ですよ。ヴィーラとユウキを貴方は奴隷のごとく仕立てたじゃないですか。きっと私にも勝てますよ」

 そこまで聞いた瞬間彼の理性は切れた。 一瞬でヴィヴィオをお姫様抱っこして彼は言う。

「婚姻の件この場で了承いたします。寝室に参りましょう。陛下」


 前世の横島は来世の自分に馬鹿野郎と言いつつ、僅かに期待してしまう自分が末期だと思っていた。

 ヴィヴィオを寝台に横たえると今生の彼はこの世界の男に相応しい閨の中での獰猛な笑みを浮かべて彼女の服を脱がせた。そして乳房を揉みしだきながら笑う。

「陛下寝室では、身分などは関係なく、一人の男と女ということでよろしいのですね」

「ええ。この世界ではそうらしいですね。貴方が私に閨で勝てたら今後の夫婦生活もそうでよろしいかと」

 意味深なヴィヴィオの言葉を聞きながら、も来世の自分は迷わずに彼女を押し倒し、自らも服を脱ぎ始める。 ヴィヴィオは少しだけ横島に抵抗しながら悩んでいる様な様子で独り言を口にした。

「どうしましょうか……どっちでも良いんですけど。どちらがより楽しいかな?」

 言い終わるより先にこの世界で過ごした記憶しか持たない来世の横島は女権国家で過ごした記憶があれば絶対に口にしない言葉を口にした。

「愛歌様、いや、愛歌ちゃんも今夜俺のモノになってくれると言ってくれていたし。もはやあなた、じゃない、お前達は今夜から俺に飼われるただの雌犬じゃ。おらー!」

 そういって一気に襲い掛かろうとするとヴィヴィオは楽しそうに笑い言った。

「少しもったいない気もしますけど、こっちにしましょうか」

 正常位で上から、覆い被さろうとする横島を彼女は拒まず足をゆっくりと広げ迎え入れる準備をしたあと、彼の分身が彼女の秘部に僅かに入った瞬間、不意に彼女が彼の腰を叩いた。
片腕で叩かれただけなのに一気に腰が内部まで入ったことに彼女の力の凄まじさが分かり次の瞬間、分身の先端から電撃が一気に走り、
そのまま無理やり奥に達した時には腰全体が爆発した。その余波で脳髄が砕けた。一晩で使い切る予定の精液が今の一回で全て搾り尽くされたと彼には分かる。ヴィヴィオは笑いながら言う。

「忠夫さん。どうしました、雌犬の調教もう終わりですか?」

「あ、ああ」

 今の一回の射精で完全に彼の闘争欲が一気に砕け散り。もう眼のまえの女性には閨の中でもベッドの中でも勝てないと悟ってしまった。
腰を叩かれた時の手の動きが目の前で楽しそうな笑みを浮かべる女性が膂力だけではなく、どれだけ武芸や魔術に精通しているかを示している。

「ヴィ、ヴィヴィオ様。ワイの負けです」

「早漏なだけじゃなくて体力が尽きるのも早いんですね。 閨の中で完敗したってことは私に負けた、征服されたってことですね」

 ヴィヴィオが笑みを浮かべて彼の体を触ると萎えていたはずの分身が再び活力を取り戻した。

「は、はい」

 この世界で領主まで上り詰めた男ではありえない寝室での女性に対する土下座をしながら彼は負けを認めた。

「それじゃあ、ストレリチアの法で裁いて構いませんね」

 ヴィヴィオは土下座する彼を心底楽しそうな見下ろしながら笑みを浮かべて指を鳴らした。その音と共にユウキとヴィーラと愛歌が寝室に入ってくる。

「ヴィーラ。忠夫さんのあの発言は明らかに不敬罪ですよね」

「はい。聖王陛下を雌犬呼ばわりなど、この世界で彼と共に過ごしていた身としては無理からぬことだと思いますが、さすがに擁護できないかと」

「それじゃあ、貴方達も忠夫さんを懲らしめるのに協力してくださいね」

 ヴィヴィオの声に女権国家に染まり切ったユウキの喜色満面な声が答えた。

「はーい♪ 忠夫を聖王様のお婿さんに相応しくなるようにたっぷりと矯正します。この世界では剣の師匠だった僕に任せて」

 そういって笑いながら近づいてくるユウキとヴィーラを見ながら、彼の中に反骨精神が出てきた。この世界に来て二人に勝ってから彼は毎晩の様に男性優位の性行為でこの二人を喘がせてきた。 
ヴィヴィオには負けてもこの二人に負ける気はない。

 そう思い彼が立とうとしたところにヴィヴィオが薬酒を差し出してきた。

「さすがに動けない体では二人の相手は難しいでしょう。 大丈夫、ただ精力を回復させて溢れる様にするだけの薬種です。感度が上がったりしませんよ」

 ヴィヴィオに与えられた薬種を飲み体力が回復した瞬間に彼は、ヴィーラとユウキにこの世界の住人らしい獣めいた性欲をもって襲い掛かった。そしてヴィーラを押し倒しかけた時、彼女は言った。

「忠夫様、実は謝らなきゃいけないことがあります」

「なんだ。それなら今からお仕置きしてやるからまとめて吐き出せ」

 そういいながらヴィーラの内部に自分の分身を突き立てると、突然に今までとは比べ物にならない快感が襲い掛かり彼は直ぐに果ててしまった。

「ごめんなさい。 実は今まで閨で負けていたのは全部演技だったんです。 私が愛する聖王陛下が、どうしても調子に乗った忠夫様をへし折る遊びしてみたいと仰るので」

 誠意のない謝罪をしながら彼女は心底楽しそうな笑顔で射精後の快感で立てなくなった彼に騎乗して腰を振り始めた。

「あー!」

 声にならない悲鳴を上げる彼を見下ろしながら彼女は言う。

「閨で私にすら勝てないものが聖王陛下に勝てるわけがないでしょう。でも大変でした。貴方が、好意に値する行動をとったり、
ベッドの中で調子に乗るたびに虐めたい欲望が沸き立ってきて、聖王様への愛がなければ我慢するのはとても無理でした」

 今までの閨の中で服従させてきた記憶がすべて嘘だったと知って彼の心は散々に砕け散った。 そしてヴィーラは演技だと分かる怒った様子で理不尽なことを口にした。

「一度達したら交代する予定なのに貴方があまりに夜が弱くて行けないじゃないですが。聖王陛下が待ちくたびれてますよ。 謝りなさい!」

 理不尽な言葉を口にしながら腰を振る彼女に心折られた彼は謝罪の言葉を口にした。

「よ、夜が弱すぎてごめんなさい」


謝罪の言葉に合わせたようにヴィーラがより強く締め付けて体を豊満な体を密着させてきた。
ヴィヴィオとユウキが彼の手を取り自分たちの乳房を無理やり揉ませとどめの様な快感が訪れてきたときに、謝罪の言葉と敗北感が一気に脳に焼き付いた感じがした。

 射精して体力は余っているのに分身に与えられた快楽だけで動けない彼を見下ろすヴィーラを不意にヴィヴィオが全く怒っていない口調で咎める。

「ヴィーラ、夜が弱いのはダメなことではあっても悪いことではないし、こちらが騙し討ちにしたんですから理不尽すぎるし可哀そうですよ。それに私の命令とは言え、彼をここまで調子に乗らせたのは貴方でしょう。少し矯正が必要ですね」

 そういってヴィヴィオがヴィーラの乳房を揉みしだくと彼の分身を捕らえていた秘所が一気に強く締まりはじめ、そのまま彼の意識を削り取っていく。ヴィヴィオがヴィーラに口づけするとそのまま一気に締め付けがきつくなりヴィーラの絶頂と同時に彼は果てた。

 達したのは同時でも指一本動かせない彼と、余裕の様子を見せるヴィーラではどちらが勝者であるかは一目瞭然だ。

588 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:41:41 ID:A4iGS+R7

 横島が完全に動けなくなったのをヴィーラは見下ろしながら、ヴィヴィオと交代をした。

「あ……、やめ、待って」

 ヴィーラもヴィヴィオも横島が足元にも及ばないと思う程閨の術はすさまじい。だが、横島がネズミならヴィーラは猫で、ヴィヴィオは虎や熊だ。
射精したばかりで敏感になった分身を彼女に飲み込まれると一気に体中が潰されるような錯覚を覚えた。つながって最初の射精で悲鳴を上げるとヴィヴィオは嬉しそうに笑った。

「悲鳴が可愛すぎて私も一度達しちゃいそうです。少し待ってくださいね。同時にイキましょう」

 ヴィヴィオが体の位置を変えて、快感が強すぎて逆にイク事が出来ない状態を作り出し。 対面坐位の形で彼を抱えながら笑う。
腰を振られる度に射精を求める感情が強まり狂いそうになる。 彼女は横島が完全に屈服したのを見計らった瞬間に自らも絶頂し、彼から搾り取った。

 射精後にきつく締められた彼は二度目の射精を迎えたのと、この世界での恥辱の強さに流れた涙をヴィーラ―がなめとった。

「ヴィーラ、忠夫の傲慢さもこれで少しは戒められましたね」

 動くことすらできない横島の分身を踏むヴィヴィオに、ヴィーラが近づき猫の様にすり寄った。ヴィヴィオがヴィーラに対して愛撫を始めると彼女はあっさりと生きながら笑う。

「ごめんなさい忠夫さん。私の被虐的な性欲はヴィヴィオ様に全て取られてしまいました。もう、貴方に対しては嗜虐的な性欲しか向けられそうにありません」

 最後の言葉はヴィヴィオに可愛がられながらも彼の分身に足を延ばしながら口にされた。

「ふざけん、あー!」

 反論の言葉を言いかけた彼の分身の一番敏感な部分を足の一突きで完全に手玉に取りながら、彼女は笑う。
そしてユウキが後ろから彼をその豊かな乳房を押しつぶす様に押し付けながら、後ろから押さえつける。 満面の笑みを浮かべていることが分かる声音で彼女は言う。

「忠夫、僕も負けている演技していたけど、以前『今日からお前は師匠じゃなくて寝所では俺に飼われる雌犬だ』とか言ったよね」

「あれはあくまでも寝所だけだって」

「うん、前世で同じような事言われたら怒ってたと思うけど、僕全然怒ってないんだよ。どうしてだと思う?」

 問いかけながらかの自は横島の分身の根本を握りしめた。射精を封じられただけでなく、握りしめられる快感で余計に射精できない状態が辛くなった。そこに本格的にヴィヴィオが上になり百合を始める。
ヴィーラとヴィヴィオはお互いを愛撫し合いながら四つの足で横島の分身を激しく嫐る。快楽のあまりしゃべるのが辛い。だがそれでも喋れないわけではない。ヴィーラとヴィヴィオは横島のその限界を見極めながら足で嫐っているのが分かる。

 二人に怯えつつも、ちゃんとユウキの問いに答えないと、答えなかった場合より、もっとひどいことになる。そう思いながら彼は答えた。

「そ、それはこの世界の一般価値観がそうであることが分かっていたことと、意図的にワイを調子に乗らせたのが自分だという、自覚があったからでは?」

「それもあるけど、主な理由はそうじゃないんだ〜。 正解は」

 そこまで言うとユウキが彼を引き倒し、言う。

「分からせる楽しみの方が勝ってたから。 うん、もう僕完全に女権国家に染まっちゃってるね♪」

 最後の楽しそうな言葉と共に横島の分身を飲み込んだ彼女は、敢えて大量の射精をさせながら、横島を見下ろす。子供の頃から師匠として英雄を見る目で見てくれた彼女が、演技を見抜けなかった愚かさと、
ベッドの中での不甲斐なさを見下す目で見てくるそれが何より彼の自尊心を砕いた。その砕けた自尊心が流れ込んだように自分の分身が固くなり、彼女に注がれる精液の量が増えていく。 ユウキは体を密着させると胸を彼の胸板で押しつぶし楽しそうに笑う。


「ホラホラ、実はいつでもこうできたけど負けてた振りをずっと続けていた僕に好きなようにされる気分はどう?」

 それに対する彼の答えは強すぎる快感が生んだ言葉にならない拷問を受けている様な声だった。

「うん♪ 実に良いお返事だね♪ 次は今までの寝室での名誉棄損の暴言へのお仕置きだよ」

 引き抜き立てなくなった彼の分身をユウキは豊満な乳房で挟んだ。数回はその乳房で挟み込み分身をしごき射精させたが、それが済んだ後は直前で、寸止めすることを繰り返し始める。

「あー! ユウキ意地悪しないで早くイカせて」

 それを聞いた瞬間、ユウキがいきなり乳房で強く彼の分身を圧迫し、射精させた。そしてその直後に舌で先端を搦め手追い打ちをかけてくる。精液を飲み下した直後に彼女の霊力が一気に上がり、逆に彼の霊力は一気に下がった。 強すぎる快感で脳が壊れかけた彼に彼女は言う。

「忠夫、もう閨の中で負けたんだから、イカせてじゃなくて、イカせてくださいって。敬語で言わなきゃダメでしょ。 分かった」

「は、はい。わ、わかりましたユウキ様」

 肯定の返事を返した瞬間、自分とユウキの関係が決定的に変化した感覚が彼に走った。その感覚が終わる前にユウキは優しく彼の分身を乳房で抜き射精させた。その射精がその変化を決定的に彼の脳裏に焼き付けた感じがする。

「よく言えたね。えらかったよ」

 そういうとユウキは笑いながら彼から離れた。交代するかの様に愛歌が前に立ち、彼女は笑いながら、横島の分身を踏みつける。踏まれているのに優しい快感が走ることが逆に彼の背筋を寒くした。
愛歌は魔術を使い服を消し去ると幼さが残っていながら、吸い込まれるような色香を放つ肢体を彼に見せつけながら、手のひらで彼の分身を撫でつける。 

 快楽で脱力気味な彼の耳元に彼女は唇をつけると楽しそうに言った。

「忠夫、ヴィヴィオへの不敬罪はこれで凄惨完了らしいけど――さっきお前たち、つまり私の事も今夜から雌犬って言ったわよね。つまり、私の方への不敬罪はまだ清算できてないわ♪」

「愛歌様、許してくださ、あー!」

 言い終わるより先に彼の分身を愛歌が飲み込んだ。彼は悲鳴を上げながら叫ぶ。ヴィヴィオやユウキやヴィーラと違い彼女の膣は幽霊であるせいか、彼の魂により深く絡むような感じがする。

 横島の霊力はゼロに等しいのに生命力を吸い取り彼女の霊気が強くなると。振りほどけないという恐怖がより増していく。

「勝手に調子に乗ったならともかく、調子に乗るように仕向けた相手を嫐るのはあんまりよくないと思ってはいても、楽しいって感情の方が強いあたり私も女権国家人なのね」

 花の咲いたような笑みで彼の彼に跨り絞り尽くしながら愛歌は笑みを浮かべた。
魂に絡みつくような膣が彼の分身を子供らしくきつく締めながらもどこか優しく、絞るがどこまでも溺れてしまいそうになる恐ろしさが背筋に走る。愛歌は射精と同時に崩れ落ちた彼を抱えながら笑い口づけをした。

589 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:42:59 ID:A4iGS+R7

「そろそろ、次に移りましょうか。前世で貴方が頑張ってくれたおかげで、私の王朝の時代に主流だった宗教の女神の一柱に格上げしてもらえたの。
王朝が滅んでも、その宗教は滅びず女権国家内では細々と続き、ストレリチアではそれなりにメジャーな宗教になっていたわ」

 そういって愛歌が立ち上がると、彼女の体が光に包まれた。光がやむと白い衣装に身を包んだ金髪の若干くせ毛のショートヘアの美女が現れた。 彼女の身を包む宮殿の巫女を思わせる白くそれでいて女権国家らしい、
露出のやや多い感じがする衣装だ。鮮やかな色の肌がその純白の布とお互いを引き立て合っている。愛歌は年齢と共に大きく育った乳房を彼に見せつけながら挟み込んだ。

「英雄を育て導くものって意味で私は女権国家とストレリチアのワルキューレの大将の一人みたいな立場に成り上がったの。おかげで私の墓が神殿と併用になってしまったわ」

 幼き頃から聞かされた前世の話をしつつ愛歌は彼の分身をゆっくりと乳房で嫐る。屈服させつつどこまでも甘く柔らかく、脱力させる類の嫐り方に彼は脱力してしまい動けない。
いつまでも溺れていたいような胸での愛撫に疲れ切った時に入った温泉の様な脱力を覚えていると、ゆっくりと射精の時が近づいてくる。 完全に四肢の力が抜けきったころにユウキが後ろから彼を抱き上げて愛歌の姿を見せる。
自分の分身を意のままに操る愛歌の姿が余計に彼の欲情を煽る。

最後の崩壊は予想と同じ形で訪れた。どこまでも優しい胸での愛撫で限界を迎えた分身が、射精を起こす。だが予想と同じだったのはここまでだった。
射精がもたらす快感は完全に予想外のものだ。どこまでも優しい乳房による愛撫で引き起こされたにも関わらず強すぎるがゆえに痛みにも似た射精が起こる。
その快楽から逃げようとするとそれを、ユウキに背後から止められた。彼女は片腕とインプの尻尾で彼を拘束しながら、残った最後の手で横島の玉袋を優しく揉みしだく。

「あー! あー!」

 愛歌のインプとなっているためか、彼女の胸と同じような優しい快楽が射精の厳しい快楽をより引き立てる。 揉まれる度に射精の量が増えそれが噴水の様に愛歌を汚す。
目の前が白く染まり股間から雷と火花が散った様になり僅かに痙攣するように悶える彼をユウキと愛歌が楽しそうに見ていた。

 快楽で意味もなく上を向きそうになった所をユウキが頭を押さえ無理やり愛歌の方を見せる。
笑う愛歌に視線を戻されると、白い液体が彼女の体全てを汚し、そして少しずつその精機が彼女の霊体に吸収されていく。自分の霊力が削り取られた感触と共に精液が消えていくほど愛歌の霊力が増す感じが力の差を自覚させていく。


 射精を終えて立てなくなった彼を愛歌は手をかざしてできた霊力だけで、拘束した。愛歌は敢えて少女の姿に戻り動けない彼の分身を足で愛撫し始める。
その足先のもたらしてくる快感は先ほど胸で彼の分身を翻弄しつくした時のそれと同じ類の快感だ。だが胸と違い、強く踏まれなければ自分の分身は達することが困難であると横島の理性は理解している。 
あまりにも巧みすぎる足での愛撫で彼が情けない嬌声を上げると。愛歌は笑いながら彼を見下ろした。


「不敬罪の清算はあと一回私とヴィヴィオを閨で満足させたらおしまいにしてあげるわ」

 その言葉にほっとした。今夜は地獄化もしれないが、これを耐えればすべてが終わる。そう思った彼の目の前でヴィヴィオが不意に愛歌より幼い姿に変身した。
 彼女は天使の様な無邪気な笑みを浮かべながら愛歌に足で嫐られる彼の分身を踏みつける。 愛歌のどこまでも脱力させ出られなくしてくるそれとは対極な圧倒的な快感で屈服させて来る類の快感が分身に向けて走り始める。
 笑みを浮かべながらヴィヴィオは言う。

「不敬罪の清算なんだからそんな楽に終わるわけないでしょ♪ しばらく恥辱的な意味で死にたくなるかもしれないけど頑張れお兄ちゃん」

「ヴィ、ヴィヴィオ。まってただでさえもこの世界では男性優位の性行為が当たり前なのに、よりによってそんな幼い姿で、あー!」

 口調は優しく慕う兄にじゃれる様な言葉でありながら、どこまでも徹底的に支配し蹂躙する感じの彼女の足が容赦なく彼の分身を追い詰め、対照的に嘲笑しながらも優しい愛歌の足が彼の快感を余計に引き立てる。

「ほら、頑張ってください。世界中に英雄として名が知れている男爵閣下? あと20秒耐えたら、幼女二人の足で達した屑の称号だけは免れる様に計らってあげますわ?」

 愛歌が発するどこまでも侮辱を込めた礼儀正しい王族の口調が余計に恥辱心を煽り、我慢させる気のない二人の責めで彼は一瞬で達してしまった。
愛歌に胸で抜かれた時の優しい快楽と相反する電撃の様な射精で脳が壊れかけた瞬間にヴィヴィオの足がさらに追い打ちをかけてくる。

「ほら、私達との上下関係をちゃんと覚えてお兄ちゃん」

 無邪気な声と同時に射精して一番、敏感な所に来た一押しが再び大きな射精を巻き起こす。体を反り返らせて倒れた彼の視界にうっとりとした表情のヴィーラが視界に入った。

「ああ! 成人の姿の陛下もお美しいですが、幼き姿で忠夫殿を嫐って楽しんでおられる姿も尊すぎます! 何年も閨で負けた振りをして、貴方をわからせたいと思う気持ちを抑え続けた努力が報われました」

 そこまで言った後、ヴィーラは特別なご馳走に仕込みをするタイミングを忘れかけていたのを思い出したかのような様子でヴィヴィオに言葉をかけた。

「陛下、私が仕込んでおいたネタ晴らし今やるのが一番かと」

「ずっとお兄ちゃんに張り付いていた貴方が言うならヴィーラが言うならそうなんでしょうね。 それじゃあネタ晴らしゴー」

 ヴィヴィオの無邪気な子供らしい言葉と共に、不意に無数の画面が空中に現れた。そこには彼が今までの生涯で救ってハーレムに加えてきたこの世界の女性達が映っている。ヴィヴィオは笑顔で言った。

「テレビ電話状態で最初から最後まで全部見てたよ彼女達♪ 大丈夫お兄ちゃんを捨てたりしないように、私たちの世界の女性的になるようにしておいたから」

 嘲笑めいた目を浮かべた彼女たちが画面から消えてしばらく経つと、彼女たちが寝室に入ってきた。彼女たちはストレリチアの騎士あるいは、愛歌と同じ衣装に身を包んでいる。白い衣装に身を包んでいる。

「男爵様、これからは私達は聖王ヴィヴィオ様にお仕えするものと、愛歌様にお仕えするものに分かれることになりました。それでは主従逆転の儀式を始めるとしましょう」

 一目見ただけで分かる。彼女たちは、既に自分が絶対勝てないレベルの夜の戦闘力を得ている。 ヴィーラが彼を後ろから押さえつけて笑いながら言った。

「ヴィヴィオ様と、愛歌様がしばらく見学されるみたいだから。お二人の興が乗るように彼を可愛がってあげなさい」


 それからの彼はしばらく快楽と恥辱の地獄が続いた。この世界で男性優位の性行為をし続けた相手から、この世界の住人だからこそわかる類の恥辱責めを受け続けさらには時々ヴィーラにヴィヴィオと愛歌の蔑む視線を時々無理やり見せられる。

全員に犯され終わり、最後に彼を搾りながらヴィーラが言う。

「ヴィヴィオ様が喜んでくれています。お二人の興も乗ったし今宵は私の番はこれで最後です」

 しばらく焦らしてから大量に搾り取るとヴィーラはヴィヴィオと愛歌に彼を渡した。

 愛歌とヴィヴィオが心底楽しそうに笑いながら、言った。

「それじゃあ、この世界では特に恥ずかしいらしい、女性優位の性行為を私と愛歌お姉ちゃんで交代でしようか。幼女の姿と大人形態両方でして上げるから。しっかり思い出の初夜として記憶に刻んでね」

590 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:45:08 ID:A4iGS+R7

 二人に交互に犯され続けヴィヴィオの与えてくる激しい征服してくる様な夜の攻めに完全な屈服をした。その直後にヴィヴィオに大量の精を放った直後に少女の姿の愛歌に入れ替わられる。
彼の分身は射精直後で一層敏感になっているのとヴィヴィオと対極の快楽が余計に愛歌の与えてくる快楽による反応を強めた。 
彼は愛歌の優しい快楽がもたらす射精の恐ろしさを思い出し、震えたが既に何もできないまま。最大の雷が分身に落ちて爆発した感覚が起こりそのまま意識が砕け散った。








 横島が目を空けると、夢と同じ体制で自分と繋がる愛歌がいた。後ろにはヴィヴィオとユウキとヴィーラがいる。自分の霊力が激しく消耗して状態になっており、代わりに彼女たちの霊力は大幅に上がっていた。

 愛歌は優しい笑みを浮かべて横島に言った。

「こういうのはダメだと思っているけどたまには悪くないわね。忠夫あなたはもう二度としてほしくないならやらないけど。どう?」

 言われた直後に、二度とやらないでくれと即答できない自分がいることに気づく。それを見て愛歌は彼の顔を立てる様に抱き着き言った。

「うん、私達が凄くやりたいってわかって譲ってくれているのね。ありがとう私の英雄さん」

「あ、ああ」

 自分の顔を立ててくれているなと思いつつ、愛歌が差し出し来た果実酒を彼は飲んだ。今夜は普段から自分や大鳳を助けてくれている彼女達への礼でもある。
最後まで相手をちゃんと仕切らなければ。果実酒を飲み下すと心地よい眠気と共に、失われた霊力と精力が戻ってくるのが感じられた。
宴会料理に含まれていた良質な栄養と混じり合い、彼の体力を回復させていのが分かる。


 横島が座った状態から立ち上がろうとすると、アリスが笑みを浮かべながらもう一つの雛人形を川に流し始めた。

 今度はアリスとアルとエヴァ、リグル、ルイズそしてユウキを思わせる人形が自分を想起させるお内裏様を囲んでいる。ほかにもいくつか誰なのか分からない雛人形が幾つかあったが、
それ以上に気になることがあった。ユウキの人形がどちらの時にもいるのはなぜだろう。その疑問を察したユウキが声をかけてきた。

「僕はどっちの世界でも別に良い中立派だから。それに両方でみんなの為に協力できるしね」

ユウキの楽しそうな声に嫌な予感を覚えながらも彼の意識は再び落ちていった。








 横島が来世の自分の中にいる意識体として目を覚ました彼は、ここがどこか直ぐに理解した。
ティーチと共にプレイした『悪魔の作り出した大奥破壊。女の奴隷からの下克上、女王様たちを奴隷に落とせ、悪夢の大奥迷宮制覇録』という女性の心が生み出す夢のダンジョンに挑み続けてクリアした女性達を奴隷にできるエロゲーの世界だ。

 このゲームのでは主人公は悪霊払いなどをしていた良識的な家の人間であり、邪悪な悪魔や邪神と契約して、幻想を現実に浸食させて、幻想や神秘の干渉率を上昇させて現実を支配しようとする悪魔に挑んでいくというものだ。
 男性優位の性行為が当たり前の世界で、夢の迷宮を踏破する前に負けると、夢魔の女王の力を手にした女性達に嫐られ王国でいう所の逆レイプを受ける。快楽に負けると自分も夢魔の女王に使える側に落とされるバッドエンドだ。
迷宮を踏破するとヒロイン達を男性優位の性行為で支配下に置ける。または寝室の中以外では自分の方が主人になることができる。 現実世界で善行などをして好感度を上げると、様々なメリットがあるが、
好感度が上がったヒロインが主人公を得るために夢魔の女王の僕になるなどのデメリットが出ることもある。




 そこまで思い出した後、横島は来世の自分の状況を必死に読み取り始めた。 この来世の自分はどのルートに進んでいる? 周りのヒロイン達との関係は。前世で関係を持った女性達はどんな形で関わってきている?

 読み取り終わった直後に彼の頭は恐慌状態になった。今の自分は最悪なルートをたどっている。味方になってくれたヒロイン達が好感度マックス状態でドSに目覚め心情的には完全に女魔王の味方となっている。
一部のヒロインは契約で一応こちらについていてくれているが、早く彼が堕ちてほしいと思っており、大奥の迷宮で負けた時の逆レイプには普通に魔王側として参戦して来ている。そして今の自分は、
学校で雪姫という名前の教員をしているエヴァに呼び出されている。 間違いなくエヴァだと思い安心すると共に、恐怖が背筋を走る。安心の念はエヴァが本当の意味で自分には許容できない悪事に走ることはないだろうという思いだ。
恐怖の念はだが快楽や苦悩を共有する来世の自分は知らない。その苦悩や強すぎる背徳感を来世の自分と感覚を共有して味わうことになる。

 二つの感情が混じり合う彼に構わず体の主導権を持つ来世の自分はやや虚勢を張りながらエヴァに近づいた。

「雪姫先生なんの御用でしょうか」

「今日は私が主である、大奥の迷宮に来るのだろう」

「はい」

 来世の横島は政争で家が完敗しているから、相手の言うことに何一つ逆らえない状態に近い。だが大奥迷宮を踏破すれば相手はメス奴隷になるから逆転できると考えている。その彼に雪姫と名乗る、エヴァは抱き着き言った。

「私に負けずっと性奴隷でいたいと思わせた方が、夢の世界ではデバフがかかるからな。 この世界は前世の女権国家と違って男性優位の性行為が当たり前だから、男にセクハラしてもバレることはない。実にやりやすい世界だ」

 そういうといつの間にかエヴァの私室から、豪華な西洋の城に来ていた。彼女は笑いながら、彼の唇を奪いながら言う。

「卑怯だなどとは言うなよ。何しろお前は諦めさえしなければ、いつか勝てるという反則能力を得ているのだからな」

 口づけを受けて全身を脱力感に支配されながらも、来世の横島はエヴァを敵視していた。だが彼女の紡いだ言葉には心底同意している。大奥は一度でも攻略してしまえば、相手をメス奴隷に落とすことができる。そうである以上相手の心を完全に折るか堕落させるしかない。

 エヴァは口づけし舌を絡める感覚だけで、横島が完全に脱力したことを見破り、そのまま服を脱ぎ始める。

 不意に何かの気配を感じて振り向くと、いつの間にか横島にもなじみがあるエヴァの配下のメイド人形たちが周りにいた。メイド服を剥ぎ取らなければ普通の人間とほとんど見わけのつかない彼女たちは笑いながら彼の服をゆっくりと脱がせ始める。
彼女たちは体は成人女子に近く見えるが、言動などがやや幼いところがありそれが彼女たちを美少女という認識にさせていた。黒髪のポニーテールと、ショートカットのもの。茶色のツインテールのと青色のショートカットなどのメイド達、彼女たちは笑みを浮かべるとエヴァに言った。


「まかせてください。ご主人様。今夜の私達へのご褒美よろしくお願いしますね」

「勿論だ。だが、褒美が主目的とはいえ、任務という面もあるから手は抜かないようにな」

 エヴァと話しながらも、動けない彼の服をあっさりと脱がせるその手腕は本当に一流のメイドだと感じられる。


 僅かな時間で、服を脱がされた彼をエヴァが軽々と片腕で持ち上げて立たせるとそのまま彼を引き倒し、両腕両足で拘束すると見かけだけは正常位の体制で彼の分身を加えこみ、一気に射精させた。その射精に合わせて彼女は彼の首筋に牙を立てる。

 上と下からの強すぎる快楽に涙が出たのを見計らって彼女はより強く彼を抱きしめて乳房を彼の胸板で潰した。

「どうだ? ずっとこれを味合わせてやるから私達の配下にならないか?」

 契約などそういう強制力などない問いかけだが、ハイと答えたら自分は多分永遠に精神世界の迷宮で勝つのは不可能になる。そう思った彼は首を横に振った。

591 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:46:07 ID:A4iGS+R7

「そうか。まあ、私達としてはお前の奴隷にされても奴隷にするのもどっちでも良いのだがな(最終的には結果は変わらないから) それではもう少し奴隷になった場合の快楽のデモンストレーションを堪能しろ」

 上からは血をしたからは精を搾られながら彼はしばらく経った後で助け起こされて、メイド達から魔法薬のドリンクを渡されて飲み下した。少なくとも自分を殺す気は全くないという点では信じている。

 飲み下した直後に彼の体中の霊的な疲れと精を吸われた体力が回復を通り越して、前以上に昂ってきたのを見てエヴァが笑う。

「素晴らしい霊薬だろう? 毒などは盛っていないぞ。なぜなら普通の効果だけで十分だからな」

「それはどういう」

 倒れる彼にエヴァが再び抱き着き。分身を飲み込むとさっきとは比べ物にならない量の射精が起こった。

 脳が完全に砕け散った感覚を味わう彼に彼女笑う。

「射精の量が多ければ多いほど、精神を破壊する快楽の威力は増すだろう。それでは頑張って耐えることだ」

 その言葉と共に不意に彼の意識は一気に暗闇に落ちた。






 一度落ちた意識が戻ると、彼はエヴァの別荘の中に再びいた。エヴァの姿は既になく服も既に着せられている。 横島は疲労しながらも前に進む決意を固めた。

『さてどうなるか。とりあえず家に戻ったら迷宮に入る準備だな』

 そこまで考え進もうとすると不意に後ろから声がかかった。

「あ〜横島さん、もうお帰りになられるんですか。ご主人様が寂しがりますよ」

 声に警戒の念を刺激されて、見るとそこには先ほど自分の服をはぎ取ったエヴァのメイド人形たちの姿がある。しゃがみながら彼を見下ろしていた、
黒いショートカットの女性が離れると、茶髪の女性は慇懃無礼と思えるような態度をわざと見せながら礼を取った。

「ご主人様はちゃんと盟約通り貴方の帰宅時間を『遅らせたりはしていない』のでご安心を」

 それを聞き、来世の横島に様々な考えが浮かぶ。前世で妻だったらしい頂上存在達は絶対に約束を破らない。そこまで考えて彼は結論を出した。

「エヴァの別荘は外と中で時間の流れが違うのか?」

「正解で〜す。 つまりぃー、貴方を何回搾り取っても約束の時間に返したってことにはなるでしょうね」

 そういわれて彼は逆に冷静になった。エヴァは勝負する際に自分を鍛えようとしている様な側面もあるためか、そういうゲームでいう所の嵌め技の様な戦い方は好まない。
おそらくそういうこともできるのだから、うかつだったぞと言う警告だろう。実際に冷静になる数瞬までは本気で肝が冷えた。

 横島が冷静になったのを見ると黒髪のショートカットのメイドが笑いながら言葉をかけてきた。

「それでは、お帰りになられる前にご主人様に挨拶していってくれますか。 なんだかんだで、貴方に雑な対応されると、ヘコんじゃうんですよ。今生は敵対組織に所属を選んだくせに、夜が強い以外は割と普通の女の子ですから」


「ああ。分かった」

 横島は頷いた。悪夢世界の大奥は、相手の女性の好感度が高いほど難易度は上がるが、危険度はそれに反比例して低くなる。だからこそ、ここは彼女の機嫌を取るべきだ。
ゆっくりとメイド達の案内に従ってエヴァの待つ、城主の間にたどり着くと彼女は玉座らしき椅子に大人の姿でもたれかかっていた。

「雪姫先生、それでは家に戻らせてもらいます。 今夜貴方の精神世界であり、領域でもある夢の迷宮で会いましょう」

「忠夫、お前はもう、今夜は負けているぞ。 私は一応教師としての務めは果たすと言っていたな、今回は約束を全て守った上でお前を完敗させている」

 そこまで言われて横島の頭の中に様々な可能性が浮かぶ。エヴァは今生でも約束を破ったり嘘はついたことがない。つまり彼女が間違えていない以上は自分の負けが決まっているのだろう。 悩み考える彼に向けてエヴァが手をかざすと、そのまま彼の体が急に重くなった。

「お前はもう家に帰っている。ここは私の夢の迷宮だ」

 そこまで言われて横島は真っ青になった。夢の迷宮は最初に入ってしばらく経てば現実と変わらない様な世界だ。そしてエヴァは自分の夢の迷宮の形が現実世界の城に似ているから、夢だと気づかせない方向で準備ができる前にボス部屋に誘い込んだのだろう。

 動けない彼に近づいてくるとしゃがみ目線を合わせるとエヴァは言った。

「とてつもなく強い武器なら相手も死に物狂いで研究してくるし、対策も考えてくる。完全に武器を取り上げたりするのは無理でも、こういうやり方は可能だからな。 ちなみに、
今の術は吸血鬼の魅了の応用だ。お前の私との性行為を思い出してああいう風にされたいという、願望を引き出して縛っている。夢の世界ならではの技だな」

 そういうとエヴァは軽く横島の首筋をかんだ。 数的血を吸われただけでも脱力を伴う快楽が襲い掛かり、彼は倒れかけた。うつ伏せではなく、仰向けに倒れる様にして彼女は笑う。

「お前たち、褒美の時間だ。好きにするが良い」

 エヴァが彼の服を一瞬で剥ぎ取ると、メイド達が笑いながら服を脱ぎ始めた。彼女たちが服を脱ぎ終えた瞬間、ここは夢の迷宮だと完全な確信が訪れる。エヴァの言葉を疑っていたわけではないが、僅かな疑念も完全に消え去った。

「それじゃあ。頂きます♪」

 黒髪のショートカットの娘に一気に分身を飲み込まれると彼はそのまま一気に意識を持っていかれた。エヴァが見下ろし笑いながら霊力で来た糸を彼の体の内部に潜らせながら、言う。

「色々と女性を悦ばせるのが男のたしなみだろう。悲鳴を上げて射精するだけとは情けない。私が前世の妻だった身として、手伝ってやろう」

「待って、もう限界だ」

 分身が内部に飲み込まれているだけで完全に快楽で気がやられかけている彼はこれ以上、僅かな快感でも送り込まれるのも耐えきれない。その彼の懇願を無視してエヴァが手を動かすと彼の手が繋がっている彼女の乳房を揉みしだき始める。

「あー! あー!」

「胸を揉んでいるだけで、完全に限界かもう少し根性を見せろ」

 次いで目の前の女性の尻を揉みしだかせられた時、彼は二回目の射精を迎えた。
それを見てショートカットの娘が笑いながら、彼から離れて、黒髪のポニーテールと入れ替わる。

「ほらほら♪前世で私達は貴方をかなり助けたんですからその分の報酬は払いなさい。霊力をよこしてそれと性的奉仕も頑張って」

 射精直後に入れ替わり敢えて別の刺激を与えながら嗤う彼女に屈しつエヴァが手を動かすと、まだ体を重ねていない茶色の髪をした二人に彼の手が伸び乳房や尻を揉みしだき始める。 
嘲笑めいた視線を感じながら目の前の髪を降ろしロングになった女性に口づけされながら彼は射精し倒れた。

「まだまだ足りませんけど、夜が弱すぎるあなたには可哀そうだから、一旦は許しましょう。 おや、この程度の罵倒でダメージが入るだけじゃなくて、屈辱による勃起が起きていますね。
やはりこの世界は女権国家のある世界の王国より、男性優位の性行為が当たり前の度合いが強いようですね。ある意味王国と違ってベッドの中で男を圧倒できる女性がほとんどいない世界だから当然ですか」


 入れ替わった後、茶色の髪をした二人が前と後ろから彼を挟み、射精する都度に入れ替わることを2回繰り返した。 倒れた彼を見ながらエヴァが試してみようとするかの様に呪文を唱えると、ユウキが現れた。
それを見て彼は真っ青になる。ユウキはダンジョンを攻略中は協力してくれるが、自分が攻略に失敗して敵の女に犯される段になると向こう側に参加する立場になっている。エヴァは笑いながら言う。

592 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:47:47 ID:A4iGS+R7

「まだ戦えるのに私の術にかかるということは、お前はそれを望んでいるということだな。このド変態が」

 罵るエヴァを他所にユウキは丁寧に彼女に礼をして言う。

「エヴァ様呼んでくれてありがとうございます。最近は忠夫がダンジョンの攻略に失敗しないから、女性優位だけどノーマルな範囲の性行為しかできてなかったんだ。
最も僕の方が彼女達よりは性的な技術は上なのに、射精量は今より少ないんですけどね」

「筋金入りだな」

 エヴァの侮蔑の言葉に分身が硬くなったのを見て、四人のメイドが足で抜き始めた。そこにユウキが近づいてきて、一気に分身を飲み込むと、彼の脳天に雷が落ちた。
今回の彼女は一度で一気に奪い去る類の搾り方をしたかったようだ。痙攣する彼を満足そうに眺めながら何度か腰を動かし、彼が倒れると彼女は笑いながらエヴァに礼を言った。


「久しぶりの被虐心が満たされる性交で一気に落ちたみたいです。それじゃあ、僕は今夜はエヴァ様の使い魔ですから、夢の世界から現実に行ってエヴァ様の為に忠夫の体を頑丈にさせたり、回復させる霊薬集めてきますね」

「相変わらずお前は便利だが不利な点もあるな。インプであるがゆえに、誰を主としたかで得意分野も変わってしまうとは」

 その言葉のやりとりを聞いた直後に彼の意識は完全に落ちた。





次に彼が目を覚ました時彼は自宅の自室にいることに気づいた。恐らくエヴァは現実世界の性行為の後に彼をそのままここに運んできたのだろう。 一切夢精の跡がないことに気づき、彼の気は余計に重くなった。
それだけ大量の量の精をエヴァに吸われたということなのだから。夢の世界で射精させられて、現実にも出る精が残っている内はまだ精を奪われたり、服従を刻む繋がりが浅いということだ。だが一切射精の跡がないということは負けすぎると危ないと言えるだろう。


 彼が落ち込んだ様子で、外に出るとユウキが笑いながら迎えてくれた。

「忠夫、そろそろ完全に屈服しちゃったら。忠夫が負けまくっても、この学園の大奥迷宮を攻略に来る人山ほどいるし、その人たちがクリアしたら解決だし」

 基本的に大奥迷宮は挑戦者がサキュバス達と、このダンジョンの淫欲を司る存在を倒せば終わる。ただ女性達と仲良くなるとその人物専用のダンジョンができてしまう場合もある。ちょうど今の彼の様に。


「そういうわけにはいかん。ダンジョンの奥に潜む存在の邪悪さが大きく激減したっていうのは俺も聞いている。激減したのは確かでも今の時点でどれほど邪悪かわかって、いないからな。
 それに男でありながら妻達にベッドで負けっぱなし手のは格好悪すぎるからな。 かつて予知で見た、一人で多くの女性を喘がせてものしている光景は諦めなけりゃいつか実現するらしいからな」

「そっかー。それは残念。今日もまたエヴァさんの迷宮に挑む気」

「いや、アリスさんの所にしとく。エヴァさんと結構似た迷宮だから訓練になるし、今のところはトラウマもそこまで深いものはないからな」


「うん。良くわかったよ。それじゃあ頑張ろう。隠すまでもなく、僕は心情的には向こう側だけど、攻略に対してはちゃんと手を抜かずに協力するからね」

「それはわかっとるが。本当にお前はドSに染まるのが早かったな。今も俺の味方をしてくれている、茶々丸を見習え」

茶々丸という名前を聞き、前世の横島は来世の自分の意識を探り始めた。エヴァの使い魔人形ではなく、この世界における足利茶々丸だ。自分がプレイしたこのゲームと同じく、
金髪で赤目のトランジスタグラマーな美女の姿をしている。だがゲームと違ってこの世界では容姿はまったく同じ双子となっている。 湊斗景明を村正と呼ばれる女性と取り合っているのは、
まったく同じ容姿の亀若丸と言う妹だ。彼女の方が原作の茶々丸に近い気質だ。何より一人称が違いすぎる。この世界の茶々丸は一人称が私になっており、
気質もエヴァの人形に近い。そして姉妹どちらにも原作の茶々丸を苦しめていた体質が現れていない。

 それを聞くとユウキは楽しそうに笑った。

「彼女は僕に言わせると従順すぎると思うんだよね。もう完全に独立できたんだから、エヴァの魔力で動いていた姉たちみたいに素直になったらいいのに」


 その言葉に来世の横島は首を振ると次のダンジョンへの攻略の準備を進め始めることにした。茶々丸が自分の鎧となってくれるリビングアーマーとして、動いてくれるのはありがたい。だが一つ気になっているところがある。
 大鳳が彼女には気を付けた方が良いかもしれないと忠告して来ていた。自分でもなぜかはわからないが横島がかつての自分と同じ目に遭うかもしれない気がすると言っていた。大鳳もなぜ自分がそんな風に思うのか、まったく理解不能だと言っていた。


 未来の自分の言葉を聞き、前世の横島は驚愕の極みにあった。大鳳がなぜかこの世界に来ている。今の大鳳の生まれ変わりか、それともただの同一存在か。そこまで考えて彼はこの考えを捨てた。
あとでこの来世の夢から戻ったらエヴァ達に聞けばいい。最もその疑問が解けるのはかなり先のことになったのだが。



 来世の横島は必死に昨夜の情事を忘れる努力をしていた。ユウキはまだいいが、エヴァのメイド達との情事が最悪極まった。彼女たちがもたらす快楽はユウキより下だったが、恐らくは狙って、
エヴァと似ていながらエヴァに届かない快楽で彼を嫐っていた。劣る彼女たちにすら閨で勝てないと刻み込むと同時にエヴァに再び犯されたいと思うように仕向けているのだろう。 
メイド達の誹謗中傷とエヴァと同じ性魔術それを思い出しながら彼は、必死に夜が来るのを待った。アリスの迷宮に挑む算段を着けることにした。


 僅かに思考が迷宮への攻略法に埋没しかけた時、不意にユウキの言葉が彼を現実に引き戻す。

「忠夫〜、そういえばエヴァさんが、昨日メイド達が忠夫を激しくイジメすぎたから、前にした忠夫の家にメイドを送り込ませてって取り引き他の条件に変えていいって言ったけど、どうする。もし取引の内容変えたいなら、今日の五時までに申し入れてほしいそうだけど」

「そういえばそういう約束していたな。いや、別に良いわ。エヴァさんの性格はよくわかっている。メイド達が来たとしても、あまりにも卑怯すぎるレベルの妨害はさせないだろ。それに前に恩と引き換えに飲んだ条件だから、あまり変えたくない」

 言った言葉も本心だが、一番は彼女たちが人形だと認識することで、快楽により刷り込まれたトラウマや彼女たちのもたらす快楽に惹かれている、自分の認識を変えたかった。
 現実世界で無機物に過ぎないと強く理解すれば、欲情も多少は収まる。そう考えての答えを聞きユウキも頷いた。

「それで良いんだね。分かったよ」

 ユウキのこの件に関わっていないことがうかがえる。そのことに彼は僅かな落胆を覚えた。エヴァは自分に学習させるような形で痛い目に合わせに来ることが多い。
今回はメイド達を拒否する方が正解だったのか、それとも受け入れた方が正解だったのはっきりとしていない。僅かでもユウキが共犯者だったりすれば彼女の声で分かっただろう。
今回の転生先でも一番付き合いが長いのは彼女だ。僅かに沈んだ気分を立ち直らせると彼は迷宮に向かう準備を整えに移った。







 その日の夜彼がアリスの迷宮に入った時、彼の心に大きな動揺が走った。アリスの迷宮が大きく変化している。正確に言えば、リグルの心の迷宮と合体していると言えばいいのだろうか。
 リグルの迷宮は女権国家と言われた土地に類似したところが多く、彼の活躍した場面などを通ったり、クリアすると彼女がくれた刀が強くなり、前世の技などが使えるようになることが多かった。
 これは恐らく蛍が集まってできた刀の逸話から、刀が自分の魂に働きかけているのだろう。
その代わり負けると前世のトラウマ物の逆レイプなどが想起された。何事も代償が付きまとうと彼は思う。 召喚呪文を用いてユウキを呼ぶとか彼女が楽しそうに現れた。

593 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:49:11 ID:A4iGS+R7

「忠夫、今日はアリスさんの迷宮だけのつもりだったんでしょう。それがリグルちゃんの迷宮と合体していたなんて災難だね」


「ああ。 確かにな」

 答える横島の顔をユウキが手で挟み言う。

「リグルちゃんの迷宮で前世の情事思い出すたびに、忠夫は可愛くなっていったよね。僕としてはもっと、前世の情事思い出してほしいんだけど」

 王国女子のユウキが女権国家に染まり前世の彼を嫐った記憶は彼にとってトラウマが多い。だが、それをやられたことを思い出して強く興奮してしまっている自分が情けないと思い余計にそれが昂ってしまう。 
ユウキは何度も彼の分身を抜いた乳房を服をずらして少しだけ見える様にして見せつけながら、情事の最中に彼を余計に昂らせた閨の中での弱さを侮蔑する視線を向けてきている。 分身が固まりそうになるのを彼は無理やり鎮めると、迷宮に向けて歩み始めた。

 ユウキはそれを見て楽しそうに笑い、まるで誰かに報告するような様子で独り言をつぶやいた。

「まだ、自分から嫐られたいとかってところまでは言ってないみたいだけど、冷静に思考する突入前のタイムを手放させたから今回は割と簡単にゲームオーバーになりそうだね♪」





 アリスの迷宮とリグルの迷宮は彼の過去の性的トラウマを抉り被虐心を煽るという所は似ている。だが、リグルの迷宮は前世の有名なエピソードが多く、その時の感情まで再現される、いわば自分が主役の性的な劇だ。
対してアリスの迷宮は過去の自分が受けた性的な快楽で嫐られる劇の感覚を共有している観客になっている感じがする。 どちらも体験させられるという点では同じだが、攻められる個所は違った。この迷宮では過去の迷宮で受けた攻めを同時に受けることになるだろう。


 
 道中の途中の中庭にインプであるユウキが行った方が楽に動かせる仕掛けがあり、そこにユウキを送った直後に不意に、幾つもの蛍の光が集まり始めた。警戒と共に身構え軽く攻撃してみるが、手ごたえはない。恐らくは発動した後しか対処できない仕掛けなのだろう。
蛍の光が集まると、そこには本物のユウキと寸分たがわぬ姿をしたユウキの姿があった。これは前世のユウキだ。そう判断すると彼はリグルからもらった刀を抜き放ち構えた。リグルも敵対はしているが、決して約束は違えず彼女がくれた武器は彼にとって最良のものだ。


 ユウキの偽物が剣を構えた。彼女からの威圧感を感じると彼の色香でかかったモヤがなくなり、最戦時のそれへと切り替わった。全身の神経を目の前のユウキの前世の影法師に集中させると、彼女の癖を読み取り始める。
ユウキの剣は速度に上乗せされた剣の圧が凄まじい。無理をしてでも一太刀目を受けきり鍔迫り合いに持ち込めば勝てる。

『大丈夫だ。このユウキは俺が前世で共に戦ったユウキの再現。だからこそ今のユウキ程駆け引き等には長けていない。そして癖なども俺に稽古をつけているユウキと似ているし、長所も今ほど伸びていないし、欠点の減少具合も今より少ない』

 次の瞬間、極限まで引き絞られた矢の様な速度で切り込んできた、彼女の一撃を彼は辛うじて受けきった。僅かに見える癖がなければ不可能だっただろう。ユウキの一撃は速さが生み出す、剣圧も脅威だが、次に怖いのは変幻自在さだ。
一撃必殺の構えから突然連撃に切り替えるということを、他の剣士ではできない様な速度でやってのけてくる。剣をぶつけ合い、凄まじく強いだが、今生のユウキ程ではないと理解した彼は、敗北への恐怖を克服すると、こちらから体重をかけて鍔迫り合いに持ち込んだ。


最も恐るべき瞬間を乗り越えて、彼女の動きが鈍った瞬間に彼は霊波刀を片腕を離した。そして篭手状の霊波刀を出現させ、予備動作なしで篭手から剣に変えると仕込み刃の様な剣をかわすべく後ろに飛びのいた彼女に『抑』の字の入った文珠を投げつける。

『背に羽がなければ、いくら早くても一度飛んだら降りる場所は変えられない。ユウキ自身速くて敵に滅多につかまらないせいか、飛んだあとを狙い打たれたことが何回かあったといってたしな』

 文珠が命中し動きが止まったユウキに向かって彼は、『眠』の文珠を使った。『眠』の文珠を受けるとユウキの影法師はそれを受けると体が再び蛍となって散っていく。それを見ながら負けると消え去る勤めなのだなと彼は思いながら、ユウキの帰還を待つことにした。





ユウキの帰還が遅いことと彼女が文珠を一つ使ったことが伝わってきたことで彼に僅かな不安が募った。基本的にユウキはインプであり自分の使い魔だが、
距離が離れていると契約を一時的に乗っ取られることなどもあり得る。それができるものはほとんどいないが、今の彼が攻略している迷宮の主である彼女達はそれにあたるかもしれない。

『一応文珠で契約を一時強化しとくべきだったか? いや、だが、やられる可能性も低いし、現実世界程じゃなくても文珠は貴重だしな』

 横島は色々な迷宮をクリアしてきた際に、そういう事態も起こりうるということは知ってはいたが、実際にそういうことが起きたことはなかった。 だが一応は警戒しておくべきかもしれない。  離れていたために確実とは言えないが、
多分ユウキの文珠の用途は契約の一時的な乗っ取りを防ぐための類の使い方だったようだ。 戻ってきたら何があったか聞いた方が良い。そう断じて質問の内容を頭の中でまとめ始めると丁度ユウキが戻ってきた。

「忠夫、ただいま!」

「ユウキ、何があった。やっぱり契約の一時的な乗っ取りか?」

「うん! 忠夫のくれた文珠で『阻』んだけどね。割とぎりぎりだったよ。でも正式な契約は一時的に乗っ取るだけでも相当力を使うし、それをやってきた以上ボスの力も相当弱体化したはずだよ」

「そうか」

 短く答えると、横島は中庭に『印』の文珠を使うと、結界を張った。 これで『転』の文珠を使えばいつでも戻ってこられる。 彼は不自然ではない程度の速足で、古い西洋の古城を思わせる廊下に入った。 歩く彼の横に寄り添うように歩くユウキが口を開いた。

「忠夫、さっき昔の僕の影法師と切りあってたけど、どうだった?」

「俺よりは少し強かったけど、お前と手合わせしてたおかげでメタはれたから勝てたな。今のお前より癖を隠したりするのが下手で攻撃が分かりやすかった。それに今のお前も力では俺に負けているけど、そのお前より力でも劣っていたぞ。まあ、過去なんだから当然だが」


 そこまで言うとユウキが雑談を振るように言葉を返してきた。

「だろうね。さっきの僕はリグルちゃんの英雄譚再現、でできた僕の影法師だけど、あの状態の僕ってどういう状態で戦っていたか、分かってた?」

「いや」

 そこまで言うとユウキは面白そうに昔の話を始めた。

「女権国家の霊的な恋愛相談員の人に、『闘技場で今モノにしないと遠くに行ってしまうかも』って言われた時の僕だよ」

「そうなのか」

「うん、あの時は僕が初めて本当に大事な勝負で忠夫との騙し合いに勝った時だったよ。勝負や試合自体では勝てることが多いけど、本気で忠夫が騙しに来ると引っ掛かることが僕は多かったから。
忠夫が僕を傷つけずに勝つために動きを封じる術を使ってきたときに、その術を破れたのにかかったふりして不意打ちしたんだ。 こんな風にね」

 言い終わった瞬間に、放たれた抜き打ちの一撃を彼は辛うじてかわした。

「あれ? どこでバレちゃったの?」

「自分でもよくわからんわ。ただ何となく雰囲気でな」

594 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:51:00 ID:A4iGS+R7
 答えながら、横島は状況を頭の中で整理した。ユウキの裏切り=正確には契約を一時的に乗っ取られたに関しては、少し時間を稼げば解けるだろう。
ユウキは持久戦も強いが、一番強いのは短期決戦とその軌道速度だ。 だからこそ襲撃の可能性を考慮して狭い廊下を歩いていた。
長時間乗っ取れない仕様であるなら、この長い廊下で仕掛けてくるしかないだろうと踏んでいた。 全神経を集中させて彼は霊波刀も消して全ての霊気をリグルからもらった刀に集中させる。
ユウキとやりあう場合はこの間合いに来たら速さでは勝てない。だからこそ、僅かに力で勝るのを活かして刃を受けて力比べに持ち込むしかない。


 ユウキの一撃を警戒しながら彼は、油断なく観察した。そして幾つかの推測が浮かぶ、今のユウキは普段のユウキより弱い。恐らくはさっき横島が倒したユウキの影法師が影響しているのだろう。
 自分が影法師を倒した時、蛍の群れはユウキが去っていった方に向かっていた。 そして今の構えは丁度あの影法師と同じくらいに退化している。普段の訓練では読み取るのが困難なユウキの癖も今なら容易に読み取れる。
彼女の僅かな、それでもいつもの鍛錬よりは大きな予備動作に気づいた彼は即座に受ける形でユウキの剣に刀をぶつけにかかった。その瞬間彼の体中の汗が一瞬で冷たくなる。
本当の窮地、或いはそれが訪れる直前の感覚が彼の火事場の馬鹿力めいたものを引き出し、剣にかつてない力がこもった。その次の瞬間、ユウキがかつてない速度で彼に剣を放ってきた。
剣を狙い通り合わせることができたのは、ユウキの剣を知り尽くしていたこともあるが、一番は運だった。剣がぶつかり合った瞬間、
速度だけではなく力も普段とは比べ物にならなくなっていると感じた直後に腕がしびれ彼は大きく耐性を崩した。そして次の瞬間ユウキの拳であごを揺らされそのまま倒れた。


「前世の僕は女権国家の好感度ドーピング状態になってたんだ。その時にそのドーピング状態でない状態くらいで戦って、それでいきなりドーピング状態にしたんだ。今生でも騙し合いの初勝利だね」

 そういうとユウキは嬉しそうな笑みを浮かべながら、横島に多い被さり唇を奪う。舌を絡められた瞬間揺らされた脳と快楽が合わさり、一気に彼は脱力の極みに落ちた。

「戦っている時もなるべく僕に痛い思いさせない戦法を取ってたでしょ。そういう所はかわらないね。 さすがに前世の方が今生より強いとか予想できなかったかな」

 ユウキが放った剣は、横島をモノにしないとどこかに行ってしまうかもと言われた夜にだけ出た、馬鹿力だ。あの日の斬撃だけは今よりも速く重い。
それ以外では今の自分と過去の自分では今の自分の方が強いとユウキも思っている。さすがに横島にこれを予想しろと言うのは酷だとも思う。


 ユウキは心底楽しそうな笑みを浮かべながら倒れた彼の服を脱がせ始めた。程なくして全ての服が剥ぎ取られると、この迷宮の主であるアリスとリグルがいつの間にか来ていた。
アリスは倒れた彼をのぞき込むと教師の様な口調で言った。

「今回は流石に、忠夫が下手を打ったというより私達が一度しか使えない切り札を山ほど投入したから勝てたと言った所ね。 忠夫、どうしても一つだけ腑に落ちないところがあるんでしょう?」

 肯定の視線を返すと、アリスは文珠を差し出してきた。横島はそれを見て、驚いた。自分が作った文珠かと一瞬思ったが違う。今の自分の文珠より僅かに効果が上だ。それに対してアリスは答える。

「前世の今の貴方より文珠を作るのが上手になった時期の文珠よ。私達の身を守るために貴方がくれていたの。 これを使ってユウキの契約を一時的に乗っ取ったのを『偽』ったの」

「今生での努力で補えていたせいか前世のエピソードに無関心すぎたか。多少とは言え前世の力を使っていたんだからもっと、前世の力を引き出したり記憶を取り戻す霊的な修行もやっとくべきだったか」


 そこまで話した直後に彼の分身が不意に覚悟していなかった快感に包まれた。全身の力が抜ける脱力感を味わいながら見ると、ユウキが自分の分身を飲み込んでいることに気づく。
今彼女が送り込んでくる快感は昨夜エヴァの使い魔をしていた時とは対極にある。エヴァの配下をしていた時は激しく攻めてくるような肉食獣に食いちぎられるような快楽だったのにたいして、
今の彼女は脱力させる毒を思わせる甘い快楽を与えてきている。脳震盪が治ってきてなお動き辛い彼の腕をアリスが霊力でできた光の糸で動かしユウキの乳房を揉ませながら言う。

「ホラ頑張って、ユウキを満足させてあげなさい。私も協力してあげるから」

「ちょ、ちょっと待って、もう繋がっているだけで限界、ああー!」

 敢えて射精に合わせて乳房を揉まされて完全に脳が焼き切れて倒れた彼をリグルが見下ろす。 彼が前世であった時の彼女は、ショートカットで小学生くらいの姿だったらしいが、今は美しい緑色のロングヘアーの大人の女性だ。彼女は笑いながら言う。

「忠夫、全ての虫を統べる女王として君にカマキリの雄の加護を上げようか? 気持ちいいだけになるよ?」

 横島は首を横に振った。カマキリの雄は交尾の時に食われていても痛みを感じていない。それなら最後に至る道はどうなるか言うまでもない。リグルは甘いフェロモンを漂わせながら彼の眼を見て言う。

「大丈夫、死なせたりしないから。僕達は妖怪であって、もともとの虫と同じ存在じゃないよ」

 甘い香りで脳が犯され始めるとリグルが服を脱ぎ、彼の体を触り始める。送り込まれた霊気が雲に捕食される虫の様に体中の力を抜いていくのが分かる。 ユウキは名残惜しそうに仰向けになった彼に口づけすると思いっきり彼に抱き着き乳房を胸板で潰した。
仰向けになった彼の体が快楽で痙攣するとアリスが、前世の彼からもらった文珠を取り出し、『刻』の字を浮かべ彼に投げた。射精と同時に乳房が押し付けられアリスの糸でユウキの尻を形が変わるほど揉みしだかされた。
彼の脳は強すぎる射精の快楽で甘い霧の眠りから一気に覚めた。そしてユウキが状態を起こし再び乳房をアリスに動かされる手で揉まされるとユウキが見せたいと望む様に彼の手が、乳房を揉みしだき変化させていく。
ユウキの感触と乳房の変化と形が文珠の力で脳に刻まれていく。 しばらくするとユウキが一度離れ今度は彼に背を向ける形で騎乗してきた。
 再びアリスは文珠を取り出し、先ほどと同じ、『刻』の文珠を投げてきた。 ユウキが腰を振るたびに何度も彼は射精し彼女が望む様に動かされていく。
そして彼女の背とアリスに操られた自分の手がユウキの尻を揉みしだく様子が脳に記憶されていく。 完全に屈服して塊の様な射精を終えた後に、ユウキがようやく離れた。

「忠夫、早く降参しなよ。毎日が僕達とのこの日々だよ。この世界では男性が女性にベッドの中で負けるとかありえないけど、だからこそ気持ち良いでしょう?」

 ユウキの侮辱しながらも自分への恋慕の感じられる言葉が媚薬の様に耳に染み込んだ直後にリグルが唇を奪い、彼の分身を飲み込んできた。強すぎる快感が命を削り取る様な危機感を与え、そしてそれすらも快楽となるような精を取られすぎる痛みにあえぐ彼を見ながらリグルが耳元で言う。

「今から一時的にカマキリの加護をあげるね」

 その言葉と共に口づけされて、舌を入れられると一気に彼の体の内部から苦痛が消えただ中毒になるような快楽だけがある状態になった。理性では話さなければならないと思っているのに、黙って雌に食われるカマキリの雄の様に自分はリグルに食われる快楽を味わっている。
彼が快楽だけで、限界まで拷問を受けたものと同じような悲鳴を上げて倒れると、リグルは笑いながらどいた。

595 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:52:25 ID:A4iGS+R7

「痛みがある方の性交も気持ちいいでしょう。 忠夫が望むならどっちでもしてあげるから。だから、早くプライドを捨てて女権国家に戻ろう」


 リグルが離れるとアリスが笑いながら彼に騎乗してくる。どこまでもアリスの体は今のユウキと似た感覚であり、どこまでも彼に対して甘く脱力させて来る。

「ほら、プライドを捨ててしまえば、ただ気持ちよく何も考えずに快楽を味わい続けるだけの人形になっても良いのよ。 女権国家の私たちの住居にこの世界のお土産を持ってきて」

「土産って」

 ぐずぐずに脳が溶けながらも浮かんだ疑問にアリスは彼を抱きしめながら体を密着させて言う。

「男性優位が当たり前の世界の価値観よ。貴方の恥辱心に満ちた顔本当にゾクゾクしちゃうわ。 蕩けきって堕ちてしまった後に正気に戻った時のことを想像してみて。 惨めでしょう、いやでしょう。でも」

 そこまで言うとアリスは僅かに飲み込まれていない、彼の分身を指で撫でる。それだけで背筋が震え、射精の量が一気に増える。それを見ながらアリスは彼の分身を指で撫でながら言葉を続けた。

「その背徳感がこの子をより元気にしていくでしょう。 想像してみて、今の快楽と恥辱を昔の男性優位の性行為しかありえないと思った状態で味わったらどうなるか」

 想像しただけで恐ろしさとその背徳感が生み出す射精量とそれを受け止めるアリスの体が頭に巡ってくる。もしかしたらどこかでその人形劇をアリスが行っているのかもしれない。 
アリスが彼の体に入れた霊力でできた糸で射精をいったん止めると、敢えて彼に嬉しさ満点の表情を見せながら口づけし、口の中の快楽のつぼ全てを舌で押し始める。
彼女は射精を許されないもどかしさが限界を超えかけた瞬間、一番強く口の中のツボを押しそれと同時に糸での拘束をやめた。決壊するように起こった射精はただひたすら甘く、
彼女に対して人間としての部分を出し尽くし、代わりに彼女の糸が体を埋めていくような感覚がある。それもただただ気持ちよさと、期待しか湧かない。それもそうだろう霊力は精神の力でもある。
自分に対する好意しかないない彼女の糸ならそう感じるのは当たり前だ。 射精直後で敏感になった所でアリスは腰を動かしながら、気持ちよすぎて射精できない状況を作り出し、
それを不意にやめるなどをして彼から大量に搾り取った。そして彼の生身体が一時的な消滅を迎えかけた時彼女は一時的に搾り取るのをやめて、リグルが渡した何個目になるかわからない『刻』の文珠を彼に使いながら耳打ちした。

「ボス部屋で待っているからいつか来てね。これよりすごいことをしてあげるから」

 そういって彼女が体を完全にくっつけると。人形に近づいていくことへの快楽と期待を膨らませる射精が起こり、彼はダンジョン内での生身を維持できなくなり幽霊のようになって夢から消えていった。 彼の幽体が近くにいることを確信しながらアリスは見せつける様に人形めいた肢体を晒し言った。

「完全に脱力しちゃった忠夫をこの体で存分に甘やかすのが良いのに。この世界は便利な部分もあるけど本当に無粋だわ」

 彼女の美しい肢体と、それでいかに自分を嫐ったかが思い出されると同時に、その肢体で動けなくなった自分を嫐り甘やかす彼女の姿が思い浮かび、彼の中に期待が一気に膨らんでいく。それと同時に彼の意識が現実に戻る合図が起こり、彼の意識は現実へと浮上していった。






 夢から現実に戻ってきた彼は夢見心地のままふわふわとした快楽の中で意識がおぼつかない状態になっている。 迷宮で負けて逆レイプを受けた時の状態だ。だが今は股間の分身が甘く、緩やかな快楽に支配されている。
不意に激しい快感へとそれが変わり、彼の意識が一気に覚醒した。あまりにも強い快楽に悲鳴を上げながら目を開くと、自分の眼前には夢の中のアリスと同じ体制で自分を犯すユウキの姿があった。
強すぎる快感で拷問を受けたような悲鳴を上げる彼に、ユウキは普段通りのご機嫌な様子で声をかけた。

「忠夫、おはよう♪ 昨日の負けっぷりは凄かったね♪」

「ユ、ユウキ、もうやめてくれやばい」

「しょうがないなぁ」

 ユウキは横島から離れると魔術で一瞬で服を着こみながら彼を見下ろしながら言う。

「今回の迷宮の主そこまで、非道じゃないから降参したら?」

「男として引けない戦いもあるんや。諦めなければあの時見た未来も必ず実現すると占い師も言ってたしな」


 横島はそういってかつて予知で見た、全ての女性達を組み伏せて喘がせて意のままに跪かせる光景を思い浮かべて、それを頼りに頑張ろうと思ったが、その望みが叶うことはなかった。
勝ちの眼は最初からゼロに等しかったが、昨夜の負けが完全にそれを決定づけたと彼は後に思うことになる。





 その日からの彼は迷宮で負け続ける日々が続いた。『刻』の文珠で意識に彼女達との性交を印象付けられたのが決定的な原因だったと思う。

 ある時の攻略では、敵が意図的にユウキのスカートを破壊したのが原因で彼の視線がユウキの大股と尻に釘付けになってしまい、
あの日の夜の事しか思い出せなくなりユウキに誘惑されて押し倒して結果そのままあの日の夜の再現となった彼女は笑いながら言う。その時の彼女は笑いながら言った。


「今の僕は君の使い魔だよ。それなのになぜこうなっているかわかる? 君がこうされたい。女に負けまくる恥ずかしいセックスしたいって思っているからだよ。ほら早く出しちゃえ、女性に負けるのが大好き無様クズ男!」

 射精しながら脳が焼き切れているタイミングに合わせた罵倒が余計に射精の量を増やし、それが彼をそのまま敗北させて現実に戻すことになった。


 さらに似たような理由での敗北を繰り返す日々を過ごしていた彼に大きな追い打ちとなる出来事が起こる。 エヴァの配下のメイド人形達が彼の家に入居してきた。表向きは一応は政争はしていても同盟者である彼の家への行儀見習いだったが、彼を堕とす手伝いなのは明らかだ。



 彼女たちは来た日に笑いながら言った。

「忠夫さん、いつになったらエヴァ様の心の迷宮に行くんですか? エヴァ様が最近寂しがっていましたよ。最後に来たのはもう一月前じゃないですか」

 黒髪ショートヘアーの女性の言葉に彼はひるんだ。あの日夢の中で性的に完全敗北を喫してから彼女たちに逆らい難いものが芽生えている。
何かの魔術で彼女たちは敢えて彼に名前を覚えさせない。そして夢の迷宮の中で彼を犯す時は敵対勢力の端女であるメイドのカチューシャーを着けている。情事の際にはそれを常に見せつけてきている。 横島は目をそらしながら答えた。

「俺には俺の攻略の仕方がある。敵対勢力の女たちに言うことに従えるか」

 それを聞くと彼女はエヴァからもらったらしい、前世の自分が作った文珠に『真』の文字を込めて自分に使った。そして彼を見据えて言う。

「最近のエヴァ様はかなり欲求不満ですから、そろそろ行ってあげないと、貴方を強すぎる快感で再起不能にしちゃうかもしれませんよ。ちなみに私達も欲求不満です。
今夜エヴァ様の所に行くなら、貴方が一月に一回以上来ている以上は、再起不能にする性行為禁止の契約を交わしてもいいですよ」

 それを聞くと横島は即座に了承することにした。迷宮では相手がその気がなくても精神が壊されることもある。だからこそ攻略の際には相手の無意識の欲望などを募らせない予定組なども大切だ。
だがこの契約をかわせば、不可抗力の破壊にすら歯止めがかかるようになり、時間調整が相当楽になるだろう。

「分かった今夜は必ず行く」

「ええ。ありがとうございます」

 綺麗な笑顔を浮かべる彼女に若干の不安は覚えたが、これで自分迷宮のクリアは容易になる。そう考えて彼の足取りは一気に軽くなる。そう考えて向かう準備を重ねる彼にさらなる朗報が届いた。

596 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:53:50 ID:A4iGS+R7

 エヴァに使える黒髪のポニーテールのメイドが嬉しそうな声で言った。


「忠夫さん、茶々丸様と、アリスさんの姉のルイズさんが帰還しました」

 その言葉を聞き彼の精神はさらに高揚した。ルイズは骨董品屋を営むアリスの姉であり、旅行が趣味で掘り出し物の骨董品やオカルトアイテムなどを見つけるのが上手い。
横島もいわくつきの呪いの美術品などを何度か祓って給料をもらったこともある。そういう特技も旅行を繰り返すうちに自然と身に着いたらしい。それだけではなく、
何度も効果の高い魔道具などを格安でもらったこともある。
茶々丸はルイズの護衛という理由で長期旅行について行っていたが、彼女を同行させるのと引き換えに格安で役に立ちそうなアイテムを譲ってもらえる約束をしていた。 横島は大喜びで彼女達を迎え入れると、茶々丸に声をかけた。



「戻ってきてくれて嬉しいですルイズさん。 それと茶々丸お前も帰ってきてくれて嬉しいぞ。 妹の家にもよってきたか?」

 横島の問いに茶々丸は原作のゲームとはかけはなれた丁寧な口調で答えた。

「ええ。でも信頼し合っているのもあってかあの子の対応は大分適当でした。亀若丸にも困ったものです。あの娘ったら私じゃなくて、
最初にルイズさんに声をかけて『あてがあの鉄蜘蛛女から兄さんをぶんどるのに役に立ちそうなアイテム何かなかったか?』ですって。少しは姉を敬ってほしいものです」


 身内だからこそのぞんざいさだなと思いながら彼はルイズの方を見た。

「忠夫くん、相変わらずアリス達相手に頑張っているみたいだけど最近は敗色濃厚気味みたいね。 挑戦できる回数そろそろ1000回切ったんじゃない?」

「あと600回です。ルイズさん何かいいアイテムありませんか?」

「私も多分向こうに着いちゃうけど、ちゃんと約束は守るしアイテムに関しても嘘は言わないから安心して。魔界では契約は絶対だからね。だからこそ契約の穴をついてくるから気を付けないといけないのだけど」

 最初にもらった忠告と同じものを繰り返すルイズに頷くと彼はそのまま今回の度で得た商品を見せてもらうことにした。


 見せてもらった商品はどれも攻略を大きく手助けしてくれそうな良質なものではあったが、既にあるアイテムの上位互換と言った感じで唯一とまではいかないものばかりだ。
彼は少し悩んだ末に、もう少し攻略が大変になったら買おうと結論を下した。 ルイズの骨董品店を後にした彼は茶々丸を部屋に呼び今夜エヴァの迷宮に行く旨を伝えていた。

「了解しました。旧主との戦いなら任せておいてください。彼女の手の内は私も知り尽くしています」

「頼りにしているぞ」







そして彼はエヴァの迷宮に挑み、エヴァに勝利していた。西洋の豪華なゴシックホラーの美を追求したような夜の城で倒れるエヴァを前に、東洋風でありながら西洋でも見栄えがする鎧姿で彼は倒れたエヴァを見下ろしてた。
エヴァの配下のメイド達もそれぞれが主を守り戦かった後の姿で地面に突っ伏している。彼は少し悩むと一人ずつお姫様抱っこをしてベッドに寝かせ始める。『縛』の文珠を使いつつ『癒』の文珠も使うと辺りを見回した。

『一応は主を全て倒してしまえば、迷宮は崩壊するはずだがまだ主が残っているか』

考える彼の頭の中に不意に茶々丸の声が響いた。
『忠夫さん、早く次のボスを見つけましょう。しかし、色仕掛け込みでふざけた攻撃されていた時の方がガチバトル時より手間取るとか本当に助平ですね』

『い、言い訳できんな』

 メイド達の色仕掛けのせいで完全に動きが鈍って負けそうになった所を、師匠としても彼の成長を見たかったエヴァが本気の一撃を放ってきたおかげで、
危機感スイッチが入り彼はそれ以降は色仕掛けに負けずに全力で戦えた。茶々丸との合体などがなければ恐らくエヴァには一騎打ちでも勝てなかっただろう。


 エヴァが負けを認めた直後に彼女が確かに敗北を認めた証が立ったがまだ迷宮が消滅しないのを見て、彼は他の迷宮の主がいることを確信した。
次の攻略からはエヴァは倒さなくても良いが、この迷宮の主を全て倒すまではこの迷宮で負けるたびに自分を嫐ってくるだろう。 そこまで考えたところで不意に彼の体が身に纏う鎧に拘束された。そしてそれと同時に今生の大鳳の忠告が脳裏によみがえってくる。


『茶々丸さんは忠夫の事好きみたいだけど、エヴァさんへの忠義も捨てていないから絶対に油断しない方が良いよ。最終決戦の前になったら、彼女にはあまり重要なポジションを任せない方が良い』


 その言葉を思い出し終わった直後に幽体離脱した茶々丸の手が彼の分身を撫でまわした。同時に鎧の中で服が脱がされると彼の分身が拘束され激しい快楽が襲ってくる。 幽体離脱した状態の茶々丸は猫の様な笑みを浮かべて彼に言った。

「契約通り『エヴァ様を迷宮で下すまでは』あなたの味方になるという約束が終わったので、ここからは迷宮の主の一人として行動させていただきます」

 そういうと彼女は鎧と化した肉体で固められて魔術的な快楽を流し込まれる彼の分身に手を伸ばした。幽体が鎧をすり抜けて彼の分身をなでるとそのまますさまじい快楽が彼を襲い彼はそのまま一気に凄まじい量を射精した。
その一度で完全に霊力の大半が出てしまい、もう勝負はついた彼は感じた。なぜか大鳳が『言わんことじゃない。経験者である僕の言葉を信じていれば』と言っている気がする。

 彼女は霊体であるがゆえに無常力状態なのを利用してそのまま彼の分身を浮き上がって秘所で飲み込むと一気に大量の精液を搾り取って笑った。

「もう拘束の必要はありませんね。今夜はもうエヴァ様や私だけでなくて、迷宮の雑魚サキュバスにすら勝てないでしょうから。 エヴァ様お疲れでしょうから、回復しませんか」

「うむ」

 茶々丸が人間形態に戻り、一度だけその体制のまま騎乗して絞り上げると。一気に彼女の霊力が上がった。エヴァが笑いながら彼女の血を飲むとそのまま彼女の力も回復していく。そしてエヴァは笑みを浮かべて言う。

「お前がこういう風に育ってくれたのは本当に運が良かった。今宵しか出来ぬ楽しみを味合わせてももらおう」

 エヴァが彼に再び騎乗して上になりながら彼を糸で操り上半身を立たせると彼の首筋にかみついた。 その瞬間彼はエヴァと意識を共有する状態になった。そしてその瞬間、エヴァに先ほどかまれた茶々丸の意識も共有することになり、
それと同時に恥辱心が一気にもたげてくる。今まで彼は身分の違いなどに頓着しない育ち方をしてきたがゆえに、足利家と自分の家が政敵同士でもあるということに意識はなかった。
お互い完全に潰そうという意思は何代か前の共闘を機になくなり、どちらが従属させるかという主従争い程度まで落ちていたのも大きい。だが茶々丸は長女であったがためか従属させる計画を幾つも練っていた。
そして本来政敵の女性に、しかもこの世界ではベッドの中で負けるのはとても恥ずかしいのに、エヴァと茶々丸から見た自分の痴態がエヴァの牙から流れ込んでくる。


 茶々丸が後ろから言った。

「家の歴史を勉強していても実感してない貴方では、どれほど恥ずかしいかわかりませんでしたよね。政的に負けるのは恥ずかしくて背徳的ですけど、忠夫様はそれが好きな変態ですね」

 罵られた言葉と共に茶々丸が背後から抱き着き胸を当ててきた直後に彼の背中の腰の辺りからも分身を飲み込まれたような快楽が不意に襲ってくる。なぜと思った直後にエヴァに首筋をかまれ再び理解する。 
夢の世界で背中に肉棒をもう一本生やされていてそれを文珠で『隠』されていた。茶々丸とエヴァ二人に挟まれたまま完全な発狂直前の快楽を味わっている中で、エヴァが呪文を唱えると彼の背丈が縮み丁度二人の胸元まで下がった。
四つの乳房で彼の頭が嫐られる中、嘲笑めいたエヴァの声が響く。

597 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:54:57 ID:A4iGS+R7

「お前があまりにも閨の中で弱いから満足できん。茶々丸と百合をして達することにした。お前がイクときに合わせてやるから感謝しろ」

 そういって二人が上で唇を合わせ愛撫し合うと、前後の彼の分身を包む蜜壺が一気に締まっていく。エヴァが霊力で来た糸を彼の分身の内部に入れて射精を防ぎ達するのを防ぎ、
彼が達するのを防ぐと彼はそのまま涙が流れ始めた。限界直前となった時、
二人の嬌声が響きかつてないほど二つの分身が締め付けられ彼の脳が二つの分身から広がる白い爆発に包まれるような感覚が起こり、二人の腹が膨らむほどの射精が起こったと理解した後、彼の夢は崩壊した。







「あー!」

 現実に戻ったと感覚で理解した後、彼は完全に意識が驚愕に支配された。現実世界でも夢と同じ状態でエヴァと茶々丸に挟まれていたためだ。彼が完全に達するとエヴと茶々丸は楽しそうに笑って離れた。

「『今夜私の所に来るその契約を安易にかわした結果がそれだ』いくら自分に惚れてくれている相手でも闇の眷属やその僕と話すときはもう少し注意することだ。
それと大丈夫か?あと何百回かは大丈夫だが、もう絞られることだけを望む猿になってしまったのではないか?」

 嘲笑めいたエヴァの声と目に何かを言い返そうとしたが彼は何も言えなかった。分身が痛いほど勃起していたためだ。こんな時になぜ自分の言うことを聞かないんだと思った。

 茶々丸が背中から離れると彼の体の一部と化していた背中の男性器を取り外して笑う。

「前世でまだ私が人形だったころに、貴方を嫐る際に使ったものです。アリス様も配下の女人形達への褒美として貴方の魂を閉じ込めた、男人形達を嫐る劇を上演する際に使っていましたよ」


 ベッドの中で完敗した敗北感で立てない彼に向って、エヴァが彼を回復させる神酒を差し出しながら言う。

「次はアリスの所を攻略に行くのか、できれば早くクリアしてほしいものだ。そうすれば私の、いや、正確に言えば茶々丸と合体した我が迷宮に来てくれる日も増えるだろうからな」

 彼女にもらった酒を飲むと体力を回復させるための脱力が起こりそのまま彼は眠りに落ちていった。エヴァはメイド人形達に目配せをして言う。

「お前たち明日の朝で完璧に仕上げろ。私にとって最高の獲物にな」

「はい。ご主人様」

 メイド達は心底楽しそうにエヴァに跪き頷いた。そして彼女たちは倒れた横島を掴むと、転移の魔法陣に移っていった。





 次の日の朝、横島は分身が完全に屈服する激しい射精の快感によって目覚めた。目の前にはエヴァの配下であるメイド達がいた。現在彼に騎乗している青色の髪の女性が笑いながら言う。

「私達実は付喪神になって魂を得てからは、アリス様の母親である神綺様に肉体を作ってもらっていたんですよ。 今までは一応昔の体である人形に憑依していたんですけどね」

「そ、それで。どうしてこんなことを」

「エヴァ様のお願いですよ。私達はエヴァ様の魔力で動く人形からできた付喪神だったもの。それと交わって気が混じれば、エヴァ様に精や血を吸われた時の快感はもっとすごくなりますよ?」

「は、離れ」

「本当にそう望んでますか? もしかしたら私達が人形じゃないって気づいていながら、夢の中でされたことが気持ちよすぎて、気づかないふりをしていたのでは?」

 彼女たちはかわるがわるに横島を犯しながら、そういう言葉をかけてくる。そして彼女達の与えてくる快感が心地よすぎてもしかしたら自分はそう思っていたのでは?という思いが彼に浮かんでくる。
 実際には横島は本当に気づいていなかったし彼女たちに気づくのは不可能だった。それを敢えて強すぎる快感で精神の防御力と判断力を緩めて、そう思い込ませていく。
さらにはエヴァが彼を嫐ったのと同じ技を使って彼女の性技を味わいたいと思わせる行為も同時に彼女たちは行っている。 快楽に対する屈服の曲がりやすい折り目が射精の度にできていく感じが彼には分かった。
 精を搾るたびに交代する彼女たちの嘲笑が余計に分身を固くて行く。黒い髪のメイド達が左右から耳に息を吹きかけながら言う。

「この世界本当にイージモードすぎます。 基本的に男性がベッドの中で圧倒できるのが当たり前の上に、政争で負け気味な忠夫さんの家から見ると、この部屋で行われているのはエヴァ様への逆転への一歩とか思われているんですよ。
 私達が貴方にベッドの中で負けて、快感に屈しそうだけど、どうにか主人への忠誠を貫いているって振りしてたら、上の方々は邪魔するどころか、『早く忠夫に調教され切ってしまえ』という目で私たちを見てますからね」


 茶髪のメイドが彼を犯しながら嗤いながら言う。

「女権国家だったらこんな調教無理です。忠夫さんは恥ずかしすぎて周りに言えないんでしょう。女に閨で負けるのがここまで恥ずかしいとされる国は女権国家のある大陸にはありませんからね」

 彼女たちが離れると、そこに彼女達と同じメイド服を来たユウキと茶々丸が入ってきた。
彼女たちは敢えて、横島にメイド衣装を見せつけた後、エヴァの配下の証であるしるしの付いたカチューシャー以外の衣類を脱ぐと彼に歩み寄ってくる。動けない彼を見下ろしながらユウキが心底楽しそうな笑みを浮かべて言う。

「忠夫、君昨日の夜でエヴァ様に支配されたよ。あと一時間くらいで解けるけどね。というわけで、僕も今回はエヴァ様の配下として参加させてもらうね。 茶々丸さんなんか楽しそうだけど何かあった」

「やはり、私としてもこちらのメイド服の方が肌に合います。私も前世の付喪神としての体が破壊される前はエヴァ様のメイドでしたから」


 ユウキと茶々丸が二人係で彼を犯し酩酊状態になった彼の耳元で言った。

「私達全員と交わって気が混じった今エヴァ様に血と精を同時に吸われたらどれほど気持ち良いでしょうか?」

「忠夫、インプである僕は今エヴァ様の配下その気も混じるだろうね」

 言われるとあれほど絞られた後だというのに彼の分身がどんどん力強くなってくる。

 それを見越してユウキは言う。

「今夜の攻略エヴァ様に一度絞ってもらわないともう無理じゃない? 集中できないでしょう」

 ユウキと茶々丸のささやきと、メイド達にされたエヴァと同じ技を使った嫐りが彼の脳をどんどんと犯し浸していく。彼は悪夢にうなされる寝言の様なか細い声で答えた。

「お願いします。エヴァさんを呼んでください」

 その言葉を聞いた直後、不意にユウキが足で彼の分身を踏み強すぎる快感と、痛みを同時に与え、茶々丸が射精を手で封じる。快感と寸止めのもどかしさと痛みで涙目になるかを見下ろしながらユウキが言った。


「さん、じゃなくて、様って言いなさい。寝室では負けていて奴隷同然の立場なんだから、わきまえなきゃダメだよ。忠夫」

「エ、エヴァ様を呼んでください」

 そこまで言い終わると不意に彼の首筋に快感を伴う痛みが走り、それと同時に大きな脱力が走った。

 仰向けに倒れて天井を見ると、そこにはエヴァンジェリンの姿がある。なぜ、どうして、同盟者であり政敵でもある、彼女がなぜこんなに直ぐにここに来られたのか。彼の疑問を彼の視線から感じ取ったらしいエヴァは自分でもまだ信じられていないと言った様子で、答えた。

598 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:57:09 ID:A4iGS+R7

「昨日お前に迷宮を攻略されて性行為をしたあと、体がうずくから来たと言ったらあっさり通してもらえた。 多分罠ではないのだろうな。あの政争上手ごわかったものたちが何の疑いも持っていなかったぞ」

 エヴァの言葉には彼女を通した横島側の政敵を無能とあざける色はない。むしろ信じられない事態に困惑している様だ。そのエヴァの言葉に茶々丸が答える。

「だから何度も言ったじゃないですか。この世界では一部の例外以外では男がベッドで勝つ方が一般的で。 まして忠夫さんの様に、強い霊力や性魔術を学んだものが負けるとかありえないというのが世界の人達の認識なんですよ」

「うむ。知ってはいたが、事実だと実感できたのは今日が初めてだ。でなければあれほど有能な者たちが疑いの色を一切見せないのも説明がつかん」

 エヴァの言葉には深い実感がこもっていた。あまりにも非人道的な妖怪を討つという点で同盟しつつも、妖怪の方を上に置こうとする政治派閥と上下関係が緩いとはいえ、
妖怪を人間が支配する形にする彼らの家は婚姻の頃から同盟しつつ政争もしてきていたらしい。
だからこそ横島の庇護者たちの有能さも見てきていたのだろう。 そこまで考え終えると、エヴァは彼を再び見下ろすと言った。 

「もう少し間が空くと思っていたかもう来ていた。それでは我が僕たち全員とまぐわいたてのお前を味わせてもらうとするか」

 逃げようとする彼を四人のメイドが拘束し突き出すと、彼女は笑って近づいてくる。たとえメイド達の拘束がなくても絶対に自分は逃げられないくらい弱り果てていたが、
上下着ける為に敢えてこうしたのだろう。エヴァは彼に跨り一度射精させると、一気にその霊力を吸い取った。そしてメイド達とが面白そうに手を差し出すとエヴァは一口ずつ彼女たちの血を吸った。そしてユウキと茶々丸もそれに習い彼女に血を捧げる。

 その直後に彼女の牙が彼の首筋に来た瞬間、自分がこの世界の基準でどれだけみっともなく女達に負けて来たのか、彼女達全員の視点が伝わって流れ込んでくる。二度目の射精をする彼にエヴァは笑いながら言う。

「お前と血を吸い感覚を共有したから分かる。この無様な現状が余計にお前を興奮させているな。さっさと達しろ。クズが!」

「あ、そんなことわざわざ口に出さな、あー!」

 言い終わる前に達した彼はエヴァの秘所に貪り尽くされる大量の射精が脳に焼き付いたまま倒れた。エヴァにやられなければとれないであろうこわばりが取れるのと引き換えに、
全員との情事でできた隷属させる傷跡に快楽の炎であぶられたような跡がついた感じがした。倒れる彼をしり目にメイド達が恭しくエヴァに服を着せ始める。

「一応、帰り道で忠夫の仲間に見つかったら、ベッドの中で負けた振りくらいはした方が良いか?」

 エヴァの問いに茶々丸が首を横に振ってこたえた。

「いいえ、いつも通りの態度でもこの世界では必死に強がっているくらいにしか思われませんよ。忠夫さんが、恥ずかしくて言い出せないのもそういう世界だからです。どんなに無様をさらしても最終的に全ての迷宮を攻略すれば、全て帳消しになるっていうのもあるんでしょうけど」

 そこまで言われた彼はエヴァが出て行った直後に倒れた。彼の様子を満足そうに見て嘲るように笑うメイド達の声が耳に響き、その声が媚薬の様な効果を自分にもたらす様になっていることを実感が彼の焦燥感を余計に煽った。






 弱り果てた彼は少し悩んだ末に、ルイズの骨董品屋に行った。久しぶりに店番の女性ではなく、ルイズ自身が迎え入れてくれた。彼女は柔和な笑みを浮かべて横島に注文を促してくる。

「忠夫くん、大変そうね。 回復薬必要。かなり良いものがそろっているけど」

「ありがとうございます。でも要らないかもしれません。以上に搾り取られたのにもう治りつつある気が、エヴァに飲まされた神酒の効果かも」

「ああ、あれ。私が旅先で見つけた薬酒よ。ゲームで言えばHPとMP全回復。かつ2,3日リジェネ状態になる希少品。エヴァ達が最初の一本だけは自分たちに売ってほしいって言ったから、棚に並べてなかったけど、今なら貴方に売っても問題ないわね」

 横島はルイズの旅行先で掘り出し物を見つけるのが異常に上手い才能に舌を巻きながら購入する旨を告げた。彼女は柔和な笑みを浮かべながら商品を渡してきて言う。

「忠夫ちゃん、今夜はアリスちゃんたちの迷宮に来るのよね。私の迷宮も多分東吾されているから気を付けてね。 いえ、負けたらとってもいいことになるから楽しみにしていてね」

 ルイズの言葉と手を見ると彼の分身が元気づき始める。それを見て彼女は笑う。

「やっぱり魂は覚えているのね。私この手で何度も貴方の息子を可愛がったから。今生ではできないかもしれないけど」

 全然本心じゃない言葉が彼の背筋を続々とさせてくる。ルイズはどこか恐ろしい笑みを浮かべながら言葉を続ける。

「降参しない? 今なら恥ずかしい以外のデメリットをなくすこともできるけど。迷宮を支配しているボスより強い神様が私の知り合いにいるからその神様、神綺様っていう人に頼んであげるけど?」

「代償は?」

「貴方の閨の中での男の誇りの全てかな」

「お断りします」

 即断にルイズは嬉しそうな声で返した。

「も〜う、この世界神過ぎるわ! どれだけ女性にベッドの中で負けるのが恥ずかしいの! 女権国家じゃ考えられないわ。 前世から活きが良かったけど、こんなに活きの良い餌になるなんて! 早く迷宮に来てね」

「行きますけど餌になるつもりはありません」

 その横島の言葉に、少し考えるとルイズが薬らしきものを一本取りだしてきた。

「これも私が旅先で見つけた掘り出し物なのだけど、これを使ってみない?」

「なんですかこれは?」

「色仕掛けとかに対する耐久度が凄く高くなって。犯されたくてたまらないとか、そういう感情も抑えることができるようになる薬よ」

 そこまで言った後ルイズは次の言葉は忠告の為か強い口調で言った。

「ただし、これを飲んだ場合正々堂々戦って負けて逆レされると、いつもより屈服の度合いや快感によるトラウマの刻まれ具合が上がってしまうわ。下手するとたった一回の敗北で完全に心折れちゃうかも」

 横島はその言葉に深く悩んだ。今の自分は相当に彼女たちの色香に犯されている。しかし大奥迷宮は、普通に戦っても恐ろしい場所だ。色香が通じないとなれば彼女達も本気を出してくるだろう。
そして負ければこの薬の副作用でいつも以上に記憶に刻まれやすくなった自分は完全に屈服する可能性も高い。だが現実世界と夢の世界両方で戦い続けて実力派相当上がっている。
だからこそ、色香に迷わない状態で挑めば負けずに済むと信じる気持ちも強い。少し悩んだ末に彼には薬を購入することにした。

 ルイズから薬を受け取ると彼は、そのまま自宅に戻り毎週の週末の通りに挑む心の迷宮に挑む準備をした。




 アリスとルイズとリグルの心の迷宮に入った彼は霊波刀を構え一気に駆ける。ユウキと茶々丸の力は今回は借りないことを決断した。彼女たちは最低限の約束は絶対に違えないが、
それでも内心では横島を屈服させて支配したいと思っている。そうである以上どの様な不確定様子が生じるか分かったものではない。横島は今生で学んだ全てを思い出しながら、敵をなぎ倒しながらかけた。アリス配下の人形達に対しては、
エヴァから学んだ合気道の気の使い方を応用した気のぶつけ方をして魔力の気の巡りを悪くして倒していく。そしてリグルの配下に対しては閃光手榴弾などで混乱させ撃破していく。
ルイズの使い魔らしき存在はあまり出てこないが、時々彼女が見つけたらしい掘り出し物で強化されたアリスの人形などが出てくることがあった。

599 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:58:23 ID:A4iGS+R7

 一つの大きな門を打ち破ると、立派な大広間があり、奥のキングサイズのベッドにかけるアリスとルイズとリグル。そしてその前に親衛隊の様に洗練された、動きで侍るメイド姿の人形達がいた。
彼女たちは剣を持ち一切気配を感じさせないものが二体と、ハルバードを持った強い気配を感じさせる二体の人形だ。構える横島に向かってアリスが言う。

「その四人がこの迷宮の最後の中ボスよ。頑張って倒してね。色香に溺れずに最適な戦い方をする忠夫格好よかったわよ」

 アリスの言葉を聞き本心だからこそ調子が狂うと思いながらも、ルイズからもらった薬がなければ恐らく自分は分身が負けたいと言い始めて、実力が半分も出せなくなっていただろうなと思った。


 人形たちが一斉に切り込んできた瞬間に彼は即座に動いた。羽根に弾かれた様な勢いでい飛んできた二対のハルバードをかわし、気配が希薄な人形の剣を気配ではなく、
空気の流れを感じ取ることでかわした。気配の強い人形に関しては元からそういう風に作られている以上は、一定以下まで気配を弱めることができない。
アリスの心の世界でもある以上は、アリスの現実世界での認識もまた強くなる。 攻撃をかわしながら戦斧の連撃を避けて、剣の人形達に一瞬だけ全神経を集中させると、
力押しだけで破壊できる瞬間を見極め一気に切り込んだ。 アリスが魔力を送り強化したのを確信すると彼もまた少しの時間か出せない力を振り絞り鍔迫り合いを制しかけた瞬間、
鈍器で殴られた様な感覚が全身に走る。殴り倒され上を見ると5体目の人形がいた。それを見て彼の頭に湧いたのは、騙されたという憤りではない。なぜよくある駆け引き程度の嘘に自分が騙されたのか、
と言う疑問だ。そういう疑問を彼は抱き同様の中にあっても、彼の行動は迅速だった。即座に『転』『移』の文珠を使うと部屋を後にした。




 移動した彼は自分の精神領域の部屋のベッドに腰を下ろすと、回復の文珠を使うまもなく、息を切らした。なぜなぜ、こんなことになったのか。
あれはまるで見え見えの嘘をなぜか本当だと取ってしまっていた。その理由がわからないと今後も騙され続けかねない。そう悩んだ瞬間、不意に鈴を転がすような声が響いた。

「忠夫、前世のとはいえ、妻の寝室に訪れて何もせずに帰るのは無体過ぎない?」

 驚愕と共に振り替えるとアリスの姿が目の前にある。驚きながら辺りを見回すと、その後ろにはルイズとリグルの二人のもいた。彼女たちの背後の決して自分以外の手では開かないはずの自分の精神領域の扉が開いている光景が彼の精神にさらに追い打ちをかける。

 アリスは回復しきっていない彼の唇を奪うと舌を絡め始めた。彼女の甘く優しく、それでいて、彼の体の糸を断ち切り尽くしていくような舌が脳の中の糸を切り落としいく様な感覚がする。彼女は口づけを終えて、人形の様に崩れ落ちる彼を見下ろしながら嬉しそうな笑みを浮かべながら言った。

「実を言うともう邪神と言うかそれと入れ替わった、迷宮の主は復活してこの迷宮完全掌握済みなのよ。 貴方や他の迷宮攻略している男の子たちの精はずっと前から、復活分は溜まっていたの」

「そ、そんな。ならなぜ」

 言い終わる前に四人目の姿がこの場に現れる。ダークピンクの艶やかなロングヘアーをたなびかせた一流の女社長を思わせる高級スーツに身を包んだ豊満な体をした美女だ。彼女はアリスに口づけされて糸が切れた人形の様になっている横島を見下ろすと笑みを浮かべていった。

「陸八魔アル。前世で貴方と深い仲だった悪魔よ。この世界ではベリアルの力を持つ存在と言えばわかるかしら?」

 そこまで言われて横島は全てを理解した。

「そう、ベリアルは神の名の元に誓わなければ嘘しか言わない。それでも、騙されてしまう召喚者が多いのは本当の事としか思えない響きが嘘の中にもあるからよ」

「つまりあと、五百回と言ってたけど、本当は二百回とかだったと」

「正解」

 アルが手を振った瞬間、横島の肉体に変化が起きた。今までは現実の体とほとんど変わらぬ精神体だったのが、完全に本当の生身となったことが分かった。アル社長は笑みを浮かべて言う。

「夢と現実の境界も完全に私の支配下に落ちたわ」


 アルが笑みを浮かべて手を振ると、一瞬で現実世界の自分の部屋へと変わった。次いで女権国家で悪魔が男を完全に支配下に置く儀式場を思わせる寝室へと変化する。回らない頭を精一杯働かせると彼は問いを投げかけた。


「俺をどうする気だ?」

 アルは少し考えた後、答えた。

「今日は前世で貴方が完全に私達に屈服して忠誠を誓ってくれた記念日なの」

 そういうと彼女は笑いながら、服を脱ぎ始める。 彼女のその仕草と肌に目を奪われ瞬きすらできなくなっている彼を見下ろしながら彼女は言う。

「この迷宮は完全によみがえったから、この迷宮の管理者の一人として、貴方もこの迷宮を守るものとなってもらいたいわ。この一言については真実だと神に誓うけど、かつて邪神の様な悪趣味には使わないから安心して。 これから前世の再現をしましょうか」

 そういいながらアルが彼に跨り分身を飲み込むと。今までとは根本的に違うレベルで何かが変質していく感覚が全身に走った。
残った抗う力全てが快感にすりつぶされた様な錯覚がした。そしてそのまますりつぶされたもの全てがアルの秘所の中で嫐られる分身から出ていくような錯覚がと共に射精が起こる。
震えた一物をアルは嬉しそうに迎え入れると彼の唇を塞ぎゆっくりと舌を搦めて与えてくる快感で、彼の中で磨り潰されているものを全部出そうとしているかの様だ。 舌を絡められるごとに精液が何度も出て倒れた彼を見下ろすとアルが離れてアリスとルイズが彼を挟みだした。
アリスが彼の分身の模造品を彼の背にくっつけるとそれは完全に生の肉棒へと転じた。アリスは笑い言う。

「普段のアルはここまでできないけど、夢と現実の境界を薄くできる迷宮に嘘すら真実に近づけるベリアルの力が合わさったからね」

 そういうとアリスとルイズは茶々丸とエヴァがした様に彼を挟んだ。アリスが前方となり、ルイズが背後に着くと、申し合わせたように同じ瞬間に二つの女陰が彼の二つの分身を飲み込む。

 どこまでも甘く、脱力させる快感が彼の二つの分身から伝わりそれでいながらアリスに操られる人形に自分が変わっていくような感覚がすると、アリスの指から出る魔力でできた糸が彼の内部に入ってくる。 彼の体はアリスの意のままに動き、時にルイズとアリスの乳房や尻を揉みしだく。
その度に射精が起こり雷に打たれたように震える彼を愛おしそうにアリスとルイズは抱きしめる。 二人に抱き寄せられ二つの分身が二人の奥底まで飲み込まれてしまいアルに磨り潰された反骨心とは別に、自立心すら溶かされていくような感覚が襲ってくる。
甘く脳髄に霧がかかるような甘い快楽が蜘蛛の毒の様に彼を蝕み、アリスの射精するたびに霧が深くなり、アリスの糸が脳の神経にまで入ってくる感覚がする。

 完全に脳が屈服した感覚の後アリスが彼にディープキスをしてきた。それと同時に彼の二つの分身から、一際大きな射精が起こった。その射精と同時に彼の体が子供へと戻り、アリスが嬉しそうに丁度胸の位置に来た彼の頭を抱き込む。
しばらくの時間がたつと、彼女は乳首を彼の口にねじ込み、ルイズと二人で撫で始める。時々つぼを押されたような感じになる撫で方が彼に射精を強く促してきた。何度目かの射精の後アリスとルイズが位置を入れ替えた。ルイズは笑いながら言う。

600 :名無しさん@狐板:2023/04/19(水) 23:59:42 ID:A4iGS+R7

「ほらほら、アリスの旦那様なんだから私にとっては義弟。お姉ちゃんに思いっきり甘え尽くしなさい」

 ルイズの撫で方はアリスよりも快感の引き出し方が正確性がない代わりに、脱力させるおおらかな感じの愛撫だ。それを見ながらアリスが言う。

「姉さんの方が甘えさせたり脱力させるのは上手なのね。中々上手くいかないわ」

「大丈夫よ、私の愛撫に慣れた後にアリスちゃんにされると効果が倍増するから。アリスちゃんにはアリスちゃんの長所があるでしょう。 それに、甘えて堕落脱力させるのも下手というわけじゃないし。魔女の名に恥じないくらいにはできていると思うけど」

「それでも、自分より上手い人がいるとそれくらいになりたいと思ってしまうものよ」

 二人が離れると彼は大人の体に戻り、この世界であるまじき女性優位の幼児プレイをしていた事実が彼の恥辱心を煽りぬいてくる。
そして最後とばかりにアリスが手を振ると彼の体が再び立ち上がる。玉座らしき椅子に座り、あたり全体を見て気づく、ここはかつて予知夢で見た全ての女性を屈服させていた閨だ。


『俺がどこかで折れたせいで、彼女達を支配する閨で逆に支配されることになってしまったか』

 彼の心の中を見通したようにアルが不意に否定の言葉を口にした。

「いえ、貴方は折れてないしあの予知夢はこれから実現するわよ」

「は?」

 間の抜けた言葉を出してしまう彼を見ながらアルがアリスに目配せすると、アリスが人形を動かす様に手を動かし始める。彼の体は完全にアリスに掌握されて、人形の様に動き出した。
 そしてそのままエヴァやリグル茶々丸までがいつの間にかこの部屋に現れると、表向きだけは男性優位の性行為が始まりだした。






「ああ、忠夫様、敵対してた時に生意気言って申し訳ありませんでした。許してください」

 茶々丸が口だけでは負けている様な声を出しつつ、迷宮の力でテレパシーを使い馬鹿にした言葉を送ってくる。

『早いですね。これで私やエヴァ様たちを閨の中で倒せると本当に思っていたんですか。早漏さん♪』

『やめて。テレパシーで罵らんといて。普通に口で言われるより辛い』

 アリスが抜群の演技力で彼の耳に息を吹きかけながら言う。

「忠夫様♪ さっき許してって言ったばかりだけど、また欲しくなっちゃいました。茶々丸が終わったら可愛がってください」

『忠夫、とっても可愛いわよ。早漏呼ばわりされたり些細な罵倒で直ぐ内心なく辺り、声が可愛すぎるわ。その弱い一物もたくさん精子出しているから一応生物学的には意味があると思うわ♪』

『あ、ああ……』

 アリスの優しい言葉にもはやまともな言葉すら発することができない彼をアリスは表向き閨で負けた雌奴隷の様に接しつつ、彼にだけ分かる嘲笑と慈愛の眼で見ている。
その目が表向きの態度こそが本来の男女の営みの姿だとより強く突きつけ、ある意味では普通に閨で負けている時以上に恥ずかしさが煽られる。



 何度も心が死ぬほどの恥辱心を味わいその度にありえない程の量の射精をし続けた彼の眼のまえでアリスが指を動かした。そしてそれを合図にかつて彼が予知で見た未来が展開される。
アルとエヴァとアリスの三人に上から多い被さり迷宮の主である悪魔アルと繋がりながらそれだけでは足りぬと、アリスとエヴァの乳房や尻を揉みしだき喘がせる自分。だがそれは表向きの話だ。
本当はアルと繋がっているだけで限界が来て何度も射精しているうえに二人に糸で操られ二人の乳房や尻を揉まされる度に射精の量が増えて快楽の地獄を味わっているのは彼だ。 乳房を彼の胸板で潰しながらアルが笑いながら念話を送ってくる。

『実はこれが過去の貴方が見た未来の真相よ。過去の貴方はこれを見て、私たち相手に男性優位の性行為ができると思って頑張っていたの。 ベリアルの力で本当だと嘘を本当だと思わせる力もマシマシで使っていたからね』

『イキってすいませんでしたアル様。だからもうこれはやめてくれませんか』

『過去の貴方に見せる映像収録完了だから別に良いわ。次はリグルちゃんと交代ね』


 リグルがかつて横島の家に敗れた悪辣な虫妖怪たちすら従えた物の証であるマントだけを羽織り彼の前に訪れた。動けない彼は馬乗りになられて騎乗されてただひたすら喘いだ。アリスが横島の人形を使い、
別の視点からそれを見せると、自分はかつて先祖が倒した外道たちの頭目に屈服させられているという背徳感と恥辱感が強まる。射精し倒れた彼を見下ろしながらあるが言った。

「今回一番の功労者に来てもらおうかしら」


 アルがそういって指を鳴らすとユウキが姿を見せた。彼女は笑いながら言う。

「見事に騙されて惨敗雄奴隷落ちしちゃった。忠夫、残念だったね」

「ど、どこからワイをだまし取ったんや?」

「逆だって僕はインプとして君に協力してたんだよ。アル社長と契約して君の使い魔でもある状態なることで、嘘を信じ込ませていたんだって。 アル社長もう良いですよ、契約一時的に切ってもらえますか」

「ええ」

 アルが契約を切った瞬間、ユウキは間違いなく自分だけの使い魔になったと彼には分かった。そして完全に自分の使い魔になったからこそわかる。 彼女は、嘘を言っていない。そしてユウキが腕を振ると一瞬で彼は瞬間移動を果たした。





 戻ってきた場所は自分の心の部屋だ。だがそこは既に、立ち向かうための攻略部屋ではない。今まで大奥迷宮で嫐られた絵画などが山ほどあるクリア後の記念部屋の様になっている。

 それを見て全てを察した彼が最後の答え合わせを求めるように彼女の方を見ると、ユウキは笑いながら言う。

「うん。本当は数回で忠夫折れちゃってたんだ。正確に言うと、折れてはいないけど負けて逆レされるのが癖になっちゃってた。だからアルさんからもらった力で、この世界の男子らしく、いつかは僕達を屈服させて見せるって気持ちでいるという、忠夫が自分についている嘘を信じさせたんだよ」

「お前がそうしてくれていないと俺は直ぐにゲーム―オーバーだったわけか」

「まあ、覚えてなくても前世の関りとかから、僕達を信じてくれているせいか、そこまで抵抗する意義を見出せなかったというのもあったんだろうね。だからアルさんに頼んで折れてないという自分に着いた嘘が本当と思えるように使い魔をやっている僕が調整して、さらに、実は非道な魔王かもしれないって嘘も信じさせたんだ」

「そうか」

「うん、でも嘘を取り除くとこの通り、忠夫の望みはこの世界の男性にあるまじき閨で女性に負けてイジメられるの大好き、ゴミ屑男だったのさ。 君の使い魔としての僕の力はこれさ」

 そういってユウキが彼を掴むと、今まで彼が印象的な敗北をして女性達に逆レイプをされた迷宮にテレポートをしていた。

601 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:01:01 ID:jdfizMiN

「今までの敗北で特に気持ちよかったのを再現しまくってあげるから楽しもうね。忠夫♪」

 ユウキが彼を押し倒すといつの間にか来ていた他の女性達が笑っている。ユウキと繋がった瞬間、一気に彼の意識が飛びそのまま彼の長すぎる夜が幕を開けた。







「あー!」

 何度も激しい快楽を味わい精神が限界を超えて完全に彼女たちの奴隷となった後、彼は今生に戻ってきた。周りには彼から精と霊力を奪いつくした彼の大切な女性達がいる。最後につながっていたユウキは満足そうに彼から離れると服を身に着け始めた。

 しゃべることすら億劫になった彼の眼をのぞき込むとアリスが、説明を始めた。

「これであなたは二、三日は動けないけど、今見た来世の実戦経験とかも体がある程度覚えたはずよ。そして私たちに調教され尽くされたから、もう敵の女の色仕掛けは聞き辛くなったでしょう」

 その言葉に彼は納得を覚えた。女権国家の女性に負けない手段の一つとしては、完全に味方である女権国家の女性に堕とし尽くされれば、敵の女性に堕とされる余地は消えるかもしれない。
そこまで考えてから、意識が落ちかけるといつの間にか来ていた。茶々丸とエヴァの配下のメイド人形達が近づいてきた黒髪のショートヘアのメイドが笑いながら言った。

「忠夫様、私達はエヴァ様の魔力で動く人形です。下手に肉体を持つと逆に罠にはまりやすくなる恐れもありますから。ですから、早く女権国家の仕事を終えてしまいましょう。そうしたら、付喪神となった私達の魂を神綺様に頼んだりして転生しますから」

 ルイズも彼に近づき夢の中の行為を思い出してくらくらとする彼の肩を持ちながら言う。

「忠夫くん、早くことを終えてアリスと共に何の憂いもなくいちゃつけるようになってね。私は女権国家の皇族に旅先で見つけた珍しい商品を売る仕事をしていたから、味方よりの中立くらいにしかなれないから早く、アリスと一緒に貴方を可愛がりたいから」

 他の女性達と同じく彼を現実でも嫐りぬいた彼女の声が意識が落ちる前の彼の意識に深く染み込んだ。意識を失う彼を他所にアリス達は黒髭の船のある方角を見た。恐らくは、彼に頼まれたことを全うできたとは思うが、彼の策は上手くいったのだろうか?

 アリスがそう考えた直後に大きな爆発音が遠くから響いた。間違いなくあれはティーチの船の方からだ。ルイズと意識を失った横島以外が驚愕したのを見て、一同の眼はルイズに集中する。最も現状を理解しているのは彼女だろう。ルイズは少し考えるとティーチと皇族たちどちらにも不義理でないラインを考えそれから答えた。

「多分だけど、ティーチの謀略が効きすぎたのね。彼の事だから自分が死ぬことになってもターゲットには確実に大きな傷を与えるでしょう。けど、獣の縄張りを犯す程度のつもりが、一番深く生存に関わる巣を突いてしまった。そんなところでしょう」


 ルイズの言葉を聞き全員がティーチを助けに行くべきか一瞬悩んだが、今回はいかなる事態が起きても援軍不要と言った彼の言葉と、横島を二日くらいは戦闘不能にしておいてほしいという言葉を考慮して撤退を選んだ。戦えない横島を最優先にした方が自然だろうし、そうしてほしいと多分彼は考えているだろう。





 爆発音が響いた元である黒髭の船は炎上し多くの兵士たちが逃亡の用意をしている。その中で全身傷だらけになった黒髭が、剣を構え敵と対峙していた。いくつか深手を負いつつ、それでも動きを致命的に鈍らせる様な傷は避けている辺り、多くの修羅場を潜り抜けてきた戦士であること彼は意識を集中しながら叫んだ。

「まもなく合図を出す、そうしたら一目散に撤退だ。わき目も振るな。とにかく逃げろ」

 黒髭が剣を構える中で彼の横にいる大鳳が前に出ようとするとティーチはそれを止めた。

「今の大鳳キュンではどうにもなりませんぞ。ここは逃げの一手です。 やれやれ少し策が効きすぎたかな。 最悪俺が死んでもあの女に深手は与えられそうだがな」

「ティーチさん生存できる見込みは」

 心配そうな大鳳の声にティーチはふざけた口調を改め、それでいて息子や弟を気遣う年長者の様な声で応じた。

「船乗りとしては忸怩たる思いですが我が身一つならどうとでも。とにかく今はお逃げください。提督の御子息殿」


 『提督のご子息殿』その言葉を聞いた瞬間目の前の敵=ベルファストの体から弾けるような殺気が迸り、メイド服をたなびかせ一気に黒髭の首を取りに切り込んできた。あまりにも完璧な型であるがゆえに機械すら思わせる連続攻撃をティーチは時に傷を負うことすら織り込み済みで受けながら下がる。
 大鳳はその戦いを眺めながらなぜこうなったのかを必死に考えて回想し始めた。今自分が取るべき、最善手を打ちティーチを助けるためだ。





 


 雛祭りの浄化の儀式を終えた後、大鳳はティーチに船に残ってほしいと言われていた。彼は敢えて陸上に船を停泊させて、大鳳に向かい話始めた。 普段は大鳳に対しても子供に対する甘い対応をする彼だが、
今の彼は提督の息子である大鳳に対して礼儀正しい態度になっている。この態度から察するに彼がかつて話した幾つもある出自のどれかは本当なんだろう。 提督に命を助けられた船乗りの子孫、
あるいは提督に駆け落ちを意図的に黙認された、高級士官と良心に目覚めて抜けた篭絡部隊の間の子供だったとか、他にも上げればきりがないが、どれが本当の出自でも提督の子供であると言うだけで彼が好意的になるには十分すぎる出自だ。 
ティーチは辺りを伺うと、大鳳の眼をのぞき込み真面目な口調で言った。

「大鳳殿、貴方にかけられた性質の悪い呪いの効果はいかがですかな?」


 ティーチの問いに大鳳は驚いた。確かに今は軽くなっている感じがする。アンリエッタ皇女を害する策はなかなか実行に移せないが、今の状況が拙いことはわかり、絶対に逃げなきゃという思いが強く湧いてくる。 大鳳の顔色の変化をティーチは皇帝と取ったらしく彼は言葉を続けた。


「もともと名剣でも鬼を殺した刀は鬼殺しの神通力を帯び始める様に、この船は自由を守る海の神の加護の元多くの悪霊を祓ってきました。故にこの船の船上なら大鳳殿のその呪いも多少は抑えることができるのでしょう。 しかし、解くことは今の所不可能に近い。大鳳殿、貴方はどうしたいですか」


 大鳳はそれを聞き考えた。自分はシノンやキャル姉の為にも生きなければならない。だが、仮に自分の失態で受けた呪いの為に仲間たちまで裏切るようなことになりさらに国を裏切るような事態になったなら、どれだけ多くの仲間に迷惑をかけることになるだろう。
その中にある大鳳の葛藤を見たかの様にティーチは言葉をかけてきた。彼のポケットの中で横島から譲り受けた文珠が『嘘』となっていた。彼はその文珠の力で、真実としか思えない嘘を口にした。

「大鳳殿、定期的にこの船に来られなさい。提督殿は半ば望む様にミク女史に殺された。もしも呪いが進行してしまったのなら、ジャギ殿や、横島殿にはできないこと介錯を拙者にお任せあれ。元篭絡部隊の女生と深く関わった俺だからこそ、やってはいけないことも分かっている」

 黒髭の手元には『導』に文珠が輝いていて彼の思想を多少誘導していたのも手伝い大鳳は深く悩んだ末に答えた。

「定期的にこの船に来るようにします。そしてもしも、僕が手遅れになっているようなら介錯をお願いします」

 黒髭は礼儀正しく従者や騎士の様な様子で彼に誓いを立てた。

602 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:03:48 ID:jdfizMiN

「お任せください。ミク女史が殺すより私がやった方が王国の内紛の可能性は低いでしょう。そしてこの船は自由への門出を司る神々の儀式を受けた船。この船で殺されれば貴方の魂は必ず良き場所に行くでしょう。 
猶予はあまりありませんぞ。早く解呪を急いだ方が良いかと介錯の準備を申していますがな。やはり提督殿の御子息だからこそ、最後も篭絡されて裏切る前に死を選びますか。提督殿に恩ある一門としてその意図叶えましょう」


 そう答えた瞬間突然陸から人間離れした動きで人影が船に飛び移ってきた。純白のメイド服に身を包み銀色の髪を棚引かせた美貌の主、ベルファスト。彼女の眼は大鳳に向ける慈愛の眼でなく、殺人機械を思わせる目に転じていた。
そしてその視線はティーチに注がれている。 さらにアンリエッタ皇女御用達と思われる傭兵部隊や戦闘に長けたメイド達の姿もある。ティーチはその光景を見て内心でほくそ笑んだ。ことがなったと。




 ベルファストはアンリエッタ皇女が大鳳に仕掛けた盗聴器、ルイズが頼まれてつい先ほど仕掛けたらしい高級品からのやりとりを効き、目の前が真っ赤になった。
各地で霊的トラブルが多く起こり狂三が一時間だけ、かかりっきりになると聞いた直後の事態だった。彼女の中ではティーチ殺害、あるいは大鳳が自裁する為に必要なものの完全破壊がミッションとして浮かぶが、
辛うじて最後の理性がそれを阻んでいた。だが、彼女のそれを外してしまう声が響いた。無線先のアンリエッタ皇女の声だ。

「ベルファスト責任は私が、取ります。あの子の自裁に必要な呪いを弱め自殺できるメンタル状態を取り戻させるものを破壊。場合によってはティーチを」

 アンリエッタの声は冷静さを失い手負いの獣を思わせる様子だったが、それでもティーチを殺せと言わないのはそれがどれだけ拙いことか彼女が理解しているからだろう。 
大鳳と言う戦争の最低限の暗黙のルールを破られ親を殺された被害者が性質の悪い呪いを受けて、売国行為をさせられかけている。その意を組んで介錯しようとした女権国家人、犯罪者でもない自国民を殺害しろと皇女が命令したらそれこそ終わりだ。
そもそもこの通信事態冷静な状態のアンリエッタならありえないものだ。ここは敵の罠の中、皇室の回線を通じた通信をティーチは絶対に盗聴している。そして確かな証拠とするだろう。それが分かっていてなお大鳳が殺されるかも、
その事態がアンリエッタ皇女の冷静さを著しく奪っている。 アンリエッタは最後の理性で殺害を命じる言葉を飲み込むとベルファストに命令を下した。

「あの少年は私が好きな殿方です。呪いがかかっていても、それは変わりません。『いかなることをしたとしても』責任は私が取りますから彼が自裁できない状態に持って行ってください」

 アンリエッタのこの言葉はティーチ殺害すら許すというものだ。だが、この発言なら意図した殺害ではなく、過失致死となるだろう。ベルファストは飛んだ。皇族の命令でやったとなれば今回の件では自分は責任を問われない。
『どんなことをしてでも』大鳳が自裁できる環境を破壊する。アンリエッタ配下の戦闘に長けたメイド達と傭兵を率いて彼女は一気にティーチの船に突撃した。





 アンリエッタ皇女から信じられない速さで届けられた女権国家でもめったに作れないオカルトの力も込められた超高級焼夷弾を曲芸師の様に飛びまわりながらばらまき、傭兵たちにもばらまかせ彼女はティーチと大鳳の間に立った。 ティーチは薄ら笑いを浮かべながら前に出た。

「王国への忠義とまどか王女への愛に準じようとする提督の御子息の妨害をしようとは感心しませんな」

 ベルファストにはティーチの軽口がもはや耳に入ってはいなかった。大鳳とティーチが密談している位置こそがオカルト的な船の守りの硬い場所だ。そこに大量の焼夷弾を打てば一気にこの船が沈み切る。
 ティーチの配下の海賊団も決して弱卒ではない。むしろ精兵の端くれを名乗れる程度には強い。だが今この船を襲撃しているのは大鳳への好感度ドーピング済みの近衛兵めいたメイドと皇室からも声がかかる傭兵団だ。さすがに相手が悪い。 そして連続攻撃を仕掛けると戦い慣れたティーチは押され始めた。






大鳳は全ての状況を思い出した後自分が、取るべき行動を見いだせずにいた。しかし、戦場に直ぐに変化が訪れた。ベルファストの猛攻を辛うじてしのぐティーチそこに、何人かの特に強かった彼の部下が脱出してこちらに来るのを見越した時に彼は叫んだ。
部下たちがベルファストにピストルを撃ち、彼女に隙ができた瞬間ティーチが外套を脱ぎ叫んだ

「大鳳お前は、逃げろ。部下共聞こえるか。俺が死んでこの船が燃え落ちたら、俺の今脱いだ外套だけは持って逃げろ。それがあれば大鳳殿の望みは叶えられる」

 これは嘘だが『嘘』の文珠の効果でとても上手な嘘となった。それを聞いた瞬間、ベルファストがティーチに切り込んだ。 ティーチの殺害はベルファストにとっては目的ではなく手段に過ぎない。彼女が最も優先すべきはこの船の破壊だ。
だが今もう一つ目標ができてしまった。このティーチの外套あるいは中にあるものを破壊しなければならない。 ティーチに弾丸すら思わせる速さで彼女が迫るとティーチは不敵な笑みを浮かべて構えた。


 ベルファストの連続攻撃がティーチを何度も捕らえたなか、機械の様に正確で最善手を打つからこそ、癖を呼んだティーチは幾つか深手をもらうのと引き換えに鉄の篭手に包まれた拳を彼女の肺のある場所に打ち込んだ。 
そしてその重すぎるカウンターをもらったベルファストの反応は不敵な勝利を確信した笑みだった。 ティーチは僅かに動揺した。手ごたえからして間違いなくクリーンヒットをしたにも関わらずなぜ。刹那にすら満たない同様の時間はベルファストの次に繰り出した蹴りで彼が吹き飛ばされることで終わった。

 大鳳が逃げたのを確認するとベルファストは大鳳とティーチがいた場所にありったけの焼夷弾をばらまいた。そこかが燃やされると霊的加護が破られたためか一気に他の個所の炎上も激しくなった。 辛うじて立ち上がったティーチが『癒』の文珠を使いこちらを見ているのを見て向かいうとうとする彼女に無線機から狂三の声が響いた。

「ベルファスト今夜はこれで終わりになさい」

「狂三様。アンリエッタ様は」

「一時的に私が拘束と言うか眠らせましたわ。今回は貴方が負けたというより、皇女様がティーチに謀略戦で完敗しましたわね。 最も自覚できていなかった弱点を不意打ちで殴られたらこの醜態も仕方ありませんけど。 本当に幸運極まることに誰も死者が出ていませんからまだらぎりぎり取り返しはつきまわすわぁ」

 ティーチが付いた弱点、アンリエッタ皇女が無自覚で、大鳳に対して本気で恋をした状態になっているそれを彼は見抜き、敢えて彼の意を組んで殺害することすらほのめかしたのだ。
そしてこの船を破壊すれば彼の自裁を止められるという餌も用意して、謀略家としては百戦錬磨でも男に本気で入れあげたのは初めてな彼女は見事にその策に嵌った。狂三は苦々しそうだが、ティーチを見る目はできる息子を見る母の様でもあった。

「女権国家の男性は弱くて情けないと固定観念にとらわれすぎでしたわね。アドルの様な例外がでたこともあったのに。 とにかく早く戻ってきなさい。 それと今すぐエリクサーをお飲みなさい」

603 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:06:00 ID:jdfizMiN

 ベルファストはそれを聞き、渋った。もはや船は完全に焼け落ち今の所は大鳳が自裁する可能性は殆どない。そのためか彼女の心に余裕ができた。
その考えが告げる今回の件は明らかに失態だ。その失態で傷を負った自分が女権国家でも十年に数本しか作れない高級品を使って良いのだろうか? 悩むベルファストに狂三の言葉が続く。

「今貴女がティーチに殺害されたら、正当防衛扱いになってしまいますわぁ。今の貴女は好感度ドーピングの中でも愛しの殿方が死ぬかもと思って俗にいう火事場の馬鹿力になった状態。 意中の殿方の安全が確保されて、それが切れてしまえば直ぐに反動が来ます」

 その言葉が終わったのが合図の様に肺を殴られた時特有の呼吸困難によるしびれの予兆が彼女の全身に出始めた。ベルファストは膝をついた直後、
体が完全に動かなくなる前に躊躇いなくエリクサーを飲み下した。肺の痛みが引き体のしびれの予兆が一気になくなった。




 ティーチは攻撃が一気に緩んだのを確認すると、ベルファストが崩れ落ち、エリクサーを飲んでから撤退する姿を部下たちが見たのを確認すると撤退の合図を出した。
この光景を見せることで絶対に勝てない怪物だという恐怖が部下に浸透するのを防いだのだ。


 大火が起きた後モヒカン軍団や北斗姉妹、横島と縁深くなった女性の人外などが集まり、援軍として訪れ、事の仔細は警邏隊に報告された。 女権国家という国柄の為か、
アンリエッタに与えられた政治的な打撃は他の国でこれが起きた場合と比べれば凄まじく小さかった。 ティーチが介錯しようとした相手が大鳳だったことと、
男に入れあげすぎてやってしまったことに関しては女権国家の国柄的に寛大極まるというのもある。 一番決定的だったのは死者が一人も出ていなかったことだろう。




 



 警邏隊に報告を済ませたティーチが横島の所に出向いてきた。彼は新しい船の購入の準備をしつつ、横島に報告に来た。わざわざ来ると言うことは、それなりに重要な事なのだろう。


「もう知っていると思うが、ルイズさんは俺とアンリエッタ両方と取引をしていた。あの日俺の依頼で、俺からの挑発めいた情報をアンリエッタ皇女に届けたのは彼女だ。そしてその手段としてアンリエッタ皇女からの盗聴器を大鳳に仕掛けたのも彼女だ」

「そうか。それでまだ何か言うことが」

「基本的にルイズさんはお前に好意があるし、アンリエッタよりはアリスや横島お前を取る。だが不思議なことにアンリエッタ皇女にも友情みたいなのを感じているみたいだから、
あの皇女を完全に葬る機会とかが万一来たら、彼女の支援は当てにするな。むろんアンリエッタが悪辣な罠を仕掛けてきた場合は、無条件で味方になってくれると思うがな」

 ティーチはこれを彼に伝えたかったのだろう。 横島は不思議に思ったルイズというアリスの姉は善人とまではいかないが、どちらかと言えば善によった性格をしている。その彼女がなぜあの性悪皇女と仲が良いのだろうか? 思考に沈む彼をティーチの言葉が現実に戻した。

「それとなぜかは知らないが、アンリエッタの奴は多分冷静に戻った。これ以上の政治的な傷を与えるのは難しい。 良識的な宮廷勢力と溝は大きくなったし、彼女の頼みを聞くのを渋る勢力は増えただろうが、
これ以上傷は深くならないだろう。完全にあの女の政治的な手足を切断できなかった以上、少しずつ傷が浅くなっていくだろう」

「どうしてわかるんだ?」

「理屈じゃねえ。 だが今から俺の言うことを聞けばわかってもらえると思う。俺はあの日船乗りにとって命の船を再生不能になるかもしれないレベルで壊れる可能性もある賭けに出て、船が完全に壊れたって点では負けた」

「ああ」

「そして俺は先に逃げた俺と大鳳くんのやり取りを見ていた部下に『伝』の文珠を持たせて、先に状況を伝え、自分でも嘘にはならない範囲で事実を話した。大鳳が性質の悪い自国を裏切るかもしれない呪いを受けているとな。
警邏隊もティアナさんとリンネさんがオカルトがらみの事件に首を突っ込んだことがあるせいか、オカルトの実在くらいは知っている隊員の方が大多数になっている。そこで大鳳くんの介錯に必要な船を再び得るために俺は沢山の悪霊祓いとかを特定の船に乗ってやる必要があると伝えて。
そしてネロ陛下から賠償金を受け取り、ストレリチアと関わりの深い造船上などに行ったが、あらゆるところから妨害を受けている。多分、アンリエッタが手を回したんだろう。そして大鳳くんに惚れている女たちの自主的な邪魔も相当ある」

「ああ。それで何か分かったのか」

「俺は大鳳くんに惚れている女性がいない良識派の海と関わる様々な商会や宗教施設ともパイプを持っている。皇帝の配下って程じゃないが宮廷御用達の所もある。
そいつらも宮廷からの圧力の結果、俺の新しい船、大鳳くんの介錯場所の誕生を阻止しようとしてきてはいる。だが、あれは妨害を仕掛けてきている相手、つまりアンリエッタ皇女が明らかに本気じゃねぇ。
陸の事は専門外だが海に関わることは俺のフィールドだ。だからわかる本気で妨害しようとしている振りだ。 確かな証拠があるわけじゃねぇ。 信じるかどうかは任せる」

 ティーチの船長口調を聞きながら横島も少し悩んでから答えた。

「商会であれなんであれ海に関わることは前が本業だ。だから、本気じゃないってのは多分当たっているだろう。だがお前が大鳳を殺せないっていう事実がばれて、大鳳を介錯するってのが、はったりだってばれた可能性はないのか?」

 極めて低いとは思いつつ、一応その可能性もあるか否かを聞くと黒髭は首を横に振って答えた。

「ゼロとは言えないがその可能性は極めて低い。 取り返しのつく悪行だったから裁判中のアンリエッタのあの様子、あれは明らかに俺に勝ったという感じじゃねぇ。一番恐れている事態が結果的に起きなくなったと思っている。棚ぼたで命拾った時の顔だった」

 横島はそこまで聞くと、黒髭に今回の協力の礼を言い今後の予定を頭の中でまとめると口にした。

「アンリエッタ皇女はとりあえず、大鳳の自裁を止めるために必死の演技をしているから、しばらくは無駄な人員を割くことになるだろう。とりあえず演技であると知れたことはでかい。ティーチが船で悪霊払いなどをできる件数が減るだろうから、俺の能力を上げたいなら陸で動いた方が良いか」

「それか拙者たちを戦死させるようなぎりぎり勝てない怪異とぶつけるかもしれませんな。そうなったらヘルプよろしくお願いしますぞ」

 いつもの砕けたオタク口調に戻ったのを見て、聞かれては拙い内容はもう終わったのだろうと彼には分かった。横島もアンリエッタがなぜ冷静になったのかと疑問に思いつつ、少なくとも政争的に軽くはない傷を受けたのだと前向きに考えることにした。







時は昨夜の夜にさかのぼるアンリエッタは自分の部屋に甘い香りが漂った直後に意識が遠のいたことに気づいた。不意に部屋の時計を見るとメイドに今日の日付を聞き、まだ時がそれほど立っていないことに気づく。

「あの後。どうなりました。彼の自裁場となりかねないあの船は焼け落ちましたか」

アンリエッタの滅多に見せない剣幕に怯えるメイド達を避けて不意に穏やかな声が響いた。

「心配しなくても船は焼け落ちたわよ。 ちなみに貴方を眠らせたのは戻ってきた狂三様。 今回初めて男に本気になった皇女の醜態の後始末に奔走中。ネロ陛下は事情を聞いて死者ゼロだと知ってほっとしているわ。あとで色々とお話があるって」

 声のした方を見るとそこには彼女の趣味が真逆の友人、敵対者である横島の情婦の一人アリスの姉ルイズの姿があった。船が完全に焼け落ちたと聞き、僅かに余裕を取り戻したアンリエッタを諭すように彼女は言う。

604 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:08:40 ID:jdfizMiN

「自分でも大鳳くんにあそこまで入れあげていたって無自覚だったんでしょう。今回は謀略の素人に惨敗ね。 最も自分で自覚できてない弱点を警戒していない角度から殴られたらそれもしょうがないけど」

 言われてアンリエッタは首を縦に振った。 そして冷静に戻った頭でルイズの様子を観察し始める。多分だが今回の件に関しては彼女は自分を陥れる様な事は一切していない。
せいぜい敢えて助けはしなかったというぐらいだろう。 ルイズの次の言葉を待ちながらアンリエッタは彼女と自分の関係は実に奇妙だと思った。ルイズはどちらかと言えば善人寄りであり、
善良な男性に惨いことをする様な女権国家の女性は嫌い、気が向けば善良な男性を助けてそういう女性を警邏隊につかまるように仕向けることも多々ある。 そして基本的に畜生な行為をする自分とは合わないはずだが、
出会ったときから彼女は自分の行いに意味深な笑みを浮かべることはあっても、自分を嫌うことはなかった。皇族としての観察眼がそれを告げている。 

自分も自分でなぜか彼女の営む骨董品店に出向き一目見た時から、彼女に好意を感じ『ルイズ』という名前を聞いてからはそれが特に顕著になった。 人は名前に縛られ因果に影響を受けると言うがそのせいだろうか?
ルイズとの付き合いを思い返すと証拠はないが、善良な男性に惨いことをした時に自分のそういう行為を嫌う派閥に幸運が訪れ、それが自分の災難となっている事が何度かあった。
多分幾つかは彼女の仕業だったのだろう。 そんな相手を排除するどころか、私的な場だけとは言え対等に振舞う許可まで与えているのは自分としてはかなり珍しい行動だと思う。

 ルイズもルイズでアンリエッタが善良な男性に惨いことをした時に見せる意味深は笑みを浮かべた時はに、なぜかこの女を嫌いになれないと不思議に思っていたのだろう。
その証拠にルイズは悪行の報い以外でアンリエッタの命が危ない時等は格安で掘り出し物のマジックアイテムなどを届けてきたりすることも多くあったのだ。

 過去を思い返し彼女の行動を予想しようとしているとその思考はルイズの言葉に断ち切られる。

「アン、狂三様がげんなりした様子で、『大減点ですわぁ』とか言っていたわよ。予測通りティーチさんが確かな盗聴記録を持って警邏隊に駆け込んだから。とりあえず死者が一人も出ていない。これが貴女の政治生命消失を決定づけたわ」

ルイズの言葉を聞きながらアンリエッタは次の言葉を待った、彼女は基本的に意味のないことは言わない。もしかしたら奇妙な友情から自分がこれ以上自爆しない様に止めに来ることもあるだろうが、
今回は商談を持ちかけようとしている時の顔だ。アンリエッタが完全に冷静になったのを見るとルイズが言った。


「察しが良いようで助かります。アンリエッタ皇女。『大鳳くん自裁確立激減セット』の販売に参りました。旅行先で私が得た物も含めてこのお値段です」

 ルイズが出してきた請求書は、アンリエッタが現在支払っても問題がないギリギリの額だ。高すぎると思い彼女を見ると、ぼろ儲けだという商人の笑みと、
過去に善良な男性をひどい目に合わせたことが彼女にバレた時の意味深な笑みの中間のような顔をしている。アンリエッタは迷わず購入を決めた。だがその前に確認しなければならないことがある。

「購入しようと思います。ですがその前に聞かねばならないことがあります。ルイズなぜこれを私に売ろうというのですか。売らない方が貴女と貴女の妹が執着している彼にとってもいい方向に事が進むのでは?」

 商売が絡んだ時ルイズは絶対に嘘は言わない。その点を信じていたからこその質問にルイズは真顔になって答えた。

「大鳳くんに自裁されると私も困るのよ。忠夫くん多分だけど、精神的再起不能一歩手前くらいまで行っちゃうかも。最悪一歩手前どころかそうなる可能性もあるから」

 これはティーチの失敗だったと言えるだろう。彼は謀略にもそれなりに優れていたがその道のプロではない。彼が大鳳を殺せないことをキャルやシノン、
ミク等と同じくルイズにも打ち明けておけば彼女はこの様な取引をアンリエッタに持ち掛けなかった。その返答を聞きアンリエッタは安心した様にペンを走らせ始めた。

「あら? 値切らないの?」

「一度了承した取引で値切るなんて皇族としてありえません。今回のルイズの友情とてもありがたく覚えておきます」

 アンリエッタの言葉の裏を読み取りルイズもにっこりと笑った。多分本来より何倍も高くしていることをアンリエッタも気づいているのだろう。 後で『友達からの恩返し』を警戒する必要があるなと思いながら彼女は商品をアンリエッタに差し出した。


 その商品の購入が済むとルイズが魔法でどこかに連絡を飛ばした。しばらく経つと現れたのはベルファストと狂三の二人だ。ルイズは二人に一礼すると横島からもらった文珠に『伝』の字を込めて三人に情報を伝えてきた。


「これで。彼の自裁はほぼ絶対に起きないでしょう。その『大鳳くん自裁率激減セット』は王国諜報部に迷惑にならない様に幾つもの契約が仕込まれているから。分析とかしたら用途を終える前に壊れるからね」

 ルイズが姿をくらました後、狂三とベルファストがアンリエッタの部屋に入室してきた。アンリエッタは僅かだが戸惑った彼女たちは、とてつもなく上機嫌になっている。
ベルファストはまだわかる。大鳳が自裁する可能性がほぼゼロになった夜なのだから。だが狂三の方は理解の埒外だ。彼女は一応女権国家人であるなら、
男性も自分の子の様に思っている。悪いことをしたわけでもない女権国家人を大量に殺害しかける命令を出した上に、謀略戦に負けて法に背いた暴力に訴えるという醜態を皇女が見せた。
さらにはその後始末に奔走した直後というおまけつきだ。このことを考えれば上機嫌になる理由などない。その逆はあるだろうが。 困惑する彼女を他所に狂三は本心からの上機嫌な様子でアンリエッタに話しかけてきた。

「皇女様。此度の失態の埋め合わせと参りましょう。その為に女権国家の財産となっている、大鳳くんが失われる事態の回避が最優先ですわぁ」

 そういうと狂三は笑いながら大鳳の人形の様なものを取り出した。今ルイズに渡された商品に入っていたものだ。そしてその横には同じく商品の中に入っていたらしい、横島の文珠、『易』の字が込められているがある。狂三がそれを手に取ると面白そうに笑いながら説明を始めた。

「これは私と大鳳くんの間に子が生まれた際にその子(妖精騎士トリスタン)用の人形ですわぁ。本来なら娘様だけど、一時的にあのバンダナの殿方の文珠で使い『易』くして、私でも十全に効果が発揮できるようですわぁ」

 狂三はルイズが持ってきた包みに入っていた、大鳳の髪を取り出し、その人形に入れた。それが終わると、ルイズが部屋に戻ってきた。彼女は笑いながらアンリエッタに言う。

「商品を使うべき場所へは私がテレポートさせてあげる」

 ルイズが手を振ると眩い光が辺りを包み気が付くと彼女たちは、横島が来世の選択を迫られた川辺にいた。狂三が自分が手に入れた人形と彼女達を模した雛人形が黒い渦に飲まれていく。




 

 黒髭とのやり取りの後焼けた船から逃れて、安全地帯にたどり着いた大鳳は、不意に意識電池が切れたかのように、眠りに落ちた。そして彼は気が付くと、『悪魔の作り出した大奥破壊。女の奴隷からの下克上、女王様たちを奴隷に落とせ、悪夢の大奥迷宮制覇録』の世界にいた。

605 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:09:31 ID:jdfizMiN

 不意に大鳳の分身が激しい快楽と共に精を吐き出し。それと共にこの世界の記憶が彼に流れ込んでくる。自分は横島と共に大奥迷宮踏破をしていたが、途中で折れてしまい離反した。そして他世界から来た淫魔と前世からの敵である女達に嫐られている。 
目の前の豊満すぎる乳房が眼前と後頭部に押し付けられ、潰されながら女陰に飲まれた分身から大量の精が吐き出される。何度も抜くことが許されないまま、敏感になった分身の先端をなぶるように腰を動かしていた眼前の相手は笑いながら彼から離れた。

 裸でも高貴な身分だと分かる気品あふれる美女、アンリエッタは笑いながら言う。

「大鳳くん、知ってますか? ここで貴女が射精すればするほど大奥迷宮の主は強化されていくんですよ。失態を犯してここに変われる雄奴隷になった、貴方を救うために頑張っている横島さんが夢の中とは言え、大怪我して痛みを味わっているのは何割かはあなたのせいですね」

 勝ち誇った笑みと共に彼女が座ると、後ろから彼を抱きしめていた、ベルファストは赤子を持つように大鳳をアンリエッタの足元に置いた。迷宮に屈服した彼は抵抗できず、そのまま椅子にかけるアンリエッタの足で分身を嫐られ始める。

「あ、ああこ、こんな」
 本気で泣きそうな彼の涙を狂三とベルファストが左右からなめとり面白そうな笑みを浮かべた。 アンリエッタは本当に楽しそうな笑みで言葉を続ける。

「本当にこの世界は素晴らしいですね。『穢れなき純潔の束縛』をかけたら、王国以上に閨で女性に負けるのが恥ずかしいという観念まで固定化されるのですから」

 アンリエッタの敢えて直ぐに達しさせることができるのにそれをさせない足さばきで大鳳の反応を愉しんだ。

「頑張って耐えてますね。貴方を救うことを考えて頑張っているお友達の為ですか立派です」

 足蹴にしている分身の反応から友を裏切っているシチューエションが余計に彼を興奮させていると分かった上で、アンリエッタは笑う。そして彼女が踏みつけると一気に彼の分身が爆発した。 アンリエッタの足を通じて彼女と迷宮にそれが吸収されてしまい、一気に迷宮が強化されていくのが分かる。

「泣いている顔可愛すぎます。はしたなくも我慢ができません」

 その言葉と共にベルファストが彼の唇を奪いかつてと同じように口づけをしてきた。今回は容赦なく彼の分身を飲み込んでくる。彼女に飲み込まれた分身が口の中で舌がはい回るたびに彼女の中で跳ねて精をまき散らす。それを見ながらアンリエッタが笑顔で残酷な事実を口にする。

「迷宮がドンドン強くなっていますよ」

 彼女の笑みにベルファストを僅かに引きがそうとすると彼女が容赦なく抱き留めて、来た。唇を話すと体制を入れ替え、騎乗位に変えて言う。

「今は私の事だけを見ていてください」

 彼女が本格的に腰を振り始めると分身に雷が落ちたような感覚が起こりそれから彼は実験動物の様に、痙攣し続けた。

 大鳳が動けなくなると狂三が代わりに上に乗ると激しい快楽とは反対の甘く緩い毒の様な快感が彼を襲い始める。彼女は溺れさせるように仰向けの彼に体を押し付けながら言う。

「とても気持ちよく天上に上ったようでしょう。永遠にこの快楽を味わっていたいでしょう? でも今回はやめた方がよろしいかと」

「え?」
 
狂三に乗られた途中から完全に脳が壊れ切った様子の大鳳を見て狂三はベルファストに指示を出した。

「ベルファスト。ルイズさんが持ってきてくれたあれの容易をそれまでは彼を溺れさせておきます」

「はい」


 楽しそうなベルファストの声に何か危ないと思ったが狂三のもたらす感触がすべての思考を奪っていく。時々この世界の男性が女性を閨で圧倒するのが当たり前だという、常識が蘇るがそれすらも余計に彼女の中に放つ精の量を増やす媚薬の効果しかない。


 戻ってきたベルファストは大鳳の背中にアリスが横島に使っていたのと同じ類の大鳳の分身を模したそれを持っている。彼女が笑いながらそれを彼の背に着けると迷宮と陸八魔アルの力で本物の彼の分身と変わらなくなる。
アルもまたティーチの嘘があまりにも上手すぎたために、彼が死んだ歳の横島の精神状態の危惧と大鳳くらいの子供をどんな理由であれ死なせたくないと思い、しぶしぶ協力した。
狂三ができた妹とアルの事を思いつつ、ベルファストと共に彼を挟んだ。二人に挟まれた瞬間、大鳳は言葉にすらならない悲鳴をひたすらに上げた。脳が焼き切れそうになる二人の抱擁を受けながら二人が百合的な口づけをかわすと、そのまま彼を嫐る二つの膣の締め付けが増してくる。

「いやー!」

 二人が百合的にお互いを愛撫し始めた時に涙を流し始めたのを見て、狂三が彼の顔に乳房をより強く押し付けてくる。四つの乳房に頭を挟まれながら何度か二人に射精を終えると、ベルファストが笑いながら背中の分身を取り外す。
 途端に目の前の分身だけが快感を受ける様になって、前の分身の射精量がまし余計に彼を苦しめる。増やされても地獄、外されても地獄の快楽が彼を嫐りぬいた。 アンリエッタが時にベルファストや狂三と交代し、混じると余計に彼の精神がかき回された。


 数えきれないほどの射精の後、前後不覚となった彼が倒れ、意識を失いかけた時に狂三が『信』の文珠を彼に使った。 
びくびくと痙攣していた彼をベルファストとアンリエッタ、狂三が三人がかりで胸で分身を嫐る中で狂三が言う。

「大鳳くん、この世界の人達にはあまり迷惑にはなっておりませんけど、貴方は前世の王国に凄く迷惑をかけていますよ」

「な、なぜ」


 三人の胸に抜かれて射精した彼に向って狂三が玉袋を揉みしだきながら言葉を続ける。ベルファストとアンリエッタは口で分身をなめまわし時には口に含み冷静な思考を一切取り戻させない。

606 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 00:11:14 ID:jdfizMiN

「貴方様の前世は王国の救済神として祀られていますから、貴女が射精するたびに王国の救済神の力が女権国家に流れて行ってます。
アンリエッタ様にした分は王国に敵対する女権国家の神々に、わたくしとベルにした分は悪魔達に。貴方が存続させた王国はもう、おしまいですわねぇ」

「そんなー」

 絶望に染まる大鳳に狂三は悪魔のささやきともいえる甘い言葉を耳元でささやき始める。

「ですが心配することはありませんわ。これは貴方が何度か使ったらしいイフの世界を見ることができる施設と今の所は変わりません。この未来が実在する可能性は一つだけです」

「そ、それはどうすれば」

「自裁や自殺をしない事です。自らの意思で命を断った場合に限り、この世界に転生するように術式を組んでおきました。 今の時点で貴方は王国を救った英霊確定ですから、自裁してここにきたら神様までいかなくても多大な迷惑が王国にかかりますわね」

 安心させた後狂三は言葉を続ける。

「だから今は、一夜の夢と思ってひたすら快楽に溺れてくださいませ」

 狂三が手で弄ぶのをやめて舌を這わせ始めると彼の完全に全てを理解する機能が壊れた。かわるがわる口に含まれる度に、ビュルビュルという音が脳の中に響き、そして彼女達が精液を飲み下すたびにこの迷宮と女権国家の霊力が強化されていく感じがした。
最後にアンリエッタが彼の分身を口に含み吸い乱した時に起こった射精と同時に彼の意識は完全に砕け散った。






 現実世界に帰還した大鳳は、間違いなくあれはただの夢じゃないと察した。夢精したような跡は一切ないが、自分の霊力が吸い取られ切っていることがわかる。
凄まじい快楽を味わったのになぜか一切後遺症が残らないのを僅かに不思議に思いつつ、彼は自裁だけは絶対に不可能だと胸に刻んだ。







 大鳳たちを嫐りぬいた後のアンリエッタ達は大量の霊気や気を吸い取り体調が著しくよくなった感覚を味わっていた。狂三は少しだけ不満な様子だが、疑問めいた目を向けたアンリエッタに彼女は答えた。

「横島くんを相手にしていた女性達がうらやましいですわぁ。精気だけでもこれほどなら、彼女達がしたみたいに現実でも同時に味わっていたらどれほどだったのでしょう」


 そういう彼女にベルファストが笑顔で言う。

「狂三様必ず、私が彼を魅力で堕として捕えてまいります。その時にはそうしましょう」

「よろしいですわぁ」

 そこまで言った後、狂三がアンリエッタに向けて声をかけてきた。

「皇女殿下、恐らくは大鳳くんが自裁を選ぶ可能性はゼロに等しくなったとは思いますが、今回の件でティーチを殺そうとするような真似はおよしください」

 アンリエッタがティーチを殺そうとする可能性はゼロに等しいとは思いつつ、狂三がこういってきたのは、彼女から見てもティーチは女権国家人だから子供の一人だし、
何より『今の所は』ティーチがしている謀反や敵対行為は戦端が開かれた時に殺すならまだしも、和睦が済んだり降伏して来たなら処刑するほどではない。謀略戦などで死刑は視野に入れるべきではない程度の敵対しかしていない相手をルールを破って殺すのは狂三が嫌う行為だ。

 ここまで言われてアンリエッタはルイズの意図を知った。他にもオカルトに明るいものは四惑にいるだろうに敢えて狂三をよこしたのは、狂三がこういう風にアンリエッタに釘を刺し、私怨によるティーチ殺害を『現状では』認めないことも読めていたからだろう。

アンリエッタは答えた。

「ええ。狂三様、今回は謀略戦の自分の隙を教えてもらったと思って、私怨をもって彼を害したりはしません。 むしろ今は、窮地に落ちた時に温かい友情を示してくれた友達にどうお礼するかで頭がいっぱいですわ」

 アンリエッタの友達と言った時の言葉の圧に狂三は僅かに引きながら答えた

「そ、そうですの」

「ええ、本当に良い友達だと今回の件で痛感しました」

 答えながら、アンリエッタはルイズへのお礼を考え始めた。証拠はないが大鳳と出会う前に彼女が善良な男性をイジメた時にしてきた嫌がらせの報復をした場合やりすぎたかもとアンリエッタが思った時も、その件で報復してきたことはなかった。
多分だが、自分はそういう報復も受ける覚悟済みでやっているからあまり怒らないのだろう。今回は多少過激なお礼をしても良いだろう。大鳳を得る計画を実行に移すまでは暇つぶしができそうだ。





 横島はユウキとアリスと共にルイズが申し込んだ高級旅行に同行していた。なんでも凄い臨時収入があったらしい。

「忠夫くん、体の調子はどう」

「来世の可能性を仮想体験した結果の経験値がまだ体に馴染み切っていない感じがします。
ただ馴染み切ればかなり力が上がるかと。しかし、臨時収入ってどうしたんですか」

「アンリエッタ皇女が窮地に陥った時に窮地を脱するのに必要なアイテムを相場の二十倍近くで売り付けてやったのよ。私を友達認定したのに、善良な男の子をイジメてるペナルティみたいなものね。彼女当分懐が苦しいから悪いことできないんじゃない」

 それを聞くと横島はルイズの手を握った。

「ありがとうございます。ルイズさん。これであの畜生皇女も当分おとなしいでしょう」

 横島は賑やかな時間を過ごしつつ、大鳳の事を思い出した。ルイズが旅行先から仕入れてきたアイテムのおかげで多少呪いが軽くなっていた、彼はどうなっても自裁をしないだろうという様子に変わっている。
だからこそ今は気楽に旅行に来ることができた。ルイズがその謎の直感で高価な魔法アイテムを見つけてくれるかもしれない。願わくばそれが、大鳳を救えるようなモノであってほしい。そう思いつつルイズの骨董品の捜索を手伝い始めた。

607 :名無しさん@狐板:2023/04/20(木) 18:14:53 ID:aPeJzB3g


608 :582:2023/04/20(木) 20:12:54 ID:jdfizMiN
>>607
乙感謝です

609 :582:2023/04/20(木) 23:08:07 ID:jdfizMiN
今回投下したSSで一応補足なしでも話が通るけど、補足した方がよさそうなことがあったので追加を。
大鳳くんを蝕んでいる呪いは、本編でももらっている『穢れなき純潔の束縛』ですそれの効果でアンリエッタに対する、
好意と従属心が増しているのでティーチに介錯を頼みかける心が芽生えていたという設定です。
ティーチはそれを利用して、アンリエッタに敢えて聞かせて、大鳳くんを殺すふりをしてのけていました。アンリエッタは、
盗聴されているのを分かっていたから、自分は何の呪いか知らないふりをして言葉を選んでいました。
入れたつもりが読み返していたら、なぜか入っていなかったのでここに捕捉します。失礼しました。

610 :名無しさん@狐板:2023/04/22(土) 23:33:35 ID:5/utDQIU
乙です

611 :582:2023/04/23(日) 00:37:00 ID:pXv8Xnus
>>610
乙感謝です

612 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:52:51 ID:065y7kj2
山奥の自然にはミスマッチなクーラーボックスが河原に打ち上げられていた。
無数に詰められた獲れたての川魚が空を仰ぎ見ている。
それを冷ややかな目で見下ろす存在がいた。
一糸まとわぬ裸体、人間とは思えないほどの透き通るような白い肌。
膨らみかけの小さな胸、ほとんど閉じたすじの様な秘部。
顔と同じ様にまだまだ大人になり切れていない幼女と少女の狭間にある様なその女の子は、
無言でそれを見つめていた。

―あの子のまわりの大人が入れ知恵した。
彼女はそう思っていた。またあの男の子に会えるかと昨日と同じ場所で隠れて待っていたが、
老人の男と一緒にやって来て、これ見よがしにこれを捨てていった。
「山の外の奴らの大人には決して近づくな。姿を見せるな」そう言い伝えられている。
故にあの時は黙って眺めているしかなかった。
でも、わかっている。あの子の本心はそうじゃない。
踵を返し、そのまま雑木林の奥へと姿を消していった。

613 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:53:13 ID:065y7kj2
「ふぁっ!んっ!みゃあ!」
女の子が自分達の領域へと戻ると、林の中で「行為」に及んでいる同族がいる。
彼女らの認識では、生殖機能が成熟していく段階で、性衝動に身を任せるのは何もおかしな事ではない。
手頃な相手があり、行為に及びたくなったら場所を選ばずに及ぶ。それが自然だった。
彼女よりも幼い外見の仲間ですら複数の相手と性交し、既に子を成している者すらもいる。
ふと見やるとその光景を頬を赤らめながら直視する数人の幼い個体が存在していた。
そんな視線など知ってか知らずか、その同族はさらに嬌声を上げながらよがって見せる。
その光景を一瞥すると、今度は一人では物足りないのか、
一人で複数の男を相手にしている同族を道すがら見かけた。
女の子はそれを無言でじっと見つめると、裸足で林の奥へと姿を消した。

木にもたれながら考えるのはあの外の子供の事である。
同族の性事情にあまり関心が薄かった自分が、あそこまで心を揺さぶられたのはなぜだろう。
禁じられた接触という背徳感か、それとも種族特有の嗜虐心が性的興奮と重なったのか。
初めての性行為、それを女の側から男を強姦するという形で処女を喪失するという
あまりにも倒錯した男女の契りの形が、彼を特別な存在へとしていたのだろうか。
あの時の事を思うと、胸が熱くなる。
思わず股の間に指が伸び、この奥にあの子の精液がたっぷり注がれていたのだと甘い息を吐いた。

614 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:53:39 ID:065y7kj2
その直後にがさり、と草を踏む音が耳に届く。
彼女の同族の、男だった。一般の人間達の感覚で見ても整った目鼻立ちの美男の部類だった。
彼は彼女の一糸まとわぬ裸体をつま先から顔まで舐める様に見ると、にかっ、と歯を見せて笑ってみせた。
女の子は途端に不機嫌になり、男を睨みつける。
男はそれを一瞥すると、女の子に無遠慮に近づいていく。彼女は距離を取ろうとしたが、背に木が当たった。
直後に男は彼女の左腕を掴むと、顔を近づけ、残った腕を彼女のふくらみかけの乳房に伸ばそうとする。
「ンギャギャギャン!」
その手は女の子の手で止められていた。そのまま男の腕を捩じり上げ、情けない悲鳴が響いた。
そんな男を、彼女は張り付いた表情で無言で見下ろしていた。
腕を振りほどくと、男はそのまま逃げる様に林の奥へと消えていった。
女の子はわざとらしい程に大きなため息をついた。
どこの世界のどの存在でも、メスの立場を考慮しない性欲丸出しのオスは嫌われるのだろう。
あんなのと相手じゃ満たされない、彼女の視線は自然に山の麓へと向いていた。

615 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:54:08 ID:065y7kj2
山の麓の民家。山の中とは違って、こちらは完全に人間の領域である。
田舎に外灯といった照明は少ない。町の外れとなれば尚更で、
夜ともなれば完全な闇夜に閉ざされる。そして夜も更け、家の中の灯も消される時だった。
男の子は家族におやすみの挨拶をすると、布団に潜り込んだ。
田舎の就寝は早い。家族揃って眠りにつき、闇夜と静寂に包まれた。

男の子が夢の中にまどろんでいたその時、謎の刺激で閉じていた目が開いていく。
静寂の室内にぐぷっ、ぐぷっ、という異音が響いていた。
もぞもぞと布団の下の方が動いてる妙な感覚で、寝ぼけ眼で布団をめくりあげた。
「ンッ…ンンッ?」
男の子の目の前には、裸の女の子が自分の陰茎を頬張っている光景が広がっていた。
「えっ!??!?あっ…ああっ?」
困惑して声を上げそうになった瞬間、女の子のキスで口を塞がれた。
さっきまで、排泄器官を舐めていた口で、などと一瞬頭をよぎったものの、
恍惚とした顔で行われる熱烈な口づけに思わず蕩けてしまい、声が出せなくなってしまった。
ゆっくりと唇を離すと、ゆっくりと無言で口の先に人差し指を立てた。
男の子は完全に動転しつつも、思わず声が出せなくなってしまった。

616 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:54:52 ID:065y7kj2
女の子はその様子を見て、ニコ、と静かに微笑み、優しいキスをした。
その直後にゆっくりと愛おしむ様なフェラチオを再開し、彼の顔は未知の快感に震えた。
彼女の同族がしていたのを見て覚えた口淫で、目の前の男の子が悦んでいる。
彼と口の中で次第に大きくなっていくそれが愛おしく思えてきて、股が熱くなるのを感じていた。
その陰茎はまだ成長段階の小さなそれながら、精一杯に屹立し、唾液でぬるぬるになっていた。
「な、なんで…ここに…なんで、こんな事…」
困惑しながら恐れの入り混じった顔で女の子を見上げる。その表情を見て、
彼女はその幼い顔に似合わぬ妖艶な笑みを浮かべ、小さく舌を覗かせた。
この目の前の困惑する男の子の顔を、快楽でめちゃくちゃに蕩けさせたい。
どうしょうもない程にわきあがるその劣情をぶつける様に、
その苦しそうなほどに膨れ上がった陰茎を手で握り、自らの秘部へと導いていく。
殆ど閉じていたそこから覗いた花弁が、陰茎を包み込んでいくように飲み込んでいく。

617 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:55:09 ID:065y7kj2
「んっ!ああっ!!」
男の子は殺そうとした声を抑えきれず、声を漏らしてしまう。
「ンッ…ンニャッ!」
女の子も我慢できずに挿入し奥まで届いたそれに声を漏らしてしまう。
はあはあと息を吐きながら、目の前の男の子に向き合うと、そのまま少しずつ、腰を上下させていく。
以前と同じ騎乗位の体勢で、またがって腰を上下させる。
腰を落とす度に音が鳴り響き、漏れた吐息が荒く、甘くなっていく。
その刺激に変化をつける様に、腰を打ち付ける上下運動から前後にゆする腰つきへと変わった。
挿入したままずりずりと音を立てる様に、未発達の体に似つかぬ淫靡な腰つきで咥え込んだ陰茎をしごき上げる。
密着した子宮口の気持ちいい場所を探って当てる様に、いやらしく尻を動かす。
2人とも必死に口から洩れる声を殺しながら、行為を続け目もくらむような快感に身を委ねる。

―やっぱり、性行為というのはしたい相手とするから気持ちいいんだ。
好きな相手とじゃなきゃこんなに気持ち良くなれないんだ。
彼女はそう思っていた。目の前の男の子も、口や態度では嫌がっているように見えるけど、そうじゃない。
自分との性行為でこんなに気持ちよさそうにしている。自分としたいんだ。自分と同じなんだ。
そう思えば思うほど、性交の快楽とは異なる別の熱が頭の中を染めていくのを実感していた。


618 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 02:55:33 ID:065y7kj2
「〜〜〜〜〜〜〜っっッッ」
声を押し殺したまま、二人同時に絶頂を迎えた。
子宮口に密着した陰茎からはほとばしる様な精液が放たれ、膣の一番奥で射精が始まる。
脈動するペニスから精子が放たれる度に、男の子に腰が抜けるような快感が走る。
女の子もまた、射精される快楽に目を泳がせていた。自分の膣の中でビクンビクンと陰茎が跳ね、
子宮内部へと新鮮な精液が注がれていく感覚に身を震わせていた。
そのままお互いに絶頂の余韻を味わう様に、繋がったまま抱き合っていた。
ようやく射精の快楽の余韻から我に返った男の子は、ゆっくりと女の子の性器から陰茎を引き抜こうとする。
しかし、その直後にぐっ、と足を絡めその動きを制された。
ちゅっ、と優しいキスをすると、顔を見つめながら静かに微笑んだ。
このまま、繋がったままでいよう。そう訴えるかのように。そして男の子は、射精の余韻と疲れから、瞼が下りていくのを感じていた。

―そして、朝を迎えると。女の子は姿を消していた。
あれは夢だったのだろうか、と思う男の子は、布団と自分の下着に広がる異臭漂う粘液を見て大慌てした。
家族にバレない様に大急ぎでこっそりと洗い出す男の子。
そんな彼に気付いた家族は、「うちの子も知らない内に大人の階段を一歩歩んだな」
と、当たってこそいるが目算違いをしていたのだった。

(おわり)

619 :名無しさん@狐板:2023/04/24(月) 09:21:43 ID:eu2RQeWg
乙でしたーイチャラブ風味もいいね

620 :名無しさん@狐板:2023/04/26(水) 16:49:40 ID:+fglxO0w
乙でした

621 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 02:27:05 ID:nEVIoO3y
乙ありがとうございました
ちょっと妄想して書いた話し貼ろうと思います

622 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 02:27:14 ID:nEVIoO3y
「男」と「女」の暖簾、そして下駄箱の先の番台さん、脱衣所を抜けた先にはシンプルなただの湯舟と富士山の絵。
ここまでレトロな銭湯がまだ残ってた事にノスタルジィな嬉しさすら感じる。
自分と入れ替わるように男性客が浴場から去っていく。自分一人の独占状態だ。

近場の山歩きでの汗を流し、体を洗い頭を洗って湯船に入る。熱い湯が体に染みる様だ。
まったりと湯船につかっていると、突然ガラス戸が開いた。
「ふっふふんふ〜ん♪」
軽い足取りで浴場に入ってきたのは、長い黒髪の…女の子だった。
男湯という場にそぐわない訪問者に目を疑ったが、確かにその股には男にあるはずのものがない。
背や体つきから小学校高学年くらいだろうか…
わずかにふくらんだ胸と、毛ひとつないすじがまぎれもない女の子である事を証明している。
ここは男湯のはずなのに…父親の同伴…には見当たらない。
鼻歌を歌いながら洗い場で体と髪を洗うと、胸や股を隠しもせずに湯舟へと歩み出した。
「えいっ♪」
勢いよく湯船に入り込む女の子。まさかこんな小さな女の子と二人っきりでお風呂に入る事になるなんてと感じた。

623 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 02:27:43 ID:nEVIoO3y
なるべく女の子の方を見ないように目をそらすようにしていたが、女の子は自分の視界に回り込み、目が合った。
「いいお湯ですねー♪」
恥じらいなどまるで感じさせず屈託のない笑顔で自分に挨拶した。
困惑しながらも挨拶を返し、なぜか妙にこちらに興味津々であれこれと話しかけてきたのだった。
風呂の厚さとは別の熱が頭にこもっていく…女の子はおもむろに浴槽のへりにうんしょ、と上がる。
小さなお尻が丸見えだ。そして即座にくるん、とこちらを向くと、目の前で足を大きく広げた。
すじま〇こが視線の先に飛び込み、完全に面食らってしまった。
大きく開いた股。くっきりとした一本すじのそこからはサーモンピンクの中身が顔を出していた。
生まれて初めて間近で見た女性器に、胸が高まりごまかす様に口を湯に沈め視線を横に流していた。
不覚にも自分の股間が反応してしまい、硬直しだしてしまっていた。
そんな自分をよそに、女の子はそんな自分を湯船で足をバタバタさせながら眺めている。
まるで自分の狼狽を見透かされているようで不安になり、慌てて湯船から飛び出した。


624 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 02:28:01 ID:nEVIoO3y
その瞬間だった。
後ろから抱きつかれる形で動きを止められた。
「どうしたんですか〜?」
自分の背中に伝わるスベスベの肌の感触と体温。ふくらみかけた僅かな胸の感触があった。
その腹部に回された腕はゆっくりと撫でまわす様に自分の胸へと伸び、乳首を指でくりくりと弄んでいる。
「私の裸を見て、興奮しちゃったんですか〜?」
小さな女の子とは思えない、妖艶な語りかけ。吐息まで自分に伝わるようだ。
ち、違う…とかろうじて答えるのが精いっぱいだった。
「だったら、これは何ですか?」
もう片方の手が自分の股間に伸びる。背中に抱きつかれた事で半勃ちになったそれを、
後ろの女の子は顔と声からは予想もできない淫靡な手つきで弄る。
「おちん〇ん、硬くなってきてますよ?お風呂で勃起させるとか変態ですかあ?」
クスクスと笑いながら、勃起していく陰茎を上下に指で刺激していく。
「えいっ!」
予想外の行動に完全に硬直してしまっていた自分は、小さな女の子の力で浴場のタイルの上に押し倒されてしまった。
仰向けになった体勢で見上げると、そこには倒れた自分にまたがる裸の少女が、困惑する自分を見下ろしていた。
それはまるで、獲物を捕らえた捕食者の様に口の端を釣り上げていた。

625 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 16:37:51 ID:r3oWzwOT


626 :名無しさん@狐板:2023/04/28(金) 17:47:46 ID:rfY6R4HO
乙です

627 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:28:17 ID:OYLCVJjA
「お兄さん、おちん〇ん完全に勃起してるじゃないですか。ロリコン?」
自分に馬乗りになって、屹立した陰茎に自分の股をこすりつけながらクスクスと笑いながら見下ろす。
密着した肉の感触と重さ、柔らかさにますます硬さを増していく。
それを見てニヤリと口の端を釣り上げ、屹立した陰茎を淫靡に擦る。
「やっぱりロリコンじゃないですか。こんな体に欲情しちゃって変態…いえ犯罪者ですね~?」
狼狽する自分を嘲笑うと、直後にその屹立した陰茎を口に含んだ。
「んっ、んっ、んむっ、んっ…」
手を使わずに、頭を上下させて陰茎を小さな口で頬張っている。
唇で亀頭をしごき上げつつ、唾液に塗れた舌が絡みつく様に自分の陰茎全体をしごき上げる。
頬がすぼむほどの吸いつきを見せ、その幼さの残る顔にアンバランスな淫靡な表情が更に欲情を掻き立てた。
湯けむりの中で、全裸で男の股間に顔をうずめて卑猥な水音共に口淫を続ける光景が続く。
「んっ、ふぉふぉも…ふぁんふぁんいなってう♪」
口淫を続けながら、その手を陰嚢へと伸ばし、睾丸の感触を確かめる様に弄んでいる。
しゃぶりながらキンタマ刺激なんてこの子はどこでそんなテクを…と思いながら強烈な快感と射精欲に耐えていた。
風呂場に備え付けられた鏡から彼女のお尻が丸見えである。
しゃぶりながら股に手を伸ばし、その割れ目に指を突っ込んでいる。
目の前の女の子は見た目通りの無垢な存在ではなく、男を惑わす淫魔の様な匂いを感じていた。


628 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:28:41 ID:OYLCVJjA
「ん…♪」
ちゅぽん、と音を立てて陰茎から口を離す。唾液が口を伝い、
唾液でベショベショになった自分の陰茎は唾液が照明の光で反射しテラテラと光っている。
そそり変えるほどに屹立したそれは、あと少しフェラチオを続けられていたら射精していた。
その射精寸前の陰茎を前にクス、と笑うと立ち上がった。
「よく我慢出来ましたね~♪ごほうびに、今度はこっちに挿れさせてあげますよ♪」
射精寸前のそれを手で握ると、ゆっくりと腰を下ろして自分の股にあてがった。
ちょ、ちょっと待って、とこれ以上はあまりにもまずすぎる事を訴える。
「嫌ならそのまま振りほどいて逃げてもいいんですよ?でも…このままじっとしてたら…セックスできますよ?」
自分を見つめて言ったその言葉に、体の動きが止まってしまった。そして、
「ん…♪」
小さな割れ目に、膨れ上がった自分の亀頭が飲み込まれていく。
「あー♪」
甘い喘ぎ声とともに、奥まで挿入された。
「入っちゃった…♪」
挿入されたままこちらを見ながら微笑む。

629 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:29:03 ID:OYLCVJjA
あまりに信じられない光景だった。こんな小さい子とセックスしている。
あんなに小さな割れ目に、大の大人である自分のそれが完全に飲み込まれている。
女の子の中はまるで生き物のようにうねって自分の陰茎全体を刺激している。
先端に柔らかい何かが当たっているようで、危うく挿入しただけで射精してしまう所だった。
「それじゃ、動きますね…♪すぐ射精しちゃダメですよ?」
誰もいない浴場に卑猥な肉と肉がぶつかり、こすれ合う音が響く。
その度にリズミカルに女の子の喘ぐ声が響き渡る。
「あっ、あっ♪」
目の前にはすぐ近くに幼い顔でセックスの快感に溺れ甘い声を漏らす女の子の顔が。
そして視線を下に移すと小さな女の子と結合している自分と女の子の性器。
引き抜く度にこみ上げてくる射精感、淫靡に腰をくねらせて前後にしごき上げるテクニック。
あまりにも現実離れした光景にもう限界を迎えていた。
「っ!?」
腰を落とした直後、堰を切った様に射精が始まった。
腰が抜けるような快感。何度も何度も陰嚢の奥から精子が発射されていく。
その度に情けない声が漏れ、彼女の子宮内を満たしていく。


630 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:29:27 ID:OYLCVJjA
「あー…もう出ちゃったんですか?」
不満そうに陰茎を抜き、こちらを睨む女の子。
立ち上がるとその割れ目からは白濁した精子がどろりと落ちる。
こんな小さい女の子の秘部から自分の精子が溢れている。
その刺激的で背徳的な光景から、射精して力を失ったはずの陰茎に、
再び血液が集まりそそり変えるほどに屹立していく。
「わわっ!ま…まだ楽しめそうですね!」
その光景に驚きつつも、体の上に落ちた白濁液を指で掬い取り、再び勃起した陰茎に塗りたくる。
「それじゃ…再挿入♪」
今度は自分にお尻を向けた体勢で陰茎を握り、再び自分の割れ目に導いていく。
射精した精液と女の子の愛液が潤滑剤の様にスムーズに中に飲み込んでいく。
「あっ!あっ!あん♪」
激しく腰を上下させて陰茎の感触を楽しむ女の子。
目の前では小さなお尻が上下され、結合部もお尻の穴も丸見えだ。
一度中に出した自分の精子が滑りを良くし、敏感になっているそれは興奮と性感をさらに高めていく。
水音と肉のぶつかり合う卑猥な音が響き渡り、快楽を求める様にさらにペースを上げていった。
鏡越しに見た彼女の表情も気持ちよさそうで、早くもお互いの限界を迎えていた。
「い…イクっ♪」
ビクンと彼女の体が跳ねると、自分の陰茎を一際強く刺激した。
その快感に耐えきれず、二回目の射精を彼女の中に放った。


631 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 03:30:13 ID:OYLCVJjA
くたりと倒れ込む女の子と自分。同時に絶頂を迎えた自分達は、
荒い息を吐きながら快感の余韻に浸っていた。
そして女の子はゆっくりと体を起こし、ぶるん、と射精を終えた陰茎が力なく抜ける。
「ん…あ、すご…」
小さな割れ目から二回分の精子が漏れていく。
二回目とは思えない量の精液が、浴場のタイルの上に広がっていくのを見て恍惚した表情を浮かべた。
脱力して動けない自分を尻目に、溢れた精液を手で拭うと彼女は立ち上がり踵を返した。
未だに快感の余韻とあまりの事態に頭が働かない自分を尻目に、背を向けて去っていった。
数歩歩くとこちらに向き直り、あどけない顔でウィンクをしながら投げキッスをしてみせた。
あまりにも現実離れした光景に、これは夢なのか現実なのか、朦朧とする感覚が頭を染めた。

「―また、遊びましょうね♪」
そんな声が耳に届いたようだった。


632 :名無しさん@狐板:2023/05/01(月) 23:05:25 ID:2RoSO2BU
乙です

633 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:38:08 ID:suoH5apw
女権国家横島誕生日SS 女権国家の人外な女性に愛された男が受け取った重すぎる快楽と重すぎるプレゼント

 このSSは本スレで連載中の女権国家の二次創作であり二週間も遅れた横島の誕生日SSです以下の注意事項があります。

@本編には登場していないユウキの姉であるランが出演しており、横島ヒロインになってます。
A>>311から>>319に投降した話の続編である>>556から>>560と繋がっています。
B魔女と百騎兵に出てくる、ジェラートとメタリカというキャラが横島のヒロインに使いされています。 女権国家の親王国派の公爵に婿入りした横島という設定です。
C沼の魔女とされるメタリカの沼が原作とは違いすぎるものになっています。
Dユウキとランの種族がインプに転生したことになっており、インプの設定はこのSSのみの独自設定です。
E>>347で書いた月間少年カンカンの設定がこのSSでは使われています。
Fさとりとこいしは誰のヒロインになるかまだ決まっていないけど、このSSではジェラートの配下かつ、横島のヒロインとなっています。





 花の大公爵ヴァレンティーヌに婿入りした。横島忠夫彼は、沼の魔女メタリカやアリス、聖王の転生体であるヴィヴィオ達に嫐られながらも、ジェラートやヴィヴィオの機嫌を取りながら、王国に有利な外交政策をとってもらう日々の努力を続けていた。
基本的に先の戦争で王国が戦争の条約やルールを守っていたのに、女権国家が先に破って勝利したことが分かってからは、親王国派の派閥が二つに割れてしまっていた。
正確に言うと、王国が前々回に勝った際に、無体過ぎない要求をしていたのに、こちらが勝った際の要求が無体すぎると断じているのと、女権国家が先に協定を破った『かも』と疑っていたがゆえに、親王国派ではないが騎士道などを重んじるために、
消極的にジェラートについていた女権国家派閥が、はっきりと女権国家が黒となった為に、賠償と一部の領地の返却を積極的に考えるネロの方に流れ始めている。 

これは横島にとっては大変都合が悪いことだった。 ネロは賠償などのケジメはきっちりつけてはくれるだろうが、それが終われば王国を正当な手段で飲み込みにかかってくるだろう。
 幸い戦争自体も大儀がなかったと考えている停戦をして、王国と商業で繋がり利益を上げたがるものや、広大な領地をもつジェラートへの恩義で味方してくれている勢力がどの程度王国についてくれるかが大切だろう。
今は彼女の政治工作で、女権国家の良識派や親王国派をどこまで味方につけられるかだ。


 そういったことを考えながら、彼は必至の努力を続けていた。霊能の力を使い、女権国家の民衆が好感を持つようなことをできるだけ多く実行している。
貧しいものからは安く悪霊払いの依頼を受けるのを始めに、賞金のかかった強大な悪霊を祓ったり、闘技場に出場したり、
そうして得た私財はなるべく路地裏の子供たちや病人に還元し、一人でも親王国派の女性を増やすべく奮闘を続けた。 そして誕生日の日に目覚めると彼は、呆れと驚きが半分の声を上げた。

「なんでまた子供に戻っているんや。エヴァ、ヴィヴィオ、アリス、誰の仕業や。それともジェラートかメタリカか」

 そういって彼が歩こうとすると、目の前には幼馴染であるユウキがいた。彼女は女権国家に来てから見せる様になった嗜虐的な笑みで彼を見ている。

「忠夫、おはよう。昨日のこと覚えている。今日は忠夫の誕生日だけど」

 それを言われて横島は、少し考えた。昨夜一晩の記憶が一切ない。合意の上で記憶を消されたことだけは思い出せたが、なぜ合意したのか。そしてそれが何だったのか。悩む横島に不意にユウキが笑いかけてきた。見惚れる様な綺麗な笑顔で彼女は言う。

「うん、ちゃんと記憶が消えているみたいだね。それじゃあ、今日は忠夫の誕生日だから、みんなで選んだプレゼントを渡すね。行こっか!」






 ユウキに抱きかかえられながら、彼はジェラート達の待つ部屋へと運ばれた。眼帯をした赤黒い美しい髪をしたモデルの様な長身の美女が笑みを浮かべ待っていた。
私的な時間の時は子供の様に自分に甘えてくることもあれば、閨の中では公爵らしく嫐って来る方を好む。自分への愛が確かだと思うからこそ、今でも個人としても、大鳳たちの戦友である元諜報部としても、彼女への婿入りを決断で来た。
ジェラートは彼を抱きかかえるユウキを見て、少し羨ましそうな瞳になった後で口を開いた。

「旦那様。ネロ陛下の方に流れた返還派の者たちとの交渉は順調じゃ。 返還が終わってから、五年は絶対に王国側に女権国家の方からは、何もしかけない旨の約定をかわせそうじゃ。
それと女権国家の前回の協定違反に腹を立てている、地方の神々や、女権国家の騎士道を等をつかさどる神にも根回しをしておいたぞ」

 横島はそれを聞き、安心した。王国の危機はまだまだ続いているが、それでも確実に滅亡をしない年が10年はできただろう。 横島が安心しきった顔になったのを確認すると、それを合図としたようにジェラートが公の話をやめて、私の話に移った。

「旦那様。なぜその様な姿になっているか覚えておるか? ユウキからの連絡がない以上は、覚えてはいないと思うが。妾の忘却の術はちゃんと効果があったかえ?」

「覚えていないのはそのせいか。 大丈夫だ。それでなんで俺の記憶消したんだ? 術のかかり具合から無理やりじゃなくて合意だったことはわかるが、俺はなんで了承したんだ?」

 あまり不安は覚えていないが、気になってはいたことを話すと彼女は笑いながら答えた。

「なに、旦那様に誕生日プレゼントを贈る際のサプライズと、それと旦那様の誕生日の余興となる遊戯の為よ」

「それでか。どんなプレゼントと余興なんだ」

 ジェラートは少しだけ意地の悪い女性達から嫐られることが楽しみとなってきている彼の背筋をゾクゾクさせる目で見下ろしながら言った。

「誕生日プレゼントはともかく、遊戯に関しては女権国家らしいものじゃ。堕ち切ってしまわぬように注意するのじゃな」

 そういってジェラートが手招きすると、ユウキは笑いながら彼をジェラートに渡した。

「旦那様は未だに王国の月間少年カンカンの復刻を望んでおったな」

「ああ。あの本は未だに俺のバイブルだな」

「実を言うとじゃな、そのカンカンが王国に友好的な女権国家の女性達が、外交官となっていて、滅亡が遠のいたから、その本を好きでクリエイターになった有能な者たちと当時の先生たちが監修して、幾つかのTRPGとかが発売された様じゃ。
確か旦那様は、悪霊とかとの賭けでやらざるを得なくなるかもと思って、TRPGをやってから嵌っておったな。それを手に入れておいたぞ」

 そういってジェラートにそれを渡された時、横島は本気で喜んだ。

「本当にカンカンの名作を舞台にしたTRPGついに出たのか!」

 彼の精神はカンカンに一番熱を上げていて頃にもどっていた。毎回多少は精神が幼いころに戻るが、今回は特にそれが顕著だ。恐らくこのプレゼントを渡すために彼女はこうしたのだろう。
多分本来の年齢の姿でもらってもこのプレゼントは普通に嬉しかったと思う。だが子供の頃の一番嵌っていた頃の精神でもらえればその喜びは大きい。

 いつの間にか集まってきていた、アリス、愛歌、リグル、エヴァ、アル、メタリカ、ランが微笑ましいものを見る目で彼を見ている。

634 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:39:59 ID:suoH5apw

 ランはユウキの姉であり、ユウキ以上の実力を誇る戦巫女に近いシャーマンだ。
病気の身でありながら女権国家にきて全快したユウキよりも実力が僅かに上だった彼女は、ユウキと横島の身が危なくなったと聞いて、妹と横島を守るために命を使い切るつもりでこの国に来たところ、ユウキと同様に完治した。 
病が治った後の彼女は何度も彼らの敵を心胆寒からしめさせたものだ。横島は本気で、自分の幼馴染の姉妹は性能がおかしいと思った。インプとなり魔術もできるけど剣が本職のユウキと、
魔術の方に重きを置いた戦巫女的なシャーマンでありながら、つい最近までは杖としても使う槍でもユウキを上回っていたラン。 この二人のお互いの長所を活かす戦い方に何度も救われたものだ。

 彼女はユウキと正反対の柔らかい態度で何度も閨の中で横島を蕩かした。
ユウキが蕩かすときは嗜虐的な攻めをしてきたし、ユウキが嗜虐的な攻めをしてくるときは彼女の快感を引き立てる様に蕩かすような攻めをして彼を弱らせてきた。 彼女はどこか引き込まれるような眼で彼を見下ろしながら言った。

「ユウ、そろそろ今日のレクリエーションはどういうものが、忠夫に教えてあげたら?」

「そうだね。今日は時間をちょっと操れる系統の、部屋でこのTRPGをやるんだ。ただし負けたら女権国家らしいことが起っちゃうからね。 負けたらカンカンのエロ同人みたいな逆レイプされるTRPGの世界に魂がゴーって感じかな?」

「それだけか?」

「ううん、僕とお姉ちゃんはインプで妖精だけど、使い魔として契約するとその主人に合わせた技能が手に入るじゃない。僕達のご主人様は誰でしょうゲームしようと」

「お前たちの特性を見て、誰と契約しているか当てろと」

「うん!」

 ユウキの勝ちを確信した笑顔を見て、横島は面白いと思った。こういう顔をした時のユウキには負けたことの方が多い。勝った時も自信満々だっただけのことはあると、何度も思わされたものだ。 こういう負けてもひどいことにならない、本気の頭脳戦なら楽しめると彼は感じた。


「それではそろそろ始めましょうか」

 不意に意識していなかった場所から、蜜を思わせる彼への侮蔑と嘲りを込めた声が彼の耳に響いた。
聞きなれたその声を聞いただけで、分身が反応してしまう事に、情けなさを覚えながら取り繕う様に少しだけ避難めいた目を向けるとそこには、ジェラートの配下であり、政争の御意見番、古明地さとりがいた。
彼女は彼を興奮させる方法を知り尽くした侮蔑の視線を投げかけながらいう。

「御期待通り負けた際の罰ゲーム担当は私ですよ。今回は闘技場ほどじゃないけど、それなりにお客様の入るイベントなので、闘技場の実況者の仕事を休んで貴方に使ってあげますよ。
そんなに楽しみそうにしないでください。あれだけ辱められて期待するとか、男性の尊厳が吹き飛んでいる時程貴方の射精量は凄かったですね。そういえば」

「そ、そうなったのはあんた達のせいやろ」

「否定はできませんけど、普通はもう少し時間がかかるんですけどねぇ。前世の後遺症でしょうか? それとも元からそういう素質があったのかどっちでしょうねぇ?」

 後者の可能性が高いと思い、バツが悪そうな彼をさとりは、全てを察した上で敢えて言及せず蔑みのめで見るだけにとどめた。無言の蔑みの視線の方が、男の心を抉ることができると察しているからだ。彼女は笑みを浮かべていった。

「もう罰ゲーム受けたくてわざと負けたりしないでくださいね。必死にゲームのシナリオ作ったアリスさんたちが気の毒ですから。 貴方の様な王国男子にあるまじき変態には無理な注文かもしれませんけど」

「ゲーム自体に手を抜いたりせんわ」

 答えながら、横島は精通したばかりの自分の分身が反応していることに気が付いた。さとりに心を嫐られたことで完全に彼女たちのもたらす快楽を求めるスイッチが入ってしまったようだ。

 さとりは意地悪く笑うと、ユウキとランに言った。

「すいません。お二人ともゲームの準備ができるまで、彼を発散させてあげてくれませんか?彼の変態な被虐趣味差を侮っていたみたいです。まさかあれくらいで、こんな風になるなんて」

 その言葉にユウキとランが嬉しそうに頷いた。

「うん! そうするね。今回は僕達がゲームのかなめだから。万一にも失敗するわけにはいかないからね」

「ユウ。あまり彼を堕としきらない様にしなきゃダメよ。やりすぎると罰ゲームを受けたくなってわざと負けちゃうから」

 二人の笑みを見ながら、彼はこのユウキとランは完全に女権国家に染まってしまったのだと言う達観と、僅かな悦びがあった。

 寝室に連れ込まれた彼をユウキが前から抱きしめ、ランが後ろから抱きしめる。少年に戻った今は普通に抱き合えば顔の高さに来る乳房を敢えて胸板に当ててくるユウキと、背中に乳房を当てるランに挟まれながら彼は悲鳴を上げた。
精通してから一度も射精していない時期に戻された彼はまだ射精に慣れていない頃と変わらぬ状態に体が戻っている。その悲鳴を聞きユウキは嬉しそうに笑うと、彼を普通に抱きしめた。

「忠夫の今回の精通の射精もらうね♪」

「ちょっとま、〜〜!」

 言い終わるより先に彼女の二つの乳房に顔を挟まれそのまま抱き留められて、彼は一気に射精した。ユウキは彼の悲鳴を楽しむ様に目を閉じながら射精が収まった瞬間に彼の分身が敏感になった時に腰をゆっくりと回し始める。

「ユウキ、頼む! 〜〜!」

 もう少し緩やかにしてほしいという彼の懇願が出る直前にユウキは敢えてより強い快楽を膣で送り込み喋れなくさせながら言う。

「忠夫 なに?言ってくれないと分からないよ」

 ユウキは声にならない叫び声をあげる彼の声を少し堪能した後、彼女は不意に口の中に乳首を無理やり入れると腰とは正反対の優しさで彼の頭を撫で時に頭のツボを押し始める

 ランがそれを見て後ろから同じように撫でると彼は脱力をし始めた。ランはしばらくユウキと共に彼の頭を撫でていた手を引き彼の玉袋に移した。彼女の優しすぎる手で玉袋を揉まれると一気に分身の硬さが増していき、ランの優しい手つきがもたらす快感がユウキの屈服させて来る快感を余計に強めてくる。

「ユウ、そろそろ交代しましょう。優しい快楽を与えた方が彼の堕ちる時間が早まるわ」

「分かったよ。お姉ちゃん」

 ユウキもランに合わせたような優しい動きに変わり、彼の意識を溶かしていき。優しい快楽で、分身が絶頂に達しかけた時、不意にランが強い快楽を与えてくる手つきに変えてくる。そしてユウキも今までで一番激しい快楽を不意に送り込んできた。

 脳が完全に壊れたような衝撃で彼が参るとランが乳房を彼の背中に押し当て、ユウキが口を解放して乳房で顔を強く挟んでくる。

「〜〜!!! 〜〜!!!」
 
泣き声に似た彼の悲鳴を恍惚の表情で聞きながらユウキも若干遅れて絶頂を迎えた。
その瞬間、凄まじい快感が走り、何かの魔術が成立したような感覚がした。僅かに恐れが沸いたが、それすらも考える余裕がなく糸が切れた人形の様に彼は倒れた。
彼が倒れると、ユウキと入れ替わる様にランが彼の上に跨り彼の分身を迎え入れる。彼女は優しい手つきで、彼の両腕を取ると、手を絡ませる愛撫をしながらゆっくりと自分の乳房を揉ませつつ、ユウキ同様に豊かな乳房の間に彼の頭を挟み込んだ。
そして彼の手をそのまま自分の尻に導き押し当てると、そのまま優しい快楽を送り込んでくる。

635 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:42:31 ID:suoH5apw

「お姉ちゃんどう?」

「この調子でいけば忠夫さんの陥落と儀式の完遂も早いと思うわ」

 ランはユウキの征服してくる快楽をより引き立てる優しい脱力させる快楽を送ってくる。
この二人はどちらを相手にしても、後の相手がより彼の精神を削ってくる。正反対の快楽を億厘で来ることで、お互いがお互いの快楽を引き立ててくる日もあれば、
姉妹そろって同じ類の快楽で彼を堕としに来るときもある。 ユウキが先ほどのランの位置に来て彼の玉袋を揉みしだき始めてくる。強い快感が完全に脱力しそうな彼を辛うじてつなぎとめてくる。
ランとユウキが彼を挟みながら百合的な行為を始めると、より強く彼の分身が締め付けられ、逃げ場がなくなっていく。そして彼が達する本の数秒前に、ユウキがしてくる愛撫が強い快楽から、ランと同種の蕩けさせるそれに変わった。
射精の瞬間彼は、冬に二度寝させる布団のような快感の中で意識を失った。堕ちる意識の中で何かの儀式が成立したような快感に全身が包まれていく。その快楽の中で彼はランの声を聞いた。

「今日のゲームは円滑に進められそうね。ユウ楽しみましょう」







 次に目覚めた時、驚くほどすっきりとした意識に戸惑いながらも彼が目を空けると。彼があまり訪れる機会の少なかったTRPGをするジェラートの遊戯室の椅子にかけていた。この部屋にはエヴァの別荘と似た気配がある。
恐らくはあの別荘と同じ時間の流れを変える、処置がとられているのだろう。 大鳳と共に女権国家で戦っていた時に、絆を紡いだ女性陣全員が彼の部屋に入ってきている。アリスが作ったTRPG用の人形の群れが置いてあった。
ミニチュアの町に、彼女達とどこか似た妖艶な気配を持つ人形達を見ていると、自分の分身がうずいてくる気がした。ユウキとランに愛撫されている様な感覚をどうにか切ると、ゲームマスターをしているらしいアリスが口を開いた。

「一応確認するけど、忠夫が今回遊ぶゲームはこれで良い?」

 その答えに横島は驚いた。 アリスが渡してきたのはカンカンの人気作品。『霊防大戦(れいぼうたいせん)』のTRPGブックだ。
この作品は同じくカンカンで人気作品だった『ジパングの夜の守護者』の続編であり、霊的な防衛を請け負ったものたちが様々な悪事をなす悪霊や妖怪や邪悪なる術を使うものたちを倒していくというものだ。
『ジパングの夜の守護者』のあと多くの悪霊払いなどをした主人公たちの子孫たちが女権国家と時に、敵対し時に味方する大都市に身を置き、女権国家からくる霊的脅威と戦っていくものだ。
女権国家が相手でも良識的な存在とは手を結び悪辣な存在と戦い倒していく、安全な女性の見分け方の勉強になる駆け引きパートや、戦闘の駆け引き描写は本当に手に汗を握った作品だ。
毎回、男性優位な所はあっても、良識派な宗教の設定を取り入れることで、色香で男性を支配する術などを使うサキュバスや妖怪の敵などが多く、女権国家の女性はこういう手段を使ってくると分かりやすく教えてくれて来たものだ。
相手の女の色香とそれに負けた際に巨悪に加担させられる描写や、耐え抜く主人公勢の格好良さに彼は何度もやられた。
この漫画を自慰に使ったことは数回しかない。罪悪感と、この漫画の悪役女に屈した感覚が彼をさいなむためだ。
女権国家で祀られる他の国では邪神とされるものや、女権国家の悪魔などが敵として出来ることが多く、王国が負け始めた後半は、
女権国家でも非難されている部分のある女神などの逸話を強調した敵を出したり、女権国家ですらも悪とされる妖怪などが多く出てきていた。そして女権国家の女性は大なり小なりそういう所があると伝えられ警戒心を育んだ。

「これはかなり好きだったなぁ。今でも連休の日に偶に読み返しとるわ。それじゃあ、キャラシート作るかな」

「それなら大丈夫よ。これをみて」

 アリスが渡してきた、紙を見て横島は一瞬だけ驚き、直ぐに納得した。これは間違いなく、自分が作ったものだと思えるキャラシートだ。横島が一応の確認の意味で視線にアリスに問いかけると彼女は頷き答えた。

「ええ。貴方が同意の上で記憶を消される前に貴方が作った物よ。セッションはまだしていないけど、驚いてほしいので先にキャラだけ作ってそれに合わせた部隊や人形も作っておいたわ」

「ありがとうな。ということは」

 アリスが渡してきたルールブックを読むと、一度目とは思えない程に直ぐに理解できた。記憶にはなくても自分の脳に記録できている感じがする。

「これなら全部読み終えて理解するまでそんなにかからんな」


 一時間もかからず多数のページを読み返しながら、彼は今でも好きな子供の頃に燃えた作品の世界をプレイできると思いワクワクしてくる感覚を抑えられない。 一度もしくじらずにクリアして見せようという思いすら湧いてくる。



 彼が読み終えて完全にルールを把握したのを見るとアリスが笑みを浮かべながら言葉をかけてきた。

「それじゃあ今回のゲームの内容を説明するわね。今回のシナリオは『必滅の破邪の一言』の改変シナリオよ」

 アリスの言葉を聞きながら横島は頷いた。これはかなり異色のシナリオと言える。ある意味ではプレイヤーにとって有利なシナリオでもある。
ダイスを振りながら、幾つものイベントをクリアしていき、普通に誘惑や快楽での浸食率が高まり切る前にクリアしてもシナリオクリア。
逆にどんなに不利になっていてもゲームオーバー直前に事件を起こしている魔物の名前を言い当てられたら事件解決だ。
その理由は知恵比べを好む魔物もしくは邪神や、邪神ではないが職責の内なら魔物からの陳情にも答える知恵比べなどをつかさどる神などと契約した魔物が、自分の名前を言い当てられるかなどの勝負を悪霊祓いし達に申し込んでいる仕様だ。
正解すれば、事件を起こしていた怪異たちが出した被害を上回る収益が都市に入り、主人公たちも強くなれるというものだ。 魔物の正体をサキュバス系にもできるし、普通に恐ろしい怪異にもできる。成人にも少年にも優しい内容だ。
元々が少年誌だったためか、そういう配慮がかなりなされている。

 ここまで頭の中で考えがよぎると横島はクリアの為に予想を立て始める。このシナリオでは正解すれば一発でクリアとなる、『破邪の一言』すなわち正解の答えを出せば、終わる。
だが、もしも間違えればペナルティを受けることになる。成人版ではキャラクターの誘惑浸食率が大幅に上がる。
しかし、答えを言う時に根拠を述べる時があり、その根拠がちゃんとした理屈の通ったものだった場合、ペナルティとは別にボーナスが付く場合もある。どうクリアするか悩む彼にアリスが言う。

「今回のゲームは現実世界と同じ遊びをするのよ。『破邪の一言』の改変シナリオ、『僕達のご主人様はだーれだ?』」

「つまり、事件を起こしている怪異ではなく、その僕達のご主人様とやらを当てれば俺の勝ち。ということで、そこ以外は大体一緒と考えていいか?」

「ええ。このシナリオとしては貴方のキャラクター高島・忠助(ただすけ)職業、遺骨供養人、通称は清め烏(きよめがらす)が、主人公ね。ゲームの中に登場するキャラクターは大体私達が動かす際は同じ名前にするわ。だから私達に話しかけるときはメタ発言って言ってね」

 アリスの説明に頷きながら、彼はゲームの為に思考を巡らせた。

636 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:46:28 ID:suoH5apw

 横島が今回主人公に選んだのは別名死体漁り、品行方正なものは清め烏と呼ばれる職種である。
通常悪霊や妖怪などの戦で死んだ人間の遺体などの供養を行い、そして高級品の装備などを持ち帰り遺族の元に返した際の報酬と遺族が要らないと言ったものを売り払って生計を立てている。
多くの悪霊や妖怪を打倒した武器などはその武器事態にも霊力が宿るから、戦死したとはいえたくさんの敵を倒した悪霊払い氏などの装備は量産品でも高値が付くこともある。
一体でも悪霊や妖怪を倒したり手傷を与えた武具などはそれを打ち直せば僅かだけど、妖怪などに対して効果が上がる。
死体漁りたちはそうして得た金銭を遺族たちが預けられる孤児院などに還元している者たちも多く、それなりの寄付などをしているものは、蔑まれることは稀である。

死体漁りたちは供養の呪文などを学びつつ、一定の寄付をすることで、武芸や術の道場での指導を格安で受けることができる。
横島はダイスを振った結果、忍者などの探索業寄りの器用貧乏型になった。若干近接戦闘と、術が強い感じのステータスになっており短時間ならパーティの本職が戦闘不能になった際に補欠を務められる。

 それを見ながらアリスは言う。

「今回のシナリオは、基本的に死体漁りとは蔑まれず、清め烏と呼ばれるくらいには善良な貴方が、多数の戦死者が出た悪霊の元巣窟に将来有望の魔法戦士の双子姉妹、木綿季と藍子と共に捜索した結果、
安全なはずの遺跡で強力な力を持つ者によって二人がインプとかして大人に近い姿になってしまった。
そしてその時に聞こえた『二人の主人となった者を見つけよ』という声から、貴方は巷で流行っている、『破邪の一言』の亜種の怪異であると気づき、インプと化して異常に強くなっていく幼馴染二人の主人を探し求めていくというものよ」

「分かった。現実世界のユウキとランの主人もこのTRPGの中と一緒なんやな」

「ええ。その通りでも、現実世界の言動から当てるのは無理だと思うし――」

 アリスはここでいったん言葉を切り、次に言う言葉は重要であるとアピールしてから言った。

「今回の問題はかなり意地の悪いひっかけ問題になっているわ」

 アリスの言葉を聞き彼は悩んだ。こういうゲームでは彼女たちはフェアだからこそ、本当に意地の悪いひっかけ問題なのだろう。横島は少し悩んだのちに、ゲームを開始することにした。 アリスの説明ではユウキとランは基本的に戦闘パートなどでは完全に味方。
ただし謎解きパートや誘惑の浸食率を上げる快楽責めなどが行われる罰ゲームパートなどでは、敵だと思ってほしいらしい。そこまで説明した後アリスは言った。

「このシナリオの終了条件は、貴方が正解を言うか、もしくはゲームの中で快楽への屈服度がマックスになってしまったときね」

その説明を聞き彼は頷いた。そしてアリスに確認の言葉をかける。

「このTRPGのインプは女権国家仕様のインプと考えていいか?」

「ええ」

 女権国家のインプは悪魔寄りのモノもいれば妖精よりの者もいる。そして使い魔と言っても契約した相手の支援に特化した存在になるだけで、隷属させられているという程でもないらしい。
主人が魔力不足の時に逆に魔力に溢れていたインプが魔力を主人に送った例もある辺り、他国とはかなり違うようだ。 女権国家のインプじゃなくて他国のインプでしたというひっかけ問題もないと確認した彼は、ゲームに挑むことにした。

ゲームが開始される直前に、ジェラートが不意に声を上げた。彼女は横島に気づかれないように、こいしに指示を出すと横島に言った。

「今回のTRPGの商品として、旦那様が勝たずとも良い結果を出したら、王国への支援等を商品として出そう」

 手渡された紙にはたくさんの王国にとってありがたい支援の内容が書いあった。普段の横島なら、こんなゲームしなくてもジェラートは自分の為に王国に対してできることはしてくれるだろうと見破るが、
こいしに無意識を操作され、快楽で屈服すると今回の支援は見送りになるかもと思った。負けたとしても、義理を欠くほど支援に手を抜かないのはわかるが、快楽で抗う自分を堕とす遊びをやりたがっているのだろう。
という考えが彼によぎる。 ジェラートは親愛は失わずそれでも快楽に絶対負けれないという、考えになっている彼を見ながら、こいしをほめたたえた。これで自分たちの与える快楽に抗う彼を弄ぶ遊びができる。
それだけではなく、仲間を裏切る背徳感に負けながらの鬱射精とかも堪能できるだろう。 横島は僅かに負けたくなってくる自分の分身の感覚をしかりつけると、ゲームの準備を始めた。

 準備をしながらも彼の心は高揚していた。子供の頃から好きだった漫画が世界観のTRPGしかも、クオリティは保証済みとなればそれも仕方がない。 
少年カンカンに対しては大鳳達とスパイをしていた時に一つだけ嫌な思い出ができたが、それでも嫌いになれない程面白かった。
大鳳が三週間後くらいに分析を終えて、夢の中で精を奪うサキュバスに襲われていた時に、まるで狙い合わせたかのようにまどか王女からカンカンの人気漫画の単行本セットが届いた。
色仕掛けなどに対する対策を大鳳が教えられていないことを知った彼女が教本として届けたらしい。そしてその結果サキュバスの作る精神世界の城は余計に強固になり、大鳳は精神世界でカンカンを舞台にした激しい逆レを受ける羽目になった。
あの時の救出戦のあと、大鳳は大好きな漫画の世界の英雄たちを快楽に負けて裏切った罪悪感に大分苦しんでいた。 まどか王女のあのタイミングの悪い贈り物は本当に嫌なものだった。 

 そんな記憶も一年たった今では悪くないと思える辺り、時間というものは便利なこともあると彼は思う。気を取り直すと彼は決意を固めて準備ができたと言い、最初の判定のダイスを振った。






 ゲームを進めて彼はシナリオの中の小イベントを幾つか終えて彼は本当に疲れた。楽しくても疲れる類のゲームとはこういうものを指すのだろう。アルが小イベントの悪党との戦いでは味方、シナリオの本筋では彼を得ようとするベリアルとして出てきて、アル社長の言動から推理して、大いに悩んだ末にアル社長が二人の主人だと答えを言った。 

「木綿季と藍子は二人ともかなり強い力を持っていながら嘘だと思わせる言動がない。つまり、ベリアルの神名に懸けて誓わなければ本当のことを言わないにもかかわらず、騙される人多数の能力を得ているからだと思われる辺りか」

 それを言うとGMであるアリスは首を横に振っていった。

「不正解よ。各場面で情報収集を成功させた上で、それをもとにきちんと筋の立った考察をしていたらから、今回は最低限のペナルティで行くわ。 それと情報収集の結果間違った情報ではなくても時に混乱を招く情報である場合もあるから。それじゃあ、不正解罰ゲームに行きましょうか」

 アリスがそういって手をかざすと彼は自分の意識が抜かれどこかに移される感覚を覚えた。




 横島は自分が作ったキャラクター高島忠助の意識の中にいることに気づく。目の前には情愛と侮蔑の念の籠った瞳を向けている木綿季と藍子。そして魔王としての力を持ったゲームの中の陸八魔アルがいる。
現実世界では魔王としての力を取り戻した今でも、横島に対しては魔王としての顔を見せることはほとんどない。彼女がそれを見せたのは、
横島が彼女の魔王としての側面を見ることになったのは一線を越えた外道の行いをした者を前にした時だけだった。だが、今初めて彼女は魔王としての表情を彼に向けている。

637 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:48:46 ID:suoH5apw





 高島忠助は大本の悪霊が倒されて、3段くらい危険度の下がった悪霊のたまり場である遺跡に出向き木綿季と藍子を助けながら悪霊や妖怪を蹴散らし、死体漁りをして一人一人の遺体に祈祷を行い、そのさなかに不意に遺跡の力が発動して、
ユウキと藍子がインプと化した。それと引き換えに二人の病が癒えた。そして二人が女権国家に染まり切り、男を隷属させる淫魔の眷属と化すのを止めたければ、このゲームに勝ち二人の主人を当てろと、遺跡に潜んでいた存在に言われた。 
そして彼女達と共に協力して様々な事件を回りアルの依頼を受けて悪霊の家を除霊した時、彼はアルが二人の主人ではと言った。その瞬間アルは笑いながら少女の様な笑みを浮かべ喜んだ。そして彼女が手を叩くと彼はここにいた。





彼は今魔王の城の儀式場の様な場所で、祭壇めいたベッドに寝かされていた。木綿季と藍子が二人がかりで彼の分身と玉袋をその手で愛撫している。快楽に喘ぐが彼の体は一切動かない。アルが瞳にこもる魔力だけで彼の動きを完全に止めている。
彼女がゆっくりと服を脱ぎ始めると、ユウキと藍子の愛撫に耐える彼の分身が射精を求め始める。泣きかける彼に心底馬鹿にした様なユウキの声が上がる。

「アル様早く着てあげて―! 早漏すぎる忠助に寸止めするの本当に大変なんだよー」

「ユウ、事実でも男の子には厳しい事実だから言ってはダメよ」

 ユウキの激しい愛撫と藍子の優しい愛撫が彼の分身に休憩はおろか慣れることすらさせてくれない。それを見ながらアルは満足そうに行った。

「忠助、今回は不正解。と、言うわけで罰ゲーム行ってみましょうか?」

 軽いノリでアルも彼の分身をいじり始めると、彼は声にならない声を上げながら泣き叫んだ。 片腕は堕落させる様な優しさで、もう片腕は魔王が蹂躙するような感じの快楽を彼女は送り込んできている。
それを木綿季と藍子の手が支援するような感じで余計に彼の分身を愛撫するアルの力を際だたせる。 

「忠助、早漏なのは仕方ないけど降参速すぎるよ〜!もっと頑張れ!」

「ユウ、もうちょっと手心を加えなさい」

 口では諫め、優しい笑みを浮かべているが木綿季以上に容赦のない快楽を送り込み藍子が笑う。 
快楽が本当に限界を迎えかけた時、不意にアルが彼に跨り分身を一気に飲み込んだ。 繋がった瞬間に完全に頭の中の全てが壊され、それが流れ出ていくような射精が終わると、アルは打って変わった優しい腰遣いで彼を虜にし始める。
顔で乳房を変形させながら、胸を揉みしだくと電撃が手のひらに走り、直ぐに脳が限界を迎えた。射精と共に手を引くと木綿季がそれを咎めた。

「一度始めたなら、最後まで女性を満足させる努力は続けなきゃダメだよ。 というわけで手伝うね♪」

「え」

 困惑した声を上げる彼の言葉が終わるより先に木綿季が彼の手を掴みアル社長の乳房を揉みしだかせ始める。

「ひぎゃー!」

「頑張れ! 弱すぎる忠助の為にも、一回アルさんがいったら免除してあげるから」

 藍子は何をしているのかと思った瞬間、アルが彼の頭を解放して首を回させた。その先にはどんな罵る言葉よりも、雄弁にバカにしている目で彼を見ながら、彼の痴態を肴にワインを飲む彼女の姿があった。

「藍子にバカにされていると知ったと途端に硬さが増したわ」

 アルの申告を聞き二人が嘲笑した瞬間彼は再び射精し倒れた仰向けに倒れた。アルが笑いながら覆いかぶさり柔らかく包んでくる。それを見て二人も参加すべく服を脱ぎ始める。

 木綿季と藍子が加わった後は彼にとっては心を溶かすマグマの様な快楽が延々と続いた。時には木綿季がアルの魔王めいた快楽を後押しするような形で彼を嫐り、また藍子と共に優しい快楽で彼を癒しながらも、
アルの魔王めいた押しつぶす快楽との落差を与えてきたりする。 
木綿季と藍子が彼の乳首をしゃぶり真逆の快楽を与えてくるよそで、アルが彼に騎乗して腰を動かすと彼は蛇口が壊れた水道の様に精液を垂れ流しながら、叫び続けた。 
彼の限界が近づいてくるのを確信すると、アルが不意に木綿季と藍子を離れさせて、対面坐位の形で彼の頭を乳房の間に迎え入れて、ゆっくりと腰をグラインドさせ始める。 射精を許されない、快楽がしばらく続きながら彼の意識は不意にいったん途切れた。






花の大公爵ヴァレンティーヌの閨房、彼女のこの部屋の主である、ジェラート・ヴァレンティーヌの魔女らしい妖艶さを引き立てる紅と淫猥さに彩られた寝室で、陸八魔アルとユウキとランがゲームの中のキャラクターである高島忠助と同じくらいの年齢に戻された、横島を嫐っていた。

彼らの情事が繰り広げられる寝台の前に祭壇にも見えるゲーム板があり彼女達を模した木綿季や藍子とアルの人形が、寝室の中の彼女達と同じ、動きをしながら高島忠助を嫐っている。

一度射精するたびに交代し、交合する役が変わり残る二人が、今彼と繋がっている女性が彼から逃げられないようにしながらより多くの精を搾り取れるように、愛撫し協力している。 

寝室で彼を嫐り心底楽しそうに笑う彼女達と、快楽で虚ろな顔になりながらも、強い快楽を与えられた時と射精の瞬間時だけ雷に打たれたように痙攣し、正気に引き戻されている横島とその度に満足そうに笑う彼女達。

だが奇妙なことに彼女たちは、稀に喘ぎ声をあげる以外はほとんどしゃべらなかった。まるで現実ではなく、ゲーム板の中でしゃべっているかの様だ。

楽しそうに笑う彼女達とただ快楽への屈服を拒むことに精いっぱいの横島。恐らくはゲーム版の人形達も今情事を繰り広げている彼女達と同じ表情をしているのだろう。

 アリスは横島の表情を見ながら魔女らしい妖艶さと恐ろしさの混じった笑みを浮かべながら、自分の番が来るのが待ち遠しいという様子でそれを見ている。彼女はそろそろ良いかという表情になると、言った。

「それじゃあ快楽への屈服度とトラウマと中毒の判定をしましょう」

「うん。どうなるかな」

 横島の上になりながら笑うユウキを他所にアリスが賽子を振ると凄く高い値が出た。その瞬間、高島忠助の人形が美しいピンク色の光に包まれる。そして横島の肉体も同じ様になった。
ユウキが彼の特に凄い量の射精を受け止めると、次はランが代わり受け止め、最後にアルが受ける。 痙攣する彼の体を三人が柔らかい肉体を押し付けて押さえつけると、
最後のアルに特に大量の射精が起こる。アルに終えた射精が終わると、高島人形から彼の魂が彼の体に戻った。





 横島は不意に目を覚ますと目の前にアルの乳房があった。そして気が付く。こちらは現実世界だと。今あの世界と全く同じセックスをしている。
ユウキとランも木綿季と藍子と同じ状況で彼を見ている。同じくらい彼から精を搾りとったのが分かる。 
ただゲームの仲と違うのは目の前のアルはどこまでも甘く優しく彼を堕落させる愛撫をしているのに対して、ゲームの中の魔王は魔王らしく隷属させる快楽を与えてきている。アルは笑いながら言う。

「忠夫、快楽を与える罰ゲームは本気でやらないと面白くないでしょう。アリスお願い」

「ええ。任せて」

 アリスが手を振ると、彼の意識がゲームの中で同じ体制で搾り取られている高島忠助と繋がった。 魔王の隷属させる厳しすぎる快楽と、甘く蕩けさせる快楽が同時に襲ってくる。
ゲームの中の自分は快楽に屈服することに恐怖を覚えている。同じ体制で同じ契りを結びながら真逆の快楽が彼を一気に堕としに来ている。

「それじゃイキましょうか忠夫。私もイクわ」

638 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:50:10 ID:suoH5apw

 脳が完全に壊れる感触を味わいながら彼が射精すると、大量の精が彼女の中に放たれたと感じた。その後、彼より早く立ち直った彼女は笑いながら彼を抱きしめて乳房に顔を埋めさせる。
その感触に脱力感が襲ってきたのを感じ取りながらアルが言う。

「ゲーム板では、罰ゲームの仕上げのあと、次の知恵比べの相手が来るから頑張ってね♪」

 どこまでも甘く心地よい感触に包まれながら彼の意識は少しずつ眠りに落ちていった。




 完全にゲームの世界に戻った彼はアルのもたらす屈服させる快楽に屈服し仰向けに倒れた後、鋭利で低い澄んだ声が彼の耳をくすぐった。


「罰ゲームもそろそろ仕上げに移っていい? 次は私が彼と知恵比べする番なんだけど」

「アリス、ええ。それじゃあ移りましょうか」

 そういってアルが彼から離れて、手を振ると様々な衣装を来た女性陣達が現れる。これは悪霊に近いと彼は一目で理解した。 ゲームの中のベリアルであるアルは笑いながら言う。

「これが私の率いる悪霊たちよ。彼女たちの悪事の数々を見てみなさい。アリスお願い」

「ええ」

 アリスが手を振ると人形劇が始まり。その人形劇の部隊の中に彼の意識は移った。高島忠助の中にいる横島は他人事の様に思った。

『ゲームの中にいるのにさらにそのゲームの中の人形劇に入るのか。不思議な気がするな』





 人形劇の舞台の人形に入った彼は、アルの配下の悪霊軍団たちの生前の悪行の被害者たちの人生を追体験させられた。
時には冒険者として色香で仲魔を裏切り、破滅させ。あるものは魔女として善良な権力者を骨抜きにして国を傾けて女権国家を利したり、色香で男を破滅させること自体を楽しみとした者たち。
悪行の種類はすさまじいが、それでも彼の道義心からしたら女性とはいえ、倒す対象とみなすに十分な者たちだ。だが、そんな女達に犯され快楽と色香で堕とされていく男たちの人生を追体験すると快楽と背徳感で脳が焼き切れていく感覚がしていく。 

一際外道だと思って容姿が優れた魔女でもあるメイドに犯された直後に彼の脳が砕け。頭が真っ白になると同時に再び、彼の意識は高島忠助の肉体に戻った。



 意識の戻った彼の全身を激しい快楽が貫く。そして目の前には夢の中で散々彼が追体験した、男たちを破滅させた悪女たちが嘲笑を浮かべながら彼を嫐りぬいている。


 アルに金縛りにされていたが仮に、解かれたとしても自分はもう快楽で抗えない。それを確信し黒髪ロングの女性が、どんな侮蔑の言葉よりも雄弁に彼を嘲る目で見上げながら彼の分身をしゃぶる。
 声にならない悲鳴を上げかけるが同じ目をした金髪の女性が口づけしてそれすらも許されない。 彼女は見下しきった瞳で彼の眼をのぞき込みながら舌を絡めてくる。他の悪霊である女性達の嘲笑を受け止めながら彼の分身は何度も射精を繰り返していく。
アルが手を振ると、彼女たちはアルに対しては恭しい態度を取りながら横島から離れていく。 アルは崩れ落ちかける彼の顔を手で挟み見下ろしながら言う。

「自分に対して全く好意のない外道な顔と体だけの女たちに嫐られるのも、それなりに良いものでしょう。どう、リタイアして我が配下となればさっきの感覚とこれの繰り返しを何度でも味わえるわよ」

 辛うじて彼は首を横に振った。そこに不意に心の中を抉るような眼を持った少女が現れる。紫色の瞳をしたショートカットの微小だが。横島は、彼女がさとりだと気づいたが、気づいていない、高島忠助の意識も同じように共有していることに気づいた。
 そして横島忠夫しか知らないことはこのゲーム版の世界では使えないのだろう。プレイヤーがメタ知識をどうやってゲームのキャラに活かさせるか苦慮する現象はこうなのだろうかと彼は思った。

 さとりは彼を見下ろしながら言う。

「初めまして。私は今回のゲームを貴方に持ち掛けた人外さとりです。貴方が不正解を言うたびにペナルティを与える役をもらっています。さてアル様、彼は生ごみや世界で一番ひどい汚水並みに腐った心を持った美女達に嫐られて彼は凄く興奮してますよ」

 大勢の女性達に彼女は実況するように笑いながら言う。彼女の言葉で侮蔑の笑みが深くなった周りと共に嘲笑する彼女に見下ろされると、余計に分身が固くなってくる。さとりがアルに目配せすると、アルが再び外道な女性の悪霊たちに許可を与えた。彼女達に再び嫐られ始める高島を見ながら彼女は言う。

「彼もう、嘲笑されて男性優位の国ではありえない閨での負け方も含めて興奮してますねぇ。 たった一回でここまでになるとか、生きていて恥ずかしくないんですか?」


 女権国家でも救えない外道な赤毛の美女に騎乗された彼の分身はさとりの罵る声が止めとなり射精をした。それが終わった直後にさとりが足で強めに彼の玉袋を踏んだ。痛みと快楽が走り、そのまま彼は再び笑う赤毛の美女の中に放った。性根の腐った女達が嘲笑めいた目を向けながら彼から離れていく。

「自分でも気づいているでしょう。貴方は罵られた言葉も射精の元となるクズだと。ベッドの中で女性に勝てないのは仕方ないけど、その性根は救いようがありませんね」

 霊力と精を吸い取られ、指一本動かせなくなった彼の分身をさとりは服を脱ぐと飲み込んだ。 彼女は笑いながら宣言する。

「『想起・腐れ外道の女性達に嫐られて、破滅した男たちの人生追体験』」

 さとりの宣言と共にさっきの女性達に外道な手段で堕とされそれでも色香と快楽に、抗えなくなり己を軽蔑し汚物の様に思いながら、破滅していった男たちの快楽と屈辱の追体験が起り、さとりの中に何度も彼は射精をした。

「今回の罰ゲームはこれで終わりです。少し心配になってきました。次からは罰ゲームを受けたくてわざと、不正解言いませんか?」

「い、いやそんなことはせん」

「まあさすがにそれはありませんか。次の知恵比べの相手はリグルさんとアリスさんです。どうか頑張ってくださいね」

 その言葉と共に彼の意識はゲームの世界から現実に戻った。




 横島が目を空けると、布団の中にいた。魂や精神に刻まれた快楽が彼の中にあり。そして彼の目の前には大量の精液を受け止めたさとりの姿がある。彼女はわざとらしくそれを彼に見せつけていった。

「最悪の外道な私のキャラに犯された人生を追体験しながらだと、本当に凄い量を出されるようで。こいしが無意識にしてほしがっているプレイを教えてくれましたけど、ここまで変態とは」

 ゲームのキャラの意識もまだ残っているのか、あれだけの量を射精したという事実だけでも、より恥辱心が強くなっていくのを彼は感じた。

「それじゃあ、体を清めたら遊戯室に戻りましょうか。今回は私は罰ゲーム専門で騙し合いのゲームには参加してませんよ」

「ユウキのご主人様ではないと考えてもええのか?」

「ええ。そこは約束します。次回からはこいしも罰ゲームに参加するからお気をつけて。
今回はリグルちゃんとアリスさんが騙し合いの相手ですから、お気をつけて。答えはアリスがご主人様か、リグルがご主人様か、あるいは両方ともご主人様ではないかです」

「そうかわかった」

 横島が寝室から遊戯室に戻ると、アリスとリグルがゲームの駒を動かしていた。彼女たちは横島に向けて言葉をかけてきた。

「忠夫おめでとう! 不正解の答えを言っちゃたけど、それ以外の知恵比べには完勝していたし、小シナリオをクリアしたから、ジェラート様が王国に相当な支援を約束してくれたよ」

639 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:51:56 ID:suoH5apw

 ジェラートが最初に決めた、横島がこのゲームに勝ってクリアすればするほど王国に送る支援が大きくなっていく。その約束を彼女は絶対に違えないという信頼がある。彼は意気込むと次のゲームに移った。





……………、今回のゲームでも横島はダイス運とスパイとして積んだ徹底的な経験を活かして、魔女アリスとリグルの試練を乗り越え、困っている人たちも助けた。小シナリオの最後になって、横島は悩んだ。
このシナリオでは、木綿季たちの御主人様が途中出てくる可能性もあり、そこで当てられなければ、後は皆不正解ということになる。
『どちらも御主人さまではない』を選びそれが不正解だった場合は、それが分かるのは最後だ。彼は少しだけ考えた後に言った。

「リグルが木綿季と藍子の御主人さまだ。木綿季と藍子が誰を主人様にするか選んだ様な描写が幾つかあった。
だから、この物語の中のリグルの能力を見ていると、明らかに木綿季たちが選ぶのはリグルだと思う。英雄の御霊の能力を一部付与できるから俺に使わせる為に彼女を選んだんだ」

 その答えにアリスが笑いながら答えた。

「不正解よ」

 それを聞き横島は半分くらいはやはりかと思った。ミスリードを狙ったと思えるようなしぐさもいくつかあったし、ひっかけられたのだなと思った。

 そう考える彼に向ってアリスが言葉を口にした。

「罰ゲームに行く前に、今回も上手にプレイしていたからボーナスがつくわ。冷静でいられるうちに選んで」

横島はそのポイントを見ながら少し考えた後に言った。

「これにするわ」

「これで良いのね? デメリットも大きいけど?」

 念を押すようなアリスの言葉に彼は頷いた。

「ああ。途中まで答えを言わずに全員を見てから言えるってやつやな。このオプションを選んだ場合、今回ご主人様だと指摘しなかったアリスの事も指摘できる。ただし、これを選んだら最後の一回以外は答えを言えないってわけだ。 
何回不正解を言っても、ダイスの結果浸食率が低ければ、全員をご主人様だと指摘して勝てる可能性も凄く低いが、ゼロではないこのゲームではかなりでかいデメリットだな」
 
そこまで言った後横島は、少し考えてから言った

「だが、快楽でどんどん冷静さが減っていくし、冷静に全員を観察して、最後の一回にかけた方が良いと思う」

 ファンブルが出てしまえば一回の不正解でもゲームオーバーの可能性もあるしな、と彼は付け加えた。

 その言葉にアリスは納得した様に頷いた。

「分かったわ。それじゃあ今回の罰ゲームに行きましょうか」

 そういうと彼の意識は再びゲーム版の人形に吸い込まれた。意識が完全に人形に移る前に自分の体も寝室に運ばれているなという感覚が彼の中に朧気に感じられる。揺れる感覚が眠気を誘いしばらく経つと彼の意識は完全に眠りに落ちた。






 横島は再び高島忠助の意識の中に入った。今、彼は小太刀めいた短刀を握りしめ身構えている。彼の短刀は霊波刀を途中で付け足すことで普通の刀と同じ長さにできるのだ。それにより敵の計算を狂わせるのは彼の得意技でもある。
彼はアリスとリグルの依頼で人形劇に出てくる英雄たちを冒涜する類の悪霊等と今回は戦った。全ての事件を解決した後、彼はリグルが主人だという答えを言うと、外れだと言われた。
それを聞いて覚悟をする彼にアリスが、一時的に自分と使い魔契約をした木綿季と模擬戦をして勝てば今回の罰は免除だと言ってきた。

 横島は最初から霊波刀を付け足した小太刀を構えて、木綿季の動きを注意深く観察した。木綿季くらいに速い相手だと霊波刀を消して小太刀に戻すのはともかく、長くするときの時間の落差で直ぐに負けてしまう。 木綿季が剣を構え切り込んでくると彼はそれを即座に受け止めた。

 木綿季は心底楽しそうに彼の返しの剣撃を受けて笑った。

「忠助凄いね。こんなに短期間で戦い方が上手になるなんて。やっぱり実戦で化けるタイプだったのかな?」

 霊波刀をいきなり消失させられると、剣をぶつけるはずだったところに空振りが生じ大きな隙となる。そしてその隙に刀の間合いから短刀の間合いに入られれば大きく彼女は不利になる。それが分かっているからこそ、
彼女は忠助の攻撃を上手く防ぎながら深く切り込んではこない。だが、高島は近接戦闘だけじゃなくて術にもたけている。だからこそ、距離をとって呪文を唱えられる際の事も考え付かず離れずに動かなくてはいけない。


 木綿季は彼との戦いを心底楽しみながら、剣撃の乱舞を速めていく。不意に剣を消されても大丈夫な位置を取りながら、速さで彼の神経を疲れさせる意味もあるのだろう。彼は、それを見ながら彼女が大きく振りかぶった一撃を辛うじて受けて、
鍔迫り合いに持ち込まれた瞬間に剣を消した。 リスクがそれなり以上に大きかったが空振りよりも隙が遥かに少ない時に消すことで逆に意表を突き、その僅かな隙に乗じて彼は一気に踏み込んだ。踏み込んだ瞬間、
木綿季が剣を手放し、隼の様な速さで彼との距離を半歩詰めた。小太刀の間合いから、拳の間合いに変わり距離を取りかけた瞬間に、彼女の拳が彼の顎を捕らえた。

 倒れる彼に木綿季が少し嬉しそうに、言った。

「忠助は、刀に込めた術で僕の動きを封じに来ると思ってたよ。距離を詰めて、霊力を込めた拳とか、僕に大怪我される戦法は多分無理だと信じてたからね」

「そこまで読まれてたか」

 その回答を最後に彼は気絶し。次の瞬間柔らかい膝枕の感触と共に目覚めた彼は頭を柔らかい乳房で抱きかかえられながら、回復魔法をかけられていた。

「藍子か?」

「はずれ〜。 優しい担当は毎回お姉ちゃんだと思っているね。僕だったこういうこともできるんだよ〜」

 揶揄う様な声と共に、顔を包む木綿季の乳房で硬くなった分身に彼女の空いた手が伸びて、掴む。

 そのまま手で彼を射精させて虚脱状態に追い込むと木綿季は言う。

「それじゃあ、アリスさんリグルちゃん本格的に今回の罰ゲーム行こうか」

「ええ。それじゃあ移りましょうか。前回と少し似ているかもしれないけど、大分違うわよ」


 アリスが笑いながら彼の目の前で人形劇を展開させ始める。 それは、幾つもの英雄譚だ。彼、高島忠助が、憧れた何人もの英雄たちの物語が多かった。それを見ながら高島の中にいて感覚を共有している横島は、確かこの人形劇の知識判定は失敗していたなと思った。


 罰ゲームの最中であることすら忘れて見入るほどの見事な劇を幾つか終えるとアリスは笑いながら彼の唇を奪った。

「今私が上演した劇は女権国家でも賞賛された男性の英雄たちの物語よ。彼らは比較的良識的な、女性達を伴侶とするだけの幸運を持っていたけど、一つだけ他国では劇にされていないものがあるの」

「それは言ったい……」

 口づけの快感で完全に頭が朦朧としている彼を木綿季と藍子に支えさせながらアリスは言う。

「女権国家の女性を伴侶とした際に彼らが閨でどういうことをされたかよ」

 そういってアリスが手を振ると彼に魔法の光が吸い込まれてくる。リグルも一部の地域では英雄たちの御霊ともされる蛍の力を使いアリスの術を支援し始めた。

 アリスに分身を飲み込まれた瞬間彼は、完全に自分が堕ちていくような感覚を覚える。どこまでも優しく屈しても良いと思わせる彼に快楽を与えながらアリスは柔らかな体で彼を愛撫していく。
アリスに何度か射精させられて、脱力しきったところでリグルが代わると、魂の奥に根を張るような快楽が流れ、虫の交尾の様に命全てを抜かれる前の様な恐怖が一瞬走る。 その状態の彼にアリスが口づけして言う。

640 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:53:51 ID:suoH5apw

「大丈夫よ。このゲームで負けた時は私も貴方の所有者の一人。だからあまりひどいことはさせないから。さあ全てを委ねて。藍子。木綿季」

「「はい」」

 アリスの声に答えた二人が耳の中に舌を入れて愛撫してくると、さらに逃げ場がなくなり、脳の中に直接快楽と魔力を送り込まれてくるような感覚がする。リグルが離れると、木綿季と藍子がジャンケンを始めた。恐らくは次に自分から搾り取る順番をかけているのだろう。 

四人がかりで行われる彼女たちのやり方は、どこまでも脱力させて来る快楽と彼女達になら全てを委ねて大丈夫と思わせる安心感を無限に与えてくる。 魂が蜜で腐り切りかける様な錯覚を覚え始めた彼に四人とは別の声が響いた。

「こいし、このままだと彼がゲーム―オーバになってしまうようだから、特別サービスをしてあげましょう。立ち直る手伝いをしてあげなさい」

「はーい」

 こいしと呼ばれた少女が手をかざすと、彼の中に不意に恥辱心が大きく沸き上がり始めた。女性優位の性行為が恥ずかしいという、
彼の故郷での意識が強化されたようだ。無意識を操られたような感覚だと、彼は思った。そしてその屈辱が彼の分身をより強化すると丁度彼の上に跨っていた木綿季がより嬉しそうに腰を振り始める。

「忠助頑張れー! ここで射精したら、故郷の国ではありえない変態ドマゾ確定だよー!」

 応援しながら今までの優しい蕩かす快感と正反対の、強すぎる快感を与えながら木綿季が笑う。 

 アリスが彼の唇に乳首を入れて玉袋を優しく揉みしだき言う。

「激しい快楽の再現はまだしていなかったわね。ここから一気に行くわ」

 藍子も背後から彼を捕らえ、乳首をつねりはじめ。リグルが笑いながら蛍たちを輝かせると、英雄たちが堕とされた夜の再現度が上がっていく。

 木綿季の中に精を放たされた瞬間、彼の意識は完全に壊れ落ちた。強力な妖怪の攻撃で魂が壊れた時と同じ感覚が快楽によって引き起こされた。
優しい刺激に慣らされ切った彼はこの射精で完全に意識が落ちかけた。離れる木綿季を他所にさとりが笑いながら言う。

「こいし今回は貴方の番ですよ」

「はーい。お姉ちゃん」

 こいしが彼の分身を飲み込むと、さとりは笑いながら言った。

「ちゃんと彼の無意識を、男としてのプライドが高まるようにしたようですね。それでは『想起・アリスとリグル主体の優しい堕落の快楽』」

「あー!」

 横島は獣めいた悲鳴を上げながらのたうち回ろうとした。それを押さえつけてくるアリス達の体の柔らかさが彼の分身を余計に硬くしていく。
彼女達にされた男性優位の性行為が当たり前の国の民としての屈辱すら忘れさせる甘く優しい快楽がさとりの想起で引き起こされ、そして、こいしのもたらす電撃の様な強い快楽が彼の意識を堕とさせない。
そして女性に負けるのが恥ずかしいという、意識を強められたことで彼は恥辱と背徳感が彼をさらに嫐りぬいている。さとりは笑いながら言う。

「あら、助けてあげるために男性優位の性行為が当たり前という無意識を強くして強い快楽を与えたのに、逆に興奮してますねぇ。ここまで度し難い変態だったとは。 罵られるのが癖になっているのはもうわかってますよ。早く堕ち切ってしまっては」

 射精を終えて、倒れた彼からさらに精を搾るこいしをよそにさとりは彼の耳元で、侮蔑を込めた誘惑の言葉をささやく。これ以上言われたら堕ちる。そう考えた矢先に彼の意識は現実へと帰った。




 再び寝室で目覚めた彼が最初に見た者は上機嫌なアリス達の笑顔だ。その輝くような笑みに、見惚れながらも彼は、ふらふらと立ち上がった。

「それ、じゃあゲームを続けようか」

「今日はエヴァが時間を調整してくれているから大丈夫よ。頭がはっきりするまで休んで。何だったら、現実世界の貴方の体を私達がどうしていたか教えるくらいの時間があるわよ」

 アリスの言葉を聞いた、相当絞られた後なのに分身が固くなるのを自覚した。自分の霊力の減少具合と、彼女たちの霊力の増加を思えば、あの夢と同じことをされていたことは一目瞭然だ。 アリスに栄養ドリンクを頼んだ後、幾つかの甘い菓子を摘まみ紅茶で流し込んだ。

 甘いチョコレート菓子を紅茶で流し込んだ後、アリスが持ってきてくれた栄養ドリンクを飲み下した。
欲情しない程度に回復して頭がすっきりとしてくる。あくまでも知恵比べのゲームだから色香で血迷わせるような真似は避けているのだろう。彼は大鳳たちへの支援を多く勝ち取るために、シナリオに挑むことにした。



 卓に戻った後の彼は、リグルではなくアリスが木綿季の主人なのではないだろうかと、予測していた。どちらかが主人だと思いはしたが、最終的にリグルの方が可能性が高いと感じたために、リグルを選んだ。
だが、それが外れた以上はアリスが木綿季の主人である可能性が高い。 だからこそ他のデメリットを選んでもアリスと指定できるオプションを取った何よりこれ以上快楽を味あわされたら、正気を失いゲームにならなくなるかもしれない。






 全てのシナリオを機知とリアル知識と幸運乗り切った彼は、ゲームの勝利の商品として、王国への各種の支援を約束させる証書をジェラートに幾つも書かせた。 この時点でも王国の負担は相当減っただろうが、最後に正解を言えたか否かで、王国にさらなる大きな支援をもたらせるかが決まる。

 横島は大分考えている。答えを言わなきゃダメな時間まで三分を切った。周りにいる全ての女性達も、彼を嫐れることも楽しみだがゲーム自体も面白かったとは思っている様だ。勝てるかどうかが気になっている様子のヴィヴィオ達の様子を見ながら彼は言った。



「今回の木綿季のご主人様は、アリスだな。エヴァかなとも思ったが、劇中の木綿季と藍子の動きは英雄の技や魔術の再現は、エヴァだと辛うじてできるくらいだ。人形劇で再現に長けた、アリスでも簡単ではないだろうけど、エヴァよりは少しだけ余裕がある。
それで俺を手助けしている時の動きはジェラートやメタリカの使い魔になった際の動きを再現していたんだろう」


 それに対してジェラートとメタリカは顔を突き合わせて笑った。女権国家の女性が見せると好いた男を捕食できる時に見せる笑みだ。それを見て自分は不正解を言ったんだなと彼は悟った。

 彼に対してジェラートが笑いながら言う。

「旦那様、そこまで的外れな推理でもなかった故、落ち込むでない。 しかし、妾たちの夫を手玉に取る手腕も捨てたものではない様じゃな」

 そういってジェラートが赤い髪をたなびかせながら彼を掴むと杖を振った。赤い花弁が舞散った後に彼の視界が暗転する。


 次の瞬間彼がいた場所は、今日で三度目に訪れることとなったジェラートの閨房にいた。ジェラートが笑いながら杖を振ると多くのサキュバス族の一種サキュアたちと、彼女の弟子であり手下でもある魔女達が現れる。エヴァ達も、早く始めたい様子だ。

「それでは最後まで不正解を出した旦那様に最後の罰ゲームといくかえ」

 ジェラートの最後の宣言と共に彼の意識は再びTRPGの部隊に入っていった。






 高島忠助は今まで共闘したり敵対したりした、木綿季と藍子のご主人様候補たち全員に囲まれていた。
負世界の答えを言った瞬間にアリスの指から延びてきた霊力でできた糸が彼の体の中に入ってきておりもう逆らえないことを示している。 最初に愛歌が笑いながら彼に恋人の様に甘い口づけをしてきた。 彼女は笑みを浮かべて言う。

「とりあえず彼の精神が完全に参りそうになったら私やアリスが間に入るわね。少しすれば回復するでしょうし」

641 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:55:12 ID:suoH5apw

 その言葉にジェラートが頷いた。

「妾たちもできないことはないが、殿方を嫐りながら回復させるのは愛歌殿の方が上手じゃろう。 それに今宵は嫐ることに集中したいのでな」

「愛歌様ちょっとまって」

 言い終わる前に彼女に口づけされた後、彼は糸に操られ愛歌の体のいたるところを愛撫させられ始める。乳房や尻を揉みしだくたびに、激しい電流が走り分身が元気づくが、破裂直前になると彼女が優しくそれを手でつかみ封じてくる。

 少しそれを繰り返し彼が限界を迎えかけると、彼女が彼を押し倒して、その分身を飲み込んだ。

 ただただ気持ちよく、他の事を考えられなくなる彼が逆に愛歌を逆に押し倒すと彼女は下になりながらも主導権を握り、彼が射精したいときに合わせて何度も絶頂へと導いた。
出せば出すほど自分の体が中毒の様になっていく感覚を味わう彼女の愛歌が彼を抱き返しつつ、一度内部で彼の分身を締め上げた。あまりの快楽で激しい射精を起こし、動けなくなった彼を王族らしい目で射抜きながら彼女は言う。

「性的に負けていることは誰よりもあなたが分かっているわね」

「は、はい」

 上になって腰を振りながらも射精の度に彼女の視線がどんどんと、魂に刻み込まれていくのが分かる。

「今回の私の番が終わるまでは、射精するたびに私の名を様付で呼びなさい」

「は、はい」


 今回は次が最後になる。そう思い彼はその通りにした。

「愛歌様!」

 強すぎる快楽のあまり叫ぶようになった彼の無様な姿を愛歌は上機嫌に見ながら、彼を拘束していた両手両足を離した。

 強すぎる快楽で頭がくらくらしている彼を他所に愛歌は仰向けになった彼の分身を足で踏み始めた。

「私も女権国家の女性だしこういう趣味もあるのよ。木綿季、藍子」

「「はい」」

 木綿季と藍子が二人係で彼の分身を四つの乳房で嫐り始める。二人の乳房の間から出ている先の部分を愛歌が楽しそうに踏みつけて笑う。それを見ながら彼女は言う。

「それじゃあイク時の約束覚えているわね」

 違えたら恐ろしいことになる。その予感に背筋が凍り付きそうになりながらも、同じくらい今の状況は怖かった。
この王族の視線で見下され足で分身を踏まれながら、射精の瞬間に彼女を様付で呼んだら絶対に、自分の精神に深く刻まれてしまう。
だが約束を違えた時の恐怖が勝り彼は、叫ぶように射精の瞬間に声を出すことを決めた。彼が決意して止まれなくなったのを見計らったかのようにさとりの声が響いた。

「本当にそうなんですかぁ? 貴方は実は愛歌様に踏まれながら射精して様漬けした際に快楽を覚えているのでは? それを恐怖でごまかしているんじゃないですか? 否定派できないですか? 本心かもしれませんが相当悦んでますねぇ。 ……見下げ果てた変態ですね。このド屑が!」

 愛歌に対する隷属感情だけでもかなりひどいのに、さとりの射精直前の罵倒がさらに精神に追い打ちをかけて、一つで済んだはずの折り目が二つも付いた感覚がする。だがそれでも、愛歌との情事は彼の精神を回復させていた。彼女は愛おしそうに彼に口づけして言う。

「名残惜しいでしょうけど交代だわ。 貴方の精神が持たなくなったらまた代わるから」

 笑みを浮かべて帰る愛歌をしり目に見た後、ヴィヴィオとエヴァが笑いながら近づいてきた。

「謎解きで敗北したので罰ゲームの時間ですよ。高島、聖王として不甲斐ない臣下にお仕置きの時間ですね♪」


 大人の姿になった彼女は愛歌と同じ、王族らしい瞳で彼を見下ろした後アリスの方に目配せをした。 アリスが頷くと彼の体は勝手に動き、ヴィヴィオが望む様に動き始め彼女と交わり始める。
 最初は王族らしい、視線で彼を見下ろす騎乗位で彼女は彼を何度も射精させたが、彼が完全に王族の威に対して屈服してそれが癖になったのを読み取ると、彼女が上の対面坐位に切り替えた。
これ以上性的快感を与えられたらおかしくなる。そこまで思った直後に彼の腕が動き片腕はヴィヴィオの右の乳房を掴み、もう片方は左の尻に伸びて形を変えさせる。
そして口が開くと、ヴィヴィオの左の乳首に吸い付き始める。快楽が許容値の限界を超えた彼が射精すると、ヴィヴィオは彼の不安を和らげるように頭をなでながら、快楽で意のままに動く彼を堪能した。

「ほら、女性優位の性交の屈辱が癖になって余計にたくさん出すような性根をしているから、知恵比べに負けるのです。 勝つのは無理でももっと頑張って私を圧倒して見せるくらいの気概は見せなさい!♪」

 彼女が厳しい快楽を与えてくるとその度に射精し、それが済むと優しい快楽に切り替え。意のままに動く彼を見下ろしながらヴィヴィオは笑う。

「エヴァさん、彼の体を覆う気を聖属性に傾けて置いたから、貴方の属性が相当効くと思いますよ」

「ふむ。そうだなバカ弟子に負けるとどうなるかの指導と行くか」

 ヴィヴィオが彼を解放すると、エヴァ即座に彼を抱きしめてきた。アリスの糸で動かされた彼の肉体は、エヴァに奉仕を始める。丁度ヴィヴィオとしたのと同じ様な性行為を始めた。

 最初にエヴァに騎乗された瞬間、彼は瞬殺される形で射精し、一気に背筋が寒くなった。ヴィヴィオの聖なる気に慣れ切った今、エヴァの与えてくる真逆な闇属性の快楽がより強く感じられる。

「怖いか? 快楽が強すぎて辛いか? だが、女権国家の妖怪に負けるとはこういう事だと教える必要があるからな。私も辛いぞ♪」

 口とは裏腹に心底楽しんだ口調で、先ほどのヴィヴィオと同じ対面坐位に入るエヴァに恐怖しながら彼は何度も射精を繰り返した。

 数えきれない程の数の射精のあとにエヴァが笑いながら言う。

「あと二回でヴィヴィオと同じ回数だな」

 その言葉に彼は心底ほっとした。回復アイテムなどのおかげで生命の危機は感じないが、強すぎる快楽で射精の度に精神に折り目や傷がどんどんついてきている感覚が激しかった。あと二回。そう思っちゃ直後に彼の気が緩み脳が壊れるほどの快楽を伴う射精が起こった。

 そして彼がもう一度で終わるそう思った直後にエヴァが言う。

「最後までヴィヴィオと同じにするなどとは言ってないぞ。最後はこれで締めだな」

 そういうとエヴァは彼と同じ姿の少女の姿になる。余計に強く締め付けられ、快楽で悲鳴を上げる彼の分身を10秒くらい弄んだあと、彼女は射精の瞬間に合わせて首筋にかみつき、僅かに血を啜った。

「〜〜!」

 吸血の快感で予定より多数の射精をしながら声にならない声を上げる彼を上機嫌に見ながらエヴァが笑う。

「満足で来たぞ。バカ弟子が。これに懲りたら勝てないかもしれない賭け事は避けることだ。最も今回は避けられない類のものだったから、負けることに懲りさせるだけだがな。
――、もっとも罰を与えたくなるような愚行をしてくれることを女権国家の女としては願っている部分もある」

 エヴァの情欲めいた目が彼を恐れさせた。そして愚行を犯した時の罰を期待している自分もいることに彼は気づいた。


 エヴァがことを終えると、ジェラートとメタリカの二人が進み出てくる。メタリカが笑いながら彼を見下ろして言う。

「キヒヒ。忠助、大分疲れている様だな。私達は今回の契約上お前を体力的には、壊せない」

 そういうと彼女は回復させるドリンクを取り出してくる。彼女の発言を引き取るようにジェラートが続ける。

642 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:56:36 ID:suoH5apw

「このドリンクを飲んだら体力が回復するから余計に搾り取られることになろう。だが飲まねば直ぐに終わるがどうするのじゃ?」


彼女達が渡してくるドリンクを飲めば体力が回復して、再び快楽地獄が始まるという確信がある。
だがそれでも消耗しつくした体がそれを欲し彼の体は魔女達が合成した栄養ドリンクに手を伸ばしていた。 ドリンクを飲みすと直ぐにそれが自分の体に吸収された感覚があり、それが済んだのを確認すると彼女たちは笑った。

「本当に体が辛いそれだけか? どうなんださとり」

 メタリカが彼に魔術を賭けながら跨り問う。 その問いにさとりが笑いながら答える。

「一応体が限界だからという気持ちの方が強いようです。でも無意識では沢山嫐られたいという気持ちも相当働いていますよ。 この変態さんは」

 こいしの告げ口を聞きメタリカが笑いながらと繋がると快楽の沼に堕ちていくような感覚があり、彼はそのまま堕ちていく。 激しい射精をするとジェラートがメタリカと交代し言う。

「忠助殿、堕ちてしまえば楽であろう。 魔女達に特性ありき、複数の魔女に愛された者の特権を味わうが良い」

 そういうと、彼女はメタリカと同じ傾向でありながら、種類の違う堕落させる感覚の強い性的快感を彼に与えながら、ゆっくりと離れていく。メタリカは笑いながらジェラートに言った。

「あれをやるのか? うむ、今夜のフィナーレには確かに相応しいな」

 そういってメタリカは自分の定住先の女権国家の媚毒の沼の液体を取り出し彼の股間に塗りたくり始める。激しい快楽で彼が悲鳴を上げると藍子が彼の唇を口づけして塞ぎ木綿季が後ろから抱きしめ始める。

 メタリカが再び彼の分身を飲み込むと沼の魔力も加わったことで、前以上の快楽が彼に襲い掛かり、彼の意識は一瞬で射精と同時に堕ちた。そしてその瞬間メタリカの笑い声が聞こえ、ジェラートが配下のサキュアたちを呼び出す音が聞こえた。



 忠助は明晰夢に似た夢の中で目を覚ますと、自分の分身が激しい快楽でさいなまれてることに気づいた。 それだけではない。後ろからは木綿季に抱き着かれている様な感覚と、
彼女の強い快楽を与えてくる愛撫を受けている様な感覚がある。目の前のジェラートはそrを見ると愉快そうに笑った。

「妾はサキュア族を従えている故、夢の中に入ることは容易いのでな。端的に言うと夢の中では妾と藍子。現実ではメタリカと木綿季がそなたを嫐る」

 藍子が楽しそうに笑いながら言う。

「忠夫さん、木綿季と私の攻めを全く同じ個所に同時に受けさせたらどうなるかやってみたかったので行きますね」

 逃げようとしたが夢は彼女達に完全に支配されている。その上現実世界で受けている愛撫の快感のせいで分身が悲鳴を上げ続けており彼は動くことすらできなかった。
ジェラートが現実のメタリカと同じように彼を前から抱え込んで分身を飲み込むと、藍子は現実の木綿季と同じように、彼を背後から愛撫し始める。

 木綿季の激しい快感と藍子の乱舞が彼を襲いジェラートとメタリカ二人の中に衰え切らない量の射精を放つと、ジェラートが笑いながら言った。

「藍子そろそろ、木綿季と二人で嫐ってはどうじゃ」

「ジェラート様ありがとうございます」

 現実世界ではメタリカと木綿季が交代の準備をし、夢の世界では藍子とジェラートが交代の構えを取った。

 ジェラートに離された彼を受け止め藍子は電話するように木綿季に言った。

「ユウ。それじゃあ、二人で同時に忠助さんの魂の一番深くまで加えこんでしまいましょう。 これを味わったらもう立てないでしょう」

 現実世界からの木綿季の声も返ってきた。とても楽しい遊びをしている時の声だ。

「うん。じゃあ行こうかお姉ちゃん。せーので♪」

 同時に飲み込まれた瞬間、彼は何度目になるか分からない、声にすらならない悲鳴を上げた。

 それを見計らったようにメタリカとジェラートがさっきまで木綿季と藍子のいた位置に身を移し彼を愛撫し始める。 逃げ場を完全に潰された彼の悲鳴は木綿季と藍子に口づけされて舌を絡められた時にようやく終わった。深く舌を差し込まれた瞬間に彼は射精し完全に沈んだ。





 意識が戻った彼は、ひたすらに嫐られた。ジェラートやアル、ヴィヴィオ等は配下のサキュアや魔女たち、或いは悪霊や配下の悪魔、ヴィヴィオは彼を気に入っていた騎士などをけしかけていた。
時には彼を嫐る順番が回ってくるまでは百合的な行為をして準備を整えている者達も、さとりから教えられた罵る言葉で彼の被虐的な性欲を煽る。夢と現実両方で嫐られた彼はうつろな目で快楽を味わい続けた。
 罰ゲームが終わる音が聞こえてきた時、丁度木綿季が彼を嫐る番になっていた。彼はうつろな目で最後に気になった事を聞いた。

「木綿季、結局今回のゲームでお前達のご主人様って誰だったんだ?」


 彼の疑問は最もと言えるだろう。彼女たちは彼を嫐る女性達にとって最高の助手であるかの様に彼を嫐ってきた。
アリスとリグルの時は英雄を堕とした性魔術の再現を手伝い、時にそれが効果的になるように彼に刺激を与え、ジェラートやメタリカの時は魔女の堕落させる力をより引き出し。
エヴァの時は吸血鬼の使い魔に相応しいあり方で彼の魔力を高めて、吸血の快感をより強めてきた。
合間、合間で彼の精神が限界になりかけると、癒す様に彼に優しい性行為をしてくる愛歌の手伝いをして共に癒してくることもあり、ヴィヴィオの部下として嫐って来るときは、生粋のストレリチアの魔術騎士としか思えなかった。

「かなり、意地が悪いひっかけ問題だったでしょ? 正解はね〜」




 ジェラートの閨房で今日最大の一人の男性を嫐る乱交が行われている。何度も振られたらしいダイスが降られる度に、美しく淫らな赤黒い光が彼と彼の魂の入っている人形を包みその度に彼の分身が痙攣し大量の白い液体を吐き出し続ける。
女性達の反応は多種多様だ。 男を嫐る悦びだけを求めている配下達もいれば、彼への愛おしさを感じながら彼を蹂躙するのを楽しんでいるもの。 何人もの女性達や配下達が彼を嫐り終え。
最後のダイスが離れた後、彼の人形と彼を一際大きな淫らさを感じさせる光が包み、ちょうど最後に彼の上になっていたユウキに一番多い射精をすると彼は動かなくなった。

643 :名無しさん@狐板:2023/07/11(火) 23:57:10 ID:suoH5apw





 木綿季から答えを聞く直前に彼の意識は横島忠夫の肉体に戻っていた。目の前にはゲーム版の世界と同じ体制で彼と繋がるユウキの姿がある。
目線が夢の中より高くなっていたことで、彼は自分の体が元の青年期に戻っていると気づいた。
彼女は卓の中にいた時と、同じ笑みで答えを教えてくれた。


「こっちに戻ってきたからさっきの答えを教えるね。忠夫、インプとなった僕達のご主人様は君だよ」

「な!」

 驚く彼にランが補足をする。

「ええ。ここからはさとりの方が上手く説明できるでしょう」

 ランの言葉にさとりが進み出てくると彼に言葉を告げ始めた。

「横島さん、消されていた記憶の中にはユウキさんとランさんの契約した記憶もあったんですよ。彼女達が、他の女性達の使い魔をした時も凄く上手に動いていたのは、貴方の名前の呪ですよ。忠夫、すなわち忠実なる夫ですから」

「だ、だけど」

 言い終わる前にさとりは横島の心を読み取り答えた。

「ええ。ユウキさんたちは凄く恥ずかしいセックスなどを貴方にして嫐るのを手伝いましたね。簡単なことですよ。貴方がどんな風に嫐られたいか読み取り、そしてそれを叶えようとする彼女達に協力していたんですよ。このド変態♪」

 さとりの楽しそうな罵倒が終わるとユウキが進み出てきて彼に口づけして抱き着いてきた。

 ユウキを受け止め彼にランも同じく口づけをしてきて言う。

「貴方が女権国家に永住して、王国の為に戦い続ける道を選んだなら、私達は貴方がどうなっても、最後まで共にいることを決めましたから。だからこそ霊能力者となった貴方の使い魔となりました」

「うん。前からインプになっていたけど、使い魔となってもデメリットはあまりないみたいだし、さとりさんとこいしちゃんが言うには使い魔契約しても、忠夫が望むのは、僕達との対等な夫婦関係だから、別に良いかなって。 これが僕達からの誕生日プレゼントだよ♪」

 笑みを浮かべるユウキの言葉を聞き使い魔となった彼女達から流れ込んでくる魔力が女権国家の敵対女性から受ける性的な術も含めた全ての霊的反抗力を授けてくれていると彼には分かった。

 さらにユウキの言葉をジェラートが補足する。

「妾たちはユウキとランを一度使い魔として使って戦闘をしておるから、かなり手の内がばれている。つまり、旦那様の敵とならぬという証でもあるな。これが妾たち全員からのプレゼントじゃ」

嬉しさとそれに課される重責に少しだけお気後れする気持ちを持つ彼にユウキが言う。

「それじゃあ、皆さんの要望に応えようか。皆して、ショタ形態の忠夫しか可愛がれていなかったから、ここからは元の姿の忠夫も可愛がりたいんだって。僕とお姉ちゃんも協力するから始めようか」

 ユウキとランが手を押し当てると、アリスの糸がより速く彼の体を侵食し、そして強い快楽を与えてくる。暗く妖艶な雰囲気のジェラートの閨房の中で太陽の様な笑みを浮かべるユウキと、
月を思わせる笑みを浮かべたランを見て彼女達と共に居られるなら、自分はこの国では幸せな部類だろうなと彼は思った。

644 :名無しさん@狐板:2023/07/12(水) 09:21:04 ID:D2YZh4/m


645 :名無しさん@狐板:2023/07/12(水) 17:55:39 ID:1cWC4lu/
乙でした

646 :633:2023/07/12(水) 22:37:04 ID:U1mh3a/7
>>644
乙感謝です
>>645
乙感謝です

647 :名無しさん@狐板:2023/07/20(木) 17:25:40 ID:1Zh7hmEe


648 :633:2023/07/20(木) 17:58:05 ID:6vVBGzAX
>>647
乙感謝です

649 :名無しさん@狐板:2023/07/25(火) 12:53:58 ID:GtVW5s49
おつでした

650 :名無しさん@狐板:2023/07/25(火) 21:22:21 ID:5K9Jg2ND
乙でした

651 :633:2023/07/25(火) 23:30:34 ID:Hxs3tRU/
>>649
乙感謝です
>>650
乙感謝です

652 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 20:42:51 ID:bkWgW5Ue
 女権国家SS 英霊としてソシャゲ主人公召喚者大鳳くんと契約した横島に訪れた長い自由時間の代償な惨劇。

 このSSは本スレで投降されている女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@横島のヒロインとして応募はされたけど、採用されていない可能性の高いキャラクター(Fateの玉藻の前)と応募されていないキャラ(Fateのクロエとライダーの方のダヴィンチ)がヒロインの一人となっています。
A公式で多分だけど大人の姿がないヒロインが大人化する描写があり、その姿は自分の予想です。
B横島ヒロインの一人ユウキにソシャゲネタが使われています。使われているネタは炎禍の烏天狗ユウキと奈落の鋭鋒(えいほう)ユウキです
Cスレ主さんが過去に投下した『邪な騎士と横島と騎士』の影響で、女権国家にまだ登場しておらず、誰のヒロインか確定してないヒロインが、横島ヒロインになってます。ただし、その話と比べると畜生度が大分下がってます。
D大鳳くんの来世が活躍するふわっとしたソシャゲ世界だけど、女権国家世界のFGOをイメージして書いていますがいくつかの他のソシャゲネタも混じっているかもしれません。
Eオリジナルの王国5将番外が出てきますが原作での女権国家では5将には番外とかいません。
F女権国家で扱いが難しいかもしれない、TSして男性から女性に変わったキャラが出てきて、それなりに独自解釈が入ってます
G女権国家の男性の吸血鬼に対してかなり独自解釈が入ってます。






 白く清潔な広い建物の廊下を軽い足取りで歩く者がいる。赤いバンダナと青で統一された衣服に身を包んだ男性。ありふれた見た目とはいいがたいが、それでも偉人というにはほど遠い印象を与える人物だ。
彼はその足取りに似合った上機嫌な様子で誰かの部屋を目指している。
 彼こそ、この世界における、非人道的魔術行使阻止機関、名称、ヒューマニティガーディアンに召喚された英霊の一人横島忠夫だ。
彼は大鳳への友誼からシノンやジャギと共に最初のチュートリアルガチャできた。彼が英霊となった経緯は女権国家との戦いを経て多くの人外の女性との交流を持ちつつ大鳳を助け、王国に戻ってからも、悪霊祓いや祈祷などで王国を支え続けた。
そしてそれを経た彼は英雄として王国に祭られて女権国家と和議が鳴った後は女権国家の女性達も助けていたためか、女権国家にある男性英雄総合の神殿にも祭られてもいる。 英霊となっても彼の本質はあまり変わらない。
思ったよりも簡単だった仕事が片付いた喜びを隠そうともしない笑顔を浮かべて今後の予定を考えている。

『大鳳のやつ普通の男の子に転生して、普通の生を本当に満喫しとるな〜。ワイとともに駆けた時代も最終的には不幸ってわけじゃなかったけど、今は普通の優秀な男の子として年相応に楽しそうで良いことや。
今日は周回の妖怪退治も終わったし、一緒にゲーム実況でもやるか』


 彼から見た今の大鳳はとびぬけて優秀ではあるが、受けた訓練が前世より緩かったため、前世ほどではない。
ほとんど気質なども変わらないし前世の記憶も蘇ったが、それでもあくまでも今の彼の主体は今生の彼だ。 そのため今の大鳳は庇護し甲斐のある子どもだと感じている。 

 そこまで考えて横島は自分は相当特殊な英霊かもしれないと思った。自分は死後も転生を繰り返し色々な場所に行っていたらしい。もしかしたらこの時代にも自分の転生体がいるのかもしれない。
そして自分の転生体が受けた弱点などはそれなりに自分にも影響があることが多かった。この戦いが終わり、自分が呼ばれることになった原因である、世界全てを破壊する呪術をキャンセルした場合は自分もその体に戻るのだろうか。
そこまで考えた後、彼はすぐにその考えを頭から追い出した。遊べる時に全力で遊ぶことも戦士の素質の一つだ。そう結論付けると彼は大鳳の部屋に歩む足を少しだけ早めた。





大鳳の部屋の前に来ると女権国家時代の時から見知っていた顔が見えた。 鍛え抜かれた盛り上がった筋肉にぎらついた闘気、戦友であるジャギだ。
しかし、彼にとって見慣れていないと思えるところが一つだけあった。かぶっているヘルメットと革ジャンが赤い色をしていることだ。
女権国家で良き出会いを繰り返し修練の果てに奇跡ともいえる勝利をいくつも手にした彼は後半でヘルメットを失い、新しく買い求めたら、ネロの気まぐれで赤いファッション推奨となっておりこれしかなかったそうだ。
このヘルメットになってからジャギはかなり強くなった印象がある。

 ジャギ曰く『レベル上げアイテムを使って段階を上げていったら、最後がこれだった。
確かに一番勝率が上がったのはこのヘルメットに代えてからだったが、これが最終形態とはな』と言っていた。 女権国家の終盤の方の彼はまさに奇跡を起こす拳法の魔法戦士と言えただろう。
だが、横島にとっては女権国家を去る半年くらいの恰好であり、その姿になってからは共闘したりしたことは数回しかなかった。不仲などがあったわけではない。
単にお互いの能力が高くなって独自で戦えるようになっていたのと任務の都合だ。それから王国に帰って何度か共に戦った時には既に元の姿になっていた。
それからもジャギは拳法家としてはこの衣装を着ていた時よりも強くなっていったが、ジャギが成し遂げた最も王国に貢献した大金星を得た戦いはこの衣装の時に集中している。
そのためにこの衣装が最終形態となっているのだろうと彼は思う。 横島はジャギの様子を見て少し憂鬱な気分になった。 一流の武芸者でも怯みかねないいかつい彼の表情だが、
付き合いの長い彼には分る。怒っているわけではない。この表情は言いづらいことがあり、それも相手に同情しているときの表情だ。

「ジャギどうしたんや? 女権国家の終盤で酒の席で流子ちゃんを切れさせる芸をやってそれがばれた時に、ワイと大鳳に匿ってくれって言いに来たとき並みの表情やな。
もしかして、酒の上で失言でもして、大鳳が美鈴さん入りにピックアップガチャ回すとか言い出したとかか? そんならワイを格好いいとか言ってくれているらしいここの職員の女の子の情報くれたらとりなしてやるぞ」

 敢えて言いやすくなるように軽口をたたくと、ジャギはそれに少しだけ気分が軽くなった様子を見せつつ、それでも重い口調で言った。

「横島、今回も怪奇現象による異常地帯が出現した」

「なんや、イベントか。それでワイの嫁さんたち引かんとクリアが難しいとかか。まさか引換券で誰を呼ぶか決まってしまったとかか。エヴァ以外ならオッケーだと大鳳に伝えていいぞ」

 横島は決して妻となった女性達を嫌っているわけではない。むしろ彼女たちが危なくなれば全力で助けに行く。しかし、愛してはいても尻に敷かれすぎていて単身赴任も気楽で楽しいと思ってしまっている。
妻が嫌いなわけではないが尻に敷かれまくりのサラリーマンがまだ妻が恋しくなってないのに、いきなり家に来られては気が休まらなくなる様な心境だ。 ジャギも横島のこの行動を咎めない。なぜなら彼も同じ心境で動いてる共犯者でもあるからだ。

「それがな」

 ジャギがここにきて言い辛さが極限になった様子を見て彼の顔色が変わった。

「もしかしてエヴァ確定か? ジャギ頼む本当にそれしないとやばい場合以外は、できればやめてやってと、大鳳に頼んでくれ。 ワイも美鈴さんが呼ばれるかどうかの会議になったら、無理してでも呼ばれない方向になるように全力で訴えるから」

 尻に敷かれているトラウマ度はジャギにとっての美鈴が横島にとってのエヴァなのだろう。ジャギは少し考えると答えた。

「それが、ガチャじゃねぇんだよ」

 ジャギの返答に彼はほっと肩をなでおろした。

「そっか。まったく心臓に悪いこと言わんといてな」

 そう答えた直後に彼は不安な表情になった。

「だとしたらなんなんや? なんでそこまでワイに同情しとったんや?」

「今回の怪奇現象による異常地帯の首謀者は、お前の嫁さんたち多数みたいだ」

「はー!」

 横島が一気に腰が砕けたように落ち込むとジャギは深い同情の目線を向けたまま言葉をつづけた。

「俺たちが毎回、異常地帯を叩き潰して、回収している人々の淀んだ感情などが集まってできたエネルギー結晶だが、今回はかなり性質の悪い方法で運用した悪党がいてな。
それを叩き潰して、運用しているのが彼女たちだったわけだ」

 願いをかなえる願望器もどきのそれは、手に入れることで様々な特典として利用できる。いわば偽聖杯ともいえるだろう。その願望気を浄化して、今まで彼らは有効活用してきた。
いかに無害であろうと、霊的異常地帯ができた以上は放置できない。横島は最後の希望にすがりながら声を上げた。

「ワイが多分イベント特攻英霊なんやな」

「ああ」

「けどあいつらなら、絶対にそんな悪辣なことはせんだろ。霊的異常地帯を放置はできんけど行かんといかんか?」

「それがな、ちょっと来てくれ」

 ジャギに促されるままに彼がついていくと、モニタールームにたどり着いた。そしてそこには、金髪で小太りのメッシュで髪を分けた貴族服に身を包んだ男性がいた。彼はゴルフドルフ・ムジーク、この機関を買い取った人物だ
。横島からしたらご愁傷様としか言いようがない境遇をしている。 一度霊的大災害を防いだことで、一応残して置いた方がよい程度の、評価を受けたヒューマニティガーディアンだったが、
彼の知り合いの占い師によれば、多くの事件が起こり価値が一気に上がると聞いて買い取ったところ、その占いは当たった。
ただし、毎回自分たちの命をチップにしてぎりぎりの綱渡りの賭けをしなければ、世界、少なくとも女権国家と王国のある大陸は滅亡するかもというレベルの災いが多発しているという。
彼が聞いた占いの結果では、もっと余裕をもって勝ち続け株価が上がりきったところでこの機関を売却し、多額の金銭と名声を得て勇退するつもりだったらしい。

 ゴルドルフのこわばった表情を見て、横島は一気にテンションが下がった。彼は悪人にも非情にもなり切れない根っからの善人だ。その彼がこういう表情をしているときは決まって部下に酷な任務を言い渡す時だ。
ジャギの様子から察した不吉な予感は一気に大きくなった。

 ゴルドルフは少し考えたのち、口を開いた。

「よく来てくれた横島、周回終了後にご苦労。今回の件色々と考えたが、どう転ぶにしろ
お前に話して決めさせるのが一番いいと思った」

653 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 20:49:30 ID:bkWgW5Ue
 ゴルドルフは今回の件に関してどう対応するのが良いかではなく、誠実か考えていたのだろう。こういうところを見るとペンウッドの系譜なのだなと思う。ペンウッド校長の甥の家系だとも、
ペンウッド校長に入れあげた王国女子もしくはそれに偽装した女権国家人が子供を作ったともいわれている。仮に最後の説が本当なら、その女性は良識派だったのだろう。
ペンウッドは最後まで王国に尽くした善良な将校だった。 ゴルドルフは言い辛そうな様子のまま、手を振ってモニタールームの特に大きいモニターを指した。 横島が大画面を見ると、画像が映し出される。少なくとも一日以上は前の映像な様だ。

 そこには大鳳の部屋が映っている。大鳳が勉強をしながらキャルの来世と話しているのが見える。

「大鳳今年も、夏イベントが来るのに何楽しそうにしているのよ!」

 厳しい口調ではあるが、怒っているというよりイベントも命がけなのだから気を抜き過ぎでは? と心配している口調のキャルの声に大鳳は反省の色を見せつつそれでもわくわくが、止まらないという感じで答えた。

「姉さんごめん。でも今は霊的大災害で世界中がめちゃくちゃだから、外にもろくに出れないしさ、夏らしい季節のイベントとなるとどうしてもワクワクしちゃうんだ。今回はタイムスリップかな?それとも新たに作られた異界かな。
危険だけど夏らしい楽しみもできると思うとどうしてもね。 それに夏は大半がホラーの怪奇現象系が多いから、忠夫がいればどうにかなるしね」

 キャル姉は少し呆れつつも、大鳳の言葉を否定せずに遠足に行く子供を心配する様な様子で注意し始める。

「いい、横島にあまり負担かけすぎるんじゃないわよ。それと悪霊とかに効く刀や護符も持っていきなさい。
それにあんたはホラー系のアトラクションとかだとはしゃぎすぎるから、ジャギと横島が二人でゴーサイン出したとき以外は駆けださないこと。 まったくどうしてホラー大好きになっちゃたのかしら」

 言いながらもキャルには答えが見えていた。大鳳が横島を召喚できたときに、彼を頼りないと感じつつ、データ票を見て彼の強さを『理解』だけならまだしも『実感』してしまうと、
二度とホラーは楽しめなくなると職員たちが評したのを見て、大鳳は世界の名作ホラー映画を見たり、ホラーゲームをしたりをしまくったのだ。 その結果、
大鳳は本人も気づかないが、もともとホラーに耐性があったのが余計に強くなり、怖がることは少ないがホラー系のレビューとかでも食っていけるレベルのホラーマニアになった。
大鳳自身も横島程ではないが悪霊や妖怪と戦えるようになってからはその傾向がますます強まっている。
 ワクワクする大鳳とキャルの暖かな雰囲気の談笑は不意に終わりを告げた。気配の切り替わる音、そして突如現れる美しい女性。
横島にとっては最も強く印象に残った女権国家での記憶がよみがえる。 ――あれは間違いなく、かつてアリスと初めて会ったときの再現だ。

 人形めいた美を持つ彼女は突如として大鳳の部屋に現れ言った。

「……、その夏の思い出作り私たちが担当しても言いかしら」

 大鳳はその女性を前にして、少しだけ戸惑うような様子を見せた後、不意に頭を下げた。

「アリスさんですね。忠夫と会いたいだろうにガチャ引かなくてごめんなさい。歴史の修正とか、オカルト異常地帯で共闘した時に散々助けてくれたのに。 でも忠夫がガチャ引かないでって、僕に言うのもも、
皆さんのこと嫌いなわけでも愛してない訳でもないんです。 ただ単身赴任生活を満喫したいだけで、現に皆さんの身に危険が迫る可能性が少しでもある異変の時は――」

 大鳳の言葉をアリスは柔らかい笑みと言葉で遮った。

「ええ。わかっているわ。でも女権国家の女性としては、自分たちの為にあんなに格好よく頑張る旦那様の姿を見せられておあずけなのはとても苦しいの。
だから今回のイベントでは敵役でもいいから忠夫と直接会いたいのよ。今回のイベントはレジャー施設だから楽しみにしてね」

 そういってアリスが渡してきたパンフレットを大鳳は失礼にならないように気を付けながら手に取ると、開いた。
このイベントまでにそれなりに修羅場をくぐってきた大鳳だが、それでも一切警戒しない辺り、横島の妻たちに対する信頼は凄まじく高い。 そのパンフレットを読み始めると大鳳の顔が一気にうきうきした顔になった。
それを見て横島が疑問を抱き始めると、申し合わせたように一時停止が入りゴルドルフが大鳳から渡されたらしいそのパンフレットを渡してきた。





 パンフレットを開き一ページ目を開いた時点で横島の顔に諦めの表情が浮かんだ。
 今生の大鳳は色々とあって数ある年相応の趣味の中にホラーマニアが追加されていたが、その大鳳の遊びたい子供心をくすぐるアトラクションが山ほどあり、海水浴は無理でも、湖水浴ができる綺麗な湖がある山。
そして玉藻が担当する和風のホラーから、エヴァやアルやアリスが担当するホラーなアトラクションの遊園地。願望器があったとはいえどうして彼女たちはここまで本格的なレジャー施設を作れたのだろうか。


「恐らくは君の奥さんの一人アリスさんの人脈が大きいんだろうね。忠夫」

 不意に響いた張りと勢いのある、理知的な声に振り向くと。そこには栗毛色の髪に神秘的な魔法使いを思わせる衣装に身を包んだ少女がいた。天才だけが持つ特定の光を目に宿した彼女は興味深そうにパンフレットを見つめている。

「ダヴィンチちゃん」

 横島の言葉に彼女は笑みを浮かべるとパンフレットを興味深そうに読み進めた。 信じられない程の速度ですべてを読み終えると彼女は言った。

「読み終わって確信に変わったよ。これはゲーム化やアニメ化さえされたアリスの人形劇を取り扱った者たちの知り合いのレジャー施設などを作った幽霊などに頼んで、彼らが失敗したと思っていたり、
面白そうだけどやれなかった企画などをやらせてあげるというのと引き換えにこの施設を設計したんだろう。様々な思念体の幽霊などが客になって遊びに来ているみたいだ」

「そ、そうか。それでこの施設ダヴィンチちゃんの予想からするとどれくらい楽しそうや」

「ホラーに寄り過ぎているけど、『そっち方面のマニアじゃなくても楽しめるレベル――、 いや。ホラー苦手な人でも、途中で帰る人はほとんどおらず、二度と行く気はしないけど楽しかったっていう人が大半』なレベルかな」

「わかった。今回の霊的異常地帯解決のために出動するで」

「やっぱり。君ならそういうと思ったよ」

 ダヴィンチはそう言ってほほえましいものを見る目で横島を見た、そしてそのあとでこの施設の最高クラスの責任者の顔になり言った。

「念のためにウソ偽りない本心で答えてほしいけど、今回出動することにした動機は」

 横島はダヴィンチの言葉に嘘は言えないという表情で少し照れ臭そうに答えた。

「いろいろとあるけど、一番は今生の大鳳の為やな。あいつは今生では、ただの子供だ。普通に遊びたい盛りのな。それが数々の事故が起こり、今ではしくじったら国が亡んだり、大勢の人間が死ぬかもしれない重責を背負わされとる」

 横島の言葉にゴルドルフはうつむいた。彼には責任も落ち度もなかったが、それでもまだ士官学校を卒業もしていない少年に、こんな重いものを背負わせている状態に忸怩たる思いを抱えているようだ。
大鳳が非常な決断などを下さなきゃならないときは、必ず自分が命令し大鳳には責任を生じさせないと決めているのもそのためだ。ペンウッドが勇気で臆病さを克服して周りを引っ張る将になった人物なら、
彼は卑怯者になるのが死ぬより怖い故にまっすぐにしか走れず、その善性で部下たちが支えに集まってくる将だ。

 ゴルドルフの気にしている部分を触ってしまったと思いながらも横島は言葉を続ける。

「俺はもう大人どころか英霊だ。本来背負わんでいい荷物を背負って頑張っているガキに、思う存分遊べる機会を我慢しろなんて言う大人には絶対にならん。まして相手は大鳳の生まれ変わりやぞ」

「君はそういうやつだよね」

 ダヴィンチの軽い言葉には横島に対する信頼が込められていた。彼女は笑みを浮かべたまま言葉を続ける。

「今回の異常地帯の解決私も同行するよ」

 驚く横島をよそに彼女は言葉を続ける。

「呼び出された英霊の管理やケアは私の仕事なんだ。夫が単身赴任で寂しいからってやり過ぎてしまうような女権国家の女性達なら、今後召喚されないように処置をとったりするのも役目だろう。
今回の件で行き過ぎになるようなら私が彼女たちから君を没収して灸をすえることにするさ」

 彼女の言葉には天才ゆえの大きな自信がこもっている。その言葉に横島は頼もしそうに彼女を見た。

「ダヴィンチちゃん。本当頼むで。」

 おびえる横島を撫でながら彼女は笑う。 彼女はもともと大天才ダヴィンチのクローンともいえるホムンクルスであり、英霊としての力をふるう予備の肉体に過ぎなかった。
そして世界を救った後は寿命で尽きる肉体を持っていたが、死ぬときまで輝こうとする彼女を助けたのが横島だ。彼は文珠でダヴィンチがしなければならない施設の調整などを早く済むようにして、彼女の負担を減らすことに全力を傾けた。
そしてホムンクルスの肉体にも効果がある、試練を超えないと得られない霊的な食物などを入手して彼女に捧げ続けた。そして霊脈などを巡りながら良質の霊気を彼女に供給する儀式なども多く行った。
そのかいあってか彼女の寿命の兆候が見える様子はなく、作られて活動を始めたばかりの様な状態に今は戻っている。 彼女が今回動向を申し出た動機の何割かは、恩人である横島に対して、妻たちがやりすぎるようなら諫めるつもりなのだろう。

 ダヴィンチの励ましもあって決意を固めた横島は、『嘘』の文珠を飲み込んだ。『行きたいけど忠夫に悪い』と顔に書いてある大鳳を呼んでくれるようにダヴィンチに頼んだ。





到着した大鳳が、レジャー施設に行くのを諦めようとしている様な声音で声をかけてきた。

「忠夫、実は――」

 大鳳の少し残念そうな様子の言葉が終るより先に、横島が悲痛な声を出した。

「大鳳、嫁さんたちが放置しすぎてついに切れた! ワイが来ないと解決不可能な霊的異常地帯まで作り出してきたんや!今ならまだ怒りレベルも低いし、今回の異常地帯いけば許してもらえそうだから頼む」

「忠夫、悲観的に考えすぎだよ。彼女たち怒っているとは限らないと思うけど」

「それもそうやが、放置しすぎて欲求不満が溜まっとるのは間違いないわ。とにかくここらで発散させとかんと後が怖い。 いくで」

 大鳳に重荷を背負わせまいとする姿を見てゴルドルフは席を外した。自分の演技の下手さを自覚しているようだ。ジャギが重々しくうなずいた。


654 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 20:55:17 ID:bkWgW5Ue
「恐らく今回は俺と関わり深い女たちはいねぇ。それなら俺が何とかしてやる」


 大鳳はその様子を見てますます安心の念を強めた。横島の妻たちを心から彼は信じている。だが、彼女たちが欲求不満過ぎてタガが外れる恐れもあると思っていたが、彼女がいれば大丈夫だ。
それだけ今までの度で見せた技術顧問としての彼女の能力は凄かった。







 大鳳とジャギとシノンキャル、横島とダヴィンチが転送用の魔法円に乗ると魔法円が光を帯び始め、彼らの視界を光が覆い、そして光でできたトンネルや海を思わせる空間に投げ出される。
そして次の瞬間には、澄んだ湖のある山に彼らは投げ出されていた。



レジャー施設の鏡の様な光景を見て目を輝かせる大鳳をよそに横島は凄く憂鬱な気分になった。この泳げる湖と普通のキャンプ場としても高レベルなコテージはホラーマニアが見ても、楽しめるように配慮がしてある。
そして、夜に合わせて作られているにも関わらず朝である今の時分ですら美しい湖の向こうの城はエヴァの城だろう。遊園地とワープ機能かエレベータで繋がっているあの城に行くとかなりひどいことになりそうだ。

 落ち込む横島をよそに大鳳の心からの子供らしい喜びに満ちた絶叫が響いた。

「忠夫―! ここ凄く僕好みに考えてくれてキャンプ場だよ。奥さんたちにお礼言っておいてお願い。 空気もすごくおいしいし、魚釣れたら焼いちゃおうか」

 ウキウキする大鳳を見て、彼は招待に応じた甲斐はあったなと思えた。年相応の子供らしく好きなだけ遊べる夏休みを彼に味あわせてやることができそうだ。

 ダヴィンチもわくわくした様子で、辺りを回りたがっている。それを見て横島はこの少女にこの言葉を言ってやれることがうれしくてたまらない、と感じられる言葉を言った。

「ダヴィンチちゃん、この事件が終わったら何度も夏休みを楽しめるで。時間はいくらでもあるからな」

 その言葉にダヴィンチは激励する様な叩き方で彼の背をたたきながら返した。

「一応は私に凄く嬉しいプレゼントをくれた、ナイト様や王子様、……は言い過ぎか、戦士や魔法使いなんだから、『一緒に何度でも夏休みを楽しもう』くらいは言いたまえ」

「それだと俺が英霊として何度も夏休みを経験させるって事じゃないか。事件が解決してないって事だからあかんやろ」

「それもそうか。でも私が望むなら事件が解決した後も残ってくれるだろう君は」

 確信し切った声に、横島は少しも悩まず頷いた。それを見てダヴィンチも嬉しそうに笑った。その顔を見ながら横島も言葉を続ける。

「ダヴィンチちゃんは寿命が短い事を悲観してたわけじゃないが、それでももっと長く生きたいと言う思いもなかった訳じゃない、お前を長生きできる様に変えたのはワイや。
寿命を変えた以上は最後まで責任取るわ。受肉も考えた方がええかもな。最もワイがおらんでも万能の天才である君なら大半はどうにでも出来ると思うがな」

「まあ、ね。ただ転ばぬ先の杖になる君が居てくれると安心できるからね」

 二人の親子や兄妹の様でもあり恋人と友人の中間の様でもある会話を見ながら大鳳は夏休みの日々を想像して頬がほころんだ。 横島とダヴィンチの二人だけの空間を見ながら彼は思う、
あの時アリスにダヴィンチと横島の関係を話しておくべきだったかもと。ダヴィンチは横島にかなり気を許しているが、それは恋愛かどうかははっきりとは当人にすらわかっていないと思われる。仮にダヴィンチは自分が横島に異性として惹かれていることが分かれば、横島の妻たちにきちんと断りを入れて義理を通すだろう。そこまで考えて彼はその考えを放り投げた。 以前オカルト様子の強い霊的異常事態解決の際に彼女たちの能力は把握済みだ。観察眼の鋭いアリスや愛歌なら大体察するだろうし、他の面々にもちゃんと通達するだろう。 そう考えると彼は二人に声をかけて遊びまわる提案をした。






 遊び倒した後の夜に焼き肉を中心とした料理をつつきながら、大鳳一行は今日の話で盛り上がった。湖で泳ぎ回り日が暮れた後はそれがすんだあと、湖の風が当たるキャンプ場でそれぞれが料理をした形だ。
少し気が重そうだった横島ですらも後半は純粋に楽しんでいた。ダヴィンチの作ったぬるめのカボチャスープを飲みながら満足そうにする彼に大鳳が聞く。

「忠夫、今回はいつ頃相手が仕掛けてくると思う。今回の特異点は夏を思いっきり楽しみつつアトラクションを攻略することだから、いつもとはだいぶ勝手が違うと思うんだ」

「そうだな悪意のない敵との戦いじゃなくてこれはエンターテイメントだ。だから今夜あたり、なんか仕掛けてくると思う。的だったら疲れたときとかを狙うけど、
今回は夜中に襲われても気力と体力が余っていて楽しめるときである初日や休ませた後になんか起きると思うな。アリスたちは奇をてらうこともあるけど、クオリティを上げた王道ならある程度は外れなしってわかっとるからな」

「そうなんだ」

「ああ。それも女権国家的なホラーイベントが多そうだ。あくまでもお前を楽しませることが今回の目的だからな」

「それじゃ今夜あたり何かあるかな!」

「いや遊び倒して疲れを癒すために2、3日休んで体力が回復した後かもしれんぞ」


 ウキウキする大鳳をよそに彼は自分のコテージに戻った。

 コテージに帰った彼は軽く一風呂浴びると夜風に当たれるコテージのテラスに出た。風呂に入ったせいか夕食のあとであるにも関わらず少し摘まみたくなっている。 一度内部に戻ると、軽く摘まめる生ハムに薬草をまぶしたものがいくつか入っていた。
ビールでなく、赤ワインしか入っていないことを少し残念に思いながら、彼はテラスに戻った。生前愛歌に仕込まれたワインの開け方をして、注いだ後湖とエヴァの城を見ながら彼は生ハムが野菜を包むおつまみを食べた。

 生ハムの塩辛さとそのあとにくる、ハーブの苦さが口の中に僅かに残り、ワインで流し込むとちょうどいいなと彼は思い、多分このハーブは女権国家産のものだったかもと生前の記憶を掘り返してみたが答えは出ない。
考えつつも、思った以上に美味いと感じ、ワインとお摘みを交互に口に運びすべて食べ終わるまで時間はあまりかからなかった。
食べ終わった後、彼の体に脱力感が迫り股間の分身に力が集まってくるのがわかる。脱力状態を味わいベッドに倒れこむと、不意に上から柔らかく押さえつけられた。

 最初に押された体の部分のツボが脱力と快楽をもたらし完全に動けなくなった彼が顔を上げると月明かりの差し込むコテージの天井を背に彼の上に覆いかぶさっているのは人形の魔女アリス・マーガトロイド。
エヴァ程ではないが彼女の美もまた夜に映えると彼は感じた。

「アリス」

 特に恐れた様子もない声が彼の喉から出た。目の前の彼女からは放置された怒りなどは感じられない。召喚を大鳳に頼んでという催促すらなかったのだ。
そこまで怒ってはないだろうと彼は予想していた。アリスは妖艶さを持った慈母の様な笑みを浮かべながら、彼の唇を奪い、舌を絡めてきた。
彼女の口付で完全に体を動かす全ての機能が失われたと思った直後に彼の頭の中で射精した時と同じような感覚が起こる。それを一度起こすと、アリスは何度も何度も彼にどこまでも優しい快感を与える、口づけを繰り返した。
彼自身が体を動かす糸をすべて甘い蜜で溶かし切ろうとするかの様な行為だ。彼女の指から出る光の糸が彼の射精を封じている。それに気づいた直後にアリスがようやく彼から唇を離した。完全に彼が立てなくなっているのを見てから彼女は言った。

「忠夫、久しぶりね」

「ああ。単身赴任を堪能しとった」

彼は不意にいつの間にかすべての衣服がはぎとられていることに気づく。アリスは彼から離れて立ち上がると、開いた窓から見える月明かりを背に服を脱いで彼の眼に自分の体の全てを見せつけてくる。
そしてより強くこわばった彼の分身を飲み込むといった。

「忠夫、誰か一人だけ呼ぶと不公平になるからって、一人も召喚させなかったのね」

 強すぎる快楽で返事もままならないまま彼はひたすら壊れた水道のように射精を繰り返す分身に、頭を壊されながら首を縦に振ってアリスの言葉を肯定する意思を示す。

 アリスは魔女らしい妖艶な笑みを深めて彼の唇をふさぎ、舌を再び絡めてきた。
それはまるで彼の声にならない言葉を封じることで、彼の快楽の逃げ場を奪い自分の中に注がれる精を増やそうとするかのようだ。 アリスが腰をグラインドさせどこまでも優しい快楽を味あわせながら射精の量を増やしてくる。
彼の頭が警報をわずかにならした。女権国家の女性ときちんとした純愛をしたのに、廃人に近い状態になった男性を彼は何度か見たことがある。純粋な愛と好意が生んだ快楽が強すぎて結果的に男を壊した類の女性と今のアリスは似た目をしている。

 彼女は光でできた糸で彼を動かしながら自分の体の乳房や尻の丸みを撫でさせながら言う。

「忠夫、単身赴任を満喫していたい気持ちもわかるから私からは何も言わないけど、ただ私たちの危機の戦いであれだけ格好いい姿を見せたんだから、私のほてりを沈めて。それが済んだらあなたが大鳳くんにお願いしてくれるのをまつから」

「〜〜!」

 言葉にすらできない悲鳴を上げながら彼は、何度も自分の魂ともいえる精神が彼女にぐずぐずに溶かされていく感覚を味わっていた。この情事が終わった後、自分は恐らくアリスがピックアップされたときに引いてくれと大鳳に頼んでいるだろう。

 射精を重ねるごとに彼女の人形に近づいていく感覚を覚えながら、彼はアリスの胸に顔をうずめ時には赤子のように乳首を口に含まされ彼女の望むままに体の至るところを揉みしだくことを繰り返した。
謀略も怒りもない、ただ格好よく夫に救われた、その思いが産んだ好意と愛情だけの性交行い彼に一切拒否感も警戒心も抱かせず、ひたすらに彼を溺れさせる。
アリスとの情事を20回までは数えていたが、それ以降は完全に彼の意識が堕ちきってしまいしゃべることすらままならなかった。 快楽の時間が長すぎて、魂が抜けきった彼を見下ろしながらアリスは笑う。
そして彼女が離れると彼は糸が切れた操り人形となった感覚を味わいベッドに倒れこんだ。
情欲が収まりはしたが、それでもまだ何度か体を重ねられそうなぐらいに回復しているのはさっきのお摘みのせいだろう。 快楽で完全に自分に屈服した彼を見下ろしながらアリスはチャシュ猫の様な笑みを浮かべた。

「忠夫、今度のピックアップが来たら私を回すように大鳳くんに頼んでね」

 お願いを断る問発想すら出なくなった彼は腑抜けになり切った声で応じる、

「あ、ああ」

 情事を思い出すだけで彼女をそばに置きたくなる。快楽がなくても彼女たちがそばにいなくて、寂しいと思う時がしばしばあったが、ここに呼び出されてから忘れかけていた快楽を思い出しその感覚が一気に強くなった。
その様子を見てアリスは少し怪訝な表情をした。そして、少し考えると彼を小さくしたような人形を取り出し、何らかの呪文を唱える。
これは確か人形のモデルとなった人物の心を読む読心術の類のものだ。 そしてその術を終えるとアリスは嬉しそうに笑い再び彼に抱き着き口づけしてきた。

「周りから『王国男子である貴方に対して少し、お尻に敷きすぎじゃない?』って言われていたけど、快楽を忘れかけていても。私たちを呼びたいと思っていてくれたのね」

 アリスの弾む声に僅かに警戒が沸くがそれよりもまたあの情事が始まるかもしれない。その期待の方が今は強くなっている。拙いと思えても、防ごうとする意思はすでにほとんどなくなっている。彼女は弾む声でさらに続ける。


655 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:00:23 ID:bkWgW5Ue
「完全に蕩けてくれているから、もう準備は不要。というより、ひと手間増えちゃうけど続けちゃいましょうか」


 そういってアリスが手をかざすと彼の体は少年期のそれに代わる。子供の姿になり彼は驚愕した。生前は確かに何度もこういうことをされたが、今の彼は道化と切り札の側面の強い『ジョーカー』の英霊だ。
その彼にこんなことができるなんて。長い年月を経てアリスは魔女として相当な高みに至っている。
子供になった彼を抱きしめてくる優しく淫らなアリスの体は自分が大人だった時より、より刺激が強く感じられる。
彼の子供に戻り小さくなった分身をアリスは迎え入れると、乳房の所にくる頭を愛おしそうに両腕で包み込んだ後何度も、仰向けになった彼に押し付けた。
まったく双方が動かないまま、分身を飲み込んだ秘所の動きだけで彼を何度も絶頂させると、アリスは耳元でいう。

「忠夫、今回大鳳くんに楽しい夏休みを提供したいのよね」

「あ……ああ〜」

 極上の美酒を飲み過ぎて酩酊状態になった様になりながらも、一応肯定の言葉を返す彼の声を嬉しそうに聞きながら彼女は対面座位の姿勢に移行した。彼女が腰を振りながら言葉を続ける。

「みんなそこまで怒ってないけど、貴方の見せた姿のおかげで大分ほてっているから、沈めるのを手伝って上げて。『大鳳くんには』最高の夏休みを提供するから」

「あ、ああ」

 そう答えた瞬間、何かが外れた感じがした。伝承でいうところの吸血鬼を家に招いた時の様な、あるいは悪魔と契約してしまった時の様な。
アリスの純粋な好意による性行為で腑抜けになった、時点で彼の判断力は完全に落ち切っていた。最もこれは妻たちを信じている為でもある。

 アリスはもう一度彼の唇をふさぎ多めの射精を促すと満足そうに笑った。

「それじゃあ、明日の大鳳くん歓迎のイベントはあなたがメインで盛り上げるとしましょうか」

 魔術によるものか一瞬で服を着こみ彼女は横島を抱き上げた。そして不意に誰もいないように見える場所を見て言葉をかけた。

「あなたもそれでいい? ダヴィンチちゃん」

 横島はその言葉に朦朧とした頭でありながらも、驚愕が走った。そしてアリスが声をかけた場所を見ると、そこにダヴィンチの姿があった。彼女は少しバツが悪そうな顔をしている。 アリスが補足するように言葉をつづけた。

「あなたが簡易だけど、害意あるものは入れない結界を張っていたけど、機械で侵入者の気配があったから、一応は見ておこうと思ったみたい。
それであくまでも夫婦の純愛だったけど、女権国家の女性は魔術的な意味でも閨が一番危険だから目を離すわけにも行かなかった。そんなところでしょう」

 ダヴィンチはそれなりに長く付き合った横島には分る本心からの頷きを見せた。そして言葉を続ける。

「忠夫、ごめん。一応娘や妹みたいな私に女性にあそこまで一方的にやられているのを見られていたと知るのは恥ずかしかっただろう。
明日からのイベント多分君を救出系だと思うけど、私も頑張るから待っていてくれたまえ」

「ああ、大丈夫や」

 横島がダヴィンチと会話している間、アリスは全ての集中力を込めて観察眼を張り巡らせてアリスの様子を見ていた。そして、ダヴィンチに礼をとると、横島を連れて瞬間移動をした。






 アリスが性行為の疲労で眠りについた横島を連れて本拠地に戻ると、ヴィヴィオが楽しそうに彼女を迎え入れた。聖王の姿とかしたヴィヴィオは嬉しそうに彼女を迎えた。

「アリスさん。お疲れ様です。忠夫を連れて帰ってきてくれてありがとう。それで、さっそくですけど、ダヴィンチちゃんはどうでした」

 その言葉にアリスは笑って答えた。

「彼女はまさに万能の天才のクローンというにふさわしいわ。私たちにはない視点も持っているし、無自覚だけど、作られた素体が女権国家の影響を強く受けている。
さらには忠夫に恋慕の念がかなりある。 私たちの中に加わってくれたら、色々とできることが増えそうね」

「そうですか」

 エヴァとヴィヴィオは相当に面白そうな顔で笑っている。そしてアリスは言葉を続ける。

「彼女、良識派だったから善良な男性に対してやりすぎな性行為は『今のところは』大嫌いだと思うわ。
だから、他国の女性でも純愛だと思う性行為をして、彼女に見せてみたら、かなり反応していたわ。一応忠夫の安全が関わっているから見ない訳にもいかないみたいで、最後まで見終わった頃には彼に対してみる目がかなり変化していたわ。
最もすごく上手に隠していたけど」

「そうですか。それは期待できそうですね」

 楽しそうな顔で、返しながらヴィヴィオは笑っていたが、不意に真面目で威圧感のある聖王の顔に転じて、横島を見下ろした。

「それはそれとして、王として妻の権利の侵害罪を犯し過ぎた夫への処罰も考えないといけませんね。クロエ」

 ヴィヴィオの声に応じるかのように、赤と黒の外套に身を包んだ少女が現れる。彼女は白いが時々桜色に見えている雪を思わせるような美しい髪と健康的で魅力的な黒い肌が特徴的だ。
整い切ったやや大人びて見えかねない顔を、愛嬌のある笑顔が打ち消し年相応に見せている。

「はーい。ヴィヴィオ様お仕えする、護衛役にして看守長なども務める多才騎士クロエ参りました〜」

 ヴィヴィオは死に体になっている横島を抱えると、言った。

「今回のあなたにはすごく働いてもらうことになりそうだからよろしく。ダヴィンチさんの覚醒と、勧誘、そして忠夫のお仕置き施設の看守長としての管理、教育お願いします」

「は〜い」






 横島がアリスに連れ去られた翌日、ダヴィンチが昨夜起きたことの顛末を大鳳とジャギたちに報告していた。

「それで忠夫は大丈夫なの?」

「ええ。彼女たちは君を楽しませるために作ったから、そこまで無体はしないだろう。しかし、忠夫がああいうことをされるのを見て、少し気の毒だったよ」

 女権国家の英霊などが起こした事件なども担当する大鳳は既に女権国家の映像やホラーなどに対する知識も豊富である。それを聞いた時点で色々と察したようだ。ジャギはアリスと横島の情事について触れた時のダヴィンチの様子を見て、
少しだけ警戒めいた目を向けた。敵に回ったというより、彼女が女権国家の女性的な覚醒をすると英霊の強化などをしてくれている役職上、横島も逃れようがなくメンタルが持たないかもしれない、と危惧しためだ。
その彼の危惧をよそに不意に手紙の様なものが窓から投げ込まれた。

 大鳳あてだったそれを大鳳に渡すと大鳳の目が輝いた。

「今回のイベントは忠夫救助戦だって。聖王家の罪人を投獄する監獄としての役目も含む古城を模した場所で、そこまで悪いことしてないのに、夫である忠夫にヴァンパイアや魔王ベリアルと共に行き過ぎたお仕置きしようとする聖王から、
忠夫を救助するんだって」

「そうかそれじゃあ行くか」

 大鳳の輝く年相応の笑みを見ながらあいつもこの為に覚悟済みでここに来たんだなと思いながら、慣れ始めたトンキチイベントに飛び込む覚悟をジャギは決めた。





 監獄でありながら優美な月の下で映える城でジャギは拳をふるいながら多くの西洋系のモンスターやストレリチアの騎士たちをなぎ倒して回った。
大鳳はゴシックホラーアクションゲームの様な場所で戦えることにテンションを上げながらキャルやジャギに指示を飛ばし自分も、刀を振るっている。 キャルの棒術の棒が多くの騎士たちや悪霊を薙ぎ払い、
大鳳の刀が悪霊たちをかき消し、ジャギが敵陣に飛び込むたびに砲弾を打たれたように敵陣が崩れていく。同行しているダヴィンチも、スケートの様な特殊な魔術の靴で敵陣に飛び込み砲弾などを乱射し、
大きなマジックハンド付きの装備で敵をなぎ倒している。子供税だけでなく、ジャギ自身もこの戦いのアトラクションを少なからず楽しみながら、感嘆していた。
嘘だとわかっていてなお、劇中のストーリの勇者だと思い込んでしまうほどリアリティはアリスの力もあるのだろうがベリアルこと陸八魔アルの力が大きいのだろう。
大鳳の顔からは笑みが途中で消えていた。楽しんでいないわけではない。
ただ戦闘などの技能が役立ち磨かれもするアトラクションが楽しいのと難易度が高く集中が極に達してきているためだ。 ジャギが特に強いストレリチアの騎士を薙ぎ払うと、不意に日本の双剣を持った赤い外套の少女が不意打ちを仕掛けてきた。
 大鳳は彼女の剣を見事に剣でいなしながら言った。

「クロエさんあなたがここのラスボスですか?」

「ええ。聖王家の罪人をとらえたり冤罪の疑いのある反乱分子の男性を腑抜けにしたり、するための施設の看守長、ヴィヴィオ様直属騎士、クロエ・ファン・アインツベルンよ」

「よーし。がんばるぞー!」

 大鳳は楽しんでいるだけではなく、本気でクリアにかかっている。自分でもクリアできるかぎりぎりの難易度になっていると分かったためか、クリアできないと悔しいと本気で思っているようだ。

 クロエは意地悪い笑みを浮かべながら答えた。

「ごめんなさい。今回の私はボスオプションなの〜。というわけで、かも〜ん。雄犬堕ちした情けない裏切りもの。エヴァ様の眷属吸血鬼、横島〜」


 クロエの嘲る言葉と共に登場した横島は、吸血鬼化しているのがわかる。文珠などは使えないが、普段より身体能力が強化されている。それを見てジャギが無言で言った。

「大鳳、あいつの相手は俺に任せろ。横やりを誰にも入れさせるな。お前たちもこの旅で相当成長したが、こいつが相手だと連携も取れない独力で行った方がいい」

「わかったよ」

 大鳳の戦いを外から見た際の念話による助言なども欲しいが今の横島相手にその余裕はない、とジャギは断じている。
今の横島は一時的な吸血鬼化で身体能力が底上げされており、文珠が使えない代わりに霊能の出力が上がっている。 横島が一気に飛び込んでくると、ジャギは霊波刀の一撃を闘気を込めた手刀で受けた。
そして横島が剣を籠手型に変えて殴りかかって来ると、相打ちとなる形でお互いの拳が当たり、ジャギの体にトラックで引かれたような衝撃が走りお互いが弾き飛ばされた。

「やるじゃねぇか」

 吸血鬼の苦手属性である太陽に近い気を打ち込んだのに、横島は腹に気を込めてそれを防いだのだろう。大量に気を消費することに変わりはないがそれでも黙って受けるよりはましだ。
不意にキャルの使っていた棒術の棒の内の一つががジャギの横に刺さった。彼女が意図した投擲の様だ。ジャギは棒術にかけても美鈴から仕込まれ一流になっている。
棒を拾って打ちかかってくる『かも』そう思わせるだけで、横島が想定しなければならない戦闘のパターンが増えて相手の負担となる。 棒を手に取れる位置でいかようにも動ける無形の構えを取り、横島と向かい合う。
ジャギの神速の棒の一撃がわずかな一動作を含むとはいえ、飛んでくる位置にいるだけで相手はある程度は疲れるだろう。

 横島が意識を切り替え霊波刀で切り込んでくるとジャギは初手を棒で受け止めた。吸血鬼と化した横島相手にさえもわずかに膂力で勝る。彼がわずかに有利な形になった瞬間、彼は棒を離した。
僅かに隙ができた彼に、向い一気に殴り掛かると、そのまま横島も殴り合いに応じ始めた。


656 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:03:59 ID:bkWgW5Ue

「最初の一手を間違えた時点でもう俺の勝ちだ。 横島、お前の一番の怖さは発想力と判断力。いくら殴り合いに強くなっても、万能感とかで高揚していちゃ俺にはかてねぇ」

「かもしれんな。この戦いが終わったら、嫁さん相手とはいえ完全に屈服して命令に逆らえないわいの治療頼むわ」

「気にすんな。ただのアトラクションだ」

 何気ない会話をしながらもジャギが優勢とはいえ、当たれば死ぬような拳の嵐の応酬が続いている。



 ジャギと横島が激闘を繰り広げている中、キャルと大鳳とダヴィンチはクロエに苦戦していた。彼女はすばしっこい少女の姿で時には戦い。
時にはグラマラスな黒い魅力的な肌をした大人の姿になって切り込んでくる。
大人の姿になった時と子供の姿の時は戦い方自体は変わらないが覚えかけた間合いが急に変わりなかなか覚えることができない。 また剣を具現化させて時には投げてくるが、大人の姿と子供の姿では軌道が大き変わってしまい、
それが読みづらさを増している。
今回の戦いはキャルが主に前線に出て、野生の勘を主軸に棒術の手数で押し切りかけていたが、どちらかといえば理性と分析で動く大鳳やダヴィンチが狙われ、彼女の変則的で読みづらい動きを苦手としている、二人のフォローに苦慮している。

「やっぱり人には得手不得手があるよね〜。大鳳くんとダヴィンチちゃんが苦戦した場所だとキャル姉ちゃんが活躍してたし、二人が活躍した場所だとキャル姉ちゃんはいまいちだったし」

 クロエの馬鹿にしているのか素直な感想なのかわからない言葉に反発を覚える間もなく。それはそうだとキャルは思った。大鳳とダヴィンチは第六感もそれなりに優れているが、分析や理性の力で良い結果を出すことが多い。
対して、自分は野生の獣の様に直観力が強い。そのためか、不意に大人形態に変化する彼女に対しても勘で対応できた。対して二人は戦いながら分析しなれかけたところで変化されてしまうためか、いまひとつ反応できていないのだ。

「でもそろそろキャル姉ちゃんもお疲れじゃない?」

 クロエの言葉に内心頷きつつキャルは構えた。今回のイベントは負けても別にペナルティはないが、上手くやればクリアできるものをクリアできないのはやはり嫌だ。
こう考えるあたり自分と大鳳は姉弟だなと思った。 地を蹴り双剣を構えて飛び込んできた、彼女の一撃を受けようとした直後に不意に、彼女が大人の姿になる予感を感じキャルは負けを確信した。
疲労によって自分の直観力が落ちていたようだ。だがその予想は外れた。

 ダヴィンチの操作する巨大マジックハンドが彼女をしたたかに打ち据えた。そして彼女の一撃はクロエが大人にならなければ確実に外す位置だった。

「やっぱり、大人化してないと肌の危機察知力の感も働かないみたいだね」

 難しい問題をようやく解けたようなはつらつとしたダヴィンチの声に、クロエは驚いた声で返した。

「ど、どうして私がいま大人化するってわかったの?」

「左脳人間をなめちゃだめだよ。戦いながら君の癖とか分析してたのさ。君もキャルくんに何度かピンチにされてたから、少し私たちより警戒の頻度下がっていただろう」

「大鳳くんも気づいていたの?」

「いや彼はキャルくんが疲れて勘が鈍る頃の観察をしていたよ。キャルくんが疲れて君が勝負を決めに来る時にカウンターするって決めていたからね。
戦って分かったけど、君は今まで強敵相手に勝利確定の一撃を放つときは、結果的にかそれとも狙ってかはわからないけど、大人姿の方が多かっただろう? 子供の姿でも勝てても多分そっちで来ると思ってたよ」

「どうしてわかったの?」

「私たちとの戦いで、重要な局面かつ、どっちの姿でも行けるときは大人の姿に必ずなっていたからね。いや、君の主観だと大人姿の方が良かったのかな?」

「そっかー。見事に負けちゃったわ。それじゃあ、負けたからいったん失礼。――、と忘れるところだった。負けたボスのオプションとして、お約束の攻略情報をプレゼント。
今の忠夫は『女権国家の吸血鬼だから』 じゃ、お約束の情報も与えたしバイバイ。最もすぐ再開だろうけど」


 クロエはそういって笑いながら地を蹴るとそのまま飛び去った。

 クロエの気配が完全に消えた直後に、ジャギと横島の戦いを見ようと振り返った直後、横島がジャギの蹴りで吹き飛ばされてきた。 二人の様子を見ると横島の方が被弾した回数は多いようだが、
吸血鬼の回復力で余裕があるようだ。精密機械をも超える正確さと力強さを備えた動きを見せるジャギの構えには一切の衰えは感じられないが、
このままでは限界が来そうだ。 そして、横島が起き上がる直前にダヴィンチがジャギに、何らかの合図を送ると、ジャギがポーションを飲み追い打ちではなく、回復をとった。
普段のジャギならここで追い打ちを選んでいたはず。ダヴィンチはわずかに隙を見せながら彼を人間に戻す祝福を唱え始めた。

 その瞬間横島の手がダヴィンチを捉え吸血を始める。そしてその瞬間、一気に彼が腰砕けになった。 その様子を見て若干疑問がるキャルにダヴィンチが説明を始める。

「女権国家だと、男吸血鬼は女性には勝てないからね。吸血もある意味性行為。そのせいか血を吸うと媚薬飲まされたみたいになって腰砕けになっちゃうんだ。
男吸血鬼が女性を吸血鬼にできる例ってあまりないんだ。だから女権国家の女性を吸血鬼に堕とせるのは女性の吸血鬼だけなのさ。それじゃ浄化の儀式に移ろうか」

 ダヴィンチは努めて冷静を装っていたが、実際は下腹のあたりが熱くなってしまい仕方なかった。

 横島にかみつかれた瞬間に、彼女は横島と記憶を共有してしまい囚われてからの彼の日々を追体験した。そしてそれが彼女の中にある嗜虐心を刺激している。横島の記憶を彼女は振り返った。






 昨夜、アリスとの性行為を経て完全に腑抜けになった彼は目を覚ますと、柔らかい豪奢なベッドに寝ていることに気づいた。状況把握に彼は頭を回し始める。

『アリスがふるまってくれたお摘みと酒は女権国家の良識派の女性陣が狂三の考案した料理を男性が壊れないように、
さらに改良し続けた精力と耐久力をかなり上昇させてくれる奴だったから、リラックス効果と精力の増強がまだ抜けていないか』

 そう考えつつ、衣服を探すべく周囲を見回すと、窓越しのテラスと美しい夜景が映った。
その景色に見惚れた彼はテラスになんとなしにでた。周囲に建物もなく、向こうからは見えないと、思い空と水面両方に映る月を眺め、満足して中に戻ろうとした瞬間、
不意に心地よい水面の夜風が固まってできたような冷たさを持った何かに抱きかかえられ、ベッドに戻された。月を背にする形で見上げることになった金髪と長髪の美女、吸血鬼エヴァンジェリンを見上げた彼は、
久しぶりに見る月を背にした彼女の美に魅せられ言葉を失った。彼女は夜の魔を思わせる大人の美女の姿で吸血鬼のマントの下は理想的な体をさらしている。黒いマントが彼女の色白な裸体をより引き立ている。
彼女は自分に彼の眼が釘付けなのを確信すると肉食獣を思わせる笑みを浮かべ笑いながら言う。

「久しいな宿六。妻の欲求不満を無視してずいぶんと単身赴任を満喫していたようだな?」

「は、はい。どうしても自由時間を満喫したくて」

「それは咎めまい。ただ機会を得た以上は、欲求不満の解消に付き合ってもらうぞ」

 エヴァは一瞬で彼を抱き込むと分身を飲みんだ。

「〜〜!」

 射精すら許さぬ快感を与えながら、即座に彼の首筋にかみつくと血をすすり始める。そこでようやく、気持ち良すぎて射精できない状態を解くと一気に吸血の快感で余計に増えた彼の精液を受け止めた。

「おい、どうしたまだ私たちの欲求不満を慰めるのは始まったばかりだぞ。大丈夫か」

 意地悪く笑う、エヴァに彼の瞳から快楽と恐怖の涙がこぼれ落ちた。アリスの優しい性行為で完全に精神の防御力がゼロになっていたところに、厳しい快楽で防御力をゼロにされた。
それを吸血で意識を共有して知り尽くしたうえで彼女は意地悪く笑っている。 射精したばかりで敏感な分身を彼女の膣がなめるしゃぶり、すぐに二度目の射精が起こる。
その時に合わせて再び彼女が首筋にかみつき血を吸い始めた。強く抱きしめられ、乳房が彼の胸板でつぶれエヴァは腰を回しながら、自分の乳房を彼の胸板で変化させる遊びを始めた。

「ひぎゃー!」

 快楽で奇声しか出せない彼を見てエヴァは吸血で彼の状態性的快楽が許容量を超えているという内心を知り尽くしているのにわざとらしく首を傾げた。

「ふむ、昔は何でも分かったが、単身赴任中に呼んでもらえなかったせいか、意思疎通に弊害が出てきたか。 それでは推理をしてみるか。 うーむ、うーむ」

 わざとらしく首をかしげつつ胸板で自分の胸の形を変え続ける遊びも、腰を振り彼を快楽で嫐るのもやめない彼女を見て、横島は早く気が済むことをひたすら願った。
強すぎる快感のもたらす負荷を少しでも逃がすために、ベッドを量の手で強く握りしめ、エヴァの放置された怒りとそれが産んだ嗜虐心と欲求不満が収まるのを祈る。
実際には一分くらいしかたってないが、彼にとっては一時間にも感じられた時間はエヴァのわざとらしい気づいたふりをした顔でやっと終わった。

「そうか、わかったぞ」

 涙を浮かべる彼に、エヴァは閨の中だけではとことん意地悪い満面の笑みで言った。

「お前は根っからの助平だから、まだ女体の快感が足りないのだな♪ そういえば手がお留守か」

 そういうとエヴァが両手から光でできた糸を出し彼の手に潜り込ませた。そして彼女は布団をつかむ彼の手を自分の尻に導き、布団をつかんでいたのと同じ強さで握りしめさせた。

「グヒャー!」

 奇声と共に最大限の射精が起こり、それと同時に彼女が指で彼を操ったまま起用に彼を抱きしめて血をすすり。後半は優しい性行為移った。何度か本当の意味での天国の様な射精をした彼にやさしいキスをすると彼女は言った。

「血を吸った時の意識共有で分かっていると思うが、今回はそこまで怒ってはいなかったぞ。ただ情欲をあおるようなことをしておいて呼ばないと、こういうことになるから気を付けることだ」


657 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:10:37 ID:bkWgW5Ue
 そういうとエヴァは満足した様子でシャワー室に向かっていった。指一本動かすことすら厳しい彼を楽しそうに見下ろしていたことが何となくわかる。
あれだけ搾り取られても、もう少ししたら回復しそうな当たり、アリスがふるまってきたお摘みとワインは相当な魔女の料理だったのだなと、快楽で落ちかける意識の中で彼は思った。





次の日横島が目覚めると、大人の姿の聖王ヴィヴィオに見下ろされていた。金髪のサイドテールの髪を束ねた男性にとって一つの理想の形の体と美貌を持った彼女の右に、跪いて侍るクロエの姿がある。
そしてその周りにはストレリチアに吸収され合併しそれでも王朝が形式上は続いたユグドラ・ユニオン。彼女は金色の髪に少女にしか見えない、容貌に似合わない大検をその手に抱えて、横島をねめつけている。
そして金色の美しい長髪をした騎士、アリス・シンセシス・サーティは裁判官や刑務官の様な瞳をしている。ヴィヴィオに重すぎる愛と忠義を持つヴィーラ・リーリエ。
彼女はヴィヴィオの様子を見てこれからのことを楽しみそうに夢想しているのが一目でわかる。 オリヴィエはヴィヴィオと同じく久しぶりに楽しそうな遊びができそうな目で笑っている。
その笑顔は横島がヴィヴィオの情欲を掻き立てトラウマが刻まれた時に見せていた笑みだ。英霊となったが故に歴史に記された逸話レベルの閨などのトラウマは彼の身に余計に大きな弱点となる。
ヴィヴィオはシンセシスに目配せすると彼女が裁判官の様な様子で、横島を糾弾した。

「王配殿、此度の呼び出しの理由となった罪状はわかっていますね」

「い、一応教えてもらえると助かる」

「聖王陛下の夫としての職務怠慢罪。陛下からの要請の意図的な黙殺。この二つの罪状によって陛下の情欲を収める奉仕労働と再教育の刑となします」

 異端審問と裁判官の様な仕事もしていたシンセシスがその言葉を口にすると。ストレリチアの神聖な意味を持つ光でできた魔法文字が空中に出現し彼に刻まれた。
強い快楽が彼に走り始めると、ヴィヴィオが近づいてきて彼を抱きしめる。 刻まれた魔法文字が余計に恐ろしいまでの快感を引き上げてくる。ヴィヴィオの口付で完全に腰骨が解けた。
ユグドラが横島には理解できないストレリチアの神聖文字の書いている祭壇めいたベッドに彼を寝かせた。敢えて祭壇の文字を見せて意地悪く笑う。

「陛下のお付きである私たちを満足させる仕事をさぼった罰も兼ねていますよ、これは。どうですか凄い魔法文字だとわかるのに。どんな意味の魔法文字化わからないと怖いでしょう?」

「あ、ああ。教えてくれなんなんやこれ」

 横島の問いにユグドラは楽しそうな顔で長い神聖文字の行を指さした。

「この文字はストレリチアで悪いことをしていなかったのに王族を惚れさせ過ぎて完全に腑抜けにされた珍しい類の目にあった男性を犯すのに使った魔法文字です。生前ならできなかったけど、今は英霊ですからすぐ治せますからね」

 そういって笑いながらユグドラは横島の分身を踏みつけた。痛く屈辱的な踏み方なのに、それ以上の快楽が彼を襲う。そこにヴィヴィオが来て笑いながら唇をふさぐ。 彼女は唇を離すと健康的で魅力的な肢体を見せつけながら言う。

「生前から貴方を王配としてから、少し尻に敷き過ぎていると王国女子から言われていました。それが今回の事態を招いたのですね」

 横島に体を密着させながらヴィヴィオは笑いながら言う。

「支配を緩めたりはしませんよ。 ただ反省していることがあります」

「な、なんでしょうか」

 王族としての気品と威圧感に満ちた声に、小市民な彼がおびえながら言うと、ヴィヴィオは答えた。

「生前から十分に快楽は与えていましたけど、支配される快楽の与え方が足りなかったみたいですね。今夜その過ちを清算するとしましょう」

 そういってヴィヴィオが彼の分身を一気に飲み込んだ。 生前からヴィヴィオやオリヴィエその配下に閨で征服する度に感じていた女神や神聖な存在に魂が屈服させられていく感覚が一気に彼を包み込む。
そして今の自分が英霊となっているせいでそれが余計に顕著なのだと彼は理解した。それはヴィヴィオも同じだったようで、少し驚いた後心からの笑みを浮かべたそれを見て横島の背に、恐怖が走った。

「どうやら英霊になったことで肉体という防護服がないから、私たちの支配がより深く届くようですよ。それじゃあ一気にこの祭壇の機能をオンにしてしまいましょう。
私の体をうずかせておいて、いつまでも呼び出してくれない困った旦那様への躾の時間です」

 ヴィーラが楽しそうに笑いながら言った。

「はい。ヴィヴィオ様」

「あー!」

 恐怖と快楽で叫ぶことしかできない彼の唇がヴィヴィオの接吻で再びふさがれた後、彼女が戦闘で本気を出す直前の様な気配になり。
その次の瞬間分身を包む膣だけでなく、密着しているからだ全てから与えられる快感が倍増した。 ヴィヴィオは彼が絶頂する直前に敢えて唇を離した。そして彼が自分でも無様だと思う奇声をこの場にいる全員に聞かせる。

「ぎゃぴー!」

「「ははは!」」

 一斉に浴びせられる嘲笑と共に起こった射精で彼が倒れると、ヴィヴィオはまた笑みを浮かべる。それに嫌な予感を彼は覚えた。
支配される感覚も与えてくる快楽もすさまじかったがまだ上があるのだろうか? そう疑問に思った瞬間、射精して分身が敏感になった直後に祭壇めいたベッドの魔法文字がいくつも輝きだした。
その瞬間、ある意味ストレリチアの守り神でもあるヴィヴィオの体が再び強い力を帯び、敏感になった彼の分身がさらなる快楽に襲われ一気に果てた。


「どうです? 私を放置するとこうなるってわかって懲りたし、何度でも味わいたい快楽だったでしょう」

「は、はい」

 普段はため口で話すが、王様としての顔で接してくるヴィヴィオには彼は昔から逆らえない。そして今はそれが極限に達している。 その状態の横島を見るとヴィヴィオは楽しそうにうなずいた。

「私の番は一度終わりです。他の配下達も満足させなさい」

 そういってヴィヴィオが離れた後、シンセシスの方のアリスが仰向けに倒れ立つことすらできなくなった彼に覆いかぶさった。 騎士とは思えぬ柔らかい体を押し付け分身を飲み込みながら彼女は笑う。

「ヴィヴィオ陛下の制裁を見て溜飲が下がったので、私は欲求不満を解消するだけにしておきます。 いけませんよ。ヴィヴィオ様が危険な時にあれだけ活躍しておいて大鳳くんにお願いしないなんて」

 優しい子供に言い聞かせるような声で言いながら彼女は彼を抱きしめ性行為で自分の方が上だと刻み付けてくる。女性優位の性交で射精する度に幾つもの神聖文字が光り、
その度にヴィヴィオに対する屈服度が上がっていく気がする。アリスもそれを理解しているのか楽しそうに笑いながら彼を絞り続けた。 騎乗して離れた後、彼女は言う。

「優しい性行為でも女性優位な形でやるとこうなるんですよ。他の面々だとどうなるんでしょうね」

 そういって離れた後彼女は、ユグドラと交代した。ユグドラは笑いながら彼を押し倒し言う。

「この祭壇は性行為も儀式とみなす類の神通力の宿る文字が無数に刻まれた祭壇でもあります。
王本人が悪いかどうかは別として王族の婿でありながら王族を欲求不満にした者をわからせるとともに、もうそういうことがないように夫婦の絆を深めるためのものでもあります。
配下の騎士である我々も躾の権利はあるので。私の神聖文字使いを堪能してください」

 そういって彼女は強い膂力で彼を抑え込むとそのまま一気に押し倒し分身を飲み込んだ。いくつもの神聖文字が輝き、その度に彼にとって恐ろしい効果を増してくる。
射精したいときに封じられ、これ以上の射精をすると頭が壊れると感じた時により大量の射精を促され、幼女の様な姿をした女性に負けるのが恥ずかしいという思いが強くなっていく。
そしていくつかの神聖文字が光り、彼の霊感が危機を告げると彼女は意地悪く笑う。

「この文字が光っている時に射精すると恐ろしいレベルで奴隷化が進みますよ」

 そう教えた後、彼女の腰を振る速度が一気に早くなっていく。

「ユグドラ。許して」

 それを聞いた瞬間、ユグドラが無表情になり、動きが止まり一気に彼の分身を締め上げた。強すぎる快感で射精が止まらなくなる彼の目の前で彼女が呪文を唱えると、
いくつもの文字が輝き、魂の奥底までヴィヴィオとそれに使える騎士たちへの屈服感が刻まれた。

 射精が収まり強い快楽で虚ろな顔になる彼にユグドラが厳粛な表情をしつつ、楽しいという思いを隠せない様子で言った。

「今の貴方は贖罪中なんだから、様付けと敬語を忘れないように」

「は、はい」

 幼女の様な相手に閨で負けるのが恥ずかしいという思いが強くなったのも恐らくは、神聖文字の効果なのだろう。 その彼の様子を見てクロエが不意に入ってきた。

「ねえねえ、ユグドラー」

「何でしょうか?」

「多分だけど、子供みたいな体系の女性に負けるのが恥ずかしいって念を増幅させただけで、背徳感が産む快楽については増幅させてないよねー?」

 知っているくせにわからないふりをして聞くクロエは明らかに横島に意地悪を従っている様だ。

「ええ」

 ユグドラの肯定の答えにクロエは無様すぎる者を見た時の子供特有の残酷な笑みを浮かべながら言った。

「忠夫お兄ちゃん変態すぎー! 閨が弱いのは仕方ないけどどこまで変態なのー! それでアリスさんとか陛下は少女形態になれる術を持っているのね」

「ち、違うんや。ワイの方からやってと言ったことは一度もないで。二人が昂りすぎてやってくるだけで」

 答え終わる前にクロエの足が彼の分身を踏みつける。屈辱と弱点を知り尽くした快楽を噴出させる効果的な足の一踏みだった。

「変態お兄ちゃん。精液出し過ぎて馬鹿になったの? ユグドラがした注意忘れた? 様付けと敬語」

「は、はい。申し訳ありません」

 その答えを聞くとクロエは満足そうに笑いながらユグドラに催促の言葉を紡ぐ。

「お兄ちゃんの幼女に負けるのが恥ずかしいって感情をもっと上げて♪ ド変態なマゾお兄ちゃんにはそれぐらいがちょうどいいだろうから」

 ユグドラは笑いながら手を振った。その途端にいくつかの祭壇の文字の光が強くなる。それによって子供に性的に負けることへの恥ずかしさが一気に増した。
その瞬間にクロエが彼の分身をユグドラと同じように飲み込んだ。 射精する度に嘲笑めいた笑いを浮かべるクロエに射精を煽られながら彼は何度も射精した。

「ほらほら、マゾ犬。男性優位の性行為が当たり前の国に生まれていながら、女権国家の底辺男性以下性癖持ちのクズ犬♪」


 射精する時を狙った様な暴言が彼の耳に媚薬の様に入り、優しい性行為が彼の意識に余裕を与えかえって屈辱感と敗北感を大きくする。

激しい射精の後、倒れるようになった彼の前でクロエが大人の姿へと転じた。

「変態が度が進行しすぎたから治療のしてあげる。がんばって耐えてね♪」

 そういうと彼女は彼の分身を豊かになった胸で挟み、先端を口にした。


658 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:12:49 ID:bkWgW5Ue
「ああー!」

 激しい快楽で叫び声をあげて、射精した彼は再び起き上がり直ぐに倒れた。

「ヴィーラとオリヴィエの分が終わったら次の企画へゴーだから待っててね♪」

 射精と同時に霊力が奪われ立つことすら叶わない彼を笑いながら放置すると出ていった。舌なめずりする様子のヴィーラが彼に迫る。

「ヴィヴィオ陛下の夫でありながら随分とじらしておられましたね。 とてもロックですね」

「い、いえ。単身赴任が気楽過ぎて、皆様の寛大さを信じてこれくらいなら大丈夫だろう、と希望的観測にすがってただけです。英霊だから身の回りの世話とかも必要なかったし」

 それを聞くとヴィーラは笑みを深めた。

「確かに陛下は寛大ですし、貴方も悪いことはしていませんでしたね。ただ、陛下の女をうずかせるようなことをしておいて大鳳くんに頼んで召喚しない辺り、陛下の寛大さと女としての欲望を見誤ってましたね。
これはそういう見積もりを間違えるとどうなるか、王配殿に教育が必要ですね」


 ヴィーラがそういうと再び彼女はユグドラに目配せをした。神聖ストレリチア文字が輝き、王国男子が女性に閨で負けることへの恥ずかしさが増していく。
そしてそれを見越したようにヴィーラが彼の上に乗りつながると、彼を快楽と剛力で組み伏せ搾り取り始める。
分身を包む快感のせいで彼女が人並みの女性でも跳ね除けられないとわかっているのがまた、彼の敗北感と情けなさを余計に煽る。 そしてそれを見ていたヴィヴィオが不意に立ち上がると、ヴィーラの乳房を後ろから揉みしだき始めた。

「ヴィーラ少しやりすぎですよ。というわけで過剰制裁のお仕置きです」

「ああー?ヴィヴィオ様の御手が最高過ぎます♪でもでも、こんなにあっさり行かされるなんて恥ずかしいです?」

 ヴィーラが達した際に生じた膣の締め付けの動きで彼は一層激しく射精した。それを見下ろしたヴィーラは侮蔑の目を投げかける。

「こんなあっさり陛下の良いようにされる私にすら惨敗する癖に陛下をじらすなんて、国家反逆規模の身の程知らずしてますね」

「ヴィーラ、忠夫さんは不義理や裏切りはしていないんですから、そんなに傷つける様な発言は、めっですよ。お仕置きです」

 ヴィヴィオがあっさりとヴィーラを百合的な技で逝かせるたびにそのヴィーラにすら負ける己の敗北感が大きくなっていく。彼女たちが心理を操るのが上手なのもあるが、祭壇の力も大きいのだろう。

 横島が快楽と敗北感でぐったりするとヴィーラが耳元に口を寄せていった。

「とてもかわいかったですよ。 それから大鳳くんに召喚されてから、貴方がしたヴィヴィオ様を護る為の戦い、私も見ていて女がうずきました。ヴィヴィオ様の次くらいにはあなたも大事です。ですから今回の様な事をするなとは言いません」

 最後の言葉に不可解な顔をする彼にヴィーラはつづけた。

「今回の様な事をしてくれれば、またあなたにこういうことをする機会が増えますからぜひやってください。貴方の活躍に燃え上がったヴィヴィオ様の情欲を天界で受け止めるのも良いものですから。最も加減のできなさが増えてしまいそうですが」

 笑って離れるヴィーラにおびえながら彼はヴィヴィオの顔を見た。ヴィヴィオは王族らしく彼を観察する目で見た。

「多分昨夜アリスがふるまったものだけで、十分滋養があるから大丈夫だと思いますけど、回復させておきましょうか。 忠夫さんも喉乾きましたよね?」

 その問いに横島は少し悩んで頷いた。 どのみちアリスにふるまわれた料理で耐えられる程度には精力が残っている状態だ。それなら体力だけでも回復したほうが良いだろう
ヴィヴィオが渡してきた甘い蜂蜜味を思わせる飲料を飲み下すと、体力だけは回復したが逆に搾り取られ過ぎて朦朧とした頭が回復し、自分の痴態を思い出して恥辱心が募り始める。それを見越したようにオリヴィエが笑いながら言う。

「体力も戻ったところで今夜の仕上げと行きましょうか」

 そういって彼女は横島を押し倒し、ヴィヴィオと同じ動きと方法で彼を嫐り始める。

 何度も彼女の内部に敗北の証である白い液体を吐き出しながら、彼は王族が持つ支配する霊力に自分の魂の屈服度が上がっていくのを感じていた。
ヴィヴィオと同じ種類の霊力でありながら、ヴィヴィオと異なる彼女の力が彼をどんどんと追い詰めていく。そしてヴィヴィオに劣らぬ快楽でありながらヴィヴィオと異なる、
どこまで彼を絞り上げ追い詰める性的行為が彼の分身を何度も泣かせた。 しばらくの間彼女は彼を搾り取り続けたが、優しく彼の体のツボを押し始めると、ヴィヴィオに目配せをする。
ヴィヴィオは笑いながら彼の背に指をあてる、ツーと指を下に這わせるとちょうどオリヴィエと繋がる分身と同じ位置に指をあて言う。

「ストレリチアではまれにだけど、犯罪じゃなくても、高貴な身分なものを欲求不満にさせた伴侶に分身を二本に増やす罰を与えるときもあったんですよ。
男も強くあるべき考えの時に、分身が二つに増えて体のバランスが悪くなり、戦えなくなる上に、いろんな意味での急所が増えるという意味の罰です。『償いが終わるまで戦士じゃなくてお前はただの愛玩動物だ』見たいな」

「な、なぜそれをいま言うのでしょうか?」

「それをするからに決まっているでしょう。 快楽が強すぎて壊れる恐れがあるって言われて、廃止されましたけど、今なら技術が進んだので大丈夫です。それでは参ります」

 ヴィヴィオが呪文を唱えると、祭壇の神聖文字がいくつも輝き、彼の背に分身が現れる。オリヴィエと繋がっているのと同じ位置に現れたそれをヴィヴィオは楽しそうに笑い飲み込んだ。

「!〜〜!」

 王族二人に挟まれ異なる王の霊力に支配される快感が彼を襲い一度の射精で魂全てがかき回されたような状態になる彼の叫びをヴィヴィオとオリヴィエはうっとりとした様子で聞いていた。

「前回の異変で私たちの身に危機が迫るかもって時とても格好良かった貴方がこうなっているのは本当に来るものがありますね」

 そういうとオリヴィエが彼の口を唇で塞いだ。

「あの後すぐに呼んでくれなかったことについては怒ってませんよ。ピックアップがありませんでしたし。ただ私たちの女に火が付いたのが前回の件で見せた格好良い姿が原因だったことは覚えておいてくださいね」

 言い終わるとオリヴィエが泣きわめく彼を見ながら少し考えて口を開いた。

「やはり二本にして責めるのはやりすぎだったかも、ヴィヴィオ様一本に戻してあげませんか」

 笑いながら言うオリヴィエの言葉に彼は本気で嫌な予感を覚えた。この口調は明らかに嗜虐心に火がついている時の声だ。 それに白々しく同意するヴィヴィオ。

「ええ。ちょっとやり過ぎましたごめんなさい」

 そう答えたヴィヴィオが手を振ると彼の分身が一つに戻り。その瞬間脳快楽で複雑骨折を起こした。前から抱き着く

「二本の分身に快楽を与えられるのに慣れてしまった後でいきなり一本に集中するとこうなりますよね。うっかりしてました」

 そういってヴィヴィオがまた呪文を唱えると、オリヴィエの方にくわえこまれた分身が消え去り背中のヴィヴィオの方に出現し彼女の中に入る。

「あーあ!」

 泣きわめく彼の声を心地よさげに聞きながら二人は言う。

「あなたを閨で泣かせたい欲が溜まり過ぎていたようでやめられそうにありません」


 ヴィヴィオとオリヴィエガ交互に出現させることを繰り返しながら、二人も達する直前になると、再び彼の分身は二本に増やされた。そして二人は彼を挟みつつお互いを愛撫しあう。 快楽のあまり頭がマヒしかけている彼にヴィヴィオが言う。

「お互いが達することで性行は完遂します。そしてこの祭壇で行われている以上夫婦の儀式でもあります。 さて罪人や奴隷並みの状態でそれが成立するとどれくらい貴方は縛られるのでしょうね」

 言い終えた二人達した瞬間、前と後ろの分身が果てしない快感と同じくらいの力を持っていながら異なる屈服感と快楽を与えてくる膣に包まれ祭壇の神聖文字がいくつも輝き彼の中で何かが切れた。
ヴィヴィオとは糸が切れた人形のようになった彼を抱きしめて言う。

「あまり私たちにため込ませるとこういうことになるから次からはすぐに呼ぶことですね」

「は、はい」

 返事を最後に倒れた彼から離れるとヴィヴィオはヴィーラに指示を出した。

「怒ってないけど呼んで欲しくて仕方ない愛歌とユウキの所に運んでおきなさい。あの二人に任せておけば癒すでしょう」




 ……――……ダヴィンチは彼を吸血鬼から人に戻す魔術に鳥区民柄、流れ込んできた彼の記憶に対して感想を口にした。

「ヴィヴィオ聖王陛下随分とわがままな性質をしておられるみたいだ。最も大事を成し遂げる王族は大半がそんなものだが」

 不機嫌なダヴィンチの声に、いつの間にか戻ってきていたクロエが笑いながら言う。

「あら〜、ダヴィンチちゃん随分と不機嫌じゃない。もしかしてやきもち?」

 その問いにダヴィンチは心外そうな様子で答えた。

「そんなわけないだろう。 昨日のアリスさんと彼の情事を見た時は特に苛立ったりはしなかった」

 ダヴィンチの答えにクロエは笑いながら答えた。

「そうよね。 でもあなたはどっちかというと、純愛甘やかしたい派みたいだし。でもこっちに来れば私たちの気持ちもわかってくれると思うけど」

「虚言はそれくらいにしてくれるかい。わざわざ戻ってきたのは何か用事があるんだろう」

「ええ。今回の館攻略が済んだから、同行者として仲間になることになったの。よろしくね♪ 敵側に戻ることはあっても不意打ちの裏切りフラグとかはないから安心して。離反の時は高価アイテムたくさん置いてくからね?」

「わかった。それなら構わない。けれど君は、私個人としてはあまり好感が持てる相手ではないね。君もヴィヴィオ陛下に彼を好きにしていいと言われているうちの一人ではあるんだろうけど。
私にとっては恩人であり、ある意味では保護者みたいな立場でいてくれた彼に対する仕打ちは目に余ったと個人的には思っているからね」

「仕方がないことだけど、そういう発言やめといた方がいいと思うよ。そういう趣味に目覚めた時に過去の自分の発言が引っかかって素直に楽しめなくなっちゃうよ♪」

「そうなる可能性がゼロだとは言わないが、少なくとも今の私はこれが正しいことだと思っているよ」

 そういって彼女は横島を背にかばいながら、いつでも戦闘できる体制を保ちながら言う。

「夫婦の間とはいえ嫌がっている彼に、壊れる様な事をされては困る。悪意ゼロ、遊びの様な場所とはいえ、ここは霊的異常地帯だ。一応完全にこちら側の英霊である彼の状態は把握しておかないといけないからね」

「そうね。それじゃあ少し、昨夜の続きを見てみましょうか。これが忠夫兄ちゃんの昨夜の様子の続きだから、とことん見定めてね♪」

 楽しそうに笑いながら、魔法のかかった剣を彼女がダヴィンチに突き立てようとした。一切害意や殺気はなく、またいくつもの修羅場をくぐってきたここの面々には、一目でこの剣は殺傷力はないことがわかる。
ただ特殊な魔術がかかっていることだけは確かだ。


659 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:16:04 ID:bkWgW5Ue
彼女の剣を突き刺されたダヴィンチの意識が再び闇に沈んだ。そして彼女はさとる、これはヴィヴィオに犯された後の横島の記憶の体験だ。





 眠りから覚めた横島は、自分の体力が完全に回復していることと、柔らかいベッドにいることに気づいた。そして何日も時間が経過したくらいに寝ていたはずなのに外の日付は変わっていないことに気づく。
これは多分エヴァの別荘の時間の流れが変わる魔術を応用しているのだろう。そこまで考え顔を上げると、目の前に金色のショートカットの髪をした青いドレスに身を包んだ王女、愛歌と最も長い付き合いのユウキが目の前にいた。
彼女たちはヴィヴィオたちとは違い怒りなどはなくただ、純粋に横島と久しぶりに会えたことを喜んでいるのがわかる。 ユウキが満面の笑みで彼に抱き着いてきた。今の彼女はインプ形態の様だ。

「忠夫、久しぶりだね。僕たちも呼んで欲しくて待っていたけど、やっぱり単身赴任が楽しすぎた?」

 小悪魔の様な笑みを浮かべる彼女に彼は首を縦に振った。

「わかっとるとは思うけどお前たちが嫌いになったわけじゃなくて、英霊になってから性欲が落ちて、それで単身赴任が気楽過ぎて、もうちょっと伸ばしていたいなと」

「忠夫の性欲が落ちた!?本当?」

 ユウキが一瞬だけ驚いた顔になり問いを投げかけ、すぐに失言だと気づいた風になる。ユウキが大切なことで横島に隠し事がうまくいくことが少なかったように、彼が嘘を言っていないことが彼女にはわかったのだろう。
そしていたずらっぽい笑みを浮かべて、彼の服を脱がせ始める。

「確かに英霊って色々なケースがあるから、一概にどれがどうとか言えないよね。スカササさんは生きたまま神になったケースかもしれないし、忠夫の場合はぎりぎり人間のまま天寿全う型だしね。
そして性欲とはある意味子孫を残すためのもの。子孫が残って幽霊になればそれもあり得るかも」

 そういいながら服を脱がせ終わった彼女は自分も服を脱ぎあらわになった胸元で彼の分身を挟んだ。 まだ愛撫も始めていないのに、彼の分身が射精手前のようになった。それを見てユウキは笑う。

「あは♪ やっぱり。僕の胸で良い様にされた逸話が多く後世に伝わったせいで、生前より弱くなっているね。英霊は残したいという欲求は薄くなっているけど、行為ができない訳じゃないしね。それじゃあ始めるね」

 ユウキが胸を動かし始めると彼の分身が噴水の様に射精を始めた。それを見て胸を動かしながら、嫐る彼女は彼の分身の先端を加えた。 ユウキ自身も英霊の為か噴出した精液はすぐに彼女に吸収されて消滅していく。
そして彼女の霊力が上がり彼の霊力が下がっていく。恐ろしいのはそこではない。他の女性達にされた時もそうだったが英霊である自分の体に新しい弱点が刻まれていくほか、
どんどんと古傷が開くように彼女たちの与えてくる快楽への耐性が下がっていく感じがする。

 ユウキの胸になぶられ叫ぶ彼を楽しそうに見ていた愛歌が彼の耳元に唇を突きつけ、ていう。

「まあ、一人になれる時間もないと男の子はつらいらしいからしょうがないけど、そろそろ英雄らしい行動をしているあなたの傍にいられないもつらいから、呼んでもらえるように動くとするわ」

 耳元に息を吹きかけられて、ユウキの胸の中でもだえる分身が何度目かわからない爆発を迎えかけると、彼女は笑いながら彼の耳たぶをかんだ。 それにより射精を迎えた彼が叫びかけたところで容赦なくキスで口を塞いでくる。
爆発した彼の下半身を見てユウキが笑う。

「愛歌、そろそろ本番始めようよ」

「ええ。それじゃあ行くわね」

 豊満なユウキの胸に嫐られぬいて震える彼の分身を愛歌が服を脱ぎ飲み込むと、彼は一気に悲鳴を上げた。癒す際にももたらされる快感というものがある。
今の愛歌はヴィヴィオたちにされた支配の術から癒す類の術を使いながら彼を嫐っている。だがヴィヴィオたちと敵対しているかというとそうでもない。回復術を受けるときの快楽の効果を高め、
彼女たちの間で往復することの中毒に落とし込もうとしている様だ。
叫び声を上げかけたところでユウキが彼の唇に乳首を突っ込むと、魔術で彼の頭を鈍らせる。
ユウキの乳房と甘い香りに脳を侵され、愛歌の愛情と好意に満ちた中毒を生むアリスと同系統の性行為が分身を何度も泣かせてくる。 愛歌の少女らしい膣と容赦ない快楽で彼の頭が堕ち始めると、ユウキが言った。

「愛歌そろそろ交代しよう」

「ええ。そうね」

 ユウキが今度は彼の分身を飲み込み、愛歌は笑いながら後ろから抱き着き、彼の顔に腰掛け尻を押し付けてくる。 射精と同時に強く押し付けれるとそれと同時に彼の脳が焼き切れた様な感覚がしてくる。
ユウキが今度は彼を後ろから抱きかかえ、乳房を背にあてながら、正面から抱き合う形で彼と結合した愛歌の望むように彼を動かす。
アリスやエヴァの糸で操られるのとは違う快楽が彼を包んだ。 射精と同時にユウキが余計に激しく彼を動かすと何度も愛歌はどこまでも優しく甘い中毒になるような動きで答えてくる。
完全に快楽で阿呆になった彼の唇を奪うと愛歌は彼を見下ろし王族らしい口調で言った。

「忠夫、ちゃんとこれが終わったら私たちを呼ぶように大鳳くんに頼みなさい」

「は、はい」

「よろしい」

 了承の言葉を言った瞬間愛歌が激しく体をねじり彼に一際大きな射精を促した。
彼の脳に王族としての威厳と約束したことを焼き付けるためだろう。愛歌は笑いながら言った。

「ユウキ今度のピックアップガチャで多分呼んでもらえるわよ」

「そうだね。あとは大鳳に思いっきり夏休みを楽しんでもらわないとね。そういう恩義ができた方が忠夫の性格上約束は破れないだろうし」

 この記憶を読んだダヴィンチは二人に対しては怒りなどが沸かないことに安直した。やはり自分は男をいじめるのが趣味の類の女ではないようだ。彼女が安直した直後にさらに映像が切り替わる。





 和風の屋敷の居間で横島が必死にお札などを書いている場所にクロエがやってきた。彼女はハワイなどの暖かい地域にバカンスに行くときの様な青い大人びた服装に身を包んでいる。彼女はそのまま横島の状態を確認する。

「進歩いかがですかぁ? あら全然だめ、……は言い過ぎだけど、かろうじて及第点の御札ばっかり。お兄ちゃんぎりぎり不合格、よって罰ゲーム決定♪」

 そういうと彼女の周りに光で作られた東洋の文字が浮き上がり、彼女の持つ白黒の双剣に宿り、彼女の力を強化していく、そして彼女に剣を向けられると彼の服があっさりと剥かれた。
これは服も英霊と化した彼の一部であるためだろう。 光でできた文字が彼を拘束すると、彼女は笑いながら言う。

「ユウキ先生お願いします」

 そこに姿を見せたのは横島が東国に転生した時に彼を導き師となっていた炎禍の烏天狗と化していたユウキだ。彼女は笑いながら何かの術を彼にかける。

「天狗の誇りや傲慢を司るからこういうこともできるんだよ。えい♪」

 女性にベッドの中で勝つのが当たり前という概念を強くしたうえで、クロエが少女の姿で、彼の分身を刺激し始める。 女権国家の女性らしい最高の技巧で彼を達しさせた後、クロエは敢えて、
すぐに吸収せずにどれだけ自分の足が白く染まったか彼に見せつけてから言う。

「あれ〜? すごい量の射精だね。 昨夜の初射精より多くない?」

「しょうがないよ、忠夫は屈辱が大きいほどたくさん出しちゃう変態さんだから」

「ええ〜。お兄ちゃんベッドの外ではちゃんと格好よかったのに、そんな趣味もあったの。
後半、玉藻様が命じてそういうユウキお姉ちゃんにこの術使わせてたけど、射精の量が衰えてないんじゃなくて、屈辱がすごいほどたくさん出てただけだったの〜。お兄ちゃん最低すぎ」

 わざわざ純粋にヒーロー見る様な目で見てくれたときと同じ見上げ方で蔑みの目を向けてくるクロエの意地悪さに彼は怒りかけたが、怒りの声は出せなかった、その視線を受けて、彼の分身がすでに屹立していたためだ。
クロエは何かの術を自分にかけながら大人の姿になり、彼の分身を飲み込み言う。

「これは管理職として失敗でした。貴方に対してかけるべき言葉は、『仕事の出来が悪かったら今夜と同じことしちゃうぞ♪』じゃなくて、『上手くできたらこれと同じことしてあげるね?』でした。『王国出身先天的女権国男性』な忠夫お兄ちゃん?」

 最悪の蔑称で呼びながら、一気に射精させてきたクロエは笑いながら彼を見下ろした。
クロエに射精と同時に霊力を奪われて、上下関係がより強固になった感覚で震える彼にユウキが代わって搾り取りながら言う。

「クロエ、だめだよ。忠夫はこれでも王国男子なんだから、ああいう性交でたくさん射精するヘタレマゾだって突きつけたらかわいそうだよ」

 かばうふりをしながらバカにしてくるユウキは屈辱と背徳感で横島の分身が固くなっているのを純粋に楽しみながら彼を絞っている。
怒りよりも彼女が与えてくる快楽と、心底楽しんでいる様子の彼女の姿を嬉しいと感じてしまうあたり、自分は完全に彼女に堕とされ切っているなと横島は思った。



 性交が終わって倒れている彼を見下ろしながらクロエが大人状態で彼を見下ろしながら言う。

「それじゃあ変態さん、次の和風アトラクションで使う悪霊払いの御札ですけど、ちゃんとうまく作れたら昨夜の再現してあげるから頑張ってくださいね。
もしもダメだったらあなたの様な変態でもトラウマになる類の女権国家的わからせがまってますよ」

「は、はい」






そしてその脅しを受けて城の中で三日たった後、横島は本気で泣きたくなった。

「なんで、こんな高レベルの札が山ほどできとんのや! そこまで変態だったんかワイ」

 術は基本的の精神的な影響が大きい。ここまですごい札ができるということはそういうことなのだろう。





 そこまで横島の過去を見た後、ダヴィンチは煩悩を振り払うように首を振った。

「とりあえずこれで吸血鬼化は解除できた。 アトラクション完全クリアだ。次に移ろうか」

 その声にクロエが元気よく答えた。
「は〜い。それでダヴィンチちゃんもこっちに目覚めたんじゃない?」

「それは否定できないところがあるよ」

 歯切れ悪く彼女は答える彼女を見て、クロエは予想通りだと思った。
彼女をこちらに目覚めさせるには、とにかく怒りなどでもいいから、冷静さを奪いもしくは減退させ、そしてそのあとに彼女の様な善玉が好む純愛な女権国家的性交を見せればよい。
彼女は大分横島がやられる姿を見て、こちらよりになってきている。 ダヴィンチは横島に言った。


660 :名無しさん@狐板:2023/08/24(木) 21:18:23 ID:bkWgW5Ue

「忠夫、すまない。私はどうやら女権国家の女性としての因子が相当強く目覚めてしまったみたいだ。ひょっとしたら君を性的にいじめる方に参加するかも」

 少し申し訳なさそうなダヴィンチにクロエが言った。

「大丈夫よ。忠夫兄ちゃんはド変態だから、いやだ。怖い。より、天才ダヴィンチちゃんはどんないじめ方してくれるのかって期待の方が勝っているわ。ね♪」

「そ、そないなことは」

 クロエに逆らえなくっている感覚と、そして当たっているかもしれないという思いのせいで彼の否定の言葉はひどく力がない。

「それじゃ皆さんかえって明日に備えよっか♪ 特にダヴィンチちゃんとは色々話したいし。ここに召喚されてからのお兄ちゃんの格好いい姿とか」





そういってその日からダヴィンチとクロエは何らかの打ち合わせをしていることが多くなった。その際にダヴィンチが自分の様子を観察してくることも増え、その度に自分が彼女になにをされるか期待してしまっていることに気づいた。
多分これが、ダヴィンチが向こうに行ってしまった最大に原因だったと横島は思う。そして大鳳が夏休みを満喫している裏で彼にとっての快楽地獄、ある意味では極楽が展開されていた。



 和風ファンタジーホラーのアトラクションでは悪霊や妖怪の群れと戦いながらクリアしていく流れであり、大変爽快な戦いを楽しんだ。
横島さえも後のことを忘れて、一時期そのアトラクションの戦いとストーリにのめりこみ切ったほどだった。


 そしてそのアトラクションをクリアした夜封印された記憶がよみがえり、彼はその和風アトラクションのボスの部屋の奥で玉藻の前と天狗姿のユウキに挟まれていた。
玉藻が陽気かつ女権国家の女性らしい恐ろしさを感じさせる声で彼に言った。

「旦那様少しは、凝りましたか? いえ、私たちを呼びたくなりましたか?」

「も、もちろんです玉藻様」

 とにかくひたすら仕立てに出る横島を見て彼女が手を振ると視覚ではなく脳に直接訴えかける幻術で彼が再開時に受けた記憶がよみがえった。



 ジパングに転生した時に女権国家から流れ着いた九尾の狐である玉藻と戦い勝利した後、彼女から受けた閨での仕打ちの数々。玉藻はアリスから習った術で彼を精通した直後に戻し、
四本の尻尾で両手両足を縛り彼を抱き込み対面座位の姿勢で嫐り始めた。つながった直後に彼女のおねだりがすべてとなるような快楽が彼の分身を包み、そのまま即座に訪れた射精で一気に彼は堕ちた。その彼を見下ろしながら玉藻は言う。

「他国のエロゲーや官能小説で、一突きで女性を天国に連れて行く男性器を受けた女性みたいな無様さがありますね。 忠夫さん、今の私は九尾のモードですよ。
貴方が一生を全うしたこともあるジパングで最悪の行いをした九尾ですよ〜わかってますか?」

 激しい快楽でまともな思考もできない彼に玉藻は残酷に事実を突きつける。そして彼女の術で王国男子とジパング男子を足して二で割った性質となった彼は情けなさで涙があふれてくる。
それを見て玉藻は楽しそうに彼の頭をなでて時には頭のツボを押す。その度に彼の分身から多くの射精が起こった。

「ユウキさんダメです、これ。 屈服して男の自尊心が崩壊するのが早すぎて、恥辱責め成立しません。天狗の自尊心を操る力をプリーズ!」

「任せて」

 天狗衣装のユウキが術を使うと彼の恥辱心が一気に燃え上がり、そのまま彼は最悪の恥辱を感じ、ジパング最悪の悪妖怪に一番恥ずかしい体位で逝かされていると悟りながら一っ気に射精した。

 ぼんやりとした目をした彼はクロエが持ってきた魔術的な油を見て、嫌な予感を覚えた、玉藻は六本目と七本目の尾をそのツボの液体の中に突っ込むと彼と繋がるのをいったんやめて、
片方を彼の分身に塗りこめて、もう片方を彼の前立腺に向けて入れた。

「〜〜!」

 声すら出せない彼を見ながら分身を締め上げつつ射精できなくしつつ、尻尾の先端で分身の先端を刺激し、玉藻はその声を心地よさそうに聞いていた。僅かに快楽を弱めた後横島の悲鳴を聞き始めた。

「玉藻―! 頼む出させて出させて」

「それは虫がよろしすぎる話ではありませんか旦那様。 見事な男ぶりを見せて私たちをうずかせておきながら、ピックアップガチャを回してと、大鳳くんに頼んでくれなかったじゃないですか。
でもわたくしも鬼ではありません。 ピックアップした回数の数だけど、懇願したらいかせて上げましょう」


 尻尾の愛撫で何度も寸止めされ快楽で声すら出せなしたうえで玉藻は笑う。

「出させてと今言い切れなかったので、ノーカウントです♪」

 わざと快楽で言葉を切らせたりしながら彼女は笑う。


それでも彼は時間をかけて言い切った。それが終わると玉藻は笑いながら近づいてくる。

「約束通り、回数分叫んだのでいかせて差し上げます。 でもぉ、男子でありながらお預けをつづけた男性に対しては、さすがの良妻狐も優しくありませんよ。ユウキちゃん、とどめお願いします」

「任せて。僕は怒ってないけど、玉藻さんたちの気持ちもわかるからね」

 そういってユウキが手を振ると彼の中で一気に、女性に閨で負けていることに対する恥辱心が一気に膨れ上がった。そして気づく、前に恥辱心を煽られた時ユウキは手加減していた。これが本気の方だと。

 一番恥ずかしく屈辱の高い騎乗位で搾り取られながら玉藻に覆い被さられ彼は白い敗北の証が玉藻の秘所から漏れ出すほど射精すると倒れた。

「どうですいろんな意味で懲りたでしょう。クロエちゃんとユウキちゃんとの夜もまだまだこれからですから楽しみに待っていてくださいね」

 その後、ユウキとクロエまで加わってきて彼の意識は何度も飛び堕ちた。




 次のアトラクションはやばい生物兵器を開発している会社が悪魔と契約してシャーマニックと科学の融合兵器をつぶすというホラーゾンビパニックアトラクションだったがその後ろでは、
横島が陸八魔アルと、リグルそしてその配下のアレクシア・アシュフォードという蟻と融合した女科学者に犯されていた。

 アルの魔術で芝居を本当だと思わされて彼は何度もアルの悪魔的な快楽を与えてくる豊満な体に何度も何度も射精を繰り返した。アルが悪魔らしい顔で彼を見下ろしながら言う。

「射精する度に、大鳳君たちが不利になっていくのに、本当にあなたは恥知らずね。ほらもっと出して私の配下の悪霊軍団を強化しなさい」

「あ、あー!あー!」

 対面座位から抱き込まれたまま形だけは正常位だが、これは彼にある程度腰を振れるようにすることで、虚構とはいえ現実だと思わされているシチュエーションで快楽に勝てないと彼に思わせる調教だ。
だめだ、悪魔軍団を有利にしてどうする。と思いつつ、体が言うことを聞かず情けなく早すぎる射精を繰り返しながら彼はアルの嘲笑めいた笑いを受けながら倒れた。
リグルがカマキリの雄の祝福を彼に授け、彼の危機感やあらゆる苦痛切り、快楽にあらがえなくなった所で、それを切り罪悪感などで追い打ちをかけてくる。だが彼女たちが一番与えたいのは背徳感とそれがもたらす快楽だ。


 アルの番が終わりアレクシアと二人で彼を責めているリグルが笑う。

「忠夫〜、いいの? 射精すればするほど、強力なクリーチャーが生まれて大鳳くんたちが不利になっちゃうよ」

 嘘だとわかっているのに、アルの力で自分がとんでもない罪人だという意識とそれが生み出す背徳感が激しい快楽を与え彼を堕としてくる。
リグルに上になられ、交尾の際に命全てを取られる虫になったと錯覚するような体の内部の大切な臓器すら削り取られた様な快感と共に彼は倒れた。そこにフェロモンを漂わせた、アレクシアが人間形態で彼の首筋に注射をうつ。

「ほら、早く達してご自分の親友たちを殺すための兵器を生む私たちに子種をささげなさい」

 アレクシアが金髪の長髪をたなびかせながら、リグルや横島と知り合う前の冷酷な外道科学者を演じながら彼の分身を飲み込む。

 悪逆非道の女科学者に兵器の種を与えている。その背徳感と敗北感が彼の分身をいつも以上に元気づけ射精と同時に彼は倒れた。


 彼が意識を失うとアルが慌てて、魔術を解き始めた。

「さすがに理性では嘘だとわかっていても、自分の子供だと思ったままの生物兵器と戦わせるのは気の毒だから。でもこれでいいのちょっと制裁というにはぬるいし何が目的なの?」

 アルの声にアレクシアは笑って答えた。

「忠夫をはじめ男性は一度味わった快楽からは逃れづらいものです。今回の快楽を味わったことで、単身赴任の自由よりも私たちが与える快楽を好むようになるでしょう。必ず機会があれば呼んでもらえるようになりますよ」

「そういうものなのね」

 自分では理解できない分野だと理解して、専門家に投げられる辺りアルも人を使う仕事に向いているといえるだろう。
少なくともこの世界線では結果として、最終的には女権国家で会社をそれなり以上に大きくしたのだから上に立つ者としては有能だったといえるだろう。




 今生の大鳳が好むホラーアクションアトラクションをいくつもクリアした彼は夏休み終盤となりながら、横島はかなり危険な状態になっていた。
妻たちにされた数々の行き過ぎた快楽の記憶が彼をむしばみ、今でもやられているかの様な感覚が彼を襲い。どんどんと中毒に近いような感覚になっている。

「忠夫大丈夫?」

 心配げな目で見てくる大鳳に彼は答えた。

「ああ、女権国家のアトラクションとは本当にきつい。かみさんたちが少し久しぶり過ぎて手加減間違えとってな」


 最後のアトラクションはダヴィンチが監修したものらしい。働きアリの妖怪、金槌坊などが全力で作ったものらしいからこそ、彼は恐怖しつつ先に進んだ。


 今度のアトラクションは今まで突破してきたすべてのアトラクションを合体させたようなステージだった。エヴァの夜の城や、玉藻の和風の妖城、そしてアルとアレクシア達の悪の企業の様なステージ。それらを合わせたステージ、
彼ら様に作られた一流の戦士でも難しい訓練並みの難易度を楽しみながら彼らは踏破した。前回のピックアップガチャで召喚された万能型の銃使い英霊ティアナの姿もあった。彼女は何体もの敵を薙ぎ払いながら感嘆の声を上げた。

「このアトラクションすごいわ。私は英霊としての性質上悪人相手にバフがかかるらしいけど、本当の悪人じゃないのに、そのバフが発動しているわ。このアトラクションの技術が悪用されたら冤罪も生まれちゃわないかしら?」

 仮想だとわかっている敵との戦いだとわかっていながら緊張しつつ、心底楽しめてもいる。そういう状態でも、こういう考えが浮かぶ当たり彼女は根っからの警邏隊員だなと、横島は思った。その答えにダヴィンチが否と答えた。


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