【R-18風安価】　運命への反逆者たち〜シーズン４〜　巳の巻　【Fate/EXTRA×サガシリーズ×その他】

1955 ：名無しさん＠狐板：2025/08/15(金) 21:21:21 ID:bGipOU2j

クッソ長くなってしまったのを許してほしい。なんか思いついちゃったもんで……


【1D100:99】
事情は理解しました。同じ神を奉じ、また復讐を希った同類として、その先達へ幕引きを齎すことに否やはありません


その上でちょっと、件の遺物について詳しい仕組みやら構造やらを確認しておきたいのですが。いや、ふと思いついたことがありまして
彼女の問題って主に「遺物化の影響により現在進行形で魂が歪んでいってること」と、それに端を発する「行き過ぎた忌死衝動・生存本能」の二点ですよね
つまりどうにかこうにかして遺物との繋がりを物理的・儀式的に断ち切った上で、歪んだ精神をどうにかこうにかして矯正・安定化させることができれば……
少なくとも、「終わらせてやるのが救い」なんていう現状からは脱却できるのではないかなー？ と

先程例に挙がったアリスもまた、上位存在より呪わしき遺物を与えられ実際に一度は魔性へと堕ちかけました。けれどあの子はそこから立ち直り、今も人の子として生きています
彼女の場合直前まで強固な理性で使用を最小限に留めていたこと、そして女神ルビスの介入という特殊事例あってのことではありますが……前例はある、という事実は変わらない
既にどっぷり影響を受けてしまっている魔女相手に、しかも超越存在抜きでとなると果てしなく難易度は高くなるはず。完全な元通り、というのは流石に高望みでしょうね
ですが、彼女の原点を、"古手梨花"を取り戻させることならば、あるいは可能かもしれません。一応、思いつきレベルでよければそのロードマップは今ざっと組んでみました

歪んだ魂の鎮静化、言い換えれば暴走した精神のケア。人の心の問題となれば、その専門家への伝手が私にはあります
たとえば古明地さとり、たとえば桜庭音操。あるいはこのリージョンにもまた、まだ見ぬ精神干渉の使い手がいる可能性だってあるかもしれません（※）
彼ら彼女らの手を借りて魔女の精神状態を診断ならぬ心断し、混ざり合った遺物の中から"古手梨花"の魂をサルベージした上で早急に鎮める必要性のある部分をまず安定化させる
あとは長期的なセラピーなりメンタルケアなりを施していく形にすれば、心身への負担もある程度は抑えられるでしょう。アレに対する復讐心も、私が受け継いで背負えばいい

魂を引っ張り上げる方策も、アテがないわけではありません。現在まさに魔女が利用しようとしている聖櫃（アーク）、アレを使って"古手梨花"の魂を現世に固着させちゃいましょう
今のままではシャンバラコロニーの人々を生贄にしてしまう以上、その点は改変させなければなりませんが……ちょうど巷では魔剣聖杯戦争なるものが催されていましたよね
元来の聖杯戦争は召喚した英霊を杯にくべることで奇跡を起こす術式と聞きます。なら無数の無辜の民草の魂より、実際の「参加者」だった魔剣達を中身だけ抜いて捧げてしまえばいい
その方が「見立ての儀式」としての精度は高められるんじゃないですか？ 奇跡の魔女、彼女もまた魔剣聖杯戦争の黒幕、胴元の一人。つまりシステムの改変にはうってつけの人材です

もちろん、実情がどうであれ彼女がこの地で危険な儀式を行おうとしていたこともまた事実。無罪放免はありえない、最低でも公的な魔女の討滅は絶対でしょう
ただその上で、誰の目も届かないどこかで密かに穏やかな余生を過ごさせるか。あるいは彼女の持つ知識や能力を用いてシャンバラの未来のために尽力することで償いとさせるか
その辺りの落としどころを見つけることができれば、あとは我々が実際に事を成し遂げるだけでいい。……その落としどころについては頭脳班の皆様に泣きついて相談必須でしょうけど
この件については銀槍の助命嘆願を成立させた時の経験を何とか応用できないかな？ とは考えています。前提条件が違う以上、どこまで流用できるかは読み切れませんが

まぁこんだけ案を練っても魔女やそのお付きがこの方策を蹴ったらそれまで、ではあるのですけど。それならそれでその時はこちらも迷いなく引導を渡してやればいいでしょう
ただ、今の彼女は八虐無道、何を差し置いても自分が生き延びる事に良くも悪くも全力を尽くそうとするのでしょう？ なら、今の儀式に固執すれば確実に聖槍ブチ込まれ滅びるとなったら
たとえどんなに胡散臭かろうとも、降って湧いてきた私からの譲歩、生存の可能性に「魔女」は飛びつかざるを得ない。そう考えることもできるのではないでしょうか？
何より――――限りなく不可能に近い無理難題であろうとも、それが０ではない１％であるのなら。彼女が求め願ってくれるならば、それは叶えられるのでしょう？ 貴方が引き出した奇蹟で

たしかに、"古手梨花"を取り戻すことが彼女にとって救いとなるかはわかりません。己の道程を顧みて、罪悪感に焼かれユウキのように苦悩するかもしれません
正直私が魔女に肩入れする理由なんて今の今まで皆無でしたし、その上で周りを説得するための労力や難易度もある。プランにしたってガバガバの極みです
貴方と彼女の縁や約束のことを鑑みれば、「終わらせてやる」のがベターなのは間違いない。それは自分でも道理だと思います

だけど……どんな理由かは知らずとも、その意志を背負って戦い抜いて、私を倒し宿六にすら食い下がるほどの「魂」を魅せた人達がいる
何より、彼女が見喪ったものを取り戻すことで、自分が破滅への一歩を踏み出させたと後ろめたさを感じる誰かの肩の荷を少しでも軽くしてあげられるのなら
それは私が可能性をかき集めるだけの理由にはなると思うんですよ。先輩への手向けとして、神様への恩返しとして、ね

――――ということでどうでしょう、オーディン様
彼女や貴方が賭けるに足る１％、私は用意できているでしょうか？


（※）出典元では対人精神干渉能力者なみさきちなど。今作においてもそうであるかはわかりませんが