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【R-18】Mシチュスレの引用スレ

1 :名無しさん@狐板:2020/01/19(日) 00:15:29 ID:bMTYbG3g



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       ノム|::| |      |   |::ト、〉
      |├|::|ノ|      ├<二ノ
      |八`゙/ミ      ノ⌒ヽW
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当スレは某R-18スレの長文レス、SS、スレ主以外のAA・支援AAを投稿する場所です
それ以外での使用はお控えください

923 :名無しさん@狐板:2025/03/10(月) 00:03:07 ID:i1EpHnyc
乙ー

924 :916:2025/03/10(月) 00:44:34 ID:R2cZR/Gp
>>923
乙感謝です

925 :名無しさん@狐板:2025/03/10(月) 10:10:14 ID:qbT+Zlli
乙です

926 :916:2025/03/10(月) 17:33:10 ID:R2cZR/Gp
>>925
乙感謝です

927 :名無しさん@狐板:2025/03/12(水) 15:41:23 ID:kH/336zF
おつでしたー

928 :916:2025/03/13(木) 00:50:44 ID:+7rJJP3C
>>927
乙感謝です

929 :名無しさん@狐板:2025/03/13(木) 03:23:03 ID:bbxJUiKL
「はっ!はあっ!」
喘ぎ声と呼吸音が混ざった吐息を漏らしながら、アリエラは腰をくねらせていた。
繋がった肉と肉がぶつかり合う音が場に響き渡る。
何度も肌を重ね合って弱い所を把握したのか、角度を付けた腰使いで陰茎が一番敏感に感じる部分を責め立てる。
アリエラの膣内は精液を欲するようにヌルヌルの愛液と絞まる襞で陰茎を扱き上げ、絶頂へと導く。
「んっ!んん〜〜っ!」
アリエラが声を押し殺した絶頂を迎えると共に自分のそれも限界を迎えた。
ピッタリとくっついたアリエラの子宮口から子宮内へと決壊したダムのように精子が勢いよく噴き出していく。
一回、二回と体が震えながら信じられない快感と共に精子をアリエラの子宮内へと放っていった。
「ん…、はぁ…はぁ…」
絶頂に浸りながらその精液の迸りを恍惚の顔を浮かべながら受け止めるアリエラ。
今日もまた求められるがままに、彼女を満足させた。

「…今日もされるがままだったわね。気持ち良くなってくれたのは嬉しいけど」
少し不満そうな視線を向けるアリエラ。
「別に愛して欲しいとか伴侶になってくれとかじゃないの。私と交尾したいって思って欲しいの、わかる?」
彼女らしからぬ非難がましい発言に息を吐いて唸るばかりだった。彼女の感情にも変化が現れたのだろうか?
ドライアド。木の精霊とも言われる彼女は蔓と葉で乳房や股を隠した裸同然の格好で羞恥心もなく行動している。
美女がそんな煽情的な姿で現れ、性行為を求められればとても自分の理性で拒めるようなものではない。
あの日から連日のように彼女の一族の復興の為に体を重ねる日が続いていた。
「…それとも、責められるのがお好みなのかしら?私が初めてって事でもなかったみたいだし」

―その瞬間、まだまだ駆け出しだった時の青い自分の体験を思い出した。

930 :名無しさん@狐板:2025/03/13(木) 03:23:38 ID:bbxJUiKL
「あ、ペニスを貸しなさい。綺麗にしてあげるから」
アリエラは愛液と精子でドロドロになった亀頭に舌を這わせ、亀頭を咥え込むと尿道の中に残っている精子を吸い出す様に念入りなお掃除フェラに勤しむ。
射精直後で敏感になったそれは瞬く間に彼女の中で再び硬く屹立する。
念入りに亀頭からその括れまで綺麗に舐め取るような舌の刺激に耐えきれず、二度目の決壊を迎えた。
「っ!…っっ!」
口内に不意の精子を放たれたアリエラは驚きと軽くえずくような声を漏らすと、ゆっくりとその精子を喉を鳴らして飲み込んでいく。
「…まだ元気じゃない。もう一回する?」
膣内に出すものと思っている精子を口内に放たれた事に怒ったのか、不機嫌な顔でこちらを睨むアリエラ。
自分は慌てて謝罪すると、そのまま逃げるようにその場を離れていった。


逃げるように訪れた洞窟の内部。周囲を見渡し、忘れえぬ記憶があった事を思い出す。
アリエラから責められるのが好きなのかと何気なく尋ねられたその言葉。心当たりがなくもなかった。

―それはかつて自分がまだまだ駆け出しの探索者だった時の事だった。
洞窟にピッケルと爆弾を片手に宝物や鉱物、素材を集めていたその時。目を疑うような信じられないものを見た。

一糸まとわぬ裸体。まだまだ成長しきっていない未成熟な膨らみ始めの乳房。毛一つもない筋ひとつの股。
長い髪は所々乱れ、肌には荒々しい岩肌でついたであろう傷が各所に見受けられる。
そしてその幼さの抜けきらない顔。その目はまるで生気の感じられない虚ろな瞳をしていた。

931 :名無しさん@狐板:2025/03/13(木) 03:24:02 ID:bbxJUiKL
あまりに場違いなその少女を不審に思うよりも、助けなくてはと直感的に駆け寄っていた。
こんな場所に、ゴブリン達に攫われて慰み者にされたとしか考えられない。ただただそう思っていた。
自分の姿を認識すると少女は、口からかすれた声を漏らしながらゆっくりとこちらに向き直った。
大丈夫か、どうしてこんな所に、自分が地上に連れて帰ってやる、そうまくしたてる様に言葉を紡ぐも、
少女はこちらを見上げながら、虚ろな目のまま聞き取れない声を漏らすばかりだった。
言葉が通じないのだろうか?それとも凌辱の果てに心が壊れてしまったのか?
自分の胸の下ほどしかない小さく華奢な今にも壊れそうな少女の肩に手をかけて揺さぶりながら訴えかける。
そうだまずは何かを着せなくては、と自分の防具を脱いで自分の服を着せようと考えた。
その瞬間、少女は不意に跳びつくように自分の口へと勢いよく唇を重ねてきた。
何を、と言う間もなくその勢いのまま押し倒され、求める様なキスを続けた。
ファーストキスだった。会った事もない裸の少女に熱烈なキスをされ、困惑と同様で完全に脱力してしまった。
口の中に侵入してくる舌、そして唾液。少女は恍惚の表情を浮かべたまま足りないもの、欲するものを求める様なキスを自分に続けた。
はぁ、はぁと吐息を漏らしながらくちゅくちゅと舌が絡み合う音が静寂の洞窟に響き渡った。
こんな小さな女の子が淫靡な接吻で自分を求めている。自分にかかるその軽い肌の感触で何も考えられなくなり、
不覚にも幼女と少女の中間の様なその肢体に股間が反応してしまった。
あっ、と驚きと喜びが混じったような声で自分の体に当たった硬いものの感触を手で確かめる少女。
そんな事をしちゃいけない、と制止するものの自分の体は全くと言っていいほど動かず、少女の手で屹立したそれは、
ズボンから飛び出す様に露になった。
あはっ、と小さな歓喜の声を上げる少女。小さな手でそれをいとおしむ様に頬ずりし、亀頭へと優しくキスをした。
幼女と言っていい存在が、その愛らしい顔とグロテスクな肉棒が並ぶアンバランスな光景に、完全に自分の頭はオーバーヒートを迎えていた。
何度も何度も個所を変えながらペニスへとキスを繰り返し、その度に自分は情けない声を上げながら体を震わせた。
真上を向くほどに完全に屹立した陰茎に舌を這わせながら、少女は淫靡に微笑んだ。

932 :名無しさん@狐板:2025/03/13(木) 03:24:31 ID:bbxJUiKL
―ニンフォマニア。女子色情狂。その単語が自分の頭の中に浮かぶ。
その未成熟な体と完全にかけ離れた性欲亢進。目の前にした初対面の男に異常性欲を催すその光景。
信じられないその姿は、凌辱の果ての壊れた心が成したものだったのだろうか。

少女はこちらの顔を覗き込みながら、立ち上がると陰茎を手に、己の秘部へとあてがいゆっくりと腰を下ろしていく。
ダメだ、そんな事しちゃいけない、それだけはダメだと慌てて訴えかける自分。
―ダメ?
そう視線で自分の言葉に返答する少女。その瞳に思わず胸が高鳴り、完全に自分の理性は砕かれたようになった。
体を起こして無理矢理にでも止めるべきその瞬間を、言葉とは裏腹に全く自分の体は動かなかった。
心とは正反対に、その行為を体が求め理性からの命令を拒んでいるかのようだった。
筋の様な割れ目をこじ開けて行くように、亀頭が小さな割れ目に飲み込まれていく。
入るのかどうかも怪しいその小ささはゆっくりと、腰を下ろすごとに奥へと誘われていく。

んんっ!という少女の声とともに、自分のそれは少女の奥まで入ってしまった。
ロリコンでもないのに、こんな小さな女の子に勃起してしまい、犯されるような形で繋がってしまった。
童貞喪失。男として初めての性行為が、幼女の逆レイプ。
あまりに倒錯したありえない夢か何かではないかと思うその光景。
目の前の少女の女性器の中に挿入された自分の膨れ上がった男根。結合した性器。
それを見て、夢や幻ではなく紛れもない現実だと認識するほかなかった。
少女はその小さな女性器で飲み込んだ陰茎の感触を味わうように甘い声を上げてよがり、
幼さの残る顔とは思えない淫靡な表情を浮かべた。そのアンバランスな姿が自分の欲望をさらに強く刺激する。

それを貪欲に味わおうと、少女は自分の胸に手をかけて繋がったまま激しく体重をかけて腰をゆすりだした。
腰の動きと共に甘いよがり声を隠す気もなく口から漏らし、リズミカルな吐息と喘ぎ声が響き渡る。
貪欲に肉帽を味わいつくそうとする動きに自分はあっという間に限界を迎えてしまった。
キュッ、と絞まるようなその感触がとどめとなり、亀頭の先端から欲望の迸りが閂を破った。
あっ!あああ〜〜っ!という大きな声を上げて絶頂を迎える少女。
生き物のようにうねる膣内に精子が絞り出されるように睾丸の奥底からこみ上げるような大量の精子が彼女の膣内を、
子宮の中を蹂躙するように吐き出されていった。
脈動するたびに信じられない量の精液が少女の小さな膣内を駆け巡り、その度に意識が飛びそうになるような快感と共に精液が二度、三度と放たれていく。
少女は完全に緩んだ口元から唾液と吐息を垂れ流しながら虚空を見つめ、絶頂の余韻に浸る。
そんな淫靡な顔に似つかわしくない、未成熟な少女と性交の果てに、精子を搾り取られ膣内を満たしてしまった。
あまりに背徳で現実離れした光景に自分はただただ息を吐きながら少女の顔を眺めていた。

933 :名無しさん@狐板:2025/03/13(木) 03:25:01 ID:bbxJUiKL
―その瞬間、少女の瞳の色が変わり、肉食動物の様な眼光でこちらを見下ろした様な光景を目を捉えた。
繋がったままこちらにさらに覆いかぶさり、先刻のような激しい腰の前後運動が再開された。
射精直後で脱力したそれはその刺激に再び屹立し、少女の膣内で抜かずの二戦目に強制的に及ばされた。

少女の瞳はこちらのその反応を嘲笑うように見下ろし、先程までの儚げで消え入りそうな悲壮な少女の姿は完全に消え失せていた。
それはまるで、こちらを捕食しようとする存在のように。
突如として少女の手が自分の首へと伸びる。その手は少女とは思えないような力で自分の首を絞め上げる。
自分は苦しみながらその腕を振りほどこうと腕を掴むが、信じられない力で耐えるのが精一杯だった。
同時に襲い来る自分を搾り取ろうとする膣の動き。苦しさと気持ち良さが同時に襲い来る感触。
そして自分は、なすがままに絶頂へと導かれ、二回目の精液を少女の中へと放った。
体が跳ねる様な絶頂を迎えると、はぁ、はぁと激しい喘ぎ声と共に精子を放たれる感触の余韻に浸る少女。
その一瞬だった。脱力したその瞬間にこちらを押さえつけていた少女を跳ね飛ばし、恥も外聞もなくそのまま一目散に逃げた。
呆気に取られた表情で股から精子を溢れさせながら尻餅の体勢で逃げる自分を眺める少女。
それが自分の見た少女の最後の光景だった。

―ニンフ。ごく稀に洞窟に現れるという女性の姿をしたモンスター。
それがあの少女の正体だったようだった。
裸の女性の姿で人間の興味を引き、不用意に接近したその瞬間に体色を変え怪物としての姿をあらわにして襲ってくる存在。
どうやら、あの少女は性的な意味でも捕食する趣味のある個体のようだった。

まだまだ探索者として未熟な青い時期。
そんな瞬間に遭遇し、不用意な行動の結果童貞を奪われ、命まで落とすところだった。
あの時の事を思い出した。

―そして同時に、人間ではない存在との性行為。信じられないほどの性的快楽を伴う初体験。
アリエラとの行為を拒めない理由。あの時の快楽が自分に体の奥底まで刻み付けられてしまった事を自分は実感する他なかった…。

(おわり)

934 :名無しさん@狐板:2025/03/13(木) 15:44:08 ID:8NO/E8kG
乙でした捕食されたいよなあ

935 :名無しさん@狐板:2025/03/14(金) 00:55:18 ID:yDK7k2KQ
乙でした
とてもエロい

936 :名無しさん@狐板:2025/03/21(金) 00:56:02 ID:cb7MD9H8
 2025年女権国家人形劇の日SS 女権国家にだけ存在するおとぎ話的タブー体験談

このSSは女権国家の二次創作SSです以下の注意点があります。
@過去に投降した>>311から>>319などのSSのパラレルワールドであり、魔女と百騎兵のジェラートなどがヒロインの一人として出てきます。過去に投降したSSのさとりはジェラートの配下の設定が多かったですが、このSSではそうでないことになってます。
A>>838>>845に投降した話のからFGO女主人公がますますマンガで分かる!Fate/Grand Order の寝取られ好きだけ継承した状態ででてきます。
B超次元ゲイムネプテューヌからヒロインとしてネプテューヌが出てきます。
C女権国家の風習結婚式は一種類だけじゃないかもしれないけど、このスレでは主流が男にドレスを着せるのになっている設定です。
D女権国家の教訓話に言うと破滅する言葉『言うなのタブー』などがある設定になってます。



 王国のスパイ組織の本陣そこには王国を支える支柱である初音ミクが書類仕事に忙殺されていた。異常な量の書類に忙殺されつつも、手元の報告書を読んで表情が綻ぶ当たり、相当に良い知らせもあったようだ。
このまま静かな時間が続くかと思われたが、それはドアを大きく開く音によって破られた。

 ドアが開くと同時に赤いバンダナの青年が入ってくると彼は大鳳とジャギがいないことに僅かな違和感を感じたが直ぐに、ミクに向かって言った。

「ミクさん時間ギリギリですいません。本日の任務に挑む準備完了しました」

 横島の声にミクは少し驚いた様子を見せると、何かに思い至ったような様子になり、そこからばつが悪そうな様子になると謝罪の言葉を口にする。

「横島、ごめん。今日の任務もう出る必要なくなったのを連絡し忘れていたわ」

 その言葉を聞き、横島は怒るよりも怪訝な顔になった。ミクが連絡を忘れたということは、他の自分でなければだめな任務も全部終わっているのだろう。
恐らくは仕事が二、三日あるいは一週間くらいは休暇がとれる様な状態なのかもしれない。だがその反面ミクの机にはすごい量の書類がある。

「最高責任者は悪いことが起きた時も忙しいけど、良いことが起きた時も忙しくなるのよ」

 大量の書類を前にしても、ギリギリ上機嫌な辺り、本当に良い事があったのだろうなと彼は思った。仕事の邪魔をしても悪いから最低限の質問だけをして帰ろうと決断をした彼にミクが言う。

「横島今回仕事が暇になったのはあんたの周りの女性陣が凄く頑張ってくれたからよ。そして彼女たちから手紙が来ているの。
実を言うと、書類仕事の休憩の時に散歩ついでに持ってくつもりだったのよ。まあ連絡し忘れた結果あんたが来ちゃったけど」

 横島はミクの気の毒そうな表情を見て、受け取るのが嫌だが受け取らないとだめだろうなと思って、その招待状を見て、絶望した。その招待状にはこう書いていある。

『人形劇の日特別企画、女権国家宮廷人形劇、アリス・マーガトロイド&エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。【教訓物語集】』

それを見て横島はミクに言った。

「ミクさん俺に連絡忘れたみたいにこの招待状私忘れたってことにできませんか?」

「無理よ。正式な報酬として約束しちゃったから。今回の劇に貴方を出席させてかつ、最低でも三日間の休暇を与えるって」

「そ、そうですか」

 落ち込む横島を他所にミクは多少同情の目で見ていたが、少しすると書類仕事に移った。彼も邪魔をすると悪いと思いそのまま出て行った。




 横島は多少憂鬱になりながらも敵との謀略戦や戦闘よりは、自分に好意を抱く女性達の女権国家的企画の方がマシだと割切ると、彼は遅れない様にストレリチアと女権国家の貴族達も集まる人形劇場に向かった。




 豪華な会場に到着してみると、大鳳やジャギも人形劇の題材にされていたことが分かった。少なくとも再起可能な状態で止め置かれた辺りはアリスとエヴァが主導している企画なのだなと思い安心の念を覚えるとともに、自分もあのくらいにはされてしまうかもと思って憂鬱になった。

 周りを見回せば女権国家に来てから彼が助けた少女たちや、人外達がこの劇場に集まっている。そして彼の席らしい一番前の場所に行くと、アリスと大人形態になっているエヴァが嬉しそうに声をかけてきた。

「忠夫、予定より早く来てくれてありがとう」

「いや別に構わんわ。俺たちの仕事早く終わらせてくれたみたいやし」

 そう答えながら彼は自分の席を見て、少し怪訝な感情を持った。彼の椅子の左右に座っている少女たち、片方はヴィヴィオだ。
だがもう片方の少女は初めて見る娘だ。紫色の髪をした天真爛漫そうな人懐っこさそうな顔を少女は少しだけ不釣り合いなドレスに身を包みながら彼に声をかけてきた。

「初めまして、忠夫。私はネプテューヌ前世で君の奥さんやってた女神だよ。ヴィヴィオとは一応似た縁で知り合った友達なの」

 普通なら頭がおかしいととられかねない発言だが、人外と多く付き合った彼には彼女が本当に女神であることが分かった。
そして前の妻だという言葉も恐らくそうなのだろうなと、感じられる。今生では初めて会ったためか、どう接して良いかわからない彼にネプテューヌは言う。

「大丈夫、前世で夫だったからって、今生で結婚とかしない限り何か要求したりしないから。でもできれば夫の来世がどんな人生送っているか興味あるから後で教えてね」

 無邪気で愛嬌のある笑顔を見て、ヴィヴィオと仲良くやれている以上は邪悪ではないのだろうと理解すると彼も笑顔で答えた。

「わかった。後で教えたるわ。でもできれば、ネプテューヌちゃんも前世のワイのこと教えてな。ひょっとしたら今生でも使える術とかあるかもしれんしな」

「うん! 女権国家は今では悪の国と言われても仕方ないくらいのこともしているから、私も守護神として頑張るね」

 彼女の笑みを見て安心している自分を自覚しながら、彼は多分前世では相当いい夫婦だったのだろうと思い緊張が解れる。


 周りに促されて、彼はアリスとエヴァがコンビでやろうとしている人形劇の観客席の最前列に座った。

 アリスとエヴァが優雅に一礼すると、アリスが丁寧な口調で口上を始める。

「本日はお集りの皆様、この度は私たちの劇を見るために足を運んでくださりまことにありがとうございます。
此度の劇は女権国家らしい愉しみと、男性にとっての教訓そして、人でない者にもモテモテな彼氏と付き合った女性が気を付けるべきことをたくさん学べると思います。 そして、人外な皆様は色々と付け入るスキを見つける練習にもなるかと」

 そういってアリスが笑うと、彼の背筋がゾクゾクとし始める。これは自分の中のトラウマが刺激され始めた証拠だ。アリスは笑いながら口上の続きを言う。

「今回の人形劇は初めてかもしれない特殊な演出をいくつかする上に実験段階なので、もしかしたら私たちの落ち度でお気に召さない方々もいるかもしれません。
実験段階の劇と分かった上で来てくださった皆様、重ねてお礼申し上げます。そして、気に入ってくれた方々にも先にお詫びしておかなければいけないことがあります」

 気に入ってくれた方々にもお詫びしなければならないこととは何だろうと会場の面々と横島の双方の好奇心が刺激されたが、次の言葉で納得できた。

「今回の人形劇は実験段階なので予算の都合やとれたデータの結果次第では、好評でも次回からは使うことができない表現や手法が出るかもしれません。
それでは退屈な口上はここまでにして、『気を付けるべき教訓物語集。言うなのタブー編』を開園いたします」




 アリスが人形を動かし始める直前に白いドレスに身を包んだ茶髪のギリギリ美女手前のくらいの美少女が彼の前を横切った。
女権国家には美女が多く珍しくないのになぜか印象に残ったと感じた後、彼女は横島に貴族の感謝の意を伝える際の礼をして、人の警戒心を溶かす笑顔を向けると、
彼の視界の外に歩き去り近くの席に着席する音を響かせる。横島は女権国家に来てかなり人助けをしたので、忘れてしまった相手かもしくは助けた相手の縁者だろうと思った。

 彼の近くの席前列に座れるということはアリスたちが彼女に恩か何かがあるのかも。そう思った直後に明らかに彼を模したと思われる人形と、彼女を模したと思う人形が劇の舞台に現れ始める。

 そしてアリスの口上が再び始まる。

「『言うなのタブー編』です」


 劇が始まり小さい人形がまるで生きているかのように動き始める。そしてその劇では、彼とさっき彼に礼をした美少女の人形が孫悟空の様な衣装を身に着けて悪霊の群れを薙ぎ払う。
横島を模した人形は霊波刀や札を振るい、彼女を支援して良く動きその動きは彼女の長所をさらに伸ばしている。そして戦闘が終わった後、立香という名前の少女が彼を抱えて言う自宅に帰るという。

「忠夫、今日もありがとう!先生方に聞いたら、忠夫がいないと後一時間はかかっていたし、何か所か切られていたかもって言われたわ」

「まあ、ワイは立香ちゃんより弱いからな。恥ずかしいことや」

 この劇では横島も平均以上ではあるが立香の方が強すぎるような描かれ方をしている。立香は笑いながらそれでも真面目な声で言葉を返した。

「そういう言葉は他の人の前で言っちゃだめだよ。忠夫は一応平均よりはかなり上なんだから、普通くらいの才能がない人たちが自信無くしちゃうし、ちゃんと努力してるのに忠夫より下の人に失礼だから」

 その言葉に横島も真剣な表情で頷くと、真面目な眼で答える。

「そうやな」

「それはそれとして、女権国家の血を引いている私の前であんな発言したんだから、これは覚悟してね」

 そういって、立香が術を発動させると彼は動きを封じられ、服を剥ぎ取られた。
そして風呂場でシャワーを浴びながら彼は彼女に嫐られ始める。手で分身を愛撫され始めると、劇を見ている彼までもが立香に手で分身を愛撫されている様な感覚が走った。
立ち上がろうとすると彼の両腕がいつの間にか大人になっていた、ヴィヴィオとネプテューヌの二人に捕まれて席に戻される。二人は胸元の空いたイブニングドレスに身を包み彼に敢えて乳房を見せながら言う。


937 :名無しさん@狐板:2025/03/21(金) 00:57:31 ID:cb7MD9H8

「忠夫さん、今回の劇は忠夫さんには刺激が強すぎるかもってアリスが言ってたので、醜態をさらさないようい私たちがサポートしますね」

 ヴィヴィオの笑顔が恐ろしい。彼の状況すべてを把握しているのがわかる。そして大人になったネプテューヌ、前世の関りのせいかパープルハートという名前が浮かんでくる彼女も笑顔で言う。

「忠夫、大丈夫よ。ここには味方しかいないから。それに今生では久しぶりに貴方を助けるんだから、ご褒美ちょうだいね」

 ご褒美ちょうだいねの下りの艶めいた声に彼がゾクリとした後に、劇は続いていく。凄く面白い劇なのに没頭すればするほど、眠気に似た意識の遠退きが起り、
立香に弄ばれる彼の人形を嘲笑する女性達の視線と声が、彼自身に向けられている様な錯覚が強くなっていく。彼の意識が遠退くと同時に立香と呼ばれている人形と似た美少女と、横島の姿が客席から蜃気楼の様に消え去った。



 その直後に彼は、今人形劇で行われている劇中での性行為の様な状態で、立香に犯されていた。豊満な体とその快楽で彼はただひたすら喘ぎ続ける。それを嘲笑するように立香が言う。

「忠夫、生粋のマゾだね。王国男子の価値観持ちでこの体位で一番興奮するとか」

 侮蔑の言葉で余計に彼の分身が固くなったのを察知すると立香は笑った。

「今馬鹿にされて余計に固くなったでしょう?」

 それと直後に人形劇場を見ている女性達の嘲笑が響きエヴァとアリスの愛情と嘲笑の混じった眼も感じられて彼は一気に射精をした。立香は腹が膨らむのを満足そうに撫でながら言う。

「ほらほら、性行為は儀式だから、結婚した後にも響いちゃうよ? 王国男子なのに女権国家な家庭生活で良いの♪」

「り、立香、降参や。今夜はもう許してぇ」

「まだ満足してないけど、お情けで許してあげるね」

 そういうと立香は悠々とシャワー室に入っていき。彼は自分は指一本動かせない程疲れているのを認識し、情けないと感じながら、意識を失った。

 意識が暗転して再び戻ってくる。彼の視界は眠る前とは全く別の風景が広がっていた。

 女権国家の空が見える神殿。男女の契りによる霊的効果を上げるらしい場所だと、人形の知識が彼に流れ込んでくる。そこで彼は、立香の上で彼女に主導権を握られながら必死に腰を振っていた。
意地の悪い笑みを浮かべながら彼の背中に手をまわしながら立香が言う。

「忠夫、特訓に付き合って上げているんだから、射精してもちゃんと腰を振り続けなきゃダメだからね。もしも止まったら、上になってお仕置きだよ」

 そういわれて恐怖をと期待を覚えた彼に立香が膣をひねると一気に射精が起こる。

「あ、ああ」

「ほら、射精しちゃったのは仕方ないけど、腰を止めちゃだめよ」

 動かそうとしただけで、分身全体を包む湿った膣肉が彼のそれを嫐り、彼は次の射精が起きてしまうのがわかる。立香は彼のそれを引き抜くと、射精で霊力を吸われた彼の上になって言う。

「ここからは私が動くね」

 射精したばかりの分身を騎乗して嫐る彼女に彼は泣きわめくと、立香は少し考えると、腰を止めた。余裕ができた彼は慌てて立香に声をかけた。

「ゆ、許してくれるんか。」

「ええ。ただし言ってほしい言葉があるの。『立香は全ての転生してきた中で最高の女性だ』って言って」

 ここでアリスのナレーションが入る。

『この時彼は自分が立香という女性と付き合えたことすら奇跡と思っていた上に、自分に前世とかは存在しないと思っていました。その思い込みが『言うなのタブー』を破らせてしまったのです。
彼を愚かというのは酷なことですが、この発言が前世から彼を追いかけている女性陣からするとどれほどの地雷かわかっておらず自分で自分の墓穴を掘り抜いてしまいました』

 そのナレーションを聞き彼は絶対ろくでもないことになると思いながら、それでも口が勝手に動くのを止められず叫んだ。

「立香は今まで転生してきた中で一番な女や」

「ん、よろしい」

 そういうと立香は彼と位置を変えて、再び王国で言うところの正常位に体制を変えて交わり始める。時々わざと膣を締めて彼を何度も射精させて、
腰を振るのが止まった彼を嘲笑めいた目で見る悪戯をする程度の意地悪をしてしばらくすると満足した。そこで再び彼の視界が暗転した。




 彼と立香は無数の悪霊の群れと戦っていた。立香の如意棒を模した棒術の棒が振るわれる度に決して弱くはない、悪霊が2体から3体消し飛び、横島が札を投擲し霊波刀を振るうたびに悪霊の群れが減っていく。
だが数の差はだけはどうにもできない。立香は息を切らしながら言う。

「領主の義務としてここで死ぬわけにはいかないから、忠夫、貴方は逃げて」

「ここで逃げたらワイは恋人見捨てた不義理やろうの称号を得ることになるからダメや」

「大丈夫よ、私の一族がやらかしたことが原因で目覚めた怪異だから、正式な結婚前なら普通に逃げても非難する人は少ないでしょう。勝てる可能性殆どないしね」

 そういって立香めがけて迫ってくる、鎌を持った悪霊の群れたちに構えて彼は祈る様な言葉を口にした。言葉を言いながらも札をまき霊波刀を振るう手は力強く速い。彼が口にした祈りの言葉最悪極まった。

「ここで立香を無事に返してくれるなら、なんでもする。だから誰でも良い、助けてくれ」

 ここでアリスのナレーションが入る。

『ここでも既にまずかったのに、ここで恋人がさらに最悪の言う名のタブーを犯してしまったのです』

 立香は横島の言葉に続いて言う。

「もしも今の願いを聞いてくれていたものがいるなら、忠夫も無事に返して私の先祖がやってしまったことのせいで起きたこの災害の被害を血最小に抑えてくれるなら何でもするわ」

 その後再びアリスのナレーションが聞こえた。

『立香がこの時言葉を口にしたのは万が一願いを聞いてくれる精霊などがいた場合、自分だけ生き残ることになるのを防ぐためでした。それが彼を独占する機会を完全に奪ってしまいました』

 ナレーションの後、彼の周りに無数の彼に似た人形が現れた。そう気づけたのは彼だけで、立香の目にはいきなり恋人と同じ姿の存在が増えたようにしか映らなかった。それほどこの人形は真に迫っている。

「忠夫をコピーしたモンスター? でも邪気や害意は感じられないし。いったい何なの?」

 立香の疑問めいたつぶやきが終るか否かの刹那に横島の人形たちは今の横島以上に速く力強い動きで敵を切り倒していく。

 そして黒いベールに身を包んだ処刑人めいた怪異の群れは黒いマントに身を包んだ金色の髪をした少女と金髪の青い服に身を包んだ美少女が現れる。
横島には一目でその二人がアリスとエヴァであるとわかった。エヴァの放った光の弾が無数の敵を薙ぎ払い、アリスが操る彼の人形が彼より僅かに力強く速い動きで悪霊を片付けていく。
すべてが終ると、アリスとエヴァの糸が彼の体の中に入ってきて、完全に彼の体の自由を奪った。避けることができなかったのは恐らくはさっきの宣言のせいもあるのだろう。

「忠夫、立香さん、それじゃあさっきの宣言通り対価をもらうわね」

 そういうとアリスは自分の乳房を彼に捕ませると接吻し、その口づけで彼が腰砕けになると、エヴァが大人の姿に変わり、背後から抱き着き乳房を押し付けてくる。
そしてアリスが動かした横島の人形たちはまるで情事を観察するようにあたりを囲む。

 アリスとエヴァの二人が服をゆっくりと脱ぎ始めると、彼の視界が周りの彼を模した人形達のものに切り替わっていく。
一番彼女たちが見せたい部分を凝視している人形のものに視界が移り彼はエヴァとアリスの乳房を見たり、背中や尻を見せられ余計に分身が固くなった。

 アリスとエヴァの二人に挟まれて、最初にアリスの秘所に分身を飲み込まれた彼はそのまま一気に射精をしてしまった。立香との性行為も気持ちよいが、アリスのそれは意識すら飛びかけ出てこられなくなる沼を連想させる。
女権国家の女性はたとえ百点満点中一点の女でも男は決して閨で勝てない。立香が女権国家の女として六十点くらいなら、アリスやエヴァは七十点から九十点くらいの快楽を与えてきている。
アリスの優しい快楽に慣れ始めた瞬間、エヴァがアリスと交代した。エヴァは、怖い笑みを浮かべながら言う。

「今まで転生してきた中で一番か、本当にそうか比べてみるが良い」

 二人とも怒っているというより、楽しんでいる様子だ。エヴァが彼を正面から抱きしめ分身を飲み込むと。彼は涙と鼻水も出しながら射精した。

 アリスの優しすぎる愛撫と体に慣れた直後のエヴァの厳しい搾り取る快楽に切り替えられてしまい溜まったものではなかった。アリスはメイドめいた小さい人形たちを動かして、彼の顔を綺麗にさせると後ろから抱きしめて笑う。

「忠夫、どんなに情けない姿を見せても良いのよ。女権国家の女性と寝ればこうなるのが当たり前なんだから」

 エヴァに血を吸われ彼女が彼を抱えたまま、後ろに倒れ、そのまま両手両足で抑え込みながら首筋に歯を立てると彼は、吸血の快楽も合わさってその後の射精で意識が落ちた。





 彼は意識を取り戻すと。豪華な寝台の上、あの人形劇が行われている建物の寝室で、さっきまでと同じ体制でエヴァと交わっていた。そして後ろには同じ体制のアリスと立香の姿がある。

「エヴァ、アリス人形劇はどうしたんだ?」

「大丈夫よ。私達なら私たちと同じ姿の人形に人形劇をさせることもできるわ。それか、動かしている人間が完全に舞台から退場した人形劇をしているって、言ってこっちに来ているのかも? どっちだと思う?」

 どちらだろうと思った彼の念は結局はっきりしなかった。笑うエヴァが膣を思いっきり締めて彼の分身を締め上げると、そのまま射精して再び意識が落ちたためだ。彼の意識は再び人形劇の世界に戻っていく。


 エヴァとアリスに嫐られていく途中に立香は自分も参加すると言ってきて、彼を絞り始めた。

 三人が満足したころには彼は干物みたいな状態になり、エヴァとアリスのくれた薬酒を飲むとそのまま倒れ伏したまま、死んだように動かない。


938 :名無しさん@狐板:2025/03/21(金) 00:59:08 ID:cb7MD9H8


 立香とアリスとエヴァの会話は疲労のあまり良く分からなかったが、立香がああいう発言を横島にさせたことを謝罪しているのと、二人が悪意は感じなかったから怒ってないと返している様な内容だった。
ただ一応ああいう発言をされてしまったら前世の妻として黙っているのも嫌だったらしい。立香の身に危険はないとわかると、安心してしまったためか、三人に嫐られぬいて完全に限界が来ていた彼はそのまま意識を失った。




 次に目覚めた時、地方領主である立香の屋敷の寝室で目覚めた。体中が現れた痕跡があるのはあの後彼女たちがしてくれたのだろう。

 歩いて食堂に行くと、少し眠そうなエヴァとアリスと立香が談笑しながら朝食をとっていた。エヴァは昨日と同じく大人の姿のままだ。

三人の様子を見ると険悪な様子は感じられず、友達になる二、三歩手前くらいの状態の様だ。彼女たちは互いに友好的に距離を詰めようとしているのがわかる。三人は横島が入室すると声をかけてきた。

「忠夫、おはよう」

「立香おはよう。あの後どうなったんや?」

「領主としては朗報かな、二人とも忠夫を共有する代わりに領主の仕事や一族の悪行の後始末手伝ってくれるって。でも」

「なんや?」

「忠夫が転生の度に引っ掛けて女性陣全部にあの発言効かれてたらしくて、彼女たちも私を助けてくれる代わりに共有させろって」

 その発言に横島は頭が痛くなった。エヴァとアリスだけでも快楽地獄だったのに、まだ増えるのか。

 ここまで来て最後のアリスのナレーションが走った。

『この様に、女権国家以外でも、迂闊に全ての転生先で一番魅力的だとかそういう発言をすると、前世の女性達が来ちゃうかもしれないのでご注意を。女性陣はそういう発言を彼氏にさせるように強要はやめた方が良いと思います』

 そういった直後に彼の意識は現実に戻った。目覚めると寝室で裸になっており、女権国家らしいドリンクを渡されて体力が戻ってきた後で、彼はそのまま体をふかれて、服を着せられると、瞬間移動の様に劇の席に戻っていた。




 劇中の人形に目をやると、エヴァとアリスが彼に忠告をしているところの様だ。そしてその劇を見ている中で、自分に違和感を持つ。
そしてその僅かな違和感を感じながら彼は思う。もしかしたら、この席に座っている自分は自分を模した人形で、今も本体はあの楽屋裏の寝室にいるのではないだろうか。
そう思い、この劇場に来ていた女性達の気配を探ろうとしたところで、本物か否かわからない人形劇をするアリスの声が響いた。


「『次は言う『名のタブー常識的に考えれば大丈夫だと思われる約束編』です。この後でさらに、横島の来世あるいは前世の災難は続きます」




 劇の中で横島はエヴァとアリスに質問をされ始めている。そしてそれを見ていると彼の意識はまた人形劇の中に入っていく。




 朝食をとる食堂で、アリスの作ってくれた料理を食べている彼の体をアリスは見ながら不意に彼の許可を取ると、彼の頭を触り質問をしてきた。

「忠夫、実は貴方の前世の妻だった他の女性達からのからの頼みで一つだけ、貴方の記憶を封印したけど記憶に違和感解かない?」

「いや。言われないと気づけんレベルやった。それでどうすればいいんだ?」

「何もしなくても良いわよ。多分遅くても数日くらいには記憶が戻るから」

 アリスの返答の後で立香が彼に言葉をかけてきた。

「忠夫、実を言うと私の領民を助けてくれた方が、訪問してきているんだけど、彼女たちもそのう、貴方の前世のお嫁な女性陣みたいなの。それで忠夫を会いたがっているから」

「わかった」

 この人形劇の世界線では一応横島は事実婚をしているに近い立香の夫だ。領主が礼をしなければならないレベルの相手の訪問を断れる理由がない。
向こうは訪問してきてくれようとしている様だが、こっちから出向くのが礼儀だろうと思い彼は、彼女たちのいる場所に行くことにした。





 準備を終えて、彼女が達が待っているらしい場所に『転』『移』の文珠を使って訪問すると、そこにはネプテューヌとヴィヴィオがいた。
二人は凄く仲が良いらしく、ネプテューヌが無償で立香の領民たちを助けるために戦ったところにヴィヴィオが助太刀したらしい。

 二人を見ながら彼は思う子供の姿をしているが、恐らくは自分よりずっと強いだろう。恐らくエヴァや十全に準備を整えて強力な人形を用意したアリスと比べても遜色がない。
二人は彼の姿を認めると、人懐っこい犬を思わせるように駆け寄ってきてじゃれ付いてきた。

「忠夫久しぶりー!」

 ネプテューヌが抱き着きながら言うと、ヴィヴィオも逆側から抱き着きほおずりしながら言う。

「お兄ちゃん前世と変わってなくて安心したよ」

 ヴィヴィオとネプテューヌに抱き着かれながら彼は、二人を撫でながら子供に対する理想的な対応を繰り返した。

 それからしばらくして、祭儀場めいた場所で二人の遊び相手になりつつ、この二人に対して、自分の中では警戒心が沸かない事実に気づく。術などにやられたわけではない。
恐らくは前世の記憶のせいなのだろう。こんな神殿の儀式場で遊ぶのは気が引けたが、二人が自分を祀っている神殿で儀式場だというとそういうものかと妙に納得できた。

 二人の遊び相手になってほしいという要望を聞きつつ、彼の中には深い罪悪感があった立香は女権国家めいた国の領主だが、彼は王国民な感性をしている。
いくら自分よりはるかに強いとはいえ、幼女に片足突っ込んだ状態の少女に戦ってもらうのは気が引ける。そんな彼にネプテューヌとヴィヴィオが軽い様子で言ってきた。

「忠夫さん、前世で私達夫婦でしたけど、おっきくなったらまた結婚してくれますか? 立香さんは忠夫さんが良いなら良いと言ってくれてますけど」

「良いでしょう忠夫?」

 その言葉に横島は警戒心が刺激されていない状態のまま答えた。

「ああ。ちゃんとおっきくなって立派な女になったらな」



 それを聞いた瞬間、アリスのナレーションが走る。

『普通は大丈夫な発言ですが、女権国家の女性それも人外と付き合う時は言うべき言葉ではありませんでした。これもまた言う名のタブーと迂闊に約束を交わすべきではないというタブーに触れたと言えるでしょう』

アリスの言葉が終ると、二人が笑い唐突に光が二人の身を包んだ。ヴィヴィオとネプテューヌの姿が変わる。

 光が消え去った後二人は体格だけでなく衣装すらも変わっていた。ネプテューヌは紫色の長髪の理想的な体系の冷静そうな美女になり、ヴィヴィオは面影が残っているがそれでも見違えるほどの美女になっている。
ネプテューヌは彼の前で紫のイブニングドレスを見せつけるように脱ぎ始める。ヴィヴィオも同じように服を脱ぎ二人はその豊満な体を彼に見せつけた後、ネプテューヌが言った。

「それじゃあ大きくなったので、前世と同じように夫婦になりましょう。この体の時は、パープルハートって呼んでね」


「忠夫さん、私達怒ってはないけど、他の女性へのあの言葉で昂ってしまっているから、気をしっかり持ってくださいね」


 ヴィヴィオが一瞬で彼の服を剥ぎ取るとパープルハートが彼を後ろから抑え、豊満な乳房を押し付けてくる。触れ合うだけで与えられる激しい快楽で、分身が屹立するとそれをヴィヴィオが飲み込んだ。

「あー!」

 悲鳴を心地よさそうに聞きながらヴィヴィオが笑い、パープルハートが後ろから体を押し付けて余計に射精の量を増やしていく。
二人は心底楽しそうな笑みを浮かべながら彼を嫐っていく。 ヴィヴィオが精液を受け止めがら笑うと横島は強すぎる快楽のせいで逆につらくなり逃げそうになった。
パープルハートは横島が後ろの腰を引くしか頭にない状態なのを察して意地悪い笑みを浮かべると、彼の腰が僅かに下がるたびに自分の腰をぶつけて、ヴィヴィオの奥に戻す。彼の泣き声を楽しそうに聞きながら彼女は笑う。

「忠夫頑張ってね。私たちの体に慣れてくれないと」

「む、むりー!助けー!」

 助けてという前にヴィヴィオが膣を締めたことで彼は声すら出せなくなった。激しい射精を終えて、倒れかけた彼をパープルハートが支えながらヴィヴィオに引き渡すと糸が切れた人形みたいになっている彼を二人は楽しそうに眺めている。
股間の分身だけは、アリスとエヴァがふるまってくれた朝食の為か、まだまだ萎えていないがそれでも精神と体力は快楽で相当に削られぬいた。

 ヴィヴィオが嗜虐心全開の声で楽しそうに言う。

「忠夫さん、まだまだ体力が追い付いていませんね。それじゃあ今回だけは私が助けてあげます」

 そういうとヴィヴィオが彼を後ろから抱いたまま、パープルハートと彼が一つとなる様に後ろから彼を押してパープルハートの中に入れた。

 限界が来ていたはずなのに、強すぎる快楽から逃れたい一念かあるいは、痛みには反応できるという状態に似たことが快楽が強すぎて起こったのか、
彼の体が電気に触れたようにはじけかけたが、ヴィヴィオがさっきのパープルハートと同じような動きで彼を動かしパープルハートへの奉仕を強要する。パープルハートも楽しんでいたが、直ぐにそれを軽く咎めた。

「ヴィヴィオそれくらいにしておきましょう。忠夫が壊れちゃうかもしれないし、ここからはゆっくりと行きましょう」

 パープルハートは横島の上になると豊満な体を押し付けながら何度も何度も彼の精液を絞っていく。
横島は射精の度に征服されていく感覚を味わいながらも分身を包む二人の価膣と言葉に逆らえないままに二人に奉仕をしながら何度も精を放っていく。

 完全に魂が屈服したような錯覚が起った後に、二人は離れると横島に体力を回復させる霊酒を渡してきた。

「目覚めたころには相当回復しているはずよ。起きたらまた頑張ってもらうから、ゆっくり休んでね」

 パープルハートから酒を受け取って飲むと彼はアルコールの効果もあり心地よい眠りに落ちて行った。



 彼は体は眠っているが意識は起きている状態になった為か、現実世界の体に半分起きた状態で戻っていた。そして彼の周りにはパープルハートとヴィヴィオの姿がある。
二人はすっかりと彼を堪能した様子だ。喜色満面と言った様子でヴィヴィオが言う。


939 :名無しさん@狐板:2025/03/21(金) 01:01:36 ID:cb7MD9H8

「昔話に見せかけたあり得た未来の一つのシチュエーションって楽しいですね。この未来も面白そうです。第二幕が始まるのが待ち遠しいです」

 ヴィヴィオの言葉にパープルハートが言葉を返す。

「ええ、私も女権国家やストレリチアの信仰を受けてからはこういう趣味を持つようになってしまったから楽しめているわ。でも――」

 それほど重要なことではないことが横島には本能的に分かったそしてこのことは起きたら消えている記憶となるだろうとも思う。それを他所に彼の意識はまた遠のいていく。

 最後にヴィヴィオとパープルハートの言葉が聞こえた。

「立香、貴女はこれ本当に楽しくてやっているの? この逆寝取られ追体験?」

「はい、とっても楽しいです♪」

 立香の返答にヴィヴィオとパープルハートの声が重なった。

「「そ、そう(ですか)」」

 引きつつ彼女たちは思う、未来から来たらしい彼女は横島が寝取られるあるいは正妻の立場から引き落とされる役を誰かの人形にやらせるのは良くないと思って悩んでいたところに不意に現れ、
来世で横島と仲が良い自分にそれやらせろと言ってきていた。嘘を言ってないことが分かったので頼んだが性癖上ノリノリだったのは理解不能極まったものだ。性癖以外は善性そのものなので嫌いではないがなんとも付き合い辛い相手だ。
興奮する立香を他所に彼女たちは人形劇の協力に移ることにした。




 再び劇の中の人形に意識が戻った彼の目の前には楽しそうに談笑する、立香とパープルハートとヴィヴィの姿が映る。立香は彼が目を覚ましたのを確認すると楽しそうに近寄ってくると言う。

「忠夫二人に大分可愛がられたみたいね。それじゃあ私も参加するから儀式しましょうか」

 そういうとヴィヴィオとパープルハートは寝台としても使えそうな祭壇の前で再び彼に見せつけるように服を脱ぎ始めた。背中を見せて脱いだ後に、振り返り彼に乳房を見せると、立香も加わり言う。

「今日この交わりをしたら、私は二人に仕える女神官になっちゃうけどいい。せいさいじゃなくなっちゃうよ」

 立香の言葉には哀願の様子はなく、罪悪感で悶えつつ性欲に抗えない彼を愉しんでいる。女権国家の女性らしい声だ。
そしてパープルハートとヴィヴィオの豊満な体を眺めているとさっき眠る前にされた数々の性的高位が思い出され、てくる。霊酒によって倍増された性欲に抗えず彼はパープルハートに口づけした。
ヴィヴィオとパープルハートはさっきと違いキスに応じて激しい快楽を与えてきても決して彼を襲おうとしない。彼が性欲に負けて自分たちに分身をねじ込んでくるのを愉しんでいる様だ。
パープルハートの乳房を持った直後に耐えられなくなり彼がゆっくりと挿入うとすると、彼女が声をかけてきた。

「忠夫良いの? これで儀式が成立して立香ちゃん側室落ちしちゃうわよ。凄く今生では良い恋人だったのに良いの?」

 パープルハートの言葉と共に、立香もプレイとして楽しんでいるのが明らかなのに裏切っていると言えるかもという感覚と背徳感が沸いてくる。
そして耐えようとした直後に、パープルハートとヴィヴィオにされた数々の性行為の記憶が蘇り分身が固くなっていきそして彼は耐え切れず彼女の秘所に分身をねじ込んだ。

彼女は珍しく女神らしい、愚かな行為をした者を見下す瞳で彼を見ながら、優しく主導権を握り彼の分身を膣内で操ってくる。そして彼女は射精前に耳元で言う。

「立香ちゃんを側室にする性的儀式の始まりは貴方の主導ね。忠夫」

異常なまでの背徳感と同時に激しい快楽が走り射精すると強い快楽で膝が崩れそうになった。それでもどうにか耐えて奥に入れると再び射精が起こる彼女は両手両足で彼を捕らえ、笑いながら言う。

「性欲に負けた浮気男な負け犬にはお仕置きが必要だわ」

そういうとパープルハートは一切腰を動かさず膣内の動きだけで彼の分身を達しさせた。

「あー!」

射精直後に腰を引きかけるとその度に少しだけ足を緩め腰が僅かに浮くとまた強く締めることを繰り返す。

「ほらほらお仕置きは始まったばかりよ。頑張って耐えて」

三回目の射精の後で、パープルハートはヴィヴィオと交代した。

「忠夫さん私の番ですね」

ヴィヴィオは彼に騎乗する形で彼の分身を飲み込み彼と一つとなり立香と共に嫐り始める。
立香の手が彼の玉袋を揉みしだきパープルハートも同じことをしてくると彼はベッドの中で惨敗しているこれが婚姻の儀式なのだと悟った。さっきまで悟れずにいたことがなぜか急に分かった瞬間、
ヴィヴィオがそれを狙っていたかのように彼に大量の射精をさせた。射精と同時に自分の脳内や魂に彼女との夫婦関係が刻み込まれていく。ヴィヴィオに完全に屈服するとヴィヴィオがパープルハートと交代した。
パープルハートもヴィヴィオと同じく彼に地位を刻み付ける儀式めいた性交をした後、立香と交代した。

「立香彼の魂に婚姻の儀式を刻み込みなさい」

「はい♪ 誘惑に負けて今生の恋人をあっさりと側室に落とす彼にはお仕置きですね」

 誘惑に負けて今生の恋人をあっさりと側室に落とすの下りは演技なのになぜか本気で恨んでいる様に彼は感じた。
そして立香にそういう思いをさせているという背徳感と、妻達より身分が下の神官に女性優位の性交委をされるという背徳感が彼の背にゾクゾクとした快楽を与えてきた直後に立香に飲み込まれた。

「うぁ……!」

 ヴィヴィオやパープルハートよりは与えてくる快楽は下回るがそれでも二人の神官となった為か昨日とは比べ物にならない快楽が彼を襲い、
声を出し終わる前に立香に舌を絡めるキスをされて射精の量が増えていく。ヴィヴィオとパープルハートも左右から彼に抱き着いて、背中などを押して快楽のツボを責める。

 そして耳元でパープルハートが言う。

「忠夫、ここで私の神官にも負けたら貴方の夫婦内での身分は最底辺になっちゃうわよ。女権国家の女性でハーレム作ればだれでもそうだけど、儀式でそう決まっちゃうの」

 性行為で負けて一番下の身分にされる、それが恥ずかしいという意識がなぜか強まりだがそれが余計に背徳感と快楽を強めてくる感覚もある。
立香は彼に激しい快楽を与えつつ子供のころから見た悪戯をしている様な目で彼を見下ろしている。

 祭壇で立香に射精を終えた彼は取り返しのつかない何かが魂に完全にはまったという感じがした。
ヴィヴィオとパープルハートに射精させられるたびにそれは感じていたが、今回は完璧にそうなったと思う。恐らくは三人に祭壇の上で完全に性的に敗れたからだろう。

 彼が意識を失いかけると、不意にエヴァとアリスがこの部屋に現れた。エヴァは耳元に口を付けながら言う。

「忠夫、昨夜私が子供の姿から大人に変わった記憶を消していたが効果は抜群だったようだな」

 パープルハートとヴィヴィオ相手に安易に同意した理由が個々で思い至った。アリスが彼の体に糸を入れてい来ると、言った。

「大丈夫よ。操る糸だけど貴方が嫌がる行動はさせないから。糸を通して忠夫の望むことも私にわかるようになっているの」

 そういうと二人は小さな人形劇の舞台をいつの間にか用意しており、彼の目の前で前世と思われる性的情事の劇を開園し始めた。
現実の人形劇の舞台では、人形劇の中で人形劇が行われているのだろうか。ぼんやりとした頭でそう思ったが、とてもリアルなその劇が始まると、彼の意識は恥辱心と期待で埋め尽くされた。
王国男子の価値観を持つ彼には、あり得ない恥ずかしい性的高位の数々だが人形がしている体験を自分がしている様な錯覚が起り始める。

 アリスが人形劇をしながらエヴァが大人の姿に変わり、婚姻の儀式の効果があると思われる祭壇の前で服を脱いだ。そして言う。

「今日ここで契りを交わさないなら。夫婦になってもお前が恥辱心からやめてほしいという類のことはしないでやろう」

 エヴァの乳房と尻それを見ていると、彼女にそれでされたことやその感触が異常にリアルに思い出され、
さらにあんな性行為をするのは恥ずかしいことだという意識と、それをさせられるのは恥辱心と屈服心と背徳感で気持ち良いという、感覚が起り彼はそのままエヴァに抱き着き彼女の体を貪り始めた。
エヴァは挿入される瞬間までは彼にこたえる形でしか愛撫や口づけなどを返してこなかったが、彼の分身が自分の中に入ってきた瞬間、一気に搾り取り彼の首筋にかみつくとそのまま倒れた彼の上になった。
その後の彼はエヴァが射精させたい時に射精させられた。時々は男性優位の体位もさせられたがそれもアリスの糸で操られてのことだ。

 しめに騎乗して血を吸い、いつも以上の射精に満足すると彼女はアリスと場所を代わった。

 アリスは彼に口づけすると、熱すぎる息を彼の腹に吹き込みながらそれにより分身が固くなっていく感覚を彼に味会わせながら言う。

「敢えて貴方に魅力で襲わせるのも良いけど、快楽で抗えなくするのも良いでしょう。これから私と交わるほど糸で支配される度合いが上がっていくけど、本気で拒む意思を持ったら抜けられるようにしてあるわ」

 アリスの魔力でできた糸で体を動かされながら、彼は乳房を揉みしだかされ尻を握り閉めさせられその感触と分身を包む彼女の膣が彼から精を放たせ続けていく。

「ほら、早く拒まないと完全に私たちのお人形になっちゃうわよ」

 アリスは対面座位で彼の顔を乳房で挟んだ後に、今は授乳するような体制に彼をしながら甘やかす様に撫でている。どこまでも気持ち良すぎる撫で方と体を重ねる感覚の中に時々頭のツボを押すような快楽も入る。
ツボを押される度に彼の射精量が増えていき、アリスはしばらくすると、彼から離れて言う。

「名残惜しいけど、そろそろ他の人たちと交代の時間だわ。完璧に人形どうぜんになってしまったわね♪ 忠夫」


940 :名無しさん@狐板:2025/03/21(金) 01:04:09 ID:cb7MD9H8

 アリスが離れると不意に、さっきまで一切気配を感じさせなかった緑色の髪をした少女と紫色の髪をした少女と赤い髪をした美女が現れる。前世の意識にあたる彼には、陸八魔アルとさとりとこいしだとわかった。
彼女たちの手には、『隠』の文珠が握られている。最も観客たちには魔王や人外の技術としか思われないようになっているのだろう。彼の論理的思考ができたのは数舜だけだった。
さとりは彼の分身を足で踏みつけ一瞬で彼の脳を快楽で染めながら言う。

「今生では初めまして、古明地さとりとこいしというわ。さっきから貴方に弱い想起をかけて情事を思い出させていたのは私よ。そして無意識を操って背徳感や罪悪感を強めていたのはこの娘」

 そういうとさとりは丁度射精直になった所で足を彼の分身から離し、こいしに飲み込ませた。

 激しい快楽で悲鳴を上げかけた時、アリスがいつの間にか用意していた彼の人形がいつの間にか見ており、彼が一番情けない騎乗位をされている状態を見ている人形と視点を共有させられる。それを見ながらさとりは言う。

「ああ、こいしが確か忠夫の姿が可愛いと言って、男が女性に閨で負けるのが恥ずかしいという意識を強める無意識操作を続けていたわね。直接つながって余計に凄くなったでしょう」

「あー!」

「その状態で一番恥ずかしい情事を想起してあげましょうか。ちなみに射精したら脳の中を思いっきり覗けるから」

 意地悪いさとりの侮蔑の目に彼は脅えながら決死に抵抗するとさとりは彼の心を読んで嗤う。こいしが楽しそうに腰を振りながら言う。

「忠夫気持ち良いのは良いことだから、我慢せず出しちゃおう♪」

『射精したら終わり、射精したらこの状態で一番恥ずかしい性行為』

 脅え期待する彼にさとりが不意に言った。

「自分で気づかないから教えてあげるけど、やられたいと思ってるわよ。気持ち悪いマゾ男。サービスしてあげるわ。『想起・昨夜からされた全部の屈辱と快楽が強すぎ性行為』」

「ギャヒー!」

 射精した後に辛うじて残された矜持で彼女をにらむと、さとりはこいしをどかせて、まだ動けない彼の分身を踏み、痛みは一切与えず快楽だけで、悲鳴をあげさせながら言う。

「射精したら一番恥ずかしい性行為を想起すると言ったけど、まとめて全部の想起はしないなんて言ってないわよ」

 そういうとさとりは彼の分身を飲み込んで。想起を始める。

「『想起・エヴァにやられた恥ずかしい性行為』」

 息が詰まり、エヴァの豊満な体と牙の記憶が蘇り、そこにさとりの蔑み目と、彼の分身を快楽でとことん追い詰め抜く膣の追い打ちがかかり、彼の体は射精同時に電気椅子に掛けられた囚人の様に震えた。

「『想起・アリスにされた甘やかしプレイ』

 アリスの快楽でどこまでも人を溶かす魔女らしい快楽の膣と豊満な体の快楽が蘇り、それに合わせてさとりも彼の脳を甘く融かす腰の動きに変えて彼を絞る。射精した後、完全に脱力していく彼を見ながらさとりは言う。

「それじゃあここからは彼女たちの時間ね」

「あ、ああ……!」

 最後に蔑みの目で見降ろされながら、分身を踏まれそれによって萎えかけたそれが力を取り戻したことが彼にはショックだった。王国男子でありながら、気持ち悪いマゾ男となっている証拠だ。

 さとりが引くとアルだけではなく、二人も女性が増えていた。アルとは異なるやや暗めの赤い髪をした豊満な体の長身の美女がいる。
眼帯をしており赤い露出の多いドレスに身を包んでおり、開いた胸元がその豊満な胸を強調している。そしてもう一人は黒い髪をしたやや小柄な美少女という様子だ。
彼が入れられている人形は初対面だが、中に魂が入っている彼には一目でユウキだとわかった。

「初めまして旦那様。妾はジェラート・ヴァレンティーヌ。女権国家の公爵を勤めている」

 横島は人形劇の世界とは無関係に彼女のことを知識として知っていた。根っからの善人かつ公平さで知られる公爵であり、
先の大戦で女権国家の方が先に戦争犯罪をしたと知って、それに反発する親王国派の貴族達の大派閥の長の一人だったはずだ。彼女は彼の唇を奪った。

 キスをした後と、入ってくる舌が人を魅了しつくす甘さがあり、彼が完全に腑抜けとなると彼女は言った。

「旦那様なら前世で救ってもらった女権国家の女性であると言えば分かろうな」

「は、はい」

 ジェラートは分かると答えられると楽しそうに彼を抱きかかえ、丁度胸の所に来た彼の頭を挟み込むと、そのまま何度も射精させてくる。
アリスと同じく堕落させてダメにさせる魔女の体だ。つながった直後にジェラートは甘やかすような性交で彼の分身を何度も射精させ尽くし、
骨抜きにしていく。どこまでも甘い性行為で彼が限界を超えた様に骨までその甘さで溶けるとジェラートは嘲り笑いながら彼から離れる。そしてアルが彼女と代わる。

「忠夫、大丈夫?もう少しで仕上げだから。とりあえず私の番ね。ここでちゃんと発散させておかないとユウキのやきもちがひどくなりそうだから」

 優しそうな態度は間違いなく本心であるにもかかわらず、彼女の体が与えてくる快楽のえげつなさはすさまじく。
豊満な体とその屈服させてくる体はやはり魔王なのだろうと彼は思う。何度も射精する彼を優しく抱きしめながらアルは乳房を押し当てアリスに目配せをする。
アリスもそれに応じるように彼の手を糸で動かしてアルの体のいたるところを愛撫させる。彼が何度も達した後にアルもようやく一度だけ絶頂を迎えたがその時に彼はアル秘所に締められたショックで一番大量の射精を果たし、
そのまま意識が飛び堕ちていく。

 振り向くとユウキの傍に愛歌とリグルがいつの間にか現れており、彼女たちは言う。

「アルが少し強く絞り過ぎたから、予定変更して回復させた方が良さそうだから来たよ」

 リグルと愛歌がジェラートとリグルで合同で作ったらしい蜂蜜酒を彼に差し出してきた。

 愛歌が彼に酒を渡しながら言う。

「私の英雄さん。これを飲み干しておけば体は持つから安心しなさい」

「忠夫、僕たちもしたいけど、これ飲んでもらわないと安心できないからお願い」

 横島は迷わずそれを飲んだ。二人は自分に対してかなり女権国家のゲームで言えば好感度が高い。ここで酒を飲まなくても我慢してくれるとは限らない。

 それを飲み干そうと体が勝手に動く中アリスのナレーションがまた入った。

『ここで快楽地獄に堕ちるのが嫌なら飲まないべきですね。今回の彼のケースは大丈夫ですが、通常は女権国家の女性も惚れた相手を殺したい人は少ないですから、ここで耐えれば助かった可能性が高いです』

 ナレーションが響く中、体はそれとは無関係に動き、蜂蜜酒を飲み干した。体にすごい勢いでしみこみ彼を回復させていき、分身を余計に強く元気づけてくる。愛歌が彼に口づけしながら言った。

「言い忘れたけど、ユウキもその蜂蜜酒を造るのには関わっていて、女権国家でも最強クラスの妖精女王みたいな立場だから。そして旧王朝の魔術も仕込んであるから、私たちの理想の抱き枕になったわね♪」

 愛歌に分身を飲み込まれた彼は、体の内部に入って彼の体を元気づけた酒が内部からも彼に快楽を与え、アリスの糸の効果も高まっていく感じのまま愛歌の中に何度も放った。脳が砕け散っているのに、一切止まらないまま彼は射精を繰り返してく。
愛歌は心底子供見たいな無邪気な笑みで彼の痴態を愉しみながら時折膣を締めて余計に射精させたり、腰を振って彼の射精した直後の敏感な分身を余計に嫐った。


 愛歌が満足して離れると、リグルが位置を代わり、彼のそれを飲み込んだ。

「忠夫僕の配下が集めた蜂蜜酒、僕の魔力も混じっているから、僕の体の与える快楽に君の体が敏感になっているよ」

 リグルはそういうと彼の上で敢えて体制を変えずにいる。これは彼があまりに直ぐ射精してしまいそうだから、それを止めているためだ。リグルが僅かに強すぎる快楽を緩めると溜まった分が一気に噴き出す。
リグルの腹があまりの射精の為に膨れるがそれもすぐに消え。彼女の妖力が高まり彼の霊力が枯渇していく。少女に閨で負けている証をまき散らした後、彼が倒れるとユウキが蜂蜜酒をまた彼に渡してきた。
命の危機すら感じていた彼はそれを飲み干すと、体力こそ戻ったが酒による酩酊と性的快楽を強める効果がますます増していく気がする。

 ユウキは彼を見下ろしながら怖い笑みを浮かべて言う。

「忠夫、僕たちの記憶がないとはいえ、あの『今までの転生してきた中で一番魅力的な女性だ』発言はちょっとカチンと来ちゃったという訳で、ちょっときつめに行くよ」

 ユウキに分身を飲み込まれた彼は凄い勢いで霊的契約が結ばれていく感覚を味わった。射精の快楽と共に、彼の魂がすごい早さで彼女に掌握されている。ユウキは彼の首の後ろに手をまわし、豊満な乳房を押し付けながら口づけして言う。

「インプである僕との契約だね。前世でそういう約束してたからね。でもこれだけ早く契約できるってことは、僕に魂がそれだけ気を許してるってことかな♪」

 機嫌が直ったと思うと優しくではあるが余計に激しく腰を動かして、彼を嫐っていく。

「アリスお願い♪」

「ええ」

 アリスにユウキが頼むと彼の体は精通したばかりの少年期に戻った。彼女は彼の顔を胸で挟みながら言う。

「ジェラートさんのしていた体位でもしたいけど僕背は小さいからね」

 魂まで少年期に戻り女性の体への免疫も弱くなった彼はユウキの乳房に顔をうずめながら両腕でそれを揉まされて射精すると意識を失った。




 意識が戻った彼は自分が夢の中にいると気づくこれは、多分アリスの劇で自分が夢の中にいる姿を描写しているのだろう。そして現実の自分の体も同じ動きをしているなと思う。

 目の前にはユウキがおり、彼女は笑いながら言う。


941 :名無しさん@狐板:2025/03/21(金) 01:05:57 ID:cb7MD9H8
「忠夫僕は君の使い魔になったけど、君が女性優位の性行為が癖になったから、君を嫐ることに特化したし、君を嫐る女性達を手伝うことが得意になったんだよ」

「そ、そうか」

「今はサキュバス系の魔物をたくさん率いるジェラート様と、さとりとこいしちゃんに協力してもらって、君の夢の中だよ」

 そういってユウキが彼を扇動して歩くと、天井まで透けて魚が泳いでいるのが見れる水族館を思わせる、廊下にでた。そしてそこには彼が前世された情事が映っている。そしてその情事を見ていると彼の分身や体がうずき始める。

「魂に刻まれた強すぎる快楽と恥辱心さえ僕なら引き出せるんだよ」

 そういうとユウキは彼の分身を手で握りながら言う。

「ここが辛くなったらいつでも言ってね」

「あ、ああ」


 そういって彼は何度かユウキに頼むと意識が水槽の向こうに行きそれと同じ情事をし始めた。恐らくはユウキだけでなく、現実世界でも彼女たちにされているのだろう。





 何度かの情事の後で奥に到着するとユウキがあの祭壇の前で再び服を脱いだ。何度もここに来るまでに嫐られたその体に彼が反応するとユウキは言う。

「現実の忠夫の体も同じように動いているよ。さあ、祭壇の上で最後の契りをしよう」

 横島は一切抵抗できずユウキの近づいていくと、ユウキがアリスに頼んで子供に戻された。
恐らく子供の体にして、彼女を求めて歩く時間と焦らす時間を延ばしたいのだろう。
そして彼女は敢えて横島が触ってきた理口づけするのに任せて敢えて何度か、分身を手で刺激したり、体を触らせながらも挿入はさせなかった。そして彼女は言う。

「忠夫、良いの?」

 そういうとユウキの後ろの水槽から幾つもの恥ずかしすぎる情事が浮かび上がる。そしてその情事が生んだ恥辱心と、快楽が蘇ってくる。

「僕と夫婦になるといつも気分次第でこの情事の数々だよ」

 嘲笑の眼すら余計に分身を固くさせ、彼は迷わずユウキの中に分身をねじ込んだ。

「〜〜!」

 入れた瞬間分身が爆発したような錯覚が起り、そのままユウキの内部に放った。それが彼のはっきりと記憶できている、その日の出来事はそれが最後だ。


 ユウキに我慢できずに人としての尊厳を捨てたことを嘲笑されたままに祭壇の上で子供の姿のままだったから逆に上になられて何度か優しい性交と激しい性行為を繰り返され。
現実世界でも彼女と繋がっていたことが分かった後、彼女と組んだアリス、ジェラート、アル、エヴァ、愛歌、リグル、さとり、こいし、立香に何度も射精させられた。射精したばかりの時は意識が飛んだし、その前後も定かではない。

 彼は最後にユウキとしたとき夢でも人形劇でもない本当の現実に戻ってきたが、劇と同じ形でユウキと繋がった体制であり、劇の中でした射精の続きを彼女の内部にした。

 最後の射精の時も子供の姿にされていた彼を愛しそうにユウキは抱きながら言う。

「忠夫とってもかわいかったよ♪ 来世でもあんなに早く僕に堕ちるとか。本当に夜が弱いんだから♪」

 上機嫌極まるユウキを他所に周りの女性達を見ると、全員の霊力が上がっていた。間違いなく、この楽屋裏で同じ性行為をしていたなと、確信したが彼はもう指一本動かすことさえできなかった。アリスが不意に彼に言う。

「忠夫ちょっと最後の劇の締め手伝って」

「は、はあ」




 そういうとアリスに引きずられて、彼は人形劇をしていた舞台に連れてこられた。観客はもう入れ替わっており、彼に好意をジェラートやヴィヴィオやアルの配下達しかいなくなっていた。
アリスが彼に鏡を見せると、彼は自分が今まで生まれてきた中で一番無様な表情と姿をしていることに気づいた。そしてそれを無数の彼に情欲を持つ配下達に視姦されて分身が情けなく固くなっている。アリスは劇を締めるように言った。

「この様に言う名のタブーなどを破ってしまうと、男性はこういう末路を迎えてしまいます。良識派かつ彼の人格を好きな女性陣が相手でもこの姿です。本日はこれでおしまいとします」


 彼を嘲笑する女性人たちを見ながら彼は、これが癖になっている辺り自分はもう末期だと思った。そしてふと今回の人形劇に参加した立香という女性とは今生ではもう会うことはないだろうなという確信が不意に浮かびあがる。
そして彼女のことは心配せずとも大丈夫だという確信の後彼の意識は落ちた。






 それから一週間たってようやく回復した彼は、初音ミクと面会していた。大鳳は彼に同情の目を向けながら言う。

「忠夫ごめん、忠夫が忙しい状態なのに僕が忠夫にとって危ない日を把握してなかった」

「いや人形劇の日はそこまで有名やないし、仕方ない。それにアリスちゃんやエヴァちゃんと知り合いのワイが気を付けるべきところやったんや」

 ミクはまたしても上機嫌な様子で言う。

「ジェラート・ヴァレンティーヌと女権国家でもかなり上位の女神出るネプテューヌがあんたの前世と関わっていたなんてね。彼女たちは女権国家の方が悪い場合は、
女権国家と敵対する良識派だから味方に付いてくれることになったわ。しかも、あんたと結婚したらあんたが生きている限りは完全に王国側になってくれるらしいわね」

 ミクがひどく機嫌が良いのは横島が前世の記憶をいくらか取り戻した為か二人との婚姻を否と言わなかったためだ。さすがに強制するのは気がとがめたが、
こういう状態なら遠慮せずに結婚の準備を進められる。それに結婚したら彼が希望するのなら一月のうち一週間は王国に戻っても良いという風にジェラートが話を付けたそうだ。




 結婚を了承することを伝えるほかに、破格の条件を出してくれたジェラートに礼を良いに行くとジェラートが彼を迎え入れた。

「旦那様今生でも妾の夫となってくれることありがたく思うぞ」

「いや良いって。でも結婚の条件がお礼譲歩し過ぎてくれてて少し、後ろめたいんだが、俺にもできることあるかな?」

「そんなことか、ならば結婚式の内容だけは妾たちに決めさせてくれぬか」

「ええけど、女権国家式の女物のドレス着させられる式とか女の格好させるのは勘弁してな」

「それ以外なら良いのか」

 横島は頷いた。ジェラートがユウキを助けてくれるようなことをしてくれた上に、ユウキが彼と共に女権国家に住むとわかったらかなり破格の配慮や手配をしているらしいので、とても断る気になれなかったのだ。
しかし、その後カチっと契約が嵌った音がしたが、それでも彼はここまでしてくれたなら、結婚式の内容くらいは彼女達の思う様にさせなきゃ悪いと思ったから特に気にしなかった。

 しかし、次のジェラートの発言を聞いて後悔することなる。

「実を言うとな、男性に女性のドレスを嫌がっているのを着せるのはどうかという意見も出てきておってな。そのためか新しい結婚式の案がたくさん出てきているのじゃ」

「そうなのか」

「そこで妾がやりたいのは、人形劇などでこういう偉人の様な夫婦になります。あるいはこういう家庭を作りますという、結婚式をやろうと思う。ちょうど前の劇の様にな。前世の妾たちの夫婦の劇をしようと思う。
アリス殿とエヴァ殿が用意しておるし、少し練習に付きあおうぞ」

 そういわれて逃げようと思ったが、再び人形に魂が移る感覚がした彼は言ったことを後悔しつつ、期待の念が沸きあがってきていることに絶望しながらも、王国にとっては悪いことではないと思いながら、
彼女たちの夫になることに忌避感がないことに気づき意識が人形に移っていくのを感じた。


942 :名無しさん@狐板:2025/03/21(金) 03:56:31 ID:VxTuBr3B
ポケモンの二次創作です 性描写はありませんがケモナー注意です
その気はないが擬人化・美少女化して脳内変換できる方はそれで楽しんで頂けるとよろしいかと思います

自分はこのヒスイ地方の人里、コトブキムラに住む村人だ。
ポケモンの調査に支払われる報酬を日々の糧とし、霊峰テンガン山まで足を運んでいた。
そこで見たのが…ヌメルゴンだった。非常に強力なポケモンと知られているが、
そいつは投げたボールになぜか抵抗もせず捕獲された。
それからが全ての始まりだった。

そのメスのヌメルゴンは非常に人懐こく、自分はどうやら初対面でいきなり気に入られてしまったようだった。
トレーナーとしては素人レベルの自分にすらよく懐き、自分の指示や言う事に従ってくれる。
600族と呼ばれるらしい非常に強力なポケモンであるヌメルゴンの実力は凄まじく、彼女の力で大いに生活は楽になった。
…ヌメルゴンは人懐こい事で知られているが、同時に非常に懐いた相手に執着する習性があった。
勝手にボールから飛び出して一緒についてきて、事あるごとに粘液の滴る体で愛おしむ様にすりついてくる。
まるで猫の様と人にはからかわれたが、こちらとしてはただの愛情表現には思えずマーキングめいたものを感じていた。

そして、ギンガ団本部や村の中の女性と話すごとにヌメルゴンからの強烈な怒りの視線を感じる様になった。
実際、女性と仲良く話したりすれば怒りの表情を浮かべて間に割って入ってくる。
酷い時にはその女性相手に怒りの声を上げて威嚇するのでろくに女性と関わる事が出来なくなった…。
同居している母親や姉妹、祖母等の家族でようやくギリギリ許してくれるレベルの酷さだった。
野生のポケモンも同様に、自分に関わる異性に向ける強力な敵意から、
ヌメルゴンは自分に懐いているのではなく、自分をつがいとして認識して独占欲を抱いているのではないか。
そう次第に認識していく事になった。

あまりに生活に支障をきたす為に、とうとう音を上げて彼女を野に放つ事を決意したが、
とぼけた様なとろんとした目つきのヌメルゴンとは思えないほどの思えないほどの、
背筋が凍るほどの憎悪の視線でこちらを睨み怒りの声を上げるのみで自分から離れてはくれなかった。
とうとう実力行使しかないとギンガ団に依頼を出すも、驚異の600族の実力。
あのカイリューやバンギラス、ガブリアスと同列にされるポケモンというだけでその筋の人間には理解できるだろう。
腕利きのトレーナー達の育てたいくつものポケモン達をたったひとりで撃退し、怯えて逃げ出すポケモンも少なくはなかった。
元々が強力な野生下の個体、600族のヌメルゴン、それが怒りのパワーで底上げされた状態になっているのだ。誰も手が付けられない。
そして全てのポケモン達を蹴散らすと、激しい怒りの声を上げて睨みながらこちらにゆっくり歩いてくる。
とうとう実感せざるを得なかった。なぜ自分はこんな相手を従えていると勘違いしていたんだ…?と。
そして、自分は誘拐された。自分を捕らえると殻の中へと引きずり込み、野山の中へと連れ去っていったという。
声を上げて助けを求めるが、誰も彼女に手を出せる存在は村の中にはいない。家族の自分を呼ぶ声が耳に残っている。

943 :名無しさん@狐板:2025/03/21(金) 03:58:21 ID:VxTuBr3B
それからは洞窟の中で監禁状態が続いた。隙を見て逃げ出そうとする度に、
ヌメルゴンは激しく怒りそれを制止してお仕置きとばかりに自分を殻の中に引きずり込んだ。
ぬるぬるとした粘液で全身が覆われてやわらかいヌメルゴンの体と息もできないくらい密着して死にそうだった。
ヌメルゴンは安らいだ顔で満ち足りた声を上げていたが…。

数日が過ぎるとさすがに脱走を諦めざるを得なくなりヌメルゴンとの洞窟の中での生活を受け入れる事となった。
こちらに逃げ出す意思がないのを認めてくれたのか、監視を続ける監禁状態から軟禁状態へと移り変わった。
ころころマメやもちもちキノコといったものを食べて、川の水を飲んで体を洗い、洞窟の中で焚き火で暮らす野生児の様なサバイバル生活は自然と共に生きるヒスイの民といえど厳しかった。
それからは時間の感覚が薄れていったので正直自信はないが、2週間ほどだったと思う。
ポケモンとは言葉は通じないが、こちらの言っている事は何となく伝わるようで対話を試みるようになった。
根気よく会話(?)の様なものを続けた結果、
「絶対に自分を捨てようとしない」「異性との会話や接触は最低限に留める」事を条件に里に帰る事を認めてもらえた。

―そして髪も髭も伸び放題のひどい姿になった状態でようやく文明の灯の元に帰ってきた。
生還を喜ぶ家族の泣き顔が自分を迎えてくれた。自分もただただ涙が滝のように流れ出てくるのを抑えられなかった。
…再会を抱き合って喜ぶ事は、ヌメルゴンの前でできなかったが…。

そして、元の生活に戻る事になった。
ヒスイ地方のポケモン調査員として名を馳せる自分であったが、ポケモンを従えるポケモントレーナー、
それからは完全にかけ離れた存在である事を自分は何より知っていた…。
結婚は既に諦めた。なぜならこのヌメルゴンこそが自分の生涯の伴侶なのだろうから…。

(おわり)

944 :名無しさん@狐板:2025/03/21(金) 08:24:31 ID:VzZj8Zwq
乙です

945 :936:2025/03/23(日) 13:25:33 ID:wOX2F1mj
>>944、
乙感謝です

946 :くノ一性的拷問・前編:2025/03/24(月) 03:00:52 ID:kGQLWWa7
現在自分の共和国は隣の王国と戦争を行っている。
前線から離れたしがない地方の行政官である自分も物資の手配、中央からの伝達、避難民や負傷者の受け入れなど仕事は山積みだ。
書類の脇に置かれた目の前の封書を開き、目を通す。

―竹馬の友よ。この戦争もようやく終わりを迎える事ができそうだ。これもひとえに君のように勤勉に国の為に尽くしてくれた人達ひとりひとりの働きによるものだと思っている。
今、重大な作戦行動を実行に移している段階だ。これがうまくいけば戦争は終わるだろう。
逆を言えば向こうとしては何が何でもこちらの妨害をしてくるだろう。君にも火の粉が飛ばないとは限らない。
くれぐれも身の回りには気を付けてくれ…

幼少の時には一緒に学校に通い、野原を駆け回り日が暮れるまで遊びに興じたあいつも今や元帥閣下の秘書官だ。
昔から優秀で勤勉な奴だったが、今では天地ほどの差が開いてしまった。
それでも妙に気が合ったやつとは今でも時折手紙でやり取りをしている。

あいつもこの戦争の激務で想像もつかない気苦労だっただろう。
戦争が終わったらまた一緒に茶でも飲みながら昔話でもしよう…そう思い手紙を引き出しへとしまい、就寝の床につこうとした。

大きく背伸びをして歩き出した途端、そいつは既に背後に接近していたのだ。
「っ!?」
布のようなもので口元を覆われ、抵抗しようとした瞬間に手足を押さえつけられる。
声を上げる事も出来ず、バタバタともがくのが精一杯だった。
首を絞めつけられて息もできず、布に含まされていた薬品によるものか、次第に意識が薄れていく。
糸の切れた人形のように床へと仰向けに崩れる体。
薄れゆく意識と掠れた視界に映ったのは、口元を襟巻で隠し忍び装束に身を包んだ…女だった。
青い髪を束ね、こちらを冷ややかに見降ろす視線。網のような装束に手足を包んだしなやかな肢体。
「ミズチ!目標は捕らえたか?退路は既に確保してある、引き上げるぞ!」
「了解だ。今からそちらに向かう」
それが意識を失う最後に聞いた声だった。そして自分の意識は闇に沈んだ。

947 :名無しさん@狐板:2025/03/24(月) 03:01:15 ID:kGQLWWa7
「―ここは!?」
意識を取り戻した時、自分は薄暗い部屋のおかしな台座に寝かされていた。
暗い?燭の明かりに浮かぶ人影。その人物は自分が最後に見たあの女忍者だった。
「ようやく目覚めたようだな」
体を起こそうとするも、手足が動かせない。両手両足が完全に鉄の錠の様なもので押さえつけられている。
かろうじて動かせるのは首だけ。そしてその眼前にミズチと呼ばれた女忍者が迫る。
「さて…お前に話してもらいたい事がある。言うまでもないな?共和国の軍事作戦の機密情報だ」
機密情報?何の話だ?自分の様な地方の一役人になぜそんな情報が与えられると思っている?
何の事かわからなかった。ただただ困惑しながら心の声そのままにミズチへと告げる。
静寂の中に頬を叩く音が響き渡る。頬に痛みが走る。
「惚けても無駄だ。全く無関係そうな一役人に連絡役を任せたのは考えたものだがな」
自分を促す様にミズチは横を見遣る。その視線の先にいたのは、
裸でアイマスクとポールギャグを付けさせられ、手錠で拘束され唾液と呻き声を漏らす中年男性だった。
「あいつが吐いてくれたぞ。極秘の軍事作戦の情報を知っているのはお前だとな」
馬鹿な!そんな筈がない!何かの間違いだ!悲鳴を上げる様に声を上げて訴えかけた。
「どうやら素直に吐く気はないようだな」
そんな自分を冷ややかに見下ろし、取り出した短刀を抜いた。灯に照らされる鈍色の刀身にミズチは舌を這わせた。
「今、話せばどこも傷つかずに終わるぞ」
その刃の切っ先が自分の首元に突き付けられる。このまま押し込めば自分を殺せる、そのアピールだ。
恐怖で半狂乱になって叫ぶ。自分は知らない!ただのでっち上げだ!声はもはや泣き声に近かった。
「そうか、どこがいいか?最初は爪を?がすか?次はその指を折る。それでも吐かないならその指を落とす」
ククク、と口の端をつり上げるミズチ。覗いた歯はまるで牙のようだった。
「それを両手両足、全部の指で繰り返す。…さて、どれだけの指が残るかな?」
ヒイッ、という情けない声が漏れた。その場からジタバタともがくが台座がガタガタと揺れるだけでまるで動く事ができない。
その瞬間に股間に痛みが走った。
「金玉が縮みあがっているぞ?怖いなら無理をするな」
ミズチは押し殺した笑いを漏らしながら、自分の股間を激しく掴み、力を込めていく。
「それともこっちを潰されるのがお望みかな?」
あああ、と苦悶に呻く声が漏れる。知らない、何かの間違いだ、と何度言っても信じてもらえない言葉を吐く。
ミズチの顔から笑みが消え、陰嚢から手を離すと陰茎の竿の部分を乱暴につまむ。
「なるほど…指より先にこっちを切り落とされたいようだな」
陰茎にゆっくりと当てられる鈍色の刃。嫌だ、嫌だ、と子供の様に泣きじゃくった。

948 :名無しさん@狐板:2025/03/24(月) 03:01:48 ID:kGQLWWa7
「何を馬鹿な事をしている、ミズチ!」
大きな女の声とともに、激しく部屋の扉が開けられる音が響き渡った。
ゆっくりと歩いてくる女。その女は前髪を切り揃えた長い黒髪をたなびかせていた。
肩と脇を露出させたおかしな服。白の袖と赤い袴。いわゆる巫女の服というやつなのだろうか。
噂に聞いた事がある。各地を回る巫女、退魔師の女。それがこの忍者達の表向きの顔だったのかと。
そしてその清楚であるべき巫女に全く不釣り合いな、はちきれんばかりの大きな乳房が黒いインナーに覆われていた。
「…なんだレイム、私の尋問の邪魔をするな」
「何だとは何だ!里の長である私を未だに呼び捨てとはいい度胸だな!」
このレイムという忍者達の長は目にも止まらぬ動きで距離を詰めるとミズチの持っていた短刀を素手で叩き落した。
その勢いで音を立てて壁に突き刺さった短刀。呆気に取られる自分へとそのレイムと呼ばれた忍者は歩み寄る。

「なってないなミズチ…私達忍びにとってはそんな恐怖で吐かせるよりもっと良いやり方があるではないか」
直後に恐怖で完全に縮み上がった陰茎にしなやかな刺激が触れる。ゆっくりと弄ぶような愛撫で股間をまさぐる。
危機的状況も忘れゆっくりと膨れ上がっていくそれを目にすると、レイムは口の端を釣り上げる。
「こちらに聞かせてもらおうではないか。ふふ、もう随分乗り気だぞ…?」
淫靡に股間を愛撫するレイムの手により完全に屹立した陰茎を前に、彼女は淫靡に笑ったのだった…。

(つづく)

949 :くノ一性的拷問 前編2:2025/03/26(水) 04:12:03 ID:otCJ4kTE
「ほうら、見ろ♪あんなに縮み上がってたこれが、こんなに元気じゃあないか?」
レイムと呼ばれた忍びの長は陰茎を愛撫しながら自分の顔を覗き込みながら言い放つ。
「素直ないい子だな♪よしよししてやるぞ」
血生臭い忍者とは思えないようなしなやかな指先が自分の亀頭に絡みつく。
指先が亀頭のカリの敏感な部分をほじくる様に刺激したと思うと、カリに引っ掛けるように輪を作った指で上下に扱き出す。
感じる部分を熟知した様なその手淫に情けない喘ぎ声が口から漏れ、押し寄せる快感に身を震わせ悶える。
先程のミズチという忍者にされた事を忘れる様な状況。まさに地獄からの天国だ。
「どうだ?あんなひどい事をするあいつと違って優しい私には情報を言ってくれるよな?」
豊満な乳房を自分に押し付けながら、レイムは優しく促す様に笑顔を浮かべて告げる。
フッ、と鼻で笑うような声と視線をミズチに送る。その態度にミズチはムッと噛んだ歯を覗かせた。
知らない、知らないんだ、身を震わせながら訴える。恐怖でなく快感だろうとも、知らないものは答えようがない。
「我々は何としてもお前から情報を聞き出さなくてはいけない。お得意様の王国の依頼だからな。
それが我ら忍びの使命、分かってくれるな?」
いくら使命と言ってもこんな非道な事をしてはいけない、そもそもこの戦争も王国の身勝手な思惑から始まった事じゃないか、そんな事に加担しちゃいけない、
今ならまだ取り返しがつく、自分も上層部に掛け合う、だからもうやめよう、
君みたいな綺麗な女性がこんな事をするのは間違ってる。
自分は助かりたい一心からか、思いもよらない事を口から言い放ってしまった。…特に最後に関しては、露骨すぎるお世辞だ。
「…フッ!フフフ!我ら忍びがそんなありきたりな綺麗事で心を動かされると思うとはお笑い草だな!」
…一瞬の奇妙な間を置いた後、レイムは派手に笑ってみせた。
「―まあそんな事を本気で抜かせる様な、青臭く甘っちょろい男は個人的には嫌いではないがな!」
ん、とレイムは喉を動かすと、自分の開いた口に唾液を垂らしてきた。
今までに幾人もの男を篭絡してきた美女の唾液が自分の口の中に入ってきている、動揺する自分は思わずそれを飲み込んでしまう。
直後にレイムは音が響き渡るような熱いキスで自分の唇を奪った。
侵入してきた舌が絡みつき、淫猥な水音が響く。

950 :名無しさん@狐板:2025/03/26(水) 04:14:03 ID:otCJ4kTE
口ではキスを続けながら同時に右手で陰茎を扱き上げる。竿の根元から亀頭の部分まで、淫猥に愛撫を続ける。
そして自分の口内を蹂躙した後、唾液を引きながらレイムは唇を離す。
「ふっ、貴様…童貞だな?」
その単語にビクッ、と貫かれたように反応する自分。その直後に違う、童貞じゃないと慌てたように反論する。
「そうか…わかったぞ。お前は娼館でしか経験のない素人童貞だ」
鼻を鳴らす様にフッと嘲笑を浮かべる。
「反応が初心すぎる。さてはお前、母親としか接吻した事がない様な口だな。一瞬迷ったその反応、童貞ではないのは事実だろうが女を口説けるような気概もないお前がまぐわえるのは娼婦だけだ」
―当てられてしまった。その反応から答えを察したのかフフン、と胸を張る様に笑う。
言い当てられた気恥ずかしさに頬が紅潮する感覚を覚えた。
…そして同時に、どうしてその洞察力の高さを自分が本当に情報を知らないという事に活かしてくれないのかと嘆いた。

「もっと素直になってもらう必要があるな」
視界が塞がれる。大きく柔らかい何かが自分の眼前にのしかかっている。
それがレイムのたわわな乳房である事が直後に理解できた。
「男は皆私のこれが好きだからな。己の欲望に素直になれ、娼館では味わえなかった快感を教えてやるぞ?」
むせ返るような感触。息ができなくなる。そして同時にこの大きな胸を自由にできたらという欲望が首をもたげる。
「ふふ…そうだ…男達は皆私の胸ばかりに夢中になるからな…私の体以外は…」
…? レイムは自分で発言しておきながらなぜか暗いトーンになった。本人にしかない暗い心の声を聞いた気がした。

バンッ、と壁を叩くような音が響く。
「いつまでまどろっこしい事をしている!こんな腑抜け、指の一本や二本落としてやれば口を割る!
 お前の牛の様なだらしない乳での甘やかし茶番に付き合わされるこっちの身にもなれ!」
「う…牛だとぉ!?貴様、よくも人が気にしている事をほざいてくれたな!」
声を荒げたのは離れて見ていたミズチだった。売り言葉に買い言葉、怒りをあらわにするレイム。
…本当に彼女は冷徹で冷酷な忍者なのだろうかと疑わしく思えてくるようだった。
「ならば貴様は私の様にこの男を蕩けさせる事ができるんだろうな?」
鼻で笑うような含み笑いと嘲笑するような視線。
「な、何だと…」
「いつも思ってたのだ、お前が残酷な拷問ばかりしているのは己の体と性技術に自信がないからなのではないかとな!」
「レイム、私を愚弄するか!」
仲が悪いと思われるこの二人は自分をそっちのけに口喧嘩を始めていた。自分は一体何を見ているんだ。
そして、自分は一体どうなるんだ… 不穏に沈む自分の気持ちを知らぬかのように、己の欲望は屹立していた。

(つづく)


951 :名無しさん@狐板:2025/03/26(水) 16:32:09 ID:hxrPCmsk
乙ー


952 :名無しさん@狐板:2025/03/28(金) 02:07:02 ID:9rE73cVt
おつー

953 :名無しさん@狐板:2025/03/28(金) 16:52:25 ID:/NwxKKez
おつ

954 :砂場のお城と王女様達(前編):2025/05/18(日) 22:48:59 ID:WuljWpuy
誤爆してみっともなくレスで内容がバレてしまいますが思いついて書いてしまったので投下します
長くなったのでまずは前編
導入部で見所ないかもですいません

何年ぶりの日本、そして我が家。迎えてくれる者もいない、何年も放置された主人を忘れてしまったであろう家。
埃と淀んだ空気の溜まり場となったであろう惨状を思うと気分が沈む。
陰鬱な気持ちで鍵穴へと鍵を差し込み、回す。
その錠は意外にも軽く解かれ、開かれた扉の先が視界に入る。

―そこにあったのは綺麗に掃除され、整頓されかわいらしい玄関マットや女ものの小物に彩られた玄関だった。
小さな靴も2足、置かれている。
自分は目を疑い家を間違ったのではないかと再び表札へと目を向ける。

…那科孤太郎…なしな、こたろう。確かに自分の名前だ。
間違いなくここは数年間不在にしていた自分の家だ。これは一体どういう事だ?
その瞬間、ドタドタと慌ただしい足音が響き渡る。
振り返ると、小学生高学年くらいの小さな、しかし気の強そうな女の子が怪訝な表情でこちらを見つめている。
「―あなた、誰?ここ私達の家なんだけど!?」
彼女の後ろから不安そうな顔をした、同年代の女の子が不安そうにこちらを覗き見ている。
そう、自分の家は、この小さな不法侵入者に住み着かれていたのだ…。

「それはこっちのセリフだよ。僕はこの家の持ち主。君達こそ誰だい?」
「ハァ!?いきなり来て何言ってんのあんた?ショーコを見せなさいよ!」
全く気後れする事もない目の前の少女に、今までのアメリカ暮らしで使っていた写真付きパスポートを見せる。
「どう?ここの表札の名前と同じだろう?君達こそ誰だい」
目を見開いて驚愕する少女。まさに寝耳に水、というリアクション。悔しそうに唇を噛みしめ自分を睨みつけた。
「あんたが本当の持ち主だからって何よ!今まで何年ここをほったらかしにしてたの!?私達が住んでも文句ないでしょ!」
「お願いです…私達、この家が本当に好きなんです」
「でも、君達がやってる事は紛れもない不法侵入と不法占拠だ。どうしてもここは自分達の家だと言い張るのなら、警察を呼んで話し合いしなくちゃいけなくなる」
警察という単語を聞いて、凍り付く二人の表情。この子達も口は回り賢いようではあるが、現実が分からない訳ではない。
…そして何より、この子達には当然親がいて、こんな生活と振る舞いを知って許しているとは思えない。
絶対に表沙汰になってはいけない痛い所のはずだ。
案の定、あれだけ強気だった目の前の少女はうつむいて震え、もう一人の女の子も真っ青な顔で彼女の手を握っている。
「…どうしてよ、どうして私達の大切なものを奪うのよ…」
泣きそうな顔で力なくつぶやく。

その姿に、デジャブを感じた。自分がかつて、友達と一緒に作った秘密基地の小屋が、持ち主の都合で取り壊されてしまったのを見た時だった。
きっとあの時の自分と同じ気持ちをこの子達も味わっているのだろうと思うと、これ以上邪険にできなくなってしまった。
「―どういう事なんだい?話、聞かせてくれるかな?」
子供の身勝手には毅然とした態度で臨むべきだと思っていた自分の気持ちは、崩れてしまった。

955 :名無しさん@狐板:2025/05/18(日) 22:49:24 ID:WuljWpuy
「それで、不動産業者が管理で訪れた時こっそり忍び込んで、中から鍵かけて出入りできるようにして、こっそり合鍵を作った?…大した行動力だなあ」
おとなしそうな女の子がおどおどしながらソファに腰掛ける自分へとコーヒーを出した。
恐らく彼女らが揃えた生活用品なのだろう。自分がアメリカに発ってから数年、すっかり彼女らの「お城」に造り替えられていた事が視界一面にうかがえる。
「つまり、お互いの家に泊めてもらうって親に言って、実際にはこの家で度々お泊りしてたって事か。
 君達くらいの女の子が無断外泊なんて、そりゃパパとママが許す訳ないよな」
「…パパなんていないわよ。それにママが気にするのは、私のテストの成績と学校での態度だけだもの」
「…えっ?」
「ママだって度々外泊してるんだから、私がしたって別にいいでしょ?美衣子ちゃん家に泊めてもらうって言った時だって、ちゃんと勉強するのよとか美衣子ちゃんにテストの点で負けてないわよね、って事ばっかりだもん」
「うん…それはちょっとさすがに同情するな…」
「詠香ちゃん…」
美衣子と呼ばれていたもう一人の女の子は気遣うようにつぶやく。
今更ながら最初の子が詠香、そしてもう一人の子が美衣子という名前であり名乗り合ってもいない事に気付いた。
「美衣子ちゃんの方だってひどいものよ。パパはずっと仕事につきっきりで帰ってこないし、美衣子ちゃんに声もかけない。
ママだって家事しかしないそうよ。しょっちゅう出かけてて、美衣子ちゃんが帰った時はいつも一人きり。
詠香の言葉に美衣子は寂しそうに無言で頷いた。
彼女らの言葉を聞いている内に、似た境遇のお互いに対する依存心と自分達の居場所への想い、その複雑な感情がうかがい知れた。
「…だから、ここが本当に大切なのよ!いいでしょ!?あなたも仕事で随分空けてて、いない事も多いんでしょ!?
 私達が掃除や洗濯、全部やってあげるわよ!ここの家のものだって何一つ盗んだり壊してたりなんかしてないでしょ!」
「お願いです、本当に大切な場所なんです。どうか居させて下さい」
「どうしてもって言うんなら、家賃だって払うわよ!それでいいでしょ!?」

―自分は深くため息をついた。全く困った事になった。
小学生の女の子が親に無断で自分の家に住み着いている。それを黙認しろなど、問題しかない。
だが、どうしてもこの子達が一緒に楽しく砂場で作り上げたお城を踏み潰すような気にはなれなかった。
いつの間にか自分の唇は、「仕方ないな」と動いていた。
その瞬間の二人の女の子の表情は、この上なく輝いて明るいとびっきりの笑顔だった。

956 :名無しさん@狐板:2025/05/18(日) 22:50:14 ID:WuljWpuy
日本に帰っても、会社に微妙に自分の居場所はなかった。単身で若い故に気軽に海外に派遣された。
…そして海の向こうアメリカで開放的なブロンド美女との甘いひと時なんてものもある訳がなく、
無難に仕事をこなし無味乾燥な毎日、日本に帰りたいと願い続けてばかりだった。
そしていざ帰国しても、お前にいつの間に戻って来たんだというリアクションばかり。
結局大して変わりはなかったな、と思いながら自宅の鍵を開ける。

「あっ!お帰りなさい!」
「お仕事お疲れ様でした。お邪魔させてもらってます」
…ただ、劇的に変わったのは我が家に騒がしい同居人が増えた事だ。
時々お泊りの名目でここの家で過ごしているようで、帰宅した頃には彼女らが家にいる事があった。

台所を通りかかると流し台に置いたままの食器がきれいに洗って並べられており、
洗濯カゴの中には干した洗濯物が畳まれていた。
…約束通り家事はちゃんとしているようだ。仕事帰りの疲れた体でこれをやらなくてはいけないのは気が重い。
正直言ってこれはありがたかった。
彼女らには空いた部屋を使ってもらう事にし、お互いのパーソナルスペースとして干渉しないように決められていた。
最初はお互いに顔を合わせないように、騒がしくしないようにと気を使い合っていた。

「ほら、面白いテレビやってるわよ!リビングで一緒に見ましょうよ!」

…が、しばらく一緒に過ごしている内に警戒心も緩んだのか、キッチンやリビングなど共有の場がどんどん増えていった。
テレビの前で詠香の大きな笑い声が響き渡り、美衣子も口を押えて笑い声を漏らしている。
これがきっと彼女らの本来の姿なのだろう。今ではこうして一家団欒の真似事のような光景が繰り広げられている。
「那科さん、ご飯まだなんでしょう?用意しますよ」
美衣子は冷蔵庫に入っていた作り置きの野菜炒めを取り出すと、電子レンジに入れて温めた。
「美衣子ちゃんって料理上手なのよ!今日調理実習ってやつやってたんだけどさあ…」
詠香は学校での出来事を楽しそうに話したり、気に入らなかった事を愚痴ったりする。
くつろぎの時間にそんな事に付き合わされるなんてと思ったが、彼女の発言が自分の子供の頃の体験談そのもののようで思わず苦笑し、妙に共感しながら相槌を打っていた。
こっちが聞き手に回っていると、さらに詠香の言葉は止まらず、美衣子に宥められてしまう。
あの子も本当ならこうやって両親とお喋りをしたいと思っているのだろうかと思うのだった。


「あっ…もうこんな時間じゃない!」
「私達もう寝なきゃ…那科さん、おやすみなさい

小学生の就寝は早い。今日はこのまま泊まってそのまま学校に行くらしい。
彼女らが自分達の部屋に戻って就寝するのを見届けると、大きな音をたてないように入浴を済ませる。
さすがに小学生の女の子に下着を洗わせるのは気が引けるなと思っていたが、何の気もせずに洗濯して干しているようだ。
最初は追い出されないためのご機嫌取りかと思ったが、律儀に家事をこなしてこちらにコミニケーションを試みてくる。
住まわせてくれれば自分などに興味はないと思っていたのだが、思いの他彼女らは自分へと興味を示している。
父親がいない母子家庭同然の暮らし故に、思う所があるのだろうか?
砂場で遊ぶ子供達を見守る大人の様な気持ちでいたが、いつの間にかその砂場に引き込まれてしまったような気分だ。
まあいいだろう、子供のおままごとに付き合ってあげるのも心無い大人にならない為の心構えだろう。
明日は日頃のお礼にケーキでも冷蔵庫に入れておいてあげよう。そんな事を考えながら布団の中で瞳を閉じた…。
まあ、エロ本やその類を家に持ち込めないのはちょっと悩みどころではあるが…。

957 :名無しさん@狐板:2025/05/18(日) 22:51:03 ID:WuljWpuy
「那科くんじゃないですか!いつの間に帰国してたんですか?」
驚きとともに顔をほころばせたのは、少し年上の先輩の長瀬さんだった。
彼女は入社したての自分を色々と気にかけてくれた親しい先輩だ。
自分が海外に単身赴任になってから、色々と気にしていたようだった。
話が弾むと、退勤後に色々話そうと居酒屋に共に足を運んでいたのだった。
「立派ですよ、那科くんは、まだまだ若くて入社後間もないのに海外で一人で頑張って…」
「いやいやそんな…他に誰もやりたがらなかったからですよ…」
酒が入ると長瀬さんは陽気になって酒を勧め、饒舌になってくる。その顔はほんのりと酔いで赤らんでいた。
「他の男の人なんて調子のいい事言ってばかりでやる気がなくて、困っちゃいますよ!
飲みに誘われるんですけど、酒は好きですが変な下心のある男の人ばっかりで本当に嫌になります!」
どうやら男達との関係で色々悩み事があるらしい。
とはいえ長瀬さんは年とは裏腹に若々しく綺麗な顔とスタイルの良い体で男性社員からは憧れの的…
というのは上品な言い方だろう。自分だってよからぬ期待を抱いてしまうほどには魅力的な女性だ。
「長瀬さん酔うのは程々にして下さいよ…こんな所皆に見られたらイメージ崩れますよ」
「酔ってませんよ!それに那科くんだからこんな事言うんです!」
長瀬さんのような女性に赤ら顔で見つめられると思わず胸が高鳴りそうになってしまう。ハハハと苦笑する自分。
「気の合う相手と一緒に飲むと本当にお酒がおいしいですね…終電逃しちゃいそうになっちゃいます。
 那科くんってここらに住んでて、持ち家あるんですよね?」
「え、ええ…」
「じゃあ今度飲みに行く時は、終電逃しても大丈夫ですよね、那科くんの家に泊めてもらえばいいんですから」
「ちょっと、長瀬さんまずいですよ」
「そういう事言える人だから信用できるんです。次の飲みの時が楽しみですね!」
長瀬さんのその言葉がただの酔った勢いの冗談でない事に期待を抱かずにはいられなかった。
―そしてその直後に、自分の家で楽しそうに過ごしている詠香と美衣子の二人の顔が浮かんだのだった…。

「…あのさあ、今度の週末、友達が家に来る事になってるんだ。その日は空けてもらってもいいかな?」
3つの椅子が埋まる食卓のテーブルで、詠香と美衣子はきょとんとする。
「ええ…ちょっと残念ですね」
「友達って誰?まさか女?」
詠香は露骨に不機嫌な顔を浮かべた。
「最近あなたって飲みに誘われたって言って帰りが遅いじゃない、ちゃんとお帰りなさいしようと待ってたのに」
「わがままを言う立場じゃないのはわかってますけど、私も詠香ちゃんも寂しいです」
「いやー勘弁してくれ、社会人には大人の付き合いっていうのがあるんだよ」
美衣子は不機嫌そうに視線をそらし、詠香はフン、と怒ったような声を上げた。
「お、女じゃないさ!それに君達の部屋には入らせないようにするからさ」
気恥ずかしさと女と言ったら何やら不穏な雰囲気を感じ取ったのもあって、思わず嘘をついてしまった。
そうして気まずいままその日は眠りにつき、言葉を交わすことなく先に登校してしまった。
もし、もし自分が長瀬さんと仲良くなって家に訪れる様になり、もし仮に、一緒に暮らしたい、となったのであれば…
彼女ら二人はどうなるのだろうか?このまま家に居させるわけにはいかない。
小学生の女の子が大人の男の家に無断で一緒に暮らしている。この状況こそがそもそもまずいのだ。
いつかはバレる。バレたら自分だけではなく彼女らも大問題だ。その前に終わらせなくてはならない。
…でもこれは仕方がない事だ。子供はいつか砂場遊びから卒業しなくてはいけないのだ。
そして大人もいつまでも子供と同じ遊びに付き合ってあげている訳にもいかない。
自分が大切にしていた秘密基地が取り壊されてしまったのを目の当たりにしたように。
来るべき時が来るだけの事なんだ。そう思いながら、玄関の扉に鍵をかけ、出勤した。

「おはようございます、那科くん」
「おはようございます、長瀬さん。今度の週末楽しみにしてますよ」
にこやかに長瀬さんに挨拶をすると、仕事にかかるのだった。
そう、自分は社会人であり大人なのだから。

―今晩、長瀬さんと居酒屋で食事を済ませて別れた後、まるで自分を貫く様な視線の様なものを自分は感じた。

(つづく)

958 :名無しさん@狐板:2025/05/18(日) 23:41:42 ID:xnIUuXCA
おつー
嘘付いたね⋯

959 :名無しさん@狐板:2025/05/19(月) 23:48:15 ID:+zSOeuR4
おつ
続きも嬉しみ

960 :名無しさん@狐板:2025/05/19(月) 23:49:34 ID:HUr+hbYy


961 :砂場のお城と王女様達(中編):2025/05/21(水) 01:49:05 ID:Anvw6F9e
「な…何ですか、これは…?」
ほろ酔い状態の長瀬さんがつぶやいたその言葉とまるきり同じ事を、自分は思った。
扉を開けた玄関の先には、口紅のついた自分のワイシャツ、強い香水の香り漂う女物の服、
そして派手な柄のブラジャーとパンティーがこれ見よがしに脱ぎ捨ててあった。
目を疑った。そして思い至った。こんな事ができるのは、合鍵を持っているあの子達しかいない、と…。
「信じられません、こんな爛れた生活をしてる女性が那科くんにいたなんて…」
「な、長瀬さん、これは…違うんです!」
「貴方も結局不純な事を考えている男の人達と変わらなかったんですね。…さよなら、那科さん」
軽蔑しきった冷ややかな声でそう告げると、背を向けて玄関から去っていった。
「待って下さい!」
呆然とした後に彼女を追うも、どんどん遠ざかる彼女の背中。一度も振り返る事のなかったその光景に、
ただ終わった、と追いかける気力すら失わせていた。

呆然としながらフラフラと玄関の中へと入っていく。
その視線の先には、激しく自分を睨みつける詠香が仁王立ちしていた。
「嘘つき」
声が震えていた。憎悪のこもった瞳で自分を詠香は睨んでいた。
「女じゃないって言ったじゃない!あいつの為に私達を追い出すような事したの!?」
次々と自分を責め立てる罵声を浴びせる詠香。もう、全てを察した。
詠香達は自分を怪しんで、長瀬さんと会っている姿を見ていたのだ。
そして、彼女をきっかけにいつかこの家から追い出される事を察して…こんな事をしたのだ。
自分達が造り上げた砂場のお城を守る為に。
「…何でだ?いくら何でもこんな事をする必要はなかったじゃないか!
 君達にとって大切な家だってのはわかる!でもここは僕の家じゃないか!」
この子達はこの家が自分の好意、気まぐれで住まわせてもらっている事はわかっているはずだ。
思ったよりは大人だと思っていたが、やっぱり好意を忘れたわがままな子供だったという事なのか。
裏切られたような、失望したような気持ちに打ちひしがれる中、思わぬ言葉が彼の耳に届いた。
「僕の家…?」
自分が発したその言葉に、詠香は肩を震わせた。
「違うでしょ!ここは、私達3人の家じゃない!!」
「この…浮気者…!」
怒気と怨嗟と共に放たれたその言葉に自分は言葉を失った。
自分はただのおまけだと思っていた。だが、彼女らの『お城』には既に自分も含まれていたのだ。
自分は、思い違いをしていたのか?
そう衝撃を受け立ち尽くしていると、突然激痛が背後から全身を駆け巡った。
まるで電撃を流されたかのような痺れる感覚。意識を失うその直前に視界をかすめたのは、
スタンガンを手にして息を荒くする美衣子の姿だった…。

962 :名無しさん@狐板:2025/05/21(水) 01:50:41 ID:Anvw6F9e
体がまだビリビリする感覚を感じながら、ゆっくりと視界が明るくなっていく。
ベッドの上だった。体を起こそうとするが、動けない。手足に縄が縛られ、ベッドに固定されている。
こんな行為をした人間は彼女らしか考えられない。
そう、ゆっくりと視線を上に向けていくと、目の前には詠香と美衣子が立っていた。
―いったい何を考えているんだ!早くこの縄をほどくんだ!
…そう言いそうになった瞬間に、自分はふと思い至りうつむいた。
「―すまなかった」
あれこれ言い訳するのも、立場をふりかざすのもやめようと思ったのだ。
彼女らの事を軽んじていた。たとえこの共に過ごす生活が社会的に好ましくないいずれ解消すべきものであるとしても、
彼女らとしっかりと話し合ってからにすべきだったのだ。
それを怠った。何より、詠香も美衣子も自分に対し想像以上の感情を抱いていた事に気付けなかったのだから。
「言い返せないよ。君達の事を軽く考えてた」
その負い目が何を言われても仕方がないと、思わせた。
「な…何よ!そんな風に言われたら…言いたかったことも…言いにくくなっちゃうじゃない!」
怒りと困惑の色が混じった声で、詠香は睨みながら声を上げた。

詠香の父は彼女が物心つく前に浮気が原因で離婚していた。
浮気は悪い事だ、悪いのは父の方だ。母にそう言い聞かせられていたが、
父と一緒である思い出が全くなかった彼女にとって、父という存在に対し幻想や憧れも抱いていた。
彼―那科孤太郎という大人の男性と生活の場を共にするという事は、その想いを反映させるのも不自然な事ではなかった。
詠香は彼に対して父の姿を見ていた。浮気して家族を蔑ろにする父親を問い詰める娘のような心境だった。
そして、那科自身も、その事に気付いた。この謝罪は、正しい選択だったと言える。
―そう、詠香に対しては…。

「わかってくれたんですね」

幼い少女とは思えない笑顔を張り付けて、美衣子は静かにつぶやいた。
その視線に宿った瞳の光に、彼は得体の知れない何かを感じた。
思わず後ずさりしそうになるが、拘束された手足はそれを許さなかった。
ゆっくりと歩み寄る美衣子。

963 :名無しさん@狐板:2025/05/21(水) 01:51:55 ID:Anvw6F9e
似た者同士ではあるが、美衣子の家庭状況は詠香とは異なる。
父親は仕事にかまけ遠方に単身赴任、それ故の距離から妻や娘と疎遠になり関りもしようとしなくなった。
そんな夫に対し、母は無関心で特に何もしようとはしなかった。非干渉なら幸いと自分の時間にかまけるばかり。
そんな両親を目の当たりにしていた美衣子は、結婚していようと子がいようと、
お互いが関係を維持しようとしなければ夫婦関係も家庭も崩れ去ると、そう認識するようになっていた。

感情的で思った事を正直に言う詠香。それに対し、美衣子は控えめで一歩引いた位置にいて強い自己主張をしない。
―しかし、詠香の行動した後に過激な行動を取るのは常に美衣子だった。
週末に家を空けて欲しいという発言を怪しんで後をつけたのも美衣子であり、
女物の服や下着を用意して長瀬を幻滅させようと発案したのも美衣子であり…

「痛い思いをさせてごめんなさい。でも、こうするしかなかったんです。
 きっと、話を聞いてくれないと思ったから…」

詠香の意図とは別に独断で那科を気絶させ拘束したのも…彼女だった。
悪い事をしたという自覚はあれど、仕方のない事だと割り切れている事を那科は感じ取り震えた。

「私からも謝らなくちゃいけない事があります。私―最初、貴方の事は邪魔だとか思ってたりしてたんです。
 詠香ちゃんと一緒の場所がなくなっちゃう、大人なんてみんな身勝手で信用できないって思ってました」
「…美衣子ちゃん…?」
「でも貴方と一緒に過ごすようになってから、詠香ちゃんはすごく楽しそうでした。まるで本当の家庭が手に入ったみたいな気持ちでした。初めての信用できる大人で、初めて一緒にいたいって思える男の人だったんです」

見た事もない雰囲気で言葉を続ける親友の姿に困惑する詠香。その口調には懺悔しているようで、どこか恍惚を思わせるようなものが滲み出ていた。

「孤太郎さん」

自分の名前を呟く美衣子の声にゾクリとする那科。

「孤太郎さんは、お嫁さんが欲しかったんですね…?」

幼い女の子とは思えない蠱惑的な表情を浮かべた美衣子は自分の衣服に手をかけた。
はらり、と音もなく衣服は床に落ちた。

(つづく)

964 :名無しさん@狐板:2025/05/22(木) 02:55:21 ID:5wxhVl4m
乙!

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